TOPIC No.4-22 デジタル放送/TV業界

01. アンテナ設置の節約術 地デジ移行最終作戦(中)日本経済新聞
02. デジタル放送 byYAHOO!ニュース
03. 地上デジタルテレビジョン放送by フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
04. 地デジ、BSデジタルのことなら![Dpa] 社団法人 デジタル放送推進協会
05. 地デジを見るには
06. 地デジを解説。【なるほど地デジ】
07. 地デジ.COM
08. マイクロソフト、Windows Vistaを地デジ視聴/録画対応に−パッケージ販売やWindows Update提供の予定無し(2008年6月13日)AV WATCH
09. TOPIC No.4-22-2 ダビング10

 


ウルグアイが日本方式を採用 欧州方式から変更

2010.12.28 14:02 MSN産経新聞

 総務省は28日、ウルグアイが、2011年中にも開始する地上デジタル放送で、すでに決まっていた欧州方式を覆して日本方式の採用を決定したと発表した。今年3月に就任したムヒカ大統領が、南米諸国で日本方式の採用が相次いでいるのに加え、山間部でも電波がつながりやすく、同じ電波でワンセグ放送も楽しめるなど技術的にも優れていると判断。07年に一旦決定した欧州方式を取り消した。

 ウルグアイの採用により、日本方式の採用国はブラジル、ペルー、アルゼンチンなど南米で10カ国、フィリピンを加え合計11カ国となった。

地デジ再送信サービス提供事業者、65.7%に増加 − 総務省調査

2010年12月24日 ファイル・ウェブ編集部

 総務省は、今年9月末までのケーブルテレビの地上デジタル放送への対応状況を発表した。

 地デジへのスムーズな移行を促進するため、総務省では「地上デジタル放送のみの再送信サービス」の早期導入について有線テレビ放送事業者などに対して要請を行ってきたが、2010年9月末時点で、ケーブルテレビ加入者数は2,533万世帯に到達。ケーブルテレビの地デジ対応率は加入者ベースで98.6%という結果になった。

 2010年9月末調査時は、「地上デジタル放送のみの再送信サービス」を提供している事業者は531事業者のうち349社(65.7%)。2009年9月末までの調査では286社(53.4%)だったので、約12%増加したことになる。

地デジ難視聴1万世帯超か

2010年12月26日 読売新聞

山間部、電波届きにくく

 テレビの地上デジタル放送完全移行が来年7月24日に迫る中、電波障害などの対策を取らなければデジタル放送を視聴できない世帯が県内で1万世帯以上に上る可能性が高いことが分かった。総務省東北総合通信局(仙台市青葉区)によると、完全移行時にも対策が間に合わずに地デジを見られない世帯も相当数に上る見通しだという。

 同通信局が8月に発表した県内の地デジ難視聴世帯数は6768だった。今年9月時点の地デジ対応テレビの購入世帯は89・2%。だがテレビ購入者が増えるにつれ、アナログ放送は問題なかったのに、地デジは見られない世帯が次々に出ている。

 山形県境に接し、周囲を山に囲まれた川崎町。デジタル電波が届きにくく、周囲に中継局もない。同町企画財政課によると、現時点で町内23地区100世帯以上でデジタル放送が視聴できないという。町内全世帯の3%以上に上る。

 難視聴地域でデジタル放送を見るには、各世帯がまとまって共同アンテナや、各家庭で高性能アンテナを設置するなどの必要があるが、問題は費用負担だ。

 共同アンテナの設置には国やNHKなどの補助金が出るが、1世帯で数十万円の負担が必要になるケースがあるほか、維持管理費用も必要になる。また、難視聴地域内でも場所によってデジタル放送を受信できる家もあり、住民間でアンテナ設置の合意が得られずにいる地域もある。高性能アンテナも設置費用が電波状況に左右される。自己負担は最低7000円程度だが、数万円かかるケースもありそうだ。

 総務省所管の社団法人の事業で、難視聴地域では5年間に限り衛星放送の受信アンテナやチューナーが無料で貸与されるが、地上波の地元番組は見ることができない。

 川崎町の実家が難視聴地域という仙台市の男性は「しばらくは衛星放送でしのぐことも考えられるが、ニュースで地元の天気が分からず、農作業に支障が出そうだ」と話す。

 同課では「7月の移行時に全世帯で対応を終えるのは正直難しい。当面衛星放送の受信機を増やしながら、どの方法なら各世帯の負担が少ないのかを検討してもらうしかない」と話している。

地デジチューナー無償給付、1月24日から受け付け

2010.12.24 17:27 MSN産経新聞

 総務省は24日、来年7月の地上デジタル放送への完全移行に向けて、市町村民税の非課税世帯を対象に地デジチューナーの無償給付の申し込みを来年1月24日から受け付ける、と発表した。支援対象は最大156万世帯になる見込み。

 受付期間は移行日の7月24日まで。申込書は総務省の地デジチューナー支援センターのホームページなどで入手できる。同センターへの電話の問い合わせは1月5日から受け付ける。番号は(0570)023724。

 NHK受信料の免除世帯に対する支援も、申込期限を7月24日まで延長する。

地デジ普及率、最低は沖縄79%、長崎と鹿児島がワースト2で、86%

2010.12.06 08:26 MSN産経新聞

 テレビの地上デジタル(地デジ)完全移行が来年7月に迫る中、地デジ対応テレビやチューナーなど受信機の都道府県別普及率は、長崎、鹿児島がともに86.1%で、沖縄の78.9%に次いで低かったことが総務省の調査で分かった。離島や半島、山間部などの受信困難地域を抱え、中継局の整備が遅れていることも影響しているとみられ、両県の放送事業者は急遽(きゅうきょ)、ミニ番組を放映して普及を促すことにしている。

 総務省が今年9月に行った調査によると、全国平均の地デジ受信機普及率は90.3%。一方、九州・山口の地域は、福岡91.8%▽佐賀87.7%▽長崎86.1%▽熊本91.7%▽大分92%▽宮崎90.3%▽鹿児島86.1%▽山口90.8%。

 長崎県では「長崎では地デジ放送開始が平成18年からで都市部に比べて遅かった。離島・半島を中心に、まだ地デジが見られない地域が多いことも普及が遅れている原因のひとつ」(情報政策課)と分析する。

 NHKや民放などの放送事業者は地デジ用の中継局の整備を急いでいるが、県全域をカバーするには、想定以上の中継局が必要と判明。当初は今年中に終わる予定だった中継局の整備も来年3月にまでずれ込む見込みだ。

 鹿児島県は「調査対象が少なく、誤差も大きい」(情報政策課)と数字的には静観している。

 ただ、同県内では山間部を中心に、地デジの受信が難しい地域が約1万900世帯あり、機器が普及しても受信困難地域は拡大する可能性がある。

 県では複数世帯が共通で使う地デジ対応の共聴施設への補助として、約1億3200万円の補正予算案を県議会に提案するなど対応を進めている

 一方、長崎、鹿児島両県の放送事業者も、NHKと民放連が作った地デジPRのミニ番組を12月から再放送し、視聴者に「地デジ化」を重点的にアピールしていくことにしている。

地デジ普及率、初めて9割突破 エコPが貢献、ビル陰対策は7割

2010.11.24 12:11 MSN産経新聞

家電量販店の薄型テレビ売り場。好調な売れ行きを維持している=東京・有楽町のビックカメラ有楽町店本館

 総務省は24日、地上デジタル放送対応のテレビや受信機の世帯普及率が9月末の調査で90・3%と、前回の3月調査から6・5ポイント上昇し、初めて9割を超えたと発表した。9月末時点の政府目標だった91%には、届かなかった。またビル陰などによる受信障害に対応した共同受信施設の設置率は70・2%にとどまっており、来年7月の完全移行に向け不安も残した。

 家電エコポイント制度の延長で、デジタルテレビの販売が引き続き好調だったことに加え、完全移行まで1年に合わせ、キャンペーンなどを展開したことも普及を後押しした。

 ただ、3月末には普及率が83・8%となり、目標の81・6%と初めて上回ったが、9月末は再び下回る結果となった。これに対し、総務省は、未対応の世帯へのアンケート調査で、残り9・7%のうち7・6%が「来年7月までに購入予定がある」と回答しており、それを加えると97・9%になるとしている。

 都道府県別で普及率が最も高かったのは、新潟県の95・1%で、最も低かったのは、沖縄県の78・9%だった。年収が200万円未満の世帯での普及率は前回調査から12・8ポイント上昇して80・3%となったが、平均を10ポイントも下回っている。

 片山善博総務相は24日の閣議後会見で、目標を下回ったことについて、「誤差の範囲」と述べ、完全移行に自信を示した。

地デジの足音45 あと264日の回 - 「室内アンテナ」というもうひとつの方法

2010/11/02 マイコミジャ−ナル 牧野武文

 このコラムで何回も触れているが、スムースに地デジに移行したいのであれば、この11月ぐらいまでにはなんとかしておくべきだ。地デジ化するのに必要なのは、テレビを購入することと、アンテナを準備すること。このうち、テレビを購入することは難しくない。購入して配送してもらえばそれでおしまいだ。しかし、アンテナの準備はけっこう面倒だし、時間がかかる。アンテナ工事会社に頼んでも、現在では1週間ほどまたされることが多くなっているし、ましてや戸建て住宅で、アンテナからの配線を1階にも2階にもというように数ヶ所に分けるのであれば、屋内配線も交換する必要が出てくる場合もある。こうなると、工事が数日にわたる可能性もあるし、工事費もそれなりの負担が必要になってくる。さらに、賃貸住宅の場合は、家主と相談しなければならないし、工事費の負担をだれが支払うのかというややこしい問題も出てくる。

 一方で、地デジのアンテナ工事の人員は足りていない(あるいはギリギリ)なので、今年の年末のボーナス時期には、工事の人員が足りず、工事実施までに長時間待たされることになるだろう。工事要員は、アンテナ工事の専門業者も多いが、現実には電器店の店員が兼ねていることが多い。つまり、テレビアンテナだけでなく、洗濯機の設置やエアコン工事なども兼ねている。来年4月からは引っ越し関連、5月以降はエアコン工事、6月以降は地デジの駆け込み需要と、忙しくなるので、工事までに相当な時間待たされることが予想される。つまり、スムースに地デジ化をしたいのであれば、可能ならば今年11月中、最悪来年3月中にカタをつけておくことが望ましいのだ。

 しかし、そうは言っても、簡単に地デジ化に踏み切れない事情がある人も多いだろう。いちばん多いのは、マンション、アパートなどの賃貸住宅の方で、自分は地デジ対応テレビを買うつもり満々なのだが、住宅の共同アンテナが地デジ化に対応していないというケースだ。これは、地デジ化の政策にも問題があって、普及の状況を見て助成金などの対策を対症療法的に行っているので、待てば待つほど、助成金の額が大きくなる状況がある。賃貸住宅を数多く抱えている企業、家主にしてみれば、できるだけこのような助成制度を最大限利用したいと考えるのもしかたのないことだろう。

 あるいは、近々引っ越しを考えている、建て替えを考えているという場合にも、アンテナ工事をするのに躊躇する気持ちがあるかもしれない。

 このように、アンテナ工事に消極的にならざるをえない理由がある、あるいは工事を申し込んでみたら、高額な見積りになった、工事までに数週間待たされるという事態になったら、室内アンテナという方法を考えてみるのも悪くない選択だ。

 アナログ時代の室内アンテナとデジタル時代の室内アンテナは、根本的に違っている。アナログ波で問題になるのは、ゴーストだった。電波は、山やビルに反射してアンテナに届くものがある。このような間接的に届く電波もアンテナが拾ってしまうと、二重映りのゴーストの原因となる。そこで、アナログ時代の室内アンテナは、指向性を極めて鋭くする設計になっていた。一定方向からの電波しかとらえないことで、間接的な反射波をできるだけ拾わないようにしていたのだ。その代償として、チャンネルを変えるたびに、アンテナの向きを手で調整してやらないときれいに映らないということになっていた。

 しかし、デジタルでは、このようなゴーストが発生しない。間接波は、演算によってカットできる仕組みになっているためだ。そのため、地デジ用室内アンテナは、無指向性のものが多く、最初に置くときにある程度の方向を決めておけば、あとはそのままにしておけばよく、チャンネルを変えるたびに、向きを調整するなどという必要はない。

 こういう性質があるので、窓辺や棚の上、ベランダのひさしの上など、手が届かない場所に設置してもよく、見た目もすっきりさせることができる。もし、本格的なアンテナ工事ができない理由があるのであれば、室内アンテナという手段はじゅうぶん考えていいだろう。価格も1万円以下のものがほとんどなので、出費の面からも安上がりになる。

 ただし、室内アンテナ最大の問題は、「ちゃんと映るかどうか」だ。いきなり買ってみて設置ではギャンブルになってしまう。特に鉄筋作りの建物、ガラス内に鉄線が入った窓などは、電波を遮蔽する原因になるので、テレビ塔に近い地域でも室内では受信ができないということもけっこうある。

 まず、チェックしてほしいのがデジサポのサイトにある「地デジ受信可否連続調査」だ。これは約2mの高さにアンテナを設置した測定車が道路上を巡回し、NHKの地デジ放送がクリアに受信できるかどうかを調査した結果を、地図上にまとめたものだ。青い線で描かれているのが受信良好、オレンジの線が要詳細調査(つまりは受信に問題あり)なので、自宅付近の地図を表示させて、周辺が青い線ばかりであれば、室内アンテナでも受信できる可能性が高い。

 しかし、これはあくまでも道路上の測定結果であるので、そのまま室内で受信できるかどうかはわからない。そこで、もうひとつ利用してほしいのが、「地デジアンテナキット無料貸し出し制度」だ。1週間無料で、地デジ室内アンテナとチューナーの他、必要なケーブルなどを貸してくれるというもので、申込書はデジサポのサイトからダウンロードでき、郵送またはFAXで申し込みを行う。申し込みには、免許証、健康保険証、パスポートなどの身分証明書のコピーを添付する必要がある。これを利用して、映るかどうかを確認して、それから室内アンテナでいくか、あるいは本格的なアンテナ工事を頼むかを考えても遅くないだろう。

 関東圏では、2012年に東京タワーから東京スカイツリーへの移行が予定されている。今、アンテナ工事をすると、過剰な工事になる可能性があったり、2012年に再度アンテナの調整が必要になる可能性もゼロではない。ビル陰などの影響が、電波塔の位置が変わることで変わってくるからだ。もし、室内アンテナでいけるのであれば、今は室内アンテナで対応しておいて、東京スカイツリーからの電波発射が始まった後で、アンテナ工事をうするというのもひとつの考え方だ。その頃になれば、アンテナ工事の混雑も解消されているだろう。

 アナログ時代の室内アンテナは、あくまでも補助的なもの、簡易的なものというイメージだったが、デジタル時代の室内アンテナは、アンテナのひとつの選択肢として使うことができる。屋外アンテナだけにこだわらず、室内アンテナもうまく活用していただけれたらと思う。

地デジの足音48 あと215日の回 - アナログテレビを使いづけるなら簡易チューナー

2010/12/21 マイコミジャ−ナル 牧野武文

 いよいよ来年7月24日にはアナログ放送が停波される。まだ地デジ対応がお済みでない方もいるだろうし、リビングのテレビは地デジに変えたが、寝室やキッチンの小さなテレビはまだアナログのままという人も多いだろう。根本的には、地デジ対応のテレビに買い替えるというのが解決策だが、だれもが思うのが「まだ映るテレビを捨ててしまうのは心苦しい」ということだろう。単に金銭的な問題だけでなく、エコの観点や日本人の美徳である「ものを大切にして、寿命をまっとうさせる」という気持ちに反しなければならない。

 そんな方にお薦めしたいのが、簡易チューナーだ。簡易チューナーとは、機能は限定されるが、地デジ対応アンテナに接続し、アナログテレビに接続すると、今までのアナログテレビで地デジ放送が見られるようになるというもの。しかも価格は5000円前後で、ホームセンターなどのセールでは3000円台で販売される例も増えてきた。簡易チューナーというと、際立った機能がまるでないシンプルな製品かというと、実はそうでもなく、さまざまなバラエティがある。今回はいろいろな簡易チューナーを紹介しよう。

 まず、簡易チューナーをつけたからといって、それだけで地デジ放送が見られるわけではないことは確認しておきたい。アンテナが地デジ対応になっていなければならないのだ。これは意外とうっかりしがちな点なので注意したい。首都圏の場合は、地デジ放送の受信に必要なUHFアンテナをそもそも取りつけていない家庭が多い。この場合は、アンテナを新設する必要がある。多くの地方では、アナログUHF放送を見ている家庭が多いので、アンテナはそのままで地デジも見られることが多いが、注意したいことがふたつある。ひとつは、アナログ放送と地デジ放送のテレビ塔が別になっているケースだ。地域によっては、アナログ放送ではこちらのテレビ塔にアンテナを向けると映りがいいが、デジタル放送では別のテレビ塔に向けた方が映りがいいというケースがある。この場合は、アンテナの向きを調整してやる必要がある(素人にもできない作業ではないが、難しいし、なにより屋根の上の作業なので危険がともなう。専門業者にまかせた方が安心だ)。

 住んでいる地域がこのようなケースにあたるかどうかは、簡単に見分けることができる。近所のアンテナの向きを見てみればいいのだ。現在は、アナログ放送を見ている家庭とデジタル放送を見ている家庭が混在している状態なので、もしテレビ塔の方向が異なる場合は、近所のアンテナの向きがばらばらになっているはずだ。この場合は、アンテナの向きの調整が必要となるので、専門業者にアンテナ調整を依頼しよう。もし、どの家庭のアンテナも同じ方向を向いているのであれば、アナログ放送のテレビ塔とデジタル放送のテレビ塔が同じ方向であると考えてほぼ間違いない。この場合は、アンテナがデジタル放送に対応したものであれば、簡易チューナーを取りつけることで地デジ放送が見られる可能性が高い(もちろん、電波が弱いなどの事情でうまく映らない場合は、アンテナ工事が必要になる)。

 ケーブルテレビをお使いの方は、アンテナ工事をするより、ケーブルテレビから地デジ放送を受信した方が面倒がない。ケーブルテレビ局の多くは、パススルー方式による地デジ放送の再送信を行っている。これは、ケーブルテレビ局が地デジ放送を受信して、その放送をケーブルテレビのケーブル経由で家庭まで送り届けてくれるものだ。現在発売中の簡易チューナーはパススルー方式に対応しているので、ケーブルを簡易チューナーに接続すると、アンテナなしで地デジ放送が見られるようになる。

 ただし、このパススルー方式は、すべてのケーブルテレビ局が行っているわけではない。地元のケーブルテレビ局が対応しているかどうかは、ケーブルテレビ連盟のサイトで調べることができる。なお、同じパススルー方式でも細かい規格の違いから、場合によっては特定の簡易チューナーに対応していない場合もありえるので、簡易チューナーを購入する前に、ケーブルテレビ局に電話して、対応している簡易チューナーを確認しておいた方が間違いないだろう。また、パススルー方式の地デジ放送再送信は、ほとんどの場合有料となるので、料金の確認もしておいた方がいい。

 小さなことかもしれないが、簡易チューナーにはリモコンが付属しており、こちらのリモコンでチャンネルを切り替えるようになっている。テレビの方はチャンネルを外部入力に合せたままにし、簡易チューナー側のリモコンでチャンネルを切り替えるわけだ。つまり、テレビのリモコンは、テレビ電源のオンオフ以外は使わなくてよくなる。それなのに、リモコンがふたつもあり、テレビを見ようと思うと、まずテレビのリモコンでテレビをオンにし、次に簡易チューナーのリモコンに持ち替え、簡易チューナーをオンにし、それからチャンネルを切り替えるということになる。これはけっこう不便だ。

 現在、発売中の簡易チューナー付属のリモコンは、テレビのリモコンとしても兼用できる仕様になっている。ただし、対応しているテレビのメーカーはまちまちなので、簡易チューナーを買う前に、テレビ本体の製造メーカーと製造年をメモしておき、それに対応した簡易チューナーであることを確かめて買った方がいいだろう。

 また、現在発売されている簡易チューナーは、EPG(電子番組表)、字幕放送、音声切り替えに対応している。データ放送や双方向機能には対応していない。また、受信できるのは地上波デジタルだけで、BSやCSは受信できない。

