TOPIC No. 2-68-4 次期主力戦闘機 F-X

68-4
01. 次期主力戦闘機の選定 YAHOO! News
02. F-X (航空自衛隊) byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
03. 第6回「次期戦闘機選定と日米同盟の将来(上)」(2008/01/17) NIKKEI NeT
04. 第7回「次期戦闘機選定と日米同盟の将来(下)」(2008/01/25) NIKKEI NeT
05. F-22 (戦闘機) byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
06. 米空軍 ロッキード・マーティン/ボーイング F-22A ラプター 航空支配戦闘機
07. 垂直離着陸可能なステルス戦闘機「F-35」の組み立て写真とムービー(垂直離着陸可能なステルス戦闘機「F-35」の組み立て写真とムービー(2006年06月06日) byGigagine
08. JSF(Joint Strike Fighter )統合攻撃戦闘機計画
09. F35 The Joint Strike Fighter(ロッキード社製 byWikiterious
10. JSFは無人機に?(2006年08月17日) SILENT FLEET
11. ミコヤンMiG−1.42/1.44(MFI)戦闘機
12. 第5世代戦闘機技術の趨勢 (世界日報 2006/6/21)by日本再生ネットワーク 「ニュース保存用」
13. 心神(しんしん) (航空機)byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
14. ステルス機「心神」は防衛の要となるか?(2007年12月21日)All About
15. 高運動飛行制御システム −全機実大RCS試験模型−2006年05月 防衛省技術研究本部
16. 先進技術実証機(ATD-X) 心神 by試作機資料室
17. 純国産ステルス機『心神』、テレビ初公開(Aug 24, 2007)Visandbox
18. [ATD-X・心神]の開発進む―我国はステルス実証機の組立を2010年に開始―(2008/02/03)Japan Aviation & Railway News.



米国:兵士4万7000人減 国防費6.5兆円圧縮も計画

2011年01月08日 毎日新聞 東京朝刊

 【ワシントン古本陽荘】ゲーツ米国防長官は6日、国防総省で記者会見し、毎年増加している国防費の伸びを12会計年度(11年10月〜12年9月)から5年間で780億ドル(約6兆5000億円)圧縮する削減計画を発表した。米軍のアフガニスタンでの戦闘活動が計画通り14年に終了することを前提に、陸軍と海兵隊の現役兵士を15会計年度以降、最大で4万7000人削減。01年の米同時多発テロ以降、膨張し続けてきた国防費の増加に歯止めをかける。

 兵士の大幅な削減は対テロ戦争が始まって以来初めてとなる。アフガンで治安権限の移譲が進むことが条件だが、陸軍で2万7000人、海兵隊で1万5000〜2万人の兵士の削減を想定。ただ、実現した場合でも、ゲーツ長官が就任した4年前と比べ、兵力は約4万人増員された状態という。

 一方、装備の開発についても、海兵隊の水陸両用戦闘車両、陸軍の新地対空ミサイルシステムの開発の打ち切りを決定。また、主力戦闘機となるF35戦闘機については空軍、海軍仕様は計画を進める一方、垂直離着陸が可能な海兵隊仕様については、開発が難航していることから今後2年間で完成しない場合、開発を打ち切る方針を示した。

 初年度にあたる12会計年度では、当初想定から130億ドル減額した5530億ドル(戦費除く)を議会に要求する見通し。ゲーツ長官は「予測不可能な脅威に対応するための必要最小限のレベルの国防費を反映した計画」と語り、理解を求めた。

次期戦闘機選定のPT発足 防衛省、F35など比較検討

2011/01/07 12:43 47News【共同通信】

 防衛省は7日、航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)の機種を年内に選定するため、内局と航空幕僚監部などの課長級による「次期戦闘機IPT(統合プロジェクトチーム)」を発足させ、初めての会議を開いた。

 IPTは、FXに必要な性能や仕様などを明示する提案要求書を春ごろまでにまとめ、開発メーカー側に提示。性能などを比較した上で機種を絞り込み、2012年度予算案に調達関連経費を計上する方針だ。

 北沢俊美防衛相は、会議の冒頭で「スケジュールが極めて厳しい中、スピード感を持って検討しなければならない。国民の理解が得られるようなプロセスでしっかりと機種選定をしていきたい」と述べた。

中国のステルス機開発、米国防総省「驚きはない」

2011年01月05日10時36分 asahi.com

 【ワシントン=村山祐介】米国防総省のラパン副報道官は4日、中国軍による最新鋭の次世代ステルス戦闘機「殲(せん)20」の開発について「驚きはない」とし、米欧による共同開発が遅れている次世代ステルス戦闘機「F35」への影響は「懸念していない」と述べた。省内で記者団に語った。

 中国軍は「殲20」の試作機を完成させたとされ、ネット上で写真も出回っている。ラパン氏は、写真は「明らかに地上走行試験の際に撮影されたもの」と指摘。開発計画自体は把握済みとする一方、同機のエンジン性能などの詳細や開発の進み具合はつかめていないことを明らかにした。


F35開発さらに1〜3年遅れも 日本の機種選定に難題

2010/11/02 13:18 47News【共同通信】

 【ワシントン共同】ロイター通信は1日、米国防総省当局者が次世代戦闘機F35の開発計画が現行から1〜3年遅れるとの見通しを示したと報じた。開発段階の費用も総額約5千億ドル(約40兆3千億円)から約50億ドル増える見積もりという。

 米空軍は今年3月に空軍仕様のF35Aの運用開始時期を2013年から16年に遅らせたばかり。日本が導入を検討するF35Aはさらに1年遅れるとされる。開発計画の遅れが運用開始時期にどこまで影響するか不明だが、事実なら日本政府の機種選定に難題となるのは間違いない。

 報道によると、ソフトウエアの不具合などが原因となり、F35Aと海軍仕様のF35Cが1年遅れ、垂直離着陸能力を持つ海兵隊仕様のF35Bは2、3年遅れる。

 F35は米国を中心に計9カ国が共同開発。多用途に運用できることやレーダーに感知されないステルス機能が特徴。

 ゲーツ米国防長官は日本政府が選定を進める次期主力戦闘機として導入を推奨。防衛省は11年度予算概算要求でF35の性能情報を得るための調査費6億8千万円を盛り込んでいる。

北朝鮮に木製「ステルス機」 レーダー感知せず、米が警告

2010/09/17 12:33 47News【共同通信】

【ワシントン共同】グレグソン米国防次官補(アジア・太平洋安全保障問題担当)は16日の上院軍事委員会に提出した書面証言で、北朝鮮のプロペラ機がレーダーに感知されない「ステルス機能」を持つと明かした。

 米空軍のF22戦闘機などが最新鋭技術で実現するステルス機能だが、北朝鮮の「AN2コルト機」は「ほとんどが布と木でできているためレーダーが映し出さない」という。第2次大戦後に旧ソ連で開発された機種とみられる。

 グレグソン氏は米韓同盟は通常兵器の能力で優位に立つものの、北朝鮮がこうした攻撃能力で対抗し脅威を増していると指摘。「AN2コルト機は侵攻や潜入作戦の際に識別が難しい」とし「10万人の特殊部隊と組み合わせた場合、大きな潜在能力を持つ」と警告した。

F35選定に向け調査費 次期主力戦闘機、概算要求に最大10億円

2010.08.08 MSN産経新聞

 次期主力戦闘機(FX)の機種選定をめぐり、防衛省は7日、平成23年度予算案の概算要求に初めて調査費を計上する方向で最終調整に入った。米英などが共同開発中のF35ライトニング2の技術情報について、米政府に開示を求める費用として最大で約10億円の計上を想定。21年度に調達を開始する当初予定から大幅に遅れているFX問題は、F35の選定に向け、大きく動き出す。

 米国が多国間で共同開発する装備品について、日本が有償軍事援助(FMS)契約で米側に情報開示を求めるのは初めて。ただ、米国以外の国が日本優遇に難色を示す恐れもある。また、米軍普天間飛行場(沖縄県宜(ぎ)野(の)湾(わん)市)移設問題で日米同盟がきしむなか、曲折も予想される。

 F35は最新鋭の第5世代機。航空自衛隊のF4の後継を決めるFXの候補としては、ほかに米国のFA18E/F、欧州共同開発のユーロファイターが残っているが、ともに第4世代機。レーダーに捕捉されにくいステルス性において第5世代機が格段に優れている。

 このため、空自にはF35導入を求める声が強い。共同開発に参加していない韓国が今秋にもF35の情報開示を請求するとされ、日本が出遅れることへの懸念もあり、調査費計上にカジを切った。

 年末に改定する防衛力整備の基本方針「防衛計画の大綱」と、来年度から5年間の「中期防衛力整備計画」の検討過程でも、F35を軸に機種選定作業を加速させる。F35の技術情報が開示されれば、ステルス性や装備などを精査し、導入の是非を最終判断する。

 ただ、F35の開発は遅れており、導入時期は不透明。それまでの間、国内の戦闘機の生産・技術基盤維持のため、国内に生産ラインが残るF2戦闘機の追加調達も引き続き検討する。

    ◇

 F35ライトニング2 米、英、オランダ、イタリアなど9カ国が共同開発中。機体設計やシステム統合といった主要な開発は米ロッキード・マーチン社が担当した。ステルス性に加え、敵の戦闘機の位置などの情報を集約するコンピューターシステムの向上により、戦闘能力が高い。2006年に初飛行したが、開発の遅れで米空軍の配備開始は予定より2年遅い2015年にずれ込む見通し。

空自FX、現有機で暫定措置 F35導入難航で

2010年08月08日 中国新聞ニュ−ス

 政府は航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)の最有力候補と位置付けるF35の開発の遅れを踏まえ、暫定措置として現有の主力戦闘機F15の改修継続か2011年度で生産終了予定だったF2の追加調達で対応する方針を固めた。この関連経費は12年度の予算に盛り込む見通しだ。複数の政府関係者が7日、明らかにした。

 FXは老朽化により10年代から順次廃棄を始めるF4の後継機で、04年に閣議決定された中期防衛力整備計画(05〜09年度)に7機の調達を明記。08年春までに選定を終え、09年度からの予算計上を想定していた。

 当初は、レーダーに捕捉されにくいステルス機能と超音速巡航能力、高度な機動性を備えた最新鋭戦闘機F22の導入を模索。だが米側は輸出を禁じ、生産中止も表明した。次善の策として、同様にステルス機能を持つF35の導入を目指しているものの、試作エンジンの損傷など開発段階でトラブルが相次ぎ、国際共同開発の中心である米国での配備も遅れている。

 政府はこのため、11年度予算でのF35調達経費計上は困難と判断した。

航空機民間転用 防衛基盤維持へ着実に進めよ

2010年08月08日 読売新聞(社説)Yomiuri On-Line

 日本に欠かせない防衛技術と関連企業を維持していくうえで有効な手法と言えよう。

 防衛省が、自ら開発した自衛隊機の民間転用を検討している。海上自衛隊の救難飛行艇US2は消防飛行艇などに、航空自衛隊が開発中の次期輸送機XC2は大型貨物機にそれぞれ転用する構想だ。

 民間転用は前例がないが、救難機や輸送機はそもそも武器ではない。民間機に転用しても、日本が大切にする「平和国家」の理念には何の影響もあるまい。

 政府は、企業から利用料を受け取り、開発費の一部を回収できる。量産効果によって自衛隊機の調達費も縮減できる。世界的に消防飛行艇や貨物機の需要は大きく、企業も一定の収益を期待できる。

 民間転用は、官民双方にメリットがある。もっと早く取り組めば良かったのではないか。

 近年、防衛予算の減少傾向が続く中、この分野から撤退する企業が増えている。装備の開発・生産・整備に不可欠な専門企業や高度な技術者がいなくなることは、国の安全保障の根幹にかかわる。

 日本の安全保障環境は逆に、厳しさを増している。中長期的な視点で、防衛技術基盤の維持と、防衛予算の一層の効率化を両立させていく必要がある。

 年内に予定される「防衛計画の大綱」の改定作業に合わせて、武器輸出3原則の見直しにも本格的に取り組むことが重要だ。

 次期戦闘機(FX)の候補F35のように巨額の開発費を要する装備品は、複数の国による共同開発が国際的潮流だが、日本は参加できない。米国以外の国との共同開発が認められていないからだ。

 現在は、米国以外のほとんどの国に及ぶ武器の禁輸を、紛争当事国やテロ支援国などに限定することを検討すべきだ。最低でも、一般の国との武器の共同開発を認め、武器輸出を個別に審査する方式を導入してはどうか。

 地雷探知機、防弾チョッキなど防御的武器を禁輸の対象外としても、日本の「平和国家」のイメージが損なわれることはない。

 民主、自民両党はそろって参院選公約に防衛装備品の民間転用を掲げた。武器輸出3原則の見直しでも、与野党の枠を超えて協調する余地があるのではないか。

 鳩山前内閣では、北沢防衛相が3原則見直しに前向きな考えを示したが、与党の社民党などが反対し、具体化しなかった。社民党の連立離脱で、政治的なハードルはかなり低くなったはずだ。

ユーロファイター受注へ猛攻 ライセンス生産で強み

2010年08月08日 東京新聞朝刊

英中部ウォートンにあるBAEの工場で組み立てられるユーロファイター=ジョナサン・ヒル撮影

 英国防産業大手BAEシステムズが、日本の次期主力戦闘機(FX)用に、ユーロファイターの売り込みに力を入れている。英政府も、七月に訪日したヘイグ外相が岡田克也外相に同機の導入を求めた。日本政府は最有力候補だった米F22の購入を昨年、断念したが、米国はなおも米メーカーの他機種の採用を勧める。米国には日米安全保障関係などの強みがあるのに対し、BAEは「日本にとって多くの国と関係を構築する方が賢明なはずだ」と強調している。 (ヨーロッパ総局・有賀信彦)

 ユーロファイターは英独など欧州四カ国の企業が共同開発した。日本への販売活動はBAEが担当する。

 マーク・パーキンソン上級副社長は本紙に「対空、対地、どちらを目的にしても、柔軟に対応できるマルチ戦闘機だ。ミサイルなどの装備も日本側の要求に合わせたタイプを搭載できる」と説明。日本の防衛装備体系に順応できる技術水準を強調する。

 ライバルとなるのは米社製造の二機種。ゲーツ米国防長官はF35(ロッキード・マーチン社)を熱心に推薦。もう一方のFA18(ボーイング社)は技術的、価格的な競争力は劣るものの、日米関係の緊密さから、欧米の軍事関係者は導入の可能性が最も高いとみる。

 対抗するユーロファイターに有利な点はライセンス生産の条件。米国製は技術公開しないブラックボックス化が進んでいるためだ。同上級副社長は「三菱電機とはレーダー、IHIとはエンジンについて、どんなライセンス生産が可能かを話し合っている」と、提携内容について企業間で検討していることを明らかにした。

 同社は二〇〇五年に米軍用車両製造販売会社を買収、米国内で操業する事業所は五十に達していて、米国との結び付きも深い。ある軍事ジャーナリストは「仮に日本がユーロファイターを導入しても、米国の反発はさほど大きくない可能性がある。BAEはその点も考え、導入の可能性が十分あるとみているのかもしれない」と分析する。

 一方、売り込み支援の政治力は米国の方が上手。パーキンソン上級副社長は「日米関係に悪い影響を与えるつもりはない」と、両国関係の重要性も認める。だからこそ、アンディー・レイサム副社長は「日本の多くの政治家、官僚、業者に会ってユーロファイターを説明し、理解を深めてもらうしかない」と意気込む。

 ただ、日本では九月に予定される民主党代表選の後、内閣改造で防衛相が代わる可能性もある。「これまで説明してきたことを一からやり直さなければいけなくなるのでは」。同社関係者はそんな苦しい展開も想定している。

 英王立総合防衛安全保障研究所(RUSI)のアレクサンダー・ニール部長(アジア担当)は「FXはBAEにとってまたとないチャンスだが、日本にとってはリスクがある。ユーロファイター自体は日本にとって理想的なタイプの戦闘機だが、日本が日米同盟関係について議論するつもりがなければ、同機の採用はなかなか難しい」とみている。

空自FX、調達費計上見送り…有力候補開発遅れ

2010年07月26日 読売新聞 Yomiuri On-Line

老朽化が進むF4戦闘機

 防衛省は2011年度予算の概算要求で、航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)の調達経費の計上を見送る方針を固めた。

 導入を目指す最新鋭ステルス戦闘機のうち、最有力候補に挙がっている「F35」(米英などが共同開発中)について、生産や配備時期など不透明な部分が多く、選定作業を継続する必要があると判断した。

 FXの導入は当初予定していた09年度から3年連続で見送られることになり、日本の防空能力の低下を招きかねないとの指摘が出ている。

 FXは、1973年に配備が開始され、老朽化したF4戦闘機の後継機となる。防衛省は、レーダーに探知されにくいステルス機能を備えたFXを2個飛行隊分(約50機)導入する計画をたて、09年度までの中期防衛力整備計画では7機を契約する予定だった。しかし、当初最有力候補に挙がった米国製の「F22」は、機密保持のため米議会が禁輸措置をとったことなどから、昨年、導入を断念した経緯がある。

 現在、候補機種としてはほかに、米国の「FA18E/F」や英独などが共同開発した「ユーロファイター」があるが、空自には「性能が最も優れている」としてF35を推す声が強い。ただ、F35は米空軍への配備開始が予定より2年遅れの2015年となる見通しで、輸出仕様機の細かい性能や配備時期、価格なども不透明な点が多い。

F2戦闘機を追加調達 FX選定難航で防衛省検討 中国脅威に防空を穴埋め

2010.07.19 MSN産経新聞

 次期主力戦闘機(FX)の機種選定の遅れを受け、防衛省がF2戦闘機の追加調達を検討していることが18日、分かった。中国が航空戦力を近代化させていることを踏まえ、防空体制に空白が生じるのを防ぐ狙いがある。平成23年度に終了予定だったF2の生産が途絶えれば、戦闘機の生産・技術基盤が失われるとの防衛産業の懸念もくむ措置でもある。

 FXは老朽化した航空自衛隊のF4の後継機で、約50機を導入する。防衛省がF2の追加調達の検討に入ったのは、FXの選定の遅れに加えF4の退役も数年後に迫っているなかで、防空に穴を空けないための「次善の策」といえる。調達数は20機程度を想定。決定すれば23年度予算案の概算要求に盛り込む。

 FXの機種選定は平成18年に本格化し、防衛省は当初、米空軍の戦闘機F22ラプターを本命視した。F22は第5世代機と呼ばれる最新鋭で、レーダーに捕捉されにくいステルス性の高さが特長だ。だが米国はF22の輸出を認めず、昨年4月には調達中止も発表し機種選定は振り出しに戻った。

 現在の候補は米英などが共同開発中のF35ライトニング2、米国のFA18E/F、欧州共同開発のユーロファイターの3機種。防衛省はF35を有力視するが、開発・運用試験の段階で、量産は早くても28年ごろからと見積もられている。

 追加調達の検討を迫られているのは、中国の航空戦力の増強も影響している。中国はSu27やJ10などの導入・生産を進め、F2と同じ第4世代機の保有数は約350機。約140機ある在日米空軍機でカバーするものの、F2にF15を加えた空自の第4世代機は約290機しかなく、水をあけられている。中国は第5世代機も31年ごろに運用を始めるとの分析がある。

 現行計画では、F2は23年度に最終機の生産が終わる。戦後、戦闘機の国内生産を再開して以降、初めて途絶えることになる。F35のライセンス生産の見通しも立たず、防衛産業側には「F2の生産を継続しなければ、生産ラインの維持と技術者の確保は困難だ」(大手メーカー幹部)との危機感が強い。

 ただ、F2は本来、地上や海上の目標を攻撃する支援戦闘機。レーダーなどの性能の差から、敵の航空機を迎え撃つ迎撃戦闘機のF15に比べて防空能力は劣るとされるが、「データ通信システムで対処力を向上できる」(防衛省幹部)との指摘もある。

日本がアジア初のステルス戦闘機を自主開発か−中国メディア

2010/05/11(火) Searchina

 アジアの空軍の中でも一流だと言われている日本の航空自衛隊。隣国が第4世代の戦闘機を大規模に装備し始めている中、日本は第5世代のステルス戦闘機の開発に目を向けている。米国製F−22ステルス戦闘機の購入が不透明になってから、日本は国産ステルス戦闘機の開発を決心した。

 チャイナネットによると、日本の行動は、米国に圧力をかけてF−22の交渉に影響を与えるためだと外部の人たちは推測しているが、4月27日の英国のウェブサイト「フライト・ナショナル」は、「日本は第5世代のステルス戦闘機『心神』」の原型機に海外のエンジンを購入することを考えており、明らかにステルス戦闘機の開発を加速させている」と報じた。

 このプロジェクトは先進技術実証機(ATD−X)と呼ばれ、日本は国外企業から性能の高い航空エンジンを輸入し、ATD−X開発の加速を望んでいる。しかしこの戦闘機が成熟すれば、日本は国産エンジンを開発する能力を備えるだろう。

 ATD−XのエンジンXF5−1の開発を行っているのが、日本の国際エンジンメーカーのIHIだ。今、原型機に国外のエンジンを購入することは、IHIにより多くの開発時間を与え、ATD−Xプロジェクトが計画通りに進むことを確保できる。こうしたことから見ると、日本は間違いなくATD−Xを最後まで開発する決心で、強大な航空製造業と電子工業のバックアップのもと、日本が最初のアジア系ステルス戦闘機を開発する可能性は大きい。(編集担当:米原裕子)

F35垂直着陸試験に初成功=海兵隊仕様の次世代戦闘機−米

2010/03/19 時事ドットコム

 【ワシントン時事】米ロッキード・マーチン社は18日、開発中の次世代戦闘機F35のうち、海兵隊向けに強襲揚陸艦や小さな飛行場でも運用できるよう設計された試験機が初めて、垂直着陸に成功したと発表した。

 F35の垂直着陸型は、在日米軍海兵隊でも運用されているAV8ハリアー戦闘攻撃機の後継機となる。

 F35は通常着陸型の空軍向けと、空母艦載型の海軍仕様の開発が大幅に遅れている。海兵隊仕様だけが計画通り進んでおり、2012年に実戦配備される。

 この日の試験は首都ワシントン郊外のメリーランド州にある海軍基地で実施され、高度45メートルで空中静止(ホバリング)後、垂直に降下、着陸した。海兵隊仕様は英国も調達するほか、イスラエルが50機の購入を希望している。

米第5世代ジェット戦闘機F-35、垂直着陸に成功

March 19 - 2010 sorae.jp

 ロッキード・マーティン社は3月18日、同社が開発を進めている次世代戦闘機「F-35B ライトニングII」による垂直着陸試験に成功したと発表した。

 試験はメリーランド州のパタクセント・リバー海軍航空基地で行われ、F-35Bは13分間飛行した後、約45m上空で1分間ホバリングし、その後に垂直降下し、着陸に成功した。F-35による垂直着陸は今回が初めて。

 「アメリカや同盟国の国際安全保障を満たすため、今日のF-35Bによる垂直着陸試験は、革新的な技術の鮮やかなデモンストレーションとなりました。私はこの重要な試験を成功させたF-35チームを誇りに思います」

 今回の結果を受け、ロッキード・マーティン社のロバート・スティーブンス会長はこのように述べた。

 F-35はアメリカが開発している第5世代ジェット戦闘機で、同じ機体でありながらも、通常の離着陸(CTOL)、短距離離陸・垂直着陸(STOVL)、艦載機(CV)の3タイプが選べる。また、ステルス能力やアフターバーナーを使った超音速巡航も可能で、将来はF/A-18戦闘攻撃機などに代わると言われている。

【正論】拓殖大学大学院教授・森本敏 次期戦闘機の決定をすみやかに

2010.03.18 MSN産経新聞

 現在、日本が保有する戦闘機はF−15、F−4およびF−2であり、機数は計約260機と現在の防衛大綱に決められている。F−15は日本の主力戦闘機であるが、第4世代機といわれ、米空軍ではもはや、旧式機になりつつある。F−4は現在、約40機保有しているが、さらに旧式機であり、あと数年で完全に姿を消す。F−2は日米で共同開発した戦闘機であるが、平成23年度以降に国内生産が終了する。

 日本が航空防衛力を維持するため、直面している最も深刻な問題はF−4の後継機をどのように選定するかという問題と、F−2の生産終了後に国内の生産技術基盤をいかにして維持するかという問題である。

 ≪中国、ロシアに遅れる恐れ≫

 日本の防空は航空自衛隊の戦闘機などによって確保されているが、必要に応じて在日米空軍機(約140機)の支援を受けている。在日米空軍の戦闘機部隊は間もなく、F−15、F−16といった第4世代機から第5世代機のF−22、F−35に交代するであろう。既に、沖縄にはF−22数機がローテーションで展開している。

 第5世代機はステルス(レーダーに映りにくい)性能がありF−15、F−2などの第4世代機では全く歯が立たない。今までF−15はF−22と空中戦闘訓練をやったことがあるが、F−15はF−22に全く相手にならなかった。F−15のレーダーにF−22は映らず、姿の見えないF−22から一方的にミサイルがF−15に飛んできてF−15は完敗したと伝えられている。

 一方、周辺諸国を見ると、北朝鮮の戦闘機は旧式機が多く、日本領土に直接到達しないが、弾道ミサイルの脅威はあり、これには日米両国のミサイル防衛システムで対応できるよう、システムの整備に努めている。中国は、現在、第4世代機を約350機保有しており、2017年ごろには、第5世代機を実戦配備するといわれる。また、ロシアも極東に第4世代機を約240機配備しているが、すでに第5世代機の初飛行が終わっており、15年ごろには実戦配備するといわれる。

 この第5世代機はステルス性能があるだけでなく、優れた運動性能をもち、高速度で飛行できるので、それだけ、日本への脅威が増大することは明白である。そこで、日本はF−15の一部に対して近代化改修をすすめており、当面は第4世代機に対応できるが、第5世代機にかなわないという事情に変わりはない。

 ≪国防の要の制空権を失う≫

 日本はF−15、F−4に代わって第5世代機に対抗しうる新しい戦闘機を導入しないと、中国、ロシアとは全く相手にならず、日本および周辺の制空権の確保ができないことになる。特に、日本のように周辺諸国と陸続きではなく、脅威が海・空域から及んでくる国にとって、制空権を維持することは極めて重要である。制空権のない国家の防衛がいかに悲惨なものかは、既に、近・現代戦において証明されているところである。特に、F−4に代わる次期戦闘機の選定を、今年中に決定しなければ退役するF−4の穴を埋められないばかりか、取得する時期までに中国やロシアに第5世代戦闘機が実戦配備されることになり、日本は重大で深刻な脅威に直面することになろう。

