TOPIC No.3-22-2 風力発電

01. 空気汚さない「風力発電」(2006年3月24日 読売新聞)
02. 世界の風力発電事例集(世界の主な洋上風力発電施設)
03. 風のちから−−風力エネルギー・風力発電のリンク集−
04. 風力発電ネットワーク
05. 風力発電 by新エネルギー財団
06. 風力発電 by資源エネルギー庁
07. 風力発電 byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
08. 立川町風力発電レポート(山形県) by Earth Dreaming〜ガラスの地球を救え〜
09. 風車の技術と歴史 by千葉大学工学部都市環境システム学科 佐藤研究室HP
10. エコパワー株式会社(EcoPower)

洋上風力を原発10基分に 政府の海洋エネルギー案

2010/05/09 中国新聞ニュース

 政府の総合海洋政策本部(本部長・鳩山由紀夫首相)が検討している「海洋再生可能エネルギー戦略」の素案が8日、明らかになった。海洋に風力発電設備を設け、2020年までに原子力発電所10基分にほぼ相当する1千万キロワット以上の電力を生み出す。直径120メートルの大型風車が2千基以上稼働する計算だ。波力や潮流を使ったエネルギー技術も開発。12年から実施し、温室効果ガス削減や沿岸部振興につなげる。

 洋上風力発電の普及には大型風車の開発や、工事用の特殊船舶の建造などが必要とされ、鉄鋼、機械、造船といった産業への波及効果も大きい。政府は6月に策定する成長戦略に、洋上発電の支援を盛り込む考えだ。

 洋上発電は陸上で問題になっている風車の低周波音や騒音の被害を避けられる。ただ陸上に比べ設置費用がかさみ、地震や台風への対策や、安定稼働のための技術開発が課題とされる。周辺海域で操業する漁業者との権利調整も必要だ。

 国内では現在、北海道せたな町などで14基が稼働しているが、発電量は計1万1千キロワット程度で、200万キロワット超の欧州に比べ普及が遅れている。

 政府は1年後をめどに財政支援などの具体案をまとめる。具体的には、研究開発、発電設備の建設に対する補助や公的融資が検討される見通しだ。企業などが洋上風力発電などを手掛けた際、電力会社が海で生み出された電力を買い取る制度づくりも想定。波力や潮流を利用した発電を実験している研究機関やベンチャー企業も後押しする。

 大型風車には1万点以上の部品が使われる見込みで、発電設備の設計、海洋工事などで大規模な雇用創出も期待できる。

 米政府は30年までに洋上風力発電による発電量を原発54基分まで増やす計画。英政府も洋上風力発電による7万人の雇用確保案を示している。

英国、洋上風力発電容量1ギガワットを超える

2010年05月02日 IBTimes

 英国が洋上風力発電分野において世界のリーダー的地位を確立している。英国貿易産業省の傘下で再生可能エネルギーの普及促進機関「Renewables UK」が発表した報告書で、英国における洋上風力発電の設置容量が1ギガワットを超えたことが分かった。現在、336基の風力タービンから構成される、11ヶ所の洋上風力発電所が稼動しており、これは70万世帯に電力を供給できる能力に相当するという。

 また、この報告書では、風力発電の開発認可に要する期間に触れ、EU諸国が平均42ヶ月かかるのに対して、英国は27ヶ月であると明記。この点について、欧州風力エネルギー協会(EWEA)の政策担当ジャスティン・ウィルクス氏は「2020年までに再生可能エネルギーの割合を20%にするという欧州連合(EU)の目標を達成するためには、風力発電所に関する認可手続の合理化が必要な国もある。申請窓口の一元化や、デベロッパーの選定基準の明確化など、様々な措置を講じる必要がある」と指摘している。

米、東部沖の風力発電を初認可…地元に反対も

2010年04月30日 読売新聞YOMIURI ON-Line

 【ワシントン=山田哲朗】米内務省は28日、東部マサチューセッツ州沿岸の風力発電施設の開発を許可した。

 沖合の風力発電計画が認められたのは初めて。今後、水深が浅い東海岸や五大湖で施設建設が加速する可能性がある。

 計画は、同州のナンタケット湾に130基の風力タービンを設置し、周辺住民22万人の消費電力の約4分の3をまかなうもの。2012年までの稼働を目指すが、地元では環境破壊などを理由に反対も強く、順調に建設が進むかどうか不透明だ。

 海上では強い風が安定して吹くことから、欧州などでは沖合風力発電の導入が進んでいる。

アメリカ初の洋上風力発電施設を認可

April 30, 2010 National Geographic News/ Lia Kvatum

 マサチューセッツ州ナンタケット海峡沖の風力発電所の建設案は、長年その賛否が争われて来たが、ようやくアメリカ初の洋上風力発電プロジェクトとしてオバマ政権から承認を取り付けた。しかし、アメリカでの洋上風力発電の実現にはコストという大きな壁が立ちはだかっているという。

 洋上風力発電には、海上での厳しい気候条件と海水の塩分に耐えうる頑丈なタービンの部品が必要となるため、陸上の風力発電に比べて1キロワット時当たり約2倍のコストがかかることが多くの分析で示されている。

 ヨーロッパでは、再生可能エネルギーに対する政府の奨励策が充実しており、有効利用できる土地が希少であるため、こうしたコストの差はさほど大きな障害とならなかった。一方アメリカでは、再生可能エネルギーへの助成金が少なく、地球温暖化政策も実施されていないなかで、内陸部のグレートプレーンズ(大草原地帯)には大牧場や大農場も含め風の強い土地が豊富に存在する。そのためアメリカの風力発電プロジェクトは、人口集中地域への送電が困難となるにも関わらず陸上に集中してきた。

 再生可能エネルギーの支持者たちは、風が強く波が穏やかで人口密集地域に近接するケープウィンド風力発電所によってそのような見方が180度転換することを期待している。内務省のケネス・サラザール長官は同プロジェクト承認の発表の席上で、「このケープウィンド・プロジェクトが承認されたことは、大西洋沿岸に計画する多くの洋上風力発電プロジェクトの幕開けであり、我が国における新たな未来のエネルギーへの第一歩だ」と述べている。

 サラザール長官は、ボストンのビーコンヒルにあるマサチューセッツ州会議事堂を訪問して承認を発表した。民主党員で今回のプロジェクトを支持するマサチューセッツ州知事のデバル・パトリック氏も同席した。

 しかし、自由の女神よりも高い風力タービンを由緒あるナンタケット海峡に170基も設置するという、ボストンのケープウインド・アソシエイツによるこの計画をマサチューセッツ州の政治家や住民の誰もが歓迎してきたわけではない。ケープウィンド発電所に対しては、マサチューセッツ州選出の故エドワード・ケネディ上院議員をはじめとする地元の土地所有者が強く反対し、対立は9年に及んだ。また、2つのアメリカ先住民の部族も、かつて先祖の墓所があった陸地が現在は海中に沈んでおり、タービンが設置されると墓所が破壊されるとしてプロジェクトに反対してきた。

 サラザール長官が承認した計画では、これらの懸念のいくつかに対処している。同長官は、タービンの設置数を130基に減らすよう命令し、海洋考古学的な調査を進めて保存すべき場所を破壊しないよう開発会社に要求している。さらに同長官は今後、タービンが陸上から見えにくくなるよう工夫することを開発会社に要求するとしている。「ナンタケット海峡に対する我々の責任を全うすると同時に、我が国の経済に新たにエネルギーを供給するというニーズを満たすことができる道があると確信している」。

 自然保護団体シエラクラブのエグゼクティブディレクターであるマイケル・ブルーン氏は今回の決定について、「クリーンエネルギーの大勝利だ」と喜びながらも、同様のプロジェクトの承認プロセスが今後大幅に短縮されるよう期待している。「この重要な決定が下されるまでの間、数え切れないほどのほかのプロジェクトと、何十億ドルもの投資と、何千人分もの雇用機会が事実上保留された」。

 実際に、アメリカ風力発電協会(AWEA)の年次市場報告書によると、現在アメリカ国内で、マサチューセッツ州のほか、ニュージャージー州、ロードアイランド州、デラウェア州、オハイオ州、ノースカロライナ州、テキサス州で、合わせて12件の洋上風力発電プロジェクトが提案されている。

 2002〜2007年には毎年30%近く発電能力が伸びるなど、アメリカの風力エネルギー産業は大きく成長しているが、これまでのところ、風力発電所の建設はすべて内陸部に限定されている。現在アメリカでは多数の風力エネルギー計画が進行中だが、これもすべて陸上である。

 ヨーロッパの状況はこれとは対照的だ。ベルギーのブリュッセルにある欧州風力エネルギー協会(EWEA)の報告によると、昨年は201基の風力タービンが洋上に設置され、16の洋上風力発電所が現在建設中である。イギリス、デンマーク、ドイツなどの諸国は1991年以降、再生可能エネルギーのフロンティアとして、地主との対立がほとんどない洋上に目を向けてきた。「ヨーロッパでは、洋上が風力タービンを設置しやすい場所と考えられている」と、アメリカのコロラド州ゴールデンにある国立再生可能エネルギー研究所の主任技師ウォルト・ミュージアル氏は話す。

 アメリカの状況はこれとは異なる。開発業者は広大な陸地があれば風力発電所を建設できると考えており、モンタナ、ノースダコタ、テキサスのわずか3州で全国の電力を十分まかなう風力を確保できると見ている。

 アメリカなどで内陸部の風力発電所建設が急速に進んでいるため、ヨーロッパ沿岸の洋上風力タービンすべてを合わせても、洋上風力発電が電力市場に占めるシェアはごくわずかである。AWEAによると、2008年末現在で、世界各地で運用されている風力発電所の総発電量12万800メガワットのうち洋上風力発電所の発電量は1471メガワットと、全体の2%にも満たない。

 その主な理由が洋上風力発電のコストの高さである。デラウェア大学教授で海洋政策を研究するウィレット・ケンプトン氏によると、洋上に設置するよう作られたタービンのコストは1キロワット時あたり約10〜20セントであるのに対し、陸上の風力発電所は1キロワット時あたり5〜12セントだという。

 しかし同氏は、海ではほぼ常に風が吹いているために大きな可能性を秘めており、このような風力エネルギーを資源として軽視すべきではないと主張する。同氏が率いた、2010年4月20日発行の「Proceedings of the National Academy of Sciences」誌に掲載された研究では、アメリカ北東部沿岸の風力の3分の2があればマサチューセッツ州からノースカロライナ州までの地域が必要とする電力をすべて供給できると結論している。この研究では、洋上風力発電システムを相互に接続し、タービンの設置場所を慎重に検討することで、間欠性などの問題を克服する方法を分析している。「人々がまだ理解していないことの1つは、これが急速に変化している技術であり、コストは大幅に下がる見込みがあるということだ」。

 アメリカ最大の風力タービンのサプライヤーであるGEエナジー・インフラストラクチャの広報担当者ダニエル・ネルソン氏は電子メールでの取材に対し、洋上風力発電の開発はアメリカの風力エネルギー政策で一定の役割を担うと同社は確信していると語る。ただし、政府の承認手続きの改善が必要であり、また再生可能エネルギーに対する連邦政府の支援を増強すべきともしている。同氏は、電気料金体系と気候変動対策の両面から再生可能エネルギーを支援するヨーロッパの政策を高く評価する。GEは2010年3月、イギリス、ノルウェー、スウェーデン、ドイツでの洋上風力タービンの開発と製造に3億4000万ユーロ(約423億円)を投資する計画を発表したばかりだ。「EUのような支援政策があれば、陸上でも洋上でもアメリカの風力発電産業の規模を大幅に拡大できる可能性はある」。

ビジネス視点で防衛産業ウォッチング

2010/04/23 マイコミジャ−ナル 井上孝司

24 進む軍の民間委託 - 英国では研究機関をまるごと民営化

 冷戦終結で軍の仕事の民間委託が進んだ

 軍事における自己完結性の崩壊の発端は、ソヴィエト連邦の崩壊とそれに伴う冷戦の終結にある。冷戦の終結を受けて "平和の配当" を求める声が強まり、欧米諸国では1990年代を通じて、大幅な軍縮と国防支出の削減が進んだ。

 ところが、冷戦終結によって世界に平和な時代がやってきたという認識は大間違いだ。実際には超大国による抑えが効かなくなったなどの事情により、各地で地域紛争・民族紛争が続発、それに対して人道的見地から介入を求める声が出る事態が相次いだ。

 つまり、軍の規模は小さくなったにもかかわらず、仕事は意外と減らなかった。だからといって、軍の規模を冷戦期の水準に戻すこともままならない。そこで登場したウルトラCが、業務の民間委託によって乗り切る方法だったというわけだ。ただし、民間委託といっても1種類ではなく、対象になった分野や方法はさまざまだ。

後方任務を民間委託するケース

 まず、第一線の戦闘任務以外を民間に委託して、それで捻出した後方支援要員を第一線の任務に転用する方法がある。例えば、機材整備、給養(馴染みのない言葉だが、食事を作って食べさせる仕事のことだ)、補給といった分野がある。

 1990年代から米陸軍の契約を大々的に請け負い、過剰請求などの問題まで引き起こしたKBR(Kellogg Brown & Root Services Inc.)が、この分野の企業として広く知られている。もっとも、そのKBRも米陸軍の契約を独占的に受注する立場ではなくなり、最近では単独で受注する代わりにノースロップ・グラマン社と設立した合弁企業で受注する事例も出てきている。

 アフガニスタンのカンダハルで撮影された、米軍の補給車両隊。これは軍のものだが、民間企業が同様にして補給業務を請け負う事例が目立ってきている

 航空機などをオーバーホールするような大掛かりな整備であれば、軍が自ら行う代わりにメーカーに任せる場合が多く、航空自衛隊の戦闘機も海上自衛隊の護衛艦もそうやっている。しかし、米軍などではさらに対象を拡大、部隊レベルで日常的に行う点検整備まで民間に委託していることがあり、その場合には平服の民間人が軍の飛行場に出入りして仕事をしているわけだ。自国内だけでなく、他国から整備業務を受注している企業もある。

 米国防総省が公開している調達情報を見てみると、米国本土の基地で運用している航空機の整備、基地食堂の運営などが、民間企業に発注されている様子がわかる。軍の研究開発が行う研究開発に民間企業の技術者が関わったり、新型機の試験に民間の要員が加わったりという例もある。

 もっとメジャーな分野では、デジタルグローブ社を初めとする衛星画像販売企業から、米軍が衛星画像を購入している例がある。自前の偵察衛星を持っている米軍ですらこの調子だから、他国においては言わずもがなだろう。

 そもそも最近は、よほど高い解像度やリアルタイム性を求めなければ、衛星画像はbing、Yahoo!、Googleといった無償で利用できるWebサイトでも手に入ってしまう。冷戦期を知る人間の感覚からすると、えらい時代になったものだと思う。

ラジカルに民営化を進める英国防省

 大西洋を越えて英国に行くと、さらにラジカルな民間委託の事例がある。

 まず、軍の研究機関そのものが民営化されてしまった。それが、国防評価研究局(DERA : Defence Evaluation and Research Agency)を民営化したキネティック社(QinetiQ plc)だ。しかも、民営化しただけでなく投資会社が株式を取得して、さらに株式公開まで行っている。このキネティック社、F1グランプリでおなじみのウィリアムズ・チームと組んだことがあるので、モータースポーツ好きなら名前を聞いたことがあるかも知れない。(ちなみに、BAEシステムズ社がマクラーレンと組んだ事例もある)