 ここでちょっと注意したいのがEPGだ。ほとんどの簡易チューナーのEPGは、1画面に1局分しか表示できない。別のチャンネルの番組表を見たい場合は、十字キーなどで画面を切り替えていく方式だ。新聞のテレビ欄のように、たくさんのチャンネルの番組表を一目で見ることはできない。しかし、小さなテレビであれば、むしろ1画面1チャンネルのEPGの方が使い勝手がいい。地デジ放送をアナログテレビで見る場合、どうしても文字がぼやけがちだ。文字があまりに小さいと、判読できなくなってしまうケースもある。簡易チューナーをつけるアナログテレビは、20型以下という場合が多いだろうから、むしろこの方が見やすいのだ。

 ピクセラが発売している「PRODIA」

 大型のアナログ液晶テレビに簡易チューナーをつけたいというのであれば、EPGは複数チャンネル表示される方が見やすいだろう。そういう場合は、ピクセラから発売されている「PRODIA」がお薦めだ。最大で5チャンネルまでの番組表を1画面に表示できる。この「PRODIA」は簡易チューナーの中でも性能にこだわった製品で、起動時間の短さがセールスポイントだ。ピクセラのサイトによると、「PRODIA」の電源オンからの起動時間は4.8秒だが、A社製品は8.8秒、B社製品は11秒であるという比較データが掲載されている。

 なお、「簡易チューナー」という言葉使いは、厳密には正しくないことをお断りしておきたい。この記事では、「実売5000円前後で発売されている地上波デジタルのみ受信でき、アナログ出力できるチューナー」を指している。本来は、生活保護世帯などへの地デジ支援策として、総務省が無償給付を決めている地デジチューナーのことを「簡易チューナー」と呼んでいる。同時に、この「簡易チューナー」と同等の仕様のものが、実売5000円前後で一般店でも発売されていて、今回の記事では、この5000円前後のチューナーを「簡易チューナー」と呼ばせていただいている。厳密には「低価格チューナー」とか「エントリーモデルチューナー」と呼ぶべきなのだろうが、一般の店舗などでは「簡易チューナー」という名称で店員に尋ねれば、このカテゴリーの商品を紹介してくれる。用語を気にする人は、このカテゴリーの商品を「簡易なチューナー」と呼ぶようにしているようが、座りの悪い言葉のように思うので、この記事では「簡易チューナー」という呼び方をさせていただいた。

 ところで、ただアナログテレビをアナログ停波後も使い続けたいということだけであれば、今回紹介した簡易チューナーの中から、よさそうな製品を選んでいただければいいが、中にはVHSテープのビデオデッキやアナログ波対応のDVDレコーダーはどうなってしまうのかと心配な方もいらっしゃるだろう。次回は、この簡易チューナーの中で、録画予約などに配慮した製品もあるので、それを紹介してみたい。

地デジの足音49 あと208日の回 - アナログテレビを使いづけるなら簡易チューナー(2)

2010/12/28 マイコミジャ−ナル 牧野武文

 前回は、2011年7月24日のアナログ停波以降も、アナログテレビを使い続けるためには、簡易チューナーがお薦めだという話をした。なお、前回に詳しく書いたが、厳密には「地上波デジタル放送が受信でき、アナログ出力できる実売5000円前後のチューナー」は、「簡易なチューナー」「低価格チューナー」「エントリーモデルのチューナー」と呼ぶべきだが、この記事では「簡易チューナー」と呼ばせていただく。一般の店舗では、店員に「簡易チューナー」と尋ねても、このカテゴリーの商品を紹介してくれる。

 この簡易チューナーを取付け、アンテナが地上デジタルに対応しているのであれば、アナログテレビ、ブラウン管テレビでも、テレビ放送を見続けることができる。しかし、ただ地上波デジタル放送が見られればそれでいいというわけでもないだろう。たとえば、BS放送もみたいとか、VHSテープのビデオデッキやアナログ波用のDVDレコーダーはどうするのかと、さまざまな問題があるはずだ。今回は、このような場合、簡易チューナーで対応できるのかどうかをご紹介したい。

 まず、BS放送やCS放送はどうなってしまうのかだ。意外に知られていないことだが、現在のBSアナログ放送も2011年7月24日に停波する。BS放送はすでにデジタル放送が始まっているので、そちらに切り替える必要がある。BS放送のパラボラアンテナは、アナログであってもデジタルであっても変える必要はないが、テレビ側にはデジタルBSチューナーが必要で、現在発売されているデジタルテレビのほとんどはBSデジタルチューナーを内蔵している。

 アナログテレビには、BSアナログチューナーを内蔵しているものも多いが、もちろんBSデジタルチューナーは内蔵していないので、停波以降はBS放送を見ることができなくなってしまう。そこに簡易チューナーを接続しても、簡易チューナーは地上波デジタルしか受信できないので、BS放送は見られないわけだ。

 停波以降もBS放送を見たいという人は、BSデジタル放送も受信できるチューナーを購入する必要がある。簡易チューナーの中には、BSデジタルが受信できるものはないが、同じ系列の製品でBSデジタルに対応したチューナーはいくらでもある。たとえば、前回紹介したPORDIAシリーズには地上波デジタルとBSデジタルの両方が受信できるチューナーがある。ただし、当然価格は5000円では納まらず、8000円前後となる。BSデジタル放送も、今のアナログテレビで見たいという人は、こちらを選ぶべきだろう。

 ところで、いちばん困ってしまうのは、今までアナログテレビ+アナログレコーダーという組み合わせで、テレビを楽しんでこられた方だ。レコーダーに簡易チューナーを接続して、レコーダーからの映像をテレビに出力してみればいいような気もするが、これだとうまくいかない。というのは、簡易チューナーからの映像は外部入力としてレコーダーに接続することになり、予約録画ができなくなってしまうのだ。レコーダーで録画予約をするときは、時間とチャンネルを指定する。しかし、この時間とチャンネルは、レコーダー内のチューナーを切り替えてくれるだけで、簡易チューナーの時間とチャンネルを切り替えてくれるわけではない。

 つまり、どうしても簡易チューナーとレコーダーの組み合わせで、録画予約をしたいというのであれば、こうするしかない。まずレコーダーで録画時間を設定し、チャンネルは外部入力に合せておく。そして、簡易チューナーの方は、録画したいチャンネルにあわせておき、電源を入れっぱなしにしておく。もちろん、録画が終了するまで、チャンネルを変えても電源をオフにしてもいけない。こうすれば、留守録はできるが、不便極まりないだろう。それに、いくら簡易チューナーが省電力だとはいえ(だいたい3Wから4W程度のものが主流)、無駄な電力を消費するのも納得がいかない。

 そこで、お薦めしたいのが、録画予約に対応した簡易チューナーだ。ユニデンから発売されているDTH11がそれだ。この簡易チューナーには視聴予約という機能がある。番組表(7日先まで)から番組を選んで、視聴予約をしておくと、その時間になると、自動的に簡易チューナーの電源が入り、番組を受信し、終了時間になると自動的に電源がオフになる。視聴予約は30件までできるので、じゅうぶん留守録に使えるだろう。

 この簡易チューナーをレコーダーに接続し、レコーダー側はチャンネルを外部入力にあわせておく。多くのレコーダーには「外部入力シンクロ録画」という機能がある。これは、外部入力に信号が入ってきているとき(つまり、この場合では視聴予約した番組が流れているとき)にだけ録画をしてくれるというもので、普段は待機状態にしておける。これであれば、簡易チューナーで視聴予約をするだけで、録画予約が今まで通りできることになる。おもちのレコーダーに「シンクロ録画」の機能がない場合は、面倒だが、簡易チューナーの録画予約をしたうえで、さらにレコーダーにも録画予約をしなければならない。

 つまり、レコーダーにシンクロ録画機能があって、DTH11を接続すれば、今まで通りの感覚で録画予約を楽しめることになる。ただし、ひとつだけ問題が発生する。それは、録画せずに普通に番組を見たいときも、簡易チューナーを起動しただけでレコーダーが起動してしまい録画されてしまうことだ。また、予約録画中は、他の番組を見ることができなくなってしまう。

 これが煩わしいという人は、レコーダーには簡易チューナーDTH11を接続し、テレビには別の簡易チューナーをもうひとつつけるしかない。こうすると、完全に従来のアナログ視聴環境とほぼ変わらない感覚で、地デジ放送を楽しめるようになる。ただし、テレビ側には、レコーダーからと簡易チューナーからの2系統の外部入力を接続することになるので、2系統以上の入力端子があるかどうかを確かめておきたい。小型テレビなどの場合は、入力端子が1系統という場合もけっこうあるのだ。

 また、盲点になりがちなのだが、2台の簡易チューナーは、同じ製品を2台買わずに、別の製品を1台ずつ買うことだ。レコーダーにはDTH11を接続するが、テレビには別の簡易チューナーを接続しなければならない。もし、同じ簡易チューナーを2台使ってしまうと、1台のリモコンを操作すると、2台が同時に反応してしまうからだ。レコーダー側には予約視聴機能があるDTH11を接続し、テレビ側には別の簡易チューナーを接続することが必要だ。

 もうひとつ紹介したい簡易チューナがある。それはKEIANから発売されているK-DIGIBOX-Vだ。この簡易チューナーには、テレビ用のコンポジット出力とは別にパソコンモニター用のVGA出力が用意されている。つまり、あなたの使っているパソコンモニターにVGAモニターがあるのであれば、パソコンモニターで地デジ放送を楽しむことができる(もちろん画質は標準画質でハイビジョンにはならない)。家庭によると思うが、パソコンが好きな人の間では、使っていないパソコンモニターがけっこう余っていたりする。特に小型モニターを大型に買い替えた場合など、捨てるのも面倒だし、オークションに出してもパッとした価格がつかないということで、そのまま持て余している人も多い。もし、身近にそういうモニターが残っていたりするのであれば、このK-DIGIBOX-Vとモニターを接続することで、簡易地デジテレビができあがってしまう。もし、パソコン用の液晶モニターが手に入るのであれば、サブテレビとしてじゅうぶん使えると思う。

 なお、今回紹介したのは、あくまでも「価格5000円前後の簡易なチューナー」であり、もうすこし予算をあげ、8000円前後あるいは1万円前後のものを探せば、予約視聴機能や地上波、BSデジタル、CSデジタルの3波対応のものも見つかるし、2万円程度まであげれば、デジタル出力HDMI端子が付属しているもの、市販のハードディスクに録画する機能があるものなど、さまざまなものがある。その辺は、ニーズと財布との相談ということになる。

 よく「簡易チューナー」=低価格=低機能、低品質という連想をしてしまう人がいるが、こう見てくると、各メーカーとも販売価格5000円という厳しいコストの中で、さまざまな工夫をしていることがわかるはずだ。「古いテレビはきちんとリサイクルされる仕組みが整っています」とお役所はいうが、リサイクルするのにもエネルギーを消費し、廃棄物も微量とはいえ生みだしてしまうのだ。使えるものは、できるだけ使った方がいいに決まっている。日本人は、使えるものはその寿命がくるまで使い切るという美徳を昔から受け継いできた。「地デジ時代だから、古いテレビはポイッ」という感覚に、どうもなじめない人は、電器店でぜひ簡易チューナーを手にしてみていただきたい。安かろう、悪かろうではないことが実感できるはずだ。

地デジ受信機の無償配布 8月末までに31万台 124万の目標達成は困難

2010.09.06 16:38 MSN産経新聞

 総務省の地上デジタル放送向け受信機無償配布事業を請け負うNTTエムイー(東京都豊島区)は6日、今年度の配布台数が8月末までに約31万件だったと発表した。総務省は12月28日までに124万台の申し込みを目標にしているが、3カ月で約90万台を配布しなければならず厳しい状況となった。

 同事業は、NHKの受信料免除世帯を対象に、地デジ受信用の簡易チューナーを無償で配布するもの。当初は7月初旬までに申し込みを締め切る予定だったが、目標達成が困難になったため期限を延期した。総務省は来年7月の地デジへの完全移行に向け、無償配布対象世帯を住民税免除世帯にも拡大する方向で来年度概算要求に盛り込んだ。

【主張】地デジ完全移行 高齢者への配慮も怠るな

2010.08.23 03:12 MSN産経新聞

 ハイビジョンの高画質とCD並みの高音質などが楽しめる地上デジタル放送(地デジ)への完全移行(来年7月24日)まで1年を切った。

 テレビの地デジ化が完了すると、現在の放送チャンネルの3分の1の電波枠が空く。通信サービスの多様化と拡大は、日本の成長戦略にも大きく関係する。公共財としての電波の有効利用が問われる中で、地デジ化はその試金石といっていい。

 だがその一方、高齢者世帯などを中心に、地デジ化に依然、対応できていないケースや、知識不足に付け込んだ悪質な詐欺事件も増え始めている。総務省の関係団体や家電量販店の名をかたり、必要のない工事代金を請求するといった手口が目立つ。

 テレビを買い替えずとも安価な簡易チューナーの取り付けなどでしのぐ方法や、低所得世帯向けの各種助成制度もある。総務省や放送局は消費者庁とも協力し、地デジ化への円滑な移行を図るため、国民向けの広報活動にあらためて全力をあげる必要がある。

 総務省によれば、地デジ放送は一部の難視聴地域をのぞき、昨年末現在で基本的にほぼ全世帯(約5千万)で視聴可能になったという。だが電波の特性からアナログ放送では見えた映像が、デジタル放送では逆に見えなくなることも一部地域では起こり得る。

 受信にはアンテナの交換も必要なケースがある。とりわけ対策が急がれるのは、住民の意見集約が難しい集合住宅やビル陰などの受信障害で共聴設備に依存せざるを得ない世帯への対応だ。政府や放送局には、一人の「地デジ難民」も出さぬ覚悟で受信態勢の整備に万全を期すよう求めたい。

 国民の側にも積極的対応を促したい。地デジ受信機の世帯購入は順調に進んでいるというが、それでも普及率はまだ83・8%(3月末現在)だ。エコポイント制度が切れる今年末以降は、普及に急ブレーキがかかる恐れもある。

 インターネットなど情報の取得源は広がっているものの、娯楽に加え、防災速報などテレビの果たす役割はまだまだ大きい。地デジ完全移行まで残された時間は少ない。その時になって慌てることがないようにしたい。

 総務省は受信相談の支援センター(デジサポ)を設けている。不明な点があれば早めに相談し、対応を済ませておくことだ。

地デジ、南アに売り込め! 日本方式採用へ交渉、ブラジルも協力

2010.06.22 MSN産経新聞

「全国一斉地デジ化テスト」の放送のPRをする左からNHK・鈴木奈穂子アナ、日テレ・馬場典子アナ、テレ朝・上宮菜々子アナ、TBS・竹内香苗アナ、テレ東・森本智子アナ、フジTV・中村仁美アナ

 地上デジタルテレビ放送の日本方式について、総務省が南米のブラジルと連携し、サッカーのワールドカップ(W杯)に沸く南アフリカ共和国などアフリカ南部15カ国と採用に向け交渉に入ったことが20日、分かった。南米、アジアに続き、アフリカに日本方式を広げることで、周辺機器の輸出を後押しすると同時に、資源獲得などにもつなげたい考えだ。

 総務省が交渉に入ったのは、「南部アフリカ開発共同体(SADC)」加盟国。南アフリカは今年8月にも採用方式を決定する意向で、当初は旧宗主国の欧州方式が有力だったが、日本の働きかけにより、再検討することになった。

 南アでは、W杯を契機に高い経済成長が見込まれ、地デジの普及も期待されている。

 さらに南アを足がかりに周辺国へと採用を広げるため、ブラジルの協力を仰ぐ考え。同国は、日本方式を海外で初めて採用した南米の“親日国”で、同じポルトガル語を使うSADC加盟国のアンゴラやモザンビークとも関係が深い。

 ただ、世界の主な地デジには、日本や欧州、米国、中国の4方式がある。日本方式は、携帯電話端末向けのワンセグが視聴できるほか、山間部などでの電波障害に強いほか、導入コストがライバルに比べて安いというメリットがある。

 すでに南米では、ブラジルやペルーなど中南米8カ国が採用し、ボリビアと最終交渉の段階にある。アジアではフィリピンが採用を決めたほか、近くタイとも交渉に入る方針だ。

 政府は、地デジの日本方式の輸出を成長戦略の柱の一つと位置付けている。海外での普及が進めば、放送用のインフラ機器のほか、対応テレビや携帯端末の輸出促進につながるためだ。

 また、アフリカ諸国では、中国が天然資源の獲得に向け、国家主導の外交戦略を展開し、地デジの中国方式の売り込みでも攻勢をかけている。日本としても地デジを通じて、アフリカとの関係を強化していきたい考えだ。

日本の「地デジ」フィリピンも採用 アジア初

2010.06.11 20:43 MSN産経新聞

 総務省は11日、東南アジアのフィリピン共和国が地上デジタルテレビ放送で日本方式を採用することが決まったと発表した。アジアで日本の地デジを採用するのは同国が初めてとなる。

 同省によると、フィリピン共和国電気通信委員会が同日、地デジの日本方式を採用する規則に署名した。

 フィリピン側は地デジ方式を一時は欧州方式を導入する方向で検討していたが、電波干渉に強い「ワンセグ」といった移動端末向け放送などに対応する日本方式を最終的に選んだ。同国での地デジの放送開始時期などは未定という。

 日本側は同国に対し、技術移転や人材育成での支援協力を進める考えだ。

 今回のフィリピンの決定で、海外で地デジの日本方式を採用する国は9カ国目。これまではブラジルやペルーなど中南米8カ国で日本方式の採用が決まっていた。

パラグアイも日本方式 地デジで8カ国目

2010.06.02 11:00 MSN産経新聞

 総務省は2日、南米のパラグアイ共和国が地上デジタルテレビ放送で日本方式を採用する決定を行ったと発表した。海外で地デジの日本方式を採用する国として、8カ国目となった。

 パラグアイ政府が現地時間の1日、地デジの日本方式を採用する大統領令を発表した。同国での地デジの放送開始時期などは未定。

 同省によると、パラグアイ側が、日本の地デジ方式が電波干渉に強い「ワンセグ」といった移動端末向け放送やハイビジョン放送に対応している点を評価した。日本側は同国に対し、技術移転や人材育成での支援協力を進める考えだ。

 今回のパラグアイによる採用決定で、海外での日本の地デジ方式の普及は、ブラジルやペルーなど中南米8カ国で導入が決まった状況だ。総務省では今後、アジアやアフリカに照準を移し、日本の地デジ方式のさらなる普及促進を働きかける戦略を描いている。

BSデジタル化繰り上げへ NHK、来年4月完全移行

2010/05/30 中国新聞ニュ−ス

 NHKが来年7月24日に予定していたBSテレビ放送の完全デジタル化を、4月1日に繰り上げる方針を固めたことが29日、分かった。アナログ放送を3月末で停止し、デジタル放送は現行3チャンネルを新たな2チャンネルに再編する。

 NHKによると、BSアナログ放送の視聴世帯数は推計500万弱。来年4月以降、BS放送を見るにはBSデジタルのチューナーなどが必要になる。地上放送が映らないためBSアナログを見ている難視聴世帯には、BSデジタルのチューナーを無償で配ることを検討している。

 NHKは当初、BS放送も地上放送と同時にデジタルに移行させる予定だった。だが地上放送の完全デジタル化が広く認知されてきたのに対し、BS放送はアナログが存続すると誤解している視聴者が少なくないため、移行を早めて集中的に周知キャンペーンを行うことにした。

 現行のBSデジタルは、通常画質のBS1、BS2とハイビジョンのBShi。これらを、ともにハイビジョンで報道番組中心の新BS1、教養・娯楽番組中心の新BS2に再編することが既に決まっている。地上放送の一部番組を流しているBS2の難視聴対策はなくなる。

 このためNHKは、BSアナログを視聴していて、地上放送はアナログもデジタルも映らない山間部や離島などの世帯にBSデジタルチューナーを配布し、3月に始まった「地デジ難視対策衛星放送」で地上放送の番組も見られるようにすることを検討中だ。対象は数千世帯と見込んでいる。

日本方式の「地デジ」コスタリカも採用 海外7カ国目

2010.05.26 11:54 MSN産経新聞

 総務省は26日、中米のコスタリカ共和国が地上デジタルテレビ放送で日本方式を採用する決定を行った、と発表した。海外で日本方式の地デジを採用する国は、ブラジルやペルーなど南米6カ国に続き、7カ国目になる。

 コスタリカ政府が現地時間25日、地デジの日本方式を採用する政令を官報で公表した。同国での地デジの放送開始時期などは未定。

 総務省によると、コスタリカは昨年12月から、日本と競合する米国、欧州各方式との比較検討を行い、日本の地デジ方式が同国に最適と判断された。「ワンセグ」など移動端末向け放送に対応し、山間部などでも放送電波を受信しやすい点が評価されたという。

