TOPIC No.3-3 極域の環境汚染

昭和基地の汚水処理本格化

2000年2月7日 16時55分【昭和基地・南極観測隊同行記者】
  昭和基地にいる越冬隊の居住棟などから出る生活排水を汚水処理棟に送る排水管がこのほど完成した。既に一部の棟の生活排水は処理棟でバクテリア分解しているが、居住棟の分などは水で薄めて海に流していた。今後は同基地の汚水処理が本格化する。1998年に発効した南極条約議定書は汚水を海へ直接排出することを認めている。

北極域 有害化学物質で生物異変も

1999年5月6日 11時35分 共同通信社
 北極モニタリング・アセスメント計画(Arctic Monitoring and Assessment Programme, 略:AMAP)の報告書によれば、北極域ではダイオキシンや各種の農薬、ポリ塩化ビフェニール(PCB)などの有害物質による汚染も非常に深刻。高濃度で検出された中には内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)とされるものも多く、一部で生物への影響も現れている。

 報告書によると、イルカや鯨、セイウチ、ホッキョクグマなどの生物中のPCBは、免疫機能や生殖機能に悪影響が出るとされるレベルを大きく超えている。

北極圏環境モニタリング研究センターby 国立極地研究所

北極域で広範な放射能汚染

1999年5月6日 11時35分 共同通信社
 過去の核実験や原発事故などによるとみられる放射能で、北極周辺に広範囲の環境汚染が起きており、住民が食用にしているトナカイの肉から、日本の食品暫定基準の4〜7倍に相当する放射能が検出されていたことが、北極域の環境汚染に関する国際調査プロジェクトの報告書で6日までに分かった。

 放射性物質が大気の流れや海流により、北極周辺に運ばれ蓄積したとみられる。北極域の放射能汚染で、発生源まで含めた包括的な研究は初めてという。

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