TOPIC No.2-101-3 北朝鮮の核開発問題(2004年度)

核移転なら厳しい対応…米特使が昨年「北」に伝える

2004/12/23 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【ワシントン=菱沼隆雄】米国のプリチャード前朝鮮半島和平担当特使は21日、読売新聞との会見で、現職の特使だった2003年8月、北朝鮮に対し、米国が核関連物質の第三者への移転を「真の限界線(レッドライン)」と設定し、「この段階を越えた場合は厳しい対応を取らざるを得ない」との見解を伝えていたことを明らかにした。

 ブッシュ政権はこれまで限界線の存在を明確にしてこなかったが、元高官がこれについて明言し、北朝鮮に伝達していたことを認めたのは初めて。

 プリチャード氏は「北朝鮮の当局者との議論のなかで伝えた」としており、ニューヨークの外交チャンネルを通して伝えたとみられる。同氏は「個人の見解として述べた」としているが、「北朝鮮側は米国の政策として受け取った」(外交筋)のは間違いない。

 北朝鮮は昨年4月に北京で開かれた米中朝の3か国協議で、米国代表のケリー国務次官補に「核保有」を宣言するとともに、「核の移転」の脅しもかけた。しかし、プリチャード氏が限界線について伝えた8月以降は、核移転による威嚇を控えている。

 米国は北朝鮮に核の完全放棄を要求している。ただ、現在は手詰まり状態で、「米政府は事実上、核開発を容認している」との批判もでている。

 プリチャード氏は「ブッシュ政権が北朝鮮の少量の核に留意していないのは明白」と発言、北朝鮮の核開発が進展する中、政権は、現実的選択肢として、核関連物質の輸出・移転阻止をより重視しているとの見方を示した。

 プリチャード氏は北朝鮮と接触した直後に辞任、現在はブルッキングズ研究所の客員研究員。

北朝鮮、核兵器9個保有か IAEA推定と米紙

2004/12/22 The Sankei Shimbun
 21日付の米紙クリスチャン・サイエンス・モニターは、北朝鮮が既に核爆弾9個を保有している可能性があると、国際原子力機関(IAEA)の専門家が推定していると報じた。

 北朝鮮の核兵器保有量については、これまで6−8個との分析が主流だったが、同紙によると、IAEAの科学者らは、北朝鮮が抽出したプルトニウムはバスケットボールをやや上回る大きさになるとみており、これは核爆弾9個を製造するのに十分な量だという。(共同)

北朝鮮の核開発に懸念 豪のマクレーン新大使

2004/12/21 The Sankei Shimbun
 12月に着任したオーストラリアのマクレーン駐日大使は21日、共同通信と会見し、北朝鮮の核問題について日本などと「懸念を共有している」と強調、オーストラリアが北朝鮮と国交を持つ立場を生かし「今後とも6カ国協議などの進展に向け外交努力を続ける」と表明した。

 オーストラリア特使としてことし2月に北朝鮮を訪問した同大使は、当時平壌で日本の拉致問題についても「人道的な問題から、北朝鮮側に解決を要請した」と述べた。現在は閣僚級や高官による北朝鮮訪問の予定はないものの、「核開発は(アジア太平洋)地域の不安定化につながる。キャンベラの北朝鮮大使との定期的接触でメッセージを伝えていく」と語った。

 日本の自衛隊がオーストラリア国内で同国軍と合同訓練を行う計画があると一部メディアが報じていることについては「全くの誤り。両国政府間での協議は一切ない」と否定した。(共同)

6カ国協議、一般教書演説待ち検討か 北朝鮮

2004/12/17 The Sankei Shimbun
 16日付の米保守系紙ワシントン・タイムズによると、北朝鮮はニューヨークでの米側との接触などを通じ、核問題に関する6カ国協議再開は来年2月に行われる見通しのブッシュ大統領の一般教書演説を待って検討したいとの意向を伝えた。

 北朝鮮外務省スポークスマンは4日、協議再開について来年1月20日の第2期ブッシュ政権発足後の「政策確立過程を見守ろうと思う」との立場を明らかにしていた。

 ブッシュ大統領は2002年1月の一般教書演説で北朝鮮を世界平和を脅かす「悪の枢軸」の一角だと非難した。(共同)

北朝鮮、6カ国協議再開に難色 「体制異変説」も否定

2004/12/13 The Sankei Shimbun
 北朝鮮の外務省スポークスマンは13日、米国が金正日総書記の体制変更を狙い、さまざまな「異変説」を流す「謀略戦」を強化していると非難、「極度の憎悪だけを生み出す米国を相手に会談に応じるかどうかを、あらためて深刻に検討せざるを得ない」と述べ、6カ国協議再開にあらためて難色を示した。朝鮮中央通信を通じ述べた。

 北朝鮮は、既に来年1月下旬の第2期ブッシュ政権発足前には同協議再開に応じない立場を表明しており、今回の立場表明は、米国の強硬姿勢へのけん制とみられる。

 スポークスマンはまた、金総書記の肖像画撤去報道や、一部米紙が報じた「約130人の高官、将校亡命」について「幼稚なでっち上げ」と主張。「われわれの制度は政治的に高度に安定している」と強調し「体制異変説」を否定した。肖像画撤去報道を契機にくすぶる「異変説」を、北朝鮮当局が直接否定したのは初めて。(共同)

北朝鮮核問題で政策転換 ウラン高濃縮にこだわらず

2004/12/11 中国新聞ニュース
 【ワシントン10日共同=太田昌克】北朝鮮の核問題の焦点であるウラン濃縮型核計画をめぐり、ブッシュ米政権が最近、北朝鮮が兵器開発のための高濃縮ウラン製造を認めなくても、平和利用目的の「ウラン濃縮」について存在を確認し計画放棄を確約すれば、「完全核放棄」の意思表示とみなすとの柔軟方針に政策を転換していたことが十日、分かった。

 米朝間の協議に詳しい関係筋が明らかにした。

 この新たな方針は先週、ニューヨークで行われた米朝接触で北朝鮮側に伝達されたもよう。

 米国はこれまでエネルギー支援や経済援助、「安全の保証」の前提として、高濃縮ウラン開発を認め、プルトニウム型とともに検証可能な形での放棄を「確約」するよう求めていたが、ブッシュ大統領再選後も六カ国協議再開の見通しが立たない中、「完全核放棄」を表明しやすいようウラン型計画の「解釈」に幅を持たせた格好だ。

 しかし、接触直後に北朝鮮は、米国の「敵視政策」を理由に、ブッシュ政権二期目の外交方針が固まるまで協議復帰に応じない硬直姿勢を示しており、北朝鮮側の今後の出方は不透明だ。

 関係筋によると、米政府は、米朝間で具体的交渉を進める大前提としていた「完全核放棄」の確約について、「高濃縮ウラン製造を認めるべきだ」というこれまでの条件を取り下げると決定。単に「濃縮」を認め「完全核放棄」を約束すれば、その後の交渉を進展させる方針に転じた。

米特使が日中韓訪問 6カ国協議で意見交換

2004/12/06 The Sankei Shimbun
 韓国の外交通商省は6日、米国のデトラニ朝鮮半島和平担当特使が、北朝鮮の核問題に関する6カ国協議を早期に開催するために同日から中国、韓国、日本を歴訪することを明らかにした。

 北朝鮮が6カ国協議の本協議の開催に難色を示しているため、実務協議の開催について集中的に意見交換するとみられる。

 同特使は6日から8日まで中国、8、9の両日に韓国、9日から日本を訪問する予定。韓国では趙太庸・外交通商省北朝鮮核外交企画室長などと会うとみられる。(共同)

韓国統一相が中国訪問か 北朝鮮の核問題協議

2004/12/06 The Sankei Shimbun
 韓国の通信社、聯合ニュースは6日、鄭東泳統一相が21日から盧武鉉大統領の特使として訪中する方向で調整が行われていると報じた。胡錦涛国家主席ら中国首脳と会談し、北朝鮮の核問題をめぐる中国側の一層の協力を求める意向という。

 鄭統一相は青瓦台(大統領官邸)の国家安全保障会議常任委員長も兼務しており、韓国の安保問題を総括する立場。訪中が実現すれば、こう着状態の6カ国協議でも中国側と突っ込んだ意見交換が行われる見通しだ。(共同)

「強硬論、北朝鮮を不安に」 講演で韓国大統領

2004/12/06 The Sankei Shimbun
 韓国の盧武鉉大統領は5日、パリで講演し、北朝鮮の核問題などについて「米国など一部の国が北韓(北朝鮮)体制が崩れなければならないとの考えを持っているため、北韓自身が不安となり危機感を感じている」と述べ、米国などの強硬論が問題解決の支障となるとの認識を示した。韓国の通信社、聯合ニュースが伝えた。

 大統領は在フランス韓国人向けの講演で「崩壊を望まない中国、韓国と、政権を入れ替えなければならないという一部の国の間で歩調を合わせるのがわれわれの課題」と指摘。青瓦台(大統領官邸)の金鍾民報道官は「一部の国とは政権を指すのではなく、世論について言及した」と説明した。

 大統領は、北朝鮮問題は「韓国が一番強い発言権を行使しなければならない」とし、韓国主導での解決を強調した。(共同)

北朝鮮、米第2期政権発足前は6か国協議再開に応じず

2004/12/04 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【ソウル=豊浦潤一】朝鮮中央通信によると、北朝鮮の外務省報道官は4日、北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議に関連し、米国との2国間接触が11月30日と12月3日にニューヨークで行われたと明らかにした上で、「米側が(北朝鮮を敵視する)政策の変更の意思を示さなかった」と述べ、中断している6か国協議の再開に厳しい見方を示した。

 報道官はさらに、再開の時期について、「我々は少しも急ぐことはない」と発言。「第2期ブッシュ政権がまだ発足していないので、もうしばらく時間を置き、その政策確立過程を忍耐力をもって見守る」と語り、少なくとも2期目のブッシュ政権が発足する来年1月20日までは、協議再開に応じない考えを示唆した。

 報道官は、「現在のような状況では6か国協議を開いても空転のみを繰り返すことは明白」とし、「次回協議が開催されるためには、(米国が)敵視政策をやめ、我々と共存する意思を持つことだ」との立場を改めて表明した。

6カ国協議早期再開で一致 日中韓首脳

2004/11/29 The Sankei Shimbun
 小泉純一郎首相は29日午前(日本時間同)、ラオス・ビエンチャンで、中国の温家宝首相、韓国の盧武鉉大統領と首脳会談を行い、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の早期再開に努力することで一致した。小泉首相は会談で「同協議が問題解決の唯一の方策だ。ブッシュ米大統領とも平和的に解決することで共通の考えを持っている」と強調。また日本人拉致問題について「中韓両国の理解と協力を引き続き受けたい」と、問題解決に向けて両国の支援を要請した。

 会談は6カ国協議の「実質的な進展を迅速に達成するために緊密な連携をさらに強化する」との方針を明記した「行動戦略」を決定した。

 行動戦略は「朝鮮半島の平和的な非核化のために緊密な協議、協力を促進し、平和と安定の維持に努める」と表明。日中韓3カ国が相互信頼醸成に向け、国防、防衛担当閣僚の「頻繁な接触」を図るなど防衛交流の促進も打ち出した。

 安全保障面では「3カ国の包括的な連携が世界の平和と安定、発展に貢献する」と指摘。中国原潜の日本領海侵犯事件などを踏まえ国防、防衛当局事務レベル交流も活性化させる方針を示した。海上でのテロや海賊対策に関して東南アジア諸国連合(ASEAN)各国との協力を盛り込んだ。

 経済分野では、日中韓で自由貿易協定(FTA)を含む経済連携について3カ国の研究機関が行っている共同研究を支援。投資環境を整備する狙いから、投資に関する法的な枠組みの構築に向けた政府間の協議を開始する方針を明示した。

 国連改革については、国連の透明性、効率性の改善・強化の観点から、安全保障理事会を含む国連改革に関して現在行われている作業を支持することも明記した。会談で3首脳は、ASEANが来年の開催を模索している「東アジアサミット」構想などについても意見交換した。(共同)

「6カ国協議」早期再開 日中韓外相が一致

2004/11/27 The Sankei Shimbun
 【ビエンチャン=岩田智雄】町村信孝外相は二十七日、ビエンチャンで中国、韓国の外相と三者会談を行い、北朝鮮の核問題をめぐる六カ国協議の早期再開を目指すことで一致した。

 町村外相は六カ国協議について、「北朝鮮に対して既にさまざまな働きかけをしているが、さらに粘り強く努力する必要がある」と指摘。中国の李肇星外相は協議の早期開催には米国と北朝鮮の双方が互いに柔軟に対応すべきだとの考えを示した。韓国の潘基文外交通商相は北朝鮮が交渉の場に戻りやすくすることが重要だと述べた。

 このほか、三カ国外相は、東アジアサミット開催についてASEAN内で合意が得られれば開催を支持することで一致。日本は第一回会議で共同議長を務める用意があることを表明した。

 町村外相はこれに先立ち、日・ASEAN外相会議にも出席。六カ国協議の再開に理解を求めたほか、治安情報の交換と共有、犯罪に対する取り締まりの協力などを柱とした反テロ共同宣言を採択した。

 一方、ロイター通信によると、中国の李外相は二十七日、町村外相が中国への政府開発援助(ODA)を将来廃止する意向を示したことについて、「中国国民は自分の力や知識、自信だけで、国を発展させることができる」との認識を記者団に示した。

米「北との2国間対話可能」 6カ国協議の枠内で

2004/11/25 The Sankei Shimbun
 韓国の通信社、聯合ニュースによると、米国務省当局者は23日、ワシントンで韓国人記者団に対し「(6カ国協議の枠内で)関係正常化など米朝間の懸案について北朝鮮と2国間対話ができる」と述べた。

 この上で「北朝鮮は6カ国協議に戻り(核を放棄するという)戦略的な決断をしなければならない時だ」と述べ、北朝鮮に決断を促した。(共同)

中国主席、6カ国協議再開を楽観視

2004/11/21 The Sankei Shimbun
 中国の胡錦涛国家主席は20日、チリのサンティアゴでブッシュ米大統領と会談した際、最近の中国・北朝鮮間の水面下での折衝から、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の再開に「楽観的」な姿勢を示した。米政府高官が会談後、記者団に語った。

 同高官は年内の6カ国協議開催については「可能」との見方を表明。具体的な日付や協議再開に向けたプロセスは依然不透明な状況にあるとしながらも、中国の外交努力によって協議のこう着状態が打開される可能性を示唆した。

 一方、パウエル国務長官は同日の記者会見で、台湾問題に関し「ブッシュ大統領は中国の多くのミサイルが台湾に向けられている事実に懸念を示した」と言明。首脳会談で中国側に「慎重」な対応を促し、中国の軍事力増強を強くけん制したことを明らかにした。

 中国が年間50発ぺースで増やしているとされる台湾向け弾道ミサイル配備増強を受け、ブッシュ大統領自らが台湾海峡での軍事的緊張を看過しない、との米政府の強い立場を明確に示したと言える。(共同)

北朝鮮核問題の平和的解決確認 米中首脳会談

2004/11/21 The Sankei Shimbun
 ブッシュ米大統領と中国の胡錦涛国家主席は20日朝(日本時間同日夜)、アジア太平洋経済協力会議(APEC)出席のため訪問しているチリのサンティアゴで会談し、両首脳は6カ国協議の枠組みを通じ、北朝鮮の核問題の「平和的な解決」を模索していくことを確認した。