 今のところ、次期戦闘機の候補として考えられるのは、米国で開発されたF−22と、米国など9カ国で共同開発中のF−35の他に、米国のF−18、欧州のユーロファイターなどがある。日本としては生産技術基盤維持の面から、F−4の後継機を国産開発にしたいところであるが、今からでは間に合わない。制空戦闘能力の面からはF−22を導入したいが、米議会の法律上の制約や価格の面で実現が難しい。

 そこで、F−35を導入する案が浮上している。しかし、これは複数国による共同開発機であり、米国から取得するとしても開発契約上の問題や資料入手など簡単ではない。F−4の次には、F−15やF−2の後継機という問題もあり、これは、今から国産開発の途をぜひとも模索すべきである。

 ≪防衛大綱も原点から検討を≫

 重要なことは、日本の防空にとって制空権の空白ができないように周辺から来る脅威に対応できる優れた制空戦闘機を保有し、これを即応状態にすることの必要性について、国家と国民が正しい認識を持つことである。欧州諸国も米国もアジア諸国も、なぜ、国家をあげて制空戦闘機の近代化に努めているかを認識すべきである。

 空の守りがなくて国の安全はあり得ない。しかし、兵器を米国のような他国からの導入のみに依存していたのでは、真の国力に根ざした真の国防にはならない。戦闘機の国産には、莫大(ばくだい)な予算と資源を投入することになるが、自国の防衛産業の生産技術力を維持向上するためには、どうしてもやらなければならない努力である。

 防衛大綱を策定する中で、日本の防空をどう考えるのか、もう一度原点に立ち返って検討する必要があろう。(もりもと さとし)

F35の価格倍増と米政府 日本の機種選定見直しも

2010/03/12 中国新聞ニュ−ス

 【ワシントン共同】米国防総省は11日、次世代戦闘機F35の調達価格が開発計画の遅れなどによって当初想定の倍近くに高騰し、最大で1機9500万ドル(約86億円)になるとの見解を上院軍事委員会の公聴会で明らかにした。F35は航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)の最有力候補。価格高騰により日本政府の選定作業は大幅な見直しを迫られそうだ。

 F35はそもそも米軍で最も高価な調達案件。証言したカーター国防次官(調達担当)らによると、2001年当時は1機当たり約5千万ドルとしていたが、開発段階でトラブルが相次ぎ、現在は9500万〜8千万ドルと想定している。米軍全体で計2443機を調達する予定。

 ドンリー空軍長官は今月2日、F35の運用開始時期を予定された13年から15年に先送りすると述べたばかり。だが、カーター氏は証言で、空軍の運用開始時期をさらに1年遅れの16年とし、海兵隊は12年、海軍は16年に運用を始める方針と表明した。開発計画自体の遅れは13カ月に上るという。

 日本政府は老朽化が進むF4戦闘機の後継機となるFXを今年秋ごろまでに選定する方向。中国との制空権争いを念頭に置く空自はレーダーに捕捉されにくいステルス性を重視、F35を最有力候補と位置付ける。

 ただ、導入可能な時期が不透明な上、共同開発に参加していない国への初期の輸出価格はさらに上昇する恐れがあり、対抗馬のFA18やユーロファイターが浮上する可能性も出てきた。

米空軍、F35配備2年遅延の見通し 米英メディア報道

2010年03月03日 NIKKEI NeT

 【ワシントン=弟子丸幸子】ドンリー米空軍長官は2日、米英などが共同開発中の次世代戦闘機F35を巡り、米空軍の配備時期が2015年にずれ込むとの見通しを示した。当初予定から約2年の遅れとなる。開発費が膨らみ、法律で定めた上限を上回る可能性にも言及した。配備の遅れは日本の航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)選定にも影響を与えかねない。

 ドンリー長官が一部記者団との会見で語った内容を、米英メディアが報じた。13会計年度(12年10月〜13年9月)の予定だった空軍での運用開始時期は15年まで遅れる方向。開発費の増加については近く議会に説明、理解を求める方向だ。

 一方、米議会専門紙ザ・ヒルは、国防総省の内部メモによるとF35の本格生産が始まるのは15年秋になると伝えた。開発期間が13カ月延びるという。

F35の責任者、開発トラブルで更迭 米国防長官

2010.02.02 11:45 MSN産経新聞

 ゲーツ米国防長官は1日の記者会見で、次世代戦闘機F35の相次ぐ開発トラブルを受けて国防総省の担当責任者である海兵隊のデービッド・ハインツ少将を更迭することを明らかにした。開発メーカーのロッキード・マーチン社に対しても同じ理由で開発費のうち6億1400万ドル(約557億円)の拠出を凍結するとした。

 また、ゲーツ氏は同日発表した2011会計年度(10年10月〜11年9月)国防予算で、歳出削減策の一環としてF35の代替エンジン開発やC17輸送機調達の経費を計上しなかったと説明。議会がこれらの調達費を予算案に盛り込んだ場合「オバマ大統領に拒否権行使を強く勧める」と述べた。

 F35は日本の次期主力戦闘機の有力候補。(共同)

ロシア次世代戦闘機が試験飛行 米ステルスのライバル

2010年01月30日 asahi.com

 【モスクワ=副島英樹】ロシアのスホイ社が開発した次世代(第5世代)戦闘機の初の試験飛行が29日、極東コムソモリスクナアムーレの基地で行われた。飛行映像を公開したロシア国営テレビによると、新型機は47分間飛行し、搭乗したパイロットは「すべて計画通り進んだ」と成功を強調した。ロシア国防省は2015年に配備する予定としており、米国の最新鋭ステルス戦闘機F22のライバルになるとみられている。

 同テレビによると、レーダーに捕らえられにくいステルス性に優れ、複数の標的を同時に攻撃できる。最高速度は時速2600キロで、F22より100キロ速いという。飛行距離は5500キロで、3時間20分ごとの燃料補給で長時間の飛行が可能とされる。

 プーチン首相は同日、「大きな前進だ」と評価、パイロット訓練を13年に始めると述べた。ロシアは軍改革で装備更新と効率化を進めており、新型機は現在の主力戦闘機ミグ29やスホイ27の後継機となる。ロシア政府には、技術力をPRすることで軍需産業に弾みをつける狙いもある。

「F35性能情報料」で10億円 米国、日本に異例の要求

2009年10月04日 中国新聞ニュ−ス

 航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)選定で、日本が有力候補に位置付けている次世代戦闘機F35の性能に関する情報提供料として、米政府が約10億円を要求していることが3日、分かった。複数の日米関係筋が明らかにした。レーダーに捕捉されにくいステルス性能については、購入が決まった段階で提供する意向も伝達した。今月20日に来日するゲーツ国防長官と北沢俊美防衛相の会談で、F35採用を軸に調整する見通しだ。

 輸入する装備で、情報提供として高額な代金を求められるのは異例。F35が米国に英豪などを加えた共同開発のためで、10億円を支払った場合、開発費の負担割合に応じて各国に配分されるとみられる。この要求に日本側では「足元を見られている」(防衛省筋)との受け止めも出ている。

 日本は当初、最新鋭ステルス戦闘機F22の導入を目指してきたが、米側はF22の輸出を禁じ、生産中止の方針も表明。F22に次ぐ高性能機種はF35で、日本政府は次善の策として導入に傾いた。政府は情報提供料の支払いに応じるとともに、2011年度予算案からF35の購入経費を計上する方向で本格的な検討に入る。

 米側が約10億円の支払いを求めている情報は戦闘機の詳細な攻撃能力に加え、一定の時間にどれだけ早く旋回できるかなど機動性に関する性能のデータとみられる。ステルス性能は高度の軍事機密のため、米側は購入が確定した時点で開示する意向を伝えたという。

 F35はことし5月の日米防衛相会談で、ゲーツ長官が日本に推奨し選定が本格化した。

F22禁輸含む法案可決 米軍向け生産中止確定

2009/07/31 中国新聞社ニュ−ス

 【ワシントン共同】米下院は30日、政権が生産中止を表明した最新鋭ステルス戦闘機F22の追加調達条項を削除した2010会計年度(09年10月〜10年9月)の国防歳出法案(国防予算案)を可決、同機の米軍向け生産中止が確定した。法案はF22の輸出禁止も規定、日本が次期主力戦闘機として導入するのは絶望的となった。

 F22をめぐる議会との対立はオバマ政権側に軍配が上がった形。だが法案には大統領が拒否権行使をちらつかせて反対する次世代戦闘機F35の代替エンジン開発や大統領専用ヘリコプターへの資金拠出が含まれており、上院を舞台にした駆け引きは今後も続く見通し。

 また総額約6360億ドル(約60兆円)に上る法案はイラクやアフガニスタンの戦費約1280億ドルを含み、ブッシュ前政権時代からの「テロとの戦い」の戦費は累計で1兆ドル突破が確実となった。

 ゲーツ国防長官は空対空の戦闘に適したF22を「時代遅れ」として4月に生産中止を表明。これに対し、議会側は全米44州にまたがる関連工場の雇用喪失を懸念して抵抗していた。

 ホワイトハウスは拒否権行使を辞さない考えを声明で示して予算策定権限を持つ議会をけん制。上院は先に、国防予算の大枠を決める国防権限法案で追加調達削除を決定した。ただ下院の一部議員は、予算項目を規定した歳出法案で巻き返しを狙っていた。

米下院、F22追加調達を可決 オバマ政権方針を無視

2009年06月26日 AFP BB News 発信地:ワシントンD.C./米国

米国マリエッタ(Marietta)で、離陸する新鋭ステルス戦闘機F22「ラプター(Raptor)」(撮影日不明)。(c)AFP

【6月26日 AFP】米下院は25日、バラク・オバマ(Barak Obama)政権が予算改革の対象としている最新鋭ステルス戦闘機「F22ラプター(F-22 Raptor)」の追加調達方針を含む2010年度の国防権限法案を、389対22で可決した。

 F22の調達打ち切りを決めているオバマ政権は、5504億ドル(約53兆円)規模の同法案が可決された場合、拒否権の行使も辞さないとしていた。

 ロバート・ゲーツ(Robert Gates)国防長官は、F22の調達数を187機に制限したい意向で、これに従うと今後調達できるのはあと4機ということになるが、多くの共和党員がこれに反対している。

 米空軍も調達中止には異を唱えており、前年には381機の調達を要請している。日本などの同盟国はF22の購入を希望しているが、F22は輸出禁止措置がとられている。

 法案は上院でも可決された場合でも、発効にはオバマ大統領の署名が必要となる。(c)AFP

米下院委が新たにF-22を12機調達‐ゲーツ国防長官、生産継続には反対

2009年06月20日 IBTIMES

09年5月30日、米空軍F-22戦闘機が嘉手納米空軍基地を通過、沖縄より(ロイター)

 米国防省はF-15戦闘機の後継機としてF-22ラプターステルス戦闘機を開発したが1機あたり約1億4,000万ドル(約135億円)と高額なため、予算削減により09年から生産中止を米国防省が提案していた。F-22は09年の現在まで実戦参加はないがステルス性の高さから世界最強クラスの戦闘能力を持つとされる。米下院軍事委員会は18日までに10会計年度(09年10月-10年9月)に新たに最新鋭戦闘機F-22を12機調達する予算権限法案を可決した。ゲーツ国防長官は同日の記者会見で「大きな問題だ」と非難した。ゲーツ国防長官はF-22の生産を187機までで生産中止する方針を表明していた。

 航空自衛隊は次期戦闘機の最有力候補としてF-22を購入を予定していたが、米国防予算にはF-22Aの海外輸出を禁止する付帯決議が有るため、日本政府は禁輸条項解除を要望していた。一方、米上院は18日、F-22の輸出仕様開発に向け調査費を含む総額1,060億ドル(約10兆2,500億円)の09年会計年度補正予算を可決。同予算は大統領署名を受けて成立の見通しとなる。ゲーツ国防長官は同日、一連の下院の動きに対し、「F-22の生産継続は、私が提言でオバマ大統領が示した予算案に反する」とオバマ大統領の拒否権行使の可能性を示唆した。

防衛相、F22戦闘機調達に期待感

2009年06月19日 NIKKEI NeT

 浜田靖一防衛相は19日の閣議後記者会見で、次期主力戦闘機(FX)の有力候補である米最新鋭戦闘機F22を巡って、米議会が輸出仕様の開発予算を認めたことに関し「F22を何とか取得したいと今までやってきた。そういった(輸出認可の)方向で動き出したという気がしないではない」と述べ、期待感を示した。

米下院委がF-22増産の予算案可決、「大問題」と米国防長官

2009年06月19日 AFP BB News 発信地:ワシントンD.C./米国

クリッピングする 拡大写真を見る 写真をブログに利用する 英ロンドン(London)郊外で14日に開幕したファンボロー国際航空ショー(Farnborough International Airshow)でデモフライトを行う米国の最新鋭ステルス戦闘機F22「ラプター(Raptor)」(2008年7月14日撮影、資料写真)。(c)AFP/Carl de Souza

【6月19日 AFP】ロバート・ゲーツ(Robert Gates)米国防長官は18日、下院軍事委員会(US House Armed Services Committee)が国防省の方針に反して、最新鋭ステルス戦闘機「F22ラプター(F-22 Raptor)」の増産を盛り込んだ国防予算権限法案を可決したことについて、「大きな問題だ」と非難した。

 ゲーツ国防長官はこれまでに、F22の生産を187機までで中止し、あと4機のみ生産するとの方針を打ち出し、オバマ政権もこれを支持していた。

 ところが共和党議員の大半が生産中止に反対。17日の下院軍事委員会では、F22を12機生産する費用の一部として3億6900万ドル(約357億円)を追加する修正条項が賛成31、反対30で可決された。

 F22は、米航空宇宙機器大手ロッキード・マーチン(Lockheed Martin)と米ボーイング(Boeing)が製造している。(c)AFP

F22「輸出仕様」の研究開発を容認 米議会、予算43億円を合意

2009年06月18日 NIKKEI NeT

 【ワシントン=弟子丸幸子】日本政府が次期主力戦闘機(FX)の有力候補に据える米最新鋭戦闘機F22を巡り、米上下両院協議会がF22の生産中止を防ぐ目的で、4500万ドル(約43億円)の予算を認めることで合意したことが17日明らかになった。F22の「輸出仕様」の研究開発費として使用することも容認した。

 同予算は2009会計年度(08年10月〜09年9月)の補正予算案に盛り込まれ、下院は16日に同補正予算案を可決。上院は近く採決する。

 F22を巡っては、ゲーツ米国防長官が4月に新規調達を停止することを決定し、生産が中止となる可能性が強まっていた。日本がF22を調達するには、米国内法による禁輸規定(オビー修正条項)が障害。さらに日本のFX選定までの間、F22の生産が継続している必要がある。米議会の「輸出仕様」の開発予算を認める動きが、禁輸解除のための法改正につながるかどうかが今後の焦点となる。

英BAEシステムズ、「FX」採用ならユーロファイターの技術情報を開示

2009年06月11日 NIKKEI NeT

 英BAEシステムズのアンディー・レイサム副社長は11日都内で記者会見し、日本の次期主力戦闘機「FX」の候補機である欧州のユーロファイターについて、日本が採用を決めた場合、日本でライセンス生産がしやすいよう詳細な技術情報を開示する考えを明らかにした。

 日本の戦闘機は代々、米軍機をライセンス生産してきたが、詳細な設計情報を開示しない「ブラックボックス」化が進んでいる。日本の防衛産業は先端技術に触れられず、生産や整備面での障害になっている。レイサム副社長は「我々はブラックボックスを設けない」と述べ、米国との違いを強調。ユーロファイター採用のメリットを強調した。

 FXを巡っては、防衛省の大本命だった米ロッキード・マーチンの最新鋭機F22がオバマ政権の発足を受けて生産中止される方針となり、選定作業が混迷している。

次期主力戦闘機、F35を日本に推奨 米国防総省報道官

2009年06月09日 NIKKEI NeT

 【ワシントン=弟子丸幸子】米国防総省のモレル報道官は8日の記者会見で、日本の次期主力戦闘機(FX)選定について、米英など9カ国が共同開発する最新鋭戦闘機F35を日本政府に推奨したと言明した。「日本が将来調達する航空機として、我々が薦めるのはF35だ」とし、ゲーツ米国防長官が浜田靖一防衛相に同様の見解を伝えたことも認めた。米政府が日本のFX選定を巡り、推奨する戦闘機を公式の場で語ったのは初めて。

 モレル報道官は日本が期待を寄せる最新鋭のステルス戦闘機F22に関して「輸出を禁じる米国内法(オビー修正条項)がある」「日本のような良い同盟国に我々が(F22を)提供したいとしても、できないのが現実だ」などと述べた。

 浜田防衛相は9日の閣議後の記者会見で「ゲーツ長官からも(F35を推薦すると)言われている」と、米側から打診があったことを確認した。同時に「基本はまだF22を追求していきたい」とも述べ、F22調達を目指す方針に変わりがない考えを示した。(

F22輸出解禁なら1機250億円=駐米大使に書簡−上院歳出委員長

2009/06/06 時事ドットコム

 【ワシントン5日時事】航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)の有力候補機で、輸出禁止措置が取られている米最新鋭ステルス戦闘機F22について、米上院歳出委員長のダニエル・イノウエ議員(民主)が藤崎一郎駐米大使とゲーツ国防長官に書簡を送り、価格は1機当たり2億5000万ドル(約250億円)程度になるとの試算を示していたことが5日、分かった。ロイター通信が報じた。イノウエ議員事務所も、F22の輸出解禁に関して書簡を送ったことは認めている。

 F22をめぐっては、国防総省が調達中止を決め、ゲーツ長官は5月の日米防衛首脳会談で、議会の輸出禁止措置を理由に将来的にも輸出は厳しいと説明していた。議会に大きな影響力を持つ歳出委が解禁を支持すれば、日本のF22取得に望みが出てくる。 

 1機当たりの試算には輸出仕様を設計・製造する費用が含まれ、日本が取得するまでに7〜9年かかるという。価格は米空軍の調達価格より約1億ドル(約100億円)高い。

 F22はレーダーに探知されにくい高いステルス性と高度の空対空戦闘能力を持つ。軍事機密を保護するために、「オービー修正条項」と呼ばれる歳出法で、輸出が禁止されている。

 FXについては、日本の防衛省と米国防総省が局長級の実務者協議の場を設け、機種選定に向けて話し合うことを決めている。

政府・与党、武器輸出三原則の緩和検討 共同開発・生産を容認

2009年05月24日 NIKKEI NeT

 政府・与党は23日、武器や武器技術の輸出を禁止する武器輸出三原則の緩和を検討する方針を固めた。年末に改定する予定の防衛計画の大綱に、他国との武器の共同開発・生産の容認や、共同開発国への輸出の解禁を盛り込む。欧米諸国が進めている次世代戦闘機など主要装備の共同開発・生産への参加の道を開き、調達コストの抑制と、国内の防衛産業の活性化につなげる狙いだ。

 武器輸出三原則は1967年に佐藤栄作首相が表明した共産国や国際紛争の当事国などへの武器禁輸方針だった。76年に三木武夫首相が事実上の「全面輸出禁止」に転換。現在も米国とのミサイル防衛(MD)システムの共同開発などを除き、禁輸が続いている。

F35採用を打診 次期戦闘機で米国防長官

2009/05/24 中国新聞ニュース

 【ワシントン23日共同=須佐美文孝】航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)選定をめぐり、ゲーツ米国防長官が今月初めの日米防衛相会談の際、開発中の次世代機F35の機種名を具体的に挙げて日本側に採用を打診していたことが二十三日分かった。複数の日米関係筋が明らかにした。

 浜田靖一防衛相や空自側は、より高性能のF22導入の望みを捨てていないが、ゲーツ長官自らがF35の「トップセールス」に乗り出したことで、日本側の選択肢が狭まるのは避けられない。F22導入を断念し、F35採用の本格検討を迫られる可能性が強まった。

 関係筋によると、ワシントンで一日に開かれた会談で、ゲーツ長官がFXの話題を切り出し、米軍の次世代戦闘機をF35に一本化する方針を決めたと説明。F22が近く生産打ち切りとなる可能性を示唆した上で「F35は良い飛行機だ」などと述べ、同機採用を暗に求めた。会談直後の日本側説明では、長官は米議会によるF22の禁輸措置が解けない現状に理解を求めたとされていた。

 会談で浜田氏は「少しでも望みがあるならF22の検討を続けたい」と応じたため、結論は先送りされた形になっている。

 米側は月内にシーファー国防副次官補(東アジア担当)を日本に派遣し、調整を進める方針。

 空自は耐用年数の迫った現有のF4戦闘機の後継に、レーダーに捕捉されにくい最新鋭F22を本命視。だが二〇〇七年に米議会が禁輸措置を延長したため、機種選定は振り出しに戻り、F22やF35など計六機種を対象に絞り込みを急いでいる。

 米軍は四月、オバマ政権の国防費抑制方針に沿って、F22の新規発注見送りと、汎用性の高いF35増産を決めた。

 米当局者は共同通信の取材に対し、現時点でF22は日本の現実的な選択肢とはいえないとの認識を示した。F35は現在も開発中で実戦配備は一四年ごろと見込まれるため、日本にとってはF4からの切り替えが遅れるという問題が残っている。

米国防政策/日米安保の信頼性を高めよ

2009年05月15日 世界日報

 オバマ米政権の国防政策が明らかになるにつれ、アジアの軍事バランスが崩れ、中国側に有利になるのではないかとの懸念が強まっている。オバマ大統領が今年後半に初来日する方向で日米間で日程調整が進んでいるが、日本側は事前に同政権に日本側の危惧を率直に伝え、日米間の調整を進めるべきだ。

米中による「G2」論

 五月初め発表された米国防予算は、「オバマ色」の濃いものだ、特色は、最新鋭ステルス戦闘機F22の調達打ち切りとミサイル防衛(MD)予算の前年比13%削減である。

 オバマ政権の最大の課題は、「アフパック」(アフガニスタンとパキスタン)に拠点を移したイスラム過激派テロリストとの戦いとしており、高価な近代兵器は役に立たないとしている。だが、困るのは日本だ。

 わが国は、ノドンミサイルで日本全土を射程内に収め核兵器の弾頭化に努めている北朝鮮の脅威を受けている。軍拡を続け、空母保有を目指す核保有国の中国の存在も不気味だ。

 「パキスタン政府が崩壊し、同国の核兵器がタリバンの手に渡ったり、北朝鮮が韓国を攻撃したり、中国が台湾に侵攻したりする非常事態に米軍の今の体制で対処できるのか」と、米国内でもオバマ軍縮に危惧が表明されている。対テロ戦に気を取られ、世界の秩序維持の責任感覚が薄いことを指摘した点で正論だ。

 日本は生産中止が決まったF22を次期主力戦闘機(FX)の有力候補に挙げ、北朝鮮や中国、ロシアなどの脅威に対して、東アジアでの空の優位を保つ「守護神」にしようと考えていた。日本に導入されれば、日米同盟の強力なかすがいとしてシンボルとなっただろう。

 MD予算の削減はオバマ大統領がMD配備に慎重だったためだ。また、北朝鮮などの「ならず者国家」のミサイル攻撃には、海上配備型の迎撃ミサイル(SM3)と陸上配備型の戦域高高度地域防衛(THAAD)ミサイルで十分と考えている。だが、北朝鮮は米本土へ到達可能な大陸間弾道ミサイルを開発中で、これを阻止するには本格的なMD開発と配備が必要だ。

 MD削減は今年十二月に期限を迎える第一次戦略兵器削減条約(START1)に代わる新たな核軍縮条約交渉を前に、ロシアに配慮したためだ。中、露、北を米国への脅威と見なさない姿勢を示すもので、三国から軍事脅威を受けるわが国とオバマ政権との温度差を示している。

 ガイトナー米財務長官が五月末に中国を訪問する。就任後初のアジアの訪問先で、日本には立ち寄らない。オバマ大統領と中国の胡錦濤国家主席は四月のロンドンでの初会談で、政治分野に加え経済面での戦略対話を拡充することで合意した。米中両国が世界の諸問題を取り仕切るという「G2」論が最近、盛んに議論されるようになった。

核抑止力の健在を示せ

 来年は日米安保条約改正五十年に当たる。大統領訪日の際、「日本に対する核攻撃は米国への核攻撃と見なす」と宣言し、米国の対日核抑止力が健在であることを日本国民に示し、日米安保の信頼性を高めてほしい。

中国、ステルス機開発10年必要=米軍制空権の優位不変−ゲーツ長官

2009/05/14 Jiji.com

 【ワシントン13日時事】ゲーツ米国防長官は13日、下院軍事委員会の公聴会に提出した書面の中で、中国が敵のレーダーに探知されにくい第五世代と呼ばれるステルス戦闘機を開発、運用できるまでに10−12年かかるとの見解を示した。

 また、ロシアについては、第五世代機を運用できるまでに約6年間かかるとしている。

 このほか、長官は開発中の高性能戦闘機F35に関して、今後5年間に500機以上を生産する目標を提示し、ステルス戦闘機F22の生産を中止しても米軍の制空権の優位性は変わらないとの考えを示した。

防衛大綱改定/自衛力向上へ抜本見直しを

2009年05月11日 世界日報

 わが国の防衛力整備の指針となる防衛計画の大綱(防衛大綱)は年末に改定されるが、それに向けて政府内での議論が本格化してきた。北東アジアをめぐる安全保障環境は、中国の空母建造や北朝鮮のミサイル発射・核開発問題に見られるように大きく変化している。防衛大綱はそうした変化を見据え、抜本的に見直す方向で検討すべきだ。

防衛力整備の問題点

 二〇〇四年に策定された現行の防衛大綱は、従来の「本格的武力侵攻」への対処体制から弾道ミサイルや特殊部隊の攻撃、テロ、島嶼侵攻などを「新たな脅威、多様な事態」と位置付けて、「多機能・弾力的防衛力」の整備を目指すとした。

 ミサイル防衛(MD)については、米国との協力を進めるため武器三原則を緩和、また迎撃命令体制を整備し、自衛隊の統合運用も進めた。その一方で、大綱に基づく中期防衛力整備計画(中期防)では、陸上自衛隊の編成定数を減らしたほか、効率的な装備調達を行うとの名目で海上、航空自衛隊の艦船や作戦機も削減した。

