TOPIC No.2-14a-4 2003年度 原油/石油/ガソリンの価格動向


石油元売り大手5社、卸売価格引き上げへ2003/12/26 読売新聞 Yomiuri On-Line
 新日本石油など石油元売り大手5社は26日、1月からガソリンや灯油などの石油製品の卸売価格を引き上げると発表した。

 原油の調達費が上がっているためで、値上げは会社によって1リットル当たり0・3円―1円となっている。

石油施設へ攻撃相次ぐ 米兵死者200人に2003年12月22日 The Sankei Shimbun
 
 イラク石油省が21日明らかにしたところによると、バグダッドの石油備蓄施設などに20日、反米武装勢力によるとみられる攻撃が相次いだ。大量の石油が炎上、流出し「ガソリン危機」がさらに深刻化する恐れが出ている。

 これに対し、駐留米軍はフセイン元大統領の拘束後、武装勢力の活動が活発な中北部のスンニ・トライアングルで掃討作戦を強化。数十人を逮捕するなど武装勢力の封じ込めに躍起となっている。

 ロイター通信によると、5月1日のブッシュ米大統領による「大規模戦闘終結」宣言以来、攻撃による米兵死者数は21日までに200人となった。

 石油省によると20日未明、バグダッドの石油備蓄施設に複数のロケット弾が撃ち込まれて炎上。同じころ、バグダッドの北約25キロでパイプラインが爆破された。

 北部のティクリートとバイジの間でも同日、石油パイプライン4カ所が攻撃されて炎上したほか、AP通信はバイジとモスルの間で石油パイプラインが炎上と報じた。

 イラクでは「車の増加や供給側の問題など、複合的な要素」(連合軍暫定当局)でガソリンの供給不足が続いており、ガソリンスタンドには連日、給油待ちの列ができている。(共同)

石油施設相次ぎ炎上 ガソリン危機深刻化も イラク

2003年12月21日 The Sankei Shimbun
 イラク石油省が21日明らかにしたところによると、バグダッドの石油備蓄施設などに20日、反米武装勢力によるとみられる攻撃が相次いだ。大量の石油が炎上、流出し「ガソリン危機」がさらに深刻化するおそれがでている。

 同省によると20日未明、バグダッドの石油備蓄施設に複数のロケット弾が撃ち込まれて炎上。同じころ、バグダッドの北約25キロでパイプラインが爆破された。

 また、北部のティクリートとバイジの間でも同日、石油パイプライン4カ所が攻撃されて炎上したほか、AP通信はバイジとモスルの間で石油パイプラインが炎上したと報じた。

 イラクでは「車の増加や供給側の問題など、複合的な要素」(連合軍暫定当局)でガソリンの供給不足が続いており、ガソリンスタンドには連日、給油待ちの列ができている。(共同)

2450万バレルで据え置き 1月以降のOPEC生産量

2003年12月05日 The Sankei Shimbun
 石油輸出国機構(OPEC)は4日、ウィーンの本部で臨時総会を開き、イラクを除く10カ国の原油生産枠を現行の日量2450万バレルのまま来年1月以降も据え置くことで正式合意した。来年2月10日に臨時総会を開き、3月以降の生産体制をあらためて協議する。

 最近の原油価格は、米石油在庫の減少などを映し1バレル=20ドル台後半の高値圏で推移。景気への影響を懸念する日米欧などの消費国からの増産圧力は強いが、加盟国は「需給バランスはとれている」との認識で一致、生産枠変更の必要はないとの結論に達した。

 ただ、シルバ事務局長は年明け以降について、ロシアなどの非OPEC産油国やイラクの増産を念頭に「(供給過剰による)価格下落が心配」と指摘。需要減に早めに対応するため、来年2月からの減産や1月に減産前倒しの案が検討された。

 しかし、最終的には一段の価格高騰を抑えるため据え置いた。実際の生産量が100万バレル程度超えているため、生産枠の順守を確認し、需給引き締めによる価格維持を狙った。

 OPECの生産枠据え置きを受けて市場では「1バレル=20ドル台後半の水準が続く」(石油トレーダー)もようだ。

 イラク原油の回復が価格下落圧力となるが、同国はパイプラインの破壊などで輸出量が日量約160万バレルにとどまり、200万バレル以上あった戦前レベルを下回ったままだ。(共同)

日量2450万バレル継続へ OPEC来年1月以降も

2003年12月04日 The Sankei Shimbun
 石油輸出国機構(OPEC)は4日、ウィーンで非公式の会合を開いた。最近の原油高で消費国からの増産圧力は強いが、OPEC加盟国は供給量は十分確保しており「生産枠変更の理由はない」(ザンギャネ・イラン石油相)との認識でほぼ一致。現行生産枠の日量2450万バレル(イラクを除く10カ国)のまま来年1月以降も据え置くことで合意する見通しだ。会合後の臨時総会で正式決定する。

 最近の原油価格は1米石油在庫の低水準2中東でのテロ多発による供給不安−などを背景に、1バレル=20ドル台後半の高値圏で推移。世界景気への影響が懸念されるが、OPECは「原油高は地政学的リスクを反映している」(アハマド・クウェート石油相)と受け止め、生産量を変えずに需給動向を見守る方針だ。

 イラク原油の生産が戦前レベル近くまで回復した際は、OPECは減産して価格維持に努める。しかし、イラクは北部を中心に「パイプラインの破壊と修繕を繰り返している状態」(商社筋)が続く。イラクのガドバン石油相代行によると、輸出量は日量約160万バレルまで回復し、戦前レベルの200万バレル以上に戻るのは来年以降となる。

 このためOPECは「当面の供給過剰懸念は薄らいだ」(湾岸石油筋)と判断。需要の動きやイラク原油の回復を見極めながら、年明け早々にも総会で生産体制を協議するもようだ。(共同)

NY原油、1バレル=33ドルで3月以来の高値水準に

2003/11/19 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【ニューヨーク=北山文裕】18日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油先物相場は続伸し、指標となるウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)の12月渡し価格は前日比1・55ドル高の1バレル=33・28ドルと、イラク戦争直前の今年3月中旬以来の高値水準で取引を終えた。

 イラク・中東情勢の緊迫化が買い材料となった。

イラクで油送管爆発、炎上

2003年11月03日 The Sankei Shimbun
 フランス公共ラジオによると、イラク北部サマラの南西約110キロ付近で1日夜(日本時間2日未明)、バグダッドと北部キルクークを結ぶ石油パイプラインが爆発、炎上した。2日、石油会社関係者が明らかにした。  現場付近の農民は「強い爆発音が聞こえ、パイプラインの敷地が炎上しているのが見えた」と語った。

 さらに北部バイジの南約10キロの地点でも1日夜、キルクークとタジを結ぶ天然ガスのパイプラインから出火、爆発が起きた。

 イラク北部の石油パイプラインは、旧フセイン政権の支持勢力などからしばしば攻撃を受け、爆発炎上している。(共同)

