TOPIC No.2-123 世田谷一家殺害事件

01. 世田谷一家殺害事件 byサンスポ
02.「世田谷事件」被害者・遺族を支援する会

世田谷一家殺害事件から2年 「支援する会」が協力訴え

2002年12月30日(asahi.com) Gooニュース
 東京都世田谷区で00年12月、会社員宮澤みきおさん(当時44)一家4人が殺害された事件が30日、未解決のまま発生から丸2年を迎えた。この日、地元有志らでつくる「『世田谷事件』被害者・遺族を支援する会」のメンバーが、犯行現場となった宮澤さん方付近や近くの駅で情報提供を求めるチラシを配り、事件解決への協力を訴えた。

 メンバーは、捜査本部のある警視庁成城署に、4人の遺影に手向けてもらうよう花束を届けた後、宮澤さん方前でチラシ配布を始めた。

 同会の世話人を務め、自身も次男隼(しゅん)君(当時8)を交通事故で失った片山徒有(ただあり)さん(46)=世田谷区=は「大切な命が失われたことは決して忘れてはならない。支援の輪を広げ必ず事件解決につなげたい」と話した。

 同会は、地元の母親らや犯罪に巻き込まれて親族を失った人らが集まって16日に発足した。これまで100件以上の情報や励ましの言葉が寄せられたという。

 情報は同会のホームページか、ファクス(03・3222・8660)へ。

世田谷の一家殺害で懸賞金200万円 両親が有力情報に

2002年12月16日(asahi.com) Gooニュース
 東京都世田谷区で00年12月30日、会社員宮澤みきおさん(当時44)一家4人が自宅で殺害された事件で、みきおさんの両親が16日から、犯人逮捕につながる有力な情報提供者に200万円の懸賞金を出すことにした。事件は、間もなく発生から2年を迎えるが、捜査の進展はまだない。「みきおたちのために何かできることは」。懸賞金は、2人で思い悩んだすえに、出した結論だった。

 「うちの(妻)がいなかったら、多分、私は今日まで生きてこられなかった」

 みきおさんの父、宮澤良行さん(74)は、あの日からの2年近くをそう振り返る。

 事件について書かれた本は、出来る限り読んだ。事件とは関係のない新聞の事件記事も目を通してきた。

「なぜ4人が狙われたのか」。その答えを探し続けている。

 妻(71)は、今も1人で、ぶらっと4人の墓参りに出かける時がある。「悲しくなるから」と4人の思い出話を口にするのを避けていた時期もあった。最近になって少し、自分から話すようになった。

 懸賞金を提案したのも妻だった。結婚を控えた男性が大阪市内で暴行を受けて死亡した昨年の事件が、懸賞金をきっかけに寄せられた情報で解決したことを知って言い出したという。

 良行さんは9年前に生活協同組合を退職し、今は週2回、外国人に日本語を教えるボランティアをしている。夫婦2人の暮らしは、年金や退職金などの蓄えでまかない、200万円もその中から取り崩す。

 三回忌法要は約10日前に済ませた。年賀状は昨年暮れから、「自分が生きている限りは出さない」と決めている。「きっとどこかに、犯人のことを知っている人がいる」。望みは捨てていない。

   ×   ×

 犯罪被害者の遺族が懸賞金を呼びかけた例は96年、JR池袋駅で、立教大4年(当時)の男性が男に殴られて死亡した傷害致死事件や、88年に金沢市で金融業の夫妻が射殺された事件などがある。

 今回の懸賞金の対象期間は、来年の12月15日まで。複数の情報が逮捕のきっかけになった場合は、均等に分割される。情報提供は成城署捜査本部(03・3482・3829)。

       ◇

<世田谷一家殺害事件> 00年12月31日午前10時55分ごろ、東京都世田谷区上祖師谷3丁目の宮澤さん宅で、宮澤さんと妻泰子さん(当時41)と長女にいなちゃん(同8)が刺殺され、長男礼君(同6)が窒息死させられているのが見つかった。犯人は血液型がA型の男で、身長175センチぐらい。右手にけがをしている。犯行時間は30日深夜とされる。

 現場には犯人が素手で絞り出して食べたようなアイスクリームの容器が落ちていたほか、書類がはさみで切り裂かれ、浴槽の中にばらまかれていた。また、宮澤さんが使っていたパソコンが操作された形跡もあった。

