TOPIC No.2-50J 対馬が危ない!

Index
01. 対馬が危ない! 宮本雅史編集委員/MSN産経新聞
02. 対馬対馬 byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
03. 町中 韓国人 対馬の実態 YouTube
04. うっとおしい韓国人in対馬 YouTube
04. 対馬観光&グルメなび by対馬観光物産協会


対馬でパラグライディング大会 日韓の選手、国境の空に舞う

2009年06月13日 長崎新聞のながさきニュース

 韓国を望む対馬市上県町の千俵蒔山(標高287メートル)で13日、第7回パラグライディング対馬大会(実行委主催)が始まった。14日まで日韓のパラグライダー愛好家35人が国境の空に舞い、技を競う。

 日韓交流や対馬の観光PRなどを目的に2003年にスタート。今回は地元や長崎、諫早、大村、福岡、大分などから28人、韓国・釜山から7人が参加した。

 競技は山頂付近の斜面から飛び立ち、1・6キロ離れたふもとの砂浜に設置された半径5メートルの円を目指す。2日間で1人5回まで飛び、中心までの近さを競い、各人の上位2本の合計点数で順位を決める。

 選手は赤、青、黄など色鮮やかなパラグライダーで風を受け、さっそうと舞い上がり、空の散歩を楽しんでいた。

 韓国・釜山市のパク・サンベさんは3回目の参加。「風とか自然環境が安定していて最高。成績にこだわらずフライトを満喫したい」と笑顔。2人乗りでフライトを体験した神奈川県藤沢市の学生、谷川ももこさん(22)は「フワッと浮いて鳥が下を飛んでいるのに驚いた。風に乗って左右に揺られ気持ち良かった」と話した。

対馬の韓国系リゾートを知事視察 「安全保障上問題なし対応冷静に」

2009年06月12日 長崎新聞のながさきニュース

 金子知事は11日、対馬市美津島町竹敷の海上自衛隊基地に隣接する韓国資本のリゾート施設を視察した。一部の国会議員らが安全保障上の問題を指摘しているが、知事は問題はないとの認識を示し、「韓国からお客さんが来て地域のためになっているので冷静に対応した方がいい」と述べた。

 同施設は閉鎖された真珠加工場を韓国の企業が買収し、昨年夏から宿泊所として営業している。海自対馬防備隊に隣接していることから昨年12月、超党派の保守系国会議員団が視察。現在、自衛隊基地周辺の土地については外国人の売買を規制する法律ができないか検討を進めている。

 金子知事は、韓国人支配人の案内で施設を見学。敷地内にある天皇皇后両陛下の行幸啓記念碑については「きれいに芝生が張られ、維持管理されている」とし、作業所や倉庫を改装した宿泊所、レストランについては「上手に活用している」などと感心していた。

 「日本も外国で事業を盛んにやっている。自衛隊からは業務に支障はないと聞いている」などと述べた。

 視察は県内の実情把握が目的。5月に始まり、計9カ所を巡る予定。対馬ではこのほか、製塩所の「浜御塩」工房、マグロ養殖場、シイタケ生産施設、海岸の漂着ごみなどを視察した。

対馬でウミガメの死骸発見 生物研究家ら漂着ごみの影響懸念

2009年06月12日 長崎新聞のながさきニュース

 対馬市厳原町の生物研究家、相浦正信さん(66)が9日、同市上県町の井口浜で、ウミガメの死骸(しがい)を発見した。砂浜の海岸には外国からとみられる漂着ごみが大量に散乱。死んだウミガメのおなかの中からビニール袋が見つかった報告もあり、生態系への影響が懸念されている。

 対馬ではカメは「竜宮の神様の使い」といわれ、縁起物とされる。定置網などに掛かると網から大事に出して海に帰すという。

 相浦さんは、十数年前からウミガメの産卵調査のため、毎年この時期に海岸を訪ね歩いているが、産卵を確認したことはない。死骸の発見は井口浜で3体目。美津島町郷崎でも確認したことがあるという。

 今回見つけた死骸はあおむけになっており、長さ73センチ、幅47センチ。腹部には内出血したような赤い斑点があった。8日に訪れた際はなかったため、8〜9日に流れ着いたとみられる。

 海岸にはハングル表記のペットボトルやポリ容器、漁具などが散乱しており、住民が回収しても海流に乗って次々に漂着している。

 相浦さんは「カメの産卵塚がないか、毎年楽しみに探しているが、こんなにごみが多くては産卵しようにもできない。ごみは発生元を正さないとどうしようもない。カメの受難の時代ではないか」と怒りを口にする。

輪禍のツシマヤマネコ 1年4ヵ月ぶり山へ 対馬野生生物保護センター

2009年06月12日 西日本新聞朝刊

かごのふたを開け山中に放たれるツシマヤマネコ

 昨年2月に交通事故に遭い、対馬市の環境省対馬野生生物保護センターに保護されていたメスのツシマヤマネコが11日、同市上対馬町一重の山中に放たれた。センター職員らが見守る中、元気にかごから飛び出すと、森の奥深くへ走り去った。

 このツシマヤマネコは、近くの県道上で倒れているところを発見された。頭を強打したとみられ、3日間昏睡(こんすい)状態だったが、同センターの治療によって回復。生きたヘビやネズミなどのエサを捕る訓練をした上で、約1年4カ月ぶりに野生に返した。ツシマヤマネコの交通事故は1992年以降で48件発生し、41匹が死んだ。同センターの水崎進介自然保護官は「特に夜間や夕暮れ時は、運転に気を付けてほしい」と呼びかけている。

【対馬が危ない!】「必要に応じて調査」と海幕長 帰化した韓国人男性の不可解行動で

2009.06.10 MSN産経新聞

 海上自衛隊対馬防備隊本部(長崎県対馬市)などの自衛隊関連施設に、日本に帰化した韓国人男性が海自支援組織会長として出入りし、施設内のホワイトボードに記載された内容を書き写すなど不可解な行動を取っていた問題で、赤星慶治海上幕僚長は9日、定例記者会見で「事実関係について精査したうえで、必要に応じて調査すべきものだ」と、今後調査について検討する姿勢を示した。

 一方、防衛省関係者によると、すでにこの問題について調査を実施し、同様な事実を確認した。ただ数年前からこの男性と関係がなくなっていることから、安全保障上の問題はないとみている。

 赤星海上幕僚長は「一般論になるが、対馬防備隊以外でも、基地への出入りは許可を与えた人に入門を実施している。予定表などについては、保全上の措置が必要なもの、『秘』に当たるものについては掲載しないのが原則」としたうえで、「対馬防備隊を含め(他の施設でも)、そのように実施されていると認識している」と述べた。

 また、赤星海上幕僚長は、男性の行動について直接言及しなかったものの、「過去に懸念をいただくようなことがあったのであれば、きちんと保全上の観点からも指導する必要がある」と明言した。

【対馬が危ない!】日本に帰化韓国人男性 海自施設で不可解行動

2009.06.09 MSN産経新聞

海上自衛隊対馬防備隊本部には、ハングルでも区域内立ち入り禁止の看板が掲げられていたが…=長崎県対馬市美津島町竹敷(鈴木健児撮影)

 防衛省の関連施設の隣接地が韓国資本に買収されるなどしている長崎県対馬市で、日本に帰化した韓国人男性が、10年以上にわたって海上自衛隊対馬防備隊本部(同市美津島町竹敷)など自衛隊関連施設に出入りし、幹部自衛官らと深い付き合いをしていたことが防衛省OBらへの取材で分かった。男性は、施設内のホワイトボードに記載された演習日程や人数、人員配置などを書き写しているところを何度も目撃されており、管理体制の甘さとともに、防衛情報が外部に漏れていた可能性が高い−と指摘する声も出ている。

 この男性は年齢60歳前後で、両親が韓国人。本人は対馬市で日本に帰化したとされる。妻は、在日本大韓民国民団対馬島地方本部の事務局長。

 男性は20年ほど前、海上自衛隊員とその家族を支援する民間組織を設立。以来、対馬に入港する護衛艦の艦長や対馬防備隊本部に勤務する自衛官らと接触、4、5年前まで、記念植樹を行ったり、年に数回、男性の山小屋や経営する焼き肉店で自衛官や地元の警察官らと懇親会を開いていた。

 だが、防衛省OBら複数の関係者の証言を総合すると、男性は海自幹部らと親しくなった後、支援組織の会長として防備隊本部に顔を出しながら、不可解な行動をとっていたことが分かった。

 防備隊本部は、上対馬警備所と下対馬警備所が収集する情報、特に対馬海峡や朝鮮海峡を航行する潜水艦の動向などをチェック、分析する重要な施設で、対馬市民でも自由に出入りはできない。

 ところが、ある防衛省OBによると、男性は防備隊本部にフリーパスで出入りするたびに、総務部入り口のホワイトボードに書かれている業務予定や護衛艦の入港予定などを書き写していた。平成17年ごろには、週に1回は顔を出していたため、重要な記載があるときは、幕を張るように指示が出されたという。

 別の関係者によると、男性は、人員の配置や防衛力など海自の内部情報について、具体的な部分まで詳細に熟知していたという。

【対馬が危ない!】陸自や公共事業にも触手 演習日程など情報収集

2009.06.09 MSN産経新聞

 海上自衛隊対馬防備隊本部(長崎県対馬市美津島町(みつしままち)竹敷(たけしき)などの自衛隊関連施設に海自支援組織会長として出入りし、不可解な行動を取っていた男性は、海自だけでなく、陸自対馬警備隊にも接触していたことも明らかになった。男性は海自施設と同様に、隊内の情報を収集する一方で、関連施設にからむ公共事業落札にも関与していた可能性が出ている。

 防衛省OBによると、平成10年ごろ、この男性が突然、「海自の紹介だ」と言って対馬警備隊を訪れ、警備隊一科のホワイトボードに書かれてあった演習日程や人数などの行事予定をノートに書き写していたという。

 同警備隊ではそれ以降、隠語で書くようにしたが、その後も面会に訪れては隠語で書かれた予定をノートに写しているのを目撃されている。

 関係者によると、多くの自衛官は親しくするうちに、男性が韓国人であることに気づいたが、帰化しているため関係を続けていたという。

 男性の行動は16、17年ごろまで10年以上も続いたが、市民や対馬警備隊、対馬防備隊本部の一部自衛官の間では、男性には背後関係があり、情報目的で支援する会を結成し、接触してきたのでは−という懸念がつきまとっていたとされる。

 男性の不可解な行動はほかにもあった。

 「毎週のように、東京・市谷の防衛庁(当時)や長崎県の佐世保総監部に出かけていた時期もあった」(関係者)。支援組織設立当時から付き合っていた自衛官が出世し、対馬を離任した後も関係が続いていたためで、携帯電話で冗談交じりに話ができるほど親しい幹部もいたという。

 男性の周辺によると、こうした人脈の広さを活用、上京の際や佐世保総監部を訪ねる際には、支援する会の会員を案内し、防衛省幹部に紹介するなどしていたという。

 ある関係者によると、16年ごろ、下対馬警備所で上水道工事の話が持ち上がった。

 同警備所では、雨水をためて飲料水にしていたため、厳原(いづはら)町(当時)が町の予算で水道を引こうとしたのだが、男性は、支援する会の会員だった電工会社の役員を懇意にしていた海自幹部に紹介。防衛省の予算で、同社の淡水化設備を採用させようと働きかけたとされる。

 結局、海自内部でも問題となり、男性の計画は中断したが、これ以外にも、自衛隊が関連する工事に関与していたもようで、別の関係者は、「自衛隊施設に関する工事の入札を担当している自衛官とも接し、詳細は言えないが、隊舎の改造工事や警備船の改修工事などを落札した業者もいたようだ」と証言する。

 防衛省OBの中にも、男性は、支援する会を利用して防衛省関連施設の工事受注にも食い込んでいた疑いがあったと、指摘する声がある。

 男性は4、5年前、挙動不審を疑われ、防備隊本部などへの出入りはできなくなり、それと同時に、支援する会の活動も滞りがちで、防衛省幹部らとの関係も遠のいているという。

 だが、国防の最前線施設に、帰化しているとはいえ、韓国人が自由に出入りし、関連施設の工事受注にまで関与。しかも、さまざまな情報が漏れていた疑いもあることに防衛省関係者の間には、内容によっては日米安保体制にも影響を与える可能性があると危惧(きぐ)する見方もある。

 対馬については、韓国資本による不動産の一部買収などに端を発し、国境・離島を見直す新法制定への動きが活発化している。今回の問題は、本土から遠く離れた国境・離島を領土保全や経済支援だけでなく、安全保障の観点からも改めて対応を迫られそうだ。(宮本雅史)

今年も対馬へ行った「清掃使節団」(1)

2009.06.08 中央日報 Joins.com

5月31日午後、釜山(プサン)から約50キロ離れた日本対馬の北西、豊玉町タクモテ海岸。記者の目に浜辺が入る前からいやな臭いが鼻を刺した。油とガスのにおい、捨てられた汚物のにおいが入り混じり、頭痛がするほどだった。海水の色も茶色に変わっていた。あちこちに浮いている油のためだった。さまざまなプラスチック容器のほか、スチロール、網、ビニール袋などが浜辺を覆っていた。

対馬市庁の河野繁和・環境衛生次長(55)はプラスチック容器一つを拾い、「この青い容器がどういう用途で使われるのかは分からないが、対馬全体で見つかっている」と話した。

よく見ると、韓国で製造された氷酢酸の容器だった。海苔の養殖場で異質物を除くために使われるもので、皮膚につけば炎症を起こす刺激性物質だ。河野氏が渡した氷酢酸の容器を開けると、まだ中に半分ほど残っていた。容器にはハングルで「製造年月2007年11月7日」と表記されている。

対馬はもともと山林が島全体の90%を占め、日本で天然記念物と指定された原始林が残っているほど自然環境が優れたところだ。しかしいつからか島にゴミが増え始めた。

釜山(プサン)外国語大のイ・チルウ広報チーム長は「現地を訪れた韓国人観光客が韓国から流れていくゴミが多いと伝え、これを聞いたうちの大学の学生が7年前から毎年1回ずつ対馬でゴミ拾いをしている」と明らかにした。

今年の行事には同大学の日本語学科の学生97人が参加した。学生は1人当たり15万ウォン(約1万2500円)ずつ出し、5月30日から6月1日まで対馬を訪問した。デア高速海運・対馬市庁も交通費・宿泊費の一部を支援した。

学生らが到着したタクモテ海岸には、韓国をはじめ、中国・日本など北東アジアのゴミが入り混じっていた。3年に在学中のチョ・ミョンヨルさん(62、女性)は「予想以上に深刻だった。風のため各国のゴミが他の国に流れるようだ」と話した。

インスタントラーメンの袋、発泡スチロールなど韓国漁村のゴミが最も目立った。日本や中国からのゴミも多かった。「お茶」と書かれた日本のペットボトル、漢字が書かれた中国製ライターなどだ。

今年も対馬へ行った「清掃使節団」(2)

2009.06.08 中央日報 Joins.com

今回のゴミ回収活動には対馬の住民100人余りも参加した。この村で60年間住んでいる村瀬武さん(63)は「20年前から韓国のゴミが見られる。海がきれいになるようみんなで努力しなければならない」と述べた。

海岸に30メートルほど散らばっているゴミは、韓国人学生と地域住民がこの日7時間ほどかけて片付けた。ゴミで満たされた1トンの麻袋が何と120個にもなった。

釜山外大の学生のゴミ拾いに日本の人々は感謝の気持ちを表した。対馬高校から約20人の生徒を連れてきた森山悠先生(40)は「韓国学生のボランティア活動に地域住民が感動していた。韓国にも海洋ゴミがあるのなら行って手伝いたい」と語った。

対馬市庁の平間寿郎・環境衛生課長(54)は「北西風が強い冬に多くのゴミがリアス式海岸の湾に流れてくる。こういうところは重装備が入れないので手で整理するしかない」と述べた。また「対馬で各国のボランティア活動を拡大するのが目標だが、韓国人学生のボランティアは大きな力になっている」と語った。

今年で7回目の訪問となる韓国人学生に対し、NHK放送や日本テレビなど現地の報道機関や日本環境市民団体も大きな関心を見せた。

この大学のユ・ソンギュ総長は「対馬での清掃活動は韓国の良いイメージを印象付けて両国関係を改善するほか、学生の国際化マインドを育成するのにも役立っている」と述べた。

「ヤマネコ田んぼの学校」で生態系学ぶ 対馬、親子ら田植えなど体験

2009年06月07日 長崎新聞のながさきニュース

 国の天然記念物ツシマヤマネコが多く生息する対馬市上県町田ノ浜で6日、「対馬ヤマネコ田んぼの学校」があった。親子ら72人が田植え体験や生き物調査をして、農業の大切さや田んぼの役割を学んだ。

 減農薬栽培など環境調和型農業に取り組んでいる神宮正芳さん(64)=上県町佐護南里=と地元住民、対馬野生生物保護センターなどが昨年に続き開催した。

 参加者は、多様な生物をはぐくむ田んぼの生態系などを学んだ後、素足で広さ8アールの田んぼに入り、古代米や黒米など5種類の苗を一本一本丁寧に植えた。

 この後、ため池や用水路に生息するメダカ、オタマジャクシ、ヤゴなどを観察。神宮さんが仕掛けたわなにはカメやウナギ、カニなどが掛かっており、農道ではヤマネコの足跡やふんも発見。子どもらは目を輝かせながら豊かな自然を体感し、網やミニ水槽を手に元気いっぱいに走り回っていた。

 市立比田勝小2年の小島優作君(7)は「田植えは足がヌルヌルしたけど楽しかった。田んぼの周辺にたくさんの生き物がいることが分かった」と満足そうに話した。

 同学校は秋までに草取りや稲刈り、脱穀体験など計4回開催する予定。

対馬産「トロの華」県内本格流通へ きょうから大村・鈴田峠農園で販売

2009年06月05日 長崎新聞のながさきニュース

5日から販売を始める「トロの華」=大村市中里町、鈴田峠農園の直売所

 大村市中里町の「鈴田峠農園」が5日、対馬産の高級養殖クロマグロ「トロの華」の販売を始める。オリエンタルエアブリッジ(ORC、大村市)が県と実施する「離島産品航空ネットワーク構築事業」の第1号で、新たな顧客ニーズの創出を目指す。

 ORCは経営再建の一環として、県内離島と本土を結ぶ航空機の貨物スペースを有効活用することで輸送コストを低減し、県央と離島地区の物流ネットワーク構築を進めている。鈴田峠農園と西山水産(対馬市)が同事業の活用に乗り出した。

 鈴田峠農園の當麻謙二マネジャーは「顧客から水産物へのニーズが高かったが、地元の大村湾では魚種に限りがあり、十分に対応できていなかった。空路を使えば新鮮なマグロを販売できる。『トロの華』が県内で本格的に流通するのは初めて」と話す。西山水産の西山文利社長は「流通は関東、関西が中心だったが、県内にも広がる手始めになれば」と意気込む。5日から50パック(1パック1000〜1500円)を販売する。