 それから五年を経て、防衛力整備の問題点も浮き彫りになっている。第一に、大綱は情報機能の充実を掲げたが、遅々として進んでいない。

 機密漏洩事件が相次いだほか、北朝鮮のミサイル発射では米軍情報に依存するなど情報の脆さは相変わらずだ。産業スパイの取り締まりを強化する改正外為法と改正不正競争防止法はこのほど成立したが、防衛機密に対するスパイ活動を取り締まる法整備は放置されたままだ。

 第二に、シーレーンや島嶼防衛がなおざりにされている。中国の海軍力増強に対し、親中派とされるオーストラリアのラッド政権ですら、二日に防衛白書「アジア・太平洋時代の豪州防衛」を発表し、海軍を中心に大幅な防衛力増強計画を示した。それほど中国の海洋進出の脅威が差し迫ってきている。大綱はこうした脅威への認識が甘い。

 第三に、航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)の有力候補である米空軍の最新鋭ステルス戦闘機F22の導入が困難視されているように、空の守りもおぼつかない状況に置かれている。

 こうした問題点だけでなく、〇六年の改正自衛隊法で自衛隊の国連平和維持活動が「付随的な任務」から「主任務」に格上げされ、またソマリア沖の海賊対策に出動するなど活動の場が広がっている。今後は国際貢献も踏まえた防衛力整備を一層、考慮しなければならない。

 これまでの防衛大綱は一九七六年、九六年、〇四年の策定で、いずれも削減し続けてきた。もとよりムダは省くべきだが、国際環境の変化を見落として必要な防衛力整備を怠るようなことがあっては決してならない。

従来の概念抜け出せ

 早期警戒衛星の導入については従来の防衛予算の別枠で行うなど思い切った措置が必要だ。集団的自衛権行使の容認や硬直した専守防衛策からの転換も視野に入れるべきだ。新たな防衛大綱は従来の概念から抜け出し、将来の北東アジアを見据えて策定しなければならない。それが国民の生命と財産を守る政府の責任と心得てほしい。

F22導入「かなり難しい」 浜田防衛相が言明

2009.05.02 MSN産経新聞

 【ワシントン=有元隆志】浜田靖一防衛相は1日に国防総省で行われたゲーツ国防長官との会談後、記者団に対し、航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)の有力候補になっている米空軍の最新鋭ステルス戦闘機F22ラプターの導入の可能性について「かなり厳しい」との見方を示した。同相は会談では「少しでも望みがあるなら検討を続けたい」と述べたものの、今後F22以外の機種選択の本格的ま検討を迫られることになりそうだ。

 日本側の説明によると、ゲーツ長官は浜田防衛相との会談で、日本側の機先を制する形でF22の輸出問題を切り出した。長官はF22輸出には上下両院が軍事歳出法案の「オービー条項」と呼ばれる輸出禁止条項を撤廃することが必要と説明し、「議会の影響力は大きい」と述べた。

 浜田防衛相は「議会の存在を無視できないことはわかるが、日本をしっかり防衛できる能力の戦闘機を導入したい」と、F22導入への期待感をにじませたものの、日本側同席者は「(導入実現は)難しい」ともらした。

 ゲーツ長官は会談では言及しなかったが、4月にF22調達打ち切りを発表している。最終的に決めるのは米議会ではあるものの、ゲーツ長官はF22に代わって、開発中の高性能戦闘機F35への支出を増やす方針を示している。

 議会関係者は「F22の製造元であるロッキード・マーチン社はF35の開発も手がけている。今後の国防総省との関係を考えると、同社や議員たちのF22生産継続運動は鈍るのではないか」と予想する。

 ただ、安全保障問題専門家からは日米同盟強化のため、F22の輸出に踏み切るべきとの声も出ている。ブッシュ前政権下で国家安全保障会議(NSC)不拡散問題担当部長を務めたキャロリン・レディ氏らは米誌ウイークリー・スタンダード最新号に寄稿し、北朝鮮の核・弾道ミサイル開発に対して抑止力を高めるためにも、F22を日本に輸出すべきと主張した。

 日本政府はF4戦闘機の後継機としてF22をはじめ6機種を調査対象としてきたが、いわゆる「5世代機」のF22は候補の筆頭に位置付けられてきた。

豪、大幅な軍備増強計画 中国念頭の国防白書

2009/05/02 47News【共同通信】

 【シドニー2日共同】オーストラリアのラッド政権は2日、中国の軍備増強を念頭に、今後20年間で潜水艦隊を倍増し、F35戦闘機を100機導入するなど、第2次大戦後、最大となる軍備増強を計画した国防白書を発表した。

 白書は2030年以降、中国が他を大きく引き離す軍事大国となり、超大国としての米国の力が低下、アジア太平洋地域の大国間で軍備増強競争が起こると想定。空海軍を中心に装備の刷新・増強が必要としている。

 中国語が堪能なラッド首相は「親中派」とみられてきたこともあり、中国側が白書に強く反発することも予想される。

 白書によると、導入されるのは巡航ミサイルを搭載した新世代の潜水艦12隻や、フリゲート艦、駆逐艦、対潜ヘリコプターなど。陸軍も新型の装甲戦闘車の配備やヘリ部隊の増強を計画している。

 現在、約220億豪ドル(約1兆5900億円)の国防費について、18年まで年3%増、30年まで同2・2%増を予定している。

米国:F22生産中止 調達計画見直し、MDは地域に傾斜

2009年04月07日 毎日新聞 東京夕刊

 【ワシントン及川正也】ゲーツ米国防長官は6日、記者会見し、国防総省の人員・兵器調達計画を発表した。弾道ミサイル防衛について予算総額を大幅に削減する一方、北朝鮮などの弾道ミサイル開発をにらみ地域防衛に傾斜配分、めりはりを付ける。また、米空軍の最新鋭ステルス戦闘機F22の生産中止も決定、同機を航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)の有力候補とする日本にとって大きな影響を与えるのは確実だ。

 オバマ政権は厳しい財政事情を踏まえ、硬直的な調達システムの見直しを表明。ゲーツ長官は会見で兵器調達と防衛ビジネスの「抜本的な改革」につながると強調した。オバマ大統領の承認を経て議会に提出する。

 ゲーツ長官はミサイル防衛について「ならず者国家や地域的なミサイルの脅威を重視する」と表明。ハワイや日本に到達する中距離弾道ミサイルを念頭に(1)海上配備型迎撃ミサイル「SM3」(2)地上配備型「高高度域防衛ミサイル」(3)イージス駆逐艦6隻のミサイル防衛対応仕様への改修−−に計9億ドルを増額支出する。

 一方、発射直後のミサイルを航空機からレーザーで撃ち落とす試作機の追加生産を中止するほか、本土防衛を担うアラスカ州の地上配備型「GMD」も現状を維持することで年間約100億ドルの予算を14億ドル削減する。

 F22は現在計画中の187機で生産を終了。代わって最新鋭ステルス機で国際共同開発のF35の導入を推進する。米軍内にはFXについてF22からF35に切り替えるよう求める意見があり、日本も対応を迫られそうだ。このほか、開発費用が当初予定の約2倍となっている新たな大統領専用ヘリコプター計画も打ち切った。

「防衛構想変わらない」 F22生産中止方針で官房長官

2009.04.7 MSN産経新聞

 河村建夫官房長官は7日午前の記者会見で、ゲーツ米国防長官が米空軍の最新鋭ステルス戦闘機F22Aの生産中止を明言したことについて「取得の可否によって防衛構想そのものが変わることはない」と述べ、日本の防衛力整備構想全体には影響がないとの認識を強調した。

 航空自衛隊は、次期主力戦闘機(FX)の有力候補としてF22Aの購入を検討しており、防衛省は選定作業の見直しを迫られる見通しだ。

米大統領、武器調達見直し表明 F22生産継続の攻防激化

2009.03.08 MSN産経新聞

 【ワシントン=有元隆志】オバマ米大統領が巨額の財政赤字削減のため、国防費も聖域とせず、主要装備の調達を見直す考えを表明したことで、米空軍の最新鋭ステルス戦闘機F22Aラプターの生産継続の有無が焦点となっている。F22は米国史上最も高額の戦闘機のため、削減対象の象徴的な存在となっているためだ。生産工場を抱える州選出の上下両院議員からは、雇用維持を理由に生産継続を求める動きも活発化している。オバマ大統領は国防費抑制か雇用維持かの判断を迫られている。

 政府監査院(GAO)は昨年、国防総省の95の武器調達計画で当初見積もりを約3000億ドル(約29兆7000億円)超過したと報告した。大統領は4日の演説でこのことに触れ、無駄をなくし、効率性を高める必要があると強調した。そのうえで「国防関係業者に(金額が)空欄の小切手を渡す時代は終わった」と“宣言”した。

 大統領は上院軍事委員会のレビン委員長(民主党)とマケイン共和党筆頭理事が提出した「兵器調達改革法案」を支持する意向も示した。法案では国防総省内に主要装備の無駄遣いを監察する評価官を設置することなどを提案している。

 調達見直しに際し、削減候補として挙がっているのが、研究開発費を含めると1機3億ドル(約297億円)以上するF22だ。航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)の有力候補でもあるF22は高度のステルス性を持ち、超音速の巡航能力があるなど優れた面が多い。一方で、イラクやアフガニスタンでの戦闘で使用されておらず、オバマ政権が重視しているテロ対策には向いていない。

 オバマ大統領は2010会計年度(09年10月〜10年9月)国防予算にあわせ、4月までにF22の生産を続けるか決める。生産継続を求める上下両院議員計238人(上院44人、下院194人)はこのほど大統領に書簡を送った。

 書簡では、F22の生産や部品供給には主要な製造工場のあるジョージア州やテキサス州だけでなく、計44州で2万5000人以上が携わっていると指摘、「製造は年間約120億ドル(約1兆1800億円)の経済効果がある。F22の生産継続は国防上も、経済的な観点からも重要だ」と訴えた。製造元のロッキード・マーチン社も米主要紙に全面広告などを出している。

 主要装備のうち、FXのもう一つの候補である次世代戦闘機F35なども、調達の見直しが取りざたされている。

FX商戦 F22の禁輸でユーロファイターが攻勢

2008.12.08 MSN産経新聞

プレストンの工場ではユーロファイター15機が最終の組み立て段階に入っていた。サウジアラビア向けの機体もあった(木村正人撮影)

 【プレストン(英イングランド北西部)=木村正人)】航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)をめぐり、英防衛航空大手BAEシステムズが欧州製戦闘機ユーロファイターの売り込み攻勢をかけている。有力候補の米最新鋭ステルス戦闘機F22について米議会が保秘を理由に禁輸措置を継続。防衛省は来年夏に機種を選定する予定だが、中国が禁輸継続を求めて米国でロビー活動を行うなど激烈な綱引きが行われている。

 防衛省は2005〜09年の中期防衛力整備計画で、老朽化した戦闘機に代わるFX7機の調達を計画、空戦でずば抜けた性能を持つF22を念頭に今年夏に機種を決める予定だった。しかし機密漏出を恐れる米議会が禁輸措置を解除しなかったため、期限を1年間先送りしてF22の輸出解禁に望みをつないだ。

 しかし、英軍事情報会社ジェーン傘下の米ドキュメンタル・ソリューションズの防衛航空産業担当、マーク・ボビー氏は、「中国は米国の日本や台湾への武器輸出に神経をとがらせており、F22輸出をめぐる日米対話に公式に不快感を示した。今後、米ワシントンの親中派がロビー活動を強化するはずで、F22の禁輸措置が解除される見通しは50%未満だ」と分析する。

 そこで急浮上したのが、英・独・伊・スペインの4カ国が共同開発したユーロファイターだ。空戦能力ではF22に次ぎ、爆撃能力にも優れている。今年に入り空自関係者が再三、訪英し、南部ファンボローの国際航空ショーでユーロファイターに試乗するなど、関心を示している。

 BAE社同機輸出部門のアンディ・レイザン副社長によると、1機につき3年半から4年かけて完成させるといい、「日露戦争の日本海海戦を指揮した旗艦・三笠を造った会社はわが社の傘下にある。今度は日本の空を守るために同機を売り込みたい」と意気込む。

 日本の仮想敵機であるロシア製スホイ30との空戦でユーロファイターは優位性を持つ。改良型スホイ35にも十分に対応でき、中国の次世代戦闘機J11も問題にしない。F22は1機3億〜4億ドル(277億〜370億円)。ユーロファイターは6000万〜6500万ポンド(81億〜88億円)と調達費も3分の1〜4分の1。第二次世界大戦後、米国以外の国には閉ざされてきた日本の門戸を開くため、BAE社は同機のライセンス生産も認める方向だ。

 米国側は欧州との共同開発機F35を日本に売り込む構えだが、英王立統合防衛研究所(RUSI)のアレックス・ニール・アジア安全保障部長は「F35には実績がなく、欧州にとっては千載一遇のチャンス。日本との武器共同開発につながる可能性もある」という。

■ユーロファイター F15と並ぶ航空自衛隊の主力戦闘機で、平成20年代半ばから退役するF4(91機)の後継機。21年度に7機を導入予定だったが見送った。ユーロファイター・タイフーンを含む選定対象6機種中、F22は最有力候補だった。FXは「ファイターX」の略

米次世代主力機F35とF22が「空中戦」(上)

2008/02/21 朝鮮日報/朝鮮日報JNS チェ・ヒョンムク記者

 地球上最強のF22(通称:ラプター)か、価格は安くとも空軍と海軍が共に使えるF35(通称:ライトニングU)か…。

 「中国の軍事的脅威」を掲げ過去最強といわれるF22の購入にこだわる米空軍と、予算緊迫を理由に難色を示す米国防省の間に確執が生まれている、と米日刊紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が20日、報じた。

 F22ラプター1機の値段は1億4300万ドル(約154億5000万円)。これに対し、国防省はF22の半額ほどのF35ライトニングU戦闘機を購入すべきだという姿勢だ。ロバート・ゲーツ国防長官は6日に開かれた上院軍事委員会の2009年国防予算聴聞会で「F22はイラクやアフガニスタン戦争で1度も任務を遂行したことがない。F22は原則的に米国とほぼ同じレベルの戦力を持つ敵国と戦うときだけに効用価値のある戦闘機」と述べた。

 国防省は2009年の国防予算でF22戦闘機を4機購入する計画だ。このため、昨年実戦配備が始まったF22だが、追加で60機作られた後は生産ラインが閉鎖されている。

米次世代主力機F35とF22が「空中戦」(下)

2008/02/21 朝鮮日報/朝鮮日報JNS チェ・ヒョンムク記者

 ところが、異例なことに米空軍は「F22購入」へ向け動き出した。空軍は「中国やロシアといった“スーパーパワー”に対抗するには、F22のような圧倒的戦力を持つ戦闘機が必要」との見解だ。レイモンド・ジョーンズ合同参謀次長(空軍中将)は先週、「米国は昨年、ミサイルで衛星迎撃に成功した中国の脅威を直視すべき」と述べ、国防省首脳部と意見が異なることを示した。

 空軍は軍需業界と議会からの支援を背に、F22戦闘機198機を追加購入するよう主張している。下院歳出委員会のジョン・マーサ国防小委員長は先週、「イラク争やアフガニスタン戦争の終了後、台頭する脅威を注視している。追加予算を確保し、F22を購入する案をゲーツ長官と協議した」と、空軍を後押しした。

 だが、ゴードン・イングランド国防省副長官の意見は揺らがない。イングランド副長官は「現在の国防予算ではF22は購入できない。空軍・海兵隊・海軍が共に使えるJSF(Joint Strike Fighter=統合攻撃戦闘機) であるF35の運用に集中すべき)と述べた。

 「中国脅威論」はF22だけではく、ほかの兵器の購入決定でも主な要因として浮上している。WSJは「軍や軍需産業企業は、海軍の戦艦や海兵隊の水陸両用装甲車などの購入過程でも中国を切り札にし、最先端兵器をより多く確保しようとしている」と報じている。

F22生産ライン、10年まで継続=総数判断は次期政権−米国防長官

2008/02/07 時事ドットコム

 【ワシントン7日時事】ゲーツ米国防長官は6日の上院軍事委員会公聴会で、最新鋭ステルス戦闘機F22(ロッキード・マーチン社)の生産ラインを2010年まで継続する意向を明らかにした。2009会計年度(08年10月〜09年9月)予算に計上した20機に加え、少なくとも4機を議会に要求する方針。

 国防総省は、F22の調達総数を183機にとどめる方針だったが、空軍が調達継続を強く要請していた。F22は航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)の有力候補で、生産ラインが継続されれば、日本側の機種選定にも影響を与えることになる。

 ゲーツ長官は、F22の価格が米英などが共同開発中のF35の2倍近いことを指摘し、「F22の生産を増やせば、F35の予算に影響を与える」と述べた。その上で、「生産ラインを継続させる目的は、(調達総数を増やすかどうか)次期政権が判断できるようにするためだ」と説明した。

米防衛大手、08年は利益の順調な伸びを予想

2008/01/24 NIKKEI NeT

 ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米航空宇宙・防衛大手の一部の幹部は、防衛支出が堅調なことや世界の民間航空機需要が強いことから、今年は利益の順調な伸びが期待できるとしている。

 2007年10−12月期の好決算を発表した防衛大手ロッキード・マーチン(NYSE:LMT)と航空通信システム大手ロックウェル・コリンズ(NYSE:COL)は、今年の業績見通しを上方修正した。防衛大手ノースロップ・グラマン(NYSE:NOC)の利益は前年同期比横ばいながら、売上高は過去最高となった。

 ロッキードのブルース・タナー最高財務責任者(CFO)は「米政府がある程度の支出削減を検討するとしても、当社の防衛関連契約にとって大きなリスクはない」と語った。同社の事業の多くは、新型ジェット戦闘機など、必要性の高い軍関連機材の更新にかかわる長期契約に基づいている。

 ロックウェルのクレイ・ジョーンズ最高経営責任者(CEO)はさらに強気で、「さまざまな議員が軍装品の更新や国家安全保障の予算拡充に尽力しているため、防衛支出は今後数年間、増加するとみられる」と述べた。また「当社の取引先には、信用市場の混乱やその他の経済的な懸念による影響は及んでいない」とした。

 ロッキードは、同社最大の部門である航空宇宙部門で、従来の「F16」戦闘機の製造から次世代主力戦闘機(JSF)「F35」などの新たなプログラムに移行する間、売上高が一時的に減少するとの予想を示した。ただ同社は引き続きF16戦闘機を米国外に販売する。また米空軍が「F15」戦闘機の多くを構造上の問題から飛行禁止にしたため、米国防総省はこの補完としてロッキード製「F22」戦闘機を追加購入する可能性を示唆した。

 ロッキードは以前、同部門の今年の売上高は製造プログラムの移行に伴い約10億ドル減少するとの見通しを示していた。現時点では、8億5000万ドルの減少にとどまるとみている。

 同社は、米政府関連機関からの情報技術(IT)関連の受注でも最大手。この分野については、一部企業が売上高の伸び悩みを明らかにしたものの、ロッキードは「成長鈍化は予想していない」とした。

 ロッキードの10−12月期決算は、純利益は7億9900万ドル(前年同期は7億2900万ドル)と9.6%増益、1株利益は1.89ドル(同1.68ドル)。売上高は横ばいの108億4000万ドル。

 ロックウェル・コリンズの同四半期(08年9月期の第1四半期)決算は、純利益は1億5400万ドル(前年同期は1億4300万ドル)と7.7%増益、1株利益は93セント(同84セント)。売上高は12%増の11億1000万ドル。

 ノースロップの同四半期決算は、純利益は4億5400万ドル(前年同期は4億5300万ドル)、1株利益は1.31ドル(同1.28ドル)。売上高は10%増の88億ドル。

 各社の24日終値は、ロッキードは前日比4.21ドル(4.14%)高の105.90ドル。ロックウェルは同3.02ドル(5.16%)高の61.50 ドル。ノースロップは同0.88ドル(1.12%)安の77.44ドル。その後の時間外取引でも一段安となり、77.00ドルで取引された。

F22生産ライン維持要請へ=空自FX選定に影響も−米国防総省

2008/01/23 時事ドットコム

 【ワシントン23日時事】米国防総省は23日までに、最新の高性能戦闘機F22を新たに4機予算要求する方針を固めた。生産ラインを維持するのが狙い。F22は1機当たり約170億円と高額で、計183機で調達が打ち切られる予定だった。

 F22は航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)の有力候補だが、米議会が禁輸措置を続けているため、防衛省はFX導入を次期中期防衛力整備計画に先送りすることを検討している。生産継続は同省の機種選定にも影響を与えそうだ。

米国防総省、F22の生産継続を要請

2008.1.18 MSN産経新聞

 【ワシントン=山本秀也】イングランド米国防副長官は、連邦議会の国防関係議員に書簡を送り、中止が伝えられていた最新鋭ステルス戦闘機F22ラプターの調達費用を、米政府の2009会計年度(08年10月〜09年9月)予算案に盛り込む方針を伝え、議会審議での協力を求めた。米政治情報誌ナショナル・ジャーナル(速報版)が17日、伝えた。

 F22の調達継続は、飛行中に機首が折れる空中分解事故を起こした主力戦闘機F15イーグルの構造問題や、米空軍の強い要請を受けた判断とみられる。外交筋は、F22の追加調達が承認された場合、宙に浮いたままとなっている日本政府の次期主力戦闘機(FX)調達で、同機の機種選定を求める議論が、米側での生産継続を受けて再燃する可能性を指摘している。

 イングランド副長官は14日付の書簡で、F22の調達総数を183機にとどめ、米英などが共同開発中のF35ライトニング2との混合運用を図る基本方針に変更はないと説明。他の現有機種の損失を補う範囲で、F22の調達継続を要請した。

 予算案に盛り込まれる調達機数は書簡に明示されていないが、同誌は国防総省筋の話として、「4機」の調達が想定されていると伝えた。

 F22は、1機あたりの価格が約1億6000万ドルと高価。米空軍は381機の調達を求めていたが、予算面の配慮で打ち切られた背景がある。空軍首脳は、追加分として「少なくとも20機」の調達を求めていた。

 F22を候補とした日本政府のFX機種選定では、同機の生産態勢と米議会での輸出禁止措置がネックとなった。禁輸条項は継続しているものの、打ち切りとみられた生産の継続は調達議論の条件を変える可能性もある。

 米空軍のF15は、空中分解を招くひび割れなど構造疲労の判明で、最大180機が早期退役する可能性が出ていた。航空自衛隊が保有する同型機は、飛行停止による総点検の結果、問題は見つからなかった。

【国防】防衛省、「純国産」ステルス戦闘機開発を加速 F22調達と両にらみ

2008/01/07 北海道新聞

 防衛省は新年度、レーダーに探知されにくい「ステルス」性能を備えた戦闘機の実証機開発を本格化させる。

 昨年十、十一月に十勝管内大樹町で模型による飛行実験を行っており、五年以内の初飛行を目指す。

 次期主力戦闘機(FX)の有力候補である米ステルス機F22Aラプターは、軍事機密流出を懸念する米国が輸出に難色を示しており、防衛省は純国産戦闘機開発技術を確立することで、F22導入実現に向けた交渉力を高める狙いもある。

実証機の総開発費は四百六十六億円。防衛庁技術研究本部(現防衛省技術研究本部)が一九九五年、研究に着手しており、二○○八年度政府予算案では七十億円が計上された。

これまでの研究開発で、○五年度にはフランス軍の施設で機体のステルス性能試験を済ませた。

昨年の大樹町多目的航空公園で行った実験では五分の一模型を使い、計三十三回の飛行試験を行った。

同本部は「急激な方向転換時の、失速を防ぐための必要データを集積できた」としている。

防衛省はF22の調達見通しが立たない中、中国やロシア、韓国がそれぞれステルス戦闘機開発を加速させているとして、実証機開発を急ぐ構えだ。


ロシア空軍司令官「Su50はF22をしのぐだろう」

2007/12/17 朝鮮日報/朝鮮日報JNS モスクワ=権景福(クォン・ギョンボク)特派員

 「ロシアのSu(スホーイ)50は米国のF22ラプターをしのぐ第5世代戦闘機になるだろう」

 これはロシア空軍のアレクサンドル・ゼリン司令官が15日、国営ロシア・ノーボスチ通信社とのインタビューで「第5世代戦闘機の設計が完了、戦闘機の原型製作準備に着手した」と明らかにした際の発言だ。同氏はまた、「2009年の初試験飛行と実戦配備を経て、10年以降は大量生産が可能」との見通しも語った。ロシアの第5世代戦闘機事業は今年10月、インドと共同開発協定が締結されてから本格化した。戦闘機専門メーカーのスホーイ社と、インドのヒンドゥースタン航空社が共同開発中で、製造はロシア極東の工業都市コムソモルスク・ナ・アムーレで進められている。

 Su50の特徴は、追加でエンジンを稼動させなくても超音速で巡航飛行する能力である「スーパークルーズ」と、敵のレーダー網にキャッチされない「ステルス」機能だ。最大速度はマッハ2.5だが、スーパークルーズ時でもマッハ1.8を出す。F22ラプターの最大速度はマッハ2.42、スーパークルーズ時はマッハ 1.72だ。ステルス機能の原理も違う。F22ラプターは機体に塗料を塗り、レーダー波を反射させることでステルス機能を発揮する。一方、Su50はレーダー波を吸収してしまう低温プラズマ膜を機体の周囲に形成する方式を採用している。F22ラプターと同じく、Su50もミサイル・燃料タンクなどを機体に内蔵している。もちろん、武器を外部に出せば、ステルス機能は期待できない。

 このように両戦闘機は、レーダーに露出する面積を少なくすることで制限的なステルス機能を持つことから、ミサイルなどを外部に装着し、1970‐2000年代初めに開発されたF15やSu35などの「第4世代戦闘機」と区別するため「第5世代戦闘機」と呼ばれている。

ステルス戦闘機の姿を捉えるレーダー・システム、SAAB社が開発

2007年12月12日 WIRED VISION/Noah Shachtman

 『F-22』のような米国のジェット戦闘機が、敵国の防空システムに勝っている最大のポイントの1つは、その姿がレーダー上ではほとんど確認できないことだ。

 航空機メーカーの米Lockheed Martin社は、こうしたステルス機能を持つ飛行機について、「レーダーに検知される部分はマルハナバチほどの大きさしかない」と形容している。

 だが、Bill Sweetman氏の報告によれば、スウェーデンのSvenska Aeroplan AB(SAAB)社に所属する軍事技術研究チームが、このメリットをなくす方法を見つけたかもしれない。