 さらに、空中給油機や偵察衛星の運用まで、PFI(Private Finance Initiative)の枠組みを用いて民間委託にしてしまった。前者はエアタンカー・コンソーシアムという企業連合が担当しており、エアバスA330ベースの空中給油機をイギリス軍向けに飛ばすことになっている。一方、後者はパラダイム・セキュア・コミュニケーションズ社の担当で、スカイネット5という通信衛星を運用している。いずれも、使用する機材に関連するメーカーが共同出資する企業連合だ。

 米国にもオメガ・エアという会社があり、軍の機体を対象として空中給油の業務を提供している例がある。ただし、英国と違って軍の給油機部隊をまるごと民間委託したわけではなく、手が回らない部分を民間に委託したという程度だ。

 英国軍の民間委託には面白い点がある。単に軍の仕事を民間企業に委託するだけでなく、空き時間を使ったアルバイト(?)を認めているのだ。実のところ、空中給油機でも通信衛星でも軍の仕事だけでフル稼働するかどうかわからない。だから、空き時間を使って民間向けの仕事をすれば、そちらでも収益を得られますよという仕組みになっているのだ。

 民間向けの空中給油機需要は考えにくいが、実はA330給油機は機内を貨物室にしてあるため、貨物輸送のアルバイトができる。通信衛星の場合、トランスポンダーの空き時間を切り売りする形で民間向けに通信時間を売れば、それだけ収入が増える。特に衛星は打ち上げて飛ばした時点で運用にかかる費用は決まってしまうから、後は稼働時間を増やすほど収益性が高まる。

 そういう意味では、先述のキネティック社にも似たところがある。単に軍の研究活動を受注するだけでなく、軍事と関係のない民間分野にも積極的に進出しているのだ。例えば、キネティック社は風力発電用の風車を開発している。

 といっても、風力発電は軍事とまったく無関係ではない。風力発電用の風車は大きな羽根をぐるぐる回すため、レーダー電波に対して特徴的な反射を引き起こす。それが航空管制用レーダーで問題になっているのだが、そこで登場したのがキネティック。レーダー電波の反射を抑えて航空管制用レーダーを妨害しない「ステルス風車」なんてものを開発したのだった。

[環境CSR]デンマークで400メガワットの洋上風力発電所を建設

2010年04月18日 ECOOL

 デンマークのエネルギー大手ドンク・エナジー(Dong Energy)は、デンマーク・アンホルト島(Anholt)沖合いに建設が予定されている400メガワットの洋上風力発電所の建設計画について、約1650億円で応札したことが分かった。

 デンマーク政府が決めた期限までに応札したのはドンク・エナジーのみであることから、同社による受注は確実とみられている。正式に受注できれば、2013年に発電所の建設を完了させ、40万世帯に電力を供給する計画だ。

シーメンス、北海沖の洋上風力発電所に風力タービン30基を供給

2010年04月17日 IBTimes

 ドイツの工業コングロマリット、シーメンス(本社:ミュンヘン)のエネルギー部門を担うシーメンス・エナジー(Siemens Energy)はこのほど、ドイツのエネルギー企業EWEと風力発電のコンサルティングを行うENOVA社から、北海沖に建設予定のRiffgat洋上風力発電所向け3.6メガワット風力タービン30基の供給契約を締結した。

米国初の沖合風車に逆風−インディアンの儀式、故ケネディ議員の遺言

2010/04/16 Bloomberg.co.jp

4月15日(ブルームバーグ):米マサチューセッツ州で進められている同国初の沖合風力発電施設の建設計画に逆風が吹いている。建設現場がインディアン部族の日の出の儀式の聖地であるほか、クジラの生息区域に当たっているためだ。さらに故エドワード・ケネディ上院議員の遺言など障害要因が山積している。沖合風力発電業界の潜在的な規模は2700億ドル(約25兆円)に上る。

 サラザール米内務長官は今月、ナンタケット海峡の浅海区域に130基の風車を建設する「ケープ・ウィンド」計画について決定する方針。連邦諮問委員会は2日、史跡に「破壊的な」影響を与えることを理由にこの計画の認可を拒否するよう内務長官に勧告した。

 オバマ大統領は選挙戦期間中、3年以内に風力、太陽、生物分解性廃棄物からなる再生可能エネルギーを倍増させると公約した。米エネルギー省は風力発電の比率を現在の1.8%から2030年までに20%に引き上げる方針。エイブラハム元エネルギー長官は、地元の反対でケープ・ウィンドのような計画が阻害されればこの目標は達成不可能とみている。

 エイブラハム氏はインタビューで、「私の庭先ではごめんという態度では米国のエネルギー政策は大変なことになる。こちらを立てれば、あちらが立たずという状態になりかねない」と警告した。同氏はブッシュ前政権の初代エネルギー長官。

 ケープ岬やマーサズ・ビンヤード島を本拠地にしていたワンパノアグ・インディアン約3200人のリーダーたちは、高さ440フィート(134メートル)に達する風車の羽根について、儀式の要である日の出の眺めを台無しにするものだと反対している。ケネディ氏は昨年8月25日に亡くなる1カ月前に、完成すれば同氏の自宅から見える風車の建設をやめるよう懇願した書簡をオバマ大統領に送った。

 ケープ・ウィンドはコッド岬の沖合約5マイル(約8キロ)の海上25平方マイル(約65平方キロメートル)に風車を建設し最大468メガワット発電しようという計画。

東北電力、12カ所 13万キロワットの風力発電を購入決定

2010年04月15日 IBTimes

 東北電力は14日、新たに12事業者の風力発電から電力を購入すると発表した。これにより、2010年度から2012年度にかけて12カ所の発電施設が稼動する。電力の受け入れ期間は、受け入れ開始日より17年間。各施設は東北電力の送配電網に接続し、東北電力に売電する予定。

 今回決まったのは、日本風力開発(立地点:青森県横浜町)の出力4万2000キロワットの施設や新エネルギー技術研究所(立地点:青森県深浦町)の出力2万キロワットの施設などで合計出力は約13万キロワットになる。

米国初の洋上風力発電所、シーメンス製風力タービンを採用

2010年04月12日 IBTimes

 米マサチューセッツ州ケープコッドから約10キロ南沖合の海上に米国で初めてとなる洋上風力発電所「Cape Wind Project:最大出力468メガワット」の建設を進める、エネルギー開発企業の米ケープウィンド社(Cape Wind)は、独シーメンス製3.6メガワットの風力タービン 130基を採用することを決定した。

 プロジェクトは、2008年に米政府とマサチューセッツ州政府の建設許可が下り、現在は内務省の最終決定を待っており、決定すれば、Cape Wind風力発電所は、米国初の洋上風力発電所となる。同発電所の広さは8キロ四方になり、130基のタービンを500〜800メートル間隔に建てることになる。

三菱重工、米国に風力発電設備の組立工場を建設

2010年04月07日 IBTimes

 三菱重工業は7日、米国南部アーカンソー州に風力発電設備の組立工場を建設すると発表した。風力発電設備の中核機器であるナセルを生産するための工場で、当初の生産能力は年間約60万キロワット。回復基調にある北米市場の需要を取り込み、生産能力とともに、米国でのシェア拡大を目指す。

 ナセルは、風力発電設備のタワー頭頂部にある風力を電力に変える装置のことで、風車の回転軸、発電機・制御装置・電気設備などで構成されている。三菱重工は当面、主力機種の2.4メガワット風車を年間約250基生産する方針で、その後、段階的に生産量を拡大していくとしている。

 三菱重工が海外でナセルを生産するのは今回が初めて。

シーメンス、英国に洋上風力タービンの生産工場を建設

2010年04月06日 IBTimes

 ドイツの工業コングロマリット、シーメンス(本社:ミュンヘン)のエネルギー部門を担うシーメンス・エナジー(Siemens Energy)はこのほど、英国に洋上風力発電所向けの風力タービン生産工場を建設すると発表した。英国で増えつつある洋上風力発電プロジェクトの需要に応じる構えだ。

シーメンス、カナダで138メガワット規模の風力タービンを供給

2010年04月01日 IBTimes

 ドイツの工業コングロマリット、シーメンス(本社:ミュンヘン)のエネルギー部門を担うシーメンス・エナジー(Siemens Energy)はこのほど、カナダで2.3メガワットの風力タービン60基の供給案件を受注したと発表した。

 供給先は米エネルギー企業のPattern Energy社で、138メガワットの設備容量を有するカナダ・マニトバ州のセント・ジョセフ風力発電所で使用される。発電所の完成予定は2010年末。

 シーメンスは、このプロジェクトで風力タービンの供給と組立、稼動に関する技術支援を担当する。

米GE、欧州の洋上風力発電所向け技術開発で3億4000万ユーロ投資

2010年03月29日 IBTimes

 米複合企業ゼネラル・エレクトリック(GE)はこのほど、英国・ノルウェー・スウェーデン・ドイツの欧州4カ国の洋上風力発電所向け風力タービンの開発に、3億4000万ユーロを投じると発表した。これにより、欧州の洋上風力発電分野への関与を強める。

 GEの事業拡大計画の中心は、洋上用に設計された4メガワットの次世代風力タービンの開発。ノルウェーの風力タービンメーカー、ScanWind社の買収を通じて、先端技術を推進・実装していく方針だ。

 欧州風力エネルギー協会(EWEA)では、欧州の洋上風力発電分野が2010年に70%以上成長すると予測。今後数年間はこの拡大傾向が続くとみている。さらに、現在欧州で計画されている洋上風力発電所がすべて建設されれば、欧州連合(EU)全体の電力の10%を賄うことができ、年間2億トンの二酸化炭素(CO2)排出量が削減できると予測している。

新日本石油、2メガワット級の風力発電所を稼動

2010年03月26日 IBTimes

 新日本石油は25日、同社の川崎事業所(川崎市川崎区)に出力1990キロワットの風力発電所(扇島風力発電所)が営業運転を開始したと発表した。発電量は年間約300万kWh。風力発電は、温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスを排出しないため、石油火力発電と比較して、年間約2000トンのCO2排出量を削減できるとしている。

 新日本石油は、2003年度より、電力会社以外に電気の小売りを行うことができる「特定規模電気事業者(PPS)」として電気小売事業に参入しており、同発電所で発電する電力は全量を需要家向けに販売する。

独RWE、英ウェールズで120メガワットの風力発電所の建設計画

2010年03月24日 IBTimes

 ドイツのエネルギー大手RWEは、傘下のRWEイノジーの英国子会社、RWEエヌパワー・リニューアブルを通じて、英ウェールズのブレッチファの森(Brechfa Forest)で、2つの風力発電所の建設を計画していることを明らかにした。予定されているのは、東ブレッチファの森、西ブレッチファの森風力発電所で発電容量は全体で最大約120メガワットとなる模様だ。

 昨年、専門化を派遣して行なわれた調査によると、東ブレッチファの森風力発電所は、最大12基のタービンを有し、設備容量は24〜36メガワットとなり、西ブレッチファの森風力発電所は、最大28基のタービンを有する、設備容量が56〜84メガワットの風力発電所になるという。

 RWEエヌパワー・リニューアブルは現在、ウェールズ議会政府へ建設許可を求めているが、3月末には建設予定地で住民説明会を行う。予定されているタービンの設置についての情報、プロジェクト、風力発電所の情報をCG画像で情報提供し、地元の人々に理解を求める。

英国、1.2ギガワット規模の波力・潮力発電所を建設

2010年03月23日 IBTimes

 英国の海域を管理する政府系機関のクラウン・エステートが、英国スコットランド北東沖に位置するペントランド湾とオークニー諸島一帯に、海洋エネルギーを利用した再生可能エネルギー発電、波力発電所と潮力発電所を建設すると発表した。投資総額は7000億円以上になる見込みで、これにより、2020年までに総発電容量1.2ギガワットの電力が供給される。

 受注したのは、英スコティッシュ・パワーや独エーオン、英スコティッシュ・アンド・サザンエナジーなどのエネルギー関連企業。波力発電所 6ヶ所と潮力発電所 4ヶ所の計10カ所を建設する。これら10ヶ所の発電所により、75万世帯から100万世帯の電力を賄えるという。

アクシオナ、メキシコで300メガワット規模の風力発電所を建設 2010年03月17日 IBTimes

 スペインの新エネルギー大手アクシオナはこのほど、メキシコ電力庁(CFE)が実施したメキシコ南部オアハカ州における3カ所の風力発電所の建設・運営案件を受注したことを明らかにした。落札規模は6億ドルで、2011年末までの稼動を目指す。

 合わせて306メガワットの発電能力を持つことになるこれら発電所は、アクシオナの事業計画で掲げる、2013年までに合計2400メガワットの風力発電所を建設するとした導入目標の12.7%を占めることになる。

 オアハカ州は風力発電に適した地域と言われており、アクシオナは同地域内に既に250メガワットの風力発電所を持つ。

米、ハワイの風力発電プロジェクトに1億1700万ドルの融資保証

2010年03月11日 IBTimes

 米エネルギー省(DOE)のスティーブン・チュー長官は5日、ハワイ・オアフ島北部カフクに建設予定の発電容量30メガワットの風力発電プロジェクトに1億1700万ドルの融資保証を実施すると発表した。発電所の完成は2010年末を予定しており、完成後は7700世帯の電力需要を賄うことができるという。

 DOEとハワイ州政府は、2008年1月にハワイ・クリーンエネルギー・イニシアティブ(HCEI)を立ち上げ、ハワイの豊富な再生可能エネルギーとクリーンエネルギー技術の活用で連携を強化している。今回の融資保証は、2030年までに州のエネルギー需要の70%をクリーンエネルギーに転換するというHCEIの目標に貢献することになる。

独RWE、イタリアで大規模風力発電所を建設

2010年03月02日 IBTimes

 ドイツのエネルギー大手RWEはこのほど、再生可能エネルギー子会社のRWEイノジー(RWE Innogy)がイタリアで二番目の規模となる風力発電所「ウルーリ(Ururi)風力発電所」の建設に投資を行なうと発表した。同発電所の建設は、イタリアの再生可能エネルギー事業者、Fri-El Green Power社と合弁会社を設立して行われる。RWEイノジーの出資比率は51%になる。

 ウルーリ風力発電所の設備容量は26メガワットで、ヴェスタス製の2メガワット級の風力タービン13基が設置される予定。年間の発電電力量は約5500万キロワット時で、1万8000世帯の年間電力量を賄うことができるという。

 RWEイノジーのポール・コフィー最高執行責任者(COO)は「急成長の可能性があるイタリア市場はRWEイノジーにとって非常に魅力的で、今後もイタリアでの風力発電事業を継続していく考えだ」と述べた。

三菱重工、欧州で洋上風力発電市場に参入

2010年02月26日 IBTimes

 三菱重工業は26日、英国政府の補助金を受け、洋上風力発電に使う風力タービンの開発プロジェクトに取り組むことを発表した。日本のメーカーが洋上風車市場に参入するのは初めて。

