TOPIC No.2-24-1 '99年04-09月景気動向

旧苫東開発が特別清算を申請、負債総額は1423億円

8:43p.m. JST September 29, 1999
 経営が破たんした第三セクター「苫小牧東部開発」は29日、札幌地裁に特別清算を申請した。民間信用調査機関の帝国データバンク札幌支店によると、負債総額は約1423億円で、第三セクターの倒産としては史上最大、という。

 「旧苫東開発」は1972年7月に、国家プロジェクトの大規模開発事業「苫小牧東部大規模工業基地開発」の事業主体として、北海道東北開発公庫、北海道、苫小牧市などの自治体や民間企業からの出資を得て設立された。

 計画は、1万620ヘクタールに石油産業などの誘致を前提に工業集積地帯を目指すもので、同社は開発用地の取得、造成、分譲と開発に関連した各種施設の管理などを手がけた。

 しかし、2度の石油危機、円高による企業の海外移転、バブル経済崩壊による企業の設備投資抑制に加え、北海道拓殖銀行の破たんなども加わり、他行も追加融資を拒否。99年3月期には1346億円の債務超過に陥った。

 事業は今年7月末に発足した新会社「苫東」(本社・苫小牧市)が引き継ぎ、旧苫東開発には旧債務だけが残り、今回、特別清算の手続きをとった。

むつ小川原開発の債務処理、合意に向け調整 経団連会長

7:52p.m. JST September 29, 1999
 経団連の今井敬会長は29日、経営破たんした第三セクター「むつ小川原開発会社」(本社・東京)の債務処理で、金融機関などが債権放棄に反発していることについて、「年末に向けて話がまとまるよう、国土庁とともに努力していきたい」と話し、合意に向けた調整に経団連として一層力を入れる意向を明らかにした。仙台市での東北地方経済懇談会に出席後、記者会見した。

 関係機関の合意について政府は、今月末までを目指していたが、交渉は難航し、期限を12月に延ばす方針を決めている。

 今井会長は「(延びたのは)やむを得ないが、(国の予算編成がまとまる)年末には、解決しなければならない」と調整に意欲を示す一方、新会社の発足については「新たに一般企業に資本金を募っても集まらないだろう」との厳しい見方も示した。

 国がまとめたむつ会社の処理案は、民間金融機関や青森県に対し、債権総額の約7割を放棄するよう求め、そのうえで新たな三セク会社を設立して、むつ会社の事業を引き継ぐ方向となっている。

森永、「エンゼルの森」失敗で本社売却・証券化へ

6:52p.m. JST September 21, 1999
 森永製菓は21日、バブル経済時代に計画した総合複合施設からの撤退に伴う赤字を穴埋めするため、東京都港区芝の本社ビルと敷地を売却する、と発表した。特別目的会社(SPC)を通じて証券化する方向で検討しているが、SPCへの出資企業や金額については「未定」としている。

 同社は、創業100周年記念事業の一環として、三重県上野市に総工費約3000億円の予定で複合施設「エンゼルの森」を計画したが、土地の一部を取得した段階でとん挫し、今年7月に撤退を表明した。開発を担当していた子会社「森永エンゼルの森」(本社・東京)を今年度中に清算するのに伴い、9月中間期決算で190億円の特別損失を計上する。このため、中間期での当期赤字は、5月に発表した6億円から92億円に膨らむ見通し。

 これを穴埋めするため、下期に本社の建物、土地の売却する。詳細は明らかにしていないが、「損失額の190億円を超える売却益は確実に見込める」として、通期では20億円の当期黒字を予想している。

 「エンゼルの森」は、同社の工場のほか、ゴルフ場などのレジャー施設、テーマパーク、住宅などを組み合わせた複合施設で、1990年に計画を発表していた。

8月の倒産、月間件数で今年最高に

9:25p.m. JST September 14, 1999
 帝国データバンクが14日まとめた8月の全国企業倒産集計によると、倒産件数は1402件にのぼり、5月の1360件を上回って今年最高となった。1400件を超えたのは、昨年10月の1707件以来、10カ月ぶり。同社は「産業の構造調整の進展を受けた倒産増加」と分析している。

