TOPIC No.2-37 日露関係

01. Topic No.2-37-2 北方領土問題/日露平和条約
02. Topic No.2-37-3 シベリア抑留


鳥取特産スイカ 露に初輸出

2009/07/11 中国新聞地域ニュ−ス

 鳥取県特産のスイカが10日、開設したばかりの環日本海航路で境港からロシアに初輸出された。JA全農とっとりが農産物輸出に新航路を活用する。

 倉吉選果場(倉吉市)と大栄選果場(北栄町)で箱詰めにした2Lサイズの600玉。韓国経由でロシアのウラジオストクに向かう。16日からウラジオストクやサハリン、ハバロフスクで試食会や店頭販売をし、大消費地のモスクワにも100玉を送る。

 鳥取スイカの輸出は昨年から約50玉を空輸しているアラブ首長国連邦(UAE)のドバイに続く。ドバイでは1玉3万円近い高値。ロシアでも7、8千円で売られるという。

711時39分更新

鳥取産スイカ、ロシアで販売へ 貨客船利用し出荷

2009年07月10日 中国新聞ニュ−ス

 ロシア・ウラジオストクに向けて出荷されるスイカ=10日午前、鳥取県倉吉市

 6月下旬に就航した鳥取県境港市と韓国、ロシアを結ぶ定期貨客船イースタンドリーム号を利用して、鳥取県産のスイカがロシアに出荷されることになり、10日午前、同県倉吉市のJA鳥取中央の選果場で出発式が開かれた。

 出荷されるのは倉吉市と北栄町産のスイカ600玉で、みずみずしくて甘いのが特徴。貨客船が寄港するウラジオストクの小売店で17日から試験的に販売される予定。

 県によると、船での輸送は空輸に比べて費用が安いため試験販売を企画した。ウラジオストクでは中国産などのスイカが流通しているというが、県の担当者は「県産スイカの販路拡大につながれば」と期待している。

韓露と直結 境港に新航路

2009/02/11 中国新聞地域ニュ−ス

 境港市と韓国・東海市、ロシア・ウラジオストクを結ぶ定期貨客船就航を計画するDBSクルーズフェリー(東海市)の鄭泳太(チョンヨンテ)社長は10日、鳥取県の平井伸治知事に、4月29日に就航予定と伝えた。使用船は今後引き渡しを受けるため、今月21―24日に別の船で東海―境港の試験運航を実施する。

 試験運航は21日に東海を出港し22日に境港へ入港。東海市長ら総勢250人が訪れ、23日に歓迎セレモニーをする。

 境港市など4市1町でつくる中海市長会と県は初年度、1往復100万円(総額9600万円)の運航奨励金を出す方向で検討している。

乗組員解放へ保証金要求 露、境港カニかご漁船拿捕で

2009/02/04 中国新聞ニュ−ス

 【モスクワ4日共同】鳥取県境港市の水産加工会社「日吉水産」所有のカニかご漁船第38吉丸よしまるがロシア当局に拿捕だほされた事件で、違法操業を主張するロシア側が四日までに、乗組員の解放と船の返還のために必要な保証金の支払いを、外交ルートを通じて日吉水産に求めたことが分かった。日本側の関係者が明らかにした。

 日本側は保証金をめぐってロシア側と交渉中。ロシア側の提示額は明らかにされていないが、同社が支払いを受け入れ送金すれば、ロシアは国連海洋法条約に基づき、乗組員を速やかに解放しなければならない。また同社が保証金を不当に高額と見なせば、ドイツ・ハンブルクの国際海洋法裁判所に提訴し、司法判断を仰ぐことも可能だ。

 日本外交筋によると、ロシア国境警備当局は先月、違法操業の疑いで行政罰を求める手続きを開始。当局が行政罰に相当すると認めれば、損害賠償や罰金の支払いを同社に求めるとみられる。今のところ、刑事事件として船長らが立件されたとの情報はない。

 ロシア国境警備当局は、同船を沿海地方ナホトカに連行し、漁獲許可の書類を持たずにロシアの排他的経済水域(EEZ)に入った理由などを船長らから聴取した。同船の乗組員十人は事実上、船内に拘束されており、日本政府は早期解放を働き掛けている。

日本語が必修! モスクワの一部公立小中高校 領土問題とは別に高い関心

2008.02.18 MSN産経新聞

 【モスクワ=内藤泰朗】モスクワの一部公立小中高校でこのほど、日本語が初めて第2外国語の選択必修科目となり、日露関係者の間で話題となっている。領土問題を抱える日露両国の政治的な関係は冷ややかだが、市民たちの日本に寄せる関心の高さを示す出来事といえそうだ。

 「タダイマー」「オカエーリナサイ(お帰りなさい)」…。モスクワ中心部にある第1239番学校小学4年生の日本語授業の一こまだ。ロシア人の子供たちがロシア語のアクセントで、たどたどしい日本語の会話を練習していた。

 取材に来た記者に「スシガスキデス」「アニメガスキデス」などと話す子も。4年生から週2回の日本語授業が行われるほか、「桜クラブ」という日本文化の同好会もあり、在モスクワ日本人学校の児童生徒たちと交流会も行っている。

 小学5年生から仏独伊日の4カ国語の中から第2外国語を選択するが、同校では「ロシアは東西の中間にある。西側文明を取り入れ、独特な発展を遂げた日本への思いは特別です」という。

 モスクワの公立校で日本語が選択必修科目となったのは昨年9月から。日露賢人会議の共同議長を務めたルシコフ・モスクワ市長が主導し、同市内の14校が「日本語必修」指定校となった。

 指定校以外からも、問い合わせがあるが、小学生用の日本語教材が存在しないことや、日本語の教師陣不足などで試行錯誤が続いている。

 日本大使館の文化・広報部では、こうした動きを歓迎しており、日本語教材の提供や日本語教師の研修などの支援を検討しているという。

ロシアの爆撃機が米空母を挑発

2008/02/13 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 全炳根(チョン・ビョングン)記者

「米露関係悪化の証」との見方も

 AP通信は11日、今月9日にロシア空軍の戦略爆撃機が、太平洋で偵察活動を行っていた米軍の世界最大級の原子力空母ニミッツの上を低空飛行し、米軍の戦闘機と一触即発の状況になった、と米国防省高官の話を引用し報じた。

 匿名を条件に取材に応じたこの高官は、ロシアのツポレフ95(TU‐95)爆撃機2機が、日本の南方の太平洋上で偵察活動を行っていた空母ニミッツに接近し、これに対しニミッツ側が戦闘攻撃機F/A‐18爆撃機4機を出撃させ、TU‐95を追い払った、と語ったという。

 TU‐95は「ベア(熊)」というコードネームで知られる。2機のうち1機は、海面から約610メートルの低い高度で空母ニミッツの上空を2回も横切り、もう1機は91キロ離れた地点の上空を旋回していた、と前出の高官は話している。これに対し米軍は、TU‐95がニミッツから800キロの地点まで接近した時点でF/A‐18爆撃機4機を出撃させたという。

 これに先立ち、日本の外務省も9日午前、ロシアのTu‐95爆撃機1機が伊豆諸島南部の孀婦岩上空で3分間にわたって領空を侵犯し、これに対し自衛隊のF‐15戦闘機が出撃し退却させた、と発表した。

 ロシアの爆撃機の動きを監視していた米軍当局は、計4機のTu‐95が8日夜にウクライナから同時に発進し、うち2機は日本の海岸線に沿って南下、別の2機は東へ向かって、空母ニミッツの船団に接近した、と説明した。ロシアの爆撃機が米軍の空母の上を飛行したのは、2004年1月にTu‐95爆撃機が東海(日本海)で空母キティホークの上を飛行して以来だ、とAP通信は報じた。

 ロシアの爆撃機のこうした行動は、「冷戦以降では最悪」といわれる米露関係を物語るものとされている。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は今月8日、「(米国が)新たな軍備競争をしかけている。わが国は報復措置を取らざるを得ない状況だ」と述べた。ロシアはミサイル防衛(MD)関連施設をポーランドやチェコに建設しようとしている米国に対し、強く反発してきた。昨年8月からはTu‐95など、核弾頭の搭載が可能な戦略爆撃機による長距離の偵察飛行を行うなど、対抗措置を取ってきた。

日露首脳会談、5月開催か…露外務次官が明かす

2008年02月02日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【モスクワ=瀬口利一】ロシアのロシュコフ外務次官は2日、プーチン大統領が、5月の任期切れ前に、モスクワで日露首脳会談を行う意向を示していることを明らかにした。

 タス通信が東京発で、「日本の首相がモスクワを訪問するための招待状はある。日本側が(会談の)可能性を検討中と理解している」とする次官の発言を伝えた。

 次官はまた、「日本側が日程を詰めれば話し合いに応じる用意がある」と語り、3月2日のロシア大統領選や5月の次期大統領就任式の日程を考慮して、調整する考えを示した。

カニ禁漁、日本の対応次第 ロシア漁業庁長官

2007年09月04日 中国新聞ニュース

 【モスクワ4日共同】ロシア漁業庁のクライニー長官は4日、モスクワで記者会見し、ロシア産の生きたカニが日本に大量に密輸されていると述べ、日本の対応などによってはロシア水域のカニ漁を数年間、禁止する措置を取らざるを得なくなると警告した。

 長官は、日本がカニの密輸対策で協力するなどの条件が整えば、禁漁措置は一部水域にとどめ、漁獲量を調整しながら輸出を続けることができると述べた。雌ガニは輸出すべきではないと主張した。

 長官は、カニは許可されている漁獲量の推定約7倍も捕獲されていると指摘。密輸先となっている日本に対策を求めても、十分に協力していないと批判した。

 プーチン大統領は8月31日の政府会合で同長官らを集め、取り締まりを含めた密漁対策の強化を指示しており、長官は数カ月以内に対策を示すとも述べた。

ロシア、無人ステルス爆撃機を開発中=露NTV

2007/08/25 朝鮮日報/朝鮮日報JNS 権景福(クォン・ギョンボク)記者=モスクワ特派員

 ロシアのNTVが24日に報道したところによると、ロシア空軍は現在、敵のレーダーに捉えられず対空火器で迎撃される恐れのない無人ステルス爆撃機を開発中だ。

 「スカット」(ロシア語で「エイ」の意味)と命名されたこのステルス機は、戦闘機・戦闘爆撃機専門の航空機メーカー・ミグ社が2005年から開発を続けている。2トン以上の爆弾を搭載し、最高速度はマッハ1程度、半径4000キロの範囲で作戦を遂行できる性能を持つという。これに対しアメリカのB-2有人ステルス爆撃機は、最高速度マッハ0.9、爆弾搭載量20トン、作戦半径は8000キロに達する。スカットはKh-31という対艦ミサイルを2基装備して敵の航空母艦に対する攻撃も可能なように設計されており、試験飛行を経て2年以内に実戦配備される予定だ。

ロシア、原子力潜水艦から大陸間弾道ミサイル発射実験に成功

2007年06月29日 AFP BB News

【6月29日 AFP】ロシア軍当局は28日、原子力潜水艦からの大陸間弾道ミサイル「Bulava」の発射実験に成功したと発表した。

 軍当局によると、「Bulava」の発射実験はロシア北西部沿岸の白海(White Sea)沖で行われ、ミサイルの弾頭はロシア極東のカムチャツカ(Kamchatka)地域にあるKura試験場の予測範囲内に着弾したという。

 「Bulava」の射程距離は8000キロメートルで、個別の標的を照準とした核弾頭を10個まで搭載可能。

 今回の発射実験には2006年10月の実験で使用されたのと同じ戦略ミサイル原子力潜水艦Domitry Donskoyが使用された。前年10月の発射実験は失敗に終わり、またここ数年ではそのほかに2回発射実験に失敗している。

 今回の発射実験は、「世界の安全保障に対する脅威」と戦うために、東欧に強力なミサイル追跡レーダーや迎撃ミサイルの配備を計画する米国に対し、ロシアが猛反発している状況の中で行われた。(c)AFP

日本の海洋裁提訴「残念」 ロシア外務省が声明

2007年07月09日 中国新聞ニュース

 【モスクワ9日共同】ロシア外務省は9日、日本政府がロシアに拿捕された富山県入善町の「第88豊進丸」の乗組員の早期釈放と船体引き渡しなどを求め、国際海洋法裁判所に提訴したことについて「ロシアには2国間で問題解決を図る用意があるのに、日本が訴訟を選んだのは残念だ」とする声明を発表した。

 日本の提訴に対するロシア政府の反応は初めて。声明は、国際海洋裁で船体引き渡しなどを審理すること自体は珍しくないとしながらも「ロシア側は(拿捕された)日本の船と乗組員の今後について協議する用意を一貫して示してきた」と強調した。

 しかし、豊進丸の引き渡し時期については「保証金の提供後」とした上で保証金額を現在算出中だと指摘し、明確にしなかった。声明はこの点を6日に日本側にも伝えたとしている。

ロシアの諜報活動 冷戦時代と同じ水準に逆戻り

2007/06/14 The Sankei Shimbun WEB-site

 【ワシントン=有元隆志】米国家情報長官のもとで、防諜(ぼうちょう)活動を統括しているジョエル・ブレナー氏は米公共ラジオのインタビューで、ロシアによる対米スパイ活動は「通常のレベルに戻った」と述べ、冷戦時代と同様の激しさになっていると警戒感を表明した。

 ブレナー氏は「1990年代、ロシアは多くの分野で困難に直面していた。スパイ活動も同様だった」と指摘した。同氏は今日、中国、イラン、キューバとともにロシアによるスパイ活動を注視すべき対象とした。

 米連邦捜査局(FBI)でスパイ防止活動の責任者を務めたデーブ・ゼイディー氏も同番組のなかで現在、米国内で活動するロシア人スパイは100人を超えるとの見方を示した。同氏によると、スパイは商用旅行者や学生になりすましているケースもあるものの、多くは駐米大使館や国連の外交官として活動しているという。

 また、旧ソ連国家保安委員会(KGB)の元少将、オレグ・カルーギン氏はロシアのスパイによる諜報(ちょうほう)活動の対象について「連邦政府への浸透を図るという点では以前と同じ」としたうえで、民間企業が保有する軍事技術なども含まれると語った。