 この手法は『連結型開口合成レーダー』(Associative Aperture Synthesis Radar、AASR)と呼ばれ、複数のレーダー発信装置を使い、標的の後ろ側にできるレーダーの「影」を捉えるものだという。

 [合成開口レーダー(SAR:Synthetic Aperture Radar)は、航空機や人工衛星に搭載し、移動させることによって仮想的に大きな開口面(レーダーの直径)を利用するレーダーのこと。]

  各発信装置はステップ周波数方式を採用しており、各受信装置は各信号の発信場所がわかる。この仕組みによって信号経路の長さを特定できるので、もし1つの信号が複数のノードで受信されれば、目標物の位置を正確に割り出すことができる。

 この方法には欠点が1つある。それは、発信装置と受信装置が、目標物をはさんで向かい合った位置にないといけないことだ。したがって、検知が可能になるのは、目標物が防空領域内に侵入してからということになる。

この問題を回避して素早く目標物を捕捉するために、スウェーデンの研究者たちは、システムの精度の高さ(誤差1.5メートルの範囲で位置を特定できる能力)を期待し、さらに、目標物に向けて高速誘導ミサイルを指令誘導することで対応しようとしている。

このシステムでは、目標物の位置特定において、角度ではなく距離を利用するため、アンテナは正確な角度を解析する機能を持つ必要はない。また、システムは目標物のレーダー反射(RCS)から独立したUHF周波数帯を利用している。このバイスタティック・システム[レーダー波の送信機と受信機を離して設置し両者間を通信で結んだレーダー・システム]では低い周波数帯を使用しているため、必要な電力量も多くない……(略)

われわれはこれまでにも、さまざまな対ステルス・レーダー・システムが生まれては消えていくのを見てきた。携帯電話の基地局網を対ステルス用のマルチスタティック・レーダーとして利用するという英国の構想や、ロシアのハイパワー・レーダー『Nagira』などはその例だ。しかしAASRは、実現する可能性が高い、初めての民間企業によるシステムだ。

スウェーデン防衛研究局(FOI) は、この対ステルス・システムを今後複数の小型飛行船に搭載させる(PDF)ことを検討している。[日本語版:ガリレオ-藤原聡美/長谷 睦]

国産ステルス実証実験機「心神」が2011年度中にも初飛行へ

2007年12月10日Garbagenews.com

【読売新聞】が伝えるところによると、技術検証を目的に国産ステルス戦闘機として開発中の「先進技術実証機・心神(しんしん)」の実証実験機が来年度から開発に着手され、早ければ2011年度中にも初飛行が行なわれることが明らかになった。

心神イメージ「心神」は以前から(【次期主力戦闘機の構想モデルなどが展示、技術研究本部発表会開催】) 名前とその形状が伝えられている、国産の戦闘機。ステルス高運動形状の電波反射特性RCS(Radar Cross Section)を持ち、エンジンの特殊な制御法や飛行制御を統合して高機動飛行制御の技術を確立し、形状などからレーダーに映りにくいステルス性も有する。機体の形状に沿って配置するレーダー「スマート・スキン」など先進技術も取り入れるとのこと。またエンジンは国産のものを使用する。

元記事によれば実証実験機のサイズは全長14メートル・全幅9メートル。来年度から6年間で開発が行なわれ、来年度1年間で157億円・総額466 億円の予算を投入する計画。エンジン・電子機器部分の試作は2009年度までに終えて、2010年度からは実証機の製造に着手、2011年度中には完成させて初飛行との計画。【「ガンダム」以外の防衛省の秘密兵器たち】でも実際に利用された模型を紹介したが、機体構造とステルス性についてはすでに模型実験を進めており、2005年にはフランスで風洞実験を実施。高い性能が確認できたという。

心神の開発については、一朝一夕には不可能な航空機開発技術の維持と蓄積という側面がある。一方、「本気で」航空自衛隊の次世代戦闘機としての開発を目指すのと共に、そのように見せて「独自開発も出来るから別にわざわざ他国から高性能の(ステルス)戦闘機を買う必要もない」という姿勢を内外に見せて、実際に外国機を購入する際の駆け引きの材料として使う(いわば「当て馬」)的な側面も併せ持っている。

一部に「実用化するあても薄いのに多額の費用を使うのは無駄使いだ」という批判もある。しかし技術の維持と蓄積はいくらお金を積んでも得ることは出来ないし、結果的にブラフの効果が十分に発揮できたのなら、それこそ1000億円単位の費用がかかっても安いものといえる。

もちろん実際に「心神」が航空自衛隊の次期主力戦闘機の肩書きを持てるほどの高性能を発揮し、政治的な問題もクリアした上で導入されれば、それが一番なのだろうけれども。

日本、ステルス実験機「心神」開発に

2007.12.09 中央日報 キム・ヒョンギ特派員

 日本の防衛省が8日、「先進技術実証機」の開発計画を発表した。レーダーで探知されにくいステルス技術を搭載した日本初の実験戦闘機に関する防衛省の開発計画の概要をまとめたもので、ステルス性能など最先端の戦闘機技術の検証を目的とする。

F4、F15(ステルス機)に代える次期主力戦闘機(FX)の選定を控えている日本自衛隊は、有力候補だった米国のF22の禁輸継続が延長され先送りされた経緯がある。これにより、日本が独自の開発を本格化しているものと見られる。

防衛省関係者によると、開発総経費は466億円、名称は「心神(しんしん)」で、来年度から6年かけて飛行試験も含めた開発を進める予定であり、初飛行は11年度中の実施を目ざす。防衛省は初年度の来年予算に157億円を請求している。一方、日本独自の戦闘機開発は、70年代のF1支援戦闘機以降行なわれずにいる。

【防衛】ステルス実験機:名称「心神」 開発に6年466億円

2007/12/05 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

 レーダーで探知されにくいステルス技術を搭載した国内初の実験戦闘機に関する防衛省の開発計画の概要が5日分かった。開発総経費は466億円で、名称は「心神(しんしん)」。来年度から6年かけて飛行試験も含めた開発を進める予定で、初飛行は11年度中の実施を目指す。

 開発計画によると、「心神」は全長14メートル、重量9トン。急速な方向転換や超音速飛行を可能にする高機動エンジン(XF5−1)も初めて搭載。飛行中に全方位的に周辺の探査ができる高性能レーダーの研究開発も並行して進める。

 ロシアはすでにステルス戦闘機の開発を進めており、中国も開発を急いでいるとされる。こうした事情を踏まえ、実験機を「仮想敵機」として日本のレーダーシステムで捕らえ、防空能力を高める狙いがある。

 一方で次期主力戦闘機(FX)の機種選定は、有力候補だった米国のF22(ステルス機)の禁輸継続が延長され先送りされた経緯がある。今回の実験機には、将来的にステルス機の自主開発も選択肢であることを示し、FXをめぐる国際交渉力を高める思惑も働いている。 【田所柳子】

【航空】国産ステルス:実証機に140億円・5年で総額800億円概算要求、米側に譲歩を促す狙いも…防衛省

[2007/08/23] NIKKEI NET

 防衛省は22日、レーダーに映りにくいステルス性と高い運動性を兼ね備える第5世代戦闘機の「先進技術実証機」を開発するため、2008年度予算の概算要求に約140億円を計上する方針を固めた。 研究開発期間は当面、08年度から5年間を想定。総額500億円を見込む。日本独自の先端技術を結集し、国産機製造が可能な基盤の確立を目指す。

 日本は次期主力戦闘機の有力候補として新型ステルス戦闘機F22Aラプターに関心を示しているが、機密保持が絡み米側との交渉が難航。「国産機生産もあり得る」との姿勢を示し、譲歩を促す狙いもある。実際の開発には巨額の費用が必要なうえ、米側の反発も必至なだけに、まずは実証機の製造にとどめる。

国産でステルス戦闘機 防衛省、実証機開発へ 概算要求、5年以内め

ど2007年08月11日 東京新聞朝刊

 防衛省は十日、来年度防衛費の概算要求で最先端の国産戦闘機技術を結集し、テスト飛行を行う「先進技術実証機」を開発することを決めた。レーダーに映りにくいステルス性と高運動性を併せ持ち、エンジンも国産を使用、五年以内の初飛行を目指す。成功すれば航空自衛隊のF15主力戦闘機の後継となる初の純国産戦闘機の開発に移行するが、戦闘機の売り込みを図る米国の反発も予想される。

 これにより、将来の空自戦闘機は米国、欧州の六機種が候補に上っているF4戦闘機の後継機、米国ライセンスのエンジンを搭載した半分国産のF2支援戦闘機、純国産となるF15後継機の三機種となる見通し。

 実証機は一九九五年、防衛庁技術研究本部で始まった戦闘機開発に必要な要素研究を集大成する。要素研究は、ステルス性と高運動性を備えた機体を意味する「高運動飛行制御システム」、推力五トンの「実証エンジン」、高性能のフェーズド・アレイ・レーダーに電子妨害装置を組み込んだ「多機能RFセンサー」、機体に張り付ける薄いレーダーの「スマート・スキン」の四項目。

 このうち、中核となる機体はフランスでのステルス性試験を終え、飛行試験を含む開発への移行を待つばかりだった。外観はレーダー反射を防ぐため曲線を多用、軽量化を図り、炭素繊維でつくられている。双発エンジンの噴射口には推力を上下左右に変更する三枚の羽がそれぞれ付き、急な方向転換も可能という。

 ただ、F15のエンジンが一基当たり推力十トンなのに対し、実証エンジンは半分の推力でしかない。機体もエンジンに合わせて全長十四メートルと軽戦闘機並みだが、技術研究本部関係者は「開発段階では大型エンジンの国産化も可能」としている。

 実証機開発の背景には、F2支援戦闘機の製造がほぼ終わり、このままでは消滅する戦闘機の開発技術を維持、向上させる狙いがある。飛行試験は早ければ四年後とみられ、順調にいけば十年前後で純国産戦闘機が誕生する。

 だが、純国産を目指した次期支援戦闘機(FSX=F2)が米国の圧力によって日米共同開発になった過去の経緯があり、日本が戦闘機開発に踏み出せば、米国による売り込み攻勢が強まりそうだ。

中国の空軍力増強に警戒 FX選定で協力要請 小池防衛相

2007/08/09 The Sankei Shimbun WEB-site

 【ワシントン=有元隆志】訪米中の小池百合子防衛相は8日、チェイニー米副大統領とホワイトハウスで会談し、中国が空軍力を増強していることに警戒感を示した。そのうえで、日本の次期主力戦闘機(FX)の選定にあたり、「情勢の変化を踏まえて、どういう能力が必要か考えたい」と述べ、米側の協力を求めた。

 会談では、副大統領が「中国についてはどう思うか」と尋ねた。

 小池防衛相は「19年間連続で10%以上の国防費の伸びがある。第4世代戦闘機が著しく増加するなど近代化がめざましく進んでいる。一方で、軍事力の透明性が必ずしも十分でないとの問題がある」と指摘した。

 これに対し、副大統領は中国が1月に行った衛星攻撃兵器(ASAT)実験に言及したうえで、「従来中国軍は大きな旧式の軍隊との受け止め方が一般的だったが、近年急速に近代化が行われ、能力が向上している。長期的戦略目標がどこにあるか関心が持たれるようになっている」と述べた。

 副大統領は日本がFXの有力候補としている最新鋭ステルス戦闘機F22Aラプターの輸出に関しては、「海外への輸出を禁止する国内法がある」と述べるにとどまった。

 小池防衛相はこれに先だって行われたアーミテージ元国務副長官との会談でも、中国の第4世代戦闘機の増加に触れたうえで、「日本が質的優位を保つことが重要だ」と強調した。

 防衛省は7月に発表した平成19年版防衛白書のなかで、中国が国産のJ10を量産しているほか、ロシア製SU27の導入を図るなど、第4世代戦闘機が急激に増加していると記した。

FX選定の先送り検討 防衛省、F4の使用延長

2007月07月26日 中国新聞ニュース

 防衛省は26日、2008年春までとしていた航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)の選定を先送りする方向で検討に入った。

 FXの有力候補と位置付けている米国の最新鋭ステルス戦闘機F22について、米下院歳出委員会が情報提供の禁止条項を盛り込んだ国防予算を承認したためで、選定時期の見直しとともに、08年度から廃棄を始める予定だった91機のF4EJの使用延長を検討する。

 防衛省はF4EJと入れ替える形で次期主力戦闘機を導入する方針で、現行の中期防衛力整備計画(05−09年度)に、F4EJの後継機として7機の調達を明記。09年度予算の概算要求に間に合わせるため、08年春までに選定する段取りだった。

 これに関連し、防衛省の守屋武昌事務次官は26日の記者会見で「(選定の)時期は確定的なものではない」と表明。同省幹部は「期限に追われてやむなく性能の劣る機種を買うより、状況が整うのを待って希望する戦闘機を選ぶ」と述べた。

次期FX「選定時期ずらす」 F22禁輸で防衛省幹部

2007年07月26日 asahi.com

 米下院歳出委員会が08年度国防歳出法案を可決したことを受け、日本政府は次期主力戦闘機(FX)の最有力候補のF22ラプターの調達計画の大幅な変更を余儀なくされることになった。

 防衛省幹部は26日、「米国の対応は織り込み済みだ。いま日本に売るというメッセージを出すと、中国や韓国に説明がつかないのだろう」と米国の事情を推測する。そのうえで「日本はF22に決めているわけではないし、現状では価格面で折り合うのは難しい。選定時期をずらすのも現実的な選択肢だ」と語り、FXの調達スケジュールを遅らせる可能性を示唆した。

 防衛省では、F4戦闘機の寿命を延ばしてF22の調達スケジュールを先送りすることや、F22購入を断念して現在購入が可能なF15FXやFA18(いずれも米国)、F35(米英など)、ユーロファイター(英独など欧州4カ国)などの中から調達することを検討している。

米のF22禁輸、次期主力戦闘機選定に影響・官房長官

2007/07/26 NIKKEI NeT

 塩崎恭久官房長官は26日午前の記者会見で、米下院歳出委員会が「F22ラプター」の禁輸条項を国防予算案に盛り込んだことについて「与えられた条件の中で検討を深め、ベストな答えを選んでいく」と述べ、日本の次期主力戦闘機(FX)選定への影響は避けられないとの認識を示した。

日本、ステルス実験機開発へ

2007.07.25 中央日報 東京=金玄基(キム・ヒョンギ)特派員

日本防衛省はステルス性能を持つ“第5世代”戦闘機製造技術を確保するために有人実験機の開発に出ることにしたと読売新聞が24日、報道した。

このために日本の防衛省は来年度予算に関連費用を請求することにしている。新聞によると有人実験機にはステルス技術や高度の電子機器を装着するがレーダーや武器は搭載しないため、実際の戦闘機よりは小型に開発されるものとみられる。開発期間は約10年、開発コストは数百億円がかかるものと推算される。

有人実験機開発の最大の目的は米国と日本が共同開発したF−2(F−16の改良型)支援戦闘機の生産が2011年に終わった後にも戦闘機生産技術の基盤を維持することだ。日本としては国産戦闘機開発意志を対内外に誇示することで来年の夏に予定されている次期主力戦闘機(AFX)選定で米国などとの交渉を有利するようにしようとする意図もあると新聞は分析した。

日本は現在、来年選定する次期主力戦闘機として米国のF−22ラプターを最も有力な候補として挙げているが、米国側は日本の関連情報提供要求にこの戦闘機の輸出を禁止する内国法を理由にあいまいな反応を見せている。

日本はこれによって米国がF−22の販売を拒否した場合に備え、最先端の技術を活用してステルス戦闘機を独自に開発する方針を決めたと伝えられた。ただ、本格的な独自開発には日本政府の各省庁、ひいては米国政府との細密な調整が必要な上、費用および性能の十分な検証が要求されるだけにまずは有人実験機を開発することに決めたものとみられる。また電子機器やステルス素材、航空制御装置など個別技術は高い水準だがこれを統合して戦闘機を開発・製造するノウハウが足りない日本としてまずは実験機の開発を決めたと見られる。

日本の独自戦闘機開発は1970年代のF−1支援戦闘機以後行われていない。

「第5世代」ステルス実験機開発へ…防衛省方針

2007年07月24日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 防衛省は23日、ステルス性能などを持つ「第5世代」の戦闘機技術を検証する有人実験機の開発に向け、来年度予算の概算要求に費用を計上する方針を固めた。

 日米が共同で開発したF2支援戦闘機の生産が2011年度で終わるのをにらみ、技術開発の基盤を維持するのが目的だ。

 国産機開発の姿勢を示すことで、来年夏の次期主力戦闘機(FX)の選定で米国などとの交渉を有利に進める狙いもある。

 防衛省によると、有人実験機には、ステルス技術や高度な電子機器などを搭載する。レーダーや武器などは搭載しないため、実際の戦闘機よりは小型になる予定だ。開発期間は約10年、開発費は総額で数百億円程度を見込んでいる。

 防衛省はこれまで、費用や性能の面から、戦闘機は原則として米国から購入してきた。来夏のFX選定も、米国の「F22ラプター」などが候補となっている。しかし、最有力候補であるF22は、輸出を禁じる米国内法があるため、米側の情報開示が進まないなどの問題が起きている。

 ただ、国産機の本格的な開発には、政府内や米側との調整のほか、費用や性能の十分な検証が必要になる。このため、まずは有人実験機の開発を目指すことにした。

防衛省が国産のステルス機開発を計画か

2007年07月24日 AFP BB News

【7月24日 AFP】防衛省は23日、ステルス性能を備えた有人実験機の開発費を来年度予算の概算要求に含める方針を固めたと、24日付けの読売新聞が報じた。

 国産機開発の姿勢を示すことにより、2008年夏の次期主力戦闘機(FX)の選定において、米国などとの交渉を有利に進める狙いがあると、同紙は述べている。

 防衛省広報官は、予算要求は否定したものの、ステルス性能を持つ小型飛行機の研究計画を検討しているとし、その導入の可能性については否定しなかった。

 日本は、超音速でレーダー探知を突破する米国の最新型戦闘機「F22ラプター」の購入を希望しているが、米国法でラプターの輸出は禁止されている。しかし一方で、今年初め北朝鮮との緊張が高まる中、日米の関係を確認する意味もあり、ラプターが日本に初飛来した。

 読売新聞は、開発期間を約10年、開発費は総額で数百億円としている。実験機には武器を搭載する計画はなく、総工費の問題から戦闘機を実際に生産するかどうかは不明だ。なお、日米はF2支援戦闘機を共同で開発したが、その生産は2012年3月までに終了する。(c)AFP

F22戦闘機の対日供与に消極姿勢・米太平洋軍司令官

2007/07/24 NIKKEI NeT

 【ワシントン=加藤秀央】米太平洋軍のキーティング司令官は24日、ワシントンでの講演で、日本が来年夏に選定する次期主力戦闘機(FX)について「必ずしもF22を推しているわけではない」と述べ、日本が有力候補と位置づけるステルス戦闘機F22ラプターの対日供与に消極的な姿勢を示した。

 司令官はFXについて、日本に必要な空軍能力を検討している米軍と民間の専門委員会の判断を待つと述べ、最終結論は出していないとの立場を示した。F22は米軍の最新鋭機で輸出が禁じられている。日本政府はFX選定の参考にするためF22の関連情報の提供を米政府に働きかけている。

【国際政治経済学入門】次期戦闘機選定はF2の教訓を生かせ

2007/07/23 The Sankei Shimbun WEB-site

 防衛省は中期防衛力整備計画(平成17年度〜平成21年度)の一環として、現有の要撃戦闘機F4の後継機種(FX)の選定に向け検討を始めた。最有力候補はロッキード・マーチン社のF22Aラプター、次いで同F35、ボーイング社F15FXなどと続くが、のどから手が出るほど欲しいのがステルス性など第五世代戦闘機として最も高性能のラプターだ。が、イージス艦の情報漏洩問題もあって米国防総省は詳細な性能情報の提供にも難色を示している。

 この議論には肝心のポイントが欠けている。防衛産業を含めた国家安全保障どう考えるか、国家プロジェクトとしてFXをどう位置付けるか、である。この回答のためには、まず20年前の次期支援戦闘機(FSX、現在のF2)「日米共同開発」の失敗の教訓から学ぶ必要がある。

 1980年代後半、日本はバブル経済の絶頂期だった。当時の防衛庁には「絶対に米国を越えられるという夢があった」(防衛省幹部)し、三菱重工業には「ニュー零戦」の野望があった。ところが米国からエンジン技術を提供しないと言われてあえなく挫折。F16(ロッキード・マーチン社製)を母体とした共同開発でいったん合意したが、「日本が米国を飲み込む」という議会などの日本脅威論に押され、ブッシュ(父)大統領は、中枢技術の飛行制御ソフトの供与中止と日本から無料、無条件で炭素繊維複合材の一体成形加工技術とレーダーの素子技術提供を時の竹下内閣に飲ませた。製造作業分担は日本6に対し、米4だが、収益配分は逆の4対6の「不平等条約」である。

 日本側は開発に10年もの期間をかけ米側が提供を拒否した飛行制御ソフトを自力で製作し炭素繊維の強度不足をソフトで制御している。防衛省は「失敗」とは認めず未だに「改良」にカネを投じているが、それでは次のステップに進めない。一機当たりの価格がF16の二倍以上なのに、性能はたいしたことがない。本家の米側の評価はきわめて低いから、FXは機種を問わず「丸ごと買え」と言われかねない。

 ロッキード・マーチン社のほうは、日本からノウハウを無料、無条件で導入した炭素繊維複合一体成形加工技術を生かし、F22とF35の開発につなげた。しかし、米国はF22とF35への日本の貢献も認めない。

 F2の技術的経験と蓄積が次に生かせるなら、3700億円という開発費は無駄ガネにはならないかもしれない。ところが現実は厳しい。防衛省は「失敗ではない」と言いながら。さっさとF2調達に見切りをつけ、三菱重工業小牧南工場のF2生産は今年度で終了する。FXがF22ラプターの場合、よくて丸ごと輸入。その場合、三菱の戦闘機開発製造は長い空白の期間に入る。

 三菱の技術陣は中型民間機「MRJ」用の開発などに分散するしかなくなるが、戦闘機用の技術は航空宇宙、新素材、コンピューター・システム、新半導体素子など波及効果が高く、民間機では代替できない。

 巻き返す手がかりがないわけではない。1988年6月、カールッチ国防長官は瓦防衛長官の前でFSXについて、「これは本当の共同開発ではない、将来には真の共同開発をめざす」と言明した。この談話の草案を書いたアワー元国防総省日本部長は「日本には自前の技術と、米側から真の共同開発を引き出す強固な意思が必要」と助言する。

 米国防総省には「日本の民間には未だに多くの高度な軍事転用可能技術が使われないまま眠っている。共同開発の意義は米国にとって大きい」とみる専門家もいる。日米が「真の共同開発」をめざす、その原則のうえでFXの機種選定をするのがF2の教訓ではないか。

【やばいぞ日本】第1部 見えない敵(1)中国軍に知られたF2の欠陥

2007/07/14 The Sankei Shimbun WEB-site

 「F2の弱点は隠しても無駄だ。中国軍幹部にも知られているんでね」。航空自衛隊元幹部が重い口を開いた。

 F2は総額3700億円以上を投じ、米国の戦闘機F16を土台に日本の誇る先端技術を取り込んだ「日米共同開発」の産物だ。1990年に開発を始め、対地・対艦用の支援戦闘機として設計されたが、対艦ミサイル四基を搭載すると主翼が大きく振動する欠陥が直らない。

 支援戦闘機としては失格でも、爆弾を積まなければ自由自在に舞うことはできるとの理由で迎撃用戦闘機用として航空自衛隊三沢基地などに配備されている。しかし、戦闘能力についても「F2は韓国のF15Kに劣る。竹島の制空権は失った」と空の勇者たちは嘆く。

 2004年当時、石破茂防衛庁長官は「国民に説明できないものは買わない」と調達打ち切りを言明した。防衛省は当初予定141機だった総調達計画数を最終的に94機まで削減し、今年度を最後に購入は終了する。だが、いまなお「失敗」を認めようとしない。

 防衛省技術研究本部の秋山義孝事業監理部長は「航空幕僚からのより高度な要求を満足させるため今でも改良を重ねている。失敗だとは思っていない」と強調すれば、航空幕僚幹部は「置かれている条件からすれば妥当な成果を出せた」と慎重に言葉を選ぶ。

 80年代末、米国防次官補としてF2の日米交渉を担当したアーミテージ元国務副長官は「失敗じゃないって?うまくいっていないのに」と目を丸くする。 米国では防衛技術の場合、「スパイラル理論」が常識になっている。失敗の原因を見つけ、改良とテストを繰り返す。さらに実戦の経験を生かす。失敗を認めてこそ成功に導ける。欠陥を隠蔽(いんぺい)したり、解決を先送りすると“進化”できない。

 F2の悲劇はミスを取り繕うことから始まった。1990年代、防衛庁とメーカーの技術陣は「ニュー零戦」の野望に燃えていた。日本の技術である炭素繊維複合材を主翼に採用する挑戦が始まった。ところが強度不足で所定の超音速で飛行すると主翼が付け根からはがれてしまう。設計が悪かったのだ。

 現場は一から強度計算し直し、抜本的に設計変更しようとしたが、予算システムの壁があった。「開発費が一挙に膨らみ大蔵省(現財務省)から拒絶されることが怖かった。結局、複合材に鉄板を入れるなどして付け焼き刃を重ねた」(F2試作に参加した防衛省OB)。

 防衛省やメーカーの優秀な頭脳はパッチワーク(継ぎはぎ作業)とその対応に投入された。その結果、米国が提供を拒否した飛行制御ソフトの自主開発という成果を出し、補強材入りの炭素繊維の翼で迎撃用戦闘機として飛べるようにはなった。  だが、改良費用はかさみ、当初予定の開発費1650億円を倍増させた。開発期間も長期化した。「支援戦闘機として完成までにはあと60年かかる」という開発現場のうめきに、F2問題が凝縮されている。

 失敗を直視しないという慣行については防衛省だけを責めることはできないかもしれない。

 90年代のバブル崩壊後の「空白の10年」は、政府が膨大な不良債権の存在から目を背け、公的資金投入を決断できず、小出しの景気対策など弥縫(びほう)策を重ねたことが背景にある。現在の年金記録紛失の根本原因も、保険者番号のない社会保険庁のシステムの失敗にある。なのに、番号制度の早期導入議論を先送りにして問題の本質に目をそらしたまま、政争だけが盛り上がっている。

