TOPIC No.2-46 石油業界

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a. 新日本石油(日石三菱・コスモ石油提携)、b. ジェット燃料ヤミカルテル、c.Jエナジー・昭和シェル提携、d. その他
TOPIC No.2-46a 新日本石油(日石三菱・コスモ石油提携)

出光、新日石などから製品調達 再稼働見通し立たず

2003年09月29日 The Sankei Shimbun
 出光興産の北海道製油所(北海道苫小牧市)で相次いで貯蔵タンクが炎上、生産機能が停止している事故で同社は29日、当面の石油製品の供給体制について、新日本石油やコスモ石油、ジャパンエナジーなどから製品を調達し、各社の出荷基地を利用して対応する考えを明らかにした。

 北海道製油所は、出光全体の2割に当たる日量14万バレルの原油処理能力があり、北海道、東北、北陸地方向けにガソリンや灯油などを出荷。冬場の灯油の需要期を控え、安定供給体制の確保が急務となっている。

 同社によると、道内向けには同業他社の油槽所の協力を受けて製品を供給。道外の地域については、千葉県や愛知県の同社製油所から出荷するほか、他社からの調達、製品輸入などを計画している。

 同製油所の再稼働の見通しに関しては「原因究明できないと次に移れない」(長谷川為久夫製造部長)状況だが、設備補修や再発防止策の策定などに数カ月単位の時間がかかることは確実。業績に及ぼす影響について同社は「まったく見通しが立たない」としている。

 同製油所での火災は、過去4年間で5回に上る。遠山寿一副社長は29日の会見で「今回は地震が原因とはいえ、安全への取り組みに抜かりがあった」と謝罪したが、「人員削減や設備補修費用のカットなどのリストラは、過去5、6年の間に同製油所では実施していない」(長谷川部長)と、社内体制に不備がなかったことを強調した。

新日石麻里布に立ち入り検査 山口県

2003/08/27 中国新聞地域ニュース
 検査データねつ造、虚偽報告

 山口県和木町の新日本石油精製麻里布製油所(岩田昭所長)が、高圧ガス保安法に基づく検査データをねつ造し、県に虚偽の報告をした問題で、県は二十六日、同法に基づき三日間の日程で、製油所内の立ち入り検査を始めた。

 高圧ガス施設の安全性を調査するのが目的。同製油所が「認定保安検査実施者」として自主的に検査できる常圧蒸留装置や脱硫装置など、十五施設に立ち入る。検査データを付き合わせての技術基準適合調査や外観検査のほか、安全装置の作動状況なども確認する。

 県は結果を踏まえ、九月初旬に県内の十認定事業者を集めて保安検査の適正化を指導、中旬に各事業所を個別指導する。

 同日午前十時ごろ、県消防防災課の職員三人が製油所を訪問。製油所側から、虚偽報告に至った経緯などを聞いた後、ワゴン車に乗り込んで施設内へと向かった。

 岩田所長は「関係当局の指導のもと、設備の安全確認と再発防止に全力を傾注します」とのコメントを発表した。

 この問題では、経済産業省原子力安全・保安院が十九日から四日間、立ち入り検査している。

保安院:虚偽報告で立入検査 新日本石油精製麻里布製油所

2003年08月19日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 経済産業省原子力安全・保安院は19日、法定の保安検査で虚偽の報告をしていた新日本石油精製(本社・東京都港区)の麻里布(まりふ)製油所(山口県和木町)で立ち入り検査した。事実が確認できれば、都道府県に代わり自社で保安検査できる認定を取り消す方針。

 虚偽報告があったのは、鋼管の腐食度合いを超音波や放射線で確認する「肉厚検査」で、高圧ガス保安法で年1回実施が義務付けられている。しかし、麻里布製油所と大阪製油所(大阪府高石市)で検査していないのに「合格した」と監督官庁に報告していた。

 この問題が発覚後、三井化学(本社・千代田区)の大阪工場(大阪府高石市)でも同様の虚偽報告があったことが判明した。保安院は、両社の3製油所に順次立ち入り、保安検査記録を精査し、聞き取り調査を実施する。【神戸金史】

山口県、立ち入り検査へ 新日石精製データねつ造

2003/08/16 中国新聞地域ニュース
 山口県和木町の新日本石油精製麻里布製油所(岩田昭所長)が検査データをねつ造し、山口県に虚偽報告していた問題で、県消防防災課は十五日、高圧ガス保安法に基づいて二十六日から三日間、同製油所を立ち入り検査すると決めた。

 立ち入り検査は、担当者への聞き取りと検査記録などから、虚偽報告に至った経緯などを調査。検査が適正化するように指導する。また、自主検査せずにデータをねつ造した個所だけでなく、正しく検査したとする個所も調べ、安全機器がきちんと作動するかなど、安全性もチェックする。

 同課は九月上旬には、同様に高圧ガス保安法に基づく自主保安検査の認定を受けている県内の他の十事業所に対しても、検査の適性化を指導し、再発防止を徹底する。

 麻里布製油所は一九九七年から六年間、同法に基づく七十二項目のうち、配管の肉厚検査や設備を分解して内部の腐食や劣化状況を調べる開放検査など十項目について実施済みを装い、虚偽のデータを記入して県へ報告していた。

ねつ造新たに9項目 新日石精製検査データ

2003/08/12 中国新聞地域ニュース
 山口県和木町の新日本石油精製麻里布製油所(岩田昭所長)が、法に基づく検査をせずにねつ造データを県へ報告していた問題で、実施済みを装った検査項目が当初の肉厚検査だけでなく、気密検査など十項目に上ることが十一日、同社調査委員会の内部調査で分かった。虚偽報告の期間は四年間としていたが、一九九七年から六年間に及んでいた。

 新日本石油精製の掛札勲社長を委員長とする調査委員会は、同日までに調査を終え、経済産業省原子力安全・保安院に結果を報告した。

 同製油所によると、新たに判明したのは、高圧ガス保安法に基づく七十二項目のうち、設備を分解して内部の腐食や劣化状況を調べる開放検査、設備に一定の圧力をかけてガス漏れを調べる気密検査―など九項目。

 県に実施済みを装った期間は、九七年から六年間。所長も事実を知った上で、過去の検査記録を基に架空のデータをねつ造し、合格基準内の数値に仕立てていたという。

 四日、同製油所が鋼管の厚さを調べる肉厚検査で、約八百カ所について虚偽報告があったと公表し、陳謝した。記者会見では「コスト削減」が理由とし、外部委託していた検査を省いたことで数千万円の削減効果があったと認めていた。

 新たな調査結果を受け、製油所の幹部らは十一日夕、県や岩国市、和木町などを訪れて内容を説明し、あらためて謝罪した。

 同保安院は近く立ち入り検査する方針。同製油所内の全装置は現在、自主的に停止中で、再開のめどは立っていない。

新日本石油:製油所停止で対応策 他の製油所の稼働率アップ

2003年08月08日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 新日本石油の石油精製子会社が保安検査を実施せず、虚偽報告をしていたため、同社の2製油所が操業停止している問題で、新日本石油は8日、「当面の供給体制に支障はない」と発表した。8月のガソリン、軽油など燃料油の生産が月間55万キロリットルダウンするが、他の製油所の稼働率アップや市中購入、在庫の取り崩しなどで穴埋めできるため。

