TOPIC No.2-19 家電リサイクル

01.特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
02.家電リサイクル法 Home Appliance Recycling Law by環境Goo
03.家電リサイクル関連 (環境省)
04.家電リサイクル法の破綻と現実(2007/09/05)日経Ecology
05.リサイクル byYAHOO!ニュース
06.不用品買取[おいくら]
07.電気用品安全法 byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
07.PSE問題 byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
08.まだ続いているPSE法ショック -失敗のけじめつけぬまま、経産省が新たな規制強化-2007年10月17日 byNBonline

薄型テレビ追加は来年4月 リサイクル法、乾燥機も

2008年09月22日 中国新聞ニュース

 環境省と経済産業省は22日、液晶・プラズマの薄型テレビと衣類乾燥機について、来年4月1日から家電リサイクル法に基づくリサイクル対象に追加することを決めた。同日開いた両省の合同会合で示した。

 消費者は来年4月以降、これら2品目を買い替える際には、中古品として小売店が下取りする場合を除いて、リサイクル料金をメーカー側に支払うことになる。金額は今後、薄型テレビなどを引き取ってリサイクルの義務を負う各メーカーが定める。

 液晶テレビのうち、携帯型テレビやカーナビ、テレビ受信機能付き携帯電話などは対象外とする。

 両省はまた、リサイクル技術の向上を受け、現行の対象4品目のうちエアコン、冷蔵庫、洗濯機のリサイクル率を来年4月から10−15ポイント引き上げることも正式表明。

 会合ではこのほか、廃家電の不法投棄対策として、メーカー側が来年2月から市町村に関係経費を支援することも報告された。

廃棄テレビから有害物質 ちりに臭素化ダイオキシン

2008年06月23日 中国新聞ニュース

 国内で廃棄されたブラウン管テレビの内部などにたまっているちりに、毒性が強いダイオキシンと構造や毒性が似ている有害な臭素化ダイオキシン類が高濃度で含まれていることが、愛媛大の森田昌敏教授らの分析で23日、明らかになった。

 テレビをつけていると出る熱で、テレビを燃えにくくするためにケースに含まれている臭素系難燃剤から臭素化ダイオキシン類が生成され、ちりの中に蓄積するらしい。

 こうした難燃剤の使用量は最近少なくなっているが、現在使われているテレビにはまだ多く、研究グループの武智庸祐さんは「地上デジタル放送への移行に伴って、廃棄されるテレビは増加が予想され、リサイクル作業者が臭素化ダイオキシンにさらされる危険もある」と指摘。家庭での使用時の拡散状況を含めた詳しい調査が求められる。

 グループは、愛媛県内のリサイクル業者の協力で、廃棄されたテレビ15台からちりを集め分析。すべてから臭素化ダイオキシン類を検出した。最高濃度はちり1グラム中3万4000ピコグラム(ピコは1兆分の1)で、最低は同870ピコグラム。

量販店のチェック態勢強化 リサイクル制度で報告書

2007/12/09 中国新聞ニュース

 家電リサイクル制度の見直しを検討している環境、経済産業両省の合同審議会は八日、「コジマ」(宇都宮市)など大手家電量販店による廃家電の不正処理防止策として、廃家電の引き渡しデータを記録させてチェック態勢を強化するとの報告書案をまとめた。液晶・プラズマの薄型テレビと衣類乾燥機の二品目を家電リサイクル法の対象品目に追加することも盛り込んだ。

 十日の合同審議会で決定し、両省は今後、法改正を含む制度改正作業に着手する。

 当初、報告書案はチェック強化の対象を「小売業者」としており、「大手家電量販店」の文言はなかったが、コジマがリサイクル料金を受け取りながら七万七千台の廃家電をメーカーに引き渡さなかった事態を受け、急きょ加えた。

 現行では客から引き取った廃家電をメーカーに引き渡す際に小売業者が発行するリサイクル券でしか、引き渡し完了を確認できない。保管がずさんなケースもあり、リサイクル券以外にも引き渡しのデータを小売業者がパソコンなどに残すようにすることで不正処理の防止につなげる。

 報告書案では、特に大手家電量販店に対し、「チェック態勢の強化を通じた引き渡しの適正化が消費者の信頼を醸成し、適正排出を促進する観点から重要」とした。

 リサイクル料金の支払いは現行の「後払い方式を維持」としたが、メーカーに料金引き下げを求めた。

 メーカーにリサイクルを義務付けたブラウン管テレビ、洗濯機など四品目のほかに、急速に普及している薄型テレビなど二品目を追加すべきだとした。

家電7万7千台を不正処理 コジマに是正を再勧告

2007/12/05 中国新聞ニュース

 家電量販大手「コジマ」(宇都宮市)による家電リサイクル法違反問題で、環境、経済産業両省は五日、同社がメーカーに引き渡していなかった廃家電が全国で約七万七千台に上るとして、是正を再勧告した。また不正処理の原因やリサイクル料金の返還状況などについて、あらためて報告を求めた。

 法に従って処理していないにもかかわらず、顧客から受け取ったリサイクル料金は約二億七千万円に上る見込みで、コジマは顧客が判明次第、返金しているという。

 両省は二○○一年の法施行以降、コジマを含めて十社に勧告しているが、今回の違反台数は○二年に勧告を受けた上新電機(大阪市)の約六万七千台を上回り過去最多。

 勧告書を受け取った後、記者会見した同社の小島章利社長は「お客さまに心配をかけ非常に残念。反省している」と謝罪した。

 環境省によると、コジマはこれまでの報告で、メーカーに引き渡さなかった廃家電の行方について「一部は盗難に遭い、残りは調査中」と説明。しかし小島社長は「すべてが盗難と判断している」と述べ、食い違いを見せた。

 両省によると、コジマは九月末現在、全国に約二百三十店舗を展開。○四年四月から今年九月までの間、閉店した分も含めて、ほぼすべての店舗で計七万六千七百四十五台をメーカーに引き渡していなかった。

 同社は十月、一部店舗の違反で勧告を受け、全店舗での引き渡し状況について十二月四日、両省に報告。両省は全国的な違反状況やずさんな管理体制が判明したとして、あらためて勧告した。

 違反台数の内訳は、エアコンが五万四千五百三十七台、テレビが一万七千七百六十九台、冷蔵庫が二千三百十三台、洗濯機が二千百二十六台。

老朽化製品の事故防止 改正消安法、電安法が成立

2007/11/15 FujiSankei Business i.

 ガス製品などの老朽化による重大事故防止策を導入する改正消費生活用製品安全法(消安法)と、中古家電などの安全性確保を図る「PSEマーク」制度の規制を見直す改正電気用品安全法(電安法)が14日、参院本会議で可決、成立した。改正消安法は2009年春ごろ施行、改正電安法は年内にも一部施行の見通し。

 改正消安法は、ガス瞬間湯沸かし器、石油給湯器など9品目に関し、メーカーや輸入業者が所有者に点検時期の到来を通知し、希望があれば有料で点検に応じるよう義務化。広く普及しているテレビやエアコン、扇風機など5品目は、長期間の使用で発火など重大事故の恐れがあると製品に表示して注意喚起するよう、メーカーに求める。

 改正電安法は、「PSEマーク」がない中古家電も、旧電気用品取締法に適合していれば販売できるよう変更。パソコンや携帯電話で発火事故が相次いだリチウムイオン電池は、国の安全基準を満たすよう義務付ける。

                   ◇

 ■改正消安法・電安法Q&A 点検時期、所有者に通知

 改正消安法と、改正電安法が成立した背景や重要点を一問一答形式でまとめた。

 Q 消安法改正の理由は

 A 経済産業省は5月に同法を改正し、製品の重大事故情報を国に報告、公表する仕組みを導入した。だが、ガス湯沸かし器による一酸化炭素(CO)中毒など、長期間使った製品の「経年劣化」によるトラブルが相次ぎ、新たな制度が必要と判断した。

 Q 新制度の中身は

 A 法律で指定した「特定保守製品」のメーカーや輸入業者は、設計上の標準的な使用期間や連絡先などを製品に表示する。さらに、点検すべき時期の到来を所有者に知らせ、希望があれば有料で点検に応じるよう義務付けられる。

 Q 特定保守製品とは

 A ガス瞬間湯沸かし器、石油温風暖房器など9品目が指定される予定。消費者自身による保守管理が困難で、老朽化すると重大事故が起きる可能性が高いものが選ばれている。

 Q 消費者に求められる対応は

 A 製品購入の際、同封のカードなどに名前や連絡先を記入して業者に返送する必要がある。

 Q 家電製品の扱いは

 A メーカーはテレビやエアコン、扇風機など広く普及している5品目について、長期間使用すると重大事故の恐れがあることを製品に表示するなど注意喚起に努めるよう求められる。

