TOPIC No.2-104 ネット心中

01.集団自殺 Mainichi INTERACTIVE
02.自殺問題 YAHOO! News
03.練炭・七輪などを使った一酸化炭素中毒自殺事件のまとめ 
04.ネットで志願者を募る集団自殺が急増 OCS NEWS June6, 2003
05.心中掲示板2 byM-ch
06.ネット集団自殺の心理 (こころの散歩道/自殺と自殺予防の心理)
07.集団自殺募集掲示板
08.自殺・殺人関連リンク集
09.いのちの電話 - インターネット相談- by「社会福祉法人いのちの電話」(東京)
10.硫化水素自殺問題  YAHOO!ニュ−ス
11.硫化水素 byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

自殺3万人超、07年も確実 10年連続の深刻事態に

2008/05/27 中国新聞ニュース

 全国で昨年一年間に自殺した人の数は三万人を超える見通しであることが二十七日、分かった。各都道府県警が調べた概数を共同通信が集計した。毎年六月ごろにまとまる警察庁の自殺者数統計は一九九八年以来三万人を上回っており、これで十年連続となることが確実になった。

 景気の回復にもかかわらず、自殺が一向に減らない深刻な事態を示しており、昨年六月に自殺総合対策大綱を策定した国や自治体は、一層の対策強化を迫られそうだ。

 集計によると、昨年の自殺者数は約三万二千人。東京(約三千人)、大阪(約二千人)など、詳細な数字を明らかにしない都府県があるが、三万人を超えるのは確実とみられる。

 自殺率(人口十万人当たりの自殺者数)が全国最悪で、早くから対策に取り組んできた秋田県は四百十七人。二〇〇六年の四百九十三人から約15%の減少に成功した。しかし、前年に比べ、ほぼ横ばいか、増加の県が多いようだ。

 警察庁の統計では、自殺が急増し、年間三万人を突破したのは一九九八年。企業の破たんが続発した時期で、前年の約二万四千人から約三万二千人へ一気に増加した。その後、景気は回復したが、自殺は年間三万人台が続いてきた。

 世界保健機関(WHO)の統計では、日本の自殺率(〇四年)は24・0で世界九位。G8ではロシア(34・3)に次いで高い。他の主要国はフランスが18・0、ドイツ13・0、カナダ11・6、米国11・0。

 国の自殺総合対策大綱は、二〇一六年までに自殺死亡率を20%減少させる目標を掲げ(1)失業、多重債務など社会的要因への対策強化(2)うつ病の早期発見(3)自殺・精神疾患への偏見防止―などを打ち出している。

過労自殺、最悪の81人 07年度、厚労省まとめ

2008/05/23 中国新聞ニュース

 過労が原因でうつ病などの精神疾患にかかり自殺した(未遂を含む)として、二○○七年度に労災認定された人が前年度を十五人上回る八十一人と、二年連続で過去最悪だったことが二十三日、厚生労働省のまとめで分かった。自殺を含む過労による精神疾患の認定者は前年度より三割増。労災の申請は四年間で倍増、過労による脳・心臓疾患の申請者数を初めて上回り、二、三十代の若手社員を中心に心の病が職場に広がっている実態が浮かんだ。

 厚労省は「職場で心理的に負荷となる事態が社員に起きた際、周囲のサポートを十分に得られず疾患になってしまうケースが多い」としている。

 脳梗塞(こうそく)などの脳・心臓疾患で労災認定された人は一割増え、三百九十二人と過去最悪。うち死亡したのは百四十二人だった。

 集計によると、精神疾患の労災申請は九百五十二人で、前年度比16%増。○三年度の四百四十七人から大幅に増えた。認定は二百六十八人で30%増え、いずれも過去最多。認定者の年代別では三十代が37%、二十代25%、四十代23%の順で、若い世代が目立った。職種別では専門技術職が28%で最も多かった。

 自殺で認定された八十一人のうち八十人は男性。年代別では四、五十代が50%を占め、二、三十代は44%だった。

 脳・心臓疾患の申請は九百三十一人で前年度比0・7%減。認定は三百九十二人で、95%が男性だった。年代別では五十代(42%)、四十代(29%)で約七割を占めた。職種別の最多は運輸・通信の24%。

 認定された人の一カ月の平均残業時間は八十―百時間が最多で百三十五人。百六十時間以上が三十五人いた。過労死した百四十二人は前年度より五人少なかった。

硫化水素自殺、やめて…全国の防止センターが相談電話増設

2008年05月03日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 硫化水素ガスによる悲劇が全国で相次いでいることから、東京、大阪など全国4か所の自殺防止センターが、14日まで相談電話を臨時増設して対応している。

 家族や近隣の人が二次被害に遭うケースも後を絶たない。

 総務省消防庁では、硫化水素が疑われる臭気を感じた場合は、風上や、排気口から遠い場所などに避難するよう呼びかけている。

 総務省消防庁によると、硫化水素による自殺は4月だけで少なくとも64件発生、60人が亡くなった。負傷者は145人で、負傷者のほとんどが巻き添えになった被害者とみられている。

 硫化水素は無色で、腐った卵のような独特のにおいを持つ。日本中毒情報センターなどによると、吸い込むと、死亡に至らない場合でも呼吸困難や頭痛などの症状が出ることがある。

 東京消防庁によると、現場に立ち入る際には防護服が必要。防護服のない警察官が被害を受けたケースもあった。

 ▽東京自殺防止センター : 03-5286--9090(毎日20時〜翌6時)

 ▽大阪自殺防止センター : 06-4395-4343(24時間)

 ▽自殺防止センターの増設電話 : 080-1354-8990, 090-4842-980, 080-1344-7090, 090-4842-7673 (14日までの10時〜16時)

 ▽全国の「いのちの電話」の番号などは、日本いのちの電話連盟のホームページに掲載されている。

硫化水素自殺 対策遅れ/決め手なく連鎖懸念

2008年05月03日 沖縄タイムス 朝刊27面

 全国で相次ぐ硫化水素を使った自殺が、県内でも今年三月と四月に本島中部で二件起きた。県警は、自殺現場の周辺住民や駆け付けた警察官が有毒ガスに巻き込まれ、傷害や傷害致死事件に被害が拡大する恐れがあったとして警戒を強めている。ただ、硫化水素自殺の実態把握や対策は遅れている。年間の自殺者数が三百人を超える状況が続く県内で、再発防止に向け県民挙げた早急な取り組みが求められている。(吉川毅、上地一姫)

防護装備なく

 「現場で対応する警察官の命も危なかった」

 三月上旬に中部の住宅密集地であった硫化水素による自殺。県内初とされる事案に、現場警察官に緊張が走った。酸素マスクなど防護用の装備もなく、「硫黄のにおいがする」との通報をもとに、消防と連携して捜査したという。

 県警は今年四月、警察官への安全指導と付近住民の避難方法などを確認。インターネット上で硫化水素自殺などを誘発する有害情報サイトを削除するようプロバイダーらに要請しているが効果は未知数だ。

 県警幹部は「自殺防止と二次被害を防ぐためにも情報提供は必要だが、逆に模倣的に広がる不安もある」とし、市民への周知にも慎重姿勢を崩さない。

 硫化水素を使った自殺に、他の機関も戸惑っている。事件があった消防は連鎖的な広がりを懸念。自治体幹部と住民の安全確保などについて、これから協議するという。

流通止まらず

 県薬剤師会は四月二十八日、薬局やドラッグストアなど約四百五十店舗に、硫化水素を発生させる薬品が大量に購入された場合、注意するよう文書を送付したが、薬品の流通を完全に止めることはできない。

 県幹部は「何らかの対応は取らないといけないが、薬品の販売禁止などは簡単にできない」と話す。その上で「自殺総合対策大綱を作り、シンポジウムの開催などで県民に広く自殺防止を呼び掛けるなど地道な対応を続けるしかない」と話した。

ネットから削除要請へ 警察庁、硫化水素の発生方法

2008/04/30 中国新聞ニュース

 硫化水素自殺の多発を受け、警察庁は三十日、「簡単に死ねる」などの表現とともに硫化水素の発生方法を記したインターネット上の書き込みについて、周囲を巻き込んだ傷害や傷害致死事件を誘発するとして「有害情報」に指定した。民間団体を通じ、プロバイダー(接続業者)やサイト管理者に削除を要請する。

 自殺者の多くがネット情報を参考にしているとみられ、周辺住民や消防署員、警察官など第三者に被害が及んだり、死亡させる恐れがあると判断した。ただし、実際には学術目的での記載もあるため、化学式や特性などの情報に加え「簡単に作れる」「確実に死ねる」などといった表現があることを要件とした。

 警察庁は「要請に強制力はないが、少しでも二次被害拡大に歯止めをかけたい」としている。

 全国の警察などが一月以降に公表した硫化水素自殺は少なくとも七十件以上で今年に入り急増。四月二十三日には高知県香南市で女子中学生が自宅で自殺、周辺住民十四人が入院し、約百二十人が避難するなど、第三者が被害を受けるケースが多発している。

 復讐(ふくしゅう)請負、薬物取引などの有害情報をめぐっては二○○六年六月から、警察庁が委託した民間団体「インターネット・ホットラインセンター」が一般からの情報を受け付け、プロバイダーやサイト管理者に削除要請する制度が始まった。

 硫化水素の発生方法については、神奈川県警や京都府警などがすでに独自にプロバイダーへの削除要請を行っている。

都心高級ホテルで硫化水素 男性心肺停止、自殺図る?

2008.04.25 MSN産経新聞

 25日午後1時ごろ、東京都千代田区有楽町の高級ホテル「ザ・ペニンシュラ東京」の10階の部屋から異臭がすると110番があった。

 東京消防庁が調べた結果、1019号室で硫化水素が発生したのを確認した。室内には男性が倒れており、心肺停止状態という。状況から自殺を図ったとみられる。ほかに巻き込まれるなどしてけがをした人はいなかった。

 ホテルによると、8階から11階の宿泊客を避難させたという。警視庁丸の内署と東京消防庁が現場の状況を調べている。

硫化水素自殺? 茨城では公務員の男性死亡

2008.04.25 MSN産経新聞

 25日午前6時15分ごろ、茨城県那珂市瓜連の民家脇に止めてあった軽トラック内で、地方公務員の男性(33)が死亡しているのを同居の父親が発見、119番通報した。

 助手席には、入浴剤とトイレ用洗剤の空容器計5本と液体の入ったプラスチックケースなどが置かれていた。県警那珂署は、硫化水素を発生させた自殺とみて動機などを詳しく調べている。

 調べでは、男性は運転席に座った状況で死亡しており、助手席の足下に液体の入ったプラスチックケース(縦53センチ、横35センチ、高さ30センチ)が置かれていた。車には鍵がかかっていた。

 同署では2次被害を防ぐため、午前7時半ごろから付近を立ち入り規制し、住民に注意を呼びかけた。

今度はホテルで硫化水素…泊り客が自殺はかる 従業員9人が軽症

2008.04.24 MSN産経新聞

 24日午前11時5分ごろ、滋賀県湖南市岩根中央のビジネスホテル「ホテルサンクレスト甲西」から、「客室から硫黄のようなにおいがする」と119番があった。駆け付けた救急隊員らが鍵のかかった7階の客室の浴室内で倒れている男性を発見。病院に搬送したが、死亡が確認された。従業員9人が気分の悪さを訴えて病院に搬送されたが、いずれも軽症という。

 甲賀署などの調べでは、死亡したのは滋賀県在住の30代の男性とみられる。室内には硫化水素による自殺をほのめかす張り紙があり、浴室に洗剤と入浴剤の空きボトルがあったことから、同署は自殺とみている。

 男性は22日からホテルに宿泊。通報の際には1階まで硫黄のにおいがしていたという。他の宿泊客は全員、すでにチェックアウトしていた。

入院の住民は14人に 高知の硫化水素自殺

2008年04月24日 中国新聞ニュース

 高知県香南市の市営住宅3階で女子中学生(14)が硫化水素を発生させた騒ぎで、硫化水素を吸って体調不良などを訴え、入院した住民が14人に上ることが24日、高知県警や消防などの調べで分かった。いずれも命に別条はないという。

 県警と消防によると、14人の大半が1−3階の住民。県警は、現場が集合住宅だったことに加え、空気より重い性質を持つ硫化水素が階下に流出したため、被害が拡大したとみている。室内で遺書が見つかり、自殺とほぼ断定した。

 現場は5階建て住宅の3階で、玄関ドアに「ガス発生中」の張り紙があった。生徒は浴室で倒れ、近くにトイレ用洗剤などの容器が落ちていた。

 高濃度の硫化水素は1回の吸引で意識を失うこともあり、非常に毒性が強い。県医療薬務課は「生徒を救助するために室内に入った際、硫化水素が一気に階下に流出したのではないか」と話している。

硫化水素自殺:14人が入院…75人が体育館で一夜 高知

2008年04月24日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

 高知県香南市の市営住宅で23日夜にあった、硫化水素によるとみられる市立中学3年の女子生徒(14)の自殺で、住民計21人が4病院に搬送されたほか、68人が自力で病院に行った。生徒の母親も含め14人が入院した。現場には他に母親ら2人が倒れており、生徒を救出しようとしたとみられる。市営住宅に硫化水素が残っている恐れがあり、75人が近くの体育館で一夜を明かした。正午過ぎ、防護服を着た捜査員が中に入り、現場検証を始めた。

 県警などによると、午後7時45分ごろ、住民の女性から「異臭がする」と110番通報があり、県警機動隊員が生徒の自宅の風呂場で、生徒が死亡しているのを発見した。生徒は制服を来て正座し、上半身を前に突っ伏した状態で倒れていた。

 風呂場には衣装ケース(高さ約40センチ、幅約70センチ)があり、中に白みがかった緑の液体が2〜3センチたまっていた。浴槽の中には浴槽洗浄剤のプラスチックボトル3本があり、窓とドアは目張りがされていた。

 生徒の遺体の左側には閉じたままのノートと携帯電話があった。死亡した時、生徒は自宅で1人だったらしい。生徒に外傷はなく、自宅は外から侵入した形跡もなかった。皮膚が緑色に変色しており、中毒死した可能性が高いという。

