TOPIC No.2-6J-1 低価格車「ナノ」(海外状況)

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01.「インドnano」から「のび太」,そして「ミトコンドリア」まで---2008年を振り返って (2009/02/02) IT Pro
02.Tata Motors announces the launch of Tata Nano (26th February, 2009)
03.Tata Motors unveils the People’s Car(10th January, 2008)by印タタ・モーターズ
04.【動画】ルノーの低価格車、イランで大人気(2007年08月06日) AFP BB News
05.仏国 ルノー「ローガン」中国市場の鍵を握る車
06.ダチア・ロガン(Logan) byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

インド超低価格車ナノ、日本初公開=福岡市でモーターショー展示前に

2009/12/03 時事ドットコム

 インド「タタ・モーターズ」の超低価格乗用車「ナノ」が3日午後、福岡市の福岡国際会議場で報道陣に公開された。ナノの日本での公開は初めて。11〜14日に同市内で開催される「福岡モーターショー」の目玉として展示される。インド・デリー州と友好提携している福岡県が仲介した。

 公開したのはナノの3タイプのうちベーシックモデルで、排気量624cc、最高速度は時速105キロ。事務局を務める西日本新聞が約22万円で購入した。ナノは日本では排ガス規制やドアミラーが一つしかないことなどから車検を通らず、公道を走ることはできない。

「超低価格車ナノで韓米市場を攻略する」

2009/09/15 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版チェ・ウォンソク記者< /center>

 「超低価格自動車“タタ・ナノ”の先進国型モデルを開発し、2013年ごろ韓国市場にも進出する」

 インド最大の企業タタ・グループのラタン・タタ会長(72)は14日、COEX(ソウル市江南区三成洞)で行われた子会社・タタ大宇商用車の新型トラック発表会に出席し、記者のインタビューに対しこのように答えた。

 タタ会長は「既にインドで販売している2500ドル(約22万7150円)程度の超低価格自動車“ナノ”の性能・品質を改善したモデルを、2011年にヨーロッパ、2013年には米国に送り込む予定。米国進出と同時に韓国にも売り込む案を検討している」と語った。

 また同会長は、「韓国にあるタタ大宇群山工場と、インド最大にして商用車世界トップ5に入るタタ・モーターズ・インド工場が持つ生産・研究開発施設の相乗効果を高め、数年以内にタタのブランドを世界的な商用車ブランドに育て上げる」と主張した。

 タタ会長がおよそ5年ぶりに韓国を訪れ、中大型トラックの新車発表会に登場したのも、韓国でトラック市場のシェアを高め、これを通じ全世界での販売を伸ばしていこうという意志の現れだと解釈されている。現在タタ・モーターズは、子会社のタタ大宇を通じ韓国の中・大型トラック市場の30%を占めているが、今回の新車投入で韓国市場のシェアを40%以上に高める計画だ。タタ大宇はこの日、5トン級から25.5トン級までそろった新型カーゴ・ダンプトラック「プリマ」シリーズを発表した。

 タタ会長は「現在、タタ大宇商用車は韓国で5トン級以上の中・大型トラック市場にのみ進出しているが、2011年以降は、1トン・1.5トン・2.5トン級など中小型トラック市場にも進出するつもりだ」と語った。今のところ韓国の大型トラック市場は、現代自が50%、タタ大宇が30%、海外メーカー5社が20%を占めている。また5トントラック市場は現代自が75%、1トントラック市場は現代・起亜自が100%を占めている。  しかしタタ会長によると、超低価格自動車ナノの上級モデルに当たる小型車「インディカ」シリーズを韓国に送り込む計画はまだないという。

 「インディカクラスの一般小型車は韓国で既にさまざまな車種が発表されており、商品性も優れているため、(インド製自動車を送り込んでも)販売は容易ではないだろう」

 タタ会長は、昨年末にジャガー・ランドローバーを23億ドル(現在のレートで約2089億円、以下同)で買収したことについて、「買収後に世界的な景気がさらに悪化した影響で、“高い買い物ではなかったか”と言われたこともあったが、こうした意見に同意はできない。景気は変動するもので、当時のジャガー・ランドローバー買収は、タタ・グループの自動車事業拡大のためには見逃すことのできないチャンスだった」と語った。

 1945年に設立されたタタ・モーターズは、商用車部門で世界トップ5に入るインド最大の自動車会社だ。昨年は売り上げ140億ドル(約1兆2720億円)を記録し、従業員の数は2万3000人に上る。タタ・モーターズが属するタタ・グループは、インドの国内総生産(GDP)の3%を占める最大の企業だ。

 タタ・モーターズは88年にインド初の独自モデル・インディカを発表し、乗用車市場に進出した。04年には大宇の商用車部門を買収しタタ大宇を発足させ、昨年末にフォードからジャガーとランドローバーを買収した。今年は2500ドルの超低価格自動車ナノを発売し、世界の注目を集めた。

 タタ・グループは、自動車・鉄鋼・通信・ホテルなど80社を超える系列企業を有している。創業者のひ孫にあたるラタン・タタ会長は91年にグループの経営権を承継し、その後は豊富な資金を生かし海外企業の合併・買収(M&A)を積極的に展開している。

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タタ・グループのラタン・タタ会長が14日、ソウル市江南区のCOEXで行われたタタ大宇商用車の新型トラック発表会に登場した。タタ会長は、「現在韓国では5トン級以上の中型・大型トラック市場にのみ進出しているが、2011年以降は中小型トラック市場にも進出するつもりだ」と語った。/写真=イ・ジンハン記者

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印タタ:超低価格車「ナノ」の納車開始−注文多く抽選で決定

2009/07/18 Bloomberg.co.jp

 7月17日(ブルームバーグ):インドの自動車メーカー、タタ・モーターズは17日、世界で最も安い乗用車「ナノ」の購入者への納車を開始した。

 「ナノ」は排気量624ccで、販売価格はニューデリーで12万3360ルピー(約23万8000円)から。最も高い車種で17万2360ルピー(約33万3000円)。初回の10万台の販売に対して、20万6703台の注文があったため、抽選で購入客を決めた。

 タタは「ナノ」の米国での販売を2年半後、欧州での販売を2011年から開始する可能性がある。

翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先:東京 麗 英二 Eiji Toshi etoshi@bloomberg.net Editor: Tetsuki Murotani記事に関する記者への問い合わせ先:Vipin Nair in Mumbai at vnair12@bloomberg.net

インドの超低価格車「ナノ」の納車を開始

2009.07.18 MSN産経新聞

 17日、インドのムンバイで初めて一般ユーザーに納車されたタタの超低価格車「ナノ」(ロイター) 【ニューデリー支局】インドの自動車大手、タタ・モーターズは17日、超低価格車「ナノ」の購入者に対し納車を開始した。初回生産分10万台に対し、20万台あまりの購入申し込みがあり、この日は抽選で当たったファーストユーザーたちが新車を手にした。

 ナノは排気量624cc。販売価格はデリー近郊で基本モデルが12万3360ルピー(約23万8000円)、デラックスモデルが17万3000ルピー(約33万3000円)。タタ・モーターズでは、2、3年後にナノを米国や欧州でも販売することを検討している。

【インド株】タタ「ナノ」初回出荷分50台がハイデラバードへ

2009/07/14 インドチャネル

ハイデラバードに到着した「ナノ」(C)PTI通信

 インドの自動車大手タタ・モーターズは、いよいよ超低価格車「ナノ」の出荷を開始した模様だ。鉄道関係者の話として、PTI通信が7月12日付で報じた。

 鉄道関係者がPTI通信に語ったところによれば、超低価格車「ナノ」の初回出荷分50台が7月12日、ウッタラカンド州パントナガル工場に近いハルディ・ロード駅から輸送車両に積み込まれ、ハイデラバードのサナントナガル駅に向けて送り出された。ミニバン「マジック」34台も合わせて輸送され、運賃は87万1,145ルピーであったという。

 なお、タタ「ナノ」は、工場建設地が、当初予定していた西ベンガル州での地元住民と州政府との対立から、グジャラート州へ移転を余儀なくされたため、主力工場は未だ建設中で、2010年中に操業開始予定。それまでは現有ウッタラカンド州パントナガル工場で暫定生産されている。

【インド経済】インドの乗用車市場、2014年には375万台に─E&Y予測

2009/06/30 インドチャネル

 コンサルティング世界大手のアーンスト・アンド・ヤング(E&Y)は、最近発表したリポートの中で、インドの乗用車販売が、現在の189万台(うち国内販売155万台。多目的車含む)から、今後5年で年平均12%拡大し、2014年までには約2倍の375万台(うち国内販売275万台)になると予測している。PTI通信が6月29日付で報じた。

 E&Yはインド乗用車業界の見通しについて、「インド乗用車販売の拡大を支える主な要因は、経済成長や人口構造の変化、強い上昇志向。さらに、乗用車にかかる物品税率の引き下げ、クリーン燃料への税優遇、インフラ整備の進展なども、成長要因となる」と分析。また、タタ・モーターズの「ナノ」のような超低価格車の登場は、「現在1,000人当り9台にとどまっている自動車普及率の向上につながるだろう」としている。

超低価格 21万円車「ナノ」米国上陸へ 印タタ2〜3年で

2009.06.06 MSN産経新聞

 米メディアは5日までに、インドの自動車大手タタ自動車が2−3年以内に超低価格の乗用車「ナノ」を米国で販売すると伝えた。タタの幹部が表明したという。

 ただこれまでに米国への輸出を表明した中国メーカーなどの車は、米安全基準に適合せず上陸を果たせないケースが目立っており、ナノの完成度が注目されそうだ。

 販売網の構築も課題で、タタがフォードから買収した英高級車ブランド「ジャガー」などの販売店を活用する選択肢もあるという。

 ナノは排気量624cc。インドでの価格は約10万ルピー(約21万円)で、予約が始まっている。タタは2011年に欧州で販売を開始することも表明している。(共同)

ナノ試乗記 コスト抑える工夫満載

2009.04.28 MSN産経新聞

 インド自動車大手、タタ・モーターズが発売した超低価格車「ナノ」に試乗した。インドの低所得層でも手が届く車づくりを目標にしただけあって、コストを抑える工夫が満載だ。日本車に比べれば見劣りするが、「家族が雨の日に乗っても危なくない安価な乗り物」という目的は十分に達している印象を受けた。

 ナノは予想したよりも大きかった。全長3メートル、高さ1・65メートル、幅1・50メートル。大きめの軽自動車のようだ。

 乗車前に、ドアやフロントガラスなどを拳でたたいた。「ナノを初めて見る人のほとんどが、まず車体をたたくんですよ。ナノは全体がプラスチックでできているといううわさがありますからね」とはナノの広報担当者。もちろんプラスチックなどではない。

 運転席は、身長170センチの記者でもゆったり足を伸ばして運転できるスペースだ。頭上も十分な空間がある。助手席に185センチのタタのスタッフに座ってもらったが、窮屈さはない。後部座席も2人が余裕で座れる。

 グレーで統一された内装はよく言えばシンプル、悪く言えば貧相だ。シートの座り心地は悪くはないが、やや安っぽい。ドアは薄く、横から車に突っ込まれたら怖い。構想段階ではドアを付けないことも検討したという。これには驚かされた。ドアのロックは型抜きに失敗したようなプラスチックで、お粗末だった。

 ステアリングはやや小ぶり。ハンドルが重い。シフトは4速。トップギアに入れ、直線コースでアクセルを思い切り踏み込んで、最高速度105キロの“限界”に挑んだが、なかなか加速しない。路面から震動がもろに伝わる。サスペンションはいまひとつだ。インドの道路事情を考えると、つらいものがある。ブレーキの効きは悪くない。

 この日の気温は40度を超えていた。エアコンの効きは良く快適だった。ただ、エアコンはオプション。オーディオもそうだ。ウィンドワイパーは1つだけ。洗浄液はワイパーの中から出る。洗浄液を無駄にしないための配慮だ。サイドミラーも運転席のみ。

 エンジンは後部にある。前部のボンネットを開けるとスペアタイヤが1つ。衝突時のクッション代わりにもなるという説明だ。ブレーキ・オイルやガソリンの注入口もあり、わかりやすい。

 ナノは(1)快適さ(2)安全性(3)環境への配慮(4)低価格−の4点を基本に製造された。低価格に偏った感はあるが、インドの低所得層にとっては十分、魅力的な車に仕上がっている。燃費も23・6キロと優れものだ。(プネ=インド西部マハラシュトラ州 田北真樹子)

               ◇

 タタの購入申し込みは25日で締め切られた。この中から抽選で選ばれた10万人が、7月からナノを手にする。価格はデリー近郊で、基本モデルが12万4000ルピー(約24万3000円)、デラックスモデルは17万3000ルピー(約33万9000円)。

インド・タタ自動車 超低価格車「ナノ」を発売 最初の10万台は18万9000円

2009.03.24 MSN産経新聞

 自動車ショーで超低価格車「ナノ」を公開するインド・タタ自動車のラタン・タタ会長 =1月10日、ニューデリー(ロイター)  【ニューデリー=田北真樹子】インド自動車大手、タタ自動車は23日、超低価格自動車「ナノ」の販売を正式発表した。今年末までに年間25万台の生産体制を目指す。

 価格は最初の10万台に限り、当初の予定価格である10万ルピー(18万9000円)とし、それ以降は値上げする見通しだ。4月9日から国内で予約受付を開始、ユーザーに届くのは7月ごろになる。

 インドでは、人口約11億人の「国民車」として期待されており、世界的な不況が続く中、超低価格車の販売の行方が注目される。

 「微小」という意味のナノは4ドア、4人乗り。全長3・1メートル、幅1・5メートル、高さ1・6メートルで、排気量624cc、最高速度は105キロ。ドアミラーは運転席側だけで、ワイパーも1本のみ。エアコンやエアバッグもオプションとなる。

 インド市場にはスズキやトヨタ自動車なども進出している。これまでインドで最も安価だったのは、業界最大手のスズキ子会社、マルチ・スズキ・インディアの20万ルピーの乗用車だった。

 タタは当初、ナノの販売を昨年始める予定だったが、生産拠点となる用地取得の遅れや不況などの影響で販売開始が遅れていた。

タタ自動車の「ナノ」、超低価格車競争の火付け役に?

2009.03.24 MSN産経新聞

 【ニューデリー=田北真樹子】世界の注目を集めたインドの超低価格車「ナノ」がようやく動き出す。しかし世界金融危機の影響で、同国でも自動車販売が落ち込むなど、これまで急拡大してきた業界を取り巻く環境は変わりつつある。低コスト化と安全・環境性能の両立という難点も抱えるが、世界的な不況下、1台20万円程度というナノは、インドの市場を越えて世界の途上国市場における超低価格車競争に火を付ける可能性を秘めている。

 タタ自動車のラタン・タタ会長は23日の発表で、「新しいタイプの自動車を開発した」と胸を張った。数日以内に国内のショールームに展示されるという。

 タタ自動車を取り巻く環境は厳しい。金融危機の影響は、需要の大幅減退にとどまらず、自動車ローンの貸し渋りにも波及した。タタ自動車の、2008年10−12月期決算の最終損益は26億3000万ルピー(約50億円)の赤字で、49億9000万ルピーの黒字だった前年同期から大幅に減少した。

 タタが「ナノ」の計画を発表したのは約6年前のこと。1台のオートバイにインド人家族4人が乗っているのを見掛けたタタ会長が、「雨の日でも危なくない安価な乗り物を提供したい」と考えたのが、ナノ構想の発端という。

 インドでは、2月の自動車の新車販売が前年同月比15%増の14万5019台だった。5カ月ぶりの増加は業界にとって朗報となったものの、景気全体は足踏み状態で楽観できない。

 ただ、インドは二輪車が中心で、四輪車の保有率は1%程度。同国の二輪車市場は年間800万台に上る。タタのターゲットも、四輪車に乗り換える潜在性をもつ、こうした二輪車のユーザーに置かれている。

 ナノに触発されるように、日産自動車・仏ルノー連合が「2500ドル(約24万円)カー」を2011年の販売開始に向けて開発を始めるなど、他の自動車メーカーも超低価格車市場の参入を視野に入れている。

 ナノをめぐっては、環境基準や安全性を疑問視する声が上がる。コストを抑えながら、ガス排出基準を満たすのは無理ではないかとの指摘に対し、タタ会長は「ナノは海外の環境基準もクリアしている」と、インドだけでなく欧州の基準も満たしていると強調する。しかし、エアバッグがオプションとなっている点など安全性に問題は残る。

 日欧米の自動車メーカーは超低価格車市場の行方を占う意味で、ナノの売れ行きを注視している。

印タタ・モーターズ、低価格車「ナノ」を4月発売

2009年02月27日 REUTER

 [ムンバイ 26日 ロイター] インドの自動車大手タタ・モーターズ(TAMO.BO: 株価, 企業情報, レポート)は26日、低価格車「ナノ」を4月に発売すると発表した。「ナノ」の価格は2000ドルを切る見通しで、世界で最も低価格の乗用車となる。

