TOPIC No.2-31a-2 2000年度日中関係

北京―上海高速鉄道、総建設費は1兆3000億円

2000.12.16(01:51)asahi.com
 中国鉄道省の任喜貴・政治部副主任は15日、北京で記者会見し、中国が計画を進める北京―上海間の高速鉄道の総建設費が1000億人民元(約1兆3000億円)程度になる見通しだと述べた。中国は内陸部のインフラ建設を進める「西部大開発」計画の実現に力を入れ始めており、同区間の高速鉄道建設の費用負担との調整が、今後、大きな課題となりそうだ。

 建設計画では、日本やフランスの新幹線方式とドイツのリニアモーター方式が、受注を競っているが、どの技術を採用するかについて任副主任は「中国の鉄道事情に合わせて研究を深めている」と述べるにとどめた。

民主・鳩山代表が江沢民国家主席と会談

2000.12.12(21:37) asahi.com
 中国を訪問中の民主党の鳩山由紀夫代表は12日午後、北京市の中南海で江沢民国家主席と会談した。鳩山氏が、過去に戦火を交えた独仏両国が加盟する欧州連合(EU)を例に挙げて「中国と日本も信頼醸成を重ねて東アジア全体に不戦の共同体を広げるべきだ」として、経済や環境、安全保障などの分野での連携を提案したのに対し、江氏は「中国は人口や国土では大国だが、日本は経済や科学技術で強国だ。両国が歴史を鑑(かがみ)にして未来へ進めば、アジアの未来に大きな貢献ができる」と一定の理解を示した。

 また、江氏は20歳若い鳩山氏を相手に「どの国にとっても幹部の若返りが重要なことだと分かった」「後ろの波が前の波を押す長江のように新しい世代が前の世代に代わることが大事だ」と繰り返し、中国にとっても指導者の世代交代が重要との認識を示した。

中国の性暴力被害者、民間法廷で証言中倒れる

2000.12.09(15:36)asahi.com
 9日正午過ぎ、東京・九段会館で開催中の「女性国際戦犯法廷」で、旧日本軍兵士から受けた性暴力を証言していた万愛花さん(70)が、当時の模様と日本の責任を訴えて泣き始めたあと突然気を失って倒れ、近くの病院に運ばれた。

 主催者事務局の三木恵美子弁護士によると、「強姦(ごうかん)のようなひどい性暴力の精神的な傷跡が何十年後もぶり返す心的外傷後ストレス障害(PTSD)と思われる。証言で緊張が強いられたからかもしれない」という。

中国のWTO加盟問題、越年 WTO作業部会

2000.12.09(10:17)asahi.com
 世界貿易機関(WTO)の作業部会は8日、公式会合で中国の加盟申請を審査、貿易関連知的財産権協定(TRIPS)については原則合意に達したものの、農業産品を中心にした補助金の扱いや、貿易の技術的障害、セーフガード(緊急輸入制限措置)などは積み残しとなった。年内作業はこの日で打ち切りとなり、中国の加盟問題は越年することが確定した。作業部会は来年1月10日から再開する予定。

 作業部会は5日から非公式会合を続け、TRIPSと非関税障壁、サービスの透明性などを集中的に協議した。TRIPSについて、中国は途上国扱いを求めず、WTO協定に国内法を整合させるための措置を加盟時までにすべて取ることを約束。合意に達した。また、非関税障壁やサービスの一部分野でも進展をみた。

 会合後、記者会見した中国の竜永図代表(対外貿易経済協力次官)は、「TRIPSでは国内法をただちに整合的なものにするが、中国には遅れている分野もある」と語り、農業分野などでは途上国並みの優遇措置を求める考えを示した。

中国最大の上海宝鋼が新日本製鉄に出資要請

2000.12.09(12:54)asahi.com
 中国最大の鉄鋼メーカー上海宝鋼側が日本の最大手、新日本製鉄に出資を求めていることが9日、明らかになった。新日鉄は正式な要請を受けてから、前向きに検討する意向だ。新日鉄はすでに韓国の最大手、浦項総合製鉄と株式の持ち合いを含む本格的な業務提携に入っている。浦項総合製鉄も上海宝鋼の株式を保有する意向で、近く、日中韓3国の最大手製鉄メーカーによる資本提携が完成する可能性が高い。

 新日鉄首脳は「上海宝鋼側から、近く(ニューヨーク市場に)株式を上場するので、出資をお願いしたい、と打診があった。上場後に正式な要請があれば、検討したい」と話している。

 上海宝鋼の製鉄所の建設には新日鉄が全面的に協力するなど、両社の関係は深い。また新日鉄の千速晃社長は、鉄鋼製品の価格安定のために、アジア各国の鉄鋼メーカーとの関係を深めていく方針を打ち出しており、上海宝鋼に対する出資にも応じると見られる。新日鉄は現在、浦項総合製鉄の発行済み株式の3%程度を所有しており、上海宝鋼への出資も同程度になる見通し。

 だが、新日鉄が上海宝鋼と、基礎技術の研究開発や合弁事業など業務提携の段階にまで踏み込むかどうかは不明。浦項総合製鉄首脳も「現在のところ、上海宝鋼とは『単なる株式持ち合い』としか考えていない。新日鉄と結んだような戦略的な提携は考えていない」という。

 上海宝鋼は粗鋼生産量(1999年)が世界7位。近くニューヨーク市場で上場すると見られており、安定株主を探している。

中国、台湾製 欠陥自転車の事故急増/4車種20台すべてテスト不合格

2000.11.26 The Sankei Shimbun
前輪ロック、重傷例も

 運転中に突然、フレームが折れて転倒するなど欠陥自転車による事故が増えている。フレームの強度不足やペダル軸の熱処理不足など製造工程における欠陥が原因で、骨折などの重傷事故も少なくないという。財団法人・自転車産業振興協会は「安全を度外視して、中国や台湾から安価な自転車を大量輸入し、売りっぱなしにする悪徳バイヤーが多い」と警鐘を鳴らし、通産省も昨年五月に「注意喚起」を行った。その一方で、輸入規制は規制緩和に逆行するという意見も根強く、今のところ決定的な改善策がないのが現状だ。(大野正利)

 通産省事故情報収集制度報告書によると、平成十一年度の欠陥自転車による事故は十五件で、五年前の六年度よりも十三件増加した。交通事故と違って自転車事故は報告されないケースが多く、通産省は「実態はもっと多い」とみている。

 また、平成十一年の国内需要九百十四万台のうち輸入自転車は四百二十六万台で、対前年比四七・四%増と急増。輸入自転車のうち、中国製は対前年比七五・七%増の約二百四十九万台で、売り上げでは四六・一%増の百六十九億円となっている。台数に比べて金額の伸びが少ないのは、単価が安いためだ。

 自転車産業振興協会の藤原登専務理事は、「中国や台湾などから大量に輸入される安価な自転車のなかに、素材の耐久性や組み立て方法に問題のあるものもある」とし、「消費者は丈夫で長持ちという自転車よりも、安価な自転車を買う傾向にある」と指摘する。

 通産省製品安全課は昨年五月、重傷事故が二件起きた中国製の折り畳み式のマウンテンバイクについて、自転車の点検を行うよう、注意喚起した。

 こうした事態を受けて、同協会と日本自転車協会は十月、中国と台湾から輸入された自転車の合同試買テストを実行した。対象自転車は四車種二十台で、耐振性テストなどの結果、二十台すべてが材質、構造、溶接の問題で不合格であることがわかった。なかには、テスト中にフレームが破損する自転車も。藤原専務理事は「このまま放置すれば、事故は増え続ける」と危ぐする。

 自転車産業振興協会では十一月上旬、東京・有明のビッグサイトで開催された「2000東京国際自転車展」で、中国自行車協会の関係者と会談。生産者には「自転車の安全面をもっとチェックしてほしい」と要望。中国自行車協会の隋松江副秘書長も、「自戒の念を込めて、改善に尽力していきたい」と話したという。

 国内の予防策としては、「消費生活用製品安全法」(消安法)の特定品目に指定する方法もある。特定品目に指定されると、技術基準に適合したという表示がされていない製品は販売できなくなり、これまで特定品目には乳幼児用ベッドや登山ロープなど四品目が指定されている。「有効な方法」と藤原専務理事は期待する。

 しかし、その一方で、販売する製品に規制をかけるのは時流に即しないとの意見もある。

 PL法制定時の産業構造審議会では「製品安全の規制は、消費者、企業の自己責任において、国の管轄は合理的に行う」と答申された。通産省製品安全課では「まずは、中国、台湾の自転車業界との話し合いが先決。規制緩和のご時世なので、自転車を消安法の特定品目に指定することは、今のところ考えていない」と話している。

         ◇

≪輸入業者“雲隠れ”≫

 平成十一年度に全国の消費者相談センターなどに報告があった欠陥自転車による事故例は次の通り。

 昨年八月、台湾製の自転車の前輪が突然、ロックされて、自転車が前に一回転。運転していた二十代の男性が顔を強く打って前歯三本を折った上、あごがずれるという重傷を負った。原因については調査中だ。

 今年一月には、福井県内の量販店で折り畳み式の輸入マウンテンバイク(一万九千八百円)を購入した学生(一九)がその翌日、通学に使用中、平たんなアスファルト道路の真ん中でいきなりフレームが折り曲がって急停車した。よく見てみると、パイプとの溶接が完全ではなく、強い力に耐え切れないことがわかった。

 いずれもチラシなどに誘われてスーパーやディスカウントショップなどの量販店で購入した安価な輸入自転車。欠陥自転車にはメーカー表示がされていないものもあるという。

 自転車産業振興協会では「クレームをつけようにも、スーパーなどに卸した直後に輸入業者が逃げてしまってつかまらないケースもある」と話している。 

中国のイカ釣り漁船をだ捕 襟裳岬沖の許可区域外で操業

2000.11.25(12:10)asahi.com
 水産庁北海道漁業調整事務所は25日、北海道・襟裳(えりも)岬沖の許可区域外で操業したとして、中国のイカ釣り漁船「遼大開漁0006」(284トン、31人乗り組み)をだ捕し、楽忠利船長(61)を排他的経済水域における漁業等に関する主権的権利の行使等に関する法律(漁業主権法)違反(許可区域外操業)容疑で逮捕した。6月1日の新日中漁業協定発効後、中国漁船のだ捕は5件目。イカ釣り漁船としては初めて。

 調べでは、同漁船は22日午後7時45分ごろ、襟裳岬の約270キロ沖の許可区域外で操業していた疑い。水産庁の漁業取締船が発見した。当時現場海域が荒天だったため、室蘭港まで任意同行を求め、接岸後に逮捕した。

「とても感動した」肉親捜しの中国残留孤児、20日離日

2000.11.19(11:24)asahi.com(時事)
 中国残留日本人孤児の肉親捜しで予定された調査が終了し、残留孤児の一行4人が19日午前、調査会場の東京・代々木の国立オリンピック記念青少年総合センターで記者会見した。血液鑑定を受けた馬福徳さん=推定(58)=らは「各方面の激励と国民の温かさに、とても感動した」などと、祖国での日々を振り返った。

 一行は19日午前、同センターを出発し、夜は成田空港近くのホテルに宿泊。20日午前の日航機で北京に向かう。

中国、成長率を8%に上方修正

2000.11.21【北京21日=共同】The Sankei Shimbun
 アジア開発銀行(ADB、本部マニラ)の在中国代表部は二十一日、中国の今年の国内総生産(GDP)は「八・○%の成長率が見込まれる」とした経済分析を発表した。九月のアジア概況で公表した予測値七・五%を上方修正した。

 アジア経済の回復と米国経済の活況を背景に、輸出が前年比三○%を超える高い伸びを示し、低迷を続けていた国内消費も今年に入り改善がみられ、国有企業改革で企業収益も好転していることが主な要因。

 分析では、中国政府が進める積極財政と低金利政策を評価した。

 一方で、中国の世界貿易機関(WTO)加盟実現で国有企業改革や構造改革が加速する事態を織り込み、実質的な失業者はこの先数年間で計二千二百万人に上ると警告し、社会保障の整備を急ぐよう求めた。

二千二百万人の内訳として、再就職できない求職者が七百万人、新たな一時解雇者が千五百万人に達する恐れがあるとしている。

 また、WTO加盟効果について「GDP成長率を一−二ポイント押し上げる」と評価。二○○一年の成長見通しを七・五%とし、○三年までは七−七・五%の成長率が維持できるだろうと予測した。

中国残留孤児の韓同来さん、兄との対面調査で身元わかる

2000.11.18(22:22)asahi.com
 中国江西省景徳鎮市から肉親捜しのために来日している中国残留日本人孤児の韓同来さんが18日、東京・代々木の国立青少年センターの対面調査で、福井県に住む男性の弟(63)と確認された。4日前に来日して以来、目にする日本の風景が、昔暮らした生家の間取りやふるさとの記憶をよみがえらせた。それが、半世紀を隔てて、大家族の中で残った、たった2人を結びつけた。今回来日した4人のうち唯一の、「戦争の世紀」といわれる20世紀最後の身元判明となった。

 この日午後、対面調査の部屋に入った途端、韓さんは涙が止まらなくなった。目にした兄の顔が自分にそっくりだったからだ。「兄だ」。一目で確信した。「感情的になってはいけない。これは調査だから」と自分に言い聞かせたが、抑えきれなかった。

 まもなく、韓さんは生家の間取り図を書き始めた。兄の顔を見て、それまで忘れていたふろの形の記憶がよみがえった。思い出すまま、昔家族で入った木製の筒形の大きなふろを描いた。奥の部屋に、おばあさんが小さく背を丸めて座っていた姿も頭に浮かび、そのことも口にした。

 冷静だった兄が「そんなことも覚えているのか」と驚いた表情をみせた。

 韓さんは次々と語った。田んぼがあり、その向こうに小川があった生家の周りの様子。「子どもはそこへ行ってはだめ」といわれていた火葬場があったこと。兄の記憶とすべて一致していた。

