TOPIC No.2-11 男女平等(雇用機会均等法)

01.男女平等(雇用機会均等法)
02.はやわかり!「男女雇用機会均等法」byふらっと人権情報ネットワーク
03.男女雇用機会均等法の問題点 酒井和子 by Womwn's Online Media
04.ワーキングマザー/均等法  byママたちの知恵袋(読売新聞)
05.女性の職場どう変えた 改正半年の雇用機会均等法

女性の就業率低く人材浪費 OECDが日本に苦言

2008年07月02日 中国新聞ニュ−ス

 【パリ2日共同】経済協力開発機構(OECD)は2日、2008年版「雇用見通し」と日本の情勢を分析した「日本ノート」を発表、日本女性は学歴が極めて高いのに就業率が低く「貴重な人材の大きな浪費」だとして日本に苦言を呈した。

 ノートによると、日本は25−54歳の女性の就業率が67・4%にとどまり、スウェーデンやノルウェーなど女性の就業率が高い北欧諸国に比べて約15%低かった。日本男性の就業率は約93%で、OECD加盟国でも上位を占め、男女間の格差が際立っている。

 一方、日本女性は男性と同水準の教育を受けており、大学などの高等教育を受けた日本女性は05年段階で42・5%に達し、加盟国平均の28・5%を大きく上回った。

結婚後同じ仕事半数以下 働きにくい20−30代女性

2005/03/11 The Sankei Shimbun

 20−30代の生活実態を継続的に追跡する厚生労働省の「第2回21世紀成年者縦断調査」で、最近1年間に結婚した働く女性のうち、結婚前と同じ仕事を続けている人は半数以下であることが11日、分かった。

 最近1年間に仕事を辞めた女性の退職理由は「出産・育児」「結婚」が目立つ一方、働く意欲がありながら就職できた専業主婦は少なく、厚労省は「女性の就業環境は厳しい」と分析している。

 調査は少子化対策など政策の基礎資料とする目的で実施。2002年10月末時点で20−34歳の男女を全国から無作為抽出し、03年11月、第1回調査に回答した人を中心とする約2万5000人に調査した。

 働いていて最近1年間に結婚した女性296人のうち、結婚前と同じ就業形態の人は49%、離職者は32%、転職者は12%。転職者の多くはパートや派遣社員だった。

 1年以内に仕事を辞めた女性639人の退職理由を複数回答で聞くと「出産・育児」が20%でトップ。「結婚」を合わせると30%に上り「給与が少ない」の12%、「会社の方針に不満」の11%も上位を占めた。

 第1回の調査で、専業主婦約2100人中43%が就業を希望したが、1年後、実際に就業できた人はそのうちの20%にとどまった。(共同)

日本は11位…下から3番目 アジア女性の社会進出度

2005/03/07 The Sankei Shimbun

 米クレジットカード大手マスターカード・インターナショナルが7日発表したアジア・太平洋の13カ国・地域を対象とした「女性の社会進出度調査」によると、日本は下から3番目の11位となり、依然男性優位の社会であることが分かった。

 同社は「日本の雇用市場縮小が一因」と分析しており、日本企業によるここ数年の激しいリストラが女性の社会進出の機会を奪う要因となったことをうかがわせる。

 調査は「管理職の割合」「平均収入」など4項目を分析し指数化。4項目総合で日本は54・5だった。100は男女が平等、100未満は男性優位を示す。

 1位は92・3のタイで、2位はマレーシア、3位は中国だった。タイは女性の教育水準が高く、特に医学分野への進出がめざましいという。

 最下位は45・5の韓国で、下から2番目はインドネシアだった。(共同)

女性、過去最高の20% キャリア官僚の採用内定

2004/11/19 The Sankei Shimbun
 細田博之官房長官は19日午後の記者会見で、国家公務員採用I種試験などに合格した中央省庁のいわゆる「キャリア組」の2005年度の採用内定状況を発表した。

 内定者計646人のうち女性が134人(全体の20・7%)を占め、04年度の女性採用数123人(同19・2%)を上回って過去最高を更新した。

 省庁別にみると、女性内定者が多いのは農水省25人、法務省と経済産業省各15人、国土交通省14人など。

 理工系、農学系などを除く事務系(行政、法律、経済)区分の内定者は300人。うち女性は65人(21・7%)で、こちらも過去最高だった04年度の62人(21・3%)を上回った。

 細田長官は「今後とも女性の採用拡大に向け努力したい」と述べた。

米女性賃金は男性の76% 均等達成まであと50年と予想

2004/11/17 The Sankei Shimbun
 米女性政治研究所は16日、2002年の全米の女性の平均的な年間賃金は男性の76・2%だったとの調査結果を発表した。

 1989年の68・5%に比べると、男女の賃金格差は13年間で7・7ポイント縮小したが、同研究所は「現在のペースでは、男女の賃金均等達成まで50年かかる」と予想している。

 同研究所は、格差の理由について「男女間の教育水準や就職後のキャリアの差」を挙げた。地域別では首都ワシントンが92・4%と最も格差が小さく、ワイオミング州は66・3%と最も差が大きかった。

 性別だけでなく人種による格差もあり、ルイジアナ州では黒人女性の賃金は白人男性の48・9%と半分以下だった。

 同研究所は米労働省の国勢調査結果を基に、女性の政治への参加度や賃金について調査、分析している。(共同)

女性役員の比率、日本最下位 世界の大企業では1割

2004/10/09 The Sankei Shimbun
 世界の大企業200社(売上高上位)の役員のうち女性の割合は米国が17・5%と最も高く、日本は0・7%と大企業を多数抱える先進国中では最下位であることが、米国の非営利団体の調査で8日、分かった。200社全体の女性役員の比率は10・4%で、男性役員の割合が圧倒的に高かった。

 調査によると、2004年6月現在、大企業がある21カ国中、米国に次ぎ女性役員の比率が高いのは英国12・5%、ドイツ10・3%。日本は対象となった大企業数が27社で米国(78社)に次ぎ2番目だったにもかかわらず、女性役員がいるのはソニー、日立製作所、日本生命保険の3社だけで、各1人だった。

