TOPIC No.3-26 河川の水質

01.第3回世界水フォーラム(2003年03月)
02.日本水フォーラム
03.淡水資源管理プロジェクト(Freshwater Resources Management Project:FW)
04.国連環境計画 (UNEP)

5人に1人が水不足 国連、政策の不備を指摘

2006/06/12 The Sankei Shimbun

 地球上には十分な淡水資源が存在するにもかかわらず、適切な政策が取られていないため、世界人口の5分の1が安全な飲み水を確保できない状況にあるとする世界水開発報告書を、国連が11日までにまとめた。16日からメキシコで開かれる第4回世界水フォーラムに向け、国連環境計画や世界保健機関など24の機関が協力した。

 報告書によると、11億人の人が十分な飲み水を得られず、上下水道などの適切な衛生設備を持たないために感染症の危険にさらされている人が26億人も存在。安全な飲み水と衛生設備があれば年間160万人が命を落とさずにすんだという。

 報告書は、水に関連する投資や国際援助が不十分なことに加え、資源管理の人材育成や組織づくりの遅れなどが原因と考えられると指摘。2015年までに安全な飲み水を利用できない人口を半分にするとの国連のミレニアム開発目標が、達成できない地域が出る恐れがあるとした。

 また、中国やバングラデシュ、米国などを中心に世界の5人に2人が洪水や海面上昇によって被害に遭う恐れのある地域に住んでおり「地球温暖化によって危険が増すだろう」と警告した。

 このほか、自然災害は90%が水に関連するもので、むやみな森林開発やかんがい事業など土地の不適切な利用によって数は増加していることにも言及。水生生物の種類が急激に減るなど、多くの地域で水質が低下し、水に関する環境問題が深刻化していることを指摘した。

 報告書は03年、京都市などでの第3回水フォーラム開催にあわせて発表されたのに次ぎ、今回が2回目となる。

アユ調査:淀川に3万匹遡上確認 大阪市内の水質改善 国交省

2003年05月04日[毎日新聞] Mainichi INTERACTIVE

 国土交通省近畿地方整備局が淀川大堰(おおぜき)(大阪市東淀川区―都島区)の両岸にある魚道で、遡上(そじょう)するアユの調査を始め、約1カ月間で3万匹以上の通過を確認した。淀川を上るアユの本格的調査は初めて。淀川は近年、水質の改善が進んでいるが、アユは都心部を流れる淀川支流の大川でも目撃されており、市街地に豊かな自然環境が戻ってきていることが証明された形だ。

 調査は3月21日に開始。毎日午前6時〜午後6時、担当者が魚道を目視し通過するアユの数を集計している。4月8日に最初のアユを確認、今月2日までの累計は約3万1000匹に達した。天候などの影響で1日当たりの数は異なるが、2日には最多の約1万4000匹が上った。上流の桂川や木津川生まれのものとみられ、魚道では体長5センチほどのアユが水面を跳ねる姿が見られる。

 大阪湾河口から約10キロ上流の淀川大堰は、水道水の取水などを目的に84年3月に完成。階段式の魚道(幅約5メートル)も併せて造られたが、アユの遡上調査は行われていなかった。今年1月、同整備局の専門家会議「淀川水系流域委員会」が「生態系を優先した河川整備」を提言したのを受け、調査に乗り出した。

 淀川の水質基準は、環境省が定める6段階(AAとA〜E)のうち、アユやサケなどが生息できる「B」ランク。微生物が水中の有機物を分解する際に消費する酸素量「生物化学的酸素要求量(BOD)」の基準値(1リットル当たり3ミリグラム以下)は、大堰下流付近では91年度以降、ほぼ達成されている。工場排水の規制強化や下水道整備で生活排水の流入が減ったことなどが理由。同整備局淀川河川事務所は「市街地で、これだけのアユが遡上していたとは驚きだ。良好な水環境を保つための参考資料にしたい」と話している。 【宇城昇】

気になりますか?水の臭い 売れる家庭用浄水器

2002年06月01日 The Sankei Shimbun

 家庭用浄水器の販売が伸びている。水道水に含まれる塩素の臭いや水道管の老朽化による「赤さび」除去のほか、健康意識の高まりなどから需要が拡大しているためで、蛇口に標準装備した新築マンションも売り出されている。