 日本側は今後、コスタリカに対し、地デジに関する技術移転や人材育成で支援する方針。また、日本の地デジ方式を世界に普及する狙いで、南米やアジア、アフリカ諸国に採用を働きかけていく構えだ。

地デジ普及率、80%突破 エコポイント貢献、政府目標上回る

2010.05.25 10:37 MSN産経新聞

 総務省が25日発表した今年3月時点での地上デジタルテレビ放送の世帯普及率(速報値)は83・8%となり、初めて8割を突破した。同時点での目標である81・6%も上回った。エコポイント制度で、地デジ対応の薄型テレビの販売が大きく伸びたことが貢献した。

 昨年9月時点の前回調査の69・5%から、半年で大幅に上昇した。前回は目標の72・0%を下回っていたが、今回は一転して目標を上回る結果になった。

 3月時点での47都道府県別の世帯普及率では、トップ3が(1)富山県(88・8%)(2)埼玉県(88・4%)(3)岐阜県(88・3%)で、9割に迫った。

 一方、ワースト3は(1)沖縄県(65・9%)(2)岩手県(66・7%)(3)長崎県(72・9%)の順となり、離島や山間地域をかかえる地方での普及の遅れが目立った。

 逆に、大都市圏は全国平均より普及率が高い傾向が出た。首都圏の1都3県は全国2位の埼玉県のほか、千葉県が6位の86・7%、神奈川県が85・1%、東京都が84・5%といずれも全国平均を上回った。このほか、大阪府が85・4%、愛知県が84・3%と普及率は平均より高い。

 原口一博総務相は同日の閣議後会見で、今回の調査結果について「計画目標を上回るうれしい結果だが、都市部の一部のビル陰や離島・山間地域で普及に課題もある。来年7月の地デジ完全移行へ、対策に全力を挙げたい」と話した。

南米で進む地デジの日本方式採用 官民一体での売り込み奏功

2010.05.03 18:56 MSN産経新聞

日本の支援で導入された機材で地上デジタル放送の作業を行うペルー国営放送のスタッフ

 地上デジタルテレビ放送で日本方式の採用が南米で相次ぎ、明るい話題となっている。日本の中で独自進化を遂げ、結果的に世界市場から取り残される「ガラパゴス化」が指摘されて久しい中で、今回の成功体験は、日本が世界市場で伍(ご)していくための糸口になり得るのか。3月に放送を開始したばかりのペルーの現場をみた。(リマ 松尾理也、写真も)

官民一体

 「(NTTドコモが開発した携帯電話上でのメールなどのサービス)iモードが出てきたころから、すでに“ガラパゴス化”は懸念されていたんですよ」

 ペルーの首都リマの日本大使館。地デジ売り込みを担当する藤原慎哉2等書記官がいった。「これからは海外に出ていかないと、日本は立ちゆかない。けれども、民間だけにそれを要求してすむ話ではない」

 日本政府が打ち出したのが、「官民一体」という方法論だった。

 「大使をはじめ、官の人間がこぞって“営業マン”としての気構えをもって地デジ日本方式を売り込んだ。技術的な優位はあったが、人的な営業努力なしでは間違いなく、採用には至っていなかっただろう」と藤原書記官は振り返る。

 南米で日本方式を採用したのは、ペルーがブラジルに続いて2カ国目。昨年4月の日本方式採用決定からわずか1年で予定通り試験放送開始にこぎ着けた。

やる気出した「官」

 NHKから国際協力機構(JICA)に出向してペルーに赴任し、同国で地デジのアドバイザーを務める阪口安司さんとともに、リマ市内のペルー国営放送を訪ねた。局内には、日本の技術援助による放送機材がずらりと並んでいる。

 「日本の技術や人には、信頼感がある。売りっぱなしではなく、アフターケアもしっかりしている」。東京・お台場のフジテレビで研修したこともあるホセ・アギラール技術局長は、すっかり日本ファンだ。

 阪口さんが、備え付けられている地デジ用カメラを指さした。「この機材は、地デジ開始式典に出席する総務省の若手が『ついでだから』といって自分の手荷物として日本から運んできてくれたんですよ」。送料の節約という以上に、その「やる気」に驚いた、と阪口さんはいう。「かれら官僚はもともと極めて優秀。使わない手はない」。

 南米は旧宗主国であるスペイン、ポルトガルの影響力が極めて強い地域。地デジでも欧州方式の採用が当然視されていた。一方日本は、海外に打って出るという戦略を打ち出した手前、地デジ空白地帯だった南米に目を付けたものの、最初は手探りだったという。

 だが、ていねいな勉強会を繰り返し、技術の優位性を根気よくアピールするとともに、総務省幹部が足しげく現地を訪れるという熱意をみせたことで、次第に状況は好転していった。

 総務省がこれほどの熱意を見せた裏側には、きれいごとだけではない事情もある。通信、放送の自由化が進む中で、「許認可官庁」といわれた旧郵政省は急速に存在意義を失いつつある。「海外へ打って出るための官民一体戦略」は、自らの生き残りをかけた新規事業の創出でもあった。

鈍い「民」の出足

 現在のところ、大成功を収めつつある南米での地デジ売り込みだが、すべてがうまくいっているわけではない。そもそも、システムの売り込みだけでは、ビジネスとしては1銭ももうからない。

 そこからどうやって日本が利益を得ていくか。まず考えられるのは、放送機材の納入と、受信機材(地デジ対応テレビ)の売り込みだが、いずれも日本企業の出足は鈍い。

 「家電売り場で主力を占めるのは韓国勢。日本勢は高級品のイメージこそあるものの、高いと敬遠されている」(地元住民)。そんな中で、韓国企業ははやばやと地デジ対応商品を売り出した。

 「もともと、韓国勢はシステムがどの方式になろうと、それに迅速に対応して商品を開発していく手法。新興国市場への目配りもすばやい」(藤原書記官)。

 その勢いに押されたままでは、せっかくの地デジ売り込みも「単なる税金の無駄遣い」だったといわれかねない。「官民一体」のかけ声の真価が問われるのはこれからといえそうだ。

               ◇

【用語解説】南米の地上デジタル放送

 2006年6月にブラジルが日本方式採用を決定したのを最初に、ペルー、アルゼンチン、チリ、ベネズエラ、エクアドルの6カ国がこれまでに日本方式を採用。南米では人口比で約80%のシェアを占める。ほかには世界でもっとも普及が進んでいる欧州方式、大市場の米国のほか中米などでも採用が進む米国方式があるが、日本方式は携帯電話などでデジタル放送を視聴できる「ワンセグ」など機能面でもっとも優れているとされる。

ウルグアイ、地デジで日本方式採用 ブラジル紙報道

2010.03.31 08:02 MSN産経新聞

 30日付のブラジルの経済紙バロルによると、同国を訪問中のウルグアイのムヒカ大統領は29日、地上デジタル放送規格について、既に採用を決めている欧州方式から日本方式に切り替える意向を固めたと語った。近く議会に関係法案を提出するという。

 欧州連合(EU)は南米で欧州方式の普及を目指しているが、ブラジルなど6カ国が日本方式を採用した現状に、大統領は「南米の過半数の国が日本方式に傾いている。これが市場の現実だ」と述べた。

 一方、ウルグアイの有力紙パイスによると、大統領は「態度は決まっていない。欧州が今もウルグアイに関心があるのか欧州側と話してみたい」と語った。同国が加盟する地域経済共同体、南部共同市場(メルコスル)とEUの首脳会議が5月にマドリードで開かれる予定で、大統領はこの場でEU側と協議するとみられる。(共同)

エクアドルが地デジ日本方式採用 南米で6カ国目

2010.03.27 10:04 MSN産経新聞

 総務省は26日、南米のエクアドル共和国が日本方式の地上デジタルテレビ放送の規格を採用することを決めたと発表した。日本方式の地デジ採用国は、南米でブラジル、ペルー、アルゼンチン、チリ、ベネズエラに続き、6カ国目になる。

 総理特使としてエクアドルを訪問中の内藤正光総務副大臣(情報通信担当)が、エクアドルのグラス通信大臣との間で覚書を交わした。総務省によると、今回のエクアドルによる採用決定で、地デジ日本方式による南米での放送エリアの人口カバー率が約8割に達したという。

 日本政府としては、地デジの日本方式を南米を軸に、アジアにも普及させることで、日本の経済成長戦略につなげたい考えだ。

 海外での地デジ日本方式による放送は、ブラジルが2007(平成19)年12月から放送を開始した。09年に採用を決めたペルーなど南米4カ国も早期の放送開始を目指している。

 地デジの国際標準規格には日本方式以外に、米国方式や欧州方式がある。

【ドラマ・企業攻防】地デジ移行“空き電波”を狙え! ドコモ、KDDIなど火花

2010.03.22 18:00 MSN産経新聞

【携帯向け「マルチメディア放送(mmbi」】 デモ携帯として利用されたドコモのHT−03A(OSはアンドロイド)=8日午後、東京・六本木(緑川真実撮影) 2011年夏にも始まる携帯端末向けマルチメディア放送に向け、NTTドコモとKDDIが火花を散らしている。携帯端末向け放送は、同年7月の地上デジタル放送への完全移行後に空くアナログテレビ放送の電波を利用するもので、リスナーの減少に苦しむラジオ局や広告収入の減少にあえぐ地方テレビ局にとっても、ビジネスチャンスを虎視眈々と狙っている。

 KDDIは、子会社と共同でカーナビに地図や走行ルート、交通情報などを音声と動画で伝える実証実験に乗り出した。対するドコモも、試作機を使った新サービスを初公開し、前哨戦を繰り広げている。

 総務省は空き電波のうち、「VHF−Low帯」(90〜108メガヘルツの周波数帯)は地域ブロックごとの放送に、「VHF−High」(207.5メガ〜222メガヘの周波数帯)は全国向けの放送サービスに割り当てる方針だ。

 総務省は全国放送について、早ければ4〜5月にも1陣営に絞るとみられている。

 同省の試算によると、空き電波の有効利用による経済効果は、2011年からの10年間で約2兆円にも上る。

 KDDIは、子会社「メディアフロージャパン企画」とともに、沖縄県で実証実験を開始。端末の画面に交通情報をテロップで流すほか、周辺のお店情報なども配信する。

 これまでのカーナビは情報をリモコンを使って自分で操作する必要があったが、「つねに情報が流される。必要な情報を選択すればいいので便利」とメリットを強調する。

 一方のドコモ民放などとタッグを組み、映画や音楽ライブ、ニュース、電子書籍などのコンテンツを週300本程度配信する計画を打ち出した。

 配信したデータを端末に保存する仕組みを採用。電波の受信が難しい場所でも映像を視聴できるのが特徴だ。

 このほか、ゲーム大手のセガサミーホールディングスも、全国放送サービスへの参入を表明しており、“空き電波争奪戦”がヒートアップしそうだ。

 一方で、地域ブロック放送では、地方のテレビ局やラジオ局も新たな視聴者の獲得や広告収入の増加につながると期待を寄せる。

 ただ、資金不足などを背景に実現を危ぶむ声も出ている。総務省も、地域ブロック放送の事業者選定を先送りせざるを得ない状況にある。

 地域ブロック放送を行うにも、設備投資に約400億円もの資金が必要とされており、疲弊した地方局には捻出できないためだ。

 16日に都内で開かれた地域ブロック放送の推進を目指す「VHF−LOW帯マルチメディア放送推進協議会」の会見で、羽鳥光俊代表は「(資金力が豊富な)NHKの参加がカギ」と述べ、苦しい台所事情を明かした。

 このままでは、せっかくの空き電波が空いたままという事態にもなりかねない。

地デジ移行まで500日 難視聴対策衛星も稼働開始

2010.03.11 13:23 MSN産経新聞

地上デジタル放送の普及式典「ラストスパート500」であいさつするテレビ局のアナウンサーたち=11日午前、東京都港区

 放送局や電機メーカーなど関係各社・団体でつくるデジタル放送推進協会は11日、「ラストスパート500」と銘打ったイベントを東京都内で開いた。来年7月の地上デジタル放送の完全移行まで残り500日となった節目で、地デジ普及運動を加速させる。

 イベントでは総務省の内藤正光副大臣が「地デジ移行へ必要な予算措置はもちろん、来年7月にアナログ停波できるよう全力をあげたい」とあいさつ。

 また同日正午には地デジの電波が届かない一部地域向けの難視聴対策を担う衛星放送が稼働。NHKや民放キー局各社の女子アナウンサーらが、「放送開始」のスタートボタンを押した。

 今後は、高層ビルの陰など電波受信が困難な地域での地デジ普及対策を強化するほか、タレントやプロ野球選手らによる普及活動も展開する。


地上デジタル受信機普及台数が5千万台突破。NHK発表 −PC合わせると5,216万台。BSデジタルは5,251万台

2009年06月04日 AV Watch編集部 大類洋輔

6月4日発表

 日本放送協会(NHK)は4日、2009年5月末におけるデジタル放送受信機の普及状況(速報値)を発表した。

 地上デジタル放送受信機の普及台数は4月から約122万台増加の約5,066万台となり、速報値で5千万台を突破。JEITAが発表した地デジチューナ内蔵PC(約150万台/4月末の数値)を合わせると約5,216万台に達したという。BSデジタル放送受信機は約116万台増加の約5,251万台。

 地上デジタル受信機の内訳は、チューナ内蔵PDP/液晶テレビが約3,163万台(約79万台増)、地上デジタルチューナ単体(チューナ内蔵録画機も含む)が約1,128万台(約30万台増)、チューナ内蔵ブラウン管テレビが約72万台で、ケーブルテレビ用STBが約703万台(約13万台増)。

 BSデジタル受信機の内訳は、チューナ内蔵PDP/液晶テレビが約3,171万台(約75万台増)、BSデジタルチューナ単体(録画機も含む)が約1,191万台(約28万台増)、チューナ内蔵ブラウン管テレビが約186万台、ケーブルテレビ用STBが約703万台(約13万台増)。また、ケーブルテレビでアナログ変換して視聴しているのは約130万世帯となっている。

見逃し番組は1本315円 NHKのネット配信

2008年11月12日 中国新聞ニュ−ス

 NHKは12日、来月1日から始めるインターネットを利用した番組の有料配信サービス「NHKオンデマンド」の利用料金を発表した。

 番組放送後、1週間程度見られる「見逃し番組」のサービスは1本315円が基本で、番組の長さなどにより105円、210円の2種類も用意した。ニュース番組を含む1カ月見放題のパック料金は1470円。

 過去の名作を集めた「特選ライブラリー」のサービスも1本105−315円。まとめて購入した場合は、割引することも検討している。

 「見逃し番組」は連続テレビ小説「だんだん」や次の大河ドラマ「天地人」(来年1月から)など計約80番組が対象。「特選ライブラリー」はNHKスペシャル「映像の世紀」などの大型企画や「プロジェクトX 挑戦者たち」など約1300本を提供するという。

地デジ移行まであと1000日 大阪・千日前でイベント

2008年10月27日 中国新聞ニュ−ス

 地上デジタル放送への移行まであと1000日になったのに合わせ、大阪・千日前で、準備を呼び掛けるイベント「地デジまで、あと1000日@千日前!」が開かれた。

 総務省近畿総合通信局の主催で、吉本興業所属のタレント「藤崎マーケット」やテレビ局のアナウンサーらが参加。

 地上デジタル放送の魅力やメリットなどを「高画質でエクササイズ」などと持ちネタを使ってコントやクイズで紹介し、「早めの準備をお願いします」と呼び掛けた。集まった約300人からは笑い声や歓声が上がった。

 アナログ放送は2011年7月24日までに終了し、デジタル放送に完全に移行する。

地デジ日本方式 アルゼンチンも採用へ

2008.09.11 MSN産経新聞

 地上デジタル放送(地デジ)導入を目指すアルゼンチンが、日本方式の放送規格を採用する見通しとなった。ブラジル外務省から総務省に入った連絡によると、アルゼンチンのフェルナンデス大統領とブラジルのルラ大統領が8日会談し、ブラジルが採用した地デジ日本方式のアルゼンチン導入に向け、両国の技術者によるプロジェクトチームを設置することで合意した。産業育成など広範な分野で協力する覚書に盛り込まれた。

 地デジ日本方式は海外ではブラジルしか採用例がなく、30カ国以上が採用した欧州方式や、北米の大市場を制した米国方式に後れを取っている。このため総務省は、市場開拓の余地がある南米諸国や、フィリピンなどアジアの一部の国々に照準を合わせ、日本方式採用を働きかけてきた。普及すれば日本メーカーが送信設備やテレビを販売しやすくなる。

 南米諸国はメルコスル(南米南部共同市場)を通じて結びつきが強く、盟主ブラジルの意向に影響されやすい。総務省はブラジル政府と「共同作業部会」を設けて各国へ採用を働きかけており、今後はチリ、ベネズエラ、コロンビア、ペルー、エクアドルなどへの波及も期待されている。

地デジチューナー無料配布へ 生活保護世帯向け

2008/06/21 中国新聞ニュ−ス

 二〇一一年七月からの地上放送の完全デジタル化に向けた対策を盛り込んだ情報通信審議会(総務相の諮問機関)の答申案の全容が二十日、明らかになった。全国約百七万世帯の生活保護世帯を対象に、アナログテレビに取り付けるとデジタル放送を見ることができる簡易チューナーやアンテナを〇九年度から無料配布するのが柱。二十七日の総会を経て増田寛也総務相に答申する。

 総務省は答申を踏まえ、生活保護世帯以外にも所得が低い障害者世帯や高齢者世帯への支援内容を検討し、七月二十四日に具体策を発表する。経済的弱者への対策だけで、国の支援額は〇九年度からの二年間で数百億円規模に上る見通しだ。

 答申案はこのほか、アナログ放送の終了時点でデジタル放送の電波が届かない難視聴地域には、放送衛星(BS)を経由してNHKや在京キー局の番組を見ることができるようにすべきだと提言。現在BS放送を見ていない世帯がBSチューナーなど受信機器を購入する際は費用を国が支援する必要性を訴えた。

 ビル陰などによる電波障害対策のために設置している都市部の共同受信施設をデジタル化する費用も、国が積極的に支援するよう促した。デジタル放送をアナログに変換し、地上放送だけをケーブルテレビで低料金で提供するサービスの導入も求めた。

 また高齢者世帯を中心にデジタル放送の受信方法が周知徹底されていないため、〇九年度初めには各都道府県に少なくとも一カ所、視聴者の相談を受け付ける「テレビ受信支援センター」を設置。テレビやアンテナを高額で売り付ける悪質商法には、関係省庁と放送事業者などが協力して被害防止に努めるべきだとした。

地デジ対応テレビ:高所得者ほど所有−−民放連調査

2008年06月21日 毎日新聞 東京朝刊 Mainichi INTERACTIVE

 年収が高い世帯ほど地上デジタルテレビ放送に対応した受信機を所有している比率が高いことが20日、日本民間放送連盟の調べで分かった。年収1000万円以上の世帯では61・0%が対応機を所有しているが、年収の低下とともに所有比率は徐々に下がり、199万円以下の世帯は24・2%にとどまっている。

 調査は3月後半から4月にかけて、全国1万8000世帯を対象に実施し、80・2%から回答を得た。地デジ対応受信機は、地デジ対応チューナーを内蔵するか、外部接続したテレビやパソコンが対象。全世帯の所有比率は43・3%だった。地上波テレビ放送は11年7月24日にデジタル放送に完全移行するが、総務省は低所得者など経済弱者に対し、デジタル対応の受信機購入を支援する方針だ。【前川雅俊】

マイクロソフト、地デジ視聴をOS標準搭載へ

2008年06月20日 asahi.com (※週刊BCN 2008年6月23日付 Vol.1240より転載)

 マイクロソフト(樋口泰行社長)は、「Windows Vista」を地上デジタル放送に対応させる。OSに備えているマルチメディア録画・再生機能「Windows Media Center」で、地デジ放送のテレビ番組を視聴・録画可能にする。PCで地デジ放送を容易に楽しめる機能を標準搭載することによって、「Windows Vista」搭載PCの販売に弾みをつける狙い。

 地デジ放送の視聴・録画は、「Vista」のマルチメディア機能「Windows Media Center」の拡張版「同 TV Pack」を開発し、OSに標準搭載することでサポートする。地デジ放送を視聴・録画できるPCはあるが、各メーカーがそれぞれ専用ソフトを開発してPC に搭載することで可能にしていた。今回OSレベルで処理することで、各PCメーカーは個別にソフトを開発する必要がなくなり、手間とコストを抑えることができる。また、「起動時間やチャンネル変更の時間が短縮できるなど操作性が向上した」と、ユーザーにとってもメリットがあることを強調している。

 「TV Pack」を搭載する「Vista」モデルは、上位版「Home Premium」と「Ultimate」の2モデルだけに限定する。「TV Pack」搭載OSのパッケージソフトは販売せずに、PCメーカーへの提供だけにとどめるため、ユーザーはこの新機能を利用したい場合は、対応PCを購入するしかない。現時点で「TV Pack」を備える「Vista」PCの発売が決まっているのは、富士通とマウスコンピュータ、ソーテック、エプソンダイレクトの4社で、年末に発売する予定だ。

 佐分利ユージン・執行役常務ビジネス&マーケティング担当は、「『Vista』の出荷前からテレビ番組を楽しめるための機能を意識していた。地デジ放送の視聴・録画機能をOSがネイティブ(標準)サポートすることで、PCで地デジを楽しむ層を広げることができる」と説明している。

 一方、笠原健司・デジタルエンターテイメントパートナー統括本部本部長は、「テレビチューナー搭載PCはアナログチューナー搭載モデルの落ち幅を、デジタルチューナー搭載モデルが補っていない。OSで標準搭載することでテレビパソコンの市場を活性化させたい」と狙いを語った。

低所得者の購入を支援 地デジ移行対策骨子

2008/06/10 FujiSankei Business i.

