TOPIC No.4-37 半導体メモリ

01. 半導体メモリ byウィキペディア(Wikipedia)
02. 半導体メモリ
03. 小型半導体メモリ対決 by DVD Access
04. サムスン電子 byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
05. ニッポンに圧勝したサムスンのグローバル戦略 モノづくり最前線レポート(5)  〜富士通PLM実践フォーラム2008レポート〜 by@IT MONOist

エルピーダ、台湾勢と資本提携交渉へ サムスンに対抗

2010/12/26 中国新聞ニュ−ス

 半導体大手のエルピーダメモリが、台湾の半導体メーカー、パワーチップなど数社と経営統合や資本提携を視野に入れた協力関係強化の交渉を本格化させることが25日、明らかになった。エルピーダの坂本幸雄さかもと・ゆきお社長が来年1月に台湾に出向き、交渉を進める。「日台連合」によって経営規模を拡大し、競争相手の韓国・サムスン電子に対抗する。

 DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)で世界3位のエルピーダは、日台連合が実現すれば、2位の韓国・ハイニックス半導体とほぼ並び、シェアが約2割に達する。約4割を占めるサムスンを追い上げたい意向だ。

 エルピーダの主力のDRAM市場は過当競争が激しく、関係強化による規模拡大が大きな課題となっている。

 今回の交渉は、パワーチップやプロモスなど数社と進める。エルピーダは現在も両社など台湾メーカーにパソコン向けDRAMなどの生産を委託しているが、両社に出資する案や、台湾に持ち株会社を設立し両社とエルピーダの台湾子会社を含めて経営統合する案などが浮上している。

 エルピーダは生産コストを下げるため、価格の下落傾向が目立つパソコン向けのDRAMの生産を台湾で行い、広島工場(東広島市)では多機能携帯電話(スマートフォン)向けDRAMなど高付加価値の製品を集中的に生産する方針。2010年度内をめどに台湾証券取引所に上場し、調達した資金で台湾での事業拡大を目指す。

 エルピーダは08年のリーマン・ショック後の需要縮小による経営悪化を背景に、パワーチップなど台湾勢と提携交渉を進めたが、まとまらなかった経緯がある。台湾の半導体業界はメーカーが乱立しており、再編の必要性が指摘されていた。

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サムスン電子、東芝のシステムLSIを受託生産

2010/12/25 08:02  朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 金真(キム・ジン)記者
サムスン電子 | 東芝 サムスン電子は24日までに、競合社の東芝が設計した非メモリー半導体(システムLSI)の受託生産を行う契約を結んだ。サムスン電子関係者が明らかにした。

 東芝はインテル、サムスン電子に続く世界3位の半導体メーカーで、携帯電話などのモバイル機器に使われるNAND型フラッシュメモリーではサムスン電子に次ぐ世界2位。東芝は主力のフラッシュメモリー事業に集中投資するため、非メモリー分野で生産を外部に委託したとされる。サムスン電子が今回受注したシステムLSIは携帯電話やテレビなどの「頭脳」の役割を果たす半導体だ。

 サムスン電子は現在、半導体の受託生産事業(ファウンドリー事業)を新たな成長分野と位置づけ、育成を進めている。今回の契約は、非メモリー分野の強化を目指すサムスン電子と非メモリー分野事業のリストラを進め、メモリー分野の強化を図りたい東芝の思惑が一致した結果と受け止められている。

東芝、ソニーに半導体工場売却 PS3向けセル生産から撤退

2010.12.24 05:00 SankeiBiz

  東芝が、高性能の半導体「セル」を生産する長崎県の工場をソニーに売却する方向で調整していることが23日、分かった。売却額は数百億円規模に上る見通し。セルはソニーの家庭用ゲーム機「プレイステーション3(PS3)」や東芝の高級テレビ「セルレグザ」に搭載されている中核の半導体だが、用途の広がりがみられず、東芝はセル生産から撤退する。一方、ソニーは工場の生産設備の一部を、スマートフォン(高機能携帯電話)用途などで需要が急増しているデジタルカメラの画像センサー用に切り替え、大幅な増産に乗り出す方針だ。

  セルは、東芝とソニー、米IBMが共同開発した高性能のCPU(中央演算処理装置)。東芝は、2008年にセルの製造設備をソニーから約900億円で買収したが、不採算部門のLSI事業の構造改革を進めており、再びソニーに売却する方針を固めた。セルレグザ向けなどのセルは今後、ソニーなどから調達するとみられる。

  一方、ソニーは、スマートフォンの人気で搭載カメラの画像センサー需要が拡大しているため、今年秋から生産能力の増強を進めていた。さらに、PS3の販売が世界的に伸びていることもあり、新工場建設よりコストを安く抑えられる同工場の買い戻しを決めた。画像センサー向けのラインも今後拡充する。

東芝が先端LSI生産をサムスン電子などに委託、ソニーには設備売却へ

2010年12月24日 23:12 JST RUETERS

 [東京/ソウル 24日 ロイター] 東芝(6502.T: 株価, ニュース, レポート)は24日、半導体のシステムLSI(大規模集積回路)事業を再編すると発表した。2011年度からシステムLSIの最先端品の製造を、韓国のサムスン電子(005930.KS: 株価, 企業情報, レポート)などに委託する。

 また同日、ソニー(6758.T: 株価, ニュース, レポート)とは、長崎県に保有する半導体の生産設備を売却することで基本合意した。10年度内の正式契約、11年度初めの譲渡を目指す。

 東芝は11年1月1日付で、システムLSI事業の構造改革として、先端システム・オン・チップ(SoC)を中心とする「ロジックLSI事業部」と汎用品の「アナログ・イメージングIC事業部」の2つの事業部に再編する。

 ロジックLSI事業部では、11年度から40ナノ(ナノ=10億分の1)メートル製品など先端製品の製造を外部に委託する。半導体回路の微細化によって半導体の製造工場を建設するには数千億円規模の設備投資が必要になっている。東芝は設計だけを手掛け、システムLSIの投資競争から撤退することにした。

 サムスン電子は同日、東芝とシステムLSIの生産受託について基本合意したと発表。一方の東芝は複数社への生産委託を検討しているとし、「サムスンは選択肢のひとつ」(広報)とした。台湾の積体電路製造(TSMC)(2330.TW: 株価, 企業情報, レポート)も選択肢に入っているとみられる。

 アナログ・イメージングIC事業部では、アナログICやCMOSイメージセンサーなど画像ICに注力する。生産は大分工場の300ミリウェハーラインなど既存の生産ラインを活用し、汎用性の高い製品の製造に注力する。

 <ソニーに設備売却でセル生産から撤退>

 また東芝は同日、システムLSIの構造改革の一環として、長崎県に保有する半導体の生産設備をソニーに売却することで基本合意した。ソニーの据置型ゲーム機「プレイステーション3」に搭載する高性能半導体「セル」を生産している設備で、東芝はセル生産から撤退する。売却額は10年度内の正式合意までに詰める。

 この生産設備は長崎県のソニー工場の敷地にある東芝の設備で、08年にソニーから約900億円で買収した。ソニーは、東芝から生産設備を買い戻すことになる。ソニーは300ミリウェハーラインを含む生産設備を東芝から買い戻し、需要の拡大するCMOSイメージセンサーの生産に転用する方針。(ロイター日本語ニュース 村井 令二)

NIMSら、演算素子と記憶素子の両方の動作を可能とする低消費電力素子を開発

2010/12/24 マイコミジャ−ナル

 物質・材料研究機構(NIMS)、大阪大学ならびに東京大学らの研究グループは12月24日、従来の100万分の1の消費電力で、演算も記憶も行うことが可能な新しいトランジスタ「アトムトランジスタ」の開発に成功したことを発表した。

 研究グループでは、以前から原子の移動を制御したデバイス「原子スイッチ」の研究開発を進めていたが、この研究過程において少ない原子の移動によりオン/オフ動作を実現できることを発見。絶縁体中を少ない原子を移動させることで消費電力を低減することが可能となり、原子として金属を用いれば、演算素子に要求される高いオン/オフ比も実現できるというアイディアを考案。同アイディアを実現すべく研究を進め、今回、電圧の大きさによって、演算素子に要求される揮発性動作と記憶素子に要求される不揮発性動作を1つの素子で選択的に実現できることを解明した。

 今回開発されたアトムトランジスタは、用いる電圧領域によって、1つのアトムトランジスタでオンオフを繰り返すことが可能であり、演算素子としても、状態を保持する記憶素子としても動作できる。演算素子動作と記憶素子動作の電圧比は、およそ1:2となっている。

 また、記憶素子動作時の消費電力は従来素子の100万分の1を実現。演算素子動作時の消費電力も、半導体トランジスタの100分の1に低減させることが可能となったほか、記憶素子動作時のオン/オフ比が8桁と従来素子の1桁と比べて大きく、演算素子動作時のオン/オフ比も、半導体トランジスタと同等の6桁を実現している。

 さらに、構造が簡単であり、現在の半導体素子製造と互換性のある材料、ならびにプロセスで作製可能という製造面でのメリットもあるという。

 なお、アトムトランジスタの開発においては、絶縁体中における金属原子の濃度が臨界点を超えると、絶縁体から金属状態に変化するという発見のほか、金属状態には、電圧オフで絶縁体に戻る揮発的な状態と、電圧をオフにしても金属状態を保持する不揮発的な状態の2種類があるということ、揮発的な状態は、金属原子が均一に分布している状態であり、不揮発的な状態は、原子がナノスケールの塊を形成している状態であるということ、およびゲート電圧によって、電流経路となるソース・ドレイン電極近傍でのみこれらの現象を実現できるということの発見に基づいて行われた。

 不揮発ロジック回路では、演算結果に応じて回路の再構成が実行される必要があるが、アトムトランジスタでは、演算素子動作と記憶素子動作の電圧比が約1:2と明確な動作切り分けが可能であり、誤動作を起こす心配は低いという。また、高いオン/オフ比を示すことから演算回路の中枢の変更にも対応できるため、より柔軟で高度なコンピュータ回路の構築が可能になると研究グループでは説明しており、単一の小規模回路で複数の機能を実行することが可能になり、たとえば、腕時計のサイズで、PCや携帯電話などの日常生活に必要な機能のすべてを実現できる可能性もあるとしている。

 なお、元々研究グループでは、原子の移動を制御する素子として、2端子型の「原子スイッチ」の研究を進めてきており、企業などとの共同研究の結果、"原子スイッチ"は技術的にはすで実用化の域にあり、今回試作されたアトムトランジスタも、1万回の連続動作などにすでに成功しており、"原子スイッチ"同様、早期の実用化を目指して、企業などとの連携を含めた研究開発を進めていくとしている。

三洋電機、半導体2工場を閉鎖へ 群馬と岐阜、従業員は配置転換

2010年09月18日 中国新聞ニュ−ス

 三洋電機が2012年をめどに群馬県と岐阜県にある半導体工場を閉鎖する方針を固めたことが18日、分かった。両工場の計約千人の従業員は、生産を集約する新潟県の工場に移るか、太陽電池など成長分野に配置転換する。三洋は半導体事業の米国企業への売却を決めており、生産拠点の再編により、効率化の道筋をつけた上で売却する狙いがある。

 閉鎖するのは、携帯電話やテレビ向けのトランジスタなどを生産する群馬県大泉町の工場と岐阜県安八町の工場。群馬に約700人、岐阜に約300人いる工場の従業員は、大半が新潟県小千谷市の半導体工場に転勤するとみられる。

 太陽電池やリチウムイオン電池事業などへの配置転換もするほか、営業など製造部門以外の約300人も三洋の他部門に移し、パナソニックグループとして成長分野の競争力向上を図る方針。生産面では製品供給に支障が出ないよう、新潟県に両工場から生産設備を移すなどして対応する。

サムスン電子会長、来年の半導体市場を悲観

2010.09.18 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版/キム・ヒョンジン記者

 李健煕(イ・ゴンヒ)サムスン電子会長は17日、日本に向け出国する前に金浦空港で記者団に対し、来年の半導体、液晶パネルの景気に悲観的な見通しを示した。

 李会長は来年の半導体、液晶パネル産業の景気見通しを尋ねる質問に対し、「確実なことは分からないが、わたしもやや心配している」と述べた。また、「サムスン(の業績)も苦しくなる可能性はあるのか」と問われたのに対し、「そうなる可能性もあるのではないか」と答えた。

 李会長は、20日に早稲田大学で名誉博士号の授与を受けるため、17日午前に夫人とともに日本に向かった。

 李会長は、中小企業との共存経営を目的に今月末に開かれる予定のサムスン電子共存ワークショップについて、「社長団が出席することになる」との見通しを示した。李会長は「(中小企業との共存経営は)過去30年間やってきたことだけに、社長団もよく理解している。ただ、部長、課長、代理クラスは肌で感じていないようだ」と話した。

2010年の世界半導体設備投資は500億米ドルを回復、2012年は600億米ドル弱へ、Gartnerが予測

2010年09月17日 nikkei BP

 米Gartner, Inc.が、2014年までの世界半導体設備投資額などの予測を発表した。半導体設備投資額は、2010年に対前年比+95.9%と大幅に増加し、507億米ドルに達すると予測している。このうち、半導体製造装置への支出額は同+122.1%の369億米ドルとした。

栗田工業、中国の液晶・半導体4工場から水処理装置を相次ぎ受注

2010年09月16日 日刊工業新聞

 栗田工業は中国の液晶パネル3工場、半導体1工場から水処理装置を相次いで受注した。いずれも超純水供給装置と排水リサイクル装置を含めた大型案件。4工場はいずれも日本最大の液晶パネル工場に匹敵する日量4万トン規模の水を使用する。液晶パネルのうち2工場は第8世代と呼ばれる大型ガラス基板を使う最先端工場。同社が中国でエレクトロニクス分野の大規模工場に水処理装置を納入するのは初めて。今回の大型受注を足がかりに、海外事業の拡大につなげる。

 栗田工業が受注したのは北京市、合肥市、南京市で計画中の液晶パネル工場と、上海市のシステムLSI工場の水処理装置。中国で公開されている情報などから、北京と合肥は北京京東方顕示技術、南京は南京中電熊猫液晶顕示科技の液晶パネル工場が栗田工業の納入先で、上海では上海華力微電子のLSI工場から受注したもようだ。

 4工場は2010年度末から11年度初めに稼働する。

<中華経済>米インテルの大連半導体工場が10月稼働、従業員4000人確保―中国

2010-09-16 Record china

 2010年9月15日までに、米インテルは、大連半導体工場(Fab 68)を10月に本格稼働すると発表した。同工場への投資額は25億ドル。同社にとってアジア初の半導体工場で、300ミリウェハ対応工場としては世界8カ所目の工場となる。複数の中国メディアが伝えた。

 インテルによると、新工場は65ナノメートルプロセスと、世界で主流になっている300ミリウェハ技術を採用。コンピューター内でプロセッサ間のデータ受け渡しを行うチップセットを生産する。

 インテルは2007年3月に同工場の建設に着手。現時点で4000人の従業員を確保するとともに、部品サプライヤー約30社を工場周辺に誘致。大連の現地企業60社ともサプライヤー契約を結んだ。(翻訳・編集/東亜通信)

半導体メモリー製造コストが約4年ぶり上昇−米アイサプライ調査

2010/09/15 Bloomberg.co.jp

 9月15日(ブルームバーグ):半導体メモリーの製造コストが約4年ぶりに上昇した。DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)メーカー世界3位のエルピーダメモリと同5位の台湾の南亜科技による費用増加が響いた。米調査会社アイサプライが明らかにした。

 アイサプライの14日のリポートによると、1ギガバイト当たりのDRAM平均製造コストは4−6月(第2四半期)に2.03ドルと、1−3月(第1四半期)の2.00ドルから上昇した。コスト上昇は2006年7−9月(第3四半期)以来。

 同リポートは、南亜科技のコストが新たな生産プロセス導入の問題に伴い4%上昇したほか、エルピーダも生産の外部委託により費用が11%増えたとしている。

アバールデータ(6918)は急反発 半導体製造装置関連の受託製品伸長で11年3月期利益予想を増額

2010年09月15日 NSJショートライブ 毎日新聞

 11年3月期の連結業績予想について、営業利益を3億8,000万円→5億8,500万円(前期は1億8,300万円の赤字)、当期純利益を3億5,000万円→4億4,000万円(前期比9.8倍)へと上方修正したことが好感され、急反発している。 

 昨年度末から大手半導体メーカーの設備投資が再開され、半導体関連市況は大幅に回復。これによって前期第3四半期から主要品目である半導体製造装置関連受託製品の受注は改善傾向となり、想定以上に受注が増加。今期第2四半期以降には産業機器と各種検査機器全般で受注が回復し、自社製品が堅調に推移。

 半導体製造装置関連受託製品の売上高増加に伴って生産稼働率が向上、付加価値の高い自社製品売上高の増加で売上総利益も改善されるために、従来予想を上回る見通しになったという。 

 1株当たりの年間配当を15円→18円(前期実績は8円)へと引き上げると発表、株主還元姿勢も評価されている。   

 ジャスダックのアバールデータ(6918)の株価は13時36分現在、25円高の545円。

韓国、装置の国産比率向上に邁進

2010年09月15日 産業タイムズ社

 半導体装置採用率は20%台
 産学官共働を加速、政策の継続も重要

 「主要装置の国産化率向上なしに、真の半導体・ディスプレー強国とは言えない」、「対日貿易赤字(2009年で約278億米ドル)は毎年膨らむばかりで、大半は半導体製造用などの先端装置を日本からの輸入に依存している」と訴える、韓国知識経済部の次官級官吏。10年に入って、韓国製装置の採用率が全体の70%に達するLCD産業とは対照的に、20%にとどまっている半導体装置分野の国産化が急ピッチで進んでいる。その現状と課題を追う。

■「韓国半導体装置2050」プロジェクト

 韓国が半導体装置国産化率の向上を目指して十数年、いまだ期待した成果は見出していないのが現状だ。前工程などの最先端主要装置を短期間に世界に売り出すのは、そう簡単ではない。韓国経済は過去40年間、成長戦略を推進してきたが、コア技術の開発を軽視してきた経緯がある。しかし、リーマンショックをいち早く克服した自信が、こうした難題にも積極的に取り組む姿勢に表れている。

 韓国知識経済部(経済産業省)をはじめ、半導体研究組合、半導体製造装置メーカーは共同で、「韓国半導体装置2050」プロジェクトを通じて、7種類の半導体主要装置を12年までに開発する方針を大々的に打ち出している。12年までに総額880億ウォン(1円は13ウォン換算で約68億円)が投入されるこのプロジェクトは、10年から第2段階がスタートし、2〜3年以内に300mm・40nm級微細プロセスにおいて、エッチング、洗浄、蒸着、平坦化、後工程ウエハー加工装置などの国産化を目指すものだ。

半導体素材、日本を越えろ

2010.09.15  中央日報/Joins.com

 才気と金儲けは別の問題だ。 半導体産業に関する限り、韓国と日本がこうした格好だ。 韓国が作った半導体は世界市場を主導し、輸出に貢献しているが、半導体を作るための核心素材は日本への依存度が大きいからだ。

