TOPIC No.2-108 アジア欧州会議(ASEM)

01.アジア欧州財団(Asia-Europe Fundation:ASEF)
02.アジア欧州会議(ASEM)タスクフォース by IIMA(財)国際通貨研究所
03.アジア欧州会議(ASEM)
04.アジアと欧州のパートナーシップ ASEM(アジア欧州会議)

中国で初のASEM開幕 金融安定の枠組みづくり

2008年10月24日 中国新聞ニュ−ス

 【北京24日共同】アジア、欧州の計45の国と機関が加盟するアジア欧州会議(ASEM)首脳会議が24日、北京で開幕した。世界的な金融危機下での開催で、初日は金融問題について集中的に討議する。25日まで2日間の日程。

 11月15日にワシントンで開かれる金融危機対策のための緊急首脳会合(サミット)を控え、会議では、アジアと欧州の首脳が新たな金融安定の枠組みづくりへ向け積極的に役割を果たす姿勢を示す見通しだ。

 日本からは首相として初訪中となる麻生太郎首相が出席。欧州からはフランスのサルコジ大統領、ドイツのメルケル首相らが参加。首脳会議は2年ごとに開かれており今回が7回目。中国での開催は初めて。


ASEMは変身を 米への「ご意見番」務めよ 森忠彦(ブリュッセル支局)

2002年10月01日 Mainichi INTERACTIVE
 ◇枠組みの特徴生かし

 アジア欧州会議(ASEM)の第4回首脳会議が、9月にコペンハーゲンで開かれた。議題の一つとなった朝鮮半島問題では、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を訪問したばかりの小泉純一郎首相にスポットが当たり、全体会合や2国間会談のたびに、歴史的な訪朝に称賛の声が相次いだ。発足6年目。しかも隔年でしか首脳会議を開かないASEMが、前回会議で高まった朝鮮半島安定への努力を一歩進めた、成果を評価したい。しかし、国際社会の緊要課題になった「米国の一国主義(ユニラテラリズム)」に、なんらメッセージを打ち出せなかったことに物足りなさを感じた。

 欧州15カ国、アジア10カ国で構成するASEMは、96年当時、世界の「経済成長センター」といわれた東南アジアへの接近を図る欧州側の提案で発足した。東南アジア諸国も「かつてアジアを植民地支配した欧州と対等の立場で意見を交換できる場」と歓迎した。

 ところが、翌年、タイ・バーツ暴落に端を発したアジア通貨危機によりアジア経済は失速、欧州側の目的は変更を余儀なくされた。そこで、クローズアップされたのが、冷戦構造が残る朝鮮半島情勢だった。

 今回の会議で議長を務めた欧州連合(EU)議長国デンマークのラスムセン首相は「一体、我々は何ができるのか。正直言って、開会前はいささか懐疑的だった」と本音を漏らした。裏方を務めたブリュッセルの欧州委員会も開会前、「話題がない会議」の盛り上げに頭を悩ませていた。それだけに突然の小泉訪朝は、干天の慈雨のような存在だったといえよう。

 会議は、テロ対策とイラク問題も主要課題だった。首脳たちの関心は当然高く、特に米国が進めているイラク攻撃問題にはかなりの時間を費やした。英国など一部を除く大半の国が米国の姿勢に批判的だったが、ASEMの立場として議長が「多国間交渉と国連重視」との統一見解を記者会見で伝えただけで、議長声明では「イラク情勢も議論した」の表記にとどまった。

 なんと遠慮深い首脳たちだろう。私には、あまりにも奥歯に物がはさまった、もっと悪くいえば「米国を恐れ、物も言えない同士の慰め合い」という印象がしてならなかった。

 ASEMの最大の特徴は「米国が入らない有力な国際社会の枠組み」という点である。主要国首脳会議(G8)やアジア太平洋経済協力会議(APEC)、北大西洋条約機構(NATO)、国連という枠組みの中では、圧倒的な米国の影響力が前面に出てしまう。