 胡主席は会談後「大統領が『一つの中国』政策を堅持し、台湾独立に反対していることを高く評価する」と述べる一方、台湾への武器売却には反対するとくぎを刺した。

 大統領は「経済関係を公正・公平にするために協議した」と記者団に話しており、会談で人民元切り上げを求めたとみられるが、中国外務省高官によると、胡主席は人民元について「安定させるとともに改革も進める」と従来の立場を繰り返した。

 両首脳の顔合わせは昨年10月のバンコクAPEC以来で、ブッシュ大統領再選後は初めて。

 また、大統領は会談後「中国と今後4年間、朝鮮半島やアジア太平洋地域での平和維持へ向け緊密な連携を続けていきたい」と述べた。6カ国協議について、参加拒否を続けている北朝鮮に強い圧力をかけるようブッシュ大統領が胡主席に働き掛けたとみられる。主席は「誠意と忍耐を持って問題解決を図ることが重要だ」と米側を促した。

 胡主席は台湾問題で、来月11日の台湾立法委員(国会議員)選挙を前に、ブッシュ大統領との親密ぶりをアピールし、独立志向の強い陳水扁総統の民主進歩党を中心とする与党連合に圧力をかける狙いだ。

 大統領は胡主席の早期訪米を、胡主席も大統領の訪中を招請した。(共同)

6カ国協議早期開催で一致 中韓首脳が会談

2004/11/20 The Sankei Shimbun
 中国の胡錦涛国家主席と韓国の盧武鉉大統領は19日夕(日本時間20日早朝)、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議出席のため訪問中のサンティアゴで会談し、北朝鮮の核開発をめぐる6カ国協議について次期協議か作業部会のいずれかの早期開催で努力していく考えで一致した。

 中国外務省の孔泉報道局長によると、双方は6カ国協議の枠組みを維持して平和的解決を目指すことをあらためて確認。「米国と北朝鮮の極端な相互不信が進展を阻害している」との認識でも一致した。

 中国は次期協議の早期開催のため関係各国への働き掛けを強めており、20日朝(日本時間同日夜)のブッシュ米大統領、21日夜(日本時間22日朝)の小泉純一郎首相との会談でも議題にする予定。北朝鮮に対する説得に努力する姿勢を示し、議長国としての存在感をアピールする狙いがある。

 6カ国協議は北朝鮮の参加拒否で、9月に予定されていた第4回協議が見送られ、開催のめどが立っていない。パウエル米国務長官は18日、年内の次期協議開催に希望的な見方を示した。

 中韓首脳会談は昨年10月にバンコクで行って以来。(共同)

 <6カ国協議> 北朝鮮の核問題解決に向けた米国、北朝鮮、韓国、中国、ロシア、日本の6カ国による外務次官クラスの協議。2003年8月の初回協議以来、今年6月まで3回開催されており、6月の協議では、朝鮮半島非核化への意思の再確認や次回協議の9月開催などで合意。しかし、北朝鮮に対する米国の強硬姿勢を背景に、北朝鮮側が11月初めの米大統領選まで様子見の姿勢だったため、4回目の協議は開催されていない。ブッシュ米大統領の再選が決まって以降は北朝鮮側の姿勢に変化がうかがえ、年内開催の可能性を指摘する声も出てきた。(共同)

北朝鮮、米国に再び政策転換要求 米大統領再選は論評せず

2004/11/14 The Sankei Shimbun
 北朝鮮の外務省スポークスマンは13日、核問題をめぐる6カ国協議が米朝2国間協議にこだわる北朝鮮の姿勢で再開されずにいるとの米国内の見方に対し「直接協議はできないとする米国に協議を要求する必要は感じていない」と反発、「問題解決の鍵は米国の(敵視)政策転換だ」と、朝鮮中央通信を通じてあらためて述べた。

 米大統領選挙後、北朝鮮が政府レベルで6カ国協議に関して公式見解を表明したのは初めてだが、スポークスマンは、ブッシュ大統領再選については論評しなかった。

 協議再開の展望についてスポークスマンは「米国はわれわれの体制変更を狙う敵視政策を放棄し、われわれと共存しようとするなら、問題はいくらでも解決できる」と強調、協議がこう着状態にあるのは「すべて米国のせいだ」と非難した。(共同)

北朝鮮、6カ国協議に難色 日朝首席代表が会談

2004/11/11 The Sankei Shimbun
 日朝実務者協議のため平壌を訪れている外務省の薮中三十二アジア大洋州局長は11日午前、北朝鮮の金桂冠外務次官と約2時間にわたり会談した。薮中氏は北朝鮮の核開発問題をめぐる6カ国協議の年内再開を促したのに対し、金次官は「早期に協議を再開させる環境にはない」と難色を示した。米大統領選後、北朝鮮の直接の担当者が6カ国協議への対応に言及したのは初めて。

 ただ、金次官は6カ国協議を通じて核問題の平和的解決を図る考えを表明。「引き続き努力したい」とも強調した。

 薮中氏、金次官は6カ国協議の日朝両国の首席代表。外務省によると、薮中氏が「核問題の早期の平和的解決のため、6カ国協議を年内に開催すべきだ」と前向きな対応を求めた。

 金次官が6カ国協議に消極的な姿勢をみせたため、薮中氏は「米大統領選が終わったこの機会に、前提条件なしに応じることが重要だ」と翻意を求めたが、北朝鮮側は同じ回答を繰り返したという。

 会談には日本の斎木昭隆外務省アジア大洋州局審議官、北朝鮮の李根外務省副局長らが出席した。

 一方、拉致問題をめぐる日朝実務者協議は11日昼前から再開。安否不明の拉致被害者10人の再調査を担当している北朝鮮の調査委員会の責任者で、人民保安省(警察)の陳日宝局長から前日を含め9時間近く調査結果を聴取した。午後からは日本側が陳局長の説明に対する疑問点などをただした。

北朝鮮と日韓 非難応酬 国連総会

2004/11/02 The Sankei Shimbun
 国連総会で1日開かれた協議で、日本の北岡伸一国連次席大使が「北朝鮮の核計画は北東アジアの平和と安定への脅威」と主張したのに対し、北朝鮮側が「日本にある米軍の核兵器こそ北朝鮮の平和と安全を脅かしている」と反論、韓国の核疑惑にも矛先を向け、3カ国が激しく応酬した。

 国際原子力機関(IAEA)の年次報告承認をめぐり、北岡次席大使は、エルバラダイIAEA事務局長が北朝鮮を名指しで非難した報告を受け、北朝鮮の姿勢を「核不拡散体制への重大な挑戦」と批判し、核計画の放棄を強く要求。北朝鮮の金昌国・国連次席大使は「日本は米軍に核兵器の持ち込みを許し、北朝鮮攻撃を目的とした多数の米軍基地に配備させている」と非難した。

 北朝鮮側は、韓国の核疑惑についても非難し「わが国の核計画は米国との協議を通じて解決を図りつつあるが、韓国の秘密核実験は未知のもので危険極まりない」と強調。韓国側は「一部の科学者が独自に行ったもので兵器開発などとは全く無関係だ」と反論した。(共同)

6カ国協議再開へ協調 米長官と韓国大統領が会談

2004/10/26 The Sankei Shimbun
 韓国を訪問したパウエル米国務長官は26日午前(日本時間同)、ソウルで潘基文外交通商相と会談して共同記者会見し、北朝鮮が応じず開催の見通しの立っていない6カ国協議の米大統領選後の早期再開が絶対に必要との認識で一致、緊密に協力していくと明らかにした。

 会談で双方は、11月の米大統領選後のできるだけ早い時期に6カ国協議を再開する案などについて調整。2008年までに1万2500人を削減することで合意済みの在韓米軍再編問題では、米韓協議などが順調に進んだことに長官が満足の意を伝え、米韓同盟を一層発展させていくことで一致した。

 米国で成立した北朝鮮人権法については、長官が「人道的観点の立法」だとし「この法が北朝鮮の人権状況改善と朝鮮半島の平和と安定に寄与する」と説明。韓国の核関連実験問題について、外交通商相が韓国の核開発は平和利用に限られているとの立場を伝え、長官は理解を示した。

 長官はこれに先立ち、盧武鉉大統領、鄭東泳統一相とも会談。韓国政府によると、統一相が大統領選後の6カ国協議に期待を表明、長官は「北朝鮮は大統領選後に協議に出てくるとみており、参加すれば北朝鮮は多くのものを得られる」と言明。大統領との会談では、米英に次ぐ部隊をイラクに派兵したことに謝意を伝えた。

 長官は26日午後、ソウルの米大使館で韓国の大学生約30人と懇談、日本、中国と続いたアジア歴訪を終える。(共同)

米国務長官が胡主席と会見…「6か国協議」維持で合意

2004/10/25 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【北京=竹腰雅彦】新華社電などによると、中国を訪問中のパウエル米国務長官は25日、北京で胡錦濤国家主席と会見し、北朝鮮の核問題で、現在こう着状態にある6か国協議の枠組みを維持することなどで合意した。

 焦点の台湾問題については、胡主席が「情勢は非常に複雑で不安定だ。米国は『1つの中国』の原則の順守を表明しているが、それを実際の行動に移すべきだ」と強調した。パウエル長官は「台湾独立に向かういかなる行動にも反対する」と応じたという。

 パウエル長官は同日、温家宝首相、李肇星外相とも相次いで会談し、両国の摩擦が目立つ人権問題について、現在中断されている米中間の協議を再開することでも一致した。

米国務長官の日中韓歴訪を正式発表

2004/10/18 The Sankei Shimbun
 米国務省は17日までに、パウエル国務長官が22日から26日まで、日本、韓国、中国の3カ国を歴訪すると正式発表した。

 日本には23日から2日間滞在、町村信孝外相らと会談する予定。

 長官は3カ国の外相と北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議やイラク情勢、「テロとの戦い」などについて協議。町村外相とは在日米軍の再編問題も話し合うとみられる。(共同)

北の核問題「構造的に安定」 韓国大統領

2004/10/11 The Sankei Shimbun
 韓国の通信社、聯合ニュースによると、ベトナムを訪れている韓国の盧武鉉大統領は11日、ハノイでの記者団との懇談で、北朝鮮の核問題について米国と北朝鮮の対立にもかかわらず「構造的にはかなり安定している」と述べた。

 盧大統領は「韓中日露は北韓(北朝鮮)が極端な選択を取ることに反対しており、北韓を窮地に追い込んではいない」と指摘。「(北朝鮮に対して)確実な希望と期待を持つようにしてこそ(北朝鮮が)極端な行動を取らず対話を行うだろう」と述べた。(共同)

金永南委員長が10月訪中へ 6カ国協議を調整

2004/09/28 The Sankei Shimbun
 中国の唐家●国務委員(前外相)は28日、日中記者交換40周年訪中団との会見で、北朝鮮の金永南・最高人民会議常任委員長を代表とする同国の高級代表団が近く中国を訪問することを明らかにした。北朝鮮の核開発をめぐる6カ国協議も中国首脳らとの会談で議題となるもようだ。

 訪問時期について中国外務省当局者は「10月中旬の予定」と述べた。金委員長は金正日総書記に次ぐ北朝鮮ナンバー2で、訪中は昨年2月以来となる。

 中朝間では今月中旬に中国共産党の李長春・政治局常務委員が訪朝したばかり。金委員長の訪中は10月6日の中朝国交55周年を挟んだ答礼訪問とみられる。

 唐国務委員は6カ国協議について「できるだけ早急に次回の第4回協議が開けるよう各国に働き掛けているが、米朝間には根強い政治的な相互不信が存在しており、韓国でも(未申告核関連実験などの)問題が起きて一層、複雑になっている」と指摘し、早期開催が困難なことを示唆した。

 唐国務委員は同時に1朝鮮半島の非核化2対話を通じた平和的解決−の2点は堅持する必要があり「6カ国協議のプロセスを決して後退させてはならない」と強調した。

 またロシアを先週、訪問した中国の温家宝首相もプーチン大統領に中国のこうした立場を説明し、早期開催を働き掛けたことを明らかにした。(共同) ●=王ヘンに旋

「6カ国協議は年末以降」露大使が見通し

2004/09/24 The Sankei Shimbun
 ロシュコフ駐日ロシア大使は24日午後、都内で講演し、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議について「(北朝鮮は11月の)米大統領選前には、おそらく再開には応じないと考えている」と述べ、次回会合は早くても12月末から来年初めにずれ込むとの見通しを示した。

 北方領土問題に関しては、日露の認識が全く異なるとした上で「もし(日本が)『頭を下げて謝らなければならない』とロシア人に言ったら、支持はされない。両国が受け入れやすい妥協について考えよう」と提案。西シベリアや極東の石油、ガス田開発に日本企業が参画していることに触れ、経済分野の関係強化が領土問題解決に寄与するとの見解を示した。

 プーチン大統領の来日日程については「来年1−3月の間になる」との見通しを示した。

 国連改革では「現在の社会の現実に対応した新しいものを作り上げないといけない。将来、日本が国連安保理常任理事国になるだろう」と述べた。

6カ国協議の開催要求 首相、北朝鮮高官に表明

2004/09/23 中国新聞ニュース
 【ニューヨーク22日共同】小泉純一郎首相は二十二日午後(日本時間二十三日未明)、ニューヨーク市内のホテルで北朝鮮の崔秀憲(チェ・スホン)外務次官と会い、国交正常化交渉促進に向け、日朝平壌宣言の誠実な履行と、核開発問題をめぐる六カ国協議開催など積極的な対応を促し、金正日総書記に伝えるよう求めた。

 また、首相は拉致問題に関する日朝実務者協議が二十五日から北京で開かれるのを念頭に、金総書記が約束した横田めぐみさんら安否不明の拉致被害者の再調査について「誠実に対応することを望んでいる」と表明した。

 首相は「正常化の基礎は平壌宣言であり、誠実に守っていくことが大切。ブッシュ米大統領と六カ国協議を推進して平和的解決を追求することで合意している。これに応じてもらうことが重要だ」と述べた。

 これに対し、崔次官は第四回六カ国協議の九月開催が見送られるのは「米国の北朝鮮への敵視政策や韓国の核開発疑惑があるからだ」などと反論したが、首相のメッセージは本国に伝えると答えた。

 崔次官は拉致問題について「(拉致問題は)首脳レベルで解決済み。(再調査は)日本側の要請に答えているものだ」と述べるにとどまった。

 崔次官は国連総会出席のためニューヨーク入りし、この日は日本政府主催レセプションに出席、会場を訪れた首相と約十分間立ち話をした。

6か国協議枠組み維持、韓露首脳が共同宣言

2004/09/22 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【モスクワ=五十嵐弘一、豊浦潤一】ロシア訪問中の盧武鉉(ノ・ムヒョン)韓国大統領は21日、モスクワのクレムリンでプーチン露大統領と会談した。

 両首脳は会談後の共同記者会見で、朝鮮半島の非核化や6か国協議の枠組みでの協力、国際原子力機関(IAEA)の査察体制強化、あらゆる国による核拡散防止条約(NPT)規定順守の重要性などを盛り込んだ共同宣言を発表した。

 韓国がIAEAに無申告で行った一連の核関連実験に間接的に言及することで、北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議への影響を最小限にとどめたい考えと見られる。