 タタは3月23日に「ナノ」のお披露目を改めて行い、4月の1週間目に販売店に展示。同月2週間目に受注を開始する。

 タタが初めて「ナノ」を公開したのは2008年1月に開かれたモーターショーで、1台約10万ルピーと予測される低価格で話題を呼んだ。当初は同年10月に発売する予定だったが、「ナノ」の組立工場建設を予定していた西ベンガル州で地主との問題が起こり、グジャラート州に建設地の変更を余儀なくされるなどしたため、発売が遅れていた。

 グジャラート州の新工場の稼動開始は今年末を予定しているため、それまではムンバイの北方170キロのプネと、インド北部パントナガルにある工場で「ナノ」を組み立てる。

 Prabhudas Lilladherの自動車業界アナリスト、スルジット・アロラ氏は「月産約3000台と、生産台数は当面は限定されるとみられるため、納車まで時間がかかるだろう」と述べた。

 インドの小型車市場は、日本のスズキ(7269.T: 株価, ニュース, レポート)が出資するインドのマルチ・スズキ・インディア(MRTI.BO: 株価, 企業情報, レポート)がほぼ独占する。アロラ氏は「マルチ・スズキの『マルチ800』や『アルト』に加え、高級二輪車などが、厳しい競争にさらされる」と述べた。

タタ ナノの発売日決定…インドから超低価格車

2009年02月27日 Response

 インドのタタモータースは26日、新型『ナノ』の出荷を3月23日に開始すると正式発表した。4月第1週にはインド国内の販売店に並べられ、翌第2週から予約受付を開始するという。

 タタの超低価格車、ナノは2008年1月のデリー自動車エキスポで初公開。価格は10万ルピー(約28万円)と公表され、世界一安い新車として一大センセーションを巻き起こした。

 しかしその後、ウエストベンガル州に予定していた新工場建設が農民の猛反対で、計画を白紙撤回。ジャラート州サナンドに新工場用地を確保し、ようやくナノの生産にこぎつけた。

 ナノは623ccの2気筒エンジンをリアに搭載。後輪を駆動する。ボディは5ドアハッチバックで、全長3100×全幅1500×全高1600mmとコンパクト。低価格を実現するため、エアコンやオーディオなどの快適装備やエアバッグやABSなどの安全装備はオプションとなる。

 いよいよ正式発売されるナノだが、タタは現時点で価格を明らかにしていない。ナノを初披露した2008年1月と比較すると、世界的な金融危機や鋼材の値上がりなど、経済環境は悪化しており、10万ルピーで発売できるかは微妙。実際、タタのラタン・タタ会長も「10万ルピーはあくまで工場出荷価格」と発言していた。

 正式価格は3月23日に発表予定。世界を驚かせる低価格が実現するか、注目される。(森脇稔)

タタ自、インド国内で20万円車「ナノ」4月発売

2009年02月26日 NIKKEI NeT

 インド大手財閥傘下のタタ自動車は26日、自主開発した10万ルピー(約20万円)の超低価格車「ナノ」をインド国内で4月に発売すると発表した。昨年1月の発表時に自動車業界に衝撃を与えた世界最低価格の新型車が、消費者にどう受け入れられるか注目される。

 タタグループのラタン・タタ会長らが3月23日にムンバイで記者会見し、正式な価格などを公表する。4月第1週から販売店に車両を展示し、同第2週に受注を始める。昨年10月、東部の西ベンガル州で完成間際だった専用工場が一部地元農民らの反対で撤退に追い込まれ、目標の同月中の発売を断念。当初はほかの工場で生産する。(ムンバイ=小谷洋司)

印タタ自動車が資金難、部品代一部未払い

2009年02月05日 NIKKEI NeT

 インド財閥傘下のタタ自動車が新車販売の急減速が原因で資金不足に陥っていることが5日、分かった。現地メディアが一部部品メーカーに対する代金が未払いになっていると報じた。

 同社のラビ・カント社長も同日の記者会見で「流動性の問題に直面している」と述べて支払いの遅延があることを認めたが、金額は明らかにしなかった。同社長は部品各社との話し合いで問題解決を図る考えを示したうえで「2―3月の新車販売は上向く見通しで部品調達の状況も改善する」との認識を示した。

 同社は昨年、10万ルピー(約18万円)の超低価格車の開発や英高級車ブランド「ジャガー」などの買収で一躍注目を集めた。だが昨年半ば以降の印自動車販売の急減速を受け、昨年10―12月期の国内販売は前年同期比3割減少した。(ニューデリー=小谷洋司) (00:06)

「インドnano」から「のび太」,そして「ミトコンドリア」まで---2008年を振り返って

2009/02/02 IT Pro(藤堂 安人=電子・機械局主任編集委員)

 2008年の「今年の漢字」は「変」だそうだが,製造業,とりわけ自動車産業にとっては,「変曲点」と言ってもよい年となった。まず,年明け早々の1月10日には,インドの自動車メーカーTata Motors社が,30万円を切る超低価格車「nano」を発表して,自動車業界に衝撃を与えた(その際に書いたコラム)。スズキがインドで生産,販売している現状の最低価格車「マルチ800」(軽自動車「アルト」に800ccエンジンを積んだ車種)の約半分の価格だった。

 日本の自動車関係者の多くの見方は,30万円以下でまともなクルマがつくれるわけがない,というものだった。実は筆者もそう思っていた。しかし,蓋を開けてみると,存外にちゃんとしたクルマなのであった。筆者は,発表会での第一印象を「ボディのサイズ感や質感は,ドイツDaimler社の『スマート』に近い」と書いた(Tech-On!の関連記事)。

徹底的なVE?

 なぜ,30万円以下の価格でクルマがつくれるのか---。工場予定地の住民の反対で発売が遅れていることもあって(注:同社は生産工場をGujaratに移転し、2008年度第4四半期に発売すると発表している),まだその「秘訣」の全貌は明らかになっていないが,徹底的に機能の絞り込み,設計の簡素化が行われていると見られている。その一方で,一定の質感を持たせて,粗悪品のイメージを避けている(Tech-On!の関連記事)。いわば,徹底したVE(バリュー・エンジニアリング)が行われているようなのである。

 ただ,nanoの価格設定には,そうした技術上の問題とは別の意図を感じるのも事実である。多くの報道陣が詰め掛けてまるでお祭り騒ぎのような発表会場で,会長兼CEOのRatan Tata氏は自ら,写真付きでインドの一般的な国民の移動手段が自転車,バイク,3輪車と変遷してきたことを説明するとともに,バイクに家族4人が乗っている写真を紹介し,こうした危険な状況を解消するために開発したのだ,と語った。そして,同氏の「パフォーマンス」は4年前から目標としていた1ラーク(10万ルピー)を達成したと言及するところでクライマックスを迎え,「約束は約束だ」(That's because promise is promise.)と語ったときには,会場に津波のような大きなどよめきと喝采が起こった。

はじめに1ラークありき

 なにがなんでも「1ラーク」を達成するという執念を感じるスピーチだった。とはいえ一方で,コストダウンのための王道や魔法があるわけではないとも思うのである。実際,nanoの開発に当たっては,20社を超す外資系の部品メーカーが部品を供給している。エンジンECUを供給しているのは,ドイツBosch社であることが明らかになっており,日本メーカーとしてはデンソーの名前も挙がっている。組み立てラインのレイアウト設計や全体のプロジェクト進行を担当したのは,エーイーエス(本社横浜市)という日本のエンジニアリング会社である。確かに,Tata社は各サプライヤーと徹底的な低コスト設計を共同で行ったようだが,他の車種同様に,グローバルなレベルで部品を調達していることには変わりがない。

 このため,サプライヤーの情報などから部品コストはある程度見積もることは可能であり,部品原価だけで10万ルピーを超えるという試算もある(Tech-On!の関連記事)。加えて,原材料価格の高騰が追い討ちをかける。Tata社は,「経営を圧迫する価格設定ではない」と言っているが,少なくとも当面の儲けは度外視している可能性が高いのではないかと見られる。

 そんな「無理」をしてでも30万円を切る乗用車を市場投入しようとしているのは,前述したようにこれまで乗用車には手が届かずバイクに家族4人が乗っているような層にも買えるようにしたいという思いからであろう。インドは確かに,1991年の経済自由化以来,高い経済成長を続けており,自動車を買える層は増えてきているが,自動車に手が届く48万ルピー(126万円)以上の年収を得ている富裕層および「中の上」の層は,1700万世帯,8000万人に過ぎず,インド全体の人口からすればまだ僅かである。nanoが狙うのは,さらにその下の2500万世帯,1億人にのぼると見られる中間層(年収12万〜48万ルピー=31万〜126万円)である(Tech-On!の関連記事)。

 これに対して,インドに進出している日系メーカーには,そこまでの低所得者にまでクルマを提供しようという発想はないようだ。インド国民のうち,収入が増えて,より上級なクルマを買えるようになる層を狙っている。最低価格帯の「マルチ800」を供給しているスズキは,その上級バージョンをnanoと同時期に発表した(Tech-On!の関連記事)。スズキが「マルチ800」で開拓した小型市場は「Aセグメント」と呼ばれるが,Tataはその下,スズキはその上とAセグメントが二極分化してきたのである。ホンダは,さらに上級のCセグメント(「City=フィットアリア」)やDセグメント(「アコード」)を中心に展開している。

「上位志向」という面では同じ?

 ただ,こうしてみると,バイクや三輪車に乗っている顧客により「上位」の乗用車を提供しようとするTata社も,現在小型乗用車に乗っている顧客にそれよりも「上位」な乗用車を提供しようとする日本メーカーについても,経済成長による収入の増加に伴って,より「上位」な乗り物への乗り換えを提案しているいう構図という面では同じではないかとも思う。日本でも「いつかはクラウン」というキャッチコピーに象徴されるような上級指向や大型車指向があった。新興国でモータリゼーションが進む中での一つの段階なのであろう。しかし,そうした「上級指向」が今回の金融危機によって,「下位」,つまりより小型・より低価格なクルマへと潮目が変わってきているように見える。その流れは,すでに上位志向が成熟化した先進国では大きく,新興国では上位志向とせめぎ合いながらも確実に進んでいるようだ。

 「『トラック』に笑い,『トラック』に泣くビッグスリー」というコラムでは,そうした小型車・低価格車という「下位志向」の潮流にビッグスリーが乗り切れなかったという状況を書いた。日本メーカーが小型車に相対的に優位性を持っているのは,「上位化」や「大型化」の流れには乗っていたものの,まだ途中段階であったために潮目が変わった際に引き返すのが容易だったという面があるのかもしれない。

いったん「上位」にいくと下がれない?

 ただ一方で思うのは,トラックなどの大型車と小型車の技術・ビジネスモデルの間には,ある「壁」があって,いったん「上位」である大型車の側に行ってそこで安住すると,なかなか引き返せない,つまり小型車の技術やビジネスのノウハウを失ってしまうという関係にあるのではないかということである。筆者は「アーキテクチャー理論」がその「壁」をもっともよく説明していると思ったので,同コラムではそれを中心に解説したが,どのような説でもかまわないのだと思う。要は,「壁」があるのかないのか,あったとしてそのどちらに位置するのがいいのかを判断することである。

 その点で興味深いと思ったのが,ハーバード・ビジネス・スクール教授のクレイトン・クリステンセン氏の『イノベーションのジレンマ』(翔泳社)でも,ある市場分野で成功した大企業となった優良企業は,当初は小規模な市場しかない「破壊的技術」への対応が遅れると指摘していることである。例えば次のような記述がある。

「破壊的技術は,新しい市場を生み出すのが普通である。このような新しい市場にいち早く参入した企業は,遅れた企業に対して,先駆者として大幅な優位を保てることが実証されている。しかし,こういった企業が成功し成長すると,将来大規模になるはずの新しい小規模な市場に参入することがしだいに難しくなってくる」(本書p.16)

 一橋大学名誉教授の今井賢一氏も,『創造的破壊とは何か 日本産業の挑戦』(東洋経済新報社)という本の中で,本来参入障壁が高いはずの産業で新規参入企業が往々にしてその障壁を突破する現象を説明するのにクリステンセンの「むしろ参入障壁があるために,また経営効率が良いために,既存企業は市場を失っていくのだという逆接的な仮説」(p.15)が有効だと書いている。いったん大きな市場を獲得して大きくなった優良企業は,破壊的技術を持つ企業が参入してくると,最初はニッチマーケットであることから参入障壁の中で余裕を持って見ており,自らの上位市場が攻められるとより良い技術を提供することによって,「オーバーシュート」(過剰品質)をもたらす。そして自動車産業について次のように書いている。

「アメリカの自動車産業が世界最高の地位に君臨していた時代の『もっと大きく,もっと重く,もっと華やかな』というビジネス・モデルが,日本車の『シンプルで小型で安い』というビジネス・モデルによって破壊されたということにほかならない。」(本書p.15)

 参入障壁に守られた産業であるほど,破壊的技術に直面したときに,その「壁」に邪魔されて,逆に破壊的技術への移行を遅らせるということのようである。

nanoは「破壊的技術」か

 ここで考えてみたいのは,既存の自動車メーカーにとって,nanoに代表される超低価格車が「破壊的技術」になりうるかどうかだ。技術的に見ると,nanoの構造はそう目新しいものではない。Tata社は,当初は抜本的な低価格車として,樹脂外板を多用したスペースフレーム構造の採用を検討したとみられるが,結局鋼板を使うモノコック構造に落ち着いた。日本メーカーが得意な小型車のものづくりの枠内で,それをさらにスリムにしたもののようだ。

 または,過剰品質に陥りやすい日本の製造業の「過去の姿」という見方もできるのかもしれない。『日経ものづくり』は2008年6月号の特集「超低価格を凌駕する」という特集の中で,nano開発に加わったある日本人技術者の次のようなコメントを紹介している。

「確かに,要素技術や生産技術で日本の自動車メーカーがnanoに学ぶべき点は皆無に近い。しかし,ムダなものがうまく削ぎ落とされているという意味では群を抜く。(低価格で品質も悪くない製品を造ってきた)かつての日本企業の姿,ものづくりの原点を見た」(本誌pp.52-53)。

 「技術」や「車体構造」という目に見えるものではなく,戦略や考え方という見えにくいところで「壁」があるとしたら厄介なことである。「『チャンス』としての危機」で見たように,そもそも,日本の製造業は,戦後に人・モノ・金がないという危機的な状況の中で,ムダのない低コスト体質のものづくり能力を身に着けた。しかし,激しい競争を繰り広げる中で,モデルチェンジを頻繁に行い,バリエーションが増え,専用部品の比率が多くなって,過剰品質体質になりがちなのである。

 この「メタボ体質」は,デジタル家電や半導体などのエレクトロニクス分野では壊滅的な打撃を与えたが,自動車産業については「円高不況」などの危機を乗り越えるプロセスを通じて,ある程度のスリム化を達成して「成人病」の発症を抑えてきた。その意味で,今回の金融危機はチャンスであり,nanoはそのための格好のベンチマーク対象ではないかと思うのである。 (以下略)

アジア市場における日本メーカーの海外展開(その3)〜インド

2008年10月02日掲載 (Mobi21)(その1)〜中国,(その2)〜ASEAN(アセアン)

 世界第2位の自動車市場の中国、台頭著しいインドを含むアジアは、いまや世界の自動車メーカーにとって最大の激戦区といえる地域の一つだ。それだけに圏内にひしめいている日系メーカーも安閑としてはいられない。しかも08年はサブプライムローン(信用度の低い個人向け住宅融資)問題の影響などで北米市場の先行きの不透明感が強まっているだけに、一段とアジア市場に注目が集まっている。(月刊Mobi21 2008年4月号掲載「日本メーカーの海外展開/アジア編」)

 いま世界で最も注目されている自動車メーカーといえば、インドの財閥系メーカー、タタ・モーターズではないだろうか。それもまだ発売していない小型車をめぐってである。インドは、中国と並んで最も成長が期待されている自動車市場だが、今後インドを含む新興地域でマーケットを制するのは超低価格車と憶測されているためだ。

 インドを皮切り世界各地のモーターショーで公開されているタタの超低価格コンセプトカー「ナノ」。10万ルピーを示す言葉からワンラックカーと呼んで構想、開発してきたものであり、いよいよ08年秋にインドで発売すると伝えられている。公開されているのは、外観や主要諸元だけで、走行性能、品質、環境対応などは発売を待たなければならない。

 ヒマラヤを挟んで、経済大国が2つ誕生するといわれて久しい。インドが中国と並べ称されるのは、人口が約10億人と中国に次いで多いからだろう。トラック・バスを除く、乗用車・SUV市場は、07年で前年比15%増の約144万台。08年も15%程度成長し、市場は約166万台になるとみられている。このほか、インドにはトラックなど50万台前後の商用車マーケットがあり、タタ・モーターズは商用車の最大手メーカーでもある。

市場を牽引するマルチ・スズキ

 インドの乗用車マーケットを牽引してきたのは、マルチ・スズキ・インディア(以下、マルチ・スズキ)。07年の販売台数は71万台と前年比19%増。08年も76万5千台と同8%増を見込む。マルチ・スズキはまだまだ乗用車マーケットで圧倒的なシェアを占める。

 しかし、インド市場が注目されるに従って、米欧や韓国、さらに日本の大手メーカーが一斉に参入し、先行するマルチ・スズキは危機感を募らせている。スズキの鈴木修会長は、「これからが一流メーカーが加わった本格的な勝負になる」と強調し、気を引き締める。