 英国政府からの補助金は最大3000万ポンド(約42億円)で、5メガワットから7メガワット級の洋上風力タービンの製作と実証試験を行う。また、英国に洋上風力タービン開発のための研究施設も建設するとしている。

 現在、欧州の洋上風力発電の総容量は2000メガワット規模に達しており、2010年にはあらたに、10カ所の洋上風力発電所が完成予定となっている。

英国、世界最大の洋上風力タービン用屋内試験施設を建設

2010年02月20日 IBTimes

 英エネルギー技術研究所(ETI)は16日、洋上風力タービンの評価のための世界最大規模の屋内試験施設を建設すると発表した。2011年末の完成を目指している。

 洋上で稼動させる前に陸上や屋内でタービンのエンジン室全体を検査できるよう設計されるもので、大規模な生産や導入における技術的・事業的リスクの軽減につなげる狙いがある。

 設計仕様は、英国の研究機関、新・再生可能エネルギーセンター(Narec)とETIが2年にわたって取り組んだ技術開発や産業支援によって作られたもので、施設の完成により、低コストでの試作品の開発や新タービンの早期導入を加速させることが期待されている。

エネルギー大手イベルドローラ、スペイン最大の風力発電所を買収

2010年02月17日 IBTimes

 世界最大の風力発電量を誇る、スペインエネルギー大手イベルドローラ(Iberdrola)はこのほど、風力タービン製造大手ガメサ(Gamesa)から、スペイン最大となる244メガワット級のアンデバロ(Andevalo)風力発電所を3億2000万ユーロで買収した。この買収は、2005年にガメサと締結した、アンダルシア地方に位置する総発電量600メガワットの風力発電所を買収する契約の一環とされている。

 アンデバロ風力発電所は、スペイン南部ウエルバのアロスノやプエブラ・デ・グスマンなどの地域にまたがって位置しており、ガメサの2メガワットと0.85メガワット風力タービンが使用されている。

 この買収により、イベルドローラは現在スペインに5126メガワットの風力発電を保持することになるという。

中国、米国を抜き世界最大の風力発電国に

2010年02月12日 IBTimes

 世界風力エネルギー協会(Global Wind Energy Council、GWEC)がこのほど伝えた世界の風力発電状況によると、2009年の新規設備容量は、中国が米国を抜き、初めて世界一となった。

 2009年、世界の風力発電能力は37.5ギガワット増の157.9ギガワットとなり、うち13ギガワットは中国によるもので、この1年間で倍増させている。ただ、総発電容量では、米国は35ギガワットを達成しており、中国の25ギガワットを上回り依然としてトップの地位を維持している。

 GWECの統計によると、2009年の世界の風力発電の市場規模は約5兆5000億円で、この産業分野に従事する労働者は推定50万人とみられている。

コスモ石油、風力発電大手を買収/荏原から1円で取得

2010年02月10日 IBTimes

 コスモ石油は9日、環境機器の総合メーカー、荏原製作所の子会社で風力発電事業を手掛けるエコ・パワー(東京)を買収すると発表した。取得額は1円で、エコ・パワーが抱える100億円を超える負債も引き継ぐ。国内外でCO2排出量削減や脱石油の動きが加速する中、風力発電など再生可能エネルギーの実用化を進め、収益化に結びつけたい考えだ。

 コスモ石油は、北海道や東北など国内25カ所130基の風力発電設備を譲り受ける。

独RWE、北海に295メガワットの洋風力発電基地を建設

2010年02月07日 IBTimes

 ドイツのエネルギー大手RWEは1日、再生可能エネルギー子会社のRWEイノジー(RWE Innogy)がドイツの風力タービンメーカー大手、リパワーシステムズ(REpower Systems AG)と295メガワット規模の洋上風力発基地(ノルトゼーオスト風力発電所)の建設契約に調印したと発表した。投資総額はおよそ14億5000万ドルで、2011年に着工し、2013年に完成予定。

 ドイツ北西部、北海に浮かぶヘルゴラント島沖合いに建設されるノルトゼーオスト風力発電所は、リパワー社製の、直径126メートルのローターを持つ6メガワットの風力タービン48基が設置される。

米国の風力発電容量、前年比39%増の3万5000メガワットに

2010年02月03日 IBTimes

 米国風力エネルギー協会(American Wind Energy Association:AWEA)が1月に発表した報告書によると、2009年に米国の風力発電プロジェクトはかつてないほど成長し、その発電エネルギーの総容量は前年比39%の増加を記録した。第4四半期(10-12月期)には、2009年1月に議会を通過した政府の刺激策によって、新たに1万メガワットの風力発電が導入され、米国の風力発電の総容量はおよそ3万5000メガワットまで達した。

[環境CSR]米東海岸、2024年までに消費電力の20%を風力発電で供給可能に

2010年01月29日 ECOOL

 米エネルギー省(DOE)傘下の国立再生可能エネルギー研究所(National Renewable Energy Laboratory、NREL)が行った研究によると、2024年までに風力発電によって東海岸地域の20%以上の消費電力が供給できることがわかった。NRELは経済的、運営的および技術的観点からこの研究を2年間行った結果、このような広範囲におよぶ再生可能エネルギーの展開は、難しくはあるが可能であると結論付けた。

 ただし、このような広範囲にわたる地域に対応するためには、電力を供給する送電網の技術革新も必要になってくることも指摘している。これには莫大な投資が要求されるが、風力発電によって発電された電力をより広範囲に確実に供給することで、その信頼性とコストの著しい向上も見込まれる。

 NRELのプロジェクトマネージャー、デイビット・コーバス(David Corbus)氏は「風力発電でより多くの電力を供給しても、もしこれを適切に分配するインフラがなければ、ハイブリッドカーを買って車庫にずっと入れておくようなもの。」とコメントしている。[土井 淑子 ]

[環境CSR]シーメンス、英国沖で4ギガワット規模の風力発電所開発案件を獲得

2010年01月18日 ECOOL

 独シーメンスのファイナンス事業を統括するSiemens Financial Services GmbH (SFS)のグループ会社Siemens Project Ventures (SPV)を中核とするコンソーシアム(企業連合)SMart Windが、Crown Estate(英政府系特殊法人)のラウンド3洋上風力発電所のプログラムの一部として、2020年までに英国ヨークシャー沖のHornseaエリアに4ギガワット規模の風力発電所を開発する契約を受注したことがわかった。

 HornseaはCrown Estateの英国周辺海域で開発される9つの地域のひとつで、総計32ギガワットの設備容量の開発が予定されている。SMart Windのこれら9つの地域への投資額は1110億ユーロを超える模様だ。最初のプロジェクトは2014年までに着工する見込み。[小西 卓明]

[環境CSR]ヴェスタス、ブルガリアとルーマニアで140メガワットの風力タービン案件獲得

2010年01月04日 ECOOL

 風力タービン世界最大手のヴェスタス(Vestas Wind Systems A/S:デンマーク)はこのほど、ブルガリアとルーマニアで1.8メガワットの風力タービン50基と2.0メガワットの風力タービン25基の供給案件を受注した。発注はGlobal Wind Power社を通じて行なわれ、ヴェスタスはタービンの供給から試運転、5年間の保守サービスを担当する。タービンの設置は2010年に開始され、年内に稼動を開始する予定。

 ヴェスタスはGlobal Wind Power社を通じて、2008年と2009年に合計52メガワットの風力タービンをブルガリアの発電設備向けに供給している。[小西 卓明]

[環境CSR]オバマ政権、クリーンエネルギー関連企業に23億ドルの税額控除

2009年08月14日 ECOOL

 米財務省とエネルギー省は13日、オバマ政権の景気対策の一環として、クリーンエネルギー関連企業に23億ドル(約2200億円)の税額控除を実施すると発表した。エネルギー効率の改善や代替エネルギー開発にかかわる製造業支援を目的に2年間、投資額の3割を法人税などから控除する。

 太陽光、風力、地熱の再生可能エネルギー設備や、燃料電池、電気自動車、スマートグリッドなどの省エネ技術、温室効果ガスの削減装置などを製造する企業が対象となる。来年1月に対象企業が発表される。

[環境CSR]英国、風力発電へ1550億円を超える追加融資

2009年07月28日 ECOOL

 英エネルギー・気候変動省は27日、国内3銀行と欧州投資銀行が、陸上風力発電に対し今後3年間で10億ポンド(約1550億円)を超える融資計画を開始したと発表した。この融資により、これまで資金の行き届かなかった中小規模の陸上風力発電の促進を狙う。

 これと同時に、洋上風力発電の技術開発に対し政府が1000万ポンド(約15億5000万円)超の資金援助を行うことも発表した。これらは、今月15日に打ち出した、英国のすべてのエネルギーの15%を再生可能エネルギーで賄うとする低炭素移行計画の一部になる。【川崎 亘】

[環境CSR]世界のエネルギー需要、大幅上昇/2030年には44%増加と予測

2009年05月28日 ECOOL

 米エネルギー情報局(EIA)は27日、世界のエネルギー需要が、2030年には2006年から44%増加するとした予測を発表した。また、CO2排出量も2006年の290億トンから2030年には404億トンになると予測。主な増加の要因は、中国、インド、ロシアなどの新興国の経済成長に伴う増加によるものとしている。

 また、今回の予測によると、世界経済の回復により、エネルギー価格も上昇する可能性があると指摘。原油価格は、2030年には130ドルに上昇すると予測している。

[環境CSR]米国、風力エネルギーに特化した53の新規プロジェクトを発表

2009年05月18日

 米エネルギー省(DOE)は6日、同省が出資する53にのぼる新たな風力エネルギープロジェクトを明らかにした。これらの新プロジェクトは、「2030年までに米国の総電力需要の20%を風力エネルギーで賄う」という目標に対しての第一歩となる。

 発表された53のプロジェクトは、マーケット・アクセプタンス(市場で受け入れられるかどうかのリスク)、環境への影響、労働力の開発、分散型の風力発電技術の4分野。さらに風力タービンの研究とテストの支援、および伝達分析、企画、評価の2つの分野が追加対象となる予定である。【薄井 美代子】

[環境CSR]GEとWSI、風力発電所のための予測技術の共同開発に着手

2009年05月12日 ECOOL

 米ゼネラル・エレクトリック(GE)傘下のGEエナジーと最先端気象情報システム企業WSI社は5日、風力発電所のための予測技術の共同開発に着手したことを発表した。WSI社は、あらゆる産業での気象に関するソリューションを提供する世界有数の会社で、GEエナジーとの提携で、風力発電業界向けの予測技術の構築を目指している。今回の提携では、リアルタイムでタービンと風力データの収集を行う技術の開発を行い、付帯する実務指導のサービスなどの提供を行うとしている。【中村 真弓】

[環境CSR]オランダの風力発電容量、2000メガワットに到達=再生可能エネルギーの普及が進むEU

2009年02月10日 ECOOL

 オランダ住宅・国土計画・環境省は4日、国内の風力発電容量が2000メガワットの大台を突破することが明らかにした。現在、同国内に設置されている風力発電施設は1955基。発電容量は全体で1997メガワット。年間450億キロワット以上の電力を供給しており、国内の電力需要の3.9%を占める。

 今回、フリースラント州及び北ブラバント州に設置される風力発電施設を合わせると、発電容量は2013メガワットに達する。

 オランダ政府は、2020年までに再生可能エネルギー国内の電力需要に占める割合を20%にするという目標に向けて開発を進めており、風力発電の適地の残量や立地戦略について検討を行っている。


[環境CSR]ウェールズ北部沿岸、世界で二番目に大きな海上風力発電地帯に(イギリス)

2008年12月19日 ECOOL

 エネルギー・気候変動省は、ウェールズ北部沿岸沖に、50万軒以上の家庭の電力を賄える、世界で二番目の規模となる海上風力発電地帯を建設すると発表した。

 ウェールズ北部沿岸沖のGwynt y Mor海上風力発電地帯は、ウェールズ北部沿岸沖にある3つの風力発電地帯と一緒になり、68万軒の家庭にクリーンかつグリーンな電気を供給する発電設備を備えることとなる。

[環境CSR]世界最大 597メガワットの海上風力発電施設の完成(イギリス)

2008年11月11日 ECOOL

 イギリス、スケグネス近郊の風力発電地帯が完成し、597MWにのぼる海上風力発電施設を建設したイギリスは、デンマークを抜いて世界第一となった。

 この風力発電地帯の完成によって、約30万軒の家庭に電力の供給が可能となる。また、10月21日、ブラウン首相は英国風力エネルギー協会(BWEA)の会議に出席し、英国が風力から3GWの電力を得ていることを発表した。

新素材で海上風力発電所 九大、低コストが可能に

2008年07月08日 中国新聞ニュース

 九州大は8日、新素材を使った浮体に風車や太陽光パネルを載せることで巨大な海上風力発電所を可能にする技術を確立した、と発表した。新素材を用いることで従来より低コスト化が図れるという。

 資金面でめどがつけば、10年程度で原発1基分に相当する100万キロワットの発電も可能になるとしており、今後、海上で実証実験を行う。

 九州大は、炭素繊維強化プラスチック製コンクリートを開発し、浮体に活用。高強度でさびにくく耐用年数が100年以上のため、コストを大幅に抑えられるという。新素材を開発した太田俊昭・九州大名誉教授は「環境問題の解決につながる」と話している。

 発電で得られた電力は、送電線を介して陸地に送るのではなく、海水を電気分解して水素を作る。水素は船で陸に輸送して水素発電や燃料電池に使う。

 石油など化石燃料の枯渇や地球温暖化への懸念から、二酸化炭素(CO2)の排出が少ない海上風力発電が注目されており、東大が東京電力と共同で鉄筋コンクリートの浮体に風車を載せる構想で研究を進めている。

国内最大の風力発電所 津などの三セクが構想

2008年03月27日 中国新聞ニュース

 津市、三重県伊賀市と中部電力の子会社シーテック(名古屋市)が出資する第三セクター「青山高原ウインドファーム」(津市)は27日、三重県内で運営する風力発電所の発電機を2015年度に、現在の20基から60基に増やす構想を発表した。実現すれば発電規模が現在の6倍以上に拡大し、国内最大の風力発電所になるという。

 08年内に環境影響調査などを開始。10年度の着工を目指す。

 現在は出力750キロワットの風力発電機20基があり、発電出力は計1万5000キロワット。構想では、出力2000キロワットの発電機40基を増設、出力は計9万5000キロワットまで増える。これは一般家庭の約6万6000世帯分に相当するとしている。事業費は設備だけで200億円程度の見通し。

 現在、国内最大は福島県郡山市の「郡山布引高原風力発電所」。電源開発の子会社が運営しており、発電機33基で出力は約6万6000キロワット。

世界の風力発電27%増 昨年、大型原発15基分

2008/02/15 中国新聞ニュース

 昨年一年間に世界で新たに設置された風力発電施設の規模は、大型原発十五基分に匹敵する二千万キロワット超で、総発電容量が一年間で27%も増えたことが、業界団体でつくる世界風力エネルギー協会(GWEC、本部・ベルギー)の十五日までのまとめで分かった。