 虚偽報告の発覚で操業を停止しているのは、麻里布製油所(山口県和木町)と大阪製油所(大阪府高石市)。生産減少分の月間55万キロリットルは全国消費の約2〜3%に当たる。両製油所の操業再開の見通しは立たないため、9月になっても燃料油が不足する場合は、業務提携先の出光興産へ原油の精製を委託することなどで対応するという。【川口雅浩】

日石三菱が新日本石油に

2002年05月23日 Sankei Shimbun
 日石三菱は23日、社名を「新日本石油」に変更すると発表した。6月27日の株主総会で承認を受けて同日から実施する。

 日石三菱は昨年7月にガソリンスタンドの名称を「エネオス」に変更していた。今回の変更により長く親しまれてきた「三菱」の文字が社名からも消える。

 日石三菱は11年4月に日本石油と三菱石油が合併して誕生。合併後3年経過しており、「合併の集大成として、合併会社色の濃い日石三菱という商号を改める」(日石三菱首脳)という。

日石三菱が天然ガス小売り参入 来春、帝石と新会社

2000.12.25(12:02)asahi.com
 石油元売り最大手の日石三菱と石油・ガス開発大手の帝国石油は25日、共同で天然ガスの小売り事業に乗り出すと発表した。来年4月に新会社、ネクストエネルギー(資本金5000万円)を設立し、大型ビルや病院などにコージェネレーション(熱電併給)設備を売るとともに、パイプラインの新設や都市ガス会社のパイプラインを借りる「託送」方式の小売りも検討する。石油元売りによる天然ガス小売り参入は初めて。

 出資比率は日石三菱が40%、日石三菱の全額出資子会社の日本石油ガスが10%、帝石が50%。当面は帝石が持つ新潟の天然ガス田を供給源とし、新潟―東京間のパイプライン周辺地域への供給拡大を図る。

 託送方式の小売りについては、都市ガス会社には導管の利用料だけしか入らないため、都市ガス会社を最大の顧客とする帝石には抵抗もあるが、日石はグループとして推し進める考えだ。天然ガスなどをつかった新しいエネルギー供給システムである燃料電池の将来の普及も視野に入れる。

日石三菱、コスモ石油がタンカー子会社を統合

2000.10.24(19:49)asahi.com
 石油元売りの日石三菱とコスモ石油は24日、それぞれの完全子会社である日石菱油タンカーとコスモタンカーによる原油輸入用タンカーの契約、配船業務を日石菱油タンカーに11月1日から一本化すると発表した。日石菱油タンカーの社名を日本グローバルタンカーと改称し、株式の35%を約2800万円でコスモ石油が買い取る。コスモタンカーによる運航管理業務は残る。昨年秋に打ち出した元売り両社の提携の一貫で、年に5億円の効率化を見込む。

日石三菱・コスモ石油が全面提携で基本合意

08:21a.m. JST October 09, 1999
 石油業界首位の日石三菱と3位のコスモ石油が原油の調達や石油精製部門など広範な分野で業務提携することで基本合意したことが、9日明らかになった。12日にも正式発表する。石油業界は規制緩和後、過剰設備問題や新規参入などの販売競争の激化に加え、原油価格の高騰を受けて経営環境が厳しさを増している。両社は石油精製能力で36%のシェアを握る、系列を越えた巨大石油グループを形成し、抜本的な合理化を加速させる。

 両社は提携に向けた基本協定を締結、11月から具体策の検討に着手する。合併という形は取らないものの、販売を除く主要部門で共同事業家を推進し、両社合計で年間100億〜200億円のコスト削減を実現する方針だ。(時事)

メジャー系に比べ競争力弱く 日石三菱とコスモの提携

8:12p.m. JST October 09, 1999
 石油業界最大手の日石三菱と業界3位のコスモ石油が原油調達、精製、物流部門で提携することになったが、背景には経営環境の悪化に加え、早くから合理化や再編を進めてきたメジャー(国際石油資本)系元売りに比べて、競争力が弱いという危機感がある。いわゆる「民族系」元売りは、2割は過剰といわれる製油所の統廃合に踏み切れないところが多く、今後は設備廃棄を進められるかどうかが生き残りのカギを握りそうだ。

 「厳しい経営環境に直面している状況で、抜本的なコスト削減を講じる必要がある」。日石三菱とコスモ石油は9日、提携の理由をこう説明した。

 石油業界は不況長期化による需要の落ち込みと、生産と販売の両面での過剰体質で、業績は悪化の一途だ。さらに原油価格の急騰が収益悪化に拍車をかけ、今年9月中間決算で、コスモ石油やジャパンエナジーなどが経常赤字を見込むなど、厳しい状況だ。

 日本には、合併予定の米メジャー(国際石油資本)のエクソンとモービル系の元売りが4社(モービル、エッソ、ゼネラル、キグナス)あるが、数年前から大幅な人員削減や業務の効率化をを進めてきた。親会社の合併後は、国内でも1大グループが誕生し、業務統合で一段の合理化を進め、人員も減らすとみられている。

 これに対し、民族系各社の合理化は遅れている。4月に合併した日石三菱は今年8月、500人の希望退職を募り、9月末には川崎製油所を閉鎖したものの、証券会社のアナリストは「まだ合理化は十分とはいえない」とみている。

 日石三菱とコスモの提携で、エクソン・モービル系、提携関係にあるジャパンエナジー・昭和シェル、出光の3グループから抜きんでた巨大グループが誕生することになる。業界全体の競争を促すのは必至で、今後は製油部門などで、踏み込んだ合理化策を打ち出すことが課題になる。
TOPIC No.2-46b ジェット燃料ヤミカルテル

大手3社側が無罪主張 ジェット燃料談合

2000/06/02共同
 防衛庁へのジェット燃料などの納入に絡む入札談合事件で、独禁法違反(不当な取引制限)の罪に問われた大手石油元売り「日石三菱」など十一社と、七社の担当者計九人の初公判が二日、東京高裁(仁田陸郎裁判長)で開かれ、日石三菱、コスモ石油、昭和シェル石油の三社側は起訴事実について「事実に反する」などと無罪を主張した。

 残る八社側は大筋で起訴事実を認めた。

 日石三菱側は「以前から存在したルールに基づき、防衛庁側の指導に従っただけで、事業活動を拘束したことはない」とし、コスモ石油側も「入札は儀式にすぎず、実態は防衛庁側が落札価格を決めていた」とした。

 検察側は冒頭陳述で「石油各社は一九七○年代後半には既に受注調整を行い、八六年以降はコスモ石油担当者が中心的役割を果たした」と指摘。「前年度の受注実績を基にシェアを配分する基本ルールを作り、当初の入札を流すなどした後、価格が引き上げられた再入札で、予定された会社が落札していた」と述べた。

防衛庁、指名停止処分の石油元売りから一部納入へ

9:11p.m. JST December 14, 1999
 防衛庁調達実施本部(調本)が発注する航空機のジェット燃料などの入札をめぐる談合事件で、防衛庁は14日、一部地域の燃料納入に関して取引停止処分としている石油元売りなど11社を入札に参加させると発表した。同庁は、総理府や会計検査院などにも連絡済みで、「緊急避難的な措置」と説明している。

 防衛庁によると、取引停止業者が随意契約または、指名競争入札に参加するのは、硫黄島と山口県萩市の航空自衛隊見島分屯基地に対する契約。硫黄島では、陸揚げする施設が特殊なため特定の業者しか納入できず、見島分屯基地では、取引停止業者以外と交渉したが契約できなかったという。