 ORCの山口邦久常務は「離島産品航空ネットワーク構築事業は県主導で実現したが、貨物スペースを地域貢献に活用してもらい、これに勝るものはない」と歓迎。地域を結ぶ新たな試みの成功を願っている。

古代米・赤米の田植え厳かに 対馬、ただ1人の後継者・主藤さん

2009年06月05日 長崎新聞のながさきニュース

 1300年以上前から古代米・赤米の耕作が続き、稲作伝来の地とされる対馬市厳原町豆酘(つつ)の「赤米神田(あかごめしんでん)」で4日、田植えがあり、赤米づくりをただ1人で受け継ぐ主藤(すとう)公敏さん(58)らが古式にのっとり厳かに手植えした。

 豆酘では「頭仲間(とうなかま)」と呼ばれる住民が種もみをご神体として祭る「赤米神事」(国選択無形民俗文化財)を受け継いできた。田植えやもちつきなど赤米にまつわる神事を年間10回行ってきたが、頭仲間の脱退が続き、2007年2月に1人になった。

 赤米は神田のうち、2面(計3アール)に植えており、午前8時から主藤さんと父信夫さん(77)らが女人禁制の片面を植え、もう1面は妻紀佐子さん(58)や近所の住民らが手伝った。

 田植え後、お亭坊(ていぼう)と呼ばれる神職の本石直己さん(77)がはかまに着替え、近くの多久頭魂(たくずだま)神社でお経を上げ、神田の水の出入り口を清め、豊作を祈願した。

 参加者は神田で炊きたての赤米を食べ、田植えをした住民や見学に訪れた園児らにも振る舞われた。赤米は10月ごろ収穫し、4俵ほどできるという。

 主藤さんは「1000年以上前に朝鮮半島を渡って来た赤米を絶やしてはいけないと思う。相談する仲間がいないので寂しいができる限り守っていきたい」と決意を新たにしていた。

【対馬が危ない!!】新法制定に向け“たたき台”

2009.06.03 MSN産経新聞

 長崎県対馬市で過疎化が進み、韓国資本が一部不動産を買収などしている問題で、超党派の国会議員でつくる「国境離島対策プロジェクトチーム(PT)」(最高顧問・平沼赳夫衆院議員)は2日、経済対策や国境離島政策について関係省庁の担当者らからヒアリングを行い、衆院法制局からは、国境離島問題を解決するための「防人(さきもり)の島新法」(通称)の素案が示された。PTはこの案を“たたき台”として新法制定に向けた作業に入ることで意思統一したが、今後のスケジュールや検討内容については、会長の中川昭一前財務相に一任された。

 衆院法制局の担当者は、新法制定の前提として、本土から離れた「隔絶性」▽国境であること▽外国資本による不動産買収−など、対馬を対象地域とする特殊事情の存在が必要と指摘。

 その上で、現在の離島振興法に基づく施策に加え、自衛隊施設の設置や自衛隊施設周辺の土地買い上げ措置、公共施設の整備や国際会議の誘致など観光振興の具体策、地域リーダーなどの人材育成、本土に比べて割高となる燃油価格対策、特定事業についての補助率のかさ上げ−などを盛り込む案を提示した。

 さらに、「対馬も対象となっている現在の離島振興法と、新法を一本化するほうが(法整備上)分かりやすい」(衆院法制局担当者)とした。

 また、外国人による不動産取得規制については、対馬を対象とする特別措置を新法で規定する場合、サービス貿易協定や日韓投資協定など条約との関係上、課題があるとの認識を示し、具体的な措置の規定とするのか、国に対して外国人による不動産取得を規制するための施策を講ずることを義務づける規定にするのか、PT側の判断を求めた。

 副会長の山谷えり子参院議員が「対馬は安全保障上、他の島とは全く違う。新法をつくっても(日本人の名義を使った)ダミー取得を規制できないと意味がない」と指摘したのに対しては、法制局側は「外為法で資金の流れをチェックすることになるが、完璧(かんぺき)にできるかどうか分からない」と述べるにとどまった。

 また、同担当者は自衛隊施設周辺の土地の買い上げだけでなく、対馬振興基金をつくり、基金が対馬地域の振興事業に対して補助を行うことも考えられないか、提案した。

 一方、国土交通省、資源エネルギー庁からは、離島航空路線の維持について、航空機の購入や運航、ナビゲーションシステム購入への補助などの支援策を取っていることや、割高な燃油価格を引き下げるため、地元業者を交えて共同配送といった合理化計画の策定を進めていることなどが報告された。

 韓国の航空会社がソウルと対馬を結ぶ直行便の運航を計画していることについては、国交省は、チャーター便申請の事前相談を受けていることを認めた上で、今月中、下旬から8月下旬にかけて週3便の運航が計画されていると報告。週5便でスタートする定期便の就航とした航空会社側の説明を否定したが、「安全性に問題がなければ基本的に(運航は)自由。事前審査では安全性に特段の問題はない」と説明し、許可せざるを得ないとの見通しを示した。

 平沼最高顧問は「(離島を)いかに経済支援をしていくか。そのためには、どういう法律をつくっていくかが大きな課題だ。ガソリンの値段などでも特別措置がされるべきで、国境を守る島には特別な配慮を考えなければならない」と述べた。

漂着ごみ清掃で日韓交流 対馬、釜山外語大生ら約200人参加

2009年06月01日 長崎新聞のながさきニュース

 韓国・釜山市の釜山外国語大生と対馬市民が漂着ごみを拾いながら交流し、環境問題を考える「日韓市民ビーチクリーンアップ」が5月30、31の両日、対馬市内であった。

 対馬は韓国まで約50キロと近く、海流に乗って韓国や中国などからごみが大量に漂着している。海岸清掃はこうした現状を受け、2003年に始まり、7回目。

 30日は荒天で旅客船が欠航し、釜山外大生は参加できなかったが、市民約100人が上県町田ノ浜の海岸を清掃し、約100立方メートルのごみを回収した。

 31日は豊玉町貝口のタクモテ海岸であり、同大生ら103人と、住民はじめ、中高生、市職員、環境美化団体、県産業廃棄物協会対馬壱岐支部など地元から約110人が参加した。海岸にはプラスチック製の漁具や漁網、発泡スチロール、ペットボトルなどが散乱しており、121立方メートル分を拾った。

 同大1年のベ・ジョンヒョンさん(18)は韓国の町中にごみ箱が少なく、ポイ捨てが多いことを挙げ、「ごみ箱を町に増やした方がいい」、同大2年の押田海香さん(19)=対馬高卒=は「対馬に流れないようごみ箱にきちんと捨てたい」と話した。

 同大1年のカン・チャンミンさん(18)は「やりがいがある。掃除をしながら日韓が仲良くなれれば」、加志々中2年の大浦千沙都さん(13)は「韓国のごみが多いので一緒に拾ってくれると交流もできていい」と意義を語った。

長崎県対馬市が4月、福岡事務所を開設した

2009年05月31日 西日本新聞朝刊

 長崎県対馬市が4月、福岡事務所を開設した。国境の島、対馬には韓国人観光客が多い割に本土からの客は少ない。そこで福岡都市圏で売り込みをかけ、島の活性化につなげることを目指している。

 福岡県内には対馬出身者が多い。その1人、故梅野初平氏を思い出す。福岡地方史研究会で活躍、古文書仲間を連れて帰郷もした。植民地時代、政略結婚させられた宗武志と朝鮮李王朝の王女、徳恵姫の奉祝記念碑を島に復元する力になった。地域に埋もれた歴史を再発見し活力にする。梅野氏はよい模範だ。

 対馬での韓国人による不動産買収を問題視する声があるが、元来、韓国との交流があってこそ島に活力が出る。本土の対馬ファンを育てる努力も欠かせない。対馬の財部能成市長は対馬応援団を組織し、島おこしに「外の目」を取り込む狙いだ。私も応援団の一員として、お手伝いをしたいと思う。 (嶋村)

新緑にアオサギ映える、対馬の山林で集団営巣

2009年05月31日 読売新聞 YOMIURI On-Line

花のように見えるアオサギのコロニー(本社ヘリから)

 対馬市美津島町の県営対馬空港近くの山林で、アオサギ数百羽がコロニー(集団営巣地)を作っている。上空から見ると、それぞれの巣は新緑に映える淡い青色の花のよう。6月には、今春生まれた若鳥が巣立っていく。

 巣の中では、親同士が長いくちばしでつつき合ったり、首を伸ばしてくちばしを上に向けたり。甲高い声で鳴き、枝から巣へ、巣から枝へと飛び交う。コサギやゴイサギなどはおらず、アオサギの楽園となっている。

 アオサギはサギ科で、全長90〜95センチ。翼を広げると約1・5メートルにもなる。体や翼は青灰色で、頭や首は白色。首には黒い縦じまの筋がある。

 日本野鳥の会会員の馬田勝義さん(57)(佐世保市)は、ここでコロニーが形成されたことについて「近くには川や湿地、浅瀬が多い浅茅湾がある。えさの小魚やカニ、カエルなどが豊富なうえ、人間やカラス、テンなどから狙われる心配もない。繁殖に適した環境がそろっているからではないか」と話す。

 営巣は2月初め頃から始まる。6月に入ると、一つの巣から2、3羽が巣立っていく。9月中頃には親鳥も姿を消し、コロニーは空き家となるという。

 山林所有者の大浦望人司(もちとし)さん(72)は「アオサギは江戸時代頃からここで繁殖を繰り返していると聞いている。毎年、アオサギによって春が来た、秋が来たと知らされる。朝から晩まで騒々しい鳴き声にも慣れました」と笑顔を見せている。

酔った韓国人に深夜の住民不安 対馬で警察出動の騒ぎ

2009年05月30日 長崎新聞のながさきニュース

 対馬市美津島町竹敷で二十八日深夜、酒に酔った韓国人の男性旅行者(43)が民家の戸をたたき、警察が出動する騒ぎがあった。対馬南署の調べでは、近くの民宿に戻る際に道に迷い、道案内を求めたというが、住民は「言葉が通じない外国人の深夜徘徊(はいかい)は不安」と民宿側や警察に再発防止を訴えている。

 韓国人が経営する民宿によると、この日は三十九人の団体客が宿泊。夜に屋外でバーベキューをした後、男性一人が行方不明になった。住民によると、男性は午後十一時ごろ、民宿裏の市営住宅のガラス戸をたたいた後、二軒の家を訪ね、玄関の戸をたたいたり、玄関先に座り込んでいた。

 住民は言葉が通じず、不安になり一一〇番通報。対馬南署員が駆け付ける前に、男性を捜していた民宿側が身柄を引き取った。同署は「道に迷ったようだ。犯罪性はない」として男性と旅行業者を厳重注意。男性は始末書を書いた。

 民宿側は取材に対し、「男性に悪気はなかった。近所には迷惑を掛けないよう注意したい」と話した。

 海上自衛隊基地がある竹敷には、韓国人が経営する民宿などが三軒あり、週末には韓国人が百人以上宿泊することもある特殊な地域。

廃校舎活用し11月に開催 対馬・舟志の森やまねこ音楽祭

2009年05月30日 長崎新聞のながさきニュース

 絶滅の恐れがある国の天然記念物ツシマヤマネコの保護を呼び掛ける「舟志の森やまねこ音楽祭」が今年も対馬市上対馬町舟志の旧舟志小校舎で開かれることになり、住民らでつくる実行委(宮原嗣明委員長)が二十七日、廃校舎で初会合を開き、十一月七日に開催することなどを決めた。

 音楽祭は二〇〇七年に始まり、今年で三回目。市は「廃校活用のモデルに」と校舎改修費九百五十万円を予算付けしており、地域活性化の拠点としての活用が期待されている。

 舟志地区の緑豊かな森にはヤマネコが生息し、住民や同地区に山を持つ企業などが「舟志の森づくり推進委員会」をつくり、生息環境の改善を図っている。旧舟志小は「舟志の森」入り口にあり、約二十年前に廃校になったが、〇七年から住民が地域活性化の拠点として植樹祭や音楽祭を開いている。

 実行委は、住民や対馬野生生物保護センター職員、市職員らがメンバー。音楽祭は木造校舎の教室が舞台。昨年は地元太鼓グループや上対馬町出身で長崎在住のサックス奏者、市民吹奏楽団のほか、ツシマヤマネコの飼育を計画している佐世保市からジャズ愛好家、上対馬町出身のメンバーらでつくるプロバンド「Hi−CLASS」=横浜=の五組が出演した。

 ヤマネコ保護団体による森づくりイベントも開かれ、約五十人が森の生態系を学び、植樹地を見学。ドングリをビニール鉢に植える苗作り体験もあった。

 初会合では、音楽祭の開催日を決めたほか、テーマ曲作りや舟志の森見学ツアーの開催などの提案があった。

 校舎改修費は町づくりに取り組む住民の動きを受け、市が〇八年度の国の二次補正で予算付けした。天井や壁など雨漏りしている場所を補修し、トイレ、水道を修理するほか、宿泊室や調理場、五右衛門風呂などを整備する。

 実行委員で舟志区長の古藤定さん(65)は「文化的な音楽祭を組み合わせてヤマネコや自然保護を訴え、地域を盛り上げていきたい。対馬には自然や野鳥などを求めて大学生や研究者らが足を運んでいるので廃校舎は宿泊施設に活用できれば」と抱負を語った。

対馬でニセ一万円札 韓国人観光客も捜査対象

2009.05.29 MSN産経新聞

 長崎県対馬市のスーパーマーケットで、偽一万円札が使われ、長崎県警対馬北署が偽造通貨行使容疑で捜査を始めていることが分かった。同署では、偽札が使われたとみられる時間帯に韓国人観光客が多数押し寄せていたことから、韓国人観光客も対象に捜査を進めている。

 偽一万円札が使われたのは、対馬市上対馬町大浦のスーパー「タケスエ」。

 対馬北署によると、店員が24日午後3時半ごろ、レジを整理していたところ、表面をカラーコピーし、裏面を白黒コピーした偽一万円札が1枚見つかり、110番通報したという。

 店員は、事情聴取に、偽一万円札を受け取ったのは午後3時ごろで、店内は安売りセールで込み合っていたため、相手の顔は覚えていないが、客の中には、島民のほか、韓国人観光客が100人以上いた、と説明しているという。

 同署は、当時、店内にいたとみられる島民から事情を聴くと同時に、税関や入管などと協力、韓国人観光客を追跡捜査したが、全員、すでに出国しており、手がかりは見つからなかったという。

 同署は、偽札は粗末なものだが、ほかのスーパーなどでも使われる可能性があるとみて注意を呼びかけている。

【本ナビ】「対馬が危ない」

2009/05/27 ZAKZAK

 れっきとした日本の領土である竹島を不法占拠している韓国は、日本が国際司法裁判所での決着を求めても決して応じようとはしない。すでに実効支配している韓国にとってメリットがないからである。方や「対馬」は日本の領土であることに一点の疑いもない。世界中がそれを認めている(一部の韓国人を除いて!)から安心だ…と思っていたら、もはや「そんな甘いこと」を言っていられないようだ。土地は韓国資本に買い占められつつあり、ついに自衛隊基地横にリゾートホテルまで建てられた。

 それなのに日本の多くの国会議員や国民の危機感はほとんどゼロ。

 大反響を呼んだ産経新聞のキャンペーン記事をベースにして、“お人よし”日本人の覚醒を促す1冊。(宮本雅史編著、産経新聞出版、840円)

X線検査機設置など対馬市に要望 6月就航目指し韓国航空会社

2009年05月23日 長崎新聞のながさきニュース

 韓国−対馬間の定期航空便の就航を目指しているコリア・エクスプレス・エア(韓国・ソウル)の盧承英(ノ・スンヨン)代表理事は二十二日、対馬市を訪問。六月中旬にも運航を開始したいとして、許可申請に必要なエックス線検査機の設置と入管、税関、検疫(CIQ)職員の増員に向けた支援を市に要望した。

 同社によると、韓国では六月十五日からの運航許可が下り、来週中に国土交通省に許可申請をする予定。テロ対策で手荷物を調べるエックス線検査機の設置が条件となるが、市は同社が設置すべきで、財政的な問題なども理由に支援を断った。これにより、六月中旬運航の見通しは今のところ立っていない。

 応対した大浦義光副市長は採算性にも疑問を投げかける一方で「ソウルと対馬を結ぶ空路開設は歓迎したい。CIQ増員など高い壁はあるが、協力できることはしていきたい」と述べた。

 同社は、対馬観光の需要が高いとして昨年七月から市に定期便運航を働き掛け、来訪は四回目。昨年中の就航を目指していたがずれ込んでいる。

 運航計画は当面、二十人乗り双発プロペラ機を週三日五便運航。乗客が増え、CIQの増員など受け入れ態勢が拡充すれば、毎日五便運航し、航空機も大型化したいとしている。

 盧代表理事は、同社の双発プロペラ旅客機「ビーチクラフト1900D」(二十人乗り)に乗り、登山客や釣り客、テレビ局関係者ら計十四人でソウルの金浦(キンポ)空港から対馬空港を訪れた。二十五日まで滞在する予定。

【対馬が危ない!】「経済策」と「領土保全」…新法急務

2009.05.23 MSN産経新聞

 直行便について対馬市民の受け止め方は複雑だ。経済効果を期待する半面、習慣の違いから起きる市民との軋轢(あつれき)の拡大や不動産買収が加速するのではという懸念がある。トラブルは、話し合いや取り締まりにより解決の糸口を探ることができそうだが、不動産買収は、領土保全問題がからむだけにより深刻だ。

 財部能成市長も「不動産買収が加速する可能性は否定できない」と述べ、過疎化で島民数が減り、その半面、韓国人の数が増え、土地が次々と買収されれば、「用地取得を含むさまざまな事業を市が推進する際、仮に合意してもらえない事態になれば、行政がイニシアチブをとれなくなる可能性がある」と、不安を隠せない。

 同市議会の前国境離島活性化特別委員会委員長の作元義文市議も「外国人に参政権を付与することになると、韓国による対馬の実効支配が進む恐れもある」と述べ、これが現実のものとなれば、対馬を揺るがすだけでなく、国家を揺るがす事態にもなりかねない。

 韓国では、外国資本の不動産売買について「外国人土地法」がある。ここには文化財保護区域や生態系保護区域、軍事施設保護区域や軍事上必要な島の中にある土地を外国人が取得する際は、事前の許可が必要だと定められている。

 米国でも、包括通商法のなかに、「エクソン・フロリオ条項」と呼ばれる条項を盛り込み、航空や通信、海運、発電、銀行、保険、地下資源、国防、不動産の分野で、対米外国投資委員会(CFIUS)が米国の安全保障を脅かすと判断した場合、大統領にその取引を阻止する権限があると定めている。1988年、日本資本による米企業の敵対的買収を阻むために導入された。

