TOPIC No.2-31h 中国・アジア杯(サッカー)反日騒動

01. サッカー・アジアカップの反日問題 YAHOO! NEWS
02. ASHIAN CUP CHINA 2004 by@nifty sports
03. AFC ASIAN CUP CHINA 2004
04. アジア杯 中国2004 by Houchi World Soccer
05. 中国・重慶・火鍋
06. 重慶地図
07. 最近の中国情勢と日中関係 by外務省

ラフプレーの中国に罰金48万円 サッカー東アジア連盟

2008/02/23 中国新聞ニュ−ス

 【重慶(中国)23日共同】東アジア・サッカー連盟は二十三日の理事会で、当地で行われている東アジア選手権男子でラフプレーが目立つ中国に計4500ドル(約48万円)の罰金を科すことを決めた。

 中国は十七日の韓国戦で5度、二十日の日本戦で4度の警告を受けた。理事会では、国際サッカー連盟(FIFA)などの懲罰規定にのっとって、韓国戦について1500ドル(約16万円)、日本戦について3000ドル(約32万円)の罰金を決めた。

中国のラフプレーに日本が申し入れ書…東アジア選手権

2008年02月22日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【重慶(中国)=軍地哲雄】今月20日に重慶で行われたサッカー男子の東アジア選手権・中国―日本戦で、中国の相次ぐラフプレーに主審が適切な対応をしなかったとして、日本選手団の大仁邦弥団長(日本協会副会長)は22日、大会を主催する東アジアサッカー連盟に対し、再発防止を求める申し入れ書を提出した。

日の丸焼く中国サポーターも 日本人は隔離 サッカー日中戦

2008.2.21 MSN産経新聞

 【重慶(中国)=川越一】サッカーの東アジア選手権は20日、厳戒態勢の中、日本−中国戦が行われた。17日の開幕戦の約2倍となる3000人の警備員が動員されたが、試合終了後に中国のファンが日の丸の旗を焼くなど、反日感情の根強さをうかがわせた。

 4年前のアジア杯の反省から、日本のサポーターはゴール裏の一角に“隔離”。試合前から「罵詈(ばり)雑言を吐かないように」とのアナウンスが流れ、国歌演奏中のブーイングも一瞬で収束した。

 しかし、0−1で試合終盤を迎えると、徐々にヒートアップ。中国ファンの一部がペットボトルを投げ込み、たどたどしい日本語で日本のサポーターに向けて「バカヤロー」と叫び始めた。さらには発煙筒に火をつけ、警備員が駆けつけて羽交い締めにする一幕も。試合終了後にも、日の丸の小旗にライターで火をつけるファンがいた。この状況に、不測の事態に備えて派遣されていた駐重慶日本総領事館の館員は、日本のサポーターを最寄りのモノレール駅まで送り届けたほどだ。

 重慶市は第二次世界大戦で旧日本軍が爆撃した都市でもあり、反日感情が強いとされてきた。重慶市内の高校では歴史の授業の中で重慶爆撃について必ず学んでいるという。実体験のない若年層も、祖父母らから話を聞かされてきた。

 駐重慶日本総領事館の館員は「普段はとげとげしい態度をとられることはない。一部のファンが騒ぎ、群集心理が働いてしまうのでは」と指摘する。今回は中国側のメンツで“暴発”を阻止したが、北京五輪に向けて観戦マナーには改善の余地がある。

日の丸燃やし、敗戦悔しがる=騒乱防止へ3000人動員−中国当局

2008/02/20 時事ドットコム

 【重慶(中国)20日時事】当地で開催されているサッカー東アジア選手権の男子で20日夜、日本に0−1で敗れた中国のサポーターは試合終了直後、小型の日の丸を燃やすなどして悔しがった。蔑称(べっしょう)を用いた「小日本を打倒せよ」などの叫び声も上がり、ペットボトルなどがグラウンドに次々と投げ込まれた。

 国旗が燃やされたのは熱烈なサポーターが陣取る最前列。2階のスタンドでも何かを燃やしたらしい煙が上がり、警備要員が制止に走り回った。北京五輪を控えた中国は応援マナー向上に力を入れており、この日の試合中は比較的平穏だったが、敗戦後はブーイングがやまなかった。

 地元当局は反日騒乱に備え、通常の2倍の3000人を警備に動員。日本人サポーターらは警官の「壁」に守られ、専用出口からスタジアムを離れた。選手たちも中国人観客の罵声(ばせい)を浴びながらも無事バスに乗り込み、大きな騒ぎはなかった。 

 第2次大戦中に旧日本軍の集中爆撃を受けた重慶は反日感情が根強いとされ、2004年のアジア杯サッカーでは日本代表に激しいブーイングが巻き起こった。(了

日本へのブーイングなし…東アジア選手権第2日

2008年02月18日 スポーツ報知

 中国重慶市で18日に行われたサッカー東アジア選手権女子の日本―北朝鮮では、試合前の君が代演奏の際だけでなく、日本チームのゴールにもブーイングは起きず、日本がやじを飛ばされた前日の男子の対北朝鮮戦とは異なり中国人観客の自制ぶりを印象づけた。

 ただ、20日の男子の日中戦では日本に対し再び激しいブーイングが起きる可能性もあり、不測の事態に備えて警備員がほかの試合の2倍の約3000人に増員される見通しだ。

 17日の男子の北朝鮮戦では、君が代演奏にブーイングが浴びせられたが、18日は観客が起立して静かに演奏を聞いた。試合中は圧倒的に北朝鮮への声援が多かったが、日本が得点した際にも大きな歓声が上がった。

 勝利した日本の選手が試合後、スタンドに向かって手を振ると、一部の観客は拍手を送っていた。

 昨年9月、中国の杭州で行われた女子ワールドカップ(W杯)のドイツ戦でも日本は地元観客からブーイングを浴びたが、選手たちは試合後に「謝謝」(シエシエ)と中国への謝意を表した横断幕を掲げ、中国国内でも「見習うべきだ」と称賛する声が出ていた。

君が代にまたブーイング 五輪控えマナーに不安残す

2008年02月18日 中日新聞

 【重慶17日共同】中国重慶市で17日行われたサッカー東アジア選手権男子の日本−北朝鮮戦では、中国人観客が、試合前の君が代演奏の際にブーイングを浴びせ、日本チームのチャンスでもやじを飛ばすなど、北京五輪を今夏に控え観戦マナーに不安を残した。

 2004年のサッカーのアジア・カップでは、やはり重慶で君が代演奏に激しいブーイングが起き、その後の試合でも中国人観客が反日感情をむき出しにして日中間の問題に発展した経緯がある。今回は当時ほど激しくないが、反日感情の根強さをのぞかせる結果となった。

 試合では、日本がチャンスを逃すとスタジアムの大半を埋めた中国人観客は、はやし立てるように「ウォー、ウォー」と大声を上げたり、口笛を吹いたりした。逆に北朝鮮選手が先制点を決めると、観客が一斉に立ち上がり拍手を送った。

中国・重慶で反日感情再び「君が代」かき消す大ブーイング

2008年02月18日 SANSPO.COM

 東アジア選手権・男子(17日、中国・重慶)重慶のオリンピックスポーツセンターに日本国旗が入場した瞬間、観客席の一部からブーイングや口笛が起こった。君が代斉唱の際にはその音量がアップ。中には日本選手に向けて中指を立て、挑発する観客もいた。

 北朝鮮が先制すると、観客だけでなく中国の報道陣も一斉に立ち上がって拍手を送った。後半20分、日本の交代時には悪態をつき、その3分後、北朝鮮の交代の際には拍手を送る。

 日本人サポーターが陣取る観客席は、その人数を上回る50人以上の警備員が配備された。ごく少数のサポーターが太鼓をたたきながら「ニッポン、ニッポン」と声援を送ると、中国人観客が「バカ」「中国、中国」などと言い返す一幕も。

 4年前のアジア杯で、日本代表に激しいブーイングを浴びせた地元ファンは何も変わっていなかった。中国で試合経験のある日本選手は「前も似たような感じだった」。岡田監督も「アウェーでは普通」と意に介さないが、「中国とやる時はこんなものではすまない」とも。20日の日中戦に向けて、重慶がきな臭くなってきた。(川越一)

★中国熱狂サポーター、警備員と衝突

 東アジア選手権がこの日開幕し、中国人サポーターと警備員が早速“衝突”した。「長さ50センチ、直径1センチ以上の棒の持ち込み禁止」の規定があるにもかかわらず、競技場周辺で約1メートルの棒につけられた中国国旗が販売された。中国人ファンはこぞって購入したが、入り口で警備員に制止され、口論になるケースもあった。

 当局は中国−韓国戦に1400人の警備員を動員。20カ所の入り口に金属探知機を設置し、8台のX線検査機で危険物の持ち込みを監視した。重慶市公安局はさきに酩酊者や物を投げたりする行為を禁じ、悪質な行為には刑事責任を問うとしている。