 防衛庁では、現在、燃料などを国内の石油元売り2社を中心に調達する方針だが、需要を完全に満たすことは難しいとしている。取引停止が形がい化する恐れについて同庁は「国の防衛に支障をきたすことはできない」と理解を求めた。

3社が排除勧告拒否

1999年11月29日 20時26分 共同通信社
 防衛庁へのジェット燃料など石油製品の納入に絡む入札談合事件で独禁法違反(不当な取引制限)で、排除勧告を受けた11社のうち、日石三菱(東京)、コスモ石油(同)、昭和シェル石油(同)の3社は29日、勧告受け入れ拒否を決め、公正取引委員会に伝えた。

 ジャパンエナジー(同)などほかの8社は同日までに勧告を受け入れた。

ジェット燃料談合の石油元売り7社を防衛庁が指名停止

7:41p.m. JST October 21, 1999
 防衛庁調達実施本部(調本)が発注する航空機ジェット燃料などの入札をめぐる談合事件で、防衛庁は21日、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで逮捕者を出した石油元売り7社を指名停止9カ月にすると発表した。指名停止後の調達は、残る石油元売りなど4社、石油特約店、商社を通じての外国からの輸入も検討し始めた。

 指名停止処分を受けたのは、コスモ石油、日石三菱、昭和シェル石油、ジャパンエナジー、出光興産、ゼネラル石油、キグナス石油の7社。

 同庁が参考とする総理府の「指名停止等措置要領模範例」は、指名停止期間を3―9カ月としている。この中で、一番重い処分を下した。今後は、告発された残り4社から調達する方針だが、公正取引委員会から排除勧告などを受けた場合、これらの社も指定停止処分にする。

石油会社の担当者ら逮捕 ジェット燃料ヤミカルテル事件

00:43a.m. JST October 20, 1999
 東京地検特捜部は19日、防衛庁調達実施本部(調本)が発注する航空機のジェット燃料などの入札をめぐり、石油元売り各社が事前に落札予定業者を選定するなどしていたとして、コスモ石油産業燃料部グループ長の山本祐輝容疑者(53)ら元売り7社の担当者計9人を独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで逮捕した。関係者によると、9人は特捜部の調べに対し、調本側の指示する価格で落札しており、業者側には自由競争の余地がなかった、などと容疑を否認している模様だ。

 調べでは、「仕切り役」とされる山本容疑者を中心とする防衛庁担当者は、1998年4月から9月までの半年間に、自衛隊基地で使用する航空機のジェット燃料など石油製品の入札で、前年度の実績に応じてあらかじめ受注企業や応札価格を決めていた疑い。この半年間で入札は1642件、契約額は計約310億円にのぼった。

 調べに対し、山本容疑者らは、入札前に各社で話し合ったうえ、基地の近くにタンクを持つ会社が受注するよう調整をしていたと説明する一方で、防衛燃料の納入価格については調本の意向に従うしかないと主張し、「もともと自由な競争はできなかった」などと供述しているようだ。

石油会社の担当者ら逮捕 ジェット燃料ヤミカルテル事件

7:33p.m. JST October 19, 1999
 東京地検特捜部は19日、防衛庁調達実施本部(調本)が発注する航空機のジェット燃料などの入札をめぐり、石油元売り各社が事前に落札予定業者を選定するなどしていたとして、コスモ石油産業燃料部グループ長の山本祐輝容疑者(53)ら元売り7社の担当者計9人を独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで逮捕した。関係者によると、9人は特捜部の調べに対し、調本側の指示する価格で落札しており、業者側には価格競争の余地がなかった、などと容疑を否認している模様だ。

 調べでは、「仕切り役」とされる山本容疑者を中心とする防衛庁担当者は、1998年4月から9月までの半年間に、自衛隊基地で使用する航空機のジェット燃料など石油製品の入札で、前年度の実績に応じてあらかじめ受注企業や応札価格を決めていた疑い。この半年間で入札は1642件、契約額は計約310億円にのぼった。

 調べに対し、山本容疑者らは、入札前に各社で話し合ったうえ、基地の近くにタンクを持つ会社が受注するよう調整をしていたと説明する一方で、防衛燃料の納入価格については調本の意向に従うしかないと主張し、「もともと自由な競争はできなかった」などと供述しているようだ。

防衛庁調本から天下り3人

1999年10月16日 9時34分 共同通信社
 防衛庁へのジェット燃料納入をめぐる談合で、東京地検特捜部の強制捜査を受けた石油元売りなど11社のうち、納入シェアの多い上位3社に、過去10年間で計3人の同庁調達実施本部(調本)OBが再就職していたことが16日、関係者の話で分かった。いずれも各社で防衛庁などを担当する部門の幹部として「天下り」しており、石油業者と防衛庁との「官業癒着」が裏付けられた形だ。

石油11社の幹部ら本格聴取

1999年10月14日 17時32分 共同通信社
 防衛庁へのジェット燃料納入に絡む談合事件で、東京地検特捜部は14日、入札前にシェア配分や受注予定者を決めていたとする独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑を固めるため、石油元売りなど計11社の幹部や担当者らに順次出頭を求め、本格的な聴取を進めているもようだ。

ジェット燃料ヤミカルテル 石油11社一斉捜索

2:18p.m. JST October 14, 1999
 防衛庁調達実施本部(調本)が発注する航空機のジェット燃料などの入札をめぐる談合事件で、東京地検特捜部は14日午前、ヤミカルテルを結んだとされる石油元売りなど11社の本社や各社の担当者の自宅などを独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで一斉捜索を始めた。特捜部は各社の営業担当者や発注側の調本関係者らからの事情聴取を本格化させると見られる。

 この日の捜索は、公正取引委員会が13日に、日石三菱、出光興産、コスモ石油、ジャパンエナジー、ゼネラル石油、昭和シェル石油、九州石油、キグナス石油、太陽石油の元売り9社と代理店2社の計11社を独禁法違反容疑で検事総長に告発したのを受けて実施された。

 直接の告発容疑によると、各社は、自衛隊基地で使われるジェット燃料やガソリン、重油など石油製品全般の入札の際、前年度の受注実績に基づいて受注企業や応札価格などをあらかじめ決めていたとされる。昨年4月から9月までの4回の入札で、受注総額は1642件、計約310億円にのぼるという。

 防衛庁に対する各社のシェアは、コスモ石油と旧日石が約2割、昭和シェル石油とジャパンエナジーが約1割などで一定していたという。

 防衛庁に対する各社のシェアは、コスモ石油と旧日石が約2割、昭和シェル石油とジャパンエナジーが約1割などで一定していたという。

 公取委などの調べに対して企業側は、貯蔵タンクなど基地周辺の設備状況や輸送コストなどによって「落札業者は決まっていた」と認めているものの、カルテルを結んでいた点については否認しているとみられる。

 しかし、検察当局や公取委は、談合は20年以上前から続けられており、今回の一連の入札でも、受注予定業者を決めた上で、調本側が算定した予定価格を上回る価格で応札し、入札を不調に終わらせ、予定価格を引き上げさせていたとみている模様だ。

 特捜部は今後、この日の捜索で押収した資料の分析を進めるとともに、業者間の調整の経緯や担当者らの具体的な役割の解明に重点を置いて捜査するとみられる。また、調本がどのように関与していたかについても容疑の裏付けに不可欠とみて調べを進める模様だ。