 同ラジオは、ロシアによる米国へのスパイ活動が再び活発化しているのは、KGB出身のプーチン大統領の方針を反映しているとの元米情報担当者らの話を伝えた。

カニの対日全面禁輸を否定 ロシア第1外務次官

2007/06/02 The Sankei Shimbun WEB-site

 日露の外務次官による戦略対話出席のため来日中のロシアのデニソフ第1外務次官は1日、ロシア領海内で捕れた生きたカニの輸出規制について、「日本への輸出全面禁止ではない。それは不可能だ」と述べた。都内で記者団に語った。

 第1次官は、ロシアの水産関係者が、同国領海内で捕れた水産物を違法に国外に持ち出している現状を指摘。「ロシアの漁業会社、加工業者を対象にしたもの」と述べ、規制措置は密輸取り締まり強化が狙いであることを強調した。

 その上で第1次官は「日本とロシア間の水産物取引をより透明で合法的なものにするために、両国政府の専門機関による協議が必要だ」との認識を示した。(共同)

6月に日ロ首脳会談 戦略的関係へ、外相合意

2007年05月03日 中国新聞ニュース

 【モスクワ3日共同】麻生太郎外相は3日午後(日本時間同日夜)、モスクワ市内でロシアのラブロフ外相と会談し、6月の主要国首脳会議(ハイリゲンダム・サミット)の際に、安倍晋三首相とプーチン大統領が会談することで合意した。日ロ間の「戦略的利益に基づくパートナーシップ構築」のため、5月に2回の次官級対話を開催することも決定した。

 両外相は「日ロ行動計画」に基づく原子力・鉄道分野の協力、シベリアや極東開発での連携が重要との認識で一致。麻生氏は「日ロは戦略的な関係が必要になってきた」と強調した。

 次官級対話は5月17日にモスクワで藪中三十二外務審議官(政務担当)とロシュコフ外務次官、同29日には東京で谷内正太郎外務事務次官、デニソフ第1外務次官が出席する予定。

原子力独占企業設立へ ロシア、ウラン需要増対応

2007/04/28 中国新聞ニュース

 【モスクワ28日共同】ロシアのプーチン大統領は、民生部門の原子力関連企業を統合した国営独占企業「アトムエネルゴプロム」を年内に設立するよう政府に命じる大統領令に署名した。大統領報道部が27日明らかにした。

 原油価格高騰や地球温暖化などを背景に、世界的に原子力発電所の燃料となるウランの需要が急増、価格が高騰している。ロシアは独占企業設立によりウラン国際市場での影響力強化を図るとともに、日本などと民生部門での協力拡大を目指す。

 アトムエネルゴプロムはウランの採掘や濃縮、原発燃料の製造と輸出、原発の国内運営や海外での建設など原子力関連企業を統合。天然ガス独占企業ガスプロムの原子力版に相当する巨大戦略企業になるとみられる。

ロシアが核査察受け入れ 日本との協定へ障害排除

2007/04/04 中国新聞ニュース

 核保有国で唯一、国際原子力機関(IAEA)の核査察を拒否してきたロシアが、民生用のウラン濃縮施設への査察受け入れを日本などに伝えてきたことが四日、分かった。日本は、濃縮委託に伴う核関連物質や技術の本格的国際移転に必要な原子力平和利用協定の締結には、軍事転用防止のための査察が必要としており、ロシアとの協定実現へ最大の障害が除かれる。

 外交筋によると、査察の範囲などをめぐり協定交渉には曲折も予想されるが、濃縮委託や、米企業との提携が進む日本の原発技術の対ロ輸出を軸に、原子力市場の再編が進む可能性が強まった。

 日本の外務省によると、核拡散防止条約(NPT)で核保有五カ国は査察拒否の権利があるが、ロシアを除く各国は一九七○年代から順次、軍事と民生を分離、民生施設に限り査察を受けている。ロシアは軍民一体のまま、旧ソ連時代の例外的査察を最後に、軍事機密を盾に扉を閉ざしてきた。

 ところが、七九年のスリーマイルアイランド原発事故で新規原発を凍結した米国が建設再開に動くなど、原発市場は膨張傾向。プーチン政権は商機拡大へ、民生向けの国営企業アトムプロム設立を決定、東シベリア・アンガルスクの濃縮工場を民生専門に指定、査察対象とした。新興原発国への核燃料供給基地として、核不拡散の多国間枠組みで機能させることも想定している。

 ロシアは米国とも二国間協定締結で合意、交渉は「大詰め」(ロシア政府高官)の段階だ。日本との協定は、二月に来日したフラトコフ首相と安倍晋三首相が、交渉開始で合意。甘利明経済産業相が「査察受け入れが締結の前提」との見解を示していた。

 日ロの協定ができれば、日本が英国とフランスに委託し、現地に残る使用済み核燃料から回収されたウラン約六千四百トンの濃縮委託などが可能となる。スポット輸出に限定されていたウラン燃料について、ロシアの輸出企業テフスナブエクスポルトは、日本市場占有率が12%から30%になると試算している。(共同=松島芳彦)

露外務省、初の“外交青書” 米との対決姿勢が鮮明に

2007/03/28 The Sankei Shimbun WEB-site

 【モスクワ=遠藤良介】ロシア外務省は27日、国際情勢の分析と自国の外交戦略をまとめた文書「対外政策の展望」を初めて公開した。文書は「強く自信に満ちたロシアは世界の前向きな変化の重要な一部となった」と自国の存在感を誇示する一方で「一国主義の神話はイラクで最終的に崩壊した」などと米国の中東政策を強く批判し、対決姿勢を鮮明にした。

 「展望」は、地域や外交分野別の5部22章から成る約100ページのロシア版“外交青書”だ。文書の編纂(へんさん)は昨年6月にプーチン大統領から指示された。

 この中で、露外務省は国際問題を解決する上で「外交政策に代わる選択肢はない」と、軍事力を振りかざす米国の対外政策を批判。イラク情勢については「全面的な内戦寸前の危機的状況」にあると分析し、米国のイラク政策を批判した。

 対イラン政策をめぐっても、米国の強硬姿勢は「国際社会を大規模な危機に引き込む」ものと指摘し、「米国がイランとの関係を正常化させる真摯(しんし)な努力をするまで、国際社会はイラン情勢を先鋭化させるべきではない」と主張した。北朝鮮問題についても「米朝関係が正常化した場合にのみ6カ国協議の展望がある」と米朝対話を促した。

 対日関係では、北方領土問題への直接の言及はなく、「日露間の強固な経済関係と協力関係の深化が、政治問題解決に向けた雰囲気の醸成に役立つ」と従来の見解を繰り返した。

 ロシアは年末に下院選、来年春に大統領選を控えており、米国との対決姿勢を鮮明にした“外交青書”の公表で大国復活を内外にアピールする狙いがあるとみられる。

露は外車大国に 3年後、欧州2位の市場 米会計事務所の報告書が予測

2007/01/20 FujiSankei Business i.

 【モスクワ=内藤泰朗】歴史的好景気を迎えたロシアで昨年、外国メーカーの自動車の売り上げが、初めて国産メーカーを追い抜き、ロシアは、3年後の2010年までに欧州最大の自動車市場であるドイツに次ぐ巨大外車販売市場に成長する−。米大手会計事務所、プライスウオーターハウスクーパース(PwC)がこのほどまとめた報告書でこんな近未来予測を発表した。

 それによると、ロシアでは昨年、前年比20%増に当たる200万台以上の中古車を含む自動車が販売されたが、そのうち約100万台が外国メーカーの新車(輸入、ロシア国内での組み立てを含む)だった。外車の売り上げは、前年比でほぼ倍増した形だ。

 露紙モスクワ・タイムズによると、米フォード・モーターは前年比で倍近い約11万6000台を販売。露アフトバズと合弁で現地生産している米ゼネラル・モーターズ(GM)、韓国の現代自動車も10万台の大台を突破した。

 同報告書は、ロシアでソ連崩壊後、15年間にわたり外国メーカーの自動車販売は成長し続けてきたが、「06年は、この15年間で最も成長が著しい年だった」としたうえで、ロシアの自動車市場が成長を続け、欧州最大級の市場となるとの見通しを示した。

 一方、性能や品質などで問題を抱えるロシア国産車の売り上げは、同前年比5%販売を減らし、80万台にとどまった。

 また、ロシアでは昨年、自動車購入費に320億ドル(約3兆8000億円)が使われ、前年比で実に100億ドルも増加した。同国国民の購買力が格段に伸びていることを印象づけたという。

 購買力が向上していることで、外国自動車メーカーのロシアでの組み立てもすでに始まっており、米国や韓国メーカーに販売台数で首位を譲る日本メーカーもトヨタ自動車に次いで、日産自動車や三菱自動車もロシアでの組立工場建設に動いている。今後は、現在高めに設定されている価格や品質、商品の種類などの競争にシフトしてくるものとみられる。

東芝・石播、露の原発建設参入へ…国営企業体から打診

2007年01月01日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 ロシアが設立を目指している国営の原子力独占企業体「アトムプロム」側が、東芝と石川島播磨重工業(IHI)に対して提携を打診してきたことが、31日、明らかになった。

 東芝とIHIも提携交渉に応じる考えで、近く交渉入りする公算が大きい。原発の基幹部分となる蒸気タービンや、発電機の製造、供給など、ロシアの原発建設への協力が柱になるとみられ、アトムプロムへの出資や関連技術の供与に協議が広がる可能性がある。東芝とIHIが06年10月に共同で買収した米ウェスチングハウス(WH)も含め、日米企業によるロシア原発事業への参入が実現すれば、世界の原発業界の勢力図に大きな影響を与えそうだ。

 関係者によると、提携はアトムプロム設立に携わり、プーチン政権に影響力を持つロシア財閥の有力経済人が06年11月下旬に来日し、東芝とIHIの幹部に打診した。東芝は原発周辺設備の製造などで豊富な実績があり、IHIは強度が高い蒸気タービンの技術を持つ。ロシアはこれまでWH社と同じ方式の加圧水型原子炉(PWR)を主に採用しており、WH社の技術協力も視野に入れていると見られる。

 両社は打診に対し、「ロシアは市場として狙っていく」(東芝首脳)、「非常に興味がある案件だ」(IHI幹部)と、前向きに応じる方針を示している。提携交渉はアトムプロムの設立準備が整う今夏にも、本格的に始まる公算が大きい。

 世界のエネルギー大国として影響力強化を目指すプーチン政権は、外貨を獲得できる天然ガスや原油は輸出に回す一方で、ロシア国内の産業向けには原子力エネルギーの利用拡大を図っている。現在31基ある原発の発電能力を、13年以降は年2基のペースで増やし、国内の総電力に占める原子力発電の割合を06年の16%から30年には25%に引き上げる計画だ。

 ただ、1986年のチェルノブイリ原発の放射能流出事故以降、原発の製造技術は停滞しており、タービンなどの技術に定評がある日本メーカーとの提携が得策と判断した模様だ。

 ロシアは米国と原子力平和利用の2国間協定を結ぶことで合意している。協定が成立すれば、WH社も提携に本格参加できる。

 東芝・IHIはアトムプロムとの提携で、ロシアだけでなく、旧ソビエト連邦諸国にも市場拡大の足場を築ける。原発プラント事業を一気に拡大し、約6300億円をかけたWH社買収費用の早期回収に道筋をつけられる。

シベリアに巨大自治体 面積は日本の6倍

2007/01/02 The Sankei Shimbun東京朝刊から

 ロシア通信などによると、東シベリアの自治体のクラスノヤルスク地方は1日、北方のエベンキー、タイムイル両自治管区を合併、日本の6倍以上の面積を持つ巨大自治体となった。

 自治体数を減らし連邦政府の統制強化を目指すプーチン政権の方針に沿った再編。合併は05年4月の住民投票で決まっていた。

 同通信によると、合併後の面積は約234万平方キロで、総人口はわずか300万人弱。(共同)

露・ベラルーシのガス交渉妥結、価格は2倍以上に

2007年01月01日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【モスクワ支局】ロシアからベラルーシに供給するガス価格を巡る交渉は31日、2007年の供給価格を1000立方メートルあたり100ドルとすることで妥結した。

 従来の約45ドルから2倍以上の値上げとなる。ロイター通信が伝えた。

 露はベラルーシに対し、06年内で交渉が妥結しない場合、07年からガスの供給を停止すると警告。ベラルーシのセマシコ第1副首相が31日にモスクワ入りして交渉を進め、期限直前で合意に達した。

日露漁業委員会が終了 漁獲割当量を30トン増加

2006/12/14 The Sankei Shimbun東京朝刊から

 日本とロシア双方の200カイリ排他的経済水域内への入漁条件をめぐり、農水省で開かれていた日露漁業委員会が14日終了し、2007年の日本側の総漁獲割当量を今年より30トン多い5万1297トンとすることで合意した。割当量増加は2年連続。

 日本が捕獲する魚種で割当量が増えたのは、イカが100トン増の9245トンなど。ホッケは資源減少のためロシア側が割当量削減を求め、150トン減の223トンとなった。割当量が最も多いサンマは、今年と同じ3万5500トン。

 別枠の有償漁獲割当量は、日本の漁業者が負担軽減を要望。今年より409トン少ない6024トンで、支払う金額は1570万円減の2億3080万円となった。

 日本がロシアの資源管理などの研究を支援する協力費は、今年と同額の355万ドルとした。

露、WTO加盟へ イラン制裁で妥協?米が合意

2006/11/11 The Sankeiu Shimbun東京朝刊から

 【モスクワ=内藤泰朗】ロシア経済発展貿易省は10日、ロシアの世界貿易機関(WTO)加盟に関する米国とロシアの2国間交渉が合意に達したと発表した。米露両国は、来週、ベトナムのハノイで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の際に合意文書に調印する。イタル・タス通信などが報じた。

 ロイター通信によると、シュワブ米通商代表も10日、「現在、細部を詰めている。ロシアのWTO加盟に向けた重要なステップになるだろう」との声明を発表した。

 WTO加盟はプーチン大統領の悲願だったが、米国との間で政治決着を図ったとの見方も浮上している。

 ロシアは、ウラン濃縮に踏み切ったイランに対する制裁措置導入に強く反対してきた。専門家らは、米国がロシアのWTO加盟で妥協することで、ロシア側が同問題で欧米側に歩み寄ることを促した可能性が高いとみている。