失敗認めぬ“官僚風土”

 F2を製造している三菱重工業小牧南工場の一角には、真っ黒な機体もどきが鎮座している。

 次世代機の国産化も辞さないとする意思を誇示し、F2の悲劇を繰り返さないようにしたいと、防衛省と三菱が見様見まねでつくった実物大のステルス戦闘機の模型だ。現にフランスに持ち込んでレーダーに映るかどうかの実験もした。

 1980年代後半、日本はバブル経済の絶頂期。防衛庁には「絶対に米国を越えられるという夢があった」(防衛省幹部)。「FSX」(次期支援戦闘機)の国産化をめざしたが、米国からエンジン技術を提供しないといわれてあえなく挫折した。F16(ロッキード・マーチン社製)を母体とした共同開発でいったん合意したが、「日本が米国を飲み込むという議会などの脅威論に押され、ブッシュ政権発足当時のベーカー国務長官には対日関係安定を考えるゆとりがなかった」(アーミテージ氏)。 

 ブッシュ(父)大統領は、(1)中枢技術の飛行制御ソフトの供与中止(2)日本から無料、無条件で炭素繊維複合材の一体成型加工技術とレーダーの素子技術の提供を約束させよと、ベーカー長官に命じた。

 ベーカー長官の書簡一通だけで日本政府首脳の腰は砕け、「日米共同開発」の名目をとるのが精いっぱいだった。製造作業分担は日本6に対し、米4だが、収益配分は逆の4対6だった。

 ロ社が炭素繊維技術を使ってF2の左側主翼を製造したのは、単なる練習台だった。目標は炭素繊維複合材をふんだんに取り入れた次世代のステルス戦闘機のF22AラプターとF35の開発で、いずれも成功した。

 防衛省は現在の迎撃戦闘機F4の次期戦闘機(FX)の最有力候補としてラプターに着目し、その詳細な性能情報の提供を求めているが、米国防総省は門外不出の構えを崩していない。

 日本の先端技術は、米国の戦闘機技術を一世代向上させるのに部分的とはいえ貢献したのに、米側の認識は「炭素繊維複合材のリーダーは米国」(アーミテージ氏)。日本は恩恵をほとんど受けられない恐れがある。

 同じ新素材を使いながらも、「世界の航空機の盟主」の自負心でもって、次世代機開発に取り組んだ米側にとって、「うまくいっていない」と見抜いた日本の航空機製造技術を冷たく突き放すのは、国際ビジネス競争の非情な現実そのものといえる。

 一方的な米側の要求に屈したことに伴って負ったハンデはあるにしても、失敗を失敗と認めようとせずに小細工を重ね、レトリック(修辞)を弄しては言い逃れる「無謬」の日本の官僚。在任中に問題を起こさなければ、それでよしとする「ことなかれ」主義が、問題の根本である。

 それは日本国内でまかり通っても、国際的には通用はしない。「共同開発」パートナーから、評価されないF2が象徴する。失敗を教訓にすることなく、糊塗するだけの“官僚風土”が、中国の侮りを受けるような防衛力の空洞化を招いているのだ。(田村秀男)

F2年表

1985年10月 次期支援戦闘機(FSX)選定作業開始

1987年 6月 栗原防衛庁長官とワインバーガー国防長官がFSXの「日米共同開発」で一致

1988年 6月 瓦防衛長官とカールッチ国防長官が米ゼネラル・ダイナミックス社(現在のロッキード・マーチン社)製F−16をベースにした「共同開発」条件で合意

1989年 2月 米上院議員24人がF−16の対日技術供与に反対表明

同3月 ブッシュ(父)大統領、対日技術制限を表明

1990年 3月 開発作業開始

2000年 9月 量産第一号機、航空自衛隊に納入

2004年12月 新防衛大綱で、F2量産機調達数を98機(当初予定は141機)に削減決定

小池防衛相が米大使と会談 FX情報提供で協力求める

2007/07/11 The Sankei Shimbun WEB-site

 小池百合子防衛相は11日午前、防衛省で米国のシーファー駐日大使と会談した。日本が来年夏までに選定する次期主力戦闘機(FX)に関する米側からの情報提供に協力を求める一方、イージス艦中枢情報流出事件について全容解明と再発防止に努める考えを示した。

 これに対し、シーファー氏は情報流出事件を「非常に重視している」と指摘。FX選定に関しては「どの飛行機かというミクロの世界だけではなく、日本の平和と安全にとって、何が重要かという観点から考えていくべきだ」と述べた。

 一方、小池氏は、参院選後にも訪米し、ゲーツ国防長官と会談したいとの意向を伝えた。

米「最新鋭F22の情報開示拒む」

2007.07.09 中央日報 李相逸(イ・サンイル)特派員

日本が米国に最新鋭戦闘機「F22」の情報開示を要請したが、拒否されたことが分かった。米国防総省のローレス特別顧問(前アジア・太平洋担当副次官)は6日に記者会見し「日本がF22関連の情報を要請したが、国防総省は法が許す範囲内の基本資料だけを提供した」と述べた。性能詳細などの情報は開示しないとのこと。

同氏は「F22関連情報の提供問題は議会の裁量権に属する」とし「情報提供は国防総省が単独で決められない」と語った。また「F22に関する規制が、近く緩和される兆しはない」とした。日本政府は、軍事力を増強する中国や、北朝鮮の核兵器・ミサイルの脅威などに備えるため、09年の夏までは次期主力戦闘機(FX)を選定する、との方針を決め、F22導入を進めている。

だが、米議会は軍事機密の保護を理由にF22の輸出を禁じている。4日に米ワシントン入りした安倍首相はブッシュ大統領に会い、F22関連情報の提供を要請した。同月、久間章生前防衛相もゲーツ国防長官にF22の購入意向を伝えたが、ゲーツ長官は確答しなかった。ワシントンの消息筋は「米日同盟関係が深刻に傷付けられる状況がない限り、米国がF22を日本に売らないだろう」との見方を示した。

米議会「日本のF22導入、域内安保に支障も」=産経新聞

2007/07/07 NEWSIS/朝鮮日報JNS

 米国連邦議会調査局(CRS)は、ステルス(レーダー回避)機能を持つ最新鋭の戦闘機F22(愛称ラプター)を日本へ輸出した場合、「域内の安全保障における不安定な状態を招く可能性がある」と警告した、と産経新聞が6日付で報じた。

 同紙によると、CRSは前日、日本の航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)導入事業で採用が有力視されているF22の対日輸出に関する報告書を通じ、このように指摘した。

 この報告書では、F22を日本へ輸出した場合、「同盟国の防衛に寄与し、相互運用を促進するメリットがある一方で、技術の流出が懸念されるとともに、中国や韓国などを刺激し、域内の安全保障において不安定な状態を招く可能性がある」との見方を示した。

 現在、F22の対外輸出は米国の法律で禁止されており、日本に輸出する場合には上下両院の審議を通じ、関連条項を撤廃しなければならない。

 一方、日本政府は来年夏までにFXの採用機種を決める方針で、米国側に対しF22の性能に関する情報提供を求めている。

 CRSの報告書はまた、日本にF22を提供するメリットとして、米日両国が最先端の兵器を共有することになり、相互運用の可能性を高めるという点を挙げた。同報告書によると、米軍当局はF22を当初の計画よりも約200機削減して配備する方針だが、日本が同機を導入した場合、削減分を補完することも可能だという。

 また報告書は、米空軍におけるF22への引継ぎが完了した際に閉鎖される予定の組み立て工場も、対日輸出が決定すれば存続させることも可能なため、米国国内の雇用の維持という面でもプラスになる点を強調した。

 だが一方で、集団的自衛権の行使を禁じている日本の現行憲法上、F22の運用や訓練への自衛隊の参加には限界があるという点、言語や両国の考え方の違いなどについても指摘している。

 また、不注意によってF22の技術が日本側に漏えいすることも懸念されるとし、具体的な事例として、海上自衛隊で最近イージス艦の機密情報が流出した事件を挙げた。

 さらに報告書は「中国や韓国が日本のF22導入を懸念しており、地域の安定を崩すことになる」と警鐘を鳴らす専門家も少なくない、ということにも言及した。

 また、F22の輸出が実現しなかった場合、代わりに導入が考えられる機種として、米国やイギリスなどが共同で開発中のF35や、米海軍機F18、無人攻撃機などを挙げた。

F22導入「日本の長期戦略作り先決」 前米国防副次官

2007年07月07日 asahi.com

 米国の対アジア安保政策を担当してきたローレス前米国防副次官は6日、先月末の退任後初めて朝日新聞などと会見した。航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)に、最新鋭のステルス戦闘機F22の導入を認めるかどうかについて、「今後20年、30年先を見越して日本が本当にこの戦闘機を必要とするのかどうか、共通理解を模索しようと言っている」と語り、日本が長期的な軍事戦略を作ることが先決だとの考えを強調した。

 F22をめぐっては、日本が機種選定のための情報提供を求めているが、米国政府は、同機の輸出を禁じる米議会の決定を理由に応じていない。

 ローレス氏は「日本が詳細なデータを要求するのは論理的なこと」としつつも、「魅力的だから(防衛力の)シンボルとして欲しいということは言ってほしくない」と語り、あくまで軍事戦略面からの必要性を明示するよう求めた。

 米議会の決定が当面覆る見通しの立たない現状では、制約を受けない範囲の基礎的なデータをもとに、日本の戦略的必要性を検討するしかないとの考えを示した。

 インド洋での海上自衛隊の補給活動の法的根拠となっているテロ特措法が、今年11月に期限切れを迎える。これを踏まえ、陸上自衛隊の輸送ヘリを追加措置として派遣することが取りざたされているが、ローレス氏は「日本政府にはまだ正式な要請はしていない」と述べた。

 ただ、日本側にはすでに「秋になったらさらに一緒にできることは何かを協議したい」と伝えたことを明らかにしたうえで、具体策としては軍民一体型の「地域復興支援チーム(PRT)」への要員派遣や「その他の(軍事的)能力もあるだろう」と述べ、輸送ヘリの派遣要請に含みを残した。

                ◇

 訪米中の守屋武昌・防衛事務次官は6日、ローレス前国防副次官やネグロポンテ国務副長官と会談し、F22戦闘機の調達を念頭に「日本から情報が漏れるから(輸出しない)という形で議論が行われるのは好ましくない」と述べ、改めて情報提供を求めた。

F22Aの情報提供要求 首相、米大統領に

2007/07/06 中国新聞ニュース

 【ワシントン6日共同=有田司】航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)選定に絡み、安倍晋三首相が四月末の日米首脳会談で、先端技術が搭載されていることなどから情報開示が米国内法上禁じられている最新鋭戦闘機F22Aに関する情報提供をブッシュ大統領に直接求めていたことが分かった。大統領は理解を示しながらも、防衛当局間の協議を指示したという。日米関係筋が六日明らかにした。

 日本が「第五世代」と呼ばれる最新の戦闘機獲得を最優先課題と位置付けていたことが鮮明になった。しかし米側は現時点で、性能やコスト面の情報開示や輸出解禁は困難との見解を示している。来春の機種最終選定を目指す日本側は、米国への強力な政治的働き掛けを迫られることになる。

 同筋によると、首脳会談に同席したゲーツ国防長官も情報開示について即答を避け、日米の安全保障上の役割分担などを協議した後に決めるべきだと表明したという。

 米政府高官は共同通信に、法的制約から「現時点では、日本を含め他国への情報提供はできない」と指摘。法改正には議会の承認が必要で、政府の一存では決められない問題だとして「将来的に情報を供与できるかどうかも確信は持てない」と厳しい見通しを示した。

 F22Aについては米議会調査局も六日までに、輸出が実現すれば日本の防衛力が強化、日米相互運用も進む一方、先端技術の漏えいなどのリスクもあるとする報告書をまとめている。

 F22Aはレーダーに捕捉されにくい高いステルス性を持ち、空中戦能力にも優れる。日本が獲得すれば東アジアの安全保障環境にも影響を与えるとみられている。しかし巨額の開発経費を投入した最新鋭軍事技術の結晶で、性能などの情報は他国に提供できない。価格は二百五十億円に上るとされ、情報提供を受けた場合でも、最終選定にはコストが問題となる。

ヘスター司令官「米空軍、来年グアムまたは沖縄にF22配備」

2007.06.23 YONHAP News 中央日報

米空軍は‘夢の戦闘機’と呼ばれる最先端最新鋭F22戦闘機1個飛行大隊を来年グアムまたは沖縄基地に前進配備する計画だと、ヘスター太平洋空軍司令官が明らかにした。

ヘスター司令官は最近、米国の軍事専門紙エアフォースタイムズ(21日付)とのインタビューで、米空軍は現在アラスカ州エレメンドルフ空軍基地で運用中のF15飛行大隊戦力に代わるF22飛行大隊を2個配備する計画とし、このように明らかにした。

ヘスター司令官は、まずF22飛行大隊所属戦闘機18機が8月から来年1月まで配備されるとし、F22飛行大隊戦闘機はアラスカで調整し、来年春から秋の間に太平洋地域地域の別の場所に一時配備される機会を持つことになるだろう、と話した。これまでF22戦闘機が米本土以外に配備されたのは、今年初めの3カ月間、沖縄米空軍基地に配備されたのが唯一。

ヘスター司令官はエレメンドルフ空軍基地に配備されるF22戦闘機の最初の訪問地がグアム基地になるはずだと述べた後、日本沖縄基地も候補地の一つと明らかにした。

ヘスター司令官は数年以内に追加でF22飛行大隊が太平洋地域に配備されるとし、「私はそれ(新しいF22戦闘機)が韓半島にも配備されることを期待している。現在はF15、F16戦闘機が太平洋全域で作戦を遂行する」と語った。

日本、ユーロファイター購入交渉開始

2007.06.02 中央日報 パク・ソヨン記者

次世代戦闘機導入を推進中の日本政府が、先端戦闘機であるユーロファイターを製造するヨーロッパ最大防衛産業体BAEシステムズと購入協議を始めたとファイナンシャルタイムズ(FT)が1日、報道した。

BAEシステムズのナイジェル・ホワイトヘッド局長は「日本防衛産業体である三菱重工業が BAEシステムズと戦闘機製造許可を受ける案を論議している」と明らかにした。日本が第2次世界大戦以後、同盟国である米国ではない国家と戦闘機購入交渉をするのは今回が初めてだ。

◆米・ヨーロッパで最先端武器の技術導入=日本は1970年代と80年代に持ちこんだ F−4、F−15戦闘機250〜300台を2009年まで次世代機種に入れ替えるという計画を立てている。年内に機種を定める計画だ。日本は米ロッキードマーティン社のF−22ラプターとユーロファイター以外にもロッキードマーティンのF−35、ボーイング社のF−15、F−18などの購入を検討している。

タイフーンというニックネームをもつユーロファイターは、イギリス、フランス、ドイツが共同で開発した次世代戦闘機で、すぐれた空戦機能を取り揃えている。先端レーダー追跡装置で20個の目標物を同時に追跡することができる。

今回の交渉で三菱とBAEシステムズは、ユーロファイターのライセンス生産契約を締結する案を重点的に論議するものとみられる。ホワイトヘッド局長は「日本の国防関係者たちはこれまで米国との関係のため日本が先端武器の製造技術導入の機会を逃したと考えている」とし「日本は戦闘機製造技術移転後、これを自分の力で一段階上げることができる」と話している。

最近、日本の政界と経済界では最先端兵器製造技術を習得するために米国はもちろん、ヨーロッパとも協力しなければならないという声が高まっている。三菱と防衛庁関係者たちは今年の初め、イギリスのユーロファイター生産工場を直接視察したほか、日本の航空自衛隊戦闘機操縦士らが試験運航もした。

◆最終目標はF−22=FTは、しかし一部では日本のユーロファイター購入協議が米国からF−22を購入するための一種の圧迫カードの1つと分析している。

日本は現存の戦闘機のうち最高性能といわれるF−22購入を推進しているが、米議会が販売を拒否している。先端機種を国外に販売する場合、米国の安保が脅威を受けることがあるという理由からだ。

米上院はF−22の技術的優位を今後10〜20年間維持するためにF−22の国外販売を2015年まで禁止する方法を制定した。中国と韓国を含めた周辺国の反発もブッシュ行政府を圧迫している。

米メディアは「日本のF−22購入に対する中国など周辺国の反発が強い」とし「ブッシュ行政府がたとえF−22の販売を決めても、議会で通さなければならない手続きが複雑で、相当な日数がかかるだろう」と報道した。

このために一部では米国が輸出に制約が多いF−22より一等級低いボーイング社のF−18ホーネットやロッキードマーティンのF−35の販売を推進するだろうという見通しも出ている。

日本の最新鋭戦闘機F22購買にブレーキ

2007.05.15 中央日報 李承寧(イ・スンニョン)記者

日本が米国の先端戦闘機F22ラプター購入意思を再確認した中、米国防総省の関係者は「日本に販売する計画はまだない」と明らかにした。

久間章生日本防衛相は15日、米軍事専門紙ディフェンスニュースとのインタビューで、日本のF22購入計画を韓国や中国などが懸念していることに関し、「東アジアの若い世代が民族主義に向かう傾向にあり、日本の再武装を憂慮している」と述べた。

久間防衛相は「世界の人々は、日本が第2次世界大戦以降、平和の道を歩んできたと判断していているし、自衛隊も攻撃的な軍事力を備える計画はない」とし「一部の中国人や韓国人が、日本が過去に戦争報償金として(経済的)支援をしたという事実を覚えていないのと同じだ」と述べた。

久間防衛相は「F22に関心はあるが、詳しい情報にアクセスできない状況」とし「今まで日本の武器購買は米国中心だったが、これからは予算上の制約のため購入先をヨーロッパ方向に多角化することもある」と付け加えた。

日本はこれまで米国製以外の武器を購入したことがほとんどないため、この発言は実際にヨーロッパ製の武器を購買するというよりも、米国に対してF22販売圧力を加える一方、部品・装備などを含めて1機当たり最大3億ドル(約2800億ウォン)と予想される輸出価格の引き下げを希望するものと解釈されている。

しかし米国防総省のクリグ調達担当次官は「F22はまだ一度も輸出を考えたことがない先端機種」とし「日本は次世代戦闘機としてF22ではなくF35を購買するのがよい」と述べたと、フィナンシャルタイムズ(FT)が15日報じた。

F35は米国が英国などと共同で開発中の戦闘機。レーダー探知が困難なステルス機能などを備え、F22と同じ第5世代戦闘機に分類される。 しかし双発エンジンを搭載したF22とは違い、エンジンが一つしかないうえ、武器体系・航続距離など全般的な性能が落ちるという評価だ。

クリグ次官は「しかし私が武器輸出に関する最終権限を持っているわけではないため、別の決定が出る可能性もある」と語った。実際、米政府内では、日本やオーストラリアなどF22購買を希望する海外友好国に輸出するのかどうかをめぐり、さまざまな意見が出てきているという。シーファー駐日米大使は最近「日本が最終的にF22とF35で構成された航空戦力を備えることを希望する」と語った。しかしF22の対日輸出が中国などを刺激するおそれがあり、反対する意見も少なくないという。

F22A、米国へ撤収 嘉手納基地を離陸

2007/05/10 The Sankei Shimbun WEB-site

 沖縄の米軍嘉手納基地に暫定配備されていた最新鋭のステルス戦闘機F22Aラプターが10日、米本国へ向け撤収した。

 F22Aは午前3時15分ごろから、暗闇に赤色のランプを点滅させながら、ごう音を響かせ次々に離陸。

 嘉手納基地報道部によると、全12機のうち、整備上の理由で離陸が遅れていた2機も、午前10時25分までに同基地を飛び立った。

 F22Aはレーダーに捕捉されにくいステルス性が最大の特徴。ことし2月から、米国外では初めて嘉手納基地に配備され、4月には航空自衛隊機と初の共同訓練も実施した。

F22の「無敗神話」崩壊

2007/05/03 朝鮮日報/朝鮮日報JNS ユ・ヨンウォン記者

 世界最強の戦闘機とされるF22ラプターの無敗神話がここに来て途絶えた。最近、米国本土で開催された空中戦シミュレーションでのことだ。同機については日本政府が米国に販売を要請し、制空権を日本に奪われることを憂慮した中国が対応に乗り出すなど国際的な問題として浮上している。

 2日の軍消息筋や外信などによると、今年2月に米国ネバダ州の空軍基地で開催された空中戦シミュレーションでF22が初めて仮想敵機に撃墜された。相手は同じく米軍のF15とF16で、両機からの集中攻撃を受けて撃墜されたという。このF22の敗北は米国の航空専門誌「AW & ST」の最新号で取り上げられた。F22は2005年末から実戦配備され、最近の空中戦シミュレーションでは仮想敵機として登場した米国の主力戦闘機に対し、144勝0敗の無敗記録を誇っていた。

 空中戦シミュレーションは、ミサイルや機関砲弾を実際には発射しない点を除いては実戦とまったく同じように行われる。A戦闘機がB戦闘機をレーダーで捉え、ミサイル発射ボタンを押せばこれを地上の高性能コンピューターがミサイルの速度や方向などを総合的に判断し、命中したと判断すれば「撃墜」判定を下すという方式だ。実際に砲弾を発射せずにレーザー光線で目標物に命中させたかを判断する陸軍訓練と同様のものだ。

 米空軍は今回の結果について、「F22パイロットの訓練不足が原因だった」「条件がF22にはあまりにも不利だった」などと弁明しているという。一方、専門家らは数機の戦闘機が一度に攻撃を加える戦術でF22を攻撃した可能性が高いとみている。

米空軍関係者、F22戦闘機の対日輸出説を否定

2007/04/30 朝鮮日報/朝鮮日報JNS チェ・ギュミン記者
F22

 ロイター通信は27日、「米国防省高官が、米国が日本に最先端のF22戦闘機(ラプター)を販売する可能性があるという見方を否認した」と報じた。

 米国の対外武器販売を担当している米国防省傘下のジェフリー・コーラー国防安保協力庁長(空軍中将)は同通信とのインタビューで「F22戦闘機は将来にわたっても米国の軍事的優位を維持するために作られたものなので、輸出はできない」と述べ、例え議会が承認しても輸出は不可能だと強調した。そして「輸出が検討されることもないだろうが、万が一検討されるたとしても、戦闘機の設計・製作・実験のすべてを再度実施しなければならず、そうすると価格が1台100億ドル(約1兆1920億円)を超えるため、事実上輸出は不可能だろう」とも語った。

 ロッキード・マーティン社が開発したF22は驚異的な火力とステルス機能を持つ米空軍の第5世代戦闘機で、米議会は輸出を禁じている。だが、今月25日に米国家安全保障会議(NSC) デニス・ワイルダー東アジア担当補佐官は、日本がF22戦闘機を100機購入するという説について「日本への次世代戦闘機提供を論議することに関し非常に肯定的」と発言し、大きな波紋を呼んでいた。これが実現すれば北東アジアの安保バランスを崩し、軍費拡大を促進すると懸念されている。

米、「F22戦闘機の日本販売を前向きに検討」

APRIL 27, 2007 東亜日報

 米政府は、最新鋭ステルス戦闘機F22ラプターを購入したいという日本側の要請を前向きに検討していることを明らかにした。

 デニス・ワイルダー米国家安全保障会議東アジア担当上級部長は、安倍晋三首相の訪米に先立ち、25日に開かれた記者団への会見で、「日本がF22の購入を推進中」とする最近の日本のマスコミ報道について確認を求められ、「米国は、日本と次世代戦闘機について話し合うことを非常に肯定的に考えている」と述べた。

 ワイルダー上級部長は、「日米防衛システムの転換の中で、日本は沖縄駐留米軍のグァムへの移転を助けている。中国空軍が速いスピードで現代化しており、北朝鮮のミサイルおよび核能力に対して日本は脅威を感じている」としたうえで、「次世代戦闘機に関して日本の航空自衛隊から要請があった」と述べた。

 ワイルダー上級部長は、「しかし機種がどれになるかは決まっておらず、専門家たちが研究する問題だ」と付け加えた。

 08年夏に次世代主力戦闘機を選定する予定の日本政府は、候補としてF22を挙げている。しかし、米議会がF22Aの輸出を禁止しているうえ、1機当たり2億〜3億ドル(約1900億〜2850億ウォン)にのぼる高い価格も障害だ。自衛隊の現在の主力戦闘機であるF15の改良型であり、価格がラプターの半分以下のF15FXをまず購入した後、F22を導入する案も検討されている。日本の次世代主力戦闘機の予算は、総額1兆円(約8兆ウォン)規模だ。

 日本がF22を大量に導入すれば、北東アジア各国は敏感に反応するものとみえる。ワシントン・タイムズが20日付で、「日本は最大100機のF22の購入を希望している」と報じるや、中国の半官営通信社の中国新聞網は、「台湾海峡で20年間保たれてきた軍事力の均衡が崩れることになるだろう」と憂慮を示した。

 しかし100機の導入は、日本の次世代戦闘機事業の全体予算の2、3倍の規模であり、信頼性に欠けるという指摘が多い。

 米空軍は今年2月末、3ヵ月の期限で12機のF22を在日米軍基地に配備した。日本防衛省は、在日米空軍と航空自衛隊の合同演習を提案し、27日から2日間にわたって沖縄周辺の海域で初めて両空軍の合同演習が実施される。日本自衛隊は、約200機のF15を主力戦闘機として保有しているが、性能は韓国空軍のF15Kよりも劣ると評価されている。

【社説】北東アジアに日章旗をつけたF22戦闘機が出現する

2007/04/27 朝鮮日報/朝鮮日報JNS

 米国が日本にF22戦闘機を100機輸出する計画であることが、公式に確認された。米国がF22戦闘機を輸出するのは初めてのことだ。

 F22は隣国の空軍力を無力化することも可能なほどの戦闘機だ。レーダーに探知されないステルス機能を持っており、レーダー探知の範囲も他の戦闘機よりはるかに広い。機動性も飛躍的に高まっている。

 外から見られることなく、自分は周りをよく見渡しながら素早く移動できるのだから、最初から勝負は決まったも同然だ。F22戦闘機とF15、F16、F18といった他の戦闘機との間で模擬空中戦を行った結果、勝敗は144対0だったという。F15やF16中心の大韓民国の空軍では、F22を導入した日本空軍力には歯が立たない。

 今韓国は北朝鮮からは核・ミサイル・生物化学兵器の脅威にさらされると同時に、中国と日本の激しい軍拡競争のはざまに立たされるという、二重の困難に直面している。中国は人工衛星をミサイルで迎撃して世界を驚かせた上に、今後も原子力潜水艦を増強し、10年後には航空母艦を就航させる計画でいる。

