TOPIC No.2-105 非拘束名簿式

非拘束名簿式、党名記載要件に野党共闘目指す 菅幹事長

2001.01.05(23:21)asahi.com
 民主党の菅直人幹事長は5日の記者会見で、参院選比例区に導入される非拘束名簿式の投票について、政党名の記載を要件にするよう改める公職選挙法改正案を、通常国会冒頭に野党共同で提出したい考えを示した。(1)政党名(2)政党名と個人名の両方、を記した場合をそれぞれ有効とする内容で、自由、共産、社民各党に同調を呼びかける。

供託金没収、得票でなく順位で左右 非拘束式の参院選

2000.10.29(23:59)asahi.com
 「5万票しか集まらず落選したが、600万円の供託金は戻り、ポスターやビラの製作費約660万円は国が負担してくれた」

 「こちらは50万票集めたのに、供託金は没収されて、選挙運動費用は全額自己負担だ」

 来年夏の参院選比例区で導入される非拘束名簿式では、落選者の間でこんな会話が交わされるかもしれない。供託金没収ラインが、各党ごとに「当選者数の2倍」とされており、この順位に入れないと、供託金が戻って来ないばかりか、国が負担するはずのポスターやビラの製作費用など約660万円も自己負担となるからだ。

 26日に成立した改正公職選挙法では、参院選比例区の候補者は、1人につきポスター7万枚、はがき15万枚、ビラ25万枚を作ることが認められた。これらの製作費などは「選挙運動の機会均等」などを目的とする選挙公営制度で、国が負担することになっている。

 候補者の陣営が請求書を中央選管に届けて、国が業者に費用を支払う仕組みだが、候補者の乱立を防ぐため、公営の対象者は立候補の際におさめる供託金(参院選比例区は1人につき600万円)を没収されなかった人に限定されている。

 今回の法改正では、参院選比例区の供託金没収ラインの見直しは行われず、「各党ごとに当選者数の2倍」という拘束名簿式時代の規定をそのまま引き継いだ。5人当選の場合、2倍の10人までが「救済」される。得票数よりも、党内の順位で明暗を分けることになる。

 参院選の選挙区にも同様の制度があるが、没収ラインは、得票が「有効投票総数を選挙区の定数で割った数の8分の1」に達しなかった場合と定められている。このため、同じ選挙区で得票の少ない人が優遇されることはありえない。

 新制度では、各党とも政党の合計票を多くするため、できるだけ多くの候補者擁立を目指すと予想される。しかし、15人候補者を擁立して5人当選した政党と、5人しか候補者を立てられず1つの議席も獲得できなかった政党と、供託金没収は同じ5人分となる。自治省内には「規模の小さな政党は候補者数を抑制せざるを得ないだろう」との見方が出ている。

非拘束名簿式導入の改正案を衆院で可決、成立

2000.10.26(16:23)asahi.com
 参院選比例区に非拘束名簿式を導入し、参院定数を10削減する公職選挙法改正案は、26日午後の衆院本会議で採決され、自民、公明、保守の与党3党などの賛成多数で可決、成立した。民主、自由、共産、社民の野党4党は反対した。新制度は来年夏の参院選から適用され、比例区は個人名でも政党名でも投票できるようになる。

 野党側は、同日午前、「政治倫理確立・公選法改正特別委員会で、与党の数の横暴により強行採決された公選法改正案を採決するための本会議を強引に設定するなど、中立・公正である委員長の職責に反した」などとして、藤井孝男・衆院議院運営委員長の解任決議案を提出した。本会議ではまず、解任決議案が議題にされ、与野党が賛否の討論をした後、採決。与党などの反対多数で否決後、公選法改正案が賛否討論をして採決された。

非拘束法案を衆院特別委で可決 26日成立へ

2000.10.25(18:41)asahi.com
 参院選比例区への非拘束名簿式導入と参院定数10削減を盛り込んだ公職選挙法改正案は25日午後1時から、衆院政治倫理確立・公職選挙法改正特別委員会(自見庄三郎委員長)で、野党推薦の参考人からの意見聴取、質疑が行われた。与党側は「参考人質疑が終われば採決の環境は整う」として、同日夕、与野党の質疑終了後に採決、賛成多数で可決した。同改正案は26日に予定される衆院本会議で可決、成立する公算が大きくなった。

 公選法改正案では、民主党が衆院に対案を提出しているが、与党は「参院で1回も審議に加わらず衆院で対案を出すのは、正当性、整合性がない」(古賀誠自民党国対委員長)と批判しており、審議されずに廃案になる見通しだ。

与党、非拘束法案を週内成立の構え

2000.10.24(00:38)asahi.com
 国会は23日、参院比例区への非拘束名簿式導入などを盛った公職選挙法改正案に対する質疑が、衆院政治倫理確立・公職選挙法改正特別委員会で野党側も出席して始まり、正常化した。民主、自由、共産、社民の野党側は「慎重審議」を求めているが、自民、公明、保守の与党3党は、あくまで週内に成立させる構え。朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の拉致疑惑をめぐる森喜朗首相の「打開案」発言や、中川秀直官房長官の右翼団体幹部との交友疑惑などもあわせて、激しい攻防が予想される。

 23日の特別委の質疑で、野党側は候補者個人への票が政党の票として合算される点を「票の横流し」などと指摘したが、与党側は「原則は比例代表制であり、有権者は党を選んで人を選ぶ」とかわすなど、議論は平行線をたどった。

 また、佐々木憲昭氏(共産党)は、財団法人「ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団」(KSD)関連団体による自民党費立て替え問題の解明が法案審議の前提だとして、古関忠男KSD前理事長と、関連団体から支援を受けていた村上正邦参院自民党議員会長の証人喚問を求めた。

 特別委は24日も同改正案の審議を続ける。与党は当初、24日中にも成立させる意向だったが、民主党が対案を提出したことなどから、26日にも衆院本会議で可決、成立をめざす構えだ。

民主が広域選挙区制導入案を提出 非拘束名簿式の対案

2000.10.23(20:13)asahi.com
 民主党は23日、参院選比例区に非拘束名簿式を導入する公職選挙法改正案の対案として、全国を複数に分けたブロックごとに候補者名を投票する「広域選挙区制」導入などを盛り込んだ公選法改正案を衆院に提出した。与党側は非拘束名簿式法案の週内成立を目指しているが、民主党は衆院政治倫理確立・公選法改正特別委員会でこの対案を含めて徹底審議するよう求める。

 民主党案は、現行の比例代表選挙の部分を広域選挙区制に変更するもの。複数の都道府県を「広域選挙区」とし、候補者名を投票することにより、得票数の多い順に当選を決める。さらに、比例区定数を10減らすとともに、人口の少ない県が人口の多い県の定数を上回る「逆転区」を解消するため鹿児島選挙区の定数を2減らすことも盛り込んでいる。2004年の参院選からの導入をうたっている。

 法案には、全国をいくつのブロックに分けるかは記載していないが、5ブロック程度を念頭に議論を進めてきた。同党は広域選挙区制について(1)旧全国区より候補者の選挙運動量や費用が少なく、地域性を考慮した候補者を選べる(2)拘束名簿式と違い、候補者個人の票が政党の票に加算される「票の横流し」がない――と利点を説明している。