 総務省は9日、地上デジタル放送総合対策本部の会合を開き、2011年7月に地上デジタル放送への完全移行を達成するための総合対策骨子をまとめた。生活保護世帯など低所得者がデジタル対応機器を購入する際の財政的支援や、広報の強化などが柱。ことし夏までに細部を詰め、09年度予算で要求する。

 骨子では、低所得者対策として、デジタルチューナーなどの受信機器購入に対する支援を明記。ビル陰などによる電波障害対策のため設置している都市部の共同受信施設のデジタル化への支援など、予算措置が伴う対策を入れた。

 放送事業者側の中継局などの整備が間に合わず、デジタル放送を見ることができない地域を対象に、衛星を活用した放送を準備することも盛り込んだ。

 現在のデジタル対応機器の普及率は全世帯の約43%。骨子では、デジタル化を視聴者に理解してもらうため、消費者代表やメーカーなどで構成する「国民運動推進本部」を設置したり、視聴者からの相談に対応できるよう都道府県単位の相談窓口を設置したりする、とした。

日本方式の地デジ 4月中旬にもフィリピン、チリが採用か

2008.03.29 MSN産経新聞

 日本方式の地上デジタル放送(地デジ)の世界市場への普及がヤマ場を迎えている。地デジの技術方式には、日・米・欧の3方式があるが、標準化に出遅れた日本方式はブラジルしか採用例がなく、30カ国以上で採用されている欧州方式、北米の大市場を制した米国方式に比べ、大きく出遅れている。そんな中、フィリピンとチリが4月中にも地デジの技術方式を決定する見通しで、いずれも日本式が優勢という。しかし、アフリカを除く大半の地域ですでに採用方式が決定するなど、日本の出遅れ感は否めず、技術的優位性が高くても国際市場で劣勢となっている携帯電話の轍を踏む可能性が高まっている。

 世界中でテレビ放送のデジタル化が進んでいるが、機器販売に直結する標準化競争で日本は劣勢だ。

 最も多くが採用する欧州方式は、欧州の大半の国に加えインドやオーストラリア、アジア各国が採用。米国方式は米国、カナダと韓国にとどまるが、いずれも巨大市場だ。これに対して日本方式の採用は日本とブラジルのみだ。原因はアナログハイビジョンにこだわり地デジタルの国際標準承認が遅れたためだ。欧米方式は1997年に承認され翌年に放送が始まったが、日本方式の承認は2000年で、放送開始も2003年(平成15年)からと大幅に遅れた。

 もちろん、遅れた分、性能は上がった。欧米方式に比べて障害物の影響を受けにくく、送受信の安定性や信頼性が高い。チリで行われた実験では、電波送出装置から10キロ離れた地点で映像が鮮明に映るのは、欧米方式では5割程度なのに対し、日本方式は7割以上。また、携帯電話などの移動端末向け放送(ワンセグ放送)も利用できることも強みで各国の評判はいい。

 しかし、時期が遅すぎた。日本のIT(情報技術)は性能が良くても特異であるためしばしば「ガラパゴス」と揶揄(やゆ)されるが、このままでは地デジもその状況に陥りかねない。このため、地デジ開始が遅れていた南米を対象に国を挙げた“営業活動”を開始。18年2月ごろから、総務省と電波産業会が共同で、日本方式の試験放送設備を持ち込んで実演を繰り返したほか、各国の放送主管官庁の要人を日本に招くなど、官民を挙げて普及活動に取り組み、ブラジルへの売り込みにこぎ着けた。

 次いでチリで採用されれば、コロンビア、ペルー、エクアドルなどでも連鎖的な採用が期待される。

 一方、フィリピンは、現行の放送方式が日本に近い点でも有利だ。同国で採用されれば、まだ放送方式を決めていないタイ、ラオス、カンボジアなどへの足がかりともなるだけに、関係者の期待は高い。

 フィリピンとチリの最終決断は、4月中旬に米ラスベガスで行われる世界最大の放送機器展「NABショー」での視察後に下される。

IPTVの普及に必要な「+α」

2008年02月21日 NIKKEI BP Net

 NTTグループが2008年3月末にも次世代ネットワーク(NGN)のサービスを開始する見込みだ。このNGNで提供されるサービスの中で、一般ユーザー向けのキラーアプリとして最も注目されているのが、映像配信サービスのIPTVだ。取材を通して関係者の話を聞くと、通信事業者、ハードウエアメーカーなど関連の事業者がいかにNGNに期待しているかが伝わってくる。しかしその一方で、どうもこのIPTVサービスに対して一ユーザーとしてしっくりこない気持ちがいつまでも消えない。

 NGN関連の取材でよく耳にするのは、「高いセキュリティー」、「安定した品質」、「優れた拡張性」といったキーワードだ。こうしたキーワードは、ビジネスユーザーの琴線には触れるのだろう。しかし一般ユーザーに対しては、今利用しているインターネットやケーブル・テレビ(CATV)サービスとの違いが具体的に想像できず、「うーん?」と首をひねってしまうのだ。

 実はIPTVサービスそのものは、NGNの専売特許ではない。国内だけでもKDDIの「ひかりoneTV」やソフトバンクの「BBTV」、ぷららネットワークスほかの「4th MEDIA」といった、NGNではない従来のインターネット回線を利用したIPTVサービスがあり、海外でも多くのサービスが提供されている。

 国内で現在提供されているIPTVサービスは、40〜60チャンネル程度の専門チャンネルによる多チャンネル放送と、VODサービスがセットになって提供されている。CATVと比べて決して見劣りしないサービスでありながら、利用者数は低迷している。利用者数が低迷する理由として、記者は今の IPTVがCATVサービスの代用品にすぎず、それ以上の魅力、すなわち「+α」が欠けているからだと考えている。CATVと同等のサービスであれば、ユーザーはわざわざ面倒な手続きを踏んで乗り換えたりしない。「+α」が欠けたまま、単に回線をNGNに置き換えるだけのIPTVサービスが始まっても、利用者数は現状とさほど変わらないだろう。

地デジ視聴用簡易チューナー

2007/12/27 FujiSankei Business i.

 ■機能は最小限で高画質楽しめず/価格5000円はあくまで目標

 総務省は25日、2011年7月からの地上デジタル放送への完全移行に伴い、アナログテレビでも地デジが視聴できる安価な「簡易チューナー」の開発仕様を公開しました。この簡易チューナーとは、どのようなものでしょうか。

               ◇

 総務省が発表したガイドラインでは、横幅が広い地デジをアナログテレビでも表示できる「映像デコード」機能、地デジの特徴である文字放送が受信できる「字幕・文字スーパー」機能、またコンテンツ(情報の内容)の不正コピーを制御する機能や、受信機ソフトを常に最新版に維持できるようにする機能などを搭載するよう求めています。

 これらの機能はあくまでも地デジ視聴に必要と想定できる最小限の機能であり、地デジ対応のハイビジョンテレビのような高画質を楽しめるというわけではありません。また、これにより、地デジへの完全移行がスムーズに行くかといえば、状況はそれほど甘くはなさそうです。業界内では、総務相の諮問機関である情報通信審議会が今年8月に示した「5000円以下」という現在の価格の数分の1という安価なチューナー開発の実現性を危ぶむ声があり、政府が事実上製品の価格を誘導するというあり方にも、反発があるといわれます。

 さらに、安価なチューナーが市場に投入されると、地デジ対応テレビの販売にも影響が出そうです。アナログテレビでは高精細画面は楽しめませんが、「それでもいいというユーザーは確実にいる」(大手電気店)そうです。また、地デジ視聴にはUHFアンテナの設置が必要で、同アンテナがなければ新たに設置費用もかかります。

                ◇

 総務省は今回の発表はあくまでもガイドラインに過ぎず、各メーカーが端末を開発する上で「必ずしもこれにすべて沿わなくてはならないというものではない」と説明しています。つまり、メーカーによっては5000円という“目標”を達成するため、機能を削減しさらなるコストダウンを図る可能性もありますし、逆にある程度付加価値をつけ、高めの値段で販売する可能性もあるといえます。

 そもそも、アナログ波を停止し地デジに移行するという政府の計画には、画像の高画質化のほか、アナログより狭い電波帯域で映像情報を効率よく送信し、電波帯域に余裕をもたせるという目的があります。これまでのアナログ放送で十分と思っていた人にとっては、どれだけのメリットが得られるかよくわからないというのが実感です。

 増田寛也総務相は9月に行われた「地上デジタル放送総合対策本部」の初会合で、「山間部のお年寄りはテレビが大きな楽しみ」と述べ、地デジ移行が混乱することに強い懸念を表明しました。簡易チューナーは地デジ普及の有望な手段ですが、追加の出費を伴っても視聴したいと思えるような魅力的なテレビ放送を実現する努力が何よりも重要といえるでしょう。(黒川信雄)

14年度までBSで番組提供 地デジ難視聴対策で総務省

2007年12月18日 中国新聞ニュース

 情報通信審議会(総務相の諮問機関)の専門委員会が18日開かれ、地上アナログ放送が終了しデジタル放送に完全移行する2011年7月時点でテレビが視聴できなくなる世帯向けの難視聴対策実施案を公表した。

 09年度から14年度までは緊急避難的な措置として、放送衛星(BS)を活用して難視聴世帯にNHKと在京キー局5局の番組を放送。その間、放送各局は地デジ世帯カバー率100%達成に向けて中継局のデジタル化に努力する方針を盛り込んだ。

 実施案によると、BSで提供される地デジ番組は、アナログ放送と同じ標準画質で放送され、データ放送は利用できない。また、現在、アナログ放送を視聴できない世帯も対象とするかどうかについては検討課題とした。

 さらに生活保護世帯など低所得者向けに、安価な簡易チューナーを配布するか現金やクーポンを配布するかといった支援策についても今後、詰める。

地デジ移行に4年で500億円・総務省が予算要求へ

2007/08/18 NIKKEI NeT

 総務省は2011年7月に地上デジタル放送に完全移行するための費用として、向こう4年で500億円程度を財務省に予算要求する方針を固めた。ブラジルを訪問中の菅義偉総務相が17日午後(日本時間18日未明)明らかにした。

 資金はテレビ局の中継局建設などに充てる見通し。総務相を本部長とする対策本部を9月に設置し、突然テレビが見られなくなるなどの混乱が起きないよう対策をまとめる。

地デジ受信機、低所得者に無料で・総務省検討

2007/08/02 NIKKEI NeT

 総務省は生活保護を受けるなどの低所得世帯を対象に、テレビの地上デジタル放送受信機を無償配布する検討に入った。2011年7月にアナログ放送が打ち切りになるため、地上デジタル放送を受信可能なテレビや受信機の普及を円滑に進める。

 情報通信審議会(総務相の諮問機関)の専門部会が1日公表した移行のための答申案で、経済的な理由で受信機の購入が難しい生活保護世帯などを対象に、1年後をめどに特別な対策をまとめるとした。「所得の低い100万世帯程度を対象に、受信機を無償配布するのも選択肢の一つ」(総務省幹部)としている。

低所得者への支援策必要 デジタル放送で総務省

2007年07月19日 中国新聞ニュース

 総務省は19日、情報通信審議会(総務相の諮問機関)の情報通信政策部会を開き、地上デジタル放送の普及のため、生活保護世帯など低所得者向けに支援策の検討が必要との考えで一致した。来月2日にまとめる答申に盛り込む。デジタル放送の視聴には対応するテレビやチューナーが必要で、「経済的弱者に過大な負担」(消費者団体)との声が出ている。

 政府は2011年7月に現行のアナログテレビ放送を終了し、デジタル放送に完全移行する方針を決めている。しかし、経済的理由でテレビの買い替えが困難な人たちがテレビを視聴できなくなる恐れもあり、デジタル放送を定着させるには何らかの支援策が不可欠との見方が広がっていた。

 同部会ではこのほか、経費がかさむため、放送局が自前でデジタル放送用中継局を建設できない山間部や離島については、衛星放送を使って視聴できるよう検討を進めることを確認した。デジタル放送のDVDなどへのコピー回数制限を、現行の1回から10回に緩和することも了承した。

NHKが本格ネット配信へ テレビ局初、08年度にも

2007年07月18日 中国新聞ニュース

 NHKが過去1週間に放送したテレビ番組をインターネットで配信する計画が18日、明らかになった。先の国会で継続審議となった放送法改正案が成立すれば、2008年度にも開始する。

 テレビ局による本格的な番組ネット配信は日本では初めて。見逃した番組を、再放送を待たずに好きな時に見られるようになる。しかし、違法複製を懸念する出演者や、公共放送の肥大化を警戒する民放などからの反発も予想され、どれだけの番組を提供できるかは不明だ。

 サービスは有料にする案が有力だが、受信料を支払っている視聴者に限り無料にすることも検討している。

 計画では、過去7日間に放送した番組を視聴者がダウンロードしてパソコンなどで視聴できるようにする。番組はコピーできず、視聴後一定期間を過ぎると消滅する仕組み。ニュースやドキュメンタリーのほか、大河ドラマなど娯楽番組も、俳優ら権利者の許諾が得られれば配信するという。

スカパー!でのHD放送は2008年夏から――スカパーJSATグループ、2007年以降の中期経営計画について説明

2007年03月02日 ASCU24

 スカイパーフェクト・コミュニケーションズ(株)(以下スカイパーフェクト)とジェイサット(株)は2日、4月2日に予定されている両社の経営統合後の、2007年から2011年にかけての中期経営計画を発表した。ハイビジョン(HD)放送への対応を各サービスで促進するほか、IP放送やモバイル機器向け放送サービスの開発と展開も目指す。

 同日、東京都内にて開かれた記者説明会には、経営統合により設立される“スカパーJSAT(株)”の経営陣となる、両社のトップが出席。現スカイパーフェクト代表取締役社長で、統合後はスカパーJSAT 代表取締役社長となる仁藤雅夫氏により、中期経営計画のプレゼンテーションが行なわれた。そのため、スカイパーフェクトの事業である放送事業の今後の展開の話題がほとんどを占めた。

 まず衛星放送事業の中核である“スカパー!”については、2008年夏をめどにHDチャンネルを開局。映画やスポーツ中継などのペイパービューやプレミアムチャンネルなどを、HD放送で提供する。映像圧縮方式にはH.264を使用し、HD放送と現行のSD放送に対応する受信機の提供も行なう。なおこの受信機には、地上デジタル放送チューナー内蔵モデルの予定や、HDMI経由でのチューナー・TVのワンリモコン操作、ホームネットワーク接続なども予定されているとのことだが、詳細は公開されていない。

 2009年秋には大規模なリニューアルが予定されていて、HD放送のチャンネル数を30チャンネル程度に拡充するとともに、パックセットで“HDパック”の提供や、新しい“高性能受信機”の投入も行なうという。高性能受信機ではHD放送の録画や、家庭内のAV機器との連携、インターネット接続経由でのEPG取得や番組検索、オンラインカスタマーサポートといった機能が実装される予定。これらの施策により、2011年度末には加入件数を360万件(個人契約)に増加させる。

 110度CSデジタル放送の“e2 by スカパー!”は、地上/BS/110度CSデジタル放送の3波対応チューナーの普及を踏まえて、手軽さを軸にした普及の拡大を目指す。まず現在2チャンネルで行なっているHD放送を、2007年度中に5チャンネル程度に拡充。2009年度には10チャンネル程度に増加させる。目標とする加入件数は、2011年度末で180万件としている。

 光ファイバーを使用した有線系放送サービスである“スカパー!光”については、2007年度中に“IP利用のコンテンツ配信サービスの連携”をうたっている。2008年度にはビデオオンデマンドサービスとの連携、2009年度にはスカパー!で行なわれる30チャンネル程度のHD放送も提供を予定している。有線系ゆえに対象エリアが“東名阪中心”と限定されてしまうが、2011年度末時点では80万件程度の加入件数を見込んでいる。

 新規のサービスとなるIP放送やモバイル向け放送については、具体的なサービス内容については言及されず、サービスのイメージの話題に終始した。基本的なコンセプトとしては、リビング等で家族で楽しむ現在のスカパー!とは異なり、よりパーソナルな利用形態への訴求を指向しているようだ。仁藤氏はそれを、“Lightなスカパー!”と称した。無線LAN技術を利用した、小型モニター(個室TV、モバイル端末、パソコンやゲーム機等)への配信や、アナログ停波後の空き帯域のモバイルマルチメディア放送への活用、さらにグリッドコンピューティング技術を活用して、個人による放送などをサービスとして検討しているという。2011年度末時点で130万件の加入件数を目指すとしている。より具体的なプランの提示が期待される。

 これら以外の施策としては、“お客様主義の徹底”と題した、割引サービスの拡充やコールセンター機能の充実、コンテンツの充実として、サッカーJ1/J2リーグ全試合の生放送などが挙げられている。(編集部 小西利明)

【明解要解】地デジ全国放送開始 買い替え進む?

