TOPIC No.3-8 終わらない愛・地球博(愛知万博)


01. あいち海上(かいしょ)の森センター(ムーアカデミー)
02. 海上の森(かいしょのもり)byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
03. 万博遺跡レポート
04. 愛・地球博記念公園(モリコロパーク)
05. 終わらない愛・地球博(愛知万博)
06. あいち臨空新エネルギー研究発電所
07. EXPO 2005 AICHI JAPAN -愛・地球博- 愛知万博公式サイト

リニモ・こども未来館・動植物園…道路財源こんな利用も

2008年04月28日 asahi.com

 愛知万博の会場跡地周辺を走るリニモに約145億円、名古屋市の東山動植物園に約3億円――。施設の整備につぎこまれたとみられる道路特定財源の金額だ。「道路をつくる」ためのカネが道路とは関係ない施設に使われる事例が全国的に次々に明らかになっているが、東海地方でも目立っている。愛知県豊橋市に7月に完成する「こども未来館」もそうだ。

 名古屋市名東区と愛知県豊田市の約9キロをつなぐ新交通システムの東部丘陵線(リニモ)。愛知県や名古屋市、名鉄などが出資した愛知高速交通株式会社(社長・神田真秋知事)が運営する。支柱などの基礎部分の建設費には約641億円がかかったが、このうち国交省から愛知県と名古屋市に補助金として出た145億円はすべて道路特定財源だった。

 国交省は、特定財源をつぎこむ理由について「道路を補完する公共交通機関で、道路の渋滞緩和を図れる」と説明する。東京では地下鉄整備への転用がすでに明らかになっているが、それと同じ構図だ。

 だが、渋滞緩和効果はどうか。リニモは3年前の愛知万博で「動くパビリオン」として約1900万人を運んだが、いまは1日当たり利用者が1万6千人と伸び悩む。県建設部によると、リニモの下を通る県道で開通前後の平日交通量を比べると、大きな変化はまだみられない。

 名古屋市は千種区の東山動植物園の周辺一帯を、約400億円かけて「東山の森」として整備し、入園者を増やすためなどの事業を進めている。市は08年度、「まちづくり交付金」として国交省から8億4千万円を受け、環境学習などの活動交流拠点の建設用地を購入する。

 この交付金の約4割には道路特定財源が充てられているので、3億円強が特定財源のカネと推定される。市は交付金を5年間、受け続ける計画だ。

 地上2階建ての集会場などからなる、豊橋市の「こども未来館」は子育て支援や仕事体験などを目的とした施設だ。用地を除く事業費26億6千万円のうち、12億3千万円をまちづくり交付金から得た。4割とすると、道路特定財源分は5億円弱になる。(小山裕一、山本晃一)

海上の森センター歩行者用南門完成 瀬戸、26日から供用

2008年04月24日 中日新聞

 愛・地球博(愛知万博)の理念継承を目的とした県の学習、交流拠点施設「あいち海上の森センター」(瀬戸市吉野町)に、歩行者専用の南門(幅約4・5メートル、高さ約1・2メートル)が完成し、26日から利用できる。

 これまでは、同センター北側の正門しかなかっただけに、今回の南門オープンで、リニモ(東部丘陵線)八草駅から同センター本館までの所要時間は5分程度短縮され、25分ほどになるという。

 併せて、県はリニモ八草駅と愛知環状鉄道山口駅に案内板(縦約1メートル、横約2メートル)を設置。両駅からセンターまでのルート上に道標(幅約25センチ、奥行き約15センチ、高さ約180センチ)6本も設けた。県は約1500万円を掛けて整備した。

 南門の開門時間は午前9時半−午後4時半。休館日は閉門する。

東三河18団体にモリコロ基金

2008.04.23 東日新聞

 平成20年度あいちモリコロ基金助成が決まり、最終的に東三河から18件が選ばれた。同基金助成は、昨年度に続き2回目。同基金は、05年に開かれた愛知万博(愛・地球博)の収益金の一部を使って同博覧会の理念を継承発展させる目的で創設した。

 助成対象となるのは、愛知、岐阜、三重、静岡の東海4県と長野県の各県下で自発的に社会貢献活動をしている団体など。同基金は、平成19年8月に設置され、向こう10年間、総額で毎年1億数千万円の助成をする計画。

 助成金額は、活動内容によって「初期活動助成(限度額30万円)」「展開期活動助成(同100万円)」「行政・企業との協働事業助成(同100万円)」「大規模活動助成(同500万円)」の4つがある。

 東三河で今年度の助成対象に選ばれた団体と助成金額は次の通り。

 【初期活動助成】NPO法人エコウインドネット(30万円、田原市)▽連谷お助け隊(同、新城市)▽塩瀬先森隊(同)▽多利野冒険学校(同)▽東三河流域フォーラム(同、豊橋市)▽NPO法人やまびこ(同、豊川市)▽舟着山森林愛護塩沢組合(同、新城市)▽月地区まちづくり協議会(同、東栄町)▽NPO法人手しごと屋豊橋(同、豊橋市)

 【展開活動助成】さをり織りグループ・かざ車(52万円、豊橋市)▽NPO法人はっくるべりーじゃむ(100万円、田原市)▽環境ボランティアサークル亀の子隊(同)▽朝倉川育水フォーラム(60万円、豊橋市)▽新城市の奥三河ビジョンフォーラム(80万円、新城市)▽NPO法人とみやま交流センター(27万円、豊根村)▽NPO法人オアシス(75万円、蒲郡市)▽あかばね塾(48万円、田原市)▽CSN豊橋(79万円、豊橋市)

海上の森:県、INAXと連携 間伐や保護イベント /愛知

2008年04月11日 毎日新聞 地方版Mainichi INTERACTIVE

 愛知万博旧瀬戸会場の北東に広がる「海上の森」(瀬戸市)の保全に取り組む県の「あいち海上の森センター」は、建材メーカーのINAX(常滑市)と森の保全活動で連携する。センターの企業連携プロジェクトの第1号として15日に覚書を締結し、INAXが一部の森林の間伐作業などをする。

 プロジェクトは森の保全について、社会貢献活動をしている企業の協力を要請する。センターが07年9月から連携先を募っていた。

 INAXが作業を担当するのは、海上の森(約530ヘクタール)のうち、スギやヒノキの人工林の一画約0・5ヘクタール。今後3年間にわたり、年2回程度、間伐や自然保護イベントなどの活動をする。最初の間伐作業は5月24日、社員や家族約50人が参加して実施する。

 海上の森で間伐が必要な区域は最大100ヘクタールに及ぶため、センターはさらに連携企業を募集し、随時プロジェクトを拡大する方針。【安達一正】

愛知万博の「生ごみ発電」実用化断念 コスト20倍で

2008年04月10日 asahi.com

 05年の愛知万博の注目施設のひとつだった、生ごみを使った発電装置が、この3月に姿を消した。万博後、愛知県常滑市の中部空港近くの埋め立て地に移され、実用化をめざした実験が続けられていたが、一般電力の20倍もの費用がかかるため、愛知県が実験の継続をあきらめた。

 環境への取り組みに力を注いだ愛知万博ではサブテーマのひとつに「循環型社会」が掲げられ、生ごみ発電や太陽光発電といった新エネルギーで「日本館」の電力がすべて賄われた。185日間の開催期間中、会場内のレストランから出た生ごみを発酵させてメタンガスをつくり、そこから得た水素を酸素と結びつけることによって電気を発生させた。生ごみ装置の建設費には約7億円がかけられた。

 05年9月の万博閉幕後、生ごみ発電を担った独立行政法人「新エネルギー・産業技術総合開発機構」(NEDO)が、発電装置を愛知県企業庁が埋め立てた中部臨空都市にある「あいち臨空新エネルギー研究発電所」の中に移した。常滑市の小・中学校の給食や知多半島にあるスーパーマーケット約30店、発電所に近い約200世帯の地区などから出る生ごみを集め、昨年3〜12月の10カ月間、発電の実験を続けた。

 1日4.8トンの生ごみを処理し、都市ガスから抽出した水素も合わせることで、一般家庭28軒分の年間使用量に当たる10万4千キロワット時の発電量を、隣接した常滑浄化センターと常滑市役所に供給してきた。

 県がこの4月にNEDOから、あいち臨空新エネルギー研究発電所の運営を引き継いだが、生ごみ発電装置については稼働経費がかさむことが予想されるため、NEDOに依頼して今年1〜3月に撤去してもらったという。

 県によると、粉砕や液状化させた生ごみのpH値を測る作業が機械化できないため、人件費が相当かさみ、薬品代なども含めると1年間稼働させるのに約2億円かかるという。一日中最大出力したとすると、1キロワット時当たり285円かかり、電力会社の一般電力の約14円に比べると約20倍に上ると試算した。

 県は今後、撤去した発電施設の跡地で、新たな発電方法の実験に取り組む方針で、実施企業を公募する。太陽光発電の研究など、すでに3社から問い合わせがあったという。

 県産業労働部の担当者は「地元の生ごみで発電し、地元で電気を使うのは循環型社会の実現につながる。愛知万博の施設を使ったプロジェクトなので続けたかったが、コストがかかりすぎる」と話す。(小山裕一)

瀬戸万博記念公園 来年3月25日にオープン

2008年02月09日 中部の情報満載

【愛知県】瀬戸市は、愛知万博瀬戸会場の跡地に建設予定の「瀬戸万博記念公園」(仮称)を来年3月25日にオープンさせる。新年度当初予算案に整備費として2億6000万円を計上。万博開幕記念日のオープンに合わせ、式典などのイベントを開く。

 公園は約1・3ヘクタール。直径30メートルの焼き物モニュメント「天水●(てんすいざらえぬじょう)」を中心に、グローバル・ループをイメージしたデッキ、展示スペース、あじさい畑などを整備する。

 市は、各種イベントや交流活動ができる場所として活用する考えで、「隣接する愛知工業大の敷地やあいち海上の森センターとも連携し、市民の憩いの場にしたい」と期待を寄せている。

瀬戸市 万博記念公園 設計概要を発表

2007/02/22 とうめい新聞バックナンバー

 05年愛知万博(愛・地球博)開催を記念した施設として、瀬戸市が瀬戸会場跡地の西隣接地に計画する「瀬戸万博記念公園」(仮称)の設計概要がまとまった。直径30メートルの巨大皿モニュメント「天水皿n(エヌ乗)」を展望するデッキ風の回廊を設け万博開催をイメージ。来年度から用地買収に入り 09年3月の開園をめざす。

 公園用地は同市上之山町2丁目の県住宅供給公社所有地で1万3000平方メートル。元々、県があじさい公園として整備予定だった用地も含めて買収に乗り出すことになった。同市は新年度の関連予算案に2億5000万円を計上、うち用地取得費は2億4000万円を見込み、工事費を含めると総事業費は4億5000万円に上る。

 同市都市整備課によると、現状の地形を生かし段差を設けた整備を進めるという。事業区域の南側上段(8000平方メートル)は万博メモリアルを意識。市民の募金や市費など約2億7000万円を投入した巨大皿モニュメントを展望できる回廊「ミニグローバルデッキ」を隣接して建設する。

 デッキは地上最大5メートルで1周約100メートル。基礎は鉄骨づくりだが路面に張る素材は万博風に木材かタイルになるかは未定という。ループ下の空間を利用して万博関連の資料も展示、デッキの中央にはモザイクタイルや陶壁を敷き詰めていく。北下段(5000平方メートル)には遊具を配置、段差を利用して斜面に四季の花などを植え、ため池はそのまま残す。

 上下段ともに芝生広場を備え、イベント開催にも開放する予定。具体的な工事には08年度から着手する。

海上の森センターなど7施設 愛知まちなみ建築賞

2007/02/01 とうめい新聞バックナンバー
 

 地域の個性豊かなまちなみ景観の創造や魅力と潤いのある社会の実現に貢献した建築物を表彰する「愛知まちなみ建築賞」を、「あいち海上の森センター」(瀬戸市吉野町)など7施設が受賞。1日午後1時半から、名古屋市東区の愛知芸術文化センターアートスペースで表彰式がある。

 同賞は93年に県が創設し14回目。今回は01年4月〜06年8月までに建築、改修された施設が対象で115件の推薦、応募があった。選考には愛知淑徳大の日色真帆教授を委員長に11人の委員があたり7点を受賞作品に選んだ。

 あいち海上の森センターは地上3階、地下1階、のべ床面積1500平方メートル。05年愛知万博(愛・地球博)の瀬戸会場に建てられた瀬戸愛知県館の仮設上部を取り外して改修、地形に合わせた基本設計や、樹木の伐採をしないなど自然を考えた造成方法などが評価された。同センターはムーアカデミーの愛称で親しまれ海上の森の環境保全の拠点として昨秋から一般開放、環境学習や交流の場に活用されている。

 このほかの受賞作品は次の通り。

 アーバンネット名古屋ビル(名古屋市東区)▽金城学院大W9・10号館(同市守山区)▽グランドメゾン東明町(同市千種区)▽小石川医院(豊田市足助町)▽柘榴(ルビ・ざくろ)の家(名古屋市千種区)▽名古屋テレビ塔(同市中区)

愛知万博の収益100億円超に グッズ収入増で上方修正

2006/03/13 The Sankei Shimbun

 愛知万博協会の中村利雄(なかむら・としお)事務総長は13日の記者会見で、万博の収益金が100億円を超えるとの見通しを明らかにした。閉幕後のキャラクターグッズのセールなどで収入が増加したため、これまで示してきた45億―75億円を上方修正した。

 協会によると、収入増のほか、会場施設の撤去費用を見込みより低く抑えられたことなどが影響したという。収益の使途について協会は、環境への配慮など万博の理念継承を目指して設置した有識者検討委員会が提言する事業に充てる方針。

 中村事務総長は「開幕前は、少しでも黒字を出せればよいと思っていた」と話し、予想を超える収支見通しに満足顔だった。

 また協会は同日、人気マスコット「モリゾー」と「キッコロ」の新キャラクターグッズを、愛知県や三重県、大阪市内の百貨店で25日から販売すると発表した。新商品は縫いぐるみ2セットとピンバッジ20種類で、縫いぐるみは5800円と3800円、バッジは各550円。