ネットの危険性訴え 高校生自殺受け那賀町教委など

2008年04月19日 読売新聞 YOMIURI On-Line

 徳島市内で高校の女子生徒が、硫化水素を発生させて自殺した事件を受け、那賀町教委と那賀署は18日、町内の中学校、高校で、保護者向けにインターネットの危険性を訴えるチラシ約460枚を配布した。

 女子生徒が、ネットの自殺サイトに接続していた形跡があることから、ネットの危険性を知らせ、親にも子どもへの適切な使用を促そうと、町教委と同署が作成した。

 チラシには、ネット上には「自殺サイト」などの有害情報があるとして、こうしたサイトに接続できないようにする「フィルタリング」機能の利用を呼びかけている。

硫化水素自殺が相次ぐ 市販薬剤で巻き添えも

2008/04/19 中国新聞ニュース

 硫化水素ガスによる自殺が全国で相次ぎ、十九日までの一週間で十人以上が死亡した。家族や周辺住民が巻き込まれるなど影響は深刻だが、多くのケースで身近な市販の洗剤や入浴剤が使われ、関係者は有効な防止策を打ち出せていない。

 昨年七月、神奈川県秦野市の男子大学生(21)が自宅で硫化水素中毒となり死亡。兄(23)と母(49)も病院に運ばれ、その後死亡した。薬剤の瓶が多数見つかり、県警は学生が自殺を図り意図せず家族を巻き添えにしてしまったとみている。

 東京都では今月十七日、練馬区で男性(30)が死亡。家族も病院に搬送されたほか、同じマンションの十四世帯三十九人が避難する騒ぎになった。男性宅から洗剤が入ったバケツが見つかった。

 同じ方法による自殺が短期間で広がったのは、インターネットの掲示板への書き込みが一因とも指摘されている。京都府警は今月、二十三のプロバイダー(接続業者)に自殺方法の書き込みを削除するよう要請した。

 一方、総務省消防庁は「国民に注意を呼び掛けると、逆に自殺方法を紹介することになりかねない」と対応に苦慮。洗剤メーカーは「故意に混ぜ合わせることを防止するのは難しい」と話す。

 あるプロバイダー大手の担当者は「報道があればネットに載るのは当然。削除は考えていない」と自殺を報じること自体に疑問を投げ掛ける。

硫化水素自殺の情報削除を 京都府警がプロバイダーに依頼

2008.04.18 MSN産経新聞

 トイレ用洗剤などを使って硫化水素を発生させる自殺が全国的に相次ぐなか、府警が防止対策に乗り出した。爆発的な連鎖の背景にはネット上で方法が紹介されている現状があり、サイバー犯罪の捜査で定評がある府警ハイテク犯罪対策室が、府内のプロバイダーに関連情報の削除を依頼する異例の申し入れを行った。

 硫化水素による自殺件数の正確な統計はないが、今年に入って全国で少なくとも60〜70件にのぼり、近所に有毒ガスが漏れ出したり、助けに入った家族が巻き込まれるなどの被害も出ている。府内では8人が死亡しており、人口比を考慮しても件数が多いという。ネットの掲示板などでは、硫化水素の生成や浴室の目張りなどの方法や、「入るな危険」と貼り紙をするよう指南する書き込みなどが氾濫している。

 こうした事態を受け、ハイテク犯罪対策室は9日、府内のプロバイダーでつくる「京都ネットワークセキュリティ対策協議会」に加盟している23業者に、硫化水素を発生させる方法などの情報について、「自殺を誘引する有害情報の恐れががある」として書き込みなどを削除するよう依頼するメールを送った。

 こうした書き込みは直ちに違法とは断定できないが、府警は「削除を強制することはできないものの、現状を放置できない。独自の判断で申し入れた」としている。

硫化水素自殺の報道、配慮を=予防学会が緊急アピール

2008/04/18 時事ドットコム

 家庭用洗剤などを使って有毒な硫化水素を発生させる自殺が相次いでいることを受け、医師や臨床心理士などでつくる日本自殺予防学会は18日、他の自殺を誘発しないよう報道に配慮を求める緊急アピールを出した。

 硫化水素による自殺はインターネットなどを通じて広まり、今年に入って全国で相次ぎ、家族や近所の人が巻き添えになるケースも出ている。

硫化水素自殺相次ぐ

2008年04月17日 読売新聞 YOMIURI On-Line

高3女子ら今年4件 県教委、注意喚起へ

 徳島市内で15日、県立高3年の女子生徒(17)が硫化水素ガスを吸い込んで死亡する事案があった。県警は自殺とみている。市販の家庭用洗剤などを使って硫化水素ガスを発生させ、中毒死する自殺が全国で相次いでいるが、県警によると、県内でも同様の自殺は今年に入って4件目。県教委も危機感を募らせており、近く開く県立学校の校長会で注意喚起を促す。

 徳島東署や市消防局などによると、家族が同日午後7時ごろ、浴室に倒れている女子生徒を発見。同市内の病院に運ばれたが、硫化水素中毒で死亡が確認された。浴室には洗剤などの容器数本が転がっていた。

 硫化水素による自殺は全国で多発している。県内では昨年以降で5件目の発生。今年は1月にあったほか、今月に入って相次いでいる。

 捜査関係者によると、女子生徒のパソコンから、「自殺サイト」と呼ばれるインターネットの掲示板に接続した形跡が見つかった。

 県教委は16日、女子生徒が通っていた高校で聞き取り調査を実施。今後、各校の校長らに命の大切さを生徒らに指導するよう求めるとともに、携帯電話やパソコンからのインターネット使用についても注意を呼びかける。

 いじめ問題等対策企画員室の佐野義行室長(52)は「若い命を失うのは非常につらい。波及しないよう対応したい」としている。

硫化水素自殺、母巻き添え死

2008年04月17日 読売新聞 YOMIURI On-Line

 鎌倉市で3月、硫化水素ガスで自殺した息子を助けようとした母親が、巻き添えとなって死亡していたことがわかった。横浜市南区でも16日、自殺した男性の巻き添えで、同じマンションの隣人2人が手当てを受けたばかり。家庭用洗剤などからガスを発生させる同様の自殺は、今年に入って急増、県内では17件発生、18人が死亡した。硫化水素は高濃度のまま滞留しやすく、県警は「他人を巻き込む恐れの高い危険な手段」と警告している。

 捜査関係者によると、鎌倉市で3月25日、大学院生の男性(35)が自宅で自殺した。男性は、全身がすっぽり入るポリ袋の中にガスを充満させて死亡したが、それを見つけた母親(61)が、息子を助けようとその場で袋を開け、漏れだした有毒ガスで死亡した。

 16日未明の自殺では、南区のマンション3階で、住人男性が浴室にガスを発生させて自殺。外に漏れたガスで隣室と下の部屋の女性2人が頭痛を訴え、病院に搬送。症状は軽いという。

 県警によると、県内の硫化水素ガスによる自殺は、昨年は2件、4人が死亡。今年に入って急増、1〜3月で10件、さらに4月に入って計7件起きている。

 家庭用洗剤などから硫化水素を発生させる自殺は、「自殺サイト」と呼ばれるインターネットの掲示板などで、「練炭自殺に代わる方法」として広まった。県内の自殺者の多くは20〜30歳代で、パソコンに同種サイトの検索歴があった。

 硫化水素は、青酸ガスに匹敵する強い毒性があり、高濃度のガスを吸い込むと、のどの痛みや呼吸器系の症状が現れ、ひどい場合は、死亡したり、重い脳障害が残ったりする。卵が腐ったようなにおいが特徴で、空気より重く高濃度のまま現場に滞留しやすい。

 横浜市安全管理局では、「異臭を感じたら避難し、通報するのが安全。中毒にかかった場合は、新鮮な空気の下に移動し、安静にすることが重要だ」としている。

車内で夫婦死亡、硫化水素ガスで心中か…八幡東

2008年04月17日 読売新聞 YOMIURI On-Line

 17日午前1時20分ごろ、北九州市八幡東区中尾3の会社員男性(37)と妻(36)が、自宅駐車場の軽乗用車内でぐったりしているのに、知人の女性が気付き119番した。夫婦は市内の病院に運ばれたが、約1時間後に死亡した。車内からは硫化水素ガスが検出されており、県警八幡東署は夫婦が車内で洗剤と入浴剤を混ぜて硫化水素を発生させ心中を図ったとみている。

 同署の発表によると、夫婦は後部座席に座った状態だった。車内には市販の家庭用洗剤と入浴剤の容器があり、混ぜるために使ったとみられる容器もあった。「硫化水素が発生していますので、ドアを開けないで下さい」という内容が書かれた紙がダッシュボードに置かれていた。夫婦の自宅からは遺書のようなものが見つかった。

 現場は住宅街で、同署などは現場付近一帯の住民に対し屋外に出ないよう呼びかけ、1世帯2人を近所の屋外に避難させた。けが人はなかった。現場周辺では一時、卵が腐ったようなにおいがし、駆けつけた消防隊員は空気呼吸器を背負い、警察官はマスクやハンカチを口や鼻に当てて対応した。

 近くの女性(59)は「消防や警察の人から『硫化水素が漏れたので外に出ないように』と言われた。においは気にならなかったが、何が起きているか分からず不安だった」と話していた。

笠岡の硫化水素自殺:袋の中の遺体は鳥取の弁護士 /岡山

2008年04月16日 毎日新聞地方版 Mainichi INTERACTIVE

 笠岡市平成町の笠岡総合スポーツ公園内で14日朝、ビニール袋に入った状態で発見された男性の遺体は、15日までの笠岡署の調べで、鳥取県内の弁護士(31)と判明した。病気のため休職中だったという。同署は洗浄剤と入浴剤を混合し、硫化水素を発生させて自殺を図ったとみている。【松井豊】

自殺:県内の弁護士、硫化水素で−−岡山・笠岡 /鳥取

2008年04月16日 毎日新聞地方版 Mainichi INTERACTIVE

 岡山県笠岡市平成町の笠岡総合スポーツ公園で14日朝、ビニール袋(横1・5メートル、縦3メートル)に入った状態で男性が死亡しているのが見つかった。男性は県警笠岡署の調べで、鳥取県内の弁護士(31)と分かった。病気のため休職中だったという。袋はガムテープで内側から密閉され、液体の入ったバケツと袋の内外に洗浄剤や液体入浴剤の空き容器など9本があった。同署は男性が薬剤を混合して硫化水素を発生させ、自殺を図ったとみている。【山崎明子、松井豊】

硫化水素自殺 「危険な選択」防がねば

2008年04月15日 北海道新聞

 硫化水素を使った自殺が全国で相次いでいる。道内でも昨年からこれまでに十件以上も起きた。

 自殺者の多くはインターネットで情報を得たとみられる。ならば、ネットに自殺予防や相談先の情報を大量に載せ、踏みとどまらせる工夫を考えたい。

 家族や近隣住民が巻き添えになっている。悲惨な結果を生まないよう、社会全体が自殺予防に知恵を絞りたい。

 硫化水素は、卵の腐ったようなにおいを発する。高濃度の場合は嗅覚(きゅうかく)が麻痺(まひ)し、すぐ感じなくなるので危険だ。一気に中毒症状が出て、その場で倒れることもある。

 第一の問題は、自殺者がこうした情報をインターネットで割と簡単に得ていることにある。

 一時はやった練炭による自殺に比べ、硫化水素自殺は「苦しまずに死ねる」という記述もある。だが、これをうのみにできない。未遂時には重い障害が残るからだ。

 ネットにのめりこむ人には、友人がおらず、狭い世界で生きている人が少なくないという。

 専門家は、死のうかと、迷っている人がネットで検索した時に、自殺予防の情報が大量に現れるようにすることを提言する。

 保健所や「いのちの電話」などの機関が、自殺願望の心に響く自殺予防サイトをつくってはどうか。電子メールでの相談も充実させたい。

 第二の問題は毒性が強いだけに、巻き添えが出やすいことだ。

 昨年夏には神奈川県で家族二人が死亡した。今年三月にも岡山市で息子を助けようとした母親が巻き込まれ、二人とも亡くなった。

 現場付近で独特の異臭を感じた人は、近寄らず、消防に通報することが大切だ。

 日本の自殺者は九年連続して三万人を超え、政府は昨年、自殺総合対策大綱を閣議決定した。

 自殺率を十年間で二割以上下げる目標を掲げた。

 実態解明や人材養成、社会的取り組み、遺族の苦痛を和らげるなど九つの重点施策を掲げている。

 北欧の先進例も見習いたい。フィンランドは国の機関が、関係者とのネットワークづくりなど四十の事業を実施し、自殺率がピーク時より二割減少した。

 スウェーデンも医師やカウンセラー、保健医療従事者の研修などで、男性の自殺率を大幅に下げた。

 地域社会で、あるいは私たちの周辺で、何らかの自殺のサインを発している人に気づくことが大事だ。その上で精神科医ら専門家の力も借りて、自殺そのものを減らす努力を重ねよう。

また硫化水素自殺 岩手、山形で3件相次ぐ

2008.04.15 MSN産経新聞

 岩手、山形両県で硫化水素を発生させた自殺が3件あったことが分かった。

 岩手県警は、硫化水素による自殺が県内で4月中旬までに2件あり、2人が死亡したと発表。いずれも市販の家庭用洗剤を使用していた。性別や年齢、自殺場所などは公表していない。2件の自殺に関連性はないという。

 また14日午後1時すぎ、山形県鶴岡市桜新町の市道で、宮城県の20代女性の乗用車が道路脇の電柱に衝突。女性は病院に運ばれたが死亡した。車内に洗剤などを混ぜた形跡があり、硫化水素のにおいがしたことから、鶴岡署は自殺とみている。

大阪でも硫化水素自殺 18歳女性が浴室で死亡

2008.04.13 MSN産経新聞

 13日午後6時半ごろ、大阪市大正区のパート従業員の女性(48)方で、「浴室から異臭がする」と、外出先から帰宅した女性が119番した。

 駆けつけた救急隊員が鍵のかかった浴室のガラスを割って中に入り、同居している会社員の長女(18)が倒れているのを発見したが、すでに死亡していた。浴室から硫化水素が検出され、長女の遺書が見つかったことから、大正署は自殺とみている。