2006/12/27 The Sankei Shimbun

“難民化”懸念

 3年前に関東・近畿・中京の3大都市圏でスタートした地上デジタル放送が今月1日、全国47都道府県のすべてで始まった。全国の約84%にあたる約3950万世帯で視聴可能となり、ひとつの節目を迎えた。しかし、平成23年7月に予定されている地上波のデジタル放送への完全移行には、難視聴対策や受信可能なテレビの普及をはじめとした課題も多く残っている。(文化部 酒井潤)

 デジタル放送の特長は、アナログ放送に比べて高画質と高音質を楽しむことができることだ。また、ハイビジョン画質ではなく、現行の画質に落とした状態で放送することによって、複数の番組を同時に流す多チャンネル化も可能となる。視聴者が番組に参加できる双方向サービスに加え、携帯電話やカーナビゲーションといった移動体に向けた放送サービス「ワンセグ」もすでに始まっている。

 視聴可能エリア拡大のため、NHKや民放各局は中継局の建設を進めている。日本民間放送連盟(民放連)などによると、世帯カバー率99%までは見通しが立ったものの、山間部や離島など残る1%は整備できない公算が大きいという。

 民放連の広瀬道貞会長は「残る1%については、ここは無理だということを早めに政府・地元自治体に報告し、一緒に進めていく必要がある」と発言、公的支援の必要性を訴えている。こうした難視聴地域などのために、放送の補完的な役割として、インターネットを利用した「IPマルチキャスト放送」の活用も検討されている。ただ、IPマルチキャスト放送を活用するには、テレビ局の免許制度や著作権の問題をクリアすることが必要だ。

 こうした放送局など電波の“送り手”の事情に加えて、“受け手”の問題も見逃せない。地デジを視聴するには、それに対応したテレビやチューナー、ケーブルテレビへの加入などが必要となる点だ。

 今年はトリノ五輪やサッカーW杯など大きなスポーツイベントが開催された影響もあって、売れ行きが伸びている薄型テレビ。「1インチあたり5000円の時代になってきた」(民放幹部)というものの、まだ割高感は残る。しかも、各家庭にテレビが1台だけしかないのならともかく、複数台所有が当たり前となっているいま、すべての買い替えには相当の出費が伴う。

 NHKの調べによると、11月末現在で地デジが視聴できるテレビ(チューナー含む)の普及状況は約1569万台。これに対して、日本のアナログテレビ普及台数は約1億台とされている。民放連の広瀬会長も「23年7月までに、テレビをすべてデジタル対応に置き換えるのは厳しい」と厳しい見方を示している。

 このため、地デジ完全移行後にテレビが見られなくなる「地上デジタル難民」が生まれることへの懸念も根強い。“国策”によってデジタル化が進められてきているだけに、見切り発車には強い反発が予想されている。23年7月のアナログ停波延長や、アナログテレビのままで地デジを視聴可能とするチューナーの低価格化など、国やメーカーを挙げての対策に注目が集まりそうだ。

売り上げ倍増へ来春統合 スカパーとJSAT発表

2006/10/26 中国新聞ニュース

 CS放送のスカイパーフェクト・コミュニケーションズ(スカパー)と衛星運用のJSATは26日、持ち株会社「スカパー・JSAT」を来年4月に設立、経営統合すると正式発表した。

 インターネットによる動画配信の登場など通信・放送業界の競争激化に対応するため、規模を拡大し、CS放送の加入者獲得のための費用などを増強。5年後には売上高を現在の2社合算の約2倍、2000億−3000億円へ拡大させたいとしている。

 インターネットや携帯端末向けの番組提供など「複数のメディアを横断する展開」(磯崎澄JSAT社長)を強化するほか、デジタルテレビが急速に普及しているため、番組供給会社などのハイビジョン化を資金面で支援する。

 持ち株会社の社長は、スカパーの仁藤雅夫社長が兼務し、会長にはJSATの秋山政徳取締役が就任することが内定。発足当初は2社を100%子会社として傘下に置く形態。さらに事業の再編やM&A(企業の合併・買収)も視野に入れる。

 仁藤 雅夫氏(にとう・まさお)東大大学院修了。81年三井造船。94年ディーエムシー企画(現スカイパーフェクト・コミュニケーションズ)。常務を経て06年6月から社長。51歳。東京都出身。

TVでも「GyaO」 USENが年末にSTB販売

2006/10/21 The Sankei Shimbun

 USENの宇野康秀社長は20日、産経新聞のインタビューで、パソコン専用だった無料動画配信サービス「GyaO(ギャオ)」が、家庭のテレビでも視聴できるテレビ用セットトップボックス(STB)を、年末商戦に投入することを明らかにした。GyaO事業は営業赤字を続けるが、“お茶の間”への進出で、視聴登録者数や視聴時間の拡大を狙う。一方、視聴登録者1000万人超のGyaOは、テレビ局には脅威となりそうだ。

 宇野社長はSTBについて、「今年のクリスマスまでには出す」と言明した。家電量販店などで2万円前後で発売する。自社の光ファイバーサービスとのセット販売も行い、需要喚起を図る。

 STBは、モデムとテレビの間につないで使用する。テレビにGyaOの映像が配信され、パソコンよりも気軽に通常のテレビ感覚で視聴できる。ソフトバンクなどもSTB型動画配信を行っているが、月額有料の事業モデル。GyaOはCMで収益を稼ぐ無料モデルのため、民放テレビ局との競合は必至だ。

USEN 八方塞がり GyaO・光不振で株価下落

2006/10/20 The Sankei Shimbun 東京朝刊から

 USENが正念場を迎えている。有線放送・カラオケなど主力事業が頭打ちになり、無料ネット動画配信サービス「GyaO(ギャオ)」や光ファイバー・通信事業など成長期待分野も赤字が続いているからだ。業績低迷は株価にも反映し、今年1月の年初来高値の4分の1程度の水準。株式交換によるライブドアの完全子会社化も年内は見送る方針で、まさに“八方ふさがり”状態だ。

 USENの宇野康秀社長は19日、アナリスト向け説明会で「業績は底を確認した」と訴えた。だが、ネット事業の柱に育成したい動画配信サービス「GyaO」は平成18年8月期で70億円超の営業赤字を計上。宇野社長は「早期黒字化」を宣言しているが、当初想定より遅れている。

 佐藤英志常務は「動画広告に対するユーザーの認識度がまだ低く、予定通りに広告が集まらなかった」と説明。短時間CMや登録者情報に基づく広告展開も試みる方針だが、19年8月期も赤字見通しだ。

 視聴登録者数は今年6月に1000万人を超えたものの、調査会社によると、実際の月間訪問者数は400万人程度で横ばい。米YouTube(ユーチューブ)の投稿動画サイトや「ヤフー!動画」にも抜かれ、先行利得は消えたという。

 ブロードバンド(高速大容量)事業も営業赤字に苦しんでいる。光ファイバー加入数はNTT東西地域会社に続いて多いが、来年はKDDIが東京電力の光ファイバー事業を買収して販売攻勢に出るのが必至で、事業環境はさらに厳しくなる。

 宇野社長が取締役を務めるライブドアとの業務提携効果も見えない。USENは今年11月の株主総会で、ライブドアの株式交換による完全子会社化を計画していたが、自社株価の低迷でライブドアに割り当てるUSEN株が増え、追加の新株発行の必要も出てきた。このため、USEN幹部は「年内は見送りたい」との方針を示しており、市場に失望感が広がる懸念もある。

 M&A(企業の合併・買収)で事業領域を急拡大したUSEN。売上高5000億円を目標に掲げながら、業績不振と株価低迷のダブルパンチの中、課題山積の踊り場に立っている。(冨岡耕)

WOWOW、スカパー!に番組供給 ネット脅威で共闘

2006/09/01 The Sankei Shimbun 東京朝刊から

 BS放送大手のWOWOWが、CS放送運営会社のスカイパーフェクト・コミュニケーションズ(スカパー)に番組供給することが31日、明らかとなった。WOWOWは加入者数が伸び悩んでおり、新たな販売ルートとしてスカパーに打診。スカパーも映画に強いWOWOWが加われば、番組拡充につながると判断して受け入れる。両社はBS、CSという衛星放送大手で競合関係にあるが、インターネット配信の普及に伴う競争激化で手を結ぶことになる。

 スカパーは、CS放送「スカイパーフェクTV!」内に、WOWOWの専用チャンネルを年内にも新設する。WOWOWがBS放送で提供している映画や音楽、スポーツなど同じ番組を、同じ料金水準で放送する計画。スカパーの加入者は、新たにWOWOWの番組も視聴可能な環境が整い、利便性が高まる。

 スカパーとWOWOWは近く、所轄官庁の総務省に届け出る方針で、多チャンネル放送の市場拡大に向けて協力する。

 両社が協力する背景は、ブロードバンド(高速大容量)通信の動画配信サービスが台頭し、通信・放送の市場環境が変化する中、厳しい状況に置かれつつあるからだ。

 WOWOWの加入件数(今年7月末)は236万件で、平成14年のピーク時に比べて34万件減少している。今年度スタートの3カ年中期経営戦略では、平成20年度に加入者280万件以上を掲げるが、その策として、広瀬敏雄社長は「新しいルートの開発が必要」と明言。400万件超の加入者を抱えるスカパーに番組供給すれば、顧客のすそ野拡大につながると判断した。

 一方、スカパーは番組数が増えれば、付加価値向上が図れる。ただ、スカパーに番組供給している会社は約100社、360チャンネルもあり、WOWOWとの競合会社も多く、古参の番組供給会社を中心に不満が出る可能性も高い。

米ソニー、動画投稿サイトを買収 急成長メディアと連携

2006/08/24 The Sankei Shimbun

 米映画大手ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)は23日、動画投稿サイトを運営するグルーパー・ネットワークスを6500万ドル(約75億円)で買収したと発表した。

 利用者が投稿した映像を無料で見られる動画投稿サイトをめぐっては、最大手のユーチューブも大手テレビ局と提携したばかりで、映画やテレビなど旧メディア企業が、急成長するインターネットの動画サービスを無視できなくなってきた。

 グルーパーは動画の編集ソフトなどを提供。利用者は投稿された映像を携帯端末でも楽しむことができ、急速に人気を集めている。ソニーは買収で、新旧のメディア連携を図る。

 一方、米テレビ局NBCは7月末にユーチューブと提携。利用者が急増するユーチューブを秋の番組の宣伝に使い、テレビ視聴率を底上げするのが狙いだ。ユーチューブは2005年の設立から急成長しており、全世界から1日約6万5000本のビデオ投稿を受けている。(共同)

フジテレビも“テレビ2.0”!! 「ワッチミー!TV」試験版開始

2006/07/13 The Sankei Shimbun

 フジテレビジョンは13日、一般ユーザーが撮影した動画をネット上で公開するサイト「ワッチミー!TV」β版の試験運用を開始した。  同サイトは「誰でも簡単に映像で情報発信!見てもらえる。評価してもらえる。有名になれる」「映像情報流通の活性化で世界中の“今”が見える」「動画CGMに関するクリエイティビリティ、メディアリテラシーの向上」をコンセプトとする、誰もが世界に動画が発信できる「個人放送」支援プラットフォーム。視聴者は「笑える」「一芸」「スクープ」などの映像カテゴリー別、またはタイトル検索で好みの映像を楽しむことができる。映像に対しての書き込みもできるため、映像を通じたコミュニケーションツールとしても利用できる。

 独自コンテンツはオリジナルニュースショー「ワッチミー!NEWS」やその道の第一人者によるムービーブログ「ブログキャスターズ」、全国に埋もれるスーパー・パフォーマーを紹介する「超人発掘伝説−ザ・パフォーマーズ」、ネコ自慢のユーザーが映像を持ち寄る「にゃんこ自慢ムービーコンテスト」など。

 運用はフジテレビとチームラボビジネスディベロップメントが共同出資で設立したフジテレビラボLLC合同会社で、プロ、アマを問わず幅広く動画を募集。正式スタートは10月の予定。2010年に視聴者数280万人、広告収入11億円を目指すとしている。

地デジ、9月4日からサービス放送

2006/06/15 中国新聞地域ニュース

 ▽広島のNHKと民放4局

 中国地方で十月(岡山県は十二月)に始まる地上デジタルテレビ放送(地デジ)で、広島県内のNHKと民放の計五局は、現在のアナログ放送と同一内容を地デジで並行放送する「サービス放送」を九月四日にスタートすることを決めた。今月下旬から、風景などを流す試験放送を開始。七月一日には、一局がサッカーのワールドカップ(W杯)ドイツ大会をデジタル放送で流す。

 サービス放送、試験放送とも、広島市安芸区の絵下山にある鉄塔から送信。十月の地デジ開始当初に視聴できるエリアと同じ広島市や呉市など広島県西部の沿岸域約五十万世帯をカバーする。

 今月下旬からの試験放送は当初、午前十時―午後五時の送出を予定している。各社が独自制作した風景映像などを流し、試験的にアナログ放送と同じ内容を放送する場合もある。

 サービス放送では地デジの特長であるデータ放送も送出。NHK広島放送局(広島市中区)と中国放送(同)は携帯端末向け放送「ワンセグ」の試験放送も始める。

 W杯は、広島テレビ放送(同)が七月一日午後十一時四十分から約二時間、準々決勝をデジタル放送する。同社は「関心の高いスポーツイベントでデジタル放送の高画質、高音質をアピールし、本格スタートへの期待感を高めたい」としている。

 地デジのサービス放送は、山口県の民放三局が五月から開始している。中国総合通信局によると島根、鳥取県では八月以降、岡山県では十月以降にスタートする見込み。(山瀬隆弘)

米テレビ、映画が続々ネット配信 視聴はPC主流に

2006/06/06 The Sankei Shimbun

 【ロサンゼルス=岡田敏一】米3大テレビネットワークが昨秋から次々と自社サイトでドラマ番組の有料配信を開始したのを受けて、ハリウッドの映画製作会社もパソコン利用者向けに映画の有料販売に力を入れ始めた。インターネットの利用時間がほぼテレビの視聴時間と並ぶ米国では、すでに生き残りをかけメディアの熾烈な競争が展開されている。

 映画館のスクリーンを離れ、オフィスや学校のパソコン画面でお気に入りの作品にアクセスしてちょっと一服−。こんな光景ももう珍しくはなくなりそうだ。20世紀フォックスやユニバーサル映画などハリウッドの大手映画製作会社6社は、ディズニーを除き4月から、映画の有料販売をすでにスタート。唯一、この取り組みに参加していなかったディズニーも6日から、ネットによる映画の有料販売に乗り出す。オンラインによる映画配信事業を手がけるシネマナウ社に、昨年のヒット映画「フライトプラン」や「チキン・リトル」などを提供する。

 価格は、新作1作あたり1ドル99セント(約220円)。

 テレビの3大ネットワークは、昨年10月にABCが、アップル・コンピュータ社の音楽・映像のネット販売サービスを利用して自社の人気ドラマなどの販売を始めたのを皮切りに、今年に入ってNBCとCBSも追随。さらにABCは、5月から2カ月間、「デスパレートな妻たち」といった人気番組の無料ネット配信を試験的に行い、動向をうかがっていた。

 米調査会社ジュピターリサーチによると、米国のネット利用時間は平均週14時間と、テレビの視聴時間とほぼ同じで、テレビの視聴時間が減少傾向にあるという。

 ネット・ビジネスに詳しいカリフォルニア大学デービス校のプレムクマー・デバンブ教授は「ネットで購入した番組は画質が良い。パソコンなら持ち運びも便利で、若い世代の間には急激に普及する可能性がある」と分析している。

テレビポータルサイト、家電6社が共同会社設立へ

2006年06月05日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 松下電器産業、日立製作所など6社は5日、ブロードバンド(高速大容量通信)のインターネット接続機能を持つデジタルテレビ向けに、ポータル(玄関)サイトを開設・運営する共同会社「テレビポータルサービス」を、7月7日に設立すると発表した。

 共通のテレビ用ポータルサイトを通じて、テレビからネットに接続する利用者を増やす。米インテルとマイクロソフトは、パソコンのテレビ機能を強化して、パソコンをリビング(居間)の主役にする戦略を進めており、家電メーカーの「ウインテル連合」対抗策の一環でもある。

 共同会社の参加企業は松下、日立のほか、ソニー、東芝、シャープ、ソニーコミュニケーションネットワーク(SCN)。資本金は10億円で、松下が35%、SCNが25%、他の4社は各10%を出資する。

 ネット接続機能を持つテレビ向けポータルサイトはこれまで家電各社が別々に提供し、ニュースや天気予報など文字情報の専用サービスも含め、他社のテレビでは利用しにくい仕組みだった。

 これに対し、共同会社のポータルサイトは、開設時期は未定だが、サイトには参加メーカーのテレビから接続でき、映画などの動画やニュースなどのサービスも提供する予定だ。

「IP同時送信」は地域限定に…民放連が反対表

2006年06月02日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 日本民間放送連盟(広瀬道貞会長)は2日、竹中総務相の私的懇談会「通信・放送の在り方に関する懇談会」(座長・松原聡東洋大教授)が1日公表した最終報告の座長案への見解を表明した。

 IP(インターネット・プロトコル)放送でテレビ局と同じ番組を同時に流す「同時送信」について、座長案が「地域限定を設けるべきではない」としたのに対し、民放連は「地域放送免許との整合性、著作権・放送権の保護の観点からも、元の放送サービスが行われている地域に限定すべき」だと反対した。

 地方局が希望する場合は、IP放送で「発信エリアを拡大できるようにする」との提案には、「これは地方局による『番組の二次利用』であり、現行制度においても実施可能」と指摘した。

IP放送を「有線放送」扱いに 権利処理を簡略化

2006/05/30 The Sankei Shimbun

 インターネットを介してテレビ番組を配信する「IPマルチキャスト放送」をめぐる著作権処理の扱いなどを検討してきた文化審議会著作権分科会法制問題小委員会が30日開かれ、IP放送を「有線放送」と同様に扱い、権利処理を簡略化できるようにすることを盛り込んだ報告書の骨子案を明らかにした。

 著作権法では現在、IP放送を「自動公衆送信(通信)」として扱っており、IP放送で番組を配信するには、出演する俳優や歌手、レコード会社など、すべての権利者に事前に許諾を得なければならない。こうした権利処理の煩雑さが普及への大きな課題だった。

 骨子案では、番組の「同時再送信」に限ってIP放送を「有線放送」と同様に取り扱うように求めた。これで実演家やレコード会社などの著作隣接権者の事前の許諾を得る必要がなくなり、大幅に権利処理が簡略化される。

 その一方で、現行法上は、有線放送で番組を同時送信する場合、実演家やレコード制作者に許諾権などがないため、権利者保護の観点から、実演家らに報酬請求権を与えることも求めた。IP放送での同時送信に対しても同様に、実演家らに報酬請求権を与えることが適切とした。

IP放送の著作権処理、CATV並みに…文化審小委

2006年05月30日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 現行の著作権法では通信の一種として扱われ、テレビ放送、ケーブルテレビ(CATV)放送に比べて著作権処理が煩雑となっている「IP(インターネット・プロトコル)放送」について、文化審議会の著作権分科会法制問題小委員会は30日、著作権処理をCATV並みに簡単にするよう同法を改正するべきだとする報告書骨子をまとめた。

 法改正が実現すれば、地上波デジタルなどの「同時再送信」に限り、出演者や音楽家らの事前許諾が不要となり、「放送と通信の融合」が一歩前進する。その一方、CATV事業者には強力なライバルとなるほか、著作権者にとっては権利後退となり、反発も予想される。

 IP放送は現在、著作権法では「自動公衆送信」(通信)と位置づけられている。このため、放送前に俳優や歌手、レコード会社などすべての著作権者から許諾を得る必要がある。この結果、CATVとは違い、テレビ番組を流すのは事実上、不可能で、現在は外国から購入した番組を中心に流している。

 骨子ではこの制限を緩和。テレビと同じ番組を同時に流す「同時再送信」に限り、CATVと同様、出演者らの事前許諾を不要にする。この結果、テレビ局の許可を得れば、地上デジタルなどの放送が可能になる。

 その一方、CATV事業者にとって、IP放送は強力な競争相手となる。またIP放送でキー局の番組が視聴可能になれば、地方局の存在意義も薄れる恐れがあると指摘されている。さらに出演者、音楽家らにとっては、権利が縮小することになる。このため文化庁では、権利者団体やCATV事業者との協議を進めることにしている。

「ギャオ」モデル、軌道に乗らず USEN中間決算

2006/04/21 The Sankei Shimbun

 USENが21日発表した平成18年8月期中間決算で、通信と放送の連携モデルとして注目されている無料動画配信サービス「GyaO(ギャオ)」の営業赤字が拡大していることが分かった。映画など番組コンテンツ(情報の内容)の調達費用がかさみ、広告獲得も遅れたからだ。

 USENは中間決算で連結業績を大幅に下方修正し、営業損益は前年同期比90.8%減の4億1500万円、経常損益は10億円の黒字から19億2500万円の赤字に転落するなど厳しい状況が浮き彫りになった。「ギャオ事業の先行投資が響いた」。同日、都内で記者会見した宇野康秀社長はこう強調した。

 ギャオはテレビと異なり、見たい時間に見たい番組をパソコンで視聴できるのが特徴。ドラマやアニメ、スポーツなど約1000番組をそろえ、無料ということもあって、登録者は昨年4月25日の開始から1年で約900万人に増加。宇野社長は「伸びは鈍化しておらず、今後も拡大を続ける」と鼻息は荒い。

 しかし、台所事情は苦しい。視聴者を集めるために、プロ野球「千葉ロッテマリーンズ」の主催試合の動画配信を始めるなど、有力なコンテンツを増やしたことで調達費用は大幅に増加。自らスタジオを設けて独自ニュースやドラマ制作も手がけるなど自社制作比率を2割まで拡大した結果、制作費が重くのしかかっている。

 コンテンツの調達・制作費がかさむ一方で、収益源となる広告収入も頼りない。ギャオの広告単価はテレビの地上波放送の10分の1以下と安いうえ、テレビのように視聴率と連動しておらず、広告主から「効果が見えにくい」との声も出ている。広告単価の引き上げに向け、今年1月からはネットの特性を生かし登録者情報に基づいて広告配信するサービスも始めたが、まだ収益には結びついてない。

 こうした中、USENは集めた登録者をネット購買などに誘導する仕組みを構築し始めている。2月にはショッピング専門チャンネルを開設し、「CMを見てギャオ上で商品を購入できるようにする。電子商取引につなげたい」(USEN幹部)考えだ。さらにライブドアとの業務提携によってポータル(玄関)サイトも取得し、収益モデルの多様化も急ぐ。

 ただ、ギャオのビジネスモデルにはヤフーなどのライバルも注目している。宇野社長は「これから第2、第3の段階に入る。ギャオをもっと大きなメディアに育てたい」と夢を語るが、通信と放送の連携モデルを構築できるかどうか。正念場を迎えている。