 このため、マルチ・スズキはインド事業を一段と強化する。まず06年10月に稼働開始した四輪車生産のマネサール新工場を09年度までに年産30万台に能力を高め、マルチ・スズキ全体の生産能力を96万台に拡大する。08年秋には、デリーオートエキスポで公開したコンセプトモデル「A−Ster」をベースにした小型車をインドで生産し、インド国内に加えて欧州などに輸出する。さらにR&D体制も強化する。

ホンダは第2工場を、日産はルノーと協業

 インドの二輪車販売でトップのホンダは、急成長する市場に対応し四輪車事業でも積極的に投資する。ホンダシェルカーズインディア(HSCI)の生産能力を08年初めまでに年産10万台に引き上げるとともに、09年の稼働予定で第2工場を建設する。これによりHSCIの生産能力を10年には15万台に拡大する。

 日産自動車はルノーとの折半出資で、ナードゥ州チェンナイ市近郊に新工場を建設すると2月末に発表。新工場は今後7年間に450億ルピー(約1215億円)投資し、生産能力を期間中に40万台に引き上げる。の予定で、インド国内にルノー、日産両ブランドを、主に日産ブランド車の輸出車を生産する。

 また、ルノーと日産は、インドの三輪、二輪車メーカーのバジャージ・オートと超低価格車事業を共同で行うことも検討している。

 興味がもたれているのは、トップのマルチ・スズキが、タタをはじめとした超低価格車攻勢に対抗するのか。10万ルピーといえば、マルチ・スズキで最も安い「マルチ800」の半分以下。これに対し、鈴木修会長は「(タタの)実車を見た上で、じっくり考えたい。あわてる必要はない」と静観する。むしろ日本の軽ベースを主体にしたこれまでの車種構成から「脱却したい」(首脳)とし、上級色を強める意向を示す。

 低価格車対向の点では、ホンダやトヨタ自動車の動向も気がかり。第2工場を建設するホンダは、インドでどのような車種を追加生産するか。現在生産している「アコード」「シビック」などは高級車の位置づけ、販売台数もまだ年間7万台に満たず、今後量販するにはフィットの下のクラスが必要との見方もある。

 トヨタも新興国向け低コスト車として開発を進めているEFC(エントリー・ファミリー・カー)をインドに投入するのではないかとの見方もあるが、決定はしていない。

 一方で、タタのナノについては「二輪車ユーザー」が主なターゲットと潜在的な四輪車ユーザーを購買層としており、日本車メーカーの小型車とは車両コンセプトが異なるとの指摘もある。(おわり)

日産自とルノー、インドで新乗用車工場の起工式を実施

2008年06月06日:済龍 CHINA PRESS

 日産自動車株式会社(本社:東京都中央区銀座 社長:カルロス ゴーン)と仏ルノー社のインドにおける合弁企業であるルノー・日産 オートモティブ インディア社(RNAIPL)は6日、インド、チェンナイ市において2010年に稼働開始予定である新乗用車工場の起工式を行った。同工場の生産能力は年間40万台となる見込みで、日産、およびルノー両社の現地販売、および輸出向けの車両を生産する。

 RNAIPLは日産とルノーの折半出資で設立され、その投資額は450億ルピー(約1,215億円)以上である。

 RNAIPL社長である木村昌平は、「本日はルノー、日産、および現地従業員や地域社会にとって重要な日である。今回の新プロジェクトは、ルノー・日産アライアンスの成功の好事例であり、またインドという重要な市場において、RNAIPLの長期成長戦略を明確に示している。」と述べた。

 ルノーは、同工場でロガン専用プラットフォームを含む複数のプラットフォームをベースとした数種類のモデルを生産する予定である。これらのモデルはインド市場におけるロガンの成功を基にインドのお客さまの多様なニーズを満たすために開発される。

 一方日産は、次期型「マイクラ」を含む、新型のAプラットフォームをベースとしたモデルの生産を行う。インドはその新型Aプラットフォームモデルを生産する競争力のある国々(LCC)5カ国の内の1つであり、この競争力のあるAプラットフォームの開発は、同社の新5ヵ年経営計画「日産GT 2012」で発表されたビジネス・ブレイクスルーの1つに位置づけられている。

インドにおけるルノー

 ルノーは、印マヒンドラ&マヒンドラ社とそれぞれ49%、51%の株式を保有する合弁企業を有しており、同合弁企業はインド、ナシクにおいてマヒンドラ・ルノーブランド「ロガン」の生産、およびマヒンドラのネットワークによる販売を行っている。インドにおける「ロガン」の販売台数は、2007年5月の同車投入以降、合計約2万9,000台に達している。6つの異なるお客さま調査によると、「ロガン」はインドの同セグメントにおいて品質、および魅力度の領域においていずれもナンバー1に選ばれている。また、ルノーはムンバイに、サテライトデザインセンターである「ルノー デザイン インディア」を所有している。同センターは、インドにおいて初めての、欧州自動車メーカーの現地デザイン事業である。

インドにおける日産

 日産は、2012年までに現地で生産される5車種を含む、超低コスト車、コンパクトカー、そして小型商用車(LCV)から、より高級車であるスポーツ用多目的車(SUV)やセダンにいたる9車種をインド市場に投入する。同社は、印アショック レイランド社と共同で、車両製造、パワートレイン製造、および研究開発を行うLCVの合弁会社3社を設立している。また、日産は、マーケティング、販売、アフター・サービス、およびディーラー開発を行うサービスパートナーである印ホーバー オートモティブ インディア社と提携している。

ルノー・日産アライアンス

 1999年に締結されたルノー・日産アライアンスは2007年、6,160,046台を販売した。同アライアンスは、世界の主要自動車メーカーの中で品質、技術、そして収益性においてトップ3に入ることを狙いとしている。インドにおいては最近、現地メーカーであるバジャージ社と合弁事業を発表しており、同合弁会社においてコードネームを「ULC」とした新モデルの開発、生産、および販売を行う。

注: 為替レートについては最近の為替相場、1ルピー=2.7円をもとに換算した。

ルノー日産が「世界一安い車」をインドで販売へ

2008年05月31日 日刊ベリタ

 【パリ31日=飛田正夫】ルノー日産とインドのバジャ・グループは「世界一安い車」として日本円で約25万円の乗用車をインドで生産し、同国で3年後をめどに販売する。 

 フィガロ・エコノミィー紙の報道によると、「超安価格車」の先駆けとしては、インドのタタ・モーター社のナノがあるが、これとほぼ同価格か、下回る見込み。 

 ルノー日産は、アジア、アフリカ、ラテンアメリカなどの途上国での車の生産を強化するとともに、現地で生産した低価格車をフランス市場でも販売する戦略を進めている。 

 同社の下請けであるマヒンドラ社(インド)生産の車「ロガン」も、当初は生産国での限定販売であったが、今ではヨーロッパ中で売られている。 

28万円カー「nano」登場の背景を考える

2008/05/30 IT Pro(藤堂 安人=電子・機械局主任編集委員)

 1月上旬,インド・ニューデリー郊外にある日系自動車メーカーの工場を見学した後でクルマで市内のホテルに戻る途中のことである。中心部に近づくにつれてクルマが増えてきて,ついにひどい渋滞に巻き込まれた。交差点では,車線などお構いなしにギリギリ通れる隙間があれば突っ込んでくるので,クルマで埋め尽くされた状態になった。

 すると,このクルマとクルマの狭い隙間を縫うようにして物売りの人々がやってくる。ミネラルウオーター,ジュース,新聞,花・・・。さらには,携帯電話機のような電気製品まで売っている。大人だけでなく,子供も売りに来る。そういえば,タイのバンコク,マレーシアのクアラルンプール,インドネシアのジャカルタでも同じような感じだった,などと思い出していると,「危ない!」と思わず声を出してしまうほどの光景を目にした。

渋滞の真っ只中で大道芸をする少女

 7,8歳くらいの少女がクルマとクルマのわずかな空間で突然,バク転を始めたのである。次に金属の輪を取り出して輪くぐりを始めた。終わると,ドライバー達に手を差し出し,歌うような甲高い声で「見物料」を要求して回った。渋滞とはいってもクルマはいつ動き出すか分からない。間一髪のタイミングを狙った危険な大道芸であった。ニューデリーでは当たり前の光景なのだろうか,ドライバー達は平然としている。

 インドでは,4輪車だけなく,オート三輪,バイク,自転車など様々な交通手段が行き交う混合交通が一般的だと言われる。そうした混沌(こんとん)とした中を人々はすり抜けながら道路を渡り,物売りや大道芸をする人々が走り回っている(今回は見なかったが牛も相変わらず悠々と歩いているらしい)。

 そうした状況は,筆者が訪れた30年前(昔のインド旅行について書いた以前のコラム)と比べても変わらないようである。ただし,4輪車やバイクの比率が増えた分だけ,全体の流れが速くなったようだ。ニューデリーではちょっと大きな道路となると,外国人が横断することは難しい(インドの交通事情について触れたフォトレポート)。

インドの道路は危険で一杯

 4輪車やバイクが増えて流れが早くなった分,交通事故も増えているという。今回,タクシーに数回乗っただけでも,ヒヤリとする場面に何回も出くわした。特に,信号のない交差点では,曲がるクルマ同士が間一髪のタイミングですれ違ったりした。おたがいクラクションを鳴らすのだが,どちらも譲るわけではないのであまり意味はないように見えた。実際,同モーターショーを取材に来たあるジャーナリストは,それほど速度は出ていなかったので怪我こそしなかったものの,乗ったクルマが衝突事故を起こしてしまった,と言っていた。同乗した外国人同士で,「ぶつかりそうでいて,インドのドライバーは慣れているから案外ぶつからないんだよね」などと話している矢先にドーンと衝突してしまったのだという。

 それと,道路を見ていて危ないと思ったのが,バイクや自転車の二人乗りである。よく見かけたのが,夫婦など男女カップルの二人乗りで,女性がサリー姿の場合横向きに座って乗っている(図1)。今回の短期間の訪問では見なかったが,前や後ろに子供を乗せて3人乗りや4人乗りをするケースもあるらしい。それはかなり危険な状況のようである。

 バイクの3人乗りや4人乗りの危険性について,筆者は1月10日,28万円カー「nano」の発表会で,インドTata Motors社会長兼CEOのRatan Tata氏,その人自身の言葉で聞いた。同氏は,スライドでインドの一般的な国民の移動手段が自転車,バイク,3輪車と変遷してきたことを説明するとともに,バイクに家族4人が乗っている写真を紹介し,こうした危険な状況を解消するために開発したのだ,と強調したのである。

「nano」開発にかけるRatan Tataの執念

 「nano」開発のきっかけは,今から約4年前。2003年8月のある雨の日だったという。Tata氏は仕事を終わり,ムンバイの事務所を後にしてクルマを走らせていた。すると,雨でスリップしそうな状況の中,バイクに子供を抱いて乗っていた夫婦連れを見て,「こうした危ない状況をなんとかしなければならない」と同氏は決意したのだそうだ。同氏は次の日すぐさま,現社長のRavi Kant氏に危険なバイク利用者を助けるようなクルマを開発できないか,ともちかけたのだという。

 「nano」の開発方針は明確であった。第一に,大多数が貧しいインド国民ができる限り多く購入できるように10万ルピー以下とすること。10万ルピーがインドの言葉で「1ラーク」というキリのよい数字であったために,開発目標としては分かりやすかった。メディアなどへのアピールの面でも効果的だった。第二に,環境と安全面の基準をクリアすること。つまり,安全,環境面で妥協しないしっかりしたクルマでありながら,10万ルピーを切るという非常に高いハードルを目標にしたのであった。

 あれから4年---。Tata氏は発表会の席上,エアコンやラジオなどの機能をそぎ落としたスタンダードバージョンで,VAT(付加価値税)と輸送費を除いて1ラークを達成したとし,「約束は約束だ」(That's because promise is promise.)と語ったのである。抑揚のない静かな語り口ながら,強い意志を感じさせるスピーチであった。

 またその言葉には,この4年間,世界の自動車業界の人々からバカにされ続けた,という忸怩(じくじ)たる思いが込められているようでもあった。後のメディアとのインタビューで同氏は,「あざ笑わなかったのは日産・ルノーのカルロス・ゴーン氏だけだった」(In all fairness,Carlos Ghosn has been the only person in the automotive area who has not scoffed at this.=THE TIMES OF INDIA 1月11日付け)と語っている。

 原油や材料費が高騰する中で低コスト化を進める作業は困難を極めたようである。もともと2輪車の安全性を高めようという発想だったために,2輪車の部品を改良して4輪車向けに開発しようと,アジア諸国の自動車産業に呼びかけたが,反応はなく,独自にゼロから開発することにしたのだという。最初は少人数でスタートし,最後は500人の開発スタッフが参加し,日本のデンソーやドイツBosch社など大手サプライヤーを巻き込んだその開発の経緯は,開発目標に対して皆が一致団結して突き進む壮大な開発ストーリーであった。そのストーリーには,日本人の技術の感性に近いものを感じるのである。

「nano」に見るTataのオリジナリティとは

 実は筆者は,Tata社が「nano」を発表した当初,開発のポイントは欧米や日本の技術をどのように導入したのかだと思っていた。欧米・日本メーカーの車種のコピー的な製品ではないか,という思い込みがあった。そのため第一報で,「ボディのサイズ感や質感は,ドイツDaimler社のスマートに近い。Tata社は創業時にDaimler Benz社(当時)から技術供与を受けていた経緯があることからDaimler社の影響を感じさせる外観であった」(nano発表のニュース記事)と書いた。そこには,アジアの新興国が出すクルマに対する先入観があったのかもしれない,と今は思っている。

 確かに,「nano」にはBoschやデンソーなどから先進技術が導入されている。ただその一方で,次第に技術の内容が明らかにされるにつれて,Tata社の独自性とリーダーシップがあったことが分かってきている。

 例えば,2輪車の部品流用を諦めた当初,Tata社はオールプラスチック製のボディとし,溶接ではなく接着剤で接合する新しい生産プロセスを検討したのだという。結局,コスト面で既存の鋼板を溶接する生産プロセスを採用したが,このエピソードからはまさにゼロベースで低コスト車のあり方を考えていたことが伺える(後日談であるが,Tata社はプラスチックボディを検討したことを地元メディアにかなり強調して説明したらしく,地元メディアが発表前にプラスチックを多用してコストダウンしたと誤報する一幕もあった)。

 また,メーター一つ,ドアミラー一つ,グローブボックス一つ・・・,何一つとっても,「その機能は本当に必要なのか」を突き詰めた検討の跡がうかがえる設計になっている。その一方で,足回りなどインドの悪路に対応すべきところには高いスペックの部品を開発するといったメリハリをつけているのである(nanoの技術内容について伝えたニュース記事)。

インド製造力の底力を培ったもの

 そうしたTata社の独自性とリーダーシップが明らかにされるにつれ,背景には,インドの製造業の底力のようなものがあるのではないか,と筆者には思える。そしてそれは,自由化される前から培われていたのではないだろうか。

 30年前筆者は,アジア諸国を旅していて,インドだけはある種独特の雰囲気をかもしだしているという思いを持った。その理由の一つは,どんな製品でも一通り国産品があるということである。近代化に乗り遅れたような前時代的な製品が多かったものの,インド的な雰囲気に触れる楽しみとともに,わが道を行く姿にある種尊敬の念を抱いたものであった。

 クルマの世界では,それが「アンバサダー」(Hindustan Motors社,図2)であり3輪車「オートリキシャ」(図3)である。とりわけアンバサダーは,英国風のレトロな雰囲気のクルマで,風物詩のような存在だった。それこそドアがないようなボロボロのアンバサダーのタクシーが走っていた。30年ぶりに訪問してみて,アンバサダーは今でも現役で走っているが,小型車に押されてすっかり少数派になっているように見えた。ある方は,「走るシーラカンスだ」と表現していた。

 それにしても,外国車または外国車をベースにした車種が増え,クルマに限らず外国製品があふれかえっているのには驚かされた。特に筆者が「これがインドなのか?」と目を見張ったのが,「コカ・コーラ」を堂々と売っていたことである(図4)。当時は,コーラといえば,ローカルメーカーのコーラであった(たしか,「カンパコーラ」と言った。その独特の薬くさい味は今でも覚えている)。果ては「マクドナルド」や「ケンタッキーフライドチキン」まである。こうした状況に一抹の寂しさを覚えてしまったのも事実である。

自由化による先端技術と自前技術の融合?