 約半世紀ぶりの再会に、ふたりは固く抱き合い、ただ泣いた。

 韓さんは、開拓団に家族で入植したことや、敗戦後まもなく兄と別れた場面などは記憶していたが、日本のことはあまり覚えていなかった。ところが、14日に乗った飛行機が日本に近づき、窓から風景が見えてから、ふるさとの山や木のかたちを少しずつ思い出した。日がたつにつれて、いろいろなことが頭に浮かんだ。「触景生情(チュー・ジン・ション・チン)。景色を目の当たりにすると、昔の気持ちがよみがえってくる、という中国のことわざがある」と韓さんは説明した。

 航空機の技術者だった韓さんは仕事の関係で、中国東北部のチチハル市から南部の景徳鎮市に転居していたため、孤児の肉親捜しの情報が入って来なかった。今回の来日は、2年前にチチハル市を訪れ、たまたま「まだ帰国していないのか」と声をかけられたのがきっかけだった。

 喜びを体全体で表していた韓さんも、戦後まもなく日本に復員した父親が4年前に亡くなったことを知ると、「もう少し早く帰ってくれば、会えたのに」と残念そうだった。

残留孤児へ日本帰国のための説明会 不安も

2000.11.18(16:07)asahi.com
 来日中の中国残留日本人孤児4人は18日、滞在先の東京・代々木の国立青少年センターで、日本に帰国するためのオリエンテーションを受けた。「一刻も早い永住帰国を」との願いは4人に共通だが、「永住には覚悟が必要」と厚生省から説明を受け、真剣にメモをとっていた。4人はすでに、永住後に日本語や習慣を学ぶ中国帰国者定住促進センターや技術専門校の見学を終え、少し安心した表情を浮かべていたが、言葉の壁や生活を支える制度の違いを知るにつれ、再び不安が頭をもたげたようだった。

 「同居している子どもが働いていると、生活保護は受けられないのですか」。中国ではすでに年金生活の韓同来さん(推定60)は悩む。永住後は、子どもの扶養と生活保護を一緒に受けたいと希望していたからだ。日本では、生活保護を受けている世帯で所得があれば、生活保護費はその分を差し引かれて支給される。「どうやって暮らしていくか、考え直さなければいけませんね」

 受給できる年金も少ない。中国にいた関係で加入期間が短いため、国民年金は月2万円強だ。すでに中国で年金暮らしに入っている多くの孤児にとって、日本の現実は厳しい。

 子どもの問題も悩みのひとつ。国費で一緒に永住帰国できるのは、子ども1家族だけだ。ほかの子どもが日本で暮らすには保証人が必要になる。馬福徳さん(推定58)は「息子1人の収入では、苦しいでしょう。保証人をしてくれる人が出るまで、待つしかないのか」と話す。

深センの経済特区が誕生20周年、江主席も異例の訪問

2000.11.14(22:21)asahi.com
 中国広東省深セン市で14日、中国で初めて同地に出来た経済特区の誕生20周年を記念する式典が開かれた。アジア太平洋経済協力会議(APEC)出席のためブルネイに向かう途中の江沢民国家主席も同日、訪問先のカンボジアから深センに駆けつけた。中国の国家指導者が、外遊途中に国内の式典に出席することは異例。同特区を提唱した故トウ小平氏の銅像も披露され、改革・開放政策の「成功」を強く訴えた。

 トウ氏の銅像のお披露目式に参加した江主席は、同特区が中国経済のけん引車の役割を果たしてきた業績をたたえた。中国は、世界貿易機関(WTO)加盟を控え、特区の歴史的な意義に高い評価を与えながら、ハイテク化への産業転換など新たな役割を見いだそうと模索している。

中国残留日本人孤児4人、肉親捜しのために来日

2000.11.14(20:36)asahi.com
 第2次世界大戦の日本の敗戦前後の混乱で、中国で親や家族と生き別れた中国残留日本人孤児4人が14日午後、成田空港に到着した。1981年から実施されていた訪日調査の方法が今年から変わり、肉親とみられる人が名乗り出てきた孤児に限って来日することになった。そのため、今年度は日本人孤児と認定された人は20人いたが、来日したのは4人にとどまった。戦後55年、長い時間が肉親捜しに大きく立ちはだかっている。

 曇り空の祖国に降り立った4人は、報道陣に囲まれてやや緊張気味。来日が少数になったため出迎えのボランティアらも10人程度となり、出迎え側から「寂しい」との声が漏れた。それでも孤児たちはバラの花束やキャンデーを渡され、笑顔を見せた。訪日団代表の韓同来さん(推定60)は「感動している」と涙ぐんだ。

 4人は20日まで滞在し、対面調査などに臨む。

イルクーツクの天然ガスを中国、朝鮮半島へ 中ロが合意

2000.11.04(00:24)asahi.com
 ロシアのカシヤノフ首相は3日、中国を公式訪問し、朱鎔基首相と第5回中ロ定期首相会談を行った。両首相は、ロシア・イルクーツク州の天然ガスを中国に運ぶパイプライン建設計画の企業化調査に、韓国政府指定の企業を参加させることを認める合意文書に調印。パイプラインを中国から朝鮮半島にまで延ばす構想において、中ロ韓3カ国の共同開発の取り組みが具体化することになった。

 同計画は、将来的に日本への天然ガス供給の可能性も秘めている。ロシアのインタファクス通信によると、この天然ガス田の推定埋蔵量は1兆4000億立方メートル以上。調査は、中ロによって昨年から始められており、これに韓国が加わり、来年末から再来年初頭には完了する見通しだという。カシヤノフ首相は会談後、「この計画を実現させるつもりだ」と語った。

 一方、会談後に発表された共同コミュニケによると、両首相は、7月のプーチン大統領訪中時に両国首脳が合意した経済協力強化の具体的な実現に向けて努力していくことで一致。両首相は原子力エネルギー、石油、天然ガス、宇宙飛行の分野で大規模な協力計画を進めるとし、江蘇省でのロシアの技術による原子力発電所建設計画の合意文書にも調印した。

日銀総裁が中国・朱鎔基首相と会談 景気回復など説明

2000.11.03(22:13)asahi.com
 速水優・日銀総裁は3日、北京で朱鎔基首相と会見し、日本の景気回復やゼロ金利解除などについて説明した。朱首相は「日本の経済回復は世界、アジア、中国にとっても歓迎すべきことだ」と述べた。さらに、「お互いの経験を率直に交換する中で、中央銀行同士の友好関係を強化したい」と語った。

 速水総裁は同日、中国人民銀行(中央銀行)の戴相竜総裁と約2時間会談し、幅広く意見を交換した。

中国残留日本人孤児4人が11月に来日 新方法で少数に

2000.10.25(20:32)asahi.com
 厚生省は25日、今年度の中国残留日本人孤児の肉親捜しのための訪日調査には4人が参加すると発表した。4人は11月14日に来日、20日までの間に肉親とみられる人との対面調査や血液鑑定に臨む。今年から訪日調査の方法が見直され、日本人孤児と認定された人のうち肉親情報が寄せられ、対面調査などの日程が入った孤児に限って来日する方法になり、訪日団は小規模になった。肉親情報が寄せられた孤児はほかにも2人いたが、肉親とみられる人たちが孤児たちとの対面や血液鑑定を拒否したため、来日は見送られた。

 訪日調査への参加が決まったのは、遼寧省遼陽市の谷鉄鳳さん(推定58)、吉林省楡樹市の張万昌さん(推定58)、江西省景徳鎮市の韓同来さん(推定60)、黒竜江省安達市の馬福徳さん(推定58)の4人。

 谷さんは15日に兄とみられる東京都の男性と、張さんは16日に母方の叔父とみられる広島県の男性と、韓さんは18日に兄とみられる福井県の男性と、それぞれ東京・代々木の国立青少年センターで対面する。

 馬さんは、15日に母方の叔母とみられる三重県の女性との血液鑑定に臨む。この女性は高齢で上京が難しいほか、中国に渡っていないことなどから、馬さんに会ってもわからないとして、対面調査はせず血液鑑定だけ応じる。

 一方、有力な肉親情報が寄せられたが、肉親とみられる人たちが対面調査や血液鑑定を拒否した2人について、厚生省は「行政としては、協力はお願いしているが、それ以上は踏み込めない」としている。来日しない16人についても、肉親情報が寄せられれば、個別に訪日することになっているため、厚生省は肉親捜しの手がかり情報を求めている。

中国、年間8%成長に自信

2000.10.16【北京16日=共同】The Sankei Shimbun
 中国の今年一−九月期の国内総生産(GDP)は六兆二千百二十四億元(約八十兆円)と前年同期比八・二%増となった。十六日の記者会見で発表した中国国家統計局の葉震報道官は、七年連続で前年を下回ってきた同国のGDP成長率が今年は上昇に転じ、年間八%以上を達成することに自信を示した。

 十−十二月期の国内経済の見通しについて葉報道官は「現在の良好な状態の維持は完全に可能だ」と述べた。昨年の成長率は七・一%で、今年も「七%前後」の目標を掲げていた。

 世界経済の好転を背景にした好調な輸出と、内需拡大策による投資増などが主な押し上げ要因。十−十二月期は、八月末に承認された追加国債五百億元の効果に加え、一−九月期の海外からの直接投資(契約ベース)が前年同期比約二八%増えたことから、さらに投資拡大が期待される。

 一−九月期の輸出は、前年同期比三三・一%増の千八百二十三億ドル、輸入は同三八・七%増の千六百三十一億ドル。同期の公共投資は一兆三千四百七十億元で同一二・九%増。

 産業別では、携帯電話やパソコンなどの生産額がいずれも前年同期比三○%以上の増加と好調。

 改革を進める国有企業は一−八月の利益総額が千三百六十九億元で前年同期比一・九倍と大幅に増えた。

江主席あての首相親書手渡す 野中氏が唐外相に

2000.10.08(12:50)asahi.com(時事)
 自民党の野中広務幹事長ら与党3党幹事長は8日午前、北京市内のホテルで中国の唐外相と朝食をともにしながら約1時間会談した。

 席上、野中氏は12日からの朱鎔基首相来日を歓迎する意向を表明するとともに、日中協力関係の促進や朱首相来日への期待を盛り込んだ江沢民国家主席あての森喜朗首相の親書を手渡した。

 これに対し、唐外相は朱首相来日について「主要経済閣僚が皆同行する大部隊となり、朱首相はテレビ番組にも出演する」と述べ、今回の訪日を重視しているとの認識を示した。

3与党幹事長が訪中、8日に朱首相と会談

2000.10.07(20:08)asahi.com
 自民、公明、保守の与党3党幹事長らによる訪中団(団長・野中広務自民党幹事長)が7日、北京に到着した。12日からの来日を控えた朱鎔基首相と8日に会い、中国への途上国援助(ODA)のあり方など日中関係全般について意見をかわす。

 訪中団は、このほか唐家セン外相や李瑞環政治協商会議主席、曽慶紅共産党組織部長とも会談する。また、日本の経済協力への謝意を表すため中国政府が8日に催す「日中経済協力20周年記念レセプション」に出席し、9日に帰国する。

中国へ出発/与党3幹事長

2000.10.07 The Sankei Shimbun
 自民党の野中広務幹事長ら与党三党の幹事長は七日、中国訪問のため羽田発のチャーター機で出発した。九日までの滞在中、八日に朱鎔基首相ら中国要人と会談する。また北京市内で開かれる「日中経済協力二十周年記念式典」に出席する。

繊維製品の輸入急増、産地業者らが阻止求めデモ行進

2000.10.05(23:47)asahi.com
 中国などから安い繊維製品の輸入が急増し、全国の織物産地で廃業や倒産が相次いでいる。5日、綿製品を中心に38の織物産地から経営者や市町村長ら約3000人が東京・日比谷の野外音楽堂に集まり、「危機突破大会」を開催。「洪水的な輸入の阻止」「国内需要の30%の生産量確保」を求め、国会議事堂までデモ行進した。

 化学繊維に比べ付加価値をつけにくい綿製品の輸入増加は特に深刻で、昨年の国内市場に占める輸入品の割合は87.5%に達した。綿・スフ(レーヨン短繊維)織物業の事業所数は年々減り、20年前の3分の1以下となっている。大会実行委員長の塩谷春雄・日本綿スフ織物工業連合会会長は「最近は売れずに焼却処分されるほど大量に輸入されており、秩序を回復してもらいたい。このまま海外に依存すると、安い海外製品も値上がりして消費者にも害をもたらす」と話している。

「中国化繊がダンピング」繊維業界、日本政府へ近く提訴

2000.09.30(14:54)asahi.com
 日本繊維産業連盟(会長=前田勝之助・東レ会長)と日本化学繊維協会(会長=山本一元・旭化成工業社長)は30日までに、中国などから化学繊維製品が不当な安値で輸入され、国内メーカーが損害を被ったとして、10月末にも反ダンピング税(不当廉売関税)の適用を日本政府に申請する方針を固めた。繊維製品の輸入は昨年から急増しており、業界では、安い輸入品が大量に流入し続ければ、産業自体が消滅しかねないという危機感が広がっている。

 提訴の対象企業は、輸入品の6割以上を占める中国の化繊メーカー2社程度となる見通し。韓国企業などが加わる可能性もある。

 申請を受けた大蔵省がダンピングの可能性が高いと判断すれば、世界貿易機関(WTO)の協定に基づき、通産省とともに調査を実施。最終的に「クロ」と判断すれば、不当な値引き率に見合う関税を、対象企業の輸入品に課す。相手先は不服であれば、WTOに提訴できる。

 繊維製品の輸入量は1999年に前年比14.4%増と急増、国内市場に占める輸入品の割合も初めて6割を超えた。今年も「昨年を上回る勢いで増えている」(業界関係者)という。業界関係者によると、安い化繊輸入品の流入で、繊維製品全体の市況もここ数年で半値以下に急落したといい、国内産地で廃業や工場閉鎖が相次いでいる。

 業界では当初、相手国からの輸入量を制限できる繊維セーフガード(緊急輸入制限)の発動要請を検討したが、期間が3年間に限定されていることや、中国で生産している日系企業の製品にまで輸入制限が及ぶことから、対象企業が特定できる反ダンピング提訴を決めた。

中国首相が訪日控え日本人向けメッセージ 日本語誌に

2000.09.29(20:29)asahi.com
 10月12日から日本を公式訪問する中国の朱鎔基首相が、北京で編集されている日本語の月刊雑誌「人民中国」10月号に、日本に向けたメッセージを寄稿した。