「GyaO」促進が裏目、USEN業績下方修正

2006/04/20 The Sankei Shimbun

 有線放送大手のUSENは20日、平成18年2月中間期の連結業績予想を下方修正した。売上高を815億円(従来予想は820億円)に下方修正し、経常損益は10億円の黒字予想から一転、19億円の赤字に、本業のもうけを示す営業利益は35億円から4億1500万円に下方修正した。

 同社は、無料動画配信サービス「GyaO(ギャオ)」の加入促進のためのコンテンツ獲得費や広告宣伝費がかさんだためと説明している。

 最終損益はエイベックス・グループ・ホールディングス株式の売却益約70億円などが寄与、5億円の赤字予想から3億8700万円の黒字に修正した。

「IP放送の扱いを有線放送と同じに」事業者が要望書

2006年04月19日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 小野寺正KDDI社長や孫正義ソフトバンク社長ら、インターネット技術を使って光ファイバーなどで映像配信する「IP(インターネット・プロトコル)マルチキャスト放送」の提供事業者の代表が19日、著作権などの権利処理をしやすくするために、IP放送を著作権法上もケーブルテレビと同じ「有線放送」として扱うよう求める要望書を、竹中総務相に提出した。

 竹中総務相は「極めて重要な問題だと認識している」とし、自らの私的懇談会で議論する考えを示した。

地デジ広島放送所、鉄塔など完成

2006/04/18 中国新聞地域ニュース

 中国地方で十月(岡山県は十二月)から始まる地上デジタルテレビ放送を、広島市南部や近郊の約五十万世帯に送信する「広島デジタルテレビジョン放送所」の完成式が十八日、広島市安芸区の絵下山山頂近くの同放送所であった。広島県内のテレビ局幹部らが、高さ百二十一メートルの鉄塔など基幹施設の完成を祝った。

 広島県内で放送している五局の代表や工事関係者ら約八十人が出席した。秋葉忠利広島市長やテレビ局の社長らがテープカット。出席者らは所内の最新設備を見学した。

 同放送所は五局共同で二〇〇三年七月に着工し、総工費は約五十億円。十月一日に本格稼働を始め、広島市中区、南区と府中、海田、熊野、坂の四町の全域と、広島、呉、大竹、東広島、廿日市、江田島市の六市の一部に地上デジタルテレビ放送を届ける。

 広島県内では、年内に広島市安佐南区や呉市にも中継局を整備。来春には福山市など県東部にも受信エリアを広げ、一〇年末にほぼ全域をカバーする。(山瀬隆弘)

ビデオ・オン・デマンド コンテンツ不足 伸び悩み

2006/04/15 The Sankei Shimbun【東京朝刊から】

≪専用受信機…料金負担もネック≫

 ブロードバンド(高速大容量)回線を通して、自宅のテレビで好きな時間に好きな番組が視聴できるビデオ・オン・デマンド(VOD)の利用が伸び悩んでいる。魅力あるコンテンツ(情報の内容)不足やテレビで視聴するための専用受信機に新たな料金負担がかかるなど障壁が多いからだ。ブロードバンドの双方向通信に適したサービスとして鳴り物入りで登場したが、早くも岐路に立っている。(冨岡耕)

               ◇

 「今年はビジネスとして確立したい。勝負の年になる」。NTT東日本系のぷららネットワークスの板東浩二社長は十四日、東京都内で開かれたVODの事業説明会で、こう語った。

 ぷららのVODサービス「4th MEDIA」(フォースメディア)の加入者はサービス開始後約二年でわずか三万件だが、この一年で五倍の十五万件に伸ばす目標だ。専用受信機の操作性向上や無線LANを付属した新商品を四月にレンタル開始したほか、営業強化で目標達成を目指す。

 ただ、ぷららは昨年夏の記者会見で今年三月末に十万件を予想したにもかかわらず、実際はその約三割にしか到達していない。他の通信各社も昨年から販売に力を入れたが、現状では数万件と低迷。光ファイバーが普及する中、VODの利用拡大にはつながっておらず、「市場環境を読み間違えた」(業界関係者)との声も出始めている。

                  ◇

 通信の双方向性を生かしたVODのサービスについては、竹中平蔵総務相の私的懇談会で議論されている「通信と放送の融合」の事例としても注目度が高い。

 しかし、普及へのスピードは極めて遅い。月額六千−七千円の光ファイバーサービスへの加入のほかに、さらに専用受信機の基本料なども発生するなどコスト負担が大きい。コンテンツの種類も映画や海外ドラマが中心で、ニーズの多い日本の人気テレビドラマは著作権処理が複雑でほとんどみられない状況だ。日本ではレンタルビデオ店が多く、「VOD自体なじみにくい」といった見方もある。

 これに対し、パソコン向け映像サービス「GyaO」を展開するUSENの場合、人気ドラマを流せない状況は同じでも無料であることが奏功、一年で約八百八十万人が登録済みだ。ソフトバンクも、グループのビー・ビー・ケーブルの手がける有料サービスが伸び悩む中、パソコン向けの無料サービスに軸足を移しつつある。

 ぷららの中岡聡パートナー兼シニアストラテジストは「GyaOとは画質が違う。競合しない」と強調するが、テレビ向けに有料提供してきた通信各社も、新たな対策を講じる必要に迫られそうだ。

              ◇

【用語解説】ビデオ・オン・デマンド

 視聴者が好きなときに、好きな番組を配信するサービスでVODと略される。テレビ放送は放送局側が決めた時間に放送されるため、その時間に視聴できない場合は録画するしかない。しかし、オンデマンド放送は、リストから見たい番組を選び、自由に配信を受けられる。利用には放送局側と視聴者の双方向通信システムが必要で、これまでは主にケーブルテレビでサービスが行われていたが、最近はブロードバンド(高速大容量)通信経由でサービスが受けられる。採算性や通信回線の負荷が大きくなるなどの課題も抱える。

「ワンセグ」4月1日スタート 冷ややか携帯各社

2006/02/14 The Sankei Shimbun【東京朝刊から】

 携帯端末向けの地上デジタル放送「ワンセグ」が4月1日にスタートする。走行中のバスや電車でも高精細なテレビ映像が受信でき、NHKや民放各社は視聴者のすそ野拡大に大きな期待を寄せる。だが、肝心の端末を発売する携帯電話業界は冷ややかだ。4月までに出そろうワンセグ対応携帯電話はNTTドコモとKDDI(au)の3機種だけ。端末開発コストが上がる一方、それに見合う収益が見込めないためで、“赤字”覚悟の船出に頭を抱えている。(冨岡耕)

 ワンセグ放送は通常のテレビ番組と同じ放送を携帯電話でも視聴できるサービス。デジタル技術で、移動中の画質劣化や音声の途切れが少なくなり、鮮明な画像が見られる。

 テレビ放送と一緒にデータ放送が受信できるのも特徴だ。同じ画面の上部で通常のテレビ放送が視聴でき、下部では有料のインターネット経由でテレビと連動したコンテンツが楽しめるなど、「通信と放送の融合」も実現する。

 だが、サービスや技術が進む一方で、市場への期待については関係業界で温度差が広がっている。

 携帯電話業界の最大の懸念が端末開発費の上昇。業界関係者は「1台あたりの端末開発費の上昇分は数千円」と指摘。競争が激しい携帯市場で販売価格を抑えるには、通信利用の拡大が不可欠とされる。

 しかも、ワンセグ放送は無料のため、テレビ視聴だけでは利益を生まず、逆に通話や通信時間が減れば、本業の利益が減少しかねないのも大きな懸念材料だ。

 ワンセグに適した魅力的なコンテンツが少ないのも悩みの種。平成20年までは固定テレビと同じ放送で、携帯向け番組制作はできない。またワンセグ用のデータ放送は放送局発信限定で、自由に楽しむことが難しい。

 こうした状況にボーダフォンでは、「普及には時間がかかる」(津田志郎会長)とみて、ワンセグ開始時の端末発売は見送る方針だ。携帯業界では「端末を売れば売るほど赤字になる」と嘆く声は多い。

 放送界は「ワンセグの具体的なサービスはこれから。通信と放送の連携で高い相乗効果が期待できる」(TBS幹部)として、携帯端末が市場に多く出回れば利用拡大につながり、採算性も良くなるとの見方を示すが、携帯業界との溝はなかなか埋まらないのが実情だ。関係業界では、ドコモがフジテレビジョン、日本テレビ放送網と提携、イー・アクセスはTBSと提携するなど、将来の市場を見すえた企業同士の結びつきも表面化している。

 ただ、今のところ具体的な事業計画はなく、視聴者にとって利用価値の高いコンテンツとサービス提供、収益性の高いビジネスモデル構築のため、放送と通信という異業種の知恵の出し合いは始まったばかりだ。

 <ワンセグ放送> 平成15年12月に始まった地上デジタル放送では1チャンネル分の周波数帯域を13のセグメント(区分)に分け、12のセグメントを使ってテレビ向け放送を配信する。携帯電話向け放送として残りの1セグメントを使うため「ワンセグ」と呼ばれる。テレビ放送のほかデータ放送を通じてニュースや天気予報、番組情報など多彩な使い方が楽しめる。

番組不正コピーのネット流出防止、監視組織発足で合意

2006年02月05日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 NHKと在京民放キー局5社が、インターネット上で商品を競売するネットオークションでテレビ番組の不正コピーが出回ることを防ぐため、自主的な監視組織を今年4月をめどに発足させることで合意したことが4日、明らかになった。

 4月から携帯端末向け地上デジタル放送(ワンセグ)が始まるのを機に、地上放送、衛星放送の区別なく監視の目を光らせ、著作権者などの権利保護に乗り出す。インターネットの普及に伴う「放送と通信の融合」が進むなかで、知的財産権保護の新たな取り組みとして注目されそうだ。

 監視組織は、あらゆる放送コンテンツ(番組内容)を対象に、インターネットでの流通やDVD(デジタル多用途ディスク)の違法販売などを常時チェックし、悪質なケースには警告し、著作権の侵害などの違法性がはっきりした場合には捜査当局に通報する。

 NHKと民放キー局は、業界で組織する地上デジタル放送推進協会などと協力しながら監視の手法などを協議している。

ネット上でテレビ番組流通促進を 知財本部、著作権法の改正提言

2006/02/02 The Sankei Shimbun

 政府の知的財産戦略本部は2日、インターネット経由でテレビ番組を放映する場合に、歌手や俳優らの著作権者に事前に利用許諾を求めていた手続きをテレビ放送並みに簡素化するよう、著作権法の改正が必要との提言をまとめた。

 ネット上の番組流通を促進させるのが狙いで、実現すれば通信と放送の融合に弾みがつく。ただ、著作権者らとの調整が必要なほか、技術的には在京のテレビ局などが番組を直接提供することも可能になるため、ケーブルテレビ(CATV)局や地方のテレビ局の経営を直撃する恐れもあり、反発も予想される。

 現在の著作権法では、光ファイバーなどを利用して家庭のテレビに番組を提供するIPマルチキャスト放送などは、事前に著作権者から了解を得る必要がある。提言はテレビ放送やCATVと同様に、放送後に著作権料を支払えば済むよう改正を求めている。

 2日の知財戦略本部のコンテンツ専門調査会(牛尾治朗(うしお・じろう)・ウシオ電機会長)で議論した。20日に調査会の方針として正式決定、知的財産推進計画に反映させる。6月に策定予定の政府の「骨太の方針」に盛り込むことを目指す。

 現在の著作権法では、ネットを通した番組提供を通信とみなしている。同調査会は著作権法上でCATVと同様「有線放送」として扱うよう提言した。

 また、手続きの簡素化で歌手や俳優ら著作権者の権利が後退する代わりに、著作権者への報酬を増やすことが重要と強調。再放送の場が広がることで、著作権者の収入が増える枠組みをつくるよう求めている。

 IPマルチキャスト放送は2011年の地上デジタル放送への全面切り替えに合わせて難視聴地域での活用が検討されており、KDDIなどが既に総務省に登録している。(共同)

「地上デジタル」工事費を不正請求 高齢者ら狙い全国で60件

2005/12/25 The Sankei Shimbun

 高齢者宅を訪れ地上デジタル放送の受信対策工事費を不正に請求するなどの悪徳商法が、確認されているだけで計60件発生していることが25日、分かった。国が進める地上デジタル放送の移行に伴い、家庭の受信対策工事は無料で行われることになっており、移行計画が十分浸透していないことに付け込んだ詐欺行為といえそうだ。

 地上デジタル放送は順次、視聴地域を拡大しており、2006年12月にはすべての県庁所在地で放送開始が計画されている。

 不正請求などの被害をまとめたのは、総務省が指定する周波数変更対策機関の社団法人、電波産業会(東京)。

 受信対策工事は、同会の担当者が各家庭を回り、テレビチャンネル設定やアンテナの方向を変更する。

 テレビ局側では現行の地上アナログ放送の周波数を変更し、地上デジタル用電波を確保する。

 全国で発覚した60件のうち3分の1程度はチャンネル変更工事費の不正請求だった。都道府県別では静岡県が3件で最も多く、次いで岡山、山口、熊本の各県が2件。全国では計19件に上る。

 兵庫県では、テレビの調整をしたふりをして高齢者から4万円をだまし取る事件が発生した。

 佐賀県では05年11月、テレビ受信対策員を装う不審者が高齢者宅を訪問。「アナログ変更工事を有料でする」と言ってきたが、住人が断ったために被害には至らなかった。

 熊本県などでも「今なら工事費を安くできる」「家に上がらせてほしい」などと、工事費の支払いを要求したという。

 60件のうち約3分の2はチャンネル変更工事費を請求せず、別の名目で金を要求した。

 だまされたままで電波産業会に連絡がないケースも多いとみられ、同会は「テレビ調査員や工事人を名乗る悪徳商法に注意してほしい」と呼び掛けている。

≪「11年終了」認知10人に1人…緊急に周知徹底を≫  国が取り組んでいる地上デジタル放送の完全移行に便乗した形で、変換工事費の不正請求が多発している。背景には、2011年に現行のアナログ放送が終了する事実を知らない国民が多いという事情がある。期限が迫るアナログ放送終了の周知徹底が国にとって緊急の課題だ。

 国は、テレビの現行アナログ放送を2011年7月に終了、地上デジタル放送に完全移行させる方針。2011年以降は現在多くの家庭に設置されているアナログ放送用の普通のテレビは、専用チューナーがなければ使えなくなる。

 総務省の全国調査では、同年にアナログ放送が停止されることを知っている国民が10人のうち1人にも満たないことが判明。停止については3人に2人が認知しているが、4人中3人が停止時期を「分からない」と答えるなどしている。

 工事は、住民の希望日時を確認した上で、「テレビ受信対策員」と書かれた腕章などを持った担当者が行う。

 このため、全国で目立つ「悪徳商法」では、住民が身分証明を求めるなどしたケースでは未遂に終わっている。国民も「自宅工事の実施内容を把握していれば、不審者が担当者などと名乗っても被害を防止できる」(関係者)といえる。

 地上デジタル放送をめぐっては、視聴できる地域が当初の3大都市圏から全国の地方都市にまでに広がってきている。悪徳商法が社会問題化する前に対策を講じることが必要になるといえそうだ。(共同)

BSのスクランブル化迫る 規制改革会議が総務省に

2005/10/29 The Sankei Shimbun

 政府の規制改革・民間開放推進会議(議長・宮内義彦(みやうち・よしひこ)オリックス会長)は29日、省庁の抵抗が強い分野の改革を議論する「主要課題改革推進委員会」を開き、受信料制度見直しを含めたNHK改革について、総務省と公開討論を行った。

 討論では同会議側が、放送衛星(BS)デジタル放送で受信料を払った世帯だけが視聴できる仕組み(スクランブル化)の導入を強く迫ったが、総務省は「引き続き検討する」として難色を示した。12月の答申に向け協議を続ける方針。

 スクランブル化は、2004年3月に閣議決定された規制改革・民間開放推進3カ年計画で、06年度に結論を得るとしている。同会議は総務相に就任した竹中平蔵氏がNHK改革に前向きな姿勢を示していることを追い風に、今後の協議で改革を一気に進めたい考えだ。

 NHKは、相次ぐ不祥事で受信料の不払いが9月末に126万件を超え、受信料制度の在り方が問われている。このため同会議は、地上波放送についてもデジタル化に合わせてスポーツ中継や娯楽番組などをスクランブル化し、公共放送は「1チャンネル以内に集約すべきだ」としている。

 またNHKの経営面からは、子会社の一層の統廃合や外部取引で競争契約の拡大などを要求。民放を含めた地上波放送についても競争環境を整備する必要があるとし、放送局の再免許手続きの見直しなども求めた。(共同)

広がるテレマティクス ラジオの音楽を車内でゲット

2005/10/26 The Sankei Shimbun 【東京朝刊から】

 ≪日産・FM東京が共同研究開始≫

 日産自動車とエフエム東京は25日、来年春から始まるデジタルラジオ放送と、自動車用情報通信(テレマティクス)サービス「カーウイングス」との連携による新しいサービスの共同研究を開始すると発表した。画像を含む大容量のデータ放送が可能となるデジタルラジオの特性を活用。ラジオの音楽をその場でダウンロードするなど、デジタル時代に対応した新たな情報サービスに取り組む。

 サービスは、気に入った音楽をカーウイングスの画面に出る楽曲リストで選択する。カードや携帯電話のお財布機能を使って決済情報を送信すれば、配信される音楽をカーオーディオのハードディスクに取り込める仕組み。

 このほか、ラジオ番組と連動した各種店舗や施設などの地域情報や、ボイスメール機能を使ったリスナーからの情報提供など、さまざまなサービスの実用化を目指す。

 デジタルラジオは来年4月にもスタートする予定。音質も飛躍的に高まるほか、従来の100倍ともいわれる放送帯域を活用した多彩なコンテンツ(情報の内容)提供が可能となる。

 カーナビゲーション端末を利用した「テレマティクスサービス」は、これまで渋滞予測や天気予報などドライバーに便利な情報提供に主眼が置かれてきた。ただ、外部との情報交換が可能な機能は、多様なコンテンツの提供端末としても魅力的。デジタル放送時代の到来で、テレマティクスの機能は大きく広がりそうだ。

 テレマティクスはカーナビゲーションと一体型の端末に通信機器をつなぎ、情報通信を行うサービス。平成14年ごろから日産のほかトヨタ自動車やホンダが相次いで新車に導入し、それぞれ独自のサービスを追加しながら他社との差別化を図ってきた。

 トヨタは今年4月、従来型を改良した「G−BOOKアルファ」を発売。事故や急病などの緊急時に消防や警察に通報するシステムのほか、自動車が盗難にあっても、携帯電話で車の位置が分かる追跡サービスなどを盛り込んだ。

 ホンダはドライバーの利便性を重視。同社の「インターナビ」は道路の車線別の渋滞状況を提供しているほか、インターナビを搭載した車から送られる道路状況をアップデートし、他の利用者に知らせる独自のサービスを展開している。

 だが、クルマにも「放送と通信の融合」の波が確実に押し寄せている。とくに、放送や通信の世界では、単なる“受け身”だった自動車が、情報の発信者に変化するだけでなく、さまざまな情報の購入者にもなる可能性がでてきたのだ。

 こうした新しい動きに、トヨタ、ホンダ、日産の3社は今年6月、ラジオ局や日立製作所、富士通、松下電器産業などとともに「デジタルラジオ・ニュービジネス・フォーラム」を組織。デジタルラジオをテレマティクスに有効活用する研究を始めたところだ。

 今回、日産は独自先行の形でサービス実験を始めるが、もともと新しい情報サービスを模索してきた他社が、追随するのは確実だ。

 運転しながら聴く“ながらメディア”だったラジオのデジタル化で、自動車がパソコンや携帯電話、「iPod」などの携帯音楽プレーヤーと並ぶ、重要なコンテンツの受発信者となる日が近づいてきた。(菅野光章)

ソフトバンクが動画配信 韓国ドラマやAPニュース

2005/10/21 The Sankei Shimbun

 ソフトバンクは20日、インターネットの新たな動画配信サイト「TV Bank(仮称)」の実証実験を開始したと発表した。ニュースや映画、スポーツ、アニメなどの動画をパソコンで無料視聴できる。

 APニュース、韓国、台湾、中国のテレビ局が制作したドラマなどの番組、福岡ソフトバンクホークスなどスポーツ番組、アイドル動画などをCM付きで提供する。いつでも好きな時に見られるビデオ・オン・デマンド(VOD)方式では約600本をそろえる。

 ソフトバンクは、NHKやフジテレビジョンなど在京民放テレビ局5社と、同サイトで番組を配信するための交渉を続けており、番組選定や開始時期、料金設定などを協議しているという。

 同様のネットによる動画配信はUSENやマイクロソフト系のポータル(玄関口)サイト「MSN」などが先行している。(共同)