靴販売経路調査 韓国に捜査員/世田谷の一家殺害

2001.02.26 The Sankei Shimbun
 東京都世田谷区の会社員、宮沢みきおさん(四四)一家四人が殺害された事件で、犯人が履いていたとみられる韓国製テニスシューズなどの販売ルートを調べるため、警視庁成城署捜査本部は二十六日までに捜査員ら数人を韓国に派遣した。調べによると、靴は英国メーカーの「スラセンジャー」製で韓国メーカーがライセンス生産している。犯人の足跡から割り出された二十八センチサイズは韓国内でしか扱われておらず、国内では流通していなかったことが分かっている。

犯行現場でパソコン使用 世田谷の一家殺害犯

2001.02.07 The Sankei Shimbun
発覚50分前までネット接続

一晩中とどまる? 宮沢さん操作履歴調査か

 東京都世田谷区の会社員、宮沢みきおさん(四四)一家四人が殺害された事件で、一家が殺害されたとみられる時刻以降に宮沢さんのパソコンが使われ、インターネットに接続された記録が残っていることが、警視庁成城署捜査本部の調べで七日分かった。犯人が使ったとみられる。接続記録は犯行発覚のわずか五十分前まで残っており、冷蔵庫から食べ物をあさっていた跡もあった。一家四人を殺した犯人が一晩中現場にとどまっていた可能性が浮上し、特異な犯人像が浮き彫りになった。

 調べによると、宮沢さん宅には、宮沢さんが仕事などに使うパソコンがあった。事件発覚時、パソコンの電源は入っておらず、周辺も特に荒らされた跡はなかった。

 捜査本部でパソコン内に残った作動記録を調べたところ、犯行時間と推定されている昨年十二月三十日午後十一時半前の同十時十五分ごろに、宮沢さんが作動させたとみられる記録が残されていたほか、犯行後の三十一日午前一時すぎと、同日午前十時ごろにもインターネットに接続した記録が複数残っていることが分かった。

 事件は、三十一日午前十時五十分ごろ、四人が殺害されているのを隣に住む親せきが見つけ発覚した。午前十時ごろのアクセス記録があるため、犯人は発覚の五十分前に現場にいた可能性があることになる。

 接続先には芸術団体や宮沢さんの会社のサイトが含まれていた。捜査本部は、犯人が宮沢さんの操作履歴を調べていた疑いもあるとみている。

 宮沢さんは英国系コンサルタント会社に勤務していたが、IT(情報技術)分野に明るく、平成八年には共著で「インターネットでわかったこと・できたこと」(技術評論社)も出版。自宅でパソコンを使い仕事をすることも多かったという。

 犯人は犯行後に冷蔵庫をあさっていたことも分かっており、捜査本部は犯行後の物色は相当長時間にわたっていたと判断。動機の解明への手がかりとみて調べている。

 引き出し内の書類などを中心に物色しており、捜査本部では、パソコン内の情報にまで手を伸ばしていた可能性もあるとみて分析を進めている。

急転解決目指し総力戦 世田谷一家殺害事件

2001.01.28 The Sankei Shimbun
 東京都世田谷区の宮沢みきおさん(44)一家殺害事件は二十九日で発生から一カ月を迎える。遺留品公開による一般からの情報収集と、一家に恨みを持つ人物の洗い出しが早期解決への捜査の中心だった。だが犯人に直結する有力情報はなく、警視庁は捜査態勢をさらに増強。二十八日は機動隊員まで動員し、周辺住民への聞き込み作戦を展開した。急転直下の解決に向け、組織を挙げた総力戦が続く。

 ▽洗い直し

 「六機(第六機動隊)です」「ご苦労さま」。東京に珍しい大雪の降った二十七日朝、捜査本部のある成城署に二十歳すぎの制服の警官数十人が雪を踏みしめて集まった。

 警備が本職の機動隊や他の警察署の署員。捜査本部が「土、日で住民が家にいる間に、集中的に各戸を回ってもらう」と集めたローラー作戦用の応援部隊だ。

 事件の捜査陣は、警視庁捜査一課の二つの殺人捜査班を軸とした刑事約百人。一般や病院からの不審者情報の確認作業で、当初の八十人から二十人増強された。しかし「手にけがをした男」に関する病院からの五十数件の情報は、いずれも事件に無関係と判明、寄せられる情報自体も減りつつある。

 こうした状況から、住民の不在などで拾いきれなかった情報を効率的に集め直そうという方針が新たに打ち出された。また近隣の警察署には、立件に至らなかった任意捜査の過程で、関連がありそうな不審者がいなかったか洗い直すよう要請した。

