TOPIC No.2-62 ノック知事セクハラ訴訟

泣き出しそうに直立不動で判決を聞いた横山ノック被告

2000.08.10(14:00)asahi.com
 横山前知事は指先を伸ばした手を腰のわきにあて、直立不動の姿勢で判決主文の言い渡しを聞いた。午前10時3分。深く一礼した後、裁判長に促されて席に戻るとき、前知事の目元は今にも泣き出しそうに潤んでいた。

 席に着いた前知事は判決理由の朗読を聞きながら、右手で右目のあたりをぬぐい、続いて左手で顔の左半分をぬぐった。そして、鼻をすすった。被害者を逆告訴したことについて「このような態度が被害者をさらに傷つけるものであることはいうまでもない」と裁判長が触れたとき、うなずくように頭を縦に揺らした。それ以外は、読み上げが続く22分間、時折激しくまばたきしながら顔を裁判長に向けたまま、ほとんどみじろぎもしなかった。

 午前10時25分、裁判長は再び、前知事を証言台の前に立たせ、改めて「3年間、右刑の執行を猶予する」と告げ、「有罪ですから控訴できます」と付け加えた。前知事は小声で「はい」と返事した。

 午前10時40分、地裁北側の出口から約10人の地裁職員に囲まれて出てきた。報道陣から質問が飛んだが、顔をこわ張らせたまま、無言でワゴン車に乗り込んだ。その後、大阪市北区のホテルのレストランで、フランス料理のランチをとりながら、「温情判決だ」との感想を話したという。

横山ノック被告の公判結審 判決は8月10日に

2000.06.29(21:29)asahi.com
 昨春の大阪府知事選の期間中に、伴走のワゴン車内で選挙運動を手伝っていた女子大生の体に無理やり触ったとして、強制わいせつの罪に問われた前大阪府知事の横山ノック被告(68)に対する第7回公判が29日、大阪地裁(川合昌幸裁判長)で開かれた。

 最終弁論で弁護側は、知事の職を失うなど社会的制裁を受けていることや、民事裁判で敗訴した結果、被害弁償していることをあげ、執行猶予付きの寛大な判決を求めた。横山前知事は「何をおいても被害者に心からのおわびを申し上げたい」と述べた。

 この日で結審し、判決は8月10日午前10時から言い渡される。検察側は懲役1年6カ月を求刑している。

 弁護側は「知事でありながら、破廉恥な行為をしたことは非難されるべきだ」と述べる一方、「強制わいせつ罪は贈収賄などの職務犯罪とは異なる。知事であったために重い刑を科せられるのは相当でない」と主張。「横山前知事はどの世界にも復帰が見込めず、社会人としては完全に抹殺された」と訴えた。

 「被害者に直接謝罪していない」と批判されている点については、「手紙や面談で謝罪するよりも、法廷で述べた謝罪が報道によって被害者に伝わる方がふさわしいと考えた」と説明。被害者に対する慰謝料など1100万円の支払いについて検察側が「民事の敗訴に伴う当然の債務の履行にすぎない」と指摘したことに対しては、「反省・悔悟の情から被害弁償したもので、量刑上、最大限に考慮されるべきだ」と反論した。

 事実関係では、「休憩のために乗り移ったワゴン車で起きた偶発的な犯行で、さしたる抵抗がなかったから行為をエスカレートさせた。犯行時間も30分間ではなく10分間だ」と述べ、計画性や継続性を改めて否定した。

 検察側によると、横山前知事は去年4月8日午後5時半から約30分間、候補者カーに伴走のワゴン車が大阪府堺市を走行する間、後部座席に座っていた女子大生の隣に座り、被害者の下半身に毛布をかけたうえで無理やり体に触り、犯行後は口止めしたとされる。

「ノックは無用」 吉本興業が株主総会で縁切り宣言

2000.06.28(17:27)asahi.com
 吉本興業の株主総会が28日、大阪市中央区難波千日前の「なんばグランド花月劇場」で開かれ、強制わいせつ事件で起訴されている前大阪府知事の横山ノック被告(68)を今後、タレントとして使うかどうかの質問に対し、林裕章社長は「使うつもりは全くございません」と明言した。横山被告は個人事務所を持ち、知事在任中も事務所を通じてタレント活動を続けてきたが、吉本興業とは縁が深く、同社所属のタレントの間で大御所的存在だった。関西芸能界で圧倒的な力を持つ吉本興業が横山被告と「縁切り」を宣言したことで、同被告のタレント生命は事実上絶たれたとの見方が業界では一般的だ。  大阪の市民団体「株主オンブズマン」のメンバーが「横山被告は非常に当社と関係が深く長いと聞いている」と指摘したうえで、「会社が全国展開で伸びていくためには、こういう破廉恥な権力犯罪を起こした男に二度と活躍の場を与えないということですね」と同社の姿勢をただした。

