TOPIC No.1-0 未整理情報(気象関係)

記録的な日照不足 気象庁、7月の天候まとめ

2007/08/01 The Sankei Shimbun WEB-site

 気象庁が1日まとめた7月の天候によると、本州に停滞した梅雨前線や台風4号の影響で曇りや雨の日が多く、東・西日本を中心に日照時間が記録的に短くなった。静岡市では平年の50%と過去2番目の少なさを記録。月平均気温は北海道と本州の広い範囲で平年を1度以上下回った。

 まとめによると、日照時間は関東・甲信や北陸で平年の60%以下。東京都心は計80.6時間と、平年の55%にとどまった。静岡では平年の50%の76・4時間など、4カ所で過去2番目の短さを記録した。

 降水量は西日本から東日本にかけての太平洋側で激増。宮崎県の延岡で834.5ミリ、静岡県の清水で696.0ミリといずれも平年の3倍を超え、7月としては観測史上最多の月間降水量を記録した。

 対照的に梅雨前線の影響の小さかった北日本の日本海側は平年の半分程度。北海道の羽幌ではわずか15ミリ(平年の15%)と過去最少だった。

 同庁は当初、ペルー沖で海面水温が下がる「ラニーニャ現象」の影響で太平洋高気圧が強まり、梅雨明けも早いとみていた。しかし、梅雨明けは軒並み平年より遅い結果となり、7月はラニーニャの影響が小さかったとみられる。

欧州南部の猛暑で気象庁見解、西日本に猛暑の可能性も

2007年07月27日 読売新聞Yomiuri On-Line

 気象庁は27日、欧州南部で続く記録的な猛暑はアフリカからの南西風の吹き込みとフェーン現象が重なったのが原因とする見解をまとめた。

 この欧州南部に居座る高気圧と、偏西風の影響で、「日本周辺でも、太平洋高気圧が強まり、西日本が猛暑になる可能性がある」(同庁)としている。

 同庁によると、欧州南部では18日ごろから40度を超える日が続き、セルビアで43・2度、ギリシャで41・0度を記録した。

「最古の氷」実は2番目

2006/11/14 The Sankei Shimbun

 日本の南極観測隊が今年、南極大陸の地下深くから採取した氷は、当初の推定より30万年ほど新しい約72万年前の氷で、世界最古ではないことが分かった。国立極地研究所(東京都板橋区)などの研究チームが13日発表した。

 観測隊は1月、南極点から約1400キロメートル離れた基地「ドームふじ」(標高3810メートル)で、深さ3029メートルのところにある氷柱の掘削に成功、最深部は100万年前の氷とみていた。

 ところが、観測船「しらせ」で持ち帰った氷柱を詳しく分析した結果、深さ約2800メートルまでは氷の層が水平に積み重なって年代が規則的に古くなっていたが、それより深い部分は層が傾き、推定ほど古くなかった。研究チームは、大陸の地熱のため最深部では氷が解け、この場所に72万年前より古い氷は残っていないとみている。

 世界最古の氷は、2004年に欧州連合チームが別地点で採取した約80万年前の氷で、日本の氷は2位となる。藤井理行同研究所所長は「古い氷は予想より融解が進んでいた。深部で何が起きたかの解明が今後の課題だ」と話している。

冬型の気圧配置長続きせず、暖冬か・気象庁3カ月予報

2006/10/16 〔共同〕NIKKEI NeT

 気象庁は25日、11月―来年1月の3カ月予報を発表した。太平洋赤道海域の中・東部で海面水温が高く、日本列島に暖冬をもたらすとされる「エルニーニョ現象」に近い状態になっており、気温は北日本で平年並みか高く、それ以外の地域は高いと予測した。

 同庁によると、同海域の海面水温は9月、平年より0.5度以上高かった。エルニーニョ現象の基準は満たしていないが、この傾向は冬にかけて続くとみられ、冬型の気圧配置になりにくいと予想している。

 冬型の気圧配置が長続きしないため、冬本番の来年1月になっても北・東日本の日本海側は曇りや雪、雨の日が平年より少なく、逆に北・東日本の太平洋側と西日本は低気圧などの影響を受け、冬晴れの日が少ないとみている。

今冬は「暖冬」予想、大雪も長く続かず…気象庁

2006年09月25日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 気象庁は25日、12月から来年2月までの今冬の予報を発表した。東日本以西の地域は、気温が平年より高めとなりそうで、「暖冬」となる可能性が大きい。

 気象庁によると、昨冬は日本付近に寒気が次々と流れ込み、日本海側を中心に記録的な大雪がもたらされた。今季はこのような兆候が見られないという。

 予報では、冬型の気圧配置が平年より弱く、気温は、東日本以西が平年より高くなる確率が50%、平年並みとなる確率が30%で、北日本は平年並か高くなる確率が各40%。日本海側地域の降雪量は平年並みか少ない確率が各40%とした。

 気象庁では、「一時的に強い寒気が南下する可能性があり、大雪となることがあっても、長い期間は続かない」としている。

英国猛暑、7月平均気温過去最高

2006/08/01 The Sankei Shimbun

 【ロンドン=蔭山実】猛暑が続く英国で今年7月の1カ月間の平均気温が1914年の英気象庁観測以来、過去最高を記録したことが暫定の観測値から明らかになった。同庁によると、7月の昼夜間の平均気温は摂氏17.8度となり、これまで最高だった83年7月と95年8月の17.3度を上回ったという。

 英国では2003年夏に酷暑に見舞われ、フランスなどの欧州大陸各国と同様に死者が出た。今夏のこれまでの最高気温は7月19日に英南部サリー州で記録した36.5度だったが、今年は同年よりも猛暑の期間が長く、気象庁も「7月の驚異的な観測値は猛暑がそれだけ続いたことを示している」と話している。

 猛暑に伴い、クーラー使用による電力不足を防ぐため、事前に企業などに連絡を入れて一定時間、電力の供給を停止する対策が講じられ、市民の批判を招くなどさまざまな問題が発生している。

中国から関東で梅雨明け 平年より11−8日遅く

2006/07/30 中国新聞ニュース

 気象庁は三十日、中国、近畿、東海、北陸、関東甲信の各地方が梅雨明けしたとみられる、と発表した。残っているのは東北だけになった。

 平年と比べると、中国、東海、関東甲信は十日、近畿は十一日、北陸は八日遅かった。昨年と比べると、いずれの地方も十二日遅かった。

 今年は梅雨前線の活動が活発で、期間中の雨量は多くの地点で平年を上回り、福井市では六五七・五ミリと平年(三二五・六ミリ)の倍以上を観測。気象庁は「偏西風の蛇行などの影響で、太平洋高気圧とオホーツク海高気圧が拮抗(きっこう)し、梅雨前線が停滞しやすかったため」と説明している。

 三十日は太平洋高気圧の勢力が強まり、梅雨前線の活動が低下。関東以西の各地で三○度を上回る真夏日となった。向こう一週間は、高気圧に覆われ晴れる日が多い見込みという。

 主な地点の期間中の雨量は、松江七○七ミリ(平年四○○・九ミリ)、広島六○六・五ミリ(同四四六ミリ)、大阪四七四・五ミリ(同三二五・一ミリ)、名古屋四九六ミリ(同三七六・八ミリ)、新潟五二七・五ミリ(同二六四・一ミリ)など。

カリフォルニア 熱波での死亡者141人に 牛も2万頭死ぬ

2006/07/29 The Sankei Shimbun

 【ロサンゼルス=岡田敏一】熱波が続く米カリフォルニア州で、暑さが原因とみられる死者が28日までに141人にも上った。ただ、同日の気温は猛暑の目安となる摂氏37.7度(華氏100度)を下回る地域も多く、約2週間続く熱波が沈静化する兆しも出ている。

 AP通信によると、今回の熱波では、ロサンゼルス郡のウッドランドヒルズで48度を記録するなど、各地で過去最高気温を更新。内陸部に住む高齢者に犠牲者が目立っている。こうした熱波に伴う電力消費量の急増で停電が発生しているほか、中部ベーカーズフィールドでは家畜の牛2万5000頭が死ぬといった被害も出ている。

シュワルツェネッガー州知事が注意喚起 米熱波

2006/07/28 The Sankei Shimbun

 最高気温40度を超える熱波が10日以上続く米カリフォルニア州で、高温によるとみられる死者数が27日、98人に達した。被害者の多くは老人で、熱波はやや弱まりながらも当面続くとの予報が出ており、死者が100人を超える恐れが強まっている。

 AP通信などによると、州中部のフレズノ郡では、検視局の遺体安置室に22人の遺体が運ばれた。電力不足で停電となった世帯は少なくとも数千戸残っており、老人を中心に健康被害が広がっている。

 シュワルツェネッガー同州知事は、州中部を中心に、計75カ所の冷房センターの設置を指示、州民に健康維持に注意するよう呼び掛けた。

 6カ所の郡当局が各地元を対象にした非常事態を宣言したが、州議会からは州全体の非常事態を宣言するよう、同知事に求める声も上がっている。各地では、キリスト教会や保健関係者が、老人の自宅を戸別訪問して安否を確認したり、食料や冷水などを配ったりしている。(共同)

フランス、酷暑の死者64人に

2006/07/27 The Sankei Shimbun

 【パリ=山口昌子】7月中旬以来、酷暑に見舞われているフランスで、死者が27日までに64人に達した。仏衛生監視研究所が同日、明らかにした。死者のうち、75歳以上が40人を占めた。

 フランスでは2003年に高齢者を中心に約1万5000人が死亡している。保健省は仏メディアに対し、政府広報の「のどが渇かなくても水を飲む」などの酷暑対策を呼びかけるよう要請、官民のテレビで毎日、何回も放送されている。

米カリフォルニア熱波 死者29人、停電も

2006/07/25 The Sankei Shimbun

 7月中旬から米国各地を襲っている熱波で、西海岸カリフォルニア州では25日までに、高温が原因とみられる死者が29人に上った。エアコン使用率が急激に高まったため州内各地の電力供給能力は限界に近づき、24日午後現在、少なくとも7万戸が停電している。

 AP通信などによると、死者が集中したカリフォルニア州中部では、先週末の最高気温が46度に達し、熱中症などの症状を訴える市民が相次いだ。電力不足を懸念したシュワルツェネッガー知事は公共機関に対し25%の節電を命じた。各地の電器店では扇風機やエアコンが売り切れ状態。

 一方、アリゾナ州フェニックス市では23日の最高気温が45.5度となり、市の最高気温記録を100年ぶりに更新、周辺地域を合わせ計4人が熱波のため死亡した。(共同)

フランス、酷暑で9人死亡 政府が注意呼びかけ

2006/07/20 The Sankei Shimbun

 【パリ=山口昌子】フランスのベルトラン保健相は19日、すでに9人が酷暑のため死亡したとみられると述べ、高齢者を中心に注意を呼びかけた。同相によると18日に仏南西部ボルドーで老夫婦が酷暑で死亡したほか、19日までに運転手、ホームレスなどが酷暑で死亡したとみられると述べた。パリでは19日、日中の最高気温が36度に達し、シラク大統領は同日の閣議で「厳重な警戒」を呼びかけた。フランスでは2003年の酷暑で老人を中心に約1万5000人が死亡している。

欧州猛暑、40度超す地域も 6人死亡、警戒強める

2006/07/20 The Sankei Shimbun

 【ベルリン=黒沢潤】欧州全域でここ数日間、猛暑が続いている。気温が40度を超える地域もあり、18日までに少なくとも6人が死亡する事態となっている。

 オランダ東部のニーメゲン地方では同日、4日間のウオーキング大会に参加していた2人が暑さのため急死した。気温が41.5度まで上がったスペイン北西部のオレンセでも、屋外を歩いていた44歳の男性が死亡したほか、南部ムルシアでも1人が亡くなった。フランス南西部ボルドーでは、80歳代の高齢者2人が自宅や病院で相次いで死亡した。

 18日にこの夏一番の酷暑を記録したばかりの英国では19日も気温が上昇し、観測史上最高の38度台後半を記録すると予想されている。保健当局はすでに特別警報を発し、猛暑に対する注意を呼びかけている。英紙によれば、ロンドン市の地下鉄構内は18日、"かまど"状態になり、約47度にまで急上昇した。ロンドン市長は、世界最古の同地下鉄が故障して途中でストップした場合、暑さのため「深刻なほどの犠牲者が出る」との懸念を示した。

 イタリア各地でも、過去30年間で最大級の干魃(かんばつ)が起きている。北部ミラノや中部ローマでは市民のため、急遽(きゆうきよ)、エアコン設備付きの特別施設が開放された。

 ドイツの気象専門家によれば、ドイツ国内でも20日、気温がこの夏最高を記録すると予想され、同国内の7月全体の平均気温は過去100年間の中で最も高くなる可能性が強いという。

 2003年の猛暑では、フランスだけで約1万5000人、欧州全体で約3万人が死亡した。冷房施設が少なかったことが主な原因で、熱波が欧州大陸全域を覆う今年の夏も、警戒が強まっている。

今冬の大雪死者、戦後2番目の多さ 「平成18年豪雪」命名も

2006/02/22 The Sankei Shimbun

 今冬の大雪による死者数が134人と戦後2番目の多さとなり、気象庁は22日までに「平成18年豪雪」と命名する検討を始めた。

 消防庁の21日のまとめによると、過去に被害が多かったのは1963年の死者228人・行方不明3人、80―81年の死者133人・行方不明19人など。

 過去、大雪に名前がついたのは63年の「昭和38年1月豪雪」だけ。気象庁は命名を検討する理由として、過去の災害と違い、雪下ろし中の高齢者の被害者が多いことや、積雪の最大値の更新地点が全国の23地点に及ぶことなどを挙げている。

 気象庁は大きな災害を起こした自然現象について「災害の経験や教訓を後世に伝える」ことなどを目的に命名しており、地震や豪雨には、規模などに応じて基準があるが、大雪には明確な基準がないという。(共同)

「春の陽気」が真冬並み 予報外れ、気象庁に苦情

2006/02/07 The Sankei Shimbun

 ぽかぽか陽気との気象庁の予報に反し、東京都心の7日の日中の気温は平年より2.8度も低い真冬並みの6.8度までしか上がらず厳しい寒さとなった。このため同庁には同日、苦情の電話が相次いだ。

 気象庁は7日早朝の予報で、最高気温は4月上旬並みの16度まで上昇し春の陽気になると予測。未明にかけて雪をもたらした低気圧が海上に抜け、午前から晴れ間が広がり、暖かい空気が南から流れ込むと予想したためだった。

 しかし、南寄りの風は強くならず、天気も回復しなかったため、午前中に、日中は8度までしか上がらず、夜になって3月中旬並みの13度に上昇すると予報を変更。予報を外すと苦情の電話が多い同庁には今回も、「しっかりしろ」との言葉が寄せられたという。(共同)

雪の死者101人に 100人超は83―84年以来

2006/01/17 The Sankei Shimbun

 日本列島の北を前線が通過し、北海道と東北地方を中心に降雪が続いた16日、園児が雪の下敷きになるなど、岩手や秋田、福島、鳥取、広島各県で計6人の死亡が新たに確認された。昨年12月以降の雪の被害による死者は、共同通信の集計で18道県で101人となった。

 ひと冬での死者が100人を超えたのは1983―84年の131人が死亡して以来。

 園児が死亡したのは福島県下郷町の町立保育所。園児2人が屋根から落ちた雪の下敷きになり、約20分後に救助されたが、うち男児(6つ)が死亡した。  岩手県遠野市では、自宅の屋根に掛けたはしごの上で雪下ろしをしていた男性(77)が、滑り落ちた雪とともに落下して死亡。広島県庄原市の民家の軒先で除雪作業をしていた女性(83)が雪に埋もれているのが見つかり、病院で死亡が確認された。

 鳥取県大山町の保養施設で13日、除雪中に屋根から落ちてきた雪の下敷きになり重体となっていた男性(23)も、16日に病院で死亡した。

 秋田県では、美郷町の自宅脇で雪かきをしていたとみられる男性(94)が倒れ、間もなく死亡。秋田市の自宅近くで小型ショベルカーを使い除雪していた男性(52)も15日に死亡した。いずれも心臓に持病があり、作業が原因の発作とみられる。

 17日は西高東低の冬型の気圧配置となり北海道や東北、北陸地方の日本海側を中心に雪が降る恐れがあるといい、気象庁は雪崩などに注意するよう呼び掛けている。(共同)

中国地方の雪被害の死者2ケタに

2006/01/17 中国新聞地域ニュース

 昨年十二月以降の大雪による中国地方の被害はさらに拡大し、死者は十六日、二人増えて計十人に達した。半数以上がお年寄りで、雪下ろし中の転落や屋根からの落雪が主な原因。過疎、高齢化が進む中山間地域で一人で作業していたケースも目立つ。

 十六日に死亡が確認された庄原市高野町の管田道子さん(83)も、一人で作業中だった。庄原署の調べでは、管田さんは軒からせり出して地上の雪の山に突き当たった部分の雪の先を、スコップで崩していたとみられる。屋根にまだ四十センチほど残っていた雪が支えを失って落下したらしい。

 町内では、ほとんどの家屋で雪下ろしは終わっているが、通常三十〜四十センチ分を作業の足場にするために残す。この雪が危険をはらむ。今回の雪は湿り気も多く日を追って固く重くなる。落下の衝撃は大きく、寒気が緩んだ後の「軒下の危険」を浮き彫りにした。

 市高野支所の坂本進支所長は「気温の上昇ばかりでなく、室内の暖房の熱が屋根に伝わり、雪が落ちやすくなる。軒下に絶対に近づかないようにしてほしい」と話す。

 五県の集計(午後五時現在)で死者は広島県が四人で最多。鳥取県では大山町の保養施設の除雪作業中に屋根から落下した雪に埋もれ、意識不明だった米子市淀江町の会社員尾沢祐輔さん(23)が十六日午後に死亡し、県内の死者は三人に。島根県でも二人、山口県で一人が亡くなった。

 死亡した十人は七十、八十歳代が各三人、六十歳代が一人と高齢層に被害が集中。十人のうち七人は一人で除雪作業をしていたとみられ、発見が遅れるケースが目立つ。

 高齢化率が35%を超す庄原市高野町の一人暮らしの女性(85)は「近くの人に頼もうにも手いっぱいで除雪は自分でやるしかない」。農業男性(70)は「高齢者宅の除雪をする組織づくりも行政には必要」と訴える。広島県などは、複数での作業や自主防災組織などによる独居老人宅の雪下ろし支援などの呼び掛けに懸命だ。(坂田一浩、三藤和之)