 Q 「PSEマーク」制度の変更点は

 A 法改正後は2001年3月以前の旧電気用品取締法に適合していれば、マークがなくても販売可能となる。01年4月の制度創設後、猶予期間切れ直前の昨春に中古品販売業者らが猛反発し、市場が混乱したことに配慮した。

改正消安法が成立、老朽化製品の事故に対応

2007/11/13 NIKKEI NET

 長期間使用した家電製品などの事故防止策を盛り込んだ改正消費生活用製品安全法(消安法)が14日午前の参院本会議で可決、成立した。松下電器産業製の石油温風機やパロマ工業製湯沸かし器など、老朽化した製品での大事故が相次いだことに対応する。中古家電の販売規制を見直した改正電気用品安全法(電安法)も成立した。

 消安法では湯沸かし器や石油温風暖房機など老朽化により重大な事故が発生しやすい製品について、メーカーが消費者へダイレクトメールなどで点検時期が来たことなどを通知し、消費者の求めに応じて点検する制度を導入する。2009年春に施行する。

 電安法では製品の安全性を示す「PSEマーク」のない中古品の販売を正式に認め、06年春起きた「PSE騒動」の解決を図る。年内にも施行する。

白黒テレビや絞り機付き洗濯機がミニ玩具に

2007/10/31 日経WagaMaga

バンダイの玩具菓子「懐かしの家電コレクション」

 自宅にテレビが届いた日や、カラーテレビに変わった日を覚えている人は多い。戦後の経済的成長は、家庭では分かりやすく家電製品という形で現れた。冷蔵庫、洗濯機などの移り変わりは家庭での昭和の原体験となってきた。バンダイの玩具菓子「懐かしの家電コレクション」はその思い出を呼び覚ましてくれる。

 庶民があこがれた「三種の神器」がミニチュア模型となって帰ってきた。11月5日から発売された「なつかしの家電コレクション〜松下電器歴史館編〜」は、昭和20〜30年代に松下電器産業から発売された家電製品を、手のひらサイズでリアルに再現した。価格は各472円。ソーダ味の粒ガム1個が付いている。

「懐かしの家電コレクション」のセット内容

 ラインアップは全6種類。「白黒テレビ」「電気冷蔵庫」「角形噴流式電気洗濯機」「電気自動炊飯器」「6石トランジスタラジオ パナペット」「超音響ステレオ 飛鳥」と、どの商品も当時の我が家を思い起こさせる品ばかりだ。それぞれに添えた解説書には、各製品の特長や宣伝文句、発売年の主な出来事などが記されていて、そのころを思い出す手がかりになる。

「懐かしの家電コレクション」のパッケージ

 松下電器歴史館が監修し、同社の歴史を彩った名品群を選び出した。細部まで忠実な造形がノスタルジーを呼び起こす。彩色も丁寧で、当時の家電の質感を表現している。素材の大半はABS樹脂だが、家電リサイクルで得られたプラスチック素材を1割程度使用し、環境にも気を配った。

 今回再現された商品を個別に見ると、時代ごとの世相や暮らしぶりも浮かび上がってくる。白黒テレビ(当時の価格は29万円)は国産テレビの第1号。日本でテレビ放送が始まる前年の1952年に発売された。ブラウン管サイズは17インチ型だった。

 当時はブラウン管がまだ国内生産できず、米国から輸入していた。そのせいもあってかなり高価な存在で、大卒初任給の平均が6000〜8000円という時代に、その40倍もしたこのテレビは庶民からすれば高嶺の花的存在だった。

 しかし、創業者の松下幸之助氏は技術者たちに向かって「君らが自分で買えるテレビを作ってほしい」とコストダウンの挑戦を求めた。奮起したエンジニアたちの取り組みと、オランダの電機メーカー、フィリップスとの提携などが功を奏し、コストダウンが実現。3年後には14型が8万円台で売り出され、プロレスや皇太子ご成婚などの追い風も吹いてテレビは一気に普及期に入った。

「懐かしの家電コレクション」

 電気冷蔵庫は53年に国内初の完全密閉型家庭用冷蔵庫として発売された。当時の家電製品としては前例のなかった、3年保証が話題を呼んだ。ほぼ同じ時期に人気を集めたテレビ・洗濯機とともに「三種の神器」と呼ばれた。

 電気洗濯機は幸之助氏が51年に米国視察で洗濯機の普及を目の当たりにしたのがきっかけとなって開発された。この手回しハンドル式の絞り機付き洗濯機の登場は、全国に洗濯機が普及するはしりとなった。子供のお手伝いでこの手回しハンドルを回した思い出を持つ人は少なくない。

「懐かしの家電コレクション」

 「ご飯を炊くのは薪が当たり前」という風潮がまだ色濃く残る56年に松下電器は電気自動炊飯器を売り出した。59年には炊きムラを減らし、釜の温度を感知する「センタータッチ方式」を採用したこの商品を投入、画期的なヒット商品となった。

 6石トランジスタラジオ「パナペット」は小型卓上ラジオの第1号。上部にタバコや貴金属を入れるスペースを設け、表面をレザー張りにした、生活の中の遊び心を大事にしたデザインに仕上がっている。

「懐かしの家電コレクション」

 超音響ステレオ「飛鳥」は日本間・洋間の両方にマッチすることを主眼に開発された。いわゆる家具調家電の先駆けとなった点で、日本のインテリア史の「証人」とも言える商品だ。高度経済成長期を迎えた日本には、建築にも欧米デザインが取り入れられ、従来の畳間と洋間が共存するようになっていった。こうした住宅における「和洋折衷」の変化を背景にした日本のミッドセンチュリーを物語るデザインだ。

 同館は松下電器の創業50周年を記念して1968年、大阪府門真市に開館した。二またソケット、電気アイロンなど、松下電器の成長を支えた伝説の商品を展示していて、家電の歴史を振り返るにはうってつけの施設だ。松下幸之助氏の足跡や人間像を紹介した展示も充実している。

家電リサイクル、メーカーも負担…改正素案、経産・環境省大筋了承

2007/10/31 FujiSankei Business i.

 経済産業省と環境省は30日、家電リサイクル法に関する審議会の合同会合を開き、同法改正の報告書案(素案)を大筋で了承した。不法投棄された家電製品について、家電メーカーにも一定の処理費用の負担を求め、リサイクルの対象を液晶・プラズマテレビと衣類乾燥機にまで拡大すべきとしている。両省は次回の会合で報告書をとりまとめ、家電リサイクル法改正案を来年の次期通常国会に提出する方針だ。

 報告書案では、不法投棄された家電製品について、現在は自治体が全額負担している処理費用をメーカー側にも負担させることを明記。これにより、不法投棄防止に向けたメーカー側の責任を明確にした。

 また、リサイクル料金の割高感が不法投棄が絶えない一因との判断から、メーカーにリサイクル料金の引き下げを要求。合わせて同料金の算定根拠となるコストの内訳を公表するよう求めた。

 現行の家電リサイクル法の対象であるエアコンや洗濯機、テレビ、冷蔵・冷凍庫については、廃棄時に消費者が2500〜4800円程度のリサイクル料金を量販店などを通じてメーカーに支払っている。同法施行以降、値下げしたのはエアコン(500円)だけ。

 メーカー側はこれまで収益の圧迫要因になるなどとして、新たな費用負担には消極的だった。

 30日の会合では一部の委員から「不法投棄を防ぐのは生産者の責任でもあり、メーカーが費用負担するのは当然」との意見が出るなど、メーカーへの風当たりが厳しかった。

 このため、不法投棄が多いテレビや、リサイクル料金が高い冷蔵庫などで料金引き下げに応じることになった。このほか、小売業者に対し、廃家電を引き取ったり、引き渡す際のチェック体制の強化を求めた。

家電リサイクル、料金後払い維持で合意

2007年10月30日 asahi.com

 家電リサイクル制度の見直しを検討している経済産業、環境両省の合同審議会は30日、リサイクル料金の後払い方式を維持する方向で大筋合意した。薄型テレビを対象に加えるなど見直し案の骨格でも、ほぼ一致した。

 現行制度は、ブラウン管テレビなど4品目が対象。小売店に収集・運搬、メーカーにはリサイクルの義務を課し、消費者が廃家電を引き取ってもらう際にリサイクル料と収集・運搬料を負担する後払い方式だ。

 審議会では、不法投棄防止などを狙いに「購入時にリサイクル料金を支払う前払い方式に変えるべきだ」との意見もあったが、「販売済み家電への対応が難しい」などの欠点も指摘され、変更は見送られた。

 廃家電が法律で定められるルート以外に横流しされるのを防いだり、リサイクル料金の透明化を進めたりする政策を優先すべきだとの意見が強まったことも影響した。

コジマ、ずさん報告書・リサイクル廃家電紛失で

2007/10/30 NIKKEI NET

 顧客から回収した約3000台の廃家電を紛失したとして、家電量販大手のコジマが家電リサイクル法(引渡義務)違反で経済産業省と環境省から是正勧告を受けた問題で、同社が30日に両省に提出した報告書の内容がずさんで、両省から異例の追加報告を求められていたことが分かった。

 コジマを巡っては環境省などの調査で、愛知、岐阜県の10店で2004年から約3年間、顧客から料金を受け取って回収した約3000台の廃家電が行方不明になっていたことが判明した。

廃家電と中古品を選別 環境・経産省、リサイクル指針

2007/10/29 FujiSankei Business i.