 GWECによると、日本では十三万九千キロワットで、最も増加量が多かった米国のわずか三十八分の一だった。

 地球温暖化対策や原油高対策として世界中で注目される風力発電開発で、日本の立ち遅れが鮮明になった形で、新エネルギー政策の抜本的な見直しを求める声が高まりそうだ。

 GWECによると、米国では昨年、五百二十四万四千キロワットの風力発電施設が建設された。二位はスペインの三百五十二万二千キロワット、中国の三百四十四万九千キロワットがこれに次ぎ、日本は十四位だった。

 この結果、世界全体の風力発電の容量は九千四百十一万二千キロワットとなり、前年比27%増だった。

 総容量が最も多いのはドイツの二千二百二十四万七千キロワットで、米国、スペイン、インド、中国の順。日本の総容量は百五十三万八千キロワットで世界十三位にとどまった。

 GWECによると、昨年一年間の風力発電関連の市場規模は三百六十億ドル(約三兆八千億円)。「各国で重要な温暖化対策として注目されており、各国での開発は今後も急速に進むだろう」としている。

風車倒壊、作業ミス原因か 羽根固定の金具が脱落

2007年02月05日 中国新聞ニュース

 青森県東通村の風力発電施設「岩屋ウインドファーム」で先月8日、高さ68メートルの発電用風車が倒壊した事故で、風車の羽根の角度を固定するための金具が倒壊前に脱落していたことが6日、運営会社「ユーラスエナジー岩屋」(同村)の国への中間報告で分かった。

 金具が外れて羽根が風をまともに受ける角度に動いたため、風車が定格運転(毎分19回)の倍以上で回転、想定外の力が加わって風車が根元から折れた可能性があるという。

 同社によると、倒れた風車は先月4日に発電機が故障したため運転を停止。風の力を受けない角度に羽根を固定するため、金具を取り付けた。

 しかしこの際、作業員は羽根3枚のうち1枚で、金具1つに2本必要なボルトを1本しか付けず、また、すべてのボルトにワッシャーを付けなかった。締め付け工具も規定のレンチではなく、簡便なものだったという。

風車回らず交付金返還命令、環境省がつくば市に

2006年09月25日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 茨城県つくば市が市立小中学校に設置した小型風車が回っていない問題で、環境省は25日、「事実と異なる前提の申請があった」として、同市に風車設置の交付金計1億8500万円の全額返還を命じた。

 同市は、2004年度から3年間で市内の小中学校に計75基の風車を設置することで、年間約60万キロ・ワット時の発電量を確保する計画を立て、04年度は19校に23基を設置。環境省は同年、計1億8500万円を交付した。しかし、設置された風車はほとんど回らず、発電量が当初見込みを大幅に下回るなどしたため、事業は凍結された。

 環境省が検証したところ、実際に設置された風車の羽根が直径5メートルだったのに、発電量の試算は同15メートルの風車で計算していたとみられる点などが判明した。

 この問題では、同市が、計画を委託した早稲田大とメーカーに約3億円の損害賠償を求め、東京地裁に提訴。地元の市民団体も、市長ら市幹部に設置費約3億円の賠償を求める訴訟を水戸地裁に起こしている。

アジア初の海上風力発電施設、済州に設置へ

2006/08/11 総合ニュース

【済州11日聯合】アジアで初めての海上風力発電施設が済州市翰京面の海上に設置される。済州特別自治道は農産物生産会社の三無が申請した三無海上風力発電事業計画を11日に承認した。

 三無は総事業費600億ウォンを投じ来年10月までに設計を終え、2008年9月までに風力発電機の設置や線路の連結、制御システムの構築などを完了した後、10月から稼動する計画だ。風力発電機はデンマーク・ベスタス社の3メガワット級10基で、済州道の総電力生産設備量550メガワットの5.5%に相当する。海上風力発電機が設置されれば、無公害のクリーンエネルギーを確保できる上、人工海草施設としても活用できるため、漁民の所得向上に貢献するものと期待される。全事業費のうち400億ウォンは済州銀行の投資や貸付で調達し、残りは道民から株主を公募する方針だ。

 今回の発電施設が完工されれば、済州道内の民間商業風力発電施設は既に稼動している2カ所を含め、3カ所になる。

大和ハウスが発電事業参入 風力発電所建設へ

2006/05/26 The Sankei Shimbun

 大和ハウス工業は25日、発電事業に参入することを明らかにした。愛媛県・伊方町に大型の風力発電所を建設し、来春をめどに発電を開始、四国電力へ売電する。風力エネルギーの活用により、環境への配慮を打ち出す。

 建設地は伊方町内の旧瀬戸町で、大和ハウスが別荘地として開発中の用地。佐田岬に近く自然環境に恵まれた地域で、周辺では企業が自治体と組んで行う風力発電が進んでいる。

 計画では、今年9月に風車を搬入して設置に入り、来年2月に建設を完了する。三菱重工業製の最大発電能力1000キロワットの風車を9基設置、合計9000キロワットの発電量を目指す。総工費は19億円。

 計画通りの発電ができれば、一般の家庭の6500世帯分の発電量を生み出す。旧瀬戸町周辺は、年間の平均風速が毎秒7−8メートルと国内でも最も風力発電に適しているとされる。

出雲風力発電計画 変更要望相次ぐ

2006/05/15 中国新聞地域ニュース

 ▽島根県景観審、初の意見交換

 出雲市平田地区で民間企業が計画している風力発電施設の景観への影響を話し合う、島根県景観審議会(会長・藤岡大拙島根女子短大名誉教授)の三回目の会議が十四日、松江市のくにびきメッセであった。風車の位置を山並みの北側へ移し、南側の宍道湖畔から見えなくするなど計画の変更を望む声が相次いだ。

 委員十一人が参加。これまでの事業者などの説明や現地視察を踏まえ、初めて本格的に意見を交換した。

 委員の一人は、歴史的景観の意義について「京都・東山に(風力発電が)建ってもよいのかという感覚」と指摘。観光客の玄関口となる出雲空港や築地松の残る斐川平野の風景、出雲神話の地としての歴史に触れて、南側から見えない山北への立地変更や稜線(りょうせん)への配慮を求める声が目立った。「少なくとも計画東部分の十基は再考すべき」とする意見も多かった。

 別の委員は、環境省の基準に照らし、風車から約七キロ以上離れると景観的に気にならなくなるとする考え方を紹介。「築地松など、これまで悩まされた西風を逆に利用するという発想」「出雲大社の北でない現在地ならよい」などと容認する姿勢を示した。

 事務局の県がこの日の議論を整理。六月十九日に開く次回の会議で、県景観審としての方向性を示す予定。(和田木健史)

風力発電 紀南・紀中で構想続々 追い風受けて

2006年04月23日 紀伊民報

 紀南・紀中地方で、風力発電の適地を探す「風況調査」が相次いでいる。仕掛け人は、ビジネスチャンスを探る企業や環境に優しいまちづくりを目指す自治体だ。国策を取り巻く発電事情や県の補助金事業など「追い風」も吹いている。

 県内では、吉備町が1999年に近畿で初めて自治体として風力発電施設を建設。2004年までにノーリツ鋼機(和歌山市)と広川町が建て、現在3カ所で稼働中だ。

 最近になって、民間企業による建設構想が次々持ち上がっている。本紙の調べで、具体的に準備や調査が進んでいるのは田辺、白浜、有田川、有田、広川の5市町内だ。

 田辺市内では、関西電力が果無山脈で計画、市や県への説明を進めている。白浜町では、長崎市内の企業が塩津山で風況調査をしている。いずれも熊野古道から見た景観論議を呼んでいる。

 今のところ最も実現に近いのが、有田川町の旧吉備町内にある長峰山脈での計画だ。東京都内の企業が07年春にも、1300キロワット級10基の建設に着工する予定。風車先進地だけに、町側も「全面的に協力する」と用地貸し付けや道路整備を急ぐ。

 同じく町立風車を持つ隣の広川町でも、大阪府内の企業が由良町との町境にある明神山に1000キロワット級を16基建てる計画。有田市内でも、東京都内の企業が風況調査中。こちらは海岸線の県立自然公園を望む道路沿いに2000キロワット級を2基建てる計画で、市は観光スポットとしても期待する。

電力会社躍起 法で義務付け

 風況調査ラッシュを後押ししたのは、電力会社に一定の自然エネルギー発電量を割り当てた03年のRPS法施行だ。

 国内の風力発電量の6割は北海道、東北地方に集中していて、近畿地方は2%以下。県循環型社会推進課によると、近畿地方は冬場の風力が弱く、風速毎秒約6メートルを確保できる適地は多くない。

 厳しい条件の中、関電は法の義務付け発電量を買電でも確保しようと躍起だ。そこで大手電力会社に売電する「風力発電ビジネス」が盛んになったというわけだ。

自治体も熱心 補助金が充実

 活発な企業活動の一方で、まちづくりの一環で風況調査に乗り出す自治体やNPOもある。

 これまで経済産業省関連団体の新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が調査に補助金を出したのは、白浜、御坊、広川、串本の各市町。NPO法人地球人学校(白浜町)が調べた串本町を除くと、いずれも地元市町が自ら手掛けた。

 計画が実現した広川町はいま「クリーンエネルギーの町」を掲げ、まちづくりの一環に位置付ける。みなべ町の南部中学校では学習用の小規模な発電用風車があり、住民や子どもの教育啓発に役立てる例も増えている。

 県は「新エネルギービジョン」を作って、10年までに県内の風力発電量を4000キロワットにする目標を立てている。現在は2334キロワットだが「大きな計画が出てきているので、実現すればクリアできる」と民間の計画に期待を寄せる。

 本年度からは、NEDOの補助金を受けたNPOの風況調査に、県も補助金を出す。総事業費の半分をNEDOが、4分の1ずつをNPOと県が負担することになる。

 ただ、調査をしても即、建設の実現に結びつかないのも現実だ。NEDOは「風がいかに良くても、自然環境を巡る規制や地元の合意が大きなハードルになる」と話している。

イヌワシ生息地風力発電建設 結論7月まで先送り

2006/04/22 神戸新聞

 朝来市の風力発電施設の建設予定地で、絶滅危(き)惧(ぐ)種のイヌワシの生息が確認された問題で、井戸敏三兵庫県知事は二十一日、建設計画を進める北海道の事業者の現地法人に対し、すでに要請している猛きん類の自主調査を六月末まで継続し、結果を環境影響評価審査会に報告するよう助言した。これにより、同審査会の結論は七月まで先送りされることになった。

 風力発電所環境配慮暫定指導指針によると、知事の助言は、同審査会の意見を聞き、告示から百八十日以内にすることとなっており、今回の期限は今月二十三日だった。

 学識経験者七人で構成する同審査会・風力発電所部会は、これまで五回開催。助言の期限を前に、知事への意見の取りまとめを進めていたが、指針施行前の昨年十月三日、県が同法人に「二営巣期を含む一年半以上の自主調査」を要請していたため、今回は「結果報告を受け、最終審査した上で答申を出すのが適当」と結論を先送りした。

 「審査会の決定を尊重する」としていた県も、最終審査を待ち、七月に知事が再助言することにした。

 県によると、同法人は、朝来市のフトウガ峰周辺に、高さ百二十九メートルの風車十二基の建設を計画している。

丸紅、韓国風力発電で排出権

2006/04/21 NIKKEI NeT

 丸紅は韓国の風力発電事業で温暖化ガス削減の国連承認を得た。同国内の別の風力発電事業でも近く承認を受ける見通し。両事業を合わせて二酸化炭素(CO2)換算で、今後10年間かけて計210万トンの排出権を確保する。

 国連機関の理事会が承認したのは、東京電力系の風力発電事業者ユーラスエナジージャパン(東京・港)や韓国の橋梁(きょうりょう)関連機器大手との共同事業。丸紅は30%を出資している。総額160億円を投じて同国北東部の江原道で11月に始める出力9万8000キロワットの発電事業で、韓国電力公社に電力を供給する。

風力発電計画の懇談会が最終会合

2006/04/20 山陰中央新報

 出雲市で大規模風力発電を計画する民間事業者が設置した「鳥類等への影響評価に関する懇談会」の最終会合が19日、同市内であった。地元委員は風車が鳥に与える影響は少ないとして建設賛成で一致したが、反対論もあって双方の溝は埋まらず協議を終えた。

 調査担当の日本気象協会が新たなデータとして、風車建設予定地で3月に実施した渡り鳥調査の結果を公表。マガンとヒシクイの渡りが確認されたが、「事業区域の上空を通過する可能性は低い」とした。

 これに対し、ホシザキグリーン財団の森茂晃調査研究課長は「確認されたのが主要な渡りルートなのか分からない」と指摘。日本野鳥の会県支部の飯塚洋一支部長は「風車は1基も作ってほしくないというのが基本スタンス」と話した。

 懇談会は結論を出さないことで協議入りしていた。懇談会座長の鳥取大工学部の林豊教授は、風力発電は必要とした上で「事業開始後も継続して影響を調査することが大切」と述べた。

風力発電 再び計画 伊勢志摩国立公園 「渡り鳥ルート」野鳥の会反発

2006年04月18日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 三重県鳥羽市の伊勢志摩国立公園内にある行者山(309メートル)で、同市の民間会社が風力発電施設の建設を計画している。同山の風力発電計画は、環境省から「自然景観に支障が出る」と指摘され、一度は頓挫したが、同省がその後、国立公園内の風力発電建設について審査基準を設けたことを受けて計画を練り直した。同市は「環境にやさしい街のPRにつながる」と支援する考えだが、建設予定地一帯は渡り鳥のルートになっており、日本野鳥の会三重県支部は計画に反発している。

「環境PR」鳥羽市は支援

 関係者によると、地元の農協などが所有する行者山山頂付近(約43万7000平方メートル)に3基の大型風車(高さ120メートル、出力3000キロ・ワット)を建設する計画。事業主体は地元の民間会社「鳥羽ウインドファーム」で、今後、環境省への届け出を経て、5月末にも経産省に電気事業者の申請を行う。

 同山では2002年、別の業者が高さ65メートルの風車5基の建設を計画したが、環境省は自然景観への影響を理由に届け出を受理しなかった。計画を支援していた同市は、国立公園内での風車設置基準の緩和を求める構造改革特区を提案したが認められなかった。

 その一方で、全国の自治体から同様の特区申請が相次いだことから、同省は04年2月、国立・国定公園内に風力発電施設を建設する際の審査基準を設けた。基準は、「公益性、必然性が高い」「景観を乱す場所は避ける」「生態系への影響を最低限にとどめる」としており、これに沿って昨年秋、熊本県小国町の阿蘇くじゅう国立公園内で初めて建設が認められた。

 鳥羽ウインドファームは「環境省とも協議しながら計画づくりを進めたい」とし、環境省は「審査基準に沿って判断する」としている。

 一方、予定地付近は国内でも有数のサシバやハチクマなど猛きん類の渡りのルートにあたることから、日本野鳥の会三重県支部は「猛きん類の調査も短期間しか行っておらず、植生や動物への影響調査が十分ではない」と、計画の見直しを求めている。

入笠山風力発電計画 やめさせる会結成

2006-4-18 Nagano Nippo

 伊那市高遠町から富士見町にまたがる入笠山周辺での2つの風力発電計画に反対している山岳や自然保護など14団体は17日までに「入笠山周辺の風力発電をやめさせる会」を結成した。共通の目的で個々に活動していたが、目的を明確にした新たな組織で「対外的にも分かりやすくし、活動範囲を広げる」(事務局)狙いという。