 ▽「いい人たち」

 「濃カン(深い関係のある人物)だ。一月中には解決できる」。年明け、警視庁のある幹部はこう語っていた。みきおさん、泰子さん(41)、にいなさん(8つ)をめった刺しにし、就学前の礼ちゃん(6つ)まで殺害。「ただの物取りではない」との見方は、自然な推理にみえた。

 泰子さんが開いていた学習塾の生徒やOB、宮沢さんの会社の同僚…。一家と交友のあった人たちから事情を聴いたが、有力情報は得られていない。

 「みんな宮沢さん一家を『いい人たちだった』と話す。カン(被害者と関連のある人物)で事件に結びつく情報は出てこない」。一月下旬になると、幹部の口からこんな言葉が漏れるようになった。

 犯人が脱ぎ捨てた長そでトレーナーや凶器の柳刃包丁。遺留品があるものの、購入者をたどるのは至難。捜査本部はトレーナーの写真も公開し、一般からの情報提供に期待を寄せる。情報は五百件を超えた。

 ▽決定的証拠

 現場には指紋や、犯人が手をけがした際のA型の血液など決定的な証拠が残されている。現場の靴跡の分析から、犯人が日本で販売していないサイズの韓国製の運動靴をはいていたことも分かった。

 「指紋は削れても、血を全部入れ替えるわけにはいかない。絶対に挙げる」と捜査幹部。警視庁刑事部は二十九日に予定していた恒例の武道始(はじめ)を中止した。栗本英雄刑事部長名の中止の案内には「刑事部のすべての力を結集し、犯人検挙と事件の全容解明に努力する所存」とある。

犯人の靴は韓国で400足のみ生産 世田谷一家惨殺事件

2001.01.28(01:17)asahi.com
 東京都世田谷区上祖師谷3丁目の会社員宮澤みきおさん(44)一家4人が殺害された事件で、犯人が履いていたとみられるテニスシューズと同じ型の靴は、韓国のメーカーが400足だけ生産、販売したものだったことが27日、警視庁成城署の捜査本部の調べで分かった。日本に輸入された形跡はなく、捜査本部は犯人が韓国で購入するなど特殊なルートで入手した可能性があるとみて調べている。

 調べでは、現場に残された足跡から、犯人が履いていた靴は、英国の「スラセンジャー」製のテニスシューズで、サイズは28センチだった。

 捜査本部によると、同社は約20年前にシューズの生産から撤退、韓国のメーカーが数年前からライセンス生産していた。他の国では生産されていないとみられる。28センチのものは400足だけ生産され、韓国内で販売されたという。日本では、大阪に本社をもつ会社がこのメーカーから輸入したが、28センチのものはなかったという。

28センチの韓国製運動靴 一家4人殺害犯の靴特定

2001.01.26 The Sankei Shimbun
 東京都世田谷区の会社員、宮沢みきおさん(四四)一家四人が殺害された事件で、警視庁成城署捜査本部は二十六日、犯人が履いていたのは韓国製の二八センチの運動靴と断定、同じ靴を公開した=写真。種類とサイズから、国内で流通していなかったことが分かり、捜査本部は犯人が海外で靴を購入した疑いもあるとみて調べている。

 調べによると、靴は英国メーカーの「スラセンジャー」製で韓国のメーカーがライセンス生産している。白地にラインが入るデザインで、ラインと靴底は黒、灰、青の三種類があるという。

 国内では、大阪のディスカウント業者が直輸入して昨年七月以降、三千八百八十円で販売。都内では練馬区谷原など三店舗で扱っていた。しかし、靴のサイズは二五−二七センチで、犯人の足跡から割り出された二八センチは扱っておらず、国内では流通していなかったことが分かった。

 韓国では、同種の靴はすでに売りきれていた。関係者によると、この運動靴メーカーは韓国で若者を中心に流行したが、日本では人気が出なかったという。

遺留品はいずれも現場周辺で入手可能 一家4人殺害事件

2001.01.20(15:40)asahi.com
 東京都世田谷区上祖師谷3丁目の会社員宮澤みきおさん(44)一家4人が昨年末に殺害されて20日が過ぎた。血の付いたトレーナー、柳刃包丁、テニスシューズの靴跡。犯人が現場に残したものと同型のものが、宮澤さん宅の近くを走る環八通りの南北15キロの範囲にある店で販売されていたことが分かってきた。警視庁成城署の捜査本部は、犯人が土地勘がある人物との見方を強めている。