国会21日ぶりに正常化 非拘束法案、衆院で審議入り

2000.10.23(15:46)asahi.com
 国会は23日午後、衆院政治倫理確立・公職選挙法改正特別委員会で、参院選比例区に非拘束名簿式を導入する公職選挙法改正案の審議が、民主、自由、共産、社民の野党側も出席して始まった。野党が審議を拒否していた「異常国会」は21日ぶりに正常化した。自民、公明、保守の与党側は、24日にも採決に持ち込みたい考えだが、野党側は「十分な審議」を求めて反発しており、流動的だ。国会正常化を受けて、その他の法案についても24日以降、順次本格審議が始まる。

 同特別委は、23日午後1時から、与党側による公選法改正案の趣旨説明後、与野党の質疑に入った。同法案で野党側が質問するのは初めて。これに先立って同特別委理事会で、24日夕にも2時間、質疑を行うことが決まった。また、民主党は、全国を複数のブロックに分け候補者名を投票することなどを柱とする対案を提出する予定だ。

 与党側は「参院の選挙制度改革であり、来年の選挙準備もあるため成立を急ぐ必要がある」として、24日の質疑後の採決を主張、遅くとも週内には本会議で可決、成立させる構えだ。

 一方、正常化にともない野党側は、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の日本人拉致疑惑をめぐる森喜朗首相の「打開案」発言、中川秀直官房長官の右翼団体幹部との交友疑惑、ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団(KSD)問題の「3点セット」を中心に、24日の衆院本会議、25日に予定される党首討論などを舞台に、政府・自民党を徹底追及する方針だ。

野党、非拘束法案で参考人招致などを主張 討論番組で

2000.10.22(18:59)asahi.com
 民主党の菅直人幹事長は22日、NHKの討論番組で、参院選比例区に非拘束名簿式を導入する公職選挙法改正案の衆院審議では参考人を招致するなど十分な審議時間を確保することを与党側に求めた。これに対し、自民党の尾身幸次幹事長代理は「あすでもあさってでも早急に法案を採決したい」と述べ、早期成立をめざす考えに変わりがないことを強調した。

 菅氏は、非拘束式に似ているとされる旧全国区を経験した人や、参院選挙制度改革を議論してきた参院各会派による協議会のメンバーを参考人に招くことを提案。さらに「対案を出し、議論を深める材料にしたい」と述べ、民主党が用意している広域ブロック式の公選法改正案の審議をするよう求めた。

 また、共産党の志位和夫書記局長と社民党の渕上貞雄幹事長は、衆院政治倫理確立・公選法改正特別委員会では、与野党双方が国会提出しているあっせん利得処罰法案の審議を公選法改正案に先行して審議すべきだと主張した。

国会、週明けから本格審議 党首討論は25日の見通し

2000.10.20(23:03)asahi.com
 参院選比例区に非拘束名簿式を導入する公職選挙法改正案をめぐって混乱が続いていた国会は20日、同改正案の参院通過を機に民主、自由、共産、社民の野党4党が審議に応じる方針に転じたことで、週明けから各法案の本格審議が始まる。ただ、公選法改正案は、与党側が23日の特別委員会での審議終了後ただちに採決し、24日の本会議で成立させる方針で、野党側は強く反発している。今国会初の党首討論が25日に開かれる見通しとなり、野党側はこの場などで中川秀直官房長官の交友疑惑やケーエスデー中小企業経営者福祉事業団(KSD)問題などを追及、攻勢に出る構えを見せている。

 焦点の公選法改正案は20日、衆院議院運営委員会が衆院政治倫理確立・公選法改正特別委員会への直接付託を決定。続いて開かれた同特別委理事会では、23日午後に趣旨説明と与野党の質疑をする日程を決めた。与党は24日の衆院本会議で成立を目指す姿勢を変えておらず、自民党の古賀誠国対委員長は20日夕、記者団に「参院選の準備もあり早期成立に全力を尽くす。23日の(特別委)採決を強くお願いしたい」と語った。

 一方、少年法改正案を審議している衆院法務委員会は20日の理事会で、週明けから審議を再開することで合意。24、25両日に質疑、27日に野党推薦の参考人の意見聴取と質疑をする日程を決めた。また、民主党は理事会で修正案を提示。与党は修正協議には柔軟に対応するものの今月中に委員会で採決する意向だ。

「非拘束式」、参院を通過 井上議長不信任案は否決

2000.10.19(21:33)asahi.com
 参院選比例区への非拘束名簿式導入と参院定数10削減を盛り込んだ公職選挙法改正案は19日午後、参院本会議で採決され、自民、公明、保守の与党3党などの賛成多数で可決、衆院に送られた。同改正案の撤回を求める民主、共産、社民、自由の野党4党は採決の際に退席した。これに先立って野党側は、井上裕参院議長の不信任決議案を提出したが、与党などの反対多数で否決された。与党は衆院での審議は最小限にとどめ、来週前半にも成立させたい考え。最大の対立法案である同改正案が参院を通過したことを受けて、野党4党は、衆院では基本的に審議に復帰する方向。「異常国会」は約3週間ぶりに正常化に向けて動き出した。

 今後の審議では、あっせん利得処罰法案、永住外国人地方選挙権付与法案などの重要法案の扱いが焦点になるほか、野党側は中川秀直官房長官の交友疑惑、ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団(KSD)関係団体の自民党費肩代わり問題などを審議を通じて徹底追及する構えだ。

参院の後任議長に井上元文相が内定

2000.10.18(21:16)asahi.com
 辞表を提出した斎藤十朗参院議長の後任の議長に、自民党の井上裕・元文相が内定した。19日の本会議で斎藤氏の辞任を許可し、井上氏を選出する。

 公選法改正案は週内に参院本会議で可決、衆院に送られる見通しだ。自民、公明、保守の与党側は来週中にも成立を図る構えだ。

 民主、共産、社民、自由の野党4党は議長選出の本会議には出席するものの、同改正案の本会議採決には反対している。

 参院議長交代という新たな事態を受けて、野党内には、国会審議に復帰し、中川秀直官房長官の右翼団体幹部との交友疑惑などを追及すべきだとの声が強まるなど、国会正常化を探る動きも出てきた。

 菅野副議長も議長とともに辞任する意向だったが、野党内には「副議長はあっせんにかかわっていない」などとして留任を求める声も出ている。

 一方、与党3党は18日夕の幹部協議で、後任議長に井上氏を内定。野党側は新議長の運営方針を見極めるとしているものの、同改正案の採決にはあくまで抵抗する構えだ。井上氏は内定後、同改正案採決への対応について「議長になった時点でお話しします」として、明言を避けた。

 また、民主党の鳩山由紀夫代表は、この日の記者会見で、中川官房長官の交友疑惑や、ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団(KSD)関連団体の自民党費肩代わり問題などについて「(審議が)再開されればあらゆる委員会で追及したい。極力早いチャンスをつかまえ、森内閣を不信任に追い込まないといけない」と述べ、早期に審議に復帰したうえでの疑惑追及に強い意欲を表明した。