 インドは,1991年,湾岸戦争やソ連崩壊という環境の中で深刻な外貨不足に陥り,これまでの社会主義的な自立経済を改め,外資企業の参入規制を緩和し,輸出入の自由化を推進した。これにより,自動車でもそれまでの合弁企業2社に加えて,外資系企業9社が続々と参入したのである。

 グローバル経済の波にのみ込まれて消えていくローカルメーカーも多かったようだが,Tata社のようにグローバルレベルの技術力を持ちつつあるローカル企業も出現してきた。それは,外資系企業から学んだ先端技術と,自前主義の時代に培っていた技術を融合することによって可能になったのではないだろうか。

 つまり,自由化前のクローズドな世界における状況の中であっても,新しいものを開発しようという精神であったり,ものづくりを楽しむ心のようなものが培われていて,それが先端技術とうまくかみ合ってきた,という仮説が考えられる。

 まだきちんとした解明は進んでいないようだが,インドの製造業は,米国や中国が得意とする「オープン・モジュラー型」(汎用部品の組み合わせでつくるタイプ)よりも,日本が得意とする「クローズド・インテグラル型」(専用開発部品のすり合わせでつくるタイプ)の製品に優位性を持っているという指摘がある(このあたりについて書いた以前のコラム)。こうした傾向は,今後インドにとって,地場の自動車産業を育成するという面では意味を持ってくるに違いない。

深刻な貧困問題をどうする・・・

 ただ,外国製品があふれる自由化以降の今のインドを見て気になったのが,貧富の格差が拡大しているように見えたことである。または,変わりつつあるものと変わらないものとの対照が以前より際立ってきているといったらよいだろうか。例えば,豪華な新車ディーラーの建物のすぐ隣にスラム街が広がっていたり,派手なモーターショーの会場の中にゴミの山から有価物を収集する家族連れがいたり,立派な高速道路の埃っぽい中央分離帯に粗末な小屋を建てて住む人がいたり・・・といった光景が嫌でも目に入ってくる。両者が同じ空間に混沌として存在しているあり様に,人間として打ちのめされる思いである。

 そうした状況を抱えるインドでは,雇用を増やし,貧困問題を解決する手段としても,自動車産業には期待が集まっている。その意味でも今回の「nano」の発表にあたってTata氏が示した構想は注目に値する。

 「nano」は今年9月をめどに生産を開始する予定だが,マザー工場は西ベンガル州のSingur工場にある。ここで,完成車を組み立てると共に,部品キットを全国の工場に送って組み立て生産を行う(Tech-On!の関連記事)のだが,将来的には,企業家精神のある若者に組立工場を建設してもらおうという構想である。

 Tata社はこの若手企業家達の工場に,部品キットを供給し,技術的なトレーニングと品質管理を行う。若手企業家達は,自らの才覚で各地の事情に合わせて販売活動を展開するのである。こうしてインド全土で企業家を育成し,自動車を核とした産業を根付かせようというのである。「これが富を(インド全土に)行き渡らせるアイデアだ」(That is my idea of dispersing of wealth.=THE TIMES OF INDIA 1月11日付け)とTata氏は語っている。

 つまり「nano」は,インド国民に安全な移動手段を供給するという意味のほかに,インド製造業の技術力の象徴であり,また深刻な貧困を解消する一つのアイデアを提示するものであったのである。1月10日の発表会で,インドのメディアがあそこまで熱狂した訳が分かってきたような気がする。

この記事は「Tech-On!」で連載中の『藤堂安人の「材料で勝つ」』から転載したものです。バックナンバーはこちらからご覧いただけます。

タタ ナノ をナノ単位まで分析?

2008年05月19日 Response

 『週刊東洋経済』 5月24日号 価格:570円 発行:東洋経済新報社

 新興小型カー大解剖! なぜ28万円でクルマがつくれる?/世界同時大転換/自動車革命(表紙より)。世界中に衝撃を与えたタタの小型経済車『ナノ』を軸に『週刊東洋経済』が大特集を組んでいる。独自に分析したタタのコスト構成や各社の姿勢が興味深い。

 注目の見出し●タタ「ナノ」を徹底分析!●サプライヤーの“犠牲”●タタ財閥“5代目”●ゴーンの「約束」●鋼材コスト高の影響●トヨタ両面作戦、どこ吹く風のホンダ●スズキ会長鈴木修「貧乏競争はゴメン」●トヨタ大幅減益、社内外への号令 《高木啓》

ヒュンダイもインドで低価格車を計画

2008年05月19日 IBTimes

 【チャンディーガル】自動車大手ヒュンダイが、3500ドル(約36万円)程度の低価格車を開発し、2012年までにインド市場に投入する計画があることを明らかにした。

 ヒュンダイのインド子会社ヒュンダイ・モーター・インディアのH.S.リームCEOはPTIの取材に対し「開発には少なくとも4年かかるので、我々としては2012年にはインド市場に投入する予定だ」と語った。同氏は、この低価格車はタタ・モーターズの10万ルピー(2500ドル)車「ナノ」に対抗するものではないと付け加えた。

 同氏は計画の詳細や販売価格については明言しなかったものの、PTIはこの低価格車の価格は3500ドルと伝えている。

 今年1月にタタ・モーターズが「ナノ」を発表して以来、ルノー・日産やホンダなどが追従する計画を発表している。インド市場で第3位のシェアを握るヒュンダイの参戦表明で、インドの超低価格車の開発争いはさらに熾烈なものとなりそうだ。

ルノー・日産がインド低価格車競争に参戦表明

2008年05月15日 eJ Magazine

 ルノーと日産がインドの低価格車競争に正式に参戦を表明した。インドムンバイにあるバジャージ・オート社と合弁で新会社を設立、コードネームを「ULC」とした新型モデルを生産し、2011年から販売を開始するとしている。気になるのは「ULC」の販売価格だが、タタ・モータースの「ナノ(nano)」が10万ルピー(およそ25万円)を予定しているのに対し、ズバリ、最低ディーラー卸売価格2,500ドル(およそ25万5千円)と、真っ向勝負を挑む。

 火付け役のタタ・ナノの発売は9月の予定で、未だ“低価格車市場”は存在すらしていない。インドで最大のシェアを誇るスズキが当面静観する見通しであることもあり、低価格車市場が成立することに懐疑的な見方もあった。ここにきて、ルノー・日産が正式に参戦を表明するに至ったことで、一気に現実味を帯びることになった。

 ルノー・日産が発表した低価格車「ULC」については、卸売価格が2,500ドル、年産40万台を予定している以外には、未だ何も具体的な情報はない。ただ、ルノーは2004年にルーマニアにある子会社のダチア社を通じて、破格とも言える6000ユーロ(当時の為替レートでおよそ80万円)の4ドアセダン「ロガン」を販売、急速にシェアを拡大している前例がある。「ULC」についても同様にルノー車と部品を共通化するなどしてコストを極力抑える方向で開発が進められる可能性がある。

 一方、迎え撃つタタ・モータースでは、ナノ戦略以外にも、圧縮空気で走行する“エアカー”戦略を掲げている。これに対し、ルノー・日産も電気自動車の世界戦略を表明している。“低価格車”、“ゼロエミッション”と、これまでのクルマ社会を一新する戦略を提示する両陣営の動きが注目を集めている。(eJAFMATE編集部 徳永智)

日産自動車,成長著しい新興国市場は「超低価格車」と「エントリーカー」で攻める---新・中計より

2008/05/14 IT Pro 高野 敦=日経ものづくり

 日産自動車は,2008〜2012年度(2008年4月〜2013年3月)にわたる新中期経営計画「日産GT2012」を発表し,新興国市場における低価格戦略車の投入計画を明らかにした。価格が30万円前後の「超低価格車」と,同80万〜90万円の「エントリーカー」の開発を進める。前者は2010年初旬にタイとインドで生産を始め,後者は2011年にインドおよび周辺国で発売する。

 「エントリーカー」は3車種を予定しており,その車台は仏Renault社と協同で開発を進めている「Aプラットフォーム」を使う。コストは,現行「マーチ」の7割に抑える。そのため,五つのLCC(Low Cost Country / Leading Competitive Country)で生産および部品調達を行う。五つのうち,前述の通りタイとインドは確定した。残りの三つは未定。エントリーカーの投入によって,ブラジルでは販売台数を2012年度末に10万台以上に(現在は1万5000台),インドでは20万台以上に引き上げることを目標に掲げる。

 「超低価格車」に関して,同社社長兼CEOのカルロス・ゴーン氏は「タタにできるのなら我々にできないはずがない」と語り,インドTata Motors社の「Nano」への対抗心をあらわにした。コスト目標は2500米ドルである。このプロジェクトには「インドの考え方やエンジニアが必要」(同氏)との判断から,日産自動車やRenault社による支援は行うものの,基本の企画・設計はパートナーであるインドBajaj Auto社に任せる方針。当初はインドおよび周辺国での販売を予定しているが,好評であれば輸出も検討する。販売価格は「2500米ドルを少し上回るくらい」(同氏)になるようだ。

日産・ルノー超低価格車

2008年05月13日 読売新聞 Yomiuri On-Line

インドで約26万円

 日産自動車と筆頭株主の仏ルノーは12日、インドの二輪車大手、バジャージ・オート社と自動車の生産・販売会社を設立し、販売店への卸売価格が1台あたり最低2500ドル(約26万円)の「超低価格車」を、インド市場に投入すると発表した。2011年前半の発売を目指す。

 インド大手のタタ自動車は今年後半、1台10万ルピー(約25万円)の乗用車を発売する計画を表明している。インドはマイカー市場が急速に成長しており、日産・ルノー連合も低価格車でタタに対抗する。合弁会社はバジャージが50%、日産とルノーが各25%を出資し、年産能力40万台の工場を建設する。

25万円!超低価格車の開発合意 日産・ルノーがインドで

2008.05.12 MSN産経新聞

 日産自動車・仏ルノー連合とインドの自動車メーカー、バジャージ・オート社は12日、超低価格車を開発、生産、販売する合弁企業を設立することで合意したと発表した。販売する超低価格車の値段は2500ドル(約25万7000円)となる計画で、地元のタタ・モーターズが発売予定の「ナノ」に近づける。急成長を遂げるインド市場における低価格車競争は激化しそうだ。

 新会社はバジャージ50%、日産25%、ルノー25%をそれぞれ出資。超低価格車「ULC」(開発名)の開発から販売までを手がける。インドのマハラシュトラ州チャカンに年産40万台の工場を新設することでも合意。「ULC」は2011年から新工場で生産を始め、インドを皮切りに他の新興国市場でも販売する。

 インドの自動車市場は経済成長に伴い急拡大しており、昨年の市場規模は200万台を超えた。地元インドのタタが世界最安車となる10万ルピー(約24万8000円)の「ナノ」を今秋発売する予定。トヨタ自動車はインドに第2工場を建設し、10年末にも70〜80万円程度とみられる低価格車を生産する計画を表明している。インドでの低価格車競争は日産・ルノー連合の2500ドルカーによって、さらに激化するのは確実だ。

カルロス・ゴーンの勝算

2008年04月01日 BusinessWeek

旧ソ連時代のおんぼろ工場に賭ける

 ロシア中部トリアッチ市にあるアフトワズの工場では、時間が止まったかのようだ。老朽化した工場は40年前、ソビエト連邦時代にイタリアの協力を得てフィアット工場そっくりに建てたもの。ここでは今も当時の機械を使ってセダン「ラーダ」を生産している。

 2月のある朝、吹雪で部品の納品が遅れたため、ラインが1つ停止。ほかのラインも動いたり止まったりで、広大な施設の一角に組み立て途中のクルマが数十台置かれていた。「部品が到着次第完成させるさ」と工場監督のヴァレリー・シェンジャピン氏は言う。

 仏ルノー・日産自動車のCEO(最高経営責任者)、カルロス・ゴーン氏のような人物がこんなところに望みを託すとは考えにくい。だが、彼は本気だ。2月 29日、ルノーはアフトワズ株の25%を10億ドルで取得することで合意した。この提携でアフトワズは近代化を図り、ルノーは2004年に投入した実質本位の「ロガン」の販売拡大を目指す。

低価格車戦略の重要なカギ

 価格が9000ドルからのロガンは、世界一成功している低価格車だ。アフトワズはロガンを生産しないが、それを基にラーダの新モデルを作る。ゴーン氏はモスクワでの記者会見で、「機が熟した最高の提携関係だ」と語った。

 すべてが計画通り運べば、ルノーは低価格車市場での優位を固め、停滞するほかの事業を強化できるだろう。

 ルノーは昨年ロガンを約36万8000台(前年比48%増)売ったが、より高価な車種では、同社最大の市場である西欧州で販売が4.1%落ち込んだ。年間100万台超の生産能力を持つアフトワズとの提携で、トヨタ自動車や独フォルクスワーゲンなど、低価格車生産を計画するライバルより優位に立てる。

 低価格車の競争では台数がカギとなる。専門家の試算ではロガン1台当たりの利益は400ドル以下だ。ロシア全土に及ぶアフトワズの販売網も、530億ドル規模の同国自動車市場におけるルノーのシェア拡大に貢献するだろう。

 アフトワズでは問題が山積している。コンサルティング会社プライスウォーターハウスクーパースの試算によれば、輸入車が急増し、米フォード・モーターや米ゼネラル・モーターズ(GM)などがロシアに工場を設立した結果、5年前に50%だったアフトワズの市場シェアは25%にまで落ち込んだ。

 2005年の国営化後にアフトワズに送り込まれた新経営陣は、シェア低下に歯止めをかけるのに必死だ。セルゲイ・チェメゾフ会長曰く、提携の最大の理由は、「ルノーから近代的な技術とノウハウの提供を受けるためだ」。

 ゴーン氏はアフトワズの工場の古さに動じていない。何しろルノーは1999年にルーマニアのダチアの株式の51%を取得している。同国ピテスチ市近郊にある工場内にロガンの組み立てラインを作った時は、工場が機能していない状態だったから、「アフトワズではすべての部門が動いているだけましだ」とロガンの世界販売・生産責任者のジェラール・デトウールベ氏は言う(現在、ロガンはブラジル、インド、イランなど7カ国で生産されている)。

 ルノーはピテスチの工場では、時代遅れの機械を取り払い、今は手作業に頼っている。フランクフルトにあるグローバルインサイトのアナリスト、クリストフ・シュツルマー氏は言う。「ロガンのビジネスモデルの秘密は初期投資の低さにある。ロボットはなし。現代に通用する品質を低賃金の人手に頼って実現している」。 以下略

[インド株]タタ、ジャガーとローバーを買収

2008/03/27 中国情報局

 インドのタタ・モーターズと米フォードは3月26日、フォード傘下の高級車部門であるジャガー、ランドローバー(いずれも英)をタタが23億ドルで買収したと発表した。買収の対象は両部門のブランド、生産設備、知的所有権に及び、買収手続きは今年6月末までに完了する見通しだ。

 フォード側は売却に当たって、従業員の年金基金に6億ドルを拠出するほか、売却後もパワートレーンやプレス加工品などの部品の供給や、環境やプラットフォームなどの面での技術提供を当面続ける。また、研究開発や情報技術、会計、各種サービスなどの面でのサポートも行っていく。

 今回の買収について、タタ・モーターズのラタン・タタ会長は、「当社は両ブランドに非常な敬意をもって、その歴史的遺産、競争力を維持し、ブランドのアイデンティティを損なうことのないよう努力していく。そして、経営陣や従業員がその経験やノウハウを活かせるよう留意して事業の成長を支援していく所存だ」と語った。

 また、フォードのルイス・ブース上級副社長(欧州事業担当)は、「ジャガーとランドローバーは新しいオーナーの下で、これまで同様、事業の大幅な改善や製品面での成功を成し遂げていくだろう。この売却によって、従業員と経営陣が最高の結果を出すことに集中できる環境が整う」と述べた。

 一方、英運輸一般労組のトニー・ウッドリー書記長は、「利益を上げているランドローバーまで売却されたのは非常に残念だが、フォードからの部品調達の長期継続を約束してくれたタタをわれわれは歓迎する」とコメントしている。(提供:インドチャネル)

タタ、ルノーと提携模索 欧州市場に「ナノ」投入 環境規制クリア課題

2008/03/08 FujiSankei Business i.

