TOPIC No.3-40 (重油代替)木質ペレット

01. 木質バイオマスは21世紀のエネルギー 2.木質ペレット 環境GOO
02. 木質ペレットについて
03. 木質ペレット OM市場
04. ペレットストーブ byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
05. ペレットストーブは国産品にも注目
05. ペレットストーブと木質ペレットの超激安販売
06. 木質バイオマスのエネルギー利用について 東京の森
07. 木質ペレットストーブ普及を生かした山村地域活性化調査 レディースネットワーク21
08. 雨の中 〜 日本一のバイオマス発電所 訪問 〜(2007/06/23)

ペレット使いハウスを暖房 原油高受け、注目集まる

2006年01月04日 中国新聞ニュース

 北海道伊達市の農家などが、ビニールハウス用暖房の燃料に、廃材などを加工した木質ペレットを使う取り組みを進めている。従来の燃料灯油の価格が高騰する中、環境に優しく安上がりのため、各地の自治体や農家から注目を集めている。

 伊達市や農協、農家などは2006年10月、市内の間伐材をペレットに加工し、暖房用燃料に使おうと研究会を設立。農家5戸が同年暮れ、市の購入したペレット専用ボイラーを借り、水菜などのハウス栽培を始めた。

 使用した輸入ペレットは1キロ45円。ペレット1キロの発熱量は灯油1リットルの半分程度のため、当初は1リットル76円の灯油に太刀打ちできなかった。しかし原油高の影響で灯油が1リットル100円程度となり、ペレットの方が割安に。さらに今年中に、間伐材をペレットに加工する工場が市内に完成、今後は1キロ当たり37円程度に抑えられるという。

重油代替の木質ペレットピーマンハウスで試験/JA宮崎経済連

2007-12-31 日本農業新聞

 JA宮崎経済連は、高騰が続くA重油の代替燃料として木質ペレットを活用し、今年初めのキュウリに続き、ピーマンでの実証試験を進めている。今回は加温機を小型化して、ハウス内に設置するなど、より実用的な試験を実施。参加農家は「これだけ重油が上がる中で、一刻も早く代替燃料が実用化してほしい」としている。

 全国有数の施設園芸地帯を抱える宮崎県は、重油高騰が農家経営を直撃し、大幅なコスト増加につながっている。そこで経済連は、代替燃料として環境にも優しいバイオ燃料に注目。県、農試、普及センターなど関係機関と協力しながら、今年1〜4月まで新富町の半促成キュウリを対象に、栽培状況、コストなど重油との比較を行ってきた。その結果、木質ペレットでも生育、品質が変わらず、コストもやや有利なことが分かった。

 そこで今回は、ハウス内の設定温度が17度程度と、キュウリに比べ4度ほど高い促成ピーマン栽培で、11月から実証試験に着手。設定温度が高い作物ほど、代替燃料のメリットが大きいためだ。最大の特徴は、農家段階への導入を前提に一段と実用性を高めたこと。加温機製造メーカー・ネポン(東京)と協議しながら改良を重ね、横幅を縮めハウス内に置ける大きさにした。

 おが粉を固めた木質ペレットは、前回は他県から持ってきたため輸送コストがかかったが、今回は県産木材を使い、経費を抑えた。経済連は、実用化の段階では伐採した際に出る林地残材など未利用資源を有効活用することを検討中だ。

 実証試験をしている国富町宮王丸地区で早期米と施設園芸を栽培する池田早人さん(48)は「A重油はこの1、2カ月だけで2割も上がった。ビニールなど資材もアップした。代替エネルギーの実用化に期待したい。今のところ、生育も遜色(そんしょく)ない」と話している。

雑記帳:「木質ペレット」ストーブを北海道向けに改良

2007年12月28日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

 ◇岩手県の暖房機会社「サンポット」は、間伐材を圧縮した燃料「木質ペレット」専用のストーブを、道立林産試験場と共同で北海道向けに改良し発売した。

 ◇木質ペレットは、燃焼時に発生する二酸化炭素が、木材が成長過程で吸収した二酸化炭素と同量のため環境に優しい。従来型より燃焼時間を1時間長い8時間に延長。家庭に置きやすいよう奥行きを20センチ縮めて51センチ、燃費も灯油とほぼ同程度とした。

 ◇オープン価格だが、従来型より約7万円安い25万円前後で流通するとみられる。「北海道は森林が豊かなので、燃料が安定供給できる」。環境保全と地産地消の両立に意欲を燃やす。【大谷津統一】

農業用に木質ペレットストーブ 酒田市などの協議会が試験

2007年12月26日 山形新聞ニュース

 原油価格の高騰対策として、酒田市や県、地元JAなどで構成する「地域エネルギー導入検討協議会」は、灯油に代わる燃料として木質ペレットを使った農業用ストーブの開発に取り組んでいる。26日には、実証試験が行われている市内のビニールハウスで説明会が開かれた。今後、試験結果を基に検討を重ね、将来的に農業用木質ペレットストーブの普及を図る考えだ。

 原油高で果樹や花き類などを育てるハウス農家の経営が悪化した2005−06年の冬。同協議会は、燃料費削減による農業者の経営安定策を講じるため06 年3月に発足した。事務局の市農政課は「生産農家の中には、灯油代が高いため花き類の栽培をやめるという話も聞く。農家それぞれの経営安定に加え、出荷量を安定させ、産地としてのブランド力を維持、発展させる狙いもある」と説明する。

 現在、実証試験を行っているのは同市小牧の斎藤勝彦さん(50)がストックを栽培する約200平方メートルのハウス。12月15日から21日まで灯油暖房機を用い、同22日から7日間はペレットストーブを使用し、燃料費や作業の手間、花の生育状況などを比較検討する。木質ペレットを使った際の経費は、灯油の3分の2程度に抑えられるという。斎藤さんは「花の生育に問題はなさそうだし、(ペレットストーブへの)切り替えも考えてみたい」と話す。

 農業用木質ペレットストーブは、同市郡山、農業阿蘓武さん(58)と、鶴岡市の渡会電気土木(渡会昇社長)が共同開発した。商品化に向けて価格なども検討する。

バイオマスツアーに初の海外参加者 真庭

2007.12.23 MSN産経新聞

 豊富な森林資源を背景に、バイオマス(生物資源)活用推進事業に取り組んでいる岡山県真庭市が、昨年12月にスタートさせた産業観光「バイオマスツアー真庭」に今月14日、海外からの研究者の一行が初参加し、市内のバイオマス関連企業などを視察した。