原油価格上昇などで貿易黒字0・8%減…上半期

2003/10/23 読売新聞Yomiuri On-Line
 財務省が23日発表した今年度上半期(4―9月)の貿易統計(速報)によると、輸出から輸入を差し引いた貿易黒字は、前年同期比0・8%減の5兆576億円となり、4期ぶりに減少した。アジア向けを中心に輸出が増加したが、イラク戦争の影響による原油価格の上昇などで石油関連の輸入額が増え、貿易黒字が減少した。

 輸出額は同4・9%増の27兆1750億円と、3期連続で増加した。アジア向けを中心に、デジタルカメラなどの音響・映像機器部分品が同35・2%増、プラズマテレビなどの映像機器が同12・7%増などと好調だった。

パイプライン:イラクからの石油輸送で油漏れ 再開見通し不明

2003年10月18日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 アナトリア通信などによると、イラク北部のキルクーク油田からトルコ南部ジェイハン港に至るパイプラインによる石油輸送が18日再開したが、油漏れが見つかり、すぐに停止した。再開の見通しは不明。

 ギュレル同国エネルギー・天然資源相は同日、パイプラインの再開を確認した。しかしトルコ側のパイプライン運営当局者は、再開2時間後に油漏れが見つかり、石油はジェイハンに到達しなかったと述べた。

 同パイプラインは8月、イラク戦争後初めて短期間使用されたが、相次ぐ破壊工作に見舞われ、使用不能になっていた。イラク石油省当局者は16日、10月末までに運転を再開する見込みだと明らかにしていた。(カイロ共同)

原油価格:2カ月ぶりの高値水準 NY取引所

2003年10月11日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 【ワシントン竹川正記】10日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、冬場の暖房需要ひっ迫への懸念などから急伸し、指標の米国産標準油種(WTI)11月渡し物が前日終値比0.96ドル高の1バレル=31.97ドルで取引を終えた。終値ベースでは、8月11日以来、約2カ月ぶりの高値水準。原油価格高騰が続けば、米景気回復の足かせとなる懸念も出ている。

 先月下旬に減産を決めた石油輸出国機構(OPEC)が「原油価格の引き上げを目論んでいる」とのうわさも相場上昇に拍車をかけ、WTI11月物は一時、1バレル=32ドル台半ばまで跳ね上がった。

原油先物相場:1カ月ぶりに30ドルの大台

2003年10月04日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 【ワシントン竹川正記】3日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、石油輸出国機構(OPEC)の追加減産への思惑などから上昇、指標の米国産標準油種(WTI)11月渡し物は前日終値比0.56ドル高の1バレル=30.40ドルと、約1カ月ぶりに30ドルの大台に乗せて引けた。

 最大の産油国、サウジアラビアの主導でOPECが高値維持に向けた追加減産に踏み切るとの憶測が浮上。ナイジェリアでの石油生産者のストへの懸念なども加わり、相場の急上昇につながった。冬の暖房需要期を前に米国では原油在庫が薄い状況が続いており、今後、原油価格が30ドルを超す水準で高止まりすれば、景気回復に水を差す懸念もある。

OPEC、90万バレル減産へ

2003年09月25日 The Sankei Shimbun
 石油輸出国機構(OPEC)は24日、ウィーンで定例総会を開き、イラクの生産回復による供給過剰を避けるため、11月1日から原油生産枠を日量90万バレル(イラクを除く10カ国)減産し、2450万バレルとすることで正式合意した。

 生産枠の引き下げは2002年1月以来で、今年5月までの水準に戻る。予想外の減産で、ニューヨークの原油先物相場は同日、11月渡しの価格が前日終値比0.87ドル高の1バレル=28.00ドルに急上昇した。

 原油価格がOPECの目標価格帯(22−28ドル)内で安定しているため、現行の2540万バレルの生産枠を据え置くとの見方が有力だったが、イラクの生産回復を視野に、価格を下支えする小幅減産に踏み切った。

 インドネシアなど一部加盟国は、ロシアなど非OPEC産油国の協調減産を要求した。

 イラクは戦前まで250万バレルを生産していたが、現在は180万バレルに回復。OPECは回復状況をみながら12月4日に総会を開き、あらためて生産枠を協議する。

 今回総会にはフセイン体制崩壊後初めてイラク代表団が参加し、暫定内閣のウルーム石油相が生産状況について説明。

 イラクの戦後復興は石油収入に依存しており、OPECは当面、生産枠外で自由な生産を認めることでイラク復興を側面支援する方針だ。(共同)

NY原油、4カ月ぶり安値

2003年09月16日 The Sankei Shimbun
 15日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は下落し、10月渡しの価格で前週末終値比0・13ドル安の1バレル=28・14ドルで取引を終了、ことし5月中旬以来4カ月ぶりの水準に下落した。

 ハリケーンがメキシコなどの主要輸出国に上陸しなかったことを材料に前週末からじりじりと下げた。(共同)

イラク石油生産175万バレル

2003年08月30日 The Sankei Shimbun
 イラク石油省関係者によると、同国の石油生産は28日、日量約175万バレルに達した。北部の油田で約50万バレル、南部で約120バレルを生産し、日量約80万バレルを輸出しているという。

 生産量の増加は、主に南部油田での生産設備の改善が理由。同関係者は、今年末までに日量200万バレル、来年4月までには同280万バレルの生産を目指したいとしている。(共同)

米ガソリン価格が最高更新 米・加大停電が影響

2003年08月26日 The Sankei Shimbun
 米エネルギー省が25日発表したガソリンの週間価格動向調査によると、前週の全米平均小売価格(標準タイプ)は前々週比12・0セント高の1ガロン=1・747ドルとなり、イラク戦争開始直前の今年3月に記録した過去最高を更新した。

 原油価格の高止まりに加え、米カナダ大停電で米北東部の石油精製施設の操業が一時混乱したことや、米西部のパイプライン障害などが小売価格の急騰につながった。

 エネルギー省は今後の価格動向について、夏の旅行シーズンが終わる来月にはガソリン需要が減り、価格は下落傾向に転じると予想している。(共同)

イラク北部の石油パイプラインで新たな爆発

2003年08月17日 The Sankei Shimbun
 イラク北部のバイジ付近で16日夜、トルコ南部ジェイハンにつながる石油パイプラインから、破壊活動によるとみられる火災が新たに発生した。ロイター通信が伝えた。

 このパイプラインでは15日にも、数キロ離れた地点で爆弾によるとみられる火災が発生。13日に再開したばかりのイラク北部キルクーク油田からの輸出が停止していた。

 現地のイラク当局者は、旧フセイン政権の残存勢力などが経済基盤を標的にしたとみている。

 連合軍暫定当局(CPA)のブレマー文民行政官は17日、パイプライン火災で1日700万ドル(約8億3000万円)の損失が出ているとし、資金不足でイラクの復興が妨げられていると指摘した。