 韓国政府関係者によると、盧大統領は会談で、韓国の核関連実験は核兵器開発ではなく、原子力平和利用の原則を順守すると強調。

 その一方、6か国協議の早期再開や、北朝鮮が完全核放棄を前提に核凍結した場合に実施するエネルギー支援への参加などロシアの積極的な役割を求めた。北朝鮮は韓国の核関連実験を協議開催拒否の口実としており、韓国は「ロシアの働きかけに期待をかけた」(韓国政府関係者)形だ。

 ただロシアは、北朝鮮に働きかけるためにも「韓国の『みそぎ』が必要」(外交筋)との認識で、共同宣言に韓国の問題を盛り込むよう主張したと見られる。

北朝鮮は無条件で出席を 日韓担当局長が一致

2004/09/21 The Sankei Shimbun
 外務省の薮中三十二アジア大洋州局長は21日夕、来日中の李秀赫・韓国外交通商次官補と外務省で会談、北朝鮮の核問題をめぐる第4回6カ国協議を早期に開催し、北朝鮮は無条件で出席すべきだとの認識で一致した。

 韓国の未申告核関連実験問題で、李氏は核兵器の開発や保有をしないなどとする韓国政府の4原則を説明し、「引き続き国際原子力機関(IAEA)に積極的に完全に協力する」と理解を求めた。北朝鮮がこの問題を6カ国協議に応じない理由の1つに挙げていることについて、両氏は「6カ国協議とは関係ない」と確認した。

 李氏は谷内正太郎官房副長官補、竹内行夫外務事務次官とも会談した。

6カ国協議の9月開催は困難 中国が初めて確認

2004/09/17 The Sankei Shimbun
 中国外務省の孔泉報道局長は16日の定例会見で、次回6カ国協議の9月開催について「現在の各国の態度表明から見て極めて困難だ」と述べ、予定通りの開催が難しい情勢になったことを議長国として初めて認めた。

 13日まで訪朝した中国共産党政治局の李長春常務委員が北朝鮮側の意向を聞き、外務省が開催困難の判断をしたとみられる。孔局長は「中国としては見たくない事態だ」と不快感を表明した。

 開催時期については「9月末までが無理なら、できるだけ早く開かねばならない」と述べたが、別の中国外交筋は「米大統領選までは無理かもしれない」と明かしており、大幅にずれ込むことは避けられない情勢となった。

 孔局長はまた、開催をめぐる交渉について「北朝鮮と米国の両当事者によって主に決められることだ」と語った。(共同)

6カ国協議、北朝鮮除き9月開催に同意

2004/09/14 The Sankei Shimbun
 モスクワを訪問している韓国外交通商省の李秀赫次官補は13日、6カ国協議について「中国は9月22日の開催を提案し、日本、ロシア、韓国、米国は同意した。あとは北朝鮮の返事を待つだけだ」と述べた。インタファクス通信のインタビューに答えた。

 次官は「作業部会を開催するには時間が限られている」と指摘した上で「6カ国協議前の1日か2日間に作業部会が開催できるよう期待しているが、正確なところは分からない」と述べた。(共同)

中国序列8位の李氏が訪朝へ、6か国協議参加働きかけ

2004/09/10 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【北京=佐伯聡士】新華社電によると、中国の胡錦濤政権序列8位の李長春・共産党政治局常務委員は10日午前、北朝鮮を訪問するため、党と政府の代表団を率いて北京を出発した。

 13日までの滞在中、李氏は北朝鮮の指導者と会談し、9月中の開催を目指して調整が難航している次回6か国協議への早期参加を働きかける。

 李氏が率いる代表団には、次回6か国協議で議長役を務めると見られている武大偉・外務次官(前駐日大使)が同行しており、北朝鮮側と具体的な意見交換を行う見通しだ。

北朝鮮に協議参加促す 日米韓

2004/09/10 The Sankei Shimbun

 日本、米国、韓国の3カ国は10日午前、北朝鮮の核問題をめぐる外務省局長級の非公式会合を前日に引き続き、都内で開き、北朝鮮に核問題解決のための第4回6カ国協議への参加を促し、今月中の同協議開催に向けて努力することを確認した。

 10日は日米、米韓の協議を個別に行った後、全体会合に移行。6カ国協議の枠組みで平和的に問題解決を図ることは、北朝鮮の利益にもなるとの認識をあらためて確認し、核廃棄の範囲や方式、凍結と見返り措置など北朝鮮の核廃棄に向けた具体的プロセスについても意見交換した。

 日韓は北朝鮮の柔軟対応を引き出すため、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)による軽水炉建設事業を取りやめず、事業の「凍結」を1年間延長する方向で米側の理解を得たい考えだ。

 日本から外務省の薮中32アジア大洋州局長、米国からケリー国務次官補、韓国から李秀赫外交通商次官補らが出席した。

日米韓局長級、6か国協議月内開催へ努力で一致

2004/09/09 読売新聞 Yomiuri On-Line
 日米韓3国は9日夜、都内で局長級会合を開き、北朝鮮の核問題をめぐる第4回6か国協議について、6月の第3回協議の合意に沿って月内に開催する努力を続けることで一致した。

 日本は外務省の藪中三十二アジア大洋州局長、米国はジェームズ・ケリー国務次官補、韓国は李秀赫(イ・スヒョク)外交通商次官補が出席した。

 会合では、韓国側がウラン濃縮実験やプルトニウム実験の事実関係や、国際原子力機関(IAEA)の査察への協力について説明した。日米両国は「きちんとIAEAの査察を受けている」とし、6か国協議への影響はないとの見方を示した。

6か国協議、22日から開催で調整入り

2004/09/07 読売新聞 Yomiuri On-Line
 北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議の次回会合について、参加各国は、22日から3日間程度、北京で開く方向で調整に入った。政府関係者が6日明らかにした。

 議長国の中国は10日から李長春共産党政治局常務委員を北朝鮮へ派遣し、協議参加を改めて働きかける予定だ。李氏の訪問で北朝鮮の合意が得られれば各国に最終確認を取って日程を正式発表すると見られる。

 参加6か国は6月の第3回会合で、9月末までに第4回会合を開くことで合意した。ただ、北朝鮮は最近、「米国が敵視政策を撤回するのが先決だ」などと主張し、日程調整が難航している。日米韓などは「11月2日の米大統領選が近づくほど協議が開きにくくなる」として、合意通り9月中の開催を求めている。

 6か国協議を準備する各国次席代表による作業部会については現時点で、開催のめどが立っていない。

6カ国協議、9月の可能性 韓国駐米大使

2004/08/29 The Sankei Shimbun
 韓国の聯合ニュースによると、韓国の韓昇洙駐米大使は28日、ニュージャージー州での講演で、北朝鮮の核問題に関する6カ国協議の第4回協議について「韓国や米国だけでなく、日本や中国も熱心に努力しており、9月に開催される可能性が大きい」と述べた。

 韓大使は協議の行方については「実質的な進展があるかどうかは分からない」と慎重な見方を示した。(共同)

9月末開催目指し、調整続くとの認識 6カ国協議で米国務省高官

2004/08/25 The Sankei Shimbun
 米国務省高官は24日、北朝鮮が核開発問題をめぐる6カ国協議に否定的態度を示していることについて「私が知る限り、協議開催に向けた話し合いは続いている」と述べ、予定通り9月末までの開催を目指し関係国間の調整が続いていることを確認した。

 北朝鮮の朝鮮中央通信はこれに先立ち、ブッシュ米大統領が遊説中に金正日総書記を「暴君」と表現したことを非難する論評で6カ国協議に関し「これ以上、期待をかけることはできなくなった」と報道。米政府への揺さぶりを強める北朝鮮が協議参加拒否をちらつかせているとの見方も出ている。

 高官は、論評は「希望がない」と表現しているが協議に参加しないとは言っていないとの解釈を示し、6カ国協議に向けた作業部会開催でも関係国が調整を進めていると述べた。(共同)

米、「空威張り」と一蹴 北朝鮮の非難声明に

2004/08/25 The Sankei Shimbun
 マクレラン米大統領報道官は24日、北朝鮮がブッシュ大統領を「人間のくず」などと非難していることについて、「また空威張りしている」と一蹴(いっしゅう)した。大統領の休暇先のテキサス州クロフォードで記者団に語った。

 ブッシュ大統領が18日に遊説先で北朝鮮の金正日総書記を「暴君」と表現したことに対し、北朝鮮側は非難声明などを出していた。

 大統領発言を受けて北朝鮮が核問題をめぐる6カ国協議について後ろ向きの姿勢を見せていることについて、報道官はあらためて核開発計画を廃棄し、代償として「国際社会からの利益」を得るよう訴えた。(共同)

「ヒトラーしのぐ暴君」 北朝鮮が米大統領を非難

2004/08/23 The Sankei Shimbun
 朝鮮中央通信によると、北朝鮮外務省スポークスマンは23日、ブッシュ米大統領を「ヒトラーをしのぐ暴君で政治的未熟児」と非難、大統領が18日の選挙遊説で金正日総書記を「暴君」と表現したことに強い不快感を表明した。

 スポークスマンはまた、「わが国の最高指導部(金総書記)への非難は、われわれが(北朝鮮の核問題をめぐる)6カ国協議に臨めなくなるようにさせるだけでなく、米国と対話する初歩的な名目さえ失わせている」と強調した。

 6カ国協議の議長国の中国は、9月末までの第4回協議と事前の作業部会開催を模索しているが、北朝鮮が「暴君」発言で対話姿勢を後退させたことで、開催見通しは一層不透明となりそうだ。

 また朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は22日付で、米国を「朝鮮半島の(南北)分断を永久に固定化しようとする張本人」などと批判する金総書記の発言を引用、23日から始まる米韓合同軍事訓練に警戒感を示した。(共同)

6か国協議日程調整が難航、北が交渉カードで揺さぶり

2004/08/21 読売新聞 Yomiuri On-Line
 北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議の作業部会は、次回会合の日程調整が難航している。当初は8月中旬を軸に調整していたが、北朝鮮が出席に難色を示し、9月上旬以降で再調整することになった。

 北朝鮮は「会議への参加自体を交渉カードにし、米国などの譲歩を狙っている」(外務省幹部)とされ、議長国・中国も手を焼いているようだ。日本は、核問題を前進させる機運が低下しないように、作業部会の早期開催を各国に働きかける考えだ。

 中国は、今月18日から3日間程度、北京で作業部会を開く案を各国に打診した。北朝鮮は「準備不足」などを理由に難色を示した。その後、米国が28日から4日間、ニューヨークでの開催を提案したものの、これにも北朝鮮は「わが国に対する米国の敵視政策の撤回が先決だ」などと拒否する考えを中国に伝えた。

 作業部会の会場としては、ニューヨークだけでなく、モスクワやソウル、ジュネーブが取りざたされた。「北京以外の都市が浮上したこと自体、議長国の中国が開催への熱意を失いかけている表れ」(日本政府筋)との指摘も出ている。「作業部会を開いても、米朝間の対立がより鮮明になるだけ」(同)との悲観的な見方が強いことも影響しているとみられる。

 次回の作業部会は、6月の第3回6か国協議で米国が示した新提案などを踏まえ、核開発の凍結・廃棄とその見返りについて「議論を深めるのが目的」(協議関係筋)となる。だが、北朝鮮は7月下旬、米国提案を「偽りの提案で、これ以上論議する一顧の価値もない」と批判している。

 言葉の定義でも、日米韓と北朝鮮の隔たりは大きい。その典型が「検証」だ。

 実質的に「完全で検証可能かつ不可逆的な核廃棄」を目指す日米韓は、「検証」に、北朝鮮の否定するウラン濃縮計画も含めた包括的な「査察」の意味を込めている。これに対し、北朝鮮の考える「検証」は、凍結する核施設の「監視」に限定され、ウラン濃縮計画などを除外する意図が明白という。

 協議出席者の1人は「北朝鮮は『検証』と『査察』という用語を巧みに使い分けている」と指摘する。

 6か国協議は今後、11月の米大統領選が近づくにつれて各国とも“様子見モード”に入るとみられ、関係国の間では、実質的な議論が停滞することを懸念する声も出始めている。

北朝鮮、NYでの作業部会を拒否

2004/08/16 The Sankei Shimbun
 北朝鮮外務省スポークスマンは16日、核問題をめぐる6カ国協議に関し、米国が作業部会をニューヨークで開くことを提案したと明らかにした上で「米国の極度の敵視政策が、わが国を当面の作業部会に臨めなくしている」と主張、作業部会のニューヨークでの開催や8月開催は困難との立場を示した。朝鮮中央通信を通じて述べた。

 スポークスマンは、先週ニューヨークで行われた李根外務省米州局副局長も参加した非公式会合で米国と実務接触したと指摘。「米国が核凍結に伴う補償措置に参加する意思を明白に表明し、敵視政策を放棄する意思を示すことにより、協議できる基礎を築くことが急務」と述べ、米国にエネルギー支援への参加を要求した。

 同時に「核問題の平和的解決に引き続き努力し、必要な協力をする準備ができている」としたが、作業部会や第4回6カ国協議の開催時期について具体的な見通しは示さなかった。(共同)

中国、8月11日からの開催打診 6カ国協議の作業部会

2004/07/28 The Sankei Shimbun
 北朝鮮の核問題をめぐる次回6カ国協議の前に開かれる作業部会の日程について、議長国の中国が8月11−14日の開催を関係国に打診していることが27日、分かった。関係国の外交筋が明らかにした。場所はこれまでと同様、北京となる見通し。

 同筋は「依然調整が必要」とし、日程は北朝鮮の返答次第で決まるとの見方を示した。米学術団体が、ニューヨークで来月9日から作業部会の米朝双方の代表らを招いて関係6カ国の非公式会合を開催する予定だが、北朝鮮がこの会合への出席を取りやめて同11日からの作業部会開催に応じる可能性もある。

 また米国務省当局者は27日、作業部会の米代表、デトラニ朝鮮半島和平担当特使が北京で29、30の両日、中国の寧賦魁・北朝鮮核問題担当大使らと実務協議を行うことを明らかにした。作業部会開催に向け詰めの調整をするとみられる。

 次回作業部会は、6月の第3回6カ国協議で米国が新提案を示したことや、北朝鮮が核の「凍結」の対象範囲を初めて表明したことを踏まえ、北朝鮮へのエネルギー支援や「安全の保証」のほか、米提案にある核凍結のための3カ月間の「準備期間」に関し、詳しく議論する。

 米国は9月末までに開かれることになっている次回6カ国協議で北朝鮮に米提案を受け入れさせ、「完全核放棄」を確約させたい構えだ。(共同)

北朝鮮、米提案を拒絶 「論議価値なし」 核廃棄行程表

2004/07/24 The Sankei Shimbun
 北朝鮮外務省スポークスマンは24日、朝鮮中央通信を通じて談話を発表、6月の第3回6カ国協議で米国が示した核問題解決に向けた提案が大量破壊兵器放棄を先行させた「リビア式」の解決策だと批判し「これ以上論議する一顧の価値もない」と強く反発する立場を表明した。

 北朝鮮は第3回協議以降、米国の提案を厳しく受け止めながら、提案を行ったこと自体は評価する姿勢を示してきたが、米提案の内容全体について明確な立場を示したのは初めて。