 参加したのは、日本をはじめ台湾、中国、韓国で環境や新エネルギーなどを研究している大学教授らの専門家で構成する「東アジア環境政策研究会」のメンバー10人。

 一行は、市の担当者から同市のバイオマスタウン構想の概要説明を受けた後、バスでバイオマス関連企業などを巡り、集成材製造過程で発生するおがくずを固めた木質ペレットの製造や発電の現場、ペレットを燃料に使った温水プール、木片コンクリートの展示場などを見学した。

 バイオマスツアーは、全国的に注目されている同市のバイオマス関連事業所への視察が16年度は6000人、17年度は2万人と急増したことから、新たな産業観光の創出を目的に同市がスタートさせた。開始からこれまで1年間のツアー参加者は約2000人に上っている。

高知県におけるペレット生産

2007年12月23日 バイオマス情報−高知

 高知県におけるペレット生産は長い間(有)須崎燃料(須崎市)1社のみが生産していました。ペレットの使用は、県内では大川村のふるさと公社の暖房用とハウス用のボイラーの他は20数台のペレットストーブに限られており、ほとんどはストーブ用に県外に送られていました。

 2007年は、高知のペレット生産に関しては画期的な年となりました。

 まず、仁淀川町がNEDO事業により間伐材を原料とするペレットを年間600トン生産し、温泉宿泊施設(中津渓谷ゆの森)、佐川町民プール、老人福祉施設(湖水園)、農業施設(フードプラン)の4カ所に設置した日光エンジニアリング製の50万kcal/hと35万kcalの温水ボイラーに向けて供給を開始しました。ペレット生産にはカワサキプラントシステムズの開発した150KW/hのバイオマスガス化発電で作られた電気と熱が使われています。

 10月からは、私立学校の明徳義塾の野球部合宿所に日本サーモエナー社の50万kcalの新型の温水ボイラーが導入され、ペレット成型機メーカーの (株)土佐テック(南国市)が月間20トンのペレットを生産し、供給しています。ペレット原料は近くの木工会社から出る広葉樹の端材です。

 梼原町では、町と矢崎総業の合弁会社(ゆすはらペレット)が設立され、林地残材を主原料とする年産1,800トンのペレットの生産工場を建設中です(初年度は600トン)。用途は矢崎総業が新開発したペレット直炊の吸収式冷暖房システムで、これまでに2台の設置がきまっています。

 11月には土佐テックと、ボイラー取り扱い業の(株)アクテスが共同で(株)日本バイオエナジーを設立し、池川木材工業と組んで木質ペレットの生産と供給を開始します。この新会社は現在、津野町、中村市、高知市、奈半利町でペレット工場を準備しており、サーモエナー社のボイラーと組み合わせて普及をはかります。来年早々には春野町のウナギ養殖場(フジ物産)が自社開発した温水ボイラー向けに、池川木材がこの新会社を通してペレットを供給することになっています。

 その他、芸西村でハウス暖房を実施中の(株)相愛も県内に大規模なペレット工場の建設を考えており、安芸市では製紙会社が製紙スラッジを原料とするペレット工場の計画をたてています。

 高知に関しては、2007年はペレット元年と云っても過言ではないでしょう。A重油価格が90円/Lを越え、100円に迫ろうとしているなかで、ペレット燃焼設備をいれてもペレットが充分な価格競争力をもつようになったことが一因であることは論をまちませんが。

日本でも本格化するペレット生産

2007年12月22日 バイオマス情報−高知

 世界の趨勢に大きく遅れていた木質ペレット生産が日本でもようやく本格化しはじめたようです。

 三菱商事が、大分県日田市に(株)フォレストエナジー日田を設立し、年産25,000トンのをペレットを製造し、2008年から販売を開始すると発表しました。目当ては石炭との混焼による発電燃料です。将来的には年産10万トン生産を視野に入れているとのことです。

 また、銘建工業(岡山県)は、2006年の1万トンから、2007年には50%増しの15,000トンに生産量を拡大しました。ボイラー用燃料として自社使用の他、クラレへの直接販売を見込んでいます。

 北海道の建材メーカーであるイワクラ(苫小牧市)が、ペレットストーブやボイラーなどの暖房用燃料としてのペレット生産を日産16トンに拡大すると発表しました。2007年に2,000トンの販売を見込んでいます。

 日本での木質ペレット生産は、2002年までは葛巻林業(岩手)、須崎燃料(高知)、ツツイ(徳島)の3社体制が長く続き、2003年より10社程度が参入後も年間2,000〜3,000トンを前後していましたが、2004年に銘建工業がペレット生産に参入することにより一気に10,000トンにまで引き上げられました。この間欧米ではカナダや年にはドイツ、カナダ、スエーデンなどでは200万トンを越えたペレットを生産しており、1工場で50万トンを越えるような大工場も出始めており、国際商品として海外市場を求めるようになっています。

 関西電力が敦賀発電所での石炭混焼のために年間6万トンをカナダからの輸入を発表したのは1年前で、遅ればせながら日本でもペレット時代の幕開けを予期させるものでした。石油価格の異常な高騰に後押しされたとはいえ、2007年は日本のペレット元年と云ってもよいだろうと思われます。

 次に、わが高知での動きをみてみましょう。

鹿児島大学ら、木質ペレットを燃料とした

17 Dec 2007 日経BP

吸収式エアコンの実証実験を屋久島で公開

 鹿児島大学工学部応用化学工学科の甲斐敬美教授らのグループは、木質ペレットを用いた直焚き吸収式空気調和装置(吸収式エアコン)の実証実験を屋久島で行い、2007年12月12日に見学会を開催した。現在、鹿児島県屋久町にある「屋久島町尾之間保健センター」に冷凍能力10RT(冷凍トン)の機器を設置している。

 研究グリープは、鹿児島大学と国際連合大学、豊橋技術科学大学、矢崎総業(東京・港、矢崎信二社長)の4者で、2005年度から環境省の地球温暖化対策技術開発事業「ゼロCO2社会に向けた木質バイオマス活用技術開発と再生可能エネルギー融合システムの屋久島モデル構築」を受託し、この木質ペレットを燃料とした冷暖房装置の開発を行ってきた。

 吸収式エアコンは、通常、ガスや重油などの化石燃料を燃料として用いる。この研究開発では、木質ペレットを燃料に使い、直焚き式にすることで熱交換を行う部分を少なくしている。これまでの、木質ボイラーと吸収冷凍機を組み合わせた木質エアコンに比べ、高効率化を図ることができる。

 屋久島には、国有林5000ha、公社林2200ha、民有林3000haの合計約1万haの森林がある。そのうち20%(200万平方メートル)が人工林である。この人工林のスギは、平成23年から伐採(木材生産)が計画(約30年間)されており、木質バイオマス廃棄物(切りカス)が3500トン/年以上排出されると見ている。この木質バイオマスを利用する方法として、今回の技術開発が進められている。

