TOPIC No. 2-88 森 元首相

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1. 神の国発言、2. 2000年06-12月、3. 2000年12月-2001年01月、4. 2001年02月-03月
01.激動・森政権 by Yomiuri On-Line
02.きょうの森首相 政権の行方 by asahi.com

No.2-88-4 2001年02月-03月


「経済対策断行前の退陣論外」 講演で亀井政調会長

2001.03.03(20:05)asahi.com
 自民党の亀井静香政調会長は3日、福井市内で講演し、株価と地価対策を中心とした緊急経済対策について「あぜんとするような政策を来週中に決めて断行する」としたうえで、「我々がやらなければならないのは政争ではなく政策だ。森(喜朗首相)さんは『何でもやる』と言っている。それをやらないで引きずり降ろそうというのはとんでもない間違いだ」との考えを示した。

森首相、進退を来週にも最終判断

2001.03.03(03:21)asahi.com
 森喜朗首相は来週中にも政局の焦点となっている自身の進退問題について最終判断する。新年度予算案をめぐる参院予算委員会での基本的質疑終了後をめどとする方向だ。内閣支持率の異例の低迷や自民党内外からの強い退陣要求に加え、首相側近グループや総裁派閥の森派なども、13日の党大会時には首相自身が何らかの形で進退に言及しなければ局面打開はできないとの分析で一致し、首相の決断を待つだけの情勢に追い込まれたためだ。ただ後継選出に向けた党内調整はまだ見通せず、政局の混迷はなお続きそうだ。

 これまで首相周辺や森派では、予算成立以降も首相が政権を維持するのは厳しいとの見方は出ていたが、実際の退陣の判断や表明の時期については明言を避けてきていた。

 しかし、首相退陣や総裁選の前倒し実施を求める声が最大派閥の橋本派や連立を組む公明党にとどまらず、党の地方組織にも広く波及。KSD事件など一連の不祥事に加えて、株安の進行や物価の下落、最悪の完全失業率など景気回復の失速感も強まってきたことから、切迫感が強まった。

 首相周辺は、予算案が2日に衆院を通過し、年度内成立が確定したことや、野党が5日に提出する内閣不信任案も否決される見通しであることを受け、週明けには首相自身が進退を最終決断する環境はおおむね整うと判断。

 参院予算委で首相が出席する基本的質疑は、6、7の両日に設定されており、これが終われば公聴会の設定が可能になるなど、予算案審議の山場をこえることから、「基本的質疑の後、13日の自民党大会までに首相が自分で判断する」(側近)、「党大会の前に段取りをつける話だ」(政府高官)といったシナリオを描いている。

 森派会長の小泉純一郎氏は2日夜、今後の同派の対応について「そのときになって考える。毎日毎日が節目だ。厳しい風には変わりがない」と述べ、首相支持に言及しなかった。

 これまで首相を擁護してきた江藤・亀井派からも「(与党内で検討中の)経済対策を打ち出して、それでもだめならしょうがない」(幹部)との声が強まっている。与党執行部の1人も「首相は、参院の基本的質疑が終わるまで言わない。その後、党大会までに判断するんじゃないか」と指摘。自民党幹部も「何と言っても党大会が大きな節目になる。参院の質疑後、党大会までにヤマが来る」とみている。

 与党3党の執行部は不信任案を否決した後に首相が辞任しても問題はない、とみている。自民党の青木幹雄参院幹事長は2日、「与党内で(首相に対する)厳しい意見があるということと、不信任案に賛成、反対するということとは別個の問題」と述べた。公明党も同日の常任役員会で、不信任案否決と首相進退を切り離して考えることを確認した。

 首相は、こうした情勢を踏まえて辞任の時期や表明の仕方についての最終判断をする意向だ。ただ、25日に予定される日ロ首脳会談には強い意欲を見せており、実際の退陣はその後としたい考えだ。

自民党大会前の首相退陣表明促す 神崎公明党代表

2001.02.28(22:09)asahi.com
 公明党の神崎武法代表は28日の記者会見で、森喜朗首相の進退問題に関連し、3月13日の自民党大会に触れて「私も出席予定になっているので、すっきりした気持ちで出席できればありがたいと思っている」と述べた。首相の意向を早くはっきりさせてほしいとの立場から、党大会前の退陣表明を促した発言だ。

 首相の退陣表明の時期については、自民党内でも党大会前後になるとの見方が強い。橋本派幹部も同日「(党大会で)森氏も自分の口で自分の先の見通しを何かしら示さないといけなくなりそうだ」と語った。自民党執行部は、2日にも見込まれる新年度予算案の衆院通過を受け、退陣に向けた段取りをめぐる党内調整を本格化させる方針だ。

議員の過半数の要求あれば総裁選も検討 自民が見直し案

2001.02.28(20:34)asahi.com
 自民党は28日、政治制度改革本部(太田誠一本部長)の幹事会で、職務ができなくなった場合のみ臨時党大会を開いて総裁を決めることになっている今の規定を改め、任期途中であっても党所属の国会議員の過半数の要求があれば、臨時の総裁選挙をすることができるとした見直し案を提案した。

 太田氏はさらに(1)党総裁の任期を参院選直前から次の参院選直前までの3年間とする(2)総裁選での党員投票を今の郵送方式から、党員集会による直接投票に改める案も示した。

自民党橋本派幹部ら、首相「4月退陣」の流れ追認

2001.02.27(21:27)asahi.com
 森喜朗首相の進退問題に関連し、野中広務前幹事長ら自民党橋本派幹部は27日、新年度予算の成立を優先させる考えを相次いで表明した。与党3党の執行部では、退陣表明について3月13日の自民党大会時を軸に検討し、実際の退陣は予算成立後の4月とする判断が大勢となっており、その流れに沿った発言だ。


首相後継選び「予算成立後に」 平沼経済産業相

2001.02.27(12:19)asahi.com
 平沼赳夫経済産業相は27日の閣議後の記者会見で、森喜朗首相の退陣論に関連して「閣内にいる立場として、国の経済安定のためには予算成立に全力を挙げたい。関連法案も成立させなければならず、総裁選を前倒しして、それに影響が出てはいけない」と述べ、首相交代に向けた動きは新年度予算の成立後に先送りすべきだとの考えを示した。後継選びの方法については「党員も参加した形での選挙が望ましい」と指摘した。

 平沼氏自身が後継候補として名前が出ていることについては「まだまだ修業が足りない」と語った。

森首相「4月退陣」へ 3月表明、総裁選実施の2段階

2001.02.27(09:18)asahi.com
 森喜朗首相の進退について自民、公明、保守の連立与党3党執行部で26日、(1)実際の退陣は新年度予算成立後とし後継選出の自民党総裁選を4月中に実施する(2)退陣表明は3月13日の自民党大会時を軸に検討する――という2段階で臨む方向が大勢となった。後継調整や予算案の参院審議、各種事件の捜査の進展などを見極める必要から退陣に伴う段取りを先送りする一方で、退陣表明は分離して先行するという判断だ。早期退陣に抵抗してきた首相周辺や森、江藤・亀井両派にも予算成立のめどがついた時点で首相の進退を判断せざるをえないという見方が広がった。

 最大派閥の橋本派や公明党は当初、首相の早期退陣を求める立場から、3月2日に見込まれる予算案の衆院通過前後にも首相が退陣するか、あるいは退陣を表明する状況に持ち込む考えだった。

 しかし、ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団(KSD)事件が村上正邦元労相に波及するなど拡大する見通しとなり、機密費横領事件の先行きも不透明▽野党の内閣不信任案提出の時期や、加藤、山崎両派など反主流派の動向も読みにくい▽早期退陣は予算案の参院審議に影響する――などの理由から、橋本、堀内両派など自民党主流派の大半や公明党も「予算案の衆院通過時に政治的な混乱を招くべきではない」との判断に傾いた。

 加えて、小泉純一郎氏や野中広務氏ら自民党内で浮上した後継候補の調整も難航する見通しが強まっている。参院選を控え森政権誕生時のような「密室批判」を避ける観点から、若手議員を中心に総裁選の実施を求める声も高まった。こうした情勢を踏まえ、古賀誠幹事長ら執行部や橋本派は、総裁選を4月にすることで党内の混乱を避けたい考えだ。その場合、総裁選は党員・党友が参加する形でなく、両院の国会議員と都道府県連代表が投票する方式が有力視されている。

 与党幹部は26日、「予算と関連法案の成立に全力で取り組む」(神崎武法公明党代表)、「(予算成立後に)適切かつ国民の思いをもって正しい判断があると思う」(鈴木宗男自民党総務局長)などと語り、退陣は予算成立後との考えを一様に示唆した。

 一方で東京都連など自民党の地方組織から首相退陣や総裁選の前倒し実施を求める声が次々と上がっており、「このままでは党大会が収まらない」(閣僚経験者)という事情も考慮。動揺を抑えるためにも退陣表明を実際の退陣より早めに行うこととし、党大会などの場で表明する案の検討に乗り出した。

 これに対し首相自身は政権維持になお意欲を捨てていない。後継調整に手間取るようだと、首相と与党側との綱引きがもつれる可能性もある。

森首相、危機管理センターの電話番号ご存知なかった

2001.02.26(23:02)asahi.com
 26日の衆院予算委員会で、森喜朗首相がえひめ丸の沈没事故が起きた後も、首相官邸の危機管理センターの直通番号を知らなかったことが分かった。首相本人が答弁で明らかにしたもので、首相も含めた官邸の危機管理体制が、いまもお寒い限りであることをあらわにした。

 首相の答弁によると、最近の休日、官邸内の危機管理センターに電話しようとしたところ、直通番号がわからなかった。官邸の代表番号からはつながらず、官邸の当直職員に直通番号を聞いてかけてみると、「1度目はだれも出ずに『ノーアンサー』。2度目にやっとつながった」という。