雪に埋まり園児1人死亡 福島・下郷町の保育所

2006/01/16 The Sankei Shimbun

 16日午後1時50分ごろ、福島県下郷町の町立保育所から「園児が屋根から落ちてきた雪の下敷きになった」と119番があった。2階建ての保育所の高さ約7メートルの屋根から、積もった縦約7メートル、幅約8メートル、厚さ約80センチの雪の塊が落ち、男児2人が雪に埋まった。

 2人は約20分後に町職員らに救出されたが、田島署によると、同町中山の会社員、星辰男(ほし・たつお)さんの二男、辰太郎(しんたろう)ちゃん(6)が死亡、同町豊成の男児(5)も一時意識不明となったが、人工呼吸などで意識を取り戻した。頭にけがをしているという。近くにいた別の男児(6)も肩にけがをした。

 田島署の調べでは、同日は天気が良かったため、女性職員2人が見守りながら、園児37人を昼食後に保育所の庭で遊ばせていた。

 これまで雪下ろしはしておらず、18日に地元の建設会社が雪下ろしをすることになっていた。町は保育所に対し「軒下に近寄らないよう注意していた」としている。

 福島地方気象台によると、隣接する田島町の午後2時の気温は4.3度で、3月上旬並みの気温だった。(共同)

キャベツ価格は7割高 寒波で野菜高騰一段と

2006/01/16 The Sankei Shimbun

 農水省が16日発表した生鮮野菜などの小売価格調査(10日−13日、全国平均)によると、昨年末以来の記録的な寒波や干ばつに伴う生育の遅れなどが影響し、キャベツが1キログラム当たり304円で平年(過去5カ年の1月調査の平均)に比べ70%高となるなど、一段の高値となった。

 特に葉物野菜の高騰が目立ち、レタスが平年比55%高の893円、ホウレンソウが41%高の947円となった。

 前週(4−6日)との比較でも、レタスが15%高、キャベツが11%高と価格がさらに上昇した。半面、ハウス栽培が主体の野菜ではキュウリが8%安、トマトは7%安と値下がりした。

 農水省は、野菜の需要が増える年末年始の時期を過ぎたことに加え、今後は気温の上昇も見込まれることから「ピークは越えた」(野菜課)との見方を示している。

 同省によると、この時期の野菜の主な産地は九州や四国、関東、東海の各地方。大雪の影響は少ないが、低温や干ばつによる生育遅れのほか、一部で作物が凍結する被害も出ている。大雪に見舞われている日本海側については、野菜の出荷時期が夏なので、影響は少ないと見ている。

 また生産者団体に対し野菜の計画的な生産や出荷の徹底を要請するとともに、主な産地に担当者を派遣して出荷状況などを確認。今後も市場への入荷量や価格動向を注意深く監視するとしている。(共同)

大雪による死者90人に 被害ペース、84年以来

2006/01/15 中国新聞ニュース

 本州南岸を低気圧が通過し、全国的に気温が高めになった十四日、各地で雪崩が発生、雪による事故も相次ぎ、秋田、長野、新潟各県で計五人が死亡した。昨年十二月以降の大雪による死者は共同通信の集計で十八道県の九十人となり、一九八三―八四年の「昭和五十九年豪雪」(死者百三十一人)以来の被害となる見通しとなった。

 秋田県警によると、同日午後、五城目町の町道脇で民家の屋根から落ちた雪の塊を除雪していた作業員が、除雪車に女性が巻き込まれているのに気付き、死亡が確認された。民家の女性の行方が分からなくなっており、身元確認を急いでいる。

 同日朝には、長野県飯山市で土蔵の屋根の除雪作業をしていた男性二人が落ちて雪に埋まり、工務店経営宮崎忠さんが死亡。他の一人も腰の骨を折る重傷。同県栄村では除雪作業中の無職小山邦夫さんが、自宅近くの斜面で死亡しているのが見つかった。

 このほか、新潟県上越市と妙高市で民家が雪の重みで倒壊するなどして男性二人が死亡した。

 十四日は各地で雪崩が相次ぎ、島根県邑南町のスキー場「瑞穂ハイランド」や、岐阜県高山市内の国道156号、富山市内の富山地方鉄道立山線の沿線で発生。通行止めや運休の影響が出た。

 秋田県大仙市の県道で、水道工事をしていた男性作業員が雪崩に巻き込まれて軽傷。富山県南砺市では、雪崩で県道が通行止めとなり、三世帯五人が孤立した。連絡は取れており、けが人はないという。

 消防白書によると、多数の死者を出した過去の大雪としては、六三年の「三八豪雪」(死者二百二十八人)、八〇〜八一年の「五六豪雪」(同百三十三人)などがある。

気温上昇と雨で雪崩の恐れ 大雪の死者は85人に

2006/01/14 中国新聞ニュース

 気象庁は十三日、日本南岸の低気圧通過に伴い南から暖かく湿った空気が流れ込み、十四日は東北から九州で三月中旬から四月上旬並みに気温が上昇、雨も強く降るとして、雪崩や落雪への警戒を呼び掛けた。

 新潟県は同日、上越市や津南町など十一市町村の約四百カ所で雪崩の危険が特に高いとして、関連自治体に住民への避難指示や勧告などの対応を取るよう要請した。また、昨年十二月以降の大雪による全国の死者は共同通信の集計で計八十五人となった。

 気象庁によると、十三日の最高気温は福岡や松山で四月上旬並みを記録。十四日は東北や東日本でも気温が上がり、予想最高気温は秋田一○度、新潟一二度、長野一一度と三月下旬並み。

 十四日夕までの二十四時間に積雪の多い地域で予想される降水量は、岐阜県、北陸・東北地方日本海側、中国地方で九○−一二○ミリなどとなっている。

 新潟県はこれを受け、県内の約千八百八十カ所で民家などが雪崩の被害を受ける可能性があると発表。雪崩による河川のせき止めなども警戒し十四日からヘリコプターなどで監視することを決めた。

 一方、除雪作業により、津南町と長野県栄村を結ぶ国道405号の通行止めが十三日午後、約三時間解除。両町村の十集落計約五百人の孤立状態が五日ぶりに解消した。

 十四、十五両日については「気温が上がり雪崩の恐れがある」として、通行止めにし、天候を検討して十六日以降の対応を決める。

 共同通信の十三日までの集計では、昨年来の大雪による死者は前日より三人増え十八道県の八十五人。山形県大石田町で、命綱をして屋根の雪下ろししていた男性が宙づりになって死亡するなどした。

大雪あすにかけピーク 長野・飯山市に今冬初の陸自派遣

2006年01月07日 The Sankei Shimbun

 各地で大きな被害を出している雪は7日も北海道や北陸、山陰などで強く降り、8日にかけて日本海側を中心にピークを迎える見込みで、気象庁は厳重な警戒を呼び掛けた。記録的な大雪となった長野県飯山市には、今冬初めて陸上自衛隊が災害派遣され除雪作業に当たった。上越新幹線が一時運転を見合わせたほか、東海道新幹線も遅れるなど交通機関の乱れも続いた。

 共同通信の7日午前11時現在の集計で、昨年12月以降の大雪による死者は新たに4人確認され、16道県計61人となった。

 気象庁によると、8日にかけて、北日本の上空約5000メートルに氷点下40度前後の強い寒気が流入。西日本や東日本にも氷点下30度から36度の寒気が流れ込み、冬型の気圧配置が強まる見込み。北日本から西日本の日本海側を中心に降雪が強まるほか、太平洋側も雪の積もる所がある。

 7日午前9時までの24時間の降雪量は広島県北広島町37センチ、北海道今金町36センチ、石川県珠洲市30センチ、兵庫県香美町29センチなど。

 同9時現在の積雪は新潟県津南町354センチ、同県妙高市302センチ、長野県野沢温泉村294センチ。高松市でも1センチの雪が積もった。北海道石狩市厚田や岡山県真庭市、広島県庄原市などで1月の積雪記録を更新。7日までに1月の積雪記録を塗り替えたのは33地点に上った。

 8日午前6時までの24時間に予想される降雪量は、山沿いの多い所で新潟県80センチ、長野県と北海道60―70センチ。東北の日本海側、群馬県、新潟県を除く北陸、近畿北部、岐阜県が40―50センチ。中国地方は30―40センチ。

 9日以降は冬型が緩み、記録的な大雪は一段落しそうという。

 大雪による死者は6日の内閣府集計などで、15道県計57人。7日に山形県で2人が亡くなり、共同通信の集計で昨年12月11日と今月6日に岩手、秋田両県で男性計2人が死亡していたことが分かった。(共同)

 記録的な大雪に見舞われた長野県飯山市では7日朝、県の要請を受けた陸上自衛隊松本駐屯地の災害派遣部隊が午前8時半から、除雪作業を始めた。今冬の大雪での自衛隊災害派遣は初めて。県によると、大雪による同県への自衛隊派遣は1981年1月以来、25年ぶり。

 同駐屯地によると、派遣隊員は103人。緊急車両が通行できるよう道路の除雪をするほか、孤立の恐れがある世帯も対象に作業する。

 市立第一中学校付近の道路では、道の両側に高さ約3―4メートルの雪の壁ができて1車線分しかなくなり、隊員が重機で雪を取り除いた。

 現場を視察した同県の田中康夫(たなか・やすお)知事は「最初の出動に感謝している。北部の豪雪地帯にある独居老人の支援もお願いしたい」と自衛隊側に要望した。

 60代の無職の女性は「夜中に雪が屋根から落ちると生きた心地がせず、目が覚めてしまう。雪の捨て場もないので感謝しています」と安心した様子で話した。

 長野地方気象台によると、飯山の積雪は7日午前10時現在で212センチ。飯山地域には大雪注意報が出ており、7日から8日にかけて、さらに約50―70センチの積雪が予想される。

 県は6日、自衛隊の災害派遣要請について「緊急性がない」として、いったん見送ったが、同日深夜になって「さらに雪が降る恐れがある」として要請した。(共同)

大雪列島 降雪量3倍

平成18(2006)年01月07日 The Sankei Shimbun

 日本列島は六日も、北日本から西日本の日本海側を中心に断続的に雪が降り続いた。

 国土交通省の観測データによると、昨年十二月一日からの降雪量累計の全国平均が五日午前九時で二四五センチとなり、過去十年の平均(八三センチ)の約三倍になった。同省では道路管理のために全国約百カ所で降雪量を観測しており、近年で大雪だったとされる昭和五十八年度は一三〇センチだった。

 長野県飯山市の戸狩野沢温泉駅では、ホームに列車が一時停止。屋根の雪下ろしをする人たちの姿が見られた。

大雪、全国で死者57人 昨年末から、けが人も続出700人超

平成18(2006)年01月07日 The Sankei Shimbun

長野県が陸自派遣要請

 降り続く雪は六日、北海道や山形県などを除いて弱まったが、新潟県や長野県など全国十四の観測所で最深積雪記録を更新した。この冬の雪による死者は計五十七人に達した。新潟県は十日町市や津南町など五市町に災害救助法の適用を決め、小泉純一郎首相も要請があれば自衛隊の派遣を指示するなどの対策を講じた。 

 六日夜から八日にかけて、上空約五〇〇〇メートルで氷点下四〇度前後の強い寒気が流れ込み、北日本から西日本の日本海側を中心に大雪となる見込みで、気象庁は雪崩や建物の倒壊、交通機関の影響などへの厳重な警戒を呼び掛けた。

 六日午後十一時現在の積雪は、青森県青森市で二八三センチ、山形県大蔵村で二七一センチ、群馬県みなかみ町で二一三センチ、新潟県津南町で三六三センチ−など。

 五日に盛岡−秋田間が終日運休となった秋田新幹線「こまち」は六日も始発から同区間の運転を見合わせたが、正午過ぎまでに復旧した。在来線もJR奥羽線の新庄(山形)−大館(秋田)間などで運休。新潟県上越市の日本曹達二本木工場では六日朝、倉庫の屋根の一部が約二メートルの雪の重みで崩落したが、けが人はなかった。

 また積雪対策として、新潟県は十日町市や津南町など五市町に災害救助法の適用を決めた。大雪を理由にした同法の適用は昭和六十一年以来、二十年ぶり。

 長野県は飯山市について、陸上自衛隊に災害派遣を要請した。小泉首相は雪害対策について「現地から要請があれば自衛隊の派遣も含めて直ちに取り組む」よう自民党に指示した。

 一方、昨年末から今年にかけて、雪による死者やけが人も続出しており、消防庁などによると、除雪作業中に屋根から転落したり、小型除雪機の下敷きとなり死亡するなど、死者数は計五十七人、歩行中にスリップして転ぶなどしてけがをした人は計七百六十人に上った。国土交通省によると、六日午前十時現在で雪崩が二十六件、地滑りも二件発生した。

東・西日本は戦後最低気温 昨年12月、全国で低温

2006/01/04 The Sankei Shimbun

 昨年12月の平均気温は、平年より東日本で2.7度、西日本で2.8度低く、統計が残る1946年以降の最低を記録したことが、気象庁が4日まとめた気候統計で分かった。

 北日本、南西諸島も平年より低く、全国で低温となったのは1985年以来20年ぶり。降雪の記録更新地点も相次ぎ、同庁は「非常に強い寒気が断続的に流れ込み、冬型の気圧配置の日が多かったため」としている。

 同庁によると、過去の記録は、東日本は1947年の平年差マイナス2.6度、西日本は67年の同2.7度。北日本は平年より1.9度低く、過去9位タイ、南西諸島は1.5度低く過去6位の低温だった。

 地点別で観測開始からの最低となったのは、富山2.2度(過去最低2.5度)、福井2.6度(同2.9度)、鳥取3.3度(同4.0度)、高知県土佐清水市7.6度(同8.0度)など29地点。タイは8地点だった。

 地域の気温は全体の平均がないため、高低は平年との差で比較する。

 月間の降雪量の合計は、秋田226センチ、盛岡146センチ、名古屋38センチ、高知12センチ、鹿児島11センチなど29地点で過去最多となった。積雪の最大値は、無人の地域気象観測システム(アメダス)観測地点を含めた全339地点のうち、106地点で12月の記録を上回った。(共同)

南極観測に「しらせ」出港 過去100万年間の気候変動調査へ

2005/11/14 The Sankei Shimbun

 南極観測船「しらせ」が14日、第47次南極地域観測のため東京港の晴海埠頭(ふとう)から出港した。昭和基地に派遣される観測隊員53人は成田空港から飛行機で出発、オーストラリア・フリマントル港でしらせに乗り込み、12月初旬には南極圏に入る予定。

 南極内陸部のドームふじ基地へ派遣される隊員7人は別途、飛行機で南極入りした。隊員計60人のうち、夏隊は23人、越冬隊は37人。

 ドームふじ基地では、氷床を深さ約3000メートルまでボーリングし、採取した氷から過去100万年間の気候変動を調べる。また、内陸部の氷床下では初めてとなる南極大陸の岩盤の採取も目指す。

 昭和基地ではオーロラの観測や低温環境での人間の医学的研究をする。(共同)

アマゾン川、異常渇水 船使えず各地で集落孤立

2005/10/12 The Sankei Shimbun

 世界最大の熱帯雨林があるブラジル北西部のアマゾン川流域で、3カ月ほど前から異常な少雨が続き、川の水位が低下して市民生活に深刻な影響が出ている。飲料水が不足しているほか、ジャングルに覆われたこの地域では重要な交通手段の船が使えず、各地で集落が孤立している。

 アマゾナス州当局者によると、11日までに計約4万3000人が暮らす4自治体が孤立。州政府は現地に非常事態を宣言。連邦政府は同日、軍が食料や医薬品を州都マナウスからヘリコプターで運搬すると発表した。

 同州のブラガ州知事は地元ラジオに「1963年以来のひどい渇水だ。多くの地域がヘリコプターでしか行けなくなり懸念している」と話した。

 同州各地で水位低下のため死んだ大量の魚が腐り、水が汚れて飲めなくなったり、蚊が増えてマラリア患者が増えたのに薬が届かないとの報道もある。小さな集落が多く、詳細な被害は把握できていないのが実情だ。

 現地では7―8月の降雨量が例年の約半分だった。米国で猛威を振るったハリケーンと同じく、大西洋の海水温が高いこと関係していると指摘する専門家もいる。(共同)

全国的に残暑厳しく 9月の気候統計

2005/10/03 The Sankei Shimbun

 気象庁は3日、9月の気温や降水量などの気候統計をまとめた。全国的に残暑が厳しく、西日本の平均気温は平年比1.8度のプラスで、統計が残る1946年以降2位タイの記録となり、東日本も4位の記録だった。

 同庁によると、平均気温は北日本で平年より1.1度、東日本で1.5度高かった。佐世保(長崎)、熊本、人吉(熊本)、延岡(宮崎)の4地点で統計開始以来の最高値を更新し、岐阜、大分でも最高値と並んだ。

 降水量は、台風14号の影響で、四国は21%、九州南部は49%平年を上回った。逆に関東甲信は平年の49%、東海は48%しか降らず、特に水戸20%、三島(静岡)23%、千葉30%と少なかった。

 日照時間は、北日本、東日本の日本海側が平年並みだった以外は多く、沖永良部(鹿児島)と西表島(沖縄)は、9月の月間日照時間の記録を更新した。(共同)

紅葉見ごろ、今年は遅め 気象庁が関東の予想

2005/09/29 The Sankei Shimbun

 気象庁は29日、関東地方の紅葉予想を発表した。今年は9月の平均気温が高く、10、11月も平年より高めに推移するとみられていることから、紅葉の時期は例年より5日から10日遅いと見込まれている。

 紅葉前線は、10月6日ごろから見ごろを迎える尾瀬(群馬)を皮切りに徐々に南下。東京都区内では12月5日ごろまで楽しめそうという。

 予想は、紅葉と気温の関係を示すデータがある関東地方に限って実施している。(以下略)(共同)

ハリケーン「超大型」35年で倍増 米誌報道

2005/09/26 The Sankei Shimbun

 26日発売の米誌タイム最新号は、過去35年間の世界の気象分析の結果として、最近の小・中型ハリケーンの年間平均発生数が1970年代と比べてやや減少する一方、「カトリーナ」や「リタ」に匹敵する超大型ハリケーンは倍近くに増えていると報じた。

 地球温暖化との関連については一概に言えないとしているが、米気象当局の5段階の分類で最も勢力の強い「レベル5」に達したハリケーンがこの約1カ月間に2度も米本土を襲ったことにより、温暖化との関連は考えにくいとする専門家の姿勢にも変化が生じ始めたと伝えている。

 同誌によると、米ジョージア工科大のジュディス・カリー教授らのグループが世界のハリケーンの発生状況を調べた結果、カトリーナやリタ並みの「レベル4」や「5」にまで達したハリケーンの数は70年代の年間平均10から「劇的に増加」し、90年以降は18に上っているという。(共同)

