TOPIC No.4-15c PHS(Personal Handy-phone System)

01. 家族で使えばこんなに安い! ウィルコムの料金プラン(2009年11月23日)
02. ユニークでなければ、勝ち残れない - ウィルコム(Willcom) 近義起副社長  MYCOMジャーナル(2007/02/07)
03. 新ウィルコム定額プラン、選んでいいか? (2009年02月13日) ASCll
04. 「端末代」+「ウィルコム定額プラン」で月額980円――台数限定「WX310Kスペシャルモデル」発売 (2008年12月12日) [ITmedia] +D Mobile
05. PHS byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
06. 携帯電話、PHS情報 YAHOO!ニュース
07. EDOGAWA's OFFICE
08. 第3.5世代移動通信システム byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


ウィルコム支援 ソフトバンクが名乗り

2009年11月27日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 経営再建中の簡易型携帯電話(PHS)最大手ウィルコムの支援企業として携帯電話3位のソフトバンクが名乗りを上げていることが26日、明らかになった。ウィルコムが抱える約400万人の顧客や高速通信ができる「次世代PHS」の技術を取り込み、首位NTTドコモや2位KDDIを追撃する。大手5社体制の携帯電話業界は新たな再編の場面を迎える可能性が出てきた。

 ウィルコムの支援企業には複数のファンドの名前が挙がっており、ウィルコムの筆頭株主である米系ファンド、カーライルが年内にも支援企業を決定するとみられる。通信事業の実績に乏しいファンドが再建を果たせるか未知数でソフトバンクによる支援が有力との見方もある。

 ウィルコム買収を目指すソフトバンクは条件としてウィルコムが抱える935億円の債務の一部について金融機関が放棄することを求めている模様だ。

ウィルコム、PHS+3.5G対応のスマートフォン「HYBRID W-ZERO3」発表

2009年11月11日 +D Mobile

 PHSとW-CDMAのハイブリッドな通信機能を備えたスマートフォン「HYBRID W-ZERO3」が登場。2010年1月に発売する。OSにはWindows Mobile 6.5を採用した。

 ウィルコムは11月11日、シャープ製の新たなスマートフォン「HYBRID W-ZERO3(WS027SH)」を発表。2010年1月に発売する。

 HYBRID W-ZERO3は、PHSとW-CDMA(3.5G)の2つの通信機能を備えているのが大きな特徴。PHSにはW-OAM typeG(PHS高度化通信規格)対応の新型W-SIM(RX430AL)を採用。W-CDMAにはNTTドコモのネットワークを利用した「WILLCOM CORE 3G」を採用し、下り最大7.2Mbps/上り最大5.7Mbpsの通信が可能だ。

 IEEE802.11b/g準拠の無線LANもサポートしており、公衆無線LANサービスを利用できるほか、HYBRID W-ZERO3を無線LANルータとして使用できる機能も備えている。さらに、サードパーティのオプション品として発売予定のW-SIM型GSMモジュール(CM-G100)と、海外で利用可能なSIMカードを利用することで、GSMエリアでの通信も可能になる。HYBRID W-ZERO3にはSIMロックがかけられていないので、NTTドコモやソフトバンクモバイルのSIMカードも利用できる可能性がある(ただしサポート対象外。パケット通信を行うためには、自分でアクセスポイントの設定などを変更する必要がある。また音声通話は利用できない)。

 料金プランはHYBRID W-ZERO3専用のものを提供する予定。詳細は決定していないが、「業界最安の定額サービスを目指す」(ウィルコム)という。

 OSにはMicrosoft Windows Mobile 6.5 Professional(日本語版)を採用し、アプリ配信サービス「Windows Marketplace」や、端末内のデータをサーバに保管する「My Phone」を利用できる。HYBRID W-ZERO3の独自機能として、「Windows Live」にワンタッチでアクセスできる専用キーも装備した。

 ディスプレイはフルワイドVGA(480×854ピクセル)表示対応の3.5インチ液晶で、タッチパネルにも対応。画面のアイコンをタップするだけで各種アプリケーションが起動する。カーソルキーにはジョグ機能を内蔵した「Xcrawl(エクスクロール)」を搭載し、ぐるぐるなぞったり、上下左右に押したりしてスクロールやカーソル移動ができる。スムーズに操作できるよう、各種機能や設定を簡単に起動できるオリジナルのユーザーインタフェースも採用した。なお、QWERTYキーボードは搭載していない。

 カメラはオートフォーカスと手ブレ補正対応の500万画素CMOSを搭載。被写体が笑顔になるとシャッターが切れる「笑顔撮影機能」や、ホワイトボードを撮影した画像をPDFに変換できる「PDF SHOT」、「名刺リーダー」「情報リーダー」「コラムリーダー」などを用意した。このほか、赤外線通信やBluetooth、GPS、モーションセンサーにも対応している。

ウィルコムが返済延長要請へ 私的整理で再建目指す

2009年09月19日 中国新聞ニュ−ス

 PHSのウィルコムが、三菱東京UFJ銀行などの取引金融機関に、約1千億円の債務の返済期限延長を要請する方針となったことが19日、明らかになった。契約減で、有利子負債が重荷になった。私的整理の手法である「事業再生ADR」を使って経営再建を目指す。サービスはこれまで通り継続する。

 ウィルコムは新規契約を解約が上回る契約者数の純減が続いており、8月の純減数は3万900件だった。データ通信サービス分野で争うイー・モバイルなど携帯電話会社との競争が激化しており、厳しい事業運営が続いている。

 10月から本格サービスを開始する次世代PHS「XGP」は、ウィルコムが巻き返しを図る大型事業。今後5年間で約1400億円を投資する計画を明らかにしており、このままでは負債が重荷になると判断した。

 事業再生ADR手続きの中で、債権者会議が開かれ再生計画をまとめる予定だが、債権者との意見調整は難航も予想される。

 これとは別に、ウィルコムは国が主導して中堅、中小企業の再生を進める企業再生支援機構に支援を要請することも検討している。

WILLCOM NSは「情報を持ち歩くネットワーク・ステーショナリー」

2009/04/15 ケ−タイWatch

 ウィルコムは、システム手帳に収納できるインターネット専用端末「WILLCOM NS」を発表した。15日には都内で記者向けに発表会が開催され、ウィルコムと東芝の担当者から「WILLCOM NS」の概要が説明された。

■ ネットワークを文房具のように持ち歩く

 最初に登壇したウィルコム ブランド&プロダクト企画部部長の石川俊司氏は、普段持ち歩く道具の代表として携帯電話・PHSを挙げる一方で、「何かに特化したものなら、携帯電話とは別に持ち歩くケースもある。何かしたいことに対してシンプルに応えてくれるもので、私は電卓、手帳、ペンを持ち歩いている」と語り、携帯電話・PHS端末以外でも、便利なものは持ち歩かれている様子を紹介した。

 「今回、情報を持ち歩くというコンセプトで要素をピックアップし、整理し、新しい端末のコンセプトとした」と語る同氏は、「ネットワークを文房具のように持ち歩ける」として、WILLCOM NSをネットワーク・ステーショナリーという新機軸の端末と紹介した。同氏は、「厳選されたデジタルの機能と、文房具のアナログ的な良さを組み合わせた。システム手帳にセットして使ってもらうことを想定している」と端末のコンセプトを説明した。

 同氏はまた、開発を担当した東芝がかつて手掛けた「TEGACKY」(テガッキー)を取り出し、「TEGACKYと同じように、アグレッシブに企画していただいた」と語り、ユニークな端末の登場をアピールした。

■ 手帳とインターネットの組み合わせで手帳が進化

東芝 モバイルコミュニケーション社 統括技師長の湯嶋彰氏

手帳とインターネットの融合で手帳が進化

 WILLCOM NSを開発した東芝からは、東芝 モバイルコミュニケーション社統括技師長の湯嶋彰氏が登壇し、製品開発の経緯などを語った。湯嶋氏は、「モバイルインターネットへのニーズは年々高まっており、日本だけでなくグローバルで、なくてはならないものになっている」とモバイル環境でのインターネットが依然として注目を集めている背景を説明し、「パソコンではもっと長時間使いたい、携帯ではパソコンのように使いたいというように、それぞれが要望している要素がある。これらの中間に位置するMID(Mobile Internet Device)の第一弾が今回のWILLCOM NS」と新製品の位置付けを解説した。

 湯嶋氏は、「“情報”が一番のキーワードで、いつでも、好きな情報を、すぐに引き出したい」とMIDに求める要素を挙げ、WILLCOM NSが実現した4.1インチ、ワイドVGAの液晶や、1530mAhの大型バッテリー、薄さ11mmという手帳に収納できるポイントを紹介。 Windows CEのサスペンド・レジューム機能やjigletsの画面メモ機能などネット閲覧と持ち歩きに特化した機能や定額の料金プランなどの特徴まで解説し、「手帳とインターネットの組み合わせで、手帳が進化する」と新しいスタイルをアピールした。

 なお、湯嶋氏からは、WILLCOM NSは通信方式としてW-SIMを採用して開発したことが明らかにされ、3G版などの展開はないと説明された。一方、2009年1月のCESで東芝が発表したようなMIDデバイスは、順次商品化を検討していくとした。

「新ウィルコム定額プラン」は実質値上げでは? [編集]

2009/01/23 放浪エンジニアの日常

 2月5日から始まるウィルコムの新しいデータ定額プラン。一見値下げのように見えるが、今まで定額プランに加入していなかった場合のパケット単価0.021円に対して新ウィルコム定額プランは0.084円。ということはいままでパケット料金が2800円未満だった場合は値上げになる。いままでパケ代が700円程度だったら今後は2800円なるわけだ。これはキツイ。

 勝手な予想だが、パケット代が2800円を超えるような人はほんの一握りで、ほとんどの人はパケット代が2800未満なんじゃなないだろうか。で、あまりパケットを使わない人のパケ代を底上げするのが目的なんだろうな。統計を公表しているわけじゃないので断言できないが、このご時世にみすみす売り上げを下げるようなサービスを打ち出すとは思えないので、まあ当然ARPUは上がるのでしょう。

 もうデータと音声の2回線契約をやめろと言っているようなもの。PCからモデムとして使った場合でも上限2800円とのことなので、自分はデータのほうの解約はもう確定だな。

ウィルコム、上限2800円のパケット定額含む新料金プラン発表

2009年01月22日 [ITmedia] +D Mobile

ウィルコムが、上限2800円のパケット定額を含む新料金プランの「新ウィルコム定額プラン」「新トリプルプラン」を発表。2月5日から提供開始する。

 ウィルコムは2月5日から、オプションサービスに加入する必要なく、パケット定額を利用できる新料金プラン「新ウィルコム定額プラン」「新トリプルプラン」を提供すると発表した。いずれもパケット通信料の上限が2800円に設定され、パケットを使わなかった月はパケット料が0円になるなど料金を節約できるのが特徴だ。

 月額基本料金2900円の新ウィルコム定額プランは、

1. ウィルコムへの通話が24時間無料

2. 他社携帯電話やPCを含むEメールの送受信無料

3. 音声端末やスマートフォンからのサイト閲覧、PC接続によるデータ通信の上限が2800円

 という料金プラン。2回線目以降はファミリーパックが適用され、月額基本料金2200円で利用できる。

 月額基本料金1900円の新トリプルプランは、

1. 1時から21時の間、ウィルコムへの通話が無料

2. 他社携帯電話やPCを含むEメールの送受信無料

3. 音声端末やスマートフォンからのサイト閲覧、PC接続によるデータ通信の上限が2800円

 という料金プランで、3回線以上で契約できる。

 いずれも1年間の継続契約が必要となり、契約期間中に解約する場合は初年度4200円、2年目以降は2100円の解除手数料がかかる。

 新ウィルコム定額プラン、新トリプルプラン向けには、月額1050円の専用オプションサービス「新通話パック」が用意され、他社携帯電話や一般加入電話への通話が多いユーザーをサポートする。月額利用料1050円には2100円分の無料通話分が含まれ、発信先が他社携帯電話の場合は最大80分、一般加入電話の場合は最大100分の通話を利用できる。

ウィルコム、「Atom」搭載のVistaマシンを開発――次世代PHSにも対応

2008年03月03日 +D PC USER

ウィルコムは、インテルの省電力CPU「Atom」を採用したシャープ製Vista搭載端末の開発を発表した。次世代PHSにも対応した“革新的な製品”であり、4月下旬に正式発表、6月の提供を目指す。

 ウィルコムは3月3日、インテル製のモバイルインターネットデバイス(MID)やネット対応低価格デバイス向け省電力プロセッサ「Atom」(コードネーム:Silverthorne、Diamondville)を搭載し、OSにWindows Vistaを採用するシャープ製のモバイルコミュニケーションマシンの開発を発表した。6月の提供を予定している。

 この端末は、移動体通信と有線通信を融合するFMC(Fixed Mobile Convergence)との高い親和性を持ち、同社の次世代PHSサービスによるワイヤレスブロードバンド利用も視野に入れた「革新的な製品」(ウィルコム)だという。また、全国99.3%をカバーする現行PHSのエリアにおいても定額料金で通信が行え、モバイルコミュニケーションの利便性が大きく向上する。プラットフォームには、「Centrino Atom」(コードネーム:Menlow)と呼ばれる、Atomとグラフィックス統合型の省電力チップセット、ワイヤレスチップを含む超小型PC向けプラットフォームを採用すると思われる。