 ●トレーナー

 宮澤さん宅の2階居間には、被害者の返り血を浴びたとみられる血のついたLサイズのトレーナーが放置されていた。白地で腕部分が紫。本来は灰色だが、何度も洗濯を重ねたために白く色が抜けていた。

 山梨県のアパレル販売会社が若者向けに中国から輸入し、昨年8月から杉並区や葛飾区などの都内で計2、300枚を販売した。メーカー直営店のカジュアルショップは宮澤さん宅から6キロ北のJR中央線荻窪駅近くのスーパー内にある。同店では、同じサイズで腕が紫という同一タイプは数着しか販売していなかったという。

 ●柳刃包丁

 宮澤さん宅の2階台所には、犯人が持ち込んで犯行に使ったとみられる真新しい柳刃包丁が残された。刃渡り21センチ。都内の刃物メーカーが「関孫六 銀寿」という銘で販売し、3800円程度。昨年6月に製造された約1500本の1本だった。

 同型の包丁は12月に入って世田谷区や杉並区内で10本以上が販売された。宮澤さん宅から4キロ南東の東急の用賀駅近くのスーパーで犯行日の30日と前日に売られ、3キロ東の小田急の経堂駅近くのスーパーでも犯行日前日に売られていた。また、遺留されたトレーナーと同じJR荻窪駅近くのスーパーでも販売されていた。

 ●靴跡

 犯行現場には犯人のものとみられる血のついた足跡が無数にあった。英国のスポーツ用品メーカーのテニスシューズとみられる。

 大阪に本社のあるディスカウントショップが昨年7月、25センチ―27センチまでのサイズのもの千数百足を、ライセンス生産している韓国から輸入した。

 このディスカウントショップの練馬店は犯行現場から10キロ北。昨年7月からこの靴を販売した。

 捜査本部によれば、犯人の靴は28センチ前後と推定されるという。同ショップが輸入したなかで最大のサイズは27センチだったため、犯人の靴は別のルートで輸入された可能性もあるという。

 こうした手がかりの品物を販売していた店の店員は、いずれも客の顔を覚えておらず、購入者の特定には至っていない。捜査本部は、犯人が現場周辺を生活圏としているか土地勘がある、とみて調べている。

4人でなべ料理のあと襲われる 東京の一家殺害

2001.01.14(19:39)asahi.com
 東京都世田谷区上祖師谷3丁目の会社員宮澤みきおさん(44)一家4人が殺害された事件で、宮澤さんの頭と、妻泰子さん(41)、長女にいなちゃん(8つ)が襲われた2階や3階に、犯人が持ち込んだとみられる柳刃包丁の破片が残されていることが14日、警視庁成城署の捜査本部の調べでわかった。胃の内容物などから4人は事件の夜、なべ料理を食べたとみられ、捜査本部は夕食後の深夜に1人で起きていた宮澤さんが最初に襲われ、その後、泰子さんと子供2人が襲われたとみている。

 調べによると、犯人が持ち込んだとみられる柳刃包丁は、宮澤さん宅の文化包丁とともに2階の台所に残されていた。先端付近が欠けており、宮澤さんの遺体からその破片が見つかった。さらに、泰子さんと長女にいなちゃんが倒れていた2階と、2人が寝ていたとみられる3階屋根裏部屋にも破片が落ちていた。

 また、宮澤さん一家は30日午後4時から6時にかけて、小田急線の成城学園前駅近くの商店街を歩いているのを目撃されていた。さらに、商店街から北方向に約3キロ離れた京王線の千歳烏山駅近くで、泰子さんが午後6時から同40分にかけて、写真店や薬屋で買い物をしていた。午後7時ごろには、長女にいなちゃん(8つ)が、調味料を借りに隣の泰子さんの母親(71)宅に行ったという。

 泰子さんと子供2人は寝間着姿で、宮澤さんだけがふだん着姿だった。4人の死亡推定時刻は、30日午後11時半ごろとみられており、泰子さんと子供2人は就寝中で、宮澤さんだけが起きていたとみられている。

犯人はテニスシューズをはいていた? 世田谷の一家惨殺

2001.01.13(22:24)asahi.com
 東京都世田谷区上祖師谷3丁目の会社員宮澤みきおさん(44)一家4人が殺害された事件で、犯人がはいていた靴はテニスシューズだったことが13日、警視庁成城署の捜査本部の調べでわかった。捜査本部は靴のメーカーやサイズなどの特定を急いでいる。

 調べでは、宮澤さん宅の2階居間を中心に約60個の血の付いた足跡があった。そのなかで、4人の遺体を発見した母親のもの以外に犯人のものとみられる1種類の靴の跡がみつかっている。