 協議から約1カ月が経過し、8月半ば以降に予想される次回作業部会や第4回協議に備え、足場固めを図る狙いがあるとみられる。

 スポークスマンは特に、核の「凍結」を核兵器計画放棄の第1歩とあらためて位置付けた上で「凍結」に伴う補償措置に米国が参加することが「核問題解決のカギ」と強調、米国が200万キロワット相当のエネルギー支援に直接加わるよう求めたほか、北朝鮮への経済制裁とテロ支援国家指定を解除するようあらためて求めた。

 さらに、米国の提案は「われわれを武装解除するための要求事項を段階的に列挙しただけ」で「こうしたリビア式(の解決策)は、われわれには通じない」と主張。北朝鮮が求める「同時行動の原則に基づく一括妥結方式」を受け入れるよう要求した。(共同)

 ≪北朝鮮立場表明の要旨≫

 北朝鮮外務省スポークスマンが24日行った米国提案への立場表明の要旨は次の通り。

 一、われわれの「凍結」提案は究極的な核兵器計画放棄への第一歩。

 一、米国提案は、われわれを武装解除するための要求事項を段階的に列挙しただけで、本質的に「リビア式」の核放棄を先行させる内容。

 一、こうしたリビア式(の解決策)はわれわれには通じない。

 一、米国の既存の立場は少しも変わっておらず、米国提案はこれ以上、論議する一顧の価値もないとみなす。

 一、われわれの核凍結に伴う補償措置に米国が参加するかどうかが核問題解決のカギとなる。

 一、米国は、われわれの非核化目標の表明に合わせ敵視政策放棄を公約し、それに伴う最初の段階(凍結)の補償措置として経済制裁とテロ支援国家指定を解除、200万キロワット相当のエネルギー支援に直接参加するべきだ。

 一、核問題解決で最も現実的で唯一の方法は、同時行動原則に基づく一括妥結方式だ。(共同)

 <6カ国協議の米提案> 北朝鮮の核問題をめぐる6月の第3回6カ国協議で米国が示した新提案。北朝鮮が核放棄に着手するまで3カ月の核凍結期間である「準備期間」を設定、この間にウラン濃縮を含む核計画の包括的な申告と、すべての核関連作業の中止、核関連施設の封印などを要求。一方で、米国以外の国による重油提供や、暫定的な「安全の保証」、テロ支援国家指定の解除に向けた協議などの見返りを与えるとしている。(共同)

北朝鮮核解決へ、日米の協力強化で一致…外相と米次官

2004/07/24 読売新聞 Yomiuri On-Line
 川口外相は23日、外務省でボルトン米国務次官と会談し、北朝鮮の核問題の解決に向けて、日米で協力を強化することで一致した。

 ボルトン次官は、大量破壊兵器開発計画の放棄を宣言したリビアに言及し、「北朝鮮の今の状況はリビアに近いとは思わないが、国際社会全体が働きかけをして、北朝鮮がリビアのような戦略的な決定を行うようにしたい」と述べた。

 ボルトン次官は都内での記者会見で「前回の6か国協議で、米国の考えを提案した。リビア・モデルをたどろうということで、今、ボールは北朝鮮にある。次回協議の日程が決まれば、内容のある返答を期待したい」と述べた。

北朝鮮の核廃棄検証で専門家協議へ 日米政府が一致

2004/07/23 asahi.com
 日米両政府は23日、核軍縮・不拡散について両国の協力を強化するための「日米軍備管理・軍縮・不拡散・検証委員会」を外務省で開いた。北朝鮮の核問題に関して、核廃棄に対する検証作業が重要になるとの見方で一致。今後、日米の専門家が具体的な検証方法を協議していくことを確認した。

 委員会には日本側から天野之弥・外務省軍備管理・科学審議官、米国からはボルトン国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)らが出席した。

北朝鮮核廃棄へ連携確認 日韓首脳、相互訪問も合意

2004/07/21 中国新聞ニュース
 【済州島(韓国)21日共同=山根士郎】小泉純一郎首相は二十一日夕、韓国・済州島のホテルで盧武鉉大統領と会談した。両首脳は北朝鮮の核開発問題をめぐる六カ国協議の進展を評価し、核廃棄に向け日米韓で緊密に連携して取り組みを加速化させることを確認。小泉首相は首脳会談後の共同記者会見で、北朝鮮が日朝平壌宣言を誠実に履行すれば一年以内の国交正常化も可能との認識を示した。

 首相は来年三月から九月に愛知県で開かれる二○○五年日本国際博覧会(愛知万博)の期間中、韓国からの観光客の査証(ビザ)を免除するとともに、その後の恒久的なビザ免除も検討する考えを表明した。

 日韓両首脳の「より頻繁な相互訪問」を実現することも確認、次回は日本の温泉地で首脳会談を行うことで合意した。○五年中の日韓自由貿易協定(FTA)締結に向けて交渉を促進することも確認した。

 会談で盧大統領は、歴史問題について「未来志向的な協力を強化する中で、過去の問題が両国国民間の友好親善を阻害することがないようお互い努力すべきだ」と要請、首相も努力する考えを表明した。

 盧大統領は記者会見で「北朝鮮の核問題が解決すれば韓国は包括的、具体的な経済協力を実施し、日本は平壌宣言に基づき国交正常化と経済支援を行うことを表明した」と述べた。

 両首脳は、日韓国交正常化四十周年を記念する「日韓友情年二○ ○五」の交流事業の成功に向けて協力することを確認、刑事司法共助条約の締結交渉の開始、税関相互支援協定への署名を推進することも合意した。

「北朝鮮の核放棄が重要」 訪韓中の米国務次官

2004/07/21 The Sankei Shimbun
 韓国を訪問中のボルトン米国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)は21日、ソウルで記者会見し北朝鮮の核問題について「重要なのは北朝鮮がいつ核開発放棄の決定をするかだ」と述べ、当面は北朝鮮の決定を待つ考えを示した。

 ボルトン次官は「北朝鮮は(大量破壊兵器の放棄を宣言した)リビアから教訓を得て、核開発放棄の決定をすれば政権を維持することができる」とし、核開発放棄により「米国との関係も根本的に変わるだろう」との見通しを示した。(共同)

6カ国協議作業部会始まる 「核凍結」焦点に議論

2004/06/21 The Sankei Shimbun
 北朝鮮の核問題をめぐる第3回6カ国協議作業部会が21日、北京の釣魚台迎賓館で始まった。22日までで、23日から本会議が予定されている。作業部会は5月中旬に続き2回目。今回は北朝鮮が核問題の段階的解決策の第1段階として提案している「凍結と補償」に関し、凍結の対象施設や期間、検証方法などをどこまで具体的に説明するかが焦点。

 日本代表の斎木昭隆・外務省アジア大洋州局審議官は協議前に「(凍結内容について)具体的な説明を求めることになろう」と述べ、協議が「凍結」提案を中心に進む見通しを示した。

 しかし「凍結」提案が米国の求める「検証可能で後戻りできない完全核放棄」を前提とするかどうかの原則的な部分で米朝の対立は解消されておらず、厳しいやりとりが予想される。

 米国が解明を迫る高濃縮ウランによる核開発計画についても北朝鮮は一貫して否定する姿勢を崩していない。今回も柔軟姿勢に転じる可能性は低いとみられる。

 各国代表は前回同様、本会議の次席代表で、議長国中国は寧賦魁・北朝鮮核問題担当大使、北朝鮮は李根・外務省米州局副局長、米国はデトラニ朝鮮半島和平担当特使、韓国は趙太庸・外交通商省北朝鮮核外交企画室長、ロシアはスヒーニン外務省第一アジア局次長。(共同)

北朝鮮に凍結施設など明示求める…日米韓が一致

2004/06/20 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【北京=三浦真】日米韓3か国は20日、北京市内で、北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議の次席代表による協議を行った。

 3か国は21、22の両日に開く作業部会で、北朝鮮が「核の廃棄に向けた第一歩」として提案している「凍結」について、凍結の対象施設や検証方法などに関する北朝鮮側の考え方を明示するよう求める方針で一致した。

 日本から外務省の斎木昭隆アジア大洋州局審議官、米国からジョゼフ・デトラニ朝鮮半島和平担当特使、韓国から趙太庸(チョ・テヨン)外交通商省北核外交企画団長らが出席した。

対北朝鮮:エネルギー支援検討を表明へ 政府、条件付きで

毎日新聞 2004年6月19日 Mainichi INTERACTIVE
 政府は18日、北朝鮮の核問題をめぐり北京で23日から始まる第3回6カ国協議で、北朝鮮が核凍結の見返りに求めている重油を中心とするエネルギー支援の検討を条件付きで表明する方針を固めた。条件として、北朝鮮が核計画の「完全放棄」への第1段階としての核凍結に踏み切るとともに、安否不明の日本人拉致被害者10人の再調査を急ぐことなどを具体的に挙げる方針だ。

 政府がエネルギー支援の検討を表明する方針を固めたのは、5月の日朝首脳会談後の日朝間の融和ムードを背景にさらに柔軟な姿勢を示すことで、北朝鮮から核問題での実質的譲歩を引き出す狙いがあるとみられる。外務省幹部は「第3回協議で成果が出なければ6カ国協議の存在意義が問われる。北朝鮮側が譲歩しやすい環境を整えるということだ」と語った。

 北朝鮮へのエネルギー支援については、2月の第2回6カ国協議で、韓国が凍結の見返りに支援を提案し、中露両国が支援参加を表明した。これに対して、日米両国は高濃縮ウラン開発も凍結・廃棄対象とすることなどを主張、支援について「理解し、支持する」と言及するにとどめていた。【犬飼直幸】

6か国協議作業部会出席の北朝鮮代表が北京入り

2004/06/19 読売新聞  Yomiuri On-Line
 【北京=竹腰雅彦】北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議第3回会合の作業部会に出席するため、北朝鮮の李根(リグン)・外務省米州局副局長が19日午前、平壌から空路北京入りした。

 作業部会は21、22日に、実務者レベルで開かれる。

北に完全核放棄の確約求める 米国務省報道官 6カ国協議で

2004/06/16 The Sankei Shimbun
 バウチャー米国務省報道官は15日の会見で、北朝鮮の核開発問題をめぐる第3回6カ国協議の開催決定を受け「目的は検証可能かつ後戻りしない核計画の完全放棄。それが脅威を終結させ、安定と安全をもたらす唯一の道だ」と述べた。

 ボルトン米国務次官(軍備管理・国際安全保障担当)も同日の議会証言で「ボールは北朝鮮の側にある」とし、「完全核放棄」へ向けた北朝鮮側の譲歩を求めた。

 北朝鮮が「凍結と補償」提案について米国の譲歩を求める中、米国としては従来通り、ウラン濃縮型核開発を含めた「完全核放棄」の確約を優先する考えを示した発言。

 これに関連し、米政府高官も「凍結やそれに応えて北朝鮮に対し何か行うことには反対しないが、凍結は核廃棄へのステップでなければならない」と指摘。韓国が検討する包括的な支援策などを念頭に、核放棄に対する「見返り」を議論する用意があるとしながらも、支援実施は「完全核放棄」が前提との見解を繰り返した。(共同)

北の核問題解決すれば包括支援 韓国大統領

2004/06/15 The Sankei Shimbun
 韓国の盧武鉉大統領は15日、ソウル市内で開かれた「6・15南北共同宣言4周年記念国際討論会」でのあいさつで、核問題が解決すれば北朝鮮の経済改善に向け包括的で具体的な支援を行う用意があると述べた。

 盧大統領は「核問題が岐路にさしかかっているが、南北間の交流・協力はこれまでになく活発になっている。この交流・協力関係が核問題の解決の助けにもなる」と、南北関係の重要性を強調。

 さらに核問題が解決すれば「南北関係が本格化する。われわれはそれに備えて包括的で具体的な計画を準備している。北朝鮮経済を画期的に改善できるインフラの拡充などに積極的に協力する」とし、「国際社会が協力できるよう関係国と緊密に協議する」と強調した。(共同)

北朝鮮に完全核放棄要求 シーアイランド・サミット

2004/06/10 The Sankei Shimbun
 主要国首脳会議(シーアイランド・サミット)は9日午後(日本時間10日朝)の安全保障問題をめぐる討議で、大量破壊兵器の拡散防止強化を目指した行動計画をまとめた。主要国(G8)は北朝鮮の核開発問題について「国際義務に違反」と指摘し「深刻な懸念」を表明。6カ国協議を通じた問題解決を支持し、北朝鮮に対し「検証可能で後戻りできない完全核放棄」を要求した。

 小泉純一郎首相は先月の訪朝を説明。金正日総書記が拉致被害者家族を帰国させるなど一昨年9月の訪朝時と比較して「対応に違いがあった」と述べた。

 行動計画では、核開発につながるウラン濃縮や使用済み核燃料再処理に関する第3国との新たな取引を1年間停止し、この間に核拡散阻止のための対応措置を導入することを盛り込んだ。

 一方、深刻なテロの脅威が続いている現状を踏まえ、G8は安全な海外渡航を実現するための行動計画も策定。1旅券の発行基準を強化した国際基準の作成2失効旅券やテロリストら要注意人物リストの情報共有促進−などを明記した。

 北朝鮮問題では、複数の首脳が「経済協力によって北朝鮮を開かれた国にすべきだ」と強調。小泉首相は国交正常化しない限り経済協力を行わない方針を説明した。(共同)

6か国協議開催「23日から」…米政府高官が確認

2004/06/09 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【サバンナ(米ジョージア州)=菱沼隆雄】米政府高官は8日、本紙に対し、北朝鮮の核問題に関する第3回6か国協議が、今月23日から3日間の日程で北京で開催される方向で固まったことを明らかにした。

 同協議の第2回作業部会も直前に行われる。

「北朝鮮に核放棄の意思なし」米高官が明らかに

2004/06/09 The Sankei Shimbun
 米政府高官は8日、記者団に対し、主要国首脳会議(シーアイランド・サミット)2日目の大量破壊兵器問題をめぐる議論で北朝鮮の核開発問題について協議するとの見通しを示した上で、北朝鮮には「核計画放棄を受け入れるみじんの意思もない」と述べた。

 小泉純一郎首相は先の訪朝後、金正日総書記が6カ国協議を通じた平和的解決を望み「核開発凍結には検証が伴う」と述べたことなどを紹介、北朝鮮側の柔軟姿勢に期待感を示す発言をしているが、米高官の発言は、北朝鮮の全面譲歩の可能性は現時点では極めて低いとの米政府内の悲観的な見方を示した。

 国連安全保障理事会への問題の付託に関しては、6カ国協議での解決を現時点では目指しているブッシュ大統領の姿勢を強調しながらも、「北京での次回協議がどうなるかをまず見極めたい」として、付託の可能性を排除しなかった。

 また高官は「北朝鮮が核計画の放棄を受け入れることが絶対的で最低限の条件だ」と言明。主要8カ国(G8)間でも「『検証可能かつ後戻りしない完全核放棄』で意見の相違はない」と述べた。(共同)

6か国協議、中国が各国との事前調整を本格化

2004/06/06 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【北京=佐伯聡士】中国外務省は5日、北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議第3回会合に向け、寧賦魁・朝鮮半島核問題担当大使がロシア、米国、北朝鮮を、崔天凱・アジア局長が日本、韓国をそれぞれ近く訪問し、協議すると発表した。

 6月下旬の開催を目指した議長国・中国の“シャトル外交”が本格化し始めた。

第3回6カ国協議は23日から3日間 北京

2004/06/03 中国新聞ニュース
 【北京3日共同】北朝鮮の核問題解決をめぐる第三回六カ国協議が二十三日から三日間の日程で、作業部会は二十一日から北京でそれぞれ開催されることが三日までに固まった。複数の協議筋が明らかにした。