 復旧には1−2週間かかるとの見方もある。石油の本格的な輸出再開には、治安改善など多くの困難が予想される。

 AP通信によると、高さ500メートルの煙が上がるほど火勢が強く、管内の石油が燃え尽きるまで待つほかない状況という。(共同)

イラク、戦前の原油生産能力の60%を回復=石油相代理

2003年08月15日 (ロイター)YAHOO!News
 [バグダッド 14日 ロイター] イラクのサミール・ガダバン石油相代理は記者団に対し、同国が戦前の原油生産能力の60%を回復したことを明らかにした。

 同石油相代理は、北部のキルクーク油田からの生産は日量50万バレルと述べたものの、13日に再開したトルコのジェイハン港へ、北部からパイプライン経由で輸出する輸送量についてはコメントしなかった。

パイプラインでの石油輸出再開

2003年08月14日 The Sankei Shimbun
 アンカラからの報道によると、トルコのエネルギー省当局者は13日、イラク北部キルクーク油田からトルコ南部ジェイハン港へのパイプラインによる原油輸出が同日、再開されたことを明らかにした。

 イラク北部からの石油輸送の大動脈である同パイプラインを通じた輸出はイラク戦争終了後初めて。ダウ・ジョーンズ通信によると、輸送量は当面、日量30万−40万バレルと戦前の半分程度にとどまりそうだ。

 同パイプラインは旧フセイン政権支持者とみられる勢力が破壊活動の標的としたことなどから、復旧が遅れていた。

 イラク戦争後、南部バスラ周辺の油田は既に輸出を再開。キルクーク油田は現在日量50万バレルを生産している。ジェイハンからは既に6月に100万バレルのイラク産原油が輸出されているが、戦前から同港に備蓄されていた原油だった。

 同港には現在、この原油を積み出す契約を結んでいるタンカーはなく、当面は貯蔵に回される見通し。(共同)

原油、イラク戦争後最高値

2003年08月09日 The Sankei Shimbun
 8日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、9月渡しの価格で一時、前日終値比0・46ドル高の1バレル=32・85ドルで取引され、イラク戦争終了後の最高値をつけた。

 米国内のガソリン在庫が低水準であることが高騰の主因。イラクで爆弾テロが起き、依然として原油生産量が復活しないとの予測も価格上昇につながった。(共同)

原油価格:32ドル台と1カ月半ぶり高値 NY取引所

2003年08月02日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE

 【ワシントン竹川正記】1日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、イラクでの石油パイプライン爆破などを材料に急反発、指標銘柄の米国産標準油種(WTI)9月渡し物は前日終値比1.77ドル高の1バレル=32.31ドルで引けた。1バレル=32ドル台を付けたのは、6月中旬以来、約1カ月半ぶり。「イラクの原油生産回復の遅れを材料にした投機的な買い」(市場筋)との指摘もあるが、原油価格の高止まりが続けば、回復期待が高まっている米景気に水を差す恐れもある。

貿易黒字、1年半ぶりに減少 原油価格の上昇で

2003年07月24日 The Sankei Shimbun
 財務省が24日発表した2003年上半期(1−6月)の貿易統計速報(通関ベース)によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易黒字額は前年同期より10・1%少ない4兆3808億円と、3期(1年半)ぶりに減少した。

 自動車などの輸出は伸びたが、イラク戦争の影響で原油価格が上昇し、原油、石油製品の輸入額が急増したのを受け、貿易黒字額は2けたのマイナスとなった。

 上半期全体の輸出額は、3・9%増の26兆3192億円と3期続けて増加。輸入額も7・2%増の21兆9383億円と2期連続で増えている。地域別では、対米貿易黒字が12・9%減の3兆2063億円と3期ぶりに減少に転じた。

 同時発表の6月の貿易黒字は輸出不振が響き、前年同月比30・7%減の8460億円と3カ月ぶりに減少した。対米黒字も21・7%減の4831億円と6カ月連続で減った。

ガソリン価格:2カ月連続で1円下落

2003年07月23日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 石油情報センターが23日まとめた全国のガソリンスタンド(GS)の小売価格調査によると、7月10日現在のレギュラーガソリンは全国平均で1リットル=101円と、2カ月連続で1円下落した。

 ガソリン価格はイラク戦争直後の4〜5月の104円をピークに下落傾向にある。原油価格は世界的な原油需要の高まりと石油輸出国機構(OPEC)の生産枠順守などで、5月以降、上昇局面にあり、石油元売り各社は7月のガソリンの卸売価格を前月比1リットル当たり2〜3円値上げするとGS業界に通告したが、実際には価格転嫁されず、逆に1円下がった。

 転嫁が進まない背景には、GS業界の過当競争がある。特に人件費がかからず、1リットル当たり2〜3円安いセルフサービス式のGSに切り替える店が目立ち、全国的な安売り競争に拍車をかけている。セルフ式は03年3月末で2522店と前年同期比86%増え、全体に占める割合は4.5%に拡大している。【川口雅浩】

3カ月ぶり原油輸出再開 イラク、国際市場に復帰

2003年06月22日 The Sankei Shimbun
 トルコ南部のジェイハン石油ターミナルに貯蔵されていたイラク産原油100万バレルが22日、トルコのタンカーに積み込まれた。イラク戦争後、同国産原油が輸出されるのは初めてで、国際市場復帰を果たした。

 この日輸出されたのは同戦争開戦前からジェイハンに貯蔵されていた原油800万バレルの一部。イラクは現在、日量75万バレルの原油を生産している。同国当局者は6月末までに日量100万バレルを輸出、年末までには輸出量を倍増したいとの意向だ。

 イラクは12年以上に及ぶ国連制裁で経済が疲弊、石油施設などインフラも老朽化しており、輸出再開は復興に必要な財源確保に向けた重要な一歩となる。

 イラクがジェイハンから最後に原油を輸出したのは、戦争が始まった3月20日。国連の「石油・食料交換計画」の一環として、限定的な輸出が行われた。

 地中海に面したジェイハンはイラク北部の油田地帯から敷設されているパイプラインの終点で、この日の原油積み込みには米国、イラク、トルコの高官が立ち会った。原油はトルコ西部のエーゲ海沿岸に運ばれ、精製される。

 イラク原油の確認埋蔵量は世界第2位。(AP)

NY原油続落、1バレル=30・65ドル

2003/06/14 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【ニューヨーク=北山文裕】13日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油先物相場は、原油需給の緩和観測から続落し、指標となるウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)の7月渡し価格は、前日比0・86ドル安の1バレル=30・65ドルで取引を終えた。