 鑑定したところ、靴底は凹凸が少なく、波打った模様で、外国のスポーツ用品メーカーのテニスシューズのものと似ていたという。

宮澤さん一家の告別式営まれる 東京の一家殺害事件

2001.01.13(13:12)asahi.com
 東京都世田谷区の自宅で殺された会社員宮澤みきおさん(44)一家4人の告別式が13日、世田谷区にある寺で営まれた。昨年12月30日の事件から2週間たつが、犯人はまだわかっていない。参列した人たちは事件の早い解決を願いながら、宮澤さんと妻泰子さん(41)、長女にいなちゃん(8つ)、長男礼君(6つ)のめい福を祈った。

 宮澤さんの知り合いの男性(77)は「穏やかで、いい人だった。奥さんや子供さんも失って悔しいでしょう。早く犯人を見つけてほしい」と、目に涙を浮かべながら話した。にいなちゃんをよく知る女性は「あんなに優しい子がこんなことになるなんて信じられない。犯人は許せない」と語った。

 警視庁成城署の捜査本部は、約60人の捜査員を動員して、血液型がA型で手にけがをしている犯人の特定を進めている。犯人が現場に残したトレーナーや凶器の柳刃包丁などの流通経路を調べる一方、聞き込み捜査を続けている。これまでに200件を超える情報が寄せられた捜査本部(03―3482―3829)は、引き続き情報の提供を求めている。

手にけがの男 浮上/一家4人殺害 以前出入りの22歳

2001.01.10 The Sankei Shimbun
 東京都世田谷区の会社員、宮沢みきおさん(四四)ら一家四人が昨年十二月三十一日に殺害されているのが見つかった事件で、宮沢さん宅に出入りしたことのある二十二歳の男性が手にけがをし、病院で治療を受けていたことが十日、分かった。宮沢さんらを惨殺した犯人は手にけがをした可能性が高く、現場に残されていた犯人のものとみられる血液はA型で、警視庁成城署捜査本部は、この男性の血液型と照合する。 都内病院で3日に治療

 調べによると、この男性が都内の麹√a院を訪れたのは今月三日。右手の親指と人さし指の間を切っていて、医師の治療を受けた。この日、都内の医療機関は正月休みだったが、男性が治療を受けた病院は救急の指定を受け、緊急の患者には対応していた。

 事件現場となった宮沢さん宅は、みきおさんと妻の泰子さん(四一)、長女のにいなちゃん(八つ)が刃物でめった刺しにされ、室内の床は血の海だった。このほか、凶器の包丁二本や壁、家具などにも血液が多数、付着していた。

 捜査本部は現場検証を行い、採取した血液を鑑定したところ、宮沢さんら一家四人のものとは異なるA型の血液が含まれていることが判明した。室内からは血染めの指紋も採取されたことから、A型の犯人がみきおさんら四人を殺害する際、手のひらにけがを負っていたとみていた。

 犯人のけがは遺留血液の量から重傷とみられたため捜査本部は都内の医療機関に対し、事件後に手の治療を受けた者がいないか照会したところ、都内に住む二十二歳の男性が浮上した。

 捜査本部はこれまで、現場に残されていたLサイズの男性向けトレーナーの販路を追跡、都内では杉並区内の一店で、昨年八−十二月に数枚しか販売されていなかったことをつかみ、購入者の特定を進めた。一階から三階まで部屋中に横じま模様の運動靴の足跡が残され、靴の種類を数タイプにまで絞り込むなど、遺留品の流通ルートからも犯人の割り出しを急いでいた。

 これまでに一般から寄せられた百件以上の情報の確認に当たるなどして、犯人の行方を追っていた。

 みきおさんは東大農学部を卒業後、アニメ制作などに携わり、平成十年から現在の英国系コンサルティング会社に勤務していた。泰子さんは自宅で「公文式」教室を開設し、小中学生ら四十五人前後に英数国の三教科を教えていた。アシスタントとしてアルバイト講師を数人雇っていた。

のど切られ声でず? 世田谷の一家4人殺害/助け呼べなかった可能性

2001.01.09 The Sankei Shimbun
 東京都世田谷区の会社員、宮沢みきおさん(四四)一家四人が殺害された事件で、みきおさんら三人はのど付近を切りつけられたため、助けを求めることができなかった可能性があることが九日、警視庁成城署捜査本部の調べで分かった。