 その点、ASEMは米国の関与がなく、総計20億人以上の人口を持つアジア、欧州のリーダーたちが率直に意見を交換できる絶好の場なのである。参加国には英仏独もいれば、日本も中国もいる。「米国抜き」は、決して「米国について語ってはならない」というわけではないのだ。

 米国には直接言いにくいことを論じ、それを同じ地球に生きる者の多数意見として国際社会に提示すべきではないのか。ASEMこそ、世界のリーダーである米国の独断や独走を、客観的で公平な立場から指摘し、それを是正できる「ご意見番」になるべきだと思う。

 ブッシュ政権になって以降、政治や経済、軍事などあらゆる面で米国の一方的な外交が、目に余るようになっていることは、国際社会の多くが感じている。米国と歴史的なつながりが深い欧州でも、一般市民の中には「米国の高慢さ」への不信感は相当に強まっている。米国が気付かない間に、世界中に反米感情が広まっている、と感じる。

 今後の国際社会では、多民族間で、相互の価値観を認め合いながら、地球規模の問題を話し合ってゆく必要がある。そこで重要な役割を果たすのは、戦争で傷つき、弱者になった経験がある欧州とアジアだ、と思う。

 世界中から移民が集まった米国にもそうしたメンタリティーがあったはずだ。しかし、冷戦崩壊による独り勝ち状態の下で、ブッシュ政権の銃を突きつけながら、平和を唱えさせるような外交政策では他国の人たちの心は離れてゆくばかりだ。

 04年のハノイ首脳会議に向け、ベトナムと日本が共同議長を務める。どちらも米国相手に戦争を経験した国だ。戦争の目的や時代は異なるものの、共に平和の大切さを知っている国である。物おじせず、米国へのご意見番を務めるASEMへの変身を図ってほしい。

温家宝副総理、アジア・欧州の環境協力に4つの提案

2002年1月18日「人民網日本語版」
アジア欧州会議(ASEM)環境相会合が17日、北京で開かれた。国務院の朱鎔基総理は会合の開催を祝うメッセージで「中国政府は環境保護を重視し、環境保護政策を基本国策に持続的発展戦略を実施している」と強調。「中国は発展途上国であるとともに、環境大国でもあり、中国の環境問題を解決することは世界の環境保護対策にとって大きな意義がある」とし、環境問題の解決に努力していく考えを示した。

また会合に出席した温家宝副総理は「先進国の長期的発展は世界の環境に大きな影響を与える。先進国には経済的にも技術的にもさらなる環境保護義務を負う責任と能力がある。先進国はその優位性を生かし、途上国の環境問題解決を積極的に支援していかなくてはならない」と述べ、環境保護分野における先進国の役割を指摘。そのうえで「発展途上国は経済発展を推進するうえで、環境保護対策を強化し、経済発展が環境に与える影響をできる限り抑制していく必要がある。アジアと欧州の国々による環境保護と持続的発展の協力には大きな可能性があり、各国の利益に合致するだけでなく、世界の環境問題の解決にも大きな影響を与える」と指摘した。