 同署によると、浴室にトイレ用洗剤などを混ぜ合わせたとみられるバケツがあり、長女は頭からポリ袋をかぶっていた。窓は粘着テープで目張りされていた。

硫化水素で19歳自殺か 岡山、巻き添え母親も搬送

2008/04/13 中国新聞ニュース

 十三日午後一時ごろ、岡山県井原市芳井町の民家で、帰宅した母親(44)が浴室内に無職の次男(19)が倒れているのを発見した。

 通報を受けた救急隊員が、次男と、浴室前の廊下で倒れていた母親を病院に運んだが、次男は死亡した。母親は意識があるという。

 浴室に洗剤などを混ぜたとみられる液体が入った洗面器があったことから、井原署は次男が硫化水素を発生させて自殺し、母親も吸い込んだとみている。

 調べでは、浴室は粘着テープで目張りされ、脱衣所のドアに「ガス発生中、開けるな」との張り紙があった。七人家族で、当時は次男一人が自宅にいたという。

自殺:硫化水素自殺か、都内などで4件

2008年04月13日 毎日新聞 東京朝刊 Mainichi INTERACTIVE

 有毒ガスの硫化水素によるとみられる自殺が12日、東京都や兵庫、滋賀県で4件発生した。兵庫では発生場所のアパートにいた9人が避難し、救急車で病院に搬送された。市販されている薬剤を混ぜて硫化水素を発生させて自殺する方法は、インターネットを通じて広まり、最近多発している。

 12日午前10時50分ごろ、東京都府中市東芝町で、社宅に住む男性(28)が倒れているのを府中消防署員が発見した。男性は間もなく死亡。さらに午後6時25分ごろ、北区神谷のマンションで、女性(36)が倒れているのを、訪ねてきた母親が発見。女性は間もなく死亡した。【武内亮】

硫化水素自殺:続発 府内で7件、7人死亡 警察・消防、2次被害防止に全力 /京都

2008年04月12日 毎日新聞地方版 Mainichi INTERACTIVE

 有毒ガスの硫化水素による自殺が全国で相次ぐ中、府内でも11日夕までに7件発生し、20歳代の6人を含む7人が死亡した。高濃度のものを吸うと即死する恐れがあるなど極めて危険性が高いため、府警や消防は2次被害防止策を現場に通知するなど対応に追われている。また、自殺対策に取り組む専門家も「むやみに周囲の人の命を脅かすことはしないで」と訴えている。

 府警などによると、今年に入って京都市内で5件、京田辺市と南山城村で1件ずつ起きた。特に3月20日以降は5件と急増。市販の家庭用品を混ぜ合わせて硫化水素を発生させる方法だった。

 京都市消防局によると、硫化水素は腐った卵の様なにおいがする可燃性の気体。電気のスイッチを入れただけでも燃えることがあり、場合によっては爆発する。異臭や自殺を知らせる張り紙に気づいたら、すぐにその場を離れ、風上等の安全な場所に避難することが大事。2次被害を防ぐため、扉が開いている場合は閉めることも重要という。

 府警は先月28日、各署の地域課員向け資料に、硫化水素の性質や発生時の対応方法を掲載。速やかに住民を避難させることなどを伝えた。京都市消防局も先月下旬、同様の通知を出した。

 一方、自殺予防などの電話相談に取り組む「京都いのちの電話」。10日午前には硫化水素自殺をほのめかす相談が寄せられ、同一人物かは不明だが、その後右京区の女子大生が自殺しているのが見つかった。

 平田真貴子事務局長は「残された人の悲しみは行き場がない。死のうと思い悩んだら、相談してほしい。一緒に助かる道を探しましょう」と呼びかけている。

 相談は075・864・4343。毎月10日はフリーダイヤル(0120・738・556)も受け付ける。【細谷拓海、珍田礼一郎】

マンションで女性が硫化水素自殺?

2008.04.12 MSN産経新聞

 12日午後6時25分ごろ、東京都北区神谷のマンション3階に住む女性(36)が自室で倒れているのを、訪ねてきた母親が発見、消防に通報した。女性は搬送先の病院で死亡が確認された。室内からは硫化水素とみられる成分が検出され、女性のそばに空のポリ袋が落ちていたことから、警視庁赤羽署は女性が自殺を図ったとみて調べている。

 同署によると遺書などは見つかっていないという。マンションは4階建てで、異臭がしたため入居者は一時避難した。

硫化水素自殺で、周辺住民9人病院搬送 兵庫県西宮市

2008.04.12 MSN産経新聞

 12日午後4時半ごろ、兵庫県西宮市山口町金仙寺のマンション一室で、この部屋に住む会社員の男性(26)が浴室で死んでいるのを男性の父親と西宮署員が発見した。

 西宮署によると、室内には混ぜ合わせたとみられるトイレ用洗剤などの容器10本が残されていた。室内からは遺書のようなものが見つかり、硫化水素を用いた自殺とみられる。周辺には腐ったような異臭が広がり、同署の呼びかけで避難した同じマンションの4世帯9人が「気分が悪い」などと訴えて救急車で病院に運ばれたが、いずれも中毒には至らなかった。

 数日間、男性と連絡が取れなかったことから父親が部屋を訪ねたという。

硫化水素自殺? 東京では28歳、社宅の火災訓練中に発覚

2008.04.12 MSN産経新聞

 12日午前10時ごろ、東京都府中市東芝町にある東芝の社宅で火災訓練中に異臭が発生。消防隊員が異臭元を捜索したところ、4階の部屋で男性が倒れているのを発見され、搬送先の病院で死亡が確認された。

 室内から高濃度の硫化水素が検出されたことから、警視庁府中署は男性が自殺を図ったとみている。

 調べでは、死亡したのは部屋に1人で住む男性会社員(28)とみられる。玄関付近の床の上でうつぶせで倒れており、近くに液体の入った洗面器が置いてあった。遺書は見つかっていないという。

 社宅は5階建てで約130世帯が入居。入居者は一時、全館放送の指示で屋外に避難した。

川岸で硫化水素自殺か 61歳の遺体

2008.04.12 MSN産経新聞

 12日午前6時5分ごろ、大津市黒津の川岸で散歩中の女性(50)がブルーシートの中で男性が倒れているのを見つけ、110番した。大津署員が駆け付けたところ、既に死亡していた。

 大津署によると、近所に住む男性(61)。死因は硫化水素中毒とみられる。そばに硫化水素を発生させるのに使ったとみられる酸性洗剤のボトルなどがあった。上着のポケットには遺書が入っており、同署は自殺とみている。

硫化水素使い? 名古屋市東区の63歳自殺

2008年04月12日 読売新聞 YOMIURI On-Line

高山では未遂

 11日午前5時45分ごろ、名古屋市東区の団地5階の男性会社員(63)方風呂場で、男性が死亡しているのが見つかった。室内に遺書があり、玄関ドアに「硫化水素が充満しています。消防署に至急連絡してください」との紙が張られていたことなどから、愛知県警東署では、男性が硫化水素を発生させて自殺したとみて調べている。

 新聞配達中の女性(42)が張り紙や異臭に気付き同署に届けた。周辺の住民約20人が一時避難した。

 発表によると、男性は一人暮らし。遺書は5通あり、体調がすぐれないことや、仕事の悩みなどがつづられていた。

 また、同日朝、岐阜県高山市の民家で、30歳代のアルバイト男性が部屋で倒れているのを家族が見つけた。男性は意識不明の重体。県警高山署の発表によると、部屋に目張りがしてあり、異臭などから同署は硫化水素を発生させて自殺を図ったとみている。

自殺?:アパートで男性、硫化水素自殺か−−北海道・釧路

2008年04月11日 毎日新聞 北海道夕刊 Mainichi INTERACTIVE

 11日午前、釧路市北園1のアパート1階の部屋のトイレで男性が死亡しているのが見つかった。玄関から「硫化水素で自殺する」などと書いた置き手紙が見つかり、遺体の近くに洗剤と殺虫剤が置かれていた。釧路署は全国で相次いでいる硫化水素自殺とみて、男性の身元と死因を調べている。道内での硫化水素自殺は3件目とみられる。【山田泰雄】

硫化水素で女子大生自殺か 京都

2008.04.10 MSN産経新聞

 10日正午ごろ、京都市右京区梅津南上田町のマンションで、友人からメールで頼まれ、郵便受けを見た女性が「部屋で硫化水素が発生しています」と書かれた紙を見つけ、110番した。

 右京署員や消防隊員らが駆けつけ、部屋の浴室で住民の女子大生(23)が倒れているのを発見したが、搬送先の病院で死亡が確認された。浴室に液体洗剤などがあり、硫化水素が検知された。遺書があったことから、右京署は自殺とみて調べている。

 硫化水素の検知を受け、付近の住民約10人が一時、避難した。

硫化水素で36歳男性が自殺 亀有の都営住宅

2008.04.10 MSN産経新聞

 9日午後11時ごろ、東京都葛飾区亀有の都営住宅「亀有2丁目第8アパート」の一室に住む女性から「硫黄のにおいがする」と119番通報があった。東京消防庁の救急隊員が駆けつけたところ、浴室で、女性の無職の長男(36)が意識不明で倒れており、搬送先の病院で死亡が確認された。

 警視庁亀有署によると、目張りされた浴室内から硫化水素の成分が検出され、近くにはトイレ用洗剤と漂白剤の容器が落ちていた。

 玄関ドアにはチェーンがかけられ、「硫化水素発生中。入るな」と張り紙がされていた。同署では漂白剤と酸性洗剤を混ぜて有毒ガスを発生させ、自殺したとみて調べている。

無職少女が硫化水素で自殺 大阪・八尾

2008.04.09 MSN産経新聞

 9日午前6時15分ごろ、大阪府八尾市山本町の会社社長の父親(50)から「娘が浴室で倒れている。異臭がする」と119番通報があった。無職の長女(18)が服を着たまま倒れており、病院に搬送されたが間もなく死亡が確認された。

 浴室ドアには「硫化水素発生。この家に生まれてきて幸せでした。ありがとう」などと手書きの張り紙があり、浴室内に洗剤などの空き容器2本があったことから、八尾署は長女が洗剤を混合して硫化水素を発生させて自殺を図ったとみて調べている。

 同署によると、浴室には目張りがされ、消防隊員が駆けつけたときには卵が腐ったようなにおいがしていたという。自宅には父親と母親(46)、大学生の兄(20)がいたが、身体に異常はなかった。長女は3月に高校を卒業したばかりで、張り紙には家族に対する感謝の言葉も書かれていたという。

男性が硫化水素で自殺か 滋賀県彦根市

2008.04.09  MSN産経新聞

 8日午後5時40分ごろ、滋賀県彦根市芹川町の派遣社員の男性(31)が住むアパートの部屋を訪ねた上司(30)が、浴室のドアに「消防に硫化水素で自殺と連絡してください」と書いた張り紙があるのを見つけ、119番した。

 救急隊員が浴室内で死亡している男性を確認。粘着テープで目張りされ、浴室内から硫化水素の成分が検出された。彦根署は自殺とみて捜査している。

 調べでは、浴槽の中で酸性のトイレ用洗剤と硫黄を含む入浴剤が混ぜてあった。検視の結果、男性は7日に硫化水素中毒で死亡したとみられる。

 男性は1人暮らし。数日前から無断欠勤していたため、上司が様子を見に来た。

札幌ススキノで硫化水素自殺 住民20人避難

2008/04/08 北海道新聞

 七日午後七時ごろ、札幌市中央区南七西六のマンションの飲食店従業員男性(44)方で、玄関に「ガス充満危険」と書かれた紙があるのを訪れた男性の姉(52)が見つけ、110番通報した。駆け付けた消防隊員が浴室内でこの従業員男性が死亡しているのを発見、室内から硫化水素が検出された。札幌中央署は男性が洗剤などを混ぜて硫化水素を発生させ、自殺したとみている。

 同署の調べによると、浴室のドアや換気口が粘着テープで目張りされ、脱衣所にはトイレ用洗剤などの空き容器が十数本あった。男性に外傷はなく、死因は硫化水素中毒とみられる。

 現場はススキノの一角。体調不良を訴えた人はいなかったが、住民約二十人が約一時間にわたって避難した。札幌市内では三月三十一日にも無職の男性(32)が自宅浴室内で硫化水素を発生させて自殺している。

少年が硫化水素で自殺か 東京・高尾山

2008.04.05  MSN産経新聞

 5日午前8時半ごろ、高校1年の少年(16)から、東京都八王子市の高尾山での自殺をほのめかすメールが来たと、母親が110番した。

 警視庁高尾署などが調べ5日午前、山中で倒れ死亡している少年を見つけた。付近には洗浄液のボトルがあり、異臭がしていたことから、高尾署は、液体を混合し硫化水素を発生させ、自殺を図ったとみている。

 同署によると、高尾山では5日午前、硫化水素を使い、成人が自殺しているのが見つかっているという。

 高尾山は、東京近郊でキャンプや登山ができる観光地として知られる。

死亡女性と母親、目張した浴槽に 枚方の民家ガス漏れ、硫化水素自殺か

2008.04.04  MSN産経新聞

 大阪府枚方市の民家で4日朝、ガス臭がし、一家5人が病院へ搬送され、うち重体となっていた病院事務員の女性(23)が死亡した事件で、女性と意識不明の重体の母親(47)が内側から目張りをした浴室に倒れていたことが分かった。付近には硫黄のようなにおいが充満しており、浴室付近には洗剤などの空き容器数本があった。大阪府警枚方署は女性が洗剤を混合して硫化水素を発生させて自殺を図り、家族が巻き込まれた可能性があるとみて詳しく調べている。

 調べでは、この日午前7時15分ごろ、同市招提南町の民家から「祖父母が倒れている。異臭がする」と通報があった。家族5人が病院搬送され、女性が死亡したほか、母親が意識不明の重体。祖父(74)と祖母(71)、大学生の妹(21)は軽症だった。

 女性と母親は浴室に倒れており、浴室には内側から目張りをした跡があった。これまで遺書などは見つかっていない。

 同署によると、目張りをした浴室内には女性だけが入っていたとみられ、異変に気づいた祖父が目張りをはがし、母親が中に入ったという。

 女性は7人家族。会社員の父親(55)と兄はすでに出勤した後だった。同署は付近約50メートルを30分間通行規制し、付近の住民ら3人が避難したという。近所の男性(71)は「卵の腐ったようなにおいがして、何人も担架で運ばれていった」と話していた。