 参加団体は伊那山仲間、伊那山の会、伊那百名山の会、日本野鳥の会伊那、諏訪両支部、環境会議・諏訪、環境ネットワーク・茅野など伊那や諏訪地域を拠点に活動している。

 風力発電施設の建設に伴う自然環境や景観への影響などを憂慮し、これまで連名で反対の要望書を県や地元関係市町村などに提出している。

 会長は信州大学農学部教授の伊藤精晤さん(中央アルプスの自然を愛する会会長)、副会長は星野和美さん(日本野鳥の会伊那支部長)と丸山正一さん(伊那山仲間会長)が務める。

 今後の活動として22日、現地調査に訪れる日本山岳会自然保護委員会に同行。5月27日は「風車建設予定地を知ろう歩こう」と銘打ち、建設予定地を歩いて景観や野鳥、植生、地質などの専門家の説明を聞く。一般にも広く参加を呼び掛ける。6月上旬には「入笠山周辺の風力発電計画を考えるシンポジウム」を予定する。

 事務局で伊那山仲間副会長の北原功さんは「風力発電の建設は景観だけでなく、山そのものもかなり崩して植物や生き物に影響がある。一般も含めて広く計画や、その影響を知っていただきたい」としている。問い合わせは北原さん(電話0265・76・2010)へ。

 風力発電事業は総合商社・丸紅(東京)が伊那市の鹿嶺高原から入笠山にかけた尾根で「最大で20数基」の風車を設置、ベンチャー企業・グリーンパワーインベストメント(東京)は伊那市、富士見町、茅野市にまたがる入笠山のりょう線に「15―33基」の風車の設置を計画している。

風力発電「イヌワシに影響」 県が建設中止要請へ

2006/04/14 神戸新聞

 朝来、宍粟両市にまたがる風力発電施設の建設予定地で、国の天然記念物で環境省レッドデータブックの絶滅危惧(きぐ)種(1B類)になっているイヌワシが確認された問題で、兵庫県は十三日までに、「イヌワシへの影響は避けられない」として、施設の建設中止を業者に要請する方針を固めた。県の環境影響評価審査会・風力発電所部会の判断を受けたもの。同審査会は近く答申を出し、知事が事業者に助言する。(霍見真一郎、大島光貴)

 今回の建設計画は、北海道の事業者が朝来市側に高さ約百三十メートルの風車十二基を建設するもの。これとは別に、東京都の事業者が朝来市と宍粟市に高さ約百メートルの風車十基の建設を計画している。

 同部会は学識経験者七人で構成、五回会議が開かれた。関係者によると、会議では、自然エネルギー導入の重要性を指摘する声も上がったが、最終的には「イヌワシが絶滅したら取り返しがつかない。エネルギーはほかでも作れる」という意見にまとまり、中止の要請を決めたという。

 日本イヌワシ研究会兵庫地区(阿部明士代表)によると、県内に生息するイヌワシは八羽。計画が明らかになった昨年五月から計四十三日間、予定地周辺を観測した結果、うち十一日間で計三十七回のイヌワシの飛行を確認した。

 二月十五日に開かれた同審査会には、阿部代表が参考人として出席した。

 兵庫県は、イヌワシの飛行が確認されて以来、地球温暖化防止と希少種保護の間で板挟みとなっていたが、同部会の審査結果を受け「審査会の結果を尊重する」としている。

 一方、地元朝来市の井上英俊市長はこれまで、市会などで、風力発電施設建設に賛成する立場を繰り返し述べており、今後の動向が注目される。

県庁屋上に風力発電装置

2006/04/13 神戸新聞

 クリーンエネルギーの導入に取り組む県はこのほど、神戸市中央区の県庁一号館屋上に、風力発電設備を設置した。都道府県の庁舎につくるのは全国的にも珍しいといい、四月に再編された環境政策局は「環境行政に力を入れる県庁のシンボルに」と話している。

 高さ七メートル。巻き貝のような風受けが二つ重なった周囲を、三本の弓状のアルミ片がくるむ。ユニークな外見で、「あれは何」と問い合わせが入ることもあるという。従来のプロペラ型では対応しにくかった急激な風向変化にも対応でき、上下方向の風もとらえて回る。重さは一・五トンあるが、地上約五十メートルの屋上まで、クレーンでつり上げて設置した。

 毎秒一・七メートルの風で回転し始め、二メートル以上で発電。安全のため二十五メートルを超えると自動停止する。神戸海洋気象台のデータから試算すると、発電量は年間千キロワットの見込みで、一般家庭三カ月分の消費電力に相当するという。二号館には、PR用にプロペラ型の小さな風力発電設備も設置した。こちらは展望室の空気清浄機の電源として使用。二基分約千二百万円の事業費は全額県費で賄った。 県は〇四年、県庁に太陽光パネルを設置し、年間約十六万キロワットを発電している。(霍見真一郎)

景観、環境調査は終了 関電の風力発電 長期化の様相 慎重姿勢

2006年04月11日 紀伊民報

 田辺市北部と奈良県境の果無山脈で関西電力が進めている風力発電計画で、同市中辺路町内の熊野古道からの景観や自然環境の調査が1月に終っていたことが分かった。同社は「自治体との話し合いに時間がかかる」として、調査結果の公表を延期している。市と県は景観問題をめぐる地元の反対意見に配慮する姿勢を崩しておらず、計画の具体化はまだ先になりそうだ。

 同市中辺路町、同市龍神村、奈良県十津川村をまたぐ尾根上に、高さ100メートル以上の風車を最大14基建てる計画。最短距離で約8キロの場所に熊野古道が通っていて、世界遺産の景観変化を懸念する声が出ている。

 関電広報室によると、今年1月、昨春から進めていた環境影響評価調査(環境アセス)を終えた。法的に調査する義務はないというが、熊野古道のある高原地区などから見た風車の合成写真、動植物の分布状況などを盛り込んだ。当初は調査後すぐに田辺市役所で結果資料を縦覧し、住民から計画案の賛否を含め意見を募る予定だった。

 関電は最近になって、両県と田辺市、十津川村に対して調査結果の説明を始めた。県の担当課には6日、同社社員が景観の合成写真、動植物の資料を持って訪れ、現状を報告したという。

 一方、予定していた住民側への調査結果の縦覧や説明について、関電広報室は「まずは自治体の了解が得られないと、そこまで進めない」と現時点で否定的。調査自体についても「自治体側に説明したのは、単なる現状報告。まだ自然に与える影響を評価する段階に入っていない」としている。

 地元の反対意見に対しては「地元には『風車も文化だ』と賛成する意見もある」としている。

 田辺市政策調整室は「関電からは『調査が終わった』とだけ聞いたが、いろいろと反対意見がある中で、計画を前に進められない状況だろう。関電が次の段階に進むつもりなら、市の意見をしっかり聴いてもらう」と話している。県企画部は「県としては市の意見を最優先に考えている」と話している。

新風 発電ビジネス

2006年04月08日 読売新聞 Yomiuri On-Line

市民風車 地元産へ理解広がる

 36万9000キロ・ワット。東北6県の風力発電総出力の規模だ。全国の40%を占める。しかし、発電事業者の多くが東京の商社やエネルギー関連企業。地域に売電の収益は還元されず、地元との縁は薄い。一方で、市民からの出資で運営される「市民風車」が注目を集めつつある。

 風力発電を推進する国は2010年までの導入目標を、現在の約3倍、300万キロ・ワットとしている。06年2月末現在、全国の風車は950基。北海道の194基が最多で、青森県137基、秋田県83基と続く。資源エネルギー庁は「日本海からの風に恵まれ、土地もあり、潜在力は高い」と東北地方に期待を寄せる。

 秋田県は03年3月策定の指針「新エネルギービジョン」で、10年までの総出力目標を06年2月末時の9万4000キロ・ワットの倍にあたる20万キロ・ワットに設定。県資源エネルギー課は、「県内企業が設置すれば、法人税や収益が地元に還元される」として、県内事業者の動向に注目している。

 年々増え続ける風車だが、「向かい風」も吹く。

 東北電力は04〜05年度、新規の買電契約を休止した。風力発電は天候で発電量が変動するためだ。

 03年4月、新エネルギー等の利用に関する特別措置法(RPS法)が施行され、電力会社には、クリーンエネルギーの買い取りが一定割合で義務づけられた。同社も年間4億6000キロ・ワット時の義務量が課せられたが、風力発電の先進地ゆえに、既に20億キロ・ワット時以上を受電していた。

 同庁は発電量の変動対策に蓄電池の設置が有効として、06年度から新たな補助制度の導入を決定。同社では3月22日、仙台市の本店ビルで2年ぶりに新規契約説明会を開いた。2年前と同規模の約100事業者が集まったが、蓄電池設置費などは事業者負担となることが説明された。東京の商社は「将来大きなチャンスにつながる」と意に介さなかったが、「門戸は開かれたがハードルが高くなった」と不満げな事業者もいた。

 風車ビジネスに、市民の視線が熱を帯び始めている。

 市民からの出資で建設する「市民風車」が今年3月、秋田市で2基完成した。昨冬、自然エネルギー市民ファンド(東京)がこの2基を含む計5基への出資を呼びかけたところ、目標額の計8億6000万円が予定より1か月早く集まり、関係者を驚かせた。

 秋田市で普及活動を続ける「市民風車の会あきた」の原田美菜子代表(35)は、市民の理解が着実に広がっていると指摘する。愛称を付けようと応募する子どもが増え、廃品回収で集めたお金を出資し、返還されたお金で車いすを購入した中学校もあるほどだ。

 9月には茨城、千葉県で1基ずつ増える見通しだが、全国の市民風車はまだ8基。原田さんは「秋田をはじめ風に恵まれた地域は多い。地域で新たな人材や企業を掘り起こし、材料も設置業者も地元産の風車建設を目指したい」と話している。(秋田支局 鈴木幸大)

投資派、環境派…様々

 風車1基の設置にかかる総事業費は、出力規模1500キロ・ワットの場合で2億〜3億円。約45%は、独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの補助で賄えるため、市民風車を建設する際には、残り約55%を市民からの出資で準備する。

 出資者には、電気を売って得た収益が分配される仕組みだ。2003年3月に運転を開始した市民風車「天風丸」(秋田県潟上市)には、443の個人、法人から計1億940万円が集まり、一口50万円の出資に対し、05年度までの2期分で、元本返還分と利益分配金で8万8599円が分配された。元本は保証されておらず、発電能力は風まかせというリスクがあるものの、順調にいけば契約満了の15年間で約60万円(年利2・3%)が戻ってくる計算だ。

 出資窓口の自然エネルギー市民ファンドによると、分配金をあてにした投資目的の出資者は少数で、「目に見える形で地球のために役立ちたい」「クリーンエネルギーのシンボルを支えていきたい」などの環境派が多い。「孫が生まれた記念に」「結婚祝いに」など、ユニークな理由で出資する例もあるという。

 RPS法 リニューアブル・ポートフォリオ・スタンダード(再生可能エネルギー利用割合基準)の略。環境への負荷が少ないエネルギーを普及させようと、電力会社に対して、販売電力量に応じ、一定割合以上の新エネルギーの導入を義務づけた制度。義務量を達成できない電力会社は、他社から余剰分などを購入して目標を達成しなければならない。全国での義務量は、2005年度が80億キロ・ワット時。06年度83億4000万キロ・ワット時、10年度122億キロ・ワット時と、年々増えている。

九電、2005年度の風力発電40万キロワットに

2006年03月30日 NIKKEI NeT

 九州電力は29日、2005年度決定分の風力発電購入先を発表した。11事業者から合計約6万6000キロワットを買い取る。実際の購入は07年―09年になる見通しで、同社の風力発電は購入先分と自社設備合わせて40万キロワットに増える。

 このうち九州本土分は6件で約6万4000キロワットで、初めて個人とも契約した。離島分は奄美大島と種子島の2件約2600キロワット。このほか研究・教育枠で3件44キロワットを購入する。購入価格は1キロワット時あたり3円。

 九電は03年度から風力発電事業者の募集を実施しており、今回が3回目。06年度分は5万キロワットの調達を計画し、4月26日から申し込みを受け付ける。

エコ照明装置 万博から愛大へ モリコロと除幕式

2006年03月28日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 愛知大学は、愛・地球博(愛知万博)で使用された太陽光や風力発電による照明装置「ハイブリッドタワー」を譲り受け、27日に東区筒井の車道校舎で「モリゾー」「キッコロ」を招いて除幕式を行った=写真=。

 ハイブリッドタワーは、太陽光パネルと、ブレードが回転する風車が上部にあり、高さ約5・8メートル。太陽光と風力で発電し、バッテリーにためた電気で明かりをともす仕組み。

 除幕式で愛知大の武田信照学長は、「キャンパスに訪れる人が、エコロジーについて頭に刻み込む機会になれば」と期待していた。

巨大風車20基が稼働 中四国最大 津野町

2006年03月23日 高知新聞

 高岡郡津野町に建設していた「葉山風力発電所」が完成し22日、現地で開所式が行われ本格的な発電がスタートした。年間発電量は約4800万キロワット時を見込んでおり、中四国の風力発電所では最大規模。尾根沿いに巨大風車20基が並ぶ様子は壮観だ。

 総合商社の双日(東京都)と大阪ガス(大阪市)が、旧葉山村北部の黒川峰から鶴松森の間の尾根沿い約4キロに出力1000キロワットの風車20基(合計出力2万キロワット)を建設。年間発電量は約1万3000世帯分の電気を賄える計算で、電気はすべて四国電力に売電する。

 風車は3枚羽根で、1枚は長さ29・5メートル、重さ4・5トン。タワーの高さは68メートルあり、羽根の先端までは約99メートルとなる。事業費は40億円(うち約4分の1は経済産業省の補助金)。建設工事は昨年1月から始まり、風車の設置は2月末までに完了。既に一部で発電を行っていた。

 開所式には双日や大阪ガス、地元関係者ら約80人が出席。神事の後、代表者がスイッチを押して風車20基を本格稼働させた。明神健夫町長は「固定資産税や土地使用料など年間数千万円が見込める上、観光スポットとしても期待したい」と話している。今後、町は発電所周辺の道路なども整備する予定。

 葉山発電所は愛媛県伊方町の風車11基(合計出力1万1000キロワット)を上回り中四国で最大。現在、幡多郡大月町で県内2番目の出力となる「大月ウィンドファーム」が、今夏の運用開始を目指して建設されている。

「市民風車」が町を活性化…青森市・グリーンエネルギー青森

2006年01月05日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 日本海からの冷たい西風が吹きつける青森県鰺ヶ沢(あじがさわ)町。小高い丘の上で、発電用の白い風車が1基、ゆっくりと回っていた。高さ65メートル、風で回るブレード(羽根)の長さは35メートル。愛称は、青森弁で「私たちのもの」を意味する「わんず」だ。

 「『わんず』には、環境保護や反原発など、出資者のいろいろな思いが詰まっているんです」。わんずを設置した青森市のNPO法人「グリーンエネルギー青森(GEA)」事務局長の三上亨さん(48)は、こう強調する。