北日本以外は暖冬傾向 気象庁が寒候期予報

2005/09/22 The Sankei Shimbun

 気象庁が22日発表した12月から来年2月の寒候期予報によると、今冬の平均気温は、北日本で平年並み、東日本と西日本は平年並みか高く、南西諸島は高めで暖冬傾向になりそうだ。

 日本海側は、曇りや雪、雨の日が多い。降雪量は北日本が平年並みで、東日本、西日本は平年並みか少ない。

 太平洋側は、北日本で晴れの日が多い。東日本と西日本は平年より曇りや雨、雪の日が多いという。

 また気象庁が同日発表した10―12月の3カ月予報は次の通り。

 ▽10月 気温は全国的に高く、降水量は北日本の日本海側で平年並みか少なく、北日本の太平洋側と東日本は平年並み、西日本は平年並みか多い。

 ▽11月 気温は北日本、東日本で高く、西日本は平年並みか高い。降水量は北日本の太平洋側と東日本の太平洋側、西日本で平年並みか多い。

 ▽12月 気温は北日本で平年並み。それ以外の地域は平年並みか高い。降水量は全国的に平年並み。(共同)

台風減少も…勢力強大に 温暖化の影響解析

2005/09/20 The Sankei Shimbun

 地球温暖化の進行が台風や集中豪雨の強さと発生頻度に影響を与える詳しいメカニズムが、気象庁気象研究所や国立環境研究所のスーパーコンピューターなどによる解析で20日、明らかになった。

 大気中に含まれる湿気が増えて、ひとたび台風や雨雲が発達すると今以上に勢力が強まり、台風14号や米南部を襲った「カトリーナ」のように大きな被害が頻発する恐れがある。

 一方で、大気の安定度が高まって台風の発生個数そのものは減少。亜熱帯の一部では、季節によって豪雨と渇水に交互に見舞われることも予想されるという。

 研究者は「温暖化に伴う地域ごとの気候変化を見越したきめの細かい防災対策が必要だ」と指摘している。

 気象研気候研究部の吉村純(よしむら・じゅん)・主任研究官は高性能スパコン「地球シミュレーター」を使い、温暖化が進んだ100年後に台風などの熱帯低気圧がどう変化するか調べた。

 その結果、全体として勢力が強まり、風速45メートル以上の非常に強いものが増加。最大風速は北半球で約7メートル、南半球で約3メートルも強くなった。熱帯域の海面水温が上がり、エネルギーとなる水蒸気の供給が増えるためだ。

 一方、弱いものも含めた熱帯低気圧全体の発生個数は、約30%減る。地表より上空の大気の方が強く暖められ上昇気流が起きにくくなって大気の安定度が増すためで、水蒸気を多く含んだ下層の大気と、乾いた上層の大気が混ざり合った結果と考えられる。

 吉村研究官は「多くの低気圧はなかなか台風まで成長できないが、条件が整えば十分な水蒸気を得て一気に強大化する」と説明する。

 こうした相反する現象は、豪雨と弱い雨の関係にもみられた。

 大気中の湿気が増えると平均降水量は多くの地域で増えるが、国立環境研究所の解析で、東南アジアや中国南部、北米中南部や南米アマゾン、欧州南部など一部の地域では、今より豪雨が激しくなると同時に、弱い雨が降りにくくなることが分かった。(共同)

核実験監視網で津波予報 気象庁がアジア諸国へ

2005/09/20 The Sankei Shimbun

 気象庁は20日までに、北西太平洋やインド洋沿岸諸国に津波予報を提供する際、包括的核実験禁止条約機構(CTBTO)が観測した地震計のデータを活用することを決めた。来年度からシステム構築に取り組む。

 昨年12月のスマトラ沖地震を機に、同機構が核実験探知を目的に監視しているデータを利用できるようになった。気象庁は「観測地点が増える上、衛星を経由して安定的に収集できるので、より精度の高い迅速な情報提供につながる」としている。

 気象庁は今年3月、北西太平洋とインド洋沿岸諸国の26カ国の防災機関に対し、津波予報の提供を開始。マグニチュード(M)6.5以上の地震が起きた場合、震源や津波の高さ、到達予想時間などを30分以内に、専用回線などを通じ提供している。

 地震の規模や震源の位置、深さなどのデータは、米国の地質調査所などが観測している世界中の約80カ所の地震波データをインターネット経由で入手、コンピューターを使い解析し、予報を出している。

 新たに入手が可能になるのは、同機構が監視している世界規模の約90地点のデータ。スマトラ沖地震で同機構のもつ詳細なデータが生かされなかった反省から、同機構が各国に迅速にデータを提供することを決めた。

 観測地点が倍になる上、インターネット経由でのデータ収集に比べ安定性が増す。日本への津波の影響がある遠隔地の地震の際も、より精度の高い予報が期待できるという。(共同)

温かい海面で勢力急成長 メキシコ湾通るハリケーン

2005/09/22 The Sankei Shimbun

 米ルイジアナ州などに壊滅的被害をもたらしたハリケーン「カトリーナ」に続き、米本土に接近している「リタ」も21日、ハリケーンとして最大級の「レベル5」に発達した。2つのハリケーンはいずれもメキシコ湾上空で急速に勢力を強めた点が共通しており、同湾の温かい海面が、大量のエネルギーを一気にハリケーンに供給したのではないかとみられている。

 ハリケーンは熱帯の海で発生し、移動しながら吸い込む水蒸気をエネルギー源として勢力を拡大する。このため海面温度の高さは勢力の維持や拡大に極めて重要。日本を襲う台風も基本的な仕組みは同じだが、日本付近は海面温度が熱帯より低く、日本接近時には勢力が弱まっているのが普通だ。一方、メキシコ湾は外洋と違って全体的に浅いため、海面がエネルギー供給に十分な温かさを保ちやすい。

 さらに米コロラド大によると、湾内にひときわ水温が高い海流や渦が存在し、そこにハリケーンの進路が重なると、極めて短時間に勢力を拡大する恐れがあるという。同大が衛星での観測結果を分析したところ、カトリーナとリタはいずれも、そうした高温の海域を通過していた。(共同)

14号で平年月雨量の3倍 台風一過、厳しい残暑

2005/09/09 The Sankei Shimbun

 気象庁は8日、台風14号による全国の雨量をまとめた。最高は宮崎県南郷村の1321ミリで、わずか3日間で9月の平年月雨量の約2.9倍を記録した。中四国や九州各地でも、平年月雨量の2倍以上の雨となり、多い所では3倍を超えた。

 台風が日本から離れた8日は全国的に晴れた所が多く、台風が運んだ暖気の影響で気温も上昇。群馬県館林市で35.7度、埼玉県越谷市で35.2度、東京都練馬区で34.2度を記録するなど関東を中心に厳しい残暑となった。

 気象庁によると、台風14号で宮崎県では南郷村のほか、えびの市、日之影町で1000ミリ以上の雨を記録。奈良や愛媛、大分、鹿児島各県でも900ミリを超えた所があった。

 日之影町と鹿児島県肝付町は、9月の平年月雨量の3倍以上となり、山口県美和町や愛媛県西条市、大分県竹田市など13地点では2倍を超える雨量を記録。北海道や中四国、九州の60地点で、1日の降水量の記録を更新した。(共同)

首都圏の集中豪雨、積乱雲の連続発生か…今後も要注意

2005年09月06日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 4日夜から5日未明にかけ、首都圏に大きな浸水被害をもたらした集中豪雨で、東京都内の各地では4時間で200ミリ以上の降雨が観測されていたことが、都の調べでわかった。

 激しい雨が比較的長時間続いた理由について、専門家は、通常なら1時間程度で消滅する積乱雲が数時間にわたって発生し続ける「バックビルディング」という現象が、台風14号の影響で起きた可能性が高いと分析。14号が接近する中、気象庁では今後も同様の大雨に警戒するよう呼びかけている。

 気象庁によると、4日夜は都内の複数の地点で1時間あたりの雨量が100ミリを超え、杉並区では4日午後8時50分からの1時間に110ミリを記録した。

 さらに、都などが設置している雨量計の記録によると、杉並区内では、午後8時以降の4時間で222ミリの降雨を観測。練馬区内でも、同様の時間帯で220ミリを観測した。このほか三鷹市などの9か所で、4日夜の4〜5時間に200ミリ以上の降雨を記録していた。

 暖かい空気が上昇して発生する積乱雲は短時間の豪雨をもたらすが、一般的にその“寿命”は1時間程度と言われ、夏の夕立なども通り雨のように移動していくことが多い。都内では1999年にも練馬区で1時間あたり131ミリの降雨を記録したが、1日の総雨量は151ミリにとどまった。

 それが今回、数時間にわたって同じ場所で大雨が降り続けた点について、東大海洋研究所の新野宏教授(気象学)は「台風が関東の南西にあり、南東の風が長時間にわたり吹き付けたので、同じ場所で積乱雲が次々と発生するバックビルディングが起きたのでは」と分析している。

 今回の集中豪雨で都内では、少なくとも1205棟に床上浸水、1389棟に床下浸水の被害が出た。

 国内の都市では、河川、下水道とも、国の基準に従って1時間あたり50ミリの降雨まで耐えられるよう整備を進めているケースが多いが、今回は、想定をはるかに超える1時間あたり100ミリ以上の降雨が各地であったうえ、激しい雨が数時間続いて被害が拡大したとみられている。

洪水、土砂崩れで10人死亡 アルプス地方で大雨

2005/08/25 The Sankei Shimbun

 大雨が続くオーストリア、スイス、ドイツ南部のアルプス地方各地で大規模な洪水や土砂崩れが発生し、ロイター通信によると、24日までに少なくとも10人が死亡、住民や観光客が避難する事態となった。1999年の欧州中部の記録的豪雨を上回る被害が懸念されている。

 スイスでは7人が死亡し、数千人が避難。オーストリアでもスイスとの国境に近い西部地域で3人が死亡、行方不明者も出ているという。

 ドイツ南部を含むアルプス地方各地では、洪水で孤立した住民らのヘリコプターなどによる救出活動や、道路や建物の補修作業が続いている。

 各地からの報道によると、オーストリアのドイツ国境付近のいくつかの村は周辺の道路が不通となり陸の孤島になった。ドイツのガルミッシュパルテンキルヘンでは大通りが水であふれて、自動車が流され、ホテルが浸水した。

 ルーマニア、ブルガリア、クロアチアなどでもこの数週間、大雨で計20人以上の死者が出ている。(共同)

全国的に日照時間短め 7月の気候統計

2005/08/01 The Sankei Shimbun

 気象庁は1日、7月の気温や降水量などの気候統計をまとめた。南西諸島を除き、全国的にぐずついた天気となり、日照時間は短く、降水量は西日本と東日本以北の太平洋側で多かった。気温は北日本で低かった。

 6月は西日本で記録的な少雨となったが、7月は梅雨前線も北上して日本付近に停滞。降水量は、平年に比べ北日本で29%、東日本で22%、西日本で23%多かった。

 気温は、東、西日本で平年並みだったが、北日本で平年より0.5度低く、特に八戸(青森)は1.1度、盛岡は1.2度低かった。

 日照時間は、北日本の多くの地点と東、西日本の所々で平年の80%未満となり、勝浦(千葉)は50%、白河(福島)52%、釧路(北海道)53%で少なかった。

 南西諸島は降水量の差が大きく、台風5号の影響で与那国島(沖縄県)は437ミリだったが、久米島(同)は1ミリも降らず、那覇も6.5ミリで、いずれも統計開始以来の最小値を更新した。(共同)

海底火山に2つの火口 南硫黄島沖、海保調査で判明

2005/07/29 The Sankei Shimbun

 今月2、3日に噴火した小笠原諸島・南硫黄島付近の海底火山「福徳岡ノ場」で、噴火に伴って新たに頂上部分に2つの火口ができていたことが海上保安庁の調査で29日分かった。

 同庁は20日から22日にかけ、小型の無人測量船を使って観測。その結果、海面下にある海底火山の山頂の北東側に、直径約200メートル、深さ30−40メートルの2つの火口を確認した。火口からは火山ガスも吹き出ていた。

 また今回の噴火の噴出物で山頂部分が高くなり、最も浅い所の水深が約19メートルと、以前より約3メートル浅くなっていた。(共同)

気象庁が3か月予報、8月―10月は気温高め

2005年07月25日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 気象庁は25日、8月〜10月の3か月予報を発表した。全般的に気温は高めに推移するとみられる。

【8月】北日本では、平年に比べて曇りや雨の日が多い。

【9月】南西諸島を除き、天気は数日の周期で変わる。降水量は平年並み。

【10月】天気は数日の周期で変わるが、西日本と東日本の太平洋側では、ぐずつく期間がある。

気象庁の予報精度 雨は向上、気温は低下

2005/07/14 The Sankei Shimbun

 雨の予報精度は向上、気温は低下―。気象庁は14日、台風や天気の予報精度などが2004年にどれだけ向上したかを示す業務評価リポートをまとめた。リポートの作成は02年に始まり今回で4回目。気象庁は「外れた原因の分析を重ねて予報ソフトを改善するなどし精度を上げたい」としている。

 リポートによると「翌日の降水予報が大きく外れた日」は、04年は27日で、03年の30日からわずかに改善。一方で「最低気温が3度以上外れた日」は32日となり、03年の30日に比べ精度がやや低下した。

 「週間天気予報の5日後の精度」についても、降水の有無の的中率は3ポイント改善し70%となったが、最高、最低気温の誤差は広がった。

 このほか「台風中心位置の72時間先の誤差」では、04年は平均で356キロと03年より18キロ改善し、「07年までに360キロ以下とする」目標を達成した。(共同)

噴煙収まり、活動静穏化 南硫黄島沖の海底火山噴火

2005/07/04 The Sankei Shimbun

 海上保安庁は4日、小笠原諸島・南硫黄島付近で起きた海底火山「福徳岡ノ場」の噴火の状況を専門家とともに航空機で調査し、噴煙が収まり活動が静穏化しているのを確認した。海保は5日も上空から調査する。

 調査には、海上保安庁海洋情報部の調査官のほか、東京工業大の野上健治助教授(地球化学)が参加。高度約300メートルから現場海域を調べた結果、2−3日に見られた白色の噴煙は全く認めらなかった。海水の変色域も緑白色に薄まり、規模も縮小していたという。

 また、噴火によって岩が海面上に出るなどの変化も確認できず、野上助教授は「火山活動は3日までと比べると急速に衰えた」としている。(共同)

海底火山の噴火を確認 南硫黄島沖、海保が調査

2005/07/03 The Sankei Shimbun

 第3管区海上保安本部(横浜)は3日、海面から水蒸気が噴出した小笠原諸島(東京都小笠原村)南硫黄島沖約5キロの周辺を航空機で上空から調査し、海底火山の噴火を確認した。

 3管本部によると、午前11時10分から約1時間40分間、調査を実施。現場は多数の岩のようなものが海面上に隆起して水蒸気を噴出。周辺海域には長さ約1キロにわたりオレンジ色がかった茶色の変色域があった。海底から灰色の泥水のようなものがわき出るのも確認したという。

 海上保安庁海洋情報部の担当者らが航空機に乗り込み、午前9時半に羽田空港を離陸。現場上空からビデオ撮影などをした。

 現場は福徳岡ノ場と呼ばれる海底火山付近。1986年と92年に噴火を観測し、今年5月中旬にも海水の変色を確認した。南硫黄島は無人。(共同)

少雨うらめし 田植えできず、水稲生育に遅れ 九州北部、四国

2005/07/02 The Sankei Shimbun 東京朝刊から

 西日本の記録的な少雨で、農林水産省は1日、九州北部や四国で平成17年産米の田植えができない地域が出るなど、平年より水稲の生育に遅れが出始めたと明らかにした。農水省は農業用水緊急節水対策本部を設けて水の計画的な配水や節水を呼びかけるとともに、都道府県に対して農作物の技術指導を行った。今後1週間は東日本太平洋側と西日本では少雨が続くとみて、島村宜伸農水相は渇水に対する追加策を指示した。

 農水省は平成6年に行った災害用ポンプの貸し出しで、乏しい水を計画的に配水する方針。今後、水不足が深刻な地域では配水計画に応じた田植え時期の調整、最重要な幼穂形成期から出穂、開花期にかけての水の確保や、用水路からの漏水防止を指導した。

 気象庁が1日発表した6月の天候まとめでは西日本の降水量は平年の34%にとどまり、昭和57年の同35%を下回り昭和21年の統計開始以来、最低を記録。西日本の気温も平年に比べプラス1.7度と昨年の同1.3度を上回り、過去最高を記録した。

 とりわけ、九州北部と山口県地方の6月気候統計では、福岡のほか山口と長崎、大分の一部で月降水量の最小値を更新するなど各地で記録的な少雨となっている。

 気象庁は「梅雨前線が平年より沖縄から日本の南海上に位置することが多かった。このため西日本は梅雨前線の影響を受けにくく、少雨となり晴れの日が多く高温となった」と説明している。

空梅雨 3年ぶりに渇水対策本部

2005/07/01 中国新聞地域ニュース

 ▽中国地方整備局設置、節水呼び掛け

 空梅雨の影響でダムの貯水量や河川の流量が落ち込んでいるため、中国地方整備局は一日、渇水対策本部(本部長・望月常好局長)を設置した。貯水量などの監視、関係機関との連絡体制を強化し、節水の呼び掛けを始めた。対策本部の設置は三年ぶりとなる。

 対策本部は、鳥取県の日野川水系に続き、岡山県西部を流れる高梁川水系でも一日から取水制限が始まるなど影響が拡大しているのを受けて設置した。望月局長らが午前十時半、広島市中区の同局河川部に看板を掲げ、早速、対応を協議した。

 同局によると、中国地方の一級河川十三水系の流域では春以降、少雨傾向が続き、四〜六月の平均降雨量は平年の36%にとどまった。同局が管理する七ダムのうち、江の川水系の土師(安芸高田市)、芦田川水系の八田原(府中市、広島県世羅町)など三ダムの貯水率は28〜52%に落ち込んでいる。

 同局河川部は「このまま少雨が続くと、一九九四年の異常渇水よりも厳しい状況に陥る可能性がある」と懸念。節水を呼び掛ける広報活動も強化する。

6月降水量史上最少 広島県東部

2005/06/30 中国新聞地域ニュース

 広島県東部にある広島地方気象台の観測所六カ所で、二十八日までの月間降水量が六月としては観測史上最少となっている。同気象台は三十日もまとまった雨は期待できないとしており、各観測所とも記録を更新する公算が大きい。「空梅雨」が深刻さを増している。