 現場は京阪牧野駅の南東約600メートルの住宅街。

「苦しまずに死ねる」ネットに情報氾濫 相次ぐ硫化水素自殺

2008.04.03 MSN産経新聞

 複数の洗剤や入浴剤などを混ぜて有毒な硫化水素を発生させ、中毒死する自殺が相次いでいる。「苦しまずに死ねる」−。インターネット上にはこうした文言とともに具体的な方法が紹介され、今年に入ってからだけでも、10人以上が自殺した。東京都内で自殺未遂をした男性も「ネットで自殺方法を調べた」と話しているという。有毒ガスが外部に漏れ出すなどして、家族や近隣住民らが巻き込まれるケースもあり、専門家は「危険な方法」と警鐘を鳴らしている。(高久清史)

 ■激しい頭痛

 「硫黄みたいなにおい。何かしら?」

 2月18日朝、東京都渋谷区の3階建てアパート。3階に住むアパート所有者の女性は激しい頭痛で目が覚め、異臭に気付いた。のどに走る痛み。異臭は下の階から漂ってきていた。

 応答のない1階の鍵を開け、警察官らと部屋に入った。「濃密な異臭がもわっと飛び出してきた」。居間では男性(27)がソファで倒れ、床に複数の鍋が置かれていた。洗剤などの容器も散乱していた。有毒ガスだと確信したとき、隣の警察官が叫んだ。「すぐに出てください」

 警視庁渋谷署によると、男性は硫化水素を発生させて自殺を図っていた。女性は3階に駆け上がり、異臭に泣き声を上げる生後4カ月の長男と、1歳の長女を連れて逃げ出した。3人は軽症だったが、女性は「生まれてきたばかりの子供を巻き込み、小さな肺に有毒ガスを吸わせた」と憤る。

 約2週間後、一命を取り留めた男性が謝罪に訪れ、自殺未遂の様子を説明したという。

 「確実に死ねるようきっちりと洗剤を計量し、バスルームで調合した。方法はインターネットで調べた」

■練炭より確実

 硫化水素は卵の腐ったような刺激臭を発する有毒ガス。頭痛や吐き気、呼吸困難などの症状が表れる。高濃度の場合には数呼吸で失神、即死する。

 あるホームページではこうした硫化水素の毒性を紹介し、「練炭自殺より、苦しまずに確実に死ねる」と宣伝。さらに、部屋の通気口などを粘着テープでふさいだり、「ガス発生中。入るな」の張り紙をしたりするなどの具体的な手順も記載している。

 インターネットの有害情報を監視する民間団体には今年2月14、15日、「硫化水素を使った自殺に関する書き込みがある」という情報提供が2件相次いだ。この時期から自殺が急増していることなどから、団体関係者は「2月ごろからネット上で書き込みが増え、情報が広まった可能性もある」と話している。

 昭和大薬学部の吉田武美教授(毒物学)は「一般に流通する商品で硫化水素は発生させられるが、極めて危険な行為。高濃度になると、嗅覚(きゅうかく)がまひしてしまうため、家族らを巻き込む2次被害の恐れがある」と警告する。

 ■メーカー困惑

 実際、渋谷区の自殺未遂のケースのように、巻き添えの被害が後を絶たない。

 神戸市北区の男性会社員(64)方の浴室では3月27日、アルバイトの二男(27)が「有毒ガス発生。開けるな」と張り紙をして自殺したが、会社員が意識不明の重体となったほか、妻や長男も有毒ガスを吸い込んで治療を受けた。昨年7月に神奈川県秦野市で男子大学生が自殺したケースでは、家族2人が巻き添えで死亡しただけでなく、救急隊員や警察官も目などの痛みを訴えた。

 インターネット上で、硫化水素の原料として名指しされている洗剤の製造元は「自殺の道具に使われ、非常に困惑している。商品に『これと混ぜたら危険』と表示すれば、逆に自殺を促す結果になる恐れもある」と話している。

サイトに書き込み、洗剤でガス自殺10件発生

2008年04月02日 読売新聞 YOMIURI On-Line

 市販の家庭用洗剤などから硫化水素ガスを発生させる方法による自殺が相次いでいる。インターネット上で「練炭に代わる方法」として取り上げられて広まり、今年に入ってから少なくとも10件発生した。

 家族や近所の住民が巻き添えになった例もあり、専門家は「助かっても後遺症が残る可能性があり、他人も巻き込む危険な手段」と警告している。

 東京都渋谷区のマンション3階に住む女性会社員は2月中旬の朝、温泉のような激しい硫黄臭と頭痛で目が覚めた。薬を飲んでも治らず、悪臭もひどくなる一方。調べると、においは同じマンションの1階の部屋から出ており、閉め切った室内で男性が倒れていた。部屋には入浴剤などの容器が転がり、鍋から黄みがかった煙が上がっていた。

 駆けつけた消防士に促され、2人の子どもと救急車に乗ったが、原因が硫化水素とわかったのは治療を受けた後。

 一命を取り留めて、謝罪に来た男性は「ネットで知った方法で死のうと思った」と話した。女性は「子どもは病院から『観察が必要』と言われた。心配です」と不安そうだ。

 高濃度の硫化水素ガスを吸い込むと、頭痛やめまい、呼吸障害が起き、ひどい場合は意識不明になり、死亡する。

 この方法による自殺は1月以降、東京や大阪などで少なくとも10件起きており、14人が死亡。うち1人は家族が巻き添えになったとみられ、ほかにも助けようとした家族が病院に搬送された例もある。

 「自殺サイト」と呼ばれるインターネットの掲示板でも、車の中などで練炭を燃やす方法に代わって、硫化水素による自殺をあおる書き込みが急増している。先月末に札幌市で無職男性(32)が自殺したケースでは、浴室のドアに「死に至る危険があります。絶対入室せず消防を呼んで下さい」と書かれた張り紙があった。

 1月に東京都町田市の団地で男子高校生と母親が心中したとみられる事故では、高校生は頭に透明な袋をかぶり、ガスの発生後に袋を破って吸い込んだ形跡があったが、町田署などによると、張り紙や袋をかぶる方法は、ネット掲示板でも指南されているという。

 千葉大医学部の岩瀬博太郎教授(法医学)は「硫化水素は空気より重いため、マンションの階下に住む人や救助しようとした人にも被害を及ぼす危険がある。助かっても重い脳障害が残る可能性がある」と指摘している。

またまた硫化水素で自殺か 札幌の32歳男性

2008.03.31 MSN産経新聞

 31日正午すぎ、札幌市中央区北五条西のマンションの無職男性(69)方で、浴室ドアに「硫化水素がある。近寄るな」と書いた紙が張ってあるのを、帰宅した男性が見つけ119番した。

 駆けつけた消防隊員が浴室内で、男性の二男(32)が死亡しているのを発見。近くにトイレ用洗剤と入浴剤の容器が空の状態で置いてあった。中央署は硫化水素を発生させ、自殺を図ったとみて調べている。

 調べでは、浴室のドアや窓が粘着テープで目張りされ、浴槽からは異臭が出ていた。

 硫化水素を使った自殺とみられるケースが全国で相次いでおり、同署はインターネットの自殺サイトなどを通じて広まっているとみている。

袋かぶり硫化水素で自殺か 静岡

2008.03.28 MSN産経新聞

 28日午前9時20分ごろ、静岡市葵区平山の林道沿いで、ビニール袋をかぶった女性が倒れているのを通行人が見つけ、110番通報した。静岡中央署員が駆けつけたが、女性は既に死亡。現場からは有毒ガスの硫化水素が検知された。

 最近、各地で硫化水素を発生させた自殺が相次いでいるが、同署は女性が同様に硫化水素を発生させて自殺を図った可能性が高いとみて、身元の確認を急いでいる。

 調べでは、現場には「毒ガス発生、110番してください」という趣旨を書いた紙があり、女性は袋の中でペットボトルを持った状態だった。

 同署はペットボトルの中身などを調べている。

硫化水素で自殺後絶たず 周囲巻き込む危険

2008.03.27 MSN産経新聞

 家庭用洗剤などから硫化水素を発生させる自殺がまた起きた。27日、神戸市でアルバイトの男性が図った自殺は家族も巻き込む惨事に発展。インターネット上では「新しい方法」「簡単に逝ける」と紹介され、昨年1年間に少なくとも6人、今年に入ってからはこれまでに9人が命を落としている。男性は浴室の扉に「開けるな」と張り紙をしており、過去のケースを模倣した可能性が高い。医療関係者は「家族や消防隊員、警察官までも危険にさらす。一命を取りとめても後遺症が出る恐れがある危険な手段だ」と警告している。

 「練炭自殺に代わる、新しい自殺方法が開発された。火をおこす必要はない。練炭よりも簡単」

 こんな言葉がネット上で若者を扇動している。硫化水素を使った自殺の方法を紹介する内容が複数の掲示板に書き込まれ、「目張りや注意書きも行い、遺書を残すべきだ」と殺人事件と間違えられないためのアドバイスまで書かれている。

 「有毒ガスが発生中。硫化水素。警察を呼べ」。実際にこんな注意書きを張った上での自殺が今年2月末、大阪市内であった。

 注意書きは民家の大学院生(24)の部屋に張られていた。警察や消防が出動、半径約50メートルを交通規制する騒ぎになった。今回も「有毒ガス発生開けるな」と張り紙があったが、家族を巻き込む結果になった。

 過去にも巻き添えが相次いでいる。3月に岡山市で高校2年の男子生徒(17)が自殺した際には母親も死亡。昨年7月には神奈川県で自殺した大学生=当時(21)=は「遺書に「家族への不満はない」と記していたが、母親=同(49)=と兄=同(23)=が死亡、妹(18)が重体になった。

 家族だけではない。今年2月に東京都のアパートで起きた男性(27)の自殺未遂では、近所の女性と乳児2人が病院に搬送。駆け付けた警察官が自殺者を助けようと突入し、搬送されたケースもあるという。

 消防庁によると、一昨年の硫化水素にからむ事故・自殺の認知件数は4件で、下水管内での作業中などの事故がほとんどだった。ネット掲示板に自殺方法として書き込まれ、増えだしたのは昨年からとみられる。

「原料」とされる洗剤は届け出が必要な毒劇物ではなく、あくまでただの日用品。ネット上の書き込みすべてを削除するのは難しく、抑止に向けて打つ手がないのが現状だ。洗剤の製造元は「困惑している。従来から『混ぜるな危険』と表示しているが、『これと混ぜるな』と書くと逆に自殺の手法を宣伝することになりかねない」。

 大阪大学医学部法医学教室の的場梁次教授は「濃度が高ければ1分もせずに死亡するが、それは近くにいる人も同じ。どの程度のガスが発生するか素人には予測がつかず、他人を巻き込む可能性が非常に高い」と警告している。

「洗剤自殺」巻き添えか 硫化水素中毒4人死傷

2008.03.27 MSN産経新聞

 27日午前2時35分ごろ、神戸市北区若葉台の会社員(64)方から「次男が浴室でガスを発生させ、家族が倒れている」と119番があった。

 会社員夫婦と長男(32)、次男(27)が病院搬送された。次男が硫化水素による中毒で死亡、会社員も意識不明の重体。妻(59)と長男も治療を受けているが、命に別条はないもよう。

 浴室に、混ぜ合わせたとみられる洗剤と殺虫剤の容器計6本があった。神戸北署は、次男が硫化水素ガスを発生させて自殺を図り、助け出そうとした家族もガスを吸い込んだとみて調べている。

 調べでは、次男は浴室の換気口に目張りし「有毒ガス発生。開けるな」と張り紙をして、浴室に閉じこもった。次男の部屋に家族あての遺書があった。

「有毒ガス発生中、警察呼べ」と張り紙し、硫化水素で自殺? 大阪の大学院生

2008.02.29 MSN産経新聞

 29日午前10時ごろ、大阪市港区八幡屋の会社員(53)方で、「異臭がし、家族が有毒ガスを発生させたようだ」と110番通報があった。港署員がかけつけたところ、国立大学院生の長男(24)の自室入り口に「有毒ガス発生中、警察呼べ」と張り紙があり、室内で長男が死亡していた。硫化水素が検出されたため、同署は会社員宅から半径50メートルを立ち入り禁止にした。ガスを吸った祖母(84)と母親(51)が病院搬送されたが軽症。

 現場近くには市立八幡屋小学校もあり、窓を閉める措置をとった。付近住民にけが人はなく、約1時間後に解除された。

 調べでは、長男の自室には塩素系のトイレ用洗剤5本があり、長男が何らかの方法で硫化水素を発生させたとみられる。「生きていくことに意欲がなくなった」と遺書が残されており、同署は長男が自殺を図ったとみて調べている。


自殺の7割で原因が複合 NPOが遺族101人調査

2007年09月10日 中国新聞ニュース

 9年連続で自殺者数が3万人を超える中、NPO法人「自殺対策支援センター ライフリンク」(東京)は10日、自殺者の遺族101人に聞き取り調査をした結果、複数の原因が絡む自殺が7割を占めていたと発表した。

 世界保健機関(WHO)が定めた世界自殺予防デーに合わせ、東京都内で開いたフォーラムで発表。「自殺の原因は1つではないと言われていたことを裏付けた」としている。ライフリンクは1000人を目標に調査を進め、来年度中に最終結果を取りまとめる予定。

 調査結果によると、病気、経済・生活、家族、勤務など警察庁の自殺統計と同じ7つの原因分類を用いて尋ねたところ、67件で複数の原因が挙げられた。

 経済・生活問題についてみると、総計84件のうち、35件が勤務問題、18件が家族問題、12件が病気とそれぞれ複合していたという。

 一方、複数の原因を挙げた67件のうち47件では医師や弁護士など何らかの相手先に相談していたが、相手が複数だったのは10件だけで、相談先相互が連絡を取り合う必要性も浮かんだ。

学生・生徒の自殺者が過去最多の886人 警察庁まとめ

2007年06月07日 asahi.com

 昨年1年間に全国で自殺した人のうち、「学生・生徒」が886人(前年比25人増)と、統計を取り始めた78年以降、最多を記録したことが7日、警察庁のまとめでわかった。遺書が残っていた人の原因・動機別でも、「学校問題」が91人と前年から20人増えるなど、学校現場をめぐる問題の深刻化をうかがわせる結果になった。自殺者の総数は3万2155人(同397人減)で、9年連続で3万人を超えた。

 学生・生徒は00年以降、600〜700人台が続いていたが、一昨年と2年連続で800人を超えた。内訳は、小学生14人(同7人増)、中学生81人(同15人増)、高校生220人(同5人増)など。

