TOPIC No.2-74 日本人

01. 日本人 byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
02. 日本人の源流を探して  by日本人の起源
03. 全ゲノムシークエンス解析で日本人の適応進化を解明−アルコール・栄養代謝に関わる
 遺伝的変異が適応進化の対象−2018年4月24日 報道発表資料 by理化学研究所
04. 私たちはどこから来たのか? 3万年前の航海再現で探る日本人の起源 2017.12.14 
 by mugendai
05. 平成時代 DNAの30年 -第1部「読み解く」- DNA研究の現在と将来を考える。
 2018/01/15- YOMIURI online 読売新聞
06 「縄文人ゲノム解読 私たちのルーツは」(時論公論)2016年10月10日 (月) 
 土屋 敏之 解説委員 byNHK解説委員室
07. 歴史人口学から日本人の起源に迫る! 2012/05/11  by日本とユダヤのハ−モニ−
08. 日本人の起源-- 祖先の記憶 2011/5/01 The Asahi Shimbun GLOBE 
 (朝日新聞デジタル)
09. “酒豪”どこに多い? 「全国酒豪マップ」の謎 2010/7/2 編集委員 小林明 
10. 雑学小話−「さ」の神様 2007年08月06日 | 番外編 by高原千尋の暗中模索
11. 日本人は縄文人と渡来系弥生人のハイブリッド (荒 岱介)[2004年09月15日発行
 『SENKI』1155号4面から] by阿修羅−Ψ空耳の丘Ψ38
12. 飛鳥・奈良は渡来人が造った都 (荒 岱介)[2004年09月25日発行『
 SENKI』1156号4面から])by阿修羅−Ψ空耳の丘Ψ38
13. 日本と世界の比較 血液型の割合は? by大人の無料占い 恋愛と人間関係
14. 日本人はるかな旅展 国立科学博物館 2001年9月18日(火)-11月11日(日)
15. Yellow Hiro's TOPIC No. 9 歴史と民話
16. Yellow Hiro's TOPIC No.9-0 産経新聞【試行私考 日本人解剖】第3章 ルーツ
17. Yellow Hiro's TOPIC No.2-74-1 日本の人口/出生率
18. Yellow Hiro's TOPIC No.2-74-2 日本
19. Yellow Hiro's TOPIC No.2-74-3 『やばいぞ日本』日本産経新聞
 - いま、日本の没落が始まっている -
20. Yellow Hiro's TOPIC No.2-74-4【溶けゆく日本人】日本産経新聞
21. Yellow Hiro's TOPIC No.2-74-5【すごいぞ!ニッポンのキーテク】MSN産経ニュ−ス

[2018/05/08(火) WEB TOPICの見直しを実施。 Yellow Hiro's TOPICにはリンク切れ多数。]

なぜ日本人は「酒に弱くなった」のか

2018年04月28日(土) 15:37 石田雅彦 YAHOO!JAPANニュ−ス

 酒にはアルコール(エタノール)が含まれ、アルコールはアセトアルデヒド(acetaldehyde)という物質に代謝される。アルコールもアセトアルデヒドも強力な発がん性物質だ。我々はこのアセトアルデヒドをさらに代謝し、無害な酢酸に換えて体外へ排出している。酒の強さ弱さとは、アセトアルデヒドの代謝能力の差ともいえる。

酒に弱い日本人の遺伝的変異とは

 適度な量の酒は百薬の長といわれたり(※1)、いやちょっとの量でも認知機能に悪影響を与える(※2)などといわれたり、酒好きとしては適量を推し量るのに苦労する。大量飲酒が身体に悪いのはわかるが、週に1日だけそれも1合未満などといわれると、いっそ飲まないほうがマシという左党も多そうだ。

 ただ、こうした研究では、一国内や地域など特定の集団に限定した疫学データを利用したものが多い。例えば前述の例では、韓国人や日本人では適量のほうが酒を飲まない人よりも健康だったり、逆に英国人では少量でも認知機能に悪影響を与えるといった結果が出ることがある。

 先日、日本の理化学研究所などの研究者が、日本人2200人の遺伝子解析を行い、日本人集団の遺伝的な特性を英国の科学雑誌『nature』の「COMMUNICATIONS」オンライン版に発表した(※3)。その中に飲酒量やアルコール代謝についての遺伝子(ALDH2遺伝子領域)などが日本人集団の適応進化の主な対象になっていた、という分析結果があり、日本人は酒が弱くなるように進化したという研究者の発言が報道されて話題になっている。

 この適応進化というのは、世代を経るごとに周囲の環境に対応し、生物の性質などが変化していく現象をいい、遺伝子に現れた遺伝的な変異が周囲の環境に適応し、生存が有利となった場合などで、そうした変異が現れた個体から集団内へ拡散していく。その結果、集団内の遺伝子に変化が生じ、ほかの集団との遺伝的多様性の違いになるわけだ。

 この研究結果では、2000〜3000年のスパンで酒に弱い遺伝子が適応進化したことがわかったが、特に飲酒量に関するBRAP-ALCH2という12番染色体にある遺伝子に対して比較的最近に強い選択圧力があったのではないかという。この最近というスパンは2000〜3000年で約100世代となる。

 日本人の遺伝子については、ネアンデルタール人の遺伝子が混ざり、それが病気などに現れているのではないかという指摘もあるが、今回の研究結果ではネアンデルタール人由来の遺伝子が何か特別な適応進化に影響を与えている証拠は見つからなかった。研究者は、日本人に特徴的な遺伝的特性は2000〜3000年というスパンで強く変化したことも、ネアンデルタール人由来の遺伝子の影響を受けていないことを示すという。


日本人集団の病気の発症や臨床検査値の個人差に影響を与える遺伝的な変異がどれくらい適応進化に影響を与えているか、その強さを検討した。飲酒量などアルコール代謝と、脂質(HDL・LDLコレステロール値)や血糖値、電解質(カリウム・ナトリウム)、タンパク質、尿酸値や痛風など、栄養代謝に関わる形質が日本人集団ではその適応進化の主な対象となっていたという。Via:理化学研究所のリリースより

酒の強弱は酒量ではない

 そもそも酒に強い弱いというのは、いったいどんなことを指していうのだろうか。これは、酒量が多い少ないでもなければ、酔っ払う程度でもない。よく知られているのは、アルコールパッチテストといって皮膚にアルコールをしみ込ませたガーゼなどをあて、7分後と10分後に肌の色の変化で評価する方法だ。7分後に赤くなった場合は体質的に酒を飲めない人で、10分後でも肌の色が変化しなければ酒に強く、10分後に赤くなった場合は酒に弱いとなる。

 酒は飲めるが顔が赤くなるのは10分後の場合で、いくら酒量が多くても酒は弱い人だ。また、7分後に赤くなるような人には、酒を勧めず無理に飲ませてはいけないということになる。

 なぜ肌の色が変化するかといえば、アルコールの代謝機能に違いがあるからで、アルコールは体内に入ると肝臓で2段階の代謝を行って無害化する。まず、アルコールをアセトアルデヒドに分解するADH1Bという酵素(酵素タンパク質を作り出す遺伝子)が働き、さらに有害なアセトアルデヒドを無毒な酢酸に分解するALDH2が働く。この機能が低ければ、アルコールやアセトアルデヒドの影響で肌が赤くなる。

 日本人の場合、その75%がアルコールをアセトアルデヒドに分解するADH1Bの機能が低く、また25%がアセトアルデヒドを酢酸に分解するALDH2の機能が低いタイプとされ、ほかの集団と比べて酒が弱い、つまりアルコールを無害化する機能が弱い人が多いことが知られている。

 有害なアセトアルデヒドを無毒な酢酸に分解するALDH2の場合、この研究ではALDH2の前にBRAPという接頭詞がついている。BRAP-ALDH2は、付加的なタンパク質の修飾がついた遺伝子変異という意味で、日本人集団に特異的な遺伝子変異の一つと考えられている。12番染色体上の遺伝子にはこのBRAPがついた多型がいくつか知られ、乳がんや心血管疾患に関係しているようだ(※4)

 では、なぜ日本人に酒が弱くなる遺伝的変異が現れたのだろうか。

 飲酒と喫煙が口腔・咽頭がんのリスクを格段に高めることがわかっているが(※5)、この研究でも食道がんの発症が日本人集団で特異的に目立つとしている。アルコールを代謝できず、アセトアルデヒドを無害化できなければ、発がん性のあるエタノールやアセトアルデヒドが体内に長く残ることになる。

 その結果、こうした遺伝子を持った個体は生き残ることができず、遺伝子を残せない。当然ながら、2000年前にタバコは日本になかったし、発がんまでには寿命よりも長い時間がかかることが多い。つまり、アルコール代謝の機能が弱くても子孫を残すことができ、なおかつそれが環境に適応するために有利に働いたことになる。

多様な遺伝子の混在が原因か

 もしかすると、アルコールによる攻撃性の高まりが理由の一つかもしれない。飲酒とノーアルコール、プラセボ(酒と偽ったノーアルコール)を比較した研究によれば、飲酒によって人は攻撃的(Aggression)になることがわかっている(※6)。

 3000〜2000年といえば縄文時代の末頃から弥生時代初期になるが、原始的な水耕農耕文化が入ってきたのもその前後だろう。日本列島に大陸や朝鮮半島、南方、北方から多種多様な民族集団が入り込み、現在の日本人集団の原型を形成していった時期とも考えられる。

 あくまで想像だが、こうした遺伝的な混在状態がアルコールの代謝機能を減退させる環境圧力になった可能性もあるかもしれない。酒を飲んで暴力的になる遺伝子は、日本列島という狭い地域で複数の集団が割拠する過程で淘汰されてきたのだろうか。

 ALDH2は飲酒以外の疾患にも関係しているから、その影響もあるかもしれない。また、酒に強く飲んでも気分が悪くならない人はアルコール依存になりやすい。

 もしかすると、酒の弱さは日本人に与えられた遺伝的に有利な特性なのかもしれない。日本人には酒に弱い人が多いことを前提に、酒に飲まれず、あくまで適量、休肝日という適度なインターバルをとって接したいものだ。

「読み解く」(2) 日本人のルーツ探る

2018年01月12日 YOMIURI ONLINE

分岐2万〜4万年前か

  2003年に人間の全遺伝情報(ゲノム)が解読された後、様々な国の人たちのゲノムが解読されていった。一人ひとりのゲノムの違いは0・1%に過ぎない。しかし、そのわずかな違いを比べれば、私たちの祖先を探ることもできる。

◆福島の縄文人骨分析

 「そんな方法があるのか」。福島県立博物館で考古学を担当している専門学芸員・高橋満(47)は、今も驚いている。地元の遺跡で出土した縄文人の骨について、2年前、DNAを調べることによって意外なルーツが明らかになった。

 遺跡は三貫地さんがんじ貝塚。太平洋に面した福島県北部にあるこの遺跡は、明治時代に発見され、縄文人の骨が100体以上も出土した。国内有数の縄文遺跡だ。

 長い間、発掘調査が続けられ、1988年に報告書が出された。この縄文人たちは木の実やシカ、イノシシを食べ、墓を作っていたという。だが、一体どこから来た人々なのか。それはわからなかった。

 骨は東大の博物館に保管されていた。国立遺伝学研究所教授の斎藤成也(60)は、その数の多さに注目していた。借りてきた男女2人の奥歯の細胞核から微量のDNAを採取した。

 最新の分析装置でゲノムを解読。中国人、ベトナム人、南米の先住民など、いろいろな民族と比較した。

 その結果、三貫地の縄文人のゲノムは、中国人やベトナム人のそれとはかけ離れており、太古にアフリカからアジアへ渡った人々から2万〜4万年前に分かれた集団の子孫であることが判明した。

 がっしりした体つきに彫りの深い顔。全国各地で出土した骨などから、縄文人は、北東アジアや東南アジアの人々に近い存在と考えられてきた。見直しが必要だという。

 後に渡来した弥生人らと混血が進んだため、三貫地の縄文人のゲノムのうち、現代人に受け継がれたのは12%だという。斎藤は「様々な古代人のDNAを調べれば、日本人の起源をより詳しく解明できる」と語る。

 ただ、今回はまだ、「三貫地の縄文人が古い時期に枝分かれした」ということがわかっただけだ。男女2人のDNAを調べたに過ぎない。

 高橋はDNA分析には期待している。将来、三貫地の縄文人の全員の骨を調べれば、もっと多くのことがわかるだろう。親子関係や婚姻関係が明らかになる可能性もある。ムラの構造がわかり、関東や西日本など他の縄文人たちとの関係にも迫れるかもしれない。

 「考古学は土器や石器から当時の社会を考えていく。いつ作られ、どこへ運ばれたなど物の流れはわかるが、人間の姿は見えにくい。DNA分析で、古代社会をより豊かに復元できる可能性がある」と考えている。

◆「出雲と東北類似」で新説

 日本人のルーツに関して、ほかにも様々なことがDNAからわかり始めている。

 出雲弁と東北弁が似ていることは昔から知られてきた。同じズーズー弁。松本清張の小説「砂の器」でも取り上げられた。斎藤が島根県出雲市出身者らのDNAを調べたところ、出雲の人々はDNAも東北の人と似ている可能性が高いことがわかった。

 この結果から、斎藤は日本人の起源に新説を唱える。日本人の祖先は、縄文時代までに列島に来た狩猟民と弥生時代以降に渡来した稲作民が考えられてきた。新説では、この二つに加え、縄文後期〜晩期に渡ってきた集団を想定。この集団が、後から来た弥生人らに押され、出雲や東北へ移り住んだとみる。

 このほか、日本人に多い「下戸」に着目した研究もある。アルコールは、肝臓で毒性物質になり、酵素の働きで分解される。この酵素をうまく作れない「下戸遺伝子」を持つ人は飲酒後、頭痛などに悩まされる。

 北里大准教授の太田博樹(49)によると、下戸遺伝子の持ち主は中国南部と日本に集中している。感染症予防に関係があるらしい。感染症を起こす寄生虫は、血液中の毒性物質の濃度が高いと増殖しないという。

 中国南部は稲作発祥の地。お酒の文化も広まった。ある時、感染症が流行。下戸遺伝子を持つ人たちが生き延び、子孫が稲作とともに日本へ渡った――。そんな可能性があるという。

(敬称略) 2018年01月12日 Copyright c The Yomiuri Shimbun


中韓が「日本人のルーツ」をめぐって議論を展開? =中国報道

2017年4月28日 サーチナ excite.ニュ−ス

 人類や民族の起源を調査する手段として、人間の細胞内のミトコンドリアに注目する方法がある。ミトコンドリアのDNAを調べることによって母系の祖先のルーツをたどることができると考えられている。

 日本人のルーツは様々な機関で調査、研究が行われているが、日本人は決して遺伝的に均一な集団ではないと考えられている。非常に長い時間をかけて様々な集団が融合して誕生したと考えられており、中国大陸や朝鮮半島のほか、シベリア・ユーラシア北部、東南アジアなど非常に広範な地域に日本人のルーツはまたがっているとされる。

 日本人のルーツについて、日本人が関心を持つのはごく自然なことだが、中国人や韓国人も日本人のルーツには興味や関心があるようだ。中国メディアの今日頭条は25日付で、「日本人のルーツの一部は中国大陸から渡ってきた人だ」とする分析に対し、「韓国人は座視できず、反論している」と伝えている。

 記事は、日本の一部研究において「日本人のルーツの一部は中国大陸から渡ってきた人」とした分析に対して、韓国の学者は居ても立っても居られず、「日本人のルーツは朝鮮半島にある」とする見解を唱えていると説明した。

 また、韓国の歴史学者は、古代朝鮮には1万年以上の歴史があり、朝鮮半島から日本に渡った人が長い時間をかけて日本人となり、武士道精神を育むようになったという見解をすら持っていると紹介した。

 日本人のルーツをめぐって、中国と韓国では意見の食い違いがあるようだが、分子人類学に基づく人類のY染色体ハプログループで分類すると、日本人は中央アジア付近に住んでいたグループが日本に渡り、独自の発展を遂げた後に、東アジアにルーツを持つ弥生人と融合した民族であるという分析もある。遡れば、日本人も中国人も韓国人もルーツはアフリカに辿り着くうえ、そもそも日本人のルーツをめぐって中国と韓国の人が論争を繰り広げる必要はないのではないだろうか。(編集担当:村山健二)



「物理五輪」で金3、銀2 日本代表の高校生ら

2011/07/18 09:09 47News【共同通信】

 文部科学省は17日、各国の高校生らが参加してタイ・バンコクで開かれていた「国際物理オリンピック」で、日本代表5人のうち秀光中等教育学校(宮城県)6年の佐藤遼太郎さん(17)ら3人が金メダル、残る2人も銀メダルを獲得する好成績を収めたと発表した。

 ほかの金メダル2人は灘高校(兵庫県)3年の山村篤志さん(17)、同校1年の榎優一さん(16)。銀メダルは同校2年の川畑幸平さん(17)と開成高校(東京都)2年の笠浦一海さん(17)。

 1967年に始まった同オリンピックは、大学などの高等教育を受けていない20歳未満の学生による国際的コンテスト。


仕分け人、妻そっくり サラリーマン川柳入選作

2010/02/11 中国新聞ニュ−ス

 「仕分人 口調が妻と そっくりだ!」―。第一生命保険は10日、「第23回サラリーマン川柳コンクール」の入選作100句を発表した。政権交代関連や新型インフルエンザなど2009年を象徴する言葉をちりばめ、微妙な夫婦関係を表現した作品が目立った。

 家庭内の仕分け人は政府以上に厳しいようで「仕分け人 妻に比べりゃ まだ甘い」と嘆く。核密約問題にちなんで「遠き日の 密約メモを 探す妻」と過去を蒸し返されるのを恐れる。

 新型インフルエンザでは「新型は 女房車で 俺インフル」と妻との力関係を詠んだ作品も。

 不況で節約に関する句が多数入選。価格の安い「第三のビール」が増えて「一・二・三 我が家のビール 変遷史」、「節約と 人には言わず エコと言う」。ただ出費は「二人の子 婚活、就活 親カツカツ」と、なかなか減らない様子がうかがえる。

 職場の状況も厳しく、「『先を読め!』 言った先輩 リストラに」と、サラリーマンの受難ぶりが浮き彫りに。愛煙家は「喫煙の 場所はなくなり 税ふえる」と、さらに肩身が狭そうだ。

 最近話題の恋愛に消極的な「草食系男子」に対しては、「もやしっ子 草食系に 成長し」と批判的だ。

 サラリーマン川柳には2万9215句の応募があった。3月12日まで、第一生命のホームページなどで優秀作を選ぶ投票を受け付け、5月に上位10句を発表する。

国民生活調査 9割が認識 暮らし向き悪化、老後心配

2009/06/20 Fuji Sankei Business-i

 「不況で経済的には苦しくなったが、生活は満たされている。でも老後は不安だ」

 内閣府が19日まとめた2008年度の「国民生活選好度調査」でこんな国民感情が明らかになった。暮らし向きが悪くなったと感じる人が9割近くに達する一方で、生活全般に満足している人は半数以上に上り、景気が悪化する中でも“ささやかな幸せ”を感じる庶民の健気な姿が浮かび上がった形だ。

 調査によると、「暮らしが良い方向に向かっているか」との質問に対し、良い方向と感じている人の割合は10.3%と3年前の前回調査から半減し、1978年の調査開始以来最低を記録。バブル期の90年(45.7%)からの減少傾向に拍車がかかった。また、悪い方向と感じている人の割合は89.5%に上り、不況が国民の暮らしを直撃している現状が浮き彫りとなった。

 一方「生活全般に満足しているか」を聞いたところ、満足している人の割合が55.9%に上り3年前から16.5ポイント上昇。「子供のいる既婚者や一戸建ての持ち家を持っている人が貢献した」(内閣府)という。これを裏付けたのが、日常生活で満たされていることは何かを聞いた「充足度」の調査。60項目中で最も充足度が高かったのが「親子の間の対話があり、互いに相手を信頼していること」だった。

 老後の生活については、見通しが明るいと考える人が年々減少。明るいと答えた人は過去最低の11.8%にとどまり、暗い見通しを持つ人が87.9%に上った。不況で収入が減少する中で世帯あたりの貯蓄も減っており、将来の年金受給への不安が増しているようだ。

 調査は1月から2月にかけて実施。全国の15歳以上75歳未満の男女約4500人の回答を集計した。

「朝食週3日以上食べない」23% パンが半数 簡便化の傾向

2008.10.18 MSN産経新聞

 朝食が重要と考えている人は97%に上るのに、週に3日以上食べない人は23%で、63%は平日15分未満で済ませていることが、18日までにまとまった朝食に関するインターネット調査で分かった。主食はパンがほぼ半数を占めた。健康への意識はあるが、朝食は簡便化しているようだ。

 インターネット調査会社マクロミル(東京)が、首都圏1都3県の20歳以上の男女1030人を対象に、9月8、9日に実施した。

 朝食の頻度は「週5日以上」78%、「週3、4日」9%、「週1、2日」と「食べない」がそれぞれ7%(小数点以下を四捨五入、合計は100にならない)。

 朝食にかける時間は「5分未満」6%、「5分以上15分未満」57%、「15分以上30分未満」27%、「30分以上1時間未満」3%となっている。パン以外の主食は「ご飯」が36%だった。

下村氏にノーベル化学賞 クラゲの蛍光タンパク発見

2008/10/08 中国新聞ニュース

 【ストックホルム8日共同】スウェーデンの王立科学アカデミーは八日、二〇〇八年のノーベル化学賞を、飛躍的に発展している生命科学の研究に不可欠な“道具”となっている緑色蛍光タンパク質(GFP)の発見者で、米マサチューセッツ州在住の下村脩しもむら・おさむ・米ボストン大名誉教授(80)ら三人に授与すると発表した。

 日本人のノーベル賞受賞は、七日に物理学賞受賞が決まった南部陽一郎なんぶ・よういちろう・米シカゴ大名誉教授、小林誠こばやし・まこと・高エネルギー加速器研究機構名誉教授、益川敏英ますかわ・としひで・京都大名誉教授の三人に続く連日の快挙で、受賞者は計十六人となる。化学賞は〇二年の田中耕一たなか・こういち・島津製作所フェロー以来で五人目。

 ほかの二人はいずれも米国人で、マーティン・チャルフィー・コロンビア大教授とロジャー・チェン・カリフォルニア大教授。

 授賞式は十二月十日にストックホルムで開かれ、賞金は一千万クローナ(約一億四千万円)で、下村氏ら三人で等分する。

 授賞理由は「GFPの発見と開発」。GFPは紫外光を当てると、その光を吸収して緑色に輝きだすタンパク質。

 下村氏は渡米中の一九六一年にオワンクラゲからGFPを発見、翌年、論文発表した。残る二人は、GFPを使ってほかの生物の細胞を生きたまま光らせたり、緑色以外に着色したりすることに成功した。

 GFPを作り出す遺伝子をほかの生物のDNAに組み込み、特定のタンパク質が働けば緑色に光る「標識」のように使えば、タンパク質の働きを生きたまま観察することができる。この手法は現在、生物学や医学、創薬などの幅広い分野で利用されている。

日本人初のトリプル受賞、偉業達成の3人に祝福殺到

2008年10月07日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 素粒子研究の権威3人による日本人初のトリプル受賞――。ノーベル物理学賞に輝いたのは、米国に渡り、「世界的な権威」として独創的な研究を続けた南部陽一郎さん(87)、そして南部さんのまいた種から花を咲かせた小林誠さん(64)と益川敏英さん(68)のペアだった。「やっと受賞できてよかった」「違った個性がいい方向に進んだ」。7日夜に届いた朗報に、ゆかりの人からは続々と称賛と祝福の声が寄せられた。

 静と動――。口数こそ少ないが、一言一言に重みがある小林さんと、エネルギッシュでよく話し、笑顔を絶やさない益川さん。手を携えて偉業を成し遂げた2人は絶妙のコンビだ。この日は電話で「おめでとう」「そのうち、じっくり」と喜びをかみしめあった。

 「えっと、何も用意していないんで……。突然のことで驚いています」。日本学術振興会理事の小林さんは午後7時15分ごろ、東京・千代田区の同会で、ノーベル財団から受賞の知らせを受けたという。

 その後、花束を手にしながら記者会見に臨み、「益川さんと『受賞することになったら大変だね』とは話していた」と打ち明けた。また、研究で苦労したことを尋ねられると、「いったんストーリーが見えてくると比較的短時間で仕上げた」などと話した。「受賞の対象は30年も前に書いた論文。突然、昔の仕事で賞をいただき、多少、奇妙な感覚です」と語った。

 益川さんは午後7時25分ごろ、教べんを執る京都産業大の会見場に姿を見せ、「南部先生が2分の1、私たちが4分の1、4分の1。それくらい南部先生の功績が評価された」と、真っ先に大先輩をたたえた。

 「先生自身の喜びの声を」と促されると、「たいしてうれしくない」とジョークで返し、「日本で物理にあこがれを持つ人が増えてほしい。受賞が科学離れの歯止めとなればうれしい」と、かみしめるように話した。

 報道陣に「きょうはバンザイなんてやらないよ」と言いながら、両手を挙げてみせるちゃめっ気も。小林さんについて聞かれると、「難しいですね。彼を研究しているわけではないので」と笑いを誘った。

 英語嫌いで知られ、受賞を電話で伝えてきたノーベル財団も女性の通訳をつけた。一度も海外に行ったことがなく、海外の講演依頼は、小林さんが代わりに引き受けてきたという。

 受賞発表の直後、小林さんから電話でさっそく「授賞式には行きますか」と尋ねられ、「まあ、しゃあないね」。会見では「女房がぶうぶう言ってますから、今度は連れて行きます」と笑った。

日本の「幸福度」43位 米研究組織の世界調査

2008/07/16 中国新聞ニュース

 米政府が出資する研究組織「ワールド・バリューズ・サーベイ(世界の価値観調査)」はこのほど、約百カ国・地域を対象に「幸福度調査」を実施、市民が最も幸せを感じているのはデンマークだと発表した。日本は四十三位で、最下位はムガベ独裁政権が続くジンバブエ。

 米ミシガン大学を拠点とする同組織は一九八一年から二〇〇七年にかけて、対象国・地域の計約三十五万人に(1)非常に幸せ(2)まあまあ幸せ(3)さほど幸せでない(4)まったく幸せでない―のいずれに該当するかを質問。さらに「最近の生活にどの程度満足しているか」を尋ね、回答を総合的に分析した。

 その結果、二位以下はプエルトリコ(米自治領)、コロンビア、アイスランド、北アイルランド(英国)だった。

 そのほかは、米国十六位、英国二十一位、ブラジル三十位、フランス三十七位、中国五十四位、韓国六十二位、インド六十九位、エジプト七十四位、ロシア八十九位、イラク九十二位などだった。

 分析の詳細は明らかではないが、多くの国・地域で幸福度が年々向上していた。調査責任者のイングルハート・ミシガン大教授は「経済発展より(政治的)自由を感じる時に幸福度も増すようだ」と指摘した。(ワシントン共同)

メキシコ移民史、漫画に 日本人の功績伝える

2008/06/25 47News【共同通信】

 【メキシコ市25日共同】1897年に日本からメキシコ南部チアパス州に移住した「榎本植民団」の歴史を取り上げた漫画がこのほど日本で出版された。スペイン語への翻訳も進み、関係者は「日本人はもちろん、メキシコの日系人が先祖の功績を知るきっかけになれば」と期待している。

 漫画は「サムライたちのメキシコ」(出版・京都国際マンガミュージアム)。在グアテマラ日本大使館参事官の上野久さん(53)が、メキシコ在勤中の1994年に出版した「メキシコ榎本殖民」(中公新書)が原作になっている。

 旧幕臣の榎本武揚元外相が募集した榎本植民団は、チアパス州にコーヒー栽培などを目指して入植。植民は事前の調査不足などのため失敗に終わるが、その後もメキシコにとどまった照井亮次郎(岩手県出身)らが各種事業で成功し、両国の友好発展に寄与した。

 メキシコの日系人組織「日墨協会」が日系人に先人の功績を知ってもらおうと、原作のスペイン語訳を計画していたところ、趣旨に共鳴した京都の会社社長が「いまは活字よりも漫画が読まれる」と制作費を全額拠出。

母親の環境、日本は31位 スウェーデンなど北欧上位

2008年05月07日 中国新聞ニュース

 民間の国際援助団体「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」(東京)は7日、母親になるための環境が整っている国の上位にスウェーデンなどの北欧諸国を挙げ、日本は「女性の社会参加が進んでいない」として31位とする米国の関連団体の調査結果を公表した。

 ランキングは毎年5月の母の日を前に実施し9回目。146カ国を対象に、女性の生活状況や子どもの成育環境などのデータを基に判断した。

 2005年から調査対象の日本は06年に12位だったが、昨年の29位から2つ下がり過去最低。女性の平均余命(86歳)や5歳以下の死亡率(1000人当たり4人)の低さは上位だが、国会議員の女性比率(9%)が先進国で最低水準だったことが影響した。

