TOPIC No.3-29 世界水フォーラム/飲料水

01.The 3rd World Water Forum (第3回世界水フォーラム)
02.第3回世界水フォーラム京都
03.第3回世界水フォーラム滋賀
04.第3回世界水フォーラムおおさか

ミネラル水:19品からアルデヒド類 水質基準に甘さ

2003年04月20日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 横浜市衛生研究所が、国内で販売されているミネラルウオーターの一部から、化学物質のホルムアルデヒドやアセトアルデヒドを検出していたことが分かった。同市の水道水の実測値と比べ、80倍以上の製品もあったが、飲み続けても人体に影響が出る量ではないという。ミネラルウオーターの水質は食品衛生法に基づく基準があるが、水道水に比べ基準項目が少ない。厚生労働省は、昨秋から、ミネラルウオーターの新水質基準の策定を始めている。しかし、アルデヒド類の扱いは未定としている。

 調査したのは、横浜市内で販売されているボトル入りのミネラルウオーター30品。うち14品が米、仏、カナダなどからの輸入品、16品が10道県で採水された国産品。同研究所が開発した分析法でホルムアルデヒド、アセトアルデヒドを調べた。

 その結果、輸入品5品、国産品14品の計19品からアルデヒド類が検出され、うち17品にはホルムアルデヒド、アセトアルデヒドの両方が含まれていた。

 ホルムアルデヒドの最高濃度は国産の1品の1リットル当たり59マイクログラム。アセトアルデヒドは米国産の同260マイクログラム。いずれも同市の水道水の実測値(ホルムアルデヒド13マイクログラム、アセトアルデヒド3.1マイクログラム)を上回った。

 日本ではミネラルウオーターは清涼飲料水に分類され、食品衛生法で規格基準が定められているが、アルデヒド類の基準はない。一方、水道水には水質基準を補う監視項目としてホルムアルデヒド(ホルマリン)があり、指針値(これを超えないように監視する)は1リットル当たり80マイクログラムとなっている。

 混入の原因は、水源か製造の過程が考えられるが、同研究所は「はっきりしない」としている。容器の材質との関連性は認められなかった。

 ホルムアルデヒドは疫学調査で発がん性が確認されており、シックハウス症候群や化学物質過敏症の原因物質とされる。アセトアルデヒドは動物実験で発がん性が確認されている。 【大島秀利、奥野敦史】

 ▽化学物質の毒性に詳しい小野寺祐夫・東京理科大助教授(環境科学)の話 今回のデータでは、最も高濃度の製品でも人体への影響はない。しかし現在、国内ではミネラルウオーター中のアルデヒド類を検査する体制がなく、より高濃度の製品があるかもしれないし、それを飲み続けた時の影響は予測できない。早急に基準を決め、検査体制を作るべきだ。

 ▽国内約380社のミネラルウオーターメーカーのうち53社が加盟する日本ミネラルウォーター協会の話 具体的な製品名が分からないので、コメント出来ない。ただ、協会の加盟社には、現行の水道水の水質基準とほぼ同じ内容の自主的管理基準を課している。

 ▽厚労省食品保健部基準課の話 初めて聞いた話なので、詳しいコメントはできない。ただ、ミネラルウオーターは、元々きれいな水源の水という前提の商品で、国際的な基準に合わせて水道水よりは水質項目が少なく設定されていた。現在、改定中で、今夏以降、新基準が作られる。アルデヒド類の扱いは、未定だ。

ユネスコセンターを日本に

2003年03月22日 The Sankei Shimbun
 京都市で開かれている世界水フォーラムで、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の松浦晃一郎事務局長は22日、水に関する研究を目的にしたユネスコセンターを日本に設置することで、日本政府と合意したことを明らかにした。

 ユネスコの施設が日本に設置されるのは初めて。関係者によると、2005年の開設が目標で、設置場所には茨城県つくば市が有力候補に挙がっているという。

 新しいセンターは、ユネスコの国際水文計画に基づき、オランダにある水に関する教育機関や世界各地の地域センターと連携して研究を行う。

 松浦事務局長は閣僚会議で「持続可能な河川流域の発展に貢献できるだろう」と話した。

 詳しい研究内容や規模は今後詰めるとしているが、アジア地域特有のモンスーンによる洪水対策の研究や日本の水質浄化技術の普及、発展途上国からの研修生の受け入れなどが想定されている。