 業種別では、建設業が2カ月連続で400件を超え、今年最高となるなど不振が目立っている。公共投資も一巡し、事業の継続が困難になった業者が増えているためだ。

 主な原因別でも、販売不振を筆頭に、輸出不振や不良債権の累積などの「不況型倒産」が10カ月ぶりに1000件を超え、全体の7割以上を占めた。

 業歴30年以上の「老舗(しにせ)倒産」も302件に達し、過去最悪だった昨年10月を上回った。倒産企業の従業員数も1万1748人と3カ月ぶりの1万人超えで今年最悪を記録し、厳しい雇用情勢を反映している。

経常利益を上方修正 野村金融研

10:59p.m. JST September 14, 1999
 野村証券金融研究所は14日、東証1部上場の主要企業371社(金融機関を除く)を対象とした業績見通しを発表した。今年度の経常利益は前年度比4.6%増と、前回(6月)の予測と比べ、2.4ポイントの上方修正になった。1ドル=110円程度の円高ならば、増産とリストラの効果が円高による減収部分を補うとみている。

 売り上げは2.3%の減収で前回予測とほぼ同じ水準。業種別に経常利益の大幅増を予想しているのは、円高効果の大きい石油(前年同期の3.5倍)や、アジア向け輸出と粗鋼生産量の回復した鉄鋼(同2.3倍)、在庫調整の進んでいる紙・パルプ(同約2倍)。パソコンや携帯電話需要の続く電機・精密も前年同期比31%の増益となる見通しだ。

 逆に、リストラが遅れている商社は同10.4%の減益。韓国との競争が激化している造船は赤字転落となる。また、百貨店やスーパーなどの消費関連は同4.4%増の黒字にはなるが、出店競争が続き前回予想に比べ1.8ポイント下方修正された。

 連結の経常利益では全企業ベースで16.9%の増益と、前回から3.5ポイント上方修正された。単独決算に比べ、増益率が大きいのは、電機・精密の国内、海外の子会社が収益を改善させることが挙げられる。

新規公開企業、99年は90社前後=来年は300社、再びブーム到来か

99年9月11日 17時18分 時事通信社
 「企業の新規公開ブームが再び到来する」−。東京証券取引所や店頭市場に株式を新規に上場、公開する企業数は、1995年の187社をピークに減少してきたが、株式市場の好調を背景に99年は昨年を上回り、「少なくとも90社前後になる」(大和証券SBCM)見通しだ。株式公開により公募増資や社債発行など機動的な資金調達が可能になるため、再び増加する傾向が強まっている。

 9月10日現在、新規公開した企業は51社あるが、10月までに約20社が公開を予定している。このまま推移すると、「今年の公開企業数は昨年の86社を上る可能性が高い」(太平洋証券)といい、「2000年以降は年間300社に急増する」(大和証券SBCM)との予想もある。 

郵貯通常貯金の金利、6日から過去最低の0.08%に

11:57a.m. JST September 05, 1999
 郵政省は、銀行の普通預金にあたる通常貯金の金利を6日から0.02%幅引き下げて年0.08%にする。通常貯金の引き下げは今年3月以来で、過去最低を更新する。民間金融機関は、都銀の大半が3月に普通預金金利を0.05%に引き下げたのを皮切りに、地銀、信用金庫も追随しており、これに対応した。

 1年未満の定額貯金は0.05%幅下がり、年0.10%となる。ニュー定期は1年未満がすべて年0.10%になる。一方、3年ものは年0.30%、4年ものは年0.40%にそれぞれ0.05%幅引き上げる。

東急百貨店、中間業績を下方修正 50億円の赤字

8:18p.m. JST August 20, 1999
東急百貨店は20日、今年7月中間決算の当期損益予想を、3月に発表した22億円の赤字から50億円の赤字に下方修正した。売り上げの伸び悩みに加え、債務超過の子会社に対する引当金の計上で赤字幅が膨らんだ。経常損益は、1億円の黒字予想を修正し、6億7千万円の赤字になる見込み。港北東急百貨店など4社に対する出資金を引き当て処理するのに伴い、50億円の特別損失を計上する。同社は、683億円の累積損失を解消するため、閉鎖した日本橋店の売却先を探しているが、交渉は難航している。

