TOPIC No.2-35-2 桶川・女子大生殺人事件

01.桶川ストーカー殺人事件 byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

あの悲劇、風化させないために…埼玉・桶川事件、ドラマ化

2002年10月25日(毎日新聞東京夕刊から)
 ◇実際の映像や肉声で緊迫感−−28日午後9時

 3年前、埼玉県桶川市で起きた女子大生殺害事件を題材にしたドラマ「スーパーテレビ特別版 実録ドラマ 遺言〜桶川ストーカー殺人事件の深層」が28日夜9時、日本テレビで放送される。【窪田淳】

 1999年10月、JR桶川駅前で、女子大生、猪野詩織さんが刺殺された。詩織さんをしつこく追い回す元交際相手の実態が明らかになり、翌年、ストーカー規制法が成立するきっかけともなった事件である。原作は、元「FOCUS」記者、清水潔氏の同タイトルの著書(新潮社)。

 事件の一報を受けた写真週刊誌記者・志村(椎名桔平)は、取材をするうちに、「私が殺されたら、犯人は誠」という、詩織さんが友人に残した言葉を「遺言」と確信。志村は、友人の記者、ミスター(内藤剛志)と、真相究明に乗り出す。警察の怠慢や、事実とは違うマスコミ報道に苦悩しながらも、実行犯を特定、写真撮影に成功する――というストーリー。派手な演出はせず、淡々と描いている。

 今村司プロデューサーは「詩織さんを美人、派手好きなどと興味本位で報道したマスコミにかかわる一員として、自戒の念があった。3年がたち、事件を風化させないためにも、あらためて検証したかった」と説明する。

 番組は、詩織さんの遺族の協力で実現した。登場人物、団体は原則仮称だが、番組中の写真は本人のものを使用。記者会見や嫌がらせの電話などは、実際の映像、音声を用い、緊迫感を出した。

 ドラマ仕立てという表現方法について、今村さんは「主人公のナーバスな部分を伝えるには一番良い手法」と話す。

 時効直前に逮捕された女の半生を描く「実録 福田和子」(フジテレビ)や、よど号事件をテーマにした「よど号乗っ取り事件」(日本テレビ)など実録ドラマの放送が相次いでいる。視聴者の記憶に刻み込まれた重大事件をテーマにすえるだけに、制作には慎重さが要求されるものの、それだけ視聴率も見込めるとあって、実録ドラマは今後、増えていくかもしれない。

桶川女子大生殺人事件 懲役18年確定

[2002/04/04]毎日中学生新聞 Mainichi INTERACTIVE
 1999年に埼玉県桶川(おけがわ)市で起きた女子大生のストーカー殺人事件で、実行役として殺人罪(ざい)などに問われ、さいたま地裁で実刑判決を受けて控訴(こうそ)していた元風俗店長の久保田(くぼた)祥史(よしふみ)被告(ひこく)(37)が、控訴を取り下げていたことが分かった。これで1審の懲役(ちょうえき)18年が確定した。

 昨年7月の1審判決によると、久保田被告は99年10月、JR桶川駅前路上で猪野詩織(いのしおり)さん(当時21歳(さい))をナイフで刺(さ)して殺害した。久保田被告は猪野さんと面識がなかったが、猪野さんの元交際相手(2000年1月自殺)の兄から依頼(いらい)され、成功報酬(ほうしゅう)として1000万円を受け取った。また殺害前の99年7〜8月、猪野さんの自宅周辺などに中傷ビラを張るなどして、名誉(めいよ)を傷つけた。

実行犯に懲役18年求刑 桶川女子大生刺殺事件

2001.02.06(19:07)asahi.com
 埼玉県桶川市で1999年10月、女子大生猪野詩織さん(当時21)が刺殺された事件で、殺人と名誉棄損などの罪に問われた元風俗店長久保田祥史(35)、無職伊藤嘉孝(33)の両被告に対する論告求刑公判が6日、浦和地裁(川上拓一裁判長)であった。検察側は「ストーカー規制法施行の契機となった事件で犯行は極めて残忍」などと述べ、実行犯とされる久保田被告に懲役18年、見張り役とされる伊藤被告に同15年を求刑した。両被告の最終弁論は3月6日にある。

 犯行を指示したとされる元消防士小松武史被告(34)=殺人罪などで起訴され、分離公判中=は無罪を主張している。

 この事件では、当時の上尾署員3人=懲戒免職処分=が、詩織さんがストーカー被害を訴えた告訴調書を改ざんするなどしたとして虚偽有印公文書作成などの罪で起訴された。3人は浦和地裁で有罪判決を受け、確定した。