 6年連続でスウェーデンが1位となり、国会議員の女性比率(47%)が最も高かったほか、女性が公教育を受ける平均期間(17年)の長さなども評価された。2位はノルウェー、3位はアイスランド。順位が低いのは子どもの死亡率が高いアフリカ諸国で最下位はニジェールだった。

文科省、新指導要領に「愛国心養成」を追加

2008年03月28日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 文部科学省は、約3年の改定作業を経てまとめた小中学校の新学習指導要領を28日付官報で告示する。

 先月15日公表の改定案と比べ、「我が国と郷土を愛し」といった記述が追加されたほか、「君が代」についても「歌えるよう指導する」と明記されるなど、「愛国心」の養成をうたった改正教育基本法を色濃く反映する形となった。

 これらの修正点は、文科相の諮問機関「中央教育審議会」の審議を経ないまま盛り込まれており、なぜ新たな文言が突然加わったのか議論を呼ぶのは必至だ。

 新しい指導要領は小学校では2011年度、中学では12年度から実施される。

 今回の修正の中で目立ったのは、一昨年12月に改正された教育基本法に「我が国と郷土を愛する態度を養う」との表現で愛国心の養成が盛り込まれたことを受け、小中学校ともに全体の指針となる総則に「我が国と郷土を愛し」という文言が加わった点。同じ総則の「伝統と文化を継承し」という記述も「尊重し」に変更され、小学国語に「神話・伝承を読み聞かせる」ことが追加されるなど伝統文化の尊重も強調された。

 君が代も小学音楽で「いずれの学年においても指導する」から「歌えるよう指導する」と修正され、中学社会では自衛隊の国際貢献に言及している。

 先月公表の改定案には、自民党の一部議員から、竹島や尖閣諸島について「我が国固有の領土」と明記されていないとの批判が集まっており、「愛国心を強調することで、そうした批判に配慮した」(自民党中堅)という指摘もある。

 文科省は「修正は中教審の答申の枠の中で行っており、批判を受けるとは考えていない」としている。

結婚割合、所得で差 厚労省の成年者縦断調査

2008年03月19日 中国新聞ニュース

 所得が高くなるほど、男女とも結婚した人の割合が高くなる傾向があることが、20−30代の生活実態を継続的に追跡する厚生労働省の「21世紀成年者縦断調査」で分かった。特に男性では差が顕著で、結婚にも「格差社会」の影響が見られた。

 調査は、少子化対策に役立てるため2002年10月末時点で20−34歳だった男女を毎年追跡している。今回の調査は06年11月実施。所得別の結婚割合については、2年前の調査で独身だった男女約8800人に動向を尋ねた。

 その結果「100万円未満」で2年間に結婚した男性の割合は4・4%、女性は9・8%。「200万−300万円未満」では男性が9・9%、女性が14・1%だった。

 これに対し「400万−500万円未満」は男女とも最も割合が高く、男性13・4%、女性15・6%で、特に男性は「100万円未満」との差が9ポイントあった。

 「500万円以上」では男性10・7%、女性14・3%と男女ともわずかに下がった。

日本人は思いやりに幸福感 米は自立、違いを研究

2008年03月16日 中国新聞ニュース

 米国人は自立や自尊心に幸せを感じるのに、日本人は思いやりなど周りとの関係を重視するといった幸福感の違いを、唐澤真弓東京女子大教授(文化心理学)らが16日までに明らかにした。

 幸福かどうかを尋ねる各種の国際調査では、日本人は不幸なグループに属することが多い。一方で日本は平均寿命が世界で最も長い国の一つで、「不幸なのに長生き」は謎とされる。

 唐澤教授らは東京と北海道の計約450人に、どのようなときに幸福と感じるかを聞き、約3000人を対象にした全米調査と比較。幸福感は日本人が協調性を、米国人が独立性をよりどころにしていることが分かった。

 この研究も含め、幸せと健康について日米で本格的に比較する共同研究プロジェクト(日本側代表・川上憲人東京大教授)が今年から5年計画で始まった。その公開シンポジウムが4月6日午後、東大医学部鉄門記念講堂で開かれる。問い合わせは東大精神保健学分野、電話03(5841)3364(平日)。

高校生の就職内定率84% 10年前の水準に回復

2008/02/12 中国新聞ニュース

 今春に就職を希望する高校卒業予定者のうち、昨年十二月末時点の就職内定率は前年同期に比べ2・3ポイント増の83・8%となり、内定率が大幅に落ち込む前の一九九七年の82・5%を上回る水準まで回復したことが十二日、文部科学省の調査で分かった。

 五年連続の上昇で、文科省は「団塊世代の大量退職など就職環境が改善しているのが背景ではないか」としている。

 調査によると、本年度の高校卒業予定者は約百九万三千人で、就職希望者は約二十一万四千人。うち内定したのは約十七万九千人だった。

 男女別でみると、男子は前年同期から1・9ポイント増えて88・0%、女子は2・9ポイント増え78・4%。

 学科別では工業の93・3%を最高に、情報87・1%、水産86・7%、農業86・1%、商業84・5%、総合学科82・7%などが続いた。

 都道府県別では富山県の93・2%が最も高く、愛知県92・9%、岐阜県92・3%が上位。一方、最も低いのは沖縄県の52・5%、次いで北海道65・5%、和歌山県76・6%など。

 石川、福井、山梨の三県は県外での就職活動が苦戦していることなどが影響し、前年同期より内定率が低下している。

【やばいぞ日本スポーツ】(1)世界選手権惨敗 実績偏重、進まぬ世代交代

2007.12.23 MSN産経新聞

 「ここで取りこぼしなんて冗談じゃないぞ」。柔道全日本男子の斉藤仁監督は怒鳴った。今月7日の嘉納杯初日、アテネ五輪男子66キロ級金メダルの内柴正人が2回戦でモンゴル選手に敗れた。終了間際の逆転負け。返し技だった。

 ショックな出来事は続いた。女子78キロ超級でアテネの女王、塚田真希が初戦の2回戦で、無名の中国人選手に敗れた。「緊張感がなかった」と塚田。北京五輪の代表選考は嘉納杯からが本番だ。第一人者の言葉としては、あまりに寂しい。エース級の谷亮子、鈴木桂治…ホスト国から7人もの欠場者が出た。

 来春の最終選考に間に合えば…。そんな甘さが見え隠れし、どこか覇気がない。9月の世界選手権(ブラジル・リオデジャネイロ)で惨敗を喫したときにはあった危機感まで薄れている。

 北京五輪を控えた今季は柔道以外にも陸上、水泳、体操などで世界選手権が開かれ厳しい日本の現実が浮かび上がった。

 アテネ五輪では、この4競技にレスリングを加えた5競技で過去最多タイの金メダル16個(柔道で8個)を積み上げた。

 だが今季の金は、柔道が五輪種目でわずか1個、水泳もアテネの3個が1個、体操も1個からゼロになった。陸上も夏の地元大阪開催で、メダル候補が次々失速し、銅メダル1個の寂しい結果に終わった。

 厳しい結果に、日本オリンピック委員会(JOC)は、北京五輪で獲得できる金メダル数を「現状では5個」と分析した(銀6、銅16)。一体、原因は何なのか。

 世界選手権に臨んだ柔道日本代表の平均年齢は男子27歳、女子25歳。2000年以降では最も高い。なにしろトップ選手がなかなか替わらない。例えば谷亮子だ。2年のブランクを経て復帰した4月の全日本選抜体重別決勝で22歳の福見友子に敗れたが、実績を買われ代表入りした。男子重量級の井上康生も今春2度の代表選考会で敗れながら代表に選出されている。

 「結局、選ばれるのはベテラン」。そんな空気から無力感が生まれる。女子48キロ級は世界選手権優勝で谷が事実上、五輪切符を手にした。福見は「気持ちが乗らず、(精神的に)だましだましやってきたので…」。嘉納杯は5位に沈んだ。

 「谷に圧倒的なものがあることは誰もが認めるが、次の選手を送り出すことに競技団体が踏み切らないと、層は厚くならない」と指摘するのはスポーツプロデューサーの杉山茂氏。筑波大の白木仁准教授(スポーツ医学)も「(柔道には)本当に勝ったら連れて行くというイメージがない」と手厳しい。

 そんな批判が聞こえたのか全日本柔道連盟は強化方法を転換し、全代表を集めた強化合宿ではなく、各階級上位2人に絞った階級別分散合宿による強化に切り替えた。

 少数精鋭で効率化を図り、欧州遠征などの経験を優先的に積ませる方針だ。吉村和郎強化委員長は「上位2人はシビアに入れ替える」と語り、右ひざの故障でリハビリ中の五輪王者、野村忠宏も特別扱いしない意向だった。ところが、来年1〜3月の欧州遠征に選ばれたのは野村、井上らベテラン勢ばかりだった。

 「誰が金に近いかという基本線は変わらない」と斉藤監督。アテネで爆発したベテランが頼りになるのは確かだが、若手に目を向けるのが遅すぎたといえないだろうか。

 JOCは11月、北京対策会議を発足、有望選手や種目を特定し強化費を配分することを決めた。総額約1億円。だが、最高額の1000万円を受け取る柔道を筆頭に、顔ぶれの多くは4年前と代わり映えしないはずだ。

                   ◇

 北京五輪開幕まで7カ月余と迫った。本来なら、本番に向け、目の色を変えねばならない時期だが、日本競技陣の周辺からは緊張感が伝わらない。アテネの「成功」もあって進まぬ世代交代。同時に、この国のスポーツを取り巻く環境の粗末さも見えてくる。

【やばいぞ日本スポーツ】(2)貧弱な国の支援 芸術と格差、先進国とは歴然

2007.12.24 MSN産経新聞

 平成20年度の予算折衝が始まる今月初旬、日本オリンピック委員会(JOC)の福田富昭選手強化本部長は、いち早く入手した最初の財務省案の一部を目にして、愕然(がくぜん)とした。

 「これで戦えというのか…」。文部科学省が要望したスポーツ施策に対する財務省の最初の回答には、予想外の数字が並んでいた。

 JOCをはじめ関連団体が重視していたのは、年明け早々の1月21日、東京都北区にオープンするナショナルトレーニングセンター(NTC)の関連施策だった。NTCは欧米並みの強化育成環境構築を目指す、いわば日本スポーツ界の拠点である。その目玉となる3事業のうち、2事業までが「ゼロ回答」だった。

 ジュニア世代から代表コーチがついて選手育成を図る「エリートアカデミー」▽引退した選手のセカンドキャリアを支援する「キャリアアカデミー」▽プロコーチを雇用・育成する「ナショナルコーチアカデミー」。このうち、エリートとキャリアの2アカデミーに予算はついていなかった。

 トレーニング機器等の整備費約52億円に対する8億円回答など、気になる数字はほかにもあったが来年4月に卓球とレスリングで開校を予定するエリートアカデミーは何としても復活させたい。陳情にはJOCや日本体育協会だけでなく競技団体も動員、日本水連の佐野和夫専務理事は衆参の議員会館を回り、議員約60人に訴えた。

 そのかいあって、20日、公表された財務省原案で2事業は救われ予算化されていた。「ありがたい。何もしていなければ、削られたままだった…」。福田本部長は胸をなでおろした。

                ×    ×

 「国の支援」というときスポーツ界には忸怩(じくじ)たる思いがある。芸術、文化との格差だ。文化庁予算は15年度以降、1000億円を超えているのに対し、19年度のスポーツ関係予算は約180億円。選手らの在外研修制度にも補助金は出ない。JOCの自己財源だ。「スポーツは感動や夢を国民と共有し健康増進や医療費抑制にもつながる。なのに、この差は一体、何なんだ」。福田本部長は憤る。

 他の先進国と比べれば歴然としている。例えばNTC整備である。

 アテネ五輪での金メダル獲得数上位10カ国のうち、NTC完成は日本が最も遅い。英国は1951年、韓国は66年、フランスは75年と、設立は早く、施設利用料や宿泊費、食費はほとんどの場合、国が負担する。韓国はトレーニングすると日当までが支給される。ところが日本は有料。スペースに応じて年間使用料が設定され、NTCを利用する12競技団体で負担額は計2283万円余。この12団体の一昨年の国内会場費の総額が計約1000万円だったことを考えれば、負担は大きい。これとは別に宿泊費や食費も必要だ。

                ×    ×

 北京での成果を踏み台に2016年の東京五輪招致まで視野に入れるJOCにとって、強化拠点整備は国家的事業といってよかった。だが、力こぶをつくるのはスポーツ関係者ばかりだ。

 才能発掘や育成方法の研究を国策として取り組んでいるという豪州は人口約2000万人ながら、アテネ五輪のメダル数で日本を上回ったように、メダル争いに加わるのなら国の支援は欠かせない。

 元NHKアナウンサーで現在、スポーツアナリストとして活躍する西田善夫氏は「NTCオープンは『スポーツは国民に感動を与えるもの』との認識が高まってきたから。確かにスポーツに対する予算は少ないが、ようやく始まったこの方向性にどうしたらもっと拍車をかけられるかを各競技団体などは考えるべきだ」と指摘する。

【やばいぞ日本スポーツ】(3)世界と認識のズレ

2007.12.25  MSN産経新聞

 ■外交下手…情報戦も難あり

 「言葉は悪いが、ざまあみろ、と思った」。ハンドボール男女の北京五輪アジア予選の再試合決定を受け、18日に会見した日本協会の蒲生晴明強化本部長は、積年の屈辱に思いをはせた。中東の審判による中東よりの判定に対し、国際ハンドボール連盟(IHF)が異例の判断を下した。

 いわゆる「中東の笛」は、1994年広島アジア大会のころから見られるようになった。アジア連盟会長は、クウェート出身の王族シェーク・アーマド氏。アジア・オリンピック評議会の会長も兼ねるこの実力者は、審判の判定に再三、口を出してきたという。オイルマネーを背景に国力の発露をスポーツに求め、その一つがハンドボールだった。

 再三の訴えにも腰の重かったIHFが今回、なぜ介入したのか。日本協会と韓国連盟が共同戦線を張ったこともあるが、何より韓国の国をあげた運動が大きい。韓国連盟はIHF加盟約160カ国・地域に、韓国−クウェート戦のDVDを送付。韓国オリンピック委員会はもちろん、在外の大使館も協力したという。ヨルダン審判員ペアの疑惑判定をまとめた韓国MBCの番組録画も同封し、38回もの疑惑判定を指摘した。

 さまざまな思惑が渦巻く国際スポーツ政治の舞台では、一競技団体だけの対応では太刀打ちできない。日本協会の市原則之副会長は「五輪ばかりでなく、こうした環境整備の面でもチームジャパンとしてあたることが必要」と指摘した。

                   ◇

 一方、外交下手が浮き彫りになったのは柔道だった。9月の国際柔道連盟(IJF)総会。理事再選を目指した山下泰裕氏が61対123票の予想以上の大差で落選した。

 「メリジャではなく、ビゼールに負けた」。対立候補はモハメド・メリジャ氏(アルジェリア)だが、マリアス・ビゼール氏(オーストリア)は新会長の名前だ。前会長の朴容晟氏(韓国)を支持していた山下氏をビゼール新会長は敵対視した。関係者によると、選挙戦では多額の資金でメリジャ氏を支援。山下氏の陣営は「4年の実績を客観的に知らせる」書簡を送っただけだった。

 現役時代のように真っ向勝負を挑んだ山下氏は「本来の柔道を普及するより、柔道を利用した政治的な面が支配している」と困惑の表情を浮かべた。

 伏線は、5月のアジア連盟会長選での佐藤宣践氏の落選にあった。欧州連盟がクウェート人の対立候補を支援し、佐藤氏は落選。「JUDO」の商業化路線を目指す欧州勢に中東、アフリカ諸国が追随したことは明らかだった。日本には「柔道の母国」という過信もあった。対応は完全に後手に回っていた。

                   ◇

 外交ばかりではない。9月の柔道の世界選手権では、情報収集にも疑問符が付いた。五輪種目では金メダル1個の惨敗。その原因の一つが返し技をめぐる世界との認識の違いだった。

 男子100キロ級の鈴木桂治は大外刈りを掛けた後、相手に捨て身技で返されて一本負け。鈴木の技で相手の背中は畳についたが、ビデオ判定は返し技を支持した。

 北京五輪に審判として出場する藤猪省太天理大教授は「審判の感覚は大陸ごとに異なり、サンボなど旧ソ連や欧州系の格闘技は返し技(有利)の傾向が顕著。国際試合の流れを前もって把握しなかった強化委員会に責任がある」と厳しい。実際、全日本の夏合宿では厚手の違反道着への対策ばかりに重点が置かれ、「返し技有利」の判定傾向にはほとんど注意が払われなかった。

 全日本柔道連盟ではアテネ五輪や世界選手権、欧州選手権などの主要大会の映像を収録。国立スポーツ科学センターに委託し、ネット上で有力選手の映像などの検索と閲覧を可能にしている。だが、こうしたソフト面の進歩が現場で生かし切れているとは言い難い

【やばいぞ日本スポーツ】(4)日本型育成の崩壊

2007.12.26 MSN産経新聞

 ■宣伝にシフト…頼みは国策

 史上最多タイの金メダル16個を獲得した日本選手団の活躍に沸いたアテネ五輪。その余韻がまだ残る2005年2月、スウェーデン・オリンピック委員会会長ら4人の一行が福岡市を訪れていた。目的は3年半後に控えた北京五輪の事前合宿地の視察。五輪閉幕からわずか半年で、すでにスウェーデンは次の五輪に向けた一歩を踏み出した。

 英国オリンピック委員会も動いた。12年ロンドン五輪で「金メダル獲得順位で世界4位」を目標に描き、戦略を練った。アテネ五輪での英国の金メダル獲得数は9個。4位のオーストラリアは17個で8個の開きがある。サイモン・クレッグ事務局長は「目標達成のために英国が歴史的に強くなかった競技に力を入れている。例えば、テコンドーはその典型例だ」と説明。今年に入ってテコンドーの代表コーチを3人追加するなど強化に力を注ぐ。

 「世界は次の次を見据えて動いている。日本も目先を見るだけでなく、長期的な視点が大切。北京を見据えながら、その先のロンドン、さらには16年東京五輪までを考えていかないと…」とは久木留毅・専大准教授。「メダル数を増やすには、種目数が多く、あまり層の厚くないスポーツを強化することが早道ではある。その意味で階級制のスポーツに着眼しているのだろう」と指摘する。

                   ◇

 翻って日本はどうか。日本オリンピック委員会(JOC)では16年に五輪を東京に招致できた際には、金メダル獲得数で「世界3位」に入ることを目標に掲げている。確かに金メダル16個を積み上げたアテネ五輪では世界5位につけた。

 だが、世界選手権などの成績からJOCが分析したその後の順位は、05年が14位、06年が10位で、主要競技の世界選手権で惨敗した今年も10位以下が確実。勢いが続かない。

 「企業スポーツの栄光と挫折」などの著書がある北海学園大の沢野雅彦教授は「日本のスポーツは底辺が狭く、浅い」と語り、「日本型の選手育成モデルが崩壊しつつある」と指摘する。

 つまり1990年代以降、バブル崩壊後の不況とリストラで、企業が実業団スポーツから相次いで撤退。チームや施設を次々に手放していき、地域でスポーツに親しむ環境が減っている。さらに「充実しているとは言い難かった公的施設も民間に委託され、公共性よりも採算が求められる状況」というのだ。

 こうした現状から、企業のスポーツ支援が、選手を正社員として雇い、長期的に育てるいわば「育成型」から、必要な間だけ契約する「宣伝型」になったという指摘だ。スポーツプロデューサーの杉山茂氏は「競技に専念できる環境が若手に注がれていない。既成の選手にいろんな条件が整えられ、新鋭やジュニアとの環境の格差が出ている」と見る。

                   ◇

 現に今季の世界選手権ではベテラン勢に救われた。大阪で開催された陸上は31歳の土佐礼子が大会最終日に日本勢唯一の銅メダルを獲得。柔道はママになった32歳の谷亮子が五輪種目で唯一の金メダルを獲得した。しかし、その後が続かない現状では北京五輪後の世代の空洞化の懸念もある。

 11月、自民党のスポーツ立国調査会に招かれたJOCの竹田恒和会長らは「国際競技力の向上は国策で」と訴えた。長く日本のスポーツ強化を支えてきた、企業による「育成モデル」が崩壊しつつある現在、財政基盤の弱いJOCや競技団体では、長期的な視点に立った施策はもちろん、北京五輪に向けた強化も十分ではないからだ。

 「小さい子供が自然とスポーツにかかわれる環境が必要。国がスポーツに力を入れる企業に税制優遇するなど、もっとスポーツに力を注ぐべきだ」。沢野教授はこう訴える。

【やばいぞ日本スポーツ】(5)世界との差待ったなし

2007.12.27 MSN産経新聞

 ■エリート育成 視線は10年後

 雪の舞うクロアチアのザグレブ空港に日本から14人の男子中高生が降り立った。今月15日夜のことだ。日本水泳連盟水球委員会のカデットクラス(16歳以下)強化合宿に参加した選手たちだった。一行はそのままバスに乗り、約400キロ離れた街、スプリットに移動。24日に帰国するまで、各地を回りながら同年代のチームと7試合を行うとともに、ユーロリーグなど世界トップクラスの試合を観戦し、水球漬けの日々を過ごした。

 海外遠征初参加だったのは9人。短い間だったが、収穫は少なくなかった。引率した同委員会育成担当の榎本至氏は「パワーの違い、テクニックなど、海外選手のプレーに驚き、一方で日本人のスピードが通用することも感じたはずだ」と話す。同委員会の原朗強化本部長は「世界の水球がどんなものか、国と国の戦いはどういうものかを分かってもらいたい」と意図を説明する。

 水球は、北京五輪の世界予選への出場を見送るなど、メダル有望種目の競泳やシンクロナイズドスイミングに比べて国際競争力が著しく劣る。それだけに将来を見据えた取り組みは真剣だ。16歳以下の強化に本格的に乗り出したのは2002年。きっかけは前年に行われた世界選手権(福岡)で、全敗を喫したことだった。痛感させられた世界との差。「今のままでは差が埋まらない」との思いが出発点となった。

                  ■□■

 水球に限らず、男子の団体球技では近年、五輪出場権すら獲得が危うい状況が続く。「チームスポーツはプロを持っている競技だけが予選を突破できる状況。大学スポーツの指導者が国際的視点に乏しい上に、ジュニア世代の強化は依然として学校中心。インカレで勝つよりも国際大会で勝つための状況を作らないと(世界と戦うのは)厳しい」。スポーツプロデューサーの杉山茂氏は現状をこう指摘する。

 水球では目標を10年後のロンドン五輪に置き、国際的視点を協会が作る努力を始めた。メンバー選考も埋もれた人材を発掘すべく全国に散らばる代表経験者から情報を得るとともに、日本水連ホームページにも「体力テスト基準値」を掲載し門戸を広げてもいる。

 こうした取り組みは北京五輪には間に合わない。だが、種をまかなければ、競技力向上は立ち止まったままだ。日本オリンピック委員会(JOC)の福田富昭選手強化本部長は「強化には10年はかかる。16年東京五輪招致に向けた機運盛り上げには北京での活躍は重要。同時に16年に向けた強化を図らねばならない」と訴える理由だ。

                  ■□■

 22日、日本卓球協会は理事会で、来年4月から始まるJOCの選手育成事業「エリートアカデミー」第1期生6人を決定した。女子は現在中学1年の2人、男子は小学6年の4人。同協会では01年秋から、各年代別に代表チームを結成し、強化を図ってきた。今後は来月に開所するナショナルトレーニングセンター(NTC)を拠点に、英才教育の徹底を図る方針だ。近隣の中学校に通いながら、NTCで練習に取り組むというJOCの目玉事業の先陣を担うだけに、想定外の課題も出てくるだろう。だが、同協会の前原正浩強化本部長は「強くなるにはこのシステムの確立しかない」と言い切る。そこには苦い思いがある。

 1952年から79年まで世界選手権で金メダルを獲得してきた日本だが、85年から95年まではメダルさえ獲得できない状況が続いた。原因には88年ソウル五輪から五輪正式競技になり、各国が強化に力を入れた一方で、日本は計画的に指導者養成を図ってこなかったことが挙げられる。

 脆弱(ぜいじゃく)な財政基盤、企業中心の日本型強化モデルの崩壊、急速に進む少子化…。競技力向上を期すスポーツ界には課題が多く横たわる。北京での戦いも厳しい。だが、立ち止まってはいられない。=おわり


読解力15位・数学応用10位、高校生の学力低下 OECD調査

2007/12/04 中国新聞ニュース

 経済協力開発機構(OECD)が昨年、五十七カ国・地域の十五歳約四十万人を対象にした「生徒の学習到達度調査」(PISA)で、日本の高校一年生は前回二〇〇三年調査(四十一カ国・地域が参加)に比べ、読解力が十四位から十五位、数学的応用力が六位から十位になったことが四日、分かった。

 科学的適応力も二位から六位へ後退したことが既に判明しており、実施三分野すべてで順位が低下。前回に続き高校生の学力低下傾向が示された形となった。

 文部科学省は「OECD加盟国平均と同程度かそれより高いグループに位置しており、科学的応用力と読解力は前回と大きく変わっていない」とする一方、数学的応用力の低下は認め「内容を分析し、読解力や知識を活用する力を重視する学習指導要領の改定に生かしたい」とした。

 日本からは全国で抽出した約六千人が参加。PISAは知識や技能を実生活で活用する能力をみる設問が中心で、OECD加盟国平均が五百点になるように採点される。

 前回比十七点減の五百三十一点だった科学的応用力のほか、文章の内容を読み取る読解力は前回と同じ四百九十八点。数学的根拠に基づいて判断する数学的応用力は十一点減って五百二十三点。

 得点ランクの分布をみると、得点上位の生徒数が減る形で上位と下位の差が縮まり、文科省は「一定の底上げは出来たが、上位者を伸ばせなかった」とした。

 生徒に対する質問調査では、科学が役に立つと考えたり、科学に関心を持ったりする生徒の割合はOECD加盟国平均を大きく下回った。科学が楽しいと思ったり、テレビや本など日々の生活で科学に触れたりする生徒の割合も参加国中最低レベルだった。

 科学関係の職業に就きたいと考える生徒はOECD加盟国平均の25%に対し、わずか8%。「科学技術創造立国」を目指す政府にとっては、将来に不安を残す内容となった。

 各分野の一位は、科学的応用力がフィンランド(五百六十三点)、読解力が韓国(五百五十六点)。数学的応用力では一位の台湾(五百四十九点)のほか、香港と韓国が五百四十七点で三、四位に付け、東アジア勢の台頭が目立った。

日本の男女格差91位に後退 スイス機関の07年版報告

2007/11/09 中国新聞ニュース

 【ジュネーブ8日共同】ダボス会議で知られるスイスの経済研究機関「世界経済フォーラム(WEF)」は八日、世界各国の男女格差を総合的に評価した二〇〇七年版の「男女格差報告」を発表。日本は調査対象百二十八カ国のうち九十一位で、対象国の増加などから前年に比べ十一ランク後退した。

 指数は給与水準や昇進など経済面と教育、健康、政治的な権限の計四つの分野について各国の男女格差を分析。日本は健康で三十七位、教育で六十九位につけたものの、経済で九十七位、政治で九十四位と低迷が目立った。

 新たな調査対象国のうちキューバ、ベトナムなど七カ国が上位に入るなどした結果、日本の順位は大幅に落ちた。

 首位はスウェーデン、二位はノルウェー、三位がフィンランドと北欧諸国が前年に続き上位を独占した。アジアの最高位はフィリピンの六位だった。ほかに中国は七十三位、韓国は九十七位。

 また主要先進国ではドイツが七位、英国が十一位、米国が三十一位などの結果だった。

 日本の前年順位は発表時七十九位だったが、一部の国のデータ手直しにより、八十位に修正された。

「性経験あり」高1の35% 民間調査、感染症の意識低く

2007/10/10 中国新聞ニュース

 若者の街、東京・渋谷駅周辺に集まる高校一年生の35%、高校三年生では71%に性経験があるなどとする調査結果を、性感染症予防の啓発活動を行っている民間団体「STOP!STDを考える会」がまとめ、十日発表した。

 性経験率が高い半面、性感染症に対する意識は低いことも判明。考える会は「早い段階で性教育を行って性感染症への正しい知識を得ることが重要だ」としている。

 八月に渋谷駅周辺の街頭やクラブで十五歳以上二十歳未満の男女にアンケートを実施、四百六十六人から回答を得た。

 性経験があると答えたのは高校一年が35%、二年が55%、三年が71%、卒業生は86%と学年が上がるにつれて高くなった。全体の6%が性感染症の感染経験があると答えた。

 性感染症に関する調査では「コンドームをつけないと性感染症に感染する」ということは67%が知っていたが、「クラミジアにかかって放置すると子どもが産めなくなる」や「子宮がんは性感染症と関係があるので早く検査した方がいい」ということを知っていたのはそれぞれ16%、12%にとどまるなど、性感染症への認識が十分でないことも分かった。