 林社長は「現在の吉本ではタレントとして使う意思は全くございません」と答え、「役員一同の意見として述べさせていただきます」と付け加えた。オンブズマンが「執行猶予がもしついた場合でも復帰はありませんか」と念を押すと、林社長は「ございません」と繰り返した。

 関西の芸能界やテレビ業界などでは、横山被告の芸人としての能力を評価する声が高く、同被告が大阪地検から起訴されて知事を辞職した後も、復帰説が根強く流れていた。吉本興業内部にも「復帰を認めるべきではない」との厳しい意見がある一方で、「夏に裁判が終結するなら、来年の年明けだって(復帰が)早いということはない。舞台の方がやりやすいが、テレビだっていける」と復帰を後押しするような声もあった。

 実際、漫画トリオ時代の仲間である上岡龍太郎さんが初公判前後に、引退記念公演に横山被告をゲスト出演させようとしたり、マラソン参加後に「来年一緒に走ってみそぎをしよう」と呼びかけたりして、そのつどスポーツ紙などで話題になった。

 しかし、公判で横山被告の犯罪事実が明らかになるにつれて、まずテレビ業界で復帰を絶望視する空気が広がり、最近は自前の舞台を持つ吉本興業が同被告を受け入れるかどうかに関心が集まっていた。

横山ノック前大阪府知事に懲役1年6カ月求刑

2000.06.20(22:52)asahi.com
 昨春の大阪府知事選の期間中に、伴走のワゴン車内で選挙運動を手伝っていた女子大生の体に無理やり触ったとして、強制わいせつの罪に問われた前大阪府知事の横山ノック被告(68)に対する論告求刑公判が20日、大阪地裁(川合昌幸裁判長)で開かれた。検察側は「犯行は計画的で悪質。選挙運動用の車内で、現職知事の立場に乗じて女性運動員に対してわいせつな行為に及んだことが社会に与えた影響は極めて大きい」などとして、懲役1年6カ月を求刑した。今月29日に被告・弁護側の最終弁論が行われ、結審する。

 横山前知事の情状について、論告はまず「公人の自覚も責任感もなく、本能の赴くまま前代未聞の犯行に及んでおり、動機に酌量の余地はない」と指摘。「あからさまに抵抗できない立場と心理的状況に乗じた犯行は執ようで、女性の性的自由の侵害程度が著しい。被害者の人格をまったく無視しており、犯情は悪質この上ない」と述べた。

 また、「事件後、女子大生は精神面で変調を来し、カウンセリングを受けることを余儀なくされ、事件の後遺症を訴えている」などと述べ、「被害者が『実刑を望む』と極めて厳しい処罰感情を抱いていることを量刑上、最大限に考慮すべきだ」と主張した。

 さらに、横山前知事が記者会見や府議会答弁で犯行を全面否定し、被害者の告訴を「真っ赤なうそ」「でっちあげ」などと述べたことにも触れ、「公判で一転して犯行を認めるといいながらも不自然、不合理な弁解をしており、改しゅんの情が乏しい」と指摘。「白昼、運転手や警察官が同乗する車内で、自分の運動員に対して人格を無視した破廉恥な犯行に及んでいる」としたうえで、「このような知事を選んだ大阪府民に計り知れない衝撃を与え、府政を混乱させた」と非難した。

 横山前知事が民事訴訟で敗訴し、慰謝料を支払ったことに対しては「これにより心底から反省し、被害者に謝罪の意を表したとは評価し難い」などと述べ、「知事の座を失い一私人の立場にあるとはいえ、刑事責任は誠に重大だ」と結んだ。

 論告はまた、横山前知事が犯行の継続性や計画性を否定している点について「起訴事実を全面的に認めると犯行の悪質性が露見するため、場当たり的な供述をしている」と指摘。「被害者はさしたる抵抗を示さず、嫌がっていると感じることができなかった」という前知事側の主張に対しては、「責任逃れのための虚偽の弁解というほかない」と述べた。

