TOPIC No.2-31a-4 2004年度日中関係

靖国解決なしに決定せず 新幹線で中国全人代副委長

2004年(平成16年)12月31日 高知新聞
 【北京28日共同】中国の許嘉☆・全国人民代表大会常務副委員長(国会副議長)は28日、北京市内で日本の超党派議員らでつくる「日中新世紀会」の訪中団(団長・遠藤乙彦衆院議員)と会談し、日本からの新幹線技術の導入について「小泉純一郎首相の靖国神社参拝問題が解決しないと難しい。小泉首相が温家宝首相と話し合う以外に決着する道はない」と述べた。

 小泉首相が中国側に対し、靖国問題の解決に向けた姿勢を示すことで、初めて中国の高速鉄道への新幹線技術の導入決定が可能になるとの見方を示したものとみられる。

 また、中国外務省の武大偉次官も同日夜、訪中団との会談で「日本の鉄道技術が一番いいことは分かっているが、今の政治的雰囲気の中で推進するのは困難だ」と語った。  (注)☆は王ヘンに路

従来の日本人像抑制、反日ほどほどに…中国のドラマ

2004/12/22 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【北京=佐伯聡士】中国で、第二次大戦中に日本で強制労働させられた中国人らを描いたテレビドラマ「記憶的証明(記憶の証明)」(全29話)が中央テレビのゴールデンタイムに放映され、反響を呼びつつ20日、終了した。来年の「抗日戦争勝利60周年」を前に、従来の「抗日」の枠を超越した新たな反戦ドラマを目指したもので、急進的な「反日ムード」はあおりたくないとの作り手の思いがにじんでいる。

 ドラマは2003年1月に撮影を終えたが、「日中関係が悪化している中、抗日という微妙なテーマ」(関係筋)のために、当局の検閲に1年以上を要した。

 当初、日本語だった日本人のセリフは、楊監督には不本意ながら、当局の意向で、字幕を読むのが困難な高齢者向けに大部分を中国語に吹き替えさせられた。逆に、日中関係をこれ以上刺激したくない当局の判断で、「小日本」=日本の蔑称(べっしょう)=という言葉は削除された。当局と楊監督の間で、セリフの一字一句を慎重に検討、修正する作業が続いたという。

 それでも、20人近い日本人俳優を起用したのは新鮮だった。総監役を務める日本人俳優が捕虜殺害命令と自らの信念の間で板挟みになる姿などはこれまでなかったものだという。楊監督は「従来の抗日ドラマでは日本人を醜く描くのが当然だったが、表面的なイメージにしたくなかった」と、ステレオタイプの「日本鬼子像」打破に腐心した点を強調した。

 すでに地方局で再放送の動きが始まっているほか、インターネット上でも「これまでの抗日戦争モノとは全く違う。心理描写を深く掘り下げている」(22歳)などとおおむね好評だ。

 ただ、もちろん、楊監督に対して、「日本兵の残忍さが足りない。美化するのか」との批判もある。北京市内の男性会社員(29)は「抗日戦争をテーマにしたドラマはどんなに工夫しても、結局主旋律は同じだ。見る気がしない」と話す。

 北京在住の30代の日本人女性が「やはり日本人の描写がひどくて見ていられなかった。こんなドラマを作る中国と友好を築けるだろうか」と語るなど悲観的な声もある。

 中国紙「北京青年報」によると、来年は「抗日」映画やドラマ60本以上の制作が予定されているという。

 楊監督は「来年、ヤマ場となることがわかっていればこそ、この作品を先に見てほしい。日本での放映を期待する」と話している。

中国、時速300キロの鉄道来年着工 外国企業に発注

2004/12/17 The Sankei Shimbun
 16日の新華社電によると、中国鉄道省の陸東福次官は、中国が総距離3000キロに及ぶ高速鉄道4路線を来年着工、このうち武漢(湖北省)−広州(広東省)、鄭州(河南省)−西安(陝西省)の2路線は時速300キロで運行すると発表した。

 中国は既に時速200キロの在来線高速化計画を準備中だが、これに加えて日本の新幹線並みの時速300キロの鉄道建設に着手する。

 新たな高速鉄道のコンサルタント業務などを外国企業に発注することも決め、同日までに日本企業を含む外国企業16社に対して入札の説明会を実施した。入札は来年1月末に締め切る予定。(共同)

「豪邸ベスト10」発表、最高は57億円 中国

2004/12/07 The Sankei Shimbun
 7日の中国紙、青年報によると、中国の不動産関連の研究所が同国の「豪邸ベスト10」を発表、最高価格は4億6025万元(約57億4000万円)に達し、平均でも4603万元(約5億7000万円)に上った。

 建物と土地使用料を含め1000万元以上を豪邸に分類、全国に1000戸弱あるとしている。富裕層の増加に伴い需要は拡大しているとみられ、過熱気味の不動産投資に対する政府の警戒をよそに、豪邸の建設ラッシュが今後、本格化しそうだ。

 豪邸は北京市、上海市、広東省に集中。中には1・3ヘクタールの敷地を持つ邸宅や、13の島で構成する別荘などもあった。所有者は企業の最高経営者や情報技術(IT)業界関係者、不動産業者、弁護士などで、海外帰国者や香港のスターもいるが、外国人が購入したケースは少ないという。

 同紙によると、中国で100万ドル(約1億200万円)以上持つ資産家は約30万人。うち約1万人は1000万ドル以上を持つ大富豪で、ある不動産業者は「金持ちは中国で豪邸を買えないなら海外に移住してしまう」と供給を増やす必要性を強調した。(共同)

額賀氏ら自公代表が訪中へ 1月10日から日中協議会

2004/12/15 The Sankei Shimbun
 自民党の額賀福志郎前政調会長、公明党の福島豊政調副会長ら両党の国会議員計12人が、北京で来年1月10日から2日間の日程で初めて開く「日中与党交流協議会」に出席するため、中国を訪問することが15日、決まった。

 協議会は額賀氏と公明党の北側一雄前政調会長が今年1月に訪中した際に中国側が提案。小泉純一郎首相の靖国神社参拝を含む両国の歴史問題や安全保障、経済などについて中国共産党幹部らと意見交換する。胡錦涛国家主席との面会も要請している。

 自民党ではこのほか、安倍晋三幹事長代理らが来月9日から、中川秀直国対委員長と古賀誠元幹事長らが同11日から中国入りする予定。

 党幹部の訪中ラッシュの背景には「受け入れる中国側に靖国参拝問題で首相をけん制する狙いがあるのではないか」(関係筋)との見方も出ている。(共同)

靖国参拝中止を再度要求 日中首相、溝埋まらず

2004/11/30 中国新聞ニュース
 【ビエンチャン30日共同=下江祐成】ラオス訪問中の小泉純一郎首相は三十日午前(日本時間同日昼)、ビエンチャン市内で中国の温家宝首相と会談した。温首相は、小泉首相の靖国神社参拝について「A級戦犯がまつられており、中国人民は受け入れることはできない」と中止を要求、来年の訪日招請にも「良い条件と環境の中で訪日できることを希望する」と明確な返答を避けた。

 小泉首相は靖国参拝を「不戦の誓いを新たにするものだ」と説明して理解を求めたものの、二十一日の胡錦濤国家主席に続き、中国側の靖国問題への反発が際立ち、日中間の溝は埋まらず、途絶えている懸案の首脳相互訪問のめどは立たなかった。

 一方、両首相は会談で両国の経済関係の発展や文化交流の促進で一致し、北朝鮮の核問題に関する六カ国協議の早期再開に向けた協力を確認。温首相は、小泉首相らが言及している近い将来の中国への政府開発援助(ODA)打ち切り論に関連して「円借款で中国の経済建設は大きく進展した。適切な形で対応するのが良い」と述べた。

 また、国連改革や中国による東シナ海のガス田開発も協議。小泉首相は中国原潜の領海侵犯事件に触れ「こうした問題を乗り越え、東シナ海を協調の海にすべきだ」と再発防止を要請した。会談は予定の二十五分を大幅に超え一時間に及んだ。

 旧日本軍の遺棄化学兵器処置問題では、小泉首相が中国側の協力を要請し、温首相も早急な処理が必要との認識を示した。

靖国参拝を直接批判 1年ぶり日中首脳会談

2004/11/22 中国新聞ニュース
 【サンティアゴ21日共同=宿南香樹】小泉純一郎首相は二十一日夜(日本時間二十二日午前)、チリ・サンティアゴ市のホテルで中国の胡錦濤国家主席と約一年ぶりに会談した。胡主席は「日中間の政治的障害は、日本の指導者が靖国神社を参拝していることだ」と首相の靖国参拝を強く批判。「歴史は避けて通れない。適切に対処してほしい」と中止を求めたが、首相は参拝継続の姿勢を変えなかった。胡主席が首相に対し「靖国」に直接言及したのは初めて。

 会談時間は三十分の予定が一時間余りに上ったものの、約三年間途絶えている日中両首脳の相互訪問は議題にならなかった。胡主席が首相の「政治信条」とする靖国参拝を明確に批判したことにより、関係改善の糸口は見いだせなかった。

 首相は胡主席の発言に「誠意を持って受け止める」としながらも、「心ならずも戦場に赴いた人々に哀悼の誠をささげ、不戦の誓いのために参拝している」と理解を求めた。また、中国原潜による領海侵犯事件に触れ再発防止を要請した。

 一方で、胡主席は「共通利益を踏まえて経済交流を促進したい。大局に立って友好関係を発展させる」とも指摘。首相は「中国経済の発展は脅威ではなく、チャンスだ」と応じ、関係発展の重要性を確認した。

 このほか、両首脳は(1)北朝鮮の核開発問題について「平和的解決」に向け六カ国協議の早期再開へ協力していく(2)中国の東シナ海ガス田開発問題は対話による解決を目指す―ことで一致した。

 日中首脳会談は首相の靖国参拝をめぐる発言に中国が反発、中国原潜の領海侵犯事件の発生も加わり実現が一時不透明になったが、中国側が遺憾の意を表明したことから、開催にこぎ着けた。首脳会談は昨年十月のバンコクでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際以来。

日中首脳、チリで会談へ 領海侵犯で中国軟化

2004/11/17 The Sankei Shimbun
 小泉純一郎首相と中国の胡錦涛国家主席の会談が、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開かれるチリ・サンティアゴで20日午前(日本時間同日深夜)にも実現する見通しになった。政府筋が17日明らかにした。日中首脳会談は昨年10月のバンコクで行って以来1年1カ月ぶり。

 チリでの会談は、首相の靖国神社参拝をきっかけに両国首脳の相互訪問が途絶えていることを踏まえ日本側が打診。「私の靖国参拝が(相互訪問の)阻害要因との考えは取らない」などの首相発言に中国側が反発し、一時は実現が微妙になったが、中国政府は17日までに会談に応じる意向を伝えた。中国原潜の日本領海侵犯事件もあり、これ以上の日中関係冷却化を避ける必要があると判断したとみられる。

 日中関係筋によると、中国の武大偉外務次官は16日、阿南惟茂駐中国大使に領海侵犯事件で遺憾の意を表明し、チリでの首脳会談に応じる姿勢を示唆した。

 これに関連して、山崎拓首相補佐官は訪問先の北京で記者会見し、武次官が山崎氏との会談で首脳会談の実現に積極推進の姿勢を示したと明らかにした。首脳会談が実現すれば日中関係に積極的な役割を果たすとの見解も表明したという。中国外務省はこれまで首脳会談実現には「日本側が良好な雰囲気と条件をつくることが必要」としていた。

 両国政府が日程の最終調整を急いでいるが、日本政府筋は「20日午前が難しい場合は、APEC首脳会議終了後の22日に再設定する方向だ」と述べた。

APECで日露首脳会談 日中会談は調整続く

2004/11/16 The Sankei Shimbun
 20日からチリ・サンティアゴで開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議にあわせ小泉純一郎首相とロシアのプーチン大統領との首脳会談が開催されることが16日固まった。両国で日程の最終調整をしている。

 また小泉首相は20日、インドネシアのユドヨノ大統領と10月の就任後初めて会談する。中国の胡錦涛国家主席との会談は調整が続いている。

 日露間では来年初めの大統領訪日で合意しており、小泉首相は北方領土問題解決に向けて環境整備を図りたい考えだ。日露首脳会談は6月の主要国首脳会議(シーアイランド・サミット)以来。

地方政府の経済統計水増しを批判 中国全人代幹部

2004/11/13 The Sankei Shimbun
 中国紙、21世紀経済報道はこのほど、地方政府の経済統計の水増しが深刻化していることを懸念、全国人民代表大会(国会)の蒋正華・常務副委員長が先月29日、地方の数字ねつ造を激しく批判した、と伝えた。

 同紙によると、中国国家統計局が7月に発表した上半期の国内総生産(GDP)実質成長率が9%台だったのに対し、地方各省からの報告を累計すると成長率は13%以上に達し、GDP総額も、政府の計算と地方累計の数字は約20%も食い違っていた。10月に発表した7−9月期GDPでも同様の問題があった。

 同紙は、地方官僚にとって、経済成長の実績が評価や昇進と密接に関連しているため、統計部門に「圧力」をかけるケースが絶えないことが背景にあると指摘している。(共同)

中国の貿易総額世界3位へ 日本抜き、1兆ドル超

2004/11/12 The Sankei Shimbun
 中国商務省が12日発表した2004年秋季版の対外貿易白書によると、今年の貿易総額(輸出入合計)が前年比約30%増の1兆1000億ドル(約116兆5000億円)となる見通しだ。日本を抜いて米国、ドイツに次ぐ世界3位になる公算が大きい。