■重慶

 中華人民共和国の直轄市。中国の内陸部、長江上流の丘陵部に位置する。中国西南部最大の商工業の中心地で、オートバイや自動車の生産が盛ん。亜熱帯性気候で湿度が高く、夏には最高気温が40度にまで達する。日本では広島市などが友好都市。人口約3100万人。面積は8万2000平方キロで、北海道とほぼ同じ。

■04年アジア杯VTR(7−8月)

 歴史的背景から反日感情が強いとされる重慶で、1次リーグ3試合と準々決勝の計4試合を戦った日本。国歌演奏の際に中国人観客が激しいブーイングを浴びせかけ、笛や太鼓を鳴らしてセレモニーを妨害した。その後の準決勝、決勝でも中国人観客が反日感情をむき出しにして、日中間の外交問題に発展した。

中国の観客が日本にブーイング サッカー東アジア選手権

2008年02月17日 asahi.com

 04年アジア杯で日本に敵対するような中国人観客の応援があった重慶での試合。この日の会場には「文化的な応援を」と書かれた垂れ幕もあったが、試合前の国歌演奏で「君が代」が流れても着席したままの観客も目立ち、一部からは大きなブーイングも起きた。

 観衆3万人でスタンドは空席が多かったが、日本戦の前の中国―韓国戦から残った観客のほとんどが北朝鮮の応援に回った。日本が同点に追いついたときにはスタジアムが静かになった。

 日本の岡田監督は「アウェーに行ったら普通のこと。中国ではいつもこう。立ち上がりの失点にも影響はしていなかったと思う」と話した。


行儀の良い応援を 北京に球技ファン協会

2004/09/13 The Sankei Shimbun

 13日の中国各紙によると、中国共産党の青年組織などが発起人となってサッカーなど各種球技試合の「文明的応援」を目指すための組織「北京球迷(球技ファン)協会」が12日、設立された。

 球技ファンの文化水準を高めるのが目的で、行儀の良い応援を誘導していく。2008年の北京夏季五輪を控えて「首都のイメージ」向上も設立の趣旨に掲げており、サッカーのアジア・カップで起きたファンの暴動も教訓にしたとみられる。

 協会の設立メンバーには北京市内の政府機関、企業、民間の球技応援団など318団体が名を連ねた。(共同)

公用車破損事件は調査中 中国公安当局

2004/08/20 The Sankei Shimbun
 中国公安省の●赤勇次官補は20日、記者会見し、7日に行われたサッカーのアジア・カップ決勝戦で中国が日本に敗れた後、中国人ファンがスタジアム外で駐中国日本公使の公用車を壊した事件について「北京市公安局が捜査中」とし、犯罪行為として立件する方針を明らかにした。

 次官補は、中国の敗戦に怒って騒動を起こした中国人ファンらの行為に関し「多くの国で(同様の事態が)発生しており、わが国でも何度も起きた。目にしたくない事件だった」と指摘。公用車の破損は「国家の治安管理に違反する行為」と語った。(共同) ●=赤におおざと

駐中国公使の被害車両公開 サッカー決勝戦後襲撃

2004/08/17 The Sankei Shimbun
 北京の日本大使館は17日、日中対決となった7日夜のサッカーのアジア・カップ決勝戦後に、スタジアム外で中国人ファンに襲われ後部ガラスを割られるなどした原田親仁駐中国公使の公用車を日本メディアに公開した。

 公用車には当時、サッカー観戦を終えた原田公使と堀之内秀久公使ら計4人が乗車。スタジアム西門を出たところで、中国チームの敗戦に怒ったファンらが道路両側の警察官の列の間から車両をけったり投石したという。4人にけがはなかった。

 車両は同日夜から大使館敷地内に保管されている。投石で破損したとみられる後部ガラスは粉々に割れ、車両の右側もけられるなどして4カ所が大きくへこんでいた。事件を捜査中の北京市公安局が16日、大使館を訪れ実況見分したのを受け、公開された。(共同)

「国歌への礼欠き遺憾」 日中友好協会が異例の批判

2004/08/13 The Sankei Shimbun
 日中友好協会(平山郁夫会長)は12日、中国で開催されたサッカー、アジア・カップの日本の試合で中国人観客が激しいブーイングをしたことについて「日本国歌に対する多くの中国人の礼を欠いた言動は極めて遺憾」とする見解を発表した。同協会が中国側を批判する見解を出すのは極めて異例。

 見解では、中国人観客のやじなどは「スポーツ競技がもたらした一時的興奮として片付けられない」と指摘し、2008年の北京夏季五輪への影響を懸念。「中国側関係機関が適切な措置を取り、事態が改善されることを強く望む」と、再発防止を要望した。

 見解は、同協会と日中友好会館が共同で発表、在日中国大使館や中日友好協会へ送った。(共同)

「民主的な態度でない」 台湾総統が中国サポーター批判

2004/08/09 The Sankei Shimbun
 台湾の陳水扁総統は9日、台北市内の総統府で日本の民主党の国会議員団と会談し、サッカーのアジア・カップ決勝戦後に中国サポーターが騒いだことについて「スポーツマン精神も民主的な態度もなく遺憾だ」と批判した。

 陳氏は「負けたからといって審判が不公平だと疑うことはできない。敗北を認めようとしない抗議行動はあまりにスポーツマン精神に欠ける」と指摘するとともに、北京には2008年五輪を主催する資格がないのではないかといった見解にも理解を示した。

 一方、呂秀蓮副総統も同日、駐台北外国メディアとの会談で「(中国のサポーターの行為は)文明的でなく、スポーツ精神を破壊した」と批判。

 呂氏は「強大で民族意識に満ちあふれた国家が周辺地域にとって危険であることが分かった」と述べるとともに、北京五輪での選手の安全確保を中国に呼び掛けた。(共同)

中国大使が遺憾の意 サッカー反日応援で

2004/08/09 The Sankei Shimbun
 川口順子外相は9日午前、中国の武大偉駐日大使と外務省内で会談した。中国で開催され日中両国が対決したサッカーのアジア・カップ決勝をめぐり、外相は「4万7000人の警察官を動員していただいたが、公使の車の窓ガラスが割られたり、国旗が焼かれたりしたことを阻止することができなかったことも事実だ」と不快感を表明した。

 これに対し、武大使は「一部のサポーターのことは本当に不愉快である。中国政府として目にしたくないような行為だ」と述べ、遺憾の意を表明した。

 ただ、外相は「一連の試合を通じて残念な行動も見られたが、その中で中国政府は最大限の努力をしたと思う」とも評価し「中長期的に国民感情の問題を見据え、きちんと分析し議論していくことが大切だ」と指摘した。

 大使は決勝戦自体については「全体として何とか成功だと思っている。北京の試合には警備に4万7000人を動員するなど最大限努力した。(試合後の動きを)コントロールするのは難しかった」と説明した。

 武大使は離任あいさつのため外務省を訪れた。

「靖国参拝のたび反日激化」サッカー反日応援で中国紙が論評

2004/08/09 The Sankei Shimbun
 中国紙、青年報は9日、サッカーのアジア・カップの応援をめぐる論評で「中国人の反日感情の悪化は最近2年間のことであり、小泉純一郎首相が靖国神社を参拝するたびに激化している」と指摘した。

 論評は、一部日本メディアが中国人ファンを「無礼で低レベル」と批判し、反日感情の理由を中国の愛国主義教育にあるとしたと指摘。「サッカーの試合を政治化している」と反発した。

 また反日感情の理由は、歴史を軽視する日本の風潮にあるとし「ファンの叫び声を無礼と言うが、小泉首相が靖国神社のA級戦犯に頭を下げる時、中国の国民が(日本に)最も耳が痛い叫び声を上げているのを知らないのだろうか」と皮肉った。(共同)

サッカーアジア杯:ハーン中国監督 審判の判定に不満

2004年08月08日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

 8日付の中国の人民日報によると、サッカーのアジア・カップ決勝で日本に敗れた中国のハーン監督は、7日の試合後の記者会見で「負けてはならない試合に負けた。非常に失望している」と述べた。

 同時に、審判員の判定に不満を表明した。日本の先制点のきっかけとなったFKについて「(日本のファウルで)中国のFKとなるべきだった」と指摘。決勝点となった中田浩(鹿島)のゴールには「ハンドのファウル」とコメントした。

 ハーン監督は「このような状況で勝つことはできない」と強調。日本と中国との違いに「経験の差だけだ」との認識も示した。(共同)

警備不備と日本側に謝罪 アジア杯サッカーで中国

2004/08/08 The Sankei Shimbun
 北京の日本大使館によると、サッカーのアジア・カップ決勝終了後の7日夜、日本公使の乗った車の後部ガラスが中国人サポーターに割られた問題で、北京市公安局は8日未明、大使館に「警備上の不備があった」と電話で謝罪した。

