TOPIC No.2-135 北朝鮮住民 亡命問題

01.北朝鮮住民亡命問題 YAHOO!ニュース
02.救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク(RENK)
03.北朝鮮人亡命事件の背景 (2002年05月27日) 田中 宇
04.北朝鮮(難民・亡命・飢餓)by 国民新聞
05.北朝鮮難民救援基金 NEWS(December 1999)
06.Topic No.2-135-1 北朝鮮

北朝鮮、越境の15人公開処刑 韓国NGOが伝える

2008年03月05日 中国新聞ニュ−ス

 【ソウル5日共同】北朝鮮への人道支援を行う韓国の仏教系非政府組織(NGO)「良い友人」は5日発行のニュースレターで、中国との国境近くの北朝鮮北東部の咸鏡北道穏城郡で2月20日、女性13人、男性2人の計15人が公開で銃殺刑にされたと伝えた。

 15人は生活苦から中国の親類を頼って行き来したり、知人が中国に渡るのを手伝ったりした。ある当局幹部は、処刑は生活苦から不法越境が増えることに対する「事前警告だ」と述べたという。

 レターによると、付近の人々は処刑見学を強制され、女性らが次々と殺される姿に涙を流す人もいたという。住民らは食糧難について「餓死者が恐ろしい数に上っている」と証言。「今回の銃殺はひどすぎる。みんな生きようとしてやったことだ」「殺された人より当局者の方が罪は重い」などと処刑への怒りの声が上がっていると伝えている。

 「良い友人」は北朝鮮内に独自の情報源を持ち、同国内の人権情報を不定期に伝えている。

韓国総領事館の不手際…脱北9人、強制送還

2007/01/18 The Sankei Shimbun Web site

 18日発売の韓国誌、月刊朝鮮などは、朝鮮戦争中に北朝鮮の捕虜になった韓国軍人3人の家族計9人が昨年、北朝鮮を脱出し、中国・瀋陽の韓国総領事館に助けを求めたが、総領事館が適切な保護措置を取らなかったために中国の公安当局に摘発され、全員北朝鮮に強制送還されたと報じた。

 同誌などによると、9人は昨年7月に中国に逃れた後、10月に総領事館側と接触。職員に中国人が経営する宿泊施設に泊まるよう指示されたが、この経営者の通報で公安当局に拘束された。

 拘束後も総領事館は中国当局に身柄引き渡しを強く求めず、9人は同月末に強制送還されたという。同誌や複数の新聞は総領事館が9人を安全な場所で保護しなかったことを非難している。

 韓国外交通商省は「(9人の韓国入りが)実現していないことは遺憾」と事実上陳謝する声明を出した。(共同)

中国、脱北者5000人を強制送還 米民間団体推計

2006/06/15 The Sankei Shimbun

 【ワシントン=有元隆志】米国の民間団体「難民移民委員会」は14日、「2006年版世界難民概観」で、中国が昨年、北朝鮮を脱出した住民約5000人を強制送還したとの推計を発表した。中国国内にいる脱北者は昨年12月の段階で、5万人に上るとしている。

 報告では、中国当局が外国公館に逃げ込むなど注目を集めた脱北者だけ第三国経由で韓国行きを認める一方、摘発を強化していると批判した。米政府も中国による脱北者の強制送還に懸念を強めており、ブッシュ大統領は4月の胡錦濤国家主席との会談でこの問題を提起した。

「脱北者の米国亡命申請を簡易化、韓国ではなく別途に国籍を付与」

MAY 12, 2006 東亜日報

 米国務省当局者は10日、「脱北者6人に難民の地位を付与することで、米国の脱北者亡命プログラムが正式に稼動した。大規模な脱北者に対する支援プログラムが設けられている」と述べた。

 エレン・サワブリー人口・難民・移民担当次官補は10日、下院の国際関係委員会の聴聞会に出席した後、韓国記者たちにこのように話した。

 しかしエレン氏は、さらに米国に難民資格で入国する脱北者数については、「第3国政府や国連傘下の機構と連携しなければならないため、正確に予測することは難しい」と述べた。

 そして、「米国は今年、国連難民機構を通じて、アジアやアフリカから少なくとも2万5000人の亡命を受け入れる予定だ」と付け加えた。

 聴聞会に出席したポール・ローゼンジグ国土安保部政策担当次官補代行は「米政府は、脱北者の国籍を自動的に韓国として扱わないという指針を下した」と述べた。これまで米政府は、韓国の憲法によって脱北者も韓国人と見なし、亡命申請資格を与えなかった。

 また、「米政府の亡命関連省庁では、韓国人と北朝鮮住民を明確に区別するために、亡命者管理システムに新たな国籍および国家コードの入力方式を作成した」と述べた。

 ワシントンではこの他にも北朝鮮人権および脱北者に対する聴聞会と記者会見が相次いで開かれ、最近、米国で高まりつつある北朝鮮人権問題に対する関心を反映した。

 北朝鮮人権法制定を主導したサム・ブラウンバック上院議員は、野外記者会見で「脱北者を米国が受け入れることは、6者協議を後退させるのではなく、北朝鮮を会談場に引き出す圧迫カードだ」と主張した。

 ロバート・ゾーリック国務副長官は同日、下院国際関係委の他の聴聞会で「北朝鮮への影響力行使に消極的な中国は韓半島政策の現状維持を望んでいるが、麻薬や偽ドル製造に依存した不法政権である北朝鮮は、決して今の状態を継続することはできないだろう」と述べた。

「北への強制送還禁止と亡命先準備が急務」

2006/05/10 朝鮮日報

第7回北朝鮮人権会議参加者の主要発言録

■マンターポーン氏(国連人権委員会特別報告官)

 「北朝鮮の住民は自由に情報と接触することが不可能な社会で生きている。外国の放送を聞くこともできなければ、個人的にパソコンを持つこともできない。数年前から、海外メディアは北朝鮮の後継者問題についていろいろと報道してきた。しかし北では、論議さえできない状況だ。国際社会は北朝鮮政府に対し、自由な情報の伝達が可能になるように導いて行かなければならない。

 また、北朝鮮難民のため亡命先の提供を解決するべきだ。中国が北朝鮮難民を受け入れない問題については私の権限では要求しにくいが、強制送還禁止の原則だけはしっかり守らなければならない。北朝鮮難民に対し、今や国際社会は責任を共有するべきだ。もちろん北朝鮮で人権がきちんと守られ、住民たちを処刑・処罰しなければ、根本的な問題は消えるだろう」

【社説】米国の北朝鮮脱出難民受け入れ

2006.05.08 中央日報

米国が脱北者6人を難民として受け入れたことで、脱北者らの米国亡命時代が開かれた。

米国が脱北者らを難民と認めて受け入れたのは今回が初めてだ。今まで米国は北朝鮮に対する人権を取り上げながらもいざ1人の脱北者も難民として受け入れたことはなく、国際人権団体から「口だけの関心」「政治的圧迫手段で人権問題を低下させるだけ」などの非難と圧迫を受けてきた。このため今回、脱北者難民の受け入れは米国の対北朝鮮人権圧迫政策が新しい段階に移ったことを示している。これまでの政策が言葉だけだったなら、これで行動の段階に移ったのだ。

今後の関心は2004年に制定された北朝鮮人権法の追加的適用が果たしてどの範囲まで拡がるか、どのくらいの速度と規模で米国が脱北者を受け入れるかだ。9.11同時多発テロ以後、米国に拡散した反テロリズム情緒および政治難民に対する厳しい規定などを勘案する際、脱北者に対する追加的受け入れが果敢に行われる可能性はそれほど大きくない。

しかし今回の北朝鮮脱出難民の受け入れを契機とし、米国で北朝鮮人権問題に対する関心とその度合いがいっそう高くなることは明らかだ。実際に今年に入って米国はレフコウィッツ特使の攻撃的発言とブッシュ大統領の横田めぐみさんの親および脱北者家族の助言などに北朝鮮人権に対する攻勢的圧迫水位を上げてきた。

米国の今回の脱北者受け入れは、韓国と中国、北朝鮮などにも新たな苦悩をもたらしている。脱北者を基本的に韓国民と見なして彼らを積極的に受け入れながらも北核問題の優先的解決を理由に北朝鮮人権問題に対して静かな外交を進めてきた韓国は、米国の今回の措置で新たな悩みを抱くようになったわけだ。

また脱北者らを捕らえて強制に北送している中国と脱北者を政治的に処罰してきた北朝鮮は深刻な現実的圧力として受け入れることになるとみられ、「政策転換か、さらなる反発と体制制限か」という選択の岐路に立たされるものとみられる。

脱北者:6人を難民認定、米に入国 米朝間、新たな火種

2006年05月08日 毎日新聞 東京朝刊 Mainichi INTERACTIVE

 【ワシントン笠原敏彦】北朝鮮の人権問題に取り組むサム・ブラウンバック米上院議員(共和党)は6日、北朝鮮脱出住民6人が東南アジアから5日夜、難民として米国に到着したと明かした。AP通信が報じた。米国が北朝鮮住民を難民認定し受け入れるのは初めて。北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議が金融制裁問題で再開のめどが立たない中、難民受け入れは米朝間の新たな火種になる可能性がある。

 脱北者が保護されていた東南アジアの米大使館の所在国や米国での到着先などについてブラウンバック上院議員は北朝鮮に残る家族の安全や外交問題化を懸念して明かしていない。難民6人のうち4人は女性で、人身売買や強制結婚などの被害を訴えているという。

 米国では脱北者の亡命を認める北朝鮮人権法が04年に成立し、今回の6人に初適用された。しかし、北朝鮮からの一次脱出先である中国が脱北者を難民と認めない上、脱北者のほとんどが韓国定住を望むため、今後も「脱北者の大半は韓国に向かう」(国務省当局者)のが確実だ。今年の脱北者の米国への亡命申請は200人程度にとどまるとの見方が有力だ。

 北朝鮮は北朝鮮人権法成立の際、「体制転覆のための本格的な環境づくり」だと反発した。北朝鮮には、米国の難民受け入れが北朝鮮住民の大量国外脱出の呼び水になり、金正日体制の崩壊につながることへの警戒感があったという。

 レフコウィッツ北朝鮮人権問題担当特使は米国が近く北朝鮮難民を受け入れると表明していた。

 北朝鮮は、米国が北朝鮮のドル札偽造やマネーロンダリング(資金洗浄)を理由に発動したマカオの銀行に対する制裁に反発、6カ国協議に出席しない理由にしている。

脱北者:米国・難民認定 韓国の支援団体「選択肢増えた」

2006年05月08日 毎日新聞 東京朝刊 Mainichi INTERACTIVE

 【ソウル堀山明子】米国による脱北者6人の難民認定と受け入れを支援した韓国の脱北者支援団体「トゥリハナ宣教会」の千〓元(チョンギウォン)代表は7日、記者会見し、「脱北者の選択肢が増えた」と意義を強調した。現在、「第2陣」の数人も米国入りに向けて手続きに入っているという。

 千代表によると、6人は20〜30歳代の男女。米国政府関係者から3月末、「脱北者を難民として受け入れる」と連絡があり、支援作業が始まった。中国国内の4カ所にいた脱北者6人を第三国に出国させ、4月17日に米国大使館に引き渡した。

脱北者 韓国見限り米亡命 「南北融和」に不信感

2006年05月07日(産経新聞) YAHOO! News

 【ソウル=久保田るり子】北朝鮮を脱出し韓国籍を取得した脱北者が米国で初めて「政治亡命」を認められ、韓国に困惑と波紋が広がっている。米国はまた、東南アジアの米大使館に逃げ込んだ脱北者数人を近く米国に受け入れる。南北和解ムードの韓国を見限って米国で北朝鮮の人権問題を訴える脱北者たち。もはや韓国は安住の地ではないのか。

 四月末に米ロサンゼルスの裁判所で亡命が認められたのは朝鮮人民軍将校出身のソ・ジェソクさん(40)。ソさんは工場爆発で大やけどを負い、家族で脱北。中国などを経て一九九八年に韓国入りしたが、息子が脱北者ゆえの差別を受け、四年前に渡米した。

 ソさんが脱北者用の一回限りの旅券で渡米したところ、韓国政府は一週間後に戸籍に相当する「住民登録番号」を抹消。ソさんは米移民局に亡命申請したが、当初は通らず、米人権団体の支援を受けて移民裁判所に提訴して勝訴した。移民局が控訴を放棄したため、亡命が確定した。

 二〇〇四年に成立した米国の北朝鮮人権法は民主化運動や脱北者の支援を趣旨としている。しかし、米韓関係への配慮やその後の雪崩現象を懸念し、原則的には韓国籍の脱北者は対象外となってきた。だが、ソさんが脱北の過程で北に強制送還され拷問を受けた経緯がある点が考慮され、個別に同法が適用された。

 これに対し、韓国政府は当惑を隠せない。「韓国が脱北者にとって政治的に危険なところという意味にも解釈できる」(朝鮮日報)からだ。李鍾●・統一相は「亡命はナンセンスだ」「そんな事実(韓国政府による弾圧)はまったくない」と不快感を表明している。

 米国には「韓国政府の政治的弾圧を受けた」として亡命申請した韓国籍脱北者が十数人いる。ソさんによると、ロサンゼルスで二、三十人、ニューヨークで約五十人が申請を準備しており、今後、米側の司法判断が注目される。

 一方、米国が近く難民として受け入れを準備しているのは、中国などを経て東南アジアの米大使館に駆け込んだ人たちで、実現すれば、初の同法による難民受け入れのケースになる。 ●=夾の人を百に

「北の犯罪、世界に訴える」 亡命元貿易会社社長・金徳弘氏

2006/04/06 The Sankei Shimbun 東京朝刊から

≪韓国、渡米の旅券発給拒む≫

 【ソウル=久保田るり子】北朝鮮から9年前、黄長●・朝鮮労働党元書記とともに韓国に亡命した朝鮮労働党傘下の貿易会社元社長、金徳弘氏(67)が、海外渡航の自由を求め韓国政府を相手取った裁判闘争を続けている。金氏は5年前から渡米を希望しているが、韓国政府が「身辺の安全問題」を理由に旅券発給を拒否しているからだ。金氏は訪米の目的として「金正日(総書記)の犯罪行為を世界に訴える」などと述べているだけに、背景には盧武鉉政権の対北配慮があるのではないかと取りざたされている。

 金氏は北朝鮮の民主化実現に向けた海外での政治活動を希望、2001年から米国の非政府組織(NGO)などから招聘(しょうへい)を受けているが、金大中前政権、盧武鉉現政権ともに旅券を発給していない。このため金氏は04年7月、潘基文外交通商相を相手取り旅券発給を求める訴訟を起こした。

 昨年11月、ソウル高等裁判所は、韓国政府が金氏の旅券申請を放置した「不作為」を違法とする判決を出した。これを受けて政府は「金徳弘氏は格別な身辺保護が必要な人物」として旅券発給拒否を決定、「旅券発給は招請側による身辺安全保障が確保されたあとに決断する」(外交通商省)との立場をとった。

 金氏はこれを不服として1月末、改めてソウル行政裁判所に旅券発給訴訟を起こしたのをはじめ、損害賠償請求など計5件の裁判闘争を続けている。

 外交通商省は本紙の取材に書面で「金徳弘氏への旅券発給拒否は、同氏が格別な身辺保護が必要な人物で、海外訪問時にわれわれ(韓国側)関係当局の正常な身辺保護活動が事実上、不可能なことから、身辺危害の可能性が高いため」とし、「(発給の是非は)招請者側の身辺安全保障が確保されたあとに決定すべき問題」と回答している。

≪一問一答≫

 金徳弘氏は産経新聞のインタビューに応じ、旅券発給問題などについて次のように語った。

 −−韓国政府が旅券発給について「招請側の身辺保障」を条件にしているが

 「人権を認めていない無責任な態度だ。民主主義、法治主義からみてもおかしい。自国民の旅券を発給するのになぜ、他国の身辺保障担保が必要なのか。旅券所持は韓国国民であれば誰でも当然、認められる権利ではないか。

 韓国の外交通商省と国家情報院は2003年、黄長●・朝鮮労働党元書記の米国訪問に旅券を発給した。黄氏は私よりも“格別な保護が必要ではない対象”なのか。なぜ、黄氏に旅券が出て私には出ないのか」

 −−盧武鉉政権がなぜ、旅券を発給しないと考えるか

 「私が米国に行けば金正日(総書記)のすべての犯罪行為を世界の世論に訴える。また韓国政府が経済交流を通じ平和的統一を進める対北政策の反民族性や欺瞞(ぎまん)性を暴露するつもりだ。こうした私の行動を韓国政府は望んでいない」

 −−訪米の目的は

 「北朝鮮の人権問題解決と自由化、民主化だ。過去、旧ソ連は、まさに人権問題闘争で米国の世論が喚起され、国際世論が呼び起こされた。米国に行かなければ、これらの問題を国際社会に訴えることが難しい」

 −−北朝鮮の現状をどうみるか

 「今年中に何かが起きるのでは、と思っている。米国による金融制裁は北朝鮮の生命線や(金正日総書記の秘密資金を管理する)39号室を締め付けている。北朝鮮で金正日の偶像化は崩壊し、住民の金正日への憎悪は拡大している。

 万が一、カナダが(北朝鮮と国境を接する)中国の位置にあったら、とっくに大量脱北が起きて北朝鮮は崩壊していただろう。しかし2000年の南北首脳会談以降、韓国と金正日との関係が近くなったことから『韓国に行くこともできない』と脱北をあきらめる住民もいる」

 −−北朝鮮の改革開放はありうるか

 「金正日が今年1月に訪中した後、北朝鮮が中国式改革開放に追随するかのような報道があるが、北朝鮮と中国は異なる。中国は共産党が神格化された国だが、北朝鮮は金正日が神格化された国なのだ。その金正日のために大量の住民が餓死した。改革開放で北朝鮮に自由主義が入れば北朝鮮は一気に急変するだろう。住民はすぐに自由主義を学ぶだろう」

 −−北朝鮮内の反体制運動との連絡は

 「ノーコメントだ」

 −−中朝関係をどうみるか

 「6カ国協議を行ってきた中国は、仲介国として北朝鮮に核放棄を促すというより、金正日を生かす方策として6カ国協議を利用してきた。そして北朝鮮に投資と貿易で影響力を強めており、現在、北朝鮮に流通する商品の8割が中国製品だ。地下資源や工場などが次々に中国人の手に落ちている」

 −−韓国での9年間の亡命生活について

 「9年間で自由な生活は1日もなかった。韓国がこういう国とは想像もできなかった。行動の自由はなく(金氏には24時間の警備が付いている)監禁状態と同じだ」

【プロフィル】金徳弘

 1938年北朝鮮の平安北道生まれ。58年、社会安全部(現人民保安省)に入隊後、金日成総合大学に進学。65年から81年まで同大教務部に勤務。その後、主体思想研究所を経て貿易会社社長。97年の黄長●元書記の亡命を支援、自身も亡命した。●=火へんに華

米国議会、北朝鮮人権法案は通過させても脱北者は1人も受け入れられない……

2005/12/17 JANJAN

 9日、Jay Lefkowitz米北朝鮮人権特使はソウル新羅ホテルで開かれた北朝鮮人権国際大会に参加し、中国政府は人権蹂躙に遭っている脱北者に難民地位を与え亡命申請を受け入れるべきであると主張した。

 彼は「数十万名の北朝鮮住民が中国などでとても大変な生活を送っているが、中国は彼らの難民地位を認定していない」「中国は1951年難民地位に関する協定と1967年議定書を遵守して、亡命を要求した脱北者が中国に接近することを認めるべきだ」と話した。

 昨年、北朝鮮人権法を制定した米国議会は北朝鮮を世界でもっとも脆い人権国家として指摘し、中国にも難民地位協定と議定書を遵守するように促したが、米国も脱北者に難民地位問題に関して“中国と変わらない”という評価を受けている。

 現在まで米国行政府が受け付けて難民認定を検討中である脱北案件は13件(既存申請者6名、2004年の申請者7名)とされている。しかし、このうちの1件も許可されていないのが現状である。米国国務部と国土安保部が北朝鮮人権法の通過1周年(10月18日)を迎えて先週上・下院に提出した報告書によると、「脱北者の米国行きが可能になると、経済的脱北者が大勢発生する“磁石効果”につながるため、難民地位を許可できない」と理由を述べている。

 特に、米国は昨年制定した北朝鮮人権法を通じて、中国内の各国公館に進入して米国行きを要求する脱北者の亡命は許容しないという立場を明らかにしたこともある。一方、韓国政府は1年に1000名を超える脱北者を受け入れている。

 チョン・ドンムン統一部社会文化交流局定着支援課長は「1954年以後、国内に入国した脱北者は全部で7228名である」「多くは1990年代後半に第3国を通じて入国した」と話した。

 チョン課長は「この調子だと、来年または再来年頃には国内に定着した脱北者は1万名を越える見込み」と推定した。今年だけでも韓国に入国した脱北者は1217名である。毎年、1000名を越える脱北者を国内に受け入れて定着を手伝っている。

 チョン・ドンヨン統一部長官は最近問題になっている北朝鮮人権問題に関連して、「国際社会で脱北者問題を自分達の問題として認識して受け入れている国は韓国だけだ」「韓国を除いて、全世界どこでも脱北者の難民を認め、定着するように支援している国はない」と話した。

 Jay Lefkowitz特使は記者会見を通じて「米国は脱北者に避難所を提供できる方案を検討している」「法的に韓国市民である脱北者の最終的な定着地としては韓国がもっとも適合である」と述べた。

 Hudson Instituteのマイケル研究員も10月の記者会見で「米国が脱北者を1人も受け入れず、他の国に中国内の脱北者を受け入れるように要求するのは偽善的な発言である」と述べたように、米国は北朝鮮人権問題に関連して精神分裂的な形態を見せている。

 チョン・テウク嶺南大学法学部教授は「2004年米国議会が制定した北朝鮮人権法草案には、▲難民地域の認定、▲労働権、▲永住権などについて詳細に規定しているが、最終段階で可決した法律にはその内容がすべて抜けている」と伝えた。

 その理由についてチョン教授は「米国行政府内部でテロ問題、国土防衛安全問題などのため歯止めをかけたようだ」「自国では亡命許可を出さないのに、中国やモンゴル、韓国などに脱北者を受け入れろと促しているのは滑稽である」と指摘した。

 続いて彼は「米国国内法上、難民地位認定問題はとてもややこしい問題だと知っている」「特に、ブッシュ行政府はメキシコなどから入ってくる密入国者についてもうまく対応できていないのに、脱北者まで受け入れることは無理だという米国保守派の反発を憂慮しているため、これからも脱北者を受け入れられないだろう」と分析した。

 ブッシュ行政府は国際的に北朝鮮人権問題を挙げながら、北朝鮮が“悪”であることを全世界に知らしめた一方、国内的には脱北者の入国を源泉的に防いで内部問題が生じないように段取りをしている。

 イ・チョルギ東国大学北朝鮮学科教授も「米国は口だけは北朝鮮の人権と叫んでいるが、政治的意図以外に解釈するすべがない」「米国は脱北者難民問題を解決するため北朝鮮人権問題を挙げるのではなく、北朝鮮を圧迫して崩壊させるという意図で人権問題を提起している」と話した。

 イ教授は「今回北朝鮮人権国際大会に参加したJay Lefkowitz特使や大使の内政干渉的発言は国際社会の慣例から見た時、韓国政府に対する深刻な欠礼である」「政府は彼らが日本やロシアの特使や大使だったら、不快感をあらわにしたでしょう」と政府の無感覚に対する批判も忘れなかった。

 パク・チョンウン参与連帯平和軍縮センター幹事は「脱北難民を受け入れる考えを持っていない米国が脱北を誘導する法を制定して、難民地位認定のような敏感な問題では韓国や中国を責めることは人権問題を政治的に利用するだけである」と米国の北朝鮮人権政策を強く批判した。

 また、パク幹事は「脱北者を選別受容するという立場を明らかにした米国の脱北者保護や亡命需要者政策はほとんど実効性がないとみるべきだ」と加えた。 12月14日 (OhmyNews) キム・ドクリョン     

北京の韓国学校に侵入図った脱北者、公安当局が連行

2005/12/02 The Sankei Shimbun

 韓国の通信社、聯合ニュースによると、北朝鮮を脱出した女性(35)が2日、韓国への亡命を求めて中国・北京の韓国国際学校に侵入を図ったが、中国公安当局に捕まり連行された。

 在北京韓国大使館は中国政府に対し、女性を北朝鮮に送還しないよう要請した。女性は昨年5月に北朝鮮を脱出したという。(共同)

脱北住民8人、青島の韓国学校に駆け込み

2005/10/11 The Sankei Shimbun

 韓国の通信社、聯合ニュースは11日、北朝鮮を脱出したとみられる住民8人が同日午前(日本時間同)、中国・青島にある韓国国際学校に駆け込んだと報じた。韓国内の北朝鮮脱出住民支援団体の話として伝えた。

 8人は韓国への亡命を求めているという。7人は北朝鮮北東部の咸鏡北道、1人は北西部の新義州の出身とみられる。(共同)