 「日本のたくさんの読者と各界の友人に心からのあいさつを送り、中日両国人民の友好が絶えることなく発展するよう祈ります」という一文で、朱首相と夫人の写真などと一緒に掲載された。

 日本側発行所の東方書店によると、来日する中国の指導者が直接、こうしたメッセージを出すのは過去に例がないという。

 朱首相は17日まで滞在の予定で、森喜朗首相らと会談する。

「日本人多く殺せば英雄」/反日ネットゲーム 中国に登場/高得点者に「南京本」贈呈

2000.09.26The Sankei Shimbun
 中国で、日本兵を殺して得点を競い高得点者は「抗日英雄リスト」に名前を連ねるインターネットオンラインゲームが登場、かなりの人数が参加していることが二十六日までにわかった。中国では九月に入り、官営マスコミが日本の侵略を改めて大きく掲載する“反日報道”が急増しているが、こうしたインターネットでも、反日の動きが広がっているといえそうだ。(野口東秀)

 ゲームは、「南京龍域」というインターネット上のサイトにおけるオンラインゲーム。「打倒日本軍国主義」とタイトルがつけられ、モグラのように穴から顔を出す「日本鬼子」(日本兵)をマウスのポインターでクリックすることで“殺害”する。ゲーム参加者は、殺した日本兵の数によって得点を競う仕組み。

 参加者は「命中率」に応じた得点順に「抗日英雄リスト」に名前が記録されるほか、架空の通貨「元」も併用し、日本兵を殺害していくごとに、「一元」「二元」と持ち金が増えてもいく。最高得点者は三千点と記録されていた。

 さらに十月一日(中国の国慶節)時点で、得点ベスト三には、南京事件を記録したとされるドイツ人ジョン・ラーベの「ラーベの日記(邦訳・南京の真実)」、以下ベスト一〇までには「南京虐殺本」の訴訟で敗訴したが中国ではヒーロー的存在の東史郎氏の日記(著書)を贈呈するとしている。

 このゲームの最初のページには、日本軍による虐殺とする「写真」を掲載しているほか、ゲーム終了後には、掲示板が設置され、「原爆を日本に落とせ」「東京大虐殺」「小日本(日本の卑称)は死ね」などのタイトルで文章が投稿・閲覧できる。

 「小日本を消滅させる方法」では、「日本を占領したうえで、若い日本人女性だけを生かし、エスニック・クレンジング(民族浄化)すれば日本そのものが十数年後には消滅する」といった内容まで書きこまれている。

日中の民間防衛交流目指し橋本元首相らが来月訪中

2000.09.26(09:35)asahi.com
 笹川日中友好基金の牛尾治朗運営委員長(ウシオ電機会長)は25日、北京で記者会見し、日中の民間防衛交流を進める目的で、橋本龍太郎元首相を団長とした防衛庁や自衛隊元幹部らが参加する訪中団が10月下旬に中国を訪問することを明らかにした。

 同基金の事業の一環で、一行は上海、北京を回り、海軍施設の見学などを希望している。中国人民解放軍の熊光楷副参謀長が会長を務める民間団体「中国国際戦略学会」が受け入れ先になるという。

自民・野中幹事長が10月7日から訪中

2000.09.26(09:33)asahi.com
 自民党の野中広務幹事長が、10月7日から3日間の日程で中国・北京を訪問することが25日、固まった。10月12日から中国の朱鎔基首相が来日するのを前に、中国の要人らと朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への対応などについて意見を交わす。

男女2人刺殺容疑で中国籍の筑波大院生を逮捕 埼玉

2000.09.23(01:44)asahi.com
 22日午後11時20分ごろ、埼玉県春日部市緑町6丁目のマンション「セレナハイム春日部緑町」の駐車場で男女が刺された、と110番通報があった。埼玉県警春日部署員が駆けつけると、駐車場で30歳前後の男女2人が首などをナイフのようなもので刺されて、死んでいた。近所の人が近くにいたサバイバルナイフを手にした男を取り押さえ、春日部署は男を殺人容疑で現行犯逮捕した。

 調べによると、逮捕されたのは中国籍の茨城県つくば市天久保2丁目、筑波大大学院修士2年の薜松容疑者(27)。死亡した男性は30歳で車内に、女性は29歳の中国人で車外にいたという。薜容疑者は被害者と顔見知りだった、と言っているという。

 近所の人の話だと、複数の若い男女がそれぞれ怒鳴りあっているような声が聞こえたため、雨戸を開けて窓から辺りを見回したという。話の内容までは分からなかったが、2、3分ほどで女性の声が聞こえなくなり、その後、男が追いかけ回すように声の位置が動き回ったという。

元交際相手ら2人刺殺、中国人留学生逮捕/埼玉・春日部市

2000.09.23 The Sankei Shimbun
 二十二日午後十一時二十分ごろ、埼玉県春日部市緑町六ノ三ノ一二のマンション「セレナハイム春日部緑町」駐車場で、男女二人が男にナイフで刺され、死亡した。同マンションの住人が現場にいた男を取り押さえ、春日部署が殺人の現行犯で逮捕した。

 男は筑波大大学院に留学中の中国人、薜松(せつ・しょう)容疑者(27)=茨城県つくば市天久保二ノ一ノ一。死亡した女性はパスポートなどから同マンション一階に住む中国籍の同大大学院生、許●(きょ・しん)さん(27)と判明。同署は男性の身元確認を急いでいる。

 調べに対し、薜容疑者は「許さんと交際していたが、最近冷たくなったので殺そうと思った」などと供述しているという。

 調べでは、薜容疑者はサバイバルナイフ二本を事前に用意、二人を襲った。男性は、駐車場に止めた乗用車の運転席で胸を刺され、許さんは車の近くの路上で首を刺されており、二人ともほぼ即死状態だった。

 同マンションの会社員(35)と病院職員(33)の男性が、外が騒がしいのに気付き犯行を目撃。二人で協力して薜容疑者を取り押さえ、駆け付けた春日部署員に引き渡した。

 許さんは今春、同大大学院の医学研究科に入学したばかり。

●=日へんに斤

中国残留邦人の帰国支援、家族ぐるみで永続的に 厚生省

2000.09.19(03:07)asahi.com
 中国残留邦人に対する帰国支援策で、厚生省は対象を同伴帰国した2世、3世まで広げ、本人と家族を対象にした永続的な支援に乗り出すことを決めた。これまでは、支援策の柱は、残留日本人孤児や残留婦人など本人の帰国、永住、経済的自立とされ、支援期間も帰国後3年以内に限られていた。しかし、高齢化が進んで経済的自立がさらに困難になっている本人への支援を継続するだけでなく、日本になじめずに事件にかかわるなど問題も起きている2世、3世への支援が欠かせないと判断した。

 具体的には、日本語や就労に必要な技術の修得、精神面でのケアなどを充実させるため、拠点となる中国帰国者支援・交流センター(仮称)を新設する。

 帰国者の約3分の1が暮らす首都圏に置く予定で、神奈川県内が有力な候補地としてあがっている。すでに、来年度予算の概算要求に調査・設計費を計上しており、2003年の開館を目標にしている。

 そのうえで、支援の対象を2世、3世まで広げる。国費帰国者を優先するが、定員などに余裕があれば自費帰国した2、3世にも門戸を開きたいという。

 現行の制度では、国費で永住帰国した残留邦人は、全国4カ所にある定着促進センターで4カ月間、日本語や習慣を学ぶ。その後、身元引受人がいる場所の公営住宅などに入り、生活保護を受けながら自立研修センターに8カ月間通って、日本語の勉強ができることになっている。

 けれども、自立研修センターは全国に19カ所しかなく、それ以外の地域で日本語を勉強するにはボランティアに頼るか独学しなくてはならない。

 また、帰国後3年間は生活や就労の相談相手として自立指導員を派遣してもらえるものの、その後は特別な援護策はなくなる。その後は、担当職員の善意かボランティアに頼るしかないのが現実だった。

中国帰国者の3人に2人が生活保護 4年前の1.7倍

2000.09.08(19:23)asahi.com
 ここ10年間に日本に永住帰国した中国残留邦人の3人に2人が生活保護を受けていることが8日、厚生省の「中国帰国者生活実態調査」でわかった。生活保護受給率は、4割弱だった前回1995年の調査に比べて大幅に増加、60歳未満の就労率も低下していた。働いていても平均月収は一般世帯の半分以下で、厳しい生活を強いられている現状が浮き彫りになった。

 調査は昨年11月末までの10年間に国費で永住帰国した2562人を対象に実施した。回収率は86.8%だった。

 日本人孤児や残留婦人など、永住帰国した残留邦人本人の平均年齢は63.1歳。高齢化が進んでいることもあり、生活保護を受けていると答えたのは65.1%。前回調査の38.5%を大幅に上回った。前回調査では4分の3が自立していた帰国後五年以上の人でも、今回は半数以上が生活保護を受けていた。

 生活保護を受けている人たちの半数は日本語が「全くできない」か「片言のあいさつ程度」と答えていた。また、6割は一緒に国費帰国した子どもたちと別居していた。働き始めた子どもたちの足手まといにならないように別居して生活保護を受けている人が多いことがうかがえる。

 仕事についているのは、帰国者本人の約3割にすぎず、子どもなども含めた世帯に働いている人がいる割合は約6割だった。働いている人がいる世帯の平均月収は21万5000円で、一般家庭の4割強。金額も前回調査を7万円以上下回った。帰国者本人しか仕事をしていない場合の月収は平均15万2000円だった。

中国、今年の成長率は7.9%以上の見通し

2000.09.06(21:42)asahi.com
 中国国家経済貿易委員会の張志剛副主任は6日、日中経済協会代表団(渡里杉一郎団長)との会議で、今年の経済成長について「7.9%以上になる」との見通しを明らかにした。また、3年を目標としてきた国有企業改革についても、「達成できる」との見方を示した。

 中国側の説明では、1997年末の段階で、赤字の大、中型国有企業は6599社あったが、これまでに3684社が困難な状態から脱却するための赤字対策に取り組み、うち、1148社が自力で黒字に転じたという。

 また、張副主任はエネルギー政策に関し、電力産業を発電と配電に分離し、発電は基本的に地方に任せる方針であることも明らかにした。

江沢民主席、河野外相に「対日重視」強調

2000.08.29(23:03)asahi.com
 中国訪問中の河野洋平外相は29日、北京の人民大会堂で江沢民国家主席と約1時間会談した。江主席は「両国関係は必ずいい方向に持っていける。これが大局だ。問題が起きても相互理解と友好の精神で解決方法を探せばいい。大局を堅持することだ」と述べ、対日重視の方針を強調。10月の朱鎔基首相の訪日について「非常に重要で、必ず2国間関係が促進されるだろう」と述べる一方、「ニューヨークで森喜朗首相と会うのを楽しみにしている」と語り、9月の国連ミレニアムサミットの際に森首相と会談する考えを明らかにした。森首相の就任以来、初の日中首脳会談になる。

 江主席は日中関係について「これまでの歴史と未来を見た場合、日本が経済大国で、中国が最大の途上国であることから相補うことが可能で、21世紀を展望しても2国間関係は必ずいい方向に持っていける」と発言。「日中関係では楽観主義」「善隣友好は普遍であり、変える理由はない」などと、対日関係の重要性を繰り返し強調した。

 また、一昨年の日本訪問にも触れ、「(当時の)小渕恵三首相と非常によい会談ができた」と述べた。「歴史をかがみとし、未来に向ける精神で努力すれば必ずよい日中関係が開ける」と「歴史」への言及はあったが、日本側の歴史認識を改めて問題視するような発言はなかった。

 一方、河野外相は28日の唐家セン外相との会談を紹介する形で、中国の海洋調査船が日本の排他的経済水域を航行している問題について「相互通報の制度作りに合意し、事務的に詰めていくことになった。日中の信頼関係の増進だ」と述べた。

日本“襲う”中国偽造品/分業体制 町ぐるみで製造

2000.08.27【北京26日=古森義久】The Sankei Shimbun
年被害8500億円 官民で対処

 中国にある日本政府経済関連諸機関では、中国市場で日本製品の偽造品が急増し日本企業への危機的状況が生まれたとの判断から、日本大使館などが直接介入し、官民一体で対処する一方、欧米企業と連携しての偽物対策を強めることとなった。日本製品の偽物は電気製品から自動車部品、医薬品、農薬など広範を極め、流通量も本物を上回り、中国産偽造品が世界各地に輸出されて、日本企業の年間損失は八千五百億円にも及ぶと推定される。

 中国は世界最大の偽造品の生産地で、中央政府も朱鎔基首相を中心に取り締まりを進めているが、徹底せず、偽造品をつくるのに、部品製造から組み立て、仕上げまで、市や町ぐるみで分業体制が確立されているケースもある。また、北京、上海などの問屋では真正品二一%に対し偽造品七九%と量が逆転し、中国製偽造品が中東や南米にまで大量に輸出されている。

 中国の偽造製品のここ数年の状況は米欧大企業が主体で結成した「中国偽造行為対策連合」が「規模や悪質性において歴史上、世界に例をみない」とするところまで悪化した。

 とくに、日本製品の偽造、模倣の急増が激しいとして、北京にある通産省関連の日中経済協会、ジェトロ(日本貿易振興会)、日本大使館などが歩調をあわせ、新たな総合的対策をとることとなった。

 日中経済協会北京事務所に特設された知的財産権室の関和郎室長らによると、新対策は(1)日本企業から日本大使館、総領事館など政府機関への訴えを促し、官民一体の対処を図る(2)日本企業の被害の意識を高めるキャンペーンを強化する(3)欧米の企業や政府と連携し、中国側への措置をとる−ことなどを柱としている。

 知的財産権室では八月中旬に中国製偽造品による被害の大きい日本製ミシンの展示会を上海で開き、日本企業と日本総領事館の代表との偽造品対策協議を初めて実施したほか、九月には特許庁の後援で中国偽造品対策セミナーを欧米企業代表を招いて東京で開催する。日本大使館の杉本信行経済部長もこれまでは直接に関与しなかった偽造問題に、企業の要請に応じて支援にあたる新方針を示した。