 公使の車は競技場から出ようとしたところを襲われ、同大使館が中国政府に抗議していた。(共同)

「日の丸」焼き警官と衝突 日本公使の車、ガラス割られる

2004/08/08 The Sankei Shimbun
 日中両国チームの「因縁の対決」となったサッカーのアジア・カップ決勝戦。中国側が厳戒態勢を敷いたにもかかわらず、日本の勝利に怒った数千人の中国人サポーターが試合終了後に北京の競技場外で騒ぎ、「日の丸」が焼かれ警官隊と小競り合いになるなど夜遅くまで混乱が続いた。

 2008年の北京夏季五輪開催を控え、中国当局は1万2000人で警戒に当たったが、敗戦を目の当たりにした会場の中国人サポーターの怒りを抑えることはできず、今後の国際競技の運営に大きな課題を残した。

 目撃者によると、試合終了後、会場外では「日の丸」が焼かれ、少なくとも数人が拘束された。取材中のAP通信シンガポール人カメラマンは殴られて負傷した。

 試合後、会場を出ようとした日本大使館の原田親仁公使の車両もけられて後部ガラスが割られるなどしたため、同大使館は同日夜、中国政府に抗議、邦人保護をあらためて申し入れた。

 日本から観戦に訪れたサポーターを含めて日本人観戦者は約1500人。試合中は大きな混乱は起きなかったが、試合前の国歌演奏では「君が代」に中国人サポーターからブーイングが沸き起こり、スタジアムの一角に集められた日本人サポーターの声援もかき消された。(共同)

アジア杯試合後も騒然、「なぜ」と憤る日本人観客

2004/08/08 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【北京=伊藤彰浩】試合終了後も騒然とした雰囲気が続いた――。7日、北京で行われたサッカー・アジアカップ決勝戦。スタジアム外での中国人サポーターの反日的な言動で2時間以上にわたり、足止めをくらった日本人サポーターからは、「政治とスポーツは別。それがなぜこんなことになるのか」などといった憤りの声が聞こえた。

 スタジアム外の騒然とした雰囲気で、観客席に待機を余儀なくされた約1000人の日本人サポーターは、応援席のイスに腰掛け、じっと退場の機会を待った。午後11時(日本時間8日午前零時)過ぎには、日本大使館職員が拡声器を使い「あと30分で皆さんをバスで近くの地下鉄駅まで移送します」とアナウンス、午後11時45分ごろから、バスに分乗して競技場からの退場が開始されたが、スタジアム内が暑かったこともあり、皆疲れ切った重い足取り。

 1人で応援に来ていた東京都の会社員、中島弘樹さん(35)は、「起こりうることだと思っていた。会社の同僚の中国人にも、気をつけるように言われていたのだが」とぶぜんとした表情だった。

 異様な雰囲気は試合開始前から始まっていた。在北京日本大使館のアドバイスに従い、おなじみの青のユニホームは会場外ではほとんど見つからない。

 上海から応援にかけつけた小島裕喜さん(30)は、「これだけ多くの中国人サポーターをみると圧迫感を感じる。相手のヤジにのらないことが大切です」と神妙な面持ちで語った。

 「加油(チャーヨウ=がんばれ)、加油」。試合が始まるとスタンドは中国に対する応援一色。日本人サポーターは、青いユニホームに着替え、持ち込んだ太鼓に合わせ「ニッポン、ニッポン」のかけ声をあげたが、一丸となった応援も歓声とヤジの中にかき消された。

 留学先の山東省済南から友人と観戦に来た松尾祥司さん(26)は、「対バーレーン戦をテレビで見た日本の父親は『大丈夫か』と心配した様子で電話してきたが、中国人サポーターの熱狂ぶりをみるとやはり怖い」と落ち着かない様子で観戦、「日本人をまとめて観戦させる方法に賛成する」と語っていた。

 日本チームの勝利の瞬間、山口市の大学生、原田幸憲さん(22)は「普通のアウエーより厳しい状況の中での勝利だけに、めちゃくちゃうれしい」とガッツポーズ。しかし、勝利の喜びもつかの間だった。

 子供3人とともに観戦していた北京在住の男性会社員(38)は、「競技場の外に出られない状況になるのは予想外だった。2時間近く場内にいたので、子供たちが、のどが渇いたといって騒ぐのがかわいそうだった」と疲れ切った様子だった。

 また、北京に留学中の女子学生(19)は「試合中は予想していたよりブーイングも少なく、威圧感を感じなかっただけになおさら驚いた。ある程度は予想していたことだが、まさかこんな大きな騒動になるとは思っていなかった」と話し、バスに乗り込んだ。

アジア杯騒動…中国、対日不信感が増幅

2004/08/08 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【北京=藤野彰】中国人観衆の反日行為が日中間に波紋を広げたサッカー・アジアカップは7日、北京で閉幕したが、中国国内では一連の騒動で対日不信感が増幅されている。

 中国側は、「騒動が政治問題化した責任は日本にあり、歴史問題こそが反日の根本原因」と見なしているからだ。中国側がこうした一方的な論理に立つ限り、反日の火種を解消する道は見えてこない。

 今回の騒動を通じて中国側が得た教訓は、「中国人は素質が低く、礼儀をわきまえず、スポーツ精神に乏しい、と世界中の人々から思われてしまう」(6日付「中国青年報」)ということだ。その点では、中国側は反省すべき問題の存在を認め、遅ればせながら対応に動いた。

 しかし、中国側の基本的な立場は、スポーツ観戦のマナーという問題に限っては失態を認めるが、「背景に反日・愛国教育がある」といった日本側の指摘は拒絶する、というものだ。

 そうした指摘を受け入れることは、「歴史」を外交カードに利用し、さらに、共産党政権の正統性を国内的に宣伝するための材料としてきた対日政策の問題点を自ら認めることになるからだ。

 事実、中国側は、騒動が政治問題化したことについて、「遺憾の意」(中国外務省声明)を表明し、日本側に責任があると主張。自らは、副首相級の陳至立国務委員などの発言を通じて「友好」を望んでいると印象づけようとしている。

 中国メディアも、この立場に沿って報道。反日行為の背景について、日本の歴史認識に根本原因があるとの一方的な見解が相次いで出ている。7日付の中国英字紙「チャイナ・デーリー」は、「(今回の騒動で)日本人が教訓とすべきことは中国人以上に多い」とし、「重慶の観衆がブーイングを行ったのはそれなりの理由があったからだ。戦争中、日本軍の大爆撃で重慶では約1万2000人が死んだが、日本側からは謝罪も賠償もない」と強調した。

 中国政府は国内の反日ムードについて本質的な論議を回避し、「内の論理」を優先して「マナー」「対外イメージ」の問題に閉じこめた。このままの対応では、中国の反日世論が日中関係を揺るがす構図は変わりようがないと言えよう。

日本の3点、俊輔からむ…アジア杯連覇

2004/08/08 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【北京=川島健司】サッカーの第13回アジアカップは7日、北京で決勝が行われ、日本が中国に3―1で勝ち、2大会連続3度目の優勝を決めた。
 連覇は84、88年大会のサウジアラビア以来。3度の優勝は、イラン、サウジアラビアと並ぶ最多タイ。ジーコ監督の通算成績は20勝7敗8分けとなった。大会の最優秀選手(MVP)には、日本・MF中村俊輔が選ばれた。

 次回大会は2007年にタイなど4か国共催で行われる。優勝した日本は、アフリカ選手権優勝のチュニジアと、新設が決まった大会で対戦する。また、2005年6月のコンフェデレーションズカップ(独)にも出場する。

 日本・ジーコ監督「6万人の相手の応援の中で自分たちのサッカーが出来るようになったのは大きな収穫。タイトルを絶対持って帰るという強い精神で、それを成し遂げた選手に心からの賛辞を贈りたい」

 ◆中田浩が決勝点、玉田とどめ◆

 日本は得意のセットプレーを武器に先制点、2点目を奪い、中国に一度もリードを許さず、落ち着いた試合運びが光った。

 日本は22分、中村のFKを鈴木が折り返し、福西が頭で押し込み先制。直後に追い付かれたものの、後半に入り、65分にCKで相手選手がそらせたボールを、中田浩が体で押し込んで勝ち越し。後半ロスタイムには中村のスルーパスを受けた玉田が、ドリブルで切り込み、GKを冷静にかわして追加点を挙げた。