 また、ロシア航空最大手アエロフロートによる米ボーイングへの航空機の大量発注なども取引材料になった可能性が指摘されている。

“汚職大国”ロシアの年間わいろ額、国家予算に匹敵

2006/11/09 The Sankeiu Shimbun東京朝刊から

 汚職大国として知られるロシアで、1年間に官僚に支払われるわいろの総額が2400億ドル(約28兆3200億円)にのぼることがこのほど明らかになり、話題となっている。同国政府系のロシア新聞が、ブクスマン第1検事副総長の話として伝えた。

 ロシアの2005年の国家予算は2900億ドル(約34兆2200億円)だったことから、同国の役人たちのポケットに入るわいろ総額は国家予算額にも匹敵し、汚職天国ぶりが浮き彫りに。

 同紙によると、平均的な官僚は、この1年間に200平方メートルのアパートを購入した。モスクワでそうした不動産の実勢価格は100万〜500万ドル(約1億1800万〜約5億9000万円)はする。

 ロシアでは、低い給与水準にある役人の多くは警察官から高級官僚まで汚職に手を染め、こうした「副収入」で生計を立てているのが実情だ。原油輸出による経済成長でわいろ額も増大したとみられる。(モスクワ 内藤泰朗)

2隻は宮城と釧路の漁船 ロシア連行の4隻

2006/11/04 The Sankeiu Shimbun

 ベーリング海で操業していた日本漁船4隻がロシア国境警備当局に連行された問題で、うち2隻は宮城県塩釜市の佐藤漁業が所有する玉龍丸(284トン)と北海道釧路市の金井漁業の第53富丸であることが4日、分かった。

 佐藤漁業によると、玉龍丸は22人乗り組みで、日本人15人のうち北海道出身が12人、宮城県が3人。残る7人はインドネシア人。10月初めに北海道の釧路港を出港、同港に近く戻る予定だったという。船長からは「通常の積み荷の検査で、ロシア側から要請があった」などと連絡があったという。

 各地の海上保安部や外務省によると、残り2隻も日本漁船で、北海道稚内市の「第5大林丸」などとみられる。

 外務省によると、4隻はロシアの排他的経済水域(EEZ)内でスケトウダラなどの漁をしていたという。

露国境警備局、日本漁船4隻連行か カムチャツカ半島へ

2006/11/03 The Sankeiu Shimbun

 【モスクワ支局】 インタファクス通信は3日、ベーリング海で日本漁船4隻がロシア国境警備当局から違法操業の検査を受け、追加検査の必要から極東カムチャツカ半島に向けて連行されていると報じた。

 ロシア北東部沿岸国境警備局は4隻を「ヨウケイマル5」「ダイリンマル5」「トミマル53」「ギョクリュウマル」だと公表しているが、読み方や船員の国籍など詳細は不明。

 同局によれば、4隻はスケトウダラとニシンの漁獲許可を有している。10月末にロシアの排他的経済水域(EEZ)内で検査を受けた際には問題点がなかったが、今月2日の再検査で「トミマル」の船内から報告にない5.5トンの漁獲物が発見された。陸上での検査が必要なため、連行したという。

 ロシア国境警備当局は8月、北海道根室沖で日本のカニ漁船を銃撃・拿捕(だほ)、乗組員1人が死亡した。

11月中旬に日ロ首脳会談 領土、北朝鮮で意見交換

2006年10月27日 中国新聞ニュース

 安倍晋三首相はロシアのプーチン大統領と27日午後、電話会談し、来月18日からハノイで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際に会談することで一致した。懸案の北方領土問題や、北朝鮮の核実験をめぐり意見交換するとみられる。

 領土問題について大統領は「両国の間に存在する未解決の問題を含むすべての問題解決のために粘り強く交渉する用意がある」と表明。首相は日ロ平和条約締結の必要性を強調しながら「大統領と協力して、ともに受け入れられる解決策を見いだすべく努力をしていきたい」と応じた。

 北朝鮮問題については、平和的、外交的解決策を目指すことで合意。首相は北朝鮮の核実験について「このような行為を繰り返すことは北朝鮮の情勢を悪くすることになると理解させる必要がある」と指摘すると同時に、拉致問題解決のための協力を求めた。

 安倍首相は年内にも予想されるロシアのフラトコフ首相の訪日に歓迎の意向を示した。

[日露国交50年]「戦略的な取り組みが必要だ」

2006年10月22日 読売新聞 読売社説(1)

 日本と旧ソ連(現在のロシア)が、日ソ共同宣言によって国交を回復して50年になる。新時代の日露関係を考え、構築すべき節目でもあろう。

 ロシアのプーチン大統領は9月に、「北方領土問題を解決したい」「平和条約締結のための途(みち)を探さねばならない」と発言した。安倍首相も、先の所信表明演説で、「日露関係の発展が両国に恩恵をもたらす潜在的な可能性は大きい」と強調している。

 日露関係の強化、発展には、やはり北方4島の問題を解決し、平和条約を締結することが最大のカギとなる。

 日ソ共同宣言は、平和条約締結後に、歯舞群島及び色丹島を日本に引き渡すとしている。だが、国後、択捉両島を含めた4島は、日本固有の領土だ。だからこそ、共同宣言に、国交回復後の平和条約締結交渉継続が明記された。

 プーチン大統領の意図は、歯舞、色丹の2島返還で決着させることにあるのだろう。最近の発言でも、「日本が共同宣言の合意を離れ、4島返還後に平和条約を結ぶ立場に変わった」と批判している。受け入れがたい主張である。

 領土問題の打開は容易ではない。

 ロシアは、原油高による経済回復で、日本の経済支援を得るために領土問題で譲歩する必要性が薄れている。大国主義、ナショナリズムが強まり、領土問題での妥協には、国内の抵抗が強い。

 北方4島水域での漁船銃撃拿捕(だほ)や日本企業が参加する石油・天然ガス開発事業「サハリン2」の業務停止も、こうしたロシアの現状を反映したものだろう。

 それでも、日露の戦略的な関係の構築は、日本外交の重要な課題だ。

 東アジアの国際情勢の変化は激しい。中国の著しい経済発展やインドの台頭などの一方で、中国の軍事大国化や北朝鮮の核武装化など、地域の安全保障上の不安定要因も増している。

 日本の平和と繁栄という観点から、多面的、戦略的な外交が必要だ。

 だが、日本と東アジア主要国との二国間関係の中で、とくに小泉前政権時代から日露関係の停滞が目立つ。再開された中国、韓国との首脳間対話が進めば、なおさら、それが際立つことになる。

 ロシアは東アジアの主要プレーヤーの一国だ。緊密な日露関係が構築されていれば、例えば、中国と向き合う上での有効なカードとなり得たのではないか。ロシア自身も含め、北朝鮮の核問題などで、日本の国益にそぐわない動きを抑えることにも役立ったかもしれない。

 東アジアの戦略的な外交に“穴”を作らない知恵を絞らねばならない。

戦略資源を独自開発へ 露国営ガス会社、巨大ガス田開発から外資排除

2006/10/11 FujiSankei Business i.

 【モスクワ=内藤泰朗】ロシア国営天然ガス独占企業体ガスプロムは9日、同国極北バレンツ海にある世界最大級とされるシュトックマン・ガス田(可採埋蔵量3兆2000億立方メートル)開発について外国企業5社との交渉を打ち切り、独自開発に乗り出すと発表した。ロシアのプーチン政権は、同国の戦略産業と位置づけるエネルギーなど資源部門から外資を排除、統制強化する姿勢を鮮明にした。

 ガスプロムは9日、経営会議で交渉の打ち切りを正式決定。ミレル社長は「埋蔵量に見合う権益交換の提案がなかった」と説明した。

 同社長は同時に、すでに開発資金の手当てのほか、極北での開発技術や液化天然ガス(LNG)化の技術なども確保したとして外資の参画を求めず単独開発に踏み切ると強調した。プーチン政権の意向を反映した措置とみられる。

 ガスプロムは昨年9月に、提携企業候補として日本の三井物産と住友商事を含む外国企業9社の中から、米国のシェブロンと、コノコフィリップス、仏トタル、ノルウェーのスタトイルとノルスク・ヒドロに絞り条件交渉を続けていた。

 また、同政権は当初、シュトックマンで将来産出される天然ガスの主要輸出先として米国を念頭に置いていたが、米国との関係冷却化が進む中、主要輸出先をドイツなど欧州に転換する姿勢を示しており、ここでもエネルギーが政治的な武器となっていることが浮き彫りになっている。

露、ウラン開発 日本商社の参加拒否

2006/10/11 FujiSankei Business i.

 【モスクワ=内藤泰朗】ロシア天然資源省が、同国極東、東シベリアのウラン鉱山開発でロシア側との共同事業化に向けて動いていた日本企業の参画を認めない方針を固めたことが10日までに明らかになった。ロシアの日刊経済紙コメルサントが報じた。

 「ウラン愛国心」と報じた同紙によると、三井物産は今月5日、ロシア国営の原子力燃料輸出企業「テフスナブエクスポルト」と、東シベリアのウラン鉱山、ユージナヤ鉱区の開発に向けた共同事業化調査を行う合意文書に署名した。

 しかし、天然資源省報道官は、同紙に「戦略産業への外資の参加は認められないとする修正法案がすでに政府に届いており、残念ながら(三井物産の参画は)認められない」と語った。

 同鉱区は、サハ共和国の南部にあり、推定埋蔵量は約25万トンと、世界有数のウラン鉱山。

 三井物産は、外国企業として初めてロシアのウラン鉱山開発に直接参入を狙い、調査費用600万ドル(約7億円)は同社が負担。事業化が確認された場合、同社が鉱区の権益保有会社の株式25%を買い取る権利を有するはずだった。三井物産側からのコメントはまだ出ていない。

露アルミ2社など合併で合意、米アルコア抜き世界一に

2006/10/11 FujiSankei Business i.

 【モスクワ=内藤泰朗】ロシアのアルミ2大メーカーのルスアル、スアルとスイスの商社グレンコアのアルミ部門は9日、合併することで合意したと発表した。合併で、米アルコアを抜き生産高世界一の巨大アルミ生産企業体が誕生する。ロシアは、世界の資源関連企業の買収と統合で、有望な資源の支配戦略を加速させている。

 3社の首脳は9日、モスクワで記者会見し、来年4月1日までに経営統合することをうたった合意書に署名した。新会社は、鉱山開発から精錬、加工まで抱え、アルミ地金のほか、自動車用アルミ板などの生産で世界最大の企業となる。

 アルミ生産は、世界で3000万トンを超えているが、その約4分の1は中国が生産する。ロシアは、昨年500万トンを生産し世界2位だが、プーチン政権は、石油などエネルギー資源に加えて、チタンなど金属部門など、戦略産業への国家統制強化を図る。

 日本は、国内で消費するアルミ地金をほぼ全量、輸入しているが、このうちロシアからの輸入は全体の17%弱と豪州に次ぎ2番目に多い。今回の合併で、プーチン政権によるアルミ部門への統制は強化されるものとみられ、日本のアルミ輸入にも影響が出る可能性がある。

拿捕船体の返還拒否 日露外相電話会談

2006/10/03 The Sankeiu Shimbun

 麻生太郎外相は3日午後、ロシアのラブロフ外相と電話会談し、同国の国境警備当局に拿捕(だほ)され、没収されたカニ漁船「第31吉進丸」の船体引き渡しを求めた。しかし、ラブロフ氏は「応じることは困難だ」と述べ、改めて拒否した。

 両氏は、北方四島周辺での安全操業に関する日露枠組み協定に基づく交渉を早期に再開し、同種事件の再発防止策を協議する方針では一致した。

 また、麻生氏は、日本商社も出資する石油・天然ガス開発計画「サハリン2」の一部事業にロシア天然資源省が中止命令を出したことに関し「事業を一方的に停止しないことが重要だ」と抗議。ラブロフ氏は「政治問題化するつもりはない。当事者間の協議を通じて解決されることを期待する」と述べるにとどまった。

露プーチン政権 チタンを国家統制 世界最大手を事実上の国有化

2006/09/13 FujiSankei Business i.

 【モスクワ=内藤泰朗】ロシア製兵器輸出の9割以上を牛耳る国営武器輸出公社、ロスオボロンエクスポルト(チェメゾフ社長)が、世界需要の3割以上を生産する世界最大級のチタンメーカー、VSMPO−アビスマ社(チェチュヒン社長)の41%の株式を取得したことが12日明らかになった。インタファクス通信が伝えた。

 豊富なエネルギーを政治的な武器とするロシアのプーチン政権が、軍事産業などに不可欠な戦略金属チタンの国家統制に乗り出した形だ。

 ウラル山麓(さんろく)にあるVSMPO−アビスマ社は、第二次大戦前、ナチス・ドイツの侵攻を警戒してモスクワ近郊からウラル地方に移転し、軍需・航空宇宙産業の要として国を支え発展してきた。

 ソ連崩壊後、「ロシアの石油王」と呼ばれたホドルコフスキー氏(シベリアで流刑中)の手に渡ったが、市場経済の荒波の中、最盛時の半分以下に生産を減らした。

 それが、技術者出身の現経営陣の下、国内需要から輸出戦略に転換したことで5年ほど前から急速に復活。現在、その製品の約75%が欧州のエアバスや米ボーイングといった世界有数の航空産業などに輸出されるが、プーチン大統領と同じ旧ソ連国家保安委員会(KGB)出身者で、朋友である武器輸出公社のチェメゾフ社長は、VSMPO−アビスマ社を傘下に入れると公言していた。

 チタンは、銀灰色の光沢をもつ金属。鋼鉄と同等の強度を持ちながら軽量で金属疲労を起こしにくく耐熱、耐食性に優れるため、軍需品のほか、航空宇宙、自動車などに多用され、日本では時計やメガネ、装飾品、医療用品などに使われている。

 原材料は世界各地で産出するが、精錬、加工に高度な技術が必要とされる。航空機需要の高まりを受け、価格は上昇傾向にある。

 旧ソ連は東西冷戦下で、米軍のチタン利用を妨害するため、世界中の市場での買い占めを試みたが失敗した。

戦後問題にけじめを 日本人強制抑留シンポ

2006/09/07 The Sankeiu Shimbun

 【モスクワ=内藤泰朗】第二次世界大戦後、旧ソ連が約60万もの旧日本軍将兵らを違法に強制労働に従事させたシベリア抑留問題を考えるシンポジウムが6日、モスクワで開かれた。日本側はもうそろそろけじめをつけるべきだと主張し、終戦から60年以上がたつにもかかわらず解決されていない同問題の早期決着に向け、日露両国に常設の委員会設置を求めた。

 同シンポは、全国強制抑留者協会、ロシアの相互理解協会の共催で開かれ、相沢英之・全国強制抑留者教会会長が「あと10年したらわれわれ元抑留者は死んでしまう。とにかく早くけじめをつけてほしい」と述べ、ロシア側の謝罪と金額にこだわらず強制労働に対する補償を実現させ、同問題に終止符を打つことが重要だと強調した。

漁船拿捕事件で船長起訴 タス通信が報道

2006/09/04 The Sankeiu Shimbun

 タス通信は4日、北海道根室沖のカニ漁船銃撃・拿捕(だほ)事件でロシア検察当局が同日、北方領土の国後島で拘束している第31吉進丸の坂下登船長(59)を領海侵犯と密漁の罪で同島の地区裁判所に起訴したと報じた。司法手続きは今後法廷に移り、坂下船長はロシアの法律にのっとり裁かれることになる。罰金刑になるとみられるが、判決が確定するまで船長の拘束は続く。

 ロシア国境警備当局によると、船長はカニ漁のため意図的にロシア側が主張する領海を侵犯したことを認めているという。日本政府は船長の解放をロシア側に求めている。

 吉進丸は8月16日午前4時すぎ、北方領土・貝殻島付近で、サハリン沿岸国境警備局の警備艇から銃撃を受けて拿捕され、乗組員の盛田光広さん(35)が頭に銃弾を受け死亡した。

 盛田さんの遺体は既に日本側に引き渡されたほか、坂下船長とともに国後島古釜布で拘束されていた乗組員2人は、船長に比べ責任が軽いとして刑事訴追されないまま同月30日に解放された。(共同)

ロシア、債務国から脱却

2006/08/23 FujiSankei Business i.