80%が武力攻撃に「不安」 内閣府世論調査

2007年09月20日 中国新聞ニュース

 内閣府は20日、外国からの侵略など武力攻撃や大規模テロの際の国民保護に関する世論調査結果を発表、80・2%が武力攻撃に「不安」があると答えた一方、国民保護の仕組みが国民の間にあまり知られていない実態が浮き彫りになった。

 国民の「不安」は、昨年の北朝鮮の核実験やミサイル発射、中国の軍事費増大など東アジアの不安定な状況を反映したものとみられる。

 2004年6月の国民保護法成立を受けた初めての調査で、今年8月に成人男女3000人を対象に行い、1805人から回答を得た。

 調査では武力攻撃について「非常に不安がある」と「少し不安がある」とした回答がそれぞれ34・0%と46・2%を占めた。

 また有事の際に国民の生命や財産を保護する国民保護の仕組みに関し「よく知っている」と「少しは知っている」が計29・8%にとどまったのに対し、「ほとんど知らない」「まったく知らない」は計70・2%に上った。

単身赴任の7割が自炊 健康気遣うサラリーマン

2007年08月24日 中国新聞ニュース

 単身赴任のサラリーマンでも7割が自炊している−。ミツカングループ本社(愛知県半田市)が24日までに実施した単身赴任者へのインターネット調査でこんな結果が出た。自炊派のうち「毎日自炊」という人が3割以上に上った。

 外食頼みと思われている単身赴任だが意外に自炊の比率が高く、ミツカンは「外食だと飲酒も増えるため健康やメタボリック症候群を気にして自炊する人が多い」とみている。

 自炊する人に聞いた料理の頻度は「2、3日に1回」が37・1%と最多、「毎日」の33・7%が次に多かった。50代では「毎日」の割合が42・2%と高く「主婦顔負けの結果」(ミツカン)。

 一方、自炊をしない人は全体の3割いる。ほかの設問では50代の7割が「規則正しく食べている」としたのに対し、30代では「朝食抜き」や「遅い夕食」という人が多く、若い世代ほど食生活に課題を抱えている。

 調査は6月末から7月初旬に実施。30代から50代の単身赴任の男性会社員370人が回答した。

ジニ係数初めて0・5超す 05年、所得格差拡大示す

2007/08/24 中国新聞ニュース

 厚生労働省が二十四日発表した二○○五年の「所得再分配調査報告書」によると、世帯単位の当初所得の「ジニ係数」は過去最大の○・五二六三で、初めて○・五を超えた。報告書は原則として三年に一度まとめられており、これまでは前回○二年の○・四九八三が最大だった。

 ジニ係数は所得分配の格差を示す代表的な指標。全世帯の所得が同額の場合を○(ゼロ)とし、一に近づくほど格差が大きいことを示す。

 当初所得の平均は約四百六十六万円。前回から四十五万円減少している中、格差が拡大していることを示した。

 ただ、当初所得には公的年金収入は含まれておらず、厚労省は今回の結果を「高齢者世帯の増加と、世帯の構成人数の減少による影響が約九割」と分析。若者を中心に非正規雇用が増加していることに関しては「詳しくは分析できない」としている。

 一方、当初所得から税金と社会保険料負担額を差し引き、公的年金収入と医療、保育などの社会保障給付を加えた「再分配所得」のジニ係数は○・三八七三で過去最大。前回の○・三八一二から微増で、厚労省は「一九九九年の前々回調査からほぼ同じ水準で推移しており、社会保障の再分配機能が効果を上げている」と説明している。

 当初所得の平均額約四百六十六万円に対し、再分配所得は約五百五十万円。一方、六十五歳以上の高齢者世帯では当初所得約八十五万円に対し、再分配所得は約三百七十一万円となっている。

国の借金は836兆円 6月末も過去最高に

2007/08/24 中国新聞ニュース

 財務省は二十四日、国債と借入金、政府短期証券を合わせた国の債務残高(借金)が二○○七年六月末時点で八百三十六兆五千二百十三億円になったと発表した。三月末時点に比べ二兆千四百二十七億円増加し、過去最高を更新した。

 一人当たりの借金は、八月一日時点の人口推計一億二千七百七十七万人で計算すると約六百五十五万円となる。

 債務の中心を占める国債は二兆三千二百四十六億円減少し、六百七十一兆七千九百七十五億円。このうち普通国債は五兆八千四十億円減り、五百二十五兆八千九百七十五億円。減少したのは、約六兆円の割引短期国債(TB)を政府短期証券(FB)に振り替えたことによる一時的なもの。FBは六兆六千七百八十二億円増の百七兆六千五百二十四億円となった。

 一般会計や特別会計の借入金は二兆二千百九億円減の五十七兆七百十五億円だった。

 財務省は国の借金残高を三カ月ごとに公表、借金財政が続き過去最高を更新し続けている。

日本は過去最高の6位 数学五輪、金2、銀4

2007年07月23日 中国新聞ニュ−ス

 【ハノイ29日共同】世界中の中高生が数学の難問に挑戦する第48回国際数学オリンピックがベトナムの首都ハノイで24日から開催され、日本代表は2人が金メダル、4人が銀メダルと参加者6人全員がメダルを獲得、国別で6位となり過去最高の成績を収めた。主催者側が29日、明らかにした。表彰式は30日に行われる。

 金メダルを獲得したのは高田高(津市)3年の片岡俊基さん(17)と筑波大付属駒場高(東京都)1年の副島真さん(16)。片岡さんは中学3年の時から、銀、金、銀、金と4年連続のメダル受賞。

 銀メダルは灘高(神戸市)2年の関典史さん(17)、同校3年の吉田雄紀さん(18)、大教大付属高天王寺校舎(大阪市)3年の井上卓也(17)、筑波大付属駒場高1年の滝聞太基さん(15)。

 主催者によると、国別では1位がロシアで、2位中国、3位ベトナム、韓国、5位米国、6位日本、ウクライナと続いた。

【やばいぞ日本】第1部 見えない敵(3)「金メダル取るのは当然さ」

2007/07/18 The Sankei Shimbun WEB-site

 中国の大学界で最高峰の北京大学数学科学学院。17歳の1年生、甘文穎が国際数学オリンピック(IMO)大会で金メダルを獲得したのは昨年7月の大会だ。

 「金メダルはほとんど中国からの参加者が取っている。取れなきゃメンツがないよ」。甘の自信は、国家のシステムで特訓を重ねてきたことに裏打ちされていた。

 金メダルへの道は湖北省・武漢の公立高校で始まった。父親は県政府職員。甘は小学生時代、「勉強は嫌いでも数学はできた。ほとんど満点に近かった」。父親は才能を見抜いた。数学オリンピックの新聞記事を読み、甘を湖北省で「数学ナンバーワン」と呼ばれる「武鋼3中」(高校)に入学させる。

 中国では10月に約16万人の高校生が全国高中数学大会(試験)に参加する。国立の中国数学会は上位約150人を選抜した上、翌年1月の中国数学オリンピック(CMO)テストに参加させる。その大部分は大学に無試験入学できる資格を得るほどの英才だ。

 1週間の「数学キャンプ」で25人に絞られ、4月には特訓班「国家集訓隊」へ。ここで2週間に6回のテストを重ね、IMOへのメンバー6人が最終的に決まる。

 代表6人は97年以降のほとんどのIMO大会で、4人以上が金メダルという驚くべき成績を残し、国別総合得点順位もほぼ連覇している。

 90年から参加の日本は過去10年間、昨年の7位が最高だ。

 北京数学学校の趙●(●=木へんに貞)名誉校長は「数学は科学技術だけでなく、人類や文化に及ぼす影響も大きい。数学の人材が広がることで中国の発展に希望が持てる」と強調する。

 確かに、徹底した中国の数学エリート教育は、理科系人材の創出につながっている。

 中国は理科系人材を育成することで、世界の科学技術をリードしたいと考えている。

 特に力を入れている分野の一つが、ソフトウエアだ。日欧米の大学や企業に大量の人材を出して勉強させているほか、中国に海外の有名大学や大手企業の研究所を誘致して、技術獲得と技能アップに余念がない。

 甘も将来、米マサチューセッツ工科大で博士課程に進みたいとのビジョンを描く。

 一方、日本では若い世代の理科離れが深刻さを増している。(野口東秀)

ソフト開発まで外注

 20年前なら、日本の数学者は国際数学オリンピック(IMO)をほとんど気にもしなかった。短時間のうちに器用に問題を解いていく技術を、真の数学の能力と取り違えると、本物の数学者を育てるためにはかえって有害であるからだ。

 だが、今の日本では状況が変わった。「数学への関心を増すという観点から、IMOは有益と言わざるを得ないのではないでしょうか」

 北京大学や上海・復旦大学を訪れた経験を持つ北海道大学大学院准教授で数学者の本多尚文は、そう語る。数学そのものを構築していく本格的な最先端の研究分野で比べると、日本の数学は中国の数学の水準を上回る。しかし、日本の高校生たちの数学への意欲は薄らぐ一方である。

 日本の数学者から見ると、中国の数学は実用重視に偏りがちだ。「学生の間では公式集の丸暗記に力が注がれ、その意味を考えることは二の次です。数学に対する文化がまったく異なっている」と本多は語る。

 「でも中国の学生たちは非常にハングリーでエネルギッシュです」

 中国の大学では、収入増と結びつきやすい理系の人気が高い。

 中国が重視しているのがソフトウエア開発だ。欧米も10年以上前から、注目している。

 米IBMは1995年に中国研究センターを設立。2002年7月には、北京大学や精華大学などの主要6大学の優秀な学生に対して「天才孵化(ふか)計画」(Extreme Blue)をスタートさせた。

 学生を選抜しての英才教育だ。IT人材育成を目的とした中国各地のソフトウエア学院に資金を提供して関係強化を図っている。

 これに対し、日本の若い人たちの理科離れは著しい。慢性的にIT人材が不足するとともに、大学での工学部人気が大きく落ち込んでいる。目的意識を持った学生が集まらない。1995年に約57万人いた志願者が2005年には約33万人に減っている。

 就職でもIT業界への人気が低下している。今の日本の若い世代には「新3K」として敬遠されるのだ。きつい・厳しい・帰れない−のKである。結婚できないのKとされることもある。

 その結果、日本の企業は、インドや中国などの企業へソフト開発委託を加速させている。このままでは日本の自動車や家電製品を支えるソフトウエアの多くが中国やインドで開発されかねない。

 現在、日本のソフトウエアの輸出入状況は、圧倒的に輸入超過で、輸出1に輸入10の比率だ。

 当初は、安い労働力を武器にプログラミングの請負だけだったが、日本のIT人材の不足から、徐々にソフトの設計部分の開発をも発注することになり、中国にその工程をこなせる人材が多くなっている。

 現代は自動車、家電、飛行機などにとどまらず、企業の財務・生産管理に至るまでコンピューターソフトによって制御されるシステム社会だ。

 IT産業がグローバル競争の要である限り、IT人材の育成が国際競争力の鍵を握る。

 NTTデータの山下徹社長は「日本は技術立国をめざしてきたのに、それさえ危うくなっている。海外へのアウトソーシング(外注)によって技術だけでなく、これからの産業の根幹となる重要なソフトウエア開発を外国に委ねてしまう」と警鐘を鳴らす。そこに日本の真の脅威が内包されている。(長辻象平、気仙英郎)

【用語解説】国際数学オリンピック

 世界80カ国ほどから数学に優れた高校生以下の若者が参加する。高校3年生レベルの数学知識で解けるとされるが、思考力や想像力も問う。成績上位者には、1対2対3の割合で金・銀・銅メダルが授与される。6人の総合得点で国別順位を決める。

日本人は交流に消極的 在日外国人と意識に差

2007年07月09日 中国新聞ニュース

 日本に暮らす外国人と地元住民の交流について、外国人の56%は「積極的にしたい」と考えているのに対し、日本人で積極的なのはわずか10%にとどまっていることが国土交通省などが実施した調査で9日、分かった。

 調査は昨年12月からことし1月にかけ、住民の15%を外国人が占める群馬県大泉町など茨城、群馬、栃木、埼玉4県の計16地区で実施。在日外国人738世帯と日本人1104世帯から回答を得た。

 国籍はブラジル49%、ペルー14%、中国12%、ベトナム10%など。

 在日外国人で日本人との交流を「しなくてもいい」と答えたのは5%。「生活上、必要最低限でいい」の26%と合わせると消極的回答は31%。日本語を学びたい人は87%、今後も同じ地域に住み続けたいと思う人が73%に上った。

 一方、日本人は「しなくてもいい」が23%、「生活上、必要最低限でいい」が54%で消極的回答は計77%に達した。

日本人の自尊心、米国人と同じくらい高い? 潜在意識調査で判明

2007/06/14 The Sankei Shimbun WEB-site

 謙遜(けんそん)はしていても、日本人の自尊心は米国人と同じくらい高い−。東京大学など日米の共同研究チームが最新の心理テストで日本人、米国人、中国人の潜在意識を測定したところ、日本人と米国人の自尊心の高さにほとんど差がないことが分かった。日本人に対する「自尊心がない」「卑屈」といった偏見解消につながりそうだ。米心理学協会の専門誌「サイコロジカル・サイエンス」(6月号)に論文が掲載される。

 謙遜を美徳とする文化に育った日本人は、自尊心を表明するのを避ける傾向がある。このため、「あなたは他人より優れていると思いますか」といった設問に答える従来の自己報告式の心理テストでは、日本人の自尊心は米国人より低いという結果が得られていた。

 東大大学院人文社会系研究科の山口勧教授は、大阪大、ハーバード大、ワシントン大などと共同で、本人が自覚していない潜在意識を測定できる最新の心理テストを、日本、米国、中国の大学生(合計約500人)に行った。このテストは、自分を表す言葉(私など)と、望ましい言葉(美しい、賢いなど)をどのくらい簡単に結びつけるかを、コンピューター上の反応速度で測定する。

 その結果、自己報告式のテストでは日中の大学生の自尊心は米国より低い数値を示すが、同じ大学生の潜在意識を測定すると、日本人も中国人も米国人と同じくらいに高い自尊心を持っていることが、初めて科学的に示された。

 山口教授は「自己報告式の調査結果から、欧米では日本人は自尊心の低い卑屈な国民性だとみなされがちだった。今回の成果が、日本人、東洋人に対する偏見の解消に役立つことを期待している」と話している。

平均所得、過去17年で最低 563万、過半数が生活苦

2007/05/30 中国新聞ニュース

 二○○五年の一世帯当たりの平均所得は前年比2・9%減の五百六十三万八千円で、平成になった一九八九年以降の十七年間で最低だったことが三十日、厚生労働省が発表した「○六年国民生活基礎調査(概況)」で分かった。「生活が苦しい」と回答した世帯数は56・3%。調査を始めた八六年以降で最多となり、九年連続して過半数を占めた。

 「高齢者世帯」(家族構成が六十五歳以上のみか、六十五歳以上と十八歳未満の未婚者)と一人暮らし世帯の推計数は、いずれも過去最多となった。

 景気が回復傾向にあるとされるにもかかわらず平均所得が減少したことについて、同省は「収入が少ない高齢者世帯の増加に加え、核家族化が進み世帯人員が少なくなったことが背景にある」(国民生活基礎調査室)と分析している。

 調査は○六年六―七月に実施。全国の約四万七千世帯を抽出して家族構成を調べ、うち約六千二百世帯に前年の所得や暮らし向きについて尋ねた。

 調査結果によると、一世帯当たりの年間の平均所得は○四年に比べ十六万六千円減少。2・9%の下げ幅は過去十年間で二番目に大きかった。

 家族に子供(十八歳未満の未婚者)がいる世帯の平均所得は七百十八万円で、前年より約三万円増加したものの、58・7%が母親が仕事をしていると答えた。高齢者世帯の平均所得は三百一万九千円だった。

 調査結果に基づいて算出した○六年六月一日時点での全国の推計世帯数は四千七百五十三万千。うち高齢者世帯は八百四十六万二千(17・8%)で前年より0・1ポイント増加。一人暮らし世帯は千二百四万三千(25・3%)で、過去最多だった前年を0・7ポイント上回った。

日本人は「世界一歓迎される観光客」

2007年05月29日 IT media News

 世界で最も歓迎される観光客は日本人――米最大手の旅行サイトを運営するExpediaがこのほど実施した、観光客の評判に関するアンケート調査で、こんな結果が出た。日本人はマナーやエチケットをよく守り、礼儀正しく慎ましいという結果だ。2位はアメリカ人で、最下位はフランス人だった。

 調査は、日本、中国、アメリカ、フランスなど28カ国が対象。ヨーロッパ12カ国、1万5000以上のホテルマネージャーに、礼儀や気前の良さなど10カテゴリーで最良と最低の国を選んでもらって集計した。

 日本人は2位のアメリカ人を大きく引き離して1位。「行儀がいい」「礼儀正しい」「物静かで慎ましい」「クレーム・不平が少ない」のカテゴリーでそれぞれ1位だった。ホテルの部屋をきれいに使ったり、ローカルフードに積極的に挑戦する姿勢も評価された。

 ただ、チップの気前の良さや、地元の言葉を覚えて積極的に使う姿勢に対する評価はやや低かった。

 日本人の評価が高かったカテゴリーのベストとワーストは以下の通り。

順位 行儀がいい 行儀が悪い

1 日本人 イギリス人

2 ドイツ人 ロシア人

3 アメリカ人 中国人

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順位 礼儀正しい 無礼

1 日本人 ロシア人

2 イギリス人 フランス人

3 アメリカ人 ドイツ人

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順位 物静かで慎ましい 騒々しい

1 日本人 イタリア人

2 中国人 アメリカ人

3 スイス人 イギリス人

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順位 クレーム・不平が少ない クレーム・不平が多い

1 日本人 アメリカ人

2 中国人 ドイツ人

3 オランダ人 イギリス人

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順位 部屋をきれいに使う 部屋を汚す

1 ドイツ人 イギリス人

2 日本人 中国人

3 スイス人 アメリカ人

 2位のアメリカ人は、旅行中の金払いのよさでトップだった。「礼儀正しい」のカテゴリーでも3位に入ったほか、チップの気前も良く、ローカルフード好きな点も評価された。

 その反面、クレーム・不平が一番多いのもアメリカ人。騒々し、部屋を汚す、おしゃれでない、という評価もあった。

 最下位のフランス人は、地元の言葉を話そうとせず、態度が大きい点がマイナス評価につながった。ローカルフードにも興味が低く、旅行中の金払いも悪いという。

 Expediaは、米国最大手の旅行サイト「Expedia.com」を運営する企業で、日本版を含む世界14カ国で事業展開している。

10年度の観光消費30兆円も 団塊の旅行や訪日客で期待

2007年05月24日 中国新聞ニュース

 アジア諸国からの訪日客、団塊世代の旅行ブームに火が付けば、国内の観光消費は年間30兆円に−。国土交通省が24日まとめた観光の経済効果予測で、順調に行けば、2010年度の見込み額が05年度実績より5兆円余り増えるとの見通しが示された。

 増加が見込まれる5兆円の主な内訳は「会社員などの有給休暇取得率の向上で日帰り、宿泊旅行が拡大」(2兆1000億円)、「団塊世代の長期滞在型旅行」(1兆1000億円)など。また訪日外国人旅行者が政府の「ビジット・ジャパン・キャンペーン」の目標通り、10年に1000万人に達すれば、9000億円分の効果があるという。

 さらに輸送、飲食業などを合わせた経済全体への波及効果は、05年度の55兆3000億円が10年度に65兆2000億円に拡大。これに伴い、雇用も同期間に60万人増え、528万人になると計算された。

男性長寿、日本2位に 女性は1位、WHO統計

2007年05月19日 中国新聞ニュース

 【ブリュッセル19日共同】世界保健機関(WHO)は18日、2007年版の「世界保健報告」を発表した。それによると、05年の平均寿命が世界で一番長かったのは、男性はサンマリノの80歳、女性は日本の86歳だった。日本は前回統計まで男女とも「長寿世界一」だったが、05年には男性平均寿命が79歳で2位だった。

 WHOは男女合計の平均寿命を発表していないが、男女別の平均寿命を単純平均すると、日本は82・5歳となり、サンマリノの82歳を上回っている。

 男性の平均寿命が長いのはオーストラリア、アイスランド、スウェーデン、スイスで、日本と並ぶ79歳。女性はモナコが85歳で2位、フランス、サンマリノなど計7カ国が84歳で3位。

 平均寿命が最も短いのは、「データなし」のイラクを除くと、男性がシエラレオネ、女性がスワジランドで、それぞれ37歳。世界193カ国の平均寿命は男性64歳、女性68歳だった。

偉くなるよりのんびり生活 日本の高校生、出世欲最低

2007年05月02日 中国新聞ニュース

 日本の高校生は「責任が重くなる」と出世を嫌い、そこそこの収入でのんびり暮らしたいと思いがち−。日本青少年研究所(東京)がこのほど日、米、中、韓の4カ国で実施した高校生の意識調査でこんな傾向が明らかになった。

 同研究所は「現状に満足していることの表れだろうが、将来を考えると悲観的な数字だ」としている。

 調査は昨年10−12月に4カ国全域の計65校、約5700人を対象に実施。

 「えらくなりたいか」の質問に「強くそう思う」と回答した割合は中国34%、韓国23%、米国22%だったのに対し日本はわずか8%。

 日本の高校生で「えらくなること」について「責任が重くなる」と答えたのは79%、「人に頭を下げなければならない」は27%と、他の3国より圧倒的に多かった。逆に「能力が発揮できる」(42%)、「異性にもてる」(7%)などは少なく、出世にマイナスイメージを持つ傾向が見られた。

 自分の将来の希望について聞いたところ、「とてもそう思う」と回答した割合は、「自分の会社・店を作りたい」で日本14%に対し中国37%、「金もうけをしたい」では日本37%に対し韓国が75%。「暮らしていける収入があればのんびり暮らしたい」は他の3国が14−22%だったのに対し日本が43%だった。

日本の子供、最も孤独 先進国の幸福度調査

2007/02/15 The Sankei Shimbun WEB-site

 日本の子供は「先進国の中で最も孤独」−。国連児童基金(ユニセフ)が14日発表した先進国に住む子供たちの「幸福度」に関する調査報告書で、こんな実態が浮き彫りになった。

 報告書は経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち25カ国について各種指標を比較。子供の意識に関する項目の中で「孤独を感じる」と答えた日本の15歳の割合は29.8%で、2位のアイスランド(10.3%)以下、フランス(6.4%)や英国(5.4%)などに比べ飛び抜けて高かった。「自分が気まずく感じる」との回答も、日本が18.1%とトップだった。

 子供の物質的な教育環境面でも、日本は先進国中で平均以下との結果が出た。学習用の机やコンピューター、インターネット接続など教育環境の充実度を示す8品目のうち、6品目未満しか持たない15歳が日本では53.3%に上り、ギリシャに次いで高かった。(共同)

「日本の伝統」 子供らに語り継ごう 教育現場で高まる危機感

2007/01/31 The Sankei Shimbun WEB-site

 忘れ去られようとしている日本の伝統行事や儀礼を子供たちに伝え継ごうという動きが学校現場で広がりつつある。家庭や地域で学ぶ機会が急速に減っていることへの危機感と、後世に伝統文化を継承したいと願う気持ちがある。(山口暢彦)

なぜ門松を飾る?

 「日本の伝統行事の素晴らしさを子供たちに伝えたい」−。そんな思いから先月、日本の冠婚葬祭の由来を教える授業を始めたのは、東京都中央区立月島第二小学校。

 「お正月に門松をなぜ飾るか知っていますか?」。12月25日に行われた初めての授業。教室に集まった5年生の全児童約50人に、遠藤真理子教諭がそう語りかけた。

 「神様が空から降りてくるときの目印にするためなんですよ」。こう説明すると、児童たちは「へえー」「知らなかった」と、興味深そうに声をあげた。

 ほかにも、「なぜ鏡もちをおそなえするのか」「おせち料理に数の子やレンコンが使われるのはなぜか」など、お正月にまつわる話を、パワーポイントを使用しながら次々と説明していく。児童らは「勉強になるなー」などと声をあげながら熱心に耳を傾けた。

歴史的背景を説明

 遠藤教諭が“種本”として使ったのが『子供たちへ 冠婚葬祭ってな〜に?』だ。

 熟年世代の交流サロンを運営する「ニューミレニアムネットワーク」(東京)が昨年10月に出版。お正月、節分といった「一年の行事」や、初宮参りや七五三など「一生の儀礼」の由来を、子供にも読みやすく、カラフルなイラストや大きな文字で解説している。

 「伝統文化は急速に風化している。子供に『行事や儀礼は(その歴史的背景を知ると)楽しいものである』と実感させる責務が大人にあると思った」と工藤忠継社長。

 同書は、「教える技術」を共有化しようという教員が参加する「TOSS」(教育技術法則化運動)を通じて全国に配布。今月25日現在、約120校で授業に取り入れられている。

 月島二小もその1校。授業後、「お正月のことをいっぱい知ることができて楽しかった」などの“喜び”の声に接した遠藤教諭は、「今後も節分、桃の節句などの行事にあわせ、『総合的な学習の時間』などを使って教えていきたい」と意欲をみせる。

移動教室で句会

 東京都日野市立日野第三小学校。ここでは3年ほど前から俳句の教育に力を注いでいる。

 毎年6年生は4月ごろから俳句の作り方を勉強し、6月に栃木県日光市で行われる「移動教室」で「句会」を開く。17年度からは「句会」で詠んだ俳句を掛け軸風の絵に仕上げる取り組みも始めた。

 同校研究主任の井出寿雄教諭によると、この取り組みがきっかけとなって、日本文化に興味を持つ子が増えたようで、 「何人かの子供は、希望して卒業式に着物を着て出席した。今の子供にも伝統文化を受け入れる素地は十分ある。大切なのは、大人が教育の機会をどれだけ作れるかだ」と語る。

 福岡県豊前市の「豊前青年会議所」前理事長、金光功さんも同じ考えだ。同会議所では日本古来の礼儀作法を伝えようと、昨年10月から市内の小学校にメンバーらが出向き、手紙の書き方、もてなし方、みだしなみなどを教える「出前講座」を始めた。金光さんは「出前講座の後、親に急須でお茶を出してあげようという子が出てきた」と話す。

 出前講座の内容をイラスト付きで説明したCD−ROMを100枚も作成。豊前市やその周辺の小中学校、図書館などに配布し、教材として使ってもらうことを考えている。「きちんと教われば子供たちは強い興味を示す。あとは、大人がどれだけしっかりと教えられるかです」と金光さんは話している。

行政でもサポートの動き

 子供に「日本の伝統」を伝えようという動きは、行政でも進められている。例えば、文化庁の「伝統文化こども教室」事業は、おけいこ教室やNPO法人などを援助し、小中学生が伝統や文化に親しめるようにサポートしている。参加教室数などは事業初年度(15年度)の1551件から、18年度には3365件に倍増。種類も生け花、茶道、囲碁、百人一首、和装礼法、日本舞踊などに広がっている。

 民間も含めたこのような動きについて、各種学校での伝統・文化の教育事業を進めている東京都教育委員会では、「国際化の中で異文化を大切にする心をはぐくむためには、まず自国文化の理解が大切」と指摘。子供が伝統・文化に触れる機会が減っていることを踏まえ、「学校や家庭、地域が連携しながら指導していかなければならなくなっている」としている。

働き盛り80%、運動不足 40代が肥満の自覚最多

2006/10/28 中国新聞ニュース

 内閣府が二十八日に発表した「体力・スポーツに関する世論調査」によると、働き盛りとされる年代で運動不足を感じている人が多く、三十代が80・7%でトップで、次いで四十代の78・9%、二十代の74・8%と続いた。また、全体の43・4%が「自分は肥満」と感じると回答。年代別では四十代の57・0%が最も割合が高い。男女別では男性39・9%、女性46・5%。

 「運動不足」とした回答は平均で67・6%になり、「肥満」の回答平均とともに過去五回の調査との比較では最高になっている。内閣府は「中高年層は生活習慣病など肥満が原因とされる病気を一番心配する年代」と指摘しており、内臓脂肪の蓄積が深刻な病気につながるメタボリック症候群への不安感が“自覚”の背景にあるようだ。

 その裏返しで、健康志向が高まっているとみられ、この一年間で「運動やスポーツを行った」と回答した人は二○○四年の前回調査より6・3ポイント増の74・5%。「まったくしなかった」は25・5%だった。

 国際的なスポーツ大会への関心は高く、五輪やサッカーのワールドカップ(W杯)での日本人選手の活躍に「関心がある」と答えた人は85・2%に上った。

 同時に、冬季五輪やワールドカップで日本勢が不振に終わった結果を受けてか、前回より12・0ポイント増の88・7%が選手への「公的援助」の必要性を認め、「海外遠征などに経済的援助」「充実した施設の建設」「コーチの養成」などを挙げた人が多かった。