 米国や韓国では、領土保全と安全保障を念頭に、事前の自主防衛措置をとっている。しかし、日本にはこうした規制はない。

 領土保全や国防上重要な土地の取引には、韓国や米国のように、主権国家として外国資本による買収を規制する特別措置を設けることが急務だ。ただ対馬の場合、不動産が韓国資本に買収される背景には、経済的な困窮問題があるため、「誘致企業に対する法人税の免除」や「新規企業及び中小企業への特別な金融措置」など、経済的対策と領土保全を見据えた上での新しい法律が必要だ。

 幸い、対馬問題を重視した超党派の国会議員が「国境離島対策プロジェクトチーム」を結成、新法制定に向け会合を開いている。

 今回の直行便就航計画が、新法制定へのはずみになれば、と期待する声も多い。(宮本雅史)

【対馬が危ない!】ソウル直行便、近く運航許可

2009.05.23 MSN産経新聞

 韓国・ソウルと対馬(長崎県)を結ぶ直行便の運航を計画している「コリア・エクスプレス・エア」(ソウル)は22日朝、4回目の試験運航を行い、同社の盧承英(ノ・スンヨン)代表理事ら14人が来島した。同代表理事は韓国政府から6月15日から運航できる許可を得たとし、日本政府からも来週中には正式に許可が下りるとの見通しを示した。

 また、直行便は定期的なもので、週5便の就航でスタートし、「いずれは使用する小型プロペラ機を20人乗りから50人乗りに代え、毎日5便の就航を目指したい」と述べた。その上で、韓国人観光客の数は現在の3倍以上にのぼり、「対馬にとってはいいことだ」と、経済効果の大きさを強調した。

【対馬が危ない!!】ソウルから直行便計画 韓国航空会社が近く申請

2009.05.22 MSN産経新聞

 韓国の航空会社がソウル(金浦国際空港)と対馬(長崎県)を結ぶ直行便を運航する方向で、国土交通省と最終調整に入っていることが21日、関係者への取材で分かった。同社は近く申請する予定。対馬をめぐっては、過疎化が進んだことで韓国資本が一部不動産を買収し、国防上の問題となっている。直行便運航により、経済効果を期待する半面、不動産買収が加速するのではとの見方もあり、地元からは懸念の声があがっている。

 国交省国際航空課によると、韓国の航空会社は6月末から8月末にかけての期間限定のチャーター便運航を打診。便数などは調整中だが、使用機種はビーチクラフト社の小型プロペラ機(定員約20人)の見通し。

 航空会社は近く申請に踏み切るとみられ、国際航空課は「安全性などが確認されれば、通常の手続きに従い許可されるだろう」としている。

 ソウル−対馬便をめぐっては、「漢瑞(ハンソ)宇宙航空会社」(現・「コリア・エクスプレス・エアー」)が昨年7月、「ビーチクラフト」の試験運航を実施。同社の代表理事が対馬市長を訪問し、同年8月にもソウル、釜山と対馬を結ぶ定期便の就航を目指す考えを示していた。しかし、対馬空港の税関や入管整備がネックとなり、定期便就航には至らず、計画は宙に浮いたままになっていた。

 「航空便運航は昨年頓挫していた」と理解していた住民も多く、直行便就航計画が水面下で実施に向けて進められていたことに、対馬市議会の前国境離島活性化特別委員会委員長の作元義文市議は「(就航の)うわさはあったが、詳細は聞いていない」と話した。

 対馬をめぐっては、経済破綻(はたん)による過疎化対策として、対馬市は韓国人観光客の誘致を展開してきたが、その結果、地元住民との間で軋轢(あつれき)が生じたり、一部不動産が韓国資本に買収されるなど国防上の問題などが浮上している。

 チャーター便運航で、経済効果を期待するホテル関係者もいるが、韓国資本による不動産買収が加速するのではないかと懸念する住民も多い。

 外国資本による不動産売買については、米国や韓国には規制する法律が整備されているが、日本にはなく、野放図の状態だ。チャーター便就航などで、韓国と対馬が急接近することが予想されるため、早期の新法制定が求められる。

 国境離島問題解決のための新法制定に向けた超党派プロジェクトチームの最高顧問、平沼赳夫衆院議員は「『防人の島』を守るための議員連盟ができ、定期的に勉強会もやり、(離島を守るための)どういう法律がつくれるか話し合っている。急がなければならない」と話している。

日韓の習慣 違いを紹介 対馬観光物産協会が冊子 トラブル防止へ配布開始

2009年05月21日 西日本新聞朝刊

冊子「アンニョン! 対馬」を手に相互理解を呼び掛ける対馬市国際交流員のソン・スジンさん

 対馬観光物産協会は、対馬市を訪れる韓国人観光客と地元観光業者とのトラブルをなくそうと、日韓の習慣の違いをまとめた冊子「アンニョン! 対馬」を作成した。市国際交流員のソン・スジンさん(28)=韓国・釜山市出身=が、自身の経験やこれまで市に寄せられた苦情を基に執筆。ソンさんは「お互いの国への理解を深めるために役立ててほしい」と話している。

 同市では、韓国人旅行客の増加に伴い、トイレで使った紙を流さずにごみ箱に捨てた旅行客とトラブルになるなどのケースが目立ち始めた。

 冊子は、韓国ではトイレの紙質が悪い上、排水管が細く詰まりがちなため、むしろトイレに紙を流さない習慣になっていることを紹介。このほか、飲食店や宿泊施設への飲食物持ち込みや宿泊予約のキャンセルなどが多いことについても、韓国では持ち込みが当たり前であったり、宿泊予約そのものが一般的ではなかったりすることを説明している。

 冊子はA5版、31ページで、日本語と韓国語を併記。3000部発行し、市内のホテルや飲食店などに配っている。対馬観光物産協会=0920(52)1566。

対馬市議22人決まる 投票率87・18%、新人7人

2009年05月18日 長崎新聞のながさきニュース

 任期満了に伴う対馬市議選は十七日、投開票され、新市議二十二人が決まった。

 二〇〇四年三月の旧六町合併で市が誕生後、二回目の市議選。行財政改革や人口減少などを理由に、定数は今回から四削減され二二。これに対し、現職十八、元職二、新人十の計三十人が立候補した。

 開票の結果、現職十五、新人七、町別では▽厳原七(立候補者十二)▽美津島六(同六)▽豊玉二(同二)▽峰二(同四)▽上県二(同三)▽上対馬三(同三)が当選した。

 選挙戦は雇用の場の確保や一次産業の振興、地域活性化など山積する課題にどう取り組むかを争点に展開された。

 当日有権者数は二万九千百六十二人(男一万三千九百五十一、女一万五千二百十一)、投票率は87・18%(男86・68、女87・63)、〇五年の前回を2・78ポイント下回った=市選管調べ=。

【対馬が危ない】防人新法へ前進 議連などプロジェクトチーム

2009.04.27 MSN産経新聞

長崎県対馬市の浅茅湾。リアス式海岸の静かな海が広がる=長崎県対馬市の烏帽子岳展望台より(鈴木健児撮影)

 長崎県対馬市で過疎化が進み、韓国資本が一部不動産を買収などしている問題で、超党派の国会議員からなる「日本の領土を守るため行動する議員連盟」(山谷えり子会長)と自民党の「真・保守政策研究会」(中川昭一会長)は27日、「国境離島対策プロジェクトチーム」の会合を開き、関係省庁からヒアリングを行った。国境離島問題を解決するための「防人(さきもり)の島新法」(通称)の制定に向け、大きく踏み出した。

 プロジェクトチームは、離島における経済対策、防衛対策、国境離島政策などを包括的に検討するもので、同日は11人の衆参両院議員が参加した。

 チームの最高顧問に就任した平沼赳夫衆院議員(無所属)は冒頭、「大切な国境、国土の保全に頑張っていきたい」とあいさつ。会長の中川昭一前財務相も「国境、領土は国家の基本。みなさんとともに何とか前へ進んでいきたい」と述べた。

 会合では、法務、外務、防衛各省、海上保安庁の担当者から、外国人による国防上重要な土地の取得を制限する「外国人土地法」をめぐり、現在は実際に制限するための政令がないことや、国際条約の「サービスの貿易に関する一般協定(GATS)」では、外国人による土地取得を制限していない現状などが説明された。

 外国人による土地取得は自衛隊の部隊運営に直接影響を及ぼしていないとする防衛省の説明には、対馬市を選挙区に持つ谷川弥一衆院議員(自民)は「安全に問題はないというが、安心ではない」と、地元の不安を代弁した。

 また、「GATS」にある安全保障上の例外規定について、外務省側が「(新たに)制限をすることになれば、各国から疑義が出される可能性がある」などの答えに終始すると、議員側からは省庁側の消極姿勢に疑問の声が上がり、中川氏は「平和的な観光は歓迎とはいっても、だんだん実行支配されてしまう。予防的な安全保障の概念を持っていないのか」と不満を示した。

 最後に、平沼氏が「生ぬるい感じでこの国の安全を守れるのか。前線にいる役人がもっと危機意識を持って対処してもらわないと困る」と、対応に強くクギを刺す場面もあった。

 プロジェクトチームは今後も随時会合やヒアリングを重ね、早急な新法の制定を目指す。

【対馬が危ない】韓国資本土地買収で新潟県議会が意見書

2009.03.27 MSN産経新聞
2009.3.27 01:00

 日本一島数が多い長崎県。対馬中部の竹敷地区=長崎県対馬市(本社機より、鈴木健児撮影)

 韓国資本が対馬(長崎県)の土地を買収して観光開発を進めている問題で、新潟県議会は26日、外国資本による不動産買収の規制などを国に求める意見書を自民党などの賛成多数で可決した。

 事務局によると、都道府県議会が対馬をめぐる問題で意見書を可決するのは全国初。政府と国会に島内の国防関連施設の拡充や外国資本による不動産買収の規制など特別措置を要望している。

波紋呼ぶ小沢氏の「済州島買っちまえ」発言

2009.03.13 MSN産経新聞

 民主党の小沢一郎代表は12日、前連合会長の笹森清氏が11日夜に東京都内で開かれた民主党の山田正彦衆院議員のパーティーで行ったあいさつで、小沢氏が韓国資本による長崎県・対馬の不動産買い占めに対抗して、「今、円高だから(韓国領で観光地として知られる)済州島を買っちまえ」と述べたと紹介したことについて、「そんなことは言ってない」と否定した。

 小沢氏は「日本だって韓国の土地は買えるんだから問題ない。外国の企業だって(日本の)土地が買えるんだからお互いさまだ。何か問題があるのか」と指摘し、韓国資本による対馬の不動産購入に問題はないとの認識を示した。

 一方、笹森氏は12日、産経新聞の取材に対し、「小沢さんは『済州島を買っちまえ』とは言っていない。『今、円高だから、済州島の土地を買うのもいいんじゃないの』と言ったという話だ。産経新聞は間違っている」と語った。

 また、小沢氏の発言の背景に関しては「日本は北方領土、竹島といった領土問題を抱えているほか、対馬が韓国資本に買い占められているという情報がある。私が『それを危惧(きぐ)している。何とかならないか』と小沢氏に言ったところ、そういう話になった」と述べた。

 ただ、産経新聞は11日夜の山田氏のパーティーを取材した際、笹森氏のあいさつを録音しており、再確認したところ笹森氏は次のように語っていた。

 「(小沢氏が)『あんた対馬のことどう思うか』と言うから、『私は今、対馬はものすごく心配してます。ウォン経済に買い占められそうだ』と、こういうふうに言いましたら、『確かにそうだよな。しかし、それ以上に、そのことを心配するならお前、今、絶好のチャンスだぞ』と小沢さんが言いました。『何でですか』と聞いたら、『今、円高だから、済州島買っちまえ』と。なぜこんなことを言ってるかというと、あの謹厳実直でまじめそうな口からね、そういう途方もないことが出てくる」

 自民党の町村信孝前官房長官は12日、都内で記者団に対し、民主党の小沢一郎代表の済州島に関する発言について、「妄言(もうげん)だ。良識ある政治家の発言とは思えない。韓国、米国を敵に回し、中国べったりって感じだ」と批判した。自民党の中山成彬(なりあき)前国土交通相は「(小沢氏は)北朝鮮による拉致被害者もカネで解決すると言ったという話もある」と批判した。

 共産党の志位和夫委員長は記者会見で「済州島が韓国領であるのは明瞭(めいりょう)だ。日韓両国の友好関係にとって非常にまずい」と指摘した。

河村長官、対馬「絶えず注視」

2009.03.12  MSN産経新聞

 河村建夫官房長官は12日午前の記者会見で、長崎県対馬市で韓国資本が一部不動産を買収などしている問題について「日本にとって大事な先端基地であり、自衛隊がまさに日本の国の防人的な役割を担っているので、あらゆる情報を絶えず注視しながら適切な対応をしていく」と述べた。

【対馬が危ない】100万人署名スタート 新法制定求め

2009.02.07 MSN産経新聞

領土に関する新法制定を求めて署名活動を行う日本青年会議所のメンバーら=7日午後、東京・立川駅前(鈴木健児撮影)

 長崎県対馬市で韓国資本が一部不動産を買収するなどしている問題で、日本青年会議所(JC、安里繁信会頭)は7日、新法制定などを求める署名運動を全国で始めた。JCが全国一斉に署名運動を展開するのは初めて。

 「北方領土の返還及び竹島の解放」と「国境・離島を守るための政策の策定」を要望するもので、9月23日までに100万筆を目標に集め、首相や関係省庁に提出する。安里会頭は「対馬問題も外交上の大きな争点になっていく危険性があり、今のうちに対処しなければならない」と協力を呼びかけている。

 この日、JCは全国47カ所で約1500人の会員を動員。東京都立川市のJR立川駅前で署名した女子大生(22)は「奄美大島出身なので離島の問題に関心がある。政府にはしっかり守ってほしい」と話していた。

【対馬が危ない】JCI、100万人署名運動へ 新法制定など要望

2009.01.28 MSN産経新聞

 長崎県対馬市が経済不況で過疎化が進み、韓国資本が一部不動産を買収するなどしている問題で、日本青年会議所(JCI、安里繁信会頭)は28日までに、来月7日から、新法制定などを求める署名運動を全国規模で展開することを決めた。

 署名運動は、「私たちの領土(いえ)は私たちで守ろう」をスローガンに、「北方領土返還及び竹島の解放の要望」と「国境・離島を守るための政策の策定の要望」の2点について、全国の会員を動員、100万人を目標に、駅前やショッピングセンターなどで行う。期間は今年9月23日までで、集まった署名は10月上旬、首相や政府関係機関に提出する方針。

 JCIでは、署名運動を対馬市を守るための運動につなげたい方針で、署名運動と連動して、2月から毎月1回、現地調査を行うほか、5月には同市で全国から会員を動員して講演会を開くことにしている。

 JCIの国防問題検証委員会の時忠之委員長は、「現在の離島振興法だけでは対応できないところまできている。領土問題を明確にし、国境・離島に住む住民を守るためには、国の政策として新法の制定が必要」と話している。

【対馬が危ない】自衛隊増強を市が陳情 「抑止力不十分」

2009.01.26 MSN産経新聞

 長崎県対馬市で防衛施設の周辺などに韓国資本が進出している問題で、同市と同市議会は26日、防衛体制が不備だとして、自衛隊の増強などを求める要望書を防衛省に提出した。

 要望書によると、陸上自衛隊について、現在の部隊規模では侵攻に対して抑止効果が不十分であり、実効的な対応は極めて困難であるとして、1個連隊規模の常駐▽航空部隊の配置▽演習場の確保▽弾薬庫の新設と要員の配置▽装備品・弾薬の事前集積地の確保−が必要としている。

 海上自衛隊については、イージス艦や護衛艦、輸送艦、ミサイル艇隊の専用岸壁整備のほか、哨戒ヘリ・ミサイル艇の臨時的展開と支援部隊の常駐やLCAC(エアークッション型揚陸艇)揚陸適地の確保を要請。航空自衛隊については、大型の航空自衛隊輸送機が離着陸できるように対馬空港を整備することや、超低高度隠蔽(いんぺい)目標攻撃訓練など各種訓練ができる訓練場の誘致を求めている。

 同市は「対馬はロシアや朝鮮半島、中国と対峙(たいじ)する国境最前線で、防衛の要であり、普段から有事の核となる態勢をとっておく必要が重要である」としている。

【対馬が危ない!】防人新法、作業着手へ 議連、政府に早急調査求める

2009.01.15 MSN産経新聞

 長崎県対馬市で過疎化が進み、不動産が韓国資本に買い占められるなどしている問題で、超党派の国会議員からなる「日本の領土を守るため行動する議員連盟」(山谷えり子会長)は14日の総会で、国境・離島問題を解決するための「防人の島新法」(通称)制定に向け具体的な作業に着手することを決めた。山谷会長は「対馬は人口が減り、経済的にも厳しい状況にある。領土を守るという意思を持って、対馬の産業振興を図っていきたい」と危機感を強め、政府に対馬問題に関する早急な調査を求めることを明らかにした。

 総会には、自民、民主、無所属の衆参両院議員19人と代理人22人が参加。「領土議連」と自民党の「真・保守政策研究会」(中川昭一会長)が昨年12月20日に行った対馬視察について、領土議連事務局長の松原仁衆院議員(民主)が報告。この中で、自衛隊の国防意識の低さや対馬の安全が脅かされている実態を強調した。

 松原氏は「他国との国境を接している離島には、特段の配慮が必要。可及的速やかに対応すべきだ」と話し、超党派による防人新法制定の必要性を訴えた。

 戸井田とおる衆院議員(自民)も「今回、話題になったのがチャンス。今を逃したら、次に誰も目も向けないことがありうる。遠慮せずにやってほしい」と、政府の積極的な対応を求めた。

 また、視察団のひとり、山内俊夫参院議員(自民)は「対馬のイメージが阻害された。飛行機がない航空自衛隊、船を持たない海上自衛隊では、島民の命を守れない」と不満を示した。

 一方、有村治子参院議員(自民)は長期的な視野に立って対馬を含む領土を守る必要性を指摘した上で、「国境を守ってくれている対馬の方々を支援すべきだ」と、同議連が中心となって全国から募金活動を行うことを提案した。

 同議連は今後、各議員の意見に基づき、防人新法制定の作業に入ることを確認。必要な手続きについて、山谷会長と事務局に一任することで一致した。

■議連視察団報告の詳細

 「日本の領土を守るため行動する議員連盟」の14日の総会で、明らかになった国会議員の対馬視察団報告の詳細は次の通り。

 一、自衛隊の国防意識がきわめて低い。

 (1)わが国の国境離島では唯一、陸、海、空の自衛隊が配備(隊員数700人)されているが、防衛隊としての機能が充分とはいえない。

 ※陸上自衛隊には実弾が足りずに訓練が行き届いていない。

 ※海上自衛隊には艦船がない。

 ※航空自衛隊にはヘリさえない。

 (2)韓国資本に買収された海上自衛隊の隣接するリゾートホテルに対して、海上自衛隊は危機意識を感じていなかった。

 ※この買収された場所は旧日本海軍の軍事施設であり、そこを韓国に買収させることに象徴されるように領土意識が希薄になっている。(真・保守政策研究会の平沼赳夫最高顧問の意見)