 【モスクワ=内藤泰朗】ロシア国営対外経済銀行はパリクラブ(主要債権国会議)に対する債務残高約220億ドル(約2兆5000億円)を全額繰り上げ返済した。ロシアはこれにより旧ソ連時代からの債務国の立場から完全に脱却した。

 同国の主要輸出品である原油の価格高騰に支えられて財政が好転、巨額の前倒し返済が可能となった。インタファクス通信によると財務相は繰り上げ返済が「ロシアの経済成長と偉大なる財政により可能となった」との声明を発表。同国が最大で金利分の約120億ドルを節約したと述べた。

船長ら釈放1カ月以上先か 銃撃適法性捜査 漁船拿捕

2006/08/20 The Sankeiu Shimbun

 【モスクワ=内藤泰朗】北方領土・貝殻島付近で北海道根室市のカニかご漁船「第31吉進丸」がロシア国境警備艇に銃撃を受けて拿捕された事件で、同国軍事検察はこのほど、同警備艇の銃撃が適法だったかどうか、捜査を最大10日間延長することを決めた。これにより、坂下登船長らへの取り調べも延期され、釈放は少なくとも1カ月以上先になる可能性が出てきた。

 イタル・タス通信が19日、同事件を担当する軍事検察のフレバロフ検事の話として伝えた。銃撃で死亡者が出たことに対する日本側の強い抗議を受け、軍事検察当局は、発砲が適切だったかどうか、捜査を慎重に進める方針を固めたとみられる。

 ロシア国境警備当局は同事件で、警備艇が吉進丸に警告射撃することは許可していたが、射撃による強制停船の命令は出していなかった。

 ロシア極東のサハリン州国境警備局当局者は19日、インタファクス通信に対し、坂下船長ら3人は事件の捜査終了後までロシアにとどまると述べた。このため、同船長に対する密漁、領海侵犯容疑の捜査とは別に、銃撃の適法性の捜査の重要参考人として取り調べを受けることとなり、拘束期間が長引くことは避けられない情勢となった。

 ロシアに拿捕された日本漁船はこれまで、ロシア当局側との法廷闘争を避け、素直に罰金を支払った場合でも、最低2週間以上は身柄を拘束されており、今回、死者まで出した銃撃の適法性の捜査期間を加えれば、少なくとも1カ月以上は、船長らの身柄を拘束するものとみられる。

 日本側は、刑事訴追された船長を除く2人の身柄は、国後島に到着した日本外務省代表団に引き渡される可能性があると期待していたが、実現しなかった。

漁船銃撃・拿捕 露検察、拘束の乗組員3人訴追へ

2006/08/17 The Sankeiu Shimbun

 【モスクワ=内藤泰朗】北方領土・貝殻島付近で北海道根室市のカニかご漁船「第31吉進丸」がロシア国境警備廷に銃撃を受けて拿捕(だほ)された事件で、イタル・タス通信は17日、拘束されている乗組員ら3人が密漁と密輸、領海侵犯の罪で訴追されるとの見通しを伝えた。

 在ユジノサハリンスク日本総領事館によると、ロシア側は同日までに、警備艇の銃撃で死亡した乗組員、盛田光広さん(35)の遺体をできるだけ早期に日本側に引き渡す意向を示した。

 同通信によると、国後(くなしり)島ユジノクリリスク(古釜布)の軍事検察官は17日、坂下登船長ら3人を密漁と領海侵犯の容疑で取り調べていることを明らかにし、同日中にも訴追に向け捜査を開始する正式決定が下されると語った。

 別の軍事検察官は、坂下船長を含む3人が「何をしていたかを供述している」と述べ、密漁目的でロシア領海を侵犯した容疑を認めつつあることを示唆した。

 また、インタファクス通信によると、ロシア・サハリン州の検察当局者は17日、乗組員3人に対する捜査結果が19日以降に明らかになるとの見通しを語った。法律で定められた3日間の審理期間を最大限に利用するためだという。

 3人は、日本政府の支援で古釜布に建設され、北方領土へのビザなし交流事業に使われる「友好の家」の4人部屋に軟禁状態に置かれ、当局の取り調べを受けている。死亡した盛田さんは、同市の病院に安置されているという。

 3人が今後ロシアの司法手続きを受ける場合、拘束が長期化する可能性がある。

漁船銃撃 麻生外相、ロシアに厳重抗議 情報連絡室設置

2006/08/16 The Sankeiu Shimbun

 政府は16日、北方領土周辺海域で日本漁船がロシア国境警備隊に銃撃、拿捕(だほ)された事件に対し、複数の外交ルートでロシア政府に厳重に抗議した。また、首相官邸に情報連絡室を設置した。

 政府は昭和31年以来なかった北方領土海域でのロシア側の銃撃による死亡事件が発生したことを重大視している。

 麻生太郎外相は同日夕、ロシアのガルージン臨時代理大使を外務省に呼び、抗議した。麻生氏は「わが国固有の領土である北方四島の12カイリ水域内で起きたことで、容認できない。厳重に抗議する」と通告。「日本人の生命が失われたことは由々しき事態だ」と述べ、ロシア政府に陳謝と再発防止、責任者の処罰を要請した。

 ガルージン氏は「遺族にお悔やみ申し上げる」と語ったが、「日本の漁船がロシア領海を侵犯したために起きた。日本の漁船は(国境警備隊の)停止命令に応じず、逃げようとして危険な行動をした」と説明した。ただ発砲に至った状況や乗組員の死因などの説明はなく、麻生氏の要請に「本国に伝える」と応じるにとどめた。

 このため、麻生氏は「ロシアの立場、説明は到底受け入れられない。いかなる理由であれ、拿捕や銃撃で人命を失わせることは正当化できない」などと指摘。乗組員と船体の即時解放を求め、遺体の速やかな引き渡しを申し入れた。

 これに先立ち、外務省は原田親仁欧州局長らがロシア側に抗議し、ただちに事実関係を報告するよう要請。16日午後に乗組員1人の死亡を確認。生存者は国後島でロシア側の事情聴取を受けていることを把握した。

麻生外相、謝罪と遺体の引き渡し求める…漁船拿捕事件

2006年08月16日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 北方領土の周辺海域で日本漁船がロシア国境警備隊から銃撃を受け、拿捕(だほ)された事件で、日本政府は16日、外交ルートを通じてロシア政府に厳重に抗議し、<1>死亡した乗組員の遺体の速やかな引き渡し<2>他の乗組員、船体の即時解放<3>銃撃した人物の処罰――を求めた。

 しかし、ロシア側は、漁船がロシア領海を侵犯したとし、正当な対応だったと主張した。

 麻生外相は16日夕、ロシアのガルージン駐日臨時代理大使を外務省に呼び、「日本の領海内で起きた事件であり、容認できる話ではない。日本人の生命が失われたのはゆゆしき事態だ」として、謝罪と遺体の引き渡しなどを求めた。

 ガルージン氏は「ロシア当局としてこのような事件発生を望んでいなかった。人命が失われたことは大変残念だ」と述べる一方、「漁船がロシア領海を侵犯し、ロシア警備艇はロシアの法に基づき、その権限の中で行動した。漁船は停戦命令にただちに応じず、逃げようとして危険な行動をした」と訴えた。

 これに対し、外相は「領土問題に対するわが国の立場から、説明は受け入れられない。いかなる理由があろうとも、銃撃によって人命を失わせることは正当化できない」と反論した。

漁船銃撃・拿捕 露外務省、責任は日本側にと主張

2006/08/16 The Sankeiu Shimbun

 【モスクワ=内藤泰朗】ロシア外務省は16日、北方領土の貝殻島付近で起きたロシア国境警備艇による日本漁船の銃撃・拿捕(だほ)事件で、死亡者に対する哀悼の念示すと同時に、事件の責任は「ロシアの領海」で密漁を行っていた日本漁船と、そうした密漁行為に目をつぶる日本政府の側にあるとの声明を発表した。

 さらに、ロシア国境警備庁は同日、事件の概要を公表し、「ロシア領海内を無灯火で標識も掲げず航行する国籍不明の船が停船命令に従わず、日本方面に逃走を試みたため警告射撃を行った」と発砲の理由を説明し、銃撃を正当化した。

 同庁によると、先月20日ごろ、国籍不明の漁船がロシア領海を侵犯しているとの情報を得て同庁の警備艇が出動。16日未明、水晶島付近で漁船を発見し、ゴムボートで近づき、信号弾や無線で停戦を命じたが、停船せず、反対に体当たりしてきた。そのため、船の進路、船尾、上方に向けて2度にわたりカラシニコフ自動小銃で威嚇射撃し停船させた。1回目の銃撃後、漁船は、カニやタコ、漁具を海に投棄。漁船に銃弾の貫通痕も損傷もないという。

漁船銃撃され1人死亡 根室沖で露が拿捕

2006/08/16 中国新聞ニュース

 北海道根室半島沖の北方領土・貝殻島付近で十六日午前四時すぎ、根室湾中部漁協所属のカニかご漁船、第31吉進丸=四・九トン、坂下登船長(59)、根室市温根沼=がロシア国境警備庁の警備艇から銃撃を受け拿捕(だほ)された。乗組員の盛田光広さん(35)=根室市=が頭部に銃弾を受け死亡した。ほかの三人は無事だった。漁船は国後島に向けて連行されている。

 ロシア側は、再三の停船命令に従わなかったため威嚇射撃したとしている。

 北海道によると、現場のロシア側海域ではカニ漁は禁止されており、八月に入りロシア側から違法操業について要望を受け、漁協などに注意するよう指導していた。

 第一管区海上保安本部(小樽)によると、北海道周辺で日本船がロシアの警備艇に銃撃されて死者が出たのは一九五六年十月以来という。

 政府は午前九時半、首相官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置。ロシア側に抗議し、乗組員の即時解放を要求した。

 坂下船長と盛田さんのほかの乗組員は、いずれも根室市の川村昭充さん(29)、紙屋春樹さん(25)。

 一管本部によると、坂下船長は過去に拿捕されたことがあるという。

 ロシア側の説明によると、十六日午前三時四十五分ごろ、歯舞諸島の水晶島に向け航行している吉進丸を発見した。点灯や国旗の掲示をせず、呼び掛けにも応答しなかったため、自動小銃で威嚇射撃し、同四時十分ごろ、貝殻島付近で停止させたという。

 一管本部などによると、吉進丸は十六日午前零時ごろ根室半島の花咲港を出港、同日午前十時ごろに戻る予定だった。

 貝殻島は北方領土の歯舞諸島にあり、周辺はロシア側に入漁料を支払って操業するコンブ漁が盛ん。根室海上保安部が巡視船などを現場海域に向かわせ情報収集している。

拉致とミサイル問題、サミットの議題に・日ロ外相が一致

2006/06/28 NIKKEI NET

 【モスクワ=河合圭】主要国首脳会議(サンクトペテルブルク・サミット)外相会合出席のためモスクワを訪問中の麻生太郎外相は28日午後(日本時間同日夜)、ロシアのラブロフ外相と約1時間半会談した。両外相は北朝鮮による日本人拉致や核・ミサイル問題をサミットの議題とすることで一致した。

 麻生外相はロシアがサミット議長国を務めることから、拉致問題を主要議題として取り上げるよう要請。ラブロフ外相は「日本人拉致という深刻な人権問題が解決されなければならないことに完全に同意する」と応じた。

 北朝鮮が「テポドン2号」とみられる長距離弾道ミサイルの発射準備を進めていることには麻生外相が「深刻な懸念」を表明。ラブロフ外相は「北朝鮮に慎重に行動するよう様々に働き掛けている」と強調したうえで、拉致と核・ミサイル問題が「サミットで話し合われるだろう」との見通しを示した。

中国より日本がパートナー ロシア世論調査

2006/02/15 The Sankei Shimbun

 14日のインタファクス通信によると、ロシアの世論調査機関ロミールの最近の調査で、アジアでは日本を「戦略的パートナー」にすべきとの回答が35%と、中国の28%を上回り、ロシア国民は中国より日本を重視すべきと考えているとの結果が明らかになった。

 プーチン政権は、アジアではエネルギーや軍事分野で中国を最有力パートナーとしているが、国民の意識とはずれがあることを示す結果となった。

 調査は1600人を対象に行われた。3位は韓国(7%)、4位はインド(6%)で、全体の78%がアジア太平洋地域との関係発展を支持した。(共同)