 地球温暖化対策技術開発事業の実施にあたって4者は、それぞれ(1)木質ペレットを燃料とする空調機の技術開発(鹿児島大学、矢崎総業)、(2)屋久島におけるバイオマス生産・収集と燃料化に関する検討(鹿児島大学)、(3)屋久島のバイオマスフロー解析と複合利用システムの評価(豊橋技術科学大学)、(4)ゼロCO2をめざした再生可能エネルギー利用社会のあり方(国際連合大学)――の課題に分割、分担して行った(矢崎総業は、プロジェクト2年目から参画)。

 ※吸収式エアコン

 水と空気流を直接または間接的に接触させて、水から水分を蒸発させることによって、熱(気化熱)を奪い、空調機などの冷却水を再循環使用するための熱交換装置で、コンデンサーによって与えられた熱を放散させるための装置。

 ※1RT(冷凍トン)

 摂氏0度の水1トンを24時間で摂氏0度の氷にする冷凍能力である。日本冷凍トン(JRC)は、メートル法表示で、  1冷凍トン=79.7(kcal/kg)×1000/24(時)=3320(kcal/時)  (ここで79.7kcal/kgは、凝固熱)ある。

 ※1ジュール(J)

 約0.2389cal。摂氏4度のときの1立方センチメートル(1g)の水の温度を1度上げるために必要な熱量(比熱容量)の単位。水1リットルの温度を1度上昇させるのに必要な熱量は、1kcalである。(永栄 繁樹=産学連携事務局プロデューサー)

バイオ燃料促進で新法 製造施設の税免減/農水省

2007-12-14 日本農業新聞

 農水省は、テンサイや非食用米などの国産農産物を原料にした国産バイオ燃料の生産を促すため「バイオ燃料利用促進法(仮称)」を来年の通常国会へ提出する。県連や全農などバイオ燃料の製造業者に対して、製造設備にかかる固定資産税を3年間、2分の1に軽減する優遇措置を盛り込む。

 具体的には、国内の農業者などから原料供給を受けて、安定的にバイオ燃料を生産する製造業者に対し、バイオエタノールやバイオディーゼル、バイオガス、木質ペレットの製造設備にかかる固定資産税を半額にする。

木質ペレットでハウス暖房重油と比較、実用化検討/愛媛県農試が実証試験スタート【四国】

2007-12-11 日本農業新聞

 重油高などを背景に愛媛県農業試験場(松山市)は木質ペレット燃料の温風発生機で農業ハウスを暖房する実証試験を始めた。今年度は、設定通りに温度をコントロールできるかどうかなど、重油暖房機との比較で実用化を検討していく。

 場内のトマト栽培ハウス200平方メートルに熱出力5万キロカロリーのペレット温風機を1台設置した。新潟の小片鉄工(株)の製品。燃料は端材や樹皮などで作る木質ペレットを使う。11月中旬から試験を始めた。

 ペレット温風機は設定温度のほかに、暖房運転停止温度と運転再開温度が設定できる。設定温度との温度幅が小さいほど細かい温度管理が可能だ。だが、温度幅を小さくすると着火回数が多くなり着火時に燃やす灯油使用量が増える。

 試運転では、暖房運転再開温度で着火してから暖まるまでに時間のずれがあり、この間にハウスの温度が下がったが、運転停止後の温度の下がり方は緩やかだった。

 実証試験では設定温度を13度に固定。運転停止温度と運転再開温度を調整し、最低温度を確保しながらぺレットの使用量を抑える温度管理の方法を探る。ペレットの材質や水分率の違いによる燃焼効率の比較やハウス内環境、トマトの生育調査も行う。

 「重油暖房より低コストできちんと温度管理ができれば、野菜やかんきつハウスでの使用が期待できる」と県農試は話している。

身も心も温まる炎のある暮らし

2007年12月07日 asahi.com

 あこがれの暖炉のある暮らし。でも設営、まきの確保や置き場所を考えると断念せざるを得ないという人が多いでしょう。「でもペレットストーブならもっと小さな燃料で、都心でも炎のある暮らしが実現しますよ」と話す建築家の菅家克子さん。どんな暖房機器なのか、聞きました。

菅家克子 かんけ・かつこ●1級建築士。菅家設計室(大阪市)主宰。第42回大阪府知事賞を受けた四恩学園・総合福祉センターなどのほか、個人の住宅も数多く手がけ、2004年ドイツ・ヴォトケ社の代理店資格を取得し、ペレットストーブによる「火」のある暮らしを提案している。

 ペレットストーブは、材木の削りくずなどの廃材を圧縮した固形の「木質ペレット」を専用燃料とするストーブです。ペレット1粒の大きさは直径6〜12ミリ、長さ1〜2センチ。ストーブ背面のストッカーに補充しておけば、設定温度などに応じて、炉内の器に自動的に必要量が落ち、器の底にある電熱器の発熱と、送風ファンからの風により、着火する仕組みです。

■植物由来の燃料で環境にも貢献

 ペレットストーブとの出合いは1999年。ドイツでエコツアーに参加した際に脱化石燃料の暖房機器として紹介されました。燃料のペレットは、その土地の木質資源を利用した木質バイオマスエネルギーと呼ばれる生物由来の燃料で、これを燃焼すれば植物が成長中に吸収した二酸化炭素が放出されるだけで、地球温暖化の一因である大気中の二酸化炭素を増加させないということでした。

 環境にいいこと、シンプルでスタイリッシュな外観にもひかれ、日本でも木質バイオマスに取り組む企業が出てきたこともあり、私が施工する家に取り入れようと、2004年にドイツのメーカーに研修に行き、代理店となりました。

■マンションにも設置、心身ともに温まる

 点火や消火、温度調節など操作性はエアコンなど既存の暖房機器と変わりません。煙もほとんどなく、かすかに木の香りがして、音も静かです。

 我が家はマンションですが、3年前から設置しています。外に給排気口を設けるFF式(密閉式)の暖房装置を設置している家があることを思えば、基本的には大抵の家に設置できます。ただし、煙突が2メートル以上は必要です。

 設置以来、冬はエアコンを使っていません。1袋20キロ入り800円のペレットを、高知県から取り寄せています。3キロワットの設定で燃焼時間は26〜28時間、4キロワットで20〜21時間。点火開始時と送風時に電気を使いますから、使い方にもよりますが、ほかの光熱費より割安とは言えません。

 でも対環境コストでは有利で、人に対する癒やし効果はあると思います。ゆらめく炎を見つめて過ごす穏やかな時間と空間ができる。設置した人の中には、ストーブの周りに自然と家族が集まり、会話が増えたという人もいます。身も心も温まりますよ。