 捜査本部は現場周辺で徹底した聞き込みを続けている。しかし、これまでに悲鳴を聞いた住民はみつかっていない。みきおさんと妻の泰子さん(四一)、長女のにいなちゃん(八つ)の三人は顔や首など十数カ所を刃物で切り付けられていス。傷がのどに達して声を出せなかった疑いが強い。捜査では、みきおさんらに目立ったトラブルは見当たらない。九日までに「不審な人がいる」といった情報が百件以上寄せられているが、犯人に結びつくものはない。捜査本部では残されたトレーナーの写真が入ったチラシ五万枚を作製し、情報提供を呼びかける。

現場周辺ではトレーナー数枚だけ販売/世田谷の一家4人殺害

2001.01.08 The Sankei Shimbun
 東京都世田谷区の会社員宮沢みきおさん(44)一家四人が殺害された事件で、犯人が現場に脱ぎ捨てたものと同じトレーナーは、現場周辺では杉並区の一店舗だけで販売されていたことが八日、警視庁成城署捜査本部の調べで分かった。この店での扱いは数枚程度に限られる見通し。

 捜査本部は店側から売上伝票などの提供を受ける一方、販売時の状況についても話を聞き、購入者の割り出しに全力を挙げている。

 調べでは、トレーナーは衣料品関連会社が発注して中国から輸入。山梨県の衣料品会社に卸され、昨年八月以降、山梨県を中心に販売された。東京都内にも杉並区と葛飾区に系列店があり、計二百−三百枚を扱った。

 このうちLサイズは十−二十枚程度。色違いの商品もあることから、遺留された一枚と同じように胴の部分が薄いグレーの商品はさらに数が絞られ、杉並区の店での販売は数枚だったとみられる。

犯人像絞れず深まるなぞ 東京・世田谷の一家4人殺人

2001.01.08(06:12)asahi.com
 東京都世田谷区上祖師谷3丁目の会社員宮澤みきおさん(44)一家4人が殺害されて1週間が過ぎた。血染めのトレーナー、運動靴の足跡、大量血痕、血の付いた包丁。犯人は現場に多くの手がかりを残して立ち去った。しかし犯人像は絞られず、なぞが深まる。長女にいなちゃん(8つ)は新しいシューズでバレエの舞台に立つのを楽しみにしていた。長男礼君(6つ)は小学校への入学が決まっていた。希望に胸をふくらませていた家族だったが……。

 犯行現場には、犯人のものとみられる運動靴の土足の跡が1人分確認されたが、単独犯か複数犯かを決定づける有力な手がかりはない。

 一家4人とは異なるA型の血痕も残されていた。犯行の際、犯人の包丁を持つ手が滑り、手のひらに深い傷を負ったとみられている。捜査本部は病院や薬局を中心に手にけがをした人物の情報提供を求めている。

 2階の床の上では、血で染まったトレーナーが発見された。都内では昨年8月ごろから販売されたもので、捜査本部で小売店を絞り込み、購入した人の特定を急いでいる。

 また、台所には血がついた2本の包丁があった。1本は文化包丁で宮澤さん宅にあったものと確認され、もう1本は真新しい柳刃包丁だった。刃が曲がったままで、犯人が持ち込んだ可能性がある。

 せい惨な現場は、えん恨を思わせるが、なぜ子供たちにまで手をかけたのか、犯行の目的も判然としない。

泰子さんへの恨み? 死亡後も執拗に切りつけ/世田谷の一家4人殺害

2001.01.06 The Sankei Shimbun

 東京都世田谷区の会社員、宮沢みきおさん(四四)一家四人が殺害された事件で、妻の泰子さん(四一)の首の後ろが執拗に切りつけられていたことが六日、警視庁成城署捜査本部の調べで分かった。泰子さんが事切れた後も、繰り返し刃物で切り付けたとみられ、捜査本部は、泰子さんに恨みを持つ者の犯行の可能性もあるとてみて、交友関係などを詳しく調べている。

 調べによると、みきおさんと泰子さん、長女のにいなちゃん(八つ)の三人は上半身を十数カ所にわたり切りつけられていた。にいなちゃんは二階の通路で助けを求めるように、ひざまずいてうつぶせに倒れていた。泰子さんは、近くに倒れていたが、腕や顔に多数の傷があったほか、首の後ろの部分が深く何度も刺されていた。三階のベッドには二人のものとみられる血痕が付着しており、三階で就寝しようとしたところを襲われ、二階へ逃げたとみられる。

 捜査本部では、刺殺された三人のうち、泰子さんの顔や首の刺し傷が最も多いことから、泰子さんに恨みを持つ者の犯行の疑いもあるとみて関係者から事情聴取を続ける一方、不審者の発見に全力を挙げている。

