TOPIC No.1-2 ラニーニャ現象/エルニーニョ現象について

No.
内     容
01. エルニーニョ監視速報 by気象庁
02. エルニーニョ/ラニーニャ現象  by気象庁
03. エルニーニョ現象に伴う日本の天候の特徴
04. ラニーニャ現象
05. 米海洋大気局(NOAA)
06.  人工衛星による 地球・環境観測 by宇宙航空研究開発機構(JAXA)
07. ダイポールモード現象(2007年09月15日)東奥日報
08. ダイポールモード現象(2007年06月10日)byアンクルマツの雑学手帳
09. ダイポールモード現象 byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
10. インド洋のダイポールモード(IOD)現象の終息原因を解明(2004年10月29日)
11.  INDIAN OCEAN DIPOLE (IOD) HOME PAGE
12. 異常気象 by地球惑星物理学科/東京大学理学部
13. 21世紀気候変動予測革新プログラム by
14. 水圏について by広島大学地球資源論研究室


 南米エクアドルからペルー沿岸にかけての海水温が上昇する現象を「エルニーニョ現象」と呼ぶのに対し、海水温が下がる現象は「ラニーニャ現象」と呼ばれ、いずれも世界的な気候変動をもたらす。エルニーニョにより東方へ追いやられた温水が西方に戻る時に発生するとされる。

 ラニーニャ現象が起こる時、日本では空梅雨、猛暑、渇水、寒冬になると言われており、1973年のラニーニャでは北陸や東北地方で大雪に見舞われた。(by環境goo


ラニーニャ、春に終息へ=冬の低温続く−気象庁

2011/01/11-17:32 時事ドットコム

 気象庁は11日、昨年夏に発生したラニーニャ現象が、春(3〜5月)には終息に向かう見通しになったと発表した。

 ラニーニャ現象は、太平洋赤道域の中部から東部で、海面水温が平年を下回る状態。日本への影響として、東日本から西日本での冬の低温が挙げられる。同現象は冬の間は持続するため、昨年末からの断続的な冷え込みも続く可能性があるという。

ラニーニャ現象が依然継続 厳寒、豪の大雨の一因か

2011/01/11 中国新聞ニュ−ス

 気象庁は11日、南米ペルー沖の海面水温が下がり、異常気象の原因となる「ラニーニャ現象」が依然継続中との監視速報を発表した。終息時期は、春の後半から夏の前半ごろとみている。

 昨年末以降の西日本を中心とした厳しい寒さは、ラニーニャの影響で偏西風が蛇行、寒気が南下しやすかったことが一因の可能性がある。海外では、オーストラリア東部の多雨がラニーニャ発生時の天候の特徴と一致。同国北東部のクイーンズランド州などでは、昨年末からの豪雨で洪水などの被害が発生している。インド西部の低温にも影響した可能性がある。

 気象庁によると、ペルー沖の監視海域では、昨年12月の平均海面水温が基準値(過去30年の平均)より1・5度低かった。同11月は1・6度下回っていた。昨年春ごろの発生以降、12月は初めて上昇に転じており、ラニーニャはピークを過ぎた可能性がある。春には基準値に近づくとみている。

寒気:「ラニーニャ」影響、日本に流入

2011年01月08日 毎日新聞 東京夕刊

 豪雪により年末年始に山陰地方を中心に鉄道や道路など交通機関がマヒし、各地で今冬最低気温を観測するなど、冬本番ともいえる最近の冷え込みについて、気象庁はラニーニャ現象と北極振動の影響とみている。8日朝も寒気が残り、東京都心で前日の1・8度を下回る1・0度の最低気温を観測するなど、東日本から西日本を中心に、この冬一番の寒さを更新。しばらくは厳しい冷え込みが続くという。

 ラニーニャ現象は、ペルー沖など東部太平洋赤道域の海面水温が低くなるもので、発生すると東南アジア付近の海面水温を逆に上げ、同地域の大気の活動を活発化させる。その影響で、日本付近を流れる偏西風を南に蛇行させ、寒気が南下しやすい環境を作っている。

 また、北極振動は、気圧の変化などに伴って北極圏の寒気が蓄積と放出を繰り返すもので、これが加わったことで冷え込みの厳しさが増している。北極振動は寒気を中緯度帯に放出するが、気象庁によると、ちょうど日本付近が寒気の放出先の一つにあたっているという。

 気象庁天気相談所によると、8日朝の最低気温は、さいたま市で氷点下3・6度▽名古屋市同2・2度▽大阪市同0・3度▽福岡市0度−−など、各地で今季最低を観測した。8日の日中には西日本から次第に移動性高気圧に覆われるため、いったん寒さは和らぐという。しかし、9日午後以降は再び冬型の気圧配置が強まってきて、東日本から西日本でしばらくは厳しい寒さが続く見込みだ。【飯田和樹】

新年の気温、北が高めで西は低め 気象庁3カ月予報

2010.12.22 15:37 MSN産経新聞

 気象庁は22日、来年1〜3月の3カ月予報を発表した。「ラニーニャ現象」などの影響で、1月の気温は北日本で平年より高く、西日本で低くなる可能性が高い。2月は北日本と東日本で平年並みか高くなる見通し。3月は全国的に平年より高くなるとみられ、春の訪れも早くなりそう。

 また、降雪量は北日本の日本海側で平年より少なめになるほかは、平年並みと予想されている。

「ラニーニャ」この冬を寒くする?それとも…

2010年11月13日14時16分 読売新聞 Yomiuri On-Line

 今夏の記録的な猛暑の一因にもなった「ラニーニャ現象」が今も続き、気象庁は、今冬の気温について「暖冬傾向だったここ10年と比べれば、寒さは厳しく、雪も多くなる」と予測する。

 ラニーニャ現象は、ペルー沖の太平洋赤道域で冷たい海水がわき上がり、表面の温かい海水が西部に寄せられる現象。インドネシア上空の活発な対流活動などによって北側を流れる偏西風(亜熱帯ジェット気流)を蛇行させる。そのため、日本に大陸からの寒気が入りやすくなり、気温が低くなる。夏は太平洋高気圧の勢力を高めるよう作用する。

 気象庁気候情報課の前田修平予報官によると、ラニーニャが観測された2005〜06年は大寒波に見舞われた。しかし、ラニーニャでも暖冬になる年もある。

 前田予報官は「北極周辺では、寒気が蓄積と放出を繰り返す北極振動が起こることがある。北極に寒気が蓄積されれば、寒波そのものが弱く、日本は暖冬になる。1988〜89年が暖冬だったのはそのため」と語る。

 今年は北極振動は観測されていないが、東京大学の山形俊男教授(気候力学)は「猛暑の影響で、日本周辺の海水温が高い。時折寒い日があっても冬全体の平均気温はそれほど低くならない」と気象庁の予測と割れる。ただ、「日本海側や北日本で雪が多くなる」とみる。

台風発生数、今年は最少?猛暑生んだ太平洋高気圧が原因

2010年11月10日02時00分 asahi.com

 今年の台風の発生数が、過去最少になる可能性がでてきた。現在までに14個発生したが、平年同期の23個には遠く及ばない。最少だった16個(1998年)を超えるか微妙な情勢だ。気象庁が原因を調べると、今夏、日本列島に記録的猛暑をもたらした太平洋高気圧が、台風発生地のフィリピン東海上で暗躍していたことがわかった。

 気象庁によると、日本列島を襲う台風はフィリピン東海上で発生するケースが多い。海面水温が高く海水の蒸発が活発なため、上昇気流が生じて低気圧ができ、発達して台風になる。5〜7月のフィリピン東海上は例年、気圧の谷ができて低気圧となるが、今年は太平洋高気圧が西側に大きく張り出した。気象庁気候情報課は「対流活動が活発でなく、積乱雲の発生が抑えられたことも重なり、8月ごろまで台風が発生しづらい状況が続いた」と分析する。

 今年、フィリピン東海上で発生したのは1号(3月下旬)、2号(7月中旬)、12号(9月下旬)、13号(10月中旬)、14号(同下旬)だけ。この海域で発生する台風は、日本に来るまでに海上で大量の水分を吸収して大型になりやすい。2004年に全国で98人の死者・行方不明者を出した台風23号もこのコースをたどった。

 今年は台風の日本への接近数も減少。平年の年間接近数は10.8個だが、今年は10月末までで7個にとどまる。7月の接近数は0(平年2.1個)だった。

 今年は春から夏にかけて、南米ペルー沖の海面水温が高いエルニーニョ現象から、低いラニーニャ現象に移行した年だった。東京大学大気海洋研究所の横井覚・特任助教(気象学)は「台風が観測史上一番少なかった98年も移行年だった。移行年はフィリピンの東海上が高気圧になるという分析もあり、研究が必要だ」と話す。

 記録のある1951年以降、台風の発生数が20個を切ったのは98年と69年(19個)の2回だけ。一番多かったのは67年の39個。(二階堂祐介)

ラニーニャ現象、冬まで持続か 西日本などの不順に影響

2010/11/10 17:01 47News【共同通信】

 気象庁は10日、南米ペルー沖の海面水温が下がり、異常気象をもたらすとされる「ラニーニャ現象」が継続中との監視速報を発表した。冬(12月〜来年2月)の間は持続する可能性が高いと予測している。

 10月は、西日本(近畿―九州)の日本海側の日照時間が戦後最短など、西日本と沖縄・奄美は天候不順だったが、同庁はラニーニャが影響した可能性があると分析。夏の猛暑の一因となった北半球中緯度帯の高温状態がラニーニャの効果で秋まで持続、偏西風の南下が平年より遅れたため、低気圧や前線の影響を受けやすかったとみている。

 海外では、オーストラリア北部の異常多雨が、ラニーニャ発生時の天候の特徴と一致するという。

 ペルー沖の監視海域では、10月の平均海面水温が基準値(過去30年の平均)より1・6度低かった。9月は基準値マイナス1・3度で、今夏の発生以来、下降傾向が続いている。

冬の天気:酷暑のち厳冬? ラニーニャ現象持続

2010年10月26日 10時50分 毎日新聞

紅葉が残る札幌市中心部で降った初雪=2010年10月26日午前8時34分、平田明浩撮影

 観測史上例のない猛暑に悩まされた今夏。残暑も長かった分だけ、秋が短く感じられそうだ。日本付近は26日、今シーズン初の冬型の気圧配置となり、夜にかけて気温がぐっと下がる見込み。札幌市では初雪も観測された。今年の冬は、どんな冬になる? 【飯田和樹、今井美津子】

 札幌市の朝の最低気温は1.4度と今季最低。10月に初雪を観測するのは04年以来、6年ぶりだ。

 気象庁が発表した最新の予報によると、今冬は「暖冬傾向だった最近10年間の中では、やや寒くなる見込み」。「エルニーニョ現象」と並んで異常気象の一因とされる「ラニーニャ現象」が発生していることが根拠という。

 東部太平洋赤道付近の海面水温が高くなるエルニーニョとは反対に、ラニーニャは同海域の海面水温が低くなる。その場合、東南アジア付近の海面水温が逆に高くなり、上昇気流が発生。そこから吹き出した空気の流れが中国付近で偏西風を北に押し上げる。その結果、日本付近では偏西風が南に蛇行し、冬型の気圧配置を強めると考えられている。

 気象庁気候情報課によると、過去のラニーニャ現象発生時の特徴として、日本付近は秋の前半は暖かい空気に覆われやすいが、晩秋から初冬にかけて寒気が南下しやすい傾向がある。

 ラニーニャが厳しい寒さを引き起こした最近の例に、大雪により152人の死者を出した05〜06年の冬がある。05年の夏も全国的に気温が平年(71〜00年の平均値)より高く、9〜10月も気温の高い日が多かった。しかし、11月ごろから寒気がたびたび南下し、12月は全国的に低温に。特に日本海側は豪雪となり、除雪中の転落事故が相次いだり、山間部の集落が孤立したりした。

 気象庁気候情報課の前田修平予報官は「今年の海洋の状況は05年によく似ている」と話す。ただし、05年ほどの厳しい寒さに見舞われるかどうかについては慎重だ。「05年はラニーニャとは別に『北極振動』という現象も同時に起き、北極地方から日本などの中緯度帯に寒気が流れ込みやすくなっていた。これは海洋の状態とは違って間近にならないと分からず、現段階で予想は難しい」と話す。

 一方、長期的に見ると1980年代半ば以降、平均気温が平年を下回った冬(12月〜翌年2月)は数えるほどしかなく、過去20年以上暖冬傾向が続いているといえる。このため前田予報官は「平年並みの寒さになっただけで、今年の冬は寒いと感じる人が多くなるかも」と指摘する。

 酷暑に続く厳冬は勘弁願いたいが、寒さに期待する声もある。

 家電量販店「ビックカメラ」の広報・IR部の堤英憲課長は「2〜3日寒い日が続くと、電気カーペットなどの暖房器具がよく売れる。鍋料理用の調理家電の売れ行きなども期待でき、わたしたちにとって寒くなるのは悪いニュースではない」。

 日本百貨店協会も「百貨店業界の売り上げに占める衣料品の割合は3割以上。特にコートなどが売れる冬は稼ぎ時だ。過去、非常に寒い年には、コートの在庫が不足する事態になったこともあり、寒い冬を期待している」と話す。

 26日からの冬型の気圧配置は、そう長くは続かない見込みだが、東京でも11月下旬並みの寒さになりそうだ。木枯らし1号が吹く可能性もあるという。

12月は冬らしい寒さに=雪は平年並み−気象庁3カ月予報

2010/10/25-16:06  時事ドットコム

 気象庁は25日、11月から来年1月までの3カ月予報を発表した。気温は現在の高めの傾向が11月まで続くが、12月は冬型の気圧配置が強まり、一転して低めとなる。来年1月は平年並みの見込み。北日本(北海道と東北)の日本海側の降雪量は、3カ月間の平均では平年並みの可能性が高い。

 12月は、太平洋赤道域の南米寄りの海面水温が平年より低くなる「ラニーニャ現象」の影響で、日本付近では偏西風が南に蛇行する。このため北から寒気が入りやすくなるという。

世界の異常気象で専門家会合

2010年09月28日 NHKニュ−ス

 世界各地で異常気象とみられる被害が起きているなかで、国際的な学術団体が主催する専門家会合がフランスのパリで始まり、地球温暖化が異常気象に影響する仕組みなど、さまざまな研究報告が行われています。

 この専門家会合は、世界気象機関などが支援する国際的な学術団体が主催しているもので、各国から100人を超す研究者が出席し、27日から3日間の日程でパリにあるユネスコ=国連教育科学文化機関の本部で開かれています。

 ことしは、ロシアや日本で猛暑によって深刻な影響が出ているほか、パキスタンでは大雨によって大規模な洪水が起きるなど、世界各地で異常気象によるものとみられる被害が報告されています。

 しかし、異常気象が起きるメカニズムについては不明な点も多く、この専門家会合では、とりわけ重要な研究テーマとなっている地球温暖化と異常気象との関係について、さまざまな研究報告が行われることになっています。

 このうち、日本から参加した国立環境研究所の江守正多室長は、シミュレーションモデルを使って、温暖化によって大雨が増えるメカニズムについて報告するとともに、熱帯地域での大雨の予測が難しいことからさらに研究が必要だと指摘しました。

 この専門家会合では、最終日の29日に、異常気象による被害を軽減していくために必要な研究について提言をまとめることにしています。

異常気象:本州北部沖の海水温高いと猛暑 海洋機構が調査

2010年09月10日 毎日jp

過去のデータを基に作成した猛暑になりやすい海面水温の状態。平年との温度差を色分けしている=海洋研究開発機構提供

 本州北部沖の海水温が異常に高いと猛暑に、低いと冷夏になりやすいことを、海洋研究開発機構(神奈川県横須賀市)の研究チームが突き止めた。猛暑だった今年も、5月末〜6月上旬には海水温が平年より高い状態が発生していた。チームは「夏の異常気象を2〜3カ月前に正確に予報する判断材料になる」としている。米気象学会誌電子版に10日掲載された。【山田大輔】

 同機構の中村元隆主任研究員(気候力学)らは、1958〜2002年の日本近海の水温データを分析し、夏の異常気象との関係を調べた。

 その結果、猛暑の年には6月ごろから三陸沖−北海道東方沖に平年より0.5度以上高い海域が徐々に出現。7月には本州北部から東へ5000〜6000キロの帯状の高温海域に成長し、9月ごろまで続くことが分かった。

 猛暑の年は、高温海域で暖められた下層大気の影響で、上空の偏西風が北にずれると考えられる。その結果、日本列島に南から暖かく湿った空気が入りやすくなり、気温上昇をもたらすという。冷夏の年は逆に、長い冷水域が出現し、偏西風が南下して北からの冷たい空気を招く。

 中村研究員は「日本周辺の偏西風の変化は、北半球全体の偏西風の蛇行に影響を与え、世界的な異常気象に関係している可能性もある。今後詳しく調べたい」と話す。

ラニーニャ現象が継続 世界的猛暑の一因に

2010/09/10 中国新聞ニュ−ス

 気象庁は10日、南米ペルー沖の海面水温が下がり、異常気象をもたらすとされる「ラニーニャ現象」が継続中とみられるとの監視速報を発表した。冬にかけて続くと予測している。

 同庁は、1898年の統計開始以来、最も高温となった日本など、北半球中緯度帯の夏の猛暑はラニーニャが影響した可能性があると分析。

 ラニーニャが発生すると、フィリピン周辺海域で海面水温が上昇し対流活動が活発化、太平洋高気圧の勢力を強める。春まで続いたエルニーニョ現象で暖められた大気にラニーニャの効果が加わり、厳しい暑さになったとみている。

 海外では、ロシア西部が異常高温。ロシアのペンザでは8月3日に最高気温41度(平年約25度)、モスクワで4、6日に37度(平年約22度)を記録した。

 ペルー沖の監視海域では、8月の海面水温が基準値(過去30年の平均)より1・0度低かった。太平洋赤道海域西部は逆に高く、暖かい海水を西に吹き寄せる東風(貿易風)が強まるなど、ラニーニャ発生時の特徴的な現象がみられるという。