 日本企業側もこれを受ける形で北京日本人商工会議所に七月、知的財産調査班を初めて創設した。

 こうした動きは中国市場で偽造品が急増し、とくに対応の鈍かった日本企業の人気商品が標的となり、危機が生まれたとの認識からで、知的財産権室では中国市場で日本企業、日系企業が偽物から受ける被害は総売り上げの二〇−二五%に達するとしている。対中輸出に現地生産を加えた日本企業の工業製品の中国での売り上げは年間約三兆四千億円で、偽造製品による損失は六千八百億円から八千五百億円と推定される。

中国に「中日関係研究センター」が発足

2000.08.25(01:34)asahi.com
 中国の政府系シンクタンク、中国社会科学院日本研究所は24日、国内の各分野で活躍する日本研究者の交流促進を目指した「中日関係研究センター」(主任は蒋立峰・同研究所副所長)を発足させた。今後、国内での共同研究を進め、日本の学者や各国の日本研究者らとの交流なども行っていく計画だという。


サムライ債 債務不履行

中国ノンバンク閉鎖へ/285億円無価値化の危機/サムライ債 債務不履行

2000.07.19【北京19日=古森義久】
 中国人民銀行(中央銀行)の戴相竜総裁は十九日の記者会見でサムライ債(円建て外債)の債務不履行で日本政府からの抗議を受けていた中国のノンバンク、「海南省国際信託投資公司」(HITIC)が閉鎖されると述べた。この閉鎖の結果、サムライ債合計二百八十五億円相当が無価値となる可能性もあり、日本の対中融資に改めて深刻な影が投げかけられた。

総裁は同会見でのHITICの支払い遅延に関する質問にこたえて、「中国では債務の履行に支障を起こした一部の国際信託投資公司(ITIC)を閉鎖する方針をすでにとっており、海南省国際信託投資公司も閉鎖されると思う」と語った。

 同総裁のこの言明はHITICが債務を支払う能力を完全に失ったことを立証したが、この「閉鎖」がこれまでの大連国際信託投資公司のような破産を意味するのか、あるいは債務の他の金融機関への肩代わりをも意味するのかは明らかにしなかった。

 しかし、同総裁は金融当局や中央銀行の方針として、(1)一般にITICの債務支払いは法令に従い均等の原則で実行する(2)閉鎖されたHITICの債務も、HITICと債権者の間で法に従い解決を図る(3)その交渉が失敗した場合、中央銀行などがある程度、関与してさらに解決に努める(4)HITICの債務返済も法に従って進めるが、中央銀行にもその公正な実施への責任はある−と述べた。

 HITICは九四年に発行したサムライ債百四十五億円の利子約三億円を期限の七月十日を過ぎても払わず、同債券引き受けの主幹事の新生銀行から日本政府への介入要請で北京の日本大使館は中国当局あてに「このままではデフォルト(債務不履行)となり、日本の対中融資、投資へ重大な悪影響を及ぼす」とする抗議書簡を出していた。

 HITICは住友銀行を主幹事としたサムライ債百四十億円を発行しており、このまま閉鎖から破産となると、日本側が買った合計二百八十五億円の債券が無価値となる危険がある。

中国のノンバンク 債務不履行通告の見通し/海南省国際信託投資公司

2000.07.15【北京14日=古森義久】The Sankei Shimbun

円建て債利払い遅れ/対中投資に重大影響

 中国のノンバンク「海南省国際信託投資公司」(HITIC)がサムライ債(円建て外債)百四十五億円分の利子払いが遅れ、債務不履行が通告される見通しが強まったことに対し日本政府は十四日、中国政府と海南省政府にあてにこのままだと金融面での中国全体の対外信用が崩れ、とくに日本の対中投資に重大な影響を与えるという抗議の意向を伝えるという異例の措置をとった。

 海南省政府が後押しして設立されたノンバンクのHITICは九四年に発行したサムライ債百四十五億円分の半年ごとの利子約三億円の支払いを債務不履行となる最終期限の七月十日を過ぎても払わず、日本政府は北京の日本大使館を通じて中国側でこの種の外債発行を管理する国家外貨管理局に債務不履行を許すことに対し抗議した。さらに十四日には日本大使館の杉本信行経済部長名でHITICを直接、監督する海南省政府金融担当部門あてに同様の抗議の書簡を送った。

 日中関係筋によると、日本政府がこの問題を重視するのは同サムライ債を買った主幹事の新生銀行(旧日本長期信用銀行)らが契約に従って債務不履行(デフォルト)を通告すれば、HITIC側はただちに本体の元本の百四十五億円分だけでなく、その後に同様の方法で発行したサムライ債百四十億円分をも債券購入側に解約の形で返済しなければならなくなるためだ。HITIC自体の破産は確実となり、その結果、中国の他の金融機関が出したサムライ債の信用度も地に落ちて、日中両国間の重大な金融問題になる恐れからだという。このため日本大使館は新生銀行の緊急の要請にこたえる形で異例の介入に踏み切ったとされる。

 中国のノンバンクは広東や大連の国際信託投資公司が日本の金融機関から借りた資金の債務を履行せず、波紋を広げたが、自ら発行した債券の債務不履行はこれまで例がない。サムライ債は一九八〇年代以来、中国の各金融機関が発行し、日本側が巨額に買い上げて、中国の経済開発に寄与してきたが、そのデフォルトはこれまで一度も起きていない。

 HITICがこのまま利子を払わず、新生銀行側からデフォルトを通告されれば、ただちに二百八十五億円の返済の義務が生じ、もし返済できなければ、日本側が買った同サムライ債券はみな無価値となる。この場合は同債券は新生銀行を通じ、日本側の多数の投資機関に売られているため、余波は非常に大きくなる。

 HITICの現状について北京の邦銀筋は「中国政府がこの時点で救済に動いていないことはHITICを見捨てたからではないか。外貨建て債券のこうした債務不履行はドル建てなら考えられず、中国側に相手が日本なら債務を履行しなくてもなんとかなるという認識が広まっているようだ」と論評した。

対中特別円借款、河野外相訪中後に是非を判断

2000.08.24(12:38)asahi.com
 自民党は24日の外交関係合同部会で、政府が予定している中国への総額172億円の特別円借款供与について、28日からの河野洋平外相の訪中終了後に是非を判断することを決めた。中国艦船が日本の排他的経済水域(EEZ)で航行を繰り返していることへの反発などから、供与に異論が続出。塩崎恭久外交部会長が24日中に河野外相に会い、こうした意見を伝える。

 これに関連して、中川秀直官房長官は同日の記者会見で「アジア経済危機の影響を受けた国々を支援するという特別円借款の趣旨に合致するもので、供与の方向で検討する。必要な手続きを踏んでいる段階で、外相の訪中結果も見つつ相談する」と述べた。

 部会では、この問題で10人以上が発言。供与の時期などで「政府の対応がはっきりしない」と批判が相次ぎ、中国艦船の動向に絡めて「日本の主権が問われている」といった意見も出た。河野外相の訪中時に日本国内の異論を伝えてもらい、中国側の対応を見て改めて部会で話し合うことにした。

 また、部会では森田一運輸相が訪中を断られた背景をただす意見が出た。外務省側は唐家セン外相の発言を引いて「靖国神社参拝とは無関係」と説明した。

靖国参拝問題で森首相を名指し批判 中国軍機関紙

2000.08.22(01:23)asahi.com
 中国人民解放軍機関紙「解放軍報」は21日、日本の閣僚の靖国神社の参拝問題について、森喜朗首相が「何ら制止しなかった」と名指しで批判した。ドイツと比べて「右翼勢力」に対する指導者の態度が違うとして、森首相の「神の国」発言なども改めて非難した。中国の報道の中でも、靖国問題で日本の首相の責任を直接訴えることは異例だ。

 同紙は「日本の目的は、世界の政治、軍事大国となり、大日本帝国の威風を再興することだ」とし、日本の「右傾化」に対する強い警戒感を示した。

日中関係、変わる構図 中国は対日配慮も

2000.08.20(14:27)asahi.com
 中国政府が森田一運輸相の訪中取りやめを求めたことについて、政府・与党内に靖国神社参拝に対する中国の反発が原因との見方が出ているが、問題の経緯や日中双方の対応は、最近の両国関係の構図の変化を映し出してもいる。これまで靖国参拝に強く反発してきた中国側は、「日程調整がつかなかった」として訪問拒否とは無関係なことを強調。対日関係悪化への配慮をうかがわせた。一方で日本側には、中国への対抗意識の高まりに加え、政界の世代交代による対中国観の様変わりがある。

 中国が運輸相訪問を拒んだ理由が靖国参拝かどうかは、はっきりしていない。日本側には「参拝が理由ならそう言って断るはず」(外務省筋)と否定的な見方がある一方、参拝問題が絡んでいると感じ取る人も少なくない。

 中国側が、参拝問題と結びつけて受け止められるだろうと考えなかったはずはない。河野洋平外相の中国訪問が2週間後に迫り、10月の朱鎔基首相の来日を控えた中で、あつれきを生むことを承知で拒否してきたことは間違いない。

 ただ、運輸相が表明していた15日の参拝より前に通告したことや、拒否の理由で参拝に全く触れていないことは、日中関係を決定的に悪化させまいという歯止めが働いているようだ。

 2年前の江沢民国家主席の来日で、日中両国は歴史認識をめぐって対立を深めた。中国が共同宣言に過去の「おわび」を盛り込むよう求め、日本は拒否。江主席は会談や講演で日本の歴史認識を問題にし続け、日本側に反感が広がった。

 その後、日本政府内に、中国の度重なる批判にうんざりする空気が濃くなった。5月の唐家セン外相の来日で日本側は、中国に対する政府の途上国援助(ODA)見直しの声が国内にあることを伝えた。

 米中関係が不安定なことなどから、いま日中間がきしむことは中国にとって得策ではない。朱首相の来日には、冷え込んだ日中関係を好転させようという狙いがあると見られている。同時に、日本の「右傾化」への懸念を強めており、今回の訪問拒否の背景には日本への中国の警戒感の高まりもあるようだ。

 日本国内では、自民党の外交部会などで中国に対する厳しい意見が飛び交うことは珍しくない。最近の日本近海での中国艦船航行をめぐっても、同党内では中国への特別円借款供与の見送りを求める声が相次いだ。

 かつてこうした意見の主役は、台湾との断交、中国との国交正常化に反対した「親台派」議員だった。しかし、日中国交正常化から30年近くたち、「親中派」とともに親台派も表舞台から去りつつある。

 代わって中国批判の中心となっているのは若手議員。日中関係を発展させる必要性は認めつつ、政治・経済両面で台頭する中国への警戒感や、中国が何度も繰り出す「歴史認識カード」への不快感を前面に出す。

森田運輸相の訪中、中国側が取りやめ求める

2000.08.18(21:20)asahi.com
 中国外務省は18日、9月上旬に予定されていた森田一運輸相の訪中について、日程調整がつかなかったことを理由に取りやめを求めたことを明らかにした。森田氏は8月15日の終戦記念日に靖国神社に公式参拝しており、これに中国側が反発したためだとの見方が日本側からは出始めているが、同省は「(記念日前の)14日に日本側に連絡した」として、訪中取りやめと参拝との関係を否定している。

 中国鉄道省当局者は18日、朝日新聞に対し、「これは『取り消し』ではない。日本側から訪中の申し入れがあり、相談をした上、とても忙しい時期であることから受け入れは難しいと伝えたものだ」とし、「(同省は)機構改革の最中であり、夏季の安全運転の重要な時期であるからだ」と話した。

森田運輸相の訪中拒否/中国、靖国参拝に反発か

2000.08.17 The Sankei Shimbun
 新幹線建設問題などを協議するため森田一運輸相が九月六日から予定していた中国訪問を中国側が断っていたことが十七日、明らかになった。森喜朗首相も同日昼、記者団に対し事実関係を認めた。事前の両国間折衝で、日程が固まっていた閣僚の外遊日程が相手国の都合でキャンセルされたのは極めて異例。森田運輸相が十五日の終戦記念日に靖国神社に「公式参拝」したことについて中国側が反発したものとみられ、「靖国問題」が再び日中間の外交問題に発展することにもなりそうだ。

 森田運輸相は九月の臨時国会の前に、中国を含めアジア諸国を数日間、訪問することを計画していた。特に中国政府とは、新幹線建設問題だけでなく、中国人の団体観光客の日本への受け入れが近く始まることから、日中の観光問題などについても話し合うことを計画していた。

 しかし、日本政府筋によると、今月中旬に中国政府側から多忙であり、新幹線建設問題を話し合う準備が整っていないことなどを理由に、森田運輸相の訪中を見送ってほしいとの通告があったという。森首相も十七日昼、首相官邸で記者団に対し、「詳しく聞いていないが、先方が忙しいと聞いている」と述べ、訪中見送りの通告があったことを認めた。

 森田運輸相は終戦記念日の十五日、靖国神社に参拝した。靖国神社には今年、事前に参拝した西田司自治相と合わせ計十閣僚が参拝したが、森田運輸相は「公式参拝」との立場を事前に明言していた。

 こうしたことから、中国政府が森田運輸相の公式参拝に反発し、訪中を拒否したものと見られる。中国国営の新華社通信も十七日、閣僚の靖国参拝に対して、「隣国人民の感情や反対の叫びを顧みずに参拝した」と強く反発している。

 森田運輸相の話 九月六日から九日までの日程で訪中を申し入れていたが、中国鉄道部から高速鉄道建設計画問題では今、来てもらっても何もお話することはないとの連絡があった。(靖国神社への公式参拝に対する不快感との見方は)推測の域を出ない話だと思う。

河野外相、来月28日から訪中 日中外相会談で一致

2000.07.29(13:55)asahi.com
 河野洋平外相は29日午前、バンコク市内のホテルで、中国の唐家セン外相と約1時間40分、会談し、河野外相が8月28日から31日まで中国を訪問することで一致した。河野外相は、中国側に包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期批准を求めるとともに、日本近海を中国艦船が航行していることについて、強く抗議した。また、九州・沖縄サミット(主要国首脳会議)で、主要8カ国(G8)が朝鮮半島の緊張緩和を支持する声明を採択したことを説明、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の動向について、8月の訪中時に意見交換することになった。

 CTBTについて唐外相は「すでに全国人民代表大会に送付してあり、批准することは困難な問題ではない」と語り、早期批准に前向きな姿勢を示した。その上で、米国が批准を拒否していることを指摘、「日本は米国の同盟国として、米国に早期批准を促して欲しい」と要請した。