 調査はコーポーレート・ウーマン・ディレクターズ・インターナショナル(CWDI)が実施。CWDI共同会長のイレーヌ・ナティビダッドさんは「消費者の主役は女性なのに、トヨタや日産自動車など世界的に著名な企業の経営陣に女性がいないのは、企業にとってメリットにならない」と指摘した。(共同)

女性雇用制度:内閣府が各省庁に善処要請 国連の差別指摘受け

2003年08月22日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE

 内閣府は22日、国連女性差別撤廃委員会から、女性従業員を総合職と一般職に分ける日本式の雇用制度について「間接差別だ」と指摘されたことを受け、各省庁に善処を要請した。同府の男女共同参画局は「うわべは平等でも、実質的に男女差別をもたらす」として、事実上の改善勧告と受け止めている。

 日本は85年に女性差別撤廃条約を批准し、数年ごとに実施状況を調べて国連に報告している。今回の指摘は、日本政府の報告に基づき、国連が今月7日に公式コメントとして公表された。

 それによると、総合職・一般職の雇用制度について「男女間の賃金格差を生む」と批判。「パートや派遣社員に占める女性の割合が高く、正社員よりも賃金が低い」と懸念を表明し、直接か間接かを問わず、どんな制度や慣行が女性差別に当たるのかを法律できちんと定めるよう勧告した。

 民法については、結婚できる最低年齢の男(18歳)女(16歳)差や、離婚した女性の再婚禁止期間(6カ月)を「差別的な規定だ」として廃止するよう求めた。

 内閣府は「制度面では評価されたが、実際面では遅れがあるのは事実なので、さらに努力する必要がある」と話している。【平元英治】

女性差別撤廃委:日本の女性雇用形態に懸念表明 国連

2003年08月11日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 国連の女性差別撤廃条約の日本での実施程度を審査した国連女性差別撤廃委員会の見解が明らかになり、関係するNGO(非政府組織)が11日、東京都内で記者会見して内容を説明した。条約は職業や地位、生活面での女性差別をなくす目的で79年に制定され、日本は85年に批准している。

 同委員会の見解は、「一般職」「総合職」と2種類に分けられている女性の雇用形態やパートタイム労働に女性が多いことなどに懸念を表明し、日本政府に対し、男女の事実上の雇用機会平等の達成を早めるよう要請している。【澤圭一郎】

女性国家公務員20%で最低 男女共同参画白書

2003年06月13日 The Sankei Shimbun
 政府は13日午前の閣議で、2003年版の「男女共同参画白書」を了承した。今回は昨年、女性の社会参加に関し20年ぶりに実施した日本とアジア、欧米の計7カ国の施策や現状などの比較調査結果を盛り込んでおり、国家公務員の女性割合は20・2%と7カ国のうち最低だった。

 白書は、男女共同参画の法的枠組みは欧米に劣らないが、状況には大きな差があると指摘。働く女性を支援する環境整備水準の違いや性別による役割分担意識が根強く残っているとし、「仕事と家事・育児を両立させる法律や制度の充実」の必要性を強調している。

 比較調査で、職場での男女の地位について男性優遇と答えた日本の女性は67・7%で1982年の前回調査より微減。スウェーデン以外の各国でおおむね不平等感は緩和の方向だった。

 「夫は仕事、妻は家庭」との性別役割分担に反対する日本人女性は57・3%と前回より33・6ポイント増えたが、93・2%が反対するスウェーデンをはじめ欧米の水準を下回った。

 また育児期の「夫の家事関連時間」は日本が0・8時間と、3時間前後の欧米より短く、男性の育児休業取得率も0・4%(女性56・4%)にとどまるなど、制度上の男女平等が進んでも、現実が追いついていない実態が浮き彫りとなった。

 白書はこれらの背景に男女間の賃金格差や男性の長時間労働があると分析しており、今後、長期的に取り組む課題として「ライフスタイルに応じた子育て支援」や「フルタイム労働とパートタイム労働の転換制度など雇用環境の整備」を求めている。

 ■男女共同参画社会 男女が互いに人権を尊重し責任を分かち合い、性別に関係なくあらゆる分野に参画する機会が確保され、政治、経済、社会、文化的利益を享受できる社会。1999年に成立した「男女共同参画社会基本法」は、その実現を「21世紀のわが国社会を決定する最重要課題」と位置付けた。政府は内閣府に男女共同参画局を置き、人権尊重、社会制度や慣行が男女に中立的であるような配慮を求めた施策を推進している。

女性議員40人が予算委員長に抗議 辻元氏への中傷文書

2001.02.16(13:31)asahi.com
 社民党の辻元清美氏を中傷した文書が衆院予算委員会で配られた問題で、超党派の女性国会議員が16日、野呂田芳成予算委員長に抗議文を手渡した。賛同したのは民主、自由、社民などの約40人で、「文書の内容はまさに女性差別で、辻元議員への侮辱行為だ」とし、配った自民党の林省之介氏を「懲罰に問うことなく見過ごした」と委員長の運営を批判している。

 野呂田氏は「配布したのではなく数人に見せただけと本人が言っている。(林氏が)自分で書いた文書でもないから、懲罰には値しない」と語ったという。(19:27)

「仕事と子育て両立支援、専門調査会」が初会合

2001.02.05(22:27)asahi.com
 政府の男女共同参画会議のもとに置かれた「仕事と子育ての両立支援策に関する専門調査会」(会長・樋口恵子東京家政大教授)の初会合が5日、首相官邸で開かれた。年度内に中間報告をまとめ、遅くとも6月までに最終報告を出すことを決めた。

 調査会は(1)少子化対策や子育て支援の予算が有効かどうか調べ、改善の提言をする(2)効果的で象徴的なモデル事業を早く立ち上げる(3)地方や海外を含め、仕事と子育て両立の体験や要望を聞き取る、などの活動をする。