 鉄鉱石や石炭、原油などの原材料を輸入し、低賃金を武器に「世界の工場」として電機、繊維など加工製品を輸出、2けた増の経済成長を続けてきたことを反映した。

 12月に世界貿易機関(WTO)加盟3年を迎える中国は、一段と世界経済の中での存在感を増す一方、急激な経済成長で通商摩擦や原油高を引き起こすなど世界経済のかく乱要因にもなっている。

 白書によると、貿易黒字額も年間で100億ドルに達すると予想しているが、輸出入の内訳は明らかにしていない。1−9月の中国の輸出入総額は既に03年の年間総額に迫る8285億5000万ドルに上っている。国内経済成長に加え、世界的な景気回復で輸出の好調が続いたためと分析している。

 1−9月期の貿易相手国・地域別の貿易総額では、欧州連合(EU)が1280億ドルで初めて首位になり、米国が1222億ドル、日本が1217億ドルだった。これら3カ国・地域が中国の貿易額に占めるシェアは約45%。米国が最大の輸出相手国で、輸入相手国としては日本が最大。

 急激な貿易額拡大により、米国、日本などとの間で通商摩擦も拡大、中国製品が輸出国から不当廉売(ダンピング)提訴や緊急輸入制限(セーフガード)の対象となる例が増加している。巨額の対中貿易赤字を抱える米国では、対ドルで事実上の固定レートになっている中国の通貨制度が問題視されている。(共同)

日本の常任理入り、支持困難 中国が表明

2004/11/04 The Sankei Shimbun
 日本、中国両政府は4日午後、定期外務次官級協議を都内で開いた。日本の国連安保理常任理事国入りについて、中国側は「日本側の考えは承知しているが、いろいろな国が手を挙げる中で、特定の国への支持表明はしていない」と述べ、現段階で日本への支持表明は困難との姿勢を表明した。

 東シナ海のガス田開発問題をめぐり、日本側は先月の局長級協議で中国が詳細なデータを示さなかったことを「厳しく受け止めている」と不快感を示し、建設的な対応を求めた。中国側は「協議を通じて解決するのがこちらの考えだ」と述べるにとどまった。

 北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議に関しては、北朝鮮が無条件で早期再開に応じるべきだとの認識で一致した。

 また、今月下旬のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際の小泉純一郎首相と胡錦涛国家主席の首脳会談についても、実現を目指すことを確認した。

 協議には、日本側は外務省の田中均外務審議官と薮中三十二アジア大洋州局長ら、中国側は武大偉外務次官らが出席。日中外交当局間の次官級協議は1980年から始まり今回で22回目。

中国・胡政権、大学生を重点に愛国教育強化

2004/10/17 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【北京=藤野彰】中国の胡錦濤政権が、全国の大学生を重点対象に「愛国主義教育」を展開する思想引き締めに着手した。

 当局はその一環として、抗日戦争記念館など全国の「愛国主義教育基地」を集団参観の大学生に無料開放することを決定。こうした政策は、基本的に江沢民政権時代の愛国主義発揚路線を踏襲したものであり、国民のゆがんだ対日観を助長する可能性がある。

 共産党と国務院はこのほど、「大学生の思想政治教育をさらに強化・改善することに関する意見」を全国に通達、思想政治教育の強化を「重大かつ差し迫った戦略任務」とするよう指示した。

 党と政府が共同でこうした通達を出したのは初めてで、党・国家・軍の全権を掌握した胡錦濤総書記が思想引き締めに動いたことを示している。

 通達は「愛国主義教育を重点とし、民族精神教育を発揚する」ことを主要任務に掲げ、大学生の愛国感情を養成するよう要求。その具体策として、愛国主義教育基地の無料開放という新方針を打ち出した。

 大学生に対する思想引き締めの背景には、市場経済化に伴う若年層の“共産党離れ”への危機感がある。全国約2000万人の大学生はエリート予備軍であり、党への忠誠心育成が長期政権維持のカギを握っている。

 今回の通達が愛国主義を思想政治教育のキーワードに据えたことは、愛国主義を前面に掲げることで求心力を確保していく戦略であることを裏付けている。

 ただ、今の中国では、愛国主義発揚はある意味で、反日教育強化と表裏一体の関係にあり、胡政権のキャンペーンによって、否定的な対日イメージがさらに増幅されることも予想される。

 ◆愛国主義教育基地=中国共産党政権が、国民の愛国主義教育のために活用する施設や場所。共産党は1994年、「愛国主義教育実施要項」を発表し、その設置を決めた。革命や抗日戦争に関連する博物館、記念館などが指定され、南京の「大虐殺記念館」などが含まれている。

中国当局「対日新思考」「反日」どちらも封じ込め

2004/10/03 読売新聞 Yomiuri On-Line
 小泉首相の靖国神社参拝など、歴史問題を巡る日中両国民の感情摩擦が深まる中、中国当局は日本に関する言論、報道を厳しく統制、「反日」的な論調とともに、歴史にとらわれすぎずに対日関係を再構築していこうと主張する「対日新思考」も封殺しようとしている。日中関係の悪化を避けつつ、独裁の統治手法、政権の安定も守ろうとする窮余の策だ。(北京で 杉山 祐之)

 <「導き」>

 中国国務院新聞弁公室の趙啓正主任(閣僚級)は最近、日中関係に関する中国での報道について、日本人記者団にこう語った。

 「社会主義国家として我々はメディアを導いている。主要メディアでは反日的論調は見られないはずだ」

 メディアへの介入を、当局がこれだけはっきり認めるのは珍しい。「中国は両国関係改善に努力している」という、なりふり構わぬメッセージだ。中国は、経済発展や台湾問題で大きな影響力を持つ日本との関係改善を急いでいる。

 今の中国メディアは「好きに書かせたら反日一色になる」(中国外務省幹部)状態だ。趙主任はそうした中での「導き」の一例を挙げた。主任自ら、主要各社の編集責任者らに「少数の日本人の言論を、日本(全体)の言論と見なしてはならない。いいか」と念を押したという。

 独裁システムに組み込まれているメディア側は「はい」と答えるしかない。報道現場では「一線記者の日本批判記事は、面倒を恐れる幹部が握りつぶす」(関係者)という。

 旧態依然の世論誘導で、民衆の反日感情を抑えられる時代ではない。メディアが口をつぐめば、根拠のない情報、暴論がインターネット上で膨れあがる。

 その対処でも、政権の発想は締め付けだ。趙主任は反日論の土壌・ネット掲示板について、「行政的手段」による規制を検討していることも明らかにした。

 <沈黙>

 消息筋によると、報道分野の最高責任者である李長春・党政治局常務委員は、「対日新思考」は政権の正式な方針ではないとの考えをはっきり示した。その背景には、「反日」を封じ、「新思考」を容認すれば、激しい反日感情が反政府感情に転じるのは間違いないという情勢がある。

 「新思考」を支持していた知識人は「今は沈黙するしかない。何か言えば、売国奴扱いされる。当局ににらまれる恐れさえある」と声を潜めた。「新思考」は今や、一種の危険思想に近い扱いを受けているとも言える。

 北京の男性会社員(34)は8月のサッカーアジアカップ決勝を前に若い同僚たちが「日貨(日本製品)ボイコットだ!」と無邪気に気勢をあげるのを見た。「昔と違って中日経済は一体化している。日貨ボイコットは中国の首も絞める」と思ったが、怖くて何も言えなかったという。

 男性は自国の現状にため息をつく一方、「小泉首相には怒りを覚える。去年、『靖国神社に行かない』と言えば、中日関係は大きく変わったのに」と話した。

 一昨年来、中国で大論争を巻き起こした「新思考」は、当面、潜伏せざるをえない状況にある。

「対日関係の新思考」著者を召還か 北京で「自由制限」の観測

2004/09/28 The Sankei Shimbun
 日中間の歴史問題をめぐる2002年の論文「対日関係の新思考」で偏狭な民族主義に基づく中国の反日感情を戒めた共産党機関紙、人民日報の元評論員、馬立誠氏が昨夏から勤めていた香港の中国系局、鳳凰テレビを8月に辞職し、北京に戻ったことが28日分かった。

 中国のインターネットなどでは、歴史問題は決着済みと主張し続ける馬氏への批判が高まっており「中国当局が自由な活動を制限するため呼び戻したのでは」(外交筋)との観測が出ている。

 馬氏は辞職理由などについて、28日の電話取材に「今は取材を受けられない。1カ月後に連絡してほしい」と述べ、回答を避けた。関係者によると、馬氏は現在北京で放送関連会社の顧問を務めている。

 馬氏は02年12月、中国誌「戦略と管理」に「対日関係の新思考」を発表。中国の対日政策が修正されるのではと日本側の期待が高まったが、馬氏は中国のネット上で「売国奴」などと猛烈な批判を浴び、鳳凰テレビへの転職も論文への批判の高まりが原因との見方が出ていた。

 馬氏は日本で今年2月「日本はもう中国に謝罪しなくていい」(文芸春秋)を出版。夏に中国で開かれたサッカーのアジア・カップでの中国人の反日ブーイングについても「理性をわきまえない行為は恥ずかしい」と批判していた。(共同)

中国、メディア統制を強化 党政策への批判を封印

2004/09/26 The Sankei Shimbun
 【北京=伊藤正】中国共産党は先の十六期中央委員会第四回総会(四中総会)で、国民の党への不信感を改善することを主眼にした「執政能力強化」を決定したが、報道政策に変化はなく、むしろ規制強化の方向が明確になった。中国の報道関係筋によると、胡錦濤政権の報道改革は事実上頓挫し、メディア界は「冬の時代」を迎えつつあるという。

 中国紙「新京報」によると、今月二十三日までの二日間、北京で開かれた全国版権会議で、活字媒体を監督する国務院新聞出版総署出版物市場監督管理局の范衛平局長は、党・国家指導者の攻撃、政治の権力闘争や内幕物などを内容とした刊行物を禁じる方針を発表した。

 禁止対象には経済、文化、社会の方向を「みだりに憶測」したものも含まれる。

 范局長の発言は出版物に関連したものだが、関係筋によると、党機関紙「人民日報」など八つのメディアを対象にした報道改革の中で、報道の使命は「党の宣伝」との伝統的な政策を確認、「指導者の権威を損ない、政策に疑問を抱かせる」報道は禁じる方針が打ち出されたという。

 八月六日付の週刊紙「文匯読書週報」によると、同総署の新聞・雑誌管理局当局者は、共産主義青年団機関紙「中国青年報」記者の取材に対し、報道改革での「四つの不変」を強調した。これは、党による(1)メディア支配(2)幹部人事権(3)世論動向の管理(4)資産管理−の四つは、改革のいかんにかかわらず不変、というものだ。

 胡錦濤総書記が提起した執政能力問題の根源には、幹部の腐敗などによる国民の強い党不信がある。党支配下にあるメディアの機能は弱く、党中央の指導者、政策への批判など論外だ。胡氏は昨春、国民の利益、関心にこたえる情報公開と報道活動の改善を主張、直後に北京を襲った新型肺炎(SARS)問題で、それを実践し、胡氏はメディア界の支持を得た。

 当時、党政治局の宣伝担当、李長春常務委員も、文化の発展を束縛する思想、やり方、規定を改革し、体制の弊害を除去すべきだと発言、党の報道政策の変化に対する期待が広がった。しかし李氏や劉雲山党中央宣伝部長らは昨年夏以降、報道規制強化に転じた。

 上海指導部の関与がうわさされた実業家、周正毅氏の不正事件の報道が抑圧された後、広東省幹部の不正などを暴いた南方都市報の編集幹部らが疑問の多い「贈収賄罪」で懲役刑を受けた。最近では北朝鮮批判論文を載せた「戦略と管理」誌が停刊に追い込まれ、四中総会での江沢民・前中央軍事委主席辞任をいち早く伝えた米紙ニューヨーク・タイムズの北京支局助手が拘束された。

 中国筋によると、宣伝部門を牛耳る上海グループは、党の権威を守り、社会の安定を図るには報道への指導権が不可欠と主張しているという。同筋は「胡錦濤氏は腐敗問題を含め、報道の追及を警戒する広範な指導者、官僚の抵抗を受けており、報道の自由は当分望めない」としている。

中国・胡主席、日中関係を「世界で最も重要な二国間係」

2004/09/22 asahi.com
 中国の胡錦涛(フー・チンタオ)国家主席は22日、訪中している河野洋平衆院議長と北京の人民大会堂で会談した。胡氏は日中関係について「自分も中国の新指導部も一貫して、世界で最も重要な二国間関係の一つとして重視している」と表明するとともに、小泉首相の靖国神社参拝に関して「当面の急務は靖国参拝問題を妥当に処理することだ。大局的な判断をしてほしい」と述べ、日本側の協力を求めた。

 胡主席が19日に共産党中央軍事委主席に昇格し、名実ともに全権を握った後、日本の要人と会談したのは初めて。

 胡主席は、日中の首脳往来が中断していることなどを指して「両国関係はいくつかの困難に直面しているが、中国側の責任ではない」として靖国参拝に言及。「問題が長引けば長引くほど被害者を傷つけることになり、他の分野にも影響が及びかねない」と懸念を示したうえで「『政冷経熱』と言われるが、これは自分たちも目にしたくない」と語り、関係改善への強い意欲を示した。

 河野氏は「小泉首相は二度と戦ってはならないとの信念を持っているが、アジアの中で理解されることが大事だ」との考えを示した。同時に「中国は、日中が戦った歴史だけでなく、国交正常化後の32年間協力して繁栄を実現してきた歴史も次世代に教えてほしい」と求めた。胡氏は「我々が友好協力の大局に立てば、どのような困難も克服できる」と応じた。