 ウィルコムのシャープ製モバイルコミュニケーションマシンの特徴は以下の通り。

インテルが次世代モバイル機器向けに開発を進めている最新CPU「Atom」を搭載し、高い処理性能と低消費電力の両立を実現

マイクロソフトの最新OS「Windows Vista」を採用し、幅広いアプリケーションとの連携やネットワークサービスの利用が可能

シャープの高精細ワイド液晶を搭載し、モバイル端末でありながらWindows Vistaがフルに楽しめる

 ウィルコムは、4月下旬に記者発表会を開催する予定。音声通話機能の有無や発売時期、仕様・外観、そして同社スマートフォン「W-ZERO3」シリーズとの関係などがこの発表会で明らかになる。

2月の携帯・PHS契約数、ウィルコムが再び純減に

2008/03/07 ケータイWATCH(津田 啓夢)

 電気通信事業者協会(TCA)は、2008年2月末時点の携帯電話・PHSの契約数を公表した。

 2月の携帯電話契約の純増数は、3カ月連続で20万件を超えたソフトバンクモバイルが22万8,100件で1位となった。2位のKDDIは20万1,200件で、内訳はauが24万9,800件の純増、3月末でサービス終了を迎えるツーカーが4万8,700件の純減を記録した。NTTドコモは4万3,700件、イー・モバイルは4万2,800件の純増となった。

 第3世代携帯電話は、NTTドコモが49万7,100件、ソフトバンクが44万9,000件、auが26万3,000件、3Gのみのイーモバイルは前述の純増数と同じ4万2,800件となった。

 携帯電話のインターネット接続サービスでは、EZwebが14万9,800件、Yahoo!ケータイ13万9,000件、NTTドコモが2万7,100件のそれぞれ純増を記録した。

 なお、プリペイド(料金先払い)式のサービスでは、ドコモやソフトバンクは純減となる中、auが顕著な数値を示しており、8万2,100件の純増を記録した。2月のauの純増数のうち1/3がプリペイド携帯だったことになる。過去のプリペイドの実績では、2007年11月に1,100件の純増、12月に2万3,600件の純増、2008年1月に4万1,800件の純増と増加傾向にある。auは2月にプリペイド携帯の0円キャンペーンを展開していた。

 PHSでは、ウィルコムは2万9,200件の純減。割賦販売の浸透やテレビCMなどにより、12月と1月は純増となったウィルコムだが、再び昨年11月と同じ全国で純減となってしまった。

 このほか、MNPを利用した契約数を各社が明らかにしている。1位はソフトバンクで3万5,500件のプラス。KDDIは3万800件のプラスで、内訳はauが3万2,400件のプラス、転出のみのツーカーが1,700件のマイナス。ドコモは6万6,400件のマイナスとなった。

ウィルコム PHS再び脚光 

2008/01/19 FujiSankei Business i.

 ■企業…“内線代わり”に活躍/個人…24時間定額制を導入

 1990年代後半に「ピッチ」の愛称で若者の間でブームとなったPHS(簡易型携帯電話)。NTTドコモの撤退で全国展開するのはウィルコム(東京)だけになった。携帯電話各社が顧客争奪を虎視眈々(たんたん)と狙う中、ウィルコムは医療機関への売り込みや、企業に「内線電話」としての活用をアピールするほか、定額制サービスを武器に個人顧客へ浸透を図ることで活路を見いだそうとしている。

 ≪医療機関で重宝≫

 ウィルコムの喜久川政樹社長は「黒字を維持する体質になったし、ニーズは確実にある」と強気だ。背景には病院など医療機関でPHSが支持されていることがある。

 携帯に比べて端末周辺で発生する電磁波が弱いとされ、東京都中央区の聖路加国際病院はすべての医師らにPHSを支給。「患者に(医療機器の誤作動の)不安を与えずに、緊急時に連絡を取るための手段」として活用されている。在勤中の看護師もPHS端末を持ち、患者からの緊急呼び出しが瞬時に転送される仕組みを導入している。

 また、被災地に派遣する医療チームも通信手段の一つとして持参。派遣先での文書を、パソコン並みの機能を備えた端末「スマートフォン」で作成する計画もある。

 ≪サービス充実へ≫

 PHSが携帯に押された主な理由は、つながりにくいイメージが定着したためだ。しかし、ウィルコムは全国に16万局の基地局を設置してネットワークを強化。携帯に比べ電波の使用効率が良いPHSの技術的利点を生かし、24時間、いくら通話しても定額料金のサービスも実現した。

 さらに昨年秋には法人向けにPHS同士だけでなく会社の固定電話とPHSの通話も定額でできるサービスを開始。通話料を気にせずに内線電話の感覚で会社の外にいる社員とも話すことができ、顧客の反応も上々という。

PHS端末の電池を自主回収 ウィルコム

2007/06/13 The Sankei Shimbun WEB-site

 ウイルコムは13日、日本無線製のPHS端末「AH−J3003S」と「WX220J」の一部で、電池パックが強い衝撃を受けると発熱し、電池ケースが膨張するトラブルがあったと発表し、自主回収を始めた。

 対象となる電池パックは、AH−J3003S用の昨年秋以降の製造分と、WX220J用の全品で、合計約13万4000個。このうちの一部製品で製造工程に問題が生じ、衝撃によって絶縁不良を起こす恐れがある。

 ウィルコムによると、これまで発熱は5件報告されたが、ケガなど人的被害はなかった。安全装置が組み込まれているため、発火や破裂に至る可能性はないとしている。

 問い合わせは同社の特設電話窓口(フリーダイアル0120・686・156)へ。午前9時〜午後7時。土日祝日も開いている。

スマートフォン市場拡大へ ウィルコムが新機種投入

2007年06月07日 中国新聞ニュース

 PHSのウィルコムは7日、電話にキーボードなどパソコンに近い装備を付けた「スマートフォン」と呼ばれる多機能端末の新機種を、7月中旬に発売すると発表した。この分野はニッチ(すき間)商品との見方が根強かったが、最近ではビジネスマンらに浸透しつつある。携帯電話大手も新機種投入を計画しており、今後、市場が拡大しそうだ。

 新製品はシャープ製「Advanced(アドバンスト)/W−ZERO3[es]」。マイクロソフトの基本ソフト「ウィンドウズ・モバイル」の最新版を搭載し、多様なオフィス文書を編集できる。人気に火を付けた従来機種に比べて小型化し、データ処理能力も向上させた。新規加入時は2万9800円で、機種変更時は、ソフトバンクモバイルのような2年間の分割払いを取り入れる。

◎ウィルコムがじわり拡大中 PHS 他社撤退が追い風 26カ月連続で純減なし

2007年05月17日 北国新聞

 PHS(簡易型携帯電話)事業を展開するウィルコムが北陸三県での契約数をじわりと拡大している。携帯電話と比べ市場規模は小さいものの、来年一月七日のNTTドコモ北陸のPHSサービス終了などが“追い風”になっている。

 電気通信事業者協会がまとめた北陸三県でのウィルコムの契約動向は、二〇〇五(平成十七)年三月以降、二十六カ月連続で解約が新規契約を上回る「純減」がなく、増減なしだった〇六年七、十一月をのぞく全月で純増となった。

 ドコモ北陸が〇五年五月でPHSの新規契約受け付けを停止し、今年三月末でポケットベルサービスを終えたことから、唯一のPHS事業者となるウィルコムが携帯電話以外の通信手段を求める消費者の需要の受け皿となっているようだ。

 ただ、ドコモ北陸は第三世代携帯電話「FOMA」に変更するPHS利用者の端末購入代金を無料とするなど、PHSから携帯電話への移行を積極的に促している。

 PHS市場全体が縮小する可能性があるだけに、ウィルコムとすれば高速データ通信や高音質といったPHSの強みをいかに利用者に伝え、契約増につなげるかが課題となりそうだ。

消える!?PHS ウィルコム孤軍奮闘、サービスで個性前面に

2007/05/02 FujiSankei Business i.

 NTTドコモが、PHS(簡易型携帯電話システム)サービスを終了する。携帯電話事業に経営資源を集中させるためだ。大手の撤退で、PHSで音声通話とデータ通信を提供する国内事業者はウィルコムのみとなる。ウィルコムは、24時間、通話が無料の定額制など携帯各社にはない新サービスを矢継ぎ早に打ち出し、携帯各社との対立姿勢を鮮明にし、日本生まれのPHSの存続を目指す。

 ≪相次ぎ撤退表明≫

 ドコモは2008年1月7日にPHSサービスの提供を終了する。PHSサービス利用者に対して自社の携帯端末への移行を促し、契約者を囲い込む考え。

 一方、単独でPHSを展開するウィルコムは、旧DDIポケットを前身とし、05年2月に現社名に変更。加入者数は1998年度には約370万件に達したものの、次第に携帯電話に市場を奪われ漸減した。

 05年以降、ネットワークの整備を急速に進め、PHSの弱点だった「つながりにくさ」を少しずつ解消。現在では基地局数が16万局となり、全国の人口カバー率は99・3%にまで広がった。つながりにくさの解消に加え、一般向けで定額制、法人向けではデータ通信を主力した機種投入した結果、07年3月末の累計契約数は前年同月比16・3%増の453万件と過去最高を更新した。法人向け移動体通信ではシェアで50%を握るまでになっている。

 ≪家庭市場を開拓≫

 市場では、ドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルなどの携帯陣営に、ウィルコムは単独で挑む形になるが、ウィルコムは今後、家庭ではIP(インターネットプロトコル)電話、外出先ではPHSとして利用できるサービスで家庭市場も開拓する考え。また、消費電力が小さく機種の小型化を図れるPHSの利点を活用し、プラモデルのように利用者が組み立てる「プラモフォン」など「魅力的な端末の投入を急ぐ」(喜久川政樹社長)方針だ。(今井裕次)

                ◇

【用語解説】PHS

 正式名称はPersonal Handy−phone System。日本で生まれた技術で、基地局の送信出力が携帯電話の最大25ワットに対し、最大500ミリワットと消費電力が小さいのが特徴。基地局の設置コストも携帯の1億円に対し、200万円と安く、端末や通話・データ通信料を安価に抑えられる。2007年3月末の国内契約数は前年同月比1・3%増の498万200件。

ドコモ、08年1月にPHSサービスから撤退、シティフォンも08年6月に終了

2007年04月27日 asahi.com

 NTTドコモは4月27日、PHSサービスを08年1月7日で終了すると発表した。ドコモでは第3世代(3G)携帯電話「FOMA」をサービスの主軸に置いており、PHSから撤退。今後は経営資源を3Gに集中する。

 ドコモのPHSサービス契約数は07年3月末時点で45万。利用者に対してはFOMAへの契約変更を案内するダイレクトメールを送付する。ドコモショップでも案内するほか、相談にも対応する。また、サービス終了後もPHSを利用したいユーザーにはウィルコムへの乗り換え案内も行う。

 PHSの定額データ通信サービス「@FreeD」の利用者に対しては、代替として、FOMAで通信速度が64Kbps(キロビット/秒)の定額データ通信サービスを07年10月から提供する。月額料金は4200円。別途、「mopera U」などのプロバイダ契約が必要となる。

 同時に、1.5GHz帯を使った携帯電話「シティフォン(関西では「シティオ」)」のサービスを08年6月30日に終了することも発表した。ドコモではシティフォンの利用者にもPHSユーザー同様、ダイレクトメールでFOMAへの変更を案内するほか、ドコモショップで告知していく。シティフォンはNTTドコモ、NTTドコモ関西、NTTドコモ東海がサービスを提供している。シティフォンの契約数は07年4月25日時点で2万8500。

 また、同日発表した07年3月期の連結決算は営業収益が前期比0.5%増の4兆7881億円、営業利益が同7.1%減の7735億円、純利益は同25.1%減の4573億円だった。FOMAの端末販売数が伸びたことで、端末単価が上昇し、販売手数料も増加したため利益を圧迫した。

 08年3月期の見通しは営業収益が前期比1.3%減の4兆7280億円、営業利益が同0.8%増の7800億円、純利益は同4.1%増の4760億円を見込む。

M2M分野も開拓、PHSで加速する水平連携型ビジネスモデル

2007年04月26日 NIKKEI BP Net

 無線ブロードバンドを前提としたユビキタス時代の到来に向けて、PHSが独自の進化を見せ始めている。先日開催された「WILLCOM Forum & Expo」で、まず目を引いたのが「WILLCOM SIM STYLE(ウィルコム シムスタイル)」の提案だ。ウィルコムは、2005年にPHSの通信機能をモジュール化して「W-SIM」というICカードを製品化。通信機能を担うコア・モジュール(SIM)と端末ハード(ジャケット)を分離させ、PHSの通信機能そのものを外部に提供している。イベントでも、W-SIMを用いたPHS端末のユニークなコンセプト・モデルが来場客の話題を集めるなど、同社ではPHSの通信インフラ網をベースに、水平連携型のビジネスモデル、オープンプラットフォーム戦略に向けて大きく舵を切りはじめている。

 中でも、ウィルコムが注力するのが、「M2M(Machine to Machine)」分野の開拓だ。あまり知られていないが、PHSはエレベータの遠隔監視などの通信インフラとして、既に全国の約3割、50万棟余のビルで採用されている。そのほかにも、LPガス、水道、電気の検針データをPHSのパケット通信で送信する「テレメタリング」と呼ばれる検針業務の遠隔監理にも幅広く採用されている。PHSがM2Mのインフラとして浸透している理由について、同社・ユビキタス事業推進部の荒木健吉部長は、「12年間にわたり地道にマイクロセル方式の通信網を整備してきた結果、人口あたりのカバー率が99.3%に達した。このネットワークインフラを活用すれば、事業者は通信インフラへの新たな投資もなく、通信料や端末についてもリーズナブルなコストでM2Mを実現できる」と説明する。

