TOPIC No.2−6c 電気自動車/ハイブリッドカー/低公害車

01. ハイブリッドカー byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
02. 速くて静かなハイブリッド (2005年05月02日 読売新聞)
03. エコカー競争の主役 ハイブリッド車 (2004年12月22日 読売新聞)
04. 「電気自動車前夜」(2007/12/18)日経ecolomy
05. 電気自動車 byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
06. Electric vehicle news(電気自動車関連のニュース)
07. クライスラー、EV&ハイブリッドをぞくぞく投入!? (2008.09.26) WebCG/NIKKEI NeT

08. テスラ電気自動車に乗ってみた <米ベンチャー企業 Tesla Motors(本社シリコンバレー)が開発販売する電気自動車を現地で試乗> by Ecolomy
08. トヨタ「プリウス」の未来の対抗馬? 電気自動車革命を牽引するテスラの底力 (2009年04月15日)瀧口範子(ジャーナリスト)- ビジネスモデルの破壊者【第40回】by Diamond online
08. カーエレクトロニクスの進化と未来 - 電気自動車の実用化に向け、その問題点と解決策を探る - (2009/04/15)
08. デビュ−目前、電気自動車「iMiEV(アイミーブ)」の実力をチェック(2009年04月17日) ECO Japan
09.“新幹線風デザイン”の電気自動車『Peapod』発売 (2009年04月17日) 米Peapod Mobility社 by Wired News


韓国初の電気自動車「開発は遅れたが、性能は日本よりも先行」−韓国

2010/09/10(金) Searchina

 韓国の青瓦台(大統領府)の前庭で9日、現代自動車が開発した韓国産初の量産型電気自動車(EV)「BlueOn(ブルーオン)」が公開された。

 「ブルーオン」は現代自動車が400億ウォン(約29億円)を投入して開発。三菱自動車工業の「i−MiEV(アイ・ミーブ)」に続き、世界で2番目に発売される量産型の高速電気自動車になるという。充電器や家庭の電気を利用し充電すると、1回で140キロの走行が可能、最高速度は130km/h。 「ブルーオン」の開発には、44社の韓国内のメーカーが参加し、 90%の国産化率を達成。年内には100%の国産化を目指している。

 韓国のメディアは、相次いで「ブルーオン」の公開を伝えるとともに、その性能などを紹介。電気自動車の開発は、日本に後れを取ったが、性能は先行しているという評価が挙がっていると報じている。

 日本に続いて2番目に大量生産が可能な高速電気自動車を生産することにより、韓国は世界のエコカー市場での競争に本格的に参入した。市場の先行獲得に向け、巨大内需市場を持った米国および中国、優秀な技術力を前面に出した日本と、死活をかけた競争が始まったと伝えている。

 後発の中国の追い上げも加速化しており、既存の製造技術はまだ遅れているという評価があるものの、中国政府は総力を挙げて支援を行っているとみられている。

 一方、日本は高度な技術を誇るものの、事実上独占してきたハイブリッド車市場への未練があり、電気自動車の台頭に躊躇(ちゅうちょ)しているとの見方を示している。

 これまで日本では政府の支援もあり、トヨタのプリウスやホンダのインサイトなどのハイブリッド車は、日本国内で1・2位を占めるほど大きな人気となったが、海外での需要は期待に届いていないと指摘。また最近、日本では財政難と円高が重なり、エコカーへの補助金も中止すると伝えられている。しかし、まだ日本の電気自動車の技術力は他国よりも進んでおり、韓国にとって最大のライバルとの見方を示している。

 韓国政府は、2020年までに高速電気自動車を韓国国内で100万台普及させる方針を明らかにしている。(編集担当:李信恵・山口幸治)

EV開発、GMと日産が一歩リード

2010/09/10 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 李陳錫(イ・ジンソク)朝鮮経済i記者

 世界的に電気自動車(EV)の技術は、米国のゼネラルモーターズ(GM)、日本の日産自動車や三菱自動車がリードし、後発メーカーがそれに追随する様相を呈している。

 GMは2007年、北米国際オートショーで公開した「シボレー・ボルト」を今年末に市販する予定だ。ボルトは1回の充電で走行できる距離がわずか40マイル(約64キロ)なのが欠点だが、バッテリーが切れても、ガソリンエンジンで生産した電気で継続して走行することが可能だ。

 日産「リーフ」は1回の充電で160キロ走行することができる。現在開発されているEVのうち、最も走行距離が長い。日産は下半期から量産に入り、同車種を年間5万台生産する予定だ。同社のカルロス・ゴーン社長は、「リーフはニッチ市場ではなく、大規模な市場に向け開発された自動車」と強調した。BMWも、小型車「MINI(ミニ)」をベースにしたEV「MINI E」を試験運行中で、フォードも来年、EV「フォーカス」を発売する。

 メーカー間の提携も活発だ。トヨタ自動車は、米国の電気自動車メーカー、テスラモーターズと共同で、年内にEVの試作車を開発する予定だ。中国BYDはドイツのダイムラー・ベンツ社と提携し、中国にEVの合弁会社を設置した。

 EVのネックとなるのは価格だ。GM「ボルト」は4万1000ドル(約345万円)、日産「リーフ」は約3万3000ドル(約277万円)で年末から販売される予定だ。米国でこれらを購入した場合、最大7500ドル(約63万円)の政府補助金が支給されるが、それでも価格は同クラスのガソリン車セダンの2倍だ。EVは、バッテリーが全体の価格の40%を占めるほど高額だ。この問題を解決するため、イスラエルでEVの商用化を準備しているプロジェクト・ベター・プレイス社は、バッテリーをスタンドで交換できるシステムを構築した。バッテリーを共有し、個人の経済的負担を軽減し、充電時間も縮小させるという。しかし、バッテリー価格自体が高額で大量に普及させるには経済的負担が大きく、時間がたつほど効率が低下するバッテリーの管理が容易ではない、というのが欠点だ。

EV開発めぐり激化する国家間競争

2010/09/10 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 李性勲(イ・ソンフン)記者

 世界の自動車市場で、電気自動車(EV)分野での主導権を握るための国家間競争が激しくなっている。

 金融危機をきっかけに自動車産業が大きな痛手を被った米国は、EVに復活を懸けている。まず、EV用バッテリーの開発に24億ドル(約2010億円)の予算を配分した。米国は2008年、政府が中心となって、3Mなど関連する企業14社が参加するコンソーシアムを立ち上げ、自動車用バッテリーの共同開発に乗り出している。

 欧州連合(EU)は今年4月、EV用バッテリーの開発に10億ドル(約830億円)を投資することを骨子とする、「グリーンカー40大戦略」を発表した。

 中国政府も大々的な支援を行っている。「エネルギー節約に向けた新リサイクルエネルギー自動車発展政策」に沿って、2020年までに電気自動車をはじめとするエコカー開発に1000億人民元(約1兆2400億円)を投資する計画を発表した。先月には石油化学やIT(情報技術)、航空宇宙など電気自動車開発関連技術を持つ企業16社で連合体を立ち上げ、2012年までに140億ドル(約1兆1700億円)を投資するというビジョンも発表した。

 日本は、エコカーの普及率を2020年までに20%から50%ほどに引き上げる目標を決めた。政府はすでに1998年から電気自動車をはじめとするエコカー技術の開発を支援しており、2012年までに総額で1060億円を投入する計画だ。

 韓国では研究開発予算の支援よりも、市場の拡大を目指すための補助金に焦点を合わせている。まず、2012年までに公共機関を対象に、1台当たり2000万ウォン(約143万円)を上限として、同クラスのガソリン車との価格差を50%にまで縮めるための補助金を出すことにした。さらに民間に対しても、取得税や登録税を減免するなど、複数の税制支援を行うことにしている。また、全国で充電施設を設置するなど、電気自動車普及に向けたインフラ整備計画を来年の前半をめどに取りまとめる作業を行っているが、そこには2020年までに公共施設や大型スーパー、駐車場などに220万の充電施設を設置する内容を含めることを検討している。しかし専門家は、「韓国のEV分野育成計画は先進国よりも一歩遅れている」と指摘している。

韓国も「高速EV」生産国の仲間入り(上)

2010/09/10 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 崔元碩(チェ・ウォンソク)記者

現代自が「ブルーオン」1号車を公開

 現代自動車が9日、韓国初の高速(Full Speed、内燃エンジンを用いる自動車と同じ速度を出せる)電気自動車(EV)「ブルーオン」を大統領府(青瓦台)で公開、一般人がEVをいつ、どのように購入できるかに関心が集まっている。

 李明博(イ・ミョンバク)大統領はこの日、大統領府で行われた「高速EV発表成果報告および1号車発表式」で、「韓国の企業が世界のEV市場を主導できる、そういう時代が開けたらいいと思う。全世界の自動車メーカーがEVに目を向けている」と語った。この日のイベントには、チェ・ギョンファン知識経済部長官や李万儀(イ・マンイ)環境部長官、楊秀吉(ヤン・スギル)グリーン成長委員長、李賢淳(イ・ヒョンスン)現代自研究開発総括副会長、そしてSKエナジー(バッテリー)、暁星(モーター)、LS産電(電力変換装置)などEV関連部品メーカーの関係者が出席した。

■ブルーオン、最高速度は130キロ、1回の充電で140キロ走行

 ブルーオンは、インドやヨーロッパで販売されている現代自の軽自動車「i10」を基盤としており、過去1年間に韓国政府が94億ウォン(現在のレートで約6億7227万円、以下同)、現代自が306億ウォン(約21億8845万円)を投じて開発した。昨年9月のフランクフルト・モーターショーで、「i10エレクトリック」というコンセプトカー(量産前に市場の反応を見るため、事前公開する車)を初めて公開した。

 軽自動車の起亜モーニング、GM大宇マティスと同等の大きさで、最高速度は130キロ、静止状態から時速100キロまで加速するのにかかる時間は13秒。ガソリンエンジンを積んだ軽自動車と比べてみると、最高速度はやや劣るが、初期加速力が優れている、と現代自側は説明している。1回の充電で走れる距離は140キロで、現在市販されている海外のEVと同水準だ。家庭用のコンセント(220ボルト)を使って6−8時間、特別な高速充電器を使うと10分から30分で充電できる。

 ブルーオンは、大企業と中小企業の合作品だ。李大統領は、「今回のEVは大企業と中堅企業、中小企業が力を合わせて作ったもので、相互補完して協力する姿に意味がある」と語った。現代自は、ブルーオンで使われる計11のメーンパーツを、114の中小企業と協力して開発した。部品の国産化率は90%で、年末までに100%国産化する方針だ。

 ブルーオンは韓国唯一の量産型高速EVで、韓国政府が目指しているEV普及の「第一ボタン」に当たる。現在、最高時速40−50キロの低速EVは、韓国でもCT&T、ADモーターなどの中小メーカーで開発・生産されているが、特定区域内での移動手段にとどまり、実際に道路を走るには制約が多い。GM大宇は、ゼネラルモーターズ(GM)のEV「ボルト」を韓国で量産・販売する計画を持っておらず、ルノー・サムスンも、EV産業の育成を通じ韓国の自動車産業の跳躍を夢見る韓国政府の構想とは距離を置いている。

韓国も「高速EV」生産国の仲間入り(上)

2010/09/10 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 崔元碩(チェ・ウォンソク)記者
韓国も「高速EV」生産国の仲間入り(下)

現代自が「ブルーオン」1号車を公開

■一般消費者が購入できるのは早くて3年後、日米より遅い

 韓国政府は9日、ブルーオン公開と関連し、三菱自動車の「アイミーブ(i−MiEV)」に続く世界で2番目の「量産EV」だと発表した。三菱自動車の軽自動車「i」を基盤として作られたi−MiEVに続き、二番手というわけだ。しかし、i−MiEVは今年4月から、日産のEV「リーフ」やGMのEV「ボルト」は年末までに、いずれも一般向けに販売される。従って、今回試作車を公開しただけで、一般向け販売の計画すら定めていないブルーオンを、「世界で2番目の量産EV」と呼ぶのは難しい、というのが専門家らの指摘だ。

 韓国の消費者が実際にEVを購入できる時期は、2013年以降になるとみられる。現代自電気自動車開発室の関係者は、「ブルーオンは、製造原価だけで6000万ウォン(約429万円)程度掛かり、韓国の大型高級セダンよりも高い水準。充電などのインフラ構築や、大量のEVが充電する状況に備えた電力使用の効率アップにも時間がかかるだろう」と語った。

 現代自は、来月までに30台のEVを政府機関や地方自治体に提供し、試験運行する予定だ。

 韓国政府は、韓国国内市場で2015年までに小型車の10%、2020年までに乗用車全体の20%をEVに代替し、2020年までに合計100万台のEVを普及することを目標としている。また、当初の目標より3年早く、2014年までに中型EVの量産体制を早期構築する方針だ。

 大量生産に伴う経済規模、技術発展に伴う単価引き下げなどを考慮すると、2015年ごろには、ブルーオン程度の大きさのEVについては、製造原価3000万ウォン(約214万円)の水準も可能になるとみられる。従って、韓国政府の補助金や付加的な優遇支援策の幅によっては、年間1万台以上の市場を形成するのは難しくないと分析されている。

 しかし、内燃エンジン搭載型の自動車のように1回の充電で400−500キロ走れたり、運行費用を節約し4−5年で初期投資を回収できたりするEVがすぐに登場する可能性は薄い。知識経済部の趙石(チョ・ソク)成長動力室長は、「目前の経済性よりは、今後到来するであろう巨大な市場に対してあらかじめ準備しておこうという意味」と語った。

【米国―生産】LG化学、フォードからも電池パック受注

2010年07月14日 国際自動車ニュ−ス

 韓国のLG化学の完全子会社コンパクト・パワー(CPI)は13日、フォード・モーターからリチウムイオン電池パックの納入契約を受注したと明らかにした。2011年に量産を開始するフォードの電気自動車(EV)「フォーカス・エレクトリック」に搭載される。LG化学はすでにゼネラル・モーターズ(GM)のプラグイン・ハイブリッド車(PHV)「シボレー・ボルト」でも受注を決めており、米2大メーカーからの受注を確保した。

 CPIは今後、電池パックの生産工場を建設する予定で、候補地の選定を進める。フォーカス・エレクトリックはミシガン州ウェイン工場で生産されるため、ウェイン周辺に立地する見通しだ。フォーカスのガソリンエンジン車もウェイン工場で生産される。

■電池セルの現地生産も計画

 主要部品となる電池セルは当初は韓国のLG化学から輸入するが、将来的にはGM向けの電池を生産するミシガン州ホランド工場に移管する予定だ。CPIは今年3月の時点でホランド工場の年間生産能力について1500万〜2000万個、自動車用電池パックにすると5万〜20万台としていた。ほぼ全量をGMに供給するとしていたため、フォードからの受注獲得により、ホランド工場の増強が必要になるもようだ。

 CPIは今回の受注について「フラットな形状の電池セルと液体冷却モジュールが決め手になった」と説明している。

電気自動車の補助金拡大へ 古川副大臣、業界を支援

2010年04月04日 東京新聞(共同)

 古川元久内閣府副大臣は4日のテレビ朝日番組で、個人向け販売が始まった電気自動車について、購入時の政府からの補助金を拡大するとともに、研究開発への援助も積極的に行う考えを表明した。政府が6月にまとめる成長戦略でも関連業界の支援を重視する意向を示した。

 古川氏は、電気自動車の購入に補助金を差し引いても300万円弱の負担がかかることを踏まえ、「補助金を拡大する方向で考えたい。蓄電池の研究開発のサポートも進め、生産コストを下げたい」と強調。同時に「電気自動車産業は新たな産業分野を広げる可能性が大きい。成長戦略の中心の一つとして打ち出したい」と述べた。

 電気自動車普及と量産に向け「ある地域を決めて充電スタンドを充実させるような環境を重点的につくる」と、モデル都市の設定を検討していることも明らかにした。

ソーラーカーの普及への課題とは(上)

2010/03/28 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 神奈川=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員

東海大学ソーラーカー研究チーム

「トーカイ・チャレンジャー」の前に立つ東海大学工学部の木村英樹教授(右)と研究員たち。/神奈川=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員

 神奈川県平塚市にある東海大学のキャンパスには、あちこちに電気自動車が停車している。どれも、ゴルフ場で使うカートのようなものばかりだ。プラグを差し込んで充電し、教職員がキャンパス内を移動する際に利用する。「トーカイ・チャレンジャー」を開発したライトパワー・プロジェクトチームが所属するチャレンジャーセンターから、トーカイ・チャレンジャーが保管されているものづくり館へ移動する際にも、電気自動車を利用した。

 ソーラーカーとは、太陽光エネルギーを電池によって電気エネルギーに変換し、その電気でモーターを回す自動車のことをいう。太陽光さえあれば、充電する必要はなく、いつでもどこでも走行可能だ。月や火星でも使える。しかし、より多くの太陽光を受けるため、板のように細長い形になっていることから、今の段階では実用化は難しい。太陽光エネルギーを100%活用できたとしても、パワーに限界があるため、ガソリンエンジン搭載車のように、数十人を乗せる大型の車を製造するのは理論的に無理だ。そのため、今後は性能を維持しながら、車体の大きさをどれだけ最小化できるかが実用化のカギとなる。

 搭載される装置の核心は、太陽光を電気エネルギーに変換する太陽電池だ。もちろん、車体を最大限軽くすることや、電気エネルギーを充電するバッテリー、動力を起こすモーター、電気をモーターに伝える回路の効率も引き上げなければならない。

ソーラーカーの普及への課題とは(下)

 現在、地球上で最も速いソーラーカー「トーカイ・チャレンジャー」の内部を見ると、現在のソーラーカー技術について知ることができる。モーターには駆動力を直接車輪に伝えるダイレクトドライブ方式を採用している。永久磁石30極、電磁石45極を使った多極扁平モーターで、電気エネルギーを動力に返還する効率は95%以上にまで引き上げられている。一般的な電気自動車に使われるモーターの変換効率は80%前後。ちなみに、ガソリンエンジンが30%で、ディーゼルエンジンは40%だ。日本のモーターメーカー、ミツバ社の製品を東海大学が改良した。

 MPPTと呼ばれる電気制御回路は、東海大学と産業総合研究所が産学協力により開発した。燃費を高めるため、タイヤは回転抵抗を大きく低減した、ミシュランのラジアルタイヤを使っている。東海大学のソーラーカーは、車輪が三つの3輪構造になっている。バッテリーは、パナソニックのリチウムイオン電池を使っている。1回の充電で、3時間にわたり時速100キロで走行可能だ。木村教授は、「LGの電池を使って試してみたこともある」と語る。車体は炭素繊維強化プラスチックを使い、重さを160キロにまで軽減した。

 2009年のソーラーカーレースに出場した「トーカイ・チャレンジャー」の平均時速は100.54キロ。1993年に東海大学のソーラーカー2号「トーカイ51SR」がオーストラリアの大会に初めて出場したときの平均時速は、わずか40キロだった。また、04年の4号車「トーカイ・スピリット」は平均時速70キロだったことから、速度は16年で2倍に向上した。

 木村教授は、「ソーラーカーの範囲は以外に広い」と語る。一般の電気自動車も、プラグを通じて充電する電気が太陽光のものなら、ソーラーカーになるということだ。また、太陽電池を自宅の屋根の上に設置し、そこから得られる電気を使えば、それもやはりソーラーカーになるという。

東海大・木村教授が語る「ソーラーカー時代」(上)

2010/03/28 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 神奈川=鮮于鉦(ソンウ・ジョン)特派員

二酸化炭素排出ゼロ、未来が駆け足でやって来る

東海大学太陽光自動車研究室

重量160キロに軽減、ガソリンの燃費に換算すると1リットル当たり5630キロを走行可能

 オーストラリア北部の都市ダーウィン。薄い板のような形の自動車が、スタートからわずか10秒で、時速100キロ以上のスピードで走行する。最高速度は約160キロ。黒い排気ガスを吹き出す600馬力の巨大な自動車「ロードトレイン」を軽く抜き去り、はるか彼方まで続く地平線に向かって一直線に駆け抜ける。砂漠の激しい砂嵐を突き抜け、南部のアデレードまで平均時速100.54キロで走り続けた。使用したガソリンはゼロ。二酸化炭素排出もゼロ。太陽の光だけを吸収して力強く大陸を縦断した。

 これは未来の話ではない。2009年10月24日にオーストラリアで開催された世界最大のソーラーカー(太陽光自動車)レース「グローバル・グリーン・チャレンジ」での様子だ。このレースに参加した日本の東海大学「トーカイ・チャレンジャー」は、3000キロを走り抜き、レース開始から四日目ににトップでゴールインした。自動車は全長4メートル98センチ、幅1メートル64センチとかなり大きい。しかし、重さは通常の車の1割程度に当たる160キロ。細長い車体の上には、縦横77ミリと39ミリの太陽電池2176枚が光る。

 勝負を分けたのは、砂漠の風が強く吹き荒れた二日目。この日は日照量が80%にまで落ちた。ドライバーの篠塚建次郎さんは、砂の上を走るような激しい振動を感じた。ほかのドライバーたちも、「このままでは電池が底をつく」と感じたのか、一斉にスピードを80キロにまで落とし始めた。すると、東海大学工学部の木村秀樹教授は無線機を通じ、「われわれはほかの車とは性能が違う。スピードを落とさず、97キロのまま走り続けるように」と指示した。二日目を終えた時点で、2位との差は1時間に迫った。後続車はどれも地平性の向こうに消え、文字通りの独走態勢だった。

東海大・木村教授が語る「ソーラーカー時代」(中)

 3カ月前、木村教授は大手家電メーカーのシャープから段ボール10箱分のプレゼントを受け取った。触れるだけでも破れそうな、厚さ0.2ミリの太陽電池だ。この太陽電池は、2009年1月に種子島宇宙センターから打ち上げられた人工衛星「いぶき」にも搭載された。太陽エネルギーを電気エネルギーに変換する効率は30%。ゲルマニウムなど3種類の化合物で、紫外線や赤外線のエネルギーも吸収できる。その結果、この電池は一般の太陽電池に比べて2倍の能力を実現した。箱を開けた瞬間、「優勝は間違いない」と木村教授は確信したという。

 今回のレースを通じ、地上での性能を実験したいと思っていたシャープの濱野稔重副社長は大会終了後、「ソーラーの時代が始まった」とコメントした。現在シャープが開発している太陽電池の効率は35.8%。米国を抜いて世界トップに躍り出た。シャープの次世代要素技術開発センター(ソーラー開発)の高本達也室長は、「2020年には40%の効率を達成できる」と断言する。現時点で、ソーラーカーの実用化に向けた課題は、車体の大きさを画期的に最小化する技術力だ。

 木村教授は、東海大学で13年間にわたりソーラーカーの研究に携わり、今回「トーカイ・チャレンジャー」の製作を指揮した。木村教授の「ライトパワー・プロジェクトチーム」が、2008年に開発したソーラーカー「トーカイ・ファルコン」は、南アフリカで開催された「サウスアフリカ・ソーラーチャレンジ」で、4200キロを平均時速70キロで走破し、1位となった。東海大学ソーラーカー研究の基盤となっている「ファラデー・マジック」は、日本のエコレースである「ワールド・エコノ・ムーブ」で、2004年から5年連続で優勝している。ガソリンの燃費に換算すると、1リットル当たり5630キロを走行可能にした、驚異的な効率だった。

東海大・木村教授が語る「ソーラーカー時代」(下)

 木村教授は「今でもソーラーカーは、一般の道路を走ることができる」と語る。走行時間を1日3時間ほどに減らせば、人間が簡単に乗り降りできる流線タイプが可能とのことだ。大量生産を行えば、車の価格を1000万円以下に抑えることもできるという。木村教授は2030年のソーラーカーの未来について尋ねる質問に対し、「20年前にはパソコンのウインドウズが今のように発展するとは誰も予想していなかったはず」と答えた。つまり、20年後のソーラーカーの行方は、誰も予測できないということだ。木村教授は逆に、「2030年に馬かソーラーカーのどちらかにしか乗れないとしたら、あなたは馬を選びますか」と問い返した。

 木村教授は「ソーラーカーが路上を走るであろう未来は、必ずしも幸福な新世界ではないかもしれない」と前置きした上で、「中国やインドの産業化により石油が底をつき、地球温暖化で二酸化炭素の排出が全面的に禁止されることも考えられる。2030年には人間にとって、馬かソーラーカーのいずれかしか残っていないかもしれない」と語る。

 また、洗練されたセダンタイプのソーラーカーの登場を期待する人たちには、次のように説明する。

 「実用化のためには、太陽電池とモーターの効率を最大限に高め、重さも300キロ以下にまで軽減し、車体と車輪も最小化しなければならない。板状タイプのソーラーカーを実用的な流線タイプにすると、空気抵抗は3倍になる。そうなると、1日に使える時間もわずか数時間になるだろう。雨が降るなど悪天候が続く梅雨には、車は駐車場に止めておくしかない。つまり、天気の悪い日には馬に乗るしかないということだ。車体の重量が300キロを超えてはならないため、家族が格好いいセダンに乗ってレジャーを楽しむ今のような時代は、もはや来ないかもしれない」「ただよく考えてみると、なぜ誰もが今のように毎日、一日中車に乗らなければならないのだろうか。2030年にソーラーカーが路上を走る時代が訪れたら、人間のライフスタイルは大きく変わるだろうし、また変わらざるを得ない。石油を大量に使う今の人間にとってはむしろ、最も豊かな時代になるかもしれない」

電気自動車のバッテリー容量50%以上向上

2009/09/17 朝鮮日報/朝鮮日報日本語版イ・ヨンワン記者
ソウル−プサン間1回で走破に挑戦

 ノートパソコンや電気自動車のバッテリーの使用時間を画期的に向上させる源泉技術が韓国で開発された。

 ウルサン科学技術大学のチョ・ジェピル教授は先日12日、米国の化学学会が発行する『ナノ・レターズ』誌電子版に発表した論文で、「シリコンナノチューブをリチウム2次電池の陰極に利用、容量を50%以上高めることに成功した」と発表した。

 リチウム2次電池は再充電が可能な電池で、プラス電気を帯びたリチウムイオンがリチウム陽極から黒鉛陰極へ移動することで電流が流れる。電池容量が50%増加すれば、使用時間は2倍ほどに増える。

 チョ教授は「現在、陽極の性能も2倍ほどに高める研究を進めているが、今回開発された陰極技術と合わせると、使用時間が5倍以上向上する。最終目標は、現在30分ほどしか使えない電気自動車用リチウム2次電池を4−5時間使えるようにすることだ」と述べた。これが実現すると、電気自動車でソウルからプサンまで再充電せずに走れるようになる。

 シリコンは黒鉛より電流を流す容量が10倍以上高いが、リチウムと結合すると容積が膨張し、リチウムイオンをためる能力が急激に落ちるという問題点があった。チョ教授のチームはシリコンを粉末ではなく髪の毛の500分の1ほどの太さにして束状にし、この問題を解決した。チョ教授は「なにしろ微細な束のため、容積が増える余地がなく、容積比で表面積が大きいという長所もあり、電池容量が増える」と説明した。

 今回の研究はウルサン科学技術大と浦項加速器研究所、漢陽大、LG化学技術院、米スタンフォード大の共同研究陣によって進められた。チョ教授はLG科学技術院と共に韓国国内で特許出願を完了し、海外13カ国でも特許出願を進めている。

日産が電気自動車の実験車公開 充電1回で160キロ走行

2009.07.27 MSN産経新聞

日産自動車が公開した電気自動車(EV)の試作車=27日、神奈川県横須賀市、AP

 日産自動車は27日、2010年後半に発売する電気自動車(EV)の実験車を公開した。専用の車台と薄型リチウムイオン電池を採用し、4〜5人が乗れる広さと、1回の充電で160キロ以上走れる性能を両立した。実際に売り出す車両の外観は8月2日に公開する。

 カーナビゲーション上に片道や往復で行ける距離や充電スタンドを表示するほか、車から離れた場合でも携帯電話から充電量を確認できる専用システムを搭載。7月下旬から法人向けに納車が始まった三菱自動車の「アイ・ミーブ」に比べ、モーターの出力は2倍近く、電池容量は1・5倍。

 志賀俊之最高執行責任者は「EVは走行中の二酸化炭素(CO2)排出量がゼロ。(ハイブリッド車など)内燃機関の燃費改善とは次元が違う」と述べ、電気自動車の優位性を強調した。

原発の街に電気自動車タクシー誕生 新潟・柏崎、国内初

2009年07月24日 asahi.com

国内初の運行を始めた電気自動車(EV)タクシー=新潟県柏崎市

 東京電力柏崎刈羽原子力発電所が立地する新潟県柏崎市で24日、電気自動車(EV)のタクシーが国内で初めて運行を始めた。

 同市内の柏崎タクシー(吉田一彦社長)が、三菱自動車が販売を始めたばかりの世界初の本格量産型EV「アイミーブ」(約460万円)1台を導入、運賃は小型車と同じで、初乗り660円。

 同社によると、EVタクシーの導入費は、国の補助金を受けても普通のタクシーの2倍ほどかかる。現状では採算はとれないが、吉田社長は「エコに関心のある人や、観光客の利用を期待したい」。年内には家庭用電源で充電できるプラグインハイブリッド車(PHV)も1台導入する。(清水康志)

守るニッケル水素、攻めるリチウムイオン、電池の本命は?