幹部社員の1割が女性に 西武百貨店

2001.02.01 The Sankei Shimbun
 西武百貨店は一日、店舗の販売部長や本部部長に女性四人を同日付で起用すると発表した。店舗販売部長以上のポストは全体で七十八あり、女性はこれまで四人だったが、今回の人事で倍増。幹部社員の中で女性が占める比率は、初めて一割を超えた。

 同社は大手百貨店で初めての女性店長を誕生させるなど、女性の積極登用で知られている。若手の登用も急いでおり、幹部社員の四割以上を四十歳代で占めているという。

男女差別認め1億8千万円の支払い命じる 芝信金訴訟

2000.12.22(21:48)asahi.com
 芝信用金庫(東京都港区)の女性職員13人が「昇格や昇進で男女差別がある」として同信金を相手に地位確認や差額賃金の支払いなどを求めた訴訟の控訴審判決が22日、東京高裁で言い渡された。瀬戸正義裁判長は「男性職員だけ人事考課で優遇していたと推認せざるを得ない」と述べて一審・東京地裁と同様に差別の存在を認め、定年退職した4人と最も若い1人を除く8人について同期の男性職員と同じ地位(課長職)にあることを確認。さらにうち12人について慰謝料1500万円余と差額賃金をあわせ計約1億8400万円の支払いを同信金に命じた。同種の訴訟で慰謝料が認められたのは初めてといい、女性側は「画期的な一審判決からさらに前進した」と評価している。

 一審判決は、昇格・昇進での男女差別をめぐる同種の訴訟では唯一、地位確認の請求を認めて注目された。この日の判決で瀬戸裁判長は、「差別で精神的苦痛を受けた」と認めて支払額の中に慰謝料も含めた。芝信金側は「昇格試験は公正で差別は存在せず、昇格は経営権に属する問題で(裁判所が)認めるべきではない」などと主張して争っていた。

 判決で瀬戸裁判長は、昇格差別が賃金差別に連動していることを指摘。賃金での差別的取り扱いを禁じた労働基準法の規定を引いて「使用者は男女職員を能力に応じて平等に扱う義務を負っており、使用者が性別で賃金差別をした場合には法に抵触する」と説明した。

 そのうえで「同期の男性職員が昇格したときに地位を据え置かれるのは法に反し無効で、地位確認を求める権利がある」と述べ、年功による昇格の労使慣行を根拠に地位確認を認めた一審判決とは異なる理由で請求を認めた。

 ◆芝信用金庫の話

 主張が通らず残念。判決を検討して今後の対応を決める。

長野で「全国女性議員サミット」開幕

2000.10.29(23:06)asahi.com
 「全国女性議員サミット」(主催・女性議員をふやすネットワーク「しなの」)が29日、長野市で始まり、土井たか子・社民党党首や森山真弓代議士(自民党)、吉川春子参院議員(共産党)ら女性国会議員をはじめ、47都道府県から1200人余りが参加。「主権在民の国づくりに向けて――いま!なぜ女性議員が必要なのか」をテーマに意見を交換した。30日は6つの分科会で、「女性政策」「女性議員の果たすべき役割」などについて議論し、閉幕する。

 全国女性議員サミットは1998年10月に青森県弘前市で初めて開かれ、今回が2回目。

 開催に先立ち、主催者である「女性議員をふやすネットワーク『しなの』」の樽川通子会長が「男女で構成される社会は、男女が半々ずつを担うことで男性にとっても住みやすいものとなる」とあいさつ。来賓として出席した田中康夫・長野県知事は「女性議員サミットが、女性という言葉がとれてもできる社会が来るよう力を添えたい」とエールを送った。

首相発言で論議再燃気配 夫婦別姓制度/男女共同参画社会基本計画 盛り込みは必至

2000.10.09 The Sankei Shimbun
 首相の諮問機関である「男女共同参画審議会」(会長・岩男寿美子武蔵工業大教授)が九月二十六日に森喜朗首相に提出した答申をきっかけに、「夫婦別姓制度」導入をめぐる論議が再燃しつつある。答申を受けた森首相が記者団に夫婦別姓に慎重な考えを示したのに対し、野党の女性議員が強く反発。夫婦別姓をめぐっては、これまで国政の場で本格的に論議されておらず、くすぶったままだったが、皮肉なことに首相発言が比較的地味な答申をクローズアップさせることになった。(田北真樹子)

 審議会答申は、従来の日本社会の制度や慣行について「男女に中立的に機能していない」と批判的に分析。そのうえで、年金制度などを家族単位でなく個人単位に改めるとともに夫婦別姓制度導入に向けた検討を政府に要望、今後十年以内の実現を求めている。

 ところが答申を受けた森首相は翌九月二十七日、記者団に「まあ、今後いろいろと皆で議論していけばいいと思う」としながらも「私個人としては、従来の方が日本にはなじむと思うけどね」と“本音”をもらした。これに民主党の石毛●子衆院議員らが反発、首相官邸に中川秀直官房長官を訪ねて「極めて不適切な発言」と抗議した。

 夫婦別姓制度をめぐっては平成八年二月に政府の法制審議会が、希望すれば夫婦がお互いの旧姓を名乗ることができることなどを盛り込んだ「選択的夫婦別姓」導入を答申したが、自民党内に強い異論が出たため、政府は国会への法案提出を見送った。

 これに対して民主党は夫婦別姓を盛り込んだ民法改正案を提出、九年六月の衆院法務委員会で審議されたが廃案になった。その後も野党が継続的に法案を国会に提出しているが、本格的な審議は行われていない。

 自民党は、選択的別姓制度を先送りする代わりに、戸籍上は同姓でも婚姻後も届け出によって旧姓を呼称として使うことができる「旧姓続称制度」の試案を打ち出し、一時は法務部会に家族法改正小委員会も設置した。しかし、今では「党内はほぼ反対」(幹部)とあって議論は休眠状態。