 中国は、サイドからの崩しで日本を脅かしたが、GK川口を中心とした粘り強い守備の前に力尽きた。

 ◆ジーコスタイル、アウエーで完成◆

 「中国は自分たちよりずっと良いプレーをした日本に負けた」――。アジア・サッカー連盟のベラパン事務総長の言葉通りの完勝だ。

 勝因は三つある。まず、この日も2点を稼いだセットプレーの強さ。鈴木が折り返し、福西が入れた先取点、中田浩が押し込んだ2点目とも、練習通りの完ぺきな形。中国もリスタートでの得点が多いここまでの日本の戦いぶりから、CK、FKは警戒していたはずだが、中村のキックの正確さと速さ、2点に絡んだ3選手らの空中戦の強さを、どうしても防げなかった。

 二つ目は技術と戦術眼の高さだ。中国は、格下相手に見せるような体力任せの攻撃をせず、丁寧にパスをつないで攻めようとした。ただ、「日本は既に世界に知られた国で、我々はそこへ行く途上」と前日に中国のハーン監督が認めた通り、パスを組み立てていく力に大きな差があった。

 一方が前線まで飛び出すと、もう一方が中国のキーマン、邵佳一をマークする両ボランチの連係も見事だった。「ボールを簡単に失わず、詰まったら慌てずに一度後ろへ戻し、サイドを変える。カバーがいるのを確認したら、思い切って上がってよい」。ジーコ監督が就任以来、目指してきた形の集大成のようなサッカーを、アウエーでの決勝で、苦もなく披露した。

 最後は、チームワークの良さだ。優勝が決まると、最年長の藤田(磐田)をはじめ、控えのメンバーが飛び出し、誰彼なく抱きついていった。大会中、ほとんど先発を変えなかった日本だが、全体の士気は下がらなかった。「控えもすべて役割を果たしてくれた」と指揮官は選手をたたえた。

 最後まであきらめない熱い勝利への意欲と、平常心でプレーできる冷静さ、そして技術と経験。日本は間違いなく、優勝に値するチームだった。(川島 健司)

日本政府、アジア杯を注視…首相はTV観戦

2004/08/08 読売新聞 Yomiuri On-Line
 日本政府も、日本対中国戦の行方を注視した。展開次第では今後の日中関係に影響を及ぼす可能性があるためだ。

 小泉首相は7日夜、決勝戦をテレビ観戦するため、都内のホテルでの森前首相らとの会合を早々に切り上げて仮公邸に戻った。

 外務省でも中国課の職員が出勤し、北京の日本大使館と連絡を取りながら現地の情報収集に努めた。

 試合では、中国人観客が君が代の演奏にブーイングを浴びせたりしたが、政府筋は試合後、「スポーツはスポーツなので政治が介入すべきではない。政府が慌てて動くようなことはしない方がいい」と強調した。

「反日」やじ問題で首相が善処要請 武大使、決勝戦は万全期す

2004/08/06 The Sankei Shimbun
 小泉純一郎首相は5日、中国の武大偉駐日大使と首相官邸で会談し、中国で開催中のサッカー、アジア・カップで日本代表チームに激しいやじが浴びせられている問題で善処を要請した。武大使は「あれは本来の中国の姿ではない。中国側としても良い決勝戦となるよう期待している。主催国としてしかるべき措置をとる考えであり、安心してほしい」と述べ、日中両国が対戦する7日の決勝戦では、日本人観客や選手の安全に万全を期す考えを示した。

 首相は「日中のサッカー決勝はおもしろくなりそうだ。スポーツだから友好的な雰囲気で楽しめるようにしよう」と提案。武大使も「日中友好が大事だから、そのようにしたいと思う」と応じた。

 武大使は離任あいさつのため官邸を訪問した。

アジア杯決勝戦 中国各紙「礼儀ある観戦」求める

2004/08/06 The Sankei Shimbun
北京五輪にらみ国際社会を意識

 【北京=野口東秀】5日付の中国主要各紙は日中両国チームによるサッカー・アジア杯決勝戦の「礼儀ある観戦」を求める記事を掲載した。国際社会の視線を意識し、日中関係の悪化を防ぎたいとの中国側の意向が示されたといえる。中国当局は決勝戦が行われる7日、日本人の安全確保に向け厳戒態勢をとる。「礼儀ある行動」も呼びかけるとみられるが、焦点となる国歌吹奏時の不起立、ブーイングを防止する決め手はないようだ。

 中国各紙の記事掲載は、外務省の孔泉報道官が4日深夜、「少数のファンの過激な行為には賛成しない。両国のファンが礼儀ある態度で観戦することを期待する」と観客に冷静な対応を求めたことを受けたものだ。

 孔報道官は一方で、「一部の日本メディアが、少数の人の行為を誇張して報じ政治問題化させているのは遺憾だ」とも指摘した。

 孔報道官の談話は中国政府の初の態度表明で、これを受け中国主要紙は「礼儀ある観戦」を見出しにとり1面などに掲載したほか、「北京晩報」が「中国は礼儀の国。寛容と理知が必要」と呼びかけた。

 大衆紙「北京青年報」も1面に社説を掲載。「礼儀正しいファンこそ、自信と成熟さ、度量のある中国国民だ」などとして、観客の態度が国としての尊厳にかかわることを強調した。

 一方、政府系紙「中国青年報」は東京発で、「日本は決勝が“反日戦場”となることを懸念」との見出しで、「満場のブーイングで示される反日感情が日本側を震撼(しんかん)させた」などとする記事を掲載。「日本政府は対日感情が“狭隘(きょうあい)な反日・愛国教育”に由来するとしているが、日本側に原因があるとする見方はない」などとして、歴史問題へのあいまいな態度が両国関係を悪化させ中国人の感情を傷つけていると主張した。

 中国政府の対日外交関係者も「国歌吹奏中のブーイングなどはあってはならない行為」であり、日本との関係悪化は望まないとの姿勢を強調しつつ、「日中関係を悪化させるのは日本側の(政治家の)責任。“歴史”を提起してくるのはいつも日本側だ。戦争で侵略され、心の傷がまだ治っていない人もいる」と指摘した。

 いずれにせよ2008年の北京五輪への悪影響を中国指導部は懸念しており、当日は会場(約6万人収容)内外で、「5000−6000人を超える警備人員による厳戒態勢」(関係筋)をとり日本人サポーターらの安全を確保する。

 当局側は日本語の張り紙の掲示と会場内での呼びかけで日本人を中国人と切り離す形で“隔離”、警備するという。

 売り切れ状態の入場券はすでにプレミアがつき、インターネットの「勝敗予測」では85%が「中国の勝利」とする集計(約2万3000人参加)が登場するなど、「日中決戦」が一般庶民も含め中国人の民族感情を高ぶらせている傾向は否めない。それだけにこの決勝戦は中国が北京五輪をきちんと開催できるかどうかを示す機会になりそうだ。

中国滞在の邦人に注意呼び掛け 決勝戦控え日本大使館

2004/08/05 The Sankei Shimbun
 北京の日本大使館は5日、日本と中国が対戦するサッカーのアジア・カップ決勝戦を7日に控え、中国に滞在する日本人に「不測の事態に巻き込まれないよう」注意を呼び掛けた。

 注意点は、 1. 競技場以外で日本代表のユニホームなどを着ない。 2. 群衆に近づかない−など4項目。 競技場での観戦では「日本人用のブロックに着席し、横断幕や大型の旗などを持ち込まない」などとしている。

 中国人観衆がこれまでの試合で、日本選手やサポーターに激しいやじを飛ばしたり、物を投げ付ける事態が起きており、同大使館は中国当局に邦人の安全確保に万全を期すよう要請している。

 競技場のチケット売り場には中国人ファンが全国から駆け付け、数百人の列ができている。中央テレビは、多数のダフ屋が定価の2−3割増しでチケットを売りさばいている、と怒るファンの言葉を伝えており、競技場周辺は既に、異様な盛り上がりを見せている。(共同)

サッカー:アジア・カップ 反日応援は「日本の誇張」−−中国外務省

2004年08月05日 毎日新聞 東京夕刊 Mainichi INTERACTIVE
 【北京・大谷麻由美】中国外務省の孔泉報道局長は4日夜、コメントを発表し、サッカーのアジア・カップの試合での中国人観客による反日応援について、「少数のファンの過激な行為には賛成しない」と述べ、中国人ファンに冷静な対応を求めた。

 その一方で、「一部の日本メディアが、少数の人たちの行為を誇張して報じており、政治問題化している」と指摘した。

ホスト国のもてなしどこへ行った… サッカー・アジア杯

2004/08/05 The Sankei Shimbun
 スタジアムで国歌が聞こえない−。日本代表の海外遠征には何度も同行したが、厳粛な時間をここまでかき乱された経験は初めてだ。熱狂的サポーターを抱える韓国、イングランドでさえ国歌演奏の間は静寂が支配する。世界共通のマナーが中国には存在しなかった。(北京 榊輝朗)