父 、娘の無念訴え 桶川ストーカー事件

2000.12.22The Sankei Shimbun
賠償訴訟第1回弁論 県も相手取り提訴

 埼玉県桶川市のJR桶川駅前で昨年十月、女子大生の猪野詩織さん=当時(二一)=が刺殺された桶川ストーカー事件に絡み、遺族が小松武史被告(三四)=殺人罪などで公判中=ら犯行グループの計十七人を相手取り慰謝料など計約一億一千五百万円の損害賠償を求めた訴訟の第一回口頭弁論が二十二日、浦和地裁(草野芳郎裁判長)で開かれた。

 法廷で父、憲一さん(五〇)が意見陳述し、「殺害の日を境に再び娘の笑顔を見ることも声を聞くこともできなくなった。被害者として犯罪に手を貸した者に事の重大さを認識させ、適切な裁きが得られることを願っている」と訴えた。

 この日、十七被告のうち出廷したのは六被告の代理人ら。民事で訴えられた刺殺事件の四被告のうち実行犯とされる久保田祥史被告(三五)=殺人罪などで公判中=ら二人が認める方向だが、刺殺事件の起訴事実を否認する小松被告ら二人は争う構え。

 訴状によると、小松被告らは、詩織さんから交際を断られた実弟=北海道で水死=から頼まれ、詩織さんの自宅周辺などに中傷ビラを張り出した。さらに四被告は詩織さんを刺殺したとされる。

 一方、詩織さんがストーカー被害を告訴したのに、県警上尾署員三人=いずれも懲戒免職=は告訴調書を改ざんするなど消極的な捜査に終始。その結果事件が起き、「犯罪被害者の権利保護が責務の警察の役割をないがしろにした」として遺族は同日、埼玉県を相手取り国家賠償法に基づき約一億一千万円の損害賠償を求める訴えを同地裁に起こした。提訴後に会見した憲一さんは、「捜査さえ適切だったら詩織は死なずにすんだ。県警を許せず、提訴を決意した」と述べた。

埼玉県警警視宅に火炎瓶 警視が両足に軽いやけど

2000.10.07(12:58)asahi.com
 7日午前2時ごろ、埼玉県北本市二ツ家1丁目のマンション2階で埼玉県警捜査一課主席調査官の茂木(もてぎ)邦英警視(48)宅前が燃えている、と近所の女性から119番通報があった。火を消す際に茂木さんは両足に軽いやけどをした。玄関ドア付近から3本の火炎瓶が見つかり、鴻巣署は放火などの疑いで捜査している。茂木さんは昨年9月まで上尾署刑事・生活安全担当次長を務めていた。JR桶川駅前での女子大生刺殺事件に絡む上尾署員の調書改ざん事件で管理監督責任を問われ、今年4月に減給処分を受けていた。

 鴻巣署によると、テレビを見ていた茂木さんの長女(20)がガス臭いのに気づき、茂木さんがドアを開けると炎が上がっており、消火器で消した。茂木さんは4人家族で、事故当時は茂木さんと妻(45)、長女の3人が自宅にいたといい、茂木さんは「心当たりはない」と話しているという。

 火炎瓶はペットボトル製が1本と、720ミリリットルのガラス製が2本。簡単な仕組みで、中の油が燃えたとみられる。このマンションはオートロック式で、入り口の防犯ビデオのテープを回収した。

 茂木さんは、昨年10月26日に刺殺された女子大生猪野詩織さん(当時21)が名誉棄損容疑で元交際相手を告訴したときの上尾署の刑事生安次長で、昨年9月に捜査一課に異動した。同署の元刑事二課長らの調書改ざん事件で9月7日、元警官3人が執行猶予つきの有罪判決を受け、確定している。県警は事件との関連を慎重に調べている。

元上尾署員の有罪確定へ 調書改ざん事件

2000.09.21(23:54)asahi.com
 埼玉県桶川市のJR桶川駅前で刺殺された女子大生猪野詩織さん(当時21)の告訴調書を改ざんしたなどとして虚偽有印公文書作成などの罪に問われ、浦和地裁で有罪判決を言い渡された上尾署の元警官3人は控訴期限の21日までに控訴せず、判決が確定する見通しとなった。

 有罪判決を言い渡されたのは上尾署の元刑事二課長片桐敏男(49)、同課の元係長古田裕一(54)、元課員本多剛(40)の3被告。判決は片桐、古田の両被告が懲役1年6カ月執行猶予3年、本多被告は懲役1年2カ月執行猶予3年だった。