石油元売り十数社捜査へ ジェット燃料めぐる談合容疑

03:11a.m. JST October 09, 1999
 防衛庁調達実施本部(調本)が発注する航空機のジェット燃料など石油製品の入札をめぐり、談合が繰り返されていたとして、検察当局は独占禁止法違反(不当な取引制限)の容疑で石油元売り十数社に対する本格捜査に乗り出す方針を固めた模様だ。公正取引委員会と来週中にも協議し、検事総長への刑事告発を受けて今月中にも刑事責任の追及に踏み切るとみられる。入札の過程で調本が業者と価格を調整し、入札価格を具体的に示していたといい、検察当局は、調本が果たした役割の解明が容疑の裏付けに不可欠とみて捜査を進めているようだ。

 談合に加わったのは、旧日本石油、旧三菱石油(両社は合併)、出光興産、コスモ石油、ジャパンエナジー、ゼネラル石油、モービル石油、昭和シェル石油、エッソ石油、キグナス石油、九州石油などの各社とされる。昨年、会計検査院が入札のあり方について防衛庁に改善を要請したが、その後も談合を続けていたとされ、公取委は悪質な行為だと判断した。検察当局も、東京高検の指揮のもとで東京地検特捜部が捜査態勢を拡充する方針だ。

 関係者の話や検査院の指摘などによると、航空自衛隊の千歳基地(北海道千歳市)など全国18カ所で使用する「航空タービン燃料」と呼ばれるジェット燃料などについて、調本は1997年度までの3年間に、当時の指名業者11社との間で計約155万キロリットル(計約485億円)の契約を結んだ。

 調本はこれらの契約に際して入札を353回実施したが、290回の入札が不調になった。入札予定価格は、ジェット燃料の主成分である灯油の市場価格をもとに調本が設定していたが、この予定価格よりも石油会社側の入札価格の方が高かったという。

 このため、調本は各社に価格を下げるよう要求した後、当初の予定価格より額を引き上げた再入札の予定価格を「一本価格」(同一価格)として示し、改めて行われた再入札ではすべてがこの「一本価格」と同額で落札されたという。この間、石油会社間のシェアが毎年ほぼ同じ割合になっていた。

 こうした経緯について、会計検査院は「慣例化した手続きで再入札前に予定価格を推定できる結果を招いた」として調本の問題点を指摘。公取委は、石油各社は入札の際に調整を図ってヤミカルテルを結び、最初の入札の成立を阻むなどしていたと判断した模様だ。

 今回の疑惑について、石油元売り各社は「当局が調査中のためコメントを差し控えさせていただきたい」などと話している。防衛庁は「元売り各社が談合をしたかどうかは分からない」としている。
TOPIC No.2-46c Jエナジー・昭和シェル提携

昭シェルは増収増益

2001.02.27 The Sankei Shimbun
 昭和シェル石油が二十七日発表した二○○○年十二月期連結決算は、売上高が前期比二○・一%増の一兆六千三百九十四億円、経常利益は約三・二倍の三百八十九億円となった。当期利益は約六・八倍の百二十四億円。

 人員削減など合理化効果が出たことに加えて、会計処理の変更で売上原価が低下したことで大幅に利益がかさ上げされた。単体の期末配当は四円増配して九円となり、年間の配当は六円増配の十五円となる。

 連結の○一年十二月期は経常利益が二百五十億円だが、当期損益は退職給付債務の積み立て不足約三百億円を一括処理することなどでゼロと見込んでいる。配当は年十五円を継続する。

精製能力最大で16%削減=Jエナジーと昭シェル

2000-03-17 19:39共同ニュース
 石油精製や物流など広範な分野の業務提携で合意していたジャパンエナジー(Jエナジー)と昭和シェル石油は17日、両グループの製油所の一部閉鎖などを含め石油精製分野を一体運営することで合意したと発表した。両社は販売部門の提携も視野に入れており、今後、合併に近い全面提携に至る可能性もある。これらの提携で両社は年間250億−300億円の合理化効果を見込んでいる。精製能力は、一部製油所を閉鎖して来年3月末をめどに日産15万−20万バレル(精製能力の12−16%)削減する。具体的な閉鎖対象は、社内や関係先との調整が終わっていないとして公表しなかった。

精製部門の分社化が目標

1999年10月23日 16時51分 共同通信社
 ジャパンエナジーと昭和シェル石油の精製部門提携の狙いは、最小コストで過剰設備を廃棄することで、最終的には同部門の分社化を目標としている。石油業界は設備過剰に悩んでいるが、廃棄には多額の損失が生じるため実行に踏み切れないのが実情。分社化まで達成できれば合併による再編以外の新しい選択肢を提供したことになり、同じ方法で鉄鋼業界などでも設備廃棄が進む可能性が大きい。

石油精製部門を統合へ=設備廃棄も視野に−Jエナジー・昭和シェル

99年10月23日 13時12分 時事通信社
 石油元売り大手のジャパンエナジーと昭和シェル石油は23日、石油精製部門を統合する方向で検討に入る、と発表した。全国に8カ所ある両社系列の製油所について、設備廃棄も視野に入れた能力削減のほか、生産計画の統合など、精製部門の一体的運営体制の構築を目指す。近く両社合同のプロジェクトチームを設置、具体策の検討を始め、来年3月までに結論を出す。石油業界では日石三菱とコスモ石油が精製を含めた全面提携で合意するなど、再編の動きが活発化している。 

石油精製含め包括提携へ

1999年10月23日 11時24分 共同通信社
 石油元売り業界4位のジャパンエナジー(Jエナジー)と5位の昭和シェル石油は23日、製油所間の生産協力など石油精製部門の提携で最終調整に入り、来年3月をめどに結論を出すと発表した。

 これまでに固まった物流、潤滑油部門の提携も合わせ、合併に近い効果を狙った事実上の包括提携となる。
TOPIC No.2-46d その他

ロシア石油大手合併を許可

2003年08月15日 The Sankei Shimbun
 ロシア通信によると、ロシアの石油大手ユコスとシブネフチの合併が独占禁止法に違反しないかどうか審査していた反独占・企業支援省は14日、違反に当たらないとして、両社の合併を許可した。

 合併規模はロシア史上最大で、ユコスによると新会社「ユコス・シブネフチ」は民間企業として石油生産量世界第4位となる。埋蔵量は世界有数。両社は今年5月に合併の協定に調印、6月に同省に審査を求めていた。

 プーチン政権は、ユコスのホドルコフスキー社長が年末の下院選で野党支援の姿勢を見せたことから、ユコスの大株主を逮捕するなど、同社への圧力を強化。

 一時、合併が認められないとの懸念もあったが、合併を拒否すれば、株式市場などに大きな影響が出ることなどに配慮したものとみられる。(共同)

エッソとモービル当期赤字に 外資系石油元売り4社決算

2001.02.28(20:47)asahi.com
 外資系の石油元売り4社の決算が27日出そろった。原油高の価格への転嫁が十分に進まず、精製部門を持たない米エクソンモービル系のエッソ石油とモービル石油は合計した経常利益が121億円と前年同期比32%減少、早期退職のための特別損失によって当期赤字に転落した。同じ系列の東燃ゼネラル石油は、昨夏の合併に伴う精製、流通の合理化などで実質15%の経常増益だった。

 昭和シェル石油は会計方法の変更による170億円の在庫評価益と精製コスト削減などで大幅増益となった。

東燃ゼネラル石油社長にプルーシング氏

2001.02.28(12:01)asahi.com
 米エクソンモービル・グループの東燃ゼネラル石油は28日、玉堀為彦社長(64)が退任し、後任社長に米エクソンモービル・リファイニング・アンド・サプライ・カンパニーのG・W・プルーシング副社長(47)が就任する3月29日付の人事を発表した。プルーシング副社長は、同グループの日本法人のモービル石油会長兼社長、エッソ石油社長なども兼任する。