 ウィルコムでは、こうしたM2M分野の市場開拓をさらに推し進めるために、アッカ・ネットワークス、マイクロソフトとともにM2Mコンソーシアムを昨年9月に立ち上げた。このコンソーシアムは、M2Mの分野で通信とITを融合させた新しい事業モデルを開発することが最大のミッション。アッカ・ネットワークス、ソリューション事業開発部、ビジネスディベロップメントマネジャー佐治秀哉氏は「このコンソーシアムでは、通信系の従来型のコンソーシアムとは異なり、技術の標準化や規格づくりの議論をするのではない。事業者連携によって実現可能な事業モデルについて検討し、良いプランができたらすぐさま事業化を進める。」としており、今後もPHSインフラを活用した新たなM2M事業サービスの普及が加速することが予想される。

競争環境の変化で、失われる“ウィルコムだけ”

2007年03月10日 IT Media

フルブラウザ向けデータ定額、PCデータ通信定額――これまで“携帯にはできないサービス”をウリに独自路線を進んできたウィルコムだが、ここに来て携帯キャリア各社の競争に巻き込まれつつある。2007年はウィルコムにとって、大きな転換点となりそうだ。

 3月8日、ウィルコムは月額1900円で1時から21時までの070番号への通話と、すべてのEメール送受信が無料となる新料金プラン、「ウィルコムビジネスタイム定額トリプルプラン」(仮称)を発表した(3月8日の記事参照)。サービス開始は6月1日を予定しているという。

 サービスの詳細はニュース記事に譲るが、今回の新料金プラン投入の狙いが、ソフトバンクモバイルのホワイトプラン及びWホワイト対抗であるのは間違いない。ソフトバンクモバイルは今年に入ってから法人契約市場に力を入れており、中小口の法人契約ではホワイトプラン+Wホワイトの訴求、ある程度まとまった法人契約になると、かなり大胆な割引価格を提示していると聞く。

 これまで法人市場における「音声定額・低コスト」の訴求はウィルコムの独壇場であり、「中小企業を中心に、とにかく低コストを求める法人向けは、ドコモやauが(ウィルコムに)対抗できない状況」(大手キャリア法人営業幹部)だった。しかし、そこにソフトバンクモバイルが進出し、法人向けに「音声定額・低コスト」を訴求したことでウィルコムの競争環境が一変した。法人の低コスト需要に応えられるのが、“ウィルコムだけ”ではなくなったのだ。

 ウィルコムは今年1月、「ウィルコム定額プラン法人割引」を投入したが、それから2ヶ月も経たずに「ウィルコムビジネスタイム定額トリプルプラン」(仮称)を発表したことは、法人市場におけるソフトバンクモバイルの影響が予想以上に大きかったからだろう。昨年、ウィルコムの純増数の約4割が法人需要であったことを鑑みても、ソフトバンクモバイルとの競争に勝てるかは、同社の今後の成長にとって大きな意味を持つ。

データ通信、スマートフォン分野でも独自性が薄れる

 ウィルコムの独自性が薄れたのは、法人向けの「音声定額・低コスト」の分野だけではない。同社がこれまで力を入れてきた「フルブラウザ向けのパケット料金定額サービス」や「PC向け定額データ通信」、「スマートフォン」についても、携帯電話キャリアのキャッチアップが進み、“ウィルコムだけ”の環境が崩れ始めている。

 例えば、フルブラウザのパケット定額はドコモ、au、ソフトバンクモバイルの大手3キャリアすべてが対応済み。スマートフォンはドコモとソフトバンクモバイルが海外メーカー製端末を導入するほか、新規参入キャリアのイー・モバイルがウィルコムと同じシャープ製スマートフォン「EM・ONE」を投入する。定額プランの価格やサービス内容、さらにイー・モバイルはサービスエリアの違いなどがあるとはいえ、これらの分野がウィルコムの独壇場でなくなってきているのは事実だろう。

 ウィルコムの“最後の砦”ともいえる「PC向け定額データ通信」でも変化が起きそうだ。この分野では、まず今年3月31日からイー・モバイルがHSDPAを用いたPC向け定額データ通信サービスを投入する(2月19日の記事参照)。当初のサービスエリアは東京など都市部中心でウィルコムよりも不利であるが、一方で、最大3.6Mbpsで月額5980円とコストパフォーマンスはウィルコムよりも高い。サービスエリアが広がれば、都市部を中心にウィルコムと競合することになるだろう。

 また、他の大手キャリアの動きも気になる。特にNTTドコモは、FOMA基地局のマイクロセル化とHSDPA対応を急ピッチで進めており、早ければ来年度中にもPC向け定額データ通信サービスを投入できる体制を整えそうだ。むろん、新サービスの投入はインフラの要因だけで決まるものではないが、ドコモがPC向け定額データ通信サービスを投入するシナリオは現実味を帯び始めている。

 今のところPC向け定額データ通信はウィルコムの独壇場であるが、この分野でも“ウィルコムだけ”の構図が崩れるのは時間の問題だろう。

 このようにウィルコムを取り巻く環境は急速に変化し始めており、“ウィルコムだけ”という独自性を生かし、携帯電話との直接競合を避けて「堅実な成長」を続けるのは難しくなってきている。ウィルコムが望むと望まざるとに関わらず、今後は既存の携帯電話キャリアや新規参入キャリアとの競合・競争を前提にしていく必要がある。

 まずは今まで以上にフットワークのよいサービス開発や、W-SIMを使ったビジネスの一層の活用と裾野の拡大が急務だ。さらに、HSDPAや基地局のマイクロセル化といった“武器”を持ち始めた携帯電話キャリアに対抗するためには、ウィルコムのインフラも高速・大容量化を急ピッチで進めなければならないだろう。

 10年以上の間、PHSというインフラを守り育ててきたウィルコム。競争環境が変わり、携帯電話キャリアと直接競合が増える2007年は、同社が次の10年に進めるかどうかのターニングポイントになりそうだ。今後のウィルコムの動向を、期待をもって見守りたいと思う。

月1900円でPHS通話無料 ウィルコム、6月から新料金プラン

2007/03/09 FujiSankei Business i.

 PHS(簡易型携帯電話システム)のウィルコムは8日、月額基本料1900円でPHS同士の通話料が夜間の時間帯を除き無料となる新料金プラン「ウィルコムビジネスタイム定額トリプルプラン(仮称)」を6月1日から始めると発表した。

 通話が使い放題になる定額制の割安料金プランは、携帯電話のソフトバンクモバイルも導入している。携帯最大手のNTTドコモや2位のKDDI(au)は静観の構えを崩していないが、利用者の動向によっては値下げ競争に発展する可能性もありそうだ。

 新料金は、「070」の番号で始まる他社も含んだすべてのPHSへの通話とメールが対象。メールはすべての時間帯で無料となり、通話は午後9時から翌午前1時までを除き無料となる。

 3回線以上契約している個人や法人ユーザーが契約対象。有料時間帯のPHSへの通話のほか、固定電話、携帯電話への通話は、30秒あたり10円となる。メール以外のデータ通信にかかるパケット料金は、1回当たり0・021円。

 ソフトバンクは1月16日から、月額980円で一部時間帯を除き自社同士の通話が無料となる「ホワイトプラン」を開始。3月1日にはさらに980円を追加すると、有料通話の料金が半額になる「Wホワイト」もスタートさせている。

ウィルコム、月額1900円で1〜21時は070番号へかけ放題の新料金プラン発表

2007/03/08 CNET Japan 浅賀美東江

 ウィルコムおよびウィルコム沖縄は3月8日、新しい料金プラン「ウィルコムビジネスタイム定額トリプルプラン」の提供と、オプションサービスの拡充を、6月1日から開始すると発表した。

 今回、法人や、ビジネスの時間帯を中心に利用するユーザー向けに、新しい音声定額プランとして「ウィルコムビジネスタイム定額トリプルプラン」を導入。同時にオプションサービスも拡充する。

 ウィルコムビジネスタイム定額トリプルプランは、月額料金1900円で、1時から21時までの時間帯、すべての070番号への通話が無料。070番号以外の携帯電話、固定電話への通話料は、一律30秒あたり10円となる。メールは、携帯電話、PC送受信を含め、すべて無料。

 また、ウィルコムビジネスタイム定額トリプルプランと、オプションサービスの「070以外もお得な通話パック」を組み合わせて利用すると、日中利用の多い法人ユーザーや、家族間での利用が多いユーザーなどが、よりリーズナブルにウィルコムの音声定額サービスを利用できるとしている。

 サービス開始日は6月1日を予定し、契約には、ウィルコム定額プラン、ウィルコムビジネスタイム定額トリプルプランの専用オプションサービス、070以外もお得な通話パックに、複数回線で契約していることが条件となる。

 同社は、2005年5月から「ウィルコム定額プラン」を開始。24時間すべての時間帯で、070電話番号への音声通話とメールの送受信が無料という、定額料金プランを提供してきた。

PHSのウィルコム,新たに9市町村をサービスエリアに追加

2007/02/21 IT Pro

 PHS事業者のウィルコム(本社:東京都港区,社長:喜久川政樹氏)は2007年2月21日,北海道を中心にサービスエリアを拡大したと発表した。今回新たにサービスエリアとしたのは,北海道の6町村と茨城県の二つの村,京都府にある一つの町の合計9町村である。

 ウィルコムの人口カバー率は,既に99%に達している。今後も残る市町村をサービスエリアとして追加するほか,レジャー施設や高速道路のサービスエリアやパーキングエリア,高層ビルの上層階などでもPHSを利用できるようにするという。 (吉野 次郎=日経ニューメディア)

「WX320K」「WX321J」発売──新規はどちらも1万円台半ば

2007年02月16日 IT Media +D Mobile

高速通信規格のW-OAMに対応した京セラ製の「WX320K」と日本無線製の「WX321J」が、都内で店頭に並んだ。

 高速通信規格のW-OAMに対応した京セラ製の「WX320K」と日本無線製の「WX321J」が、都内で店頭に並んだ。都内量販店での新規契約価格はどちらも1万5800円(税込み、以下同/ITmedia調べ)。

 機種変更の場合は、WX320Kが継続契約10カ月超で1万9800円、6カ月超から10カ月で2万9800円、6カ月未満で3万4800円、WX321Jが継続契約10カ月超で1万9800円、6カ月超から10カ月で2万9800円、6カ月未満で3万9800円となっている。

 WX320Kは、リアパネルにアルミ素材を採用したメタリックデザインが特徴のPHS。PC向けサイトを閲覧できるOperaブラウザやPOP3/SMTP対応メーラーを搭載し、RSSリーダー、MIDP2.0準拠のJava 、高度化通信規格の「W-OAM」に対応する。外部メモリスロットは搭載していない。

 WX321Jは、十字キー代わりに使える指紋センサーを搭載したビジネスユーザー向けのストレートモデル。指紋センサーには、新たに指表面のキズや皮脂の不一致による認識率の低下を防ぐ「真皮層検出方式センサー」を採用し、機能ごとにアクセスを制限できる「ロック設定機能」、遠隔操作でロック/データ消去できる「リモートロック」など、これまで以上に強固なセキュリティ機能を備えている。

京セラ「WX320K」開発陣インタビュー

2007年02月16日 IT media+D Mobile

“京ぽん4代目”これまでとの違いは?――「WX320K」の進化ポイントを探る (1/2)

久しぶりの“京ぽん”新モデル「WX320K」。アルミパネルによる高い質感のデザインに加え、独自のオンラインサービスに対応する。新しい京ぽんは、どんな進化を遂げたのか。京セラの担当者に話を聞いた。

 ウィルコムの京セラ製端末「WX320K」は、約1年半ぶりに登場した「京ぽん」の新モデルだ。京ぽんシリーズはこれまで、WebブラウザとしてOperaを搭載した初代「AH-K3001V」(京ぽん)、Bluetoothや1.3メガカメラを搭載したハイエンド機の「WX310K」(京ぽん2)、シンプルなエントリー向けのモデル「WX300K」(シンプル京ぽん)と、ユーザーニーズに合わせてラインアップを増やしてきた。

 今回発売されたWX320Kは、どんな性格の“京ぽん”なのか。WX320K企画開発を担当した、京セラ 通信システム機器統括事業部の西村二郎氏に話を聞いた。

誰もがヘビーユーザー。ウィルコムユーザーにマッチする端末開発とは?

 WX320Kは高度化PHS規格の「W-OAM」と、4xパケット通信に対応する折りたたみ型の音声端末だ。通信速度は最大で204kbps。従来の京ぽんよりも高速なパケット通信が行える。また、電波状態に応じて変調方式を切り替えるため、“基地局から遠い”あるいは“ビルや地下街などの奥まった場所”など電波状態の悪いエリアでも、音声通話が途切れにくく、安定した通信ができる。

 そのほかのハードウェア面では、メインディスプレイにQVGA表示対応の2.2インチ液晶を搭載し、有効130万画素のCMOSカメラを採用した。もちろん内蔵するWebブラウザはOpera。USB端子を用意し、PCとのデータ転送やUSB充電にも対応。と、こうして見てみると京ぽん2とあまり変わらない印象だ。

 しかし、Bluetooth機能や外部メモリスロットを搭載しておらず、音楽・動画再生にも対応しないなど、いわゆるハイエンドモデルとは違った構成になっている。その一方で、RSSリーダーやJava(MIDP2.0)の実行環境といった、これまで対応が待たれていた新機能を盛り込んだ。

 こうしたポジションのWX320Kについて西村氏は、「ハイエンドでも、エントリーでもない。新しい京ぽんとして企画した」と話す。音声通話とデータ通信、双方の定額プランを用意するウィルコムなら、比較的廉価なプランで通話もデータ通信もふんだんに使える。携帯電話と違い、より多くのユーザーがヘビーユーザーになる可能性が高いという。

 「ウィルコムユーザーは音声もネットもたくさん使う傾向があり、これはWX310KとWX300Kのユーザーでも同様です。新しい端末を企画する際、これまでのハイエンドやエントリーといった枠組みではなく、ニーズに即した機能を見極め、搭載する必要がありました」(西村氏)

 エントリーモデルのようなシンプルさでありながら、機能によってはハイエンドモデル並みのスペックをも持つWX320K。「強いて言えばWX320Kは、ネットに強いミッドレンジクラスの端末になる」(西村氏)という。

ネットに強い京ぽんとは?