 調査は今年八月に全国の成人男女三千人を対象に実施。回収率は61・6%だった。

古き良き近所付き合い…「三丁目の夕日」が厚労白書に

2006/09/08 The Sankei Shimbun

 近所付き合いに郷愁―。8日公表された平成18年版の厚生労働白書に、昭和30年代の下町の暮らしを描き、昨年映画化された西岸良平さんの人気漫画「三丁目の夕日」が取り上げられた。

 紹介されているのは「昭和30年代の地域社会のイメージ」と題したコラム。「隣近所から足りないしょうゆを借りたり、作りすぎた夕食のおかずを分け合ったり」「すれ違えばあいさつや井戸端会議をする」と、作品の中で描かれている町や人々の様子を「顔の見える地域社会」の例として詳しく説明し、漫画の1こまも掲載。

 「この漫画や映画が支持されていることは、温かい近所付き合いなど地域社会とのかかわりを求める人々が少なからず存在していることを示唆している」と解説している。

 8日告示された自民党総裁選で圧倒的優位に立っている安倍晋三官房長官も著書「美しい国へ」で、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」に触れ、地域社会の大切さを強調している。

日本社会像、理想と予想に大きなギャップ 厚労白書

2006/09/08 The Sankei Shimbun 東京朝刊から

 「家族の支え合いに頼りたいが、実際にはそんな社会は来ない」―。15年後の日本社会像について、多くの国民が理想と現実に大きなギャップを持っていることが、川崎二郎厚生労働相が8日の閣議に報告した平成18年度版の厚生労働白書で分かった。

 白書が取り上げたのは、厚生労働省が1月に実施した15年後の日本社会についての理想と予想についてのアンケート調査。家族の在り方については55.6%が「家族との支え合いに頼りたい」と希望しているにもかかわらず、同時に65.5%がそういう社会にはならないと予想。近所付き合いは84.5%が「盛んになってほしい」と望んでいるものの、同時に85.7%が希薄になると予想した。

 仕事と余暇のバランスでも、77.3%が「余暇中心」を理想とし、「仕事中心」の21.6%を大きく上回ったが、61.6%が実際には仕事中心社会になると予想するなど、いずれも理想と実際に到来する社会のイメージに大きな乖離(かいり)があることが浮き彫りになった。

 白書は、こうした国民意識を重視。社会保障制度の見直しに引き続き取り組む必要性を指摘するとともに、働き方を見直すことで家族や地域社会の一員として過ごす時間を増やし、職場と家族と地域をつなぐ新しい「支え合いの循環」の実現を提唱している。

“科学五輪”で日本の高校生活躍 科学技術の人材育む

2006/08/20 The Sankei Shimbun 東京朝刊から

 この夏、世界各地で開催された「科学五輪」で、日本の高校生が好成績を収めました。才能を持つ若者の発掘、理系離れへの歯止め効果も期待されています。(特集部 記野重公)

 理系離れ歯止めに期待

 科学五輪とは、高校生らを対象とした数学、物理、化学、生物、情報などの国際コンテストの総称です。科目ごとにコンテストが毎年、世界各地で開催され、選手の選考なども、それぞれの科目に関連した団体が実施しています。

 このなかで、「国際数学オリンピック」は、東欧の国が中心になって1959年に始まり、日本は90年から選手を派遣しています。財団法人「数学オリンピック財団」が高校などを通じて選手を募集しています。

 選考は1次の筆記試験で100人、2次の証明問題で20人ほどに絞りこみ、3月下旬に1週間の合宿を実施し、講義、演習、テストの成績から最終的に代表選手6人を選抜します。出題内容について、同財団は「思考力、想像力を重視する問題が出題される。数学の知識だけでは解けない」としています。

 ことしの第47回大会は7月、スロベニアで開かれ、90カ国・地域から約500人が参加。1日4時間半の試験が2日間にわたって行われました。成績上位者には、1対2対3の比率で金、銀、銅メダルが授与され、日本の6人は金2人、銀3人、銅1人と全員がメダルを獲得しました。しかし、総合得点の国別順位でみると、日本は7位。上位3国は中国、ロシア、韓国の順で、国家をあげてエリート養成に努めている様子をうかがわせています。

 国際化学オリンピックには日本化学会などが開催する全国高校化学グランプリの優秀者4人が派遣されています。ことしは韓国で開催され、67カ国255人が参加。実験試験と筆記試験が行われました。参加者の1割に金、2割に銀、3割に銅メダルが贈られ、日本は金1人、銀3人とここでも全員がメダルを獲得しました。

 アルゼンチンで開かれた国際生物学オリンピックには日本から4人が出場し、3人が銅メダルを獲得。シンガポールで開かれた国際物理オリンピックには、日本が初参加。5人が出場し、銀1人、銅3人でした。8月13日からメキシコで開かれている国際情報オリンピックは、コンピュータープログラミングなどIT技術を競う大会で、日本から4人が出場しています。

 文部科学省は科学技術振興機構を通じ、科目ごとの実施団体に1500万円を上限に支援しており、国内選考の開催費や代表選手の遠征費などにあてられています。「優秀な若者が競う場への支援だが、これが普及し、一般の若者も科学に目を向けるきっかけになってくれれば」(同省基盤政策課)と、科学技術立国への人材育成に期待しています。

国民幸福度、首位デンマーク、日本90位 英研究者発表

2006/07/29 The Sankei Shimbun

 幸せになりたい人はデンマークへ―。英レスター大の社会心理学分析の研究者が28日、英シンクタンクのデータを基にした独自の計算で各国国民の幸福度を順位付け、色分けした「世界幸福地図」を発表した。1位はデンマークで日本は90位、最下位はアフリカのブルンジだった。

 調査対象となった178カ国の基礎データや、約8万人に聞き取り調査した国際機関の発表済みの100以上の報告書を分析。 (1)良好な健康管理 (2)高い国内総生産(GDP) (3)教育を受ける機会 (4)景観の芸術的美しさ (5)国民の強い同一性 ―の条件が整った国の国民は「幸せ」と回答する傾向が強いということが分かったという。

 2位はスイスで3位がオーストリア、米国は23位。中国の82位、インドの125位などアジア各国は、比較的順位が低かった。

 幸福度の順位の基になったデータの計算方法など詳しい根拠は明らかになっていない。(共同)

日本の「貧困層」拡大 OECD報告書公表

2006/07/20 The Sankei Shimbun 大阪夕刊から

≪教育水準低下を懸念≫

 経済協力開発機構(OECD)は20日、日本経済の状況を分析した「対日経済審査報告書」を公表した。所得水準の低い「相対的貧困層」の割合が先進国で米国に次いで2番目に高いとし、「不平等の度合いが増している」と指摘。所得の低い世帯の子供たちの教育水準低下などを招く恐れがあるとの懸念を表明した。

 報告書は、全6章のうち1章を格差問題にあて初めてこの問題に本格的に言及。日本の可処分所得の分布を分析した結果、中央値に比べ、所得が半分未満の「相対的貧困層」の割合が2000年に13.5%とOECD加盟国のうち、米国に次いで2番目に高い比率となった。その理由として報告書は景気低迷で正社員が減り、賃金の安いパートなどの非正社員が増えたことを挙げた。

 同時に、報告書は「貧困を固定化しないために所得が低い世帯の子供が質の高い教育を受けられるようにすることが重要」と強調。具体策として、(1)非正社員への社会保険の適用拡大(2)低所得世帯への財政支援の強化−などを提言した。

 日本経済の現状に関してはバブル崩壊後の停滞から脱却し、戦後最長の景気拡大になると予想。ゼロ金利解除後の金融政策について、「デフレに陥るリスクを最小化するため、物価上昇率が対前年度比で1%となるまでは再利上げをすべきでない」と追加利上げは慎重に判断するよう求めた。

 一方、財政運営では一層の歳出削減や消費税率引き上げが必要と指摘。国内総生産(GDP)の0.5〜1.5%に相当する基礎的財政収支の黒字確保を財政再建の目標として示した。

日本は49位に転落 サッカー新世界ランク

2006/07/13 中国新聞ニュース

 【ロンドン12日共同】国際サッカー連盟(FIFA)が十二日、新しい算出システムによる世界ランキングを発表し、日本はワールドカップ(W杯)ドイツ大会前の18位から49位に転落した。新システムは対象となる試合を過去8年間から4年間に短縮。試合の重要性や地域による特性、対戦国の実力などを考慮に入れて計算する。

 首位はブラジルで変わらず、W杯を制したイタリアが13位から2位に躍進。アルゼンチンが3位、W杯準優勝のフランスが4位で続いた。以下イングランド、オランダ、スペイン、ポルトガル、ドイツ、チェコの順。欧州、南米勢以外ではW杯不出場のナイジェリアが11位で最高だった。

 アジア連盟(AFC)加盟チームではW杯16強のオーストラリアが33位で最高。それ以外はイラン47位、韓国56位などとなっており、いずれも大きく順位を落とした。

 日本が八月九日に国際親善試合で対戦するトリニダード・トバゴは64位。

“日本の品格”ネット調査 「合法なら何をしても良い」にNO!

2006/06/16 Iza!
    

 法に触れなければ何をしても良いという考えは日本人の品格に合わない―。

 ポータル(玄関口)サイト「goo」を運営するNTTレゾナントが16日まとめた日本人の品格・道徳観に関するインターネット調査で、こうした意識が浮かび上がった。

 調査は「電車の中での化粧」「あいさつをしない隣人」など10項目から、日本人の品格からみて望ましくないと思うことを最大3つ選択する。5月26―28日に、10―70代の男女約2100人から回答を得た。

 「法に触れなければ何をしても良いという考え」を望ましくないとした人は41.9%で、「たばこの吸い殻の投げ捨て」(42.4%)に次いで2位。3位は「高齢者が立っている前で座り続けている学生」で34.1%だった。

 ライブドアや村上ファンドの事件が相次いだことで、「合法なら何をしてもという考え方を、好ましくないと感じる人が増えているのでは」と、NTTレゾナントは分析している。

使い方、専任スタッフが答えます 34万円の洗濯乾燥機

2006/06/01 The Sankei Shimbun
  

 東芝コンシューママーケティングは1日、エアコン機能を搭載し、使い方や故障に関する問い合わせには専任スタッフが対応するなど、購入者向けの“VIP待遇”サービスも付けたドラム式洗濯乾燥機「エアコンサイクルドラムTW―2500VC」を、7月上旬発売すると発表した。

 「高い満足を約束する商品」と位置付ける高級白物家電シリーズ「プレミアムステージ」の第1弾で、希望小売価格は34万6500円。

 エアコン機能によって、ヒーターではなく除湿した風で乾燥させるため衣類の縮みが少なく、スニーカーや縫いぐるみなども乾かせる。冷房機としても使えるため、ジメジメとして暑くなりがちな洗面室を快適に保つことができるという。

 東芝は今後、さまざまな種類の「プレミアムステージ」商品を市場投入し、高所得層の囲い込みを狙うことにしている。

気になる商品…高級炊飯器 ご飯おいしく生活豊か

2006/05/24 The Sankei Shimbun大阪夕刊から

 家電メーカーが高級炊飯器に力を入れている。炭やダイヤモンドを使ってコメに熱を伝えやすくするなど、あの手この手でご飯をおいしく炊こうとする機能が目立つ。中・高年の夫婦や二十−三十歳代の独身女性を中心に、「豊かな生活スタイルを満喫したいというニーズが高まってきた」(家電量販店)ことが背景にあるという。(藤原章裕)

 大阪市北区の大手家電量販店「ヨドバシカメラマルチメディア梅田」。家電売り場には、三菱電機が三月下旬に発売した超高級炊飯器「NJ−WS10」の専用コーナーが設けられている。

 現在の店頭価格は九万円前後。家族向けの五・五合炊きクラスでは、通常の売れ筋商品(二万−三万円)に比べて超高級品だが、三菱電機は「インターネットや電話による問い合わせがかなり増えてきた」(広報部)と意気込む。

 人気の秘密は、炭の塊をくり抜いてつくる「本炭釜」と呼ぶ釜。炭を三〇〇〇度の高温で九十日間焼き、職人が手作業でひとつ一つの製品に仕上げる。釜の外側にはシリアルナンバーを入れるこだわりようだ。炭はステンレスより熱伝導に優れており、ご飯がふっくら炊けるという。

 三菱電機にとって「炊飯器は、エアコンや冷蔵庫に比べて弱い商品」(関係者)のためテレビCMが打てず、当初は売れ行きが心配された。だが、四月に入ってテレビ番組で紹介されると人気に火がつき、「量販店によっては一日あたり三、四台だった売れ行きが一気に九台に跳ね上がった」(広報部)とホクホク顔だ。

 釜にダイヤモンドの粒をコーティングしたのは、松下電器産業が昨年六月に売り出した「SR−SS10」。こちらも熱伝導の良さをアピールしてヒット作となり、同社の高級炊飯器の販売台数を前年比二倍に引き上げた。今年五月には後継の「SR−SS10A」(店頭価格は七万三千円前後)を発売。従来機種では釜の底のみだったダイヤモンドのコーティングを側面やふたにも採用。「〇・一カラット分のダイヤモンド微粒子」をうたい文句に、熱伝導のさらなる改善と高級感をうたっている。

 三洋電機の「ECJ−GZ10」(同四万九千八百円前後)は、加圧と減圧を繰り返すことでご飯がふっくら炊ける。百二十五通りの炊き方を選べるのが主婦の人気を集めている。タイガー魔法瓶(大阪府門真市)の「JKG−A100」(同四万九千八百円前後)は、アルミニウムとステンレスを交互に九層重ね合わせて加熱性を高めている。パンやケーキづくりも楽しめる。

 日本電機工業会によると、平成十七年度の炊飯器の出荷台数は前年度比3・5%増と堅調に伸びており、オーブンレンジのように高級機種ブームに火がつくかもしれない。

国際結婚にモテモテ?日本人 15組に1組、増加続く

2006/04/17 The Sankei Shimbun【東京朝刊から】

≪男性、優しく経済力あり/女性控えめ≫

 日本人同士の結婚件数が減少するなか、国際結婚は増加傾向が続く。平成16年にゴールインしたカップルは、海外での婚姻を含めると15組に1組(6.6%)にのぼる。外国人からみると、日本人男性は「優しく経済力がある」、日本人女性は「控えめで女らしい」と、もてもて(?)のようだ。結婚が“愛”か“打算”か意見の分かれるところだが、国境を越えて文化や習慣の違いを乗り越えるのは、相当の覚悟が必要だ。(村島有紀)

≪3高の生活≫

 「中国に旅行に来た日本人は親切で優しかった。結婚するなら日本人と決めていた」

 中国・山西省出身の張彩雲さん(32)=川崎市在住=は、日本人男性との結婚にあこがれ来日。4年前、日本語学校在学中に見合い結婚、夢に見た生活を手に入れた。

 夫の勝山真二さん(43)は「彼女たちにとって、日本は経済力があり、民主主義が浸透した理想の地」と中国人女性の気持ちを代弁する。

 日本人男性の生涯未婚率は12%(平成12年)にのぼり、嫁不足は農村だけの問題ではない。そのため勝山夫妻は昨年、結婚相談所「ウインブライダルジャパン」(東京都港区)を開設。都市近郊の未婚男性に在日中国人女性を紹介している。

 厚生労働省の調査では、16年の国内の国際結婚約4万件のうち8割が日本人男性と外国人女性の組み合わせ。女性の国籍は中国39%、フィリピン27%。東京都では国際結婚の割合が9.5%を占める。

 「日本仲人連盟」(東京都渋谷区)によると、加盟1300相談所のうち1割が国際結婚を扱う。土橋小春副社長は「留学生や就学生など在日中国人女性の登録が増えたのは5年ほど前から。女性側からすると、日本での生活自体が『3高』(高学歴、高収入、高身長)と同じような好条件なので、年齢差があっても妥協できる人が多い。200万−300万円かかる海外へのお見合いツアーに比べ男性側の負担も軽い」。

≪絶妙マッチ≫

 日本人女性の海外での国際結婚も増えている。16年に海外で結婚した8900件のうち、日本人女性と外国人男性の組み合わせは85%。最も多いのは米国で、中国、韓国と続く。

 日本人女性と欧米系男性のマッチングをしている「デスティナ・ジャパン」(東京都港区)には計2500人の会員がいる。広報担当者は「一般的に日本の女性は、欧米や中国、韓国の女性に比べ自己主張が少ない。さらに結婚後も経済的自立を求められる欧米ではキャリア志向の日本人女性と、やや気弱で繊細な欧米の男性が、絶妙にマッチします」と説明する。

 同社は追跡調査はしていないため、見合いの成否は不明。それでも昨年1年間で延べ1000人以上の日本人女性が米国で見合いした。今年4月中だけでも約130人が渡米する予定だ。

 米国留学中に国際結婚し、サンフランシスコに住む日本人女性(34)は「欧米的な価値観や社会の仕組みが自分に合っていた。昔から、家族一緒に食事をする温かい家庭にあこがれていたし、仕事と家庭が両立しやすくジレンマを感じない。日本では自分を抑えがちだったが、こっちは積極性をプラスに評価されるので、より自分らしくいられる」と理由を話す。

≪落とし穴は≫

 滋賀県、千葉県で相次いだ中国人妻による事件は例外としても、国際結婚に"落とし穴"はないのだろうか。

 東京都江東区の女性(29)は、日本に留学中の中国人男性と恋愛結婚した。トラブルが起こったのは出産後だ。2歳になる長女の育児に、同居中の自分の父が「中国語と日本語で育てると孫が混乱する」と、家庭内で中国語を禁じた。女性は「夫は、すごいショックを受けた。『母国語を話すな』というのは自分を全否定されるのと同じ。なぜ、父はそのことに気付かないのか」と悩む。

 静岡県在住の男性(55)は、平成3年にお見合いツアーを利用して中国で結婚した。2人の子供をもうけたが、妻は同じ中国出身の男性と交際を始めたため、3年前に離婚した。男性は「子供もできたし、結婚しないより良かった」と振り返るが、心の傷は深い。

 インターネット上では、アジア各国でのお見合いツアーが紹介されているが、「来日直後に嫁が失踪(しつそう)」「夫が性的不能」などトラブルもあるという。就労や永住権取得が目的らしい結婚もあるとされ、離婚率も高い。

 人の国際移動に詳しい関西学院大学経済学部の井口泰教授は「元気な日本人女性が海外に出るのは、日本社会にも問題があるから。アジアの女性が日本人男性と結婚すると、結果的に日本で働く機会も開かれるが、子育てや介護の問題だけでなく、予想できない日本社会の壁に阻まれるリスクもある」と話している。

論文引用トップに審良阪大教授 日本人が上位に7人

2006/02/28 The Sankei Shimbun

 学術情報会社トムソンコーポレーションは28日、2003―05年に出された世界の論文の中で、極めて引用回数が多い論文をたくさん書いた“ホットな研究者”の第1位は、免疫学分野の審良静男(あきら・しずお)大阪大教授だったと発表した。

 03年11月から05年10月までに出された論文が05年9、10月に引用された回数を集計。分野別に上位0.1%に入った論文を研究者ごとに数えた。審良教授は、生物が持つ自然免疫システムに関する研究の第一人者で、11本の論文が最高61回引用された。

 ほか上位21人までには、高エネルギー加速器研究機構(茨城県)とニュートリノ観測装置スーパーカミオカンデ(岐阜県)で実験を進めている物理学の研究グループから、田村詔生(たむら・のりお)新潟大教授が8本で2位になるなど、6人の研究者が名を連ねた。

 他の5人は、渡辺靖志(わたなべ・やすし)東京工業大教授、片山伸彦(かたやま・のぶひこ)・高エネ研教授、羽澄昌史(はずみ・まさし)同助教授、飯嶋徹(いいじま・とおる)名古屋大助教授、岡部壮志(おかべ・たけし)名大研究員。(共同)

家族と会話ない高校生は万引や自傷2倍 PTAが6000人調査

2006/02/12 The Sankei Shimbun

 家族との会話がなかったり、学校をやめたいと思ったりした生徒は、性経験や万引、刃物で手首を傷つけるなどの自傷行為をする割合が、そうでない生徒の約2倍以上―。全国高等学校PTA連合会が公立高55校の2年生約6000人を調査した結果がまとまり、集計と分析に当たった木原雅子(きはら・まさこ)京都大助教授(社会疫学)が12日発表した。

 地域差は少なく、木原助教授は「問題視されるこれらの行為は子供たちの叫びであり、共通の原因は人間関係の希薄さ。今の社会は意識して人と人がかかわり合う必要があり、大人が本気で取り組まないと状況は変わらない」としている。

 昨年10月、全国から55校を選んでアンケート、5755人が回答した。性経験があったのは男子で18%、女子で23%。万引は男子17%、女子12%、自傷行為は男子5%、女子10%だった。

 「家族と全く・ほとんど話さない」と答えた男子(7%)は「よく話す」男子(56%)に比べ、性経験は1.9倍、万引は2.7倍、自傷は2.2倍高かった。女子は「話さない」が4%、「よく話す」が77%で、性経験2.7倍、万引3.6倍、自傷3.2倍だった。

 「学校をやめたいと思ったことがある」「親が自分を分かろうとしてくれない」「泣きたいほどつらいことがよくある」生徒でも同様。また携帯電話のメール交換の回数が多くなるほど高率になる傾向もあったという。(共同)

東京っ子 早寝早起きTV漬け アジア5都市調査

2006/02/08 The Sankei Shimbun【東京朝刊から】

 東京の幼児は他のアジア都市の幼児に比べ早寝早起きだが、テレビ漬け−。教育シンクタンク「ベネッセ教育研究開発センター」(東京)が行った東京、ソウル、北京、上海、台北の幼児の生活調査から、こんな傾向が浮かび上がった。また、東京の親は「友人や家族を大事にする人」に子供が育ってほしいと願う半面、「社会に尽くす人」「周囲から尊敬される人」にと願う傾向は他都市より低かった。

 調査は5都市の3歳から6歳までの幼児を持つ保護者約6000人に聞き取り形式で実施。「午後9時台より早く寝る」と答えたのは東京75.8%、上海79.5%だったが、ソウルは36.3%、台北は26.4%。起床時刻が午前7時より早いのは東京75.6%、北京95.9%、上海89.4%と多いがソウルは48.2%、台北は56.1%だった。睡眠時間は東京で平均10時間6分。5都市で唯一、10時間を超えた。

 「テレビをほとんど毎日見る」は東京で94.6%。ソウル79.2%、台北78.4%、北京74.3%、上海64.3%に比べ最も高く、1日の視聴時間も東京は3時間43分で他都市より長かった。パソコン使用では東京は「ほぼ毎日」「週3、4回」を合わせても4.3%。ソウルの40%に比べ際立って低い。習いごとをする幼児の割合は5都市とも5割超。特に英会話人気は東京17.8%、ソウル11.2%など総じて高かった。

 「子供に将来、どんな人になってほしいか」とたずねたところ、5都市とも3分の2超の保護者が「自分の家族を大切にする人」と回答。東京ではさらに「友人を大切にする人」(74.5%)「他人に迷惑をかけない人」(71%)が他都市より高かった。

 一方、「仕事で能力を発揮する人」は東京20.1%で、北京46.9%、台北48.9%。ソウルは「リーダーシップのある人」が46.8%と他都市に比べずば抜けて高かった。

世論調査「世界に最も良い影響与えている国」日本が1位に

2006/02/04 The Sankei Shimbun

 世界に最も「良い影響」を与えている国は日本―。米メリーランド大が世界の約4万人を対象に実施した英BBC放送との共同世論調査で、こんな結果が出た。同大が3日発表した。逆に最も悪影響を与えている国は、核問題が国際社会の反発を招いているイランで、次いで米国だった。

 調査は昨年10―12月に米州、欧州、中東、アフリカ、アジア各地域の33カ国で行われた。質問の対象となった国は日本、米国、中国、イランなど。

 調査結果によると、日本が世界に「好影響」を与えているとの回答は、33カ国中31カ国で「悪影響」を上回り、平均すると好影響が55%、悪影響が18%だった。具体的に何が判断材料となったかについては触れられていない。

 日本との関係が悪化する中国では16%対71%、韓国では44%対54%で、いずれも日本が悪影響を与えているとの回答が好影響との回答を上回った。半面、好影響との回答が多かったのはインドネシア(85%)やフィリピン(79%)。米国では66%が好影響と答えた。

 一方イランに対しては、悪影響との答えが33カ国中24カ国で好影響を上回った。昨年ワースト1だった米国は、昨年と同じく20カ国で悪影響が多数派。中国は20カ国で好影響が多数だったが、平均すると9ポイント下落した。(共同)

小学生のお年玉、平均2万4000円

2006/01/21 The Sankei Shimbun

 今年の正月に小学生がもらったお年玉は、平均2万4527円で、昨年より395円多かったことが、小学館(東京)の調査で分かった。5万円を超える"高額獲得児童"も昨年より1.5ポイント増えて6.3%だった。同社では「景気回復と少子化で、1人当たりの額が増えている」とみている。

 調査は4回目。インターネットを利用した同社のアンケート会員を対象に5―10日に実施、小学生計約900人の回答を分析した。

 最も多かった金額帯は「1万5000円超―2万円」で20%、次いで「1万円超―1万5000円」の14.6%、「2万円超―2万5000円」の14.5%、「2万5000円超―3万円」の11%の順だった。「10万円超」も0.2%で、最高額は5年生女子で15万円だった。

 複数回答で尋ねた使い道の上位は、「ゲームソフトを買う」(33.6%)、「すべて貯金」(33.1%)、「本を買う」(28.7%)、「すべて家の人に預ける」(28.2%)など。「使い道がない」との答えも1.8%あった。(共同)

景気回復でお年玉も3年ぶりアップ 平均3万8000円

2006/01/17 The Sankei Shimbun

 子どもが今年もらったお年玉の平均額は3万8196円で、3年ぶりに増加に転じたことが17日、京都中央信用金庫がまとめたアンケート結果で分かった。担当者は「景気回復がお年玉の増額にも波及してきたようだ」と話している。

 平均額は昨年に比べ930円(2.5%)増え、38.5%の子どもが「昨年より増えた」と答えた。

 買いたい物は、小、中学生はともにテレビゲームがトップ。続いて小学生は携帯ゲーム機、中学生は洋服・靴が人気だった。高校生は洋服・靴が首位で、2位はポータブルオーディオ(携帯音楽プレーヤー)だった。

 お年玉を預金に回した割合は68.1%で、昨年より0.5ポイント増加。特に小学生は4.1ポイント増えており、京都中央信金は「買いたい物を手に入れるために、目的意識を持って堅実に預金する子どもが増えている」とみている。

 アンケートは京都中央信金の本支店を訪れた子どもを対象に実施し、1169人が回答した。(共同)

上場企業の若手社員、仕事に「無気力」75% 野村総研調査

2005/12/05 The Sankei Shimbun

 上場企業の若手社員の多くが仕事に気力が出ず、成長の実感もない―。そんな結果が、野村総合研究所が5日発表した「仕事に対するモチベーション(やる気)に関する調査」で分かった。

 「現在の仕事に『無気力』になることがあるか」の問いには、「よく感じる」「ときどき感じる」合わせ75%が無気力を“自覚”していると回答。「3年前より職業人として成長した実感があるか」には「あまり実感がない」(43%)が「実感がある」(39%)を上回った。

 仕事に対し社会的使命感を「感じる」のは5%。「どちらかといえば感じる」と合わせても30%止まりで、「感じない」などの否定派(32%)を下回った。

 「現在の会社にどのくらい勤めたいか」で、「定年まで」は18%。「すぐにでも転職・独立したい」(19%)「3年以内に転職・独立」(13%)「あと5年くらい勤めたい」(12%)を合わせた「潜在的転職志願者」が44%に上った。

 調査結果を踏まえ、野村総研は「若者のモチベーションを再生できるかどうかが2010年以降の企業の競争力アップにつながる」と指摘した。

 調査は上場企業の20―30代の正社員を対象にインターネット上で実施、1000人分を分析した。(共同)

生活程度「中の下」3割、減る「中の中」 電通総研調査

2005年12月04日 asahi.com

電通総研の価値観調査

 電通総研が5年に1度実施している「世界価値観調査」で、日本人の3割近くが、自分の生活程度は「中の下」と考えていることが分かった。最大多数の「中の中」は調査ごと減り続ける一方、「下」「中の上」「上」はいずれも5年前より増加した。日本人の生活意識の二極化傾向が進んでいるようだ。

 近く公表される調査結果によると、「中の中」と答えた人は全体の44.0%で、前回00年調査より0.3ポイント、90年調査と比べると12.3ポイント減った。代わりに「中の下」は00年と比べて3.8ポイント増えて28.5%に、「下」も1.9ポイント増えて8.6%になった。

 ただ、「自分は幸せ」と考えている人は全体の87.2%を占め、前回より0.7ポイント増えている。「生活に満足」という人も11.6ポイント増で過去最高の80.9%になった。同総研は「競争社会が厳しくなる一方で、さまざまな価値観をもって生活を楽しもうという傾向が進んでいる」と分析している。