温副総理はアジアと欧州の環境協力について、中国政府を代表して次の4つの提案を行った。

(1) ASEM環境協力パートナーシップを樹立し、相互尊重、相互学習、平等互恵、相互補完関係を実現する。

(2) 環境協力と経済協力を結び付け、環境協力を通じて両地域の持続的発展を推進する。

(3) 環境協力において各国の歴史や経済・社会発展レベルの差異を考慮し、各国の実益や世界の長期的利益を総合判断する。

(4) 環境保護における技術や管理、産業などの分野で実質的協力を行い、アジア・欧州の環境協力のレベルを高める。

温副総理は「中国は責任ある大国であり、世界の環境問題の解決に対して積極的に取り組んでいる」と述べ、国際環境協力にこれまで通り努力していく考えを表明した。

管理変動相場を検討 ASEM財務相会議閉幕

2001.01.14(19:59)asahi.com
 神戸市で開かれていたアジア欧州会議(ASEM)の財務相会議は14日、アジア新興国の通貨安定策として、対米ドル固定相場への反省から、ユーロや円などの変動要素も加味した管理変動相場を検討する、とした議長声明を採択し、2日間の日程を終了した。同声明では、欧州の経済統合のノウハウを、アジア地域で学ぶための共同研究「神戸リサーチプロジェクト」を年内にスタートさせることに合意。アジア・欧州間の経済協力態勢を一歩進めた。

 議題の中心は、1997年のアジア通貨危機を再現させないための各国の通貨制度整備策だった。日本とフランスが、ドルだけでなく、円やユーロも含めた「通貨バスケット」という仮想通貨を設定し、それぞれの自国通貨を連動させる制度を提案した。これを念頭に議論した結果、新興国の為替制度について、対ドルだけの変動相場制とせず、完全な変動相場制でもない「中間的な制度」の導入を検討することを声明に盛り込んだ。

 また、日本政府が提案して合意した「神戸リサーチプロジェクト」は、欧州・アジアの各国政府に、民間のシンクタンク、企業を加えた共同研究機構を設定し、アジアでの地域協力のあり方を探ろうという構想。ここで、アジアに適した為替相場制度についても、検討する。その結果は、来年デンマークで開かれる次回会議に報告される。

 また、欧州がアジアへの技術協力の一環として、世界銀行内に設けているASEM信託基金の増額についても合意した。

米経済減速への対応協力で一致 ASEM財務相会議開幕

2001.01.14(01:24)asahi.com
 アジアと欧州の財務大臣が集まる、アジア欧州会議(ASEM)の財務相会議が13日、神戸市で始まり、米国景気の減速がアジア経済に与える影響に強い懸念を示し、それを最小限に抑えるために協力しあうことで一致した。また、アジア各国の通貨が米ドルの動向の強い影響を受けていることが、通貨危機を招いたとして、日本などが、ドル以外の通貨と連動するアジアの為替相場制度を共同で提唱。アジアの通貨安定に向けた協力姿勢をアピールした。会議は14日に議長声明を採択して終了する。

 会議では、米国の景気減速が、特に、韓国やマレーシアなど、情報技術(IT)関連の輸出を軸に回復してきた国に与える影響が大きいとの認識で一致した。1997年の通貨危機で落ち込んだアジア経済の回復基調については認め合ったものの、昨年後半から、米国の株価下落などを受けて再び減速する懸念が強まっていることを裏づけた。

 議長を務めた宮沢喜一財務相は会議冒頭で、「アジアでは通貨危機の発生を防止するとともに、より強固な経済安定を確保するための地域協力に努力している」と述べた。また、日本経済に、アジア経済のけん引役となれるよう早期の景気回復を求める声が相次いだのに対し、宮沢財務相は引き続き景気回復を最重要視する姿勢を示した。

 会議では、通貨危機対応だけにとらわれない、安定的な経済成長に向けた為替相場制度のあり方についても議論された。日本とフランスが、アジアの新興国を対象に、ドル以外の通貨にも連動する「通貨バスケット」制度を提唱。これに関連して、国際通貨基金(IMF)のケーラー専務理事が「(昨年5月に東アジア地区で合意された)通貨スワップ協定を歓迎したい」と述べた。

アジア欧州財務相会議、神戸で始まる

2001.01.13(16:07)asahi.com
 アジアと欧州の財務大臣らが集まるアジア欧州会議(ASEM)の財務相会議が13日午後から、神戸市内のホテルで始まる。3回目となる今回は、米国の景気減速の影響で、再び不安感が高まるアジア経済の先行きに対し、新たな域内協力のありかたを、欧州の「知恵」も借りて模索する場となる。最近の米の株安や原油高の傾向が、アジアや世界の経済に与える影響などについても議論される見通し。会議は、14日午後に日本の宮沢喜一財務相が議長声明を発表して終了する。