放送・通信の融合手探り 重いコンテンツ調達費 ギャオ、視聴300万人でも赤字

平成17(2005)年10月21日 The Sankei Shimbun

 有線通信大手のUSENが二十日発表した平成十七年八月期の決算で、通信と放送の有力な融合モデルとされる無料インターネット放送サービス「GyaO(ギャオ)」事業の収支が、営業赤字であることが分かった。約半年間に二百五十万人の視聴者を集めた一方で、コンテンツ調達費用がかさんだからだ。TBSに経営統合を迫る楽天は、その提案書の中で「(通信と放送の融合で)企業収益が増加する」と強調するものの、確実な増収モデルは手探り状態だ。

 地上波放送と違い、ブロードバンド(高速大容量)と放送を融合させたギャオの特徴は、時間に左右されずにニュースや映画、ドラマを楽しめること。四月二十五日の放送開始以来、視聴登録者はうなぎのぼりで「近く三百万人を超える」(宇野康秀・USEN社長)勢いを見せる。

 七月時点で一人当たり週三時間弱だった視聴時間も十月には四時間強まで増え、急速に浸透している。宇野社長は「想定以上の登録者数を達成できた」と語り、決算説明の大半をギャオ事業に割いたほどだ。

 三百万人近い集客力を支えるコンテンツとしてギャオは映画、ドラマ、音楽に加えてTBSニュース、テレビ東京と提携したシカゴマラソン、大和証券の証券ニュースをそろえ、七月には横浜ベイスターズの試合の実況放送も実現した。

 事業開始前の見通しでは十八年度に四百万人の視聴者を確保し、最低でも売上高百五十億円、営業損益は七億円の赤字にとどまる見通しだった。しかし、十七年度の売上高は五億−十億円で、営業損益は五億−十億円の赤字を計上。十八年度も四十億円の営業赤字を見込む。「コンテンツ会社との資本提携をさらに加速し、充実させて視聴者を増やす」(宇野社長)構えだが、コンテンツ獲得には費用がかかるのが大きな悩みだ。

 コンテンツの調達コストを圧縮するため、USENは音楽レーベルのエイベックス、映画会社ギャガなどを傘下に収め、ギャオは自社制作に力を注いでいる。九月の衆院選では独自の特別番組を制作。十一月以降は「自社制作のモノを増やす」(宇野社長)予定だ。

 ライブドアや楽天のように、テレビ局との提携を狙うという手もある。ただ、宇野社長は強引な“買収”を否定。TBS株式取得についても「今年に入って買ったということはない」と否定した。

 事業計画と乖離(かいり)が生じる中、ギャオ事業が「通信と放送の融合モデル」として確立されるか。正念場といえそうだ。

                  ◇

 <GyaO(ギャオ)> 有線放送最大手のUSENが4月から始めたインターネットによる無料の映像配信サービス。ドラマや映画、ニュースなど常時500−700本を提供している。ブロードバンド(高速大容量)接続環境のパソコンがあれば無料で視聴できる。視聴者は約300万人。有料配信で視聴者から料金徴収する他社と違い、テレビと同様に番組途中に流すCMで収益を稼ぐ方式として注目される。

民放地上波局のBSデジタル兼営、総務省が容認を検討

2005年10月02日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 総務省は、特定メディアなどによる複数の放送局の持ち株比率を制限しているマスメディア集中排除原則について、BS(放送衛星)デジタル局やラジオ局に関する規制を緩和する方向で本格的な検討に入った。

 民放の地上波局によるBS局の兼営を容認するほか、テレビより財務基盤が弱いラジオについて、持ち株制限の上限比率を引き上げる方向で調整する。経営基盤の強化や番組編成の多様化などを促す狙いだ。

 総務省は約2年半ぶりに、有識者らによる放送政策研究会を10月中に再開し、年内には方向性を出す方針だ。

 マスメディア集中排除原則は、特定の企業が複数の放送局を傘下に置くことで言論・表現の多様化が損なわれる事態を防ぐため、電波法に基づいて定められた総務省令。放送局の株式を保有する場合の基準を定めている。BSデジタル局の株式に関しては、テレビなどの地上波局は50%以下しか持てない。

 総務省はこの制限を撤廃する方向で検討している。実現すれば、地上波局はこれまで別会社だったBSデジタル局を吸収合併し、兼営することが可能になる。

 2000年12月から始まったBSデジタル放送だが、在京民放キー局系のBSデジタル5局とも、設立以来赤字が続いている。この結果、経営基盤がぜい弱なBSデジタル局単独では経費削減が先行し、魅力ある番組を作れないなどの問題が民放業界から出ている。兼営が可能になれば、こうした問題が解消できるほか、中継権・放送権を地上波局が一括購入して配分できるなど、効率的な権利処理も可能になる。

アナログ放送終わります 総務省、TVにシール作戦

2005/09/30 The Sankei Shimbun

 総務省は30日、2011年7月にテレビのアナログ放送を終了し地上デジタル放送に完全移行する国の方針が知られていないため、アナログテレビがそのままでは使えなくなることを知らせるシールを、10月22日から順次店頭に展示しているアナログテレビに張り付けると発表した。

 アナログ放送の終了後は、専用チューナーを買わないとアナログテレビは映らなくなる。しかし総務省が3月に実施した調査ではアナログ放送の終了時期を知っていた人が一割未満と非常に低率だったため、アナログテレビを新たに買う人に注意を呼び掛ける必要があると判断した。

 「2011年アナログテレビ放送終了」と書かれたシールを当初は販売店などの協力を得て店頭でテレビに張り付けてもらう。06年6月以降はメーカーに出荷時にシールを張ってもらう予定。(共同)

BSデジタルラジオ終了へ 6局の12チャンネル

2005/09/09 The Sankei Shimbun

 BSデジタル放送の民放6局は8日、ラジオ放送の計12チャンネルを来年3月末までに放送終了することを明らかにした。聴取者が増えず、経営改善を図れなかった。

 6局のうちBS日本、BS朝日、BS―i、BSジャパン、WOWOWがことし9月末、BSフジが来年3月末で放送を終了する。

 またWOWOWを除く地上波系列5局は、総務省に対し、在京キー局がBSデジタル放送局を兼業できる「1局2波」を認めるよう求めていくことも検討中。兼業により経営効率化を図りたい意向で、BSフジの浪久圭司(なみひさ・けいじ)社長は「在京キー局がBS波も持つ方がスポンサーや視聴者の利益になるのではないか」と述べた。(共同)

地上デジタル放送普及へ、自治体の光通信を活用

2005年08月28日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 総務省は27日、テレビの地上デジタル放送の普及を促進するため、地方自治体の行政用の光ファイバー網を活用する方針を明らかにした。

 現在のアナログ波は2011年7月に完全にデジタル放送に移行するため、既存の行政用通信インフラも活用して受信環境の整備を急ぐ必要があると判断した。

 06年度予算の概算要求に盛り込む関連事業費24億円の一部を利用し、まず全国数か所で技術的な検証に乗り出す。

 具体的には、デジタル放送の電波を放送局から受信できる地方自治体までいったん送り、役所と公共施設を結んだ光ファイバー網を通じて、直接受信できない地域まで運ぶ。

 その上で公共施設の屋上などに設置した「ギャップフィラー」と呼ばれる簡易な中継局から各家庭に送信する仕組みだ。

 現在、行政用の光ファイバー網を整備済みの自治体は全国で約1700ある。役場と支所、図書館などを結び、日常の事務連絡のほか、災害時には現場の画像送信などに利用しているという。

 こうした行政用ブロードバンド(高速大容量通信)網を放送事業者が安く利用できれば、新たに中継局を建設するより低コストで、地上デジタル放送の受信環境を整えることができる。

 総務省は、あと6年でデジタル放送を全国でくまなく受信できるようにするには、こうした方式を各地で幅広く採用する必要があると判断した。

BSデジタル放送、三井物産など4社が参入検討

2005年08月13日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 2007年度から新規事業者2社程度に開放されるテレビのBS(放送衛星)デジタル放送に、三井物産、大手番組供給会社のジュピター・プログラミング、家電量販大手・ビックカメラ系の日本ビーエス放送、映画専門のスター・チャンネルの4社が参入を検討していることが12日、明らかになった。

 既存のBS各局は視聴率が伸びずに厳しい経営が続いており、新規参入は見込めないとの見方が当初は強かった。

 しかし、視聴可能世帯数は近く1000万世帯を突破する見通しで、有力4社が名乗りを挙げる予想外の展開になってきた。

 総務省は8月17日から9月13日まで申請を受け付け、年内に参入業者を決めるが、新規参入が決まれば競争激化は必至で、業界にも大きな影響を与えそうだ。

 関係者によると、三井物産は放送会社を新設し、アニメや通信販売番組などの放送を検討している。コマーシャルを流すことで無料放送とする見通しだ。

 ビックカメラは、BSでデータ放送などを行っている系列の日本ビーエス放送を高画質のデジタル放送局に替えて、ドキュメンタリーや教育番組を中心に、40〜50歳代を対象にした番組編成とする方針だ。

 伊藤忠商事などが出資するスター・チャンネルは高画質のハイビジョン映像で、洋画を中心に有料放送を行う方向で調整している。

 住友商事などが出資するジュピター・プログラミングも、世界的に有名なドキュメンタリー番組「ディスカバリーチャンネル」などをケーブルテレビ局やCS(通信衛星)放送に供給しているが、BS参入で顧客基盤の拡大を目指す。

BSデジタル新たに2局 ビックカメラ系も参入検討

2005/08/10 The Sankei Shimbun

 総務省は10日、BSデジタルのハイビジョンテレビ放送を2007年度に2局程度増やすことを正式決定した。新規事業者を優先的に参入させるが、既存事業者でも現在の放送を中止すれば新規と見なす方針。多様で魅力的な番組が増えることで、BSデジタルの普及を狙う。

 NHKのBSアナログハイビジョン放送の終了に伴って空く周波数帯を活用する。認定基準は、財政基盤の健全性の高さなどで、今月17日から9月13日まで申請を受け付ける。

 家電量販店ビックカメラ系のBSデジタルデータ放送事業者「日本ビーエス放送」(東京)や映画専門放送局の「スターチャンネル」(東京)が参入を検討しており「認定された場合はデータ放送の免許を返上する」(日本ビーエス放送)意向だ。衛星放送のWOWOWは既に「サーバー型放送」と呼ばれる有料課金の新サービスで申請する意向を表明している。

 BSデジタル放送は視聴可能世帯が1000万に迫るなど普及が進みつつあるが、視聴率は低迷したままで各局とも経営が苦しい状況。インターネットなど他のメディアとの競争が激しいデータ放送では、東芝系の「メディアサーブ」が撤退したり、毎日新聞系の「メガポート放送」が停止を表明したりしている。(共同)

ネットで地上デジタル放送 総務省、秋から実証実験

2005/07/21 The Sankei Shimbun

≪放送と通信の融合加速≫

 総務省は21日、地上デジタル放送を光ファイバーを使ってインターネット経由で各家庭に同時再送信する実証実験を今秋に始めることを明らかにした。山間部などの難視聴地域対策として取り組む。有効性が認められれば2006年にも実用化したい考えだ。

 地上デジタル放送のネット配信が本格的に進めば「放送と通信の融合」が進むきっかけとなり、インターネット放送などにも追い風になりそうだ。ただ放送業界には著作権保護の問題や地域別放送免許との兼ね合いを懸念する声があり、反発が出る可能性もある。

 現行のアナログ放送は11年の終了が決まっているが、地上デジタル放送の全国整備には巨額の設備投資を要し、一部では間に合わない地域が出る恐れも強まっている。総務省は地上放送の補完として光ファイバーや衛星放送の活用を進めたいとしている。

 光ファイバーによる配信は、デジタル対応テレビや専用チューナーを使って視聴する。総務省は、地域別放送を維持するため、その地域の放送しか見られないような仕組みを導入する方針だ。(共同)

地上デジタル放送、衛星で再送信…スカパーとJSAT

2005年07月17日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 通信衛星(CS)放送のスカイパーフェクト・コミュニケーションズ(スカパー)と、国内最大の衛星通信会社JSATは、衛星を使った地上デジタル放送の再送信に共同で乗り出す。

 アナログ放送の打ち切りが6年後の2011年7月に迫る中、放送局による中継局の改修が追いつかない地域に限って、衛星で再送信し、地上デジタル放送の受信に支障が出ないようにする狙いだ。

 8月にも北海道で実証実験を始め、07年中の放送開始を目指す。総務省も全面的に支援する。

 大都市圏を中心に03年末に始まった地上デジタル放送は、放送局からの電波を直接受信するか、ケーブルテレビ(CATV)経由でしか見ることができない。しかし、広大な北海道で全世帯が直接受信するには、NHKや地元民放が170〜200か所ある中継局を改修する必要がある。

 このため、JSATとスカパーは、まず北海道を対象に、地上デジタル放送の新たな受信方法として、遠隔地でも確実に電波が届く、衛星での再送信を始めることにした。

 具体的には、NHKや地元民放の地上波番組の映像を圧縮したうえで、JSATが管理・運営する衛星を経由して再送信し、スカパーの番組が見られる専用の受信端末を設置した道内の世帯で視聴できるようにする。専用端末はスカパーが利用者に安く提供する。

 利用者はスカパーと契約すれば、NHKや地元民放の地上デジタル放送を見られる。ただ、契約料がかかるため、地上波しか見たくないという視聴者に対する措置は今後検討する。総務省も、技術的条件の整理や、北海道以外で再送信の対象とすべき地域について検討を始め、年内には結論を出す方針だ。

NHK、来秋から15の局で地上デジタル放送を開始

2005年07月12日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 NHKは12日、2006年10月から12月にかけ、15か所の放送局で地上デジタル放送を始めると発表した。

 これにより、全国の都府県庁所在地すべてで地上デジタル放送が視聴できるようになる。

 06年10月に始めるのは広島、松江、鳥取、山口、松山、高知、徳島の7放送局。同年12月に開始するのは岡山、高松、熊本、長崎、鹿児島、宮崎、大分、佐賀の8放送局。

 NHKは近く総務省に免許申請する。

動画付きラジオ来年開始へ 総務省、デジタル化前倒し

2005/05/19 The Sankei Shimbun

 総務省は19日、CD並みの高音質や簡易動画も楽しめる地上デジタルラジオ放送を2006年中に開始すべきだとする報告書を正式決定した。テレビのデジタル化やインターネットの発達の中、このままではラジオの地盤沈下が進むという関係者の危機感があり、予定を5年前倒しして導入する方向となった。

 06年に東京、大阪で始め、08年に札幌、仙台、静岡・浜松、名古屋、広島、福岡の主要都市、11年以降に全国拡大する。ニッポン放送やエフエム東京など民間ラジオ局、通信会社などは共同出資でデジタルラジオの新会社を設立する。総務省は新会社とNHKにそれぞれ免許交付する方針。

 現在のアナログラジオは維持される上、地上デジタルテレビ放送が携帯端末向けを05年度内に始めるためメディアの過当競争となる恐れがあるが、報告書はラジオもデジタル化で活性化し、市場規模は15年には約2倍の3676億円に膨らむと予測した。

 必要な周波数帯はテレビの7チャンネルおよび8チャンネルの空きを利用。民間の新会社は全国一律で無料放送し、音楽などさまざまな専門チャンネルを入れる。携帯電話やカーナビで動画も含めて視聴できるようにしたい意向。音楽のダウンロード販売など「放送と通信の融合」サービスで広告外収入も確保する。

 11年以降には全国サービスで民間2社、地域サービスでNHKと民間最大2社の新規参入も認める。地方ラジオ局のデジタル化も進める。(共同)

地上デジタル放送 広島県は06年10月開始

2004/12/01 中国新聞地域ニュース
 全国、11年7月に全面移行

 中国総合通信局は三十日、地上デジタルテレビ放送の中国地方の開始目標時期を広島、山口、島根、鳥取の四県が二〇〇六年十月、岡山県が同年十二月に決まったと発表した。各県の放送局とも県庁所在地を中心としたエリアからデジタル放送を開始、中継局の整備とともに放送エリアを広げる。

 計画では、一一年七月にデジタル放送へ全面移行する。それまでは並行して現行のアナログ放送も継続するとしている。

 各県内の放送局が共同で親局を整備するケースが多く、それぞれの県内の放送局は同時スタートとなる見通し。岡山は、香川と一体のエリア内に海を挟む地理的な事情から他の四県に比べ二カ月遅くなる。

 デジタル放送のスタート時に視聴できる県別の世帯数は、広島が五十万世帯で全世帯のうちのカバー率は45・5%。山口は二十一万世帯で36・0%。島根・鳥取は計二十四万世帯で52・3%。岡山(香川を含む)は六十五万世帯で61・5%を見込んでいる。

 デジタル放送は〇三年十二月に東京、大阪、名古屋の三大都市圏で開始。全国の開始目標時期も三十日発表され、中国地方以外では、東北などが〇五年十二月、香川を除く四国や北海道、福岡県が〇六年十月。最後の同十二月に福岡を除く九州、香川で開始。高画質、高音質で、多チャンネル放送の受信や双方向データ通信などが可能になるデジタル放送が〇六年末までに、全都道府県で始まる計画になった。

 <地上デジタルテレビ放送> 画像や音声などをデジタル信号として送る地上波放送。現在のアナログ放送に比べて大量の情報が流せるため、高画質のハイビジョン映像、データ放送、現行の画質によるマルチ(複数チャンネル)放送、双方向通信などが可能になる。視聴するには専用受信機などが必要になる。

地上デジタル放送、宮城民放4社は来年11月から

2004/11/15 The Sankei Shimbun
 宮城県内の民放4社は15日、地上デジタル放送を2005年から06年までに順次開始すると発表した。

 仙台放送が05年11月、東北放送と宮城テレビ放送が同年12月、また東日本放送が06年7月からそれぞれスタートする。

 地上デジタル放送は03年12月に関東、中部、近畿の3大都市圏で始まり、順次エリアを拡大。NHKはすでに、東北6県の放送局で05年12月から一斉に地上デジタル放送を開始すると発表している。

岐阜で地上デジタル開始 26万世帯が視聴可能に

2004/11/01 The Sankei Shimbun
 岐阜県を放送エリアとするNHK岐阜放送局は1日、次世代のテレビ放送として期待される地上デジタル放送を開始した。東京、大阪、名古屋の3大都市圏と水戸、富山に続いて全国で6番目。

 同放送局によると、当初は岐阜市内での放送が中心で、県内の4割に当たる約26万世帯が視聴可能。2005年春には同県関市や美濃加茂市も含め視聴できる範囲が42万世帯に広がる予定。

 1日は岐阜県の梶原拓知事やNHKの海老沢勝二会長が出席した記念式典を生中継。4日まで県内の自然を紹介する番組を放送する。

東北で来年12月一斉に開始 地上デジタル放送

2004/09/21 The Sankei Shimbun
 NHKは21日、東北6県の放送局で2005年12月から一斉に、地上デジタル放送を始めると発表した。年内にも総務省に免許申請する。

 地上デジタル放送は03年12月に関東、中部、近畿の3大都市圏で始まり、順次エリアを拡大。アナログ放送に比べ高画質の放送が楽しめるが、視聴には対応型テレビか専用チューナーが必要になる。

BSデジタル、初の撤退 データ放送が広告不振

2004/09/17 中国新聞地域ニュース
 BSデジタルのデータ放送局「BS955」を運営するメディアサーブ(東京)は17日、同放送を11月末で停止すると明らかにした。広告料などの売り上げ不振が理由という。2000年12月に開始したBSデジタルはNHK、民放など19局あるが撤退は初。

 BSデジタルは当初見通しに比べ大幅に普及が遅れたことなどで、採算割れの局が多いとされる。メディアサーブは「インターネットなどほかのメディアとの競合も要因」としており、今後も撤退が出る可能性がある。

 メディアサーブは東芝系。BSデジタル放送でニュースや株価情報などデータ専門に放送する7局の一つ。双方向サービスによる通信販売なども行っている。同社の03年12月期の決算は売り上げが2億8700万円で4億5500万円の赤字。25億円を超える累損があるという。同社はデータ放送番組の制作請負などは続ける。

まるでテレビみたい? デジタルラジオが動画放送

2004/09/14 The Sankei Shimbun
 エフエム東京とKDDIなどは14日、東京タワーから試験放送中の地上デジタルラジオ放送で、「簡易動画」の送信実験をすると発表。報道関係者に対し携帯情報端末型の試作受信機を使ってのデモを公開した。