 1月に10万ルピー(約28万円)という格安小型乗用車「ナノ」を発表したインドの自動車大手タタ・モーターズが、先進国向けのナノを開発し、欧州市場に投入する方針だ。低価格小型車はインドなどの新興経済国や東欧が主要市場とされてきたが、タタは先進国の成熟市場にも商機があると判断した。販売で仏大手ルノー・グループなどとの提携を探っている。

 ≪ゴーン氏と協議≫

 タタは4日、スイスで開幕したジュネーブ自動車ショーにナノを出展。英紙ガーディアンなどによると、ラタン・タタ会長は記者会見で「タタ・モーターズの事業は東欧にとどまらない。西欧もわれわれが狙う市場の一つだ」と語り、欧州市場への本格進出に意欲を見せた。

 欧州で販売網を持たないタタは、販売面の提携先を探しており、すでにルノーと日産自動車を率いるカルロス・ゴーン氏と協議に入ったという。

 ルノーはルーマニアの子会社ダチアで生産している小型車「ロガン」をインドで展開する計画で、印大手マヒンドラ・アンド・マヒンドラと合弁工場の建設を進めている。タタも小型車「インディカ・サルーン」の共同開発で伊フィアットと提携しているが、ルノーとタタは販売面などで提携を模索する見通しだ。

 ≪事業拡大急ぐ≫

 タタは欧州版ナノについて詳細を発表していないが、サイドミラーを片側にしか取り付けず、エアコンを搭載しないなど徹底した簡素化で低価格を実現したインド版をグレードアップしたものになるとみられている。

 欧州版は、インドに比べ格段に厳しい欧州の環境規制に対応する必要があり、価格が高くなったり、発売に多くの時間がかかる可能性もある。

 タタは、事業の国際展開を急いでおり、米フォード・モーターとの間で英高級ブランド「ジャガー」「ランドローバー」の買収に向け最終調整を進めている。買収資金の一部として30億ドル(3000億円強)を借り入れる計画で、米シティグループやJPモルガンのほか、日本のメガバンクがタタへの融資に関心を寄せているという。

ルノー、新興国向けに低価格車改良版を投入

2008年02月20日 日経産業新聞

 【パリ=古谷茂久】仏ルノーが低価格車の販売を強化する。同社の昨年の世界販売は欧州地域が前年比5.6%減と低迷したのに対し、中南米やロシア、北アフリカなどでは10%を超える伸びとなった。欧州での不振を新興国市場が補う格好で、カルロス・ゴーン社長兼最高経営責任者(CEO)は記者会見で「新興国市場への新車投入を加速する」と語った。

 ルノーの昨年の販売台数は前年比2.1%増の248万4000台。中南米は同32.2%増の24万5000台、ロシア・北アフリカ地域は同11.5%増の42万4000台だった。こうした地域で販売の主力となっているのが戦略低価格車「ロガン」。昨年の販売台数は36万7000台で前年比48%増えた。ルノーは昨秋から南米市場でロガンの発展型「サンデロ」の販売を開始。今年は新興国市場でロガンの改良タイプを投入する。

インドの超廉価車 ナノ…「価格破壊とはなり得ない」スズキ会長

2008年01月24日 Response

 インドのタタ・モーターズが開発した「28万円」の超廉価車『ナノ』について、スズキの鈴木修会長は24日東京で行った新年会見の席上「(報道を通じて)見た感じは立派な車、さぞかし売れると見ている。」とコメントした。

 ただ、クルマの価格破壊になるのかという質問に対しては「そういうことにはならない」と述べた。その理由として「世界的な環境や安全規制、さらには原材料の高騰にどう対処していくかという課題がある」と説明した。

 スズキとしては「実車を見たうえでじっくり考えたい。あわてる必要はない」と、当面は静観する構えだ。

 一方で「インド市場は一段と競争が激化する」としたうえで、スズキとしては「小さいクルマだけではいけないので、フルラインでやっていく」と述べ、上級車の投入など商品ラインの拡充に取り組む方針を示した。 《池原照雄》

07年フランス乗用車登録台数…ルノー、低価格車ダチアに助けられる

2008年01月15日 Response

 フランス自動車製造業委員会は2日、2007年度の新車登録台数を発表した。それによると、昨年国内で登録された乗用車は206万4633台で、前年比3.2%増となった。

 国内ブランドは明暗を分けた。3位のシトロエンが27万7377台で唯一7.5%増を記録したものの、2位のプジョーは34万9421台で2.1%減、1位のルノーも44万3536台で6.1%減を記録。そのため、全登録台数における国内ブランドシェアは、1.5%減の51.8%となった。

 いっぽう輸入車は軒並み好調で、全台数におけるシェアは8.8%増の48.2%を記録した。フォードグループは12万6085台で10.7%増、スズキは3万0841台で20.8%増、BMWグループは6万5582台で30.4%増を達成した。

 なかでも最も高い伸びを示したのは、ルノーグループでルーマニアのダチアだ。3万2635台の登録が記録され、前年比74.1%ものプラスとなった。フランス市場では2005年から、ルノー・グループの世界戦略車でダチア製の『ローガン』が輸入されている。発売当初はその低価格のみが話題となったが、のちのディーゼル仕様やワゴン版追加の効果もあって、市場で着実に知名度を上げてきた。

 おかげでルノーは、ダチアも合算してグループ全体としてみると、前年比マイナス分が前述の6.1%から3%にまで圧縮できる結果となった。

 ルノーとしては良いニュースだが、空洞化するフランス国内自動車産業を暗示しているともいえる。 《大矢アキオ》

超低価格車戦争が幕開けへ

2008.01.14 MSN産経新聞

 タタ自動車が「ナノ」を発表したことで、世界の自動車メーカーによる“超低価格車戦争”の火ぶたが切られた。特にインド市場をめぐっては、タタのほかにも日産自動車・仏ルノー連合がすでに「3000ドル(33万円)カー」の開発を表明するなど各社が参戦の意向を示している。ただ、メーカーには従来をはるかに上回る低コスト化だけでなく、安全性能などをいかに担保するかといった課題も立ちはだかる。

28万円の衝撃

 「お客さんを満足させるクルマを30万円で作れるかというとウチはギブアップ。それを作れるのはサプライズ」

 スズキのインド子会社「マルチ・スズキ」の中西真三社長は舌を巻いた。超低価格車戦争の“震源地”となったインドで同社は日本の軽自動車をベースとした小型車を武器に市場を席巻。乗用車市場で50%を超えるシェア(市場占有率)を誇ってきた。しかし、ナノはスズキが販売する現時点での最安車「マルチ800」の半値だ。

 タタがナノを投入するのはこれまでクルマに手が届かなかった層を取り込み、独走するスズキを止める狙いだ。タタは5年前に10万ルピー車の投入を宣言。その後に素材価格が高騰したが、「約束は約束」(ラタン・タタ会長)としており、「赤字覚悟」(関係者)でシェアを奪いにかかる。

巨大市場誕生?

 他社も手をこまねいているわけではない。急先鋒(せんぽう)は日産・ルノー連合。インドの二輪車大手、バジャジオートと組み、2010年に3000ドルカーをインドやブラジルをはじめとするBRICs諸国に投入する計画だ。ルノーは04年発売の「ロガン」ですでに低価格車を投入。また、トヨタ自動車や米フォード、独フォルクスワーゲンなども現行を上回る低価格車の開発を進めている。

 BRICs市場の06年の自動車販売は1300万台に達し、6年で倍増した。しかし、インドでは二輪車が中心で四輪車の保有率は依然1%程度。裏を返せば、年間800万台にも上るインドの二輪車市場からユーザーが四輪車に向かえば、巨大市場が生まれ業界の勢力図が塗り変わる可能性もはらんでいる。

安全性に疑問

 「中国車と似たレベルでは」。ナノの発表前、日本の各社から安全性や環境基準に疑問の声が上がった。背景には独の自動車団体が昨夏、中国製のセダンなどの衝突実験を行い「乗員保護に重大な問題がある」と指摘したことが挙げられる。衝突時にドアがはずれ、運転席が押しつぶされる動画はネット上でも公開され、話題となった。

 こうした声にタタ会長は「ナノはあらゆる安全基準と海外の環境基準を満たしている」と反論。欧州の厳しい排出ガス規制である「ユーロ4」に対応している、と胸を張った。しかし、ナノの仕様を見ると、エアコンやラジオ、パワーウインドーといった装備がなく、ドアミラーは運転席側のみ、ワイパーも1本だ。さらに、エアバッグや急ブレーキ時にスリップを防ぐ「ABS」などの安全装備もない。また、国連「気候変動に関する政府間パネル」のパチャウリ議長らからも低価格車の普及で環境悪化を懸念する声が上がる。

 自動車メーカー各社にとっては、低コスト化と安全・環境性能の両立という開発目標のハードルがますます高くなっていく。(田端素央)

ついに噂の約27万円の超低価格車「Tata Nano」が発表されました

2008年01月11日 Gigazine

 インドの自動車メーカー「タタ モータース」が開発した超低価格車「Tata Nano」が発表されました。そのお値段はなんと2500ドル(約27万円)。2008年中にインドで販売されるそうですが、いつか日本では発売されるのでしょうか?

 パワステ、エアコンを排除したりなど、その他いろいろと徹底したコスト削減を行った結果実現した超低価格のようです。

 「Tata Nano」のサイズは、長さ3.1メートル、幅1.5メートル、高さ1.6メートル、そして、エンジンスペックは、後輪駆動、オールアルミニウム、2シリンダー、623CC、33馬力となっており、日本の軽自動車の規格にとても近いものになっているようです。

28万円の超低価格車公開 インドで自動車ショー開幕

2008/01/10 中国新聞ニュース

 【ニューデリー10日共同】自動車市場が急成長するインドの首都ニューデリーで十日、自動車ショー「オートエキスポ」が開幕した。同国で販売シェア首位のスズキを追う財閥系のタタ自動車が、世界で最も安い十万ルピー(約二十八万円)の超低価格車「ナノ」を初公開、注目を集めた。

 人口十一億人のインドは、経済成長に伴い中間所得層が年間数百万人規模で増えているとされ、世界の自動車各社が中間層を狙って小型車販売を競う「主戦場」となりそうだ。

 ナノは庶民が買える「国民車」を目指してタタ財閥のラタン・タタ会長が開発を推進した。排気量は約六二〇ccと日本の軽自動車をやや下回る。日本メーカーなどから安全性や環境基準を満たすか疑問の声も出ているが、タタは「安全で環境にも優しい」と反論。日産自動車・ルノー連合が三千ドル(約三十三万円)車を計画するなど、超低価格路線で業界に新風を吹き込んだ形だ。

 インドを欧州、中東などへの輸出拠点と位置付け、二〇一〇年に百万台の生産体制構築を目指すスズキは、今秋にも同国で量産を開始する世界戦略車のコンセプトカーを初公開した。

 今回は中国から自動車部品やバスのメーカーも多数出展、中印貿易の進展に合わせ販路拡大を探っている。

 インド工業連盟(CII)などによると、同国の自動車生産は年間約百五十万台、生産規模は五百五十億ドルで国内総生産(GDP)の5%前後を占める。一六年には10%にまで拡大する見通し。

ジャガーから2500ドルカーまで――世界中が注目の「タタ・モーターズ」とは?

2008年01月11日 Business Media 誠 [神尾寿]

 1月10日、世界中の自動車業界関係者が注目するクルマが発表された。名前は「ナノ」。日本円にして約28万円という格安の新型車だ。発表したインドの自動車メーカー「タタ・モーターズ」とは、どのような会社なのだろうか。

 1月10日、世界中の自動車業界関係者の目がインドに向けられた。同国の自動車メーカーであるタタ・モーターズが、販売価格10万ルピー(約2500ドル=約28万円)の新型車を発表したのだ。名前は「ナノ」。その名のとおり、小型なクルマで、エアコンやラジオ、パワーウインドウといった快適装備はナシという、きわめてシンプルなクルマだ。

大手自動車メーカーの機先を制した「ナノ」

 成長著しい新興国市場には、トヨタ自動車やスズキ、ホンダ、フォルクスワーゲン、ヒュンダイ、フィアットなど、世界中の自動車メーカーが注力している。例えばトヨタでは、2004年に新興国をターゲットにした世界戦略車「IMV」を投入している。さらにトヨタはIMVでもターゲットにできない低価格帯を狙った超廉価車用「NBC (ニュー・スモール・カー)」を2009年をめどに投入する模様だ。

 しかし、今回のタタ・モーターズの「ナノ」で、トヨタをはじめとする大手自動車メーカー各社は機先を制されてしまった格好だ。特にインドは、これまで主流だった二輪車から四輪車への乗り換えが始まる直前にある。インドは中国に続いてモータリゼーションが始まると見られており、巨大市場になる公算が高い。その市場の鍵を握る低価格車で「現地メーカー」に先を越されたことは、新市場を求めて競争する大手自動車メーカーにとって頭が痛い問題だろう。

 さらにタタ・モーターズは、“低価格車”だけで勝負をしているのではない。世界中で技術と人材を買い回り、2004年には韓国大宇の商用車部門を買収し、現在は米フォード自動車の所有する傘下企業「ジャガー」と「ランド・ローバー」買収の交渉をしている。もし、この買収が成立すれば、タタ・モーターズは英国の名門高級車ブランド「ジャガー」と、同じく英国で名門オフロード自動車ブランドとなる「ランドローバー」の両方を手にすることになるのだ。

タタ・モーターズ率いるインドのガリバー

 欧米日の大手自動車メーカーを向こうに回し、低価格車戦略から高級自動車ブランド買収まで手がけるタタ・モータースとは何者なのか。

 その正体は、インド3大財閥のひとつ「タタ財閥」だ。タタ財閥はインド最大規模であり、タタ・モーターズのほかに電力会社のタタ・パワー、ICT企業のタタ・コンサルタンシー・サービス、製鉄会社のタタ・スチールなどを擁する。同財閥はタタ・モーターズ以外でも積極的なビジネスを展開しており、昨年1月にはタタ・スチールが英国の鉄鋼会社コーラスを113億ドルで買収して世界中から注目された。インド国内ではエネルギーから生活分野まで圧倒的なシェアを持ち、それを足がかりに世界市場でも存在感を強くする“インドのガリバー”である。

 再び自動車業界に目を向けると、今後、世界的に市場規模が拡大するのはコモディティ化した「低価格車」と、富裕層向けの「高級車」だ。自動車メーカー各社は、この新たな市場環境に向けてビジネスの舵を切っている。特に欧州・日本・韓国メーカーのつばぜり合いは激しいが、そこに新たな勢力として中国・インドメーカーの“芽吹き”が見られ始めている。現時点での信頼性や安全性、環境性能などにおいては先進国メーカーに及ばないものの、その背後には豊富な人材と成長著しい新興国市場がある。10年後、日本の自動車メーカーを中国やインドの自動車メーカーが買うというシナリオを、もはや荒唐無稽と笑い飛ばせなくなりつつあるのだ。

 タタ・モーターズの活発な動きは、自動車業界の勢力図における新時代の始まりなのかもしれない。

インドで27万円の超低価格車開発、その秘密とは--チョーセン日報--

2008年01月09日 ブログ みんカラ

小さなエンジン、ラジオもエアコンもない世界で一番安い自動車が10日、公開される。

 車の値段は韓国の最低価格モデル「マティス」の約3分の1。インドの自動車メーカー「タタモーターズ」が開発したこの車は10日、インド・ニューデリーで開かれる「オートエキスポ」で初公開される。インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙は8日、ベールに包まれたこの車の「生産原価削減術」を紹介した。

 まず、この車は従来の自動車業界のコスト概念を完全に打ち壊した。自動車後部に搭載されているエンジンはたった700ドル(排気量600‐660cc)。動力は芝刈り機程度の30‐35馬力しかない。韓国の軽自動車「マティス」(52馬力)や「モーニング」(64馬力)をはるかに下回る。

 パワーステアリングがなく、窓も手動で開け閉めしなければならない。アナログ方式のスピードメーターで速度を測り、雨のときはフロントガラスにたった1本しかないワイパーが頼みだ。タコメーターはない。材料も金属やボルトの代わりに、安いプラスチックや接着剤をできるだけ使っている。時速70キロ以上の速度には耐えられないホイールベアリングを使い、車の寿命より値段を下げることを重視した。

 同紙は「この自動車は優れた発明の勝利というよりも、新しい哲学の勝利。過剰という言葉とは対極にある“不足の精神”が結合した“ガンジー(インド建国の父)式エンジニアリング”を世界に伝えるもの」と報じている。車の値段は2500ドル(約27万円)だ。 (以下略)

インドの28万円自動車、「スズキ子会社の寡占」市場を乱すか?