ファイル:異常気象「エルニーニョ原因」

2010年09月4日 毎日新聞 東京朝刊

 気象庁は3日、1898年の統計開始以来113年間で最も厳しい暑さの夏となった原因などについて、専門家を交えて検討する異常気象分析検討会を開いた。会長の木本昌秀・東京大大気海洋研究所教授は「エルニーニョ現象や偏西風の蛇行など複数の要因が重なり異常気象となった」との見解を示した。検討会は、北半球中緯度全体の気温が高かった上、日本付近に背の高い高気圧が居座ったことで、極端な高温になったと分析。木本教授は「暑さが休むことなく持続したのが過去の猛暑との一番大きな違い」と説明した。

「30年に1回の異常気象」=今夏の猛暑、ラニーニャなど重なる−気象庁検討会

2010/09/03 時事ドットコム

 気象庁は3日、日本の今夏の猛暑について異常気象分析検討会を開き、北半球中緯度の気温がエルニーニョ現象に続くラニーニャ現象で上昇したところに、勢力の強い太平洋高気圧の影響を受けたのが主因と発表した。同高気圧が強まったのは、亜熱帯ジェット気流が北へ蛇行し、チベット高気圧が日本へ張り出したほか、インド洋や南シナ海付近の対流活動が活発だったためという。

 記者会見した会長の木本昌秀東京大大気海洋研究所教授は、これらの要因が重なって中休みの涼しい日がほとんどなかったのは、「30年に1回の異常気象」と指摘した。

 その上で「地球温暖化が進んでおり、今後は最高気温がどんどん更新されるような夏をまた近々経験する可能性がある。熱中症でたくさんの人が亡くなったが、十分な対策を取っていただきたい」と述べた。

 今月の厳しい残暑は2週間ぐらい続く見通し。一方で、ラニーニャ現象の影響で強い台風が日本を襲う恐れもある。同現象は少なくとも冬まで続くと予想され、「寒い冬になる確率が高い。日本海側の降雪が早いかもしれない」(木本教授)という。(

4月の東京 寒暖記録的

2010年05月01日 東京新聞

 真冬の寒さと初夏の陽気が日替わりで訪れた先月、首都圏の気温は乱高下を繰り返した。東京の日々の平均気温が前日の平均気温と何度違うかを三十日分合計すると、九八・三度。過去の四月と比べても、五十年間で例を見ないほど大きな寒暖の変動量を記録したことが分かった。 (社会部・宇佐見昭彦)

 気象庁が観測した東京都心(大手町)の気温データから、本紙が計算。四月はもともと寒暖の変動が大きい時期とされるが、過去五十年の平均は計六四度ほど。計一〇〇度に迫る今年四月の変動量は際立っている。

 先月一日は最高気温二〇・七度で、都心の桜は平年より四日早く満開に。その後、急激に花冷えとなったが、十一日は二三・二度まで再び上がって初夏の陽気となった。しかし、十六〜十七日をピークに強い寒気の影響で真冬に逆戻りし、都心と横浜、千葉では観測史上最も遅い降雪となった。

 二十一日に六月下旬並みの二五・五度と都心で今年初の夏日(最高気温二五度以上)を記録したが、翌二十二日は日中に七度台に下がるなど、気温が急降下。気象庁は季節外れの寒気による遅霜に注意を呼び掛けた。

 同庁によると、過去に変動量が大きかった二〇〇四年(計八四・五度)と一九七三年(計八五・八度)の四月に類似し、南の暖気と北の寒気が日本付近で強くせめぎ合う状況が続いたという。九八年(計八三度)とも、南米ペルー沖の水温が上がる「エルニーニョ現象」の終わりごろという共通点がある。

 最新の一カ月予報では、東日本(関東甲信越と東海・北陸)の五月の気温は平年並みか高めの公算大。「激しい気温の変動は収まり、平年に近い状態に戻る」(同庁)という。

4月の日照時間 3割減 県内 花粉飛散は5年で最少

2010年05月01日(土) 山梨日日新聞みるじゃん

花粉の飛散減少でドラッグストアの花粉症関連商品の売り上げは低調だ=甲府市富士見1丁目

 天候不順が続いた4月の県内は、最高気温でみた寒暖の差は平年より激しく、日照時間も平年の7〜8割にとどまるなど、花冷えの1カ月となった。3月から平年より気温が低い日が続き、花粉の累積飛散量(1平方センチ当たり)は700個を下回っていて、過去5年間で最少となる見通し。ドラッグストアでは花粉関連の商品より風邪薬が売れている。

 甲府地方気象台によると、29日までの甲府と河口湖の最高気温は、最も高いのが21日の25・0度(甲府)、22・1度(河口湖)で、最も低いのが16日の9・2度(甲府)、1・6度(河口湖)。最も高い日と最も低いの日の差は甲府で15・8度(平年比9・8増)、河口湖で20・5度(同14・5度増)。日照時間も甲府は155・2時間で、平年の80・3%。河口湖は122・5時間で平年より48・5時間短い。

 県衛生環境研究所によると、今シーズンはスギとヒノキを合わせた花粉の累積飛散量を1千個と予測したが、26日現在は692・6個。スギは過去3年間で最も早い15日の時点で「飛散終了」を確認。ヒノキもゴールデンウイーク明けに飛散が終わる見込み。過去5年で最少の2006年(948個)を下回る見通し。

 一般的に、花粉は日中の気温が15度以上で飛散しやすくなるとされる。同研究所は「当初から平年の約4分の1程度の予測だったが、気温が低かったことで想定以上に飛散しにくい状況だった」と分析している。

 クスリのサンロード(本部甲府市)では、マスクや目薬、鼻炎薬などの花粉症関連商品の売り上げが例年から約2割減少。通常より早い4月上旬に特設コーナーを撤去した。一方で、4月以降も売れ行きが好調なのが、風邪薬やのどあめなど。ウエルシア甲府富士見店では、例年の20%増の売り上げになっている。

 甲府市の井上内科小児科医院では、風邪の症状を訴える患者が目立つ。同院の井上利男院長は「寒暖の差が激しく体力が落ち、体調を崩してしまう人が多い」と話している。県健康増進課によると、1医療機関当たりの季節性インフルエンザの患者数は0・98人だが、富士・東部地域は4・22人と「流行状態にある」(同課)という。

桜前線、ゆっくり北上 例年より2週間以上も遅れ

2010年04月30日 asahi.com

28日に開花宣言があった青森市内。まだつぼみのままの桜が多い=30日、熊田志保撮影

 今年の桜前線は、観測記録が残る1953年以降で最もゆっくりした北上になった。2月に暖かい日が続いて開花が早まったが、3月中旬以降に寒の戻りがあり、4月も「花冷え」が続き、例年より2週間以上も北上に時間がかかった。「花の命」が長い、記録ずくめの春になった。

 青森市の30日午前11時の気温は14.0度。最高気温は平年並みと予想されている。市内の公園も日の当たる部分ではちらほら咲き始めたが、多くはまだつぼみがふくらんだ程度だ。

 同市でのソメイヨシノの開花は28日。3月10日の高知市での記録的早咲きから49日たっている。高知市の開花は、気象庁に記録が残る中で全国の早咲きタイ記録。2月から「エルニーニョ現象」の影響で暖かい日が続き、開花を早めた。その後も福岡市で3月14日、名古屋市で18日、京都市で19日に開花。平年より10日以上早いペースだった。

 ところが、3月中旬以降、真冬のような寒の戻りが訪れ、桜の成長が滞った。「北極振動」という北極からの寒気の噴き出しが原因だ。東京都心の開花は22日で平年より6日早いペースに落ちた。

 4月も冷え込む日が続き、仙台市の開花は13日で平年より1日遅れ、秋田市は24日で5日遅れとなった。

 本州の北端・青森県では桜の名所として弘前市が有名だが、気象庁が桜の観測を続けるのは青森市だけ。28日の開花は平年より2日遅く、高知市の開花から49日後だった。

 これまで、桜前線が青森市までたどりつくのに最も時間がかかったのは2006年の47日。平年は、最も早く開花する高知市から青森市まで約千キロを34日かけて北上する。1日30キロ程度の速さだ。今年は1日20キロ程度だった。

 開花から満開までの日数も延びた。松山市では19日で、これまで全国の最長だった17日を塗り替えた。神戸市15日、大阪市14日など5都市で、その地点での最長記録を更新した。(大久保泰=気象担当)

「気候不順と日本文化」

2010年04月30日 紀伊民報

 3月から全国的に天候不順が続いている。県内でも初夏のような陽気と真冬のような冷え込みが交互に訪れ、体調管理に戸惑う毎日だ。

 ▼これが野菜の生育にも影響し、品不足となって価格が高騰。先日来の冷え込みでは、一番茶の収穫が始まったお茶や梅、柿などにも大きな被害が出た。

 ▼サクラの開花にも影響。大阪などでは、開花してから低温の日が続き、例年になく花が長持ちした。紀南でも花盛りのころに厳しい冷え込みがあった。紀南各地の開花状況が八分から満開だった3月30日には、氷点下になった所もある。

 ▼気象庁によると、ペルー沖太平洋赤道域の日付変更線付近で海面温度が上昇する「エルニーニョ現象」の影響が及ぶと極端に暖かくなり、冷え込みは、北極地域の気圧差によって寒気が送り出される「北極振動」が原因という。宇宙規模の話でまだ未解明なことが多いが、温暖化が進めば、こうした天候不順が多くなるという予測もある。

 ▼四季のある日本では、農業から暮らし、民間行事や祭事まで、季節や寒暖とのかかわりが深い。気候不順で四季があいまいになれば、多くの行事が本来の意味を失ってしまう可能性がある。後世へ伝承することも難しくなるだろう。

 ▼くっきりとした四季のある環境を守ることは、日本の文化を維持することにもつながるのである。季節外れの寒さにおろおろしながら、四季の恵みに思いをめぐらせている。(伯)

寒暖変動、5月には解消へ=日本の南北に大きな温度差−気象庁

2010/04/23  時事ドットコム

 3月以降、気温や天気の変化しやすい状態が続いていることについて、気象庁は23日、日本の北の寒気と南の暖気がともに平年より強く、偏西風の蛇行も大きいことが原因とする分析結果を発表した。5月上旬には解消する見通しという。

 東京で17日、41年ぶりの遅さで雪が降り、その4日後に25度以上の夏日となるなど、3月からほぼ全国的に寒暖の変動が激しくなっている。

 同庁によると、今冬以降、気圧が北極圏で高く中緯度で低い傾向が続き、偏西風の蛇行によって強い寒気が北東アジア方面に南下しやすい状況という。また南側の暖気もエルニーニョ現象の影響で平年より強く、大気の不安定な状態が継続。日本付近を移動性の高気圧・低気圧が次々と通過し、天候不順をもたらした。

 今後の見通しでは、4月中は偏西風の蛇行が持続し寒気が入りやすいが、5月上旬には解消し、南の暖気の影響を受け暖かくなるとしている。

北・東日本の日本海側、3月の日照時間が最少

2010年04月23日 読売新聞 YOMIURI On-Line

 気象庁は23日、3月の日照時間が北日本と東日本の日本海側で、統計を取り始めた1946年以降、最少だったと発表した。

 4月も全国的に日照時間が少なく、同庁は「農作物の管理などに注意してほしい」と呼びかけている。

 同庁によると、3月は沖縄・奄美を除き、全国的に日照時間が平年より少なかった。特に北日本の日本海側は平年比65%、東日本の日本海側は同61%だった。

 原因は、日本の北側の寒気と南側の暖気がいずれも例年よりも強かったこと。この寒気と暖気がぶつかることで、大気の状態が不安定となり、日照時間の減少をもたらした。5月は平年並みになる見込みという。

 強い寒気と暖気は、寒暖の差が最近激しくなっている要因でもあるが、23日も東京都心では、最高気温が10・1度と2月中旬並みの低さ。同庁は寒暖差について、「来週以降、北日本を除いて解消する見通し」としている。

記録史上最高の3月気温、米NOAA

2010年04月16日 AFP BB News 発信地:ワシントンD.C./米国

【4月16日 AFP】米海洋大気局(NOAA)が15日に発表した前月の観測結果によると、この時期に起こるエルニーニョ(El Nino)現象などの影響で、3月の世界の平均気温が史上最高となった。

 米気候データセンター(US National Climate Data Center)のデータに基づいたNOAAの発表によると、3月の陸域表面温度は1880年の気象観測開始以来、史上4番目、海表面温度は最高だった。

 両方をあわせた地表面(陸海)の平均温度は、前世紀平均の12.7度よりも0.77度高く、同じく記録史上最高の13.5度だった。北アフリカ、南アジア、カナダなどを筆頭に、例年よりも気温の高い傾向が世界的にみられた。(c)AFP

3月の世界の気温、過去最高=エルニーニョなど影響−気象庁

2010/04/14 時事ドットコム

 気象庁は14日、3月の世界の月平均気温(速報値)は平年より0.44度高く、0.43度高かった2002年を上回って1891年の統計開始以来最も高かったと発表した。日本は0.56度高く、統計開始以降25番目の高さだった。

 同庁によると、陸域ではアフリカ北部から西・南アジアにかけての地域と米国北部からカナダにかけての地域および南米が、また海面水温は熱帯域ほぼ全域で、それぞれ平年より高かった。

 要因として、温室効果ガスの濃度増加に伴う地球温暖化や、現在発生中のエルニーニョ現象の影響が考えられるとしている。

天候:せめぎ合う寒と暖 今日は春でも明日は冬

2010年04月14日 毎日新聞 中部夕刊

 ◇野菜の価格高騰、家計も痛手

 ゴールデンウイークごろの陽気になったと思ったら、冬の寒さに逆戻り−−。4月に入ってから、ジェットコースターのように寒暖の差が激しい天候が続いている。気象庁によると、平年より強めの寒気と暖気が日本列島付近でせめぎ合っているのが原因だ。強い冬型の気圧配置となった14日は、東北の日本海側に暴風雪警報が出されるなど、北日本を中心に大荒れの天気となり、けが人も出ている。日照不足も深刻で野菜の価格が高騰し、家計への影響も出ている。【飯田和樹】

 気象庁によると、東京の11日の最高気温は23・2度で、5月中〜下旬並みの暖かさとなった。一方、翌12日は3月下旬並みの14・3度までしか上がらないなど、日ごとの気温差が大きい。14日には、北日本の上空1500メートルで氷点下9度と、この時期としては強い寒気が流れ込んでいる。

 気象庁気候情報課によると、寒暖の差が激しい原因は、寒気と暖気双方の勢力が平年より強いことだ。北極付近の気圧が高く、日本など中緯度付近の気圧が低い状態が続いているため、北極付近の寒気が中緯度帯に流れ込みやすくなっている。一方で、太平洋赤道域東部の海面水温が高くなるエルニーニョ現象の影響などで暖気も強い。こうした状況は通常、「菜種梅雨」のころにみられるが、例年より長期間せめぎ合いを続けているのが今年の特徴だという。

 また、寒気と暖気に挟まれた地域は前線の通り道になりやすく、天候不順になる。東京では今月、13日までに日照時間が10時間を超えた日は1日だけで、昨年の7日に比べ大幅に少ない。日照時間ゼロの日が4日もあり、各地も同様の状況となっている。

 気象庁が発表した低温情報によると、気温の低い状態は17日ごろまで続く見通し。気温は平年より5度前後低く、最低気温が0度前後となる所もある。

 気象庁気候情報課は今後について、「来週以降、強い寒気による低温の傾向はいったんは弱まる。だが、再び寒気が入ってくる可能性もあり、このような状況が終わるかどうかはまだ分からない」という。

            ◇

 最近の冷え込みや日照不足の影響で、東京都中央卸売市場では、野菜の入荷量が前年同期より約1割減少している。

 価格が高騰する野菜も目立ち、2〜8日の「週間市況」によると、千葉産ネギの5キロ当たりの価格は前年同期比93%増の1827円で、高知産ナスも5キロ当たり同37%増の2450円。キャベツやレタス、トマト、小松菜なども同10〜30%上昇している。

 価格高騰を受け、スーパーも対策に追われている。全国で「イトーヨーカドー」を展開する「セブン&アイ・ホールディングス」広報センターによると、価格を抑えるため、カット売りやバラ売りを増やした。農家との直接契約を増やすことで、市場の影響を受けないようにもしているという。【松本惇】

 ◇モヤシ出荷、4年で倍増 「安い・栄養豊富」で名脇役

 長引く不況や天候不順で野菜の価格が高騰する中、モヤシが売れ行きを伸ばしている。安くて料理のボリュームが増えるうえ、炒めてよし、煮てよし、湯がいてサラダにしてよし。使い勝手もよく、200グラムで20円を切る商品もある。以前から食卓には欠かせない食材だが、最近ますます存在感を増している。

 大手スーパー「ダイエー」(東京都江東区)の09年の売上高は05年比で2倍になった。特に原油高による生鮮食品の価格高騰やリーマン・ショックによる金融危機があった08年比では1・5倍という人気ぶり。各店舗で売り場を拡大し、品数を増やしている。

 同社広報部は「室内栽培で気候や社会情勢に左右されず安定的に供給されるのがモヤシの強み。独身男性からファミリー層まで幅広い人気がある」と話す。

 総務省の家計調査によると、2人以上の世帯の年間消費量は05年の5510グラムから09年には6748グラムと1・22倍に伸びた。全国消費者団体連絡会(東京都千代田区)の阿南久(ひさ)事務局長(60)は「不況を背景に全国的によく売れている。安くて栄養があり、調理方法が多彩なところに魅力を感じているのでは」と話す。