■開発すすむ各県オリジナル

 日本ではまだ欧米ほどペレットストーブは普及していませんが、ドイツのように、地元の木質資源を有効活用しようとペレット事業を手がけ、ペレットストーブを開発・販売している県もあります。海外製品より比較的安価で、性能もデザインもいろいろありますから、調べてみるといいですよ。

滋賀県版ペレットストーブ 2008年に量販の予定

 滋賀県でも、滋賀県湖東地域振興局が、産学民官で「滋賀版ペレットストーブ(仮称)」を共同開発。

 00年4月ごろから、湖東地域のスギやヒノキなどの森林資源の付加価値を高め、整備と循環の促進を目指し、製材で出る残材から木質バイオマスエネルギー、ペレットの生産を開始。発電所や水質浄化などに利用する実験をする過程で、ペレットストーブの存在を知った。担当の世戸匠さんは「ペレットは量産できてもハードが不足しているため、ストーブの開発に踏み切りました。他県でも同様の取り組みがあるが、どのストーブも暖房能力が大きすぎる。滋賀県民の家庭規模に合った暖房能力のストーブにしました」と話す。現在は安全性などを試験中。約30万円ほどで民間業者から販売する計画だ。

一冬の燃料を無料提供

2007年12月04日 名寄新聞

下川でストーブモニターを募集・木質ペレットで暖かく

 【下川】「燃料費を無料提供します。モニターとしてこの冬、木質ペレットストーブを使ってみませんか」。下川町ふるさと開発振興公社クラスター推進部では、道とメーカーが共同開発した北海道型「木質ペレットストーブ」のモニターを一人、募集している。

 町では北海道森林総研などと連携、ヤナギによる木質バイオエネルギーの研究に取り組んでいるが、木質固形燃料「ペレット」も研究テーマの一つ。先に道とメーカーが木質ペレット専用のストーブを共同開発しており、道などの協力も得て、今回、道内初のモニター募集となった。

 応募条件は(1)町内在住で一戸建て住宅(2)木質ペレットストーブはFF式で、居間でFF式ストーブを使用している人(3)日中、誰かが在宅していること(4)昨年の灯油消費量などデータを持っていること(5)温度やペレット消費量のデータを収集可能な人(6)ペレット燃料の貯蔵スペースが確保できること―など。

 このところ灯油価格が上昇しているが、価格上昇前の試算で一般家庭の年間灯油消費は約十六万円。ペレットだと十四万五千円。ペレットストーブは、コンピューター制御で自動点火、予約点火、温度調整など可能。また、昔のまきストーブのように、遠赤外線効果で室内全体を軟らかく暖めることが可能。しかし、ストーブ価格が二十五万円前後と高く、一日に一回程度、燃料補給が必要なこと。ペレットの保管施設が必要なことなど課題もある。

 クラスター推進部では、「木質ペレットは木材工場の端材、林地残材などを有効に活用することでも生産が可能。環境にやさしい燃料であり、ストーブがより安くなると、将来的に有望な家庭暖房用燃料になるはず」と期待を寄せる。

 モニター希望者は、十四日までに幸町、町民会館内にあるクラスター推進部(5-2770)へ。応募者多数の場合は、協議しながら決める。

 なお、ストーブも無料で貸し出す。

環境に優しい暖房燃料「木質ペレット」

2007年11月25日 十勝毎日新聞社

灯油高騰で経済的にも注目

利用の足寄町コスト減「思わぬ恩恵」

 【足寄】森林の林地残材などを利活用した暖房燃料の木質ペレットが、石油価格の高騰を背景に改めて注目を浴びている。ペレット1キロ(50−60円)当たりの発熱量は灯油1リットルの約半分といわれ、灯油が現在1リットル80円半ばで推移していることから、価格均衡が進む形だ。地産地消、環境保全の観点から付加価値が見いだされてきたが、経済性でも遜色(そんしょく)ない燃料となり始め、今後の動向が注視される。(丸山一樹)

 道水産林務部によると、ペレット1キロ当たりの発熱量は約4500キロカロリー。灯油1リットルの価格が90円に迫る勢いのため、ペレット1キロ50円台から購入できる管内でも関心は高い。

 生産事業を展開する「とかちペレット協同組合」(中島正博理事長)が設立された2004年末の灯油価格が50円台だったのと比較すると価格差はグンと縮まり、中島理事長も「想定外」と驚く。

 専用ボイラーを公共施設に導入している足寄町では、双方の価格均衡の影響が既に表れている。50万キロカロリーのボイラー2基を完備する役場庁舎の燃料費は、ペレットの大口購入により既に石油と価格が逆転している。試算では、石油(A重油)を利用するよりも年間92万円のコスト減が実現する見込みだ。田中幸壽副町長は「思わぬ恩恵」と喜んでいる。

 石油が高騰し、ペレットの需要が高まれば、一般消費者への小売価格も灯油に迫る可能性がある。それには燃焼機器の普及が不可欠だ。ペレットストーブを積極的に取り扱うマルショウ技研(本社足寄、菅原智美社長)によると、管内の一般家庭への普及台数は現在、推定約150台で、自治体の購入補助制度もあり年々増加している。同社の今年度の管内販売数も現在16台で着実に浸透している。

生産関係者 機器や販売戦略の転機に

 一方で、生産関係者は現状を冷静に見詰めている。菅原社長は「国内の燃焼機器は、性能や価格の面でまだ成熟過程。需要の速度と機器の進化が一体的に進んでほしい」とし、中島理事長も「原料調達から消費までのバランスが崩れないことが理想」と話す。

 さらに、同組合関係者は、燃料価格先行による市場拡大が加速すればペレット生産の理念にある地産地消、環境保全の観点が形骸(けいがい)化したり、生産体制への負担が増すことを懸念。「当初のコンセプトは崩壊し、長期的な利用者獲得は実現できない恐れも否定できない」(中島理事長)とする。

 ペレットが注目される状況は歓迎する一方、生産サイドとしては現状をペレット産業発展へのターニングポイントと位置付け、販売戦略を含めた今後の方向性を模索する考えだ。

木質ペレット 林地残材などを圧縮し、成型した固形燃料。地場資源の有効利用、大気中の二酸化炭素を増加させず、環境保全を実現する燃料として注目が高まっている。管内では足寄町を拠点とする「とかちペレット協同組合」が2005年11月から本格的に生産している。

 