 国際エネルギー機関(IEA)が、4月時点の世界の原油在庫量を引き上げる発表をしたのを受け、売り注文が増えた。

OPEC生産枠据え置き 7−9月期

2003年06月11日 The Sankei Shimbun
 サウジアラビアなど有力産油国で構成する石油輸出国機構(OPEC)は11日、カタールの首都ドーハで臨時総会を開き、現行の日量2540万バレルの原油生産枠(イラクを除く)を7−9月期も維持することを決めた。

 イラクの本格的な原油輸出再開が遅れ、供給過剰の懸念が当面薄らいでいるためで、生産枠変更の判断は次回総会に先送りされた。次回臨時総会は7月31日に開かれる。

 OPEC筋は、7月以降150万バレルの供給過剰が生じるとの懸念を表明。加盟各国は生産枠を超過した「闇増産」を自粛し、価格下落を防ぐことを申し合わせた。

 米国の石油在庫が少ない上、夏休みの旅行シーズン入りでガソリン消費の増加が需要の押し上げ要因となる。半面、イラク原油の輸出が順調に回復すれば市場への供給が増えて需給バランスが崩れ、価格下落の可能性もある。

 11日の臨時総会は(1)今後の需給動向が予測しにくい(2)原油価格がOPECの目標価格帯の上限1バレル=28ドルの範囲に収まっている−ことなどを踏まえ、生産枠据え置きで一致した。

 今後の価格見通しについて原油トレーダーの間では「イラク原油が本格的に市場に出回るまでは強含みで推移する」(商社筋)との見方が大勢となっている。

 今回の臨時総会には、イラクの国際原油市場への本格復帰を視野に、ロシアやメキシコといった非OPEC産油国を招待し、価格安定に向けた協力を求めた。(共同)

原油生産枠据え置きか 7−9月期

2003年06月11日 The Sankei Shimbun
 石油輸出国機構(OPEC)筋によると、OPECは11日のドーハでの会合で、7−9月期の原油生産枠について、現行の日量2540万バレルを維持することで合意した。(共同)

米原油:31ドル台 2カ月半ぶりの高値

2003年06月07日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 【ワシントン竹川正記】6日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、「産油国が価格維持への結束を強めている」との見方から続伸、指標の米国産標準油種(WTI)7月渡し物は前日終値比0.54ドル高のバレル=31.28ドルで取引を終えた。米国の対イラク開戦前の3月18日以来、約2カ月半ぶりの高値。

 イラクの石油輸出再開に伴う値崩れ阻止への結束で、サウジアラビアとベネズエラ、メキシコの3カ国が一致したとの報道や、イラク国内での反米勢力による油井破壊工作の可能性が報じられたことが買いを誘った。

NY原油、5週間ぶり高値 米在庫減で30ドルに迫る

2003年05月31日The Sankei Shimbun
 30日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は続伸し、取引の中心となる米国産標準油種(WTI)7月渡しは、前日終値比46セント高の1バレル=29・56ドルと4月下旬以来、約5週間ぶりの高値で取引を終えた。

 前日公表された米国内の原油在庫水準が市場予想を下回り、夏の行楽シーズンを控えたガソリン価格の高騰などが懸念されている。(共同)

イラク、産油国なのにガソリン輸入を計画

2003/05/08 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【バグダッド=吉形祐司】原油確認埋蔵量が世界第2位のイラクが、ガソリンと調理用LPガスの緊急輸入を計画していることが7日、明らかになった。

 戦後の混乱で精油施設がフル稼働せず、国内需要を満たせなくなったためで、来週中に近隣国から搬送を始める。産油国イラクが、石油を輸入するのは初めてと見られ、戦後復興の困難さを浮き彫りにしている。

 イラク石油省当局者によると、6日現在でイラクの精油生産は日量計17万5000バレル。戦前の国内全体の精油量である日量70万バレルにはほど遠い状態で、バグダッド市内の給油所では連日、順番を待つ車が長い行列を作っている。家庭の調理用LPガスも不足し、市民生活にも大きな影響を与えている。

 緊急輸入は、精油不足状態を当面補う措置。同当局者は、輸入元や輸入量を明らかにしなかったが、クウェートなど湾岸産油国が有力と見られる。

 イラク戦争では、石油関連施設などの経済基盤は攻撃を免れたものの、イラク全土で1万2000人を数える石油省職員のうち、職場復帰したのは約50%でしかない。米国のイラク復興人道支援庁(ORHA)が一律支給している20ドルの「緊急手当」も行き渡っていないのが現状だ。

ガソリン価格:値下がりの兆し 原油安で100円割れも 2003年05月03日 [毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 1リットル当たり100円台前半で推移しているガソリンの小売価格に、値下がりの兆しが見えている。イラク戦争の終結で原油相場が急落したことに加え、行楽シーズンでガソリンスタンドの価格競争が激化しているためだ。一部地域では本格的な値引き合戦がスタートしており、全国で100円割れとなる可能性もある。

 石油情報センターによると、昨秋から2月までは100円で安定していた全国平均の小売価格(レギュラー)は、3月に原油の高騰を受けて104円に上昇。戦争終結で原油相場が急落した現在もこの水準を維持している。

 しかし、激戦区として知られる神奈川県西部や埼玉県内で100円を切るスタンドが登場し始めているという。原油安で仕入れ価格が低下し、小売価格も下げやすい状況にあるため、大型連休後半には価格競争が各地に広がりそうだ。

ロシアを重要産油国に…28日からIEA閣僚理事会 2003/04/27 読売新聞 Yomiuri On-Line
 28日にパリで開幕する国際エネルギー機関(IEA)の閣僚理事会で、イラク戦争後の世界のエネルギー安全保障体制を強化するため、理事会に初参加する非加盟国のロシアを重要な産油国と位置付けることで一致する見通しになった。

 ロシアは、サウジアラビア、ノルウェーに次ぐ世界第3位の原油輸出国だ。戦後復興の一環として、イラク産原油が増産される可能性が高く、IEAも、中長期的には、イラクを含めて中東産原油への依存度が高まると予測している。

 しかし、原油の安定確保を図るうえで、IEAは供給先の多様化が欠かせないと判断している。エネルギー安全保障の観点からロシアを重要な産油国と位置付けて、海外からロシアへの開発投資を確保していく狙いがある。

 ロシアでは、開発・維持費用が割高なシベリアの凍土地帯などにも油田があるため、一バレル当たりの産油コストが中東産原油の約4倍となっている。割高なロシア産原油は、イラク産の割安な原油が増産されれば、価格競争力が低下する恐れが出ている。

 IEAによるロシアの取り込みは、原油の輸出国でありながら、価格競争力では見劣りするロシアを支援していく姿勢を示すもので、28、29日に開かれる閣僚理事会では、ロシア原油を巡る具体的な国際協調策などでも意見交換が行われる見通しだ。