斎藤参院議長が辞表を提出

2000.10.18(15:48)asahi.com
 斎藤十朗参院議長は18日、参院選比例区への非拘束名簿式導入などを盛り込んだ公職選挙法改正案をめぐる議長あっせんが不調に終わった責任をとって菅野久光副議長に辞表を提出した。国会の混乱の責任から参院議長が辞任するのは戦後初めて。菅野副議長も辞任する方向だ。19日にも本会議が開かれ辞任を承認、新議長が選出される。一方、公選法改正案は、新議長のもとで週内に参院本会議で可決、衆院に送られる見通し。民主、共産、社民、自由の野党4党は議長選出の本会議には出席するものの、同改正案の本会議採決には反対する方針だ。しかし、自民、公明、保守の与党側は同改正案の衆院での審議は最小限にとどめて来週中にも成立を図る意向だ。

 後任の議長には自民党の岡野裕氏、井上裕氏、岩崎純三氏、井上吉夫氏らの名前が挙がっている。

 斎藤議長は18日朝、自宅前で記者団に「あっせん案がのまれなければ責任をとる」と語った。

 斎藤議長が各会派の代表者に呼びかけた懇談会は同日午前11時から、与野党各党の参院代表、幹事長、国対委員長らが出席して開かれた。この席で議長は「私のあっせん案の調停は不調に終わった。あっせんは打ち切る」と表明。懇談会の直後、副議長に辞表を出した。

 同日午後の参院議院運営委員会理事会で、19日に議長辞任と新議長選任のための本会議を開く日程を決める。本会議では、議長辞任の承認が最優先議題となり、続いて新議長を自民党から選出する。さらに、新議長選出直後に与党議員が公選法改正案の採決を求める緊急動議を提出し、同日中に可決される可能性もある。

 これに関連して、民主党幹部は18日午前、「新議長選任の本会議はともかく、公選法改正案の採決に出るわけにはいかない」と述べた。新議長の運営方針を見極めるが、同改正案の採決にはあくまで抵抗する構え。新議長が採決を強行すれば「改めて責任を追及する」としており、新議長への不信任案を提出する可能性もある。ただ、今後も審議拒否を続けるかどうかについては、強硬論、柔軟論があり、足並みがそろっていない。

   ◇

 斎藤十朗参院議長は辞表提出直後の18日昼、国会内で記者会見し、「職を賭(と)したあっせん案が受け入れられなければ、権威が失墜したということだ」と辞任理由を説明した。さらに「国会運営で私たちが経験してきたことは、もう古いんだなとしみじみと思った。守旧派だな。最低限やってはいけない、最後は議長の言うことを聞くということが守られなかった」と無念の思いを語った。

 あっせん案の内容で事前調整しなかったことについては「事前に相談しても時間がかかってできない。いままでは与野党が煮詰めた結論を議長は読み上げるだけ、あるいは7、8割詰まった後、微妙なところを判断するのが通例だった。今回はそういう下地が全くなく、自らの責任で出さざるを得なかった。異例の状況だからこそ、異例のあっせん案になったと理解していただきたい」と述べた。

参院斎藤議長が与党の対応を批判

2000.10.18(07:01)asahi.com
 斎藤十朗参院議長は17日深夜、公職選挙法改正案をめぐって混乱の続く国会について「議長の呼びかけに野党が応じない時点で、議長の権威は失墜している。これ以上の歩み寄りは無理だろう」と述べ、自らの辞任は避けられないとの考えを示した。また与党側の対応について、「法案が出てきた9月初めから青木(幹雄自民党参院幹事長)さんや村上(正邦同議員会長)さんに野党欠席のまま、与党が法案を通してはいけないと、言ってきた。そんなことをしたら良識の府ではなく、『民主主義の発展途上国』になってしまう」と批判した。朝日新聞記者に語った。

与野党折衝物別れ、斎藤参院議長辞任へ

2000.10.18(01:24)asahi.com
 参院選比例区への非拘束名簿式導入を盛り込んだ公職選挙法改正案をめぐって紛糾する国会は17日、斎藤十朗参院議長が示したあっせん案への対応を軸に与野党間の調整が続いた。しかし、与野党ともあっせん案を受け入れない姿勢は変わらず、調整は物別れに終わった。

 これを受けて、自民、公明、保守の与党側は19日以降、同改正案を本会議で可決、週内に衆院に送る方針だ。

 斎藤議長が本会議開会に応じるかどうかが焦点だが、あっせんが不調に終わったことで議長辞任は避けられない見通しだ。衆参両院で野党の審議拒否が続く国会は、混迷の度を一層深めている。

 17日は、菅野久光副議長のもとで、議長あっせん案をめぐる与野党協議が夜まで断続的に開かれた。この中で、民主、共産、社民、自由の野党側は「来年の参院選は現行制度で実施すべきだ」と主張。与党側は「改正案は正式な手続きで特別委で採決された。白紙に戻すことはできない」として、いずれもあっせん案を拒否した。

 これを受けて、斎藤議長は17日夜、各会派の代表者による懇談会を招集したが、野党側は出席せず、開催できなかった。議長は18日午前10時から改めて懇談会を開くことを各党に呼びかけた。この席で与野党の調整結果を聞いたうえで、自らの進退を判断するものとみられる。

 斎藤議長はかねて「与野党一緒でなければ法案を通すわけにはいかない」との意向を表明しており、辞任は避けられないとの見方が強まっている。

 折衝が決裂したため、与党内には18日にも参院本会議を開き、公選法改正案を可決し、衆院に送付すべきだとの声もあった。しかし、斎藤議長は17日、「野党抜きで本会議の開会を決めることはできない」との意向を示したため、本会議は19日以降に持ち越された。

与野党折衝物別れ、参院議長辞任の見通し

2000.10.17(23:09)asahi.com
 参院選比例区への非拘束名簿式導入を盛り込んだ公職選挙法改正案をめぐって紛糾する国会は17日、斎藤十朗参院議長が示したあっせん案への対応を軸に与野党間の調整が続いた。しかし、与野党ともあっせん案を受け入れない姿勢は変わらず、調整は物別れに終わった。これを受けて、自民、公明、保守の与党側は早ければ18日にも同改正案を本会議で可決、衆院に送る。斎藤議長が本会議開会に応じるかどうかが焦点だが、あっせんが不調に終わったことで議長辞任は避けられないとの見方が強まっている。国会は、あっせんに動いた議長の進退問題に発展する異例の事態を迎えた。

 17日は、菅野久光副議長のもとで、議長あっせん案をめぐる与野党協議が断続的に開かれた。この中で民主、共産、社民、自由の野党側は「来年の参院選は現行制度で実施すべきだ」と主張。与党側は「改正案は正式な手続きで特別委で採決された。白紙に戻すことはできない」として、いずれもあっせん案を拒否した。菅野副議長は同改正案の施行期日を変更し、来年の参院選は現行制度で実施し、4年後の選挙から新制度導入という打開案も示したが、与野党とも受け入れを拒んだ。