北朝鮮がウラン輸出 パキスタン経由リビアに 米紙報道

2004/05/23 The Sankei Shimbun
 23日付米紙ニューヨーク・タイムズは、リビアで発見、押収された六フッ化ウラン1・7トンが、北朝鮮からパキスタン経由で輸出されたウランだったとの証拠を国際原子力機関(IAEA)がつかんだと報じた。

 米当局者や欧州外交筋の話として伝えた。同紙は、情報が確認されれば、北朝鮮から原爆の原料であるウランの輸出が判明した初のケースとしている。

 高濃縮ウランの原料となる六フッ化ウランに精製加工されたのが北朝鮮だったのかパキスタンだったのかは不明。しかし北朝鮮で加工されたのであれば、北朝鮮が全面否定を続けているウラン濃縮による核兵器開発の傍証として「新たな光を当てるものだ」と同紙は指摘している。

 同紙が専門家の話として伝えたところによると、六フッ化ウラン約1・7トンは、遠心分離機による濃縮技術があれば原爆1個を製造できる量。リビアは今年初め、核開発計画放棄の一環として六フッ化ウランを米国に引き渡した。

 IAEAが最近、北朝鮮やリビアに核技術を供与したとされるパキスタンのカーン博士の「核の闇市場」に関与した複数の人物から聴取した結果、ウランが北朝鮮から供給された証拠が見つかったという。

 米政府はイラクの大量破壊兵器疑惑で失敗した教訓から、北朝鮮がウランを輸出したかどうかについての断定には慎重だが、ブッシュ政権高官は「北朝鮮の(大量破壊兵器の)輸出網を全く違う観点でみなければならない」と懸念を示した。(共同)

中国、舞台裏で積極関与…6か国協議で日本に貢献期待

2004/05/23 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【北京=竹腰雅彦】中国外務省報道官は22日、小泉首相の訪朝について「積極的な成果を収めたことを歓迎する」との談話を発表した。中国は今回、日朝会談を傍観するのでなく、拉致被害者家族の帰国という「成果」を実現するため、舞台裏で積極的に動いた形跡がある。

 中朝関係筋は、「中国は拉致問題の進展に一定の影響力を発揮した」と強調した。中国は、6か国協議を準備するための中朝接触などの場を利用し、他国の内政問題への干渉を嫌う「誇り高き国」(同筋)北朝鮮に対し、将来の経済支援獲得に結びつく日朝国交正常化の理を説明。その前提となる拉致問題の解決を、水面下で働きかけ続けたという。

 22日の日朝首脳会談では、金正日総書記から、曽我ひとみさんと夫のジェンキンスさんの「北京での面会」を提案した形となっており、中国の何らかの関与をうかがわせる。

 6か国協議の議長役を務める中国の狙いは、日朝対話の進展を事態打開の突破口とすることだ。核問題をめぐって、将来必要となる北朝鮮への経済支援などでも、「日本の中心的な役割」(中国外交筋)に期待する。一方で中国は、今回の“仲介”の見返りとして、今後の6か国協議で、日本に対し「一層の貢献を求める」(中朝関係筋)姿勢とされる。特に、米国が柔軟な態度をとるよう日本から促すことを期待している模様だ。

北朝鮮、軽水炉計画の再開を要求…米副報道官が会見

2004/05/20 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【ワシントン=菱沼隆雄】米国務省のエレリ副報道官は19日の記者会見で、北朝鮮が今月14日まで北京で開かれた6か国協議の作業部会で、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)が昨年11月に停止を決定した軽水炉建設事業の再開を求めていたことを明らかにした。

 19日付けの米ワシントン・タイムズ紙は、軽水炉事業の再開問題に関し、米側代表のデトラニ朝鮮半島和平担当特使が作業部会で北朝鮮に対し、米政府の政策の「一要素」であると応答したと伝えている。

 エレリ副報道官はこの報道については、「軽水炉の提供は(米政府の)考慮に値するものではない」と否定。ただ、「北朝鮮の核計画の一側面を議論する前に、核の全面放棄を求め、核拡散防止条約(NPT)体制に復帰させることが先だ」などと語り、核の全面放棄に応じ、NPT体制への復帰が実現すれば、北朝鮮が求める核の平和利用についても、原則としては認める可能性があることを示唆した。

国連特使が平壌入り、6か国協議など意見交換へ

2004/05/19 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【ニューヨーク=勝田誠】国連本部は18日、アナン事務総長の特使、モーリス・ストロング氏一行が同日、平壌入りし、北朝鮮指導部と22日まで核問題を巡る6か国協議などについて意見交換するとの声明を発表した。

作業部会が全協議終了 第3回協議6月末までに

2004/05/14 The Sankei Shimbun
 北京で開かれていた6カ国協議作業部会は14日、全体会合を行ったが、目立った進展はなく、すべての協議を終了した。ただ、第3回6カ国協議を6月末までに開催することをあらためて確認し、同協議までに再度、作業部会を開催することで合意した。

 各国代表は15日朝、議長国中国の戴秉国外務次官を表敬訪問し帰国する予定。次回作業部会の日程は今後調整する。

 核放棄をめぐる米朝の対立は実務レベル協議でも歩み寄りの糸口を見いだせず、相互不信の根深さをあらためて示した。

 この日の協議では「核凍結」の問題点が集中的に取り上げられたが、協議筋は「凍結の範囲や期間、検証方法で(北朝鮮から)期待した回答はなかった」と述べた。

 日本は「検証可能で後戻りしない完全核放棄」の必要性を強調、北朝鮮に前向きな対応を促したが、北朝鮮は「凍結と補償」の協議を求める立場を崩さなかった。全体会合ではウラン濃縮型の核開発計画についても言及されたが、北朝鮮は反応を示さなかったという。

 北朝鮮代表団の朴明国・米国課長は全体会合終了後、米朝協議を14日午後に行ったとした上で「米国は、パキスタンのカーン博士がわれわれにウラン濃縮技術を提供したと主張したが、断固として一蹴(いっしゅう)した」と述べ、ウラン濃縮問題をめぐり米朝間で激しいやりとりがあったことを明らかにした。(共同)

2日目の全体会合流れる 6カ国協議作業部会

2004/05/14 The Sankei Shimbun
 北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の作業部会は13日、北朝鮮が協議方法に難色を示し、2日目の全体会合を開けず、日米韓3カ国の協議や2国間協議、各国代表による少人数会合を行った。協議は難航、14日で打ち切られる可能性もある。

 中国外務省の劉建超副報道局長も13日の会見で「核放棄の範囲や方式、査察の方式などでまだ意見が異なっている」と述べた。

 日本は北朝鮮を除く各国と2国間協議を行い、韓国は北朝鮮と協議したが、米朝協議は行われなかった。14日は全体会合を再開するが、協議筋は「これで日程が終了するかどうかは午前の協議(の流れ)を見ないと分からない」と指摘、当初5日程度とみられた日程を切り上げて終了することもあり得るとの認識を示した。

 同筋によると、北朝鮮は全体会合開始直前「検証可能で後戻りしない完全核放棄」を迫る日米韓の要求を前提としたような放棄・凍結の議論には「応じられない」との立場を議長国中国に表明した。

 完全核放棄を迫る日米韓と、核兵器に限定した放棄・凍結と補償を求める北朝鮮が歩み寄りの接点を見いだせず、6月末までの開催で合意している第3回6カ国協議の日程調整も難航しているもようだ。

 同筋は「第3回協議につながる論議ができるかどうか、各国でどういう共通認識ができるか」が協議継続の鍵になるとの見方を示した。(共同)

米の姿勢に不満表明 北朝鮮代表団が声明

2004/05/14 The Sankei Shimbun
 6カ国協議作業部会に参加している北朝鮮外務省の朴明国・米国課長は14日未明(日本時間同)、「検証可能で後戻りしない完全核放棄」を求める米国の姿勢に強い不満を表明する声明を発表、13日の全体会合に応じなかった理由を明らかにした。北京の北朝鮮大使館前で声明を読み上げた。

 協議難航を背景にした声明発表は、日米韓が迫る「完全核放棄」要求の切り崩しと、14日にも予想される米朝協議での主導権を握る狙いがあるとみられる。

 朴課長は、「完全核放棄」が「平和的な核計画まで一切を葬ろうとする屈辱的なものだ」と強く反発したが、「代表団は忍耐心を持ち、6カ国協議過程を続けて進めようとする用意」も表明、14日の協議は「続ける」と明らかにした。

 さらに米国が「完全核放棄」の主張を撤回せず「(凍結の)補償に対し全く応じない状況で、(われわれは)凍結と補償案についての討議を続けることができなくなったということを明らかにした」と述べた。

 また、凍結提案に絡み、13日までの協議で、(1)凍結対象(2)その期間(3)検証方式(4)凍結(開始の)時点−などに言及したことを確認した。(共同)

≪北朝鮮の声明要旨≫

 北朝鮮代表団が14日未明、発表した声明の要旨は次の通り。

 一、われわれは作業部会で、非核化の最終的目標を堅持、その実現のための最初の段階の措置として、核凍結と同時に各参加国の憂慮も真剣に実務的に討議する意思を明らかにした。

 一、核凍結と関連し、凍結対象、凍結期間、検証方式、凍結の時点など、具体的で実際的な問題を深く討議。「言葉対言葉」の約束でも柔軟さを示す用意があった。

 一、米国をはじめとする関係国が、(核凍結に対し)どのような対応措置を講じるのかという問題に関心を持ち、米国から新たな提案が出ることを期待した。

 一、米国は「検証可能で後戻りしない完全核放棄」の主張を撤回せず、(凍結の)補償に対し全く応じない状況で、(われわれは)凍結と補償についての討議を続けることができなくなったということを明らかにした。

 一、「完全核放棄」は平和的な核計画まで一切を葬ろうとする屈辱的なものだ。

 一、代表団は忍耐心を持ち、6カ国協議過程を続けて進めようとする用意を示した。(共同)

南北、核問題で協議 凍結と対応措置で論議か

2004/05/13 The Sankei Shimbun
 6カ国協議作業部会の韓国代表団筋は13日、核問題をめぐり同日午後、北朝鮮側と2国間協議を行ったと明らかにした。

 協議の詳しい内容は不明だが、韓国側は北朝鮮側が提案している「『核凍結』対『対応措置』」について、核凍結が「検証可能で後戻りできない完全核放棄」の始まりであることを確認できなければ、対応措置を取ることが困難だと説明したとみられる。

 さらに、すべての核施設の活動凍結と検証、凍結から放棄への時間を最小限にする必要性などを強調したとみられる。ウラン濃縮型の核開発計画の確認なども求めたとみられるが、北朝鮮側は同計画の存在を否定する従来の立場を繰り返したもようだ。

 南北協議は作業部会の会場である北京の釣魚台迎賓館内で約1時間行われ、韓国代表の趙太庸・外交通商省北朝鮮核外交企画室長と北朝鮮代表の李根・外務省米州局副局長らが出席した。(共同)

北朝鮮、査察の必要性言及 6カ国協議作業部会

2004/05/13 The Sankei Shimbun
 北京で開かれている6カ国協議作業部会の12日の協議で、北朝鮮が「核凍結」に伴う査察の必要性に言及していたことが13日分かった。協議筋が明らかにした。作業部会は同日午前(日本時間同)、2日目の協議に入ったが、核活動の完全放棄を求める日米韓と、核兵器に限定した放棄・凍結で補償引き出しを狙う北朝鮮の主張を軸に厳しいやりとりが予想される。

 米朝は同日中に2国間協議を行う方向で調整しており、米国はウラン濃縮型の核開発計画を集中的に取り上げる構え。この日の協議前、日本代表の斎木昭隆・外務省アジア大洋州局審議官は「今日は濃縮ウラン問題でも厳しいやりとりがあるだろう」と述べた。

 韓国代表の趙太庸・外交通商省北朝鮮核外交企画室長は「さらに討議が深まるよう期待する」と表明。韓国政府筋によると、韓国も同日中に南北協議を準備している。

 協議筋によると、北朝鮮代表の李根・外務省米州局副局長は初日に「凍結と補償」を説明した際、凍結は非核化のための「第一段階」とした上で、この議論には(1)凍結対象(2)凍結期間(3)査察の方法−の3点で「実務的問題があると理解している」と述べた。補償に向けた議論を促す狙いとみられる。

 北朝鮮は2月の第2回6カ国協議直前の議長国中国との事前調整でも査察の必要性を認識していることを伝えたほか、ウィーンの北朝鮮大使館は昨年から国際原子力機関(IAEA)に査察の技術的問題点を打診する動きをみせている。(共同)

核問題解決の枠組み模索 北京で作業部会開始

2004/05/12 The Sankei Shimbun
 北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の初の作業部会が12日午前(日本時間同)、北京の釣魚台迎賓館で始まった。米朝を中心に形式にとらわれない意見交換を通じ核問題解決の枠組みを模索、6月末までに開くことになっている第3回6カ国協議に向けた準備を進める。

 各国代表の基調演説はなく、終了日は「議論の展開次第」(中国外務省)で未定。公表するような文書取りまとめも行わない。

 濃縮ウラン型を含む「検証可能で後戻りしない完全核放棄」を求める日米韓と、核兵器開発に限定した段階的な放棄を前提に、「凍結と補償」の実質協議を目指す北朝鮮の対立構図は変わらず、実質的な進展が得られるかは不透明だ。

 米朝、日朝の2国間協議が並行して行われる可能性があるが、日朝については、北朝鮮代表団に日本担当が含まれず「予定されたものはない」(日本代表団筋)という。

 各国代表は6カ国協議の次席代表級が務める。議長国中国は寧賦魁・北朝鮮核問題担当大使、北朝鮮は李根・外務省米州局副局長、日本は斎木昭隆・外務省アジア大洋州局審議官、米国はデトラニ・朝鮮半島和平担当特使、韓国は趙太庸・外交通商省北朝鮮核外交企画室長、ロシアはスヒーニン・外務省アジア第一局次長。

 斎木審議官は協議開始前、記者団に対し「きょうは各国の基本的認識を述べ合うことになろう。(日朝協議については)きょうは本格的なものはない」とし、趙室長は「韓国も十分な役割を果たす」と述べた。

 6カ国協議作業部会に出席した各国代表は12日朝、言葉少なに宿舎を出て会場の釣魚台迎賓館に入った。米朝間の激しいやりとりが予想される中、本協議とは異なり、議長国の中国は「非公開」の原則を徹底させ、詳しい討議内容は最後まで公表されない見通しだ。

 午前7時すぎにホテルを出た米国代表のデトラニ朝鮮半島和平担当特使は終始無言。北朝鮮代表の李根・外務省米州局副局長も何も話さず同迎賓館に入った。日韓の代表も簡単なコメントをしただけだった。

 作業部会は実務協議で、核問題の論点を整理して対立の幅を縮め、成果を6月末までに開く予定の第3回6カ国協議に提示することが目的。

 腰を据えた意見交換の場をつくろうと中国は協議内容を伏せるよう各国に要請。途中で情報が漏れて議論がこじれ、次回協議開催に影響を与えるのを恐れるためだ。

 特に気を使う相手は北朝鮮。金正日総書記の訪中でようやく取り付けた6カ国協議推進への積極姿勢を維持し、何とか次回協議へつなげたいというのが中国の本音だ。(共同)