2009年06月25日 日経ビジネスon Line 細田 孝宏/山崎 良兵

車載用電池でも競争激化へ

 ハイブリッド車人気で活況を呈しているのは自動車の工場ばかりではない。ハイブリッド車には欠かせない車載用電池を製造する電池メーカーも生産に追われている。

 「5月の連休明けから3交代で24時間操業が続いている。操業度が3〜4割だった1〜3月とは様変わりした」

 プリウスなどトヨタのハイブリッド車向け電池を生産するパナソニックEVエナジー(静岡県湖西市)の林芳郎社長は、こう話す。同社はトヨタが60%、パナソニックが40%の株式を持つ両社の共同出資会社。1997年発売の初代プリウスからトヨタのハイブリッド車に電池を供給してきた。

新型「プリウス」に搭載されているニッケル水素電池。パナソニックEVエナジーが供給している(写真:菅野勝男)

 プリウスのヒットで、生産体制の強化を急ぐ。湖西市にある工場の新ライン稼働に加え、来年早々には約300億円を投じて宮城県に新工場を立ち上げる。当初10万台分からスタートし、いずれ20万台分に増強する見通し。これで生産能力は100万台分まで高まる。「(プリウスが)米国で大ブレークしたら分からないが、差し当たって電池のせいでトヨタの生産に穴を開けることはなくなる」(EVエナジーの林社長)という。

 同社が生産するのはニッケル水素電池と呼ばれるタイプの電池。ホンダのハイブリッド車「インサイト」が搭載しているのも同じタイプで、こちらは三洋電機製のものだ。現在のハイブリッド車はほとんどがこのニッケル水素電池を積んでいる。

日立は新型電池で自動車メーカーへの食い込み狙う

 その次世代の電池として本命視されているのがリチウムイオン電池。ニッケル水素電池より電気を大量に詰め込めるのが利点だ。世界の電機メーカー各社がこのリチウム電池でクルマ向けのビジネス拡大を狙っている。日立製作所もその1社。グループ2社と共同出資で2004年に設立した日立ビークルエナジーが自動車メーカーに食い込もうとしている。

 「車載用電池としてはリチウム電池が圧倒的に有利。2015年には(ニッケル水素電池から)置き換わる」。威勢がいいのは日立ビークルエナジーの川本秀隆社長。日立はグループで2015度に車載用リチウムイオン電池事業で1000億円の売り上げを目標としている。

トヨタはリチウム電池には慎重姿勢 (ここから先は、日経ビジネスオンライン会員の方だけがご覧いただけます。)

電気自動車用リチウム電池で新工場…三菱商事など3社合弁

2009年06月24日 読売新聞 YOMIURI On-Line

 三菱商事と三菱自動車、電池製造大手のジーエス・ユアサコーポレーションの3社が合弁で、電気自動車用大型リチウムイオン電池の新工場を建設することが24日、明らかになった。

 今秋にも着工し、2011年の稼働を目指す。三菱自が7月下旬に発売する電気自動車「アイ・ミーブ」の増産計画に対応するほか、国内外の自動車メーカーへも供給する方向で、今後の需要拡大が期待される電気自動車の「心臓部」で世界をリードしたい考えだ。

 新工場は、年間で電気自動車1万台分を超える量の電池を生産する。3社はすでに、滋賀県の合弁工場でアイ・ミーブ向けに年間2000台分の電池を生産しているが、アイ・ミーブの生産台数が11年度に年1万5000台を超える計画であるため、新工場建設で量産体制を確立する必要があると判断した。

 新工場の建設地は、関西圏か、「アイ・ミーブ」の生産拠点がある岡山県周辺を中心に調整している。総事業費は100億円を超える見通しだ。

 新工場では、三菱自に供給する以外の余剰分を他のメーカーに販売する。関係者によると、すでに海外メーカーから購入の打診があるという。

 電気自動車は、富士重工業が7月に軽自動車ベースの「プラグイン ステラ」を発売するほか、日産自動車も10年度に日米で売り出す。海外では10〜11年に米クライスラー、米ゼネラル・モーターズ(GM)、独ダイムラーが投入を計画している。

IBM、充電可能なリチウム空気電池の開発プロジェクトを発表

2009/06/24 マイコミジャ−ナル

 米IBMは6月23日(現地時間)、リチウムイオン電池に比べて10倍のエネルギーを蓄えられる、充電可能なリチウム空気電池の開発を加速する研究プロジェクトを発表した。同社では、同技術がスマート・グリッド(次世代送電網)の実現や電気自動車の普及などの可能性を持っているとしている。

 米IBMのアルマデン研究所

 IBMリサーチは8月26日・27日、IBMのアルマデン研究所で先進バッテリー・システムとエネルギー・ストレージの進化をテーマとするカンファレンス「Almaden Institute」を開催し、この取り組みを加速させる。

 同研究所の科学者は、グリッド・スケールの効率的で手頃な価格の電気エネルギー・ストレージ・ネットワークについて複数年にわたり研究している。今後、実用可能なバッテリー・システムの中でも最大のエネルギー密度を持ち、従来のリチウムイオンのシステムよりも安全かつ充電可能なリチウム空気システムに取り組む予定。

 同社がバッテリー技術の研究に重点的に取り組むことになったきっかけは、2006年11月に発表したエネルギー効率化を実現するための事業「Big Green Innovations」である。同事業は、同社のオンラインブレーンストーミングセッション「InnovationJam」から生まれた10個の新ビジネスの1つで、水管理、代替エネルギー、カーボン・マネジメントに注力してきた。

 同社は業界のリーダー、学識者などと協力して同研究に取り組んで生み出される知的財産をライセンスする予定であり、電池を製造する意向はない。

再送: 〔インタビュー〕三洋電<6764.T>、ハイブリッド車用リチウム電池を日米欧メーカーに供給へ=本間副社長

2009年06月17日 REUTERS

 [守口(大阪) 16日 ロイター] 三洋電機(6764.T: 株価, ニュース, レポート)の本間充副社長は16日、ロイターとのインタビューで、ハイブリッド自動車など次世代自動車の中核デバイスであるリチウムイオン電池をドイツ自動車大手フォルクスワーゲン(VW)(VOWG.DE: 株価, 企業情報, レポート)を含む日米欧の自動車メーカーに供給する計画だと明らかにした。兵庫県で新工場を建設する予定だが、新たな生産能力に見合う供給先の確保は問題ないとの認識だ。リチウムイオン電池を含む主力の二次電池事業の今年度売り上げ見込みは前年比5.2%減の当初予想だが、本間副社長は「(前年比)プラスになる可能性がある」と語った。

 インタビューの主なやり取りは以下のとおり。

 ──二次電池足元の需要は。

 「3月末から携帯電話、パソコン、デジタルカメラといった二次電池を搭載する製品がグローバルで底打ちした。生産調整が終わり、在庫もほぼ正常な状態に戻った。電池需要は3月末くらいから急速に回復基調にある。9月くらいまでほぼ見通せる状況になってきている。パソコンはネットブックが好調で回復しているし、携帯電話は底打ち感が出てきたし、デジカメも予想以上に回復が早い。(ニッケル水素による)ハイブリッド車用は上昇の一途をたどっている。ニッケル水素は2013年から14年、場合によっては15年まで減ることはないとみている」

 ──年度当初に前年比5.2減と見込んだ10年3月期の二次電池事業の売り上げが上振れはすることは。

 「4、5月は昨年との比較では8割くらい(の回復)。完全には読みきれていない。(最終製品を作る)セットメーカーが商品を売り切れることができるか。下期は完成品のマーケットも徐々に回復するとみている。(二次電池事業の10年3月期売り上げが)プラスになる可能性はある」

 ──リチウムイオン電池分野で自動車メーカーと電池メーカーの連携が進んでいる。三洋はこの分野では強みを持つが、陣取り合戦で取り残されないか。

 「単一の(自動車)メーカーだけと付き合って電池の特性を決めてしまうと、技術の進化がそこで止まってしまことを恐れている。当社は中立な立場で全方位でやる。全ての自動車メーカーの調達量の10%でも20%でも注文を受けることで、技術のノウハウや全体の数量の底上げが出来る。今のポジションがベストだと信じている」

 ──リチウムイオン電池の課題は安全性とコストだとされる。

 「リチウムイオン電池は、(パワーに影響する)出力密度、エネルギー密度(容量)、低温性能、耐久性、安全性、コストの6つの課題をしっかり押さえる必要がある。当社は独自の材料を加えて全てのバランスが保てる電池を開発した。自動車メーカーにサンプル出荷し、高い評価を得ている」

 「保守的にみて2015年くらいに(新車に占める)ハイブリッド車の比率は5%くらい。そうなると、量産効果も出てくるし、減価償却費も落ち着いてくるからコストは一気に下がってくる」

 ──徳島(徳島県松茂町)と兵庫(兵庫県加西市)でハイブリッド車用リチウムイオン電池の生産能力を増強する。フォルクスワーゲンに供給する計画は公表したが、他のメーカーへの供給は。

 「社名はいえないが、米国系、欧州系、日系の自動車メーカーと一緒に仕事している。(需要不足は)全く心配していない。むしろ次の工場をいつ建てるかを心配している」

 ──ハイブリッド車など次世代自動車向け二次電池の世界シェアの目標は。

 「2015年で25─26%、2020年で40%。ニッケル水素とリチウムイオン合わせてだが。(次世代自動車の世界需要は)15年に400万台、20年に低めにみて600万台、高めで840万台と予想している」

 ──太陽電池の需要動向はどうか。前年比15.9%増の売り上げ予想が上振れすることは。

 「(1月に復活した)国内の補助金制度、(来年度国内で開始予定の)固定価格買い取り制度に加え、日本のODA(政府開発援助)資金がアフリカ、インド、中南米での太陽光発電事業に向けられており、ここにきてソーラーの需要が非常に高まっている。(売り上げ予想の上振れの可能性も)ある」 (インタビュアー 浜田健太郎、竹中清)(ロイター日本語ニュース、浜田健太郎)

リチウムイオン電池、自動車向け本格普及は12年度…矢野経済

2009年06月15日 RESPONSE

 矢野経済研究所は、リチウムイオン電池材料の世界市場に関する調査を実施。需要拡大が期待される自動車用途では、2012年から2015年頃の本格的に市場が立ち上がるとの調査結果を公表した。

 調査結果によると、2008年度のリチウムイオン電池5材料(正極材料、負極材料、セパレーター、電解質、集電体)市場規模は、前年度比16.6%増の2142億円と推計。

 2011年度までのリチウムイオン電池需要は、依然として携帯電話、ノートパソコンなどのポータブル機器が牽引、新規需要として、電動工具や電動スクーターなどの中型機器への搭載が増加していく見込みとしている。

 この結果、2011年度、リチウムイオン電池5材料の市場規模は2008年度比9.5%増の2345億円と予測した。

 調査期間は2008年9月 - 09年5月で、リチウムイオン電池二次電池メーカー、リチウムイオン電池材料メーカーに専門研究員が聞き取り調査を行った。

 結果は、「リチウムイオン電池市場の現状と将来展望2009年版 - 材料編 - 」にまとめている。 《編集部》

リチウム電池で競争加速=「エコカー」拡大に照準−電機・重工

2009/06/06 時事ドットコム

 日立製作所など電機メーカーを中心に、自動車向けリチウムイオン電池事業の競争が加速している。3日には三菱重工業も同事業への参入を表明した。自動車産業は現在、米ゼネラル・モーターズ(GM)破綻(はたん)など苦境が続くが、復活に向けハイブリッド車(HV)をはじめ環境性能に優れた「エコカー」がけん引役となるのは確実。その性能を左右するリチウム電池も急成長が必至で、各社とも経営資源を集中する。

 日本自動車販売協会連合会によると、HVは既に5月の新車販売の8台に1台を占めており、エコカー市場は着実に拡大し始めている。しかし一段の普及には電池性能の向上が不可欠。リチウム電池は現在主流のニッケル水素電池に比べ小型・大容量化が可能で、エコカー電池の本命だ。

 日立は今秋にも次世代型電池のサンプル出荷を開始するほか、2010年からはGMに量産型電池を月間30万個供給する予定。GM破綻で計画の遅延も予想されるが、「GMも再生には(HVなど)環境対応が不可欠」(日立ビークルエナジー)とし、計画に大きな狂いはないと見る。

 新規参入を宣言した三菱重工は、12年に量産を開始する予定。当初は自社製フォークリフト向けに供給するが、将来は電気自動車(EV)向けに売り込む。

 リチウム電池で世界シェアの3割を握る三洋電機は、年内にも兵庫県に新工場を建設。10年度から国内2カ所で量産体制に入り、複数の自動車メーカーに供給する考えだ。東芝も新潟県に新型のリチウム電池工場建設を計画しており、エコカーへの供給を見据える。

三菱自が「アイ・ミーブ」公開 7月発売の電気自動車

2009年06月05日 中国新聞ニュ−ス

 公開された三菱自動車の「アイ・ミーブ」=5日午前、東京都港区

 三菱自動車は5日、7月から市販する電気自動車「アイ・ミーブ」を公開した。走行中に二酸化炭素(CO2)を排出しない電気自動車は、次世代の環境対応車として、各社が開発にしのぎを削っている。価格は459万9千円。三菱自動車は電気自動車の販売競争で主導権を握ることを目指す。

 電気自動車に関しては、富士重工業も「スバル プラグイン ステラ」(車両価格472万5千円)を7月下旬に法人向けに発売するほか、日産自動車も来年度から販売する。ただ、ハイブリッド車に対抗するエコカーとして普及を図るには、動力源となる電池の改良など、割高な価格引き下げに向けた技術開発が課題となる。

 アイ・ミーブの車体は軽乗用車「アイ」がベースで、4人乗りの後輪駆動。充電1回当たりの走行距離が160キロ、最高時速は130キロ。三菱自によると、充電1回当たりの電気料金は昼間で450円程度。深夜ならば150円程度で済み、ハイブリッド車のガソリン代に比べても格安になるという。

 主な顧客層は当面、電力会社など法人と自治体になるが、輸出に加え来年度以降は個人への販売促進を図る。

 三菱自の主力工場の水島製作所(岡山県倉敷市)で4日から生産を開始。搭載するリチウムイオン電池は、三菱自と三菱商事、ジーエス・ユアサコーポレーション(京都市)の共同出資会社の滋賀県草津市にある工場で手掛ける。

リチウムイオン電池 次世代車の鍵 生産本格化

2009年05月15日 東京新聞朝刊

12日の決算会見で電気自動車のリチウムイオン電池を手に報告する日産のカルロス・ゴーン社長=東京都中央区銀座で

 自動車メーカーと電機メーカーによる自動車用リチウムイオン電池の生産が本格化している。ハイブリッド車や電気自動車など次世代車にとってリチウムイオン電池は、ガソリン車のエンジンに匹敵する。自動車が次世代車へと移行するうえで、性能の高い電池の開発は自動車メーカーにとって不可欠で、今後の自動車開発の「主戦場」となりそうだ。  (木村留美)

■電機と提携

 四月二十一日。ホンダと電機メーカーのGSユアサは、京都府福知山市でリチウムイオン電池工場の着工式を行った。二〇一〇年秋ごろからハイブリッド車への搭載を見据え、本格的な生産に入る計画。式典でホンダの福井威夫社長は「ハイブリッド技術の進化のカギは、リチウムイオン電池がにぎっている。世界一の電池ができると確信している」と期待をにじませた。

 自動車メーカーと電機メーカーが提携して電池の生産開発にあたるのは、自動車用の電池が寿命や使用条件など多様な耐久性を求められる特殊な製品だからだ。電機メーカーが単独で生産したものを購入するより、開発段階から共同で取り組む方がより高い性能の電池ができ、独自性を出すこともできる。

 日産自動車とNECグループは来年発売する電気自動車向けに今春から、七月に電気自動車を発売する三菱自動車もGSユアサなどと四月から、それぞれ共同生産を開始。さらにトヨタ自動車とパナソニックも、プラグインハイブリッド車を視野に入れた電池生産を今年秋から始める。

■性能を左右

 リチウムイオン電池のメリットは、現行のハイブリッド車に搭載されているニッケル水素電池と比べエネルギー効率が高く、重さや大きさを半分以下にできる点にある。電力だけで走行する電気自動車や、充電したバッテリーを併用して走るプラグインハイブリッド車といった次世代の環境対応車にとって、電池自体が走行距離やパワーといった性能を決める大きな要素。「リチウムイオンは低価格化や品質の面で、まだこれから向上する潜在能力がある電池。電池を制することは次世代車開発で必須になる」(日産自動車研究員)という。

 ただ、現時点では安全性や耐久性、コストなど実用化に向けてクリアする課題も多い。中でも安全性はメーカーにとって致命傷になりかねない。パソコンや携帯電話などでは異常発熱や発火といった事故がすでに報告されているリチウムイオン電池とあって、「万が一、車が燃えるような事故が起きれば大変なことになる」(大手メーカー首脳)と、警戒する声も聞かれる。

■広がる市場

 JPモルガン証券の試算によると、〇七年に約五十万台というハイブリッド車の世界市場は、一八年に九百六十二万台に拡大。このうち「市場の80%がリチウムイオン電池になる」とみられ、今後十年で巨大市場へと成長する。リチウムイオン電池をめぐる電機メーカーとの提携で、大手では後発となったホンダも、最終的には「現時点ではリチウムイオン電池」(福井社長)と判断した。

 七月に発売する三菱自動車の「アイ ミーブ」を皮切りに、市場に広がっていくとみられるリチウムイオン電池搭載の自動車。ガソリン車にはなかった性能の開発を競うことになるだけに、成否は未来の業界勢力図をがらりと塗り替える可能性も秘めている。

コンビニ「車の充電拠点に」 社会貢献策で経産省研究会

2009/04/19 NIKKEI NeT

 コンビニエンスストアに電気自動車の充電スタンドを整備すれば、電気自動車普及に弾みがつく――。有識者やコンビニ大手などで構成する経済産業省の研究会が、コンビニ業界が連携して取り組むべき社会貢献策を報告書にまとめた。深夜営業や食品の大量廃棄でコンビニの環境への配慮が問われるなかで、温暖化ガスの排出削減につながる充電スタンドの設置を盛り込んだ。防犯や防災、地域活性化など社会貢献につながる取り組みを幅広く提言する。

 研究会にはセブン―イレブン・ジャパンやローソンなどコンビニチェーン経営者のほか、学識者や自治体も加わった。報告書は週明けにも公表し、これをもとに近くコンビニ業界が「共同宣言」をまとめる。

エコカー買い替え 愛知経済効果1.4兆円

2009年04月18日 読売新聞 Yomiuri on-Line

新規雇用4万人 共立総研試算

 政府・与党の追加経済対策に盛り込まれた新車への買い替え奨励策などによる東海経済の押し上げ効果への期待が高まっている。環境対応車のシンボルといえるトヨタ自動車の「新型プリウス」に予約が殺到するなど、すでに奨励策の効果とみられる現象も出始めている。自動車産業への依存度が高い地域経済の不振を打開する契機になるのではとの見方も出ている。

 共立総合研究所の試算では、エコカーへの買い替え奨励策の実施によって愛知県の総生産は1・4%増加し、金額ベースでは1兆4397億円の波及効果を生み出すという。

 特に、買い替えの際の補助金が最も多い1996年度以前に登録された乗用車の約1割にあたる77万台が買い替えられた場合、愛知県には6013億円の「特需」が生まれると試算した。

 すそ野が広い自動車産業の活況は、素材やサービスなど他の産業にも好影響をもたらす。

 鉄鋼やプラスチックなどの素材産業の受注増や、自動車ディーラーなどの取引が増えることによる「一次的な間接効果」は5716億円に達するとの試算だ。

 さらに、企業収益や従業員の所得環境が改善することで、設備投資や個人消費が増える「二次的な間接効果」も2667億円に達すると期待する。

 愛知県が享受する経済効果の64%は自動車産業に回るが、不動産や広告、リース業といった業界にも恩恵は広がり、4万1969人の新規雇用を生み出す効果があるとみている。

 ただ、東海3県でも自動車産業の構成比が低い三重県への波及効果は783億円、岐阜県は190億円と、愛知県の規模には及ばない。

 また、エコカーの購入奨励策にも限界がありそうだ。データの分析・試算にあたった共立総研の河村宏明主任研究員は、「買い替えが一巡したら再び需要が落ち込む可能性が高い」と指摘。一時的な特需に終わらせないためには、消費者に訴求力のある新車開発は欠かせない。

“新幹線風デザイン”の電気自動車『Peapod』発売

2009年04月17日 Wired News

 電気自動車『Peapod』が、4月22日に注文受付けを開始する。価格は1万2500ドルで、「Neighborhood Electric Vehicle」(NEV:近隣走行用の電気自動車)」に分類され、時速には制限がある。

 『Peapod』はプロトタイプの時点では、英Dyson社の掃除機のような透明なドアが付いていた。だがこの車の量産モデル(上の写真)は、むしろテレビアニメ『The Jetsons』[邦題『宇宙家族ジェットソン』]に登場した空飛ぶ車を思い出させる。

 デザインを担当したPeter E. Arnell氏は、この車の販売元である米Peapod Mobility社の責任者で、Peapodブランドを象徴する存在だ。Peapodの名前も、同氏のイニシャルにヒントを得たものだ[Peapodには「豆のさや」的な意味がある]。同氏は『Treehugger.com』のインタビューの中で、この自動車の外観のヒントとなったのは、「日本の新幹線、映画『スター・ウォーズ』のストームトルーパー、宇宙ヘルメットと亀」などだと答えている。[Peter E. Arnell氏は、ChryslerやHome Depot、Tropicanaなど、多数のブランドを担当しているデザイナー]

 この車は正面の「笑顔」が印象的だ。それもそのはず、Arnell氏の率いる米Arnell Group社は、先頃『Pepsi-Cola』のロゴ刷新を担当。これまでの丸いマークに、チェシャ猫のような不敵な笑みを浮かべさせたのだ。[赤と青に挟まれた白い部分の形状が“笑顔の口”のように見えるデザイン。“満面の笑み”が「ダイエットペプシ」、“大笑い”が「ペプシマックス」になるという]。

 Peapodのダッシュボードには『iPod』が据え付けられる(iPodは別売)。『Edmunds.com』の記事によると、iPodとの連携により、毎回のドライブの最後に、二酸化炭素排出量の分析データを表示させられるし、また別のアプリを使えば、家族用大型車の代わりにPeapodで出かけたおかげで節約できた金額を正確に教えてくれるという。

 PeapodはNEVに分類される車だが、Arnell氏はNEVではない、と言う。もちろん、米国国家運輸安全委員会の定義ではそうだし、同氏も会社の公式サイトではこの名称を使っている。だが同氏は、この車を「モビ(Mobi)」という、自身が命名した新たなカテゴリーに位置づけている――かつて自動車各社が、四輪駆動車を「SUV」と命名したように。だが、何と呼ぶかはともかく、Peapodは法律でNEVに対して求められている、最高速度が時速約40キロメートルという基準を満たしている。

 Peapod Mobility社は、もともと米GEM社の一部門だった。GEM社は米Chrysler社の子会社で、10年以上にわたって数々の小型電気自動車を世に送り出しているが、新生Peapod Mobility社は、Chrysler社の100%出資子会社となった。

 GEM社のNEV『e-series』は、高齢者の多い住宅街や大学構内での足として、あるいは共和党大統領候補マケイン氏のオープンカー代わりとして人気だが、Peapodは基本的に、都市部のハイテク産業従事者が通勤に使用することを想定している。Edmunds.comの記事によると、Peapodはエンジンを併用しない電気自動車で4シーター。ウェブサイトからの直販で、大学生も対象に広範な売り込みをかけるという。

 だが、米Microsoft社製音楽プレーヤー『Zune』のファンたちは、Peapodを注文するには及ばない。われわれにはいまいち納得がいかないのだが、この車を動かすには米Apple社製のiPodか『iPhone』が必要なのだ。

 最初のPeapodは10月までに納車されるという。

電気自動車の購入に最大74万円支給 英政府が補助金

2009/04/17 NIKKEI NeT

 英政府は16日、電気自動車などの購入に最大で5000ポンド(約74万円)の補助金を支給すると発表した。環境対策の一環として、二酸化炭素(CO2)排出量の少ない電気自動車などの普及を後押しする。

 対象となるのは電気自動車と家庭のコンセントで充電できるプラグイン型ハイブリッド車。補助金は車種によって1台当たり2000―5000ポンドで、対象車の量産が開始される2011年から補助金が支給される見通しだ。(ロンドン=清水泰雅)

電気自動車普及県モデル地域に…4年で500台導入めざす

2009年04月17日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 国が、電気自動車(EV)や家庭用コンセントで充電できるプラグインハイブリッド車(pHV)の普及に向けて推進している「EV・pHVタウン構想」に、県がモデル事業実施地域として選ばれた。4年後をめどに、県内で500台のEV、pHVの導入を目指す。

 構想では、モデル地域の自治体にEVなどの充電設備を整備してもらったり、住民向けの試乗会など啓発活動に取り組んでもらったりして、普及モデルを確立させる。県のほかに東京や京都など7都府県が選ばれており、それぞれ500〜1万5000台の普及を目標にしている。

 県が国に提出した環境整備目標では、200ボルトの充電設備を500か所、急速充電設備を9か所、整備施設を20か所に設置。また、各自治体に公用車としてEVなどの導入を勧めるほか、世界遺産の暫定リスト入りした「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」を巡るツアー用の車として、EVなどを活用することも検討しているという。

 中長期目標としては、2020年頃に5000台を導入し、充電設備を5000か所に増やす。2050年頃には新規登録の車をすべてEVやpHVにし、全車の3割を占めるようにするという。事業費は未定。

 県によると、県内にある電気自動車は5台で、ハイブリッド車は約4000台。新産業創造課は「EV導入の推進活動を環境保全だけでなく、地域活性化にもつなげられるような取り組みにしたい」と話している。

特許出願、次世代自動車技術の7割を日本が占める――特許庁調査

2009年04月17日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 特許庁は4月15日、環境・エネルギー、情報通信分野における特許出願状況の調査結果を公表した。

 今回の調査では、日本、米国、欧州、中国、韓国との比較により、日本の特質が明らかにされている。

 その結果、日本の出願件数が高いテーマは、電気自動車やハイブリッド自動車など次世代の自動車技術である「電気推進車両技術」。72%が日本からの出願で、他国より優位に立っている。そのほか「太陽電池」「ネットワーク関連POSシステム」がそれぞれ全体の68%、「情報機器・家電ネットワーク制御技術」も58%と、比較的高い割合を誇っている。

 一方、出願の割合が低いのは「インターネット社会における検索技術」。米国の48%に対して、日本は29%に留まった。しかし、検索に用いるメディアデータ解析技術に関する出願が多い米国勢に対し、メディアの中で画像、映像や地理・地図データを解析する技術の出願については日本勢が米国勢を上回っている。(CNET Japan)