日中友好委:江氏辞任で対日政策変化ない 中国側

2004年9月20日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE
 小泉純一郎首相と中国の胡錦濤国家主席の諮問機関である「新日中友好21世紀委員会」が20日、東京都内で開かれた。中国側の座長で、胡主席のブレーンの鄭必堅・改革開放フォーラム理事長は、江沢民・党中央軍事委員会主席の辞任に関連して「江氏が反日派、胡氏が親日派と言われるが、基本的な変化はない」と述べ、小泉首相の靖国神社参拝への厳しい対応など今後の対日政策に変化がないことを強調した。

 また、日本側座長の小林陽太郎・富士ゼロックス会長と鄭氏は同日の記者会見で、小泉首相に靖国参拝を中止するよう求めた。

 同委員会は2日間、日中関係について討議。8月のサッカー・アジアカップでの中国人ファンによる騒動などを受け、「両国の国民感情の悪化を懸念する。両国は、歴史をかがみとして未来志向で、友好、互恵の関係を築くべきだ」といった共通認識を発表した。

ジェトロ:上海の百貨店に「日本の果物」コーナー

2004年9月20日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE
 日本の果物を中国市場に本格的に売り込もうと、日本貿易振興機構(ジェトロ)上海センターは20日、中国上海市の百貨店に常設の「日本の果物」コーナーを設け、試験販売を始めた。来年2月末まで約5カ月間続ける。出品されたのは青森、岩手、長野、茨城、鳥取、熊本6県のリンゴとナシ計8種類。最も高いのは熊本県産ナシの「新高」で1個88元(約1170円)、安いのは青森県産リンゴ「陸奥」や鳥取、長野両県産のナシ「二十世紀」で28元。

 一般のスーパーに並ぶ中国産のナシやリンゴは1キロ10元以下で、日本産は、かなりの高級品と言えるが、早速訪れた中国人男性が試食し「甘みが中国産より濃い」とまとめ買いしていた。(上海・共同)

漁船の修繕を中国に橋渡し 日東製網が福山に商社

2004/09/13 中国新聞地域ニュース
 福山発祥の国内最大手の漁網メーカー、日東製網(東京)は年内にも、漁船の修繕を中国の造船会社に橋渡しする商社を福山市内に設立する。漁網を仕立て直すための工場も中国へ同時期に建設。漁船と漁網の修繕を同時に請け負って国内船主へのサービスを向上し、需要が頭打ちになっている漁網の国内販売シェアのアップを目指す。

 新会社は福山市に本社を置き、資本金一億円程度でスタートする。近く国内船主への受注活動を始め、初年度売上高は五億円を目標にしている。

 上海市中心部に事務所の開設場所を確保した。漁船の修繕は、浙江省秀山島の現地造船会社に依頼することがほぼ固まっている。船と漁網の修繕を併行して実施するため、総事業費一億円で隣接地に鉄骨平屋の工場も新設する。

 新工場建設に合わせて、浙江省平湖市にある網の仕立て工場の従業員を十五人から三十人に倍増。受注に応じて新工場に人員を送る。

 取引先の漁船は南洋で操業しているケースが多く、船主にとって中国での修繕は立地的に好都合。さらに網の修繕にかかる人件費が削減でき、保守、点検費用の削減につながるとしている。

カー製品の売り込み拡大、日本企業が中国で強化

2004/09/12 読売新聞 Yomiuri On-Line
 カーナビゲーションシステムやカーオーディオを手がける日本企業が、中国での生産や販売体制を相次いで強化している。経済発展に伴って自動車の普及が急速に進み、カーナビなどの利用拡大が期待できるためで、今後も進出熱は高まりそうだ。

 富士通テン(神戸市)は今年2月に、中国で2か所目となる生産現地法人を江蘇省無錫市に設立した。10億円を投資して工場を新設し、11月か、DVD―ROMタイプの高級カーナビや、テレビを搭載したカーオーディオなどの生産を始める。2008年には同工場の生産規模を製品全体で100万台にする考えだ。

 同社は昨秋に天津市に販売と設計の現地法人を設立し、製品設計から生産、販売までの一貫体制を整えた。日本で本体を生産した高級カーナビ(日本円換算で約39万円)を8月に中国で発売したが、今後は中国市場向けにデザインや機能を工夫した製品を、現地で開発して投入する。

 ケンウッドは中国国内の自動車販売店や車用品店向けに、昨年12月からDVD―ROMタイプの高級カーナビ4機種(日本円換算で約24万―39万円)を順次発売した。沿岸部の富裕層を中心に、高級品の需要が見込めることから本格参入した。現在は大部分を日本で生産して中国に送っているが、将来需要が拡大すれば、上海近郊にある製造拠点での生産も検討するとしている。

 広東省広州市では、三洋電機が今年3月にカーオーディオの開発から製造、販売までを行う全額出資の現地法人を設立した。主に中国市場を開拓するのが狙いで、9月から生産を始める。2005年度には、20万台を生産する計画だ。

 富士通テンは、2003年に420万台だった中国での自動車販売台数が、2006年には600万台を突破すると見ている。これに伴い、2003年に2000―3000台にとどまったカーナビの販売台数は、2007年には35万台に達すると予測している。

大手銀行、中国で事業展開の日本企業支援に本腰

2004/09/12 読売新聞 Yomiuri On-Line
 大手銀行が、中国で事業を行う日本企業の支援業務に本腰を入れ始めた。現地に支店を設けて投資環境に関する情報提供などを行うとともに、中国企業との取引拡大にも積極的な姿勢を見せている。

 三井住友銀行は今年度中に、邦銀で初めて中国・杭州市に支店を開く。上海市の隣にあり、松下電器産業など電機メーカーを中心に日系企業の進出が急増している地域だ。中国での拠点は、上海や広州などに続き5店目になる。

 2002年末に中国業務推進部を設け、現地支店と連携し、中国進出を狙う取引先などに、投資環境や規制緩和など現地の情報を提供してきた。同部は「今後は自動車部品メーカーや運輸・物流会社の支援を進め、現地企業との取引も拡大したい」と話す。

 中国に初めて支店を開く準備を進めているのが住友信託銀行だ。2005年春をめどに上海市に設け、約20人で業務を始める。日本の信託銀行では、初めての支店となる。「信託銀行の得意分野である企業年金の導入が、中国で急速に広がりそうだ」とし、9月中に企業年金の助言業務などを手がける全額出資子会社も、北京市に設立する。

 りそな銀行は9月から、国内の支店と上海市にある駐在員事務所とを双方向通信システムでつなぎ、テレビを使い現地の情報提供や経営相談などを行うサービスを本格的に始めた。

 こうした動きの背景には、日本企業の中国での事業展開が活発になっていることがある。日本政策投資銀行が1559社を対象に行った調査によると、2004年度の海外での設備投資額(計画)は、1兆9566億円と前年度(実績)比7・3%増となった。このうち、中国での投資額(計画)は2123億円で、37・2%増と大きく伸びている。

 また、国内での不良債権処理が一段落して、海外にも目を向けられるようになってきた銀行側の事情もある。日本企業には、既存の現地工場を再編する動きが出ており、銀行もサービスの強化が求められている。

中国、2020年までに総発電能力を5倍に拡大

2004/09/01 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【北京=東一真】中国の原子力政策を統括する国家原子力機構の張華祝主任は1日記者会見し、2020年までに中国国内の総発電能力が9億キロ・ワットに拡大し、その4%に当たる3600万キロ・ワットを原子力発電で賄うことになるとの見通しを発表した。

このため、「今後15年間で100万キロ・ワット級の原子力発電所が27基必要になる」と述べ、毎年2、3基の原発を建設する見通しを示した。

 中国では現在、5施設で計9基の原発が稼働しており、合計出力は701万4000キロ・ワットだ。計画通り進むと、2020年にはその5倍の規模になり、米、仏、日本に次ぐ世界4番目の原発大国になる。

 中国政府は現在、100万キロ・ワット級2基を持つ田湾原子力発電所(江蘇省)を建設中のほか、7月に新たに2つ原子力発電所の建設計画を承認するなど、原発立地を活発化させている。

「社会不安招く」…中国当局が反日サイトを閉鎖

2004/08/31 The Sankei Shimbun
 中国で反日運動を展開している民間ウェブサイト「愛国者同盟網」が30日深夜、中国の鉄道高速化プロジェクトの日本企業落札に反対する署名活動をしたため中国当局によって閉鎖されたことが分かった。同サイトのメンバーが31日明らかにした。

 30日から始めた署名活動は22時間で6万8733人分を集め、その直後に当局から「社会不安を招く」との理由で閉鎖されたという。中国政府の決定に反対する署名のため、運動拡大を恐れて当局が閉鎖したとみられる。

 鉄道高速化プロジェクトの入札は、国内在来線用の新型車両導入のためで、中国鉄道省は29日、川崎重工業など日本企業6社と提携した中国の鉄道メーカーを含め、応札した3社の落札を発表した。

 反対署名を実施した理由について、メンバーの1人は「自国の産業を発展させたい。外国の先端技術の導入には反対しないが、落札の過程が不透明だ」などと説明した。

 愛国者同盟網は2000年に北京で登録。これまで尖閣諸島(中国名・釣魚島)や旧日本軍の遺棄化学兵器問題などで反日世論を盛り上げてきた。尖閣諸島の領有権を主張する民間団体「中国民間保釣(尖閣防衛)連合会」も、同サイトと密接な関係がある。(共同)

性同一性障害の2人に性別変更認める 東京家裁

2004/08/31 The Sankei Shimbun

 心理的な性別と身体的な性別が一致しない性同一性障害を抱える東京都在住の2人について東京家裁は31日までに、審判で戸籍の性別の変更を認めた。同家裁は性別や年齢は明らかにしていない。

 東京家裁管内では、7月16日の性同一性障害特例法施行以来、8月16日までに13件の申し立てがあり、認められたのは2人が初めて。

 27日付と31日付で認められた2人は、いずれも31日に家裁を訪れ審判書を受け取ったという。

 これまでに那覇家裁や広島家裁も性別の変更を認めている。

 特例法は、2人以上の医師から性同一性障害と診断され、20歳以上の未婚者で子供がいないなどの条件を満たしている人が家裁に審判を請求できるとしている。

日本勢が最多の車両受注へ 中国の在来線高速化

2004/08/30 The Sankei Shimbun
 中国の在来線鉄道の高速化プロジェクトで、川崎重工業など日本企業6社が組んだ車両製造大手「南車四方機車車両」(山東省)が、応札した3社の中で最も多い車両数を受注する見通しであることが30日、分かった。新幹線車両の日本での運行実績やコストが評価されたとみられる。

 フランス、カナダとそれぞれ組んだ中国企業2社も落札したが、関係筋によると、中国鉄道省が発注する200編成(1600両)中、四方と日本の連合が既に60編成を獲得。さらに中国当局から「四方グループが他の連合を下回ることはない」と打診を受けており、「60編成をベースに交渉で積み上げていく」(同筋)ことになった。

 高速化の対象は北京−瀋陽(遼寧省)など5路線で総延長約2000キロ。200編成の応札額はカナダが約3800億円、日本が約4200億円、フランスが約5400億円。

中国の鉄道高速化「日本6社連合」が車両落札

2004/08/29 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【北京=東一真】中国鉄道省が主要在来線の高速化事業に関連して、7月に実施した高速車両の入札で、川崎重工業や三菱商事などの「日本6社連合」など、応札した3陣営すべてが落札した。中国の国営新華社通信が29日に伝えた。

 この高速化事業は、北京―上海間の高速鉄道計画に先立つ事業で、中国鉄道省は、高速車両を使って、2005年後半から北京―瀋陽など主要在来線を順次、時速200キロに高速化する計画だ。日本連合の落札により、日本の新幹線車両が中国で運行されることになる。

 高速車両の入札は日本など海外企業と連携した中国企業を対象に実施。日本連合は、中国の大手鉄道車両メーカー「南車四方機車車両」(本社・山東省青島市)と組んで、JR東日本の新幹線車両の「はやて」をベースにした車両で応札していた。

 一方、フランスの重電大手アルストムは中国の鉄道車両最大手の長春軌道客車(吉林省長春市)と組んで応札。カナダの鉄道車両メーカー、ボンバルディアについては、中国現地企業との合弁会社が応札していた。

 入札は200編成(1編成=8両)の高速車両について20編成ずつ10パッケージに分けて実施された。3陣営への発注をどのように配分するかは、今後の正式契約に持ち越される見通しだ。

 ◆北京―上海高速鉄道=中国政府が建設を計画している高速鉄道で、北京―上海間(約1300キロ)を4―5時間で結ぶ。在来線の高速化事業とは違い、線路を含めすべて新たに建設する予定だ。総工費は1兆5000億円程度が見込まれ、新幹線方式の採用を目指す日本と、ドイツ、フランスが受注競争にしのぎを削っている。

日系など3社とも落札 中国の在来線高速化事業

2004/08/29 The Sankei Shimbun
 29日の新華社電によると、中国鉄道省が来年予定している国内在来線の高速化プロジェクトに向け、7月下旬に実施した新型車両の競争入札で、川崎重工業を含む日本企業6社と提携した中国の鉄道メーカーをはじめ、応札した3社がいずれも同日までに落札した。

 3社は、日本企業と提携している車両製造大手「南車四方機車車両」(山東省)、フランスの鉄道車両・重電大手アルストムと組んだ「長春軌道客車」(吉林省)、カナダの航空機・鉄道車両総合メーカー、ボンバルディア系の「青島四方ボンバルディアパワー鉄路運輸設備」(山東省)。

 同プロジェクトは時速200キロでの車両運行を計画しており、入札は合計200編成(1600両)が対象。日本はJR東日本の東北新幹線「はやて」を改良した車両で対応する予定で、中国国内を日本の新幹線型車両が走ることになる。(共同)