北朝鮮代表団が北京到着 事実上の協議日程入りへ

2004/05/11 The Sankei Shimbun
 6カ国協議の作業部会に参加する北朝鮮の李根・外務省米州局副局長ら同国代表団が11日午前(日本時間同)、空路、平壌から北京に到着した。

 同日夜には議長国中国主催のレセプションが予定され、事実上、協議日程が始まる。

 ウラン濃縮型の核開発を含め「検証可能で後戻りしない完全核放棄」を求める米国に対し、北朝鮮は米国の「敵視政策放棄」や「核凍結に対する補償」の議論を要求するとみられ、第3回6カ国協議で主導権を確保するための駆け引きが展開されそうだ。

 日米韓の代表団は既に10日に北京入りし、11日午前にはロシアも到着。6カ国の代表団すべてが北京にそろった。日本は同日午前、米国、中国と2国間協議。午後には日米韓が事前調整のための3カ国協議を行う予定。(共同)

金総書記訪中は「成功」 北朝鮮メディア一斉に報道 2004/04/23 The Sankei Shimbun
 北朝鮮の朝鮮中央放送など各メディアは22日午後6時(日本時間同)から、金正日総書記が19日から21日まで中国を訪問したことを一斉に報じ「胡錦涛同志と中国の党と政府の格別の関心と熱烈な歓待の中で成功裏に行われた」と強調した。

 北朝鮮メディアが今回の金総書記訪中を伝えたのは初めて。中国は21日午後に発表、各メディアが報じた。

 北朝鮮側の報道でも、金総書記が核問題や6カ国協議について言及した部分は中国側発表とほぼ同じ内容。「わが党とわが人民の偉大な領導者、金正日同志の中国訪問は伝統的な朝中親善を一層強化し、発展させ、朝中親善の年代記の上に輝かしく記録されるであろう」と強調した部分は中国側報道にはなかった。

 また「中国側がわが国の経済建設を支援するために無償援助を提供した。金正日同志は謝意を表した」と無償経済援助にも言及した。(共

金総書記訪中:6カ国協議推進で合意 毎日新聞 2004年4月21日 Mainichi INTERACTIVE
 【北京・大谷麻由美】中国共産党対外連絡部の報道官は21日、北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記が19日から21日まで中国を非公式訪問したと発表した。金総書記は滞在中に、胡錦涛・中国共産党総書記兼国家主席と北京の人民大会堂で会談し、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議のプロセスを推進することで合意した。金総書記が中国の説得を受け入れる形で柔軟な姿勢を示したことで、こう着状態の6カ国協議が進展する可能性が出てきた。金総書記は21日、帰国の途についた。

 会談では、金総書記が朝鮮半島の平和と安定に向けた中国の積極的態度を高く評価し、「最終的に(自国を)非核化するという目標を堅持する。対話を通じた核問題の平和的解決を求めるという立場に変わりはない」と確認した。

 また、「今後も忍耐強く柔軟な態度で6カ国協議のプロセスに参加し、貢献していく」と述べ、次回の6カ国協議開催に向け、協調的な姿勢をとることを約束した。

 これに対し、胡総書記は北朝鮮の安全の確保などの「合理的な関心」を重視すべきだとの考えを表明した。

 核問題をめぐっては、今月13日に訪中したチェイニー米副大統領が、北朝鮮の対応に厳しい姿勢を示していた。胡総書記は金総書記に直接、米国の考えを伝えたとみられ、米国が今回の会談をどう評価するかが注目される。

 また、金総書記は胡総書記の北朝鮮訪問を招請し、胡総書記が応じた。胡総書記は両国の経済・貿易関係の強化のほか、首脳往来を活発化させ、地域や国際的な重大問題について相互理解を深めたいと提案した。

 発表によると、中国は北朝鮮の経済建設を支えるため、北朝鮮に対する無償援助を提供し、北朝鮮側はこれに謝意を示したという。

 金総書記は滞在中、江沢民・中央軍事委主席、呉邦国・全国人民代表大会常務委員長(国会議長)、温家宝首相らとも会談。また、北京に隣接した天津市を視察した。

 ◇中国、こう着状態打開に期待

 【北京・上村幸治】中国共産党は21日、北朝鮮の金正日総書記の中国訪問を発表するとともに、金総書記との間で「引き続き(北朝鮮の核問題をめぐる)6カ国協議を共同で推進していく」ことを確認し合ったと説明した。中国側発表に核問題の先行きを楽観する表現は含まれていないが、今回の首脳会談によって、こう着状態に入った6カ国協議の準備作業が前進することを期待している模様だ。

 中国側発表によると、胡錦涛総書記と金正日総書記の首脳会談には、北朝鮮側から姜錫柱第1外務次官と金永春・人民軍総参謀長が同席したという。姜錫柱次官は、米朝枠組み合意(94年)をまとめた北朝鮮外交の実質的な責任者だ。ここから首脳会談の主要テーマが、核問題と対米関係であったことがうかがえる。

 金総書記は会談で「忍耐強く柔軟な態度で、6カ国協議に積極的に参加していく」と約束したという。

 中国消息筋によると、直前に訪中したチェイ二ー米副大統領が、北朝鮮に対して極めて厳しい姿勢を示しており、中国首脳はこの発言を金総書記に伝えたという。総書記の「忍耐、柔軟」発言は、こうした動きを踏まえたものとみられる。

 中国側は北朝鮮の経済建設を支持するという理由で無償援助を行ったことを明らかにした。これは、北朝鮮が6カ国協議に協力的な姿勢を示したことへの見返りの可能性もある。

 中国共産党は今回、金総書記がまだ国内にいる午後3時に、テレビニュースを通じて訪中を発表した。発表の仕方には、情報隠しにこだわり続けた北朝鮮への不快感も垣間見えた。

 中国側はまた、胡錦涛主席以下の指導者の名前を列挙した上で「中国の新しい集団指導部」が中朝関係を尊重していくと強調した。金総書記への個人崇拝を続ける北朝鮮とは違うということを、さりげなく内外に示したといえるだろう。

 ◇外務報道官「評価する」

 外務省の高島肇久外務報道官は21日の記者会見で、北朝鮮の金正日総書記の訪中について「北朝鮮が今後、核問題について責任ある行動を取る方向につながる点で評価する」と述べた。また、金総書記が胡錦涛・中国共産党総書記兼国家主席との首脳会談で、北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議の推進に合意したことに関しては「最高首脳がそうした約束をしたことに注目したい。6カ国協議のプロセスが動くことが、日本人拉致問題を中心とする日朝間の問題解決の原動力になることを期待したい」と評価した。

 外務省は今週中に、北京の日本大使館を通じて、金総書記と中国首脳らとの会談内容を中国政府から聞く予定。

金総書記、江主席らと会談 エネルギーなど協力確認 2004/04/20 The Sankei Shimbun
 中国を訪問している北朝鮮の金正日総書記は20日、北京で江沢民中央軍事委主席、温家宝首相と会談したもようだ。中国からの食糧、エネルギー支援を含めた両国の協力強化を確認したとみられる。

 金総書記が乗ったとみられる車列は同日午前、宿泊先の釣魚台迎賓館から出発した。消息筋によると、人民大会堂で江主席と会談、伝統的な両国の友好関係を確認し、朝鮮半島の安全保障問題を中心に意見交換したもようだ。

 温首相との会談では、北朝鮮が進めている経済改革が中心テーマになったもようだ。食糧やエネルギーの支援のほか、中国が国策として取り組む東北3省の振興策と北朝鮮の経済改革との連携も話題になった可能性がある。

 金総書記はこのほか、20、21の両日、中国指導部との会談の合間を縫って情報技術(IT)産業が集中する北京の中関村や、北京市房山区のモデル農村も見学するとみられる。

 ただ、中国外務省の孔泉報道局長は同日の定例会見で、金総書記訪中について「(私に)権限がなく確認はできない」と述べ、訪問していることの事実確認すら避けた。中朝は依然、金総書記訪中をベールに包んでいる。金総書記が帰国した後に両国が発表する見通し。(共同)

金総書記が3年ぶり訪中 核問題で対応協議 2004/04/19 中国新聞ニュース
 【北京19日共同=磐村和哉】複数の中朝関係筋は十九日、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が特別列車で北京に入り、同日中にも釣魚台で中国共産党の胡錦濤総書記(国家主席)と首脳会談を行うとの予定を明らかにした。十九日午前十一時(日本時間同正午)すぎ、北京駅から金正日総書記を乗せたとみられる車列が市内に向かった。

 金総書記の訪中は二〇〇一年一月以来三年ぶりで、胡指導体制になってからは初めて。

 首脳会談で中国側は、米朝のにらみ合いが続いている核問題で、歩み寄りの接点を見いだすため、北朝鮮へ前向きな対応を促し、日程調整が難航している六カ国協議の作業部会の早期開催を目指すとみられる。北朝鮮側は、今回の首脳会談を契機に胡指導体制との関係強化を図り、経済再建のため取り組んでいる改革措置への協力、支援などを引き出そうとするとみられている。

 中朝国境の中国遼寧省丹東市当局者によると、金総書記を乗せた特別列車は、十八日午後九時ごろ、同市を通過して北京に向かった。途中でいくつかの都市に立ち寄ったかどうかは不明。

 同筋によると、今回の訪中は、前回と同様、非公式で行われており、訪中結果は二十一日ごろまでとされる日程終了後に明らかにされるとみられる。

金総書記、非公式訪中へ 5月初めまでで最終調整 2004/04/18 The Sankei Shimbun
 北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が、4月下旬から5月初めの間に中国を非公式訪問することで中朝が最終調整をしていることが17日までに分かった。複数の中朝関係筋が明らかにした。

 金総書記の訪中は2001年1月以来で、中国の胡錦涛指導部では初めてとなる。中朝首脳の往来は、同年9月の江沢民国家主席の訪朝以来。

 中国は、難航している核問題をめぐる6カ国協議の進展を首脳会談や指導部との会談で金総書記に促し、作業部会の早期開催や第3回協議への道筋をつけたい意向だ。また、北朝鮮の経済改革を軌道に乗せるため、食糧支援以外に投資などの構造的な支援策を打ち出す可能性がある。

 日程は5日前後とみられる。首脳会談以外に、前回訪問時と同様、企業視察など中国の開放政策の現場を視察する準備も行われているもようだ。

 同筋によると、金総書記の訪中は、胡氏が中国共産党総書記に就任した直後の02年12月に計画されたことがあったが、双方の事情で延期された。今回は、昨年10月に訪朝した呉邦国・全国人民代表大会常務委員長が金総書記にあらためて訪中を招請、党レベルで調整を続けていた。(共同)

カーン博士「北朝鮮に核装置」 米紙報道、5年前目撃 2004/04/14 asahi.com
 北朝鮮やリビアなどに核技術を流出させたことを認めたパキスタンのカーン博士が、5年前に北朝鮮の地下核施設で三つの核爆発装置とされるものを見せられたとパキスタン当局に供述した、と13日付の米紙ニューヨーク・タイムズが報じた。北朝鮮に対するウラン濃縮技術の供与は、80年代後半に始めたとも証言した。

 北朝鮮は昨年来、「核抑止力」「核兵器」などの表現で何度か核兵器の保有を表明。米中央情報局(CIA)も、寧辺(ヨンビョン)の黒鉛減速炉の使用済み核燃料棒から抽出したプルトニウムを使った「1、2個の核兵器」の保有を推定している。

 しかし、1月に訪朝して「プルトニウム」と称する物質を見せられた米国の元政府高官や専門家も、核兵器そのものは確認できなかった。博士の供述が事実なら、北朝鮮の核兵器を見た初めての外国人となる。

 同紙は、パキスタン政府から報告を受けた米国やアジアの政府当局者から得た情報として報じた。それによると、博士はパキスタンの捜査当局に対し、方角は不明だが、平壌から約1時間の地下核施設で核爆発装置を見たと話した。ただ、冶金(やきん)学者の博士に本物の核兵器かどうかを確認するための時間や知識、手段があったかどうかについて、米情報当局者は慎重な見方をしている。

 また、ウラン濃縮計画について博士は遠心分離器の設計図、いくつかの遠心分離器、本格的なウラン濃縮計画に必要な関連品目リストを提供したという。一方、ブッシュ米政権はウラン濃縮計画の存在も、生産段階に達しているかどうかも確認できていない、と同紙は指摘している。

北朝鮮:核の平和利用まで放棄する用意 中国に伝える 2004年04月04日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 韓国の通信社、聯合ニュースは4日、6カ国協議の参加国が適切な対応措置を取るなら、北朝鮮が核兵器開発だけでなく「平和的核動力工業」(核の平和利用)まで放棄する用意があることを中国側に伝えたと報じた。韓国政府高官の話として伝えた。

 同ニュースによると、北朝鮮側は先月23日から25日まで訪朝した中国の李肇星外相にこうした立場を伝えた。

 北朝鮮は3月10日の外務省スポークスマン談話で、核平和利用の放棄の考えがないことを表明。今回の報道が事実なら大きな方針転換となる。

 しかし聯合ニュースは、米国が北朝鮮の誤った行為に対してはいかなる補償もないとの立場を崩しておらず、状況は依然として不透明とした。(共同)

6カ国協議:米中担当者が作業部会の早期開催を確認 2004年04月01日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 【北京・上村幸治】中国訪問中のデトラニ米国務省朝鮮半島和平担当特使が1日、北京で王毅外務次官と会談し、北朝鮮の核問題をめぐる第3回6カ国協議の開催に向け、作業部会の早期開催を目指すことを確認し合った。中国外務省が同日、発表した。中国側は当初、3月にも作業部会を開きたいと説明していたが、ここにきて作業の遅れが指摘されていた。

 米政府は最近、米国の意向を直接北朝鮮に伝えず、中国を経由するというスタイルをとり始めている。特使はこの日、米政府の考えを中国に伝えただけでなく、米国から北朝鮮へのメッセージも中国側に託した模様だ。

 特使はこれに先立ち、中国の寧賦魁・朝鮮問題担当大使とも会談。これを受け、中国による米朝仲介の作業が本格化するものとみられる。

中韓外相会談:6カ国協議などで意見交換 目立った成果なし 2004年03月29日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 【北京・上村幸治】中国を公式訪問中の潘基文(バンギムン)韓国外交通商相は29日、李肇星・中国外相と会談し、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議などについて意見交換した。新華社電は、この問題をめぐる具体的な内容に触れておらず、目立った成果はなかった模様だ。

 新華社電によると、双方は「第3回協議をしっかり準備し、作業部会をできるだけ早く開くため、ともに努力する」ことで同意したという。

 この時期にまだ「努力する」という言葉を使っていることや、作業部会開催の日時や具体的内容を公表できなかったことから、中国が希望していた早い時期の開催は困難になった。外交筋も同日、4月下旬以前に作業部会を開ける見通しはないと述べた。

 李肇星外相は今月23日に北朝鮮を公式訪問し、金正日(キムジョンイル)総書記と6カ国協議をめぐって「踏み込んだ意見交換」を行った。中国外務省はすでに、6カ国協議の作業部会設置に関する提案を各国に送付している。