 また、河野外相は中国海軍の情報収集船などが、日本の排他的経済水域を航行していることについて、「放置できない」と抗議、事前に日本側に通報するよう要請。「日本での関心は非常に高い。日中間の艦船の相互訪問などで、信頼関係を築くことの方が大事だ」と語った。唐外相は「冷静に対応したい」と応じた。

日本人100万人が中国を訪問 今年上半期

2000.07.28(16:40)asahi.com
 新華社電によると、今年上半期に中国を訪れた外国人は、のべ470万3100人で、前年同期より22.2%増えた。国・地域別では日本が一番多く、のべ100万4000人だった。次いで韓国、ロシア、米国、マレーシア、シンガポールの順に多かった。

ドイツ訪問の中国首相、リニアモーターカー実験線に試乗

2000.07.03(10:19)asahi.com
 ドイツを訪問している中国の朱鎔基首相は2日、ドイツ北部にある独版リニアモーターカー「トランスラピッド」の実験線を視察し、試乗した。ドイツでは採算の面から実用化が遅れているが、朱首相は今回の訪問で上海に導入するための調査実施にドイツ側と合意。試乗中も「めまいがするほど」と高水準の技術をほめちぎり、同席したドイツの関連企業トップに導入への意欲を改めて示した。

 朱首相は32キロの実験線を時速約400キロで走るトランスラピッドに約20分試乗した。ロイター通信によると、首相は「上海の実験線では505キロは出せるだろう。日本のリニアよりも速くなかったら、国民になぜ日本のものを買わなかったのかと言われてしまう」と述べた。

 上海に計画されている実験線は全長42キロで空港と市中心部を結ぶ。合意された実用化調査では、ドイツ側が160万マルク(約8400万円)を負担する。

 中国は北京―上海間の高速鉄道も計画中で、ドイツや日本、フランスが各自の新幹線技術を売り込んでいる。朱首相はこの日、ドイツの新幹線ICEの乗り心地も確かめた。

中国で邦人2人が交通事故死

2000.07.03(21:10)asahi.com
 北京の日本大使館に3日入った連絡によると、中国黒竜江省双城市の国道102号で6月30日正午ごろ、タクシーに乗っていた邦人2人が事故にあい、死亡した。亡くなったのは、愛知県豊川市に本社がある切削工具メーカーOSG所属の塩野谷祐宏さん(62)と剣真治さん(38)。原因など詳しいことは分からない、という。

3日から日中共同で調査 中国残留日本人孤児

2000.07.02(17:47)asahi.com
 厚生省は3日、中国残留日本人孤児について、中国政府との共同調査を始める。これまでは身元がわかっていない残留孤児は、肉親捜しのための訪日調査に参加して初めて「日本人孤児」と認定されていた。しかし、孤児の高齢化などを理由に、今年度からは訪中調査だけで日本人孤児を認定する。今回は、見直し後の初の調査となる。

 厚生省は3班に分けて職員を中国に派遣、北京のほか、中国東北地方の6都市で聞き取り調査を行う。5月末現在で「自分は日本人孤児」と申し立てている人は192人いるが、今回の調査対象はそのうちの36人。申立者本人と、隣人や養父母など当時を知る証言者47人の計83人に会う。

 聞き取り調査と日中両政府がもつ資料などをつき合わせて、日本人孤児の認定を行う。孤児と認められた人については、9月に肉親捜しのための手がかり資料が公表される。その結果、肉親とみられる人が名乗り出てきた孤児は11月に訪日し、対面調査を実施するが、肉親情報が寄せられなかった孤児は、希望すれば、そのまま永住帰国することができる。

WTOが中国の加盟手続きの協議を本格化

2000.06.23(23:39)asahi.com
 世界貿易機関(WTO)は23日、中国のWTO加盟ための作業部会を開き、加盟手続きの本格的な協議に入った。中国はすでに米国、日本、欧州連合(EU)など主な貿易相手国・機関との2国間交渉を終えており、舞台は議定書策定のための多国間交渉に移った。

 米国などは中国の早期加盟を希望しているが、貿易に関する中国の国内法制をWTO協定に整合的なものにする膨大な作業がある。個別交渉をしていない各国から注文がつくことも予想され、中国加盟が年内に実現するかどうか、微妙なところだ。

 中国代表団の竜代表(対外経済担当次官)は、記者会見で「中国の原則は権利と義務のバランスのもとに多国間の貿易システムに参加することだ。非公式な会合の中で、一部のメンバーがWTO協定を超えるような要求をしているのを懸念する。中国の早期加盟はすべてのメンバーの利益にかなうことだ」と述べた。

東芝パソコン賠償問題 中国の裁判所が消費者の訴え受理

2000.06.23(19:29)asahi.com
 東芝が米国で自社製パソコン関連の訴訟を起こされ、約10億ドルの和解を受け入れた問題で、中国の北京第一中級人民法院(地裁)はこのほど、「米国と同様、中国のユーザーにも賠償すべきだ」とする北京のユーザー3人の訴えを受理した。中国のメディアが23日報じた。

 報道によると、原告は東芝に対し、パソコン購入額に相当する賠償と、中国のユーザーに対する「不公正な対応」について、おわびを求めている。東芝は「報道は知っているが、訴状はまだ受け取っていない」(広報室)としている。訴状が来れば、それを見て判断することになる、という。

 東芝は過去約5年間に中国で、ノートブック型パソコンを約20万台売り、市場占有率は自称22%で、1位の座にある。

 この問題は5月8日、中国語のインターネット新聞が「米国人には賠償するのに、中国人には賠償しない」という疑問を報じたのをきっかけに、他の国内メディアも批判記事を載せ、問題が拡大した。東芝側は5月22日、古賀正一副社長が北京で記者会見し、昨年秋に米国で和解した訴訟について説明し、中国内のユーザー全員を個別訪問し、理解を求めているところだ、という。

農業分野で中国と次官級の定期協議設置で合意

2000.06.22(19:29)asahi.com
 中国を訪問していた高木勇樹・農水事務次官は22日記者会見し、中国との間で年に1回程度、農業分野で次官級の定期協議を設けることで合意したことを明らかにした。世界貿易機関(WTO)への加盟を控え、今後、大きな影響力を持つとみられる同国との間にパイプを作る狙いがある。

 高木次官は会見で、WTO農業交渉で日本が主張している「農業の多面的機能論」について、「おおむね賛意が示された」と述べたうえで、中国の加盟が実現した場合の農業交渉での協調については「考え方だけでいえば、かなり近いと思う」と述べた。中国は7月にノルウェーで開かれる多面的機能賛同国の会議に参加する。

中国ミサイル、日本照準 核弾頭装備用も -米政府機関報告書が指摘-

2000.06.19【北京18日=古森義久】The Sankei Shimbun
 中国の中距離弾道ミサイルが日本に照準を合わせて配備されていることが米国政府関連機関の報告書に明記されている事実が十八日までに判明した。これら日本向けミサイルはほとんどが通常弾頭装備用だが、一部には核弾頭装備の可能なミサイルもあるという。

 中国の中距離弾道ミサイル(射程一千キロから三千キロ)が日本に対しても照準を合わせて配備されていることは、米国の国防総省所属の防衛分析研究所や国防大学が共同作成した「中国の核兵器と軍備管理」と題する報告書に明記されている。

 同報告書は米国の政府や軍の情報を基礎に政府内外の専門家約三十人により作られ、六月上旬に訪中した同専門家の一部から中国側や北京の一部外国報道陣にも配布された。

 同報告書は中国が核戦力の増強を「近代化」という名目で着実に進めていることを詳述し、「この近代化は東アジアの米国の同盟国(防衛パートナー)、とくに台湾と日本とに明白に照準を合わせたミサイルの数を大幅に増加させた」と明記している。これらミサイルのうち台湾向けは射程六百キロぐらいまでの短距離弾道ミサイルが大多数であることを伝え、日本を標的とするのは中距離弾道ミサイルであることを明確にしている。

 米国政府関連の文書が「中国のミサイルが日本を標的に」と明言することはきわめて珍しい。

 日本を照準とするミサイルの種類や数について同報告書は具体的な記述を避けているが、付表や他の記述から「東風21号」(西側の呼称はCSS6)や「東風3号」(同CSS2)など合計数十基であることを示唆している。

 報告書は中国が日本を仮想標的とする背景については、台湾問題での米軍の最大拠点としての日本への抑止や威嚇のほかに、(1)日本の核武装の可能性(2)冷戦終結後の米軍のアジア撤退の可能性から日本の独自の戦力強化への懸念(3)日米共同での中国封じ込めへのけん制(4)日米共同のミサイル防衛構想への反発−などを挙げ、「中国は歴史的に日本の能力を過大視する傾向がある」とも記している。

福建省でバス転落、日本人女性2人死亡

2000.06.08(01:37)asahi.com
 中国広東省広州市の日本総領事館に7日までに入った連絡によると、5日昼、福建省ショウ平市郊外の山道で日本人3人を含む8人が乗ったバスが谷底に転落、日本人女性2人が死亡、同男性1人がけがをした。日本人3人は高知県から出張で共に現地を訪れていた会社員。ほかに乗客1人も死亡した。

対馬沖で中国漁船2隻を拿捕

2000 年 6 月 4 日Yomiuri Interactive
 四日午前十時三十分ごろ、長崎県対馬・厳原町南西約七十四キロの日本側排他的経済水域(EEZ)内で、中国の底引き網漁船二隻が操業しているのを、水産庁の漁業取締船が発見、拿捕するとともに、船長二人をEEZ法違反(許可区域外操業)の現行犯で逮捕した。一日に新日中漁業協定が発効して以来、中国漁船の拿捕は初めて。

 だ捕されたのは「遼漁817」と「遼漁818」(いずれも280トン)。

 水産庁九州漁業調整事務所の調べによると、同六時ごろ、取締船が現場海域を警戒中、日本のEEZ内で操業していた二隻を発見。立ち入り検査をしたところ、違法操業が分かった。

 現場付近の海域はイカなどの好漁場。協定の発効前は日本の十二カイリの領海の外なら中国船は操業が出来ていた。しかし両国の操業条件の合意に伴う協定発効後は、二百カイリの排他的経済水域内で操業する場合は日本政府の許可が必要となっている。

江主席、野中氏らに対日関係重視を強調

2000.05.30(20:09)asahi.com
 中国の江沢民国家主席は30日、自民党の野中広務氏ら与党3党の幹事長と会談し、「21世紀に入る直前に、私と小渕恵三前首相は、長期の戦略的観点から(日中関係を)つぎの次元まで推し進めることで合意した」と述べた。台湾の新政権発足などを踏まえ、対日関係を重視する姿勢を強調した発言とみられる。

 日本側出席者によると、江主席は森首相の「神の国」発言など歴史認識をめぐる発言には直接ふれず、「かつての歴史を鑑(かがみ)に、世世代代つきあっていかなくてはならない」と語った。

中国が自動車所有者の負担金取り消し 消費刺激狙う

2000.06.03(17:19)asahi.com
 3日の中国各紙によると、中国財政省と国家発展計画委員会はこのほど、各地の行政機関が独自に自動車所有者から徴収してきた各種負担金計238項目を取り消す通達を出した。7月1日から、これらの負担金の徴収が禁止される。

 対象となるのは北京市の「自動車交通安全費」、河北省の「都市道路維持費」、江蘇省鎮江市の「交通インフラ建設費」など。自動車所有者の負担を減らし、消費を刺激するのが狙い。

 中国政府は、内需拡大のため個人の自動車購入を奨励しているが、手続きの煩雑さや各種費用を含めた価格の高さが障害となっている。今回の措置で、消費者全体として年間145億元(約1890億円)の負担軽減になるという。

 中国では、各地方が税とは別に、さまざまな名目で企業などから費用を徴収することが問題となっており、今回の措置はその整理の一環でもある。(時事)

最恵国待遇恒久化法案可決を評価 米中首脳が電話協議

2000.05.29(21:13)asahi.com
 29日付の中国各紙によると、江沢民国家主席とクリントン米大統領が28日、電話で協議した。両首脳は先に米下院が中国への最恵国待遇(MFN)恒久化法案を可決したことを評価し、米中関係が改善方向にあることを確認した。また台湾問題について、江主席は「妥当な処理」を米側に求め、クリントン大統領は「1つの中国」政策を堅持すると改めて伝えた。

 台湾の政権交代が実現した3月の総統選挙以来、米中首脳の意見交換が明らかになるのは初めて。

 台湾問題で江主席は「アジア太平洋と世界の平和にとって、安定と発展がともに重大で積極的な意義を持つ。そのために台湾問題を妥当に処理することがカギとなるのは、疑いのないことだ」と語った。

中国外相が演説に不満表明

2000年5月22日 13時51分【北京・共同】
 北京の日本大使館幹部によると、中国の唐家セン外相は22日、訪中している外務省の江崎鉄磨・総括政務次官との会談で、台湾の陳水扁総統による就任演説について「『一つの中国』原則に触れておらず、はなはだ不満だ」と述べた。

 中国閣僚が、公式の場で、就任演説の受け止め方を表明したのは初めて。

中国、携帯通信市場の開放ペース加速でEUと合意=ラミー欧州委員

2000年5月20日 13時30分[北京 19日 ロイター]
 欧州委員会のラミー委員(通商政策担当)は、中国の世界貿易機関(WTO)加盟に関する欧州連合(EU)との合意にあたって、中国は、携帯通信市場の開放ペースを加速させることに同意した、と述べた。

 同委員が記者会見で語ったところによると、中国はWTO加盟の時点で、国内携帯通信事業に対する外国資本の参入を25%まで容認することに応じた。

この上限は1年後には35%に、3年後には49%に引き上げられるという。

中国はまた、リース市場も3年間で開放することに同意したという。

5000人の観光使節団が訪中

2000年5月20日 17時42分【北京・共同】
 21世紀に向け、日中の観光交流を促進するため日本から約5000人の大規模使節団が訪中、北京の人民大会堂で20日、江沢民国家主席も参加して交流式典が行われた。