 折衝が決裂したことを受けて、与党側は同日夜に参院議院運営委員会理事会を開き、18日に本会議を開く日程を決める。同本会議で新議長を選出。18日か20日の本会議で公選法改正案を可決、衆院に送付する運びだ。野党側は開会に反対する。

 斎藤議長は17日夜、各派代表者を呼び、協議結果を聞いたうえで自らの進退を最終的に判断する。斎藤議長はかねて「与野党一緒でなければ法案を通すわけにはいかない」との意向を表明しており、辞任は避けられないとの見方が強まっている。その場合、与党側は18日の本会議で新議長を選出する方針だ。

参院議長が拘束・非拘束の混合方式提案 与野党は拒否へ

2000.10.16(20:46)asahi.com
 参院選比例区への非拘束名簿式導入と参院定数10削減を盛り込んだ公職選挙法改正案をめぐり国会の紛糾が続く事態を受けて、斎藤十朗参院議長は16日、各会派代表者懇談会に「拘束・非拘束名簿混合方式」の導入を柱とするあっせん案を提示した。与野党は17日午後に再び開く懇談会で回答するが、野党側が拒否する構えのほか、与党側も否定的で、あっせん案による事態の打開は困難な見通し。与党側は早ければ18日の本会議での採決を目指している。議長案が法案の修正にまで踏み込んだことに野党側は「越権行為だ」と批判、議長の責任問題を問う声も出そうだ。

 16日の懇談会には、与野党各党の参院代表、幹事長、国対委員長が出席。あっせん案は(1)定数削減は鹿児島選挙区の2減(選挙ごとの改選数は1減)にとどめる(2)比例区は「拘束・非拘束名簿混合方式」とする(3)参院の在り方に関する協議会を設置し抜本改革策を検討――が柱。混合方式は投票を政党名、個人名の選択式とし、合計票に応じて各党に議席を割り振る点は与党案と同じだが、改選数50のうち半分は個人名の得票数が多い順に、残り半分は名簿順に当選とする内容だ。

 これを受けて、4野党は国会対策委員長会談などで扱いを協議。野党が「票の横流し」と批判している個人票を政党票に換算する点など、非拘束式の問題点は変わらず「与党案よりひどい」などの反対意見が大勢を占めた。

 一方、与党側も参院の代表者会議などの場で「国民にわかりにくい」「政党が決めてきた名簿順位を有権者が決めるという説明が崩れる」など異論が相次いだが、結論は17日に持ち越した。

 あっせんが不調に終わった場合、与党側は18日の本会議での採決を求める方針。これに対し、野党側は本会議が開催された場合は議長不信任案の提出を含めて対応を検討する。

協議会再開、補充質問に期待感 議長あっせんで鳩山氏

2000.10.14(23:49)asahi.com
 民主党の鳩山由紀夫代表は14日の記者会見で、参院特別委員会で参院選比例区に非拘束名簿式を導入する公選法改正案が野党抜きで採決され、斎藤十朗参院議長が収拾に乗り出したことについて「審議をいま一度、野党も含めてできるような状態に戻すか、そのために必要な協議会の設置にどう前向きな結論をめざしてもらえるかだ」と述べた。斎藤議長は16日に参院の与野党代表者による会談を呼びかけているが、この場で議長が参院各会派による協議会を再開して選挙制度改革を改めて議論するとともに、特別委で野党側の補充質問に時間を確保するなどのあっせん案を出すよう期待した発言だ。

 鳩山氏は「委員会が4日間(の審議)で強行されたのは極めて大きな憤りを感じる。選挙制度は国民が最終的に決める問題だが、国民の声も野党の声も聞かない傍若無人、問答無用の発想だ」として改めて採決の強行を批判。さらに「与党の横暴がひどすぎるとの声が圧倒的で、なぜ野党が一切の審議に応じないかを考えれば、議長が出すあっせん案は野党に配慮し、野党側に7、8割立ったものでなければならない」とも述べた。

非拘束式法案、週明けにも参院本会議で採決、衆院へ

2000.10.14(01:13)asahi.com
 参院の選挙制度特別委員会(倉田寛之委員長)は13日午後、参院選比例区への非拘束名簿式導入と、参院の定数10削減を盛り込んだ公職選挙法改正案を民主、共産、社民、自由党などの委員欠席のまま採決し、自民、公明、保守の与党3党の賛成多数で可決した。与党側は改正案を、週明けの参院本会議で可決して衆院に送る構えで、月内の成立の公算が大きくなった。選挙制度の根幹を変更する法案を、野党抜きで採決した異例事態に野党側は「国会は機能を停止した」(鳩山由紀夫民主党代表)と反発を強めている。斎藤十朗参院議長が仲裁に乗り出したものの、与野党とも姿勢は硬く、調整は困難な情勢だ。

 13日の選挙制度特別委は、質問が終わった時点で与党議員から質疑終局の動議が出され、採決。二院クラブは出席して反対、無所属の会は欠席した。野党側は傍聴席で抗議した。採決後の参院議院運営委員会理事会で、与党は16日に本会議を開いて同改正案の採決をするよう求めたが、野党側は反対した。

 これを受けて、斎藤参院議長は13日夕、与野党の幹部と断続的に会談。16日は本会議は開かず、同日午後1時から議長のもとで各派代表者懇談会を開くことを提案した。ただ、「国会法に基づいて整斉と運営した」(倉田委員長)とする与党と、「与党の党利党略」(鳩山氏)とする野党の溝は深く調整の難航は必至だ。

 菅直人民主党幹事長は13日の記者会見で「議長の責任を問う場面もあり得る」と述べた。野党側は斎藤議長が採決前に「(野党抜きの)採決は避けたい。職をとして努力する」と発言したことを重視している。ただ、今後の対応をめぐっては野党内にばらつきがある。野党側は、今後の展開しだいで議長不信任決議案を提出する構えだが、同時に、不信任案の採決をきっかけに審議に復帰するとのシナリオも浮上している。

 一方、与党は、17日には本会議を開くよう斎藤議長に要請。さらに、参院の制度改革であることを理由に、野党が審議拒否を続けた場合、衆院では実質審議をせずに成立させる案も出ている。

非拘束名簿式を導入の公選法改正案を与党が可決 参院委

2000.10.13(14:54)asahi.com
 参院選挙制度特別委員会は13日午後、参院選比例区に非拘束名簿式を導入する公職選挙法改正案を、民主、共産、社民、自由の野党4党欠席のまま、与党の賛成多数で可決した。自民、公明、保守の与党3党は、前日に参考人質疑を終えたことで採決の環境は整ったと判断した。

 同日午前、自民、民主両党の参院国対委員長が会談したが、物別れに終わった。野党4党は午前の参院国対委員長会談で、「委員会で採決された場合、整然と抗議する」ことで一致した。

 与党側は特別委で可決後は、週明けの参院本会議で採決し、来週中には衆院で審議入りしたい意向。

 また衆院法務委員会は13日午前、野党4党欠席のまま少年法改正案に関する参考人質疑に入った。開会に先立ち野党側は、野党不在のまま審議を進めていることに対し、長勢甚遠委員長に抗議の申入書を手渡した。

