TOPIC No. 2-63 首都機能移転構想

01.首都機能移転について
02.首都機能移転のお話
03.首都機能移転 三地域連絡協議会

首都移転は6兆円の赤字 都が試算

2000.11.02(21:42)asahi.com
 首都機能移転に反対している東京都は2日、候補としてあがっている3地域に首都が移転した場合の投資と効果の試算から、費用対効果は最大でマイナス6兆円強にのぼり、「経済的妥当性がない」との結論を発表した。石原慎太郎知事は「首都移転はばく大な税金の無駄遣い。都のデータを参考にして、くだらない国家プロジェクトについて反省してもらいます」と語った。

 都政策報道室によると、国が費用対効果の試算をしていないことから、都独自で試算した。「栃木・福島」「岐阜・愛知」「三重・畿央」の3地域に首都機能を移した場合の公共投資額と、効果額を算出した。

 移転費用の中には、新都市の建設費や引っ越し代、新都市への訪問費、通信費の増加を盛り込んだ。「栃木・福島」は8兆337億円、「岐阜・愛知」が9兆7926億円、「三重・畿央」が9兆8640億円かかるとしている。

 一方、効果としては執務・居住空間の拡大、現在の首都圏や新都市での通勤の改善、交通渋滞の緩和、移転跡地の利用などの項目を取り上げ、3地域とも3兆5350億円とした。

 この結果、移転の費用対効果は3地域ともマイナスとなり、三重・畿央が最大でマイナス約6兆3000億円となったという。

首都機能移転に積極対応

2000年3月6日 11時27分
 中山正暉国土庁長官は6日午前の参院予算委員会で、首都機能移転について「民間調査では、30兆円から,100兆円の経済効果があると指摘されている。国土再編成のためにも意義があり、引き続き必要な検討を積極的に続けていきたい」と述べ、前向きに推進する考えを強調した。

首都機能移転、静観する中央財界=根強い反対論に配慮

99年12月29日 14時53分 時事通信社
 政府の国会等移転審議会が移転先候補地に関する答申をまとめたが、地方の経済団体が答申を高く評価するのとは対照的に、中央の財界には「東京をどうするのかを考えず、まず移転ありきで議論するのはどうか」(小林陽太郎経済同友会代表幹事)と冷ややかな反応が広がっている。バブル期に盛り上がりをみせた推進論は勢いを失い、国会の論議を静観する構えだ。 

年明けにも全国で意見交換

1999年12月20日 20時15分 共同通信社
 国会等移転審議会が、20日、栃木・福島地域など事実上、3地域の首都機能移転候補地を小渕恵三首相に答申したのを受け、移転先を最終決定する国会は、特別委員会が年明けにも全国で意見交換会を開くなど移転の是非も含め議論を活発化させる。

モデルより1〜2000億円増

1999年12月21日 19時12分 共同通信社
 国会等移転審議会の事務局は21日、答申で首都機能移転候補地になった栃木・福島(那須・阿武隈)と岐阜・愛知(東濃・西三河北部)、三重・畿央(滋賀、京都、奈良)の3地域について試算した移転費用をまとめた。国会を中心に新都市人口約10万人の段階で、栃木・福島が4兆2000億円、岐阜・愛知は4兆1000億円、1997年10月に地域を限定せず、モデル的に試算したときは4兆円だった。

石原都知事「首都移転構想は必ず空中分解」

2:01p.m. JST December 20, 1999
 国会等移転審議会が首都機能の移転先候補地を事実上3地域とする答申をまとめたことについて、東京都の石原慎太郎知事は20日、「この飛行機(移転構想)は必ず空中分解するよ。衆院選でも論点になるだろう。候補地をばらまいてご当地ソング(選挙対策)をする代議士がいても、大衆はそれほどばかじゃない。選挙を踏まえた動きの中で近い将来キャンセルされると信じている」などと語った。また、別紙に「移転先選定は時期尚早」などとする意見が付いたことについて、「東京がノーと言ったことが良かった。(17日に開いた移転反対の)大会もインパクトがあった。小渕総理も重く受け止めるでしょう」と述べた。

首都機能の移転先候補地に「栃木・福島」「岐阜・愛知」

2:00p.m. JST December 20, 1999
 国会等移転審議会(森亘会長)は20日、首都機能の移転先候補地を事実上3地域とする答申をまとめ、小渕恵三首相に提出した。答申は「栃木県那須・福島県阿武隈」「岐阜県東濃・愛知県西三河北部」を候補地に選定。「三重・畿央」は高速交通網の整備などを条件に、将来候補地となる可能性があると準候補地扱いにした。準候補地とみられていた「茨城県中北部」は最終調整の結果、栃木・福島地域と連携し、補完する役割を担う地域とした。