埼玉・桶川事件 被害者の両親が被告らを提訴へ

2000.09.06(03:06)asahi.com
 埼玉県桶川市で昨年10月、上尾市の女子大生猪野詩織さん(当時21)が刺殺された事件で、殺人と名誉棄損などの罪に問われた元消防士・小松武史被告(34)ら計14人に対し、詩織さんの両親が損害賠償を求める訴えを浦和地裁に起こす。この事件ではストーカー被害を訴えた詩織さんの告訴調書を改ざんするなどしたとして、当時の上尾署員3人=いずれも懲戒免職処分=が虚偽有印公文書作成などの罪で起訴され、浦和地裁で7日、判決が言い渡される。

 両親の代理人の弁護士は「詩織さんの突然の死で、遺族は深い悲しみと多大な精神的苦痛を受けた。民事訴訟でも事件の真相を明らかにしたい」と話している。14人の内訳は殺人と名誉棄損罪などで起訴された小松被告ら4人と、名誉棄損などの罪で略式命令を受けたり起訴猶予処分となったりした10人。

 県警の調べや起訴状などによると、14人は昨年7月から8月にかけて、詩織さんを中傷する多数のビラを詩織さん宅周辺でばらまくなどしたとされる。さらに小松被告ら4人は10月26日、詩織さんを刺殺したとされる。

 この事件では上尾署に助けを求めた詩織さんが殺害され、事件の中心人物とされた小松被告の弟和人容疑者(当時27)=名誉棄損容疑で書類送検され、被疑者死亡で不起訴=が北海道で自殺したため、殺害行為の動機など核心部分が明らかになっていない。

 詩織さんの両親の訴えや世論の批判を受けて県警は3月に調査班を設置。その結果、当時の上尾署刑事二課長ら課員3人が詩織さんの調書を改ざんして告訴を被害届に書き換えたり、うその捜査報告書を作成したりしていたことがわかり、西村浩司県警本部長(現・九州管区警察局長)ら計12人が処分を受けた。

桶川・女子大生殺人事件の県警調査報告書(全文)by 埼玉新聞
桶川女子大生刺殺事件 検察側冒頭要旨by 埼玉新聞
桶川女子大生刺殺事件と捜査をめぐる経過(2000.5.3掲載)by 埼玉新聞
1999年1月 猪野さんは大宮市内で小松和人元風俗店長と知り合い交際 始める。

 6月14日 別れ話のもつれから小松元店長の兄ら3人が自宅に押し掛け、プレゼント品や現金の返還を要求。

 6月15日 猪野さんと母親が前日の録音テープを持参し、上尾署に相談。

 7月13日 猪野さんの自宅周辺に中傷ビラ張られる。母親が同署に相談し、巡査長らが実況見分を実施。

 7月29日 猪野さんと母親が同署を訪れ告訴。

 8月23日 猪野さんの父親の会社に中傷ビラが郵送される。

 8月24日 猪野さんと両親が同署を訪れ被害届け出。

 10月26日 JR桶川駅前の歩道で、猪野さんが刺殺される。

 12月下旬 県警、小松元店長の兄ら4人を殺人容疑で逮捕。

 2000年1月中旬から下旬 県警、小松元店長の兄と風俗店員ら計13人を名誉棄損で再逮捕。小松元店長を名誉棄損容疑で指名手配。

 1月27日 小松元店長が北海道屈斜路湖で水死体で発見される。

 3月4日 テレビ朝日が報道番組で「県警の捜査員が被害者の両親らに告訴取り下げを求めていた」などと放送。

 3月8日 県警の横内泉刑事部長が定例会見で「告訴を取り下げてほしいという直接的な表現はなかったが、誤解を与えるような言動があった」と釈明。

 3月9日 県警の西村浩司本部長は県警察常任委員会で「捜査の流れや捜査員の対応を徹底的に調査する」と答弁。検証するためのプロジェクトチームを編成することを表明。

 3月10日 県警は刑事部参事官をチームリーダーに刑事総務課と監察官室などの職員計10人のメンバーで検証チームを結成。

 同日 猪野さんの両親らが県警記者クラブの質問に対して、弁護士を通じて「担当捜査員から・告訴を取り下げてもらえないか・と言われた。県警の対応には納得していない」などとする回答書を発表。

 3月24日 猪野さんの父親が初めて会見。上尾署の捜査員に「告訴を取り下げてもらえませんか」と言われたことをあらためて語る。「助けてくれと言っても助けてくれなかった。それなりの処分をしてもらわないと気が済まない」と県警の対応に不満を表明。

 4月4日 猪野さんが名誉棄損罪で告訴する意思を示した調書を上尾署員が「被害届を出した」という内容に改ざんしていた疑惑が浮上。県警は「検証の中身は確定するまでは公表できない」と事実の有無について明言避ける。