 首相は「意外なことがうっかりしている。反省して、いかなる場合にも連絡できる体制をとらなければならない」と締めくくったが、議員席からはため息が漏れた。

 また首相は、えひめ丸沈没事故の際に「かけゴルフ」をしていた問題について「チョコレートというのは、ゲームをやるときの努力目標」と答弁した。

 首相は「(ゴルフの)スタート時にはそういう事態(事故)が起きていないから、努力目標として勝つとか負けるとかの話し合いがあっておかしくない」「自分がどれだけ挑戦できるか試そうとするのは当然」と説明。結果的には成り立たなかったことを強調しつつ、スタート時点では「チョコレート程度」のものをかけていたことを事実上認めた。

「だれも立たなければ私が立つ」 自民・山崎氏が意欲

2001.02.26(22:16)asahi.com
 自民党山崎派の山崎拓会長は26日、大阪市内で講演し、森喜朗首相が退陣した場合の後継の自民党総裁の選び方について「(森首相は)密室選出のとがめを受けている。必ずオープンにすべきだ」と述べ、開かれた選挙で選ぶべきだという考えを強調した。さらに「だれも立たなければ私が立つ。何人か出るなら自重する」と語り、密室での選出を阻むためには自らが立候補することもあり得る、との考えを示した。

全国初、森首相の退陣決議採択へ 神奈川県厚木市議会

2001.02.26(21:14)asahi.com
 神奈川県の厚木市議会(議席数28)が26日、森喜朗首相の退陣を求める決議を3月2日の市議会本会議に提案し、全会一致で即日採択することを決めた。全国市議会議長会によると、えひめ丸の沈没事故以降、首相の退陣決議が上がるのは市議会では初めて。無党派の市議らが呼び掛けて、国政与党の自民系、公明の会派も賛同した。

 決議案は「内閣発足以来、総理としての資質について国民は不信と強い疑問を持っている」「えひめ丸沈没という非常事態後もゴルフを続けた対応はその象徴。日本の国際的信頼を失わせ、地方政治にとっても影響は避けられない」などとしている。

森首相の退陣求める決議文送る 自民党鹿児島県議団

2001.02.26(19:03)asahi.com
 鹿児島県議会の自民党県議団(川原秀男会長、41人)は26日、党総裁の森喜朗首相の退陣と党改革を党本部側に申し入れることを決め、決議文を森首相と党三役に郵送した。決議文は党の現状について、「結党以来の危機的な状況にあり、解党する覚悟で改革再生にまい進しなければならない」とした。森首相の早期の進退決定やケーエスデー中小企業経営者福祉事業団(KSD)を巡る事件、外務省の機密費流用問題の徹底究明なども求めている。

 7月の参院選では、鹿児島選挙区は改選数が1削減され、1議席を巡る争いになる。自民党公認の立候補予定者や民主、社民などの統1候補ら4人が出馬する予定で激戦が予想されている。川原会長は「党に対する支持者の反応は悪く、参院選で厳しい戦いが予想される。党本部は一刻も早く、森首相の進退を決めて欲しい」と話した。

森首相、反省・おわび 村上議員辞職などで

2001.02.26(11:50)asahi.com
 森喜朗首相は26日午前の衆院予算委員会で、KSD事件にからむ村上正邦参院議員の議員辞職について「国会議員としてけじめをつけた。辞職は深刻なことであり、村上氏の決断を厳粛に重く受け止めている」としたうえで、一連の事件について「多くの国民に反省し、おわびしたい」と謝罪した。捜査当局による真相究明に自民党として全面協力することも強調した。

 森首相はさらに、KSDによる党費肩代わり問題に関して「入党手続きは適正だが、党員集めが適正かどうか、党内でチェックするシステムをつくる作業をしている」と語った。八代英太氏(自民)の質問に答えた。

「なんべんかけてもつながらない」 森首相テレビに立腹

2001.02.25(22:43)asahi.com
 「番組に電話してもつながらないので森も怒っています」。森喜朗首相夫人の智恵子氏が25日、記者団にこんな不満を漏らした。

 きっかけはこの日のテレビ朝日の報道番組「サンデープロジェクト」。司会の田原総一朗氏が、森首相の政策が不透明だとして、番組に電話して直接国民に訴えるよう発言した。智恵子氏はこの番組終了後に首相担当記者の1人に、電話で「(森首相も)ずっとテレビを見ていた。田原さんが電話しろと言うから、電話をずっとかけているんですがつながらない。なんべんかけてもつながらないので森も怒っています」と首相の気持ちを代弁した。

 首相の「電話出演」には小渕恵三氏の例がある。退陣論が日増しに強まる中、森首相からすると番組を通じて逆にPRできるばん回の好機と踏んだようだが、結局、実現せずに不満が増幅したようだ。

週明け政局緊迫、額賀氏政倫審、村上氏喚問/首相退陣を視野

2001.02.25 The Sankei Shimbun
 国会は週明けの二十六日、「ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団」(KSD)問題に関して、衆院政治倫理審査会(政倫審)での額賀福志郎前経済財政・IT担当相に対する審査と、参院本会議での村上正邦・前自民党参院議員会長(元労相)の辞職許可が議決される。二十八日には村上氏の証人喚問も予定されており、三月二日に予想される平成十三年度予算案の衆院通過をにらんで、森喜朗首相退陣を視野に入れた与野党の攻防が展開されそうだ。

 村上氏が強制捜査を受ければ、森首相に対する退陣要求はさらに強まるのは避けられない情勢だ。

 一方、「KSD問題や外務省機密費横領疑惑などの疑惑解明が不十分だ」と反発している野党側も、疑惑解明に向けた攻勢を強める構え。額賀氏については政倫審だけでなく、予算委での証人喚問を強く求めていく方針。「最も効果的な時期」に共同提出する予定の内閣不信任決議案についても、最終的な提出時期の判断に入ることになる。

 衆院予算委員会は二十七、二十八両日の公聴会まで日程が決まっているが、野党が額賀氏の喚問要求などに絡んで態度を硬化させた場合には、与党が狙っている三月二日の予算案の衆院通過前に与野党が激しく対決する局面になりそうだ。

森首相擁護の亀井氏 世代交代に危機感

2001.02.25 The Sankei Shimbun
ポスト森に平沼氏の名 揺らぐ派内実権

 森喜朗首相の早期退陣論が与野党で渦巻く中、自民党の亀井静香政調会長は依然として森首相擁護の立場を崩していない。背景には、森首相の退陣をきっかけに世代交代が進んでしまうと、自民党内で存在感を失ってしまう−という亀井氏自身の政治的な事情も見え隠れしており、亀井氏も森首相とともに政治家としての正念場を迎えているようだ。(今堀守通)

 「六月以降の経済を考えると、平成十三年度予算だけではだめだ」−。亀井氏は二月中旬、唐突に、新たな緊急経済対策を取りまとめる方針を打ち出し、二十一日から自民党各派会長を回って協力要請。「森さんは政策上の失敗はしていない。大改革は森さんでないとできない」と繰り返した。森政権の致命傷になる景気低迷への対応策を打ち出すことで政権浮揚につなげようとの思惑がある。

 亀井氏は「政局の流れを賢明につかむ能力を持つ」(与党幹部)といわれ、政治状況に応じてこれまでの方針を百八十度転換し、あちこちに手を伸ばすことから「千手観音」とも揶揄(やゆ)されてきた。その亀井氏が懸念しているのは、森政権が早期に倒れた場合、橋本派と古賀誠幹事長を擁する堀内派が手を組み、自らが会長代行を務める江藤・亀井派が「隅に追いやられる」(江藤・亀井派議員)こと。さらに気がかりなのは、「ポスト森」の有力候補とされる野中広務前幹事長が「世代交代」の必要性を強調しており、亀井氏や小泉純一郎森派会長、山崎拓元政調会長、加藤紘一元幹事長の「YKK」世代を“とばす”考えだとされることだ。

 とくに江藤・亀井派の平沼赳夫経済産業相が政権を射止めた場合には、亀井氏は党内だけでなく派閥内でも実権を失いかねない。実際、昨年十二月、野中氏が幹事長を辞任した際には、野中氏が政調会長に平沼氏を推したとの情報が流れた。

 亀井氏の最大の悩みは、おひざ元の江藤・亀井派からも、森政権への不満が出ていること。武藤嘉文元外相は亀井氏に予算成立後の自発的辞任を森首相に促すよう要求。若手も「ほかの(派閥の)若手と同じ思いだ」としており、亀井氏が最後まで「森擁護」を貫いた場合には、亀井氏への不満が噴出する可能性もある。

亀井氏、懇談会で市民に直言されて森首相に電話

2001.02.24(20:13)asahi.com
 自民党の亀井静香政調会長が有権者から意見を聴く「カメに直言」懇談会の初会合が24日、党本部であった。政策問題を話してもらうつもりだったが、森喜朗首相への批判が出て、首相擁護派の亀井氏はその場で首相本人に電話してみせるなど、党のイメージ回復に懸命だった。

 会の正式名称は「政調会長に異議あり! 政策懇談会」。有権者は公募で選ばれた。「官房長官は首相がゴルフに行くのを止めるべきだった」(会社員男性、25歳)との声に、亀井氏はまず福田康夫官房長官を電話で呼び出し、「痛烈な意見が出ている。反省を」と求めた。

 だが、その後も「首相たるもの、判断力を持つのは当然。首相の器ではない」(公務員男性、33歳)、「緊迫した状況で野球を見に行ったりゴルフに行ったりするのは慎むべきだ」(医師男性、46歳)と批判が続いた。