非拘束式採決にらみ国会緊迫 与党側は「条件整う」

2000.10.12(23:23)asahi.com
 参院選比例区に非拘束名簿式を導入する公職選挙法改正案をめぐり混乱が続く国会は12日、参院選挙制度特別委員会で、民主、共産、社民、自由などの野党欠席のまま、参考人質疑をした。自民、公明、保守の与党3党は特別委での採決に踏み切る条件は整ったとして、野党の譲歩がなければ13日か16日にも同特別委で採決する構え。野党側にはなお参院議長、副議長の調整に期待する動きがあるほか、一部に審議に出席すべきだとの妥協案も出ている。ただ、具体的な打開の見通しはなく、野党側は特別委で採決された場合は、参院本会議の開会に反対する方針だ。

 参院特別委は12日、4野党欠席で開かれた理事会で、13日も与党案をめぐる質疑を続ける日程を決めた。席上、近く採決に踏み切るべきだとの意見も出た。

 こうした中、参院自民党の片山虎之助国対委員長と参院民主党の直嶋正行国対委員長が12日、打開策を話し合ったが、平行線に終わった。両氏は13日午前に再度会談する予定だ。

 与党側は16日に特別委で採決した場合、18日にも参院本会議で採決、来週中には衆院で審議入りしたい意向だ。公選法改正案は衆院では、あっせん利得処罰法案と同じ政治倫理確立・公選法改正特別委員会に付託される見通しだが、与党は公選法改正案を優先審議する見通し。

 また、衆院議院運営委員会の理事懇談会が12日、野党も出席して開かれ、与党は警察法改正案の扱いについて、本会議を省略し13日の議運委員会で法務委員会に直接付託する方針を表明した。

「非拘束式」法案、与党だけで参考人質疑 参院特別委

2000.10.12(14:55)asahi.com
 参院選比例区に非拘束名簿式を導入する公職選挙法改正案をめぐって混乱が続く国会は12日午前、参院選挙制度特別委員会で民主、共産、社民、自由などの野党欠席のまま、公選法改正案に関する参考人質疑をし、清水睦・中央大教授と前田英昭・駒沢大教授(いずれも与党推薦)から意見を聴いた。

 清水氏は「スポーツ選手やタレントの候補が出るムード選挙を政党が利用するのは、本来の姿ではない。政策で支持を訴えるべきだ。導入は時期尚早だ」と、反対の意見を表明。野党欠席のままでの審議の進め方についても「改正は緊急性がなく、一方の立場からルール改正をするのはフェアでない」と批判した。

 一方、前田氏は「比例名簿順位の決定を政党に任せておけないから、国民に決めさせるという意味で改正は理解できる」としたうえで、「野党からの対案が出ていないのが残念」と述べ、野党の審議拒否を批判した。

非拘束式名簿法案、野党抜きで採決も

2000.10.11(23:47)asahi.com
 参院選比例区に非拘束名簿式を導入する公職選挙法改正案をめぐり混乱が続く国会は11日、野党側が参院選挙制度特別委員会の審議凍結を条件に与野党協議再開を提案するなど、事態の打開を探る動きが出たものの不調に終わった。これを受けて、自民、公明、保守の与党3党は、13日にも野党抜きで公選法改正案を採決する構えを強めている。民主、共産、社民、自由の野党4党は審議拒否を続ける方針で、斎藤十朗参院議長の責任を問う声も出ている。

 11日、野党側が参院議長と衆参の与党国対委員長に、与野党の参院選挙制度改革協議会の再開と、特別委の審議凍結を申し入れたのに対し、与党側は審議凍結を拒否したうえで、期限つきなら協議会再開に応じると逆に提案したが、折り合わなかった。斎藤議長も、与野党間での話し合いを求めるにとどまった。

 こうした中、与党内には野党側が審議に応じない場合は「13日の特別委で締めくくり総括質疑をし、同日中に委員会採決まで終わらせるべきだ」(自民党幹部)といった強硬論が強まっている。

 一方、民主党の鳩山由紀夫代表は11日の記者会見で「(野党が示した)打開案はぎりぎりの案で、これ以上の譲歩はない」として審議拒否を続ける考えを示した。

 ただ、野党には「審議に出て時間を稼ぐのも現実的な方法」(共産党幹部)といった意見もあり、今後の戦術をめぐって足並みの乱れも出ている。

 11日も野党欠席のまま審議を続けた参院選挙特別委は、同日の理事会で、清水睦・中大教授、前田英昭・駒沢大教授、大石眞・京大大学院教授、田中宗孝・日大教授の4人を12日の特別委で参考人として意見を聴く日程を決めた。

野党、参院議長に「野党不在」の国会審議打開を要請

2000.10.11(13:09)asahi.com
 参院選比例区に非拘束名簿式を導入する公職選挙法改正案をめぐり、国会審議が「野党不在」のままになっている問題で、参院の民主、共産、社民、自由、無所属の会の野党5会派の代表は11日午前、斎藤十朗参院議長に対し、(1)与野党の参院選挙制度改革協議会の再開と協議中の選挙制度特別委員会の審議凍結(2)党首討論の実施、の2項目を申し入れた。

 野党側はこれに続いて衆参両院で国対委員長が与党側に同様の申し入れをする。しかし、与党には審議凍結に応じる考えはなく拒否する方針だ。

 参院選挙制度特別委員会は11日も前日に続き4野党欠席のまま、与党提出の公選法改正案に関する質疑を続けた。また、同特別委理事会では、12日の特別委で、清水睦・中大教授、前田英昭・駒沢大教授、大石眞・京大大学院教授、田中宗孝・日大教授の4人から参考人として意見を聴くことを決めた。

 また、参院災害対策特別委員会が11日午前開かれ、鳥取県西部地震対策のための質疑をした。原則として全面審議拒否を続けている野党側が、災害対策は例外としているため。

与党、非拘束式の週内採決も検討 党首討論見送りへ

2000.10.11(02:08)asahi.com
 自民、公明、保守の与党3党は10日、参院選挙制度特別委員会で審議している参院選比例区に非拘束名簿式を導入する公職選挙法改正案の扱いについて、野党4党が欠席しても、11日も与党側の質疑を続け、12日には参考人質疑を行うことを決めた。与党は、早ければ13日に同特別委で採決し、週明け早々にも衆院に送ることを検討している。また、11日に開かれる予定だった党首討論の開催は見送られる見通しとなった。

 国会は10日、参院選挙特別委で公選法改正案、衆院では法務委員会で少年法改正案をめぐる質疑が、民主、自由、共産、社民の野党4党欠席のまま行われた。一方、野党側は4党幹事長・書記局長会談で、(1)与野党の参院選挙制度改革協議会の再開と、協議中の特別委の審議凍結(2)党首討論の予定通りの実施、の2点を与党側と斎藤十朗参院議長に申し入れることを決めた。しかし、与党側は審議凍結は拒否する方針。

 与党側は10日に少年法改正案の質疑をした衆院法務委でも、13日に参考人質疑をする意向。ただ、あっせん利得処罰法案を審議する衆院政治倫理確立・公選法改正特別委員会は10日の開会を見送った。与野党双方から改正案が出ていることから、なお野党側の動きを見極める方針だ。