石油元売り系以外の給油所が4年で4倍の6600店に

2001.02.24(23:27)asahi.com
 石油情報センターは23日、国内の給油所のうち、原油の輸入から精製、販売までを手がける石油元売り会社系列の数が減る半面、商社系、農協グループ系、独立系などの店が急増しているとの調査結果を発表した。元売り系列外の店数は昨年3月末で6593店(全体の12.4%)で、ガソリンなど石油製品の輸入が自由化された1996年からの4年間に3.7倍に増えた。

 輸入や系列外取引など調達方法が多様化したため、こうした取引を制限する元売りの傘下から外れる動きが広がった。元売り系で給油所100店以上を抱えるような大きな代理店にも、交渉力を武器に元売りから割安に仕入れつつ、一部の店を独自ブランドにして市況に応じて輸入品の利用などを進める動きがある。

 元売り系以外の内訳は「JA」マークなどの農協系が2097店、伊藤忠燃料系の「忠ボーイ」など商社系が366店、「ダイエーガス」など流通系が45店で、ほかの中小・独立系が4085店。

 全国の給油所数は同じ4年間に7.5%減り5万3307店に、このうち元売り系列は16.4%減って4万6714店になっている。

三菱化学、東燃化学、チッソがポリプロピレン事業統合

2001.02.24(03:17)asahi.com
 三菱化学、東燃化学、チッソの3社は23日、石油化学の主力製品であるポリプロピレンの事業を2002年にも統合する方向で最終調整に入った。統合により、代表的な石化製品では三菱化学を中心とするグループが、10月に事業統合する三井化学―住友化学工業を抜いて国内トップに立つ。一方、水俣病患者への補償を抱えるチッソは競争が激しい石化事業を実質的に切り離し、液晶や電子材料などの成長分野を柱に再建を目指す。

 三菱化学と東燃化学が出資する合成樹脂メーカー「日本ポリケム」がチッソと、ポリプロピレンの生産・販売会社をつくる方向で調整を進めている。新会社は三菱化学主導になる見通しで、各社の技術力を生かしつつ製造、販売の合理化を進める。

 ポリプロピレンは自動車のダッシュボードや家電製品などに使われるプラスチック材料。現在、国内の生産能力ではポリケムとチッソが1位と3位で、統合によって生産能力は約110万トンになり、国内の市場占有率(シェア)は4割近くになる。

 水俣病患者への補償などで約1470億円の累積損失を抱えるチッソは昨年、国や熊本県などの支援を受けて再生計画をつくった。計画では、液晶や電子部品などを主力事業にすることにしている。ポリプロピレンなどの石油化学品は売上高の6割近くを占めているが、原料高や東南アジアの安い製品との競争で利益が出しにくくなっている。三菱、東燃と組むことで生き残りを図り、チッソには合弁会社からの配当や技術料などで利益が入るようにする。

出光石油化学とトクヤマ、ポリプロピレン事業統合

2001.01.29(15:52)asahi.com
 石油化学メーカーの出光石油化学とトクヤマは29日、石油化学の主力製品であるポリプロピレン事業を2001年度に統合することを明らかにした。29日午後発表する。ポリプロピレンでは、国内3位となる。ポリプロピレンなどの合成樹脂は2004年に関税が引き下げられ、安い海外製品との競争が予想されており、統合で競争力の向上を図る。

 出光石油化学は現在、千葉工場(千葉県市原市)と徳山工場(山口県徳山市)で計57万トンのポリプロピレンを生産しており、ポリプロピレンの国内シェアは3位。トクヤマはポリプロピレン7位で、徳山製造所(徳山市)で14万トンを生産するほか、三井化学・宇部興産との合弁「宇部ポリプロ」や住友化学工業との合弁「千葉ポリプロ」でもポリプロピレン事業を展開している。トクヤマはこれらの合弁を解消する見通しで、そのうえで出光とポリプロピレン事業の合弁会社を立ち上げる。

 徳山地区では出光とトクヤマの生産拠点がパイプラインでつながっており、トクヤマが出光から合成樹脂などの原料となるエチレンやプロピレンの供給を受けている。徳山地区を中心に一体運営することで、コストや物流費などを削減し、事業の効率化を図る。

川崎コンビナートを一体運営 日本石油化学と東燃化学

2001.01.17(10:10)asahi.com
 日石三菱系の日本石油化学と東燃ゼネラル石油系の東燃化学は16日、両社が川崎市でそれぞれ展開する石油化学コンビナートの一体的な運営で提携する方向で最終調整に入った。2003年をめどに原料の相互融通やコンビナート内の施設、電力の相互利用ができるようにし、将来的な経営統合を視野にコンビナートの統合を目指す。国内の石化コンビナートは安い海外製の石化製品に押されつつあり、両社は提携でコスト削減などを進め、生き残りを図る。

 東燃化学、日石化学のコンビナートは隣接しており、ポリ袋やプラスチックの石化製品の原料で、コンビナートの核になる「エチレン」の年間生産能力は、東燃化学が47万8000トン、日石化学が40万4000トン。国内最大の市場である首都圏に最も近い利点はあるが、逆に、コンビナートの拡張や設備更新などが難しく、「競争力を高められない」という指摘もある。

 提携により、日石化学が自家発電する電力を東燃化学に供給したり、大型船が着岸できる東燃化学側の港を日石化学が利用したりできるようにするほか、設備の修理業務の統合も検討する。また、コンビナート間を結ぶパイプを通じて原料を融通する基盤もつくる。これらの効率化で両社合わせて年間約10億円が削減できるという。

 石化製品は、2004年に主力のポリエチレンなどの輸入品に対する関税が引き下げられ、海外の大規模コンビナートでつくられた安い製品の流入が予想される。また、アジアでは欧米メーカーが次々に大規模コンビナートを建設し、安い石化製品を供給し始めた。国内の石化メーカーは大幅なコスト引き下げが必要になり、川崎コンビナートでは「両社合わせて約50億円のコスト削減が必要」(日石化学幹部)という。

 国内のコンビナートは電力などのコストが高く、競争力が弱いため、千葉県にコンビナートを持つ住友化学工業と三井化学が経営統合を決めたり、岡山県にコンビナートを持つ三菱化学や旭化成が一体的な運営を模索するなど競争力強化に向けた動きが加速している。

石油業法年内廃止へ 精製参入を自由化2001.01.07 The Sankei Shimbun

 経済産業省は六日、石油精製分野への新規参入を規制してきた石油業法を今年中にも廃止する方針を決めた。精製分野への参入は許可制から届け出制に変更される見通しで、自由化が一層促進されることになる。

 政府が平成十一年に閣議決定した規制緩和推進計画によると、石油精製業界に対する需給調整規制について、十三年中に撤廃するための措置を講じるとしている。これを受ける形で、経済産業省・資源エネルギー庁では参入規制を定めた石油業法を廃止することにした。

 石油業法はガソリンなどの石油製品の過当競争を防止するため、精製会社に生産計画の提出を義務づけている。エネ庁では同法廃止後も「オイルショックのような緊急時に対応できる必要がある」(精製備蓄課)として、平時から事業主体を把握できる体制づくりを検討している。