日中関係改善へ青少年交流強化を…有識者らが意見交換

2004/08/28 読売新聞 Yomiuri On-Line
 小泉首相に外交政策を助言する有識者らの「対外関係タスクフォース」(座長=岡本行夫・元首相補佐官)は28日夜、細田官房長官を交えた会合を都内で開き、日中関係について意見交換した。

 サッカー・アジアカップでの中国人サポーターらによる反日行動などを踏まえ、日中関係を改善するため、青少年交流などの強化が必要との認識で一致した。

 出席した委員からは「小泉首相の靖国参拝問題があるから日中の交流が止まっているのはおかしい。政治レベルで動かないなら、文化、経済交流を進めるべきだ」「両国の政党同士でも交流を促進できないか」といった意見が出た。

中国銀行も株式会社に 来年にも上場へ

2004/08/25 The Sankei Shimbun
 中国人民銀行(中央銀行)は24日、国有商業銀行大手の中国銀行が株式会社への移行を正式決定したと発表した。国内商業銀行の競争力強化に向け中国政府が取り組む金融改革の一環で、中国銀は体制改革を一段と進めて来年に株式を上場する方針。

 国有商銀4行の中では中国建設銀行も6月、主要業務を引き継ぐ株式会社形式の銀行設立を打ち出しており、残る中国工商銀行と中国農業銀行も先行する2行の状況を見ながら早期に株式会社への移行を図る見通しだ。

 中国銀行は23日、創立発起人主催の会議を開いて株式会社化のための定款を採択。26日に成立大会を開く予定で、昨年末に政府が外貨準備から同行と建設銀行向けに計450億ドル(約4兆9300億円)を資本注入した際に新設した国有資産管理会社が全額出資する形式となる。(共同)

人材育成で無償資金協力 中国に9億6800万円

2004/08/24 The Sankei Shimbun
 政府は24日、中国に対し、遼寧省大連市に人材育成センターを建設するための建設費や機材調達費の一部として、9億6800万円を限度とする無償資金協力を行うと発表した。

 資金を供与するのは、大連市当局と中国政府が建設を計画している「日中友好大連人材育成センター」。実用的な日本語能力と、情報技術(IT)や工学、経営などの専門知識を兼ね備えた人材育成を目的としている。

 大連市には約2150社の日系企業が進出。これらの企業にとって、経営への参加が可能性な優秀な人材の確保につながると期待されている。

対中貿易収支、初の黒字 電子、自動車部品の輸出で

2004/08/24 The Sankei Shimbun
 日本貿易振興機構(ジェトロ)は24日、2004年上半期(1−6月)の日中貿易調査をまとめ、香港経由の取引を含めた対中貿易収支(輸入ベース)は11億3541万ドルの黒字になったと発表した。半期ベースながら、統計のある1993年以来、黒字となったのは初めて。

 輸出は中国への日系企業の進出で半導体、液晶などの電子部品や自動車部品が好調だった。中国の経済成長に支えられ、鉄鋼、プラスチックといった原料や建設機械も増加した。前年同期は8億9614万ドルの赤字だった。

 日本にとって中国は衣料や食品の輸入先という従来の関係が変わり、製品や部品を輸出する巨大市場になりつつある実態があらためて浮き彫りになった。

 輸入は衣料品や食品に加え、現地に進出した日系企業で生産した事務機器や携帯電話が増えたが、輸出の伸びには及ばなかった。「通年でも黒字を維持する」(ジェトロ)とみている。

 上半期の貿易総額(輸入ベース)は前年同期比29・3%増の885億6122万ドルで、93年以来、上半期としては最高となった。

農作物の「品種保護Gメン」新設、中国など海賊版対策

2004/08/22 読売新聞 Yomiuri On-Line
 農水省は21日、農作物の新品種を保護するための対策を強化する方針を明らかにした。

 日本で育成された優良な品種の海賊版農作物が国内外に広がらないようにするため、品種の権利侵害の実態調査を行う「品種保護Gメン」を新設するほか、権利侵害を科学的に立証するDNA(デオキシリボ核酸)分析ができる品目を拡大する。新品種を育てた生産者や産地の競争力を高めるのが狙いだ。

 農作物の新品種は、知的財産権の一つとして保護されており、農水省の審査・登録を経た「種苗」や「収穫物」については、種苗法によって樹木の場合は25年、それ以外は20年にわたって、新しい品種の育成者が生産や輸出の権利を専有できることになっている。

 国内では違反者の罰金額の上限を引き上げるなどの対策をとってきたが、北海道で開発された、白あんとして使われる病害に強いインゲン「雪手亡(ゆきてぼう)」の海賊版が中国から輸入されたり、熊本で育成された茎が細くて高品質な畳表になるイグサ新品種「ひのみどり」の海賊版が中国で作られるなど、権利侵害は絶えない。

駐日大使が外務次官に 中国、王毅次官の後任

2004/08/19 The Sankei Shimbun
 19日の新華社電によると、中国政府はこのほど、武大偉駐日大使(57)が外務次官に就任、次期駐日大使に内定している王毅次官(50)が離任する人事を決めた。北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の議長役という重要ポストを務めた王次官の駐日大使転出とともに、中国政府の対日重視を反映した人事となった。

 武新次官は駐日公使、駐韓国大使を経て2001年から3年間、駐日大使を務めた。王次官の大使転出後に「日本通の中国外務省高官がいなくなりかねない」(北京の日本外交筋)との懸念が出ていたが、中国政府が日本側に配慮を示したといえる。

 王次官は5月に良性腫瘍(しゅよう)の摘出手術を受けて約1カ月間入院したが、6月の第3回6カ国協議では引き続き議長役をこなし健康回復をアピール。日本への赴任は9月中旬ごろになる予定という。

 9月末に次期協議の開催で調整が進められている次回の6カ国協議は、第3回協議に中国次席代表として参加した沈国放・外務次官補が議長を務める見通し。(共同)

JFE、中国に高炉建設へ 合弁で広州に

2004/08/11 中国新聞ニュース
 鉄鋼大手JFEスチールは十一日、提携先の中国・華南地区最大の鉄鋼メーカー、広州鋼鉄企業集団(広州市)と合弁で、高炉を備えた粗鋼から鋼板まで一貫製造する製鉄所を広州市に建設する方針を固めた。

 海外に日本の鉄鋼メーカーが、製鉄の中核設備の高炉を建設するのは戦後初めて。現地に進出している日本の自動車メーカー向けに鋼板を供給、成長が著しい中国の自動車需要に対応するのが狙いだ。

 合弁会社の出資比率や生産規模、設立時期は、約一年間の事業化に向けた調査をした上で、詳細を決める。総事業規模は一千億円を超える可能性がある。

 国内外で設備増設に慎重な姿勢の国内最大手の新日本製鉄に先行し、積極的な経営戦略を打ち出す。

 自動車向け鋼板は高品質が求められており、中国で現地生産している日本の自動車メーカーは、鋼板の多くを日本からの輸入に依存しているのが現状。中国での鋼板一貫生産は、既に合弁で現地生産しているホンダや日産など日本の自動車メーカーによる要望が強いことが背景にあるとみられる。

 JFEと広州鋼鉄は昨年十二月、広州市に自動車向け鋼板を生産する合弁会社を設立、二○○六年四月をめどに年間四十万トン規模で生産を開始する。両社は今回の高炉建設により、粗鋼生産から鋼板の製造まで提携関係を発展させる方針だ。

 国内鉄鋼メーカーの○三年度の粗鋼生産量は一億千九十九万トン。JFEの粗鋼生産量は三千五十五万トンで、新日鉄に次いで国内二位となっており、世界では四位。

秋の味覚20世紀ナシが初めて中国へ

2004/08/10 The Sankei Shimbun
 中国の皆さん、日本のナシをどうぞ−。秋の味覚として人気の高い鳥取県産の20世紀ナシが中国本土へ初めて輸出されることになり、神戸税関が10日、積み出し港の神戸港(神戸市)で通関検査を公開する。

 同税関によると、20世紀ナシが中国へ輸出されるのは、通関記録が残っている1979年以降で初めて。13日に中国の貨物船「裕固河」が上海に向け出港する。

 今回輸出するのは、ビニールハウスで栽培した約5800キロ。JA全農とっとりは「中国の慣習で9月に迎える贈答品商戦の目玉になれば。好評なら露地物も出荷したい」と話している。

 中国では近年、北京や上海などの大都市を中心に高品質の日本産農産物の需要が高まり、青森県産のリンゴなどに人気が集まっているという。

 ナシを保管している神戸市の人工島・ポートアイランドの倉庫では、税関職員が約1万5000個のナシの実を一つずつ手に取りながら、数量や荷物の内容が申請書と一致しているか確認した。

秋の味覚、中国産マツタケの輸入ピーク 関西空港

2004/08/06 The Sankei Shimbun
 秋の味覚の王様、マツタケの中国からの輸入が早くも関西空港で最盛期を迎えている。6日は雲南省産などの約14トンが航空便で続々と到着。税関職員が箱の封を開けると、秋の香りが辺りいっぱいに広がった。

 大阪税関関西空港支署によると、今年は雲南省が天候不順で気温が低く、例年に比べて収穫量が少なめだという。

 中国産マツタケの輸入は6月から始まり、これからお盆前までがピーク。その後韓国産や北米産も多くなる。店頭価格は例年並みの1キロ当たり1万−1万2000円程度の見込みで、10万円近い国産に比べて安価。関西を中心に、東京や九州などの市場に運ばれる。

さよなら、悪名高き北京の公衆トイレ

2004/08/06 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【北京=竹腰雅彦】2008年の五輪を控え、都市再開発が進む北京で、不衛生さで悪名の高い公衆便所の撤去が進んでいる。個室や仕切りが無い「ニーハオ・トイレ」は、北京の伝統的な町並みと共に姿を消すことになりそうだ。

 北京の公衆便所は、1990年代末から施設の改善が行われてきたが、汚いため、急用でも使用をためらう外国人旅行客は少なくない。壁や仕切りがないため隣の人と顔を合わせてあいさつしてしまうことから、「ニーハオ・トイレ」と俗称され、衝撃的な「トイレ体験」は、今でも中国旅行者の土産話の筆頭格だ。

 市内の公衆便所は現在約7700あり、このうち3分の1が家にトイレのない北京の伝統的な平屋街にある。市は地域の再開発に合わせ、五輪開催の2008年までに2800の公衆便所を取り壊す予定だ。

 一方、町中のトイレ不足は深刻で、市は「徒歩で8分以内にたどりつける」ことを目標に施設充実に力を入れる。年内に計400の公衆便所を新設・改修する予定で、市民が集まる繁華街や公園などには、絵画や生け花を飾ったり、虫の姿をかたどるなど趣向を凝らしたトイレも誕生している。

中国・上海電気集団:工作機械メーカーの池貝を買収へ−−両社、基本合意

2004年8月5日 毎日新聞 東京朝刊 Mainichi INTERACTIVE
 中国の総合電機メーカー、上海電気集団総公司は4日、工作機械メーカーの池貝(茨城県玉造町)を買収し、株式約75%を取得することで両社が基本合意したと発表した。池貝に対し、今後2年以内に最大20億円の出・融資を行う方針で、中国政府の海外投資認可が得られ次第、具体的に詰める。

 池貝は工作機械、産業機械などのメーカーで01年に民事再生法の適用を申請し、今年6月に再生手続きが完了。従業員は約150人で05年3月期の売上高は32億円、経常利益は3億円を見込んでいる。上海電気は経営陣は送り込まず、出資後も現在の経営体制を維持する方針で、池貝は資本の増強後、中国市場向けの工作機械の量産に踏み切る。

 上海電気は大型機械などを中心とする中国の国有企業。【荒木功】

琉球・北方4島など分離要求、中国が対日講和で検討

2004/08/01 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【北京=藤野彰】日本が連合軍の占領下にあった1950年、中国が対日講和の条件として、日本領土から、琉球(沖縄)、北方4島、対馬や竹島などを切り離すことを要求する方針を検討していたことが、中国外務省の公開文書で明らかになった。

 文書は、日本からの分離を図る対象について、「対外侵略拠点になりうる一切の島々」と記述。琉球は中国に、北方4島はソ連に、対馬、竹島は朝鮮に帰属させるべきだとの立場を示した。東西冷戦が進行中だった当時、ソ連と同盟関係にあった中国が米国の東アジア支配に危機感を深めていたことを裏付けている。

 文書は、「対日平和条約における領土部分の問題と主張に関する要綱草案」と題され、このほど同省文書館が公開。50年5月15日付で、作成部署は明記されていない。

 文書は日本に対し、「米帝国主義が軍事基地を積極的に拡張中」との認識を示し、「米帝国主義の支援下で日本が再び領土拡張の野心を抱くのを防ぐため、日本から対外侵略拠点になりうる一切の島々を極力削減する」方針を提起している。

 琉球に関しては、明清時代の冊封(さくほう)関係を強調し、「カイロ宣言を基に、中国への返還に努めなければならない」と主張、北方4島については択捉、国後のほか色丹も千島列島に属するとし、「ソ連帰属」を承認している。また、対馬を巡っては「民主的な朝鮮」に帰属させるとしている。

 中国は1950年2月に調印した中ソ友好同盟相互援助条約の中で、対日平和条約早期締結の意向を表明。文書はその3か月後に作られており、政府の戦略策定のたたき台となった可能性がある。当時、中国は対日平和条約の起草や調印には中国の参加が不可欠と主張したが、中台対立を背景に51年9月のサンフランシスコ講和会議に招かれなかった。このため、同会議で調印された対日平和条約に対し、中国は「不法かつ無効」と激しく反発した。

 ◆冊封関係=中国の周辺諸国の支配者が、中国の王朝に臣従する代わりに、支配権を認知してもらう関係。周辺諸国にとっては、朝貢が義務づけられたが、中国の直接支配を受けないため事実上の独立を保てた。また、自国での政権強化や対外関係安定化につながる面もあった。