OPEC議長:「イラクは早期復帰を」 原油増産に警戒感

2003年04月23日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 【ウィーン福本容子】石油輸出国機構(OPEC)のアティーヤ議長(カタール・エネルギー産業相)は、ウィーンのOPEC本部で、毎日新聞との単独インタビューに応じ、新体制発足後のイラクができるだけ早くOPECの生産枠体制に復帰すべきだとの考えを明らかにした。同議長は、イラクの原油増産で価格が急落することへの懸念を表明した。

 イラクは、90年のクウェート侵攻以降、国連の経済制裁により、自由に原油を輸出できなかった。今後、発足するイラクの新体制やそれを支える米国は、制裁解除が実現すれば、原油の販売収入を復興に充てるため、OPECの生産枠外で自由に増産を図ることを狙うものと見られる。OPEC内で、イラクの扱いは、今後の大きな火種に発展しそうだ。

 イラク国内などには、少なくともイラクの原油生産が湾岸戦争前の水準(日量350万バレル)に回復するまで生産枠対象から外すよう要望する声が強いことに対して、同議長は「全産油国が協調しなければ価格が暴落する。量だけ増やしても価格が大幅に下がればイラク復興の助けにもならない」と述べ、イラクの特別扱いに否定的見解を表明した。6月のカタール・ドーハでの次回総会で、イラクの生産実態を見ながら、イラクの扱いについての本格的議論を開始する考えを示した。

 将来イラクがOPECの生産枠体制に復帰する場合も、イラクの生産比率決定は難航しそうだ。イラクが新たな自国割り当てに不満を持てば、OPECから離脱する可能性もある。

世界4位の石油企業誕生へ

2003年04月22日 The Sankei Shimbun
 ロシアの石油大手ユコスとシブネフチは22日、合併方針を発表、生産量で世界第4位の新会社「ユコス・シブネフチ」が年末にも誕生する見通しとになった。

 ロシア史上最大の合併。ユコスは生産量でロシア最大、シブネフチは同5位。新会社は生産量でロシア全体のほぼ3割を占め、埋蔵量も世界有数とされる。

 ロシア石油業界の大型再編の一環。業界筋によると、両社は技術革新による生産量拡大と株価重視の市場戦略など経営方針に共通点が多く、ことしに入り、合併交渉が水面下で進展していた。(共同)

最大200万バレル減産で調整 OPECが緊急総会で

2003年04月19日 YAHOO! News
 【ロンドン19日共同】石油輸出国機構(OPEC)が、ウィーンの本部で24日に開く緊急総会で、イラクを除く加盟10カ国の原油生産枠を現在の日量2450万バレルから最大200万バレル減産する方向で調整している。OPEC筋が19日までに明らかにした。

 イラク戦争が短期間で事実上終結し、供給不安が遠のいたため、原油価格は1バレル=20ドル台半ばに下落。供給過剰懸念が台頭しており、減産で価格の下支えを狙う。OPECのアティーヤ議長は「200万バレル程度が供給過剰」と具体的な減産目標を示している。

 国際エネルギー機関(IEA)の統計によると、3月のOPEC10カ国の生産量は公式生産枠を136万バレル超過。しかし3月中旬まで1バレル=30ドルを超えていた主要7油種の平均価格は現在、25ドル台とOPECの目標価格帯の22−28ドル内に収まっている。(共同通信)

石油連盟:原油価格は1バレル=25ドル前後で 岡部会長会見

2003年04月16日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 石油連盟の岡部敬一郎会長(コスモ石油会長兼社長)は16日の定例記者会見で、原油価格の動向について「(イラク戦争の終息などで)原油はダブつき感が出ている。石油輸出国機構(OPEC)が減産することで、原油価格(OPECバスケット)は4〜6月に1バレル=25ドル前後で落ち着くのではないか」との見通しを示した。

 4〜6月は世界的に季節要因で原油の需要が減少するほか、ゼネストの影響が続いていたベネズエラの原油生産が回復していることから、岡部会長は「OPECが減産しなければ、原油価格は20ドル割れが起きるかもしれない」と述べ、OPECが24日にも開く臨時総会で減産に踏み切るとの見通しを示した。原油価格は4月に入り、中東産ドバイが1バレル=23ドル前後、OPECが増減産の目安とするバスケット価格が同25ドル前後で推移している。 【川口雅浩】

NY原油、減産警戒感から小幅反発

2003/04/12 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【ニューヨーク=北山文裕】11日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油先物相場は、イラク原油の生産再開を見越した売りが先行したが、石油輸出国機構(OPEC)による減産への警戒感などから買い戻しも入り、原油相場は小幅反発して取引を終えた。

 指標となるウエスト・テキサス・インターミディエート(WTI)の5月渡し価格は前日比0・68ドル高の1バレル=28・14ドルで取引を終えた。

原油価格:イラク戦争終結見通しで下落 OPEC減産へ

2003年04月08日[毎日新聞] Mainichi INTERACTIVE
 米軍がイラクの首都バグダッドの大統領宮殿を占拠したことで、7日の国際石油市場の原油価格が軒並み下落し、石油輸出国機構(OPEC)は24日に臨時総会を開き、これまでの増産体制から一転して、価格維持のため減産に踏み切る見通しになった。戦争が終結に向かえば、「原油価格は1バレル=20ドルを下回る」(大手石油元売り)との見方が有力で、OPECは戦争終結を見越して、原油価格の下落に歯止めをかける考えとみられる。

 原油価格は開戦前の2月下旬、米ニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場の指標銘柄となる米国産標準油種(WTI)が瞬間的に1バレル=40ドル近くまで急騰したが、4月7日は同28.04ドルに下落。中東ドバイ産のスポット価格も開戦前(2月25日)の同31.18ドルから、7日は22.36ドルに低下した。

 OPECはベネズエラのゼネストによる供給不足とイラク情勢を受け、昨年12月と今年1月の臨時総会で計日量280万バレルの増産を決め、加盟10カ国(イラクを除く)の生産枠を同2450万バレルに拡大した。イラク開戦後はサウジアラビアなどが枠を上回って増産、ベネズエラの生産も回復に向かい、「現在は生産枠を200万バレル程度オーバーし、原油市場はジャブジャブ」(業界関係者)という。

 国際エネルギー機関(IEA)によると、03年4〜6月の世界の原油の需要は日量7660万バレルで、暖房需要の多かった1〜3月に比べ160万バレル減る。OPECは原油価格を1バレル=22〜28ドルに収めることを目標にしており、24日の臨時総会では「下限の維持を目標に、少なくとも日量100万〜150万バレルの減産に踏み切る」(業界関係者)とみられている。 【川口雅浩】

ロンドン原油急落、5カ月ぶりの安値 23ドル台後半に

2003/04/07 Asahi.com
 7日のロンドン国際石油取引所の北海ブレント原油相場は、米英軍がバグダッドの中心部を占拠したとの報道を受けて戦争の短期終結観測が高まり、前週末より1ドルほど急落し、1バレル=23ドル台後半で取引が始まった。昨年11月中旬以来の安値水準だ。