 韓国産業技術評価管理院によると、半導体用の基板と基板素材の国産化率はそれぞれ56%、25%にとどまっている。 このため半導体用印刷配線回路基板(PCB)分野の対日貿易赤字は08年、6億1300万ドルを記録した。 部品素材分野全体の2.9%を占める。 またメモリー半導体を作る際に回路を印刷するためシリコンウエハーにかぶせる感光性膜のArFフォトレジストも、80%を輸入に依存している。

 部品と素材の技術が不足し、生産基盤が脆弱であるため、「完成品を輸出しても他人が喜ぶ」という声が出てくる。 業界もこうした状況を反転させるために努力しているが、政府も集中的に支援して核心部品素材の国産化を推進することにした。 半導体素材分野の技術開発に今後3年間で220億ウォン(約16億円)が支援される。

 これを受け、錦湖(キムホ)石油化学、三星(サムスン)電子、ハイニックスなどの企業を中心に、現在、最上位の80−90%台にとどまっている技術レベルを高めようという努力が行われている。

 韓国産業技術評価管理院は、国内技術の潜在力を考慮すると最上位水準に達するまで今後1−2年ほどかかる、と予想している。

米半導体大手がさえない業績見通し、景気への懸念高まる

2010年09月10日 REUTERS

[サンフランシスコ/ニューヨーク 9日 ロイター] 米半導体大手のナショナル・セミコンダクター(NSM.N: 株価, 企業情報, レポート)とテキサス・インスツルメンツ(TI)(TXN.N: 株価, 企業情報, レポート)は9日、さえない業績見通しを示した。これを受け、景気低迷をめぐる懸念が高まった。

 両社はいずれも、パソコン(PC)や、マイクロチップを搭載する他のデバイスの需要の弱さに言及し、ナショナル・セミコンは、消費者が予想ほど支出していないと指摘した。

 ナショナル・セミコンのドナルド・マクラウド最高経営責任者(CEO)は、ロイターに対し「誰もが消費支出は上向きに前進していると信じたいだろうが、わたしは消費支出がそうなっているとは思わない」と語った。

 同社は、第2・四半期(9―11月期)の売上高について、供給先企業の在庫調整により、6―8月期と比べて最大5%減少する可能性があるとの見通しを示した。

 ナショナル・セミコン株は、同社の見通しを受けて5.7%急落した。

 8月にはインテル(INTC.O: 株価, 企業情報, レポート)も、予想より弱いPC需要が売上高の伸びを圧迫すると警告していた。

 チャーター・エクイティ・リサーチのアナリスト、エド・スナイダー氏は「インテルとナショナル・セミコン、TIの報告を見れば何が起こっているか分かる。需要はピークを打ち、低下に向かっている」と指摘した。

 TIは第3・四半期(7―9月期)の業績予想のレンジを狭めたが、中央値は据え置き、市場予想と一致する水準を維持したものの、一部の投資家は見通しの引き上げを予想していたため、株価は1.4%下落した。

 TIの投資家向け広報(IR)責任者、ロン・スレイメーカー氏は、今四半期はPCや関連ストレージ商品の需要低下に加えてテレビ販売も予想を下回っているようだと指摘した。

 ナショナル・セミコンが9日発表した6―8月期決算は、純利益が8900万ドル(1株当たり0.36ドル)となり、前年同期の3000万ドルから増加した。トムソン・ロイター・エスティメーツがまとめたアナリストの予想平均である1株当たり0.34ドルをやや上回った。

 売上高は4億1200万ドルで、市場予想の4億1500万ドルをわずかに下回った。

 TIの業績見通しの中央値は1株利益が0.69ドル、売上高が37億ドルで、トムソン・ロイター・エスティメーツがまとめたアナリストの予想平均である1株利益0.69ドル、売上高36億8900万ドルと一致した。

 TIは7月にも同様の中央値を見込んでいた。

凸版、22/20nmプロセス向けフォトマスクの製造プロセスを構築

2010/09/09 マイコミジャ−ナル

 凸版印刷は9月9日、同社朝霞フォトマスク工場内に、22nmおよび20nmプロセスに対応する半導体向けフォトマスク製造プロセスを構築したことを発表した。

 同プロセスは、IBMとの共同開発の成果により実現したもので、これにより凸版は、22nmおよび20nmプロセスの半導体を開発する半導体メーカー向けに、試作用および量産用のフォトマスクを供給する体制を整えたこととなる。

 同社は、IBMのウェハ技術チームとのコラボレーションにより、22/20nmプロセス世代でもArF液浸リソグラフィでの半導体製造を可能とするフォトマスク製造技術を開発しており、これは22nm以降の微細プロセスにArFを延命させることを目的としたダブルパターニングやSMO(Source Mask Optimization)などにも対応が可能。

 同研究チームは新たなフォトマスク材料として「薄膜OMOG(Opaque MoSi on Glass)」を開発。同材料を取り入れたフォトマスク製造プロセスの特長としては、フォトマスクの平坦度改善、プロセスに起因する位置精度変化の低減、洗浄耐久性の向上、微細パターンの解像性向上、寸法精度の均一性の向上、などが挙げられ、薄膜化したフォトマスクを用いることで、プロセスの微細化で問題となってきたフォトマスクの膜の厚さによる透過光への影響を軽減できるようになり、結果EMFバイアスの低減やウェハ工程での生産性の向上、マスクパターンデザインの制限緩和が可能になるという。

 なお、凸版では、薄膜OMOGを使用することで、フォトマスク自体の性能が向上するだけでなく、ウェハ転写時のメリットとの組み合わせ効果による、従来よりも優れたトータル・リソグラフィ・ソリューションが実現できるようになるとしている。

サムスン電子「低電力・高性能半導体で成長リード」

2010/09/07 YONHAP News

【ソウル7日聯合ニュース】サムスン電子は7日に台湾で「サムスン・モバイルソリューション・フォーラム」を開き、新たなモバイルソリューション戦略として「スマート・アンド・グリーンプラス」を公開した。

 この戦略は、低電力ながらも高性能を発揮する半導体製品で市場の成長をリードしていくというもの。昨年に提示した「スマート・アンド・グリーンモビリティ」をさらに発展させた。

 半導体事業部の権五鉉(クォン・オヒョン)社長はフォーラムで、高機能携帯電話(スマートフォン)やタブレット型パソコンなど革新的なモバイル環境が現実化するなか、高性能、低電力の半導体需要が大きく増加していると、戦略の樹立背景を説明した。

 同社は新戦略に基づき、昨年からサーバー会社と共同で進めてきた「グリーン・メモリー・キャンペーン」をことしはパソコンとモバイルの分野に拡大する。各国の省エネ努力やエコ政策の推進に合わせ、持続的なIT産業の成長を可能にする最適なメモリーソリューションを提示する考えだ。

 同社はまた、フォーラムで1ギガヘルツ(GHz)デュアルコア・モバイル・アプリケーション・プロセッサなど、新戦略に合わせたモバイル半導体新製品を公開した。

 サムスン・モバイルソリューション・フォーラムはモバイルの新たなトレンドや半導体新技術を議論し、共有する場で、ことしで7回目を迎える。サムスン電子社員のほか、中国のレノボや台湾のHTCなど、主要取引先関係者1000人余りが出席した。

「三星電子、来年30兆ウォン投資…今年より10兆ウォン増」

2010.09.06 中央日報/Joins.com

 三星(サムスン)電子が今年、過去最大規模の投資をしたのに続き、来年にも今年比10兆ウォン増の30兆ウォン(2兆3000億円)台の投資を検討している。

 三星電子の崔志成(チェ・ジソン)代表取締役社長(59)は3日(現地時間)、欧州最大の家電見本市「IFA2010」に出席し、記者懇談会で「来年はさらに大きな投資需要が生じる。まだ計画は明らかにできないが、30兆ウォン水準の投資を検討している」と述べた。

 同社の別の関係者は「半導体・LCD(液晶画面)・携帯電話など従来の事業を強化するのをはじめ、太陽光・バイオヘルス・次世代ディスプレーなど新たな産業の育成のために積極的な投資が必要だというのが最高経営陣の判断」と説明した。

 崔社長は「グローバル電子産業はモバイル・メディア・アプリケーションで3大ビッグバンが起きている」と述べ、▽伝統的なアナログメディアから新しいデジタルメディアへの転換▽モバイルライフスタイルの拡散▽多様なアプリケーションの開発・流通・消費−−を新たなトレンドとして提示した。

 続いて「三星電子は新しいITビッグバン時代、スマートテレビ、スマートモバイル、スマート家電技術でスマートな経験を提供するスマート創造者(Smart Creator)の役割をする」と話した。さらに歴史上の「先導企業のジレンマ」に触れながら、改革精神で武装すると誓った。

 崔社長は「三星電子は変曲点に来ている。真のグローバル革新企業になるためには成長痛を克服しなければならない」と述べた。

ソニー 熊本工場に400億円投資 「電子の目」生産力4割増

2010年09月02日 西日本新聞朝刊

 ソニーは1日、半導体製造子会社ソニーセミコンダクタ九州(福岡市)の熊本テクノロジーセンター(熊本県菊陽町)に2010−11年度に約400億円を追加投資すると発表した。人気の多機能携帯電話(スマートフォン)を含むカメラ付き携帯電話などに用いる高感度イメージセンサーの生産能力を4割増強する。

 イメージセンサーはレンズで集められた光(映像)を電気信号に変える半導体で「電子の目」。ソニーは半導体製造の一部外部委託などエレクトロニクス分野のリストラ策を進めているが、熊本センターで製造している高性能のイメージセンサーは、高画質が求められるスマートフォンのほかデジタル一眼カメラの需要が見込めると判断。

 これまでに約600億円を投じ年内に量産を始める第2工場に、さらに約400億円を投資して生産設備を増強し、11年7月以降、生産量を増やす。他のカメラメーカーにも販売する。

 生産能力増強に伴い、正社員を含む10人以上の雇用を予定している。

Intel、Infineonのワイヤレス半導体部門を買収へ

2010年08月31日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 半導体大手の Intel は8月30日、Infineon Technologies のワイヤレス半導体事業 Wireless Solutions (WLS) 部門を現金14億ドルで買収することで合意したと明らかにした。

 今回の買収は、モバイル分野における Intel の野心をはっきりと示すものといえる。

 「ワイヤレス ソリューションに対する世界的な需要は、依然として著しい割合で伸びている」と Intel の社長兼 CEO (最高経営責任者) Paul Otellini 氏は声明のなかで語った。

 Intel による Infineon の WLS 部門買収は、7月から噂が出ていた。Intel は今回の買収により、ワイヤレス チップセット分野の大手 QUALCOMM と直接競合することになる。Infineon は Siemens から分離独立した会社で、Apple や Nokia といったモバイル機器大手に部品を供給している。

 今回の買収は Intel にとって、各種ワイヤレス プラットフォーム向けのハードウェア製品を手っ取り早く拡充するものだ。同社によれば、Infineon の 2G および 3G ネットワーク製品が加わることで、既存の Wi-Fi および『WiMAX』技術の補完となり、さらには急成長中の 4G ネットワーク技術『Long-Term Evolution』(LTE) 分野への進出も見越したものだという。

 「Infineon の WLS 部門買収により、インターネット接続性という当社のコンピューティング戦略における2本目の柱を強化し、Wi-Fi や 3G から WiMAX、LTE までのワイヤレス技術における選択肢を網羅した製品提供が可能になる。処理能力とインターネット接続性を備えたデバイスが増えており、ノートパソコンやハンドヘルドなど、あらゆるコンピューティング分野における潜在的な成長機会を活かすべく、われわれは自社の足固めに全力で取り組んでいる」と Ottelini 氏は述べた。

半導体市場、過去最大の好況到来か

2010/05/04 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 白剛寧(ペク・ガンニョン)記者

 世界の半導体市場における主力製品DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)=DDR3、1ギガバイト=の価格は、昨年1月に0.94ドルまで下落したが、今年4月末には2.69ドルを付け、2倍以上急騰した。昨年末に1.65ドルまで下落したフラッシュメモリー(16ギガビット)の価格は4ドルを付けた。1−3月期に過去最高の売上高と営業利益を上げたハイニックス半導体の権五哲(クォン・オチョル)社長は3日、「押し寄せる注文の60%前後をやっと消化している状況だ」と語った。

 半導体価格がこのように急騰する中、スマートフォン(PDA〈携帯情報端末〉の機能が付いた携帯電話)、iPad(アイパッド)、グーグルテレビなど多くの半導体が使われるIT製品が続々と登場し、過去最大の半導体好況が訪れるとの期待感が高まっている。

■好況の背景

 半導体市場の好況は、2008年の金融危機以降、半導体メーカーが生産設備の拡充を中断したことによる供給不足が要因だ。昨年下期以降、世界的に景気が回復し、半導体に対する注文が増えている。特にマイクロソフト(MS)が昨年10月に発売した基本ソフト(OS)の「ウィンドウズ7」が人気を集め、パソコン需要が伸びている。

 ウィンドウズ7を搭載したパソコンには、DRAMが以前の製品の2−4倍使われる。ウィンドウズ7の市場シェアは急速に伸びている。韓国MSの張弘国(チャン・ホングク)常務は、「発売から5カ月でウィンドウズ7の世界シェアは10%を超えた」と述べた。ウィンドウズ・ビスタのシェアが10%を超えるまでには1年4カ月かかった。

 半導体景気がこれまでで最も好調だった2004年当時、けん引役はデジタルカメラとMP3付き携帯電話だった。人々がフィルムではなく半導体(フラッシュメモリー)に写真を保存し始めたのもそのころだ。

 今年はスマートフォンがけん引役を果たす。米アップルの人気携帯電話端末「iPhone(アイフォーン)」が人気を集めると、さまざまなスマートフォンの発売が相次いでいる。スマートフォンは普通の携帯電話端末よりもメモリーが多量に使われる。例えば、LG電子の一般の携帯電話端末には平均で0.7ギガバイトのメモリーが使われるが、同社が今月発売したスマートフォン(LG−LU2300)には5ギガバイトのメモリーが搭載されている。

■増産競争再び

 半導体を大量に使用するIT製品も続々登場している。アップルのタブレット型パソコン「iPad」には、フラッシュメモリーが最低16ギガバイト使われている。世界で初めてグーグルのOS「アンドロイド」を搭載したテレビを開発し、発売を控えているGPNCのパク・ヨンウム社長は、「グーグルテレビにはメモリーが一般のテレビよりも10倍使われる」と説明した。

 これまで投資を手控えていた半導体メーカーは、半導体価格の高騰を受け、再び増産競争に乗り出した。フラッシュメモリー分野では東芝が脅威となる。

 サムスン電子とフラッシュメモリーの業界首位を争う東芝は、1000億円を投じ、四日市工場に新規ラインを建設する計画だ。ハイニックス半導体に次ぐDRAM3位のエルピーダメモリも600億円を投資し、東広島工場で生産設備をアップグレードする。

 しかし、大規模投資では韓国がリードしている。今年2兆3000億ウォン(約1950億円)の投資を見込んでいたハイニックスの権五哲社長は、好況を受け、追加投資を検討していることを明らかにした。また、5兆5000億ウォン(約4650億円)の投資を予定していたサムスン電子も、今年7月までに追加投資規模を明らかにする計画だ。

 半導体の好況は当面続くとの見方が有力だ。世界的な金融危機で独キマンダ、米スパンションなどが経営破たんし、ライバル企業が減り、大多数のメーカーが多額の負債を抱えているだけに、生き残った大手メーカーには有利な局面が続きそうだ。

改革に自信 富士通、営業益倍増見込む

2010.05.01 SankeiBiz

 富士通が30日発表した2010年3月期連結決算は、最終利益が930億円(前年同期は1123億円の赤字)だった。ハードディスク駆動装置(HDD)事業の東芝への売却など事業構造改革を進めたことなどから、2年ぶりの黒字転換を達成した。11年3月期連結最終利益は、構造改革の効果が続くことから前年実績比2.1%増の950億円を見込んでいる。ただ、野副州旦・元社長が辞任の取り消しを求める問題を抱えるなど、経営をめぐる環境は不透明な状態だ。

 売上高は、前年同期比0.3%減の4兆6795億円で、営業利益は37.2%増の943億円だった。売り上げ減少はHDD事業の売却による事業規模の縮小や、企業の設備投資抑制によるサーバー事業の低迷が響いた。ただ、HDD事業売却や、収益悪化が深刻だった半導体事業で台湾メーカーと事業提携するなどの構造改革を進めたことに加え、工作機械大手のファナックの株式売却で896億円の特別利益を計上したことなどから、最終黒字化を達成した。

 11年3月期の業績予想は、売上高が2.6%増の4兆8000億円、営業損益が96.0%増の1850億円を見込む。企業のIT(情報技術)投資で大幅な回復が見込めない一方で、半導体事業の事業構造改革効果などから利益面で急回復を予想している。

 富士通の山本正己社長は同日の会見で「新たなビジネス分野にチャレンジし、成長を維持する」と述べ、ネットワーク経由でソフトウェアなどを提供するクラウドコンピューティング事業を強化する方針を示した。元社長の野副氏が辞任の取り消しを求めている問題については「本業にはまったく問題ない」との認識を示した。

半導体:増産へ連休返上 新興国でデジタル家電需要

2010年4月27日 毎日新聞 東京朝刊

 大手電機メーカー各社は大型連休中、国内の半導体工場をフル稼働させる。中国、インドなど新興国を中心に、薄型テレビやスマートフォン(多機能携帯電話)など電子機器の需要が高まっているため。景気低迷で大規模なリストラ、減産に追い込まれた昨年から一転、連休返上での増産態勢に入る。

 国内2強の1社、東芝は昨年、主力のフラッシュメモリーを生産する四日市工場(三重県四日市市)を3割減産したが、今年は全日稼働させる。光半導体を生産する北九州工場(北九州市小倉北区)も昨年は8日間休止したが、今年は定期点検の一部ラインを除き連日稼働させるなど、計4工場でフル操業。「特に新興国向けのデジタル家電が好調」という。

 東芝と競り合うルネサスエレクトロニクスも「国内外で補助金など効果が出ている」として、鶴岡工場(山形県鶴岡市)や那珂工場(茨城県ひたちなか市)など全10工場で定期点検以外のラインを全面稼働。昨年は自動車や産業機械向け半導体を生産する高崎工場(群馬県高崎市)を14日間停止するなど、計5拠点で生産を休止した。

 富士通は昨年、最大で8日間操業停止した岩手工場(岩手県金ケ崎町)など3工場を、エルピーダメモリも昨年4日間操業停止した秋田工場(秋田市)など2工場を全日稼働する。

 米調査会社アイサプライジャパンの南川明副社長は「世界の大手が昨年、大規模リストラを実施したために半導体が足りなくなっているところへ、中国やインドでデジタル家電需要が高まった」と指摘する。【弘田恭子】