 オマーン、タイ、イラン、ヨルダン。重慶での4試合に、ホスト国の心は感じられなかった。日本の対戦国が好機を迎えると大歓声を上げる。関心はサッカーではなく、日本の敗戦としか思えない。尖閣諸島の領有権を主張する横断幕が掲げられ、公安職員が撤去する一幕も何度かあった。

 ホスト国としての資格を疑わせる前兆は、7月17日の開会式からあった。スタジアムでの運営面の落ち度などを批判するブーイングが絶えず、一向に静まらない客席に閉口したアジアサッカー連盟(AFC)のピーター・ベラパン事務局長が「マナーがひどい。五輪が開催できるのか」と批判すると、ファンだけでなく北京市や大会関係者からも発言撤回を求める声が沸き起こりベラパン氏は謝罪している。こんなホスト国は前代未聞だろう。当局まで一緒になったことでファンの中のタガが外れたようだ。

 北京五輪を控え、政府もこれではまずいと思ったようだ。中国共産党の青年向け機関紙が行き過ぎた行動を批判、引き締めにかかり、済南では多少は鎮まった。だが、中国との決戦を控え、地元ファンはホスト国として振る舞うだろうか。

 4日付の中国共産党機関紙、人民日報は、日本代表について「日本もいいチーム」といった国民の声を紹介、中国各紙も日本の実力を「『二軍』で勝って決勝へ」(京華時報)などと評価する記事を掲載するなど、日本への配慮を見せた。だが同じメディアが2日、ジーコ監督にサッカーとは無関係の「領土問題」を質問し、場違いな取材で不興を買っている。

 サッカーは見る者を興奮させる。試合中のブーイングや大歓声は世界共通だが、2年前のW杯の日本でも今年開催された欧州選手権の開催地ポルトガルでも、他の国のサポーターへの温かいもてなしがあり、いずれも各国メディアに評価された。応援するサポーターに物を投げつけるファンのいる国が、同じ評価を得られるとは思えない。

 中国のスポーツ紙記者は、「大きな大会の開催に慣れていないことも要因だ」と弁明した。だが、ホスト国の心構えは、難しいことではない。

 「歴史的な問題はスポーツとは関係ない」「国歌が聞こえなくて歌えないのは不満だ」−。日本代表のジーコ監督や選手たちの要望に耳を傾け、配慮すれば、いい。

 決勝戦で、それができるか。五輪開催国のホスピタリティーを測るリトマス試験紙になる。

反日サポーター対応見守る

2004/08/04 The Sankei Shimbun
 中国で開催中のサッカー、アジア・カップの反日サポーター問題をめぐり、政府は4日の閣僚昼食会で、7日の日中両国による決勝戦に関し「混乱が生じ過熱による暴力ざたが起きたら問題だが、中国側も申し入れに『しっかり対応する』との考えを示しており、見守っていこう」との認識で一致した。

 細田博之官房長官は4日の記者会見で、これまで3回にわたって中国側に改善を申し入れたことを説明。3日には薮中三十二外務省アジア大洋州局長が駐日中国公使に「平静に対応してほしい。スポーツ交流で、反日感情をあおるようなことになってはいけない」と求め、中国側は「その通りだ」と同意したという。

 河村建夫文部科学相は4日の衆院文部科学委員会で「このままでは北京五輪に懸念がある。外務省や日本サッカー協会と連携を取りながら、政府として対応をきちんとしたい」と述べた。民主党の笠浩史氏への答弁。

川口外相、中国の反日行動に遺憾表明 サッカー・アジア杯

2004/08/04 The Sankei Shimbun
 川口順子外相は4日午前の衆院外務委員会で、中国で開催中のサッカー、アジア・カップで日本チームやサポーターに激しいやじが浴びせられたことに対し「反日的行動について中国のサッカーファンはもう少し考えてほしい。遺憾だ。日中関係の増進にはプラスにはならない」と批判的な見解を示した。民主党の松原仁氏への答弁。

 4日の自民党観光特別委員会(二階俊博委員長)などの合同会議でも「外務省は中国に断固抗議すべきだ」「これ以上反日行動が続いたら、北京五輪への出場を見合わせる方法もある」と中国批判が続出。二階委員長が「中国大使を呼び、外相などが直接抗議すべきだ」と要求したのに対し、外務省幹部が「直ちに検討する」と述べた。

 一方、細田博之官房長官は4日午前の記者会見で、7日の日中両国の決勝戦について「トラブル、暴力行為が起きてはいけない。中国にしっかり対応していただきたい」と指摘。阿部正俊外務副大臣も記者会見で、これまで3回にわたって在京中国大使館などを通じて申し入れを行った結果、3日のバーレーン戦の状況は「改善された」との認識を示した。

 これに関連して小泉純一郎首相は4日昼、首相官邸で記者団に「スポーツだからね。お互い温かく楽しもうじゃないか。その方がいいんじゃないか」と述べた。

サッカー・アジア杯での反日行動 自民から中国批判

2004/08/04 The Sankei Shimbun
 開催中のサッカー・アジア杯で日本チームが中国観衆から激しいブーイングを受けている問題で、小泉純一郎首相は3日夜、官邸で記者団に対し「スポーツは友好の祭典だ。日本選手も、外国選手も温かく迎えてほしい」と述べた。同日午前、国会内で開かれた自民党役員連絡会では中国政府の対応を批判する声が続出。自民党執行部は「2008年の北京五輪への参加が危ぶまれる」と中国政府に毅然(きぜん)とした対応を求めるよう政府に要請、細田博之官房長官も同日の記者会見で、中国政府と対応を協議したいとの考えを示した。

 役員連絡会では、小島敏男副幹事長が「日本チームやファンへのブーイングはあまりにもひどい。政府は中国政府にしっかり抗議すべきだ」と切り出した。これをきっかけに「中国が行っている反日教育の結果ではないか。反日教育が行われる限りこのような事態が続くのではないか」(西川京子女性局長)「北京五輪が開催できるのか」(岩永峯一副幹事長)などの声が相次いだ。

 また、河村建夫文部科学相は会見で「国旗国歌への敬意が払えないというのは、お互いの国の教育の問題ではないだろうか。スポーツに政治的なものを持ち込まないのは大原則だ」としたうえで、「中国政府もしっかり考えておられると思うので、その取り組みに期待したい」と述べた。

 役員連絡会後、記者会見した安倍晋三幹事長は「対ヨルダン戦であれほどのヤジだ。中国戦が実現した場合、選手やサポーターの安全は確保できるのか」と強い懸念を表明。安倍氏は、細田長官に党内での議論を電話で伝えた。

 細田長官はその後の会見で、「非常に遺憾な状態だったという人は多い。スポーツ本来の目的は友好促進なので、それに反することがないよう政府もよく注意しなければならない」と指摘した。

 ただ、今回の中国側の対応の背景に首相の靖国神社参拝などがあるとの見方には、首相は「スポーツにあまり政治的な意識を持ち込まないほうがいい。そういうことだけじゃないと思う」と否定。細田長官も「サッカーをすべてに結びつけるのは早計だ。因果関係もない。中国観衆がすべて日本の政治問題に詳しいわけではなく、よく調べなければいけない」と語ったうえで、「両国で(対応の)検討も必要ではないか」と強調した。

サッカー・アジア杯での反日行動 中国政府、五輪控え懸念

2004/08/04 The Sankei Shimbun
 【北京=野口東秀】中国で開催中のサッカー・アジア杯は3日、激しい反日ムードに包まれた重慶から、済南(山東省)に移り日本対バーレーンの準決勝を迎えた。スタンドには「釣魚島(尖閣諸島)は中国のもの」などの反日スローガンも登場するなど、試合は依然とげとげしい空気に包まれた。ただ、暴徒鎮圧部隊を投入した厳しい警備に加え、北京五輪を4年後に控えて露骨な反日姿勢に国外のほか、中国の一部でも批判が高まったことで、状況はわずかに改まる結果となった。

 試合前の国歌吹奏。「君が代」吹奏の紹介のアナウンスが流れると、大きなブーイングがスタジアムにこだました。

 しかし、日本人観戦者によると、「君が代」吹奏中のブーイングがさほど聞かれず、当局側が国際的イメージを懸念、静粛にするよう呼びかけたことがうかがえる。大学生らのボランティアが観戦の若者に「礼儀正しくしよう」と呼びかけ、その効果も出たようだ。

 不測の事態に備え、「重慶を上回るすさまじい数の警備。おそらく1000人単位の規模」(日本人観戦者)の制服・私服の警察官、そして暴徒鎮圧にあたる人民武装警察隊員などが観客席に動員された。中国政府が北京五輪を控え、イメージダウンを強く懸念していることがうかがえる。

 入り口には金属探知機が設置され、カバンの持ち込みは厳禁。留学生ら4、50人程度の日本人サポーターは中国人と切り離す形で一角におかれ、四方を数十人の警察官らが警備した。