 亀井氏は「欲望を制御できなければ政治家になってはいけないが、全知全能、聖人君子の首相ばかり持ちうるのか」。そのうえで首相に電話し、「厳しい意見が出ているので緊張して頑張ってほしい」と会場の声を伝えた。首相は「わかりました」と答えたという。

自民党埼玉県連が、総裁選前倒しを党本部に要請へ

2001.02.24(17:26)asahi.com
 自民党埼玉県連(会長・石井道子参院議員)は24日の拡大役員会で、党総裁選の前倒しなどを党本部に要請することを決めた。9月に予定されている総裁選を国の新年度予算成立後に前倒しして全党員による選挙を行うこと、ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団(KSD)をめぐる事件や機密費流用問題の積極解明に努めることなどを求める。

首相退陣表明、予算案の衆院通過後か 村上氏議員辞職で

2001.02.22(23:01)asahi.com
 村上正邦氏の議員辞職で、森喜朗首相への逆風は一層強まりそうだ。政権の生みの親のひとりである村上氏辞職の打撃は、政権の正統性を批判されてきた首相にとって極めて大きく、退陣時期にも影響を与えそうだ。自民党内では、新年度予算案の衆院通過前後の政局混乱は避けたいとの計算から、森氏の退陣表明は衆院通過後にした方が得策との判断が強まってきた。野党が通過前に内閣不信任決議案を提出した場合には表明を前倒しする展開も含め、与党内の検討が本格化している。

 これまで橋本、堀内両派や執行部は、首相退陣の時期を予算案の成立のめどがつく時期に置く考えが大勢だった。ここにきて退陣表明を予算案の衆院通過後とする考えが強まったのは、週明けから額賀福志郎・前経済財政担当相の政治倫理審査会開催など国会が緊迫する状況を踏まえ、(1)急いで退陣表明をすると野党が予算審議でさらに攻勢を強める恐れがある(2)首相自身がなお政権維持の意欲を捨てていない(3)森氏の後継が定まらないまま表明への段取りを進めると、森、江藤・亀井両派の抵抗で党内が混乱する――などの理由からだ。

 こうした点から古賀誠幹事長ら執行部も首相の退陣表明の時期は慎重に対応する考え。橋本派などには、3月13日の党大会や3月末ごろの予算成立前後に首相が退陣を表明し、予算成立後に後継者選びを行う方が望ましいとの見方が強まりつつある。

 自民党参院幹部は「KSD事件が終わらないと、動きようがない」と指摘してきており、村上氏辞職で退陣に向けた障害のひとつが取り除かれることは確か。「この問題の大きな解決への方向付けができた」(野中広務前幹事長)との声も出ている。

 野党が内閣不信任案を提出した場合には、別の対応を迫られる可能性もある。不信任案を否決すれば、森内閣を信任する形となり、公明党の不満が高まったり党内非主流派が造反したりする恐れもある。このため、何らかの形で首相が進退問題に言及することにより、不信任案をめぐる与党内の混乱を避ける手立ても検討されることになりそうだ。

野党4党、森内閣に即時無条件退陣を要求で一致

2001.02.21(21:26)asahi.com
 民主、自由、共産、社民の野党4党は21日、国会内で党首会談を開き、森内閣に「即時無条件退陣」を求めることで一致した。内閣不信任決議案の扱いについては、自公保連立を崩すために「最も効果的な時期」を探ることで合意。今後も必要に応じて党首会談を開くことを決め、森喜朗首相の退陣をめぐる与党の状況をうかがいながら、「臨戦態勢」を強調して揺さぶる構えだ。

 4党は新年度予算案の共同組み替え要求で正式に合意し、額賀福志郎・前経済財政担当相らの証人喚問を要求し続けることも決めた。予算案をめぐっては、とりわけ政府の機密費(報償費)の「大幅削減と抜本改革」を求めていく。22日には予算委員会の審議に復帰し、論戦でも政府・与党を追い込みたい考えだ。

 これに対し与党側は、3月2日とにらむ予算の衆院通過にとりあえず全力をあげ、それまでは表だった「森降ろし」の動きは控える姿勢だ。21日には自民党森派の小泉純一郎会長と古賀誠幹事長が会い、「予算の年度内成立をめざす」ことで一致した。26日に額賀氏の政倫審、28日には村上正邦元労相の証人喚問が予定されるため、「(森降ろしの)山場は来週」という見方が強い。

 公明党の神崎武法代表は21日の記者会見で、野党が不信任案を衆院通過前に提出した場合は「否決するのが一般的だと思う」と述べた。しかし、「首相を信任するのか」と問われると「予算の成立に力を入れているということでご理解いただきたい」と明言を避けた。

「何をか言わんや」「論外」、首相のかけゴルフで野党

2001.02.21(14:21)asahi.com
 森首相が米原潜事故発生時に「かけゴルフ」をしていたことについて21日、民主党の菅直人幹事長は「何をか言わんや、開いた口がふさがらない。一番のポイントは事故を知りながらゴルフを続けたことだ。その理由が、かけゴルフで途中でやめられなかったとすれば、もってのほかだ」と記者団に語った。

 自由党の藤井裕久幹事長はひと言、「論外」。共産党の市田忠義書記局長も「金額の多少にかかわらず、かけゴルフをしていたなら、それだけで総理失格。言葉がない」と批判した。

森首相、事故のさ中にかけゴルフ 事務所が明らかに

2001.02.21(13:28)asahi.com
 森喜朗首相が米原潜事故の連絡を受けながらゴルフを続けていた問題にからんで21日、首相が当日かけゴルフをしていたことが明らかになった。森事務所が「いわゆる『チョコレート』程度のものをやりとりすることはあるが、1打1000円のかけゴルフということは断じてない。当日もこの通りだった」とのコメントを発表し、事実上、かけゴルフをしていたことは認めた。首相は事故への対応でも与野党や国民から厳しい批判をあびており、批判が強まることは確実だ。

 森首相は事故が起きた今月10日、横浜市の「戸塚カントリー倶楽部」で知人らとゴルフをした。首相はプレー中に、事故の連絡を受けたが、そのままプレーを続け、約2時間ゴルフ場にとどまった。

 事務所側は「昔からゴルフの世界では『チョコレート』ということがあり、1打1000円とか1万円とかのかけではない」と多額の現金のやりとりはなかったと強調している。また、事故の一報後は「それどころではなく、何のやりとりもなかったと聞いている」とし、当日は最終的にかけが成立しなかった、としている。

 一方、森首相は同日午前、首相官邸で記者団に「かけゴルフなんかするはずないでしょう」といったんは否定した。しかし、記者団から「チョコレート」のやりとりをすることがあるとの事務所側の説明を指摘されると、一転して「一般的にはね」と語り、日ごろから「チョコレート」などをかけていたことを示唆した。ただ、「そんな状況ではなかったでしょう」と、当日はかけが成立しなかったと釈明した。

首相後継調整、与党始める 橋本派の対応焦点

2001.02.20(22:20)asahi.com
 退陣が避けられない見通しとなった森喜朗首相の後継者選びをめぐって20日、自民党橋本派幹部の野中広務、青木幹雄両氏が会談するなど与党の調整が始まった。公明党を中心に野中氏を推す声が強まる一方、橋本派で擁立に慎重論も出始め、最大派閥である同派の対応が当面の焦点となってきた。また反主流派の加藤紘一氏が党総裁選挙による後継選びを主張するなど、選出方法をめぐる党内論議も活発化し始めた。

 この日は野中、青木両氏が1時間近く会談したほか、両氏と古賀誠幹事長、あるいは青木氏と村岡兼造総務会長が会うなど、今後の首相退陣や後継選出に向けた意見調整が続いた。

 公明党では、自民党とのパイプ役を果たしてきた野中氏への期待感が広がっている。橋本派にも「今回は緊急避難で、安定感をもって政権運営ができるのは野中氏しかいない」(閣僚経験者)との声がある。同派若手議員の一部にも野中氏待望論が出ている。

 だが、野中氏は森政権誕生にかかわった「5人組」の1人で、森首相より10歳以上も年上。党内には「密室イメージが強く、参院選を戦う顔にはふさわしくない」(中堅議員)と敬遠する声が根強い。野中氏は世代交代の必要性を唱え「200パーセントない」と可能性を否定しているが、「内心意欲はあるはず」との見方もある。橋本派でも「通らない話だ」「300パーセントない」とけん制する声が出始めた。

 党内には、小泉純一郎氏を推す声もある。しかし小泉氏は19日、反主流派の山崎拓氏に「(森首相と)共同責任があるから、後継にはならない」と電話で伝えるなど、消極姿勢を崩していない。

 一方、加藤氏は20日夜、東京都内での講演で「どういった選ばれ方をするかは、国民の目にどう映るかという意味でも非常に重要だ。決してごく少数の人が密室の中で決めていいものではない」と語った。

低支持率は「情けない」 扇千景国土交通相

2001.02.20(12:39)asahi.com
 森内閣の支持率が急落し、首相退陣論が加速するなか、各閣僚は20日午前の閣議後の記者会見で「内閣の一員として、自分の役割を全力で果たすしかない」(橋本龍太郎行革担当相)などと、表向き冷静な態度を見せた。ただ、後継候補などに言及、すでに「ポスト森」を意識した発言も口をついた。

 扇千景国土交通相(保守党党首)は低支持率について記者会見で「本当に残念というか、情けないというか、申し訳ないというか。閣僚として連立を組む者として心を痛める」と語った。首相退陣論については「信頼は退陣したからといって回復できるものではない」としながらも、後継について「少なくとも21世紀なのだから希望が持てることを国民は待っている。首相が政策ではなくて考えられないミスを突かれて、資質を問われるのは残念だ」。