自転車タクシーなど万博の備品、26府県に譲渡へ

2006/01/23 The Sankei Shimbun

 愛知万博協会の中村利雄(なかむら・としお)事務総長は23日の記者会見で、入場者の足として活躍した自転車タクシーなど、会場の備品や施設約1万8400点を26府県などに譲渡すると発表した。

 協会は公共利用を重視し、譲渡先として自治体を優先。譲渡対象の自転車タクシー11台は、福井県や京都府など9自治体に。自転車関連のイベントに活用するほか「市内観光の足に」(滋賀県彦根市)など観光目的で利用するところが多い。

 心停止の人に電気ショックを与えて救命を図る自動体外式除細動器(AED)35台は、抽選で栃木県や鹿児島県薩摩川内市など26自治体に決まった。

 また再使用を目指して引き取り手を探している外国館の建物は、民間約10社と交渉中。順調にまとまれば全体の25%ほどが再使用されることになるという。(共同)

愛称は「モリコロパーク」…愛知万博跡地公園

2006年01月12日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 愛・地球博(愛知万博)長久手会場跡地に整備される都市公園の正式名称が12日、「愛・地球博記念公園」に決定した。愛称は、万博の人気キャラクター・モリゾーとキッコロにちなんで「モリコロパーク」となった。

 公園は今年夏ごろ開園し、順次整備される。

 公園の整備計画を協議する「21世紀にふさわしい公園づくり委員会」(委員長=涌井雅之・桐蔭横浜大教授)が、1594種類の名称案から選んだ。「愛・地球博記念公園」は、応募が131件と最も多く、選定の決め手になった。

万博の黒字は最大75億円 協会が運営費収支を試算

2005/10/28 The Sankei Shimbun

 愛知万博(愛・地球博)協会の理事会・評議員会が28日、名古屋市内のホテルで開かれ、運営費の黒字額が45億―75億円になるとする試算が報告された。

 会場撤去費の見込み額に75億―105億円と幅があるため黒字額は確定していないが、万博協会の中村利雄(なかむら・としお)事務総長は「撤去費用はできる限り少なくしたい。黒字分で行う事業を検討する有識者の諮問委員会をつくりたい」と述べた。

 愛知万博は、半年間の会期中入場者数が目標を約700万人上回る約2200万人となったため、入場料収入が当初計画より190億円増えた。土産物やレストランの売り上げも好調で、出店業者の納付金も20億円増加。これらの結果、運営費収入は、開幕前に見込んだ590億円から820億円に大幅増となった。

 一方、支出面では、入場者数に合わせて警備員やシャトルバスを増やしたり、暑さ対策として屋根付き休憩所を増設するなどしたため、当初計画より60億円増えて650億円に膨らんだ。

 万博協会は会期中に、黒字額が100億円近くに達すると見込んだが、撤去費が予想を上回ったため下方修正した。(共同)

万博公開の冷凍マンモス、ロシアへ返却…30日に空輸

2005年09月26日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 愛知万博で公開された約1万8000年前の冷凍マンモスが、ロシア連邦サハ共和国の首都ヤクーツクにある北方応用生態学研究所に返却されることが決まった。

 30日に中部国際空港から空輸される。

 日本、ロシアなど各国の研究者によって引き続き研究が進められる見通しだ。

インドネシア人ダンサー20人、万博出演後に失踪

2005年09月26日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 25日閉幕した愛・地球博(愛知万博)のイベントに出演するため来日したインドネシア人20人がイベント終了後、姿を消していることが26日、分かった。

 県警によると、万博関係者として来日した外国人の失跡が相次いでおり、今回のインドネシア人を含め、ナイジェリア、スリランカ、カメルーン、パキスタンなど8か国約30人に上っている。

 調べでは、失踪したインドネシア人は万博の特定活動ビザでダンサーとして来日した。今月中旬に帰国する予定だったが、今月5日のイベント終了後に行方が分からなくなった。ビザの有効期限内のため不法残留ではないが、県警は不法就労の可能性もあるとみて行方を捜している。

愛知万博、皇太子さま迎えて閉会式

2005年09月25日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 愛知県で半年間にわたって開催された愛・地球博(愛知万博)は25日、最終日を迎え、午後1時50分から、愛知万博名誉総裁の皇太子さまを迎え、閉会式が行われた。

 式典には、名誉会長の小泉首相、博覧会協会の豊田章一郎会長ら約2250人が出席。

 皇太子さまは「この博覧会で、私たちは、自然にはすばらしい仕組みと命の力があり、こうした自然の叡智(えいち)を尊重し、人類と自然とが共生していける社会を実現する努力の大切さを学びました。多くの人々の一つひとつの感動が、様々な地球規模の問題に立ち向かう大きな動きとなることを心から希望しています」とお言葉を述べられた。

 最終日のこの日、午後0時半現在で会場内の入場者が15万人を突破したため、協会は、会場に乗り入れるリニモ(東部丘陵線)の始発駅や公式FM放送などを通じて、来場を控えるよう呼びかけた。

愛知万博、きょう閉幕…最終日の開門待つ人が長蛇の列

2005年09月25日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 半年間にわたって開かれてきた愛・地球博(愛知万博)は、きょう25日に閉幕する。会場周辺では、前日から、最終日の開門を待つ人たちが長蛇の列をつくった。

 長久手会場のゲート前には、25日に入場しようと家族連れらが24日早朝から並び始め、同日夜には数千人に。寝袋を用意して家族と並んだ愛知県岡崎市の小栗真司さん(46)は「いろんな人との交流を期待しています」と話していた。

 一方、この日、会場内には21万3657人が入場、開幕からの累計入場者数は2180万5492人となった。最終日の25日は、皇太子さまや小泉首相ら約2500人の出席が予定されている閉会式の後、公式マスコットキャラクターのモリゾー、キッコロが森に帰るセレモニーなどが行われる。

愛知万博、初の入場制限を実施 連休中日で人出最高ペース

2005/09/18 The Sankei Shimbun

 9月最初の3連休の中日となった18日、愛知万博(愛・地球博)会場は朝から多くの家族連れらが押し寄せ、午前11時現在の入場者数は約11万9000人に達し、同時刻としては過去最高となった。

 万博協会は、会場内の滞留入場者数が入場制限の目安としている17万人を超えることが見込まれるため、午後零時50分から、初の入場制限を実施した。

 同日午前8時25分の開場までに、各入場ゲート前には計約3万7800人が列をつくった。会場への主要アクセス、磁気浮上式リニアモーターカー「リニモ」は、万博八草駅で最大1時間15分待ち。6つの公式駐車場は同日午前9時までにすべて満車になった。(共同)

万博入場者2000万人突破 閉幕目前、連日約20万人

2005/09/17 The Sankei Shimbun

 愛知万博(愛・地球博)の累計入場者数が、開幕176日目の16日、2000万人を突破した。

 愛知万博は3月の開幕当初、悪天候などで入場者の出足は鈍かったが、大型連休以降は1日10万人を超える日が増え、8月18日に会期中の目標入場者数1500万人を達成。9月25日の閉幕を前に、駆け込みで連日20万人前後が訪れる盛況となり、累計入場者数はつくば博(1985年)の約2033万人を上回り、2200万人前後に達する見込み。

 この日は晴天に恵まれ、大勢の家族連れや団体客らでにぎわい、入場者は約20万9300人。富山市の主婦(61)は「2000万人とはびっくり。万博は初めてで、1時間待ってマンモスを見てロマンを感じました」と満足げだった。

 万博協会の中村利雄事務総長は「多くの方々の評価や期待がこれまで以上に高くなっているものと思う。心より感謝申し上げる」とのコメントを出した。(共同)

万博どっと25万人、開幕後最多 帰宅ラッシュ閉場後まで

2005/09/03 The Sankei Shimbun

 9月最初の土曜日の3日、愛知万博(愛・地球博)会場は続々訪れた家族連れらで最終入場者数が24万9873人に上り、3月25日の開幕以降で最多となった。これまで最も多かったのは、7月17日の約21万6000人。

 会場には朝から大勢の客が詰め掛け、6カ所ある公式駐車場は昼ごろにはすべて満車に。帰宅ラッシュは午後10時の閉場後も続き、主要交通アクセスの磁気浮上式リニアモーターカー「リニモ」の万博会場駅は午後10時25分のピークで、上下線とも約70分待ちとなった。

 万博協会は「今月25日の閉幕に向けて大混雑が予想されるため、新聞広告などで早めの来場を呼び掛けた結果、終盤の3連休を避けて前倒しで来てくれたのではないか」と分析している。

 協会は会場内の滞留入場者数が17万人を超えた場合、入場を一時制限する方針。3日午後には17万人近く滞留したが、午後2時ごろから帰宅客が増え始め、初の入場制限には至らなかった。

 ドイツ館の長蛇の列に並んでいた愛知県日進市の男性会社員(42)は「混雑するとは思ったが、ほかに来られる日がなかった。4月の平日に来た時は空いていたのに」とあきらめ顔だった。(共同)

17万人で万博入場を制限 閉幕間際の混雑対策で

2005/08/24 The Sankei Shimbun

 愛知万博協会の中村利雄事務総長は24日の会見で、9月25日の閉幕間際に駆け込み入場者の殺到が予想されることから、会場内の滞留が17万人を超えた場合は新たな入場を一時制限する方針を示した。

 協会は、販売済みの前売り入場券のうち約330万枚が未使用であることなどから、9月に2度ある3連休などは1日20万人を超えるケースもあり得ると想定。滞留が17万人を超えた際には、退場者数に応じて入場させることにする。

 最多入場者約21万6000人を記録した7月17日で、会場内滞留のピークが約16万人。大きな混乱はなかったが、中村事務総長は「これ以上の収容は安全上問題」と判断したという。(共同)

愛知万博リニモ、利用者1千万人突破

2005年07月03日 読売新聞

 愛・地球博(愛知万博)会場への主要交通機関となっているリニアモーターカー「東部丘陵線」(リニモ、藤が丘―万博八草間8・9キロ)の利用者が2日、1000万人を突破した。

 3月6日の開業以来119日目の達成で、目標より20日ほど早い。愛知高速交通によると、1日の平均利用者数は想定より1万人以上多い約8万4000人。6月は平均約10万5000人だった。

愛知万博の総入場者数、900万人突破

2005年06月25日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 愛・地球博(愛知万博)は25日午前、開幕からの総入場者数が900万人を突破した。会期はこの日から後半に入ったが、入場者は博覧会協会が目標に掲げる1500万人を大きく上回る1800万人に達する勢いだ。

愛知万博の入場者400万人突破

2005/05/15 The Sankei Shimbun

 晴天に恵まれた14日の愛知万博(愛・地球博)会場には、午前11時現在で8万1194人が入場し、開幕以降の累計入場者数が400万人を突破した。

 51日目での400万人達成について、万博協会は「ほぼ想定通りで、順調に推移している」としている。(共同)

真夏の日差しも入場者続々 GW2日目の万博会場

2005/04/30 The Sankei Shimbun

 愛知万博(愛・地球博)会場は大型連休2日目の30日、真夏を思わせるような日差しの中、家族連れや団体観光客らでごった返した。午後4時までの入場者は9万9106人で、同時刻としては開幕以来2番目の多さとなった。

 4つのゲートには開門前から計約1万6000人が並んだため、万博協会は時間を20分繰り上げて午前8時40分に開門。人気の企業パビリオンゾーンだけでなく、普段は比較的入りやすい外国館にも長い列ができ、ロシア館やスイス館では最高で40分待ちとなった。

 日が高くなるにつれて会場の気温はうなぎ上り。木陰のない企業パビリオンゾーンでは正午に最高の32度を記録した。

 人気のトヨタグループ館の整理券を求めて並んでいた愛知県豊田市の主婦(60)は「暑さでもう死にそう。どうして整理券をもらうのに何時間も並ばないといけないの」とうんざりした様子。

 昼食にインド館でカレーを食べていた名古屋市の会社員女性(45)も、「連休を避ける人が多いと思って来たが、込み過ぎ。落ち着いて食べていられない」とこぼしていた。(共同)

ツェッペリン号が関空に 愛知万博宣伝の飛行船

2005/04/21 The Sankei Shimbun

 2本目滑走路の建設が予定されている関西空港の2期島に21日、世界最大のドイツ製飛行船「ツェッペリンNT号」が愛知県弥富町の係留地から到着した。

 全長75メートルの巨大な白い機体が上空にふんわりと出現。関空を見下ろすようにゆっくりと高度を下げ静かに接地した。

 寄港は愛知万博(愛・地球博)のPRなどが目的。近畿地方や岡山、広島上空などを30日まで飛行する。

 同号は名古屋市に本社を置く飛行船会社がドイツのメーカーから購入。愛知万博や企業の広告を掲げ、各地を宣伝飛行している。(共同)

好天の週末、万博入場者は開幕以来最高の9万人

2005/04/17 The Sankei Shimbun

 愛知万博(愛・地球博)は16日、週末と好天が重なったこともあり、1日の入場者数としては3月25日に開幕してから最高の約9万2000人に達した。累計の入場者数は約146万7000人となった。

 昼ごろにはパビリオンを結ぶ空中回廊「グローバル・ループ」が家族連れなどで混雑。希少動物などの迫力ある三次元映像が人気の日立グループ館は入館まで最高3時間待ちとなり、政府出展の長久手日本館も2時間20分待ちの列ができた。

 万博協会は入場者増について「家庭で調理した弁当の持ち込みを認めるようにしたことなどの改善策が功を奏した面もあると思う」と話している。

 会場への公共アクセスとなる磁気浮上式リニアモーターカー「リニモ」は、地下鉄との連絡駅である藤が丘駅での待ち時間が、最高でも22分で済んだ。バスの団体客や、名古屋駅などからのシャトルバスを利用した人が、入場者の数を押し上げたとみられる。

 これまでの入場者の最高は、4月9日の約7万8500人だった。(共同)

万博会場「マンモスラボ」併設の屋根、一部焼く

2005/04/09 読売新聞 Yomiuri On-Line

 9日午前1時20分ごろ、愛知県長久手町の愛・地球博(愛知万博)会場で、冷凍マンモスを展示した「マンモスラボ」に併設された動く歩道の上部の屋根から煙が上がっているのを巡回中の警備員が見つけた。