 今回の会議には、日本、中国、韓国、それに東南アジア諸国連合(ASEAN)のうち7カ国(ブルネイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナム)のアジア側に、欧州連合(EU)加盟の15カ国と欧州委員会が加わる。会合に先立ち13日午前、宮沢財務相は、韓国の陳稔(ジン・ニョン)財政経済相らとの2カ国間協議もおこなった。陳財政経済相は「昨年は9%の経済成長だったが、第2四半期以降はスローダウンする兆候にあり、今年はやや下回る」と韓国経済の今後の見通しを示した。

 ASEM初日の会合は、1997年の通貨危機後、情報技術(IT)関連の対米輸出で持ち直してきたアジア経済に、最近の米景気の減速がどんな影響を与えていくのか、などを軸に議論される予定。域内共通通貨、ユーロ導入後の欧州経済の現状についても、意見を交換する。また、新興国の為替制度のあり方などについて、国際通貨基金(IMF)のケーラー専務理事が見解を述べる。

 14日は、中長期的な展望に立った、アジアでの地域協力のゆくえがテーマとなる予定。欧州側の経済地域統合の経験をアジアに生かすとの観点から、共同研究プロジェクトの立ち上げで合意する見通しだ。

 ASEMは、世界経済の成長拠点としてアジアがもてはやされていた96年に、「アジアと欧州が対等な立場で話し合う」として初の首脳会議が開かれた。財務相会議は通貨危機に直面した97年にタイで最初に開かれ、99年には発足したユーロの動向をテーマにドイツで行われた。

アジア欧州会議財務相会合の議題固まる 13日から開催

2001.01.03(03:08)asahi.com
 13日から神戸市で開かれるアジア欧州会議(ASEM)財務相会合の議題が固まった。通貨危機の再発を防ぐための為替制度や、欧州の事例を参考にした地域協力のあり方など、アジア地域の安定成長に向けた中長期的な取り組みがテーマになる。両地域間の関係強化の一環として、共同研究プログラムの立ち上げや、アジアの経済構造改革のため欧州が拠出している「ASEM信託基金」の増額も決める見通しだ。

 1997年9月の第1回会合では、通貨危機への緊急対応がテーマとなり、その後とん挫したアジアでの通貨基金構想なども浮上。99年1月の第2回はユーロ通貨発足に合わせ、円、ユーロ、ドルの為替変動幅を一定内におさめる「目標相場圏」の是非が注目を集めた。差し迫った経済情勢にない今回は、中長期的な展望について各国が自由に議論を交わす会合となる。

 為替制度については、固定相場、変動相場、その中間の管理フロート制のそれぞれについてメリット、デメリットを検証。各国が金融・資本市場の自由化をどの程度進めるべきか、といった視点も加味して多角的に議論が交わされる見通しだ。

 日本は、ドルに連動した固定相場制度がアジアの通貨危機にむすびついたとの反省から、貿易量に応じて複数の通貨に連動させる「通貨バスケット」の導入を呼びかけてきた経緯があるが、各国の考えが多様化していることから、今回は異なる制度を前提にした議論になる。

 一方、地域協力の面では、資本・金融市場、通貨の統合を実現した欧州の経験をアジアに生かすため、各国が資金を拠出して共同研究を行う「神戸リサーチプログラム」を立ち上げることで合意する。各国のシンクタンクに研究を委託し、政策担当者を交えた会合を定期的に開くもので、「開かれた地域主義」を構築するための理論づくりを目指す。

 また経済統計の整備など技術協力のための原資として、欧州が98年にASEM信託基金(約4500万ドル)を世界銀行内にもうけたが、今回、新たに増額される。

第3回アジア欧州会議(Third Asia-Europe Meeting:ASEM3 SEOUL2000)