電気自動車 雪国で検証

2009年04月17日 読売新聞 Yomiuri On-Line
八戸工大

 八戸工業大学(八戸市)は、電気自動車を普及するための課題を検証する実証実験を始める。雪国での走行データを分析するほか、二酸化炭素の削減分を利用者へのサービスにつなげるシステムなども研究対象とする。

 経済産業省に提案し、モデル事業に採択された。県とも連携し、来年2月まで実施する。実験に使用する10台程度の電気自動車はメーカーの提供を受け、今年9月以降、研究に協力する企業や自治体が日常の業務で使用し、そのデータなどを分析する。研究費は約1億6000万円。

 研究の柱になるのは、北国でのガソリン車とのエネルギー効率の比較。冬期間の走行データを、暖房の使用量なども踏まえて検証する。また、騒音の小さい電気自動車の特徴にも注目し、歩行者が近づいた車にどの程度注意を払うかも調べる。同時に危険を回避させるための提案も検討する。

 さらに、二酸化炭素の削減効果を「エコポイント」として数値化し、電気自動車のユーザーに対するサービスで還元するシステムの提唱も目指す。

愛知県 次世代電気自動車の普及へ、「あいちEV・pHV普及ネットワーク」を設立

2009年04月17日 ecool

 愛知県は17日、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(pHV)の本格的な普及に向けて、電力会社、自動車メーカー、関係企業、市町村等が協働し実証実験を推進することを目的とした、「あいちEV・pHV普及ネットワーク」を設立することを発表した。当初のネットワーク参加予定者は、県、名古屋市、豊田市、中部電力、トヨタ自動車、三菱自動車など。

 2009年度から5年にわたり、初期需要の創出、充電設備の設置の促進、普及のための啓発活動などを実施してEV・pHVの普及を図るとしている。

日産、アリゾナ自治体と提携〜排ガスゼロ車の促進で

2009年04月17日 usfl.com

 日産自動車は17日までに、アリゾナ州フェニックス地域を統括するマリコパ郡自治体連合(MAG)との間で、同都市圏で電気自動車(EV)の充電ネットワークの配備を進め、排ガスのない自動車(ゼロエミッション車)の普及を目指すパートナーシップを結んだ。

 日産によると、提携には、自動車や公共交通機関の電動化・蓄電技術を開発するエコタリティ(同郡スコッツデイル市)も参加する。日産と同社は、州南部トゥーソンを含むピマ郡自治体連合ともEVの充電施設網整備で事業提携している。

 日産は2010年までに米国内でゼロエミッション車を発売し、その2年後に世界市場で販売する計画だ。現在、リチウムイオン電池を搭載したEVのプロトタイプ(試作車)を披露する全米キャンペーンを実施しているが、10年に発売する車はプロトタイプとデザインが異なるという。

 フェニックス地域では、日産とエコタリティがEVの充電施設の整備を計画し、MAGは地域への情報提供と協力取り付けを目的とする討論会を開催する。

電気自動車、走行距離1.5倍 官民で蓄電池開発

2009/04/16 NIKKEI NeT

 政府は企業や大学と共同で環境に配慮した次世代自動車向けの蓄電池を開発する。2015年度までに210億円を投じ、電気自動車(EV)で走行距離を現在の1.5倍、製造コストを6分の1にする目標を設定。30年度にはガソリン車並みに走れる新型電池の開発も目指す。環境対応車の性能改善で普及を促す考えだ。

 政府と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が次世代自動車用の蓄電池に関する技術開発工程表案を5月に公表する。既に企業や大学の募集を始めており、近く選定。官民共同でリチウムイオン型蓄電池の大容量化や軽量化、安全性テストの手法などを重点的に研究・開発する。

米のEVメーカー、テスラが英国に販売拠点オープンへ

2009年04月16日 Response

 米国テスラモータースは10日、英国ロンドンに欧州で最初の販売&サービス拠点を開設すると発表した。英国では6月後半から、『テスラロードスター』のデリバリーが開始される。

 テスラ社は、2008年夏にロサンゼルスに最初のディーラーをオープン。今春、シカゴにも販売拠点を設置した。今後はニューヨーク、マイアミ、シアトル、ワシントンの各都市にも、進出することを明らかにしている。

 同社にとって、米国と並んで欧州市場攻略も重要なテーマであり、その先陣を切って、英国ロンドンに最初のセールス&サービスセンターが設けられる。新ディーラーはロンドン中心部のナイトブリッジにあり、有名百貨店ハロッズがすぐ近くという好立地。まずはテスラロードスターを軸に、2011年から生産が始まる4ドアスポーツ『モデルS』の販売活動も行っていく。

 テスラにとって力強いのは、英国政府のバックアップだろう。ゴードン・ブラウン首相は、「電気自動車は経済再生プランのひとつの試金石になる」と、EVメーカーへの支援を表明。ロンドンのボリス・ジョンソン市長も、「市内2万5000か所に充電ステーションを整備し、10万台のEVを普及させたい」とテスラ社を援護している。

 さらに、米国政府がテスラ社のEV購入者に対して、最大7500ドル(約75万円)の補助金支給を決定したように、英国でもVAT(付加価値税)の減免や、駐車場や充電設備の無料利用などのインセンティブ導入が見込まれている。

 テスラ社はロンドンに続いて、年内にはモナコとドイツのミュンヘンにもディーラーを開設する予定。同社のCEO、Elon Musk氏は、「欧州での3か所の販売拠点オープンは、我々の計画を着実に実行するもの」と語り、EVスポーツカーのパイオニアとして、今後も積極的な拡大路線を歩む方針を表明している。 《森脇稔》

富士重工業、電気自動車「スバル プラグイン ステラ」のプロトタイプを開発

2009年04月15日 nikkei TRENDY net

 富士重工業は2009年4月14日、今夏から市場導入を予定している電気自動車「スバル プラグイン ステラ」のプロトタイプを開発したと発表した。環境省に15台を提供し、神奈川県など5府県市で実証実験を行う。

 すでに発表済みのコンセプトモデルと比べ、永久磁石式同期型モーターの出力を40kWから47kW、最大トルクを170N-mにアップ。よりきめ細かい出力制御と軽量化で、一層の高効率化を図った。バッテリーパックの最適化・小型化、運転席メーター類の改良、内装仕様の変更も実施。量産化モデルと基本的に同じ仕様となる。

 環境省が進めている次世代自動車等導入促進事業の対象車種で、計15台に必要な通信装置などを装備後、神奈川県、愛知県、大阪府、兵庫県、横浜市、郵便事業会社に6月まで貸与し、実証実験を行う。7月からは量産車の市場導入を開始。今年度は170台程度の供給を計画している。価格や販売方法、アフターサービス体制などについては現在検討中。

 全長3395×全幅1475×高さ1660mmで車重は1010kg。4人乗りの前輪駆動車、最高速度は時速100km、充電1回あたりの航続距離は80km。リチウムイオンバッテリーは総電力量9kWh。(文/平城奈緒里=Infostand)

電気自動車に対応したソーラー住宅、トステム住宅研究所が販売

2009年04月15日 nikkei TRENDY net

 トステム住宅研究所は、太陽光発電システムを搭載し、電気自動車の充電に対応した一戸建て住宅「LUCE・ルーチェ」を4月25日より販売する。モデルプランは延べ床面積144.91m2(43.8坪)で3.29kWの太陽光発電システムが付き、建物本参考価格が2426万円となる。

 2月末まで限定販売していた太陽光発電システム付き住宅「アリエッタSP」を改良し、定番モデルにした。7月に電気自動車の市場投入が本格化するとの見込みから、2階建ての1階部分を車庫と一体にしたプランを設定する。車庫には充電用200Vコンセントや、深夜電力を選択して充電するタイマー、盗難/盗電防止用コンセントカバーなどを設置できる。

 住宅の構造は木造軸組で、パネル工法を採用する。冷暖房効率を高めるため、トステム住宅研究所の断熱材一体型パネル「eパネル」を組み込む。また空調や照明の利用を抑えられるよう、吹き抜けや階段、高窓を利用して自然換気を促す設計にした。このほかIHクッキングヒーターや、自然冷媒を使ったヒートポンプ式電気給湯器「エコキュート」を標準装備する。

電池メーカーのA123Systems,GEなどから6900万ドルの資金を調達

2009/04/15 ITpro

 電池メーカーの米A123Systemsは米国時間2009年4月13日,米General Electric(GE)や複数の投資家から6900万ドルの資金を調達したと発表した。調達した資金は,リチウムイオン電池の製造施設拡大のほか,電力保存システムなど,次世代の電力供給インフラ「スマート・グリッド」向け技術の開発に使われる。

 調達資金のうち,1500万ドルはGE傘下の米GE Energy Financial Servicesと米GE Capitalによるもの。GEは,これまでに同社に合計7000万ドルを投資しており,同社の株式を10%以上保有している。今回の7回目の投資に伴い,GEの上級副社長と米GE Global Researchのディレクタを兼任するMark Little氏がA123Systemsの取締役会に参加する。

 今回の増資により,同社は米マサチューセッツ州ホプキントンと米ミシガン州ノビの製造施設を拡大するほか,ミシガン州に新しい製造施設を建設する。ミシガン州内の施設では,2013年までにハイブリッド型電気自動車用で500万台分,プラグイン式電気自動車用で50万台分の電池システムを供給できるようになるという。同州の製造施設を増強するために,今回の民間からの投資以外にも連邦および州による出資を求めている。

 ちなみに,自動車メーカーの米Chryslerと中国SAIC Motorは,それぞれ2010年に投入を予定している電気自動車向け電池の開発・供給についてA123Systemsと契約している。

富士重、量産型電気自動車「プラグイン ステラ」を7月発売

2009/04/14 Jiji.com

 富士重工業は14日、軽自動車「ステラ」をベースにした電気自動車(EV)「プラグイン ステラ」を7月に発売すると発表した。先に7月投入を発表している三菱自動車の「アイミーブ」とともに、国内で販売される初めての量産型EVとなる。富士重は2009年度に170台程度の生産を計画している。

富士重、電気自動車を7月に発売 三菱自と販売競争

2009/04/14 47News【共同通信】

 富士重工業は14日、電気自動車「スバル プラグイン ステラ」を7月に発売すると発表した。主に法人、自治体向け。三菱自動車も電気自動車「i MiEV(アイ ミーブ)」の7月投入を決めており、激しい販売競争を繰り広げそうだ。

 電気自動車は走行中に二酸化炭素(CO2)を排出しない環境対応車で、「グリーン税制」の拡充により今月から取得税と重量税が免税になったのも追い風となる。

 「プラグイン ステラ」はリチウムイオン電池を搭載し、充電1回当たりの走行距離は80キロと、「アイ ミーブ」の約半分。主に法人向けのため、都市圏で営業車両として使うには十分な性能と判断した。

 発進から7・5秒で時速60キロに達する加速性能を持ち、最高時速は100キロ。本工場(群馬県太田市)で2009年度は約170台、10年度は約200台を生産する。東京電力や武田薬品工業、日本郵政グループの郵便事業会社などが導入する見通し。

 富士重は発売に先駆け、「プラグイン ステラ」の試作車を環境省を通じて自治体などに計15台貸与し、今月から6月まで実証実験に使われる。

日本ユニシスが電気自動車の充電インフラシステムを青森県に提供

2009/04/14 IT Pro

 日本ユニシスは2009年4月14日、電気自動車(EV)用給電スタンドとそれを管理するシステム「smart oasis」を開発し、青森県にサービス提供すると発表した。今秋にシステムを稼働させ、来年2月まで実証実験を実施する。スタンドを携帯電話網やPHS網で結んで管理することで、今後国内市場投入が始まるEVやハイブリッド車向けの給電サービスを提供しやすくする。

 smart oasisは携帯電話やPHS、無線LAN、次世代高速無線であるWiMAXなどで構築したネットワークを経由して、給電スタンドを管理するシステムである。管理サーバーは日本ユニシスのデータセンターに設置する。利用者の認証のほか、給電スタンドの位置や空き状況をインターネット経由で検索できるようにする。

 給電スタンドは認証などに使う非接触ICカードリーダーに加えて、人体感知センサーも搭載する。100Vと200Vの給電を可能にする。

 日本ユニシスは千葉県佐倉市のユーカリが丘ニュータウンで、同システムの技術検証を開始している。

電気自動車:充電スタンド、庁舎に−−千代田区 /東京

2009年4月14日 毎日新聞〔都内版〕

 千代田区は区役所内に、電気自動車用の充電スタンド1台を設置することを決めた。CO2(二酸化炭素)削減と、環境に配慮した電気自動車のPRが目的。現在、同区内には充電スタンドは1カ所しかないという。市区町村庁舎での設置は、全国でも珍しい試みとしている。

 設置場所は庁舎地下1階の駐車場で、事業費は400万円。今夏までの設置を目指す。電気自動車は20分ほどの充電で、80キロの走行が可能。使用電気代は、一般的に1時間充電した場合、100〜200円程度といい、利用料は検討中。

 区は今後、公用車として電気自動車1台を購入する予定。【松谷譲二】

2012年次世代車爆発――生き残るメーカーは(舘内端)

2009/04/14 Ecolomy (NIKKEI NeT)

「プリウス、インサイト……次世代車・爆発的普及前夜」

舘内端(たてうち・ただし): 自動車評論家。1947年群馬県生まれ。日大理工学部卒、東大宇宙航空研究所勤務後、レーシングカーの設計に携わる。1994年日本EVクラブ設立、現在も代表を務める

 新型プリウスの予約を受け付けたところ、1週間で1万台に上ったということです。発売までには予約が4万台に達するかもしれません。ハイブリッド車等の低燃費車は補助金や税制優遇が受けられることもあって、この自動車不況の現在、唯一明るい兆しがあります。次世代車の爆発的普及前夜ということでしょうか。

 今回から、このコラムはタイトルを一新します。これまで「2010年に生き残るクルマ」と題して環境対応車(エコカー)や自動車メーカーの最前線の動向を追ってきましたが、2010年が来年に迫り、今後のクルマの行方が明確に見えてきました。ちなみに、次世代車爆発というタイトルは、次世代車が爆発的に普及するという意味で、爆発炎上するわけではありません。しばらくのお付き合いをよろしくお願いします。

 では、なぜ次世代車なのか。なぜそれが爆発的に普及すると考えられるのでしょうか。その理由にはいくつかあります。

 まず、逃れられない背景として、地球温暖化と石油資源の枯渇があります。この2つの問題が、自動車の行く手を阻んでいます。これまでのエンジン車では、解決が非常にむずかしいので、それに代わる新しい自動車=次世代車が求められているということです。

 確かに、自動車を生産し、販売する義務を負う自動車メーカーと、それを監督する行政府は、次世代車の開発を促進しなければなりませんが、私たちユーザーには関係ないといういい方ができないわけではありません。果たしてそうでしょうか。

 地球温暖化は私たちに健康被害をもたらし、生活を困難にします。私たちがその防止に努めなければ、誰が防いでくれるでしょうか。これは私たち自身の問題なのです。なぜなら、そもそも私たちの生活のスタイルが、地球温暖化を促進してしまうものだからです。

 石油はすぐに枯渇してしまうわけではありません。しかし、景気が回復すれば08年6月のように、ガソリン代が再び180円近くに上昇するという人たちが多くいます。そして、それほど遠くない未来に石油の供給不足が起こると心配されています。石油価格の高騰は、否が応でも私たちの生活を圧迫します。

 それを避けるには、石油の省エネルギーが必要であり、私たち一人一人が石油の節約に努めなければなりません。

 しかし、自動車に関しては、乗用車も商用車も、たとえエコドライブに努めるとしても限りがあります。自動車そのものが省エネになる必要があります。

 ごく当たり前のことですが、私たち自身が未来の地球を決定してしまうことを今一度確認する必要があると思います。そして、そこに次世代車が深く関係します。

 ただし、次世代車が高価では購入ができません。私たちの手が届く範囲の価格になってほしいものです。そのためには量産が必要です。量産を可能にするには、私たちが大量に購入しなければなりません。そのためには安くなければ……と、次世代車は鶏が先か、卵が先かという無限の連鎖に陥りがちなのです。

 このしがらみから脱却するには、自動車メーカーが大量生産を決意すること、私たちは多少高くとも購入する決意をすること、政府は補助金で自動車メーカーと私たちをサポートする決意をすることが求められます。

 次世代車と呼ばれる新しい自動車は、上記の2つの問題を解決に向ける技術が使われている自動車で、具体的にはCO2排出量の削減と石油の節約あるいは代替燃料の使用が可能な自動車です。

■メーカー、消費者、政府が一体となって……

 そうした次世代車の普及が目前だという理由は、上記の3者の決意がいよいよ固まってきたと考えられるからです。

 自動車メーカーのうち、地球温暖化と石油枯渇に危機感の強いメーカーは、次世代車の開発を進め、一部のメーカーはすでに発売しています。そして、トヨタとホンダは、次世代車の代表であるハイブリッド車のコストダウンにすでに成功しています。

 また、三菱自動車は、世界で初めて電気自動車の量産(近々に年産2万台)を決意しました。ニッサンは近い将来に年産20万台規模で電気自動車を量産するということです。両社の生産する電気自動車は、きっとガソリン車と同等の価格で発売されるようになるでしょう。

 一方、政府は次世代車に対して大幅な補助金を用意しました。現行プリウスで、最大20万円近い補助が受けられます。電気自動車に関しては、三菱自動車のi MiEVで国が130万円、神奈川県が65万円、計195万円近い補助金が用意されます。

 残った私たちはどうでしょうか。冒頭にご紹介しましたように、発売前の新型プリウスに対して1週間で1万台もの予約注文を入れる勢いです。私たちも決意したといってよいでしょう。次世代車爆発の兆しが現われたのです。では、海外ではどうでしょうか。

 たとえば、EUでは2012年から120gCO2/kmのCO2排出量規制が始まります。これは、自動車メーカーの次世代車開発を大きく前進させる契機になるでしょう。その一方で、ドイツを初めとして低燃費車購入のインセンティブが始まっています。

 米国は、場合によっては世界一の次世代車大国になるかもしれません。オバマ大統領は、施策の中核をなすグリーン・ニューディールのまた中核的施策に、グリーンカーの開発を据えました。自動車メーカーの開発を支援すべく、莫大な資金を用意しています。

 しかし、果たしてビッグスリーがその期待に応えられるかというと、かなりむずかしいといわざるを得ません。

 次世代車開発は、一方で自動車メーカーの実力を厳しく選別します。生き残れないメーカーが出てくるのも必至です。自動車再編成を促すのもまた次世代車なのです。

愛知県、電気車普及モデルに

2009年04月14日 読売新聞 Yomiuri On-Line

経産省が6府県で実証実験

 今年夏頃から販売予定の電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(pHV)の普及を目指す国のモデル事業「EV・pHVタウン」の実施地域に愛知県が選ばれた。県は今後、地域の特性を生かしたEV・pHVの普及に、本格的に取り組む。

 同事業は、低炭素社会の実現に向け、経済産業省が2013年度にかけて行う実証実験。充電設備の整備や啓発などを集中的に行い、将来の普及モデルにするのが狙いで、基本計画を策定する実施地域には愛知や京都など6府県が選ばれた。

 具体的には、企業や自治体での導入、カーシェアリングやパークアンドライドでの活用などを通じて需要を喚起する。また、駐車中に充電できる設備の設置を大型商業施設などに呼びかけ、利用しやすい環境づくりを進める。

 今年度から、これらの効果をふまえた基本計画を策定する予定で、県は名古屋、岡崎、豊田、安城市や中部電力、自動車メーカー2社と「あいちEV・pHV普及促進ネットワーク」(仮称)を発足させ、より多くの自治体や企業の参加を呼びかける。

 県大気環境課では「自動車登録台数が全国1位、自動車産業の中心地の愛知から自動車社会の将来像を提案したい」と話している。

クライスラー、EVバッテリー開発でA123システムズと提携

2009年04月12日 Response

 クライスラーグループは6日、初の量産電気自動車開発に向け、米国の量産バッテリーメーカー、A123システムズ社との戦略的提携を発表した。A123システムズは現在、ミシガン州での生産拠点建設を計画している。

 A123システムズは、クライスラーのレンジエクステンダー(航続距離延長装置)搭載電気自動車および100%電気走行用電気自動車向けの、『ナノフォスフェイト』リチウムイオン 角形バッテリーセルを供給することで、クライスラーと合意した。

 2009年デトロイトモーターショーで発表した電気自動車5モデルで示したように、バッテリーシステムの中核は、拡張可能なバッテリーモジュールだ。このモーターショーでクライスラーは、2010年にクライスラー初の量産電気自動車を導入する意向を表明した。

 クライスラーとA123は、バッテリーモジュールおよびバッテリーパックも共同開発する。バッテリーシステムをクライスラーの今後の電気自動車すべてに適用することで増産を図る。大規模な部品共通化による経済効果を得ながら、顧客のニーズに基づいた幅広い電気自動車を開発する。 《高木啓》

電気自動車:購入に補助、250台普及見込む 都が中小企業対象に今月から /東京

2009年4月11日 毎日新聞 地方版

 都は4月から、電気自動車や家庭用電源で充電できるプラグインハイブリッド車を購入する中小企業に対し、通常型車両との差額分の4分の1を補助する制度を始めた。差額分の半分を補助する国の制度と併せて購入者負担を大幅に軽減することで、今年度中に計250台の普及を見込んでいる。

 環境確保条例の改正に伴う低公害車・低燃費車普及促進策の一環。都によると、本体価格420万円の電気自動車を購入する場合、同クラスの通常型車両との差額は300万円程度。このうち150万円が国の補助、75万円が都の補助で賄われるため、購入者負担は195万円になる。

 全購入者を対象に、自動車取得税と自動車税の全額免除制度も同時に打ち出しており、都環境局自動車公害対策部の担当者は「トータルで見ると、通常型車両とほとんど変わらない感覚で購入できるはず」としている。

 このほか、ディーゼル車を最新規制適合車に買い替える中小企業への融資あっせん制度を拡充し、利子や信用保証料の補助割合を引き上げている。【市川明代】

お買い得なエコカー

2009年04月11日 読売新聞 Yomiuri On-Line

自動車販売店でも税金が軽減される環境対応車に力を入れている(名古屋市中区のネッツトヨタ東名古屋新栄店で)=谷之口昭撮影 ハイブリッド車や電気自動車、燃費の良い小型車など、環境対応車を買う人への優遇税制(エコカー減税)が、4月からスタートした。

 ハイブリッド車なら10万円以上、小型車でもモデルによっては5万円を超える減税となる。エコカー減税以外にも税優遇措置があり、上手に使えばさらにお得に購入できる。(経済部 庄野和道)

税優遇、新モデル発売も

 今回の減税対象は、購入時にかかる自動車取得税(2012年3月末の購入分まで)と、新車購入時と車検時に納付する自動車重量税(12年4月末まで)だ。ハイブリッド車や電気自動車、クリーンディーゼル車など新技術を使ったエコカーはこの二つが、全額免除される。ガソリン車でも燃費性能と排ガス中の有害物質の量次第で、課税額が50%または75%少なくなる。軽自動車も減税対象だが、もともとの税率が低いので、普通車に比べて減税額は少なめだ。

 ホンダの新型ハイブリッド車「インサイト(Gタイプ)」(税抜き価格180万円)を購入する場合を試算してみよう。取得税は車両価格の4・5%相当で8万1000円、重量税は「車重1トン超1・5トン以下」の自家用車・新車に当てはまり、5万6700円。しめて13万7700円免除される。

 さらに、今年度購入分までの限定措置として行われている「グリーン化税制」も利用できる。保有にかかる自動車税について、購入の翌年度分が、排ガスや燃費性能次第で25〜50%軽減される。インサイトは「おおむね50%」の軽減対象で、約1万7000円が減額される。これで合計して、15万円を超える減税となる。

 トヨタは5月にハイブリッド車の新型プリウス、三菱自動車も7月に電気自動車を発売する。そのほかにも自動車各社は今後、従来モデルをエコカー減税の対象となるように改良して売り出す見通しで、さらに選択肢は広がる。

三菱自、米で電気自動車「i MiEV」の走行試験

2009/04/11 NIKKEI NeT

 三菱自動車は10日、2009年中に米国のオレゴン州で電気自動車の走行試験を始めると発表した。州政府や現地の電力会社と共同で、開発中の「i MiEV(アイミーブ)」の実用性を試す。三菱自は10年のアイミーブの米国発売をにらみ、地元へ技術力をアピール。普及につなげる狙いだ。

 オレゴン州のポートランド市を中心に走行試験する。米国子会社のミツビシ・モータース・ノース・アメリカ(MMNA)がリース方式で車両を貸与。オレゴン州政府や電力会社のポートランド・ゼネラル・エレクトリック(PGE)が実際に使用し、走行データを集める。

 試験の期間やアイミーブの貸与台数などは今後、詰める。MMNAは車両の整備を担当し、集めたデータを開発に生かす。オレゴン州やPGEとは、充電器の試験配備などでも連携する。

日産、中国に電気自動車投入 11年初め、外国勢で初

2009/04/10 47News【共同通信】

 【北京10日共同】日産自動車は10日、2011年初めに電気自動車を中国市場に投入すると発表した。日産によると、外国メーカーが中国で電気自動車の供給計画を表明するのは初めて。四半期ベースで米国を抜き最大の自動車市場となった中国で、普及への動きに弾みがつきそうだ。

 中国では、電池メーカーから自動車業界に参入した比亜迪汽車(BYDオート)や、奇瑞汽車などの中国メーカーも電気自動車に力を入れており、今後日中のメーカーを軸に販売競争が激化しそうだ。

 日産の志賀俊之最高執行責任者は10日、北京で記者団に「電気自動車の量産を計画しており、世界で最も伸びている大市場で展開するのは当然だ」と語った。

 日産は同日、中国で最初に電気自動車を供給する湖北省武漢市や工業情報省と、充電スタンドの整備など電気自動車普及に向けた協力に関する覚書に締結した。当初は日本から電気自動車を輸出し、販売台数が伸びれば現地生産を検討する。

 中国政府は環境対策の切り札として電気自動車普及を進める方針で、購入者に対し1台当たり6万元(約90万円)の補助金を出す。電気自動車などの環境対応車を11年に乗用車販売の5%にするのが目標で、「将来は中国市場の3分の1が電気自動車になる」(専門家)との見方もある。

三菱自、電気自動車を米市場投入へ記事を印刷する

2009年04月10日 nikkansports

 三菱自動車は9日、開催中のニューヨーク国際自動車ショーで、日欧で販売を始める予定の電気自動車「i MiEV(アイ・ミーブ)」を米国市場にも投入する、と正式に発表した。

 同社幹部は「米国を含めた世界市場で販売するために開発を進めている」と表明したが、米国投入の具体的な時期は示さなかった。

 アイ・ミーブは加速性能に優れ、1晩充電すると160キロの走行が可能。米国でも公道実証試験を始めている。

 日本では7月以降、主に法人向けに販売するほか、2010年末〜11年初めに欧州で発売することも決めている。(共同)

電気自動車「実証」スタート

2009年04月08日 読売新聞 Yomiuri On-Line

岡崎市役所に急速充電設備

 市の公用車などに電気自動車の導入を目指す岡崎市で、一般道路などを実際に電気自動車が走行する「実証運転」が始まった。岡崎市は、環境省の次世代自動車導入促進事業に積極的に取り組み、電気自動車の走行に欠かせない急速充電設備が県内で唯一設置されている。

 実証運転で使用されているのは、三菱自動車製の「iMiEV(アイ・ミーブ)」の実証走行試験車。県が環境省から無償で借り受け、希望した市町村に共同利用(カーシェアリング)方式で貸し出している。

 実証運転の初日となった6日は、柴田紘一市長が試運転をして市役所周辺を走行して乗り心地を確認した。市の各部署が13日まで公用車として利用し、走行性能の確認や、利用促進のPRなどをする。

 アイ・ミーブは4人乗りの乗用車で、最高時速130キロ。フル充電で160キロを走る性能を持っている。家庭用の100ボルト電源だと14時間、200ボルトだと7時間の充電時間が必要だが、岡崎市役所の立体駐車場1階に設置された急速充電設備は、約30分で90%の充電ができる。