脱北者7人、中国が強制送還…韓国が抗議

2005年10月11日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ソウル=中村勇一郎】韓国政府は10日、今年8月に中国・山東省煙台の韓国国際学校に駆け込み、中国当局に拘束された脱北者7人が北朝鮮に送還されたことを明らかにした。

 韓国外交通商省は中国側に抗議するとともに、「人道的に処理するよう要請してきたが、強制送還したことは遺憾」とする声明を発表した。

 7人は8月29日、韓国国際学校に駆け込んだが、間もなく中国当局に連行された。韓国は中国に脱北者を引き渡すよう求めていたが、先月29日に北朝鮮に送還されたという。

校長指示で脱北者追い出す 天津の韓国人学校

2005/09/12 The Sankei Shimbun

 北朝鮮から脱出した住民を支援している市民団体「拉致被害・脱北人権市民連帯」は12日、北朝鮮を脱出した住民9人が中国の天津にある韓国国際学校に駆け込み、韓国への亡命を求めたが、同校の校長の指示で追い出されたと明らかにした。

 同団体によると、大人の男性1人と女性6人に1歳と7歳の子供の計9人の脱北者が同日午前(日本時間同)、同校に駆け込んだ。

 しかし、9人と面談した同校の韓国人校長の指示により、9人は学校外へ追い出された。(共同)

北朝鮮脱出者が駆け込みか 中国・天津、全員を拘束

2005/07/28 The Sankei Shimbun

 北京の日本大使館などによると、中国天津市の日本人が多く住む外国人居住区「九河国際村」に27日未明、身元不明者数人が駆け込んだ。関係者は、駆け込んだのは北朝鮮の脱出者5人としている。

 駆け込んだ数人はいずれも村の警備員に拘束され、通報を受けて駆け付けた天津の公安当局に引き渡された。

 日本大使館は、中国の公安当局などに事実関係の確認を求めるとともに、北朝鮮の住民だった場合は人道的措置を施すよう要請した。

 九河国際村の敷地内には日本人学校もある。(共同)

亡命:北朝鮮最高人民会議の代議員が韓国に 韓国誌報道

2005年7月18日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

 【ソウル堀山明子】韓国の有力月刊誌「月刊朝鮮」は17日発売の8月号で、北朝鮮の国会にあたる最高人民会議の代議員(72)が5月、第三国を経由して韓国に亡命したと報じた。同誌によると、代議員は北朝鮮の軍事産業を総括する「第2経済委員会」傘下の「海洋工業研究所」の研究員。現在は韓国国家情報院に身柄を確保され、取り調べを受けている。同誌は仮名で報じ、人物を特定していない。

 同誌によると、代議員は国家情報院の調べに対し、「北朝鮮は4キロのプルトニウムを持っている」「最近、小型核兵器をつくった」などと証言。ミサイルを「台湾に密売した」とも述べていると言うが、18日付朝鮮日報は、国家情報院はこうした証言の真偽について明らかにしていないと報じている。

脱北者10人、韓国国際学校に駆け込む…中国・青島

2005年07月05日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ソウル=福島恭二】聯合ニュースは5日、韓国の脱北者支援組織関係者の話として、北朝鮮を脱出したと見られる住民10人が同日午後、中国山東省青島市の韓国国際学校に駆け込み、韓国行きを希望していると伝えた。

 同関係者によると、10人はすべて北朝鮮咸鏡北道の出身で、女性は8人。下校時間に正門から進入した後、校長室に入ったという。

脱北者の生活を支援 元東京入管局長らNGO設立

2005/05/24 The Sankei Shimbun 東京朝刊から

 帰還事業で北朝鮮へ渡り、その後、脱出して日本に帰国を果たした在日朝鮮人や日本人配偶者を支援するNGO(非政府組織)「脱北帰国者支援機構」が23日、発足した。法務省・東京入国管理局長を3月末に退職した坂中英徳さん(60)が代表を務め、生活相談などの支援活動にあたる。

 同機構によると、昭和34年から59年までに、帰還事業で渡朝し、その後日本に戻った脱北者は現在80−100人。命がけで脱北しても家探しや就職など困難が多く、横の連携も希薄で孤立しがちという。

 退官後のライフワークに「帰還者支援」を選んだ理由について、坂中さんは「北朝鮮は彼らを人質にとり、外交や財源確保に利用した。こうした体質が日本人拉致にもつながった」と説明した。

 日本に戻った脱北者の支援に専念し、脱出自体の手助けはしない方針だ。坂中さんは「まず(帰国者から)個々の事情を聴き、何を望んでいるのかをつかんで支援していきたい」と話している。

 脱北帰国者支援機構の連絡先はTEL03・5214・3939。

「脱北者支援は社会の責務」前入管局長がNGO設立

2005/05/07 読売新聞 yomiuri On-Line

 前東京入管局長の坂中英徳さん(60)が今月23日、日本から北朝鮮に渡った「帰国者」を支援する民間活動団体(NGO)「脱北帰国者支援機構」をスタートさせる。

 坂中さんは「人権弾圧を受けている帰国者の問題に向き合うことは、社会の責務だ」と語り、幅広い協力を呼びかけている。

 坂中さんが在日問題を「ライフワーク」とするきっかけとなったのは、1977年に自費出版した論文だった。在日2世、3世は日本で生まれ育ち、日本文化になじんでいるのに、法的には外国人とされる矛盾を解消すべきだと指摘した。

 官公庁が在日問題に距離を置いていた中、入管行政の当事者がこうした主張を発表することは異例で、在日団体からは「同化の強制だ」などと批判された。

 しかし、81年と91年の入管法改正などで在日韓国・朝鮮人に特別永住の在留資格が新設され、社会保障制度の適用も受けられるようになり、在日社会も次第に坂中さんの取り組みを理解するようになった。

 在日韓国・朝鮮人との交流を通じ、坂中さんは59年から84年にかけて行われた帰還事業で北朝鮮に渡った帰国者が「祖国」で差別を受けていることを知った。

 入国在留課長時代の95年には、脱北した日本人妻の日本への入国手続きにかかわり、帰国者が日本に戻り始めていることを知った。現在、約80人の脱北者が日本で暮らしているものとみられるが、日本政府は彼らの生活を積極的に支援する政策は打ち出していない。

 「北朝鮮は帰国者を人質に取り、在日社会から金品を巻き上げている」。北朝鮮をこう批判する坂中さんは、北朝鮮にいる帰国者が日本に戻れるよう、政府の取り組みを促す活動も予定している。

30代男性が日本国籍求め届け出 脱北後、昨年来日

2005/05/02 The Sankei Shimbun

 北朝鮮に渡った50代の日本人女性を母親に持ち、同国を脱出して昨年6月に来日した30代男性が2日、東京法務局に日本国籍の取得を求める手続きをした。

 法律上、男性のケースで国籍を取得するには届け出が可能になってから3カ月以内の届け出が条件。来日から1年近く経過しての届け出について男性側は「日本政府から国籍を取る具体的な方法を知らされなかった」としている。

 男性の代理人弁護士によると、男性の母親は北朝鮮で現地の男性と結婚、1974年に男性を出産した。男性は2003年3月、母親らと脱出したが、母親は中国で行方不明になり、男性は昨年3月に北京の日本大使館に保護された。男性は来日後の10月に「定住者」の在留資格(3年間)を得た。

 85年施行の改正国籍法は、母親が日本人であれば日本国籍の取得が可能で、施行前に生まれた男性のようなケースでも一定条件で国籍取得を認めている。しかし、男性は今年4月に弁護士に相談して改正内容を知ったという。(共同)

脱北者支援:入管元トップ、来月NGO設立−−在日韓国・朝鮮人とともに

2005年4月19日 毎日新聞 東京夕刊

 ◇「帰国事業の背景に差別あった 支援は責務」

 東京入国管理局長を最後に先月末で法務省を退職した坂中英徳さん(59)が代表を務める脱北者支援のNGO(非政府組織)が来月、東京都内に設立されることになった。帰還事業で北朝鮮に渡り、帰国した元在日朝鮮人や日本人妻らを支援するのが目的。ボランティアで支援に乗り出す入管行政の現場の元トップは「日本社会での差別が背景にある帰還事業。帰ってきた人たちを支援するのは当然の責務」と話している。【西脇真一】

 団体は仮称「脱北帰国者支援機構」。坂中さんは、在日韓国・朝鮮人政策に通じ、77年に発表した在日の法的地位の安定などを論じた「坂中論文」の筆者として知られる。

 多文化共生社会を目指す大津市の市民団体「近江渡来人倶楽部」から00年に講師として招かれたことが設立のきっかけ。代表幹事で在日韓国人2世の会社役員、河炳俊(ハビョンジュン)さん(57)と意気投合し、構想を温め、坂中さんの退職を待っていた。

 支援対象となるのは、帰還事業で北朝鮮に渡り、その後脱北して帰国した人たちと帰国を待ち中国国内に潜伏する人たち。帰国者はこれまで約80人いるとみられるが、言葉や生活、住居、就労などの支援は不十分で、多くが生活保護などに頼っているのが現状。活動の中心となるのは、在日の人たち。これまで、北朝鮮にいる親族らのために家族らにも黙って支援する人も多いが、坂中さんは「自分が代表を務めることで、こうした人たちが声を上げて支援に取り組むことを期待したい」と話している。

 活動資金は寄付でまかなうほか、既に活動している脱北者支援団体の連携強化のため連絡協議会も設ける予定だ。事務局を務める予定の河さんも親族が北朝鮮へ帰還している。河さんは「脱北を促す組織ではない。自分の意思で日本に戻って来た人を温かく迎えるのは、人間として当たり前のことだ。支援には在日のネットワークを利用したい」と話している。

脱北問題 中国、強硬姿勢に転換 身柄引き渡し学校側に要求

2005/03/22 The Sankei Shimbun 東京朝刊から

 【北京=野口東秀】北京の日本人学校で北朝鮮脱出住民の駆け込みが相次いでいるが、今月九日に男女八人が駆け込んだ事件では中国側が、「外交特権施設ではない」として身柄引き渡しを要求するなど強硬な姿勢に転じたことが明らかになった。昨年九月に同校に駆け込み日本大使館で保護中の脱北者の一部も第三国への出国の見通しが立たない状態が続いている。背景には、北朝鮮の核問題に関する六カ国協議が絡み、中国政府が北朝鮮からの「圧力」に配慮していることがあるとみられる。

≪抑止効果≫

 日本人学校への駆け込みは二〇〇三年二月以来、五回発生したが、今月九日の駆け込みでは、中国公安当局はそれ以前の四回と異なり、大使館への移送をすぐに認めず、身柄引き渡しを要求した。学校に外交特権はなく、違法侵入者の引き渡しは国際条約に基づき当然という理由だ。

 従来、日本人学校への駆け込みの処理には大使館員が交渉に関与してきたが、中国側は今回はそれを認めず、学校側と一時間にわたる押し問答の末、大使館への移送を認めた。その際、中国側責任者は「中国の法に背く行為。今後、学校の安全に責任は持てない」と明言したという。

 中国側は、学校側に駆け込み防止策を強化させる一方、駆け込み者の身柄を差し出させることで、組織的な脱北の意欲を抑止するのが狙いとみられる。法的には強制的拘束も可能だが、国際社会の批判を恐れ、学校側に任意差し出しを求めたようだ。

≪法的圧力≫

 日本人学校は一九七六年の設立当初の経緯から、現在も「大使館付属」として、実質的に大使館が管理に関与する「準外交施設」で、教員らも外交官に準じ、税法上の優遇措置を受けている。

 従来、中国側は学校の特殊な地位に配慮、駆け込みの通報を求める程度で、大使館への移送を黙認してきた。しかし駆け込み事件が相次いだ昨年来、「準外交施設」との位置づけは不適当と主張。学校側も一般国際学校への登記変更手続きを進め、近く批准される。

 民間学校になっても、学校側は、大使館に処理を任せ引き渡しを拒否する方針。二〇〇二年の瀋陽総領事館への駆け込み者を中国側に引き渡し、日本国内の批判を浴びたことも影響している。しかし「進出企業など民間施設に駆け込めば保護できるのかという問題にもなる」(日中外交筋)ため、対応は難しい。

≪北への配慮≫

 〇三年二月、日本人学校への最初の駆け込み事件では、大使館に移送した後、一カ月後に第三国へ出国が認められた。昨年九月の二回目の駆け込み(二十九人)のうち二十人も三カ月以内に出国したが、残り九人を含め計三十二人が大使館に留め置かれたままとみられる。韓国大使館も事情は似ており、常時百数十人が出国許可待ちになっている。

 外交筋によると、昨年七月、中国経由でベトナムに入った脱北者四百数十人が韓国に移送されたことに北朝鮮が激怒、脱北者の取り締まり強化を中国に要求したことが影響しているという。

 中国は昨年六月以来、中断している六カ国協議の再開のため北朝鮮の説得に全力を挙げており、北を刺激する要素は極力排除してきた。北朝鮮批判の論文を掲載した雑誌廃刊措置や、韓国の国会議員の記者会見の強制中止などもその一環で、脱北者問題への強硬姿勢は続きそうだ。

また日本人学校に駆け込み 北京で8人、韓国亡命希望

2005/03/09 中国新聞ニュース

 【北京9日共同】北京の日本大使館によると、九日午前四時半(日本時間同五時半)ごろ、北京市朝陽区の日本人学校(高橋宏校長)に、北朝鮮からの脱出者とみられる八人が駆け込み、「韓国へ行きたい」などと書かれた英語のメモを示して保護を求めた。

 連絡を受けた大使館幹部らが八人と面会し、脱北者とみられると判断して大使館に収容、身元などを調べている。大使館によると、八人は男性一人と女性六人、男の幼児一人。英語のメモには「私たちは北朝鮮の難民だ。もし北朝鮮に戻れば迫害される。どうか助けてほしい」などと書かれていた。

 日本人学校への脱北者駆け込みは二○○三年二月以降、五回目。昨年十二月と今年一月の駆け込みでも、脱北者は同趣旨のメモを所持しており、同一の支援組織が背後にいるとみられる。

 八人ははしごを使い、高さ約五メートルの壁と鉄条網を乗り越え校庭に侵入、当直の警備員らに保護を求めた。学校側では相次ぐ駆け込みに、監視カメラ設置や警備員増員などの対策を講じていたが、脱北者は警備の手薄な未明の時間帯を狙ったとみられる。

 これまで日本側に保護された脱北者は、第三国を経由し希望通り韓国入りしているが、現在も同大使館には、今回の事件以外にも、まだ調査が終了していない脱北者が残っている。

脱北者の受け入れ拡大明記 米長官、議会に初の報告書

2005/02/26 The Sankei Shimbun

 ライス米国務長官は25日までに、昨年10月に米国で成立した北朝鮮人権法に基づき、北朝鮮脱出住民の現状と米政府の支援策を説明する初の報告書を議会に提出した。脱出住民を「難民」として米国に受け入れるための「適切な仕組み」づくりを目指す方針を明記している。

 報告書はまた、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と脱出住民との接触を認めず、住民の強制送還を続けているとして、中国をあらためて批判した。

 報告書によると、中国東北部に滞在する北朝鮮脱出住民の総数は推定で3万−5万人。中国当局の取り締まり強化などにより、2000年当時の7万5000−12万5000人から大きく減った。

 報告書は、脱出住民に対する支援強化の必要性を指摘。米政府が直接、脱出住民の難民認定手続きを行うのは、中国政府の協力が得られず現時点では困難としながら、米国への受け入れ拡大を目指す方策を検討していると強調した。

 北朝鮮人権法は、日本人拉致問題の解決など北朝鮮の人権状況が改善しない限り、人道支援以外の支援を禁じる法律で、国務長官は脱出住民の状況などを定期的に議会に報告することが定められている。(共同)

米に密入国の脱北者拘束 政府、強制送還の方針 2005/02/05 The Sankei Shimbun

 韓国の通信社、聯合ニュースは5日、北朝鮮を脱出し韓国に亡命した15人が、メキシコから米国に密入国し、米当局に拘束されたと報じた。

 米国の支援団体によると、15人の一部はサンディエゴの施設に収監中。米政府は韓国に亡命した脱出住民の亡命を基本的に認めておらず、強制送還する方針。

 北朝鮮からの脱出住民は米国への政治亡命に成功する可能性が低いため、密入国を図るケースが増えているという。(共同)

 

日本人学校に脱北者8人 北京の大使館で保護

2005/01/24 中国新聞ニュース

 【北京24日共同】北京の日本大使館によると、北京市朝陽区の日本人学校(高橋宏校長、児童・生徒計約四百五十人)に二十四日午前四時(日本時間同五時)前、北朝鮮からの脱出住民とみられる男女計八人が駆け込み、英語で「SOS。北朝鮮から来た。韓国に行きたいので大使館と連絡を取ってほしい」などと書かれたメモを警備員に示し保護を求めた。

 大使館は同六時半(日本時間同七時半)ごろ、八人を大使館本館へ小型バスで移送して保護、身元確認などを進めている。八人は男性一人、女性七人(うち女児二人)で、はしごを使い学校東側の高さ約五メートルの鉄条網のさくを乗り越え敷地内に侵入した。元在日朝鮮人はいないという。

 同学校への駆け込みは二○○三年二月に初めて起きて以来、四回目。昨年九月に二十九人、同十二月に七人が駆け込み、現在もこのうち計十六人が大使館本館で保護され、中国や韓国の関係当局による調査を受けている。十六人以外は全員、第三国などを経由して韓国入りしている。

 学校側は駆け込み防止策として、監視カメラや警報装置の設置、警備員増強などの措置を講じたが、今回は昨年十二月の場合と同様、警備態勢が手薄となる未明の時間帯に駆け込みが行われた。

 中国政府は昨年夏以降、北京の外国公館や関連施設への駆け込みに対し、摘発を強化。一方で、駆け込んだ住民を保護する各国政府の方針に「駆け込みを助長する」と不快感を表明している。

日本女性ら脱北者40人拘束 99年から3年間でと韓国紙

2005/01/19 The Sankei Shimbun

 韓国の有力紙、朝鮮日報は19日、北朝鮮の工作員グループが1999年からの3年間に中国で日本人女性を含む脱北者ら約40人を拘束、強制的に北朝鮮に連れ戻したと報じた。

 2000年に中国吉林省で脱北者の支援活動をしていた韓国人牧師、金東植氏を拉致し、韓国捜査当局に逮捕された工作員の取り調べ結果として伝えた。

 同紙によると、日本人女性は1960年代末に北朝鮮の男性と結婚し北朝鮮に渡ったが、98年に夫が死亡。娘など3人の家族とともに中国に脱出したが、99年2月下旬、家族全員が北朝鮮工作員に拘束され、連行されたという。

 工作員グループは中国の朝鮮族4人を含む8人で構成。咸境北道の会寧市を拠点とし、主に脱出住民の拘束や韓国人拉致を担当、韓国の情報機関員の拉致も計画したという。(共同)

カナダ大使館に駆け込んだ脱北者44人が出国

2004/12/23 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【北京=竹腰雅彦】当地の外交筋によると、今年9月末、北京のカナダ大使館に駆け込んだ北朝鮮からの脱出住民44人が、23日までに第三国に出国した。最終的に韓国に向かうものとみられる。

 カナダ大使館への駆け込みは北京の在外公館などで頻発する脱北者の駆け込みで過去最大とされ、女性25人、男性13人と未成年者6人が含まれていた。

 中国外務省の劉建超・副報道局長は同日の定例会見で、44人の出国に関連し、「国内法、国際法、人道主義に基づいた処理が、(駆け込み事件に対する)中国の基本姿勢だ」と語った。

中国から送還の脱北者処刑 元在日朝鮮人の男性

2004/12/21 The Sankei Shimbun
 脱北者支援の非政府組織(NGO)・北朝鮮難民救援基金によると、昨年12月、同基金国際担当の野口孝行さん(33)とともに中国当局に拘束された元在日朝鮮人男性(60)が北朝鮮に送還され処刑されていたことが明らかになった。

 野口さんは、北朝鮮から脱出し中国遼寧省大連市に潜伏していたこの男性と元在日の女性(47)をベトナム国境から脱出させようとしたところ中国当局に拘束された。野口さんは中国で起訴され密入国者輸送罪で懲役8カ月の刑を終え8月に帰国していた。

 また、2003年1月に山東省煙台市からボートで脱北者数十人が集団脱出を図る計画が発覚した事件で、NGOの韓国人とともに拘束されていた脱北の男性も今年10月に北朝鮮に強制送還され処刑されていたことがわかった。(北京 福島香織)  【2004/12/21 東京朝刊から】

ベトナムの仏大使館に脱北者4人駆け込み

2004/12/18 読売新聞 Yomiuri On-Line
 聯合ニュースは17日、韓国の脱北者支援団体の情報として脱北者4人が同日午後、韓国亡命を求めて駐ベトナム・フランス大使館に駆け込んだ、と報じた。

 聯合電によると、20―40歳代の男女各2人。当初目指した韓国大使館に受け入れてもらえなかったため、駆け込み先を仏大使館に切り替えた。ただ、仏大使館では事実確認を避けているという。(ソウル支局)

脱北者7人が駆け込み 北京、未明の日本人学校

2004/12/17 The Sankei Shimbun
 北京の日本大使館によると、北京市朝陽区の北京日本人学校に17日未明、北朝鮮を脱出したとみられる男女7人が駆け込み、保護を求めた。大使館は担当者を派遣、7人を大使館に移して事情を聴いている。同校への駆け込みは3回目。

 駆け込んだのは、男性2人と乳幼児1人を含む女性5人。全員が北朝鮮出身者とみられ、元在日朝鮮人はいないもよう。英語で韓国行きを希望すると書かれたメモを所持していたという。

 7人は午前3時45分(日本時間同4時45分)ごろ、学校東側のさくを乗り越えて校内に入り込み、警報装置が作動。学校の警備員が7人を保護した。

 日本人学校には昨年2月に4人が駆け込んだ。今年9月1日にも29人が駆け込み、これまで20人が韓国に出国、残る9人が現在も大使館内で関係当局の事情聴取を受けている。

 中国政府は今年8月以降、駆け込みの規模が拡大したことを背景に、駆け込みには支援組織を含め厳しく対処する方針を打ち出して摘発を強化。15日に起きた北京の韓国国際学校への駆け込みでは、中国側の建物所有者が中国当局の意向を受け、16日に学校を閉鎖する措置を講じ、国際学校は臨時休校に追い込まれた。(共同)

 <脱北者駆け込み> 北朝鮮から脱出する住民は1990年代半ばの食糧難の深刻化で急増。中国やモンゴル、東南アジアなどにある大使館や学校に駆け込み、第三国経由で韓国亡命を求める。韓国に入国、亡命した脱北者は89年までは計約600人だけだったが、2001年は約580人、03年は約1280人と急増。今年は1−9月で既に1500人を超えた。最近は一度に大量の人数が駆け込む傾向がある。中国政府の取り締まり強化などで、東南アジアを目指す傾向も目立ち、今年7月には450人以上がベトナムを経由して韓国に入国した。(共同)

脱北者駆け込みの韓国学校閉鎖 中国側、引き渡しを要求か

2004/12/17 The Sankei Shimbun
 北京の韓国大使館関係者は16日、北朝鮮を脱出したとみられる住民が保護されている韓国国際学校に建物を貸与している中国の所有者側が同日、突然正門を閉鎖したため、児童、生徒らが通学できなくなり臨時休校の措置を取ったと明らかにした。

 中国側は、閉鎖解除の条件として駆け込んだ住民の引き渡しを求めているもようで、韓国側は難しい判断を迫られている。

 韓国大使館は、休校の長期化を懸念し、中国側に遺憾の意を伝え、閉鎖を解くよう協力を求めている。しかし、中国側は、外交特権が適用されない同校で駆け込んだ住民が保護されているのは不適切との立場で、閉鎖もあり得ることを事前に警告しており、早期に閉鎖が解除されるかどうかは流動的だ。

 同校には15日に脱出住民4人が駆け込んだほか、10月にも29人が駆け込んでいる。(共同)

脱北者?4人が北京の韓国学校に駆け込み

2004/12/15 The Sankei Shimbun
 韓国の通信社、聯合ニュースによると、北朝鮮を脱出したとみられる4人が15日、中国・北京市昌平区の韓国国際学校に韓国への亡命を求めて駆け込んだ。

 4人のうち2人は子供で、学校正門から敷地内に入った。同校は外交特権がない施設のため保護する法的根拠はないが、学校側は北京の韓国大使館と連絡を取り、対応を協議しているという。

 同校には10月22日にも29人の脱北者が駆け込んでいる。(共同)


TR>

日本大使館保護の脱北者15人、中国を出国

2004/12/02 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【北京=佐伯聡士】北京の日本大使館は2日、大使館内に保護していた北朝鮮からの脱出住民24人中15人が1日、中国を出国したことを明らかにした。

 15人はいずれも韓国行きを希望していたことから、第三国を経由して韓国に向かったと見られる。

 同大使館は出国理由について「高齢や健康上の理由から人道主義的立場に基づき中国側と調整した」としている。男女の内訳などは明らかにしていないが、子供も含まれているという。

 今回出国した脱北者は9月1日、北京の日本人学校に駆け込んだ29人の一部。同月24日には健康上の理由から5人が出国していた。この結果、大使館で保護されている残りの脱北者は9人となった。