木質ペレット利用促進セミナーin苫小牧を開催しました

2007年10月25日 自然エネルギーブログ@株式会社NERC

 昨日「木質ペレット利用促進セミナー(地球温暖化〜化石燃料からの転換」を苫小牧市文化会館大ホールにて無事開催しました。

 参加者は約200名、北海道新聞さんなどマスコミも来てくれていました。 潟Cワクラと北海道木質ペレット協議会の共催ということで、私は、受付したり、講師の先生を控え室に案内したりしましたが、イワクラさん、本当にお疲れ様でした。ありがとうございました。

 前半は、岐阜県立森林文化アカデミーの熊崎先生とNPO法人NEPAの大友理事長のペレットを巡る動向や展望の講演でした。

 日本木質ペレット協会会長でもある熊崎先生は、世界的に見ると、ペレットの生産量が消費量よりも圧倒的に多く、輸出しているカナダ、ロシアなど、その反対で輸入に頼っているベルギー、デンマークなどの国々があること、ペレット需要でも暖房用のストーブ中心のアメリカ、イタリア、暖房用のボイラーが中心のドイツ、オーストリア、発電用が中心のベルギー、オランダがあること、日本のペレット業界は戦略的なターゲットをどこに絞るか?といったことを講演されました。

 北海道木質ペレット推進協議会会長でもある大友理事長の講演では、北海道ではペレットの消費量は生産量の1/20?くらいしかないため、いかに需要を喚起するか=燃焼機器の普及がカギとなること、また、地域の取り組みとして足寄町でペレットをキーとして地産地消の仕組みづくりが始まっている事例が報告されました。

 双方ともでペレットが普及しているヨーロッパの政策の紹介がありました。(質問でもありましたが、環境意識はみんな非常に高い。国の政策をどうにかしないといかん、と私も思います。しかし、自分でできることからはじめて、次に地域でモデルにして、少しずつ地域を大きな単位にして、国の政策を変えざるをえなくしてしまうくらいの気でいかないと国の政策変わらないです、たぶん。)

 後半はペレットストーブメーカー、ボイラーメーカーの開発コンセプトや燃焼機器の仕組みについてのお話でした。メーカーさん一同に会しての報告は聞いたことがなかったので、それぞれの考え方や特色が比較できて、非常に興味深く聞きました。

 さて、今週末の10/27に道庁赤レンガ庁舎前で行われる「道民森づくりネットワークの集い」で全道からペレット・ペレットストーブが集結するのにあわせて、明日は「北海道木質ペレット推進協議会」の第1回情報交換会を行います。どんな情報交換ができるか楽しみです。

檮原町のバイオマス事業と矢崎総業のペレット焚き冷暖房システム

2007年10月08日 高知エコデザイン

 高知県檮原町が矢崎総業(株)と共同で行う「木質バイオマス地域循環モデル事業」が、いよいよ10月から本格的に動き始めました。

 来年3月までには、町内の森林組合の工場の隣に木質ペレット工場が完成し、年間600トンのペレット生産が始まります。ペレット生産は、2年目には1,200トン、3年目からは1,800トンの生産が予定されています。

 ペレットの原料としては、製材の端材だけでなく、間伐材やタンコロなどの林地残材を使うということになっています。

 ペレット工場の完成した時の利用先として、矢崎総業が新開発した木質ペレット焚きの吸収式冷暖房システム(アローエース)が、雲の上ホテルと南四国部品梼原工場に設置が計画されています。

 矢崎のこの新システムは、既に昨秋の名古屋での展示会で公開されていましたが、その後も屋久島での実地テストなどを経て、いよいよ来年(2008年)から発売されることになり、今月5日に静岡県浜松市において見学会と説明会があったので、参加しました。北は北海道、南は九州から約60名もの参加者があり、期待の大きさを示しています。高知からも檮原町や県の関係者、土佐テックの中川社長も参加し、檮原町における事業の説明を行いました。

 発売されるのは10RTと30RTの2種類ですが、今後より大型の機種を増やしていくとのことです。なお、RTは冷凍トンを表します。10RTで、事務所なら約300m2の面積を冷房でき、家庭用エアコン16?20台に相当します。今のところ家庭での利用は難しく、ビル、事務所、ホテル、レストランなどが対象です。木質バイオマス利用の進んでいるヨーロッパでも冷房利用は実用化されていないので、世界で最初の本格的なバイオマス冷房システムの商品化と思われます。

 アローエースというのは、矢崎総業が30年前から製造・販売している吸収式冷暖房システムの商品名ですが、これまではガスや灯油を燃料とするものが国内で5,000台程度使われているようです。今回のペレット焚きのものの価格は、従来品の1.5培程度ということですので、ペレットの供給が間に合えば広く普及することは間違いないと思われます。なお、ペレット消費量は、年間6,000時間稼働するとして、10RTのもので年間50トン程度です。

 このところ、欧米ほどではないにしても、国内でも木質ペレットの生産工場が急激に増加しており、高知でも今年から来年にかけて数カ所でペレット生産が計画されています。しかし多くの場合、利用目的が農業ハウスなど暖房施設や建物の暖房・給湯施設であり、ペレット消費は冬季に集中します。特に高知のように暖房期間の短い地域では通年需要の確保のためにも夏期に使う冷房利用システムの開発が待たれていました。

 矢崎総業では、梼原と高知市に技術者を常駐させて、建設と稼働にあたるほど、この事業に本腰を入れています。高知県から全国に、あわよくば世界に発信できる事業が成功するよう、協力していきたいと思います。梼原町における動きは、今後もこの通信で取り上げていきます。

矢崎総業の木質ペレット焚き冷暖房システム

2007年10月07日 バイオマス情報−高知

 高知県梼原町などで森林エネルギー地域循環モデル事業に取り組む矢崎総業 (株)(本社:東京)が、浜松市において、新開発した木質ペレット焚きアローエース(吸収式冷暖房システム)の見学会と説明会を開催したので参加しました。北は北海道、南は九州から約60名もの参加者があり、期待の大きさを示しています。

 このところ、石油価格の高騰もあって、国内でもようやく木質ペレットの供給が増え始めています。高知県だけでも今年から来年にかけて数カ所でペレット生産が計画されています。しかし、多くの場合利用目的が、農業ハウスなど暖房施設や給湯施設であり、冬季に集中することが問題であり、特に高知のように暖房期間の短い地域では通年需要の確保のためにも夏期に使う冷房利用システムの開発が待たれていました。

 矢崎の新システムは、既に昨秋の名古屋での展示会で公開されていましたが、その後も屋久島での実地テストなどを経て、いよいよ来年(2008年)から発売されることになっています。発売されるのは10RTと30RTの2種類ですが、今後も機種を増やしていくとのことです。なお、RTは冷凍トンを表します。10RTで、事務所なら約300m2の面積を冷房でき、家庭用エアコン16〜20台に相当します。今のところ家庭での利用は難しく、ビル、事務所、ホテル、レストランなどが対象です。木質バイオマス利用の進んでいるヨーロッパでも冷房利用は実用化されていないので、世界で最初の本格的なバイオマス冷房システムの商品化と思われます。