 これまでの戦闘ではイラクの原油生産設備への打撃が少なかったため、市場では戦後イラクの原油輸出再開で原油供給が増える、との見方が広がっている。

サウジ:産油量、21年ぶりの高水準に 供給不安解消で

2003年03月29日(ロンドン共同)[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 世界最大の産油国サウジアラビアの産油量が21年ぶりの高水準になっていることが28日、石油調査会社ペトロロジスティクス社(ジュネーブ)の調べで明らかになった。

 石油輸出国機構(OPEC)は、イラク戦争に伴う供給不安を解消するため、生産枠を棚上げした増産を事実上認めている。

 調査によると、3月のサウジの生産量は前月より60万バレル多い日量平均956万バレルで、生産能力のほぼ限界に達している。

 イラク戦争に加え、ナイジェリアが民族紛争の影響で減産に追い込まれている。ただ、サウジがフル生産に入り、ベネズエラもほぼスト前の水準に戻っており、イラクを含むOPEC全体の産油量は2836万バレルで、前月に比べ43万バレル増加した

イラク戦争:未回収債権と石油開発 ロシア権益

2003年03月29日 Mainichi INTERACTIVE
 ロシアはイラクに対し、旧ソ連時代の約70〜80億ドルの未回収債権を持つ。また、サウジアラビアに次いで世界第2位の1120億バレルの推定埋蔵量を誇るイラクの石油資源に注目し、国連制裁解除後をにらんで、フランスとともにイラクで油田開発競争を繰り広げてきた。

 97年にはロシア最大の石油会社「ルクオイル」が、イラク政府との間で推定埋蔵量200億バレルの西クルナ油田開発契約を締結した。しかし、昨年12月になってイラク石油省は突然、ルクオイルに対し契約破棄を通告してきた。

 イラク側はルクオイルの契約不履行を挙げたが、実際には米国がルクオイルに対し、フセイン政権崩壊後も同国内の石油事業を継続できると密約したことをイラク側が察知したためなどとされる。

 イラク戦争開戦後、米国はロシア企業の対イラク武器輸出停止を要求。ロシア側は「そうした事実はない」と否定している。【西尾英之】

原油生産が4割減少 ナイジェリア

2003年03月26日 The Sankei Shimbun
 
 石油輸出国機構(OPEC)の主要メンバーであるナイジェリアで、民族紛争を発端に住民と軍が衝突。欧米の石油大手が採掘施設などから職員を退避させたことで操業が停止する事態となり、同国の原油生産が4割近く減少している。

 ナイジェリアの原油生産は日量約約200万バレル。減産は原油価格の上昇要因になっており、国際経済にも影響が出そうだ。

 現地からの報道によると、3月中旬に原油生産による利益の地元還元を訴えるイジャウ人が、対立するイトセキリ人の集落を攻撃。紛争を鎮圧しようとして出動した軍も巻き込まれ、計数十人が死亡した。イジャウ人は石油採掘施設などの爆破を予告するなど、軍の撤収を要求している。

 このため、シェブロンテキサコやロイヤル・ダッチ・シェルなど欧米の石油大手が採掘施設から職員を相次いで退去させ、原油生産がストップした。

 イラク戦争の早期終結期待で、OPECの7油種平均価格は一時1バレル=24ドル台まで下落していたが、戦況こう着とナイジェリア情勢の悪化を受けて反発に転じている。

 イスラム教徒とキリスト教徒の衝突が相次ぐナイジェリアでは、イラク戦争に反対するイスラム教徒らのデモや集会を政府が禁止。大統領や議会の選挙を4月に控え、原油の利益配分をめぐる民族対立も激化する可能性がある。(共同)

ガソリン価格、前月比2円高/中国地方

2003/03/25 中国新聞地域ニュース
 石油情報センター(東京)が二十四日まとめた中国地方のレギュラーガソリン一リットル当たり小売価格(十日現在)は、平均百三円で前月より二円上がった。五県とも前月より値上がりし、前年同月比では五円高だった。

 同センターは「イラク問題の影響などで、一月から今月にかけて元売りの仕切り値が五円上がり、末端にも遅れて表れている」と分析。元売りが希望する値上げ額より店頭価格の値上げ幅が少ない半面、開戦後は原油価格が下げ基調になっており、今後の小売価格は不透明、という。

 県別では、最も低い岡山が百一円で前月より一円高。広島、山口は百二円で二円上がった。鳥取は百五円で二円上昇。島根は百七円と一円高くなった。全国平均は百二円で前月より二円、前年同月より五円上がった。

ロンドン市場の原油価格、大幅上昇

2003年03月24日 Asahi.com
 24日のロンドン国際石油取引所の北海ブレント原油価格は、戦争の長期化懸念が高まったとする思惑から、大幅に上昇し、一時は、1バレル=25ドル台半ばで取引された。

ガソリン 2月より2円アップ、1年5か月ぶりの高値

2003/03/24 読売新聞 Yomiuri On-Line
 石油情報センターが24日発表した3月のレギュラーガソリンの全国平均小売価格は、1リットルあたり102円と、前月比で2円アップして1年5か月ぶりの高値水準となった。

 対イラク攻撃が始まった20日以前の原油価格の上昇を反映したもので、レギュラーガソリンの価格アップは4か月ぶりとなる。

 他の石油製品の平均小売価格も、灯油(店頭・18リットルあたり)が前月比14円増の822円、軽油(1リットルあたり)が前月比1円アップの82円と、軒並み上昇した。

中国、石油価格高騰に備え国内生産増強へ

2003/03/24 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【北京=東一真】中国政府は、イラク戦争の長期化で石油価格が高騰する事態に備え、国内生産を増強するなどの対策をまとめた。人民日報(海外版)がこのほど伝えた。

 コスト高で効率が悪化し生産を停止していた国内油田を再開する一方、インドネシア、ベネズエラ、カザフスタンなど中東地域以外からの輸入を増やす。一方、第10次5か年計画(2001年から2005年)に定めた石油備蓄計画も急ぐ方針だ。

 中国は、石油需要の3分の1を輸入で賄っており、昨年の輸入量は前年比15%増の6941万トン。うち5割程度が、中東からの輸入だ。石油価格の上昇で、今年2月には、ガソリンの小売価格が5%程度上昇するなどの影響が出ている。

 ただ、現在はエネルギー供給の7割近くを石炭が占め、輸入石油は8%前後と、まだ依存度が小さい。このため、イラク戦争が極端に長期化しない限り、経済成長は政府目標通り7%を達成できるとの見方が多い。

原油価格:NY市場 イラクの油田確保メドで大幅続落

2003年03月22日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 【ワシントン竹川正記】21日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、米英軍がイラク南部の油田確保にメドを付けたとの見方から大幅続落。この日から新たに指標銘柄となった米国産標準油種(WTI)5月渡し物は前日比1.21ドル安の1バレル=26.91ドルで引け、昨年12月6日以来、約3カ月半ぶりに27ドルを割り込んだ。