 福山市では一七ミリと、一九四二年の観測開始以来、最も少なかった四四年の二八ミリを39%下回っている。梅雨入り翌日の十二日から一ミリ以上の雨は降っていない。

 ほかの観測所も、因島一八ミリ(過去最少四七ミリ)▽府中二四ミリ(同五七ミリ)▽油木二七ミリ(同七五ミリ)▽上下三三ミリ(同五六ミリ)▽世羅三九ミリ(同八〇ミリ)―にとどまっている。

 二十九日午後、県東部の一部でにわか雨が降ったが、最も多い府中市上下町でも五ミリで、渇水傾向の解消には程遠い。

 空梅雨の影響で、芦田川源流部の神田大池(三原市大和町)は、大部分が干上がった。ひび割れた池底には雑草も生え始めている。

 同気象台は「太平洋高気圧の勢力が強まらず、四国の南沖から前線が北上しなかった」と空梅雨の原因を分析。ただ「七月一日以降は日本海に停滞している前線が南下し、雨が降りそう」と予報している。

1週間まとまった雨なし 気象庁が少雨情報発表

2005/06/27 The Sankei Shimbun

 気象庁は27日、少雨傾向が続いている東日本の太平洋側と西日本では、少なくとも今後1週間程度はまとまった降雨が予想されないとして、少雨に関する気象情報を発表、水源や農作物管理に注意を呼び掛けた。

 同庁によると、6月20―26日に太平洋沿岸を中心に雨が降ったが、東海や近畿、中四国、九州北部を中心に続く少雨傾向を解消するだけの雨量はなかったという。

 東北の日本海側や新潟県内などでは28日にかけて強い雨が降るが、東日本の太平洋側と西日本は少雨を解消するようなまとまった雨は見込めないという。

 28日の関東地方は晴れて日射が強く、光化学スモッグが発生しやすい状態とみられる。

 6月1―26日の降水量は平年と比べ、福岡で7%、米子(鳥取県)12%、松江と岡山、松山で13%、高松18%、高知24%、徳島25%、名古屋30%、広島34%、大阪40%、東京は82%。(共同)

梅雨どこへ? 少雨・好天続いて渇水心配

2005年06月25日 asahi.com

 日本列島は25日も全国的に晴れ間が広がり、真夏を感じさせる暑さとなった。梅雨前線が南の海上に下がったためだ。じめじめしたうっとうしさはないが、春先からの少雨に空梅雨が重なり、水不足が深刻になりつつある。各地でダムの取水制限が始まり、農作物への影響も懸念される。今後1週間は猛暑が続き、熱中症への注意も必要。94年以来の「大渇水の夏」となる可能性もあり、いつにも増して空模様が気になる梅雨になった。

 「5月末からまとまった雨は降っていない」。福岡県行橋市の職員は、好天を喜べずにいる。市内の一部では、川の水が干上がるなどで田植えができていない。川底を掘り、水を吸い上げている地域もあるという。22日には渇水対策本部ができ、節水を呼びかけるビラの配布や広報車の手配に追われる。

 佐賀県も干ばつ対策連絡室を22日に設置した。担当者は「天気予報が気になる。11年ぶりの渇水になるかもしれない」。

 渇水傾向は4月から中部地方以西で目立つようになり、国土交通省は3日、河川局に渇水対策本部を設置した。

 同省によると、全国の主な河川109水系のうち取水制限をしているのは23日現在、14水系にのぼる。地域別では中部8▽中国1▽四国4▽九州1。徳島県の長安口ダムは、取水制限率が最大60%。大量の水が必要な下流の製紙工場は、上質紙の生産を減らし、より少ない水で作れる再生紙に切り替えたという。23日の貯水率は3.8%。

 岐阜県の横山ダムは農業用水で60%の取水制限をし、大分県の耶馬渓ダムも工業用水の取水量を67%カットしている。

 首都圏の水がめでは取水制限はないが、貯水率は群馬県の矢木沢ダムで83%、下久保ダムで61%まで下がった。国交省は、他のダムを含め、貯水率が7、8割を確保できていることから、「今後、平年通りの雨が降ってくれれば心配はない」としている。

 しかし、少雨がこのまま続けば西日本では94年以来の大渇水になることも予想される。国交省は29日、農林水産省などと渇水連絡会議を開き、対策を話し合う予定だ。

 ●春先から少雨

 今年は春先から全国的に少雨が続いた。移動性高気圧に覆われて晴れる日が多かったためで、西日本の太平洋側では観測史上最少、東日本太平洋側では3番目の少雨だった。

 沖縄や奄美地方をのぞくと梅雨入りも遅れた。

平年は10日の北陸、12日の東北北部はいまだ、梅雨入りしていない。降水量(4月1日〜6月23日)は平年に比べ、長野30%、高松27%、福岡26%と3割以下の地域も出ている。

 梅雨前線は、列島の南側の太平洋高気圧に押し上げられる形で北上していくが、今年はこの太平洋高気圧の勢力が弱く、前線が押し上げられずにいる。原因は、フィリピン東の海上の対流活動。ここで上昇した気流は、日本の南で下降し、太平洋高気圧の勢力を強くする。この対流活動が弱いため、太平洋高気圧が強くならないという。

 気象庁は今後1週間は晴れる日が多いものの、7月に入ると、梅雨前線の活動が活発になると予想する。ただ、「これから平年並みの雨が降ったとしても、渇水が進んだ地域の少雨を解消できるかどうか」とみている。

中国南部で洪水の被害拡大 1884万人被災

2005/06/25 The Sankei Shimbun

 中国南部が大雨に見舞われ、洪水被害が広がっている。民政省のまとめでは、浙江、福建、江西、湖南、広東、広西チワン族の6省と自治区で計1884万人が被災。124人が死亡し、69人が行方不明になった。直接的な損害は約133億元(約1700億円)といわれる。

 広東省の一部地域では400年に1度といわれる大雨が降り、川の水かさも「100年に1度の高さ」になった。道路や鉄道にも被害が出た。広州市内の一部でも、珠江の水があふれて浸水した。

気温50度超、インド東部で200人以上死亡

2005/06/20 The Sankei Shimbun

 PTI通信などによると、インド東部のオリッサ州や西ベンガル州などの各地で熱波のため気温が50度を超え、19日までに計200人以上が暑さが原因で死亡した。

 インドの北部や東部ではモンスーンによる雨期の到来が例年より遅れており、首都ニューデリーでも気温40度を超える日が続いている。(共同)

西日本中心に記録的少雨 気象庁が春の気候まとめ

2005/06/01 The Sankei Shimbun

 気象庁は1日、春(3−5月)の気温や降水量など気候統計をまとめた。東日本の太平洋側と西日本全域で記録的な少雨となり、特に西日本の太平洋側の降水量は平年比57%で、統計がある1946年以降最も少なかった。

 同庁によると、降水量は東日本の太平洋側でも平年比68%で過去3番目の少なさ。河口湖(山梨県)、尾鷲(三重県)、京都、神戸、奈良、和歌山、松江、岡山、徳島、高松、宮崎など、18地点で降水量が最小記録を塗り替えた。

 平均気温は、北日本と南西諸島で9年ぶりの低温、西日本は高めとなり地域差が大きかった。東日本の5月の平均気温は、12年ぶりの低温となった。

 日照時間は移動性高気圧に覆われた東、西日本で多く、平年を上回った。東日本太平洋側は平年比114%、西日本太平洋側同120%、西日本日本海側で同116%で、いずれも46年以降最も多かった。(共同)

阿蘇噴火、GW観光に影響 火山活動は依然、活発

2005/04/28 The Sankei Shimbun

 阿蘇・中岳が今月14日に小規模噴火して2週間余り。15日以降新たな噴火は確認されていないが、火山活動は活発な状態が続いており、火口から半径1キロの立ち入り規制はゴールデンウイーク(GW)中も解除されない見通し。観光への影響も懸念されている。

 熊本大の渡辺一徳教授や阿蘇火山博物館(阿蘇市)などの研究グループは、今回の噴火の火山灰に新鮮なガラスが含まれていたことを確認した。マグマが地表近くに上昇していることが推測できるという。

 京都大火山研究センターの須藤靖明助教授は「活動予測は非常に難しい」としながらも、「火口内の湯だまりが干上がり、火口底が高温のガスで熱せられ、大きなマグマの噴出口(火孔)ができるケースなどが想定される」としている。この場合、最終的にマグマ噴出の恐れもあるという。

 福岡管区気象台によると、火山性地震や阿蘇山に特徴的に表れる孤立型微動はやや多い状態が継続しているが、活動は全体として比較的安定しており、大きな変化がなければ5月中旬にも火山活動レベルを現在の3から2に下げる方針。

 これに伴い、火口の半径1キロの立ち入り規制も解除されるが、阿蘇市まちづくり商工観光課は「直接火口をのぞくことができるのが阿蘇山の売り。連休を迎えるにあたりかなりのマイナス要因だ」と話す。

 GW期間中を中心に、5月の阿蘇地域には例年、約85万人が訪れるが、今年は団体客のキャンセルが増えているという。(共同)

マリモが春の目覚め 阿寒湖で引き揚げ作業

2005/04/27 The Sankei Shimbun

 国の特別天然記念物マリモが生息する北海道・阿寒湖で、越冬のため湖底に沈められていた展示用のマリモを引き揚げる作業が27日、行われた。

 マリモは、阿寒湖のチュウルイ島にある「マリモ展示観察センター」で展示されるが、冬の阿寒湖は全面結氷し、センターも閉鎖される。このため、マリモは湖に戻して越冬させている。

 この日は午前9時すぎから、観光遊覧船を運航する阿寒観光汽船の社員らが作業を開始。小舟に乗り、水深約4メートルの湖底からかごに入れた直径5−20センチのマリモ約150個を引き揚げた。1個ずつ丁寧に洗い、センターの展示用水槽に移し替え。センターは5月初めから11月末まで営業する。(共同)

西日本は11年ぶりに低温 気象庁が3月の気候統計

2005/03/31 The Sankei Shimbun

 気象庁は1日、3月の気温や降雪量などの気候統計をまとめた。九州南部や南西諸島は寒気の影響で低温が著しく、佐賀と西表島(沖縄県)、与那国島(同県)は月平均気温の最低値を更新。西日本全体の気温平年差はマイナス0.5度で1994年以来11年ぶりに「低い」とされた。

 同庁によると、月平均気温は北日本と東日本で平年並みだったが、西日本は低く、南西諸島はかなり低い状態だった。新庄(山形県)と鹿児島、名護(鹿児島県)は、それぞれ平均気温の最低値とタイ記録となった。

 降雪は日本海側を中心に多く、室蘭(北海道)と松江、厳原(長崎県)、屋久島(鹿児島県)で月最深積雪の最大値を更新。月間の日照時間は羽幌(北海道)と青森で最小値を更新した。(共同)

東京の桜、遅めの開花 昨年より13日遅く

2005/03/31 The Sankei Shimbun

 気象庁は31日午後、東京の桜(ソメイヨシノ)が開花したと発表した。平年より3日遅く、昨年より13日遅い。

 ここ数年、東京の開花は平年より早い状態が続いていたが、今年は気温が低めに推移したため、遅い開花となった。31日の開花は1996年以来。

 東京の桜は、靖国神社境内(千代田区)にある標本木が5、6輪咲けば開花とみなしており、満開までは約1週間という。(共同)

東日本と西日本の気温、平年並みか高め…3か月予報

2005/03/24 読売新聞

 気象庁は24日、4―6月の3か月予報を発表した。

 この期間の平均気温は、北日本で平年並みのほか、東日本、西日本では平年並みか高めで推移する。南西諸島は太平洋高気圧の影響で、高めとなりそうだ。

 【4月】天気は数日の周期で変わる。東日本の太平洋側と西日本では、平年に比べ、晴れる日が多そう。

 【5月】東日本と西日本では、平年に比べ、曇りや雨の日が多い。南西諸島では気温は高めに。

 【6月】北日本では、数日の周期で天気が変わる。東日本から南西諸島にかけては、平年と同様に曇りや雨の日が多い。

洪水で死者200人超す アフガン

2005/03/20 The Sankei Shimbun

 ロイター通信によると、アフガニスタン当局者は20日、豪雨で川の決壊などによる洪水が同国の数カ所で発生、これまでに200人以上が死亡したことを明らかにした。

 中部ウルズガン州の被害が最もひどく、同国中央部を流れるヘルマンド川の決壊などにより、同州知事によると、死者は115人に達した。西部ファラー州でも68人が死亡した。

 また、西部ヘラート州では住宅約2500戸が倒壊したという。米軍や国連が救援に当たっている。

 ヘルマンド川はアフガン最長の川。(共同)

米セントヘレンズ火山、5カ月ぶり噴火

2005/03/10 The Sankei Shimbun

 米北西部ワシントン州の火山セントヘレンズ(2,549メートル)が米東部時間の8日夜(日本時間9日朝)、約5カ月ぶりに噴火した。

 米地質調査所の観測では、噴き上げた水蒸気と火山灰は一時、約1万メートル上空に達し、9日も少量の水蒸気や火山ガスの噴出が続いた。

 AP通信によると、火山学者は大規模噴火につながる可能性は低いとみている。(共同)

5カ国に津波警報センター 早期運営へ、ユネスコ会合

2005/03/08 The Sankei Shimbun

 インド洋の津波警報システムの構築を協議する国連教育科学文化機関(ユネスコ)の関係国会合がパリで8日、開かれ、インド洋沿岸の5カ国が先行して自国の警報センターを独自に作り、周辺国にも情報を提供する方向で一致した。

 5カ国はインド、インドネシア、オーストラリア、タイ、マレーシア。

 1月に神戸で開かれた国連防災世界会議は、昨年12月のスマトラ沖地震・津波の教訓から、インド洋に津波早期警報システムを構築することで一致。その後、システムの拠点となる「中核センター」をどこに作るかで各国が対立していた。

 ユネスコ会合では5カ国独自の警報センター設置などのほか、日本の気象庁とハワイの米太平洋津波警報センターがインド洋沿岸国に津波情報を提供することも確認。各国は常時、各種ルートで得た津波情報を住民に知らせるための態勢作りを急ぐことでも一致した。(共同)

核実験監視網で津波警報 CTBT機構がデータ提供

2005/03/05 The Sankei Shimbun

 包括的核実験禁止条約機構(CTBTO)準備委員会は4日、ウィーンで特別会合を開き、津波早期警報システム構築支援のため、世界中で整備を進めている核実験の国際監視網の地震データなどを各国政府や観測機関に優先的に提供することを決めた。委員会筋が明らかにした。

 昨年末のスマトラ沖地震に伴う津波被害で国際的な津波警報システム整備が急務になっているが、世界中に地震波の観測所を持つ同機構の協力により、実現に向け大きく前進する。

 特別会合は、スマトラ沖地震の際、同機構が詳細な地震データを入手しながら関係国への提供が2時間後と遅く、津波警報に生かされなかった反省から開催。同地震で大きな被害を受けた東南アジア諸国や、日本などが強く働き掛けた。

 会合では、同機構が扱うデータのうち軍事機密に抵触しない地震波と水中音波データのみを提供することで合意。大規模な地震が起きた際には発生から15分以内にデータを太平洋津波警報センター(ハワイ)などの観測機関や関係国政府、国連教育科学文化機関(ユネスコ)など国際機関に送信する。当面は暫定的な運用とし、8月末の会合で実施状況を再度検討する予定。(共同)

「褐色雲」の素顔を暴け アジアで国際観測計画

2005/03/05 The Sankei Shimbun

 アジア地域の上空に広がる、汚染物質や黄砂などによる「褐色雲」の動きや成分を調べる国際観測計画が7日から始まる。大気汚染が気候変動に与える影響を分析し、地球温暖化の将来予測に生かすのが目的。

 観測には日本、韓国、中国、米国などが参加し、25日まで集中的に実施する。観測地点は韓国・済州島を中心に6つの国・地域の16カ所。うち国内は北海道根室市や沖縄・波照間島などの7カ所。

 褐色雲は1999年春、ヒマラヤから東南アジアにかけての上空で厚さ約3キロで広がっているのが初めて見つかった。春先に多く、住民への健康影響のほか、太陽光低減などによる農業への影響も心配されている。

 成分は黄砂のほか、硫酸塩や硝酸塩といった工業排出物、大規模な森林火災で出る煙など。主にアジアの経済成長に伴い顕在化したと考えられている。

 地球温暖化の予測は、二酸化炭素など温室効果ガスの増加のみで計算すると過大評価となってしまうため、褐色雲などによる冷却効果の解明が必要だと考えられている。

 観測は、地上から上空に発射したレーザーの反射で大気中に浮かぶ微粒子の高度や濃度を調べるほか、大気を吸引し、成分を分析する。

 メンバーの畠山史郎・国立環境研究所室長は「観測を通じ、東アジア全域の大規模な大気汚染現象の変化をつかみたい」と話している。(共同)

欧州に記録的寒波が襲来 乱れる交通、休校相次ぐ

2005/03/05 The Sankei Shimbun

 欧州各地が4日までの数日間、記録的な寒波に見舞われた。大雪や凍結のため航空機の欠航や遅れが相次ぐなど空と陸の交通に多大な影響が出ているほか、学校の休校なども広がっている。

 AP通信などによると、オランダやフランスの空港では到着便の遅れが続き、ロンドン郊外のスタンステッド空港では4日朝、雪で滑走路が閉鎖された。イタリアでも数十便が欠航した。

 オランダの一部地域では積雪が50センチに達し、過去20−25年間の3月の積雪量としては最高を記録。イタリア北西部トリノでは夜間の気温が氷点下8度まで下がり、1971年に記録した3月の最低気温を1・5度下回った。

 ローマでも3月としては過去18年間で最低の気温に。マドリードでは過去約15年間で最多の積雪となった。

 英BBC放送によると、英国では積雪のため南東部ケント州で学校103校、同東部ノーフォーク州で64校が休校した。(共同)

関東から九州で「黄砂」観測 今年初、視程10キロ以上

2005/02/23 The Sankei Shimbun

 23日午後、横浜や甲府、広島、徳島、鹿児島など関東から四国、九州にかけて黄砂を観測した。広範囲で黄砂が見られるのは今年初。いずれも視程は10キロ以上あった。

 黄砂は春先に中国などの砂漠で強風によって砂が空中に巻き上げられ、黄色いかすみのように日本の上空を覆う現象。規模が大きいと、航空機の運航に影響する場合もある。

 気象庁は「観測された範囲は広いが、薄いようだ」と話している。(共同)

三宅島居住地域で初のガス注意報 村民にマスク装着要請

2005/02/07 中国新聞ニュース

 七日午前十一時十五分、伊豆諸島・三宅島(東京都三宅村)で、南西部の阿古地区を対象に、村民らにガスマスク装着を呼び掛ける火山ガス注意報が発令された。午前五時五十分には、居住禁止の阿古高濃度地区に、避難を呼び掛ける火山ガス警報が出された。避難警報や居住地域への火山ガス注意報発令は、一日の避難指示解除後初めて。