 しかし、夫婦別姓導入慎重派にとって頭が痛いのは、今回の答申に沿って昨年施行された「男女共同参画社会基本法」に基づき、政府が年内に「基本計画」を策定しなければならないこと。首相も十月六日に開かれた「男女共同参画社会づくりに向けての全国会議」では、「答申を踏まえ、初めての基本計画を今年中に策定し、男女共同参画社会実現へ向けた施策を一層、総合的かつ計画的に進めていく」とあいさつ文通り読んでおり、計画に何らかの形で夫婦別姓問題が盛り込まれるのは確実。自民党内には「なんでもかんでも審議会任せにしてきた弊害が出た」(幹部)との声も出ているが、論議が再燃するのは必至の情勢だ。

●=金へんに英

夫婦同姓などの見直し求める 男女共同参画審議会が答申

2000.09.26(20:25)asahi.com
 首相の諮問機関である男女共同参画審議会(会長・岩男寿美子武蔵工業大学教授)は26日、政府が策定する「男女共同参画基本計画」について、基本的な考え方をまとめ、森喜朗首相に答申した。答申は、世帯中心の考え方に立つため男女の役割が「中立的に機能していない」社会制度や慣行があるとして、夫婦同姓や専業主婦の年金制度などを個人単位に改め、制度見直しにも踏み込むよう求めた。また社会問題となっている女性への暴力について、個人の問題ではなく、家庭や職場などの男女の固定的な役割分担、経済力の格差などに根ざした「構造的な問題」だと指摘した。

 政府は答申を受け、昨年施行された男女共同参画社会基本法に基づいて、年内に基本計画を策定する。

 答申が夫婦や世帯を単位とした考え方を改め、できるだけ個人中心の制度に見直すよう求めているのは、夫婦同姓のほか、専業主婦と共働きの妻との扱いの違いが指摘されている国民年金、遺族年金のあり方、夫婦間での年金権の分割、健康保険制度の被扶養配偶者の扱いなど。夫婦別姓は、これまで国会で何度も審議されながら実現していない経緯がある。

 答申は人権の尊重を「最も重要な基本理念」と位置づけた。女性への暴力について、若者への教育の充実や必要な法律の整備、24時間対応できる公的な専門相談体制づくりを検討すべきだと提言した。特に、夫や恋人などからの暴力を受けた女性の緊急一時保護については「売春防止法に基づく従来の対応には限界がある」として、新たな体制の検討を求めている。

 女性が子供をいつ、何人産むかは女性の権利に属するという「性と生殖をめぐる健康・権利」の考え方に立った女性の健康支援にも言及。青少年の性行動が低年齢化、活発化していることをふまえて、性教育を学校任せにせず、関係機関や地域社会、あるいは産婦人科医らとも協力することが重要だとしている。

国の審議会など女性委員は20% 2005年30%目標

2000.08.15(10:30)asahi.com
 総理府は15日、国の審議会などに占める女性委員の割合が今年3月末現在で20.4%となり、初めて20%台になったと発表した。同日午前の男女共同参画推進本部(本部長・森喜朗首相)の会合で調査結果を報告、「2000年度末までに20%」という政府目標に届いたことを確認した。政府は「2005年度末までに30%達成」との新しい目標を掲げた。

 国の審議会などは199あり、委員数は4201人。女性は857人で約20.4%を占め、昨年9月末より0.6ポイント増えた。審議会を所管する省庁別にみると、女性の割合が高いのは文部省の27.4%をはじめ、北海道開発庁(25.0%)、労働省(24.0%)の順となった。一方、女性の割合が低いのは沖縄開発庁(10.0%)、防衛庁(15.6%)、法務省(16.3%)。

 推進本部は同日、警察庁、労働省など関係省庁の課長級でつくる「女性に対する暴力に関する関係省庁課長会議」を置くことも決めた。

与党3党の女性議員27人が政策提言の協議会を発足

2000.08.08(19:40)asahi.com
 自民、公明、保守の与党3党の女性議員が8日、女性の視点を生かした政策提言を目的とした「女性政策提言協議会」(女提協)を発足させた。衆参両院の27人全員がメンバーとなる。会長に森山真弓代議士(自民党)、副会長には浜四津敏子参院議員(公明党)と小池百合子代議士(保守党)がそれぞれ選ばれた。

「人間の安全保障に非軍事の視点必要」国際女性サミット

2000.06.25(00:34)asahi.com
 軍隊や基地が女性にもたらす苦しみを通して「安全保障」とは何かを考えようと、東アジアとアメリカの非政府組織(NGO)関係者が24日、那覇市内で「国際女性サミット」公開シンポジウムを開いた。米国、韓国、プエルトリコ、フィリピンから訪れた40人のほか、国内から200人余りが参加。九州・沖縄サミット(主要国首脳会議)での主要課題でもある「人間の安全保障」について、非軍事の視点が必要、と訴えた。

 米コロンビア大学大学院のベティ・リアドン教授は「安全保障の再定義」と題して、「本来、人間の安全保障とは、軍隊ではなく、健全な環境や文化、人権の尊重といった要素で支えられるべきもの。これは女性の視点から生まれる発想だ」と述べた。また、非軍事への転換のためには、紛争予防などに力が注がれるべきで、「沖縄の基地も、その技術や知識を再利用すれば、紛争予防を研究するセンターに生まれ変わる」と話した。

 米軍訓練施設の撤去運動が起きたプエルトリコからは、人権団体のメンバーで撤去運動にかかわったマリア・レイナート・プマレホさんが出席。「自分たちは資源も力もない弱い存在、と刷り込まれてきた住民たちが、自然資源の豊かさに気づき、それを汚す軍隊に怒った。自分たちに力があることを自覚したのが、何よりの原動力だった」と話した。

 「サミット」は、「東アジア―アメリカ国際女性ネットワーク」などが主催。1995年に沖縄で起きた米兵による暴行事件をきっかけに、米国と東アジアで反基地の運動をしているNGOが結成した。会場には、参加NGOのそれぞれの活動を説明するパネルが並び、休憩時間にはたくさんの人たちが情報交換をしていた。