 学校問題を原因・動機とした人数は、遺書の内容を基に原因・動機を分類し始めた98年以降で最多だった。学業不振やいじめなど学友との不和、教師からの叱責(しっ・せき)などが含まれているという。19歳以下も623人(同15人増)と、2年連続で増えた。

 男女別では、男性が2万2813人で7割を占め、女性は9342人。年代別では、60歳以上が1万1120人(同226人増)と全体の35%で、50歳代が7246人(同340人減)、40歳代が5008人(同200人減)。職業別では無職が1万5412人(同3人増)と最も多く、被雇用者8163人(同149人減)、自営業者3567人(同133人減)。

 遺書を残した1万466人の原因・動機別では、健康問題が4341人(同196人増)で4割を占め、経済・生活問題3010人(同245人減)、家庭問題1043人(同32人増)。

 厚生労働省が6日に発表した人口動態統計(概数)では、自殺者は2万9887人で厚労省統計としては4年ぶりに3万人を下回ったが、厚労省が自殺した日本人だけを対象としているのに対し、警察庁の統計は外国籍の人も含めているため、数字が異なる。

    ◇

 警察が昨年1年間に捜索願を受理した家出人について、7日、警察庁が発表したまとめによると、総数が8万9688人で前年より962人減るなかで、19歳以下の少年は2万352人で82人増え、原因・動機別でも、「学業関係」を理由としたものが2349人で153人増加した。

自殺、8割周囲に相談せず 厚労省研究班が国内初の大規模調査

2007/05/12 中国新聞ニュース

 自殺を図った人のうち約八割が「死にたい」と悩んでいることを周囲に相談しておらず、死亡した人については過去に自殺未遂歴のない人が、ある人の約十倍に上ることが十二日、厚生労働省研究班の調査で分かった。

 調査対象者は計千七百二十五人(男性五百七十六人、女性千百四十九人)で、うち死亡者は二百九人。自殺に関し、これだけ大規模な調査は国内では初めて。

 研究班の主任研究者・保坂隆ほさか・たかし東海大医学部教授は「日本の社会には『死にたい』ということを容認しない雰囲気があることが浮き彫りになった。死亡者の多くに未遂歴がないのは、悩んだ末に覚悟の自殺をする傾向の表れ」と指摘している。

 調査対象は二〇〇三年八月から〇六年十二月までに、岩手、福島両県と東京、大阪の計四カ所の救命救急センターに自殺を図って搬送された人で、本人や遺族から聞き取りした。平均年齢は男性四一・四歳、女性三六・八歳。

 死亡した二百九人(男性百十一人、女性九十八人)のうち(1)家族(2)友人(3)精神科医―などのいずれかに「死にたい」と相談していたのは、延べ数で男性が十五人(13・5%)、女性は二十四人(24・5%)。未遂だった千五百十六人(男性四百六十五人、女性千五十一人)で相談していたのは男性百三人(22・2%)、女性三百五十一人(33・4%)。一人が複数の相手に相談した場合、人数が重複して計算されるため、実際には約八割がだれにも相談していなかったとみられる。

 研究班は「実際に周囲に悩みを打ち明けていたのは死亡者で15%程度。未遂でも20%くらい」としている。

 自殺未遂歴については、死亡した人のうち「なし」は百三十五人で「あり」十三人の約十倍。不明が六十一人。未遂となった人では男性百二人、女性五百二十九人が「あり」だった。女性は「五回目以上」が二百七十三人いた。不明は九十人だった。

自殺「20%減」は低過ぎ? 政府の目標値に批判広がる

2007年05月02日 中国新聞ニュース

 政府が4月末にまとめた自殺総合対策大綱素案に盛り込んだ「2016年までに自殺率を20%減少」とする数値目標に対し、与党内にも「目標が低過ぎる」(自民党中堅)との批判が広がっている。

 政府はインターネットや郵便、ファクスで国民から意見を募るパブリックコメントを5月10日まで実施、その後大綱を策定する予定だ。

 数値目標について高市早苗特命担当相は「高齢化の進展が早い(と自殺率が高まる傾向がある)という事情を勘案し、フィンランドや英国、フランスの目標を参考にした」と説明。内閣府も「10年といわずできるだけ早く達成したい」としているが、自民党内閣部会幹部は「20%は少な過ぎる。半減にすべきだ」と、腰が引けた対応を批判した。

 厚生労働省まとめによると、2005年の自殺者は3万553人で、10万人当たり24・2人。素案はこれを今後10年で19・4人に減少させることを目標にしている。

ネットで自殺予告、79人に警察対応・43人を救助

2007年03月15日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 インターネットを通じた自殺予告に関し、プロバイダー(インターネット接続業者)などから提供された予告者の個人情報に基づいて、昨年1年間に全国の警察が対応したケースは75件79人に上り、このうち43人は警察官による救助や説得などで最悪の事態を免れていたことが15日、警察庁のまとめでわかった。

 2005年秋から始まった情報提供制度の成果とも言えるが、プロバイダーなどの中には夜間や休日に警察の照会を受け付けない業者もあり、同庁は改善を要望している。

 ネット上の自殺予告についてプロバイダーなどは従来、「通信の秘密」に基づき、警察が令状を取った場合に限って個人情報を提供してきたが、電気通信事業者協会などネット関係4団体と総務省、警察庁が2005年8月、新たに運用指針を策定。自殺の動機や方法を明確に示す表現があるなど一定の条件を満たせば、警察の要請に応じ、氏名や住所、メールアドレスを提供する仕組みを設けた。指針は同年10月から運用されている。

 警察庁のまとめによると、79人が自殺予告に使った手段の内訳は、46人がネット上の掲示板、30人が電子メールで、3人はチャットなど。掲示板への書き込みには、集団自殺を呼びかけるものもあった。

 実際に自殺を図ったのは5人。うち1人は警察官が駆け付けた時には既に自宅におらず、後に遺体で見つかったが、残る4人は警察官や救急隊に救助されるなどして死亡を免れた。この中には、掲示板での自殺予告を見た人からの通報で警察がプロバイダーに住所などを照会、手首を切った女性を警察官が病院に運んだケースなどがある。

 また、39人については、自殺を図る段階には至っていなかったものの、自殺をする恐れが現実にあり、本人に対する説得や、家族への見守りの依頼などで結果的に自殺を防いだ。このほか、20人に関しては、いたずらなどで「自殺の恐れなし」と判断。15人は、インターネットカフェを使用していたケースなどで、発信者を特定できなかった。

いのちの電話、メールでも ネットで自殺予防

2006/10/14 中国新聞ニュース

 自殺予防のため相談を電話で受け付けている「社会福祉法人いのちの電話」(東京)は十六日、新たに電子メールによる相談を始める。インターネットの普及に合わせた相談方法の拡大で、減少傾向にある十〜二十代の相談掘り起こしも目的。来年三月まで試行し、利用状況を分析した上で、本格運用を検討する。

 専用ホームページ(HP)に送信フォームを用意。利用者はHPにアクセスし、一千字以内の相談内容と返信のための電子メールアドレスを入力して送信する。受付確認の電子メールが返送され、四時間以内ならキャンセルもできる。

 対応する相談員は、電話相談の実務経験が二年以上あるベテランで約三十人。四月から、文章でどう的確に意思を伝え合うか訓練を重ねた。毎日、六人ぐらいが輪番を組み、遅くとも一週間以内に回答する。相談員が使うパソコンの画面には、相談者のメールアドレスは表示されない。

 三崎由美子事務局長は「ネットで知り合った者同士が心中したり、自殺方法を掲載したサイトがあるなど、ネットのマイナス面が指摘されているが、文章を書くことで気持ちが整理できるなど、逆に自殺防止の力にできるのではないか」と話している。

 利用は十六日午前零時から可能。専用HPのアドレスは、https://www.inochinodenwa−net.jp/

ネット自殺予告で情報提供 警察への開示基準を策定

2005/10/06 The Sankei Shimbun

 通信事業者やインターネットのプロバイダー(接続業者)など4業界団体は5日、ネット上に「自殺予告」の書き込みをした人の個人情報について、警察から提供するよう求められた際の開示基準のガイドラインを策定したと発表した。

 ガイドラインは、刑法上の緊急避難の要件として(1)自殺の時期が切迫している(2)場所、動機、方法が示され決行の可能性が高い―などとしている。8月のガイドライン案の公表後に意見を公募した上で正式決定した。

 ネットで自殺をほのめかしたり、集団自殺を呼び掛ける書き込みが増え、実際に自殺者も出ていることから、迅速に情報を提供し人命保護につなげる必要があると判断した。

 事業者には「通信の秘密」にあたるネットの個人情報の保護が課されており、原則として開示を許されていないが、「刑法上の緊急避難」の要件を満たせば開示できる。

 ただ具体的にどういう場合が緊急避難にあたるかは、個々の事業者の判断に委ねられていたのが実態で、今回初めて具体的な判断基準と手続きを整備した。(共同)

自殺サイトで20人以上誘う 3人目殺害で男を再逮捕

2005/09/26 The Sankei Shimbun

 自殺サイト連続殺人事件で、大阪府堺市の元会社員、前上博被告(37)=殺人罪などで起訴=がサイトから男女20人以上にメールを送り、集団自殺に誘っていたことが26日、河内長野署捜査本部の調べで分かった。

 計9人が返信し、うち3人が誘い出されて殺害された。残る6人の生存は確認されたという。

 捜査本部は同日、3人目の被害者である同府東大阪市の男子大学生=当時(21)=に対する殺人と死体遺棄容疑で前上容疑者を再逮捕。ほかにも殺害を狙っていたとみて調べている。

 調べでは、前上容疑者は昨年12月末、自殺サイトに投稿していた同府豊中市の無職女性=当時(25)=ら4人に「一緒に練炭自殺しましょう」などとメールを一斉送信。さらに今年2月にこの女性を殺害した後、4月ごろから8月に逮捕されるまで、同様に十数人にメールを送っていた。

 返信した人の中には前上容疑者が手足を縛ることにこだわるのを不審に思い、断った人もいた。偽名で取得した無料のメールアドレスを使い、身元が分からないようにしていた。

 再逮捕容疑は6月10日午後5時半ごろ、同府河内長野市の山中に止めたワゴン車内で大学生の手を縛り、ビニール袋とタオルを重ねて口をふさぎ窒息死させ、遺体を山林に捨てた疑い。苦しむ様子を写真に撮り、録音していたという。(共同)

自殺防止へ緊急集会 NPO代表・医師らが対策検討

2005年09月10日 asahi.com

 世界保健機関(WHO)が定めた世界自殺予防デーの10日、自殺対策を話し合う緊急フォーラムが東京・渋谷の国連大学に行政担当者や民間の関係者らを集めて開かれた。国が総合対策センター(仮称)の設置を決めるなど対策は緒に就いたばかり。参加者からは、自殺を止めるための具体策に早急に取り組むべきだとする声が相次いだ。

 「自殺対策のグランドデザインを考える」(ライフリンク主催、WHO後援)がテーマ。国や自治体の担当者、医師、市民団体の代表ら約100人が参加し、それぞれの立場から有効な対策や連携のあり方について意見を出し合った。

 秋田県で、公衆衛生の立場から自治体と協力して自殺予防に取り組む本橋豊・秋田大教授は「行動し、検証しつつ進むべきだ」と訴えた。本来は調査し、戦略を立てて動くべきだが、年間の自殺者数が7年連続で3万人を超える日本の現状には、「その余裕はない」と見ている。

 「保健所の役割を明確にしないと動こうにも動けないのではないか」とする意見も出た。自殺対策に取り組む制度的根拠を明確にして、より積極的に動けるようにするべきだ、との趣旨だ。

 中小企業団体の関係者は「経営者は社員に話すわけにもいかずに悩みを内に秘めてしまう。経営者同士が腹を割って話せる場が必要だ」と訴えた。「若い人のうつ病対策が大切な時期にきた」とする意見もあった。

 自殺者遺族のケアを続ける市民団体の担当者は「安心して話せる場が必要だが少ない。11月に交流会を開き、共同でスタッフの研修をすることも考えたい」と語った。

練炭心中:車内で男女3人が死亡 岐阜・関市

2005年08月28日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

 28日午後3時ごろ、岐阜県関市中之保の山中で、男性から「別荘の敷地内に止めてある車の中に人が倒れている」と110番があった。県警関署員が駆けつけ、車内に男女3人が倒れ死亡しているのを発見。車内に燃えた練炭があり、心中の可能性があるとみて調べるとともに、3人の身元や、死因などの確認を急いでいる。

 調べでは、車はライトバンで、運転席に女性1人、後部座席に男女2人が倒れていた。後部荷台に練炭火鉢2個と鉄製バーベキューコンロ1個があり、燃えた練炭3個が入っていた。【中村かさね】

自殺予告者の氏名など開示 ネット情報を警察に

2005/08/25 The Sankei Shimbun

 通信事業者やインターネットのプロバイダー(接続業者)の四つの業界団体は25日、ネット上で「自殺予告」があった場合に、書き込んだ顧客の氏名や住所などの個人情報を警察に開示する際のルールを定めたガイドライン案を、初めて策定し公表した。

 社会問題化している「ネット自殺」の急増に対応する狙いがある。従来は「通信の秘密」の保護を重視し、個人情報の提供は難しかった。しかし、業界統一の判断基準をつくることで、捜査当局などに対し迅速な情報提供ができる態勢に転換、人命保護を優先する姿勢を明確にする。

 ガイドラインの作成には総務省、警察庁が協力。今後は約1カ月間、一般から意見を募集した上で、10月から運用を始める。

 ガイドラインは個人情報の開示について、あくまで自殺を防ぐための緊急避難措置であるとして(1)時期が切迫している(2)具体的場所や方法などが示され決行の可能性が高い(3)「死にます」など意思が表示されている―と、条件を具体的に示した。

 自殺予告者の氏名など警察からの照会に対し、通信事業者、プロバイダーなどがこうした条件を勘案して開示を決める。またガイドラインでは、警察からの照会方法の統一など手続き面の整備も打ち出している。(共同)