 三宅村は阿古地区の村民らに防災行政無線で、ガスマスクを装着し屋内に避難するよう呼び掛けたが、装着する人はほとんど見られず、平野祐康村長は「周知徹底しなければいけない」と語った。

 阿古高濃度地区には、警視庁三宅島署員と機動隊員三十人や村職員三人が出動、地区内を巡回し人がいないか調べ、避難を呼び掛けた。実際に避難した人はいなかった。

 さらに署員らは、島の周回道路で阿古高濃度地区内に入ろうとする復旧工事業者らの車を一台ずつ止め、ガスマスクを着けて通過するよう要請。ガスマスクを持っていない場合は引き返させた。

 注意報・警報は、呼吸器に疾患があるなど、ガスの影響を受けやすい「高感受性者」向けと一般向けに大別され、SO2濃度に応じて四段階ある。

 阿古地区に出されたのは一般向け注意報(レベル三、SO2濃度二・○ppm以上五・○ppm未満)、阿古高濃度地区は一般向け警報(レベル四、五・○ppm以上)。阿古高濃度地区のSO2濃度は最高五・五七ppm。警報は午前十一時五十分、注意報は午後一時に解除された。

 村が条例に基づき定めた行動基準によると、レベル三の場合、屋外にいる村民らはガスマスクを着けて室内に入る。レベル四の場合は、SO2を除去する脱硫装置を備えた避難施設か、SO2濃度の低い地区に避難しなければならない。

 気象庁の午前九時の観測では、白色の噴煙が火口上約二百メートルまで上がり、西に流れていた。

三宅島、避難指示を解除 4年5カ月ぶり

2005/02/01 The Sankei Shimbun

 東京都三宅村は1日午後3時、災害対策基本法に基づく伊豆諸島・三宅島の避難指示を4年5カ月ぶりに解除した。帰島第1陣の村民は午後10時半、定期船で東京港を出港。島内で復興工事に携わる村民の一部は自宅に戻った。

 「火山ガスとの共生」を目指す前例のないケース。避難指示解除に併せ、島のほぼ半分を立ち入り規制区域にし、ガス濃度に応じて注意報、警報を発令する安全確保条例が施行された。村民はガスマスクを常時携帯し、生活することになる。

 三宅村によると、村民約3200人のうち約2000人が7月末までに帰島する見通し。村は「自己の判断で帰島する」との文書に署名、押印を求めた。観光客は5月から受け入れ、ガスマスクを携帯してもらう。

 帰島第1陣は、村が紹介した業者を利用して引っ越す25世帯36人や、自分で別の業者に依頼した人たち。1時的に帰島する人を含め、約100人が乗船する見込み。

 海が荒れているため、状況次第では三宅島に寄港しないとの条件付き出港となった。

 規制区域は、火口付近の立ち入り禁止区域、その外側の危険区域、居住禁止で立ち入りも1日4時間以内に制限される高濃度地区の3種類。

 無許可で立ち入ったり、居住したりした場合、村長は退去を指示、従わなければ5万円以下の過料を取ることができる。

 高濃度地区に自宅があり、帰島を希望している約100人は、島に戻っても村営住宅などでまた避難生活を送ることになる。

 島内には建設作業員ら二百数十人の村民が滞在。工事関係者の増加で宿泊場所が足りなくなり、うち約100人は約1週間前から村の許可を得て自宅に戻っていた。(共同)

春の訪れ早い可能性も 気象庁が3カ月予報

2005/01/25 The Sankei Shimbun 東京朝刊から

 気象庁は25日、2−4月の3カ月予報を発表した。この期間の平均気温は全国的に平年並みか高く、降水量は北日本以外は平年並み、北日本の日本海側の降雪量も平年並みと予想。同庁は「2月は寒気の影響などで平年同様の寒さとみられるが、3月は全国的にやや高めの気温になり、春の訪れが早くなる可能性もある」としている。

 ▽2月 東日本の太平洋側と西日本は曇りや雨、雪の日が多い。気温は平年並み。降水量は東日本の太平洋側と西日本で平年並みか多い。

 ▽3月 天気は数日の周期で変わり、気温は平年並みか高め。降水量は平年並み。

 ▽4月 天気は南西諸島以外の地域で、平年より晴れる日が多い。気温は平年並みか高く、降水量は南西諸島以外は平年並みか少ない。(共同)

三宅島測候所4年4か月ぶり観測再開…19日から

2005/01/17 読売新聞 Yomiuri On-Line

 三宅島への一斉帰島を前に、気象庁東京管区気象台三宅島測候所が19日、閉鎖から4年4か月ぶりに観測を再開する。

 国内の測候所では初めて、観測拠点となる業務室に、火山から発生する有毒ガスを遮断する装置を配備。4人体制で、火山活動の監視と島民への情報提供を始める。

 同測候所は噴火した雄山の火口から北約4キロの三宅村神着地区にあり、所内への降灰で業務が不可能になったため、2000年9月に閉鎖。同庁は東京都三宅支庁舎などで観測を続け、昨年秋から、測候所の改修を続けてきた。

 噴火に伴う亜硫酸ガスが、風向きによっては大量に流れて来ることも予想され、業務室に脱硫装置を備え付けた。職員4人が午前8時から午後6時まで業務を行い、4月からは9人が24時間体制で観測する。

 同管区気象台の原島良和総務部長は「幾多の苦労を経て古里に戻ってきた島民たちは、きっと火山活動に不安を持っていると思う。適切な情報提供をしたい」と話している。

観測装置1機にトラブル 無人化の富士山測候所

2005/01/04 The Sankei Shimbun

 昨年10月から無人化された富士山測候所の自動観測装置2機のうち、1機に11月中旬から観測データを送信できないトラブルが続いていることが4日、分かった。

 もう1機は正常に作動しており、気象庁は「送信アンテナに落雷があった可能性がある。観測には大きな影響はない」と説明している。

 気象庁によると、富士山測候所には独立した自動観測装置が2機あり、気温や気圧など同じ項目を衛星回線で気象庁に送信しているが、昨年11月12日に1機からデータが送信されなくなり、回復していないという。

 気象庁は「富士山山頂は落雷が多く、無人化に際してシステムを二重化するなど対策を施した。2機のほかに予備観測装置も配備しており、冬季の修理は考えていない」としている。(共同)

新潟市で初雪を観測 観測史上2番目に遅く

2004/12/21 The Sankei Shimbun
 新潟地方気象台は21日、新潟市で初雪を観測したと発表した。

 同気象台によると、1951年以降の観測史上、2番目に遅い記録で、平年よりも1カ月近く遅い。最も遅い初雪は68年の12月22日。(共同)

今年は高温傾向続く 東日本は年平均気温1位の見込み

2004/12/20 The Sankei Shimbun
 気象庁は20日、2004年の気温や台風などの観測データを基に、天候の速報をまとめた。年間を通じて高温傾向が続いたのが特徴で、東日本は平均気温との差がプラス1・3度となり、1946年の統計開始以降、90年と98年のプラス1・1度を超え年平均気温の1位になる見込み。強い勢力のまま接近した台風も多かった。

 統計は1月1日から12月18日までの観測値から算出。北日本と西日本はともにプラス1・1度で、北日本は90年の同1・4度、西日本は98年の同1・5度に次ぐ2位となる見通し。

 7月中旬には活発化した梅雨前線により、新潟・福島豪雨と福井豪雨が発生。台風や前線の影響を受けやすかった東日本の太平洋側や西日本でも多雨が顕著だった。

 気象庁は「地球温暖化や都市化に加えて、太平洋高気圧が強く持続して暖かい空気が流れ込んだり、偏西風が日本付近で蛇行したりしていたことなどが高温の要因」としている。

 台風は上陸が10個と過去最多。これを含め北海道から九州に接近した12個のうち、北緯30度付近で中心付近の最大風速が33メートルを超える「強い台風」は9個で、77年以降最も多かった。(共同)

未知の天体、南極で探索 日米共同の気球実験開始

2004/12/18 The Sankei Shimbun
 宇宙から地球に降り注ぐ素粒子を南極上空に気球を使って浮かべた観測装置でとらえ、未知の天体現象を探る初の日米共同実験が18日までに始まった。気球は西回りのジェット気流に乗って来週にかけ南極大陸上空を周回する。

 実験主体は高エネルギー加速器研究機構(茨城県つくば市)と東京大、神戸大、米航空宇宙局(NASA)などで、1993年、カナダで気球観測を開始した。南極はカナダに比べてはるかに長時間の観測が可能で、新発見に期待がかかる。

 観測対象は、水素の原子核である陽子とは電気的性質が反対の「反陽子」と、ヘリウム原子核と電気的性質が反対の「反ヘリウム原子核」。

 反陽子は陽子同士の衝突でできるが、低エネルギーの反陽子が多いと、原子核よりも小さなブラックホールなど、反陽子を生む未知の現象が存在する可能性が出てくる。

 また反ヘリウム原子核が見つかれば、普通の物質をつくる粒子とは電気的性質が反対の「反物質」でできた「反銀河」があり、そこから飛んできた可能性が出てくる。

 超電導磁石を使った重さ約2.2トンの観測装置は日本側が開発。日本時間13日午後、米国のマクマード基地から気球を飛ばした。現在高度37−39キロを飛行中という。(共同)

零下40度、お湯が一瞬で氷の粒に 南極ドームふじ

2004/10/27 asahi.com
 零下40度、お湯をまいたら、粉砂糖のような白い煙に変身した。

 ドームふじ観測拠点は標高3810メートル、南極大陸で最も高い位置にある基地だ。最低気温は零下79.7度を記録した。

 零下40度を下回るような低温下では、空気が乾燥しきっているので、お湯は瞬時に氷の粒になってしまう。

 第45次南極観測隊の9人は昭和基地から千キロ、雪上車で1カ月かけて同地に到着した。深さ3030メートル、80万〜100万年前にできた氷を掘り出し、太古の気候変動を探るための掘削作業の準備を進めている。(南極支局=中山由美)

異常気象の損害900億ドルに 国連環境計画が発表

2004/12/16 The Sankei Shimbun
 今年1−10月に世界各地で起きたハリケーンや台風など異常気象による災害の損害額が、過去10年の平均の年間約700億ドル(約7兆3000億円)を大きく超え、同約900億ドル(9兆4000億円)に上ることが15日、分かった。

 アルゼンチンで開催中の気候変動枠組み条約第10回締約国会議(COP10)で国連環境計画(UNEP)が発表した。

 損害に対して同期間に支払われた保険金は、昨年の約160億ドルから350億ドルと倍増し、過去最高レベル。

 発表に同席した再保険会社の気象専門家は「保険業界が災害の多い途上国の事業の保険を引き受ける意欲をなくしかねない。異常気象につながる地球温暖化への対策を急ぐべきだ」と指摘した。

 今年は台風が相次いで上陸した日本のほか、大型ハリケーンが襲った米国やカリブ海諸国の被害が大きかった。(共同)

遅めの初雪 広島地方の山間部

2004/12/06 中国新聞地域ニュース
 広島地方は六日朝、寒気の影響で山間部で初雪が降った。広島県安芸太田町の恐羅漢山(一三四六メートル)では、中腹から頂上にかけて、今季初めて所々にうっすら雪化粧が見られた。

 庄原市の朝の最低気温は〇・八度、大朝町が〇・九度など冷え込んだ。同山西側斜面にあるスキー場を運営する三段峡観光の丸山裕士専務は「今年は初雪が例年より二、三週間遅い。遅く降り始めた分、長く降り続いてほしい」と話していた。

 同県西城町の道後山(一二六九メートル)でも初冠雪。頂上から中腹にかけて下草のササや登山道などがうっすらと白くなった。西側の比婆山(一二五六メートル)の頂上部も雪化粧した。

全国的に暖冬傾向続く 気象庁が3カ月予報

2004/11/25 The Sankei Shimbun
 気象庁は25日、12月から来年2月の3カ月予報をまとめた。平年よりも寒気の張り出しが弱いことなどから、平均気温は全国的に平年並みか高い「暖冬傾向」とみられる。

 ▽12月 日本海側は平年同様に曇りや雪、雨の日が多い。気温は全国的に平年並みか高く、降水量は平年並み。

 ▽1月 東、西日本の太平洋側は平年よりも曇りや雨、雪の日が多い。気温は北日本以外は平年並みか高め。降水量は西日本と東日本の太平洋側で平年並みか多く、東日本の日本海側は平年並みか少ない。

 ▽2月 東日本の日本海側は平年より晴れる日が多い。気温は平年並みか高い。(共同)

大雪警報、基準を細分化 広島地方気象台

2004/11/25 中国新聞地域ニュース
 広島地方気象台は十二月一日から、大雪注意報・警報の発令基準を従来の県内一律から、五つのエリア別に細分化する。雪に慣れた県北と不慣れな県南の生活実感に合わせ、きめ細かい防災情報を流す。

 大雪注意報を発令する目安の二十四時間降雪量を、中国山地沿いの「備北」「芸北」地域ではこれまでより多めに設定。平地では二〇センチ(従来は一〇センチ)、山地(標高三一〇〇メートル以上)で三五センチ(同三〇センチ)とした。

 逆に、瀬戸内沿岸の「広島・呉」「福山・尾三」「東広島・竹原」の山地は、従来より五センチ少ない二五センチに。平地は一〇センチで据え置いた。

 警報の基準積雪量は、県南の「福山・尾三」「東広島・竹原」の山地で従来より一〇センチ少ない五〇センチに下げた。平地は五地域とも従来通り、三〇センチのまま。

 新しい発令基準を一九九二年十一月から二〇〇三年三月の気象データに当てはめると、県北の「芸北」「備北」両地域で注意報の発令件数が80%ほど減る。県南の山地では、逆に五倍に増える計算。

 同気象台は昨年四月から、発令基準の見直しに着手。過去十年の降雪量と高速道路の速度規制、鉄道の運休状況の関連などを反映した。「冬用タイヤ規制などが進む県北は基準を緩和し、交通機関が集まり、雪の影響が大きい南部は厳しくした」としている。新方式は、十二月一日午後一時から。

浅間山で中規模噴火、群馬県内で火山れきや降灰

2004/11/14 読売新聞 Yomiuri On-LIne
 群馬、長野県境の浅間山(2568メートル)が14日午後8時59分、中規模の噴火を起こした。気象庁によると、軽井沢測候所で大きな爆発音と中程度の空気の振動を観測した。噴煙の高さは、雲のため不明。

 浅間山の中規模噴火は9月29日以来。

 群馬県内では、長野原町の国道146号沿いなどで直径2―3センチの火山れきや降灰が確認されたほか、前橋市、群馬町、吉岡町でも降灰を確認した。

 また、長野県内では、軽井沢測候所で火柱と大きな爆発音などを観測。噴石が浅間山の中腹以上の半径2キロの広範囲で観測された。

宮崎で研究者交え火山防災シンポ

2004/11/06 The Sankei Shimbun
 宮崎、鹿児島県境にある霧島山の破局的噴火を描いた小説「死都日本」の著者石黒耀さんや火山学者、防災行政の担当者らが参加するシンポジウム「南九州の火山防災を考える」が6日、宮崎市で開かれ、市民約150人が傍聴した。

 石黒さんは基調講演で世界各地の信仰と火山の関連を指摘。「人類の祖先は火山の熱を利用することを知り進化したのではないか。火山を神々しいと感じるのは、DNAにすり込まれているからかもしれない」などと述べた。

 京都大学大学院の鍵山恒臣教授(火山物理学)は噴火予知技術の進歩に言及した上で、北海道・有珠山の噴火で火山学者と行政の連携がうまくいったことなどを紹介。活火山の監視観測のほか、数百年周期で起こる大規模噴火の基礎研究にも力を注ぐべきだと説いた。

 火山との共生をテーマにしたパネルディスカッションもあり、防災地図の活用方法や火山の観光資源としての側面などについて活発な議論が続いた。

連続台風、太平洋高仕組みを、さらに詳しく解析したい」と話している。


気圧が招く…列島ちょうど通り道に2004/10/21 読売新聞 Yomiuri On-Line
 台風23号など季節外れの台風の上陸が相次いでいるのは、日本の南に広がる太平洋高気圧がこの時期になっても強い勢力を保っているためだ。

 例年よりはやや北東よりに位置し、日本列島の太平洋側が、その西の縁にあたる状態が続いている。台風は、この高気圧の縁に沿って進むため、ちょうど日本列島に向けて通り道が開いた形になってしまった。

 気象庁によると、例年だとこの時期は北半球全体の気温が下がり、海面水温も低くなるので、太平洋高気圧の勢力が衰えて南下するが、今年は遅れている。当分はこの状態が続くという。

 日本の南の海上では、さらに台風24号も発生し、北上中。大陸側の高気圧の影響などにもよるが、上陸の可能性もある。

“台風の目”撮影 和歌山の田辺海上保安部

2004/10/21 The Sankei Shimbun
 和歌山県田辺市の田辺海上保安部の職員が20日夕、紀伊半島に再上陸する直前の台風23号の“目”とみられる晴れ間の撮影に成功した。

 第5管区海上保安本部によると、台風警戒中の職員が午後5時15分ごろ、北西方向の空を撮影した。

 写真では、一面に灰色の雲が広がる空の真ん中に、晴れわたった青空が確認できる。

 5管本部によると、晴れ間が近づくにつれ、暴風雨が弱まり、通過後は再び激しくなったという。

台風23号別名「トカゲ」、南海を北上中 4年前からアジア名も

2004/10/18 The Sankei Shimbun
 日本列島の南海上に「トカゲ」が接近中−。といっても、爬虫(はちゅう)類の「トカゲ」ではない。17日現在、日本の南海上を進んでいる台風23号に付いた「アジア名」だ。台風は英語名(人名)をつけられていたが、4年前からはアジア名がつけられるようになったのは、一般的にあまり知られていない。今年は9個も上陸、大きな被害をもたらしている台風だが、23号の今後の動きは−。

 日本では「台風第〇号」のように、その年の発生順に番号をつけているのが一般的。しかし、海外では発生順よりも、アジア名のリストに基づく命名が一般的だ。

 気象庁によると、アジア名の作成は、日本や米国、中国など14カ国が加盟する世界気象機関(WMO)台風委員会が作成。

 「番号だけでは覚えにくい」「名前が西欧風だけでなじみにくい」といった理由が、アジア名作成のきっかけだった。

 平成12年の台風第1号には、カンボジアで「象」を意味する「ダムレイ」の名前がつけられた。名前は発生順にしたがって、加盟する国が提出した140個のアジア名リストを順番に用いることになっており、140個目の「サオラー」(ベトナム)が終われば、再び「ダムレイ」に戻るという。アジア名には動物や植物、河川名など自然に由来する名前が多いが、日本の場合は「ヤギ」「ウサギ」「トカゲ」などといったように、星座に由来。