 自分の名前も取りざたされていることについては「(『扇首相』を報じた週刊誌などで)『破れかぶれ』とあった。紙くずみたいに言わないで欲しい。自分の資質は、自分が一番よく知っている。おもちゃにすることは、やめていただきたい」と語った。

 また、平沼赳夫経済産業相は「21世紀を迎えたし、自民党にも新陳代謝や若い人の活躍を期待したい」と世代交代の必要性を強調。麻生太郎経済財政担当相も自らの名前があがっていることについて「自民党はそんなに人材不足ではない。だが、ありがたいと思わなければいけないかな」と述べた。

森内閣支持率9%「私なら耐えられない」浅野宮城県知事

2001.02.19(17:18)asahi.com
 森喜朗内閣の支持率が朝日新聞の世論調査で9%に急落したことについて、宮城県の浅野史郎知事は19日の定例記者会見で「100人のうち9人しか支持していないわけで、私なら耐えられない」と述べた。ハワイでの実習船事故での対応について、「問題は(事故の一報後も)首相がゴルフを続けていたことだ。私はゴルフをやらないが、(趣味の)ジョギング中に緊急事態があれば、文字通り駆け付けるだろう」と話した。

 また、ゴルフ会員権問題にも触れて、「さまざまな要因が『合わせ技』になっている。子どもが大人に怒られるときは、1つのことだけではなく、それまでの生活態度や悪行の数々があるのと同じだ」と述べた。

プレー続行に反省明言せず 首相、衆院予算委で

2001.02.19(15:35)asahi.com
 内閣支持率が急落し、進退が焦点となっている森喜朗首相が出席しての衆院予算委員会が19日午前から開かれた。首相は、ハワイ沖での米原潜と漁業実習船えひめ丸の衝突沈没事故の一報を受けた後の行動について「私の対応に国民から強い批判があることは承知しており、謙虚に受け止めている」と述べた。ところが、ゴルフを続けたことについては「連絡を取りやすくするため現場を離れない方がいいとした判断が過ちかどうかについては、いろいろな批判があろうかと思う。ただ、ゴルフ場にいたことが批判をいただいてる」と語り、プレーを続行したことに問題があるとの認識は示さなかった。また、ゴルフ会員権問題についても、これまで通り「税法上問題ない」との認識を示した。

 同時に首相は、内閣の看板の「日本新生」の重要性を強調したり、3月末の日ロ首脳会談への展望を語ったり、当面の政権運営への意欲もみせた。

 この日1番手の亀井久興氏(自民)が「首相は国民の常識を踏まえて対応しているのか。首相の常識が国民にとって非常識となってはならない」と指摘した。これに対し首相は、事故の被害者や行方不明者の家族へのお見舞いを述べた後、「引き続き政府としても万全の対策を講じていく」と強調した。

 高木陽介氏(公明)が事故の一報後にゴルフを続けていたことを問題視したのに対し首相は「ゴルフ場にいたことへの批判は甘受する」などと、先週の党首討論と同様にプレーを続行した問題をゴルフ場にいた問題にすり替える答弁をした。高木氏は「こうした開き直りや言い訳に、国民は『何で?』と感じている」と批判した。

 また首相はゴルフ会員権問題については「税理士と十分相談したが税法上問題ないしかし、誤解を招くので名義移転の手続きをしている」などとしてこれまでの説明を繰り返した。

 亀井氏は「首相の夢は何か」とも質問。これに対して首相は「率直に言って最近は夢を見る睡眠状況にない」としたうえで、経済社会の構造改革などの重要性を訴えた。

 一方、北村直人氏(自民)の日ロ関係に関する質問に首相は、3月25日にロシアのイルクーツクで行うことで合意した首脳会談の目的を(1)2000年中の平和条約締結目標の結果を総括し国民に示す(2)プーチン大統領との間で平和条約を新たに進めることに明確に合意する――と説明。そのうえで「4島の帰属を解決し平和条約を締結するために粘り強い外交交渉を続ける」と述べ、首脳会談に意欲を表明した。

森首相退陣の流れ「完全にできた」と公明党幹部

2001.02.19(13:30)asahi.com
 公明党幹部は19日朝、森喜朗首相の進退問題について、「(退陣の)流れが完全にできた。今度は名誉ある撤退を考えてやらないといけない」と語った。朝日新聞社の全国世論調査で内閣支持率が9%に急落したことなどを受けて、与党内で「森首相の辞任はやむを得ない」との見方が大勢となったとの認識を示したものだ。

森内閣支持率、最低の9% 本社世論調査

2001.02.19(00:12)asahi.com
 朝日新聞社は17、18の両日、電話による全国世論調査を実施した。森喜朗内閣の支持率は9%で、前回1月調査の19%から急落し、森内閣発足以降、最低となった。戦後の歴代内閣でも、本社が1946年に支持率調査を始めてから2番目の低率だ。不支持率は79%(前回63%)。自民、公明両党支持層での「森離れ」が目立ち、与党支持層での不支持率も6割に達している。米原子力潜水艦事故の際の森首相の対応について「大いに問題がある」が7割にのぼり、支持率に大きく影響したようだ。また、7割超が「早く辞めてほしい」と、森首相の早期退陣を望んでいる。

 今回の内閣支持率は、89年の竹下登内閣の退陣表明後に調査した7%に次ぐ低さ。次に低いのは、60年の岸信介内閣、74年の田中角栄内閣の12%だが、どちらも直後に退陣に至っており、森内閣は政権末期の危機的状況だ。

 内閣支持率を政党支持別に見ると、これまで「森内閣支持」が4割を下回ることのなかった自民支持層で21%(前回47%)に大きく落ち込み、連立政権を組む公明の支持層でも最低の13%(前回40%)に急落している。

 不支持の理由では「首相が森さんだから」が23%で最も多く、前回の15%から大きく増えた。

 米原子力潜水艦事故とケーエスデー中小企業経営者福祉事業団(KSD)汚職事件、外務省職員の機密費横領疑惑で、森首相の対応についてそれぞれ聞いた。「大いに問題がある」と答えた割合が最も高かったのは原潜事故への対応で、自民支持層でも約6割、公明支持層も7割近くが強く問題視している。KSD事件や機密費疑惑への対応も、全体の約6割が「大いに問題」と受け止めている。

 「問題はない」とする人は、いずれも2%に過ぎなかった。

 一方、森首相に「できるだけ早く辞めてほしい」と答えた人は71%にのぼり、「その必要はない」は13%だった。2000年11月、自民党の加藤紘一氏が森首相の退陣を求める行動をとったが、その時期に実施した調査(面接)では「早く辞めてほしい」が54%。退陣を求める声が急増している。

 政党支持率は、自民が24%(前回26%)で、森内閣発足以降、最低。民主は12%で前回と変わらなかった。

「次の総理」に小泉氏の人気高まる 本社世論調査

2001.02.19(00:11)asahi.com
 今回の世論調査で、「いまの政治家の中で、総理大臣には、だれが一番よいと思いますか」と、名前を1人だけ自由に挙げてもらったところ、1位は自民党の田中真紀子氏で10%、2位は自民党森派の小泉純一郎会長で8%だった。小泉氏は2000年11月調査(面接)では4位(4%)だったが、森喜朗首相の支持急減をしり目に、人気が高まっているようだ。

 支持政党別でみると、田中氏は無党派層を中心に名前が挙がったのに対し、小泉氏は自民支持層での人気が高かった。

 これに石原慎太郎東京都知事(6%)、民主党の菅直人幹事長(5%)、橋本龍太郎行革担当相(4%)が続く。6位は、3%の同率で自民党の野中広務前幹事長、民主党の鳩山由紀夫代表、自由党の小沢一郎党首が並び、全体的に低率でのだんご状態となった。

 森首相は2000年11月は5%で3位だったが、今回は2%で9位と大きく後退した。

後継、野中氏で一致 公明代表と保守幹事長

2001.02.18The Sankei Shimbun
橋本派幹部「森首相支えきれぬ

 森喜朗首相の早期退陣論が強まる中、公明党の神崎武法代表と保守党の野田毅幹事長が、森首相後継に野中広務自民党前幹事長が望ましいとの考えで基本的に一致していたことが十七日、明らかになった。公明、保守両党首脳が「野中支持」を打ち出したことで「ポスト森」をめぐる与党内の綱引きが強まりそうだ。こうした中、自民党橋本派幹部は十七日、「(森首相を)とても支えきれない」と述べ、首相の早期退陣は避けられないとの認識を示した。自民党最大派閥の橋本派幹部が「首相不支持」を明確に発言したのは初めてで、「退陣包囲網」はさらに狭まった。

 神崎氏と野田氏の会談は十五日夜、都内で行われ、首相退陣は不可避との認識で一致。「ポスト森」に関して神崎氏が公明、保守両党に太いパイプを持つ野中氏が望ましいとの見解を示した。これに対し野田氏は「今は予算案の衆院通過に全力をあげるべきで、与党が結束すべきだ」としながらも、「次期首相を決める際には与党が政策面で一致することが重要だ」と強調。景気対策を重視する立場から有力候補の一人である小泉純一郎元厚相の起用に難色を示す一方、野中氏には理解を示した。

 これを受けて野田氏は十七日、電話で野中氏と会談し、意向を探ったが、野中氏は「受ける気はない」と強調したとされる。保守党幹部も十七日夜、「自民党の中の問題もあり、野中氏が受けるかどうかわからない」と指摘したが、今後の展開によっては「野中擁立論」が与党内に広がる可能性もある。