 青森県労働金庫の職員だった三上さんは2000年3月、知人らとともに、自然エネルギーをテーマにした学習会を始めた。その講師の一人として、市民から出資を募って建設する「市民風車」を計画していた札幌市のNPO法人「北海道グリーンファンド」事務局長、鈴木亨さん(48)を招いたのが、GEA誕生のきっかけとなった。

 鈴木さんから「青森でも市民風車をやってみませんか」と誘われたこともあり、02年2月にGEAを設立。風車の設置場所は、強い風が期待できる鰺ヶ沢町に決め、同年11月に着工した。

 設置費用は約3億8000万円。半額は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から助成を取り付け、残りは一口10万円の出資を全国から募って賄うことにした。

 風車が生み出す電力を東北電力に売り、出資者に利益を配当することにしたが、事業が成功する保証はなかった。資金集めは難航が予想されたが、775人から計1億7820万円が集まり、03年2月、わんずは回り始めた。

 「自然エネルギーへの市民の関心が、かなり高いことを実感しました」。三上さんはこう振り返る。

 わんずは04年3月からの1年間で、1190世帯分の電力を発電、年間売り上げは5600万円に上った。04年6月には出資者への配当も出した。

 「でも、風車の完成で目的を遂げたわけではない。満足はしていません」と三上さんは言う。GEA設立の目的は「自然エネルギーを活用した社会の実現と地域の自立」。三上さんたちは、もっと先を見据えているからだ。

 昨年には、鰺ヶ沢町の活性化につながる活動に対し、町が2分の1、わんずの出資者とGEAが4分の1ずつ助成金を出し合う「鰺ヶ沢マッチングファンド」(基金)を設置。自然保護団体など3組に計100万円を寄付した。また、青森市の企業組合「あっぷるぴゅあ」(柳沢泉代表理事)と連携し、出資者らに鰺ヶ沢町特産の枝豆「風丸」などを販売することで、農業振興も狙う。

 「私たちはアイデアを示すのが役目。地域が本気で取り組まなければ、この活動は根付きませんから」と三上さん。回り続ける巨大なわんずが、地域振興のシンボルとなるか。GEAの挑戦は始まったばかりだ。(坂田真)

年内に計10基稼働へ

 「市民風車」の取り組みは、各地に広がっている。

 出資の窓口となっている「自然エネルギー市民ファンド」(本社・東京都中野区)によると、国内初の市民風車は、2001年9月に北海道浜頓別(はまとんべつ)町で運転を始めた。その後、青森県鰺ヶ沢町や秋田県潟上(かたがみ)市、北海道石狩市にも設置され、現在、全国で計5基が回っている。

 また、青森県大間町や秋田市、茨城県神栖市、千葉県旭市でも計5基の設置が決まっており、今年2〜9月の運転開始を予定している。同社は2月14日まで、この5基について出資を募っている。問い合わせは同ファンド(03・5318・3330)へ。

 地域に尽くす「新たな挑戦」の話を募集します。情報は〒100・8055読売新聞東京本社地方部内信課へ。電子メールnaishin@yomiuri.com

小型でも10キロ・ワット出力の風力発電機

2005年11月23日 読売新聞 Yomiuri On-Line

奈良市の大和ハウス工業総合技術研究所員 北村 禎章さん 29

 地球温暖化を引き起こす二酸化炭素などの温室効果ガス、そして天然資源の枯渇で太陽光や風力による発電など自然エネルギーの活用が叫ばれて久しい。が、昨年現在、全国で太陽光(ソーラー)による総発電量は113万キロ・ワットと世界でトップなのに、風力発電の方は、第8位と出遅れている。太陽光発電が個人住宅にも普及しているのに風力発電は数億円規模の大型設備を投入しないと採算が取りにくいなどの事情があるという。

 北村さんは、三重大工学部、同大学院時代を通じ日本の風力発電研究の第一人者とされる清水幸丸氏(現在同大名誉教授)に師事、風車の翼(よく)を制御する技術の開発一筋に頑張ってきた。4年前に入ったこの会社は住宅メーカーながら、これからの住まいは環境が機軸だと、早速、風力発電機の開発をまかされた。最大出力30キロ・ワットの試作機に続いて、よりコンパクトで低価格ながら、安全性とデザイン性を重視し、しかも実用向きの10キロ・ワット出力が可能な今回の製品作りに、石川県白山市のメーカーと共同で取り組んだ。このタイプは、風力発電の先進国ドイツやスペイン、オランダなどにもあまりなく、今秋発売されて以来、注目を浴びている。ここにも、「小型化」を得意としてきた日本の伝統的な「技」が光る。

 鯨のデザイン 回って安全

 日本の風力発電機の歴史はまだ20年、本格的に実用化され始めて10年足らずです。現在の主流は、風車の翼の直径が60〜90メートルあって1000〜2000キロ・ワット出せる大型機で、安全技術も確立されています。私が入社後に取り組んだ30キロ・ワットより大きな発電機だと、この大型機をそのままスケールダウンして機能を縮小したものが作れます。ところが、それより小さいクラスとなると大型機の技術が生かしにくい。図面描きから部品の手配、組み立てまで独自に開拓しないといけないんです。

 翼の直径7メートル いち早く商品化 ――小型機の需要が高いのですか。

談 どれくらいの出力のものが市場で求められるのかマーケティングしてみたら実用的な10キロ・ワットクラスが意外に人気があります。このクラスなら規制が少なく、例えば、20キロ・ワットを超えると設置するのに電気主任技術者の資格が必要になるのです。当然、コストが抑えられるという期待もあります。ただ、10キロ・ワットの発電機は国産ではあまり実績がなく、海外でも売られてはいますが、安全性に問題があったり、価格の割に貧弱だったりして評判はよくありません。

 とくに安全性では今春、経済産業省の省令で、強風時にも安全な状態が保持でき、落雷などで制御装置が壊れても風車が安全かつ自動的に止まる仕組みなどが義務づけられました。そこでこの技術基準にのっとって翼の直径が7メートル、10キロ・ワットが得られる風力発電機を作ることになり、早く商品化するためにも先発の国産メーカーと手を組むことにしました。

 80メートル強風に耐性 テスト重ね実現

――白山市の窯業メーカー・ニッコーを選ばれたのはなぜですか。

談 6年前から小型風力発電機を手がけ、比較的大きな4キロ・ワットクラスで大きなシェアを占められていたからです。コンセプトは三つ。安全性を重視し大型風車並みの技術を盛り込むこと。海外にもない優れたデザイン性を備えること。それに実用的な電力を得られることです。価格は1000万から1500万円と設定。共同開発の締結が行われた昨年10月に発表し、1年後の発売を目指しました。

 あえて短期間に目標を据えたのは、他社が追随してくるという恐れもあったのですが、それだけ緊張感を持って集中したかったのです。わが社側で私が企画し概略設計したものを基にニッコーさんで部品の設計や製造をしてもらうという分担で試作機づくりを白山市の工場で進めました。今年2月から半年間テストを繰り返し機能や安全性を検証し、風速1〜1・5メートルで回転し始め、80メートルの強風にも耐えうる性能を実現しました。

――一番苦労したのはどこですか。

談 様々な装置を限られたデザインのスペースの中にいかに納めるかです。例えば、強風時、風車の回転を止めるのに一般的なディスクブレーキをやめて自動車と同じドラムブレーキを採用しました。また、風車は風を正面から受け効率よく回転し、台風時などには自動的に風を逃がすよう翼の角度を調節する「ピッチ機構」が搭載されています。通常、これは翼の回転部に取り付けられますが、それでは後方に突き出てしまい、目指す「鯨デザイン」にはなりません。発想の転換でそれを前方に持ってくることで乗り切りました。

 多くの小型風力発電機は「独立電源タイプ」と言って付属のバッテリーに電気をためて消費しますが、今回のは電力会社の送電線につないで使用する「系統連系タイプ」を標準にしています。だからバッテリーの点検や交換の必要がありません。さらに、バッテリーのように電気の使用量に限界がないので用途の幅が広がります。

 「風流鯨(かぜながすくじら)」の愛称を付けたこの小型風力発電機は、年間平均風速が6メートルあれば年間2万5000キロ・ワット時の電力を確保でき、標準的な家庭5軒分がまかなえます。まずは事業所や自治体などに備えてもらえればと願っています。聞き手・坪井 恒彦

住友商事が風力発電所を着工、鹿嶋市の海岸で

2005年10月22日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 住友商事は、茨城県鹿嶋市の平井海岸などで風力発電所の建設を始めた。

 総出力2万キロ・ワットで、関東地方では最大の風力発電施設となり、2007年2月に商業発電を開始する。総事業費は約35億円。

 住友商事の100%出資子会社が、単独の発電機としては国内最大級となる出力2000キロ・ワットの風力発電機を10基設置し、発電した電気の全量を東京電力に売却する。

 これにより、鹿嶋市の約半数に当たる約1万2000世帯の年間消費量を賄えるほか、原油による発電と比較して年間1万8000トンの二酸化炭素削減も見込める。

釜石の風力発電、落雷で半年以上停止…ようやく再開へ

2005年10月02日 読売新聞 yomiuri on-line

 国内最大の風力発電施設として昨年12月にスタートした岩手県の釜石広域ウインドファーム(定格出力4万2900キロ・ワット)が3か月運転しただけで停止状態になり、ようやく今月中にも運転再開できるめどが立った。

 続けて2度の落雷を受け、プロペラ型の羽根(ブレード)が破損したのが原因で、運営会社は衝撃や電流に強い羽根に交換したが、風力発電の“天敵”とされる落雷そのものを防ぐのは難しい。

 風力発電事業大手のユーラスエナジージャパン(本社・東京都港区)の現地法人トーメンパワー釜石(岩手県釜石市)が建設し、運営している。釜石、遠野、大槌3市町にまたがる標高900メートル前後の高台に、高さ約68メートルの柱と長さ約30メートルの強化プラスチック製の3枚羽根を持つ風車43基が設置されている。

 風速60メートルの強風にも耐える設計だったが、運転開始目前の昨年11月に2基の羽根が壊れ、今年2月にも3基の羽根が付け根から折れ曲がるなど破損した。強風で壊れたとみられていたが、その後の調査で落雷によりできた亀裂が強風で広がったのが原因と分かった。柱の先端の発電機上に避雷針はあったが、羽根に雷が落ちて被害が出た。

 同社は3月から風車を止め、6月から羽根に金属線を埋め込み、落雷があっても柱を通して地面に電流を逃がすようにし、羽根に使う接着剤も強力なものにした。発電機や羽根を調整後、国の検査を受けて運転を再開する。

 環境に優しく、観光施設にもなる風力発電施設は全国で建設が進んでおり、新エネルギー・産業技術総合開発機構のまとめでは、3月末現在で924基総定格出力92万6575キロ・ワットに上る。しかし、落雷で壊れる被害も相次いでいる。

 高い避雷針を立てる方法もあるが、コストが高く、奥山寛・同社発電所長は「背の高い施設だけにすべての雷を避けるのは無理。落ちても耐えられるように改良していくしかない」と話す。

江津の風力発電特区申請を却下

2005/08/30 中国新聞地域ニュース

 島根県が本年度創設した「しまね版特区」に申請していた江津市の「風力発電特区」が二十九日までに、却下された。新エネルギー導入に弾みをつけたかった市は残念な表情を隠せない。県は「事業の必要性は認識しており、できる限り支援したい」としている。

 申請は五月初めで、海岸占用料徴収条例や森林法、景観条例など十の規制事例を挙げ、特例で、手続きの簡素化や占用・使用料の免除を求めていた。市内には、県企業局と民間の「江津ウインドパワー」が風力発電事業を計画しており、市は産業創出や観光振興につなげる期待が大きい。

 県は占用料、使用料の減免は、公用、公共の事業に限るとして、営利目的である風力発電施設には適用できない、と判断。ただ、施設の羽根の部分が上空を占用・使用することには、個別事情を考慮して判断する、と一部規制緩和の方向を残した。県地域振興室は「特区からは漏れたが、自治体の意気込みは十分伝わった」と話している。

風力発電+蓄電池 エネ庁、「風任せ」克服へ支援

2005/08/07 The Sankei Shimbun

 新エネルギーとして期待される風力発電の導入促進のため、蓄電池を併用する技術が注目されている。発電出力が急激に変動する風力発電の弱点、“風任せ”を蓄電池で補おうという狙いだ。すでに北海道で大規模な実証実験がスタート。資源エネルギー庁も来年度から導入支援を進める。(高橋俊一)

 風力発電の弱点は人為的に発電出力をコントロールできないこと。不安定な電力を送電網に供給すると、全体の周波数が不安定になり、製紙工場では紙の厚さが均一に保てない−などの事態も起こりうる。

 この弱点を補う技術として注目されているのが蓄電池。風が強く、一定以上の発電があったときは蓄電池に蓄え、逆に弱いときは蓄電池から電気を放出、急激な発電出力変動を抑えるのだ。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受け、Jパワー(電源開発)の苫前ウィンビラ発電所(北海道苫前町)では、世界初の大規模な蓄電池併用技術を導入、今年一月から実証実験を行っている。

 問題はコスト。風力発電機の設備費用は一キロワットあたり約二十万円だが、「蓄電池のコストは同二十万−六十万円にもなる」(NEDOの徳田憲昭・新エネルギー技術開発部主査)。最低でも設備費用は現在の二倍に膨らむ勘定だ。このため苫前の実証実験ではコストを引き下げるために電池容量を少なくする課題にも取り組んでいる。

 導入促進に向け、エネ庁は来年度から支援に乗り出す。具体的な検討は今後行うが、七月末の総合資源エネルギー調査会(経済産業相の諮問機関)の新エネルギー部会で荒木由季子・新エネルギー対策課長は「事業者からみて、導入促進につながらない補助率では意味がない」と明言した。

 今年三月末の風力発電の設備容量は約九十三万キロワット。政府目標は二〇一〇年度までに三百万キロワットだが、現状では百六十六万キロワットまでしか見込みが立っていない。三百万キロワット実現の切り札として、蓄電池への期待は高まる一方だ。

風力発電 海から山へ 岐阜5か所で相次ぎ構想

2005年06月11日 読売新聞 yomiuri on-line

 岐阜県高山市役所1階環境資源課で、来庁した市民や、スーツ姿の会社員たちが1冊のファイルを真剣な表情でめくっていた。カウンターに置かれたファイルには「濁河(にごりご)風力発電事業」と記載されている。

 名古屋市北区の建設会社「斐太工務店」が高山・下呂市境に連なる標高2000メートルの尾根沿いで、計画を進める風力発電施設の環境影響評価方法書だ。高さ100メートル前後の風車10基を建設し、年間2万キロ・ワットを発電しようというのである。

 「いよいよ事業に向けて、一歩を踏み出すことになる。軌道に乗せるのはこれからです」。5月末、同市のほか、下呂市など5か所で縦覧を終えた同社の開発責任者村瀬和彦部長は、閲覧者の名前が記されたノートに目をやった。

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 大気汚染への負荷が少ない新エネルギーとして期待される風力発電施設の建設計画が、岐阜県内で相次いで浮上している。

 国内最大級の風力発電会社「エコ・パワー」(本社・東京)は、高山市清見町の飛騨牧場(標高1300メートル)に、風車15基の建設を計画。日立エンジニアリングサービス(本社・茨城県日立市)は、恵那市上矢作町の大船山周辺(標高1100メートル)に16基の建設を目指して、近く、県審査会に申請書を提出する方針だ。