 アローエースというのは、矢崎総業が30年前から製造・販売している吸収式冷暖房システムの商品名ですが、これまではガスや灯油を燃料とするものが国内に5,000台程度使われていると云われています。今回のペレット焚きのものの価格は、従来品の1.5培程度ということですので、ペレットの供給が間に合えば広く普及することは間違いないと思われます。なお、ペレット消費量は、年間6,000時間稼働するとして、10RTのもので年間50トン程度。

 高知県梼原町には10RT,30RT各1台の導入がすでに決まっています。

ハウス燃料に木質ペレット 重油代替も可能

2007/09/02 宮城日日新聞

 原油価格高騰を受け、施設園芸農家が加温機で使用する重油の代替エネルギーの調査、研究を行っている「県農業用新エネルギー検討に関する連絡会議」(議長・黒岩一夫県農政水産部次長)は実証試験の結果、廃材などを利用した固形燃料・木質ペレットが実用可能と結論付けた。現時点では重油より割高なため、加温機の低価格化とペレットの県内供給実現が鍵となりそうだ。重油使用量の多い農産物でさらに試験を進める。

 代替エネルギーは木質ペレット、天然ガス、電気の3候補。それぞれ新富町の半促成キュウリ、宮崎市の促成ピーマン、同市のミカンを対象に今年6月までの8カ月間、重油加温による作物と生育状況を比較した。

 その結果、木質ペレットと天然ガスは、加温能力、農産物の生育・収量ともに重油使用と同等の評価を受けた。しかし、天然ガスは、供給するための配管工事を行う必要があることに加え、試験段階で安価な単価で取引しても重油より高かったことなどから、「現時点での導入は現実的ではない」との結論に至った。

  同連絡会議は報告書で木質ペレットの現時点での導入は「コスト高」としているが、試算によると(1)本体価格が約4割下がる(2)県内でペレットの生産体制が確立され試験単価より約4割近く下がる―が実現できれば、実用化は可能になると見ている。

三菱商事、バイオペレット製造販売事業へ進出

2007年08月21日 IBTimes

 三菱商事は20日、CO2排出量削減や再生可能エネルギーとしてバイオ燃料を必要とする需要家のニーズに応えるため、欧州で急速に普及が進んでいるバイオペレット(木質ペレット)の製造販売事業に進出すると発表した。

 三菱商事は既に、今年7月31日付で日田資源開発事業協同組合並びに大成木材と共同で、新会社「フォレストエナジー日田」を設立しており、2008年1月の操業開始を目指している。新会社は、国内有数の林業集積地である大分県日田市に、日本最大の製造能力となる年産2万5000トンのペレット製造装置を導入し、主に石炭ボイラー混焼用のバイオペレットを製造・販売する。

 三菱商事は、同事業により北九州と西日本全域でバイオペレットの安定供給体制を構築するとともに、国内外で同様の事業を立ち上げることで、全国規模でのバイオペレット供給体制を早期に整備し、CO2排出量の削減と新たなバイオエネルギー産業の創出を目指していく方針。

北海道木質ペレット推進協議会設立総会 2007.7/20ちえりあ(札幌市西区)で開催

2007-07-21 北海道経済産業新聞

 地球温暖化防止への取り組みは、いまや世界規模の緊急課題となった重要な問題だ。とくに現生植物を加工して得るバイオディーゼル燃料やバイオエタノール、固形燃料の木質ペレットやウッドチップなどは、環境中に二酸化炭素を排出したとしても、再び植物が吸収してくれれば現状のまま均衡するという“カーボン・ニュートラル”という考え方で捉えられており、近年にわかに注目が集まっている。

 林地残材や製材屑などから生産できる木質ペレットに関しては、森林面積の多い道内各自治体でも産業復興のカギを握ると期待されており、すでにペレットの生産は足寄町や滝上町など8市町村で開始されている。

 ペレット燃焼機器も、北海道立林産試験場などとサンポット(株)(岩手県花巻市本社、坂内孝三代表取締役社長)との共同開発によって、一般家庭向けFF式の“北海道型”ペレットストーブが完成している。農業用には、ハウス用ボイラーでの燃焼実験が今年度にかけて進行中だ。

 そんな中、7月20日に道内で木質ペレットの生産者やペレット・ペレット燃焼機器を生産・販売する業者など約20社40 名が集まり、札幌市生涯学習センター(ちえりあ:札幌市西区)で、北海道木質ペレット推進協議会の設立総会が開催された。

 挨拶には、北海道水産林務部林務局の高橋伸吉林業木材課長が立ち、北海道庁による木質ペレット利用推進の立場、推進のための施策紹介や間伐材有効利用につながるペレット利用への期待が語られた。

 協議会の会長にはNPO北海道新エネルギー普及促進協会(NEPA:札幌市中央区)の大友詔雄理事長が、副会長には滝上木質バイオマス生産組合の眞貝眞佐喜理事長が選出された。

 大友会長は、

「国内では約30年の間に木質ペレットの生産が2度停止している一方で、環境先進国のドイツではずっと続けられてきた。その結果、現在では木質ペレットの価格は灯油・天然ガスのほぼ2分の1という安価で安定的に供給されている。国内の生産者や取扱業者はもとより、消費者や監督する行政当局にも長期的な視点を養ってもらえるような活動を展開したいと思います」

 と、抱負を述べた。

 総会はその後、会として東日本木質ペレット安定供給協議会への加盟を決定し、環境広場さっぽろ2007(期間:8月3日(金)〜8月5日(日)/会場:アクセスサッポロ)への参加を呼びかけて終了した。

一石二鳥 「木質ペレット」 燃料代安くエコ

2007年07月08日 読売新聞 Yomiuri On-Line

下呂の旅館 ボイラー導入

 材木を加工する過程で出る木くずを利用した「木質ペレット」で温泉を沸かそうと、下呂市内の料理旅館が、「ペレットボイラー」を導入した。木質ペレットは、灯油に比べて燃料代が安いうえ、CO2(二酸化炭素)の排出量も少なく、旅館では「地球温暖化の防止に少しでも役立てば」と話している。

 ペレットボイラーを導入したのは、同市御厩野(みまやの)の「神明山荘」(河村正幸社長)。木くずを圧縮加工した直径8ミリほどのペレットを、自動的に投入する。700〜800度の高温で完全燃焼することから、不純物を含んだ煙の排出も少ない。熱交換機で水を加熱し、湯温をコントロールして貯湯タンクから供給する。