中国:瀋陽日本総領事館の警備室でガス爆発 1人負傷

2004/08/01 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE
 中国の瀋陽日本総領事館によると、同総領事館西門前の警備室で7月31日未明、ガス爆発があり、中国人警備員1人が背中などに重傷を負った。警備室のガラス窓が割れるなどしたが、本館やその他の施設に被害はなかった。

 道路下に敷設されたガス管から漏れたガスが警備室に流れ込み、警備員が蚊取り線香に火を付けた際に引火したとみられる。地元のガス会社などが詳しい原因を調べている。

 1日付の中国紙、京華時報は地元警察当局者の話として、総領事館周辺の工事のため大型車が頻繁に往来、その重みでガス管に亀裂が入ったのが原因と伝えた。

 消防や警察が現場に急行、爆発音を聞き付けたやじ馬が駆け付けるなど、現場は一時騒然としたという。(北京・共同)

石炭ハイブリッド車開発で日中協力へ 両国自工会

2004/08/01 asahi.com
 日本自動車工業会(自工会)と中国の自工会にあたる中国汽車工業協会は来春から、環境に配慮した自動車の実用化や自動車燃料の開発・研究で交流を強める。石油不足に悩む中国は、自国内で埋蔵量や消費量が多い石炭を液化させるなどして、ハイブリッド車に使うことに関心があり、実用化に協力する。自工会は省エネ技術を支援することで、日本の自動車のシェア拡大にもつなげたい考えだ。

 中国は93年に石油の純輸入国に転じ、経済成長でここ数年石油輸入が急増している。だが、エネルギー消費の7割近くを国産石炭に頼り、ガソリンに代わる自動車燃料として「石炭を液化させて使えないか模索している」(日本の自動車メーカー首脳)という。

 中国政府が6月に発表した新しい自動車産業発展政策も省エネ対策を重点に掲げる。日中の自工会はこれに沿って05年春から定期会合の場を設けるなど、環境改善支援の具体化を探る。

 石炭は、燃焼時の二酸化炭素(CO2)排出量が多い。そこで、エンジンと電気モーターを組み合わせたハイブリッド車を用いてCO2を減らしながら、ガソリンに代わる燃料に液化石炭を利用するのが有効とみられる。ハイブリッド車では最先端を行くトヨタ自動車やホンダなどの技術が生かされそうだ。

中国製ダイエット食品に禁止成分、岩手県が回収指示

2004/07/29 読売新聞 Yomiuri On-Line
 岩手県は29日、仙台市の業者が輸入、販売した中国製のダイエット食品を飲んでいた県内の30歳代女性が死亡していたと、発表した。

 食品からは、国内で製造・販売が禁止されている医薬成分「シブトラミン」が検出された。

 同県は販売の中止と回収を指示、同県から連絡を受けた宮城県と仙台市は、業者を立ち入り調査した。

 岩手県によると、このダイエット食品は「V・L(ビーナス・ライン)21」。仙台市青葉区の「ランドエース」が輸入、販売していた。

 女性は7月4日、盛岡保健所管内の病院で死亡。死因が分からなかったため、県が、この女性が普段から飲んでいた「V・L21」の成分を調べたところ、シブトラミンを検出した。

 病院では、女性の死因がシブトラミンによるものかどうかは分からないとしている。

 「V・L21」は、岩手、宮城両県などで1万箱以上が販売されたとみられる。両県は、商品の購入者に服用中止を呼びかけている。

 シブトラミンは、アメリカやドイツなどで肥満症の治療薬として医薬品の承認を受けている。心拍数の上昇などの副作用があるとされる。

中国の在来線高速化で入札 日本「はやて」の改良車両で対応

2004/07/28 The Sankei Shimbun
 中国鉄道省は28日、来年予定している国内在来線の高速化プロジェクトに向けた新型車両の入札を実施した。川崎重工業など日本の6社と提携した中国の鉄道車両製造大手「南車四方機車車両」(山東省)などが応札、鉄道省の審査を経て受注企業が決まる予定。

 同プロジェクトは時速200キロでの車両運行を計画しており、日本はJR東日本の東北新幹線「はやて」を改良した車両で対応。受注できれば中国政府が在来線とは別に建設する北京−上海間(約1300キロ)の高速鉄道での新幹線技術受注でも有利となる見通しだ。

 高速化の対象は北京−瀋陽(遼寧省)、済南(山東省)−青島(同)など既存5路線で、総延長は約2000キロ。契約額は1000億円規模とみられる。

 応札できるのは原則的に中国国内の鉄道関連メーカーだが、実際には高速鉄道の技術を持つ日本などと提携した中国メーカーが応札。南車四方機車車両とは川崎重工業や日立製作所、三菱商事などが提携。ライバルのドイツも電機大手シーメンスが中国の「長春軌道客車」(吉林省)と組み、ドイツの高速鉄道「ICE」の改良型で応札する動きをみせていた。(共同)

 <中国の鉄道高速化> 中国が1997年から進めてきた在来線の高速化。今年4月の5回目の高速化では時速160キロで運行可能な区間が計1104キロから7700キロ余りに拡大、北京−上海間も最速で14時間から12時間へ短縮された。来年の第6次高速化では時速200キロへの対応が課題で、中国政府は外国技術を本格導入する方針。北京−上海間の高速鉄道プロジェクトは在来線とは別に専用線を敷設する計画で、運行時間は4時間半−5時間に短縮される予定。国民経済の中期計画「第10次5カ年計画」には来年までに着工する方針が盛り込まれている。(北京、共同)

中国、日本の常任理入りに反対 歴史問題が理由と現地誌

2004/07/28 The Sankei Shimbun
 中国誌「瞭望東方週刊」最新号(29日付)は、国連安全保障理事会の拡大問題に関する特集で、日本の常任理事国入りについて「歴史問題」を理由に断固反対する意見が強いとの見方を示した。

 同誌がインタビューした政府系シンクタンクの国際政治研究者ら9人のうち、6人が「賛成しない」との意見を表明。日本について直接触れなかった残りの3人は「中国はドイツの常任理事国入りを支持するだろう」との予測を示した。

 常任理事国入りを目指す日本政府にとっては、歴史問題をめぐる中国の説得が今後の鍵となりそうだ。

 同誌は、常任理事国入りを目指す各国についての分析で、戦争への反省に積極的なドイツが最も有力とする一方で、日本は、小泉純一郎首相の靖国神社参拝などを念頭に「歴史問題で何度も周辺諸国の感情を傷つけている」として、特にアジアで国際イメージが悪いことが「弱点」と指摘。

 社会科学院日本研究所の姚文礼主任は「日本が歴史に正確に対処しないまま、運良く入っても、論争を呼ぶだけだ」と同誌に語った。

 中国政府はこれまで、ドイツの常任理事国入りに支持を示唆したことがあるが、日本については公式な態度表明をしていない。(共同)

対中国輸出入が最高に 04年上半期

2004/07/22 The Sankei Shimbun
 財務省が22日発表した2004年上半期の貿易統計速報によると、対中国の輸出額は前年同期比24・2%増の約3兆8000億円、輸入額は14・9%増の約4兆7000億円と、ともに半期としての過去最高を記録した。

 日中経済の相互依存関係の深まりを裏付けた格好だが、過熱気味の中国経済が軟着陸できるかどうかには不安もあり、中国経済の先行きが日本の景気動向にも影響を及ぼすことになる。

 04年上半期の中国への輸出は一般機械や電気機器を中心に拡大傾向が持続。対香港も含めた輸出額は約5兆7000億円と、対欧州連合(EU)を上回り、対米輸出に迫る勢いとなった。中国からの輸入では鉄鋼、食料品などの増加が目立った。

 ただ、中国に進出している日本のメーカーが現地の別の日系企業から部品を調達するなど、取引も複雑化。日本貿易振興機構(ジェトロ)の酒向浩二・中国北アジア課課長代理は「どれだけが両国の内需向けなのか、貿易統計の数字だけでは年々分かりにくくなっている」と指摘する。

 現地に進出した外国自動車メーカー同士で値引き競争の兆しが見えるなど、中国市場での競争も激化する一方だ。産業界では日本国内が空洞化する「中国脅威論」は影を潜めつつあるが、変化の激しい中国市場に、日本企業がどこまで食い込めるかが、日本経済の浮沈の鍵を握る状況になってきた。

中国の自動車販売3カ月連続減少 市場急拡大にブレーキ

2004/07/22 The Sankei Shimbun
 中国の自動車販売台数が6月に3カ月連続で減少し、在庫が大幅に増加、各大手メーカーは他社の中古車を下取りして新車を売る新業務を開始するなど、売り上げ増に躍起となっている。マイカーブームで増産ラッシュが続いてきた中国だが、政府の景気過熱抑制策で市場の急拡大にブレーキがかかった形だ。

 新華社電(電子版)などが伝えた中国自動車工業協会の統計によると、6月の自動車生産は約42万台、販売は約38万台で、それぞれ前月比約1・4%、約4・1%の減少となった。上海紙、新聞晨報によると、6月末の在庫は前年末比約12万台増の約41万台。

 米ゼネラル・モーターズ(GM)の合弁会社の販売店は、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)のサンタナなどの中古車を高値で下取りした上で、GMのビュイックなどの新車を売る業務を開始した。VWやホンダなどの合弁会社も中古車取り扱い業務の準備を進めている。

 1−6月でみると、販売台数は前年同期比約24%増の約255万台で、依然高い伸びを示している。しかし中国メディアは、過剰生産による各社の「値下げ合戦」なども伝えており、自動車市場の将来に悲観的な見方も出始めた。(共同)

小型自動車で日本車首位 中国、上半期の輸入台数

2004/07/21 The Sankei Shimbun
 21日の新華社電によると、今年上半期の中国の自動車輸入台数の「小型自動車」部門で、日本車が3万3404台と国別のトップだったことが商務省のまとめで分かった。輸入台数は前年同期比6・7%増の9万6780台で、9割以上を乗用車などの小型自動車が占める。

 2位はドイツの2万3523台、3位は韓国の1万9668台で、さらに米国、チェコ、スウェーデンなどが続く。

 上半期の輸入金額は20・8%増の29億8100万ドルだった。(共同)

仏でウナギ稚魚激減、中国向け出荷で乱獲も一因

2004/07/17 読売新聞 Yomiuri On-Line
 欧州のシラスウナギ(ウナギの稚魚)の主産地フランスで漁獲量が激減している。養殖用に中国に出荷するための乱獲が原因の一つとされる。中国のウナギの大半は日本の消費者向け。欧州のウナギ資源の危機は「食材のグローバル化」とも無関係ではなさそうだ。(フランス西部ラロシェル 池村 俊郎)

 フランスの大西洋岸は古くからのシラスの産地。この地域の漁獲量は今も欧州全体の8割以上を占める。

 水揚げされたシラスのうち、生きのいいものは中国へ送る。死んだり、弱ったりしたシラスは高級料理用にスペインへ輸出する。

 ただ、最盛期には年間3000トンあった漁獲量は10年前から減り始め、最近は100トンをやっと超える程度だ。ラロシェル近郊のシャロン漁港で会った漁師ベルビュドさんは「全くの不漁」と嘆く。この日の水揚げは500グラム。10年前まで10キロ単位が当たり前だった。農薬による環境悪化などが考えられるが、中国のウナギ養殖業者に売るため乱獲が続いた結果という見方が有力だ。

 ウナギ養殖は日本から中国に拠点が移った。中国はシラスを成魚まで育ててから、かば焼きなどに調理して日本へ輸出している。

 フランスのシラスの値段はキロあたり350ユーロ(約4万8000円)。日本近海のシラスに比べれば、値が10分の1なので、「中国の業者が現金の札束を手に買っていく」(地元漁師)という。中国人が欧州種シラスを養殖し、最後は日本人の胃袋に収まる構図だ。

 仏国内の公認シラス漁師は約1100人。かつては岸を歩きながら網で細々と漁をしていた。10年前、アジア市場へ輸出が始まってからは小型漁船で一網打尽に採る方法が一般化した。伝統シラス漁法復活協会のフォンテーヌ会長は「乱獲をやめる以外、保護の望みはない」と断言する。

 欧州委員会はウナギ資源保護のため、シラスから成魚まで漁獲量を大幅に制限する案を検討中という。

上海環球金融センター 工事さっぱり進まず

平成16(2004)年7月17日[土] The Sankei Shimbun
世界最高101階建ての完成予想看板も色あせ…

 森ビルなど日系企業が中心となって出資し、2007年の完成を目指す世界最高101階建て(497メートル)の上海環球金融センタービル(上海市浦東)の建設が進まず、起工式から随分たったのに建設予定地に影も形もみえていない。森ビル側は「工事が停滞しているわけではない」としているが、中国メディアは「資金繰りが困難になった」などと報じ始めた。

 同ビルの建設予定地には現在、クレーンなどの重機が入りトラックが出入りしているものの、囲いの外からは工事の進行状況はよくわからない。完成予想図が描かれた看板は風雨にさらされ、すっかり色あせている。

 一九九五年に計画が発表された同ビルは、九七年に起工式が行われたものの、いったんアジア金融危機で凍結。昨年二月に工事再開が発表された。しかし、一年半たっても工事が一向に進まない様子に、中国専門紙の経済観察報(十日付)は商工省の登記簿を根拠として「資金調達が困難なのではないか」と報じた。

 商工省の登記簿によると、九五年十一月に同ビルの投資会社として設立された上海環球金融センタービル有限公司が自己資金として申告したのは、当時の建設予算総額六億ドルの35%にあたる二億千三百万ドル(二百五十億円)。しかし実際に集まった資金は筆頭株主の森ビルの出資分百二十八億円だけ。建設予算総額は建設再開時の設計の見直しで一千億円以上にはね上がっているという。