 石油精製業者は現在二十四社だが、参入には大掛かりな設備投資を伴うことから、石油業法の廃止によって参入が相次ぐ事態にはならないとみられる。同省は今月末にも召集される通常国会に必要な関連法案を提出する方針。

石油元売り大手4社、原油高と合理化で増収増益

2000.06.06(21:14)asahi.com
 石油元売り大手4社の2000年3月期の決算が6日出そろった。連結ベースでは、前期との比較ができない出光興産を除く3社すべてで、原油高に伴う販売単価の上昇や人員削減などの合理化効果で増収増益となった。ただ、当期損益は、年金や退職金の積み立て不足分を穴埋めして特別損失を計上した日石三菱とジャパンエナジーが赤字に転落した。

 不採算給油所の閉鎖に伴って4社合計の販売数量は1.5%減ったものの、前期比で平均64%上昇した原油価格を徐々に末端価格に転嫁した。また、原油価格上昇が上流部門の開発子会社の業績を押し上げた。出光は単独では増収増益となった。

 しかし、徹底した合理化で攻勢をかける外資系との激しい価格競争は続いており、当期赤字の日石三菱は役員賞与の返上を決定。他の3社も従来の役員賞与ゼロを継続するほか、ジャパンエナジーは50年ぶりの無配も決めた。

世界4位の石油会社誕生 米シェブロンとテキサコが合併

2000.10.16(21:38)asahi.com
 米石油大手のシェブロンとテキサコは16日、シェブロンがテキサコを約350億ドル(約3兆7000億円)で買収し、合併することで合意したと発表した。合併後の新会社の年間売上高は、660億ドル(約7兆円)を超える見込みで、英BPアモコ社に次ぐ世界第4位の石油会社となる。

 エクソンとモービルが合併して石油最大手になるなど、ここ2年間で国際石油資本(メジャー)のからむ合併・買収(M&A)が相次いでおり、今回の2社統合も世界的な業界再編の流れの中にある。

 新会社名は「シェブロン・テキサコ」となる予定。買収は株式交換の形で行われ、シェブロンはテキサコが抱える70億ドルの負債も引き受ける。ライバルのメジャーに対抗するため、油田開発から精製、石油製品販売網までの総合力強化と、業務統合による大幅な合理化が狙いだ。

 合併後の新会社は、82億バレル(約13億キロリットル)の原油・天然ガス埋蔵量を保有する。原油に換算した生産量は日量で270万バレルにのぼる。

 2社はともにブラジル沖など南米、西アフリカの石油開発に乗り出しており、合併後は資本力を増強して、コストの高い開発にも力を入れる方針だ。また、すでに共同出資の精製会社を経営しているアジア地域を中心に、販売力を強化し、世界的な石油製品の価格競争に備える。

 2社を合わせた従業員は5万7000人だが、合併後は重複する業務の合理化で年間に12億ドル(約1200億円)のコスト節減を狙っており、全体の7%にあたる約4000人を削減する予定。シェブロンのオライリー会長兼最高経営責任者(CEO)が新会社の会長兼CEOに、テキサコのビジュー会長兼CEOが副会長に就任する。

シェブロンとテキサコが合併交渉再開 英紙など報道

2000.10.14(11:31)(時事)asahi.com
 米石油大手のシェブロンとテキサコが合併交渉を再開した、と英経済紙フィナンシャル・タイムズなどが13日報じた。石油業界は2年前からエクソンとモービルの合併などで合従連衡が活発になっており、再編の動きから取り残されていた形の両社は格好の合併相手とみられていた。昨年合併交渉をしたが、どちらの会社が新会社の経営権を握るかなどの問題でテキサコ側が難色を示して決裂。その後シェブロンの会長が引退したことなどで再び合併の機運が高まり、ここ数日間で交渉が活発になっている、という。


石油大手各社 過剰原油処理設備を削減/安売り競争歯止め期待 小売価格上昇懸念も

2000.10.16 The Sankei Shimbun
 石油業界大手の原油処理設備の削減が相次いでいる。「需要に比べて二割が過剰」と指摘されていた過剰設備問題は、精製コストが余分にかかるうえ、市況の軟化など経営の圧迫要因となっていた。各社とも「製品の安売り競争に一定の歯止めがかかる」と期待をかけるが、その一方で、世界的な原油価格高騰によるガソリンや灯油価格が上昇しているだけに、設備削減が、小売価格上昇に拍車をかけるのではないか、との見方も出ている。

 提携関係にあるジャパンエナジーと昭和シェル石油は九月下旬、製油所閉鎖などで来春以降、合わせて日量十五万バレルの原油処理能力の削減を決定。続いて日石三菱が来年四月から全体の一割弱に当たる日量十二万一千バレル、コスモ石油が同五万バレルをそれぞれ削減する方針を決めた。

 このほか、出光興産はすでに今春から一割に当たる同八万バレルの削減に踏み切っており、全社合計の原油処理量は十一年末(日量五百三十五万バレル)に比べ約四十万バレル減ることになる。

 原油処理設備の過剰は、平成四年の設備増強自由化がきっかけ。各社は販売シェア引き上げを狙い、大幅な増強に踏み切ったが、平成不況による需要の伸び悩みで見通しがはずれた。

 この結果、設備や人員の効率性の目安となる設備稼働率は十一年度平均七七%の低水準で推移。余分な燃料タンクの維持費や人件費がかさんでいる。さらに、設備稼働率を無理に引き上げた結果、作りすぎた製品が市場に出回り、製品価格の値崩れにつながるなどの問題が生じていた。

 来春以降の処理能力削減で、大手各社の稼働率は八五%程度に上昇する。日石三菱では「各製油所が二年に一回の割合で実施している定期修理を考慮すると、稼働率は九〇%以下にしておきたい。(削減量は)上限に近い」と説明。また、「作りすぎが是正され、原油価格を反映した適正な価格形成が行われるようになる」(出光興産)と値崩れ防止効果も期待している。

 ただ、最近の原油高の影響でレギュラーガソリンや灯油の価格が上昇、ガソリンの場合、全国平均の小売価格は十月十日時点でリットル当たり百四円になっている。こうした傾向が設備削減と重なれば、思惑的な動きも含めてガソリンや灯油価格の上昇要因になるとの懸念も強い。 

通産省の軽油供給要請 国内価格上昇懸念/各社、輸出に及び腰 在庫少なく要請は空回り気味

2000.10.06 The Sankei Shimbun
 日石三菱など石油元売り各社は五日、国際エネルギー機関(IEA)が日本の石油業界にシンガポール市場への軽油供給を要請したことを受けて、輸出を拡大することで検討に入った。しかし、供給できる量には限りがあるうえ、国内製品に対しては価格の押し上げ要因になるとの見方も出ている。三年ぶりの高値をつけたガソリンをはじめ国内製品の値上げ圧力は根強く、価格の上昇傾向が一服するにはなお時間がかかりそうだ。(佐藤健二)

 「三カ月で六百万バレル(百万キロリットル弱)」

 通産省は石油業界に、この量の軽油をアジアのスポット(一時取引)市場で売却するように期待している。

 ところが、石油元売り各社は冷ややかだ。

 「国内への供給責任もあり、十月分については、もともとの計画である五万キロリットルに二万−三万キロリットル上積みできるかどうか」(渡文明・日石三菱社長)

 「市場価格しだいだが、今のところ十月に軽油を輸出する計画はない」(出光興産)

 通産省の思惑は空回り気味だ。

 各社ともコスト削減のため製品の在庫を減らしており、売却量の上積み余地が小さいことが主な理由。軽油増産を目的にした原油処理量の拡大にも及び腰だ。本来増産が必要ない他の石油製品の在庫も増えるため「市況の軟化を招き、採算が悪化する」ことを心配している。