 岡崎市は、市内にある三菱自動車技術センターでアイ・ミーブが開発されたことから急速充電設備を設置。市では今年度中に市販されるアイ・ミーブ1台を購入することにしている。県は秋までに、車種を替えながら、岡崎市以外でも実証運転を行いたいとしている。

三菱自、電気自動車をカナダで試験走行 現地電力と協力

2009年04月08日 日経産業新聞

 三菱自動車は7日、カナダのバンクーバー市(ブリティッシュコロンビア州)で、電気自動車の走行試験を始めると発表した。「i MiEV(アイミーブ)」を使って、低温下での走行試験や耐久テストを実施。現地の電力会社と共同で、充電インフラについても技術連携を進める。地元への技術アピールに加え、州政府などが進める環境対策を後押しする。

 2009年11月から試験を始める。三菱自のカナダ事業統括会社であるミツビシ・モータース・セールス・オブ・カナダ(MMSCAN)が、バンクーバー市と地元電力会社のBCハイドロにアイミーブをリース方式で貸し出す。アイミーブを実際の業務活動などに利用してもらい、各種走行データを集める。

次世代型電気自動車、電力会社が普及を先導−09年度、販売予定数の4割程度

2009年04月07日 電気新聞

 電力会社による電気自動車(EV)、プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)の導入計画によると、「次世代EV元年」といわれる09年度は電力10社合計で600台程度が導入される見通しだ。リチウムイオン電池を搭載した次世代型EVは、7月に発売される三菱自動車「i MiEV」(アイミーブ)を中心に、09年度は2千台以上が市場に出回る予定。初年度販売予定数のうち、3〜4割を電力会社が占めることになり、EVの普及初期を電力会社が支える構図が鮮明になっている。

 電力会社によるEV、PHEV導入については、電気事業連合会が昨年9月、メガソーラー発電とともに業界を挙げて地球温暖化対策に取り組む施策の一環として、20年度までに約1万台の業務車両をEV、PHEVとする計画を示した。各社がこれまで個別に表明した将来のEV、PHEVの導入目標台数を集計すると、合計9200台とほぼ電事連目標に沿った数値が出ている。

 各社とも高所作業車などの特殊車両を除く業務車両の電動化を進めていく考えで、ほとんどが20年度までに4〜5割を置き換えていく。北海道電力は気候が寒冷で山間部の多い供給エリアの特性から、業務車両の3分の1をEV、PHEV化する方針。

 09年度は三菱自動車がアイミーブ2千台を市販する予定のほか、富士重工業がEV「プラグインステラ」を100台、トヨタ自動車も09年末からPHEVを日本市場に投入する。これを受け、東京電力は300台、中部電力は100台と初年度から大規模な導入を進める。九州電力は36台、中国電力、四国電力は30台、北陸電力は10台、北海道電力は7台、沖縄電力は5台をそれぞれ導入する。東北電力は3〜4年で100台、関西電力は3年で200台と中期的な導入計画を示した。各社EVの導入とともに、事業所などへの急速充電器の設置も進める。

 電力会社が導入するEV、PHEVは業務車両として消費者の目に触れる機会が増えるほか、電力会社側も各種イベントで積極的に活用していくとみられる。

 EV、PHEVの普及に向けた「先陣」として電力会社の役割が一層高まりそうだ。

米電気自動車、来年にも日本へ 新興2社、国内車と競争激化

2009/04/06 47News【共同通信】

 【ニューヨーク6日共同】カリフォルニア州に本拠を置く米自動車ベンチャー2社が、家庭用の電気コンセントから充電できるスポーツカータイプの電気自動車を2010年に日本で発売しようと計画している。三菱自動車など日本の大手は年内に電気自動車を売り出す予定で、競争が激化しそうだ。

 日本投入が検討されているのは、米国で予約受け付け中のフィスカー・オートモーティブの電気モーターとエンジンを組み合わせたハイブリッドタイプ「カルマ」と、既に販売中のテスラ・モーターズの電気モーター車「ロードスター」。

 カルマの最高速度は時速200キロ。4ドア、4人乗りでフル充電すればエンジンを駆動させずに80キロの走行が可能。電気を使い切った後はエンジンが始動。走行可能距離は480キロに達する。米国での販売価格は8万7900ドル(約890万円)。

 ロードスターは2人乗りの2ドアオープンカー。最高速度はこちらも200キロ。1回の充電で最大約350キロ走行できる。価格は10万ドル(約1010万円)。セダンタイプも開発中で、日本への投入も目指す。

電気自動車、マレーシアから世界へ

2009/04/06 fuji Sankei Business i

マレーシアの自動車メーカー、プロトン・ホールディングスの乗用車。オランダに拠点を置くベンチャー企業、デトロイト・エレクトリックと組んで電気自動車の開発・生産に乗りだす(ブルームバーグ)

 世界中の自動車産業が苦境に見舞われるなか、電気とガソリンエンジンを併用するハイブリッドカーや電気自動車に注目が集まっているが、マレーシアの自動車メーカー、プロトン・ホールディングスがオランダに拠点を置く電気自動車開発のベンチャー企業「デトロイト・エレクトリック」と電気自動車の開発・生産で合意した。

 合意によると、デトロイト・エレクトリック社はプロトンの2車種のプラットホームを使い、デトロイト・エレクトリックのブランドで、電気自動車を生産する。同社では2012年までに27万台の電気自動車を欧州、英国、中国、米国で発売する計画という。アジアではプロトンが自社ブランドで販売する。

 クアラルンプールで3月30日に行われた調印式にはマレーシアのアブドラ首相も出席した。調印後、デトロイト社のアルバート・ラムCEO(最高経営責任者)は「今回のプロトンとの合意で、わが社は革新的で実用的、かつ手ごろな価格の完全な電気自動車を世界市場に送り出す先頭に立つことができた」と語った。

 発表によると、車は2種類あり、町中など近距離用のハッチバックが2万3000ドル(約229万2600円)から、遠距離用のサルーンが2万8000ドルから。いずれもデトロイト社が開発した電動モーターとリチウムポリマーバッテリーを搭載し、1回の充電で近距離用が180キロ、遠距離モデルは325キロの走行が可能という。

 デトロイト・エレクトリック社は、アジアではプロトン社と提携したが、他の地域ではそれぞれの自動車会社と提携し、10年2月からEU(欧州連合)、英国、中国でセールスを始め、10年夏からは米国での販売も計画している。

 デトロイト・エレクトリック社は、1907年に電気自動車生産を始めた米国の自動車メーカーだが、30年代の大恐慌で破産を申請、39年に完全に生産を中止した。しかし、2008年に米電気自動車メーカーZAPが社名を買い取り、再生した。(シンガポール 宮野弘之)

アイフルホーム 太陽光発電搭載・電気自動車対応住宅を期間限定発売

2009年04月06日 Online Interior Business News

 住生活グループ傘下で、住宅FCを全国展開している(株)トステム住宅研究所アイフルホームカンパニー(大竹俊夫社長兼カンパニープレジデント)は、現行のキッズデザインの住宅「家+庭 絆を育む家・セシボ」と、省エネ技術や新エネルギー技術を活かした環境に優しい家「家+庭生活(かていせいかつ)CH08」の要素を凝縮した普及価格帯の新商品として、太陽光発電搭載・電気自動車対応住宅「セシボ・アニバーサリー」を開発し、4月1日から期間限定販売を開始した。

 アイフルホーム25周年記念商品である「セシボ・アニバーサリー」の特長は、エコロジー設計と、こども目線に立ったキッズデザインにある。エコロジー設計については、CO2の発生がない太陽光発電により電気を創る「創エネ」や、住宅と電気自動車を組み合わせ、太陽光発電とCO2発生の少ない深夜電力を利用し、電気自動車へ充電したり、断熱性・遮熱性の高いLow-Eガラスの採用で冷暖房効率を高めたり。冬と夏の日射を上手にコントロールし、自然の風を取り込むなど、随所に環境への配慮が工夫されている。

 また「キッズデザイン」については、以下4つの「きょういく」を提案している。

 (1)郷育……土間リビングやガーデンデッキ、ファミリースペースにより、子供の社会性やコミュニケーション力を育む場として提案。

 (2)共育……キッチンには隣接するタタミ室や土間リビングなどで遊ぶ子供の様子を見守れるだけでなく、子供の家事参加やリビング学習しやすい動線を確保し、家事のストレスフリーや家族が楽しくコミュニケーション出来る場として「パノラマオープンキッチン」を提案。

 (3)強育……モジュールガーデン「フラワーベッド」を通じて、野菜や草花を収穫し、庭に集まる鳥や虫など自然と触れ合うことで、いのちの不思議さや意味を考える。

 (4)興育……子供の手が届く場所に辞書や絵本を置いておく「どこでも辞書設計」や思い出ステーションを提案。

 さらに、子供の家庭内事故防止を念頭に、指詰め事故を軽減する、ソフトクローズ機構を採用したオール引戸設計であること、ぶつかってもケガしないよう内部壁・框の角をすべて滑らか曲面加工したこと、転落防止用の開口幅を調節出来る小開口アームの設置など、様々な工夫が施されているとともに、子供の感性や思いやりの心を育むペット共生生活を提案している。

 構造・工法は木造軸組金物工法。建物本体の参考価格は、スタンダードプランで税込み1830万円(工事面積40.1坪、標準地域仕様の場合)。年間の契約目標は500棟。

「エコカー」購入に補助金 買い替え時に最大30万円、政府検討

2009/04/04 NIKKEI NeT

 政府はハイブリッド車など環境への負荷の低い自動車の購入を促す補助金制度を導入する。買い替え時に1台あたり最大で30万円程度を支給することを検討している。販売が低迷している自動車の需要を刺激するとともに、温暖化ガスの排出削減に役立てる。

 対象は電気とガソリンの両方を使うハイブリッド車、電気自動車、一定の排出ガス基準を満たすガソリン車やディーゼル車。これらの車を買う際に軽自動車で10万円、その他の車で20万円の支給を検討している。

アイルランドで2年以内に電気自動車供給

2009.04.04 MSN産経新聞

 アイルランドのライアン通信・エネルギー・天然資源相は3日、日産自動車とフランス自動車大手ルノーが2年以内にアイルランドで電気自動車を供給することを明らかにした。ロイター通信が同日伝えた。

 アイルランドは、二酸化炭素(CO2)排出削減の一環として、2020年までに同国の自動車の約10%に当たる約23万台を電気自動車に転換する計画を立てている。(共同)

電気自動車の生産予定台数を倍増 三菱自動車

2009年04月03日 Net-IB 九州企業特報

 国内で今年7月から電気自動車「i MiEV(アイ ミーブ)」を発売する三菱自動車は、2011年度の電気自動車の生産能力を、最大で当初計画の2倍となる2万台に引き上げる方針であることを表明した。動力源となるリチウムイオン電池の生産量も、現在の2.5倍に増やす予定。本年度に生産される2,000台は、電力会社など法人からの購入予約が既に入っているという。また、10年度の生産台数も1,000台増やし、5,000台にする。

 「アイ ミーブ」の当初の生産計画は09年度2,000台、10年度4,000台、11年度1万台だった。10年度に海外向け左ハンドルや商用タイプも生産を開始し、フランスのプジョー・シトロエングループ(PSA)へ年間1万台ほどが供給されるほか、国内で個人向け販売も始められる。

 各国が環境対策を強化するなか、二酸化炭素を排出しない電気自動車は、各国で優遇策が広まっており、需要の更なる拡大が見込まれている。

三菱自、電気自動車の生産倍増へ 11年度2万台に

2009/04/03 47News【共同通信】

 三菱自動車は3日、「i MiEV(アイ ミーブ)」などの電気自動車の生産能力を2011年度に最大で当初計画の2倍の年2万台に引き上げる方針を明らかにした。水島製作所(岡山県倉敷市)で製造し、10年度も計画より1000台増やし5000台にする。

 三菱自は「アイ ミーブ」を国内でことし7月に発売するが、今夏からの1年間に製造する2000台は電力会社など法人からの受注で予約が埋まっている。

 電気自動車は走行中に二酸化炭素(CO2)を排出しない環境対応車として国内外で政府の優遇策が広がっており、今後も市場拡大が見込めると判断した。

 10年度に海外向けの左ハンドルや商用タイプも追加し、フランス自動車大手プジョー・シトロエングループ(PSA)に対する相手先ブランドによる生産(OEM)供給も始まる。

北九州市 電気自動車実証実験へ 5月から1台 公用車に 片山右京さんPR

2009年04月01日 西日本新聞朝刊

 電気自動車の普及に向けた環境省の実証実験に参加する北九州市は31日、小倉北区の北九州市役所駐車場で記念式典を開いた。元F1ドライバーの片山右京さんが電気自動車を運転し、急速充電器で充電するパフォーマンスを披露した。

 実験は横浜市や愛知県など計6自治体で行われる。北九州市は5月から2カ月間、電気自動車1台を公用車として使用。乗り心地や燃費のほか、実験のために市役所駐車場に設置された九州初の急速充電器の性能データなどを収集する。

 電気自動車は走行中に温室効果ガスを排出しないため環境に優しいとされる。片山さんは「運転しているときに『空気を汚していない』と思うと気持ちいい」と語った。

 市は実験終了後、独自に公用車として電気自動車1台を購入予定。北橋健治市長は「普及に向けた先導的な役割を果たしたい」と述べた。

三菱自動車、モナコ公国と電気自動車走行試験に関する覚書を締結

2009年03月30日 毎日新聞(※発表日 2009年03月27日)

 三菱自動車は3月26日にモナコ公国、三菱自動車の欧州事業統括会社Mitusbishi Motors Europe B.V.(MME ミツビシ・モータース・ヨーロッパB.V.)、そしてMC Automobile(Europe) N.V.(*1)と、2009年末よりモナコ公国にて実施する新世代電気自動車『i MiEV(アイ ミーブ)』の走行試験に協力する内容の覚書(MOU)を交換した。

 モナコ公国では環境問題への取り組みとして、国内の移動手段をCO2排出量の少ない電動車両に置き換える施策に積極的に取り組んでいる。一方、三菱自動車は新世代電気自動車『i MiEV』のグローバル展開を積極的に推し進めており、今回、両者の考えに基づき、走行試験を実施することに合意した。

 今回の走行試験は2009年末から『i MiEV』を配備し、同国内郵便局、通信局などの公共事業及び政府系企業(モンテカルロSBMカジノホテル)にて使われる予定である。

 三菱自動車は新世代電気自動車『i MiEV』の実用性確認、およびプロモーション活動をグローバルで展開しており、すでに、日本、欧州、北米、ニュージーランド、豪州で実用化のための実証試験や調査活動を行っている。

(*1)MC Automobile(Europe) N.V.:三菱商事の100%出資子会社

■問い合わせ先■三菱自動車[7211.T]

以 上

電気自動車、全国を縦断

2009/03/29 中国新聞ニュ−ス

 環境問題を考える市民団体「ZEVEX」(ゼベックス、京都)が28日、家庭用コンセントから充電できる「プラグイン・ハイブリッド」の手づくり電気自動車で広島市中区から岩国市まで走行した。途中、廿日市市役所で充電した。

 車は全国を縦断中で2007年5月に北海道を出発。メンバーが交代で走らせている。知人の家や店舗など計122カ所で充電し、延べ37日間かけて中区に到着した。

 車は4時間の充電で約25キロ走り、充電切れの場合、ガソリンを補助的に使う仕組み。総走行距離は約2700キロに達したが、消費したガソリンは55リットルにとどまる。

[環境CSR]オバマ米大統領 次世代電気自動車の製造に24億ドルを拠出

2009年03月27日 Ecol

 アメリカエネルギー省は19日、オバマ米大統領が次世代電気自動車に総額24億ドルの資金を支援することを明らかにした。これにより、数万人の雇用創出と海外への石油依存度の低減につなげる。

 支援の内訳は、国内のバッテリーや関連部品の製造企業へ15億ドル、電気モーターや関連部品の製造企業へ5億ドル、次世代電気自動車の充電スタンド等のインフラの実証評価に4億ドルが充てられる。今回の事業では、石油の使用量や温室効果ガスの排出削減に貢献でき、景気回復、エネルギー安全保障、環境の面持続可能性を促進できると期待されている。また、2015年までに、100万台の次世代電気自動車を導入するというオバマ大統領の目標の達成にも貢献することになる。

米テスラ、新型セダンSを公開=5万ドルで11年秋発売へ

2009/03/27 Jiji.com

 【シリコンバレー26日時事】米電気自動車(EV)ベンチャーのテスラ・モーターズは26日、カリフォルニア州内で5人乗り中型セダン「S」試作車を公開、同日から米欧を対象に購入予約の受け付けを始めた。オバマ政権の環境投融資を後ろ盾にゼロ・エミッション(排出ガスゼロ)技術をめぐる主要メーカー間競争に本格参戦。2011年秋にも量産を始め、当初年2万台の販売を目指す。

[環境CSR]電気自動車など環境に優しい車への買い替え補助金、インターネット申請が可能に−ドイツ

2009年03月23日 Ecol

 ドイツ経済・輸出管理局は10日、電気自動車など環境に優しい車への買い替えに対する公的補助金の支給の申請がインターネット(ウェブサイト)でも行えることを明らかにした。手続き開始は3月30日より。新車の購入契約書の写しを添付すれば、納期前でも申し込むことが可能になる。

 政府は、古い自動車を処分し環境にやさしい新車を購入する際に2500ユーロ(約30万円)の補助金を支給する方針を打ち出している。対象は所有する車が車齢9年以上かつ国内で1年以上登録されており、EU(欧州連合)の排ガス規制「ユーロ4」以上を満たす車に買い替える場合。

 今回の補助金の申し込み件数は、3月20日時点で30万674件と、導入から2カ月余りで予定としていた60万件の半分を超えている。

電気自動車VBの米「テスラ」、日本進出 新市場拡大に弾み

?2009年03月27日?NIKKEI NeT

 米電気自動車ベンチャーのテスラ・モーターズ(カリフォルニア州)は26日、日本市場に進出する考えを明らかにした。2人乗りの高級スポーツ車「テスラ・ロードスター」の受注を今年後半に始め、来年の納車を目指す。同日発表した新型セダン「モデルS」も2012年後半に日本で販売する。同社は、シリコンバレーで注目を集めるベンチャー企業。電気自動車新市場の拡大に弾みがつきそうだ。

 同日、ロサンゼルス市近郊で開催した記者会見でエロン・マスク最高経営責任者(CEO)が明らかにした。「ロードスター」は、リチウムイオン電池とモーターで走る電気自動車で、価格は約10万ドル。昨年米国で発売し、これまでに250台以上を販売した。

 同日発表した新型セダン「モデルS」は、大人5人と子供2人が乗車できる。電池は3種類あり、大容量電池を使えば最長で300マイル(約480キロメートル)の走行が可能。家庭用電源で充電でき、米国の環境優遇税制度を使えば5万ドル以下で購入可能という。(ロサンゼルス=田中暁人)

経済有識者会合:橋下知事提案「電気自動車無料スタンド」

2009年03月20日 毎日新聞

 追加経済対策の策定に向け、麻生太郎首相が有識者から意見を聞く「経済危機克服のための有識者会合」の4日目の会合が20日、首相官邸で開かれた。「地方自治体・地域経済」がテーマの部で、大阪府の橋下徹知事は太陽光発電を利用した電気自動車のための「無料燃料スタンド」の導入を提案。「電気自動車の普及のために燃料の電気は無料とする。(その実現のために)自動車税を財源とさせてほしい」と述べた。

 宮崎県の東国原英夫知事は「政治・行政にも『突然変異』が必要だ。そういう連中が歴史を変える」と主張。首相がこれに「小泉純一郎(元首相)なんて立派な突然変異の典型だった」と応じる場面もあった。

 「雇用・人材開発」の部では、首相が派遣労働のあり方などを質問。経済評論家の勝間和代氏は「現在の財政支出は高齢者に偏っている。もっと若者に資源を投資し、若者にチャンスを与えることを哲学とした施策が必要」と訴えた。【平川哲也、木下訓明】

[環境CSR]イギリス、電気自動車の普及促進「グリーンカー革命」に向けた計画を発表

2009年01月30日 Ecol

 英国運輸省(DFT)は、電気自動車やハイブリッドカーなどの市場を促進する、「グリーンカー革命」を先導する計画を発表した。この計画は、英国の低炭素経済実現における、2030年までの100万人のグリーンな雇用創出を目標とした施策として位置付けられている。

 電気自動車などのグリーンカーの研究及び製造は、中長期的に英国の雇用を保護する可能性のある先端産業と目され、数千人の労働者の雇用維持と共に、新たに1万人もの雇用創出をも見込んでいる。

北米国際ショー、電気自動車に新興企業意欲

2009年01月15日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 北米国際自動車ショーでは米国の新興企業や中国メーカーが、家庭用電源で充電できるプラグイン・ハイブリッド車や電気自動車を相次いで発表した。

 長く繁栄を誇った米自動車大手が経営危機に苦しむ一方で、新興企業がハイテク技術や低コストを武器に自動車市場に挑む姿が注目される。(デトロイトで、池松洋 写真も)

 「電気自動車の時代を一日でも早く招くため、他の自動車メーカーとの協力を進めていく」。米カリフォルニア州の新興電気自動車メーカー、テスラ・モーターズのエロン・ムスク最高経営責任者(CEO)は13日の記者会見でこう述べた。独ダイムラーの小型電気自動車にバッテリーを供給することも明らかにし、技術力に自信を示した。

 スポーツタイプの「カルマ」(09年10〜12月に発売)など2車種を展示したフィスカー・オートモーティブは、プラグイン・ハイブリッド車メーカーとして同州で2年前に設立されたばかりだ。カルマは最高時速200キロ、電池駆動だけで80キロを走行できる。ヘンリク・フィスカーCEOは「既に1300台を受注した。11年には新たな車も投入する」と鼻息が荒い。

 両社とも、ハイテク企業が集中するシリコンバレーで培った電池技術を自動車に応用して、既存の自動車メーカーに対抗できる高性能を実現したという。

 昨年12月、プラグイン・ハイブリッド車「F3DM」を世界で初めて発売した中国の比亜迪汽車(BYD)は、11年に米市場に投入し、現地生産を検討する方針を今回の北米ショーで表明した。トヨタ自動車や米ゼネラル・モーターズ(GM)もプラグイン・ハイブリッド車の市販準備を急いでいるが、新興の中国企業に先を越された。

 トヨタの瀧本正民副社長は「自動車再発明の時代を迎えている。既存のメーカーは追いつかれないように走り続けなければならない」と、新興企業の存在に警戒感を強めている。


ガザで電気自動車が人気 燃料不足、窮余の改造

2008年06月18日  中国新聞ニュ−ス

 イスラエルの制裁で燃料不足が慢性化しているパレスチナ自治区ガザで、乗用車を改造した電気自動車が町を快走し、住民の熱い視線を浴びている。

 改造に成功したのはファエズ・アナンさん(42)ら電気技師2人。小型車のボンネット内部に、エンジンにかえてモーターを搭載し、パソコン用のバッテリー34個を接続した。家庭の電源で6時間充電すると約180キロ走行できる。最高時速は約100キロ。

 試行錯誤を経て5月中旬に完成し、騒音、排ガスなしで順調な走りを実証した。改造費は、同種の中古車の半値近い2500ドル(約27万円)だが、既に約400件の注文が殺到。ガザを支配するイスラム原理主義組織ハマスの政府から承認を受けた上で、順次改造を進める予定だ。

 イスラエルは昨年10月から、ガザの武装勢力によるイスラエル砲撃への事実上の制裁として燃料の供給を削減。住民の多くは窮余の策として、食用油を燃料に使ったり、家庭用ガスボンベをつないだりして車を動かしている。(ガザ市、共同)

電気自動車、開発ブーム 自動車各社が陣営を形成

2008年06月18日  中国新聞ニュ−ス

 次世代環境対応車である電気自動車などの量産を目指し、自動車メーカー各社が搭載電池の開発を急ピッチで進めている。ガソリン価格の高騰や環境意識の高まりを背景に、電池事業が得意な電機メーカーも巻き込んだ“開発ブーム”の到来ともいえそうだ。

 環境対応車に搭載される動力源としては、リチウムイオン電池が本流とされる。このため自動車・電機メーカーはそれぞれ陣営を形成。2009年以降、共同開発するリチウムイオン電池の量産計画を相次いで打ち出している。

 10年度に日米市場で電気自動車を投入する日産自動車。カルロス・タバレス副社長は「(排ガスがない)ゼロエミッション車の時代が迫っており、コスト競争力がある電池をさまざまな自動車メーカーに提供したい」とリチウムイオン電池の量産体制の確立に意気込みを見せる。

 主な陣営としては、(1)トヨタ自動車と松下電器産業(2)日産とNECグループ(3)三菱自動車とジーエス・ユアサコーポレーション(GSユアサ)(4)ドイツのフォルクスワーゲン(VW)グループと三洋電機−などが挙がる。

化学反応ナノレベルで観察 世界初、燃料電池改良に道

2008年06月12日  中国新聞ニュ−ス

 北海道大の大貫惣明教授と広島大の小島由継教授らの研究グループは12日、電子顕微鏡を使って、固体の水素化合物と気体が化学反応する様子をナノ(10億分の1)メートルレベルで観察することに世界で初めて成功したと発表した。燃料電池システムの改良などに道筋をつける画期的な成果だとしている。

 大貫教授によると、電子顕微鏡では従来そもそも固体と気体の反応を観察できなかった。電子ビームが気体に当たると像がぼやけてしまうためで、観察対象の固体は真空状態に置かれていた。

 だが研究グループは特殊な材料を使い、像がぼやけない程度の微量の気体で固体を覆うことができる顕微鏡観察用の容器を開発。アンモニアの気体と水素化ナトリウムが反応し、水素の気体が発生する過程を観察した。

 クリーンエネルギーとして期待される燃料電池は、水素と酸素の化学反応を利用し電気を作る装置。水素化ナトリウムは実用化に向けて、軽量な水素貯蔵材料の1つとして有力視されている。

リチウム電池の開発検討 自動車向けに三洋と独VW

2008/05/11 中国新聞ニュ−ス

 三洋電機とフォルクスワーゲン(VW)が、ハイブリッド車などに使うリチウムイオン電池の共同開発を検討していることが十一日、分かった。ハイブリッド車への同電池搭載が本格化すると見込まれる二〇一二年ごろをめどに、実用化を目指す方針だ。

 各メーカーは次世代型のリチウム電池の開発を急いでいる。三洋とVWは、既にニッケル水素電池を共同開発しており、リチウム電池でも関係を強化したい考えだ。

 共同開発を検討するリチウム電池は、ニッケル電池と比べて高容量で、小型軽量化できるため車体が軽くなり、燃費などの性能が向上する。三洋は徳島工場(徳島県松茂町)で既に自動車向けのリチウム電池の試作を始めており、今後は安全性など品質全般の確保に取り組む。

 リチウム電池は現在、ノートパソコンや携帯電話に使われ、三洋は世界でシェア首位。自動車向けも事業の柱と位置付け、投資増強を計画している。

電気自動車:販売開始 4輪原付き86万円/2人乗り軽260万円 /山形

2008年05月10日 毎日新聞 地方版 Mainichi INTERACTIVE

 ◇EV安全協会山形支部

 二酸化炭素などの排出ガスを出さない電気自動車(EV)を普及させ環境保全に貢献しようと、鶴岡市の企業2社でつくるEV安全協会山形支部(尾形昌彦支部長)が9日、電気自動車の販売を開始した。県内で初めて。

 取り扱うのは、1人乗りの4輪の原付き「COMS(コムス)デリバリー」(車両本体価格86万6000円)と、2人乗り軽自動車「Girasole(ジラソーレ)」(同260万4000円)の2車種。100Vの家庭用コンセントからの充電に5〜8時間かかるが、コムスで約35キロ、ジラソーレで約120キロ走れる。国の助成制度でコムスで7万円、ジラソーレで77万円の補助金が下りるという。

 2月からコムスに乗る同支部の秋山周三・秋山鉄工社長は、「月に約400キロ走っても、電気代は約800円と衝撃的な燃費だった。真冬の庄内の凍結路面の走行も支障なかった」と話し、「鶴岡からEVの風を」と意気込んでいる。問い合わせは、尾形サービス商会(0235・22・0011)へ。【長南里香】

世界初 熱電発電ビーグル開発に成功 大阪産大

2008.05.09 MSN産経新聞

 ガスの燃焼エネルギーから直接発電して走行する電気自動車「熱電発電ビークル(TEGV)」の走行試験に成功したと、大阪産業大学(大阪府大東市)が9日、発表した。

 熱電発電は、半導体の表裏の温度差を利用する発電技術。焼却炉に取り付けて排熱で発電し、炉自体の電力をまかなう装置など、メーカーや研究機関が競って開発に取り組んでいる。

 今回のビークルは、ガスを燃焼させて発電装置の片面を加熱し裏面を水冷することで電力を得てモーターを回す仕組みで、熱電発電をエネルギーとした初の自動車になるという。

 全長約2メートル、全幅約1・1メートル、重さ約96・5キロの車両で、最高出力は150W。最高時速は20キロで1人乗り。通常の電気自動車よりも小型のバッテリーで、最高で2時間程度走行できるという。

 山田修教授(54)(材料科学専門)の研究チームが1年がかりで完成させた。山田教授は「ボディの軽量化や装置の出力を上げることで、数年後には時速100キロで長時間走行できるビークルを目指す。将来タンクにゴミを入れて走る未来の車が実現するかもしれない」としている。

日産ゴーン社長「都市型が大きなターゲット」電気自動車全世界展開

2008/05/03 FujiSankei Business i.