脱北者数百人、出国禁止など特別管理か 韓国政府

2004/12/03 The Sankei Shimbun
 韓国紙、東亜日報は4日付早版で、韓国政府は同国内にいる脱北者の中で北朝鮮へ戻って韓国に不利な行動をする可能性があったり、韓国内でスパイ活動をする危険性があるとみられる数百人に対して出国を禁止するなどの特別管理をしていると報じた。

 最近、韓国に亡命した脱北者が北朝鮮に密入国した際に逮捕され、工作員教育を受けた後に韓国に戻って自首した事件があり、韓国政府の脱北者管理の在り方が問われていた。

 同紙によると、韓国の情報機関、国家情報院が3日に非公開で開かれた国会の情報委員会で、国会議員に説明して明らかになった。

 一方、韓国のある脱北者団体は3日、中国で入手した情報として、北朝鮮の金正日総書記が3月に、韓国にいる脱北者の中に工作員を潜入させるよう指示したと主張した。(共同)

脱北者装い韓国でスパイ活動、北朝鮮工作員を書類送検

2004/12/02 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【ソウル=豊浦潤一】2日付の韓国紙・中央日報は、韓国政府当局者の話として、北朝鮮が工作員を脱北者に偽装させて韓国に送り込んでスパイ活動させていた疑いが強まり、関係当局が7月、この工作員(28)を国家保安法違反容疑で書類送検したと報じた。

 同紙は脱北者として韓国に亡命した北朝鮮工作員の活動が明らかになるのは初めてとしている。

 同紙によると、この工作員は朝鮮人民軍第11保衛司令部所属で、2002年11月、北京の韓国大使館領事部に他の脱北者とともに侵入し、03年1月、韓国に亡命した。工作員は韓国政府から今年4月、旅券の発給を受けると、中国経由で北朝鮮に入国し、脱北者尋問機関や脱北者の定着支援施設「ハナ院」の警備施設などに関する情報を報告した疑いが持たれている。工作員は5月19日、韓国に再入国したが、6月初旬、「心境の変化」から関係当局に自首したという。

 この工作員は、北朝鮮咸鏡北道の国境警備隊員だった1997年6月に脱北したが、中国の公安当局に捕まり強制送還された。その後、北朝鮮当局から忠誠誓約書の署名を迫られ、中国や韓国でのスパイ活動を命じられたという。

脱北者に接近…キーセン旅団、中朝国境で暗躍

2004/11/28 The Sankei Shimbun
 【ソウル=黒田勝弘】北朝鮮を脱出し中国経由で韓国行きを狙う脱北者に、北朝鮮や中国当局の“スパイ”が潜り込んだり接近してくる例が最近増えている。これらのスパイは主に女性であるため中朝国境地帯など現地では“キーセン旅団”といわれている。彼女らの密告で脱北者が検挙されたり外国施設駆け込みが失敗する例もあり、脱北支援団体や仲介のブローカーたちは警戒を強めているという。

 27日付の東亜日報が伝えたもので、最近の例では、25日、中国遼寧省の大連市で脱北者16人が日本人学校に駆け込む計画が失敗したが、これは2日前に脱北者を装って同行を希望してきた“キーセン旅団”とみられる女性2人の密告が原因だという。当日、2人は姿を現さず日本人学校前には中国の警官が配置されていた。

 先月26日に北京で脱北者65人が突然、当局に検挙されたのも関係者の間では“キーセン旅団”の仕業だといわれている。また、脱北ブローカー的な役割をしている韓国在住の元脱北者が中朝国境地帯の吉林省延吉市で「韓国に行きたい」という脱北女性から電話を受け面会場所に出掛けたところ、中国警察に逮捕された例もある。

 女性スパイは、北朝鮮当局の情報工作員と中国当局に雇われた脱北女性からなり、中朝国境地帯のほか大連や北京などで韓国人がよく出入りする飲食店やカラオケ店などに配置されて情報収集にあたっているという。

 韓国当局筋によると、北朝鮮の工作員が脱北者を装って韓国に渡り、各種の工作活動をしている可能性もあるとみて対応策を検討中という。(11月28日 東京朝刊掲載)

脱北住民16人、日本人学校へ駆け込み失敗 中国・大連

2004/11/25 The Sankei Shimbun
 韓国の通信社、聯合ニュースは25日、北朝鮮を脱出した住民16人が同日、中国・大連の日本人学校に駆け込もうとしたが失敗したことが分かった、と報じた。脱出住民の支援関係者の話として伝えた。

 16人は同日午前、駆け込みのため学校近くまで行ったが、学校周辺での中国公安当局の警戒が厳しく断念。現在は16人全員が「安全な場所」に移ったという。(共同)

中国、脱北者62人を強制送還…韓国紙報道

2004/11/09 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【ソウル=豊浦潤一】9日付の韓国紙「朝鮮日報」は、北朝鮮から脱出した住民に詳しい複数の中国消息筋の話として、中国政府が6―7日に脱北者62人を北朝鮮・新義州に強制送還したと報じた。

 10月26日に北京市郊外・通州の民家で拘束された脱北者だという。

 同紙は、中国政府が62人もの脱北者を拘束後約10日で強制送還するのは異例と指摘した上で、北京の在外公館などに集団駆け込みを図る脱北者に対し厳罰で臨む方針を固めた模様だとしている。

中国が脱北者65人を拘束 亡命予定者の潜伏先調査

2004/10/27 The Sankei Shimbun
 韓国の通信社、聯合ニュースは27日、中国の公安当局が26日、北京市で北朝鮮を脱出した住民の潜伏先を強制捜査し、脱北者65人と亡命を支援する韓国人2人を拘束したと報じた。

 韓国の非政府組織(NGO)関係者らによると、約100人の脱北者を北京の外国公館に駆け込ませ、中国政府の脱北者政策の転換を狙った計画の過程だったという。公安当局の約30人が潜伏先だった北京郊外の民家2軒に踏み入った。

 最近、中国では脱北者の外国公館への駆け込みが相次いでおり、中国外務省の章啓月副報道局長は26日、取り締まりを強化する方針を表明していた。

 27日付の中国紙新京報も、北京市東部の通州区のアパートで26日朝、警察当局が60人以上の「身分不明者」を拘束したと報じた。中国紙がこうした事件を詳しく報じるのは異例で、当局の取り締まり強化を反映したものとみられる。(共同)

中国、脱北者支援の摘発強化へ

2004/10/26 The Sankei Shimbun
 中国外務省の章啓月副報道局長は26日の定例会見で、北朝鮮を脱出したとみられる人たちによる駆け込みが北京で相次いでいる問題について「駆け込みをあっせんしている『蛇頭』を必ず厳罰に処す」と述べ、脱出者らの支援組織に対する取り締まりを強化する方針を表明した。

 章副報道局長は「駆け込みは外国のいわゆる宗教団体や人権団体、個人が背後で画策。一部の国がそれら違法者をかくまい、活動を放任している」として、「一部の国」に対し「違法活動」を取り締まり、再発防止を図るよう求めた。具体的な国名には言及しなかった。

 北京では、9月1日に日本人学校に29人が駆け込んだほか、カナダ大使館、韓国大使館領事部、韓国国際学校などに計120人以上が駆け込んでいる。(共同)

脱北者16人、北京で駆け込み図る 中国側が13人拘束

2004/10/25 The Sankei Shimbun
 北京の韓国大使館関係者によると、25日午前6時(日本時間同7時)すぎ、北朝鮮を脱出したとみられる子供を含む男女16人が同大使館領事部に駆け込みを図った。3人は領事部で保護されたが、13人は中国の警備要員に拘束された。

 韓国の聯合ニュースは、18人が駆け込みを図り、3人が成功したと伝えた。

 北京では9月1日に日本人学校に29人が駆け込むなど、駆け込みが相次ぎ、集団の大規模化が目立っている。

 保護された3人は女性2人と9歳の男児で、韓国行きを求めているという。韓国大使館側は拘束された13人について中国側に人道的な立場から引き渡しを求める方針。

 しかし、中国当局は9月から相次いでいる北京の外交関連施設への大規模な駆け込みに態度を硬化させているとされ、引き渡し交渉が順調に進むかどうかは不透明だ。

 聯合ニュースによると脱出者とみられる集団は、同領事部に隣接し国連関係などの国際組織が入居している区画へ塀を乗り越えて入り、その後、再び塀を乗り越えて領事部へ駆け込みを図った。

 北京では、日本人学校への駆け込みを皮切りにカナダ大使館、韓国大使館領事部、韓国国際学校を対象に計122人が駆け込んでいる。(共同)

脱北者29人が韓国学校へ 韓国への亡命要請

2004/10/21 The Sankei Shimbun
 韓国の聯合ニュースによると、北朝鮮を脱出した住民とみられる29人が22日午前9時(日本時間同10時)ごろ、北京市昌平区の韓国国際学校に駆け込み、韓国への亡命を求めた。

 北京では大使館や教育施設への脱北者の駆け込みが続いているが、韓国国際学校に駆け込むのは初めて。同ニュースによると、同校は外交特権が適用される外交施設ではないため、29人がどう取り扱われるか注目される。

 同ニュースによると、29人は学校裏門にある鉄条網を破り校内に駆け込んだ。韓国国際学校には小中高生556人が在籍している。

 北京では9月1日に日本人学校に脱北者29人、29日にカナダ大使館に44人、10月15日には韓国大使館領事部に20人が駆け込むなど、集団での駆け込みが相次いでいる。(共同)

3年以内に1万人突破か 韓国入国の脱北者

2004/10/21 The Sankei Shimbun
 韓国の情報機関、国家情報院は21日、国会に提出した報告書で、北朝鮮を脱出して韓国に入国する人の数が3年以内に累計で1万人を上回る見通しとなり、総合的な対策が必要だと指摘した。

 韓国に入国した脱北者は1990年代末から急激に増え始め、今年8月末までに計5546人。報告書によると、今年はこれまでに約1600人が韓国入りし、年間では約1800人になると予測した。

 報告書は、脱北者の生活支援や就職あっせんなどの対策を強化する必要があると強調した。(共同)

北朝鮮の男女、海上で亡命

2004/10/19 The Sankei Shimbun
 韓国の聯合ニュースによると、19日午前9時半ごろ、韓国西の黄海で漁船に乗った北朝鮮の男女2人が韓国領海に入り、韓国への亡命を求めた。

 小型漁船に乗った2人は海上の軍事境界線にあたる北方限界線(NLL)を越えて亡命を要請。韓国海洋警察が船を韓国の港に誘導し、統一省など関係機関が詳しい事情を聴いている。(共同)

脱北者20人が駆け込み 北京の韓国大使館領事部

2004/10/15 The Sankei Shimbun
 北京の韓国大使館関係者によると、15日早朝、北朝鮮を脱出したと主張する20人が同大使館領事部に駆け込んだ。男性6人、女性14人で、全員が韓国への亡命を求めており、大使館で身元確認を進めている。

 北京の外国公館などへの駆け込みは、韓国大使館領事部に8月に15人が駆け込んで以降、9月に北京日本人学校に29人、カナダ大使館に44人がそれぞれ駆け込むなど、規模が大型化している。

 早朝だったため、周辺の中国側警備も薄く、20人は閉じていたシャッターをこじ開け、領事部建物内に入ったという。

 韓国大使館領事部には、常時100人を超える脱出住民が保護されているが、特別な問題がない限り、中国側は韓国への出国を認めている。(共同)

脱北医師は「金総書記の主治医ではない」…韓国当局者

2004/10/05 読売新聞 Yomiuri On-Line
 聯合ニュースによると、韓国外交通商省の崔英鎮(チェ・ヨンジン)次官は5日、国会で、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記の主治医とされる医師が北朝鮮を脱出したとする韓国紙の報道について、「主治医ではなく、周囲にいた1人と承知している」と述べた。(ソウル支局)

金総書記の主治医、脱北し中国で拘束…韓国紙報道

2004/10/01 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【ソウル=豊浦潤一】韓国紙、文化日報は1日、北京の外交筋の話として、北朝鮮の金正日総書記の主治医とされる60歳代半ばの医師が北朝鮮を脱出し、数日前、北京郊外で潜伏中に中国公安当局に拘束されたと報じた。北朝鮮に強制送還される見通しという。

 同紙によると、北朝鮮当局が中国側に、医師の人相や着衣などの情報を提供。金総書記の健康に関する情報が漏れるのを防ごうとした模様だという。脱出した時期は不明で、動機などにも触れられていない。

米国人学校に脱北者9人駆け込み 上海、連行される

2004/09/30 The Sankei Shimbun
 中国・上海の米国総領事館が30日明らかにしたところによると、北朝鮮を脱出したとみられる女性9人が27日午後、上海市内のアメリカンスクールに駆け込んだが、学校側の通報で駆け付けた警察当局に連行された。

 同総領事館の広報担当者によると、同校は総領事館の関連施設ではなく、学校側は突発事態の対処マニュアルに基づき警察に通報した。総領事館は、上海市と中国政府に対し「強制的に北朝鮮に送還しないよう望む」と申し入れている。

 現場は上海市郊外にあり、マンションなどが多い住宅地。9人が駆け込んだのは児童らが下校した放課後で、事件に巻き込まれた児童はいなかったもようという。

 中国では北京で9月1日、日本人学校に脱北者とみられる29人が駆け込み、同29日にはカナダ大使館に44人が駆け込む事件があったばかり。

 上海では、昨年8月に日本人学校への脱北者駆け込みを計画した非政府組織(NGO)「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」代表、山田文明・大阪経済大助教授が、脱北者7人、同会のメンバーらとともに拘束される事件が起きた。(共同)

脱北者44人、北京カナダ大使館に駆け込み

2004/09/29 The Sankei Shimbun
 北京のカナダ大使館によると、北朝鮮から脱出したとみられる男女44人が29日午後2時40分(日本時間同日午後3時40分)ごろ、同大使館構内に駆け込んだ。

 北京では今月1日に脱北者29人が日本人学校に駆け込んだが、今回の44人はそれを上回り、北京での駆け込みとしては過去最大規模とみられる。

 44人はいずれも亡命を求めているとみられ、カナダ大使館のジョセフ・キャロン大使は「本国や中国政府と連絡を取りながら、人道的に対応する」と述べ、当面保護する意向を示した。(共同)

韓国統一省、「脱北者」の新たな呼称を公募

2004/09/22 The Sankei Shimbun
 韓国の統一省が13日から、北朝鮮を脱出して韓国に住む住民の呼称をインターネットで公募したところ、21日までの中間集計で「自由民」「統一人」など700件以上の意見が寄せられた。

 北朝鮮人民軍出身者が多かった1970年代は「帰順者」、その後は「北韓(北朝鮮)脱出住民」などと時代背景により呼称を変えてきた「脱北者」だが、統一省は「どの呼称も本人らが望んでいるものではない」として、「未来を感じさせる用語」を26日まで公募することにした。

 中間集計によると、「自由を求めて韓国に来た」との意味で「自由民」「自由人」が最多。南に向けて来たことから「南向人」、統一をつくっていく人という意味で「統一人」との意見が複数寄せられ、故郷を去った寂しさを表現した「孤独の道を歩く人」との呼び名もあった。

 同省は二○○○年からネット上で意見を求める電子公聴会を実施しているが、今回は過去最多の意見が寄せられ、意見をどのような形で反映させるかは今後検討するという。(共同)

北朝鮮、脱北者対策で中朝国境に最強部隊…中国紙報道

2004/09/19 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【北京=竹腰雅彦】中国国営新華社通信が発行する国際問題専門紙「国際先駆導報」は16日、中朝国境地帯の警備に関するルポを掲載し、北朝鮮が最近、最強の戦闘能力を持つ海軍陸戦部隊を国境地帯に配置し、脱北者の取り締まりを強化していると伝えた。

 同紙によると、この部隊は、金正日総書記が委員長を務める北朝鮮の最高軍事指導機関、国防委員会の直接指揮下にあり、「南北軍事境界線(38度線)付近から配転された」という。

 中国側は吉林省の国境地帯で、無線操作の監視モニターを約1キロおきに設置し、24時間体制で不審者をチェック。発見すれば、5―10分以内に兵士が現場に急行でき、これまでに一度で30人の越境を阻止したケースもあったという。

中国警察、脱北駆け込みに威嚇発砲 凶器に抵抗

2004/09/11 The Sankei Shimbun
 北京の韓国大使館関係者は11日、同大使館領事部で10日起きた北朝鮮からの脱出住民とみられる4人の駆け込みに対し、中国警察が空砲で威嚇発砲したことを明らかにした。4人のうち何人かが刃物を所持していた。北京の在外公館などへの駆け込みに中国当局が銃器で対応したのは初めてとみられる。

 6月には、刃物を持った脱出住民が北京のドイツ人学校に駆け込んでいる。今後も脱出住民が当局の取り締まりを突破するため、凶器の使用などをエスカレートさせる懸念がある。

 同関係者によると4人は男性で1人が駆け込みに成功、3人はにらみ合いの末、警察に拘束された。この際、1人が刃物で自分の腹部を切り、医療施設に搬送された。負傷の程度は不明。

 韓国大使館は拘束された3人について人道的な対応を要請したが、中国側は「凶器まで使用したことは遺憾」として、厳しく対応する構えを示しているという。(共同)

脱北者、第三国経由で韓国へ 中国政府も了承

2004/09/09 asahi.com
 外務省幹部は8日、北京の日本人学校に駆け込んだ脱北者29人全員が韓国に行くことを希望しており、近く第三国経由で韓国へ移送することで中国政府から了解を得ていることを明らかにした。

 脱北者29人について、外務省の薮中三十二アジア大洋州局長が先週、訪問先の北京で武大偉(ウー・ターウェイ)外務次官と協議、中国からの出国について了承を得た、という。韓国政府は原則的に脱北者を受け入れているため、北京の日本大使館内で進めている29人への聞き取り調査が終わり次第、移送準備に入ると見られる。

韓国入り脱北者、総計5546人 8月末までに

2004/09/06 The Sankei Shimbun
 韓国国会の統一外交通商委員会が6日発表した報告書によると、北朝鮮を脱出して韓国入りした住民が8月末までに計5546人に達した。

 1989年末までに韓国入りした脱北者数は計607人にすぎなかったが、その後増え続け、2001年には583人、02年には1139人、03年には1281人が入国した。

 今年は7月にベトナムから韓国入りした468人を含め、8月末までに計1399人に達し、既に昨年1年間の人数を上回っている。

 昨年末までの4147人では男性が54%を占めているが、最近は女性の入国が増えている。(共同)

駆け込みの29人を大使館本館に移動

2004/09/05 The Sankei Shimbun
 北京の日本大使館は5日、北朝鮮から脱出してきたとみられる29人を4日夜、それまで保護していた同大使館領事部から本館に移動させたことを明らかにした。本館の会議室の方が広いためだとしている。

 日本大使館は中国や北朝鮮、日本以外の第三国への移送を目指し、29人の身元調査などを継続中。(共同)

出国交渉の長期化不可避 中国、脱北者で慎重姿勢

2004/09/02 The Sankei Shimbun
 中国外務省の孔泉報道局長は2日の定例会見で、北京の日本人学校に駆け込んだ北朝鮮脱出者とみられる29人の取り扱いについて「警察が捜査中」と述べただけで、今後の対応に言及しなかった。北朝鮮への慎重な配慮がうかがえ、第三国への早期出国を目指す日本側との交渉が長期化するのは避けられない見通しだ。

 報道局長はまた「いわゆる『人権組織』が違法入国者を扇動し中国の法律に違反することは許せない。断固反対する」と表明。中国国内での外国施設に対する北朝鮮脱出者の駆け込みでは最大規模となった今回の事件について、背景を厳重に調査する方針を示唆した。

 同省はこれまでの駆け込み事件では早い段階で、「国内法と国際法、人道主義の精神」に基づき適切に処理すると表明。第三国経由での韓国行きを認めてきた。

 今回も中国は最終的には国際世論に配慮し、シンガポールなどを経由して韓国に移送することを認めるとみられるが、どの程度早期に実現できるかは中国の北朝鮮に対する外交的配慮が大きな要因となりそうだ。

 北朝鮮は450人を超す脱出者が7月下旬に韓国に移送されたことに関連し、経由地のベトナムを非難。北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の次回開催予定を9月末に控え、議長国の中国は米国と北朝鮮の厳しい対立が続く協議をさらに難航させないためにも、北朝鮮を不必要に刺激したくないのが本音といえる。(共同)

29人の本格聴取始まる 北京の日本人学校駆け込み

2004/09/02 The Sankei Shimbun
 北京の日本人学校に北朝鮮から脱出したとみられる29人が駆け込んだ事件で、北京の日本大使館は一夜明けた2日朝から、第三国への早期移送を目指して29人の身元調査など本格的な聴取を始めた。

 大使館は調査を早期に終え、シンガポールやフィリピン経由での韓国行きを実現させたい意向。しかし、核問題をめぐる6カ国協議などへの影響を懸念して北朝鮮を刺激したくない中国が早期出国に難色を示すとみられ、交渉は難航が予想される。

 29人は家族や親せきなどの身内同士は少なく、韓国の非政府組織(NGO)の支援で集まった可能性が高いとみられている。多くの北朝鮮脱出者が駆け込んでいる北京の韓国大使館領事部の警備が最近厳しくなったため、日本人学校を選んだ可能性があるという。

 29人は北京市内の日本大使館領事部の会議室で一夜を過ごし、子供らは差し入れのおもちゃで遊ぶなど、リラックスした表情という。2日朝には大使館が用意したおかゆと野菜入りまんじゅうを食べ、その後、大使館の医務官が健康診断を行う予定。

 日本人学校は通常通りの授業で、早朝から児童、生徒たちがやや緊張した表情で登校。学校側は1日夜から夜間パトロールを強化したほか、登校する生徒を出迎える職員を増やすなど再発防止への対策を取った。(共同)

韓国が受け入れ用意表明 中国に「人道的対応」要請

2004/09/01 The Sankei Shimbun
 韓国の外交通商省は1日、北京市内の日本人学校に北朝鮮を脱出したとみられる住民29人が駆け込んだ事件で、29人が韓国行きを希望すれば全員受け入れる用意があると表明した。

 朴●(=日へんに俊のつくり)雨アジア大洋州局長は「脱北者が(日本人学校に)駆け込んだという報告を受けた」と駆け込みを確認。その上で「脱北者が韓国行きを希望すれば全員受け入れるし、中国側に対しても人道的に対応し、本人たちが希望するなら韓国へ来ることができるよう助けてほしいというのがこれまでの韓国政府の立場だ」と説明した。(共同)

北京の日本人学校へ29人駆け込み 脱北者、第3国行き希望

2004/09/01 中国新聞ニュース
 【北京1日共同=加藤靖志】北京の日本大使館によると、北京市朝陽区の日本人学校(高橋宏校長、児童・生徒四百五十七人)に一日午前十時半(日本時間同十一時半)ごろ、北朝鮮を脱出してきたとみられる男女二十九人が駆け込んだ。児童・生徒らにけがはなかったが、駆け込んだ女性の一人が割れたガラスで軽いけがをした。

 中国国内での在外公館や外国人学校への脱北者駆け込みとしては最大規模。日本外務省によると、二十九人は脱北者の可能性が高く、北朝鮮と中国以外の国への渡航を希望している。

 日本大使館は二十九人を市内の大使館領事部に移すとともに阿南惟茂大使を本部長とする対策本部を設置、駆け込みの目的や身元の確認を進めている。大使館は人道的な配慮から中国政府と連絡を取りながら第三国経由で韓国に移送する方向で早期解決を目指すとみられるが、北朝鮮に配慮する中国との交渉が難航する可能性もある。

 駆け込みには、北朝鮮からの脱出者を支援する日本か韓国の非政府組織(NGO)が関与しているとみられる。

 二十九人は大人二十六人(うち女性十五人)と子供三人。学校に隣接する空き地から金網を破って校内に入り込んだ。その後、警備員の制止を振り払って校舎内に侵入、その際に玄関と通路のガラスが割れた。

 日本人学校はこの日が二学期の始業式。関係者によると、式終了後に生徒が教室に戻ったころに駆け込みがあったため、校内放送で事件を連絡。教室に鍵をかけて生徒を待機させ、二十九人が領事部に移された後、全員を帰宅させた。

 同校では昨年二月にも脱北者四人が駆け込んでおり、日本大使館が保護しシンガポール経由で韓国に出国した。

元北朝鮮将校が亡命申請か 米紙報じる

2004/08/31 The Sankei Shimbun
 シアトル・タイムズ(電子版)など米メディアによると、北朝鮮の元将校を名乗る男性(40)がカナダから米ワシントン州に不法入国した際に拘束され、30日までに「強制送還されれば処刑される」として亡命申請した。

 男性は韓国旅券を所持しており、8月上旬にカナダ国境から米国に入ったが、ビザなどの問題があるとして拘束された。

 その後、男性はかつて北朝鮮軍の兵士で、暗殺計画の実行部隊に所属したことがあり、暗殺や核兵器の国外持ち出し計画に関与していたと主張、政治亡命を申請した。男性の弁護士は、男性の主張を裏付ける証拠はないが処刑の可能性を考慮すべきだとしている。(共同)