 石油業界では米国の戦略備蓄放出を含めた今回のIEAの安定化策について「ただちに国内の石油製品価格の引き下げにつながることはない」との見方が支配的だ。むしろ、先行きについては一層の上昇を見込んでいる。

 「海外に余剰軽油を放出することによって、軟化が続く国内の需給が引き締まる」ことに加え、「かりに原油相場が下がっても、過去の製品価格への未転嫁分を上乗せして値上げする方針に変わりはない」(出光)ためだ。

 通産省の外郭団体「石油情報センター」の調査では二日時点の全国のレギュラーガソリンの平均価格は一リットル=百三円と、三年ぶりの高値になった。元売り各社は「ガソリンはさらに三円程度の値上げが必要」とみており、原油高で火がついた小売価格の値上げはこれからが本番となる可能性もある。

「転嫁すれば家庭に負担増」 原油高で石油連盟会長

2000.09.20(18:55)asahi.com
 石油の元売り、精製会社でつくる石油連盟の岡部敬一郎会長(コスモ石油会長兼社長)は20日の定例記者会見で、最近の原油高について「この状態が続き、ガソリンと灯油の価格に転嫁すれば一般家庭で年換算約3万円の負担増になる」と「警鐘」を鳴らした。原油価格が現在の約3分の1だった昨年2月の水準と単純比較した試算だが、実際には競争激化で小売価格に転嫁しきれていない、業界のもどかしさを示してもいる。

 連盟によると、業界全体での仕入れ値は昨年春から今年夏までの約1年半で2兆4000億円増えたが、このうち7000億円前後を価格転嫁できずに業界で吸収してきた。岡部会長は「小売価格が上がらず業界は危機感を持っている。10月以降、値上げの努力をしたい」と話した。

原油高が石油化学業界を直撃 収益に影響も

2000.09.14(20:58)asahi.com
 原油価格の高騰が石油化学業界を直撃している。石油精製でとれる石化製品の原料であるナフサの価格が急騰しているにもかかわらず、ポリエチレンやポリプロピレンなどの主力製品の値上げがままならないためだ。石化業界全体ではナフサにかかる費用が昨年に比べ約3000億円のコスト高になるという見通しがあり、「危機的状況を迎えている」という声が出始めた。

 石油化学工業協会などによると、ナフサの1キロリットルあたりの価格は昨年の年間平均が1万6100円だったのに対し、今年は10―12月の平均を2万5000円に見込んだ場合、年間平均が2万2400円になるという。この差を単純に石化用ナフサの年間使用量に掛け合わせると約3000億円のコスト高になる。

 同協会の大橋光夫会長(昭和電工社長)は14日の定例会見で「特に影響を受けているのはポリエチレンなどの樹脂で、値上げ要請の動きが出ているが、十分な理解を得られていない」と話し、ナフサ価格が2万5000円を超える水準が続けば、各社の石化事業が赤字に陥るとの見方を示した。山本侑副会長(出光石油化学社長)は「原油高の状況は、企業努力で吸収できる範囲ではない」と値上げヘの理解を求めた。

昭和シェル石油、東亜石油の川崎製油所を統合

10:59p.m. JST February 25, 2000
 昭和シェル石油と同社の系列精製会社の東亜石油は25日、両社の川崎製油所を10月ごろをめどに統合する、と発表した。両製油所はすでにパイプラインがつながっているが、管理部門などを一本化することでコスト削減を進め、競争力をつける狙いがある。両製油所で合計670人いる従業員を統合時までに520人まで減らす予定だ。

 両製油所の統合は節税効果などから、昭和シェルが川崎製油所を東亜に賃貸して、東亜が一体運営する形をとる。昭和シェルの川崎製油所の従業員は最終的には東亜への転籍になる予定。東亜はこの統合で、今後4年間、年間平均で80億円の経費削減ができると見込んでおり、1キロリットル当たり3000円の精製コストを2200円まで引き下げる計画だ。

三菱化学と東ソーが提携、エチレンの相互供給で合意

03:07a.m. JST February 19, 2000
 総合化学大手の三菱化学と東ソーが、基礎原料エチレンの相互供給で合意したことが18日、明らかになった。2001年から鹿島(茨城県)、四日市(三重県)、水島(岡山県)といった日本を代表する石油化学コンビナートの中枢プラントを結び、各地で過不足するエチレンを融通しあう。三菱グループと日本興業銀行系という資本が異なる大手化学が、「石油化学のコメ」と言われる基礎原料で本格的に提携する初のケースとなる。

 両社のエチレン生産能力は計180万トン(今年末時点)で、国内の生産能力750万トン(同)の4分の1を占める。日本のコンビナートは、総合化学会社が生産・輸入したエチレンをもとに、パイプラインでつながる企業群が、合成繊維やプラスチックの原料などさまざまな化学製品を生産する仕組みだ。両社はこの枠組みにこだわらず、設備余力があるエチレンプラントを活用し、工場の立地条件で避けられなかった物流費も削減する。「産業再生に不可欠なコンビナートの競争力強化につなげる」(東ソー幹部)のが狙いだ。

 合意内容によると、東ソーは四日市で生産するエチレンを年間5万トンを上限に、隣接する三菱化学のコンビナートに供給。三菱化学は四日市で供給された分と同量のエチレンを、水島生産分を中心に東ソー南陽事業所(山口県)に輸送する。等量交換のため代金は相殺され、支払いはない。合成ゴムや塗料の原料になる化学物質も相互供給し、1社当たり数億円規模の合理化効果を見込んでいる。

苫小牧港の製油所で火災

2000年2月10日 17時19分 共同通信社
 0日午後2時35分ごろ、北海道苫小牧市真砂町の苫小牧港に面した「出光興産北海道製油所」の重油脱硫装置で火災が発生した。苫小牧市消防本部によると、午後4時20分すぎにほぼ鎮火した。周辺の油タンクへの延焼はないとみられ、けが人も確認されていない。

 道警によると、同製油所は脱硫装置への重油供給をストップし、不燃性の窒素ガスを注入している。

低質重油を触媒で軽油化

2000年2月2日 17時29分 共同通信社
プラント大手の日揮は2日、用途の少ない低質重油に触媒を加えて軽油化し、発電用に有効活用できる技術を開発、米ゼネラル・エレクトリック(GE)に供与していくことで基本合意したと発表した。これまで原油の最後に残り、ボイラー用やアスファルト用に使われていた部分が対象で、日揮は触媒で低質重油を化学処理し、重金属分を除去。7割から最大9割まで上質な軽油として転用できる。

エッソなど5社、事業統合で合同検討チーム

1999年12月22日 (水) 8時10分 日刊工業新聞
 エッソ石油、ゼネラル石油、モービル石油、東燃、極東石油工業の5社は事業統合するために合同検討チームを発足させた。

 世界最大の石油資本・エクソンモービル誕生に伴い日本法人もグループ間の最適協力関係を構築することにした。

 具体的には(1)燃料油販売(2)潤滑油と液化石油ガス(LPG)、アスファルトなどの製造・販売(3)精製と販売(4)サービス(管理)―の4分野の業務効率化と競争力強化に最適な事業統合の方法を検討するため、60の合同チームを順次発足(延べ約300人)させ、2、3カ月をめどに結論を出す。