 これに関連、神崎氏は十七日夜、茨城県大宮町で講演し、首相の進退問題について「自民党の自己改革に期待したい」と述べ、森首相の自発的退陣を求める考えを示した。また、首相がゴルフ場会員権を無償で提供されていた問題に関しては「倫理的、道義的責任がある。首相は明確に国民に説明しなければならない」と厳しく批判した。神崎代表が公式の席で、森首相退陣が望ましいとの考えを示したのは初めて。

 一方、橋本派幹部は同日午後、森首相の進退問題について「自分で自爆しているのでは、とても支えきれない。仕事のことなら、(首相の失敗を)かぶることもできるが、自分のことだから」と述べ、首相退陣は避けられないとの認識を示した。

「自民の自己改革に期待」 公明・神崎代表

2001.02.18(00:23)asahi.com
 公明党の神崎武法代表は17日夜、茨城県大宮町で講演し、「森首相の問題については、自民党の自己改革に期待したい。連立与党3党としては当面は、新年度予算案を成立させることが最大の景気対策で、これに全力を傾注したい」と語った。

 公明党は連立与党内に広がる首相の早期退陣論をリードする役回りを果たしてきた。橋本派など自民党主流派には、国会の混乱を避けるためにも3月上旬と目される予算案の衆院通過時など早い時期に首相が退陣表明する必要があるとの判断が強まっている。神崎氏の発言は、こうした情勢を踏まえ、首相自身の進退を含め自民党に局面打開に向けた決断を迫る狙いがあるとみられる。

「森首相では厳しい」 公明代表と保守党幹事長が一致

2001.02.17(19:55)asahi.com
 公明党の神崎武法代表と保守党の野田毅幹事長が15日夜に会い、今夏の参院選に向けて森喜朗首相のままでは厳しいとの認識で一致していたことがわかった。

 公明党や自民党橋本派を中心に首相の早期退陣論が強まるなか、自民党以外の与党2党で意見を調整しておくのが狙いだったとみられ、会談では、野中広務前自民党幹事長を含む「ポスト森」候補についても意見交換したという。

森首相退陣前倒し論、与党で強まる 予算案衆院通過前に

2001.02.17(03:03)asahi.com
 森喜朗首相の進退問題をめぐって、自民党の橋本派など主流派や公明党のなかで、新年度予算案の年度内成立を図るためには、早ければ衆院通過の前にも首相が退陣を表明する必要があるとの判断が16日、強まった。新たな首相のゴルフ会員権問題が判明し、首相への批判がさらに加速しつつある。橋本派などでは、野党が内閣不信任決議案を提出すれば国会審議が混乱する可能性もあることから、場合によっては首相の退陣表明と引き換えの形で、予算案の衆院通過を図るしかないとの見方も出てきた。首相はなお政権を維持していく構えだが、与党内の退陣論は日増しに強まっており、首相周辺にも予算案通過時には最終判断を迫られるとの見方が強まってきた。

 主流派ではこれまで、KSD事件に関連した自民党議員の政治倫理審査会・証人喚問が、予算案の衆院通過前に集中することから、国会の混乱を避けるために首相退陣は予算の成立のめどがついた段階とする考えが主流だった。

 しかし、えひめ丸沈没事故の際の対応のまずさなどに加え、2日続けてゴルフ会員権をめぐる便宜供与が判明。不信任案提出を軸とする野党の攻勢をしのぐためには、退陣表明の時期を前倒ししていくしかない、との考えが強まった。自民党参院幹部は16日、「不信任案に対し、森首相がすべての責任を背負って(退陣表明して)もらうのが理想的だ」と語った。

 新たなゴルフ会員権をめぐる便宜供与が明らかになった16日夜、公明党は異例の早さで談話を発表。「首相に対する国民の批判が一層高まることが懸念される」と批判した。

 公明党ではこの日午前、幹部のひとりが「(内閣不信任決議案に)初めから反対と決めつけているわけではない」と発言したが、この幹部は同日夜、「自民党に期限付きで回答を求めたものだ。3月2日ごろが山場だ」と語った。

「厚かましくゴルフ続けた」欧米のメディアも森首相批判

2001.02.17(13:36)asahi.com
 ハワイ沖の潜水艦事故がきっかけで、森喜朗首相のゴルフ熱が世界に知られるようになった。欧米メディアは連日のようにゴルフ問題を取り上げ、「事故の一報後も厚かましくプレーを続けた」「日本人の怒りは米原潜よりも首相に集中」などと報じる。日本流のゴルフ文化をあらためて紹介したところもある。

 米ロサンゼルス・タイムズは16日、「事故の一報を知らされた後も森首相がゴルフを続けたのは、米国にとって幸運だった。国民の怒りの矛先が森首相に向かったからだ」とする記事を載せた。「大事故発生を知らされたのにグリーンを降りなかった厚かましさに怒りが集中し、驚くほど低い国民の支持がさらに低下している」

 米アリゾナ・リパブリック紙は、昨年夏にバレンツ海で起きたロシア潜水艦沈没事故の教訓を引き合いに出して、森首相の判断のまずさを指摘する。「すぐ職務に戻るべきだったのに、プーチン大統領は黒海でのバカンスを切り上げるのを嫌がり、そのために政権が揺らいだ。森首相もまったく同じ失敗をした」と突き放した。

 事故当日にプレーしていた横浜市内のゴルフ場の会員権入手をめぐる疑惑は、有力通信社がこぞって報じた。「日本では、人気のゴルフ場の会員資格は異常な高額で、有価証券のように取引されている」とAP通信は伝えている。

 「狭い国土に3000のコースがひしめく」と日本独自のゴルフ文化に踏み込んだのは、英ロイター通信。「ゴルフに熱を上げるのは森首相だけではない。日本人の10人に1人がゴルフ好き」と切り出し、「首相は5クラブの会員権を所有。180人を超す国会議員も会員資格を持つ」と紹介。「バブル経済がふくらんだ1980年代にゴルフ人口が急増し、ゴルフ会員権相場が高騰。バブルが破たんした今も推定1500万人がなおプレーしている」とゴルフ大国ぶりを強調した。

 「ゴルフ場での対応にも会員権の入手にも何ら問題はない」という森首相の肩を持つメディアは見当たらない。

首相の説明、理解に苦しむ 閣僚も疑問 ゴルフ会員権

2001.02.16(13:04)asahi.com
 「国民にはわかりにくい」「疑われるようなことはやってはいけない」。森喜朗首相がゴルフ場の会員権を無償で譲り受けていた問題で16日朝、閣議を終えた閣僚からは、「税法上問題はない」と言う森首相の説明に疑問を投げかける声が相次いだ。

 「新聞に載ったことと首相の主張には差があるし、どういう状況になっているのか、私がわかりにくいのだから、国民にとっては余計に分かりにくい」

 坂口力厚生労働相は、首相の「釈明」に不満をにじませた。自民党と連立政権を組む公明党の坂口厚労相は、漁業実習船えひめ丸の衝突事故の後、ゴルフを続けていた森首相の行動にも疑問を投げかけていた。

 「政治家は自分の身辺を分かりやすくしておかなければならない。他の人に指摘されて、説明するのに時間がかかることがあってはならない」

 扇千景国土交通相は首相の説明に納得がいかない様子。「ひとのものを自分名義で使っていること自体があまり例のないこと。常識で考えて、人様のものを自分名義にするということが……」

 自らもよくゴルフに誘われて行くことがあるという扇国交相は「会員権を持っていないとしながら、会員名義には登録してあるということが、私にはよく分からない。一般の感覚でもちょっと不思議という気はする」と述べた。

 森首相は無償譲渡が明らかになった後、記者団の質問に「譲り受けたんじゃない。いつも使えるようにしてもらっているだけだ。会員権を見たこともない。税法上は何ら問題ない」と釈明している。

 その解釈には疑問も多い。平沼赳夫経済産業相は「いちおう留保がついているようだが、名義が移っている。税法上やはり一種の譲渡で、課税の対象ということかな」と話した。柳沢伯夫金融担当相は、森首相が金融行政のトップであるだけに、「身辺というか、一挙手一投足について国民の批判を招くことになっているのは非常に残念だ」と述べた。

 片山虎之助総務相は「私は事情がわからない。コメントは差し控えたい」と言いながらも、「ああいう所有の仕方があるのかな、という感じはした。所有と利用を分ける扱いがあるのかな、と受けとめた。普通は持っている人が使うでしょうね」と話した。

 民間出身の川口順子環境相にも森首相の説明に不満をみせる。「リーダーたるもの、高い心構えと自分を律する姿勢が必要だ」と即答し、続けて「それが崩れつつある兆しがみえる」と批判した。谷津義男農水相も「疑われそうなことはやってはいけない。(会員権は)資産になるかもしれないのだから、やらない方がよい」と批判した。

森首相、別のゴルフ場でも無償で会員資格譲り受け

2001.02.16(21:24)asahi.com
 横浜市内のゴルフ場の会員権を知人の会社社長から無償で譲り受けていた森喜朗首相が、千葉県市原市内のゴルフ場でも、別の知人の会社が所有する法人会員権の「記名者」として登録され、会員としてプレーする権利を譲られていたことが16日、明らかになった。首相側は「会員権の名義は会社で、(森首相個人が名義人になっていた)横浜のケースとは違う」と説明しているが、民間業者から「便宜供与」を受けていた点は同様だ。首相側はこれまで、ほかに無償で譲り受けた会員権はないと説明しており、政治責任を問う声がさらに強まることは確実で、「森降ろし」に拍車がかかりそうだ。

 このゴルフ場は千葉県市原市の「浜野ゴルフクラブ」で、18ホールの会員制クラブとして1984年12月にオープンした。

 同ゴルフ場によると「法人会員」は、企業などが会員権を購入した後に記名者(プレー者)を指定する。使用者は個人会員と同じ資格で、法人会員権を独占的に使用してプレーできる。