北朝鮮が脱北女性連れ去り 韓国の市民団体が訴え

2004/08/26 The Sankei Shimbun
 韓国で北朝鮮に拉致された被害者家族らを支援している市民団体は26日、北朝鮮を脱出して韓国に亡命した女性(24)が中国東北部・吉林省の中朝国境で北朝鮮の保衛部員に連れ去られたと明らかにした。

 同団体によると、女性は今月8日夜、北朝鮮に住む親類と連絡を取るため夫(27)とともに中朝国境を流れる豆満江の中国側の川辺にいたところ、川を渡ってきた保衛部員に連れ去られた。夫は抵抗して隠れたため無事だったという。

 女性と夫は帰還事業で北朝鮮に渡った在日朝鮮人の子供といい、女性は2002年に、夫は1999年にそれぞれ北朝鮮を脱出、韓国入りしていた。(共同)

脱北者の無条件送還を要求 北朝鮮の統一運動団体

2004/08/21 The Sankei Shimbun
 朝鮮中央通信によると、北朝鮮の統一運動団体、民族和解協議会は20日、韓国が7月下旬に移送した450人以上に上る北朝鮮からの脱出住民が「拉致された」とした上で、「直ちに無条件で送還すべきだ」と要求する長文の「告発状」を発表した。

 北朝鮮はこれまで、外務省や祖国平和統一委員会の談話などで、脱出住民の大量移送を「米韓による謀略的な拉致、テロ行為」と厳しく非難しているが、無条件送還を求めたのは初めて。18日には別の統一運動団体が、脱出住民に「罪を問わない」と帰還を促す書簡を出している。

 「告発状」は、大量の脱出住民移送が、北朝鮮の体制転覆を狙った「米国の敵視政策の産物だ」と主張、「傍観はしない」と何らかの対抗措置を講じる可能性のあることも示唆した。(共同)

脱北者15人が駆け込み 北京の韓国大使館領事部

2004/08/19 The Sankei Shimbun
 韓国の聯合ニュースによると、北朝鮮を脱出した住民と主張する男女15人が19日午後、北京の韓国大使館領事部へ駆け込んだ。

 子供6人を含む15人が、領事部正門にいた警備員を押しのけて領事部内に駆け込んだ。全員韓国行きを求めているという。

 韓国大使館領事部にはこれまでも多数の北朝鮮脱出住民が韓国への亡命を求めて駆け込んでいるが、これまでは査証(ビザ)を申請する中国人を装って入るケースがほとんど。15人もの人たちが警備員を押しのけて駆け込むのは珍しい。(共同)

北京五輪ボイコット訴え 北朝鮮の脱出者支援団体

2004/08/14 The Sankei Shimbun
 北朝鮮からの脱出者を支援するドイツ人医師ノルベルト・フォラツェン氏(46)と、日本と韓国の非政府組織(NGO)のメンバーら約10人は13日、中国政府が脱出者を北朝鮮に強制送還しているとして批判し、2008年の北京五輪をボイコットするようアテネ五輪の開会式会場前で訴えた。

 日本の「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」と韓国の「脱北難民保護運動本部」のメンバーらが、五輪スタジアムの出入り口前で、脱出者や北朝鮮の強制収容所の写真を路上に並べ、人権保護の必要性を開会式の観客に説明。

 フォラツェン氏は「五輪に来る世界の人々に脱出者の実態と、中国政府の人権侵害を少しでも知ってほしかった」と話した。(共同)

「東南アジアの国」、脱北者約100人を中国側へ追放

2004/08/10 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【ソウル=福島恭二】韓国紙、東亜日報は11日付早版で、脱北者支援団体「ドゥリハナ宣教会」関係者の話として、韓国に入国した脱北者468人が滞在していた「東南アジアの国」が大がかりな脱北者の取り締まりを実施、10日間で約100人が中国側に追放されたと報じた。

 この国はベトナムと見られている。同紙は「追放された脱北者の数は把握されていない」と伝えている。

脱北支援NGOの野口さん、8か月の刑期終え帰国

2004/08/09 読売新聞 Yomiuri On-Line
 北朝鮮から脱出した脱北者を支援したとして、中国で懲役8か月の実刑判決を受けた野口孝行さん(33)が9日、刑期を終えて国外退去処分となり、同日午後8時半過ぎ、成田着の航空機で帰国した。

 野口さんは、民間活動団体(NGO)「北朝鮮難民救援基金」のメンバーとして、昨年12月、広西チワン族自治区南寧市で、元在日朝鮮人の脱北者2人とともに身柄を拘束され、今年6月、2人の不法出国を助けたとして実刑判決を受け、同市内の看守所で服役していた。

 脱北者を支援したことで服役したのは、野口さんが初めて。また、野口さんと共に拘束された2人の男女は、北朝鮮に強制送還されたと見られる。同団体は「中国は、国連の難民条約に加盟しているのだから、脱北者を難民として認定して保護する義務がある」と主張している。

集団亡命に加担、と北朝鮮がベトナム非難

2004/08/04 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【ソウル=浅野好春】朝鮮中央通信によると、北朝鮮外務省報道官は3日、脱北者468人の韓国集団亡命事件に関連し、「ベトナムは今回の事件を通じ、自らの利害関係のためには国家間の初歩的な義理、道徳すら捨て去る信義のない行動も容易にできることを露呈した」と非難した。

 北朝鮮が友好国のベトナムを批判するのは極めて異例。

 報道官は「脱北者とされたわが国住民の大部分は、親族訪問で中国東北部に渡り、敵のスパイ機関の魔手と誘惑戦術にかかった人たちだ」とし、「我々は、ベトナムがわが国住民に対する米国と南朝鮮(韓国)当局者の拉致行為に加担した十分な資料を持っている」と指弾した。

 北朝鮮とベトナムは、1978年12月のベトナム軍のカンボジア侵攻、92年12月の韓越国交回復などで冷却状態が続いたが、2002年5月のチャン・ドク・ルオン越大統領訪朝で関係を修復。今回の事件を機に、再び関係が悪化する可能性が強まった。

脱北者大量移送で越非難 北朝鮮「米韓が共謀」

2004/08/03 The Sankei Shimbun
 北朝鮮の外務省スポークスマンは3日、450人を超える同国脱出住民が7月下旬、韓国に移送されたことについて、出国地がベトナムだったことを初めて明らかにした上で、米韓が「共謀した」移送に「ベトナムが加担した」と朝鮮中央通信を通じ非難した。

 北朝鮮は移送直後から、祖国平和統一委員会の声明などを通じ、韓国と米国を非難しているが、今回はベトナムについても「自国の利益のためならば、国家間の初歩的な信頼まで捨て去る信義のない行動」をしたと批判した。

 韓国政府は脱出住民の出国地について、北朝鮮や相手国への配慮から発表していない。

 スポークスマンはまた、「米国が脱北者問題をでっち上げている」とした上で、「敵視政策が根本的に清算されない限り、核問題はもちろん、米朝間のどのような問題も解決できない」と述べ、6カ国協議で北朝鮮が姿勢を硬化させる可能性のあることを示唆した。(共同)

第2陣227人も韓国着 脱北者の大量移送終了

2004/07/28 The Sankei Shimbun
 韓国政府筋によると、北朝鮮を脱出し、中国経由で東南アジアに渡って不法滞在していた227人が28日、前日に続き韓国政府のチャーター機で韓国に到着、亡命した。滞在先とされるベトナムから2回に分けて韓国に運ばれる計画だった457人の移送作業は終了した。

 韓国政府は、今回の北朝鮮脱出者が滞在していた国からの要請で入国に関する情報を正式には発表していない。通信社の聯合ニュースは関係当局の暫定集計として、2日間で計468人が韓国入りしたと伝えた。出発地の周辺諸国からの亡命希望者が直前まで増え続け、当初予定を上回ったためという

 28日の第二陣は、27日に入国した第一陣が利用したソウル空港ではなく、仁川国際空港に到着。第一陣の脱出者は政府関連の宿泊施設で当局から脱出の理由などについて調査を受けた。

 現在、韓国には北朝鮮からの亡命者が5000人以上居住しているとされ、鄭東泳統一相は同日、「数年内に1万人になる」と、さらに急増するとの見通しを示し、対策の必要性を強調した。

 韓国各紙は28日、「ジレンマが始まった」(東亜日報)、「10万人、南方ルートへ」(朝鮮日報)などと報じ、今後の大量亡命への懸念を伝えた。(共同)

脱北者約200人が韓国着 東南アジアから空路、過去最大

2004/07/27 The Sankei Shimbun
 北朝鮮を脱出、中国公安当局の摘発を逃れ東南アジアに不法滞在していた200人以上が27日朝、韓国政府のチャーター機で韓国に到着、亡命した。滞在先はベトナムとされている。

 韓国政府は今回、460人の北朝鮮脱出者を入国させる計画で、28日に第2陣200人以上を同様の方法で移送する。北朝鮮からの脱出者は増加の一途をたどっているが、一度に100人以上が韓国に入国するのは初めてで過去最大。

 今回の大量入国で、中国に数万人いるとされる脱北者が韓国亡命を目指し、東南アジアに向かう事態も予想される。今後の南北対話に影響を与える可能性もある。

 脱北者は滞在していた国で問題を起こすようになり、この国の政府が韓国に解決を要請した。韓国政府はこの国名や移送方法、時間などは一切公表していない。460人のうち6割が女性と子どもで、北朝鮮高官などは含まれていないとされる。

 入国した脱北者らは今後、当局の調査を受けた後、社会に適応させるための訓練を開始する。韓国政府は積極的に脱北者を支援する方針だが、急増する脱北者と韓国社会との摩擦が起き、社会問題化することも懸念されている。

 韓国統一省によると、韓国に亡命した脱北者は、2000年の312人から急増、02年以降は1000人以上。これまで計5000人以上が韓国で暮らしている。(共同)

脱北者400人、来週韓国へ 政府主導、第三国から

2004/07/23 The Sankei Shimbun
 韓国統一省は23日、韓国政府が来週、北朝鮮から脱出した住民400人以上を、東南アジアから韓国に入国させる計画を明らかにした。

 韓国政府主導で、これだけ多くの脱北者を一度に入国させるのは初めて。統一省は、計画について相手先の国とは合意ずみとしながら、出国が完了するまで国名は明かさないとしている。

 韓国メディアは東南アジアの具体的な国名には触れていないが、同地域では中国からベトナムに陸路、多くの脱北者が逃げ込んでいるとされる。韓国紙、京郷新聞によると、外交消息筋は「300−400人を入国させるため、アジアのある国と準備を進め、入国させる決定をした」と述べた。

 ソウルの消息筋などによると、相手国の一定地域に集まった数百人の脱北者が問題を起こすようになり、同国政府が韓国政府に対し「(処理ができなければ)全員を(中国に)送還するしかない」などと申し入れたという。

 現在、韓国入りする予定の脱北者は現地の支援団体などにより宿泊施設などに集められているという。(共同)

脱北の2人が成田帰国へ 日本人女性の長男とめい

2004/06/18 The Sankei Shimbun
 昨年4月に北朝鮮を脱出し、今年4月から北京の日本大使館の保護下に置かれていた日本人女性の30代の長男と、20歳前後のめいの2人が18日、北京から成田への全日空便で帰国の途に就いた。

 関係者によると、日本人女性は新潟市生まれで、1961年ごろ、日本人の母と在日朝鮮人の義父と一緒に北朝鮮に渡り、その後結婚した。

 女性と、北朝鮮で生まれた長男とめいの3人が昨年4月、北朝鮮を脱出。北京の日本大使館に保護を求めたが、今年4月まで保護されず、女性はその間に行方が分からなくなったという。

脱北者6人が駆け込み 北京のドイツ人学校、1人は排除

2004/06/01 The Sankei Shimbun
 北京の韓国大使館関係者によると、北朝鮮から脱出したとみられる男女6人が1日早朝、北京のドイツ人学校の塀を乗り越えて駆け込み、保護を求めた。学校側は状況確認を拒んでいる。

 韓国の聯合ニュースによると、6人のうちリーダー格の男性は身元が明らかでないとして学校内から排除された。男性は2月にも同学校に駆け込んだが、北朝鮮脱出者かどうか確認できないとして、韓国への移送が見送られていた。その後、北朝鮮に戻って身分証明書を持ってきたが、受け入れられなかったとみられる。

 同学校はドイツ大使館が管理する敷地内にあり、準外交施設。2002年9月に北朝鮮住民15人が駆け込んだのをはじめ、これまで数回の駆け込みが起きている。(共同)

北京で脱北者12人拘束か 駆け込み失敗と韓国で報道

2004/05/24 The Sankei Shimbun
 24日の韓国の聯合ニュースは、北朝鮮を脱出した住民12人が21日に北京の韓国大使館領事部に駆け込もうとしたところ、中国の公安当局に拘束されたと報じた。

 同ニュースによると、拘束されたのは、北朝鮮を脱出し韓国に亡命した女性(42)の娘(15)ら10代の少女3人を含む女性11人と、男性1人。

 駆け込みを手助けしようとした朝鮮族の中国人から、韓国に亡命した女性に、12人が駆け込みに失敗して拘束されたとの連絡があったという。(共同)

北朝鮮:中国国境警備隊が脱出者を射殺 NGOがアピール

毎日新聞 2004年5月20日 Mainichi INTERACTIVE
 
 北朝鮮を脱出した男性(17)が4月、中国の国境警備隊に銃撃され、死亡する事件があり、脱北者を支援しているNGO「救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク」(RENK)の李英和代表(関西大助教授)は20日、東京都内で記者会見を開き、中国政府に謝罪と賠償、真相究明を求める声明を出した。

 李代表によると、死亡した男性は97年に家族と一緒に脱北し、RENKが支援していた。中国東北部に潜伏していたが4月2日夜、韓国の脱北者支援団体の手引きで父、妹ら脱北者23人とモンゴルへ越境中に中国国境警備隊に発見された。一緒に行動していた脱北者17人は同隊に拘束されたが、今月中国を出国し韓国に入った。中国政府は「男性らが隊員の銃を奪おうとして暴発した」と主張しているという。

韓国に亡命の脱北者がネット放送局開局 2004年04月20日 The Sankei Shimbun
 韓国に亡命した北朝鮮脱出住民が、人権問題など北朝鮮の実情を知らせるために、ソウルでインターネット上のラジオ放送局「A HREF="http://www.freenk.net">自由北韓(北朝鮮)放送」(http://www.freenk.net)を20日、開局した。

 既に15日に試験放送を実施。北朝鮮脱出者の視点で番組を編成、毎日午後8時に約1時間の放送を更新し、インターネット上で聴取できるようにした。

 プログラムは北朝鮮や南北関係のニュース、脱出者の手記の紹介、韓国へ亡命した黄長●(●=火へんに華)元朝鮮労働党書記の「民主主義の哲学講義」などで構成、北朝鮮住民の啓蒙(けいもう)を促す狙いもある。開局に必要だった約3000万ウォン(約300万円)は脱出者の募金で準備した。

 2人の女性アナウンサーも脱出者で、北朝鮮住民に違和感がないよう北朝鮮の口調で語り掛ける。うち1人は朝鮮労働党の咸鏡北道委員会の宣伝部で約10年間、アナウンサーを務めたベテラン。

 北朝鮮ではまだインターネットがそれほど普及していないが、いずれは北朝鮮住民の多くがインターネット上で放送を聞くことを期待している。

 米政府が運営する海外向け放送局ボイス・オブ・アメリカ(VOA)に有料で番組を提供することでも合意しており、同放送局の番組の一部はVOAを通じて、北朝鮮でも聴取できるようになるとみられている。(共同)

脱北支援の野口さん、中国側が起訴2004/04/06 読売新聞 Yomiuri On-Line
 北朝鮮を脱出した「脱北者」を支援する民間活動団体(NGO)「北朝鮮難民救援基金」のメンバーで、中国当局に逮捕されていた野口孝行さん(32)が5日に起訴されたことが分かった。
 日本人の脱北者支援NGOメンバーが身柄拘束された例はこれまでもあったが、起訴され、裁判にかけられるのは初めて。

 野口さんは昨年12月、脱北した元在日朝鮮人の男女2人を中国から第三国へ連れ出す活動中、中国南部の広西チワン族自治区南寧市内のホテルで身柄拘束された。

 外務省邦人保護課によると、広州の総領事館が野口さんの弁護士を通じて、広西チワン自治区の「崇左市人民検察院」に確認したところ、野口さんは5日、「密出入国者運送罪」で同市の「中級法院」に起訴されたという。同課によると、中国の裁判所は起訴から1か月―2か月半以内に判決を出さなければならず、遅くとも6月までに1審判決が出る見通し。中国の刑法では密出入国者運送罪は通常で5年以下、最も重い場合で10年の懲役刑が定められているという。

中国で拘束の野口氏、家族と面会 2004年03月17日 The Sankei Shimbun
 外務省は17日、北朝鮮から脱出した住民を支援中に中国当局に拘束された非政府組織(NGO)「北朝鮮難民救援基金」メンバーの野口孝行氏が、家族と面会し「健康に問題はない」などと伝えていたことを明らかにした。

 同省によると、野口氏は16日午後、拘束されている中国・南寧の施設で約30分にわたり面会し「知人や親類によろしく伝えてほしい」とも述べたという。日本の広州総領事館館員も同席した。

北朝鮮サッカー監督が亡命 韓国通信社が報じる 2004年03月10日 The Sankei Shimbun
 韓国の通信社、聯合ニュースは10日、北朝鮮のサッカーチーム監督を務めたムン・ギナム氏(56)が1月末に家族とともに韓国に亡命したことが明らかになったと伝えた。

 ムン氏は昨年8月に北朝鮮を脱出、今年1月に北京の韓国大使館に亡命を求め、同30日に韓国入りした。

 同ニュースによると、ムン氏は北朝鮮のサッカー代表選手を経て1991年にポルトガルで開かれた世界ユースサッカーで南北統一チームの北朝鮮側コーチを務め、その後、北朝鮮サッカーチームの監督に就任した。

 北朝鮮サッカーチーム監督の韓国亡命は1999年の尹明燦氏以来、2人目。(共同)

脱北住民8人が駆け込み 北京のドイツ人学校 2004年02月23日 The Sankei Shimbun
 在中国ドイツ大使館によると、北朝鮮から脱出してきた住民8人が23日、北京市内のドイツ人学校敷地内に駆け込み、保護を求めた。

 北京では北朝鮮の核開発問題をめぐる6カ国協議開催が2日後に控えており、このタイミングでの駆け込みには北朝鮮の人権問題をアピールしようとの北朝鮮脱出者を支援する国際組織の狙いがあるとみられる。

 北京の外国人学校への駆け込み事件は、昨年2月に日本人学校で起きて以来とみられる。

 同大使館は駆け込んだ8人の年齢、性別や今後の対応などについては明らかにしていない。8人は中国当局による取り調べを受けた後、最終的には韓国へ移送される見通し。

 北京市のドイツ人学校では、北朝鮮住民の駆け込みが2002年9月から10月にかけて数回にわたって起きた。同校はドイツ大使館が管理する敷地内にあり、準外交施設とされる。(共同)

脱北者:日本国籍女性が空路で帰国

2003年11月07日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 帰還事業で渡った北朝鮮を脱出(脱北)し、10月21日に中国・瀋陽の日本総領事館で保護されていた日本人女性(53)が7日、空路で43年ぶりに帰国した。

 女性は60年、帰還船で元在日朝鮮人の父と日本人の母(いずれも既に死亡)や兄らとともに渡った。96年に脱北し日本に帰国していた兄が妹らを救出しようと今年9月ごろ中国に渡っており、この兄から連絡を受けた瀋陽の総領事館が女性を保護していた。

攪乱工作か 脱北者また脱北 北に戻って韓国を非難

2003年11月01日 The Sankei Shimbun
 【ソウル=黒田勝弘】北朝鮮から韓国に脱出してきた後、ひそかに北朝鮮に戻り、北朝鮮国内で「韓国にだまされた」などと講演して回っていた人物がまた韓国に脱出してきて話題になっている。関係当局で厳しい調査を受けているが、脱北者の急増で脱北者管理に手抜かりがあるのではないかと問題になっている。今後、脱北者を利用した北朝鮮による韓国社会に対する“攪乱(かくらん)工作”も予想され、当局は対応を迫られている。

 この人物は一九九六年、香港経由で韓国に亡命してきた金ナムス氏(四五)=北朝鮮鏡北道穏城出身=で、韓国籍を得て食堂経営などをしながら韓国社会に定着していたが、二〇〇〇年七月、中国に出掛けた後、行方不明になった。

 ところが翌二〇〇一年、北朝鮮に戻っていたことが明らかになり、「祖国の懐に再び抱かれたナムスを許そう」という金正日総書記直筆の“指示”を受け、中朝国境地帯など北朝鮮内で「韓国にだまされた」「金正日将軍さまの懐が恋しかった」などと北朝鮮の体制への忠誠と韓国非難の講演をして回っていたことが確認されていた。

 韓国各紙によると、その金氏が最近、北朝鮮に残していた二人の息子を連れ、他の数人の脱北者とともに再び中国経由で韓国に逃れてきた。韓国当局は金氏が韓国籍のため再入国を認めたが、北朝鮮での活動などについて厳しく追及しているという。

 韓国在住の脱北者が再びひそかに北朝鮮を往来した例としては、先ごろ北朝鮮から日本人妻を連れ出し日本政府に金銭を要求した事件がある。また北朝鮮に残した妻を連れ出そうと北朝鮮に潜入し北朝鮮当局に捕まった例もある。韓国から中国に出かけたまま行方不明の亡命者の中には、軍人出身で一九八〇年代に亡命し韓国軍の大佐にまでなった申重哲氏もいる。

 近年、北朝鮮からは難民的な亡命者や脱北者が増え、その階層が多様化しているため韓国社会への適応に失敗する者が増えている。生活難や犯罪に陥る例もあり、社会問題化の兆しを見せていることから、市民団体などが定着のための支援運動を始めている。

脱北者問題で中国を非難 難民高等弁務官が米に書簡

2003年10月30日 The Sankei Shimbun
 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のルベルス高等弁務官が米上院外交委員会のルーガー委員長(共和党)にあてた書簡で、中国当局が北朝鮮からの脱出者への接触を妨げているために「迫害を逃れてきた人々」の保護が十分に行えないと、中国政府を非難していたことが29日、分かった。

 ルーガー委員長は先月、アナン国連事務総長にUNHCRが中国で活動できるよう具体的措置を要請したが、外交委スタッフは書簡を受けて「追加的措置を検討中」と言明。米議会が中国に対し、脱北者問題の対応で変化を促す何らかの措置を取る考えを示した。

 今月16日付の書簡でルベルス氏は、経済的な理由で逃れたケースも含め脱出者を難民として保護の対象にすべきだと主張、「中国とUNHCRには(見解の)相違がある」と指摘。

 さらに、中国側が「限定的」と説明している脱出者の強制送還について、脱北者に接触できないため実態を検証できないと不満を表明。女性脱出者の人身売買問題の深刻さにも言及している。(共同)

韓国国防省:脱北者収容施設10カ所を設置へ

2003年10月23日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 【ソウル澤田克己】韓国国防省は28日、北朝鮮脱出住民の大量流入に備え、小学校の体育館など計10カ所の建物を臨時収容施設にあてる計画を立てていたことを明らかにした。韓国政府は最近、北朝鮮を刺激する情報の発表などは避ける傾向にあり、北朝鮮国内の混乱を前提にした収容施設の存在を認めたのは極めて異例と言える。

 聯合ニュースなどによると、韓国陸軍は南北軍事境界線沿いにある小学校の体育館など計6カ所、海軍も黄海側と日本海側にある海軍施設など計4カ所の建物をそれぞれ臨時収容施設に指定した。施設はいずれも200人規模という。

 また、韓国軍は脱北者を発見した場合の対応要領も作成済みで、脱北者は臨時収容施設で関係当局による合同尋問を1週間受けた後、政府の収容施設に送られることになるという。

 大量の脱北者発生に備えた計画は金泳三(キムヨンサム)政権当時の93年に初めて作成された。国防省関係者は「各部隊では実戦対応訓練を実施している」と述べるとともに、北朝鮮情勢の急激な変化で脱北者が予想以上の数になった場合、臨時収容施設を拡大する方針も明らかにした。

脱北の2人を中国・瀋陽で保護 福田長官が正式発表

2003年10月21日 The Sankei Shimbun
 福田康夫官房長官は21日午後の記者会見で、中国・瀋陽の日本総領事館で、北朝鮮から脱出した男性1人と、その妹とされる女性1人を保護していると正式に発表した。

 福田氏は「邦人保護の観点から保護しており、女性の身元確認をしている。中国政府にも所要の協力を要請した」と述べた。

 関係者の話では、在日朝鮮人の父と日本人の母の間に生まれた神奈川県出身の女性とみられ、1960年に一家で北朝鮮に渡った。外務省によると53歳。女性の兄は、96年に北朝鮮を脱出して日本に戻り「宮崎俊輔」のペンネームで手記を出版している。