 【リスボン=福田雄一】日産自動車のカルロス・ゴーン社長は1日、フジサンケイビジネスアイなどの取材に応じ、2012年までに電気自動車(EV)を新興国を除く全世界で展開する方針を明らかにした。専用に開発したEVを10年に米国で、11年にイスラエルとデンマークで発売し、日本や他の欧州諸国などでは12年までに投入する。中東諸国でも販売する計画だ。13日発表する新中期経営計画に盛り込む。いち早く販売計画を打ち出し、開発競争で他社をリードする。

 投入するEV専用車は100%電気だけで動き、二酸化炭素(CO2)をまったく排出しない「ゼロ・エミッション・カー」となる。昨秋の東京モーターショーに出展した「PIVO(ピボ)2」の技術をベースに開発を進めているとみられる。

 ゴーン社長は取材に対し、「試作車を見たがデザインも良く、市場に出せば人々は興味を持つだろう」と語り、自信を示した。

 心臓部となるリチウムイオン電池はNECグループと合弁で設立した電池専門会社で開発、生産する計画だ。販売価格は優遇税制が適用される国では、ガソリン車よりも低価格で販売できるとしている。

 ゴーン社長は「全世界市場の約15%、1000万台は自宅からの通勤や買い物目的の都市型運転に使われており、ここが大きなターゲットになる」と述べ、EV需要に大きな期待を示した。

 その上で、国内への投入時期については12年より早まる可能性に言及。また、将来的には小型乗用車やミニバンなどの車種でもEVを開発し、各国のニーズに合わせて投入車種を変える戦略も明らかにした。

 一方、今秋に国内で全面改良して発売する主力小型車「キューブ」について、世界戦略車と位置づけ、新たに北米や欧州で販売する計画も表明した。キューブは箱型のデザインが海外でも高い評価を受けているほか、ガソリン価格の高騰で燃費に優れた小型車の需要が高まっていることから投入を決めた。

 このほか、OEM(相手先ブランドによる生産)での車両の相互供給で提携した米クライスラーについて、ゴーン社長は「OEM供給以上の関係はない」と述べ、資本提携などに踏み込むことに否定的な考えを示した。

電気自動車、水も平気 三菱自が冠水試験公開

2008年04月24日 コミミ口コミ

 三菱自動車は20日、岡崎市橋目町の名古屋製作所技術センターで、軽乗用車「アイ」をベースにした電気自動車「iMiEV(アイミーブ)」の走行試験を初めて報道機関に公開した。

 アイミーブは同製作所で開発され、この日は舗装していない悪路を走る振動試験や、時速約130キロの高速走行試験、水位約30センチの用水路での冠水走行試験などがあった。

 アイミーブは環境対策車として注目を集めていて、同社は実用化に向け、すでに東京電力や中国電力など複数の電力会社と共同研究を進めている。09年夏ごろには企業や官公庁向けに、10年には一般向けに市販する方針という。

電気自動車の寒冷地実証走行 三菱自と北電

2008.04.22 MSN産経新聞

 三菱自動車と北海道電力は22日、北海道江別市の北電総合研究所で電気自動車「i MiEV(アイ ミーブ)」の寒冷地における実証走行試験を開始した。

 三菱の軽自動車「i(アイ)」に高性能リチウムイオン電池と小型・軽量モーターを搭載した。家庭用交流100ボルト、同200ボルト、3相200ボルトの3方式の充電ができ、時速130キロを出せる。スタートダッシュや登坂性能なども同型のガソリン軽自動車より優れているという。1回の充電での走行距離は約160キロ。電気代は数百円だという。

 今回の実証試験は来年3月まで行い、冬の期間に積雪寒冷地での低温、路面凍結の状況下での電気使用量や、冷暖房などを使った場合のエネルギー消費量、充電時間や電池の消耗程度などを詳しく調べるという。

 三菱自動車では同系列の電気自動車を昨年から東京電力、中国電力、九州電力の協力を得て実証実験中。今年は、北電のほか、関西電力、沖縄電力とも行う。電池は低温での性能低下が激しく、三菱では北電での実証実験の結果を見て改良し、量産を目指す。

 7月の主要国首脳会議(北海道洞爺湖サミット)でのエコカーのデモンストレーションにも参加する。

関心を集める低速電気自動車

2008.04.21 MSN産経新聞

 【アシュベリーパーク(ニュージャージー州)=USA TODAY(デービッド・ウィリス)】ガソリン価格の高騰と環境保護意識の高まりを背景に、低速で走る電気自動車が米国で関心を集めている。

 世界で使われている低速電気自動車は約5万台。そのうち3万6000台はクライスラーのグローバル・エレクトリック・モーターカーズ部門が生産しているGEMだといわれる。価格は7500ドル(約75万円)から1万3500ドル。

 カナダのZennモーターズも低速電気自動車を生産、これまでに300台を米国に輸出している。名称のZennはゼロ・エミッション、ノー・ノイズの頭文字を取ったものだという。

 低速電気自動車はシートベルト、フロントガラス、パーキングブレーキ、前照灯、方向指示器、バックミラーなどの装備が義務づけられている。時速56キロ以下の走行が認められている公道でのみ走れ、時速32キロ以上で走行しなければならない。40州がこうした規定を設けている。最高速度が19・2キロで公道の走行が許されないゴルフカートとは違う。

 これまでは企業や官庁、大学などの使用に限られていた。しかし、ガソリン価格の高騰や地球温暖化につながる排ガス抑制意識から一般にも注目されるようになった。 ニュージャージー州のクリス・コールさんは通勤に、GEMを使っている。時速40キロ以上は出ないという。GEMのバッテリーは6−8時間で家庭用電源から充電でき、3年間、5760キロ走行という使用条件では電気料金は90ドルですむという。

(原題)Low-speed car gathers buzz

(c) 2008, USA TODAY International. Distributed by Tribune Media Services International.

NY自動車ショー、電気自動車脚光再び・日米から試作車

2008/03/22 NIKKEI NeT

 【ニューヨーク=武類雅典】米国で電気自動車の開発競争が激しくなってきた。開催中のニューヨーク国際自動車ショーで日米メーカーが試作車を公開したほか、民間財団が20日、低公害車ベンチャーや学生の開発者を支援する基金の設立を発表した。米国ではガソリン価格の高騰が続き、電気モーターで走る電気自動車が改めて注目を集めている。

 米民間財団のX賞基金は、電気自動車など最先端の低燃費車の開発団体に資金支援する「オートモーティブX賞」を立ち上げると発表した。コンテストを実施、走行性能などで最も優れた団体に1000万ドル(約10億円)の賞金を与える。

三菱自と富士重が公道試験計画 日本の電気自動車、米国市場に攻勢

2008/03/22 FujiSankei Business i.

 ■環境規制強化で需要拡大

 三菱自動車は20日(米国時間)、開催中のニューヨーク国際自動車ショーで、開発中の「電気自動車(EV)」を今秋から米電力会社と共同で公道での実証試験を始めると正式発表した。試験が軌道に乗れば、2012年をめどに米国市場への本格投入に踏み切る。

 同ショーでは富士重工業も米国でEVの実証試験を今夏から始めると発表。日産自動車も事業化に意欲を見せており、世界最大の自動車市場である米国をめぐって、メード・イン・ジャパンのEVが激しく火花を散らしている。

 三菱自が米国投入を計画するのは軽自動車をベースにした「i MiEV(アイミーヴ)」=写真(ロイター)。カリフォルニア州の複数の電力会社と公道試験について詳細を詰めており、近く合意の見通し。また、富士重工も軽ベースのEV「スバル R1e(アール・ワン・イー)」をニューヨーク州の電力公社に貸し出し、今夏をめどに実証試験を始める。

 三菱自、富士重とも日本国内では各電力会社との実証試験を進めており、09年の市場投入を計画している。ただ、年間新車販売が1600万台に上る世界最大市場の米国では長距離を運転する人が比較的多く、1回の充電での走行距離が短いEVへの関心は、従来、高くなかった。

 しかし、米国でも環境規制が強化され、トヨタ自動車が電気モーターを併用するハイブリッド車で成功したこともあり、二酸化炭素(CO2)削減の切り札であるEVへの注目が高まってきた。各社は「都市部であれば十分に需要がある」(三菱自の相川哲郎常務)とみており、街乗り用での市場開拓を狙う。

 日産も10年ごろに米国で法人向けにEV販売を開始する方針を表明。今回のショーでも小型車「キューブ」をベースとしたEVを参考出品した。

三菱自と富士重が電気自動車の実証試験

2008年03月21日 nikkansports

 三菱自動車と富士重工業は20日、開催中のニューヨーク国際自動車ショーで、開発を進めている電気自動車の実証試験を、米国で今夏以降に始める方針を相次いで発表した。

 三菱自は軽電気自動車「i MiEV(アイ・ミーブ)」の公道実証試験を今秋から開始。米西海岸の電力会社数社と提携して行うとみられる。

 アイ・ミーブは加速性能に優れ、一晩充電すると、160キロメートルの連続走行が可能。同社は「発売は決めていないが、都市部であれば、十分に需要がありそうだ」(相川哲郎常務)としている。

 また富士重工も軽電気自動車「スバル R1e」の公道実証試験を、ニューヨーク州の電力公社と今夏から約3カ月間の予定で実施する。

 両社とも、日本の電力会社と実証試験を進めており、2009年の国内市場への投入を表明している。

NY自動車ショー開幕 売れる車を優先 影潜める試作車

2008/03/21 FujiSankei Business i.

 全米有数の規模の自動車展示会、ニューヨーク国際自動車ショーが19日、開幕した。今年はコンセプト(試作)車で新技術を競う動きが影を潜め、主力車種をアピールする姿勢が目立つ。市場の低迷が長引く中、地道な販売戦略で足元を固めたいという各社の思惑が見え隠れする。

 ホンダは小型車「フィット」の新型車を発表。日本では既に昨年10月に発売されており、新鮮味はほとんどないものの、今年秋の米投入を控えて確実に売れる車を後押ししたい意向がうかがえる。また、日産自動車は中型セダン「マキシマ」の新型車を出展した。会場には電気自動車の試作車も並べられたが、記者発表会ではわずかに触れられただけだった。

 こうした傾向は米ビッグスリー(3大自動車メーカー)も変わらない。昨年は小型車の試作車をアピールしたゼネラル・モーターズ(GM)は、不振の続く「ポンティアック」ブランドの新型車を公表した。主要メーカーでは、トヨタ自動車が若者向けブランド「サイオン」の試作車を発表したのが数少ない例外だった。

 今年の米新車販売は10年ぶりの低水準に落ち込むことが確実視されており、各社とも「守りの姿勢」を強めているのは間違いない。(ニューヨーク 時事)

オール電化自動車をBMW社が開発へ、過密化進む都市部に向ける

2008/03/21 EE TIMES JAPAN

 独BMW社は、都市部の過密化への対応や温室効果ガスの排出量削減に向けて、「まったく新しい概念の自動車」(同社)の開発に乗り出すと発表した。恐らく、「オール電化」の電気自動車を検討しているようだ。

 BMW社でCEO(最高経営責任者)を務めるNorbert Reithofer氏は2008年3月18日(現地時間)、2007年通期の記者向け決算発表会で、「2次電池を搭載した自動車の開発を着手するかどうかについて、2008年中に答えを出す」と述べた。「当社にとって、電気モーターは選択肢の1つである。技術革新によって、現在ではモーター駆動車でも、ガソリン車と同等の走行性能が得られるようになった。こうした背景から、2次電池を搭載した自動車の開発の検討を始めた」(同氏)。

 さらに同社は、「Project i」と呼ぶ研究プロジェクトを立ち上げている。このプロジェクトでは、過密化が進む都市部に向けて、新概念の自動車を開発することを目標に掲げる。このプロジェクトに参加している従業員には、同社内外において組織上の制約を一切受けずに自由に活動できる権限が与えられている。同氏は「今後5年以内に、新しい概念の電気自動車を実現する方法を具体的に提示するのがProject iの使命だ」と述べた。

 このほか同氏は、2009年にはハイブリッド自動車を市場に投入する見込みだと発表した。2008年3月6〜16日(現地時間)の日程でスイスのジュネーブにて開催された展示会「78th Geneva International Motor Show」において参考出品したハイブリッド自動車がそれだ。(Christoph Hammerschmidt:EE Times Europe)

「ガソリンより電気代が高い!」が3人に1人…電気自動車の意識調査

2008年03月21日 Responce

 電気自動車(以下:EV)についての意識調査を実施したところ、3人に1人が「EVの走行にかかる電気代はガソリンより高くなる」との認識を持っているという調査結果が報告された。?

 これは、時間貸駐車場「タイムズ」を運営するパーク24の内部組織、パーキング総合研究所が、EVの充電インフラ普及を推進するにあたり、一般ドライバーのEVに関する認識を把握するため実施したもの。

 調査は、タイムズクラブ会員のうち車保有がある20代 - 50代の男女5000人(男女比率7:3)を対象に、インターネットにより実施した。

 気になる電気代は、試算ではEVの走行にかかる電気代はガソリン代より安くなるという。

 ガソリン車とEVを比較した場合、燃料代のみを比較した場合、ガソリン車:EV=7:1と試算され、10km走るのに、ガソリン代は140 - 150円に対し、電気代は約21円となる。(ガソリン車は燃費10km/リットル、EVは家庭用100V電源で1時間充電し10km走行する場合)

 調査では、電気代が「かなり安い」と認識している人のうち、約半数が「購入を検討したい」と回答し、電気代のほうが高いと思っていた人でも、EV購入を「検討したい」と回答した人が29.7%となり、環境に対する意識の高まりが見られるという。

 また、EVの不安3大要素は「電気充電時間」「電気代」「充電場所」で、充電場所にしてほしい場所の1位はサービスエリア、パーキングエリア、2位は時間貸駐車場となった。

 来年には、家庭用コンセントで充電可能な次世代EV車の市販開始が予定されていて、普及の鍵となりえる情報が一般ドライバーに行き届いていない実態が明らかになったと報告書はまとめている。 《椿山和雄》

イスラエルの電気自動車ベンチャー、充電ステーションの整備を本格化

2008/03/18 EE TIMES JAPAN

 電気自動車事業を手掛けるイスラエルのベンチャー企業であるProject Better Place社は、電気自動車用の充電ステーション・ネットワークのインフラ整備に向けたプロジェクトで、新たに3社をパートナー企業として追加指名した。

 その3社の1社である米NewDealDesign社は戦略的なデザインを担当する。具体的には、充電ステーションの工業デザインや、充電網における消費者向け拠点の開発などである。このほかの2社は、イスラエルのAran Research and Development社とイスラエルのNekuda Design Management社である。いずれの、イスラエル国内の電気自動車用充電ステーションの開発と整備を担当する。

 Project Better Place社はこのほかにも、イスラエルに置いた事業部門の責任者としてMoshe Kaplinsky氏を指名した。この事業部門は、電気自動車の普及に向けた技術開発をサポートする補助する研究開発センターとして設立された。同氏は、同社に移籍する直前まで、イスラエル国防軍で首席補佐官代理を務めていた。

 同社は2008年1月に発表した覚書の中で、仏Renault社と日産自動車の企業連合体と共同で、大気を汚染しない交通手段として、イスラエル国内に「ERGO(Electric Recharge Grid Operator)」モデルを構築することを宣言した。この合意に基づき、Better Place Israel社が充電網を構築し、Renault社と日産自動車が電気自動車を供給する。

 Better Place Israel社は、2011年に予定している大規模な展開に向けて、2009年中に数百カ所の充電ステーションを設置する予定である。(Amir Ben-Artzi:EE Times Europe)

次世代蓄電池で普及に弾み 電気自動車に革新技術

2008年03月16日 usfl.com

 日本政府は2050年に世界で温暖化ガスを半減させるための長期計画を立てている。15日の「環境G20」で日本政府は、この計画に盛り込まれた省エネ目標を世界が共有すべきだと訴えた。今後も変換効率の高い太陽光発電や電気自動車の普及など21項目の「革新的技術開発」で、国際的な協力を呼び掛ける。

 世界の二酸化炭素(CO2)排出で2割を占める運輸分野。計画では、容量を7倍にした次世代蓄電池の開発で、30年には電気自動車の価格がガソリン車並みになり、普及に弾みがつく。1回の充電で500キロ走行。街角には「充電スタンド」もお目見えする。

 充電した電気とエンジンを併用するプラグイン・ハイブリッド自動車では、15年に蓄電池のコストを7分の1に減らす。「プラグイン車は有望な技術で、電気自動車へのつなぎとして重要」(トヨタ自動車)という。(共同)

九州電力:宮崎支店、電気自動車を導入へ 普及目指し1台公開 /宮崎

2008年03月15日 毎日新聞

 九州電力宮崎支店は電気自動車の普及に取り組むため、1台を導入する。13日、報道陣に電気自動車を公開した。同支店は「二酸化炭素削減の切り札として期待が大きく、充電スタンド整備の実証にもなる」と説明している。

 導入されるのは三菱自動車製の軽自動車「アイ・ミーブ」(4人乗り)。九電は、車両用の「充電スタンド」を開発している。20〜30分の充電で120キロの走行が可能。また、専用ケーブルを使えば、家庭用電源からも充電できる。

 車両は排ガスが出ず、エンジン音も静かで環境にやさしい。同支店は、今後1年間で日常業務に使って、車両・スタンド双方の実用性を試すとともに、普及を促進する。

 九電では他県でも9台を配置している。【種市房子】

電気自動車 三菱自、12年に米投入

2008/03/15 FujiSankei Business i.

 三菱自動車は14日、次世代エコカーの電気自動車(EV)を2012年をめどに米国市場で発売することを明らかにした。米国市場へのEVの本格投入を表明したのは同社が初めて。年内にも米電力会社と共同で実証走行試験を始める。EVは走行時に二酸化炭素(CO2)をまったく排出せず、“究極のエコカー”と期待されている。09年に日本で発売するのに続いて米国にも投入しEVで先行する。

 米国に投入するのは三菱自が開発中の軽自動車をベースにした「i MiEV(アイミーヴ)」=写真。リチウムイオン充電池を搭載し、1回の充電で160キロを走行でき、最高速度は130キロ。

 国土の広大な米国では、走行距離に限界がある電気自動車への関心は高くなかった。しかし、最近は環境意識の高い消費者が増えているほか、ガソリン価格の高騰によりハイブリッド車などのエコカーが好調で、三菱自も「電気自動車の需要も高まっている」と判断した。

 近く米国の電力会社と実証走行試験の実施で合意する見通し。年内に共同で走行試験を始め、市販化に向けたデータ収集などを進める。国内では09年夏に企業や自治体向け、10年に一般向けに発売する計画だ。

日立、米GMからハイブリッド電気自動車用リチウムイオン電池システムを受注

2008/03/04 NIKKEI NeT

 株式会社日立製作所(執行役社長:古川 一夫/以下、日立)は、このたび、ゼネラル・モーターズ(会長兼CEO:G・リチャード・ワゴナーJr./以下、GM)から、リチウムイオン電池システムを受注しました。日立のリチウムイオン電池システムは、GMが2010年に北米において年間10万台以上の規模で市場投入する予定となっているハイブリッド電気自動車に搭載されます。

 今回の受注は、日立のリチウムイオン電池の高い品質をはじめ、バッテリー性能、コスト、安全性、耐久性、持続性など日立の広範囲におよぶリチウムイオン電池に関する技術力や、2000年から現在に至るまで20万セル以上の市場納入実績がGMの評価を得たことによるものです。なお、リチウムイオン電池は、日立の子会社である日立ビークルエナジー株式会社(取締役社長:川本秀隆/以下、日立ビークルエナジー)が製造します。

 現在、ハイブリッド電気自動車の市場規模は、世界的な環境規制の強化や燃費意識の高まりから、ワールドワイドで2006年度の41万台から、2010年度には150万台にまで伸長するとみられています*。さらに、2015年には、ハイブリッド電気自動車用のリチウムイオン電池の需要が、現在主流であるニッケル水素電池の需要を上回ると日立は予測しています。

 このような市場動向を視野に入れ、日立は、本年1月に新神戸電機と日立マクセルとの合弁会社である日立ビークルエナジーに対して、増産と開発力の強化を目的とした増資を実施しました。日立は、自動車部品メーカーのなかでも、ハイブリッド電気自動車用のキーコンポーネントであるモーター、インバーター、電池システムすべてを開発・製造し、最適なシステムとして提案できる強みを有しているほか、日立グループで電子部品、材料など、様々な技術・製品を有しており、高品質のハイブリッド電気自動車システムを提供することが可能です。今回のGMからの受注を受けて、リチウムイオン電池事業の拡大とハイブリッド電気自動車用のモーター・インバーターの拡販に努めていきます。

 2010年以降、各カーメーカーがハイブリッド自動車事業を本格化するとみられていますが、日立は、リチウムイオン電池事業をはじめとしたハイブリッド電気自動車部品事業を通じ、地球環境の保全に貢献していきます。

北電が今月末から新世代電気自動車「i MiEV」の実証走行試験

2008年03月03日 Brain News Network文:糸田

 積雪寒冷地での電池性能や航続距離など、適用性を検証。

 北海道電力は、今年3月末から、札幌市と江別市で電気自動車「i MiEV(Mitsubishi innovative Electric Vehicle)」の実証走行試験を開始する。

 「i MiEV(アイ ミーブ)」は、三菱自動車工業(本社・東京、益子修社長)が開発中の新世代電気自動車。電気自動車用に新開発した大型リチウムイオン電池と、従来よりも軽量化された永久磁石式同期モーターを搭載、走行システムの駆動効率を向上させ、1回の充電で約160キロ走れる。4人乗りで最高速度は130キロ。CO2排出量は発電時を含めて同クラスの軽ガソリン車の3割。同社では、2009年以降の実用化を目指して複数の電力会社と共同研究を進めている。

 北電では、「i MiEV」1台を江別市にある総合研究所に導入して、来年3月までの約1年間、札幌市内を中心に実証走行試験を実施する。気象条件や道路状況の影響においての電池性能や航続距離などを検証し、積雪寒冷地での実用上の課題や適用性を評価する。

量産車にリチウムイオン電池

2008/03/02 FujiSankei Business i.

 ドイツの自動車大手ダイムラーは29日、リチウムイオン電池を世界で初めて量産車に使用すると発表した。関連特許を取得するとともに、2009年から市場投入する高級車「メルセデスベンツS400」のハイブリッド車で実用化を予定している。

 リチウムイオン電池は携帯電話やノートパソコンなど家電用では普及しているが、自動車用の実用化に向けては破裂や発火の危険性克服などが大きな課題となっていた。ダイムラーの同電池技術は、独タイヤ・自動車部品大手コンチネンタルと共同で開発した。

 現在自動車用で主流のニッケル水素電池より小型で大容量のリチウムイオン電池は、家庭用電源で充電可能な次世代ハイブリッド車や電気自動車(EV)の実用化に当たってカギとなる技術とされる。(フランクフルト 時事)

イスラエル首相「電気自動車を国家事業に」

2008/02/29 NIKKEI NeT

 「イスラエルは今後10年で脱石油社会になります」。大型経済ミッションを率いて28日まで日本を訪問したイスラエルのオルメルト首相は、電気自動車の開発を国家事業として進め、日本の産業界とも連携を深める方針を強調した。

 イスラエルの電気自動車開発計画の中核はインフラ整備。全国の駐車場に50万個の充電装置を配備し、駐車中に充電できるようにする。通常のガソリン車に課す税金を72%と高くする一方、電気自動車は10%に抑え、普及を促す。

三菱自、中国電力と電気自動車「i MiEV」の実証走行試験を開始

2008/02/28 NIKKEI NeT

 三菱自動車は、電力会社と共同研究中の電気自動車『i MiEV[*](アイ ミーブ)』に関して、共同研究の第2段階となる、実際の業務車両として使用する実証走行試験(フリートモニター)のため、電池やモーターなど電気自動車(EV)の主要コンポーネントを改良し、航続距離を拡大させた『i MiEV』実証走行試験車(計8台)を、本日、2月28日(木)に中国電力株式会社に引き渡した。

[*] MiEV:Mitsubishi innovative Electric Vehicle

 三菱自動車は、地球温暖化・石油エネルギー代替への対応として、軽自動車『i(アイ)』をベースに、高性能リチウムイオン電池と小型・軽量モーターを搭載した新世代電気自動車『i MiEV』を開発中であり、2006年10月に、複数の電力会社と共同研究を実施することを発表した。

 中国電力との共同研究の第1段階として、2007年6月に同社へ『i MiEV』を1台引き渡し、「先行試験」を開始した。この先行試験において、同車の総走行距離はおよそ2,300kmに達し、中国電力で開発した急速充電器との整合性や、業務車両としての適合性(航続距離、動力性能、使い勝手など)について、充分な性能であることが確認できた。

 この結果を受けて、共同研究の第2段階として、『i MiEV』を中国電力の営業所等に配備し、業務車両として使用する「実証走行試験」を開始する(実施期間:本年3月〜2009年3月予定)。この実証走行試験では、三菱自動車は研究車両の供給や実証走行データの分析、中国電力は実証走行の実施・データの収集や実用性の評価を担当し、実際の運転環境における総合的な性能や市場での受容性を確認する。

 三菱自動車は、この実証走行試験から得られる様々なデータを基に、『i MiEV』の早期実用化に向けて開発を着実に進めていく。

『i MiEV』実証走行試験車について

 『i MiEV』実証走行試験車は、従来の『i MiEV』(先行試験車)から主に以下の点を変更し、性能を向上させている。

・ 走行システムの駆動効率向上(モーターの効率向上、減速時のエネルギー回生の強化、タイヤの転がり抵抗低減など)により、航続距離を160kmに拡大

・ 安全性や信頼性、量産性の向上を図った、電気自動車用に新開発した大型リチウムイオン電池を搭載

・ モーターとインバーターは、静粛性を向上させるとともに、構造の合理化により軽量化・小型化を達成(モーター:10%軽量化、インバーター:30%小型化)

・ 走行性能面では、通常走行時のDレンジに加えて、電力消費を抑えた走行が可能なEco(Economy)レンジ、急な下り坂で強力な回生ブレーキがかけられるB(Brake)レンジを新たに設定(シフトレバー操作により選択が可能)