育児中の長時間残業免除 女性少年問題審が答申

2000.06.16(22:55)asahi.com
 女性少年問題審議会(会長・若菜允子弁護士)は16日、今後5年間の男女雇用機会均等対策の基本方針について牧野隆守労相に答申した。2005年を境に労働力人口が減少に転じることが見込まれる中で、女性の労働市場への積極的な参加を促すため、育児中の時間外労働が長時間になる場合、残業の免除を申請できる制度の導入や、育児・介護休業から復帰した際の処遇のあり方について検討するように求めている。労働省は次の通常国会に提出する育児・介護休業法の改正案などに答申を反映させる方針だ。

 答申は、女性を役職ポストに登用するのに積極的な企業への助成措置や、育児でいったん仕事を中断した女性が再就職する際の職業能力を評価する仕組みの整備なども盛り込んだ。

男女平等実現へ成果文書を採択し閉幕 国連・女性会議

2000.06.11(14:23)(時事)by asahi.com
 5日からニューヨークの国連本部で開かれていた国連特別総会「女性2000年会議」は10日夜(日本時間11日午前)、21世紀の男女平等社会実現への誓約を再確認する「政治宣言」と、女性の地位向上に向けて各国が今後取るべき行動などを盛り込んだ「成果文書」を採択して閉幕した。

 成果文書は、家庭内暴力を含む女性に対する「すべての形態の暴力」を処罰可能な犯罪として取り扱うことをはじめ、女性の教育充実や女性労働者の権利保護、エイズへの取り組みなど、多岐にわたる分野で各国や国際機関が取るべき具体的な行動とイニシアチブがうたわれている。

国連・女性2000年会議、「最終文書」ほぼ合意

2000.06.10(13:34)asahi.com
 ニューヨークの国連本部で開かれている国連特別総会「女性2000年会議」は9日、男女平等の実現へむけて今後、各国政府がとるべき政策指針の「政治宣言」と、具体策からなる「最終文書」についてほぼ合意に達した。10日未明(日本時間の10日昼すぎ)にも、本会議で採択される見通し。だが、米国の対キューバ制裁をめぐる政治対立などで、最後の調整が難航している。最終文書の中には、家庭内暴力、児童の虐待など「女性への暴力」と、女性の非識字率、出産直後の死亡率の改善の3点について、国ごとに期限つき努力目標を提示することが盛り込まれ、各国政府は対応を迫られる。

 今回の会議の目的は、1995年に北京の世界女性会議で採択された「行動綱領」について、各国でどの程度実行されたかを検証し、さらに実現に近づけるための目標を決めることだった。

 「政治宣言」では、北京行動綱領の達成にむけて努力することを確認したうえで、▽男女の共同責任、▽政府と非政府組織(NGO)の連携強化、▽先進国が開発途上国の女性支援のため、国民総生産(GNP)の0.7%を政府の途上国援助(ODA)にあてる努力――などを盛り込み、2005年に達成度を再確認することを誓う。

 一方、合意に達した「最終文書」は約200項目。家庭内暴力や夫によるレイプ、婚前交渉を理由に自分の娘を殺害する「名誉殺人」なども、女性への暴力と位置づけ、こうした暴力の根絶に向けた努力目標を設定する。日本政府にとっては、家庭内暴力の実態調査や、被害者保護のための対策づくりが急務となりそうだ。

 女性会議はさらに、性別ごとの役割を克服するための努力、政財界を含めた政策決定層へ女性の進出を促すことなども、「北京綱領」より強めた表現で盛り込む。平和維持活動(PKO)や紛争後の和解に、女性と男性が半々に参加することを促進。北京後に新たな問題となった、情報技術(IT)革命などによる急速な「グローバル化」の影響についても触れ、先進国と開発途上国の女性の格差を解消する努力も約束する。

国連・女性会議 経済制裁などめぐり地域の利害対立

2000.06.07(11:12) asahi.com
 男女が対等なパートナーとなる社会づくりを目指す「国連特別総会・女性2000年会議」は6日から、採択文書に盛り込む行動目標について、本格的な政府間協議を始めた。イラク、スーダン、キューバなどに対して実施されている経済制裁が女性に与える影響をめぐり、開発途上国と先進諸国の意見が鋭く対立。地域間の利害や政治的思惑が「女性の問題」にも持ち込まれた格好で、女性の地位向上を目指す行動目標について、どの程度合意できるか予断を許さない状況だ。

 問題となっているのは、9日の最終日に採択する予定の「成果文書」。約300項目の行動目標のうち、事前の準備会合では半分も合意できなかったため、6日から意見対立の激しい項目だけを集中的に協議する「小グループ」を設けた。

 約130カ国の途上国が加盟する「グループ77」は、「一部の国に科されている経済制裁が、その国の女性にマイナスの影響を与え、地位向上を妨げる原因になっている」といった文言を盛り込むよう主張している。これに対し、米国、日本を含む10カ国のグループやEU(欧州連合)が「経済制裁のマイナス面が強調されすぎている」と承服せず、議論は平行線をたどっている。

 本会議の政府代表演説では、キューバのエスピン・ギジョイス代表が、米国に世界の富が集中していることを指摘したうえで、「(米国の)国家テロが罰せられずにいる。人権だけでなく、国家主権の面でも、差別は糾弾されなければならない」と、米国から受けている経済制裁を強い口調で非難。マレーシアのアブドゥル・ジャリル代表は、「経済制裁下のイラクでは、女性と子供が苦しんでいる」とし、制裁の即時解除を求めた。

女性国会議員数30%の目標、達成はわずか8カ国

2000.06.07(00:16)asahi.com
 女性の地位向上を目指して白熱した議論が続いている国連女性特別総会で、国連女性開発基金(UNIFEM)は5日、1995年の「世界女性会議」で打ち出された「2000年までに初等・中等教育の男女格差を解消し、国会での女性議員数を少なくとも30%にする」という数値目標を達成した国はわずか8カ国、という報告書を発表した。「国会議員」については、日米両国も、目標からはほど遠い現状が明らかになった。