マダラ漁獲枠削減「外交」に大規模抗議集会 根室市民

2001.02.25(21:54)asahi.com
 ロシア200カイリ内で日本漁船が操業する「マダラ」の漁獲枠が昨年末の日ロ政府間交渉で大幅に削減されたのを受け、北海道根室市の漁業者らが25日、大規模な「危機突破総決起大会」を開いた。根室市は削減の影響で関連産業を含め62億8000万円に及ぶ経済的損失があると試算。先月末には220人の乗組員が解雇されるなど雇用不安も起きており、約1700人が怒りの声をあげた。

 大会は根室市や地元漁協など28団体が開いた。「まさに激甚災害」(大坂光明・底はえなわ漁業者代表)、「ロシアに対し、国は責任ある『漁業外交』をすべきだ」(宮崎征伯・根室水産協会会長)と、苦悩と怒りの声が相次いだ。

 ロシア200カイリ内での日本漁船の操業は北洋サケ・マス漁やマダラ漁が主力だが、年々漁獲枠の削減が続き、危機感が強まっている。

 27日から根室市長らが水産庁などに救済対策などを訴える。

ロシア不審船が日本領海に/宗谷海峡付近

2001.02.21The Sankei Shimbun
 北海道・宗谷海峡西方の日本海公海上で、ロシア機が不審船に警告射撃したと二十日夕、ロシア国境警備庁から海上保安庁に通報があり、その後不審船は日本国旗を掲げて南東方向に逃走。海保は現場に巡視船を急行させ、同日午後十時四十五分ごろ、礼文島の西約二十三キロの海上で不審船を確認した。

 間もなく日本領海内に入り、不審船はロシア船と確認されたため、海保は二十一日、波が穏やかになるのを待って、立ち入り検査し、領海外に退去するよう求める。

 同警備庁からの通報では、二十日午前九時五十分ごろ、沿海州に近い北緯四六度二二分、東経一三八度四○分で、ロシア機が不審船を発見、停船を命じたが無視して逃走した。

 午後三時二十五分ごろ、ロシア機は北緯四五度四二分、東経一三九度四八分の、日ロ中間線よりやや日本よりの公海上で、警告射撃したという。

 ロシア側は違法操業の可能性があるとみて警備艇で追跡したが、日本の領海手前で停止した。不審船はこの際、ロシア国旗を掲げ、船体には「STM−17」の船名とみられる表示があった。

 この船は過去に日本への入港実績があるという。総トン数は二四三トン。

不審船に警告射撃 ロシア

2001.02.20 The Sankei Shimbun
 ロシア国境警備庁から二十日夕、海上保安庁に入った連絡によると、北海道・宗谷海峡西の公海上で二十日午後三時二十五分ごろ、ロシア側の航空機が不審船を発見し、警告射撃をした。不審船は日本国旗を掲げ、逃走したという。

 海上保安庁は第一管区海上保安本部(小樽)などから巡視船艇四隻と航空機一機を現場海域に派遣するとともに、ロシア国境警備庁と連絡を取り、事実関係の確認を急いでいる。

露空軍機6機が領空侵犯 礼文島付近

2001.02.14 The Sankei Shimbun
 防衛庁は十四日、ロシア空軍のTu22(バックファイアー)爆撃機二機などが、北海道・礼文島付近で二度にわたり領空侵犯した、と発表した。ロシア空軍機の領空侵犯は一九九五年三月以来で、確認されたケースではバックファイアーによる侵犯は初めて。

 防衛庁によると、午前十一時五十九分から午後零時二分まで、バックファイアー二機を含む計四機が宗谷海峡を西から東に進む際に、午後二時三十六分から三十九分までバックファイアー二機が同海峡を西から東に進む際、いずれも礼文島付近の領空を侵犯した。

 また正午ごろには、北海道から青森県の西側を領空ぎりぎりに南下する航跡があった。

 これに対し、航空自衛隊の千歳、三沢、百里各基地からF15戦闘機、F1支援戦闘機など十機以上が緊急発進して警告、ロシア機はいずれも公海上に戻ったという。

初訪ロの航空幕僚長とロシア空軍総司令官が会談

2001.01.31(20:36)asahi.com
 自衛隊の竹河内捷次・航空幕僚長がモスクワを訪問し、31日、ロシアのコルヌコフ空軍総司令官と会談した。航空幕僚長の訪ロは初めて。極東ハバロフスクと東京の航空管制センターの相互協力など、信頼醸成と安全確保に向けた取り組みについて話し合った。また、ロシア軍参謀本部のマニーロフ第1次長とも会談した。

 昨秋の海上自衛隊三佐による機密漏えい事件で一時滞った防衛分野での人的交流は、同11月のセルゲーエフ国防相の訪日以降、再び活発化。1月中旬には佐藤謙・防衛事務次官が訪ロし、防衛庁長官の年内訪ロに向けて日程を調整することを確認した。

日露首脳会談は5月以降に

2001.01.29 The Sankei Shimbun
 自民党の鈴木宗男総務局長は二十九日午後、国会内で講演し、次の日露首脳会談日程について「(ロシア側からは)三月二十五、二十六日と言ってきているが、二、三カ月あいだを置いた方がいい」と述べ、早くても五月以降に設定すべきだとの考えを示した。

 その理由として「日本にも都合がある。ゆっくり考える時間も必要だ。言いなりになっていると間違ったメッセージになる。きちっと言うべきことは言いながら、お互い真摯(しんし)に考えることが大事だ」と述べ、ロシア側の対応に不快感を示した。

シベリア抑留者の遺骨 DNA鑑定本格化へ

2000.12.31The Sankei Shimbun
 厚生省は三十日までに、ソ連によるシベリア抑留中に死亡した日本人将兵らの遺骨のうち、収集が可能とされる四千五百柱を国費で平成十四年度までにすべて収集するとともに、氏名のはっきりしない戦没者の遺骨と遺族の遺伝子を比較して身元を特定するDNA(デオキシリボ核酸)鑑定に本格的に乗り出す方針を決めた。戦後長らく続いた東西冷戦で遅れていたシベリア抑留者の遺骨収集は、二十一世紀初頭でようやく一区切りつくことになった。

 第二次世界大戦後、ソ連が国際法に違反して日本人将兵を抑留し、劣悪な環境下で強制労働に従事させたいわゆる「シベリア抑留者」は約六十万人にのぼり、約六万人が再び日本の土を踏むことなく現地で死亡した。

 平成三年、ソ連のゴルバチョフ大統領(当時)が来日した際、初めて日本側に約四万人分の抑留死亡者の名簿と五百八十二カ所の埋葬地に関する資料を提供。厚生省はこれをもとに、四年から遺骨収集への取り組みを本格化させ、これまでの八年間に一万二千六百四十柱の収集を行ったが、まだ四千五百柱が収集可能と推計されている。

 こうしたことから今年九月、森喜朗首相が津島雄二厚相(当時)に「遺骨収集は戦後処理の重要問題だ」として早期収集を指示していた。

 シベリアでの遺骨収集は、厚生省が遺族や抑留経験者ら民間協力者とともに実施してきたが、これまでは旅費、宿泊費の三分の一は自己負担で、場所や日程次第で負担額は数十万円にのぼることから、参加できない人もいた。このため十三年度予算案では、補助額を九千百万円計上し、すべて国費負担とした。

 埋葬地調査も、十二年度は四調査団を派遣しただけだったが、十三年度は予算を四千七百万円拡大して六千万円を計上、一挙に十七調査団とする方針だ。

 遺族の要望が強い遺骨のDNA鑑定に関しては(1)鑑定の対象部位(歯など)はどこがよいか(2)遺伝病情報などの開示はどうするか(3)遺骨の尊厳をどう考えるか−など、技術的な問題と倫理的な問題を同時に検討する委員会を発足させる。構成メンバーは法医学者ら学識経験者十人程度とし、来年四−五月ごろから検討を開始する。

 厚生省援護局企画課外事室では「今後二年間でほぼ遺骨収集は終えるが、その後新たに収集可能なところが見つかった場合は、引き続き収集を続ける。とにかく早期の収集を行うことが大事だ」と話している。

≪新たな発見に期待≫

 シベリアに十一年間抑留された瀬島龍三・元伊藤忠商事特別顧問の話 「今回の措置で実際に埋葬場所を知っている抑留経験者が現地に行きやすくなり、今まで分からなかった埋葬地が見つかるかもしれない。遺骨収集は非常に気になっていた問題で、森首相にも対応をお願いしていた。今回の措置は本当にうれしいことだ」

「日本降伏の日」法案を否決 ロシア下院

2000.12.23(22:51)asahi.com
 「9月2日を軍国主義日本の降伏の日に」「9月3日を対日戦勝記念日に」――ロシア下院で22日、こんな法案が審議されたが否決された。「下手に隣国を刺激するな」との心理が働いたようだ。

 「降伏の日」を提案したのは共産党議員。「対日戦勝日」の提案は、知事が北方領土返還反対論者で知られるサハリン州の議会から。重光葵外相がミズーリ号の艦上で降伏文書に調印した9月2日にちなみ、ソ連時代の大国意識に浸れる日を増やそうとした形だ。北方領土占領を正当化したいとの魂胆ものぞく。

 しかし、下院国防委員のソルダトキン議員は「対日勝利で、ソ連軍が決定的な功績を果たしたと言い切るのには議論の余地あり」として否決するよう勧告。知日派で知られる穏健改革派ヤブロコのザドルノフ議員も「日本の降伏は8月15日。(9月の記念日は)ソ連兵士への尊敬の印にはならない。デリケートな問題である日ロ関係を複雑にするだけだ」と急所を突いた。

 審議では激しい論争が展開されたが、結局は否決。法案から「日本」をはずし、9月2日を「ソ連軍勝利の日」とする案として出し直すことになった。

日ロ漁業委が200カイリ水域での操業条件などで合意

2000.12.15(23:35)asahi.com
 日本とロシア間の漁業問題を話し合うため、東京で開かれていた日ロ漁業委員会が15日、基本合意に達し、2001年の両国200カイリ水域での操業条件などが決まった。

 日本とロシアが、互いの200カイリ水域に入ってとる魚の量を、今年より約2万トン減らして年間5万1657トンとする。また、日本がロシアに入漁料を払う「有償入漁」は、マダラの減少などを考慮し、今年より1300トン減らして8000トンとすることで合意した。入漁料は3億円。北海道を中心に日本船約750隻が対象になる。

日本の柔道少女ら、プーチン大統領と再会

2000.12.10(01:46)asahi.com
 ロシア中部マグニトゴルスクでのロシア大統領杯国際柔道大会に招待された沖縄県の志喜屋周君(中学3年)と東京都の五味奈津実さん(小学4年)が9日、プーチン大統領と再会した。2人は大統領の訪日の際に対戦相手になり、一本背負いで投げ飛ばした「きゅう敵」。大統領は自らの故郷サンクトペテルブルクやモスクワ観光を含め破格の待遇で2人とその両親らを招いていた。

 大統領が「ロシアの印象は?」と尋ねると、志喜屋君は「サンクトでの柔道クラブとの試合が印象に残った」。五味さんは「聖イサク寺院に感動しました」。

 志喜屋君は大統領に沖縄のふろしきを、五味さんは大統領の娘さんにと折り紙や和紙の便せんをプレゼント。大統領は「これが最後のロシア訪問でないことを期待します」と述べた。

燃料切れで国後島の発電所止まる

2000.12.09(20:47)asahi.com
 北方領土の国後島(くなしりとう)のユジノクリリスクで9日午後、ディーゼル燃料の欠乏で、町の発電所の発電機のうち1機を残して運転が停止した。インタファクス通信によると、残った1機の発電機は町の中心部向けのボイラーに電力供給を続けているが、それも9日中には止まる見込み。ゼマ行政長官によると、軍や国境警備隊から燃料を借りようとしているが、実現していない。電力が止まれば町の暖房施設のパイプ網が凍結して破損する恐れがある。町の人口は約5000人。

訪ロ繰り返しマフィアと接触 盗難四駆車密輸事件

2000.11.18(14:55)asahi.com
 暴力団関係者らが四輪駆動車など約260台を盗み、北海道小樽港などからロシアに密輸していたとされる事件で、密輸の取りまとめ役とみられる2人の容疑者が、取引相手のロシア・マフィアと接触するために、頻繁にロシア沿海州やサハリン(樺太)に渡航していたことが、18日までの愛知県警の調べで分かった。2人は、サハリンにいるロシア・マフィアの地方ボスらとも会い、築いた人脈を利用して盗難四駆車の密輸を図っていたとみられる。同県警は2人をさらに調べるとともに、買い付け側のマフィアのメンバーとみられるロシア人2人の行方を捜している。

 取りまとめ役とされるのは、北海道小樽市の海産物輸入会社社長竹村信夫(55)とパキスタン人のカーン・マリク・ヤール・モハメッド(34)の両容疑者=いずれも盗品等有償譲り受け容疑で逮捕。

 県警捜査三課のこれまでの調べでは、サハリンのロシア・マフィアの地方ボスとされる人物が、竹村容疑者らに電話で必要な車の台数などを伝えていたとされる。密輸の際の竹村容疑者との交渉や買い付けには、このボスの指示を受けて、ロシア沿海州を拠点としているロシア・マフィアのメンバー「セルゲイ」と呼ばれる男(31)らが、小樽港まで来ていた。

 竹村容疑者らは、カニなどの取引に見せかけて頻繁にサハリンや沿海州に渡っていたという。地方ボスと会って、具体的な取引について密談していたとみられる。

 また、竹村容疑者らは盗難車密輸の「窓口」として、国内の窃盗組織を取りまとめる役割を果たしていたとされる。地方ボスやセルゲイ容疑者らから四駆車の「注文」を受けると、名古屋周辺の窃盗グループに連絡。注文通りの四駆車を盗ませていた。

 盗んだ車は、運搬役のメンバーがフェリーなどで北海道に運び、小樽市内の駐車場に集めていた。その後、内装や外装を改造するなどして外見を変え、一目では盗難車と判別できないようにしたうえで、中古車などに偽装して密輸していたらしい。

河野外相、原潜解体に7億円支援伝える 日ロ貿易委で

2000.11.03(07:49)asahi.com(時事)
 河野洋平外相は2日午後(日本時間同日夜)、モスクワ市内で開催された日ロ貿易経済政府間委員会で、ロシア極東ウラジオストク港内に放置された廃棄原潜の解体を促進するため、約700万ドル(約7億6000万円)を支援する方針を伝えた。原潜解体支援計画の第1弾で、原潜を処分地まで輸送する鉄道の改修に充てられる。