 イラク南部での油井の炎上が伝えられたが、「いずれも小規模なもので、影響は限定的」と見られ、市場では戦争の早期決戦期待の高まりから、「1バレル=25ドル台も視野に入った」と一段の原油安を見込む声も出始めている。原油先物価格は今月12日、終値ベースの最高値1バレル=37.83ドルをつけたが、10日間で10ドル以上も下がった。

イラク南部ファオの油田を制圧

2003年03月22日 The Sankei Shimbun
 英PA通信が21日、クウェート北部から伝えたところによると、20日夜からイラク南部ファオ半島に進撃した米英の海兵隊部隊が、天然ガス田と油田でイラク軍狙撃兵などの激しい抵抗に遭っていたが、21日夜(日本時間22日未明)、制圧した。(共同)

イラク油井炎上は7カ所

2003年03月22日 The Sankei Shimbun
 ボイス英軍参謀総長は21日の記者会見で、イラク南部で炎上している油井は7カ所だと述べた。当初、フーン国防相はイラク軍が油井30カ所に放火したと語っていた。

 参謀総長は、イラク軍が石油を満たした塹壕(ざんごう)に火を放ったのが、油井への放火とみられたとの考えを示した。

 放火された油井には、民間の消火業者が向かっているという。(共同)

南部の油井30カ所に放火 最大級の油田も炎上か

'03/3/22 中国新聞ニュース
 【ロンドン21日共同】英国のフーン国防相は二十一日、英BBCテレビに対し、イラク軍がイラク南部で多くの油井に放火し、少なくとも三十カ所で炎上していると語った。

 ロイター通信は同日、ペルシャ湾岸の複数の米英軍報道官の話として、イラク南部にある同国最大規模のルメイラ油田が炎上していると伝えた。

 国防相は「イラク側による放火を警戒していたが、(イラク南部の)油田は数百カ所あり、三十カ所程度の炎上にとどまっている。予想したほどではない」と述べた。

 国防相はまた、イラク南部に進攻した米英軍がイラク軍の抵抗に遭っていることを認め「イラク軍の能力を過小評価してはならない」と述べた。

 米国のラムズフェルド国防長官は二十日の記者会見で、イラク軍が南部の油田三、四カ所に放火した可能性があると指摘していた。

ガソリン平均103円/リットル、1カ月で4円上昇

2003年03月21日 (日刊工業新聞)YAHOO!News
 石油情報センターがまとめたガソリンなど石油製品の市況週調査によると、17日時点のレギュラーガソリンの価格は前週にくらべ1リットル当たり1円上昇、全国平均で103円になった。

 ここ1カ月で4円上昇したことになり、原油高が末端価格にじわりと転嫁されてきたことを示している。

 同センターによると、ハイオクガソリンが先週に比べ1円上昇の1リットル114円に、灯油(店頭)も18リットル当たり4円値上がりし、833円となった。

 原油価格は先週まで、先物である米国産標準油種(WTI)が37ドル程度、ドバイで30ドルを超える高値で推移するなか、元売り各社はコスト増分の末端価格への転嫁を求めていた。

 値上げに二の足を踏んでいた末端市場も、値上げに踏み切るケースが多く、「ようやく正常な市場形成に近づきつつある」(岡部敬一郎石油連盟会長)状況だ。

OPEC:増産決意表明 米英イラク戦争で事実上生産枠外す

2003年03月20日 [毎日新聞]
 【ロンドン福本容子】OPEC(石油輸出国機構)は20日、米軍のイラク攻撃開始を受け、アティーヤ議長名で声明を発表した。戦争の影響で供給不足の事態が発生すれば、「OPEC加盟国は余剰生産能力を使う決意がある」と述べ、イラク以外の加盟10カ国で現在日量2450万バレルとなっている生産枠を事実上棚上げし、増産する用意があることを表明した。

 アティーヤ議長は米軍の攻撃開始を受け、各加盟国代表と電話で協議。供給不足の恐れが生じればOPECが現在の生産枠に関係なく、能力いっぱいまで増産する決意を確認した。

原油価格、“終戦相場”の様相

2003年03月19日 The Sankei Shimbun
 米国によるイラク攻撃が不可避な情勢となる中、原油価格は短期終結の楽観的シナリオを見込んだ売り注文に押されて下落、早くも「終戦相場」の様相を呈してきた。しかし、予想に反して戦争が長引き泥沼化すれば、急騰の恐れもある。

 18日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の米国産標準油種(WTI)は、前日比3・26ドル安の1バレル当たり31・67ドルとなり約2カ月ぶりの低水準となった。イラク攻撃の可能性が高まるにつれて下落幅は広がっており、ここ1週間で14%も値を下げた計算だ。日本への影響が大きい中東産ドバイ原油の価格も14%近い26ドル近くまで下落。北海産ブレント原油も同様に値を落としている。

 攻撃開始が決定的となって先行き不透明感が逆に薄らいだことで「投機筋が、利益を確定するために手持ちの買い注文を売っている」(石油連盟の岡部敬一郎会長)ようだ。

 ベネズエラの原油生産量はまだ本格回復していないが、石油輸出国機構(OPEC)は増産に踏み切っている。4月以降は暖房需要の減少で需給状況が緩むため、「20−25ドルの範囲で推移する可能性が高い」(大手石油元売り役員)と一段の価格下落を指摘する関係者も多い。

 だが、イラクが報復に出るなどして周辺諸国に戦火が拡大すれば、再び投機的な買いが増えて価格が急上昇する恐れもある。

「短期終結なら20−25ドル」石油連盟会長

2003年03月19日 The Sankei Shimbun
 石油連盟の岡部敬一郎会長(コスモ石油社長兼会長)は19日、都内で記者会見し、米国によるイラク攻撃が短期間で終わって被害が周辺諸国に拡大しなければ、需給状況を踏まえた原油価格は1バレル当たり20−25ドルとの認識を示した。

 ここ数日間、原油価格が下落しているのは「投機筋が買い注文を売って利益を確定しているため」と指摘。4月以降は暖房需要が大幅に減ることもあり、イラク問題が短期終結すれば「原油備蓄を放出する必要はない。原油価格が20−25ドルの間で推移してくれればと思う」と語った。

 ガソリンスタンドでの石油製品の小売価格については「(原油高を反映して)ようやく上がってきたが、欧州はもっと上がっており、日本だけが立ち遅れている」と述べた。

露パイプライン:太平洋ルートに決定 中国にも配慮

2003年03月15日 [毎日新聞] Mainichi INTERACTIVE
 【モスクワ町田幸彦】ロシアのカシヤノフ首相は14日、東シベリアからの石油輸出向けパイプライン建設ルートを、中国・大慶への支線を伴うアンガルスク―ナホトカ間(太平洋ルート)に閣議決定したことを明らかにした。5月1日までに正式な建設計画を策定する。日本政府は太平洋ルート建設への協力を伝えているが、アンガルスク―大慶間の石油パイプライン建設を求めてきた中国にも配慮した形だ。