 風力発電は、資材搬入が容易で建設コストが低い海岸沿いの地域が適地とされてきたが、最近になって、山岳地が注目されてきた。現在、県内では少なくとも5か所で建設構想が持ち上がっている。

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 「風力発電の先進地である北海道、東北では設置数が増え、海岸沿いの候補地を探すのが難しくなっている」。エコ・パワー社の開発リーダーは、各社が風の強い山岳地帯に目を付ける理由をこう説明する。

 もう一つは、2年前に施行された「新エネルギー利用法」の影響だ。風力発電や太陽光発電を促す同法は、電力会社に新エネルギーの発電量を義務づけた。電力会社は、自社で調達できない場合、風力発電などの事業者から、電気を買わなければならない。

 北海道、東北電力は義務量をほぼクリアしており、風力発電の電力は、買い手市場になっている。「入札制度が導入され、単価は数年前の7割ほどに下落した」(斐太工務店)という。

 これに対し、中部電力の義務量は約3億9100万キロ・ワット。一般家庭の電力消費量に換算すると、約10万8600世帯分だが、このうち、昨年度に風力発電会社からまかなったのは、5分の1ほどだった。岐阜県で風力発電の建設計画が活発になっているのは、「売電するなら中部電力に」という期待感もある。

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 一方、受け入れ側となる関係自治体の思惑は様々だ。恵那市は「自然エネルギーだけでなく、風車を観光と結びつけて支援していきたい」と歓迎するが、下呂市などは慎重な姿勢だ。

 高山市の国島芳明(みちひろ)企画管理部長は「クリーンなエネルギーとの大義名分はよく分かる。しかし、100メートル前後の大きな建造物となるので、景観や環境の問題も考え、長所短所を十分に見極めたい」と話す。

 県内で風力発電の立地が進むのか。こうした問いかけに事業者側がどこまで応えていけるかにかかっている。(水口康彦)

風力発電 資源エネルギー庁によると、風力発電設備は、北海道48件、東北46件、近畿11件、中国11件、四国9件、九州42件、沖縄18件。中部は16件で、東海3県は三重2件、愛知3件、岐阜はゼロだ。年平均風速6メートルが採算ラインとされる。

風力発電計画が急増 中国地方、08年度100基突破

2005/05/16 中国新聞地域ニュース

 国内最大級の風力発電所が出雲市に建設されるのをはじめ、中国地方で二〇〇八年度までに、八十三基以上の風車を新たに稼働させる計画があることが分かった。既存の十八基を含めると百基を突破、出力では計十五万キロワット以上と現在の約十倍に上る。日本海からの風に恵まれた山陰を中心に、国内有数の風力発電地帯になりそうだ。

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)によると、昨年九月末現在で広島を除く四県で十八基が稼働し、出力計約一万三千キロワット。今後、島根県の四カ所で五十二〜六十二基、十万六千〜十二万六千キロワット、鳥取県も四カ所で三十一基、四万五千キロワットの計画がある。

 国内最大手の風力発電事業者ユーラスエナジージャパン(東京)と関西電力系の電気設備工事会社きんでん(大阪)は、島根半島西部で日本海に面した出雲市の十六島(うっぷるい)、釜浦地区に三十―四十基を〇六年度に着工、〇八年度に運転開始する計画。総事業費は百二十億〜百六十億円を見込み、中国電力へ売電する。

 出力は計六万〜八万キロワットに上り、〇六年末に稼働予定の国内最大の郡山布引高原風力発電所(福島県郡山市、三十三基、総出力六万六千キロワット)と同等か上回る規模になる。

 日本風力開発(東京)も鳥取県大山町国信で十一月に六基を稼働予定。さらに同県琴浦町東部でも十三基の計画に取り組む。昨年、地元の浜田市で一基を建てた中国ウィンドパワーは今月八日、江津市と益田市に現地法人を設立した。江津市は海岸沿いの浅利地区に十二基、益田市では高津川河口に一基を予定する。

 自治体も地球温暖化対策として力を入れている。鳥取県北条町は二月、北条砂丘に千五百キロワットの九基を着工し、十一月に稼働する。隠岐島で風力発電を手掛ける島根県企業局も今月十一日、江津市高野山周辺に一基当たりでは国内最大の二千三百キロワットを九基建設する計画を公表した。鳥取県企業局も鳥取市南部で三基を計画している。

 瀬戸内では、きんでんが山口県周防大島町で四月から風況調査を開始。南西部の山の尾根に、最大十二基を建設する可能性があるという。

 <開発に余地 大手が進出>

 解説 中国地方で風力発電の建設計画が急増しているのは、先進地の北海道、東北などで電力各社が相次ぎ買い取り枠を設けたため、事業者が開発の余地が残る地域へ軸足を移していることが大きい。

 風力発電は、北海道、東北、九州で全国の80%以上を占める。だが風次第で出力が変わる「不安定な電源」のため、北海道、東北電力などは買い取り枠を設定。既に満杯状態で、新設は厳しい状況という。

 中国地方はまだ国内の風力発電の1・9%しかない。中国電力は、電力会社に再生可能エネルギーの利用を義務付けたRPS法が二〇〇三年度に施行され、積極購入の方針。民間の大手事業者進出につながっている。

 さらに自治体も自ら実施可能な環境対策として位置づけている。島根県企業局は江津市で建設する理由として、年間一万トン以上の二酸化炭素(CO2)削減効果を挙げる。

 加えて自治体には新たな自主財源としての期待も掛かる。鳥取県北条町は中電への売電収入により、総事業費約二十八億円を十四年で返済。売電収入と返済との差額は剰余金として、地域振興に役立てる計画だ。環境対策に加えて自主財源確保を狙う自治体の動きも、風力発電の急増につながっている。 (宮田俊範)

 <風力発電> 風を受けて風車の羽根が回り、内蔵した発電機で電気を発生させる。化石燃料を燃やさず発電でき、地球温暖化防止の切り札の一つといわれる。国内では年間平均風速6メートル前後あれば、事業化可能という。NEDOによると、2004年9月末現在で国内の風力発電は計740基、出力68・4万キロワット。国は、10年までに300万キロワットの導入目標を掲げている。

風力発電計画 山口県周防大島で進む

2005/04/04 中国新聞地域ニュース

 <関電系が12基 瀬戸内最大3万キロワット>

 山口県周防大島町で、風車十二基、総出力三万キロワットと瀬戸内海沿岸で最大の風力発電施設建設計画が進んでいることが三日、分かった。関西電力系の電気設備工事会社、きんでん(本社・大阪市)の大島ウインドファーム計画で、実現すれば、一般家庭一万世帯分の電力を供給できるという。

 計画では、町南西部にある馬の瀬(五三八メートル)と頂海山(四五四メートル)を結ぶ約四キロの尾根伝いに、プロペラの先までの高さ八十五メートル、出力二千五百キロワット級の風車(三枚羽根)を並べる。建設費は一基三億円余り、総額三十六億円を上回る見込み。きんでんが工事をするが、経営は別企業の参画を求める。着工、運転開始の時期はいずれも未定。

 きんでんが馬の瀬の山頂に建設していた高さ五十メートルの風況調査用ポールは五日にも完成。上部に据える観測用風車で今後一年間、風速を測る。

 気象庁などのデータでは、計画地周辺の年間平均風速は約六メートル。きんでん中国支社(広島市西区)は「年平均で風速五・五メートル以上の風が吹けば事業ベースに乗る」と分析。「特に豊後水道方面からの南西風に期待している。結果を見て、計画を実施するかどうか総合的に判断する」としている。

 新エネルギー源の一つとして注目を集める風力発電については、岡山大環境理工学部の比江島慎二助教授(風工学)の研究で「瀬戸内海には膨大なエネルギーがある。特に周防灘一帯が適地」との結果が得られており、瀬戸内海沿岸には山口県平生町、愛媛県伊方町など五カ所の風力発電設備がある。

 周防大島町の中本冨夫町長は「環境に配慮した事業であり、異論はない。環境教育の場として観光客も呼べる」と期待している。

 ≪中国地方の風力発電≫ 昨年9月現在、広島を除く4県に18基の風車があり、総出力は約1万3000キロワット。電力事業者にクリーンエネルギーの導入を義務づける「新エネルギー利用特別措置法」が2003年に施行されたのに伴い、計画が相次いでいる。きんでんは鳥取県で建設実績があり、出雲市に総出力7万8000キロワット級の計画を進めている。

洋上風力発電、瀬戸内海で有望 /h3>2005/03/07 中国新聞地域ニュース

 <岡山大グループ解析 採算性に疑問の声も>

 地球温暖化対策として風力発電の研究に取り組む岡山大環境理工学部の比江島慎二助教授(風工学)のグループが、洋上発電を想定した瀬戸内海の解析結果をまとめた。山口県周防灘を中心に、現在の中国地方の発電量を上回るエネルギーを得られると算定。五月に呉市である土木学会中国支部研究会で発表する。

 同大は昨年一月「瀬戸内海洋上ウインドファーム構想」をスタート。島しょ部や浅瀬の多さ、安定した風況が洋上発電に適しているとみて風力エネルギーを解析した。

 地理情報システム(GIS)を活用。海域に平均風速や水深などのデータを重ね、二十八パターンの地図を作った。コンピューター区画単位の二十七ヘクタールごとに、出力千五百キロワットの風車一基を建てると想定。年間の発電量を算出した。

 その中で実現可能性の高い平均風速五メートル以上、水深三〇メートル以下の条件で国立公園特別保護区域や航路を除外した場合、周防灘西部や広島県沿岸などで年間二百五十万キロワット時以上の発電量を得られる風車を約三万五千基と算定。その合計は中国電力の販売電力のほぼ二倍の千五十三億キロワット時で、三千九十八万世帯分を賄えるという。

 比江島助教授は「瀬戸内海は微風で風力発電に不適とされてきたが、実際は膨大なエネルギーがあることが判明した。特に周防灘一帯は有望な適地だ」と指摘。今後は他分野の研究者や行政機関などと連携して現地を調査し、魚礁への配慮や採算性の分析を進める。

 これに対し日本海側の山口県日置町に風力発電所を持つ中国電力の子会社、中電プラント(広島市南区)の松本博之専務は、一基の建設に数億円かかる洋上発電の採算性を疑問視。「瀬戸内海洋上の優先順位は低いのが現実。綿密な実地研究を待ちたい」としている。

 中国地方では昨年九月現在、広島を除く四県に十八基の風車があり、出力は計約一万三千キロワット。瀬戸内海では沿岸初の風力発電所が昨年十一月、大星山(山口県平生町)に完成したが、洋上発電は行われていない。

≪風力発電≫ 採算性など課題はあるものの、石油などに代わる新エネルギー源として注目される。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の調査では2004年9月末現在、全国の風車数は740基、総出力は約68・4万キロワット。国は京都議定書に基づき、10年までの風力発電の導入目標値を300万キロワットと設定している。

道内の風力発電 導入量15万9435キロ・ワット(2003年度末)

2005年01月14日 読売新聞 yomiuri on-line

電気供給が不安定 トップの座 青森に

 留萌・苫前町の海岸線に並ぶ風力発電の風車は、観光名所の一つ。身を刺すような日本海の風は、売電だけでなく、町おこしにも生かされている。

観光名所の一つにもなっている苫前町の風力発電

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)北海道支部によると、道内の風力発電設備は昨年3月末で、187基(休止や実証実験は除く)。合計の最大出力は15万9435キロ・ワットで、全国(67万7695キロ・ワット)の23%を占める。約8万世帯をまかなう規模だ。

 同支部の石原義光主幹(48)は、「特に日本海側は風力資源に恵まれ、海岸線も平たんで建設が容易」と北海道の優位性を指摘する。

 道内の発電潜在能力は全国一で、2000年度は全国の56%を占めるほどの先進地だった。しかし、昨年度、青森県(16万1525キロ・ワット)にトップの座を譲った。風力発電の宿命である電力供給の不安定さと、四方を海に囲まれた地域性が伸び悩みの背景にある。

 北海道電力は、「風がなくなった際、火力発電を高稼働させて補うが、風力の割合が大きくなると間に合わない」と指摘する。技術検証の結果、北電は2002年、風力の受け入れ上限を25万キロ・ワットに決めた。道内の電力需要は冬場で約500万キロ・ワット。春秋は約250万キロ・ワットまで落ち込み、その1割が限度ということだ。

 青森県を営業エリアとする東北電力は、一部条件付きだが、北電の倍の52万キロ・ワットを上限とする。東京電力と太い送電線で結ばれており、風がないときは電気を融通してもらったり、東北電力の送電網を経由して、東京電力が電気を買い取ることも可能だ。

 しかし、北海道と本州間は、北本連系と呼ばれる60万キロ・ワットの送電線があるだけ。災害など非常用の性格が強いため、東北電力からの融通などに利用することは難しい。

 国は風力を2010年度に300万キロ・ワットまで増やす計画で、各事業者に風力を含めた新エネルギーの利用を義務化している。北電も今後、条件付きで、5万キロ・ワットの拡大を予定。だが、採算性が低く、風力発電事業者の参入は難しいとの声もある。

 解決策を探ろうと、NEDOは今月、苫前町で世界最大規模の蓄電システムを利用した実験を始める。蓄電システムによって電気を安定供給するとともに、送電網への影響をなくすことが狙い。本部新エネルギー技術開発部の徳田憲昭主査(46)は、「受け入れやすい発電技術の開発と共に、整備の行き届いていない過疎地から都市部への送電網充実にも取り組む必要がある」と話している。(宮崎 健雄)


クリーンな風…西日本最大の風力発電10基始動

2003年03月24日 The Sankei Shimbun

 北九州市若松区響灘地区で24日、響灘風力発電所建設工事が完了、250メートル間隔に並んだ10基の大きな風車が動き始めた。出力は各1500キロワットで西日本では最大規模。港湾地区での大型風力発電所は全国初という。

 年間予想発電量は3500万キロワット時で、約1万世帯の消費分にあたる。タワー部分は高さ約65メートル、羽根の直径は約70メートル。

 総事業費30億円。資本金1億円のうち新日本製鉄が約50%、日本風力開発(東京)の事業会社「エヌエスウインドパワーひびき」(北九州市)が約20%、残りを他2社が出資した。今月12日から九州電力に電力を販売し、年間売り上げは3億5千万円を予想。

 エヌ社は「環境にやさしいクリーンエネルギーの象徴。市が取り組んでいるエコタウン事業の一環として貢献できるのでは」と話している。

日本初、洋上風力発電まもなく着工…北海道

2003/04/12 読売新聞 Yomiuri On-Line

 陸上に比べて高い発電量が期待される日本初の洋上風力発電施設が、北海道瀬棚町の漁港内に建設される。同町が事業主体となり5月中旬着工、来年2月に完成する。

 国内には風力発電施設が約450基あり、総設備容量は30万キロ・ワット余。いずれも陸地に建設されているが、障害物が少なく強い風が安定して吹く洋上は、今後の建設地として有望視されている。