 1日あたり約300トンと全国の2割の生産量を占める業者最大手「成田食品」(福島県相馬市)では近年、前年比で2割増しの生産が続いているという。1日約100トンを生産する「サラダコスモ」(岐阜県中津川市)も生産量を増やしており、総合企画室の宮地隆彰さん(42)は「食卓の主役ではないが、量が膨らんで満足感が出るため喜ばれる」と話した。【神保圭作】

電力不足による非常事態を60日間延長−ベネズエラ

2010/04/10 世界日報社

 【サンパウロ綾村悟】世界有数の産油国として知られる反米左派系のウゴ・チャベス・ベネズエラ大統領は9日、干ばつによる水力発電所からの電力不足に対応するために行っていた非常事態宣言を60日間延長すると発表した。ベネズエラの政府系通信社などが報じた。

 ベネズエラでは、ペルー沖で発生しているエルニーニョ現象が同国東南部を中心に重大な干ばつ被害をもたらしており、干ばつによって国内総電力の7割をまかなっているグリ水力発電所でのダム水位が大きく低下し、発電量が落ち込んでいる。

 最初の非常事態宣言は2月8日に60日間の期間で発令されていたが、ダムの水位回復が遅れており、今回の延長措置となった。

 非常事態宣言を通じて、同国政府は一般市民や企業に向けて一定量の節電を要求、節電量を超過した場合には罰金が課される一方で、節電量を達成した場合には節電量に応じた料金の割引が行われている。

 同様の節電と罰金のシステムは、過去に深刻な電力不足に陥ったブラジルにおいて採用されたことがある。

 現在、ベネズエラでは電力だけでなく水道料金にも超過料金制を採用しており、政府規定の水道利用量を超過した場合には3倍以上の罰金が課されている。

 ベネズエラ政府は5億ドル(約460億円)を投じて火力発電所の建設など電力インフラの拡大を急いでいるが、現時点での対応は雨季入り後(通常は5月)のダム水位の復活を待つか、国外からの電力購入に頼るしかないのが現状だ。

 また、今回の電力不足では、反大統領派や野党から「インフラ整備を怠ってきた」などと政府の失策を強く批判する声が上がっており、非常事態宣言の発令を含めた政府対応は、今年9月に予定されている国会議員選挙にも影響を与えるものとみられている。

エルニーニョ監視速報(No.211) 2010年3月の実況と2010年4月〜2010年10月の見通し

2010(平成22)年04月09日 気象庁 地球環境・海洋部

 エルニーニョ現象は、春の内に終息する可能性が高い。

 インド洋熱帯域の海面水温は、今後夏にかけて基準値より高い値で推移すると予測される。

影響

 3月の日本の天候では、沖縄・奄美の高温がエルニーニョ現象時の傾向と一致していた。今後の日本の天候については、最新の季節予報を参照されたい。

 3月の世界の天候では、南アフリカからマダガスカルにかけてと南米北部の高温がエルニーニョ現象時の特徴と一致していた。

沖縄・奄美の高温に影響? エルニーニョ、春で終息か

2010/04/09 47News【共同通信】

 気象庁は9日、南米ペルー沖で海面水温が上がり、異常気象の原因となる「エルニーニョ現象」が、春の間に終息する可能性が高いとの監視速報を発表した。

 同庁によると、エルニーニョの影響で3月、沖縄・奄美が高温になった可能性がある。月平均気温は同地域で平年を1・2度上回り、沖縄県の石垣島は1・6度上回る22・2度だった。

 海外でも南アフリカからマダガスカルにかけてと、南米北部が高温に。南アフリカのケープタウンで3月の平均気温が平年より2・1度高い21・4度、南米ベネズエラのカラカスは4・1度高い28・9度だった。

 ペルー沖の監視海域では、3月の平均海面水温が基準値(過去30年の平均)を0・7度上回った。同庁は、太平洋赤道域の中部から東部の海面水温の高い状態は1〜2カ月続くが、今後、西部の冷たい海水が東に進むため解消に向かうとみている。

タイのコメ生産が減少か、乾燥天候でメコン川の水位低下−FAO

2010/04/07 Bloomberg.com.jp

4月7日(ブルームバーグ):天候が平年より乾燥し、農地が干上がってメコン川の水位も低下したため、コメの主要輸出国であるタイとベトナムのコメ生産が打撃を受ける可能性があるとの見方を、国連食糧農業機関(FAO)が示した。

 FAOのシニアエコノミスト、コンセプシオン・カルペ氏によると、今月タイで収穫が始まるコメの生産高は700万トンと、昨年の840万トンから減少する見込みだ。ベトナムの年末の収穫も「影響を受ける可能性がある」。

 エルニーニョ現象に関係した干ばつが中国南部や東南アジア本土などアジア全域に影響を及ぼしており、タイのアビシット首相は、生産減によりコメ価格が上昇する恐れがあるとの見方を示している。アジアで最も重要性の高い穀物であるコメの生産減が世界の在庫の落ち込みにつながる可能性もある。

翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先:東京 堀江 広美 Hiromi Horie hhorie@bloomberg.net Editor:Takeshi Awaji 記事に関する記者への問い合わせ先:Luzi Ann Javier in Singapore at ljavier@bloomberg.net;Supunnabul Suwannakij in Bangkok at ssuwannakij@bloomberg.net

6年ぶりエルニーニョ発生か…7月以降、西日本で低気温も

2009年06月10日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 気象庁は10日、ペルー沖の太平洋で夏以降にエルニーニョ現象が発生する可能性が高いと発表した。

 発生すれば2003年冬に終息して以来、およそ6年ぶりとなる。

 エルニーニョ現象は、ペルー沖の赤道付近で、海面水温が平年より0・5度以上高くなる現象。

 日本では西日本の気温が平年より低くなるなどの影響を受ける恐れもある。同庁では、今年5月の海面水温は平年より0・4度高く、このまま推移すれば7月以降に発生するとしている。

気象庁、「エルニーニョ現象」の監視海域拡大 インド洋など

2009/05/27 NIKKEI NeT

 気象庁は27日、世界的な異常気象をもたらすとされる「エルニーニョ現象」の監視海域に、7月からインド洋と西太平洋の熱帯域を加えると発表した。これまで南米ペルー沖のみで監視していたが、新たに監視する海域の海面水温の変動が日本の天候に大きく影響していることがわかったためとしている。

 太平洋赤道域の中央部から東部で海面水温が平年より高くなるエルニーニョ現象と低くなるラニーニャ現象は、大気に影響を及ぼすため、冷夏や暖冬、干ばつなどの異常気象を世界規模で引き起こすとされる。

 最近の研究から、インド洋熱帯域では南米ペルー沖の2―3カ月後に同じ傾向が表れ、西太平洋熱帯域では逆の傾向がみられることがわかった。エルニーニョ終了後の夏にインド洋熱帯域の海面水温が高い場合、フィリピン付近で高気圧が発達しやすくなり、日本では北日本で気温が下がり、沖縄・奄美では上がる傾向がみられたという。(27日 

ラニーニャ現象が終息 1年継続、昨夏猛暑の原因

2008年06月10日 中国新聞ニュース

 気象庁は10日、南米ペルー沖で海面水温が下がり、世界的な異常気象を引き起こすとされる「ラニーニャ現象」が、今年の春に終息したとみられると発表した。

 今回のラニーニャは、昨年春から約1年間続いた。昨年夏、埼玉県熊谷市と岐阜県多治見市で、国内最高気温を更新する40・9度を観測するなどした記録的猛暑の原因とみられている。

 ペルー沖の監視海域の5月の平均海面水温は27・0度で、基準値(過去30年平均)より0・1度低いだけで、水温の低い領域も4月より縮小している。ラニーニャの一因となる東風の貿易風は吹いているが、太平洋赤道域でラニーニャの特有の現象はほぼ解消したという。

ラニーニャ、原油高騰 寒さ身にしみる冬に?

2007年11月08日 asahi.com

 8日は立冬。暦の上では冬を迎えた。気象庁はこの冬を「平年並みの気温」と予想するが、2年前には「暖冬予想」が一転、記録的豪雪になった。その原因の一つだった「ラニーニャ現象」がここに来てピークを迎え、寒気の南下予想も出てきた。かつてない原油高騰の中、寒さが気になる冬になる。

 8日朝の気温は東京都心で11.8度を観測するなど、北陸、関東、近畿の一部でこの秋以降、一番の冷え込みとなった。

 気象庁はこの冬(12〜2月)の気温を、「平年並み40%」と最も高い確率で予想している。平年より高い確率と低い確率は、それぞれ30%だ。ここ10年の傾向、過去30年の世界規模の海水温との関係、そしてスーパーコンピューターを使った数値予報で予想している。

 気象庁の暖冬予測が大きく外れた2年前は、12月を中心とする寒さで記録的な豪雪になった。

 その原因の一つが、世界規模で異常気象をもたらすとされる「ラニーニャ現象」だ。この現象があると、偏西風の蛇行が南北に強まり、北極側の寒気が南下しやすくなることがある。

 2年前の冬は、北極付近からの寒気の噴き出しが強まり、偏西風の蛇行によって寒気が列島に流れ込んだ。気象庁はラニーニャ現象は予想していたが、北極付近の寒気の放出は読めなかった。

 今年4月から始まったラニーニャ現象はここに来てピークを迎え、来春まで続く見込みだ。最新の予想では、今月中旬以降、寒気の南下も予想されるようになった。

 「猛暑、厳寒で株価は上がる?」(経済界刊)の著書もある気象予報士の村山貢司さんは「平年値というのは30年の平均値。最近の暖冬傾向を考えれば、『平年並み』なら寒いと感じる」と説明する。

 原油価格の高騰で、灯油の小売価格も値上がりしている。石油情報センターによると、7日現在の灯油18リットルの店頭小売価格は全国平均で1594円。1年前の同時期より140円余り高い。

 村山さんは「原油価格が記録的に高いうえ、柏崎原発の停止で石油火力への依存も高まり、日本経済への影響は大きい。灯油や電気の消費を控えなければならない冬になる」とみている。

寒気の影響及びにくい?=気象庁の3カ月予報

2007/10/25 時事ドットコム

 気象庁は25日、11−1月の3カ月予報を発表した。太平洋中・東部赤道域の海面水温が低いラニーニャ現象が春まで続く見込みで、通常ラニーニャの年は11、12月に寒気が南下しやすい傾向があるが、今年はその影響が表れにくい状況という。また、1月は寒気の動向が予想しづらく、暖冬や豪雪の可能性もあるとしている。

40年ぶり同時発生、猛暑に影響?=インド洋と太平洋の異常現象−海洋機構

2007/10/24 時事ドットコム

 インド洋東部で夏から秋に海面水温が平年より下がる異常現象「ダイポールモード」(IOD)が2年連続で発生し、今年は1967年以来40年ぶりに、太平洋東部で海面水温が下がるラニーニャ現象と同時発生したと、海洋研究開発機構が24日発表した。日本では8月、国内最高気温が74年ぶりに更新されるほどの猛暑だったが、両現象が影響している可能性があるという。

 IODはインド洋西部のアフリカ沖では海面水温が反対に高くなるため、昨年はアフリカ熱帯地域で洪水が多発し、今年もアフリカ東部で豪雨、オーストラリアで少雨となっている。

 IODは海洋機構の山形俊男ディレクター(東大教授)らが99年に発見したが、ラニーニャ現象やその逆のエルニーニョ現象と違い、まだ各国の気象機関が発生状況を発表する体制が整っていない。

「韓半島、この冬異常気象の可能性大きく」

2007.10.22 中央日報 姜讃秀(カン・チャンス)記者

この冬、大雪や気温が突然上がったり下がったりする異常気象に見舞われる可能性が高いと見られている。

冬の間、ラニーニャ(ペルー沖赤道付近の中部太平洋海域の海面水温が平年より1〜2度低くなる現象)が発達し、韓半島にも影響が出る見込みだからだ。気象庁は22日「最近、韓国と中国、日本の長期予報専門家が会議を開き、07〜08年のエルニーニョ(南アメリカのペルー沖の冷たい海域に、風向きなどの影響で暖流が移動し、水温が異常に高くなる現象)とラニーニャの現況などを分析したところ、『弱いラニーニャが続く』という結論を得た」と発表した。

専門家らは「現在、エルニーニョ監視区域の水温が平年より1.7度低く、こうした低水温現象が、冬季には弱いラニーニャに発達するだろう」との見方を示している。一般的に、ラニーニャが発生すれば、東アジアでは低温乾燥の現象が見られる。専門家らは、こうしたラニーニャの影響が地球温暖化による気温上昇現象と共に働き、今冬、天気の変動の幅が大きくなり、奇襲的な大雪に見舞われる可能性が非常に高くなっている、と強調した。

ラニーニャ年明け後も継続 気象庁が見通し

2007年09月10日 中国新聞ニュース

 気象庁は10日、世界的な異常気象をもたらすとされ今夏、日本列島の記録的猛暑の一因となった「ラニーニャ現象」が、年明け後も続く可能性が高いとする監視速報をまとめた。

 過去の統計では、ラニーニャが日本の秋の天候にもたらす影響は小さいが、冬まで続くと厳冬になることが多く、各地で積雪の過去最大を記録した2005−06年の記録的豪雪の一因とされる。

 ラニーニャ現象は、太平洋赤道海域の暖かい海水が東風の貿易風で西に吹き寄せられ、東側の南米ペルー沖の海面水温が下がる。

 日本の南のフィリピン周辺海域では海面水温が上がり、対流活動が活発になって夏は太平洋高気圧の勢力を強める。一方、冬は日本上空に寒気を南下させやすくなり、冬型の気圧配置が多く現れるという。

「ラニーニャ現象」継続、9月の残暑厳しく…3か月予報

2007年08月23日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 気象庁は23日、9〜11月の3か月予報を発表した。

 南米ペルー沖の海水温が下がり、インドネシア付近の対流活動が活発化する「ラニーニャ現象」が今後も続く見込み。このため、日本列島付近の太平洋高気圧が勢力を維持し、全国的に気温が高くなりそうという。特に9月は残暑が厳しくなる見通しとなっている。

 【9月】気温は全国的に高くなる。天気は数日の周期で変わる。

 【10月】気温は東日本と西日本、南西諸島で高くなる。西日本は晴れの日が多くなりそう。

 【11月】太平洋側は晴れるが、北日本と東日本の日本海側は曇りや雨、雪の日が多くなる。

熱中症 屋内の目配りも十分に

2007/08/18 中国新聞ニュース

 最高気温が三五度を超せば「猛暑日」と呼ぶ。気象庁がそう決めたのは今年である。各地で熱中症の死者が出ている夏の暑さを、まるで予見していたかのようだ。

 埼玉県熊谷市など二カ所で四〇・九度を観測したのはおととい。七十四年ぶりの日本記録の更新だった。きのうも暑さは一向に衰えず、この二日だけで全国の死者は二十人を超している。熱中症に対する対策を、本気で考えなければならない。

 体にたまった余分な熱は、皮膚の表面から放出される。あるいは汗をかいて、その蒸発によって体の温度を下げる。これが体温調節の仕組みだ。

 ところが猛暑日のように気温が体温とほぼ同じだったり高かったりすると、皮膚から放熱されにくい。湿度が高いと、汗も蒸発しなくなる。体温コントロールが利かなくなった状態が熱中症だ。

 七十―八十歳代の高齢者の死者が目立つ。自宅で寝ていて気分が悪くなり死亡するなど虚を突かれたようなケースもある。熱中症は炎天の戸外で起きるもの、というこれまでの「常識」も改めなければなるまい。

 高齢者は体内の水分が少ないので、そう汗をかいていなくても脱水症状に陥ることがある。薬で汗が出にくくなって熱が放出されにくいこともある。そうした専門家の指摘を、高齢者自身や世話をする人たちは知っておきたい。夏は早め早めに水を飲むことを習慣にする必要もあろう。

 一方で運動中に若い人が亡くなるケースもある。東京都では中二の男子生徒がバスケットボールの部活後に倒れた。痛ましい限りだ。日本体育協会は、湿度、輻射(ふくしゃ)熱、気温の三つの要素を用いた指標を示し、ある値を超えたら「運動は原則中止」としている。指導者は細心の注意を払ってほしい。

 今年の暑さは、ラニーニャ現象によってフィリピン付近で熱せられた空気が北上し、太平洋高気圧の勢力を強めているのが原因とされる。そのメカニズムには地球の温暖化も一枚かんでいるといわれ解明が急がれる。

 暮らしや産業の在り方をどう見直し、二酸化炭素の排出を減らして温暖化を防ぐか。政府は、早急に対策を具体化しなければならない。同時に企業や個人も、身の回りでできる「熱冷まし」を考えてみたい。大がかりな屋上緑化からささやかな夕方の打ち水まで工夫はいろいろあるはずだ。

猛暑 “亜熱帯化”が警告する

2007年08月17日 東京新聞

 最高気温の日本記録が、七十四年ぶりに更新された。しかも、岐阜県と埼玉県で同時にだ。“亜熱帯化”が進む日本。その背景に人間の営みがあることを、もう認めずにはいられない。

 暑い。記録破りの猛暑である。

 岐阜県多治見市と埼玉県熊谷市で十六日、気温が四〇・九度に上り、七十四年ぶりに日本最高記録を塗り替えた。この夏は北海道でも、苫小牧や新冠などで三五度を超える「猛暑日」や、最低気温が二五度より下がらない「熱帯夜」が観測された。

 日本全土が“亜熱帯”になってしまった夏である。

 異常気象は、国内だけにはとどまらない。地球規模で常態化しつつあるようだ。

 国連世界気象機関(WMO)の異常気象報告によると、今年一月と四月の地球全体の地表温度は、一八八〇年からの観測史上最も高かった。

 東欧のブルガリアやルーマニアで四五度前後に上ったと思えば、南アフリカでは二十六年ぶりにまとまった雪が降り、南米のチリやアルゼンチンを氷点下二〇度の寒さが襲うなど、南半球の冬も尋常ではない。

 英国では五−七月、二百四十年の観測史上最大の雨量を記録した。

 気候変動は異常気象を引き起こすだけでなく、身近な自然の風景をじわじわと変えていく。

 かつて南西日本に分布したクマゼミは、首都圏の街路樹を占拠しつつある。九州周辺が北限とされたナガサキアゲハの生息域が、埼玉県まで広がった。海の中では、水温の上昇によるサンゴの死滅やクロマグロの減少が進んでいる。

 スーパーコンピューターの予測では、亜熱帯化が進行すれば、熱中症が頻発するだけでなく、熱帯の感染症が日本に上陸、流行するなど、人間の健康にも直接大きな影響を及ぼすようになるという。

 南米ペルー沖で海面の温度が下がる「ラニーニャ現象」や、暖かい風が山を越えて吹き下ろす「フェーン現象」のしわざと言えば、個々の事象に一応の説明はつくのだろう。

 だが、国連「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第四次報告書にもあるように、産業化、近代化を急速に進めた人間の営みが、自然のテンポをはるかに超えて、気候の変化に拍車を掛けてきたのはもはや否めない。

 今肌で感じる異常な暑さ、身の回りの景色の変異を直視して、温暖化防止のために今できる何かを実行しないと、やがて取り返しのつかないことになる−。この夏の猛暑は、そう警告を発している。

猛暑頼み「夏商戦」 日本列島ようやく梅雨明け

2007/08/02 FujiSankei Business i.