 調査は世界60カ国の男女に対し5年に1度、生活や社会に関する価値観を尋ねており、今回で5回目。日本では1096人が郵送形式で答えた。

約60年ぶり卒業証書 強制収容の日系人に授与

2005/08/23 The Sankei Shimbun

 第2次大戦中に米政府が強制した収容所暮らしのため高校を卒業できなかった日系人を対象にした卒業証書授与式が21日、ロサンゼルスで行われた。ほとんどが70歳代の“新卒業生”らは、戦争によって奪われた学生生活の証しを約60年ぶりに取り戻し、感激した様子だった。

 発行された卒業証書は約160人分。ロサンゼルスの大学講堂で行われた授与式には、強制収容されていた日系人や代理の家族ら約60人が出席した。当時10代だった日系人も多くがつえや車いすを使用するなど体が不自由になっている。

 ロサンゼルス在住のタカシ・ホシザキさん(79)は「戦争によって中断されたわたしの人生がようやく完成したような気持ち」と語った。

 強制収容所にいた人たちについて、取得単位が足りなくても証書発行を容易にする法律が昨年カリフォルニア州議会で成立、既に死亡した日系人を含め、これまでに400人以上が証書を授与された。

 日系人収容は1942年、ルーズベルト大統領の指示で実施。全米で約12万人が約10カ所のキャンプに収容され、多くが終戦まで収容所生活を送った。(共同)

厳寒シベリアを自転車走破 4カ月半かけ5700km

2005/05/15 The Sankei Shimbun

 ロシア・サハリンから、凍結した間宮海峡を横断して厳寒のシベリアを北上し、ベーリング海峡を望むロシア東端のチュコト半島まで数千キロの自転車走破を目指していた神奈川県藤沢市の安東浩正さん(35)が15日までに、同半島の港町エグベキノトに到着、約4カ月半の冒険に成功した。

 安東さんは昨年12月末、京都府宇治市の足立大さん(28)とサハリン南端を出発し、サハリン島を北上。今年1月中旬には凍結した間宮海峡を横断し、以後、人間の定住地で世界で最も寒い場所を意味する「寒極」の異名を持つオイミャコンなどを経て、4月中旬に北極海沿岸に到達。以後、東へ進み、13日にエグベキノトに到着した。

 安東さんによると、走破した距離は約5700キロ。足立さんは厳しい寒さのために2月中旬に断念したが、安東さんは平均時速5キロ程度で、トラックが通った雪道に沿って走り通したという。

 安東さんは「少数民族の人にトナカイの肉をもらったり、家に泊めてもらったりしてお世話になった。気温は最低で氷点下52度まで下がったが、防寒具のおかげで寒さはあまり感じなかった。一部鉄道を使ったが、これから走り直したい」と話している。

 安東さんは鳥取大山岳部OB。2003年5月には、北極圏のロシア・ムルマンスクからオホーツク海に面したマガダンまで約1万5000キロのシベリア自転車横断に成功し、昨年2月、「植村直己冒険賞」を受賞した。(共同)(共同)

豪横断マラソンで新記録 独男性、43日と13時間で

2005/05/15 The Sankei Shimbun

 オーストラリア大陸横断マラソンに挑戦していたドイツ人のアヒム・ホイケメスさん(53)が15日、4568キロを43日と13時間8分で走り終え、シドニーでゴールした。休憩の睡眠時間も含んでおり、1日当たりの走行距離は平均約105キロ。

 AAP通信によると、オーストラリア大陸横断マラソンの新記録。これまでは、1999年にフランス人のセルジュ・ジラールさんが作った47日間だった。

 昨年12月に起きたスマトラ沖地震による大津波の被災者救援のため、非政府組織(NGO)のオックスファムが呼び掛けた募金集めの一環。ホイケメスさんは4月2日夜にオーストラリア西海岸のフリマントルを出発。15日午前、シドニー湾岸の目的地にドイツとオーストラリアの国旗を掲げ、ゴールインした。

 日差しが強いため、足の皮膚がむけたり、幻覚症状が起きたりしたこともあったという。ホイケメスさんは「人道的な目的で走ったので、記録は前面に出さない方が良いと思う」と控えめに語った。(共同)

GW人出予想、6130万人が行楽地へ 警察庁まとめ

2005/04/26 The Sankei Shimbun

 警察庁は26日、ゴールデンウイーク(29日−5月8日)の人出予想を発表した。行楽地への人出は延べ約6130万人で、対象期間が3日短かった昨年より7.9%、約450万人増える。

 上位2カ所は「博多どんたく港まつり」(福岡)の210万人と「ひろしまフラワーフェスティバル」(広島)の150万人で昨年と同じ。3月から始まった愛知万博(愛・地球博)は120万人を予想している。ほかは弘前さくらまつり(青森)の100万人など。

 全国の警察本部は、約1100カ所の行楽地や催し物会場に約3600人の警察官を動員し、雑踏事故の防止を図る。

 期間中の主要山岳への登山者は計約8万9000人を予想。3000人以上が見込まれるのは丹沢(神奈川)、秩父山系(山梨)、北アルプス(富山、長野、岐阜)、八ケ岳(山梨、長野)、南アルプス(山梨、長野、静岡)の5カ所になっている。(共同)

既婚の10代―40代、3割セックスレス

2005/04/25 読売新聞 Yomiuri On-Line

 結婚している10代から40代の日本人男女の約3割が、最近1か月以上性交渉がなく、セックスレス傾向にあることが、厚生労働科学研究班などの調査でわかった。

 この調査は、避妊教育プログラム開発などをテーマにする厚生労働科学研究班(主任研究者・佐藤郁夫自治医科大名誉教授)と日本家族計画協会が、昨年10月に実施した「男女の生活と意識に関する調査」。16〜49歳の男女3000人を全国から無作為に選び、性行動について質問、1580人が回答した。

 性交渉の経験があると答えた1329人に、この1か月間の回数を聞いたところ、最も多いのが「なかった」の35・2%。現在結婚している人に限ってみると31・9%(男性28・4%、女性34%)だった。また「1回」から「4回」までがそれぞれ1割前後だった。

 日本性科学会は、特別な事情がないのに、性交渉などが1か月以上ない場合を「セックスレス」と定義しており、今回の結果から3割以上が、その傾向にあることが明らかになった。

 結婚しているセックスレスの人の傾向を分析したところ、性交渉に関心が薄く、異性とかかわることを面倒だと感じる一方、避妊方法を相手と十分相談しないなどコミュニケーション上の問題も見られた。また19・2%は、1年以上の長期間性交渉がなかった。

 日本人の性交渉頻度の少なさは、海外の大手コンドームメーカーの調査でも明らかで、2004年の結果によると、世界平均は年間103回なのに対し、日本は46回と半分以下だった。

 日本家族計画協会の北村邦夫常務理事は「行政になじみにくいテーマかもしれないが、少子化対策としてセックスレスの問題にもっと真剣に取り組むべきではないか」と話している。

全日空が初のトップ 大学生の就職志望企業

2005/04/14 The Sankei Shimbun

 リクルートが14日発表した2006年3月に卒業予定の大学生に対する就職志望企業ランキングによると、昨年6位だった全日本空輸が初めて1位に浮上した。昨年トップのトヨタ自動車は2位に後退した。

 ベストテンのうち、3位にJTB(昨年3位)、4位にJR東海(同7位)が入るなど、例年人気の運輸・旅行業界が今年も上位に。ただ、運航上のトラブルが相次ぐ日本航空は、昨年の5位から11位に順位を落とした。

 リクルートは「好きな旅行にかかわる仕事がしたいという学生の意識が運輸・旅行業界全体の支持につながっている」と分析している。

 自動車業界では日産自動車が7位(同8位)となったが、昨年10位だったホンダは19位に。採用の広報活動を活発化させた日立製作所が昨年の85位から10位に躍進。積水ハウスは12位から7位に上げた。

 2月下旬から3月上旬にかけて来年卒業予定の大学生を調査、約1万7200人から回答があった。(共同)

2030年の理想像…健康で80歳・借家100平米

2005/03/26 読売新聞 Yomiuri On-Line

 政府の経済財政諮問会議(議長・小泉首相)が策定を進めている「日本21世紀ビジョン」の原案が26日明らかになった。

 2030年の日本の理想的な姿を展望するもので、健康で自立して生活できる年齢が現在の「75歳」から「80歳」に延びるなど国民がより豊かで長生きできるようになり、日本経済全体も実質1%台後半の安定成長を維持するとしている。

 諮問会議は4月中にもビジョンを最終的に取りまとめる方針で、大平内閣の「田園都市国家構想」や小渕内閣の「21世紀日本の構想」に並ぶ長期国家構想に位置づけたい意向だ。

 ビジョンで描く2030年の姿は、日本が少子・高齢化や財政再建などの課題を乗り越え、中長期的に活力を維持できる経済や社会を実現した場合の理想像を示した。

 原案は、国民生活に欠かせない新たな「三種の神器」として、「質の高い健康サービス」「年齢にかかわらず楽しめる生涯教育サービス」「夫婦が共同で子育てを行うための支援サービス」を挙げた。

 医療技術や医療サービスの発展に取り組むことで、健康で自立した生活を送ることができる「健康寿命」が80歳まで延び、生涯で自由に活動できる「人生の可処分時間」が現在の「21年弱」から「23年強」に増えるとした。

 より豊かな生活を実現するための住宅対策や土地活用対策を進めることで、借家の1世帯当たりの平均床面積(関東地方の大都市圏)が現在の43平方メートルから100平方メートルへと大幅に拡大することも盛り込んだ。

 また、原案は2030年の日本経済の姿として、実質経済成長率は1%台後半を確保し、1人当たり実質国内総生産(GDP)伸び率も2%を維持しているとした。

 経済の安定成長を保つための具体的な政策としては、中国など東アジア地域との関係をより強化して「東アジア共同体」を構築するほか、中国との自由貿易協定(FTA)の締結も2030年までに実現するとした。

 一定の物価上昇率を目標に金融政策を運営する「インフレ・ターゲット(目標)」政策の導入や、「後の世代」への依存を減らし、同一世代の中で負担と受益をまかなう社会保障制度の採用なども求めた。

凍結の間宮海峡横断に成功 自転車の日本人男性2人

2005/01/17 The Sankei Shimbun

 ロシア・サハリンからベーリング海峡を望むロシア東端のチュコト半島まで自転車で数千キロを走破する冒険に挑んでいる神奈川県藤沢市の安東浩正さん(34)と京都府宇治市の足立大さん(28)が17日、最大の“難所”だった凍結した間宮海峡の横断に成功した。

 同日、横断を終えたばかりの安東さんから妻の伸江さん(37)に電話で連絡が入った。

 連絡によると、安東さんらはサハリンと大陸側の距離が最も狭い約8キロとなっているサハリン西岸の町ポギビから横断を開始。凍結していない海を避け、自転車を押しながら歩いて渡ることになった。当初は1日で海峡を渡る予定だったが、氷上で一晩明かし2日をかけて、大陸側の町ラザレフに到着した。

 氷の裂け目にカメラ3台や燃料ポンプを落とすトラブルもあったが、安東さんは「危ないこともあったが、氷点下20度前後の氷上の気温も寒く感じることなく渡り切れた」と興奮気味に話していたという。

 今後、2人は北上し、ゴールのベーリング海峡に5月ごろの到達を目指す。(共同)(共同)

現代っ子、おやじより胴長 04年度学校保健統計調査

2004/12/16 The Sankei Shimbun
 高校生の座高が男女ともに2003年度をわずかに上回り、過去最高になったことが16日、文部科学省の04年度学校保健統計調査(速報値)で分かった。身長は最近10年ほぼ横ばいで、座高が伸びた分、身長に占める脚の長さの割合は、高1と高3男子で30年前を下回り“胴長”の傾向を示した。

 文科省は「現代っ子は脚が長くなったと言われてきたが、数字から見るとその傾向は止まった。原因はよく分からない」としている。

 今春、幼稚園、小中高校の計約9200校から発育状態は約70万人、健康状態は約115万人を抽出して調査した。

 2004年度の座高は高1が男子90・2センチで、女子85・4センチ▽高2は男子91・1センチ、女子85・5センチ▽高3男子は91・7センチ、女子85・5センチ。いずれも前年度を0・1−0・2センチ上回り過去最高だった。

 身長から座高を引いた脚の長さが身長に占める割合は、高1男子46・4%、高3男子46・3%となり、親の世代が高校生だった1974年度よりいずれも0・1ポイント低くなった。

 高1男子は1981年度に脚の割合が初めて46・7%となり最大に。最も胴長だったのは半世紀前の45・7%。

 身長、体重は30年前に比べ1、2年早く成長のピークを迎えており、身長の場合、中1男子の152・6センチ、小6女子の146・9センチは、それぞれ30年前より4・3センチ、3・0センチ高く、差が最大だった。

 ぜんそくは幼稚園を除いて小中高すべてで増加。12歳男女の永久歯の虫歯は平均1・9本に減り、調査開始以降初めて1本台になった。(共同)

「蓮」「さくら」「美咲」が命名トップ 明治安田生命調査

2004/12/16 The Sankei Shimbun
 男の子は「蓮(れん)」君、女の子は「さくら」「美咲(みさき)」ちゃんが人気トップ−。明治安田生命保険は16日、今年生まれた赤ちゃんの命名数の順位をまとめた「名前調査」の結果を発表した。

 「蓮」は、池などに咲くハスの花の力強いイメージから「逆境に負けない人間に育ってほしい」という親心を反映しているという。1999年から上位にランクされていたが、今回は初の1位。

 男の子の名前では、アウトドア志向の高まりを反映して、風にちなんだ「颯太(そうた、ふうた)」(2位)「颯(はやて、はやと、そう、りゅう)」(6位)もベストテン入りした。

 女の子の名前では、1位の「さくら」(美咲と同数)は、森山直太朗さんのヒット曲のタイトルなどに取り上げられた言葉で「昨今のトレンド」(同社)。家族のきずなを描いたテレビドラマで登場した「七海(ななみ)」(5位)も上位。マラソン金メダリストの野口みずきさんにあやかった「ミズキ」と読む名前も増えた。

 調査は、同社の生命保険加入者を対象に、男の子4861人、女の子4419人の名前を集計した。(共同)

文科省「ゆとり」転換、授業時間増を検討

2004/12/15 読売新聞 Yomiuri On-Line
 文部科学省は14日、小中学校などの授業時間を増やすため、標準授業時間の見直しの検討に着手した。高校1年の読解力低下を示す今月7日の国際調査結果に続き、小中学生の学力低下傾向を示す結果が出たのを受けての措置。

 実現すれば1977年から減り続けていた授業時間が約30年ぶりに増加に転じることになり、文科省が推進してきた「ゆとり教育」の方針を、事実上、転換することになる。省内には異論もあり、慎重に検討を進めている。

 検討されているのは、平均的な基準だった標準授業時間を「最低限度」と位置づけを改め、各学校にそれを上回る授業時間を確保してもらうよう促す案や、標準授業時間そのものを引き上げる案など。学校現場に学力向上への意識を高めてもらう一方、近年の学力低下論の噴出で高まる公教育への不信感をぬぐいたいという狙いがある。見直しの方向性がまとまり次第、文科省では年明けにも中央教育審議会に具体的な導入方法や時期などを審議するよう要請する。

 標準授業時間は現在、小学校が6年間で計5367時間、中学校が3年間で計2940時間。高校も必要な単位数を取得するための時間数を規定している。標準授業時間が最長だったのは、1968年の学習指導要領改訂後の一定期間。「教育の現代化」に向けて各教科で新しい内容が盛り込まれ、中学校では3360時間から3535時間に拡大。小学校の授業も当時は5821時間という長さだった。

 ところが授業についていけない子が問題になり、その反省から77年の改訂で、小中学校とも授業時間を削減。その後も、「ゆとり教育」や学校週5日制の実施で、標準授業時間は削られ続けてきた経緯がある。

 小中学校では中3の受験期などを除き、標準を上回る授業時間を確保しているのが実態だが、今後、授業時間を拡大する場合、長期休暇の一部や放課後を授業に充てるケースなども想定され、学校現場にも大きな影響が出そうだ。

 2つの国際調査で相次いで学力低下の傾向が示されたことについて、中山文科相は「学校週5日制や学習指導要領の削減が、必ずしも望ましい結果になっていないと思う。その点を率直に認め、対策を講じる必要がある」と述べた。

日本の小4理科、平均点10点低下…国際教育動向調査

2004/12/15 読売新聞 Yomiuri On-Line
 世界の中学2年と小学4年を対象にした「国際数学・理科教育動向調査」の結果が、国際教育到達度評価学会(IEA、本部・アムステルダム)から公表された。

 全体の平均得点を500点と換算すると、日本は小4の理科が95年の前回調査から10点下がって543点。中2の数学も99年の前回調査より9点、前々回の95年より11点下がって570点となり、いずれも学力低下の傾向が見られた。

 調査には、25か国・地域の小学4年と、46か国・地域の中学2年の計約34万1000人の児童生徒が参加。日本では昨年2月、小中学校計296校の計約9400人を対象に行われた。

 残る小4の算数と中2の理科は565点(前回567点)と552点(前回550点)で、ともに前回とほぼ同レベルだった。順位は小4の算数と理科がそれぞれ3位(前回は3位と2位)、中2の数学と理科が5位と6位(前回は5位と4位)。シンガポールがすべての部門で1位となった。

 今月7日には、経済協力開発機構(OECD)の国際調査結果が公表され、日本の高校1年の読解力が大幅に低下したことが示されたばかり。

学力低下の日本の子ども、「ニート予備軍拡大」指摘も

2004/12/15 読売新聞 Yomiuri On-Line
 国際教育到達度評価学会(IEA)が発表した理数系学力の国際調査では、日本の子どもたちが宿題をする時間は参加国中で「最短」だが、テレビやビデオを見る時間は「最長」という実態も浮かんだ。

 算数・数学や理科の勉強を「楽しい」と感じる子の割合も国際的に低水準で、専門家からは、若者の無業者を指す「ニート(NEET)」の予備軍が子どもたちにも広がっているとの指摘も出ている。

 また、「希望の職に就くために数学で良い成績を取る」と思う中2は、シンガポールや香港が70%台だったのに対し、日本は47%で、将来に生かすために勉強するという意識が薄いという結果が出た。

 これらについて、東京成徳大子ども学部長の深谷昌志教授は「少子化で受験のハードルが低くなり、子どもたちの競争意識が薄れている」と分析。さらに、「フリーターでも食べていける時代のため、勉強に価値を見いださないニート予備軍が増えている。学校も親も、体育でも美術でもいいので、子どもに頑張る目標を与えることが重要だ」と指摘している。

日本の学力「世界トップ水準と言えず」…OECD調査

2004/12/07 読売新聞 Yomiuri On-Line
 経済協力開発機構(OECD)は7日、加盟国を中心とする41か国・地域の15歳男女計約27万6000人を対象に実施した2003年国際学習到達度調査(略称PISA)の結果を世界同時発表した。

 2000年に続く2度目の調査で、日本は前回8位の「読解力」が加盟国平均に相当する14位に落ち込み、1位だった「数学的応用力」も6位に順位を下げた。文部科学省は「我が国の学力は世界トップレベルとは言えない」と初の認識を示し、来夏までに読解力を向上させる緊急プログラムを策定する。

 調査は、覚えた知識や技能を実生活でどれだけ活用できるか、を評価するのが目的。「読解力」「数学的応用力」「科学的応用力」に加え、今回は直面した問題に対処する力を測る「問題解決能力」を初めて調べた。日本では昨年7月、全国143校の高校1年生計約4700人を対象に行われた。

 その結果、文章を読みとる力を測る読解力は、加盟国平均を500点と換算すると、日本は498点。前回の522点から24点も下がり、各国中で最大の下落幅となった。1位のフィンランドとは45点もの大差がつき、特に成績最下位層の割合の高さが顕著だった。

 数学的応用力も557点から534点に下がった。これは1位の香港(550点)などと統計的には差がないとして、データを集計した国立教育政策研究所は「1位グループであることは変わりない」と説明しているが、断然トップを走っていた日本が、1位集団に吸収された格好だ。

 このほか、前回2位だった科学的応用力は、フィンランドに次いで今回も2位を維持。600点を超す上位層の生徒は各国中、最も多いという結果だった。

 また、初調査の問題解決能力は、1位の韓国とわずか3点差の4位だった。

 調査と同時に行われた生徒へのアンケートでは、通常の授業以外に、自分の勉強や宿題をする時間が週平均6・5時間で、加盟国平均の8・9時間よりかなり短いことなども判明した。

 文科省はこれまで、日本の学力を「世界トップ水準」としてきたが、今回の結果を受けて、「我が国の学力は国際的に見て上位にあるが、読解力の低下など、世界トップレベルとは言えない状況」と、初めて“陥落”を認める分析結果を公表。すでに表明している全国学力テストの実施や学習指導要領の見直しなどに加え、新たに読解力向上のためのプログラムを来夏までに策定することを明らかにした。

日韓、太ってないけど「やせたい」願望 3カ国の女子大生調査

2004/11/28 The Sankei Shimbun

中国、肥満1%未満 自己評価も的確

 自分は太っているといった体形に関する自意識は日本と韓国が非常に強い一方、中国は実際に肥満が少なく心身とも健康な人が多いことが、山口県立大の森口覚教授(栄養学)が行った、体形や生活について3カ国の女子大生約800人の調査で分かった。

 調査対象は山口県立大、曲阜師範大(中国)、慶南大(韓国)の3大学で、18歳から22歳の女子大生。平成14年に調査した。

 日本は23%が「太っている」、83%が「やせたい」と回答し、3カ国で最も多かった。だが、体格指数(BMI)や体脂肪率で分類すると、日本は69%が標準体形で、肥満は4%にすぎず、必要以上にやせたい意識が強いことが分かった。

 韓国も60%がダイエットを経験するなど、やせ願望が強かったが、標準体形から外れた肥満ややせは、日本や中国より多かった。激しい受験競争などで中学、高校時代に運動が不足、食生活も乱れているためではないかという。

 中国は標準体形が大半で、肥満は1%未満。健康状態は3カ国の中で最も良く、「今のままでよい」と自己評価する人が多かった。(11月28日 東京朝刊掲載)

 【体格指数(BMI)】 体重(キロ)を身長(メートル)の2乗で割った数字で示す国際的な体格指標。理想値は22。18.5以上25未満は標準、18.5未満はやせ、25以上は肥満と定義されている。理想値に近いほど高血圧や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病になりにくい。ただBMIが標準でも、体脂肪率が高い「隠れ肥満」もあり、BMIと体脂肪率を合わせて判断するのが望ましいとされる。

日の出、日の入り見たことない 小中学生の過半数

2004/11/28 The Sankei Shimbun

乏しい自然体験…「親が連れ出して」

 自然体験の調査に、「生まれてから一度も日の出、日の入りを見たことがない」と答えた小・中学生が過半数にのぼることが、川村学園女子大の斎藤哲瑯教授(教育社会学)の調査で分かった。「海や川で魚釣りをした」「身長よりも高い木に登った」ことのない子供も4割強。いずれも前回調査(平成12年)より未経験者が増え、過去最多。斎藤教授は「親が自然の中に子供を引っ張り出さなければ、太陽の動きを追う経験もできない」と危惧(きぐ)を抱いている。

 調査は今年6月、関東・東北の小中学生3288人を対象に実施。その結果、日の出や日の入りを見たことがない子供が、市部の子供で52.6%、郡部でも45.9%にのぼった。

 ほかにも「木の実や野草をとって食べたことがない」子供は市部で60.7%、郡部でも49.4%▽「わき水を飲んだことがない」子供は市部55.3%、郡部48.8%−など、自然体験の貧困さが目立つ。

 体験の貧困さは自然の中だけにとどまらず、日常生活でも「生まれたばかりの赤ちゃんを見たことがない」49.8%▽「自分の服を洗濯したり干したことがない」43.6%▽「包丁やナイフで果物の皮をむいたことがない」21.5%−と続く。

 年齢の違う人と触れ合う機会がなかったり、お手伝いもしないなど、衣食住すべてで日常体験が不足している、今の子供像が浮き彫りになった。

 一方で、自然体験が多い子供は、生活経験も豊かな上に「家にいるのが楽しい」「学校が楽しい」と答える割合が高い傾向にあり、多様な経験と生活の満足度に関連性が見られるという。

 斎藤教授は「旅行やキャンプといった“行事”ではなく、日常の中でちょっとした自然現象に目を配ることが大切。生活体験についても同様で、お手伝いをさせたり、地域の人と触れ合ったりして、日常の中で経験できるよう、親が配慮すべきだ」と訴えている。(11月28日 東京朝刊掲載)

焼酎「芋派」4年で3倍増える 女性から熱い支持

2004/11/21 asahi.com
 芋焼酎の人気が急上昇している。好みの焼酎を聞く食品卸売会社のアンケート(複数回答)では、芋焼酎派の割合は00年の9.4%から04年には33.1%に増えた。なかでも女性の支持率が1割から3割に急拡大。関東、関西では、麦焼酎の人気が高いが、芋との差は急速に縮まっている。

 ヤマエ久野(本社・福岡市)が00年10月から運営するサイト「焼酎紀行」の焼酎プレゼントに応募した約13万人のアンケートから分析。焼酎の種類では、米、芋、麦の3種に絞って集計した。

 種類別の支持率は「いいちこ」などで知られる麦が39.4%で首位。00年以降、4割前後の安定した人気を保っている。その後に芋が続き、米焼酎は27.5%。米は00年には48.7%の支持があったが、芋人気におされて急落した格好だ。

 芋焼酎の急伸は「においが強い」と敬遠気味だった女性にも支えられている。支持率も男性と大差がない。健康志向に加え、「森伊蔵」や「魔王」などの希少銘柄が注目を集めたことも支持層の拡大につながったようだ。「飲食店だけではなく、自家需要が増えた」(ヤマエ久野)という分析もある。

 地域別では、芋焼酎の主産地を抱える九州の芋支持率は4割強。関東では34.1%、関西でも34.9%だが、伸び率は高い。

 ただ、九州の芋支持率は03年の41.1%から40.5%にわずかに落ちた。一方、03年まで下落傾向にあった麦が27.2%から33.1%に上昇。同社は「消費者の好みが変化しつつあり、麦ブームの兆しかもしれない。芋が品薄になった影響もある」と指摘している。

秋の叙勲 4065人輝く栄誉 旭日大綬章に明石康氏ら12人

2004/11/03 The Sankei Shimbun
 政府は3日付で、平成16年秋の叙勲と賜杯の受章者を発表した。総数は4065人(旭日章946人、瑞宝章3117人、賜杯2人)で、うち民間の受章者は1680人で過去最多。全体に占める割合は約41%となり「官民格差の是正」を目的に昨秋から適用された制度改正が定着してきた形だ。女性は313人だった。

 最高位の旭日大綬章はカンボジア和平などに取り組んだ明石康元国連事務次長(73)や東大学長を務めた原子物理学の権威、有馬朗人元文相(74)、武村正義元蔵相(70)ら12人。瑞宝大綬章は土肥孝治元検事総長(71)と西島安則元京大学長(77)の2人が選ばれた。

 芸術・スポーツ分野では、女優の香川京子さん(72)=本名・牧野香子、宝塚歌劇「ベルサイユのばら」で有名な脚本・演出家の植田紳爾さん(71)、米国在住のジャズ演奏家の秋吉敏子さん(74)=本名・穐吉敏子、演歌「さざんかの宿」や「大阪しぐれ」を生んだ作曲家の市川昭介さん(71)らが旭日小綬章を受けた。岡野俊一郎元日本サッカー協会会長(73)は旭日中綬章を受章した。

 学術研究の分野では、高温工学の荒田吉明阪大名誉教授(80)、血液学の高月清熊本大名誉教授(74)らが瑞宝重光章に選ばれた。

 優れた技術力や国際的に高い評価を得た中小企業の経営者を対象とする分野では、金属板を細長い容器に加工する高度な技術を持つ岡野工業社長の岡野雅行さん(71)ら4人が旭日双光章などを受章した。

 別枠の外国人叙勲は24カ国の48人。「代議士の誕生」など日本の政治に関する著書が多い知日派の政治学者ジェラルド・カーティス米コロンビア大教授(64)らが旭日重光章に選ばれた。

 大綬章は天皇陛下から、重光章は小泉純一郎首相から11月5日に皇居で授与される。中綬章以下は関係閣僚から贈られる。

ベオグラードに「オオバ」通り 日本人外交官の功績たたえ

2004/11/03 The Sankei Shimbun
 旧ユーゴスラビア諸国で日本人外交官として20年以上を過ごし、和平と復興に貢献したとして、セルビア共和国の首都ベオグラードに故大羽奎介・元駐クロアチア大使の名を冠した通りができることが決まり、2日、記念式典が行われた。

 元大使はベオグラード大を卒業後、1974年に外務省入省。旧ユーゴの解体、紛争過程をつぶさに見聞、外務省一の旧ユーゴ通として知られた。一昨年8月に67歳で死去したが、「死後は愛着あるユーゴの地で眠りたい」と遺言し、遺骨はベオグラードの墓地に葬られた。