 福田氏は、現地時間の21日午前6時27分に瀋陽北駅で総領事館員が2人と接触、同37分に総領事館内に入ったことを明らかにした。

 福田氏は中国政府の反応に関して「今のところ特別なことは何もない」と説明。女性が日本人と確認された場合に帰国させるかについては「その段階での話だ」とだけ述べた。

 今年に入ってからは、1月に東京都出身の日本人妻が44年ぶりに帰国。3月にももう1人が娘とともに帰国した。

「脱北者は日本が拉致」北朝鮮赤十字が公式に説明求める

2003年10月20日 The Sankei Shimbun
 朝鮮中央通信によると、北朝鮮の朝鮮赤十字会中央委員会は20日、日本赤十字社に書簡を送り、北朝鮮を脱出、中国を経由し日本に移送された日本人妻と元在日朝鮮人は「日本の非政府組織(NGO)により誘拐、拉致された」と主張し、日本人妻らの所在地と事件の真相を詳しく知らせるよう求めた。

 北朝鮮側が、脱北した日本人妻や元在日朝鮮人の日本移送について公式に説明を求めたのは初めて。日本人拉致問題で被害者家族の帰国や真相究明を求める日本に対抗する狙いもあるとみられる。

 書簡は、移送された日本人妻や元在日朝鮮人たちの「被害者家族」の要請で送るとした上で、昨年11月に中国当局に拘束され強制退去処分を受けた日本のNGOメンバーが、日本人妻や元在日朝鮮人ら「20人以上を誘拐、拉致し秘密裏に日本に送った」と主張した。(共同)

北京の韓国大使館、領事業務を一時中断 脱北者急増で

2003年10月06日 The Sankei Shimbun
 北京の韓国大使館領事部は6日、収容している北朝鮮からの脱出者が急増し「収容能力をはるかに超えた」ため、査証発行などの領事業務を7日から一時中断すると発表した。

 脱北者の対応で領事業務がまひする異例の事態に、同大使館は韓国行きを希望する脱北者の出国調査を迅速に進めるよう中国当局に要請するなど協力を求める方針。緊急の査証申請などは上海や広州などの総領事館を利用するよう呼び掛けており、業務中断期間は一週間程度と見込んでいる。

 韓国大使館関係者によると、昨年5月以降の脱北者の増加に合わせ、会議室などを改造し宿泊場所を確保するなど対応してきた。しかし「50−60人程度」の収容場所に9月以降は100人を超える脱北者が待機するようになり、「業務に支障をきたす事態になった」という。

 脱北者に対する中国の出国調査はこれまで、1、2カ月程度だったが、今春以降、3カ月を超えるケースが増えたことや、中国の摘発強化などが待機する脱北者の増加につながったとみられる。(共同)

中国、脱北者58人を強制送還 1月に拘束

2003年09月29日 The Sankei Shimbun
 北朝鮮からの脱出住民らでつくる韓国の市民団体「脱北者同志会」は29日、中国・山東省煙台から日本などに密航を図ろうとし、今年1月に中国当局に拘束された北朝鮮からの脱出住民計58人が、同国に強制送還されたと明らかにした。

 同会の機関誌「脱北者たち」9月号が中国当局者らの話として伝えた。同誌によると、当時、密航を図ろうと集まった脱出住民は計80人。うち58人が中国当局に拘束され、6月までに強制送還されたという。

 中国当局者は、国際世論などを中国政府が考慮して「秘密裏でち密に」送還したと証言。58人の中には政治犯収容所に入れられたケースもあるが、一部は釈放されたという。

 1月の密航は日米韓の非政府組織(NGO)が計画。2隻の船で韓国と日本に向かう予定だった。(共同)

脱北支援NGO代表の山田助教授帰国

2003年08月28日 The Sankei Shimbun
 中国上海市で北朝鮮脱出住民を支援中に公安当局に身柄を拘束された非政府組織(NGO)「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」代表の山田文明・大阪経済大助教授(54)が国外強制退去処分となり28日午後6時前、成田着の全日空機で帰国した。

 山田助教授は報道陣に「一緒に拘束された北朝鮮の7人のことが一番心配。処分が決まっていないようなので」とし「疲れはない」と話した。

 山田助教授は7日に上海の日本人学校に駆け込もうとして韓国人3人、北朝鮮住民7人とともに拘束された。日本総領事館によると、韓国人3人も釈放された。

 北朝鮮住民については上海市当局者が「法律に基づき処理する」とし、取り調べを続けていることを明らかにした。

 北京で北朝鮮の核開発問題をめぐる6カ国協議が開催され日朝協議も行われる中、中国政府は協議に悪影響が及ぶことにも配慮し、山田助教授を釈放したとみられる。

 日本政府への中国当局の通報によると、山田助教授は不法滞在者を組織することに関与し、中国の出入境業務の管理を妨害。日本人学校の運営、秩序を妨げ安全に危害を及ぼすものとして強制出国を決定した。

 今回の事件をめぐり中国政府は「いかなる形の密入国活動にも反対する」と批判。総領事館が釈放に向け折衝していた。

脱北の10人、韓国へ タイの日本大使館駆け込み

2003年08月22日 The Sankei Shimbun
 タイと韓国の当局者は22日、バンコクの日本大使館に駆け込んだ北朝鮮住民10人が23日未明(日本時間同)の大韓航空機でバンコクを出発、同日朝(同)に韓国の仁川国際空港に到着することを明らかにした。

 日本大使館の高田稔久公使は22日の記者会見で「(住民からの)聴取と関係先との調整はまだ続いている」と述べ、確認を避けた。

 日本大使館やタイ政府当局者などによると、10人は北朝鮮から中国を経由して、それぞれ異なった時期にタイに入国。7月31日に日本大使館に駆け込んだ。大使館は亡命先などについて、タイ政府や国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)、韓国大使館など関係当局と調整を進めていた。(共同)

米、脱北者受け入れを検討 国連関与で中国と協議

2003/08/21中国新聞ニュース
 【ワシントン20日共同=太田昌克】米政府で人権問題を担当するクレーナー国務次官補は二十日、中国に逃れた北朝鮮からの脱出者の受け入れを検討していることを明らかにした上で、希望する第三国への移住を可能にするため、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が関与した「体系的なプロセス」を構築するよう中国政府に働き掛けていると言明した。

 共同通信の単独インタビューに応えた。

 また北朝鮮の核開発問題をめぐる六カ国協議で、同国の人権問題を提起する方針を表明。北朝鮮の人権状況を「(フセイン政権時代の)イラクよりひどい」と表現し、人権問題でも改善を促す考えを強調した。

 脱出者問題をめぐっては、米国への難民申請や亡命を認める入管国籍法の改正案が上院に提出されるなど、議会を中心に米国内でも関心が高まっている。米人権外交の現場責任者が脱出者受け入れに肯定的な立場を示したことで今後、議会と連携した政策の具体化が進められるとみられる。

 次官補は議会の動きについて「韓国の負担を共有し、北朝鮮の人々の脱出を米国も支援しようとの意思の表れ」と指摘。具体的な受け入れ者数に関しては言明を避けながら、国務省内でも「議会からの真剣な提案」について検討が進められていることを明らかにした。

 さらに、中国国内の脱出者が二十万〜三十万人に上るとの指摘があることに触れ、中国は「事実上、脱出者を受け入れている」と言明。脱出者支援のためのUNHCRの活動を認めるよう中国側に働き掛けているが、現時点で「説得できていない」と述べた。

 六カ国協議で日本が提起する考えの拉致問題をめぐっては「(日米)両政府が非常に緊密に連携している問題」とし、日本の立場を全面支援する考えを繰り返した。

NGO代表拘束:領事館職員が面会 上海

2003年08月18日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 中国上海市で北朝鮮脱出住民を支援中に拘束された非政府組織(NGO)「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」代表、山田文明・大阪経済大助教授(54)は18日午後、拘置施設内で面会した日本総領事館職員に「(同時に拘束された脱北者が)北朝鮮に強制送還されないよう支援してほしい」と訴えた。

 総領事館によると、山田助教授は拘置施設内での生活については「不便は感じておらず、体調も問題がない」と述べた。助教授には、妻の真理子さん(52)や同会名誉代表の小川晴久・東京大名誉教授の上海訪問について伝え、真理子さんからの差し入れを手渡した。

 総領事館職員が、7日に拘束された山田助教授と面会するのは12日に続き2回目。職員らは、面会に立ち会った上海市公安当局者に、取り調べ後は可能な限り早期に帰国できるよう改めて申し入れたが、明確な返答はなかったという。

 助教授は今月7日、同会メンバーの韓国人らとともに、上海の日本人学校への北朝鮮脱出住民の駆け込みを計画したが、直前に同校正門付近で中国の公安当局者に拘束された。18日で拘束から11日間が経過したが、まだ釈放の見通しは立っていない。(上海・共同)

金総書記の義妹夫妻が米亡命 98年にスイス経由でと韓国誌

2003年08月18日 The Sankei Shimbun
 18日発売の韓国有力誌「月刊朝鮮」9月号が、北朝鮮の金正日総書記の高英姫夫人の妹夫妻が1998年5月にスイスを経て米国に亡命したと報じることが17日、分かった。

 同誌は、妹夫妻が現在、米政府の保護下で暮らしており、夫妻に会って調査した米側の人物と韓国政府当局者が亡命の事実を確認した、としている。

 同誌によると、妹の高ヨンスクさんは高夫人より5歳年下の45歳で、夫の朴氏は40代後半という。夫妻がスイスで生活していた時に米大使館に亡命を申請。米側は本当に高夫人の妹かどうかを長時間かけて調査し、受け入れを決めた。

 亡命動機については「金総書記についてあまりにも多くのことを知っているので、殺されるかもしれないと怖かったため」と述べたという。

 米国は同夫妻を通じ、金総書記がニューヨークやロンドンの証券市場やスイスの銀行で秘密資金を運用している事実を把握、ニューヨーク証券市場に投資している資金を凍結したと同誌は報じた。

 ヨンスクさんは、金総書記と高夫人の間に生まれた息子の金正哲氏と金正雲氏がスイスのインターナショナルスクールに通っていた当時、面倒を見ており、ベルン近くにある別荘もヨンスクさんの名義になっているという。夫の経歴などは不明。

 最近、日本で出版された「金正日の料理人」の著者、藤本健二氏は同誌とのインタビューで「高夫人の妹夫妻が息子を連れ金総書記の家族としょっちゅう食事した。夫妻の息子が金正雲氏と親しく、バスケットボールをしたりしていた」と述べた。しかし、藤本氏が98年6月に日本から北朝鮮に戻ってからはヨンスク夫妻の姿を見なくなったという。

 同誌はしかし、夫妻亡命後も金総書記の高夫人に対する愛情に変化はみられないとしている。(共同)

NGO代表・山田助教授の妻が上海到着

2003年08月16日 The Sankei Shimbun
 
 北朝鮮からの脱出住民を支援中、中国・上海市で公安当局に身柄を拘束された非政府組織(NGO)「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」代表、山田文明・大阪経済大助教授(54)の妻、真理子さん(52)=大阪府八尾市=が16日午前(日本時間同日午後)、上海に到着した。

 真理子さんの友人(43)と、同会の名誉代表、小川晴久・東京大名誉教授(62)も関西空港から同行。

 真理子さんは日本総領事館で、山田助教授と面会した担当者から詳しい説明を受け、同日中に帰国の予定。

 真理子さんは心労で体調を崩し、疲れ切った表情だった。

 小川名誉教授は出発前、「(拘束は)人道上許されない。脱北者7人が北朝鮮に強制送還されないようお願いする」と話していた。  上海の日本人学校への脱北者駆け込みを計画した山田助教授は今月7日、学校正門付近で脱北者7人、同会のメンバーらとともに拘束された。9日間が経過したが釈放の見通しはたたず、「組織的な密入国犯罪」(中国当局)として拘束が長期化することも懸念される。(共同)

脱北支援者拘束:「申し訳ない」 脱北母親語る

2003年08月15日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 NGO「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」の山田文明代表(54)とともに中国で拘束された北朝鮮から脱出した30代の兄弟の母親で、既に韓国に亡命している元在日朝鮮人女性が「捕まってしまった団体の人たちには、申し訳ない思いでいっぱいだ」などと話していることが分かった。拘束が明らかになった後に、女性と電話で話した守る会関係者が明らかにした。

 女性は「韓国で一緒に暮らしたかったのに、悲しくてたまりません。北朝鮮に帰されたら、収容所に入れられるか、処刑されるでしょう」と語った。そのうえで、山田代表やともに拘束された支援の韓国人らについて、日本政府と国民に「早期釈放が実現するよう中国に働きかけてほしい」と話したという。

 守る会によると、女性は50代後半で、60年代初めに帰還事業で渡り、脱北して昨年韓国に亡命した。拘束された兄弟らは、女性の後を追って韓国行きを希望していた。

 また、守る会の小川晴久・名誉代表が、16日に中国に向かう代表の妻真理子さん(52)に同行することも決まった。

山田助教授の拘束長期化も 上海の脱北者事件

2003年08月14日 The Sankei Shimbun
 

 北朝鮮からの脱出住民を支援する非政府組織(NGO)代表、山田文明・大阪経済大助教授(54)が中国上海市で拘束されてから14日で1週間。釈放への動きはうかがえず「組織的な密入国犯罪」と厳しく批判する中国当局が、外交的配慮よりも司法手続きを優先させ拘束が長期化する恐れも出てきた。
 昨年10月に大連で拘束されたNGO、北朝鮮難民救援基金の加藤博事務局長の場合、約1週間で国外強制退去となったが「加藤さんの例は参考にならない。拘束時の状況が違う」と上海の日本総領事館関係者は言う。

 特に、山田助教授の場合は「密入国者」である北朝鮮住民が日本人学校に駆け込もうとする現場で、待ち伏せていた公安当局者に拘束された「現行犯」だ。加藤さんの拘束時、北朝鮮住民と一緒ではなかった。

 容疑も加藤さんは「出入国管理法違反」だが、山田助教授は蛇頭組織に適用される刑法の「不法越境を組織する罪」で有罪なら無期懲役もある。

 助教授は面会した総領事館員に対し「脱北は正当防衛で、悪いことではない」との信念を語っており、中国当局への取り調べに悪影響も予想される。

 中国の法律では起訴まで約1カ月間の取り調べが可能で、山田助教授の妻、真理子さん(52)に対して外務省は「拘束は最長1カ月」と説明。総領事館は「上海市当局には早期釈放に向け善処を求めているが、あくまでお願いベースだ」という。(共同)

拘束のNGO代表と面会へ 中国の日本総領事館担当者

2003年08月12日 The Sankei Shimbun
 
 中国・上海の日本総領事館によると、総領事館担当者が、中国当局に拘束されている非政府組織(NGO)代表の山田文明・大阪経済大助教授と12日午後1時45分(日本時間同2時45分)から、上海市内の拘置施設内で面会する。

 日本の外務省によると、8日に拘束された山田助教授は、密入国を組織した容疑で取り調べを受けており、総領事館の担当者は面会の際、山田助教授の健康状態や拘束された経緯、北朝鮮から脱出した住民の状況などを聴く方針。

 山田助教授は、中国国内で北朝鮮からの脱出住民の支援活動をしていた「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」(東京)代表。5日に上海市に到着し、メンバーの韓国人男性とともに北朝鮮を脱出した9人と合流、連絡が取れなくなっていた。

 山田助教授と行動を共にしていた脱出住民9人や支援者も拘束されたとみられるが、同省は「日本人でないとすると、拘束の確認自体が難しいだろう」としている。

 脱北者支援の日本のNGO関係者が中国当局に拘束されたのは、昨年10月の北朝鮮難民救援基金・加藤博事務局長のケース以来。(共同)

外務省に山田助教授の解放要請文

2003年08月12日 The Sankei Shimbun
 
 代表の山田文明・大阪経済大助教授(54)や韓国人スタッフらが中国当局に拘束された非政府組織(NGO)「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」(東京)のメンバーが12日午後、外務省を訪れ、山田助教授やスタッフ、北朝鮮からの脱出住民の解放を中国政府に働き掛けるよう求める要請文を提出した。

 要請文は(1)山田助教授の即時釈放(2)韓国政府と協力し、山田助教授と一緒に拘束された韓国人スタッフの安否の確認と釈放(3)在日朝鮮人の帰国者の子供ら脱出者を亡命先に出国させること−を求めている。

駆け込み先は日本人学校 拘束のNGO代表ら

2003年08月12日 The Sankei Shimbun
 
 北朝鮮からの脱出住民を支援中に中国当局に身柄を拘束された非政府組織(NGO)代表の山田文明・大阪経済大助教授(54)は12日、上海市内の拘置施設で日本総領事館の担当者に「健康で体調も良い」などと述べ、日本人学校への駆け込みを計画していたことを明らかにした。

 さらに「一緒に拘束された脱北者7人はいずれも在日朝鮮人帰国者の家族で、北朝鮮に送還されれば処刑される可能性がある。日韓両国政府が協力し中国政府に強制送還しないよう働き掛けてほしい」と話した。

 上海市政府新聞弁公室は同日記者会見し、山田助教授以外の韓国人3人と脱北者とみられる「国籍不明者」8人の拘束を確認。「密入国犯罪の組織」と「日本人学校と生徒の安全に重大な危険をもたらした」と拘束理由を述べた。

 日本総領事館への山田助教授の説明によると、6日に総領事館の広報文化センターを下見したが、警備が厳しく駆け込みをいったん断念。7日に日本人学校に向かったところ、午後3時半ごろから4時の間に学校正門付近で拘束された。

 新聞弁公室は、山田助教授と韓国人3人について「法に基づき刑事拘留している」と説明。脱北者とみられる8人は「警察が拘束した」としている。

 脱北者については、山田助教授が7人、中国当局は8人、山田助教授が代表のNGO「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」は9人とそれぞれ違う数字を挙げており、拘束を免れた脱北者がいる可能性もある。

 山田助教授は取り調べの状況について「差別的な扱いは受けていない。元気にしているので、家族に心配するなと伝えてほしい」と話していたという。

中国国内で身柄拘束か 脱北者とNGO代表ら

2003年08月11日 The Sankei Shimbun
 
 脱北者支援の非政府組織(NGO)「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」は11日、中国・上海市内の日本領事館関連施設に駆け込みを計画していた脱北者9人と守る会の山田文明代表ら計13人と連絡が取れなくなったと明らかにした。

 中国当局に身柄を拘束された可能性が高いとしている。

 守る会によると、拘束されたとみられるのは、脱北者9人と守る会の山田代表ら2人、韓国人カメラマン2人。7日に日本領事館関連施設に駆け込む予定だったが、6日夜を最後に山田代表らと連絡が取れない状態になっているという。

    ◇

 外務省は11日夜、脱北者支援のNGO「北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会」の山田文明代表が中国当局に身柄を拘束されていることを確認した。中国側に本人との面会を求める。

タイで北朝鮮女性5人逮捕 韓国への亡命希望

2003年08月08日 The Sankei Shimbun
 
 タイ警察は8日までに、北部のチェンライ県チェンセンで、密入国を図ったとして不法入国容疑で北朝鮮住民の女性5人を逮捕した。

 警察によると、5人はいずれも30歳代で、韓国への亡命を希望している。1997年に北朝鮮を脱出し、その後、中国で結婚したが、子供や夫を残して陸路でラオスに向かい、メコン川を船で渡ってタイに密入国、6日に逮捕されたという。

 タイでは、7月31日、亡命を求める北朝鮮住民10人が日本大使館に駆け込む事件が発生。住民は現在も大使館に滞在している。(共同)

駆け込みの10人は「日本行きを希望」タイ国家警察長官

2003年08月04日 The Sankei Shimbun
 
 タイ国家警察のサン・サルタノン長官は4日、記者団に対し、バンコクの日本大使館に駆け込んだ北朝鮮住民10人について「わたしの知る限り(10人は)日本行きを希望している」と述べた。

 サン長官によると、10人の意向は大使館を通じて既に日本外務省に伝えられており、現在大使館は外務省の判断を待っている状況。サン長官は「日本政府が受け入れを拒否した場合は、韓国政府が受け入れることになる」との見通しを示した。(共同)

駆け込み前に韓国亡命同意 タイ外相

2003年08月01日 The Sankei Shimbun
 
 タイのスラキアット外相は1日、記者団に対し、バンコクの日本大使館に駆け込んだ北朝鮮からの脱出住民10人について、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と韓国が「(韓国への)亡命受け入れの手続きを進めることで(駆け込み前に)合意していた」と語った。

 外相は「10人が韓国大使館からの連絡を待たず、なぜ日本大使館に駆け込んだのか分からない」と述べ、10人の対応は不可解との見解を示した。

 また外相によると、UNHCRは10人について、保護を必要とする「援助対象者」であることを確認したという。

 UNHCRは「国内および国際紛争や大規模な人権侵害状況から避難してきた人々」を「援助対象者」と定義している。

 外相は「10人が不法入国したとしても、援助対象者であることが判明した以上、必要な期間中はタイでの滞在を認めざるを得ない」としている。(共同)

10人は北朝鮮住民と確認 国連に難民認定を申請中

2003年08月01日 The Sankei Shimbun
 
 タイのバンコクにある日本大使館は1日、31日に駆け込んだ男女10人が、事情聴取に対し「北朝鮮からいくつかのルートでタイに入国した」と話していると発表、10人が北朝鮮住民であることを事実上確認した。

 また大使館は、住民らが所持している文書について、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が発行したものと確認した。文書には住民の国籍について、英語で「ノース・コリア(北朝鮮)」と記されており、UNHCRへの難民認定を申請中であることが示されているという。

 10人には、日本人や在日朝鮮人との親類関係はないという。亡命希望先については「調査中」と述べた。

 大使館によると、10人はパスポートは所持していない。またUNHCRの文書を持っていたのは10人中9人で、残る1人は「紛失した」と話しているという。

 大使館は1日、住民に対し日本などへの亡命の意思や身元などについて本格的な事情聴取を開始した。聴取はバンコク入りしたソウルの日本大使館員を中心に個別、集団の2通りで実施。同日中に日本の外務省の担当官も合流し、聴取に加わるとともに、日本への亡命希望が確認された場合の手続きなどを協議する。(共同)

タイ日本大使館に駆け込み 脱北者か、男女10人保護

2003年07月31日 The Sankei Shimbun
 
 タイのバンコクにある日本大使館に31日午前10時35分(日本時間同日午後零時35分)ごろ、北朝鮮からの脱出住民とみられる男女10人が、公用車の通行で正面ゲートが開いたすきに敷地内に駆け込んだ。

 同大使館は、子供2人を含む10人を館内で保護した。タイのスラキアット外相は記者団に、10人は亡命を求める文書を所持していると語ったが、内容や亡命希望先など詳細は不明。日本大使館は、国籍や日本などへの亡命の意思などについて10人から事情を聴いている。

 10人が北朝鮮からの脱出住民だとすれば、中国以外で日本の在外公館へ駆け込んだ初のケースとなる。昨年5月の中国・瀋陽の日本総領事館駆け込み事件のように、今回の10人が非政府組織(NGO)などの支援を得たのかは不明。  大使館の高田稔久公使によると、10人は公用車がゲートに進入、扉が開いたすきに、一気に敷地内に入り込んだ。その際、何人かが英語で「ノース・コリア(北朝鮮)」と叫び、北朝鮮出身者であることをアピールした。大使館では政治的な背景がある可能性もあると判断、館内に入れた。混乱やトラブルはなかったという。  10人の内訳は、成人の男女各4人と、10歳以下とみられる男子、女子の2人。家族構成など10人の関係ははっきりしてない。  10人は朝鮮語と思われる言語を話しており、日本語はできない。英語では十分な聴取ができないため、ソウルの日本大使館員がバンコクに向かった。  ロイター通信によると、バンコクの韓国大使館当局者は、10人が望めば韓国への亡命受け入れを検討するとしている。  10人にけがなどはなく、大使館が提供した昼食の焼き肉弁当を食べたという。(共同)

警備のすき突き、公用車とともに駆け込む

2003年07月31日 The Sankei Shimbun
 
 塀のそばで、じっと進入のチャンスをうかがう人々。ゲートに近づく公用車。重い鉄の扉がゆっくりと開く−。タイ・バンコクの日本大使館で31日、北朝鮮脱出者とみられる10人は、警備のすきを突いて、一気に敷地内に駆け込んだ。

 目撃者らによると、同日午前9時45分(日本時間同11時45分)ごろ、4人の男性がタクシーで大使館近くに乗り付け、正面ゲートの塀に体を寄せて座り込んだ。その10−15分後、別のタクシーが到着。6人が降り、先発の4人に合流した。

 大使館のゲートは日中、民間のガードマン2人とタイ警察派遣の警官1人の計3人で警備。詰め所の中から監視するケースが多く、横の塀にへばりつかれると盲点となって見えにくい。

 大使館の公用車は約30分後の午前10時35分(同午後零時35分)ごろ到着。警備員が確認し、高さ約3メートルの扉が開いた。その瞬間、10人は車のわきにつくようにして中に入り込んだ。

 警備員2人が制止しようとするが、10人は既に敷地内。直後に、何人かが英語で数回「ノース・コリア(北朝鮮)」と叫ぶ。公用車に乗っていた大使館員がそれに気付き、館内にいた平石好伸公使(総務)に連絡した。