 (3)海栗島にある航空自衛隊への部隊の移動は民間の定期フェリーであることや、防衛施設が無防備であることからも防衛意識が低いことが伺われる。

 二、対馬の安全が脅かされている。

 (1)密漁やまき餌釣りが横行しているが、警察や海上保安庁による取締りが不十分。

 (2)韓国人の観光客が多くなるにつれて税関の人数が足りなくなり密輸が横行する恐れがある。

 (3)海岸に面した土地を外国資本に買収されれば密航者を阻止できなくなる。

 三、経済的にも韓国に頼れないことが明らかとなった。

 (1)韓国のウォン安にともない、観光客が激減し、韓国からの観光客相手の商売が行きづまっている。

 (2)観光客の誘致のためのアリラン祭に対して、地元からの不満が募っている。

 (3)観光客の激増は一部の経済界は潤っても、多くの島民にとって経済効果があるとはいえない。

 ※韓国による密漁、まき餌釣りは対馬の漁業に打撃を与えている。経済的自立ができなければ、後継者が育たなくなり、人口減少を引き起こしている要因となっている。

 四、一〜三を解決するために超党派による防人新法を成立させるべきである。

【対馬が危ない!】「立法措置が不可欠」 議員視察で高まる機運

2008.12.21 MSN産経新聞

 長崎県対馬市で過疎化が進み、それに呼応するように一部不動産が韓国資本に買収などされている問題は20日、自民・民主両党の国会議員を中心とした超党派の議員グループ11人が同市を公式視察したことで、国会議員の間にも強い危機感が現実味を帯び、領土問題と真正面から取り組む兆しが見えてきた。議員らの間には立法措置が不可欠との認識が強まっている。

 今回の公式視察では、韓国資本に買収され、現在はリゾートホテルとして営業している海上自衛隊対馬防備隊本部(同市美津島町竹敷)の隣接地が、実は明治期、旧日本海軍が造成した軍事施設だったことが明らかになった。聞くと、水雷艇の停泊地として開発され、かつては14隻の水雷艇が停泊していたといい、しかも石組みは現在も健在で、軍港としての使用が可能だというのだ。

 韓国資本がそれを見通して買収したとは言えない。しかし、竹敷地区は、リアス式海岸特有の湾曲に富んだ入り江と無数の小島からなる浅茅湾に面している。明治期から、自然が作った迷路を生かして海軍要港施設が整備されるなど、国土防衛の要害で有り続けた。

 対馬全体をみると、国防の要塞(ようさい)の地であるという歴史的事実や30を数える要塞が今も残っていることが示すように、風光明媚(めいび)な観光地というだけではなく、国土防衛の要の地として島全体がその歴史を刻んできた。この点について、同じ離島でも内海離島とは本質的にその性格が違う。島のあちこちに軍事施設となりうる場所がちりばめられていることから、現状が続くと、海自対馬防備隊本部の隣接地のように旧日本軍が建設した軍事関連施設跡が買収され続けかねない。

 今回の視察で平沼赳夫衆院議員(無所属)は「領土意識が希薄になっていることを象徴している」と断じた。また松原仁衆院議員(民主)は「旧海軍施設を韓国資本が買っていることになる。将来的に国防上どうなるのか…」と危機感を現した。

 今、外国資本による対馬での不動産売買に規制を求める声が同市や一部国会議員の間でわき上がってきた。

 今回の視察団は11人全員が、同市の経済活性化と領土問題の両輪を視野に入れた新法の必要性を強く感じた。対馬問題は領土問題、特に国境・離島問題についてすべての政治家や国民を覚醒(かくせい)させ、真摯(しんし)に向き合うべきことを示唆している。(宮本雅史)

【対馬が危ない!】議員団、現地視察で驚いた! 韓国資本の買収地は旧日本軍港だった

2008.12.20 MSN産経新聞

対馬市交流センターを視察し、現況を確認する山谷えり子議員、松原仁議員ら=12月20午前9時、長崎県対馬市(鈴木健児撮影)

 長崎県対馬市で韓国資本が一部不動産を買収などしている問題で、自民、民主両党の国会議員を中心とした超党派の議員グループ11人が20日、同市を公式視察した。視察団は、韓国資本に買収された海上自衛隊対馬防備隊本部(同市美津島町竹敷)の隣接地などを訪問。同本部の隣接地はもとは明治時代に造成された旧日本海軍の軍事施設だったことが分かり、視察団長の平沼赳夫衆院議員(無所属)は「領土意識が希薄になっていることを象徴している」と改めて危機感を表明、新法の制定に強い意欲を見せた。(宮本雅史)

 視察団は午前中、対馬市厳原町の市交流センターや厳原港ターミナルを見学。午後は、海自対馬防備隊本部の施設と隣接するリゾートホテル、上対馬町の韓国展望場や航空自衛隊レーダー施設などを訪問した。

 視察団が最も関心を示したのは韓国資本に買収された同防備隊本部の隣接地。以前は真珠加工場だったが、明治時代に造成された旧日本海軍の軍事施設だったことが、市側の説明で分かったためだ。

 対馬市議会自衛隊増強特別委員会委員長の大浦孝司氏によると、買収された敷地内にある浅茅湾に通じる岸壁は旧日本軍が水雷艇の停泊地として開発、軍港として利用していた。現在も石組みが残され、軍港としての活用が可能という。

 松原仁衆院議員(民主)は「旧海軍施設を韓国資本が買っていることになる。将来的に国防上どうなのか…」と危惧(きぐ)した。

 超党派の議員グループ11人に、対馬市側は、防衛施設の整備や韓国資本による不動産買収の規制、税の減免措置、さらには、国境・離島を管轄する新たな省庁の設置などを盛り込んだ特別措置法の制定を求めた。

 視察に参加した国会議員は、ほかに、衛藤晟一▽山谷えり子▽西田昌司▽山内俊夫▽谷川弥一▽赤池誠章(以上、自民)▽山根隆治▽山田正彦▽石関貴史(以上、民主)の各氏。有村治子参院議員(自民)は秘書が出席した。

 「防衛施設が無防備なのを知って驚いた。何かあったら大変だ」。衛藤参院議員は、日本の安全保障上の観点から、そう感想を述べた。山内参院議員も「常に有事を考えないといけない」と指摘した上で、「このままでは、島民の命を守れないと感じた」と話す。

 対馬は日本の他の離島と同じように地域経済の衰退や過疎化という問題に直面している。こうした点を踏まえ、「島の活性化と安全保障の視点から新法制定に向けて議論を進めたい」(山谷参院議員)「国がしっかり現実をみて、国防と地域振興をしなければならない」(西田参院議員)との意見も相次いだ。

 「問題解決に取り組むスタート地点に立った」と石関衆院議員。赤池衆院議員と山根参院議員は「超党派で取り組みたい」と口をそろえ、新法制定への決意を新たにしていた。

 視察を終え、平沼氏は「対馬だけでなく、国全体が困ることが起きつつある。しっかり対策を考えたい」と語った。

【対馬が危ない】超党派議連、20日に現地視察

2008.12.04 MSN産経新聞

 韓国資本による長崎県対馬市の一部不動産買い占め問題で、自民、民主両党議員を中心とする超党派の議員グループは、今月20日に対馬を現地視察することを決めた。視察を実施するのは、自民党の「真・保守政策研究会」(中川昭一会長)と超党派の「日本の領土を守るため行動する議員連盟」(山谷えり子会長)。

 10月28日に開かれた「離島問題等固有の領土保全緊急会議」で対馬問題に危機感を強めた議員らが提案し、11月21日に実施する予定だったが、国会が紛糾したことから視察を延期していた。

【正論】与那国島を第二の対馬にするな 中国軍事専門家・平松茂雄

2008.12.04 MSN産経新聞

ようやく政治家が動く

 韓国との国境の島・対馬が過疎化と小泉改革による公共事業削減、石油高騰などの影響で深刻な経済困難に陥り、そのスキをつくように、韓国資本が島の土地を買い占めている。地理的に近いことから、韓国の観光客がドッと入るようになり、その数は島民の3倍にも達する。観光地にはハングルがあふれ、さながら韓国国内のような景観を呈している。しかも彼らは、竹島ばかりか対馬までが「韓国の領土」と主張しているというのだ。

 本紙は3回にわたる特別企画「対馬が危ない!!」で島の現状を報じた。すると、にわかに自民党の真・保守政策研究会と超党派の国会議員による「日本の領土を守るため行動する議員連盟」が動き出した。近く対馬を現地視察し、「防人の島新法制定の推進議員連盟」を結成して、法整備に向けて具体的に検討することになった。

 わが国周辺海域が隣国からの「脅威」にさらされている。その現実を直視せよと早くから論じてきた筆者には「いままで何をしていたのか」と問いたい思いである。ともあれ政治家がこの問題に関心を向けたことを評価したい。

 しかし筆者が恐れるのは、関心が対馬だけに局限化されることだ。そもそもわが国には、特定の島嶼(とうしょ)に関する振興策はあっても、離島およびその周辺海域の防衛・振興を含めたトータルな施策がない。対馬だけでなく、約6800に及ぶ離島全体、特に「最前線」の島、海、空を重点的に防衛する施策が、今こそ必要なのではないか。

返還前からの特殊事情

 なかでも筆者が竹島や対馬の二の舞いになっては困ると危惧(きぐ)しているのが、日本の最西端の島・与那国島だ。この島は台湾までわずかに110キロである(ちなみに石垣島までは120キロ)。県都の那覇までは400キロも離れている。この島には、他の国境地域の島にはない特異な問題がある。それは、わが国の領土であるにもかかわらず、島の上空に日本と台湾との防空識別圏を区切るラインが通っていることである。

 防空識別圏とは、国の防空上の必要から設定された空域である。国際法によるものではない。だが、異国の航空機が領海上空を侵犯して領土上空に到達するまで、旅客機でも1分程度、超音速軍用機であれば数十秒である。領空侵犯されて対応するのでは手遅れだ。そこで領空の外周の空域に防空識別圏を設け、事前に届け出のない航空機が防空識別圏に進入した時点で、空軍機により強制退去させる措置をとっている。

 スクランブルといわれ、一般には航空機が防空識別圏に進入する恐れがある時点で発動される。それでないと、軍用機の場合には攻撃されてしまう恐れがあるからだ。

 ところが与那国島では、台湾との間の防空識別圏のラインが島の上空に引かれているのだ。厳密に言えば、島の東側3分の1は日本、西側3分の2は台湾である。沖縄占領中に米軍が便宜的に東経123度で線引きしたのを、返還の際、日本政府がそのまま引き継いでしまったからだ。

 当時としては、台湾(中華民国)が友好国だからとの単純な理由からであろうか。しかし、日本政府、防衛庁・自衛隊が自国の防衛にいかに無責任であるかは、現在でも自衛隊の航空機が台湾との防空識別圏に近づくことを意図的に避けていることにはっきり表れている。

自衛隊ですら関心なく

 筆者は中国の東シナ海石油開発を取材する中で初めてこの事実を知り、航空自衛隊に問い合わせた。すると「何も問題ありません。あなたは何を心配しているのですか」と相手にしてもらえなかったことがある。

 台湾はれっきとした主権のもとに存在している。わが国の領土である尖閣諸島の領有権を主張して譲らないばかりか、沖縄返還時には、台湾に無断で沖縄を日本に渡したと米国にクレームをつけたことがある。さらにいえば、中国は台湾を自国の領土と主張している。もし台湾が中国に統一されたら、どういう事態になるか、防衛関係者ですら考えたことがないのだろうか。

 馬英九氏が総統に就任し、中国は経済関係の緊密化による台湾との「平和統一」を意図している。与那国島も、対馬と同じように、過疎化と経済的低迷に苦しみ、台湾との経済交流、観光客の受け入れに期待している。

 筆者は先ごろ、与那国島に初めて行く機会を得て、町議会、防衛協会の方々と話をした。島の人たちは、国境の島に対する国家の特別措置と自衛隊の駐屯を強く希望していた。与那国島が「第二の対馬」にならないうちに、手を打たなければならない。(ひらまつ しげお)

【対馬が危ない!!】防衛相、外相ともに危機感表明 「政府で検討」対応前進

2008.11.29 MSN産経新聞

 韓国資本による長崎県対馬市の一部不動産買い占め問題をめぐり、浜田靖一防衛相は、27日の衆院安全保障委員会で、「重く受け止め、問題意識をもって検討していきたい」と答弁、政府内で積極的に対応を検討する意向を示した。対馬問題については、麻生太郎首相ら政府首脳はこれまで、“経済行為”として静観の構えを見せてきたが、委員会で、外国人の土地購入を制限する外国人土地法の活用や国境新法の制定を求める意見も出され、問題解決に向け大きく踏み出した。(宮本雅史、池田証志)

 衆院安保委では同日、民主党の長島昭久、神風英男両議員が相次いで質問。対馬問題への政府の取り組みについて、浜田防衛相は「私もどうかと思っている。政府で検討すべき問題。政府内で問題提起する」と答弁。中曽根弘文外相も「わが国の領土を守るのは国家の最重要課題」と答え、危機感を表明した。

 また、「土地は合法的に買われている」などとする麻生発言について、浜田防衛相は「経済行為に立ち入るのは難しい。だが、安全保障の分野からみてどうなのか総合的に考えていかなければならない。重く受け止めて対応したい」と答弁、中曽根外相も「最重要課題で、基本的にはしっかり対応しなければならない」とし、首相の見解に対し含みを持たせた。

 長島議員はまた、外国人による土地保有を国防上の理由で制限できる外国人土地法を引用、その活用をただしたのに対し、浜田防衛相は「憲法の財産権の保証もあり、慎重に検討しなければならない。関係省庁と連携して対応していきたい」とした。

 国防上、問題視されている海上自衛隊対馬防備隊本部の隣接地が韓国資本に買収された点については、防衛省側は、「土地の購入話を断った後、買収された」と説明。神風議員が「韓国資本に買われても問題ないという認識だったのか」と問い詰めたが、防衛省側は「防衛施設用地として購入する必要性はなかった」と答え、安全保障の観点から検討したかどうかについては触れなかった。

 防衛省側は、この問題について、「部隊の運営は地域の特性に合わせて適切に実施している」「部隊の運営に直接影響がないと判断している」との答弁を繰り返したが、ある防衛省幹部は、産経新聞の取材に、匿名を条件に、「隣地を守ろうという危機感が働いていれば、訓練地あるいは訓練予備地などとして国が買い取ることも検討すべきだった」とした上で、「防備隊は情報を扱う秘匿性の高い部隊で、通信などを傍受されれば手の内をさらすことになる。基地に近ければ近いほど傍受しやすくなる。防備隊は、隣地を意識して、傍受されやすい無線の使用を控えるなど、従来以上に情報の保全に神経を払っているはずだ」と危機感をにじませた。

 対馬問題については、自民党の「真・保守政策研究会」(中川昭一会長)と超党派の国会議員による「日本の領土を守るため行動する議員連盟」(山谷えり子会長)が合同で現地視察することを決定、日程調整を進めている。

【対馬が危ない】「北朝鮮騒乱で10万人以上の難民が上陸も」東海大・山田吉彦准教授(寄稿)

2008.11.24 MSN産経新聞

 北朝鮮の情勢が再び緊迫している。金正日総書記の健康状態の悪化がささやかれる中、米国は北朝鮮のテロ支援国家指定を解除したが、同国の核開発の姿勢や近隣国への攻撃的な発言は加速しているように感じられる。軍部がポスト金正日体制を念頭に集団指導体制の構築を目指し、韓国や日本にとっては、軍事的な脅威が増加していると指摘する専門家もいる。

 仮に北朝鮮が、軍事クーデターもしくは、韓国との騒乱を起こした場合、最大で400万人の難民が流出するといわれ、そのうち10万から15万人が、在日の血縁者をたより日本を目指すと考えられる。

 しかし、元山や清津などの日本海側の港にある船の数は少なく、直接、日本へ向かうのは5000人から1万人程度であり、その他は韓国経由である。その際に、難民の多くは、海峡を越えて対馬に上陸することになり、人口3万8000人の対馬に10万人以上の難民が押し寄せる事態も考えられる。

 残念ながら、日本の難民対策は十分ではない。1989年に長崎県に、インドシナ難民と中国の福建省からの偽装難民が、3000人以上も流入し、五島列島の小島が中国人に占拠されるなど、地元はパニックとなった。しかし、その教訓は生かされず、現在も難民の収容方法、収容施設など難民受け入れの施策はないに等しい。

 大量の難民が対馬に流入した場合、350人の自衛隊員と80人の海上保安官で島の秩序を維持することは困難である。北朝鮮では衛生環境が悪く、伝染病や栄養失調などの問題があり、検疫・医療体制を整える必要もある。2007年に青森に漂着した脱北者が覚醒(かくせい)剤を所持していたことから、難民が薬物を日本に持ち込むことも考えられ、所持品などのチェックが不可欠である。心して準備をしておかなければならない。

 国境の島、対島の人々は、常に朝鮮半島の影響を受けながら暮らしてきた。近年では、韓国人旅行者の急速な増加により混乱が生じている。2006年に4万2000人であった韓国人旅行者が、今年は、8万人を超えると予測されている。旅行者の多くは、登山や釣りなど自然を楽しむために来島しているが、これらの旅行者に反日活動家がまじり、地元の人々と問題を起こしている。

 今年7月、韓国の退役軍人ら21人が対馬を訪れ、竹島の領有権問題への抗議集会を開いた。この集会で、「対馬も韓国の領土だ」と書いた横断幕が掲げられたため、市民が怒り、「対馬は日本だ。韓国へ帰れ」などの声があがり緊迫する場面もあった。

 2005年に馬山市が「対馬島の日」を制定するなど、韓国人の一部は対馬を韓国領と主張している。これは、韓国における歴史教育と国際感覚の欠如の表れである。

 対馬が日本の領土であることは、3世紀末に編纂(へんさん)された中国の歴史書「魏志倭人伝」にも記述されている。「倭人帯方東南海の中に有り、山島に依りて国邑をなす」ではじまり、「はじめてひとつの海を渡ること千余里、對馬國に至る」と書かれ、朝鮮半島の沖に倭人=日本人の住む対馬があると紹介されているのだ。

 7世紀、大和朝廷は、唐と新羅により侵略された百済を救済するために軍を派遣したが、663年に錦江河口の白村江で唐軍に破れ帰国した。この翌年、唐軍の日本侵攻に備え対馬に国境警備隊にあたる「防人」を置き、朝鮮半島情勢を監視した。対馬は国境最前線であったのだ。

 13世紀、「元寇(げんこう)」の時にも、対馬は朝鮮半島からの侵略者と戦い、守護代の宗助国以下80騎の守備兵が全滅した。江戸時代には10万石の対馬藩が存在していた。このように対馬は歴史的に日本の領土であることは疑問の余地もないが、7月27日付の朝鮮日報は、豊臣秀吉の「文禄・慶長の役」の時、対馬を日本が占領し、1870年代に再び不法占領したという李承晩初代大統領の1949年の発言があたかも正しいことのように掲載している。これでは、先祖代々、対馬で暮らしてきた人々が怒るのも当然だ。

 現在、韓国人旅行者は、年間15億円ほどの経済効果を対馬にもたらし、過疎化に悩む対馬にとっては、無視できない収入源である。しかし、韓国人観光客と地域住民の間のトラブルが絶えない。そのため、対馬の市民は、観光業者やNPOが中心となり、韓国人に日本の慣習を守らせるためのルール作りを進めている。歴史問題も同様で、韓国旅行者のガイドは韓国人が行い、空想的な歴史講釈をしているが、本来は、日本人が正しい歴史をガイドする必要があるだろう。

 国際化が進む社会において、国境の島・対馬の発展と安全保障は、日本人の未来にかかわる重要な問題であると考える。

 やまだ・よしひこ 1962年、千葉県生まれ。埼玉大学大学院博士課程修了。日本財団(日本船舶振興会)海洋船舶部長、海洋グループ長などを歴任。2008年4月より現職。海洋安全保障、現代海賊問題、離島政策などに詳しい。著作に「海のテロリズム」(PHP新書)、「日本の国境」(新潮新書)など。

【政治部デスクの斜め書き】対馬と済州島の地政学的重要性とは

2008.11.23 MSN産経新聞

地政学とは?