6カ国協議:韓国外交通商相北京入り 作業部会日程協議 2004年03月27日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 【ソウル堀山明子】韓国の潘基文(バンキムン)外交通商相は28日、北京入りした。北朝鮮核問題をめぐる第2回6カ国協議で設置に合意した作業部会の開催について、中国の李肇星外相と29日に会談する。李外相は23〜25日に訪朝、北朝鮮の金正日(キムジョンイル)総書記らと6カ国協議について意見交換しており、北朝鮮側の対応を踏まえ、具体的な日程ついて協議するものとみられる。

北朝鮮軽水炉:韓国人作業員の出入りなど保障する覚書を承認 2004年03月27日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 【ニューヨーク高橋弘司】北朝鮮に対する軽水炉提供事業を担当する朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)は26日、ニューヨークで公式理事会を開き、昨年12月の軽水炉建設中断後も維持管理のため北朝鮮・琴湖(クムホ)の現場に残っている韓国人作業員百数十人について、現場への出入りなどを保障する「覚書」が北朝鮮との間で締結されたことを承認した。

 理事会関係者によると、覚書は(1)作業員に琴湖への出入りや滞在、国内移動で領事特権を認める(2)作業員が琴湖に入る際には、休日を除き5日前までに北朝鮮側に通告する――などが骨子。KEDOは26日出した声明で「北朝鮮との間で築いてきた協力的雰囲気を示すものだ」と強調した。万一の場合、作業員の身辺の安全が脅かされる可能性を懸念する声もあっただけに、KEDO関係者は「一定の成果」と語った。

 だが、中断決定後、北朝鮮がクレーン、コンピューターなど100以上にのぼる建設機材の搬出を拒否し続けていることについて、声明は「議論を続けている」とし、依然、未解決であることを明らかにした。北朝鮮は搬出拒否の理由に、中断にからむ補償要求が受け入れられないことを挙げている。

「北の核」作業部会の設置、4月下旬以降にずれ込み2004/03/25 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【ワシントン=菱沼隆雄】2月下旬に北京で開かれた北朝鮮の核問題に関する第2回6か国協議で合意した作業部会の設置に向けた調整が難航し、4月下旬以降にずれ込む見込みとなった。

 当地の外交筋が24日、明らかにした。米国が強く求める「完全に検証可能で不可逆的な核廃棄」の原則受け入れに北朝鮮が難色を示し、米朝間のミゾが一向に埋まらないためだ。

 同筋によると、議長国の中国は6月末までに開かれる予定の第3回協議で一定の成果を出すため、準備のための作業部会を2回は開きたい意向を関係国に伝えている。ただ、同筋は作業部会の設置時期について、「4月上旬は不可能で下旬以降の可能性が高い。5月にずれ込む可能性もある」と語った。また、この場合は作業部会を2度開くことについても、「困難」との見通しを示した。

 前回協議で6か国は原則として第3回協議の6月末までの開催と、準備のための作業部会設置で合意したが、議題の設定や権限の規定をめぐり調整は難航している。

 同筋によると、中国は次回協議を6月20日から始まる第4週に開きたい意向を伝えてきている。ただ、作業部会の開催が1度となり、調整が思うように進まなければ、第3回協議の日程に影響が出る可能性もある。

金総書記、中国外相と会談 核問題などで意見交換 2004年03月24日 The Sankei Shimbun
 中国の新華社電は24日、北朝鮮の金正日総書記が同日、中国の李肇星外相を宿舎の百花園迎賓館に訪ね、核問題や中朝関係などで「突っ込んだ意見交換を行った」と報じた。

 李外相は、第2回6カ国協議で合意した作業部会について、早期開催に向けた北朝鮮の前向きな対応を促したとみられる。金総書記が中国要人と会談するのは、今年1月に訪朝した中国共産党対外連絡部長(閣僚級)以来。(共同)

26日にKEDO公式理事会開催へ 2004年03月24日 The Sankei Shimbun
 朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)は23日、昨年12月から停止している北朝鮮での軽水炉建設事業について協議するため、ニューヨークの本部で26日に公式理事会を開くと発表した。

 KEDOが事業停止後に公式理事会を開くのは1月末に次ぎ2回目。理事会には、日本の鈴木勝也KEDO担当大使や米国のデトラニ朝鮮半島和平担当特使らが出席。今月訪朝したKEDO代表団による北朝鮮側との協議結果報告を踏まえて、各理事国が現状を確認し、今後の対応策を練るのが狙いだ。

 KEDOによると、北朝鮮側は工事の中断に反発して建設現場からの機材、資材の搬出を阻止し続けている。(共同)

作業部会、4月中に期待 韓国外交通商相 2004年03月15日 The Sankei Shimbun
 韓国の潘基文外交通商相は15日の定例会見で、6カ国協議の作業部会について、可能な限り早期に開催するのが望ましいと強調し「4月中に開かれることを期待している」と述べた。

 作業部会は当初、3月中に開かれるとみられていた。潘外交通商相は次回6カ国協議までに2回程度、開く必要があるとの認識を表明、関係国との協議に全力を挙げる考えを示した。

 盧武鉉大統領の弾劾訴追案が可決されたことに関しては「6カ国協議は弾劾とは関係ない」とし、外交安保政策に変更はないと強調した。

 ただ、5−6月に行う方向で調整が進んでいた盧大統領のロシア訪問についてはロシア側との調整を当面中断、憲法裁判所の審理の動きなどを見守りながら、あらためて日程調整すると明らかにした。(共同)

カーン博士が設備一式提供か 北朝鮮のウラン型核開発 2004年03月15日 The Sankei Shimbun
 14日付の米紙ニューヨーク・タイムズは米当局者らの話として、パキスタンの「核開発の父」カーン博士の研究所が、ウラン型核兵器を製造するために必要な設備一式を北朝鮮に提供していたとする報告書を米中央情報局(CIA)が初めてまとめたと報じた。今月4、5両日にライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)に説明されたという。

 北朝鮮は高濃縮ウランによる核開発計画を否定しているが、同紙は米情報機関筋の見方として、北朝鮮がウラン型核兵器を早ければ来年にも製造する可能性があるとしている。

 北朝鮮に提供されたのは核燃料や遠心分離機のほか、弾頭の設計図など。カーン博士がリビアに提供したものとよく似ており、プルトニウム型の北朝鮮の施設に比べ、査察を逃れるのが容易という。

 報告書は、カーン博士と北朝鮮の核取引が始まった時期については1990年代初めごろとの見方を示している。

 米政府はしかし、報告書にはカーン博士に対するパキスタン政府の聴取内容など米国にとって二次的情報も含まれているとして、日本などに詳細を伝えるのは避けているという。(共同)

作業部会は3月中にも 6カ国協議で中国外務次官 2004年03月04日 The Sankei Shimbun
 第2回6カ国協議の議長役を務めた中国の王毅外務次官は4日、北京で日本の記者団と会見し、次回協議を準備するための作業部会を3月中にも開く方向で議長国の中国が準備に入ったことを明らかにした。

 王次官は、作業部会を立ち上げるに当たって(1)議論するテーマの範囲(2)作業部会の権限−などを決めねばならず、その草案の作成に中国が着手し、出来上がり次第、各国に提示すると述べた。

 作業部会の開催時期については「4月になるのか」との質問に「できればもっと早い方がいい」と述べ、議長国として3月中にも開きたいとの意向を明らかにした。王次官は第2回協議で設置に合意した作業部会について「それほど遅くない」時期に開かれるとの見通しを示していた。

 また第3回6カ国協議に向けて、各国が自制した態度を保って「落ち着いた協議の環境づくりに努めてもらいたい」と要請した。

 日朝関係については、第2回協議の議長総括で明示した「対処すべき関連する懸案」の中に「北朝鮮との国交正常化問題も含まれる」と述べ、拉致問題の解決を含めた日朝関係の改善に中国も協力していく姿勢を示した。(共同)

6カ国協議の行方を楽観 米国務長官 2004年03月03日 The Sankei Shimbun
 パウエル米国務長官は2日、ワシントン市内で講演し、北朝鮮の核問題をめぐる先の6カ国協議で、北朝鮮以外の5カ国が「北朝鮮を攻撃したり、破壊する意図がないことを明確にした。彼らにはより良い未来が待ち受けている」と述べ、今後の協議の行方に楽観的な見通しを示した。

 長官は、作業部会の設置など6カ国協議の定例化に合意したことを「特に喜ばしい」と評価。「われわれが必要とするところまでは(進展が)至っていない」としながら、「苦境にあえぐ北朝鮮の人々を救いたい」と核問題の平和的解決に自信を示した。

 AP通信によると、長官はブッシュ大統領とともに同日、訪米した韓国の潘基文・外交通商相とホワイトハウスで会談した。(共同)

6カ国協議:朝鮮半島非核化など盛り、閉会へ 2004年02月28日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 【北京・前田浩智、澤田克己】北朝鮮の核問題をめぐる第2回6カ国協議は28日午前、北京の釣魚台迎賓館で、議長国・中国の李肇星外相を迎え閉会式を行い、4日間に及んだ日程を終了する。今回協議の成果として、同日発表される共同新聞発表文の最終案には、(1)今年6月までの次回会合開催(2)作業部会の設置とすみやかな開催(3)調整された核放棄プロセスによる解決(4)朝鮮半島の非核化――などが盛り込まれる見通しだ。焦点の高濃縮ウラン計画については、米朝の意見対立が解消されなかったことから、文書の中で明確にせず先送りする見込みだ。各国代表は文書に署名せず、拘束力の低い共同新聞発表文の形式になる。

 各国の次席代表は27日深夜まで、文書の文案調整のための協議を続けた。4日目の28日午前も、首席代表、次席代表が話し合いを行った。同11時から李肇星・中国外相も出席して閉幕式を行い、共同新聞発表は午後2時から中国代表の王毅外務次官が記者会見で明らかにする方向だ。

 協議筋によると、北朝鮮が核放棄・凍結の対象を「核兵器計画」に限定しようとしたのに対し、米国は平和利用を含めた「すべての核計画の放棄」を求めて強く反発。米朝の主張の溝は埋まらなかった。米国は中国が示した文書案に対し、内容が北朝鮮寄りであるとして署名に難色を示したという。

 ただし、協議の枠組みを維持することでは意見が一致。文書には、朝鮮半島の非核化などのほか、日本側は拉致問題についても「関心事項」などの表現で盛り込みたい意向で最終調整している。

 作業部会は、6カ国協議の定例化を目指す中国などが強く働きかけていた。各国の次席代表などがメンバーになる。北朝鮮が求めているエネルギー支援などの問題について協議し、次の6カ国協議に向けて各国の意見調整を進めていくことになるとみられ、協議筋は「高濃縮ウラン計画問題も作業部会で討議されるだろう」と語った。

 文書をめぐっては、昨年8月の第1回6カ国協議で、北朝鮮が署名を拒否し、議長総括にとどまった経緯がある。今回は文書採択にこぎつける見通しとなったが、協議筋によると、意見対立を残した協議経過を踏まえ、共同新聞発表文の形式にした。

 一方、日本代表の薮中三十二アジア大洋州局長は28日、北朝鮮の金桂冠(キムゲグァン)外務次官と会談し、拉致問題を協議したい意向だ。日朝交渉の次回日程の確約を目指し、3月中の再協議を要請する方針だ。

北朝鮮、米要求水準での放棄示唆か 韓国・中央日報紙が報道 2004年02月26日 The Sankei Shimbun
 韓国紙、中央日報は26日、北京の外交筋の話として、第2回6カ国協議で、北朝鮮が米国の要求する水準で「核計画放棄」に応じる可能性を示唆したことが分かったと報じた。

 同紙によると、北朝鮮は核放棄の意思表明の代わりに協議参加国による「安全の保証」の意思表明を要求。焦点のウラン濃縮による核開発についても、存在を否定しながら「米国が証拠を示せば釈明する」と言明、協議での合意文書作成や今後の作業部会設置にも強い意欲を示したという。

 また同日付の朝鮮日報によると、米国が初日の基調演説でリビア方式の核放棄に触れたのに対し、北朝鮮側は「われわれはリビアとは違う」と言明。基調演説の内容への質問を展開した。

 この中で、北朝鮮に対する攻撃や体制変更の意思がないことを共同文書化できるのかを尋ね、米の求める「検証可能で後戻りしない完全核放棄」を受け入れた場合、米国は何ができるのかなどと質問したという。

 また両紙によると、北朝鮮の基調演説は、核問題を米国の敵視政策の産物で「抑止力」と強調。敵視政策を放棄すれば核も放棄できるとし、不可侵確約や米朝関係改善、周辺国との経済協力を妨害しないことを求めたという。(共同)

北の「核凍結」でエネルギー支援も 韓国、日米に方針表明 2004年02月23日 The Sankei Shimbun
 韓国の李秀赫(イ・スヒョク)外交通商次官補は23日、ソウルで開いた日米韓3カ国の局長級協議で、北朝鮮の「核凍結案」がウラン濃縮も対象とし、査察受け入れなどを前提とした核廃棄プロセスの一部となるならば「北朝鮮が求める補償措置に応じることが可能だ」と述べ、エネルギー支援を検討する方針を表明した。

 韓国政府高官は「米国も大きな拒否感は持っていないと理解している」と指摘。韓国は25日から北京で始まる6カ国協議の基調演説でこうした考え方を明らかにし、具体的な3段階の解決案を提示する見通しだ。

 また、日米韓局長級協議では、6カ国協議でも北朝鮮の「核凍結」案を議論の対象とするとの認識で一致した。

 日米韓が「核凍結」案も議論する姿勢を打ち出したのは、前提条件なしに6カ国協議を行う方針で既に合意しているのに加え、北朝鮮が中国側に核全面廃棄の用意があると伝えてきたことなどを踏まえ、「核凍結案」の全容を明らかにする必要があると判断したとみられる。

 このほか、日米韓3カ国はウラン問題などに関する作業部会の設置や共同文書の作成をめぐっても意見を交わした。作業部会については、現段階で設置を考えるのではなく、北朝鮮の姿勢を見極めた上で検討する考え。

 局長級協議には、李次官補のほか、6カ国協議でそれぞれ首席代表を務める薮中三十二外務省アジア大洋州局長、ケリー米国務次官補が出席。日本政府筋によると、6カ国協議の日程について、中国側は「前回の例によれば3日程度だが、延長もあり得る」との見通しを示したという。(共同)

「北、核全廃の用意」 中国外務次官、逢沢副大臣と会談2004年02月23日 The Sankei Shimbun
濃縮ウランも対象

 【北京=辻田堅次郎】中国を訪問している逢沢一郎外務副大臣は二十三日午前、二十五日からの第二回六カ国協議で中国政府代表を務める王毅外務次官と会談した。逢沢副大臣はその後記者会見し、「北朝鮮は中国に、核の全面廃棄を約束する用意がある。その前提としての核の凍結があると伝えている」と語った。

 北朝鮮は米国によるエネルギー支援などと引き換えに「核活動の凍結」を提案しているが、核の全面廃棄の約束も視野に入れていることが確認された形だ。

 王次官は今月初旬、六カ国協議で北朝鮮政府の代表を務める金桂寛外務次官と北京で会談している。

 逢沢副大臣は、北朝鮮が否定している濃縮ウラン開発計画についても、「核の全面廃棄」の対象になるとの見解を示した。

 逢沢副大臣は王次官との会談で、日本が核とミサイル、拉致問題の包括的解決を求めていることを強調、日本の代表が六カ国協議の冒頭発言で、拉致問題を取り上げる方針であることも説明、中国側に協力を要請した。