 今後は国会が移転の是非を含め最終決定する。複数の候補地が答申されたうえ移転反対論も根強いため、審議が長引くのは確実だ。

 答申は三重、滋賀、京都、奈良の4府県境にまたがる畿央など10地域について、地震に対する安全性など16項目の総合評価点を明らかにしている。

 500点満点で1位の栃木・福島が353点、2位の岐阜・愛知が340点だった。3位は茨城で333点、4位は宮城県南部で320点、5位の静岡県西部・愛知県東三河南部が316点。三重・畿央は6位で302点。(単独地域としての福島、栃木、三重、畿央を除く)

 これを参考に地域の特徴などを多角的に検討した結果、上位2地域の優位は動かず、同格扱いの候補地に選ばれた。三重・畿央は京都や奈良の文化的集積を活用できるという地域的特徴に加え、将来のリニアモーターカーなど新たな高速交通網の整備を条件に、候補地となる可能性を秘めているとされた。

東京都、首都移転に反対し1万人集会

01:07a.m. JST December 18, 1999
 首都機能の移転に反対している東京都は17日、渋谷区の東京体育館で「首都移転に断固反対する国民大集会」を開いた。都内や首都圏の経済団体、自治体、移転候補地で反対している市民団体など、約180団体の9700人が会場を埋め尽くし、国会と政府に移転の白紙撤回を求める決議文を採択した。

 集会では、都選出の国会議員らに交じって、移転に反対している共産党の不破哲三委員長も顔をそろえた。

 移転反対表明に続き、「首都移転は第2の東京を造ることになる。その国費で『分都』の整備を」とする平松守彦大分県知事ら、他県の知事や市長のメッセージが紹介された。有力な移転候補地の1つである岐阜県東濃地区からも、自然保護などの観点から反対している市民団体がメッセージを寄せた。

 会場には、石原慎太郎都知事が親指を下に向けて「NO」のポーズをとるポスターが張り巡らされ、登壇した石原知事は「政府のえらい人が候補地をばらまいて3つも4つもつくられてはかなわない。日本の将来を考えたら、いかにばかなことを国政がしようとしているか。待ったをかけるために先頭を切って頑張ろう」と呼びかけた。

首都機能移転、4候補地答申へ 国会等移転審議会

10:30a.m. JST December 18, 1999
 国会等移転審議会(首相の諮問機関、森亘会長)は17日、首都機能の移転先候補地として(1)「福島県阿武隈・栃木県那須」と「岐阜県東濃・愛知県西三河北部」が適当(2)「三重・畿央」と「茨城県中北部」も将来、交通網の整備などの条件付きで候補地となる可能性がある、として計4地域とする方針を最終的に決めた。20日に小渕恵三首相に答申する。これを受けて、来年の通常国会から移転事業を実施すべきかどうか、移転するなら候補地をどこにするかなどの論議が始まる。東京都や東京都選出の国会議員を中心に移転反対論も根強く、国会審議は長期化しそうだ。

 審議会はこれまでに「宮城県南部」「静岡県西部・愛知県東三河南部」や三重、滋賀、京都、奈良の4府県境にまたがる「畿央」など10地域を選考。各地域の地震に対する安全性など16項目について総合評価し、点数で優劣を付けた。

 17日の最終選考で、評価点が1位の阿武隈・那須と2位の東濃・西三河北部については「候補地として適当」と認められた。3つ目以降の候補地を巡っては議論が噴出。結局、(1)三重・畿央は評価点が最下位に近いが、歴史と伝統文化など他の地域にない特徴がある(2)茨城県中北部は東京圏に近すぎるが評価点が3位と高い、として、ともに「将来、候補地となる可能性がある」とされた。答申の文章表現は森会長らに一任され、20日の審議会で最終決定し、ただちに小渕首相に答申される。

 国会等移転法に基づき1996年12月に発足した審議会は、現地調査や地方公聴会を実施するなど丸3年をかけた候補地の選定という任務を終え、今後、論議の舞台は国会に移る。来年の通常国会から、衆参両院の国会等移転特別委員会で(1)移転に関する国民の合意形成の状況(2)国の財政状態を含めた社会・経済の情勢(3)候補地と東京都との比較、などの点を審議し、移転が必要との結論になれば、移転先を法律で正式に決めることになる。

 移転推進派は「2004年度以降に『国会都市』の建設に着手し、2014年にも新しい国会議事堂で国会を開催する」と想定しているが、めどがついているわけではない。

首都機能移転 第2グループに静岡、宮城

1999年12月11日 9時44分 共同通信社
 国会等移転審議会が、首都機能移転の候補地選定で進めてきた総合評価の全体像が11日、明らかになった。順位は評価項目の重要度を表す「重み付け」の採用の仕方などで10程度のパターンに分かれているが、1位が那須・阿武隈地域、2位が東濃・西三河北部地域という順番は不動。3位から7位までの第2グループには那須、阿武隈、茨城中北部、静岡西部・東三河南部、宮城南部が入っている。

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