 10人は当初、興奮気味だったが、入館後、次第に落ち着きを取り戻したという。

 日本大使館は交通量の激しいアソーク通り沿い。警備員は公用車か、大使館から入館許可の連絡があった車両以外は敷地内に入れない。10人はこのことを調べた上で、駆け込みを実行したようだ。(共同)

韓国への脱北者598人 今年上半期

2003年07月24日 The Sankei Shimbun
 韓国の統一省は24日、今年上半期の北朝鮮脱出住民の韓国入国者数が598人(昨年同期は561人)になったと発表した。

 このうち女性は354人で全体の59%を占めた。年齢別では30代が約33%で最も多く、次いで20代が約28%、40代が約16%、10代が約12%だった。(共同)

「子供の安全を」脱北の平島さん

2003年07月22日 The Sankei Shimbun
 帰還事業で1959年に北朝鮮に渡り、中国に脱出して1月、日本に帰国した日本人妻、平島筆子さん(64)が22日、東京都内で記者会見し、北朝鮮に残る子供や他の日本人妻の安全確保と支援を訴えた。平島さんは北朝鮮を脱出した日本人妻として初めて実名を公表した。

 北朝鮮に渡った日本人妻約1800人について、平島さんは「一刻も早い帰国と家族との再会をかなえてあげてほしい」と訴え、「脱北は子供たちに相談せずにわたし1人で決めた。心配で夜も眠れない…」と声を詰まらせた。何度も手紙を送り続けているが、返事は来ていないという。

 会見に先立ち、平島さんは外務省と首相官邸を訪れ、支援要請した。

 同席した平沢勝栄衆院議員は「1月からひっそりと生活してこられたが、この機会に実名公表して、政府に支援をお願いした方が(子供たちの)安全が確保されると、決意された」と説明した。

 平島さんは58年、都内在住の在日朝鮮人男性と結婚、翌年12月、夫ともに帰国船で北朝鮮に渡った。

北朝鮮から船で2人亡命 韓国

2003年07月04日 The Sankei Shimbun
 韓国軍の合同参謀本部によると、同国西側の黄海で4日未明、小型の木造船に乗った北朝鮮住民の男性2人が韓国への亡命を求め、同軍が保護した。

 いずれも北朝鮮南西部の黄海南道・海州市に住む民間人で、生活苦のため亡命してきたという。

 一方、韓国への亡命を求めて中国の韓国総領事館などに駆け込んでいた北朝鮮住民19人も4日朝、マニラ経由で韓国入りした。一行は4歳の子供を含む女性14人と男性5人。(共同)

脱北住民13人が韓国入り

2003年06月27日 The Sankei Shimbun
 北朝鮮を脱出した住民13人が27日朝、バンコク発の航空機で仁川国際空港に到着、韓国入りした。仁川空港警察隊が明らかにした。

 男性7人、女性6人で、東南アジアの国で韓国大使館に亡命を申請、保護されていた。到着後は直ちに、北朝鮮からの亡命住民用の定着施設に移動、韓国での生活に向けた適応訓練を受ける。(共同)

韓国:拉致の漁民男性 30年ぶりに帰国

2003年06月24日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 【ソウル澤田克己】韓国政府当局者は24日、30年前に黄海上で拉致された漁民の韓国人男性(50)が23日、韓国へ帰還したことを明らかにした。韓国政府は、朝鮮戦争後の拉致として486人を認定しているが、この男性は被害者リストに入っていなかったという。男性は現在、脱出した経緯などについて調査を受けている。

 韓国の聯合ニュースによると、男性は73年11月、北朝鮮に帰還しようとした北朝鮮の工作員にだまされて出港し、海上で拉致された。

 北朝鮮では、ヤギの放牧場などで働かされていたが、今年4月19日に豆満江を渡って中国への脱出に成功。同月27日に中国内で母親らと落ち合い、今月2日から北京の韓国大使館に保護されていたという。

「住民の6割が脱出希望」米上院で北朝鮮の公聴会

2003年06月06日 The Sankei Shimbun
 米上院外交委員会の東アジア太平洋小委員会は5日、北朝鮮の国内状況に関する公聴会を開き、韓国に亡命した北朝鮮女性が「全住民の60%が国外に脱出したがっている」などと証言、脱出者用難民キャンプを国外に早急に設置するよう訴えた。

 一方、米政府の援助機関、国際開発局(USAID)のナツィオス局長は同公聴会で「北朝鮮が崩壊の危機にあるという証拠はどこにもない」と指摘し、過去3回クーデター未遂があったが現在比較的安定しているとの見方を表明。その上で「金正日(総書記)は1990年代の飢餓状況を熟知していた。飢餓の最中にも北朝鮮政府は高級車の輸入を続けた」と厳しく批判した。

 小委員会で証言したのは池海南さん(54)。政府の宣伝部門職員だった池さんは93年、韓国の歌謡曲を歌った「罪」で3年間投獄され、その後中国経由で脱出を試み2度目に成功、昨年1月、韓国に亡命。収容所で拷問され、鉄のくぎを飲み自殺を図った状況や収容中に16歳の息子が餓死したことを涙ながらに語った。

 池さんは「拷問のあとが今も痛む。北朝鮮政府を決して許すことはできない」と強調。「世界に北朝鮮の実情を知ってほしい。中国やモンゴルに難民キャンプを造り脱出者を助けてほしい」と述べた。(共同)

北朝鮮脱出の24人が韓国へ

2003年05月23日The Sankei Shimbun
 韓国の聯合ニュースが23日伝えたところによると、北朝鮮を脱出し、北京の韓国大使館に駆け込んで亡命を求めていた住民計24人が22日、韓国入りした。

 24人はマニラやバンコクなどを経由して韓国の仁川国際空港に到着した。空港当局の集計によると、今年に入って同空港に到着した北朝鮮の脱出住民は400人を超えた。(共同)

脱北者を撮影、韓国人写真家に禁固2年 中国

2003年05月23日The Sankei Shimbun
 米国の民間組織、ジャーナリスト保護委員会(CPJ、本部ニューヨーク)は22日、中国山東省煙台の裁判所が同日、密航船に乗る北朝鮮からの脱出住民を撮影中に逮捕されたフリーの韓国人写真家、ソク・ジェヒュン氏に禁固2年の判決を宣告したとし、同氏の即時無条件釈放を呼び掛けた。

 CPJによると、ソク氏は米紙ニューヨーク・タイムズや韓国誌と契約し、北朝鮮から中国に脱出した住民の企画取材に当たっていた。逮捕されたのは1月で、支援関係の韓国人や中国人、脱出住民も逮捕されている。

 CPJによると、中国では現在、38人のジャーナリストが投獄されているが、外国人は、短期間の拘束後、国外追放されるのが普通で、ソク氏の扱いは極めて異例という。(共同)

韓国:脱北ブローカーを初摘発 高額手数料を請求

2003年05月18日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 【ソウル澤田克己】聯合ニュースによると、ソウル地検は18日、北朝鮮から中国に脱出した「脱北者」から手数料を取って韓国に密入国させていたブローカーの韓国人男性(37)を、公文書偽造などの罪で起訴した。脱北者を韓国に密入国させるブローカーが摘発されたのは初めて。

 調べによると、男は仲間とともに、00年7月から昨年5月までの間に偽造した韓国旅券を使って脱北者60人余りを中国から韓国へ密入国させた。脱北者からは、1人当たり1000万ウオン(約100万円)の手数料を取っていた。

 男は、韓国に亡命した脱北者らを通じて新規の“顧客”を調達。韓国の空港に到着した後に当局に出頭させていた。手持ちの資金が足りない場合、韓国政府から定着支援金(4人家族で6500万ウオン=約650万円)を支給されてから手数料を支払う「付け払い」も認めていたという。

亡命報道に異例の謝罪要求 北朝鮮の国営通信

2003年05月19日 The Sankei Shimbun
 北朝鮮国営の朝鮮中央通信社は19日、米国への亡命を求めていると韓国の通信社、聯合ニュースが報じた吉在京・朝鮮労働党中央委員会書記局副部長は「2000年6月に病死した」とした上で、報道を「荒唐無稽(むけい)なねつ造」と批判、謝罪を要求する論評を出した。

 北朝鮮に絡む韓国メディアの観測報道に、謝罪まで要求するのは異例で、今後の南北関係にも微妙な影響を与えそうだ。

 論評はまた、吉副部長とともに米国への亡命説が報じられた廉基淳・党組織指導部第一副部長の息子や、マカオにある北朝鮮の貿易会社副社長の2人についても「正常に活動している」と主張、亡命説を否定した。

 これに先立ち、19日付の韓国有力紙、中央日報は、副部長が2000年6月7日に死亡していたことが平壌の国立墓地「愛国烈士陵」の墓の写真で確認されたと報じ、死亡の日付のある墓碑の写真も掲載した。

 これを受け聯合ニュースも「事実ではなかった」と謝罪の社告を出し、記事を掲載、引用した国内外の報道機関などに謝罪した。

 北朝鮮当局は通常、要人や重要幹部が死亡した際には「訃告(ふこく)」などを発表するが、吉副部長の場合はこうした報道がなかったため、韓国政府当局も事実確認が困難だったとみられる。(共同)

聯合ニュースが謝罪の社告 吉副部長亡命の誤報

2003年05月19日 The Sankei Shimbun
 韓国の通信社、聯合ニュースは19日、同社が17日に配信した「北朝鮮の吉在京・労働党中央委員会書記局副部長が米国に亡命を希望した」との報道が事実でないことが明らかになったとして、民族ニュース取材本部長名で謝罪の社告を発表した。

 社告は「国内外に極めて大きな波紋と物議を起こしたことに対し、聯合ニュースは該当記事に取り上げられた人々はもちろん、関連記事を掲載した国内外のマスコミ、さらに国民の皆さんに心から謝罪申し上げる」とした。

 さらに「(報道内容は)平素から信頼を築いてきたニュースソースから本社記者が詳しく聞いて作成し、北韓(北朝鮮)に関連する政府部署の確認を経るなどしたが、結果的に徹底的な事実確認ができなかったことは恥ずかしいことである」とした。(共同)

亡命希望の北朝鮮・吉副部長は「既に死亡」?

2003年05月18日 The Sankei Shimbun
 18日の韓国の聯合ニュースによると、米国亡命を希望しているとされる北朝鮮の吉在京・労働党中央委書記局副部長に同行している可能性があると一時伝えられた、マカオにある北朝鮮の貿易会社副社長が、吉副部長は既に死亡していると述べ、亡命説を否定した。

 副社長は同ニュースとの電話インタビューで「今回の吉副部長の亡命説は南朝鮮の情報機関が自ら行った謀略騒動とみられる。南の情報機関は北の報道内容をちゃんと調べてマスコミに流せ」と述べ、亡命説は韓国情報機関の謀略と批判した。

 同ニュースによると、吉副部長死亡説に対して韓国政府当局者は「確認されていない」と述べた。一方、同ニュースは韓国の一部北朝鮮専門家の間で昨年から吉副部長の死亡説が流れていたとも報じた。(共同)

総書記金庫番が米亡命希望 韓国通信社報道

2003/05/17 中国新聞ニュース
 【ソウル17日共同=平井久志】韓国の通信社、聯合ニュースは十七日、ソウルの外交消息筋の話として、北朝鮮の金正日総書記側近である吉在京・労働党中央委員会書記局副部長(69)が最近、第三国で米国への亡命を希望し、安全な場所に滞在していると報じた。

 吉副部長は金総書記の秘密資金を担当する金庫番的な存在とされ、北朝鮮要人の亡命としては一九九七年に韓国に亡命した黄長Y元党書記以来の大物とみられる。

 米国亡命に成功すれば、北朝鮮政権中枢の秘密資金や、米政権が外貨獲得源とみて摘発方法を検討している麻薬密輸の実態なども明らかになり、北朝鮮にとって大きな打撃となるのは必至だ。

 消息筋は「吉副部長は先月二十日にオーストラリア当局に摘発された五千万ドル相当のヘロイン五十rを積んだ船舶の麻薬密輸を総指揮していた」とし、亡命動機は「船が拿捕(だほ)され、金総書記から処罰されることを恐れたためと承知している」と述べた。

 消息筋によると、吉副部長は他の二人とともに亡命を要請。聯合ニュースは、廉基淳党組織指導部第一副部長の息子の廉ジンチョル氏(45)も第三国出張中に亡命し、外国の保護下にあると伝えたが、吉副部長とともに亡命要請したかは不明。

 消息筋は吉副部長について「現在の滞在先は明らかにできないが、米国か米国が管轄しているところにいるのではないか」と述べ、米国の安全な保護下にあることを示唆した。

 吉副部長はスウェーデン大使を務めるなどした外交官出身で、同大使時代の七六年に麻薬密輸事件で追放措置を受けた。党国際部副部長を経て九〇年代初めから「金正日書記局」といわれる党中央委書記局の副部長に抜てきされ、金総書記の秘密資金を担当しているといわれてきた。

北朝鮮脱出女性12人韓国に

2003年05月09日The Sankei Shimbun
 北朝鮮を脱出して北京の韓国大使館に駆け込み、韓国亡命を求めていた北朝鮮の女性12人が9日早朝、マニラ経由で韓国の仁川国際空港に到着した。

 12人は16歳から46歳で、昨年10月から今年2月にかけて北京の韓国大使館に駆け込み身を寄せていた。

 12人は新型肺炎(SARS)の感染やマスコミに顔が出るのを避けるため、全員マスク姿で体温検査などを受けた。(共同)

<脱北>北朝鮮高官の西側脱出計画を米支援 豪紙報道

2003年04月19日(シドニー共同)(毎日新聞) YAHOO!News
 19日付のオーストラリア紙ウィークエンド・オーストラリアンは、米国とその協力国が韓国などの非政府組織(NGO)を支援する形で、北朝鮮高官の西側脱出計画を昨年10月から実施し、これまでに約20人が国外に逃れたと報じた。

 報道によると、北朝鮮の核開発の父とされる科学者キョン・ウォンハ氏も昨年末に脱出。米国などは寧辺周辺の核施設の状況などについて、貴重な情報を手にした。

 同計画は「イタチ作戦」と名付けられ、米国のほかにニュージーランドやスペイン、タイ、フィリピンなどの各国が関与。協力国は北朝鮮高官が中国へ脱出後、第三国に渡るまでの過程で便宜を図っていた。

 南太平洋の小国ナウルのクロードマイヤー前財務相も同紙に対し、ワシントンで米国側から計画の詳細を知らされ、ナウルが北朝鮮高官の移送の一部に協力したことを認めた。

拉致被害者家族会:国連人権委員会で陳述 ジュネーブへ出発

2003年04月20日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 北朝鮮による拉致被害者の家族らが20日、国連人権委員会の強制的失踪(しっそう)作業部会で陳述するため、成田空港からジュネーブへ向けて出発した。陳述は22日午後3時(日本時間同日午後10時)から約1時間行われる。北朝鮮に「死亡」とされた被害者8人のうちの4家族が、北朝鮮側の主張の矛盾点や四半世紀にわたる苦しみを訴え、国連が拉致問題解決に積極的に取り組むよう求める。

 出発したのは、横田めぐみさん(行方不明時13歳)の母早紀江さん(67)と弟拓也さん(34)▽田口八重子さん(同22歳)の兄飯塚繁雄さん(64)▽有本恵子さん(同23歳)の母嘉代子さん(77)▽増元るみ子さん(同24歳)の姉平野フミ子さん(53)。外務省の斎木昭隆・アジア大洋州局参事官、中山恭子・内閣官房参与ら政府関係者も同行する。

 出発前の記者会見で、団長の飯塚さんは「いろいろな情報が飛び交う中で国連に事実をしっかり踏まえていただき、あってはならない問題を根本的に解決する動きを起こしてほしい」と話した。有本さんは「高齢化した私たちには後がない。母の気持ちを訴えたい。何とか親が元気なうちに子供を取り返したい。その一念で行ってきます」と述べた。

 一行はセルジオ・デメロ国連人権高等弁務官、赤十字幹部らとも面会し、24日、帰国の予定。 【磯崎由美】

北朝鮮住民3人が韓国亡命

2003年04月06日 The Sankei Shimbun
 韓国海洋警察当局によると、同国北東部の江陵市沖の日本海で6日午前4時15分ごろ、北朝鮮住民3人が乗った小型船が漂流しているのを付近で操業中の韓国漁船が発見した。3人は韓国亡命の意思を示しており、関係機関が事情を聴いている。

 3人は北朝鮮の咸鏡南道で養蜂(ようほう)業をしていた男性(46)と弟(40)、男性の子供(20)で、2日夕に咸鏡南道の海岸を出発、韓国側を目指して日本海を4日間漂流していたという。

 韓国海洋警察当局者によると、北朝鮮住民が日本海側から船で韓国に亡命したのは異例。

 3人が乗っていたのは長さ5メートル、幅2メートルの木造船。通信社の聯合ニュースによると、船内には食べ残しの豚肉や燃料などがあり、耕運機用のエンジンが取り付けられていたという。(共同)

脱北者:日本人学校駆けこみの北朝鮮住民4人、韓国へ

2003年03月20日 [毎日新聞]Mainichi INTERACTIVRE
 【北京・浦松丈二】北京の日本人学校に駆け込んだ北朝鮮住民4人が20日午後、北京空港から中国を出国し、シンガポール経由で韓国に向かった。21日午前、韓国に到着する見通し。4人は一連の駆け込み事件で初めて、日本への亡命を求めていた。

 4人は先月18日に日本人学校に駆け込み、北京の日本大使館領事部で保護されていた。中国当局は国内法に基づく事情聴取を終え、第三国経由で出国を認めた。4人も最終的に韓国行きを了承したものとみられる。

 出国した4人は、北朝鮮東部の咸鏡南道咸興市出身の周美英(ジュミヨン)さん(43)=女性=と長女の盧有美(ロユミ)さん(13)、長男の盧光明(ロガンミョン)さん(10)の母子3人と、周さん一家の知人の男性、金哲(キムチョル)さん(20)。

脱北者:北京の4人、近く韓国に 日本人妻と娘も帰国の可能性

2002年03月19日 [毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 【北京・浦松丈二】北京の日本大使館幹部は19日、北京の日本人学校に駆け込んだ北朝鮮住民4人の問題で、中国当局が第三国経由での出国を認め、一両日中にも韓国に向かうことを明らかにした。中国・瀋陽の日本総領事館に保護された日本人妻とその娘についても近く帰国する可能性を示唆した。

 4人は先月18日に日本か韓国への亡命を求めて日本人学校に駆け込み、同大使館領事部に保護されていた。日中双方は出国に必要な事情聴取を終え、4人も韓国へ向かうことを了承したものとみられる。

 一方、日本人妻とその娘は、北朝鮮国境に近い中国東北地方から日本政府に救出を求め、先月22日に瀋陽の日本総領事館に保護されていた。中国当局は国籍が確認されれば帰国を認める方針を日本側に伝えていた。

 中国外務省報道官は、この2件について「国内法、国際法、人道主義の精神に基づいて対応する」と出国を認める考えを示していた。

脱北者:定住や支援求め、日本政府に請願書提出

2003年03月07日 Mainichi INTERACTIVE
 来日中の元在日朝鮮人の在韓脱北者たちが7日、日本定住や脱北者支援などを求めて政府に請願書を提出した。

 高知市出身の文賢一さん(54)ら11人は、帰還事業で北朝鮮に渡った後に脱出した元在日朝鮮人やその子供たちで、日本での生活を求めて韓国から来日した。この日は脱北者9人が東京都千代田区の憲政記念館で、外務省の平松賢司北東アジア課長に請願書を渡した。

 要請内容は、▽元在日の脱北者が希望すれば日本入国を認める▽脱北者を救出する連絡事務所の設置▽日中韓3国の連携で脱北者を保護し、脱北を金で請け負うブローカーを介在させない▽脱北者を北朝鮮に渡さず、難民として扱うよう中国政府に求める▽脱北者への定住支援として、住宅の提供や職業訓練、日本語教育、メンタルケアの充実――など6項目。 【早川健人】

脱北者救済

2003年01月28日 沖縄タイムス社
難民策を占う試金石だ

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)から中国に脱出した脱北者は、数万人あるいは十数万人ともいわれている。

 国境を越えても、身の安全が保証されているわけではない。その後は不法入国者として中国の公安当局に追われる。国境線を接する中国の東北を中心に流浪を強いられながら、韓国はじめ第三国への亡命に望みを託しているのが脱北者であろう。

 昨年五月の中国・瀋陽の日本総領事館や北京の各国大使館に、亡命を求め北朝鮮住民が駆け込むケースが増えたのは、中国当局による脱北者の摘発が強化された背景がある。

 拘束され、強制送還となれば迫害も免れない。それでも送り返す。北朝鮮と中国が結ぶ不法越境者を相互に送り返す協定があることも支援の非政府組織(NGO)が明らかにしている。

 人権を侵され飢えの苦しみから逃れてきた人々に、難民かどうかという審査もなかったとされる。中国は一九八二年に難民条約を批准しており国際社会の批判は免れまい。

 NGOの援助で、中国から韓国や日本へ船でひそかに出国しようとした北朝鮮の脱出住民数十人が拘束された。すかさず国連難民高等弁務官事務所が中国政府に送還しないよう書簡で求めたのは当然だろう。

 とはいえ、脱北者に向き合う姿勢が問われるのは日本政府も変わらない。

 政府は二十七日の衆院予算委員会の審議で、これまで北朝鮮を脱出した数十人の日本人妻や元在日朝鮮人を保護している事実を明らかにした。水面下で中国政府と交渉し日本に入国させていたとみられる。

 安倍晋三官房副長官は支援法制定の検討を示した。川口順子外相は日本人妻を邦人保護として対応する考えを述べ、中国にも協力を求めたという。

 もちろん日本人関係の保護を優先するのは政府の役割だろう。

 同時に、瀋陽事件を含め「難民に冷たい日本」という国際的批判を肝に銘じ難民対策に取り組む必要がある。

 難民認定手続きの見直しを盛り込んだ入管難民法改正案を今国会に提出するのはその一つの表れだろう。申請者に仮滞在を許可し、「六十日ルール」を六カ月に拡大する。

 脱北者を難民とする方針の政府だが、先の大量脱出者の拘束について「人道的な対応を期待する」(小泉首相)とは、あまりに傍観的姿勢と映る。

 日本の難民申請への認定率は約一割で、昨年の認定もわずか十一人という。脱北者問題は「身内」を超えた国際的な難民対策を占う試金石である。

「牛盗んで食べ公開銃殺」脱北者が証言

2003年03月01日 Yomiuri On-Line
 帰還事業で北朝鮮に渡った後に脱出し、約40年ぶりに来日した韓国在住の元在日朝鮮人ら11人が1日、大阪市内で開かれた証言集会に出席し、北朝鮮の過酷な生活の一端を生々しく語った。

 岡山県出身の李燦成(イチャンソン)さん(60)は「1990年代の食糧難の時、牛を盗んで食べた人たちが公開銃殺されるのを見た。食料を与えなかった国に罪があるはずなのに」、「建設途中のアパートで寒さをしのいでいた6人の孤児は、抱き合ったまま凍死し、遺体は牛車に投げ入れられていた」などと証言した。

 福岡県出身の女性(54)は「軍のパイロットと恋愛したが、帰国者だったため結婚を反対され、別れた。研究所に勤めていた娘も、帰国者の二世というだけで、ロシアの大学への留学がだめになった」と、子供まで差別にさらされる実態を明らかにした。

北脱出者を館外へ追い出す 北京のマレーシア大使館

2002年12月17日 The Sankei Shimbun
 北朝鮮を脱出した住民2人が17日、韓国への亡命を求め北京のマレーシア大使館内に入ったが、保安要員とみられる職員らに追い出された。

 今年5月には瀋陽で日本総領事館内に入った北朝鮮住民5人を中国の公安当局が連行し問題となったが、いったん大使館内に入り保護を求めた北朝鮮住民を追い出したマレーシア大使館の対応にも、北朝鮮脱出者を支援している非政府組織(NGO)などから批判が出るとみられる。

 消息筋によると、マレーシア大使館に入ったのは39歳の女性と16歳の男性。大使館には当時中国の武装警官などはおらず、大使館の保安要員とみられる男性職員2人が正門付近で雪かきをしていた。2人は午前11時ごろ、開いていた正門からすきを見て敷地内に入り大使館の建物の中に入った。

 しかし中国人職員とみられる職員数人が中国語で「朝鮮の人間だ」と言いながら2人を正門の外へ再び追い出した。

 消息筋によると、2人は中国の公安当局には引き渡されず、門外で解放されたという。2人は韓国に亡命を希望する文書は持っていたが、大使館職員に手渡せなかったようだ。

 北京では北朝鮮からの脱出住民が大使館などに駆け込む事件が相次いでいるが、多くの海外公館では大使館内に入った住民を保護、第三国経由で韓国に移送するなどしている。(共同)

北朝鮮の20人が韓国亡命

2002年12月16日 The Sankei Shimbun
 韓国への亡命を求めて北京の韓国総領事館に駆け込んだ北朝鮮の住民20人が16日、マニラ経由で韓国の仁川国際空港に到着した。

 一行は男性9人、女性11人で、到着後に同空港で「うれしい。(亡命を)手助けしてくれたすべての人に感謝する」と話した。20人は韓国の政府機関から亡命の経緯などについて聴取された後、韓国での生活に適応するための教育や職業訓練を受ける予定。