 通りがかった植木用の散水車が屋根に向かって放水し、屋根の中央部約6平方メートルを焼いただけで消し止めた。冷凍マンモスに異常はなく、午前9時半からの観覧は通常通り始まった。

 県警国際博対策課によると、屋根にはマンモスラボの外壁をライトアップする直径約20センチの照明が計15基並べて設置されており、このうち中央部分を照らす照明の据え付け部分周辺が燃えていた。同課では、照明の配線などが漏電した可能性があるとみて、詳しい出火原因を調べている。

 マンモスは、愛知万博の人気展示の一つ。シベリアの凍土から発掘され、約1万8000年前のものと推定される。

「裏技」や耳寄り情報も…愛知万博関連サイトが人気

2005/04/04 読売新聞 Yomiuri On-Line

 愛・地球博(愛知万博)の情報を載せたインターネットの個人サイトや、日記形式で発信する「ブログ」(ネット上の記録であるウェブログの略)が人気を呼んでいる。

 公式ホームページ(HP)やガイドブックでは得られない「裏技」や耳寄りな情報も多く、会場を訪れる前にチェックする人が多いようだ。

 来場前、ネットの掲示板から「外国館はすいている午後が狙い目」「瀬戸会場からゴンドラで長久手会場入りすれば、企業パビリオンの整理券を取りやすい」という情報を得た富山市の会社員(29)は「どうしても見たかった企業パビリオンと外国館に入れました」と満足げだ。

 万博会場の感想や耳寄りな情報を提供する個人HP、掲示板は多数ある。「子供連れ」「カップル」などにコーナーを分けたHPもあり、「ベビーカーを押して入館したら最前列席に案内してくれた」という経験者ならではの情報も多い。

 個人サイトの一つ「Enjoy愛知万博」の掲示板には、1日ですべての企業パビリオンを制覇する方法や穴場の宿泊施設の情報なども寄せられている。開幕後のアクセス数は、1日1万〜1万5千件という。開設した愛知県岡崎市の大学生(21)は「入場者は具体的に役立つ情報を欲しがっている」と話している。

企業館に予約集中 愛知万博の事前予約システム再開

2005/04/02 The Sankei Shimbun

 プログラムの修正などのため、3月26日から停止していた愛知万博(愛・地球博)のパビリオンなどの事前予約システムが2日午前9時、再開した。

 万博協会によると、アクセスが殺到しているため、万博の公式ホームページ(HP)から入力画面につながりにくくなっているが、午前11時現在で企業館を中心に約8000件の予約が入った。

 予約システムは、パソコンや携帯電話からHPにアクセスし、前売り入場券の12けたの番号を入力して、1日に2件までパビリオンやイベントの予約ができる仕組み。

 翌々日から1カ月後までが対象期間だが、協会は「再開当初は混雑が予想される」として、2日に受け付けるのは、4日から10日までの予約に限定。徐々に予約対象日を増やし、16日には通常に戻す方針。

 4月最初の土曜日の2日、入場者数は午前11時現在で4万7664人。最多の約7万5000人が入場した3月29日と同様の出足となった。(共同)

家族連れ歓迎、業者ため息 万博に手作り弁当も“入場”へ

2005/03/31 The Sankei Shimbun

 小泉純一郎首相の鶴の一声で、愛知万博(愛・地球博)協会が弁当の持ち込み制限の解禁を検討していることについて31日、家族連れなど入場者はこぞって歓迎、会場内の飲食店からはため息が漏れた。

 協会は31日午後、条件付きで手作り弁当などの持ち込みを認める方針を発表する。この日のゲートでは朝から「弁当は持ち込めません」などの注意が少なかった。

 孫と一緒に北ゲートで並んでいた神奈川県湯河原町の無職男性(62)は「弁当が持ち込み禁止というので何も持ってこなかった。会場内では食事をするのも並ぶようだし、持ち込みできるのはいい」と笑顔。

 万博に来るのは3回目という愛知県瀬戸市の無職女性(63)は「弁当を持ち込めたら、お金も使わなくて済む。パビリオンもたくさん回れる」と喜んでいた。

 一方、会場内でカレーを販売する飲食店の責任者は「ようやく売り上げが伸びてきたのに。どれだけ影響が出るか」と不安げな表情だった。

 万博協会によると、午前11時現在の入場者は4万5104人だった。(共同)

万博への弁当持ち込み緩和検討 小泉首相指示で経産省

2005/03/30 The Sankei Shimbun

 愛知万博(愛・地球博)会場への飲食物持ち込み禁止に入場者らから不満が相次いでいる問題で、小泉純一郎首相が制限の緩和を検討するよう経済産業省に指示、同省と万博協会が協議を始めたことが30日、分かった。

 経産省博覧会推進室は「弁当については緩和の余地があるが、飲み物については安全上の問題から難しいのではないか」としている。

 推進室によると、万博会場への弁当持ち込みは食中毒防止のためで、遠足で引率者がいる場合などを除いて原則禁止。ペットボトルや缶、瓶入りの飲み物は危険物を持ち込まれないようテロ対策として禁じている。

 小泉首相の指示は29日夜、官邸から推進室に伝えられたという。

 現在、入場口での手荷物検査で飲食物が見つかった場合は廃棄してもらっているが、持ち込み禁止を知らなかった家族連れなどから不満が続出。仙台市の弁護士らは、持ち込み禁止は飲食施設利用と入場券との「抱き合わせ販売」に当たるとして、公正取引委員会に調査を求める申告をしている。(共同)

愛知万博は好天、入場者数も好転7万5千人

2005/03/29 読売新聞 Yomiuri On-Line

 好天に恵まれた29日、「愛・地球博」(愛知万博)会場には、朝から家族連れや団体客が大勢訪れ、入場者は7万5000人と、開幕以来最高を記録した。

 開幕翌日の26日から4日連続で入場者数を更新しており、次第に入場者が増え始めている。

 会場付近はこの日、早朝から強風が吹いた。秒速18メートルの風が5秒以上連続した場合は停止することにしているゴンドラは、風速計が同21メートルを計測したため、長久手、瀬戸両会場は開場時から終日、運行を停止した。博覧会協会は会場間を運行する燃料電池バスを増発して対応した。長久手会場内の南北を結ぶゴンドラも減速運転した。

 また、名古屋市営地下鉄とリニアモーターカー「東部丘陵線」(リニモ)が接続する藤が丘駅(名古屋市名東区)では一時、乗り換え客の待ち時間が、開幕後初めて30分に達するなど混雑した。

「万博会場への飲食物持ち込み禁止は独禁法違反」と告発

2005年03月28日 asahi.com

 愛知万博(愛・地球博)の会場内に飲食物の持ち込みが禁止されているのは独占禁止法に違反するとして、名古屋、仙台、札幌の弁護士3人が28日、公正取引委員会に告発した。

 「会場の秩序や保安上の理由」から飲食物の持ち込みが禁じられていることについて、弁護士らは「野球場などと異なり、瓶・缶類は危険物とはならない」などと指摘。「入場者は、指定した飲食物販売業者と取引するよう強制されている」としたうえで、こうした制約は、独禁法上、不公正な取引方法として禁じられている「抱き合わせ販売」にあたると訴えている。

愛知万博 好天の日曜、客足伸びず 協会「広報強化する」

2005/03/27 The Sankei Shimbun

 愛知万博(愛・地球博)会場は、初めての日曜日を迎えた27日、これまでの2日間の冷え込みが一転し、穏やかな好天に恵まれた。来場者数は午後4時現在で5万人を超え、開幕後で最多を記録したが「10万人前後に達する」という協会の想定を大きく下回った。

 協会幹部は「日曜にしては少ないことは事実。あまり知られていない見どころの注目度を高めるため、広報活動に力を入れる」との考えを示した。

 来場者はこれまでと同様、企業パビリオンを中心とした人気館に集中。ロボットショーが注目の「トヨタグループ館」は、30分以内で入場整理券を配り終え、マンモス展示の「グローバル・ハウス」でも、整理券を求める列が長くのびた。

 だが外国館など多くの施設はあまり待たずに入場でき、飲食店でも行列はほとんどなく、家族連れらはゆったりと食事を楽しんだ様子。トラブルが懸念された交通アクセスも、磁気浮上式リニアモーターカー「リニモ」の藤が丘駅で、ホームのドアが1カ所閉まらなくなる故障があったほかは、特に混乱はなかった。

 協会の藤田昌央事務次長は「外国館や市民が出展するパビリオンなど、魅力ある展示や催事をもっとアピールしたい」と話している。(共同)

シラク大統領が会場視察 愛・地球博

2005/03/27 The Sankei Shimbun

 フランスのシラク大統領が27日午前、愛知万博(愛・地球博)の会場を訪れ、「長久手日本館」などを視察した。25日の開幕以来、主要国の元首級の訪問は初めて。

 巨大な竹かごで覆われた同館で、女優で総館長の竹下景子さんや中川昭一経済産業相らの歓迎を受けたシラク大統領は、全球形スクリーンの「地球の部屋」を楽しんだ。

 同館を出た大統領は青空の下、フランス館まで5分ほど歩いて移動。集まった多くの人に笑顔で手を振っていた。

 大阪府堺市から来た車いすの女性(49)は「大統領が握手しに来てくれた。優しい方だった」とびっくりした様子で喜んでいた。(共同)

愛知万博、小雨模様で鈍い出足

2005/03/26 読売新聞 Yomiuri On-Line

 「愛・地球博(愛知万博)」が開幕して最初の週末となった26日、会場周辺は朝から小雨がぱらつく肌寒い天気となった。

 入場者の出足は鈍く、今ひとつ盛り上がりに欠ける滑り出しに関係者はやきもきしている。

 会場の入場ゲートには、同日午前9時半の開場前に計約1万人が並んだ。

 前日の開幕日より約1200人多かったとは言え、博覧会協会がこの日1日で見込んでいる入場者は、前日実績の3倍強の約15万人。

 協会関係者は「想定した人出とは程遠い。午後から天気が回復する可能性があるという予報なので、それにかけたい」と語った。

 ただ、入場者にとっては混雑せずに展示を楽しめるという“利点”もあり、午前6時に自宅を出たという愛知県藤岡町の会社員、池部賢一郎さん(44)は、「これなら子供が見たがっている冷凍マンモスの整理券が取れそう」とほっとした様子だった。

 この日午前は、会場までの主要交通手段となっているリニアモーターカーの東部丘陵線にも目立った混雑はなかった。

愛知万博パビリオン予約システムダウン、1週間停止

2005/03/26 読売新聞 Yomiuri On-Line

 博覧会協会は25日夜、協会の公式ホームページ(HP)から各パビリオン入場などの事前予約ができるシステムが開幕当日からダウンしたため、システムを26日から1週間停止して復旧作業を行うと発表した。

 このシステムは、万博の入場券を購入した人が、券に印刷されている番号などを協会のHP上で打ち込むと、パビリオン入場かイベント参加の事前予約が2つまでできるというもの。

 協会によると、システムを管理するサーバーがほかの情報管理などにも使われていたため、開幕直前からの接続急増に対応できなくなり、25日朝からシステムが機能しなくなったという。

 このシステムでは、23日午後にも接続が集中して予約できなくなるというトラブルが起きていた。

万博初日は4万人余、雪ちらつき予想の半分強

2005/03/26 読売新聞 Yomiuri On-Line

 25日に始まった「愛・地球博(愛知万博)」の会場は、民族衣装を身に着けた参加国のスタッフが入場者に笑顔で話しかけるなど、開幕日ならではの華やいだ雰囲気に包まれた。

 しかし、季節はずれの雪がちらつくあいにくの天気となったせいか、入場者数は、博覧会協会が予想した8万人の半分ほどの約4万3000人にとどまった。

 会場や交通機関で目立った混乱はなかったが、女性のお年寄りが長久手会場の北ゲート付近で転倒して右手首を骨折するなど、会場でけがをしたり気分が悪くなったりして手当てを受けた人は、約50人を数えた。

 また、人気パビリオンの一つである「JR東海超電導リニア館」では、一部のアトラクションに電源が入らなくなるトラブルがあり、開館から午後5時半まで運転を休止した。

両陛下と皇太子さま、愛知万博会場ご視察

2005/03/23 The Sankei Shimbun

 天皇、皇后両陛下と皇太子さまは愛知万博(愛・地球博)の開会式を翌日に控えた23日、視察のため愛知県長久手町の主会場を訪問された。愛知万博名誉総裁の皇太子さまが両陛下とともに視察されるのは初めて。

 両陛下と皇太子さまは、シベリアの永久凍土から発掘されたマンモスを展示するメーンパビリオン「グローバル・ハウス」へ。研究員が「まつげもあります」と説明すると、両陛下は「本当だ」と身を乗り出すようにして観察された。

 その後、両陛下と皇太子さまは政府出展事業総合監督でサックス奏者の渡辺貞夫さんや日本館総館長で女優の竹下景子さんと談笑しながら「長久手日本館」を見学。未知の映像を体験できる全球型スクリーンでは、見上げるなどして熱心に鑑賞された。

 皇太子さまは23日午前に瀬戸会場を視察。磁気浮上式リニアモーターカー「リニモ」で主会場に入り、両陛下と合流された。

 天皇、皇后両陛下と皇太子さまは24日、愛知万博の開会式に出席される。(共同)

愛知万博の日本館、ゴミ利用して電力供給

2005/03/22 読売新聞 Yomiuri On-Line

 経済産業省の山本明彦政務官は22日の政務官会議で、25日に開幕する「愛・地球博(愛知万博)」の会場内に生ゴミや廃プラスチックの回収場所を設け、これらを原料に長久手日本館の電力をまかなうことを明らかにした。

 ゴミなどから発生させたバイオガスをエネルギー源とする燃料電池や太陽光発電などを使用する。

愛知万博で人気「サツキとメイの家」 無料の入館予約券…ネット高騰に困惑

2005/03/12 The Sankei Shimbun

オークション?ダフ屋行為?対応難しく

 25日開幕の愛・地球博(愛知万博)に再現された人気アニメ映画「となりのトトロ」の主人公の家「サツキとメイの家」の入館引換券が、インターネット上のオークションに出品され万博協会が対応に頭を悩ませている。転売を禁じて予約を受け付けた無料の入館引換券だったが、入手が困難なために、数千円の高値で取引されることになってしまった。個人的競売なのか、販売目的で予約した業者による競売なのか判断が難しく、抜本的な対策も取り難いのが現状だ。 