 環境、経済産業両省は、小売店が消費者から使用済みの家電を引き取る際、リサイクル料金を受け取って資源化する「廃家電」と、製品として再使用可能な「中古品」を明確に選別するよう小売店向けの指針を策定することを決めた。

 本来、リサイクルに回す廃家電として扱うべき製品を、家電リサイクル法に反して中古品として引き取り、横流しするなどの違法行為が相次いでいることから、対策を急ぐことにした。

 両省の合同審議会が年内にまとめる報告書に盛り込み、来年から指針の策定作業に入る。

 指針では、小売店に対し、引き取る家電の製造年や電源、汚れなどの状態を点検するように規定。例えば製造から一定の年数以内であれば中古品、電源が入らなければ廃家電とするなど、家電を仕分ける基準を設ける。

 環境省によると、小売店の中には、使用済みの家電を中古品として無料や少額で引き取りながら、中古品販売業者ではなくスクラップ業者に売り渡しているケースがあるという。

 廃家電をめぐっては横流しや紛失問題が相次ぎ、これまでに家電量販店大手「コジマ」など10社が、両省から是正勧告を受けている。

リサイクル家電、横流し防止へ指針・経産省

2007/09/30 NIKKEI NET

 経済産業省は家電リサイクル法に違反した廃家電の横流しを防ぐため、家電量販店向けの指針を作る。量販店が消費者から廃家電を引き取る際、リサイクルに回すか中古市場に回すかを明確にする仕分けルールを設け、資源回収業者などへの横流しを防ぐ狙いだ。

 経産省によると家庭などから出る廃家電は年間約2300万台。量販店などが引き取るのは約1700万台で、中古市場に回るのは約4割。ただ資材価格の高騰などを背景に、この一部が資源回収業者に横流しされている恐れがある。

家電リサイクル、薄型テレビと衣類乾燥機を追加

2007/08/30 NIKKEI NET

 経済産業省と環境省は31日、家電リサイクル法に関する合同審議会を開き、メーカーに使用済み家電の再資源化を義務付ける品目に液晶・プラズマテレビと衣類乾燥機を加えることを正式に決めた。不法投棄を減らし、プラスチックや希少金属などの効率回収につなげる。今年度中にも政令改正する。

 現在はブラウン管テレビ、冷蔵・冷凍庫、エアコン、洗濯機の4品目が対象。審議会は品目追加の理由について、今後廃棄量の増加が見込まれることや、小売店による配送率が高く、買い替え時に廃棄品を引き取りやすいことなどを指摘した。

 対象品目拡大について家電量販店では「環境対策の費用負担に対する消費者の理解は高まっており、2001年の導入時も影響はなかった」(ケーズホールディングス)と消費への影響は少ないとの見方が大勢を占めている。

家電リサイクル 消費者の意識改革も必要だ

2007/08/23 琉球新報

 環境省と経済産業省の合同審議会は家電リサイクル法に基づき、消費者が負担しているリサイクル料金を引き下げることで合意した。値下げ幅や実施時期は、両省とメーカー側が協議して決める。

 現行のリサイクル料は高すぎるとの声もあり、値下げは歓迎すべきことである。不法投棄防止対策としては一歩前進したとの見方もできるが、実効性は不透明と言わざるを得ない。

 リサイクルされる家電は全体の半分程度で、それ以外はリサイクル料金負担を逃れるために、不法投棄されているとの指摘がある。不法投棄はここ2、3年は減少傾向だが、家電リサイクル法施行前に比べると、3割程度増えている。

 リサイクルが義務付けられた廃家電4品目の05年度の不法投棄台数は前年度比で10%減少したものの、それでも15万5379台もある。

 家電リサイクル法が浸透したとは言い難い。料金を大幅に引き下げない限り、実効性はあまり期待できないのではないか。

 引き下げと併せて徴収方法を工夫し、消費者や小売店の啓発強化にも取り組まなければ、限定的な効果にとどまる可能性が高い。

 支払い方式については、市町村は「負担感が少なく、メーカーの回収率が向上する」として購入時に徴収する前払い方式を求めている。メーカー側は「家電が使用済みになる10年後のリサイクルコストを見通して料金を設定するのは難しい」と消極的だ。

 自動車リサイクル法では、リサイクル料金は原則として前払いである。自動車でできて家電ができないことはないだろう。

 家電量販店が消費者から回収した使用済み家電をメーカーに引き渡していなかったり、行方が分からなくなったなどの事例もある。小売店への家電リサイクル法の周知もあらためて徹底する必要がある。

 家電の不法投棄は景観を損なうだけでなく、重金属などの有害物質による土壌汚染など、環境への重大な影響が予想される。消費者はそのことを十分に認識し、法を順守する必要がある。

経産・環境省、家電リサイクル料金引き下げ要請へ

2007年08月22日/日本経済新聞 朝刊

 経済産業省と環境省は21日、家電リサイクル法に関する合同審議会を開き、消費者が家電の廃棄時に払うリサイクル料金を下げる必要があるとの認識で一致した。両省は近く、家電メーカーに値下げを要請する。メーカー側は下げ幅を決めた上で、来年にも実施する見通しだ。家電の不法投棄は年間約15万台と高止まりしており、消費者の負担を減らし、法律に沿ったリサイクルを促す。

 現在は家電リサイクル法で指定する家電4品目(エアコン、テレビ、冷蔵・冷凍庫、洗濯機)について、消費者は買い替えなど廃棄時に約2500―4800円(消費税込み)のリサイクル料金をメーカーに払っている。審議会は特にリサイクル料金が高い冷蔵庫と不法投棄の多いテレビで引き下げが必要と指摘した。

廃棄物扱いで輸入規制も 香港から中古テレビ返送増

2007年07月21日 中国新聞ニュース

 環境、経済産業の両省が、日本から香港へ大量輸出している製造後5年以上の中古ブラウン管テレビやパソコンモニターについて「香港当局から鉛を含有する有害廃棄物と見なされ、輸入規制される恐れがある」と関係業界、団体に注意を促していることが21日分かった。今年に入り、輸入が認められず積み荷が日本へ返送されるケースが急増していることを受け、文書を発している。

 香港はテレビだけで年間100万台以上を日本から買い入れる最大の中古家電輸出先で、関係者は「製造後5年未満のブラウン管テレビなどは数が少なく、事実上、輸出が困難になる」(埼玉県の中古家電輸出業者)と懸念。規制が他国へも広がり、大量の中古品が国内に滞留すれば、リサイクルや廃棄物処理の流れにも影響が及びそうだ。

 両省によると、香港特別行政府は昨年4月、「電子廃棄物の不法越境・移動は地球規模の問題」として、中古家電の名目で廃棄物を流入させない対策を打ち出した。

使用済み家庭用パソコンの回収7%増――06年度、伸びは鈍化

2007年04月11日 NIKKEI NET IT Plus

 パソコン3R推進センター(東京・千代田)は11日、メーカーが回収した使用済み家庭用パソコンの台数は2006年度が前年度比7%増の31万864台だった。家庭用パソコンのリサイクル制度が始まった03年以降3年連続で増えたものの、伸び率は大幅に縮小した。

 部品に含まれる希少金属(レアメタル)の価格高騰で廃棄物回収業者による引き取りが増えたことや、米マイクロソフトの新しいパソコン用基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」発売前後のパソコンの買い控えが要因とみられる。

 今後は、無償回収の対象となるリサイクル制度開始以降に販売された「PCリサイクルマーク」付きのパソコンが徐々に増えるため、「メーカーによる回収量は増加する見通し」(同センター)だ。

経産省、PSE運用緩和 中古品の販売、当面容認

2006/03/24 The Sankei Shimbun

 電気用品安全法(電安法)によって4月からPSEマークのない古い家電製品などの販売が禁止される問題で、経済産業省は24日、当面はマークがない中古製品も「レンタル」とみなすことで販売継続を認めるなどの新たな対応策をとると発表した。