東芝、7年ぶり赤字 3435億円、不況で過去最悪

2009/05/09 中国新聞ニュ−ス

 東芝が八日発表した二〇〇九年三月期連結決算(米国会計基準)は、純損益が前期の千二百七十四億円の黒字から三千四百三十五億円の赤字に転落した。赤字は〇二年三月期以来七年ぶりで、赤字額は連結ベースで記録をさかのぼれる一九六三年三月期以降、最悪の規模。売上高は前期比13・2%減の六兆六千五百四十五億円。一〇年三月期の純損益も五百億円の赤字を予想している。

 世界的な不況により主力の半導体事業などで苦戦が続いているためで、大手電機メーカーの業績悪化が鮮明になった。

 自己資本比率は17・2%(〇八年三月末)から8・2%(〇九年三月末)に低下。財務基盤を強化するため、公募による新株発行や野村証券を引受先とした第三者割当増資、劣後社債の発行などで最大約四千九百三十億円の資本増強を六月に実施する。

 都内で記者会見した村岡富美雄むらおか・ふみお専務は「増資により一時的に株式(の価値)が希薄化するが、将来の成長のための施策で、株主の利益にかなう」と述べた。

 NECも同日、〇九年三月期の純損益予想を従来の二千九百億円の赤字から二千九百七十億円の赤字に下方修正すると発表した。コスト削減効果で営業赤字は従来予想の三百億円から六十億円に縮小するが、リストラ費用がかさんで純損失は拡大する。

半導体:サムスンとハイニックスが勝ち組に(上)

2009/03/15 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 趙亨来(チョ・ヒョンレ)記者

 台湾当局は5日、世界の半導体業界があっと驚く発表を行った。同当局は、力晶半導体(パワーチップ)、瑞晶電子(レックスチップ・エレクトロニクス)、茂徳科技(プロモス・テクノロジーズ)、華邦電子(ウィンボンド・エレクトロニクス)、南亜科技(ナンヤ・テクノロジー)、華亜科技(イノテラ・メモリーズ)のメモリーメーカー6社を統合した「台湾メモリー」を設立すると言う。

 さらに台湾当局は、台湾メモリーに日本のエルピーダと米マイクロン社も参加させる案を打ち出した。台湾当局の構想通りにいけば、業界1位のサムスン電子と2位のハイニックス半導体、最近政府に破産保護申請したドイツのキモンダを除く、世界DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)半導体10大メーカーのすべてが一つに統合されるという、未曾有の業界再編が行われるわけだ。これにより、韓国の半導体業界では「不況の底が見え始めた」という楽観論が広まっている。

 つまり、サムスン電子とハイニックスが世界半導体市場で2年間続いた「チキンゲーム」の勝者になるだろうということだ。半導体は急速な技術発展により、周期的に供給過剰の様相を呈していた。そして半導体業界は、その際の激しい競争で生き残った企業だけが好況期に大きな利益を上げるといったパターンを繰り返してきた。半導体業界ではこうした生存競争を、米国の若者が互いの車を正面から突進させ、先にハンドルを切ってよけた臆病(おくびょう)者が敗れるゲームになぞらえ、「チキンゲーム」と呼んでいる。サムスン電子のある幹部は「台湾のメーカーが統合され、一部工場の閉鎖や減産など強力な業界再編が断行されるだろう」と話している。

◆台湾当局の大統合構想

 まず台湾当局は、6カ月以内に国内メーカー6社を統合した持ち株会社「台湾メモリー」を設立すると発表した。台湾当局は早くも、統合法人の最高経営責任者(CEO)に台湾半導体業界の重鎮、宣明智聯華電子(UMC)名誉副会長を指名するなど、足早な動きを見せている。台湾の尹啓銘経済相も、「半導体産業のグローバル競争力を確保するためには大統合が不可避。日本のエルピーダと米マイクロン社の参加や参加形態についても、今後3カ月以内に決めたい」と語った。  台湾当局がこのように半導体産業の再編に乗り出したのは、台湾の半導体業界が当局の支援なしには生存することができない状況に至っているためだ。今回の半導体不況は、慢性的な供給過剰に世界的な景気低迷が重なり、これまで30カ月ほど続いている。

 つまり通常の半導体不況と比べ、1年以上長引いているというわけだ。こうしたことからプロモス、ナンヤなど台湾の大手メーカーは、昨年第4四半期の営業損失がほぼ100%に達した。これらメーカーは一時期、営業利益率が韓国企業を超えたが、現在は営業損失額が売上高を上回るほどの深刻な経営難に陥っている。

◆韓国メーカーに好都合

 韓国メーカーからすると、台湾半導体メーカーの大統合構想が進めば半導体価格が早々に安定するため、好都合といえる。

 台湾メーカー6社とエルピーダ、マイクロンを合わせた市場シェアは38.8%でサムスン電子(30.1%)を上回るが、統合過程で、競争力が劣る一部生産ラインの閉鎖や減産といった大規模な再編が必要だ。

 とりわけ技術競争力が最も劣る台湾メーカーは、シェアを70−80%失うだろう、という観測も出ている。

 未来アセット証券のキム・ギョンモ理事は「過去の現代電子(現ハイニックス)とLG半導体、HPとコンパックの合併のように、統合法人の市場シェアはそれ以前に比べ低下するのが定説」と語った。

 こういった期待が反映されてか、最近DRAM半導体の価格は昨年末に比べ10%程度上昇した。特に、既に業界の減産効果が表れつつあるフラッシュメモリーの価格は、7カ月ぶりに3ドル(約295円)台を回復するなど、昨年末に比べ2倍程度上昇した。

 サムスン電子とハイニックスは技術力の面でも、米国や日本のメーカーに比べ最低1年、台湾メーカーに関しては2年以上先行している。ハイニックスの金鍾甲(キム・ジョンガプ)社長は「半導体で1年程度の技術格差は、生産性を40%程度左右するほど大きなもの。世界景気が好況に転じたら、韓国半導体メーカーの業績は猛スピードで改善されるだろう」と述べた。

台湾、公的資金で半導体新会社 日米大手と合併も

2009年03月05日 中国新聞ニュ−ス

 【台北5日共同】台湾経済部(経済産業省)は5日、金融危機による業績悪化が著しい半導体業界について、公的資金を投入して新会社を設立、台湾の主要半導体メーカーを統合して業界再編を促す計画を発表した。新会社は日本の大手エルピーダメモリか米大手マイクロン・テクノロジーと提携し、技術を採用する。いずれかとの合併も排除しないとしている。

 昨年から検討されていたDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)業界の支援策で、業界再編で競争力を強めるのが狙い。約700億台湾元(約2000億円)に上る公的資金の投入計画や、メーカー間の激しい駆け引きが連日伝えられている。

 尹啓銘経済部長(経産相)は会見で「台湾の業界全体を活性化させるのが目的だ」と強調。新会社「台湾メモリー」(仮称)の資本額は未定だが、政府出資額は資本金の50%未満とするという。

 3カ月以内に日米2社との交渉を終え、6カ月以内に新会社を設立する予定。

半導体業界の生存競争、韓国が優位に(上)

2009/02/09 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 ソン・ホチョル記者

日独台の競合メーカーが「白旗」

 最悪の不振にあえぐ半導体業界が回復の兆しを見せている。日本、ドイツ、台湾の競合メーカーが巨額の累積赤字に耐えられず、相次いで「白旗」を掲げる中、半導体業界の生存競争は最終局面を迎えている。

 半導体は新技術で生産が急増すると、供給過剰と価格暴落が起き、激しい生存競争で勝敗が分かれる。この生存競争は米国の若者が互いの車を反対方向から突進させて先にハンドルを切ってよけた憶病者が敗れるゲームになぞらえ、半導体業界の「チキンゲーム」と呼ばれることがある。

 今回の生存競争では、メモリー半導体世界3位のエルピーダメモリと5位の独キマンダの体力がまず尽きた。エルピーダは10−12月期(第3四半期)で723億円の最終損失を記録した。損失額は売上高(618億円)を上回るほど最悪の業績だった。同社の坂本幸雄社長は「(生き残りのためには)400億−450億円が必要で、日本政府の公的資金や台湾当局による投資などいかなる形式の資金でも歓迎する」と述べた。

半導体業界の生存競争、韓国が優位に(下)

2009/02/09 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 ソン・ホチョル記者

日独台の競合メーカーが「白旗」

 先月には独キマンダが裁判所に破産を申請し、米国の工場閉鎖を決めた。キマンダは独政府から3億2500万ユーロ(約385億円)の支援を受け再建を目指したが、結局生き残りに失敗した。独政府は「親会社(独インフィニオン)が処理すべき問題だ」として追加支援を行わない姿勢を明確にした。南亜科技、力晶半導体(パワーチップ・セミコンダクター)、茂徳科技(プロモス・テクノロジーズ)など台湾企業も損失比率が100%を超え、日本企業との合併を検討している。

 一方、サムスン電子とハイニックス半導体は最近、相次いで40ナノメートル製造プロセスを開発し、海外の競合メーカーとの技術格差をさらに広げている。生存競争に終止符を打つのが狙いだ。40ナノメートル技術は頭髪の2500分の1の細さまで半導体の回路線幅を微細化するもので、海外主力メーカーの60ナノメートル技術より生産性が2倍以上高い。サムスン電子とハイニックス半導体は今年7−9月期から40ナノメートル技術を採用したDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)の量産に入る計画だ。

 世界の半導体業界が再編の兆しを見せたことで、今月のDRAM契約価格は7カ月ぶりに上昇に転じた。主力製品のDDR2・1ギガバイトDRAMは1月の0.81ドル(約74円)を8.64%上回る0.88ドル(約81円)を付けた。契約価格とはデルやヒューレット・パッカードなど大口顧客に対する供給価格だ。

 しかし、状況を楽観するのは早すぎるとの指摘も少なくない。最近台湾当局が台湾企業に700億台湾元(約1900億円)を支援すると表明し、ほかの国でも基幹産業である半導体産業を支援する動きが表面化しそうだ。

東芝、2800億円の営業赤字へ 7年ぶり、過去最悪

2009/01/29 中国新聞ニュ−ス

 東芝は二十九日、主力の半導体事業の収益が大幅に悪化し、二〇〇九年三月期の連結決算の営業損益が二千八百億円の赤字に転落するとの見通しを公表した。赤字額は過去最悪で、〇二年三月期以来、七年ぶりの赤字となる。これを受けて、半導体事業を中心に期間従業員四千五百人削減や生産体制の見直しを柱とした経営改善策を発表した。

 世界的な景気悪化で家電や電子機器の需要減少で、ソニーも二千六百億円の営業赤字に転落する見通しのほか、パナソニックなど電機各社も軒並み深刻な業績不振に陥った。自動車に続き有力な日本経済のけん引役も「総崩れ」となった。

 東芝は営業損益のほか、売上高も従来予想の七兆七千億円から六兆七千億円、純損益を七百億円の黒字から二千八百億円の赤字に下方修正した。

 改善策に盛り込まれた期間従業員の大幅削減は三月末までに完了させる計画。ただ、正社員の雇用は維持するとしている。

 同時に発表した〇八年四―十二月期連結決算は売上高が前年同期比10・5%減の四兆九千八百四十一億円、一千二百六十一億円の黒字を計上していた純損益は一千五百九十五億円の赤字に転落した。

三洋半導体の正社員削減へ 数百人に希望退職募る

2009/01/05 中国新聞ニュ−ス
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 三洋電機が、全額出資会社である三洋半導体(群馬県大泉町)の正社員約二千人のうち、数百人規模を希望退職により削減する方向で最終調整に入ったことが五日、分かった。生産拠点の統廃合も加速し、事業を大幅に縮小。春にパナソニックの子会社になるのを前に、最大の不採算事業のリストラを本格化させる。

 三洋の半導体事業は二〇〇八年九月中間期に五十八億円の営業赤字を計上し、赤字体質が続いている。市況低迷もあって、〇九年三月期は赤字額が約百五十億円に膨らむ見通しだ。このため正社員の削減に踏み切り、一段の合理化を進める。

 今春までに一定の年齢以上の社員を対象に希望退職者を募り、退職者加算金を支払う予定。三洋半導体の社員は約二千人で、国内外の子会社を含むグループ全体で計約一万人という。

 現在、中国、フィリピンなど海外に七カ所ある組立工場は早期に二カ所程度に集約。当初は一一年三月期までに再編する社内計画を立てていたが、これを前倒しする。国内工場も古い設備を廃棄したり、生産品目を絞り込んだりする。

 また、三洋は今月中旬、〇九年三月期の業績予想を下方修正する方針を固めた。急速な円高と世界的な景気後退による販売減少が収益を圧迫し、世界シェア首位の充電池も利益幅が縮小しているためだ。

 半導体の生産設備などの減損処理を行うかどうかについても、監査法人と協議している。損失処理が加われば、三洋が〇九年三月期に見込んでいた三百五十億円の連結純利益は大きく落ち込むことになる。

台湾大手と生産提携を検討 ルネサス、次世代半導体で

2008年10月23日 中国新聞ニュ−ス

 国内2位の半導体メーカーのルネサステクノロジ(東京)が、デジタル家電などに使う次世代半導体の量産化で、台湾の半導体大手TSMCと提携を検討していることが22日、分かった。ルネサスはパナソニックと生産技術の共同開発を進めているが、量産ではTSMCに大半を委託して投資負担を軽くするのが狙いだ。

 他の半導体各社も量産化の準備を進めており、電機メーカーによる高機能デジタル家電の開発競争を後押ししそうだ。東芝などが加わる米IBM陣営など複数のグループがしのぎを削る中、今回の提携が実現すれば半導体業界の再編が一段と加速する可能性もある。

 次世代半導体はデジタル家電の小型化や低消費電力化などにつながり、ルネサスは2011年ごろに携帯電話向けでの量産化を目指している。

 ただ、生産技術の開発には数百億円規模が、大型の製造ライン建設では数千億円規模の投資が必要とされる。ルネサスは外部委託を進め、半導体の企画開発や設計力強化に経営資源を集中する。

 TSMCは1987年に設立され、半導体の受託製造が主力の企業としては世界首位。急成長を遂げており、07年の売上高は1兆円弱、営業利益率は30%を超えている。

サムスン電子、米サンディスク買収提案を撤回

2008/10/23 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 白承宰(ペク・スンジェ)記者

 サムスン電子が世界第1位のフラッシュメモリカード・メーカー、サンディスクの買収提案を急きょ撤回した。サムスン電子は22日午前、エリ・ハラリ会長らサンディスク経営陣に送った電子メールおよびファクスで、「過去6カ月間、サムスンは友好的な合弁交渉のために努力したが、サンディスク側の拒否で進展がなく、買収提案を撤回する」と表明した。

 サムスン電子は提案撤回の理由について、経済的環境の悪化およびサンディスクが第3四半期に出した大規模赤字、東芝との提携の再交渉などを挙げた。サムスン電子は今年5月、李潤雨(イ・ユンウ)副会長がサンディスクのエリ・ハラリ会長と会談し、第1次買収提案を行った。今月17日には、李副会長名義で公開書簡を送り、サンディスクの全株式2億2500万株を1株当たり26ドル(約2537円)で買収する意思を表明していた。

 しかしサンディスクは「わが社の内在価値が反映されていない」として拒否し、逆に今月20日、サムスン電子のライバルである東芝に自社のメモリー生産工場の持ち分を売却することとした。これに加え、サンディスクは今年第3四半期に2億5000万ドル(約243億9500万円)の営業赤字を記録し、サムスン電子はついに買収提案を取り下げた。

 業界では、今回の買収提案撤回でサンディスクは独自の生存を模索する時間を稼ぐことができたが、サムスンは完全に買収を放棄したわけではない、とみている。

東芝、サン社から半導体工場買収へ

2008年10月21日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 東芝は20日、米半導体大手サンディスクと共同運営する工場設備の一部をサン社から買収することで基本合意したと発表した。 Click here to find out more!

 携帯電話などに使われる半導体の生産能力を強化して今後の需要増に備える方針だ。同時にサン社に買収を提案するなど規模拡大を狙う韓国サムスン電子をけん制する狙いもある。

 東芝とサン社が共同運営する三重県四日市市の工場は、携帯電話やデジタルカメラなどに使われているNAND型フラッシュメモリーを生産しており、生産設備は両社が折半出資、生産能力も50%ずつだった。

 今回の合意で、東芝は設備全体の約30%を単独運営、残り約70%を共同運営方式に改め、東芝の生産能力は約65%に増強される。買収は2009年3月までをメドとし、買収額は1000億円超とみられる。

 東芝が生産能力の強化に乗り出すのは、NAND型フラッシュメモリーがハードディスクドライブ(駆動装置)に代わるノートパソコンの記憶媒体としても活用が見込まれるなど、需要が期待されているためだ。米調査会社アイサプライによると、08年4〜6月期の世界シェア(市場占有率)は、東芝が27・5%とトップのサムスン(42・3%)に次ぐ2位を占めている。東芝は四日市市と岩手県北上市に建設予定のフラッシュメモリー工場を09年春にも着工し、生産能力を現行の4倍程度に引き上げ、サムスンを追撃する方針だ。

 一方、サムスンは9月にサン社を58億5000万ドル(約5900億円)で買収する案を提示したものの、サン社は拒否。サン社が買収されれば、東芝のフラッシュメモリー生産計画にも影響を与えかねないため、サン社買収が実現する前に対抗策に出たとの見方も出ている。

NECが半導体不振で下方修正 9月中間決算

2008/10/22 47News【共同通信】

 NECは22日、2008年9月中間連結決算の予想を下方修正した。営業利益を従来予想の300億円から135億円に引き下げる。

 半導体や携帯電話の事業が不振だった。世界的な景気後退で電気製品の需要は低迷しており、電機メーカー各社の業績悪化が広がっている。

 売上高は従来予想を220億円下回る2兆1280億円と修正した。企業向けの情報システム事業は堅調だったが、パソコンや携帯電話が振るわなかった。純利益は株式売却益もあり、40億円の赤字から20億円の黒字に上方修正した。

 09年3月期の連結決算は、売上高が従来予想を2000億円下回る4兆6000億円、純利益が200億円下回る150億円とした。

台湾の力晶半導体、第3四半期は予想上回る赤字

2008年10月21日 RETURES

 [台北 21日 ロイター] 台湾で最大手のDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)メーカーである力晶半導体(5346.TWO: 株価, 企業情報, レポート)が発表した第3・四半期決算は6四半期連続の赤字だった。

 DRAM価格の下落が響いた。純損失は150億台湾ドル(約4億6000万米ドル)で前年同期の19億台湾ドルから拡大した。第2・四半期の純損失は72億7000万台湾ドル。赤字額は、ロイター・エスティメーツがまとめた予想の98億1000万台湾ドルを上回った。

 アイサプライは9月末、供給過剰などを理由に、目先のDRAM市場についての判断を「ニュートラル」から「ネガティブ」に引き下げた。

東芝 韓国サムスンに対抗 サンディスク半導体設備買収で合意

2008/10/21 Fuji Sankei bussines-i

 東芝は20日、提携相手である米半導体大手サンディスクのNAND型フラッシュメモリーの製造設備を買い取ることで基本合意したと発表した。両社で共同生産している四日市工場(三重県四日市市)の一部を買収する。買収額は千数百億円に上るとみられる。設備売却はサンディスク側から要請があった。サンディスクは韓国サムスン電子から買収提案を受けており、東芝はサンディスクの製造設備を買い取り、生産能力拡大で工場運営の主導権を握り、サムスンに対抗する狙いがある。