供給確保などで具体行動を 世界水フォーラム

2003年03月16日 The Sankei Shimbun
 人口増加や地球温暖化で複雑化する水問題の解決策を探る第3回世界水フォーラムが16日、8日間の日程で京都市の京都国際会館で始まった。世界166カ国・地域、79機関から約1万人が参加し、京都、大阪、滋賀の3会場で337の分科会のほかイベントを開く最大規模の国際会議となった。

 開会式で主催者のフォーラム運営委員会会長の橋本龍太郎元首相とムハマド・アブザイド世界水会議会長があいさつ。水供給や衛生改善のため具体的な行動を始めるべきだと訴え、「水の世紀」にふさわしい解決の処方せんを描くよう求めた。

 特にアブザイド会長は「水をためて使うことは昔から行われてきた。不足する水供給確保のため今世紀も大規模ダムを造らなければならない」と、「脱ダム」を掲げる先進国や市民団体に向け、発展途上国の立場でダム建設の必要性を示した。

 このほか、第1回フォーラム開催国モロッコのムーライ・ラシッド王子は「水問題への政府などの取り組みの優先順位を上げるべきだ」と指摘。

 第2回オランダのウィリアム・アレキサンダー皇太子も「水部門への投資を増やすべきだ。今年は国連淡水年、次回フォーラムが開かれる2006年は国際湿地年にしては」と提案した。

 また開会式では、皇太子さまが記念講演。ビデオでシラク仏大統領が「水を原因にして21世紀が緊張になるか連帯になるか、皆さんの英知と約束にかかっている」とメッセージを寄せた。

 フォーラムでは、ダム建設や水供給の民営化、農業とのかかわりなどをテーマに大阪、大津両市でも分科会や農業相会合を開く。22、23日の日本政府主催の閣僚級国際会議では、解決への努力倍増を求める閣僚宣言を採択する。

 ●安全な飲料水求め13の提言 「世界水行動報告書」原案発表

 第3回世界水フォーラムを主催する世界水会議は16日、水問題解決のための13の提言からなる「世界水行動報告書」の原案を発表した。フォーラムの議論を経て6月に最終報告する。

 提言は、2015年までに安全な飲料水が利用できない人の割合を半減させると決めた国連の目標の実現を目指す。政府や自治体に、インフラ整備の資金調達や水開発への投資を増やすよう求め、政府の役割を強調している。

 具体的には(1)水関連サービス提供者はサービスの提供や維持管理の質と効率性の向上を図る(2)目標の達成度を監視する国際監視体制を構築する−などを盛り込んでいる。

 世界水会議は、提言作成に当たり、3年前の第2回フォーラム後の各国の取り組み状況を調べるため、水に関する新たな計画や新法制定など約3千に上る各国の動きを情報収集、データベース化した。

自然エネルギー導入を推進 佐賀水会議が宣言

2003年03月14日 The Sankei Shimbun
 第3回世界水フォーラムでアピールするため、飲料水やエネルギー問題を抱える太平洋の島々など8つの国・地域の代表が話し合う「佐賀水会議」が14日、佐賀市で開かれ、自然エネルギーの導入目標をうたった「佐賀宣言」を発表した。

 宣言は「(署名国の)現在のエネルギー消費の10%相当を、2013年までに再生可能なエネルギーに置き換える」としており15日、佐賀県伊万里市で調印される。

 会議の中心議題の一つは、海水淡水化技術で、海の表層水と深層水の温度差を利用した海洋温度差発電(OTEC)の応用が有力だ。

 佐賀大の上原春男学長らが研究開発を進めており、温室効果ガスなどを排出せず、深層水で飲料水も製造できることから、インドやパラオなどが導入を決めている。

 会議では、小島しょ国連合(AOSIS)のソポアガ代表が、地球温暖化で水没しつつある母国ツバルの現状を説明。「国が海になり、人が住めなくなるという最悪の事態を迎えている。(先進国に対する)訴訟の可能性を真剣に考える人もいる」と糾弾した。

 クック諸島のウーントン首相は「水をめぐる戦争が始まろうとしている」とし、OTECへの期待を表明。レメンゲサウ・パラオ大統領も「参加国が一つの声となり、京都(水フォーラム)で世界に訴えよう」と述べた。

 佐賀宣言には、先進国と温室効果ガスの排出権を取引して得た原資で、再生可能なエネルギーに関する事業を積極的に推進することも盛り込まれた。

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