 16日夕、宮村栄一首相秘書官が明らかにしたところでは、84年のオープン当時、森首相の知人の会社が所有していた2口の法人会員権のうち、1口について知人から「プレー者として指定したい」という申し出があり、首相はこれを受け入れて会員となった。

 以後年1、2回のペースでプレーを楽しんできたが、ここ3、4年は行っていないという。6万3000円の年会費やプレー代は、首相が負担していたという。会員権の値段は「わからない」とした。知人の氏名などについては明らかにしなかった。

 森首相は85年、別の知人のメーカー社長が4000万円で買った「戸塚カントリー倶楽部」(横浜市旭区)の会員権を自分名義にし、事実上無償で譲り受けていたことがすでに明らかになっている。宮村秘書官は「(今回は)森名義ではなく、ケースはまったく違う」などと釈明した。

 浜野ゴルフクラブの会員権問題については、朝日新聞が16日昼すぎ、森事務所に対して、会員権の所有事実などを問い合わせた。午後1時ごろ、森事務所では会社側に「プレー者としての登録」を中止するよう申し入れるとともに、同日夕になって、宮村秘書官が首相官邸で一連の事実を説明した。

森首相、ゴルフ会員の名義返却を申し出

2001.02.15(21:30)asahi.com
 森喜朗首相が知人の会社社長の購入したゴルフ会員権を自らの名義にして利用していた問題で、首相は15日、名義の返却を社長に申し出た。福田康夫官房長官が記者会見で明らかにした。福田長官は税法上の問題はないとの見方を示しつつ、「誤解を招きやすい関係だと思う」として批判していた。

 森首相と社長は1985年3月に(1)会員権は社長が所有する(2)社長は期限を定めずに会員権を首相に貸す――などを明記した合意書を交わしていた。首相はこの合意書の破棄を社長に申し出て、了承された、という。福田長官は「(合意書を)破棄するという前提で申し入れた。名義書き換えなどの手続きを、これからしなければいけない」と述べた。

自民各派からも批判続出 ゴルフ会員権問題

2001.02.15(15:05)asahi.com
 森喜朗首相のえひめ丸沈没事故への対応やゴルフ会員権問題をめぐって、15日、自民党各派はじめ与党内で首相への批判とともに、事態を憂慮する声が強まった。各派の例会や公明党の会合で首相の指導力や政治姿勢に疑問を投げかける厳しい意見が相次ぎ、与党内で浮上する首相の早期退陣論が加速する可能性もある。野党も沈没事故と会員権問題を絡めながら追及を強める構えだ。

 同日昼の自民党堀内派の例会で、堀内光雄会長は「危機管理のあり方について首相のみならず官邸全体がもっと深刻に受けとめていただきたい。森首相の姿勢、価値観と国民の間にズレがあるのではないか。一番大事なのは常に国民の目線に立って物事を判断、行動することだ」と語った。山崎派の山崎拓会長も「高い地位にある者の責任というノーブレス・オブリージュという言葉の意味をよくかみしめて首相には行動していただきたかった」と語った。

 橋本派の橋本龍太郎会長は「予算を年度内に成立させ、心配ない姿で4月1日を迎えるようにお互いに全力を尽くすことをお願いしたい」と述べた。

 会員権問題については、自民党幹部が15日朝、「4000万円は大金だ。問題になるんじゃないか。(野党などから)いろいろ言われそうだ」と語った。同党橋本派幹部も「ゴルフ会員権は資産報告には載せないといけない」と指摘。森派幹部は「(政局への影響は)ある。なぜこんなタイミングで出るのか。場所が悪いし、対応しようがない」と述べた。

 また同日朝の公明党国会対策役員会では「所有と税の関係で問題があるのではないか」との声が出た。同党幹部は「事実なら税法上問題がある。首相は国民にきちんと説明する必要がある」として、首相に説明を求める考えを示した。

 一方、民主党は「これは決定打になる」(国対幹部)とみており、まずは衆院予算委員会などで国税庁から事情を聴くなどし、来週の予算委で首相に直接ただす考えだ。

 15日の自民党森派の総会では、若手議員が「地元では『小泉総理になって欲しい』という意見もある」と発言した。小泉純一郎会長は「小泉がいいなどとはニ度と言わないで、森首相を支えて欲しい」と応じたが、首相の足元からも具体的に「ポスト森」をめぐる発言が出てきた。

 これに先立って小泉氏は「これから厳しい状況が続く」と述べた。

国税庁次長「他人名義での取得や名義変更は贈与や所得」

2001.02.15(13:48)asahi.com
 国税庁の大武健一郎次長は15日午前の衆院予算委員会で、森首相のゴルフ会員権問題に関連し「一般論として他人名義でゴルフ会員権が取得された場合、あるいは名義変更された場合には、原則として相手方が個人の場合は贈与、相手方が法人なら一時所得として扱う。ただ、資産取得の経緯、その後の管理状況等から、贈与ないし所得の事実が確認されない場合は、贈与税、所得税は課税されない」と述べた。ただ今回の首相のケースについては「個別のことがらについては答えられない」と述べるにとどまった。民主党の平岡秀夫氏の質問に答えた。

副大臣からも批判の声 首相の実習船衝突事故対応

2001.02.15(21:10)asahi.com
 米原子力潜水艦とえひめ丸の衝突事故に関する森喜朗首相の対応について15日、与党の副大臣からも批判の声が上がった。

 小坂憲次総務副大臣(自民党橋本派)は副大臣会議後の定例記者会見で、14日の党首討論での首相答弁について「国民感情と一致しない部分がある。もう少し踏み込んだやり方もあったと思う」と述べた。

 事故の一報後もゴルフを続けた点に関して、小坂氏は「私なら、よりいっそう情報が取りやすいところに移動する」と語り、同席した遠藤和良総務副大臣(公明党)も「できれば直ちにプレーをやめて官邸に戻ってほしかった」と述べた。

 泉信也国土交通副大臣(保守党)も記者会見で「最初の報告を受けて官邸に戻った方が良かった。いろいろな批判に対して、首相は重く受けとめて対応されると思う」と述べた。

森首相のゴルフ続行に、宇和島関係者から批判相次ぐ

2001.02.14(20:48)asahi.com
 漁業実習船えひめ丸の衝突事故の一報を受けた後、約2時間ゴルフ場にとどまってプレーを続けたことについて、森喜朗首相は14日の党首討論でも「事故への対応に問題はなかった」とする姿勢を崩さなかった。これに対し、帰国したばかりの愛媛県立宇和島水産高校の実習生の家族や同校生徒らからは「一刻も早く(首相官邸に)駆けつけるべきだった」と批判する声が相次いだ。

 辻翔次君(17)の兄(21)は愛媛県宇和島市内の自宅で「連絡を受けてもゴルフを続けるという首相の考えを理解する人は、周りにはいない。ひとごとと考えているようにしか思えない」とあきれた様子で話した。

 別の実習生の母親(51)は自宅玄関で「森首相は『私が右往左往しても仕方ない』と言うが、何もできなくてもいいから、自然な感情として、ゴルフをやめて戻ってほしかった」と涙声で話した。

 下校途中だった水産増殖科1年の男子生徒(16)は「あんなに遅れたのはおかしい。そんな首相なら辞めた方がいいと思う」。海洋工学科1年の男子生徒(16)は「ぼくが大臣なら、すぐに駆けつけるか、電話にかじりついて情報収集する」と強い口調で言った。

 同校の上甲一光教頭(52)は「自分たちがうんぬんするような問題ではない」としつつ、「個人的な心情としては、一刻も早く駆けつけてほしかった」と話した。

 また、石橋寛久宇和島市長は14日夕に記者会見した際、「テレビのニュースで、市民の数人が首相がゴルフを続けたことを批判しているのを見たが、私もそれに同感だ」と話した。

 一方、愛媛県の加戸守行知事はこの日の会見で「適切な対応だったと理解している」と首相を理解する姿勢を示した。「(首相の)身柄がいつ危機管理センターに入ったかではなく、それぞれの時点で受けた情報をもとにどんな指示を出したか、どんな対応をしたかで評価することではないか。事故翌日の11日に上京し、森首相と面会して直接説明を聞いたが、適切な対応をされたと思っている」

 加戸知事は文部省(当時)出身。森首相が文相時に文化庁次長を務めた。

「ゴルフは悪いことじゃない」 官房長官の批判に森首相

2001.02.14(18:49)asahi.com
 森喜朗首相は14日夕、米原潜と漁業実習船の衝突事故当日に首相がゴルフ場に出かけていたことを福田康夫官房長官が批判したことについて「ゴルフは悪いことじゃない。私の場合、健康管理ということもありますから」と述べ、ゴルフ場に出かけたこと自体は問題ではないとの考えを強調した。野党党首との党首討論後に国会内で記者団の質問に答えた。

 福田長官は同日午前の会見で、国会で機密費横領疑惑やKSD問題を審議している最中であることを理由に、「個人としては(この時期に首相は)そもそもゴルフに行くべきではなかったと思う」と批判した。これに対し、森首相は「単なるスポーツじゃなくて、私の場合、健康管理ということもありますからね。いいとか、悪いとかいうことじゃないでしょ」と述べ、原潜事故への対応とゴルフ場に行っていた問題は切り離すべきだという考えを示した。