 北朝鮮から韓国への亡命者は先月20日現在で1000人を突破、昨年1年間の583人を上回る過去最多を記録している。年末までに1100人に達する見通し。(共同)

北朝鮮の20人が韓国へ マニラ経由で

2002年12月13日 The Sankei Shimbun
 フィリピン外務省は13日、韓国への亡命を求めて北京の韓国総領事館に駆け込んだ北朝鮮の住民20人が15日夜、北京からマニラ経由で韓国に向かうと発表した。韓国到着は16日早朝の予定。

 外務省によると、一行は男性9人、女性11人で、最年少は7歳の少女、最高齢は42歳の女性。

 フィリピンは人道的立場からマニラを中継地として提供しており、1997年以来これまでに108人がマニラ経由で韓国に行った。(共同)

北朝鮮籍を名乗る女性、中国の韓国総領事館に駆け込み

2002年11月29日 Yomiuri On-Line
 【香港29日=関泰晴】28日付の中国系香港紙「香港商報」によると、中国広東省広州市の韓国総領事館に27日、北朝鮮出身と名乗る女性が、政治亡命を求めて駆け込んだ。

 同紙によると、外国の総領事館も多い広州で、駆け込み事件が発生したのは初めて。女性は身分証などを持たず、総領事館は韓国政府の指示を待っているという。

「日本人妻」帰国支援認める

2002年11月11日 Yomiuri On-Line
 福田官房長官は11日の記者会見で、北朝鮮から脱出した「日本人妻」らの帰国を日本政府が支援していた問題について、「事実関係についてはコメントを差し控える。こういう人たちを保護したり、安全を図ることは政府としての義務だ」と述べ、事実上、支援があったことを認めた。

 日本人妻への公的支援については、「いろいろ考えていかないといけないことだと思うが、慎重に対応を考えていく。今の段階でどうすると申し上げにくい」とし、今後の検討課題になるとの見方を示した。

 これに関し、公明党の神崎代表は11日の政府・与党連絡会議で、「支援措置を検討すべきだ。今どういう実態になっているのか把握し、公表してもらいたい」と述べ、政府に実態調査と生活支援を求めた。

 また、北朝鮮による拉致被害者らを支援する新規立法については、「議員立法でもこの国会で成立させる必要がある」と強調した。

「脱北」日本人妻が極秘帰国

2002年11月09日 Yomiuri On-Line
 北朝鮮から脱出した「日本人妻」とその家族ら、少なくとも約40人が、外務省から極秘に渡航書などの発給を受け、次々と帰国していたことがわかった。

 北朝鮮帰還事業で同国に渡っていた在日朝鮮人の配偶者たちで、経済的な困窮から中国に逃れ、日本大使館や法務省入国管理局、支援団体の手助けを受けて、1994年ごろから秘密裏に日本に帰っていた。外務省は、北朝鮮や同国と友好関係にある中国を刺激しないよう事実を伏せてきたと見られる。だが、“脱出日本人妻”は今後も増え続けると予想されるうえ、極秘帰国者は公的支援を受けられない問題も抱えており、日本政府としても明確な対応を迫られそうだ。

 北朝鮮帰還事業では、59―84年にかけ、9万3340人の在日朝鮮人とその家族が北朝鮮に渡った。うち約1800人が在日朝鮮人と結婚した日本人妻で、日本人の夫やその子供たちを合わせると計6800人の日本人がいた。

 極秘帰国していたのは、この日本人妻と家族たちで、北朝鮮の食糧難と経済危機が深刻化した94年ごろ、北朝鮮から豆満江を越えて中国へ逃れた日本人妻1人が「帰国したい」と北京の日本大使館に伝えてきた。外務省の調査で、日本に戸籍を残していたことが確認されたため、渡航書を発給して帰国させた。

 この後、中国東北部に脱出していた日本人妻や元在日朝鮮人たちから帰国希望が相次ぎ、法務省の帰還者名簿や戸籍と照合のうえ、日本人妻と確認できれば、帰国のための渡航書を、その家族で在日朝鮮人の場合は、査証と旅券に代わりうる渡航証明書を発給し、毎年のように受け入れていた。この5年間は、国内にも支援組織が次々に設立されたため、脱北者はこうした民間団体の中国担当者と連絡を取ったうえ、外務省に受け入れを求めていた。

 これまでに帰国した日本人妻と家族は、支援団体が関与したケースだけで5家族25人前後。外務、法務両省が直接関与したケースを含めると、少なくとも40人に上る。その多くは、中国から入国しているが、中にはタイやロシア経由で日本に帰ってきた人もいる。入国にあたっては、事前に入管当局に連絡があり、外務省関係者が出迎えたり、支援団体が付き添ったりして帰国していた。

 極秘帰国に関与した政府関係者は「日本人妻たちは、中国への不法入国など問題はあれ、人道的にも日本への帰国を拒む理由がないと判断した。しかし、中国当局が脱北者を次々と拘束している時に、日本政府がその脱北者を受け入れているとは明らかにできなかった」と話している。

 平松賢司・外務省北東アジア課長の話「これ(帰国)については、他国のことも考え、静かにやるべきだと思っている。まさに今、危険な思いをしている人もいて、明らかにすることが彼らの安全に影響を与える恐れもあり、この時点で(事実を)認めるわけにはいかない。支援についてはいろいろ検討している」

 帰還事業 在日朝鮮人や日本人妻ら975人を乗せた帰国第一船が、新潟港を出港したのは1959年12月。前年には、当時の金日成首相が「在日朝鮮人の帰国念願を熱烈に歓迎する」と表明し、「社会主義の楽土」という宣伝を信じた人たちが次々と帰還に応じた。だが、北朝鮮の厳しい国情が伝わったことで希望者は減少、84年7月の第187次船が最後になった。日本人妻のうち、計43人は97年から3回にわたって一時帰国を果たした。

北朝鮮帰還事業の裏、飢餓と差別の「ひどい生活」

2002年11月09日 Yomiuri On-Line
 「地上の楽園」という宣伝を信じ、「北朝鮮帰還事業」で同国に渡った日本人妻たちが次々と逃げ帰ってきていた。その多くが支援団体などに対して、帰還事業の悲惨な結末と、貧困や飢餓、病気、差別などの実態を訴えている。帰還事業で北朝鮮に入った日本人の総数は約6800人。極秘帰国できた人はほんの一握りだ。残る多くの人々が既に死亡した、と関係者は推測しているが、北朝鮮はその安否すら明らかにしていない。拉致問題の陰に隠れた、もう一つの日朝問題がある。(編集委員 清武英利)

 昨年夏、北朝鮮から中国へと逃れた日本人妻の一家5人が、外務省や支援団体の助けを借りて、タイ経由で日本に帰ってきた。在日朝鮮人と結婚し北朝鮮に渡った日本人妻で、50歳代。夫は北朝鮮で死亡。息子夫婦と孫を連れており、目立たないように二グループに分かれて帰国した。

 支援団体が開いた歓迎会の場で、その日本人妻が帰還事業の現実に触れた。

 「希望に燃えて、新潟港から帰還船で海を渡りました。船で北朝鮮に到着した途端に『ああ、しまった』と思いました。見ると聞くとは大違いだった。楽園どころではなく、それからひどい生活が続きました」

 北朝鮮からの脱出者を支援してきた「北朝鮮難民救援基金」の中平健吉理事長(元東京高裁判事)は「北朝鮮社会は階級社会で分断されており、日本人の多くが最下層に位置づけられ、冷遇されてきた。やっと帰国出来た人は『自分の身と明日の生活をどうするかで精一杯だった』と言っている。帰還者はみんな日本に帰りたいはずだ」と語る。

 日本に脱出してきた朝鮮労働党の元情報工作員で、「青山健煕」の名で北朝鮮を告発している男性は「北朝鮮で日本から仕送りを受けられない人は、もう生きていない」と断言する。中国東北部に入った同救援基金のメンバーは、栄養失調でどす黒く顔の膨らんだ脱北者から「帰還者たちが飢餓と貧困で次々と亡くなっている」と訴えられた。

 ところが、その帰還事業の実態や日本人妻が逃げ帰っているという事実は、これまで表面化していなかった。関係者の話を総合すると、これは〈1〉脱北者の帰国に外務省が関与していたことが発覚すると、日本と中国、北朝鮮との外交問題に発展しかねない〈2〉日本人妻ら脱出者の安全が保てない恐れがある〈3〉北朝鮮に残っている親族は人質代わりになっており、収容所に送られる可能性もある〈4〉北朝鮮からの脱出者は、日本でも差別を受ける恐れがある――などのためだという。

 韓国には北朝鮮脱出者に対する「定着プログラム」があり、定着支援施設に加え、定住支援金や住居支援金も支給される。これに対し、日本は帰国が極秘だったため、NGOがカンパなどで支えているのが実情だ。

 だが、極秘帰国者が40人以上にも達している現状では、その努力も限界に近いという。事実を明らかにしたうえで、帰国後の支援システムと、中国に逃れている多数の日本人妻とその家族を救出する手だてを講じる時期にきている。

 ◆受け入れ体制が必要…東京入管坂中局長◆

 「在日韓国・朝鮮人政策論の展開」などの著書があり、在日朝鮮人社会の実情に詳しい法務省の坂中英徳・東京入国管理局長に、日本人妻らの帰国問題について聞いた。

 ――北朝鮮に帰国した9万3000人もの在日朝鮮人の現状をどうみるか。

 「拉致被害者8人の死亡の報に接した時、まず北朝鮮に帰った在日朝鮮人や、妻や子として出国した日本人約6800人の過酷な運命が思い浮かんだ。これらの人たちも、拉致被害者と同じ境遇にあっているのではと思うと心が痛んだ。帰還者は、動揺階層という下層身分に位置付けられ、差別と監視の対象とされ、飢えに苦しむ生活を余儀なくされている。強制収容所に送られ、そこで亡くなった人も多いと伝えられている」

 ――帰還者の問題が、今後の日朝関係に大きな影響を与えるということか。

 「拉致事件以上に大きな問題を抱えているのではないか。人権抑圧下と飢餓状態に置かれている帰還者の実情からすると、自由に出国できる状況になれば、多くが日本に戻ってくる可能性が高い。日本政府と在日朝鮮人社会は、帰還者の日本帰国に備え、受け入れ体制などの問題に真剣に取り組む必要がある」

 ――在日朝鮮人社会も動揺している。

 「従来、本国政府は本国忠誠型の民族団体を使って在日朝鮮人を将棋のコマのように動かし、在日朝鮮人はその指令に全面的に服してきた。そして在日朝鮮人は、外交の道具あるいは資金源として利用されてきた。しかし国交正常化後は、在日朝鮮人は勇気を持って本国との不正常な関係を断ち、朝鮮半島から解放された自由な精神で生きる姿勢を貫いてほしいと思う」

極秘帰国の日本人妻ら、祖国の支援なく困窮

2002年11月09日 Yomiuri On-Line
 北朝鮮から極秘に逃れて来た日本人妻たちは、日本に帰ってからも苦難を味わっている。脱北者の支援のさなか、中国当局から一時、身柄を拘束された「北朝鮮難民救援基金」の加藤博事務局長(57)らが8日、読売新聞のインタビューに応じ、その実態を明らかにした。年齢や言葉の壁からくる就職難、北朝鮮への反発から生まれる差別感情……。「身をひそめて生きるしかなく、根無し草になっている」。加藤事務局長は、帰国の喜びをいまだに味わえずにいる境遇を、そう代弁している。

 極秘帰国をした日本人妻たちは、まず国内の親族を頼って、海外からの転入という形で住民登録しており、その家族に日本国籍がない場合は、外国人登録をした上で定住している。

 しかし、親族の反対を押し切って在日朝鮮人と結婚し、北朝鮮に渡った日本人妻も多く、生活の支援を親族から受けられないため、同基金が、カンパで集めた資金を貸したり、仮住まい用のアパートや職探しの面倒をみたりしている。

 同基金では、彼女たちが自立することを目指して、生活保護ではなく、職に就かせようとしている。だが、言葉の壁や社会習慣が違うことから、就職先を探すのも難しく、窮乏生活を余儀なくされているという。

 このため同基金は、中国東北部に脱出している帰国希望者に中国国内で面接し、〈1〉日本生まれで、人道的救済が必要とされる十分な理由があるか〈2〉帰国してから自立するのに必要な体力や気力、日本語能力があるか――などを確認した上で、日本に出発する直前まで、日本社会への甘い幻想を捨てるよう説得している。この話を聞いて、日本への帰国をやめ、韓国に向かったケースもあった。

 また、北朝鮮の潜入工作員に命を狙われるかも知れないという恐怖感や、北朝鮮に対する日本社会の根強い反発を感じて帰国したことをひたすら隠し、身をひそめて生活している人たちも少なくない。

 「北朝鮮に渡る前の日本国内での苦労、北朝鮮での過酷な生活と合わせ、二重苦、三重苦の状態にある」

 そう指摘する加藤事務局長は「これ以上、帰国者の人数が増えれば、財政的にも、我々民間団体の限界を超える。公的な支援を政府に求める準備をしている」と話している。

北朝鮮から韓国への亡命者数 年末までに1100人に

2002年11月07日 The Sankei Shimbun
 韓国統一省当局者は7日、今年の北朝鮮から韓国への亡命者数が10月末現在920人で、年末までに1100人に達するとの見通しを明らかにした。昨年の亡命者数は838人で、今年は既に昨年を上回って過去最多となっている。

 同当局者によると、1996年には56人だった亡命者数は急増。亡命者の半分以上は97年から98年にかけて北朝鮮を脱出、中国に3、4年にわたり滞在していた。中国に滞在する北朝鮮脱出住民の正確な数は不明だが、数万人に上るとみられる。

 統一省は亡命者の急増に対応するため、韓国での生活に適応させるための教育・訓練施設を増築中。来年10月に工事が終われば、収容人数を現在の100人から250人に増やし、年間では2500人程度の亡命者の教育・訓練が可能になるという。(共同)

北朝鮮の15人が韓国着

2002年11月07日 The Sankei Shimbun
 韓国への亡命を求めて8月から9月にかけ北京の韓国大使館領事部に駆け込んだ北朝鮮の住民15人が7日、マニラ経由で仁川国際空港に到着した。

 15人は女性12人と男性3人。30代の女性は空港で報道陣に「うれしい。助けてくれたみなさんに感謝します」と話した。(共同)

NGOの加藤さん虐待の事実なし 中国外務省

2002年11月07日 The Sankei Shimbun
 中国公安当局に拘束され、国外退去処分を受けた非政府組織(NGO)の加藤博さんが帰国後の会見で、拘束中の取り調べの際にひどい扱いをされたと話したことについて、中国外務省の孔泉報道局長は7日の定例会見で「虐待は全く根拠のない話」と述べた。

 また、中国側は先月30日の加藤さんの拘束を今月5日まで日本政府に連絡せず、領事関係に関するウィーン条約違反との見方が出ていることについて、報道局長は「加藤さんは大使館との連絡をとりたいとの希望を示さなかった」と反論、この見方を否定した。加藤さんは、拘束中に「日本の在外公館への連絡を3度、中国側に要求した」と語っている。

 報道局長は、加藤さんが罪を犯したのは紛れもない事実で「警察当局は中国の法律に基づいた措置をとったはず」と主張。加藤さんが日本に戻ってから犯罪の事実を否定しているのは「遺憾だ」とした。

 また「責任をもって申し上げるが、中国の司法当局は加藤さんに、いかなる虐待も加えていない」と強調した。(共同)

外務省、「北朝鮮難民救援基金」の加藤氏を事情聴取へ

2002年11月06日 The Sankei Shimbun
 外務省は6日、NGO(民間活動団体)「北朝鮮難民救援基金」(中平健吉理事長、東京都文京区)の加藤博事務局長が中国当局に拘束された後、強制退去処分となった問題について、帰国した加藤氏から事情を聞く方針を決めた。政府は、中国側から日本への通告が遅れたことについて、領事関係に関するウィーン条約に違反する可能性もあると見て、中国側に説明を求めている。

 これに関連し、外務省の高島肇久報道官は6日の記者会見で、日本の対応について、「加藤さんが(拘束中に)『日本政府に連絡を取ってほしい』と言ったかどうかを聞いて対応を考えたい。(同条約違反の)問題が出てくる可能性がある」と述べた。

 同条約は、外国人を拘束した締約国の対応について、「(拘束された)当該国民の要請があるときは、その旨を遅滞なく領事機関に通報する」と定めている。

NGOの日本人、中国が拘束通報

2002年11月05日 The Sankei Shimbun
 北京の日本大使館によると、中国政府は5日、同大使館に対し北朝鮮の難民支援活動をしている非政府組織(NGO)「北朝鮮難民基金」会員で、中国遼寧省大連で消息を絶っていた加藤博さん(57)ら日本人2人について「出入国管理法違反」で拘束したと通報、加藤さんを6日、国外へ強制退去処分にすると伝えた。

 一緒に拘束された通訳の水田昌宏さん(30)は釈放され、自主退去になる見通し。

 北京などで相次ぐ北朝鮮住民の駆け込み事件に頭を痛める中国は「事件の背後に扇動する組織がある」(銭其抹寰相)と支援活動をするNGOを批判。事件続発は国家の安全を脅かす事態と受け止めており、NGOに厳しく対処する姿勢を示してきた。

 中国外務省の孔泉報道局長は5日の定例会見で、2人について「関係部門に照会している」と述べる一方「どんな事情があっても中国は(外交関係に関する)ウィーン条約に基づき日本を含めた外国との領事問題を処理する」と強調していた。

 消息筋によると、水田さんは延辺大学の研究生で10月28日、延辺から大連へ向かった。加藤さんに通訳を頼まれたとみられる。2人は30日朝に大連のホテルをチェックアウトした後、連絡が途絶えていた。(共同)

中国でNGO会員不明 日本人通訳も

2002年11月04日 The Sankei Shimbun
 北朝鮮難民を支援する非政府組織(NGO)「北朝鮮難民基金」会員の加藤博さん(57)が訪問先の中国・大連で連絡が途絶えている問題で、通訳として一緒に行動していたとみられる日本人男性も行方が分からなくなっていることが4日、分かった。

 関係者によると、男性は中国の大学院の留学生。10月に大連入りした加藤さんに通訳として雇われ、同29日から行動をともにしていたが、30日朝に2人でホテルをチェックアウトした後、連絡が途絶えたという。

 外務省は中国政府に照会するなど情報収集を進めている。

またドイツ人校に駆け込み 中国・北京

2002年10月07日 The Sankei Shimbun
 DPA通信は7日、消息筋の情報として、中国・北京のドイツ人学校に同日、北朝鮮の住民3人が駆け込み、保護を求めたと伝えた。

 駆け込んだのは男性2人と女性1人。塀を乗り越え、学校の敷地内に入ったとみられるという。

 北京のドイツ人学校には9月3日と同月13日に計17人の北朝鮮住民が駆け込み、その後、韓国に亡命している。(共同)

北京の独人学校に「脱北者」2人駆け込み、3人は拘束

2002年09月13日 Yomiuri On-Line
 韓国の聯合ニュースによると、北朝鮮からの脱出者2人が13日、在北京ドイツ大使館が運営するドイツ人学校に駆け込んだ。韓国への亡命を希望しているとみられる。同時に駆け込みを図った3人は中国の当局者に拘束されたという。

 ドイツ人学校には今月3日にも脱北者15人が駆け込み、シンガポールを経て韓国に亡命している。(ソウル支局)

中国公安当局が朝鮮日報の北京支局を捜索

2002年09月04日 Yomiuri On-Line
 【北京4日=佐伯聡士】韓国紙・朝鮮日報の北京支局が8月31日深夜、中国公安当局の捜索を受ける事件が起きた。中国外務省と北京の韓国大使館は中韓関係への影響に配慮し、事態の沈静化に努めているが、民間活動団体(NGO)とともに、北朝鮮脱出者の駆け込みに協力的な報道機関に対する“警告”の一環との見方も出ている。

 朝鮮日報の説明によると、8月31日午後11時半から約2時間、同紙の北京支局兼住居が北京市公安局の警官7人による令状なしの捜索を受け、呂始東特派員の旅券や記者証などが押収された。今月2日、北京市の出入国管理所に出頭したところ、「外国人は転居後10日以内に申告しなければならないとの規定に違反した」として罰金500元(1元は約14円)を言い渡されたため、呂特派員もこの過ちを認め、4日になって夫婦2人分計1000元を支払った。

 中国外務省の孔泉報道局長は3日の定例会見で、「公安局が中国籍住民の住宅に対し通常の戸籍調査を行ったところ、朝鮮日報の北京駐在記者が居住していたことが分かった」と述べ、朝鮮日報の捜索が目的ではなかったことを強調。事件に懸念を表明していた韓国大使館側も「解決したこと」との認識を示している。

 これに対し呂特派員は「中国側は偶然発見したとしているが、支局の周辺で以前調査が行われたことがないうえ、当日ほかの住居が調べられた形跡もない」として、捜索の目的に懐疑的な見方だ。一連の駆け込み事件報道と公安当局の捜索との関連についても「確かな証拠はないが、これまでの報道内容がほかの韓国メディアよりも詳しかったことなどが原因かも知れない」と説明している。

 中国側は、「NGOや人権組織が公然と中国の法律に挑戦し、社会の安定を損なうのは受け入れられない」として、駆け込みを支援するNGOに再三警告を発してきた。孔報道局長は3日の会見で、駆け込む瞬間の映像を報じる外国メディアに対して、「中国のマイナス面を報じることに反対はしないが、もっと多角的に、多層的に報道してほしい」と語った。

北京で脱北者16人、韓国に亡命求める

2002年09月03日 Yomiuri On-Line
 【ソウル3日=白川義和】韓国の聯合ニュースによると、北朝鮮からの脱出者16人が3日、韓国などへの亡命を求めて、北京のドイツ大使館職員用宿舎とドイツ人学校の敷地内に駆け込んだ。

 北京の外国公館への駆け込みはこれまで大使館や領事部が対象になっていたが、中国警察当局の警備が厳しくなったのに伴い、大使館職員宿舎にも狙いが拡大した模様だ。北京では2日にも、エクアドル大使館に脱北者12人が駆け込みを図り、失敗している。

難民認定求め中国外務省へ

2002年08月26日The Sankei Shimbun
 韓国の通信社、聯合ニュースによると、北朝鮮を脱出した住民7人が26日午後、難民申請書を出すため北京の中国外務省に入ろうとしたところ、全員、現場で警備の武装警官に拘束された。中国の公安当局が7人を取り調べている。

 北朝鮮脱出者が中国政府に正式に難民申請を行おうとしたのは初めて。拘束覚悟の行為で、脱出者問題の解決を国際的にアピールする狙いがあるとみられる。

 7人は「自由を切望する脱北者青年同盟」という団体を名乗り、60歳の男性を含め男性5人、女性2人で、うち4人は家族。外務省庁舎の正門と西門に分かれて同時に入ろうとした。KBSテレビによると、難民認定を求めるプラカードも持っていたという。(共同)

北朝鮮亡命者2人が韓国着

2002年08月22日The Sankei Shimbun
 北京のアルバニア大使館に亡命を求めて駆け込んだ北朝鮮の住民2人が22日朝、北京からマニラ経由で韓国の仁川国際空港に到着した。

 22歳と25歳の兄弟で、北朝鮮を脱出後、中国吉林省で4年間過ごし、13日に北京のアルバニア大使館に亡命を求めて駆け込んだ。(共同)

北朝鮮漁船:韓国入りした機関長が帰国 亡命の意思なし

2002年08月21日 Mainichi INTERACTIVE
 【ソウル堀信一郎】朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を脱出し、韓国入りした漁船の機関長、リ・ギョンソン氏(33)が21日、板門店経由で北朝鮮に帰国した。同日午前、同氏に亡命意思がないことを理由に、北朝鮮赤十字会が帰国させるよう韓国側に要請していた。韓国側はリ氏に帰国の意思を確認し、北朝鮮側の要請に応じた。

 北朝鮮側は韓国への電話通知文で「リ氏が韓国に行ったのは本人の意思ではない。人道的な見地から我が方に無条件で送り返す措置を取るよう要求する」と述べた。

 板門店でリ氏は「とてもうれしい。父母に会いたい」と韓国の報道陣に話した。軍事境界線を歩いて渡り、北朝鮮に戻ったリ氏は「偉大な首領様、万歳」と万歳三唱をした。

 リ氏は計21人で北朝鮮を漁船で脱出。19日、韓国西部の仁川沖に到着し、韓国側に救助された。だが、韓国海洋警察の調べに対して「海を見に行こうと誘い出されただけだ。(北朝鮮に)両親や家族がいる。帰りたい」と亡命の意思を否定していた。

北脱出、漁船の21人亡命意思を表明

2002年08月19日The Sankei Shimbun
 韓国西部の仁川市沖で18日発見された木造漁船に乗っていた21人が19日未明、同市の港に到着、北朝鮮から「直接来た」などと語り、亡命の意思を表明した。

 韓国の海洋警察庁などによると、21人は2−3家族で、4歳、8歳の二女児や十代の7人、70歳の老人も含まれている。17日未明に中国との国境に近い北朝鮮北西部の平安北道・宣川郡の港を出発。船内には炊事道具や食料なども積まれていた。