 東芝とサンディスクは1999年に提携し、携帯電話などに使われるNAND型フラッシュメモリーを東芝の四日市工場で生産。工場建屋は東芝が建設し、製造設備は両社がほぼ折半出資し、共同出資会社が運営する方式で能力拡張を続けてきた。NAND型フラッシュは需要が伸び続けており、世界市場の占有率は、1位のサムスンと2位の東芝・サンディスク連合で約7割に達する。

 基本合意したのは四日市工場の第3、第4製造棟の直径300ミリウエハーを使った先端ライン。ラインの約30%を東芝単独で運営することになり、残りの約70%については引き続き共同生産し、生産能力を両社で均分する。

 この結果、東芝の300ミリウエハーの生産能力は全体の50%から65%に増強される。東芝によると、既存の生産ラインを取得することで、ラインの新設時に比べコストをかけずに生産能力を強化でき、競争力向上が見込めるという。

 サムスンは9月、サンディスクを58億5000万ドル(約5900億円)で買収する意向を表明。サンディスク側は拒否しているが、サムスンがTOB(株式公開買い付け)に動いてサンディスクを傘下に収めれば、東芝は重要なパートナーを失うとともに半導体戦略の抜本的な見直しを迫られかねず、対抗措置が急務になっていた。

 東芝はNAND型フラッシュを中核とする半導体事業と、原子力事業が2本柱。半導体事業に関しては2008年度から3年間で総額1兆円の設備投資を実施する計画。10年度には、半導体売上高2兆円(08年度予想1兆2800億円)を見込んでおり、NAND型フラッシュはその牽引(けんいん)役に位置づけている。

 ただ、東芝の08年9月中間連結決算は、そのNAND型フラッシュの市況悪化などで500億円の最終赤字に陥る見通し。千数百億円を投じる設備買い取りにリスクがあるとの見方も出ている。

                ◇

【予報図】

 ■新たな業界再編の口火

 韓国、台湾勢の攻勢で国内DRAMメーカーは2000年前後に次々と撤退、縮小を余儀なくされた。そんな中、東芝はNAND型フラッシュメモリーを新たな事業の柱に育てた。

 サンディスクをパートナーに着々と市場を拡大。DRAMはパソコンが唯一の用途だったのに対し、NAND型フラッシュは量産による低価格化で携帯電話、デジタルカメラ、パソコンと用途が広がり、なくてはならない記憶装置になった。

 誤算は外部への技術供与。「東芝一人だと市場開拓、普及が遅れる」(関係者)との理由から1992年にサムスンへの技術供与に踏み切った。サムスンは世界首位となり、今ではサンディスクへの買収提案で東芝の追い落としをもくろむ。

 半導体と原子力事業を中核と位置づける東芝にとり、NAND型フラッシュは屋台骨であり、負けられない分野。サムスンの今後の動きが注目されるが、東芝が今後も追加の対抗措置を講じる可能性は高い。両社のバトルが中下位メーカーに波及し新たな業界再編の口火となる可能性もある。(小熊敦郎)

東芝「三星からサンディスクを守れ」

2008.10.20 中央日報 Joins.com

日本の東芝が三星(サムスン)電子を牽制するために米国半導体企業サンディスクの日本工場買収に乗り出した。

東芝はサンディスクと共同で日本の三重県の四日市に半導体生産ラインを運営している。東芝はこの工場の経営権を1000億円余りでサンディスクから買い受ける案を検討していると日本のメディアが19日、報道した。

三星電子が先月、サンディスクの買収合併(M&A)を推進したのに対し、東芝が真っ向勝負に出たのだ。東芝はナンド(NAND)型フラッシュメモリー分野で三星電子に続き世界2位の市場シェアを維持している。特に同社は三星電子との市場シェア格差を狭めようと1999年、サンディスクとともに三重県に工場を建てた。

しかし三星電子がサンディスクを引き受ければこの工場に対する経営権も半分は三星電子に移り、東芝の立場は大きく萎縮するとみられる。

日本経済新聞は「東芝側は『サンディスクが三星に移れば東芝が提携パートナーはもちろん大型購入者まで丸ごと奪われることになる』という点を懸念している」と伝えた。

三星はM&Aの代金としてサンディスクに58億5000万ドルを提示したが、現在この提案が断られている状態だ。

それでも三星電子が公開買受に出てサンディスクをまるごと引き受けることも可能だという点を東芝は懸念している。その上、米国発実物経済の後退の兆しで半導体市場の需要が急激に鈍化し、サンディスクの買収価格が下落すれば三星電子が公開買受に出る可能性も高いとみているのだ。サンディスクの株価は年初30ドルを上回ったが、最近証市暴落で15ドル前後まで下がっている。

東芝が実際にサンディスクの工場を買収することができるかどうかに対しては意見が別れる。買受が容易でないと観測する側は、資金圧迫を理由に挙げる。東芝がこの工場を買収するためには現在保有する現金3000億円のうちの30%以上を投入しなければならない。今後も世界景気低迷が予想される中、東芝が工場買受に1000億円を超す実弾を使ってしまえばややもすると資金圧迫につながりかねないからだ。

同社は今年初め、次世代デジタルビデオ記録装置(DVD)であるブルーレイディスクの規格戦争でソニー、松下連合軍に敗れ、すでに莫大な損失をしている。今年に入って消費悪化により液晶パネル、携帯電話など主力業種の実績まで悪化しているのも東芝の悩みだ。

ところがある日本電子業界関係者は「日本企業が三星電子を超えられなければ未来がないから、必ず買わなければならない」と話す。ソニ、松下、東芝、シャープなど大型日本企業が各種分野で共同生産・開発を通じて三星電子が辞退するよう乗り出す理由だ。

日本の経済産業性も日本企業に三星に共同対応するように注文しながら企業の合従連衝を督励している。日本のテレビ朝日は8月に「世界のトップ企業、三星のスキャンダル」という特集報道を通じて三星のイメージをダウンさせた。また出版界では三星を非難する本が登場するなど、全方位的に三星牽制が続いている。

これに対して三星電子側は「東芝のサンディスク工場買収はうわさにすぎないのでコメントする立場ではない」としながらも「東芝が日本工場を買収しても三星電子が進行中のサンディスク買収には大きな影響を与えないだろう」と話している。

◆NAND型フラッシュメモリ=ノートブック型パソコン、携帯電話、デジタルでビデオ、MP3などポータブル電子製品に入るメモリー半導体。

消費電力が少なく、電源が消えても保存された情報が消えない特性。重いハードディスクに代わって使用されている。

半導体9倍高性能に 分子が集まり超微細構造

2008年10月10日 中国新聞ニュ−ス

 分子が集まって自然に並ぶ現象を利用して、わずか10ナノメートル幅(ナノは10億分の1)の超微細構造を高分子材料で作ることに、京都大と日立製作所の共同研究チームが成功し、10日発表した。

 上から酸化物をかぶせれば半導体としての性質を持たせることが可能。実用化できれば、現在より9倍近く高性能な半導体開発に役立つと期待される。日立製作所の吉田博史主任研究員は「次世代半導体の集積技術に応用したい」としている。

 チームは、高分子膜で覆った基板に特殊な処理をすることで、10ナノメートル幅の小さな柱を並べるのに成功。この状態では構造にばらつきがあるが、滑らかな状態では24ナノメートルまで微細化できた。

 光で焼き付ける現在の半導体技術は、65ナノメートル幅の構造を作るのが限界。今回の技術で半導体を作れば、長さ当たりで3倍、面積当たりでは9倍の高密度化が可能になるという。

東芝 営業赤字300億円 上期「黒字700億円」一転 半導体事業が不振

2008/09/20 FujiSankei Business i.

 電機業界の勝ち組の1社に数えられていた東芝の業績が急速に悪化している。19日発表した2009年3月期連結決算予想の下方修正によると、本業のもうけを示す営業利益は期初予想の2900億円から半減の1500億円(前期比37・0%減)にとどまる。とくに上期(4〜9月)は700億円の営業黒字を見込んでいたが、1000億円悪化し、300億円の営業赤字に転落する。

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 主力の半導体が市況の悪化で採算が大幅に悪化しているためだ。市況の良い時は全社の半分の利益を稼ぐ半導体事業だが、リスクの高い事業であることを改めて浮き彫りにした格好だ。

 東京証券取引所で記者会見した村岡富美雄専務は「(半導体は)早期回復が難しく、下方修正をせざるを得なかった」と肩を落とした。

 通期の売上高は期初より3000億円少ない7兆7000億円(前期比0・4%増)、最終利益は600億円少ない700億円(同45・0%減)にそれぞれ下方修正した。

 東芝の半導体事業は携帯音楽プレーヤーなどに搭載するNAND型フラッシュメモリーと、デジタル機器などに組み込むシステムLSIが2本柱。半導体を含む電子デバイス部門は今期850億円の営業黒字を見込んでいたが、この2本柱が共倒れし、650億円の営業赤字に落ち込む見通しだ。

 NAND型フラッシュメモリーは出荷数量はほぼ予定通りだが、供給過剰による価格下落が想定を上回る。村岡専務は「年間で60%の価格下落は避けられそうもない」とこぼす。

 システムLSIは、デジタル民生機器の需要減に見舞われた。650億円の営業赤字の内訳は「フラッシュが60%、システムLSIが55%(ディスクリート半導体は15%の黒字)」(村岡専務)という。

 東芝の半導体をめぐってはさらに先行きを不透明にしかねない状況が生じつつある。NAND型フラッシュの開発・生産の提携先である米サンディスクがライバルの韓国サムスン電子から買収提案を受けており、事業の拡大シナリオが暗礁に乗り上げる可能性が出てきたためだ。

 サンはNAND型の重要な特許を保有し、サムソン傘下に入れば東芝の特許使用料や設備投資に多大な影響を与えるのは必至。サンは現在のところサムスンの買収提案を拒否しているが、東芝の半導体事業の根幹を揺るがす事態になりかねない。東芝は業績悪化の中、新たな難問を突きつけられた格好だ。アグレッシブな経営で評価を高めた西田厚聡社長の経営手腕が問われている。

韓国サムスン:米サンディスクに買収提案 東芝、対抗策も

2008年09月19日 毎日新聞 東京朝刊 Mainichi INTERACTIVE

 東芝と提携関係にある半導体メモリー大手の米サンディスクに対し、韓国サムスン電子が買収提案を行い、東芝の対応に注目が集まっている。サムスン側が8月に提示した買収金額は総額約58億5000万ドル(約6100億円)だが、サンディスクは17日、「企業価値が過小評価されている」として、受け入れを拒否した。第三者による提案を求める姿勢で、東芝が何らかの対抗策を取る可能性もある。

 東芝は99年から、サンディスクと半導体メモリー開発で業務提携した。東芝は、半導体を中核事業に位置づけ、1兆7000億円を投資し、国内にフラッシュメモリーの新工場2棟を建設する計画で、うち1棟はサンディスクとの共同事業だ。新工場では、携帯デジタル音楽プレーヤーやデジタルカメラの記憶媒体として使われているNAND型フラッシュメモリーを生産する予定だ。

 同メモリーの世界シェアは、サムスンが首位、東芝が2位で、両社は激しく競争している。仮に、サムスンがサンディスクを買収した場合、東芝はサンディスクとの関係の見直しや半導体戦略の練り直しを迫られる。この問題に対し、東芝側は「コメントできない」と話している。【秋本裕子】

半導体事業、東芝が戦略見直しも 提携先にサムスン攻勢

2008年09月18日 ashi.com

 韓国のサムスン電子が17日、米メモリー大手サンディスクに買収を提案したと発表した。成長鈍化に悩むサムスンがNAND型フラッシュメモリーのシェアで猛追する東芝を突き放し、世界トップを確保する狙いだ。サンディスクと生産面で提携する同2位の東芝にとって、戦略の見直しを迫られかねない。

 サムスンの提案では、サンディスク株式を1株26ドルですべて買う計画で、買収総額は約58億5千万ドル(約6200億円)。一方で、サンディスクは「提案は非常に過小評価」として提案を拒否したとするコメントを発表した。

 サムスンは「提案は正当で株主に公開すれば必ず支持される内容だ」(広報)と、サンディスクに再考を迫る考えだ。交渉停滞を打破するため公表に踏み切った。NAND型は携帯音楽プレーヤーや携帯電話などに使われ、世界で需要が急拡大している成長製品。サムスンは、サンディスクが抱える独自技術や知的財産と、生産能力を一緒に取り込む狙いがある。

 一方、東芝は99年、サンディスクとNAND型の開発や生産で提携。四日市工場(三重県)で、建物は東芝が建設し、生産設備は共同出資会社が運営する方式で増産を続けてきた。1兆円以上を投じて09年春にも着工する新工場2棟も、1棟の設備はサンディスクと共同で整備する。

 東芝にとって不可分のパートナーが、競争相手であるサムスンにのみ込まれると、サンディスクとの関係見直しは必至だ。東芝は半導体事業を、原子力発電と並ぶ2大柱の一つと位置づけており、注力してきた屋台骨を揺るがす恐れがある。サムスンの出方によっては、東芝もサンディスクの買収に動くなど対応を迫られそうだ。 (湯地正裕、ソウル=稲田清英)

サムスンがサンディスクに買収提案、サンディスクは拒否

2008/09/17 IPNEXT

 世界第2位の半導体チップメーカー韓国サムスン電子(Sumsung Electronics)は16日、フラッシュメモリーの大手、米サンディスクに買収提案を提示したと発表した。提示価格はサンディスクの1株あたり26ドルに相当する58億5,000万ドルであり、15日付けの終値の80%上乗せとなる。

 しかし、サムスンの発表から1時間ほどで、サンディスクは、この提案を拒絶した旨のリリースを発表した。サンディスクの取締役会は、「金融・法律の顧問から助言を受けた上で、サムスンが提示した敵対的買収提案は多くの点において不当であり、株主の最大利益にならないと満場一致で結論した」と述べた。提案内容について、以下の点が問題であると指摘した。(IPNEXT関連記事)

●サンディスクの事業の長期予想を前提にすると、提示価格はサンディスクを大幅に過小評価している。 

●サムスンは当初買収の意志を示した2008年5月22日、サンディスクの同日の終値28.75ドルに対し大幅な上乗せ価格を買収によるシナジー効果に対し支払うとしていたが、実際の提示価格は両社のシナジー効果の価値を反映しない、52週高値の55%割引である。

●半導体サイクル、サムスンとのクロスライセンス契約更新をめぐる不透明感、株式市場全体の低迷を背景に、サンディスクの株価が落ち込んでいるタイミングを狙った提案である。

●規制当局の審査の結果は不透明である。

●2007年6月以来10度以上も直接交渉を続けてきたことを鑑みると、ライセンス交渉を有利に進めるための戦略としての買収提案である疑いも生じる。

●サンディスクが株主保護の要請を続けているにもかかわらず、買収が成立しない場合の株主保護が提供されていない。

半導体業界、 過当競争で共倒れの恐れも(上)

2008/09/14 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 白承宰(ペク・スンジェ)記者

不況でも積極的な投資、価格は際限なく低下

DRAM価格が1年半で10分の1に、サムスン電子以外はどこも赤字

ハイニックス、エルピーダ、マイクロンなど、激しい2位争いで協力模索

「今が底、来年は回復」

 世界的な景気不振と半導体価格の下落により、世界の半導体市場で危機感が徐々に高まっている。

 世界の半導体業界は昨年以降赤字が続いているにもかかわらず、「ライバルを倒すための」攻撃的な投資を強行してきた。最近は世界5位のドイツのキモンダなど一部企業が深刻な状況となり、構造調整が本格化することで半導体価格が底を打ったとの見方が広まっている。

◆絶頂に達した半導体危機 

 最近、半導体業界に不安感が広がっている。DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)業界では今年、サムスン電子以外はすべての企業が赤字を記録している。NANDフラッシュ(MP3など携帯用機器に使用されるメモリー)業界も、4‐6月期はサムスン以外すべて赤字を記録した。

 価格の下落も深刻な状況だ。DRAM価格は昨年1月にはDDR(ダブル・データ・レート)2・512メガバイト667メガヘルツの価格が5ドル(約544円)を記録していたのが、最近は0.76ドル(約83円)へとほぼ10分の1にまで下落した。米国半導体業種指数(フィラデルフィア半導体指数)も、3日(米国時間)には4.23%も急落した。半導体業界の業績に不信の目が向けられたからだ。

 半導体業界の危機は、業界が不況にもかかわらず攻撃的な投資を続けてきた、いわゆる「チキンゲーム」を行ってきた影響が大きい。半導体業界は周期的に好況と不況が繰り返される。「チキンゲーム」は不況でも生産を拡大してシェアを大幅に高め、後から来る好況の際に利益を確保しようとする戦略のことをいう。しかしほぼすべての企業がこのゲームに参入し、結果的に半導体価格は暴落、不況が長期化しているのだ。WSTS(世界半導体市場統計)によると、 2006年には313億ドル(約3兆4000億円)に達していたDRAM市場の規模は、今年に入って276億ドル(約3兆円)にまで縮小してしまった。

半導体業界、 過当競争で共倒れの恐れも(下)

2008/09/14 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 白承宰(ペク・スンジェ)記者

◆崩壊するDRAMの寡占構図、合従連衡が急浮上 

 半導体業界には最近、地殻変動の動きが見られる。メモリー分野を中心にここ数年間続いてきた寡占構図が崩壊しつつあるのだ。

 具体的にはDRAM業界で2位のハイニックスと、ドイツ企業インフィニオンの子会社である同5位のキモンダが提携の動きを見せている。ハイニックスは3日、投資家らが同席する席で台湾のDRAMメーカー、プロモス(世界シェア8位)株8.6%を買収したことを明らかにした。2005年に締結した戦略的提携関係を超え、積極的な技術移転や生産設備の共同利用に乗り出すことにしたのだ。

 キモンダにはM&A(企業の合併・買収)のうわさが絶えない。ブルームバーグ通信は3日、キモンダの親会社であるインフィニオンが数週間以内にキモンダを売却する予定だと報じた。インフィニオンは3社と売却交渉を進めており、売却先としては現在のところDRAM業界世界4位のマイクロンが最も有力だという。両社が合併した場合には、シェアが20%を突破して一気に2位に浮上する。

◆底を打った上で来年危機から脱出か 

 韓国の半導体メーカーはこれらの動きに神経をとがらせている。最近のような不況の周期にシェアを落としてしまうと、好況となったときに業績を挽回(ばんかい)できなくなるからだ。実際に今年6月の世界の半導体市場の売上高は216億ドル(約2兆3430億円)となり、5月に比べて0.5%増加するなど、少しではあるが回復の兆しを見せている。欧米の景気不振は相変わらずだが、アジアや太平洋地域での需要が増加しているからだ。

 サムスン電子の役員は「半導体景気が今年後半には底を打ち、来年半ば以降には回復すると予想している。困難な状況にあっても投資を減らすことは考えていない」と述べた。

 サムスン電子は今年7兆ウォン(約6900億円)の投資計画を予定通り進め、フラッシュメモリーカード業界1位の米サンディスク買収も検討するなど、半導体景気の回復に備えている。DRAM業界3位のエルピーダも中国にDRAM工場を建設するなど、3位から4位の企業も慌ただしい動きを示している。

 LIG証券のチェ・スンホ研究員は、「景気が回復すれば高いシェアを持つ企業が有利となる。エルピーダ、ハイニックス、マイクロンがサムスン電子に続くDRAM業界でのシェア2位を占めるため、激しい競争を繰り広げるだろう」と述べた。

DRAM10%減産 エルピーダ、設立以来初めて

2008/09/10 FujiSankei Business i.