 首相周辺によると、森首相は福田長官からこの時期にゴルフ場に出かけないよう念押しされていたにもかかわらず、福田長官には連絡せずに出かけてしまったという。

「ゴルフに行くべきでなかった」官房長官が首相を批判

2001.02.14(13:20)asahi.com
 森喜朗首相の早期退陣論が浮上するなか、14日には政府・与党内でも首相に対する批判が表面化した。

 福田康夫官房長官は14日午前の記者会見で、森首相がえひめ丸の事故があった10日に神奈川県内のゴルフ場に行っていたことについて、「個人としてはそもそもゴルフに行くべきではなかったと思う」と述べ、個人的な意見と前置きしながらも森首相の行動を批判した。衝突事故への首相の対応のまずさに与党内からも退陣論が浮上していることを意識したものだが、首相の補佐役でもある官房長官が首相の行動を公式の場で批判するのは極めて異例だ。

 福田官房長官は政府の対応に批判がでていることについて「(対応が)甘いというわけではないが、政治姿勢としていいのかどうかが問われている」と述べ、「政府の対応に問題はなかった」というこれまでの見解も撤回した。

 また、「(首相の10日の)行動は承知していない」と語り、首相のゴルフ場行きを事前に知らされていなかったことを明らかにした。国会審議で機密費横領疑惑やKSD問題を抱える中で、森首相がゴルフ場に行ったことに関しては、与党内からも批判が上がっており、福田氏は「ゴルフ場に行くべきではないのは、国会開会中だからか」との質問に対し、「それも1つの理由だ」と説明した。

 さらに14日開かれた自民党参院議員総会では、中島真人氏(橋本派)が「首相のあり方について毎週、こんなことが起きてはたまったものではない。われわれはせせら笑われている。強い憤りを首相に伝えてほしい」と発言した。

連立与党内に首相交代論が急浮上 参院選への影響を懸念

2001.02.14(03:12)asahi.com
 森喜朗首相の早期退陣論が13日、自公保3党の連立与党内で浮上した。KSD事件や外務省機密費などの疑惑に加え、米海軍原潜事故をめぐる首相の対応問題が重なり、このままでは内閣支持率をはじめ政権の求心力回復は極めて困難で、今夏の参院選への影響が避けられないとの判断からだ。14日の党首討論で野党の追及をしのげるかによって退陣論が本格化するとの見方もある一方で、森派や江藤・亀井派を中心に退陣論に反発する動きも出そうだ。与党内では、退陣は、2001年度予算案の衆院通過後との見通しが出ているものの、具体的な後継候補や選出方法などに議論は及んでいない。首相退陣含みで政局の行方も混とんとしてきた。

 森首相に対しては、KSD事件や機密費疑惑が浮上した年明けから、疑惑解明へ強い指導力を望む公明党を中心に不満が再びうっ積してきていた。そこへ米原潜事故に関連して、連絡を受けた後もゴルフを続けた首相の危機管理上の問題が浮上。公明党の神崎武法代表が公然と批判したのに続き、13日には与党3党の国会対策委員長が首相官邸に「緊張感が足りない」と申し入れる異例の事態となった。

 さらに13日夜には与党幹部の批判が続き、ある橋本派幹部は「早く決着をつけて、みんなが選挙をしやすいようにしてやらなくてはならない」と指摘。公明党幹部は「完全な『森降ろし』の流れにはまだなっていないが、与党内から悲鳴が上がってきて自民党幹部が感じているのは間違いない」と語った。

 与党内でこの時期に首相の早期退陣論が強まったのは、(1)KSD事件で新たに自民党内で逮捕者が出たような場合、さらに野党が勢いづき参院選まで劣勢を余儀なくされる(2)機密費横領疑惑で河野洋平外相が引責辞任する事態になれば額賀福志郎前経済財政担当相に続く閣僚辞任となり、政権維持が困難になる(3)株価下落に歯止めがかからず、内閣支持率も低迷する現状では政権の立て直しは難しい――などの理由だ。

 さらに参院選前の6月に東京都議選を控える公明党や支援組織の創価学会には、早い時期の首相交代で与党のイメージを回復しないと自民党と「共倒れ」になるといった危機感が強い。予算案の衆院通過後の退陣表明となる場合は、3月13日に予定する自民党大会時に後継選出のための党総裁選を行う考えも浮上している。

 ただ首相周辺や森派などには、一時「ポスト森」で名前が挙がった河野外相が機密費疑惑の矢面に立たされるなど、「森首相の後任が見当たらない」(幹部)との観点から、政権維持で巻き返しは十分可能だとの意見も残っている。またKSD、機密費両事件の捜査の進展が読めないなかで、早期の首相退陣は野党を勢いづかせる可能性もある。古賀誠幹事長ら自民党執行部は、与党内の早期退陣論と野党との攻防の両方をにらんで最終判断することになりそうだ。

「緊張感足りない」 与党国対委員長もゴルフ続行を批判

2001.02.13(23:20)asahi.com
 えひめ丸と米原潜の衝突事故の連絡を受けながら森喜朗首相がゴルフを続けていた問題で、自民、公明、保守3党の国対委員長は13日、首相官邸に対して「緊張感が足りない」と申し入れ、政府の危機管理体制を批判した。これに対し、森首相は大島理森自民党国対委員長に電話で「一層引きしめて緊張してやります」と述べた。

 この日開かれた与党国対委員長会談で上野公成官房副長官が事件経過を説明した。これに対して批判が相次ぎ、公明党の太田昭宏国対委員長は「危機管理の対応ではトップが自ら指揮を執ることがあって初めて危機管理になる。あまりにも緊張感がなさすぎる」と述べた。また、保守党の西川太一郎氏は「自分の子どもの命が危機にひんするときにゆっくりしているか、と支持者に言われた。首相はいわば日本の親ではないか」と批判。大島国対委員長も「緊張感を持っていない」と述べた。

 これに先立って同日午前に開かれた自民党役員連絡会で野中広務前幹事長が「官邸には緊張感が足りない」と森首相の対応を批判したが、この発言についてはかん口令がしかれた。また、古賀誠幹事長も「予算委員会も一巡し、きわめて大事な国会運営の時期でもあり、内閣も緊張感をさらに持って物事を処理していきたい」と述べた。

「なぜ危機管理なの? 事故でしょ」森首相が批判に反論

2001.02.14(00:13)asahi.com
 森喜朗首相は13日、えひめ丸が米原潜に衝突され、沈没した事故の連絡を受けながらゴルフを続けていた理由について「いま私はここ(ゴルフ場)を離れない方がいい、その方が連絡をとりいいと考えた。秘書官にも『次の連絡があるまでそこにいてください』と言われた。それで、そのままプレーを続行した」と説明した。さらに事故への対応に批判が高まっていることについて「これがどうして危機管理なのか。事故でしょ。私はリーダーシップをきちっと発揮したと思っている」と述べ、政治責任はないと反論した。首相官邸で記者団に語った。

 首相は、事故が起きた10日は、午前10時50分に1回目、午前10時58分に2回目の連絡が、別々の秘書官から入ったと説明。計2回の連絡は「ホノルル沖で日本の高校の実習船が米国の原潜と接触していま救助している」という内容だったと語った。

 同日午後零時20分には「9人が不明でけが人もあるようだ」という3回目の連絡を受け、「大変な事態だと判断せざるを得ない。ただちにここを動く」と応じたと説明した。その後、首相官邸に直行せず、いったん自宅に寄った理由については「ラフな格好で(官邸に)入ると誤解を受けるといかんと思って、自宅で着替えて出た」と釈明した。

 第1報を受けてからの対応については「第1報は15番(ホールで受けた)。インから回ったから。そのまま止まっているわけにはいかない。後ろの方に迷惑をかけるから。次に入ったのは17番だった」などと述べ、3ホールほどプレーを続けたことを明らかにした。こうした首相の対応に批判が集中していることについては「政府の対応が遅かったとか、無理やりこじつけて私を批判しようと(している)。私は対応は全く遅れていない」と全面的に反論した。

森首相、事故連絡後もゴルフ続行3ホール 知人が証言

2001.02.13(17:41)asahi.com
 森喜朗首相が米原潜と漁業実習船の衝突事故の連絡を受けながらゴルフを続けていた問題で、首相と一緒にプレーをしていた知人の港湾輸送会社社長が13日までに、当時の状況を朝日新聞記者に説明した。

 この会社社長によると、首相が一報を受けたのは10日午前10時すぎにプレーを始めて5ホール目まで来た時点で、この後、森首相は3ホールにわたってプレーを続けたという。

 ゴルフは、横浜市旭区の戸塚カントリー倶楽部で行われた。会社社長によると、森首相はこの日、会社社長の友人2人を含む4人でプレーをした。午前10時10分ごろ、10番ホールからスタートした。

 森首相が14番ホールの第1打を打とうとしていたところ、首相の同行者の携帯電話が鳴った。この電話に出た後、森首相の表情が厳しくなったという。

 その後、首相は頻繁に携帯電話をかけながらも3ホールをプレーし続けた。17番ホールまで来たところで、「もうあがる」と言った。森首相は「どうも行方不明者が出たようだ」などと電話口で話していたといい、プレーを続ける社長らを残して先にクラブハウスへ歩いて向かったという。

 17、18番の2ホールのプレーを終えてクラブハウスについた社長らは、そこで再び森首相と会った。首相は「ロッカーに寄ってすぐ帰るから」などと話したという。社長らはここで森首相と別れた。

 社長によると、森首相とは、知人の紹介で知り合った。前日夕に森首相から「ようやく少し時間ができた。どうかね」と誘いの電話があったという。

 社長は、「森首相は携帯電話で連絡をとり続けるなど、緊張して対応していた」と話している。

 今回の事故について、海上保安庁から官邸の危機管理センターに事故の一報が入ったのは、午前10時15分。同庁によると、「ハワイ・オアフ島沖で宇和島の水産高校練習船が米国原潜と衝突し、沈没。救命いかだに14人確認。乗組員35人」などと伝えたという。