 瀬棚町の風力発電設備は岸壁から約800メートル離れた防波堤沿いに設置される。風車2基で出力は計1200キロ・ワット。

 来年4月から北海道電力に売電し、年5000万円の収入を見込んでいる。

 風車の基礎部は、杭を使った着底式になっており、ヒラメなどの畜養を行う魚礁にして一石二鳥を狙う。

 港湾内では現在、東京港や室蘭港など6か所の陸上で風力発電が行われているが、洋上は初。日本は海岸線が長いため、2000キロ・ワットの風力発電機を建設適地の沖合1キロに作った場合、日本全体の消費電力の1割以上を洋上風車でまかなえると試算されている。

 風力発電に詳しい足利工大の牛山泉教授は「洋上設備は陸上よりも設置コストはかかるが、設備稼働率が高いはず。海洋国として世界をリードするような施設を造るべきだ」と話している。

NPO試算:北海道、自然エネルギー普及で原発不要

2003年03月15日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE

 NPO法人「環境エネルギー政策研究所」(飯田哲也代表)は14日、北海道をモデル地域に取り上げ、風力発電など自然エネルギーを普及させることで、計画中の北海道電力泊原発3号機(08年稼働)の建設を中止し、さらに現在稼動中の原発2基をストップさせても、2020年にはエネルギーを賄えるという試算をまとめた。道内の雇用やGDP(国内総生産)の拡大など、経済成長にも貢献できる内容で、15日に札幌市内で開くシンポジウムで発表する。

 試算は、日本総研主任研究員で、経済産業省の総合資源エネルギー調査会の委員を務める飯田代表が、デンマークやドイツなど「脱原発・自然エネルギー先進国」を参考にまとめた。自然エネルギーの活用で脱原発を図るほうが、「環境と経済成長を両立した豊かな暮らしができる」という内容にまで踏み込んだ提言は珍しい。

 道内の発電電力量は00年に328億キロワット時で、原子力発電87億キロワット時に対し、風力発電は1・4億キロワット時にすぎない。同研究所は、10年に風力と太陽光、小規模水力などを合わせた自然エネルギーを、環境税の活用などで28億キロワット時まで拡大すれば、原発や火力発電所を増やさなくても電力需要に対応できるとしている。20年には自然エネルギーを140億キロワット時に拡大すれば、原発を停止できるほか、火力の比率を下げられ、二酸化炭素(CO2)の抑制にもつながる。

 費用面では、泊3号機を増設した場合の総費用は4376億円であるのに対し、自然エネルギーは1兆6355億円と4倍近い。しかし、自然エネ機器生産など道内への投資が増えるため、10年に道内の雇用が新たに1万人、道内GDPは全体のO・4%に当たる760億円増えるほか、CO2は20年に90年比で20%減るという。 【川口雅浩】

風力発電の今年度購入計画、東電の落札は7倍増

2002年06月20日Yomiuri On-Line

 電力各社による大規模風力発電で発電した電力の2002年度の購入計画(落札結果)が20日までに出そろった。昨年度までの購入分に加え、新たに4社が計18万9200キロ・ワットの電力を買い、2004年度末の購入規模は昨年度末の31万2000キロ・ワットの倍以上に増える見通しだ。

 風力発電はコストが高く、電力各社は昨年度から2000キロ・ワット以上の風力発電の電力については、募集枠と上限価格を決めて入札を行っている。

 今年度は東京電力が昨年度の7倍以上を落札したほか、中国電力も初めて入札で購入した。風が強い地域の多い東北電力は、2年続けて落札規模が10万キロ・ワットを上回った。

 関西、北陸、四国電力も入札計画を立てたが、これらの地域は風が弱く風力発電に適さないことから、応募する事業者がなかった。

丸紅、中電の風力発電を落札 山口県油谷町に建設

2002/04/20 中国新聞

 中国電力は十九日、出力二千キロワット以上の大規模風力発電設備を対象にした初の電力購入入札を実施し、単独で応じた丸紅(東京)が落札した。丸紅は、山口県油谷町に中国地方で最大となる四千五百キロワットの風力発電所を二〇〇四年二月に稼働する。

 発電所は、油谷湾北側の海抜二百五十メートルの丘に建設。高さ六十二メートルのポールに長さ三十六メートルの羽根を三枚付けた千五百キロワットの発電設備三基を設ける。投資額は約十億円。十一月に着工し、完成は〇四年一月の予定。

地域資源をエネルギーに

2002年04月18日 函館新聞

 地域の固有資源「風」をエネルギーに転化する江差風力発電所の竣(しゅん)工式が18日、同町泊町の同発電所制御管理棟前で行われ、町の未来を掛けたプロジェクトの完成を祝った。

市民風力発電所「はまかぜ」ちゃん

by北海道グリーンファンド
2001年03月 工事着工 /08月20日風車据付開始/09月15日 市民風車 運転開始

北九州に風力発電施設

2002年04月11日 The Sankei Shimbun

 ベンチャー企業の日本風力開発(東京)を代表とする企業グループは11日、北九州市と風力発電の施設用地として同市若松区響灘の緑化予定地を賃貸する基本協定を結んだ。総事業費約30億円で来年3月に運転開始予定。総出力1万5000キロワットと、西日本の風力発電施設では最大規模となる。

新たに風力発電施設二十基が建設 青山高原 日本最大級の規模に

2001.03.15 Internet Times

 三重県自然環境保全審議会(会長・上島法博松阪大教授)が三月十三日、津市内で開催され、知事から意見を求められていた、国定公園特別地域における風力発電施設の設置について、事業者が自然環境調査を継続的に行うことを条件に認める答申案を了承した。この結果、青山高原に新たに二十基の風力発電施設が建設されることになり、現在稼動している四基と合わせて、二十四基が整備されることになった。

「市民風力発電所」に取り組む 杉山さかえさん 56歳。

2001.02.25 asahi.com

 「コーヒー1杯分の寄付で地球にやさしい未来を手に」が、市民風力発電所づくりの合言葉だ。

 脱原発と自然エネルギーの普及を目標に一昨年7月、非営利組織(NPO)「北海道グリーンファンド」を設立した。

北海道グリーンファンドのご紹介 by北海道環境財団

東京湾で風力発電 都が将来構想を発表

2001.02.16 asahi.com

 東京湾岸で風力発電のプロペラが回る――東京都は16日、そんなアイデアを含んだ東京湾沿岸の将来構想「東京ベイエリア21」を発表した。今後のまちづくりには民間資本の活用が重要だとして、都有地の利用を優遇し、風力発電事業へ民間参入を促す。

市民出資の風力発電会社設立 札幌

2001.02.10 asahi.com

 市民による自然エネルギーの普及を目指す、国内初の「市民出資」の風力発電会社「北海道市民風力発電」(鈴木亨社長)が10日、札幌市で設立された。非営利組織(NPO)「北海道グリーンファンド」が、電気料金に5%分を上乗せする「グリーン料金制度」で基金を募るなどして、会社設立の準備を進めてきた。北海道北部の浜頓別町で来月、風力発電機の建設に着工し、8月から売電事業を始める予定だ。

風力発電会社が団結

2000.12.31 asahi.com

 トーメンの子会社トーメンパワージャパンなど国内で風力発電所を運営・計画している5社が集まり、風力発電を広めるための団体、日本風力発電事業者懇話会(会長・中村成人トーメン電力第一部長)を設立した。風力発電は「環境にやさしい」とされるが、国内の風力発電の規模は現在約11万キロワットで、発電量全体に占める割合はわずか0.1%程度。数%から10%を占める欧米に後れをとっている。懇話会は、風力で発電した電力の買い取り量を増やすよう各電力会社に働きかけたり、関係する役所に発電所建設にかかわる規制緩和を求めたりする。

 ほかの会員企業は、エコパワー、電源開発、日本風力開発、丸紅。

大都会で風力発電実現を/ 東京電力など「幕張風力発電プロジェクト研究会」

2000.12.12 The Sankei Shimbun

 東京電力など代表的な風力発電関連の二十四社が参加して、幕張新都心(千葉、習志野両市)をモデル地区に都市臨海部での施設立地の可能性を探る「幕張風力発電プロジェクト研究会」が十二日、発足した。

 二十四社は、電力や大手機械、鉄鋼、商社、欧州の風力発電機メーカーの日本法人など。呼び掛け人の長井浩・日大生産工学部助教授(自然エネルギー工学)によると、都市臨海部で大規模施設立地の検討は未開拓分野のため、競合関係を超えての参加となった。

 学識経験者や行政機関の協力を得て今後二年間で用地確保や港湾区域での立地、渡り鳥への影響、電波障害といった環境対策などの課題を研究する。

 大都市圏は北海道、東北、九州と比べ、用地確保や自然条件面で風力発電の適地が少ないとされる。しかし、東京湾に面した幕張新都心周辺は発電に不可欠な強い風が観測され、風況が似ている東京・葛西や千葉・浦安など東京湾北縁部での立地判断に寄与できるとみられる。

 長井助教授は「欧州では取り組みが活発だが、将来的にはエネルギー貯蔵問題もクリアされるとみられ、日本でも都市域での大規模発電の可能性を探りたい」と話している。

東北グリーン電力基金1カ月、加入は226件

2000年11月09日 [河北新報]

 市民から募った寄付を風力発電をはじめ自然エネルギー開発に生かそうと、東北電力(本店仙台市)と東北産業活性化センター(仙台市)が10月1日に創設した「東北グリーン電力基金」への加入申し込みが1カ月間で226件に上った。ほぼ同時期の集計で10電力管内の地域別では東北は3番目に多かった。

 グリーン電力基金は、市民から1カ月1口500円の寄付を受け付け、火力発電などに比べコストが高い風力発電などの事業者に助成する制度。全国10電力の地域単位で一斉にスタートした。東北では、東北電力が営業所などで受け付け業務を代行し、活性化センターが基金を管理している。集計によると、1日現在の申し込み、登録済み件数は226件で、口数は270口となっている。

 ほかの電力各社の10月31日−11月2日現在のまとめでは、東京が893件(1191口)と最も多く、次いで中国が274件(330口)に上っている。以下、中部が100件(口数未集計)、北陸が80件(90口)、九州が67件(82口)などと続いている。

 東北電力は、10月の検針時に各戸に配布した広報誌やインターネットのホームページ(HP)で制度をPRしているほか、各営業所の窓口にチラシを置くなどした。同社は「導入したばかりで、多い、少ないは語れない。さらに制度の周知を図っていきたい」としている。

 来年1月には、銀行口座からの自動引き落としによる寄付も受け付ける予定で、より加入しやすい環境が整うという。

北電が風力発電電力の購入を1年半凍結、普及に冷や水

2000年11月10日[北海道新聞]

 北電は九日までに、年内にも風力発電による電力の新規購入を凍結する方針を固めた。道内の風力発電事業の急速な拡大を受けて、同社の設定した風力発電購入枠の十五万キロWに達する見通しとなったため。同社は二○○一年十一月以降に風力発電の安定性や運転状況などを検証した上で、○二年春に購入枠の拡大を判断する見込みだが、少なくとも一年半程度は新規購入を取りやめることになり、今後も増加が見込まれる風力発電の普及を抑制しそうだ。

 同社が既に購入したり、購入が決まっている風力発電の総出力は今年十月末時点で、約十三万五千キロW。道経済部資源エネルギー課などによると、このほかに道内で風力発電の建設を表明している事業者は渡島管内恵山町の二千九百キロWなど総出力が一万五千万キロWを上回ることから、近く北電の風力発電の購入枠の上限である十五万キロWに達するのは確実だ。

 北電など電力会社は一九九二年四月、風力発電による電力の購入を開始した。その後、道内では風力発電に適した地域が多いことなどから、風力発電の建設計画が急増。一時は泊原発1、2号機の五十七万九千キロWに匹敵する総出力計五十五万キロWにも上った。

 これを受けて北電は九九年六月、1)風力発電の電力購入単価は一キロW当たり十一円六十銭―九十五銭で、火力、水力発電の発電単価の二倍以上のため負担が大きい、2)発電量が風に左右され変動幅が大きく、風力発電の出力状況に検証が必要―などを理由に、二○○二年三月末までに稼働する風力発電の購入枠を十五万キロWに制限。九九年十月には、全体のうち約五万七千キロWの購入について入札制度を導入し、一キロW当たりの単価が八円台になるなど、コスト低減を図っている。

 風力発電の適地は道内や東北地方に多く、風力発電電力の購入枠を設けている電力会社は北電と東北電力だけ。東北電力は今年九月、二○○三年度末で総出力三十万キロW程度の風力発電の購入枠を設定している。

 北電はこれまで風力発電が購入枠に達した後、その後枠を拡大するかを判断するため、検証期間を設ける方針を明らかにしていた。今回その判断時期を○二年春ごろに設定。ただ、十五万キロW全量を購入する負担増が年間二十五億円程度に上ることから、北電は「購入枠拡大について現時点では何とも言えない」としている。

風力発電の推進図る新会社、東京電力が設立へ

2000.10.11 asahi.com

 東京電力は環境重視の姿勢を示したい企業から拠出金を集めて風力発電の推進を図る新会社「日本自然エネルギー」を11月に設立する。風力発電の発電コストと、平均的な発電コストとの差額を希望企業が拠出する仕組み。新会社は、拠出金に応じた「証書」を希望企業に発行する。12日に正式発表する。

 東北、関西、中部各電力や三井物産、住友商事、さくら銀行なども新会社に出資する。

 電力会社は10月から、一般家庭を対象に自然エネルギー発電の普及に向けた寄付金(月額1口500円)を募るグリーン電力制度を導入しており、今回はその法人向け制度。ソニーなど大手企業の拠出金に期待する。拠出企業は温暖化ガス削減への貢献度を内外に示せるほか、将来の排出権取引への利用も考えられるという。

 具体的には、風力事業者の発電コストは現在、1キロワット時あたり10円程度とされるが、希望企業は通常の火力発電並みのコスト(6円程度)との差額にあたる4円程度を、新会社を通じて風力発電の事業者に拠出する。

トーメンが青森で国内最大級の風力発電、6日に着工

2000.10.05 asahi.com

 トーメンは5日、青森県東通村で計画している風力発電施設を6日に着工すると発表した。操業開始は来年11月で、出力は3万2500キロワット。稼働中の風力発電施設では、出力2万キロワットの北海道苫前町の施設を上回り国内最大規模になる。

 約500ヘクタールの敷地にタービンを回す風車25基を据え付ける。電力は17年間にわたって東北電力がすべて買い取る計画。トーメンは「年間を通じて東と西からの風が強いことから、予定地を選んだ」と説明している。

 トーメンは、日本をはじめ米国、スペインなど7カ国、計20カ所で風力発電施設を運営している。同社では今後5年ほどかけて10カ所程度まで増やす方針だ。

生活クラブ生協北海道、「北海道グリーンファンド」設立

1999/06 エコロジートピックス
 

 脱原発を目指し、電気料金に風力発電所建設のための基金を5%上乗せして集金する運動を進めている「生活クラブ生協北海道」は、7月上旬に民間非営利団体(NPO)「北海道グリーンファンド」(仮称)を設立し、運動を一般市民にも広げるそうだ。

 同ファンドは、会員となった個人や法人からの北海道電力への電気料金支払いを代行し、会員からは基金として料金の5%を上乗せして徴収するもの。電気料金は北電に一括して納める一方、基金を積み立て、風力の“市民共同発電所”の建設に充てる。

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