国際犯罪や情報格差是正で協力 ASEM閉会

2000.10.21(12:30)asahi.com
 ソウルで開かれているアジア欧州会議(ASEM)第3回首脳会合は21日、社会・文化分野の地域間協力について話し合った後、2日間の討議内容をとりまとめた議長声明と中期的な活動指針の「アジア欧州協力枠組み2000」を採択して閉会した。両文書は、ともにさまざまな分野で急速に進むグローバル化が、国際犯罪や情報格差(デジタル・デバイド)といった負の側面を持つことへの危機感をにじませ、両地域の協力の必要性をうたっている。次回の首脳会合は、2002年にデンマークで開く。

 社会・文化分野の首脳討議では、両地域の人的交流を進めて互いの理解を深める方策などを話し合った。この後、アジア・欧州25カ国と欧州委員会の首脳らは議長声明と「協力枠組み2000」を採択し、閉会式に臨んだ。議長国・韓国の金大中大統領は「今回の会合は21世紀の『繁栄と安定の同伴者』としての両地域の関係を一段階高めた」と評価した。

 議長声明は、最近の国際情勢に触れて、石油価格の高騰に対する懸念、朝鮮半島の一連の緊張緩和への取り組み、東ティモールの安定の回復と国家建設への支援の必要性などを表明。中東和平について、イスラエルとパレスチナ首脳の暴力停止合意の実行を求める一文を盛り込んだ。

 このほか、政治・安保分野では不法移民や国際テロ、麻薬密輸などの国境を越える犯罪への対応、経済分野ではデジタル・デバイド是正や国際金融システムの強化などの必要性を強調した。

 「協力枠組み2000」も、グローバル化、情報技術(IT)、電子商取引(eコマース)などを「新たなる挑戦」と位置づけ、協力して取り組むことをうたった。これまで基準があいまいだったASEM参加国の拡大問題については、「参加希望国のASEMへの貢献能力を検討し、希望国が属する地域の支持をとりつけたうえで全参加国の全会一致の承認を必要とする」と定めた。

ASEM反対デモ、機動隊と衝突 違反者は「重罰」

2000.10.21(01:17) asahi.com
 ソウルで開会したアジア欧州会議(ASEM)第3回首脳会合の本会議場近くで20日、経済のグローバル化などに反対する労組員や学生らが大規模なデモを実施し、機動隊と激しく衝突した。20、21両日は一般車の通行を規制し、違反車には1回につき罰金5万ウォン(約5000円)を科す厳戒ぶりで、過剰警備に批判も出ている。

 アジア・ヨーロッパの首脳と欧州委員会が参加するASEMは韓国建国史上最大の外交行事で、金大中大統領も「外交のオリンピックだ」と表現した。最近の国際会議で非政府組織(NGO)の過激な活動が目立つため、ASEM参加国高官らは事前に内外の約150団体で構成された「ASEM2000ピープルズフォーラム」と協議し、ASEMが必ずしもグローバル化を推進するわけではないことなどを伝えていた。

 しかし、いざ会議が始まると労組や学生らが2000人以上集まり、車道に乗り出して「ASEM開催反対」を叫ぶデモを始めたため機動隊と衝突。デモ隊の数人が負傷した模様だ。その後の集会には約1万人が加わった。

ユーラシア情報網の具体化を検討へ ASEM首脳会合

2000.10.20(23:22)asahi.com
 アジア欧州会議(ASEM)の第3回首脳会合は20日午後から経済問題の討議に移り、アジアと欧州を高速通信網で結ぶ「ユーラシア横断情報網」の実現に向け、本格的な検討作業に入ることを決めた。また、情報技術(IT)の発達とともに生活水準の格差が一気に広がる傾向(デジタル・ディバイド)でも意見交換。議長の金大中・韓国大統領は「21世紀は自由競争による活性化だけでなく、立ち遅れた地域を助けることで、地球的に繁栄を分かち合うことが必要だ」とまとめた。