 「サツキとメイの家」は、愛知万博で最も前評判の高いパビリオンの一つ。木造一部二階建ての建物は昭和初期の建築手法を用い、家具や調度品もアニメに忠実に昭和三十年代の暮らしを再現した。入館者は主人公の少女らのように家を歩きまわり、触ることができる。

 万博協会は、入館者の殺到を避けるため、日時指定の予約による完全入れ替え制を採用し、毎月一日から翌月分の入館予約を受け付けることにした。初の予約日となった今月一日は、開幕日から四月末までの三十七日間、二万九千六百人分の予約が、約四時間半で埋まる人気ぶりだった。

 ところが翌日、入館引換券がさっそくネットオークションに出品。十一日現在、同一出品者が入館日時や枚数の異なる引換券を出品し、一枚あたり数千円の高値がついているものもみられた。

 万博協会は「転売目的で予約券を入手する人がいると、本当に入館したい人に渡らなくなる」と不快感をあらわにする。

 二月に各ネットオークション主催者に入館予約券の出品の削除を要請したが、各社で対応が分かれた。

 ネットオークションを主催しているヤフージャパンは「違法なモノや他人の権利を侵害するモノなどは削除する基準を設けている。今回の入館引換券は、誰でも手に入れられる券で、削除基準に当たらないと判断した。むやみに出品の削除を繰り返すと、オークションの利便性が損なわれる」とし、現状のままでは削除しない方針だ。

 一方、同じようにネットオークションを手がける楽天は、協会の要請に応じ、入館引換券の出品があるたびに削除している。「安心してオークションを使ってもらうために、ユーザー間のトラブルのもとになる恐れのある出品は削除する方針で運営している」と話す。

 万博協会は転売目的の入館引換券の入手を難しくするため、一人で予約できる枚数を六枚から四枚に減らすことを決めた。また、入館予約券を入手できなかった人のために、外観だけを見学できる周遊コースを設定することにした。

愛知万博「リニモ」が開業 磁気浮上式で国内初

2005/03/06 The Sankei Shimbun

 25日開幕の2005年日本国際博覧会(愛知万博)への主要交通手段となる東部丘陵線「リニモ」が6日、開業した。国内で初めての磁気浮上式リニアモーターカーの営業運転。万博会場駅を経由して藤が丘駅(名古屋市)と万博八草駅(愛知県豊田市)の間約8・9キロを結ぶ。

 始発を待つ万博八草駅には、一番乗りしようと5日午後10時半から徹夜で並んだという三重県鈴鹿市の会社員男性(19)を先頭に約60人の列ができた。

 一番列車は6日午前5時半に出発。大分県日田市から駆け付けた会社員男性(45)は「車内の見た目は地下鉄と変わらないけど、加速がいいですね。ぐぐっときますよ」と満足。愛知県大治町の中1男子生徒(13)は乗車後、「かなり速かった。揺れが少ないから乗り心地も良かった」と興奮気味に話した。

 万博八草駅から2つ目の万博会場駅に近づくと乗客は「あっ、見えた」などと歓声を上げ、開幕まで待ち切れない様子で車窓からパビリオンを眺めていた。(共同)

世界に1つ、マンモスの「お尻」愛知万博で展示へ

2005/03/06 読売新聞 Yomiuri On-Line

 約1万年前に絶滅したとされるマンモスの臀部(でんぶ)がシベリア北部で見つかり、25日に開幕する「愛・地球博」(愛知万博)のメーンパビリオン「グローバル・ハウス」で展示される見通しとなった。

 これまで臀部の発見例はほとんどなく、現存するのは世界でこの1点だけという貴重な資料だ。

 臀部が見つかったのは、北極圏に位置するロシアのボリショイ・リャホフスキー島。一昨年8月、マンモスの牙を探していた地元の住民が、凍った土の中から発見して保管。番組制作のため編成された日本テレビのマンモス調査隊が、昨年8月、現地でその存在を確認していた。臀部は乾燥した状態で、短い尾が付き、体毛も残っている。

 6日に日本に運び込まれ、専門家らが調査などを行う予定。浜田隆士・東大名誉教授(古生物学)は「生殖器や肛門(こうもん)が見つかる可能性もある。解剖学的にマンモスを調査できる貴重な機会だ」と話している。

台湾のビザ免除決定 愛知万博期間中

2005/02/09 The Sankei Shimbun

 2005年日本国際博覧会(愛知万博)期間中に、台湾からの訪日観光客の査証(ビザ)を免除できる外国人観光旅客来訪促進法案が9日午前、参院本会議で全会一致で可決、成立した。

 政府は、同法に基づき愛知万博期間中の3月25日から9月25日までに台湾から訪れる観光客に、ビザなしで90日間の滞在を認める政令を決定、3月上旬に施行する方針。(共同)

水滴形乗り物を公開 愛知万博に出展

2005/02/01 The Sankei Shimbun

 在日ドイツ大使館は1日、愛知万博のドイツパビリオンに出展する「水滴」形の乗り物を報道陣に公開した。

 ドイツの映画スタジオで製作されたパビリオンは、母国の田園風景や水や火の中を駆け巡る「仮想空間」を舞台にした遊園地のようなアトラクションが売り物。

 来館者は、高さ5メートルの巨大な洞窟(どうくつ)から、6人乗りの丸みを帯びた「水滴」に乗り込み、全長300メートルの軌道を高速で下ったり、うねったりしながら、冒険旅行を楽しむ。

 ドイツ館コミッショナーのクライエンカンプ・ラーベさんは「エンターテインメントのほか、最先端技術が自然と環境を守ることも示したい」と話していた。(共同)

竹下景子さんが総館長に 愛知万博・日本館

2005/02/01 The Sankei Shimbun

 女優の竹下景子さんが1日、2005年日本国際博覧会(愛知万博)で政府が出展する日本館の総館長に就任、記者会見で「地球の未来のため、環境を守る大切さを来場者に伝えたい」と抱負を語った。

 日本館は地球温暖化防止や自然再生を呼び掛ける「つなぎ直そう。人と自然」がテーマ。竹下さんは地元の愛知県出身で、環境問題に関心を持っていることから委任された。

 竹下さんは会見で日本館で実証実験される生ごみ発電について「新しいエネルギーになるすごい技術だと思います」と早速、PRを開始。「訪れた人に環境に配慮した生活や技術を、分かりやすく伝えたい」と述べた。

 日本館は長久手、瀬戸両会場に設けられ、温暖化や公害問題を日本の先端技術で克服する取り組みを、展示や映像で紹介する。竹下さんは、開館式や主要イベントなどの案内役を務める。(共同)

愛知万博期間中の台湾ビザ免除で新法提出へ 自民

2005/01/27 The Sankei Shimbun

 自民党の観光特別委員会(二階俊博委員長)と国土交通、外交部会などの合同会議は27日、2005年日本国際博覧会(愛知万博)期間中に、日本を訪れる台湾からの観光客の査証(ビザ)を免除する新法を議員立法で今国会に提出することを全会一致で決めた。

 与野党同意を経て2月2日に国会提出、9日の成立を目指す。

 二階委員長は記者団に、万博期間中に中国からの団体観光ビザの発給地域を全土に拡大することについて「中国側の返答を待っている」と述べた。(共同)

万博控えホームレスのテントを撤去 名古屋市

2005/01/24 The Sankei Shimbun

 名古屋市は24日午前、同市中心部の白川公園で、行政代執行法に基づき、ホームレスのテントを強制撤去した。3月から始まる2005年日本国際博覧会(愛知万博)開幕を控えての措置とみられる。

 市職員や警備員ら約600人がテントを取り囲む中、公園内で生活しているホームレス8人のテントの解体作業を始めた。テントの中にいた男性を職員らが引きずり出すと、ホームレス側が「暴力反対」と訴えるなどもみ合いになった。

 公園に集まったホームレスの支援者は「話し合いは終わっていない。これが名古屋市のやり方か」と反発。松原武久市長は同日、「苦渋の決断。臨時相談所を開設し、今後の生活や宿泊場所の相談に乗る」とのコメントを発表した。

 白川公園のテントはピーク時で250に上り、昨年から市が「公園の適正な利用と改修工事の妨げになる」と退去を要請。公園付近に設置した一時宿泊所(シェルター)への入所などで次第に減ったが、最後まで残った8人に市が強制撤去を通告していた。(共同)

愛知万博のゴンドラ、試運転中

2004/12/12 asahi.com
 愛知万博(愛・地球博)の長久手会場内の丘陵地を、空中から眺めながら移動できる「キッコロ・ゴンドラ」が、白いボディーを揺らして試運転中だ。

 8人乗り。公式キャラクターの「キッコロ」の絵の付いた47台が、会場の北から南1キロを4分で結ぶ。1時間に片道2400人を運べ、車いすのままでも乗れる。

 同会場と瀬戸会場を往復するゴンドラは「モリゾー・ゴンドラ」。「移動を楽しんで」と大きな窓にした。「キッコロ、モリゾー」がここでも万博を盛り上げる。

リニアが名古屋に到着 JR東海、万博で展示

2004/12/08 The Sankei Shimbun
 来年3月開幕の2005年日本国際博覧会(愛知万博)で、JR東海が展示するリニアモーターカーが8日、山梨リニア実験線から名古屋港に到着、搬入式が行われた。

 到着したのは、昨年12月に鉄道の有人走行で世界最高の時速581キロを出した編成の先頭車。1995年に愛知県小牧市で造られ、約24万5500キロの実験走行実績がある。

 「超電導リニア館」の木学康充館長は「実物の車両を見ていただくことで、超電導リニアが手の届くところにきていることを実感していただきたい」とあいさつ。万博で来場者を案内するアテンダントが、リニアと同じ白と青のスーツ姿で「ぜひ、リニア館にお越しください」と呼び掛けた。

 リニアは展示向けに車内を改装後、1月21日に同県長久手町の万博会場に入る。(共同)

「日本館」のユニホーム発表 来年3月開幕の愛知万博

2004/12/08 The Sankei Shimbun
 2005年日本国際博覧会(愛知万博)協会は8日、来年3月開幕の同万博で、政府が出展する「日本館」(瀬戸、長久手両会場)の案内係約150人が着用するユニホームを東京都内で発表した。

 あい色の綿ジャケットと白のパンツ。シャツは竹林をイメージした水色の縦じま柄。万博は環境保全をテーマにしており、同協会は「ジャケットは日本の空と海をイメージ。全体としては人と自然の共存の大切さを表現した」としている。

 案内係は、日本館で開かれる展示やイベント内容を来場者に説明するほか、障害者や外国人観光客の移動を手助けする。ユニホームは公募で、40点の応募の中から、東京都多摩市のデザイナー、佐谷真樹さん(48)の作品が選ばれた。

 同協会はこの日、案内係が来場者の予約の確認やスタッフ間の連絡のため使う、携帯電話型の情報端末も発表。万博が日本の情報技術(IT)発信の場であることもアピールした。(共同)

リニモに米国人のデザイン 万博協会が公開

2004/11/29 The Sankei Shimbun
 2005年日本国際博覧会(愛知万博)協会は29日、公募していた浮上式リニアモーターカー「リニモ」の車両デザインを公開した。

 計284点の応募から最優秀賞に輝いた米国人デザイナー、ウロソ・チャペルさん(37)の作品。5両編成の先頭車両から順に青、緑、黄、緑と変化させ最後尾で青に戻る配色で、側面全体に愛知万博の英訳「EXPO 2005 AICHI」の文字が描かれている。

 審査委員長の大谷茂暢・愛知県立芸術大教授は「ダイナミックな表現で、万博にふさわしいデザイン」と高く評価した。

 リニモは、万博の主会場に直結する唯一の鉄道アクセスで来年3月に開業する。今回採用の特別塗装は計9編成のうち、万博協会所有の1編成に施される。(共同)

台湾人のビザ免除検討を 万博控え首相が指示

2004/09/24 The Sankei Shimbun
 小泉純一郎首相は24日午前の閣僚懇談会で、2005年日本国際博覧会(愛知万博)への外国人観光客数を増やす一環として、台湾からの観光客の査証(ビザ)免除を検討するよう関係閣僚に指示した。

 石原伸晃国交相が台湾からの観光客のビザ免除について「愛知万博を控えており、免除すべきではないか」と指摘し、中川昭一経産相、麻生太郎総務相が賛同した。

 外遊中の川口順子外相の代理を務める細田博之官房長官は「中国との関係を十分配慮しながら、善処しなければならない」との外務省作成のメモを読み上げたが、首相は「台湾について(ビザなしでの渡航が)できることを考えて進めたらどうか」と述べた。

愛知万博まであと半年、見せる環境技術に力

2004/09/20 The Sankei Shimbun
 05年日本国際博覧会(愛知万博、愛称=愛・地球博)の開幕まで半年に迫った。自然破壊が批判され大もめだったが、環境配慮や市民交流を前面に出し、企業も先端の環境技術展示に力を入れる。約6400万人が入場し、開発型だった大阪万博(70年)とは異なる万博を目指すという。ただ全国での知名度不足は否めず、あと半年でどう盛り上げるか、関係者は躍起になっている。

 名古屋市中心部から東へ約20キロの丘陵地帯。ひょうたん型の空中回廊「グローバル・ループ」(全長2.6キロ)の周りに、びっしりと展示施設が立て込んでいる。

 先週、中川経産相や小池環境相が相次ぎ視察した。中川経産相は「自然を生かした会場になった」と満足そうに話した。

 愛知万博は88年、愛知県などが中部国際空港など巨大事業を誘致する、テコにしようと構想。もっと東の里山、海上(かいしょ)の森を切り開き、跡地を住宅団地にするはずだったが、保護団体が反対。99年に絶滅が危惧(きぐ)されるオオタカの営巣が確認され、主会場を移した。博覧会国際事務局(BIE)も旧計画に批判的で、日本が総会での計画登録を延期するなどごたごた続きだったことは、海外関係者にも知れ渡っている。

 14日、現地で開かれた、各国への展示スペース「グローバル・コモン」の引き渡し式。約290人が参加する中、各国代表団のベルナール・テステュ運営委員会議長は「様々な障害を乗り越え、ようやく道筋が示された」と感慨深げだった。