アパートに男女の3遺体 心中か、会社員や高校生

2005/08/17 The Sankei Shimbun

 17日午前8時ごろ、愛知県豊田市のアパートの一室で、住人の男性会社員(28)ら男女3人が死亡しているのを、会社員の勤務先の上司が見つけ110番した。室内で炭を燃やした形跡があり、会社員の遺書が見つかったことから、豊田署は心中とみて調べている。

 調べでは、ほかに死亡していたのは、名古屋市南区の女子高生(17)と20―30代の男性。玄関には鍵がかけられ、粘着テープで目張りがされていた。バーベキューのこんろで炭を燃やしていたという。

 外傷や着衣の乱れはなく、死因は一酸化炭素中毒とみられる。

 同署は3人の関係などを調べている。

 女子高生は15日に自宅を出たまま戻っていなかった。(共同)

年間3万人超…自殺対策で省庁連携

2005/07/19 The Sankei Shimbun

≪来月にも内閣府に連絡会議設置≫

 尾辻秀久厚生労働相は19日の閣議後の記者会見で、自殺者が年間3万人を超えている事態について「社会全体の問題。関係省庁と連絡を取り、政府全体でチームをつくることを検討している」として、政府が総合的な自殺対策に乗り出す方針を明らかにした。

 8月にも、官房副長官をトップに厚労、総務、文部科学省、警察庁の局長級が出席する「自殺対策の推進に関する関係省庁連絡会議(仮称)」を内閣府に設置。下部組織として、「自殺予防総合対策センター(仮称)」を厚労省が設置し、自治体や民間非営利団体(NPO)などと連携、自殺防止のネットワークづくりを目指す。

 参院厚生労働委員会は同日、政府に自殺対策の具体策を求める決議をする。

 厚労省の人口動態統計(概況)によると、昨年1年間の国内の自殺者は3万227人で2年連続で3万人を超えている。(共同)

有害サイトの閲覧制限 「自殺」情報に開示基準

2005/06/30 The Sankei Shimbun

 政府は30日、爆発物の製造方法などインターネット上の違法・有害情報に関する対策を決めた。有害サイトの閲覧を制限できるソフトの普及を図る一方、有害情報に対するプロバイダー(接続業者)の自主規制の支援を検討し、情報を流す側と受け取る側の両面から対策を強化する。社会問題化している「自殺サイト」に対しては、警察が発信者の情報開示を接続業者に求める手続きや基準づくりを急ぐ。

 対策は、山口県立光高校で起きた爆発事件を受け、総務省や警察庁など関係省庁でつくる「インターネット上の違法・有害情報等対策関係省庁連絡会議」(IT安心会議)でまとめた。

 利用者側が実施可能な対策として、有害情報の閲覧を制限できる「フィルタリングソフト」の普及を促進。携帯電話や動画にも対応できるよう研究開発を進める。青少年などを対象に情報モラル教育を実施するほか、違法・有害情報に関する専門の相談窓口設置を検討することも盛り込んだ。

 爆発物や偽札の製造方法などの有害情報については、プロバイダー側の自主規制を促す狙いから、総務省など関係省庁で研究会をそれぞれ設置して業者に対する支援策を検討する。(共同)

 政府がまとめたインターネット上の違法・有害情報対策の要旨は次の通り。

 ▽フィルタリングソフトの普及等 (1)有害情報を選択し排除するフィルタリングソフトの活用を推進。学校、PTAと協力し子どものいる家庭を重点に啓発(2)児童を保護するため携帯電話向けにも実現するよう研究開発。動画やゲーム、掲示板、チャットに対応した技術を実用化。

 ▽プロバイダー等による自主規制の支援等 (1)警察から自殺サイトのプロバイダーに自殺志願者の発信者情報開示を求める手続きや判断基準について早急に取りまとめる(2)爆発物、偽札など違法・有害情報について、プロバイダーによる自主的措置を検討する研究会を、7月をめどに設置(3)サイトの内容に関する情報を利用者に提示、利用の是非を事前に判断する仕組みの創設(4)コンテンツ情報を把握するシステムの構築や情報提供について、研究会を8月をめどに設置。

 ▽モラル教育、相談窓口の充実 略(共同)

「自殺願望」が倍増 全国の「心の電話相談」で

2005/06/28 The Sankei Shimbun

 全国21の労災病院で行っている「勤労者 心の電話相談」に2004年度1万6388件の相談があり、前年度より約3500件増えたことが28日、独立行政法人、労働者健康福祉機構のまとめで分かった。特に「死にたい」「生きていく自信がない」などといった「自殺願望」が前年度の414件から倍以上の993件となった。

 同機構は「詳しい原因は分からないが、厳しい職場環境や人間関係で高いストレスがあるのではないか」としている。

 電話相談はカウンセラーや医師が対応するが、自殺願望は緊急性や専門性もあるため、相談相手に精神科医らを紹介するなどしているという。

 相談件数は前年度より約27%の増加。女性が約57%を占めた。年代別では30代が最も多く22%、40代約18%の順。

 相談の原因(複数)で最も多いのは「上司との人間関係」、2番目が「その他の人間関係」だった。体調や精神状態(複数)については「将来に対する不安感」が1番多く、次いで「落ち着けない」、3番目が「イライラ・不安定」だった。

 電話相談は、平日の午後2時から午後8時まで受け付けている。(共同)

ネット自殺計画の男逮捕 女子高生2人と合流図る

2005/05/29 The Sankei Shimbun

 秋田県警大館署は29日、県青少年育成条例違反(深夜連れ出し等)の疑いで宮城県石巻市の男(24)を逮捕、男の車に同乗していた北海道室蘭市の女子高生(15)を保護した。

 2人はインターネットの自殺サイトで知り合い、長野県内の女子高生(15)と3人での練炭自殺を計画。28日午後4時ごろに青森市のJR青森駅で落ち合い、長野県へ向かう途中だった。

 同署によると、自殺サイトの掲示板に男が「一緒に自殺してくれる人を探している」と書き込み、女子高生が呼応。それぞれ「借金があってつらかった」「自分の性格が嫌で死にたいと思っていた」などと話しているという。

 男のパソコンを見て自殺サイトへの書き込みに気付いた家族が28日、警察に捜索を依頼、男の車のナンバーを伝えた。29日午前2時ごろ、秋田県大館市をパトロール中の大館署員が男の車を発見した。(共同)

男女3人が集団自殺? 那須塩原、車内に練炭

2005/05/09 The Sankei Shimbun

 8日午前8時半ごろ、栃木県那須塩原市百村の山林内に止めてあった乗用車内で、男性1人と女性2人が死んでいるのを近くのホテルの従業員(45)が発見し、黒磯署に通報した。

 調べでは、車内後部から練炭2個が見つかった。同署は集団自殺とみて身元を調べている。

 男性は45−50歳くらい、女性2人はともに15−25歳くらいで、運転席と助手席、後部座席でそれぞれ倒れていた。(共同)

男女3人、車内で練炭自殺か 埼玉・秩父の山中

2005年04月02日 asahi.com

 2日午後4時20分ごろ、埼玉県秩父市大滝の林道で「知人が不審な乗用車を見つけた」と近くの住民から秩父署に通報があり、駆けつけた秩父署員が車内で男女3人が死亡しているのを発見した。車内に燃え残りの練炭があり、窓ガラスが粘着テープで目張りされていたことから、集団自殺とみて調べている。

 調べでは、現場は林道の行き止まり。運転席で男性1人、後部席で男女各1人が死亡していた。男性はいずれも30代、女性は40代とみられるという。車はレンタカーだった。同署は身元の確認を急いでいる。

男性3人が集団練炭自殺 1人死亡、2人重体

2005/03/31 The Sankei Shimbun

 31日午前6時半ごろ、富山市水橋開発の常願寺川の河川敷に駐車した軽乗用車の車内や付近に、20代ぐらいの男性3人が倒れているのをジョギング中の男性が見つけ、110番した。3人は同市内の病院に運ばれたが1人が死亡、2人が意識不明の重体。

 車内に練炭を燃やしたしちりんが2個あり、滑川署は集団自殺とみて調べている。

 調べでは、所持品などから死亡したのは福井県の無職男性(27)で、重体の2人は富山県の無職男性(21)と東京都の大学生(21)とみられる。(共同)

男女5人が集団自殺か 滋賀、車内に練炭

2005/03/30 The Sankei Shimbun

 30日午前8時25分ごろ、滋賀県高島市朽木古川の市道の脇道に駐車中の軽乗用車内で、男女5人が倒れているのを通りがかった近所の住民が発見、高島署に110番した。5人は間もなく死亡が確認された。

 車内の後部荷台に4個のしちりんに入った練炭があり、一酸化炭素中毒とみられる。ドアなどが内側から粘着テープで目張りされていた。5人とも外傷はなく、同署は集団自殺した可能性が高いとみている。

 調べでは、5人はいずれも20代で、男性4人、女性1人のもよう。現場には大阪ナンバーと滋賀ナンバーの2台があり、5人は滋賀ナンバーの車内で見つかった。

 現場は安曇川沿いで、人通りの少ない山あいの道路。(共同)

岐阜・養老町で男女3人集団自殺?車内に練炭火鉢3個

2005/01/09 読売新聞 Yomiuri On-Line

 9日午後3時ごろ、岐阜県養老町一色の熊野神社駐車場に止められたワンボックス車の中で、男女3人が死んでいるのを近くの人が見つけた。

 県警養老署の調べによると、運転席に静岡県掛川市の会社員男性(28)、助手席に愛知県海部郡の大学生男性(21)、後部座席に同県南設楽郡の無職女性(25)が倒れていた。

 死因はいずれも一酸化炭素中毒とみられ、車内から練炭火鉢3個と遺書めいたメモが見つかった。養老署は集団自殺とみて、動機や3人の関係を調べている。

 車は静岡ナンバーで、ドアは、いずれもカギが掛かった状態だった。車は8日昼ごろから、同じ場所に止まっていたという。

山中で男女3人死亡、練炭で集団自殺か 山梨県三珠町

2004/12/30 asahi.com
 30日午前10時ごろ、山梨県三珠町大塚の山中で林道整備調査をしていた土建業者の男性から「停車したRV車の中で男女が倒れている」と県警市川署に通報があった。車内では20〜30歳くらいの男性2人、女性1人が死亡していた。男女の足元に練炭があったことなどから集団自殺と見ている。

 県警の調べでは、現場は市街地から約2キロ離れた、車通りのほとんどない林道。車の窓には内側から粘着テープで目張りがされていた。車は群馬ナンバー。3人の身元や死因などを調べている。

車の中に練炭 男女自殺 ネットで知り合う

2004/12/08 The Sankei Shimbun
 8日午前9時40分ごろ、大阪府交野市私部の府民の森「くろんど園地」で、停車中の軽ワゴン車内で男女2人が死亡しているのを、施設の管理人(53)が見つけた。車内に練炭が置かれ、インターネットのサイトで知り合ったことを書いた遺書があった。枚方署は自殺とみて調べている。

 調べでは、35歳ぐらいの男性と30歳ぐらいの女性。車は大阪市内で借りられたレンタカーで、園地内のすいれん池東側の駐車場に止まっていた。男性が運転席、女性が助手席に座った状態で死亡。窓には内側から粘着テープで目張りがされていた。

 練炭が助手席の足元に置かれており、枚方署は練炭を使った一酸化炭素中毒死の可能性が高いとみている。

 遺書は5、6通がダッシュボードの上に残されていた。「私たちはネットで知り合いました。たくさんの人に迷惑をかけて申し訳ありません」などという内容だった。【12月8日大阪夕刊から】

男女4人が集団自殺か 静岡、ワゴン車にしちりん

2004/11/29 The Sankei Shimbun
 29日午後3時半ごろ、静岡市口坂本の砂防ダム付近に止められたワゴン車内で、男性2人、女性2人の計4人が死亡しているのを通行人が発見した。車内に練炭を燃やしたしちりんがあり、静岡県警は集団自殺とみて調べている。

 所持品などから、男性は静岡と広島、女性は栃木、三重の各県在住とみられる。うち、女性1人は三重県鳥羽市の高校2年生(17)とみられ、県警はもう1人の女性とインターネットの自殺志願者サイトを通じて知り合ったとみて確認を急いでいる。

 調べでは、ワゴン車の座席は3列あり、運転席に男性1人、中央の座席に女性2人、最後部に男性1人がそれぞれいた。しちりんは助手席と最後部の荷台の2カ所に置かれていた。

 現場は静岡市北部の山林が広がる地域。(共同)

室内に練炭…男性4人アパートで自殺か 東京

2004/11/28 The Sankei Shimbun
 28日午前0時45分ごろ、東京都練馬区のアパートに住む会社員、服部武児さん(27)方で、男性4人が死んでいるのを服部さんの友人の男性らが見つけ110番した。

 室内には燃え尽きた練炭が入ったしちりんが4個あり、部屋の一部が粘着テープで目張りされていたことから、警視庁練馬署は集団自殺とみている。死因は一酸化炭素中毒とみられる。

 調べでは、1人は服部さん、もう1人は茨城県ひたちなか市の会社員、生田目和久さん(29)で、ほかの2人の身元も確認を急いでいる。

 同日午前0時半ごろ、友人の男性が練馬区内の自宅に帰ると、服部さん方の合鍵とパスワードのようなものが書かれたメモが入った封書が郵便で届いており、様子を見るため合鍵を使って知人と室内に入った。室内にはパソコンがあったが、このパスワードでは画面を開けないという。

 4人に外傷はなく、いずれも玄関に近い四畳半の部屋で死んでいた。遺体があった部屋のふすまが内側から粘着テープで目張りされていた。(共同)

集団自殺:ネットによる集団化で死のハードル越える2004年11月28日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

 インターネットを通じて知り合い、練炭による一酸化炭素中毒で集団自殺したとみられるケースは、昨年2月ごろから相次ぐようになった。最近は、直前に知人や家族にあてたメールなどで自殺する場所を伝える例も多い。

 「若者はなぜ『決められない』か」の著者で評論家の長山靖生さんは、インターネットの特殊性を指摘する。長山さんは「若者は面と向かって相手の気持ちの中に踏み込むのは『悪』だと考える風潮があり、言いづらいことを話さない。匿名性の高いネットだとすぐに同じ考えの人が集まり、思いとどまらせる人がいない。集団化で死のハードルを簡単に越えてしまう」と分析。ネット上で「自殺」を文字にすることで、後戻り出来なくなるという。また、知人らに場所などを伝えるのは「弔ってもらいたいという思いがあるからだろう」と言う。