 経産省は同日、リサイクル業者らの団体「PSE問題を考える会」と同省で話し合いの場を持ち、業者の多くは4月1日までに絶縁検査機器を入手することが困難と判断。マークのない未検査の製品の販売を容認する方針を伝えた。

 レンタル扱いとした中古品は、検査体制が整うのを待って業者が安全性を点検、PSEマークを付与する。

 同省はこのほか、PSEマークのない中古製品を海外に販売しやすくするため輸出業者にはマークがなくても販売を認める。検査機器の無償貸し出しや、PSEマーク取得の届け出方法の講習会の開催などの支援策も拡充する。

 両者は会談後にそろって記者会見し、経産省の福田秀敬・消費経済政策課長は「リサイクル業者が4月以降も営業を続けられるよう、現場の知恵を受け入れた」と説明。考える会の小川浩一郎代表は「事実上、(販売禁止の)猶予期間延長を勝ち取った」と話した。

 電安法は家電製品などの事故を防ぐため、製造・販売業者に安全性の確保を義務付ける法律。今年4月以降、PSEマークがない製品は販売できなくなる。

 これに対し、リサイクル業者らは「法の施行が周知徹底されていない」「資源の有効利用の考えに逆行する」などと反発していたが、今回、業者側が経産省と一定の“和解”に達したことで、混乱は終息に向かう可能性が強まった。

音楽家ら中古品除外訴える PSEマーク問題でデモ 2006/03/19 The Sankei Shimbun

 電気用品安全法の基準に適合したことを示す、PSEマークのない中古家電が4月から販売できなくなる問題で、音楽関係者や環境保護団体などが19日、東京都内で同法に反対する集会を開催、ジャズの演奏をしながらデモ行進し、中古品の適用除外を訴えた。

 集会では、ジャズバンドリーダーの川村秀吉(かわむら・ひでよし)さんが、希少価値の高い電子楽器や音響機器だけが対象外になることに「価値が高い低いと安全は次元が違うはずだ。すべての中古品を対象外にしてほしい」と訴えた。

 「PSE法の改正を求めます」実行委員会の荒井哲夫(あらい・てつお)代表は「中古品適用はゴミを増やすばかりだ。もったいないという精神を持ってほしい」と話した。

 約50人が「全中古品を除外せよ」「PSE法執行反対」などと書いたプラカードを掲げJR御徒町駅付近をデモ行進した。

PSE法、施行後混乱なら救済措置も 二階経産相

2006/03/18 The Sankei Shimbun

 二階俊博(にかい・としひろ)経済産業相は18日、電気用品安全法の安全基準適合を示すPSEマークのない中古の家電や楽器などが4月から販売できなくなる問題について「このまま4月を迎え、あらたに救済が必要なら対応する」と話し、法施行後も混乱が収まらない場合には柔軟に対処する考えを示した。

 二階経産相は、大阪府東大阪市で開いたタウンミーティングに出席し「4月までにほとんどの問題が解決できるよう頑張っている」と、制度導入は予定通り実施する考えを強調。一方、その後の記者会見で、中古家電の安全性を検査する場所を、現在決まっている500カ所よりさらに増やすことも検討課題として挙げた。

 制度導入に関し、リサイクル業者らは周知が不十分などとして、制度適用を新製品に限るか、施行を延期するよう要求して反対行動を相次ぎ展開。小池百合子(こいけ・ゆりこ)環境相も経産省のPR不足を指摘するなど批判が高まっている。

 そのため、経産省は希少価値が高い電子楽器や音響機器の一部を対象から除外することを決め、中古製品の検査場所も約20カ所から500カ所へ大幅に増やすことを余儀なくされたばかりだった。

PSE法、ビンテージ楽器は「例外」に

2006年03月14日 ITmedia News

「PSEマーク」なしの家電などが4月から販売できなくなる問題で、経済産業省は3月14日、“ビンテージ物”のアンプなど希少価値の高い電子楽器を同法の「例外」とし、PSEマークなしでも簡単な手続きで売買可能にすると発表した。

 電気用品安全法(PSE法)に適合したことを示す「PSEマーク」なしの家電などが4月から販売できなくなる問題で(関連記事参照)、経済産業省は3月14日、“ビンテージ物”のアンプなど希少価値の高い電子楽器などを同法の「例外」とし、PSEマークなしでも簡単な手続きで売買可能にすると発表した。中古品販売事業者が中古品にPSEマークを添付する場合の手続きも簡素化する。

 新たに、ビンテージ物の機器に限り、申請を受けて審査を行った上で例外と認定し、PSEマークなしでも販売できる「特別認証制度」を設けた。

 対象は、電子楽器、音響機器と、写真焼き付け機、写真引き延ばし機、写真引き延ばし用ランプハウス、映写機で、(1)既に生産が終了しており、他の電気用品で代替不可能で希少価値が高いと認められる、(2)旧法(電気用品取締法)に基づく表示などがある、(3)取り扱いに慣れた人に対して国内で販売する――という条件にあてはまると認定された場合。例外申請の方法や審査基準の詳細については今後詰めるとしている。

 PSEマークは、中古品販売事業者でも製造事業者として登録し、自主検査を行えば添付できる。経産省は、添付に必要な届け出書類を簡素化するほか、全国500カ所以上で検査を受けられる体制を遅くとも6月までに整え、中古事業者の負担を軽減するとしている。

 製品技術基盤機構などで検査用機器の無料貸し出しを行うほか、電気保安協会などの協力を得て今後半年間、出張検査サービスを無料で提供する。都道府県や市町村の公設試験所にも受託検査の実施や機器貸し出しなどを要請し、民間団体にも協力を仰ぐ。

 相談窓口体制も強化するほか、新聞やテレビで告知したり、パンフレットを配布するなど、周知に取り組むとしている。

 PSE法については、経産省の中古事業者に対する周知が不徹底だった上、新品では代替の効かないビンテージ物の楽器や、旧法で安全性を担保された機器も販売できなくなるなど問題点が指摘されており、中古事業者や消費者から反発の声が上がっていた。

貴重な電子楽器など一部適用除外 PSE問題で経産省

2006/03/14 The Sankei Shimbun

 電気用品安全法に基づく安全基準に適合したことを示すPSEマークのない中古家電が4月から販売できなくなる問題で、経済産業省は14日、希少価値が高いシンセサイザーやステレオ、真空管アンプなどの電子楽器や音響機器の一部を除外する、と発表した。

 PSEマークの対象となる一般の中古家電商品の安全性を検査する場所を現在の約20カ所から500カ所に拡大することも明らかにした。

 「楽器取引が制限されるため音楽文化が破壊される」「猶予期間が短すぎる」など業者や音楽愛好家からの強い反発の声に配慮した。

 マークを付けなくても販売できるのは、希少価値の高い、電子楽器、音響機器のほか、写真の焼き付け機や映写機など。既に生産が終了していることや、取り扱いに慣れた者に対して国内で販売することなどの条件を満たす必要がある。

 このほか中古業者の負担を軽減するため、マークの取得に必要な届け出書類を簡素化。業者のPSEマーク取得を支援する目的で、独立行政法人の産業技術総合研究所を通して検査機器を無料で貸し出す。電気保安協会などの協力を得て業者への出張検査も無料で実施する。

 政府は民間の自主検査で製品の安全性を確保する趣旨で同法を2001年に施行。5年の猶予期間を経て4月1日から新制度がスタートするが「周知が徹底されていない」などと批判の声が出ていた。

経産省の広報不足を批判 環境相、PSEマークで

2006/03/10 The Sankei Shimbun

 小池百合子環境相は10日の閣議後の記者会見で、電気用品安全法に基づく安全基準に適合したことを示す「PSE」マークのない中古を含む家電製品の販売が4月から禁止される問題について「4月からのスタートがあまり広く知られていない。もう一度(法の)中身をしっかりPRすることが必要だ」と述べ、所管する経済産業省の対応を批判した。

 ただ環境相は「スタートを変えると別の混乱が生じる。環境省としては、(中古家電の)不法投棄がないかしっかり見ていきたい」と述べた。

 2001年施行の電気用品安全法は、PSEマークがない家電製品のうちレコードプレーヤーや冷蔵庫、洗濯機など259品目を4月から中古も含めて販売禁止とする。

 これに対し、中古家電のリサイクル業者や音楽愛好家らが中古品を販売禁止対象から外すなどの見直しを国に求めている。

中古品は「PSE」除外を 販売業者らが集会

2006/03/09 The Sankei Shimbun

 4月から国の安全基準に適合していることを示す「PSE」マークがない一部家電製品の販売が禁止され、中古家電の取引が大きく制限されることを受け、業者や音楽愛好家らが9日、東京・永田町の衆議院第二議員会館で集会を開き、中古品を規制対象から外すなどの見直しを国に求めた。