 気象庁は1日、関東甲信、北陸、東北地方が梅雨明けしたとみられると発表した。梅雨明けは昨年より2日遅く、平年より12日も遅く、夏商戦に冷水を浴びせ、企業活動や個人消費にも影響を与えた。

 関東甲信方の梅雨明けが8月にずれ込んだのは2003年以来で、記録が残る1951年以降では4回目。これまで最も遅かったのは82年の8月4日。

 百貨店では夏物のバーゲンが6月末から始まり、すでに終盤戦。各店の特設会場などでは女性客であふれている。

 長梅雨の「直撃を受けた」(コジマ、ケーズホールディングスなど)のがエアコン。気温が高かった5、6月の販売は好調で、気象庁が6月25日にラニーニャ現象の発生で、7月から3カ月の平均気温は平年並みか高めになる、との予想を発表したことから、電機メーカーや家電量販店は7月に期待を高めた。

 ところが、7月に入ると雨の日が続き、台風もあって急ブレーキがかかり、各量販店の売り上げは前年に比べ2けた台のマイナスになった。

 ビール業界も苦戦を強いられた。2007年上期(1〜6月)のビール類の出荷量が2年ぶりにマイナスとなり、猛暑が予想された7月から巻き返しを狙ったが、空振りに終わった。 エアコン、ビールとも「猛暑になれば売れる商品」だけに、各社は8月の猛暑到来を切望している。

泣く子とラニーニャ

2007年07月13日 宮崎日日新聞社

 泣く子と地頭には勝てぬ―というが、欲しいあまりに菓子やおもちゃ売り場で泣く子は自分の子であれ見苦しい。泣く子には飴あめとばかりに降参するか、教え諭すほかにない。

 思うにならぬ子を見て天候を連想したのか、スペイン語圏の人は南米ペルー沖の海面水温が上昇する現象を「エルニーニョ(男の子)」、温かい海面が東風でインドネシア近海に運ばれ、太平洋高気圧が活発化しやすい現象を「ラニーニャ(女の子)」と呼んだ。

 気象庁は今夏、ラニーニャ現象が発生しているとみている。女の子はおとなしく男の子は活発というのはステレオタイプの見方。ラニーニャは結構手ごわい。夏の気温は高く降水量も多くなる傾向がある。より夏らしい夏になるだろう。

 本県の夏は、雨と暑さには勝てぬ―とばかり豪雨と猛暑に悩まされてきた。ラニーニャは戦後12回発生しており夏の発生は1998年以来。この年の8月、宮崎市の最高気温が35度を超えたのは15回に及んだ。月平均気温は29・8度と熱帯地方と化した。

 人は扇風機やクーラーで何とかしのげるが、農畜産物はそうもいかない。その時の新聞を開いてみると里芋やニンジン、柑橘かんきつ類、ブロイラーや肉用牛まで暑さの被害に遭った。ジリジリとした太陽は、大地や人の胸までも焦がしていた。

 折しも台風4号が接近している。ラニーニャの時には台風が発生しやすいと分析する気象学者もおり、猛暑にせよ台風多発にせよ相当なじゃじゃ馬であることは覚悟しておきたい。送り梅雨の雨が、なだめる飴に変わればいいのにと思う。

ラニーニャ冬まで継続か 気象庁が監視速報

2007年07月10日 中国新聞ニュース

 気象庁は10日、南米ペルー沖で海面水温が下がり、日本に夏の高温など異常気象をもたらすとされる「ラニーニャ現象」が4月に発生したと断定、冬まで続く見通しとする監視速報を発表した。

 同庁によると、ペルー沖の監視海域で、6月の平均海面水温が基準値(過去30年間の平均)を0・6度下回った。発生の一因となる強い東風の「貿易風」も観測されている。

 気象庁は、監視海域の水温が一定期間以上、基準値を下回るラニーニャの定義を満たしたため、先月の監視速報で「ラニーニャが発生したと推定される」としていたのを今月、「断定」に切り替えた。

 これまでのところ、国内ではラニーニャの影響とみられる異常気象はみられないが、世界的には南米中部太平洋側で低温など、ラニーニャ発生時によくみられる異常気象が観測されたという。

 ラニーニャは太平洋赤道海域で貿易風が強まり、暖かい海水が西に吹き寄せられて東側のペルー沖で水温が下がる。大気の対流活動が活発な海域が変わり、世界的な異常気象をもたらす恐れがある。

「入梅」なのに梅雨空来ず ラニーニャで明けも早い?

2007/06/11 中国新聞ニュース

 十一日はこの日を境に梅雨入りするとされる「入梅」だが、九州北部以北は、まだ梅雨が訪れていない。気象庁は梅雨前線を押し上げる太平洋高気圧の勢力が弱く、前線が日本の南の海上にとどまっているのが原因とみており、梅雨入りは平年より一週間以上遅れる見込み。

 さらに南米ペルー沖の太平洋東部赤道域で海面水温が下がり異常気象をもたらすとされる「ラニーニャ現象」発生で、梅雨明けは逆に早まる可能性があるという。

 平年だと十一日は、東北北部を除き梅雨入りしている時期。同庁によると九州北部、四国、中国の梅雨入りは十三、十四日ごろになる見通しで、それぞれ平年より一週間以上遅い。既に梅雨入りした沖縄も八日、九州南部は三日、それぞれ平年より遅い。奄美は平年より十六日も遅れ、統計を取り始めた一九五一年以降、最も遅かった。

 梅雨前線は日本の南海上の太平洋高気圧と、北の冷たい空気のはざまで発生。今年はこれまで太平洋高気圧の勢力が弱い上、日本の南海上付近の偏西風が平年より南を吹いているため寒気が南下しやすく、前線の北上を抑え込んでいるという。

 太平洋高気圧はやがて勢力を盛り返す見通しだが、問題は五月に始まったとみられるラニーニャ現象。ラニーニャ発生時は、インドネシア近海など太平洋赤道海域西側で海面水温が上がるため、太平洋高気圧が今後は急速に発達して前線を北に押し上げ、梅雨明けを早める可能性がある。

 日本列島は春以降、西日本を中心に少雨で、津や高知、徳島では三―五月の降水量が平年の42―47%。気象庁は「短い梅雨で渇水の恐れもあるが、ラニーニャ発生時は梅雨前線が活発な傾向がある。大雨で水不足解消の可能性もあるが、豪雨災害への警戒が必要かもしれない」としている。

暑い夏、水不足の恐れも 気象庁の6−8月予報

2007年05月24日 中国新聞ニュース

 気象庁は24日、6−8月の3カ月予報を発表した。期間中の平均気温は北日本で平年並みか高く、それ以外の地域は高い暑い夏になると予想。3カ月間の降水量は、北日本の日本海側を除き平年並みか少ない見込みで、少雨による水不足の恐れも出てきた。

 同庁によると、夏の高温をもたらすとされる、太平洋赤道域の海面水温が低下する「ラニーニャ現象」がここ1、2カ月で発生する可能性が高くなっている。北日本に冷たい気流を送るオホーツク海高気圧も、発達の兆しがみられないという。

 降水量は、梅雨シーズンの6月は全国的に平年並みか多いが、7、8月は一転して広範囲で少雨傾向。北日本で7月に多い以外は、平年並みか少ないとみている。

 各月の予想は次の通り。

 ▽6月 天気は北日本で数日の周期で変わる。そのほかの地域は曇りや雨の日が多い。

 ▽7月 北日本は平年と比べ曇りや雨の日が多い。東・西日本では前半は曇りや雨の日が多く、後半は晴れの日が多い。沖縄など南西諸島は晴れの日が多い。

 ▽8月 晴れの日が多い。

「ラニーニャ現象」で東海以西の梅雨明け早め

2007/05/12 The Sankei Shimbun Web-site

 民間気象情報会社「ウェザーニューズ」(東京)は11日、今年の梅雨の傾向予想を発表した。南米ペルー沖の海面水温が下がる「ラニーニャ現象」の発生が見込まれるため、梅雨明けは西日本から東海は早めという。

 ラニーニャが発生すると、太平洋赤道海域東側のペルー沖で海面水温が下がるが、逆に西側のフィリピン付近は上がり、大気の対流活動が活発化。太平洋高気圧が強まる傾向がある。

 同社は、梅雨入りはほぼ全国的に平年並みとみているが、太平洋高気圧が強まって梅雨前線を押し上げ、西日本から東海にかけては梅雨明けは早いと予測。一方、関東以北は遅くなる可能性があるとみている。

ラニーニャ発生の可能性 1、2カ月で、気象庁速報

2007年04月10日 中国新聞ニュース

 気象庁は10日、南米ペルー沖の東部太平洋赤道海域で、海面水温の低い状態が長期間続く「ラニーニャ現象」が今後、1、2カ月の間に発生する可能性が高いとの監視速報を発表した。

 ラニーニャは、ペルー沖で海面水温が上がるエルニーニョと逆の現象。今シーズンの記録的暖冬をもたらしたエルニーニョと同様、地球規模で大気の対流活動に影響し、世界的な異常気象をもたらす恐れがある。

 過去の統計によると、ラニーニャ発生時の日本列島の天候は、梅雨入りが東海で早く沖縄で遅い傾向、梅雨明けは東北、四国、九州南部で早い傾向がみられる。梅雨期間の降水量は、西日本太平洋側と東日本で多くなる可能性がある。

 監視速報によると、ペルー沖の監視海域の平均海面水温は3月、基準値(過去30年の平均)を0・5度下回った。同庁は秋ごろにかけて、基準値を下回る状態が続くとみている。

エルニーニョ終息 海面水温下がる 「ラニーニャ」に移行へ

2007/03/10 The Sankei Shimbun Web-site

 気象庁は9日、記録的な暖冬の一因となった「エルニーニョ現象」(南米ペルー沖の海面水温が平年より0.5度以上高い状態)が2月で終息したとみられると発表した。今後は逆に平年より同海域の水温が0.5度以上低い状態が長期化する「ラニーニャ現象」に向かうと考えられるという。ラニーニャ発生が確認されると、2005(平成17)年秋−06(同18)年春以来となる。

 ラニーニャもエルニーニョと同様、大気の対流活動に影響し、世界的な異常気象の原因になるとされる。夏は北米東海岸や欧州東部などで高温少雨に、北米西海岸は低温になる傾向がある。

 日本では春先の気温が東日本と西日本で平年並みかやや低くなり、夏には北日本を除き高温傾向となる見通しだ。

 同庁気候情報課によると、ペルー沖の平均海面水温は1月には基準値を0.8度上回っていたが、2月は「平年差なし」になった。

 ラニーニャ現象は、太平洋赤道海域を吹く東風の貿易風が何らかの原因で強まり、暖かい海水が西に吹き寄せられて、東側のペルー沖で海面水温が下がる。

夏はラニーニャで高温多雨?=暖冬要因のエルニーニョは終息−気象庁

2007年03月10日 時事通信

 日本に記録的な暖冬をもたらした太平洋の赤道域中・東部のエルニーニョ現象は終息したとみられ、今後は夏に高温多雨傾向となるラニーニャ現象が起きる可能性が生じてきた。気象庁が10日までに監視速報を発表した。

エルニーニョ監視速報No.174(2007年2月)

平成19年(2007年)03月09日 気象庁

概要

 太平洋赤道域の大気・海洋の状況(2007年2月)とエルニーニョ/ラニーニャ現象に関する今後の見通しについて解説します。

本文

 太平洋赤道域の海面水温は、西部で正偏差が顕著だったが、中部から東部にかけての正偏差は1月から2月にかけて急速に弱まり、一部に負偏差も見られた。海洋表層(海面から深度数百mまでの領域)の水温では、中部から東部にかけて顕著な負偏差が見られた。今回のエルニーニョ現象は終息したと見られる。

 エルニーニョ監視海域の海面水温は予測期間中、基準値に近いか、基準値よりやや低い値で推移すると予測され、今後、ラニーニャ現象に向かうと考えられる。

エルニーニョ終息、今度は海面温度下がるラニーニャ

2007年02月28日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ワシントン=増満浩志】米海洋大気局(NOAA)は27日、昨年半ばから続いていたエルニーニョ現象が終息し、反対に太平洋の赤道域で海水面の温度が下がる「ラニーニャ現象」へと急速に移行していると発表した。

 「大西洋でのハリケーン発生が増える可能性がある」と指摘している。

 米国周辺では、カトリーナなど強大なハリケーンが相次ぎ来襲した一昨年と対照的に、昨年はハリケーンが少なく、エルニーニョ現象の影響とみられていた。ラニーニャの最中、東太平洋では台風の発生が減る傾向になるという。

夏らしい夏、気象庁が予測…エルニーニョは春ごろ終息

2007/02/22 The Sankei Shimbun Web-site

 気象庁が中長期予報、春から夏にかけて気温高い

 気象庁は22日、3月〜5月の3カ月予報と暖候期(3〜8月)の長期予報を発表した。

 予報によると、今春は平均気温が平年(昭和46〜平成12年の平均値)よりも全国的に高い状態で、今冬の暖かさがそのまま続くことになりそうだ。

 夏は太平洋高気圧の勢力が「平年並みかやや強い」と予想され、東日本(関東甲信越と東海、北陸の各地方)の平均気温は「平年並みか高い」、西日本と南西諸島では高くなる見込み。同庁気候情報課は「全国的に平年並みか、それを上回る暑い夏になる可能性が大きい」とみている。

 降水量については、北日本で春は「平年並みか少ない」が、夏は梅雨前線の位置が平年より北に位置する影響で、「平年並みか多い」と予想されている。

東京、初雪ない? 記録更新確実 世界の1月気温も最高

2007/02/10 中国新聞ニュース

 暖冬の今年は東京都心でいまだに初雪が降らず、気象庁が明治9(1876)年に観測を始めて以降、初雪が最も遅かった記録(昭和35年2月10日)を更新することがほぼ確実となった。気象庁によれば、16日までの1週間は冬型の気圧配置は弱まり、寒気の流入は長続きしない。予想最低気温などからも降雪はないとみられ、記録は大幅更新の可能性もある。一方、気象庁は9日、世界の1月の平均気温(速報値)を発表。昨年12月に続き観測史上最高だったことが分かった。

 都心での初雪観測が最も遅かった昭和35年は、1月には寒暖の変動があったが、平年よりやや暖かめで、2月以降は記録的な暖冬だった。ユーラシア大陸のシベリア高気圧の勢力が弱く、日本に寒気が流入しにくい状況にあったといわれている。

 今年の暖冬は、太平洋東部の赤道付近の海水温が上昇する「エルニーニョ現象」と、北極圏が寒気を周期的に放出したり蓄積したりする「北極振動」が蓄積期で、寒気が南下しにくいことが主な原因だ。

 気象庁の週間予報では10日の都心の予想最低気温は8度。10日以降の予想最低気温も平年並みか高めで、雪は降りにくい状況。今後、関東地方の上空に冷たい空気が残ったところに、日本の南岸から低気圧が近づくという気象条件になれば、都心に雪が降る可能性が出てくるという。

 「エルニーニョ現象」と「北極振動」などは日本のみならず、世界各地にも「暖冬」をもたらしている。

 気象庁が発表した世界の1月の平均気温は、平年(1971〜2000年の平均)比で0・45度高かった。

 特に北半球を中心に高く、ロシアのヤクーツクは平年より9・2度高い氷点下30・4度(観測史上1位)、モスクワが5・9度高い氷点下1・6度、ベルリンは5・1度高い5・3度、ニューヨークは3・5度高い3・8度。日本も平年より1・44度高く、観測史上4番目の暖かさだった。

 気象庁によると、過去100年で世界の年平均気温は0・67度、日本はこれを上回る1・07度上昇しているという。

新潟市の1月積雪なし 観測記録上初めて

2007/02/01 中国新聞ニュース

 暖冬の影響で、新潟市の1月の積雪が観測記録上初の「なし」だったことが1日、分かった。

 新潟地方気象台によると、1月の平均気温は4・9度で平年に比べて2・3度高かった。同気象台は「積雪なしは、観測の記録が確認できる1891年以来初めて」としている。

 同気象台によると、佐渡市でも1月の積雪は1センチ未満で、記録がある1912年以降、最少。上越市でも、12センチと少なかったという。

 同気象台は、冬型の気圧配置の日が少なく寒気が南下しなかったことや、エルニーニョ現象の影響で南から温かい空気が入りやすかったことが原因とみている。

15地点で気温過去最高 暖冬1月の天候まとめ

2007/02/01 中国新聞ニュース

 気象庁は一日、一月の天候まとめを発表した。エルニーニョ現象などの影響で暖冬となり、月平均気温は十五地点で観測史上最高、月降雪量も青森や秋田、新潟などの豪雪地域を含む十五地点でデータがそろっている一九六一年以降、最少(いずれも過去タイ含む)だった。