 <見せる環境技術>

 曲折の末、二つに分かれた会場は計173ヘクタール。大阪万博の半分だ。林や池も残す必要があり、各国は単独館ではなく大陸ごとに六つの集合施設に入ってもらう。高低差が40メートルあるが、地表改変を抑えるため、空中回廊を造って会場をほぼ水平に一周できるようにした。床の多くはペットボトルをリサイクルした素材やユーカリ材だ。

 日本は環境配慮を得意の技術力で見せることに腐心した。木造2階建ての長久手日本館は、高さ20メートル弱の竹製ドームで覆う。夏でも冷房を使わず涼しくする。ドームは縦約100メートル、横約70メートルあり、竹の構造物としては世界最大だ。大気圏が生命体を守る地球などをイメージした。日本館に必要な電力はすべて、会場内の太陽光発電や生ごみ発電、燃料電池でまかなう。

 会場の内外ではITS(高度道路交通システム)を使い、携帯電話に最適経路の地図を示すなどして案内する。企業の実証実験の場でもあり、連日、環境技術見学のエコツアーも組まれる。

 引き渡し式で、豊田章一郎万博協会長は「最先端の技術を発信していきたい」と胸を張った。

 <地元偏重>

 「万博を可能な限り多くの人たちに訴える必要がある」「成功か否かは広報にかかっている」

 16日、東京都内で開かれた愛知万博の国際諮問委員会。BIE事務局長ら海外委員から宣伝強化を求める声が相次いだ。

 前売り入場券は既に700万枚以上を売り上げており、入場目標の1500万人達成は視野に入ってきたが、協会が販売した前売り券335万枚のうち地元3県(愛知、岐阜、三重)が83.2%を占める。関東は11.5%、関西は2.6%と地域差が目立つ。

 もともと国の財政難で会場建設費の3分の2は地元自治体や民間負担。「国の事業なのに、地方イベントと言われがち」と愛知県幹部が嘆くほどで全国にどう浸透するかは当初からの課題だ。

 協会も話題作りに躍起だ。6日、195件の市民参加プロジェクトを発表した。これまで150年の万博の歴史で市民が企画段階からこれほど大規模にかかわるのは初めて、という。

 シベリアの凍土からマンモスを掘り出す計画も総事業費10億円で進行中。もっとも目標だった「世界初の丸ごと冷凍展示」は無理で結局、頭部などの展示にとどまりそうだ。大阪万博で話題になった、米国の「月の石」の展示も検討している。

 協会の中村利雄事務総長は「地球環境を考え、楽しくて夢のある万博にしたい」と話している。

     ◇

 〈愛知万博〉 テーマは「自然の叡智(えいち)」。05年3月25日〜9月25日、メーン会場は、長久手会場(愛知県長久手町と同県豊田市)。環境破壊が問題になり、規模を縮小した瀬戸会場(同県瀬戸市)の2会場で開く。会場建設費は1350億円。122カ国の参加が決まっている。

愛知万博宣伝飛行、ツェッペリン号がシベリア越え断念

2004/08/28 読売新聞 Yomiuri On-Line
 ドイツから日本まで、愛・地球博(愛知万博)の宣伝飛行を続けていた「日本飛行船」(名古屋市中区)の飛行船「ツェッペリンNT号」が、ロシア・シベリア上空の飛行を断念したことが28日、わかった。

 今後、船で日本に輸送するが、今月中に予定されていた到着時期は大幅にずれ込む見通しだ。

 同社によると、ロシア政府からの飛行許可が予定よりも遅れたことで、今後、雪や霜のために飛行に支障が生じる恐れが出てきたことが断念の理由。さらに、今月25日(日本時間)に起きた旅客機2機の墜落事件で、飛行を続行しても、ルート変更などを要請される可能性があると判断した。

 飛行船は今年6月にドイツを出発し、パリやロンドンなどを経て、7月中旬からフィンランドで待機していた。当初計画は、75年前にドイツからシベリアを越えて日本に飛来した飛行船「ツェッペリン号」とほぼ同じルートをたどる予定だった。

保存状態は良好 冷凍マンモスの左前脚確認

2004/06/21 The Sankei Shimbun
 シベリアに埋もれている冷凍マンモスを展示する計画を進めている2005年日本国際博覧会(愛知万博)協会は21日、ロシア・サハ共和国に派遣していた学術調査隊が左前脚などを確認したと発表した。

 調査隊はロシアなどとの合同チームで日本からの派遣は初めて。サハ共和国の北端にあるユカギル村から東約30キロの地点で雪や氷を取り除いて調査した。

 確認された左前脚はひざから下の約1.2メートル。皮膚や筋肉も残っており、体毛や腸の内容物とみられるものも見つかった。調査隊は左前脚をヤクーツクの研究所に運び、冷凍保存した。これまで牙の付いた頭部が見つかっており、同じ研究所で保存している。

 万博協会の中村利雄事務総長は「これまでの冷凍マンモスに比べて保存状態は良好で、研究に値する」と評価している。

 万博協会は8月末に再び調査隊を派遣。今回はロシア連邦の許可が下りずに使えなかった地中レーダーを使って発掘地点周辺でマンモスの体が埋もれていないか探し、9月下旬から10月に計画している発掘に備える。

マンモス調査隊、5日に永久凍土へ出発

2004/06/03 The Sankei Shimbun
 2005年日本国際博覧会(愛知万博)協会は3日、ロシア・サハ共和国の永久凍土に埋もれているマンモスの学術調査隊が5日に日本を出発するなどの、今後の調査スケジュールを公表した。

 日本側のメンバーは東京慈恵会医科大の鈴木直樹教授(50)ら13人。5日と6日に分かれて日本を出発し、7日にサハ共和国の首都ヤクーツクに到着。ロシアやフランスなどの学者ら14人と合流し、9日に北極海近くのマンモスが埋もれている地点にヘリコプターで入る。

 現地では三次元地中レーダーを使って、マンモスの体の位置を探査。発掘方法を検討するための測量や現場付近の写真撮影などを行い、17日に帰国する。

 世界初となる全身がそろった成獣の冷凍マンモスの展示を目指し、協会はロシア連邦やサハ共和国と合同で学術調査を進めることで先月合意した。

マンモス頭部の写真公開 愛知万博、来月から調査へ

2004/05/27 The Sankei Shimbun
 ロシア・サハ共和国のシトイロフ大統領は27日、2005年日本国際博覧会(愛知万博)協会の中村利雄事務総長とともに名古屋市内で記者会見し、同博覧会で展示が予定されている冷凍状態のマンモスの頭部写真を初めて公開した。

 このマンモスは2002年11月にサハ共和国の中心地、ヤクーツクから北約1200キロの北極海に近い永久凍土地帯で見つかり、1万年以上前のものと推定される。

 近くの村の名から「ユカギル・マンモス」と名付けられ、頭部はヤクーツクの研究所で冷凍保管されている。キバの長さだけで約3・2メートルという。

 日米の科学者を含む学術委員会が来月上旬、現地を訪れ、胴体などの発掘方法を最終的に決める。

 マンモスの運搬方法や費用負担の協議で来日した大統領は「人間によって絶滅したとも言われるマンモスの展示は(環境をテーマとする万博にとって)大きな意味がある」と述べた

超電導リニア館に光触媒 愛知万博でJR東海が技術力アピール

(中日新聞)YAHOO! News!! 2004/05/08
 【愛知県】JR東海は、愛・地球博(愛知万博)に出展する「超電導リニア館」で、独自に開発している光触媒の技術を活用する。パビリオンのテントの浄化に役立てるほか、光触媒の水になじみやすい特性を生かしてテントに水膜を張り、行列待ちの暑さを和らげる“打ち水”効果も試す。

 光触媒は、光が当たると強い酸化作用を持ち、有機物を分解する性質を持つ物質で、酸化チタンが代表的。JR東海は、新幹線の喫煙車両のたばこのにおいを消す空気清浄器への応用を視野に入れ、自社の機能材料研究所(愛知県小牧市)で開発を進めている。

 酸化チタンを利用した冷却システムは、政府館でも採用される。JR東海は万博を目標にして、光触媒という本業以外の技術開発に取り組み、実用化を目指す。

 超電導リニア館では、リニアモーターカーの展示車両を覆うテントの表面を酸化チタンでコーティング。太陽の紫外線を受けると生じる酸化分解作用でテントに付着した汚れを浄化する。JR東海は「清掃の手間を掛けず、常にきれいな状態を保てる」と説明している。

 また、水をはじきにくい酸化チタンの「超親水性」を生かし、行列用のテントに薄い水膜を形成。直射日光で水が蒸発する際に気化熱を奪う仕組みを利用し、夏場に行列待ちする人に涼しく過ごしてもらう。

 JR東海は「昔ながらの打ち水と同じ効果が期待できる。冷却用のエネルギーを減らすこともできるので環境にも優しい」と話している。

愛知万博、前売り券の販売枚数が718万枚に 2004/04/20 The Sankei Shimbun
 2005年日本国際博覧会(愛知万博)協会は20日、当日券の20%引きで昨年9月から今年3月まで発売した第1期前売り入場券の販売枚数が718万7528枚に達したと発表した。

 協会が7日に速報値として発表した約704万枚に、未集計だったコンビニやスーパーなどでの個人客向けの販売分を中心に約15万枚が上積みされた。協会側は「個人向けも予想を上回る好調な売れ行き」としている。

 前売り目標800万枚の約90%で、入場者数の目標にしている1500万人の48%となった。前売り券は、割引率を段階的に下げて開幕前日の来年3月24日まで販売される。

愛・地球博:会場整備急ピッチ 開幕まで1年 2004年03月24日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 「自然の叡智(えいち)」をテーマに、人類が直面する地球規模の課題解決の方向性を発信する05年日本国際博覧会(愛・地球博)は来年3月25日、名古屋市中心部から東へ約20キロの名古屋東部丘陵で開幕する。

 会場整備は急ピッチで進んでおり、メーンの「長久手会場」(愛知県長久手町)では、各施設を弧を描いてつなぎ、観客の通路となる空中回廊「グローバル・ループ」(全長2.6キロ)が全体像を現すようになった。

 日本で開かれた国際博では、最多の125カ国が参加を表明。ほかに8国際機関が参加を決定し、185日の期間中、1500万人の入場者を見込む。事業主体の博覧会協会は、開幕1年前を機に東京や大阪でプレイベントを開いており、中部地方以外での知名度アップに躍起だ。【相良美成】

ロボットの楽器演奏で歓迎 愛知万博「トヨタグループ館」 2004年03月22日 The Sankei Shimbun
 トヨタ自動車などグループ17社は22日、2005年日本国際博覧会(愛知万博)に出展するパビリオン「トヨタグループ館」の詳細を明らかにした。トランペットを吹奏するロボットのショーを上演し、未来の車社会や技術を紹介する。

 ショーは2部構成で、1部では10体ほどのロボットが楽器を演奏したり、司会者と掛け合いをしながら入場者を歓迎。2部ではロボットのほかに、1人乗りの超小型電気自動車「i−unit(アイユニット)」が舞台や客席間を走り回る。360度の大型スクリーンが客席を取り囲み、風景や未来の交通社会の映像を映して「自由な移動」や「人と車の新しい関係」を提案する。

 入場場所では最新のバイオや省エネ技術を展示。退出場所には「i−unit」のシミュレーターを置き、来場者が走行体験できるようにし、ロボットや未来の乗り物の技術も展示する。

 外壁や内装には、古紙再生紙の壁材や植物のケナフ材を活用。鉄骨もボルト穴を開けず溶接もしない工法を用いて100%のリサイクルを目指す。電気は、愛知県田原市に設けるトヨタの風力発電機で賄う計画だ。

愛知万博・日本政府館で起工式

2003年10月16日 The Sankei Shimbun

 2005年日本国際博覧会(愛知万博)の日本政府館の起工式が16日午前、主会場となる長久手会場(愛知県長久手町)で開かれた。

 展示館の起工式は今月10日の愛知県館に続き2件目。万博協会の豊田章一郎会長や政府館総合監督の渡辺貞夫さんらがあいさつした後、くわ入れ。来年12月の完成を目指す。

 政府館は長久手会場と瀬戸会場(同県瀬戸市)の双方に建設。長久手会場の施設は、まゆの形をした竹かごが覆うユニークな外観。瀬戸会場の「里山日本館」(仮称)は、里山の文化を紹介する。

オランダが愛知万博参加を表明

2003年09月08日 The Sankei Shimbun
 愛知県は8日、2005年日本国際博覧会(愛知万博)にオランダが参加を表明したと発表した。これで愛知万博への参加は116カ国と、国連教育科学文化機関(ユネスコ)など8国際機関の計124となった。

来日中のブレア英首相、愛知万博への参加表明

2003/07/19 読売新聞 Yomiuri On-Line
 来日中のブレア英首相は19日午前、都内のホテルで日本の企業経営者ら300人以上を対象に講演し、席上、2005年の愛知万博への英国政府としての参加を表明した。

 首相は同日午後、神奈川県箱根町で小泉首相と会談し、北朝鮮の核開発問題やイラクの戦後復興問題などについて話し合う。

マンモス発掘に調査団派遣 愛知万博に向け

2003年07月07日 The Sankei Shimbun

 2005年日本国際博覧会(愛知万博)協会は7日までに、シベリアの永久凍土地帯で氷漬けになっているマンモスを発掘するための調査団を今月下旬にロシアに派遣することを決めた。

 発掘に成功すれば、冷凍状態のまま愛知万博のメーンパビリオン「グローバル・ハウス」で公開、「自然の叡智(えいち)」をテーマとする万博の目玉にする。

 成獣のマンモスの全身が氷漬けで掘り出された例はない。調査団の中心となる江戸川大の餌取章男教授は「完全な状態の成獣のマンモスが見つかる可能性は70%くらいだろう」と話している。

 餌取教授ら調査団は今月下旬に日本を出発。3グループに分かれて成獣のマンモスが見つかる確率が高いロシア・北極圏のタイムイル半島や、ヤクーツクを目指す。

 約1カ月間、ヤクーツクなどに滞在し、情報収集するとともに上空からヘリコプターで探査。モスクワなどでロシア当局との交渉も進める。

 氷漬けの成獣が見つかれば、永久凍土から切り出しても溶ける心配のない04年9月から10月に発掘。冷凍のまま日本に空輸し、05年3月25日から半年間開かれる万博に展示する。