 代表的な半導体メモリーであるDRAM専業メーカーのエルピーダメモリは9日、今月中旬から主力生産拠点の広島工場(広島県東広島市)で約10%の減産に踏み切ることを明らかにした。DRAM市場がパソコンなどの需要減退で供給過剰となり、市況が悪化していることに対応する。エルピーダの減産は1999年の設立以来初めて。台湾のパワーチップセミコンダクター(PSC)も10〜15%の減産を表明しており、世界のDRAMメーカーに広がる可能性が出てきた。

 エルピーダによると、7〜12月の世界のパソコン需要は当初見込み1億6000万台に対し、1億4000万台にとどまる見通し。この影響で「供給が需要に対し、5〜10%オーバー」(坂本幸雄社長)しており、6月に比べて1ギガ(1ギガは10億)ビット品のスポット価格は20〜25%も下落している。

 エルピーダは、回路線幅90ナノ(1ナノは10億分の1)メートルの比較的古いウエハーラインの生産を停止する。同社は09年前半にDRAM市場が改善に向かうとみているが、ラインの再開時はフラッシュメモリーなどファウンドリー(受託生産)にあてる見通し。PSCとの合弁会社のレックスチップスの減産は現在のところ考えていないという。

 エルピーダは08年4〜6月期決算で156億円の営業赤字を計上したが、7〜9月期は同水準かさらに悪化する可能性があるとしている。坂本社長は「市場環境がここまで悪くなると、他社を救う再編はもはや考えにくく、1〜2社が市場から撤退することが考えられる」と話している。

韓国サムスン電子、米サンディスクに関する選択肢を検討

2008年 09月05日 REUTERS

[ソウル 5日 ロイター] 韓国のサムスン電子(005930.KS: 株価, 企業情報, レポート)は5日、米フラッシュメモリー製造のサンディスク(SNDK.O: 株価, 企業情報, レポート)について「さまざまな選択肢」を検討していることを明らかにした。

 韓国のオンラインメディア「eDaily」は同日、サムスン電子がサンディスクの買収に関心を持っていると報じていた。

 サムスン電子の広報担当者はロイターに「サンディスクについてさまざまな選択肢を検討しているが、まだ何も決まっていない」と述べた。

 サンディスクは、メモリー市況の低迷で株価が下落しており、JPモルガンをアドバイザーに起用している。

 ソウル株式市場では、この報道を受けてサムスン電子株が3%以上急伸している。

 eDailyによると、サムスン電子は、NAND型フラッシュメモリー製造で世界最大手だが、サンディスクに年間4000億ウォン(3億5380万ドル)のライセンス料を払っており、サンディスクの買収で、ライセンス料を節約することを検討している。

 大宇証券のアナリスト、James Song氏は「サンディスクと(フラッシュメモリー世界2位の)東芝(6502.T: 株価, ニュース, レポート)は合弁事業を展開しているが、サンディスクが合弁事業への投資を継続するかどうかは不透明で、中・長期的にはサムスンが市場シェアを拡大できる可能性がある」と指摘。

 「サムスンは、サンディスク買収によって、ロイヤルティーの支払いを節約するとともに、市場プレゼンスを高めることができるのではないか」と述べた。

 ただ、買収の初期効果を疑問視する声もある。

 プルデンシャル・インベストメント・アンド・セキュリティーズのアナリスト、Park Hyun氏は「東芝が(サンディスクとのNAND型フラッシュメモリー合弁事業の)生産量を管理している限り、サムスンがサンディスクの筆頭株主になっても、供給に影響はない」と述べた。

韓国ハイニックス製半導体、相殺関税大幅引き下げ

2008年08月22日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 韓国の半導体大手ハイニックス製の半導体に対する日本の相殺関税を巡り、政府は21日、世界貿易機関(WTO)の是正勧告を踏まえ、相殺関税の税率を現在の27・2%から9・1%に引き下げる方針を決めた。

 日本は、同社が韓国政府から実質的な補助金を受け、不当に安い価格で製品を日本に輸出しているとして、ハイニックス製のDRAMに対して2006年1月から、通常の関税に加えて相殺関税を課している。

 韓国側は「日本の措置はWTOルールに違反する」と提訴に踏み切り、WTOは昨年11月、韓国の主張を大筋で認め、日本に是正を勧告した。

 日本の引き下げ幅は、WTOから是正を指摘された18・1%分にあたるが、韓国側は相殺関税の撤廃を求めていただけに、一部を残すことに反発する可能性もある。今回の摩擦は、日本が相殺関税を発動した初のケースとして注目された。

エルピーダ LSI進出 台湾UMCと提携 第2の柱に育成

2008/03/18 FujiSankei Business i.

 パソコンの記憶装置に使われる半導体のDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)専業メーカー、エルピーダメモリは17日、台湾の半導体大手UMCと提携し、システムLSI(大規模集積回路)事業に進出すると発表した。

 海外勢としのぎを削るDRAMは価格下落が激しく、エルピーダはDRAM一本では生き残れないと判断。システムLSIを「もう一つの軸とすることで継続的な成長が可能になる」(坂本幸雄社長)としている。

 エルピーダが、広島県東広島市に持つ広島工場で、主に液晶テレビなどのデジタル家電向けのシステムLSIを生産する。

 開発や設計をせず、国内企業から製造だけを受託する「ファウンドリ」と呼ばれる生産形態とする。

東芝が半導体事業に傾斜 次世代DVD撤退で痛手も

2008年02月18日 中国新聞ニュ-ス

 次世代DVD規格「HD DVD」からの撤退を検討している東芝が18日、1兆8000億円規模の巨額資金を投じて半導体工場を新設する方針を固めた。不採算の事業を思い切って整理すると同時に「強い分野には(経営資源を)傾斜配分していく」という西田厚聡社長の掲げる「選択と集中」の戦略が一段と鮮明になってきた。

 ただ「HD DVD」の撤退は製造設備の減損処理などで数百億円の損失発生が見込まれる上、消費者に直結するデジタル家電中核商品の一角を失うことによるイメージダウンも避けられない。強化する半導体事業も投資負担が重く、価格が急低下する懸念を抱えている。経営資源を多くの事業分野に分散していては、国際競争に勝ち残れないとの危機感が背景にあるが、「選択と集中」戦略は同時にリスクを背負うことになる。

 岩手県北上市と三重県四日市市の2カ所に建設する半導体工場では、携帯電話や携帯音楽プレーヤーの記憶装置に使う「NAND型フラッシュメモリー」を製造する。

日の丸半導体、メモリ価格急落でサムソンと決死の持久戦に

2008年02月15日『週刊ダイヤモンド』編集部 柴田むつみ

 半導体メーカーの2007年10〜12月期決算は、メモリの価格急落の波にのみ込まれた。

 携帯音楽プレーヤーなどに用いられるNAND型フラッシュメモリ(一括消去再書き込み可能なメモリ)を主力とする東芝の同決算は、半導体部門の営業利益が前年同期比で30%減少し、168億円となった。全社の営業利益の約半分を半導体に依存するため、東芝全体でも同25%減と、421億円の営業利益に終わった。

 NANDフラッシュの価格は、昨年のピーク時から約40%低下した。2008年1〜3月期の価格はさらに20%下がると、東芝は見る。3年間で、提携する米サンディスク分を除いて1兆円強の巨額投資を計画しており、今年度中に予定する国内工場増設の決断を下せば、社運を賭けた大勝負に出ることになる。

 パソコンなどに搭載されるDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリ)でも、指標となる大口価格が1年間で85%下がるなど、価格破壊が起こった。DRAM専業のエルピーダメモリは、同期決算で八九億円の営業赤字に陥った。前年同期は273億円の黒字だった。

 両分野で世界シェア1位の韓国サムスン電子も例外ではない。需給に合わせNANDフラッシュとDRAMの生産ラインを巧みに切り替える生産調整を行ない対応したが、半導体部門の同期決算は4300億ウオン(約470億円)と前年同期比75%減に落ち込んだ。

 しかし、サムスンは今年も前年並みに、両メモリ向けで約7700億円の投資を予定する。特にNANDフラッシュでは、コスト競争力に直結する先端プロセス開発で東芝に先行されており、追い上げに必死だ。

「投資競争は引き下がれない。両製品とも中下位勢は厳しくなる」(南川明・アイサプライ・ジャパン副社長)。

 今はまだ各社とも自己資本比率約50%を確保するものの、3四半期連続で営業赤字に苦しむ独キマンダや韓国ハイニックス、米インテル・マイクロンテクノロジー連合なども投資抑制を表明し始めており、余力は小さい。

 東芝、エルピーダは、サムスンとの過酷な持久戦を強いられる。

炭素ナノチューブ利用した「新型メモリー素子」開発

2007/12/24 朝鮮日報/朝鮮日報JNS イ・ヨンワン記者

 カーペットを指でなぞると、跡が付く。これと同様に、情報が漏れると模様が変化し、それを記憶する新しいメモリー素子が、韓国と英国の共同研究チームによって開発された。

 サムスン総合技術院のチャン・ジェウン博士と成均館大学のカン・デジュン教授、英ケンブリッジ大学のアマラトゥンガ教授の共同研究チームは「ネイチャー・ナノテクノロジー」の電子版(23日付)に掲載した論文で「直径が60億分の1メートルにすぎない炭素ナノチューブを垂直に重ねた新しいメモリー素子を開発した」と明らかにした。

 炭素ナノチューブとは、炭素がハチの巣のようにつながり束になったもので、通電性は銅の1000倍に上り、鋼鉄よりも100倍も強いため、次世代の電子素材として脚光を浴びている。

 研究チームは「電気が流れると、炭素ナノチューブが磁石のようにくっついたり、離れたりする動きを利用した。電気機械メモリー素子は、ナノメートル(10億分の1メートル)単位でも動くということを初めて立証した」と説明した。

韓日NAND型フラッシュメモリー戦争勃発

2007/12/05 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 卓相勲(タク・サンフン)記者

 次世代メモリー半導体市場をリードするNAND型フラッシュメモリーをめぐり、業界1‐3位のサムスン電子、東芝(日本)、ハイニックス半導体が激しい競争を繰り広げている。

 NAND型フラッシュメモリーはデジタルカメラや携帯電話の記憶装置に使われるメモリー半導体で、市場規模が2009年に212億ドル(約2兆3292億円)に達する見込みだ。パソコンに多く使われているDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)に比べ、価格の下落幅が小さく、成長率の高いメモリー半導体メーカーが積極的に攻勢をかけている。

 ハイニックスは4日、来年1月にNAND型フラッシュメモリー生産メーカーとして初めて最先端技術である48ナノ工程の新製品「16ギガバイト・マルチレベルセル(MLC)」を量産すると発表した。現在、同分野で1位のサムスン電子が適用している「16ギガバイトMLC」の51ナノ工程より10%、2位東芝の56ナノ工程より約20%生産性が高い、とハイニックスは説明した。

 ハイニックス関係者は「NAND型フラッシュ事業を始めてから4年間で最も生産性の高い量産体制を取り、同事業を急ピッチに進めている」と話した。

 業界1位のサムスン電子も同様に、今年に入って世界初のNAND型フラッシュメモリーを搭載した64ギガバイトの大容量記憶装置「SSD」を開発、市場形成に積極的に乗り出している。SSDは既存のコンピューターのハードディスクドライブと同様の機能を持つ製品で、年間70%以上の市場成長が期待される分野だ。

 サムスン電子はまた、「OneNAND型フラッシュメモリー」「フレックスOneNAND」などいろいろなタイプの半導体の機能を一つにした融合型NANDフラッシュを相次ぎ発表、差別化に乗り出している。

 NAND型フラッシュメモリーを世界で初めて開発した日本の東芝も、威信を懸けて攻勢を強めている。今年10月には、2009年までに約8兆ウォン(約9516億円)を投入し、30ナノ工程でNAND型フラッシュメモリーを量産するという大々的な投資計画を発表。最近、日本で大規模な新工場を完工した。

 こうした中、市場育成を目指し企業間の提携も繰り広げられている。サムスン電子と東芝は最近、サムスン電子が開発した「OneNAND型フラッシュメモリー」「フレックスOneNAND」の製造技術を相互共有することにした。まだ普及初期の段階であることから、提携を通じて市場を育成するという新たな利害関係が生まれた。昨年10月には、同市場6位のSTマイクロも「OneNAND型フラッシュメモリー陣営に合流し、次世代市場対策に備えている。

ゲーム機用半導体の設備売却 ソニー、東芝に1000億円で

2007年09月15日 中国新聞ニュ-ス

 ソニーがゲーム機用半導体などの生産設備を、来春にも東芝に売却する方向で交渉していることが15日、分かった。売却額は1000億円近くになる見通し。

 半導体の開発、生産には大規模な資金が必要なため、ソニーはゲーム機用の生産から事実上撤退。ビデオカメラやデジタルカメラ向けの半導体に投資を集中させる。

 半導体生産で国内最大手の東芝は、買収によってシェアの一層の拡大を目指す。電機各社は、次世代半導体の共同開発を探る動きがあり、合従連衡が一層加速しそうだ。

 売却対象は、生産子会社「ソニーセミコンダクタ九州」の長崎テクノロジーセンター(長崎県諫早市)にある設備の一部。主力ゲーム機「プレイステーション3」に使う半導体「セル」などを生産している。

 東芝とソニーは共同出資の新会社を設立。東芝が買収した設備を新会社が借りて生産を手掛ける方向で検討している。新会社には東芝が過半数を出資し、経営の主導権を握る。生産に携わっている従業員は新会社が引き継ぐとみられる。

最先端DRAMを量産へ

2007/08/14 中国新聞地域ニュ-ス

 半導体製造の広島エルピーダメモリ(東広島市)は2008年3月までに、回路線幅65ナノメートル(ナノは10億分の1)のDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)の量産を始める。量産は世界初めて。生産コストも従来製品に比べて大幅に削減できる見通し。世界シェアの拡大を目指す。当初はパソコン向けを想定し、市場動向を見ながら携帯電話やデジタルカメラ向けのニーズを探る。

サムスン電子器興工場で停電事故、被害額64億円

2007/08/04朝鮮日報/朝鮮日報JNS 白剛寧(ペク・カンニョン)記者
サムスン電子

 世界最大のメモリー半導体生産メーカー、サムスン電子の京畿道器興工場で3日、変電所内の電気設備異常により生産ラインの稼動が中断された。この事故を受け、全世界の半導体価格が最大7%急騰、ライバル社の株価が上昇するなど影響が広がっている。

 サムスン電子は3日、「午後2時20分ごろ、器興工場で電気設備の過熱による停電事故が発生した。事故直後、6・7・8・9・14ラインと、システムLSI(非メモリー半導体)を生産するSラインの稼動を中断した」と明かした。事故現場には黒煙が立ち上り、該当ラインで作業中だった職員らは緊急避難したという。韓国国内の半導体生産史上初の大規模な生産中断事態だ。この影響により、世界最大の半導体取引情報会社であるDRAMエクスチェンジは事故直後、フラッシュメモリーの平均取引価格が7%以上急騰した、と発表した。AP・ロイター通信は事故直後、サムスン電子と競争関係にあるハイニックスや東芝などが、半導体価格の暴騰による反動で大きな利益を得るだろう、と分析した。

 器興工場は全世界のメモリー半導体生産量の約30%を占めている。器興工場には全部で15の生産ラインがあり、8・9・14ラインではメモリー半導体と呼ばれるDラム半導体と、フラッシュメモリーを生産している。フラッシュメモリーは携帯電話などに使用される記録装置で、器興工場が全世界の生産量の40%を占めている。また、6・7・Sラインでは非メモリー半導体を生産している。

 半導体の生産ラインが事故で停止した場合、製作中の製品はすべて廃棄しなければならないなど、生産における支障は避けられない。サムスン電子側は「3日午後11時20分ごろ、停電により稼動を中断していたライン全体への電気供給が再開され、4日午前中には生産が正常化される見通しだ。今回の事故による直接的な被害額は500億ウォン(約64億円)に達する」と発表した。一方、サムスン電子の華城半導体工場は通常通り稼動している。

【やばいぞ日本】第1部 見えない敵(4)「あの貪欲さはもうない」

2007/07/19 The Sankei Shimbun WEB-site

 ニッポン製造業の象徴である半導体産業が、この20年間でいかに凋落(ちょうらく)したかは、下の半導体売上高ランキング世界10傑の比較表をみていただければ、一目瞭然(りょうぜん)だ。

 テレビやパソコンなど幅広い分野で使われる半導体、とくにメモリーと呼ばれる分野で、1980年代に世界の頂点に立っていた日本はいまや、世界シェアについても当時の半分以下の25%に落ち込んでいる。この没落の原因は何か。

 「半導体産業の盛衰にまでかかわっているという意識はなかった。とにかく米国の狼藉(ろうぜき)を思いとどまらせ、被害を最小限に抑えることが先決だった」

 日本製半導体の輸出を抑制するため、86年9月に結んだ「日米半導体協定」交渉で、「タフ・ネゴシエーター(手ごわい交渉人)」と呼ばれた元通産審議官、黒田眞(74)=現世界経済情報サービス理事長=はこう述懐する。

 当時、DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)で日本勢の圧倒的な強さに危機感を強めた米国は、日本に外国製半導体の輸入増を求める協定を迫り、貿易摩擦の激化を恐れた日本は受け入れた。

 だが、米国は協定が守られていないとして87年、日本製パソコンなどに100%関税を課す報復措置を決定した。

 その後、日本は米国製品の輸入増に取り組んだ。黒田は今になって「米国が日本の頭を押さえつけた分、韓国や台湾のメーカーが伸びる余地を作った面はあるかもしれない」と語る。

 しかし、日米協定は半導体凋落の序章にすぎなかった。

 低迷の原因はもっと根深いところにあった。日本企業、さらに国家としての産業戦略の不足だ。日本の半導体産業は90年代初頭のバブル崩壊とともに斜陽産業となった。半導体は進化を遂げるごとに設備投資が倍々ペースで膨らんでいく。バブル後の撤退戦を強いられていた当時の経営者は半導体事業を「浮き沈みの大きい金食い虫」と敬遠し、投資を一斉に手控えた。