 検察側によると、横山前知事は去年4月8日午後5時半から約30分間、伴走のワゴン車が大阪府堺市を走行する間、後部座席に座っていた女子大生の隣に座り、被害者の下半身に毛布をかけたうえで、下着の中に手を入れて無理やり体に触り、犯行後は被害者に口止めしたとされる。

ノック被告第5回公判、「真実言う勇気がなかった」

2000.06.06(23:17)asahi.com
 昨春の大阪府知事選の期間中に、伴走のワゴン車内で選挙運動を手伝っていた女子大生(22)の体に触ったとして、強制わいせつの罪に問われた前大阪府知事の横山ノック被告(68)に対する第5回公判が6日、大阪地裁(川合昌幸裁判長)で開かれた。被告人質問があり、横山前知事は初公判に続いてわいせつ行為を認めつつ、犯行の計画性と継続性を否定した。捜査段階で否認を続けた理由については「(政治や芸能活動など)積み重ねてきたすべてのものが抹殺される恐怖があり、真実を言う勇気がなかった」と説明した。この日で証拠調べは終わり、今月20日、検察側の論告求刑が行われる。

 横山前知事は犯行について、当日、女子大生が体調不良だったことに触れて、「いたわりの気持ちからひざを触り始めた」と述べた。さらに「抵抗しなかったため、エスカレートした」と釈明。裁判長が「被害者の気持ちを考えなかったのか」とただすと、「相手の気持ちを考えながら触ってはいない」と答えた。犯行の時間について「車内で喫煙していた間は触っていない」と答えるなど、「涙を流して抵抗した」「約30分間ずっと」とする被害者の証言といくつかの点で食い違う供述をした。

 公判でわいせつ行為を認めた理由については「人と相談できずに、日々もんもんとしていた。公判の前に弁護士から『真実を言わないと、適切な弁護ができない』と言われた」などと述べた。被害者の女子大生を虚偽告訴罪で逆告訴したことについては「私のうそを信用した当時の弁護士が手続きした」と述べ、記者会見を開いて被害者の訴えを「真っ赤なうそ」などと攻撃したことは「弁護士が書いたものを読み上げただけ」と説明した。

 前知事は取り調べの際、検事から「被害者はこの先50年間苦しみ続ける」と言われたことを明かし、「大変申しわけなく思っている」と述べた。知事選で投票した府民に対する気持ちを聞かれ、「235万票という大きな期待を寄せてくれたのに裏切ってしまい、心苦しく思う。おわび申し上げたい」と話した。

 横山前知事は選挙期間中の昨年4月8日、ワゴン車で大阪府堺市内を走行する間、約30分間にわたり、後部座席に座っていた女子大生の隣に座り、無理やり下半身を触ったとされる。

ノック被告が口止め料?

2000年5月11日 20時00分共同
 選挙運動中にアルバイト運動員の女子大生(22)にわいせつ行為をしたとして、強制わいせつ罪に問われた前大阪府知事横山ノック(本名山田勇)被告(68)の後援会が、大阪地検特捜部の事情聴取を受けた選挙運動員らに、聴取当日、10万〜2万5000円の「アルバイト料」を支払っていたことが、11日分かった。女子大生の告訴代理人は「不利な供述をするなという趣旨だろう。悪質だ」と指摘。

ノック全面降伏!変態行為の一部始終

by fujinews.com(夕刊フジ「パソコンの達人」)

ノック前知事の強制わいせつ初公判、起訴事実認め謝罪

2:03p.m. JST March 21, 2000
 昨春の大阪府知事選の期間中に、選挙運動を手伝った府内の女子大生(21)の体に無理やり触ったとして、強制わいせつ罪に問われた前大阪府知事の横山ノック被告(68)の初公判が21日午前、大阪地裁(川合昌幸裁判長)で開かれた。罪状認否で、横山前知事は「強制わいせつ罪と糾弾されても言い訳のできない行為に及んだことは間違いありません」と検察側の主張を全面的に認め、「生涯消すことのできない心の傷を与えてしまった女性に対し、心よりおわび申し上げます」と謝罪した。わいせつ行為の状況の一部や犯行の計画性は否認した。次回公判は4月13日午前、女子大生の証人尋問が予定されている。

 横山前知事が公の場に姿を現したのは、約3カ月ぶり。現職知事が強制わいせつ事件を引き金に辞職する前代未聞の事態となったが、横山前知事は「身の潔白は刑事手続きで明らかになる」として民事訴訟では一切答弁せず、捜査段階でわいせつ行為を全面的に否定した。刑事裁判では一転して認める形になった。