2008年01月07日 WIRED NEWS /Marty Jerome

 インドの自動車会社Tata社が2008年中ごろに発売を予定している1ラーク(10万ルピー=約28万円、2500ドル)車について、Forbesの記事が紹介している。それによると、この車にはご想像どおり、大量のプラスチックが使われる。また、通常ならボルトでとめるべきところに新種の溶接が用いられ、これによって重量を抑えると同時に製造コストを減らしている。一方、フロントシートもリアシートも、身長180センチ以上の人でも快適に乗車できるだけの広さはあるという。

 1ラーク車の性能について、Tata社は、インドのベストセラー車『Maruti 800』に匹敵すると説明している。Maruti 800は、スズキの『アルト』の規格をほぼそのまま移しているが、3気筒800ccエンジンを搭載した車だ。

 [Murti(マルチ)社は、スズキがインドで展開する子会社。インドの乗用車はコンパクトカーが主流で、さらにその大きなシェアを同社が占めている結果、Forbes記事によると、Murti Suzuki社はインド乗用車全体の約50%のシェアを得ている。日産も3000ドルという低価格車をインド市場で計画しているが、スズキの鈴木修会長は12月中旬、こういった低価格では自動車は作れないと述べたと引用されている]。

 Tata社によれば、1ラーク車は、1リットルの燃料で約25キロメートルの走行距離になるという。

 サイド・カーテン・エアバッグ、ヒートシート、フォグランプ、それにブルートゥース接続機能などは装備されない。それどころか、クランプルゾーン(衝撃吸収ボディ構造)も、アンチロック・プレーキも、後部席のシートベルトもない。

 政府がこうした機能を義務付けない限り、自動車メーカーというものは、消費者が支払う代金はデザインに投じ、その結果製品の安全性が犠牲にされていようと気にかけないのだ。もちろん、スウェーデンやドイツのようなすばらしい例外はある。しかし、インドの1ラーク車は、市場の競争の力学がいかに公共の利益を犠牲にするかを気付かせる、格好の例となっている。[日本語版:ガリレオ-緒方 亮/小林理子]

WIRED NEWS 原文(English):Details Emerge on Tata's $2,500 CarBy Marty Jerome

インドを舞台に低価格車戦争

2007年12月24日 読売新聞 Yomiuri ON-Line

 新興国インドを舞台に、世界の自動車メーカーが低価格車の開発競争を繰り広げている。

 ◆「30万円カー」も登場

 インドの大手財閥タタ・グループ傘下のタタ自動車や、日産自動車・仏ルノー連合が、1台約30万円前後の「超低価格車」の投入を目指し、トヨタ自動車やホンダも100万円以下の低価格車を投入する計画だ。各社がインド戦略に熱心なのは、ここでの成否が、将来の主戦場となる途上国市場での勝敗に直結する可能性があるからだ。(愛敬珠樹)

 ◆世界が注目

 年明けの1月9日にインドで開幕する「デリー・モーターショー」に今、世界中の自動車メーカーが注目している。

 タタ自動車が今月19日、これまで詳細を明らかにしてこなかった1台10万ルピー(約29万円)の超低価格車を1月10日、同モーターショーで初めて披露すると発表したからだ。

 タタ・グループの総帥であるタタ自動車のラタン・タタ会長が「10万ルピーカー」を投入すると公言したのは約2年前。4〜5人乗りの小型車と見られ、タタは2008年後半にインドで発売すると予告している。

 これに対抗して、日産のカルロス・ゴーン社長も3000ドル(約34万円)台の超低価格車をインドに投入することを表明している。

 日産・ルノーは、今年2月に現地のメーカー「マヒンドラ&マヒンドラ」と自動車を合弁生産することに合意した。09年後半に新工場を稼働させ、現地で安価な部品を調達してコスト削減を図る。

 財閥内に鉄鋼メーカーもあるタタについては、「グループ企業から低価格の素材や部品を調達し、劇的な低コスト化を図るのでは」(日系メーカー幹部)との見方も出ている。

 ◆リッターカーで対抗

 一方、トヨタやホンダなどがインド投入を目指しているのは、排気量1リットルクラスの低価格の入門車だ。

 1980年代にインドに進出し、5割近いシェア(市場占有率)を誇るスズキが現地で生産・販売している小型車「マルチ800」(排気量800cc)の約20万ルピー(約60万円)や、「アルト」(同)の約23・5万ルピー(約68万円)が価格の一つの目安だ。トヨタやホンダは70万円〜100万円前後の価格を視野に入れている。

 トヨタ「ヴィッツ」やホンダ「フィット」など1・3リットル級の小型車をベースに一回り小さくしたリッターカーになりそうだ。両社とも系列メーカーにインド進出を促し、現地調達率を高めてコスト削減を図る考えだ。

 コストと性能 両立課題

 06年度のインドの新車販売台数は137万台で、規模はまだ日本の4分の1程度に過ぎない。しかし、経済の急成長で、9年後の2016年度には年間300万台に達すると予想され、売れ筋は小型の低価格車と見られる。韓国の現代自動車を含む各社が、インドでの低価格車競争に力を入れているのは、インドで勝ち残った車は、アフリカなど途上国向けの世界戦略車にもなるからだ。

 ただ、実際に1台30万円の超低価格車を採算に乗せるには、原材料費の大幅削減や、開発・生産方法の抜本的な見直しが不可欠だ。

 海外の自動車業界の事情に詳しい住商アビーム自動車総合研究所の加藤真一社長は、タタなどの超低価格車について「新興国や途上国の市場を目指すには低コスト化が極めて重要だが、従来の車作りの概念では、環境・安全性能を満たすのは難しい」と指摘する。

 安全性能を犠牲にすれば将来、品質問題を起こす懸念もある。性能と価格の折り合いをどう付けるかという難問に各社は直面している。

29万円の低価格車発表へ 印タタがスズキ追撃

2007.12.24 MSN産経新聞

 インドの財閥系タタ自動車は24日、10万ルピー(約29万円)の低価格車を来月10日、ニューデリーで開かれる自動車ショー「オートエキスポ」で発表することを明らかにした。

 タタ自動車は西ベンガル州に建設中の工場で来年後半にも、この低価格車の生産を開始する方針。スズキが圧倒的にリードするインドの乗用車市場で販売を拡大し、スズキを追撃する。

 インドなど新興市場で急速に増える中間所得者層をターゲットにした有力各メーカーの販売競争は激化しそうだ。

 インドを舞台にした低価格車としては、日産自動車とフランスのルノーの社長を兼務するカルロス・ゴーン氏が3000ドル(約34万円)の激安車を現地メーカーとの提携で2010年までに生産する方針を明らかにしている。(共同)

インド低価格車戦争の行方

2007年12月14日 BusinessWeek誌、東京支局特派員Ian Rowley

鈴木修スズキ会長が“3000ドル車”に疑問符

BRICs 自動車 マーケティング インド

米国時間2007年12月5日更新 「Suzuki Chief Rips Rival's India Plans」

 12月5日、日本外国特派員協会の昼食講演(東京)で、スズキの鈴木修会長(77歳)は上機嫌だった。

 高齢にもかかわらず、いつものように茶目っ気たっぷりの返答が続いた。(筆者を含む)記者団に「ご助言をありがとう」と皮肉をチクリ。スズキのインド子会社マルチ・スズキ・インディアの新社長に任命された中西眞三氏に対しては、「急拡大するインドの自動車市場で、シェア50%以下など考えられない」と檄を飛ばした。さらに「今後10年もスズキを率いていく」と意気盛んに語った。

「エアバッグやシートベルトは標準装備なのか」

 何より興味深かったのは、他社がインド市場に投入しようとしている“3000ドル車”に対し、鈴木会長が慎重な見方を示したことだ。

 インドの自動車メーカー、タタ・モーターズは、2008年1月に待望の低価格車の発表を予定している。カルロス・ゴーン氏率いる仏ルノー・日産自動車(NSANY)連合も、近い将来タタに追随する構えだ。

 鈴木会長からは、低価格車競争への参入意欲はうかがえなかった。むしろ3000ドル車の実現可能性に疑問を抱いているようだ(BusinessWeek.comの記事を参照:2007年8月24日「In India, a Big Push Into Small Cars」)。「この3000ドルという数字には、いまひとつ明確でないところがある。小売価格なのか、部品原価なのか、はっきりしない」と記者団に語った。

 低価格車の安全性や環境性能にも疑問を示した。「どの基準をいつまでに達成するつもりなのか分からない。エアバッグやシートベルトは標準装備なのか」と、鈴木会長は問いかける。

厳格な排ガス基準への適合を重視

 排ガス基準にも触れた。日本の自動車メーカーは、世界でも特に厳格な排ガス基準をクリアする方向で動いている。“超低価格”ではとても実現できそうもない。

 「現在欧州では、EU(欧州連合)指令による排ガス基準、“ユーロ3”を満たすスズキ車を販売している。まもなく“ユーロ4”適合車を発表する。2013年頃には、“ユーロ5”基準も達成する予定だ。タタはインド国内だけで発売する予定なのだろうか。輸出も視野に入れているのか。この3000ドル車については不明な点が多すぎる」(鈴木会長)

 当然、日産やタタがこの格安車でにわかに注目を集めたことを考えると、鈴木会長の発言を負け惜しみと取る者もいるだろう。

低価格車、世界戦争が本格化 背景にBRICsの急成長

2007.10.12 MSN産経新聞

 1台100万円を切る低価格車をめぐり、世界の自動車メーカーによる開発競争が本格化してきた。仏ルノー・日産自動車連合が従来比で約3割安い「世界戦略車」を投入しているほか、トヨタ自動車なども低価格車の開発を進めるなど、日本勢も負けていない。背景には中国、インドなどBRICs市場の急成長がある。世界の自動車需要の2割を占め、拡大を続ける新興国市場を「抑えなければ勝ち残れない」(メーカー首脳)との危機感が、開発に拍車をかけている。(田端素央)

   〈激安車〉

 「どうすれば3000ドル(約34万円)のクルマを作れるか、利益が出るかなどの情報を集めている」。日産のカルロス・ゴーン社長は6月、インド市場向けという3000ドル前後の“激安車”の開発に向けて調査を進めていることを明かした。

 低価格車の「先陣」を切ったのは日産と連合を組む仏ルノーだった。傘下に収めたダチア(ルーマニア)が2004年、低価格車「ロガン」を発売した。排気量は1.4−1.6リットルながらルノーとの部品共通化などでコストを削減し、6000ユーロ(約98万円)という衝撃的な価格に抑え、東欧諸国などでヒットした。

 ルノー自身もロシアやインドでロガンの生産・販売を始め、10年にはルノー・日産が共同で北アフリカのモロッコでロガンを含めた低価格車専用工場を稼働させる。同連合は「3000ドルカー」とは別に、09年をめどに排気量1リットルクラスで100万円を切る小型車を発売する計画を進めている。

  〈世界戦争〉

 ルノー・日産が意識するのはインドの財閥系メーカー、タタ・モーターズの存在。同社は08年に10万ルピー(約29万円)という超低価格車の発売を表明しているからだ。このほか、激安車をめぐってはスズキと提携関係にあるマルチウドヨグ(インド)や現代自動車(韓国)、奇瑞汽車(中国)など、アジア新興国のメーカーも侮れない存在となっている。

 トヨタや米ゼネラル・モーターズ(GM)などもこれをみて、新興国向け低価格車の投入を検討。トヨタは「エントリー・ファミリー・カー(EFC)」と呼ぶ低価格車を10年以降に商品化する計画で、「一定のめどはついた」(渡辺捷昭社長は)とする。三菱自動車も小型車「コルト」をベースにした低価格車開発を表明している。

   〈将来は〉

 将来的には、国内でも100万円を切るような低価格車が発売される可能性もある。国内自動車市場が長く低迷し、「たとえ日本でも、需要があれば他社に負けられない」(業界関係者)というのが各社の本音だ。

 とはいえ、日本勢にとってはBRICs市場の攻略が先決。国内や欧米など先進国市場が成熟化した今、販売台数の伸びが年率20%を超える中国やインドへの視線は熱い。10年までに3000ドル以下の超低価格車市場は1億台を突破するとの民間予測もある。

 各メーカーにとって最大の課題となるのは、コスト削減と品質の確保をいかに両立するかだ。ただ、日本メーカーは環境・安全などの性能面では一日の長がある。将来、新興国でも先進国並みの厳しい環境規制が導入されれば、日本勢にとって有利に働くことになりそうだ。

日産自動車低価格車を開発

2007.10.05 CS TIME

 日産自動車が2009年を目途に低価格車を開発し、市場に投入することを発表した。トヨタはベーシックカー「ヴィッツ」と軽自動車を埋めるトヨタ最小“プチトヨタ”と称して子会社であるダイハツと共同開発で「パッソ」を発売。1.0Lの3気筒エンジンに100万円前後の価格でヒットしているが、日産も従来のコンパクトカーと軽の中間的なクルマを開発しようということのようだ。

 ただ、「パッソ」と少し異なるのは価格帯をガッチリ軽自動車と同じくらいにすること。価格は80万円台を量販グレードに位置付け、上級グレードでも100万円前後にするつもりのようなのだ。この価格は日産のもっとも安い軽乗用車である「ピノ」(写真)とほぼ同じであり、これまでの日産の普通車で一番安かった「マーチ」の「12S」よりも25万円は安い計算となる(80万円台後半の場合)。(「マーチ」にはこれより安い「12B」というグレードもあるが、これはビジネス向けのグレードのため除外する)この新型車に搭載予定のエンジンは、1.0Lから1.3Lとのことだ。トランスミッションはさすがに3速ATということはなく、4速ATまたは5速マニュアルといったところだろう。贅沢を言えばCVTを採用して欲しいところではある。

 景気は上向き、大企業は軒並み史上最高益を上げているなんて言われているが、それは人件費削減の賜物。サラリーマンの給料は9年?連続減少している。派遣社員やフリーターの増加、年収300万円ならまだしも100万円台なんて人も珍しくない昨今、クルマもどんどんダウンサイジングの傾向にある。これに追い討ちをかけるようにガソリン高だ。私の住んでいる奈良市でもレギュラーガソリンは1リットル143円程度(昨日の時点)。3〜4年前は105円くらいだったのに・・・。経済性の高い軽自動車が売れるのも当然といえば当然なのだろう。

 日産の販売店でも販売の20%あまりが軽自動車で、それをすべてスズキと三菱からのOEMとしている日産としては販売店には利幅はあっても、本社にはほとんど利益をもたらさない。このまま軽自動車頼みの国内販売では当然よろしくないわけで、だったら軽自動車と十分に戦える純日産製の車種を用意しようという流れになるのは理解できる。最近のコンパクトカーは乗り心地もいいし、装備もいい。燃費だってよいのだが、それでもやっぱりけっこうするんですね。例えば、「マーチ」や「ノート」は価格設定は割安なのだけど、実際買おうとすると諸経費込で160万円とかになってしまう。80万円台の軽なら100万円+で買えちゃいます。当然税金などの優遇はないが、軽としては高い部類に入る「モコ」などより安くて、走りや室内空間にゆとりのある100万円以下の普通車があったら、こっちの方がいいなと思う人も多いはず。

 もともと、日産には親会社ルノーの発展途上国向けの車種に「ダチア」という廉価車種がある。これが確か1.4Lエンジンを搭載して、60万円とか70万円で売られていた。もちろん、日本の最新コンパクトカーのレベルではないだろうが、作ろうと思えば作れないクルマではない。現時点ではどのプラットホームを使うのかなど詳しい情報は入っていないが、「マーチ」などのBプラットホームではなく、このようなさらにコストがかからないプラットホームを起用する可能性もある。エンジンはCR型の1.0Lと1.2Lあたりになるだろうか。「エッセ」や「パッソ」のようにデザインを上手にやって、装備も必要最低限にすれば、けっこう売れると思う。

 しかし、興味深いのは日産自身があくまで普通車で勝負をし、軽自動車を自社開発しない点である。軽が売れているのであれば、日産自身が軽を作るという手もあるだろう。実際これだけ販売実績を残しているのだから、軽自動車用のプラットホーム、エンジンを開発しても採算が取れそうな印象はある。だが、それをやってしまうと本当に軽がメインになってしまう可能性があり(マーチクラスが売れなくなる)、慎重なのかもしれない。

ルノーのモロッコ工場は国際市場に

2007年09月10日 マグレブアラブ通信社

低価格の車を供給するための拠点(ルノーCEO)

 〈パリ、9月10日〉ルノー・日産グループの最高経営責任者であるカルロス・ゴーン氏は、モロッコに設立する予定の工場は、同グループの国際市場に低価格の自動車を供給するための競争力を強化するだろうとし、「西ヨーロッパの工場では同様のパフォーマンスを達成することは不可能」だと述べた。

 ゴーン氏は「現在、ルノー・日産グループは低価格の部品の生産能力が十分ではないため、モロッコに工場を建てることを決めた」と、フランスのRTLラジオ、日刊紙『フィガロ』、ニュースチャンネルのLCIの9日の共同インタビューで語った。

  ルノー・日産グループは、モロッコ北部のタンジェに位置するフリーゾーンで6億ユーロの工費をかけてプラントを建設する。同プラントは2010年までに20万台の自動車を生産、さらに最終的に40万台まで生産能力をあげることができるとしている。

 このプロジェクトによって、6000人の直接雇用と3万人の間接的な雇用が創出されることとなる。主にルノーの低価格車「ロガン」と、ルノー、ダシア、日産の商業用車両が生産され、うち90%が輸出される予定。

超低価格車競争が本格化…ルノー日産、モロッコに工場

2007/09/04 arsivi.com (FujiSankei Business i.)