 皆さん、地政学(ゲオポリティック)という言葉をご存じでしょうか? 岩波書店の広辞苑は地政学を「政治現象と地理的条件との関係を研究する学問」としています。ウィキペディアでは「地理的な位置関係が政治、国際関係に与える影響を研究する学問」と記されています。

 世界中の国家や民族は、自らが置かれた地理的な宿命からは逃れることができず、島国なのか、大陸国家なのか、それとも半島に位置する国家なのかというような地理的な環境が、そこに棲む民族や国家の盛衰に大きな影響を与えており、このことを学問的に研究しようというのが地政学です。

 産経新聞本紙(東京本社発行)では、10月21日付朝刊の「対馬が危ない!!」と題する企画記事を皮切りに、長崎県対馬の不動産が韓国資本に続々と買い占められている実態を克明に描写し、安全保障、主権国家としての領土保全にかかわる深刻な事態に直面していることに警鐘を鳴らしています。

 ここで、この対馬が抱えている問題を地政学的に考えてみたいと思います。もちろん、私見、独断、そして偏見を随分、交えながらの話ですが…。

ロシアは対馬を占拠した

 対馬と聞いて、ピンと頭に浮かんだのが、帝政時代のロシアが対馬を占拠した事件でした。幕末の1861年(文久元年)にロシアの軍艦が対馬の芋崎を占拠したのです。ロシア側は船体修理を名目に資材や食糧を求め、さらに付近の土地の租借権や警備権をも要求してきたのです。

 対馬藩と藩から窮状を訴えられた幕府は退去を求めてロシア側と交渉する一方、英国に折衝を依頼。ロシア側は約半年間に渡って居座り芋崎付近を占拠しましたが、英国が軍艦2隻を派遣するに及んでようやく退去したのです。当時、世界各地に植民地を持っていた英国は東アジアでもアヘン戦争後、中国(当時は清朝)で利権獲得に躍起となるなど勢力拡大を図っており、英国に底意があれば、ロシアに代わって対馬を占拠するような事態になっていたかもしれません。

 ロシアが帝政時代から不凍港を求めて南下政策を取り続けてきたことは良く知られていますが、アジアでもその行動様式は例外ではありません。いや、アジアほど、ロシアの南下政策に悩まされ、その被害を受けてきた所はないと言ってもいいでしょう。ロシアは清朝の弱体化に付け込む形で、1860年に日本海に面した沿海州を獲得します。そして、ウラジオストク(東方を支配せよの意味)を建設し、アジア・太平洋進出の拠点とします。

 しかし、シベリアから太平洋に出ようとすると、日本列島がちょうど盾のようになってふさぐ格好となっています。ロシアが船で自由に太平洋側へ抜けるには宗谷、津軽、対馬の3つの海峡のいずれかを思い通りにできるようにしなければなりません。ロシアが対馬を占拠したのは、こうした意図があったからに違いありません。

 冷戦時代には、原子力潜水艦を次々に進水させ、航空巡洋艦などを建造するなど増強著しかったソ連海軍を封じ込めるために宗谷、津軽、対馬の3海峡封鎖がひそかに検討されました。

 ちなみに、日本では「日本海海戦」として定着している東郷平八郎が率いる帝国海軍の連合艦隊とロジェストヴェンスキーが指揮を執るロシアのバルチック艦隊の海戦は、海外では「Battle of Tsushima」として知られています。直訳すると「対馬の戦い(海戦)」となるわけで、対馬の戦略的な重要性が否が応でも浮かび上がってきます。

元と高麗も対馬を侵略した

 この原稿は、ロシアの非道さをるる述べるためのものではありません。島国である日本列島と、3方向を海に囲まれて海洋的な雰囲気に包まれながら、大陸と陸続きのために大陸的な性格をも強く併せ持つ朝鮮半島に挟まれた対馬の戦略的な重要性を考えるためのものです。

 いまから約730年前の鎌倉時代に当時、ユーラシア大陸に君臨していたモンゴル帝国(元)が2度にわたって日本を侵略した元寇のときも、対馬は真っ先に攻撃を受けて、元軍とそれに服属していた高麗(朝鮮)の連合軍は対馬で暴虐の限りを尽くしました。

 もちろん、日本が朝鮮半島や中国大陸に進出しようとするときにも対馬は、その拠点となってきました。豊臣秀吉による朝鮮出兵、いわゆる文禄・慶長の役の際には佐賀の名護屋城、壱岐の勝本城ととも対馬には清水山城が築かれるなど前線基地となります。

 さらにもっと時代をさかのぼると、日本書紀には神功皇后が対馬から軍勢を率いて朝鮮に出兵し、新羅を攻めて、服属させたと記されています。

 こうしてみると、ユーラシア大陸の東岸から太平洋に通じるロードともいうべき海峡のほぼ中央に位置する対馬には、海洋勢力と大陸勢力の相克の歴史が刻み付けてられているといっても過言ではないでしょう。

済州島の重要性

 では、こうしたことは対馬だけに限られたことなのでしょうか。世界地図を広げてみると、対馬の西方に韓国の済州島が浮かんでいます。今では、リゾート地として知られているこの島も日本海から東シナ海に出る際には、その鼻先をかすめなければいけないような位置にあります。また、中国北部の海の玄関口ともいえる渤海湾から東シナ海に出る際にも同様です。

 この地理的環境が、済州島の運命を決定づけています。再び、話は元寇の時代に戻ります。元は朝鮮半島に侵攻し、高麗を服属させますが、それに従わない三別抄という勢力が済州島に立てこもります。結局、三別抄も遠征軍によって滅ぼされます。元はこの済州島を高麗から切り離して、直轄領とし、日本に遠征する際の前線基地として利用しました。

 そして、時代は現代にまで下がります。第二次世界大戦終了から間もない1948年4月3日、済州島では武装勢力の放棄を契機に騒乱状態となった、いわゆる「4・3事件」が起きます。事件には南朝鮮労働党がかかわっていたという説もあります。

 第二次世界大戦における日本の敗北を受けて、朝鮮半島は北緯38度線を挟んで米国に支援された韓国と、スターリンが率いるソ連に後押しされた北朝鮮とに分断され、北朝鮮が1950年6月に38度線を突破し、朝鮮戦争が始まります。もし、済州島が親北朝鮮勢力に制圧されていたとしたら、朝鮮戦争の様相も随分違ったものになっていたのではないでしょうか。

 ちなみに韓国国内などの報道によると、韓国政府はこの済州島に2014年までに約20艦艇を収容できる海軍基地を建設する予定だということで、イージス艦などを主力とする韓国初の「機動戦団」が配置される方針だといいます。やはり、韓国政府も済州島の戦略的な重要性に着目しているのでしょう。

海峡を制するものが大洋を制す

 対馬と済州島を例に挙げながら、海峡をコントロールすることがいかに重要なのかを述べてきたつもりです。

 英国はイベリア半島南端にあるジブラルタルを抑えており、地中海の西の出入り口であるジブラルタル海峡に大きな影響力を行使することが可能です。そして、この海峡をコントロールすることで地中海の制海権も左右できます。

 英国はかつてアジアで、シンガポールを植民地としていました。そのシンガポールは南シナ海や太平洋とインド洋を結ぶ大動脈であるマラッカ海峡を扼する位置にあり、第二次世界大戦では、日本軍は開戦からまもなくシンガポールを攻略します。

 黒海に通じるダーダネルス海峡、ペルシャ湾の出入り口にあたるホルムズ海峡、スエズ運河から紅海を航行する際に通り抜けることになるマンダブ海峡…。海峡の重要性を教えてくれる例は数え上げればきりがありません。

 地政学という言葉は、スウェーデンの地理学者、ルドルフ・チェレーン(1864〜1922年)が20世紀の初頭に使い始めたといわれていますが、地政学の事実上の開祖といわれているのが英国の地理学者、ハルフォード・マッキンダー(1861〜1947年)です。

 そのマッキンダーは、次のような仮説を唱えています。

 「人類の歴史はシーパワーとランドパワーの闘争の歴史である」

 「これからはシーパワーの力は衰退し、ランドパワーが優勢となるだろう」

 「東欧を制する者がハートランドを制する。ハートランドを制する者が世界島(ユーラシア大陸とアフリカ大陸)を制する。世界島を制する者が世界を制す」

 ちなみにシーパワーは日本、英国、米国に代表される海洋勢力国家群、ランドパワーはロシア、ドイツ、中国などの大陸勢力国家群のことを指していると理解するのがいいようです。

 また、マッキンダーは、ハートランドについて「ユーラシア大陸内部で北極海へそそぐ河川の流域、ならびにカスピ海、アラル海へそそぐ河川の流域で、ここは海洋国の軍艦が遡行(そこう)できない地域で、ランドパワーの聖域である」としています。

 地政学の泰斗であるマッキンダーのまねをするものは恐れ多いのですが、「海峡を制するものが、その周海を制し、周海を制する者が大洋を制す」ということが言えるのかもしれません。(笠原健)

【対馬が危ない!】グーグル地図サービスで“領土論争” 「韓国領」と書き込み

2008.11.23 MSN産経新聞

 長崎県対馬市で不動産が韓国資本に買い占められるなどしている問題で、インターネットの地図サイト「グーグル・アース」上で対馬が「韓国の植民地」「韓国(領)」などと記載されていることが分かった。一般のユーザーが投稿したものとみられるが、全世界から見ることができるため、事情を知らない国内外の閲覧者の誤解を招く恐れがあり、問題化しそうだ。(宮本雅史、池田証志)

 問題のサイトは、インターネット・サービス会社「グーグル」(本社、米カリフォルニア州)が提供する写真共有サイト「パノラミオ」。同社の地図サイト「グーグル・マップ」や「グーグル・アース」に、ユーザーが写真やコメントをリンク(関連付け)することができる。

 このサービスで、対馬についても風景や観光名所などの写真が180件ほど公開リンクされているが、中には「Korea colony(韓国の植民地)」や「Daema island(Korea)=対馬島 韓国(領)=」などというタイトルの風景写真があるほか、「韓国の眺望」と韓国語でタイトルを付けた対馬の港とみられる写真もある。

 また、写真の下にある一般ユーザーのコメントには、「対馬(島)は韓国の土地、返してもらわなければならない」「韓国人たちよ、いまや独島(竹島)だけでなく、対馬もやはり取り戻すときがきた」などと韓国語や英語で書き込まれているものが約10件あった。

 こうした写真の公開は昨年ごろから始まり、コメントによる“領土論争”は今夏から過熱している。写真を投稿したユーザーの名前は韓国系のものとみられるが、あくまでもユーザー名なので実態は不明だ。

 これに対し、日本語や韓国語、英語で「対馬が韓国領土というのはありえない」「対馬が日本の領土というなら、その根拠を見せろ!」などと反論している書き込みもある。

 一方、竹島についても同様に「Dokdo Korean Island(独島=竹島= 韓国の島)」などのタイトルのもと、韓国の国旗や「韓国領」と彫られた岸壁などの写真数十件が公開されている。コメントは「独島(竹島)の所有権に限っては、日本人たちがどんな話をしようとも、無理な主張に過ぎません。独島は現実的、明らかに韓国の土地です」などと韓国語や英語で書かれており、より過激な内容となっている。

 グーグル・マップ上では、対馬は日本領であることが明記されているにもかかわらず、「韓国(領)」と断定する書き込みについて、グーグル社は「地図、地理サービス提供する限り、領土の問題は避けて通れない問題のため、中立的な立場を貫くことを旨としている」とし、社内に専任チームをおいて管理している。

 投稿写真やコメントについて「政治的な見解は著者に属するもの。グーグルとして選択していることはない」と説明。他社の権利を侵害していない限り削除はしない方針になっている。

 グーグル社の利用規約では「悪意のある暴力的な内容」や「法的な権利を侵害すること」を禁じているが、投稿内容については、ユーザーが個人的に責任を負うことなっている。

グーグルマップ内で展開されている対馬問題に関するユーザーの主なコメント

 【韓国領派】

 「韓国人たちよ、いまや独島(竹島)だけでなく、対馬もやはり取り戻すときがきた。対馬(島)は、過去から現在まで、韓国の土地で、ただ、19世紀初め、日本帝国主義に一時的に強奪されただけだ。われわれが対馬(島)を取り戻さなければ、墓に眠るわが先烈たちが嘆き悲しむだろう」

 「対馬(島)は韓国の土地、返してもらわなければならない」

 「韓国政府が将来取り返すべき土地」

 「対馬(島)は高句麗王朝から朝鮮王朝まで韓国領だった。不幸にも19世紀初めに盗み取られ、韓国が(日本の)植民地だったから取り返すことができなかった。韓国だけでなく、日本と中国など他の多くの国の歴史的な証拠が領有権を認めている」

 【日本領派】

 「はるか昔から対馬(島)は、日本の土地です。日本人なら誰でも知っています。韓国人はもっと勉強しましょう」

 「対馬は日本の領土です。対馬は先史時代以降ずっと日本。魏志倭人伝にも倭国の中に入っている。対馬が韓国領土というのはあり得ない」

 「対馬はどう考えても日本の土地でしょ。そんなことばかり言っていると竹島が韓国の領土っていう主張も疑わしいものなんだなと世界中の人は考えますよ」

 「韓国政府でさえ対馬の領有権を主張していない。あまりに根拠が薄弱で、逆に恥をかくだけだからだ」

 「対馬(島)の美しい自然を汚すようなコメントは削除してください」

【外信コラム】ソウルからヨボセヨ 林権沢・映画大学

2008.11.22 MSN産経新聞

 九州が韓国ブームだ。とくに海をはさんで対岸になる福岡と釜山の交流は活発で、双方を「超広域経済圏」として一体化を進めるとか、あらためて「日韓海底トンネル」建設案も議論になっている。マスコミでは釜山の「釜山日報」と福岡の「西日本新聞」が以前から記者の交換派遣をやっている。

 問題になっている対馬(長崎県)での韓国人観光客の急増や韓国資本の観光・不動産投資もその1つだが、大分県の別府も韓国で大いにうるおっているところだ。人口12万ほどの都市に年間20万人の韓国人観光客が訪れ、約1000人の韓国人留学生がいる。

 別府では金泳三大統領時代の1997に、橋本龍太郎首相との間で日韓首脳会談が開かれている。温泉好きの韓国人観光客でにぎわっており、今や彼らも温泉マナーを守るようになり、結構いいお客さんだとか。

 その別府で先ごろ「日韓次世代交流映画祭」なるイベントがあった。韓国映画界の巨匠で国際的にも評価の高い林権沢(イムグオンテク)監督や女優のカン・スヨン、オ・ジョンへさんらとともに招かれて行ってきた。彼女らが主演した「シバジ」や「風の丘を越えて」など“林権沢スクール”の作品多数が上映されたが、彼らはいわば韓流ブームの草分けだ。

 国際映画祭開催などで映画都市を目指す釜山の東西大学には「林権沢大学」が設けられ、次世代映画人の育成に力を入れている。映画祭のセミナーでは「日本にも黒沢明大学を…」といった声が出ていた。(黒田勝弘)

【対馬が危ない】「問題起きたら対策考える」官房長官が安全保障軽視

2008.11.20 MSN産経新聞

 長崎県対馬市で不動産が韓国資本に買い占められるなどしている問題で、河村建夫官房長官は20日の参院内閣委員会で、「具体的な動きが出たら(対策を)考える」と述べ、国防上の被害が出るまで、問題を放置するとも受け止められる答弁を行った。山谷えり子参院議員(自民)の質問に答えたもので、安全保障や領土問題という国家観を欠き、島民の安全を軽視した不謹慎な発言との批判が出そうだ。

 山谷議員は冒頭から、対馬問題について質問。河村官房長官が先月21日の記者会見で「日本の安全保障面からどうか、国として当然考える必要はある」と安保上の問題点を検討し直す可能性を示唆していたことに触れ、「今後、実態調査をするか」とただした。

 これに対し、河村官房長官は「基地の警備を含め自衛隊の運営は適切にされている」などとして当初の見解から一歩後退、調査する予定がないことを明らかにした。

 山谷議員が重ねて記者会見の発言の真意を問うと、河村官房長官は「わが国の安全保障に具体的な行動が起きたら(対策を)考えなければならない」と答弁。自衛隊や島民になんらかの被害が出るまで事態を放置する方針とも受け止められる説明に、一部議員からは「(海上自衛隊基地周辺の買い占めなど具体的な行動が)あるじゃないか。調べろ」との反発の声が出た。

 山谷議員は「具体的なことがあってからでは怖いので質問している」と前置きし、島民や自衛隊員からのヒアリングを含む実地調査を要請。憲法や法律で外国人による国境付近の土地買収を制限している韓国やメキシコなどの例をあげ、同様の新法や安全保障上必要な土地の買い上制度を制定する必要性を訴えた。

 河村官房長官は一連の答弁の中で「対馬の地域的な重要性を頭に置かねばならない」としながらも、「現時点では(土地買収を)制限する必要はない」とするなど、矛盾する説明に終始。「新法はこれからの検討課題」としたうえで、離島振興法の枠内で生活・産業基盤の整備を進める方針を示すにとどまった。(宮本雅史、池田証志)