 インタファクス通信によると、カシヤノフ首相は「考慮すべき数多くの要素がある」と述べ、太平洋ルートを原則としながらも、最終計画の確定までには曲折がある可能性を示唆した。

 太平洋ルートは日量100万バレルの原油を日本海側に輸送できると推測され、全量をナホトカから日本に輸入すれば、日本の石油の中東依存度を大幅に下げる効果がある。

OPEC:イラク開戦後の原油安定供給表明へ

2003年03月11日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 【ウィーン福本容子】OPEC(石油輸出国機構)は11日の総会で、米軍などのイラク攻撃開始後も原油の安定供給を維持するため、最大限の生産を行う用意があることを表明する。ただ、期待されていた「生産枠の一時棚上げ」の合意は、加盟国間の思惑が対立する中で、今回は見送られる公算が大きい。 

 現在、加盟10カ国(国連経済制裁下のイラクは除く)の生産枠合計は日量2450万バレル。この数字を変えずに、「(戦争の影響で)必要が生じた場合に、枠を一時的に外して能力いっぱいまで生産する」といった内容の決意表明を行うよう、サウジアラビアなどが提案していた。しかし、「OPEC加盟国であるイラクへの米軍事攻撃を助けることになるような政治的決定は受け入れられない」(イランのザンガネ石油相)など、他の加盟国が反対している。

 ただ、実態は、生産余力が一番あるサウジを中心に枠を超えて増産中で、生産上限は事実上棚上げ状態にあり、各国も黙認している。現状を公式に認めにくいのは、戦争前に開戦を前提とした対応を表明しづらいことに加えて、加盟国間の生産比率がこれを機に変わってしまうことを、生産余力のない国が懸念したためとみられる。

 OPECはイラク攻撃が始まった時点で、市場の混乱を防ぐため「十分な供給の保証」を改めて表明する見通しだが、もともと生産余力がないところへ、発表内容が中途半端なものに終われば、失望感から原油価格が一層高騰する恐れもある。

NY原油先物:急伸12年ぶり高値水準

2003年03月08日 Mainichi INTERACTIVE
 【ワシントン竹川正記】7日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物相場は、米英が期限付きのイラクの武装解除決議案を国連に提出したことを受け、急伸した。指標銘柄の米国産標準油種(WTI)4月渡し物は、前日終値比0.78ドル高の1バレル=37.78ドルで引け、終値としては約12年ぶりの高値水準。

 市場では「米英は決議案の成否にかかわらず、来週中にも開戦に踏み切る」(米トレーダー)との観測が広がり、「週明け以降、1バレル=40ドルに迫る」と一段の相場高騰を予想する声が多い。

ベネズエラ:原油生産量 ゼネスト前に回復へ 国営社長見通し

2003年02月01日 Mainichi INTERACTIVE
 国営ベネズエラ石油のロドリゲス社長は31日の記者会見で、同国の原油生産量について「日量150万バレルを超えた」と述べ、3月上旬までにゼネスト前の生産水準である日量300万バレルに回復するとの見通しを明らかにした。

 社長は同社の役員・幹部のほぼ全員に当たる700人を含む計6000人をこれまでに解雇したと発表。「(ストで)取り返しのつかない行動が繰り返されている」と、社員のスト参加を非難した。(カラカス共同)

OPEC:12日に緊急総会、増産合意へ

2003年01月08日 毎日新聞
 【ロンドン福本容子】OPEC(石油輸出国機構)は、原油価格の急騰と主力輸出国ベネズエラのゼネストによる石油在庫急減に対応し、増産を決めるため12日にウィーンで緊急総会を開く。日量150万〜200万バレルの大幅増産を求めたサウジアラビア案をたたき台に7日、電話協議を行ったが、増産幅で意見がまとまらず、総会での決定を目指す。

 ロイター通信によるとクウェートのアハマド石油相は「現在、増産規模として100万バレルと150万バレルの2案が検討されている」と明言。最大200万バレルの増産を求めたサウジ案に対し、他の加盟国には「行き過ぎた増産は価格崩壊を招く」と100万バレル案を支持する声が強いようだ。

 OPECは昨年12月12日の臨時総会で、1月からの150万バレル規模の実質減産を決めたばかり。わずか1カ月で、大幅増産を協議することになった。OPECの予想以上にベネズエラのストが長期化し、米国を中心に在庫水準が急減したことが背景にある。OPECの増産検討を受け、原油価格の上昇は一服し、ロンドンの先物市場では、指標価格が3日連続の下落となった。

NY原油急騰、33ドル台

2003年01月04日 The Sankei Shimbun
 3日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)の原油先物相場は、2カ月目に入った南米ベネズエラのゼネストなどを背景に急上昇し、取引の中心となっている米国産標準油種(WTI)の2月渡しは前日比1・23ドル高の1バレル=33・08ドルと2000年11月末以来、2年1カ月ぶりに33ドル台の高値で取引を終えた。

 米原油輸入の約14%を占めるベネズエラの原油生産がほぼ停止しているため、米国内在庫は予想を上回るペースで減少。冬の需要最盛期を迎え灯油、ガソリン、ジェット燃料など製品相場にも価格上昇が波及しており、相場の長期高止まりが懸念されている。

 市場関係者の中には「薄商いの中での投機的な買い」(精製業者)との指摘もあるが、米国のイラク攻撃が現実味を増す中、高騰が続けば世界経済の失速リスクを高めることになりそうだ。(共同)

OPEC、緊急増産へ

2002年12月31日 Yomiuri On-Line
 【ロンドン=黒井崇雄】石油輸出国機構(OPEC)が1月中旬にも日量50万バレル超の緊急増産に踏み切る見通しとなった。米国などによるイラク攻撃の可能性の高まりや、南米の産油国ベネズエラのゼネスト長期化などを受けて、原油価格が高止まりしているためだ。

 OPECは、代表的な7つの原油市場価格から計算するバスケット価格が20日続けて1バレル=28ドルを超えた場合、自動的に日量50万バレルの増産措置をとることになっている。同価格は27日まで9日連続で28ドルを上回っている。

 これに関連して、OPEC代表筋は30日、ロイター通信に対し、「50万バレル超の増産は総会の決定が必要だが、これについて議論はすでに進行中だ」と述べた。さらに「(OPEC各国の閣僚が実際に集まらないで)電話会議で増産量を決定することも可能だ」と指摘した。

 OPECは12月12日の総会で、イラクを除く10か国で日量2170万バレルだった生産枠を2300万バレルに拡大すると同時に、生産枠を超えて生産する「ヤミ増産」の自粛を徹底して実質的に減産に踏み切ることを決めていた。

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