 また、上海市浦東では高層ビルの建てすぎや地下水のくみ上げすぎによって、地盤沈下が毎年十センチ前後にも達している問題もあり、ビルの将来に不安を投げかける。浦西で安価なオフィスビルの建設が相次いだこともあり、この半年、浦東から黄浦江の西側にオフィスを移転する企業が相次いでいる。竣工後に、テナントがどの程度埋まるかが疑問視される。

 中国国有商業銀行で一千億円相当の人民元を借り受けてビルを建設した場合、5%の年利として年八億元以上の営業収入がないと赤字になると推計されている。現在、浦東で最も高い八十八階建ての金茂ビルはテナント入居率が85%で営業収入が六・五億元。少なくとも同レベルの入居率が必要だという。

 森ビル本社の広報はこういった疑問に対し「資金に関しては今まさに関係金融機関と交渉中。ただ、超高層ビルは地下の基礎工事に時間がかかり、工事が停滞しているわけではない。テナント競争にも勝つ自信がある」と話している。

 上海では同ビル以外にも崇明島の競馬場、同島と上海を結ぶトンネル工事などいくつもの大型プロジェクトの停滞、延期がささやかれている。世界一の高層ビルの足元は大丈夫?(北京 福島香織)

低価格アテンザ、上級車失速で投入 マツダ

2004/07/14 中国新聞地域ニュース
 中国政府の金融引き締め政策を受け、マツダは中国市場に中型乗用車アテンザ(海外名マツダ6)の低価格タイプを投入した。中国市場では、アテンザなど上級車の販売が失速しているため、低価格タイプでテコ入れを図る。

 低価格タイプは排気量二〇〇〇CCで、今月初めに発売した。価格は約二百八十万円と、昨年三月発売の二三〇〇CCに比べ二割安く設定した。

 アテンザの中国の販売台数は、五月に二千十四台と前月比50%ダウン。六月以降も同水準で伸び悩んでいる。過熱気味の経済成長を抑えようと、中国政府は今春から金融引き締めを実施。アテンザの主要購買層である企業経営者の資金繰りが悪化し、自動車の購入を控えたためとみられる。

 同クラスの乗用車で競合する独フォルクス・ワーゲンや米ゼネラル・モーターズは値下げに踏み切っており、アテンザの追随値下げを待つ動きもあるという。マツダはブランドイメージを保つため、値下げはしない方針。

 中国でのマツダの二〇〇四年の販売目標は、前年比四割増の十一万台。ファミリア(海外名323)とプレマシーは好調に推移しているため、目標は達成できる見込み。アテンザについても「需要がなくなったわけではなく、今の現象も長くて一年。長期的な中国戦略には影響しない」とみている。

 中国・長春市の一汽轎車股フン有限公司(一汽乗用車)へ委託しているアテンザの生産量は五月から、計画の半分に当たる二千台に引き下げた。長期的には拡大するとみて、一汽乗用車では年産能力を十万台へ倍増する新工場が完成した。

マツダ・アテンザ 長春の委託新工場稼働

2004/07/14 中国新聞地域ニュース
 生産倍増 年10万台

 マツダが中型乗用車アテンザ(海外名マツダ6)の中国での現地生産を委託している長春市の一汽轎車股フン有限公司(一汽乗用車)の新工場が、今月から稼働した。生産能力は年十万台に倍増する。マツダが米フォード・モーターと南京市に計画する工場と並ぶマツダ車の生産拠点となる。

 新工場は一汽乗用車が建設し、投資額は約三百億円。車体製造と組み立てラインを備える。一年後をめどに、さらに百五十億円を投じてプレス、塗装の設備も整える。

 マツダはアテンザと車台(プラットホーム)を共通化するミニバンMPVの生産委託も検討するとみられる。一汽乗用車もマツダ車の生産に力を入れる方針で、本社も新工場近くに移す計画でビルを建設している。

 アテンザの一汽乗用車への委託生産は昨年三月、年産能力五、六万台の工場でスタート。一汽乗用車は、自社の高級車「紅旗」も同じ工場で生産していたが、今後、アテンザの販売台数が増えるとみて、専用工場を新設した。

 アテンザは昨年十二月には現地の「カー・オブ・ザ・イヤー」にも選ばれ、中国での累計販売台数は今年五月までに約四万台に達している。

 マツダは二〇一〇年に中国での年間販売台数を昨年実績のほぼ四倍に当たる三十万台に増やす目標を掲げる。現地メーカーへの委託とフォードとの協調による二方式で、現地生産体制の強化を進めている。

 フォードとの協調では、「長安福特汽車集団」(長安フォード)が計画する南京市の工場で、〇六年にもコンパクトカー「ベリーサ」の生産を予定している。

上海などで猛暑の季節、今年も節電実施

2004/07/13 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【上海=伊藤彰浩】上海など中国沿海部で猛暑の季節が始まり、昨年と同様、電力不足が深刻化している。

 上海市当局は最高気温が35度を超えた場合、20世紀前半の優美な建築物が並ぶ「外灘(バンド)」など、観光地の夜間ライトアップを中止する節電措置を今年も実施。現地の日系企業も作業時間シフトなどの対策に追われている。

 ライトアップ中止は今月10日に今年初めて実施され12日まで3日連続で行われた。また地元紙によると、工場も節電を開始。計1200社が午前零時―午前8時へと勤務時間をずらしたほか、3000社が交代で休む「輪番休業体制」に入った。

 上海市電力当局は今夏、電力需要ピーク時の消費電力が市の発電能力を約600万キロ・ワット上回ると予測している。節電措置は「給電制限はするが、停電はさせない」とした同市の目標を達成するために練られた対策の一つだ。

 日系企業関係者によると、上海市内では「電力消費の大きい大規模な工業団地で給電制限が厳しい」といい、生産計画の見直しを迫られる状態。上海に電力を「吸い取られる立場」(同)にある隣接の浙江省ではさらに厳しく週3日の給電制限がかかる地域も出ているという。新華社電は「最高気温35度を超える日は昨年の2倍を超える17―21日に達する可能性がある」との専門家の見込みを伝えている。

黒字は74%で過去最高 中国進出の日系製造業

2004/07/13 The Sankei Shimbun
 日本貿易振興機構(ジェトロ)が13日発表した、中国に進出した日系製造業調査によると、2003年に営業損益の黒字を確保した企業の割合は74・4%で、現在の方法で調査を始めた1999年以来最高だった。

 前年の67・5%に比べて6・9ポイント上昇。中国の経済成長で進出企業の業績が急速に改善している実態が裏付けられた。投資意欲も旺盛で、今後1−2年の事業展開について「規模を拡大する」と答えた企業は前年比10・3ポイント増の81・5%。

 ただ、04年の業績見通しについては、「横ばい」とする回答が増えたのに対し、「改善する」は減少。経済成長に一服感が出ていることをうかがわせた。

 調査は今年3−4月に実施、回答した企業は321社。

10年後に20%が嫁不足 中国の男女人口差深刻

2004/07/12 The Sankei Shimbun
 新華社電によると、中国国家人口計画出産委員会の張維慶主任は12日までに、中国の9歳未満の男児人口は女児より1277万人も多いとの最近の統計を明らかにし、このままでは10年後に適齢期男性の20%が嫁を見つけられない事態になると警告した。

 中国全体の男女比率は、2000年の人口調査で女性100に対して男性119.92。近年は子供の男女比のアンバランスが目立っているという。

 原因について張主任は(1)農村の主要労働力は男(2)伝統的に男が両親の面倒を見ると考えられている(3)男女の社会的地位の不平等−の3点を挙げ、さらに男女の産み分け技術の向上も影響を与えていると分析した。

 張主任は、この傾向が続けば深刻な結婚問題だけでなく、人身売買などの犯罪を引き起こす恐れもあるとして早急な対策の必要性を強調。同委員会が女児を育てる家庭の支援策を検討中であることを明らかにした。

 現在は広東省や雲南省の一部地区で試験的に、女児のいる家庭に補助金を支給する制度を始めたという。(共同)

中国IT産業が世界2位に

2004/06/19 The Sankei Shimbun
 新華社電によると、中国情報産業省は18日、中国の情報技術(IT)産業の売上高が2003年に2265億ドルに達し、約1900億ドルの日本を上回って米国に次ぐ世界2位になったと発表した。

 携帯電話の加入者数が世界で最多の2億4000万件に達するなど急成長を続け、今年1−4月も売上高は前年同期比45.8%増の831億ドルに達した。(共同)

GPDと西川化成が統合 マツダ部品メーカー

2004/06/19 中国新聞地域ニュース
 ■競争力強化 7月新会社設立
 マツダの主要協力部品メーカーのジー・ピー・ダイキョー(GPD、東広島市)と西川化成(広島市安佐北区)が七月に営業、開発・設計、購買の三部門を統合して新会社を設立することが十八日分かった。樹脂製の自動車部品製造で共通している両社は全面的な経営統合を目指しており、まず三部門を統合して競争力を強化する。

 新会社は、GPDと西川化成が折半出資する。社名などは検討中。広島県坂町北新地に本社を置き、約三千平方メートルの事務所と約千平方メートルの倉庫を借りる。

 両社の従業員の約15%に当たる計三百五十人が八月中旬以降、それぞれの本社から移転し、十月に営業を始める。従業員は当面、出向の形を取り、出身母体の人事、給与制度を引き継ぐ。

 GPDの二〇〇四年三月期の売上高は四百四十億円。西川化成も同三百五十億円で、ともに広島地区の部品メーカーではトップクラスの規模。

 マツダが国際競争力強化へ株式売却などで部品メーカーの統合・再編を促す中、GPDは〇二年三月、西川化成の株53・4%をマツダなどから取得して子会社化。GPDがエンジン周りのパイプなど金属からの代替部品、西川化成が運転席前のインストルメントパネルやバンパーなど大型部品に特化し、分業を進めていた。

 さらに指揮系統も一本化して効率化するため「仕事が重なり、統合による効果を発揮しやすい」として、まず三部門の統合を選んだ。GPDの北林晃社長は「統合で人員や設備を有効活用し、厳しい経営環境を勝ち抜く体制を目指す。問題点を整理しながら全体の統合を検討する」と話している。

 《ジー・ピー・ダイキョー》東広島市八本松町。2000年12月に設立し、経営悪化した旧大協から営業権を引き継いだ。資本金1億円。従業員1400人。04年3月期の売上高は440億円。

 《西川化成》広島市安佐北区可部南。1961年設立。88年マツダ化成と合併した。資本金3億4350万円。従業員880人。04年3月期の売上高は350億円。

 域外ライバルに対抗

 【解説】GPDと西川化成が全面統合に向けて本格的に動きだす。両社合わせた売上高は約八百億円に上る。五百億円以下にとどまるマツダの協力メーカーでは突出した規模になる。世界レベルで受注競争が激化する中、地域内でパイを奪い合う従来の構図から脱し、域内で統合して外のライバルに立ち向かう動きが広島地区でも出てきた。

 新会社はマツダへの営業なども一本化。自動車メーカーが車種を増やし、改良期間を短縮する傾向を受け、人員が不足する開発・設計の効率化も狙っている。新会社はマツダ本社にも近く、部品の企画段階から一括発注するマツダのフル・サービス・サプライヤー(FSS)制度にも対応しやすい。

 「一気に合併する下地ができるのを待っていては、いつになるのか分からない。できるところから始める」とGPDの北林社長は説明する。新会社で統合の課題をあぶり出し、全面統合へスピードアップを図りたい思いもみえる。

 マツダをはじめ各自動車メーカーの中期計画は、いずれも部品調達コストの削減を重要課題に掲げる。「世界最適調達」の掛け声の下、地場部品メーカーも海外の巨大メーカーとの競争を避けられない時代に突入している。(漆原毅)

マツダ車、中国でリコール

2004/06/18 The Sankei Shimbun
 中国の華僑向け通信社、中国新聞社によると、同国の自動車メーカー大手、第一汽車(吉林省)は18日、マツダと提携して現地生産している乗用車「マツダ6」(日本名アテンザ)の燃料タンクとマフラーの配置に不具合があるとしてマツダと共同でリコール(無料の回収・修理)に乗り出した。

 中国ではリコール制度が10月から始まる予定で、同制度を先取りしての実施となる。

 対象は第一汽車が2002年12月から今年4月までに生産したマツダ6で、タンク部分とマフラーの間隔が不十分なため、タンクが変形、溶解する恐れがあるという。

 新華社電によると、ホンダの現地メーカー「広州ホンダ」(広東省)も18日、昨年生産した乗用車「アコード」の燃料タンク部分に問題があるとして無料点検、交換を実施する方針を明らかにした。(共同)

日本製品の不当廉売仮決定 光ファイバーで中国商務省

2004/06/16 The Sankei Shimbun
 中国商務省は16日、日本、米国、韓国3カ国産の光ファイバーがダンピング(不当廉売)で国内業界に損害を与えていると認定した仮決定を出し、同日から臨時措置として3カ国産の製品に対し、輸入時にダンピング率に応じた保証金の支払いを課すと発表した。

 認定されたダンピング率は7−46%で、日本製品はすべて46%。中国企業の申請に基づき、同省が昨年7月から調査を実施していた。

 対象製品は、各種の光ファイバーケーブルなどに用いられている。今後の正式決定でダンピングが確定、制裁関税が発動されれば、オフィスビルなどの建設ラッシュで需要の強い中国市場への輸出で、日本製品に大きな影響が出そうだ。(共同)

胡主席が東欧歴訪へ出発、「欧州重視」をアピール

2004/06/09 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【北京=竹腰雅彦】中国の胡錦濤国家主席は8日、ポーランド、ハンガリー、ルーマニアの東欧3か国と中央アジアのウズベキスタン公式訪問のため、北京を出発した。