 川合裁判長から起訴事実への認否を尋ねられた横山前知事は意見書を朗読。「今日に至るまで、女子大生の訴えは事実無根であると主張し続けてきました。今となっては遅きに失するかもしれないが、これまでの間違った態度を改め、いかなる法の裁きにも服する覚悟です」として起訴事実を認め、「誤った言動でご迷惑をかけた」と関係者にわびた。さらに、「さしたる抵抗を示さなかったことから行為をエスカレートさせてしまった。嫌がっていることを感じることができなかったのは私のおごりだった」と反省の言葉を続けた。

 一方、30分間にわたって犯行を続けたとされる点などについては、「ずっとというわけではない」と否定した。弁護側も基本的な事実と犯罪の成立を認めたうえで、計画性と継続性を強く否認した。

 冒頭陳述によると、横山前知事は、選挙期間中の昨年4月8日午後5時半から同6時ごろまで、選挙カーに伴走していたワゴン車で大阪府堺市内を走行する間、後部座席に座っていた女子大生の隣に座り、無理やり下半身にさわった、という。途中、女子大生は犯行をやめさせようと「トイレに行きたい」と訴えたが、ワゴン車に戻ると行為はさらにエスカレートした、とされる。

 冒頭陳述で検察側は、女子大生がワゴン車に同乗していた運転手らに被害を訴えられなかった背景として、以前に電車の駅で痴漢にあった際、大声で叫んだところ怒った相手の男から執ように追いかけられ、周囲は見て見ぬふりをした、という出来事があったことなどを指摘。「知事に逆らえば逆恨みされ、もっとひどい目に遭わされると恐怖感を持った女子大生は、体が硬直し、暴れることも声を出して抵抗することもできなかった」と述べた。

 被害者のプライバシーを保護するため、検察側は裁判の冒頭、「被害者の女子大生を仮名で呼ぶことにしたい」と申し立て、認められた。

退職金約5000万円は返還へ

2000年3月21日 19時31分
 知事選の運動員だった女子大生への強制わいせつ罪に問われた前大阪府知事の横山ノック被告(68)は21日、初公判で起訴事実を認め、有罪判決がほぼ確実となったことから、府の規定により、既に受け取った知事1期目の退職金5684万円の返還を、求められる見通しとなった。府は、2期目の退職金1044万円の支払いについても留保しており、差し止めができるかどうか検討している。

ノック前知事が退院

2:00p.m. JST January 05, 2000
 強制わいせつ事件で起訴された横山ノック前大阪府知事は5日午前、大阪府吹田市内の病院を退院した。府審議室によると、横山前知事の個人事務所から退院の連絡が入ったが、「今後の行動など詳しい日程については知らされていない」としている。

 横山前知事は強制わいせつ事件で大阪地検が知事室などを捜索する直前の昨年12月20日朝に入院、「不安定狭心症」で安静が必要と診断されていた。

横山知事が正式に辞職

1999年12月27日 18時36分 共同通信社
 大阪府議会は27日の本会議で、知事選の元運動員の女子大生に対する強制わいせつ罪で起訴された横山ノック知事の辞職願に全会一致で同意した。知事は同日付で退職となり、来年2月の出直し知事選で新知事が選出されるまでの間、木村良樹副知事が知事の職務代理者となる。

大阪府議会、ノック知事辞職を27日に同意へ

7:00p.m. JST December 22, 1999
 大阪府議会は22日の議会運営委員会で、横山ノック知事の辞職について同意を求める臨時議会を27日に開くことを決めた。会期は1日で、本会議で辞職が同意されれば、知事選にかかる費用を盛り込んだ補正予算案が提出され、議決される。

横山知事が辞表提出

1999年12月21日 17時30分 共同通信社
 大阪府の横山ノック知事(67)=本名山田勇=は21日、梶本徳彦副知事を通じて杉本光伸府議会議長に辞職願を提出した。横山知事は「一身上の都合」を理由とし、同副知事に「府民などに迷惑を掛け申し訳ない。」と述べた。知事の辞職承認の臨時府議会は27日に開かれ、府選挙管理委員会に辞職が通知されてから50日以内に出直し知事選が実施されるが、投票は来年2月6日が有力。