住金、2高炉休止を検討

1999年8月18日 15時40分 共同通信社
 住友金属工業は18日、和歌山製鉄所(和歌山市)の中型高炉2基を2005年をめどに休止し、新設する大型高炉1基に生産を集約する検討を始めたことを明らかにした。これにより高炉の生産能力を現在の年間約430万トンから300万トン程度に縮小するとみられる。

郵便貯金、金利を一部引き上げ 郵政省

7:36p.m. JST August 13, 1999
 郵政省は13日、郵便貯金の一部の金利を引き上げると発表した。引き上げるのは預入期間がいずれも3年以上のもので、主力の定額貯金では3年以上の年利0.15%が0.20%に上がる。16日から実施する。民間金融機関の金利見直しなどに合わせた。

6月の機械受注、船舶・電力除く民需は2カ月連続で増大

5:12p.m. JST August 10, 1999
 経済企画庁が10日発表した6月の機械受注統計によると、民需の一部が持ち直した半面で官公需が減少した結果、受注総額は1兆8271億円となり、前月比7.1%減、前年同月比で14.2%減った。いずれも減少は2カ月ぶり。

 民間設備投資の動向と関連が深い船舶・電力を除く民需は8368億円で前月比6.3%増え、2カ月連続でプラスとなった。ただし、前年同月比は7.7%減り、15カ月連続の落ち込みだった。このうち製造業は3414億円で前月比1.4%減、非製造業は同12.5%増だった。また、官公需は2831億円で前月比26.8%減った。

 船舶・電力を除く民需の業種別内訳では、電気機械、造船、石油石炭製品工業、通信、卸売・小売、農林漁業がコンピューター投資や機械設備などの発注が増えて好調だった一方、一般機械、自動車、電力、運輸、建設などで減少した。

 同時に発表された4―6月期では、船舶・電力を除く民需は1―3月期に比べ6.9%減った。7―9月期の見通しは、4―6月期に比べ4.0%増。うち製造業は同3.5%減だが、非製造業は同10.3%増を見込む。経企庁は「見通しがプラスになるのは1年半ぶりだが、基調は減少傾向にある。製造業の設備過剰感は根強く、非製造業も受注に大きな波がある」(調査局)と見ている。

「1ドル=120円に戻してほしい」=奥田日経連会長

99年8月6日 19時23分 時事通信社
 日経連の奥田碩会長は6日、経営トップ・セミナー終了後の記者会見で、最近の急激な円高について「輸出企業は苦しくなる。今の景気をみると内需より外需依存であり、景気回復に水を差すのではないか」との懸念を表明した。その上で「ぜひ(1ドル=)120円近辺まで戻してほしい。相当早く為替相場(の水準)が変わったが、できるだけ安定的に推移してほしい」と語った。 

首都公団、阪神公団の借金返済めどつかず 行政監察

0:03p.m. JST August 03, 1999
 首都高速道路公団、阪神高速道路公団の借金が10年前と比べて2―3倍と膨れ上がっているのに対し、収入は1.5倍程度しか伸びておらず、返済のめどがつかないことが3日、総務庁の行政監察で分かった。民間企業に業務委託する際に原則として競争入札を求められながら、随意契約の割合が金額ベースで半分以上になっていることも明らかになった。太田誠一総務庁長官は同日、両公団を監督する関谷勝嗣建設相に報告内容を伝え、中期的な経営目標を設けて経営管理を厳格にしたり、業務委託での競争入札を広げたりするよう勧告した。

 総務庁によると、返済が必要な借金は1997年度末で、首都公団が3兆9300億円で10年前の2.3倍。阪神公団も3兆1500億円で3.3倍に膨らんだ。一方で料金収入は交通量の伸び悩みによって、計画を大幅に下回っている。93年度から4年間の料金収入は計画と比べて首都公団で697億円低い。阪神公団は阪神大震災の影響もあって1310億円も下回っている。10年間での収入の伸びは1.5―1.6倍にとどまり、借金の伸びに追いついていない。

 総務庁は、路線や車線数、概算工事費を盛り込んだ建設省の基本計画の策定に問題があると判断。基本計画づくりにあたって「両公団の意見を聴く機会を取り入れるべきだ」と求めている。