 中国国家指導者としては、5月の温家宝首相、呉邦国・全国人民代表大会常務委員長(国会議長)に続く異例の訪欧で、中国の欧州重視姿勢を積極アピールする構えだ。

 中国は5月に温首相が英独伊など5か国、呉委員長もデンマーク、ブルガリアなどを歴訪。今回の胡主席外遊で、約1か月間に政権ナンバー3までの国家指導者が個別に訪欧を果たすことになる。外交筋は、「欧州連合(EU)の東方拡大に対応した機敏な外交」と評価する。

 胡主席の東欧訪問の最大の狙いは経済関係強化だ。訪問先に選んだポーランド、ハンガリーを含むEU新加盟10か国と中国の昨年の貿易額は約76億5000万ドル。前年比50%増の成長で、拡大前のEU全体との貿易額の伸び率を上回っている。「中国と欧州はもともと経済面で競合や利害対立が少ない。拡大欧州の誕生はまたとない商機」(中国筋)との読みがある。

モーターショー:北京で始まる

毎日新聞 2004年06月09日 東京夕刊 Mainichi INTERACTIVE
 【北京・坂井隆之】中国で最大規模の自動車展示会「第8回北京モーターショー」が9日、報道関係者向けに公開された。世界一の急成長市場を攻略しようと、日本のトヨタ自動車、ホンダをはじめ内外メーカー100社以上が主力車種、近く投入予定の新型車、環境技術などをアピールするコンセプトカーを多数展示、華やかさを競った。

 中国の自動車市場は、経済発展が著しい沿海部を中心に急拡大、03年の自動車販売台数は前年比35%増の439万台と初めて400万台に乗せ、ドイツを抜いて日米に次ぐ世界第3位の市場になった。今後も大きな伸びが期待できるとして、国内外のメーカーは現地生産などを加速している。一般公開は16日まで行われ、過去最多の100万人の人出が見込まれる。

マツダ、中国市場を強化 販売台数3倍増の30万台へ

2004/06/08 The Sankei Shimbun
 マツダは8日、急速な拡大が続く中国の自動車市場への投資を強化、今年の販売目標を11万台として昨年の8万台から37%増を見込み、2010年には中国での生産、販売能力を30万台と約3倍に引き上げる中期計画を北京で発表した。

 筆頭株主の米フォード・モーターも中国側との合弁で江蘇省南京市に乗用車生産工場を造る方針で、フォードグループ全体として先行する他の外国メーカーを追い上げる方針だ。

 マツダは販売力強化のため、中国で現在144店の専門販売店を年内に180店に増強。新型車も消費者の志向に合わせ今後3、4年で新たに8車種を投入する予定で、フォードの合弁工場なども活用し現地での生産能力を引き上げるとみられる。

 中国では10日開幕の北京国際自動車ショーを前に、世界各国の自動車メーカーが現地生産拡大計画などを発表。米最大手のゼネラル・モーターズ(GM)も7日、現地生産台数を現在の年間53万台から07年に130万台へと大幅に引き上げる計画を公表している。(共同)

年産130万台に規模拡大へ 米GM、中国で30億ドル追加投資

2004/06/07 The Sankei Shimbun
 米ゼネラル・モーターズ(GM)は7日、提携先の中国の自動車メーカー、上海汽車集団などと共同で今後3年間に30億ドルを新たに投資、同国での自動車生産台数を現在の年間53万台から2007年に130万台へと大幅に引き上げる計画を発表した。

 経済の高成長で急速に拡大する中国市場でのシェア(占有率)を高めるのが狙い。新華社電などによると、生産能力増強だけでなく、研究開発施設の新設や自動車ローン業務への進出も含め、幅広い分野への投資を予定しているという。

 計画では今後2、3年で20車種近くの新型車投入やモデルチェンジを予定、ビュイックやキャデラックなど高級車から小型車まで現地生産でそろえていく方針。GMの今年1−4月の中国市場での販売台数は前年同期比55・4%増の17万8000台だった。(共同)

瀋陽−平壌に中国機が就航 北方航空、週2回往復

2004/06/07 The Sankei Shimbun
 平壌発の新華社電によると、中国の大手航空会社、中国南方航空集団傘下の北方航空が運航する定期旅客機が中国遼寧省瀋陽−北朝鮮平壌間に就航、瀋陽発の第1便が7日午前、平壌国際空港に到着した。今後、毎週月曜日と金曜日の2回、直行便が同区間を往復する。

 両国間を結ぶ定期便はこれまで、北朝鮮の高麗航空が平壌−北京、平壌−瀋陽間で運航。北朝鮮が2002年に経済改革を実施して以来、ビジネスや観光で訪朝する乗客が増えたため、中国側の参入も認められた。

 南方航空は昨年3月にも北京−平壌間に定期便を就航させたが、中国での新型肺炎(SARS)流行を受け、翌4月から運航を停止している。(共同)

ホンダ、類似商標で中国企業再提訴

2004/06/05 The Sankei Shimbun
 4日付中国英字紙、チャイナ・デーリーによると、ホンダが中国の大手オートバイメーカー、重慶力帆実業集団(重慶市)を相手に商標権侵害で1700万元(約2億2000万円)を超す損害賠償などを求めた訴訟の審理が3日、上海市第二中級人民法院(地裁)で開かれた。

 同紙が伝えた訴え内容によると、重慶力帆はホンダのオートバイ「SCR」にデザインがそっくりな「SOR」マークを自社の製品に付けて販売。ホンダは2001年に気付き、翌年から重慶力帆側に警告の文書を送っていたという。

 重慶力帆は商標権侵害を否定し、ホンダ側と争う構え。ホンダは以前にも、重慶力帆が商標「HONDA」によく似た「HONGDA」のマークを付けて自社製品を販売しているとして提訴した。(共同)

東証、中国の景気抑制観測で大幅続落

2004/06/03 The Sankei Shimbun
 
 3日の東京株式市場は、中国が近く景気抑制策を打ち出すと伝えられたことを嫌気し、幅広い銘柄に売り注文が先行、日経平均株価(225種)は大幅続落。取引時間中としては5月25日以来、7営業日ぶりに一時1万1000円を割り込んだ。

 終値は、前日比215円29銭安の1万1027円05銭。全銘柄の値動きを示す東証株価指数(TOPIX)も、17.31ポイント安の1119.56と続落。出来高は約14億2000万株だった。

 朝方は、前日の米国株式市場で、原油相場の急落に伴いダウ工業株30種平均が上昇したことや、1−3月期の法人企業統計で景気回復が裏付けられたことなどから、買い注文が出て一時1万1300円台を回復。

 しかし午後に入って、石油輸出国機構(OPEC)臨時総会を控え、様子見ムードが強い中、株価の急激な上昇への警戒感から、当面の利益を確定する売り注文が膨らんで値下がりに転じた。さらに、香港英字紙による「中国当局が近く景気抑制策を発表する」との報道が市場に伝わると下げ幅を拡大、ほぼ全面安の展開となった。

「中国経済が日本に好影響」 首相、人民日報社長に

2004/06/02 The Sankei Shimbun
 
 小泉純一郎首相は2日午前、首相官邸で中国の王晨・人民日報社長らと会い、中国経済の発展について「『日本にとって好機だ』との(自らの)言葉は現実となりつつある。日本経済は回復の兆しがみられるが、米国経済の好調のみならず、中国経済の影響が大きい」と述べ、日本経済にも好影響を与えているとの見方を示した。

 王氏は「日中関係は経済が熱く、政治が冷たいという意見がある」と指摘。首相は「両国の国情は異なるが、お互いに協力していくという方向性は変わらない。相互依存関係を深め、発展していくことが重要だ」と強調した。

「上海一の富豪」に懲役3年 証券取引で価格操作

2004/06/01 The Sankei Shimbun
 新華社電によると、中国上海市第一中級人民法院(裁判所)は1日、証券取引価格操作と資本金虚偽報告の罪に問われた上海の実業家、周正毅氏に懲役3年の実刑判決を言い渡した。判決内容の詳細は不明。

 周氏は上海で不動産開発や株式投資などを手掛ける「農凱発展集団」の代表として「上海一の富豪」と呼ばれていたが、昨年9月に上海市公安当局に逮捕された。

 疑惑捜査をめぐっては、上海人脈への飛び火を恐れる江沢民・中央軍事委員会主席と、中央機関による捜査を推進した胡錦涛・国家主席の確執もささやかれた。

 周氏の企業は、上海、香港の上場企業などを傘下に率い、推定資産は3億2000万ドル(約350億円)に上るとして、米経済誌フォーブスの2002年の中国長者番付で11位にランクされた。

中国でも就職は大変…大学生が急増、競争激化

2004/06/01 The Sankei Shimbun
 速いスピードで経済発展を続ける中国で、7月の卒業を前に大学生が就職難に見舞われている。進学率の上昇により大学生数が急激に増えたことに加え、市場経済の発展に見合った雇用の仕組みが立ち遅れていることが背景にある。高い希望を持つ学生と、厳しく選別する採用側の認識の違いも、競争激化に拍車を掛けているようだ。

 就職シーズン終盤を迎えた5月、北京市で開かれた有料の就職説明会場は学生ら数千人で埋まった。

 卒業間近の杜愛紅さん(24)は「説明会はもう4回目。英語を生かせる仕事をしたいが、なかなか条件が合わない」とため息をついた。北京大学院生の侯鐸さん(24)は7カ月の就職活動を経て、ようやく国有企業に就職を決めた。「『仕事の経験』を問われるなど、企業の要求が厳しかった」と振り返る。

 今年の大卒者は約280万人。昨年卒業しながら未就職の約50万人を加えた約330万人が就職戦線に参加した。

 教育省は今年9月の就職率の目標を70%と設定。鄭斯林・労働社会保障相は「目標達成は可能」との見通しを示しているものの、残りの30%の大半は“就職浪人”だ。

 中国では従来、国が大学生の就職をあっせんする「分配」が主流だったが、市場経済化の進展に伴い1990年前半に自由に仕事を選べる制度に変更された。当初は高成長期の開始と重なったこともあり、大卒者は高収入を約束された「特権階級」だったという。

 しかし、教育市場の開発と人材育成を狙って99年に大学生数を拡大する制度が導入されたことで状況は一変。今年の大卒者数は99年と比べて75%増に膨れ上がり、就職活動も激烈になった。

 各大学や自治体は合同説明会を開いたり、ホームページで企業を紹介したり、側面支援に力を入れる。

 だが、学生の希望と雇用する側の思惑には食い違いがある。学生側が(1)北京、上海、広州など大都市部の職場(2)高給料、好待遇−を求めるのに対し、雇用側からは「即戦力として期待できない」「一人っ子で甘やかされ自信過剰」などの辛口評価も聞かれる。

 中国紙によると、就職問題の専門家は「分配に安住していた影響がまだ尾を引いている。学生側と雇用側が接触する機会をもっと増やすなど、経済発展に見合った人材市場のシステム化が急務だ」と指摘した。(共同)

中国のテレビメーカーが国外生産を相次ぎ検討

2004/05/26 FujiSankei Business i.
 中国の大手カラーテレビメーカーが相次いで、生産拠点の国外移転を検討している。米政府が中国製カラーテレビに反ダンピング税を課税するなど、安価な中国製品に対し、諸外国での貿易障壁が高まっているためだ。国外生産により、中国内での安い労賃という大きなメリットがなくなる分、苦戦するとの見方もあり、中国メーカーは海外戦略を練り直している。英字紙「チャイナ・デイリー」が伝えた。

 広東省深セン市に拠点を置くカラーテレビ大手の康佳や、四川省の長虹、広東省のTCLはともに、米テレビメーカーからダンピングの提訴を受け、今月13日、ダンピング認定を受けた。これら3社は決定を不服として上告したが、判定が覆る可能性は低いとみられる。

 このため、康佳や他のメーカーも、すでに生産工場を置いている国外拠点での生産拡大を検討している。康佳は今後、輸出向けカラーテレビの生産をインドやインドネシア、メキシコの工場で行い、中国内での生産は、国内向けに転換していく方針だ。同社では「米国でのダンピング提訴などもあり、米国向けのカラーテレビの生産拠点をメキシコに移していくことを決めた。メキシコは米国と自由貿易協定を結んでおり、輸出しやすい」としている。

 康佳の動きに対応するように、TCLも欧州向け製品をポーランド工場で生産する方針を固めるとともに、すでに提携を結んでいる仏カラーテレビ最大手トムソンとの関係を強化することにしている。このほか、ベトナム工場での生産も加速する方針だ。

 長虹もオーストラリアとインドの大手メーカーとの協力関係を強化するほか、米国向けテレビについては、米国工場での生産に重点を移す方針だ。さらに中東やロシア、欧州での生産拡大も検討している。

 中国製カラーテレビは昨年、3270万台が世界各国に輸出されており、中国にとって有力な産業に成長した。国外に生産拠点を移すことで、生産コストの上昇が懸念される。これについて、康佳では「まず十分な調査を行い、その風土に適応していく自信はある」と述べた。

 このほか、言葉の問題や、ビジネスルールの違いなどもあり、中国メーカーにとって生産拠点の国外移転は大きな試練となりそうだ。

対中コークス紛争が決着 EU、WTO協議を回避

2004/05/29 The Sankei Shimbun

 欧州連合(EU)の欧州委員会は28日、鉄鋼生産の原料となるコークスの輸出を中国が制限している問題で、中国がEUに2004年も前年並みの量を供給することで合意したと発表、コークスをめぐる両者の紛争は決着した。

 世界最大のコークス生産国である中国は、鉄鋼の増産で急増する国内需要に対応するため輸出を制限している。コークスの国際価格が6倍近くに高騰したため、EUは制限撤廃を要求、28日を期限に中国が応じなければ世界貿易機関(WTO)に協議を持ち込み、法的措置を取ると通告していた。