 地上波デジタルラジオはCD並みの音質に加え、文字や動画などを組み合わせた放送が可能。この日はアナウンサーが話す姿を画面に映したり、曲に合わせてプロモーションビデオを流すといったテレビに近いイメージのデモが行われた。

 データ圧縮に新方式を採用し、滑らかな映像を実現した。本放送開始は2011年だが、来年春には実験放送を受信できる機器が販売される見通し。当初はパソコンに接続して楽しむタイプになる、という。

電波利用料、利用度合いに応じて徴収…総務省報告案

2004/07/22 読売新聞 Yomiuri On-Line
 総務省の電波有効利用政策研究会は22日、携帯電話事業者や放送局などから徴収している電波利用料制度の見直しに関する最終報告案を公表した。

 無線局(携帯電話端末も含む)の大小にかかわらず1局ごとに一定額を徴収している現行制度を、欧米と同じように電波の利用度合いに応じて徴収する制度に変え、電波の有効利用を促すことを求めている。これによって、放送局などは負担増となる見通しだ。

 メーカーなどから反対意見が出ている「情報家電」を徴収対象とするかについては結論を先送りしており、9月末に結論を出す。無線LAN(構内情報通信網)や高速道路のノンストップ自動車料金収受システム(ETC)に関しては、総務省は「徴収の検討対象になっていない」としている。

 また、報告案は地方と大都市でも電波利用料に差をつけるべきだとしている。携帯電話が通じない地域を4―5年で解消するため、徴収する電波利用料(2004年度は552億円の見込み)を、過疎地や離島などの携帯電話用の鉄塔施設の整備に使えるようにすることも求めている。

 同省は最終報告を踏まえて、来年の通常国会に電波法改正案を提出したい考えだが、放送業界をはじめとした関係業界との調整は難航も予想される。

デジタル放送:HDD付きDVDレコーダーと広告放送の行き先

毎日新聞 2004年6月9日Mainichi INTERACTIVE
 この夏のボーナス商戦の目玉は「デジタル家電」だという。特に「新・三種の神器」の一つであるHDD付きDVDレコーダーは、販売が好調に推移していることが伝えられている。この機器は高機能でタイムシフト視聴の一般化させると同時に、CMを容易に飛ばす機能も持ち合わせている。5月12日の「新型PVR登場とCMの関係を考える」では英国で実際に進むテレビの視聴形態と広告の関係の変化を見た。では、日本で広告放送のビジネスモデルを変えかねないようなインパクトはあるのだろうか。今回はそこに焦点をあててみた。【西  正】(後略)


放送衛星を再開

2002年07月09日 The Sankei Shimbun
 NHKと民放などが出資する衛星運用会社の放送衛星システム(東京)は9日、デジタル放送用衛星「BSAT−2a」の運用を再開したと発表した。

  昨年9、11月に衛星の姿勢の乱れからBSデジタル放送が一時中断し、アナログ放送用の予備衛星「BSAT−1b」に切り替えていた。この日の早朝、3チャンネルでの運用を再開した。残る3チャンネルは22日早朝に作業を実施する。

 調査の結果、事故原因は宇宙の電子や微粒子などによるものと判明。同社は衛星に搭載するソフトウエアを改修したほか、地上の管制プログラムへ対応する機能を追加し、恒久的な対策を取ったとしている。

CS放送の外資規制を撤廃へ 総務省 (2001.02.24) asahi.com

NTTとNHK経営形態見直し、閣議決定計画盛り込みへ (2001.02.20) asahi.com

ソニー、4社連合から脱退へ デジタル放送 (2001.02.10) asahi.com
 4社は昨年11月、次世代の受信機の規格を統一し、普及活動を進めるために企画会社「イー・ピー・エフ・ネット」を設立、4月の事業会社化を目指していた。企画会社は資本金2億円のうち、松下、東芝が25%ずつを出資、日立、ソニーがそれぞれ10%、残りは放送局などが出資している。

地上波アナログ放送は2011年までに全廃 総務省方針 (2001.02.08) asahi.com
 デジタル放送は東京、大阪、名古屋の3大都市圏では2003年から始まる見通し。その後、8年程度で完全移行することになる。それまでは、視聴者がデジタル放送対応テレビへの買い替えや専用チューナーの購入を終える経過期間と位置づけており、テレビ局は、アナログ、デジタルの両方式で放送をする。

 デジタル放送になると、チャンネル数が増え、高画質番組やインターネットと連動したサービスなどが利用できる。すでにBS(放送衛星)、CS(通信衛星)放送ではデジタル放送が始まっている。これらを視聴するには、専用チューナーやアンテナ、デジタル放送対応テレビが必要で、家庭ごとに少なくとも数万円から数十万円の出費が必要になる。

書き換え機能を無償手直し デジタルテレビなどでソニー  (2001.01.30) asahi.com
 ソニーは30日、昨年11月に発売したBS(放送衛星)デジタル放送対応のテレビとチューナーに、衛星放送の電波を使って受信機のソフトウエアを書き換える機能を加えるため、無償で手直しすると発表した。ダウンロードによるソフトの自動書き換えは、デジタルテレビに特徴的な機能のひとつ。各社のデジタルテレビはほとんどこの機能を備えているが、ソニー製品は対応していなかったことになる。「実用化には本放送での検証が必要と判断し、発売時には間に合わせなかった」とソニーは説明している。

スカパー、WOWOWの登録者増、BSデジタル効果 (2001.01.06) asahi.com
スカパーの新規加入契約者も前年同月比で1.3倍と好調で、総契約数で250万に達した。

日テレ、24時間CSニュース「NNN24」を打ち切り (2000.12.28) asahi.com

民放連会長、NHKのネットニュース配信を批判 (2000.12.26) asahi.com

NHK受信料見直しなど提言 政府の規制改革委 (2000.12.12) asahi.com

NHK、BSデジタルのスクランブル化提言 規制改革委 (2000.12.09) asahi.com

BSデジタル、一部で不都合 問い合わせ殺到の局も (2000.12.01) asahi.com

波高い出発 BSデジタル放送始まる (2000.12.01) asahi.com

BSデジタル1日スタート 商売敵はインターネット (2000.12.01) asahi.com

広告好調で過去最高の売上高に 民放キー局5社中間決算 (2000.11.28) asahi.com

NHK・BSデジタルのスクランブル化盛る (2000.11.23) asahi.com

東芝とNTTデータがデジタル放送で提携 (2000.11.14) asahi.com

40年前のラジオドラマがBSデジタルラジオで復活 (2000.11.14) asahi.com

松下製BSデジタルテレビのソフトに不具合 無償更新へ (2000.11.09) asahi.com

BSデジタルは「5万円になるまで待つ」が半数 博報堂 (2000.10.31) asahi.com

地上波デジタル放送の送出設備、東京タワーに併設有力 (2000.10.26) asahi.com

おせちから車までTVで注文、BSデータ放送デジキャス (2000.10.20) asahi.com

日テレも新CSで新会社を設立 (2000.10.17) asahi.com

データ放送で買い物やクイズ 12月からBS―i (2000.10.14) asahi.com

フジ・産経の東経110度CS放送新会社が発足

00/10/12by 日経ニューメディア
フジテレビジョンや産業経済新聞社などが出資する東経110度CS放送の新会社「サテライト・サービス」(本社:東京都港区)が2000年10月12日に発足した。

放映する映画を視聴者の投票で決定 NHK BSデジタル (2000.10.12) asahi.com

天気予報やニュースをデータ放送でいつでも BS朝日 (2000.10.11) asahi.com

BSデータ放送、容量不足でサービスを再検討 (2000.10.09) asahi.com

米ユニバーサル、新CS放送に進出 テレ朝などと提携 (2000.10.08) asahi.com

新CS打ち上げ成功 宇宙通信とJSA (2000.10.07) asahi.com

次期CS打ち上げ成功/来年後半放送開始

2000.10.07 The Sankei Shimbun
 衛星運用会社のJSAT(本社・東京)と宇宙通信(同)は七日、来年後半に開始予定の次期CS(通信衛星)デジタル放送用の衛星、「N−SAT−110」(米ロッキード・マーチン社製)の打ち上げに成功したと発表した。

 打ち上げは仏領ギアナで行われた。仏アリアンスペース社のロケット「アリアン4」で午前八時(現地時間六日午後八時)、ギアナ・クールーの打ち上げ基地を飛び立ち、二十分後にロケットから分離。

 今後、一週間かけて地球を周回しながら高度三万六千キロメートルの静止軌道に到達する。

放送ごとに受信機必要/BSデジタル、次期CS、地上波デジタル…

2000.09.30 The Sankei Shimbun
 BS(放送衛星)デジタル試験放送が九月から始まり、日本も本格的なデジタル放送時代を迎えた。しかし、今後相次いで始まる放送を見るには、その都度別のテレビや受信機(チューナー)を買う必要があり、利用者から不満の声があがっている。

 放送方式の決定時期がまちまちで、現時点では全放送対応の受信機がないためだ。一台十万円前後もする受信機を、テレビの上に二台も三台も重ねる家庭も出そうで、利用者への配慮が足りない放送行政の在り方が問われそうだ。

 現在発売されているBSデジタル放送用の五十万円前後もするテレビを買っても、来年始まる次期CS(通信衛星)放送や、二○○三年開始予定の地上波デジタル放送は見られない。受信機でも事情は同じで、その都度新しい受信機が必要になる。

 郵政省は「受信機を共用できるようメーカーに要請している」と話すが、メーカーは「次期CSや地上波デジタル放送の方式が固まっていない現状では製造困難」(家電大手)とし、見切り発車的にBSデジタル放送用の商品を発売。全デジタル放送対応の商品が登場するには、まだ時間がかかりそうだ。

 一般家庭では、デジタル放送を我慢するか、受信機をそのたびに買うかの選択を迫られ、家計には大きな負担のデジタル放送となりそうだ。

新CS放送にドコモも参入 日テレなどと企画会社設立へ (2000.09.29) asahi.com

新CS市場、多業種連合体が次々参入検討 (2000.09.21) asahi.com

新CSの認定申請を断念 NHK会長が表明 (2000.09.22) asahi.com

CSに女性向けチャンネル 昼は主婦、夜は働く女性対象 (2000.09.19) asahi.com

民放と電機大手が次世代TV向け番組制作会社を共同設立 (2000.09.19) asahi.com

BSデジタル製品足りない! 五輪特需空回り/メーカー生産遅れ

2000.09.17 The Sankei Shimbun
 BS(放送衛星)デジタル放送用のテレビやチューナーが品薄になっている。テレビ四十万円前後、チューナー十万円前後という値段の高さから出足は鈍かったが、オリンピック直前から関心が急速に高まり、「今注文しても、期間中に届かない製品もある」(量販店)。生産の遅れなどが理由で、メーカーはせっかくの好機を生かし切れていないようだ。

 オリンピックはBSデジタルの試験放送で放映されており、松下電器産業はテレビとチューナーを今月一日に発売した。ただ、本格生産開始は八月下旬になったため、数万件の予約分もこなせない状況だ。「特にチューナーをお待たせしている。十二月の本放送までにさばければ」(東京広報部)と、オリンピック商戦はすでにあきらめ顔だ。

 シャープと東芝は生産の遅れはないとしているが、店頭ではやはり品薄気味だ。日本ビクターは十三日にチューナーを発売。オリンピックには辛うじて間に合ったが、「引き合いはあるのに、部品不足で思うように増産できない」(企画担当)と悔しそうだ。

CS放送狙いスカパーなど5社がスポーツ専門会社設立へ (2000.09.16) asahi.com

スカパーが視聴料を過剰請求 受信機の不具合で (2000.09.11) asahi.com

マクドナルド、500店に衛星データ専用放送を導入 (2000.09.05) asahi.com

ワールドスペース社、アジアでラジオ衛星放送開始へ (2000.08.29) asahi.com

次期CS放送用の衛星打ち上げ、1カ月程度延期へ (2000.08.28) asahi.com

9月からBS試験放送 五輪で認知度アップ期待 (2000.08.20) asahi.com

東証に新規上場のJSAT 人気集中で売買成立せず (2000.08.04) asahi.com

民放好調、99年度の経常利益23%増 郵政省まとめ (2000.08.04) asahi.com

BSデジタルでNHKと民放が共同CM (2000.08.03) asahi.com

CS放送の準備会社を設立 WOWOW (2000.07.13) asahi.com

BSデジタルは12月1日午前11時から (2000.07.10) asahi.com

NTTとNHKの業務範囲見直し、規制改革委が検討へ (2000.07.08) asahi.com

新CS見るにもNHKに受信料払う必要? (2000.07.03) asahi.com

ソニー・松下・東芝の3社、次期CS放送に共同参入 (2000.07.02) asahi.com

テレビ東京がアニメ専門会社を設立 (2000.06.30) asahi.com

BSデジタル実験放送、24日開始 (2000.06.24) asahi.com

ニューズコーポレーション、世界の衛星放送会社を統合へ (2000.06.17) asahi.com

CS放送のスカパー、社名から「放送」外す (2000.06.13) asahi.com

日本に衛星1基分の周波数を追加割り当て

2000.06.03 The Sankei Shimbun
 郵政省に三日朝入った連絡によると、トルコ・イスタンブールで開かれていた国際電気通信連合(ITU)の世界無線通信会議(WRC2000)は、欧州とアジア・太平洋地域の放送衛星(BS)の周波数を見直し、日本に衛星一基分の周波数を追加割り当てした。同時に、次世代携帯電話IMT−2000の普及促進のため、新たに三つの周波数帯を使うことを決定した。

 これにより、日本でことし十二月から世界に先駆けて始まるBSデジタル放送に使う衛星のほかに、数年先にデジタル放送用の衛星が打ち上げられる可能性が出てきた。

使うテレビへ、BSデータ放送2社がサービス概要公表 (2000.06.02) asahi.com

レコード各社の請求棄却

2000年5月16日 17時58分共同
 通信衛星を使い、家庭でもCD並みの高音質録音が可能な「スカイパーフェクTV」のデジタル音楽放送をめぐり、レコード会社17社が「受信者の録音を助長し複製権を侵害した」として、番組を制作した「第一興商」(東京)などに放送の一部差し止めなどを求めた訴訟で、東京地裁は16日、請求を棄却する判決を言い渡した。

放送法を抜本的に見直し

2000年5月16日 17時58分共同
 放送のデジタル化の進展やインターネット放送の出現により、実態に合わなくなった放送法を抜本的に見直すため、郵政省は16日、「放送政策研究会」(放送行政局長の私的研究会)を23日から開催すると発表した。NHKの業務範囲と民間放送の免許地域を見直し、デジタル時代に対応した事業展開を促すのが狙い。

米電話会社、衛星デジタル放送に進出 (May 10, 2000) asahi.com

角川書店、日本映画衛星放送に出資 (May 02, 2000) Asahi.com

地方民放の体制検討へ、再編視野に デジタル化で郵政省

03:07a.m. JST May 03, 2000
 郵政省は2日、民間放送局に原則として県単位で認めている放送地域を広げることや、それに伴って複数の放送局が合併・統合する際の手続きなど、民放の経営体制について検討を始めることを明らかにした。2003年から始まる地上波放送のデジタル化では、民放各局で総額5600億円もの投資が必要なため、経営基盤の弱い地方局の経営形態に幅を持たせる狙いだ。郵政省が放送業界全体のあり方を見直すのは初めてで、実現すれば地方局の再編が進みそうだ。

 5月下旬に「放送政策研究会」(仮称)を放送行政局長の私的研究会として設け、2年程度かけて検討する。研究会には業界関係者は入れず、学識経験者を中心メンバーとする。

 放送法は第2条で郵政省に放送普及基本計画を定めるよう求めており、郵政省はその際の方針として、民放の放送対象地域については、関東、中京、近畿の広域圏を除き、基本的には県域に限っている。また、マスメディアの集中排除を目的に、1つの放送事業者が経営できる放送局は1つに限っている。研究会では、これまで郵政省が進めてきた多局化政策を見直し、地方局の広域経営のあり方を検討する。

 また、これまでは県単位としていた規制などで放送局の合併・統合は想定していなかったが、放送地域を広げた場合の合併・統合の具体的な方法なども検討する。放送業界は、新規参入が制限された「最後の護送船団」(郵政省幹部)で、事実上の寡占状態にあるが、様変わりしそうだ。研究会ではNHKのあり方も論議する。

 地上波放送のデジタル化では、1局あたりの平均投資負担は約45億円、放送地域の広い関東、近畿、北海道では100億円程度にのぼると見込まれる。日本民間放送連盟は、デジタル放送に移ることで、3大都市圏を除くほとんどすべての地方局が「2010年には赤字に転落する」と試算している。

 さらに今年12月から、地上波に先行してBS(放送衛星)デジタル放送が始まる。民放キー局の出資するBS会社が全国をカバーしてしまうため、地方局などは広告需要の減少や視聴者離れを懸念している。

国の全額負担を了承

2000年4月25日 14時27分
 自民党通信部会の通信・放送産業高度化小委員会は25日、2003年から始まる地上波テレビのデジタル放送化に対応するため放送局や受信世帯がアナログチャンネルを変更する費用について、全額国が負担することを了承した。
 郵政省が、2001年度の予算要求から段階的に支援措置を盛り込むのを後押しする。

NHKの業務範囲を検討、郵政省が研究会を発足へ

03:20a.m. JST April 08, 2000
 郵政省は7日、NHKの業務範囲など、デジタル時代の公共放送のあり方について、有識者による研究会を5月にも設け、検討を始めることを明らかにした。NHKはインターネットによる情報提供サービスやCS(通信衛星)を使ったデータ放送など業務範囲を広げたい意向を示している。しかし、視聴者からの受信料で支えられているNHKが業務を広げることに、民放や自民党の一部などには反対の声も強く、議論の場を設けることが求められていた。

 研究会では、公共放送として、NHKにどこまで新たな業務を認めるべきかを中心に、BS(放送衛星)放送の有料化や分社化の必要性、子会社の業務範囲、受信料制度のあり方など、幅広く検討する。民放とNHKとの役割についても議論する。同省は学者や文化人といった利害関係のない人を委員に選び、約半年をめどに中間報告をとりまとめる予定だ。

 NHKの海老沢勝二会長は国会の委員会や記者会見などで、インターネットや次世代携帯電話に映像情報を流したり、CSを使って、地図や図形などの情報や番組広報のデータ放送を始めたい意向を示している。これに対し、民放各局は「民業を圧迫しかねない」として、NHKの業務拡大を警戒している。

 NHKがインターネットやCSを使った情報サービスに参入するには、放送法の改正が必要となる。また、テレビと同じ情報をインターネットやCSを使って無料で流すと、受信料を支払ってテレビを見ている視聴者との公平性が問題となってくる。

 NHKの海老沢会長は6日の記者会見で「放送法などの見直しが必要だ」と述べた。一方、八代英太郵政相は7日の記者会見で、「会長もあまり先走って発言しないように」と、NHKに慎重な姿勢を求めた。

BSデジタルの実験放送始まる NHKで記念式典

6:48p.m. JST March 15, 2000
 今年12月にNHKや日本衛星放送(WOWOW)、民放系BS(放送衛星)会社が始めるBSデジタル放送の実験放送が15日、始まった。現在のBS放送の補完衛星を使って電波を出し、メーカーの工場で受信機のテストをする。実験放送の設備がある東京・渋谷のNHK放送センターで、海老沢勝二NHK会長や民放系BS会社の社長らが出席した記念式典があった。

 6月には、BSデジタル放送用の受信機が発売される予定で、週末を中心に電器店などでPR用の放送が見られるようになる。各局が持ち寄る番組ソフトのほか、沖縄サミットや高校野球の中継を計画している。9月に試験放送に移行したあと、シドニー五輪を放送する。本放送は12月1日から始まる。

衛星放送の認定条件は、アダルト番組の有無や青少年保護規定

7:50p.m. JST November 16, 1999
 郵政省は16日、衛星放送の放送事業者の申請について、成人向け(アダルト)番組の有無を明確にし、視聴者の年齢確認や家庭で視聴制限ができるようにするなど青少年保護の規定があることを認定の条件とする方針を明らかにした。新規の申請のほか、放送内容の変更、認定更新の際に適用する。意見募集をしたうえで、来年1月の電波監理審議会(郵政相の諮問機関)に諮問し、省令などを改正する。

 アダルト番組は、多チャンネル、専門放送化している通信衛星(CS)デジタル放送で、「娯楽」番組として申請するチャンネルが増えている。視聴者数が伸び悩み、放送開始当初の番組内容を変えてアダルト番組を放送しているチャンネルもある。このため同省は、申請と番組内容がかけ離れている実態を改めるとともに、青少年への影響に配慮し、規定の整備をすることにした。

HOME,インターネット