野党4党、党首討論も拒否へ 審議拒否継続も一致

2000.10.10(03:28)asahi.com(時事)
 参院比例代表選への非拘束名簿式導入に反発している民主、自由、共産、社民の野党4党は9日夜、都内のホテルで衆・参両院の国対委員長会談を開き、今後の国会対応について協議した。その結果、10日以降も衆・参両院で審議拒否を続けることで一致。11日開催予定の党首討論(クエスチョン・タイム)も拒否する方向となった。また、10日に4党の幹事長・書記局長会談を開き、今後の対応や打開策について協議することを決めた。

「非拘束式」導入の公選法改正案、4野党党首が撤回要求

2000.10.08(20:08)asahi.com
 民主党の鳩山由紀夫、自由党の小沢一郎、共産党の不破哲三、社民党の土井たか子の4野党党首は8日、そろってテレビ朝日の報道番組に出演し、参院選比例区に非拘束名簿式を導入する公職選挙法改正案について、「選挙制度の抜本改革を次回選挙に間に合わせることは時間的に困難」とした、今年2月の参院選挙制度改革協議会の与野党合意まで戻り、改めて話し合うべきだとの考えで一致した。改正案の事実上の白紙撤回を求めたもので、4党首は、11日に予定されている党首討論の開催は難しいとの共通認識も示した。

 また、土井氏が野党党首会談を提案、他の3氏もおおむね賛意を示した。

与党の強硬姿勢は「民主主義破壊」 鳩山代表が批判演説

2000.10.08(06:17)asahi.com
 民主党の鳩山由紀夫代表は7日、東京都日野市での街頭演説で、参院選比例区に非拘束名簿式を導入する公職選挙法改正案をめぐり野党が国会で審議拒否を続けていることについて「基本的に好ましいことではないが(与党の)民主主義を破壊する行為は許すことができない」と述べ、与党が強硬に選挙制度を変更しようとしているのが原因として理解を求めた。

 また、同党の菅直人幹事長は同じ市内の街頭演説で与党の強硬姿勢について「仕切っているのは、参院自民党の青木幹雄幹事長だ。そのやり方は自分たちの権力のため、国民をだまそうが、ルールを曲げようが構わないというもので、青木幹事長は日本のミロシェビッチ(ユーゴスラビア大統領)だ」と批判した。

「野党の反対は勘違い」 「非拘束式」で加藤元幹事長

2000.10.08(22:50)asahi.com
 自民党の加藤紘一元幹事長は7日、岐阜県下呂町で講演し、与野党で対立している参院選比例区に非拘束名簿式を導入する公職選挙法改正案について「野党は何を勘違いして反対しているのか。国民が政党にあまり関心がなく、候補者1人ひとりが抱える政治テーマによって投票したいと思っている状況に合わせた制度を作ろうとするのに、反対している。国民の意識と相反することをやっている」と批判した。

 加藤元幹事長は「こんな法案が通ってしまったら、日本がめちゃくちゃだと言って泣いていた議員がテレビに出ていた。政策問題を論理的に論ずる強じん性を国会議員は持たなきゃいかんと寒々とした思いがした」と述べた。

重要法案続々審議入り 国会、週明けも収拾見通し立たず

2000.10.07(00:13)asahi.com
 参院選比例区に非拘束名簿式を導入する公職選挙法改正案が6日、参院選挙制度特別委員会に直接付託され、同特別委で野党欠席のまま法案の趣旨説明があった。衆院でも、少年法改正案が法務委員会に付託され、野党不在で審議入りした。

 自民、公明、保守の与党3党が健康保険法と医療法の改正案、あっせん利得処罰法案に続き、野党の反対を無視して次々と重要法案を審議入りさせたことで、週明けも収拾の見通しは立たないままだ。

 民主、自由、共産、社民の野党側は週末を利用して世論の支持を訴えるとともに、11日に予定されている党首討論で政府・与党を追及しようという動きも一部に出ている。

 与党側は6日、参院選挙特別委と衆院法務委を10日に開き、それぞれ公選法改正案、少年法改正案に対する質疑日程を決めた。野党が欠席しても審議を進める構えだ。一方で、あっせん利得処罰法案や、健保法改正案については、なお野党に出席を促して出方を待つ方針だ。

 公選法改正案の扱いについて野党側は6日午後、久保亘民主党参院議員会長ら4党代表が斎藤十朗参院議長に「正常化に向けた努力」を申し入れたが、議長は与野党間で協議するよう要請した。

 党首討論については、財団法人「ケーエスデー中小企業経営者福祉事業団」(KSD)が自民党支部へも献金していた問題などが新たに出てきたことで、開くべきだとの意見も民主党内に浮上している。

青木幹事長

(2000.10.6) 民主党:菅直人 by菅直人の「活動日誌」
 参議院の青木幹事長が非拘束名簿式比例代表制の導入を強行突破しようとしている。青木幹事長は小渕前総理の病状を隠したり、指名を受けていないのに総理大臣代理に就任したり平気でやってしまう。派閥でのけんかと国会での争いを同じように考えている。今回の非拘束名簿式についても、やり方は問答無用の一言。こんなやり方を国民が参議院選で黙っているとでも思っているのだろうか。

けが人続出の混乱国会、地震で収束

2000.10.06(23:51)asahi.com
 6日、参院議院運営委員会開会時の混乱で与野党議員や衛視に十数人のけが人が出る騒ぎとなった。野党側は、午後の選挙制度特別委員会でも抗議行動をする構えだったが、鳥取県を中心とする大地震が起きたことから取りやめた。

 この日の参院議運委には100人近い衛視が出動し、スクラムを組んで与党側委員が移動する通路を確保。抗議に集まった野党議員らともみ合った。この騒ぎで西田吉宏議運委員長(自民)がろく軟骨骨折の疑いで入院し、阿部正俊議運委理事(同)も顔や指に裂傷。野党側も小宮山洋子参院議員(民主)が足首をねんざした。

参院野党全会派が共同集会/ 国民に民主主義の危機訴え

2000.10.05社会新報ヘッドライン 〜号外〜by 社民党

参院与党、本会議省略の構え 非拘束式名簿問題で

2000.10.05(07:37)asahi.com
 参院選比例区に非拘束名簿式を導入する公職選挙法改正案の扱いをめぐり国会の混乱が続いている問題で、参院与党は4日、野党が審議拒否を続けた場合は公選法改正案の趣旨説明の本会議を省略し、週内に選挙制度特別委員会に法案を直接付託する方針を固めた。一方、民主党の鳩山由紀夫代表は同日の記者会見で、「与党が理不尽な行動を続ける限り、様々な法案や本来重要な補正予算案の審議も国民的な議論が抜きになる」と述べ、与党の歩み寄りがない限り、11月に提出される予定の今年度補正予算案も含め、審議拒否の長期化もありうるとの姿勢を示した。