 蛇口に直接、取り付ける方式が主流で、カートリッジ内の活性炭で塩素臭を吸収し、人工透析などの医療用途の中空糸という繊維で濁りや赤さびを取り除く。

 店頭での販売シェアは、トップの東レによると、同社と三菱レイヨンの2社で約90%を占めている。東レは「トレビーノ」、三菱レイヨンは「クリンスイ」というシリーズ名で商品を展開。カートリッジの交換時期を知らせるメーターがついた商品が売れ筋で、価格は6000−7000円。量販店では5000円を切る場合もある。

 デザイン性や手軽さなどが受けて、卓上のポット型も売れている。大阪市北区の梅田ロフトでは、ドイツメーカーの製品が「1カ月で50個以上を売り上げた」(同店)。また、浄水用に炭を買い求める人も増えているという。

 浄水器メーカーなどでつくる浄水器協議会(東京)の調査では、2001年度の出荷台数は421万台で、過去最高を更新した。普及率は全国平均で28・9%(01年7月実施)、水質が悪い東京、大阪では40%を超えている、という。鉛を使用している水道管もあることから、鉛を除去する高機能タイプも出ており、今後、需要はさらに拡大しそうだ。

河川・湖沼の水質改善/11年度 下水道整備など効果

2000.12.22 The Sankei Shimbun

 環境庁が二十二日にまとめた平成十一年度の河川や湖沼など公共用水域の水質測定結果によると、環境基準の達成率は、前年度を〇・八ポイント上回り過去最高の七八・七%を記録した。環境庁では、下水道の整備が進み、排水規制などの効果が表れ始めた結果と分析している。水質が最も悪かったのは、河川は香川県の弁天川、湖沼は二十六年連続で千葉県の手賀沼だった。

 調査は三千四百五十八水域を対象に、河川はBOD(生物化学的酸素要求量)、湖沼と海域はCOD(化学的酸素要求量)の環境基準達成率を算定した。

 その結果、河川が過去最高の八一・五%となったのをはじめ、湖沼も過去三番目に高い四五・一%、海域は過去二年と同程度の七四・五%だった。環境庁は、湖沼や海域で、水質汚濁を一層改善する努力が必要だと強調している。

 公共用水域の環境基準の達成率は、平成六年度に渇水の影響で六八・九%と大きく落ち込んだが、その後は上昇傾向が続いている。

 このほか、赤潮やCOD悪化の原因とされる窒素とリンの基準達成率は、湖沼で四〇・六%(前年度三八・三%)、海域で七二・六%(七〇・五%)とともに向上した。

全国水質調査ワースト5

【河川(BOD)】
(1) 弁天川  (香川) 22 
(2) 樫井川下流(大阪) 20 
(3)谷八木川  (兵庫) 18 
(3)大門川   (和歌山)18 
(5)南浅川   (東京) 17 
(5)東除川   (大阪) 17 
(5)報得川   (沖縄) 17

【湖沼(COD)】
(1)手賀沼   (千葉) 18 
(2)印旛沼   (千葉) 12 
(3)牛久沼   (茨城) 11 
(3)佐鳴湖   (静岡) 11 
(5)油ケ淵   (愛知) 9.5

(年度平均値、単位mg/リットル)

汚染井戸は5.6%に増加 環境基準追加が原因

2000.12.22 The Sankei Shimbun
 環境庁は二十二日、平成十一年度の地下水の水質測定結果をまとめた。新たに調べた五千百九十九本(千七百十市区町村)の井戸のうち、ヒ素などの有害物質が環境基準を超えているものは二百九十三本で全体の五・六%(前年度は二・一%)だった。新たに環境基準を設定した硝酸性窒素など三物質を測定対象に加えたため、“汚染井戸”が前年度より増えた。

 調査は、環境基準が設けられている二十六有害物質を対象に実施。その結果、環境基準を超過した井戸は、十一年度に新たに加わった硝酸性窒素・亜硝酸性窒素が全体の五・一%と最も高く、ヒ素一・四%、フッ素一・二%、テトラクロロエチレン〇・五%、鉛〇・五%などと続いた。新規の三物質を除くと超過した井戸は、前年度と同じ二・一%。