 仁川市の港には同日、機動隊や記者団など計200人以上が待機。到着後に手をつないで緊張した表情でタラップから上陸してきた一行は記者団に声を掛けられると手を振って笑顔もみせた。

 韓国の情報機関、国家情報院など関係機関は21人から詳しい事情を聴き、脱出経緯などについて調べる方針。(共同)

韓国仁川沖に北朝鮮難民か 21人乗り漁船

2002年08月18日The Sankei Shimbun
 韓国海洋警察庁などによると、北朝鮮を脱出したとみられる21人を乗せた船が18日夜、韓国西部の仁川市沖で見つかった。「(北朝鮮の)平安道地域から直接来た」として韓国への亡命を求めており、8歳の女児や70歳の老人も含まれているという。

 同庁などが船をえい航し、19日未明に仁川の軍港入り。関係当局は中国の朝鮮族の可能性もあるとみて、身分や脱出の経緯について詳しく事情を聴く方針。

 同庁によると、21人が乗っていたのは20トン級の木造漁船。午後6時半ごろ、仁川市の南西約50キロにある徳積島近くの沖合で韓国警備艇が発見した。

 通信社の聯合ニュースによると、21人は3家族で男性は14人、女性が7人。うち10人は8−18歳で、漁船は北朝鮮の「百十四指導局」所属と話しているという。

 船内には圧力釜などの炊事道具や塩、軽油650リットルなども積まれていた。北朝鮮北西部の中朝国境に近い新義州市南方の平安北道宣川郡付近を17日未明に出発、黄海を南下したとみられる。

 北朝鮮脱出住民の船での韓国入りは1997年1月、2家族8人が中国経由で韓国西部沖の無人島にたどり着いたところを韓国海洋警察庁に救助され、亡命を果たした例などがある。(共同)

絶望の北朝鮮住民に希望の光明を

2002/08/19 朝鮮日報

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)住民の荀鍾植(スン・ジョンシク)さん一行21人が試みた海上脱北(北朝鮮を脱出すること)は、逆らえない明白な一つの流れを示している。北朝鮮住民らが本格的に北朝鮮体制を見限ったという事実だ。

 今回の海上脱北を主導した荀鍾植さんの長男・ヨンボムさんは2000年12月、中国で会った韓国側親戚に「これ以上何ら希望の見えない北朝鮮よりは、子息たちばかりは自由な土地で教育を受けさせたい」と話したという。ヨンボムさんをはじめ最近脱北を試みた人々は“飢え”だけでなく、“もはや希望もなく、未来も期待できなくなった北朝鮮体制”を第一の脱北理由に挙げているのだ。

 北朝鮮体制からもはや明るい未来を望めなくなった北朝鮮住民らは、ありとあらゆる手段と方法を動員して北朝鮮から脱出している。中国に逃げ出し、外交公館から亡命を要請する方法、またモンゴルや東南アジアなどを経由して韓国に亡命する方法、遂には船で西海海上に脱出する北朝鮮版“ボートピープル”登場の動きすら見えるに至った。

 重要なのは、こうした脱北ラッシュが継続するしかないということだ。北朝鮮の食糧、経済事情が多少好転するとしても、脱北現象が静まるとは見えないゆえんは、最近の第1の脱北理由が北朝鮮政権と体制に対する根本的な絶望に起因しているためだ。なお、脱北事態は外から見るには堅固と思われる北朝鮮体制が、実は内部から徐々に崩れていることを物語っている。だからこそ、韓国政府はこれ以上脱北者問題を“対岸の火事”ごとく座視するのではなく、対北朝鮮政策における最優先順位のある本質事項であると認識すべきだ。

 止めようにも命がけで亡命を試みる脱北者らの動きもそうであり、住民たちすら見限った北朝鮮体制の問題など、韓国の対北朝鮮政策の基本前提と根幹を揺るがす深刻な昨今の情勢をこれ以上放置するわけにはいかなくなったためだ。こうした点から、脱北者対策の出発点は、絶望の淵に立っている北朝鮮住民に新しい“希望の光明”を示すことであるべきだ。

北朝鮮亡命者11人が韓国に到着

2002年08月03日The Sankei Shimbun
 韓国政府当局者によると、北朝鮮を脱出後、北京の韓国大使館領事部に駆け込んでいた住民11人が3日、マニラ経由で韓国の仁川国際空港に到着した。

 11人は先月11日から、それぞれ韓国大使館領事部に亡命を求めて駆け込んでいたという。

 中国は6月に韓国との間で北朝鮮の亡命者について、中国の国内法、国際法、人道主義の原則で対処することで合意しており、今回もこの原則に基づき11人の韓国への出国を認めたとみられる。(共同)

北朝鮮の亡命者590人に

2002年07月26日The Sankei Shimbun
 韓国の統一省は26日の国会報告で、今年の北朝鮮からの亡命者数が7月20日現在で590人になり、朝鮮戦争前後の混乱期を除き年間過去最多だった昨年の583人を上回ったと明らかにした。

 同省は「年末までに1000人を超えることが予想される」と指摘、定着支援施設の増築を来年末までに完工させるとともに、完工までの間は政府関連団体の施設を一時的に利用する予定としている。(共同)

大使館駆け込み、脱北女性“偽装恋愛”の手口判明

2002年07月21日 Yomiuri On-Line
【北京20日=佐伯聡士】当地の外交筋は20日、韓国大使館に先月21日駆け込んだ北朝鮮女性(30)が、交際していた大使館内の警備員との関係を利用して“侵入”し、韓国亡命に成功していたことを明らかにした。“偽装恋愛”という非常手段は、駆け込みの手口がますます巧妙化していることを示している。

 同筋によると、この女性は、韓国大使館で働く朝鮮族の中国人警備員に事件の1か月ほど前から近づき、交際を始めた。弁当を届けるなど、同僚からもうらやましがられる仲の良さだったという。

 21日夜、女性は友人(27)を連れて現れ、門外から大使館内にいる交際相手の警備員に「トイレを貸してほしい」と頼んだ。警備員が疑いもせず女性2人を館内に入れたところ、いきなり「北朝鮮を脱出してきた。韓国に亡命したい」と訴えたという。

 大使館本館は、駆け込みが頻発していた領事部とは異なり、武装警察が門前を警備するなど、簡単には侵入できない状況だっただけに、事件発生当初から、駆け込みの手口が「謎」とされてきた。

 韓国大使館では事件後、この警備員を含む朝鮮族の警備員全員を解雇し、朝鮮族以外の警備員に切り替えたという。亡命のために利用された警備員は、「交際相手と仕事」を同時に失う運命となった。

中国、北脱出支援の韓国系米人3人を拘束

2002年07月02日The Sankei Shimbun
 中国外務省の劉建超副報道局長は2日の定例会見で、中国国内で北朝鮮住民の脱出支援活動をしていた韓国系米国人3人を中国当局が拘束し、違法越境ほう助などの容疑で取り調べていることを明らかにした。

 副局長は、北京などで相次いでいる外国大使館への北朝鮮住民の駆け込み事件について「外国の非政府組織(NGO)や宗教、人権団体が計画的に手配しており、中国の法律に対する挑発」と指摘。違法行為に対しては厳しく処分する方針を強調した。

 3人の処分については具体的に言及しなかったが、「関係部門が法律に従って処理している」と語った。(共同)

全員の第三国移送で中国と合意 韓国

2002年06月23日 The Sankei Shimbun
 韓国政府当局者は23日、北京の韓国大使館に駆け込んで保護されている北朝鮮の脱出住民の送還問題で、第3国へ移送することで中国と合意したことを明らかにした。早ければ同日中に中国を出発する。

 5月23日以来、韓国大使館には23人が相次いで駆け込んでおり、連行された1人を含む全員が第3国経由で韓国に送還されるという。

 カナダ大使館に保護されている2人もほぼ同時に第3国に移送される見通し。

 脱出住民の第3国移送という人道的措置が優先されたことで、13日に発生した脱出住民男性1人の連行事件をめぐる中韓の外交摩擦も瀋陽の亡命者連行事件と同様、切り離して扱われることになりそうだ。(共同)

韓国大使館保護の妊娠女性に出国認める 中国

2002年06月22日 (00:11)フレシュアイ ニュース
 【北京・浦松丈二】新華社電によると、中国外務省の劉建超・報道局副局長は21日、北京の韓国大使館が保護している朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の亡命希望者21人のうち妊娠中の女性1人の韓国への出国を例外的に認める考えを明らかにした。「人道的な理由」と説明している。第三国を経由せず直接、韓国へ移送するという。

 劉副局長は「中国は一連の事件を北朝鮮からの不法入国者問題として扱い、国際法、国内法に沿って人道主義の精神で処理する」と表明。この女性については「妊娠していることが分かったため、こうした措置を取る」と説明した。劉副局長は「韓国側の返事を待っている」と述べており、女性は韓国当局の受け入れ決定を経て、近く出国する見通しだ。

中国が1400人を送還

2002年06月21日 (23:33)(北京共同)フレシュアイ ニュース
 人権団体アムネスティ・インターナショナル(本部ロンドン)は21日、中国公安当局が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)との国境付近で4―5月にかけて、北朝鮮からの脱出者約1400人を北朝鮮側に送還したと発表した。

 中国政府は北京などの在外公館で続発する駆け込み事件に頭を痛めており、国境周辺での本格的な越境者取り締まりに乗り出したとみられる。

 発表によると、中国公安当局は4月以降、中国東北部の吉林省延辺朝鮮族自治区の竜井市から約900人、同自治区図們市から約500人を強制的に送還。住民を乗せたトラックが2、3日おきの頻度で国境を越えるのが目撃された。

 アムネスティは「送還されれば、拷問を受けたり、処刑される可能性もある」と送還を中止するよう訴え、中国の朱鎔基首相にも書簡を送った。

 中国側はこれまで「送還しても再び越境してくる住民も多く、(北朝鮮内で)深刻な人権侵害は起きていない」(中国外務省報道官)と説明している。

脱北女性2人が駆け込み 北京の韓国大使館

2002年06月22日 The Sankei Shimbun
 北京の外交筋が22日明らかにしたところによると、北朝鮮を脱出した女性住民2人が21日午後7時半(日本時間同8時半)ごろ、北京の韓国大使館本館に駆け込み、韓国への亡命を求めた。

 先月23日以来、韓国大使館に駆け込んだ北朝鮮住民はこれで計23人となった。またカナダ大使館にも北朝鮮住民2人が駆け込んでいる。

 これまでの21人は警備がそれほど厳しくなく、ビザ申請手続きなどで出入りの多い同大使館領事部に駆け込んだ。

北朝鮮住民1人駆け込む 北京の韓国大使館

2002年06月21日(23:31)(北京共同)フレシュアイ ニュース
 【北京・浦松丈二】朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を脱出した住民1人が20日午前10時(日本時間同11時)40分ごろ、北京の韓国大使館領事部に駆け込み韓国への亡命を希望した。同大使館関係者が21日明らかにした。

 関係者によると、駆け込んだのは31歳の女性。同大使館には5月下旬から駆け込みが相次いでおり、これで同大使館が保護している北朝鮮住民は計21人になった。同大使館では今月13日に中国警察当局が亡命希望の北朝鮮住民を連行して外交問題に発展している。

 中国外務省は「国内の外国公館に第三国の国民を庇護(ひご)する権限はない」と身柄引渡しを主張し、韓国側は本国への移送を求めている。双方とも早期解決を目指しているが、交渉は難航している模様だ。

北朝鮮は難民問題解決を 日米韓協議

2002年06月19日 The Sankei Shimbun
 北朝鮮への対応を協議する日米韓の政策調整会合(局長級)は18日、サンフランシスコで、北朝鮮難民の人道的解決と建設的な対話を北朝鮮に促す共同声明を発表し、2日間の協議を終了した。

 共同声明によると、中国・瀋陽の日本総領事館と北京の韓国大使館で相次いで起きた北朝鮮住民の連行事件を受けて、3カ国は「北朝鮮の難民問題の人道的な解決」を強く求めた。

 また北朝鮮との関係改善に向けて「好機を迎えている」との認識で一致。日韓両政府は、今月中にも予定される米朝高官協議再開に向けた動きを歓迎、米朝協議と並行して、日韓が個別に北朝鮮との対話を行う方針を強調した。

 日米韓3カ国はさらに、1994年の米朝枠組み合意の履行を北朝鮮側に求めた上で、「北朝鮮との包括的で柔軟な話し合い」の重要性を確認。北朝鮮側に「建設的な姿勢」を促した。

 会合には、外務省の田中均アジア大洋州局長、韓国外交通商省の李泰植次官補、米国のケリー国務次官補(東アジア・太平洋担当)、プリチャード朝鮮半島和平担当特使らが出席した。(共同)

亡命:駆け込んだ北朝鮮女性は2人 韓国大使館に計20人

2002年06月17日Mainichi INTERACTIVE
 【北京・浦松丈二】北京の韓国大使館関係者によると、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を脱出した女性2人が17日、同大使館領事部に相次いで駆け込み、韓国への亡命を希望した。同大使館では今月13日に中国警察当局が亡命希望の北朝鮮住民を連行し、外交問題に発展している。

 関係者によると、2人は30歳と31歳で、それぞれ午前と午後に同じように偽造の身分証明書を提示して、ビザ(査証)申請待合室に駆け込んだという。同大使館には5月下旬から駆け込み事件が相次いでおり、保護している北朝鮮住民は計20人になった。

19人目が駆け込み 北京の韓国大使館

2002年06月17日The Sankei Shimbun
 北京の外交筋によると、北朝鮮を脱出した女性住民1人が17日正午(日本時間同午後1時)前に北京の韓国大使館領事部へ駆け込み、韓国への亡命を要請した。

 この住民は30歳前後の女性で、韓国人を装って領事部内に入ったという。

 北京の韓国大使館領事部では先月23日以来、北朝鮮住民の駆け込みが続き、領事部にいる北朝鮮住民は今回の女性を含めて計19人となった。この中には妊娠8カ月の妊婦や2歳の幼児も含まれている。

 13日には中国当局が北朝鮮住民を強制連行しようとして韓国大使館職員ともみ合いになり、職員や韓国人記者が負傷する事件まで発生、中韓間の外交問題となったが、解決の目途は立っていない。(共同)

中国 韓国の身柄引き渡し要求を拒否

2002年06月14日The Sankei Shimbun
 中国外務省の劉建超副報道局長は14日記者会見し、北京の韓国大使館で起きた北朝鮮男性の強制連行事件について、韓国側が求めている男性の引き渡しに応じない考えを示した。また、「韓国の外交官は特権を乱用し、中国の公安当局が中国の領土で公務を執行するのを妨害した。国際法に違反している」と韓国側を批判した。

 事件は13日、北朝鮮住民の親子2人が韓国大使館領事部に駆け込んだが、父親は正門前の警官詰め所に収容された後、公安当局が連行した。その際、阻止しようとした韓国大使館員らが負傷した。

 副局長は、父親は大使館の敷地内に入っていないとの認識を示した。

 また韓国側はこれまで北朝鮮脱出住民の駆け込み事件を望まないとして中国側の協力を求めていたのに「公安当局の職務執行を妨害したのは理解に苦しむ」と強調した。(共同)

韓国が中国大使を呼び抗議

2002年06月13日The Sankei Shimbun
 韓国外交通商省の金恒経次官は14日、北京の韓国大使館領事部に駆け込んだ北朝鮮の脱出住民が13日中国当局に強制連行された事件について、李浜・駐韓中国大使を同省に呼んだ。

 金次官は、中国の警官が脱出住民を連行するために領事部内に侵入し、外国公館の不可侵権を定めたウィーン条約に違反したとして中国側に強く抗議、連行された北朝鮮住民の韓国側への引き渡しなど原状回復を求めたとみられる。

 さらに、中国側の謝罪と関係者の処罰も求めたとみられる。

中国、北朝鮮脱出住民を連行

2002年06月13日The Sankei Shimbun
 北朝鮮の住民の親子二人が13日午前11時(日本時間同日正午)ごろ、北京の韓国大使館領事部に亡命を求めて駆け込んだが、父親が外部の中国側警備要員によって領事部内から警官詰め所に引きずり出された。韓国大使館員らが父親を守ろうと詰め所で座り込んだが、中国の公安当局者が同日午後4時すぎ強制的に連行した。

 連行の際、現場ではもみ合いとなり、中国人女性を含む韓国大使館員、韓国人記者らが軽いけがをした。韓国大使館は、外国公館の不可侵権を定めたウィーン条約違反として中国側に強く抗議するとともに、原状回復を中国外務省に求めた。

北朝鮮施設で残虐行為 米紙報道

2002年06月10日 The Sankei Shimbun
 米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は9日、北朝鮮の施設で、妊婦への強制中絶や新生児殺害が恒常化しているとの亡命者らの話を報じた。

 ソウル発の記事によると、中国に脱出後に強制送還された住民が収容される施設では、妊娠が判明した女性は中絶を強要され、子供が生まれると殺すよう看守に強制される。

 ブリュッセルに本部がある民間団体「国境なき人権」のウィリー・フォートル氏は、同紙に「北朝鮮の施設では昨年、数百人の新生児が殺された」と述べた。

 この団体は過去18カ月間に、北朝鮮の施設を脱出した35人から事情聴取。このうちの31人が、ビニールシートで新生児を窒息死させたり、遺棄を目撃したと証言。フォートル氏は「看守や担当者の組織的な処置であり、例外的な事例ではない」としている。(共同)

韓国大使館にまた駆け込み

2002年05月28日The Sankei Shimbun
 北京の外交消息筋は28日、北朝鮮を脱出したとみられる男性1人が27日、北京の韓国大使館に駆け込み、韓国への亡命を要請したことを明らかにした。

 北京の韓国大使館には23日に40歳前後の男性1人が、24日には30歳代の男女2人が駆け込んで韓国への亡命を求めており、これで韓国大使館へ駆け込んだ北朝鮮住民は計4人となった。

 韓国政府は3人を北朝鮮に送還せずに第3国経由で韓国に移送したい意向を中国政府に伝えているが、協議は難航しており、さらに駆け込み事件が発生したことで、韓国政府には負担となっているもようだ。

 特に中国政府は中国内の外国公館には第3国の人を保護する権利はないとして中国への引き渡しを求めているが、韓国内の世論は亡命希望者を受け入れるべきだという意見が強く、韓国政府は対応に苦慮している。(共同)

3月の北朝鮮住民亡命 7カ国のNGOが支援−−東独での手法もとに立案

2002年05月21日(毎日新聞東京朝刊から) Mainichi INTERACTIVE
 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の住民25人が今年3月に北京のスペイン大使館に駆け込んだ集団亡命は、欧州諸国を含む7カ国の非政府組織(NGO)と中国国内の協力者による“多国籍ネットワーク”が支援していたことが、20日、NGO関係者の話で分かった。集団駆け込みの基本計画は、ベルリンの壁崩壊(89年)の直前、東ドイツの亡命希望者を西側へ脱出させたノウハウをもとに欧州組が立案したという。瀋陽の総領事館内連行事件でも韓国のNGOなど韓、日、中の3カ国の関係者が支援し「亡命支援組織の多国籍化」が指摘されている。

 スペイン大使館への集団駆け込みは今年3月14日に行われた。この亡命を手引きしたNGOの一つである「北朝鮮難民救援基金」(東京)によると、協力したのは、同基金のほかドイツ、ベルギー、フランス、米国、ウルグアイ、韓国の計6カ国の10以上のNGOと、各NGOが中国内に築いた朝鮮系中国人のネットワーク。当初は瀋陽事件の一家5人を含む32人を亡命させる予定だった。

 こうした多人数での脱出計画は、ベルリンの壁崩壊直前に東ドイツから西側への相次ぐ亡命をNGOが支援した経験を引き継いでいる欧州のNGOが立案。各国NGOの知識や経験を踏まえて計画を煮詰めたという。

 32人は中国東北部の長春やハルビンなど5都市に待機。今回連行された5人など7人以外の25人が3月11日に北京で集合し、3日後、駆け込みに成功した。

 その際、NGO関係者計数十人が、中国東北部で亡命希望者をかくまう▽各都市から北京へ移動させる▽北京でかくまう▽北京でマイクロバスをチャーターする――などの役割を分担したという。【岩崎日出雄】

北朝鮮住民亡命支援NGO 95年ごろ活動活発化 中国・朝鮮族が橋渡し

2002年05月10日 Mainichi INTERACTIVE
 【ソウル9日=白川義和】中国・瀋陽の日本総領事館に北朝鮮住民とみられるグループが亡命を求めて入り込み、中国警察官に連行された事件をめぐり、亡命を背後で支援する韓国の民間活動団体(NGO)の存在が注目されている。

 韓国では人権保護団体や宗教団体など数団体が亡命支援にあたっている。活動が活発化したのは1995年ごろからで、深刻な食糧難で中国やロシアへ脱出する北朝鮮住民が急増したことに対処したものだ。主な拠点は中国東北部の吉林省延辺朝鮮族自治州で、朝鮮語を話す朝鮮族が、脱出した北朝鮮住民との橋渡し役を務める。

 韓国政府は北朝鮮や中国に対する配慮から、中国内の自国の大使館や領事館での亡命受け入れには消極的だ。このため、NGOの支援を得て中国内で一定期間、潜伏生活を送り、資金をためた後、カンボジアやベトナム、モンゴルなど「第三国」に移動し、現地の韓国大使館で亡命申請する北朝鮮住民が増えている。

 北朝鮮から韓国への亡命者数は一昨年が312人、昨年は583人とうなぎ登りで、今年もすでに312人を記録。大半が第三国を経て入国した。

 中国など関係国は最近、国境警備や取り締まりを強化し、第三国経由の亡命が難しくなったとされる。瀋陽の日本総領事館への侵入を支援した韓国のNGO代表は「中国の取り締まり強化によって、北朝鮮住民が追いつめられたことが、外国公館侵入多発につながっている」と語る。

 昨年6月、北京の国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)へ北朝鮮住民7人を駆け込ませた韓国のNGO幹部も「第三国へのルートを調べた結果、非常に危険なことがわかり、UNHCRを選んだ」と明らかにした。外国公館などに侵入する際、メディアを同行するのも最近の特徴で、同幹部は「国際社会に問題を訴え、中国が住民を北朝鮮に強制送還できないようにするのが目的だ」と語った。

中国、水際作戦を強化

(2002年05月09日)Mainichi INTERACTIVE
 【北京8日=杉山祐之】中国人民武装警察官が8日、遼寧省瀋陽の日本総領事館内部から北朝鮮住民らしい2人を連行した事件は、続発する北朝鮮住民の外国公館駆け込みに苦慮する中国側の事情を映しだした。今回の総領事館侵入は、駆け込み阻止を厳命された現場の警察官が過剰反応した可能性も否定できない。

 今年3月、北京のスペイン大使館に北朝鮮住民25人が駆け込み、韓国亡命を果たした。以後、大使館街の警備は人員増、巡回増などで目に見えて強化された。中国筋によると、亡命を希望する北朝鮮住民が多数潜伏しているとされる中国東北地方でも、不法滞在朝鮮人の摘発が強まっているという。

 北朝鮮との良好な関係の維持発展を目指す中国政府は、「中朝間に難民問題は存在しない」との公式見解を堅持し、中国が北朝鮮脱出者の“駆け込み寺”になることを容認しない構えだ。

 だが、外国公館に逃げ込んだ北朝鮮住民の拘束、強制送還に動くと、人権問題を重視する国際社会の対中イメージが大きく損なわれ、経済発展、2008年北京五輪などに深刻な影響を与えかねない。スペイン大使館事件やその後の駆け込み事件で、中国がいずれも「人道的対応」を強調、北朝鮮住民の出国を認めたのはそのためだ。

 板挟みの状況にある中国側が、現時点で取りうる対応は、警備強化や不法滞在者摘発などで、外国公館に逃げ込まれる前に亡命希望者をとらえる水際作戦を強化するしかないと言える。

 中国は、中国を経由した北朝鮮住民亡命を手引きしているとされる国際的支援組織への警戒も強めており、「中国政府は、不法入国者を利用した個人、組織の非合法活動を絶対に許さず、放任もしない」(外務省報道官)と警告している。

韓国が「受け入れ」/北朝鮮脱出 金竜華さん/日本で難民認定裁判中

2001.02.05 The Sankei Shimbun
 北朝鮮から中国などを経由して脱出してきたと訴え、日本での難民認定を求めて福岡地裁で争っていた金竜華さん(四七)に対し、韓国政府が同国への「渡航書」を発行したことが五日、分かった。

 金さんは裁判で難民と認められない場合、中国への強制送還の可能性が高かったが、国際問題化していた身柄の引き取り問題は、判決を目前に韓国側が金さんを受け入れる形で決着した。韓国政府は受け入れの理由を「人道的配慮」としている。

金さんの話などに謔驍ニ、北朝鮮の鉄道職員だった一九八八年、列車の運行トラブルの責任を負わされそうになり、中国に脱出。九五年に韓国に渡った後、九八年四月には福岡県に不法上陸した。

 金さんは難民認定を申請したが、法務省は不認定処分を決定、中国への退去強制令書を発付した。

HOME政治・経済・社会