 「PSE」マークは2001年施行の電気用品安全法に基づくもので、製造事業者が自主検査で基準に適合するか確認して付ける。対象は450品目でマークがない製品は5―10年の猶予期間を経て販売禁止(使用、貸与などは可能)。今月いっぱいで猶予期間が切れるのは電子楽器やテレビ、冷蔵庫、洗濯機など259品目。

 集会には約150人が参加。中古家電を扱う業者からは「死活問題」「このままでは大量のごみが出る」と悲鳴に近い声が上がり、東京・秋葉原で夫と中古オーディオ専門店を営む小川道子(おがわ・みちこ)さん(55)は「商品のほとんどにPSEマークはない。2人の店員を解雇し、レンタルに切り替える」と窮状を訴えた。

 京都市に住む音楽愛好家の中山義也(なかやま・よしや)さん(42)も「音楽を始める時は誰もが中古の楽器を買い、そんな人たちが音楽業界を支えていく。これをどう考えるのか」と問題提起。「日本の音楽文化の危機」の声も出た。

 集会に参加した業者のほとんどは、4月からの販売禁止を最近まで知らず、経済産業省のPR不足への批判も相次いだ。

中古家電販売規制 4月から実施 電安法に困惑 リサイクル業者ら「最近知った」

2006/02/22 The Sankei Shimbun

 今年四月から実施される電気用品安全法(電安法)の販売規制が波紋を広げている。PSEマークのない平成十三年以前に製造された冷蔵庫、洗濯機、テレビなどの中古家電が事実上、販売できなくなるため、リサイクル業者らは「廃業しろといわれたに等しい」と反発。法令の見直しを求める運動を立ち上げた。経済産業省は「法律に問題はない」として理解を求めるが、リサイクル品や粗大ゴミの流通ルートは早くも混乱の様相を見せ、解決策を求める声は強まるばかりだ。

≪“矛盾”を指摘≫

 従来の電気用品取締法では、行政機関による事前の安全認可が義務付けられていたが、製品事故の減少や、規制緩和、貿易障壁撤廃という時代の要請を受け、届け出制の電安法に改正された。

 その販売規制が、五年の猶予期間を経て今年四月から段階的に実施される。リサイクル業者にとっては、法施行前に製造された中古品が販売できなくなる。

 今月中旬、リサイクル業者らによる「PSE問題を考える会」を発足させた小川浩一郎さんは、「多くの業者が最近まで法改正を知らなかった」と経産省の周知不徹底を批判する。小川さんはホテルなどから中古家電を数百台単位で引き取ってリサイクル店に卸している。今年は八月まで仕入れの予定があったが、今月になって法改正を知り急遽(きゅうきょ)キャンセルした。

 「まだ使える多くの製品が粗大ゴミになる」。小川さんは不条理さを訴えるとともに、「今まで問題なく販売できた製品を、なぜ急に販売禁止にするのか」と法律の“矛盾”も指摘する。

≪メーカー苦慮≫

 リサイクル業者は今後、PSE表示がない中古家電製品について (1)設計図面を入手するなどして安全確認し、自らPSEマークを付けて販売する (2)規制対象外の輸出販売に回す (3)リースする −などの手段で合法的に扱うこともできるが、いずれもコスト上昇や業態変更を強いられ、苦渋の選択となりそうだ。

 家電メーカー側は「対象機種にはすでにPSEマークを入れて製造している」(松下電器産業)と静観の構えだが、今後、マーク表示がない中古品が出回れば、製品の不具合の責任の所在があいまいになるという問題も抱える。電安法では製品を販売したリサイクル店に責任が生じるものの、「道義的な責任は避けられない」(電機大手)ため、各社とも対応に苦慮している。

≪問い合わせ増≫

 経産省には電安法への問い合わせが昨年末から急増。延べ二千件に及び、一日百五十件に達することもあるという。

 リサイクル業者らは今後、法改正の影響を緩和するため、PSEマーク表示のない製品を販売できる猶予期間の延長を求め、政治家にも働きかける構えだ。

 小川さんは「売り物になるのは製造後六、七年まで。猶予期間が一、二年伸びれば、中古商品のほとんどがPSEマーク付きとなり、問題はおのずと解消される」と提案する。

 猶予期間の延長は「法改正にきちんと対応している事業者に不利益を与えかねない」として見送られた経緯があるが、二階俊博経産相は「いかなる対応が適切か、検討してみたい」などと述べており、四月の施行まで、ギリギリの検討が続く可能性もある。

                  ◇

【用語解説】電気用品安全法

 家電製品などの事故を防ぐため、製造・販売業者に安全性の確保を義務付ける法律。対象の447品目は、製造業者と輸入業者が事前に検査し、PSEマークをつけて出荷する。販売業者はマークのない製品は販売できない。違反には懲役・罰金刑もあるが、個人取引や輸出は適用外。平成13年4月に施行。販売規制には品目ごとに5年、7年、10年の猶予期間がある。

中古の電化製品売買、必要なマーク 「PSEマーク」にご注意を!

2006/02/17 The Sankei Shimbun【東京朝刊から】

 電化製品の中古販売が変わろうとしている。今春の電気用品安全法の完全施行に伴い、新基準に適合したことを示す「PSEマーク」がない電化製品の製造・販売が禁止されるためだ。マークのない製品は店頭に並ばないことはもちろん、リサイクル店で買い取ってももらえなくなる。一部リサイクル店では「在庫処分セール」も始まっているが、法律そのものの消費者の認知度はきわめて低いのが現状だ。(森浩)

 ≪在庫一掃も≫

 「PSEマークのない製品は買い取りません」−。全国でチェーン展開するリサイクル店「ハードオフ」(新潟)は1日から、全店でPSEマークの付いていない電化製品の買い取りを中止した。それに伴い、マークのないDVDプレーヤーやレコードプレーヤーなどを最大半額で売る“在庫一掃セール”を開始した。

 4月から、PSEマークがない製品を販売できなくなるため、「3月中に在庫を売り切ってしまおう」という考えだ。「お客さまからも『こんなこと、いつの間に決まったの?』という声が聞こえてきます」(同社広報の長橋健さん)

 特に打撃を感じているのは中古楽器店だ。楽器店「石橋楽器店」(東京)では、1950年代のギターアンプや初期のシンセサイザーなど、マニア垂涎(すいぜん)の品が並ぶ。だが、これら骨董(こっとう)品的価値を持つ電気を使用する楽器やオーディオも、PSEマークが付いていないため、販売できなくなる。もちろん愛好家がコレクションを店頭に持ち込んでも、買い取ってもらうことはできない。

 「古い楽器は文化の一部。それを売ってはいけないとなると、打撃は相当なもの」と担当者はため息を漏らした。

 ≪例外も多数≫

 PSEマークは、平成13年の電気用品安全法の成立で採用が決まった。本格施行となる今年4月からはPSEマークのない電化製品は、販売・流通させることができなくなる。13年以降に発売された電化製品の多くに付いているが、それ以前のものはまったくない。したがって、古い電化製品は流通できなくなる。

 導入される理由は、「規制緩和」だ。これまで電化製品は発売前の段階で国に登録し、安全性などの検査(事前規制)を受け、合格後に製造・販売の認可を受けるシステムになっていたが、この規制が撤廃された。

 これに伴い、メーカーの独自試験や民間の第三者機関の試験をパスすれば、流通させることができるようになった。「(中古市場で)マークのある製品とない製品が混在すると、消費者が混乱する。そこで、マークのないものは流通させてはいけません、ということになったのです」と同法を担当する経済産業省製品安全課は解説する。

 同法は、原則として家庭用コンセントから電気を受ける多くの家電製品を対象としている。だが、すべての電化製品が対象になるかといえばそうではない。「リユース度が高い」などの理由からパソコンや電話機は法律そのものの対象外となっていて、PSEマークがなくても売買できる。このように商品ごとに細かく分かれていることが「ややこしさ」を招いている。

 ≪もったいない≫

 ただ個人的に売買することや譲渡することは問題ない。経産省製品安全課課長補佐の角井和久さんは「法の周知が不足していたかもしれない」としたうえで、リサイクル店などが買い取れなくなることや、マークの付いていない中古品が購入できなくなることについては「ご理解いただくしかない」としている。