ホームレス倍増の勢い

1999年8月2日 17時13分 共同通信社
 厳しい雇用情勢を背景に、大阪のホームレスが増えている。正確な統計はないが、大阪市東部方面公園事務所の大阪城公園での定点観測では、1年前と比べて倍増の勢いだ。就業意欲のある人がホームレスになったり、数人がまとまって定住するなど質的な変化も出てきた。企業は人減らしを強化しており、今後もホームレスは増えそうだ。

持ち家建設伸び7・3%増

1999年7月30日 18時14分 共同通信社
 建設省が30日発表した6月の新設住宅着工戸数は、前年同月比7・3%増の11万4505戸で、前月の減少から再び増加に転じた。貸家、分譲住宅は減ったが、住宅減税拡充などの政策効果で持ち家の建設が大幅に増えたのが効いた。

景気「底入れ」まだ 堺屋経企庁長官、経団連で講演

5:50p.m. JST July 28, 1999
 堺屋太一経済企画庁長官は28日、経団連の経済政策・統計制度合同委員会で講演し、楽観ムードが広がっている景気の現状について「いくぶん改善を示しているものの、依然として厳しい状態で横ばいが続いている。まだ底入れとは言えない」と慎重な判断を示した。景気を時刻にたとえて「午前4時から4時半で夜明けは近いが、明るくなったら大雨が降っている恐れもある」と述べた。

 また、「企業はこれからリストラを迫られる。さらに日本全体としても少子化、グローバル化、『知恵の社会』化に向けた社会改革をしなければならない」と指摘し、今後、さまざまな構造調整の圧力が増してくるとの見方を示した。

電力10社・ガス4社 10月からの値上げ料金が確定

6:53p.m. JST July 28, 1999
 電力10社と大手都市ガス4社は28日、10月から12月までの電気料金とガス料金の値上げ料金を確定した。7月から9月分の料金と比べた電力10社の値上げ幅(消費税込み)は、標準世帯(4人)の月額で、北海道が53円、東北が48円、東京が53円、中部が62円、北陸が49円、関西が56円、中国が64円、四国が79円、9州が23円、沖縄が111円。

 一方、都市ガス4社の値上げ幅(標準世帯の月額、消費税込み)は、東京が44円、大阪が40円、東邦が53円度、西部が8円。

 今回の値上げは、燃料や原料になる原油やLNG(液化天然ガス)の価格が上昇していることに対応したもので、電力10社の一斉値上げは2年3カ月ぶり、都市ガス4社の一斉値上げは1年3カ月ぶり。

6月のエアコン出荷台数が14.6%増

1:29p.m. JST July 26, 1999
 日本冷凍空調工業会が26日まとめた家庭用エアコンの6月の国内出荷台数は117万6916台で、前年同月に比べ14.6%増加した。降水量は多かったものの、平均気温が全国的に平年を上回ったことなどから販売商戦は順調に推移した。月間の出荷が2ケタ増になったのは1998年12月以来。

 この結果、99年度(冷凍年度=98年10月―99年9月)の6月までの累計出荷台数は、前年同期比3.7%増の503万7940台となった。需要がピークを迎える7月は、前半は不調だった。しかし、梅雨明け後は盛り返しつつあり、年度でも3年ぶりに前年を上回る見通しだ。(時事)

貿易黒字、上期は7.9%減 5期ぶりに前年下回る

0:18p.m. JST July 22, 1999
 大蔵省が22日発表した今年上半期(1―6月)の貿易統計(通関ベース、速報値)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易黒字は前年同期比7.9%減の6兆573億円と、半期ベースでは1996年下期以来、5期ぶりに前年を下回った。輸入が国内需要の低迷で9.2%減ったが、輸出も8.9%減と、93年下期(9.4%減)以来の大幅な落ち込みとなり、黒字が縮小した。大蔵省は「景気対策が輸入の増加につながると考えられ、黒字幅が拡大する基調にはない」としている。

 上半期の輸出は23兆296億円で、2期連続で前年を下回った。欧州経済の低迷で、欧州連合(EU)向けが7.6%減と、94年上期以来、10期ぶりに減少した。米国向けも6.8%減と7期ぶりに減少。一連のダンピング提訴で、鉄鋼の輸出が52.5%減ったのが影響した。アジア向けも7.3%減と3期連続で減少した。