 WX320Kが持つテーマとは、“ネット”だという。

 携帯に先駆けてフルブラウザを搭載しSMTP/POPメールに対応するなど、ネット利用に向いていた京ぽんシリーズだが、WX320Kではその長所をさらに伸ばしている。W-OAMによる高速化で、PC向けサイトもこれまで以上に快適に閲覧でき、圏外になりにくくなった。

 Java環境については、WX310K(京ぽん2)と同時に発表された「WX310SA」(洋ぽん2)が対応していたが、京セラ製PHSとしてはWX320Kが初めて対応した。「WX310Kユーザーはもちろん、WX300Kユーザーからも『ちょっとした待ち時間などに、ミニゲームで遊びたい』という要望が多く寄せられました。サードパーティによるJavaコンテンツも豊富にそろってきており、トレンドスペックとして欠かせないものでした」(西村氏)と、ユーザーから熱い要望があったことを明かした。

 ハイライトは、Operaのオンラインサービス拡充だ。WebブラウザはWX310Kと同じバージョンだが、RSSリーダーやフォトアルバムなどの機能が「Operaサーバーサービス」として新たに追加された。これらはオペラソフトウェアから提供されるオンラインサービスで、対応する端末は現在のところWX320Kのみ。もちろん利用は無料だ。

W-ZERO3[es]をより楽しく快適に--W-ZERO3[es]用ワンセグ受信ユニット

2007.02.13 ZD NET Japan 大和 哲

ウィルコムから、同社のPHS「W-ZERO3[es]」用に外付けワンセグ受信ユニットが登場した。ワンセグが見られる携帯電話・PHSは、何機種か販売されているが、外付けでワンセグが見られるオプションパーツは世界初だ。

W-ZERO3[es]と同時発表されたワンセグ受信ユニットが発売開始

 W-ZERO3[es]本体と同時に、スケジュール未定ながらも、「発売の予定」とアナウンスされていたのが、このワンセグ受信ユニットだ。発売日の12月5日は、やっとか、という思いで、購入したユーザーも多いことだろう。

 遅ればせながら、機材を借用し使用してみた。

 結果から先にいうと、ワンセグ受信機としてW-ZERO3[es]を実用的に使うことができ、十分満足のいく周辺機器として仕上がっているようだ。

 このワンセグ受信ユニットは、販売はウィルコムからであり「純正周辺機器」だが、開発は、ピクセラによるものだ。ピクセラは、ご存知のように、ノートPC用のカード型ワンセグチューナーカードやワンセグ向けLSIの開発なども行っているメーカーで、この製品にも同社LSI,たとえば暗号化LSI(PIX-LD010)、USBコントローラ(PIX-MC20)などが搭載されている。

セットアップは、パソコン並みに必要

 ところで、W-ZERO3[es]以外で、ワンセグが見られるデバイスとしては、ワンセグ対応携帯電話や電子手帳、それにPC用のワンセグチューナなどが考えられる。W-ZERO3[es]とそれらを比較してみると、セットアップに必要な手間はPC用のワンセグチューナに近い。

 ケータイ電話ならば、チャンネルあわせさえすればワンセグ放送を見られるのが普通だが、W-ZERO3[es]の場合、PC用のチューナと同様に、ワンセグ受信ソフト「Station Mobile」のインストールというひと作業が、必要となる。

 なお、Station Mobileは受信ユニットに添付されているCD-ROMにも収録されているが、こちらではなく、ピクセラから提供されている。W-ZERO3[es]本体の縦横切り替えボタンを押すタイミングによって画面構成が崩れる場合があった問題など、使い勝手の大きな問題が修正されているので、確実にこちらを適用するようにすべきだ。

 このソフトのインストールが完了したら、ワンセグ受信ユニットを本体に接続し、ソフトを起動するとワンセグ放送が見られるようになる。

PHS販売ランキング(1月29日〜2月4日):尻を振って虎視眈々「nico.neco」

2007年02月09日 +D Mobile

新機種「nico.neco」、「WX320K」、「WX321J」の発売が迫ったウィルコム端末。新機種の一挙投入が、ランキングにどのような影響を及ぼすのか楽しみになってきた。

 この記事では、マーケティング会社GfK Japan調べによる全国の量販店(家電量販店、カメラ販売店、PC専門店)のPOSデータを集計し、モデル別のランキングで紹介しています。

 今回のウィルコム販売ランキングは前回と変わらず、王者“シンプル京ぽん”「WX300K」以下、「nico.」「WX310SA」「9(nine)」「WX310K」がランクインした。

 今週、22日に発表された新端末のうち、3機種の発売日が決まった。2月9日から「nico.neco」、15日から「WX320K」「WX321J」が発売される。nico.necoに関する本ランキング集計対象の型番は“WS005IN”と思われ、通常版nico.の台数と合算されるものと予想される。順位の入れ替えがあるか、次回以降のランキングに注目したい。

 ウィルコムの直販サイト「ウィルコムストア」で公開されている売れ筋ランキング(2007年 2月9日現在)は以下の通り。なお同サイトではnico.necoをはじめ、WX320K、WX321Jの予約販売もすでに開始されている。

1位:9(nine) (前回:1位) 2位:W-ZERO3[es] (前回:2位) 3位:nico. (前回:3位) 4位:WX300K (前回:4位) 5位:W-ZERO3(WS004SH) (前回:5位)

ウィルコム、「WX320K」、「WX321J」の発売日を発表

2007/02/08 MYCPOM ジャーナル

 ウィルコムは8日、同社が1月22日に発表した、音声端末の新機種「WX320K」、「WX321J」を2月15日より発売開始することを発表した。同社の直販サイト「ウィルコムストア」では、2月9日より予約受付が開始される。

 価格はいずれもオープンで、ウィルコムストアでの新規契約の場合、価格は12,800円からとなる(契約の際に「ウィルコム定額プラン」「留守番電話サービス」と、「データ定額」または「070以外もお得な通話パック」に加入の場合)。

 2機種とも高度化PHS通信規格「W-OAM」に対応し、屋内や高層ビル間など、電波の届きにくいエリアにおいても、安定した通話や通信が可能となる。

児童見守りサービス「どこ・イルカ」、友人紹介キャンペーン

2007/01/31 ケータイWatch(関口 聖)

 ユビキたスは、ウィルコムのPHS網を使った児童見守りサービス「どこ・イルカ」で、「みんなで一緒にどこ・イルカ〜お友達紹介キャンペーン〜」を実施する。

 「どこ・イルカ」は、ウィルコムのPHS網を利用する児童見守りサービス。児童に専用PHS端末を持たせ、保護者が移動経路などを確認できる。今回のキャンペーンでは、新たに同サービスを契約した人、および紹介者に図書カード500円分をプレゼントする、また、紹介によって3名以上契約した場合は、さらに1,500円分の図書カードもプレゼントする。

 同社Webサイトで受け付け、第一次締切は3月31日契約分まで、第二次締切は5月31日契約分までとなっている。

MVNOで新市場を開拓する--ウィルコムの拡大戦略

2007/01/29 CNET Japan 三田隆治

 携帯電話やPHSの通信事業者から回線を借り、独自のモバイルサービスを提供する事業者「MVNO(Mobile Virtual Netwaork Operator)」の数は、日本ではまだ少ない。これは、回線を貸し出すことに携帯電話事業者が消極的なためだ。そんななか、PHSサービスを提供するウィルコムは、MVNOをむしろチャンスと捉えている。ウィルコムの勝算はどこにあるのか、1月25日に東京都内で開催された「MVNO+MVNEフォーラム2007」で代表取締役社長の喜久川政樹氏が語った。

 喜久川氏はまず、ウィルコムの現状について「1995年の設立後、2004年にKDDIグループより資本独立した。2005年の音声定額サービス実施後は大幅に契約者が純増し、2006年8月には黒字転換を達成した」(喜久川氏)。また、ウィルコムの特色として、契約者の4割が法人であることや、携帯電話に比べて「3分の2から半分の料金」(喜久川氏)という安価な通信コストを武器にテレメタリングなど、いわゆるMtoM(Machine-to-Machine)の分野でも活発に事業を展開していること、さらには、高度化PHS規格である「W-OAM」(WILLCOM Optimized Adaptive Modulation)によって高速大容量化を進めていることをアピールした。

 喜久川氏はまた、ウィルコムが他の携帯電話会社とは異なる事業戦略を取っていることを強調した。「従来の携帯電話事業者は、端末をすべて自社ブランド販売し、ISP事業も手がける垂直統合型だが、ウィルコムはAIR-EDGEによるモバイルデータ通信サービスに軸足を移したことで、PCと同じように水平展開型のオープンなモデルを展開してきた」(喜久川氏)。自社が得意とするのは無線通信の部分であり、パートナー企業が価値を付加し、カスタマイズした多種多様なサービスを手がけることで、新たな市場を開拓していると説明した。

 次いで喜久川氏は、ウィルコムが開発したPHS通信モジュール「W-SIM」が、MVNOも含めた他社とのパートナーシップに役立っていると説明。無線部分を本体から切り離して提供することで、端末開発に無線のノウハウが不要で、コスト、開発期間ともに短縮でできたことを、同社の「W-ZERO3」や同「es」などの事例を元に説明した。

 ほかにも、パナソニック コミュニケーションズが開発したW-SIM対応の会議用スピーカーホンでは、有線の電話回線が不要で、通話定額と併せて遠隔地や取引先とも会議ができるシステムをローコストで提供できるとアピール。また、J-WAVEやスカイパーフェクトコミュニケーションズでは、同じくオープンなプラットフォームであるWindows Mobileを活用し、W-ZERO3やesを用いて、ネットラジオや動画配信のアプリケーションをバンドルして販売していると説明した。さらにネット証券の分野でも、W-ZERO3を株取引専用にカスタマイズして販売する内藤証券の実例を示し、特に年配のユーザーに好評を博しているとした。

 データ通信の分野では、本田技研工業のカーテレマティックスサービス「インターナビ・プレミアムクラブ」で、ウィルコムのネットワークを用いてカーナビ専用定額サービスを提供している実例も紹介。状況に応じて目的地までの最適なルートを案内するダイナミックルートガイダンスサービス「インターナビVICS」なども、本田のブランドや販売チャネルを使って提供されていると説明した。

 さらに、バンダイとの協業では、キッズケータイ「papipo!(パピポ)」の実例が紹介された。「よりユーザーにリーチしやすいバンダイのブランドや販売チャネルを用い、さらにはバンダイが独自に開発したエンターテインメントコンテンツなども提供し、コンテンツの課金収納代行はウィルコムがしている」(喜久川氏)

 最後に喜久川氏は、改めてウィルコムにとってのMVNOの意義を説明した。マイクロセルによる小電力でも大容量というメリットがありながら、無線LANよりもエリア連続性があるサービスを提供していること、携帯電話に比べ低電磁波のPHS方式により病院や医療現場などでも場所を選ばないメリットなどを活用して、多くのパートナー企業と新たなマーケットを作っていけるとした。

 「我々にとってMVNOとは、パートナー企業に新たなマーケットを作ってもらい、Win-Winの関係を作って行くこと。引き続きオープンなプラットフォームでコミュニティマーケットを開拓していきたい」(喜久川氏)

ウィルコムが春商戦に向け攻勢 - 定額プラン拡充し、携帯各社に優位示す

2007/01/23 MYCOMジャーナル 大川淳

 ウィルコムは、2007年春商戦向けの新PHS端末を発表した。今回の新製品は、すべて高度化通信規格「W-OAM」に対応し、高速化を実現している。また、料金体系を一部改め、複数回線で契約する場合の「ファミリーパック」「ウィルコム定額プラン 法人割引」で3回線以上契約すると、月額料金を一律2,200円/回線とするほか、固定電話、携帯電話に発信する際の「070以外もお得な通話パック」で、当月に使い切れなかった無料通話分を6,300円分まで無期限に自動で繰り越しするサービスも開始する。

 定額プラン拡充 - 3回線以上の契約で2,200円/月・端末

 「ウィルコム定額プラン」は、ウィルコムや他社PHSなど「070から始まる電話番号」への通話と、携帯電話、パソコンとのEメール送受信が月額料金2,900円で使い放題になるサービス。これまでの料金体系では、複数契約する場合、家族、本人などで「ウィルコム定額プラン」に2台以上契約すると「ファミリーパック」が適用され、1回線目が月額基本使用料2,900円、2回線目以降が月額基本使用料2,200円となっていた。これが、2007年3月1日から、3回線以上契約すると、月額料金がすべての回線で一律月々2,200円の割引料金で利用できる。

 さらに、法人名義で「ウィルコム定額プラン」を10回線以上契約、請求書を一本化すると、同コースの月額料金を2,200円に割引する「法人割引き」においては、従来、9台以下の契約の場合、1台目の月額料金が2,900円、2台目以降の月額料金が2,200円とされていた。これを2007年3月1日からは、「3回線以上」の契約でやはり一律2,200円とする。

 無料通話分6,300円を自動繰り越しする「070以外もお得な通話パック」

 「070以外もお得な通話パック」は「ウィルコム定額プラン」専用のオプションサービスで、月額料1,050円で1,260円分の無料通話が含まれており、一般加入電話への通話なら最大60分、携帯電話への通話なら最大48分、米国への通話なら最大40分利用できる。このサービスを利用すると、「ウィルコム定額プラン」に含まれる「070から始まる電話番号への無料通話」に加え、携帯電話、一般加入電話への通話料金ががさらに安くなる。今回、このサービスで、当月に使い切れなかった無料通話分を無期限に6,300円分まで自動で繰り越しするサービスを提供する。