 時を同じくして、韓国、台湾メーカーの攻勢が始まる。特に財閥系の韓国メーカーは、週末に日本の技術者を呼び寄せて高額な報酬と引き換えにして技術指導を依頼。当時、日本の大手半導体メーカーは金曜日の夜、羽田空港や伊丹空港に「見張り番」をひそかに置いた。週末を利用して韓国メーカーに技術指導に出向く技術者に思いとどまるよう説得するためだ。

 韓国メーカーは日本メーカーのリストラに乗じ、従来の年収の2〜3倍という高待遇で日本の技術者を招き入れた。韓国大手メーカーに“転職”した日本人技術者は言う。「待遇面も大きいが、韓国人技術者たちがみな必死でやっていることに感動した。あの貪欲(どんよく)さはもう日本の現場にはない」。巨額投資を武器にした韓国・台湾勢が日本を追い抜くのに時間はかからなかった。

揺らぐ「ものづくり」

 「『WHAT TO MAKE(何を作るか)』で米国に負け、『HOW TO MAKE(どのように作るか)』でアジア勢に負けた」

 50年にわたる日本の半導体産業の栄華と没落を目の当たりにしてきた東芝元副社長の川西剛(78)=現半導体シニア協会長=はこう分析する。

 栄華を極めたDRAMで惨敗した日本メーカーは、家電の心臓部となるシステムLSI(高密度集積回路)に軸足を移した。しかし、LSIは顧客の要望に沿って開発する特注品だ。手堅く稼げるが量の確保が難しく、「開発費がかさむわりに量産効果が出にくい」(NECエレクトロニクス)。最大手の米インテルがパソコン向けMPU(超小型演算処理装置)で8割弱ものシェアを握ったのとは対照的だ。

 欧米には自社の生産設備を持たない「ファブレス」と呼ばれる半導体メーカーが多い。自らは製品の開発や販売などに特化し、生産は台湾などの生産受託会社(ファウンドリー)に任せる仕組みだ。巨額投資のリスクを回避できるうえ、開発スピードも上がる。

 台湾メーカーは中国進出を加速させ、中国も新たなプレーヤーになりつつある。

 一方、日本の研究開発力そのものが低下している、と危惧(きぐ)する声もある。主要な国際学会での日本企業発の採択論文数は長期的に減少傾向にある。「ものづくり」をないがしろにする傾向も否定できない。

 「会社に絶望した」。大手電機メーカーの半導体設計者は最近、半導体とはまったく無縁の機器販売を行う営業職に転じることになった。会社のリストラに伴い、所属していた設計部門が解散したためだ。入社してわずか2〜3年。他社への移籍も考えたが、技術者を募集している同業他社はほとんどなかった。

 「より品質が高い製品をより安く」という日本が長い間守ってきた「ものづくり」の伝統は、いま、世界的なコスト競争という壁に突き当たり、大きな転機を迎えつつある。だが、日本の「ものづくり」への取り組みを改めて見つめ直すことこそ、新たな国際競争力を生み出す糧になるのではないかとの指摘もある。

 電子情報技術産業協会(JEITA)によると、日本の半導体産業が生み出す付加価値は3兆円弱。だが、半導体を使う電子機器などの製造業がもたらす付加価値は32兆円、さらに半導体を組み込んだ電子機器を通じて普及した情報サービスの付加価値は44兆円にのぼる。つまり、半導体産業は約80兆円にのぼる経済効果を支えている。

 日本の半導体産業が揺らげば、日本の産業そのものが揺らぎかねない。

 「まだ悲観することはない」と言う川西だが、「半導体だけでなく、製造業は日本の産業界が誇れる唯一無二の存在。これを失えば日本は滅びる」と警告する。 =敬称略  (田端素央)

「日本の対ハイニックス社製DRAM相殺関税賦課は不当」

2007/07/14 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 李陳錫(イ・ジンソク)記者

 韓国外交通商部は13日、「ハイニックス社が輸出する半導体DRAMに対し相殺関税を賦課する日本政府の措置は不当」との判定が世界貿易機関(WTO)によって下されたことを明らかにした。

 相殺関税とは、輸出国が不当に政府補助金などを与え、輸出商品の価格を低く抑えた場合、政府補助金に相当する関税を賦課することをいう。

 外交通商部は「ハイニックス関連訴訟で韓国が事実上勝訴したという内容の“紛争処理小委員会(パネル)最終報告書”がWTO加盟国に正式に回覧された」と述べた。

 外交通商部関係者は「全体的に判定形式は一部勝訴、一部敗訴の形だが、相殺関税維持に関する主な争点では、韓国の立場が受け入れられ、事実上勝訴した」としている。

 また、外交通商部は「今回の判定により、日本は相殺関税措置を続ける法的根拠を失い、韓国は相殺関税撤廃を求める根拠を得た」と述べた。これまで賦課された相殺関税には影響がないが、今後は賦課できなくなるということだ。

 日本政府は昨年1月から「韓国政府が輸出補助金を出している」としてハイニックス社製の半導体DRAMチップに対し5年間で27.2%に達する相殺関税を課すことを決めたが、韓国政府がこれを提訴、同年5月にWTO紛争処理小委員会が設置された。

 日本のDRAM市場におけるハイニックスのシェアは2004年に16%に達したが、06年には13%に下がっている。

半導体、日本が実質敗訴 日韓紛争で最終報告

2007年07月13日 中国新聞ニュース

 【ジュネーブ13日共同】韓国の半導体大手、ハイニックス半導体が韓国政府の補助金で不当に安い製品を対日輸出しているとして、日本が相殺関税を課している問題で、世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会(パネル)は13日、日本の措置に問題があるとする日本側実質敗訴の最終報告を公表した。日本はこれを不服とし、上級委員会への上訴を検討している。

 この問題は、韓国の銀行が2001−02年にハイニックスに対して行った金融支援が、政府による事実上の補助金に当たるかどうかが争われている。

 報告書は、01年の金融支援については韓国政府が銀行に「委託・指示」してハイニックス支援を行ったとして、日本側の主張を認める一方、02年の支援については補助金と認めるには日本の立証が不十分と判断。

 日本が相殺関税を開始した06年には、最初の支援による補助金の効果がなくなっており、同関税は不当とする韓国側主張を基本的に認めた。

 ジュネーブの日本政府代表部は「日本の主張が受け入れられた部分もあるが、報告書に満足しているわけではない」としており、上級委への上訴を含め対応を検討する方針だ。

半導体業界、メモリの価格急落で打撃

2007/06/15 CNET JAPAN/文:Michael Kanellos(CNET News.com)

 半導体業界団体による調査結果から、一部製品の価格下落が業界全体に影響をおよぼしている現状が浮かび上がった。

 2007年における半導体業界全体の売上成長率が、ある種の半導体製品の価格が急落したことにより伸び悩んでいる。Semiconductor Industry Association(SIA)は当初、2007年の売上成長率をおよそ10%と見込んでいたが、現在は予測を下方修正し、2006年比1.8%増の 2520億ドルにとどまると考えている。

 PCで利用されるメモリであるDRAMの平均販売価格は、2006年12月から2007年4月にかけて33%下落した。フラッシュメモリ製品は、出荷数こそ54%増えたものの、価格は前年比35%減となっている。

 米国時間6月14日にインタビューを受けたSIAのプレジデントGeorge Scalise氏は、「まったく予想外の事態だ。高い需要が存在している中でこうした動きが見られるのは、きわめて異例である」と話した。

 価格下落の原因は、企業が利益を犠牲にして市場シェアを求めたことにあると考えられる。そのほかの点については、例年と変わりない。工場の生産能力の活用率は、約80%で推移している。電子製品に対する需要は堅調であり、製造技術の進展状況にも際だった変化は見られていない。また、チップの出荷数も高いままだ。

 現在の在庫も特に問題とはなっていない。世界にはおよそ30億ドル相当の在庫があるが、これは年間売上高の1%強に過ぎず、チップ業界の過去の数字と比べても非常に低い。

 「(異なるのは、)今日では多くの企業が市場に新規参入し、シェアを奪おうとしている点だ」と、Scalise氏と述べた。

 急激な価格下落は、2007年の3月頃から始まった。ハードドライブ業界も、同様の現象にダメージを受けている。

 メモリメーカーMicron Technologyの広報担当を務めるDan Francisco氏は、DRAM業界にとって、マーケットシェア獲得に腐心する企業の存在は大きな脅威だと話す。最近では、複数の台湾および中国 DRAMメーカーが、なりふり構わずシェアを奪おうとしているのだという(もっとも、MicronもIntelとジョイントベンチャーを立ち上げて、フラッシュメモリ業界におけるシェア拡大をねらっている)。

 Scalise氏は、自前の製造施設を持っていない企業向けにチップを製造している新設半導体工場にも、責任があると述べている。中国に乱立されている半導体工場の多くは、平均的なチップメーカーより高い生産能力を備えており、稼働率を上げるためにディスカウントを提示しているのだ。

 ただし、現在の状況がおそらくは最低レベルである点は、明るい材料だと言える。一般的に年の後半になると需要は上向くが、これに伴って供給が引き締められ、価格の下落に歯止めがかかることを業界は期待している。マーケットシェアを追い求めている企業も、いずれ撤退を余儀なくされるだろう。

 「もうこれ以下はないというところまで来ている。どんなものにでも、最低の地点はあるものだ」(Scalise氏)

 SIAは、2006年から2010年におけるチップ業界の年間成長率は、予測不可能な政治的および経済的闘争が勃発しないかぎり、平均5.5%に達すると見ている。

半導体大手4社は増収 価格下落で利益ばらつく

2007年05月10日 中国新聞ニュース

 半導体大手4社が10日までに発表した2007年3月期の半導体関連の連結決算は、デジタル家電や携帯電話向け製品などが好調で、各社とも増収だった。ただ、製品価格下落の影響などで2社が営業減益に転落するなどばらつきが出た。

 エルピーダメモリは携帯電話や薄型テレビなどに使うDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)が好調で、売上高は前期比約2倍の4900億円。広島県の先端ラインの増強で生産効率が上がり、営業利益は約475倍の684億円になった。

 ルネサステクノロジは携帯電話向けのシステムLSI(高密度集積回路)などが好調で、売上高は約5%増の9526億円。自動車向け半導体などで価格が安定していたことなどから営業利益も235億円と8割近く伸ばした。

 一方、東芝と富士通の半導体事業(富士通は電子部品を含む)は売上高は増えたが、営業利益はそれぞれ約4%、約36%の減益。

ソニー、3社連合離脱へ 次世代半導体開発見直し

2007年04月07日 中国新聞ニュース

 ソニーが次世代半導体を共同開発するために提携した東芝、NECエレクトロニクスとの3社連合から離脱することが7日、明らかになった。ソニーは半導体投資を大幅に削減する方針で、投資負担の重い次世代製品の開発体制を抜本的に見直す。半導体事業についてはデジタルカメラのセンサーや液晶テレビ向けに集中する。

 携帯電話などのデジタル機器を高機能化する次世代半導体の開発には数千億円規模の投資が必要で、ソニーの離脱によって東芝とNECエレの投資負担が重くなるのは確実。開発スピードが鈍ると、韓国サムスン電子や米インテルなどとの国際競争で後れを取る懸念も出てくる。

 次世代半導体をめぐっては、投資負担を分散するため、3社連合のほかにも松下電器産業とルネサステクノロジも提携している。海外勢に対抗するため、多くの国内メーカーが参加する「日の丸半導体」構想も浮上していたが、各社の足並みの違いなどから実現は難しい情勢だ。

「台湾、TSMCの上海への最先端技術移転を承認」

2007/03/21 NEWSIS/朝鮮日報JNS

 台湾政府が半導体メーカー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の中国上海工場への最先端技術移転申請を承認した、と中国時報が21日報じた。

 同紙によると、経済部は20日に投資審議会を開催し、TSMCが上海工場に回路線幅0.18マイクロメートルの半導体加工技術を移転することを承認した。

 これまで台湾当局は、国内産業空洞化への懸念から、半導体メーカーが中国に移転できる技術を制限してきた。0.18マイクロメートルの技術移転を認めるのは今回が初めて。

 経済部は昨年12月、これまで0.25マイクロメートルに定められていた技術移転制限を技術世代としては1世代先の0.18マイクロメートルに緩和する方針を発表していた。

 同社は既に、台湾工場で0.18マイクロメートルより3世代進んだ65ナノメートル半導体の量産体制に入っている。

45ナノの次世代半導体生産へ 米インテル、今年後半から

2007年01月28日 中国新聞ニュース

 【ニューヨーク27日共同】米半導体最大手インテルは27日、回路線幅で45ナノメートル(ナノは10億分の1)サイズとなる次世代半導体の製造技術の一部を公開、今年後半から生産を開始する方針と発表した。

 実用化されている半導体の最小路線幅は65ナノ。電流漏れを防ぐために新素材を採用した次世代半導体は、65ナノの半導体に比べ処理スピードが20%向上し、消費電力が低減する。

 米メディアによると、IBMも半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)と共同で同サイズの半導体開発に成功し、量産にめどをつけた。

 路線幅の縮小はパソコンや携帯電話など電子機器の小型化や省電力などにつながるため、米国、日本、韓国メーカーなどが激しい開発競争を繰り広げている。

半導体の集積度8倍に ナノテク活用の新手法 米HP

2007/01/18 FujiSankei Business i.

 米コンピューター大手ヒューレット・パッカード(HP)は16日、ナノテクノロジー(超微細技術)の「ナノワイヤ(ナノ細線)」を半導体製造に応用する新手法を開発し、半導体の集積度が一気に8倍に高まったとの研究成果を発表した。デジタル家電向け半導体などに応用され、性能向上につながる可能性もある。

 半導体業界では、半導体の集積度は1年半〜2年ごとに2倍になるとの経験則「ムーアの法則」を達成するため、半導体に組み込むトランジスタや回路線幅の微細化にしのぎを削っている。

 これに対しHP研究所は、製造後にプログラムを書き込めるシステムLSI「FPGA」にナノワイヤ技術を導入し、トランジスタの大きさを変更せずに、集積度を上げ、省電力も実現できたという。(シリコンバレー 時事)

               ◇

【用語解説】FPGA

 「Field Programmable Gate Array」の略。家電メーカーなどが製品の用途に応じてコンピューターで自由に設計する半導体回路。書き換えも簡単にでき、安価な点が特徴。AV(音響・映像)をはじめ幅広い電器製品に搭載されている。1985年に米ザイリンクス(カリフォルニア州)が初めて製品化した。

サムスン電、DRAMとSRAMを統合したメモリー開発

2006/12/14 朝鮮日報/朝鮮日報JNS

 サムスン電子が「ワンDRAM」という新たな複合メモリー半導体の開発に成功した。サムスン電子の黄昌圭(ファン・チャンギュ)社長は11日(現地時間)、米国のサンフランシスコで開幕した国際電子デバイス会議(IEDM)で、DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)とSRAM(記憶保持動作が不要な随時書き込み読み出しメモリー)を一つに統合した512メガの「ワンDRAM」の開発に成功した、と発表した。

 サムスン電子は「ワンDRAMは、チップの数を少なくすることでコストダウンを実現した」とし、「回路の面積は50%小さくなり、消費電力は30%削減できる」と説明した。これにより、ポータブルIT(情報技術)機器の小型化が急速に進むという。

 これを受け、サムスン電子は来年の第2四半期からワンDRAMの量産を開始し、第3四半期には本格的に供給していく計画だ。

 ワンDRAM市場の規模は、2008年の2億ドル(約234億円)を皮切りに11年までの5年間で計25億ドル(約 2兆3000億ウォン=約2925億円)にまで膨らむものと見込まれている。

 このような状況で、黄社長は12日、IEDMの会員など,000人余が参加する中、半導体技術分野では権威ある「2006アンディ・グローブ賞」を受賞した。

 これは、次世代のメモリー半導体の開発に成功したこととメモリーの新成長論(メモリー半導体の集積度は毎年2倍ずつ増える)を7年連続で立証したことなどの功績が大きく評価されたためだという。

 アンディ・グローブ氏とはインテルの創立者で、歴代のアンディ・グローブ賞の受賞者7人のうち、アジア系企業からの受賞者は黄社長が初めてだ。

 DRAMは、電源が切れると保存されていた情報が消去されるメモリー半導体で、主にコンピューターの臨時保存装置として使用されている。SRAMは、DRAMよりも処理速度が速く、主に通信用メモリーとして使用されている高付加価値半導体だ。

 今回開発されたワンDRAMは、これらの機能を有するDRAMとSRAMを親指のつめより小さな面積に統合した複合メモリーだ。

三星、DRAMの3大世界市場でトップ

2006.09.24 中央日報

三星(サムスン)電子がDRAM半導体の世界3大市場で独走している。業界が24日伝えたところによると、市場調査会社のアイサプライが集計した結果、三星電子は今年上半期、米国・欧州・日本の世界3大DRAM市場で不動の第1位をキープした。

米市場では、今年第1四半期に6億8300万ドル(約800億円)、第2四半期に7億8800万ドルなど、上半期に計14億7100万ドルの売上げを達成し、35.85のシェアでトップになった。これは第2位のキモンダ(旧インフィニオン)の上半期のシェア19.3%(7億9200万ドル)、第3位のマイクロンの18.0%(7億4000万ドル)を大きく上回るもの。

三星電子はまた、上半期に欧州のDRAM市場でも、全体22億7700万ドルの33.7%にあたる7億6800万ドルの売上げを達成し、第2位のキモンダ(20.7%)と第3位のマイクロン(16.4%)を抜いて第1位になった。日本のDRAM市場でも上半期に35.7%(6億6800万ドル)のシェアを獲得している。

半導体“日韓戦”再び フラッシュメモリー市場急拡大

2006/08/13 The Sankei Shimbun東京朝刊から

 携帯音楽プレーヤーやデジタルカメラ用に需要が急拡大している半導体「NAND(ナンド)型フラッシュメモリー」。最近では、パソコンの大容量記憶媒体の主役であるハードディスク駆動装置(HDD)の領域にも踏み込めるほど性能が向上してきた。この成長市場でリードするのは、サムスン電子を筆頭とする韓国勢。これに対し、DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)戦争で韓国に敗退した日本勢も、東芝を中心に積極投資を進めており、さらなる競争激化は必至だ。

≪広がる用途≫

 ソニーが発売した小型携帯パソコン「VAIO(バイオ)typeU」には、HDDの代わりに16ギガバイトのフラッシュメモリーが搭載されている。ソフトの起動時間がHDDタイプより3〜6倍速くなったほか、消費電力が少なくなったことで駆動時間も15%伸びた。

 HDに比べてまだ割高なフラッシュだが、大容量化が進んだことで用途がさらに拡大。家庭用のビデオカメラなどにも導入が進み、iPod(アイポッド)などの携帯音楽プレーヤーでは「すでにHDDからフラッシュに『主役交代』した」(電機関係者)とまで言われるほどだ。