 4月6日 県警は名誉棄損事件で担当捜査員が昨年9月、被害者らに「告訴はいったんなかったことにしてもらえないか」と告訴取り下げを要請したり、被害者の告訴調書の一部を「届け出」に改ざんしたうえ、虚偽の調書や捜査報告書を作成していたとする検証結果を発表。西村浩司県警本部長は「痛恨の極み」と陳謝。県警は調書の改ざんなどをした当時の上尾署の捜査員3人を懲戒免職処分にするとともに、虚偽有印公文書作成・同行使容疑で浦和地検に書類送検、上尾署長ら関係警察官7人に減給や戒告などの処分を行った。また、国家公安委員会は県警本部長と刑事部長に対する減給処分を決めた。

 4月13日 県警、名誉棄損容疑で新たに無職男性(26)を逮捕。同事件の逮捕者は計14人となった。

 5月1日 浦和地検、虚偽有印公文書作成・同行使の罪で、告訴調書改ざんなどをした元捜査員3人を浦和地裁に起訴。

 5月2日 猪野さん殺人事件の実行犯4人の初公判。

上尾署の元捜査員3人を虚偽公文書作成罪などで起訴

8:31p.m. JST May 01, 2000
 埼玉県桶川市で女子大生猪野詩織さん(当時21)が刺殺された事件にからみ、浦和地検は1日、詩織さんの告訴調書を改ざんするなどしたとされる当時の上尾署刑事二課長ら3人を、虚偽有印公文書作成・同行使の罪で浦和地裁に起訴した。
 起訴されたのは、上尾署の元刑事二課長で警部だった片桐敏男(48)▽元同課係長で警部補だった古田裕一(54)▽元課員で巡査長だった本多剛(40)の各容疑者=いずれも懲戒免職処分。

 起訴状によると、本多元巡査長は昨年9月、中傷ビラの配布者らを名誉棄損容疑で告訴した猪野さんの供述調書を改ざんし、「告訴」を「届け出」と書き直したとされる。また、3人は今年1月、中傷ビラを証拠品として預かり、証拠品としての価値を検討したうえで後日廃棄したとする虚偽の捜査報告書を作成するなどしたとされる。

 3人の起訴に関し、茅根勝・県警刑事部参事官は「厳粛に受け止めております」との談話を発表した。

「事件避けられた」 桶川事件で西村本部長らが謝罪

3:07p.m. JST April 06, 2000
 「事件の捜査を全うしていれば、猪野さんが殺害されるような結果が避けられた可能性が高い」。埼玉県警の西村浩司本部長は捜査にミスがあったことを認めて深々と頭を下げた。昨年10月に殺害された猪野詩織さん(当時21)が助けを求めて告訴した際の調書を上尾署の捜査員が改ざんしたり、捜査ミスという批判から逃れるためにうその捜査報告書を作成したりしていたことが県警の検証作業で明らかになったとし、「国民のみなさまにおわび申し上げます」と謝った。

 午前10時半から県警本部で始まった会見には西村本部長のほか、大山憲司警務部長、横内泉刑事部長、大嶋勲監察官室長らが出席。冒頭でそろって頭を下げ、約1カ月にわたって進めてきた検証作業の結果と上尾署員らの処分内容を公表した。

 告訴の調書を改ざんしていた問題については、告訴を初めから受理していなかったことにするため、当時の上尾署刑事二課長の片桐敏男警部(48)の意をくみ、本多剛巡査長(40)が「告訴」という文字を被害の「届け出」と書き換えていたと説明した。西村本部長はここでも「両親らの声を真しに受け止めることがなかった」と謝罪した。

 県警の調査報告書は告訴の取り下げ要請についても、刑事二課の本多巡査長が昨年9月に猪野さん宅を訪ね、「告訴はなかったことにしてもらえませんか」と発言したと認定した。この言動について調査報告書は「適正な処理と相入れない極めて不当なもの」とした。

 7月に告訴を受けた上尾署が、実際には10月に詩織さんが殺害されるまで告訴受理の報告を県警本部に行っていなかったことも分かった。調査報告書は「(片桐課長が)重大性の認識を欠き、ほかの事件の捜査を優先した」「極めて不適切だった」と断定した。