 過去に汚染が判明したため継続監視している井戸四千百五十六本では、二八・七%がなお基準を超過していた。

フェノール廃液50キロが利根川へ流出、支流で魚大量死

2000.12.02(21:03)asahi.com
 2日午前5時半ごろ、群馬県伊勢崎市の化学メーカー「昭和高分子」伊勢崎工場で、有毒のフェノールを含む廃液約1トンの入ったコンテナが倒れた。県によると、このうち約50キロが排水溝から近くの韮川、広瀬川をへて、利根川へ流れた。韮川で魚が250キロほど死んでいるのが見つかったが、飲料水にも使われている利根川は、県が水質調査した結果、通常値で健康への影響はないという。

 同工場によると、作業員がフォークリフトを使って、1メートル立方の樹脂製コンテナを20センチほど移動させた後、誤って倒したらしい。

大分・矢田ダムの建設を中止 建設省が正式表明

2000.11.27(21:18)asahi.com
 建設省は27日、大分県大野町の大野川支流に計画していた「矢田ダム」の建設中止を正式に発表し、関係する大野町と朝地町に伝えた。同ダムは、1972年に実施計画調査に着手したが、事業が進まないことなどを理由に97年に「休止」を、今年1月には「中止の方針」を発表していた。建設中止の正式表明で、30年にわたり計画に振り回されてきた地元への補償問題が今後の焦点となる。

 九州地方建設局によると、中止を前提に策定作業を進めていた「大野川水系河川整備計画」が27日付でまとまったことを受け、中止を表明した。九地建は「建設の具体化にめどが立たず、河川整備やダム以外の洪水調節施設で対応したい」としている。72年以来、計画に費やされた事業費は約39億円にのぼる。

 建設省は今後、大野町が要望している地域振興策や約30年間のダム対策に費やした人件費など総額2億円の補償を含む68項目について、大分県などと協議しながら対応を急ぐ。

 九地建の徳元真一・河川計画課長は「長い間地元の皆さんに負担をかけてきたことを重く受け止め、地元から出されている要望に対応したい」と述べた。

世界最悪の河川汚染、と米ロ科学者指摘 西シベリア

2000.11.02(11:52)asahi.com
 ロシアの西シベリア・トムスク州の核閉鎖都市近辺の放射能汚染を調べていた米ロの科学者は1日、「トム川など周辺の河川の汚染は世界最大だ」と述べ、放射性廃棄物の投棄をすぐにやめるとともに、国際原子力機関(IAEA)に対して緊急の調査チームを派遣するよう求めた。

 汚染源は、冷戦時代に軍事用プルトニウムの生産拠点だったトムスク州の核閉鎖都市「セベルスク(旧トムスク7)」にある「シベリア化学コンビナート」。調査チームによると、トム川などの汚染度は商業用原子炉1万個を併せた場合よりも高く、魚の汚染は通常の20倍、水質検査でストロンチウム90の濃度が通常の1250倍も検出された場所もあったという。

 同コンビナートの放射性化学工場では1993年4月、ウラン溶液の貯蔵タンクが爆発事故を起こして放射性物質が飛散、チェルノブイリ原発事故以来の惨事となった。

 調査は米国の「政府の説明責任プロジェクト」や、ロシアの「地球の責任のためのシベリア科学者」など、米ロの非政府組織(NGO)の科学者、環境専門家が進めた。この夏、現地でサンプルをとり、米ロ、カナダの研究所で分析していた。

長良川に油が流出 洗濯業社の工場から/岐阜

2000.10.02The Sankei Shimbun
 二日午後零時十分ごろ、岐阜市日置江を流れる長良川の支流の境川で「油が流れている」との通報が住民から岐阜県環境管理課にあった。油は同日午後八時までにほぼ回収されたが、一部が境川から長良川に流出した。

 同課の調べによると、原因は同県柳津町高桑にある洗濯業「日本ウェストン」の工場排水。排水処理施設の故障から、機械油約七百リットルを含んだ排水がそのまま境川に放流されたという。