 今年10月5日、東京都奥多摩町で、乗用車内で集団自殺を図った女性4人が保護された。うち1人は知人男性に携帯電話で「今から死ぬ」と知らせ、男性が警察に通報して発見された。

 だが、同12日に、この女性を含む男女7人が、埼玉県皆野町で車の中で集団自殺しているのが見つかった。死亡した男性が友人に送ったメールがきっかけで自殺場所が判明した。また同日、神奈川県横須賀市で、女性2人が自殺しているのが見つかったが、うち1人は奥多摩町で自殺を図った4人のうちの1人だった。いずれもインターネットの自殺関連サイトで知り合ったとみられる。

 同30日には、奥多摩町の男性2人が乗用車内で自殺。うち1人は前夜、知人女性宅に同町の地図と林道への行き方を書いたメモを残しており、この女性らが車を発見した。

 11月に入っても集団自殺は相次ぎ、▽兵庫県篠山市で男性3人(21日)▽福岡市で男女3人(同日)▽茨城県つくば市で女性2人(22日)−−といずれも車の中で死亡して発見された。【五味香織、矢野純一】

「規制簡単でない」と長官 ネット集団自殺で

2004月10月14日 Exciteニュース(共同通信)
 漆間巌警察庁長官は14日の記者会見で、インターネットで知り合ったとみられる男女が集団自殺した事件に関連して「サイバー空間には違法、有害なものがあるが、規制するのは簡単ではない」と述べ、警察の対応の難しさをのぞかせた。

 漆間長官は「自殺に限らず、サイバー空間の話は表現の自由や通信の秘密との兼ね合いもある」と指摘し「どの程度の規制が可能なのかは研究課題だ」とした。

ネット介した集団自殺 未遂含め4件つながる

2004月10月12日 中日新聞inしずおか
 埼玉県皆野(みなの)町で男女七人が集団自殺していた事件で、七人のうちの一人で東京都内の三十四歳とみられる女性が、九月下旬に皆野町であった男女四人の集団自殺事件で亡くなった一人の名古屋市中川区の無職少年(17)と知り合いだったことが十三日、同県警秩父署などの調べで分かった。

 この女性と、神奈川県横須賀市で自殺した東京都世田谷区の無職女性(21)は、東京都奥多摩町で別の女性二人と集団自殺を図り未遂に終わっていた可能性が高いことが分かっている。インターネットを介したとされる四件の集団自殺・未遂事件は、関係者につながりがあったことが判明した。

 都内の女性と名古屋市の少年は、インターネットの自殺サイトを通じて知り合った。少年は名古屋市から上京後、自殺の直前まで女性から提供された部屋に寝泊まりしていたという。

 この少年と千葉県松戸市の高校三年の女子生徒(19)ら四人は九月二十八日夕、皆野町の林道に止めた車内で練炭自殺しているのが見つかった。

 同署によると、皆野町で今月十二日に自殺しているのが見つかった七人のうち、身元が分からなかった男性は川崎市の男性(26)と分かった。遺体があったワゴン車内では、両側のドアがひもで結ばれ、そのひもを体に巻き付けていた人もいた。

神奈川でもしちりんで自殺、女性2人死亡

2004/10/12 The Sankei Shimbun
 12日午前6時15分ごろ、神奈川県横須賀市武、武山不動尊近くに止まっていた車の後部座席で女性2人がぐったりしているのを散歩中の男性が発見、横須賀署に通報したが、死亡していた。

 調べでは、2人は横須賀市内の女性(27)と東京都世田谷区内の女性(21)とみられ、車内に「2人でやったことなので事件だとは思わないでください」とのメモがあった。助手席に練炭を燃やしたしちりんが2個あり、同署は一酸化炭素中毒による自殺とみている。

 車は11日午後、横須賀市内で借りたレンタカーだった。同署は2人の関係などを調べている。

10代から20代の男女7人が集団自殺 埼玉の駐車場

2004/10/12 The Sankei Shimbun
 12日午前6時10分ごろ、埼玉県皆野町皆野の「美の山公園」展望台近くの駐車場で、10代から20代とみられる男性4人と女性3人が乗用車の中で死んでいるのを秩父署員が発見した。

 車内に練炭を燃やしたしちりんが4個あり、同署は一酸化炭素中毒による集団自殺とみて身元などを調べている。

 調べでは、死亡した男性の1人から「秩父の皆野町で自殺」などと書いたメールを受け取った友人の男性が、11日午後6時ごろ秩父署に通報。11日は場所が特定できず、12日早朝から再捜索していた。

 車はグレーのワゴン車で、品川ナンバーのレンタカー。内側からビニールテープで目張りされ、青いシートで全体が覆われていた。

 皆野町では9月28日にも、現場から約5キロ離れた林道脇のワゴン車内で、千葉県の高校3年の女子生徒ら男女4人が練炭自殺しているのが見つかったばかり。

集団自殺の1人は女子高生−ネットで仲間を募集

2004年10月01日(金)サンスポ.com
 埼玉県皆野町の山林で男女4人がワゴン車内で練炭自殺した事件で、身元が分かっていなかった2人のうち1人は秩父署の調べで1日、千葉県松戸市の高校3年の女子生徒(19)と分かった。父親が遺体を確認した。調べでは、女子生徒はインターネットの自殺サイトに練炭自殺の仲間を募集する内容の書き込みをしていた。東京都内の高校に通っていたが、9月24日に自宅を出たまま行方が分からなくなっていたという。自殺者は女子生徒のほか、東京都国立市の男性会社員(26)と名古屋市中川区の無職少年(17)と既に判明、秩父署は残る1人の身元を調べている。

 4人は28日、車内で練炭を燃やして死亡しているのが見つかった。

集団自殺の1人は17歳少年−ネットサイトに書き込み

2004年09月29日(水)サンスポ.com
 埼玉県皆野町の山林で男女4人がワゴン車内で練炭自殺した事件で、身元が分からなかった3人のうち1人は秩父署の調べで29日、名古屋市中川区の無職の少年(17)と分かった。

 少年はインターネットの自殺サイトに書き込みをしており、同署は4人が知り合った経緯や残る2人の身元などを調べている。

 調べでは、少年は昨年に高校を中退、今年8月から家出していた。ワゴン車はレンタカーで、運転席で死亡していた東京都国立市の男性会社員(26)が25日に埼玉県川越市で借りていた。

 4人は28日、車内で練炭を燃やし死亡しているのが見つかった。車の近くにビニールシートが敷かれ、ビールの空き缶や睡眠薬の空き箱などが散乱していた。

集団自殺?車内に10―20代男女4人の遺体…埼玉

2004年09月28日(火) Gooニュース(Yomiuri On-Line)
 28日午後4時半ごろ、埼玉県皆野町三沢の山林に駐車中のワゴン車内で男女が動かなくなっていると、山菜採りに来ていた男性が110番通報した。秩父署員が駆け付けたところ、車内で男性3人、女性1人が死亡していた。

 調べでは、4人は十代後半から25歳前後で、死後2日ほど経過していた。男性の1人は運転免許証から都内に住む26歳とみられ、この男性のバッグから遺書も見つかった。車内には燃えた練炭入りの七輪計4個が置かれ、内側から目張りがしてあり、同署は集団自殺とみている。

ネット心中・悲劇の連鎖、とめるつもりが…

2003/06/15 読売新聞 Yomiuri On-Line
 インターネットで知り合った人が誘い合い、自殺を図る「ネット心中」が止まらない。今年に入って、少なくとも12件(未遂2件)にのぼり、30人が死亡した。大学生、会社員、フリーター……。2、30代の男女が大半だが、50代の男性も含まれていた。ネットで結ばれた「悲劇」の連鎖を断ち切らなくてはならない。(社会部・福島利之、甲府支局・大野潤三)

 ■パソコンに夢中

 「気付いたら、仲間に引き込まれていた」。ネットで知り合った3人と自殺をしようとしたが、一命を取りとめた埼玉県の男性(23)は入院中のベッドの上で、母親に打ち明けた。

 山梨県上九一色村の県道脇に止めた乗用車の中で、男女4人が倒れているのが見つかったのは、3月16日だった。窓は粘着テープで目張りされ、七輪の中で練炭がくすぶっていた。奇跡的に4人とも助かったのは、この男性がもうろうとする意識の中で、ドアを開けたからだ。

 男性は、親元を離れて1人で暮らしていた。のめり込みやすい性格で、大学に入ってからパソコンに夢中になった。父親がたまに立ち寄っても、パソコンに向かいながら生返事をするだけ。自殺系サイトにアクセスしたのは、志願者を思いとどまらせようと考えたからだという。その中に「生きるのがつらい。でも1人ではさびしい」という静岡の大学生の書き込みがあった。

 男性は、志願者の相談に乗るうちに、自分も就職に失敗したこと、アレルギーの持病を抱えていることが、心に重くのしかかるようになった。大学生が「練炭で逝きたい人、募集します」と書き込んだのは、2月22日のことだ。男性はその呼びかけに応じ、上九一色村に向かう車を用意する役を引き受けた。

 男性は4月に退院し、実家に戻った。駅に出迎えた父親に「すまなかった」と謝り、先月からはアルバイトも始めた。一緒に自殺を図った静岡の大学生から「立ち直った」というメールが届いたが、「返信しない」と話しているという。

 事件後、父親は自殺の話に触れないようにしている。「いつの間にか、息子が何を考えているのかわからなくなっていた。ネットのせいで、外の世界と離れていたから、死に向かおうとしたのか。友達もいた。内向的な性格でもなかった。それがどうして――」

 ■サイトに方法

 今年、ネット心中を図った37人(未遂7人)は男性23人、女性14人。20代が25人と多く、30代が8人、10代が3人、50代も1人いた。5月だけで4件あり、6月もすでに2件起きている。多くは、密閉した部屋や車で七輪を使う一酸化炭素中毒死だが、これは、「自殺系サイト」で方法が詳細に紹介されているためだ。

 埼玉県内のアパートで今年2月、男女3人が川の字になって死亡していた事件では、消防隊員が「よくもこれほど周到に準備をしたものだ」と驚いている。床にシートを敷き、窓には粘着テープの目張り。多数の練炭が、七輪の中などに置かれていた。部屋を用意した男性は「心中相手を募集しています。(自殺に必要なものは)全(すべ)て揃(そろ)え終わりました」とネットに書き込み、これに女性2人が応じていた。

 こうした「ネット心中」について、京都女子大の野田正彰教授(精神病理学)は「ネットで伝えられた通りの道具を用意し、手順通りに実行する。冷静な思考や、生きていることをいとおしむ感情が入り込む余地がなくなるのだろう。1人では寂しくて死ねない。2人だと特別な関係と思われてしまうから、3、4人が多くなる」と話す。

 また、日本いのちの電話連盟の斎藤友紀雄常務理事は「若者は、自己が確立されておらず、人の暗示を受けやすい。だれかが『死にたい』と言ったら客観視できずに同一化し、のめり込んでしまう」と分析。自殺志願者と日々応対している「いのちの電話」の担当者も「家族や友人など身近な人が小さな変化に気付き、どうして死にたいのか根気よく聞いてあげることが大切」と話している。

集団自殺:乗用車内で男3人、練炭使い ネット仲間か 三重

2003年06月12日 [毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 12日午後2時ごろ、三重県名張市夏見の市総合体育館前駐車場に止めてあった乗用車内で、男性3人が倒れているのを、同市内の運送会社のトラック運転手(30)が見つけ、110番通報。県警名張署員が駆けつけたが3人とも既に死亡していた。助手席に置かれた七輪内の練炭が燃え残っていたことや、3人が互いに接点が見当たらないことなどから、同署はインターネット上で知り合った集団自殺とみて調べている。

 調べでは、車内にあったそれぞれの運転免許証などから、3人は名張市の同県上野市職員(30)=休職中▽岐阜県関市の無職男性(30)▽埼玉県川越市の会社員(26)とみられる。

 乗用車は、関市の男性の所有。施錠し、ガラス窓に内側からテープで目張りしてあった。検視の結果、3人の死因は一酸化炭素中毒で、死亡推定時間は9日深夜から10日朝にかけてとみられる。

 また、関市の男性のショルダーバッグから、両親あてに「ごめんなさい」などと自殺をほのめかすメモが残っていた。同署は3人の自宅のパソコンや電子メールなどを調べ、それぞれの関係や動機を調べる。【上野宏人】

集団自殺?:マンションの室内で男女3人の遺体発見 京都

2003年05月25日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 24日午後9時55分ごろ、京都市伏見区のマンションの室内で、無職の男性(30)と女性2人の計3人が一つのベッドに横たわって死んでいるのを、京都府警伏見署員が見つけた。室内には炭の燃えかすが残った七輪が置かれ、扉には内側からガムテープで目張りがされていた。男性の遺書も残されており、同署は集団自殺とみて死因や身元などを調べている。

 同署の調べでは、男性が部屋の住人で、女性は名古屋市のフリーター(21)と、群馬県在住の少女(18)。少女の家族から「京都の男性の家にいるかもしれない。確認してほしい」と通報があり、伏見署員が男性宅を確認して遺体を発見した。

 遺体はいずれも死後数日たっている状態で、1人の携帯電話の通信記録から、3人は18日から20日にかけてメールで連絡を取り合っていたらしい。男性の遺書には「世の中に悲観している」などと書かれていた。家族らは「インターネットで知り合ったのではないか」と話しており、同署でパソコンの通信記録などを調べている。 【横田美晴、酒造唯】

ネットで知り合い…韓国で女子高生ら3人飛び降り

2003年05月22日 The Sankei Shimbun
 韓国の通信社、聯合ニュースが22日伝えたところによると、ソウル市内のマンションで21日午後、インターネットを通じて知り合った女子高生ら17−19歳の少女3人が飛び降り自殺した。

 マンションの屋上には少女らのものとみられる携帯電話や焼酎、缶ビールなどがあり、少女の1人は「前から準備してきた。1人ではないから寂しくない」などと書いた遺書を残していた。

 3人はネットのファンタジー小説同好会の仲間で、17歳の少女は自殺直前、同級生に「幸せに生きて」などと携帯電話で連絡してきたという。(共同)

集団自殺:ネットで仲間募集か 群馬・上野村で男性3人死亡

2003年05月21日 [毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 21日午後2時45分ごろ、群馬県上野村の御荷鉾(みかぼ)スーパー林道に駐車中の乗用車の中で、若い男性3人が死んでいるのを、捜索していた警察官が見つけた。