 5000人使節団の派遣は、1984年の建国35周年の際に実施された日本の青年3000人の訪中を上回る日中交流史上、最大規模の試み。

中国漁船の3人が行方不明

2000年5月16日 19時10分共同
 第10管区海上保安本部(鹿児島)によると、16日午後零時20分ごろ、鹿児島県・野間岬の西約300キロの東シナ海で、中国漁船とフィリピンの貨物船(19,340トン)が衝突、漁船の乗組員5人のうち3人が行方不明になった。2人は貨物船に救助された。

 同保安本部によると漁船は沈没したもよう。鹿児島海上保安部の巡視船などが現場に向かっている。

中国のWTO加盟をめぐる対EU交渉が妥結

10:02p.m. JST May 19, 2000 asahi.com
 中国の世界貿易機関(WTO)加盟を巡る中国と欧州連合(EU)との交渉が19日、決着した。石広生・対外貿易経済協力相(貿易相)とラミー欧州委員(通商担当)が合意書に署名、妥結を互いに確認した。これで中国は、主な貿易相手国・機関との協議を終えた。中国は実質的な最後の山を越えた。最大の発展途上国、中国のWTO加盟への道筋がついたことで、世界的な貿易自由化の流れが一段と加速しそうだ。

 中国の加盟実現までには、残る5カ国との2国間交渉をすべて妥結させる必要があるが、その後は、WTO本部で中国加盟を審議する作業部会に舞台を移す。多国間交渉によって詰めの作業をし、最後に加盟メンバーの採決を経て、正式に新メンバーになる。

 中国との2国間交渉では、日本が1999年7月、米国が同年11月に妥結している。現在、米議会では、WTO加盟に絡んで、中国に恒久的な最恵国待遇(MFN)を与えるかどうか、が論争になっている。今回のEUとの合意は、来週に予定されている米議会の採決にも影響を与える、とみられている。

 EUは米中合意後も、独自の交渉方針を維持し、中国と協議を続けてきた。今回の交渉は15日から再開し、EU側は、移動通信や保険、小売り、自動車分野などで、一層の市場開放を求めた。これに対して、中国は基本的に「米国に対して示した譲歩が最大限だ」との姿勢を強調してきた。

 このため、19日は朱鎔基首相もラミー委員と会談し、政治的な決着に道を開いたもので、中国とEUが市場参入について、互いに譲歩したものとみられる。

日中外相が箱根を満喫

2000年05月13日 共同

 中国の唐外相は13日午前、神奈川県・箱根町で河野洋平外相とつかの間の休暇を満喫した。両外相は宿舎のホテル前庭で、ヤマボウシを日中友好を記念して植樹。その後、芦ノ湖畔の船着き場まで散策し、小型遊覧船で湖上を約30分にわたって周遊。別れ際、唐外相は河野氏の手を握りながら「この次は北京でお待ちしていますよ」と訪中を重ねて要請した。唐外相は同日午後、成田から帰国する。

北京・日本大使館の防衛駐在官が陸・海・空の3人体制に

11:32p.m. JST May 13, 2000 asahi.com
 北京の日本大使館に海上自衛隊の防衛駐在官が新たに配置され、このほど赴任した。これで北京駐在の防衛駐在官は陸、海、空の3人体制が整った。防衛庁からは昨年、内局の書記官も新たに北京に派遣されており、各分野で中国との防衛交流を強める方針だ。

 新たに赴任したのは天野寛雅・一等海佐。北京には以前は陸上自衛隊の駐在官しかおらず、1995年に航空が加わって2人体制になった。日本が海外大使館に3自衛隊の駐在官をそろえているのは、米国、ロシア、韓国だけ。しかし日中間の防衛交流の重要性が高まる一方、中国の軍事力増強に対する懸念も一部にあり、防衛庁などでは「北京の防衛駐在官を増員すべきだ」との指摘が早くから出ていた。

 北京にある他国の大使館では米ロやフランス、パキスタン、韓国、タイなどが陸海空3軍の駐在武官を配置している。

中国とEUのWTO加盟交渉は最終段階にある=中国対外貿易経済協力相

2000年5月11日 16時33分[上海 11日 ロイター]

 中国の石広生・対外貿易経済協力相は、同国の世界貿易機関(WTO)加盟に向けた欧州連合(EU)などとの交渉が、最終段階にあることを明らかにした。

 同相は、上海で開催されている会合で、「中国のWTO加盟に関する2国間協議は進展しており、最終段階に入った」と述べた。

 欧州委員会のラミー委員(通商政策担当)は、来週北京を訪れ、今年4回目となる中国側との交渉に臨む。

 同相は、EUとの交渉が具体的にどのような状況にあるかについては、コメントを控えたが、中国が参加しなければ、WTOは不完全なものになる、との見解を示した。

 同相はまた、WTO加盟に際し、通信、銀行、保険、対外貿易、会計、旅行代理店などの分野でさらに対外開放を進める、と述べた。

外資給与トップは深セン、北京は賃上げ10%

中国 - Wed May 10,2000 by ANN
 外資系企業で働く職員の賃金収入は深セン市がトップであることが、北京の調査会社の調べで明らかになった。北京市の賃金は上海市や広州市より低いが、今年の昇給率は10%と高く、全都市で最高の賃上げ。職業別では急成長中のハイテク関連企業が飛び抜けて高収入で、平均賃金は年6万元を上回っている。 北京西三角人事技術研究所が北京の外資系企業30社を対象に実施した調査によると、職員の平均月収は「総監」が8千〜2万5千元、経理が5500〜1万5千元、主任や「督導」などの中間管理職が4千〜1万元、一般職員が2500〜6千元となった。

 職業別の年収をみると、ハイテク関連企業が6万2653元と最も高く、工業製造業の2万8654元、消費財関連企業の2万4013元などとなっている。9日付『香港経済日報』によると、人件費が売上収入に占める割合は6.92%。

 賃上げなどの条件については、83%の企業が1年1回、約10%の企業が1年2回、給与を調整している。昇給率は1997年が11.4%増と大きかったものの、98年は5.8%へダウン、昨年は7.3%となった。今年は10%程度とみられている。

 ボーナス(ダブルペイ)はほぼすべての企業が年末に支給、何らかの形で販売奨励金を支給しているのは7割以上に上る。。

 社会保障については、住宅基金を設けている企業が68%、健康保険を導入している企業が38%。交通費手当てや食費手当てを支給しているところも多く、支給率はそれぞれ56%、30%となっている

村山談話から後退はない

2000年4月27日 14時53分
 青木幹雄官房長官は27日午前の記者会見で、日中戦争に関する森喜朗首相の国会答弁を中国外務省スポークスマンが批判したことについて「将来にわたっても侵略ということがあってはならないとの認識を述べられたと理解している。森内閣においても、1994年の村山富市首相談話と何ら変わっていない」と述べ、村山首相談話を変更する考えのないことを強調した。

政治家に「中国離れ」

2000年4月9日 16時08分
 次期台湾総統に民主進歩党の陳水扁氏が決まったのを契機に、民主党議員が訪台するなど自民党と国民党の独壇場だった日台政治交流は多様化の時代を迎えた。中国からの独立問題を抱えたチベットへの関心も高まりつつあり、政治家の「中国離れ」とも呼べる現象が起きている。中国政府は、台湾やチベットの独立、自治に理解を示す空気の広がりにいら立ちを隠していない。

中国、税関の乱脈規制で日系49社が改善要望

2:38p.m. JST April 06, 2000
 中国広東省で鋼材を輸入加工している日系企業が、密輸防止を名目に多額の現金を税関に供託させられている問題で、企業の代表者は5日、中国当局に早急な改善を申し入れた。石広生・対外貿易経済協力相(貿易相)が3月の記者会見で善処を約束したが、税関の対応に変化が見られないためだ。関係企業約100社の供託金は累計約3億元(39億円)に達しており、経営が圧迫されている。

 申し入れは広東省の日系企業49社の連名で、対外貿易経済協力省、国家経済貿易委員会、税関総署に企業経営者約15人と日本大使館員が出向き、手渡した。中国側から明確な回答はなかった。

 申し入れたのは、鋼材の1次、2次加工業者と3次加工をしている電機メーカーで、(1)中国で手に入りにくい電気亜鉛めっき鋼板の輸入を輸入制限品目から外し、供託金を不要にすること(2)供託金の要否にかかわる企業分類の基準見直し(3)中央政府の1月の改善命令を守り、担保の提供か銀行の保証があれば、現金の供託は不要とする指示を即時実施すること、などを求めている。

 石貿易相は3月の会見で、「真剣に関係方面の意見を聞き、改善を図っている。中央政府の指示が地方税関に徹底していない」と述べていた。

 税関に対する供託金制度は昨年10月から始まった。加工貿易企業に対して、輸出規模や違反行為の有無などによって「信用度」をABCDの4段階に分類、信用度の低い企業には供託金の支払いを義務付けている。

中国からの稲わら輸入が急増 霜降り肉の生産に不可欠

11:05a.m. JST April 01, 2000
 「霜降り肉」と呼ばれる高級牛肉の生産に飼料として欠かせない稲わらの中国からの輸入が急増している。昨年秋、中国の稲わらの産地、東北地方の大連市に高温の蒸気による殺菌設備が完成し、中国からの輸入が解禁されたからだ。

 穀物中心の配合飼料だけでは、肉の赤身と脂肪が分離してしまい、「サシ」と呼ばれる細かい脂肪が赤身に入り込んだ「霜降り肉」になりにくいという。

 関係者によると、肉牛の飼料用の稲わらの国内需要は年間約40万トン。このうち輸入量は約25万トン前後で、中国産の解禁前は、台湾と北朝鮮から約10万トンずつ、残りが韓国から輸入されていた。国産の稲わらは、コメの収穫が機械化されたことや集めるのに手間がかかるため、肉牛産地の農家間で融通したりする以外、商品としては余り流通していないという。

 中国東北地方産の稲わらは、気候や土壌の関係で、繊維が固くて糖分が多いなど、肉牛の飼料として質が高い。

日本貿易振興会(ジェトロ)の大連事務所によると、今年の日本向けの稲わら輸出量は30万トンに達すると見込まれ、さらに新規参入により過当競争も懸念されるという。稲わら輸入を手掛ける徳永商事(東京都中央区)の徳永茂社長も「近い将来、中国産が市場を独占する可能性もある」とみている。

日本政府へ謝罪と補償求める 上海の慰安婦問題シンポ

01:17a.m. JST April 02, 2000
 中国・上海で開かれていた「中国慰安婦問題国際学術シンポジウム」(上海師範大学中国慰安婦研究センターなど主催)は1日、日本政府に被害者への謝罪と補償を求める宣言をまとめて閉幕した。中国や南北朝鮮、日本、米国、フィリピンなどの研究者ら計175人の参加者が宣言の中で、慰安婦制度に関する歴史資料がすべて公開されるよう求め、「(関係者間で)国境を越えた情報交換と連帯行動をする必要がある」と訴えた。

中国政府、4大国有商業銀行などの首脳を一斉に交代

8:45p.m. JST March 31, 2000
 中国政府はこのほど、4大国有商業銀行などの首脳を一斉に代えた。金融制度改革を徹底させるため、情実や癒着を排除するとともに、新体制で気分も引き締めようという朱鎔基首相の狙いだ。

 工商銀行頭取は同行副頭取の姜建清氏(47)、農業銀行頭取には前人民銀行(中央銀行)副総裁の尚福林氏(48)、中国銀行頭取に元人民銀行副総裁の劉明康氏(53)、建設銀行頭取に前中国銀行頭取の王雪氷氏(48)が就いた。農業発展銀行頭取は前農業銀行頭取の何林祥氏が就任した。証券業界を監督する証券監督管理委員会の主席には、前建設銀行頭取の周小川氏が任命された。

 朱首相は先日の記者会見で、金融、証券市場の腐敗について「この2年で5000件の金融事件を摘発し、銀行の支店長50人余りをやめさせた。証券市場の成長は速いが、まったくルールがない。海外の証券専門家に来てもらい、規範化を助けてほしい」と述べていた。

日本が中国の環境ネット整備に無償援助

6:50p.m. JST March 29, 2000
 日中両国政府は29日、中国各地の環境情報を網羅する「環境情報ネットワーク」の整備計画に対して、日本側が9億4000万円を無償援助する合意文書を交わした。署名式に出席した谷野作太郎駐中国大使は日本の対中援助に関して、中国の軍事費が経済成長率を上回る伸びを示していることについて、与党内に強い反発があることを中国側に伝えた。

 計画は、中国国内で深刻化する硫黄酸化物などの排出量増大や酸性雨被害に対処するため、中国の各都市が環境情報を交換するシステムを整備しようというもの。1997年、橋本龍太郎首相(当時)が訪中した際に合意していた。

 署名式には谷野大使と中国・対外貿易経済協力省の龍永図次官らが出席。大使は、対中円借款をめぐる日本国内の厳しい状況も説明した。龍次官は「今後も日本のODA(政府の途上国援助)に協力を求めたい」と述べた。

第4次対中国円借款の99年度分決定 環境保護など重点

6:49p.m. JST March 27, 2000
 日本政府の第4次対中円借款の1999年度分が正式に決まり、27日、北京で両国政府の文書調印式があった。中国側の19案件に総額1926億3700万円までを限度に供与するとの内容。96年度以来の第4次円借款の総額は7726億3700万円となる。

 中国外務省の楊文昌次官と谷野作太郎駐中国大使が署名した。今回は大気汚染や水質汚濁防止など環境保護分野と、今年から始まる西部大開発プロジェクトに関連し、民間資金が入りにくい内陸地域の案件が多数を占めるのが特色だ。

 谷野大使は「日本の財政難が困難な中で、中国経済の持続的成長に必要な分野に重点配分した」と説明。楊次官は「開始から20年を経た円借款など経済協力を積極的に評価している」などと語った。

非鉄金属業界に荒治療、大手3社を再び解体か=香港紙

中国 - Mar24 (Fri) 2000 by NNA

 経営体制の改善が遅々として進まない非鉄金属業界に、国務院の大鉈が振るわれる見通しだ。24日付香港紙『東方日報』によると、昨年8月に再編されたばかりの非鉄金属3社が、解散の危機にさらされているという。非鉄金属業界では昨年8月上旬、これまで市場を独占していた中国有色金属工業総公司を再編し、新に中国銅鉛亜鉛集団公司、中国アルミニウム業集団、中国稀有稀土集団の3社を設立した。