有志議員らの対馬視察、国会紛糾で延期

2008.11.19 MSN産経新聞

 長崎県対馬市で不動産が韓国資本に買い占められるなどしている問題で、21日に同市の視察を予定していた自民、民主両党議員を中心とした超党派の議員グループは19日、国会が紛糾していることから、視察を延期した。調整を行っている衛藤●一事務所では、「決して、中止はしない。日程を調整して来月中には視察を行いたい」としている。●=日の下に成

【外信コラム】北京春秋 嘲笑される日本

2008.11.17 MSN産経新聞

 「恥を知らない野良犬(韓国人)と東洋の犬(日本)は咬(か)み合えばいい」

 中国のネットに、こんな書き込みがあった。産経新聞が、韓国資本による土地購入などの問題を指摘している対馬のことだ。

 弊紙の「対馬が危ない!!」の記事を引用する形で日韓双方の動きを伝えているが、その記事に対する書き込みで、日韓双方を皮肉っている。

 「私は日本人は好きではない。しかし最悪なのは棒子(韓国人)だ。過去、日本軍は中国を侵略したが棒子は恥を知らない」。反日よりも韓国嫌いがやや多いように見受けられる。これは、端午の節句や漢方薬など中国の伝統や文化を、韓国側が「自分たちの歴史だ」と主張してきた−との印象が、中国人の間には強いからだ。

 「鬼子(日本人)と棒子は戦え」「棒子は獣」「2匹の米国の犬が戦い始めた。おもしろい」などの書き込みから見えてくるのは「反日、嫌韓」だ。対馬問題を紹介したネットの文章には、こういうものもある。

 「対馬の戦略的位置は極めて重要で、日本の海上防衛の重要な拠点である」

 中国政府の友人は「戦略的に重要な島なのに日本が何も手を打たないことへのあざけりも中国人にはあると思う」と言う。

 先月、津軽海峡を中国海軍の駆逐艦など4隻が示威行動のごとく通過した。日本も、もう少し敏感になってもいいのではないか。(野口東秀)

【対馬が危ない】海上警備、装備見劣り 「民宿が密航・密輸の拠点化も」

2008.11.13 MSN産経新聞

外国漁船に強行接舷し、乗り移ろうとする大型巡視船「むらくも」の海上保安官(海上保安庁提供)

 長崎県対馬市で不動産が韓国資本に買い占められるなどしている問題で、対馬周辺海域の治安維持にあたっている海上保安庁・対馬海上保安部は、事態を重視し、危機感と警戒心を強めている。同海域ではこれまで、韓国漁船や不審船が出没、同保安部との間で一触即発の状態が続いており、海保は一昨年来、装備の強化を進めてきたが、さらに人員の増加などの再構築を進める方針だ。(宮本雅史、池田証志)

大型巡視船6隻

 対馬周辺海域については、海保は対馬の厳原(いづはら)港周辺に対馬海上保安部と、その下部組織である比田勝(ひたかつ)海上保安署を島北部の比田勝港周辺に設置し、計6隻の大型巡視艇(30メートル型)と2隻の監視取締艇を配備、治安の維持に当たっている。また、福岡航空基地が、航空機2機とヘリコプター2機で上空から監視している。

 平成18年度から始まった老朽化艇の代替整備事業の一環として、対馬海上保安部でも今年3月、27〜28年間使用し老朽化していた「あきぐも」「やえぐも」「なつぐも」の3隻の大型巡視艇を代替整備。この結果、小回りのきくウオータージェット型の推進機が装備され、時速30ノットから35ノット以上に高速化するとともに、自動照準装置付きの13ミリ機銃が搭載された。

 通常の海上保安部は大型巡視艇を1隻か2隻しか配備していないのと比べると、対馬海域の態勢は手厚いと見える。

不審船見逃す恐れ

 しかし、同部の人員はここ数年、約90人でほぼ横ばいな上、巡視艇などによるパトロールの強化なども実施されていないのが実情だ。

 そもそも、対馬周辺海域は、日本の領海で違法操業する韓国漁船の捕捉(ほそく)が事実上の主な任務となっていることから、急加速や急停止などの操縦性が高い高速巡視艇が重点的に配備されているにすぎない。

 停船命令を聞かない漁船に海上保安官が飛び乗り、強制的に停船させるのは文字通り命がけだ。この任務に必要不可欠な機能が高まることから、新型艇に寄せられる期待は大きいが、不審船や工作船に対抗するための武装面は、比較的軽装備だ。

 さらに、同部の6隻の大型巡視艇は、レーダーを装備して海域を巡回してはいるものの、高い山にはばまれ、対馬をはさんだ反対側の海域までは、そのレーダーが利かない。波の高い日や目視が利かない闇夜に、木造の小型船などで接岸されれば見逃す恐れがあるという。

 しかも、昭和56年から使い続け、赤外線監視装置を持たない「たつぐも」のような旧式の巡視艇も存在する。

 密航、密輸などを水際で食い止め、国境を守る部隊としては手薄だ。

悪質化する違法操業

 平成17年5月には、対馬北東の日本の排他的経済水域(EEZ)内で韓国籍のあなご漁船「502シンプン号」(総トン数77トン、乗組員10人)が巡視艇「たつぐも」に発見されたが、停船命令を無視して逃走するという漁業法違反(立ち入り検査忌避)事件が起きた。

 巡視艇が漁船に強行接舷し、海上保安官2人が乗り移ったが、漁船は2人を乗せたまま韓国側EEZへ逃走。韓国海洋警察庁の警備艇に接舷し、海保の巡視艇と韓国海洋警察庁の警備艇が漁船を挟んでにらみ合う事態に発展した。韓国海洋警察庁は捜査権の譲渡を求め、海保が拒否したが、事件は、韓国の対馬周辺海域に対する関心の高さをうかがわせた。

 海保は、昨年、日本の領海やEEZで5隻の外国漁船を違法操業で検挙したが、うち4隻は韓国籍漁船。しかも3隻はより領土に近い領海内だった。

 15年から昨年までの5年間をみても、韓国籍の漁船の検挙が3割から8割を占めた。

 昨年の傾向としては、荒天の日や夜陰に乗じて日本の水域に侵入。高性能のエンジンで高速で逃走したり、衛星利用測位システム(GPS)や浮沈機能を備えた漁具を使って証拠隠滅を図るなど悪質化しているという。

密航船出没、警戒強化へ

 さらに、密航や密入国の危惧(きぐ)もある。対馬では海岸が近くなるに従って、「ストップ・ザ・密航」「密航・密漁・密貿易 見たら聞いたら110番」の看板が目立つ。

 「5年ほど前から、密航船がやってくるようになった。海に囲まれているから、海上保安部の目をかいくぐりさえすれば、自由に出入りできる。そういう連中が、韓国人が経営する民宿や釣り宿に潜り込めば、捕まえようがない。海上警備を強化して水際で対応してもらうほかない」(国境離島活性化特別委委員長の作元義文・対馬市議)という島民も多い。

 国境を背負うが故にさまざまな問題を抱える。それに追い打ちをかけるように明らかになった韓国資本による不動産の買い占め問題。

 海保政策評価広報室は「対馬海域は韓国との中間線まで25キロしかなく、重要な海域と認識している。引き続き、警備・監視を行っていきたい」としているが、不動産が買い占められるなど、対馬の実情が急変していることについては、海保内部でも「巡視船の航行状況を監視されたり、民宿や釣り宿が密航・密輸の拠点になる可能性がある」として危機感を強め、警戒を強化する方針だ。

【対馬が危ない】超党派「防人の島新法議連」結成へ

2008.11.13 MSN産経新聞

対馬問題の勉強会で冒頭あいさつする平沼赳夫氏。左は財部能成・対馬市長=東京・永田町の憲政記念館(鈴木健児撮影)

 国境の島・長崎県対馬市が経済危機に陥り、韓国資本に不動産が買い占められるなどしている問題で、自民党の「真・保守政策研究会」(中川昭一会長)と超党派の国会議員による「日本の領土を守るために行動する議員連盟」(山谷えり子会長)は12日、財部能成(たからべ・やすなり)対馬市長らを招いて合同会議を開き、今月21日の現地視察後、超党派で「防人の島新法制定の推進議員連盟」(仮称)を結成することを含め、法整備に向け具体的な検討を行うことをあらためて確認した。また、財部市長は、同市が独自に策定した「国境対馬振興特別措置法」(通称・防人の島新法)の原案を提出した。

 財部市長は、原案の中で、本土との隔絶性から、基幹産業の農林水産業の衰退により経済が低迷、若年層の流出などによって人口が激減していることを挙げ、第1次産業に対する特別措置や地方債(国境離島債)の創設、観光振興に対する特別措置などを求めた。

 また、韓国資本による不動産買い占めについては、5500坪(島全体の0.26%)の買い占めを確認したと報告。新法では、国防等に関連する機関の設置や領土保全に対する特別措置などを盛り込むよう求めた。

 会合には衆参両院議員のほか内閣官房、総務省、防衛省など7省庁から担当者が出席。議員からは「法的な施策をたてるべきだ」「具体的な成果をあげるためには受け皿として、超党派で力のある団体を作らないといけない」「経済的に実効支配されることに、安全保障上、危機感を持っている」などと、対馬問題の対応に積極的な意見が出された。

 ■「国境対馬振興特別措置法」(通称・防人の島新法)案の主な概要

 (1)国防等に関連する機関の設置

 ・陸上、海上、航空自衛隊の施設拡充及び増員による国防の警備強化

 ・防衛大学校の分校、研修所、訓練所を設置

 ・海上保安大学校の分校、研修所、訓練所を設置

 (2)領土保全に対する特別措置

 ・国土の保全、管理、排他的経済水域の管理に対する特別措置

 ・外国資本による不動産買収を規制する特別措置

 ・買い上げ制度の創設(防衛上)

 (3)第一次産業に対する特別な措置

 ・農林水産業への新規就労者に対する特別措置

 ・資源管理、回復研究実施機関の設置

 (4)財・税制措置

 ・地方債(国境離島債)の創設

 ・誘致企業に対する法人税の免除

 ・地方交付税の国境離島枠の創設

 (5)新規企業及び中小企業への特別な金融措置

 (6)大気、水質汚染の観測、研究、協議機関の設置

 (7)海洋にかかる試験研究機関の設置

 (8)観光振興に対する特別措置

 ・資源を活用した観光振興に対する特別措置

 ・体験型観光に対する特別措置

 (9)人材育成に対する特別措置

 ・独立行政法人の付属専門校の設置

 ・地域活性化リーダーの育成に対する特別措置

【対馬が危ない】韓国資本による島民名義の不動産購入、政府「把握していない」

2008.11.11 MSN産経新聞

 政府は11日の閣議で、韓国資本が長崎県の対馬で地元島民名義により不動産を購入している実態を「把握していない」とする答弁書を決定した。鈴木宗男衆院議員の質問主意書への答弁。

 鈴木氏は産経新聞連載の「対馬が危ない」を取り上げ、「対馬の不動産が韓国資本により買い占められつつあると指摘されているが、政府は詳細を把握しているか」とも質問したが、答弁書は「詳細な事実関係は把握していない。一般に関係法令に従って適正に行われた不動産の購入は特段問題ない」とした。

 また、韓国の国会が対馬を韓国領とする決議を発議したことに韓国政府へ抗議したかどうかには「適切に対応してきている」とだけ答えた。

 答弁書ではこのほか、長崎県対馬市を訪れる韓国人が過去5年間で4倍以上も増え、対馬を訪問したすべての外国人のうち韓国人が占める割合は99%を超えていることを明らかにした。

 それによると、対馬市内に位置する厳原港と比田勝港から入国した韓国人は、平成15年は1万5725人(全外国人に占める割合は97・9%)、16年は2万1055人(同99・3%)、17年は3万6768人(同99・5%)、18年は4万2467人(同99・4%)、19年は6万5750人(同99・5%)−だった。

【対馬が危ない】外国資本買い占め規制へ 議連一致、自衛隊増強も

2008.11.07 MSN産経新聞

「日本の領土を守るため行動する議員連盟」の会合であいさつする山谷えり子会長(右から2人目)=6日午後2時、東京・永田町の衆院第二議員会館(撮影・酒巻俊介)

 長崎県対馬市で不動産が韓国資本に買い占められるなどしている問題で、超党派の国会議員による「日本の領土を守るため行動する議員連盟」(会長・山谷えり子参院議員)は6日、緊急総会を開き、外国資本による対馬での不動産取得に関する法規制や自衛隊の増強などを盛り込んだ法整備を進めることで一致した。

 総会には代理を含め計47人の衆参両院議員が出席、対馬をめぐる安全保障問題に議論が集中。有事対応についての山内俊夫参院議員(自民)の質問に、防衛省防衛政策局防衛計画課の島田和久課長は「対馬は(地形的に)山がちでゲリラ的な戦いになる。けものみちに至るまで熟知した部隊を置いており、遺漏のない対応を取っている」と回答。これに対し、山内議員は「私の危機感と全く違う。ゲリラ戦になれば島民が一番被害を受ける。ちゃんとした陸海空の部隊を配置すべきだ」と警備強化を訴えた。

 西村真悟衆院議員(改革クラブ)も「対馬は南北80キロ、海岸は約900キロある。防衛体制をもっと強化すべきだ」と防衛省側にげきを飛ばした。

 防衛庁長官(当時)を歴任した玉沢徳一郎衆院議員(自民)は「防衛大臣が対馬に行って、島を断固守り抜く姿勢を見せるべきだ」と訴え、韓国側に対馬が日本の領土であるとの明確なメッセージを伝えるよう要望した。

 同市美津島町竹敷の海上自衛隊対馬防備隊本部の隣接地を韓国資本が購入、リゾートホテルとして営業している点についても議論が集中。「どういう人がどういう目的で購入しているのかまで、詳細を把握するのはなかなか難しい」との島田課長の現状説明に、会場からは「自衛隊の動きが監視されている恐れがある」「他の自衛隊施設は大丈夫か」などと、防衛省側の危機意識の欠如を問う声が相次ぎ、自衛隊施設の近接地についての取引を規制すべきだとの要望が出された。

 また、外務省アジア大洋州局の石川和秀審議官は、「不動産が韓国資本に売却されているなど、認識を新たにした。政治的意図があれば適切に対応したい。情報収集を進めたい」と、危機感を示し、積極的な態度を取ることを確約した。

 同議連は、近日中に、財部能成対馬市長らからヒアリングを行い、その上で現地視察を実施。土地売買の法的規制や自衛隊の増強などを念頭に、法整備に向け、協議を始めることを決めた。

 対馬問題をめぐっては、自民党の「真・保守政策研究会」(中川昭一会長)が対馬市への視察をすでに決めており、事態は国レベルで大きく動き出している。

 総会の冒頭、産経新聞紙上で「対馬が危ない」の連載を担当した記者(宮本)と今年8月に現地視察した吉田康一郎都議が現状を報告し、「韓国人による自衛隊基地の隣接地の取得を法律で規制すべきだ」などと訴えた。(宮本雅史、花房壮)

【対馬が危ない】「韓国資本、実効支配も」 自民研究会議員団 現地視察へ

2008.10.28 MSN産経新聞

自民党の「真・保守政策研究会」による「離島問題等固有の領土保全緊急会議」であいさつする中川昭一会長(中央)。平沼赳夫最高顧問(右)も出席した=29日、東京・永田町の参院議員会館(酒巻俊介撮影)

 長崎県対馬市で不動産が韓国人に買い占められている問題で、自民党の「真・保守政策研究会」(中川昭一会長、70人)は28日、東京・永田町の参院議員会館で緊急会議を開き、同研究会として対馬市を視察することで一致、日程調整など具体的な検討に入ることを決めた。対馬問題に関する独自立法やプロジェクトチーム設置の必要性も議論され、同研究会として本格的な取り組みに着手することになった。(宮本雅史、池田証志)

 ◆「乗っ取り着々」

 「離島問題等固有の領土保全緊急会議」と題された会議では、産経新聞紙上で「対馬が危ない」の連載を担当した宮本雅史編集委員が基調講演し、対馬市の実情を報告。出席した42人の議員(代理含む)からは「安全保障上、極めて重要な問題だ」と事態を重視する声が相次いだ。

 古屋圭司衆院議員(岐阜5区)は「主権の問題で領土を合法的に乗っ取ることが着々と進んでいる」との認識を示した上で、「外国企業が(米国の)企業を買収したときに安全保障上問題があればストップできるエクソン・フロリオ条項の日本版のような立法作業や、小笠原諸島振興開発特別措置法のようなものを考えられないか」と独自立法による対策を提案。

 「日本の領土を守るため行動する議員連盟」会長の山谷えり子参院議員(比例)は「対馬市長が自ら国境新法を独自案で検討しているという動きもある」と紹介し、同議連との連携も視野に入れたプロジェクトチーム設置の必要性を訴えた。

 また、稲田朋美衆院議員(福井1区)は「島民の名を使って(不動産を)買うと、刑法上の犯罪にも該当する。現在の刑法上の規定を使って警察の捜査で(不動産購入の)意図を明らかにしていくことはできないか」と発言。

 戸井田とおる衆院議員(兵庫11区)は「10年、20年先を考えると、対馬は日本じゃなくて韓国領だと思う日本人が出てしまうのではないか」と危機感を示し、「地方参政権で実効支配してしまう可能性もある。政治家としてきちっと対応していきたい」と同研究会としての本格的な取り組みを求めた。

 ◆政府対応期待感

 会議では、同研究会最高顧問の平沼赳夫衆院議員(岡山3区)の提唱で同研究会として対馬市を視察する方向で調整に入ることを決めた。

 武藤容治衆院議員(岐阜3区)は会議後、「安全保障上の問題は平和が続いた日本国民には理解しづらいかもしれないが、国民に話していかなければならない。対馬には一度行かないわけにはいかない」と話した。

 対馬問題については、麻生太郎首相が「土地は合法的に買っている。日本がかつて米国の土地を買ったのと同じで、自分が買ったときはよくて、人が買ったら悪いとはいえない」などと述べているが、古屋議員は「麻生首相は『安全保障上の問題があれば考える必要があるかもしれない』とも発言している」と政府の前向きな対応に期待感を示した。

【対馬が危ない】中川財務相「平和守る努力を」

2008.10.28 MSN産経新聞

 中川昭一財務・金融担当相「対馬が日本の安全保障上、これだけ脆弱(ぜいじゃく)な状況に置かれているとは知らなかった。常に平和と安全を守る努力をしなければ、ひたひたと危険が近づいて来ることになる。政治家として、一人の日本人として看過できない」

【対馬が危ない】自民研究会 出席議員リスト

2008.10.28 MSN産経新聞

「離島問題等固有の領土保全緊急会議」に出席した議員名(敬称略、五十音順)