 日本が中国の戦力強化を指をくわえて見ているはずがない。米国も日本のミサイル防衛や空軍・海軍の増強を積極的に支援し、中国をけん制している。その米国が安倍首相の訪米に合わせ、F22戦闘機を100機輸出することを決めた。米国は日本にF22を輸出する理由として、北朝鮮の核・ミサイルによる脅威と、中国空軍の進歩を挙げた。

 一方で米国は、そうした脅威にさらに直接的にさらされている大韓民国など念頭にもないようだ。米国は日本にF22戦闘機を売るために、2015年まで同戦闘機の輸出を禁止している法律を改正する構えまで見せている反面、韓国への無人偵察機RQ‐4グローバル・ホークの輸出については、まだはっきりとした返答を行っていない。今や米国と日本は大韓民国を遠ざけ、その空席にオーストラリアを据えて、この3国で太平洋地域の安保連帯を形成しつつある。

 韓国国防部は日本のF22導入を受け、F15K級の配置が決まっていた空軍戦力の増加計画を見直すことにしたという。しかしF22戦闘機は米国が韓国に売ってくれるかどうかもはっきりしない上、価格も1機2000億ウォン(約 260億円)とF15Kの2倍もするため、すぐには手が届かないのが現実だ。

 核を放棄しない北朝鮮、軍拡競争を繰り広げ始めた中国と日本に取り囲まれた大韓民国が、成長率も4%台にしかならない現在の経済力で、どうやってこの殺伐とした北東アジア情勢の中を生き残っていけばよいのかと考えると、気が重くなるばかりだ。

空自、米最新鋭ステルス戦闘機と初の共同訓練

2007年04月27日 asahi.com

 航空自衛隊は27日、沖縄県の米軍嘉手納基地に暫定配備されている最新鋭のステルス戦闘機F22ラプター2機を含む米空軍機と、沖縄本島南方の訓練空域で共同訓練をした。F22と自衛隊機の共同訓練は初めて。

 午前8時半ごろ、那覇基地から同基地所属のF4戦闘機4機や小松基地(石川県)のF15戦闘機4機が次々と離陸。米空軍機と対戦する形で、午前と午後に1回ずつ訓練をした。

 F22はレーダーに捕らえられにくいステルス性と高い戦闘能力を持ち、空自が配備しているF4戦闘機の後継機の有力候補とされる。

日本、F22戦闘機100機導入を推進=ワシントン・タイムズ

2007/04/23 朝鮮日報/朝鮮日報JNS ユ・ヨンウォン軍事専門記者 北京=李明振(イ・ミョンジン)特派員

 米メディアが「日本が米国の最新型戦闘機F22の100機導入を推進している」と報じたのを受け、韓国軍当局は真相の把握に乗り出し、中国も神経質になるなど、波紋が広がっている。

 米ワシントン・タイムズ紙は20日、「日本は最大100機のF22戦闘機購入を希望しており、ブッシュ大統領と安倍晋三首相が来週行う日米首脳会談で話し合われるだろう」と報じた。同紙は「米国の一部の保守主義者は“有事の際、北朝鮮によるミサイル基地先制攻撃などの脅威や、台湾に対する中国の脅威に対処するため、F22を日本に販売する必要がある”として日本の購入を支持している」と伝えた。

 F22 は、レーダーでとらえるのが非常に困難なステルス性能と優れた機動性、情報収集・偵察能力を持つ、世界で最も優秀な戦闘機だ。作戦半径は2000キロ以上で、日本全土や韓半島(朝鮮半島)はもちろん、中国本土も攻撃範囲に収めている。よって、韓国や中国としては神経質にならざるを得ない。昨夏アラスカで行われた、F22対現在の米主力戦闘機F15・F16・F18の空中戦デモンストレーションでは144?0でF22が完勝、これまでの空軍力バランスを覆す恐るべき戦闘機と呼ばれている。

 韓国軍当局は、日本がF22を100機導入すれば、韓中日の空軍力に深刻な不均衡を招き、これまでの韓国空軍の戦略増強計画にもかなりの修正を強いられるとみている。中国も官民共同の通信社「中国新聞網」が22日に香港の日刊紙「文匯報」の報道を引用し、「日本がもしF22を100機導入したら、台湾海峡でこの20年間保たれてきた軍事的バランスが崩壊するだろう」と伝えた。

 しかし一方では、日本がF22を導入するにはかなりの時間がかかるだろうとの声も出ている。米国も実戦配備開始から約2年という最新型戦闘機の輸出を渋っており、現にF22の海外販売を禁じる法律が1998年に制定されている状態だからだ。

 中国共産党機関紙「人民日報」の電子版「人民網」も同日、「日本のF22導入は二つの点で困難にぶつかるだろう」との見通しを掲載した。第1点は、F22 の価格は1機2億ドル(約237億円)以上と高価なこと、第2点は米国の現行法が同戦闘機の輸出を禁止しており、輸出には法改正が必要なことだ。

 韓国の軍事専門家は「現実的に見て、日本は2015年以降にF22の本格的な導入が可能とみられる。20年までに韓国空軍の戦力を増強する計画は、日本がF22を多数保有する状況を想定しておらず、早急に対策を立て直す必要がある」と指摘している。

F22、15FXの二段構え 防衛省、次期主力戦闘機

2007/04/22 中国新聞ニュース

 防衛省が航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)選定で、米国の最新鋭ステルス戦闘機F22Aと、F15を改良したF15FXの二機種に絞り、二段構えの調達を想定していることが分かった。複数の日米関係筋が二十一日、明らかにした。二〇〇九年度から順次購入を進める方針で、総額は一兆円規模に上る見通し。〇八年春までの最終選定に向け調整を本格化させる。

 次期主力戦闘機はこれまでの検討で、レーダーに捕捉されにくい高度のステルス性と超音速で巡航できる高い機動性能に加え、日米共同作戦を円滑に進められる点から、F22Aを最有力候補に据えた。

 しかし、現時点で米議会は最新鋭技術の集大成であるF22Aの輸出を禁止。一機約二百五十億円と高額で、輸出が解禁された場合でも予算の制約から導入数が制限されるのが難点だ。

 このため現在の主力戦闘機F15の改良型で一機約百億円と比較的安く、整備や運用面でノウハウのあるF15FXを先行取得。解禁を待って「F15五機を同時に相手にできる」(空自幹部)性能を持ったF22Aを導入、二機種の組み合わせで「質と量」を兼ねる案が浮上した。

 防衛省は〇八年度から廃棄する九十一機のF4EJに代え、次期主力戦闘機を導入。現行の中期防衛力整備計画(〇五―〇九年度)は、F4EJの後継機七機の調達を明記しており、〇九年度予算概算要求に間に合わせる方針だ。

 次期主力戦闘機の選定対象は、F22A、F15FX、FA18(以上米国)、F35(米英など)、ユーロファイター(英など欧州四カ国)、ラファール(フランス)の計六機種。防衛省はメーカーに詳細な性能や導入後の対応を照会し、米英の現地調査で関係者の意見も聞いている。

 FA18は海軍仕様、F35は開発の遅れ、欧州機はこれまで導入の経験がない、などの理由でいずれも優先順位が低い。

F35戦闘機の設計情報流出か 米紙報道、ハッカーが侵入

2007/04/22 NIKKEI NeT

 21日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルは米政府高官らの話として、次世代戦闘機F35の開発を手掛ける複数の企業のコンピューターネットワークにハッカーが侵入したことが判明、設計情報が流出した可能性があると報じた。

 最高機密情報にはアクセスできていないもよう。空軍の航空管制システムへの侵入も発覚したという。

 F35は航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)の候補の一つ。元政府高官は中国からの侵入との見方を同紙に示したが、侵入元などは特定できていないという。(ワシントン=弟子丸幸子)

次期主力戦闘機、米にF22の情報求める・防衛相表明

2007/04/21 NIKKEI NeT

 久間章生防衛相は20日、日本経済新聞のインタビューで、来年夏の次期主力戦闘機(FX)選定に向けて米国に機種情報の提供を求める考えを明らかにした。米国は軍事的優位を保つため、最新鋭ステルス戦闘機F22Aラプターの輸出を禁じ、性能の詳細情報も明らかにしていない。防衛相の発言はF22購入への環境整備とみられ、総額1兆円とも見込まれるFX選定の行方に影響しそうだ。

 インタビューで防衛相はFX選定について「(候補機の)まず中身を知るために情報を開示してもらわなければならない。こちらの気持ちを米側に伝えたい」と述べた。30日にワシントンで会うゲーツ米国防長官に要請する。

F22戦闘機の発注停止、米国防長官表明 日本のFX選定に影響

2007年04月07日 NIKKEI NeT

F22の発注停止の方針を表明したゲーツ米国防長官(左)=6日、米ワシントン〔ロイター〕

 【ワシントン=弟子丸幸子】ゲーツ米国防長官は6日、オバマ米大統領に提言する2010会計年度(09年10月―10年9月)国防予算に関する見直し計画を発表し、最新鋭戦闘機F22の新規発注を停止する方針を表明した。これにより、F22は生産中止となる可能性が極めて濃厚となった。F22は日本の次期主力戦闘機(FX)の有力候補で、機種選定にも大きな影響を与える。

 ゲーツ長官は同日の記者会見で、予算を減らすため「一貫した指導力を示さねばならない」と強調。コスト削減の一環として「F22の(調達)計画は終了する」と明言した。代わりに、F22の製造元ロッキード・マーチンなどが開発中の次世代戦闘機である「F35の購入を増やすよう提言する」と明らかにした。

 F22はレーダーに捕捉されにくい高いステルス性と超音速の飛行能力を備え、性能面で優れた特徴を持つ。

次期主力戦闘機選定で防衛省、F22の情報提供を再度要請

2007年04月06日 Garbagenews.com

【読売新聞】が報じたところによると、【防衛省】の久間章生防衛相は4月5日、航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)の選定に向けた調査対象の一機種である、アメリカの最新鋭戦闘機でステルス戦闘機としても知られている「F22ラプター(Raptor)」について、4月30日にワシントンで予定されている日米防衛省会談で必要な情報の提供を要請する方針を決めた。

 F22には多数の最高級機密事項が盛り込まれており、アメリカの国内法では海外輸出が禁じられている。よって、輸出を前提にした情報開示もかなわないため、これまで日本側が要求していた資料請求でも回答が得られていない(【空自次期戦闘機、F/A18・F15FX・ユーロファイターの3機種に絞り込みへ】)。

 2009年度を最終年度とする防衛力整備計画では主力戦闘機として活躍していたF4ファントムについて、2008年度から(旧式化のため)機数削減数が始まるとしている。それと共にその後継機として、今回選定している次期主力戦闘機FXを7機調達する方針が決まっている。そのため、「F22A戦闘攻撃機(アメリカ)」「F35戦闘機(アメリカ・イギリスなどによる共同開発)」「F/A18戦闘攻撃機(アメリカ)」「F15FX(アメリカ、日本向け仕様として開発中)」「ユーロファイター(ヨーロッパ)」「ラファール(フランス)」の6機種が調査対象になっており、現在F/A18・F15FX・ユーロファイターの3機種の情報がメーカー側から回答を受けていた。

 機種選定では判断材料として「運用状況」「詳細な性能、特性」「部隊や機体メーカーなどの後方支援態勢」などの情報が必要になるが、上記三機種以外のF35、ラファール、F22Aについては回答が得られていない。

 今回の報道では「F22も有力候補のため防衛相が自ら資料の提示をうながす」ということだが、スケジュール的に一杯一杯なのと、F22が高額なこと、さらに先日【イージス艦関連のデータを海自の二等海曹が持ち出し情報を漏洩させた】件もあり、機密のかたまりともいえる実戦配備間もないF22を日本に提示するのかどうかという点を考えると、正直アメリカ側の態度がすぐに変わるかどうかは難しいといえよう。

 とはいえ、先日一時的に沖縄の嘉手納基地に来訪したF22に、必要以上に神経質になっている某国の反応を見るに、「威圧感としての潜在戦力」は十分以上の効果が期待できるのも事実。

 機密維持のことや価格を考慮すれば、一番良いのは航空自衛隊がF22を装備するのではなく、在日アメリカ軍基地内にF22を常駐させることではないだろうか。

在日米軍司令官会見、沖縄・嘉手納でのF22展開は5月まで

2007/04/04 NIKKEI NeT

 ライト在日米軍司令官は3日、都内で記者会見し、沖縄・嘉手納基地に2月末から展開中の最新鋭ステルス戦闘機F22Aラプター(全12機)について「5月末まで日本に残る」と明らかにした。自衛隊の次期主力戦闘機に関しては「最も優れた能力を持つ機種を選定してほしい」と述べ、F22の導入に強い期待を表明した。

 ライト司令官は今回のF22配置について「実りの多い経験となる」と指摘。将来、在日米軍基地にF15戦闘機の後継機として配備することをにらみ、5月末まで日本国内でパイロットや整備士などの練度を高めていく考えを示した。

世界最強の戦闘機「F-22」が日本に配備された理由

2007/03/10 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 沖縄=ユ・ヨンウォン記者

 先月18日午後3時13分ごろ、沖縄・嘉手納基地の周辺に集まった日本の取材陣と住民らが見守る中、米空軍の最新鋭ステルス戦闘機F‐22Aラプター4機が上空に現れた。

 F‐22は基地の周囲を旋回した後、脚(ランディングギア)を下ろし、順番に着陸した。約1時間後の4時16分ごろ、さらに4機のF‐22が基地に到着した。これで前日到着した2機を合わせ、計10機のF‐22が嘉手納基地に到着したことになる。

 今回のF‐22の配備は、4カ月から6カ月の臨時配備とはいえ、初めてF‐22が海外の米軍基地に配備されるという点で注目を集めた。なお、嘉手納基地はアジア太平洋で最大の米空軍基地だ。

◆到着直後、異例のマスコミ公開

 基地側は、F‐22到着直後に取材陣らに機体を公開し、指揮官へのインタビューも認めた。

 F‐22飛行隊隊長のウェイド・トリバー中佐は「今回の配備は、ほかの空軍部隊や海軍とともに訓練を行うことが目的」と語った。つまり今回の配備の目的は、嘉手納基地のF‐15やE‐3早期警戒管制機、青森・三沢基地のF‐16戦闘機、さらには海軍などと数多くの訓練を行うことにあるとの説明だ。また、トリバー中佐は「F‐22が米空軍の海外巡回勤務に組み込まれた」と述べ、間接的に嘉手納基地への常時配備の可能性を示唆した。

 嘉手納基地の関係者は、今回のF‐22の配備に関し、北朝鮮の核問題との関係や、今後在韓米軍に配備され、在韓米空軍や韓国空軍と共同訓練を実施する可能性について、「われわれが話すレベルの問題ではない」と答え、言及を避けた。

 しかし、日本のマスコミ各社は今回のF‐22の配備について、米国が日米同盟を非常に重視しているという姿勢をアピールし、北朝鮮の核実験などに対応するための戦力増強と解釈している。つまり、嘉手納基地に常時配備される可能性があると見ているのだ。

 これは、最新兵器が配備された後、一定期間公開しないという慣例を破り、異例のマスコミ公開に踏み切ったことが有力な根拠となっている。なお、今年1月中旬に群山米空軍基地に配備されたF‐117ステルス機の場合、2カ月が過ぎた現在でも韓国マスコミに公開されていない。

 また、在韓米軍の消息筋は「嘉手納基地に配備されたF‐22が今後在韓米空軍と共同訓練を行う可能性がある」と語った。

◆日付変更線通過でトラブル発生?

 当初、嘉手納基地にはF‐22が12機配備されることになっていたが、2機はハワイのヒッカム基地からの移動途中に引き返してしまった。この原因は日付変更線を通過した際、航法・通信システムなど、あらゆるシステムが突然停止する一種の2000年問題のようなトラブルが発生したためと推測されている。

 しかしF‐22は、現存する全世界の戦闘機の中では最強という点で専門家らの意見は一致している。F‐117ステルス機よりも優れたステルス性能や、超音速巡航能力、優秀な情報収集・偵察能力などを備えている。昨年夏に米国アラスカで、現在の主力戦闘機であるF‐15、F‐16、F‐18とF‐22が行った模擬空戦では144対0でF‐22が完勝を収め、衝撃を与えたこともあった。

次期主力戦闘機選定で英米派遣=ボーイング社など調査−空自

2007年02月21日 時事通信

 航空自衛隊F4戦闘機の後継となる次期主力戦闘機(FX)の選定で、防衛省の航空幕僚監部は21日、調査対象の6機種のうち、質問書に回答のあった3機種について、米、英空軍とメーカーに25日から調査員を派遣すると発表した。期間は19日間で、空幕防衛部次期戦闘機企画室長ら10人が現地調査をする。

 3機種は、米海軍最新鋭攻撃機FA18と、日本向け仕様として開発中の米戦闘機F15FX、欧州戦闘機ユーロファイター(英国)。

 電波に捕捉されにくいステルス性や、技術移転や日本でのライセンス生産の可否などについて各社に説明を求めるほか、体験搭乗もする。対象企業は英国がBAEシステムズとキネティック、セレックス社。米国はボーイング社とレイセオン社。

ステルス戦闘機F22ラプター、さらに8機が嘉手納基地に到着・2機はトラブルで引き返す

2007年02月18日 Garbarmenews.com

【TBS】などが報じたところによると、アメリカ本土以外では初の実戦配備となる沖縄嘉手納基地への配備が始まった、アメリカの最新鋭ステルス戦闘機F22ラプター(Raptor)が、先日17日の2機に続き8機、到着した。残り2機は機器のトラブルがあり、アメリカ領内の孤島、ウェーク島(Wake Island)に向かったとのこと。

 今回配備される予定の12機は、アメリカ・バージニア州ラングレー基地の【ラングレー基地の第27戦闘飛行隊(Langley Air Force Base 27TH FIGHTER SQUADRON)】所属機。先にも嘉手納基地への飛行が天候と運行システムのソフトウェア不具合で延期され、ようやく到着したもののさらに2機トラブルで配備が延期されるなど、非常にデリケートな機体であることがうかがえる。なおアメリカ政府は配備理由について「極東における米軍の適切な抑止体制を維持するため」と日本政府に説明している

 F-22Aはレーダーに映りにくいというステルス性能を持つアメリカ空軍の最新鋭戦闘機。開発元のロッキード社によれば「落下中の目標物26個に対してすべてに命中弾を与えるのに成功」「F15を相手にするのなら同時に6機に対処できる」「空中戦では140勝0敗の成績」「稼働率97%という高度運用性」などの高性能を誇る。今回の配備にあわせ整備要員などの人員250人ほども合わせて派遣される。

 ただし今回の配備は期間を数週間から長くとも5か月程度になる見込みで、在日米軍側では「特定の脅威を想定したものではない」ともコメントしている。一応状況が進展したともいわれている六か国協議ではこのF22Aに関する言及が行われたとの話も一部には伝わっているが、今回の来訪が何らかのブラフ・圧力をかけている意図があるのかどうかは不明。

 なおトラブルで行き先を変更した2機が向かったウェーク島は、グアムとハワイを結ぶ航空路上にあるアメリカの孤島。軍用機などの緊急着陸飛行場として用いられている。空路図を見てもらうとお分かりの通りウェーク島はかなりハワイ側にあり、予定よりだいぶ手前で2機が分岐したことが分かる(つまり離陸からまもなくで何らかのトラブルが発生したようだ……またはさらに先まで進んだ段階でトラブルが起き、嘉手納まで到着がかなわないと判断しウェーク島まで戻ったのかもしれない)。ウェーク島、あるいはハワイに引き返した上での修理・復旧がいつごろになるのか、気になるところではある。

最新鋭ステルスF22、嘉手納に2機到着・米国外で初の配備

2007/02/17 NIKKEI Net

 米軍の最新鋭ステルス戦闘機F22Aラプターが17日正午すぎ、沖縄県の米軍嘉手納基地に到着した。同機が米国外に配備されるのは初めてで、90―120日の一時配備となる見通し。この日は先遣隊2機が飛来。残り10機は18日午後にも合流する予定で、全12機の配備となる。

 米政府は配備理由を「極東における米軍の適切な抑止体制を維持するため」と日本政府に説明している。

 F22Aはレーダーに捕捉されにくいステルス性が特徴で、超音速での高い運動性や地上への攻撃能力がある。F15などの後継機として開発された。

 米空軍によると、12機は米バージニア州ラングレー基地の所属。パイロットや整備要員など約250人が嘉手納基地に派遣される。

 沖縄県では、地元の嘉手納町議会が「一層の基地負担増だ」として配備中止を求める抗議決議を全会一致で可決するなど、反発が広がっている。〔共同〕

【コラム】もし世界最強F22が日本に配備されたら…

2007/02/17 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 劉龍源(ユ・ヨンウォン)記者

 昨夏、米アラスカで米国の最新鋭戦闘機F22Aラプターと、現在の米主力戦闘機F15・F16・F18による模擬空中戦の訓練が行われた。

 F22は昨年から実践配備が始まった、ピカピカの新型戦闘機だ。一方、F15・F16・F18も現在使用中の戦闘機としては世界最上級に入るもので、なかなか手ごわい。

 しかし、結果は惨憺たるものだった。「144対0」と「241対2」。1週目の訓練ではF15・F16・F18が144機撃墜されるまで、F22は1機も墜落しなかった。そして訓練が全て終了するまでにF15・F16・F18は241機撃墜されたが、F22はたった2機しか墜落しなかった。

 決定的な勝因は、レーダーに捉えられないF22のステルス機能だ。F22はレーダーに映らないため、F15・F16・F18はF22が接近していることも知らないまま、数十キロメートルの距離から中距離空対空ミサイルなどに不意打ちを食らったのだ。

 F22はステルス機の代名詞として知られるF117戦闘爆撃機よりもレーダーに捉えられにくいという。レーダーのスクリーンに現われる点の大きさは、F117の4分の1から6分の1に過ぎないというのだ。レーダー上の航空機の大きさはRCS(Radar Cross Section=レーダー断面積=)という値で示される。F22のRCSは0.0001平方メートルと言われている。これはミツバチやカナブンのような小さな虫のような感覚でレーダー上に表示されることを意味し、事実上探知不可能ということになる。海外の分析資料によると、F117ステルス戦闘爆撃機のRCSは0.0004〜0.0006平方メートル、韓国空軍の最新鋭機F15Kの母体となったF15Eは6平方メートル、中国がロシアから導入しているSU-30MKKは4平方メートルだという。

 アラスカでの実験は、F22が早期警戒管制機(AWACS)やRC-135通信傍受戦略偵察機のように情報収集や偵察能力の面でも優れていることを示した。そのため専門家はF22について、「現時点では世界で他にライバルがなく、空中戦の戦力バランスを打ち破る可能性を持つ最強の戦闘機」と評価している。

 このF22が12機、まもなく沖縄の在日米空軍嘉手納基地に配備される予定だ。今回臨時配備ではあるが、海外基地への配備は初めてだ。

 F22の在日米軍基地配備が韓国の関心事となっているのは、北朝鮮の核問題に対する武力アピールではないかということや、日本への販売が考えられるためだ。日本はF22の購入を希望しているが、米国が日本をはじめ外国にF22の販売を認めた例はまだない。しかし、米日関係の親密さを考えれば、2010年以降には販売が承認されると見る向きも多い。

 一方これとは別に、日本はF22をモデルとしたステルス機の開発を行っており、中国もF22をモデルとした殲13(J-13)、殲14(J-14)という次世代ステルス機を開発中だ。韓国空軍も実はF22購入を希望しているが、1機が1億5000万ドル(約180億円)という天文学的な価格から、おくびにも出せないのが実情だ。

 しかし、今後は米日中といった周辺国の動きをこれ以上傍観してばかりもいられない。昨年のアラスカ模擬訓練での惨憺たる結果が、有事の際に韓国の現実とはならないという保証はどこにもないのだ。

中国の「殲10」と韓国のF-16、どっちが上?