 また、パソコンでもモバイル分野中心にフラッシュの採用が進む。HDDメーカーの米シーゲイト・テクノロジーなど数社は来春にも、フラッシュとHDDを両方搭載した「ハイブリッド(混合型)HDD」を発売する。これは、来年1月に米マイクロソフトが発売を予定している次期基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」に対応した動きだ。ビスタには処理を高速化する機能が盛り込まれている。一定の記憶領域をフラッシュに振り分けることで、ハードディスクにかかる負荷を軽減するのだ。

≪DRAMは敗北≫

 東芝はNAND型の世界市場規模が平成20年には、昨年の2倍の2兆6000億円にまで拡大すると予測する。フラッシュは数ある半導体の中でも最も成長が期待される分野で、注目度が高い。

 日本はDRAM戦争で韓国に敗退した苦い経験があるが、NAND型は昭和62年に東芝が開発した技術で、今回のフラッシュ戦争では一層力が入る。8月に、四日市工場内にNAND型の4棟目の工場を着工し、20年度には岩手県北上市を軸に5棟目の工場建設を検討中。投資総額は20年度までの3年間で1兆円を超す見通しだ。

 無論、サムスン電子も負けてはおらず、2012年(平成24年)までに総額330億ドル(約3兆8000億円)を投じて生産ラインを順次新設する計画だが、かなりの部分をNAND型が占めるものとみられる。

 増産に伴い、フラッシュの価格は加速度的に下落しており、「年間で4〜5割程度下落するのでは」(半導体メーカー)と体力勝負の領域に入りつつあるが、価格下落が用途拡大につながっているという一面もある。フラッシュメモリーはかつてのDRAM戦争の様相を呈してきた。

日韓半導体摩擦、WTOに 本格的通商紛争に発展

2006/06/19 The Sankei Shimbun

 韓国の半導体大手、ハイニックス半導体が政府の補助金を受けて不当に安く製品を日本に輸出しているとして、日本政府が相殺関税を課している問題で、世界貿易機関(WTO)は19日、紛争処理小委員会(パネル)の設立を決めた。日韓半導体摩擦はWTOを舞台にした本格的通商紛争に発展した。

 ハイニックスは韓国政府が出資する銀行から融資を受けているが、日本政府はこれがWTO規則に抵触する輸出補助金に該当すると判断。今年1月に同社のDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)に27.2%の相殺関税を発動。韓国側はこれを不満として3月に日本をWTOに提訴した。

 ハイニックス製品に対しては米国と欧州連合(EU)が2003年に相殺関税を課し、韓国がWTOに提訴したが、昨年6月に通商紛争の上級審に当たるWTO上級委員会で敗訴している。(ジュネーブ 共同)

東芝、半導体設備を増強

2006/05/31 The Sankei Shimbun

 東芝は31日、デジタル家電などの電源に使用される半導体の生産能力を引き上げると発表した。現在の生産能力は明らかにしていないが、平成22年までに生産能力を月産6万枚に増やす。総投資額は5年間で500億円強を見込む。半導体製造子会社の加賀東芝エレクトロニクス(石川県能美市)に新製造棟を建設。19年7−9月期から量産を開始する。

日本のDRAM相殺関税、韓国がWTO提訴へ

2006年03月11日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ソウル=中村勇一郎】韓国の聯合ニュースは11日、通商消息筋の話として、日本政府が韓国半導体大手ハイニックス製DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)に相殺関税を発動したことに対し、韓国政府が今週初めにも世界貿易機関(WTO)に提訴する方針だと報じた。

 日本政府は1月、ハイニックスが不当に安い価格でDRAMを日本に輸出していたとして、日本初の相殺関税の発動を決めた。

東芝、四日市工場に新棟建設へ フラッシュメモリー大幅増産

2006/03/06 The Sankei Shimbun

 東芝は6日、フラッシュメモリーを生産している四日市工場(三重県四日市市)に、新棟を建設することを明らかにした。総投資額は5000億円規模となる見通しで、早ければ2007年に増産を始める。

 東芝は携帯音楽プレーヤーや携帯電話市場の急成長に伴い、これらの機器に使われ、高速で消去や書き込みができる「NAND型」フラッシュメモリーを大幅増産してシェアを高めたい考えだ。

 総投資額は生産、開発で提携している米半導体大手サンディスクと分担するとみられる。四日市工場の月産枚数は、07年3月に直径300ミリシリコンウエハー換算で7万枚となる予定だが、新棟がフル稼働すれば生産能力は2倍の14万枚以上になる見通しだ。

 東芝は、世界のNAND型フラッシュメモリー市場が毎年40%増のペースで伸び、09年3月末に2兆1500億円を超えると予測。NAND型メモリーを中心とした半導体に、05―07年度で5500億円を投資する計画だ。05年度だけで既に2890億円に上っており、投資額の上乗せも検討する。

東芝、06年度の採用倍増へ 半導体開発など強化

2006/02/27 The Sankei Shimbun

 東芝は27日、2006年度にグループ全体として2960人を採用する計画を発表した。05年度の採用見込みと比べると、ほぼ倍増。半導体などの開発力強化や海外での営業担当者の増員などが狙い。多様な人材を確保するため、外国籍の人材や海外大学の在籍者なども積極的に採用するとしている。

 職種別の内訳では、研究開発部門など技術系が810人増の1970人。営業など事務系が310人増の540人。高卒者も含む現場の技能系は4倍強の450人。採用予定数には、06年9月卒や07年3月卒、中途採用も含む。

 また、企業の社会的責任(CSR)重視の観点から、障害者雇用も強化。08年4月までに、すべての連結子会社が法定雇用率を達成することを目指す。

 東芝は、携帯音楽プレーヤーやデジタルカメラに使うフラッシュメモリーなどが好調。今年1月に業績予想を上方修正し、06年3月期の連結純利益を650億円と見込んでいる。(共同)

韓国企業の安価DRAM 相殺関税を初発動

2006/01/21 The Sankei Shimbun【東京朝刊から】

≪日本政府、27日から27.0%≫

 韓国のハイニックス社製のDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み・読み出しメモリー)が同国政府の補助金を受け、日本で不当な安値で販売されている問題で、政府は20日、相殺関税を発動する方針を正式決定した。関税率は27.2%で、閣議決定して27日に実施する。日本が相殺関税を発動するのは今回が初めてとなる。通商をめぐる不利益を防ぐため、政府が国際ルールを積極的に活用していく転機となりそうだ。

 ハイニックスは韓国政府系銀行から低利融資などの支援を受けており、これがWTOの禁じた輸出補助金にあたるとして、国内半導体大手のエルピーダメモリなど2社が平成16年6月に相殺関税適用を申請。財務、経済産業両省が調査を進めた結果、27.2%の相殺関税を課すべきだとして昨年10月に韓国側へ通告していた。

 韓国政府は昨年11月、「政府は融資を指示していないので、補助金にあたらない」などと反論する文書を提出したが、日本政府は「政府系金融に政府の関与がないとはいえない」と判断し、相殺関税の発動を決めた。

 ハイニックスのDRAM製品をめぐっては、米国と欧州連合(EU)も15年8月にそれぞれ44%、35%の相殺関税を発動。韓国はWTO(世界貿易機関)の紛争処理委員会(パネル)に提訴したが、昨年6月、上級審が米国、パネルがEUの措置を「合法」と判断し、いずれも確定している。

 このため、日本の相殺関税について韓国がWTOに提訴しても、再び退けられる公算が大きい。韓国は強硬姿勢を崩さないが、「対日関係をめぐる国内世論などから、引くに引けないのではないか」(政府筋)との見方も出ている。

 相殺関税は、WTOが認めている不公正貿易への対抗措置で、被害を受けた企業などからの申請により政府が調査、発動する仕組み。欧米で多用されてきたが、日本では昭和50年代後半にパキスタン産綿糸とブラジル産の鉱物資源について2件の申請が出されただけにとどまっていた。

 経産省では「これまでは産業界が自助努力で吸収してきた面がある」と分析する一方、「アジア諸国の台頭で競争は激化しており、相殺関税などの対抗措置はより有効になるだろう」とみている。

≪国内の半導体・PCメーカー 影響は限定的か≫

 韓国ハイニックス製半導体のDRAMに相殺関税が課せられることで、DRAMの国内市況に影響を及ぼす可能性がある。ハイニックスが韓国内の自社工場からDRAMを日本向けに輸出するのは困難になるとみられているからだ。ただ、すでにパソコンメーカーは複数社からの調達に切り替えており、国内メーカーの生産体制に与える影響は少なそうだ。

 パソコンなどに使用される512メガビットのDRAM価格は供給が過剰となっているため、昨年10−12月期に25%程度下落。このため、DRAM大手のエルピーダメモリは、平成17年10−12月期の営業利益を6億5000万円(従来予想は15−45億円)に下方修正するなど、半導体メーカーの業績を圧迫する要因となっている。

 市場では、ハイニックス製のDRAMに上乗せ関税が課せられることに関して、「程度はわからないが、影響はある」(関係者)との見方が多く、需給改善に対する期待が大きい。エルピーダメモリも「公正な環境での競争を望む」としており、今回の政府の決定を歓迎している。

 ただ、ユーザーであるパソコンメーカーなどに与える影響は「限定的」になりそうだ。国内の大手パソコンメーカーは、リスクを分散させるため、複数の企業からDRAMを調達しているためだ。ただ、ハイニックスは今後、中国生産を加速する計画であり、中国からの輸出が本格化すれば、国内市場は再び安値販売に悩まされる可能性もある。

相殺関税、初の発動へ 27日にも韓国製半導体に

2006/01/20 The Sankei Shimbun

 韓国の半導体大手、ハイニックス半導体が韓国政府の補助金を受けた製品を不当な安値で日本に輸出したとされる問題で、日本政府は20日、同社の製品に27.2%の上乗せ関税を課す相殺関税に踏み切る方針を固めた。27日にも閣議決定し、同日実施する。発動期間は原則5年以内。日本が他国に相殺関税を課すのは初めて。これに対し韓国政府も世界貿易機関(WTO)への提訴など法的措置で対抗すると表明、靖国神社問題でぎくしゃくしている日韓関係に影響を与えそうだ。

 日本政府は、NECや日立製作所が大株主である半導体大手、エルピーダメモリからの申請を受けて、2004年8月に調査を始め、昨年10月に相殺関税を課すのが適当との見解をまとめ、韓国政府や同社に通告していた。

 ハイニックスは、韓国政府出資の銀行から融資を受けており、これが輸出補助金を禁じたWTOの規定に違反し、損害を与えているとして日本企業が反発していた。

 ハイニックスに対しては03年に、米国が約44%、欧州連合(EU)が約34%の相殺関税の発動をそれぞれの調査に基づき決定。韓国はこれを不服としてWTOに訴え、紛争処理委員会(パネル)で勝訴したが、その上級審は昨年6月、パネルの決定を覆し米国の措置を支持していた。(共同)

 韓国の半導体大手、ハイニックス半導体が不当な安値で日本に輸出したとして、日本政府が今月27日から27.2%の相殺関税を発動する方針を固めたことに対し、韓国産業資源省は20日、関税は不当として「世界貿易機関(WTO)への提訴など可能な法的措置を取る方針だ」と発表した。

 同省は日本の決定は「日本企業の主張だけを受け入れたもの」とし「強力な遺憾」を表明。「今回の措置が、両国間の半導体分野での協力や貿易、事業の協力関係に影響を与えることを憂慮する」と指摘した。

 ハイニックスは2004年、日本のDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)市場で15.9%のシェア(占有率)を占めた。(共同)

「日の丸半導体」構想、3社で始動 共同製造に向け企画会社

2006/01/18 The Sankei Shimbun

 日立製作所、東芝、ルネサステクノロジの3社は18日、最先端半導体の共同製造を検討する企画会社を月内に設立すると正式発表した。巨額の設備投資を国内メーカーで分担し、米国や韓国に押される半導体産業の復権を目指す「日の丸半導体」構想が始動する。

 新会社の名称は「先端プロセス半導体ファウンドリ企画」。資本金は1億円で、日立が50.1%、東芝が33.4%、ルネサスが16.5%を出資。社長にはNECエレクトロニクスの橋本浩一(はしもと・ひろかず)前副社長が就任する。

 半導体工場の建設には3000億円以上が必要とされ、共同設立した場合の採算性などを検討し、夏ごろまでに可否を判断する。共同製造の実現は早くて2008年ごろになる見通しだ。

 世界の半導体業界は、最大手の米インテルが米マイクロンと合弁で製造会社を設立、韓国のサムスン電子も米IBMやドイツのメーカーと製造技術を共同開発するなど、共同製造に向けた動きが進んでおり、国内でもNECエレと東芝、ソニーが、最先端半導体の製造工程を共同開発中。企画会社も将来、より多くの国内メーカーに参加を募りたい考えだ。

 NECエレの中島俊雄(なかじま・としお)社長は「工場ができた時は、できれば前向きに活用したい」と参加に含みを持たせているが、東芝の西田厚聡(にしだ・あつとし)社長は「採算が取れなければ共同製造はしない」と話しており、「日の丸半導体」の工場実現には、なお曲折も予想される。(共同)

ソニーへメモリー供給か 韓国サムスン

2005/12/26 The Sankei Shimbun

 韓国の韓国経済新聞は26日、同国の半導体大手サムスン電子がソニーに対し、デジタル携帯音楽プレーヤー用のフラッシュメモリーを大量供給する契約を来年初めに締結する見通しだと報じた。

 サムスンは最近、米アップルコンピュータの音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」向けフラッシュメモリー供給を急拡大しており、同紙は「ソニーを引き入れることで、サムスンの市場掌握力が強化される」と伝えた。

 報道についてサムスンは「現在ソニーを含む企業と供給について協議中だが、詳細はまだ決まっていない」としている。

 同紙によると、ソニーはこのほどサムスンに対し、自社の携帯音楽プレーヤーにサムスン製メモリーを使用したいと伝えた。ソニーは8ギガバイト以上のメモリーを望んでおり、契約量はアップルを上回る規模になるという。(共同)

次世代LSI技術、共同開発で合意…東芝とNECエレ

2005年11月09日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 東芝とNECエレクトロニクスは9日、回路の配線の幅が45ナノ(ナノは10億分の1)・メートルの次世代システムLSI(大規模集積回路)について、生産技術の共同開発に合意したと発表した。

 製品の共同開発・生産も今後、検討する。

 東芝はソニーとも同様の技術の共同開発を進めている。今後、ソニーを含む日本の有力メーカーの大型提携に発展する可能性も出てきた。

半導体製品の関税撤廃合意 日米など、1月から

2005/11/04 The Sankei Shimbun

 米通商代表部は3日、日本をはじめ欧州連合(EU)、韓国、台湾の5カ国・地域間でマルチ・チップ・パッケージ(MCP)と呼ばれる半導体複合製品の関税を撤廃することで合意、来年1月から実施の見通しとなったと発表した。MCPは携帯電話やデジタルカメラ向けの需要が急増している製品で、関税撤廃により一層の市場拡大が期待できるという。

 世界貿易機関(WTO)加盟国の間では、1996年に基本合意した情報技術協定(ITA)に基づきほとんどの半導体製品に関税がかかっていない。しかしMCPはその後普及した製品のため、協定の対象に含まれていなかった。

 日本と台湾は既に同製品の関税率をゼロとしているため、今回の合意による変化は事実上ない。しかし韓国(8%)をはじめEU(最高4%)、米国(2・6%)は関税撤廃の必要があるという。

 5カ国は今回の合意をてこに、WTO新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)における非農産品市場アクセス交渉で、まだMCPへの関税を維持しているマレーシアやフィリピンなどに撤廃を促していく方針だ。(共同)

ハイニックス、東芝をフラッシュメモリ特許侵害で逆提訴 【訴訟】

2005/10/23(日) 知財情報局

 米国からの報道によると、半導体メモリ大手の韓国のハイニックス半導体が、同社のフラッシュメモリに関する特許権侵害を理由として、東芝と同社米国法人をITC(米国国際貿易委員会)に提訴した。米関税法337条(不公正な貿易慣行の制限)に基づき、東芝製フラッシュメモリーの米国への輸入及び販売の差し止めを求めているという。

 東芝は、昨年11月に、自社の特許権侵害を理由として、ハイニックスを日米で提訴している。東京地裁への提訴では、ハイニックスの日本法人、ハイニックス・セミコンダクター・ジャパンを相手取り、販売差し止めと損害賠償を求めている。米国テキサス州ダラス連邦地裁への提訴では、ハイニックス本社と、米国法人のハイニックス・セミコンダクター・アメリカ、米国代理店など5社を相手取り、販売差し止めと損害賠償を求めている。

 さらに、東芝は今年9月28日に、ITCに対しても同様の訴訟を起こしており、今回のハイニックスのITC提訴はその対抗措置とみられる。

 東芝とハイニックスは、以前は特許クロスライセンス契約を結んでいたが2002年末に満了、その後も交渉を続けたが契約条件が折り合わず、東芝が特許侵害訴訟に踏み切ったといわれ、今回のハイニックスの反訴により米国を中心にさらに係争が拡大することになった。

ハイニックス製の半導体:日本が27.2%の関税賦課も−韓国政府

2005年10月22日(ブルームバーグ)Infoseek楽天ニュース

  10月21日(ブルームバーグ):日本政府は、半導体メモリー世界2位の韓国ハイニックス半導体の製品に対し、韓国政府から不公正な補助金を受けたとして、来年2月から27.2%の輸入関税を課す可能性がある。韓国の外交通商省が21日発表した文書で明らかになった。

 ただ、日本の財務省当局者2人は匿名を条件に、日本政府は輸入関税についてまだ検討中で、決定には至っていないと述べた。

 ハイニックスをめぐっては、日本のほか欧米が同社再建に向けた韓国政府の支援が世界貿易機関(WTO)の規定に反すると主張している。米国と欧州連合(EU)はハイニックスの半導体メモリー製品に対し、それぞれ45%、35%の輸入関税を課している。

 ハイニックスは、日本政府の決定を遺憾とし、「ハイニックスが韓国政府から助成金を受け取った証拠はない」と指摘した。同社は、韓国政府の協力を得て、日本による輸入関税の撤廃を求めるとした。

 韓国の外交通商省によると、ハイニックスは11月21日までに同決定に対し、不服を申し立てることができる。発表文によると、日本政府は韓国政府と12月9日までに輸入関税について協議し、2月3日までに最終決定を下す。 原題:South Korea's Hynix Faces 27.2% Tariff on Chips inJapan(抜粋) {NXTW NSN IOPG5X0D9L35 }

韓国企業が東芝逆提訴、フラッシュメモリー特許侵害と

2005年10月22日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ワシントン=広瀬英治】韓国メーカー「ハイニックス半導体」が東芝と同社米国法人を相手取り、フラッシュメモリー(電気的に一括消去・再書き込み可能なメモリー)の特許を侵害されたとして、米国際貿易委員会(ITC)に提訴したことが21日明らかになった。

 米関税法337条(不公正な貿易慣行の制限)に基づく措置で、東芝製フラッシュメモリーの米国への輸入及び販売の差し止めを求めている。

 東芝は9月、ハイニックス製フラッシュメモリーが東芝の特許を侵害しているとしてITCに同様の訴えを起こしており、ハイニックスの逆提訴で、日韓の大手半導体メーカーが米国を舞台に相互に特許侵害を争う展開となった。