 「W-OAM typeG」+基地局間の光化で800kbpsでのデータ通信を実現

 同社は、各種通信サービスの高速化、充実化を進めるため、高度化通信規格「W-OAM」に対応した基地局の導入を、通信利用の多い地域から順次展開しているが、2007年春以降、「W-OAM」をさらに高速化させた「W-OAM typeG」の提供を開始する。この規格に準拠した基地局エリア内では、対応端末は8xパケット方式で最大512kbpsの通信速度でのデータ通信が可能になるという。また、電波状態に応じて自動的に変調方式を切り替えることで、通信の安定性向上図る。

 これまでの「W-OAM」では、搬送波の位相を変化させることで変調するPSK(Phase Shift Keying: 位相変調方式)を用い、1回の信号で8つの値を伝送する「8PSK(8-Phase Shift Keying)」、4値を伝送する「QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)」、2値を伝送する「BPSK(Binary Phase Shift Keying)」を使用している。

 これらに加え、位相変化と振幅変化を組み合わせた、直交振幅変調方式である「QAM(Quadrature Amplitude Modulation)」を採用、1回の信号で64値を伝送する「64QAM(64Quadrature Amplitude Modulation)」、32値を伝送する「32QAM(32Quadrature Amplitude Modulation)」、16値を伝送する「16QAM(16Quadrature Amplitude Modulation)」にも対応している。

 同社では基地局間の回線を現行のISDNから、2007年度以降に光ファイバーによるIP網へと順次変更していく意向で、光IP化が進展すれば、「W-OAM typeG」が利用可能な地域では対応端末は「8xパケット通信で約800kbps超のデータ通信が可能になる」としている。

 事前設定無しのロックに対応する「リモートロック代行サービス」

 また、同社では、端末を紛失した際に「ロック」をかけ、情報漏洩を最小限に防ぐセキュリティサービス「リモートロック」を2005年4月から提供しているが、「リモートロック」のロックなどを代行する「リモートロック代行サービス」を2007年3月上旬から開始する。端末へのリモートロックの事前設定をしていなくても利用可能で、遠隔操作により「電源のON/OFF」と「着信通話」以外の操作を受付けないようにする。サービスの利用料金は、ロック設定1回につき525円。ロック解除は無料。

 携帯各社がしのぎを削る中、PHS・ウィルコムは――

 同社は2005年以来、音声定額制の採用、よりパソコン化した端末「W-ZERO3」の投入など、世間をあっといわせるような破壊力をもった新兵器を引っ提げて集客力を拡大し、契約者を増やしてきた。2005年1月には300万に満たなかった契約者数は同年末に365万を超え、2006年末で435万9,500にまで上っている。

 ただし、11月までは月平均の純増数が5万を上回っていたが、「競争環境が変化した。携帯電話のナンバーポータビリティー制度(MNP)の影響で販売価格が下落し、そのあおりを受けた」(喜久川政樹社長)ことから、11月の純増数は2万5,000弱に減速している。12月には3万7,000にまでもどしたが、かつての勢いは回復していない。

 ウィルコムの強力な武器である音声定額制は、制限つきながらソフトバンクも着手しており、料金を巡る携帯電話陣営との競合は厳しさを増している。

 今回の施策は、どちらかといえば、料金体系の見直しが主眼であったように感じられる。喜久川社長は「携帯電話とPHSは同じ形状。一般消費者にとっては、見た目で両者の差異を感じるのは難しいだろう。携帯電話は多くの機能をもっているが、ウィルコムは必ず、使いやすい料金とセットで、機能を向上させてきた。この点は携帯電話と大きく異なる」と語る。

 また、同社サービスで、通話時間の55%が21〜26時に集中していることを示し、「ウィルコムの定額制プランは使ってもらうためのものであり、この時間帯に使って下さいというのではなく、この時間帯に使いたいとの要望に応えるもの」と指摘、時間制限のあるソフトバンクの音声定額制に対しての優位性を強調する。

 喜久川社長は「当社は、ホームラン、二塁打、三塁打というような商品を出すこともあるが、今回は単打を積み重ねるようなもの」と話す。定額制を改めて整え、MNPの動乱で浸食された陣地をまずは一歩一歩取り戻していく姿勢のようだ。

 ただ、「それではもう、ホームランや二、三塁打を狙わないのかといえば、そういうわけではなく、(そのような商品も)視野には入れている」とも付け加える。今後搭載を検討しているものとして、赤外線を利用した機能、おサイフ機能、さらにパソコン的な機能などを挙げた。

最大800kbpsへ高速化 - ウィルコム、W-OAM typeG対応カードを発表

2007/01/22 MYCOMジャーナル 小山安博

 ウィルコムは、PHSの高度化通信規格「W-OAM」をさらに高速化する「W-OAM typeG」の導入を開始することを発表し、第一弾となるカード型端末「AX530IN」(ネットインデックス製)を2007年春頃に発売する。価格はオープンプライス。「ウィルコムストア」での価格は、現時点では未定となっている。

 W-OAMは、電波の状態に応じて8PSK、QPSK、BPSKという3つの変調方式を自動的に切り替えて通信を高速化、安定化させる技術で、typeGでは、あらたに64QAM、32QAM、16QAMをサポート。通信速度は最大512kbpsを実現(64QAM+8x)する。ただし、これは基地局からのバックボーンがISDNであるためで、2007年度以降バックボーンの光化を進め、最大約800kbpsまで増速化する。

 さらに通信のRTT(往復遅延時間)を削減することで、通信速度が安定化し、「サクサク感を改善した」(喜久川政樹ウィルコム社長)という。また、通信が安定することで、LAN内で利用するようなビジネスアプリケーションもAX530INで快適に利用できるという。

 AX530INはPCカードType IIに準拠し、本体サイズは54×127×10mm、約62g。可動式アンテナと内蔵チップアンテナを搭載し、8x方式にも対応する。対応OSはWindows 2000 / XP、Mac OS 10.2以降だ。

ウィルコム、3台以上契約で月2200円に

2007/01/22 The Sankei Shimbun Web site
 

 PHSのウィルコムは22日、月額2900円ですべてのメールやPHS同士の通話代をまかなえる定額制料金を改定し、3台以上まとめて契約すると、月額料金を1台につき700円割り引いて2200円にすると発表した。家族と法人向け双方に適用する。

 また、月額1050円を支払うと、固定電話や携帯電話への1260円分の無料通話が含まれる付随サービスについても、使い切れなかった無料通話分は6300円を上限に翌月以降に自動で繰り越せるようにする。

 いずれも3月1日から実施する。価格競争が激化している携帯電話に対抗する狙いとみられる。

W−ZERO3でスカパー!開始 事業者収入で期待

2007/01/15 The Sankei Shimbun Web site

 PHS(簡易型携帯電話)最大手のウィルコムは15日、スマートフォン「W−ZERO3」で、スカイパーフェクトTV!の番組や録画番組を視聴することができる機器「Slingbox(スリングボックス)」の販売を始めた。携帯電話でのテレビ番組視聴はワンセグ放送受信が中心だが、インターネット経由でテレビ番組視聴を可能にした。ウィルコムは「新たなテレビ視聴を広げたい」としている。

 スカパー!チューナーとスリングボックスを接続すると、W−ZERO3を使って無線LANやPHS網経由で番組を試聴できる。ワンセグ放送は放送波を受信するため携帯事業者の収入源になっていないが、今回の方式は通信網を経由するために事業者の収入源になる。

 しかし、携帯端末でのネット放送利用は、大量のパケット通信が発生するため実現が困難とされてきた。ウィルコムは通信網の効率利用、定額制導入などにより課題を解消した。

 スカパー!加入のユーザーは2月15日まで、スリングボックスとW−ZERO3を、通常よりも2万円近く安い4万9800円で購入できる。

nico.に期待したい“隠されたシンプル市場”の開拓

2006年06月29日 IT media BizMobile

ポップでシンプル、というコンセプトで登場したウィルコムのW-SIM端末「nico.」。“通話とメールだけでいい”というニーズを汲み取り、今まで表に出てこなかった新しい市場を開拓できるか、注目したいところだ。

 ウィルコムのW-SIM対応機が続々と登場している。6月23日、ウィルコムとバンダイが「キッズケータイpapipo!」を7月14日に発売すると発表。6月27日にはネットインデックス製の「nico.」が、7月13日から発売されると発表した。また、すでに発売中のW-ZERO3も、メモリー容量を増大するマイナーモデルチェンジが施された。

 2005年7月に発表されたW-SIMは、PHSの通信部分をコアモジュール化して端末開発の低コスト化と容易化を図り、少ない投資とリスクで端末ラインナップの拡大と多様化を行うのが狙いだ。しかしこれまでW-ZERO3とデータ通信端末のDD以外は、限定販売されたTTがあったのみで、W-SIMのメリットが感じられる状況にはなっていなかった。今回、papipo!とnico.が投入されたことで、W-SIMファミリーにもようやく広がりが見え始めた。

“通話とメールだけ”は、特殊な少数派ではない

 今回投入されたW-SIM端末の中で、筆者が注目しているのはnico.である。音声通話とメール機能に特化し、シンプルかつセンスよくまとめた端末は、海外市場には多く見られるが、日本市場にはほとんどない。これは多くのユーザーが「とりあえず多機能な端末」を好む傾向にあることと、携帯電話キャリアが様々なサービスを売るためにシンプルな端末を好まないところに理由がある。マスマーケット向けの端末・サービス開発を前提にし、ARPU拡大を至上命題とするキャリアにとって、シンプル路線はあまり積極的になれない分野である。

 携帯電話の数ある機能の中で、「日常的に使うのは通話とメールだけ」というユーザーは決して特殊な少数派ではない。それは携帯電話の有料コンテンツ利用率が6割程度に止まっていることからも分かる。iモードやEZwebを契約していても、実際はメールくらいしか使っていないという人は、男女・年齢層を問わず少なくないはずだ。

 しかし問題もある。通話とメールしか使っていないという潜在的な利用者層は一定量存在するが、彼らが“積極的にシンプルな端末”を求めるかは別問題だということだ。日本ではインセンティブ制度の存在により、海外に比べて高性能・多機能端末が安く買えるため、「どうせ買うなら、とりあえず多機能なものを」という購買パターンになりやすい。

 シンプル路線の端末にも問題がある。現在、携帯電話キャリアが投入するシンプル路線の端末は、「ツーカーS」やau「簡単ケータイS」、「FOMAらくらくフォン」のように、リテラシーが極端に低いユーザーをターゲットにしたものばかりだ。「携帯電話が“使えない”人向けのシンプル」しかないのが現状である。

 潜在的に存在する「通話とメールしか使わない」層は、別にリテラシーが低いわけではない。合理的に、自分に必要なサービス以外を“使わない”だけだ。彼らに訴求するには、ニーズにあった使いこなしができて、なおかつセンスのいい「こだわりのあるシンプル」である。

ダブルホルダー向けから「シンプル」の開拓を

 翻ってnico.を見てみると、ポップ路線からシンプルに切り込んでおり、エクステリアとインテリア(UI)のデザインにこだわっている。サイズがコンパクトで軽量、バッテリー持続時間が長く、PHSベースなので通話時の音質がいい点などもポイントになるだろう。

 また、ウィルコム独自の「音声定額」は、nico.のコンセプトを後押しするだろう。携帯電話よりも維持費が安く、ウィルコム同士なら定額という使い方ができる点は、ダブルホルダー(2台持ち)するために買うのにも適している。

 ウィルコムには是非、nico.を筆頭に、こだわりのあるシンプルな端末を増やしていってもらいたいと思う。日本市場の状況と日本ユーザーの特性を鑑みれば、実際のニーズが通話とメール中心でも、最初から「シンプル端末のみ」を持つというのは一般化しにくい。だが、ダブルホルダーが前提ならば可能性がある。nico.はコンシューマー向けであるが、今後はビジネスユーザーや、ホーム/オフィスユース向けといった展開も考えられるはずだ。

 携帯電話が高機能化・進化する一方で、シンプル市場がどこまで顕在化するか。ウィルコムの取り組みを期待しつつ見守りたい。

ウィルコム、W-SIM対応のシンプル端末「nico.(ニコ)」を発表

2006年06月27日 IT media BizMobile

ウィルコムはPHSモジュール「W-SIM」に対応したシンプルなストレート端末「nico.」を発表した。5色のラインアップで、7月13日より販売開始し、新規価格は6800円となる。

 ウィルコムは6月27日、W-SIMに対応した、ネットインデックス製の音声端末「nico.(WS005IN)」を発表した。シンプルなデザインのストレート型端末で、ブルー、グリーン、イエロー、ピンク、チョコの5色のラインアップ。ブルーとイエローは7月13日から、グリーン、チョコ、ピンクは7月下旬から発売される。価格はW-SIM込みの新規契約で6800円(直販サイト、ウィルコムストアでの価格)。W-SIMなしモデルも販売予定だが、時期・価格ともに未定となっている。

 nico.は、カメラやWebブラウザを搭載せず、通話とメール機能に特化したシンプルなPHS端末で、子どもを含む幅広い年齢層への対応を目指す。45×125×14.4ミリとコンパクトなサイズで、角を落とした丸みを帯びたボディと、ドーム型の大きな丸いボタンがデザインの特徴になっている。