 日本政府は、環境汚染の恐れのある廃棄原潜の解体を促すため、財政難のロシア政府を援助することで既に合意しているが、今回の支援によって、計画全体が具体的に動きだすことになる。 

北方4島「ビザなし渡航」、初めて航空機で

2000.10.29(22:48)asahi.com
 政府の人道支援訪問団(団長・鈴木宗男・自民党総務局長、団員29人)を乗せたチャーター機が29日、北海道根室支庁中標津町の中標津空港と北方4島の国後島の間を初めて往復した。日ロ両政府が主権を主張する北方4島への訪問は「ビザ(査証)なし」という特別な政府間取り決めで1992年に始まったが、船での渡航しか実現していなかった。

 鈴木団長は「これで交流の幅がさらに広がった。船では困難だった冬場のビザなし渡航や急病人の搬送など新たな活用も考えられる」と語った。

 チャーター機はサハリン航空のアントノフ24型機(36人乗り)。国後島まで直線距離で約50キロと北方4島に最も近い中標津空港から離陸した。しかし直接乗り入れする航路がないため、北に旋回する従来の国際航空路線やロシア国内の定期路線を併用。約500キロのルートを約90分かけて同島のメンデレーエフ空港に到着した。外務省ロシア支援室によるとチャーター料は約500万円という。

進出日本企業の紛争解決を目的に評議会設置へ 日ロ会談

2000.10.18(18:44)asahi.com
 森喜朗首相は18日、来日中のロシアのチェルノムイルジン元首相と、首相官邸で約30分間会談した。

 チェルノムイルジン元首相が「経済的関係を支える民間のロ日経済協力評議会の構想を持っている」と述べたのに対し、森首相は「民間企業、経済界と十分に話し合ってほしい」と答えた。

 日本外務省によると、評議会はロシアに進出した日本企業の紛争解決を目的としたもので、プーチン大統領も賛意を示しているという。

 また、森首相は、11月には河野洋平外相の訪ロや、アジア太平洋経済協力会議(APEC)の際の日ロ首脳会談が予定されていることに触れ、「あらゆるレベルで、あらゆる機会に種々の問題を話し合いたい」と述べ、平和条約交渉の進展に意欲を示した。

 これに先立ち、河野外相もチェルノムイルジン元首相と会談し、「日ロ合弁企業の悪いイメージを払しょくすることが対ロ投資の拡大につながる」と投資環境の整備を求めた。元首相は「多くのロシア企業は国際標準に従った仕事ができていない」と語った。

シベリア抑留問題 日露団体間で合意/労賃全額、遺族に50倍支払い/両国首脳に要望書提出へ

2000.09.26【モスクワ26日=斎藤勉】The Sankei Shimbun
 財団法人「全国強制抑留者協会」(青木泰三理事長)と「露日相互理解協会」(A・キリチェンコ会長)は二十五日、モスクワで日本兵のシベリア抑留問題に関するシンポジウムを開き、終戦の一九四五年八月十五日以降、スターリンによりシベリアに強制連行された日本人の労働賃金を全額支払い、遺族にはその五十倍を支払う−など九項目を要望した文書に基本合意した。両団体は近くこの要望書をロシアのプーチン大統領と森喜朗首鰍ノ提出し、実現を訴える。

 九項目のうち日本人抑留者の強制労働に関しては、露政府は抑留者のソ連の戦後の経済復興への貢献度に関するデータを公表し、元抑留者に労働賃金の全額を支払い、遺族にはその五十倍の額を支払う▽抑留者の強制労働によって大部分が完成したバイカル・アムール鉄道を「日本幹線」と改称する−などを要望。

 そのほか、抑留者は「捕虜」ではなく「抑留者」だったとロシアの公文書で訂正し、戦後に強制連行されたことを明確にする▽抑留者六十万人、うち死者六万人という一般的な数字に明確な根拠はなく、日露両政府は真実究明のため早急に調査を行う▽抑留者に関するソ連での裁判の実態を明確にし、全容を公表する−などが含まれている。

 また、抑留者と遺族が九八年当時のエリツィン前大統領あてに謝罪と補償を求める書簡を約六千通も出しているのに対し露政府から回答がないことに強い不満を表明。両国から委員を選出して「調査委員会」を設置すべきだと促している。

 シンポジウムで、全抑協の青木理事長らは「ソ連軍はわれわれを日本へ帰すと約束したのに、連れていかれたのはシベリアの奥地だった。抑留者はソ連の経済に貢献しており、その補償を求めたい」などと話した。

極東での協力で合意 海保庁長官とロシア国境警備局長官

2000.09.16(20:48)asahi.com
 ロシアを訪問中の荒井正吾海上保安庁長官は16日、ロシアのトツキー国境警備局長官と会談し、多国籍化する国際犯罪組織に対して日ロ双方が協力態勢を組むことで合意した。麻薬・銃器の取り締まり、密航の防止、不審船対策、海洋生物資源保護の分野での情報交換システムの確立や、専門家の相互派遣、相互訓練などを進めていくことを確認した。

 

艦体引き揚げ作業に日本も参加の可能性 ロシア原潜事故

2000.09.12(21:36)asahi.com
 ロシアの原潜クルスク沈没事故で、政府の事故原因調査委員会を率いるクレバノフ副首相は12日、死亡した乗組員118人の遺体収容作業は10月に開始し、艦体そのものの引き揚げは来年になると語った。また、アダモフ原子力相は同日、今月初めのプーチン大統領の訪日に同行した際、艦体引き揚げの方法について日本側から一連の資料を受け取ったと語り、引き揚げ作業に日本が参加する可能性があることを明らかにした。

 遺体収容作業はノルウェーと合同で行うが、艦内に入るのはロシア人ダイバーに限られる。ロシア側ダイバーはクルスクと同型の潜水艦を使い、目隠しをしながら訓練を実施している。今後はノルウェーに移って合同訓練を行う予定。

プーチン大統領が講道館へ 少女に背負い投げ決められる

2000.09.05(22:10)asahi.com
 柔道家で知られるロシアのプーチン大統領が5日夕、東京の講道館を訪ねた。黒帯姿で「畳の上に立つと、お客さんではなく、マイホームで家族の1人という気持ちになる」とあいさつ。声援が飛ぶ中、五段の対戦相手にともえ投げなど次々と技を決めた。

 さらに、花束を手渡した小学4年の少女を道場の中央に誘い、けいこの相手。背負い投げを決められたプーチン大統領が額にキスすると、周囲は大いに盛り上がった。

 平和条約交渉ではしたたかな交渉術をみせた大統領。投げ飛ばされてみせたのは柔道だけ、だったようだ。

プーチン大統領と経団連などが懇談

2000.09.05(22:19)asahi.com
 来日中のロシアのプーチン大統領は5日、経団連や日本商工会議所などと懇談し、日本とロシアの経済関係について、意見を交換した。日ロの経済関係は、最近のロシアの国内情勢の混乱から停滞している。このため、日本側からは法整備や新規融資のための条件などで注文が相次ぎ、プーチン大統領は「法整備などは国際的な整合性を保てるよう改革を進める」と今後の努力を強調した。

 懇談には経団連の今井敬会長や日本商工会議所の稲葉興作会頭など日本側から約130人が出席した。冒頭、今井会長は「現状は期待されたほどの経済交流が進展しておらず残念だ。しかし、プーチン政権の誕生によりロシアの政治が安定して経済活動が活発化しつつあり、日ロ経済交流が回復することを強く望んでいる」と語り、関係改善への動きに期待を表明した。

 個別問題では、大手商社からはサハリンの石油・天然ガス開発プロジェクトに関して国際協力銀行(JABIC)の新規融資枠が設定されているにもかかわらず、ロシア政府の政府保証が付かないため、融資が実行されないでいる現状に不満が出た。また、日本企業とロシア企業の合弁プロジェクトで契約違反などが起こり、係争中のものもあり、新規のプロジェクトは立ち上がらない、などの厳しい意見が相次いだ。

 あいさつでも「ロシアに対してステレオタイプ(定型的)な考えを捨てて欲しい」と語ったプーチン大統領は、日本側からの注文に対し、「外国資本が安全で快適に事業ができるようにしたい。係争中の問題についても憎しみに発展しないように法律で解決しなければならない」と答え、前向きな対応を約束した。

 また、日本側がロシア国内の金融システムの改革が経済の再生には不可欠と指摘。銀行界から専門家をロシアに派遣したり、ロシアの銀行員を日本に招き、研修できるようにするなどの提案があり、プーチン大統領も日本側の協力を歓迎する意向を示した。

財界が18年ぶりにロシアへ大型使節団派遣へ

2000.09.05(20:29)asahi.com
 経団連など財界団体が来年中にロシアに経済使節団を派遣する見通しとなった。来日中のプーチン大統領が使節団派遣を財界に要請し、受け入れた。実現すれば、1983年に日本商工会議所の永野重雄会頭(当時)を団長とした使節団以来18年ぶりの大型使節団となる。

 使節団の派遣は、日本のロシア向け投資がロシアへの投資国の中で14位(直接投資)と少ないことから、プーチン大統領が要請した。今後、経団連の今井敬会長を幹事役として、日本商工会議所などの他の財界団体とも協議して、時期や規模を決める。

 旧ソ連やロシアへの使節団は最近も小規模のものはあるが、財界団体が主催し、大企業のトップが参加する大型使節団は、90年以降のロシア国内の経済混乱もあって、実現しなかった。経団連会長が参加する使節団は、76年夏、旧ソ連時代に当時の土光敏夫会長を団長とした「土光ミッション」以来のもの。

経済協力の新プログラムに合意 日ロ両政府

2000.09.02(00:53)asahi.com
 日本とロシアの貿易経済分野について協議する「貿易経済に関する日ロ政府間委員会」が1日、東京都内で開かれ、共同議長の河野洋平外相とロシアのフリステンコ副首相が出席した。5日にプーチン大統領と森喜朗首相が署名する「日ロ貿易経済協力プログラム」など経済分野の7つの文書を交わすことで合意したほか、今後、ロシアの極東開発での具体的な協力を検討することで一致した。

 河野外相は極東開発について日ロ両国が協力すれば大きく発展する可能性があるとの見方を示したうえで、積極的に協力していく姿勢を示した。フリステンコ副首相は「極東開発はプーチン大統領が非常に力を入れており、最も重要な課題の一つだ」として、エネルギーや燃料分野での協力を重視する考えを強調した。具体的な協力分野は政府間委員会の極東分科会で検討していくことで一致した。

 ロシア側は次回の政府間委員会を「なるべく年内に開き、シベリア鉄道の近代化や使用済み核燃料の処理などについて話したい」との意向を伝え、河野外相は「そう遠くない時期に開きたい」と答えた。

日ロ間に「エネルギーの橋」を プーチン大統領

2000.09.01(23:38)asahi.com
 1日のイタル・タス通信によると、ロシアのプーチン大統領は3日からの日本公式訪問を前に一部報道機関への書面インタビューに対し、日ロ両国の経済関係について、「ロシアの経済構造改革や投資環境の整備などが両国の経済協力をさらに活発化させることになる」と述べ、今後の経済協力の進展に強い期待を示した。最も展望のある協力分野として、アジア太平洋地域での石油・天然ガス、電力のエネルギー供給を挙げ、ロシアから日本へのガスパイプラインの敷設など「エネルギーの橋」づくりに意欲を見せた。

 一方、森喜朗首相は同通信との書面インタビューの中で、北方領土問題で年内の締結が困難な状況になっている平和条約締結問題を「もはや両国の対立の象徴にしてはいけない」とし、「双方が勝者と感じられる形で問題を解決するべきだ」と述べた。戦略的な相互協力の強化、経済協力の拡大、平和条約締結という3つの課題を同時に推し進めるべきだとの考えを示した。

モスクワ観光中の日本人重体 事件に巻きこまれた可能性

2000.09.01(21:51)asahi.com
 在モスクワの日本大使館などによると、モスクワを観光旅行中だった東京都北区の会社員森英樹さん(32)が同市内で重傷を負い、病院に収容された。意識不明の重体という。ロシア人観光ガイドが先月30日、「所在がわからなくなった」と同大使館に報告。警察当局とともに行方を捜した結果、29日朝に救急車で病院に運ばれていたことが判明した。パスポートや財布はなく、警察当局は犯罪に巻き込まれた可能性があるとみて捜査している。

シベリアで旧日本兵抑留者の遺体110体見つかる

2000.08.31(22:47)asahi.com
 インタファクス通信によると、ロシア・東シベリア地域のハカシア共和国で、第2次大戦後に捕虜として抑留された旧日本兵110人の遺体が発見された。すでに51人の遺体はだびに付された。発掘作業には日本の厚生省職員や遺族らが参加、7日まで続けられる。遺骨は10日に日本へ送り出される予定という。

 同共和国の収容所には約9000人の旧関東軍の兵士や将校らが収容され、このうち707人が死亡し埋葬された。遺体発掘作業は1996年から始められ、これまでに227人の遺骨が運び出されている。

プーチン大統領、訪日前にサハリンを訪問

2000.08.31(21:19)asahi.com
 ロシア外務省筋などによると、プーチン大統領は3日の日本訪問の前に、サハリン・ユジノサハリンスク市に立ち寄る。わずか数時間の滞在だが、大統領を迎える空港や記念碑などでは歓迎の準備作業が急ピッチで進められている。

 大統領は3日、特別機で同市郊外の空港に到着、数時間後には日本に向けて出発する。大統領訪問に伴う先遣隊80人ほどがすでに同市に入り、関係機関との連絡調整作業に追われている。滞在中には、外国資本がロシアで産出した資源をどう分配するかなどを話し合う生産物分与に関する大会にも出席するという。サハリン沖石油・天然ガス開発プロジェクトもテーマになっている。

 サハリン州のファルフトジノフ知事も大統領に同行して日本を訪問する。10月の州知事選挙を控え、大統領との密接な関係を誇示することで、選挙戦を有利に運ぼうとの狙いがあるとみられている。

退役原潜解体などで協力を強化 日ロ首脳会議で署名へ

2000.08.29(15:20)asahi.com
 9月上旬の日ロ首脳会談で、森喜朗首相とプーチン大統領が署名する「日ロ貿易経済分野の協力プログラム」の全容が、29日明らかになった。この文書で「原子力の平和利用と非核化支援」として、ロシア極東の太平洋艦隊の退役原子力潜水艦の解体で、日本政府が協力していくことを明記。ロシアが多数の退役原潜を抱え、原潜事故も後を絶たないことから「軍縮・不拡散、非核化支援における協力促進に関する覚書」を新たに結び、日本も積極的な支援の姿勢を示す。「科学技術協力に関する協定」も取り交わす。