 しかし、バーレーンの得点やチャンスには会場は大歓声に包まれるなど、サポーターの日本嫌いは明らかだ。「サッカーは世界のもの、釣魚島は中国のもの」という横断幕を掲げて制止されるサポーターも見受けられた。

 それでも、わずか10数人の日本人サポーターに怒鳴り声が浴びせられ、ゴミが投げつけられた対ヨルダン戦など、重慶での4試合に比べれば状況はやや改善。横断幕も重慶では「歴史を直視してアジア人民に謝罪し、釣魚島を返せ」など、より政治的なものだった。

 「マナーの悪さと国際試合の不慣れが理由。同胞として恥ずかしい。北京五輪でこんなことが報道されたら中国人としてみじめ」との声が北京在住の中国人からも漏れる。

 「中国を常に被害者と位置付ける対日思考が恒常化し、愛国主義と反日行動を混同する結果になった。それが狭隘(きょうあい)な民族感情に陥らせ、ささいなことでも民族問題に拡大させようとする意識が生まれた」。北京の大学教授はこう分析する。

 北京五輪に向けて偏狭な愛国主義、民族主義の噴出をどうコントロールするのか。中国の五輪準備は別の重い課題を自ら背負い込んだようだ。

中国で流出の液体、旧日本軍遺棄兵器と確認…外務省

2004/08/03 読売新聞 Yomiuri On-Line
 外務省は3日、中国吉林省敦化市で7月に見つかった砲弾から流れ出た液体で児童2人が負傷した事故に関し、砲弾が旧日本軍の遺棄化学兵器と確認したと発表した。

 日本の専門家による調査団が2日に現地で調査した結果、砲弾の液体が毒ガスの一種のびらん剤で、旧日本軍が使用していたものと砲弾の形状などが同じであることが判明した。

 高島肇久外務報道官は3日、「事故は極めて遺憾で、被害者の方々に心からお見舞い申し上げる」とする談話を発表した。

 外務省は現地調査を続ける一方、中国側と協議して砲弾の処理を急ぐ方針だ。

中国、PK戦でイラン下し決勝進出…アジア杯

2004/08/04 読売新聞 Yomiuri On-Line

 サッカーのアジアカップ準決勝、中国―イランは3日夜、中国・北京で行われ、1―1で延長戦に突入したが決着がつかず、PK戦の末、4―3で中国が決勝進出を決めた。7日の決勝で、連覇を目指す日本と対戦する。

 開催国の中国は、大観衆の後押しを受け、激しいプレーで主導権を握り、19分に先制ゴールを奪取。その後も堅守からの速攻でイランゴールを脅かしたが、38分、イランはミドルシュートを決めて同点に追いついた。

 イランは48分、自陣ゴール前での小競り合いで、ザレがレッドカードを受けて退場。後半開始早々に1人少ない劣勢に立ったが、守備を固めてからの速攻でゴールを狙った。試合を支配した中国は猛攻を仕掛けながら決定力を欠き、90分を終えた。

 延長戦では、中国が何度もあった決定機を逃し、PK戦で決着がついた。

日本4―3バーレーン、延長勝ち…アジア杯決勝進出

2004/08/03 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【済南(中国)=川島健司】サッカーのアジアカップは3日、準決勝2試合が行われ、連覇を目指す日本はバーレーンと対戦した。

 立ち上がりから攻勢だった日本だが、6分、準々決勝に続いて先制を許した。その後、前半は好機を逃す場面が続き、40分には遠藤が不可解な判定でレッドカードを出され、退場。

 苦しい展開で後半に入った日本だが、48分に途中出場の中田浩が頭で押し込んで追いつき、55分には玉田の左足シュートがネットを揺らす。71分と85分の失点で再び追う展開となったが、後半終了間際に中沢の同点ダイビングヘッドが決まり、3―3のまま延長に突入した。

 延長では、93分に相手DFのボールを奪った玉田がこの試合2点目を決め、日本が先手。

 延長後半のバーレーンの反撃をしのぎ、日本は4―3で勝利。2大会連続の決勝進出を果たした。

 もう1試合の準決勝、中国―イランは北京で午後9時(日本時間午後10時)にキックオフ。決勝は7日、3位決定戦は6日、いずれも北京で午後8時(同午後9時)から行われる。

 ◆しぶとい日本、前回王者の粘り見せる◆

 どうにか勝ち進んできた日本が、大ピンチに陥った。開始6分、いきなり先制された。宮本が「要注意の選手」としていたA・フバイルが、振り向きざまのシュート。日本が許したこの大会3度目の先制点だった。

 まだ時間は十分にあった。ところが40分、ボールと関係ない所で遠藤が相手選手と接触、相手が大げさに倒れると、主審は遠藤に暴力行為があったとの判定でレッドカードを示した。1点のビハインドで10対11の戦い。重慶と変わらない済南の観客のブーイングも、日本には厳しい判定も、まさにアウエー状態だ。

 だが、今の日本はしぶとい。ジーコ監督は44分に田中を下げて中田浩を入れ、4バックに。後半開始時には福西に代えて小笠原を投入、勝負に出た。わずか3分後、中村の左CKを中田浩が完ぺきなヘッド。同点とすると、55分には玉田が角度のない所から大会初得点を挙げ、勝ち越した。

 その後、71分に再びA・フバイル、85分には途中から入ったナセルに決められ、今度こそ絶体絶命のピンチを迎えたが、ロスタイムに入る直前、三都主の左からのクロスに、一か八かで攻め上がった中沢が頭で合わせ、再び同点とした。ヨルダン戦に続く、驚異的な粘り。ここまで、アジアの強豪らしい戦いを見せてきたとはいえない日本だったが、この日の戦いは、まさに前回王者のものだった。(川島 健司)

会場変わっても「アウエー」の雰囲気 アジア杯の日本

2004/08/03 asahi.com
 サッカーのアジアカップで、日本は初めて重慶から済南に試合会場を移したが、ここでも「アウエー」の雰囲気は変わらなかった。日本選手の登場時や国歌吹奏ではブーイング。バーレーンに対しては、少しでも好プレーがあると拍手が起こった。

 日本のサポーターは50人ほどがスタンドの一角にいたが、その区域の両側を警察に守られた格好で声援を送った。

小泉首相、アジア杯の反日問題で「温かく迎えてほしい」

2004/08/03 asahi.com
 小泉首相は3日夜、中国で開催中のサッカー・アジアカップで、地元市民が反日感情をあらわにしている問題について、「スポーツは友好の祭典ですから、温かく日本の選手も外国の選手も迎えていただきたい」と述べた。首相の靖国神社参拝が反日感情の高まりの一因だとの見方については「そういうことだけじゃないと思う。スポーツにあまり政治的な意識を持ち込まない方がいいんじゃないでしょうか」と語った。首相官邸で記者団の質問に答えた。

 一方、3日の自民党の役員連絡会や総務会でもこの問題が話題となり、中国を批判する意見が相次いだ。安倍晋三幹事長が近く政府に対し、適切な対応を取るよう申し入れることになった。

 役員連絡会では小島敏男副幹事長が「政府がしっかり抗議すべきだ」と口火を切り、西川京子女性局長が「反日教育の結果ではないか」と指摘した。岩永峯一副幹事長も「(08年の北京)オリンピックがちゃんとできるのか」との懸念を示した。総務会でも、宮路和明衆院議員が「スポーツにこういうことを持ち込むのは問題だ。見過ごせない」と述べた。

重慶の「反日」行為、「両国の教育の問題」 文科相

2004/08/03 asahi.com
 中国・重慶で開かれているサッカー・アジアカップで地元市民の反日感情が高じていることについて、河村文部科学相は3日の記者会見で「スポーツとは教育的な場。国旗・国歌に対する敬意がはらわれないというのは問題だ。お互いの国の教育の問題ではないかと思う」との感想を述べた。

 今大会では、日本チームの試合で君が代が演奏されるときに観客が座っていたり、日本人サポーターに観客からゴミが投げつけられたりしている。文科相は「スポーツではフェア精神を発揮するのが大事。日本では政治的なものを持ち込まないのが大原則であり、中国政府にも十分対応してもらえると思っている」と述べた。

細田氏「中国政府と協議したい」 サッカーやじ問題

2004/08/03 The Sankei Shimbun
 細田博之官房長官は3日午後の記者会見で、中国で開催中のサッカー、アジア・カップに出場している日本チームへの激しいやじについて「非常に遺憾な状態だったという人は多い。両国で検討も必要なことではないか」と述べ、中国政府と対応を協議したい考えを示した。小泉純一郎首相も同日夜、記者団に「スポーツは友好の祭典だから、日本選手、外国選手を温かく迎えてほしい」と配慮を要請した。