大阪地検、ノック知事を起訴へ

6:34p.m. JST December 20, 1999
 今春の大阪府知事選で横山ノック知事(67)の選挙運動をしていた女子大生(21)が、「選挙カーの伴走車の中でわいせつ行為を受けた」として知事を強制わいせつ容疑で告訴し、知事も虚偽告訴容疑で逆告訴している問題で、大阪地検特捜部は20日午前、強制わいせつ容疑で大阪府庁の知事室や知事公館、自宅など関係先の捜索を始めた。知事本人の事情聴取もすでに複数回済ませている。知事は事実関係を否定しているが、特捜部は「女子大生の供述は信用でき、知事がわいせつ行為をした疑いは強い」として起訴する方向で最終的な検討に入るとみられる。知事はこの日朝、「体調不良」を理由に府内の病院に入院した。現職知事がわいせつ容疑で一斉捜索を受けるという極めて異例な事態に、自民党府議団は不信任決議案を提出する方針を固め、横山知事の辞職は避けられない情勢となった。

 4月に双方が告訴して以来、関係者の聴取などを重ねてきた特捜部の捜査は大詰めを迎え、一斉捜索で可能な限りの証拠収集を図ったうえ、早ければ年内にも最終判断を下すとみられる。

 事実を否定する知事本人からの聴取結果を踏まえ、特捜部は、被害を訴える女子大生の供述の信用性について慎重に検討。その結果、これまで収集した証拠との関係などから女子大生の供述は信用できると判断したとされる。

 女子大生側の告訴状によると、知事は選挙期間中の4月8日午後、大阪府河内長野市内から始めた遊説の際、伴走のワゴン車の後部座席にいた女子大生の隣に乗り、「毛布をかけてやる」といいながら女子大生のズボンに手を入れたり、服の上から胸を触ったりした、とされる。一方、知事側は「訴えは事実無根で、選挙妨害を目的としている」などと全面否定している。

 特捜部はこれまでに、女子大生や知事の事務所関係者から事情聴取を重ねたほか、女子大生に立ち会いを求めてワゴン車を使った現場検証も済ませていた。女子大生側は「車の中で選挙関係者に被害を訴えるための筆談に使った」とするメモなど、複数の物証を提出。知事側もわいせつ行為を否定する上申書のほか、車を運転していた男性らの証言をもとに、事実関係や時間の経過を独自に調べた結果をまとめ、事実を否定する根拠として提出したとされる。

午後も地検の捜索続く

1999年12月20日 16時57分 共同通信社
 大阪府知事選中に選挙運動の車内で、セクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)を受けたとして、元運動員の女子大生(21)が、横山ノック知事を強制わいせつ容疑で告訴した事件で、大阪地検特捜部による大阪府庁(大阪市中央区)知事室などの家宅捜索は、20日午後も引き続き行われた。捜索個所は、知事室のほか、府庁に隣接する知事公館、兵庫県芦屋市内の自宅など数カ所。

ノック氏の強制わいせつ容疑で大阪知事室を捜索

2:34p.m. JST December 20, 1999
 今春の大阪府知事選で横山ノック知事(67)の選挙運動をしていた女子大生(21)が、「選挙カーの伴走車の中でわいせつ行為を受けた」として知事を強制わいせつ容疑で告訴し、知事も虚偽告訴容疑で逆告訴している問題で、大阪地検特捜部は20日午前、強制わいせつ容疑で大阪府庁の知事室や知事公館など関係先の捜索を始めた。知事は事実関係を否定しているが、女子大生の供述の検討を中心に捜査を進めてきた特捜部は、起訴するかどうかの判断には徹底した証拠収集が必要と判断し、強制捜査に踏み切ったとみられる。「不戦敗」戦術をとった民事訴訟で女子大生に敗訴し、大阪府議会で問責決議を受けた際、知事は起訴されれば辞職する意向を示している。現職知事がわいせつ容疑で一斉捜索を受けるという極めて異例な事態に、自民党府議団は不信任決議案を提出する方針を固め、横山知事の辞職は避けられない情勢となった。

 特捜部は知事本人の聴取をすでに済ませたとみられる。4月に双方が告訴して以来、関係者の聴取などを重ねてきた特捜部の捜査は大詰めを迎え、早ければ年内にも最終判断が下される見通しだ。

 女子大生側の告訴状によると、知事は選挙期間中の4月8日午後、大阪府河内長野市内から始めた遊説の際、伴走のワゴン車の後部座席にいた女子大生の隣に乗り、「毛布をかけてやる」といいながら女子大生のズボンに手を入れたり、服の上から胸を触ったりした、とされる。一方、知事側は「訴えは事実無根で、選挙妨害を目的としている」などと全面否定している。