 同課は、魚が死ぬなどの被害が確認されていないため、健康への影響はないニしている。

ワースト1は綾瀬川 建設省の水質調査

2000.07.28.(23:18) asahi.com
 建設省は28日、全国の1級河川の水質状況を発表した。ワースト1は、綾瀬川(埼玉県・東京都)で、上位を大阪や神奈川など大都市部の河川が占めた。また、水のきれいなベスト1には尻別川(北海道)など3河川が並んだ。

 いずれも水質調査地点が2カ所以上ある全国168の1級河川を対象に、生物化学的酸素要求量(BOD)の年平均値でランク付けした。同省によると、全国的に1級河川の水質は改善傾向にあるが、琵琶湖や霞ケ浦などの湖沼の水質は悪化傾向にあるという。

河川の「流域」ごとの計画など提言 水資源白書

2000.07.21(19:00)asahi.com
 国土庁が21日発表した今年の水資源白書は、水量の確保、水質保全、水利用の調整などの政策を総合的に実施するため、行政の縄張りを超えて河川の「流域」に着目した計画づくりが必要だ、と力説している。また、ダムなどによる水資源開発を重視した需給計画から、水辺の環境保全のための「環境用水」の確保を含めた多様な計画に変えることが必要だ、と指摘している。

 英国は河川庁が流域管理計画を策定し、フランスは流域単位に流域委員会、水管理庁がある。日本でも三重県で14市町村と住民、県、国が「宮川流域ルネッサンス事業」に取り組んでいて、白書は「流域全体を視野に入れた総合的な流域マネジメントが必要だ」と提言している。

 水需給計画の中の環境用水については、米国カリフォルニア州の水計画が、都市用水や農業用水とともに環境用水も需要見通しに入れている。白書は欧米諸国の例も参考にしながら、長期水需給計画をつくる必要がある、と結んでいる。

水源環境税、神奈川県が2002年度実施を目指す

2000.07.13(21:13)asahi.com
 神奈川県は13日、「水源環境税」を2002年度から導入する方針を明らかにした。上水道を利用している家庭や地下水をくみ上げて利用している企業などへの課税を想定している。税収は、飲料水などの質の向上にあてる考えだ。

 この方針は、県議会総務企画常任委員会で石田稔・税財政制度担当部長が述べた。来年夏までに市町村や関係団体と議論をしたうえで、条例を提案するという。税率や税収の規模は未定。

 同県では今年5月、有識者でつくる県の税制研究会が「生活環境税制」の導入を提言。具体例として、環境保全税、水源環境税、都市防災税、都市生活環境税の4種類を示していた。

川辺川ダム検証のパンフ

2000年5月17日 15時55分共同
 熊本県の川辺川ダム建設計画の見直しを求めている民間研究団体「川辺川研究会」が、ダム建設計画の問題点などを検証したパンフレットをこのほど発行した。

 川辺川ダムは、地元漁協などの反対で当初計画の発表から34年間も本体工事の着工ができない状態が続いているが、建設省は計画を断念していない。

生活排水のたれ流しを禁じる改正浄化槽法が成立

2000.05.29(20:00) asahi.com
 生活排水のたれ流しを禁じる改正浄化槽法は29日の参院本会議で全会一致で可決、成立した。下水道の整備予定がない地域で住宅などを新築する場合、し尿処理機能しかない単独処理浄化槽の設置を認めず、生活排水も処理できる合併処理浄化槽の設置を義務づける内容だ。2001年4月に施行される。

 合併槽は、家庭からの排水の汚染度を約9割減らせる能力があるとされ、生活排水が河川などに流れ込んで汚染するのを防げる。すでに設置されている単独槽を合併槽に転換する努力義務の規定も盛り込まれた。ただ、下水道整備計画がある地域は、義務化の対象外となる。

四万十川のダム撤去要望

2000年4月17日 17時57分
 四万十川本流の流れを唯一遮っている四国電力佐賀発電所(高知県佐賀町)の取水堰(ぜき)=通称家地川ダム=の撤去を求める要望書を、下流の高知県十和村が17日、同県と建設省四国地建、四国電力に提出した。同ダムは2001年4月に水利権更新を控えている。

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