・ 三菱自動車独自の植物由来樹脂技術「グリーンプラスチック」の一つである「竹繊維PBS(ポリブチレンサクシネート)内装部品」を、テールゲート部の内装の一部に採用

電気自動車の試乗会 静かな乗り心地 京大と企業が共同開発

2008年02月22日 Kyoto Shimbun

 京都大と企業が協力して電気自動車を開発する「京都電気自動車プロジェクト」は22日、賛同企業が開発した電気自動車の試乗会を、京都市西京区の京大桂キャンパスで開いた。参加者は静かな乗り心地を体験し、京都発のエコカーの開発を心待ちにしていた。

 試乗会は、プロジェクトを組織する京大ベンチャー・ビジネス・ラボラトリーなどが主催した「京都電気自動車フォーラム」であり、関係者や市民ら約60人が参加した。プロジェクトはコンセプトカーの模型を既に作っており、デザインに漆塗りなどの技法を生かした車の開発を進めている。

 電気自動車を独自に開発するニチユ(長岡京市)、タケオカ自動車工芸(富山市)、昭和飛行機工業(東京都昭島市)の3社の自動車各1台を、京大ローム記念館の駐車場で走らせた。参加者は、充電用のバッテリーの持ち運びができたり、小型で小回りがきくなどの特長の説明を各社の社員から受けながらブレーキキの性能を確かめた。

 電気自動車を初めて運転した会社員の古川貴子さん(28)=右京区=は「こんなに静かだとは思わなかった。早く京都のまちを電気自動車が走り回るようになってほしい」と興奮気味に話していた。


ケータイみたいに簡単充電 「電気自動車」本格デビュー

2007/11/22 J CASTモノウォッチ

自宅のコンセントで5〜6時間充電すれば、東京駅から熱海の温泉までドライブできる――そんな夢のような電気自動車が、東京のベンチャー企業「オートイーブィジャパン」から本格的に発売された。車名はイタリア語でひまわりを意味する「ジラソーレ」。小さな会社の大きな挑戦だ。

1kmあたり約1円!ガソリン車の10分の1以下の「燃費」が魅力

全長2345mm、全幅1260mm。トヨタ・カローラのほぼ半分しかない。二人乗りのキュートなデザインは一見ゴルフカートのように見えるが、法律上は立派な軽自動車で、公道を走行することができる。

最大時速は65km。高速道路こそ走れないが街乗りには十分なスペックだろう。加速も時速40kmに達するまで3.1秒と2000ccのガソリン車並だ。坂道で加速するためのブーストスイッチも用意した。もちろん100%電気自動車だから空気をいっさい汚さない。

そんな「ジラソーレ」の一番の特長は、家庭用コンセントを使って充電できることにある。フル充電に要するのは5〜6時間。昼間たっぷり走っても、夜、コンセントにつなげば朝には充電完了だ。まるでケータイのように手軽に簡単に充電できてしまうのだ。

ちなみに電気代は、1回のフル充電だと深夜電力契約を結んでいる場合で約100円、通常の昼間料金でも130円前後で済むという。これで最大120km走ることができるというのだから、燃費は1kmあたり約1円の計算になる。

ガソリン車が1リッター(150円で計算)で10キロ走れるとすると、1kmあたり15円。「ジラソーレ」が2人乗りという点を差し引いてもその差は歴然だ。原油高で高騰するガソリン価格を考えれば段違いのローコストになる。 「ラリーで世界に黒煙をまき散らしてきた罪滅ぼしがしたかった」

「ジラソーレ」を販売するオートイーブィジャパンの高岡祥郎社長は、元ラリードライバーで、モータースポーツ業界ではその名を知られた人物。還暦を迎えた2002年に会社を創業した。

「これまでラリードライバーとして世界中に黒煙をまき散らし、また数々の野生動物を知らずにひいてしまった。そうした罪滅ぼしとして、何か地球に還元したいと思った。それが電気自動車の開発・販売だったんです」(高岡社長)。

「コストのかかる電気自動車の販売は絶対無理」という周囲の声をよそに行動を開始。「ジラソーレ」のベースとなる電気自動車の車両を生産していたイタリアのスタートラブ社と手を組み、日本向け車両の共同開発をスタートさせた。

日本の道路交通事情に合わせてモーターを新たに開発したほか、日本の電圧(100V)に対応した充電器の開発や安全面の向上、最新のリチウムイオンバッテリーの採用など数十項目にわたって改良を施した。苦労の末、ようやく販売のメドが立ったのは2005年ごろだったという。

しかし、それからも困難は続いた。特に国土交通省の認可に必要な安全基準をクリアーするには予想を超える資金が必要だった。「時速50kmでクルマを壁にぶつけるテストでは30台以上つぶしました。これはつらかった。資金に苦労して存続か断念かを考えたこともあった」と高岡社長は振り返る。大手自動車メーカーなら屁とも思わない金額でも、資力にとぼしいベンチャーにとってはあとがない大きな賭けだ。だが、へこたれなかった。

結局「ゼロから作るのと同じぐらいの手間と開発費」を投入。ようやく発売にこぎつけたのは07年1月のことだった。 購入者には最大77万円の補助金が交付される

「ジラソーレ」は07年1月にプレス発表し限定的に販売をしていたが、販売店の整備や量産体制が整ったとして、11月から本格受注を開始した。車両本体価格は260万4000円。2人乗り軽自動車と考えれば高価といえるだろう。しかし、「クリーンエネルギー自動車導入補助金」の対象車両のため、最大77万円の補助金が交付される。

とはいえ、「バッテリーだけでも市場価格で約180万円。また、イタリアの工場でほぼハンドメイドで作っており、輸送費も必要。だから260万円のクルマが1台売れてもほとんど利益は出ない」という。

08年の目標販売台数は1000台だ。

「今は小さな会社ですが、このジラソーレをきっかけに、将来的にはインフラ整備、駐車問題など日本の電気自動車事情を大きく変えていきたい。近い将来としては、エネルギーを自給自足して走行できるソーラーパネルで走れる電気自動車も作りたいと思っています。いつもいろんなアイデアでいっぱいです」

と高岡社長は熱く語る。モータースポーツ業界を知り尽くした人間が、今度は電気自動車の普及に向けて大きく動き出した。

現代自、ハイブリッド車にリチウム・ポリマー電池採用へ

2007/09/19 edaily/朝鮮日報JNS

 現代・起亜自動車が、2009年に量産するハイブリッド車用のバッテリーとして「リチウム・ポリマー電池」(構成はリチウムイオン電池とほぼ同様で、電解質にポリマーというゼリー状の物質を使用する)の使用を決定したことで、メーカー間の競争も本格化していく見通しだ。

 現代自の関係者は18日、「09年の量産を目標としているアバンテ・ハイブリッドには、ニッケル水素電池よりも高性能なリチウム・ポリマー電池をバッテリーとして搭載することに決めた」と明らかにした。

 リチウム・ポリマー電池の値段は、ニッケル水素電池に比べ2.3倍から2.4倍ほど高いものの、高出力かつ高容量を誇っている。つまり、出力と容量が同じ場合、エンジンルームに占める割合がニッケル水素電池に比べ少なくなるため、「効率性が高い」というわけだ。

 現代自の関係者は「リチウム・ポリマー電池の開発には現在、LG化学、サムスンSDI、SKエネルギーの3社が参加している。現代自はこれらの製品の性能と安定性などを検討し、開発している段階にある」と説明した。

 これに先立ち、日本のトヨタ自動車は、08年中ごろにリチウム・ポリマー電池を搭載した「第3世代プリウス」を発売する予定だったが、安定性の問題から発売時期が先送りされているという。

 現代自の関係者は「LG化学、サムスンSDI、SKエネルギーなど韓国メーカーの中からリチウム・ポリマー電池の供給業者を選んでいく予定だが、今のところは公開入札などに関する細かい日程は決まっていない」としている。

 ただ業界では、アバンテ・ハイブリッドの量産目標が09年とされているだけに、公開入札は来年中にも行われるとの見方が強まっている。

 ハイブリッド車の分野で一歩リードしているトヨタは、1997年にハイブリッドの第1世代「プリウス」をお目見えしたのに続き、現在では第3世代技術の開発を急いでいる。現代自は現在、第2世代技術に挑戦し、トヨタを追い掛けている状況だ。

 また、現代自は、準中型のアバンテ・ハイブリッドだけではなく、中型のソナタ・ハイブリッドも開発中で、ガソリン仕様のハイブリッド車の本格的な販売に先立ち、LPG(液化石油ガス)仕様のハイブリッド車をまずは販売していく計画も温めている。

 日本のハイブリッド車(ガソリン)の性能は優れている。しかし、ガソリンよりもLPGの方がはるかに安く、LPG仕様のエンジン技術は韓国が世界最高水準を誇っているため、国産LPGハイブリッド車が発売されるようになれば、国内市場で十分に競争していくことができるというわけだ。

 業界のある関係者は「現代・起亜自のハイブリッド車の量産は、09年を前後して具体化されていく見通しで、関連産業の成長と供給業者の競争がさらに本格化していくものと予想される」と話している。

「5分の充電で800km」新キャパシタ電気自動車

2007年09月07日 Wired Vision

 米IBM社の元社員らが率いる米EEStor社(テキサス州)は、バッテリー技術の世界に、長らく待望されていた革命を起こそうとしている。

 同社のバッテリーはキャパシタを利用しており、電気自動車の走行距離を、5分間の充電で約800キロメートルが可能になるよう飛躍的に増加させることができるという。

 従来のバッテリーは、電気エネルギーを化学エネルギーに変換して蓄え、再び電気エネルギーに変換して使っている。この変換過程に時間がかかるのが、バッテリーの充電が、場合によっては何時間もかかる理由だ。

 その点キャパシタは、エネルギーを電荷として、絶縁された2枚の金属板の間に蓄える。言わば静電気が今にも放電しそうな状態にするのだ。

 最近までは、金属板の絶縁に限界があるため、蓄電できる量はごくわずかだった。金属板の間で電気が「漏れ」ると、バッテリーの放電が起こる。

 では長所は何かというと、短時間で充電ができることだ(それに、放電が速いことも、用途によっては長所となりうる。カメラのフラッシュなどがその例で、現在でも既にキャパシタが使われている)。

 EEStor社は絶縁体にチタン酸バリウムを用いており、エネルギー密度を通常のバッテリーの10倍にできると発表している。

 この技術は今年中にも実用化され、まずはEEStor社に出資を行なっているカナダのZENN Motor社の電気自動車で使用される。

 AP通信の記事「テキサスの新興企業、バッテリーに替わる新技術を発表」から、ZENN社のIan Clifford最高経営責任者(CEO)の言葉を引用する。

 電気自動車業界のアキレス腱は、エネルギーの貯蔵だった。間違いなく、これによって内燃機関は不要になる。

 これが身近な携帯機器に搭載される日が待ちきれない。『Consumer Electronics Show』(CES)のような大規模展示会に行っても、コンセントの前に行列を作らなくて済む。少なくとも、「一瞬だけコンセントを使わせてもらっていいですか?」という言葉が、文字通りのものになるわけだ。

 [日本語版編集部注:AP通信の記事によると、この技術では通常のコンセントは使えない。非常に高い電圧をかけることが必要(Maxwell Technologies社の技術と比べた場合、10倍の電圧が必要。)]

 AP通信/『Yahoo News』の記事「テキサスの新興企業、バッテリーに替わる新技術を発表」と、『Ars Technica』の記事を参照した。

 [日本語版:ガリレオ-江藤千夏/合原弘子]

トヨタ フランス電力公社と提携

2007/09/02 FujiSankei Business i.

 1日付の英紙フィナンシャル・タイムズ(アジア版)は、トヨタ自動車が来週、家庭用電源で充電できるプラグイン型ハイブリッド車(HV)用の充電インフラ整備をめぐって、フランス電力公社(EDF)との提携合意を発表する見通しだと報じた。

 商業用「プラグインHV」の将来性は、充電ポイントが広域で利用できるかどうかに大きく左右される。

 トヨタとEDFとの提携は当初はフランスを対象とする見通しだが、将来的には他の国に拡大される可能性もある。EDFグループは、イギリス、ドイツ、イタリアでも公益企業を傘下に置いている。

 トヨタは今年7月、プラグインHVを公開し、自動車メーカーとしては初めて日本での公道走行を認められたと発表している。 (時事)

家庭充電新型車を公道試験 トヨタのHV、数十キロ走行

2007年07月11日 中国新聞ニュース

 トヨタ自動車は11日、家庭用電源で充電できる「プラグイン・ハイブリッド車(HV)」の公道走行試験を近く、国内で初めて開始することを明らかにした。今月中にも国の認定を取得する見通し。大容量リチウムイオン電池を搭載し、充電分だけで数十キロ走行できる。実用化にはより高性能な電池が必要だが、同社が環境対応車の柱とするHVの発展にプラグインHVが大きな武器になるとみて開発を急ぐ。

 試験車両は、現行のHV「プリウス」をベースに、現在採用されているニッケル水素電池よりも高性能なリチウムイオン電池を搭載。家庭のコンセントに電気コードでつないで直接充電でき、最初の数十キロは電気を中心に走行する。電気容量が減るとガソリンエンジンとモーターを併用する通常のHVの走行に切り替わる。

 試験走行は、トヨタ本社のある愛知県豊田市周辺や、都市部など複数の場所で行う。

自動車電池で新会社 三菱自など 30億円投じ年産20万個

2007/05/09 FujiSankei Business i.

 電池大手のジーエス・ユアサと三菱商事、三菱自動車は8日、電気自動車に利用できる大容量のリチウムイオン電池を製造する合弁会社を今秋までに設立すると発表した。30億円を投じて量産ラインを新設し、2009年に年産20万個を生産する計画。また、その電池を利用して三菱自動車が早ければ同年から電気自動車を年間1000台程度販売する。

 新会社の資本金は30億円で、出資比率はジーエス・ユアサ51%、三菱商事34%、三菱自動車15%。本社を京都市南区のジーエス・ユアサ本社内に置いて量産化ラインを設置する予定。

 日本で唯一大型リチウムイオン電池を量産しているジーエス・ユアサの技術と三菱自動車の電気自動車開発の技術を融合。現行のハイブリッド車に使用されている電池の10倍程度となる1時間当たり50アンペアの大容量を持つ電池を新開発し、量産する技術を確立した。

 三菱自動車は1回の充電で200キロ程度走れる電気自動車を1台200万〜500万円以下で販売する考えだ。

電気自動車を実用化へ 三菱自動車が電力5社と共同開発

2006/10/12 FujiSankei Business i.

 三菱自動車は11日、東京電力や中国電力など電力5社と共同で電気自動車の研究開発を11月から開始すると発表した。次世代環境技術の切り札として電気自動車の実用化を目指す三菱自と、新規の電力需要の掘り起こしを狙う電力各社の思惑が一致した。

 三菱自は軽乗用車「i(アイ)」をベースとした電気自動車数十台を11月以降、電力各社に提供。連続走行距離や充電時間などのデータを収集し2010年に市販化する計画だ。

 共同開発には、東京、中国のほか、九州、関西、北陸の各電力が参加する。三菱自は、電気容量の大きい高性能リチウムイオン電池と小型モーターを搭載した4人乗りの試験車「i MiEV」を供給。電力各社が収集したデータを基に改善を図り、08年をめどに1回あたり25分の急速充電で160キロの連続走行が可能な性能を目指す。さらに、商品化する10年には200キロに引き上げる計画だ。販売価格は150万〜200万円を想定しているという。

 同日記者会見した三菱自の商品開発担当の相川哲郎常務は「電力各社との協力で、実用化に向けた弾みがつく」と述べ、共同研究に期待を示した。

 電気自動車については、富士重工業も東電と組んで開発を進めており、実用化に向けた動きが活発化している。

 東電と富士重は、昨年9月から共同開発に着手。今年6月から、集金などに使う業務用車両として試験的な納入を始めた。07年中に40台、13年までに3000台を供給する計画だ。

 両社が共同開発した電気自動車は、富士重の軽乗用車「R1」をベースに試作。家庭用で使われる100ボルトの電源による約8時間の充電で80キロ走行できる。また走行中に充電が切れた場合、据置型充電器により15分で電池容量80%までの充電が可能という。冷暖房完備で定員は2人。

 ただ、車両の価格は1台で1000万円以上に上るとみられており、市販に向けては電池やモーターなどを含めた総合的なコスト低減が課題だ。

 電気自動車は化石燃料をまったく使用せず、二酸化炭素も排出しない。ただ、環境対応車をめぐっては、ガソリンエンジンと電気モーター併用のハイブリッド自動車や燃料電池車、植物由来のバイオエタノール車とさまざまな技術が乱立しており、自動車各社では依然として、どの技術が本命となるか見極められていないのが実情だ。

燃料電池車普及に20年?

2006/04/12 JIN BN

ガソリンエンジンと電気モーターを併用するハイブリッド車が2、3年の間に急速に普及しそうだ。「究極のエコカー」といわれる燃料電池車の開発が当初の見込みより大幅に遅れているからだ。

世界的に地球環境問題に対する意識が高まっていることに加え、ガソリン価格の高騰で省エネ車に対する需要が拡大している。その中でも、世界の自動車メーカーはハイブリット車に焦点をあて、開発、販売に本格的に取り組みだした。

燃料電池車の開発にブレーキがかかっているのは、まず装置そのもののコストが高い点だ。さらに、燃料の水素を供給するスタンドなどインフラ整備にも相当な時間を要することが分かり、普及まで「20年以上かかる」との見通しが出始めた。それなら「ハイブリッド」というわけだ。

トヨタは低価格車まで搭載する計画

この分野の先駆者で圧倒的なシェアを持つトヨタ自動車はハイブリッドシステムのコストを2008年までにいまの4分の1まで引き下げて、低価格の大衆車にまで搭載し、同社のシステムを世界標準にすることを目指している。ハイブリッド商戦はトヨタを軸に展開されることは確実だ。

もっとも、ホンダがトヨタを追撃する準備を進めているほか、日産自動車とフォードはトヨタからの技術導入で、GMはダイムラークライスラーと共同開発でハイブリット車に参入することにしている。

ただ、それでもいまのところトヨタの「ひとり舞台」。05年は約25万台を販売し、世界シェアの約80%。現在はプリウスをはじめアルファード、エスティマ、ハリアー、レクサスGSなど価格の高い車にしか搭載していないが、コストを下げることにより、カローラやヴィッツなど低価格車まで搭載する計画だ。

リチウムイオン電池の開発が鍵

そのためには、現在38万円といわれるハイブリッドシステム(ハイブリッドユニット、モーター、電池)のコストを08年までに8万円まで下げる計画だ。そして、年間100万台の乗用車に搭載し、圧倒的な優位性をさらに確実なものにする。そのキーとなるのが今のニッケル水素電池に代わるリチウムイオン電池の開発だ。

リチウムイオン電池というのは、充電して繰り返し使える二次電池の一種。ニカド電池やニッケル水素電池と比べ、軽量で電圧も3倍近く高いのが特長。一度に蓄えられる電気の量も多く、小型、軽量化に適している。

1990年代半ばから電子機器の電源として普及。携帯電話やノートパソコンに搭載されているが、値段が高いのが欠点だ。

トヨタは「この先3年間で勝負は決まる」との意気込みでリチウム電池の開発とコストダウンに全力で取り組むとともに、技術導入を希望する自動車メーカーに供与し、同社のシステムを世界標準化することを狙っている。

小型で長持ちハイブリッド車向け、三洋が新型充電池

2006年03月04日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 三洋電機は4日、エンジンとモーターを併用したハイブリッド自動車向けに開発した高出力の新型充電池を、2008年をめどに商品化する方針を明らかにした。

 月内に試作品の生産ラインを徳島工場に設置し、量産化に向けた開発を進める。低燃費のハイブリッド車は環境に優しいエコカーとして世界的な普及が見込まれており、新型充電池の投入で、現在10%台の世界シェア(市場占有率)を10年に50%に高めることを目指す。

 新型充電池はリチウムイオン型で、現在主流のニッケル水素電池に比べて高出力、大容量なのが特徴だ。

 小型でも1度の充電で長い距離を走ることが可能で、自動車の軽量化や高性能車への搭載が見込まれる。

ハイブリッド車の保険割引 米保険会社が初

2006/01/06 The Sankei Shimbun

 米保険大手トラベラーズは5日、低公害と低燃費で人気のハイブリッド車の自動車保険料を2月から全米で10%割引きにすると発表した。同社は、全国的なハイブリッド車の保険料割引は全米で初の試みとしている。

 同社は、ハイブリッド車の所有者は40―50歳代の既婚者が多く、制限速度を守る傾向があるなど、事故率の観点から優良顧客に該当すると説明している。

 また「1999年に米国で初めてハイブリッド車が販売されてから販売台数は毎年倍増している」(同社幹部)現状からも、将来有望な保険市場と考えている。

 同社の調べでは、2005年8月時点で、米国内でのハイブリッド車登録台数は約33万台で、大半がカリフォルニア州での登録。従来は新技術の物珍しさや、環境に優しい車を好む消費者の購入が多かったが、ガソリン代の値上がりで一般消費者の間でも人気が高まっている。今後10年以内にハイブリッド車が登録車両の15%を占めるとの予測もある。(共同)

ハイブリッド車にGM、ダイムラー、BMWが連合

2006/01/01 読売新聞 Yomiuri On-Line

自動車世界最大手の米ゼネラル・モーターズ(GM)、独ダイムラー・クライスラー、独BMWの3社が、ガソリンエンジンと電気モーターを併用する低燃費のハイブリッド車開発に、GMの駆動システム技術を採用することで一致したことが31日、明らかになった。

 ホンダは独自で

 3社連合により、ハイブリッド車の分野で先行するトヨタ自動車を追撃する態勢を整える。ホンダも独自の技術で開発を進めており、日米欧の有力メーカーによる最先端技術の世界標準を巡る覇権争いが一段と激化しそうだ。

 3社はこれまで、それぞれハイブリッド車の開発を進めてきたが、2005年秋から共同研究に着手した。今後は、GM方式の駆動システムをベースに、エンジンとモーターの制御技術やモーターの小型化技術などを共同開発する。開発した技術を搭載した新型ハイブリッド車は07年から順次投入する方針だ。

 各社は1月8日から米デトロイトで始まる北米自動車ショーで、それぞれの新型車の投入計画などを正式に発表する。

 GM方式のハイブリッドシステムは「2モード」と呼ばれ、エンジンを補助する低速用と高速用の二つのモーターをオートマチックトランスミッション(AT=自動変速機)との組み合わせで制御する仕組みだ。

 欧米では高速で長距離を移動することが多いことから、高速用のモーターを設けているのが特徴だ。スピードに合ったモーターを使い分けることで、燃費向上につながる。また、1個当たりのモーターの出力を抑えて小型化でき、バッテリーなどもコンパクトにできる利点があるという。

 米欧3社連合は、GM方式ならシステムを簡略化でき、コスト面でも優位に立てると見ており、他の自動車メーカーにも陣営への参加を呼びかける方針だ。

 GMは、06年中に同社の普通乗用車では初めて、「サターン」や「シボレーマリブ」のハイブリッド車を一足先に北米市場で発売し、トヨタに対抗する。

 一方のトヨタ方式は、「シングルモード」と呼ばれ、低速時にはモーターだけで走り、速度が上がるとエンジンとモーターを併用する。モーターとエンジンの出力を電子制御で最適な状態にする技術に優れるトヨタの特徴を生かしている。

 ハイブリッド車は、トヨタが2010年をめどに年間販売台数100万台を達成することを目指し、開発・生産体制の整備を加速させている。ホンダはハイブリッド車とガソリン車の価格差を、数年内に現在の30万円弱から20万円以下に引き下げ、トヨタに対抗する。日産自動車は、トヨタからハイブリッドシステムの供給を受け、北米で06年中にハイブリッド車を発売する方針だ。

HV開発体制強化 トヨタが組織改正

2005/12/28 読売新聞 Yomiuri On-Line

 トヨタ自動車は27日、来年1月1日付の組織改正を発表した。ハイブリッド車の開発体制の強化を主眼にした。

 エンジンとモーターで走るハイブリッド車は、世界中でエコカーの主流になりつつある。開発競争で他社より優位に立つため、HV(ハイブリッド車)先行開発部を設置し、将来の技術開発を進める。さらに、材料技術、生産技術の開発力を高めるため、HV材料技術部、HVユニット生技部を設ける。また、社会貢献推進部を設け、広報部や環境部、海外現地法人などに分散していた社会貢献の機能を集約する。

 組織改正後の部数は、改正前の221部から5部増えて226部になる。(以下 略)

プリウスの中国生産を開始 当面は富裕層狙い

2005年12月15日 中日新聞

 トヨタ自動車は十五日、中国・長春市でガソリンエンジンと電気モーターを併用するハイブリッド車「プリウス」の生産を始めた。トヨタがハイブリッド車を海外で生産するのは初めて。他の欧米メーカーも今後、追随する構えで、中国市場で環境をめぐる次世代自動車の開発競争が激しさを増すことになる。

 生産は中国の自動車最大手、第一汽車グループとの合弁会社で行い、年間三千台を予定。蓄電池(バッテリー)やモーターなど主要部品は日本から輸出し、現地で組み立てるノックダウン方式とした。

 現地での材料調達や生産面で不安が多いほか、「最先端技術を安易に国外に持ち出したくない」(幹部)というトヨタ側の事情もある。

 このため“中国産”プリウスは輸入車扱いとなり、販売価格は二十八万八千元(約四百十八万円)と現地では高級車。当面は一部の富裕層を対象に売り込みを目指す考えだ。

 自動車市場が急拡大している中国では大気汚染が深刻化し、北京や上海など大都市では新車登録台数の制限やバス・タクシーの低公害車化などを進めている。中国政府も昨年、ハイブリッド車やディーゼル車、燃料電池車など環境技術の研究開発、生産を奨励する自動車政策を発表した。

 ハイブリッドで先行するトヨタはいち早く参入することで、市場開拓を図り、環境に取り組む企業姿勢をアピールする狙いもある。

 欧米勢では独フォルクスワーゲンが二〇〇八年の北京五輪に合わせ、上海汽車と共同でハイブリッド車を生産することを既に表明。米ゼネラル・モーターズ(GM)も中国での生産、開発を計画している。また、大手自動車部品メーカーの独ボッシュは、ディーゼルエンジンの普及をにらみ、江蘇省無錫市に部品工場を建設するなど“環境シフト”を加速している。

 トヨタは中国に続き、来年半ばから、米ケンタッキー工場で「カムリ」のハイブリッド車を生産する予定。

ハイブリッド車世界累計販売 トヨタ、50万台突破 初代「プリウス」発売から8年

2005/11/26 読売新聞 Yomiuri On-Line

 トヨタ自動車は25日、ガソリンエンジンとモーターを併用して走るハイブリッド車の世界累計販売台数が10月末で51万3000台となり、世界の自動車メーカーで初めて50万台を突破したと発表した。1997年12月に世界初の量産ハイブリッド車となった初代「プリウス」を発売してから約8年で達成した。

 トヨタは現在、プリウスに加え、「ハリアー」「クルーガー」など8車種のハイブリッド車を世界27の国・地域で販売している。来年春には、高級車「レクサスGS」のハイブリッド車を発売するなど、今後も車種を拡大させる。

 最近は、原油高によるガソリン高騰で米国を中心に低燃費のハイブリッド車の人気が高まっており、来年は世界で40万台を販売する計画だ。今年12月には中国でプリウス、来年は米国で「カムリ」のハイブリッド車の生産を始めるなど、海外での現地生産も拡大させ、2010年には世界で100万台の販売を目指す。

 ハイブリッド車の販売では、トヨタに続くホンダは現在、「インサイト」や「シビック」など3車種で累計約12万4700台を販売している。

ポルシェとフォルクスワーゲン、ハイブリッド共同開発へ

2005/09/14 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【フランクフルト=黒井崇雄】独自動車大手のポルシェは13日、同業のフォルクスワーゲンと、電気モーターとガソリンエンジンを併用した「ハイブリッド車」の技術を共同開発すると発表した。

 ハイブリッドの技術開発では、すでに独ダイムラー・クライスラー、米ゼネラル・モーターズ、独BMWの3社が提携を発表しており、欧州各メーカーが先行する日本メーカーを追撃する。