 特捜部はこれまでに、女子大生や知事の事務所関係者から事情聴取を重ねたほか、女子大生に立ち会いを求めてワゴン車を使った現場検証も済ませていた。女子大生側は「車の中で選挙関係者に被害を訴えるための筆談に使った」とするメモなど、複数の物証を提出。知事側もわいせつ行為を否定する上申書のほか、車を運転していた男性らの証言をもとに、事実関係や時間の経過を独自に調べた結果をまとめ、事実を否定する根拠として提出したとされる。

 特捜部は、現職知事に対する告訴という重要性も考慮し、大阪高検や最高検とも協議しながらこれらの証拠の検討を進めていたが、最終判断にはできる限りの証拠収集が必要だとの結論に至ったとみられる。

横山知事が入院

1999年12月20日 11時52分
 横山ノック大阪府知事は20日、体調不良を理由に、公務をすべてキャンセルし、大阪府吹田市内の病院に入院した。横山知事にはこの日、朝から辞令交付などの公務が予定されていた。

ノック知事、起訴へ

1999年12月20日 11時52分
 大阪府知事選中に車の中でセクシュアルハラスメントを受けたとして、元運動員の女子大生(21)が横山ノック知事を強制わいせつ容疑で告訴した事件で、大阪地検特捜部は20日、強制捜査に乗り出し、大阪府庁の知事室などを家宅捜索した。特捜部は既に、横山知事から事情聴取を終えていることも判明。女子大生の証言は信用性が高いとの判断に達したもようで、知事は近く起訴されるとみられる。

ノック知事、強制捜査

1999年12月20日 11時21分
 大阪府知事選中に車の中でセクシュアルハラスメントを受けたとして、元運動員の女子大生(21)が横山ノック知事を強制わいせつ容疑で告訴した事件で、大阪地検特捜部は20日、強制捜査に乗り出し、大阪府庁の知事室や知事公館など数カ所を同容疑で家宅捜索した。特捜部は関係者の事情聴取などから、女子大生の証言は信用できるとの判断に傾いているもようで、横山知事は起訴される公算が強い。

ノック府知事:市民団体が辞任求めシンポジウム

 
 12月19日 22:36 by毎日新聞横山ノック(山田勇)大阪府知事のセクハラ訴訟敗訴を受け、大阪市中央区のドーンセンターで19日夜、「私たちはなぜノック知事を辞めさせたいのか〜人権侵害としてのセクシュアルハラスメント」と題したシンポジウムが開かれた。「ノック知事のセクハラ疑惑訴訟回避に怒る女たちの会」の主催で、約80人が参加。

自民・公明など、ノック知事の問責決議案を共同提出へ

00:34a.m. JST December 17, 1999
 大阪府の横山ノック知事が強制わいせつ訴訟で敗訴したことを受け、府議会各会派は16日、知事に対する決議について協議し、自民、公明両党と民主党系の新政会の3会派が共同で問責決議案を提出することを決めた。17日の本会議で可決される見通しだ。問責決議案は、知事の辞職を求めるものではないが、知事が民事に先立ち女子大生から受けた刑事告訴で起訴されれば、裁判の結果を待たずに辞職すべきだとしている。このほか、民主党系の連合さつき会が辞職勧告決議案、共産党は不信任決議案を提出するが、いずれも否決されるとみられる。

自民党など3会派が出す決議案では、知事に対する判決を「大方の予想をはるかに上回る厳しいもの」として「府政史上ぬぐいがたい汚点であり、その責任は極めて重大」と記した。そのうえで「府政を混乱させた知事の道義的責任を問うとともに、人権意識の改革を促す」としている。

ノック知事の辞職求める決議可決 大阪府茨木市議会

3:14p.m. JST December 16, 1999
 大阪府茨木市議会は16日、強制わいせつ訴訟で敗訴した横山ノック知事の辞職を求める決議を全会派の賛成で可決した。敗訴判決後、府内の市町村議会が辞職を求めたのは初めて。泉南市や高槻市など府内のほかの議会にも、知事に辞職を促す動きが広がっており、府議会が辞職を求めず、問責決議にとどめようとしている動きとの違いが際立っている。

 茨木市議会(定数36)はこの日が定例議会の最終日で、自民、共産、公明、民主など6会派が共同で「大阪地裁判決を厳粛に受け止め、大阪府知事に辞職を求める決議」を提案した。