 他の国を見ると、西遊記に登場する孫悟空を意味する「ウーコン」(中国)があったり、花のタンポポを意味する「ミンドゥル」(北朝鮮)といったかわいらしい名前もあったりとユニークだ。

 気象庁ホームページの台風情報では「台風〇号」とともにアジア名も併記しているが、同庁では今後も発生順を軸に表記する方針。

 ≪今年上陸した台風のアジア名≫

(順に台風、アジア名、意味)

・台風4号 コンソン(ベトナム) 観光地の名前

・台風6号 ディアンムー(中国) 雷の母

・台風10号 ナムセーウン(ラオス) 川

・台風11号 マーロウ(マカオ) 瑪瑙(めのう)

・台風15号 メーギー(韓国) 魚

・台風16号 チャバ(タイ) ハイビスカス

・台風18号 ソングダー(ベトナム) 川の名前

・台風21号 メアリー(北朝鮮) やまびこ

・台風22号 マーゴン(香港) 山の名前

浅間山噴火の空気振動、1000キロ先で観測

2004/10/15 読売新聞 Yomiuri On-Line
 先月1日に起きた浅間山(群馬・長野県境、2568メートル)の噴火に伴って発生した空気の振動が、火口から700キロ以上離れた桜島(鹿児島県)や有珠山(北海道)にまで伝わっていたことが、気象庁の観測でわかった。これだけの遠距離で確認されたのは初めてで、今月21日の日本火山学会で発表される。

 気象庁は、火山を目視できない夜間の噴火などを検知するために、空気振動を観測する「空振計」を全国24の火山に設置し、24時間体制で監視している。

 人間が音として感じる空気振動の強さはほぼ10パスカル(パスカルは圧力の単位)以上、ガラスが割れる被害が出るのが400―500パスカル程度とされる。

 先月1日の観測値は、浅間山のふもとの軽井沢測候所(長野県)の205パスカルに対し、有珠山や桜島では0・5パスカル。桜島では噴火から約50分後に観測された。

 最も遠方では、浅間山から1000キロ以上離れた諏訪之瀬島(鹿児島県)で0・2パスカルが観測されている。

 一方、東北や伊豆諸島、御嶽山(長野・岐阜県境)など中間の地域には観測値がゼロの地域もあり、空気の振動が上空で上昇と下降を繰り返しながら遠方に届く現象も明確に捕らえられた。

 山里平・気象庁火山対策官は、「上空の風向きも影響していると思われるが、遠くに振動が伝わる

台風上陸数最多9個、衰えない勢力 高い海水温が“原動力”

2004/10/10 The Sankei Shimbun
 非常に強い台風22号が9日夕、静岡・伊豆半島に上陸し、今年の上陸数が9個目となった。上陸数は今年になって塗り替えた記録をさらに更新。勢力が衰えぬまま上陸を続ける要因の1つとして、気象庁では平年に比べ高い海水温を挙げている。

 今年上陸した台風16号(八月三十日)、18号(九月七日)の上陸直前の中心気圧は、それぞれ九五〇ヘクトパスカル、九四五ヘクトパスカルと、勢力があまり衰えることなく上陸しているのが特徴。その“原動力”となっているのが海水温の高さだ。

 フィリピン沖の海水温は今年、平年に比べて約一・〇度高く、対流活動も盛んなことから台風の発生数が増加。昨年の台風発生数は二十一個だったが、すでに今月で昨年の発生数を上回った。さらに太平洋沿岸部でも「平年より高めで、十月も決して低くはない」(気象庁)状態であることが、勢力を維持する原動力になった。

 地球環境フロンティア研究センターの山形俊男・東大大学院教授は、台風発生の増加の要因となった赤道部付近の海水温上昇について、「エルニーニョもどき」と指摘。世界各地で今年発生している異常気象についても「エルニーニョもどきと関係している可能性がある」と分析する。

 一方、上陸が平年に比べて際立って多いのは、太平洋高気圧が平年に比べ北東寄りに位置していたことが要因。北上を阻むはずの太平洋高気圧の位置が北東寄りになったことで日本列島に北上しやすくなり、上陸した九個の台風のうち七個が九州、四国などの西日本地方に上陸した。

 今回の台風22号では、気圧配置や寒気の影響を受けなかったことも勢力を維持できた要因に挙げられるが、これまでに上陸した台風に比べて進行速度が速いことから、台風の接近に伴って暴風による被害が各地で相次いだ。

 さらに、日本列島に前線が停滞していることも雨雲を発達させる要因となり、局地的に激しい雨をもたらした。

酸性雨は台風が連れてくる…環境省調査

2004/10/08 読売新聞 Yomiuri On-Line
 台風は、陸地に近付くにつれて酸性雨の原因となる硫酸イオンなどの大気汚染物質を大量に集めながら移動することが、環境省の酸性雨調査で明らかになった。

 福岡市で開催中の日本気象学会で7日、報告された。日本列島などに上陸して激しい雨になると大気汚染物質も一緒に地表へ降り注ぐことになる。

 環境省の酸性雨対策検討会の作業班が2001年7月の台風6号によって降った雨の化学成分を分析。

 6号は本州南東方の太平洋上で発生後、7月21日ごろから小笠原諸島に近付き、24日に最接近した。分析結果によると、台風雨の化学成分の大半を占めるナトリウムイオンの濃度は23日から急増。24日にピークに達した後、27日には最大時の約10分の1まで減少した。

 ところが、硫酸イオンは、26日まではほとんど検出されなかったのに、27日に急増し、最大濃度に達した。その際の濃度はナトリウムイオンの5分の1だった。中国大陸から飛来する黄砂や、道路の粉じんに含まれるカルシウムイオンも27日の濃度が最大だった。

 気象庁の観測による台風の移動状況と合わせて検討した結果、日本近海に近付くまでは海水成分による雲を作っていたが、陸地に近付くにつれて大陸や日本列島の上空に漂う大気汚染物質を広い範囲から大量に集めてくると推定した。

 分析を担当した皆巳(みなみ)幸也・石川県農業短期大学講師(大気環境学)は「台風の酸性度が特別高いとまでは言えないが、今後は地上にどのような影響を与えるかなど、さらに詳しく分析したい」と話す。

セントヘレンズ火山、活動が活発化

2004/10/05 The Sankei Shimbun
 1日に小噴火を起こし、米地質調査所が再噴火の恐れを指摘している米北西部の火山セントヘレンズ(2549メートル)は米東部時間の4日午後(日本時間5日未明)、まとまった水蒸気を噴出するなど活動を活発化させた。

 AP通信によると噴煙が収まった後も地震が続いており、同調査所が引き続き警戒している。

 セントヘレンズでは1日以降、地下のマグマの動きを示すとみられる低周波の微動が観測されたほか、火口の溶岩ドーム付近が10メートル以上隆起したという。

 米メディアによると、火山の周辺に人家はほとんどなく、最も近い町も西に50キロ近く離れている。(共同)

12地点で真夏日記録更新 熊本は105日、大阪93日

2004/10/01 The Sankei Shimbun
 気象庁は1日、9月の気温や降水量などの気候統計をまとめた。台風18号と21号の影響で曇りや雨の日が多かったが、ほぼ全国的に厳しい残暑となった。気温30度以上の真夏日の年間日数は、9月末までに熊本で105日、大阪93日、東京は70日となり、すでに全国12地点で記録を更新していた。

 気象庁によると、ほかに真夏日日数の記録を更新したのは京都(94日)、岐阜(91日)、人吉(熊本県、88日)、豊岡(兵庫県、82日)、熊谷(埼玉県、77日)、三島(静岡県、75日)、千葉(68日)、横浜(64日)、館野(茨城県、60日)。

 月降水量は東北北部と東海から南西諸島にかけてが平年を上回り、長崎県の厳原で362ミリとなり、これまでの最大値を更新した。

富士山測候所、職員常駐の歴史に幕 台風監視など役目終え

2004/10/01 The Sankei Shimbun
 気象庁は1日、富士山(3、776メートル)山頂にある富士山測候所(滝沢袈裟夫所長)を無人化し、1932(昭和7)年に中央気象台(当時)が臨時観測所を開設してから続けてきた職員常駐の幕を閉じた。

 測候所は高層の気象データを連続的に記録し、65年の富士山レーダー運用開始からは太平洋上の台風監視に大きな役割を果たした。自動観測技術の進歩で無人化が決まり、今年8月下旬には風向・風速や目視による天気の観測を廃止。気温、気圧などの自動観測が続けられている。

 99年には富士山レーダー運用を終了。開設以来、4人の職員が滑落などで殉職した。

 当初は9月30日に無人化の予定だったが、台風21号の上陸で1日遅れた。山頂で無人化のため最後の業務に当たってきた職員らは1日、庁舎の電源遮断工事などの後、下山した。

 気象庁は庁舎の再利用方法が決まるまで測候所の組織を残し、登山客が訪れる毎年7、8月だけ、庁舎管理のため職員を駐在させるという。

 滝沢所長は「名残惜しいが、職員が登山や山頂での過酷な勤務から解放されるという点では、ほっとしている。気象庁を象徴する職場の無人化という節目で、これも大きな職務と感じている」と話していた。

 ≪「あこがれの仕事だった」≫

 富士山測候所の無人化に伴い、最後の駐在を終え下山した職員が1日、同測候所御殿場基地事務所(静岡県御殿場市)でインタビューに答え、滝沢袈裟夫所長は「職員が雪山登山の危険から解放され、ほっとしている半面、名残惜しさも胸に残る」と振り返った。

 滝沢所長は、測候所での仕事は「命懸けで、やりがいと誇りがあり、職員の間ではあこがれだった」と話した。

 登山訓練をしてまで観測に行く職場は、過去72年間に、滑落事故などで4人の殉職者を出した。だが測候所のデータは貴重で、台風の予報などに役立ってきた。

 「台風予報のために、命を懸けた先輩たちがいた。彼らの貢献に今、心からありがとうと言いたい」−。最後の3週間、駐在した吉見英史技術専門官(42)は殉職した職員について語って涙ぐみ、一番の思い出として「台風一過の今朝、山頂から見た朝日が素晴らしかった」と話した。

浅間山の火口底、深さ80―100メートルまで上昇か

2004/09/26 読売新聞 Yomiuri On-Line
 群馬・長野県境の浅間山(2568メートル)の火口底が、今月1日に起きた中規模噴火以後、少なくとも50―70メートルはせり上がり、火口から80―100メートルの深さにまで上昇している可能性が高いことが、群馬大の早川由紀夫教授の分析で分かった。

 今月14日から16日まで続いた小噴火の前後の空撮写真や国土地理院の火山基本図などから分析した。早川教授は、この小噴火の最終日となった16日からの1日だけで火口底が約20メートルは上昇したのではないかと推定している。ただ、23日の中規模噴火以降は、悪天候などで火口内部の状況は確認できない状態が続いている。

 早川教授は「上昇速度はかなり緩やか」としており、火口から溶岩があふれ出た場合も、溶岩流は人が走って逃げられる速度だという。浅間山では、1783年の「天明の噴火」でも溶岩流が発生、火口の北約7キロの「鬼押し出し」まで及んだとされている。

ドップラー効果で上昇気流探せ 豪雨観測に新レーダー

2004/09/05 asahi.com
 近づいて来る救急車のサイレン音は高く聞こえ、遠ざかる時は低く聞こえる「ドップラー効果」。気象庁は、この効果を観測に応用した「気象ドップラーレーダー」を新たに整備し、突然発生する局所的集中豪雨の観測に使う方針だ。05年度予算の概算要求に整備費約11億円を盛り込んだ。

 気象ドップラーレーダーは、大気中の雨粒に電波をぶつけ、反射してくる周波数で雨粒の動きを観測する仕組み。豪雨をもたらす積乱雲は、上昇気流の場所で発生する。雨粒の動きから周囲の風の様子を詳細に把握し、上昇気流になっている地点を割り出す。

 国内20カ所で雨雲などを観測している気象レーダーのうち、札幌市、仙台市、千葉県柏市、名古屋市の4カ所をドップラーレーダーに改良する。半径約250キロをカバーし、3〜6時間先に発生する集中豪雨の予測が可能になるという。

 同庁では「豪雨災害の軽減に役立てたい」としている。

国土地理院、浅間山火口の画像公開 内部が隆起か

2004/09/17 The Sankei Shimbun
 
 国土地理院(茨城県つくば市)は17日、今月1日の噴火以降活動が続いている浅間山の火口を上空からレーダーで撮影した画像を公開した。

 16日に高度約4300メートルから合成開口レーダーを用いて撮影。国土地理院測図技術開発室によると、レーダーの特性から、火口の縁が隆起したように見える部分が実際には火口中央とみられる。

 中央付近は、噴火前は直径約200メートルの鉢状になっていたといい、大木章一室長は「この付近の温度が高くなっているとの情報もあり、マグマが上昇して隆起したとすれば、説明がつきやすい」と話している。

 火口の大きさ自体や、そのほかの部分に大きな変化は見られないという。さらに画像を解析し、隆起の規模などを調べる。

日本の梅雨は多雨と少雨の2年周期…海洋研が発表

2004/08/31 読売新聞 Yomiuri On-Line
 海洋研究開発機構は31日、日本の梅雨には、多雨の年と少雨の年が交互に訪れる2年周期の傾向があると発表した。

 同機構の地球環境フロンティアセンターが1979―2000年の降雨データを分析。梅雨前線が活発で多雨となった年の翌年は、少雨になり、その次の年はまた多雨に戻る傾向が見られた。最近では、93年(多雨)と94年(少雨)、2003年(多雨)と2004年(少雨)が典型例となっている。

 ただ、実際には、沖縄などを中心に2年周期とは別の5―6年周期の変動も重なっており、日本列島全体としては正確に1年おきに空梅雨にならない。このため、結果的には2―3年周期で多雨の年と少雨の年が交代する時期もある。

 研究ではさらに、日本が多雨の年には、フィリピン沖の太平洋の海水面温度が低く、逆に少雨の年には、フィリピン沖の温度が高いという関連も分かった。

 フィリピン沖の海水温が高いと、その海域で上昇気流が発生し、対流が日本付近で下降気流となって現れ高気圧が強まる。そのため、梅雨前線が北上しにくくなり、日本は少雨になる仕組みと推定される。

 研究チームの安成哲三・名古屋大教授は「フィリピン沖の海水温は、梅雨の始まる前から変化しているので、海水温に着目すれば、梅雨の予報に役立つ」と話している。

富士山測候所、26日から自動化…有人観測の歴史に幕

2004/08/25 読売新聞 Yomiuri On-Line
 富士山頂にある「富士山測候所」の観測が26日から自動化され、1932年から70年以上にわたった有人観測の歴史が幕を閉じる。自動化により観測対象は気温、気圧、湿度だけとなり、これまで観測されていた定時の天気、風向、風速、日射量、積雪状況などは対象外となる。

 同測候所には常駐職員が4人、約3週間交代で勤務しており、自動観測開始後も当面は職員が機器の調整などを続ける予定だが、9月中には無人となる。

秋の訪れ遅め 東、西日本 気象庁3カ月予報発表

2004/08/25 The Sankei Shimbun
 気象庁は25日、9月から11月の3カ月予報を発表した。この期間の平均気温は東日本(関東甲信、北陸、東海)と西日本(近畿、中四国、九州)で高く、北日本と南西諸島は平年並みか高い見込み。同庁は「東、西日本では、秋の訪れはやや遅くなるかもしれない」としている。

 一方、6月1日−8月23日の夏平均気温は北日本から西日本で高く、東、西日本では昭和21年以降で平成6年に次ぐ2位の高温だった。気象庁は9月1日に正式な夏のまとめを発表する予定。

 ▽9月 気温は東、西日本で平年並みか高く、北日本と南西諸島は平年並み。降水量は南西諸島以外は平年並み。

 ▽10月 天気は数日周期で変わり、気温は平年並みか高い。降水量は平年並み。

 ▽11月 北日本の日本海側は曇りや雨、雪の日が多い。気温は平年並みの北日本以外は、平年並みか高め。降水量は平年並み。

関東中心に肌寒い「処暑」 最低気温9月下旬並みも

2004/08/23 The Sankei Shimbun
 23日は24節気の一つ「処暑」。暑さが収まる時期とされるこの日、日本列島は前線の影響などで北海道や九州の一部を除いてぐずついた空模様となり、関東を中心に朝の最低気温が9月上旬から下旬並みとなった。

 気象庁によると、午前9時までの最低気温は前橋16・7度、熊谷(埼玉県)17・2度で、ともに平年より5度以上低く9月下旬並みに。14・1度の札幌と20・4度の東京は9月中旬並み、18・4度の仙台と、19・7度の新潟は9月上旬並みだった。

 気象庁は23日の最高気温を札幌27度、仙台23度、東京23度、新潟24度、名古屋29度、大阪31度、福岡31度と予想している。

東京が36・5度で全国1位 20日の最高気温

2004/08/20 The Sankei Shimbun
 
 日本列島は20日、台風15号に向かって流れる暖かい空気の影響で、関東甲信や東海などを中心に気温が上昇した。晴れ上がった東京の最高気温は36・5度となり、気象台や測候所の観測地点では全国の1位となった。

 このほか、午後3時までの各地の最高気温は、水戸36・4度、甲府と静岡36・2度、千葉35・5度、横浜35・4度、銚子(千葉県)35・2度、宇都宮34・9度、小名浜(福島県)34・6度、三島(静岡県)34・3度。水戸、銚子、小名浜は今年一番の暑さとなった。

 一方、沖縄は最も高い名護でも33・3度と関東の各地に比べて気温が上がらず、気象庁は「関東甲信は暖かい空気に加えてフェーン現象に近い状態になったのではないか」と説明している。

東京の「真夏日」40日連続 熊本では48日を記録

2004/08/14 The Sankei Shimbun
 気温30度以上の「真夏日」が7月6日から続いている東京・大手町の気温が14日午前、30度を超えた。連続日数は40日となり、気象庁が大手町で観測を開始した1923年以降、最長記録を更新した。熊本では6月28日から48日連続の真夏日となった。

 気象庁によると、東京では14日午前8時20分に30度を観測。午前11時までに33・5度となった。15日は前線が南下するため最高気温は30度となる見込み。

 熊本では午前11時までに、33・2度を記録した。

 東京・大手町の真夏日連続日数は、1995年の7月23日から8月28日まで連続37日の記録を8月12日に更新した。

あの日…足立区では42・7度を観測 都の研究所

2004/08/16 The Sankei Shimbun
 東京都環境科学研究所は16日、気象庁が東京・大手町で統計開始以来最高の気温39・5度を観測した7月20日に、足立区内で42・7度を独自に観測していたと発表した。