≪日米韓首席代表 韓国で最終調整≫

 【ソウル=久保田るり子】藪中三十二外務省アジア大洋州局長、ケリー米国務次官補、李秀赫・韓国外交通商部次官補の日米韓三カ国の首席代表は二十三日、ソウルで最終調整の協議に入った。今回の六カ国協議では米国が求める濃縮ウラン計画を含む核計画の完全放棄に北朝鮮側がどう対応するかが最大の焦点となる。

 この日の協議で、日本は、六カ国協議の全体会合などで、核問題とともに拉致問題の解決を北朝鮮に強く求め、日朝二国間協議を行いたい考えで、この点について米韓両国に理解を求めたものとみられる。

 三カ国代表は最終調整に先立って二十二日夜は夕食をともにしながら非公式協議を行った。

米訪問団、北朝鮮寧辺の核施設視察

2004年01月10日 The Sankei Shimbun
 6日から北朝鮮を訪れていた米国の核問題専門家や議会スタッフらの訪問団が10日、平壌から空路、北京に到着した。一行は空港で記者団に、寧辺の核施設を含む数カ所を視察し、北朝鮮高官とも意見交換したと表明した。

 さらに北朝鮮が「こちらの要望事項はすべて準備、協力してくれた」と述べ、最大の焦点となっている核燃料再処理施設である放射化学研究所も視察したことを示唆。「北朝鮮の科学者とも会った」と説明、核開発の実態について専門家とも意見交換を行ったもようだが、詳細については明らかにしなかった。

 寧辺の核施設の実態が外部に公開されるのは、北朝鮮が2002年末に国際原子力機関(IAEA)の査察官を退去させて以来、ほぼ1年ぶり。

 「使用済み核燃料棒の再処理完了」や「核抑止力の強化は実物で証明される」と表明してきた北朝鮮の核開発の現状について、一定の情報が得られた可能性もある。

 訪問団は、米ロスアラモス国立研究所のシグ・ヘッカー元所長や米上院議会スタッフのほか、昨年、米国務省を辞めたプリチャード元朝鮮半島和平担当特使も加わっている。

 議会スタッフは今後、韓国と日本を訪れ視察結果を説明する予定。(共同)

6カ国協議の準備は進展 定例会見で中国

2004年01月08日 The Sankei Shimbun
 中国外務省の孔泉報道局長は8日の定例会見で、北朝鮮の核開発をめぐる次回6カ国協議開催について「準備作業は進展している」と楽観的な見通しを示した。具体的な時期には言及しなかった。

 局長は「次回協議で討議する内容について各方面の考え方に差異がある。しかし、中国と各方面の仲介努力により、その差は縮まった」との認識を示した。

 局長はまた「書面の形式で関係国の共通認識を固めたい」と述べ、共同声明案の取りまとめに時間がかかっていることを示唆した。(共同)

米国務長官「興味深く前向き」と評価 北朝鮮の核「凍結」論評

2004年01月07日 The Sankei Shimbun
 パウエル米国務長官は6日、北朝鮮の朝鮮中央通信が論評で平和利用を含む核開発の「凍結」をあらためて表明したことについて、「興味深く前向きな発言だ。兵器計画だけでなくすべての核計画をあきらめるとの含意がある。勇気づけられた」と言明、次回6カ国協議の早期開催に結び付くことに強い期待感を示した。国務省で記者団に語った。

 次回協議開催が2月以降にずれ込むことが濃厚となる中、北朝鮮の発言を肯定的に受け止め、事態打開の糸口につなげたいとの意向を表明したとみられる。

 朝鮮中央通信は6日の論評で「核凍結」に「核兵器の実験、生産を行わず、平和的な核エネルギー工業まで停止する」ことが含まれると述べた。

 米政府は単なる核計画の「凍結」ではなく、完全核放棄を優先させる立場を明確にしてきた。バウチャー国務省報道官は、こうした経緯と長官発言のずれについて「検証可能かつ後戻りしない廃棄」を目指す姿勢に変わりがないことを強調、「(凍結が)そうした方向へのステップとなり得る」と述べた。

 北朝鮮側が先月にも同様の見解を示している点に関して報道官は、中国が積極的な外交交渉を続ける中で今回の発言が行われた点を指摘。中国の外交努力を後押しして、次回開催にこぎ着けたいとの意欲をにじませた。

 長官は一方、大量破壊兵器放棄を決断したリビアにも触れ「平壌の仲間もこの動きを注視し、無駄金を使っていることを認識してもらいたい」と呼び掛けた。(共同)

米訪問団が北朝鮮入り 核開発実態の把握目指す

2004年01月06日 The Sankei Shimbun
 平壌発の新華社電によると、北朝鮮寧辺の核施設を訪れる米国の核問題専門家や議会スタッフらの訪問団5人が6日午後、平壌国際空港に到着した。

 寧辺の核施設の実態が外部に公開されるのは、北朝鮮が2002年末に国際原子力機関(IAEA)の査察官を退去させて以来、ほぼ1年ぶり。「使用済み核燃料棒の再処理完了」や「核抑止力の強化は実物で証明される」などと表明してきた北朝鮮の核開発の実態に、どこまで迫ることができるかが焦点だ。

 北朝鮮が訪問団に「対話」のメッセージを託すのか、「対決」の構えを伝えるかによって、次回6カ国協議の行方にも影響を与えそうだ。

 訪問団は、米ロスアラモス国立研究所のシグ・ヘッカー元所長ら核問題専門家と米上院議会スタッフの2グループで構成。昨年、国務省を辞めたプリチャード元朝鮮半島和平担当特使も加わっているため、北朝鮮外務省の実力者、姜錫柱第一次官や米国担当の金桂寛次官らと意見交換する可能性もある。(共同)

1月開催は極めて困難 6カ国協議で外交筋

2004/01/06 中国新聞ニュース

 【ワシントン5日共同=太田昌克】北朝鮮の核問題を話し合う次回六カ国協議について、複数の協議関係国の外交筋は五日、米朝間の主張に依然大きな隔たりがあることなどから、今月中の開催が極めて困難な状況になっているとの見解を示した。

 米国は「(月内開催の)可能性はまだある」(国務省高官)との立場を表面上堅持しているが、国務省のエアリー副報道官は同日、完全核放棄に対する「見返り」供与を議題化することを協議前に確約させたい北朝鮮に、譲歩する考えがないことを強調した。

 外交筋の見方は、米朝の主張対立が鮮明化し、中国を通じた事前折衝が再びこう着状態に入りつつあることを示唆したといえる。

 ある外交筋は「(米朝間の主張に)依然開きがある」と指摘した上で、今月二十二日からホスト国の中国が春節(旧正月)の休みに入るため、一月開催はほぼなくなったと指摘。別の外交筋も、当初参加国内で検討された来週中の開催が不可能となり、月内開催は遠のいたとの見方を示した。

 エアリー副報道官は五日の会見で「北朝鮮が交渉の席に戻るのに(エネルギー支援などの)見返りは与えない。北朝鮮が次回協議への前提条件を放棄するよう強く求める」と言明。「ボールは米国にある」として、エネルギー支援などを要請する北朝鮮側の主張に強く反論した。

 副報道官はまた、六日から訪朝する予定の米議会スタッフが五日までの北京滞在中に米大使館員と接触したことを明らかにした。

米訪朝団:経由地の北京に到着、中国側とも意見交換

2004年01月04日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 北朝鮮寧辺の核施設を視察するため6日から訪朝する米専門家の訪問団が4日午後、経由地の北京に到着した。

 訪問団の一員で、昨年8月に国務省を辞めたプリチャード元朝鮮半島和平担当特使は、北京国際空港で共同通信に対し、「5日には中国側とも意見交換する」と述べ、次回6カ国協議の開催問題でも、北朝鮮の意向を探る構えを示した。

 プリチャード元特使はまた「北朝鮮での協議で、どのような人物が出てくるのかは全く分からない」と話し、視察などの具体的日程は未定であることを示唆した。

 訪問団は、米ロスアラモス国立研究所のシグ・ヘッカー元所長ら核専門家や、議会スタッフなどで構成され、6日から10日まで北朝鮮に滞在、帰途に韓国、日本へ立ち寄る。米国務省は訪問団の性格について「米政府とは無関係」としており、北京入りしたプリチャード元特使らには米国大使館からの出迎えもなかった。(北京共同)

米、核専門家らの訪朝は「政府と無関係」と強調

2004/01/03読売新聞 Yomiuri On-Line
 【ワシントン=伊藤俊行】米政府は2日、北朝鮮が米国の核専門家や議会関係者に寧辺(ヨンビョン)の核施設の視察を許可したことを確認するとともに、今回の訪問が米政府とは無関係であると強調した。

 ただ、米政府内の一部には、訪朝団の動き次第では、6か国協議再開の妨げになるとの懸念も出ている。

 国務省のエレリ副報道官は同日の記者会見で、「今回の訪問は米政府とは関係がないものだ」と述べ、米政府としては、訪問に反対したり、促したりする立場にはないとの見解を明らかにした。

 その一方、副報道官は、一般論と断りつつも、「6か国協議を再開し北朝鮮の核開発計画を廃棄させるための動きを複雑にするようなことは(問題解決の)助けにはならない」と述べ、今回の訪朝計画を暗に批判した。

 米政府高官によると、北朝鮮を訪問するグループは2つで、両グループは北朝鮮に入国後、合流する見通しだ。寧辺訪問の日程は最終的に決まっておらず、訪朝団への参加者を含め、なお流動的な要素がある。

 グループの1つは米上院外交委員会のルーガー外交委員長(共和党)、バイデン委員(民主党)のスタッフ。議会スタッフは3日にも米国を出発して北京入りし、北朝鮮訪問後、1月中旬に韓国、日本にも立ち寄る予定だという。

 もう一方のグループは、スタンフォード大学やロス・アラモス研究所の核専門家らで構成され、昨年夏まで国務省の朝鮮半島和平担当特使を務めたジャック・プリチャード氏も加わる。

米訪問団、核施設視察後に日韓へ報告 北朝鮮に拉致問題も提起

2004年01月03日 The Sankei Shimbun
 北朝鮮寧辺の核施設を視察する米国の訪問団が訪朝後にソウルと東京を訪れ、日韓両政府当局者に視察内容を伝える予定であることが分かった。訪問団は北朝鮮側との協議で日本人拉致問題も取り上げる。訪問団関係者が3日までに明らかにした。

 米国務省のエアリー副報道官は2日、米ロスアラモス国立研究所のシグ・ヘッカー元所長ら核専門家や議会スタッフが核施設視察を北朝鮮側から認められたことを公式に確認した。

 日韓両政府当局者との意見交換で訪問団は核施設の状況や北朝鮮側との折衝内容を伝えることになる。東京では細田博之官房副長官や安倍晋三自民党幹事長らと拉致問題などを話し合う見通し。

 一行は3日に米国を出発、北京経由で6日から10日まで北朝鮮に滞在。13日までソウル、15日まで東京を訪問する。

 訪問団関係者は「詳しい日程は北朝鮮入りしないと分からない」と話しており、焦点の核施設視察でどこまで核心部分に迫れるかは不透明。2002年末の国際原子力機関(IAEA)査察官の追放以来、施設の実態は把握できておらず、訪朝団がもたらす情報が核問題をめぐる6カ国協議の行方に大きな影響を与える可能性がある。

 同関係者は「人権問題も取り扱う」と言明しており、先に米政府が追加拠出を決めた食糧支援の実態や、日本の国会議員に条件付きで拉致被害者の家族の日本帰国を提示した北朝鮮側の真意を探る意向だ。

 別の関係筋によると、昨年8月の6カ国協議前に国務省を辞めた対話路線派のプリチャード元朝鮮半島和平担当特使も訪問団に参加する。(共同)

6か国協議で日米韓、北の「核」平和利用も認めず

2004/01/03 読売新聞 Yomiuri On-Line
 日米韓3か国は、北朝鮮の核問題をめぐる6か国協議の次回会合で、北朝鮮に対し、軍事目的だけでなく、原子力発電など平和目的の核開発も認めず、核関連施設の完全廃棄を求める方針を固めた。

 政府筋が2日明らかにした。将来、北朝鮮にエネルギー支援を行う場合は火力発電所の供与などにとどめる考えだ。

 日米韓3国は昨年9月と12月に行った外交当局の局長級会合などで、北朝鮮が金正日総書記による指導体制にある間は、原発を含め、核の平和利用も一切認めるべきではないとの方針で基本的に一致した。

 北朝鮮は1994年の米朝枠組み合意で、軽水炉2基の提供を受ける代わりに、プルトニウムの抽出が容易な黒鉛減速炉の凍結・解体を約束した。ところが、2002年12月、黒鉛炉の稼働再開を表明し、使用済み核燃料棒を再処理した。このため、「軍事目的に転用される恐れがある以上、平和目的の核施設も容認できない」(外務省筋)と判断したものだ。

 また、北朝鮮が2003年1月に脱退を表明した核拡散防止条約(NPT)への復帰も、今後はあえて求めない考えだ。1994年の枠組み合意で、北朝鮮がNPTにとどまって国際原子力機関(IAEA)の査察官が駐在する監視体制を定めたものの、結果的に核開発を阻止できなかったからだ。

 日米韓3か国は、1月中の開催を目指している6か国協議の次回会合で、「完全かつ検証可能で不可逆的な核廃棄」を北朝鮮に約束するよう求める方針だ。

 具体的には、核の完全廃棄に道筋を付けるため、〈1〉ウラン濃縮を含めた核開発計画の全面的な情報開示〈2〉使用済み核燃料など核物質の国外搬出〈3〉核燃料再処理施設など、すべての核関連施設の解体――などを要求し、交渉の中で具体的な日程を確定したい考えだ。

北朝鮮、寧辺核施設の視察許可 米専門家ら訪問と米紙

2004年01月02日 The Sankei Shimbun
 米国の核専門家や元政府当局者ら代表団が来週、北朝鮮寧辺の核施設を訪問することを北朝鮮側が許可していることが2日、分かった。米紙USAトゥデーが報じ、ソウルの外交問題消息筋が同日「来週にも米議会関係者が核施設のある寧辺を訪れる予定と聞いている」と確認した。

 同紙によると、訪問は6−10日の予定。2002年末に国際原子力機関(IAEA)の査察官が追放されて以来、初めて核開発の実態を外部の専門家が把握することが可能となる。6カ国協議の行方にも影響しそうだ。

 北朝鮮は昨年10月、米議員団の訪朝を米政府が中止させた際「寧辺の核施設視察で(使用済み核燃料棒の)再処理完了と抽出したプルトニウムの用途変更を見せる予定だった」と発表しており、核開発の進展を実際に示す狙いが込められている可能性がある。

 USAトゥデー紙は、北朝鮮が米代表団の寧辺訪問で核兵器保有を証明し、核問題をめぐる交渉で立場を優位にする構えだと分析している。

 米政府は北朝鮮が2個程度の核兵器を保有していると推定しているが、再処理完了には懐疑的な見方が強い。北朝鮮の核開発の実態が判明すれば、北朝鮮の核問題をめぐり、次回開催に向けて調整が進む日米韓などの6カ国協議の行方にも大きな影響が出そうだ。

 同紙によると、代表団の団長は核兵器開発・製造を担当するロスアラモス国立研究所所長を1985年から97年まで務めたシグ・ヘカー氏。同紙はスタンフォード大学の中国専門家や上院の外交問題担当スタッフ、元国務省当局者が同行すると指摘した。(共同)

HOME政治・経済・社会