 セルビア日本友好協会が「大羽氏の名を通り名に残そう」と運動し、市議会が市南部の街路名を「ウリツァ(通り)・ケイスケ・オオバ」とすることを承認した。

 式典には約200人が出席。弟の豪三さん(68)は「大変な名誉です」と話していた。(共同)

定年後は「持ち家必要」が85%、住みたい街は吉祥寺

2004/09/20 読売新聞 Yomiuri On-Line
 定年後、年金生活になった時に「持ち家が必要」と考える人が85・0%に達することが、マンション販売会社の長谷工アーベストが行ったアンケート調査でわかった。公的年金制度への不信感などから、老後の収入に不安を持つ人が多いためとみられる。

 理由では、96・8%が「老後を安心して暮らせる」、96・2%が「毎月の賃料は負担」を挙げている。「子孫に残すことができる」と考える人は54・6%だった。

 このほか、定年後に住んでみたい街(駅)では「JR中央線吉祥寺駅」が1位だった。長谷工アーベストは「便利さと住環境の良さを併せ持っていることが評価された」としている。2位は「JR横須賀線鎌倉駅」、3位は「京王線府中駅」だった。

 調査は、20歳以上の首都圏在住者を対象に7月に実施、1457人の回答を得た。

女性の高等教育、日本は最下位 OECD調査

2004/09/15 The Sankei Shimbun
 経済協力開発機構(OECD、本部パリ)は14日、加盟30カ国の中高等教育実態調査の結果を発表。日本は高等教育の卒業者に占める女性の割合が学士39%(各国平均55%)、修士26%(同51%)、上級研究部門の博士23%(同40%)と、加盟国の中で最下位だった。

 学士・修士課程への男性の進学率は48%で各国平均45%を上回ったが、女性の進学率は34%で同55%を大きく下回った。

 大学学士・大学院修士課程の「大学型高等教育」の卒業率は33・8%と、各国平均31・8%を上回ったが、博士課程など上級研究部門の卒業率は0・7%と同1・2%より低い。日本の高等教育機関に在籍する外国人学生の比率も1・9%と、各国平均の5・7%を下回った。

 国内総生産(GDP)に対する教育全体への公的財政支出の割合では、日本は3・5%と各国平均5・0%を下回り、GDPに対する私費負担を加えた教育支出の割合も初中等教育2・9%(各国平均3・8%)、高等教育1・1%(同1・4%)と低かった。

 学習環境の面でも、教員1人当たりの生徒数は、就学前18・1人(各国平均14・8人)、初等20・3人(同16・6人)、中学16・2人(同14・4人)、高校13・7人(同13・1人)と教員の負担が大きいことが分かった。

 調査は2003年に加盟各国で実施した。(共同)

「健康や病気に不安」大幅増 内閣府調査

2003年07月16日 The Sankei Shimbun
 内閣府が16日発表した「1人暮らし高齢者に関する意識調査」結果によると、65歳以上の1人暮らしで将来の日常生活に不安を感じている人は59・5%に上った。1999年の前回に比べ9・3ポイント減ったが、半数を大幅に上回った。

 不安な点(複数回答)では「健康や病気」が前回比17・4ポイント増の82・5%と1位。次いで「寝たきりや体が不自由になること」(50・3%)「生活のための収入不足」(21・0%)などの順。「犯罪などに巻き込まれること」も6・6%と前回よりわずかに増えた。

 近所付き合いに関しては「互いに訪問し合う人がいる」が41・0%で、前回比6・2%減。日常の用事を頼める人がいないとの回答は、65−74歳が36・1%、75歳以上で26・1%。近所とのつながりが希薄になっている実態が分かった。

 内閣府は「原因は分からないが、不安を感じる人が減っているのは、ほかの高齢者調査でも同様の傾向。1人暮らしの高齢者には一般の施策と別のケア体制が必要と考える」と指摘している。

 調査は昨年12月、全国の1人暮らしの高齢者3000人(65歳以上)を対象に実施、有効回収率64・7%。

子どもの好きなキャラクター 「アンパンマン」が人気トップ

2003年07月02日 The Sankei Shimbun
 バンダイは2日、子どもの好きなキャラクターについての調査結果を発表した。男女総合で最も人気が高かったのは「それいけ!アンパンマン」で、特に5歳以下の未就学児に根強い支持を得ている。

 ただ圧倒的に人気のあるキャラクターはなく、同社は「テレビで子ども向け番組が数多く放映され、続々と新しいキャラクターが生まれているためでは」と分析している。

 総合人気ランキング上位10位は、アンパンマンに次いで「くまのプーさん」「ハローキティ」などの順。男女別や年齢別になると、好みは変化し、6−8歳で男の子の1位は「ポケットモンスター」、女の子は「とっとこハム太郎」だった。

 調査は12歳までの子どもを持つ保護者2000人を対象に実施。男女総合と男女別、年齢別でランキングを出した。

創作四字熟語で“日本劣等”脱出

2003年03月12日 The Sankei Shimbun
 1990−2002年の世相を表した「創作四字熟語」130作品で最も人気が高かったのは、サッカーW杯で日本中が沸いた様子を表現した「日本熱闘(日本列島)」−。住友生命保険(大阪市)は12日、毎年募集している創作四字熟語の過去13年分の優秀作品を対象に、インターネット上で人気投票を行った結果を発表した。

 2月中、下旬の2週間で3146人が投票。1人で5つまで選べ、支持率の上位50作品を決めた。

 1位の日本熱闘の支持率は22・1%。2位は冷え切った株式市場を表現した「凍傷株価(東証株価)」で17・9%だった。3位以下は、米中枢同時テロ後の「万国胸痛(万国共通)」や田中耕一さんのノーベル賞受賞による「突然権威(突然変異)」、携帯電話の急速な普及が背景の「圏外孤独(天涯孤独)」が続いた。

 米大リーグで活躍する松井秀喜選手への期待を背番号と絡ませて表した「燦燦(さんさん)五五(三々五々)」も35位に入った。

国際数学オリンピック

2003年02月23日 東奥日報

 世界の中高校生が難問に挑む「国際数学オリンピック」が7月、初めて日本で開かれる。第1回大会は1959年にルーマニアで開かれ、7月の大会が44回目。各国6人、86カ国の代表選手が2日間、計9時間をかけて6問の難問に取り組む。

 日本は90年の31回から出場しているが、6人の合計点で争う国別順位での過去最高は意外にも8位。4年連続トップの中国、東欧や米、ロシアなどが伝統的に強い。「日本の選手も能力ではひけを取らない」と、今大会主催者の「数学オリンピック財団」(東京)。大会のため特訓する国があり、中国やインド、韓国などでは大会を国が主催し、米、英でも国家予算を使って運営。こうした国情の違いが壁になっているとされる。

日本の中学生、授業理解度低く自信もない…日米中調査

2002年11月07日 Yomiuri On-Line
 「日本の中学生は、授業についていけず、学問への情熱も、自信も責任感も乏しい」――。こんな実態が7日、日米中3国を比較した研究機関の調査でわかった。積極的で自信満々の米国の中学生、高学歴志向で強い国を目指す中国の中学生。現在の3国の勢いが、そのまま投影されているようだ。

 調査は、一ツ橋文芸教育振興会、日本青少年研究所の両財団法人が、昨年10月から今年3月の間、3国でそれぞれ1000―1300人の中学生を対象にアンケートを行った。

 数学の授業の理解度では、日本は「ほとんど理解できない」「少しは理解できる」が計35・4%で米中の3倍近かった。進学の希望は、日本は38・9%が「大学の学部まで」で最多。大学院まで希望するのは3・4%だった。一方、中国は博士課程までが47・5%、修士課程が23・7%。学部卒は19・9%。「学部卒は高卒と同等と見られている」(青少年研究所)とされる中国の現状が表れた。

 「将来、情熱を注ぎたいこと」(複数回答)では、日本は「スポーツ」(32・4%)、「音楽」(25・1%)などが上位で「学問」は11・8%。中国は「IT」が44・9%と突出、「学問」が33・3%と続いた。米国は「スポーツ」(46・6%)、「学問」(45・7%)がほぼ同率だった。

 クラスの人気者は、複数回答で3国とも「ユーモアのある人」が6割超でトップ。だが、2位は日本が「個性的な人」(41・3%)、米は「スポーツのできる人」(62・5%)、中国は「勉強のできる人」(56・3%)と分かれた。

 自分についての評価は、「自分に満足している」のが、米国53・5%、中国24・3%、日本は9・4%。「自分に起こったことは自分の責任」と考えるのが米国59・7%、中国46・9%、日本は25・2%だった。

 自分の国に望む姿では、中国が「経済的に豊かな国」(30・6%)、「軍備など国力が強く、他国に侮られない国」(24・5%)の順。米国が「外国が信頼し、援助やアドバイスを求める国」(25・8%)。日本は、「社会的に安定し、不安のない国」(37・1%)、「経済的に豊かな国」(34・8%)だった。

2歳以下、2割が英語教育

2002年11月05日 Yomiuri On-Line
 リクルートが5日発表した出産・育児に関するアンケート調査によると、母親の5人に1人(19・3%)が2歳以下の“赤ちゃん”に絵本やビデオで英語教育をしていることが分かった。

 0―3か月でも9%と1割近い母親が英語を学ばせているほか、子供の成長につれて割合は上昇し、1歳半から2歳では27・5%にも達している。

 また、日常使うおもちゃの購入でも「知育教育を重視する」と回答した母親が56・2%と半数を超え、教育に対する高い関心が浮き彫りとなった。

 調査はリクルートが発行する雑誌「ゼクシィ」が2000年4月から2002年3月までに第1子を産んだ母親2045人を対象に、今年5月から6月にかけて郵送で行ったもので、うち1400人から有効回答を得た。

 リクルートでは、「英語教育に対する読者の関心は高い。ディズニーなどの絵本やビデオを通じて遊び感覚で少しでも早く英語に触れさせようとしているようだ」と分析している。

13年度の児童虐待、最悪2万3千件

2002年09月12日 The Sankei Shimbun

 平成13年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待の相談処理件数が初めて2万件を突破し、過去最悪の2万3274件に上ったことが12日、厚生労働省の集計で分かった。集計を始めた平成2年度(1101件)の約21倍で、12年度と比べても約1・3倍となった。

 内訳は身体的虐待が1万828件(46・5%)と最多。以下、食事を与えないなどの育児拒否(ネグレクト)が8804件(37・8%)、暴言などによる心理的虐待が2864件(12・3%)の順で続いた。

 身体的虐待に比べ潜在化しやすいとされるネグレクトの割合が、12年度の35・6%より2・2ポイント増加した。

 子供の年齢別では、零歳から3歳未満が4748件(20・4%)、3歳から小学校就学前が6847件(29・4%)で、合わせて全体のほぼ半数を占めた。

 厚労省の担当者は「虐待に対する社会の意識が年々高まり、外から見えにくいケースも掘り起こされるようになってきている」と話している。

 13年度に全国の児童相談所が受け付けた虐待相談件数は2万4792件だったことが既に公表されている。処理件数が約1500件少ないのは、相談受理から対応終了までの期間が年度をまたがったケースがあるためという。

野宿者:厚労省、年内にも初の全国調査へ

2002年09月16日 Mainichi INTERACTIVE

 ホームレス自立支援法が8月に施行されたのを受け、厚生労働省は年内にも、野宿者の実態について初の全国一斉調査に乗り出す。これまで各自治体が調査時期や方法が異なる独自調査をしていただけで、統一的な調査は行われておらず全国の野宿者の正確な実態は分かっていなかった。同省は調査結果に基づき、野宿者対策を具体化する。

 同省は01年12月、全国の野宿者数を2万4090人と公表した。しかし、これは各自治体からの報告を合計した内容。全国最多の野宿者が暮らすとされる大阪市の場合、大阪市立大学に委託して98年8月に調べた人数(8660人)が報告された。このほかの自治体の調査時期も▽京都市00年6月▽札幌市00年12月▽広島市01年12月▽東京都01年8月――など、大きく異なっていた。大阪市の野宿者は現在、1万人を超えるといわれ、同省の公表数は実情を反映していないとの批判も多かった。

 全国一斉調査は、現在の野宿者の正確な数を把握し、野宿者のニーズを聞き取ることが目的。日夜移動する野宿者の調査には大勢の調査員の確保が不可欠で、自治体をはじめ市民団体や学生らの協力を得ることも検討している。厚労省は「早急に有識者の意見を聞くなどして調査項目などを検討し、今年度中に調査結果をまとめたい」と話している。

 ホームレス自立支援法は野宿者対策の初めての法律で、雇用や医療対策、新たな野宿者の発生防止などの施策を、国や地方自治体の「責務」と明記している。 【中尾卓司】

中国への信頼度激減…本社世論調査

2002年09月10日 Yomiuri On-Line

 日中国交正常化30周年を前に、読売新聞社が先月24、25の両日実施した全国世論調査によると、中国を「信頼できない」という人は55%で、88年にこの質問を設けて以来初めて、「信頼できる」(37%)を上回った。「信頼できる」は88年調査(76%)に比べて、半分以下に落ち込んでいる。

 現在の日中関係について「良い」と見る人も、99年調査比8ポイント減の24%で、これまでの本社調査では最も低い数値を記録した。

 国交正常化以来、30年間の日中関係を評価している人は59%で、「評価していない」(32%)を大きく上回っている。ただ、この30年間に日中両国民の理解が深まったと思うかどうかを聞いた質問では、「深まった」46%、「そうは思わない」44%で、評価が割れている。

 また、中国に対する最近の日本の外交姿勢を評価する人は38%にとどまり、「評価できない」が51%を占めた。

 対中ODAが援助額に見合った成果をあげていると思うかどうか――でも、「そうは思わない」との否定的評価(65%)が「そう思う」(22%)を大きく上回っている。対中ODAの援助規模を今後どうしたらよいかについても、「今より援助額を減らす」が43%と最多で、「援助をやめる」も13%あった。

 中国の軍事力が将来、日本の安全を脅かす可能性があるとみる人は、程度の差はあれ70%に達し、日中関係を良くするために必要な取り組みのトップには「歴史認識問題の解決」(37%)が挙がった。

「物より心の豊かさ」が6割 内閣府調査

2002年08月31日 The Sankei Shimbun

 今後の生活について「心の豊かさに重きを置きたい」と考えている人が60・7%に上り、過去最高の水準を記録したことが31日、内閣府の「国民生活に関する世論調査」で分かった。「物の豊かさ」に重点を置く人は27・4%。

 1979年以降「心の豊かさ」を重視する人の割合が「物の豊かさ」とする人を上回り、差は開き始め、今回その差は過去最大の33・3ポイントに達した。

 収入と自由時間のどちらを増やしたいかについては「自由時間」が35・4%で昨年9月の前回調査に比べ3・4ポイント増に対し、「収入」は44・1%で過去最低。国民がゆとり重視の生活を求めている傾向を裏付けた。

 調査は今年6月20日から30日まで全国の20歳以上の男女1万人に個別面接を実施し、有効回答率は72・5%。

 昨年と比べた生活の向上感では、「同じようなもの」が66・9%とほぼ横ばいで、「向上している」が3・8%と0・8ポイント増。「低下している」は28・5%で前年より減少した。内閣府は「景気が底入れしたという状況を反映しているかもしれない」とみている。

 時間のゆとりの有無では過去最高の64・3%が「ある」と回答。現在の生活の充実感では、「感じる」の67・0%が、「感じていない」の29・6%を大幅に上回った。

 一方で、働く目的について「お金を得るため」が52・8%と過去最高。「生きがいを見つけるため」(20・9%)、「社会の一員として務めを果たす」(11・1%)を大きく引き離し、理想と現実のはざまで揺れる姿も浮き彫りとなった。

日本の清潔度は20位 2002年版「汚職指数」

2002年08月28日 The Sankei Shimbun
 

 世界各国の汚職を監視している非政府組織(NGO)のトランスペアレンシー・インターナショナル(本部ベルリン)は28日、2002年版の「汚職指数」を発表、日本の清潔度は世界20位と評価された。

 同指数は世界銀行などがまとめた計15件の調査を基に、102カ国・地域を対象に過去3年間の汚職の件数や内容を数値化。清潔度を10点満点で示した。

 清潔度1位はフィンランドで9.7。デンマークとニュージーランドが9.5で第2位。最下位は1.2のバングラデシュだった。

 主要国では英国10位、米国16位、ドイツ18位、日本20位、フランス25位、イタリア31位、中国59位、ロシア71位など。

 発展途上国ほど汚職がはびこる傾向があり、同組織は「途上国の政治家は国民の福祉向上の前に私腹を肥やそうとしている」と厳しく批判した。(共同)

昨年の自殺、4年連続で3万人超す

2002年07月24日The Sankei Shimbun

 昨年1年間の自殺者は前年に比べ2・9%減の3万1042人で、4年連続して3万人を超えたことが24日、警察庁のまとめで分かった。負債や失業など「経済・生活問題」による自殺は過去最多となるなど、依然、リストラや景気の深刻な状態がうかがえる。

 人口10万人当たりの自殺者は24・4人で前年に比べ0・8人減った。全体の71・3%が男性で、50代以上が60・5%を占めた。

 警察庁が統計を取り始めた1978年から97年まで自殺者は2万人台の前半だったが、98年に初めて3万人を突破。99年には過去最高の3万3048人を記録した。

 一方、昨年1年間の家出は前年比5・0%増の10万2130人で、84年以来17年ぶりに10万人を超えた。

 まとめによると、自殺者は男性が前年比2・6%減の2万2144人で、女性は3・6%減の8898人だった。

 年齢別では、60代以上が1万891人と最も多く、次いで50代の7883人、40代の4643人などの順。

 すべての年齢層で前年より減ったが、60代以上は1・0%減と減少幅が最も少なかった。

 原因・動機別では、最多の「健康問題」が1万5131人(うち遺書があったのは3658人)で2・6%減少。「経済・生活問題」は6845人(同2872人)で、前年より微増し過去最高となった。

 職業別では、無職が1万4443人(前年比3・4%減)とほぼ半数を占め、会社員などの被雇用者が7307人(同0・1%増)、自営業者4149人(同5・0%減)などだった。

昨年の家出、17年ぶり10万人突破

2002年07月24日 The Sankei Shimbun

 昨年1年間に警察が捜索願を受理した家出人は10万2130人で、前年より5・0%増えたことが24日、警察庁のまとめで分かった。10万人突破は1984年以来17年ぶり。

 増加数は全体で4862人。このうち3335人が成人(20歳以上)で、中でも30代が1173人と多かった。前年同様に無職の増加が目立ち、不況の影響が続いている傾向がうかがえた。

 ここ数年1万3000−1万4000人台だった未成年女性の受理数は、1万6111人と前年比13・9%の急増。若い女性が被害に遭う凶悪事件が相次いでいることから同庁は「家族の不安が高まり、捜索願を出すケースが増えているのでは」(少年課)とみている。

 家出人のうち成人は7万5189人で全体の73・6%を占め、男女別では男性が6万581人で59・3%だった。

 原因・動機別では「家庭関係」が2万1609人(前年比5・1%増)と最多で、次いで「事業・職業関係」1万3703人(4・1%増)、「疾病関係」1万1359人(7・2%増)、「異性関係」6477人(3・9%増)など。

 職業別では無職が3万6222人(前年比6・5%増)で全体の35・5%。次いで被雇用者2万7399人(同3・1%増)、中学生1万730人(同7・3%増)、高校生7753人(同6・9%増)の順だった。

思春期やせ症20人に1人 都内の女子中学生追跡

2002年04月13日(共同)中国新聞

 ストレスとの関連が指摘され、思春期の女性の100人に1人程度とされてきた思春期やせ症(神経性食欲不振症)の発生率が、東京都内の私立女子中学の卒業生を高校3年まで追跡した結果、約20人に1人にも上ることが13日、慶応大の渡辺久子講師(小児精神医学)らの研究グループの調査で分かった。

 日本人小児の健康的な身長と体重の伸びを示す成長曲線との比較を基に推計した。成長曲線を一定の基準以上外れた不健康なやせ方をしている「予備軍」も4人に1人に上った。

 近年指摘される思春期やせ症の増加を裏付ける結果で、研究グループは今年中に全国調査に乗り出す。

今年の名前、一番人気は女児「さくら」男児「大輝」

2002/04/11 asahi.com
 01年生まれの一番人気は、女の子が2年連続の「さくら」ちゃん、男の子は2年ぶりの「大輝」くん。明治生命保険の「赤ちゃんの名前調査」でこんな結果が出た。先の見えない時代だが、女の子には心優しく、男の子には骨太に育って欲しいという思いがにじむ


今世紀は離婚、シングルマザーの時代? 新成人意識調査

2001.02.19 asahi.com
 「21世紀に増える結婚、恋愛の形」について、今年中に20歳になる男女400人を対象に意識調査したところ、「離婚」「シングルマザー」「晩婚」が上位を占めた。

4年ぶりに金額アップ 第一勧銀のお年玉調査レポート2001.01.16 asahi.com

 「お年玉市況」は底を打った――。みずほフィナンシャルグループの第一勧業銀行が16日に発表した2001年の「お年玉調査リポート」によると、1人あたりの合計金額は平均2万6424円で、前年比1317円増と、4年ぶりに金額アップとなった。1人から受け取る金額は平均4181円となり、1975年の調査開始以来、初めて4000円台に達した。

4年ぶりに金額アップ お年玉と金銭教育!? 平成12(2000)年12月号 BOXNO. 670008 :暮らしの経済情報

名前調査で1位は「翔」くん、「さくら」「優花」ちゃん

2001.01.10 asahi.com

 恒例となっている明治生命保険の「赤ちゃんの名前調査」の結果が10日まとまった。2000年生まれの男の子は「翔」くん、女の子は「さくら」「優花」ちゃんが、いずれも調査開始以来初めてトップに輝いた。

 「翔」の読み方は「ショウ」「カケル」「ツバサ」など。千年紀、そして21世紀にはばたいてほしいという親の願いが込められているようだ。

 一方、「さくら」ちゃんは初のベストテン入りで、いきなりのトップ。全体的に「海」「陸」「花」など自然を連想させる漢字が多く使われるなど「ネーチャー志向」が強まっているのが影響したとみられる。

 「優花」ちゃんは優しい花のように育ってもらいたい、という願いとネーチャー志向が一致。加えて、読み方で「ユウカ(優香)」「アミ(鈴木あみ)」など女性タレントの名前が、読み方の上位にランクされた影響もあるようだ。

 調査は明治生命の個人保険の加入者に生まれた赤ちゃんを対象に実施。男の子は4195人、女の子は3908人。

今どきの高校生像は─ 茶髪4割、飲酒は6割/総務庁調査

2000.12.21The Sankei Shimbun

 茶髪は四割、ピアスが二割、飲酒は六割が経験済み−。東京など六都県の高校二年生を対象にした総務庁の調査で、今どきの高校生のこんな実像が浮かび上がった。他人のバイクや自転車を勝手に乗り回したり、万引をしたことがあると答えたのもそれぞれ一八%と、モラルの低さも明らかになった。

 この一年間で「ピアスをしたことがあるか」と質問したのに対し、全体の二○・六%があると答え、女子では三割を超えた。髪を脱色したり、染めたりしたことがあるという回答は四○%に達し、ピアスや茶髪が高校生の「普通のおしゃれ」になっている実態をうかがわせる。

 同じく一年間に「友達と酎(ちゅう)ハイやビールなどアルコールを飲んだ」のは六○・八%、「店から黙って品物を持ってきた」のは一八・一%、「置いてある他人の自転車やバイクを勝手に乗り回した」のは一七・七%。性体験に関する質問では、一七・八%がセックスの経験があると回答した。

 一方、親からもらう一カ月の小遣い額は「五千円−一万円未満」というのが約半数。ただ、小遣いにアルバイト代を足した「自由に使えるお金」が月平均三万円以上と答えた「リッチな」高校生も九・三%いた。

 ファッションや流行を「気にする」のは六三・二%と関心の高さを示したが、「文学や哲学に興味がある」のは二四%、「新聞を毎日読む」のは三七・二%だった。

ボランティア経験者3人に1人で満足度高く 経企庁調査

2000.12.21 asahi.com

 経済企画庁は21日、「ボランティア活動と国民生活」を副題とする2000年度の国民生活選好度調査を発表した。ボランティア活動の経験のある人はほぼ3人に1人で、経験者は「多くの人と知り合えた」「楽しかった」といった点で満足度が高い。経企庁は、環境が整えばさらに活発になる、とみている。

 調査は、全国の15歳以上70歳未満の男女5000人を対象に今年5、6月にアンケート形式で実施した。有効回答は79.4%だった。

大学生のコンドーム使用、相手の人数増えれば着用率低下

2000.12.09 asahi.com

 大学生のコンドーム使用率は、相手の人数が増えるにつれ低くなるなど、性感染症(STD)に対する大学生の無防備な実態が、厚生省研究班の全国調査で分かった。エイズをはじめとするSTDは、10代から20代の若者を中心に近年急増しており、専門家は「若者に、安全なセックスの正しい知識を急いで広める必要がある」と話す。

 全国の26国立大学の1年生と4年生を対象に無記名の調査票を配り、6割に当たる1万3645人が回答した。

 調査結果によると、性交経験は、1年生が23%、4年生は68%と、約半数の学生が性生活を大学時代に始めていた。過去1年間の相手の人数別にコンドームの使用率を見ると、「1人」と答えた人は74%が使っているが、相手が増えるにつれ使用率が減り、「5人以上」と答えた人は43%しか使っていなかった。

 また、相手別に見ると、決まった相手との場合は74%で、そうでない不特定の相手の場合は63%と、落ち込んだ。自由記入欄には、不特定の相手にコンドームを使わなかった理由として「セックスすることになるとは思わなかったので準備していなかった」「知らない相手だから言いだせなかった」などが挙がっている。

 調査に当たった長崎大学大学院医学系研究科の木原雅子助手(感染分子病態学)は「不特定や多数の相手とセックスするときこそ、STD予防としてコンドームが必要なのに、無防備すぎます」と話す。

パラサイト・シングル急増 蜜より甘い“親のスネ”

2000.12.07 The Sankei Shimbun

快適さ重視 晩婚化、少子化の一因に

 成人後も親と同居し、衣食住を親に頼っている未婚者を意味する「パラサイト(寄生)・シングル」が急増中だ。研究者は「三十年前の三倍以上」という。親がかりの快適な生活を楽しんでいるため、晩婚化、少子化の一因になっているとされ、社会問題化する懸念もある。

 神戸市内に住む男性は現在、四十歳。パラサイトになって十年以上になる。それ以前は、東京の旅行代理店で働き、自立した生活を送っていた。転機は、両親からの帰郷要請だった。

 「長男だから、仕方ないと思った。家業はないが、家はあるので何とか食べていけるだろうと」

 郷里に得意の語学を生かせる仕事がなく、やむなくスーパーに就職した。収入は半減したが、東京では十万円以上支払っていた家賃がゼロになり、月に五万円を家に入れるだけで、食事の準備から掃除、洗濯まで母親がしてくれる。居心地は悪くなかった。

 帰郷後、お見合いで結婚した。相手は教師で、両親との同居が条件だった。

 だが、マンションで一年を過ごし、親と同居しようとしたところ、夫婦仲がおかしくなり、結局、離婚した。

 「妻は同居はもっと先、と決め込んでいたが、ぼくとしては、両親と同居するために帰郷したわけですから、結婚を続けるわけにはいかなかった」

 結婚情報サービス「ジェイ・エム・エス梅田」(大阪市北区)の山名友子専務は、パラサイト・シングルの男性について、「自分の意思を持たず、現状の生活に満足している場合が多い」と話す。本人に結婚願望がないにもかかわらず、将来を心配した親が相談に来るケースが多い。一方、パラサイト・シングルの女性は、仕事熱心なキャリアウーマンタイプが多く、数千万円の貯蓄がある三十代の会員(看護婦)もいるという。

 「両親が子離れをせずに世話を焼きすぎるため、子供は親に頼り、やろうとすればできることもやらない。親子ともに幸せの焦点がぼけているんですね」

 パラサイトの快適さには女性もどっぷりつかっている。フリーペーパーの「シティリビング」が女性読者九十七人(平均年齢二六・三歳)に行ったアンケートでは、母親にまかせっきりの家事は別表のとおりで、生活ぶりは男性とほとんど変わりない。

 生活費も「(家に)入れていない」が二八%で最も多く、次いで▽三万円二四%▽二万円一四%▽五万円一一%など。一人暮らしの「家賃程度」も入れない人が大半で、経済的にも親に頼りきっている。

 著書『パラサイト・シングルの時代』で知られる東京学芸大助教授の山田昌弘さん(四二)=家族社会学=は「最も多いパラサイト・シングルは二十歳代後半だが、十数年後には頼りの親も体力的にも経済的にも弱くなる。そのとき、彼らはすでに四十歳近い。古くなった家で、家族もいないという大変に苦しい状況がやってくるのではないか」と話している。