 同山荘では従来、2つの大浴場や露天風呂の湯を沸かしたりするのに、年間約8万4000リットルの灯油を使っていたが、燃料を木製ペレットに切り替えることによって、年間約200トンのCO2の排出を抑えられるという。また、燃料費も年間100万円ほど削減出来て、従来の約3分の1に圧縮できた。

 木質ペレットは、中津川市の木工会社が廃棄処分していた木くずが原料。河村社長は「木工会社にとっても、木くずの処分費用が節減できるはずだ」と効果を語っている。

日本郵船/関西電力と木質ペレットの長期輸送契約

2007年06月29日 LNEWS

 日本郵船(株)の関係会社NYKグローバルバルク(株)は、関西電力(株)とカナダから輸入する木質ペレットの長期輸送契約を締結した。

 2008年から5年間、年間約6万トンの木質ペレットをカナダ西部のプリンスルパート港から関西電力舞鶴発電所に輸送する。

 同発電所は、バイオマス燃料の木質ペレットを石炭に混ぜて燃焼させることで、発電に伴う二酸化炭素の年間排出量をCO2換算で約9.2万トン削減する計画を進めており、NYKグローバルバルクが同発電所向けにハンディ型バルカー(2〜3万トン型ばら積船)を用い、年7-8航海で木質ペレットを輸送する。

 木質ペレットの長期輸送契約は国内初で、ほかのバイオマス燃料とともに将来、輸送需要の増加が期待されている。

松江で木質ペレットによる地産地消イベント

2007/05/12 山陰中央新報

 NPO法人化を目指す里山バイオマスネットワークが十二日、松江市岡本町の製材会社で、ペレット製造装置の導入披露会を開いた。

 ペレットは、製材工場などから出る廃材や、間伐材などを粉砕し、円筒形に固めた直径約六ミリ、長さ約三センチの燃料。二酸化炭素削減などに役立つと注目を集めている。

 同ネットワークは、個人・団体から募った基金で、ペレットを燃料とするストーブを購入。普及PRのため、昨年十二月に県内の保育所、小学校、中学校、高校(二校)の計五カ所に無償貸し出しした。

 ペレット製造装置は、約一千万円で購入。木材を投入すると、最大一時間で百五十キロの製造が可能。地元で製造、消費するという地産地消を目指し、ペレット専用のストーブの燃料として活用する。

 同ネットワークの福田正明代表は「ペレットは環境にやさしい資源循環型エネルギー。里山再生活動につなげたい」と話した。

 ペレットストーブは本体が安いもので二十万円、別に煙突の配管工事が必要で石油ファンヒーターに比べると高価だが、燃料のペレットの価格は灯油とあまり変わらない。

イワクラが木質ペレット製造に参入、国内最大規模

2007/02/28 J-FIC 日本林業調査会

 原木・製品の仕入れ販売やパーティクルボード(PB)製造などを手がけているイワクラ(北海道苫小牧市)が木質ペレットの製造販売事業に参入する。昨年12月に毎時1tの製造能力を有するペレット製造機を設置、1月30日からテスト生産を開始した。

 1日24時間稼働で年間5,000tの製造を計画しており、国内では最大規模となる。

九州山口ではじめての木質ペレット燃料製造施設が完成

2005年11月30日 山口県

〜間伐材の新たな用途の開拓 森林バイオマスエネルギーの利用、大きく前進〜

 山口県は平成14年3月に「やまぐち森林バイオマスエネルギー・プラン」を策定し、地球環境に優しく再生可能な資源である森林バイオマスエネルギーの活用に取り組んでいます。

 具体的には、山口テクノパーク内でのガス化発電や中国電力下関発電所での石炭との混焼システムの2つの実証実験とともに、木質ペレット燃料を利用した冷暖房などの熱供給システムの構築を進めており、県林業指導センターや錦町、本郷村においてペレット燃料ボイラーの導入が進められています。

 このペレット燃料については、これまで県外からの購入に頼っていましたが、山口県森林組合連合会が岩国市に木質ペレット燃料の製造施設を完成され、県内への供給を開始されることになりました。

 木質ペレット燃料製造施設は九州山口地区では最初、中国地方では岡山県真庭市の施設に続いて2番目の施設です。また、製造能力は年間1,500トンで、間伐材を主原料とする製造施設としては全国でも最大級のもので、将来的には西日本地域におけるペレット燃料供給施設としての役割も期待されます。

 また、今回の施設の稼働によって、未利用のままとなっている県内の間伐材等がペレット燃料として地域の熱エネルギーの供給に大きな役割を果たすことになりますので、山口県の目指す「エネルギーの地産地消」が大きく前進することとなります。

○ 県内のペレットボイラー導入施設

(1) 稼働中の施設

本郷村山村留学センター(床暖房・給湯用、平成15年度整備)
錦グリーンパレス(温泉加温・給湯用、平成16年度整備)
山口県林業指導センター(冷暖房両用、平成16年度整備)

(2) 導入予定施設

錦町 清流の郷(温泉加温・給湯用、平成17年度整備)
錦町 憩の家(温泉加温・給湯用、平成17年度整備)
錦町 ふるさとセンター(暖房用、平成17年度整備)
フラワーランド(温室加温用、平成17年度整備)
県立病院静和荘(給湯用、平成18年度整備)

第6回「地球温暖化対策と中山間地域振興」

2005/11/14 BIZplus

 今年もまた寒い冬が近づいてきた。そこで今回は冬に相応しい話題を提供することとしたい。昨冬、私が執務する鳥取県知事室では、一見電気冷蔵庫のような形をした風変わりなストーブが大活躍した。岩手県の増田寛也知事から紹介を受けて購入したこのストーブは石油やガスといった化石燃料ではなく木質ペレットを燃料としている。誤解を受けないよう念のため説明をしておくと、木を燃やすからといって煙に悩まされることは一切ないし、完全燃焼するので産出する灰の量はごくわずかだ。点火も消火も温度調節も全てスイッチを押すだけだし、火元へのペレットの供給は庭の池の鯉のための自動給餌装置のように自動化されているので全く手間はかからない。

量産効果に高まる期待、原油高も追い風に

岩手県の増田知事から紹介された木質ペレットストーブ。温度調節もすべてスイッチひとつという優れモノ。ペレット供給も自動化されている

 京都議定書が発効したことを受け、鳥取県ではこれに資するための行動計画の一環として木質バイオマスの活用にことのほか力を入れている。その手段の一つが木質ペレットストーブの普及である。このストーブや同じペレットを燃料とするペレットボイラー、さらには木質チップボイラーを県内に増やそうとしているのだ。これらが広く普及すれば、燃料であるペレットやチップの生産が県内でも盛んになり、おのずと量産効果が働いてくる。今はまだ灯油に比べて若干割高感のあるペレットの価格も、量産とともにリーズナブルな価格帯に落ち着くはずだ。しかも、昨今の原油高はこの種の自然エネルギー開発には追い風となる。