 気象庁の観測データではないため参考値にすぎないが、1933年に山形市で観測された国内の最高気温40・8度を1・9度上回っていた。

 同研究所によると、7月20日午後1時40分、足立区江北の小学校で42・7度を観測した。午後1時には同じ場所で41・8度、荒川区町屋で41・4度など、23区内の観測地点106カ所のうち8カ所で40度を超えていた。

 同研究所は、小学校の百葉箱に自動温湿度記録計を設置し10分間隔で測定。気象庁では専用の円筒を使い、内部の空気を常にファンで循環させながら温度を測定しているという。

猛暑対策の「人工降雨」作戦が成功 中国・上海市

2004/08/11 The Sankei Shimbun
 猛暑で電力不足が深刻になっている中国上海市で、気温を下げるための「人工降雨」作戦が10、11日の2日連続試みられ、11日、市郊外の一部地域で成功した。

 上海テレビなどによると、浦東新区や南匯区、閔行区で降雨量が最大14・2ミリに達し、気温が31度から4・2度下がった。

 市当局は空軍から軍用輸送機を借用し、ヨウ化銀を入れた「降雨誘発弾」を雲に向け発射。10日は、一部地域で小雨が降っただけで失敗していた。

 ヨウ化銀は、雲の中の細かい水滴が凝集し雨になるのを促す。報道によると、1回当たり約470万元(6300万円)の経費が掛かる。隣の江蘇省で7月下旬に実施した際は、気温が3−10度下がった。(共同)

黒潮「大蛇行」を確認 低地の浸水など注意必要

2004/08/04 The Sankei Shimbun
 気象庁は4日、東海地方の沖で、黒潮が本州から大きく離れて流れる「大蛇行」の発生を人工衛星や漂流ブイによる観測で確認したと発表した。6月下旬以降、大蛇行の影響とみられる潮位上昇が紀伊半島東岸から東海地方にかけて観測されており「大潮期を中心に低地の浸水などへの注意が必要」としている。

 4日までの観測では、黒潮が蛇行し最も南下した位置は静岡県の南約400キロ付近に達し、通常より約200キロ南にずれている。蛇行は昨年末に九州の東方海域に出現、徐々に東に移動し東海沖で大きく発達した。

 大蛇行が起きると、蛇行部分と本州南岸との間に海中から冷たい水がわき上がって「冷水塊」が発生。漁場が変わるなど影響があるとされる。

 独立行政法人水産総合研究センターによると、過去の蛇行時には伊勢湾のイカナゴ漁が不漁だったが、今年は豊漁。また静岡県の御前崎沖ではカツオ漁が例年になく好調。同センターは「カツオの好漁は冷水塊の東側に暖水が流れ込み、黒潮とともに北上したカツオが沿岸に集まったのではないか」としている。

 一方で、シラス漁は伊勢湾、遠州灘沖で不漁という。

 気象庁によると、黒潮の大蛇行は1953年以降6回発生、最近では89年12月から91年5月まで続いた例がある。

東京都内の熱中症搬送、月間最多の626人

2004/08/01 読売新聞 Yomiuri On-Line

 東京都内で7月1か月間に熱中症で救急搬送された人は計626人に上り、東京消防庁が統計を取り始めた1999年以降、過去最高だったことが1日わかった。

 同庁によると、搬送者の内訳は男性418人、女性208人。70代が85人で最も多く、60代が79人など、60代以上が4割を占めた。

 意識不明など重体に陥った人は70人。屋内にいた人が6割に上った。

 都心で38・1度を観測した21日は、最も多い81人が搬送された。午後3時ごろ、足立区の女性(65)が自宅玄関で友人と会話中に意識を失ったほか、練馬区の男性(78)が自宅の廊下で倒れ、夜になって帰宅した家族に発見されたケースも。過去に救急搬送が最も多かった月は、2001年7月の538人。これを88人上回った。

洪水で死者400人、不明100人 中国、豪雨相次ぐ

2004/07/23 The Sankei Shimbun
 中国では今月に入って内陸部や南部を中心に豪雨が相次ぎ、国営新華社通信などによると、20日現在、洪水や土砂崩れなどによる死者は約400人、行方不明者は約100人に達している。南西部の雲南省盈江県では同日、大規模な土石流が発生、12人が死亡、約50人が行方不明だという。

 被災者数は全体で4574万人に上り、経済損失額は148億元(約1900億円)、農作物の被災面積も306万ヘクタールに及んでいる。(北京 野口東秀)

局地的な集中豪雨など、9月から高精度予測システム

2004/07/22 読売新聞 Yomiuri On-Line
 気象庁は22日、局地的な集中豪雨などの気象現象を、従来より高い精度で予測するシステムを9月から導入すると発表した。

 梅雨前線などを構成する個々の積乱雲の状態をコンピューター上で再現できるようになったため、雨の強さや場所、時間を従来より正確に計算できるという。

 これまでのシステムは計算に時間がかかるため、主に水平方向の雲の動きしか取り扱っていなかった。このため、高気圧や低気圧、前線に伴う降雨域といった幅100キロ・メートル以上の気象現象は予測できたが、幅10キロ・メートル以内の個々の積乱雲が雨をどれくらいの量と強さで降らせるかを予測すると、大きな誤差が生じていた。

 新システムは10キロ・メートル幅で水平方向だけでなく、上下方向の雲の動きもとらえるように計算方式を改善。雲の中の水蒸気が、どのように雨に変わるかといった過程も計算に取り込めるようになった。

 福岡県太宰府市で昨年7月に発生した1時間に100ミリを超える豪雨は、旧システムではほとんど予想できなかったが、新システムでは正確に予測できた。同庁は「豪雨の位置を正しく絞ることができ、防災気象情報に反映できる」としている。

甲府で40・4度、史上2位 関東、東海で猛暑続く

2004/07/21 The Sankei Shimbun
 日本列島は21日も強い太平洋高気圧に覆われ、関東甲信や東海地方を中心に35度以上の猛暑が続いた。甲府では午後1時すぎ、40・4度を記録。1927年に宇和島(愛媛県)で観測した40・2度を抜き、全国の気象台、測候所で観測した最高気温記録の2位となった。1位は33年に山形で観測した40・8度。

 気象庁は「甲府は朝から晴れて気温が上昇したところに、北西側から山越えの風が吹き込みフェーン現象が発生。盆地で暖かい空気がこもりやすいことが重なって気温が上昇した」と説明している。

 各地の最高気温は熊谷(埼玉県)38・2度、東京38・1度、千葉37・2度、浜松(静岡県)37・2度、秩父(埼玉県)と横浜36・5度、油津(宮崎県)36・4度、高知36・3度、尾鷲(三重県)36・2度。浜松、横浜、高知、尾鷲は今年一番の暑さだった。

 22日は前線が伊豆諸島の南海上まで下がる見込みで、関東甲信地方の気温は20、21両日ほどには上がらないとみられる。関東以西は30度以上の夏らしい天気が続くという。

東京で39・5度 年間の最高気温更新

2004/07/20 中国新聞ニュース
 日本列島は二十日、高気圧に覆われて関東甲信地方を中心に気温が上昇し、記録的猛暑となった。東京・大手町では午後零時五十八分に三九・五度となり、東京の年間を通じた最高気温記録三九・一度(一九九四年八月三日)を大きく上回った。

 地域気象観測システム(アメダス)のデータでは、千葉県市原市牛久で零時四十分に四○度を記録した。

 正午現在の気温は、甲府三八・三度、熊谷(埼玉県)三八・○ 度、千葉三五・三度、横浜三四・五度など。

 気象庁は「関東甲信地方は海風が入りにくく、内陸部から熱を含んだ北風が入り込んで気温が上昇している」と説明。二十日の最高気温は熊谷で三九度、千葉で三八度、横浜は三六度と予想している。

熱中症で4人を病院搬送 東京消防庁

2004/07/20 The Sankei Shimbun
 東京消防庁によると、東京23区内では20日、男性1人と女性3人の計4人が熱中症で病院に運ばれた。そのうち73歳と85歳の女性の症状がやや重いが、命に別条はないという。

関東から近畿で梅雨明け 平年より1週間早く

2004/07/13 The Sankei Shimbun
 気象庁は13日、関東甲信、東海、近畿地方が梅雨明けしたとみられると発表した。関東甲信は平年より7日、昨年より20日、東海は平年より7日、昨年より18日、近畿は平年より6日、昨年より19日、それぞれ早い梅雨明けとなった。

 東北、北陸地方の梅雨明けは「梅雨前線の影響でまだ先になる見込み」としている。

 今後1週間、甲信北部や関東北部の山沿いを中心に、にわか雨や雷雨となる日もあるが、太平洋高気圧に覆われて晴れる日が続く見込み。

 気象庁によると、梅雨入りした6月6日以降の降水量は、前橋で70ミリと平年の約30%。京都も181ミリ、約60%で雨が少なかった。

 局地的に大雨が降る所もあったが、全体的に太平洋高気圧に覆われることが多く、梅雨前線が活発になる日が少なかったという。

中国から九州で梅雨明け 平年より2―9日早く

2004/07/11 中国新聞ニュース
 
 気象庁は十一日、中国、四国、九州地方で梅雨明けしたとみられると発表した。平年より九―二日、昨年より二十―十一日早い梅雨明けとなった。

 気象庁の観測によると、日本付近にあった梅雨前線が弱まった。向こう一週間は太平洋高気圧に覆われ、にわか雨が降る日もあるが、晴れる日が続く見込み。

 梅雨期間中の雨量は鹿児島で平年の約57%となるなど、平年を下回る地域が多かった。

南極観測隊員51人決まる 隊長に気象庁の松原氏

2004/06/16 The Sankei Shimbun
 政府の南極地域観測統合推進本部は16日、東京都内で開いた総会で、11月に出発する第46次の観測隊員51人を決めた。隊長に気象庁の松原広司氏(兼夏隊長)、副隊長に国立極地研究所の渡辺研太郎氏(兼越冬隊長)が既に決まっており、秋に追加決定する9人を合わせ、総勢62人になる。

 来春まで南極で活動する「夏隊」は25人、再来年の春まで残る「越冬隊」が37人。一行は11月下旬に成田空港を出発、オーストラリアで南極観測船「しらせ」に乗船し、昭和基地に向かう。

北陸、東北も梅雨入り 北海道除き日本列島すべて

2004/06/07 The Sankei Shimbun
 気象庁は7日、北陸と東北地方が梅雨入りしたとみられると発表した。平年比では、北陸と東北南部は3日早く、東北北部は5日早い。昨年比では、いずれも5日早かった。梅雨のない北海道を除いて日本列島は梅雨入りしたことになる。

 気象庁によると、7日は日本海から東北南部にかけて前線が停滞し、北陸では一部晴れている地域があるものの、気圧の谷や前線の影響でぐずついた天気の日が多くなる見込み。

 平年の梅雨明けは、北陸が7月22日ごろ、東北南部は7月23日ごろ、東北北部は7月27日ごろ。

冷夏の“種”は北欧上空 風に乗り、オホーツク海高気圧に発達

2004/05/31 The Sankei Shimbun
 
 梅雨や冷夏など日本の夏の気候を左右するオホーツク海高気圧は、北欧上空の大気の動きが“種”となり、そのエネルギーがシベリア上空を経て東に伝わることによって生まれることを中村尚東京大助教授(気候力学)と気象庁海洋気象情報室の深町知宏さんが31日までに突き止めた。

 オホーツク海高気圧は春から夏にオホーツク海の上に現れる大型高気圧。夏に強まると「やませ」という冷たく湿った北東風を北日本に吹かせ、冷害を起こす。今回の研究は長年の謎だった成因を解明し、予報の精度アップに道を開く画期的成果として注目される。

 中村さんらは米海洋大気局の過去30年の気象データを分析。7月にオホーツク海高気圧ができる際、約1週間前に北欧上空で高気圧が強まり、それが弱まるとシベリアの北極海沿岸で低気圧ができ、その衰えとともにオホーツク海高気圧が成長していた。

 中村さんらは「ロスビー波」という大気エネルギーの波動が、北極海沿岸の約10キロ上空を吹く秒速約10メートルの西風、ジェット気流に乗り東に伝わることで、これら一連の変化が起きることを解明。

 気流出口に当たるオホーツク海の北で高度約10キロに高気圧が発生し、冷たい同海の上に東風を吹かせる。海上で冷やされた空気は同海西部にたまり、オホーツク海高気圧が発達するメカニズムを突き止めた。

 昨年と1993年の冷夏では特にロスビー波の動きがはっきりしており、北欧のさらに西の北大西洋や北米西岸でロスビー波が発生し、2週間ほどかけオホーツク海上へと伝わっていた。

 中村さんは「予報精度を上げるには北欧の気圧の監視や、ロスビー波を伝えるジェット気流の研究を進める必要がある」と話している。

予報外れ、2割減らします 気象白書で目標宣言

2004/05/27 The Sankei Shimbun
 
 気象庁は27日、2003年度に起きた地震や集中豪雨、大雪などの災害と、地球温暖化やオゾン層監視に対する同庁の対応をまとめた年次報告書「気象業務はいま2004」(気象白書)を公表した。

 今回の白書は「天気予報で降水確率などが大きく外れた年間日数を2割程度減らす」「5日後の降水予報の的中率を70%以上にする」といった各分野ごとの目標を掲載したのが特徴。

 気象庁は白書を毎年公表しており、今回は「活(い)かそう情報、防ごう災害」をテーマに、防災対応を中心に特集を組んだ。

 2003年度は、マグニチュード8クラスを記録した9月の十勝沖地震など、最大震度が6弱以上の地震が6回も発生し、九州や東北、北海道では土砂災害も起きた。特集では、災害の発生状況を図解付きで掲載し、改善策なども盛り込んだ。

 気象庁は白書をすべての都道府県、地方自治体に配布する一方、全国の主要書店で6月1日から販売する。

気象庁、台風予報円10−25%縮小表示 予報精度向上で可能に

2004/05/27 The Sankei Shimbun
 
 気象庁は27日、台風の中心が到達する予想範囲を示す「予報円」を6月1日から10−25%程度小さくすると発表した。10分間隔で降水予測をする「降水ナウキャスト」の運用も6月1日から始める。

 気象庁によると、スーパーコンピューターを使った予報精度が年々向上しており、2001年から03年の予報誤差を調査した結果、平均で10%、台風の移動速度が速い場合には約25%程度、予報円を小さくすることが可能と判断した。

 降水ナウキャストは、特に都市部で急に発生する集中豪雨の被害を少なくするのが目的。従来は「1時間雨量を6時間先まで」発表していたが、これに加えて全国を1キロ四方に区切って雨の強さなどを示した上で「10分間雨量を1時間先まで」発表する。

 気象庁は「降水ナウキャストは関係省庁や自治体、民間気象事業者に提供し、本年度内には気象庁のホームページでも公開したい」としている。

1キロ四方の降雨量も予想、気象庁が来月に新システム

2004/05/27 読売新聞 Yomiuri On-Line
 全国で1キロ四方に降る雨を予想します――。気象庁は来月1日から、集中豪雨などに対応できる新しい降雨予想システムの運用を始める。

 日本中を1キロ四方に区切り、その場所の10分間の降水を10分ごとに予想するもので、防災関係省庁や地方自治体、報道機関などを通じて提供する。相次ぐ都市型水害などに威力を発揮すると期待されている。

 このシステムは「降水ナウキャスト」と呼ばれ、気象レーダーとアメダスによる観測情報をコンピューターで処理、発表時点から1時間先までを10分間ずつに分けて、10分間の降水状況を10分おきに予想する。「ナウキャスト」は予報を意味する「フォーキャスト」をもとにした言葉で、現在進行形の予報を意味する。

 これを使えば、短時間に特定の地域を襲う集中豪雨を事前に把握でき、住民の避難を促すことができるほか、「ちょっと買い物に出かけるが、駅の近くで傘が必要か」といった生活に密着した使い方もできる。

 予想は、10分間の雨量を、ゼロから100ミリの範囲について88段階に分けた数値で示す。このデータを受け手側の防災関係機関などが画像や映像に換え、インターネットのホームページなどを通じて公開することになる。予想される雨の強さで色分けした地図を作れば、地域ごとの豪雨の推移などが分かる。

 気象庁の降雨に関する情報には、「降水短時間予報」があるが、5キロ四方について6時間先までの1時間ごとの雨量予想で、短時間の集中豪雨には対応しきれていなかった。

今年の夏は…期待できそう 気象庁が3カ月予報発表

2004/05/25 The Sankei Shimbun
 気象庁は25日、6月から8月の3カ月予報を発表した。この期間の平均気温は北日本と東日本で平年並み、西日本と南西諸島は平年並みか高いとみられ、3カ月降水量は北日本を除いて平年並みの見込み。

 同庁は「昨年は南西諸島などを除いて冷夏傾向だったが、今年は極端な低温になりにくく、梅雨明けから夏らしい天気が期待できると思う」としている。

 ▽6月 平年に比べて曇りや雨が多い。気温は北、東日本で平年並み、西日本は平年並みか高く、南西諸島は高い。降水量は南西諸島以外は平年並みか多い。

 ▽7月 北日本は平年より曇りや雨が多い。気温は平年並みとみられる北日本以外は、平年並みか高い。降水量は北日本以外は平年並み。

 ▽8月 北日本は天気がぐずつく時期もあるが全国的に晴れが多い。気温は北、東日本で平年並み、西日本と南西諸島は平年並みか高い。降水量は平年並み。

桜島が大規模爆発

2004/05/15 中国新聞ニュース
 十五日午前十一時七分ごろ、鹿児島県の桜島南岳が大音響とともに爆発した。鹿児島地方気象台によると、爆発音、体感空振とも「大」だった。


気象庁が梅雨明け時期大幅修正 東北南部は「特定せず」

2003年09月18日 The Sankei Shimbun
 気象庁は18日、今年の梅雨入りと梅雨明け時期の検討結果をまとめ、東北南部は「8月2日ごろ梅雨明けした」との当初発表を「実際には気温が上がらず(梅雨明けは)特定出来なかった」と修正した。今年、梅雨明けが特定できなかったのは東北南部と東北北部となり、東北南部で梅雨明けが特定されなかったのは1993、98年に続き3回目。

 近畿の梅雨明けは当初の7月26日から6日遅い8月1日となり、未特定だった93年を除くと最も遅かった。東海、中国、四国、九州北部は7月26日から7月31日に修正。北陸は当初の7月27日から8月1日に、沖縄は1日早めて6月20日とした。

 一方、梅雨入りは沖縄が1日遅い5月15日となった以外は当初発表通りだった。

 気象庁予報部は「強いオホーツク海高気圧の影響が長期間に及び、各地で梅雨明けが遅れる結果となった。特に東北南部は、宮城県や福島県の太平洋側で予想以上に天候回復がみられなかったので修正を決めた」と説明している。