 月額2900円の音声定額プランなど通常の料金プランのほか、月額1029円で指定した3カ所にだけ発信できる「通話先限定サービス」にも対応している。

 音声通話はタイおよび台湾の国際ローミングにも対応。電話帳は700件まで保存できる(1件につき、3電話番号と3メールアドレスが登録可能)。音声通話やメール機能のほか、位置情報検索機能、電卓やメモ帳、カレンダーなどの機能を備える。

「キッズケータイpapipo!」、7月14日発売

2006年06月23日 IT media BizMobile

バンダイとウィルコムは、2006年3月に発表したW-SIMを用いる子ども向け端末「キッズケータイpapipo!」を7月14日から発売する。

 キッズケータイpapipo!は、ポップなデザインとカラーの子ども向け端末。「子どもが持って楽しめる」「親が安心して持たせられる」ことを重要視し開発された(2006年3月16日の記事参照)。7歳から12歳の小学生をターゲットとしており、2006年3月に先だって予約受け付けを開始していた「キッズケータイpapipo!」のWeb通販サイトのほか、同社直販サイト「ウィルコムストア」や販売代理店、大手玩具小売店「トイザらス」各店舗でも販売する。

 通信機能はウィルコム「W-SIM」で実現し、子どもが楽しめるメール/カメラ機能のほか、専用の子ども向け待受画面やゲームなどを用意する。一方、登録者とのみ通話・メール送受信を許可する「安心モード」や保護者が子どもの現在位置を確認できる「位置情報サービス」、緊急時にワンボタンで指定先に連絡できる「緊急ボタン」、有害サイトへのアクセスを防ぐ子ども専用サービス「キッズスタジオ」などの機能も備える。

  発売に先立ち、6月24日から同社直販サイト「ウィルコムストア」のほか、販売代理店、トイザらス店舗で予約受け付けも開始する。2007年3月までにシリーズで20万台の販売を目指す。

更新メモリ増強、電子辞書標準搭載──ウィルコム、W-ZERO3のハイスペック版

2006年06月06日 IT media BizMobile

ウィルコムは、W-ZERO3のハイスペック版を投入すると発表した。主な変更点はカラーバリエーション増加/メモリ増強/電子辞書ソフトの標準添付など。発売は6月22日。

 ウィルコムは6月6日、W-ZERO3(WS003SH)のハイスペックバージョンを発表した。呼称は従来モデル同様のW-ZERO3のまま、「WS004SH」という型番となる。発売は6月22日、予想実売価格はW-SIMなしの単体モデルが5万円、新規・機種変更時で4万4800円(ウィルコムストア)。

 主な変更点はカラーバリエーションの追加(ガンメタリック、パールホワイト)、本体内蔵メモリの増強(128Mバイト→256Mバイト)、電子辞書機能の搭載など。従来モデルの倍となる256Mバイト(ユーザーエリア:約197Mバイト)のメモリを搭載し、三省堂「エクシード英和辞典」、「エクシード和英辞典」、「デイリーコンサイス国語辞典」、「英文ビジネスレター辞典」を収録したソフトウェア「DicLand」をプリインストールする。

 搭載OSや本体サイズ・重量、ディスプレイ、CPUなどメモリ以外の本体スペックに変更はない。

PHS最大手ウィルコム上場へ 来年10月めど

2006/06/06 The Sankei Shimbun

 PHS最大手のウィルコムは6日、来年10月をめどに株式の上場を検討していることを明らかにした。契約者数が順調に伸び、業績が回復基調にあることを踏まえたもので、「PHS復活」を印象づけることになりそうだ。

 同日行われた新端末発表の場で、八剱洋一郎社長が表明した。

 同社はKDDI子会社のDDIポケットだった16年10月、米投資会社のカーライル・グループと京セラに2200億円で買収された。

 当時の契約者数は約293万件。通信機能だけでなく、強みだった料金面でも携帯電話に追い上げられ、利用者のPHS離れが加速。YOZANが今年6月に、NTTドコモが来年秋にPHSサービスを終了することを表明している。

 こうした中、ウィルコムは通話・通信の料金定額制を導入するとともに、パソコン機能を持った端末「W−ZERO3」を発売するなど商品力も強化。17年度の1年間で約90万件の純増数を達成、累計契約者数は400万件を突破するなど業績は回復しつつある。

 カーライルは買収当初から「3〜5年以内」の上場を視野に入れていたが、八剱社長は「前の方のタイミングで考えている」と、19年10月を上場のめどに考えていることを表明。時価総額が数千億円規模になることから、東証1部への上場を検討しているとみられる。

ウィルコム、「PHSが心臓ペースメーカーに悪影響」の広告に抗議

2006年05月09日 +D Mobile

ウィルコムは5月9日、名古屋市交通局に抗議文書を手渡した。ウィルコムのPHSが、心臓ペースメーカーに悪影響を与えると解釈できる中吊り広告が原因。

 ウィルコムは5月9日、名古屋市交通局に抗議文書を手渡したと発表した。地下鉄の中吊り広告に、ウィルコムのPHSが心臓ペースメーカーに悪影響を与えるととれる表現が見られたことが原因。

 問題の広告は4月中旬、名古屋市営地下鉄の車内に掲載された。「マナーモードが車内のマナー……と、思ってました。」という文言とともに、車内で若い男性が移動体通信端末を持つビジュアルとなっている。この男性が持つ端末が「少し手を加えてあるが、明らかに当社のPHS『AH-K3001V』と判別できるもの」(ウィルコム広報部)だった。また広告には「混雑した車内では、携帯電話が植え込み型心臓ペースメーカーなどに影響を及ぼす場合があります」との記載もあり、PHSがペースメーカーに悪影響を与えると受け取れる。

 だがウィルコムは、PHSの低電磁波の特性を考えると「この広告が指摘するような危険性は低い」と反論。このような広告内に自社製品が断りなく使われるのは不当であり、事業妨害にあたるのではないかとしている。この件について「名古屋市交通局に回答を求めている」(ウィルコム広報)。

 名古屋市交通局では、「本日文書を受け取ったばかりなので、局として対応を検討したい」とコメント。「ウィルコムがPHSを病院でも利用できるとうたっていることは認識している。回答文は、改めてウィルコムに渡す予定」という。

 なお名古屋市交通局は、ペースメーカーへの悪影響に配慮して携帯キャリアに“ホームでPDC方式の携帯をつながらなくさせる”ようアンテナの出力調整工事を要請するなど、移動体の規制に積極的なことで知られる(2004年4月6日の記事参照)。

ウィルコム、高度化PHS規格「W-OAM」発表

2006/01/27 ケータイ WATCH

 ウィルコムは、高度化PHS規格「W-OAM(WILLCOM Optimized Adaptive Modulation)」を発表した。

 同規格に対応したデータ通信カードとして、2月下旬にPCカード型の「AX520N」とCFカード型の「AX420N」(いずれもNECインフロンティア製)、3月中旬にCFカード型の「AX420S」(セイコーインスツル製)が発売される。

 「AX520N」は最大408kbps(8xパケット通信時)、「AX420N」と「AX420S」は最大204kbps(4xパケット通信時)でのデータ通信が可能となっている。

■ W-OAM、2月下旬スタート

 W-OAMは、電波状態に応じてより高速な変調方式を自動的に選択することで、高速化を実現するPHS通信規格。従来の変調方式であるQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)に加えて、電波状態が良好な時には、QPSKよりも狭いエリアだが、より高速通信が可能な8PSK(8-Phase Shift Keying)に切り替わり、電波状態が不安定な場合は、安定性の高いBPSK(Binary Pahase Shift Keying)に自動的に切り替わる仕組みだ。

 従来、1つのチャンネル(1xパケット方式)あたり通信速度は最大32kbpsだったが、W-OAM対応端末では、最大51kbpsとなる。約1.6倍通信速度が向上する計算で、8xパケット通信時に最大408kbps、4xパケット通信時に最大204kbpsの通信が可能となる。ただし、既存の8xパケット対応端末および、4xパケット対応端末では、W-OAMはサポートされない。ウィルコムが提供している通信速度の体感速度を向上させる「MEGA PLUS」にも対応する。

 既存の料金体系は変更されず、8xパケット方式は、AIR-EDGE [PRO]専用の料金コース、4xパケット方式は、つなぎ放題[4x]、ネット25、パケコミネットがそのまま利用できる。

 ウィルコムでは現在、既存の基地局をW-OAM対応に順次変更しており、東名阪などデータ通信の多い都市部を中心に拡大していく予定となっている。

■ 2xパケット方式提供

 また、現在「つなぎ放題[1x]」や定額プランオプション「リアルインターネットプラス[1x]」で提供している、1xパケット方式も拡張。月額料金は据え置きのまま2xパケット方式が利用可能となる。2xパケット通信時、W-OAM対応端末では最大102kbps、W-OAM非対応の既存の端末では64kbpsとなる。

 2xパケット方式の提供に伴って、つなぎ放題[1x]は「つなぎ放題」、「リアルインターネットプラス[1x]は「リアルインターネットプラス」に名称が変更される。

 8xおよび4xパケット通信に対応した既存端末でも利用可能で、音声端末やW-SIM、AIR-EDGE IN端末も含まれる。1xパケット端末は非対応となるため、京ぽんの愛称で知られる京セラ製「AH-K3001V」では、2xパケット方式は利用できない。

 ウィルコムのインターネット接続サービス「PRIN」や、音声電話でウィルコム経由で通信した場合は2月1日から提供開始される。そのほか、1xパケット方式に対応していた各プロバイダーでは順次対応となり、4月1日頃にはおおむね対応する見込みだ。

 2xパケット方式を利用するユーザーは、アクセスポイントの設定や設定変更ツールなどをダウンロードする必要がある。

■ PRINにW-TCP導入

 さらにPRINでは、従来のTCPプロトコルをウィルコムの無線通信に最適化する「W-TCP制御装置」を導入。これにより、安定した効率的なデータ送受信が可能となる。ユーザー側に設定変更はなく、2月1日〜5月末にかけてPRINネットワーク内の工事が行なわれる。

ウィルコム、Windows Mobile搭載のW-SIM対応端末「W-ZERO3」

2005/10/20 ケータイ WATCH

 ウィルコム、シャープ、マイクロソフトは、W-SIM対応のPDA型携帯端末「W-ZERO3」を発表した。12月上旬発売予定。価格はオープンプライスになる予定だが、ウィルコムでは「50,000円を切る価格帯」にしていきたいとしている。

 「W-ZERO3」は、W-SIM対応のシャープ製携帯端末。型番としては「WS003SH」となる。W-SIM装着時にPHSとして利用できるほか、無線LANにも対応する。その商品名は、「Willcom」「Windows」「Wireless」の“W”に、携帯電話やパソコンとは異なるという意義をアピールする“ZERO”、そして携帯・パソコンに次ぐ第3の存在、PHSのデータ通信と音声通話、無線LANと3種類の通信が可能な点から“3”とそれぞれ意味が込められているという。

 3社では20日、都内で記者会見を開催。ウィルコム代表取締役社長の八剱洋一郎氏や、シャープ代表取締役専務で情報通信事業統括の松本雅史氏、マイクロソフト代表執行役社長のダレン・ヒューストン氏が出席し、新機種の概要を説明した。

■ スライドギミック、W-SIMや無線LANをサポート

 ハードウェア面を見ると、CPUは、インテルPXA270 プロセッサ 416MHz、内蔵メモリは128MBで、ワークエリアは64MBとなっている。miniSDカードスロットを搭載しており、最大1GBモデルまで利用可能。外部インターフェイスとして、USBポート(miniB)を備えるが、ホスト機能はなく、ペリフェラル(子)として活用する形になる。USB経由でパソコンと接続して、PIMデータの同期などが行なえるほか、モデム代わりに利用することも可能。

 このほか、無線LAN(IEEE 802.11b)にも対応しており、ウィルコムでは、NTTコミュニケーションズと提携し、HOTSPOTが利用できるようになるオプションサービス「ウィルコム無線LANオプション(月額700円、2006年5月末まで無料)」を12月上旬に開始する。

 外観は、一般的なPDAに似た仕上がりで通常は画面が縦長になるように使うが、背面部は液晶部からスライドするギミックが採用されており、開くとQWERTY配列のキーボードが露出する。設定によっては、スライドさせることで画面表示を縦長・横長に自動的に切り替えるようにすることもできる。

 ディスプレイはタッチパネル機能を備え、3.7インチ、640×480ドット、65,536色表示のモバイルASV液晶を搭載。背面に有効画素数133万画素CMOSカメラを装備しており、SXGA(1,280×1,024)、VGA(640×480)、QVGA(320×240)サイズの静止画を撮影できる。このほか、WMV形式の動画撮影も可能。背面を覆うバッテリーカバーの内側に、W-SIMスロットが配されている。

 大きさは70×130×26mm(幅×高×厚)、重さは220g。連続待受時間は200時間、連続通話時間は300分。タッチパネルで操作できるようスタイラスも付属している。パッケージには充電機能も備えたUSBケーブルなどが同梱される。

■ Windows Mobile 5.0搭載

 OSはWindows Mobile 5.0 for Pocket PC。日本語版のWindows Mobile 5.0がリリースされた際、英語版ではサポートされていたスマートフォン関連仕様は「日本語版では対応していない」と案内されていたがW-ZERO3も同じく、OSはあくまでもPDA向けの仕様のみにまとめられている。ただし、通話やウィルコム向けのメール機能、アドレス帳といったPHSの音声端末としての機能は、シャープ開発のソフトウェアが搭載されている。

 フルブラウザ「Internet Explorer Mobile」も備え、Flashコンテンツも閲覧できる。ウィルコム向けメールサービスであるライトメールのほか、Outlookによってパソコン向けメールアドレス(POP/SMTP)も利用できる。Java(MIDP)対応で、今後、3Dゲームなども登場する見込みだ。このほか、「Windows Media Player 10 for Pocket PC」を搭載しており、音楽や動画を楽しめる。miniSDカード採用で、SD-Audioなどが利用できるかどうか、という点については「現段階では未定」(ウィルコム担当者)とのこと。動画再生時は全画面表示でも楽しめる。