 「ユーラシア横断情報網」は、金大統領が提唱した。欧州連合(EU)の欧州横断情報網と韓国の通信網をまず接続、アジア各国に順次のばし、通信、環境、農業などの分野で共同研究に役立てる。ASEMは2001年3月までに、韓国で初の専門家会合を開く。

 また、アジア経済危機を教訓に1998年のロンドン首脳会合で創設し、韓国など7カ国が使っているASEM信託基金(約4500万ドル)の期限を、予定の2001年末から延ばすことでも合意した。来年1月に神戸で開く蔵相会合で、延長幅などを協議する。

 一方、中国とベトナムは、世界貿易機関(WTO)に早く加盟できるよう国内改革を急ぐことを表明した。さらに、アジア産品の輸出に響くユーロ安では、欧州側が「景気は上向いている。ユーロはいずれ基軸通貨として、世界経済で大きな役割を果たすようになる」と釈明に追われた。

「北朝鮮のASEM参加意思表明はなし」 議長国の韓国

2000.10.20(21:12)asahi.com
 アジア欧州会議(ASEM)の参加国拡大問題で、議長国・韓国の崔英鎮・外交通商省外交政策室長は20日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)からは今のところ、参加の意思表明はない、と明らかにした。同室長によると、「公式、非公式を含め20カ国あまりからASEMへの参加申請が出ている」という。

河野外相、ソウルへ出発/ASEM首脳会議の会合出席

2000.10.18 The Sankei Shimbun
 河野洋平外相は十八日夕、アジア欧州会議(ASEM)首脳会議の閣僚準備会合出席のため、成田発のユナイテッド航空機でソウルに向け出発した。中国、英国などとの外相会談も行い、二十日に帰国する予定。

政治・経済・文化で対話推進を採択へ アジア欧州会議

2000.10.17(03:02)asahi.com
 アジア10カ国と欧州連合(EU)、欧州委員会が参加し、協力体制を話し合うアジア欧州会議(ASEM)の将来のあり方を定める「アジア欧州協力枠組み2000」の草案の内容が16日、明らかになった。国境を越える犯罪への対応や国際金融システムづくりなど、各分野で広がる急速なグローバル化を強く意識した内容になっている。草案は20日からソウルで開かれる第3回ASEM首脳会議で最終的な検討が加えられ、採択される。

 朝日新聞が入手した草案によると、21世紀のアジア欧州関係として、「包括的で未来志向のパートナーシップ」を築いたうえで、政治、経済、社会・文化・教育の3分野での対話と協力を進めるとしている。「新たな挑戦」として、グローバル化、情報技術(IT)、インターネットを使った商取引「eコマース」などを挙げている。

 政治対話の分野で取り組むべき問題として(1)兵器管理、軍縮、大量破壊兵器の不拡散(2)女性、子どもの福祉向上(3)環境破壊(4)マネーロンダリング、不法移民、人身売買、国際テロ、麻薬などの国境を越えた犯罪(5)人種差別、排他主義――などを列挙している。

 経済では、貿易・投資分野で世界貿易機関(WTO)の精神に基づく開かれた多国間貿易システムの強化と双方向の貿易・投資の流れの確立、財政・金融分野では、国際金融システムづくりに関する対話や監視体制の構築などをうたっている。

 さらに教育部門での人材、情報交流の活発化にも重点を置いている。

 韓国の李廷彬・外交通商相は10日、記者会見し、今月20日から2日間、ソウルで開かれるアジア欧州会議(ASEM)首脳会合で「韓(朝鮮)半島平和に関するソウル宣言」が採択される見通しだと述べた。宣言には、6月の南北首脳会談の結果と南北共同宣言の履行に対する支持、南北関係進展のためのASEMの寄与などが盛り込まれるという。

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