 マンモスは約1万年前に絶滅したゾウ。全身が長い毛で覆われ、長い牙があるのが特徴。

愛知万博、BIE総会で正式承認

2000.12.15(19:44)asahi.com
 博覧会国際事務局(BIE)は15日午前(日本時間同日夕)、パリで総会を開き、2005年日本国際博覧会(愛知万博)の会場計画や資金計画を正式に承認した。会場予定地の海上(かいしょ)の森(愛知県瀬戸市)の環境問題などで揺れ、計画変更を繰り返した愛知万博は、予定より半年遅れでようやく国際的な承認を受けた。日本側は年明けから、参加国招請などの具体的な準備に入る予定だ。

 総会では、11月に会場予定地を視察したBIEのテスチュ執行委員長らが「登録妥当」と報告、加盟各国が受け入れ、登録承認が決まった。これを受けて、愛知県の神田真秋知事は「700万県民を代表して感謝したい。新しい時代をリードする博覧会にし、2005年に最高の歓迎をしたい」と謝辞を述べ、知事と博覧会協会の豊田章一郎会長がBIE旗を受け取った。

 今回の決定を受けて、日本側は年明け以降、参加国招請や資金集めを本格させる。今年のドイツ・ハノーバー万博に財政上の理由で参加しなかった米国に働きかけるほか、和解ムードが進んでいる南北朝鮮に統一出展を求める案などが、関係者の間で浮かんでいる。また、企画立案の中心になる総合プロデューサーも選任する計画だ。

 愛知万博は「自然の叡智(えいち)」をテーマに、2005年3月から半年間、開催される。会場は海上の森(15ヘクタール)と愛知青少年公園(同県長久手町、158ヘクタール)の計173ヘクタールになる。想定入場者は1500万人で、大人の当日入場料は現在5000円に設定されている。

愛知万博、BIE12月総会で登録へ

2000.11.16(01:33)asahi.com
 2005年日本国際博覧会(愛知万博)について、博覧会国際事務局(BIE、本部・パリ)は15日、執行委員会を開き、日本側が提出していた計画を評価する意見をつけ、12月15日に予定されている総会の審議にかけることを決めた。開催に向けて大きな問題はなくなったと判断したようだ。総会が、開催に必要なBIEへの登録を認めることは確実で、愛知万博は参加国の招請など、計画の実施段階に入ることになる。

 執行委員会では、今月8日から現地調査のため来日したテスチュ執行委員長が、(1)会場へのアクセス改善に日本が努力を約束した(2)外国政府館の展示面積が4ヘクタールから5ヘクタールに拡大された――などを説明。BIEの関係者によると、日本側の計画には「極めて積極的な評価が出された」という。

 日本は1997年のBIE総会で開催権を得たが、実際に開催するには、さらにBIEへの計画登録が必要。総会での登録によって日本の計画が国際的な承認を受け、開催に向けての具体的な活動に入ることができる。

 愛知万博の当初計画は、会場周辺の自然環境への配慮を欠いた「20世紀型の開発志向」だとしてBIEから厳しく批判された。このため日本側は、当初予定していた今年5月のBIE総会での登録を断念。跡地の住宅地利用などを撤回した新しい計画で今年9月に登録申請をした。

 12月のBIE総会で計画が正式登録されれば、日本政府は、直ちに出展する外国政府や国際機関の招請活動に入る方針だ。計画づくりや運営を担当する博覧会協会は、2002年4月からの会場建設を目指し、パビリオンの設計などの作業に入る。

 ただ、計画の具体化へ向け、海上(かいしょ)の森(愛知県瀬戸市)と愛知青少年公園(同県長久手町)の2会場に分散していることや、環境に配慮した結果、展示面積が従来の万博に比べて狭くなった点が不安視されている。「自然の叡智(えいち)」というテーマを具体化する展示の中身も大きな課題となっている。

愛知万博の計画を基本的に評価 博覧会事務局

2000.11.11(15:05)asahi.com
 2005年日本国際博覧会(愛知万博)の会場計画を審議するため、愛知県を訪れていた博覧会国際事務局(BIE、本部パリ)の調査団は11日午前、名古屋市で記者会見し、外国政府館の拡大などに日本側が努力することを前提に、日本側が9月に登録申請した会場・資金計画を評価する考えを明らかにした。BIEは12月15日に総会を開き、計画を登録するかどうか諮るが、日本側は正式登録に向け、大きく前進したと受け止めている。

 BIE調査団は8日に来日し、平沼赳夫通産相らと会談したあと愛知県入り。海上(かいしょ)の森(愛知県瀬戸市)など会場予定地を視察したほか、博覧会協会や通産省などと実務協議を行い、締めくくりとしてテスチュ執行委員会委員長らが記者会見した。

 テスチュ氏は会見の中で、(1)愛知青少年公園(同県長久手町)に予定される外国政府館の展示面積を1ヘクタール程度拡大(2)海上の森と青少年公園両会場間のアクセスを改善(3)両会場でそれぞれどんな展示、催しものを行うか違いを明確にする――などの点に日本側が努力することになったと説明。その上で、同氏は「疑問点についてはすべて確認できた。大きな変更を要求したということではない。(視察の)当初の目的を達成できたことに満足している」と述べ、視察結果を15日にパリで行われる執行委員会に報告するとした。

 続いて記者会見した博覧会協会の坂本春生(はるみ)事務総長は「BIEの疑問にはすべて答えた。もう宿題は残っていない」と語った。

 BIE側は一貫して、過去の万博と比べて会場面積が大幅に狭いことや、両会場間のアクセス問題に懸念を示してきた。このため、12月の登録に向け順調に進む場合も、並行してこうした面の調整が行われることになりそうだ。

 一方、博覧会協会や通産省などとBIEは記者会見に先立って11日朝、実務協議を行った。この中で、日本側は外国政府館の展示面積に関連し、建ぺい率の見直しや、展示と関係しない施設を会場外に移すことで、展示面積を拡大する考えを伝えた。日本側はこうした見直しにより、現在の4ヘクタールから5ヘクタールに拡大する考えだ。

愛知万博の規模見直しなど求め、要望書を通産相に提出

2000.09.18(18:25)asahi.com
 2005年日本国際博覧会(愛知万博)の開催会場の愛知青少年公園がある愛知県長久手町で、騒音や渋滞に対する懸念が出ている問題で、地元選出の大島令子衆議院議員(社民党)は18日午前、「万博とくらしを考える長久手町民の会」の代表者らとともに平沼赳夫通産相に会い、同公園会場の規模見直しと住民合意を求める要望書を提出した。

 要望書は「現計画では、町民の生活環境への影響が深刻なものになると予想されるため認められない」としたうえで「住民合意が得られるまで、博覧会国際事務局(BIE)への登録申請は行わないこと」を求めている。計画案の閣議決定延期を求める要望書も併せて提出した。大島議員らによると、平沼通産相は「住民の合意は大切だ」などと述べたが、要望に対する具体的な言及は避けたという。

愛知万博、博覧会協会が会場・資金計画を正式決定

2000.09.13(00:02)asahi.com
 2005年日本国際博覧会(愛知万博)の計画作りや運営に当たる博覧会協会(豊田章一郎会長)の理事会・評議員会が12日午後、東京都内のホテルで開かれ、会場・資金計画を最終的に決定した。会場建設費は1350億円で、入場料などで賄う運営費は550億円となった。会場面積は、海上(かいしょ)の森(愛知県瀬戸市)を大幅縮小して隣接する愛知青少年公園(同県長久手町)に中心を移し、計182ヘクタールとした。今年1月、当初計画を、博覧会国際事務局(BIE)が「20世紀型の開発主義」と批判した極秘会議録が表面化して以来、8カ月の曲折を経ての決着になった。政府は19日にも同計画を閣議決定し、BIEに登録申請する。

 決定された計画には(1)開催期間は2005年3月25日から9月25日まで(2)メーンテーマは「自然の叡智(えいち)」(3)想定入場者数は1500万人で収支の見積もりをするが目標を1800万人として努力する、なども盛り込んだ。

 会場運営費の柱になる入場料は、大人1日5000円で、子どもや団体割引を含めた平均は2750円を想定した。想定入場者数の1500万人を下回れば、赤字の可能性もある。

2005年を「国際年」に 愛知万博で政府が要望へ

2000.09.03(07:11)asahi.com
 2005年日本国際博覧会(愛知万博)をめぐり、政府が博覧会国際事務局(BIE)に提出する登録申請書案が2日、明らかになった。環境問題で揺れた海上(かいしょ)の森(愛知県瀬戸市)を「象徴的な会場」と位置づけ、テーマ館や政府シンボル館を設けるなど会場計画の詳細を記載。また、2005年をメーンテーマの「自然の叡智(えいち)」に沿った「国際年」に指定するよう、国連に要望するなど国際機関との連携を強めることや、「市民参加」「海外マーケティング」など開催までの行動計画も盛り込んでいる。この案をもとに通産省などが政府内で最終協議を進めている。調整が終われば、19日に閣議決定し、同日中にもBIEに提出する予定だ。

 申請書案は博覧会協会が中心になって作成。冒頭でテーマ「自然の叡智」について、「技術と芸術と精神文化の可能性を結集し、来るべき時代の地球文明のひな型を創造する」と説明し、自然と人間の共生を考える機会にするとした。

 また、万博を開催する2005年(期間は3月25日―9月25日)までの期間に、国連環境計画(UNEP)の「国際こども環境会議」(2004年を想定)を愛知県に誘致するなど国際的なイベントを展開し、国際年を迎えるというスケジュールを予定している。

 会場計画のマスタープランでは、登録面積を海上の森と、愛知青少年公園(同県長久手町)など182ヘクタールとした。海上会場は、メーンテーマを「具現化する象徴的な会場」として政府シンボル館と3つのテーマ館を置く。

 536億円を予定している運営収入の確保は入場料や万博のシンボルマーク・ロゴの使用料、会場内の営業権料などのほか、「インターネット・アクセス料」「テレビ放映権料」なども検討するとした。

 1447億円を軸に調整している会場建設費は、国、自治体、「民間等」で負担するとし、「民間等」の中には民間の寄付のほか宝くじや公営ギャンブルの収入も含めた。こうした資金計画は調整の最終段階に入っている。

愛知万博の全体計画を検討会議に報告 博覧会協会

2000.08.19(01:30)asahi.com
 2005年日本国際博覧会(愛知万博)をめぐり、博覧会協会は18日、名古屋市内で行われた「愛知万博検討会議」(委員長・谷岡郁子中京女子大学長)に、海上(かいしょ)の森(愛知県瀬戸市)、愛知青少年公園(同県長久手町)両会場を合わせた全体計画を報告した。

 パビリオンなど展示面積は青少年公園が約6ヘクタールになり、会場全体で約8ヘクタールになった。検討会議の委員からは、青少年公園について新たに環境影響評価を求める意見などが出されたが、協会側は基本的にこの会場計画で、9月に博覧会国際事務局(BIE)への登録申請をめざす方針だ。

愛知万博「海上の森」利用は5分の1に大幅縮小

2000.07.24(23:13) asahi.com
 自然保護団体などの批判を受け、会場計画の見直しが進められてきた2005年日本国際博覧会(愛知万博)は24日、新しい計画案が固まった。焦点だった海上(かいしょ)の森(愛知県瀬戸市)の利用については、今春段階で約57ヘクタールだった利用面積を、5分の1程度に大幅縮小することで決着した。自然保護団体の一部にはなお不満も残っているが、博覧会協会は国の閣議決定を経て、9月上旬にも博覧会国際事務局(BIE、本部パリ)に登録申請する。年内に正式な登録を終え、会場整備や参加国の誘致などに本格的に取りかかる考えだ。

 愛知万博をめぐっては、会場整備を兼ねた海上の森の宅地開発(新住宅市街地開発事業=新住事業)を、BIEや自然保護団体が批判。これを受けて、今年4月に、博覧会協会と通産省、愛知県の3者が新住事業を断念した。その後、保護団体や地元住民団体も参加する「愛知万博検討会議」(委員長・谷岡郁子中京女子大学長)を設置し、見直し協議が続いてきた。

 4月初めに新住事業を断念するまでは、海上の森北地区を含む約57ヘクタールを会場として利用する計画だった。しかし、24日に名古屋市で開かれた検討会議第8回会合では、博覧会協会が、(1)海上の森の利用は、西・南地区の12、3ヘクタールに限定する(2)このうち南地区は、恒久的な施設1つにとどめ、造成面積を最小化する(3)会場全体は海上の森と愛知青少年公園(同県長久手町)を合わせて40ヘクタール程度とする――といった案を示した。

 地元自然保護団体の一部が「結論を急ぐべきでない」となお反発したが、日本自然保護協会など中央の環境3団体の委員は「環境への影響を最小化するため、さらに工法などを工夫すべきだ」と注文をつけながらも、協会案を受け入れた。最終的に、谷岡委員長が大筋合意ができたと結論づけた。

オオタカ保護策、結論出ず

2000年5月20日 17時44分共同
 2005年の愛知万博の予定地「海上(かいしょ)の森」(愛知県瀬戸市)や周辺で繁殖行動が確認されたオオタカの保護策を検討する専門家会議「オオタカ調査検討会」は20日、オオタカが営巣可能な範囲を議論したが、エサの種類などのデータが不十分なため結論は出ず、検討を継続することになった。

愛知万博の計画大幅縮小へ 通産相と県などが合意

11:58p.m. JST April 04, 2000
 2005年日本国際博覧会(愛知万博)の計画見直しをめぐり、深谷隆司通産相と神田真秋愛知県知事、豊田章一郎博覧会協会会長が4日夕、通産省で会談した。この中で、海上(かいしょ)の森(同県瀬戸市)会場の北側部分をとりやめて会場計画を大幅縮小するとともに、自然保護団体の意見を採り入れながら、今年暮れの博覧会国際事務局(BIE、本部パリ)総会での登録を目指すことで合意した。「環境破壊」との批判が強かった海上の森の開発計画(新住宅市街地開発事業=新住事業)や森を貫く道路計画は正式に断念を発表した。