 報告書によると、「初等・中等教育」と「国会」の目標をともに達成した国はデンマーク、フィンランド、ドイツ、アイスランド、オランダ、ノルウェー、南アフリカ、スウェーデン。日本や米国は教育では目標に達しているものの、国会議員では米国12.5%、日本は8.3%と先進国24カ国中23位と遅れている。

 一方、サハラ以南のアフリカや中央アジア、旧東欧の多くの国では、中等教育での男女平等の数値が低下している。

 また、給与が支払われる仕事に就労している女性は多くの国で増え、イタリアでは過去約15年間で23%から38%に伸びた。女性の管理職は米国で38%から47%に急増し、最高を記録。カナダも35%から40%に、英国も22%から33%に増えているが、日本は9%から11%と2ポイント増えただけだった。

 しかし、肝心の賃金格差は相変わらずで、産業・サービス業で男性の53%から97%、工場勤務では平均で男性の75%とほとんど縮まっていない。

国連女性2000年会議が開幕 地位向上など討議へ

2000.06.02(23:42) asahi.com
 男女が対等な立場で協力できる社会を目指す「国連特別総会・女性2000年会議」が5日、ニューヨークの国連本部で始まった。1995年に北京で開かれた「世界女性会議」以降、世界各地で女性の地位向上がどの程度進んだかを検証し、21世紀に向けたさらなる行動を考える目的で、188カ国の政府代表が集まった。政府間協議などを5日間重ね、最終の9日に「政治宣言」などを採択する。

 アナン国連事務総長は、開幕のあいさつで「政界で女性リーダーが増えるなど、一定の前進があった」としながらも、「教育や雇用の面で依然、男女の格差が大きく、武力紛争下、家庭内などで女性への暴力が絶えない」と、残った課題を指摘した。さらに「グローバル化の進展により、雇用機会などの恩恵を受けた先進国の女性と、恩恵から取り残された発展途上国の女性との間で、格差が広がりつつある」とし、北京会議後に起こった新たな問題への対応を強調した。

 会議では、北京会議で採択された「行動綱領」に基づき、貧困、健康、教育、経済力、政治力など12の重要テーマごとに、達成された成果と残った課題を整理し、今後の具体策となる「成果文書」をまとめる。しかし、結婚や家族のあり方をめぐって、「自由な性」の意識が広がって同性愛や未婚のカップルなどが定着しつつある先進国と、伝統的意識の強い発展途上国の意見の対立もあり、会議の事前協議では、「成果文書」について、半分程度しか合意できていない状態だ。

 日本からは、政府の男女共同参画審議会会長の岩男寿美子氏を代表として、総理府など7省庁の代表者や国会議員ら40人余りが参加する。日本政府代表団は、女性に対する暴力やセクシュアル・ハラスメントを根絶するための調査、防止と被害者保護、法整備などの成果を強調する。また、政府の途上国援助(ODA)の供与額が、9年連続で世界1位の実績を踏まえ、女性の教育、経済社会活動への参加などに、途上国女性への支援続行を約束する方針だ。

 ニューヨークでは世界各地の約320の非政府組織(NGO)を代表するメンバーら1万人余りが集まり、国連本部周辺などでポスターやビラを配り、女性の人権保護、雇用条件の改善などについて各政府代表に訴え始めている。

5日から女性2000年会議 途上国の貧困などが論点

2000.06.04(01:04)asahi.com
 
 男女が対等なパートナーとなるための社会づくりを目指す「国連特別総会・女性2000年会議」が、5日から9日までの日程で、189カ国の政府代表が集まり、ニューヨークの国連本部で開催される。1995年に北京で開かれた「世界女性会議」で採択された「行動綱領」で各国政府が約束した女性政策がどこまで達成されたかを検討し、さらに完全実施への方策と21世紀に向けて、女性を人権侵害から守る取り組みを探る。

 会議では各国が事前に提出した北京綱領の実施度評価をもとに、教育、健康、経済力、政界進出など幅広い分野で、女性の地位向上を検証し、こんごの男女平等政策の基本線になる「政治宣言」と、具体策の「成果文書」を論議する。

 国連本部ではすでに会議準備委員会が開かれているが、成果文書の内容をめぐって、地域間の利害や文化的、宗教的価値観の違いが目立ち、議論は閉幕直前までもつれそうだ。

 争点となっているのは、性と生殖について女性が健康を維持し、子どもを産むか、産まないかについて自分で決める権利や、妊娠を目的としない性行為や性の選択をする権利など。西側諸国は、これらの権利を推進し、女性が中絶する権利や同性愛、未婚カップルなど多様な家族のあり方を主張するが、バチカン(ローマ法王庁)やイスラム諸国は激しく反対しており、これらの権利が「女性の人権」として位置づけられるかどうかは大きな焦点だ。

 一方で女性の地位向上を巡っては、「政府の強い政治的意志が必要」とする先進国に対し、途上国側は「90年代の後半に起こった経済危機の影響が大きく、資金不足が最大の障害」と主張し、先進国から資金援助を引き出そうとするなど、駆け引きが続いている。

 国連本部の内外では、非政府組織(NGO)を代表する約1万人が120を超す討論会やイベントを予定しており、インターネットなど情報技術も駆使しながら、各国政府への働きかけや互いの連携を強める計画だ。

「社会で男優遇」、76%・総理府世論調査

2000.05.27NIKKEI NeT
 総理府が27日発表した「男女共同参画に関する世論調査」によると「社会全体で見た場合、男性の方が優遇されている」と感じる人が1995年の前回調査より0.9ポイント上昇し76.7%となり、依然として不平等感が根強く残っていることが分かった。

 調査は1月から2月にかけ、全国の20歳以上の男女5000人を対象に実施し、3378人から回答を得た。男女の地位の平等感を職場や家庭などに分けて比較すると、学校では63.9%が「平等」と答えたが、家庭では39.7%、職場では24.5%、政治の場では19.0%とばらつきが目立った。

 男性が優遇されている原因(複数回答)としては「企業中心の日本社会を支えるのは男性という意識が強い」(62.1%)と、「男女平等を進めていこうという男性の意識が薄い」(30.3%)が前回調査と比べいずれも10ポイント近く上昇した。女性の人権が尊重されていないと感じること(複数回答)は「痴漢行為」33.6%、「職場のセクシュアル・ハラスメント」27.5%、「家庭内での夫の暴力」27.5%などだった。