 【本人出席】《衆院》稲田朋美▽岩屋毅▽鍵田忠兵衛▽戸井田とおる▽中川昭一▽中野清▽中森ふくよ▽中山泰秀▽西川京子▽平沼赳夫▽古屋圭司▽武藤容治

 (参院)泉信也▽岩永浩美▽衛藤●一(●は「日」の下に「成」)▽中川義雄▽西田昌司▽野村哲郎▽山谷えり子

 【代理出席】《衆院》江藤拓▽小川友一▽奥野信亮▽小此木八郎▽片山さつき▽亀岡偉民▽北村誠吾▽小島敏男▽木挽司▽島村宜伸▽冨岡勉▽西村康稔▽西本勝子▽萩生田光一▽馬渡龍治▽水野賢一▽山口泰明

 《参院》浅野勝人▽岸宏一▽鴻池祥肇▽佐藤正久▽世耕弘成▽塚田一郎

【産経抄】10月23日

2008.10.23 MSN産経新聞

 日本海に浮かぶ竹島と東シナ海南部に点在する尖閣諸島は、どちらも日本固有の領土である。もっとも、実態は大違いだ。竹島(韓国名・独島)には、韓国の警察警備隊約30人が常駐し、その宿舎やヘリポート、砲台などが設置されている。

 ▼黒田勝弘ソウル支局長によれば、最近では住民登録した住民のコンクリート家屋まであるそうだ。一方の尖閣諸島は、日本が実効支配しているものの、現在は無人島だ。なぜか政府は日本人の上陸さえ許さない。

 ▼平成9(1997)年に、沖縄県石垣市議の仲間均氏が、行政区域の視察のために、尖閣諸島の魚釣島を訪れ、小紙の記者が同行取材を行った。このときも官房副長官は、「遺憾」を表明した。島の領有権を主張する中国、台湾のマスコミが大喜びで報じたことは言うまでもない。何を遠慮しているのか。自国民がその土地で暮らしの根を張ってこその、領土ではないか。

 ▼東京版の1面で、宮本雅史編集委員が連載している「対馬が危ない!!」を読んで、そのときの思いが蘇(よみがえ)った。過疎化が進む対馬の人口の、3倍近い韓国人観光客が押し寄せているという。といっても、経済的に潤っているのは、韓国の船会社と韓国人経営の飲食店だけだ。

 ▼集団万引や魚の乱獲などのトラブルも頻発している。何より気になるのは、韓国資本による島内の不動産の買い占めだ。島にある海上自衛隊の基地は、日本にとって、最重要の国防ラインである対馬海峡を監視している。

 ▼その敷地の隣接地まで買われていたとは。国境の島に住む人々が、本土から見放されたと感じるようになったら、いくらレーダーや戦闘機を配備しても、領土を守れるはずがない。対馬の危機は、日本の危機だと、思い知らされた。

「領土と商業の問題は区別すべき」 日韓セミナーで「対馬」めぐり韓国メディア

2008.10.23 MSN産経新聞

 対馬への韓国資本進出について韓国メディアはどうとらえているのか。韓国側13社、日本側21社のメディアが参加して23日、都内で開かれた「第45回日韓編集セミナー」で聞いた。

 「領土問題と商業的問題は区別すべきではないか」と述べたのは韓国日報の論説委員、黄永植氏。「(問題提起自体が)あまりいい気分がしなかった。商業的な問題だ。東京に外国資本が投資しても同じようにとらえるだろうか。(対馬の)“韓国化”というのが韓国の影響力が増すという意味なら、これからも影響力は拡大するだろうが、韓国政府は一切、関与していない」と指摘した。さらに「(日本が)民族感情として問題視するのであれば、国民運動をしてでも日本人にしか土地が買えないようにするしかないのではないか」と語った。

 昨年、対馬に初めて行って韓国語の看板の多さに驚いたという国際新聞(韓国・釜山)論説委員の宋●(=さんずいに文)●(=金へんに場のつくり)氏は「『この土地、売ります』と書かれた看板もあった。対馬の人口を上回る韓国人観光客が1年間に訪れていると聞く。しかし、彼らは対馬の経済を支えている。対馬には韓国からゴミが漂流したり、韓国人がゴミを出すとの副作用もあるが、釜山の大学生は年に一度、対馬に清掃に行っている。韓国人は領土を広げるために対馬に行っているわけではない」と述べた。

 出席者からはさらに、「韓国人は土地の値段が上がるから投資したのであって、米国に日本人が不動産投資したのと同じこと」「土地を買って領土を広げられるなら、こんな簡単なことはない」などの発言もあったが、韓国サイドからは「資本進出を安全保障問題に結びつけるのは政治的だ。過剰反応ではないのか」との意見が大半を占めた。(久保田るり子)

対馬は報復心理の対象? 共存と対立の歴史

2008.10.23 MSN産経新聞

 【ソウル=黒田勝弘】産経新聞の特集「対馬が危ない!」に関し早速、韓国のラジオ・ニュース番組で電話インタビューを受けた。「意図は何か?」「ちょっと大げさではないのか?」「対馬は韓国領との主張はどう思うか?」という。

 「日本にとって安全保障などで重要な国境の対馬が、経済的に苦しい状況にあり、韓国との交流関係で副作用に悩んでいるという実情を読者に知らせるものだ」「“対馬は韓国領”というのはやり過ぎだ。日本の国民感情を刺激している」と答えておいた。

 通信社の「聯合ニュース」をはじめいくつかの新聞やインターネット・メディアも伝えていたが、産経新聞の気に食わない記事を紹介するときに決まって使われる「極右紙」という修飾語を付けて。

 韓国の対馬に対する関心の高まりは、日韓の領土紛争になっている竹島(韓国名・独島)問題からくる日本への“報復心理”と、最も近い“海外観光地”として脚光を浴びているということからきている。

 このうち対日報復心理は、韓国で竹島に最も近い鬱陵島(うつりょうとう)に行けば分かる。島には郡当局が管理する「独島博物館」というのがあって観光名所になっている。ところが博物館の入り口に「対馬は韓国の領土」と刻まれたでっかい石碑が建っているのだ。

 10年ほど前に建てられたというが、その趣旨は「日本が独島に手を出すのならわれわれは対馬もよこせというぞ」という意味だ。

 筆者も韓国での各種インタビューでよくいわれる。「われわれが対馬は韓国領といったらあなた方はどうする?」というのだ。

 今から3年前、島根県が「竹島の日」を制定した際、韓国の馬山市議会が対抗して「対馬の日」を制定したのもそうだ。

 なぜ馬山市かというと、韓国側の“主張”は李朝時代の故事にかかわる。韓国(朝鮮)は1419年、海賊の倭寇退治を理由に対馬に侵攻したがこの時、韓国の水軍は馬山から出陣した。そしてこの事件の記録に「対馬はもともとわが国の領土」と書かれているのが、現在の“対馬韓国領論”の根拠になっているというわけだ。

 しかし韓国政府や識者の間では「この主張はまずい」という声が支配的だ。理由は「独島(竹島)の領有権主張までいい加減でデタラメと思われかねない」からだ。

 ただ超党派の国会議員による「対馬返還要求決議案」に対しては51%が賛成という世論調査(7月、リアルメーター社)がある。メディアや学校教育、口コミによる“一方的情報”が広がれば世論が本気になる可能性もある。

 韓国人の対馬観光は、近年の海外旅行ブーム、日本旅行ブーム、釣りブームの一環でもある。釜山から高速船でわずか1時間半。近くて安くて手軽で“歴史的快感”も楽しめる。

 経済発展を背景に活発化している海外投資の一環として、人気の対馬への観光・不動産投資は自然の流れだ。すでに日本各地で韓国資本によるゴルフ場買収も活発だ。これも韓国でのゴルフ・ブームを背景にしている。韓国が豊かになったのだ。

 鎖国時代の江戸時代に、対馬藩は日本唯一の“在外公館”として釜山に出先機関「倭館」があった。今も「対馬市釜山事務所」がある。対馬は歴史的に韓国−朝鮮半島との緊密な関係の中で生きてきた。国際化時代に“鎖国”というわけにはいかない。

 対馬をめぐる経緯 島根県議会が2005年3月16日、「竹島の日」条例を制定したことに反発し、韓国慶尚南道の馬山(マサン)市議会はその2日後、「対馬島は対馬島征伐以後、慶尚道に隷属し確かに韓国領土となった」として「対馬島(テマド)の日」条例を制定。対馬島征伐とは1419年、朝鮮の将軍が1万7000人の兵士を率い対馬を攻めたことを指す。韓国では竹島問題が取りざたされる度に対馬問題が浮上。今年7月、新学習指導要領解説書をめぐり、韓国の退役軍人らが対馬に乗り込み抗議行動を行った。

 対馬返還要求決議案7月、日本の学習指導要領解説書に竹島をめぐる日韓の領有権問題が盛り込まれ、韓国の与野党国会議員50人が「日本の対馬も韓国の領土だ」として発議した。韓国領の根拠として(1)李朝(李氏朝鮮)時代の韓国の文献に出ている(2)対馬の住民の遺伝子が韓国人と一致する(3)李承晩・初代大統領が「対馬は昔からわが国に朝貢していたわが国の領土だ」と述べた(4)1949年の第1回国会に「対馬返還建議案」が提出された−などをあげている。

 韓国政府の公式見解 馬山市議会が「対馬島の日」条例を制定した際、潘基文・外交通商相(当時)は「(韓国が)対馬島の領有権を主張する国際法的な根拠はなく、そのような主張を続けると独島(日本名・竹島)をわが領土とする主張の信頼性が損なわれる」との見解を示した。

【対馬が危ない】麻生首相、買い占め「悪いとは言えない」

2008.10.21 MSN産経新聞

 長崎県の対馬に本部を置く海上自衛隊対馬防備隊の施設に隣接する地域に韓国資本のホテルが建設されるなど、島内の不動産が韓国資本に買い占められている現状について、麻生太郎首相は21日夜、「土地は合法的に買っている。日本がかつて米国の土地を買ったのと同じで、自分が買ったときはよくて、人が買ったら悪いとは言えない」と述べ、あまり問題視しない姿勢を示した。首相官邸で記者団の質問に答えた。

 この問題については、外務省も静観の構えで、「合法的な取引について、政府として何か言う立場にない。規制できるものかどうか分からない」(同省関係者)という態度だ。

 また、首相はこの問題に関連して、「韓国政府が対馬を韓国領と言ったことは1回もない」とも述べた。河村建夫官房長官も同日の記者会見で、韓国の与野党国会議員が「対馬も韓国の領土だ」とする「対馬返還要求決議案」を発議したことに言及し、「発議されただけであって議決されたわけではない。対馬が日本の固有の領土であることは歴史的に見ても明らかだ」と強調した。政府はこれまで、質問主意書に対する答弁書などでも「対馬がわが国固有の領土であることは明らか」としてきている。

 ただ、河村氏は「(対馬防備隊の施設は)きちんと運営できる姿になっている。懸念していることはない」としながらも、「日本の安全保障面からどうか、国として当然考える必要はある」とも述べており、場合によっては安保上の問題点を検討し直す可能性も示唆した。

【対馬が危ない】(上)韓国、不動産相次ぎ買収

2008.10.21 MSN産経新聞

 古事記や日本書紀にも登場する「対馬」(長崎県)。国境を背負い、古来、防衛の要衝だった“防人の島”が、韓国パワーに席巻されている。韓国からの観光ラッシュに続き、島の不動産が続々と韓国資本に買い占められている。リゾートホテルに民宿、釣り宿…。過疎化に悩む対馬自身が本土よりはるかに近い韓国に傾斜せざるを得ないという複雑な事情もあり、豊富な資金力を武器に買収はこれからも激しさを増すだろう。韓国人観光客のなかには、自国領土と本気で信じ込んでいる人すらいる。日本人が気づかない間に、対馬は、安全保障、主権国家としての領土保全にかかわる深刻な事態にさらされつつある。(編集委員 宮本雅史)

自衛隊基地隣接地も

 対馬空港に到着してまず耳にしたのは、島内の不動産が韓国勢に買い占められていることを危惧(きぐ)する声だった。それも1人や2人からではなかった。中でも、「海上自衛隊の基地に隣接する土地が韓国資本に買収された」という話に危機を直感した。

 真偽を確かめるため、対馬市の中心街・厳原(いづはら)町から車で国道382号線を北上、海上自衛隊対馬防備隊本部がある同市美津島町竹敷を訪ねた。

 竹敷地区はリアス式海岸特有の湾曲に富んだ入り江と無数の小島からなる浅茅(あそう)湾に面している。古くは遣新羅使が停泊するなど、船舶交通の中心だったが、明治19(1886)年に、自然が作った海の迷路を生かして、水雷施設部が設置されたほか、日清戦争後はロシアに対する前進根拠地として海軍要港施設が整備されるなど、国土防衛の要害であり続けた。

 余談になるが、近代に入り、ロシアやイギリスの対馬接近に脅威を感じた日本政府は、島内30カ所に砲台を整備。特に昭和初期に作られた上対馬の豊砲台には、巡洋戦艦から航空母艦に転用された「赤城」の40センチ連装砲塔を設置するなど、対馬海峡全体を防衛できるよう整備した。この豊砲台は太平洋戦争後、連合軍が解体を試みたが、あまりにも堅固過ぎ爆破するしか手段がなかったという。

 このように、対馬は、風光明媚(めいび)な観光地だけではなく、国土防衛の要の地として島全体が要塞(ようさい)として歴史を刻んできた。

 竹敷の集落に入るとすぐ、海沿いの左側にみえてくる大きな建物が防備隊本部だ。同本部は、島北部の大浦基地と南部の安神基地を統括、対馬海峡近辺の情報収集に当たっている。防備隊本部と隣接してリゾートホテルが目に飛び込んでくる。

 対馬市議会の国境離島活性化特別委員会委員長の作元義文市議(58)によると、以前は、旧大洋漁業系の大洋真珠の加工工場だったが、真珠養殖業の衰退で平成14年に工場を閉鎖。海自に隣接するため、自衛隊に買ってもらうつもりで話をしていたが、先延ばししているうちに、昨年夏、島民名義で韓国資本に買われてしまったという。現在は、韓国資本が100%出資するリゾートホテルに様変わりしていた。

行幸の碑も“人質”

 敷地内には、韓国の寺院を思わせる檜(ひのき)造りの門が来訪者を威圧するように構えている。駐車場に車を止めると、マネジャー風の韓国人男性が飛び出してきて、厳しい表情で取材はダメだという。見学するだけという条件で門をくぐると、10棟近くの戸建ての宿泊施設が並ぶ。門は“国境”の意味を兼ねているのだろうか。韓国領に足を踏み入れたような違和感を覚える。

 真珠工場が使っていたとみられるはしけには、釣り用のボートが停泊している。旧海軍ゆかりの赤煉瓦(れんが)の弾薬庫が場違いな雰囲気で残されている。平成2年、天皇、皇后両陛下が長崎県を行幸啓の折、真珠工場にお立ち寄りになったことを記念した「行幸記念の碑」が宿泊施設にはさまれ、人質のように鎮座している。

 敷地は険しい岸壁と海に囲まれ、外から中の様子をうかがうことはできない。ただ、海からはボートで自由に出入りできる作りになっている。

 韓国人男性によると、70人ぐらいは宿泊でき、近くの島民8人が従業員として働いているという。

 ある地元住民が匿名を条件にこう言って顔を曇らせた。

 「自衛隊の動向がいつも監視されているような気がする。買い戻そうという声が上がったこともあるが、一度買ったものを手放すはずがない。今更、手の打ちようはないが、せめて両陛下の記念碑だけは市が引き取るなど対処してほしい」

 対馬で民宿を経営する在留韓国人によると、このリゾートホテルの実質的なオーナーは釜山に住む60代後半の畜産会社社長。最初は別荘を計画、知り合いの島民名義で3000坪を5000万円で購入したが、その後、2億5000万円の費用をかけてホテルに改築したという。

 この韓国人は「10人ぐらいの地元島民をかき集めて、突貫工事で完成させた。工費はすべて、現金で支払われた」という。

 そういえば、門に使われている檜は、至る所がひび割れしていた。生木を十分に乾燥させないで使ったためだろう。いかに急ごしらえで改築したか。その性急ぶりを象徴している。

土地名義も経営者名も島民…最近まで気づかず

 竹敷地区の漁業を管轄する美津島町西海漁業協同組合の黒岩美俊組合長(74)によると、同地区には、このリゾートホテル以外にも、防備隊本部に近接するように韓国人が経営する民宿が2軒あり、20人近い島民が雇われているという。

 対馬空港から車で5分ほど行った対馬海峡と浅茅湾をつなぐ大船越地区でも民宿が韓国人女性に買収されていた。

 そこで働く島民によると、もともと、日本人が経営していたが、昨年、経営不振で競売に出された。それを知った旅行会社の元添乗員だった韓国人女性が、知り合いの日本女性の名義で、土地と建物を650万円で購入したという。

 近くに住む3人の日本人女性が雇われ、掃除や食事の準備をしているという。

 作元市議によると、不動産の買い占め場所は1カ所に集中せず、点在しているが、なかでも風光明媚(めいび)な浅茅湾の周辺に人気があるという。ただ、「浅茅湾には無人島が多いので、これからは何十とある無人島に触手を伸ばす韓国人も出てくるのでは」と激しい買い占め工作に危機感をつのらせる。

 ホテルや民宿だけでない。釣り宿も標的になっている。朝鮮海峡につながる峰町狩尾の三根湾沿いにある釣り宿を訪ねた。韓国人観光客が20人ほど、釣りの準備をしている。船長らしい日本人に声をかけてみたが、警戒しているのか、反応が鈍い。顔を曇らせたのは、外国人に禁止されているまき餌に協力している可能性があるからだと、後で知った。釣り船は4隻。午後2時に出発して日没後の午後9時ごろまで客の面倒を見るという。

従業員は島民

 この釣り宿は、在留資格のある韓国人が現地法人を立ち上げて経営、オープンして4年になる。もちろん、宿泊客は韓国人観光客で従業員は近くの島民だ。

 対馬協議会事務局長の友納徹氏(58)によると、この釣り宿のオーナーはさらに、大きな観光ホテルを計画しているようだという。

 観光地にバンガローを建てる韓国人もいる。日本海海戦記念碑が建立され、三宇田海水浴場にも近く、観光地として知られる上対馬町殿崎。朝鮮半島を望める韓国展望所に通じる県道わきの雑木林から茶色の屋根が7つのぞく。韓国人が島民名義で建てたバンガローだ。

 地元島民(75)は「この夏、見かけん子供がいっぱいおるけん、どこの子かと思って話しかけたら、韓国語でしゃべるからびっくりして。しゃべらんと全く分からん」というが、時既に遅し。土地の名義も経営者の名前も島民になっているため、最近まで全く気づかなかったという。

 友納氏によると、不動産の買い占めが始まったのは20年ほど前のことで、当時は、宗教団体関係者が1000万円単位の現金をちらつかせて買いあさっていたという。ここ数年は韓国資本が個別に進出、民宿だけでも島全体ですでに15軒ほど買収され、進行中の計画を含めるとその数はさらに増えるという。

