TOPIC No.2−45 新潟中央銀行を破たん

きょう日銀から特融を受ける=新潟中銀

99年10月4日 19時19分[東京 4日 ロイター]
新潟中央銀行は、きょう日銀から特別融資を受けたことを明らかにした。関係者がロイター通信に対して語ったもの。 同銀関係者は、「額は明らかにできないが、日銀から特融を受けたのは事実だ」と述べた。

「地方の殿様」にも市場の洗礼=新潟中央銀の破たん劇

99年10月2日 21時11分 時事通信社
「これからは監督官庁ではなく、市場や預金者が銀行を選別する」−。ある金融当局幹部は、新潟中央銀行の破たん劇をこう表現した。同行のケースでは、同族支配に慣れ切った経営のずさんさが、株価の額面割れと預金の大量流出を誘い、破たん認定の前に資金ショートを起こしたからだ。 

新潟中央銀、昨9月期に債務超過=問題債権自己査定より1007億円増加

99年10月2日 21時5分 時事通信社
 大蔵省関東財務局は2日、破たんした新潟中央銀行の1998年9月末時点での検査結果を発表した。検査結果に基づき、問題債権を追加処理すると、9月末時点で62億円の債務超過に転落していたことが判明した。 

地域銀行の破たん打ち止めを宣言=受け皿探し、地場産業に配慮を−金融相

99年10月2日 19時4分 時事通信社
柳沢伯夫金融再生委員長(金融担当相)は2日、新潟中央銀行の破たん処理決定後に記者会見し、「早期是正措置の手当てが済んでいなかったのは新潟中央銀行だけだった。それ以外は措置の対象になっておらず、健全性を確認している」と強調し、今後、地域銀行破たんする恐れは遠のいたとの認識を示した。また同相は、今後の受け皿探しについて、「同行が地場産業に果たしてきた役割を配慮し、引き継いでもらいたい」と述べ、同行の融資先保護を重視するよう注文を付けた。 

新潟中央銀の預金流出、1日だけで300億円に

11:05p.m. JST October 02, 1999
日本銀行の小畑義治理事は2日会見し、金融再生委員会から破たん認定を受けた新潟中央銀行の預金流出について、同行が破たん申請をした1日だけで300億円に上ったことを明らかにした。日銀は店頭で支払い現金の不足が生じないよう、日銀にある新潟中央の当座預金口座から現金を供給したため、同日の内国為替決済(銀行間の決済)で98億円の不足が生じ、債務不履行となった。このため日銀が立て替え払いをした。
日銀によると、新潟中央の預金流出は同行が金融監督庁から早期是正措置を受けた6月11日から10月1日までで約1400億円。増資計画断念後の9月20日以降は、多い時で1日に50億円から70億円の流出が続いたという。1日は、一部で新潟中央が破たん申請をすると報道されたこともあり、流出額が急増した。

新潟中央銀行を破たん認定 金融再生委

8:28p.m. JST October 02, 1999
金融再生委員会(柳沢伯夫委員長)は2日、「預金などの払い戻しを停止する恐れがある」と申し出ていた第二地方銀行の新潟中央銀行(本店・新潟市、永村弘志頭取)について、金融再生法8条にもとづく破たん銀行と認定し、金融整理管財人を派遣することを正式に決めた。管財人は通常営業を続けながら、同行の譲渡先となる「受け皿」を探す。預金などは全額が保護され、健全な借り手への融資は継続される。
再生委は、金融整理管財人に、公認会計士の松村孝一氏(69)、弁護士の砂田徹也氏(44)と、法人としての預金保険機構を選んだ。再生委の決定を受け、日本銀行は同日、臨時の政策委員会を開き、新潟中央銀行に対して日銀法38条にもとづく無担保、無制限の貸し出し(日銀特融)を実施し、預金の払い戻しに必要な資金を供給することを決めた。金融整理管財人の派遣による破たん処理は5行目。
今年3月に新潟中央銀行の検査を実施した関東財務局は同日、同行の昨年9月末時点の検査結果を発表した。それによると、不良債権1008億円を正常債権と過少に査定しており、この分の不良債権処理をすると141億円の債務超過状態だった。今年3月期決算で、決算上は債務超過状態は脱していたが、これは導入されたばかりの「税効果会計」を使って、将来戻ってくる税の前払い分として210億円を資本に組み入れたためで、これを除く正味の自己資本はマイナス63億円だった。