 海上の森の保全を訴えてきた世界自然保護基金(WWF)日本委員会など3つの自然保護団体は同日夕、連名でコメントを発表、新住事業や道路の断念について、「英断として評価したい」とした。ただ、3者の合意には、計画を縮小したうえで森の一部を会場にする考え方が残っている点について、「中身が示されておらず、結論を押しつけるやり方は承服できない。対等な立場で話し合う場を設けて、計画を検討すべきだ」と指摘した。

 万博見直し問題は今後、▽自然保護団体の意見を踏まえ、どういう具体的な見直し案をつくるか▽会場建設費に対する国の出資を圧縮するため、国、県、民間の負担をそれぞれ3分の1と決めた1995年の閣議了解を見直すかどうか、などが焦点になる。

 4日の3者合意では、(1)海上の森は当初、45ヘクタールを利用する予定だったが南地区だけとし、テーマ館や自治体館などを配置する。会場縮小により想定入場者は2500万人から減らす(2)新住事業は行わず、名古屋瀬戸道路と若宮八草線を含め、関連の都市計画認可申請を取り下げる(3)会場跡地は、自然環境などの研究・教育施設設置や公園化を検討する――としている。合意では発表されていないが、南地区の利用は10ヘクタール程度とし、想定入場者は「2―3割減」が検討されている。また、県は今週中にも都市計画認可申請を取り下げる予定だ。

 深谷通産相は記者会見で、「自然保護団体と話をしたが、最大のテーマは新住事業と道路をやめることだった。100%応じることは不可能だと言った」と述べ、団体側の意見を最大限に尊重したと強調した。これまで1800億円とされてきた会場建設費が、計画縮小で減額される可能性があるかどうかについては、神田知事は「コストダウンする方向で煮詰めていきたい」と語るにとどめた。

 また、自然保護団体の中には、一部でも海上の森を利用することに反発が残っている点について、神田知事は「自然と調和しながら森の南地区を活用したい」と述べ、あくまで森を使った万博を実現することにこだわりをみせた。

自然保護3団体と協議

2000年3月30日 11時23分
 愛知万博の会場や跡地利用の計画見直し問題で、愛知県、通産省、2005年日本国際博覧会協会は30日、世界自然保護基金(WWF)日本委員会など日本を代表する自然保護3団体と東京都内で協議した。今後、3団体との間で妥協点模索の動きを本格化させる。

 3団体側は、会場予定地の地元の意見を見直し作業に反映させることが不可欠と判断。

「万博関心ない」が過半数

2000年3月27日 17時56分
 005年開催の愛知万博に名古屋市民の過半数は無関心―。名古屋市が昨年12月、男女800人を対象に実施した世論調査で、こんな結果が27日、公表された。個別面接方式で656人が回答した。

 愛知万博の開催自体や開催場所については、それぞれ9割と8割を超える人々が「知っている」とし、認知度は極めて高かったが、「関心がない」と「あまり関心がない」の合計は51.3%に上った。

「万博をわい小化」 堺屋経企庁長官が新住報道批判

11:28p.m. JST March 25, 2000
 堺屋太一経済企画庁長官が25日、岐阜県大垣市で講演し、2005年に愛知県瀬戸市などで開かれる日本国際博覧会(愛知万博)の会場跡地を住宅地にする構想をめぐる報道について、「万博を非常にわい小化している」と批判した。

 堺屋長官は「中部が情報発信の中心になるのに大切なのが愛知万博。しかし、最近の報道を見ていると、万博が公共事業の問題になって、非常にわい小化されている。跡地に住宅を造るかどうかといった問題は、万博の偉大さに比べて100分の1、1000分の1の問題」と述べた。

 堺屋長官は朝日新聞のインタビューに対しても「万博は公共事業ではなく、興行」などと、持論を述べていた。

 講演で、堺屋長官は、通産省の課長補佐当時に担当した1970年の大阪万博の経験を踏まえ、万博を通じて、どのような文化をつくるか▽どう世界に情報発信すべきかなどを考えることに議論の重点を置くべきだとの考えを示した。

 堺屋長官は、新千年紀を記念して政府が12月から開催するインターネット博覧会(インパク)の担当大臣として訪れ、「21世紀の情報戦略」と題して講演した。

江藤代議士が「クマタカには石を投げればいい」と発言

10:19p.m. JST March 25, 2000
 自民党の江藤隆美・元建設相(衆院宮崎2区選出)は25日、宮崎市であった東九州自動車道宮崎西―清武間の開通式で、工期が長引いたことにふれ、「クマタカなどがおるが、石でも投げればいい。鉄砲ではどうか」と発言した。クマタカは、絶滅のおそれがあるとして、環境庁がレッドデータブックで絶滅危ぐ1B類に指定する大型の猛きん類だ。

 式は午前10時から始まり、関係者ら約350人が出席した。宮崎県選出の国会議員を代表して江藤氏があいさつし、「開通までにかなりの時間がかかった。クマタカとかが一部でおるようだが、石でも投げればいい。石を投げたら、『先生のところに向かってきますよ』という人がいるから、鉄砲でどうか」と述べた。場内は一瞬、どよめいた。

 江藤事務所は「おもしろおかしく話したのかもしれない。たとえが悪かった」と釈明している。

海上の森めぐり通産相が自然保護団体と会談へ

10:49a.m. JST March 13, 2000
 2005年日本国際博覧会(愛知万博)の会場予定地・海上(かいしょ)の森(愛知県瀬戸市)の環境保全問題をめぐり、深谷隆司通産相が17日午後、世界自然保護基金(WWF)日本委員会など3つの全国的な自然保護団体の幹部と会談することが決まった。深谷通産相が12日、仙台市内の記者会見で明らかにした。通産相からの「トップ会談」の求めに自然保護団体側が応じる形で日程を調整していた。

 自然保護団体側からは、WWF日本委員会の大内照之会長、日本自然保護協会の沼田真会長、日本野鳥の会の黒田長久会長の3人に加え、日本野鳥の会副会長の岩垂寿喜男・元環境庁長官も出席する予定。昨年8月に愛知県知事に申し入れた、(1)新住宅市街地開発事業と道路事業の中止(2)博覧会では里山の自然環境そのものを野外展示する(3)将来は会場跡地を国が買い上げて国営公園にする――の3点を改めて要望し、見解を求める意向だ。

 先月のパリでの協議で博覧会国際事務局(BIE)から自然保護団体などの理解を得るよう促されたことなどから、通産省側から会談を申し入れていた。深谷通産相は「(会談は)まったく白紙の状態で、まずご意見をうかがう」などと述べた。

愛知万博で17日意見交換

2000年3月12日 19時59分
 深谷隆司通産相は12日、仙台市で記者会見し、2005年開催の愛知万博について、環境破壊につながるとして計画見直しを求めている世界自然保護基金(WWF)日本委員会の大内照之会長ら3つの環境保護団体代表らと「17日に意見交換する」と語った。意見交換は17日昼すぎから、通産省で行う。大内会長のほか日本自然保護協会の沼田真会長、日本野鳥の会の黒田長久会長らが出席する予定。

愛知万博にエコマネー導入

2000年3月6日 18時02分
 005年日本国際博覧会協会は6日、愛知万博の入場者や出展団体など参加者全員を対象に万博版「エコマネー」を導入、環境に配慮した行為を点数化し、ポイントに応じて特典が付く仕組みをつくる方針を明らかにした。

 ルールづくりの段階から市民に参加してもらうため、はがきやインターネットのホームページでアイデアを受け付ける。

愛知万博「環境に配慮」訴え 跡地利用をBIEに説明

06:02a.m. JST February 12, 2000
 2005年日本国際博覧会(愛知万博)をめぐる通産省、愛知県、博覧会協会と博覧会国際事務局(BIE)の協議で、日本側は「環境破壊だ」と批判された跡地利用計画の新住宅市街地開発事業(新住事業)について、「環境に配慮した計画になっている」と説明、環境研究施設を誘致する「里山研究交流のもり」と名付けた検討案などを示した。BIE側は「会場計画の熟度を高めないといけない」と、計画づくりの遅れを指摘した。新住事業については「会場計画全体が固まらないと跡地利用について検討しにくい」と述べた。

 協議は10日午後7時半(日本時間11日午前3時半)にいったん終了。11日午前10時(同午後6時)から2回目の協議に入り、午後6時前(同12日午前2時前)に終了した。

 一方、日本側は、これまで会場予定地の面積は計760ヘクタールとしていたが、主催者側が管理する地域を明確にするため、正式な登録面積としては276.5ヘクタールに限定することを初めて公表した。

 BIEが最も強く批判した会場整備と跡地利用を兼ねる新住事業については、愛知県は「説明不足による誤解」としており、杉山義孝・同県建築部長らが「従来の住宅開発と異なり、環境に配慮したものだ」と、あらためて従来計画を、用意した新しい図面などを使って説明した。

 愛知県瀬戸市の会場予定地「海上(かいしょ)の森」の約540ヘクタールのうち85%は森のまま残し、道路、研究施設、住宅に約70ヘクタールをあて、このうち住宅は21ヘクタールにとどめると説明。森を残しながら21世紀の自然と暮らしのかかわりを考えるまちづくりを目指すとした。

愛知万博 施設縮小へ

2000年2月10日 8時21分 共同通信社
 2005年日本国際博覧会協会は9日、愛知県などとの合同会議を名古屋市で開き、愛知万博の会場計画作りの基準となる1日当たりの入場者数を、これまでより3割減らし18万人とし、施設を縮小する事務局原案を示した。

 博覧会協会は、会場の混雑を緩和するためピーク時に近い入場者数を基準日として会場の規模を検討。これまで25万7000人と設定してきた。

野鳥の会など、愛知万博計画見直し決議案提出へ

01:19a.m. JST February 05, 2000
 日本野鳥の会など3つの自然保護団体が4日、愛知県庁で記者会見し、2005年日本国際博覧会(愛知万博)の計画について、愛知県の新住宅市街地開発事業(新住事業)に根本的な見直しを求めるため、10月の第2回世界自然保護会議に決議案を提出すると明らかにした。採択されると同会議が各国政府に改善を求める書簡を送るなどの行動に移るという。県にはこの内容を記した要望書を渡した。

 会見したのは日本野鳥の会、日本自然保護協会、世界自然保護基金(WWF)日本委員会。
県に渡した要望書によると(1)新住事業と都市計画道路の建設は自然に大きなダメージを与えるので、根本的に見直すべき(2)跡地利用計画は国営公園案を検討すべき(3)環境に配慮した万博にならない危ぐがある場合、ヨルダンの首都アンマンで開く国際自然保護連合(IUCN)の第2回世界自然保護会議に決議案を提出するとしている。

 3団体によると、IUCNは国や環境庁などの政府機関、非政府組織(NGO)など900近い会員で組織する自然保護に関する連合体。1948年のパリ開催以来、約3年ごとに総会を開いている。

 IUCNは88年、沖縄県の新石垣空港建設をめぐって白保地区のサンゴ礁保護を求めて決議を採択。その後、候補地が変更された経緯がある。

 要望書を受け取った森徳夫・県国際博推進局長は新住事業について「環境との調整で、もう一度(現計画の)6000人でなければならないのか検討していく必要がある。6000人を縮小する方向での検討もありうる」などとし、決議案については「国内の問題なのでもっと話し合いたい」と伝えたという。

 県との対話について、日本自然保護協会の吉田正人保護部長は「話し合いの場は持ちたいが、新住を変える姿勢がないと意味がない。アリバイ的に博覧会国際事務局(BIE)への説明のために利用されるのでは困る」としている。

通産省が愛知万博批判のBIEに審議官らを派遣へ

2:14p.m. JST February 01, 2000
 深谷隆司通産相は1日の記者会見で、愛知県瀬戸市などで開催される2005年日本国際博覧会(愛知万博)の計画を批判した博覧会国際事務局(BIE)の真意を探るため、8日に同省の藤岡誠審議官(国際博覧会担当)と博覧会推進室員の計2人を、パリにあるBIE本部に派遣することを明らかにした。愛知県からは森徳夫・国際博推進局長、杉山義孝・建築部長ら3人、博覧会協会からは片山登喜男・事務次長が同行する。10、11の両日、議長や事務局長と会談する。

 深谷通産相は「2日間、しっかり話をしてほしい。BIEに最終的に(計画を)承認してもらえるように努力したい。オオタカを巡って開催地を変えたことなど、BIEは、(日本が)積極的に努力していることを理解して欲しい」と述べ、自然環境に配慮した計画づくりを進めていることをアピールする意向だ。

愛知万博の計画縮小を示唆

2000年1月28日 19時11分 共同通信社
 中山正暉建設相と深谷隆司通産相は28日午後、2005年愛知万博の跡地利用計画が博覧会国際事務局に批判された問題について会談し、「お互い知恵を出し合い、万博計画には協力していく」ことを確認した。中山建設相は計画の見直しにつながる新住宅市街地開発法の特例措置適用などについても「それも全部含めて知恵を出し合う」と述べ、計画の縮小にも柔軟に対応していくことを示唆した。

深谷通産相と中山建設相が愛知万博めぐり協議

11:12p.m. JST January 28, 2000
 2005年日本国際博覧会(愛知万博)の跡地利用計画が博覧会国際事務局(BIE)から見直しを求められた問題で、深谷隆司通産相と中山正暉建設相は28日午後、国会内で協議し、問題解決のため、両省が協力していくことで一致した。建設省は跡地利用で愛知県が進める新住宅市街地開発事業(新住事業)を認可する立場にあり、同省の協力が得られる見通しがついたことで、県に検討の余地ができ、環境保護団体が求めている事業縮小への調整が本格的に始まることになる。

 深谷通産相と中山建設相はこの日、約20分ほど協議した。

 両相によると、冒頭、深谷通産相が27日の愛知県訪問の様子を伝え、「県が跡地利用でいろいろな計画を検討するので、おおいに相談にのってやって欲しい」と要請した。中山建設相は「いろいろ途中であるだろうが、お互いに知恵を出そう」と協力を約束したという。

 深谷通産相は、万博を実現するためには国を挙げた協力が必要なこと、打開策を両省から言い出すことはできないが、愛知県から計画が出てくれば、出来る出来ないをはっきりさせながら進める――などの考え方を伝えたという。

 中山建設相は万博への協力は了解したが、会談後、「我々はピッチャーのグラブを持っていない。キャッチャーミットだ」などと語り、打開策は事業主体である愛知県が検討すべきこととの見解だ。