 福田康夫官房長官は、13日午前の衆院予算委員会で、森首相に事故の第一報が伝えられたのは「午前10時50分ごろ」と答弁。その際、「宇和島水産の練習船が米国の原潜と衝突して沈没。米国の沿岸警備隊が14人を確認したとの情報が伝えられたと思う」と説明した。

沈没時の首相対応、閣僚から擁護の声 野党は追及

2001.02.13(17:11)asahi.com
 えひめ丸の沈没事故の際の森喜朗首相の対応をめぐって13日午前の衆院予算委員会で与党議員から「失態」と批判の声があがる一方、自民党の役員連絡会でも野中広務前幹事長が「官邸には緊張感が足りない」と発言し、森首相の対応を批判した。これに対し、閣僚からは首相をかばう発言があいついだ。

 予算委員会で若松謙維氏(公明)は、事故の連絡直後に森首相がブッシュ米大統領に直接電話して、人命救助などを要請するべきだったと指摘。「それができなかったのは大変な失態」と追及した。

 これに対し、福田康夫官房長官は「首相は一義的には外交、防衛ルートを通じて指示するのが一番適切と考えた。指示したことで、一義的にやるべきことはやったとの気持ちを持ったのかなと思う」と語った。

 一方、伊吹文明防災担当相は閣僚懇談会で「首相から人命救助と情報収集に最大限の米側の協力を求めるようにと指示があり、これを受けて外務省と防衛庁もただちに米国側に申し入れをした」として、対応に問題がなかったと強調した。

 首相がゴルフ場にとどまっていた問題について、宮沢喜一財務相は閣議後の会見で「首相としては、できるだけ、あちこち動かないでいて欲しいというのが基本だ」と述べた。扇千景国土交通相も「いかに情報をキャッチして、いかに対応したかが、危機に対する対応の仕方だ」とした。

 一方、公明党から入閣している坂口力厚生労働相は衆院予算委で「(首相が)早くお帰りになった方がよかったという話があるが、私もできれば、それにこしたことはなかったと思う」と指摘した。

 これに関連して、同日午前の自民党役員連絡会では、野中氏が首相の対応を批判したが、この発言についてはかん口令がしかれた。また、古賀誠幹事長も「予算委員会も一巡し、きわめて大事な国会運営の時期でもあり、内閣も党も緊張感をさらにもって物事を処理していきたい」と述べた。

 これに対し、民主党の菅直人幹事長は同日午前、森首相の対応について「相手が米国の原潜ということは国際問題になることは間違いなく、少なくともゴルフのプレーを中止して情報を収集するとか、何らかの行動を起こすべきだった。危機管理の資格がまったくない」と厳しく批判した。

 共産党も「無神経さ、無責任さに言葉がない」(市田忠義書記局長)としており、野党4党はこの問題で、衆院予算委員会の集中審議を求めることを決めた。さらに民主党は15日か、16日に衆院本会議を開くよう求めることを決めた。

森首相がゴルフ問題釈明 「対応指示、様子みた」

2001.02.13(16:11)asahi.com
 森喜朗首相は13日、えひめ丸が米原潜と衝突し、沈没した事故の連絡を受けながらゴルフを続けていた問題について「いろいろ報道されているが憶測が入っていたり、事実と違う。第一報が入った段階では、全員救出されることを願っていた。どう対応するかを指示して、しばらく様子をみようということになった。右往左往したり、動いたりしたら連絡が取れなくなっただろう」などと釈明した。首相官邸で記者団に語った。

「とどまるように言われた」 衝突連絡時のゴルフで首相

2001.02.13(12:15)asahi.com
 森喜朗首相は13日午前の閣議懇談会で、えひめ丸が米原潜に衝突され沈没した事故の連絡を受けながらゴルフを続けていた問題について「(秘書官から)その場にとどまるように言われた」と釈明した。上野公成官房副長官が閣議後の記者会見で明らかにした。ゴルフ場にとどまったのは、首相自身の判断でなく、事務方の「指示」に従った、と説明したものだ。

 上野副長官は「首相は(事故の第一報の)電話を受けて、『すぐに(米国に)協力を要請しろ』という指示を出した。その後は、おそらく秘書官から『動くと連絡をしにくくなるので、しばらく、その場を離れないでくれ』という要請があった」と説明した。

 上野副長官によると、首相が連絡を受けたのは10日午前10時50分だったが、「宇和島水産の実習船と米国の原子力潜水艦が衝突した」という内容で、行方不明者が出ているとの情報は伝わっていなかった。このため上野副長官は「連絡体制をしっかりしていく必要がある。報道の方が早かった感じはある」と述べ、情報伝達の遅れに問題があったとの考えを示した。

「危機管理の資格ない」 菅氏、首相の対応批判

2001.02.13(11:29)asahi.com
 民主党の菅直人幹事長は13日午前、えひめ丸の事故をめぐる森喜朗首相の対応について「相手が米国の原潜ということは国際問題になることは間違いなく、少なくともゴルフのプレーを中止して情報を収集するとか、何らかの行動を起こすべきだった。危機管理の資格がまったくない」と厳しく批判した。また、宮沢喜一財務相ら閣僚が首相の対応に問題がなかったと発言していることについて「森さんを守ろうとしている。国民に対して責任逃れの発言だ」と述べた。国会内で記者団に語った。

 民主党は14日に予定されている党首討論で首相の認識を直接ただす方針。野党4党はこの問題につき、衆院予算委員会での集中審議を要求することを決めた。

首相補佐官に元建設次官が内定

2001.02.08(21:13)asahi.com
 森喜朗首相は8日、首相補佐官に、前都市基盤整備公団総裁の牧野徹・元建設次官を起用する方針を決めた。教育改革担当の中曽根弘文元文相に続き、2人目の補佐官となる。都市政策を担当する予定。

 首相補佐官は、首相のリーダーシップを高める目的で、今年1月の中央省庁再編を機に任用枠を5人に拡充した。ただ、官僚OBが就くことで「官主導」との批判が高まりかねないことに配慮する首相官邸は、民間人も併せて起用する方向で調整している。

      ◇

 牧野 徹氏(まきの・とおる)東大卒、建設省(現国土交通省)官房長、建設事務次官、都市基盤整備公団総裁。東京都出身。66歳。

首相と野党党首らの討論、14日に

2001.02.08(20:34)asahi.com
 衆参両院の国家基本政策委員会は8日の合同幹事会で、野党党首らと首相による党首討論を14日に開くことを決めた。開催は昨年11月1日以来で、今国会では初めてとなる。質問する党や時間配分については今後、野党間で調整する。

 共産党の志位和夫委員長は昨年11月下旬に就任したため初登場となる。またルール見直しの与野党協議が決裂したため、所要時間はこれまで通り40分間となる。

森首相、KSD事件で初めて謝罪 代表質問

2001.02.05(21:57)asahi.com
 森喜朗首相の施政方針演説に対する各党の代表質問が5日、衆院本会議であった。首相は、財団法人「ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団」(KSD)事件での小山孝雄・前参院議員の逮捕について「党の所属議員から逮捕者を出したことは残念の極みで、公党として国民に心からおわび申し上げる」と初めて謝罪した。演説では「残念の極み」としただけで、公明党から「拍子抜け」と批判されたことから軌道修正した。政府の機密費(報償費)横領疑惑については改めて陳謝したが、機密費予算の減額修正や使途の公表などの見直しは拒否した。

 民主党の鳩山由紀夫代表と上田清司氏、自民党の古賀誠幹事長、公明党の神崎武法代表の質問に答えた。

 KSD事件に関し、野党が額賀福志郎・前経済財政担当相、村上正邦元労相らの証人喚問を求めていることについて、首相は「疑惑を受けた政治家は自ら釈明する努力を払うべきだ。証人喚問を含めて国会で真剣に議論すべき問題」と述べた。

 首相の地元事務所がKSD側から歌謡ショーのチケットを数百枚受け取ったとされる問題について、首相は「無料の入場券が発行されたにすぎない」と語った。

 機密費問題で鳩山氏が「内閣官房機密費は55年体制の政治的遺物であり、必要なくなった」と述べたのに対し、首相は「国政の遂行上、不可欠」と強調。「外交活動拡大の中で現在の水準に据え置いている」と、減額しない考えを示した。

 神崎氏が使途の公表などの検討を求めたのに対し、首相は「内政・外交の円滑な遂行に重大な支障をきたす」と答えた。河野洋平外相は、外務省機密費の官邸への「上納」問題について改めて否定。有識者も加わった調査検討委員会を今週中に発足させる考えを示した。

 与党内で中選挙区制への改革が議論されている衆院選挙制度改革について首相は「現行制度を頑迷に守り続けなければならない理由はなく、見直すべき点は見直していく必要がある」と答えた。

 自民党の亀井静香政調会長が再延期の可能性に言及しているペイオフ(預金の全額保護の特例廃止)解禁の時期については「2002年4月以降、解禁することにしている」と述べ、再延期しない考えを明らかにした。

森首相、関根さん宅を弔問

2001.02.01 The Sankei Shimbun
 森喜朗首相は一日午前、JR山手線新大久保駅で線路に転落した男性を助けようとして死亡した横浜市緑区のカメラマン関根史郎さんの自宅を弔問した。

 首相は、関根さんの母千鶴子さん、姉、義兄の三人に会い「葬儀にうかがいたかったが、李(秀賢)さんの葬儀と重なって来られず申し訳なかった」とあいさつ、「(史郎さんは)立派なことをされましたよ」と関根さんの行動をたたえた。

 千鶴子さんは「自分のやりたいことをやった人生なので、おそらく悔いはないのでは」としのび、義兄は首相に「危険なホーム対策をぜひ考えてください。弟の犠牲もそれで役に立つのでは」と要望した。

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