 「“もったいない”の精神」と対立するという声もある。消費生活アドバイザーでもある富士常葉大学の松田美夜子教授(環境学)は、「リサイクル、リユースの観点から、マークのない中古品の流通をすべて止めるのは問題ではないか。安全性が担保されていれば、流通を認めるなどしなければ、いらないものはすべて捨てるということに繋(つな)がってしまう」と話している。

  ■PSEマーク Product Safety Electrical Appliance and Materialの略。国内で製造・販売、または輸入・販売される電化製品について、電気用品安全法が定める安全基準を満たしている製品につけられる。

中古PC、ブランド化して再生販売 日本IBM

2003-07-02 Mainichi INTERACTIVE

 日本IBMは2日、ThinkPadなど同社製のリース利用の使用済みパソコンを回収・再生した「IBM リフレッシュ PC」の販売を始めたと発表した。中古パソコンの再生、再販売は93年から行っているが、一定レベル以上の使用が可能であることを検証し、中古といえどもブランド化して再販売する狙いがある。

 IBMリフレッシュPCは、ソフマップ、ツクモ、上新電機など中古品を取り扱うパソコン量販店13社で販売している。対象になるのはリース利用だけで、リース期間が3年から5年使用のものが中心になる。

 同社の使用済みパソコン再生施設、リユース・センター(神奈川県藤沢市)で、企業などから排出された良質なパソコンについて外観クリーニングや稼動確認を行って再生する。同社の品質基準を確保し、新品並みの外観処理や包装を行って、IBMリフレッシュPC専用マークをパソコンに添付して販売する。

 購入後のバックアップとして、パソコン設置やOSの基本操作、セットアップ支援などを電話で行う「IBM リフレッシュ PCヘルプセンター」を新たに開設。質問1件当たり4000円で対応する。再生品のためメーカー保証はない。

 同社は「中古パソコンの市場は2台目としてのニーズの高まりなどから、ここ数年伸びている。ブランド化することで、ユーザーに安心して利用していただきたい」として、中古市場での同社製品を差別化する考えを示した。(鈴木 隆)

富士通も3000−7000円 使用済みPCの消費者負担額

2003年07月01日 The Sankei Shimbun

 富士通は1日、10月から使用済みパソコンの回収が義務付けられるのに伴い、家庭用パソコン1台当たりの消費者負担額を3000−7000円にすると発表した。

 デスクトップ型本体が3000円、ブラウン管ディスプレーは4000円。液晶ディスプレーやノートパソコンなどは各3000円。

 NECが既に公表している費用と同額で、東芝やソニーなど他のメーカーも追随しそうだ。

<PC回収に3千−7千円 NEC

2003年06月27日 The Sankei Shimbun

 NECは27日、資源有効利用促進法に基づいて10月から義務付けられる使用済み家庭用パソコン(PC)の回収に際し消費者が支払う料金を1台当たり3000−7000円にすることを決めたと発表した。10月以前に販売したパソコンが対象で、10月以降の新商品は販売時に回収費用が上乗せされる。このため、値上げにつながる可能性が高くパソコン販売の低迷が長引くことも予想される。

 NECが発表した回収費用は、ノート型が1台当たり3000円。デスクトップ型は本体が3000円で、ディスプレーが液晶なら3000円、ブラウン管(CRT)の場合は4000円(いずれも税別)が別途必要で最高計7000円となる。富士通やソニーなども同程度の費用を請求する見込み。

 回収は資源有効利用促進法に基づき義務化されるもので、リサイクル率を高める狙いがある。消費者が電話やネットでNECに回収を申し込み、料金の振り込み後に届く日本郵政公社の「ゆうパック伝票」を付けて郵便局に持ち込むか戸口での回収を依頼する。

 ただ現在、パソコンを粗大ごみとして処分すると、東京都目黒区の場合で500−1400円。このため、10月までに駆け込み的に粗大ごみとして処分したり、不法投棄が増えるといった弊害が出る可能性も指摘されている。

不要PC、郵便局員が回収 メーカー21社と公社提携

2003/04/06 Asahi.com

 国内外の主要パソコンメーカー21社は10月から、日本郵政公社と提携し、いらなくなった家庭用パソコンを共同で回収することを決めた。2万カ所以上の郵便局の職員が引き取りに来て、集荷・分類し、リサイクル施設に送る。郵便局のネットワークを使うことで、離島も含め全国均一のサービスを低コストで実現するねらいだ。

 資源有効利用促進法で使用済み家庭用パソコンも、10月からリサイクルがメーカーに義務づけられるのに伴い、メーカーと経済産業省、環境省で回収方法を検討していた。参加するのは、NEC、富士通、東芝、ソニーなどの国内メーカーや、アップルコンピュータ、デルコンピュータなどで、国内の家庭用パソコンの95%以上を占める。

 対象はノートブック型やデスクトップ型パソコンとモニター。消費者はメーカーに連絡し、機種名などを伝えて郵送用伝票を受け取る。そのうえで最寄りの郵便局(簡易局を除く)の郵便局員に引き取りに来てもらう。直接郵便局に持ち込むこともできる。

 集まったパソコンはメーカーごとに分別され、各社のリサイクル施設に郵送する。従来は自治体が粗大ごみとして収集、リサイクルせずに埋め立てていたのがほとんどだった。

 10月以降に販売されるパソコンは、処理費が販売価格に上乗せされるため、回収時にお金を払う必要はないが、それ以前に買ったパソコンは、消費者が回収時に処理費を支払う「後払い方式」となる。処理費は各メーカーごとに決めるが、1000〜3000円程度とみられる。

 家庭用パソコンの廃棄量は現在の年間約1万トンから、2010年に4万トン、15年には8万トン近くに増えると予測される。システムが軌道に乗れば、参加するメーカーはさらに増える見通しだ。業務用パソコンは01年4月から、リサイクルが義務づけられている。


家電リサイクル:前年度比24%増 02年度実績

2003年05月12日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE

 家電製品協会は12日、家電リサイクル法に基づく4製品(エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機)の02年度のリサイクル実績を公表した。家電メーカーが回収・処理した製品の総重量は38万6858トンで、このうち前年度比24%増となる26万2822トンの部品・材料がリサイクルされた。オゾン層の破壊につながるフロンの回収量はエアコンと冷蔵庫合わせ1040トンで、同72%増になった。

 同法は01年4月に施行された。リサイクル量を回収量で割ったリサイクル率は、エアコン78%(前年度78%)▽テレビ75%(同73%)▽冷蔵庫61%(同59%)▽洗濯機60%(同56%)――だった。【永山悦子】

手分解、小業者でじわり 家電リサイクル法、4月で施行2年に

2003年03月 asahi.com エコライフ

 不要になった家電製品のリサイクルを義務づけた特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)が施行されて、この4月で2年になります。メーカー系の大工場での処理が主流ですが、人が手で分解し、少ないエネルギーで高いリサイクル率を実現する、小規模な再生事業者の動きも活発になってきました。(篠島真哉)

 ○大工場 破砕機を利用、再生率に限界
 処理方法変更、今は困難

 エアコンを買い替えるため、郵便局で家電リサイクル券を買った。処理費3500円、運搬費2500円。宅配便の伝票に似た5枚重ねの券を据え付けに来た業者に渡し、古いエアコンを引き取ってもらった。

 手元に残る券の「控え」の管理番号を家電リサイクル券センター(電話0120・319640)に伝えると、引き取られた機械の行方を調べてくれる。

 エアコンは東京都内の我が家から、千葉県市川市の「東浜リサイクルセンター」へ運ばれていた。同センターは三菱電機など8社が出資するハイパーサイクルシステムズ社が運営する。敷地約1万5000平方メートル。家電4品目以外に、OA機器や自販機なども扱う。年間約75万台を処理し、繁忙期には200人近くが働いている。

 家電などはまず手作業で大まかに解体される。エアコンからはコンプレッサーなどを取り出し、フロンなど有害物質を除く。その後、破砕機へ投入。数センチから数ミリの破片にして選別機にかけ、風力、磁力、静電気で、各種の金属やプラスチック類などに分ける。同社のリサイクル率はエアコン79%、テレビ79%、冷蔵庫61%、洗濯機57%という。

 菱孝社長は「機械を丸ごと破砕してから分別する今のやり方では、これ以上リサイクル率を上げるのは難しい。しかし、これだけ大量のものを手で分解するのは、人件費を考えるとまだ非現実的だ」という。省力化している同センターでも、人件費とリサイクルしきれない分の廃棄費用が大きく、運営は赤字だ。三菱電機が「社会的責任」で補填(ほてん)している。メーカー各社は手で分解しやすいよう家電の設計を見直している。