 原因について、同庁は (1)エルニーニョによる世界的な大気の対流活動の変動で、日本の南海上で高気圧が発達しやすく日本列島に暖気を送り込んだ (2)北極圏が周期的に寒気の蓄積・放出を繰り返す「北極振動」が、寒気蓄積パターンだったため、日本への寒気の南下が少なかった (3)日本の上空を流れる偏西風の蛇行が小さく寒気が南下しにくかった ―を挙げている。

 平均気温が過去最高だった地点は、北海道の江差、盛岡、秋田、仙台、新潟、津、神戸など。秋田で二・七度と平年比プラス二・八度だったのを最高に、平年より一・七度以上高かった。青森や山形、千葉、大阪、岡山など七地点は観測史上二番目、東京や横浜、名古屋、高知など十七地点は三番目の暖かさだった。

 月間降雪量が最少を記録した十五地点のうち仙台、石巻(宮城県)、新潟、相川(新潟県)、金沢、輪島(石川県)、米子(鳥取県)は「降雪なし」。豪雪地の青森でも、平年のわずか約35%の八八センチにとどまった。北陸全体の降雪量は平年の3%と、六一年以降で最少という。

NYは記録的な暖冬、ハワイ並みで半袖姿も

2007/01/08 NIKKEI Net

 【ニューヨーク7日共同】米北東部は今冬、例年にない暖冬となり、米海洋大気局(NOAA)などによると、ニューヨーク中心部セントラルパークの6日の最高気温は22.2度を観測、1月では最も高かった1950年の記録と並んだ。

 同日午前のハワイ・ホノルルとさほど変わらない暖かさ。本来なら零度前後の日が続くことも珍しくない時期だが、この日は快晴で日差しも強かった。

 観光客が多い5番街を歩く人たちも半袖姿が目立ち、セントラルパークでは上半身裸でジョギングを楽しむ男性の姿も。

 ニューヨークでは初雪もまだ観測されておらず、米メディアによると、1月4日にようやく降った1878年の記録を更新中。暖冬はエルニーニョ現象のためとみられている。

暖冬…NY22度 チベット20度

2007/01/08 The Sankei Shimbun Web-site

 【ニューヨーク=長戸雅子】大西洋から暖気が流れ込んだ影響で6日の米東部各地の気温は最高20度前後まで上昇、ニューヨーク市のセントラルパークでは22.2度と「1月6日」の気温としては統計が残る1800年代後半からの観測史上最高を記録した。1月の気温としては1950年1月26日にも同じ気温が観測されている。

 冬の風物詩となっているロックフェラーセンターのスケートリンクではタンクトップやTシャツ姿の人が水浸しのリンク上を何とか滑る姿が見られた。近くのブライアントパークでは氷を良い状態に保てないとこの日はスケート場を閉鎖した。

 ニューヨークでは昨年11〜12月に1日も雪が降っていないが、これは1877年以来129年ぶりの現象という。通常、この時期の米東部は氷点下まで気温が下がる。

 【北京=福島香織】中国国営新華社通信が7日に伝えたところによると、チベット自治区でここ数日、気温が急上昇し、ラサの元日の最高気温は20.4度と最近では2001年同期の20.5度に次ぐ高温を記録した。1〜4日の平均気温は例年より2度高く、10カ所の気象観測点で1月の過去最高気温を超えた。

AMSR-Eが捉えたエルニーニョ現象の発生

2006年12月26日 地球が見えるby地球観測研究センター

 気象庁は2006年12月11日にエルニーニョ監視速報No.171において「エルニーニョ現象が今秋から発生している可能性が高く、春までは持続する見込みである。」と発表しました。

極端な暖冬はなさそう/来年1−3月、気象庁予想

2006/12/25 SHIKOKU NEWS 四国新聞社

 気象庁は25日、来年1−3月の3カ月予報を発表した。平均気温は北日本で平年並みか高く、東日本以西は高いと予測、雪不足のスキー場などは厳しい状態が続きそうだ。

 秋に発生し、暖冬をもたらすとされる「エルニーニョ現象」は小規模のため、沖縄など南西諸島を除いては極端な暖冬にはならないとみている。

 また北日本はアリューシャン低気圧の影響を受け、暖冬としても程度は軽いと予測している。

 各月の予想は次の通り。

 ▽1月 北・東日本の日本海側は平年より好天の日が多く、太平洋側と西日本は冬晴れの日が少ない。

 ▽2月 北日本は日本海側で曇りや雪、雨の日が、太平洋側は晴れる日がそれぞれ多い。東日本以西は日本海側で平年より晴れる日が多く、太平洋側は曇りや雨、雪の日が多い。

 ▽3月 天気は数日の周期で変わる。

4年ぶりのエルニーニョ現象で日本は暖冬傾向

2006/12/25(資料:12/18産経新聞東京朝刊) エコロジーシンフォニー

 気象庁は異常気象の原因とされるエルニーニョ現象が、この秋4年ぶりに発生し、来春まで続くと予想している。今回は小規模とみているが、世界各地で既に異常気象が発生しており、国内も暖冬の可能性が高そうだ。

 エルニーニョは、南米ペルー沖の太平洋赤道海域で、海面水温の高い状態が長期間、続く現象。暖水域の移動により、平常だとインドネシア付近で発達する積乱雲の位置が東に偏るなど、世界的に大気の対流活動に影響するとされる。

 インドネシアでは少雨に伴う森林火災の煙害で10月、旅客機が着陸に失敗。首都のジャカルタでは8月の降水量がゼロ、10月も11ミリと平年の約10%だった。東南アジア各地で健康被害も出た。

 オーストラリアも干ばつに見舞われ、小麦の生産量が前年比6割減の恐れ。キャンベラでは8〜11月の雨量が計75ミリと平年の約30%で、同国の気象当局は「南東部の降水量は1900年以降、最低水準」としている。

 逆にアフリカ東部では豪雨災害。エチオピアやソマリア、ケニアでは11月だけで計約250人が死亡、180万人以上が被災したという。

 高緯度の日本列島は影響が小さいとみられるが、エルニーニョ発生年は暖冬傾向が強い。この冬も西高東低の冬型の気圧配置が長続きせず「冬晴れ」が多いはずの太平洋側を頻繁に低気圧が通過。今月7-13日の1週間でみると、近畿から九州にかけての太平洋側や四国の大部分で降水量が平年の3倍以上だった。

エルニーニョの影響じわり 世界各地で異常気象

2006/12/17 中国新聞ニュース

 気象庁は異常気象の原因とされるエルニーニョ現象がこの秋四年ぶりに発生、来春まで続くと予想している。今回は小規模とみているが、世界各地で既に異常気象が発生。国内も暖冬の可能性が高そうだ。

 エルニーニョは、南米ペルー沖の太平洋赤道海域で、海面水温の高い状態が長期間、続く現象。暖水域の移動により、平常だとインドネシア付近で発達する積乱雲の位置が東に偏るなど、世界的に大気の対流活動に影響するとされる。

 インドネシアでは少雨に伴う森林火災の煙害で十月、旅客機が着陸に失敗。東南アジア各地で健康被害も出た。ジャカルタでは八月の降水量がゼロ、十月も一一ミリと平年の約10%だった。

 オーストラリアも深刻な干ばつに見舞われ、小麦の生産量が前年比六割減の恐れ。キャンベラでは八−十一月の雨量が計七五ミリと平年の約30%で、同国の気象当局は「南東部の降水量は一九○○年以降、最低水準」としている。

 逆にアフリカ東部では豪雨災害。エチオピアやソマリア、ケニアでは十一月だけで計二百五十人が死亡、百八十万人以上が被災したという。

 高緯度の日本列島は影響が小さいとみられるが、エルニーニョ発生年は暖冬傾向が強い。この冬も西高東低の冬型の気圧配置が長続きせず「冬晴れ」が多いはずの太平洋側を頻繁に低気圧が通過。今月七−十三日の一週間でみると、近畿から九州にかけての太平洋側や四国の大部分で降水量が平年の三倍以上だった。

4年ぶり発生のエルニーニョ現象 日本は暖冬傾向 世界で異常気象

2006/12/18 Iza

 気象庁は異常気象の原因とされるエルニーニョ現象がこの秋4年ぶりに発生し、来春まで続くと予想している。今回は小規模とみているが、世界各地で既に異常気象が発生しており、国内も暖冬の可能性が高そうだ。

 エルニーニョは、南米ペルー沖の太平洋赤道海域で、海面水温の高い状態が長期間、続く現象。暖水域の移動により、平常だとインドネシア付近で発達する積乱雲の位置が東に偏るなど、世界的に大気の対流活動に影響するとされる。

 インドネシアでは少雨に伴う森林火災の煙害で10月、旅客機が着陸に失敗。首都のジャカルタでは8月の降水量がゼロ、10月も11ミリと平年の約10%だった。東南アジア各地で健康被害も出た。

 オーストラリアも干魃(かんばつ)に見舞われ、小麦の生産量が前年比6割減の恐れ。キャンベラでは8−11月の雨量が計75ミリと平年の約30%で、同国の気象当局は「南東部の降水量は1900年以降、最低水準」としている。

 逆にアフリカ東部では豪雨災害。エチオピアやソマリア、ケニアでは11月だけで計約250人が死亡、180万人以上が被災したという。

 高緯度の日本列島は影響が小さいとみられるが、エルニーニョ発生年は暖冬傾向が強い。この冬も西高東低の冬型の気圧配置が長続きせず「冬晴れ」が多いはずの太平洋側を頻繁に低気圧が通過。今月7−13日の1週間でみると、近畿から九州にかけての太平洋側や四国の大部分で降水量が平年の3倍以上だった。

                ◇

【用語解説】エルニーニョ現象

 太平洋赤道海域を吹く東風の貿易風が弱まって、海面付近の暖かい海水が西に吹き寄せられなくなり、東側のペルー沖で海面水温が高くなる現象。気象庁では、ペルー沖で海面水温の5カ月移動平均(当該月とその前後2カ月の平均)が基準値(前年までの30年の平均)より0・5度以上高い状態が6カ月以上続いた状態と定義。来春にエルニーニョと正式認定されれば4年ぶり。エルニーニョはスペイン語で「男の子」の意味で、ペルーの漁師が同現象をこう呼んだのが由来。

欧州“異変” アルプス積雪3分の1、1300年ぶり暖冬

2006/12/14 Iza

 アルプス地方が「1300年ぶりの暖冬」(オーストリア気象・地球力学中央研究所)に見舞われている。欧州では2003年に酷暑で約3万人が死亡、今秋も平均気温が例年よりも上昇するなど異常気象が続いており、専門家は温室効果ガスがもたらす“異変”として、警鐘を鳴らしている。

 夏の間、連日の雨で冷え込んだパリの天気が、秋に入って一変した。9〜11月と好天が続き、例年の平均気温は約11度なのに、今年は2・9度も高く、フランス気象庁による記録が始まった1950年以来、最も暖かな秋になった。ドイツでも9〜11月の3カ月間の平均気温は例年を3・2度上回る12度を記録、12月に入っても欧州各地で暖かな日が続いている。

 欧州南部の大山脈、アルプス地方の雪不足は深刻だ。国連などによれば、積雪は例年の3分の1程度。スイスには約200カ所のスキー場があるが、11日時点で全面滑走可能な所は皆無で、開業できないスキー場もある。ホテルの予約状況も不調で観光業者は悲鳴を上げている。南西部ジュネーブでは栗の木が季節はずれの花を咲かせた。

 スキーのワールドカップ(W杯)も中止が相次いでいる。13日にも、20日にフランス・ラプラーニュで予定されていたフリースタイルW杯デュアルモーグルの中止が決定。気温が下がらない限り、頼みの人工降雪機も役に立たない。

 AP通信によると、英国民は「1659年以来の暖かい秋」を過ごした。スウェーデンでは秋の風物詩キノコ狩りがまだ行われている。ローマでは半袖シャツ姿の市民が目につく。欧州全体でみても、冬服の売り上げが伸び悩んでいる。

 異常気象は野生動物にも重大な影響を与えている。ドイツ誌シュピーゲルによれば、ロシア西部の山間地帯では土が湿ってぬかるみ、クマなどの冬眠の妨げになっているという。(パリ 山口昌子、ワルシャワ 黒沢潤)

米ハリケーン、今年は静か エルニーニョで

2006年12月03日 中国新聞ニュース

 【ワシントン30日共同】米海洋大気局(NOAA)は30日、今年6−11月のハリケーンシーズンに大西洋で発生したハリケーンは5個で、平年の6個を下回ったと発表した。米本土への上陸はゼロだった。

 台風並みの熱帯暴風雨とハリケーンを合わせても計9個で、大被害を引き起こした「カトリーナ」が発生し、観測史上最多を記録した昨年の計28個と比べると、一転して静かな年になった。

 NOAAによると、東太平洋の赤道付近の海水温が高くなるエルニーニョ現象が今年9月ごろから進行しつつあるのが原因。通常はハリケーン発生が多いカリブ海上空で空気が下降し、ハリケーンが発生しにくい環境になったという。

 NOAAは事前には8−10個のハリケーン発生を予測し警戒していた。

エルニーニョ発生の恐れ 気象庁、小規模の予想

2006年11月10日 中国新聞ニュース

 気象庁は10日、南米ペルー沖の太平洋赤道海域で海面水温が高くなり、世界的な異常気象をもたらすとされる「エルニーニョ現象」が、この秋から冬にかけて発生する可能性が高いとの監視速報を発表した。

 発生が確認されれば、2002年夏−03年初め以来。1997年春−98年春には「20世紀最大」とされるエルニーニョが観測された。同庁は、今回の規模は小さくなるとみている。

 エルニーニョは、同海域上空を吹く貿易風(東風)が弱まって、西側のインドネシア近海の暖かい海水が東に広がり、南米沖で海面水温の高い状態が長期間続く現象。大気の対流活動に影響し、世界的な異常気象を引き起こす恐れがある。日本列島には暖冬や、西日本を中心とした冷夏などをもたらす傾向がある。

 同庁によると、ペルー沖のエルニーニョ監視海域では10月の平均海面水温が基準値(前年までの30年間の平均)より0・9度高かった。水温は9月ごろから高い状態が続いており、少なくとも冬いっぱい続く恐れがあるという。

 97−98年のエルニーニョでは、東南アジアなどが高温、干ばつに見舞われ、インドネシアの大規模な森林火災が深刻な大気汚染をもたらした。逆に南米北西部やアフリカ東部は大雨、洪水で多数の死者が出た。

今冬はエルニーニョ現象の可能性

2006.09.22 中央日報 姜讃秀(カン・チャンス)記者

今冬にはエルニーニョ現象が発生し、気象異変が起こる可能性がある。

気象庁は21日、「今冬はエルニーニョ現状の発生で韓国は冬季の気温が平年に比べて高くなり、気温の変動幅が大きくなるなど、気象異変が起こる可能性が高い」と明らかにした。

気象庁は「5月以降、太平洋赤道付近の海水面の温度が平年に比べて0.5−1.5度高い状態が続いている」とし、「外国の機関もほとんどがこうした高水温状態がエルニーニョに発達し、来年上半期まで続くと予測している」と付け加えた。

気象庁は特に「エルニーニョ現象は韓国の冬季の気象に影響を及ぼし、気象災害を起こす可能性があるため、この冬には注意が必要」と強調した。

エルニーニョ現象始まる、来年初めまで続く可能性

2006年09月14日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ワシントン=増満浩志】米海洋大気局(NOAA)は13日、東部太平洋の赤道域で海水面の温度が上がる「エルニーニョ現象」が進行していると発表した。

 現在の弱い状態から冬までに中程度へと強まる可能性があり、来年初めまで続きそうだという。

太平洋でエルニーニョ現象、07年まで続くと NOAA

2006.09.14 CNN/REUTERS

 ニューヨーク──米海洋大気局(NOAA)の気象予想センター(CPC)は13日、太平洋の赤道付近で海水温が上昇する「エルニーニョ現象」を確認したと発表、2007年初めまでこの傾向が続くと予測した。

 CPCによると、エルニーニョ現象の影響で、カナダ西部と中部、米国西部と北部で、今冬の平均気温が平年より高くなることが予想されるという。

 また、インドネシアとマレーシア、フィリピンの各国で過去30日間、平年より乾燥した気候が続いているのは、エルニーニョ現象によって説明できるとしている。

 さらに、このエルニーニョ現象の影響で、今年大西洋で発生するハリケーンの数が、予想よりも少なくなっているという

エルニーニョ監視速報(No.168)

平成18年09月11日気象庁 地球環境・海洋部

 太平洋赤道域の海水温等の2006年8月の状況、及びエルニーニョ監視海域(北緯5度〜南緯5度、西経150度〜西経90度)の海面水温の今後の見通し(2006年9月〜2007年3月)は、以下の通りである。

 太平洋赤道域の海面水温は、中部から東部にかけて平年より高かった。海洋表層(海面から深度数百mまでの領域)の水温は、西部から中部にかけて正偏差だった。太平洋赤道域の対流活動はニューギニア島東方で活発だったことを除き、ほぼ平年並だった。

 エルニーニョ監視海域の海面水温は秋から冬にかけて一時的に基準値よりやや高い値となることはあるものの、概ね基準値に近い値で推移すると予測され、エルニーニョ現象が発生する可能性は低い。

エルニーニョ監視速報(No.166)

平成18年07月10日 気象庁 地球環境・海洋部

 太平洋赤道域の海水温等の2006年6月の状況、及びエルニーニョ監視海域(北緯5度〜南緯5度、西経150度〜西経90度)の海面水温の今後の見通し(2006年7月〜2007年1月)は、以下の通りである。

 太平洋赤道域の海面水温は、日付変更線以西で平年より高く、以東で平年並だった。海洋表層(海面から深度数百mまでの領域)の水温は、西部および中部で正偏差だった。太平洋赤道域の対流活動は西部で平年より活発だった。

 エルニーニョ監視海域の海面水温は今後基準値に近い値で推移すると予測され、予測期間中にエルニーニョ現象およびラニーニャ現象の発生する可能性は低い。

ラニーニャ現象の終息

2006年06月29日 地球観測研究センター

 「AMSR-Eが捉えたラニーニャ」で紹介したラニーニャ現象が終息しました。  気象庁は6月9日に「今回のラニーニャ現象はこの春に終息したと考えられる。」と発表しました。

寒いはず?ラニーニャ発生の可能性…今夏は猛暑か

2006年02月10日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 気象庁は10日、ラニーニャ現象が発生する可能性が高いと発表した。

 ラニーニャは、南米・ペルー沖の海水面温度が平年より0・5度以上低い状態が半年以上続く現象のこと。

 地球全域の気象に影響を与えることが知られ、観測されると、冬は寒く、夏は暑くなる傾向がある。1949年以降、11回発生している。

 ペルー沖の赤道海域の海水面温度は、昨年11月から低くなっており、今冬の寒波の一要因となった可能性がある。

ペルー沖でラニーニャ現象 ハリケーン、今年も多め?