 OSがWindows Mobileということもあって、WordやExcel、PowerPointといったオフィス文書の閲覧も可能。このうち、Word・Excelは編集も可能となっている。またPDFは、Picsel PDF Viewerで閲覧できる。シャープの電子書籍ソフト「ブンコビューア」も用意されており、XMDF形式の電子書籍も楽しめる。

 アプリケーションを追加できるかどうか、その仕組みは未定とのことだが、たとえばIP電話ソフト「Skype」は利用できる見込み。企業内でIP電話端末として動作するかどうかは、現在検証中とのこと。

 また、Windows Mobileの仕様として、修正パッチなどソフトウェアアップデートの仕組みは取り入れられているが、W-ZERO3でもエアダウンロードによるアップデートが可能になるかどうかは未定としている。

■ 出荷台数は今年度10万台に

 壇上に立った八剱氏は、「3社による力作。WXシリーズは、ローエンドからミドルクラスのユーザーに向けた製品だが、W-ZERO3は、ハイエンドの携帯電話とパソコンの間に位置付けられる機能を備えており、1台で何でもこなしたい多機能派に納得いただけるものではないか」と自信を見せながらアピール。  シャープ松本氏は、「オンタイムもオフタイムもさまざまな場面で活用できる第3のコミュニケーションツールだ」として、携帯電話とパソコン・PDAの間になるというW-ZERO3へ期待感を示した。このほか、マイクロソフトのヒューストン氏も「革新的な製品であり、日本におけるモバイルフォンの第一歩としたい。Xbox 360と発売日が重なるかもしれないが、もしそうなったならば、秋葉原で一緒に購入したい」とコメントした。

 12月上旬発売を目指して開発が進められているというW-ZERO3だが、出荷台数について八剱氏は「ノートパソコンユーザーやPDAユーザー、ハイエンドの携帯電話ユーザーで約440万台程度の潜在市場があると考えている。ただし、全く新しい分野であるため、W-ZERO3がどの程度受け入れられるか、読めないところもある。まず2005年度中は、10万台を出荷し、その動向を見て、今後の生産についてシャープと話し合っていきたい」と述べた。

 今後のロードマップについて同氏は「W-ZERO3で終わるつもりはない。まずは使っていただくため、早期のリリースを目指した。W-SIMを装着するという仕組み自体はできあがり、CPUなどの性能向上は比較的容易に変更できるのではないか。今後寄せられるであろう、さまざまな要望を踏まえてGPSやFeliCa、テレビ、ラジオといった機能を搭載していくかどうか、プライオリティをつけて実現していきたい」とした。

 このほか、W-ZERO3向けのポータルサイトを提供し、着信メロディや待受画像、ユーティリティといったコンテンツを配信する考えや、インテリシンクなどと協力した法人向けソリューションの提供も行なっていくとした。

 50,000円を切る価格帯を目指すとのことだが、基本的にW-SIMとのセット販売になる予定。今後、ユーザーからの要望が強ければW-ZERO3単体販売も検討していくとのことだが、W-ZERO3は、W-SIMなしでも動作するため、セット販売よりも単体販売のほうが高い価格帯になる可能性が強いという。なお、ウィルコムストアだけではなく、量販店でも取り扱われる。

J―COMがPHSに参入 ウィルコムと提携し来春

2005/10/27 The Sankei Shimbun

 ケーブルテレビ最大手のジュピターテレコム(J―COM)は27日、PHS最大手のウィルコムと提携し、来年3月をめどにPHSサービスを始める、と発表した。

 端末はウィルコムが11月に発売する新機種をJ―COMブランドとして販売する。通信料はウィルコムが展開している定額制を基に設定する。ウィルコムの端末との通話やメールは好きなだけ使えることになる。

 J―COMは、一般家庭でのケーブルテレビや固定電話の加入者に、PHSサービスを付与して利便性を高め、顧客確保につなげたい考え。

 固定電話の間で定額制を取り入れることも検討し、移動体通信と固定通信を融合させる新たなサービスを目指す構えだ。

 同社の森泉知行社長はPHSサービスについて「2年間で10万世帯を獲得したい」としている。

 一方、定額制が好評で加入者数が増加に転じたウィルコムは、J―COMが抱える全国約200万世帯の顧客にサービスを広げられる。データ通信についても今後、J―COMと連携していくという。(共同)

ウィルコム、月額2900円で音声定額提供

2005/03/15 IT Media +D Mobile

ウィルコムが音声定額プランを発表。月額2900円のみで、ウィルコム端末同士の通話が定額、Eメール利用も定額となる。5月1日から。

 ウィルコムは3月15日、PHSを使った音声定額サービスを5月1日から提供することを発表した。料金は月額2900円で、1年契約が前提となる。長期割引などの各種割引は利用できない。

 ウィルコム電話機同士の音声通話および直送メールが定額になるほか、Eメールの送受信も定額に含まれる。合わせて携帯電話への通話料金も改定し、従来の30秒21円から、30秒13.125円とする。「ほとんどすべての携帯電話の料金コースよりも安い値段だ」(ウィルコムの八剱洋一社長)

通信形態 料金 WILLCOM→WILLCOM 無料 WILLCOM→固定・IP電話 10.5円/30秒 WILLCOM→携帯 13.125円/30秒 パケット通信 0.021円/パケット

なお、定額の音声通話については1通話の連続通話時間が2時間45分を超えると課金対象とする。また16時間以上の連続通話については切断する場合もある。これは、通常の利用では2時間45分を超えることはほとんどなく、いったん切って再度かけなおせば定額対象となるため。「こちらが想定していない使い方を避けるため」(ウィルコム)と説明した

 定額プランを2台以上契約すると、2台目以降の料金が2200円となる「ファミリーパック」も用意する。また4月30日までに新規契約で定額プランを予約すると、3月、4月の請求額から最大5000円をキャッシュバックするキャンペーンも実施する。

 なお7月をめどに、フルブラウザOpera搭載端末などを対象としたパケット定額プランも導入する。月額2100円でフルブラウザが定額利用可能なほか、PCと接続しての通信も定額とする。

 同社は音声定額プランの導入により、100万人程度の契約増を目指す。

ウィルコム「電話かけ放題2900円」ができる理由

2005/03/15 IT Media +D Mobile

低料金の音声通話定額プランを打ち出したウィルコム。「携帯電話には難しいはず。我々だからできる」と胸を張る、その理由は……?

 既報の通り、ウィルコムは5月1日から音声定額プランを提供する。ウィルコム端末同士の通話、メール送受信が月額2900円固定になるほか、固定・IP電話への発信が10.5円/30秒、携帯電話への発信が13.125円/30秒と非常に安価だ。

 なぜ音声通話サービスを定額で提供できるのか──ウィルコムが挙げる理由として代表的なのは「マイクロセルネットワークだから」「ITXを導入するから」というものだ。マイクロセルネットワークとはなにか、そしてなぜ定額で音声通話が提供できるのだろうか。

多数の基地局でエリアをカバーする

 「音声の定額サービスを実現するためには、2つの要素が必要」とウィルコムは説明する。1つは無線容量の確保、もう1つはネットワークコストだ。

 無線容量とは「電波資源をどのように使うか」。あるエリアをカバーするためには、高出力の基地局を1つ置いて、エリア内の多数のユーザーをカバーする(=マクロセル方式)方法と、出力の小さい基地局をたくさん置き、基地局がカバーするユーザーを分散させる(マイクロセル方式)方法がある。マクロセル方式は携帯電話で、マイクロセル方式はウィルコムなど、PHS事業者が採用している方法だ。

 マクロセル方式では、基地局数が少なくても大勢のユーザーをカバーできる代わりに、トラフィックが集中すると、1ユーザーあたりの使える電波容量が低下してしまう。例えば携帯電話でユーザーが使える電波容量が減ると、通話品質を落として音声サービスを提供することが多い。

 一方マイクロセル方式の場合は、1つあたりの基地局につながるユーザー数が少ない代わりに、常に32Kbps分の電波が保証されている。「PHSは音質がいい」のは、このためだ。しかも簡単に複数の基地局をとらえられるので、ユーザーあたりで使える電波容量も大きく、余裕がある。

 しかし基地局の出力が小さいマイクロセル方式の場合、1つの基地局でカバーできるエリアが狭く、たくさんの基地局を設置しないと広いエリアをカバーできない。「電話が圏外になってしまう」ということが簡単に起こりうる。そのためウィルコムでは、基地局の数を増やし、サービスエリアを広げる努力を続けている。現在ウィルコムは、日本全国に16万の基地局を設置、人口の96%をカバーしており、来年には人口の99%まで引き上げる予定だ。

 また、1基地局当たりのチャンネル数増加(=使える電波容量を増やす)も進行中だ。現在設置されている基地局の多くは1基地局あたり3チャンネルだが、10チャンネルまでカバーできる大容量基地局への交換を進めている。

固定やIP電話への通話料金固定も視野に

 もう1つの課題がネットワークコストだ。従来、ウィルコムは通信のバックボーンを2つに分け、音声は回線交換網(ISDN)、データ通信はIP網を利用していた。現在は音声もデータ通信もバックボーンをIP化し、コストを定額化している。さらに必ずNTTの回線網を通していた(=コストが発生する)点を改め、自社のIP網の中だけで完結するように、NTT交換局内へのITX(NTT地域網をバイパスする装置)の設置を進めているところだ。NTT地域網をバイパスできれば、NTTへ支払うアクセスチャージが発生しないので、コストを下げられる。ウィルコム端末同士の通話やEメールを定額で、しかも安く提供できるのはこのためだ。

 現実には「5月1日のサービス開始時点では、ITXを経由するところはまだほとんどない。今年の夏からITXの設置を本格化し、来年(2006年)末にはほぼ完了するはず」(八剱氏)と話すが、「確かにスタートダッシュはリスクだが、それは織り込み済み(同氏)」とする。

 今回の料金プランでも、固定電話や携帯電話にかける場合には別料金が発生する。ウィルコム端末から、固定電話や携帯電話にかける場合はネットワークをまたがって通信することになり、アクセスチャージ(ウィルコムが固定電話事業者や携帯電話事業者に支払う料金)が発生するためだ。

 「携帯電話への通話料金を固定化するニーズが一番あるのは分かっているが、これは難しい。しかしIP電話についてはある程度先が見えているし、固定電話についても鋭意検討中」(八剱氏)としており、固定電話やIP電話への定額料金コース実現も、将来的には不可能ではなさそうだ。

ドコモ「PHS撤退」の真意

2005/03/01 The Sankei Shimbun

 1998年に引き取ったPHS事業を生かし切れなかったドコモ。今後はFOMAに注力するというが、定額制通信が前提の時代となれば、FOMAを補完するネットワークは必要になる。ドコモは何に白羽の矢を立てているのだろうか?

 2月28日、NTTドコモがPHS事業から撤退すると発表した。1995年にNTTパーソナルとして誕生し、1998年にドコモに営業譲渡・吸収されたNTTのPHS事業は、ついに幕引きを迎えることになった。

 1998年当時、ドコモがPHS事業を引き受けることについては、内外に少なからぬ疑問の声もあった。NTTグループではPHSは「持ち歩ける自宅電話」という認識であり、公衆電話の延長線上にあるサービスという見方があったからだ。

 しかしドコモは、PHS事業は移動通信事業としてドコモの事業との親和性が高いこと、そのため事業を引き受けると類似サービス・技術の統合などによる相乗効果が期待できる、長期的に移動通信事業の変化に柔軟に対応できる、ポケットベル、PHS、携帯・自動車電話などの移動通信サービスを総合的に提供することにより、商品選択の幅が広がる、各サービスの総合的なポジショニングを勘案しつつ戦略的な販売やサービスの提供が可能となる、という5つの理由を挙げてPHS事業を引き取った。

 あれから6年、ドコモはPHSを生かし切れなかった。

 携帯電話・PHSを融合したドッチーモや、ファミリー割引の適用、マルチメディアコンテンツ配信を試みた「M-stage」、PC向け定額データ通信サービス「@FreeD」など、様々な取り組みを行った。だが、爆発的に進展したiモードと比べると、どれも本腰が入っていたのかどうか疑問が残る。

 ビジネス面でも、「携帯電話と類似するビジネスモデルの弊害」や「NTT地域会社のISDNネットワークに依存する問題」といった諸問題に対し、抜本的な解決のメスは入れられなかった。そこにはドミナント規制への警戒や、NTTグループのしがらみなどもあり、ドコモだけの責任と言えない部分は確かにある。だが、それらのハードルを積極的に乗り越えていく意志がドコモ内に希薄であり、PHSを持てあまし気味だったのは事実だろう。

 ドコモはPHSを手放し、今後はFOMAに注力するという。市場が縮小し、赤字が出続けるPHSを手放すという経営判断は正しく、この主張に偽りはないだろう。中村維夫社長が話すPHS撤退の理由はどれも肯けるものだ。

 しかし、HSDPAを導入したとしても、ドコモのユーザー規模では、PC向けのデータ通信定額制が実現できる可能性は低い。また携帯電話事業でも、それほど重要視されていなかったにせよ、トラフィック分散をするパスをひとつなくすことになる。FOMAに注力するのは当然だが、大容量通信・定額制が前提となる時代を前に、FOMAを補完する「第2のネットワーク」は必要だ。