○小業者 TV99%、エアコン93%再生 動き活発、NPOも設立

 廃棄される家電は、メーカー系大規模施設だけでなく、一般廃棄物処理の許可があれば、小規模な業者でもリサイクルすることができる。

 千葉県東部の8業者は組合を作り、主要メーカーより処理費を100〜1200円安く、運搬費も1000円以下に抑えて取り組んでいる。

 参加業者の1つ「本埜共進」(本埜村)では、倉庫を兼ねた800平方メートルほどの作業場で、家電をすべて手で分解している。働くのは地元に住む知的障害者4人。ねじ回しやペンチなど20種類ほどの工具を使い、1台を15分程度で手際よく分解する。熟練度に応じて支払われる賃金は健常者と同じで、1番高い人の時給は800円だ。

 リサイクル率はエアコン93%、テレビ99%、冷蔵庫75%、洗濯機90%と大型工場よりずっと高い。ビデオ、パソコン、コピー機なども扱い、それらも90%以上だ。

 分解された約40種の素材は、金属精錬業者などに売る。1日160台、約5トンを30人態勢で処理すれば十分採算がとれる事業だと社長の橋本篤志さんは考えている。

 しかし、処理する家電の数が少なく、事業を拡大できない。集める地域を広げるには市町村ごとに許可が必要だ。同社は4市町村で許可を取ったが、手続きが難航することも多いという。

 消費者の誤解も壁だ。「小売店やメーカー以外に頼むのは違法ではないのか」と言われることもある。

 一方、消費者が手分解の業者に依頼したいと考えても、現状では適切な業者を見つけにくい。

 そこで、両者を結びつけようと、東京大学生産技術研究所のスタッフらと業者が昨年9月、特定非営利活動法人(NPO)「市民参加型リサイクル推進協会」を作った。協会が消費者から不要な家電を預かり、それを会員業者に渡して手分解してもらい、費用は消費者が「手間賃」として協会経由で業者に渡すシステムを検討している。近く具体策を話し合う。

 協会の連絡先は、同研究所安井研究室(電話03・5452・6098、内線57799)。代表理事.坂村博康さんのメールアドレスはsakamura@iis.u-tokyo.ac.jp

◇家電リサイクル法 仕組みと実施状況

 家電リサイクル法で、メーカーや小売店は、不要になった家電を引き取り、リサイクルする業者に渡す義務を負っている。対象はブラウン管テレビ、エアコン、洗濯機、冷蔵庫の4品目。重量の一定割合以上を再利用しなければならない。基準はエアコン=60%▽テレビ=55%▽冷蔵庫.洗濯機=50%。

 メーカーは2グループに分かれ、全国に約40ある施設でまとめて扱っている。01年度は計約837万台処理された。処理費や運送費は消費者の負担。メーカーが設定する処理費は洗濯機=2400円▽テレビ=2700円▽エアコン=3500円▽冷蔵庫=4600円程度で、運搬費は数百円〜数千円。

業務用の廃棄パソコン回収、4月から義務づけへ

2001.01.16 asahi.com

 企業など事業者から破棄される業務用パソコンは、今年4月に施行される資源有効利用促進法(改正リサイクル法)に基づきメーカー側に回収が義務づけられる。大手メーカーを中心に準備も進みつつある。しかし、急速に普及する家庭向けのパソコンについては、経済産業省や環境省は2002年度の導入を目指して検討を進めているが、ほとんど手つかずのままだ。

 廃棄量の多い洗濯機やテレビ、エアコン、冷蔵庫の4品目に対しては「家電リサイクル法」が定められ、メーカーによる回収の義務化が今年4月から始まる。経済産業省と環境省は、急増する廃棄パソコンについても、改正リサイクル法の指定品目に加え、回収や再資源化を図る方針を決めている。

 使用済みパソコンの約8割を占める業務用については、今年4月の改正リサイクル法の施行と同時にメーカーに回収義務を負わせる。業務用パソコンのほとんどがリースで、メーカーが回収できる機会が多いことや回収の際に処理費用を徴収することも慣行として定着しつつあり、やりやすいという事情がある。

 メーカーは、企業が使わなくなったパソコンを、自社関連のリサイクル拠点に持ち込み、パソコンの部品分別や再資源化を進めることになる。

 使用済みパソコンの発生量増大に備え、NECや富士通がそれぞれリサイクル拠点を全国に5カ所持つなど、リサイクル網の整備も進んでいる。

 一方、家庭用パソコンのリサイクルは手つかずのままだ。パソコン全体の約2割とはいえ、今後、ますます増えることが予想されている。電子情報技術産業協会によると、1998年度の使用済みパソコンの発生量は4.5万トンだが、2000年度以降は急増し、年間8万トン前後で推移する見通しだ。このうち、家庭用は98年度は8000トン足らずだが、2005年度には2万3000トンを超える見通し。

 現在は、粗大ゴミなどとして自治体が回収、廃棄物処理業者が埋め立て処分しているのが現状で、リサイクルの仕組みが整っていない。

 旧通産省の産業構造審議会の部会などでは昨年末、家庭からの回収の際に処理費用を徴収すべきだ、とするメーカー側と、費用は価格に上乗せすべきだとする学識経験者らとの間で議論が紛糾。細部を詰めきれずに、家庭用の使用済みパソコンのリサイクル義務化が見送られた。

 現在検討されている有力な回収方法は、メーカー側窓口に、消費者が自分で持ち込んだり、宅配業者を使って送ったりして、有料で引き取る案だ。

 すでに、メーカーは回収費用の負担を少なくするために、日本アイ・ビー・エムと日立製作所のように、家庭用パソコンの回収場所の共同利用などで提携する動きも出ている。

 ただ、経済産業省によるとパソコン1台当たりの処理費用は3000―4000円とも試算され、これを嫌ってパソコンが不法投棄される可能性も指摘されている。このため、販売時に処理費用を徴収する案も検討されている。だが、販売への影響や処理費用への消費税の課税問題など制度づくりにはまだ難問が山積している。

消費者負担いくら? 家電リサイクル法、来年4月施行

2000.10.09 asahi.com

 冷蔵庫やテレビなど、使用済み家電4品目の回収をメーカーに義務づける家電リサイクル法が来年4月に施行されるまで半年を切った。メーカーのリサイクル料金は決着したが、小売店や自治体が個別に徴収する収集・運搬料金の額が決まらず、消費者が負担する全体額はまだ見えない。資源やゴミ処理場不足に悩む日本が、家庭から排出される機械製品を再利用する世界でも類のない法律を生かすには、「排出者の応分の負担」を消費者が受け入れるかどうかがカギになりそうだ。

 「ダダダダッ」。粉じんが舞う中、マスクにエプロン姿の女性作業員が、電動ドリルを使い、すすけたテレビの止めネジを外す。千葉県市川市の「東浜リサイクルセンター」。三菱電機と地元の産廃業者などの出資により40億円で建設され、年間60万台の廃家電の処理能力を持つ。

 家電メーカーは「松下電器産業―東芝」の2社連合と「シャープ―日立製作所―三菱―三洋電機―ソニー」の5社連合の2陣営に分かれ、再処理工場や物流網の整備を進めている。

 9月4日、家電最大手の松下は、消費者がメーカーに支払うリサイクル料金を他社に先駆け公表した。料金は各社個別に決める建前だが、他社は「松下より高い料金をつけると販売競争に響く」と、直後に各社同額で決着した。

 だが、大手量販店の上新電機(本店・大阪市)の担当者は「来春の法施行まで収集・運搬料金はなかなか決められない」と話す。

 消費者の負担はリサイクル料金だけでない。自宅からメーカーの指定引き取り場所まで収集・運搬してもらう料金を、小売店や自治体に支払う必要がある。

 上新の場合、今は買い替えの顧客に対し、4品目を一律2000円で引き取り、処理に回している。ところが来春以降、リサイクル料に自店の収集・運搬料金を上乗せするが、顧客には単なる負担増となってしまう。

 「ライバル店が料金をゼロにしたら、赤字覚悟でゼロにする動きが各地で広がる」と、量販店51社が加盟する日本電気大型店協会副会長の佐藤博・サトームセン社長は予測する。

 全国の小売店の数は零細業者を含め10万店ともいわれる。「量販店の値下げ競争で割を食うのは体力の弱い中小業者だ」と都内の小売業界団体の関係者は漏らす。

 負担増を嫌がる消費者が法の施行前に買い替えを急いだり、不法投棄が増えたりするとの懸念も強い。

 一方、消費者が商品を買った店に引き取ってもらえない場合などを想定し、最寄りの市町村も収集の役割を担う。

 現在無料で引き取っている広島市は、収集・運搬料を3000円とする計画だ。だが、「住民への早期周知を重視した」と決定に動いた同市は少数派で、小売店より安い料金をつけると自治体に廃家電が大量に流れてくるとの懸念から、多くの自治体は料金の設定に慎重になっている。