2007/02/14 NEWSIS/朝鮮日報JNS

米国防総省「殲10はF-16に及ばない」

 米国防総省は、中国が1月初めに公開した最新型戦闘機・殲10の性能について、韓国や台湾の主力戦闘機である米国製戦闘機・F-16には及ばないと評価した、と中国語インターネット新聞の多維が13日報じた。

 同紙によれば、米国は昨年5月、中国の軍事力に関する年次報告書を通じ、殲10が重量や性能の面で、ヨーロッパ製最新型戦闘機のラファールやユーロファイター・タイフーンとほぼ同水準だと評価したという。

 そのため米国は、中国がばく大な予算と時間を投入して自主開発した殲10が実戦配備に入ると、アジア地域の米軍基地の空軍力を増強するなど、敏感な反応を示してきた。

 また西側の一部マスコミは、具体的な性能や諸元がベールに包まれた殲10について、F-16に匹敵する性能を有しており、現段階で殲10を圧倒することができる戦闘機は、ステルス機能を備え、2005年から実戦配備され始めた米国の次世代主力戦闘機・F-22だけだと紹介したことがある。

 なお、ラファールはフランスのダッソー社が開発したフランス海空軍の次世代主力戦闘機。ユーロファイターは、ドイツ・英国・イタリア・スペインなどが合弁で設立したEADS社が製作した次世代主力戦闘機だ。

米露、「インド次世代戦闘機」争奪戦が激化(上)

2007/02/09 朝鮮日報/朝鮮日報JNS ニューデリー=李仁烈(イ・インヨル)記者

 インド南部の情報技術(IT)都市・ベンガルール(旧バンガロール)近郊のある空軍基地に、米国、ロシア、英国、フランスなど、先進国の軍事関係者が集合した。

 これは、今月7日から11日まで開かれる「2007インド航空ショー」のため。今回の航空ショーは、インド空軍が90億ドル(約1兆900億円)を投じ、旧式化した旧ソ連製のミグ21・126機を更新すると宣言した直後に開かれた。

 次世代戦闘機の導入事業には、米国のボーイング社(F-18)やロッキード・マーチン社(F-16)、ロシアのユナイテッド・エアクラフト・ビルディング社(ミグ35)、ドイツや英国などの多国籍合弁会社であるEADS社(ユーロ・ファイター)、フランスのダッソー社(ラファール)、スウェーデンのサーブ社(グリペン)など、全世界から500社余りの航空機関連業者らが競争に加わった。さらに、インドが次世代戦闘機事業のパートナーにどこを選ぶのかに関し、早くから神経戦が繰り広げられている。

◆激烈な外交戦…米国

 インドの今回の次世代戦闘機入札は、単なる90億ドルをめぐる競争ではない。各国では今回の入札を、最近急浮上するインドの今後の外交路線を決定づけるものになると考えている。

 国際英字紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューンは8日、「インドが今回の入札でどのように出るかを見れば、米国にとって今後のインドがどのようなパートナーになるのかを読み取ることができる」と報じた。同紙はその例として、▲米国の外交と経済にとって脅威となる競争者である中国型、▲米国と価値観は共有するが、利害関係を異にするフランス型、▲テロに共同対応する忠実な友邦である英国型などに分類した。

 米国とインドは民主主義国家体制という点では一致しているが、米印両国の関係はさほど良好だったわけではない。むしろインドは、共産主義国家である旧ソ連と強い連帯感を見せ、防衛産業の80%近くを旧ソ連に依存してきた。しかし、1991年にインドが経済改革に乗り出すと対米関係は友好的に変化し始めた。特に、2005年のブッシュ米大統領とインドのマンモハン・シン首相との首脳会談をきっかけとして、両国は協力的関係に転換した。

米露、「インド次世代戦闘機」争奪戦が激化(下)

2007/02/09 朝鮮日報/朝鮮日報JNS ニューデリー=李仁烈(イ・インヨル)記者

◆激烈な外交戦…ロシア

 一方ロシアは、インドが防衛産業におけるロシアへの依存を減らし、多角化を進めようとする動きを最小限に抑えようと、積極的な外交努力を繰り広げている。そのため、ロシアのユナイテッド・エアクラフト・ビルディング社の高位関係者は「ミグ35こそが最新鋭戦闘機だ。入札競争でも勝利することができるだろう」と自信を示している。

 また、今年1月にインドを訪問したロシアのプーチン大統領は、インドのマンモハン・シン首相に対し、次世代戦闘機事業に対する協力を強く要請したと伝えられている。

◆民間航空機市場も大規模

 インドは戦闘機だけでなく、旅客機、貨物機などの民間航空機分野でも注目を集めている。ボーイング社など世界の主要航空機メーカーは、インドの航空機需要が急増し、今後20年間に850機から1100機(750億ドルから1050億ドル/約9兆円から12兆7000億円)の民間航空機市場に発展すると予測している。

 インドの民間航空機市場の25%を占めているボーイング社のケスカー副社長は「インドは最近数年間に多くの航空機を購入したが、これは始まりにすぎない」と指摘した。特にインドは、ニューデリーやムンバイ(旧ボンベイ)の国際空港を含め、80カ所余りの空港を整備・拡張する予定であり、航空機だけでなく、空港用のインテリア業者や貨物処理業者などの航空関連業者らにとっても、途方もないチャンスに満ちた場所と呼ばれている。

【噴水台】ラプター

2007.02.05 中央日報 イェ栄俊(イェ・ヨンジュン)東京特派員

現代の空中戦は敵が見えない距離で行われる。 敵機だけでなく味方の戦闘機も肉眼で見える範囲外にある。 レーダーで誘導される射程距離数十キロのミサイルが戦闘機に装着され、交戦距離が長くなったからだ。 空を黒く覆った戦闘機が編隊を組み、目の前の敵機と戦うのは、第2次世界大戦を描いた映画で見られる場面だ。

ここからさらに一段階アップグレードしたのがステルス戦闘機だ。 レーダーに映らない戦闘機を保有する国は制空権争いで優位に立つ。 空中戦の鉄則である「最初に探知、最初に攻撃、最初に撃墜させる(first look,first shot,first kill)」がいっそう容易になるからだ。 いくら強烈なパンチが持っていても、リング上で対戦する相手が透明人間ならどうしようもない。

これまで開発された戦闘機のうち最も完璧なステルス機能を備えているのは、米国が2005年12月から実戦配備を始めたF−22だ。 機体の材料と設計、塗料にいたるまで、ロッキードマーティン社の独自の技術が凝縮されている。 しかしステルス機能だけでタカやワシのような猛禽類という意味の「ラプター」がF−22の愛称になったのではない。 ラプターの最大瞬間速度は音速の2.4倍、アフターバーナーを使用しない状態でもマッハ1.7まで速度を出すことができ、瞬間的な旋回能力も卓越している。

機体に装着されるミサイル、バルカン砲などの性能も従来の戦闘機を凌駕する。 まだ実戦に使われた事例はないが、「1機のF−22が同時に5機のF−15を相手にし、わずか3分で撃墜した」などの模擬戦闘事例が知られている。 すなわち「航空支配戦闘機(air dominance fighter)」という別称に名前負けしない能力だ。 唯一の欠点といえば、F−15の3倍である1億2000満ドル(約1100億ウォン)といわれる高価格だ。 日本自衛隊が狙っているが、米国も快く売る姿勢ではない。

まだ米国領土を一度も出たことがないF−22の12機が、今週から3カ月間の予定で日本沖縄基地に配備されるという。 韓国空軍との合同訓練も予定されているという。 6カ国協議再開を控えて米国が柔軟な交渉態度を見せているが、その裏では「余計なことは考えるな」という強力なメッセージを送っているのだ。 北朝鮮がラプターの移動配備にけちをつけないよう、今回の会談で具体的な成果が出てくることを望む。

配備期間は90−120日 嘉手納基地のF22戦闘機

2007/02/01 中国新聞ニュース

 【ラングレー米空軍基地31日共同】米軍嘉手納基地に、米国外で初めて一時的に配備される最新鋭のステルス戦闘機「F22Aラプター」について、運用する第27戦闘飛行隊を率いるトリバー中佐は31日、配備期間が「90−120日」になる予定と語った。

 ラングレー基地で記者団の取材に応じた。機体の嘉手納到着は2月10日ごろ。

 トリバー中佐は、F2212機とパイロット約20人を含む約260人が派遣されると述べた。具体的な活動としては、三沢基地(青森県)の在日米空軍部隊や在韓米空軍部隊との訓練などを予定しているという。

 沖縄の地元の懸念については「理解する」とし、離陸時に推力増強装置は使わず、嘉手納に現在配備されているF15戦闘機より騒音が大きくなることはないと述べた。配備目的については「強固な日米同盟と戦略的要衝であるこの地域の重要性を示すこと」と説明した。

最新戦闘機「殲10」大量配備 中国、台湾優位狙う

2007/01/22 The Sankei Shimbun WEB-site

 【北京=野口東秀】厚いベールに覆われてきた中国の最新の主力戦闘機「殲(せん)10」が大量に実戦配備された。機動性重視の欧米の主流戦闘機と「同等の戦闘能力」と中国側が誇る殲10を配備することで台湾海峡やインドをにらみ戦力バランスに変更を加えようとの意図が見える。レーダーに探知されにくい次世代の最新鋭機開発の原型ともなる。衛星攻撃兵器(ASAT)の開発・使用が指摘されたばかりの中国による軍事力増強の現実が浮き彫りになった。

 殲10の実戦配備について軍系航空機メーカー、中国航空工業第1集団の耿汝光・副総経理は今月5日の記者会見で「先進諸国との距離は縮まった」と自信をのぞかせた。共産党機関紙「人民日報」は1面で取り上げ、「中国は戦闘機と高性能の航空機エンジン、空対空ミサイルを開発できる世界で4番目の国」と自主開発能力を強調。同紙は連日、特集記事を1面で掲載してきた。

 中国メディアは殲10の離陸やミサイル発射、編隊飛行の映像も伝えた。空中給油能力を備え、レーダー探知性能も優れているという。欧米の主流戦闘機にも引けをとらないとメディアは「歴史的飛躍」と絶賛した。

 殲10は初期型が数年前に実戦配備されたとみられているが、実態はナゾに包まれている。今回、大々的に発表した背景には、国内向けには愛国主義高揚の効果を考え、対外的には航空戦力向上の自信と意思を誇示したと解釈される。台湾などに配備されている米国製の主流戦闘機F16や仏製ミラージュ2000に比べ「殲10は同等か優れている部分もある」と西側軍事専門家らに印象付けることで、台湾海峡で軍事的に優位に立とうとする思惑もうかがえる。

 今回の配備数、配備先は明らかにされていないが、北京の西側軍事筋によると、対台湾作戦を主に担う南京軍区や済南軍区などに配備されているとみられる。生産計画は改良型を含め1000から千数百機を見込んでいると推測されるが、300機程度の実戦配備を目標としているようだ。「中国軍が新たな作戦能力を有することになる。各方面で戦力バランスに大きな影響を与える」(西側軍事筋)という。

 殲10はロシア製戦闘機スホイ27のエンジンを改良し、近・遠距離からの対地、対艦攻撃能力など幅広い作戦能力を持たせたとされる「多用途戦闘機」。イスラエルが米国の技術支援を受けつつ開発したが最終的に米国の圧力で断念した「ラビ」戦闘機の技術も含まれているとも指摘されている。中国は今後、レーダーに探知されにくいステルス性を備え、自衛隊の次期主力戦闘機ともいわれる米軍の次世代戦闘機F22に対抗できるステルス戦闘機「殲14」の開発を目指すとみられる。

米防衛産業が軍用機量産 太平洋戦争以来60数年ぶり

2007/1/17 FujiSankei Business i.
 

 米国の防衛産業が製造期間短縮とコスト削減を狙いに、軍用機の大量生産に踏み切る。今後20年間の国防総省による支出が2760億ドル(約33兆円)に達するとみられる過去最大規模のジェット戦闘機開発プロジェクトで、自動車産業の製造方式を航空機工場に導入する。軍用機の大量生産は太平洋戦争以来約60数年ぶりという。

 ■自動車方式導入

 米国は海軍、空軍、海兵隊の次期主力戦闘機として「F−35ライトニングII」の開発を進めている。主契約企業である米ロッキード・マーチンが機種部を、ノースロップ・グラマンが機体中心部を、英BAEシステムズが機体後部をそれぞれ組み立て、ロッキードのフォートワース工場(テキサス州)で最終組立を行う計画だ。

 米紙ロサンゼルス・タイムズによると、軍用機の生産は通常、決められた手順を重ねて一機ごとに完成させるのに対し、F−35は自動車と同じようにベルトコンベヤーに乗せ、最新のロボット工具による流れ作業で組み立てる。ノースロップ・グラマンは「自動車業界のシステムで生産効率を上げ、製造期間とコストを削減できる」と新たな生産方式の効果に期待をかけているという。

 米国では太平洋戦争初期、日本の「零式艦上戦闘機(零戦(れいせん))」に制空権を奪われたため、当時のルーズベルト大統領が軍用機の大増産を号令。フォードモーターをはじめとする自動車メーカーが自社工場で戦闘機の量産を請け負うなどして、米国全体で軍用機の年産5万機を実現し、戦局を立て直した経緯がある。軍用機の大量生産はこのとき以来約60数年ぶりだ。

 ■既存機より安く

 F−35は、レーダーに探知されにくい最新のステルス技術や、衛星を使った正確な攻撃性能などを備え、開発、製造費用は既存の戦闘機を大幅に上回るとみられていた。

 このため、米国は防衛費の負担軽減を狙いに、英国、イタリア、オランダ、豪州、カナダ、デンマーク、トルコ、ノルウェーの8カ国から、合わせて開発費全体の10%の出資を募るとともに、海、空、海兵隊3軍共通の機体設計で製造単価を切り詰める政策をとった。

 しかし、同紙によると開発途中で機体の軽量化要求が出されたため開発費が330億ドル(約3兆9600億円)から405億ドル(約4兆8600億円)に跳ね上がった。

 また、AP通信などによると、05年には議会から製造機数を削減する要求が出され、1機当たりの製造単価も上昇。共同開発国の国防予算にも影響を与えかねない情勢となり、一段のコスト削減策が求められていた。

 大量生産方式の導入により、F−35の製造単価は海軍の主力艦載機「F/A18ホーネット」(5500万ドル)と同等以下の5000万〜5500万ドルに抑えられる見通しとなった。米防衛航空業界がF−35の生産を通し、大量生産のノウハウを蓄積できれば、民間部門を含めたコスト競争力の強化につながりそうだ。(佐藤健二)

             ◇

【用語解説】 F−35ライトニングII

 ボーイングと試作を競ったロッキード・マーチンが01年に契約を獲得。空軍向け戦闘機(A型)、海兵隊向け垂直離着陸機(B型)、海軍向け艦載機(C型)がある。12〜13年にかけ実戦配備が可能になる。戦闘機と攻撃機の性能を併せ持ち「ジョイント・ストライク・ファイター(統合攻撃戦闘機=JSF)」とも呼ばれる。共同開発国のほか、イスラエル、シンガポールなどにも売却予定。総生産機数は5000機に達するとみられている。

米軍F22 来月10日嘉手納に12機

2007/01/11 沖縄タイムス

 米空軍の最新鋭ステルス戦闘機F22Aラプターの嘉手納基地への一時配備について、外務省は十一日午前、二月十日から十二機を暫定的に展開する、との米国政府からの通知内容を発表した。配備期間については「現時点では未確定だが、約三カ月を想定している」としている。嘉手納基地のF15戦闘機の本土自衛隊基地への訓練の分散移転が開始される見通しの二月以降には、航空自衛隊との共同訓練が実施される可能性もある。

 外務省沖縄事務所を通じ、県と嘉手納基地周辺の嘉手納町、沖縄市、北谷町にも通知した。

 発表によると、F22の一時配備に伴い、約二百五十人が嘉手納基地に配置される。配備の理由として「極東における米軍の適切な抑止体制を維持するため、一時的に航空機を補う必要がある」と説明。「特定の脅威の増大によるものではない」としている。

 配備期間中の航空自衛隊とF22の共同訓練について防衛省幹部は「嘉手納基地のF15戦闘機の訓練の本土への分散移転が実施されるまでは、共同訓練の手続きに入ることはない」と現時点での手続き着手を否定している。

 しかし、米太平洋空軍のヘスター司令官は「在日米軍、自衛隊とともに訓練を行う」方針を明らかにしており、F15の訓練移転が実現した後に、航空自衛隊との共同訓練が行われる可能性もある。

 県の花城順孝知事公室長は十一日、「米軍再編のロードマップで示された嘉手納基地のF15の訓練移転の具体的な実現の見通しが示されない中、暫定であれ、このような配備は負担の軽減に逆行する。政府には地元への十分な説明を求める」と話した。

嘉手納議会が抗議決議へ

 【嘉手納】米軍嘉手納基地への最新鋭ステルス戦闘機F22Aラプターの一時配備が通告されたことを受け、嘉手納町議会の基地対策特別委員会(田仲康榮委員長)は十一日午前、「配備は基地機能の強化、住民の負担増につながる」として、配備撤回を求めて抗議することを決めた。二十四日にも開かれる臨時会に抗議決議案と意見書案を提案、全会一致で可決される見通し。米本国での演習参加のため、同基地からF15戦闘機など計二十六機の未明離陸についても同様に抗議する。

 町基地渉外課の基地特委への説明によると十日午前、嘉手納基地のパンチ・モルトン司令官からF22の一時配備について宮城篤実町長に連絡があり、「配備は数カ月程度で、恒常的なものではない。北朝鮮情勢とは関係ない」などと説明したという。

     ◇     ◇     ◇     

「住民の負担大きい」/周辺首長ら抗議へ

 【中部】米空軍の最新鋭ステルス戦闘機F22Aラプターの嘉手納基地への二月配備について、同基地を抱える嘉手納町、沖縄市、北谷町には十一日午前、外務省から文書一枚のファクスで配備開始日や期間について通知された。

 嘉手納町の宮城篤実町長は同日午前、同基地のパンチ・モルトン司令官から直接、F22Aの配備について連絡が入っていた。宮城町長は「F22Aは米本国で配備されているが、太平洋地域でも訓練を実施するという説明だった。騒音はF15機よりは小さいということだった」と語った。その上で、「近いうちに三連協としてしっかり意思表示していく」と抗議する姿勢を示した。

 沖縄市の東門美津子市長は「外務省からの報告は報道であるものと変わりがない。今後は中部市町村会や三連協に問題を提起したい」と話した。

 北谷町の野国昌春町長は「配備が暫定的であっても、住民の負担になるのは間違いない。F15の訓練移転が進まない中での配備は機能強化だ」と語気を強めた。

次世代ジェット戦闘機調達計画 米英が調印

2006/12/14 FujiSankei Business i.

 英国政府は12日、米国政府との間で、米防衛航空機大手、ロッキード・マーチン製の次世代ジェット戦闘機F−35の調達計画の合意書に調印した。F−35の技術情報やソフトウエアを公開し、米軍の支援がなくても単独で運用できる条件で合意した。年内に英国以外の7カ国が同条件で調印する。米国にとっては、国防費の削減につながる。

 ロイター通信などによると、英国は米国以外の国では最大機数の150機を購入する。これまで米国はF−35の技術情報公開に難色を示していたが、12日までに技術情報とソフトの提供に同意した。これにより、英国など8カ国は米軍の技術支援に依存する必要がなくなり、単独でF−35を運用できるようになった。

 同日までに英国のほか、カナダ、オーストラリア、トルコ、オランダの4カ国が調印したのに続き、年内にイタリア、ノルウェー、デンマークが調印を予定している。

 AP通信によると、F−35は米海軍、空軍、海兵隊の3軍での利用を想定し、大量生産によるコスト引き下げを狙った。

 ところが、2001年にロッキード・マーチンが受注した2800機は05年には2450機に削減され、1機当たりの開発単価は当初3700万〜4700万ドル(約43億〜54億円)から、4450万〜6170万ドル(約51億〜71億円)に跳ね上がった上、その後も議会からの削減圧力が強まっていた。

 このため、米国防省はF−35の海外への供給機数を増やして単価を引き下げ、米国の国防予算削減につなげる必要に迫られており、技術情報公開の要求にも柔軟に対応したものとみられる。(佐藤健二)応したものとみられる。(佐藤健二)

              ◇

【用語解説】F−35

 F−16などの後継機として1990年代に計画されたステルス型戦闘機で、愛称は「ライトニングII」。1つの機体で海軍用の空母艦載戦闘機、空軍用の滑走路利用戦闘機、海兵隊の垂直離着陸機の3つの派生型を持ち「ジョイント・ストライク・ファイター(統合攻撃戦闘機)」と呼ばれる。国防省による開発総費用は2750億ドル(約32兆円)。

ロシア空軍の要・ミグ31がグレードアップ

2006/11/04 朝鮮日報 モスクワ=クォン・キョンボク特派員

 ロシアの防空戦力の要となるミグ31迎撃機がグレードアップする。

 ロシア空軍のヴラジーミル・ミハーイロフ総司令官は3日、「ロシア軍は1990年代以降低下した領空防衛能力を強化するため、今年末からミグ31の戦闘能力をグレードアップさせる計画だ」と述べた。

 これは米国がF35をはじめとした次世代戦闘機を大量生産し、中国も超音速戦闘機の開発に着手したことに影響されたものとみられる。

 ミグ31は低空から侵入する敵機を探知・追跡し、攻撃できるように設計されているが、一般の戦闘機との接近戦闘には弱いといわれている。航続距離は3,300キロで、1983年以来約370機が実戦配備されている。

 ミグ31は現存するものでは最強といわれるフェーズドアレイレーダー「ザスロン」を搭載し、ステルス戦闘機のような一般の戦闘機のレーダーに捕捉されにくい飛行物体まで探知する能力を持つことで知られている。

 グレードアップ計画によって、「ザスロン」が敵機を探知できる範囲も、これまでの200キロ以内から300キロ以上に、また追跡が可能な範囲も100キロ以内から150キロ程度まで向上する見通しだ。

韓国、早ければ2014年にF−35導入へ

2006.11.01 中央日報 金聖倬(キム・ソンタク)記者

国防部が、敵のレーダーによる早期発見を困難にさせるステルス機能を備えた最先端の戦闘機「

F−35」を韓国空軍の次々世代戦闘機として導入する計画だ。F−35は早ければ2014年ごろ、韓国に実戦配備される見込みだ。

金銀基(キム・ウンギ)空軍参謀次長は31日、国会・国防委員会の国政監査で「(次々世代戦闘機の)F−15Kに比べて、ステルスの機能を備えていながらも価格が40%ほど安いF−35を導入する計画があるか」という与党「開かれたウリ党」(ウリ党)の趙成台(チョ・ソンテ)議員の質問に「検討中だ」と明らかにした。

金次長は「F−35が2010年ごろ戦力化するが、(制作会社が受けている)注文量が多すぎて、韓国が購入するのは2010年後半になる」とし「そのため直ちに導入するのはむずかしい」と付け加えた。米ロッキード・マーティン社が開発したF−35は単発エンジンの戦闘機としては歴代最強と評価されている。強力なステルスの機能と共に、F−16に比べて航続距離は2.5倍、兵器搭載の量は1.4倍ほど優秀だ。

米軍が運用中のF−16とF/A−18もこの機種に入れ替えられる。米国・英国・イタリアなど8カ国が参加する多国籍の量産体制で制作されており、1機当たりの価格がF−15K(約1000億ウォン=約120億円)よりはるかに低廉な4500万〜6000万ドルのレベルだ。

F15K墜落】「原因はパイロットの失神」

2006/08/19 朝鮮日報 アン・ジュノ記者

 今年6月7日に慶尚北道浦項沖に墜落したF15K戦闘機の事故原因は、「高まる重力加速度に耐えられず、パイロットが一瞬意識を失ったため」という調査結果が出された。事故機は6月7日午後7時42分に大邱基地を離陸、海上夜間迎撃訓練をしていた午後8時12分に海に墜落した。

 金銀基(キム・ウンギ)空軍参謀次長は18日、「事故原因は、飛行高度が低い状態で操縦士が高度を上げようとして、一瞬、重力加速度に耐えられず意識を失い、海に墜落したものと解明された」と述べた。金参謀次長は「機体とエンジンには欠陥は発見されていない」としている。事故原因は機体の欠陥ではなく、パイロットの失神と分かったことで、欠陥で墜落した場合にボーイング社から受け取ることになっていた1億ドル(約116億円)の補償は受け取れなくなった。

【F-15K墜落】機体欠陥墜落時の補償内容とは

2006/06/12 朝鮮日報

 韓国国防部と米ボーイング社が、韓国空軍の次世代主力戦闘機F-15Kの配備後2年以内に機体の欠陥が原因で墜落した場合、最大1億ドル(約114億円)の補償が支払われる契約をしていたことが確認され、その補償内容に注目が集まっている。

 本紙が11日に入手した契約書によると、「販売者(ボーイング社)が韓国空軍に機体を引き渡してから2年以内に、販売者が保証する部品などの欠陥によって機体の80%以上が損傷する事故が発生した場合、最初の事故に限り最大1億ドルを補償する」となっている。

 また、契約書では機体の損傷による交換費用が1億ドル未満の場合、韓国空軍は新しい戦闘機1機または相応の金額を受け取ることとなっている。1億ドル以上の場合には、超過費用を韓国空軍が負担して新しい戦闘機を購入するか、現金1億ドルを受け取ることとなっている。

 この契約は最初の事故に限定したものとなっており、その後にF-15Kの墜落事故が起きた場合には、事故原因の調査結果を受けて協議を通じ補償額を決めることとしている。軍関係者は「1997年から2002年にかけ、KF-16戦闘機がエンジンの欠陥で相次いで墜落したが、補償を受ける上で困難を極めた」として、「F-15Kでは補償に関する条項を契約書に明記した」としている。

 ところが、今回の事故がボーイング社の補償していない部品の欠陥によって発生したとすれば、補償問題はすんなりとはいかない。F-15Kのエンジンは米国のGE(ゼネラル・エレクトリック)社製で、最大4800万ドル(約55億円)の補償を受けられる。しかしエンジンの欠陥で墜落し機体が大破した場合、機体全体に対する補償規定はなく、さらなる協議が必要となる。また、エンジンの生産は韓国内のS社がライセンス契約を結んで行っている。このため、事故原因がエンジンの欠陥にあるとすれば、S社とGE社のどちらで製造されたかによって、責任の所在と補償主体が違ってくる。外形上、エンジンの契約主体はS社だが、今回の事故機のエンジンはGE社で製造されたものをS社が購入し納入したことになっており、エンジンに欠陥があったことが確認された場合、S社が求償権を行使し、GE社が補償責任を負うことになるとみられる。

 KF -16がエンジンの欠陥で墜落したときは、S社と米P&W(プラット・アンド・ホイットニー)社が責任をめぐって攻防を繰り広げたが、P&W社に過失があるとの結論に至った。当時、P&W社はKF-16の1機分の価格にも満たない2400万ドル(エンジン二つと一部の部品など)を補償した。なお、事故の原因が操縦士の錯覚などの他の原因であったとすれば、補償を受けることはできない。ユ・ヨンウォン記者

墜落したF−15Kを探して…米中日ロが激しい情報戦

2006.06.10 中央日報 金aソック(キム・ミンソック)軍事専門記者 <蔡秉健(チェ・ビョンゴン)記者

7日午後8時20分、東海(トンへ、日本名・日本海)で訓練中だった空軍F−15Kの5号機(1機当たり約100億円)は韓国・日本・中国・ロシアのレーダーから同時に消えた。 各国の情報機関は戦略戦闘機F−15Kの墜落に注視している。 この戦闘機は日中ロが保有する各機種の中でも最高性能機種。 長距離全天候空襲が可能な戦略武器である。 周辺国に対する「牽制力」と「報復力」を持つ。 F−15Kは米ボーイング社が製造するF−15Eの「韓国型バージョン」。 購買国はF−15Eを少しずつ改良し、各国の英語表記に合わせてF−15J(日本)、F−15K(韓国)などと命名する。

米国はF−15Eを誰にでも売るわけではない。 自国の助けになるよう友邦に売り、徹底した経済的・軍事的利益を得る。 購買国は数十機に数十億ドルを投じながら周辺国に対する牽制力を確保する。 購買国の周辺では「なぜ買ったのか」をめぐり緊張が高まる。 F−15Kには国際政治・軍事学が含まれている。 このF−15Kが墜落したことで、北東アジアの関心が集まっているのだ。

最も緊張しているのはソウルに派遣された各国の武官らだ。 F−15Kの5号機が墜落すると、一部の国の武官らは一斉に諜報アンテナを稼働した。 軍関係者は「外国の武官からF−15K墜落に関する質問が来ていると聞いている」と語った。 各国の情報機関は米中央情報局(CIA)、ロシア連邦保安局(FSB)、中国国家安全部(MSS)、日本内閣情報調査室などがある。 製作社のボーイングも技術担当責任者を韓国に急派した。