 おそらくドコモは、その役割を無線LANに見い出しているのではなかろうか。公衆無線LANアクセス「Mzone」の東京メトロ全駅へのエリア展開や、ボーイングとの提携など、ドコモの無線LAN関連ビジネスは着実に拡大している。また、複数の消息筋によると、「ドコモは固定網ブロードバンドとの連携を考えている」という。ここでも鍵になるのは、携帯電話やPCに内蔵される無線LANになりそうだ。

 第3世代携帯電話と無線LAN(+固定IP通信網)の連携・融合は世界的なトレンドであり、海外でも「FMC (Fixed Mobile Convergence)」として様々な形で取り組まれている。これは爆発的に増えるモバイルのトラフィックを無線LAN+固定IP通信網に分散することで携帯電話ビジネスをさらに拡大するのが目的だ。3Gや4Gをサポートするものであり、競合することはない。

 ドコモが今回、ローカル仕様でNTTグループのしがらみも多いPHSを整理したのは、無線LANを使ったFMCに乗り出す布石ではないだろうか。

DDIポケット買収で合意 カーライルと京セラ

2004/06/21 The Sankei Shimbun
 米投資会社のカーライル・グループと京セラは21日、KDDI傘下で、PHS(簡易型携帯電話)事業で国内最大手のDDIポケットを2200億円で買収することで正式に合意した、と発表した。

 PHS事業は携帯電話の普及で国内では利用者数が伸び悩んでいるが、パソコン向けデータ通信サービスに強みを持つほか、設備投資の費用が安いなどメリットも多い。カーライルの安達保日本代表は「将来性と競争力の高さを評価した」と買収の理由を説明し、将来的には上場を目指す方針を明らかにした。

 カーライルと京セラは事業を継承するための新会社を設立。DDIポケットは10月1日付で事業を新会社に継承した後、来年3月までに解散する予定。

 現在のDDIポケットの株式は、KDDIが約81%、京セラが約13%の株式を保有しているが、買収後はカーライルが60%、京セラが30%となる。KDDIも引き続き10%の株式を保有する。

 DDIポケットの契約者数は3月末で約290万人で、買収後も現サービスに変更はなく、山下孟男社長ら現経営陣も続投する。社名の変更については今後検討する方針。

ドコモ、PHSに定額制

2003年03月06日 The Sankei Shimbun
 NTTドコモは6日、PHSのデータ通信に4月1日から定額制サービスを導入する、と発表した。料金は月額4880円と、定額サービスで先行するKDDI系のDDIポケットの割引料金よりも安く設定。減少が続く契約数に歯止めをかけたい考えだ。

 定額制対応のカード端末は2機種で、4月1日に発売する。実勢価格は7000円前後の見込み。6月末まで手数料無料キャンペーンなども行う。

 PHSの1月末の契約数は、DDIが前月末比500件増の296万9300件、ドコモは3万件減の173万2000件と格差が広がっている。このため、ドコモは年額一括払いを4万8000円に大幅値引きするプランも設定している。

PHSに復活の兆し

2002年12月23日 Yomiuri On-Line
 低迷が続いていたPHS(簡易型携帯電話)に復活の兆しが表れてきた。PHS網を経由して屋外でインターネットに定額で常時接続できるデータ通信サービスが人気を集めているほか、PHS網を使った格安料金を実現できる「モバイルIP(インターネット・プロトコル)電話」の開発を進める動きも出ている。

 PHS反撃のカギを握るのが、定額・つなぎ放題のデータ通信サービスだ。パソコンにカード型の通信端末などを差し込み、PHS網経由でインターネットに接続する。利用者は、PHSのデータ通信カードを持ち歩き、外出先でパソコンにカードを差し込んでネット接続し、電子メールやホームページを見ることができる。

 KDDI系のPHS最大手「DDIポケット」は、昨年8月から始めた定額・常時接続のデータ通信サービス「エアエッジ」(通信速度毎秒32キロ・ビットで月額4930円)が加入60万件を超えるヒット商品になった。おかげで、9月中間決算の経常利益は前年同期の34億円の赤字が77億円の黒字に転換した。

 携帯電話最大手のNTTドコモもPHS事業の赤字に悩まされてきたが、来春からDDIに追随し、巻き返しを図る方針だ。

 PHSは、通信可能エリアが狭い分、基地局を街角に細かく張り巡らしてある。このため、1基地局ごとの利用者数は少なく電波利用には余裕がある。常時接続は、PHSのハンデを逆手に取った新たなサービスと言える。

 関西電力の子会社「ケイ・オプティコム」は昨年6月から、ISDN(総合デジタル通信網)と同じ毎秒64キロ・ビットの高速データ通信が毎月3000円で使い放題になるサービスを始めた。関西地区で約15万件の利用者を集める人気ぶりという。PHS経由で受け取った通信データを基地局から自社の超高速・大容量の光ファイバー網に流すことで定額・つなぎ放題の高速通信を実現している。

 ◆「IP化」実験へ◆

 同社のPHSの音声通話は、現在、基地局からNTTのISDN網に入る仕組みのため、定額・かけ放題サービスはできない。しかし、音声通話を細切れのデータにして送るIP化が実現すれば、NTT網を経由しないで済むため、定額・かけ放題の「モバイルIP電話」も可能になる。

 一方、東京電力系の東京通信ネットワーク(TTNet)からPHS網を買収したベンチャー系通信会社「鷹山」も、今週から東京都板橋区と練馬区の一部で、PHS基地局を光ファイバー網で結んだデータ通信サービスの実験を始める。来春からは「モバイルIP電話」の実験も始める計画で、実用化されれば、PHS反攻の中核となりそうだ。

PHSで1Mbpsの真実──総務省の示した次世代PHSの姿

2001年07月03日ZDNet Japan
 総務省はIMT-2000時代における次世代PHSに関する答申を発表した。その内容はIMT-2000との干渉を考慮しつつ,最大1Mbpsという高速なデータ通信を実現するという革新的なものだが……。

PHSでiモードが可能に

2001.01.30 The sankei Shimbun
 NTTドコモは三十日、携帯電話向けインターネット接続サービス「iモード」のホームページが見られるPHS端末「パルディオ641S」を二月五日から全国で順次発売すると発表した。価格はオープン。

 新しいPHSにはネットの閲覧機能を搭載。ドコモのPHSとしては初めてカラー液晶が採用された。

 携帯電話のiモードでは閲覧したデータ量に比例して課金されるが、新しいPHSでは一分当たり十五円取られるため携帯より割高になるケースが多くなるという。

NTTドコモ、15日からPHSで音楽配信開始 (2001.01.05) asahi.com

PHS単体でインターネット接続 TTNetが「ドットi」向けのコンテンツ記述言語の仕様を公開[2000/10/04] by日経コミュニケーション

不調のPHSに復活の兆し モバイル利用者の増加で (2000.08.20) asahi.com

NTTコミュニケーションズ、PHSからの国際電話「0033」

by けいたいWatch
 NTTコミュニケーションズは、7月3日よりPHSからの「0033」国際電話サービスを開始する。PHSを提供する移動体通信事業者すべて、NTTドコモグループ、DDIポケット、アステルグループの各社に対応する。利用には事前にNTTコミュニケーションズへの申し込みが必要で、料金は平日昼間3分間の通話で、米国220円、中国500円、韓国390円、フィリピン540円など。

 今回、PHSをサポートすることで、NTTコミュニケーションズの国際電話サービスは、すべての携帯電話・PHSに対応することになる。料金面では、平日昼間、米国への通話ではKDDより39%、日本テレコムより8%割安。さらに、企業向け・個人向けの割引サービスプランも用意する。

 ■お問い合わせ
 NTTコミュニケーションズ
 Tel.0120-506506

エッジ利用者150万人突破/DDIポケット

2000.06.15 YOMIURI ON-LINE Bit By Bit
 DDIポケットは15日、同社の高性能PHS「エッジ」の利用者が14日に150万人を突破したと発表した。

 1999年7月に対応機種が発売されて以来、12月に50万人、今年3月に100万人を超えており、同社では「今年秋ごろには200万人を達成したい」としている。5月末現在の同社のPHS全加入者は332万人であることから、ほぼ半数がエッジを利用している計算になる。

 同社では移動中でも切れにくいと同時に、低料金で64kbpsのデータ通信サービスが使えることをエッジの売り物としているが、さらに今秋以降、カラー対応端末や音楽配信対応端末を発売する予定。(太田 誠)

車の窓ガラス割られたら、持ち主に通報 PHSシステム

2000.06.09(23:10)
 DDIポケットと、自動車盗難防止装置メーカーの加藤電機(愛知県半田市)は、車の窓ガラスが割られたり、カギをこじ開けられたりした場合、PHSシステムが、車の持ち主の携帯電話などに自動的に通報するシステムを共同で開発した。8月から売り出す。来年4月からは、盗まれた車の位置を捜し出すサービスも始める。PHSのサービス圏内なら全国どこでも使える。2社によると、PHSを用いた盗難防止システムは世界で初めてという。

 犯人がガラスを割るなどすると音声で通報してくれる。通報先は、携帯電話や自宅の電話など3カ所セットでき、連絡がつかない場合は3カ所に順番に通報する。

 盗まれた車のある場所を検索するサービスも行う。システムに電話し、検索すると、車がある場所の住所を音声で知らせてくれる。PHSのアンテナは約100メートル間隔で設置されているため、詳細な位置が分かる。PHSの圏外では使えないが、盗まれた車が圏外に出るまでの走行経路は確認できる。

 また、電話の遠隔操作でエンジンをかけたりとめたりできるほか、カギの開閉もできる。

 車の異状を察知する機械(6万2800円)を購入し、PHSシステムに加入する。通信料は通常とかわらず、月額基本料金1280円と通話料がかかる。

PHSを使い遠隔検針

2000年4月24日 17時30分
 関西電力と大阪ガスは24日、PHSを使った遠隔検針システムの試験運用を大阪市のマンションで共同で始めたと発表した。電力会社とガス会社が共同で実施するのは国内で初めてという。これまでは別々にシステムの開発を進めていたが、共同実施によって開発費用などを削減できる利点がある。オートロックのマンションや山間部など、検針員の巡回が難しい場所での作業を効率化する。

新型PHS「エッジ」利用者が100万人突破

5:08p.m. JST March 02, 2000
 PHS(簡易型携帯電話)のDDIポケットは2日、新型のPHS端末「エッジ」の利用者数が、1日付で100万人の大台を突破したと発表した。エッジは昨年7月に発売。高速データ通信に適している点や、移動中でも切れにくいといった従来のPHSにはない高機能が、20代、30代のサラリーマン層を中心に受け、同社が目標としていた1999年度末より1カ月早く、100万人を達成した。(時事)

PHS各社、期間限定で契約手数料を無料に

6:30p.m. JST November 10, 1999
 簡易型携帯電話(PHS)各社の間で、利用者が新規契約時に支払う事務手数料を期間限定で無料にする動きが広がっている。PHSは普通の携帯電話に押されて顧客数の減少に歯止めがかかっておらず、年末商戦に向けて巻き返しを図るのが狙いだ。

 無料キャンペーンを実施しているのは、DDI東京ポケット電話、DDI東海ポケット電話の両社と「アステル東京」ブランドの東京通信ネットワーク(TTNet)。それぞれ、2700円―3000円の契約事務手数料を、来年1月末まで無料にする。NTTドコモも関東・甲信越地区で、11日から年末まで3000円の手数料を無料にして対抗する。

 PHSの契約者数は10月末現在で前月比5万1000台減の560万台で、6カ月連続での減少を記録している。各社は今年、高速のデータ通信など携帯にない機能を備えた新端末を巻き返しの切り札として導入しており、今回の「値下げ」でさらに加入増につなげたい考えだ。

郵政省、再発防止を要請

1999年11月8日 17時55分 共同通信社
 郵政省は8日、PHS会社のDDI東京ポケット電話の業務委託先社員が顧客情報を盗んで逮捕された事件で、DDIに対し電気通信局長名で遺憾の意を表明。郵政省が定める「電気通信事業における個人情報保護に関するガイドライン」を守り、再発防止に努めるよう要請した。DDIは事件の発生後、ポケットグループ9社など業務委託先に顧客情報管理の徹底など再発防止策を指示している。

手数料2700円を無料に

1999年10月30日 14時30分
 PHS最大手の、DDI東京ポケット電話(東京)は30日、新規契約者から徴収している「契約事務手数料」2700円を11月6日から年末まで一時的に無料にすることを明らかにした。実質的な値引きで、同じDDIポケット電話グループのDDI東海ポケット電話(名古屋市)も実施する。

 従来のPHSを高機能化させた新端末「エッジ」シリーズを年末商戦に向けて売り込むのが目的。(共同)

メール通知料を上限100円に DDIポケット

6:59p.m. JST August 19, 1999
 簡易型携帯電話(PHS)のDDIポケット電話グループ各社は19日、利用者に電子メールが届いたことなどを知らせる「メール通知」の料金を9月から上限100円にすると発表した。1カ月ごとの通知回数が10回までは1回10円で、11回目以降は無料になる。現行は1回ごとに10円かかり、利用者の増加とともに値下げを望む声が高まっていた。同グループのメールサービスはネットワーク上にメールを蓄積する方式をとっている。

DDIポケットがPHSの64Kデータ通信を30日開始

7:49p.m. JST July 24, 1999
 DDIポケット電話グループは、簡易型携帯電話(PHS)による毎秒64キロビットの高速データ通信サービスを、30日から全国一斉に始める。携帯電話に押されて伸び悩みが続いているPHSの需要拡大が狙いだ。

 通信速度は現在のサービスの2倍。固定電話系の総合デジタル通信網(ISDN)並みの高速通信が可能で、利用者は外出先からも家庭やオフィスとほぼ同じ条件でインターネットなどを楽しめる。通信料金は現在のサービスと変わらないが、専用の端末とデータ通信カードが必要になる。

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