増える一方、廃棄パソコン/リサイクル費用負担で自治体・業界綱引き

2000.09.14 The Sankei Shimbun

 IT(情報技術)革命で、古くなったパソコンはどんどん「ゴミ」になるばかり。特に家庭で不要となったパソコンは、この五年間で約五倍に増えたといわれる。テレビや冷蔵庫など家電製品では、回収、処理、再利用というリサイクルの方法が法令で具体的に決まったが、パソコンについてはこれから。通産、厚生両省が合同で検討会を立ち上げルールづくりを目指しているが、処理にかかる負担をめぐって自治体や業界の間で綱引きも始まった。(安東義隆)

 日本電子工業振興会の最新推計では、使用済みパソコンの発生量は急激に増えており、平成十三年度は八万トン前後になる見通し。なかでも、家庭での発生分の伸びが大きく、五年前に比べ約五倍、五年後には倍増すると推定される。

 厚生省が今年になって市町村を対象に調べたところ、九割以上の市町村がパソコンや関連製品をゴミとして収集しており、デスクトップ型は「粗大ゴミ」として、ノート型や手帳大の携帯端末は「不燃ゴミ」として処理されている傾向が明らかになった。

 こうした中、今年六月、対象品にパソコンを加えた「資源の有効な利用の促進に関する法律」(新リサイクル法)が制定され、来年四月から施行されることになった。

 製造、加工、販売、修理の各段階で(1)設計、修理態勢の充実で製品の長寿命化をはかるなど「発生抑制」(Reduce・リデュース)(2)製品の解体の簡便化、部品の共通化をはかりなど「部品の再使用」(Reuse・リユース)(3)事業者による製品回収を義務化する「原材料としての再利用」(Recycle・リサイクル)−の「3Rの原則」が盛り込まれた。

 すでに業界内では、こうした動きを先取りして、ばらしやすい製品の開発や効率的な回収方法の研究を進めている。

 メーカー二十三社は平成十七年のパソコンの資源再利用率を六〇%にする目標を発表。また、一部のメーカーでは、特定地域に限ってだが自社製品を使用している事業所を対象に、使用済みOA機器を引き取り、関連会社のリサイクルセンターなどで解体、分別作業を始めているところも。

 通産、厚生両省合同の検討会では、有識者に事業者、流通業者、消費者をそれぞれ代表する団体の代表者が委員となり、今後、パソコンのリサイクルを「だれが」「どんな方法で」やるべきかルールを決める。今年中にとりまとめ、パブリックコメント(一般からの意見)募集などを経て来年四月の新法施行に合わせて省令化する予定だ。

 しかし、先月三十一日の初会合では早くも自治体代表の委員が「リサイクルは市町村の負担が大きくなる。市町村が取り組みやすいものにしてほしい。市町村はあくまで補完的な役割を担うものだ」とけん制球を投げた。

 それぞれの団体、業界の利害がからむ話だけに、すんなり決まるかどうかは不透明だ。

家電リサイクル料、同額で大手出そろう

2000.09.08 asahi.com

 シャープは8日、来年4月施行の家電リサイクル法でメーカーに回収が義務づけられている使用済み家電4品目のリサイクル料について、先に発表した各メーカーと同額に決定した。ソニーも同額に決めており、これで家電のリサイクルシステムを構築している大手7社の料金がすべて横並びで出そろった。

 洗濯機は2400円、テレビ2700円、エアコン3500円、冷蔵庫4600円。消費者はメーカーに支払うこの料金に加え、小売業者や自治体が、メーカーの指定取引場所まで収集・運搬する料金を支払う必要がある。料金は今後、業者や自治体ごとに決められる。

東芝が家電リサイクル負担額公表 冷蔵庫4600円

2000.09.05 asahi.com

 東芝は5日、来年4月施行の家電リサイクル法でメーカーに回収が義務づけられた使用済み家電製品4品目について、引き取りの際に消費者に請求する「再商品化等料金」を決めた。冷蔵庫4600円、エアコン3500円など、業界最大手の松下電器産業が公表した金額と同じ。引き取り金は各メーカーが独自に設定する計画だが、回収に必要な全国ネットワークを松下と共通化する東芝は、消費者の混乱を避けるため負担額をそろえた。

 東芝の引き取り料金はほかの2品目についても、洗濯機2400円、テレビ2700円と、松下と同額に決まった。

 家電リサイクルに伴う回収網については、「松下―東芝」と「シャープ―日立製作所―三菱電機―三洋電機―ソニー」の5社連合の大きく2陣営に分かれ、共同で廃家電の引き取り場所や物流網の整備を進めている。

 引き取り料金の設定は各社の判断に任せられ、処理コストとの兼ね合いで決まる建前だが、5社連合の料金設定も「松下や東芝の料金を意識せざるを得ない」と、同水準で決着する、との見方が強まっている。

廃棄物ゼロを相次いで達成

2000年04月25日

 松下電工とシャープは25日、工場や事務所から出る廃棄物の埋め立て処分量をゼロにする「ゼロエミッション」計画の進ちょく状況を相次いで発表した。

 この取り組みは、食品や複写機のメーカーが先行して実施しているが、生産品目が多い電機業界でも広がってきた。ゼロエミッションはメーカーが排出する廃棄物をゼロにして、循環型の産業システムを構築しようという試み。

兵庫に家電リサイクル施設建設へ=松下

2000年01月07日 時事通信社

 松下電器産業は7日、使用済み家電製品の処理やリサイクル技術の研究開発をする施設を兵庫県社町に建設する計画を明らかにした。認可が下り次第、着工し、家電リサイクル法が施行される2001年4月までに本格稼働を目指す。同町には同社の炊飯器工場もある。 

ソニーは一宮に回収拠点

1999年11月13日 共同通信社

ソニーは13日、家電製品の回収と再利用が義務付けられる、通称「家電リサイクル法」の2001年4月の本格施行に向け、使用済みのテレビを集めて分解する拠点施設をソニー一宮に整備する方針を明らかにした。

リサイクル法で、電機各社は各地にリサイクル基地を計画中だが、ソニーが拠点を決めたことで大手メーカーの立地はほぼ出そろうことになる。

中古部品でテレビ再生産

1999年07月08日 共同通信社【フランクフルト共同】

ドイツの名門家電メーカー、グルンディヒは8日、廃棄処分となった中古のテレビ部品をリサイクル活用し、新しいテレビを生産する計画を明らかにした。年末から開始する。

三菱電機が家電業界初のリサイクル工場を稼働

May 12, 1999

 三菱電機は2001年4月施行の家電リサイクル法に備え、家電業界初のリサイクル工場を千葉県市川市に建設し、12日から稼働を始めた。同法施行までは地元自治体から委託を受け、廃家電品などを処理する。その経験をもとに、製品を分解・再利用しやすい設計にしたり、消費者に払ってもらうリサイクル費用の金額を決めたりする。また、同法が対象にしていない断熱材のフロンを回収したり、プラスチックを部品として再利用する技術開発も進めていく。

 エアコンやテレビなど家電4品目のほか、コピー機やパソコンなどの事務用機器も一緒にリサイクルすることによって稼働率を上げ、コスト削減を図る。廃家電品の処理能力は現在、年間30万台だが、2001年には同60万台に増強し、関東地方で回収された廃家電品などを処理する。同年には関東地方で年間600万台の廃家電品が出ると予測されている。

日立が家電リサイクル会社を設立

May 06, 1999

 日立製作所は6日、2001年4月施行の家電リサイクル法に備え、テレビと冷蔵庫、洗濯機、エアコンの4品目を解体・分別処理する会社「関東エコリサイクル」を設立した。栃木県大平町にある日立の栃木事業場にプラントをつくり、北関東の使用済み家電品を回収する。処理能力は年間30万台。新会社の資本金は3億円で日立が100%出資。従業員は50人。

家電リサイクル開始まであと2年=処理施設建設や消費者負担など不透明

1999年05月02日 時事通信社

 使用済み家電製品の回収・再利用をメーカーに義務付ける「家電リサイクル法」の施行を2年後に控え、電機各社が実証実験などに取り組んでいる。だが、処理施設建設や消費者負担といった肝心な課題は依然不透明なまま。今月末から順次決定される細則で明確になるはずだが、残された時間は少なく、今後さらに急ピッチのシステム構築作業を迫られることになりそうだ。

 リサイクルの対象になるのは、冷蔵庫、エアコン、洗濯機、テレビの4品目。これらの使用済み家電は2001年4月から、@小売店が消費者から処理費用を受け取って回収Aメーカーが処理施設で解体、金属などに分別して売却−という順序で処理される。 

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