 輸入は16兆9723億円で、3期連続で前年を下回った。特に米国からの輸入が電子部品や事務用機器を中心に減少し、14.1%減と大きく落ち込んだ。その結果、貿易黒字は対EU、対アジアでは減少したが、対米は6期連続で膨らんだ。

 同時に発表された今年6月の貿易黒字は1兆1782億円で前年同月を2.9%下回り、3カ月連続で減少した。アジア向けの輸出が18カ月ぶりに増加に転じ、対アジアの貿易黒字が5カ月ぶりに増加した。

「生活苦しい」初めて5割超す 厚生省国民生活調査

8:45p.m. JST July 16, 1999
 自分たちの暮らしの状況を「苦しい」と感じている世帯が初めて5割を超えたことが、厚生省が16日付で公表した1998年の国民生活基礎調査(概況)でわかった。昨年7月時点での意識を聞いたものだが、「大変苦しい」「やや苦しい」と答えた世帯が前年に比べて大幅に増え、「普通」と感じている世帯を10ポイント近く上回った。「普通」を「苦しい」が上回ったのは第2次石油ショック直後の80年調査以来のことで、不況が大きく影を落としている。

 今回は3年に1度の大規模調査にあたり、約27万世帯と約4万世帯を対象にした6月と7月の調査回答から全国値を推計した。

 それによると、52.1%の世帯が暮らしの状況を「大変苦しい」か「やや苦しい」と答えた。「苦しい」と感じる世帯が5割を超えたのは、79年の調査開始以来初めて。また、「普通」(43.4%)を上回ったのは80年以来のことだ。

 世帯主の年齢別にみると、70歳未満は「苦しい」と感じる世帯が「普通」より多い。特に30代、40代は6割近くが「苦しい」と答え、「普通」を大幅に上回った。一方、70歳以上は「普通」の方が多かった。

豊田工機など工作機械メーカーが相次ぎ一時帰休実施

03:09a.m. JST July 10, 1999
 トヨタ自動車グループの工作機械メーカー大手、豊田工機(本社・愛知県刈谷市)は9日、受注の悪化で生産調整が必要になったとして、国からの雇用調整助成金(雇調金)を活用して従業員を自宅待機させる一時帰休に入った、と発表した。やはり大手の日立精機(同・千葉県我孫子市)も同日、6月に同様に一時帰休を実施したことを明らかにした。工作機械業界は、自動車メーカーの設備投資の抑制などで受注が急減しており、操業短縮の動きは中小から大手にも広がってきた。

 豊田工機は自動車部品部門を除き、7月と9月に合わせて4日間、一時帰休を実施。8月には別に2日間、就業時間中に教育訓練をする。約4300人の従業員のうち2400人が対象となり、約1300人ずつ休んだり教育訓練を受けたりする。同社は今月7日に雇調金の受給許可を受けており、休業手当や賃金の一部にあてる。

 一方、日立精機では6月、全従業員約1000人のうち約500人が4日間、一時帰休した。

再生委、東京相和銀行を破たん認定 整理管財人を選任

00:42a.m. JST June 13, 1999
 金融再生委員会は12日、経営再建を断念して破たん処理の申請を同委に申し出ていた第2地方銀行の東京相和銀行(本店・東京)に対し、金融再生法八条にもとづく破たん銀行と正式に認定し、金融整理管財人を派遣して国の管理下に置くことを決めた。東京相和銀行の代表権や業務執行権、財産管理・処分権は、旧経営陣から管財人に移される。営業は13日以降も続けられ、預金は日本銀行からの資金供給によって全額が保護される。健全な貸出先への融資は続ける。金融整理管財人の派遣による破たん処理が適用されるのは、4月に破たんした国民銀行、5月に破たんした幸福銀行に続き3行目となる。

 再生委は管財人に、弁護士の鈴木誠氏(63)、公認会計士の和食克雄氏(61)、法人としての預金保険機構を選んだ。再生委の決定を受け日本銀行は臨時の政策委員会を開き、東京相和に対して日銀法38条にもとづく無担保、無制限の貸し出し(日銀特融)を発動し、国の管理下に置かれた同行の資金繰りを支援することを決めた。管財人は今後、預金保険機構による資金援助を活用し、できるだけ早く受け皿となる金融機関を探して営業権を譲渡する。