 4日の参院議院運営委員会では、与党が6日に趣旨説明のための本会議を開くよう求めたのに対し、野党は公選法改正案を取り下げないと日程協議に応じないと拒否。与党は特別委への直接付託も考えていることを伝えた。直接付託となれば野党側が「議員の地位にかかわる選挙制度改革を本会議で議論しないのは問題」として、いっそう反発を強めるのは必至だ。しかし、参院自民党幹部は「本会議が開けないなら委員会付託もやむを得ない。審議入りを来週に先送りすることはあり得ない」と述べ、あくまで週内の審議入りをめざす意向を明らかにした。

野党4党、審議拒否継続を確認 国会混乱続く

2000.10.04(20:14)asahi.com
 参院選比例区に非拘束名簿式を導入する公職選挙法改正案の扱いをめぐって国会が混乱している問題で、全面的な審議拒否を続けている民主、自由、共産、社民の野党4党は4日午前、衆参両院それぞれの国会対策委員長会談で今後の対応を協議した。参院では「与党は野党無視で公選法改正案の審議を進める可能性が強い」との見方で一致。「同法案阻止のための戦いを一致団結して進めていく」として、与党側から歩み寄りがない限り、審議拒否を続けることを確認した。

 これに対し、与党側は公選法改正案の趣旨説明のための参院本会議を6日に開く構え。衆院では、あっせん利得処罰法案の趣旨説明をすることが決まっている5日の衆院本会議に続き、6日には少年法改正案の趣旨説明のための衆院本会議を開く段取りだが、野党の審議拒否が続けば本会議を開かずに法務委員会に直接付託する案も浮上している。事態打開の動きは出ておらず、与野党が相手の出方を見ながらの「すくみあい状態」が続きそうだ。

野党、5日の衆院本会議も欠席の方向 与野党対立深刻化

2000.10.03(23:14)asahi.com
 参院比例区に非拘束名簿式を導入する公職選挙法改正案の扱いをめぐって混乱が続く国会は3日、健康保険法と医療法の改正案の趣旨説明をする衆院本会議が民主、自由、共産、社民の野党4党欠席のまま開かれたほか、衆院大蔵委員会などほとんどの審議がストップした。四野党は与党側の譲歩がなければ、あっせん利得処罰法案の趣旨説明をする5日の衆院本会議も欠席する方向で結束を強めている。一方、与党側は同法案のほか、公職選挙法改正案など重要法案を、与党だけでも審議する姿勢を崩しておらず、週内の正常化は難しい情勢だ。

 衆院事務局によると、戦後、全野党欠席のまま本会議での法案の趣旨説明があったのは、日米安保条約改定をめぐって紛糾した1960年6月の1回だけ。趣旨説明は野党が要求することが多いためで、今回は要求した野党4党がそろって欠席した。

 4野党幹部は3日夕、東京都内のJR新宿駅前でそろって街頭演説。民主党の菅直人幹事長は「どんな結末になろうと野党4党の結束を崩さない。非拘束式を阻止し、あっせん利得罪の野党案を成立させる」と強調。他の野党も、「国会を無法地帯にしたとき野党が国会で行動するのは大事な役割だ」(志位和夫共産党書記局長)、「与党の暴走には体を張ってでも阻止するのが野党の健全な姿勢だ」(辻元清美社民党政審会長)、「この問題では最後まで一致して頑張り抜く」(藤井裕久自由党幹事長)などと、世論の支持を訴えた。

 一方、参院議院運営委員会は3日、自民、公明、保守の与党3党が同日、参院に提出した非拘束式導入と参院の定数10削減を盛り込んだ公選法改正案の取り扱いについて協議。与党側は4日に法案の趣旨説明をする本会議を開くよう求めたが、野党側は「法案を撤回しない限り日程協議には入れない」などとして拒否した。

ルールを勝手に変えるな!民主主義がいま危ない

2000年10月2日by福島瑞穂ふくしま みずほのホームページ
 10月2日(月)、今日、参議院の選挙に関する特別委員会は、目茶苦茶であった。参議院議長が委員を一方的に議長職権で指名したことに抗議し、今日の13時からの委員会を開かせないよう、参議院内の委員会室前でピケをはったにも関わらず、委員長が裏口から入り、野党議員欠席のまま強行して開かれてしまった。

 いま、与党は、参議院の比例区について非拘束名簿にするという公選法改悪案を出そうとしている。非拘束名簿にするとお金がかかりすぎる。地味だけれどもいい政策を持っている人が出られるのが比例区だったのに、それがなくなってしまう等の問題点が指摘されているが、さらに問題なのは、票の横流しができることである。ある有名人の人が300万票とると、その人が当選するだけでなく、同じ政党の人も何人も当選できる。「○○△△」と書いた有権者の評が横流しされ、投票した人の民意は反映されない。

 ところで、今年2月25日「参議院選挙制度改革に関する協議会報告書」が出されている。これは参議院議長の下で作られた参議院の代表者会議で、「全党一致」で作られたものである。来年の参議院選挙は、基本的枠組みを変えないことを、すべての政党が確認しているのだ。

 具体的に、非拘束名簿については、例えば次のように確認されている。「いずれにしても、現行の拘束名簿式比例代表制の仕組みそのものを改めるとなると抜本的な改革となり、その実現は容易でないことから、当面は現行の拘束名簿式比例代表制を維持することを前提として議論を進めることとなった。」

 読めばおわかりいただける通り、来年の参議院議員選挙の比例区は現行の拘束名簿式でいくとはっきり確認されているのである。

 自分でごく最近作った合意をすぐ破るのであれば、「正直者が馬鹿をみる」ことになってしまう。サッカーやトランプ、マージャンのゲームをしていて、負けそうになったら、突然一方のチームでゲームの最中にルールを勝手に変えてしまうようなものである。もう「何でもあり」で民主主義が足元から壊れていくような怒りを本当に感じている。

 また、問題なのは、無所属となっている参議院議長(議長は中立・公正であるために無所属となる)が、史上初めて、勝手に委員の一方的な指名までもしたことである。これは何かと言うと、社民党、共産党、自由党は、「全党の合意に反するし、問題が大きい」として、選挙に関する特別委員会に、委員の名簿を提出しなかった。それを議長が勝手に指名したのである。国会が「不正常」になっていることに、議長が荷担していくということは問題である。

 「国会のなかのこと」のように思えるかもしれないが、選挙や民主主義のあり方を変えれば、出てくる国会議員が変わってくる。 そして、そこで憲法や法律、予算が決まっていくのである。一杯重要な法律はあるけれど、それとは比較にならないくらいのレベルで民主主義の過程は重要である。どうか一緒に「おかしいぞ」と声をあげ、「無法地帯」の国会を変えていきましょう。公選法改悪案を阻止していきましょう。

非拘束式導入は野党反対で結束 代表質問始まる

2000.09.25(15:36)asahi.com
 臨時国会は25日午後、衆院本会議で森喜朗首相の所信表明演説に対する各党の代表質問が始まった。民主党の鳩山由紀夫代表は、まず11月上旬にも提出される今年度補正予算案を取り上げ、「財政赤字を増やし、日本経済の国際的信用を失墜させるだけ。必要ない」と批判した。当面の与野党攻防の焦点となっている参院選比例区に非拘束式を導入する公職選挙法改正案に対しては、与党の「党利党略丸出し」だと指摘し、「天文学的な金のかかる選挙を復活させる、たぐいまれな『天下の悪法』」と述べ、断固反対の姿勢を強調。自由、共産、社民と4野党で足並みをそろえ、首相のリーダーシップを追及する姿勢を示した。