 藤岡署の調べでは、3人は20代とみられ、運転席に1人、後部座席に2人が乗っていた。車は千葉県の「野田」ナンバーで、車内には練炭の燃えた七輪があった。内側から粘着テープのようなもので目張りされており、一酸化炭素(CO)中毒死とみられる。

 同県警には、3人のうちの一人とみられる東京都内の20代大学生の家族から家出の届け出があり、同日から付近を捜索していた。大学生のパソコンに、インターネットの自殺サイトにアクセスした履歴が残っていた。また御荷鉾スーパー林道付近の地図も残されていた。この男性がネット上で自殺仲間を募集していたとの情報もあり、同署は、インターネットを通じて知り合った3人が集団自殺を図ったとみて調べている。車の所有者は千葉県松戸市の男性だが、居場所は不明。

 現場は塩之沢峠から東に約5キロ入った山中。同県では今月6日にも、水上町でインターネットを通じて知り合った東京都や埼玉県の男女3人が、乗用車内で七輪を使い集団自殺している。 【松本時夫、山田泰蔵】

集団自殺:3人は埼玉の男性と東京の2女性か 群馬・水上

2003年05月06日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 6日午前9時過ぎ、群馬県水上町藤原の裏見ノ滝駐車場で、エンジンがかかったまま駐車していた乗用車内で、若い男性1人と女性2人の計3人が死んでいるのを町役場臨時職員が見つけた。

 同県警沼田署の調べでは、車は練馬ナンバーのレンタカーで、車内2カ所の七輪の中で豆炭が燃えた跡があり、集団自殺を図ったとみられる。死因は一酸化炭素(CO)中毒死で、所持品などから男性は埼玉県所沢市の会社員(24)で、女性2人は東京都内に住む20〜30代とみられる。

 3人は以前から、携帯メールを交換する仲で、女性2人は5日夜に知人らに自殺をほのめかすメールを送っており、男性の自宅のパソコンには「さよなら」などと自殺をほのめかすメールが残っていた。車内から睡眠薬と、練炭を使った自殺方法を記したインターネットのホームページを印刷した紙が見つかった。 【森直由、杉本修作】

ネット心中?:車内で福岡と東京の男性2人死亡 佐賀の林道

2003年04月21日 [毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 21日午後1時10分ごろ、佐賀県富士町古場の林道に止まっていた乗用車内で、男性2人が運転席と助手席で眠るようにして動かないのを通行人が見つけ110番した。2人とも既に死亡していた。佐賀署はインターネットを通じて知り合い、心中した可能性が高いとみて捜査している。

 同署によると、2人は福岡市の男性会社員(54)と、東京都大田区の無職男性(30)。互いに面識はなかったという。車は54歳男性の所有で鍵はかかっておらず、後部座席に練炭入りの七輪が置かれていた。一酸化炭素中毒死とみられる。

 30歳男性はインターネットの自殺志願サイトを利用していたといい、一人暮らしのアパートに自殺をほのめかすメモがあるのを家族が発見、20日に捜索願を出していた。

千葉集団自殺:3人に接点なく ネットで知り合った可能性も

2003年04月13日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 12日午後1時ごろ、千葉県市原市大久保の林道で、若い男女3人が乗用車の中でぐったりしているのを、通りかかった男性が発見。約1時間45分後に到着した市原署員が、3人の死亡を確認した。外傷や着衣の乱れなどはなく、助手席の足元に火のついたままの七輪があったことから、同署は集団自殺とみて調べている。

 死亡したのは▽東京都新宿区の大学生の男性(26)▽津市の会社員の男性(33)▽埼玉県川口市の栄養士の女性(22)。

 調べでは、大学生の男性は運転席で、他の男女は後部座席にそれぞれ座ったまま死亡していた。施錠はしていなかったが、車の窓は閉まっていた。死因は一酸化炭素(CO)中毒とみられる。ダッシュボードに手書きで「ほかには関係ない」と書いた紙が置いてあった。また、車内から睡眠薬の箱が見つかった。

 同署は、3人の住所、年齢などで接点が見当たらないことなどから、インターネットを通じて知り合った可能性もあるとみている。

 現場は小湊鉄道養老渓谷駅から北西に直線で1キロの山林を奧に入った林道。

 津市の男性の父親によると、男性は独身で家族と暮らしており、11日朝、車で外出したという。父親は「自殺するそぶりは全くなかった。何が何だか分からない」と話していた。 【森禎行】

集団自殺:男女3人が車の中で死亡 千葉・市原市

2003年04月12日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 12日午後3時ごろ、千葉県市原市大久保の林道で、男女3人が乗用車の中でぐったりしているのを、通りかかった男性が発見。約1時間45分後に到着した市原署員が、3人の死亡を確認した。外傷や着衣の乱れなどはなく、助手席の足元に火のついたままの七輪があったことから、同署は集団自殺とみて、身元の確認を急いでいる。

 調べでは、3人はいずれも20代くらいで、男性は運転席で、男女が後部座席にそれぞれ座ったまま死亡していた。施錠はしていなかったが、車の窓は閉まっていた。死因は一酸化炭素中毒とみられる。ダッシュボードに手書きで「ほかには関係ない」と書いた紙が置いてあった。

 運転席の男性が黒いジャンパーとジーパン、後部座席の男性は黒いシャツとズボン、女性は茶髪でチェックのシャツでジーパンをはいていた。

 現場は小湊鉄道養老渓谷駅から北西に直線1キロの山林を奧に入った林道。【森禎行】

またネット心中か 車内で男女3人死亡

2003/03/18 nikkansports.com
 インターネットの自殺志願掲示板などで知り合った若者による集団自殺が相次ぐ中、徳島県上板町の山中で17日午後3時15分ごろ、若い男女が乗用車の中で倒れているのを同町の男性が見つけ、110番した。板野署によると、3人とも既に死亡。2人は愛媛県内の23歳の女性で、もう1人は大阪府内の27歳の男性だった。男性が運転席で、女性2人が後部座席で倒れていた。後部座席には簡易コンロがあり、金網で木炭が焼かれ、死因は一酸化炭素中毒だった。車は神戸ナンバーのレンタカー。同署は集団自殺の可能性があるとみている。

 埼玉県狭山市で2月11日にネットの掲示板で知り合った男女3人が密閉した部屋でしちりんを使って心中しているのが発見されて以来、全国で同様の方法で実行した心中や未遂が相次いでいる。16日にも山梨県上九一色村で男女4人が車内でしちりんで練炭を燃やして倒れているのが発見されたばかり。同署は今回もネットで知り合った可能性があるとみて調べている。

集団自殺:車内の男女4人重体 目張りし練炭たく 山梨

2003年03月16日[毎日新聞]
 16日午前8時20分ごろ、山梨県上九一色村富士ケ嶺の県道沿いの空き地で、「ドアなどに粘着テープで目張りをした車がある」と通行人から110番があった。警察からの連絡で駆け付けた救急隊員が、乗用車内でぐったりとしている男性3人と女性1人を見つけた。近くの病院に運んだが、4人とも一酸化炭素中毒で意識不明の重体。

 富士吉田署の調べでは、車内は七輪で練炭がたかれており、集団で自殺を図ったとみている。乗用車は大宮ナンバーだった。4人のうち2人は、所持品などから埼玉県出身の男性(23)と静岡県出身の男子大学生(22)とみられ、他の男女も20代とみられる。同署で4人の身元の確認を急ぐとともに、関係などを調べている。

 現場は富士北ろくの民家が点在する酪農地帯。

「ネット心中」、誘いに乗った女性の素顔

ZAKZAK 2003/02/14
「かわいくて、おとなしいお嬢さん」だったが…

ネットでの呼びかけで、3人が心中した埼玉県入間市のアパート

 インターネットの「心中掲示板」で知り合った無職の若い男女3人が、埼玉県入間市のアパートで命を絶ったネット心中事件。接点のなかった2人の若い女性が、「独りで死ぬのは寂しい」という男性=同市=の呼びかけに応じ、あっさり死へと導かれた。女性の素顔と心の闇を追った。

 死亡した1人、川崎市高津区の女性(24)は、東急田園都市線の駅から徒歩10分にある木造2階建ての貸家に約10年前から、会社員の父親とパート勤めの母親、兄と妹の5人で生活していた。

 「かわいくて、おとなしいお嬢さん」(近所の主婦)という女性は早大商学部を卒業後、昨年3月から今年1月までコンビニ店でアルバイト。昨年末、「派遣会社に勤めようと思っている」と辞めることを決め、今月5日には制服を返却。同店関係者は「ごく普通の女の子でした。暗い性格ではなく、思い詰めた様子もなかった」と驚く。

 一方、船橋市の女性(24)は両親と弟の4人家族。JR総武線の駅近くの新築一戸建てに約1年前に引っ越したばかり。

 都内の大学を卒業後、昨年末までの約1年間、都内の保険会社に勤務。以前の住居近くの主婦は「美人のお母さんに似てかわいらしい子。成績優秀で、挨拶もできるお嬢さんだった。いいお父さんにいいお母さん、いい家庭。幸せすぎたのかしら」と首をかしげた。

 2人は同じ年齢ながら、接点は何もなかった。だが、ネットという仮想社会が“仲介役”となり、ともに自殺した男性(26)による「心中掲示板」の書き込みを通じ、次第に「死」という共通の目的で結びついていく。

 「1月中旬、渋谷のカラオケボックスで、3人の遺体を発見した栃木の女子高生を含めた4人で自殺の日程などを話し合った。2人の女性は『死にたい』と訴えたようだ」(捜査関係者)

 同月下旬、箱根に女性2人だけで旅行。帰宅後の今月5日、2人は行方が分からなくなり、家族が地元警察署に捜索願を出していた。

 川崎市の女性の母親は「ネットの自殺志願者向けのホームページを見ていた」と心配し、父親も「自分の思っていたところと違う道に進み、悩んでいたようだ」と話していたという。

 男性も昨年5月、都内の雑誌販売会社を退職後、家族に「仕事が見つからない」と打ち明けていた。3人はいずれも就職で悩んでおり、こうした共通点が3人を強く結び付けたのか。

 そして、今月11日、アパートの1室で3人の遺体が発見された。

 「川の字に並んだ3人は顔にゴーグルをかけ、七輪の中に火が消えた練炭があった。3人とも睡眠薬を飲んでおり、死因は一酸化炭素中毒だった」(捜査関係者)

 今回のネット心中について、精神科医の日向野春総氏は「ネットを通じた交流は人間同士の距離感をなくしてしまう。また、核家族化が進んだ社会では、祖父母の死などに直面する機会がなく、死に対し不確かなイメージしかない。そこで、漠然と『死にたい』という願望を持つ者がネットで簡単に結び付き、1人では怖いので集団で自殺しようとする。こうした心中は今後も増える」と分析する。

 3人が就職で悩んでいたことには、「ネットでの会話に慣れてしまった人は、面と向かった人間関係の構築が不得手で、就職も難しい。ただ、就職の悩みは動機ではなく、漠然とした死への願望が結び付いたのではないか」と話していた。

ネット集団自殺:複数のサイトで自殺公募 埼玉・入間市の男性

2003年02月12日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 
 埼玉県入間市の男女3人による集団自殺で、自殺を呼び掛けたとみられる同市の無職男性(26)が、自殺志望者らが集まる複数のインターネットのホームページ(HP)で一緒に自殺する人を募っていたことが12日、狭山署の調べで分かった。1月中旬に東京都内で志望者が集まった際には、自殺した3人と遺体を発見した栃木県の高校生の少女(17)以外にも集まっていたという。同署は、3人の遺族にネットへの書き込みに使ったパソコンの任意提出を求め、動機などを調べる。

 調べでは、自殺した川崎市の無職女性(24)、千葉県船橋市の無職女性(24)、少女は男性のHP上の書き込みを読み、その後男性とメールのやり取りなどをしていたという。少女によると、1月中旬に東京・渋谷駅の近くの喫茶店やカラオケ店に集まった際には、自殺した3人と少女以外に、1、2人が相談に参加していたらしい。川崎市の女性は病気を苦にし、家族に「自殺したい」などと話し、2日に家出したという。船橋市の女性は都内の会社に勤めていたが、退職後、家族に「死にたい」と漏らしていたという。 【高島博之】

集団自殺:ネットで知り合った若い男女3人 埼玉のアパート

2003年02月11日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 11日午後4時15分ごろ、埼玉県入間市下藤沢のアパート1階の空き室で、近くに住む無職男性(26)と若い女性2人が倒れ、死亡しているのを栃木県内の女子高校生(17)が発見、119番通報した。室内には七輪が4個置かれ、窓や部屋の入り口は粘着テープで目張りがされていた。狭山署は、3人は自殺志願者が集まるインターネットのホームページを通じて知り合い、集団自殺をしたとみて、女性2人の身元確認を急いでいる。

 調べでは、3人は6畳和室で服を着たまま倒れていた。外傷はなかった。和室内にあった七輪の練炭は火が消えた状態だった。3人とも死後数日とみられ、一酸化炭素(CO)中毒で死亡したらしい。女性2人は寝袋の中で死んでおり、いずれも20歳前後とみられる。遺書などは見つかっていない。

 発見した女子高生は同署の調べに対し「男性がインターネットで、この部屋で自殺する人を募っていた。男性と連絡を取っていたが、電話が途絶えたため心配になった」と話しており、栃木県から様子を見に来たという。玄関の鍵が掛かっていたため、窓から室内をのぞき、3人を発見した。

 現場は西武池袋線武蔵藤沢駅から南西約700メートルの住宅街。アパート4室はすべて空室だった。

 ネット絡みの自殺は、昨年10月には、東京都練馬区のマンションでも、ネットを通じて知り合ったと見られる男女2人がマンションの一室で自殺した。98年12月、東京都杉並区の女性(当時24歳)が、インターネットを通じて入手した青酸カリを飲み自殺、送付した札幌市の塾講師の男(当時27歳)もその後自殺したが、死亡後に自殺ほう助容疑で書類送検された。また00年10月には、今回と同様のホームページで知り合った福井県内の歯科医師の男性(当時46歳)と愛知県内の元会社員の女性(当時25歳)が睡眠薬を大量に飲み自殺している。 【高島博之】

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