 ポルシェは2010年までに、共同開発した技術を採用したスポーツ用多目的車(SUV)を市場に投入する予定だ。

GM、ダイムラー、BMWがハイブリッド車で共同開発

2005/09/08 読売新聞 Yomiuri On-Line

 米ゼネラル・モーターズ(GM)と独ダイムラー・クライスラー(DC)、独BMWは7日(日本時間)、電気モーターとエンジンを併用するハイブリッド車の駆動システムの共同開発について、覚書を締結したと発表した。

 GMとDCは8月下旬にハイブリッド技術の共同開発で正式合意しており、これにBMWが合流する。

 ハイブリッド技術ではトヨタ自動車やホンダの日本メーカーが先行しているが、米独の3社が共同開発に踏み切ることで、開発競争は一段と激化しそうだ。

 GMなど3社は、米ミシガン州に共同開発センターを置き、電気モーターや制御装置などを研究する。共同開発したハイブリッド技術は、それぞれの車に適した形で導入できる。

 3社の共同開発は、コスト軽減や開発期間の短縮を図り、トヨタの「プリウス」など、市販車で先行する日本メーカーに対抗する狙いがあると見られる。

ホンダ・GM・BMW、燃料電池車で提携へ

2005/08/04 読売新聞 Yomiuri On-Line

 ホンダと米ゼネラル・モーターズ(GM)、独BMWの日米独の有力自動車メーカー3社が、水素を燃料とした燃料電池車などに関連する先端技術の共同開発で大筋合意したことが3日、明らかになった。

 第一弾として、車への水素補給技術の共同開発を目指し、本格的な研究を進める。次世代の主力車になると期待される燃料電池車普及に欠かせない技術で、日米欧の有力メーカー3社が提携を結ぶことは、世界の自動車メーカーがしのぎを削る燃料電池車そのものの開発競争の行方にも、大きく影響しそうだ。

 共同開発の第一弾となるのは、液体水素を燃料タンクに補給するための水素供給システムの技術だ。燃料となる水素は、マイナス250度以下の極低温で保管されているが、補給時に水素漏れが生じると非常に危険で、実用化には高い気密性や供給量を調節する高度な技術が要求される。

 3社は、車に水素を注入するノズルや充てん口の規格を統一するなど、基盤となる安全性の高い供給システムを構築する。

 3社は共同開発により、開発費負担を軽くすると共に、関連部品を共通化することで、現状では1台数億円と言われる燃料電池車の製造コストの削減を図る。資金・人材などの経営資源を燃料電池車本体の開発に集中し、他社に先行しようという狙いもある。

 共同開発するシステムは、今後の燃料電池車の世界統一規格になる可能性もあり、他の有力メーカーが合流することも予想される。さらに、エネルギー業界も巻き込んで、現在のガソリンスタンドのように車に水素を供給する水素ステーションなど、燃料電池車普及のためのインフラ面の整備が一気に進むことが期待される。

 燃料電池車を巡っては現在、トヨタとGMが研究開発を行う合弁会社設立を視野に提携協議を進めている。今回の3社提携をきっかけに、多額の費用がかかる燃料電池車本体の研究・開発で、有力メーカー間の合従連衡が一段と進む可能性も出てきた。

 燃料電池車 水素を燃料とし、排出するのは水だけという“究極のエコ・カー”で、ガソリンエンジンに代わる次世代の主力車と期待されている。GMやホンダが力を入れている燃料電池車は、水素と酸素の化学反応で発生させた電気でモーターを動かす。水素は世界各国で未来のエネルギーの本命とみられており、各メーカーが関連技術の開発を競い合っている。一方、BMWの水素エンジン車は、水素をエンジンで燃やして動力を得る点が異なる。

トヨタのGM支援 ハイブリッド分野で技術提携も

2005/05/10 読売新聞 Yomiuri On-Line

 トヨタ自動車と米自動車最大手のゼネラル・モーターズ(GM)がモーターとエンジンを併用するハイブリッド車の分野で技術提携を模索していることが9日、明らかになった。

 日本経団連の奥田碩会長(トヨタ自動車会長)は同日の記者会見で、経営不振に陥っているGMに対し、「技術提携できるのなら、例えばトヨタのハイブリッドといった技術を供与するのも一つの方策だ」と述べ、GMからの要請があれば、支援策としてハイブリッド技術の供与に応じる用意のあることを示した。

 GMのワゴナー会長は愛知万博を訪れるため14日にも来日し、トヨタの張富士夫社長と会談する予定だ。

 トヨタはハイブリッド技術を日産自動車や米フォード・モーターに提供しているが、GMはこれまでダイムラー・クライスラーと共同で独自開発を進めていた。トヨタは、燃費性能に優れた自社のハイブリッド技術によって、格付けが「投資不適格」に引き下げられたGMの経営立て直しを側面支援できると見ている。

 奥田会長は4月25日の会見で、GM支援を理由に米国でのトヨタ車の値上げの可能性にも言及しており、米国での売れ行きが好調な日本車への米自動車業界の反発が強まる前に、先手を打つ狙いもある。

トヨタ クルーガー ハイブリッド

2005/03/22 読売新聞 Yomiuri On-Line

 トヨタは22日、SUV「クルーガー」のラインナップにハイブリッド車を追加したと発表した。

 「クルーガー」はこれまで、3リットル、2.4リットルのガソリンエンジンをそろえていたが、今回、「ハリアー」とともに新たにハイブリッドモデルを導入した。

 「クルーガー」搭載されているハイブリッドシステムは、高出力化を図りながら小型化を進めるなど、「プリウス」搭載システムを改善したもので、3.3リットルのガソリンエンジンと前後輪を駆動するモーターを組み合せた。前輪用のモーターは最高出力167馬力、後輪用のモーターは同68馬力を発生する。

 低速域など負荷が低い場合はエンジンを停止し、モーターのみで走行する。この結果、燃費性能はコンパクトカー並となり、105モード走行で1リットルあたり17.8キロをマークする。

 走行状態に応じてパワーステアリング、ブレーキをバランスよく統合制御する「VDIM」機構も備え、走行安定性に磨きをかけた。

 パワーの出入力をキロワット表示するメーターやエネルギーフローを示すエネルギーモニター、瞬間燃費計などを備えたほか、専用デザインのフロントバンパー、フォグランプリング、グリル、リヤコンビネーションランプ、エンブレムなどを装備した。

価格帯: \3,990,000(ハイブリッド)-4,368,000(Gパッケージ)

トヨタ ハリアー ハイブリッド

2005/03/22 読売新聞 Yomiuri On-Line

トヨタ ハリアー ハイブリット

 トヨタは22日、SUV「ハリアー」のラインナップにハイブリッド車を追加したと発表した。

 「ハリアー」はこれまで、3リットル、2.4リットルのガソリンエンジンをそろえていたが、今回、新たにハイブリッドモデルを導入した。

 「ハリアー」搭載されているハイブリッドシステムは、高出力化を図りながら小型化を進めるなど、「プリウス」搭載システムを改善したもので、3.3リットルのガソリンエンジンと前後輪を駆動するモーターを組み合せた。前輪用のモーターは最高出力167馬力、後輪用のモーターは同68馬力を発生する。

 低速域など負荷が低い場合はエンジンを停止し、モーターのみで走行する。この結果、燃費性能はコンパクトカー並となり、105モード走行で1リットルあたり17.8キロをマークする。

 走行状態に応じてパワーステアリング、ブレーキをバランスよく統合制御する「VDIM」機構も備え、走行安定性に磨きをかけた。

 パワーの出入力をキロワット表示するメーターやエネルギーフローを示すエネルギーモニター、瞬間燃費計などを備えたほか、ハイブリッド車専用デザインのフロントバンパー、フォグランプ、グリルで先進性をアピール。さらに、フロントウインドシールドに遮音性の高い中間膜を追加し、静粛性を高めた。

価格帯: \4,095,000(ハイブリッド)-4,620,000(プレミアムSパッケージ) (以下 略)

トヨタ、大排気量の全車種をハイブリッド化

2004/11/28 読売新聞 Yomiuri On-Line
 トヨタ自動車は28日、来年8月に国内でも展開する高級車ブランド「レクサス」シリーズをはじめとするエンジン排気量の大きい全車種を対象に、電気モーターとガソリンエンジンを組み合わせて走るハイブリッド車を投入する方針を明らかにした。

 トヨタの斎藤明彦副社長が同日、三重県鈴鹿市で、「レクサスでのハイブリッド化に積極的に取り組む。高級車で次々と導入した後、小型車にも広げていきたい」と語った。

 具体的な車種名は明らかにしなかったが、関係者によると、新たにハイブリッド車を投入することが決まったのは「レクサスLS(日本名セルシオ)」「同GS(同アリスト)」の2車種。

 ともに2005年以降に全面改良を予定しており、通常のガソリンエンジン車を発売した約1年後をメドにハイブリッド車を追加して発売する見通しだ。

2005年欧州カー・オブ・ザ・イヤーにプリウス選出

2004/11/15 The Sankei Shimbun
 トヨタ自動車は15日、電気モーターとガソリンを併用して走るハイブリッド車「新型プリウス」が、「2005年欧州カー・オブ・ザ・イヤー」に選出されたと発表した。

 同賞は欧州の自動車記者58人が、2003年9月から1年間に欧州で発売された中から最優秀車を選ぶ。環境性能の高さや燃費の良さなどが評価された。

 日本車の選出は1992年の日産自動車「マイクラ」(日本名マーチ)、2000年のトヨタ「ヤリス」(日本名ヴィッツ)に次ぎ3車目。

 新型プリウスは欧州では04年1月に発売し、年末までに8500台、来年は1万5000台の販売を見込んでいる。同車は04年の北米カー・オブ・ザ・イヤーも受賞している。

三洋、ハンガリーに太陽電池の新工場

2004/10/18 The Sankei Shimbun
 三洋電機は18日、ハンガリーに太陽電池の新工場を建設すると発表した。ドイツ・米国の自動車大手ダイムラークライスラーとハイブリッド車向けバッテリーの共同開発をすることでも合意し、欧州での環境関連製品の事業を強化する。

 ハンガリーのドログ市に太陽電池と業務用空調機を製造する工場を建設、2005年6月に稼働させる。初年度の投資額は約35億円で、太陽電池の生産能力は年間100メガワットを目指す。

 ダイムラークライスラーとは、すでに共同で燃料電池車用のバッテリーを開発しているが、ハイブリッド自動車用でも共同開発する。

 井植敏雅副社長は「欧州は世界で最も環境に関する規制が厳しく、関連事業が伸びる可能性が大きい」と話した。

ハイブリッド車の燃費を向上させるテクニック

2004年05月21日 Hot Wired japan/John Gartner

 少なくとも車の燃費に関しては、乗っている車の種類も大事だが、運転の仕方はそれと同じくらい重要だと、ハイブリッド車のオーナーたちは気付き始めている。

 多くのハイブリッド車オーナーは、燃費がガソリン1リットル当たり23キロメートルを超えたと大喜びで報告している。しかし一方で、これほど数字が伸びないオーナーたちが、なぜ自分の車は燃費が悪いのかと不思議がる。これについて本田技研工業(ホンダ)とトヨタ自動車は、スピード狂の運転手や諸々の悪条件が原因で、燃費に大きな差が生じるのは当然だとしている。

 律儀なハイブリッド車オーナーが燃費を報告する『グリーンハイブリッド・コム』などのウェブサイトには、オーナーたちからさまざまな情報が寄せられている。たとえばハイブリッド車の生涯燃費に関しては、オーナーたちの報告によると、トヨタの『プリウス(写真)』でおよそ15〜25キロ、ホンダの『シビックハイブリッド』がだいたい13〜24キロだという。

 グリーンハイブリッド・コムに定期的に燃費を報告しているビル・ゴースマン氏は、燃費が17キロを下回っているオーナーたち(日本語版記事)に触れ、「私の場合、車の窓からいかりでも下ろさない限り、そんなに悪い燃費にはならない」と語っている。

 熱心なハイブリッド車オーナーたちは、ニュースグループやウェブログで、不満を抱く仲間たちと情報交換を行なっている。しかし、シビックハイブリッドを所有するシンシナティ在住のピート・ブラックショー氏によると、アドバイスの中には矛盾していたり不十分だったりするものも多いという。ブラックショー氏は、自分の車が他のシビックハイブリッドより4キロ以上も燃費が悪い理由を購入先のディーラーに尋ねたが、有益な回答はいっさい得られなかったと述べている。ブラックショー氏はディーラーから、燃費は時間とともに向上するものだが、同氏の場合はまだそれに至っていないと告げられたという。

 ホンダの広報担当者、クリス・ノートン氏によると、ブラックショー氏の燃費の数字は予想の範囲内だという。米環境保護局(EPA)の評価では、シビックハイブリッドの燃費は約20キロとされている。ノートン氏は、「あまりにも多くの変動要素」が絡み、「入手できるサンプルが限られている」ため、ホンダが全オーナーに関する平均的な数値を割り出すことは不可能だと話す。

 ノートン氏はまた、ディーラーがブラックショー氏に伝えたこととは矛盾するが、燃費が向上する前に慣らし期間が存在するという認識はないと話した。ハイブリッド車の燃費に関しては、オーナーによって体験が異なり、オーナーからの質問内容も多岐に渡る。しかしノートン氏によると、ホンダでは不満を抱えた顧客への対応方法をディーラーに教えるプログラムは用意していないという。ノートン氏はシビックハイブリッドのオーナーに対し、概して、スピードの出しすぎやブレーキを強く踏むことは避けるべきだとアドバイスした。そして「(燃費には)さまざまなケースがあるということを認識してもらいたい」という。

 一方、トヨタは先月、4ページのパンフレットをディーラーに配布し、顧客の疑問に対応している。同社によると、このパンフレットにはハイブリッド車の燃費に関する説明と燃費を上げるためのヒントが記されており、ディーラーからの要請に応じて配布しているという。

 トヨタの技術者、デイブ・ハーマンス氏は、天気や運転条件、運転手の癖によって、燃費は最高で30%下がることがあると説明する。一旦停止義務のある交差点を、ゆっくりと、しかし完全に停止することなく通過する、いわゆる「カリフォルニア・ストップ」は燃費の低下につながるとハーマンス氏は話す。「停止しなければ、回生ブレーキからエネルギーを得ることができない」

 トヨタによると、ブレーキを強く踏みすぎた場合も、減速時に生じるエネルギーを回収してバッテリーを充電する回生ブレーキのメリットの一部が損なわれるという。バッテリーの充電量があるレベルを下回ると、車両は電気モーターよりもガソリンエンジンに頼ることになる。さらに、気温が低くなれば最大35%燃費が下がり、暖機せずに走らせた場合も燃費の低下を招くという。

 オハイオ州マシロンのジェレミー・ウォーレン氏は、ギアチェンジに細心の注意を払うことで、シビックハイブリッドの燃費向上に成功したと語る。ウォーレン氏は電子メールによる取材の中で、「1つ言えるのは、ハイブリッド車を運転する時は、運転の癖を少し直さなければならないということだ」と述べている。ウォーレン氏によると、エンジン回転数が3500rpmを超えると、燃費が目に見えて落ち込んだという。同氏のシビックハイブリッドはだいたい20〜21キロの燃費を維持している。

 ウォーレン氏によると、燃費を向上できたのは、減速時に一定に圧力がかかる方法を習得し、可能な限りクルーズ・コントロールに任せた結果だという。「(それ自体は)大したことではない。ただし、メリットを引き出すように車を使えば、結果はまったく違ってくる」

 一方、ゴースマン氏の場合、プリウスを購入してからの3ヵ月間で、燃費が20キロ弱から約23キロまで向上したという。ゴースマン氏は技術者として働く職場にミネアポリスを横切って通勤しており、燃費向上は、気温の上昇、そして加速・減速に気を配った結果だと考えている。

 ゴースマン氏は「ゆっくりと時間をかけた加速は燃料の無駄遣いになる」と指摘し、適度の加速で望ましい速度に達したら、そこからは惰力で走ることを勧めている。

 ゴースマン氏はプリウスについて、電気モーターとガソリンエンジンのバランスを取る能力にかけては「工学設計の『モナリザ』」だと絶賛している。同氏によると、燃費を悪化させる最も簡単な方法はスピードを出すことだという。「時速110キロくらいを超えると、燃費は確実に21キロを切る」[日本語版:米井香織/多々良和臣]

ハイブリッド車の燃費に不満の声

2004年05月11日 Hot Wired japan/John Gartner

 ハイブリッド車は熱い盛り上がりを見せているが、さかんに宣伝されているほど燃費がよくはないと不満を訴えるオーナーたちの熱さにはかなわないようだ。

 誇大広告だ、と自動車メーカーを非難してはいけない。専門家たちによると、責めを負うべきは19年前に作成された米環境保護局(EPA)の燃料効率テストで、このテストがハイブリッド車の性能を過大評価しているのだという。

 ピート・ブラックショー氏は、ガソリンと電気のハイブリッド車を手に入れる興奮を抑えきれず、ホンダの販売店に『シビックハイブリッド』を取りに行くまでの道中を妻にビデオ撮影させたほどだ。ハイブリッド車の熱狂的な支持者となったブラックショー氏は、『MO MILES』(もっとマイルを)と書かれた特製のナンバープレートを注文し、ハイブリッド車に乗る新しい生活を綴ったウェブログも始めた。

 しかしオハイオ州シンシナティにある職場に数ヵ月通勤した後、ハイブリッド車がもたらしたブラックショー氏の幸福感は消えうせた。期待していた燃費は夢に過ぎなかったことが、走行距離計についている燃費表示で明らかになったからだ。ホンダのシビックハイブリッドは、EPAの評価によると市街地でリッターあたり約20.0キロ、高速道路で約20.4キロとされている。たいていは市街地を走るブラックショー氏が1600キロ近く走ったところ、燃費はリッターあたり約13.3キロとなった。

 「『MO MILES』と書かれたナンバープレートをつけてシンシナティを走っていると、自分がまったくのペテン師のように感じる」と話すブラックショー氏は、これまでに6400キロ以上走ったが、燃費が14キロを超えたことは一度もないと断言する。車を購入したホンダの販売店から、車は正常に機能しており、他にできそうなことは何もないと告げられてからは、ブラックショー氏のウェブログの内容も称賛から失望へと変化した。

 米インテリシーク社で最高マーケティング責任者(CMO)を務めるブラックショー氏は、この問題についてホンダの地域責任者と話し、4月中旬にはホンダ米国法人の国内販売担当副社長に手紙を書いたが、返事は受け取っていない。ブラックショー氏と同様の話は、ホンダのシビックハイブリッドやトヨタ自動車の『プリウス』を所有する数十人がオンライン・フォーラムで訴えている。

 自動車レビューサイト『エドマンズ・コム』の編集者(公道走行試験担当)ジョン・ディピエトロ氏によると、EPAが評価した燃費を現実に経験できることはほとんどないという。評価燃費の75〜87%になることが大半で、運転の癖や走る道などによって異なるとディピエトロ氏は指摘する。「新車の燃費がEPA評価の75%を下回る場合は、再検査すべきだろう」

 独立した製品試験団体が発行する『コンシューマー・レポート』誌のデータは、ハイブリッド車の燃費が市街地走行時でEPA評価の60%を下回ることを示している。同誌が行なった実地テストでは、市街地でのシビックハイブリッドの燃費は平均11.1キロ、プリウスは平均14.9キロと、それぞれEPA評価の20.0キロと25.5キロを大幅に下回った。高速道路で行なわれた実地テストの結果は、EPA評価にかなり近いものだった。

 コンシューマー・レポート誌の上級車両試験エンジニアのガブリエル・シェンハー氏によると、EPAのテストは研究所でのシミュレーションだが、同誌は実際の道路で車を走らせて消費した燃料を測定するので、燃費をより正確に示しているという。

 市街地と高速道路における燃費を測定するためにEPAが19年実施しているテストは、実際には車両の排気ガスを測定し、そのデータを使って燃費評価の推定値を割り出している。車両の試作品を研究所に運び、渋滞する市街地と空いている道路の条件下で車両の発進と停止をシミュレートする。EPAのウェブサイトには次のような説明がある。「このテストは、燃料を消費することによって排出される廃棄物を測定したもので、実際に消費された燃料を測定したものではありません。EPAでは、排気ガスを測定することにより、その車両の平均的な燃費を推定できます」

 米国科学アカデミーが2002年に出した、燃費標準に関する報告書の執筆者の1人、ジョン・H・ジョンソン氏は、「(EPAの)テストには、もっと重要な工学技術を採り入れる必要がある。ハイブリッド車を扱うための改訂が行なわれていない」と述べる。

 ジョンソン氏によると、EPAのテストは再現しやすいように作成されたもので、可能な限り正確にするためのものではないという。「走行中の車両ですべての工学技術要素をシミュレートするのは手間がかかる」とジョンソン氏は述べる。ましてガソリンエンジンをバッテリーで補助するハイブリッド車となれば、作業は恐ろしく複雑になる。

 この記事で取り上げたテストの手順についてEPAに質問したが、回答は得られなかった。

 トヨタの環境エンジニア、デイブ・ハーマンス氏によると、EPAの市街地走行シミュレーションでは19ヵ所での数秒以上の停止が含まれ、この過程がテストの「少なからぬ」部分を占めるため、電気モーターを利用できるハイブリッド車が従来の車両よりも高く評価される可能性があるという。「だが私は、テストが的外れな方向に向かっている理由はいろいろあると指摘できると思う」。EPAは1972年の古いデータを基にしており、テスト方法を変更するのはほとんど不可能だとハーマンス氏は指摘する。

 1回の走行距離が11キロ未満であれば燃費は悪くなるし、スピードを上げて走っても燃費は悪くなる、とハーマンス氏は言う。「顧客の行動はさまざまだし、データの収集源は限られているのだから、完璧なテストなど無理だ」

 テキサス大学オースティン校のフィリップ・シュミット工学教授は、「(EPAのテストには)固有の欠点があり、運転する車の種類には関係ない」と語る。ハイブリッド車ではコンピューターを使ってガソリンの流れをさらに正確に制御しているうえ、従来よりも効率のよい触媒コンバーターが搭載されているため、排気ガスの量が少なくなっているという。ハイブリッド車の排気ガスを抑える能力が、EPAの評価と現実の数字との間の差を広げる要因になっていることは「無視できない」と、シュミット教授は述べている。

 しかし、EPAによる過大な評価は、ホンダやトヨタが広報活動を行なううえで難題となっている。期待を高める効果と、ハイブリッド車の主要なセールスポイント優れた燃費におけるイメージダウンとの間で板ばさみになっているのだ。

 トヨタによると、米連邦法は自動車メーカーに対し、燃費を宣伝する際にEPAの評価のみを使うよう求めているという。同社は燃費に関する苦情をいくらか受けているものの、プリウスでEPA評価に近い燃費を得ている所有者も多いという。プリウスの4月の売上は昨年の152%に増加しており、多くの消費者が3ヵ月から6ヵ月の予約待ちだとトヨタは述べている。

 ホンダによると、シビックハイブリッドのダッシュボードに燃費表示のできる走行距離計を設置したため、多くのドライバーが燃費を気にするようになり、メーカーにとって必ずしもよいことばかりではないという。ホンダの広報担当者は、「すべての車に燃費計がついていれば、(従来の車に対して)不満を言う人が増えるだろう」と述べている。同社は不満を抱いているユーザーに個別に対応しており、燃費に関する質問への回答を再検討しているという。

 シビックハイブリッドを所有するブラックショー氏は、EPAの評価のおかげで、技術を最も熱心に支持する人々の一部を失望させるような認識の問題が生まれたと述べる。「虚偽の広告だという噂ほど広まりやすいものはない。だからこそ、どれだけ期待していいかを明確に設定することがメーカーにとって非常に重要だ」とブラックショー氏は語った。[日本語版:平井眞弓/高森郁哉]

2004年はハイブリッド車躍進の年?

2004年01月05日 Hot Wired japan/John Gartner

 長い道のりだったが、ハイブリッド車は今年、ついに確固たる地位を築くかもしれない。その理由の1つは、トヨタ自動車の新型『プリウス』に対する需要の大きさだ。

 ガソリンと電気で走る低燃費のハイブリッド車は、米国メーカーがようやく市場参入を果たすことで、今年は販売台数が2倍以上に増え、全世界で10万台を超えると見込まれている。

 複数の専門家によると、販売台数10万台を達成することは、ハイブリッド車がすべてのショールームに行き渡るようになるためにまず通過すべき重要なステップだという。

 ハイブリッド車は、発進・加速時に電気モーターが内燃エンジンを補助することで、燃料効率の向上と排出ガスの大幅な低減を実現している。また、制動時のエネルギーをバッテリーの充電に利用するため、電気自動車のように充電器と接続する必要がない。

 ハイブリッド車の普及のペースは、本田技研工業が1999年に『インサイト』を最初に売り出して以来、ゆっくりとしたものだった。ハイブリッド車が同クラスの車より数千ドル高いことと、初期のモデルが非常に小型だったことから、消費者はハイブリッド車の購入をためらいつづけてきたのだ。

 市場分析を行なう米JDパワー・アンド・アソシエーツ社によると、昨年のハイブリッド車の販売台数は約4万台になる見込みだという。そのうちの約半数が本田のインサイトと『シビック・ハイブリッド』で、残りはプリウスが占めている。

 トヨタは昨年12月、新型プリウスの需要が10月の発売以降非常に高い水準を維持しているため、2004年の米国市場向けの生産台数を当初の3万6000台から4万7000台に増やすと発表した。同社によると、新型プリウスは予約注文だけで1万6000台を超えており、生産が追いつかないという。昨年11月の販売台数は、これまでの記録を上回る5584台だったそうだ。

 4ドアセダンのプリウスは、自動車業界の専門家たちから真のハイブリッド車と認められており、『モータートレンド』誌の『2004年カー・オブ・ザ・イヤー』、『オートモバイル・マガジン』誌の『2004年デザイン・オブ・ザ・イヤー』を受賞している。また、『カー・アンド・ドライバー』誌はプリウスを自動車の年間トップ10に挙げている。

 トヨタによると、同社は今春、プリウスの月間生産台数を7500台から1万台に増やすため、今年の全世界における販売台数は10万台に達する可能性があるという[日本語版編集部注:トヨタの張富士夫取締役社長は今月1日、2004年の国内外あわせての販売計画を合計13万台に上方修正したと述べている]。

 自動車レビューサイト『エドマンズ・コム』のカール・ブラウアー編集長は、1年間に10万台のハイブリッド車を販売すれば、「ハイブリッド技術は単なる一時的な流行ではない」ことが示されると話す。それでも、あらゆるメーカーのすべての主要車種スポーツ・ユーティリティー・ビークル(SUV)、ピックアップトラック、スポーツカーなどで、ハイブリッド車を購入できるようにならない限り、この技術が成功したとはみなされないとブラウアー編集長は言い添えている。

 主要車種の一部は、今年末までに入手可能とまではいかないにしても製品発表が行なわれる可能性はある。ブラウアー編集長によると、ファミリーカー購入を考えている場合、本田がミニバン『オデッセイ』のハイブリッド版を年内に発売することも期待できるという。

 一方トヨタは、『レクサス』部門が今月開催される『北米国際自動車ショー』でSUV『レクサスRX 330』のハイブリッド版を発表して年内に発売し、さらにSUV『ハイランダー』のハイブリッド版を2005年に発売する予定だと述べている。同社によると、ハイブリッド技術は他の車種にも容易に追加できるという。

 トヨタの広報担当者は、「近い将来、当社の全車種にハイブリッド技術が搭載される可能性を否定する理由はない」と話す。

 これに対し、米国の自動車メーカー各社はハイブリッド車の製造で大きく後れをとっている。

 ブラウアー編集長によると、米フォードモーター社は米国メーカーの中では最も早くハイブリッド車を発表したが、SUV『エスケープ・ハイブリッド』の生産計画は延期を繰り返しているという。最近では、フォード社と外部サプライヤーの電子装置に互換性がないという問題が発生している。フォード社は最近、エスケープ・ハイブリッドの生産を夏に開始し、来年末までには販売にこぎ着けたいと発表した。