東京相和銀行、回収不能が800億円近く

00:42a.m. JST June 13, 1999
 経営が破たんした東京相和銀行が、昨年秋の資産査定の際、不良資産を約2700億円も少なく算出していたことが12日、金融監督庁の査定結果で明らかになった。同行は「600億円余りの自己資本がある」と発表していたが、「実質破たん先」や「破たん懸念先」を「正常先」や「要注意先」に格上げし、関係会社への不良債権を甘く査定するなどしており実際には債務超過だった。日本長期信用銀行の元頭取らが決算を粉飾した疑いで逮捕されたばかり。それと似た構図が見え隠れする中で、東京相和銀行は「金融監督庁との見解の相違」とコメントしている。

 東京相互銀行は昨年12月、証券取引法に基づき「半期報告書」を大蔵省関東財務局に提出した。その報告書には「9月末時点で、総資産は約2兆4000億円。資本は約600億円のプラス」と記されていた。

 ところが、金融監督庁の検査結果によれば、この総資産のうち、800億円近くは「回収不可能または無価値」(第4分類)で、さらに、2200億円余りが「回収に重大な懸念がある資産」(第3分類)だった。「通常より回収に危険のある資産」(第2分類)を含めると、不良資産の総額は、総資産の3割近くの約6900億円に上り、同行自身の査定した4200億円を大きく上回っていた。

山一証券に破産宣告 債務超過額は1600億円

7:48p.m. JST June 02, 1999
 東京地裁は2日、前日に自己破産を申請していた山一証券に対して破産宣告を出した。破産管財人には松嶋英機弁護士が選ばれ、野沢正平社長ら役員は退任した。山一によると、負債総額は5100億円で、5月21日時点で計算した債務超過額は1602億円にのぼった。負債のうち日本銀行からの特別融資(特融)が4890億円を占めており、債務超過額とほぼ同額分の日銀特融が返済不能になっている。しかし、日銀は「最終的な回収には懸念がない」との総裁談話を発表し、政府や証券業界の責任で返済することを求めている。

 第1回の債権者集会は12月15日に開かれる。今後は破産管財人が、残された資産の処分などの作業にあたる。また、経営破たんの法的責任を調査した第三者機関は、決算に適正意見を出した監査法人に対し訴えを起こすよう提言しているが、訴えを起こすかどうかの判断も破産管財人にゆだねられる。

 山一によると、自主廃業を申請した1997年11月時点の自己資本は1009億円あった。その後、不動産や有価証券など資産価格の下落が進んだことや、貸付金などの回収不能が見込まれるようになったことで、98年3月末には225億円の債務超過になった。さらに、借りていた店舗の解約費用や海外現地法人の清算に伴う損失がかさみ、債務超過額も膨らんだ。山一は債務超過額がわずか1年あまりで大きく膨らんだことについて、「今回の資産評価は、会社を清算したときにいくら回収できるかを見込んで評価した。昨年3月期決算とは評価基準が違う」と説明している。

 退任した野沢正平前社長は午後1時から東京証券取引所で記者会見した。自主廃業を決めたときに見せた涙はなく、終始淡々とした表情だったが、「山一証券の102年の歴史をこのような形で閉じるとは、言葉に尽くせない。残念でさびしく思っている」と無念さをにじませた。債務超過額が膨らんだことについては「1円でも高く資産を処分しようとして、最大の回収に努めた」と努力を強調した。

幸福銀に金融管財人派遣へ=破たん処理手続き、午後決定−再生委

99年5月22日 6時16分 時事通信社
 金融再生委員会(委員長・柳沢伯夫金融担当相)は22日午後、「預金の払い戻し停止の恐れが生じると認められる」と申し出た幸福銀行(本店大阪市)に対し、金融再生法に基づき金融整理管財人の派遣など、破たん処理手続きの開始を決定する。日銀は特別融資で同行の資金繰りを支援。預金、債務は全額保護される。 

3月の税収実績は前年比+5.6%、所得税が増加=大蔵省

99年5月6日 15時21分 ロイター
  大蔵省が発表した3月の税収実績によると、一般会計分の合計は2兆3552億円で、前年同月比+5.6%となった。また、98年度の累計では38兆1316億円で、前年同月比−7.1%。進ちょく割合は76.0%だった。