2006年02月04日 asahi.com

 米海洋大気局(NOAA)は2日、南米ペルー沖の赤道域の太平洋で海面水温が例年より低い「ラニーニャ」現象が発生したと発表した。ラニーニャが起こった年は一般に、夏にハリケーンの発生が増えるとされる。NOAAは、夏への影響については「確実なことを言うには時期尚早」とし、監視を続けるという。

 ペルー沖の太平洋の海面水温が上昇する「エルニーニョ」とは逆の現象。NOAAによると、海面水温は今年に入ってから、例年より最大で1.1度ほど低くなっており、今春末か夏まで続く可能性が強い。ラニーニャの発生は00〜01年以来だという。

 ラニーニャやエルニーニョが発生すると世界中の海面水温が変化し、地球規模で気候に影響がでる。仕組みは未解明の部分が多いが、過去の例では、北大西洋で発生するハリケーンはラニーニャの年に増え、エルニーニョの年には減る傾向がある。日本でもエルニーニョの年は一般に台風の発生が少なめとされる。

 米国では昨年、観測史上最多となる15個(事後認定を含む)のハリケーンが発生。昨年はラニーニャもエルニーニョも発生していなかったが、ハリケーン発生海域の北大西洋で海面水温が例年より高かったことなどが原因だという。

ラニーニャ発生発表、大型ハリケーン予想も

2006.02.03 CNN/AP

 アトランタ──米海洋気象局(NOAA)は2日、太平洋の温度が南米沖で低下するラニーニャ現象の発生を確認したと発表した。ラニーニャ発生は2000年─01年以来という。

 NOAA関係者が当地で開かれた米気象学会の会合で語ったところによると、ここ3カ月でジェット気流が変化し、太平洋の数カ所で海水温度が低下したことが観測された。ラニーニャは春の終わり頃まで続くと予想されているが、夏まで続くとの指摘もある。関係者は、今年のラニーニャによる具体的な影響を予想するのは時期尚早と述べ、ラニーニャ観測史が50年前後にとどまっていることを指摘した。

 関係者はその一方、大西洋で従来より大型のハリケーン発生が予想されていることを明らかにした。ハリケーンが発生しやすい気象条件は、10年以上続くとみられている。

 ラニーニャの影響では通常、インドネシア全国やオーストラリア北部、アマゾン川流域、アフリカ南東部で降水量が増加する反面、赤道太平洋の東半分や赤道アフリカの東半分では降水量が減少する。

太平洋でラニーニャ発生 米海洋大気局発表

2006/02/03 The Sankei Shimbun

 米海洋大気局(NOAA)は2日、南米ペルー沖の太平洋赤道付近で海面温度が低下するラニーニャ現象が発生したと発表した。

 同じ海域の水温が上昇するエルニーニョと逆の現象で、NOAAが採用する基準によると、2000年から01年にかけて発生して以来。

 ラニーニャは、冬場の東南アジアやブラジルなどに降水量の増加をもたらし、夏季には大西洋でのハリケーン増加につながることが多い。

 米国には04、05年と連続で超大型ハリケーンが相次いで上陸、深刻な被害をもたらしたため関心が高いが、NOAAは「現時点で今年のハリケーンへの影響を予測するのは困難だ」としている。(共同)

天気いっぱい:南米沖に注目!ラニーニャ /福岡

2006年01月29日 毎日新聞〔福岡都市圏版〕Mainichi INTERACTIVE

 「ラニーニャ現象」という言葉を聞いたことがあるだろうか。南米ペルー沖の海水温が高くなり、世界中に異常気象をもたらす「エルニーニョ現象」はよく知られているが、こちらはエルニーニョの逆でペルー沖の海水温が低くなる現象だ。ラニーニャも少なからず地球規模で異常気象をもたらすとされ、日本では猛暑、寒冬になりやすいといわれる。

 実は、昨秋からペルー沖の海水温が下がり続けている。平年の海水温より0・5度以上低い状態が半年続くと、晴れて?「ラニーニャ現象」と認定されるが、既に2カ月となる。この現象の影響が地球全体に伝わるのには時間がかかるが、今冬の寒さを経験すると、既に影響が出たのでは……と思ってしまう。今年の天候を占う上でも、南米沖から目が離せない。【気象予報士・鮫島弘樹=本社写真記者】

 <サメちゃんメモ>

 エルニーニョとラニーニャは4年くらいの周期で交互に発生することが多い。最近では02年にエルニーニョが発生しているので今度はラニーニャの番となるが、今回の低温がいつまで続くかは分からない。

海温上昇 凶暴化する嵐

2006年01月23日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 「高波が市内まできた」「屋根が吹き飛ばされている」。大型ハリケーン「リタ」の上陸が近づいた昨年9月末、米テキサス州ヒューストン沿岸の暴風雨の中を、屋根に風速計や気圧計を満載した白い四輪駆動車が走った。米国の科学者やボランティアが7年前に設立した非営利組織「対ハリケーン研究チーム(HIRT)」の観測車だ。上陸する全ハリケーンを追跡し、観測データや生々しい映像をネットで陸軍やテレビ局、電話会社などに生中継する。

 ◆レベル4頻発

 米国には昨年、「レベル5」の超大型ハリケーンが次々と襲った。8月末の「カトリーナ」直撃前後で、米海洋大気局(NOAA)のハリケーン情報サイトへのアクセスが4倍に膨れ上がるなど、気象災害情報への需要の高まりが、HIRTの事業を支える。マーク・サダス代表(35)は「10年以上ハリケーンを監視してきたが、年々激しさを増すばかりだ」と異変を感じ取る。

 路上に放置された船、がれきに埋もれた車――カトリーナは死者1300人、千数百億ドルの経済損失など歴史的な被害を出した。ルイジアナ州ニューオーリンズ市にはいまも荒涼とした光景が残る。

 地球全体で暴風雨は巨大化していることが昨年9月、米ジョージア工科大などの研究で明らかになった。台風、ハリケーン、サイクロンなど「レベル4」(風速58メートル以上)以上の大型熱帯低気圧の年間発生数が、90年代(18個)は70年代(10個)の倍近くに増えており、ピーター・ウエブスター同大教授は「海温の上昇で凶暴な嵐ができやすくなった」と指摘する。気象庁の「異常気象レポート2005」によると、世界の海面温度はこの1世紀、平均0・48度上昇。ハリケーンを生む北大西洋の上昇は95年以降、特に著しい。

 ◆人為的原因?

 海温上昇は人為的な温暖化によるのだろうか。ウエブスター教授は「判断にはさらにデータの蓄積が必要」と慎重だが、浅井冨雄・東大名誉教授は「個々の現象を温暖化に結びつけるにはデータ不足だが、世界的な海温上昇は人為的な原因が大きい」と指摘する。

 04年、日本は過去最多の10個の台風が上陸、9月の台風18号は、全国で死者・行方不明者45人、損害額2700億円の被害を出した。韓国(02、03年)、フィリピン、台湾、中国(04年)など、アジア各国でも台風被害は目立つ。国際赤十字社によると、03年までの10年間に世界の気象災害発生数は68%増加している。

 04年3月、ブラジル沖の南部大西洋では観測史上初めての大型熱帯低気圧が発生、「カタリーナ」と名付けられた。ブラジルに上陸し、家屋500棟が倒壊、死者も出した。同国気象予報・気候研究センターのホセ・マレンゴ博士は「地球温暖化による異常気象の一つかもしれない」と報告している。

 季節はずれの12月に発生した05年27番目の熱帯低気圧「ゼタ」は、今月上旬に消えるまで北大西洋をさまよっていた。米海洋大気局の予測はこう警告する。

 「06年もハリケーンの上陸数は多い」


ハリケーン発生ついに14個目、史上最多を更新

2005年12月03日 読売新聞

 【ワシントン=笹沢教一】米海洋大気局(NOAA)は2日、大西洋中部で発生した熱帯暴風雨イプシロンがハリケーンに発達したと発表した。今季14個目のハリケーンで、史上最多をさらに更新した。

 ハリケーン観測期間は6〜11月で、観測期間を過ぎた後でのハリケーン発生は異例。これまでの観測期間中のハリケーンの記録は1969年の12個。また、同期間中の熱帯暴風雨も今年は26個で、33年の21個を抜き最多となっている。

 同局は近年の海面温度の上昇傾向から見て、来年も多くのハリケーンや熱帯暴風雨が発生するとの見通しを示している。

エルニーニョ監視速報(No.159)

平成17(2005)年12月12日 気象庁

 太平洋赤道域の海面水温は、東部の負偏差が強まった。海洋表層(海面から深度数百mまでの領域)の水温は、西部で正偏差、東部で負偏差が見られた。太平洋赤道域の大気下層では西部を中心にほぼ全域で東風偏差が卓越した。

 エルニーニョ監視海域の海面水温は、今冬は基準値(1961〜1990年の30年平均値)よりやや低い値で推移し、その後春にかけて基準値に近づくとみられる。予測期間中にエルニーニョ現象やラニーニャ現象が発生する可能性は低い。

今年24個目、カリブ海で熱帯暴風雨「ガンマ」発生

2005年11月19日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ニューヨーク=大塚隆一】中米カリブ海のホンジュラス沖で18日午後(日本時間19日午前)、台風に相当する熱帯暴風雨が発生し、「ガンマ」と命名された。

 今後、徐々に勢力を強め、米フロリダ半島に向かう恐れもあるという。

 大西洋北部で今年生まれた熱帯暴風雨は24個目。年間最多発生記録だった1933年の21個をさらに更新した。

大西洋でも ラニーニャ現象?ハリケーン「カトリーナ」大型化

2005年09月05日 (日本経済新聞) byケーアイ工業WebSite

東大研究者が指摘

 米国南部を襲ったハリケーン「カトリーナ」が強大になったには、大西洋版の「ラニーニャ現象」が起きたことが影響している??。こんな説を、東京大学の山形俊男教授が提唱している。太平洋で起きるラニーニョ現象は西部の海水温が上昇し、異常気象をもたらすが、今回大西洋も西部で海水温が高くなり、ハリケーン発達要因になったと説明している。

 山形教授によると、北太平洋の西部熱帯域に暖水がたまる一方、大西洋東部のアフリカ・ギニア湾沖で冷水がわく状態が通常よりも強いという。山形教授は「西太平洋に暖水がたまり、ペルー沖で冷水がわく現象が強まるラニーニャとよく似ている」という。暖水はカリブ海からメキシコ湾に広がっており、カリブ海の水温は平年に比べて1?1.5度高く、ハリケーンが発達しやすくなったという。さらに、海水温の上昇の影響がニューオリンズ付近の海域を暖めることにつながり、ハリケーンが衰えにくくなったとみられる。

 最近まで中央部太平洋で水温が高まる現象が続いていた。これによって大西洋のほうからふき込む貿易風が強まり、大西洋にラニーニャのような現象を起こした可能性がある、と山形教授は指摘している。

 <ラニーニャ現象>

 異常気象につながる大気・海洋現象の一つ。東太平洋の赤道付近で海水温が平年より高くなるエルニーニョ現象が有名だが、反対に海水温が下がるのがラニーニャ現象。

 赤道付近を東から西に吹く貿易風が強まってペルー沖の暖かい海水を押し流し、西太平洋側の海水温が上がる。ラニーニャ現象が起きると、米国は干ばつに、東アジアは大雨になりやすいとされる。


今秋、エルニーニョ発生か 米海洋大気局が発表

2004/08/20 The Sankei Shimbun
 
 米海洋大気局(NOAA)は19日、今年の秋から来年にかけ、小規模なエルニーニョが発生する可能性があると発表した。

 エルニーニョは、太平洋赤道域の中央部から南米ペルー沖にかけて海面温度が上昇する現象で、世界各地の異常気象の原因になる。前回は2002年3月から昨年5月まで続き、欧州の豪雨、オーストラリアの干ばつなどをもたらしたとされる。

 NOAAによると、太平洋中部の赤道付近で既に海面温度の上昇が観測されている。これまでの観測結果からNOAAは、海面温度が今年、上昇する範囲は、太平洋中部など比較的狭い範囲にとどまるとの見方を示している。(共同)

エルニーニョの可能性低い 気象庁が監視速報

2004/08/10(共同通信)YAHOO! NEWS
 気象庁が10日発表したエルニーニョ監視速報によると、太平洋東部の赤道域で海面水温が今後、一気に上昇することはないとみられ、来年2月までにエルニーニョ現象が発生する可能性は低いとの見通しとなっている。

 エルニーニョは赤道海域を東から西に吹く貿易風が弱まり、ペルー沖の暖かい海水が西に運ばれずに水温が高い状態が続く現象。世界中に異常気象をもたらすとされる。

 発表によると、太平洋の赤道域で今年7月前半に貿易風が弱まり、海面水温が上昇。しかし、7月下旬には貿易風が強くなり、水温の上昇が弱まりつつある。ただ今後の大気、海洋の状況には十分な注意が必要という。

 気象庁は「米海洋大気局はエルニーニョが今後発生する可能性を明らかにしているが、もう少し状況をみる必要がある」としている。

今後の見通し(2003年7月〜2004年1月)

2003年07月14日 海況・エルニーニョ by気象人
 6 月の太平洋赤道域の海面水温は、中部から西部にかけて5月よりも正偏差域が拡大し、東部では負偏差域が縮小した。6 月の監視海域の海面水温の基準値との差は-0.2℃となり、5 月の-0.6℃ より0.4℃ 増大した。太平洋赤道域東部の海洋表層においても、5月に見られた水温の負偏差の強まりは、6 月末にはほぼ解消した。

 太平洋赤道域中部の海洋表層では水温の正偏差域が東進しており、この正偏差域が東部に達することにより、今後監視海域の海面水温はさらに基準値に近づくあるいは上回る可能性がある。しかしながら、基準値との差が徐々に減少してきた昨年末以来の傾向を考慮すると、たとえ海面水温が基準値より高い状態となっても、それが持続する可能性は小さい。

 エルニーニョ予測モデルは、予測期間中、監視海域の海面水温が基準値より低めながら基準値に近い値で推移すると予測している。また、過去の統計によると、監視海域の海面水温の基準値との差は夏から秋にかけて持続する場合が多い。

 以上のことから、監視海域の海面水温は、夏から秋にかけて基準値より低めながら基準値に近い値で推移する可能性が高い。

穀物

2003/6/30 1204号 by株式会社 商品データ
 (略)

 気象学者のなかには『ラニーニャ現象の影響で、従来通りに7月第2週には高温乾燥気候が到来する』と予想しているが、一部には『8月に入ってから高温乾燥到来の可能性が高まる』としており、この場合はトウモロコシよりも大豆に影響をあたえる。

 (略)

ラニーニャの兆候なし 気象庁

2003年05月12日 The Sankei Shimbun
 気象庁は12日、南米ペルー沖のエルニーニョ監視速報を発表した。昨春発生したエルニーニョが終息したのは確定的で「ペルー沖の海面水温が低くなるラニーニャにつながる兆候もない」としている。

 監視速報によると、ペルー沖の東部太平洋赤道海域では4月の海面水温が平年値に戻り、昨年末ごろまで弱かった貿易風も平年並みに戻りつつある。

 過去にはエルニーニョ終結直後にラニーニャへとつながった例も多いが、気象庁は「ペルー沖海域の水温はとても安定しており、今後数カ月間で水温が急に低下するような兆候は見られない」としている。

 エルニーニョは赤道海域を吹く東風の貿易風が弱まってペルー沖の暖かい海水が西に運ばれず、水温が高い状態が続く現象。逆の現象をラニーニャと呼び、どちらも世界中で異常気象をもたらすとされる。


エルニーニョ現象ほぼ終息 半年先までは平常と気象庁

2003年04月10日asahi.com
 昨春発生したエルニーニョ現象について、気象庁は10日、「ほぼ終息した」と発表した。同庁が予測している半年先までは平常の状態が続きそうだという。

 エルニーニョは、南米沖から日付変更線付近の赤道域で海面水温が高い状態が続く現象で、世界的に異常気象を招く恐れがある。同庁によると、この海域の3月の水温が昨年4月以来、11カ月ぶりに基準値(90年までの30年間平均)並みに戻った。エルニーニョとは逆に水温が低くなって気候に影響を及ぼす「ラニーニャ」現象も発生する兆しはないという。

やっぱり「寒い冬」でした 気象庁の気候統計値

2003年03月03日 The Sankei Shimbun
 気象庁は3日、今冬(2002年12月−2003年2月)の気温、降水量などをまとめた気候統計値を発表した。

 当初はエルニーニョの影響で暖冬と予想したが、北日本(北海道、東北)は平年より寒さが厳しく、東日本、西日本も平年並みの寒い冬となり、気温が高かったのは南西諸島だけだった。