 決議では「判決は、知事の司法を軽視する態度を厳しく批判した。府政の最高責任者としての人格を備え、府の人権政策を推進する長としての責任ある立場の知事に対する判決としては極めて重い」と指摘し、原告女性に謝罪し、辞職するよう求めている。

 泉南市議会では、「知事の政治的責任を求める決議案」が16日午前に開会した本会議に提案された。提案者は共産党の女性議員だが、保守系会派や公明党なども賛同しており、可決される見通しだ。

 高槻市議会では、「大阪府知事に辞職等を求める意見書案」が20日の本会議に上程され、賛成多数で可決される見込みだ。すでに自民、公明、共産など4会派と無所属の6市議が提案。「知事の職責は、一般社会人以上に道義的責任を負う」「判決を真摯(しんし)に受け、知事辞職も含めて適切な判断をされるよう強く要望する」としている。

 吹田市議会では、「セクハラ裁判に敗訴した知事に辞職を求める意見書案」について議会運営委員会で調整中。豊中市議会でも、市民団体が出した「政治的、道義的責任を求める要望書」にもとづき、決議案を提案するかどうか各会派が協議している。

ノック知事追及かわす

1999年12月15日 18時15分 共同通信社
 大阪府の横山ノック知事がセクハラ訴訟で敗訴したのを受け15日に開会した大阪府議会は代表質問で各会派が「府の歴史に汚点を残し府民にとっても不名誉だ」「即時辞職を」などと知事の責任を厳しく追及した。横山知事は「公務に全力を尽くすことで府民の信頼回復に努めたい」とあらためて辞職する意思のないことを強調。当分の間、タレントとしてのテレビ出演を自粛することも表明した。

ノック知事辞職論強まる

1999年12月13日 21時05分 共同通信社
 大阪府の横山ノック知事がセクハラ訴訟で1100万円の賠償金支払いを命じられたことを受け、大阪府議会では自民、公明両党や民主系会派などが13日午後、対応を協議した。最終的な方針は先送りされたが、これまで知事を支えてきた各会派は「厳しい判決」と受け止めており、辞職を求める声が強まりつつある。

自称オーナーを告訴

1999年12月1日 17時59分 共同通信社
 「女性マッサージ師を呼び買春まがいの行為をした」との「週刊現代」(講談社)の記事をめぐり、横山ノック大阪府知事は1日までに、うその証言をしたとして名誉棄損の疑いで大阪市内のマッサージ店自称オーナーの男性(63)を大阪地検特捜部に告訴した。
 知事側は講談社に取材経緯の質問書を送付、回答次第では同社関係者も告訴する方針。

13日にセクハラ訴訟判決

1999年12月11日 15時59分 共同通信社
 大阪府知事選の選挙運動中に体を触られ精神的苦痛を受けたとして、運動員だった女子大生(21)が横山ノック知事(67)に1500万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が13日、大阪地裁で言い渡される。知事側は法廷で事実関係を一切争っておらず、敗訴は確実。女子大生の主張を「事実」と認めた上で、同地裁が横山知事に支払いを命じる賠償額や、判決後の府議会などでの責任追及の動きが注目される。

「厳粛に受け止める」 ノック大阪知事が判決前に会見

2:51p.m. JST December 07, 1999
 大阪府の横山ノック知事は7日の定例会見で、13日に大阪地裁で言い渡される強制わいせつ訴訟の判決について、「厳粛に受け止めたい」との感想を述べた。原告である女子大生の訴えに一切答弁しない「不戦敗戦術」をとったため敗訴が確定しており、裁判所が認定する損害賠償額に関しても、「支払いに応じなければならないと思っている」と淡々とした表情で答えた。
府民の支持率が低下しているとの指摘に対しては、「厳粛に受け止める。公務を粛々と執行することが府民の信頼回復につながる」と発言。一方で、市民団体からの抗議や要望書が相次ぎ、公務に支障が出ないのかとの問いには、「一切(支障は)きたしていない」と強気の姿勢を見せた。

「ノック知事を告発しよう」市民団体がはがき作戦

8:43p.m. JST November 01, 1999
 大阪府知事選の選挙運動中にわいせつ行為をしたとして、大阪府内の女子大生(21)から損害賠償請求訴訟を起こされた横山ノック知事が、一切答弁しないまま裁判が結審したことを受け、行政監視の市民グループ「見張り番」(松浦米子・代表世話人)が、横山知事を告発するはがきを大阪地検に郵送する「セクハラ知事告発ハガキ運動」を始めた。