核燃機構の累積欠損1.6兆円 総務庁が財務調査を発表

6:43p.m. JST May 11, 1999
 総務庁は11日、核燃料サイクル開発機構、国際協力事業団、新東京国際空港公団、日本鉄道建設公団の4特殊法人の財務内容について調べた報告書を発表した。核燃機構では高速増殖炉「もんじゅ」の研究開発などで累積欠損がすでに1兆6000億円に上っているほか、他の法人でも、国の出資金が有効活用されていなかったり、資金回収の見通しが必ずしも楽観できないといった問題点が明らかになった。この報告は行政改革の一環として、総務庁行政監察局が29の特殊法人について財務分析の観点から調べているものだ。

 核燃機構は1996年度までの国からの出資金累計が2兆4000億円余りに達しているが、資産は8500億円しかなく、差し引き約1兆6000億円が累積欠損となっている。土地、建物のほかは研究開発費に消え、資産として評価ができないためだ。高速増殖炉開発が将来成功し、特許料などの収入を生む可能性はあるものの、現時点で「もんじゅ」は高コストで実用化にほど遠い。報告書は、今後も予想される多額の公的資金投入について「妥当性を論議することが必要」と問題提起している。

 国際協力事業団では、途上国で開発に携わる日本企業への融資事業で、資金が有効活用されていない実態が明らかになった。また、外国への移住者への貸付事業は、貸付金残高81億円のうち、5年以上の延滞債権が11%もある。アルゼンチンでの入植地分譲はここ10年ほとんど売れず、1000ヘクタールが売れ残っているなど、財務体質に問題を抱えている。

 鉄建公団は、長野新幹線建設の際、2775億円を債券で調達しており、償還が難しくなる懸念があるという。また、新東京国際空港公団は、第2旅客ターミナルビル建設(92年末開業)を境に費用がかさんで赤字に陥っている。新滑走路についても、「供用開始とともに需要が伸びる」とする公団の予測に対し、報告書は、近隣諸国の空港との競争で空港使用料引き下げを迫られる可能性や、旅客数が減少していることなど、楽観できない要素を挙げ、今後の収支は厳しいと結んでいる。

日経平均が終値ベースで昨年高値17264円34銭を更新

99年5月6日 16時22分 ロイター
 東京株式市場で、日経平均が昨年3月2日に記録した終値ベースの昨年高値1万7264円34銭を更新した。 日経平均の終値は、前営業日比599円08銭高の1万7300円61銭。

98年度消費支出1.3%減

1999年5月6日 17時48分 共同通信社
 総務庁が6日発表した1998年度の全世帯の家計調査によると、年度平均の月額消費支出は1世帯当たり32万6976円で、物価変動分を除いた実質で前年度に比べ 1.3%減少した。

 3年連続の減少で、63年度の調査開始以来の最長期間(92〜94年度)に並んだ。   

 雇用不安の高まりや所得の減少で、個人消費が低迷したことを裏付けた。特に教育費や被服・履物代の落ち込みが大きかった。

長銀の杉浦元頭取、退職金から2億円を返還

6:43p.m. JST May 02, 1999
 特別公的管理(一時国有化)下にある日本長期信用銀行は2日、杉浦敏介・元頭取が退職金9億3000万円のうち約2億円を4月末までに返還したことを明らかにした。杉浦氏は頭取、会長を通算18年間務めて「長銀のドン」と呼ばれるなど長銀経営に長く影響力を及ぼしてきた。政府や長銀の現経営陣は、道義的な責任を求めて退職金の自主的な返還を求めていた。

 杉浦氏が長銀から受け取った退職金のうち手取り分は6億円程度。ただ、不動産などに投資されていてすぐに現金化できない事情などから、返還額は2億円に落ち着いたという。

 長銀は破たん後、杉浦氏を含め、1989年度以降に退職した代表取締役23人に対し、総額約29億円の退職金手取額の返還を求めた。このうち杉浦氏からの2億円を含めて約6億円が、すでに返還されたり、返還の同意が得られたりしている。