 中央政府はこの再編により、各社に対しリストラ推進による組織のスリム化を中心とした経営構造の改革を求めてきた。しかし、会社側のリストラ作業は進展がみられず、また今年2月28日には葫蘆島楊家帳子鉱山で大規模な労働争議が発生したこともあり、国務院は3社の解体という荒治療で臨む姿勢をみせているという。

 中国有色金属工業総公司は1998年4月、国務院により解散させられ、その後15カ月をかけて3社に再編された。しかし、現在でも国内に数千万元の債務を抱えている。

なお、3社の解散が実施された後の企業再編については未定だという。

中国貿易相が税関の日系企業への供託金制度で改善約束

5:14p.m. JST March 13, 2000
 中国広東省で鋼材を輸入加工している日系企業が、密輸防止を名目に多額の現金を税関に供託させられている問題で、石広生・対外貿易経済協力相は13日、「現在、真剣に関係方面の意見を聞き、改善を図っている。中央政府の指示が地方税関に徹底していない」と述べた。さらに、「具体的な問題について税関当局に説明を求めるつもりだ」と約束した。記者会見での朝日新聞の質問に答えた。

 税関に対する供託金制度は昨年10月から始まった。しかし、負担が重くなった企業から不満が寄せられ、中央政府は今年1月、「担保の提供か銀行の保証があれば、現金の供託は不要」との改善命令を各税関に出した。ところが、広東省の税関はそれを無視し今も現金の供託を求めている。石貿易相は「中央政府の指示を地方税関が執行する際、解釈が統一されていないため、一部の税関で問題が起きているのだろう」と原因を指摘した。

 加工貿易企業に対する規制は、まず輸出規模や違反行為の有無などによって「信用度」をABCDの4段階に分類、信用度の低い企業には供託金の支払いを義務付けている。だが、級別認定は事実上、地方税関に任され、意図的な格付けがまかり通っている。

輸出入拡大に楽観的見通し

2000年03月13日【北京・共同】

 中国の石広生・対外貿易経済協力相は13日、北京で記者会見し、今年1〜2月期の輸出が前年同期比で、41.2%増の315億7000万ドル、輸入も同54.2%増の286億9000万ドルに達したと、述べ、今年の中国貿易は「昨年よりも良くなるだろう」との見通しを示した。

中国、鉄鋼の技術改良へ

2000年03月12日【北京・共同】

 12日付の中国英字紙チャイナ・デーリーによると、中国国家冶金工業局の担当者はこのほど、世界貿易機関(WTO)加盟後の国際競争の激化に備え、国内主要鉄鋼メーカーの技術改良に、今後数年間で500億元(約6500億円)を投入する計画を明らかにした。中国はWTO加盟後、2005年までに鉄鋼の輸入関税を10%から8%に引き下げる約束をしており、鉄鋼輸入の増加が予想される。

「中国、赤字から脱出」、国有企業改革の「成果」強調

7:26p.m. JST March 08, 2000
 中国国家経済貿易委員会の盛華仁主任は記者会見で、「1997年末時点で赤字だった大・中型国有企業6599社のうち3211社(48.7%)が赤字から脱した」と述べ、改革の実績を強調した。一方、同時に会見した張左己・労働社会保障相は「国有企業改革で昨年は1174万人がレイオフされ、年末時点で650万人が再就職できていない。今年新たに約500万人がレイオフされる見込みだ」と語り、社会不安のタネは尽きないことを認めた。

 今年は朱鎔基首相が「3年をメドに大・中型企業の大部分を苦境から脱出させる」と公約した改革の最終年で、「決戦の年」と位置づけられている。盛主任は「国有企業の利益が99年は前年比77.7%増の967億元(約1兆3000億円)となり、過去5年で最高の水準になった」と述べ、「3年の目標達成は可能だ」と話した。

 張労働相は「レイオフ者の90%が、月平均374元(約5000円)の最低生活保障費を受け、退職者2900万人の98%は、遅滞なく年金を受け取っている」と語った。しかし、レイオフ者、退職者それぞれ約60万人は、地方財政難などの理由で保障を受けておらず、「支払い遅延に対して、一部の地方では政府機関に抗議デモもある。確かに社会不安定要因だ」と認めた。

 今年も、常時650万―700万人のレイオフ者と都市失業者570万人(昨年末時点)を抱え、「任務は重い」と語った。

北京−上海新幹線は世界の最先端技術採用へ 中国

JST March 06, 2000

 中国国家発展計画委員会の曽培炎主任は6日の記者会見で、北京―上海間の高速鉄道事業について、「慎重に事前調査を進めている。(2001年から始まる)次の5カ年計画の期間に建設したい」と述べた。日本と独仏連合が受注を競っているが、主任は「世界で最も先進的な技術を採用したい。すなわち軌道式か、リニアかどちらかだ」と述べた。

 曽主任は西部大開発について、「西部地域の10省・自治区・直轄市だけでなく、中部地域の9省・自治区の発展を加速する」と述べ、沿海(東部)を除くすべての地域が対象になる、と確認した。新疆ウイグル自治区から上海まで天然ガスを運ぶパイプライン(全長4200キロ)の調査も始める。投資額は1200億元(約1兆6000億円)と見積もられている。

中国が2000年度予算案発表 積極予算で内需拡大

6:56p.m. JST March 06, 2000

 中国の項懐誠財政相は6日発表した2000年予算案で、中央と地方財政を合わせた全国規模の歳出として、前年比18.9%増の1兆4637億元(約19兆円)を計上した。歳入は1兆2338億元、財政赤字は2299億元となり、昨年当初予算の赤字1503億元より大きくなった。積極予算で内需拡大を図る狙いだ。

 赤字が増えるのは、中国西部の大開発などインフラ投資に充てる赤字国債1000億元の増発のほか、今年から国債など債務利払い(749億元)を歳出に計上するようになったためだ。項財政相は「今年の国内総生産(GDP)は、7%前後の成長が望める」と述べた。

「日本の極右」に警戒

2000年03月05日【北京・共同】

 中国の朱鎔基首相は5日の政府活動報告で、日本について「ごく少数の日本の極右勢力が両国関係を妨げ、破壊していることに警戒しなければならない」と懸念を表明した。

 1月下旬に大阪市の平和博物館「ピースおおさか」で開催された南京大虐殺を否定する集会などをめぐる強い対日警戒感がうかがえ、歴史認識問題でくぎを刺す狙いとみられる。

円借款供与の北京空港、日本に事前連絡なく株式公開

08:20a.m. JST March 04, 2000 asahi.com

 円借款で新ターミナルビルを建設した中国・北京の首都国際空港の株式が香港市場で公開され、35%が「外資」の手に渡ったにもかかわらず、事前に日本へ何の連絡もなかったことが分かった。円借款は相手国政府が対象で基本的に民間企業には貸し付けず、事業内容の大きな変更は、前もって日本と協議する契約になっている。中国財政省は「我々も株式上場を空港側から知らされていなかった。連絡できず、遺憾だ」と陳謝、日本に再発防止を約束した。

 株式を上場したのは「北京首都国際空港株式会社」で、2月1日付。会社は新ターミナル完成直後の昨年10月15日に設立され、発行済み株式約38億5000万株のうち9.99%は、フランスの空港管理会社「ADPマネジメント」社に割り当て、25.01%を一般投資家向けに放出した。残る65%は、親会社に当たる中国民用航空総局傘下の国有企業「北京首都空港グループ会社」が所有している。

 北京の日本大使館は1月、空港会社の株式上場を報道で知り、中国側に事実関係の確認を要求した。中国側の説明を受け、(1)株の65%は今も国の所有で、空港事業に大きな影響はない(2)円借款の返済も財政省がすべて義務を負っているとの点を再確認。財政省は「空港会社から上場に関する通知がなかった。以後、指導を徹底する」と中国側のチェック体制の甘さを認めた。日本国際協力銀行の内田富夫理事が2月下旬、中国の金立群財務次官に会い、改めて問題点を指摘し、改善を求めた。

日中漁業協定が合意の見通し 閣僚級交渉

01:08a.m. JST February 27, 2000
 新しい日中漁業協定の発効をめざす日中両国の閣僚級交渉が26日、北京で開かれ、6月をめどに発効させることで基本合意した。27日に合意書の署名式を行う段取りだ。同協定は1997年11月に両国政府によって署名されながら、東シナ海北部の操業条件をめぐって合意ができず、2年以上も発効できない状態が続いていた。

 交渉には玉沢徳一郎農水相、陳耀邦・中国農業相らが出席した。双方はこれに先立って、23日から高級事務レベルの協議を行ってきた。会談交渉筋によると、双方は協定の6月発効でほぼ合意したが、この時期は休漁期にあたるため、合意書にどのような表現で盛り込むかなど、細部の調整を進めている。また焦点となっていた両国が相手国の許可なく操業できる範囲や、漁船の隻数制限についても合意した。

 日本国内では、漁業関係者や自民党内から「もはや現行協定の終了を通告すべきだ」との強硬論が出て、日中関係にとっても障害の一つとなっていた。

新日中漁業協定、合意文書に署名 日本側が譲歩

7:54p.m. JST February 27, 2000
 新しい日中漁業協定に関する両国の閣僚級交渉が27日までの2日間、北京で開かれ、6月1日に発効させることで決着、玉沢徳一郎農水相と陳耀邦農業相が合意文書に署名した。同協定は1997年11月、政府間で署名されたが、東シナ海北部の操業条件をめぐって双方の主張が対立。今回、日本側が譲歩し、合意にこぎつけた。玉沢農水相は「日本の漁業関係者に不満は残ると考えるが、新協定で中国船の操業を我が国の管理下に置くことで、資源管理体制の基盤が確立できる」と意義を強調した。だが、これで東シナ海全体の資源管理体制が整ったとはいえず、暫定水域などでのルール作りが次の課題になる。

 最大の対立点は、北緯30度40分(暫定水域の北限)より北の海域の扱いで、両国が相手国の許可なく操業できる範囲(中間水域)の東側境界について、日本側は東経127度まで、中国側はそれより東寄りの東経128度を主張、漁場の拡大を図ろうとした。事務レベル協議は約20回に及び、今回は「政治的決断」(玉沢農水相)によって双方の中間をとり、127度30分(西側は124度45分)で合意した。

 中間水域より外での両国漁船の隻数制限は、中国が底引き網、まき網合わせて900隻(同時操業最高600隻)、日本は底引き網、大・中型まき網、はえ縄、ひき縄、釣り合わせて317隻、となった。とりあえず2001年末までこの条件を適用する。中国側は当初、操業実態を根拠として「4000隻の操業を認めるべきだ」と要求。日本側は「現場で確認できたのは約1200隻だけだ」と反論し、削減を要求してきた。

 署名後に記者会見した玉沢農水相は「日本の領海12カイリより外ならどこでも中国漁船が操業できる現状のままでは、資源はいずれ枯渇する。この辺でまとめなければ(日本近海の水産資源の)将来はない」と語り、帰国後、漁業関係者の理解を求める姿勢を示した。

将来は新素材工業団地に、台プラの重慶子会社

中国 - Fri Feb 25, 2000
 23日付新華社電によると、台湾プラスチックの100%出資子会社である南亜塑膠工業(重慶)有限公司は現在1期工事を進めており、年内にもPVC(ポリ塩化ビニル)管などの生産を開始する予定だ。その後も市場規模に合わせて事業を拡大し、最終的には170ヘクタール規模の新素材工業団地にするという。同社のトウ文貴総経理が明らかにした。

 南亜(重慶)は昨年6月に設立され、重慶経済技術開発区に17ヘクタールの用地を持つ。トウ総経理によると、現在1期工事を進めており、年内にも完成、生産を開始する。1期の投資額は2950万米ドルで、新建材のPVC管や包装材料のPEフィルムなどを生産・販売する。

 引き続き着工予定の2期工事では、配電盤や乾式変圧器、PVC二次加工設備を建設。1期と合わせた投資額は1億米ドルで、70%はグループの自己資金を充て、30%は海外市場で調達する。トウ総経理は「台プラの資産負債比率はわずか37%」と述べ、資金調達に自信をみせた。

 同社は市場規模に合わせて事業を拡大する計画。最終的な用地面積は現在の10倍まで拡大すると見込んでおり、新素材の一大工業団地となる。

一方、24日付『香港経済日報』などによると、台プラの王永慶会長は20日から北京を訪れ、21日に銭其シン副首相と会談した。同社幹部は、今回の訪問は事業とは関係なく、現在は中国大陸での新たな投資計画もないと話している。

 台プラは台湾最大の民間企業グループで、プラスチックを中心に繊維、電子、教育、医療、運輸など様々な事業を手掛けている。中国には12工場あり、うち9カ所が操業中、3カ所が建設中。

中国WTO加盟交渉を中断

2000年02月24日【北京・共同】

 中国の対外貿易経済協力省当局者によると、中国の世界貿易機関(WTO)加盟をめぐる欧州連合(EU)と中国の次官級交渉は24日、北京で4日目の協議を行ったが妥結に至らず交渉を中断した。次回の交渉日程は未定としている。北京のEU代表部は24日「主張の隔たりは狭まったが交渉決着には至らなかった」とのベーゼラー貿易総局長コメントを発表した。

バブル再来か、トム・ドット・コム上場に2千倍の応募

香港 - Thu Feb 24, 2000

 長江実業グループのインターネット企業トム・ドット・コムの新規上場の公募が23日に締め切られ、約2千倍という驚異的な応募を集めた。市場では一方で、香港主権返還前のレッドチップ(中国本土系香港企業銘柄)バブルの記憶が新しく、警告の声も上がっている。またトム上場に際し、香港証券取引所(SEHK)が多くの優遇、免除措置を与えたことに対し、証券先物委員会(SFC)は強く反発しているという。

 長実グループが57%出資するトム・ドット・コムのSEHK成長企業市場(GEM)上場のための公募は23日正午に締め切られたが、受付窓口となった香港上海銀行の支店(計10カ所)にはいずれも、朝早くから開店を待つ申込者の記録的な長蛇の列が出来た。トムは今回、発行済み株式の15%に当たる4億2800万株を公開するが、うち同日締め切りの一般公募分はその10分の1の4280万株のみ。上場主幹事のBNPプライム・ペレグリンは同日、トムの上場価格が1.78ドルになるとの見通しを明らかにした。