◆同盟国だけに売る=F−15Eはこれまでサウジアラビア・イスラエル・日本・韓国・シンガポールに導入されたり、または導入が予定されている。 サウジアラビアは中東内の米国の友邦だ。 イスラエルは03年8月に米国から購入したF−15E戦闘機を2900キロ離れたポーランドまで飛ばした。 1300キロ離れたイランに対し「核開発をすれば空襲もある」という点を示したのだ。 F−15E系列戦闘機を米国に次いで多く保有する国が日本だ。 韓国のF−15Kは対北朝鮮防御力拡大が優先的任務。 しかし長期的には北東アジア国家に対する牽制力として機能するはずだ。 米同時テロ以降、東南アジアで反米イスラムテロ組織が勢力を拡大すると、昨年、米国とシンガポールはF−15Eのシンガポール導入を決めた。 国防研究院のチャ・ドゥヒョン国防懸案チーム長は「F−15Kのような先端武器を米国がイランやベネズエラなど敵対国に売ることなど想像もできない」と語った。

◆日本保有機より性能高い=F−15Kは北東アジアで戦闘力が最も優れた戦闘機とされる。 米空軍の主力戦闘機F−15Eに改良されたレーダーと各種装置を搭載した。 日本が保有するF−15Jと外見は似ているが、性能はもっと優れている。 敵機を追跡する能力が高く、新型ミサイルを使用する。 中国とロシアのSu−系列戦闘機よりも空中戦や地上攻撃力が一枚上という評価を受ける。 イラク戦争のようにF−15Kは敵陣に入り込み、合同直撃弾(JDAM)やバンカーバスター(バンカー破壊爆弾)で相手の指揮部や主要軍事標的を攻撃できる。 F−15Kに初めて搭載されるSLAM−ER長距離空対地ミサイルは、人工衛星や無人偵察機がとらえた資料を受けて標的を精密攻撃する。 このミサイルは280キロ離れた場所から時速60−70キロで走行する自動車を破壊できる。

F−15K墜落の原因、究明まで長期化の見通し

JUNE 10, 2006 東亜日報

7日、慶尚北道浦項市(キョンサンブクド・ポハンシ)の沖合いで夜間飛行訓練中に墜落したF−15Kの事故原因について、操縦士の飛行錯覚(vertigo)と機体の欠陥、整備部門のミスなどをめぐり、議論が白熱している。

特に、事故が発生して2日が経過したにもかかわらず、墜落原因を究明する決定的な端緒である飛行記録貯蔵装置(ブラックボックス)が回収されず、議論がさらに増幅するものと見られる。

9日、空軍によると、事故機に乗り込んでいた故金ソンデ中佐は、墜落直前、落ち着いた音声で「任務中止」という交信を残したことが確認された。この交信の後、事故機は海に向かって下降したものと推定される。

操縦士によると、「任務中止」は通常、戦闘機の操縦士が一回の訓練を終えて、次の訓練へ移行する直前か、訓練中に異常が発生した際、仲間の操縦士と地上の管制所に送る用語だという。

空軍側は、金中佐が落ち着いた声で交信した点から見て、操縦士が夜の海と空を瞬間的に混同する飛行錯覚に落ちて、次の訓練のため、旋回する過程で海に墜落した可能性に多少重きを置いている。しかし、ベテランの二人の操縦士が同時に飛行錯覚を起こす可能性は極めて低いため、疑問が提起されている。

機体欠陥の場合、大きくエンジンの欠陥と操縦系統の欠陥を想定することができる。F−15機種では初めてジェネラル・エレクトリック社(GE)のエンジンが装着されたF−15Kのエンジン系統に異常が発生して機体が空中で爆発した可能性があるということ。

しかし、タク・ヒョス空軍政訓公報処長は「当時、ほかの飛行機に乗って周辺を飛行した操縦士もおり、事故機の飛行記録を見ると、(空中爆発は)明らかに事実と違う」と述べ、可能性を一蹴した。

また、操縦系統の異常で機体が急激に旋回する場合、ものすごい重力加速度によって操縦士が瞬間的に意識を失い、操縦不能の状態で墜落する可能性があるというのが専門家の話だ。これとともに、F−15Kの膨大な整備マニュアルのハングル翻訳本がない状況で、整備ミスの可能性も一部で提起されている。

空軍は事故原因がどのように結論づけられようとも、波紋を懸念している。機体の欠陥として結論づけられれば、製作社から事故機の補償はもらえるが、今年14機を含めて08年までに36機のF−15Kを導入する次世代戦闘機(FX)事業に致命的なダメージが生じ、今後、空軍力の増強計画にも支障が避けられなくなるためだ。

また、墜落原因究明の決定的な端緒であるブラックボックスを回収できていない状態で、操縦士の飛行錯覚として結論が出される場合、遺族の反発はもちろん、調査結果の信憑性にも疑問が提起される恐れがある。

【社説】1機1千億ウォン、次世代主力戦闘機の墜落

2006/06/09 朝鮮日報

 7日夜、東海(日本海)上での夜間飛行訓練中に空軍のF-15K戦闘機1機が墜落し、操縦士2人も死亡した。F-15Kは韓国空軍の次期主力戦闘機として昨年10月、米ボーイング社から今回の事故機を含む4機を先行配備し、試験飛行を行なっていたところだった。F-15Kはボーイング社が70年代から生産しているF-15シリーズの中で最新鋭の機種であり、2008年までに40機を配備する予定。F-15Kの価格は1機当たり1000億ウォン(約120億円)に達し、今後40機の配備にかかる予算は維持費も含め5兆6000億ウォン(約6680億円)に上る。

 1990年以降に墜落した空軍戦闘機は全部で28機。その大部分が韓国空軍の主力であるF-4、F-5だった。この古い戦闘機を一新しようと思い切って導入したのがF-15Kであることを考えると、今回の事故には当惑せざるを得ない。

 事故原因は現在のところ不明。しかし、事故幾に乗っていた2人の操縦士は、空軍パイロットの中でも選び抜かれた最精鋭のパイロットだ。それほどのベテラン・パイロットが低空飛行という程でもない1万フィート(約3000m)の上空で、海と空を錯覚するミスを犯したとは思えない。たとえ操縦士が一時的に混乱に陥っても、操縦かんを置けば自然にバランスを取る最先端機能を備えているのがF-15Kだ。

 それゆえ、今回の事故原因はいくら時間がかかっても徹底的に究明しなければならない。万が一、機体の欠陥が判明すれば、空軍の戦力増強事業は全体を見直さざるを得なくなる。その上、F-15Kは空軍次期戦闘機(F-X)事業評価団からフランス・ダッソー社のラファールより性能が若干劣るという評価を受けながらも、韓米関係などを考慮した総合評価で配備が決まり、非難を受けた機種だ。また、機体はF-15Kを選択したのに、エンジンは従来のPW(プラットアンドホイットニー)ではなく、GE(ジェネラルエレクトリック)製品を装備した点についても、一部に釈然としない話があった。あらゆる疑惑を解消するためにも、今回の事故原因の調査は遺漏のないよう、万全を期さなければならない。

 経済的損失も問題だが、何よりも韓国領空の防衛と国家の安全保障がかかった重大な事業だ。F-15Kを納入したボーイング社よりも、我々がより能動的かつ積極的に調査に当たらなければならない。正確な事故原因が究明されるまで、F-15Kの導入スケジュールをいったん中断すべきである。

米の最新鋭戦闘機F22「日本への輸出有力」 専門紙

2006年02月20日 asahi.com

 米空軍の最新鋭戦闘機F22ラプターを日本へ輸出する案が空軍内部で検討され、有力になりつつあると、空軍関係専門紙が18日までに伝えた。機密性の極めて高い先端軍事技術が多用された軍用機で、これまで他国と共有することには否定的だったが、日米同盟関係の緊密さを優先させる判断に基づく方針転換とみられる。ただし、巨額のコストなど課題は多く、日本側が受け入れるかどうかを含めて今後の曲折が予想される。

 軍事産業業界のニュースレター「インサイド・ジ・エアフォース」の最新号によると、主製造社のロッキード・マーティン幹部が対日輸出について「まだ最高レベルの検討には及んでいないが、そこへ向かいつつある」と述べたという。

 同紙によると、日本の防衛当局者もF4戦闘機の後継としてF22に関心を持っており、同社や空軍と協議したことを認めた。年内に米国へ航空自衛隊の調査担当者を派遣する方針も示したという。

 F22は、レーダーに捕捉されにくいステルス性と超高速巡航能力を兼ね備えた高性能戦闘機として90年代から開発されてきたが、冷戦の終了で計画が縮小され、現時点では合計約180機調達が予定されている。昨年12月に初めてバージニア州ラングレー空軍基地に実戦配備されたばかり。

 同紙によると、1機の調達価格は約1億3000万ドル(152億円)で、同社幹部は日本側にもほぼ同様の価格を提示しているという。

次世代戦闘機F35の技術供与 米英首脳が一致

2006/05/27 The Sankei Shimbun
 

 ブッシュ米大統領とブレア英首相は26日、共同声明を出し、米英両国などが開発を進める次世代のF35戦闘機の最新技術供与や、軍事面での協力強化で一致したことを明らかにした。

 共同声明は、米国にとってイラク、アフガニスタンでともに戦う英国ほど「緊密な同盟国はない」と指摘。泥沼化するイラク情勢で国内の支持が揺らぐ両首脳には、対テロ戦争での結束をあらためて確認する狙いがあるとみられる。

 F35戦闘機をめぐっては、レーダーに捕捉されにくいステルス性能などの最新技術の供与が不十分として英側の不満が噴出。英企業が受注した開発計画の縮小についてもブレア首相が撤回を働き掛けた経緯がある。

 共同声明では、米側から英側へのF35の技術供与での協力のほか、関連する最新技術の流出防止でも一致。また、軍事情報活用のためコンピューターネットワークの協力で合意した。

 ロイター通信によると、米英などは2027年までに約2700億ドル(約30兆円)をかけてF35戦闘機を開発、2500機以上を調達する計画とされる。(共同)

「東アジア最強」F-15K、20機を追加導入へ

2006/05/18 朝鮮日報

 国防部と空軍は、2008年までに40機導入される予定のF-15K戦闘機を、2009年からさらに20機ほど追加導入する案を推進していることが確認された。

 軍消息筋は17日、「尹光雄(ユン・クァンウン)国防長官主宰でこの日、行われた第3回防衛事業推進委員会で、約2兆ウォン(約2370億円)のF-15クラス戦闘機20機の導入案を含む‘2007-2011年国防中期計画案’を審議、議決した」と述べた。

 この消息筋によると、次期戦闘機導入計画の名称は‘F-15クラス’導入事業となっているが、実際にはF-15K戦闘機40機導入事業の後続事業としてF-15Kを追加導入するものだとのことだ。国防中期計画案は盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領の承認を経て最終確定する。

 空軍は当初、2009年以降に40機のF-15K追加導入計画を推進していたが、予算不足のため結局20機に減った。20機の追加導入が決まれば、60機規模のF-15K飛行隊が組まれる。

 F-15K戦闘機は米ボーイング社の製品だ。昨年末以降、5兆5000億ウォン(約6500億円)の韓国型ヘリコプター(KHP)事業がヨーロッパ製に決まるなど、現政権になってからは武器導入に関し脱米国の動きがある中、今回の追加導入推進は注目される。

 特に機種選定を控えている空中早期警報統制機(E-X)事業で米ボーイング社のE-737とイスラエル・エルタ社のG-550が熾烈な争いを繰り広げている中、韓国政府はイスラエル製に有利な方向で選定過程を進めているという指摘が出ていたため、F-15Kの追加導入がE-X機種選定に与える影響も関心を引いている。

 F-15Kは中国のSU-30MKKや日本のF-2・F-15C/Dなど中日の最新鋭機をしのぐ東アジア最強の戦闘機と評価されている。

 最大速度マッハ2.5、戦闘行動半径1800qで、韓半島(朝鮮半島)全域はもちろん、周辺国の主な地域を行動半径に入れている。独島上空まで進出しても約30分は空中戦を行うことができる。休戦ライン近くにある北朝鮮の長距離射程砲陣地の攻撃に効果的な合同直撃弾(JDAM)など、各種ミサイルや爆弾10.4トンが搭載できる。

米ロッキード、最新鋭F35戦闘機の生産開始へ・国防総省が承認

2006/04/10 NIKKEI NET
 

 【シカゴ=山下真一】米防衛最大手ロッキード・マーチンは、国防総省から次世代戦闘機「F―35」の初期生産の承認を得た。まず米空軍向けに5機の製造準備に入る。来年、生産を開始し、2009年に1号機を納入する予定だ。議会はコスト、技術両面を不安視し生産開始を遅らせるよう求めていた。

 F―35は超音速で、レーダーに捕捉されにくいステルス性能も備える最新鋭機。空軍、海軍用など3種類の戦闘機を製造する。実戦配備する10年以降は既存のF―16などに代わる主力戦闘機になる。契約額は当初の見積もりで2500億ドル超と、国防総省が発注する案件で過去最大。

 開発には米、英が共同で当たっており、両国だけで2000機以上購入する予定。ほかの開発パートナーのイタリア、カナダなど7カ国も購入に動く可能性があり、海外で2000億ドルの売り上げを見込んでいる。

 国防総省は01年、空軍、海軍が共同配備する戦闘機開発のための選定作業を行い、F―35を選んだ。

次期戦闘機候補は6機種 米・英・仏に質問書

2006/03/19 FujiSankei Business i.
 

 航空自衛隊F4戦闘機の後継となる次期主力戦闘機(FX)の選定で、防衛庁が候補機選定のための調査対象を六機種に絞り、米、英、仏の国防当局に性能などを問う質問書を送付していたことが十八日、分かった。機種選定の条件として「日米のインターオペラビリティー(相互運用性)の確保」を挙げていることも判明した。同庁は二〇〇六年度中に調査員を米、欧州に派遣する。

 防衛庁は中期防衛力整備計画(二〇〇五−〇九年度)期間中に、老朽化で〇八年度に減数が始まるF4の後継機を七機調達することを決めている。

 機種選定は航空幕僚監部の次期戦闘機企画室を中心に進めており、今月上旬に質問書を各国の在日大使館を通じて送付した。

 対象に挙がった六機種は、米国の最新鋭F22A戦闘攻撃機と、米英などが共同開発する次世代高性能戦闘機F35、米海軍の最新鋭攻撃機FA18、日本向け仕様として開発中の米戦闘機F15FX、欧州戦闘機ユーロファイター、フランスのラファール。

 後継機導入に当たり同庁は、中国やロシアの最新鋭機を上回る性能のほか、米軍の主要艦艇との情報交換システム「リンク16」との連接、有事や合同演習での日米共同対処に支障がないことなどを求めている。現時点ではF22が有力視されている。

 防衛庁は〇六年度予算に、海外調査費として約七百万円を計上。メーカー側が公開していない各戦闘機のステルス性やレーダーの有効射程などを照会し、今年十月にも調査員を派遣する。その後、メーカーに運用などに関するさらに詳しい説明を求めて候補機を絞り込み、〇八年度以降、調達に着手する計画だ。

 同庁は「次期戦闘機を検討する上で、必要な資料を収集するため、最新の技術が適用されている諸外国の戦闘機を対象に質問書を出した。情報収集の一環で、候補機種が決まったわけではない」としている。

             ◇

【用語解説】航空自衛隊の戦闘機

 F15戦闘機(203機)、F4戦闘機(92機)、F2支援戦闘機(58機)の3機種。防衛政策の基本方針として2004年に策定された防衛大綱は、空自の戦闘機数を260機としている。1機約120億円と費用が高騰したF2は性能に比べコストが高く、調達は98機で打ち切られる。F4は三沢基地(青森県)、新田原基地(宮崎県)、那覇基地(沖縄県)に配備されている。

米、次世代戦闘機の開発計画縮小 F35、予算2000億円削減

2006/02/08 The Sankei Shimbun

 ラムズフェルド米国防長官は7日、上院軍事委員会の公聴会で証言し、2007会計年度(06年10月―07年9月)の国防予算案に関連し、次世代のF35戦闘機をめぐり当初開発計画の一部を縮小、約18億ドル(約2100億円)の予算削減を行ったことを明らかにした。

 国防総省は英ロールスロイス社などが受注した同戦闘機の代替エンジン開発の中止を検討。ブレア英首相がブッシュ米大統領に開発継続を求め、「直談判」していたが実らなかった。

 国防総省は国防費として前年度比6.9%増の約4393億ドルを要求。ただ長引くイラク駐留の影響もあり、F35計画の一部が撤回となったことで、緊密な米英関係に水を差した格好だ。

 公聴会で国防長官は「正しい決定だと考える」と主張。ウォーナー委員長(共和党)が「英国はイラクでの最も確固としたパートナーだ。注意深い配慮が必要だ」とくぎを刺す一幕もあった。

 ブレア首相はブッシュ大統領への書簡で、開発中止は米英の「戦略的協力」を脅かすと継続を要請していた。(共同)

WSJ-米国防総省の緊縮予算に身構える防衛産業各社

2005/10/20 livedoor ファイナンス

ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)防衛産業にとって利益のあがるはずの季節が始まるが、とても祝うような雰囲気はない。狙いをつける今年の国防総省予算が数年ぶりというような緊縮予算だからだ。

 防衛産業各社の経営幹部と投資家は、財政赤字の抑制とイラクとメキシコ湾岸地域をおそったハリケーンによる巨額出費の埋め合わせのため、ブッシュ大統領が国防総省予算の大幅切り詰めを検討しているとして、影響が出てくることに身構えている。米防衛大手ゼネラル・ダイナミックス(NYSE:GD)が19日、7−9月期(2005年12月期第3四半期)利益が16%増加したと報告したが、こうした喜びにも冷や水がかかる。

 先を見ると、見通しは一段と暗い。国防総省高官は、同省は2007年度から2012年度までの防衛予算計画は年額100億−150億ドルの縮小を目指しているという。イラクでの作戦が継続されることを前提にすると、現在の軍のニーズを削減するかわりに、武器プログラムでどこか削れるところはないかと探し回るだろう。

 いつも地元の職業確保に熱心な議会からの政治的な圧力と戦争をしているという事実で、大幅な削減は回避できるかもしれない。昨年はそうだった。国防費予算を2011年まで300億ドル削減する案は、議会の力で多少は押し戻された。

 防衛費削減があったとして、どの企業が一番大きな影響を受けるのかがわかるのには、少し早すぎるかもしれない。ワシントンの専門家筋は、戦艦や戦闘機がもっとも危ういと指摘する。米防衛機器メーカー大手ノースロップ・グラマン(NYSE:NOC)は最近、メキシコ湾岸の造船所がハリケーンによる損害を受けたため2005年の通期利益見通しを下方修正したが、次世代海軍駆逐艦「DDX」が、予算削減の俎上にのれば再度打撃を受けるかもしれない。また、ロッキード・マーチン(NYSE:LMT)のF35統合攻撃戦闘機(JSF)や、ボーイング(NYSE:BA)の1250億ドルの「フューチャ・コンバット・システム」(FCS)計画も検討の対象だ

 売上高ベースで防衛産業最大手のロッキードは、今年に入って当初の5ヶ月は株価が20%上昇した。しかし、予算緊縮の懸念が出ると5月の末からは4%下落した。もし、2007年度予算で、投資家がおそれているほどには統合攻撃戦闘機(JSF)予算が削られないとすれば、ロッキードの株価は反発に転じるかもしれない。ロッキードの19日株価終値は、前日比1.82ドル(2.99%)高の62.71ドルとなった。株式の時価総額は270億ドルだ。

 ゼネラル・ダイナミックスは、今年は年初来ほぼ19%高だ。予算の過程からの影響をほとんど受けていない銘柄だ。陸軍向けの売り上げが多いことが理由だ。過去予算で優遇されていた空軍や海軍と異なり、陸軍には予算削減の影響はさほどない。ゼネラル・ダイナミックスの19日終値は前日比1.14ドル(0.95%)高の121.06ドルとなった。時価総額は240億ドルだ。

 「予算の数字がどういう結果になるとしても、(防衛産業各社の)利益は、S&P500種株価指数に採用されている各社の利益成長率を上回ることになるだろう」とTロウ・プライスのファンド・マネージャの防衛産業アナリスト、ティム・ベイ氏は言う。さらに2007年にかけてもイラク戦争の補正予算割り当てがからも利益が上がるだろうとも付け加えた。(Tロウ・プライスは現在、ロッキード、ゼネラル・ダイナミックス、レイセオンの株式を保有している)。

最新鋭戦闘機「F-15K」2機が韓国に到着

2005/10/08 朝鮮日報

 次世代の韓国領空防衛の主役となる最新鋭の戦闘機F-15Kの最初の引渡し分にあたる2機(第3・第4号機)が7日、城南(ソンナム)空軍ソウル空港に無事到着した。これによって空軍は21世紀型先端戦略軍という目標に向けて力強く羽ばたき始めた。

 同日の午後12時47分頃、ソウル空港の滑走路には、秋雨が降る中、北側の上空に小さな明かりが見えたかと思うと、あっという間に濃いグレーのF-15K第3号機が滑るように軽く着陸した。5分後、続いて第4号機が着陸した。

 今月2日、米国セントルイスに位置するボーイング工場を出発したF-15K第3・第4号機は、米空軍のKC-135空中給油機から6回の空中給油を受けて延べ1万5962キロメートルを飛行してきた。

 戦闘機のパイロットは米ボーイング社側のパイロットが担当し、後方シートには韓国空軍のパイロットのイ・ヨンス(38)少領(日本の航空自衛隊の3等空佐に当たる)と米国側武装統制士が搭乗した。ある領官(自衛隊の佐官に当たる)クラスの将校は「世界最強の戦闘機であるF-15Kを韓国が保有するとは、本当に感無量」と述べた。

 この第3・第4号機は今月18日から23日、ソウル・エアショーで公開された後、来月空軍に正式に引き渡される予定だ。空軍は年末までにF-15K4機を導入し、来年は8機、2007年に16機、2008年に12機の合わせて40機を導入する計画だ。

 最大速度マッハ2.5で飛行するF-15Kは、戦闘半径が1800キロメートルに達するため、韓半島全域をカバーでき、空軍の能力を一段階レベルアップさせる最先端の新兵器だ。特に、全地球測位システム(GPS)を利用した精密攻撃直撃弾と最大射程距離が278キロメートルに達するSLAM-ER空対地ミサイル、ハープーン空対艦誘導弾、180度まで迎撃することができる最先端AIM-9Xサイドワインダー空対空ミサイルなど、恐るべき装備を備えている。

 空軍は2006年までF-15K戦闘機を操縦するパイロット訓練を行い、2007年9月頃、領空防御に投入する計画だ。また空軍は、1960年代に導入し、老朽化したF-4Dファントムおよそ40機を2011年までに順次引退させる予定だ。

 空軍の関係者は、「2008年にF-15Kの配備が完了し、また最近量産に突入した国産超音速航空機T/A-50が2007年に投入されれば、空軍は最新鋭の長・短距離戦闘機を保有する戦略空軍に生まれ変わるだろう」と述べた。

韓国軍の次期戦闘機公開 竹島警備に投入の可能性も

2005/10/07 The Sankei Shimbun

 韓国国防省は7日、空軍の次期戦闘機として導入し、製造元の米ボーイング社から初めて引き渡されたF15K戦闘機を、ソウル近郊の空港で報道陣に公開した。2008年までに計40機の引き渡しを受け、順次実戦配備する。

 韓国メディアによると、F15Kは従来型よりレーダー性能などが改良され、最高速度はマッハ2.5。行動半径は1800キロで、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権が進める「自主国防」計画の一環を支えるほか、竹島(韓国名・独島)警備に投入する可能性もあるという。(共同)

次世代戦闘機F15Kが韓国入り

2005.10.07 中央日報

空軍の次世代戦闘機の主力機種、F−15Kが7日、京畿道城南(キョンギド・ソンナム)のソウル飛行場に着陸している。 F−15Kの強みは、軍の情報リンクシステムを通じて、攻撃する目標を確認し、使用する兵器を自動的に決定できるところ。 また、大田(テジョン)から平壌(ピョンヤン)まで届く距離278キロの外から、半径3メートルの標的を命中させるSLAM−ERを使用できるなど各種の先端兵器が装着される。 この日、到着したF−15Kは初めて引き渡される2機で、空軍は次世代戦闘機事業として08年まで総40機を導入する予定だ。

F35戦闘機共同開発 イスラエルの参加を「制限」

2005年04月17日 The Sankei Shimbun

米非難「中国に技術流出」

 【ワシントン=近藤豊和】米英など十一カ国が参加する次世代高性能戦闘機、F35の国際共同開発をめぐり、イスラエルから中国に技術が流出しているとして、米国がイスラエルの参加を制限したことが分かった。米政府高官が十五日、ロイター通信に明かした。

 同高官は、「F35のいくつかの技術や情報について、(イスラエルとの)共有には望ましくないものがある。イスラエル経由で中国に技術が渡るのは不適切だ」と指摘し、イスラエルが技術移転の合意事項に違反していると非難している。

 中国の軍事力近代化を憂慮する米政府は、イスラエルとの間で、中国への先端軍事技術の移転をめぐりここ数年、見解の相違が目立っている。

 ここ数カ月、米国防総省幹部らはミサイルや軍艦の性能向上用予備部品がイスラエルから中国に流出している点も重要な問題としている。米、イスラエル間の軍事技術交流は大きいだけに、さらに別の技術へと対中問題が広がる可能性もある。

 米国兵器の国際共同開発に関しては、欧州連合(EU)が中国への武器禁輸を解除した場合にも対中技術流出問題が浮上してくる恐れがある。

 米国内では、欧州が「ただ乗りしている」(ナイ・ハーバード大教授)との批判もある。米国はアジアの安全保障に多大の貢献をし、日本など同盟諸国とともに対中関係全般に神経を配っているのに対し、欧州などは対中輸出促進を優先するあまり地域の安定を考慮したりすることに乏しいとの見方である。

      ◇

 ≪F35≫ 米国の海軍、空軍、海兵隊が共通配備を目指している攻撃戦闘機。レーダーに捕捉されにくいステルス機能を持ち、将来の無人戦闘機開発までの、最後の有人超音速戦闘機開発になるとみられている。米ロッキード・マーチン社が開発を受注し、英国、イタリア、オランダ、トルコなどの8カ国が国際共同開発に全面的に参加し、イスラエルなど2カ国が部分的に参加している。

HOME政治・経済・社会防衛省・自衛隊/国