犯人が残したトレーナー、都内での販売は10〜20枚/世田谷の一家4人殺害事件

2001.01.05 The Sankei Shimbun
 東京都世田谷区の一家四人殺害事件で、犯人が現場に脱ぎ捨てたものと同じLサイズのトレーナーは、衣料品関連会社が中国から輸入した二千二百枚のうち、百三十枚しかないことが五日、警視庁成城署捜査本部の調べで分かった。

 都内で卸されたのは世田谷区と杉並区だけで、Lサイズに限ると十−二十枚といい、捜査本部は販売先の絞り込みを続けている。

 また、刺殺された宮沢みきおさん(44)の妻泰子さん(41)が首の後ろ側も深く切られていたことが新たに判明。捜査本部は、長女にいなさん(8つ)をかばおうとした泰子さんの背後から犯人が切り付けたとみている。

 調べでは、トレーナーは宮沢さん方二階の床に裏返しに放置されていた。前面やそで口に大量の血痕が付着しており、返り血を浴びた犯人が脱ぎ捨てたとみられる。

 昨年八−十二月に売り出され完売。少年を対象としたデザインで、身長一七五−一八五センチのLサイズは少なかったという。

 一方、泰子さんは首や顔、胸を切られたり刺されたりしていたほか、手には抵抗した際にできた傷があった。さらに首の後ろ側に、長さ数センチにわたって深く切り付けた跡があった。

 泰子さんとにいなさんは二階階段付近にジャージーなどの寝間着姿で並ぶように倒れており、就寝前後に一緒に襲われたとみられる。

後ろから襲撃か 東京・世田谷の一家4人殺害/みきおさん遺体、背中に刃物の傷

2001.01.05 The Sankei Shimbun
 東京都世田谷区の会社員、宮沢みきおさん(四四)一家四人が殺害された事件で、みきおさんは外出先から戻ったところを、背後から襲われた可能性があることが五日、警視庁成城署捜査本部の調べで分かった。

 調べによると、みきおさんは自宅一階の階段付近でうつぶせで倒れていた。司法解剖の結果、顔や首などに十数カ所の傷があったほか、背部にも傷があるのがみつかった。階段には滑り落ちたような跡が残っていたが、背部の傷も刃物によるものとみられる。

 先月三十日午後六時半ごろ、みきおさんの乗用車が車庫からなくなっており、みきおさんは事件当日の夜は外出していたとみられる。こうしたことから捜査本部は、侵入した犯人が室内を物色していたところ、みきおさんが帰宅、背後から襲われた疑いもあるとみて詳しく調べている。

 現場検証の結果、居間などとして使われていた二階には、運動靴の足跡がいたるところに多数残っていたことも判明。書類の入った引き出しが物色されていたほか、書類の一部は浴槽に投げ込まれていた。捜査本部は引き続き現場検証を続けている。血のついたトレーナーと同じLサイズの製品は、東京都内では世田谷、杉並両区だけに卸され、十−二十枚しか販売されていなかったとみられることが新たに判明。昨年八月から十二月にかけて販売され、すでに完売しているという。捜査本部で販路の絞り込みを急いでいる。

第3の凶器存在? 一家4人殺害

2001.01.04 The Sankei Shimbun
遺留包丁と異なる傷型 犯人の血液はA型

 東京都世田谷区の会社員、宮沢みきおさん(四四)一家四人が殺害された事件で、犯人は現場で見つかった包丁二本のほかに、第三の凶器を犯行に使った疑いのあることが四日、警視庁成城署捜査本部の調べで分かった。また現場に残っていた犯人の血液は鑑定の結果、A型だったことも判明、犯人の割り出しを急いでいる。

 これまでの調べでは、みきおさんと妻の泰子さん(四一)、長女のにいなちゃん(八つ)の三人には、上半身を中心にのどなど十数カ所を刃物で切られた傷があり、台所には犯人が持ちこんだとみられる真新しい柳刃包丁と、宮沢さん宅にあった文化包丁の合わせて二本が置かれていた。