 女子大生側は、民事訴訟と併せ、横山知事を強制わいせつ容疑で大阪地検に告訴している。記者会見した松浦さんらは「民事訴訟では事実が分からなかったので、府民の怒りを集約し、的を絞った行動ができないか考えた。大阪地検に告発はがきを送り、『きちんと調べて』と働きかけましょう」と呼びかけている。

横山知事、セクハラ訴訟「不戦敗戦術」転換せず

03:12a.m. JST November 01, 1999
 今春の大阪府知事選の最中にわいせつ行為を受けたとして、運動員だった女子大生から損害賠償を求められている横山ノック知事は、1日に大阪地裁で開かれる民事訴訟の第2回口頭弁論でも、前回と同様に一切答弁せず、裁判を回避する方針を固めた。知事の「不戦敗戦術」に対しては女性団体などから強い批判が出ているが、府議会で「訴訟は長期にわたり、公務に支障が出る」「真実は刑事手続きで明らかになる」などと理解を求めた経緯を踏まえ、方針転換すればかえって知事としての政治責任を問われかねないと判断したとみられる。
 知事の対応をめぐっては、府議会の公明、共産などの会派のほか、知事の諮問機関である「大阪府男女協働社会づくり審議会」の委員有志らが、訴訟に応じるよう求めた。同審議会には知事の対応次第では辞職を示唆する委員もいる。このため、知事が当初の方針を貫けばさらに強い反発が予想され、厳しい府政運営を強いられることになりそうだ。
 同訴訟では、知事が第1回の口頭弁論後の記者会見で、「原告の主張するわいせつ行為は真っ赤なうそ」などと発言したのは名誉棄損にあたるとして、原告側が10月25日、請求額を300万円増額し、わいせつ被害と合わせて1500万円とする内容の準備書面を提出している。
 これに対し、知事側は、名誉棄損についても争わない構えで、知事の敗訴が事実上確定する見込みだ。
 関係者によると、知事は10月21日に府議会から「信頼回復決議」を突きつけられたあとも、「ここで不戦敗戦術を変えたら、なんのために批判に耐えてきたのか、わからなくなる」などと強気の姿勢を崩していなかった。
 しかし、自ら任命した審議会委員から批判の動きが出たことから、「いずれにしても厳しい選択。ぎりぎりまで熟慮する」と漏らすようになっていた。

ノック知事への請求増額

1999年10月25日 20時13分 共同通信社
大阪府知事選の選挙運動中にわいせつ行為をされ精神的苦痛を受けたとして、運動員だった女子大生(21)が、横山ノック知事(67)に慰謝料など1200万円の損害賠償を求めた訴訟で、女子大生の弁護団は25日、「知事は法廷外で一方的に、女子大生の訴えが『でっち上げ』と発言している」として、慰謝料の請求額を300万円増額する、との書面を大阪地裁(林圭介裁判長)に提出した。

「ノック知事は辞職を」

1999年10月24日 17時11分 共同通信社
 大阪府の横山ノック知事のセクハラ訴訟不戦敗問題をめぐり、女性団体や議員らでつくる「ノック知事のセクハラ疑惑訴訟回避に怒る女たち」のメンバーらが24日、大阪市北区のJR大阪駅前で街頭演説。「裁判で反論できないなら辞職するべきだ、とはがきなどで知事に訴えていこう」と呼び掛けた。

女性がノック知事糾弾

1999年10月15日 19時17分 共同通信社
 大阪府の横山ノック知事が、セクハラ訴訟で答弁せず「不戦敗」を決めたことに抗議して、府内の女性らが「ノック知事のセクハラ疑惑訴訟回避に怒る女たちの会」を結成し15日、大阪市内で緊急集会を開いた。集会には女性府議や市議らをはじめ、市民ら約70人が出席。冒頭、横山知事に「わいせつ行為」を受けたとして提訴した女性側の石田法子弁護団長がこれまでの経緯を説明。

ノック知事の敗訴確実

1999年10月4日 20時43分 共同通信社
 大阪府知事選の選挙運動中「わいせつ行為で精神的苦痛を受けた」として運動員だった女子大生(21)が、横山ノック知事(67)に慰謝料など1200万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が4日、大阪地裁で開かれ、知事側は請求に対し「答弁しない」と述べた。民事訴訟では、反論しない場合は相手方の訴えを認めたとみなされ、横山知事の敗訴は確実となった。

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