 この問題をめぐって午前の自民党役員連絡会で「政府はしっかりと抗議すべきではないか」などとの意見が相次ぎ、安倍晋三幹事長が細田長官に党の意向を電話で伝えていた。

 首相は自らの靖国神社参拝がやじの背景になっているとの見方については「そういうことだけではないと思う。スポーツに政治的意識を持ち込まない方がいい」と強調した。

 この点について細田長官は「(首相の靖国参拝の影響は)よく分からない。何万人という観衆がどのような考え方で行動したかよく分析してみなければならない」と指摘。さらに「スポーツ本来の目的は友好の促進だ。それに反することのないよう政府も注意していかなければいけない」と述べた。

“反日サポーター”で中国政府に抗議を…自民内で批判

2004/08/03 読売新聞 Yomiuri On-Line
 中国で開催中のサッカー・アジアカップで、中国人観衆が日本選手らに反日感情を露骨に示している問題について、政府や自民党で3日午前、中国側を批判する声が相次いだ。

 河村文部科学相は閣議後の記者会見で、「スポーツに政治的なものを持ち込まない大原則について、中国政府も十分対応してほしい。2008年に北京五輪を控えており、中国政府も考えていると思う」と指摘した。

 自民党の役員連絡会では、小島敏男副幹事長が「政府は抗議すべきだ」と口火を切ると、西川京子女性局長も「中国の反日教育の結果ではないか」と指摘した。岩永峯一副幹事長は「オリンピックがちゃんとできるのか」と懸念を表明した。安倍幹事長は近く、政府に適切な対応をするよう申し入れる考えだ。

準決勝の済南でも“反日ファン”に厳戒態勢

2004/08/03 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【済南(中国山東省)=伊藤彰浩】日本代表が準決勝に勝ち進んだサッカー・アジアカップは3日、山東省済南で対バーレーン戦が行われたが、地元ファンの反日的な観戦態度が続いているのを受け、警備当局が「友好的でない」横断幕などの持ち込みを禁止するなど、不測の事態に備えてこれまでにない「厳戒態勢」が敷かれた。

 日本人ファンにものが投げつけられるなど危険な状態が続いているためで、在北京の日本大使館も邦人保護担当官を現地に派遣して警戒にあたった。また、警備当局はこの日、約50人の日本人ファンを1か所に集めて警備を固めたほか、日本語の話せるボランティアを要所に配置した。

「中・台別色の冊子」問題、日本の説明に中国が納得

2004/08/03 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【済南(中国)=川島健司】日本サッカー協会が、アジアカップで配布していた英語のメディアガイドで台湾と中国を同じ色に印刷していなかったことについて、中国の報道陣が不満の意を表していた問題で、日本協会の手島広報部長は3日、「中国の組織委員会側と話し合った結果、理解が得られた」と話した。

 日本協会側は、「政治的な意図は全くなく、国際サッカー連盟の発行している各サッカー協会案内に従った」と説明、中国側も納得したという。

 ただ、日本協会では、決勝ではこのメディアガイドを記者室には置かない意向。

 

中国人報道陣、ジーコ監督に「台湾問題」で“迷”質問

2004/08/02 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【済南(中国)=川島健司】サッカーのアジアカップに出場中の日本代表チームは2日、翌日の準決勝を控え、済南で公式会見に臨んだが、中国人報道陣から、ジーコ監督に対して政治的な質問が出される一幕があった。

 質問は、日本サッカー協会が、外国の報道陣用に出している英語のメディアガイド(代表チーム紹介)に関してのもの。中に東アジアの地図が描かれたページがあり、中国が黄色く塗られていることについて、ジーコ監督へ理由を尋ねる質問が出た。

 監督は「中国がホスト国なので、ほかの国と一緒だと見分けづらいからでは」と答えたが、組織委員会関係者の話では、質問は、地図の中で台湾が黄色く塗られていないことに対して抗議する意図だったという。この問答は、司会者が「政治的な質問をする場所ではない」として途中で打ち切られたが、記者たちは納得のいかない様子で会見場は騒然となり、日本サッカー協会の広報担当者は、「3日の試合前に回答する」と説明した。日本のサッカーへの理解を深めてもらおうと作成した資料が、思わぬ波紋を呼んだ形だ。

 サッカー界では、中国と台湾は別個の独立した協会と代表チームを持っており、アジアカップの予選には台湾も参加していた。

また露骨な反日行動 サッカーアジア杯会場

2004/08/01 The Sankei Shimbun
 「約旦(ヨルダン)、約旦」−。中国・重慶で31日行われたサッカー、アジア・カップ準々決勝の日本−ヨルダン戦会場は、ヨルダンと中国の国旗ばかりが掲げられ、試合前の国歌演奏で日本国歌が流れると耳をつんざくようなブーイングが起こった。

 約5万5000人の観客のほとんどは地元の中国人。日本人サポーターは10数人ほどで、ヨルダン人サポーターもわずか。「歴史を直視し釣魚島を返せ」と、尖閣諸島の領有権を主張する紙が掲げられ、それを警官が押収するなど、会場は反日色に染まった。

 試合中もヨルダン選手に対しては「ナイスパス」と大きな拍手。日本ボールになるとブーイングが続いた。

 日本選手が点を入れ、日本サポーターが太鼓をたたいて日本国旗を掲げると、中国人の観客は試合そっちのけで立ち上がり、警官が出てきてようやく席に着いた。

 試合を見に来た重慶在住の日本人男性は「ここは日本に対する感情が決して悪くない」とかばいながらも「お祭りのように騒げばいいという感じ。でもこれは国際試合の楽しみ方ではない」とこぼした。

 これまで重慶で行われた日本代表の1次リーグの試合ではペットボトルが日本のサポーターに投げ付けられる事件が起きたため、日本サッカー協会の申し入れで日本サポーターの周りには数十人の警官らが配置された。(共同)

反日的観客、日本人サポーターにいやがらせ…アジア杯

2004/08/01 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【重慶(中国)=伊藤彰浩】中国で開催中のサッカー・アジアカップで、中国人観客の反日的な観戦態度が問題となっているが、31日夜に重慶で行われた日本―ヨルダン戦でも、試合後に日本人サポーターが多数の地元ファンに取り囲まれ、警備当局に一時保護される事態となった。

 帰宅する観衆でごったがえすスタジアム周辺で、応援のため日本代表の青いユニフォームを着た日本人留学生や友人の中国人学生が多数の中国人観客に囲まれて暴言を浴びせられた上、物を投げつけられるなどしたもので、警官やボランティアがスタジアム内に待避させた。留学生らにけがはなかった。

 主催者側は大会開幕後、日本戦での一部中国人観客の過激な反日行動が目立ったため、観衆に観戦マナーを守るよう呼びかけるとともに、日本人サポーターをスタンドの1か所に集めたり、帰宅時にボランティアを同行させたりする警備強化策をとっていた。

ジーコ監督、中国人観客を非難 国歌演奏中にもブーイング

2004/07/30 The Sankei Shimbun

 中国で開催中のサッカー、アジア・カップに出場している日本代表のジーコ監督は30日の練習後、日本チームに激しいブーイングを浴びせる中国人観客のマナーを批判した。

 ジーコ監督は、君が代演奏中にもブーイングを続けた中国人観客の行為について「国歌の時にブーイングをするのはどうしても納得がいかない。試合開始の笛が鳴ったらいくらしてもいいが」と非難。「(今大会は)どこに行ってもブーイングは受けるだろう。政治的なことはスポーツに全く関係ないし、われわれはサッカーができる精神状態を保つことが大切だ」と話した。

 日本が同大会1次リーグ3試合を戦い、31日の準々決勝ヨルダン戦の会場でもある重慶は、歴史的背景から反日感情が根強いとされる。試合では相手チームへの一方的な応援が目立ち、日本はブーイングを浴びながら試合を続けてきた。(共同)

サッカー・アジア杯での露骨な反日行動を批判 中国政府系紙

2004/07/30 The Sankei Shimbun
五輪控えイメージ低下憂慮

 【北京=野口東秀】中国・重慶市などで開催中のサッカー・アジア杯で露骨な反日行動が表面化していることについて中国の政府系紙「中国青年報」は二十九日、観客が日本の国歌吹奏の際に起立しなかったり異常なブーイングを行ったりしたことについて『この種の“愛国”に誰も喝采(かっさい)しない』など強く批判する記事を掲載した。二〇〇八年の北京五輪を控え、国際大会の開催能力に疑問符がつくことを憂慮したとみられる。

 問題の記事は二面トップの扱いで、署名入り。

 日本選手への反日的行為は、二十八日の日本対イラン戦でもボールが日本側に回ると観客が異常なブーイングを浴びせるなど続いたが、記事は、日本人にゴミを投げつけたり、ののしるなどの行為や、「日本好き」の女性らが会場から追い出されたことなど一連の反日行動を批判、恥ずべきものとした。