印、中、日、韓、米、二輪勢も参戦

 1台3000ドル(約34万円)以下の超低価格車市場をめぐる競争が本格化してきた。仏大手ルノーと日産自動車が先週末、北アフリカのモロッコに年産20万台規模の低価格種専門工場を建設すると発表し、低価格車を事業の柱に据える戦略を鮮明にした。ルノーと並び同市場で一歩先行する印タタ・モーターズなど自動車メーカーだけでなく、二輪車メーカーも参入機会をうかがっている。

 ≪新興国向け着々≫

 ルノーの新工場はモロッコのタンジールに最大10億ユーロ(約1577億円)を投じ建設。2010年4〜6月期に稼働する。

 ルノーの低価格戦略車「ロガン」や日産の1万ドル(約116万円)前後の低価格トラックなどを当初年産20万台、最終的には40万台生産し、大部分をインドや中国、ロシアなど新興経済国に輸出する。ルノーはインドでも印大手マヒンドラ・マヒンドラと合弁でロガンやスポーツ多目的車の工場を建設しているが、モロッコ工場建設で低価格小型車戦略を強化する。

 カルロス・ゴーン社長は、3000ドル以下の低価格車開発を優先課題として掲げている。米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、左右同じ形のバックミラーや平らなフロントガラスの採用などさまざまなコストダウン技術によって、ロガンの事業で6%以上の営業利益率を確保する考えだ。

 同市場をめぐっては、ルノーと並び、タタ・モーターズが先行している。同社のラタン・タタ会長は08年1月までに10万ルピー(約30万円)の低価格小型車を開発する考えを表明。伊フィアットとの提携で、当初、年間で10〜25万台を生産するとみられている。

 開発競争ではこの2社に、スズキ・グループの印大手マルチ・ウドヨグ、韓国の現代自動車、米クライスラーと中国の奇瑞汽車連合など、低価格車を得意とするアジア系メーカーが続いている。

 トヨタ自動車やホンダ、ゼネラル・モーターズ(GM)など日米大手も新興国向けに低価格車を投入する計画を表明しているが、新興国市場で主戦場になる3000ドル以下の価格帯にどこまで近づけるかは未知数だ。

 ≪次代の覇者占う≫

 中国を上回り最大の低価格車市場になるとみられているインドでは、ホンダ・グループのヒーロー・ホンダやバジャジ・オートなど二輪車大手が低価格四輪車の開発を検討している。

 インドの道路は未整備なうえ都市部では混雑しているため二輪車は人気があるが、3000ドル以下の低価格車が販売されれば、二輪車利用者の4分の1が低価格車に乗り替えるとみられており、二輪車業界にとっては死活問題になるからだ。

 新興国メーカーが低価格車開発に積極的なのは、欧米や日本など先進国市場の安全・環境規制への対応が困難なことが一因だが、プライスウォーターハウス・クーパース(PwC)は調査リポートで「低価格車開発で培ったコストダウン技術は全車種に適用できる」と指摘。低価格市場を制したメーカーは将来的に世界の自動車市場の主導権を握る可能性がある。

 PwCは3000ドル以下の低価格車市場が2010年までに1億台を突破すると予測している。(佐藤健二)

日産・ルノー、モロッコに工場新設へ 2010年稼働

2007年09月01日 arsivi.com (asahi.com)

 日産自動車は1日、親会社の仏ルノーと共同出資で、モロッコ北部に工場を新設すると発表した。2010年に稼働、ルノーの世界戦略車「ロガン」の車台を使った低価格の乗用車や、日産が新開発する小型商用車を年間20万台生産。9割をアフリカや欧州諸国に輸出する。生産能力は将来は40万台まで拡大する。

 カルロス・ゴーン社長が同日、現地政府との覚書に署名した。総投資額は6億ユーロ(約946億円)で両社の出資比率などは年末までに決める。

日産ゴーン社長、インドで低価格車生産の可能性を示唆

2007年06月27日 AFP BB News 発信地:バンコク/タイ

【6月27日 AFP】日産自動車(Nissan Motor)と仏ルノー(Renault)の社長を務めるカルロス・ゴーン(Carlos Ghosn)社長は27日、インドで1台3000ドル(約37万円)規模の低価格車を生産する可能性に言及し、その場合、提携相手はマヒンドラ・アンド・マヒンドラ(Mahindra)となることが「自然」だと語った。

 ゴーン社長はタイの首都バンコクで記者団に対し、「生産できるとすれば、インドでだろう」「生産できれば、ルノーと日産のためとなるだろう」と語り、「マヒンドラが当然の提携相手となる」と付け加えた。

 ゴーン社長は20日、神奈川県横浜市で開かれた定時株主総会の後、世界で最も急速に成長しているインド市場で、中級車に続き、低価格車を生産する環境が整った」との見方を示した。さらに、「あるインドの自動車メーカーが、すでにこのような低価格車を来年製造する計画を発表した」と述べた。

 一方でゴーン社長は、「現在は、可能性を調査している段階にとどまっている」とし、ルノーは依然、4月にインドで発売された低価格車「ロガン(Logan)」の販売に的を絞っていると語った。(c)AFP

日産、インド向け超低価格車開発で調査中=ゴーン社長

2007年06月20日 REUTERS

 [横浜 20日 ロイター] 日産自動車7201のカルロス・ゴーン社長は20日、横浜市内で開いた株主総会後に記者会見し、インド市場向けに3000ドル台の超低価格自動車の開発が可能であるか調査中だと明らかにした。

 インドのタタ自動車TAMOが来年、この価格帯での自動車の発売を計画しており、ゴーン社長は「日産もこの競争に参入するつもりだ」と意欲を示した。ただ、具体的な時期は示さなかった。

 ゴーン社長は会見で「どのように3000ドル台の車を造れるのか、どのような姿になるのか、条件はどうかなど情報を収集している」としたうえで、日産が3000ドル台の開発に乗り出す場合、筆頭株主のルノーRENAや現地企業とのパートナーシップを通じたものになる公算だと語った。 

 ゴーン社長がCEO(最高経営責任者)を兼務するルノー・日産連合は、昨年、米自動車最大手のゼネラル・モーターズGMとの戦略提携を模索したが実現しなかった。他の自動車メーカーとの提携についてゴーン社長は「現在、どことも交渉していない。他のブランドの買収にも関心はない」と述べた。

 中期計画と同時に示してきた配当政策について同社長は、2008年度以降となる次期中期計画に合わせて「引き続き魅力的で、金額を明示した配当政策を発表する」と述べた。 

 株価がトヨタ自動車7203やホンダ7267に大きく見劣りすることについて、ゴーン社長は「多くの株主にとって日産の長期的な展望が見にくいことが影響している」との認識を示した。ゴーン社長は会見に先立つ株主総会で「日産株は過小評価されている」と強調し「全面的にこれに対処していく」と述べた。

フォルクスワーゲン、超低価格車開発へ

2007.06.11 WebCG -IKKEI NeT

■ フォルクスワーゲン、超低価格車開発へ

 近年、高級路線を進めてきたフォルクスワーゲンが、低価格車の開発に意欲を示した。背景には、先にご紹介したルノー系列の低価格車、「ダチア・ローガン」の大ヒットがあるらしいのだが……現地ドイツからのリポート。

■高級から一転、チープ路線へ

 独フォルクスワーゲンのヴィンターコルン社長は、ドイツの業界紙「アウトモビールヴォッヘ」のインタービューで、低価格車の開発を発表した。同社の最廉価モデル、ブラジル生産の「フォックス」より安いという。量産予定は2009年。ドイツ国内価格は、7000ユーロ台になる見通し。邦貨にして約110万円という計算になる。ユーロ高のため高く感じられるかもしれないが、ドイツ新車市場で最も安い価格帯だ。

 さらに、チェコに拠点を置く子会社「シュコダ」はインド、ロシアなどの市場に向けて6000ユーロ台(アウトビルト紙によると5000ユーロ台)のモデルを開発している。ベースは最近発売されたファビア。東ヨーロッパで販売する可能性はあるが、ドイツなど西ヨーロッパでの発売予定はないという。

 ここ数年間、高級路線を追求してきたフォルクスワーゲン社の明らかな戦略変更。その理由は、フランスのルノー社の低価格ブランド「ダチア」の成功にあると思われる。

  ■噂の「ダチア・ローガン」とは

 共産党時代、ルーマニアの国営企業だったダチア(Dacia)は、1968年に「ルノー8」の組み立て事業で発足。1978年にルノー社とのライセンス契約を解約して以来、当時生産していた「ルノー12」ベースのクルマを作り続け、70年代の技術を、1999年にルノー傘下になった後も2005年まで活かし続けた。

 ダチア社はルノーの技術を用い、ルノーの小型車「クリオ」(日本名「ルーテシア」)を参考にして、東欧向けの低価格車を開発。2004年、5000ユーロ程度でルーマニアとその隣国で発売した。これが、「ローガン」(Logan)である。 保守的なデザインのセダンで、大きさはコンパクトクラスだが「クリオ」より大きい。西ヨーロッパにはない価格帯でチョット大きめというキャラクターに、ドイツの消費者は興味津々だった。

 当初ルノーは、「ローガンを西ヨーロッパに売るつもりはない」と発表していたが、すぐ西ヨーロッパへの非公式の輸出が始まった。その後、西ヨーロッパ向けの多少アップグレードしたバーションもつくり、ドイツでは約6000ユーロ(税込7200ユーロ)から販売された。

 ルーマニア仕様にはないABSなど、西ヨーロッパで欠かせない装備が付けられた。ルノーのディーラーで販売される。「LOGAN by RENAULT」の表記で、そのブランドのつながりを示した。

 「ローガン」のつくりそのものは非常にチープ。特にはじめは、ルーマニアの粗悪なタイヤ品質のせいか、「制動時に危険だ」との評価を受け、販売数は予想通りに伸びなかった。

 その後、問題点を改善し、今では徐々に数字も伸びはじめている。ドイツ国内では、2006年の登録台数が前年比207%(!)。さらに、2007年4月までの数字を計算すると、220%の伸びと予想できる。

 ワゴン版「ローガンMCV」の発売も追い風だ。ベーシックモデルにはパワステすらないローガンだが、「走れれば良い」というドライバーにはぴったりなクルマといえる。

 このローガンの成功を見て、「安価な国民車」がラインアップされていないフォルクスワーゲンも戦略を改めたようだ。

 時代遅れのイメージのダチアより断然にウケがいいフォルクスワーゲン。ローガンと同じ価格帯のクルマを出せば、爆発的に売れることが予想される。 期待して、そのデビューを待とうではないか。 (文と写真=廣川あゆみ)

現代車「超低価格車を開発中」

2007.05.11 中央日報 金泰ジン(キム・テジン)記者

現代(ヒョンデ)自動車の金東晋(キム・ドンジン)副会長が11日、「500万ウォン(約65万円)前後の超低価格車を開発している」と明らかにした。

金副会長はこの日、ソウル三成洞(サムソンドン)インターコンチネンタルホテルで開かれた「第4回自動車の日」記念式で、「現在、中国合弁会社の北京現代車と現代車南楊(ナムヤン)研究所で超低価格車を開発中」と述べた。 また「(ルノー日産の)ローガンをはじめ、外国先進企業が5000−1万ドルの超低価格車を開発中で、これに対応しなければならない」と付け加えた。

現代車は年初、北京現代車で300万−500万ウォンの超低価格車の開発に着手した。 中国・インド・東南アジア・中南米など新興市場を狙った車で、プロジェクト名は‘RB’。 この車は起亜(キア)車の1000cc小型車「モーニング」の車体を基本に製作する。

エンジン排気量は1000cc級で、これまで米国輸出基準に合わせて開発してきた安全・耐久性基準を大幅に緩和する。 中国現地でほとんどの部品を調達し、エンジンなど保証期間も現在より短縮する。

この車は2010年から中国で基本モデルを基準に3万−4万元(約375万−500万ウォン)、自動変速機など各種オプションを追加しても5万元(625万ウォン)を超えない価格で販売する計画だ。

現代車は今年第1四半期、中国で低価格車攻勢に押され、02年の中国進出以来初めて売上高が減少(−3%)した。

ルノーの超格安車、ロガンを南米でも発売!

2007年05月01日 car mode

ルノーが低価格を売りにする世界戦略車「ロガン」をアルゼンチン、ブラジルでも販売を開始すると発表した。ロガンはこれまでにインド、ルーマニア、中国など世界各国で販売されている人気車(現地生産も盛ん)で、年間45万台程度の販売台数を記録している。いわば、「ルノーの隠れたドル箱的存在」といったところだろう。

ブラジル、アルゼンチン向けのロガンはブラジルで生産されるのだが、その生産工場は「アイルトン・セナ・コンビナート」なのだ。このことはブラジルの人々だけならず、日本人にとっても感慨深いだろう。考えてみれば、セナ選手が最後に乗っていたマシンは“ウィリアムズ・ルノー”。ブラジルの人々にとっては「セナ選手の名前の付いた工場で生産されたクルマに乗っている」という誇りも持てるのではないだろうか。「アイルトン・セナ・コンビナート」で生まれたロガンが多くの人たちに幸せや喜びを運ぶことを期待したいところだ。(永田)

30万円の激安車を世界に ゴーン社長も挑むモノ作り革新

2007年05月01日 BusinessWeek

激安車を作るのは、中国やインドなどの新興メーカーに限らない。

ルノー・日産のゴーン社長も「30万円カー」の開発に向けて疾走する。

ロシアからブラジルまで輸出先は広く「この世はすべて舞台」となるか。

 安いというのは、どれくらい安いのか。仏ルノー・日産自動車CEO(最高経営責任者)のカルロス・ゴーン氏は、自動車にとっての魔法の数字は3000ドル未満だと考えている。4月4日のインド工場開設式典で、彼は業界の次の課題について熱弁を振るった。2500ドルで売れるような次世代のクルマである。

 2500ドルという価格は今市販されている最も安い小型車より約40%安い。2003年に2500ドルの格安車を作ると発表したインドのタタ・モーターズは来年発売にこぎ着ける。ルノー・日産はタタの挑戦を受けて立つ最初のグローバルな自動車メーカーだ。両社が先導する価格競争は自動車業界に100年前のT型フォード級の影響を与える可能性がある。

 世界の自動車メーカーは欧米や日本で成長鈍化に見舞われ、新たな成長機会を求めて新興市場を狙い始めた。これは、普通なら2輪車しか買えないような買い手向けにクルマを作り直すことを意味する。時代遅れの簡易なモデルでは用を成さない。需要が急増しているのは、格安な値段で現代の快適さと安全性を兼ね備えたベーシックなクルマだ。

仏ルノーの格安車が成功

 近代的で余計な装備を省いたクルマの開発競争は、サウスウエスト航空やジェットブルー・エアウェイズが旅行業界に、H&Mやザラがファッション業界にもたらしたような革新を自動車業界にもたらすだろう。

 低価格化の流れは超小型車からSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)まであらゆる車種に及ぶ。

 ルノーは既に機能を絞り込んだ「ローガン」を大ヒットさせた。同社は2004年に7200ドル(競合車より約40%安い)のローガンを欧州で発売して以来、51カ国で45万台販売した。ローガンを生産するルーマニアのダチア工場とロシアの新工場は24時間体制でフル生産しているが、需要に追いつかない。

 インドで合弁生産するアジア向けの3000ドルのクルマが次のステップとなる。「今のグローバルな自動車メーカーの弱点は基本的なニーズを格安の値段で満たす車種を提供できないことだ。こうした技能を持つ人はインドと中国にいる」とゴーン氏は言い切る。

 こうした認識が今、業界の巨人を襲っている。タタが2500ドルのクルマを作ると宣言した時、西側メーカーは4輪自転車と嘲笑した。今は笑うどころではない。タタのクルマは本物で、33馬力のエンジンを積み、最大時速80マイル出せる。試作車を見たことがある一握りの業界関係者によると、デザインも悪くない。

 カギを握るのは低賃金のインド人エンジニアの存在と、コストを極限まで削る彼らのスキル、長年低所得者層にモノを売る中で磨き上げられた能力だ。「座席、素材、部品など全面的にコストを削らなくてはいけない」とタタグループのラタン・タタ会長は言う。

 潜在顧客には不足しない。今後十数年で中国、インド、ブラジル、ロシアの何億人もの人が中流階級になり、クルマを買うようになる。その結果、世界の自動車市場が2極化。高級車が成長を続ける一方、安いクルマが台頭し、その他は食われていく。ローランド・ベルガー・ストラテジー・コンサルタンツによれば、2012年までに1万ドル以下の自動車の市場は年間1800万台に達する見込みだ(現在は1200万台)。 以下略

インド自動車産業の「実力」を考える---「中国」との比較から見えてくるもの

2007/03/19 Tech-On! 藤堂 安人

 先々週の2月28日,日経Automotive Technology誌の主催で,「AUTOMOTIVE TECHNOLOGY DAY 2007 winter --- グローバル競争を勝ち抜く部品メーカーの課題」というセミナーを開催した。その冒頭で,東京大学 ものづくり経営研究センター 特任研究員の伊藤洋氏に「インド自動車産業の動向」というタイトルで講演いただいた。最新のインドおよび製造業の状況を,豊富な体験と調査に基づいたデータおよび生々しい写真で紹介してくださった。時にはジョークを交えながらの軽妙な語り口に,筆者も「インド世界」に引き戻されたような感覚に襲われた。

 筆者が初めてインドの地を踏んだのは1977年3月,インドヒマラヤ(カシミール)にある山に仲間二人と登るためであった。標高6000mに満たない低い山だが氷河も抱え,ヒマラヤ初心者が手軽に登るにはうってつけだと思ったからだ。登山のルートや雪の状態などについては念入りに調べたが,「下界」についてはその当時,まったく興味がなかったのでインドそのものについてはほとんど知らない状態だった。しかもはじめての海外旅行…。

 最も安く目的地まで行くために,バンコク経由でまずコルカタ(カルカッタ)に入った。山の道具が入った大きなザックを担ぎピッケルをもった二人を待ち構えていたのは,膨大な数のタクシーの客引きだった。勝手にザックを持っていこうとするもの,手や服を引っ張ってどこかに連れて行こうとするもの,さらにはなにやらものを買えとか,お前の持っているものを売れとか,「バクシーシ(お恵み)」をよこせとか…。いろいろな人にもみくちゃにされながら,ひたすら前に進むことに集中して群集をかき分け,やっとリムジンバスの座席に落ち着いた。やれやれと一息ついて,ふと目をバスの外に向けると,驚くべき光景が広がっていた。こんなに驚いたのは,筆者のこれまでの人生のうちでも何度もない。これが「カルチャーショック」というものかと思った。