 補正予算案については首相が「性急な財政再建は景気回復を危うくさせる」と所信表明で必要性を訴えたが、鳩山氏は「規制改革や財政構造改革で民間を自立させない限り、経済も財政も行き詰まる」と構造改革による景気回復を主張。公共事業見直し問題では、与党3党の提案にない「量的削減」に踏み込むよう首相に求めた。

 参院選比例区の非拘束式導入をめぐっては、「与党が過半数維持のためだけに制度をもてあそぼうとしている」としたうえで、議論のきっかけとなった自民党の久世公尭前金融再生委員長の党費肩代わり問題を「制度改革問題にすり替えた」と批判した。

 あっせん利得処罰法案の与党案については、私設秘書を処罰対象外としている点などを指摘し「抜け道だらけ」と主張。より厳しい内容で野党側が提出予定の対案を採り入れるよう首相に求めた。

 また、2年以内の民主党改憲案作成を表明している鳩山氏は、「『はじめに憲法ありき』では時代の変化に適応できない」と持論を展開。特に日本がアジアや世界で果たすべき安全保障上の役割を問う方向で、憲法論議を進めるべきだ、との認識を示した。

選挙制度特別委設置にたいする吉川議員の反対意見(要旨)

2000年 9月 22日 (金)「しんぶん赤旗」

「非拘束名簿式」めぐり攻防 臨時国会召集

2000.09.21(23:28)asahi.com
 第150臨時国会は21日召集され、衆参両院の本会議で森喜朗首相が所信表明演説をした。12月1日までの72日間にわたり、あっせん利得処罰法案など重要法案や、景気対策のための2000年度補正予算案をめぐって論戦が展開される。

 21日は参院選比例区に非拘束名簿式を導入する公職選挙法改正案の扱いで与野党が対立。参院では自民、公明、保守の与党3党などの賛成で選挙制度特別委員会設置は決めたものの、共産、社民、自由の野党3党が同委員会に委員を出すことを拒否したため委員会が開けなくなるなど、冒頭から対決色の濃い展開となった。

 前日までの参院議院運営委員会理事会での折衝で、前国会に続き選挙制度特別委を設置したいとする与党側と、非拘束式導入の特別委は認められないとする野党側の議論が平行線をたどり、同特別委設置は21日の参院本会議での採決で決まった。しかし、民主党を除く野党側が特別委の委員名簿提出を拒否。委員長選出の委員会が開けなかった。

 民主党は「徹底的に反対する」(鳩山由紀夫代表)としながらも、「審議拒否は得策ではない」と委員名簿を国会に提出。他の野党は反発し、早くも野党側の足並みが乱れた。

 与党側は、公選法改正案がまとまる週明けまで事態を見守る構えだが、その後も特別委が開けない状態が続けば、与党側から「議長が職権で野党側委員を指名すべきだ」(参院自民党首脳)との声が強まるとみられる。

参院選:選挙区では候補者を一人に絞り込む方針 自民党

2000年8月17日Mainichi Interactive
 自民党は来年夏の参院選に向け、今月下旬から候補者調整を本格化させる。単独過半数獲得が困難な情勢を踏まえ、与党3党で過半数を維持できるかが焦点になる。選挙区では原則として候補者を一人に絞り込む方針を固め、現有勢力維持を目指す「守りの選挙」に徹する姿勢だ。しかし、難航が予想される公認調整に加え、久世公尭前金融再生委員長の資金提供問題を機に「拘束式名簿」見直し論議が沸騰するなど、党内政局とも絡んで激しい綱引きが続きそうだ。

 ◆「守り」の選挙に

 自民党は来夏の参院選について(1)複数区を含め原則として候補者は一人に絞る(2)公認調整に漏れた候補者の比例代表転出は認めない(3)今回衆院選で落選した候補者の参院くら替え出馬は認めない――との基本方針を固めている。

 参院の勢力分野は現在、自民、公明、保守の与党3党で過半数(127)を9議席上回るに過ぎず、何とか現状維持を図ることが自民党執行部にとり至上命題となっている。

 前回1998年の参院選で自民党は、選挙区に計57人の候補者を擁立したが、定数2人以上の複数区に2人を公認して共倒れとなったのが東京など5選挙区、1人に絞りながら取りこぼしたのが京都など5選挙区あり、獲得議席は合計で30にとどまった。92年は55人擁立で当選49人、95年は37人擁立で31人当選だったのに比べ、98年にはほぼ2人に1人が落選するという辛酸を味わった。

 自民党の参院執行部は、自民党議員が1人もいない「空白区」解消を最優先に「選挙区47、比例代表15の計62議席」を目標ラインに置く。だが、「今の自民党では複数区でも1人当選すら危うい」(幹部)というのが本音だ。「選挙区で35議席を割れば与党で過半数に届かず政局になる」との危機感も強い。

 8日発表した第一次公認では、前回2人を擁立した選挙区のうち、静岡を除く9選挙区で候補者を1人に絞り込んだ。執行部は「2人当選が確実な選挙区」だけ例外として複数擁立を認める方針だが、今後、派閥間調整に手間取ることも予想され、公明党や保守党と選挙協力をやるゆとりもないのが実情だ。

 ◆非拘束も現実味は

 一方、党執行部は、久世氏の党費立て替え問題をきっかけに浮上した「非拘束式名簿」論議への対応も迫られている。現在の「拘束式名簿」は83年参院選で比例代表が導入された際、採用された方式。非主流派の加藤、山崎両派内から「上位獲得のため莫大なカネが必要」との声が上がって見直し論議に火がつき、公明党も同調した。

 拘束式は、あらかじめ候補者に順位をつけた比例名簿を提出し、各党の得票数をドント式で振り分けた議席数分だけ上位から当選する仕組み。これに対し非拘束式は順位はつけず、候補者の個人名(あるいは政党名だけでも可)を書くことで各党の得票数・議席数を決め、当選者は個人名の多い順に決まる。

 自民党内には「『銭酷区』『残酷区』といわれた全国区に逆戻りする」と慎重論もあるが、現状では名簿上位にランクされた候補者陣営が選挙運動の手を抜くケースがあるため、「勝敗が最後までわからない非拘束式の方が支援組織が活性化する」(参院幹部)との容認論もある。

 自民党は9月に入って党内論議を始める構えだが、97年にも「非拘束式」導入論が高まりながら、立ち消えになった経過がある。また、比例代表の選出方法についても、公明党が衆院と同じ「ブロック式」を主張しているのに対し、自民党は「参院比例は地域でなく職域代表」との立場。党内論議をよそに、候補者や支援団体は現行制度を念頭に既に走り始めており、「時間切れで先送りになるのでは」(参院中堅)という見方も出ている。【及川 正也】

HOME政治・経済・社会