 ロシア海軍の原潜の修理や解体に伴う廃棄物の処理をめぐっては、ロシアが旧ソ連時代から原潜の原子炉や廃棄物を日本近海に大量に投棄していたことから、外交問題に発展。日本政府は1993年、ロシア、ウクライナなど旧ソ連4カ国に、核兵器廃棄を支援する資金提供を決め、原潜解体などに資金協力を続けてきたが、これを拡大する。

 今回の文書は退役原潜を協力の対象としているが、原潜クルスクの沈没事故を受けて、首脳会談でクルスク処理についての日ロ間の協力が話し合われる見通しだ。

 文書はこのほか、ロシア国内の余剰兵器のプルトニウム処分、高速増殖炉や核燃料サイクルなどの分野での日本政府の協力を明記する。極東地域の液体放射性廃棄物処理施設の建設プロジェクトの早期完成に向けても最大限努力することを確認する。

 9月の日ロ首脳会談では、焦点の北方領土問題での進展が望めないため、日ロ両政府はこうした非核化や科学技術の分野での覚書や協定をまとめることで、会談の成果を強調したい考えだ。

プーチン大統領、9月の来日時に講道館訪問へ

2000.08.24(16:24)asahi.com
 柔道家で知られるロシアのプーチン大統領が、9月3日からの来日時に東京都の講道館を訪ねることが検討されている。原潜事故の影響で変更される可能性もあるが、7月の九州・沖縄サミットで少年選手にけいこをつけて話題になったのに続き、今回も「特技」でアピールしようと狙っているようで、ロシア側から希望してきたという。

 沖縄では柔道大会に飛び入りし、少年選手に投げられてみせるサービスぶり。ロシア国内では威信にかかわるとみてか、この場面は報道されなかったという。中国や朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を回り、対米でスクラムを組んで沖縄入りした外交戦略に加え、気さくな一面で「サミットで株を上げた唯一の首脳」(外務省幹部)に。

 ただ、今回の来日で焦点となる平和条約交渉では、早々と「年内締結は無理」とこわもてぶりを発揮している。投げ飛ばされてみせるのは柔道だけ、ということにもなりそうだ。

ロシア大統領の訪日、訪米は予定通り

2000.08.24(01:11)asahi.com
 ロシアのイワノフ外相は23日、プーチン大統領とクレムリンで会談後、9月初めに予定されている大統領の日本、米国歴訪について「予定通り実施される」と述べた。原子力潜水艦クルスク沈没事故への対応のまずさにロシア政府が国内から強い批判を受ける中で、大統領の外交日程にも影響が出るかどうかが注目されていた。

 同外相によると、大統領は3―5日の日本訪問後、国連ミレニアム総会が開かれるニューヨークに直行する。総会では6日に演説するほか、安保理首脳会議や常任理事国首脳会議に出席、さらにクリントン米大統領らとも2国間の首脳会談をする予定という。

北方領土の周辺海域で栽培漁業、日ロ初の共同経済活動

2000.08.06(14:05)asahi.com
 日本、ロシア両政府は4日までに、北方領土の周辺海域で共同で栽培漁業をすることを決めた。両国の関係改善のため検討してきた「共同経済活動」が初めて具体化する。9月の日ロ首脳会談でまとめる予定の経済協力全般に関する新たな行動計画の柱の1つとなるる。共同経済活動にはロシア側が積極的で、日本としても領土交渉の越年が確定的となるなか、少しでも柔軟な姿勢を引き出すため応じることにした。

 栽培漁業は、根室漁協の関係者らが養殖したウニなどを国後島の周辺海域に放ち、成長させる。水揚げの利益は両国で分ける見通しだ。

 ロシア側は水産加工施設の建設などをもちかけたが、日本側は、陸上での経済活動は日ロのどちらの法律を適用するかなど、北方領土の帰属とからむ問題が起きるため、現状では困難だとしてきた。1998年から北方領土周辺海域で始まった日本漁船の「安全操業」の合意で、「双方の法的立場を害さない」という条件をつけたのにならい、漁業活動なら支障が少ないと判断した。

プーチン大統領が森首相に南北鉄道「京義線」協力要請

2000.08.03(20:58)asahi.com
 ロシアのプーチン大統領が7月の森喜朗首相との会談で、韓国と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が軍事境界線をまたいで連結することで合意した鉄道「京義線」の整備について、日本の協力を求めていたことが3日、明らかになった。大統領は「この鉄道の先は中国やロシアにも延びる」として、多国間の枠組みで協力を進めたい意向を示した。首相は「将来的にはアジアと欧州をつなぐ意味のあるプロジェクトだ」と応じたものの、協力するかどうかには触れなかった。

 プーチン大統領は朝鮮半島情勢にふれた中で、「我々には北朝鮮と経済的プロジェクトをいくつか進める考えがある」としたうえで、京義線復旧の推進を例としてあげた。「ロシアや日本は半島情勢に直接関係している。いっしょに取り組まなければならない」と日本側の協力を求めた。

根室沖に「音響アンテナ」漂流 ロシア船がえい航開始/h3>2000.08.06(00:57)asahi.com

 北海道根室市の落石岬沖を漂流している金属製の大型浮遊物を回収するため、ロシア海軍のサルベージ船「マシュック」(4,040トン)が6日、現場海域に到着した。浮遊物について同船は、第1管区海上保安本部(小樽)に「音響アンテナ」と説明。潜水艦の動きなどを探るための軍事用ソナー(水中音波探知機)の一部とみられる。同日午後6時半、北東に約2ノットの速度でえい航を始め、カムチャツカ方面に向かうと連絡があったという。

 3日夜にウラジオストク港を出航した同船は6日午後零時40分ごろ、漂流物が浮かぶ落石岬沖の南南西約130キロの現場に到着。搭載艇を下ろし、物体を検査した後、えい航を開始した。

根室市沖の巨大漂流物はロシア海軍太平洋艦隊の所有物

2000.08.03(22:00)asahi.com
 北海道根室市沖で先月26日夜見つかった鉄製の巨大な漂流物は、ロシア海軍太平洋艦隊の所有物であることが3日、分かった。ロシア側が日本総領事館(ウラジオストク)を通じて、外務省に回収の意向を伝えてきた。ロシア側は漂流物が何であるかは明らかにしていないが、危険物ではないという。

 第1管区海上保安本部(小樽)によると、巨大漂流物は根室市落石岬の南東約83キロの公海上で見つかった。長さ約100メートル、幅約5メートル。海上には複数の突起物を持つ上面が1メートルほど出ているが、海中部分は深さ約15メートルにわたって鉄パイプが網目状に組まれている。側面にロシア文字が書かれていた。

 同本部は漂流物が北海道岸に近づいたため、巡視船で沖合約120キロにえい航した。

イカ密漁の疑い ロシアにだ捕された日本漁船

2000.07.30(19:48)asahi.com
 イタル・タス通信などによると、石川県のイカ釣り漁船「宮島丸」が27日、ロシアの経済水域で密漁していたとしてロシア国境警備局にだ捕され、沿海地方のナホトカ港に連行された。31日から本格的な取り調べを受ける見通しだ。

 国境警備局によると、宮島丸は当初、停船命令に従わなかったため威嚇発砲を受けた。イカやウニなど33トン以上が発見され、船長は密漁の事実を認めたという。取り調べは約1週間の見込みで、裁判にかけられれば漁船没収の可能性もある。宮島丸は他の韓国の漁船3隻とともにだ捕された。

プーチン大統領公式訪日、9月3日で合意 日ロ首脳会談

2000.07.24(00:29)asahi.com
 森喜朗首相は23日午後、沖縄県名護市のホテルでロシアのプーチン大統領と約50分間、会談した。大統領の公式訪日を9月3日から3日間とし、平和条約交渉を主な議題とすることで合意した。平和条約交渉について首相は、「日ロ双方の名誉と尊厳を守る解決策を見いだすよう、ともに努力したい」と進展への期待を示した。大統領は「難しい問題も避けて通らずに対処し、慎重に着実に前に進む必要がある」と答え、交渉は急がないとの姿勢を示した。

 また、首相は大統領が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金正日総書記と会談したことを受けて、朝鮮半島問題を協議する場として、南北に日米中ロ4カ国が加わった「六者協議」を呼びかけた場合、北朝鮮が応じる可能性はあるか、見解をただした。大統領は「北朝鮮は現時点では、南北関係の進展を最も重視している。しかし、今後は日ロと北朝鮮との関係も重要になっていく」と述べ、金総書記は当面、南北2国間協議を優先する意向だ、との感触を伝えた。

 大統領は日ロ関係の発展には「極東開発に関する協力が大事だ」と指摘し、日本企業の投資意欲を引き出すため、環境整備を進める考えを示した。

プーチン大統領の公式訪日は、9月初旬に 日ロ外相会談

2000.07.12(15:05)asahi.com
 河野洋平外相は12日午前、ロシアのイワノフ外相と宮崎市内のホテルで約1時間会談した。平和条約交渉が最大の焦点となるプーチン大統領の公式訪日については「9月初旬で(6日から始まる)国連ミレニアム・サミットまでの間」とすることで合意した。九州・沖縄サミット(主要国首脳会議)の際の日ロ首脳会談で確定する。イワノフ外相は平和条約問題に関連して「これまでに達成された肯定的な要素を維持しながら、前に進めたい」と述べる一方で、「現実的対応が重要だ」とも指摘し、年内締結は難しいとのロシア側の姿勢を示唆した。

 河野外相は、ロシアが打ち出した外交政策に関する基本文書で「国境関係の確定を模索していく」としている点を評価したうえで、「国境確定は(日ロ双方が利益を得る)プラスサムゲームだ」と指摘し、平和条約の年内締結に向けてロシア側の前向きな対応を促した。

 これに対し、イワノフ外相は「解決すべき問題があることは理解しており、目を閉ざすつもりはない」と応じたうえで、「善隣的関係の中で解決したい」と述べ、国境確定より善隣友好関係の確立を盛り込む条約締結を優先したい考えを強調した。

 プーチン大統領の公式訪日をめぐっては、4月の日ロ首脳会談でいったん8月末とすることで合意していたが、その後、ロシア側が9月初旬とするよう打診し、調整が続いていた。

「北方領土海域での安全操業は密漁の宝庫」 批判高まる

2000.06.25(00:23)asahi.com
 ロシアのイタル・タス通信は24日、環境保護団体グリーンピースの情報として、北方領土周辺海域で日本漁船が行っている「安全操業」によって、漁の枠外のサケなどの「密漁」が横行している、と伝えた。独立テレビも23日夜、グリーンピース監視船の調査同乗ルポで「日本漁船の操業による被害は巨額だ」と報じ、日ロ政府が主権の問題に譲歩して始まった「安全操業」への批判キャンペーンがロシア国内で始まった形だ。

 同通信によると、24日にサハリン州のコルサコフ港で記者会見したグリーンピースのロシア支部代表は、「南クリル諸島(北方領土)で会ったロシア漁船員は、日本漁船が目前で盛んにサケを取っていると証言した」「日本漁船の流し網は時に8キロにものび、鳥類からイルカ類まで捕獲し、産卵のためのサケのそ上も妨害して自然環境に大きな被害を与えている」などと語ったという。

 また独立テレビのルポは、「日本漁船にはロシアの監視員が同乗しているが、日本側からわいろをもらって密漁を見逃している」と強調した。

 イタル・タス通信によると、サハリン州当局は、3年間の日本漁船の「安全操業」で日本側はロシアに7億2000万円を支払うべきだとしているという。「密漁」や環境破壊への被害補償をさすと見られる。同州当局は領土の問題で強硬なうえ、「安全操業」での日本側の協力金がロシア中央に渡されていることに不満が根強い。批判報道の背景には、こうした資金の流れを地元有利に変えたい同州の思惑もありそうだ。

 北方領土周辺の日本漁船の「安全操業」は、1998年10月から始まった。今年の操業では、スケトウダラやホッケなどの見返りに協力金2000万円と1500万円相当の機材の供与をロシア側に行うことで合意している。

政府がロシアに抗議

2000年5月19日 17時36分共同
 政府は19日、ビザなし交流で北方四島の色丹島を訪問中の北海道根室市の男性(56)がロシア国境警備隊に一時拘束された後、退去命令を受けたことを重視し、外務省を通じて在日ロシア大使館に抗議した。

 日本固有の北方領土で、ロシア側が日本人に公権力を行使したことに強く反発したものだ。

一時拘束の男性が帰港

2000年5月19日 20時02分共同
 北方四島とのビザなし交流で、色丹島を訪問していた今年の第1陣(団長・藤原弘根室市長)が19日午後、北海道・根室港に帰港した。訪問中に1人で行動し、ロシア国境警備隊に一時拘束された根室市の自営業の男性団員(56)も含まれている。記者会見した藤原団長らによると、男性は17日午後1時ごろ、同島・斜古丹で商店視察中に、ロシア国境警備隊の敷地内に入ったとして連行された。

北方領土水域のコンブ採取料、7年連続据え置き

10:59a.m. JST May 13, 2000 共同
 北方領土の貝殻島水域での2000年のコンブ漁の条件を決めるモスクワでの日ロ民間交渉が12日、北海道水産会とロシア漁業国家委員会との間で合意に達した。交渉の重要課題だった日本側からロシア側に支払う採取料は昨年と同じ1億2400万円で決着した。今年で計7年の据え置きとなり、最近の生産減少によるコンブ漁業者の窮状が考慮されたとみられる。また、漁期(6月1日―9月30日)、漁船数(375隻)とも前年通りで合意した。

政府、北方領土の医師を初めて研修受け入れ

8:41p.m. JST May 08, 2000 ashi.com
 外務省は8日、北方領土の国後(くなしり)、色丹(しこたん)、択捉(えとろふ)各島のロシア人医師や看護婦ら15人を12日から29日まで招き、医療機器の使い方などの研修をすると発表した。北方領土の住民支援の一環で、医療分野で研修生を受け入れるのは初めて。北方領土では医療設備が古くなったり、医薬品が不足したりして十分な医療活動が難しい状態だ。このため、政府はこれまで超音波を使う診断装置などを支援している。一行は北海道で市立根室病院を視察。東京や京都の医療機器メーカーも訪れる。