 統計値によると、北日本の平均気温は平年より0・6度低く、北海道東部では1度以上低かった。九州や南西諸島では平年よりやや高い地点が多かった。

 降水量は東海や近畿などを除き少ない地点が多く、東北南部、北陸、関東北部などは平年の40%以下に。平年の10%以下だった浦河(北海道)など10地点は雨、雪が観測史上最も少ない冬となった。

 降雪の深さは松本、軽井沢(長野)で過去最大となったが、ほぼ全国的に平年並みか、少なめだった。

 気象庁観測課によると、1980年代末から2000年までの冬はおおむね暖冬だったが、この3年は、はっきりした傾向がみられなくなってきたという。

エルニーニョの影響で海水温度や海面が上昇

2002年12月17日 The Sankei Shimbun
 発達中のエルニーニョのため、太平洋の赤道域の海水温度が上昇、海面が高くなっている様子を米航空宇宙局(NASA)の人工衛星が16日までにとらえた。

 NASAが昨年12月に打ち上げた海洋観測衛星「ジェイソン」の今年12月2日の観測データを解析した結果、太平洋の赤道域の広い範囲で、海面が通常より約10センチ、場所によっては14〜32センチも高くなっていることが分かった。

 エルニーニョによる温度上昇で海水が膨張したためで、赤道域の温度は通常より1・5〜2・5度高くなっているという。

 一方、北部太平洋でも、気温などがエルニーニョより長い20〜30年周期で変動する現象の結果、海水温度が上昇していることが分かった。  NASAは「これらの広い範囲にわたる海水温度の上昇が、各地に異常気象をもたらしている可能性がある」としている。(共同)

やっぱり…気象庁訂正 「暖冬」は1月以降

2002年11月29日 The Sankei Shimbun
 
 20日に「今冬は北日本を除き暖冬」との長期予報を発表していた気象庁は29日、予報の12月の気温に関し「北日本は平年並み、ほかは平年より高め」としていた部分を「北日本は低く、他は平年並み」と修正した。

 同月中旬に当初の予想より強い寒気が南下する見込みとなったためで、東日本以西の暖冬は年明け以降となりそうだ。

 気象庁によると、11月の低温傾向はいったん弱まり、12月の第1週は寒さが和らぐが、2週目には強い寒気が南下し、全国的に冷え込む見込み。

 同庁は「冬を通じての見通しは変わらないが、12月は暖冬とは呼べない寒さになりそうなので部分修正した」としている。

エルニーニョ来春も続く 気象庁

2002年11月11日 The Sankei Shimbun
 気象庁は11日、ペルー沖で発生中のエルニーニョ現象について「さらに本格化しており、少なくとも来年5月までは続く」とする監視速報を発表した。

 同庁によると、赤道海域の表層水温が日付変更線をはさんで東側で平年より高く、西側で低くなるなど、エルニーニョの最盛期前後に特徴的な傾向が見られるという。

 監視速報によると、ペルー沖の海面水温は10月、平年より1・1度高く、貿易風の強さも3月以降弱い傾向が続いている。海面水温は今後も平年より1度前後高い状態が続く見通し。

 エルニーニョは貿易風が弱まってペルー沖の暖かい海水が西に運ばれず、水温が高い状態が続く現象。大気の対流活動に影響し、世界的な異常気象につながるとされる。

 今年夏からオーストラリア周辺でエルニーニョの影響とみられる干ばつが続いており、同庁は「東日本以西が暖冬になるなど、日本の気候への影響も次第に強まる」とみている。

「秋の寒さはエルニーニョが原因」

2002.10.24(木) 朝鮮日報
 ここ10年間あまり“暖冬”が続いている中、今年は異例的に10月下旬から例年にない寒さが全国を襲っている。

 気象庁は「24日午前、江原(カンウォン)南部の寧越(ヨンウォル)地方に初雪が観測された」とし、「これは昨年、太白(テベク)に降った初雪よりも11日程度早い」とした。

 これに先立ち、今月22日には昨年より11日早くソウルに初霜が降った。気象庁は24日まで全国32カ所の観測所で初氷が観測されたが、このうち20カ所は例年(ここ30年間)より1〜16日早いものだとしている。

 気象庁は中太平洋で観測されているエルニーニョが今回の寒さの原因だと分析している。気象庁の朴正圭(パク・ジョンギュ)気候予測課長は「86年と91年にも10月中旬以降、1カ月程度例年より2〜3度低い気温が続いたことがある」とし、「この時も今年と同じような形態のエルニーニョが観測された」と説明した。

 中太平洋の海水面の温度が異常に上昇することによって放出されるエネルギーが、北太平洋に高気団を形成し、その裏側にある韓半島付近に形成された大きな気圧の谷の間から冷たい空気が流れ込んでいるという。

 気象庁はしかし、「冬が既に始まったのではないか」という反応には否定的だ。エルニーニョの中心部が中太平洋から東太平洋に移動しており、11月下旬には現在の気圧の配置も共に東側に移動するため、寒さは弱まると見通しているためだ。

 気象庁は「11月下旬には中国内陸側の高気圧帯が韓半島に移動し、例年よりも気温の高い日が続く可能性がある」とした。 李ジヒョン記者

今年は「暖冬」予報 山口除く中国地方

2002/10/11 中国新聞
 広島地方気象台は十日、山口県を除く中国地方の十一月から来年三月にかけての予報を発表した。十二月から二月の冬期の平均気温は、平年に比べて高くなる確率が50%と、暖冬になる可能性が強いという。

 冬の気温が平年に比べて低い確率は10%、平年並みになる確率は 40%、と予報している。

 十一月は、天気が周期的に変わり、気温、降水量とも平年並み。十二月から三月にかけて、冬型の気圧配置は長続きしない見込み。山陽側では、平年に比べて曇りや雨の日が多く、山陰側の降雪量は少ないという。

エルニーニョが太平洋東部で本格化、暖冬の傾向か

2002年09月10日 Yomiuri On-Line
 気象庁は10日、今年の春先から始まったとみられるエルニーニョ現象が本格化し、来年2月まで続くとの予測を発表した。太平洋東部の赤道付近で、海面水温が平年より高い状態が続くエルニーニョ現象は、異常気象をもたらすとされ、インドネシアやオーストラリア、インド西部では、同現象の影響とみられる少雨傾向が続いている。

 日本について、同庁は「今夏は顕著な影響はみられなかった」としているが、本格化した状態が続けば、今冬は影響を受ける可能性があり、暖冬になる傾向が強いとしている。

秋にはエルニーニョの影響も 気象庁3カ月予報

2002年07月22日The Sankei Shimbun
 気象庁が22日発表した8−10月の3カ月予報によると、期間を通じた平均気温はほぼ全国的に平年並みの見込みだが、9月には南米ペルー沖で発生中とみられるエルニーニョ現象の影響などで西日本、南西諸島で低めになりそうだ。

 ただし8月の暑さ、9月前半の残暑は全国でほぼ平年並みで、気象庁は「エルニーニョの影響は一部を除けばさほどではない」と予測している。

 同庁によると、7月以降の気温は台風の連続上陸にもかかわらず、ほぼ全国的に高め。この傾向は当分続く見通しだが、エルニーニョの年は夏と秋に西日本が低温になりやすいという統計もあるため、影響を考慮に入れたという。

 各月の予想は次の通り。

 ▽8月 晴れの日が多いが、一時的に寒気の影響で不安定になり曇りや雷雨も。気温、降水量は全国で平年並み。

 ▽9月 天気は周期的に変わり、ぐずつく時期がある。気温は北日本、東日本で平年並みで、西日本、南西諸島は低い。

 ▽10月 天気は周期的に変わる。気温、降水量は平年並み。

エルニーニョ:5年ぶり発生 気象庁発表

2002年07月10日 Mainichi INTERACTIVE
 気象庁は10日、太平洋・南米ペルー沖の海面水温が上昇していることを受け、異常気象の一因とされる「エルニーニョ現象」が発生した、と発表した。97年春以来5年ぶりの発生となるが、今のところ、天候に影響はみられていない。同庁は、今後も海面水温が基準値(61年から30年間の平均値)より1度前後高い状態が続くと予想しており、「エルニーニョ現象の初期段階」として推移を注視している。

 同庁によると、ペルー沖の6月の海面水温は基準値を0・9度上回り、6カ月連続で上昇した。太平洋赤道域では6月に入り、1度以上高い海域が東に拡大している。大気にまだ大きな変化は表れていないなど、推移を見守る必要があるが、同庁は「エルニーニョ現象は既に発生したとみている」と総合判断した。

 エルニーニョ現象に見舞われた93年夏は記録的な冷夏となったが、今のところ気温は平年並みか高めで推移しており、8月も平年並みの暑さと予想している。 【前田英司

「エルニーニョ早いかも」気象庁

2002年06月10日The Sankei Shimbun
 気象庁は10日、今夏後半から秋以降に発生する可能性が高いとみていたペルー沖の「エルニーニョ」現象の発生時期が夏前半にも早まる可能性がある、との監視速報を発表した。5月下旬から赤道海域の貿易風が急激に弱まり海水面温度が上昇したためで、同庁は「この傾向が続けば発生時期は早くなる」としている。

 気象庁は3月に、エルニーニョの発生時期を「今夏」と予想。5月には「夏以降に遅れそう」と修正していた。

 同庁によると、ペルー沖の東部太平洋赤道海域では5月の海面水温が平年より0・6度高く、平年との水温差は拡大している。4月までは平年並みだった貿易風の強さが、5月下旬までに弱まり、海の表層で気温が上昇する傾向も4月に比べ強まったという。

 エルニーニョは貿易風が弱まって、ペルー沖海面の暖かい海水が西に運ばれず、水温が高い状態が続く現象で、大気の対流活動に影響。世界的な異常気象につながり、日本では冷夏や暖冬をもたらす恐れがある、とされている。

今年は「夏らしい夏」 気象庁が3カ月予報

2002年05月20日The Sankei Shimbun
 気象庁は20日、夏(6−8月)の3カ月予報を発表した。3カ月を通じた平均気温は全国的に平年並みになると予測。梅雨の降水量は平年並みで、7、8月は暑い日が多い「夏らしい夏」になりそうだ。

 今年は、冷夏をもたらすとされるペルー沖のエルニーニョ現象が発生するとみられているが、同庁は発生時期が夏以降で規模も大きくないと予測。夏の気温への影響は小さいと判断し「太平洋高気圧の勢いは平年並みで、平年並みに暑くなる」とみている。

 梅雨入り、梅雨明けについては「はっきりした判断材料がない」として時期を示さなかった。

エルニーニョ発生は夏以降?

2002年05月10日(読売新聞)YAHOO!ニュース エルニーニョ現象

 気象庁は10日、世界の天候に影響を及ぼすエルニーニョ現象が「夏以降」に発生する可能性が高いとの見通しを発表した。これまでは夏に発生するとしていたが、太平洋の赤道上を西向きに吹く貿易風が十分に弱まっておらず、発生時期がずれるとみられる。

 エルニーニョ現象が夏に発生すると、冷夏で東日本や西日本では雨が多くなる傾向となる。今夏の日本の気温への影響については、ほかの条件も絡み合うことから、「平年並み」との予測を変えていない。

今夏の「エルニーニョ」発生、さらに高まる

[2002年04月10日] The Sankei Shimbun

 

<気象庁>今年は冷夏心配? 「エルニーニョ現象の可能性高い」

(毎日新聞)[2002年04月03日]YAHOO!ニュース エルニーニョ現象

今夏の「エルニーニョ」発生、さらに高まる

[2002年04月10日] The Sankei Shimbun
 気象庁は10日、ペルー沖の海面水温が今春以降上昇し、世界的な異常気象をもたらすとされる「エルニーニョ」現象が今夏に発生する可能性が3月よりさらに高まったとする監視速報を発表した。規模や日本付近の気象への影響は「現時点では全く分からない」としている。

 同庁によると、ペルー沖の東部太平洋赤道海域の海面水温は3月、平年より0・3度高く、ペルー沿岸では既に平年より1度以上高くなっている。今後平年との水温差はさらに拡大する見通しで、夏にはエルニーニョが発生する見通しだという。

 エルニーニョは赤道海域を吹く東風の貿易風が弱まって、ペルー沖海面の温かい海水が西に運ばれず、水温が高い状態が続く現象。広い範囲で大気の対流活動に影響し、世界的な異常気象をもたらす恐れがある。日本では1992年に発生したエルニーニョの翌夏が記録的な冷夏となった。

 同庁は「エルニーニョと異常気象の関係は未解明な部分が多いが、日本も何らかの影響を受ける可能性がある」としており、貿易風の強さの変化などに注目している。

 

<気象庁>今年は冷夏心配? 「エルニーニョ現象の可能性高い」

(毎日新聞)[2002年04月03日]YAHOO!ニュース エルニーニョ現象
 連日の暑さのせいで桜前線は一気に北上し、デパートでは紫外線対策の商品や夏ものが早くも好調な売れ行きを見せている。天候の安定で野菜も安い。偏西風が大陸の寒気をブロックしてきたのが原因だ。ところが、今夏の予測となると、気象庁は一転してエルニーニョ現象の影響による「冷夏」の訪れを心配している。

NASA、エルニーニョの前兆を確認

[2002年03月16日]Japan News Network
 NASA=アメリカ航空宇宙局は15日、世界的に異常気象をもたらす「エルニーニョ」の前兆とみられる現象を人工衛星がとらえたと発表しました。

 エルニーニョの前兆現象は、地球表面の風向きや風力を観測する衛星「クイックスキャット」がとらえました。

 

  NASAによると、先月25日、赤道付近を東から西に吹く貿易風が弱まり、逆の風が吹きはじめたことが確認されました。  さらに今月初めには、この時期としては珍しく、2つの熱帯性低気圧が赤道を挟んで発生したことも観測されています。

 今回観測された現象は、いずれもエルニーニョの前兆現象と考えられています。

 

 エルニーニョの発生時には、貿易風が弱まるために、西太平洋の暖かい水が東に移動し、赤道地域の太平洋岸で水温が上昇することが知られています。研究者は、「この現象が繰り返し続くと大規模なエルニーニョが発生し、世界の気象に様々影響を与えることになる」と述べています。

エルニーニョの前兆を観測 西太平洋域の風に異常

[2002年03月16日]河北新報
【ワシントン15日共同】世界に異常気象をもたらすエルニーニョ発生の兆しとされる、赤道付近の西風と西太平洋での季節外れの大きな熱帯性低気圧の発生を、人工衛星がとらえたと、15日、米航空宇宙局(NASA)が発表した。

 研究者は「この現象が繰り返されるようだと、大規模なエルニーニョが発生し、世界の気象にさまざまな影響を与えることになる」としている。

 NASAによると、地球表面の風向や風力を観測する衛星「クイックスキャット」のデータで、赤道付近を東から西に吹いている貿易風が弱まり、逆の風が吹き始めたことが2月25日に確認された。

 この西風が約1週間続いた結果、3月初め、この時期には珍しい二つの熱帯性低気圧が赤道を挟んで発生。北側の低気圧(台風)は、フィリピンの東沖で大きく発達した。

気象予測最前線、世界規模のエルニーニョから「うちの畑」の気温まで(上)

2002年3月14日 Wired Japan

「今年はエルニーニョ」米海洋大気局

2002年1月12日スポニチ
 米海洋大気局(NOAA)は10日、太平洋東部熱帯域の海水温が高くなる傾向があり、この春に、世界中にさまざまな異常気象をもたらすエルニーニョが発生する可能性が高いと発表した。エルニーニョの発生は東南アジアの大規模な山火事などにつながった1997、98年以来という。エルニーニョの影響で日本は冷夏、暖冬傾向になるとされる。

エルニーニョが戻って来るの?