金融再生委、新潟中央銀の破たん処理を決定

6:17p.m. JST October 02, 1999
金融再生委員会(委員長・柳沢伯夫金融担当相)は2日、「預金などの払い戻しを停止する恐れがある」と申し出た新潟中央銀行(本店新潟市)に対し、金融整理管財人の派遣など金融再生法に基づく破たん処理手続きの開始を決定した。これを受け日銀は同日、政策委員会を開き、同行が営業を継続できるよう資金繰りを支援するため無担保・無制限の特別融資を行うことを決めた。預金は全額保護される。
金融整理管財人派遣による破たん処理は、いずれも第2地方銀行でこれが5件目。これまでの破たんは東京、大阪に本拠を置く銀行だったが、大都市圏以外にも金融淘汰(とうた)の波が押し寄せていることを浮き彫りにした。
管財人に選任されたのは、公認会計士の松村孝一氏、弁護士の砂田徹也氏と預金保険機構。資産を管理しながら受け皿銀行を探し、難航した場合はブリッジバンク(つなぎ銀行)に移行。最長3年以内に受け皿が現れなければ清算される。受け皿には新潟県内の金融機関が有力視されている。
新潟中央銀は、積極的な県外貸し出しが裏目に出て財務基盤が弱体化。1999年3月末の自己資本比率が2.01%と、健全性の目安である4%を割り込んだため、金融監督庁は6月に早期是正措置を発動した。同行は9月末までに220億円の第3者割り当て増資を計画したが、主力割り当て先と期待した英会話教室大手のNOVA(本社大阪市)に引き受けを拒否され、計画を断念。株価が額面割れし、預金も流出していた。(時事)

新潟中央銀行が自力再建断念、破たん

7:43p.m. JST October 01, 1999
自己資本不足に陥っていた第2地方銀行の新潟中央銀行(本店・新潟市、永村弘志頭取)は1日、預金の払い戻しを停止する恐れがあるとして自力再建を断念、金融再生委員会に対して金融再生法に基づく金融整理管財人による管理を申し出て、事実上破たんした。これを受けて再生委は2日、委員会を開いて管財人の派遣を決める。新潟中央銀行は2日以降も通常通りの営業を続け、預金は全額保護される。日本銀行も政策委員会で特別貸し出し(日銀特融)の実施を決め、資金繰りを支える。
管財人が派遣されて銀行が破たん処理されるのは、今年4月以降の国民、幸福、東京相和、なみはやに続いて5行目で、いずれも第2地方銀行。
新潟中央銀行は1日、取締役会を開いて自力再建の断念を決めた。預金の流出が続き、預金の払い戻しなどに必要な資金繰りがつかない恐れが出たため。資本増強策として予定していた自力増資のめどが立たず、9月20日に増資計画の延期を発表して以降は株価が急落し、額面(50円)を割り込むなど信用不安が高まっていた。増資の延期で、9月末の自己資本比率が、国内で営業する銀行に求められる4%を大きく下回る1%台になったためだ。
新潟中央銀行は、バブル経済期にリゾートやゴルフ場開発への融資を膨らませたため、バブル崩壊と景気低迷によって多額の不良債権を抱えた。今年6月には、通知を受けた金融監督庁の検査結果に従って不良債権を抜本処理すると、自己資本不足に陥ることが判明。金融監督庁から早期是正措置の発動を受け、資本増強策を求められていた。
新潟中央銀行の金融整理管財人は不良債権を切り離し、優良資産の「受け皿」金融機関を探す。時間がかかるときは、国の出資でつくるブリッジバンク(つなぎ銀行)が営業を引き継ぎ、管財人の派遣から3年以内に受け皿が見つからなければ清算する。

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