 記事は「スポーツの場で政治(意識)と愛国感情をぶちまけるのは怖いことではないか」と指摘。日本戦をテレビ中継しなかったことについても「通常のことではない。日本はサッカー弱小国ではない。中継しなかった理由を皆はよく考えるべきだ」と批判した。

 また、「われわれには北京五輪が待ち受けていることを忘れるな」としたうえで、「行き過ぎた民族感情のなかで中国のサポーターは報復的快感を見いだした。しかし尊敬されるスポーツ精神を失った」とも述べている。

 同紙は中国共産党の青年組織である中国共産主義青年団(共青団)の機関紙であり、発行部数約六十万とされる。

 北京五輪を控えて中国政府は対外イメージに敏感になっており、この点からも偏狭な「民族主義」の広がりに歯止めをかけたいところだ。

 中国政府は「歴史問題を友好交流に影響させてはならず、不健康な民族主義を防止すべきだ」(元駐日大使)との立場にあり、掲載の背景には、「極端な民族主義に左右されれば、中央政府の統治が破壊され、社会的安定を損なう」(インターネット掲載の評論)との認識があるようだ。

中国観衆、異様な反日ムード…サッカー・アジア杯

2004/07/29 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【重慶(中国)=伊藤彰浩】重慶など中国各地で開催中のサッカー・アジアカップで、日本代表に対しブーイングを浴びせるなど、中国人観衆の反日的行為が問題になっている。

 過去の歴史を巡る根深い反日感情がスポーツを通じて、露骨に表面化した形だ。「こうした状態が続けば、2008年北京五輪でも『反日』が噴出するのでは」との懸念も出ている。

 28日の日本―イラン戦。中国人観客は、試合開始後、日本がボールを取ると激しいブーイングを浴びせた。アウエー試合を思わせる異様な雰囲気だ。

 中国で開催されるスポーツの国際大会では、日本の選手、チームはこれまでも、中国人観衆に冷たく扱われてきた。

 今回は、国歌演奏で起立しないという礼を失した行為ばかりではない。24日の日本―タイ戦の後、日本人のチームバスが中国人に取り囲まれ、一部の選手とスタッフがスタジアムに取り残された。また、現地の日本人によると、この試合では、日本のサポーターに対し、ペットボトルが投げつけられたという。

 こうした事態を受け、日本サッカー協会は、中国側に警備の強化を要求した。開催国としては、失態と言える。

 地元組織委員会は、「過激な言動を慎みマナーを守ろう」と呼びかけたほか、警備を強化した。これ以上の混乱や、サポーター同士の衝突など不測の事故が起きれば、北京五輪を前に、スポーツ国際大会の開催能力に疑問符を突きつけられることになるからだ。

 ただ、警備強化という「力」による封じ込めは、問題の根本的解決にはつながらない。

 これまでも、何かきっかけさえあれば、過激な反日論が沸騰してきたインターネット上の掲示板は、今回も盛り上がっている。重慶での中国人観客の動きについて、第2次世界大戦で旧日本軍が行った重慶爆撃に触れながら、「日本選手はブーイングの意味をよく理解すべきだ」などとする声も出ている。

アジア杯で厳戒、日本人サポーターに多数の警備員

2004/07/28 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【重慶(中国)=伊藤彰浩】サッカーのアジアカップ日本対イラン戦が28日、中国・重慶で行われた。この大会では、地元ファンの反日的な態度が問題になっており、試合開始前、イラン国歌には起立した観衆が、「君が代」ではほとんど着席のままだった。当局は、厳戒態勢をとり、スタンドの日本人サポーターは、多数の警備員に守られて試合を観戦した。

サッカーアジア杯 中国の反日行動、大国意識と表裏

平成16(2004)年7月27日[火] The Sankei Shimbun
噴き出した異様な“ブーイング”
 【北京=野口東秀】中国・重慶市などで開かれているサッカー・アジア杯が極めて偏狭な中国の「愛国主義」に彩られている。日本対オマーン、日本対タイ戦では日本選手に対する激しいブーイングが会場を覆ったほか、二十四日には試合終了後に日本チームのバスが中国人観客に取り囲まれた。この「日本嫌い」の背景には、低下する共産党の求心力を高める手段として江沢民前政権下で顕著になった愛国主義の強調がある。

 二十日の日本対オマーン戦での中国人の観客の声援は大部分がオマーンに寄せられ、一部の観客は反日スローガンまで叫んだ。二十四日の日本対タイ戦でも日本選手への露骨なブーイングが終始目立った。

 タイ戦では観客席の日本人に物が投げつけられたほか、日本選手のバスが中国人観客らに取り囲まれる騒ぎもあったという。

 田中誠選手は「国歌吹奏のときから何か違ったような雰囲気があった。反日感情が強いのかなとは思った」と語った。

 田嶋幸三・日本サッカー協会技術委員長は「試合中のブーイングは仕方がない」としながらも「日本から足を運んだファンが物を投げられたりして楽しくサッカーを見られないのは問題」と遺憾の意を示した。

 中国中央テレビは日本の二試合とも中継せず録画を深夜に放映したが、これについて同局関係者は「単に番組の編成の都合であり、一カ月前に録画放映は決まっていた。二十八日の日本対イラン戦は中継する」と語った。

 しかし、重慶市は第二次世界大戦で旧日本軍が爆撃した都市でもあり、ネット上では試合開催の二カ月前から「(試合に合わせて)日本国旗を焼こう」など反日行動を呼びかける書き込みが寄せられていたとされ、「反日」の広がりで国際的イメージが悪くなることを警戒した当局側が中継を規制した可能性は否定できない。「南方体育報」もこうした点を示唆している。

 現在もネットの掲示板には「重慶人民は日本選手団に抵抗せよ、爆撃を忘れるな」「日本選手団に歴史の写真を見せて勉強させろ」などの書き込みが存在する。

 歴史問題だけでなく尖閣諸島や沖ノ鳥島、ガス田開発など最近の東シナ海・西太平洋における日中間の紛争についても、日本選手団に対して抗議行動を起こそうとする動きもみられたという。

 「反日」は中国共産党が江沢民時代に愛国教育を強化してきたことと表裏一体の関係にある。

 中国は市場経済化の加速で社会主義イデオロギーに代わる新しいイデオロギーを必要とし、「愛国主義」を全社会的に強調するようになった。腐敗と経済格差の広がりで失われた党の求心力を回復する狙いもあった。

 「反日」を担うのはこうした愛国教育を受けてきた世代が多く、「大部分の中国の大学生は日本が好きではない。日本という言葉から大学生が示す反応は憎悪である」(中国青年政治学院の教授)との指摘さえみられる。

 「中華民族の復興」との言葉が江沢民時代にはみられたが、中国は従来の対日コンプレックスと、経済成長と核を保有する軍事力による大国としての自信の双方が入り交じり、日本への感情を複雑なものにしている面もある。

中国、アジア杯で日本戦だけ録画放送 反日活動恐れる?

2004/07/26 asahi.com
 中国で開催中のサッカー・アジア杯で、日本が加わるD組の試合だけが生放送されなかった。中国の一部メディアは、会場で反日活動が行われるとの情報があり、対外イメージを考慮して実況を避けたと伝えている。

 アジア杯は4組に分かれて予選を行い、他の3組の試合は中国中央テレビのスポーツチャンネルで実況放送されたが、重慶が会場のD組(日本、イラン、オマーン、タイ)は20日、24日の各2試合がいずれも録画放送だった。

 南方体育報は事情通の話として、20日の日本―オマーン戦の際、「日本は出て行け」という横断幕が用意されているなどの情報を市当局がつかんだ、と報じた。市側は、会場で日本のファンが殴られたり、横断幕がテレビ画面で流れたりして、中国の国際的イメージが悪くなることを気に掛けたとしている。

 同テレビは26日、朝日新聞の問い合わせに対し、「20日、24日とも、番組編成上の技術的問題から実況放送できなかった。次回の試合は実況する」と述べた。

中国のテレビ、サッカー日本戦の中継中止 トラブル警戒し

2004/07/24 The Sankei Shimbun
 サッカーのアジア・カップ開催中の中国・重慶で、尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権問題などをめぐり、地元市民が日本チームなどへの抗議活動を計画し、トラブルを警戒した中国中央テレビが20日の日本対オマーン戦の実況中継を取り消した。24日付香港紙、太陽報が報じた。同テレビは24日の、日本対タイ戦の中継も中止したという。

 同紙によると、民間のホームページに5月「愛国心を示す千載一遇の機会だ」などとして、日本国旗を焼くなどの抗議活動に参加するよう呼び掛ける書き込みが登場。現地の日本人サッカーファンに嫌がらせを行う可能性も強まったため、中国当局は競技場入場者の持ち物チェックや日本チームの警備を強化しているという。(共同)

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