コンビナート再編で提携

2000年1月13日 12時52分 共同通信社
 日石三菱、ジャパンエナジーと三菱化学、旭化成工業の4社は、13日、岡山県倉敷市の水島コンビナートで原料・製品などを相互融通することで提携する、と正式発表した。

 海底トンネルを敷設し4社間を結ぶパイプラインを2003年までに10本新設するなど、総額60億〜80億円の設備投資を実施する。

三菱化学など4社提携へ 水島地区のコンビナート強化

06:27a.m. JST December 18, 1999
 総合化学大手の三菱化学と旭化成工業、石油元売り大手の日石三菱とジャパンエナジーは、岡山県水島地区の石油化学コンビナートの競争力強化に向けて提携することに大筋で合意した。大手化学幹部が17日明らかにした。石油2社の製油所と、化学2社のエチレンプラントの間に複数のパイプラインを新たに敷設。これを使って未利用の化学物質を供給しあい、コンビナートが生み出す石油化学製品の生産コストを大幅に引き下げる方針だ。

 水島地区には三菱系と旭化成系の2つのコンビナートが隣接している。資本関係や設立経緯が異なる別々のコンビナートの心臓部分が、本格的に結合するのは石油化学史上初めて。

 日本のコンビナートは、製油所が原油を精製して得られるナフサをパイプラインで化学工場に送り込み、エチレンを生産。エチレンはさらにパイプラインで別の工場に送られ、プラスチックや合成繊維原料などが生産される仕組みだ。だが、製油所とエチレンプラントは個別の生産計画で動いているため、製油所に必要な化学物質を化学工場が燃やして処分するなど、無駄が多かった。

 このため、4社はパイプラインで中枢設備を密接に結び、あたかも1つの仮想工場のように結合して、未利用の留分を有効利用する構想を固めた。通産省は、こうした異業種間で統合するシステムを安全に稼働させる技術を開発するため、来年度予算で50億円規模の予算を要求している。4社はこれが認められ次第、パイプラインを敷設する。今後、パイプラインの効率的な結び方など詳細な検討を進め、「1社当たり年間10億円以上の合理化効果を目指したい」(別の大手化学幹部)という。

石油大手エクソンとモービルの合併を米政府が承認

1:51p.m. JST December 01, 1999
 米連邦取引委員会(FTC)は30日、米石油最大手エクソンと同2位のモービルの合併を条件つきで承認した。これで、昨年12月に合意した買収総額800億ドルの合併の法的手続きが完了。英・オランダ系のロイヤル・ダッチ・シェルを抜いて業界最大手企業が生まれた。FTCは、巨大企業が誕生することで競争が妨げられないかどうか独禁当局が慎重に審査していた。大型再編の動きが一段落した石油業界は、これから3、4社の巨大企業が競争する「スーパー・メジャーの時代」になる、とみられている。

 新会社「エクソン・モービル」は、FTCの指示で、合併によって市場シェア(占有率)が高くなる米北東部やカリフォルニア州などでガソリンスタンドを約2400店と、精油所などを売却する。資産売却の規模は当初案より増え、スタンド売却は同社全体の15%程度になる。買い手候補には大手シェブロンなどが挙がっている。

米石油大手の合併承認へ

1999年11月27日 17時47分 【ニューヨーク共同】
 27日付の米紙ニューヨーク・タイムズによると、米連邦取引委員会(FTC)は、約1年間にわたり検討してきた米石油最大手のエクソンと同第2位のモービルの大型合併を承認する方針を決め、両社が本拠を置くテキサス、バージニア両州に通知した。来週早々に開くFTC会合で投票を行い、正式決定の見通し。

石油8社、14年ぶり赤字転落

10:39a.m. JST November 23, 1999
 石油連盟が22日まとめた石油8社の9月中間決算は、営業損益が8社合計で14年ぶりの赤字に転落した。原油価格の上昇分を製品価格に転嫁しきれなかったことが響き、8社合計で約400億円にのぼる経費削減効果が吹き飛んだ。

 営業損益は前年同期の118億円の黒字から一転して、38億円の赤字に転落。営業赤字は1985年9月決算以来。経常損失は26億円で2年連続の赤字になった。

8社は、日石三菱、出光興産、コスモ石油、ジャパンエナジー、キグナス石油、九州石油の元売り6社と、東亜、興亜の石油精製専業2社。

原油高で3社が営業赤字

1999年11月4日 19時12分 共同通信社

 石油大手4社の1999年9月中間決算が4日まとまった。急騰した原油価格を製品価格に転嫁するのが遅れ、最大手の日石三菱など3社が営業赤字だった。

 4月に日本石油と三菱石油が合併して発足した日石三菱は、両社の前年同期の業績を単純に合算した売上高を下回り、コスモ石油も減収。一方、出光興産、ジャパンエナジーは増収だった。

「粗油」輸入業者を脱税容疑で逮捕 軽油に見せかけ販売

August 16, 1999

 機械の洗浄など工業用に使われる「粗油(そゆ)」をディーゼル車の燃料用軽油として販売し、軽油引取税を脱税したとして、大阪府警保安2課と東署などは16日、大阪府豊中市上野坂2丁目、石油輸入会社「ジャパンオイル」社長のXX容疑者(58)=大阪府吹田市佐竹台3丁目=ら6人を地方税法違反(脱税)の疑いで逮捕した。府警は、不正の発覚を免れるため、池上容疑者らがダミー会社を通じて粗油を販売し、約2年間に総額約52億円を脱税したとみている。軽油に見せかけた粗油の流通をめぐっては昨秋、巨額の脱税疑惑が持ち上がり、東京や福岡の業者が警察当局に摘発されていた。

 ほかに逮捕されたのは、同社営業部長の池上勝容疑者(35)=吹田市山田東4丁目=ら同社幹部3人とダミー会社の社長ら2人。

 調べでは、池上容疑者らは1997年11月から昨年8月にかけて、韓国から輸入した粗油計約2万9000キロリットルを大阪、愛知、和歌山各府県のガソリンスタンドなど八業者に販売した際、軽油引取税を大阪府に納付せず、約9億2800万円を脱税した疑い。

 同社は96年11月から昨年8月末までの間、計約16万2000キロリットルの粗油を輸入、販売し、その大半を脱税していたとみられる。府警は昨年10月以降、同社の事務所や関係者宅など計56カ所を捜索し、帳簿など約3800点の押収資料を分析して、今回摘発した脱税容疑を固めた。

 府警によると、同社は97年8月、石油販売会社「大輝」(本社・大阪市西区)を全額出資して設立。帳簿操作によって、会社として実体のない同社が粗油を販売したように偽装していたという。 -------------------------------------------------------------------------------

軽油を農漁業用にA重油として売ってきた日本の税制

1998年10月23日萬晩報主宰 伴 武澄

粗油は精製していない原料油の総称で、日本では関税法上、原油とは別に扱う。

不正軽油を追放しよう!

東京都議会予算特別委員会速記録第五号

「軽油引取税全国協議会における活動と今後の役割について」2006年09月07日

B 平成11年度税制改正(関税等に関する書類の供覧、故意不申告罪の創設等)に係る総務省との協議(平成10年)平成9年から同10年にかけて全国で頻発した輸入粗油よる脱税事件(「軽油」の規格を悪用したもの)に対応するためには、税関における軽油等の輸入情報の事前入手が不可欠であったが、これには強制調査の方法を執るしか方法がなかった。このため、総務省と協議を重ね、税法改正によって任意調査でも情報を入手できるようになったものである。

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