埼玉県警本部長ら12名を処分 桶川事件調書改ざん問題

3:12p.m. JST April 06, 2000
 埼玉県桶川市で昨年10月に女子大生猪野詩織さん(当時21)が刺殺された事件にからみ、国家公安委員会と埼玉県警は6日、上尾署の捜査に調書を改ざんするなど不正な行為があったなどとして、西村浩司・本部長(54)ら計12人を処分した。検証の結果、調書の改ざんに関与したとされる上尾署の捜査員たちが、うその捜査報告書をつくっていたことも新たに分かり、当時の上尾署刑事二課長ら3人を懲戒免職処分とし、有印公文書変造容疑で浦和地検に書類送検した。西村本部長はこの日の記者会見で「きちんと捜査していれば、猪野さんが殺害される事態は避けられた可能性が高い」と話し、猪野さんと遺族らに謝罪した。

 処分の内容は西村本部長が減給100分の10(1カ月)、横内泉刑事部長(40)が減給100分の5(1カ月)、渡部兼光上尾署長(55)が減給100分の10(2カ月)、塩原兼定同副署長(59)と川口幸3県警監察官(57)=当時・上尾署副署長=が戒告、茂木邦英県警刑事部主席調査官(48)=同・上尾署刑事生活安全担当次長=が減給100分の10(4カ月)、山田効上尾署刑事生活安全担当次長(46)が同100分の10(1カ月)など。

 懲戒免職処分となったのは元刑事二課長の片桐敏男警部(48)、同課係長の古田裕一警部補(54)、課員の本多剛巡査長(40)の3人。

 調べでは、本多巡査長は昨年9月、中傷ビラの配布者らを名誉棄損容疑で告訴した猪野さんの調書を改ざんし、被害を届けたという内容に書き換えた疑い。

 また3人は、中傷ビラを確認しながら証拠として保管せずに猪野さんの家族に捨てさせた。ところが、3人が作成した報告書ではビラを署に持ち帰り、証拠品としての価値を検討したうえで後日廃棄したことになっていたという。

 調書を改ざんしたのは、告訴を受理すると捜査の進み具合を定期的に県警本部に報告しなければならず、名誉棄損容疑の捜査に消極的だった本多巡査長が告訴受理の事実をなかったことにしようとしたらしい。

 うその報告書をつくったのは今年1月で、猪野さんが昨年10月に殺害され、上尾署の捜査が不適切ではないかと批判されてからのことだった。証拠品を廃棄してしまったミスが発覚するのを防ぐためだったと県警はみている。

 県警は3月10日、捜査の内容を検証する調査班を設置。上尾署刑事二課や猪野さんが殺害された後に捜査を引き継いだ県警捜査一課の捜査員、それに猪野さんの遺族らから事情を聴き、一連の捜査が適切だったかどうか調べを進めてきた。

 猪野さんは昨年6月ごろから、元風俗店長・小松和人容疑者(当時27)=被疑者死亡で不起訴=らに現金を要求されたり、中傷ビラを自宅周辺でまかれたりするなど深刻な被害を受けるようになった。

 このため、名誉棄損容疑で7月に上尾署に告訴したものの捜査は進まず、10月にJR桶川駅前で殺害された。この事件では小松容疑者の兄の武史被告(33)ら4人が殺人罪で逮捕、起訴されている。

 猪野さんの遺族は「昨年9月に上尾署の捜査員に『告訴を取り下げてほしい』と持ちかけられた」と明かし、「捜査の内容を徹底的に調べて、納得できる処分をだしてほしい」などと話していた。

「刺殺女子大生の相談、ないがしろ」 桶川事件も調査へ−−警察庁

2000年03月08日 (毎日新聞東京朝刊から)Mainichi INTERACTIVE
 埼玉県桶川市で昨年10月に女子大生(当時21歳)が刺殺された事件で、警察庁は7日、殺害される前、女子大生が警察などに相談に訪れた際の処理をめぐり調査することを決めた。

 新潟県の女性監禁事件では、県警が被告の母親の訴えを深刻に受け止めなかったり、巡回連絡の際、十分に不審点に留意しなかったことが問題となっており、埼玉県警のケースも類似と判断したとみられる。

◇   ◇

 この問題は同日の参院予算委員会でも取り上げられた。被害者や両親が3度にわたり埼玉県警上尾署に相談していたことについて、警察庁の林則清刑事局長が「いいかげんに扱ったことはないと承知している」と答える一方で「消極的な印象を与えるような言動、対応があったならば、大変遺憾なことだ」と話した。

 また、竹村泰子氏(民主)が不適切な対応を取ったとされる同署の刑事の現在の部署について「予告してある質問」と追及したのに対し、林局長が「存じておりません」「怠慢でございました」と頭を下げたことをめぐり、審議がストップする一幕も。田中節夫・警察庁長官が代わって「怠慢という答弁は誠に不適切。調査していないので後刻報告する」と釈明した。

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