日本学術会議、女性会員増員に向け目標値設定へ

2:09p.m. JST April 22, 2000
 「科学者の国会」ともいわれる日本学術会議(吉川弘之会長)は、210人中2人しかいない女性会員を増やそうと、6月の総会で女性比率の目標値を定める方針を固めた。「10年後に10%」という案で調整中。現在進んでいる次期会員の選出でも女性選出に配慮するよう所属学会に求めている。

 学術会議は、科学者を代表する機関として1949年に設立された。現在、1356の学会などが所属、その傘下に約70万人の研究者がいる。分野ごとに180の研究連絡委員会(研連)にまとめられ、会員は研連単位で選出される。

 女性会員が登場したのは1981年から。一時は4人まで増えたが、現在は2人だ。事務局によると、海外の学術会議相当機関の女性会員比率は、米国が6.2%、フランスと英国が3.6%など。

 今期は特別委員会を置いて改善策を検討。女性枠を決めるなどの意見もあったが、目標値を定める案に落ち着いた。今年6月に決まる次期会員の選出に向けて、各学会などに対し、女性の推薦に配慮するように会長名で求めた。とくに複数選出できるところは、その中に女性を含むよう促している。

 ただ、現実は厳しい。会員で特別委員会幹事を務める原ひろ子・放送大学教授(文化人類学・ジェンダー研究)は「非常勤講師、常勤講師、助教授、教授とステップを上がるたびごとに女性比率が下がっている」と話す。

 さらに「ほとんどの研連では1人を選ぶ『小選挙区制』なので、女性はどうしても不利になる。現在の選出方法を変えない限り、女性を増やすのは難しい」と、会員の岩槻邦男・放送大学教授(植物学)は話す。

女性への暴力対策をとりまとめ 男女共同参画審議会

8:52p.m. JST April 21, 2000
 男女共同参画審議会(首相の諮問機関)の「女性に対する暴力部会」(部会長・島野穹子つくば国際大教授)は21日、女性への暴力対策を中間的にまとめて発表した。夫やパートナーから暴行を受けた人の4%しか公的機関に相談しない現状などを踏まえ、相談しやすい環境づくりや、ケア体制の充実のほか、総合的な対応を盛った法的措置を検討すべきだとの意見も盛った。今夏に最終答申をまとめる。

 「ドメスティックバイオレンス」として社会問題化している夫やパートナーの暴力への対策として、被害者を一時保護する体制の充実や、加害者への接近禁止の仮処分などをすばやくとることの必要性を指摘。また、強姦罪や強姦致死傷罪の法定刑が軽すぎるとの議論や、「被害者の意思に反すること」を要件に強姦罪が成立するよう改めるべきだとの意見も記した。

医師国家試験合格者、初めて女性が3割超える

7:46p.m. JST April 20, 2000

 厚生省は20日、2000年医師国家試験の合格者を発表した。合格者は7065人。うち女性は2160人、全体の30.6%となり、初めて3割を超えた。

 合格率は79.1%で、昨年比5.4ポイント減。1982年(71.4%)以来の低さだった。厚生省は「得点の高い人と低い人の差が大きかったことや総合的知識を問う出題が増えていることが原因でないか」(医事課)とみている。

 国立43校の平均合格率は82.4%、公立8校は84.7%、私立29校は73.8%だった。女性の合格率は84.5%で、男性を7.6ポイント上回った。

新任検事69人に辞令 女性検事、初めて1割超える

6:45p.m. JST April 04, 2000
 司法修習を終え、新しく検事に任官した69人への辞令交付式が4日、法務省であった。平均年齢は26.7歳で、うち女性は16人。女性検事の総数は過去最多の148人となり、初めて検事全体の1割を超えた。大型脱税やオウム真理教などの事件をきっかけに、早くから検事を志望する人が増えているといわれ、「被害者の心情に配慮できる検事になりたい」と話す人が多いという。

 白井美果さん(24)は、友人が犯罪の被害者になったことが志望の動機という。「友人が苦しむ様子を目の当たりにして、何もできない自分の無力さを感じた。検事になったら、被害者を全力で守りたい」と語る。小島健さん(28)は、私鉄の駅でアルバイト中に地下鉄サリン事件が起き、営団地下鉄の職員2人が死亡したのがきっかけだった。自分が被害者になっていたかもしれないと、怒りと恐怖を感じたという。

女性地方議員は3872人

2000年3月24日 18時59分
 自治省が24日発表した調査結果によると、昨年末現在での全国の女性・市区町村議は、前年より743人増の3714人で、女性の都道府県議も同59人増の158人と、それぞれ大幅に増えた。計3872人で地方議員全体では割合は6.2%(前年は4.9%)とまだ低率だが、昨年4月の統一地方選や今年2月の大阪府知事選など、最近の選挙での女性の躍進ぶりがあらためて浮き彫りとなった。

男女参画推進条例が成立

2000年3月21日 13時05分
 埼玉県議会は21日、夫や恋人からの「ドメスティック・バイオレンス(DV)」などの女性に対する暴力や、セクハラなどの苦情、相談を受け付ける第三者機関の設置などを盛り込んだ「男女共同参画推進条例」を可決した。条例の施行は4月1日からだが、第三者機関の設置と受け付け開始は10月1日の予定。

日航男女昇進差別調停で女性側が調停案の受託を拒否

8:21p.m. JST March 13, 2000
 日本航空の女性客室乗務員25人が昇格をめぐる女性差別を訴え、男女雇用機会均等法にもとづいて申請していた調停で、申請人側は13日、先に勧告された調停案の受託を拒否すると労働省の東京機会均等調停委員会(若菜允子会長)に回答した。