◆親にまかせっきりの家事
▽朝食の食器洗い  90.3%
▽夕食づくり    88.7%
▽洗濯       77.4%
▽洗濯物の取り込み 62.9%
▽夕食の食器洗い  54.8%
▽クリーニングを出す50.0%
▽弁当をつくる   48.4%
▽ふろをわかす   46.8%
(シティリビング紙調べ)

「仕事重視」より「仕事と家庭両立」 男性の生活調査

2000.12.02 asahi.com

 調査は今年8月末から9月上旬にかけて、総理府が全国の成人男女5000人を対象に実施。3404人(68%)から回答を得た。

 男性の望ましい生き方として、「家事や地域活動に妻とともに参加し、仕事と両立させる」と答えた人が49%、「仕事を重視する」が46%で、わずかの差ながら「両立派」が上回った。1993年の前回調査では仕事重視派の方が多かった。「両立派」は若年層に多く、20代から40代の女性の6割以上、20代の男性の55%を占めた。一方、50歳以上の男性は「仕事重視派」が過半数だった。

 男性の家庭における役割として、炊事や洗濯などの家事は72%が「かかわるべきだ」と答えた。子育てについては93%、親の介護では93%が「かかわるべきだ」と、高水準となっている。しかし、実際に家庭で夫が中心になっているケースは、家事が1%、子育てが3%、親の世話が5%とわずかで、ほとんどかかわっていない。

 また育児休業制度については、男性が活用した方がよいと考える人は7割近いものの、8割の人は社会や企業の支援が不十分だと指摘。介護休業制度は8割が「取った方がいい」としているが、支援体制が十分でないと感じている人も8割いた。

20世紀を代表する女性は高橋尚子さん 住友生命調査

2000.12.02 asahi.com

 今世紀を代表する女性はマラソン選手の高橋尚子――。住友生命(本社・大阪市)が1日、発表した「20世紀を代表する女性」アンケートで、こんな結果が出た。2位は社会奉仕活動家のマザー・テレサ、3位は歌手の美空ひばりなど、上位を国内外の有名人が占めたなか、身近な存在として「自分の母親」が10位に入った。

 4位は元英国皇太子妃のダイアナ▽5位は元英国首相のマーガレット・サッチャー▽6位は女優のオードリー・ヘプバーン▽7位は柔道の田村亮子▽8位は美智子皇后▽9位は女優のマリリン・モンローの順だった。

20世紀は「灰色」、戦争が影落とす 21世紀は「白」

2000.11.13 asahi.com

 20世紀の色は「灰色」――。コダックが11月16日の「いい色の日」にちなんで「20世紀を色に例えると」とアンケートをしたところ、「灰色」が26.0%を占めトップとなった。大半の回答者が「戦争」や「不況」、「犯罪の増加」などを理由に挙げている。次いで赤(16.4%)、青(10.8%)の順で、「赤」と回答した人の4割以上が「激動の時代」だったと振り返り、「青」の回答者も戦争などが「ブルー(憂うつ)」な体験だった、としている。同社は「回答者の8割以上は戦争を知らない10―40歳代なのに、今でも日本人の心に深く『戦争』が影を落としているのだろう」と分析している。

 アンケートは、10月から11月にかけて実施。約1万6000の回答のうち、無作為で選んだ500サンプルを分析した。

 それによると、20世紀を「よい世紀」と感じている人は全体の4分の1にとどまり、2度の世界大戦や環境破壊など生活を脅かす「負の側面」を振り返る人が5割に達した。

 また、「21世紀は何色」との質問では「白」(15.6%)が最も多く、「青」(13.8%)や「緑」(10.0%)が続き、全体の8割以上が21世紀に対し期待感を示した。「白」と答えた多くはその理由について「汚れた世界を一度リセットしたい」「未来は努力次第」としている。

働き盛りの自殺防止に初の実態調査へ 厚生省と労働省

2000.10.19 asahi.com

 働き盛りを中心に増えている自殺を防止しようと、厚生、労働両省は19日、初の実態調査に乗り出すなど本格的な対策に取り組むと発表した。併せて有識者懇談会を置き、欧米に比べて遅れているといわれる対策を検討してもらうほか、「いのちの日(仮称)」を設けて啓発活動をしたり、「いのちの電話」事業に助成したりする。来年度予算の概算要求特別枠で3億円を要望する。

 警察庁のまとめでは1999年の自殺者は3万3048人で過去最高。ここ20年ほど2万人台だったが、98年に急増した。目立つのは働き盛りの4、50代の男性の増加だ。健康問題だけでなく、経済・生活問題が背景にあるとみられるケースが増え、不況やリストラの影響がうかがわれる。

 実態調査は、国立公衆衛生院や産業医科大などが、約300例について職場や地域で自殺に至る経緯や理由、影響などを探る。有識者懇談会は精神科や労働問題の専門家らが来年度をめどに対策をまとめる。電話相談をする「いのちの電話」の相談員の養成や研修にかかる費用を助成する。

 両省は5年間で自殺者を約1万人減らすことを目指すという。

「安全性重視」が6年ぶりに減少 「貯蓄と消費」調査

2000.10.08 asahi.com

 貯蓄広報中央委員会(事務局・日本銀行)が行った今年の「貯蓄と消費に関する世論調査」によると、金融商品を選ぶ時に、元本保証など安全性を重視する人が6年ぶりに減り、収益性を重視する人の増加が続いていることが分かった。預貯金が貯蓄の約6割を占める「安全志向」の日本人の意識が、長期化する低金利や金融商品の多様化で、少しずつ変化しているようだ。

 今年6月から7月にかけて全国の6000世帯(単身世帯は除く)を対象に調査し、7割から回答を得た。

女20代「老けたぁ」の自覚9割近くに 商社の調査

2000.10.07 asahi.com

 化学品専門商社の長瀬産業のアンケートで、20代の女性の88.5%が「老けた」と感じたことがあると答えた。これは30代以上の世代とほぼ同じ割合で、年齢とは無関係に老いに敏感な女性の姿がうかがえる。ただ、「老けた」と感じて不安に思う割合は、20代が76.2%だったのに対し、40代以上は81%で、老いに対する不安は年齢とともに切実になっている。

 7月下旬から8月上旬に調査、首都圏の女性約500人が回答した。

日本人の平均貯蓄額、昨年より82万円増

2000.09.09 asahi.com

 貯蓄広報中央委員会(日本銀行情報サービス局)が8日発表した「貯蓄と消費に関する世論調査」によると、日本人の平均貯蓄額は1448万円と昨年より82万円増えた。預貯金、生保・簡保、投資信託の増加が大きい。貯蓄額を多い方から少ない方へ並べた時、真ん中となる平均的な家計像の貯蓄額は、昨年より40万円多い920万円だった。

 調査は6月23日から7月3日にかけて全国の2人家族以上の6000世帯を対象に実施、約7割から回答を得た。

「家族が1番」「生まれ変わっても女」 文部省意識調査

2000.08.25 asahi.com

 「いちばん大切なのは家族」「生まれ変わっても女を選ぶ」。こんな意識が強まってきたことが、文部省統計数理研究所が50年近く続けている国民性調査の分析から、浮かび上がった。私生活を優先する価値観が広まったのは1970年代からで、女性の意識変化もくっきりしている。

 2000人から4000人前後の成人男女を対象に、53年から5年おきに調査されている。世界でも類がない長期の大規模調査で、さまざまな機会に引き合いに出され、戦後の日本人を語る基本資料となっている。

国内最大の「日本国語大辞典」が第2版刊行へ

2000.08.19 asahi.com

 最大の国語辞典として知られる小学館の「日本国語大辞典(日国)」第2版・全13巻の刊行が11月から始まる。見出し語50万は、英語圏のみならず世界最高の辞典として名高い「オックスフォード英語大辞典」に肩を並べる。初版の完結から24年。中断することなく続いた修正作業の積み重ねが、比類のない大辞典にさらに磨きをかけた。

 「オックスフォード英語大辞典(OED)」は97年に第2版の補遺が刊行され、見出し語50万・用例240万。2版が来年12月に13巻で完結する日国は、その後も2、30年後の第3版に向け、見直し作業を続ける。

縄文系の男性は環境ホルモンに弱い? 精子数が少ない

August 07, 1999

 日本人は在来系の縄文タイプと、渡来系の弥生タイプに分かれるといわれるが、縄文系の男性は精子の数が少なく、無精子症になる確率も高いことが、厚生省の研究班の調査でわかった。日本人男性の精子数を調べたところ、縄文系とみられるタイプのY染色体をもつ男性がほかのタイプの人に比べて精子数がかなり少なかった。研究を担当した中堀豊・徳島大医学部教授は「男性の精子形成能力が遺伝的に異なっているか、男性のグループ間で内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)などへの反応性が違う可能性がある」と指摘している。

 環境ホルモンが人の精子数に影響するかどうかは、まだ実証されていないが、今回の結果から、縄文系の男性は環境ホルモンに弱く、子孫を残す能力が弥生系のタイプの男性より劣っている可能性が出てきた。

 調査は、文部省の研究と厚生省の環境ホルモンに関する研究の一環として実施された。神奈川県内の3つの病院で、少なくとも1人の子どもがいる20代と30代の健康な男性198人から、精子と血液を提供してもらった。

 日本人男性のもつY染色体が4つのタイプに分かれることから、そのタイプ別に分けたところ、健康な男性198人のうち、タイプ1が94人(47%)、タイプ2は44人(22%)、タイプ3は19人(10%)、タイプ4は41人(21%)だった。

 中堀教授によると、これまでの日本人以外も含めた調査から、タイプ1、3、4が弥生時代以降に大陸や朝鮮半島からやってきた弥生系で、タイプ2は1万年以上前から日本列島に住んでいた縄文系とみられるという。

 精子1ミリリットルに含まれる精子数を比べると、縄文系のタイプ2は平均で約8300万個で2割ほど少なかった。それ以外のタイプはすべて平均1億300万個を超えていた。しかも縄文系のタイプ2は、3人に1人が妊娠しにくいといわれる4000万個以下だった。4000万個以下の人の割合は、弥生系のタイプ1が27%、型が近いタイプ3と4は合わせて17%だった。

 年齢別にみると、縄文系のタイプ2は30歳までは精子数の平均は1億200万個程度だったが、30歳を超えると7100万個程度に減少していた。

 また、神奈川県と大阪府の病院にかかっている無精子症の患者106人の協力を得て、Y染色体をタイプ分けしたところ、縄文系のタイプ2は無精子症になる確率が、タイプ3、4に比べて2倍高いこともわかった。

 研究結果は9月1日発行の日本人類遺伝学会雑誌「Journal of Human Genetics」に掲載される。

人間の豊かさ、日本は9位に後退 国連報告書

2000.07.01 asahi.com

 国連開発計画(UNDP、本部ニューヨーク)は29日、2000年版「人間開発報告書」を発表した。国民所得に基づいた生活水準と寿命、教育の普及を総合的に判断して人間の豊かさを示す「人間開発指数」ではカナダが7年連続1位になり、日本は昨年の4位から9位に後退した。カナダなどに比べ、成人を対象にした教育環境がやや劣っているため下がった。

 2位以下はノルウェー、米国、オーストラリア、アイスランド、スウェーデン、ベルギー、オランダの順。

 男女間の公平さを示す「ジェンダー(性)開発指数」では、カナダ、ノルウェー、オーストラリアが上位3カ国で、日本は人間開発指数同様、9位(昨年8位)だった。しかし、政治・経済分野への女性の進出状況を示す「ジェンダー・エンパワーメント測定」では日本は41位。教育などで「公平」であっても実際には男女差別がかなり残っていることを示している。

 一方、貧困者や失業者、健康保険などの実態を基にはじき出した「人間貧困指数」では先進18カ国中、日本は9位、米国は最下位で、貧富の差の激しい米国社会を物語っている。

海外で暮らす日本人、女性の数が初めて男性を上回る

May 06, 2000 asahi.com

 海外で暮らす日本人の女性の数が初めて男性を上回った。そんな「男女逆転」が、このほど発表された外務省の「海外在留邦人数調査統計」で分かった。景気低迷で日本企業の海外展開が縮小する傾向にある一方、留学などで外国に住む女性が増えたことが背景にありそうだ。

 この統計は、昨年10月1日現在で在外公館に届けを出している邦人数をまとめた。日本人女性は40万2575人、男性は39万3277人。女性が9000人余り上回った。女性は1998年から1年で約7900人増えたのに対し、男性は1500人余り減った。総数は1年に0.8%増え、79万5852人。女性の数が男性を上回ったのは、今の方法で統計をとり始めた76年以来、初めてだ。

子どもの4割がいじめを黙認 3割が親殴りたいと思う

May 04, 2000 asahi.com

 中高校生の4割以上が、いじめ行為をみても「しらんぷりをする」と考え、約3割が「親を殴りたいと思ったことがある」ことが、総務庁の実施した「青少年の暴力観と非行に関する調査」の結果で明らかになった。

また、「将来のために今の楽しみをがまんすることはばかげている」と考える中高校生は男子で54%、女子で57%に上り、若者の生き方がせつな的な傾向を強めていることが浮き彫りになった。

 この調査は昨年秋、全国の中高生2100人と少年鑑別所に入っている20歳未満の1400人を対象に実施した。「ふつうの子供がきれる事件が増えている」といわれていることから、非行少年と比べることを目的に実施した。

日本の中高生に閉そく感

2000年04月22日

 日本の中高生は韓国に比べて将来に希望を持てず、学校生活の充実感も低いことが、財団法人日韓文化交流基金が実施した両国の比較調査で22日分かった。自分に対する評価も低く、現状にも未来にも確かな手ごたえや展望を持てず「閉そく感」に包まれている日本の子どもの実態がうかがえる。

調査は、1998年―99年、韓国側は約1600人を対象に、日本側は全国で約4800人を対象に実施した。

「悲観論」際立つ日本

2000年04月18日

 自国の10年後を、「今よりよくなっている」と考える日本人は全体の3分の1強にとどまり、欧米人に比べて格段に低い―。電通が東京、ニューヨーク、ロンドン、パリ、ベルリンの5都市で実施した調査で、こんな結果が出た。

 また10年後の地球環境についても、「よくなる」とした日本人は約2割と最低で、4割近いフランス、米国と比べ悲観論が目立った。

暮らし満足、6割強が欧米 海外経験女性にアンケート

April 09, 2000

 治安、公共交通機関、買い物の便利さでは日本の方が、高齢者・障害者への配慮、歩きやすさ、美観、緑の多さでは欧米の方が優れている。全体として満足度は、外国在住時の方が高かった――財団法人・民間都市開発推進機構が外国で暮らしたことのある女性を対象に調査したところ、こんな結果が出た。日本と外国の都市での生活実感の違いを数値化した調査は珍しい。

 北米、欧州、大洋州の11カ国に1年以上暮らし、ここ10年以内に帰国した日本人女性213人に昨年10月、アンケート用紙を送った。有効回答は131人で回収率62%。回答者の年齢は30代が約半数、滞在国は米、英、独で約4分の3を占める。

 中心市街地(商業地や繁華街)の治安は、「日本の方がよかった」が65%、「外国」が1%、「同程度」が30%。住宅地の治安は「同程度」が41%と、日本の優位性はやや落ちる。

 中心市街地の公共交通機関は「日本の方が充実」が65%、「外国」が14%、「同程度」が20%。総じて「日本の交通機関の方が便利で時間に正確」と評価された。

 買い物は住宅地だと「日本の方が便利」が60%、「外国」が18%、「同程度」が22%。「外国の商店は昼休みや日曜休みがあって不便。コンビニエンス店の多い日本の方が便利」との意見もあった。

 一方、高齢者・障害者向けの設備やサービスは住宅地、中心市街地とも「外国の方が優れていた」が4分の3強。歩きやすさでも、車道と歩道、自転車道と歩道が分離されている「外国の方が優れていた」が6割強を占めた。

 建物の形・高さ・色の調和は、住宅地も中心市街地も「外国の方が優れていた」が93%。看板や広告が美観を損ねていると感じたのは、日本にいた時が92%、外国では24%。住宅地の緑も「日本の方が多い」は1%、「外国」が92%と大差がついた。

「全体として満足度が高かったのは外国」との答えが6割強に上った。

 この調査は建設省が今後の都市政策の参考にするため民都機構に委託した。

肥満が人口の2割占める 若い女性は「やせ」増加

February 26, 2000

 男性の肥満が増え、20代、30代の男性は19年前に比べて肥満の人の割合が2倍になる一方で、10代後半と20代の女性は「やせ」が増えていることが、厚生省が25日付で公表した「1998年国民栄養調査」でわかった。1日に食べ物からとるエネルギー摂取量は以前とほとんど変わらないのに、男性は各年代で大幅に肥満者の割合が増えている。15歳以上の日本の肥満人口は男性1300万人、女性1000万人と推計され、人口の2割強を占めた。男性は肥満の人の半数近くが体重コントロールを心がけていなかった。

 調査は98年11月、全国300地区内の約1万5000人を対象に実施した。

 それによると、肥満の判定に使われる指標BMIが25以上の肥満者の割合は、30代から60代の男性の3割を占めた。男性は各年代で19年前と比較して大幅に増加している。特に20代、30代の割合は2倍になった。89年と比べても1.3倍に増えた。一方、女性は肥満者の割合はほぼ横ばいだった。

 女性の場合、10代後半と20代は逆にBMIが18.5未満の「やせ」が大幅に増え、全体の2割が「やせ」だった。にもかかわらず、70代を除くすべての年代で、2人に1人が「自分のことを太っている」と感じていた。

 体重をコントロールする理由は、10代後半と20代の女性は「きれいでありたいから」が5、6割を占め、断然多かった。30代以降は「健康のため」が一番多い。厚生省は「若い女性のやせ願望は、雑誌やテレビの影響が大きいのではないか」とみている。

 一方、体重コントロールを心がけている男性は女性に比べて少ない。20代から40代の男性で心がけている人は5割程度で、肥満の人の4割以上が心がけていないと答えた。20代から40代の男性は、6割から4割程度の人が食事の量や内容に気をつけていなかった。

どこかヘンだよ日本の子ども、文部省が国際調査

February 04, 2000

 外国と比べ、日本は家庭の教育が不十分で、子どもたちはほかの子どもとかかわりを持とうとしない――。こんな様子が4日、文部省の国際比較調査で浮き彫りになった。日本では、「友だちのけんかをやめさせた」「いじめを注意した」といった行動を繰り返している子どもは1割に満たない。社会のルールや道徳を家庭で教え諭している親も項目によっては1割を切り、他の国に比べて極端に少なかった。教育関係者の間には、「ガンコおやじが影をひそめ、友だち同士のような親子関係が広がって家庭の教育力が落ちた」という指摘がある。

 調査は委託で、小学5年生と中学2年生を対象に、日、韓、米、英、独の5カ国で昨年10―12月に実施。日本では東京都区部の計約2300人、諸外国では都市部の子ども1000人前後にアンケートでたずねた。

 その結果、日本の子どもたちの正義感や道徳心に疑問符がつく傾向が示された。この1年ほどの間に、「何度も友だちのけんかをやめさせた」という子は8%。「時々やめさせた」という子を合わせても3割強にしかならず、他の4カ国に比べると半分程度にしかならない。「何度も友だちの相談に乗った」「悪いことを注意した」という子も、それぞれ2割、1割にとどまる。

 日本の子どもたちが、家事をあまりしていない様子も浮かび上がった。「いつも手伝っている」という答えは、洗濯が6%、買い物7%、掃除で9%。「いつもふとんやベッドを自分で整える」「朝、自分で起きる」という子も、3割余りしかいなかった。

 子どもたちに親の様子をたずねたところ、「うそをつかないように」とよく諭す親は、父親が11%、母親で16%しかいなかった。3―5割程度いる他の国とは大きな開きがある。「弱い者いじめをしないように、とは全く言わない」という親は、父親76%、母親70%。「友だちと仲良くしなさい、とは全く言わない」という親も、父親81%、母親で70%に及ぶ。

 一方、「勉強しなさいとよく言う」親は、父親で2割弱、母親で4割弱にとどまった。他の4カ国と比べても最も少なく、子どもへの「不干渉」が広がっている様子だ。「近所の人からしかられたことが一度もない」という子も6割弱いた。

 また、テレビやビデオを1日3時間以上見る日本の子どもは47%に達し、他の国より1―2割強多い。塾やテレビゲームにかかりっきりになったりしているせいか、「太陽が昇るところや沈むところを一度も見たことがない」という子が23%もいた。

「酒豪遺伝子」に地域差 番付け上位に東北、九州

January 10, 2000

 日本の南北に酒豪が多いのは遺伝子のせい?――酒に強い体質の遺伝子の型を持つ人の割合を都道府県別に並べると、「番付上位」には北海道・東北、九州・沖縄地方が集中することが筑波大学社会医学系の原田勝二・助教授らの調査でわかった。この順位と1人当たりアルコール消費量の都道府県別順位とは傾向が似ており、遺伝子は酒豪を調べる有力な手掛かりと言えそうだという。

 原田助教授らは、アルコールの分解過程にかかわる数種類のアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH)の一つ、ALDH2を作る遺伝子の型によって、体質的に酒の強さが異なるとされることに注目。全都道府県の5255人を対象に、酒に強いとされる遺伝子の型(NN型)を持つ人の割合を調べ、順位付けした。また、この順位を、沖縄県を除く46都道府県について国税庁が公表している1人当たりの年間酒類販売(消費)量(1996年度、エタノール換算)と比較した。

 その結果、NN型の人は、中部、近畿、北陸で少なく、東西に向かうにつれて増え、九州や東北で多くなる傾向があった。秋田県が最も多く77%で、鹿児島県、岩手県が71%で続き、最も少ないのは三重県の40%、2番目に少ないのは愛知県の41%だった。

 一方、消費量は、秋田県が10.6リットルで4位、鹿児島県が9.6リットルで6位、三重県が7.1リットルで徳島県など3県と並び最下位から3番目の41位など、NN型の順位と同様の傾向があった。

 ただし、完全には一致しておらず、例えば、消費量が11.8リットルで1位の東京都はNN型の割合は55%で19位だった。「消費量」は都道府県ごとの酒類の小売り販売量で、実際に飲まれた量とは一致していないことなどが影響しているという。

 原田助教授らは、さらに、NN型の人の遺伝子に含まれている遺伝情報の中で、ALDH2が作られる量を調節する部分を調べた。すると、この部分が変異している遺伝子を持っていないか、片方の親からしか受け継いでいない人は、両親から受け継いでいる人に比べ、アルコールが分解される中間過程でできるアセトアルデヒドを代謝するスピードが速かった。聞き取り調査で独自に調べた1人当たりの年間飲酒量も約1.5倍の18リットル(エタノール換算)で、同じNN型でも、さらに強さが異なる傾向が出た。

 なぜ、NN型の割合に地域差があるのかはわかっていないが、原田助教授は「現在の日本人は縄文人と弥生人の特徴を兼ね備えているが、縄文人には酒に強い体質の遺伝子型を持つ人が多かったと考えている。酒に弱い遺伝子型は、弥生時代に海外から近畿、中部に多く移り住んだとされる北方系の弥生人によってもたらされたのではないか。地域で差が出たのは、この歴史のためだと思う。また、NN型の人の遺伝子の一部を調べれば、酒豪の中の酒豪がわかるはずだ」と話している。

日本人は自信喪失?

1999年07月12日 共同通信社

 10年後が今よりも良くなっていると思うのは3人に1人、他国に比べて優れている点は「治安」のみ―。電通総研が12日発表した日本を含むアジア7カ国の「価値観についての国際比較調査」で、自信を喪失した日本人のこんな悲観的な将来展望が明らかになった。

調査担当者は「政治不信を払しょくし、経済安定に向けた構造改革をしないと、日本人の自信は回復しない」と分析している。

高3の40%近くが性交経験

1999年07月21日 共同通信社
 高校3年生の性交経験率が40%近くに急上昇する一方、常に避妊をしている生徒は男女とも30%を切る低率に落ち込んでいることが、東京都立高校生を対象にした調査で分かった。21日開かれた厚生省の「性感染症に関する特定感染症予防指針作成小委員会」で報告された。

「21世紀希望なし」さめた中高生、6割回答

May 16, 1999

 日本の中高生は将来に夢をもっていない? 日本青少年研究所(文部省、総務庁の外郭団体)が、21世紀がどんな社会になると思うかを全国の中高生に質問したところ、6割が「希望のある社会になるとは思わない」と答えた。他の設問でも、明るい未来に否定的な回答が軒並み7―8割に達している。ただし、同研究所は「今の10代が未来を真剣に憂えているとは思えない」と辛口だ。「現状に満足し切っており、『今より良くはならないだろう』という程度にしか考えていないのではないか」とみている。

 調査はアンケート方式で、昨年秋から今年初めにかけ、中学生、高校生それぞれ1000人ずつに対して実施された。全員から回答を得た。

 「21世紀は人類にとって希望のある社会になるか」という設問では、「そう思わない」が61%で、「そう思う」の39%を大きく上回った。同じ調査は米国、中国、韓国の3カ国の中高生に対しても実施されたが、米、韓では6割強、中国では9割強が「そう思う」と答えており、日本との差が際だっている。

 日本の中高生の否定的な見方は、他の設問でも続く。「国民生活は豊かにはならない」67%、「人間は今以上信頼しあえない」75%。「不正や腐敗」については、84%が「少なくなるとは思わない」と答えた。

 一方、意識を探る設問でも、「将来より今を楽しむことが大切」が67%、「努力ばかりではつまらない人生だ」が58%と、覇気のない答えが多い。



花見から生まれた美しき日本 by白幡洋三郎 [京都新聞 2006年04月02日掲載]
サクラbyフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

桜と日本人

by株式会社ノーク

 桜と日本人の関わり合いの歴史を塗り替えた発見は、福井県の三方町の鳥浜貝塚でなされた。三方五湖の畦の泥中に無酸素状態で埋もれていた多くの出土品から、石斧の柄や、弓に桜の樹皮を巻き付けたものが何点も発見された。 縄文前期、今から約1万年前も前に彼らが使っていたものである。山桜の開花は種蒔きの時期を知る暦として認識されていたはずだが、特記すべきは桜の樹皮を6〜8ミリの均一な細さで1m以上も隙間無く巻き付けた縄文人の技術の素晴らしさだ。平行という概念を完全に理解していたようだ。単に実用品の装飾としてでなく、桜に対する特別の思い入れがあったのだろう。

 花見と言えばわざわざ断らなくとも桜を連想する。縄文人もその開花によって農作物の出来具合を占い、豊作を祈っての農作業前の祝を兼ねていた。その延長上に弥生時代以降、稲の稔りを占う事も含まれる。

 若狭・鳥浜貝塚 by邪馬台国大研究 &
縄文紀行 北日本の遺跡 - 実像に迫る(2003.04.01-2004.03.24)byデ−リー東北新聞社 

13.植物の世界29 日本文化の中の桜

byGLN(GREEN & LUCKY NET)グリーンコーナー

[農民と桜]

『古事記』『日本書紀』が成立する8世紀から1000年以上も遡る紀元前300年頃に日本列島に導入された稲作文化の中に,既に桜の宗教的位置付けが観られます。

 折口オリグチ信夫シノブ氏(1887〜1953)は,『花の話』(1928)の中において「花と言ふ語は、簡単に言ふと、ほ・うらと意の近いもので、前兆・先觸れと言ふ位の意味になるらしい」と云っています。雪は「米の花の前兆」であり,雪を「稻の花」と呼んで,秋の稲作を占ったように,古代人は山に生えている桜を,後には庭に植えた「家桜」を眺めて「稻の實りを占った」。ですから「花が早く散ったら大變である」。こういう解釈をした折口氏は,古代人の桜に対する態度を「実用的」と称し,奈良時代には桜の花を 賞した歌が無いことを指摘しています。

 和歌森ワカモリ太郎氏は,千葉県銚子市付近の花見歌の中に「春は花、秋は稲穂を待ちやかねたる」とあることを指摘し,折口氏と同じように,花,中でも桜と稲との関係を重視しています。田においての仕事が忙しくなる時期に丁度桜が盛りになりますので,農民は桜をただ美しいものとして眺めるだけでなく,「前途を暗示するもの」と観て,「桜の花そのものに、稲穀の霊さえ観念した」と和歌森氏は解釈します。

 和歌森氏は「サクラ」の語源として,「サ」は「サツキ(五月)」「サナエ(早苗)」「サオトメ(早乙女)」のように,全て稲田の神霊(サはサガミ(田神)のサ)を指すこと,また「クラ」は古語で「神霊が依り鎮まる坐ザ」を意味したことと合わせて,「サクラ」とは「稲穀の神霊の依る花」と云う意味であったと指摘しています。(後略)

なぜ、日本人は桜の下で酒を飲みたくなるのか? 2009/3/17 PHP新書(慶應義塾大学名誉教授 西岡秀雄 著)、酒と桜の民族(国鉄厚生事業協会 弥生叢書 1981)

花見と農業 (酒と食の歳時記) by菊水

雑学小話−「さ」の神様(2007月08月06日)by『高原千尋の暗中模索』

 