青森ねぶた、9月にモスクワ・赤の広場で「ラッセラー」

9:18p.m. JST May 05, 2000 asahi.com
 「青森ねぶた」がこの秋、ロシアの首都モスクワに初めてお目見えすることになった。日ロ平和条約締結への動きを受け、毎年9月に開かれるモスクワ市民祭に日本の祭りを代表して招かれる。公募で選ばれる青森県民と現地モスクワの人々が一緒になって踊り手のハネトやねぶたの引き手となり、「ラッセラー」のかけ声とともに「赤の広場」まで練り歩く。青森ねぶたはこれまで、ロンドンや北京などに派遣され、国際交流に貢献してきたが、ロシアに派遣されるのは初めて。

 「2000年までに日ロ平和条約を結ぶよう全力を尽くす」とするクラスノヤルスク合意がなされたのをきっかけに、昨年4月、ロシア外務省が「文化交流の一環に、日本の祭りを紹介したい」と日本の外務省に持ちかけた。窓口になった同省の外郭団体・国際交流基金は、全国的に有名で、しかも現地の人も気軽に参加できる祭りとして青森ねぶたを選び、同年8月に駐ロシア日本大使から木村守男知事あてに正式に協力依頼の文書が届いた。

 計画によると、祭典がある9月2日の夕方に新アルバート通りをスタートし、赤の広場までの約4キロを歩く。ハネトや引き手は、公募する県民100人ほどと現地での参加者100人ほどで構成し、一緒に動き回る。ねぶたは翌3日には広場に飾られ、「ねぶたばやし」も披露される。

 モスクワ市民祭は、1987年に9月第1土曜日が「モスクワの日」と定められたのをきっかけに始まった。国内外の民族舞踊やオペラ、バレエなどが演じられ、約300万人が訪れるという。

ロシア国境警備艇が日本漁船を銃撃 けが人はいない模様

00:44a.m. JST April 22, 2000
 釧路海上保安部に入った連絡によると、21日午前10時ごろ、北海道根室市落石岬の南約100キロの太平洋上で、宮城県塩釜市の仁田(にった)漁業の遠洋底引き網漁船第7大徳丸(279トン、吉田春夫船長ら20人乗り組み)が、ロシア国境警備隊の警備艇から銃撃を受けた。道警外事課によると、大徳丸から釧路市の釧路漁協に「全員けがはない。船体に微量の浸水が始まっているが、沈没の恐れはない」との連絡があった。現場は日本の排他的経済水域(200カイリ)内で、水産庁によると同海域内での銃撃事件は過去に例がないという。

 第1管区海上保安本部(北海道小樽市)によると、同船はロシア側にだ捕されたとみられる。

宮城の漁船に銃撃、連行

2000年4月21日 17時56分
 第1管区海上保安本部(小樽)に入った連絡によると、21日午前10時ごろ、北海道・根室半島の落石岬沖、南約100キロの太平洋上で、宮城県塩釜市の仁田漁業の遠洋底引き網漁船第7大徳丸(279トン)=吉田春夫船長(48)ら20人乗り組み=がロシア国境警備隊の警備艇から銃撃を受けた。負傷者はいないという。1管の巡視艇がロ警備艇に伴われて北方領土の方向に航行している第7大徳丸を発見した。

日本漁船をロシアだ捕か タス通信報道

02:24a.m. JST April 08, 2000
 7日のイタル・タス通信によると、ロシア国境警備局は5日、オホーツク海北部で日本のトロール漁船2隻を違法操業の疑いでだ捕した。船名は「第21セイジュウマル」「第11ダイトクマル」としているが、乗組員の所属や氏名、人数などは伝えていない。

 同局北東管区報道部によると、2隻の船を検査したところ、タラやヒラメ類、カニなど250トンが見つかった。2隻は取り調べのため、カムチャツカ半島のペトロパブロフスク・カムチャツキーにえい航されるという。

 このうち「第21セイジュウマル」は、青森県八戸市の正寿水産が所有する第21正寿丸(中田憲治船長)とみられる。同社によると、同船は3月下旬に釧路港を出て、オホーツク海のロシア海域で、約20人の乗組員でスケソウダラ漁をしていたという。

 同船からは4日に「臨検を受けた」という連絡が会社に入っており、7日も午後8時ごろ会社から無線を入れたところ、中田船長が「だ捕はされていない。ロシアの監視船からの指示を待っている」と話していたという。

科学技術の新協定調印へ

2000年4月17日 17時02分
 在日ロシア大使館は17日、1973年に結ばれた日ソ科学技術協力協定に代わる、日ロ間の新たな協力協定を近く結ぶことを明らかにした。両国間で草案の作成作業を進めており、7月下旬の主要国首脳会議(沖縄サミット)直後か秋とみられるプーチン大統領来日時の調印を目指している。

ロシアマフィア、日本進出の兆候 本格的対策へ乗り出す

2:28p.m. JST January 24, 2000
 警察庁は今春から国際的な犯罪組織、ロシア・マフィア対策に本格的に乗り出すことを決めた。暴力団が全国から盗み回った高級乗用車や機関銃弾の密輸事件の摘発をはじめ、旧ソ連のルーブルの変造硬貨の自動販売機荒らし事件の多発などから、マフィアが国内に進出している可能性が高いと見られている。

 ロシア・マフィアは、国際的なシンジケートに成長しており、日本でも対策が急務として、同庁は、今年の早い時期に係官をロシア捜査当局に派遣して実態などを調査、9月からはマフィア対策に積極的に取り組んでいる米国やドイツに研究員を派遣する。

 警察庁によると、中古車の大量買いつけを目的に入港するロシア船には、マフィア関係者の偽装船員や観光客を装ったロシア人が数多く乗り込んでいる、などの情報が寄せられており、ロシア・マフィアが日本への本格的な進出を目指す兆候が見られると警告する。

 マフィアの存在が明確になったのは1996年、福岡や大阪など9府県警が九州や関西の暴力団員ら約60人を逮捕した「警察庁登録組織窃盗2号事件」だ。暴力団組員らが94年10月から約2年間に、19都府県で1000台(被害総額約32億8700万円)以上の高級車を盗み、自動車ブローカーを通じて、ロシアのブローカーに売却。富山、鳥取、福岡の3つの港からロシア船でウラジオストクに運んでいた。

 逮捕したロシアの船員ら7人の供述から、事件の背後にマフィアが介在していたことがわかった。

協議継続で日ロが一致

1999年12月24日 9時50分【モスクワ共同】
 北方四島周辺での日本とロシアの「共同経済活動」の具体的事業を協議するため、モスクワで開かれていた日ロ両国外務省の審議官級作業グループは23日、今後も協議を継続することで一致、2日間の日程を終えた。

 協議では、ウニや貝類の栽培漁業を共同で進めるための具体的方策が話し合われた。「意見交換で顕著な進展が見られた」が最終合意には至らなかった。

国後、色丹に軽油1000トン

1999年12月16日 20時02分 共同通信社
 政府は16日、北方四島住民への緊急人道支援の一環として、国後島と色丹島に民生用の軽油計1000トンを供与することを決めた。17日に現地に到着する予定。この軽油は7月に当時の鈴木宗男官房副長官が国後島を訪問した際に、供与することで合意した2000トンの1部。

北方領土海域での来年の安全操業、漁獲割当量は今年並み

0:32p.m. JST November 27, 1999
 来年の北方領土周辺海域での日本漁船の操業について、モスクワで行われていた日ロ両国の交渉が26日、終了した。魚種や漁獲割当量は今年とほぼ同じで、スケトウダラ1135トン、ホッケ747トンなど。漁業者がロシア側に支払う協力金は2000万円、北海道水産界が提供する機材供与は1500万円相当で合意し、今年と同額で決着した。また、来年も引き続き、2億4000万円相当の対ロ技術支援を実施することになった。

 タコの漁獲割当量については、漁期が始まる前の来年6月1日までに確定されることになったが、今年並みの130トン前後になる見込みという。交渉では、カレイやウニなど魚種の拡大を要求したが、認められなかった。

ロシア青年 300人来日

1999年11月21日 15時36分 共同通信社
 日本とロシアの人的な交流推進を目的とした「日ロ青年交流センター」発足して21日で半年を迎えた。今月末にはロシア軍の若手将校約50人のほか、外務、教育両省の若手官僚も招くことが決まっており、日本に招待したロシア人は近く300人を突破。肝心のエリツィン大統領訪日は全くめどが立たない中、日ロ関係進展の環境づくりとして始まった若い世代の交流は着実に進んでいる。

ロシア海軍と自衛隊、房総沖で2回目の共同訓練

6:30p.m. JST September 20, 1999
 ロシア海軍と自衛隊による日ロ共同訓練が20日、房総半島沖で行われた。日ロの共同訓練は昨年7月に次いで2回目となる。

 海自側からは護衛艦むらさめ、ロシア側からはミサイル駆逐艦アドミラル・パンテレーエフなどが参加した。船舶火災が起きたとの想定で、両国が共同して捜索救助。英語で無線連絡を取り合いながら、遭難船を挟み込むように接近し、艦載ヘリコプターを飛ばして遭難者を救助した。

択捉の発電工事が完了

1999年9月17日 17時10分 共同通信社
 外務省は17日、北方四島住民への緊急人道支援として択捉島で行っていたディーゼル発電機の設置工事が完了したと発表した。
既存のディーゼル発電所や送電設備が老朽化して同島の電力事情が不安定になっていたため、出力500キロワットの発電機2基を設置した。

北方四島「自由訪問」の第1陣が根室港出発

10:26a.m. JST September 11, 1999
 昨年11月、日ロ首脳が「人道的見地から」として合意した北方四島への「元島民の自由訪問」の第1陣が11日午前8時前、北海道の根室港から歯舞(はぼまい)諸島の志発(しぼつ)島に向けて出発した。一行は同島にかつて住んでいた29人と元島民の2世11人、通訳、医師ら同行者4人の計44人。1泊2日の日程で、一部は野営をしながら戦後54年ぶりに生家跡を訪れ、12日夕に戻ることになっている。

 出発式で、小泉敏夫団長(76)は「首脳合意から10カ月という短期間で実現した政府の努力に感謝したい」と語った。また、「生まれ故郷への再訪は、あきらめかけていた。きのうは興奮して眠れませんでした」と話す元島民もいた。

 同島にはロシアの民間人は住んでおらず、国境警備隊員が駐留するだけ。終戦時には347世帯、2249人の日本人が暮らしていたという。現存する元島民は、今年3月末で1267人。

ロシア艦が16日から来日

1999年9月7日 17時15分 共同通信社
 海上自衛隊は7日、ロシア海軍のミサイル駆逐艦「アドミラル・パンテレーエフ」が16日から海自横須賀基地を親善訪問する、と発表した。同艦は20日まで同基地に停泊した後、帰国途中に海自の護衛艦「むらさめ」と房総半島沖の太平洋上で民間船舶の遭難を想定した捜索・救難共同訓練を実施する。

ロシアが日本漁船3隻をだ捕 北方四島付近で

8:39p.m. JST August 27, 1999
 第1管区海上保安本部(小樽)に入った連絡によると、日本漁船3隻(いずれも19トン型)が北方四島周辺でロシア側の臨検を受け、27日、国後島・古釜布(ふるかまっぷ)に連行された。ロシア側から同本部に対し、日本漁船3隻をだ捕したとの通報があった。

 だ捕されたのは、釧路市漁協所属のサンマ棒受け網漁船・第62欣星丸(北島久雄船長、8人乗り)と、いずれも根室市のタラはえなわ漁船で、歯舞漁協の第58康洋丸(成田順一船長、9人乗り)と根室漁協の第11静栄丸(本田繁和船長、8人乗り)。日ロ地先沖合漁業協定に基づき四島周辺海域で操業が認められている。操業日誌への記載漏れや領海内操業の疑いなどが理由とみられる。

海上自衛隊、ロシア軍と2度目の共同訓練 9月に実施へ

9:00p.m. JST August 13, 1999
 自衛隊とロシア海軍による洋上での捜索救難訓練が9月に計画されていることが13日、分かった。16日にモスクワで行われる野呂田芳成防衛庁長官とセルゲーエフ国防相との防衛首脳会談で正式に合意する。日ロの共同訓練は昨年7月に次いで2回目で、今回は太平洋での実施を計画している。

 日本海で行われた昨年の訓練には、海自から護衛艦など3隻、ロシア側は2隻が参加。船舶火災が起きたという想定で、両国が共同して捜索救難するというものだった。今回も同様の内容となる見通しだ。

辛い?つらい!メンタイ 漁獲減で明太子原料費高騰

11:55p.m. JST May 17, 1999
 からしメンタイコの業界がピンチだ。原料のスケトウダラの卵(スケコ)は大半が輸入物だが、主力のロシアの船団が、金融破たんを引き金に、漁期の短縮を余儀なくされた。おかげでスケコの漁獲高が減り、品物によっては倍近くまで高騰し、値上げを検討せざるを得なくなっている。だが、「いまでも高い」との声もあり、中元商戦のかき入れ時を前に、業界は頭を痛めている。

 業界大手「やまや」(福岡市東区)によると、ロシア産のスケコは1000円前後だったキロ当たりの平均価格が、500―700円値上がりしているという。

 昔は北海道近海ものでまかなっていたが、消費量の拡大でいまや国内産は1割にも満たない。なかでもロシア産は7万トン前後の輸入のうち半分以上を占める。「量販店向けメンタイコの値上げは必至。贈答用の3000円前後の品も、状況次第では値上げを検討する」と、同社幹部は話す。

 ロシア船団は例年、日本の輸入商社からの前渡し金で燃料代や船員を確保して出漁していた。輸入業者「ニチロ」(本社・東京)によると、昨夏にロシアを襲った金融危機の余波で、資金回収を危ぶんだ商社が前渡し金を出し渋ったらしい。船団の出漁は大体11月下旬からだが、今季は1月までずれ込んだ。このため昨季4万2000トンあった漁獲高は、2万3000トン程度にまで落ち込む見通しという。

 こんな状況に、今季産のトップを切って2月に始まった米・アラスカ産の入札の時点から、相場はあっという間に上がった。さらに、輸入商社が前年から抱えている5万トン前後の繰り越し在庫が「古くて使えない」といううわさまで流れ、各業者の買い付け担当者は、スケコを求めて中国、韓国などを飛び回る毎日だという。

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