チラつく中国の影

 同氏は「つい最近も、上対馬で30万坪の山林を漁業関係者から買おうとする動きがあった。これはうまくいかなかったようだが、気になるのは、韓国人だけでなく、中国の影がちらつくケースもあることだ。マンションを買って民宿を始めたある韓国人を調べると、中国と取引をしていることが分かった。とにかく、買い占めているのが民間人なのか、企業なのか、それとも組織だったものなのか、全く分からない」と続ける。

 こうした韓国資本による不動産の買い占めに財部能成市長(50)は「韓国人が、現地法人を作ったり、日本人の名前を使ったりして不動産を取得しているのは事実のようだ。特に、経営不振の民宿が狙われやすいと聞いている。ただ、どのくらい買い占められているのか、実数はつかめない。島全体に点在しているし、書類を見ただけでは分からない。情報をもとに推測するほかない」と頭を抱える。

 買い占めている韓国人の目的はおろか、その素性さえも分からないというのが実情だ。

強い韓国領土意識

 対馬の領有権については、太平洋戦争後、李承晩政権が、連合国軍総司令部(GHQ)に対し、竹島だけでなく、対馬についても「韓国の領土であり、日本によって強制的、不法に占領された」として、日本からの割譲を要求したが、GHQは「根拠がない」として一蹴(いっしゅう)している。韓国側は、慶尚南道馬山市議会が、平成17年、「対馬島は韓国領土であることを内外に知らしめ、領土権確立を目的とする」という条例を可決するなど、対馬が韓国領土であるという主張を崩していない。しかし、魏志倭人伝にも対馬は倭国の領土であると記載されており、有史以来、韓国の領土ということはありえない。

 ただ、上対馬観光物産事務所長の武田延幸さん(58)が「観光客の中には『対馬は魅力がある。やはり、昔から、対馬は韓国のものだから、山も欲しいよねえ』とはっきり言う者もいる」というように、依然として、対馬が韓国領土だと信じている韓国人がいるのも事実だ。対馬が韓国の領土という意識が強ければ強いほど、ますます、進出してくるのは火を見るより明らかだ。

 実際、話を聞いた在留韓国人は「これからは在留資格をとって、本格的に進出してくる韓国人が増えるのではないか」と断言した。

 財部市長が「このままでは、10年かかるか20年かかるか分からないが、いずれ韓国色に染まってしまう可能性がある」と漏らした。

 国家の要衝が、虫食いのように侵食されていく。根は想像以上に深い。数年後、オセロ風ゲームのように、気がつくと、島の大半が韓国色に染まっているという事態も十分に予想される。財部市長の不安は、単なる危惧(きぐ)では済まされない。対馬はそこまで追いつめられている。

【対馬】長崎県に属し、周囲に大小98の属島を持つ国境の島。平成16年に元の6町が合併、島全体が対馬市となった。最大の街は、厳原(いづはら)町で、同町から福岡までは対馬海峡をはさんで約138キロ離れている。島の最北端の比田勝港から釜山までは最短距離で49.5キロと半分以下の近距離にある。ほぼ全域がリアス式海岸に囲まれ、島の中央部にある浅茅(あそう)湾は風光明媚な観光地として知られる。『古事記』には最初に生まれた島の一つとして「津島」と、また、『日本書紀』には「対馬州」「対馬島」と記されている。古代から大陸との交流があり、外交面での要所であると同時に、防衛、侵攻の最前線基地だった。

【対馬が危ない】(中)島民の3倍、韓国から大挙

2008.10.22 MSN産経新聞

名所・旧跡の案内板だけでなく交通標識までハングルが併記されている

 「対馬が危ない」(上)では、韓国資本による対馬でのすさまじい不動産買収ブームを伝えた。第2回では、年々増え最近では大挙してやってくる韓国人観光客の実態、島は彼らをどのように迎え、そして、どのような感情を抱いているのかを、率直な声を交えて報告する。(編集委員 宮本雅史)

 ◆交通標識もハングル

 対馬を車で走ると、至る所に、名所、旧跡を示す交通標識にハングルが併記されている。途中、韓国人観光客を乗せた観光バスに何度も出合った。日本人観光客の姿はない。

 ここ数年、国内からの観光客が減少する半面、韓国資本による民宿や釣り宿などの買い占めを促すかのように、韓国人観光客が大挙して押し寄せている。

 今月初めの土曜日、島の中心地に近い厳原(いづはら)港ターミナル。午前11時前、秋晴れの日差しを浴び、白地に鮮やかなブルーと赤のラインが入った「ドリームフラワー」号が入港してきた。大亜高速海運(釜山)が運航する定期国際航路で、釜山港と厳原港を約2時間10分でむすぶ。観光客のほとんどは、家族連れや釣り客だ。

 大亜高速海運のグループ会社で、出入国の手続きをしているジャパン大亜によると、この便での観光客は277人で、午後2時には新たに230人が訪れるという。

 ターミナルから少し歩くと、厳原町の中心部に出る。厳原町は、鎌倉時代から600年以上にわたり対馬を統治した宗家10万石の城下町だ。今も、武家屋敷が当時の面影を残す。

 飲食店やホテルが立ち並ぶ厳原本川沿いでは、下船したばかりの韓国人観光客が十数人単位の集団で、ブラブラと、横に大きく広がりながら歩いている。タクシーが近づいても気にしない。道を開ける気配もない。その数は、週末を楽しむ島民より明らかに多い。島内唯一の免税店前にたむろしているグループもいる。ガイドらしき女性に先導されて集団が向かう飲食店をのぞくと、すでに満席だ。日本人の姿はない。

 対馬に韓国人観光客が集中するようになったのは、平成11年7月、釜山−厳原間に国際航路が就航してから。13年4月、新たに、島北部の比田勝(ひたかつ)港と釜山港を約1時間20分でむすぶ航路が運航されると、年間約1600人程度だった観光客が急増、16年には2万942人に。その後も増加の一途をたどり、17年は3万6636人、18年は4万2002人、そして、19年には6万5491人を数えた。財部能成・対馬市長(50)は「現時点ですでに昨年の44%の増。これまで毎年、前年比で50%アップで推移してきたが、今年も間違いなく8、9万人にはなるだろう」ともくろむ。

 現在、対馬市の人口は3万7000人余りだから、人口の3倍近い韓国人観光客が押し寄せる計算になる。

◆地元は潤わない

 観光客が増えれば、当然、飲食店なども増える。

 対馬協議会事務局長の友納徹さん(58)によると、2、3年前から、韓国人相手の居酒屋や料理店、ホテルが増え、厳原本川沿いでは、すでに8店舗が韓国人相手に模様替えをし、カラオケ店を計画している店もあるという。ホテルの観光バスで案内をしているうちに、韓国人向けの飲食店を開いた島民もいるという。

 これだけをみると、島全体が活気づきそうなものだ。ところが、島民の表情はそうでもない。どことなく暗い。

 商工会の関係者は「観光客で潤っているようにみえるが、実はそれほどでもない。渡航費は全部韓国の船会社に入るし、食事も韓国人が経営する飲食店を利用している。土産も、それほど買っているようには見えない」とぼやく。

 精彩を欠く理由はここにあった。韓国人はそれほどお金を落としていないのだ。

 長崎県対馬地方局の池松誠二局長(52)は「観光客は釜山で10万円分のウォンを円に両替し、帰国時に8万円をウォンに戻している。だから、1人当たり2万円ぐらい、トータルで13億円ぐらいは対馬で使っているのではないかと推測している」と楽観的だが、島民の話を聞くと、この13億円という数字は怪しい。

 韓国人観光客を専門にするホテルの従業員も「うちは1泊6000〜7000円ぐらいだが、韓国人は特別料金で、2000〜3000円ぐらいで泊めているようだ。それで採算が取れているのかどうか…」と、格安サービスに首をかしげる。

              ◇

 ■「ここはわれわれの領土だ」

 ◆万引、ゴミに頭抱える

 マナーの悪さを指摘する声もある。

 厳原町で飲食店を経営する中嶋明雄さん(49)は、「酔ってツバを吐いたり、以前、ただ食いされたこともある。スーパーなんかでは、集団で万引されたという話も聞いた。酔って、『竹島と同じで対馬も韓国の領土になる』と叫ぶのを何度も聞いた。勘違いしているんじゃないかと思う。うちは絶対に韓国人は受け入れない」と反発を示す。

 「山登りをする韓国人も多いが、糞尿(ふんにょう)処理とゴミ対策が大変だ」と頭を抱える商工会関係者もいる。

 漁業関係者からも怒りに似た声が聞こえる。対馬市議会の国境離島活性化特別委員会委員長で自ら定置網漁業を営んでいる作元義文市議(58)はこう不満をぶつける。

 「外国人に禁止されているまき餌で、メジナやイサキ、イシダイなどを狙ってくる。手引きをしている島民もいるようだ。日本人は、小さい獲物はそのまま海に帰して、大きくなるのを待つが、連中は、クーラーがいっぱいになるまで持ち帰る。韓国で商売でもしているのでしょう」

 さらにこんな問題も起きている。

 比田勝港ターミナルで観光客の出入りをチェックしている上対馬観光物産事務所長の武田延幸さん(58)はいう。

 「添乗員もガイドも韓国人なのが問題。日本語を正確に理解できない者もいるし、何より、正確な歴史教育を受けていないから、間違った説明をするため、観光客も間違った印象を持って帰る。旅行会社の社員のなかには、『対馬は韓国の領土だ』とはっきり言う者もいる。これが一番の問題だ」

 韓国人観光客と市民の間には、さまざまな問題や不信感が生じている。しかも、すでに紹介したように水面下では、不動産の買い占めが着々と進んでいる。それでも、韓国人を受け入れざるを得ない。

 対馬はどこへ行くのか。取材を進めると、その背後には、本土から遠く離れた島に住む「日本人」の悲鳴が聞こえてくる。

【対馬が危ない】(下)生き残りへ苦渋の“歓迎”

2008.10.23 MSN産経新聞

風光明媚な対馬。経済不振、過疎化でかつての活気がすっかり失われつつある=美津島町竹敷 ◆強い島民の孤立感

 「対馬は何県?」。こんな問いに「長崎県」と即答できる日本人は何人いるだろうか。「福岡県」と答える日本人も結構多い。

 対馬市議会の国境離島活性化特別委委員長の作元義文市議(58)はこう言う。

 「対馬は行政圏は長崎だが、経済圏は福岡。区分けが中途半端なうえ、県庁所在地の長崎まで行くのに往復2万5000円もかかるから、対馬の人間にとって、本土はますます遠くなる。本土の人も、交通の便が悪いこともあり、年々対馬から遠ざかっていく。対馬の存在感は薄い」

 「福岡と対馬をむすぶ連絡船も、値上げをするところもあれば、便数を減らすところもあり、ますます距離が広がっていく」

 聞けば聞くほど、本土と対馬の距離を感じる。

 作元市議は島民の思いをこう代弁する。

 「島民は、日本から見放されていると感じ、孤立感でいっぱい。だったら、少々のことには目をつぶってでも韓国と仲良くすればいい。福岡からは約130キロあるが釜山まではわずか50キロだから親近感がある」

 対馬は今、島民の心の隙間(すきま)を狙うかのように不動産の買い占めに奔走する韓国資本と、怒濤(どとう)のように押し寄せる韓国人観光客に右往左往するばかりだが、それでも韓国人、韓国資本を受け入れざるを得ない大きな課題を抱えている。

 ◆経済悪化、過疎に拍車

 対馬は、南北約82キロ、東西約18キロの細長い島だ。89%が山林に覆われ、耕地面積はわずか1・4%。平成17年の国勢調査によると、第1次産業の林業、漁業が21・1%を占めた。だが、林業は価格の低迷で、漁業も燃料費の高騰や価格安などで危機的な状況に追い込まれている。

 作元市議はこう嘆く。

 「漁船の重油は今、1リットル130円もする。60円を超えると採算が取れない。19トンのイカ釣り船の場合、1回に2000リットル積んで3日で使い切る。燃料費だけで26万円もかかるから1日に10万円の水揚げをしないと、燃料費も出ない。それにイカの卸値は、20匹で2000円ぐらい。これから燃料費や氷代を差し引くと手取りは500円ほど。勘定が合うはずがない」

 財部能成市長(50)は対馬の経済状況をこう説明する。

 「昭和28年に公布された離島振興法で、港湾整備や道路整備などの公共事業が増えたため、潤っていたが、小泉改革で、公共事業が削減され建設業は倒産が相次いだ。水産業も水揚げ高は大きかったから、地域に金が回り、シャワー効果があったが、今は燃料費が上がり、船を出せなくなっている状況だ」

 経済状況の悪化は島の過疎化に拍車をかけている。働き場所がないため、毎年1000人前後が離島、一時は7万人あった人口も年々減少し、今では3万7117人(今年7月現在)と、激しい勢いで過疎化が進んでいる。しかも、残った若年労働者は各地区に2人いるかどうか、それも50代だという。

 過疎化については、出稼ぎに出ている島民も多く、実際の人口は、言われている数よりさらに3、4000人は少ないという声もある。

                ◇

 ■“防人の島新法”望む声

 ◆韓国は経済起爆剤

 生き延びるためにはどうすればいいか。浮上したのが、歴史的にも交流のある韓国からの観光客の誘致だった。

 市は、17年度から19年度まで、県と共同で、厳原(いづはら)−比田勝(ひたかつ)間のシャトルバス代として、1人当たり2330円の補助まで出している。同地域再生推進本部によると、その額は、17年度が456万2000円、18年度が481万8000円、19年度は850万円にのぼった。韓国人観光客の歓心を買うため、税金で交通費を補(ほ)填(てん)したことに反発の声が聞かれるが、その是非は別として、それほどまでに韓国に依存せざるを得なかったということだろう。

 対馬観光物産協会総代の高雄武保さん(83)は「韓国から観光客が来てもらわないと困る。雨だれが垂れる程度でも、韓国との交流は対馬の経済浮揚につながる」と期待感を隠さない。

 厳原町のホテル経営者が「それぞれ文化が違うのだから、マナーが悪いといっても仕方がない。それより、1日1万円でもいいから落としてもらったほうがいい。以前は絶対に韓国人は泊めないと言っていたホテルも背に腹は代えられないのか、受け入れる数が増えてきている。生き延びるには、韓国人を受け入れるほかないのです」と心の内を吐露したが、それは、多くの島民の共通した思いだった。

 もちろん、島民の間には、公共事業に頼りすぎ、国内向けの観光行政を怠ってきたため、そのツケが回ってきたと、行政当局を批判する指摘もある。

 だが、もはや、責任の所在を追及している段階ではない。国家の要衝が韓国に侵食されていく。インタビューをしたほとんどの島民は、生きるための苦渋の選択と危機感のはざまに立たされていた。

 ◆ようやく危機感台頭

 こうした状況に対馬市もようやく目が覚めたのか、危機感を強めてきている。

 財部市長は「少なくとも国境に面した島については、安全保障の点からも外国資本による不動産買収を認めない除外規定など、実効支配につながることを防ぐ手だてを設けるべきだ」「日本人の国境に対する感覚は極めて希薄。対馬の資源を生かした新たな産業を興すなど、国境に面した島を守る施策をとるべきだ。それが国境を国土として国が守っていくことになる」と“防人(さきもり)の島新法”の成立を訴える。

 駐留する自衛隊の増強も一つの手段だ。本土に住む日本人が当事者意識を持って不動産の買収に乗り出し、買い占めに歯止めをかけるのもその方法だ。対馬の特性を生かし、海洋学などの教育施設を造ることもありうる。

 対馬市では、新法の素案作りを始めたが、対馬問題は単に対馬だけの問題にとどまらない。国家防衛は、常に最悪の事態を想定しなければいけない。

 島民からはこんな声が聞こえてきた。

 「韓国によるリゾート化は、密航組織に利用される懸念があるうえ、有事の際にはゲリラの潜入さえ可能にしてしまいかねない」

 韓国資本による対馬攻勢は激しいスピードで進んでいる。残された時間は少ない。(編集委員 宮本雅史)


対馬も韓国領? 話題呼ぶ「返還要求決議案」

2008.07.27 MSN産経新聞

 【ソウル=黒田勝弘】韓国では日本の中学社会科学習指導要領の解説書に竹島(韓国名・独島)をめぐる日韓の領有権対立を記述したことが「ケシカラン」として“独島反日”が続いているが、その中で与野党国会議員50人による「日本の対馬も韓国の領土だ」とする「対馬返還要求決議案」が発議され、話題になっている。

 対馬(長崎県対馬市、人口約5万人)は九州の北にある島で韓国南端の釜山から約50キロと近く、朝鮮半島とは昔から関係が深い。「対馬も韓国のモノ」というのは、竹島問題にかかわる日本に対する嫌がらせ的な対日報復心理として近年、ユーモア的によくいわれる。

 先年、地方の馬山市議会が島根県議会の「竹島の日」条例に対する“報復”として「対馬の日」を制定したことがあり、今回も「独島死守」を叫ぶ韓国人団体が対馬に出かけ、対馬市庁前で「対馬も韓国領土」と書かれた横断幕を掲げデモする様子がマスコミに大きく紹介されている。

 しかし多数の国会議員が大まじめで国会決議案を発議するなどというのは初めて。正式上程は不明だが、ただ韓国内でも「正当な独島領有権主張までいいかげんに思われる」と批判の声は聞かれる。

 決議案によると、李朝時代の韓国の文献にそう出ているとか、対馬の住民の遺伝子が韓国人と一致するとか、李承晩・初代大統領が「対馬は昔からわが国に朝貢していたわが国の領土だ」と述べたことがあるとか、1949年の第1回国会に「対馬返還建議案」が提出されたことがある、などとしている。

 国際的にはまったくナンセンスな話だが、日韓対立となると韓国世論には竹島・独島問題のように自己中心的な一方的情報しか与えられない。すでに対馬観光の韓国人たちは「対馬は韓国領」と公然と言っているとの話も伝わっている。

 韓国では誰でも知っている大衆歌謡「独島はわれらの地」の作者は最近、マスコミとのインタビューで、歌詞にある「対馬は日本の地」という部分を「対馬もわれわれの地」とあらためるべきかもしれないと語っている。今後、韓国社会では「対馬も韓国領」というあらたな“思い込み”が広がりそうだ。

 今回の韓国の“独島反日運動”は2週間になるが、これまで日本大使館前での抗議デモは延べ約4500人、投げられた卵は約230個。まとまったものでは米国産牛肉反対デモの流れの約1700人が最大で、あとは反日・民族団体など小規模のもので大きな混乱は起きていない。

 反米や北朝鮮問題と違って、反日ではいつものように全マスコミ世論が一致するため、韓国社会は政府ともども久しぶりに「国論の統一」を楽しんでいる。「反日デモなど一応ヤマは越した」(治安当局筋)というが、政治・外交的には振り上げたコブシの下ろしどころがまだ課題として残っている。

HOME日韓関係政治・経済・社会