 ブラウアー編集長は、ハイブリッド車の製造を阻む主な要因は技術ではなくコストだと語る。標準的な車よりも価格が3000ドル高い場合、燃料費でこの金額を取り戻すには約10年かかるため、「現在ハイブリッド車を購入する消費者の大半は、環境を汚染しない車に乗ることでいい気分を味わいたいと本気で考えている人々だ」という。

 この価格差は、2007年までの時限措置となっている連邦政府による税額控除で一部補われている。昨年ハイブリッド車を購入した消費者は2000ドルの控除を受けられるが、控除額は来年1500ドルに下がる。この税額控除は包括的なエネルギー法案の一部として延長される可能性もあったが、この法案は昨年11月に否決された。

 2004年は、ハイブリッド車の普及台数100万台に到達するまでの単なる通過点かもしれない。JDパワー・アンド・アソシエーツ社からの電子メールには、「当社の予想では、(ハイブリッド車の)販売台数は、2005年にはおよそ17万7000台、2008年までには34万4000台に増加する」とあった。[日本語版:米井香織/高森郁哉]

トヨタ プリウス増産へ 来春から 3割増の月産1万台

2003.12.16掲載 西日本新聞

 トヨタ自動車は十五日、ガソリンエンジンと電気モーターの併用で走るハイブリッド車「プリウス」の生産能力を大幅増強し、来春以降、月産一万台とする方針を明らかにした。今秋の発売以来、国内や米国での人気が予想を上回り、注文から納車まで数カ月かかるという「商機を逃しかねない」(同社幹部)品薄状態が続いているため。

 唯一の組立ラインである堤工場(愛知県豊田市)で車体の溶接ラインの能力を高め、本社工場(同)でもモーターなどハイブリッド車特有の部品を増産。同じラインで造っている他車種を別のラインに移すといった工夫により、組立ラインの新設はしないという。

 この結果、月産約七千五百台の現在に比べて生産能力が三割以上増し、八月末の出荷開始時のほぼ二倍の台数を生産できるようにする。

 プリウスの初年度の全世界での販売目標は七万六千台。この半分近い販売を見込む米国では既に目標を約30%も上方修正しており、全世界では十万台を上回る勢いだ。

 プリウスは一九九七年に世界初の量産ハイブリッド車として発売され、二代目の新型車が今年九月に日本で、十月中旬に米国で売り出された。

ヤマハ「パッソル」に2輪初の環境対策補助金

2003年07月03日 The Sankei Shimbun
 ヤマハ発動機は3日、量産車としては国内初の電動スクーター「パッソル」が、環境対策車に対する日本自動車研究所の電気自動車導入補助金の対象に認められたと発表した。二輪車では初めて。10台以上を一括して購入する法人や自治体、個人に対し、1台当たり5万円を上限に補助する。

 パッソルは排ガスゼロで騒音をほとんど出さないのが特徴。2時間半の充電で平地で15キロから20キロ走行できる。

 5月末に全国販売を始めたが1台24万円と割高で、同社は補助金制度の活用により普及が進むことを期待している。

新ガソリン:バイオエタノール3%混合へ CO2削減

2003年06月21日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 政府は20日、京都議定書に定められた温室効果ガス削減目標を達成するため、年度内にもバイオエタノール混合ガソリンの使用を解禁する方針を固めた。3%程度の低濃度の混合なら、現在の自動車に使っても問題がないことが分かった。京都議定書では、植物由来の燃料は「二酸化炭素(CO2)を排出しない」として扱うため、今後、すべての車が欧米並みの10%バイオエタノール混合ガソリンに替えると、2010年のCO2の総排出量は90年に比べ1%削減できるという。

 バイオエタノールは、サトウキビやトウモロコシなどが原料。化石燃料と比べて再生が容易で、植物はCO2を吸収する機能がある。米国や欧州などでは、すでにエタノールが10%以上混合した燃料が利用されているが、日本では国産エタノールの価格が高く、販売規制もあって導入が遅れていた。

 エタノールを高濃度で混合すると、車の燃料系統が腐食し、事故につながるおそれが指摘されている。経済産業省などで検討したところ、3%程度の低濃度であれば、現在の部品のままの車でも問題なく走行できることが判明した。

 現在のガソリンに定量のバイオエタノールを混ぜるだけで使えるため、石油会社に新たな投資はほとんど必要ないという。販売価格は現在のレギュラーガソリンとほぼ変わらない見通し。また燃費はガソリン単独よりよくなるという。

 政府は年度内に一部地域で供給を開始し、10年にはレギュラーガソリンの全量を欧米並みの高濃度のバイオエタノール混合ガソリンに切り替える方針。このため、自動車メーカーには、高濃度の混合ガソリンに耐える新車の開発、販売を求める。【永山悦子】

トヨタとフォード社が新型ハイブリッド車を発表

2003年4月17日 Hot Wired Japan/John Gartner

 ニューヨーク発自動車メーカー各社は、環境に優しいテクノロジーを展開している。おかげで、どこへ行くにもわずか4ブロック先のビデオ店でも自動車を使う人も、環境へのダメージを減らせるようになるだろう。

 米フォードモーター社とトヨタは16日(米国時間)、燃費がよく有害環境汚染物質の排出も減らせる新型ハイブリッドカーを発表した。

 2003年『ニューヨーク国際オートショー』で、ハイブリッドカーのパイオニア的存在のトヨタは『プリウス』のニューモデルを、一方フォード社は環境保護派でも容認してしまいそうなスポーツ・ユーティリティー・ビークル(SUV)を、それぞれ初公開した。

 ハイブリッドカーは、電気モーターが低速時に働いたり、加速を補助したりして内燃機関を補う。また、停止時にはエンジンを止め、バッテリー充電してあるモーターの動力を使うため、大幅に燃費を向上できる。

 今秋発売予定の次期プリウスは、2000年に全米でデビューした小型の先代プリウスよりもさらに燃費がよくなり、サイズも若干大きくなる。都市部の渋滞時には、内蔵のコンピューターが電気モーターに主動力を供給するよう指示し、ガソリンの消費を減らす。

 プリウスには回生制動という特性もある。回生制動とは、車を停止させるときに発生する摩擦エネルギーの一部を利用し、バッテリーを再充電するシステムのこと。トヨタによると、こういった複数の革新的技術の組合せにより、従来モデルの15%増となるリッター当たり23キロ前後という燃費が実現するという。

 トヨタの張富士夫取締役社長は「地球上のあらゆるものに優しく、地球そのものにはもっと優しい」と語る。

 自動車レビューサイト『エドマンズ・コム』のカール・ブラウアー編集長によると、先代のプリウスが小型車クラスであったのに対し、ホンダの『シビックハイブリッド』が中型車クラスであるため、トヨタは張り合ってプリウスをアップグレードさせなければならなかったのだという。

 中型の新プリウスは、デザイン的には独特な先代モデルよりも一般的になってきているが、アクセルの制御はドライバーにとって馴染みの薄いものになるだろう。新型プリウスでは変速の際、シフトレバーではなくダッシュボード上のジョイスティックを指先だけで操作する。するとコンピューターが、ギアではなく電子機器を使うバイ・ワイヤー式アクセルの動作を最適化する。

 プリウスにはもう1つ、せっかちなドライバーのための機能があり、ドライバーはポケットから鍵を出さずに車に乗りこみ発車できる。ドライバーが近づくと、車はドライバーのポケットの鍵を検知し、ドアを解錠するのだ。さらに、キーを使う代わりに、ダッシュボードのスタートボタンでエンジンを始動する仕組みとなっている。

 一方フォード社は、『エスケープ・ハイブリッド』の生産に向けて加速している。4気筒エンジンを搭載するエスケープ・ハイブリッドは、世界初のハイブリッド方式SUVとなり、今年末に少数の生産を開始し、2004年夏に一般消費者向けに売り出される予定となっている。このSUVは外見的には、一般車のエスケープに似ているが、実際の燃費は都市部で、現モデルのリッター当たり8〜9キロ前後から最高17キロほどまで向上できるという。

 エスケープ・ハイブリッドは、バッテリーから最大で40%の動力を得るため、都市部のスモッグ対策に貢献できると、フォード部門のスティーブ・ライオンズ社長は話す。また、生産台数は概算で年間2万台を予定しているという。

 ブラウアー編集長は、ハイブリッドSUVは2つの異なるコンセプトのユニークな組み合わせだと考えている。1つは環境に関心がある客層に、もう1つはどんな場合も自由自在に車を乗り回したい客層に、それぞれアピールするというのだ。

 「(エスケープは)消費者にさまざまな選択肢を与え、ハイブリッドカーの魅力を広げる。そのおかげで、ハイブリッドカー市場は熱気を帯びてくるだろう」とブラウアー編集長。

 フォード社は、第2弾のハイブリッドカーとして、セダン型の『フューチュラ』のハイブリッドモデルを2005年に発売する予定であることも発表した。ライオンズ社長も多くの業界幹部と同様、ハイブリッドが「従来の燃焼エンジン型から燃料電池型の車への橋渡しをする技術になるだろう」と考えている。燃料電池型は水素が動力になるが、商業ベースに乗るのは早くて2010年以降になるだろうと考えられている。

 ブラウアー編集長は、ハイブリッド市場の拡大が比較的緩慢なのは、高めな価格設定が足かせとなっているからだと語る。税金の優遇措置や、ガソリン代の節約だけではまだ、ハイブリッドカーのほうが従来の車よりを所有コストがかかるというのだ。消費者の多くは環境汚染軽減のためというだけでは、金を出したがらない。「米国人の環境問題に対する関心は高い自分の懐が痛まなければ、という条件つきだが」とブラウアー編集長。

 トヨタは、次期プリウスの価格は従来モデルと同じく2万ドルに設定するとしているが、フォード社は価格についてコメントしなかった。[日本語版:近藤尚子/高森郁哉]

低公害車用電池開発で提携 NECと富士重

2002年05月14日 The Sankei Shimbun
 NECと富士重工業は14日、電気自動車や燃料電池車など低公害車向けの新型電池開発で提携すると発表した。近く合弁会社を設立し、3年以内に事業化を目指す。将来は国内、海外の自動車メーカーへの販売も視野に入れるという。

 エンジンと電気モーターを併用するハイブリッド車用の電池では、トヨタ自動車が松下電器産業と提携し、ホンダも三洋電機と共同開発を検討中。自動車各社は低公害車の開発にしのぎを削っており、今回の提携で技術の主導権争いがさらに激しくなりそうだ。

 新会社NECラミリオンエナジー(資本金約5億円、川崎市)にはNECが51%、富士重が49%を出資。ハイブリッド車で現在の主流であるニッケル水素電池より、軽量小型で高性能な「マンガン系リチウムイオン電池」の開発と実用化を進める。

 富士重はこの電池を利用したハイブリッド車を2006年度までに市販し、既にハイブリッド車を量産しているトヨタやホンダを追走する考えだ。

 電気自動車や燃料電池車ではモーターを回すための電池が必要。小型、安全で低コストな高性能電池の開発が課題となっている。

低公害車の導入促進を 環境対策で政務官会議

2002年05月07日 The Sankei Shimbun
 政府は7日午後の政務官会議で、公用車への低公害車導入促進など環境対策に各省庁を挙げて積極的に取り組むべき7項目を申し合わせた。

 申し合わせは、ほかに(1)環境に優しい物品調達などを規定したグリーン購入法に基づく調達(2)両面コピーによる紙量削減(3)夏休みの全館一斉消灯による庁舎電力抑制(4)廃棄物の分別徹底によるリサイクル推進(5)地球温暖化対策への取り組み強化(6)環境配慮方針と環境管理システムの早期導入。

政府公用車の低公害車導入、目標にとどかず

2000.10.20(19:56)asahi.com
 川口順子環境庁長官は20日の閣議後の記者会見で、液化天然ガスなどを燃料にする低公害車の政府公用車への導入割合は、2000年度末の目標である10%には及ばず、6%にとどまる見通しであることを明らかにした。目標の10%は1995年6月に閣議決定されているが、天然ガス価格が高いことなどから各省庁の取り組みが遅れ、ハイブリッド車の登場でようやく軌道に乗り始めたという。

 99年度の導入割合は省庁別で警察庁が最高で、10台中3台。次に公正取引委員会の19台中5台。環境庁は第3位で127台中16台だった。数だけでみると、大蔵省が58台、文部省35台、労働省26台。

 川口長官は「買い替え時期にできるだけ増やしたい」としており、全省庁で2000年度には484台(昨年度241台)まで増やす予定だ。

低公害車普及策、規制から自主的取り組みへ 環境庁

2000.10.09(09:56)asahi.com
 電気自動車などの低公害車の普及策の検討を進めていた環境庁は6日、当初考えていたメーカーなどへの製造義務づけなどは求めず、各社が排ガスの目標値を決めるなど自主的取り組みを主体に施策を展開すべきだ、との報告書をまとめた。同庁自動車環境対策第一課は「メーカーの取り組みが進んでいることや、規制緩和の時代の流れから、規制は適していないと判断した」と話している。

 低公害車は、電気、天然ガス、メタノール、ハイブリッドの4車種。これらは価格が高いこともあり、今年3月現在で、約4万5600台しか普及していない。最近は、ガソリン車の排ガス性能が大幅に向上していることから、こうした「低排出ガス車」も低公害車に加えた。

 環境庁は当初、メーカーや事業者への一定割合の義務づけを検討していた。だが、低排出ガス車を生産、導入する動きが広まっていることなどから、排ガス量の目標値を決め、それを公開する自主的取り組みで一定の効果が得られると判断、製造義務付けを見送った。

CNG車の価格引き下げを表明 各メーカー、量産前提で

2000.10.05(20:07)asahi.com
 低公害車の普及をめざして東京都がメーカーやユーザー、燃料業界に呼びかけてつくった「新市場創造戦略会議」が5日開かれ、自動車メーカー各社は、圧縮天然ガス(CNG)車の価格を下げる目標値を明らかにした。ディーゼル車の1.6倍から2倍近い現行価格を、1.3―1.5倍程度に引き下げる。CNG車の市場が広がり、量産効果が出ることが前提で、都は「売れれば価格は下がるので、ユーザーの方々はぜひ積極的に導入してほしい」と呼びかけている。

 CNG車はディーゼル車に比べ、排ガス中の窒素酸化物(NOx)が10分の1と少なく、粒子状物質は全く排出しないが、高価格が普及を阻む要因の1つとなっている。会議では、CNG車を生産しているメーカー6社が、2トントラックで450万―480万円程度の現行価格を、370万―410万円まで引き下げることができるなどと表明した。ただし、CNG車は現在、全国で約5200台しかなく、1社当たり年間1000台―5000台を量産する必要がある。

 燃料業界も、CNGスタンドを現在の都内20カ所から倍増させると表明。都も都庁の一角にある駐輪場をつぶし、今年度中にCNGスタンドを設置する。

真価問われるプリウス 環境先進地欧州で10月から発売

2000.09.15(17:57)asahi.com
 トヨタ自動車のハイブリッド車「プリウス」が、日本、米国に続いて10月から欧州15カ国で順次売り出される。環境先進地の各国は、従来の「優良車」の区分に収まらないプリウスに、新たな優遇策を用意した。ガソリン高騰が社会問題になるなか、欧州で強い基盤を持つ環境政党も好意的だ。日本生まれの技術が、目の肥えた欧州のユーザーにどう評価されるか注目される。

 欧州各国は、好燃費のガソリン車や電気自動車を様々な仕組みで応援している。ガソリンと電気の両方を使うハイブリッド車の量販はプリウスが初で、トヨタは各国政府に優遇策の新設を訴えてきた。

 オランダ政府は自動車税(24%相当)の免除と、最初の300台の購入者に7000ギルダー(約30万円)の奨励金を出すことを決めた。オーストリアは、付加価値税20%のうち15%を払い戻す。ノルウェーは、重量税の算出基準からバッテリーなどを外すことを認め、英国は1000ポンド(約15万円)程度の奨励金を検討中だ。ドイツやフランスは、既存の優遇策を適用する。

 トヨタ欧州は、約3500の系列販売店から、設備や人材が整っている600店ほどを選び、プリウスの販売を任せる。各国の優遇策をてこに個人客をつかむほか、社会的評価を気にかける大企業や、観光地を抱える自治体からの大量受注も見込み、年に最低5000台から6000台は売りたい、という。ひと足先に発売した米国では、月3500台で滑り出している。

 今月に入り、ガソリン高への抗議行動や買いだめ騒ぎがフランス、英国、ベルギーなどに広がっている。販売担当者は「環境を売り物にした車の登場時期としては、最高のめぐり合わせになった」と喜んでいる。9月下旬、パリ自動車ショーなどのために欧州を訪れる奥田碩トヨタ会長は、現地での全移動にプリウスを使い、宣伝に努める。

自動車税、排ガスに応じて軽減 環境庁が要望書まとめる

2000.08.26(22:03)asahi.com
 環境庁と運輸省は25日、排ガス量や燃費の優劣に応じて自動車税率を変えることなどを骨子とする税制改正要望をまとめた。低公害車や規制値を大幅に下回るガソリン車など環境に優しい車には税を10―20%軽くし、逆に新車登録から11年以上たった車は10%重くする。大気汚染や地球温暖化対策の柱に据えたいという。来年4月以降の導入を目指す。

 また、2002年度からの最新の排ガス規制適合車を早期に取得した場合、自動車取得税の0.1―1%軽減も要望している。

ハイブリッドカー 市場拡大に弾み -改良・開発本格化-

2000.06.19The sankei shimbun
 ガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせて効率よく走る低燃費車「ハイブリッドカー」が一部メーカーで発売されたのに続き、他社や外国での開発が進んできた。

 ハイブリッドカーはガソリンエンジンでの走行中やブレーキの際に発電してバッテリーを充電、発進時などに電気モーターを使う。ガソリン一リットル当たり約三十キロも走行できる低燃費と低公害がウリ。トヨタ自動車は平成九年、世界で初めて量産乗用車として「プリウス」を発売し、今年五月、二代目に切り替えた。本田技研工業は昨年十一月に「インサイト」、日産自動車も四月からインターネット上で「ティーノ」(限定百台)をそれぞれ発売している。日野自動車もディーゼルエンジンと電気モーターを組み合わせたトラック・バスを販売している。

 これらに続き、日産ディーゼル工業はこのほど、圧縮天然ガス(CNG)エンジンと電気モーターを組み合わせて開発、年内に中型トラック(積載量四−五トン未満)とバスを発売する。三菱自動車も開発中だ。

 豪州は、政府系科学産業研究所と八十社以上の自動車部品メーカーが参加しコンセプトカーを開発、二十二日に日本で公開する予定。このほか、GMはトヨタと技術協力し新型車の発売を検討している。

皇宮警察がハイブリッド車パトカー導入

7:55p.m. JST April 03, 2000
 皇居の警備などにあたる皇宮警察(服部範雄本部長)が、ガソリンエンジンと電気モーターを併用するハイブリッド車1台を導入した。赤色灯や無線などの装備を含めて340万円。排ガスが少ないことなどに着目した。

 皇居内の坂下護衛署に配備され、パトロールに使われる。同警察本部の警務課によると「パトカーとして配備されるのは全国の警察でも珍しい」という。皇居内は時速30キロ制限であることも、導入しやすい理由になった。

  散策客らでにぎわう皇居付属庭園の東御苑を中心に巡回する。唯一の心配は「走行音が静か過ぎて、車が近づいてきても歩行者が気づかないこと」だとか。

軽油引取税で課税へ

2000年3月17日 20時43分
 ガソリンの代替燃料として使われ始めているアルコール系燃料について、茨城県は17日の県議会で、軽油引取税(都道府県税)として課税する方針を明らかにした。県内で販売が始まった昨年12月までさかのぼって課税する予定。

 アルコール系代替燃料の課税については、関東信越国税局が揮発油税(国税)として課税しない方針を固めたため、茨城県が軽油引取税の課税を決めた。

天然ガス車、国内5000台に 1年で4割増

March 11, 2000
 都市ガス会社でつくる日本ガス協会(会長=領木新一郎・大阪ガス会長)は、低公害車の一つである天然ガス自動車が3月中に5000台に到達する、との見通しを発表した。この1年で4割と急速に増えており、来春には1万台に達する見込みだ。

 天然ガス車は温室効果ガスの二酸化炭素の排出がガソリン車より2、3割少なく、窒素酸化物などの有害物質も10分の1以下といわれる。ガス会社や自治体が採用しているほか、佐川急便が年に100台以上の導入を目指すなど、民間会社にも「まとめ買い」の動きが出てきた。

 ただ、ガソリンと違い国内では都市部にしか天然ガスの供給施設がなく、使える地域が限られている。保有台数の上位国は、安く天然ガスが採掘できるアルゼンチン、ロシアや、ガスパイプライン網が整っているイタリアなどで、日本は10位あたり。同じ低公害車でも、ガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッド乗用車は、発売2年余りですでに国内3万台を突破し、天然ガス車を上回った。

  日本ガス協会は「有害な排ガスを出さない燃料電池車の普及は当分先とみられ、低公害車としては世界で100万台以上走っている天然ガス車の採用が効果的」としており、政府にインフラ整備を求めていく。

GMが次世代電気車を公開

1999年12月06日【ロサンゼルス共同】
 米ゼネラル・モーターズ(GM)は5日電気自動車では世界で最高の燃費といわれるEV1の次世代車をロサンゼルスのテーマパークで展示、一般向けの試乗会のほか、EV1の販売開始から丸3年を記念するイベントを行った。次世代車の特徴は、1回の充電で走行できる距離が、従来の96〜112キロから128〜144キロに改善された点。

世界最小の充電方式を開発

1999年11月29日 共同通信社
 トヨタ自動車は29日、米ゼネラル・モーターズ(GM)と共同で、世界最小の電気自動車(EV)用充電システムを開発したと発表した。

 両社は昨年6月から次世代自動車の研究、開発を進めており、今後普及が見込まれるEVの充電システムで世界標準を目指す。

 新開発したのは、充電器を車両に搭載しなくてもよい非接触型の充電システム。

燃料電池車の部品開発

1999年10月08日 共同通信社

 トヨタ自動車は8日、水しか排出しない究極の環境対応車「燃料電池自動車」の実用化に向け、出力を約3倍にまで高めて発電する電池装置など主要部品を開発したと発表した。

日産、2人乗り電気自動車発売へ 都市部での利用に狙い

September 27, 1999

 日産自動車は27日、小型電気自動車「ハイパーミニ」を来年2月に発売する、と発表した。電気自動車の有望分野として、短距離の通勤や業務用に地域で共同利用することが考えられており、日産は都市部での利用に狙いを絞り、2人乗りとした。

 「ハイパーミニ」は、1回の充電で、115キロ走ることができる。日産は、「都市部での通勤や業務用には十分な走行距離」としている。重量は840キログラムで、アルミなどを採用し、軽量化を図った。価格は、充電器を含めて、約400万円。官公庁や自治体、企業などに販売する。リースが中心になる見込み。

 1月に神奈川県で始まる2つの共同利用実験に参加する。神奈川県海老名市で、建設省などがおこなう実験と、横浜市みなとみらい地区で、通産省の外郭団体がおこなう実験に納入する。

低排ガス車は税を軽く 自動車環境税制研究会が報告書

July 14, 1999

 税制度で大気汚染対策を進めることを検討している環境庁の「自動車環境税制研究会」(座長・佐和隆光京都大教授)は14日、有害物質の窒素酸化物(NOX)の少ない低排ガス車や低公害車の税金を軽くし、古い車やディーゼル車などの税金を重くすることを求める報告書をまとめた。地球温暖化対策の観点から燃費のいい車の税金を軽くすることを検討している運輸省と協力し、来年の税制改正に結びつけたいとしている。

 報告書は、首都圏と近畿圏の道路沿道の測定局の二酸化窒素の環境基準達成率が34%しかなく、深刻な状況にあると指摘。ドイツ、フランス、イギリスなどでは車の重さや排ガスの程度によって税率を変えているとし、日本でもこうした検討が必要としている。

 その上で、自動車税と自動車重量税などを対象に、車の型式や排ガス規制の年、車の使用年数によってNOXや粒子状物質(SPM)を多く排出する車の税額を高くし、排出量が少ない車の税額を低くして、税収の額自体は変えないことを提案している。

 環境庁は、税を軽くする対象車を、2000年から始まる新排ガス規制値を達成した低排ガス車、電気自動車などの低公害車とし、重くする車を1978年規制が始まる前のガソリン車、82年規制以前のディーゼルトラックなどと想定、対象車は合わせて約40万台になると想定している。

 当初は対象となる車の範囲を拡大、現在走っている車の大半を税率変更の対象と考えていたが、日本自動車工業会が「排ガス対策を進めており、ユーザーや産業に大きな影響を与える税制改正が必要とは考えにくい」と反対したことなどから、現在の保有台数7000万台のうちのごく一部に手をつけるだけとした。このため、大気汚染の改善効果はほとんど見込めないことになった。

ソーラー電気自動車で世界一周へ

July 04, 1999
 太陽電池パネルを取り付けた、ソーラー電気自動車を使った世界一周に、東京電機大学(千代田区)の藤中正治教授(61)と大学院生、学部学生合わせて8人のグループが挑戦する。5日に同大学を出発し、約3ヶ月かけて、ユーラシア大陸、北米大陸を横断し、性能実験をする。参加する学生たちは「自分たちが作った車を世界の道で試したい」と意気込んでいる。

 電気自動車の実用化を26年まえから研究している藤中教授は、これまでにも欧州や北米で学生たちと一緒に走行実験してきた。今回の世界一周は、自動車の性能実験だけでなく、走行する地域の学生たちとの交流を目的に計画した。

 東京−神戸間を走った後、船で中国・天津へ渡り、モンゴル、ロシアなどをへてベルギーから渡米、米西海岸までを走る計画だ。訪れる国は10カ国、走行距離は約1万8000キロに及ぶという。

 ルートには砂漠地帯や未舗装の道路もあり、温度差による影響や、振動への耐久性なども調べる。

 途中、米国とカナダの姉妹校などにも立ち寄り、現地の学生達と交流会を開く。また、ソーラー自動車のおもちゃ200セットも用意し、子供たちに教材として配る予定だ。

 今回使うソーラー電気自動車は、ガソリン車を自分たちで改造した。大量のニッケル水素バッテリーを積み込むほか、車体に約2平方メートルの太陽電池パネルを取り付け、太陽光発電で全エネルギーの約1割をまかなう。2人乗りで最高速度は時速120キロ。1回充電すれば、約350キロを走ることができるという。

初の電気自動車レースで見せた日本勢の実力、蓄電池の性能でリード

1998/10/20 日経ビジネス

 地球環境問題に絡んで世界的に注目される電気自動車で、フランスで初めて世界規模のレースが行われた。ここで、日本勢が上位を独占したことが話題になっている。

 その電気自動車部門で、日産自動車の市販車「アルトラEV」は、走行距離、加速、居住性の3項目で1位。また電気自動車の開発を楽しむ民間団体、日本EVクラブが市販車を改造した「EVミゼットU」も騒音、燃費、居住性で1位を獲得した。

 実は、電気自動車が世界で最も普及しているのはフランス。脱石油を目指し、政府が後押ししていることもあり、仏プジョーはすでに5000台以上の電気自動車を販売している。

 だが、今回参加した日本勢は仏勢を抑えた。

 この蓄電池はソニー製の「リチウムイオン電池」。また、ミゼットにも、松下電器産業グループとトヨタ自動車の合弁会社パナソニックEVエナジー製の「ニッケル水素電池」が載っていた。いずれもここ数年、ノート型パソコンなどに使われ始めた最新型の高性能蓄電池だ。日産はソニー、日本EVクラブはパナソニックEVエナジーと協力して、電気自動車を開発した。

 とはいえ、商品としての電気自動車の完成度は、「コストや乗りやすさなど、フランスの自動車メーカーにはまだまだかなわない」(日本EVクラブの御堀直嗣副代表)という声が大きい。実際、アルトラとほぼ同じ仕様の日産の日本市場向け電気自動車「ルネッサEV」は、3年リースで月額約27万円。個人が利用できる価格ではない。これに対し、フランスメーカーは、すでに200万円前後でレースに参加した電気自動車を販売している。

第18回「電池の革新が引っ張る先」 (97/09/04)

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