 司法解剖などの結果、みきおさんの太ももには斜めに深く刺した傷があり、残されていた二本の包丁でできたものよりも深く、形状も一致しないことが分かった。

 このため捜査本部は、犯人が包丁のほかに鋭利で長い凶器を使って宮沢さん一家を襲ったとみている。

 現場近くを流れる川などで捜索が行われたが、凶器らしきものはまだ見つかっていない。

 捜査本部では犯人がこの凶器を持ち去ったとみて特定を急ぐ一方、宮沢さん宅にこうした形状のものがなかったかどうか確認を進めている。

浴槽にも書類散乱、犯行目的の可能性も 東京の一家殺害

2001.01.04(14:52)asahi.com
 東京都世田谷区上祖師谷3丁目の会社員宮澤みきおさん(44)宅で一家4人が殺害された強盗殺人事件で、物色の跡とみられる書類が2階の居間だけでなく、ふろ場の浴槽にも散乱していたことが4日、警視庁成城署の捜査本部の調べでわかった。捜査本部は、犯人が宮澤さんと何らかの関係があり、宮澤さんが所有している特定の書類などを奪う目的で押し入った可能性があるとみて、交友関係を中心に調べを進めている。

 調べでは、犯人による室内の物色の跡は、宮澤さんらが普段生活している2階部分に集中していた。2階の居間では、タンスや机などのほとんどの引き出しが開け放されたり、ひっくり返されたりしていた。仕事関係の書類などが床に散乱していたほか、ふろ場の浴槽内にも書類が持ち込まれ、散乱していた。何かの仕分けをしていた様子だという。

 小銭しか入っていない財布が数個、2階の居間の床などに残されており、犯人は紙幣だけを財布から抜いたとみられる。しかし、預金通帳やキャッシュカードは奪われていなかった。

 妻泰子さん(41)が学習塾の教室を開いていた1階はほとんど手つかずで、本棚わきには、何かの支払い用とみられる現金がポリ袋に入ったままの状態で置かれていた。

 一方、犯行日とみられる30日の午後6時から7時にかけて、泰子さんが隣に住む母(71)と内線電話で話をしたほか、長女のにいなちゃん(8つ)が隣家に調味料を借りに行っていたことが新たにわかった。同時刻ごろ、駐車場には宮澤さんの乗用車がなかったといい、宮澤さんはどこかに出掛けていたとみられている。捜査本部は、宮澤さんの外出目的と帰宅時間の特定を急いでいる。

 犯人は、犯行の際、右手にけがをしているとされ、現場に残された血痕を鑑定した結果、血液型はA型だったという。

現場に血の付いたトレーナー残る 東京の一家4人惨殺

2001.01.03(21:00)asahi.com
 東京都世田谷区上祖師谷3丁目の宮澤みきおさん(44)宅で一家4人が殺害された強盗殺人事件で、宮澤さん宅に血のついたトレーナーが残されていたことが分かり、警視庁成城署の捜査本部は3日、犯人が犯行後に脱ぎ捨てたものとみて公開した。トレーナーは中国製で、東京都内では昨年9月ごろから世田谷区を中心に販売されていたとみられる。捜査本部は小売店などを中心に販売状況を調べるとともに、情報提供を呼びかけている。

 調べでは、トレーナーは、妻泰子さん(41)と子供2人が殺害されていた2階で、裏返した状態で丸められて、床の上に置かれていた。表地の胸や腹の部分に大量の血がこびりついていたという。

 綿製で、身長175センチから185センチまでの「L」サイズ。胴の部分は白色、両腕は紫色、丸首の部分も紫色で縁取られている。

 宮澤さんは身長165センチで、上着は普段「M」サイズのものを着ていたという。また遺留されたトレーナーには刃物で刺されたような跡がないことなどから、捜査本部はこのトレーナーは犯人のもので、犯行で被害者の返り血を浴びたことから、脱ぎ捨てたとみている。

 トレーナーは、衣料品メーカーが中国から2200枚を輸入、都内では世田谷区を中心に昨年9月ごろから、約200―300枚が販売されたという。

 また、宮澤さん宅には、運動靴とみられる土足の足跡が残されていたといい、捜査本部で鑑定を急いでいる。

 捜査本部はトレーナーの写真の公開とともに、情報提供を呼びかけるチラシを5万枚作製し、現場周辺に配布した。

東京・世田谷で一家4人が死亡、殺人で捜査

2000.12.31(15:32)asahi.com
 31日午前11時前、東京都世田谷区上祖師谷3丁目の会社員(44)宅で一家4人が死亡しているのが見つかった。1階で会社員の男性、2階の住居や階段で妻(41)と小学2年の長女(8つ)、幼稚園児の長男(6つ)が、いずれも血まみれで倒れていた。

 警視庁の調べでは、隣に住む母が発見し、通報した。4人とも首や顔を切られており、物色された跡もあることから、殺人事件と見て捜査している。

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