時代に見られるサクラ

by 花のいのちby(日立メディコ)-リンク切れ-
 サクラと日本人とのかかわりは古く狩猟時代にまでさかのぼります。 福井県三方湖の鳥浜遺跡から、補強のためサクラの樹皮が巻かれた五千年以上も前の縄文前期の弓が出土しました。まずサクラは樹皮の実用性で認識されていました。

 そして水田耕作の頃には、名前の由来の説によれば、「さ」は早で稲の霊を象徴、「くら」はその寄り集まりということから見られるように、田の神の化身として(開花状況で稲の豊凶を判断)人々にとって重要な存在としてありました。

 その後、奈良時代になると花を鑑賞する文化が中国から伝わり、それによりまず中国の鑑賞花である梅が愛されますが(「万葉集」では桜の歌よりも梅の歌が多く詠まれている)、都が京都に移ると花といえば桜となり(「古今和歌集」ではその数は逆転)、御所の左近の梅は桜に植え変えられ、時の平安貴族たちは花見に興じました。そして「新古今和歌集」の時代ともなるとこの傾向は一層強くなり、西行法師の「山家集」には百首に余る歌が、また「平家物語」では若い平家の公達の死を桜によせて詠んだ歌がみられるようになります。当時の貴族や武士が桜を愛したことは、絵巻物や武器の装飾に知ることができます。足利義満は金閣寺や室町の居所がその花で埋るほどの桜を配し、「花の御所」と呼ばれました。

 花見は安土桃山時代、秀吉の吉野、醍醐の豪華絢爛な宴を頂点として、広く行われました。その様子は「洛中洛外図屏風」「風俗図屏風」で伝えられています。また、着物や調度品などに桜がさかんに描かれました。

 江戸時代には家康、秀忠、家光など花好きの将軍によって植栽が盛んに行われ、参勤交代で江戸は品種交流の場ともなり数々の名所も出来、花見は一般化して行きました。落語の「長屋の花見」には庶民の花見の様子が伺えます。桜は芸術上のモチーフとしても重要な存在となりましたが、ことに歌舞伎「義経千本桜」「京鹿子娘道成寺」「妹背山女庭訓」等での巧みなデフォルメによる舞台での演出効果は、日本人の心を映す象徴として大きな役割を果たしたといえます。以後、今日まで桜は日本人にとって民族を代表とする花として定着し、花見は国民的行事といえるものに発展していきました。


山の神・田の神(やまのかみ・たのかみ)

by八百万の神々

 基本的に山の神は山村で、田の神は農村で祭られていましたが、いつの頃からか、山の神が春になると里に降りて来て田の神になり、秋にはまた山に登って山の神になる、という伝承が広く信じられるようになりました。ここで神様が里に降りて来ることを「さおり」、山に帰ることを「さのぼり」と呼びました。ここで「さ」は神のことで、「早乙女」・「早苗」の「さ」もこれが語源のようです。

 ところで山の神は不美人の女神であるという伝承がよくあります(ここから木花咲耶姫の姉の石長姫ではないかという俗説もあります)。山の神の好物はオコゼだということによくなっているのですが、これはオコゼが自分より不細工なので、山の神が優越感に浸って喜ぶからだとされます。

 この一方で、山の神は天狗であるとか熊であるとかいった伝承もあります。韓国に行くと山の神は虎であるということになっている地方もあるそうです。

 また狩りをした時に獲物を分ける時に一人分を山の神のために分けるという風習を持っている地方があります。この分配単位は「タマス」(沖縄ではタマシ)と呼ばれ、「たましい(魂)」の語源ではないかとも言われているようです。

 一部の地方では年末またはお正月になると、山の神が村に客としてやってくるという祭があります。有名なのは男鹿半島のナマハゲですが、他にも淡路島のヤマドッサン、石垣島のマユンガナシ、国東半島のヤマド、能登半島珠洲のアマメハギ、などといったものが知られています。

 これがまたある地方では、収穫の時期に田の神が客人として家々を訪問するケースもあります。これは能登半島のアエノコトが有名です。

 日本には約8万社の神社があるということですが、ここで数えられているのはあくまで、きちんと神官がいて、祭神は何々であると決められ、宗教法人として届出の出ているような神社です。ところが、道祖神や山の神・田の神を祀る祠は日本全国に凄まじい数があり、よく近所のお婆さんなどがお供え物をしているのを見掛けます。やはりこの国には八百万ほどの神様がいても不思議ではありません。


DNA解析で見る日本人のルーツ

2015/12/10 nakata、

ゲノムから読み解く日本人の起源

 国立遺伝学研究所 斎藤成也

核DNA解析でたどる 日本人の源流: 日本列島人の起源論争は振り出しに戻った…

2017/10/21 河出書房新社 斎藤成也

最新DNA研究と縄文人   斎藤成也

2016年5月1日/ 最終更新日 : 2016年7月27日 インタビュ− byみんなの縄文プラス

「縄文人」は独自進化したアジアの特異集団だった!

2017年12月15日 05時20分 読売新聞メディア局編集部 伊藤譲治

 縄文人とは、約1万6000年前から約3000年前まで続いた縄文時代に、現在の北海道から沖縄本島にかけて住んでいた人たちを指す。平均身長は男性が160センチ弱、女性は150センチに満たない人が多かった。現代の日本人と比べると背は低いが、がっしりとしており、彫りの深い顔立ちが特徴だった。

 世界最古級の土器を作り、約5000年前の縄文中期には華麗な装飾をもつ火焔かえん土器を創り出すなど、類を見ない独自の文化を築いたことで世界的にも注目されている。身体的な特徴などから、東南アジアに起源をもつ人びとではないかと考えられてきた。由来を探るため、これまで縄文人のミトコンドリアのDNA解析は行われていたが、核DNAの解析は技術的に難しかったことから試みられていなかった。

 斎藤教授が縄文人の核DNA解析を思い立ったのは、総合研究大学院大学教授を兼務する自身のもとに神澤秀明さん(現・国立科学博物館人類研究部研究員)が博士課程の学生として入ってきたことがきっかけだった。「2010年にはネアンデルタール人のゲノム(全遺伝情報)解読が成功するなど、世界では次から次に古代人のDNAが出ていたので、日本でもやりたいと思っていた。神澤さんが日本人の起源をテーマにしたいということだったので、縄文人の核DNA解析に挑戦することにした」と振り返る。

福島・三貫地貝塚人骨のDNA解読に成功

 問題は、縄文人骨をどこから手に入れるか、だった。ねらいをつけたのは、自身が東大理学部人類学教室の学生だったころから知っていた東大総合研究博物館所蔵の福島県・三貫地さんがんじ貝塚の人骨だった。同貝塚は60年以上前に発掘され、100体を超える人骨が出土した約3000年前の縄文時代後期の遺跡。同博物館館長の諏訪元げん教授に依頼すると、快諾。男女2体の頭骨から奥歯(大臼歯きゅうし)1本ずつを取り出し、提供してくれた。

 解析を担当する神澤さんがドリルで歯に穴を開け、中から核DNAを抽出。コンピューターを駆使した「次世代シークエンサー」と呼ばれる解析装置を使い、核DNAの塩基32億個のうちの一部、1億1500万個の解読に成功した。東ユーラシア(東アジアと東南アジア)のさまざまな人類集団のDNAと比較したところ、驚くような結果が出た。中国・北京周辺の中国人や中国南部の先住民・ダイ族、ベトナム人などがお互い遺伝的に近い関係にあったのに対し、三貫地貝塚の縄文人はこれらの集団から大きくかけ離れていた。

 「縄文人は東南アジアの人たちに近いと思われていたので、驚きでした。核DNAの解析結果が意味するのは、縄文人が東ユーラシアの人びとの中で、遺伝的に大きく異なる集団だということです」と斎藤教授は解説する。

アジア集団の中で最初に分岐した縄文人

 20万年前にアフリカで誕生した現生人類(ホモ・サピエンス)は、7万〜8万年前に故郷・アフリカを離れ、世界各地へと広がっていった。旧約聖書に登場するモーセの「出エジプト」になぞらえ、「出アフリカ」と呼ばれる他大陸への進出と拡散で、西に向かったのがヨーロッパ人の祖先、東に向かったのがアジア人やオーストラリア先住民・アボリジニらの祖先となった。

 縄文人は、東に向かった人類集団の中でどういう位置づけにあるのか。「最初に分かれたのは、現在、オーストラリアに住むアボリジニとパプアニューギニアの人たちの祖先です。その次が、縄文人の祖先だと考えられます。しかし、縄文人の祖先がどこで生まれ、どうやって日本列島にたどり着いたのか、まったくわかりません。縄文人の祖先探しが、振り出しに戻ってしまいました」

 アフリカを出た人類集団が日本列島に到達するには内陸ルートと海沿いルートが考えられるが、縄文人の祖先はどのルートを通った可能性があるのだろうか。「海沿いのルートを考えています。大陸を海伝いに東へ進めば、必ずどこかにたどり着く。陸地に怖い獣がいれば、筏いかだで海へ逃げればいい。海には魚がいるし、食料にも困らない。一つの集団の規模は、現在の採集狩猟民の例などを参考にすると、100人とか150人ぐらいではなかったかと思います」と斎藤教授は推測する。

分岐した時期は2万〜4万年前の間

 では、縄文人の祖先が分岐したのはいつごろか。「オーストラリアやパプアニューギニアに移動した集団が分岐したのが約5万年といわれるので、5万年より古くはないでしょう。2万〜4万年前の間ではないかと考えられます。日本列島に人類が現れるのが約3万8000年前の後期旧石器時代ですから、4万年前あたりの可能性は十分にある」と指摘。「旧石器時代人と縄文時代人のつながりは明確にあると思う。後期旧石器時代はもともと人口が少ないですから、日本列島にいた少数の後期旧石器時代人が列島内で進化し、縄文人になった可能性も考えられます」と語る。

 また、縄文人のDNAがアイヌ、沖縄の人たち、本土日本人(ヤマト人)の順に多く受け継がれ、アイヌと沖縄の人たちが遺伝的に近いことが確かめられた。ヤマト人が縄文人から受け継いだ遺伝情報は約12%だった。「その後、核DNAを解析した北海道・礼文島の船泊ふなどまり遺跡の縄文人骨(後期)でも同じような値が出ているので、東日本の縄文人に関してはそんなにずれることはないと思う」。アイヌと沖縄の人たちの遺伝情報の割合についてはヤマト人ほどくわしく調べていないとしたうえで、「アイヌは縄文人のDNAの50%以上を受け継いでいるのではないかと思う。沖縄の人たちは、それより低い20%前後ではないでしょうか」と推測する。

 以前から、アイヌと沖縄の人たちとの遺伝的な類似性が指摘されていたが、なぜ北のアイヌと南の沖縄の人たちに縄文人のDNAが、より濃く受け継がれているのだろうか。

 日本人の成り立ちに関する有力な仮説として、東大教授や国際日本文化研究センター教授を歴任した自然人類学者・埴原はにはら和郎かずろう(1927〜2004)が1980年代に提唱した「二重構造モデル」がある。弥生時代に大陸からやってきた渡来人が日本列島に移住し、縄文人と混血したが、列島の両端に住むアイヌと沖縄の人たちは渡来人との混血が少なかったために縄文人の遺伝的要素を強く残した、という学説だ。斎藤教授は「今回のDNA解析で、この『二重構造モデル』がほぼ裏付けられたと言っていい」という。

遺伝的に近かった出雲人と東北人

 日本人のDNAをめぐって、もう一つ、意外性のある分析結果がある。

 数年前、島根県の出雲地方出身者でつくる「東京いずもふるさと会」から国立遺伝学研究所にDNAの調査依頼があり、斎藤教授の研究室が担当した。21人から血液を採取してDNAを抽出、データ解析した。その結果、関東地方の人たちのほうが出雲地方の人たちよりも大陸の人びとに遺伝的に近く、出雲地方の人たちは東北地方の人たちと似ていることがわかった。

 「衝撃的な結果でした。出雲の人たちと東北の人たちが、遺伝的に少し似ていたのです。すぐに、東北弁とよく似た出雲方言が事件解明のカギを握る松本清張の小説『砂の器』を思い出しました。DNAでも、出雲と東北の類似がある可能性が出てきた。昔から中央軸(九州北部から山陽、近畿、東海、関東を結ぶ地域)に人が集まり、それに沿って人が動いている。日本列島人の中にも周辺と中央があるのは否定できない」と指摘。出雲も東北地方も同じ周辺部であり、斎藤教授は「うちなる二重構造」と呼んで、注目している。その後、新たに45人の出雲地方人のDNAを調べたが、ほぼ同じ結果が得られたという。

日本列島への渡来の波、2回ではなく3回?  

斎藤教授は、この「うちなる二重構造」をふまえた日本列島への「三段階渡来モデル」を提唱している。日本列島への渡来の波は、これまで考えられてきた2回ではなく3回あった、というシナリオだ。

 第1段階(第1波)が後期旧石器時代から縄文時代の中期まで、第2段階(第2波)が縄文時代の後晩期、第3段階(第3波)は前半が弥生時代、後半が古墳時代以降というものだ。「第1波は縄文人の祖先か、縄文人。第2波の渡来民は『海の民』だった可能性があり、日本語の祖語をもたらした人たちではないか。第3波は弥生時代以降と考えているが、7世紀後半に白村江の戦いで百済が滅亡し、大勢の人たちが日本に移ってきた。そうした人たちが第3波かもしれない」と語る。

 このモデルが新しいのは、「二重構造モデル」では弥生時代以降に一つと考えていた新しい渡来人の波を、第2波と第3波の二つに分けたことだという。この二つの渡来の波があったために「うちなる二重構造」が存在している、と斎藤教授は説く。

弥生・古墳人も解析、沖縄では旧石器人骨19体出土

 日本人の成り立ちをめぐり、現在、さまざまなDNA解析が行われ、新たな研究成果も出始めている。「神澤さんや篠田謙一さんら国立科学博物館のグループは、東日本の縄文人骨や弥生人骨、北九州の弥生人骨、関東地方の古墳時代人骨など、数多くの古代人のゲノムを調べています。北里大学医学部准教授の太田博樹さんらの研究グループは愛知県・伊川津いかわづ貝塚の縄文人骨のDNAを解析していますし、東大理学部教授の植田信太郎さんの研究グループは、弥生時代の山口県・土井ヶ浜遺跡から出土した人骨から核ゲノムDNAの抽出に成功しています」

 古代人と現代人はDNAでつながっているため、現代人を調べることも重要になってくる。「いま『島プロジェクト』を考えています。島のほうが、より古いものが残っているのではないかと昔から言われている。五島列島や奄美大島、佐渡島、八丈島などに住む人たちを調べたい。東北では、宮城県の人たちを東北大学メディカル・メガバンクが調べているので、共同研究をする予定です。日本以外では、中国・上海の中国人研究者に依頼して、多様性のある中国の漢民族の中で、どこの人たちが日本列島人に近いのかを調べようとしています」と語る。

 縄文時代以前の化石人骨も続々と見つかっている。日本本土で発見された後期旧石器時代人骨は静岡県の浜北人だけだが、近年、沖縄・石垣島の白保竿根田原しらほさおねたばる洞穴遺跡から約2万7000年前の人骨が19体も出土し、学際的な研究が進められている。

 分子(ゲノム)人類学の進展と技術革新で、謎に満ちた縄文人の由来や日本人の起源が解き明かされる日が、近い将来、きっと訪れるだろう。

ニュース:現生人類、「出アフリカ」は一度だけではなく、約12万年前から始まっている

2017/12/11 知識探偵クエビコ Hatena Blog

現生人類、「出アフリカ」は一度だけではなかった 研究

2017年12月8日 11:10 AFP BBニュ−ス(発信地:マイアミ/米国)

【12月8日 AFP】人類がアフリカを出て移住したのは約6万年前の一度だけという説はもはや正確な人類史とは考えられないとする研究報告が7日、米科学誌サイエンス(Science)に発表された。

 研究によると、現生人類の拡大をもたらしたのは、約12万年前から始まった複数回にわたる移住だ。

 DNA分析や化石同定技術の発達、とりわけアジア地域における発見が、人類の起源についてのこれまでの認識を見直す一助となっている。

 研究によると、現生人類ホモ・サピエンス (Homo sapiens)がアジアに到着したのはこれまで考えていたよりずっと前であることが、過去10年間の「大量の新発見」で明らかになったという。

 中国の南部と中央部の複数の場所で、約7万〜12万年前のホモ・サピエンスの化石が見つかっている。また発見された他の化石は、現生人類が東南アジアとオーストラリアに到着したのは6万年前よりもっと前であることを示している。

 独マックス・プランク人類史学研究所(Max Planck Institute for the Science of Human History)の研究員、ミヒャエル・ペトラグリア(Michael Petraglia)氏は「約6万年前よりも前にアフリカを出た人類の最初の拡散は採食者の小さな集団によるもので、現生人類に少なくとも低レベルの遺伝的痕跡しか残していない」と指摘する。同氏によると、その後の大規模な「出アフリカ」が約6万年前かその後に起きた可能性がある。

 今回の研究報告によると、この約6万年前の大移動が「非アフリカ系現代人の遺伝的構成の大部分に寄与している」ことが最近の研究で確認されている。

 この初期の移住でネアンデルタール人(Neanderthals)やデニソワ人(Denisovans)を含めた他の人類種などとの交配が、ユーラシア大陸の多くの場所で起きた。科学者らの推定によると、非アフリカ系現代人は、DNAの1〜4%がネアンデルタール人に、5%がデニソワ人に由来するものだ。

 研究は、現生人類、ネアンデルタール人、デニソワ人とおそらく他の人類種集団がアジアで時間的および空間的に重なり合い、数多くの交流があったことは明らかだとしている。(c)AFP


日本人のルーツに迫る「縄文VS弥生」展

2005年07月16日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 日本人とその文化の“原風景”縄文と弥生。この両時代を様々な角度から比較する特別展「縄文VS弥生」(読売新聞社など主催)が16日、東京・上野公園の国立科学博物館で始まりました。近年、考古学や人類学の分野では分析技術の進歩などによって、縄文・弥生のイメージが劇的に塗り変わりつつあります。特別展では、こうした最新の研究成果を分かりやすく紹介するほか、土笛や勾玉(まがたま)作りの体験などを通じて、まだ教科書にも載っていない新しい縄文・弥生ワールドを体感していただきます。この夏、私たちのルーツを訪ねる<時間旅行>に出かけてみませんか。

 縄文・弥生の両時代をめぐっては、国立歴史民俗博物館のグループが一昨年、弥生人の食べ残したおこげを最新技術で分析し、弥生時代の始まりが従来の常識より500年前倒しされるという学説を発表。縄文から弥生への変化が、これまでの予想よりゆっくり進んでいた可能性が高まりました。

 この発見を受けて、人類学者と考古学者らの間で「弥生文化の担い手は、だれか?」といった論争も巻き起こりました。稲作や機能的な土器に代表される弥生文化の立役者は、以前から日本列島にいた縄文人の子孫なのか、それとも、大陸からやってきた人々の子孫なのか。そもそも、縄文人は弥生人の祖先なのか―――。謎を解く手がかりを得ようと、人類学の国立科学博物館、考古学の国立歴史民俗博物館という、それぞれの分野における日本最高の研究機関がタッグを組み、実現したのが今回の特別展なのです。

 会場には「衣食住」など分野別に両時代を楽しく対比してもらう工夫がいっぱいです。教科書でおなじみの火炎形の縄文土器や、丸みがある弥生土器など貴重な出土品の展示はもちろんのこと、遺跡や出土品から推測した衣装やアクセサリー、食事メニューと調理法、当時の子供の体格なども豊富に紹介。近年の学問的発見によって、縄文・弥生の時代観がどう変わったのかも、分かりやく解説しています。

 体験コーナーも充実しています。縄文・弥生時代の音色を再現する土笛作りや、装飾品の勾玉(まがたま)作り、頭骨(模造品)の測定や土器片のつなぎ合せなど研究者の気分が味わえる人類学・考古学体験――など、盛りだくさんです。夏休みの自由研究を兼ねて、親子でチャレンジしてみてはいかがでしょう。

Gm遺伝子から探る日本人の起源

from日本人のルーツ by 徒論/torontalker

縄文人骨からの解読

DNA人類進化学/進化と遺伝 by遺伝学電子博物館

北海道・東北・九州・沖縄に酒豪が、
中部・近畿に下戸が多いそのわけは・・・。


酒の強さは遺伝子で決まる
筑波大学社会医学系助教授 原田勝二(2000年5月号)
by KODAWARI ACADEMY(アットホーム株式会社)
 

耳あか遺伝子に地域差 長崎の高校生が学会発表

2007年09月15日 中国新聞ニュース

 耳あかが湿っているか、乾燥しているかは遺伝子のタイプで決まるが、どちらの型の人が多いかは地域によって微妙に違う−。

 長崎県の高校生らが、全国の高校生から集めたつめのDNA分析を基に、長崎大と共同でこんな研究結果をまとめ、東京で開催中の日本人類遺伝学会で15日発表した。

 研究に取り組んだ県立長崎西高3年の山田賢輔君(18)らは、地域による違いがあるのかを調べようと計画。長崎西高は理数教育に重点を置く「スーパー・サイエンス・ハイスクール」の指定を文部科学省から受けており、全国のスーパー高校に協力を呼び掛けた。これまでに28道府県の32校から計771人分の高校生のつめを集め、長崎大で遺伝子の型を分析してもらった。

 すると、乾燥型の比率は岐阜、京都、愛媛、大分などで比較的高く、岩手、三重、島根、沖縄などでは低めとの結果が出た。

縄文人の由来は多様?歯の特徴、東海と関東で大違い

2004/11/07 読売新聞 Yomiuri On-Line

 均質一様な集団とみられがちな縄文人にも、固有な特徴を持つ集団が地域ごとに群居していた可能性が高いことが、京都大大学院の橋本裕子・研究員(自然人類学)の調査で浮かび上がった。

 縄文時代の9つの遺跡から発掘された482人分の歯の特徴を分析した結果、東海地方と関東地方では大きな違いがあったことが判明した。

 長崎市内で開かれている日本人類学会で6日発表された。

 橋本研究員が調査したのは、縄文晩期(紀元前1000年以降)の愛知県内の5遺跡と岡山県内の1遺跡、縄文後期(紀元前2000―1000年)の千葉県内の2遺跡と茨城県内の1遺跡の計9遺跡で見つかった人骨のうちの歯の部分。

 比較したのは、前歯の裏のくぼみの有無、奥歯の形など計15項目で、遺跡が異なっても同じ地域で出土した歯の形状は酷似していたが、地域が異なると、特徴の違いが大きくなる傾向が顕著だった。

 橋本研究員によると、調査対象の遺跡は摂取食物が異ならない、いずれも沿岸部地域で、歯の形状の違いは、食べ物の違いに由来するものではなく、遺伝的な違いを反映していると考えられるという。

 縄文時代の人骨を巡っては、これまでも頭骨の特徴から地域差の存在が指摘されてきたとはいえ、「縄文人骨」とひとくくりにされる傾向が強かった。

 橋本研究員は「各地の縄文人は、多様な由来を持つ可能性がある」と話している。

4人に1人精子が少ない Y染色体の分類で判明

[1999-11-17-10:59] 共同通信ニュース速報 by MIYAKE Women's Clinic

 男性が持つY染色体は、東アジアの人で四タイプに分かれ、日本人男性では約二五%が持つ「タイプ2」の人は、通常の人に比べ遺伝的に精子数が少なく、同時に二―四倍も無精子症になりやすいことが徳島大医学部公衆衛生学教室の中堀豊教授の調査で分かった。

 このタイプの人はDNAの系統からみると縄文系の流れをくんでいるという。仙台で開催中の人類遺伝学会で十八日発表する。  

 Y染色体上には精子を形成する遺伝子のほか、無精子症に関連する領域があることが分かっている。またY染色体は父から息子に配列がそのまま受け継がれる。   

 同教授は、Y染色体上の三つの領域で異なる配列の組み合わせから、タイプ1から4の四つのグループに分類。無精子症の関連を調べるため、少なくとも子供が一人いる男性百九十八人の精子と血液、百六人の無精子症患者の血液を解析した。      

 その結果、子供のいる男性の精液一CCに含まれる精子数を比べると、タイプ1、3、4は平均で一億三百万個あったのに、タイプ2の人は同約八千三百万個と二○%ほど少なかった。またタイプ2の三人に一人は妊娠しにくいとされる四千万個以下だった。   

 無精子症患者の分析では、タイプ2が無精子症になる確率が通常の二―四倍も高いことが分かったという。           

 また、タイプ2の人は三十歳までは一CC平均一億二百万個程度の精子があるが、三十歳を超えると同七千万個ほどに減少していた。               

               中堀教授は「今回、男性のタイプによって精子数が遺伝的に異なることが分かった。タイプ2は縄文人の系統を引いていることが分かっており、まだ裏付けはないが環境ホルモンに弱いのかもしれない」と話している。                     

縄文人系男性の精子 弥生人系より少ない

August 08, 1999 by今日の気になった記事

 男性だけに存在するY染色体の違いで日本人男性の精子を調べたところ、縄文人(原日本人)の系統とされるタイプの男性の精子数が、弥生人系より2割以上も少ないことが、中堀豊・徳島大医学部教授らのグループの研究でわかった。厚生省の研究班の一環として行った研究で、9月1日発行の「ジャーナル・オブ・ヒューマンジェネティクス」に発表される。

 Y染色体は、父親から息子に直接受け継がれる性染色体で、こう丸や精子の形成にかかわっている。この染色体中の3つのDNAの型をもとに、日本人男性は「タイプ1」から「タイプ4」まで4つに分けられる。

 中堀教授らは、子供を持つ198人を調査し、タイプ別に統計分析。その結果、大陸や半島から数千年前に渡来した弥生人系とされるタイプ1、3、4では、精液1cc中の精子数が1億〜1億2,000万個あったのに対し、縄文人系タイプ2は8,000万個と2割以上少なかった。無精子症になる確率も、タイプ2は2倍ほど高いこともわかった。

研究結果は9月1日発行の日本人類遺伝学会雑誌「Journal of Human Genetics」に掲載される。

縄文系は秋、弥生は春に濃い?日本人の精子に2タイプ

2004/09/25 読売新聞 Yomiuri On-Line

 日本人男性の精子濃度には季節変動があり、遺伝情報を担うDNA(デオキシリボ核酸)の特徴から2月以降に濃くなるタイプと7月ごろから濃くなるタイプに大別されることが、徳島大学大学院医科学教育部の中堀豊教授、聖マリアンナ医大の岩本晃明教授らの研究でわかった。

 さらに研究が進めば、この精子濃度の季節変動を不妊治療に利用できるかもしれないという。

 中堀教授らは1999年から2002年にかけて、札幌、金沢、大阪、福岡で、妻が妊娠している男性に協力してもらい、月ごとに違う人(計764人)から精液を採取し、X、Yという性染色体のうち、精子や睾丸(こうがん)の形成にかかわる、男性特有のY染色体の遺伝情報を調べた。

 Y染色体のDNAは大部分が父から子にそのまま伝わり、DNAが祖先を探る手がかりとなるとされる。

 中堀教授によれば、このDNA構造の違いから、日本人男性は、2万年以上前、アジア大陸から日本に移住してきた「縄文系」と、3000年前から朝鮮半島経由などで渡来した「弥生系」に大別できるという。

 両グループの精子濃度をみると、理由は不明だが、「縄文系」は7月ごろから12月までが濃く、「弥生系」は2―7月に濃いパターンだとわかった。

弥生人の頭骨に朝鮮半島の特徴

2004/05/15 中国新聞地域ニュース

 鳥取県青谷町の青谷上寺地遺跡で出土した弥生後期の頭骨に、韓国で出土した頭骨に近い特徴があることが鳥取大の研究で分かり、同県教育委員会が十四日、発表した。

 山陰地方の弥生人の体格や顔の特徴などの形質が形成されるのに、朝鮮半島から強い影響があったことを示す成果だ。

 県教委によると、研究では、頭骨のさまざまな部位を計測して統計的に処理し、似ている程度を数値化する手法を採用。同遺跡から出土した約三十体分の頭骨と、韓国・金海市の礼安里古墳群(四―七世紀)出土の頭骨を比較した。

 既に出土していた山口県の土井ケ浜遺跡(弥生前―中期)や福岡県の金隈遺跡(弥生前―後期)出土の頭骨より、韓国の頭骨に似ている程度が高いと分かった。

 青谷上寺地遺跡の頭骨には弥生人の脳も残っていたが、DNAを抽出することはできなかったという。県教委は「技術の発展がないと難しい」としている。

 十五日午後一時から、研究に当たった井上貴央鳥取大教授(形態解析学)の講演会が鳥取市尚徳町の鳥取県民文化会館で開かれる。

日本人は縄文人と渡来系弥生人のハイブリッド

2004/09/15 『SENKI』1155号4面から


第191回 「日本人の起源」

文献・資料により、日本人の起源についての最新の情報を紹介. by 邪馬台国の会

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