 調停委は先月勧告した調停案の中で、申請人と日航との紛争の原因は、同社が1996年に導入した「能力成果主義」の新人事制度にあると判断。「申請人たちは、経験重視の旧制度であれば数年後の昇格が期待できたため、新制度に不満を持ち、両者の関係が悪化した」などとして、日航側には考課結果などの十分な説明を、申請人側には制度に沿った実績をあげる努力を求めていた。

 勧告を拒否した理由について申請人側は「現在の昇格制度と考課によって女性差別が生じている。調停には制度と考課の是正を求めたのに、調停案は制度・考課の合理性について判断を避けて現状を是認している」などとしている。

農水省、農山漁村の女性の地位向上策を「助成」条件に

01:38a.m. JST November 28, 1999
 農山漁村の女性の地位を高めるため、農水省は、その地域の女性が農家の経営や農村のまちづくりに参加しているかどうか、といった点を、補助事業を認可する際の条件にする方針を決め、新しい指針をつくった。都市部に比べ、農村では「女性の役割が固定化し、男性の補助者とみられる傾向が強い」(同省)うえ、個人の努力だけでは解決が難しい。このため、補助金をてこに女性の経営や社会参加を促すことにした。

 農水省は現在、農家などを対象に、夫婦間などで労働条件や経営への参加、報酬・給与の額などを文書で決める「家族経営協定」を締結するよう呼びかけている。指針では、協定締結について、地域ぐるみで積極的に取り組んでいるかどうかをチェックする、としている。また、市町村の審議会などに女性を一定割合で起用しているか、とか、補助を受けたいとする事業に女性の参加を明確化しているか、なども基準とし、達成が見込まれる自治体などに優先的に助成する。

 このほかに、農水省の審議会で女性委員の割合を30%に引き上げることや、地方農政局に委員会をつくり、女性政策の実効性を点検することも盛り込んでいる。

法改正後、職場の変化は

1999年11月21日 9時59分 共同通信社
 改正男女雇用均等法が4月に施行されて職場は変わったのか−。女性ユニオン東京などは27日、女性たちの労働相談に電話で応じる「働く女性のホットライン」を東京都内で開設する。

 女性ユニオン東京によると、改正法は女性差別を禁止したが、女性がリストラの影響を真っ先に受けて解雇されたり、労働条件が下がるなどの相談が増えているという。

社会参加拡大をアピール

1999年9月5日 20時42分 共同通信社
 全国9県の女性副知事のうち7人がそろい、女性の社会進出などを話し合う、「女性副知事サミット」が5日、福岡市で開かれた。主婦を中心とした聴衆約1400人を前に、7人は「地方行政の政策、方針決定における女性の参加拡大を図り、活力ある地域づくりに努める」とのアピールを読み上げた。

 サミットは「男女共同参画社会基本法」が六月に成立したのを受け、福岡県が企画した。

99統一選、女性の地方議員は6%弱に 市川記念館試算

09:51a.m. JST August 29, 1999
 女性の政治参加などを支援している市川房枝記念会の試算で、地方議会の女性議員は、今春の統一地方選挙の結果、6%弱まで増えたことがわかった。女性の当選者数が過去最高だった統一地方選を経て、一気に2ポイント近くも増え、衆議院の5.0%を追い越したが、17.1%の参議院にはまだ及ばない。

 同会の調査では、今年の統一地方選挙では、議員に計2381人の女性が当選。4年前の約1.4倍で、過去最多だった。特に44道府県の議員選挙では、女性の候補者、当選者ともほぼ倍増し、136人が議員になった。前回は3県で女性候補が出なかったが、今回は全道府県で立候補。唯一女性県議のいなかった愛媛県でも一挙に3人が当選、女性議員がゼロの都道府県は10から3に減った。

 このほか、政令指定市議に117人、一般市議に1084人、東京の特別区議に177人、町村議に867人が当選した。町村議は、町村合併が進む前で定数が非常に多かった1947年と51年に女性の当選者が600−700人台だったこともあるが、その当時をも大きく上回った。

 全体の当選者を党派別にみると、無所属が40%近くを占めて最多。共産が31%、公明17%、と続いた。

 統一地方選挙で改選されたのは、全自治体の約半数。正確な数字は調査中だが、自治省の地方議員調査で昨年末現在の女性議員が3070人だったのをもとに、今春の選挙結果や改選率を使って試算すると、全地方議会の女性議員は約3700人で、全体の5.8%前後を占める結果になるという。これまでの調査では、87年2.1%、91年3.1%、95年4.1%。4年ごとに1ポイント程度増えてきたのが、今回は2ポイント近くも一度に増えた。

 調査、試算を担当した同会の久保公子事務局長は、今回は女性の立候補自体が多かったことをあげて、「女性がスタートラインに立てるようになった。着実に女性議員が増えて活動が見えるようになり、立候補しようと思う女性も、女性に投票しようと思う人も増えたはず。まだ女性議員がゼロや1人の地域も多いので、さらに増える可能性はある」と話している。

 今春の統一地方選挙の首長選では、一般市長2人と、町長1人に女性が当選した。

日航の山本さんが初飛行

1999年8月22日 16時39分 共同通信社
 日本航空の山本庸子さん(27)が国内では女性として2人目のジャンボ機の副操縦士に昇格し、定期路線のパイロットとして22日、乗客を乗せて初めて飛行した。

 この日、午後2時40分羽田発福岡行き367便で乗務を始めた山本さんは「緊張感でいっぱいですが、安全運航を心がけたい。(女性であることは)何も意識してません」と話していた。

「男女共同参画基本法」が成立

6:16p.m. JST June 15, 1999
 男性と女性が対等な立場で社会や家庭での活動に参加することの、基本的な理念などを盛り込んだ「男女共同参画基本法」が15日の衆院本会議で可決、成立した。

 基本法は、男女共同参画社会の実現に向けた基本理念として、▽男女の人権を尊重する▽社会の制度や慣行によって男女を区別しないように配慮する▽国や地方自治体の政策立案に男女が参加する機会を確保する――などを列挙。また国に対し、男女共同参画社会づくりに向けた施策を毎年国会に報告することや、長期的な基本計画を策定することを義務づけている。

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