 新住事業は、6000人以上の大規模な住宅団地の開発に適用されている。このため、この事業で会場予定地の海上(かいしょ)の森が造成されれば、自然破壊は明らかだと市民グループが批判してきた。愛知県は「下限まで計画は縮小済みで、これ以上の縮小は制度の変更などがない限り無理」と主張していた。

 ただ、建設省内には、新住事業に簡単に特例措置などを設けることには消極的な空気が強く、愛知県との協議にも一定の時間がかかりそう。同事業の法解釈などで切り抜ける案も検討されそうだ。

 両相の協議に先立つ午前の記者会見で、深谷通産相が建設省に働きかけることを表明した。愛知県の神田真秋知事は「大臣には各方面の意見集約をと求められているので、まず、それを受け止め、意見集約を進めていく」と話している。

愛知万博計画でBIEへ通産省職員を派遣へ

11:56p.m. JST January 28, 2000
 通産省は28日、来週にも同省幹部を博覧会国際事務局(BIE、本部・パリ)に派遣する方針を固めた。直接、BIEの担当者から事情を聴くことで、愛知万博の跡地利用計画の「新住宅市街地開発事業」が環境破壊だとする指摘について真意を確かめ、今後の計画づくりに反映させる意向だ。

 深谷通産相は記者会見で「BIEで愛知万博が承認されるためにはどういう内容があればいいのかを見極める必要がある」としていた。また、愛知県に対しても「独自にBIEの真意を確かめるよう伝えてある」と話している。

深谷通産相が万博会場予定地の海上の森に到着

2:38p.m. JST January 27, 2000
 深谷隆司通産相は27日、新幹線で愛知県入りし、2005年日本国際博覧会(愛知万博)の会場予定地になっている同県瀬戸市の海上(かいしょ)の森に到着した。森の中にある砂防池(通称「大正池」)のほとりで、万博に反対する市民グループと対面し、意見書を受け取り、主張に耳を傾けた。夕方には神田真秋知事や財界関係者らと会談する。

 深谷通産相は海上の森に入る前、森が見渡せる近くの住宅団地の高台で説明を受けた。「最初から計画はそうだったのか」「博覧会国際事務局(BIE)にはどこまで説明したのか」などと質問していた。
海上の森の視察のあと、もうひとつの会場予定地、同県長久手町の愛知青少年公園の中も見て回る。
 愛知万博を巡っては、海上の森の造成と万博後の跡地利用を兼ねた県の新住宅市街地開発事業(新住事業)にBIEが「環境破壊につながる」などと強い懸念を表明した。その内容を記した通産省幹部との会議録が明らかになったことをきっかけに、善後策の検討が始まっている。

愛知万博で深谷通産相、BIEに担当者派遣も検討

2:12p.m. JST January 25, 2000
 深谷隆司通産相は25日の記者会見で、博覧会国際事務局(BIE、本部・パリ)が2005年日本国際博覧会(愛知万博)の計画を批判していることについて、「跡地利用計画に対するBIEの本心も見極めたい」などと語り、担当者を派遣することも検討中とした。今週中にも愛知県を訪ね、神田真秋知事と話し合う考えも正式に明らかにした。

 深谷通産相は、BIEのフィリプソン議長(当時)らの新住宅市街地開発事業(新住事業)への批判について「議長の本心を見極めたい。跡地計画も参考にするのは当然だが、どこまでをBIEが把握し、判断の材料にするのか」などと述べ、担当者をパリに派遣する可能性に触れた。

 通産省と愛知県は、2月ごろにBIEを訪ね、懸念があった点を詳しく説明をしようと準備中だ。

 同県訪問については「今週中に訪ねる。計画を詳細にお聞きし、知事のお考えを正確に伝えてもらい、万博がスムーズにいくための体制をとるために協力したい」と述べた。BIEの懸念に対応するため、通産省と愛知県のトップ同士で協議する考えだ。

通産相が愛知万博跡地計画で「新住」含む修正検討を指示

00:55a.m. JST January 22, 2000
 2005年日本国際博覧会(愛知万博)の跡地計画などで修正を含めた協議の必要性に言及していた深谷隆司通産相は、21日、愛知県の新住宅市街地開発事業(新住事業)を含む修正の検討を求めたことを明らかにした。神田真秋知事は午後、報道陣に「事務方では説明するための文章や資料の作成に入っている」と語り、万博計画に懸念を表明している博覧会国際事務局(BIE)の理解を得るための作業に入ったことを説明した。

 深谷通産相は、具体的な対応策として、新住事業の見直しが含まれるかとの質問には「それらの問題を含め、検討して下さいと申し上げている」と述べ、対象に入ることを認めた。

 青木幹雄官房長官も同日の記者会見で、跡地利用について「地元自治体を中心に検討中の事柄であると理解しているが、政府としても関係者の理解を得つつ、博覧会の具体的計画について承認が得られるように努力を今後とも続ける」と述べ、愛知県と協力して対応を検討する考えを強調した。

 神田知事はこの日午後、「(愛知県長久手町の愛知青少年公園が加わった)会場予定地変更についての十分な説明や、環境団体の理解を得られるようにとか、跡地利用についてもわかりやすく、と指摘を受けている」などとBIEから求められていることを挙げ、跡地利用やまちづくりをどうしていくか、協会と連携しての作業にかかっていることを明らかにした。

 そのうえで、「博覧会協会が検討している会場計画、資金計画は大詰めの調整をしており、県も積極的にかかわっていきたい」と述べた。

 また、通産省は同日、愛知万博の計画づくりでBIEのフィリプソン議長(当時)らが昨年11月に来日した際の通産省のメモを公表したが、万博会場整備を兼ねた愛知県の新住事業についてBIEが厳しく批判した「BIEとの協議(跡地利用関係のみポイント)」と、協議全体の論点をまとめた「BIE議長及び事務局長の主要指摘ポイント」の2つで、いずれもA4判2枚。

 同省は、報道されている博覧会協会がまとめた会議録は「不正確で表現にまちがいがある」(同省幹部)として、マスコミの要請を受けて公表した。同省は「協議は非公式なもので逐語的な記録はない」としているが、跡地利用についてだけは、同省幹部が協議後、やりとりのメモを記憶に基づいて作成していた。

愛知万博、5月登録見送りも

03:16a.m. JST January 21, 2000
 2005年日本国際博覧会(愛知万博)の計画をめぐり、博覧会国際事務局(BIE)の幹部が昨年11月に計画の大幅見直しを迫っていた問題で、愛知県の神田真秋知事は20日、万博を所管する通産省の幹部と会談した後、報道陣に「たくさんの課題を克服するのは間に合うのか。国と相談して見極めていく」と述べ、5月末のBIE総会での万博計画の登録を見送る可能性に言及した。通産省幹部から登録時期について「慎重に判断したい」と伝えられたことを受けての発言で、万博推進の立場にある組織の幹部が万博開催に向けてのスケジュールを延ばすことに触れたのは今回が初めて。

 神田知事は通産省の広瀬勝貞事務次官や杉山秀二商務流通審議官と会談を重ねたあと、報道陣に「できるだけ(登録は)早い方がいい。ただ、たくさんの課題を克服するのは間に合うのかどうか。国と相談して見極めていく」と話した。

 神田知事は登録の目標はあくまで5月総会と強調したが、「計画への理解を求め、既定方針通り進める」としてきた従来の発言に比べ、トーンダウンした。

 愛知県によると、神田知事は杉山審議官などと50分ほど協議した。杉山審議官は登録時期について「通産省も5月の総会をめざしたい。ただ、国の方も会場基本計画や資金計画といった詰めの進捗(しんちょく)を見ながら、慎重に判断したい」とする内容の発言を神田知事に伝えたという

オオタカ保護を万全に

2000年1月13日 17時08分 共同通信社
 005年開催の愛知万博の環境影響評価で、通産省が設置した環境影響評価会は13日、会場予定地として追加された愛知青少年公園でも絶滅の恐れのあるオオタカの調査をするよう博覧会協会に求める報告書をまとめた。これを踏まえ通産省は来週中に、協会に意見書を出す。報告書は環境庁が昨年12月に通産省に提出した意見書をほぼ踏襲。オオタカ保護に万全を期すよう求めた。

愛知万博の会場計画案に異論続出、調整会議で承認せず

10:56p.m. JST September 09, 1999
 営巣が確認されたオオタカの保護などをめぐり再検討が続いてきた2005年日本国際博覧会(愛知万博)の会場基本計画案を、博覧会協会が9日開いた企画調整会議にかけ、公表した。愛知青少年公園(愛知県長久手町)に「外国政府及び自治体出展ゾーン」を置くなど、森や公園を4種類のゾーンに分けて展示施設や管理施設を配置する。しかし、来年6月の博覧会国際事務局(BIE)への登録に向け、3月提出へと策定を急ぐ協会の運営に異議が続出し、結局、計画案は調整会議で承認されないまま公表された。協会事務局はこの案をもとに環境影響評価書の策定作業に入る考えだが、最終案の決定まで、なお計画は揺れ動きそうだ。

 計画案は海上(かいしょ)の森(同県瀬戸市)を「政府及び自治体出展ゾーン」と三つの「民間出展ゾーン」に、科学技術交流センター予定地(同市、同県豊田市)を「管理施設ゾーン」とした。

 計画の内容では(1)海上の森は展示施設の屋根をつなぐ重層建築「デッキ」を従来の約28ヘクタールから約10ヘクタールに縮小し、2、3階建て中心から平屋中心に変更(2)海上の森の造成面積は約40ヘクタールのうち5、6ヘクタール減らす(3)愛知青少年公園は大半を会場として利用し、2階建てデッキも約7ヘクタール造る(4)会場間は低公害バスを自動運転させる高度道路交通システム(ITS)を導入する――などとしている。

 この日の調整会議では、「密室で作られた計画案ではないか」など、透明性への疑問が次々に出た。計画案そのものにも「会場を広げるより、高密度に集積させ、極力、自然に手をつけない方がいい」などと異論が出た。「承認されない計画案を公表すべきではない」との意見もあった。

 協会の黒田真事務総長は「厳しい意見をたくさんもらった。BIE登録へ向けて時間は限られており、年内には計画案の合意が必要だ」と語った。新たな案での事業費については「差し引きで減ることは難しい」と語り、費用が増える可能性も示唆した。

自然保護3団体が要望書

1999年8月31日 18時16分 共同通信社
 日本野鳥の会、世界自然保護基金日本委員会、日本自然保護協会の3団体は連名で31日、2005年に開催される愛知万博の会場予定地「海上(かいしょ)の森」(愛知県瀬戸市)の保全を求める要望書を愛知県知事に提出した。個別事業について3団体がそろって要望活動したのは初めてという。

クマタカ生息で保護要請

1999年7月15日 17時14分 共同通信社
 日本野鳥の会三重県支部は15日、同県伊勢市矢持町で民間業者が計画する産業廃棄物処分場予定地近くで絶滅の恐れのあるクマタカの生息を確認したとして、県にクマタカの保護と調査を求める要請書を提出した。

オオタカ営巣地を象徴に

1999年7月14日 17時15分 共同通信社
 愛知万博の会場計画見直し問題で愛知万博協会は14日、絶滅の恐れのあるオオタカの営巣が確認された同県瀬戸市の会場予定地「海上(かいしょ)の森」の北部地区を、自然を極力残すシンボルゾーンとするなど、地区ごとの利用方針の概略を明らかにした。

愛知万博の会場計画見直し問題 周辺地の一体活用を表明

1999年6月28日 15時48分 共同通信社
 愛知万博の会場計画見直し問題で、愛知県の神田真秋知事は28日、同県瀬戸市の『海上の森』から南西に約2キロ離れた愛知県長久手町の『愛知青少年公園』を会場の一部として活用する方針を表明した。県議会での質問に答えた。

 絶滅の恐れのあるオオタカの営巣が海上の森の万博会場予定地で確認されたことを受け、神田知事は『一部は従来通りに利用できなくなると判断した』と明言。その上で『予定地に近接する愛知青少年公園を現在の予定地と一体として会場展開することを前提に、国や協会と調整し具体的な詰めをしていかないといけない』と述べた。

愛知万博「海上の森」を主会場とする位置づけは変えず

03:07a.m. JST May 29, 1999
 2005年日本国際博覧会(愛知万博)の会場予定地でオオタカが営巣している問題で、愛知県は28日、瀬戸市の「海上(かいしょ)の森」を主会場とする位置づけを変えず、万博と、その前段の造成事業を行う新住宅市街地開発事業(新住事業)も切り離さないことを確認した。オオタカの生態調査と並行しながら都市計画決定や環境影響評価(アセスメント)の手続きを進め、調査によって会場計画の縮小が避けられない場合は、オオタカ保護と博覧会を両立させることを優先して見直すが、この日の段階ではどの程度の変更にするかまでの結論は出さなかった。


処分場にオオタカの巣

2000年5月15日19時43分共同
 群馬県生活環境課は15日、群馬県新里村で工事を進めている産業廃棄物最終処分場の2期工事予定地内で、絶滅が危ぐされるオオタカが営巣しているのを見つけたため工事を中止した、と発表した。

 処分場では1998年にもオオタカの営巣が見つかり、県が専門家によるオオタカ保護検討委員会の意見を入れて処分場面積を縮小したうえに位置をずらして今年3月に着工したという経緯がある。

福島第1原発予定地のオオタカ保護を 知事が意見書

8:38p.m. JST September 27, 1999
 東京電力が増設を計画している福島第1原発7、8号機建設予定地(福島県双葉町)の近くの松林でオオタカの巣が見つかり、福島県の佐藤栄佐久知事は27日、生息状況調査と保護策を求める意見書を通産相に提出した。東電は増設のための環境影響評価準備書を出しているが、新たな調査が必要になる。オオタカの生息調査には2年程度かかると見られ、東電が目指している2001年4月着工は遅れることが確実になった。

 東電によると、巣は3月下旬に確認された。知事は意見書で、(1)オオタカの生息状況を調査し結果を明らかにする(2)結果を踏まえて適切な保護対策を検討し、その結果を明らかにする、の2点を求めている。通産省もすでに、東電に口頭でオオタカの調査を求めており、近く東電に調査を勧告する。

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