January 10, 2002 by NOAA's Climate Prediction Center
「今春はエルニーニョになりそうだ。」(詳細
 現時点では、このエルニーニョ現象は、1997-98年と同様か、弱いのではと推測されている。
最新の海面温度状況

エルニーニョ発生の恐れ 気象庁が監視速報

(2001/01/10)河北新聞社
 気象庁は10日、ペルー沖の海面水温が今春以降上昇し、世界的な異常気象をもたらすとされる「エルニーニョ現象」が発生する可能性がやや高まったとする監視速報を発表した。

 同庁によると、ペルー沖の東部太平洋赤道海域の海面水温は昨年12月、平年より0・4度低かったが、西から暖かい海水の領域が広がってきている。このためペルー沖の海面水温は今冬中に平年より水温が高い状態に転じ、春からは平年との水温差が拡大する見通しという。

 気象庁は12月の監視速報でもエルニーニョ発生の可能性を指摘したが「可能性はやや高まっており、今後の推移に注意が必要」としている。

 エルニーニョは赤道海域を吹く東風の貿易風が弱まり、ペルー沖海面の暖かい海水が西に運ばれず、水温が高い状態が続く現象。広い範囲で大気の対流活動に影響し、日本での冷夏や暖冬など世界的な異常気象をもたらす恐れがある。

熱帯降雨観測衛星「TRMM」

(プロジェクトトピックス 12月25日更新)
(前略) 2001年11月現在(図2)では通常年に近い分布となり、東部熱帯太平洋で赤道をはさんで南北に雨の多い収束帯が見られます。
 最近では来年初めにエルニーニョになるという予報も出ており、今後もTRMMによる観測データ取得継続が期待されています。(後略)


ラニーニャ現象は終焉し、中立状態

2000/10/07
 El Nino/La Nina advisories are only issued when conditions across the tropical Pacific warrant. Currently, near-neutral conditions are observed across the tropical Pacific. by Climate Prediction Center/National Centers for Environmental Prediction/ NOAA/National Weather Service(2000/10/07)

ラニ―ニャ現象 この夏に終息か

2000.05.11 by CNN

(前略)NASAの海洋学者、トニー・ブサラッチ氏は、「ラニ―ニャ現象に、昨年ほどの勢いはない。夏に向かって次第に力を弱め、最終的に終息する」と楽観的な予測をしている。

一方、専門家の間には、NASAの予測に疑問を投げかける声もある。過去の観測経験から、春にエルニーニョやラニ―ニャの動きを予測するのは、技術的に困難であることが分かっている。米海洋大気局(NOAA)の気象学者バーン・コウスキー氏は、「ラニ―ニャ現象が終わりに近づいていると言い切るには、少々時期尚早」と慎重な見方を示した。NOAAでは、ラニーニャが終息するとしても、半年ほどかかるのではないかと見ている。
 (詳細

ラニーニャ現象がほぼ終息

2000年05月10日 YomiuriーOnline

 異常気象もたらしたラニーニャ現象がほぼ終息

 気象庁は10日、昨年夏から続いたラニーニャ現象がほぼ終息したと発表した。

 同現象は南米・ペルー沖の海面水温が低くなるもので、今回は南米北部の豪雨、アフリカ東部の干ばつなどをもたらしたとみられる。先月の平均水温は1998年7月以来21か月ぶりに平年より高くなり、今後も高い状態が続きそう。海水温の高い状態 が長引けば、やはり異常気象の原因とされるエルニーニョ現象になるが、同庁は「そ の発生に結びつくかどうか、今の段階では明らかでない」としている。

ラニーニャ現象、終息に近づく=NASA

2000年05月10日[ワシントン 9日 ロイター]

 米航空宇宙局(NASA)は、ラニーニャ現象が終息に近づきつつあるとの見方を示した。ラニーニャ現象は、過去2年間にわたって世界の天候に影響を及ぼし、米国ではハリケーンの増加や干ばつの原因になったとされている。

 NASAの気候研究者らは、ラニーニャ現象は”終息に近づきつつあるようだ”とした上で、これ以上ラニーニャ現象が継続するのは難しいだろう、と語った。

 研究者はまた、ラニーニャ現象は予想通り、今年1月に勢いがピークに達し、以降は勢力が衰えている、としている。

 米海洋大気局(NOAA)は先月、ラニーニャ現象が8月まで続くとの見通しを発表し ている。それによると、米国のほとんどの地域では、今年春と夏の気温が平年を上回り、中西部やグレートプレーンズの一部では、平年よりも乾燥した状況が続くとしている。

ラニーニャ夏ごろに終息か

2000年4月10日15時13分
 気象庁が10日発表したエルニーニョ監視速報によると、南米ペルー沖の東部太平洋赤道域で続いている「ラニーニャ現象」について、同庁は先月の速報に引き続き「夏までに終息する」との見通しを示した。ラニーニャは、海面水温が平年より高くなるエルニーニョとは逆に、海面水温が低くなる現象。赤道域の温水域が変わるため大気の対流活動に影響し、地球規模で異常気象をもたらす恐れがある。

本年は「秋気乱気温」・次第に遠ざかるラニーニャ

2000/03/20 byサンパウロ新聞
 ブラジルは二十日午前四時三十六分(ブラジリア時間)から秋季入りとなった。

 昨年十二月下旬からの夏は少なくとも南伯、東南伯、中西伯にとっては例年にない寒さ、すべては太平洋の水温を下げたラニーニャ現象の影響とされる。しかし、ラニーニャ現象はだんだん影響力を失ってきており、七月になると「例年よりは温かい冬を迎えることになろう」と気象観測機関(国立気象院やクリマテンポ)の予報。

 だが本年の秋は確実に例年より寒いという。南伯、東南伯はラニーニャ現象で昨年の春季と本年の夏季には降雨量が少なかった。サンパウロ市などは二月中、盛んに豪雨禍をニュースとして流されたが、雨期全体を通してずっと降雨量の少なかったことは、水力電源ダムの水位が例年よりずっと低い事をみても明らか。貯水量がピークとなる毎年四月の七〇%に及ばない見通しで「六〇%にも達すまい」と製造工業筋から嘆かれている。国立企業院は、本年の秋は「全国的に降雨量が少ない見込み、数値的には例年より二五%ほど少ない、ということになろうか」と予報している。

 三月も下旬に入ったが四月になると熱さと寒さが交互に訪れる「一日のうちに十五度の気温差も生じようか」と気象庁は言うから、暑い時間に外出しても防寒衣は用意して行かなければならない。

 やがて、太陽はだんだん北方に傾いて陽光は弱くなり「五月になると南伯各地に降霜や降雪が見られることになろう」という。

 二〇〇〇年のブラジルでは五月は四月のように一日のうちに気温激変ということは少なくなる。そしてラニーニャ現象が遠ざかるに従って前述のように温かくなって行く、といった図。

 ラニーニャは一九九八年来、太平洋を支配したが本年五月をもって引きあげる。代わりにブラジルにも連続的集中豪雨や暴風雨をもたらす「エルニーニョ現象」が十一月に再び訪れるかも知れない、という。

ラニーニャ発生を確認

2000年2月10日 17時07分 共同通信社
 気象庁は10日、ペルー沖の東部太平洋赤道域の海面水温について、平年より低い状態が長期間続き、世界規模で異常気象をもたらすとされる「ラニーニャ現象」の条件を満たしたと発表した。同庁がラニーニャと認定したのは、1998年秋から昨年春に発生して以来。

太平洋上のラニーニャ現象は4月までに後退へ=豪気象局

2000年1月11日 15時37分 [キャンベラ 11日 ロイター]
 
 オーストラリア気象局は、ラニーニャ現象が4月までに後退し始める、との見通しを明らかにした。南米や東南アジアでは、ラニーニャ現象により豪雨などによる広範な被害が出ている。

 同局は最新の3カ月予報の中で、「大半のコンピューターモデルによると、太平洋上に居座っている現在のラニーニャ現象は、最盛期に近く、予想期間(2〜4月)には勢力が弱まり始めることが見込まれる」としている。  

 ベネズエラでは、土砂崩れや鉄砲水で5万人が死亡、インド東部ではサイクロンで1万人が死亡、ベトナムでは洪水で数百人が死亡している。

日米欧豪が共同で異常気象の兆候を探る/4月から2000メートル深海観測

2000.01.10 The Sankei Shimbun
的中率70%に 長期予測の向上期待

 水深二千メートルの海水温や海流などを観測することで、エルニーニョ現象など地球規模の異常気象の兆候を探るプロジェクトが、四月からスタートする。日米欧、オーストラリアが共同で、約三千本の観測機器を世界の海に沈め、気象衛星を介してデータを送信、各国で解析する。海深部の観測は世界で初めて。運輸省では、海洋の状態を把握できると、気候の長期予測の的中率が現在の四五%から七〇%に飛躍的に向上する、と期待している。

 このプロジェクト「高度海洋監視システム(ARGO計画)」は、「中層フロート」というウキに観測機器を積んで海中に投下する。長さ約一メートルのフロートは、水深二千メートルまで沈み、沈んだまま海流に流され、再び海面に浮き上がることを十日から二週間かけて繰り返す。

 その間、海面から水深二千メートルまでの「中層」の水温、塩分量、水深二千メートルの海流を観測、海面に浮き上がったところで、米国の気象衛星にデータを送信する。

 各国はデータに基づいて海の中の「気圧配置」のような図を作成、リアルタイムで海洋の状態を解析できるようになる。

 プロジェクトは昨年四月に日米が合意。運輸省では今年四月から計画をスタートさせ、年間百本のフロートを気象庁や海上保安庁の船舶で太平洋に投入する。五年間で五百本の投入を予定している。

 今後は日米と欧州、オーストラリアが中心となり、太平洋や大西洋など世界中の海にくまなく展開する。平成十六年度までに三千本のフロートを投入する計画だ。アジア諸国などにも参加を呼びかけていくという。

 南米ペルー沖の海水温が上昇して日本などに異常気象をもたらすエルニーニョ現象など、海洋の状態の変化は大気の流れを変え、地球規模で異常気象や長期的な気候に大きな影響を及ぼす。

 しかし、これまでは人工衛星を利用した海面の観測は行われていたものの、大気に影響されない海深部の海洋観測システムはなく、長期予測の的中率も低かった。

 計画通り、世界中の海に三千本のフロートが投入されると、「今年の平均気温は平年よりも高い」という長期予測をした場合、現在の的中率四五%から七〇%に飛躍的に向上する。異常気象の予測も正確になる。

 運輸省は「気候の長期予測が正確になると、家電など製造業の製造、販売計画や農業の収穫計画、電力供給計画などが立てやすく、社会活動の無駄が少なくなり、環境にも好影響を与える」としている。

ベネズエラで再建工事開始、政府は約790億円投入

99年12月24日 15時35分[ラグアイラ(ベネズエラ)23日 ロイター]
 豪雨による洪水や土砂崩れで同国史上最悪の被害を受けたベネズエラ中部のバラガス州で、道路や電気設備、水道管などの再建工事が始まった。同国で先週発生した土砂崩れや洪水では、3万人近くが死亡した。

 ベネズエラ政府は同州における再建工事に約7億7500ドル(約790億5000万円)の資金を投入する。 同国政府はまた、国債、外債計10億ドルを新たに発行する可能性を検討している。 同国では豪雨による大災害で、全国で約40万人が家を失い、民家6万軒が全壊または一部損壊したほか、1000キロの道路が洪水による被害を受けた。

 また、同国のランヘル外相によると2万−3万人が生き埋めになったとみられる。

ラニーニャ現象、今冬いっぱい続く 気象庁が予測

9:47p.m. JST December 10, 1999
 南米ペルー沖の太平洋赤道付近の海面水温が平年より低い状態が続く「ラニーニャ現象」は少なくとも今冬いっぱい続く見通しであると気象庁が10日、発表した。11月は水温が1.4度低く、次第に平年並みに近づくと予測している。

ラニーニャ現象の可能性 気象庁が発表

4:33p.m. JST November 10, 1999
 南米ペルー沖の太平洋赤道付近の海面水温が平年より低い状態が続き、現在は「ラニーニャ現象であるとみられる」とする監視速報を気象庁が10日、発表した。10月は1度低く、この状態は今冬いっぱい続くと予測している。

 ラニーニャ現象は昨秋から今春までみられ、その後もラニーニャ傾向が続いていた。

インド洋でも「エルニーニョ」現象 40年間で6回

03:13a.m. JST September 23, 1999
 太平洋で起きる大規模な海水温度の変化である「エルニーニョ」と似た現象が、インド洋でも過去40年間に6回起きていたことが、宇宙開発事業団と海洋科学技術センターの共同プロジェクトチームの研究で分かった。この年はインドネシアで干ばつ、アフリカ大陸東岸では洪水などの異常気象が発生。1994年の日本の猛暑もこの影響だったらしい。23日発行の英科学誌ネイチャーに掲載される。

 同チームの山形俊男・東京大学教授らは過去40年間のインド洋の海水温、降水量、風などのデータと、気象衛星から得た海面の高さなどを解析した。

 インド洋の夏季モンスーンの時期は、インド洋東部の海水温度は高く、西部の水温は低い。しかし、同教授らが「ダイポールモード現象」と名付けた異常気象の年は、西向きの貿易風が強く吹き、暖かい海水がインド洋西部に移動してアフリカ沖にまで達する。一方、東部の水温は下がる。

 このためインドやアフリカ東岸では雨量が増える半面、インドネシアでは干ばつになる。

 最近では94、97年に起きた。94年には強い貿易風でインドネシア降雨域がフィリピン付近に北上し、連動して太平洋高気圧が北へ押され、日本が記録的な猛暑になった。

今後半年は発生可能性低い

1999年8月10日 17時21分 共同通信社
 気象庁は10日、「向こう半年間、エルニーニョ、ラニーニャ両現象が発生する可能性は小さい」とする初の「エルニーニョ予報」を発表した。同庁は先月、8月から月に1回、エルニーニョ現象の発生予測を開始するとしていた。

10年ぶりにラニーニャ現象 梅雨明け早まる?

5:14p.m. JST June 10, 1999
 気象庁は10日、南米沖の太平洋赤道域西部で海面水温が平年より低くなる「ラニーニャ現象」が起きていると発表した。同現象は1988年春から89年春にかけて1年間発生して以来、約10年ぶり。

 同庁は、同海域での前後5カ月間の水温を平均した「5カ月移動平均値」が6カ月連続で平年より0.5度低くなった場合をラニーニャとしており、今回は昨年10月から今年3月までがこの基準を満たした。

 今年5月の水温は平年値に近づいているため、同庁は「昨年末から今年初めがラニーニャのピークだったとみている」と説明。ただ、「このまま水温が上昇に転じるかどうかは分からない」としている。

 同海域では、昨年前半まで1年以上にわたって海面水温が高くなるエルニーニョ現象が起きていたが、昨年8月からは逆に水温が低くなっていた。日本の天候への影響はエルニーニョほどはっきりしないが、過去の統計によると、ラニーニャの時は梅雨明けが平年並みか早めになるという。(時事)

中国北部、さらに大規模な洪水が発生する可能性も−当局高官=新華社

99年4月28日 18時15分 ロイター
 新華社によると、中国水利省の高官、周文智氏は、中国北部は今年、ラニーニャ現象の影響でさらに大規模な洪水に見舞われる可能性がある、と述べた。

同氏は、ラニーニャ現象に伴い太平洋では今年、最大29の台風が発生し、このうち7から9の台風が中国に上陸する、との見通しを明らかにした。 同氏は、台風は例年、中国の南東部沿岸に上陸するが、今年は北部沿岸に上陸する、と語った。

 また、ラニーニャ現象で今年は、降雨帯も北寄りに移動する可能性があり、夏季には、揚子江上流、淮河流域や黄河の中流と下流などで大規模な洪水が発生する可能性がある、という。

熱帯降雨観測衛星「TRMM」による観察

Cold episode (La Ni~na) conditions strenthened throughout the tropical Pacific during August. Sea surface temperatures (SSTs) averaged more than 1 ℃ below normal across the tropical Pacific between 170W and 120W. Also, the oceanic thermocline shoaled across the east-central and eastern Pacific during the month with temperatures at thermocline depth decreasing to more than 4℃ below normal in that region. Tropical convection [as inferred from anomalous outgoing longwave radiation (OLR)] remained suppressed across the western and central equatorial Pacific and enhanced over Indonesia and the eastern Indian Ocean during the month. The low-level equatorial winds have remained stronger than normal over the western and central Pacific since June 1998, and weaker than normal in the eastern Pacific. The latest forecast models are fairly consistent in predicting cold episode conditions to continue into March-May 2000. (Sep. 22, 1999)


The latest NCEP statistical (CCA) and coupled model predictions indicate cold episode conditions continuing through June 1999, with further intensification possible during the next few months.(January 21, 1998)by ENSO

ラニーニャ現象発生by 電子情報マガジン『プラスワン』

ラニーニャ進行確認 米海洋大気局

'98/10
 米海洋大気局(NOAA)は10月2日、東太平洋の赤道沿い海域の海面水温が低下する「ラニーニャ」現象が着実に進行していることを明らかにした。

 9月下旬には平均海面水温にくらべ2度以上低い海域があらわれており、冬にかけてさらに広がりそうだという。世界的な異常気象につながる可能性があるとしている。

  NOAAの観察よると、海面水温が低い海域は南米ペルー沖からほぼ赤道に沿って中部太平洋まで広がっている。特に南米大陸の近くと西経100〜150度の海域は海面水温が20度以下で、平均を2度以上下回る海域が点在している。

 米カリフォニア大学スクリップス海洋研究所などと協力して出した予報では、今年12月から99年2月にかけて低温傾向はさらにはっきりしてくる。点在していた平均より海面水温が2度以上低い海域はつながり、南北の幅もやや広がる見通しで、平均水温に戻るのは99年春になりそう。

 この「ラニーニャ」現象の影響で米北西部では大雪、南西部と南東部で乾燥した暖冬を予想している。海面水温が3度以上高い顕著な「エルニーニョ」に見舞われた昨冬とは逆傾向。日本では昨冬は暖かかったので、逆なら寒冬になるが、「ラニーニャに伴う異常気象の程度はエルニーニョに比べて軽い」との見方もある。」 by 社団法人日本環境測定分析協会

静かに迫るラニーニャ

今年の中国の大洪水は、ラニーニャが原因=新華社

 今年の洪水は1931年以来最悪で、同国ではこれにより、2000人以上が死亡し、人口の5分の1に相当する2億4000万人が影響を受けた。 ラニーニャは、エルニーニョとは反対に、南米沖合の太平洋の水温が低くなる現象で、今年、環太平洋地域に大雨をもたらした。(by Point Cast 98年8月12日 19時1分)

 海外華僑向け通信社の中国新聞社は、長江(揚子江)の洪水による堤防決壊で、江西省の九江では78人が死亡した、と報じた。(98年8月14日 18時38分)

 中国の主要水系流域、今後5日間さらに降雨が続く見通し=人民日報 (98年8月14日)

 ブラジル気象センターでスーパーコンピュータSX−4本格稼働開始 〜ラ・ニーニャ現象の解析・予測に活躍〜(平成10年7月29日)by NEC

ラニーニャ現象本当に起きる? 気象庁「判断できない」

 米海洋大気局(NOAA)は先月、早々と「今年後半にもラニーニャ現象が起きる」という予測を示した。 ラニーニャ現象が起こると、ペルー沖の海面水温が平年より低くなり、逆にインドネシア沖など西太平洋の水温が高くなる。 だが、気象庁によると、赤道下の水深300メートルまでの水温分布を見ると、西太平洋でもほとんど平年より低い状態が続いている。(by Point Cast July10,1998 )

今度はラ ニーニャ( La Nina)現象なの?

(1998年6月10日)(by Weather Line Company)

 太平洋東部の海面水温が、5月後半になって急激に低下。エルニーニョ現象は終息に向かい始めた。

 ラニーニョ現象は、スペイン語で「女の子」の意味。気象庁によると、1949年以降9回発生した。最近では88〜89年に大規模に発生、米国西部で干ばつ、スーダンやバングラデシュ、タイで大雨洪水が発生。

HOME気象情報