クルマ,リキシャ,牛,そして人,人,人…

 道一杯にクルマ,オート三輪,リキシャ(自転車で引くタイプの人力車),牛車,牛とかロバとかラクダとかの様々な動物,そして頭に大きな荷物を乗せて悠々と歩く人,人,人…。そこには様々なものがあふれかえっていた。クラクションが鳴り響き,怒鳴り声があちこちで飛び交う。50℃近い炎天下,人や動物やクルマが道路という「るつぼ」の中でエネルギーの塊となっている感じだった。あっけにとられて見ているとある運転手が,「チョロ!チョロ!」と叫んでいる。あとで聞いたら「あっちに行け!」とか「どけ!」という意味だった。筆者がインドで一番最初に覚えた言葉だ。それ以来,インドと言えばまっさきに連想するのは,「るつぼ」のような道路の喧騒と「チョロ!」という怒号だ。

 筆者はここ20年ほどインドを訪れていないが,伊藤氏の講演で最近の交通状況を写真で観させていただいて,かなり4輪車の比率は増えたももの,道一杯に様々な乗り物がひしめく様子は基本的には変わっていないようであった。相変わらず牛も悠々と歩いているという。ただし4輪車が増えた分,交通事故も増えている。伊藤氏は,「1回のインド行で(タクシーなどの乗車で)2〜3回は追突される。喧騒の中からホテルに帰ってくると『今日も無事生きて帰ってきた』とホッとする」と語っていた。そしてそのホテルの2階から見た街の様子を映した写真には,筆者が20年前見たものと同じスラム街の光景が広がっていた。

「中国のチャイナドレス」と「インドのサリー」

 そうしたインドの生の姿の紹介のほかに,伊藤氏の話を聞いていて興味深かったのが,インド人と中国人の気質の比較である。サリーを着たインド人女性とチャイナドレスを着た中国人女性の写真を見せながら,インドのサリーにはサイズというものがなく,やせても太っても着れる便利な服で,インドの偉大な発明だと言う。これに対して,チャイナドレスは,購入後に太ってしまったら着ることができない。ここらあたりにも,変化に対してのんびり,ゆったりしているインド人と,変化に対して敏感な中国人の気質の違いが表れているのではないかと伊藤氏は語る。

 「悠久の国」とも言われるインドでは,時間がゆっくり流れている,というイメージを筆者も持っていた。しかし,1990年代に入ってからの規制緩和と自由化以来の経済発展に伴う変化は,中国にもひけをとらないほど大きなものである。GDPの成長率は10%近く,IT産業や自動車産業の状況は「1週間行かないと様子が変わっている」(伊藤氏)というほどだ。インド社会は,変わらない部分を残しながらも,一部の産業が猛烈な勢いで走り始めたということのようである。

 産業の発展に伴い,日々の暮らしにも事欠くような貧困から抜け出せる人たちも増えてきている。現状では,貧困層は人口の7割以上を占めるが,この比率は急速に減っており,中間層や富裕層が増えているという。インドには,48万ルピー(126万円)以上の年収を得ている富裕層および「中の上」の層は,1700万世帯,8000万人にのぼる。これらの余裕のある層の中から乗用車を購入するものも出てきている。

「見栄っ張りの中国」と「利便性重視のインド」

 乗用車の購買行動にもインドと中国では意識の違いがあると伊藤氏は言う。中国人は一般的に,前回の本コラムでも見たように高級車志向で「見栄っ張りである」(伊藤氏)。これに対して,インド人が乗用車を選択する際に最も重視するのは燃費らしい。これはガソリン価格が高いという事情もあるが,自動車に対してより実用性や利便性を重視するインド人の気質が表れているとする。

 この結果,インドではスズキの子会社であるMARUTI UDYOG社が製造する軽自動車が売れており,中国では余裕のあるものは欧米・日本メーカーの高級車を,余裕のないものは高級車に似せたローカルメーカーのクルマを購入する。

 また,インドの富裕層の考え方を示す例として伊藤氏はあるエピソードを紹介した。インドのある大手企業の社長を日本に招待した際,空港でハイヤーを用意したにもかかわらず,それを断わり,リムジンバスを使って都心にやってきたのだという。その社長は実はケタ外れの富豪であるが,「充実した公共交通網があるのになぜわざわざハイヤーを使うのか」と語ったのだという。

「文化大革命の中国」と「カースト制のインド」

 これらを聞いていて筆者は,「見栄を張ることを迫られている中国人」と「見栄を張る必要のないインド人」という違いはどこから来るのかと考え込んでしまった。前回の本コラムで述べたように,中国では文化大革命のために既存の権威や絆が破壊され,その代わりに自らのポジションを示す必要,つまり見栄を張る必要に迫られている。これに対して,インドでは「カースト制」に代表される伝統的な社会システムが一部残っていて,これによって自らのポジションが固定されているので見栄を張る必要がもともとない,ということではないかと思った。

 ちなみに講演後の質疑応答で筆者は伊藤氏にカースト制の状況について質問した。同氏は,法律的にはカースト制は既に廃止されているが,社会的には日本人が見ただけでは分からないところで,厳然として存在しているのだという。ただし,大手の自動車メーカーやIT系企業では,カースト制にまったくとらわれない人事を採用し始めており,徐々にだが実質的な廃止の方向に向かってはいるとのことだった。

 先ほどインドには,「急激に変わっている部分」と「変わらない部分」があると述べたが,カースト制が「変わらない(変えられない)」ものだとしたら今後の経済発展を阻害するものとして立ちはだかるのではないかと筆者には思えた。

 インドには,地域共同体の助け合いの精神のような,よき社会システムの伝統がまだ残っていると聞く。「カースト制」のような悪しき伝統はなくし,相互扶助のような良き伝統だけ残すようなような取捨選択を進められるかどうかが今後のインドの発展を左右するような気がしてならない。

「経済発展重視の中国」と「経済+環境のインド」

 さて,「見栄を張らない」インド人が低価格化と利便性を追求した究極のクルマが,インドのローカル自動車メーカーであるTata Motors社が開発中の,価格25万円の「People's car」である。2500万世帯,1億人にのぼると見られる中間層(年収12万〜48万ルピー=31万〜126万円)を狙ったものだ。

 低価格であることや利便性を追求したという以外に,筆者が感心したのは,Tata Motors社は「People's car」の開発にあたって環境対応を方針に掲げていることであった。今後インドや中国にいる膨大な数の貧困層の方たちがクルマを持つようになると,地球環境面でも資源面でも限界が来る。インドの自動車メーカーはそうした問題にも取り組んでいるようである。

 そしてインドと中国政府が発表した自動車政策(オートポリシー)を比較してみると,その違いがはっきりすると伊藤氏は言う。中国のオートポリシーは,グローバル化が進展する中で,自動車の生産量を拡大して,中国経済の発展に貢献しようという狙いが色濃く出ているという。これに対して,インドのオートポリシーは経済発展に貢献しようという面は同じなのだが,地球環境問題に取り組む姿勢を強く出しているところが中国とは違うところだと言うのである。

 インドと中国の比較ということでは,伊藤氏は時間がなかったためか講演では言及しなかったものの,講演資料の中にあった,東京大学 ものづくり経営研究センターおなじみの「擦り合わせ・組み合わせ」のアーキテクチャー論についての記述も興味深かった。

「『擬似』オープンモジュラーの中国」と「クローズド・インテグラル型『志向』のインド」

 中国の自動車産業は,先ほど述べたような高級車志向もあって,欧米・日本のクルマをコピーすることからスタートした。その際に中国メーカーがユニークなのは,欧米・日本の部品メーカーが自動車メーカー向けに開発した専用部品をコピーして汎用部品化してカタログにまで載せ,汎用部品の組み合わせで作れるようにした点である。擦り合わせ(インテグラル)型のアーキテクチャを持った製品の専用部品を汎用部品化し,オープン型のアーキテクチャに変えているわけで「疑似オープンモジュラー型」と呼ばれている。しかし,もともと擦り合わせによって品質を上げているものを無理やりモジュラー型にしている。このため,例えばあるローカル自動車メーカーでは部品の形状はコピーできても公差まではコピーできないために,組み立てラインには木槌がたくさん置いてあって,はめ合い部分を叩き込んでいるのだという(藤本隆宏著『日本のもの造り哲学』日本経済新聞社,第6章「中国との戦略的つきあい方」参照)。

 中国の自動車産業は今後,「疑似オープンモジュラー型」と呼ばれる状況から「疑似」をいかになくしていくかが問われる。すなわち,パソコンのように高度なモジュール間のインタフェースをどのように確立するのか,それが焦点となる。これが成功するかどうかには,自動車のカーエレクトロニクス化とソフトウエア化がどの程度進展するかが大きく影響してくるように思う。

 これに対してインドの自動車産業は,異なる道を歩んできた。当初,自由化以前の社会主義的な政権下で,クローズドなマーケットで地場産業を育てる政策が採られた。その後インドは自由化により,積極的に外資導入に踏み切る。そして乗用車のトップシェアはスズキの子会社となった。ただ,その一方で現在でもローカルメーカーのシェアは27.6%もある。2輪車・3輪車にいたっては48.4%にのぼる。このようにクルマのものづくりの基礎がしっかりあることが中国と違うところだ,と伊藤氏は見る。こうした独自性により,インドの産業構造は「クローズド・インテグラル型」に移行しつつあるということだ。

 しかしインドのローカルメーカーのクルマのものづくりの現場を見ると,日本レベルの「クローズド・インテグラル型」にはほど遠いようである。伊藤氏は講演で,あるローカルメーカーのプレス成形ラインの様子を写真を交えて紹介した。プレス成形ラインを取り囲むように多くのワーカーがいるが,手作業でバリ取りをしているのだという。人海戦術でバリ取りをしているために,生産台数が多くなればなるほど人が増えることになる。

「餅つき」のようなプレス成形ライン

 またある写真ではプレス成形金型の下型の上にワーカーがあぐらをかいて座ってなにやら作業をしている。その直後に上型が降りてくるが,ワーカーが慣れた様子でヒョイっと避けるのである。成形後,型が開くと再び中に入り込んで作業する。伊藤氏は,まるで餅つきの「合い取り」(水を手につけて杵つきの合間に餅を返すこと)のようだったと言う。

 ただしインドの自動車産業の向かう「方向」から見て,このような危険で前時代的な状況は早々に改善に向かうだろう。カーエレクトロニクス化やソフトウエア化の動向にもよるが,乗用車はここしばらくインテグラル型が優勢と見られる。そうなると,インドの自動車産業の実力は中国のそれをしのぐ可能性がある,ということかも知れない。

 そしてさらに思うのは,筆者が30年ほど前にインドの街角で感じた貧困層のエネルギーが「ものづくり力」に転化したとき,インドの自動車産業は大きく花開くのではないか,ということである。


インド、悩まずに購入1番人気はスズキ

2006年11月02日 CARVIEW

 CS(顧客満足度)に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関であるJ.D. パワー アジア・パシフィック(以下、J.D. パワー)は、2006年インド自動車エスケープド・ショッパー(Escaped Shopper)調査の結果を発表した。

 この調査は、消費者が当初検討したクルマの購入をやめて別のクルマを購入した理由を分析するもので、48の理由を明らかにしている。2回目となる今年の調査は2005年9月から2006年3月の間に新車市場において乗用車および多目的車を購入した消費者を対象としている。2006年3月から5月にかけてインドの主要15都市で面接調査を実施し2150人以上から回答を得た。調査に含んだのは9メーカーの23車種。

 それによると、購入をやめた理由は、男性は価格・ローン、女性はスタイリングが多いことが判明した。なお、自社のモデルを顧客に購入させることにもっとも成功していたのはマルチ・スズキで、同社のモデルを検討した人のうち約45%が実際に購入していた。また、インド新車市場のメーカーのなかで、ヒュンダイ、タタ、トヨタの顧客の多くが購入前に他社のモデルを検討したのに比べ、シュコダ、マヒンドラ、シボレーの顧客はその割合が少なかった。

ダキア・ロガン/ルノー・ロガン/ニッサン・アプリオ/マヒンドラ&ルノー・ロガン/イランホドロー・トンダーL90

2006年09月28日 ありちんの世界の車

 ルーマニアの自動車メーカー、ダキア(ダチアとも発音します)の主力乗用車で、セダン/ステーションワゴン/ピックアップトラックなど多数の派生モデルが存在します。ダキアはフランスのルノーの子会社です。そのため、ロシア・南米・アフリカなどの地域においてはルノー・ロガンとして、またメキシコではニッサン・アプリオとして発売されます。

 ヨーロッパでは自動車は税金等の関係でけっこうな高級品であり、例えばVW・ポロやトヨタ・ヤリス(日本名:ヴィッツ)やプジョー206などでだいたい1万1千ユーロ(日本円換算で実に約160万円!)から始まります。ルノーのゴーン社長はこの点に目をつけ、ルーマニアの子会社ダキアに、とんでもない破格の自動車を製造させました。それがこのロガンです。

 そのお値段、なんと6千ユーロ。その代わり装備がひどくて、窓はパワーウィンドウでなく昔ながらの手動でコキコキとハンドルを回すタイプですし、安全装備のABSも装備されていないなど、本当に走るだけの乗用車です。それでも、この安さゆえに欧州ではかなり売れているようです。東欧を含む欧州各国に輸出されています。また、このロガンはヒット作となったため、現在ではワゴンタイプなどの派生車も製造されています。プラットフォームはルノーBプラットフォームを用いており、日産・マーチなどと同じものを用います。

 ちなみに気になる安全性についてですが、イギリスの自動車番組TopGearで時速65km/hで無理な制御を行ったところ横転してしまったという実験結果があります。

 なお、インドのマヒンドラ&マヒンドラとルノーが合弁で、またイランでもイランホドローがルノーブランドでこのロガンを国産化することとなっています(もうカテゴリーが満杯でマヒンドラやイランホドローに振り分けられません)。

データ:直4・1400cc(75ps,11.5kg-m)、5MT・FF駆動、全長4.25m/全幅1.74m/車重0.98t、価格:6千ユーロ、参考燃費:14.7km/l。

現代車、インド工場の生産台数を60万台に拡大2006.02.09 中央日報 金承鉉(キム・スンヒョン)記者

現代(ヒョンデ)自動車は08年までにインド工場の生産規模を現在の年間28万台から60万台に増やすと、9日、明らかにした。

現代・起亜(キア)車グループの鄭夢九(チョン・モング)会長はこの日、インド南部チェンナイにある現代車インド工場を訪問し、「中国とともに新しい巨大市場として注目されるインド市場の成長に対応して、生産規模を60万台に増やす計画」と述べた。

現代車は現在28万台を生産している第1工場を今年中に30万台に拡大し、現在18%水準のインド内需シェアを20%以上に押し上げる計画だ。 現代車はまた、年間30万台を生産できるインド第2工場を来年10月に完工することにした。

現代車はインド工場の増設を通じて、中国・北京、米アラバマ、トルコ・イズミットの圏域別生産拠点とともに4大核心グローバル生産体制を整える計画だ。

ルノーの3四半期決算、ロガンとルノーサムソンが躍進

2005年10月27日 Response

 ルノーが発表した2005年第3四半期(1−9月期)の連結決算は売上高が前年同期比2.9%増の308億6600万ユーロとなり、増収となった。低価格車『ロガン』などの販売が好調だった。

 新車販売台数はルーマニア、ロシア、モロッコ、コロンビアで生産している低価格車ロガンが大きく販売を伸ばしたほか、ルノーサムソン自動車の『SM5』、『SM7』に加えて『SM3』の販売が順調で同3.4%増の192万9723台だった。

 西欧の販売台数は同2.1%減で、シェアは前年同期よりも0.3ポイント減の10.7%だったものの、西欧以外の販売が同11.2%増だった。ルノーサムソンは同43%増だった。

 販売金融部門の売上高は同0.9%減の14億1600万ドルだった。《編集部》


ルノー・ロガン

2004年12月02日 GROOVY DIARY

 ルノーが5000ユーロ(約68万円)という超低価格車「ロガン」を9月から ルーマニアで販売していたらしい・・・

 (ルノー乗りなのに知らなんだ)今後は中東欧・ロシア・中国へと販売網を広げ、2010年には年間70万台の販売を見込んでいるとのこと。(現在は99年にルノーが買収したルーマニアのメーカー<ダチア>の工場で20万台製造中)

 この車はニッサンのマーチと共通の車体でサイズは全長4250o×全幅1735o×全高1525oの3BOXセダンでエンジンは1.4と1.6の直4、

 今後はセダン・ワゴン・ピックアップ・・・と順次展開していくそうです

 それにしても68万円は驚きですね〜日本では軽も買えやしない・・・もちろん欧米や日本での販売予定は当面ありませんとのこと・・・ そりゃそうですね

ルノーの「5000ユーロカー」…ダシア・ローガン

2004年06月02日 Response

 2日、ルノーはコードネーム「X90」で開発してきた、いわゆる“5000ユーロカー”を、グループのダシアから『ローガン』の名前で発表した。自動車市場が発展中の地域向けに企画された。

 全長4250mm、全幅1735mm、全高1525mmのコンパクトな3ボックスセダンは、1.4リットルと1.6リットルの直4ガソリンエンジンが設定されている。

 0年代以降、それまでの主要市場だった欧米・日本で新車需要は買い換え需要のみとなり、市場規模の拡大は望めなくなった。いっぽう世界人口の80%が住む地域で、自動車市場は発展中だ。

 ローガンでは開発コスト、生産コスト、維持コストの低減が求められた。ベース価格の5000ユーロは約68万円。《高木啓》

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