大手百貨店6社、そろって減収=99年2月期決算

99年4月23日 18時16分 時事通信社
 大手百貨店6社の1999年2月期決算が、23日出そろった。深刻な消費不況を反映して、6社がそろって減収となり、経常利益段階でも4社が減益。収益構造の改善に向けた社員削減や「負の遺産」処理のため、特別損失を計上する百貨店が相次ぎ、最終損益で西武百貨店が1000億円を上回る赤字となったのを筆頭に、三越、そごうの計3社が大幅な最終赤字となり、無配を余儀なくされた。 

西友系ノンバンクへの債権2091億円を17銀行が放棄

8:18p.m. JST April 21, 1999
 西友は21日、債務超過に陥っているノンバンク子会社「東京シティファイナンス」(TCF、本社・東京)に融資している17の銀行が総額2091億円の債権放棄に応じることで合意した、と発表した。放棄額は主力の第一勧銀が債権額の79.1%にあたる869億円、準主力の日本興業銀行が42.8%の277億円など。

 西友は、前社長の藤関勝宏取締役相談役がTCF問題の責任をとって退任し、専務に元第一勧業銀行取締役の笠井猛邦氏を迎える。藤関氏は1997年10月まで西友の社長を務め、昨年5月に会長職を退いていた。

98年度粗鋼生産量、11.5%減、戦後最大の落ち込み

9:59p.m. JST April 15, 1999
 日本鉄鋼連盟(鉄連)が15日発表した1998年度の粗鋼生産量は9098万4400トンで、前年度に比べ11.5%減った。これは、戦争直後の混乱期を除いて戦後最大の落ち込み幅。生産量は71年度(8844万トン)以来、27年ぶりの低水準にとどまった。

 造船を除く主要製造業の販売不振、住宅着工の減少による建築・土木向け鋼材需要の低迷などが主因。さらに米国が日本製の熱延鋼板の輸出をダンピングだとして提訴したのに伴い、98年度下期から対米輸出が急減したことが追い打ちをかけた。

 鉄連では、民間設備投資の早急な回復は望み薄として、99年度の粗鋼生産は98年度をさらに下回る8900万トン程度になると見ている。

負債、最悪の15兆2000億円

1999年4月14日 20時04分共同通信社
 民間の信用調査会社の帝国データバンクが14日発表した1998年度の企業倒産件数は、前年度比 0.3%増の1万7497件と、バブル崩壊後で最高を記録した。不況型倒産が全体の7割強を占め、負債総額は、特別公的管理下にある日本長期信用銀行、日本債券信用銀行の関連会社や上場企業などの大型倒産が相次ぎ、 0.4%増の15兆1820億円と戦後最悪に達した。

 帝国データバンクは『倒産は4月以降も増加、99年度の件数は98年度を上回りそう』としている。

「預金払い戻し停止の恐れ」 国民銀行が再生委に報告

1:46p.m. JST April 11, 1999
 経営不振に陥っている第二地方銀行の国民銀行(本店東京)は11日、金融再生委員会(委員長・柳沢伯夫金融担当相)に対し、「預金の払い戻しを停止する恐れがある」との申し出書を提出した。これを受け、再生委は同日中に国民銀を破たん銀行と認定し、金融再生法に基づき、金融整理管財人による管理を命じる行政処分を決定、柳沢委員長は午後6時をめどに記者会見する見通しだ。同行は週明け以降も通常通り営業を続け、資金繰りは日銀が特別融資で支援、預金などは全面的に保護される。

 受け皿銀行が見つかるまで管財人が業務・財産を管理するブリッジバンク(つなぎ銀行)制度の適用は、今回が初めて。国民銀行の破たん処理は、大手銀行の国有化に代表される金融当局主導の再編・淘汰(とうた)の動きが、地銀・第二地銀レベルに波及してきたことを示している。

 国民銀行については、1月から3月にかけて金融監督庁が実施した検査で、昨年9月末時点で大幅な債務超過に陥っていたことが判明した。大株主の国際興業グループなどに資本増強の支援を求めていたが、交渉は難航。自力での債務超過解消が絶望的になった上に、経営危機が表面化した今月8日以降は100億円単位の預金流出が続き、週明けの資金繰りにも支障が生じることが避けられない情勢となっていた。(時事)

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