レッドチップ・バブルの教訓

 トム・ドット・コムの過熱人気ぶりで思い出されるのは、97年に香港市場で起きたレッドチップ・バブルの教訓だ。同年には中国本土系企業が次々と新規上場、いずれも株式公募で100倍前後の応募を集めたが、その頂点が同5月上場の北京市政府窓口企業・北京控股(ベイジン・エンタープライジズ・ホールディングス)。1275倍もの応募が集まり、応募者の抽選結果発表まで凍結される予約金の影響が香港金融界の流動性全体にまで及んだ。

 しかし、北京控股の株価は、上場時の12.48HKドルから97年8月に一時63HKドルまで値上がりしたものの、1年後には6.35HKドルまで暴落。先週末の終値が10.5HKドルで、上場価を回復していない。また同時期に上場したレッドチップは現在、全て上場価格を下回っている。今回トムの上場主幹事を務めている投資銀行BNPプライム・ペレグリンの前身であるペレグリン・インベストメンツは、北京控股の上場共同幹事の1社だった。

SFCと証取がトム優遇で対立

 23日付『香港経済日報』によると、証券取引の監視機関であるSFCの理事会では21日、トム上場に当たってSEHKが様々な優遇、免除措置を与えたことが大きな問題として取り上げられた。GEM上場には原則として過去2年間の事業報告が必要だが、トムは設立から1カ月で上場が認められた。また社員へのストックオプション比率が、現行規定では発行済み株式の10%以内とされているところを50%まで認められている。

 SFCはこうした措置の妥当性を疑問視し、同時にSEHKから要請のあった、上場企業社員へのストックオプション提供率引き上げのための条例改正を却下。このため翌22日に開かれたSEHKとの会議は紛糾、話し合いは物別れに終わった模様だ。SEHKはこれを受けて、同日に予定していたトムとほぼ同背景のサン・イー・ビジョンなどの上場審査を中止したという。サンの親会社は香港の代表的デベロッパー新鴻基地産(サンフンカイ・プロパティーズ)で、同社も子会社上場にはトムと同様の措置を求めているものとみられる。SEHKはハイテク企業の上場を誘致するため、思い切った優遇措置を適用しているという。

鉄鋼の減産徹底を要求、1月は大手で6社が超過

中国 - Thu Feb 24 ( 2000 )

 国家経済貿易委員会と冶金工業局は22日、国内鉄鋼メーカーに対し生産制限を徹底するよう強く要請した。政府は同業界の構造調整を目的に減産を進めているが、1月は大手メーカー6社が定められた生産量を10%近く超過、中小メーカーに至っては制限枠を50%近く超えており、これら企業に基準を守るよう厳重注意した。

 23日付『人民日報』によると、冶金工業局の蒲海清局長は22日に開かれた「鉄鋼企業制限総量座談会」で、大型メーカー46社による1月の総生産量は生産制限量を下回っており、在庫が82万トン減少したことを明らかにした。これを受けて鋼材価格も盛り返し、昨年12月と比べ1トン当たりで31元上昇している。

 全体的にみれば生産制限は順調と言えるが、一部企業が政府の指導を守らず、企業の間で不公平感が高まっているという。蒲局長は、1月は大型メーカーのうち6社が制限を超えて生産しており、そのうち興澄鋼鉄など2社は減産計画も策定していないと批判した。

 中小メーカーについては全体で生産制限量を48万1600トン超過。超過率は48.2%に達している。特に河北・浙江・山西・江蘇の4省で生産超過が目立つ。

 蒲局長は今回の減産要請について、鉄鋼業界の構造改善に必要な措置であることを強調、生産制限をさらに徹底するとともに、債務の株式化などで企業経営の健全化を図ると述べた。1月に生産制限を守らなかった大手6社に対しては2月に必ず減産するよう要求、生産超過が著しい中小メーカーを抱える省には経貿委が省長を集め、制限の徹底を呼びかける。

公共料金値上げで投資拡大、住宅・医薬品は値下げへ

Wed Feb 23, 2000

 中国は今年、公共料金を適度に引き上げ、それによって得た資金をインフラ建設や第3次産業向けの投資に回す計画だ。一方で、消費を促すため、モノ・サービスの価格統制を緩和、住宅・医薬品の価格や、自動車関連の費用を引き下げる。国家発展計画委員会の汪洋副主任が21日明らかにした。デフレが続く中、消費にてこ入れしつつ、公共投資を増やすことで、経済成長の持続を図るのが狙いとみられる。

 汪副主任によると、企業や個人の負担可能な能力を考慮しつつ、天然ガス、水利事業の給水、都市給水、都市公共交通機関、教育費などの料金基準を引き上げる。ゴミ処理費徴収制度の導入や、汚水処理費の値上げも推進。値上げによって調達した資金はインフラ建設や教育などの第3次産業向けに投資していく考え。

 一方で、低迷している消費を促すため、モノ・サービス面の価格統制を緩和。住宅・医薬品の価格や農村部電話料金の引き下げ、自動車の購入・使用にかかる費用の減免、観光地料金の整とんなどを進める。電気を一定量以上使用する個人には優遇価格を適用して電力消費を促進。季節需要に応じた鉄道運賃の設定も認める。このほか各種手数料を整とんして、個人の負担を軽減する。

 汪副主任は、今年の物価見通しについて、1月の下げ幅が縮小していること、北京、上海をはじめ12省市区で物価が上昇に向かっていることを挙げながら、マイナスから抜け出すことは可能だと予測。ただ、食品の供給過剰が続いていること、国民の収入増も見込めないことがネックになるとも付け加えた。

 中国の物価は昨年12月時点で、小売物価指数が27カ月連続、消費者物価指数が21カ月連続のマイナス。1月の消費者物価指数はマイナス0.2%だった。

 汪副主任は、世界貿易機関(WTO)加盟が物価に与える影響にも言及。少なくとも2年間は輸入が大幅に増加する可能性は小さく、物価は大きな影響を受けないと予想した。

IMFが中国で改革指南、財政や金融の専門家派遣へ

February 22, 2000 asahi.com

 国際通貨基金(IMF)が中国の経済構造改革を支援するため、経済官僚に実務を連続講義することになった。21日、杉崎重光副専務理事と中国人民銀行(中央銀行)の蕭鋼副総裁が覚書に署名した。協力期間はとりあえず3年とし、人材が不足しているマクロ経済部門を軸に、財政や金融、銀行業務監督の専門家を海外から中国に派遣する。

 中国は国有企業や金融制度の改革に取り組んでいるが、銀行の不良債権、財政難、企業経営や政策立案にたずさわる人材の不足など問題は多い。そこで昨年からIMFに支援を要請していた。IMF本部に中国だけから大量の研修員を受け入れることはできないので、中国に講師を呼び、実施することにした。

 研修は今年5月から始め、12月までに計5回を予定。各回約2週間で、人民銀行や経済官庁などの中堅幹部ら4、50人が受講する。場所は国内各地で、受講者は毎回代わる。3年間続け、評判がよければ延長する。

 北京のIMF事務所によると、「IMFがメンバー国に対して、これだけ大きな研修事業をするのは初めてだ」という。

上海の成長目標は9%

2000年02月15日【上海共同】

 中国の徐匡迪・上海市長は15日、2000年の上海市の国内総生産(GDP)成長目標は9%前後にすると述べた。長江(揚子江)沿いや華東地域のけん引役として、1992年以来、2けたの伸びを続けていた同市の成長率は1けたに減速されることになる。

 同日から始まった上海市人民代表大会での政府工作報告で明らかにした。

「紹興酒」、日本産はダメ 中国が「元祖」保護へ規制

08:26a.m. JST February 13, 2000
 中国の国家質量技術監督局はこのほど、浙江省紹興市で造られたもの以外は「紹興酒」と名付けてはいけない、と発表した。最近設けた「原産地域産品保護規定」によるもので、紹興酒が最初の対象。

 紹興酒は浙江省周辺で、もち米から造られる伝統的な黄酒(老酒)。魯迅の故郷の紹興のものが最も有名だ。しかし、経済日報などの報道によると、国内外の「元祖ではない紹興酒」が本場の紹興酒の地位を脅かしている。海外市場でも、日本や台湾で造られながら紹興酒と名付けられたものが、全体の約3分の2を占めているという。

 規定は、製品の品質と特色を保証することが狙いで、今のところ罰則はない。商標登録に制限を設け、商品に付加価値を付けさせ、市場競争力を強めるのだという。

まず南京―上海間に試験線

2000年02月11日【上海・共同】

 中国筋は11日までに、中国の大プロジェクトである北京―上海間約1300キロを結ぶ新幹線(京滬高速鉄道)についてA試験線として南京―上海間(約300キロ)で来年にも着工する方針を明らかにした。

 その後南京―北京間を建設する予定で工事推進のために鉄道省内に「高速鉄道弁公室」を近く発足させる。

対中投資が初の前年割れ

2000年02月10日 17時57分【北京・共同】
 1999年の海外から中国への直接投資は実行ベースで、前年比11.1%減の403億9800万ドルに落ち込んだ。新華社電が10日、対外貿易経済協力省の統計として伝えた。個人消費や輸出とともに高水準の経済成長を支えてきた外資の直接投資が前年を下回ったのは、統計の公表が始まった84年以来初めて。

富士銀なども人民元認可へ

2000年01月27日 17時06分【上海・共同】
 27日の中国の英字紙、上海デーリーは、中国人民銀行がことし3月までに富士銀行、あさひ銀行の邦銀2行を含む外国銀行少なくとも5行に対し新たに人民元業務を認可する方針だと報じた。

 また、銀行間取引のインターバンク市場についても、さくら銀行の上海支店、東京三菱銀行の深セン支店など計12の外銀の参入を認めたという。

中国・人民日報が沖縄サミットについて評論

00:30a.m. JST January 15, 2000
 中国が「沖縄」を注視し始めた。14日付の中国共産党機関紙・人民日報は「沖縄サミットと日本外交」と題した評論を掲載し、九州・沖縄サミット(主要国首脳会議)の持つ意味を日米、日ロ、日朝関係と絡めて論評した。また同党は日本共産党の招きで19日から代表団を日本に派遣するが、沖縄視察も予定している。

 人民日報評論は、小渕政権のサミット重視ぶりを紹介し、米軍普天間基地の返還、ロシアとの北方領土返還交渉、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との国交正常化交渉とサミットとの関連を論じた。中国とのかかわりには触れていないが、サミットを控えた今年、「日本が今世紀中に起きた問題を今世紀中に解決できるか、新世紀も引き続き平和発展の道を歩めるかどうか、注目される」と結んでいる。

 一方、李成仁・中央対外連絡部副部長を団長とする共産党代表団は、東京、仙台と合わせて沖縄を訪問する。同党筋によると、在日米軍基地が集中し、サミットが近いことから、中国側から沖縄視察を希望したという。米軍基地などを視察する予定だ。

 中国はサミットには今のところ、「参加しないだろう」(銭其シン副首相)との姿勢だが、主要8カ国(G8)の役割は重視しつつある。参加する場合に備えた「下見」ととれなくもない。

 中国にとって、沖縄は日米安保体制の象徴的存在。万一、中台紛争が生じれば、周辺事態法の展開次第で、文字通り中国に向けた「最前線基地」ともなりかねない。

中国の政府系ノンバンクに対する邦銀の債権回収不可能に

03:16a.m. JST January 09, 2000

 経営不振に陥り、整理・統合の対象になった中国の政府系ノンバンクに対する邦銀などの債権回収が、事実上、不可能になった。中国最高人民法院(最高裁)が「債権者の訴えをしばらく受け付けず、すでに回収を認めた判決の執行も凍結する」という内部通達を出したため。対象は大連国際信託投資公司(DITIC)など13社を「第一陣」とし、今後増える見通し。これらノンバンクに対しては邦銀もかなり融資しており、外資にとって最後の対抗手段といえる法的措置が、当局の都合で奪われることになり、中国での商売はリスクが高まっている。

 融資している邦銀や北京の日本大使館は、通達が出たとの情報を受け、「裁判所自ら法を守らない、というのでは中国への信頼はなくなる」と最高裁や対外貿易経済協力省に抗議したが、大使館によると、「中国側は通達の存在さえ認めない」という。さらに「内部通達は秘密扱いで、内容を追及すると、どこでその通達を見たのか、と逆に中国側に責められかねない」とジレンマに陥っている。

  通達は「信託投資公司の整理整とんにおける関係問題に関する通知」。昨年末、31ある省・自治区・直轄市の高級人民法院(高裁)あてに出された。

  具体的には、「再編、廃業が決まった信託投資公司を被告とする経済紛争事件は、しばらく訴えを受理しない。判決執行が完了していないものはしばらく、執行しない」と指示。凍結解除については「別に通知する」としている。その一方、ノンバンク側が原告として債権を取り立てる訴えは受理・審理するとし、差別的な扱いをしている。

 今回対象となったのは大連国際、大連、大連華信、大連経済技術開発、広州国際、広州科技、広州対外経済貿易、海南省国際、海南省、海南港澳国際、海南匯通国際、中国対外経済貿易、中国人保の各信託投資公司。この13社に対する邦銀の融資額ははっきりしないが、これらノンバンクは合計239社あり、総資産750億ドル相当、対外債務は約80億ドルといわれ、邦銀の融資は半分近くを占めると見られる。

  中国の金融機関の整理・統合は、1997年夏のアジア金融危機をきっかけに、朱鎔基首相の指示で始まり、98年6月、海南省の海南発展銀行とノンバンクの中国新技術創業投資公司が業務停止となった。

  同年10月には広東国際信託投資公司(GITIC)が国内外に負債43億ドル相当を抱え破たんした。中国人民銀行は当初、「GITICは外資に優先的に債務を返済する」と表明したが、「損失が予想よりはるかに多かった。外資を優先すると、国内の債権者が被害を受ける」として99年1月、裁判所での破産手続きに持ち込んだ。中国人民銀行の戴相竜総裁はさらに「政府は債務を肩代わりしない」と表明。これを機に、中国の対外信用は低下し、邦銀は新規融資を止めた。さくら銀行はその後、広州支店を閉めるなどの波紋が広がっている。

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