日本、ハイニックスに27%の相殺関税

2005.10.21 中央日報

日本政府がハイニックス半導体に対し、電撃的に高率の相殺関税を課すことにした。 日本が、ハイニックス半導体の構造調整過程で行われた債権団の支援を政府補助金と見なしたことで、米国・欧州連合(EU)に続いて日本との間でも通商紛争が生じることになった。

通商交渉本部によると、日本政府はこれまでハイニックス半導体に対する調査結果を踏まえ、27.2%の相殺関税を課すことを決め(仮決定)、政府にこれを通報したという。

日本政府は昨年8月から、日本のDRAM生産業者エルピーダメモリとマイクロン・ジャパンの要請を受け、ハイニックス半導体のDRAMに相殺関税を課すかどうかを判断するため調査を行ってきた。

日本政府は調査の結果、韓国政府が社債迅速引受制度などを通じてハイニックス半導体の構造調整を支援したのは一種の政府補助金と見なすことができると判定、これに相応する高率の相殺関税を決定した。

日本政府は今後、韓国側の反論反証手続きおよび政府間協議を踏んだ後、来年6月末までに相殺関税に関する最終決定を下す予定だ。

通商交渉本部はこれについて「日本政府が相殺関税を決定したのは非常に遺憾」とし、「日本が補助金だと主張した事項は、通貨危機以降の克服過程で政府が推進してきた企業・金融分野構造調整の一環であり、債権団の商業的判断による自律的措置」と反論した。

ハイニックス半導体の関係者も「不当であり、不適切な措置」とし、反論提出や調停手続きなどを通じて積極的に対応する方針だと明らかにした。

東芝への賠償命令支持 メモリーカード訴訟で米加州地裁

2005/10/15 The Sankei Shimbun

 デジタルカメラなどに使われるメモリーカード技術をめぐり、米デジタル機器製造会社「レキサー・メディア」が東芝と米子会社を相手に損害賠償を求めた訴訟で、米カリフォルニア州の地裁は14日、東芝側に総額約4億6500万ドル(約530億円)の支払いを命じた今年3月の同地裁陪審の評決を支持した。

 原告側によれば、これで東芝側の同地裁での敗訴が確定した。東芝側は上訴など対抗措置をとるとみられる。

 陪審評決などによれば、東芝は1997年以降、レキサーと協力したメモリーカード技術開発で記憶機能の情報などを得た後、同分野の別のライバル企業と契約を結び、情報を流すなどレキサーに損害を与えた。(共同)

サムスン、独禁法違反で罰金3億ドル…史上2番目の額

2005年10月14日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ニューヨーク=小山守生】米司法省は13日、韓国の電機メーカー、サムスン電子が米国市場で半導体メモリーの不正な価格操作をする反トラスト法(独占禁止法)違反を犯したと認め、同省に罰金3億ドル(約340億円)を支払うことに同意したと発表した。

 同法違反の罰金としては、史上2番目の高額となる。

 米司法省によると、サムスンは1999年〜2002年に他のメーカー3社と共謀し、パソコンなどに使われるDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)の価格を不当につり上げていた。

 同省は02年に捜査を開始し、捜査対象となった4社のうち、米マイクロン・テクノロジーは捜査協力を申し出て罰金を免れたほか、韓国のハイニックス半導体と独インフィニオン・テクノロジーズは有罪を認め、それぞれ1億8500万ドルと1億6000万ドルの罰金を支払っていた。

 これまでの米反トラスト法違反の罰金としては、スイスのロシュが、他の製薬会社と共謀でビタミン剤価格を不正操作したとして、99年に6億3200万ドルを支払った例があり、今回のサムスンはこれに次ぐ規模となる。

「70ナノ」DRAM、サムスン電子が開発

2005年10月13日 asahi.com

 韓国電機大手のサムスン電子は13日、回路線幅70ナノメートル(ナノは10億分の1)のDRAM(パソコンなどに使われる代表的な汎用メモリー)の製品開発に成功したと発表した。06年下半期からの量産開始を目指す。

 70ナノは髪の毛の約1400分の1の幅の超微細加工技術。今回開発したのは512メガのDRAMで、既存の90ナノに比べ生産性が2倍になるという。日本では日立製作所とNECが事業統合したエルピーダメモリが80ナノレベルを開発している。

 DRAMで世界首位のサムスン電子は半導体事業に年4000億〜5000億円を投資。01年に100ナノ、02年に90ナノ、03年に80ナノのDRAMを世界で初めて開発した。12年までにソウル近郊に約3兆7000億円をかけて研究開発機能を持つ新工場を建設し、今後も最先端の微細加工技術の開発を推し進める計画だ。

相殺関税:政府、初の発動へ 韓国ハイニックスに27.2%

2005年10月22日 毎日新聞 東京朝刊 Mainichi INTERACTIVE

 政府は21日、韓国の半導体大手ハイニックスセミコンダクター社製のDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)に27・2%の相殺関税を課す方針を固め、韓国政府やハイニックス社などに通告した。韓国側の反論を求めるなどの手続きを経て、来年2月3日までに最終決定する。実施されれば、日本による初めての相殺関税の発動になる。

 韓国政府の支援で経営再建を進めていたハイニックスがDRAMを安値で日本に輸出したのは、輸出補助金を禁じた世界貿易機関(WTO)協定違反にあたるとして、国内半導体メーカーのエルピーダメモリなどが相殺関税適用を申請。昨年8月から調査していた経済産業省と財務省が、原則1年の調査期間を今年7月に半年延長し、資料を精査していた。【小島昇】

ソニーが新技術 半導体メモリー 携帯機器でハイビジョン

2005/09/20 FujiSankei Business i.

 ソニーは、データ記録容量が小さい「メモリースティックPRO」などの半導体メモリーに、高精細なハイビジョン映像を記録・再生できるシステムを開発した。

 この技術を応用すれば、携帯ゲーム機「プレイステーション・ポータブル(PSP)」などでもハイビジョン映像を視聴できるようになる。

 今回利用しているのは、「MPEG4−AVC」と呼ばれるデータ圧縮技術。現状のテレビ放送やDVD(デジタル多用途ディスク)レコーダーなどで使用されているデータ圧縮技術「MPEG2」に比べると約二倍の圧縮率となる。

 MPEG2でのハイビジョン映像は、転送速度が毎秒二十四メガ(一メガは百万)ビット程度。ソニーは、MPEG4−AVCにより、ハイビジョン映像を同十メガビット程度にデータ圧縮して、記録データ容量を小さくしながら、独自の映像処理技術でハイビジョンの高精細さを保てるようにした。

 同社の半導体メモリーの一種である「メモリースティックPRO」では、データを書き込む場合の最低速度は同十五メガビットで、十分に記録・再生が行える。

 人の産毛まで見ることができるとされるハイビジョン対応の薄型大画面テレビが人気だが、ハイビジョン映像をモバイル機器で視聴できる実用化技術として注目される。

メモリー電力消費、現在の1割ですむ技術開発

2005年09月20日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 パソコンやデジタル家電で情報の読み書きをする記憶装置(メモリー)を、現在の約10分の1まで省電力化する技術を開発したと、日立製作所と東北大電気通信研究所が20日発表した。

 1平方センチ・メートルの大きさで1ギガ・ビット(ギガは10億)という膨大な情報を扱う次世代メモリーMRAMの実現に道を開くものと期待される。日立は2010年を目標に実用化を目指す。

 現在のパソコンは半導体メモリーのDRAMが主流だが、電源を切るとデータが消え、使用時には記憶維持のために電力消費が大きくなる欠点がある。

 一方、磁気記録式のMRAMは強い電磁石を使って、金属膜にデータを書き込む。電源を切ってもデータは消えないが、電磁石用に大きな電流が必要になることが実用化の壁だった。

 今回、日立などは電磁石を使わず、金属膜に直接、電流を流して磁気データを記録する新しい方式を開発。小さな電流での書き込みを実現した。今回の技術を使った部品を集積化し、実際にメモリーとして十分な性能を出すことが今後の課題だという。

最大容量のメモリー開発 韓国サムスンが世界初

2005/09/12 The Sankei Shimbun

 韓国の半導体・電機大手サムスン電子は12日、回路の線幅50ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)の最先端微細加工技術を活用した、記憶容量16ギガビットと最大のフラッシュメモリー(電気的に一括消去・再書き込み可能な読み出しメモリー)を世界で最初に開発した、と発表した。

 来年下半期から量産態勢に入る予定。最大で32ギガバイトのメモリーカードが作製でき、動画ならDVD級の画質で32時間、MP3形式の音楽ファイルでは約8000曲、新聞200年分の保存が可能になるという。

 同社は、ノート型パソコンのハードディスクとの置き換えに向けた可能性も開かれたとしており、激化する携帯音楽プレーヤーや携帯電話市場などの動向にも影響を与えそうだ。

 同社の黄昌圭(ファン・チャンギュ)・半導体総括社長は記者会見で「最先端の半導体ナノ技術で(サムスン電子の)絶対的な優位持続が実現する」と強調、「今回開発した50ナノ技術では、2010年までに300億ドル規模の市場が創出される」と述べた。(共同)

サムスン電子、46%減益 半導体、通信機器が不振

2005/07/15 The Sankei Shimbun

 韓国のサムスン電子が15日発表した4―6月期決算は、純利益が前年同期比46.0%減の1兆6900億ウォン(約1800億円)の大幅減益となった。売上高も同9.3%減の13兆5900億ウォン。

 主力のパソコン用メモリーなど半導体の価格下落が響いたほか、携帯電話などの通信機器も価格競争が激化し利益が圧縮された。

 サムスン電子は昨年、年間純利益が10兆ウォン(約1兆円)を超える好業績を上げたが、今年1―3月期は液晶表示装置(LCD)の値崩れなどから、純利益が前年同期比52.2%減となっていた。4―6月期は前期比で売上高は1.6%減だったが、純利益は13.1%増えた。(共同)

日本、ハイニックス相殺関税調査を延長

2005.07.13 中央日報

日本が、ハイニックス半導体への相殺関税に関する調査を延長するようにしたと、ブルームバーグ通信が13日、日本政府関係者の話を引用して報じた。 この関係者は「ハイニックスに対する相殺関税関連調査が6カ月ほど延長される見通し」と述べた。

日本政府は、自国企業のエルピーダメモリ、マイクロン・ジャパンなどの要請(昨年8月)で、ハイニックスに対して相殺関税を課すかどうか検討しており、当初は来月初めに予備判定を下す予定だった。

処理性能は10倍 IBM、ソニー、東芝が開発の半導体

2005/02/08 The Sankei Shimbun

 米コンピューター大手IBMとソニー、東芝の3社は7日、共同開発した次世代の高性能半導体「Cell(セル)」の詳細を発表。セルを利用して応用ソフトなどを動作させた場合、現在のパソコン(PC)向け半導体と比べ、最高約10倍の処理性能が得られることを明らかにした。

 また、セルはリナックスなど複数の基本ソフト(OS)に対応。マイクロソフトのOS「ウィンドウズ」にも対応可能とみられる。

 セルの試作版は、1つの半導体チップで、人間の頭脳に当たり演算の中枢を受け持つ「コア」を9つ持つ「マルチコア」型。複数の高速演算が同時にできるため、映画制作など動画編集やゲームなどに適している。

 セルは2001年に3社が開発に着手。06年にはソニー・コンピュータエンタテインメントの家庭用ゲーム機「プレイステーション2」の次世代機や、東芝のデジタルテレビなどに搭載される予定。(共同)

業績好調、サムスンがボーナス大奮発

2004/12/26 The Sankei Shimbun
< 韓国の財閥大手サムスン・グループは24日、今年の業績好調を受けて社員への年末の賞与金を基本給の200−500%支給する計画だと明らかにした。聯合ニュースが伝えた。

< 特にグループをけん引したサムスン電子の部長級の場合、基本給の500%に当たる特別賞与金を支給。来年1月に支給予定の激励金なども合わせると3000万−5000万ウォン(約300万−490万円)を受け取ることになる。

< 同グループ側は、史上最大の経営実績達成が確実になったためとしているが、韓国経済が長期不況に苦しむ中での突出する大盤振る舞いに「財界1位グループにふさわしくない」と、やっかみ半分の声も出ているという。(共同)

韓国サムスン電子、半導体事業に2兆5000億円投資へ

2004/12/07 The Sankei Shimbun
 韓国の電子機器・半導体大手サムスン電子は6日、サムスングループの半導体分野進出30周年記念行事を行い、2010年までの6年間に半導体生産ラインの新設など同事業に25兆ウォン(約2兆5000億円)を投資し、半導体分野進出以来の累計売上高200兆ウォン(約20兆円)を達成するとの目標を発表した。

 同社は李健煕会長と半導体部門の幹部による「半導体戦略会議」を開き、1974年から現在までの累計売上高110兆ウォンを、10年までにほぼ2倍の累計200兆ウォンに引き上げ、1万人の雇用を創出するとした。

 サムスングループは、倒産直前だった韓国半導体を、李健煕会長が私財を投じて買収し、74年に半導体部門に進出。94年には256メガビットDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)を開発するなど、半導体メモリー分野で世界のトップ企業に成長した。(共同)

世界最速DRAM開発 広島エルピーダ

2004/11/20 中国新聞地域ニュース
 <毎秒800メガビット転送>

 半導体製造のエルピーダメモリ(東京)の生産子会社、広島エルピーダメモリ(東広島市)は、毎秒八百メガビットのデータを転送できる世界最高速のDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)を開発した。

 一ギガビットの大容量タイプで、精密な計算が求められる高性能サーバー向けの市場に売り込む計画。同社で一一〇ナノメートル(ナノは十億分の一)が最小だった回路線幅を、さらに最新技術で一〇〇ナノメートルに縮小化した。回路のレイアウトも工夫し、省電力化も進めた。

 業界でデータ転送のこれまでの最高速度は毎秒六百六十七メガビット。同社が今回達成した八百メガビットが業界規格として標準化される来春以降、製品化を目指す。

サムスン電子が最大容量のメモリー開発

2004/09/20 The Sankei Shimbun
 韓国の半導体・電機大手サムスン電子は20日、回路の線幅60ナノメートル(1ナノメートルは10億分の1メートル)の微細加工技術を活用した記憶容量8ギガビットと最大のフラッシュメモリー(電気的に一括消去・再書き込み可能な読み出しメモリー)を世界で初めて開発したと発表した。

 同社が昨年開発した4ギガビット版の2倍の容量。最大16ギガバイトのメモリーカードが作製でき、ビデオカメラの映像記録用に使用した場合、DVD級の画質で16時間以上の録画が可能になるという。

 また同80ナノメートルの微細加工技術を利用した高速の2ギガビットDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)、動作周波数667メガヘルツの第3世代携帯電話向けモバイルCPU(中央演算処理装置)も開発したと発表した。

 同社によると新開発の高速DRAMにより双方向通信の映像処理能力が飛躍的に向上し、テレビ会議や遠隔医療システム、三次元グラフィックス処理作業などが円滑にできるとしている。(共同)

相殺関税初適用へ調査 韓国の半導体部品対象

2004/08/03 The Sankei Shimbun
 谷垣禎一財務相と中川昭一経済産業相は3日、韓国の大手半導体メーカー、ハイニックス半導体が政府の補助金を受けた製品を不当な安値で日本に輸出したとされる問題で、相殺関税の発動に向け4日から調査を開始すると発表した。

 実際に発動する可能性が高く、日本として初めて相殺関税を適用することになりそうだ。電子部品など先端分野では日本とアジアのメーカーの競争が激化しており、今後も反ダンピング(不当廉売)課税なども含め、報復措置の発動が増加する可能性がある。

 調査期間は1年以内だが、中川経産相は「できるだけ早く結果を出したい」と述べ、調査期間の短縮を目指す考えを強調した。

 相殺関税は、補助金付き製品の輸入により国内業者が損害を受けた場合、補助金相当分を関税に上乗せできる仕組み。世界貿易機関(WTO)でも認められ、欧米では公正な貿易を確保する手段として多用されている。

 今回の調査対象は、DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)と呼ばれる半導体製品。

 NEC、日立製作所などが出資する日本唯一のDRAMメーカー、エルピーダメモリは、韓国政府が出資する銀行などからハイニックスが受けている融資が補助金に当たると主張し、6月に相殺関税発動を申請していた。

 ハイニックスのDRAMには、米国と欧州連合(EU)が昨年から相殺関税を発動。韓国側は、融資は銀行独自の判断で、補助金に当たらないと反論している。

東広島に世界最大規模のDRAM工場

2004/06/09 中国新聞地域ニュース
エルピーダが新設 5000億円投資
 半導体メーカーのエルピーダメモリ(東京)は九日、東広島市にある製造子会社の広島エルピーダメモリの敷地内に、三年間で過去最大の約五千億円を投じてDRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)工場を新設することを明らかにした。世界最大規模のDRAM工場になる。

 新工場は直径三百ミリウエハー(基板)の量産を来年秋から始め、二〇〇七年には月産六万枚のフル生産を目指す。

 十日、現地で起工式を行う。東広島には三百ミリウエハーと二百ミリウエハーの二工場があり、今回で三工場目。パソコン以外のデジタル家電や携帯電話向けの需要の伸びに対応する。

 計画では、新工場は月産約一万枚で来秋に量産を始め、順次、能力を増強する。回路線幅が九十ナノメートル(ナノは十億分の一)の最新技術を使い、データ容量一ギガビットと処理速度の速いDRAMを生産する。

 資金は新株や社債、銀行借り入れなどで賄う予定。来春までに約一千億円を調達し、順次、調達額を増やす。

 エルピーダはNECと日立製作所が一九九九年に設立し、〇三年九月には東広島市吉川工業団地の広島工場とNEC広島工場を統合する形で全額出資の生産子会社、広島エルピーダメモリを設立。国内唯一のDRAM工場で、現在三百ミリウエハーを月間二万一千枚、二百ミリウエハーを三万七千五百枚生産している。

半導体製造装置など販売額、ITバブル期に次ぐ水準

2004/05/08 読売新聞 Yomiuri On-Line
 日本半導体製造装置協会(SEAJ)がまとめた2003年度の販売統計によると、日本製の半導体製造装置と液晶パネル製造装置の合計販売額は、前年度比33・5%増の1兆5246億円と大幅に増加した。

 増加は2年連続で、過去最高だった2000年度の2兆791億円に次ぐ2番目の水準となった。

 デジタル家電向けの半導体や薄型テレビ向けの液晶パネルの需要拡大を受け、電機メーカーなどが設備投資額を増やしていることが要因だ。

 このうち、半導体製造装置の販売額は、国内市場を中心に伸び、同36・1%増の1兆1671億円と、3年ぶりに増加した。一方、液晶パネル製造装置の販売額は、国内のほか韓国、台湾の液晶パネルメーカー向けが伸び、同25・6%増の3575億円と2年連続で増加し、過去最高を更新した。

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