 エネルギー革命以来わが国はエネルギー最貧国に成り下がってしまった。わけても鳥取県は原子力発電所も火力発電所もなく、地域のエネルギー自給率は極端に低い。鳥取県が木質バイオマスに期待し、その普及に力を入れているのは、こうしたエネルギー面での脆弱性を少しでも克服したいと考えているからでもある。

先端技術との融合で広がるバイオマスエネルギー活用

 既に鳥取県内ではおがくずを原料とした木炭を盛んに生産している企業もある。これまでコストをかけて処理していたおがくずが、環境適合型の燃料に生まれ変わるのだ。しかも、その生産過程で地域に雇用をもたらし、所得につながるのであるから一石三鳥と言ってよい。

 さらに、わが国の先端技術を駆使すればエネルギー面で新しい試みも可能なはずだ。例えば竹炭である。もし竹炭を燃料とする便利な家庭用コンロなどが開発されると、竹炭市場が急速に形成されよう。そうなれば、今全国各地で無造作にはびこって始末に困っている竹の処理にも大いに役立つことになる。

 いずれにしても、こうしたバイオマスエネルギーの消費市場がさらに拡大することは実に望ましいことだし、その市場の拡大に支えられてこれに関連する企業の成長が大いに期待できよう。それにつれて、エネルギー最貧地域だと思われていた地域、しかも中山間地域を多く含むわれわれの地域が、実は木質バイオマスというエネルギー産出地域に生まれ変わることも夢ではない。

中山間地域の雇用創出・活性化などに効果大きい

 新しい自然エネルギー開発は木質バイオマスにとどまらない。鳥取県ではかねて家庭用太陽光発電装置の普及に努めている。また、風力発電施設の建設も盛んだ。既に海岸線にはいたるところに風車が林立しており、それによる発電量はかなりのものだ。このほか、背後の中国山地から急流を伝って流れ落ちてくる豊富な水を小水力発電に利用することも今後の重要な課題だ。併せて、それによる安価で豊富な電力を利用した産業が随所に芽生えるようにしたいとも考えている。これも中山間地域の活性化に大きく寄与するはずだ。

 これら各地域で生産される自然エネルギーは、地球温暖化防止にも大きく貢献するのみならず、確実に地域の所得を生み出し、雇用を創出する。今のところはささやかな段階に過ぎないが、徐々に進行しつつある第二次エネルギー革命が、現在多くの問題を抱えている中山間地域の再生につながることを確信している昨今である。

バイオマス活用へ、木質ペレットの復活の兆し

20030203 Japan for Sustainability

 2002年12月に農水省が「バイオマス・ニッポン総合戦略」を発表したが、日本国内では、熱エネルギーの再利用として「木質ペレット」が注目されつつある。

 木質ペレット燃料は、おが屑やかんな屑などの製材廃材や林地残材、古紙といった木質系の副産物、廃棄物を粉砕、圧縮し、成型した固形燃料。軽量(長さ 1〜2cm、直径は6、8、10、12mmが一般的)で、乾燥していて貯蔵が容易、さらに形状・含水率が一定のため自動運転装置に適し、発電用ボイラーから家庭用ストーブとして幅広い用途に使える。

 原料の木材は、大気中の二酸化炭素が光合成によって固定されたものなので、燃焼しても地球上の二酸化炭素の実質的な増減につながらない(カーボン・ニュートラル)。また、木質ペレットの利用促進から、新しい産業の創出も期待されている。

 熱出力100MW単位の大型ボイラーの場合は、発電や地域熱供給といった地域エネルギーに活用され、中・小型ボイラーでは、工場の自家発電装置や病院や学校の暖房に使用される。家庭用の小型ボイラーはペレットストーブとして気軽に使える。すでにスウェーデンでは、工業用から家庭用まで幅広く利用されている。

 日本では現在、岩手県、徳島県、高知県で生産され、年間生産量は2,300トン。一時オイルショック時に生産量が増加し、30工場近くが操業していたが、その後石油価格の下落し、定着するに至らなかった。最近、代替燃料として再び注目を集めている。

「バイオマス・ニッポン総合戦略骨子」公表される

20020730 Japan for Sustainability

 2002年7月30日、農林水産省は、文部科学省、経済産業省、国土交通省、環境省とともに、アドバイザリーグループの意見も踏まえ、バイオマスの総合的な利活用(動植物、微生物、有機性廃棄物からエネルギー源や生分解素材、飼肥料等の製品を得ること)に関する戦略(「バイオマス・ニッポン総合戦略」)の骨子を策定し、公表した。

 地球温暖化の防止や循環型社会の形成、農山漁村に豊富に存在するバイオマスの利活用、競争力のある新たな戦略的産業の育成などのために、バイオマスをエネルギーや製品として総合的に利活用することが重要であるとの認識に基づくもの。

 日本では、バイオマスは賦存量は十分にありながら、収集が困難であること、効率の高い変換技術の開発が不十分であること等により、有効活用が十分に行われていない。家畜排せつ物については、年間発生量約9,100万トンのうち、約80%が利用されており、その大半はたい肥としての利用。食品廃棄物については、年間排出量約2,000万トンのうち、約90%が焼却・埋立されており、利用は10%に満たないが、その大半はたい肥、飼料である。

 木質系廃材・未利用材については、製材工場等残材(約1,500万m3)はほぼ再生利用されているが、間伐材・被害木を含む林地残材(約1,000万m3)のほとんど、および今後発生量の増加が見込まれる建設発生木材(約1,250万m3)の約6割は未利用。利用されているものは、原材料(製紙原料、家畜敷料等)利用(約6割)と直接燃焼利用(約4割)である。

 下水汚泥については、年間排出量約7,300万トンのうち、約42%が埋立されており、残り約58%は建設資材やたい肥として利用されている。農業集落排水汚泥については、年間排出量約62万トンのうち、約78%が焼却・埋立されており、利用の大半はたい肥としての利用である。

 日本のバイオマスのフローについては、その生産から消費、廃棄に至るまでの一体的な正確な統計データが整備されておらず、その計量手法の統一、データの整備も望まれている。地球温暖化対策推進大綱では、2010年までのバイオマス発電の目標を33万kW(34万kl原油換算)、1999年度実績の約6倍に設定している。

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