 中国のコークスをめぐっては、最大輸入国の日本の鉄鋼業界も価格上昇に頭を痛めており、輸出拡大を中国に求めていく構えだ。

 欧州委報道官は、今回の合意によりWTOへの協議持ち込みは見送る方針を示した。ラミー欧州委員(通商担当)も合意を歓迎し「残りの問題を早期かつ完全に片付けたい」と述べた。

 合意によると、中国が04年も前年と同じ約450万トンのコークスを供給、国内向けと差別のない公正な価格を保証する。両者は、将来の問題について協議を継続することでも一致した。

 EUはコークス消費量の約30%を中国から輸入している。(共同)

米、中国製カラーテレビの反ダンピング関税で315億円徴収

2004/05/26 FujiSankei Business i.
 米商務省は来月から、中国製カラーテレビに対する反ダンピング関税として約2億7600万ドル(約315億円)を徴収すると発表した。長虹、TCLなど、米国際貿易委員会(ITC)の決定を不服として上告したメーカーに対しては課税率20〜25%の反ダンピング関税を課し、上告しなかったメーカーへの課税率は最高で78.45%に達する。

 中国のカラーテレビ製造業は利益幅が薄く、反ダンピング関税の課税率が10%を上回ると利益は出ないという。

 現在、米国のカラーテレビ需要量は毎年3000万台で、米国内の主要カラーテレビメーカーの生産台数は2003年で約400万台と振るわない。これに対し、中国のテレビ生産は年間8000万台以上で、国内市場需要数は約5000万台。中国メーカーは米国市場から締め出されると大きな打撃を受けることは間違いない。

 中国製カラーテレビのダンピング問題については、米テネシー州に生産拠点があるファイブ・リバー・エレクトロニックが昨年、中国製が不当に割り引きされているとして提訴。ITCは米メーカーの訴えを認める決定を下していた。

軽く・さわやかに 旭化成、中国人モデルを初起用し新作水着

2004/05/26 The Sankei Shimbun
 旭化成は26日、キャンペーンモデルとして日本人のほかに初めて中国人を起用した今年の新作水着を発表した。繊維各社がキャンペーンモデルを相次いで廃止しているが、旭化成は逆に、中国人モデルを起用することで、富裕層を中心に水着の売り上げが伸びる中国市場で認知度を高めようとの狙いがあるようだ。

 中国には日本の大手化粧品メーカーなども積極的に進出している。「女心」をつかんで新たな市場を開拓しようとする日本企業の動きが一段と熱を帯びてきた。

 旭化成によれば、今夏の水着は「軽さ」「さわやかさ」などの感覚を取り入れたデザインで、ビキニなど着脱しやすいものが流行しそうだという。発表会では、北京出身の劉多さん(21)と東京出身の渡香奈さん(20)が水色や黄色の水泳用ワンピースや、果物の絵柄のビキニなど計16着をまとい、報道陣など約130人が囲むステージに立った。

 旭化成は今月8、9日に日本に先駆けて上海で水着の発表会を開催。9月には同じ2人のモデルにより、上海で女性服のファッションショーを開く予定だ。

 中国では、経済成長を映した所得水準の向上により女性の購買欲が高まっているという。市場が飽和しつつある日本の衣料や化粧品のメーカーが熱い視線を注いでいる。資生堂も高級百貨店に360店舗を展開し、小売りベースで約200億円を売り上げている。

中国、違法製鉄所で処分・鉄鋼余剰解消へ強硬姿勢

2004/05/09 NIKKEI NET
 中国政府は違法な大型製鉄所の建設を認めた地方政府の幹部や融資した銀行の支店長らを一斉に処分した。政府は供給過剰が懸念される鉄鋼の工場新設を制限しているが、地方が独断で着工を認める例が後を絶たない。厳しい措置により景気過熱を回避するための強い姿勢を示した形だ。

 処罰されたのは江蘇省常州市の共産党委員会書記や同省発展改革委員会副主任、中国銀行常州支店長ら8人。解雇や党による厳重注意処分となった。

 問題となったのは民営企業、江蘇鉄本鋼鉄が常州市で計画した製鉄所プロジェクト。銀行融資などで集めた約100億元(約1300億円)を投じて年産840万トンという巨大工場をつくる構想で、昨年3月から工事が始まった。

 同プロジェクトは環境影響調査が十分でなかったうえ、土地使用などの手続きが完了しないまま、地元政府が工事の開始を認めた。(上海=湯浅健司)

覚せい剤密輸で邦人に無期 中国・大連の裁判所

2004/05/08 The Sankei Shimbun
 中国遼寧省大連市の中級人民法院(地裁)が4月28日に50歳代の日本人男性の被告に対し、覚せい剤約1キロを日本に運ぼうとしたとして麻薬密輸罪で無期懲役の判決を言い渡していたことが7日、分かった。関係者が明らかにした。

 男性は高級人民法院(高裁)に控訴する方向で弁護士と相談しているという。男性は昨年10月に大連空港で拘束された。

 中国では昨年、日本人が麻薬密輸容疑で拘束される事件が続発。現在拘束中の日本人は、この男性を含め10人以上に上る。2月には遼寧省瀋陽市の中級人民法院が日本人男性の被告に同罪で死刑判決を言い渡し、男性が控訴している。(共同)

中国特需で純利益9倍 コマツの3月期決算

2004/05/07 The Sankei Shimbun
 コマツが7日発表した2004年3月期連結決算は、開発ラッシュに沸く中国の建設機械販売が好調で、純利益が前期比約9倍の269億円となった。

 中国の油圧ショベル販売が好調だったほか、世界的な鉱物資源価格の上昇で鉱山機械の受注も増加、売上高は9・8%増の1兆1964億円と6年ぶりに過去最高を更新した。

 建設機械は日本からの中古品の輸出も伸び、国内売上高が3年ぶりに前年度を上回った。

 05年3月期は、売上高が8・7%増の1兆3000億円、純利益が37・2%増の370億円と増収増益を見込んでいる。

中国進出企業に大手4行が“争奪戦” 支店増設や機能強化… 支援ビジネスに注力

2004/05/07 The Sankei Shimbun
 中国市場へ進出する日本企業をサポートしようと大手四銀行の競争が激化している。各行とも国際金融センターに成長しつつある上海に機能を集中。資金決済や債権回収、金融派生商品(デリバティブ)業務などを拡充している。バブル崩壊後、大手銀行は海外撤退が相次いだが、中国は別格。「日本と地続きのつもり」(首脳)という力の入れようだ。(渡辺浩生)

 四大銀行の中国での営業網は現在、七都市に合計十八支店。駐在員事務所を合わせると三十一拠点に上る。だが、各行とも国内大手メーカーの工場移転の動きに合わせ、それぞれ支店の増設を申請中だ。メーカーの進出とともに部品などの下請け企業も追随し、銀行にとっては取引先拡大の好機となるからだ。

 例えば、トヨタ自動車が工場建設に乗り出すなど自動車産業集積地で「中国のデトロイト」と呼ばれる広州市では、現在支店を持つのは三井住友銀だけだが、東京三菱銀が支店出店を申請中。同様にみずほコーポレート銀は無錫に、UFJ銀は蘇州へ出店を申請している。

 また進出企業の半数以上を飲み込む最大の成長地域である上海には、「ニューヨーク、ロンドンと並ぶ国際金融センターになる」(斎藤宏みずほコーポレート銀頭取)と、調査や市場部門の人材、機能の集約を進めている。

 中国の世界貿易機関(WTO)加盟後、外資系の銀行業務は、個人向けを含む人民元業務が全面解禁される二〇〇六年に向け段階的な開放が続く。「顧客は進出先の店舗の有無やサービスの中身でメーンバンクを乗り換える」(中国担当者)だけに、各行とも支援ビジネスに知恵を絞る。

 顧客から確実な資金決済を求められていることから、三井住友銀は中国人民銀行(中央銀行)が構築する国内電子決済システムに参加し、決済情報をリアルタイムで提供できるよう注力。みずほは日本企業にとって悩みの種の地元取引先からの資金回収を円滑にするため、二月に、中国企業と人民元取引が可能な免許を取得、日本企業が現地企業に対して持つ売掛金を買い取り、転売する債権回収業務に乗り出した。

 商習慣や法律、規制の違いから生じるさまざまなトラブル解決や相談も重要な仕事だ。UFJ銀は、上海に進出した会計、法律事務所や人材派遣、物流などの現地法人と提携、顧客企業から本業以外の現地業務の外部委託を一括して引き受ける総合相談サービスに近く乗り出す。

 今年三月には四大銀行が上海支店でのデリバティブ業務の免許を一斉に申請。認可されれば、人民元・外貨建ての為替先物など高度な金融サービスの提供も可能になるという。

中国、日本抜き5位に 対外投資期待で国連調査 2004/05/06 The Sankei Shimbun

 国連貿易開発会議(UNCTAD)は世界各国の投資促進機関を対象に実施した調査結果をこのほど発表、最も重要な対外投資供給国として中国を挙げる回答が日本を上回り、発展途上国としては初めて5位に入った。

 世界の直接投資は2000年の1兆4000億ドルをピークに減少に転じ、03年は推定値でピークの半分を割り込んでいるが、調査対象となった機関の91%が04−05年には反転増加するとみている。

 投資国として最も重要な国(複数回答)では米国が首位。2位ドイツ、3位英国、4位フランスで、日本は5位の中国に次ぐ6位と予測されている。

 これまで大規模な投資の流入先だった中国が世界の主要投資国になり、多くの発展途上国にとって、中国は米国に次ぐ投資国になる可能性がある。

 7位以下はオランダ、南アフリカ、スペイン、イタリア、カナダの順。

 投資対象部門ではホテル、レストランなど観光が1位で、次いでコンピューター、情報通信技術など上位はサービス産業が独占した。

 UNCTADは、直接投資の増加傾向は06−07年も続くと予測している。(共同)

中国巡視船が訪日へ出航 海保の観閲式に参加

2004/05/23 The Sankei Shimbun
 23日の新華社電によると、日本の海上保安庁が29、30両日に東京湾で実施する観閲式と総合訓練に参加するため、中国最大の巡視船「海巡21」が22日、上海港を出発した。同観閲式に中国の巡視船が参加するのは初めて。

 同巡視船は全天候型の捜索救助能力を備え、最高速度は22ノット(時速約40キロ)。中国では唯一ヘリコプターが発着できる最も先進的な巡視船という。昨年の観閲式にも参加予定だったが、新型肺炎(SARS)の影響で見送った。

 海上保安庁によると、25日に横浜防災基地に入港予定。6月2日に上海港に戻る。(共同)

靖国参拝「絶対受け入れぬ」中国政府、態度を硬化 2004年03月06日 The Sankei Shimbun
 中国の李肇星外相は6日、北京で記者会見し、小泉純一郎首相の靖国神社参拝について「非常に突出した問題」と指摘、「14人のA級戦犯が祭られている神社を参拝し、中国とアジアの人々の心を深く傷つけた」とし「絶対に受け入れられない」とこれまで以上に強く批判した。

 李外相は2001年10月の小泉首相訪中以来、中断している首脳の相互訪問を再開する考えがないことを示した。外相の厳しい姿勢により、参拝を正当化した2月の小泉首相の国会発言を受け中国政府が態度を硬化させたことが明確になった。

 台湾問題では「誰でも、どんなやり方でも台湾と中国を分裂させることは決して許さない」と述べ、独立志向が強く20日の台湾総統選で再選を目指す陳水扁総統をけん制した。

 小泉首相は就任後4年連続で年1回の靖国神社参拝を実施。2月には国会答弁で靖国神社のA級戦犯合祀(ごうし)について「抵抗感を覚えていない」と発言していた。

 李外相は、日中関係について、活発な経済関係や人的往来を挙げて「全般的には良好」と評価。しかし、靖国参拝については「歴史問題で欧州の指導者ができることを日本の指導者はなぜできないのか」と被害国への配慮に欠ける小泉首相の対応を激しい口調で批判し「歴史から教訓をくみ取るべきだ」と述べた。

 日本が新幹線技術売り込みを目指す北京−上海間高速鉄道計画について、李外相は公開入札への「日本の企業家の参加を歓迎する」としながら「競争は非常に激しくなる」と述べ、ドイツやフランスとの競合の中で、日本を特別扱いしない方針を明確にした。(共同)

北京―上海高速鉄道は分割入札…中国次官が見解2004/03/06 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【北京=東一真】中国鉄道省の孫永福次官は5日、読売新聞社のインタビューに答え、北京―上海高速鉄道(約1300キロ)建設計画について、国際入札を行う際には、車両、信号システム、制御システムなどの要素を別々に入札する分割入札方式になるとの見方を示した。

 新幹線を売り込む日本はこれまで、「新幹線の全システムを一括で受注しなければ安全性は保証できない」としており、戦略の練り直しを迫られそうだ。

 北京―上海高速鉄道については日本、ドイツ、フランスの3か国がそれぞれの高速鉄道の売り込み競争を続けている。孫次官は、日独仏のうち1国の高速鉄道システムを一括購入することについて、「簡単であり、信頼できるが、(日独仏の)それぞれに長所も欠点もある」として、「長所を組み合わせる方式になるだろう」と述べた。

 また、線路、トンネル、橋などの軌道工事については、上物とは別に入札を行う方針で「国内入札となる可能性が高い」とした。ただ、技術的に難度の高い工事がある場合には、部分的に国際入札にかける方針だ。

 さらに、入札で導入した技術については、「例外なく、国産化を要求する」と述べて、海外企業と中国企業のコンソーシアム(共同事業体)や合弁会社形式で、国内生産を目指す考えを示した。

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