 気象庁は、梅雨時期の判断が適正だったか毎年検討しており、過去7年間では全体の4割で期日を見直し、5日以上の修正は2割となっている。今年の期日修正は全体の4割、5日以上のズレは3割だった。

 今年は6月10日前後に九州から本州にかけて一斉に梅雨に入り、東北と東日本は気温の低い日が多く、西日本では梅雨期間の総降水量が平年を大きく上回った所が多かった。関東甲信は梅雨期間が平年より約10日長くなったが、総降水量は平年より少なかった。

気象庁:6カ月予報にスパコン導入 25日発表分から2003年09月10日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 気象庁は11日、気温や降水量に関する6カ月予報について、今後はスーパーコンピューターを利用して予報すると発表した。これまでは過去の気象データと直近の観測データを比較し、経験則に基づいて予報していた。同庁は、予測精度を約1割高めることができるとみている。25日に発表する6カ月予報からスパコンの利用が始まる。

 6カ月予報は年に2回出され、気温と降水量を「平年より高い(多い)」「平年並み」「平年より低い(少ない)」の3段階で予報する。

 3カ月後の予報までは現在でも、直前の観測データなどをコンピューターに入力して計算し、予報されている。しかし、6カ月後を予測するためには、膨大な計算が必要で、同庁のコンピューターではこれまで対応できなかった。

 過去14年間のデータを使って計算したところ、予報の的中率は45%で、従来の方法の37%を上回った。【河内敏康】

暑い夏はどこに… 各地で10月並みの気温

2003年08月14日 The Sankei Shimbun
 日本列島は14日、前線の影響でほぼ全国的に曇りや雨となり日中も気温が上がらず、豊岡(兵庫県)の最高気温が平年を10・4度も下回る21・9度、東京都心が8・2度低い22・8度となり、沖縄など南西諸島を除く各地で10月上旬から中旬並みの肌寒さとなった。

 北から冷たい空気が流れ込んだ上、日照がなかったのが原因で、夏らしい暑さが戻ってくるのは週末以降になりそうだ。

 気象庁の観測によると、主な都市の最高気温は札幌と大阪で25・2度と辛うじて25度以上の「夏日」となったが、仙台21・1度、名古屋24・3度、広島23・6度、福岡22・7度といずれも25度を下回り、平年より9・1−6・9度も低かった。

 那覇の最高気温は31・9度と、平年並みだった。

 気象庁によると、15日も前線は日本列島の南岸沿いに停滞する見込みで、東京都心の最高気温も25度程度にとどまる見通し。

北半球各地で異常気象猛威

2003年08月12日 The Sankei Shimbun
 真夏の北半球各地で異常気象が相次いでいる。日本では11日、「梅雨明けなし」が正式に決まった東北北部など北日本が記録的な日照不足と低温の一方、欧州は英国やドイツで史上最高気温が更新される猛烈な熱波に襲われ続け、夏の観光客も大幅に減少している。やはり高温少雨の台湾では干魃(かんばつ)や渇水の被害が広がるなど、産業や環境にも大きな影響を与える気象問題は地球規模で深刻さを増している。

 英国では10日午後、ロンドン南方のケント州グレーブゼンドで気温38.1度が観測され、これまで同国の最高気温記録だった1990年8月の37.1度を大幅に更新した。英国ではこの時期でも通常の平均最高気温は20度台前半なだけに、線路の変形による事故を恐れて鉄道ダイヤが大幅に乱れるなど、暑さに慣れていない国民の間では日常生活への影響が広がっている。

 欧州は7月半ば以降、猛烈な熱波に見舞われており、ドイツでも9日に40.4度の国内最高記録が更新されたばかり。フランス、スペインなどでも最高気温40度以上の日が相次ぎ、仏緊急医師会のペルー会長は、パリ市内での熱波による死者が「10日までの4日間で50人以上にのぼった」と指摘している。

 熱波により、欧州各地で大規模な山火事が発生しているほか、電力不足や干魃の懸念も強まっている。イタリア南部の避暑地に滞在中のローマ法王ヨハネ・パウロ二世も10日、「渇いた地に、主が冷たい水の恵みを与えてくださるよう」祈りをささげるなど、事態は“神頼み”の様相さえ呈している。

 東アジアでも台湾や中国南部は少雨に悩まされており、中国南部では800万人以上が飲料水不足に見舞われた。台湾北部でも、名産のウーロン茶などの茶畑で、地域によっては6割の茶葉が枯れ、10億台湾元(約34億円)以上の損害が出ているうえ、台北市の一部では13日から給水制限が行われる。一方、中国中部は例年よりはるかに降水量が多く、大洪水などの心配が出ている。

                  ◇

≪温暖化とは直結せず、原因は不明≫

 気象庁によると、欧州を熱波が襲っているのは、通常ならアフリカ北部を覆っている高気圧が欧州南部まで北上したり、欧州北部上空を流れる気流(偏西風)のコースが変化したことなどが原因。例年ならば欧州に届くことのない高温の空気が流れ込んでいることが、異常な気温上昇を招いている。

 一方、台湾や中国南部などでは温かい亜熱帯高気圧が平年より早く南から進出し、梅雨前線も北へ押し上げてしまったことで、高温少雨となり、渇水などを招いた。

 また押し上げられた梅雨前線が中国中部に停滞したため、同地域は逆に大雨と低温に見舞われることになったという。

 気象庁では、今夏の世界的な異常気象の中でも、欧州と中国南部などの例が「最も特徴的」として情報収集や監視を続けている。ただ、通常と異なる高気圧の動きなどが引き起こされた理由は不明なままで、なぜ異常気象が相次いでいるかという根本的な疑問への答えは見当たらないのが実情だ。

 熱波に関しては、温室効果ガスなどによる地球温暖化との関連を指摘する向きもあるが、気象庁では一連の異常気象に対する影響について「全世界的に、気温は確実に上昇している」としながらも、「地球温暖化が、特定の時期や地域の高温につながるとはみていない」と否定的な見解を示している。

 また、欧州の気象専門家の間でも、地球温暖化が今夏の欧州の熱波に直結しているわけではないとの見方が主流となっている。

東北北部は梅雨明け宣言せず

2003年08月11日 The Sankei Shimbun
 仙台管区気象台は11日、東北北部の梅雨明けについて「これまで明確に梅雨明けと判断できる時期がないまま、季節的に秋への移行期に入った」として、梅雨明け宣言をしないと発表した。

 同気象台によると、東北北部で梅雨明け時期が特定できなかったのは1951年の発表開始以来3回あった。

 東北北部は6月16日の梅雨入り以降、梅雨前線などの影響でぐずついた天気が続き、7月は太平洋側を中心に記録的な低温と日照不足となった。8月に入り一時的に晴れた日もあったが、台風10号などの影響で長続きしなかった。平年の梅雨明けは7月27日ごろ。

欧州、50年間で最も暑い夏 ロンドンは史上最高を記録

2003年08月07日 The Sankei Shimbun
 欧州各地の猛暑は6日も続き、ロンドンでは観測史上最高の35・4度を記録。AP通信によると、パリでは39・5度と1947年に記録した40・4度の過去最高に迫り、イタリア空軍の気象担当者はAP通信に「過去50年間で最も暑い夏の一つといえる」と語った。

 ロンドンの新たな観光名所として人気のテムズ川沿いの大観覧車「ロンドン・アイ」は、卵形の観覧室内の温度が上昇して不快になったため日中の運転を一時停止。ロンドン発ニューヨーク行きの超音速旅客機コンコルドは冷房などで燃料消費が増えたためか飛行中に燃料が不足、カナダのニューファンドランドに臨時着陸し燃料補給した。

 AP通信によると、ポルトガル各地の山火事は火勢は衰えているものの、山歩き中に追い詰められたとみられる男女の焼死体が見つかり、先週の出火以来の死者は少なくとも14人。スペインでも熱射病で2人が死亡するなど、熱波による死者は計14人に上った。

 ドナウ川流域のバルカン諸国では日照りのため川の水位が低下、第二次大戦中に沈没した船舶の姿が見え始めた。水中の酸素が減少しており、水生生物への悪影響が懸念されているという。(共同)

欧州各地、熱波にうだる 山火事や列車減速も

2003年08月05日 The Sankei Shimbun
 欧州各地は4日、熱波の影響で気温が軒並み上昇し、ポルトガルでは過去最大規模の山火事を国家災害に指定、英国では鉄道の線路のゆがみに備え、列車が減速運転した。

 5日以降も気温はさらに上がる見通しで、観測史上、最高を記録する地域もありそうだ。

 ポルトガル政府は4日、臨時閣議を開き、相次ぐ山火事を国家災害に指定。被災者支援に乗り出すことを決めた。国内の一連の山火事で9人が死亡している。

 スペインの中・南部でも3日から4日にかけて山火事が発生。オリーブ畑などが被害を受けた。アンダルシア地方では気温が40度を超えた。

 英国では、列車が最高時速を180キロから100キロに減速して運転。一両日中には国内の過去最高気温37・1度を上回ることも予想されている。

 ロイター通信などによると、8月の平均気温が24度のパリでは、4日の気温が37度に達した。北欧のフィンランドでもこの夏、気温が33・3度まで上がったという。(共同)

世界初、成層圏滞空に成功 無人飛行船で航空技研など

2003年08月04日 The Sankei Shimbun
 無人飛行船を高度約20キロの成層圏に滞空させ、放送や地球観測の基地として使う「成層圏プラットホーム」の試験機を成層圏まで飛ばす、初の実験が4日未明から早朝にかけて、茨城県日立市の日立港で実施された。

 実験主体の独立行政法人航空宇宙技術研究所などによると、試験機は成層圏に到達し、実験は成功した。飛行船が成層圏に到達したのは世界で初めてという。

 試験機は全長約46メートル、重さ約500キロで動力はない。実験では、高度16・4キロの成層圏下層まで上昇、30分間ほど滞空し、大気を採取した。その後、地上からの指令で機体からヘリウムを放出し降下させ、日立港の東約40キロ沖で回収した。飛行時間は1時間54分だった。

 採取した大気は海洋科学技術センターで、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの濃度分析を進める。本年度末からは飛行船に通信機器を載せる実験を進め、約10年後の実用化を目指す。

西日本で今夏最高の気温

2003年08月02日 The Sankei Shimbun
 関東甲信地方と東北南部の梅雨明けが発表された2日、東日本から西日本の広い範囲にかけて晴天に恵まれ、最高気温は大分県日田市で35・6度、熊本市で34・8度、鳥取市と佐賀市が34・7度など西日本を中心に今夏最高を記録したところが多かった。

 福井県敦賀市、兵庫県豊岡市、長野市、山口県萩市でもそれぞれ34・3度と今夏最高を記録した。

東北南部も梅雨明け

2003年08月02日 The Sankei Shimbun
 仙台管区気象台は2日、東北地方南部(宮城、山形、福島)が梅雨明けしたとみられると発表した。平年並みだった昨年より10日遅く、1951年に統計を始めて以来、梅雨明けが特定できなかった93、98年を除き、3番目に遅い記録となった。

 同気象台によると、東北南部は2日、高気圧に覆われ晴天となり、気温が高い地域が多くなった。しかし、今年は太平洋高気圧の勢力が弱いため、今後は曇りや雨の日もありそう。

 東北地方では梅雨期間中に低温、多雨の状態が続き、農作物などへの悪影響が懸念されている。
 6月12日に梅雨入りした後、仙台で387ミリ(平年比約143%)、山形で268ミリ(同約119%)、福島で253ミリ(同約105%)の降雨量があった。

関東甲信地方、やっと梅雨明け

2003年08月02日 The Sankei Shimbun

 気象庁は2日、関東甲信地方が梅雨明けしたとみられると発表した。平年、昨年と比べ各13日遅い。梅雨明けが特定できなかった1993年を除くと、8月の梅雨明けは、統計がある51年以降3回目。過去最も遅い梅雨明けは82年の4日だった。

 今年の梅雨は、オホーツク海高気圧から湿った空気が流れ込んだ影響などで、日照時間が少なく低温となる「梅雨寒」状態が続いた。

 気象庁は「東日本(関東甲信、北陸、東海)の8月は晴れが多く、気温は平年並みだが、天気が不安定で曇りや雷雨になりやすい日がある」と予測している。

北日本は49年ぶりの低温 冷夏くっきり、冷害の心配

2003年08月01日 The Sankei Shimbun
 気象庁が1日発表した7月の気候統計値によると、北日本(北海道と東北)の月平均気温は平年比マイナス2・9度と、北海道で水稲の作況指数が61と戦後最悪クラスの冷害に見舞われた1954年と同じ数値を49年ぶりに記録した。

 東北から中部地方で3245億円の被害を出した88年(平年比マイナス2・8度)や、沖縄を除く全国で9791億円の被害が出た93年(同2・2度)の冷害の時よりも低かった。

 異常低温となった北日本は8月も前半を中心に気温が平年並みか平年より低く、日照時間も少ない見込みで、同庁は農作物の被害に注意するよう呼び掛けている。

 気象庁によると、7月はオホーツク海高気圧が月を通じて強く、逆に太平洋高気圧の北への張り出しが弱かったため、梅雨前線が本州上や南岸に停滞。北日本から西日本(近畿以西、南西諸島除く)にかけて低温と日照不足の「梅雨寒」だった。

 平均気温は、九州南部の一部と南西諸島を除いた全国で平年を下回った。特に北海道のオホーツク海側や東北太平洋側は、平年を3度以上も下回った地点があり、仙台は月平均18・4度(同3・7度)。93年の低温記録を更新した。ほかに10地点で低温の記録を塗り替え、3地点がタイ記録となる“寒さ”だった。

 一方、名瀬(鹿児島)と久米島(沖縄県)は高温の記録を更新した。

 日照時間は、北海道日本海側、南西諸島以外は平年を下回った。東北の太平洋側、関東甲信、北陸、近畿の日本海側、山陰では平年の40%以下の地点もあった。特に宮古(岩手県)は、1カ月でわずか25・7時間と平年の17%に止まり、41年に記録した50・7時間を大幅に下回った。ほかに24地点で日照時間の最小値を更新した。

 降水量は東北太平洋側、中国、九州北部で平年の170%以上となった地点があり、大船渡(岩手県、平年比325%)、厳原(長崎県、同269%)の二カ所で降水量最大値を更新。北海道、九州南部、南西諸島は平年以下だった。

 気象庁は「今後オホーツク海高気圧は弱まり、東日本(関東甲信、北陸、東海)と西日本は晴れが多く気温は平年並みだが、天気が不安定で曇りや雷雨になりやすい日がある」と予想している。

一面真っ青…ヒマワリ畑 21万本花咲かず

2003年07月31日 The Sankei Shimbun
 南アルプスを背に黄色く咲き誇るヒマワリが全国的に有名な山梨県明野村で「明野サンフラワーフェス」が開かれているが、31日も長引く梅雨の影響で開花が遅れヒマワリ畑は「真っ青」。観光客も残念顔だ。

 同村では農道沿い約1キロに約21万本のヒマワリが植えられ、例年7月下旬に満開になる。今年は日照不足で花が開かず、このままの状態が続くと見ごろは8月7−8日ごろにずれ込みそう。

 静岡県沼津市から家族連れで来た男性会社員(37)は「せっかく楽しみに来たのに」とため息。観光ツアーで埼玉県から訪れた女性(61)は「一面真っ青のヒマワリ畑は初めて」と目を丸くした。

 同フェスは、8月31日まで。問い合わせは同村産業課、電話0551(25)2311。

中国地方、梅雨明け 平年より6日遅く

2003/07/26 中国新聞地域ニュース
 広島地方気象台は二十六日、中国地方が梅雨明けしたとみられる―と発表した。平年より六日遅く、梅雨入りからの降水量は広島市が平年比一・五倍の六三一ミリ、呉市で一・三倍の四八一ミリと各地で平年を上回った。

 中国地方は高気圧に覆われ、山陰の一部を除いて広い範囲で晴れた。夏らしい強い日差しが降り注いだ広島市中区の繁華街では、日傘を差して歩く女性の姿が目立った。午後の最高気温は広島、呉市が三一度、福山、庄原市で三〇度と、ほぼ平年並みの見込み。

 広島地方気象台は「向こう一週間は、にわか雨や雷雨はあるものの、晴れる日が多いだろう」と予報している。

 九州北部や四国、近畿、東海地方も二十六日、梅雨明けした。

8月には平年並みの暑さに 気象庁3カ月予報

2003年07月24日 The Sankei Shimbun
 
 気象庁は24日、8−10月の3カ月予報を発表した。北日本や東日本で続いている低温状態は、8月には平年並みの暑さになるとの予想を明らかにした。

 同庁によると、これまで北、東日本を中心に低温や日照不足をもたらす一因になっていたオホーツク海高気圧は、8月になると次第に弱まる見込み。逆に、張り出しが弱まっていた太平洋高気圧の勢力が強まるという。

 太平洋高気圧は、梅雨前線を日本列島から北に押し上げて夏の暑さをもたらすなどの役割を持っている。

 同庁気候・海洋気象部は「7月は太平洋高気圧が予想より弱かったが、フィリピン付近の対流活動が今後活発化するのに伴い、太平洋高気圧が強まって気温が上がる」と話している。

 ▽8月 北日本は前線や低気圧の影響でぐずつく時期がある。東、西日本は平年同様晴れが多いが曇りや雷雨の時期もある。南西諸島は晴れが多い。気温・降水量は南西諸島以外は全国で平年並み。

 ▽9月 東、西日本は残暑の時期がある。気温は全国で平年並みか高く、降水量は南西諸島以外は平年並み。

 ▽10月 気温は全国で平年並みか高く、降水量は南西諸島以外は平年並み。

肌寒い「大暑」 北、東日本で気温低く

2003年07月23日 The Sankei Shimbun
 
 暦の上では1年で最も暑いとされる「大暑」の23日、日本列島は沖縄を除き、ぐずついた空模様となった。各地の気温は西日本で平年並みとなったが、北、東日本は「梅雨寒」をもたらしたオホーツク海高気圧が張り出し、平年を大幅に下回る肌寒い一日に。東京都心のオフィス街では、長袖カーディガンを羽織って出勤する女性の姿が目立った。

 気象庁によると、正午現在の気温は、東京で20・1度(平年比マイナス8・5度)と5月上旬並みとなったほか、札幌17・8度(同6・9度)、仙台16・5度(同9・0度)、名古屋20・6(同9・1度)、大阪24・8度(同6・0度)、高松25・9度(同4・0度)。福岡も28・6度で平年より1・6度低くかった。

 気象庁は「大陸からの寒気が入り込んでいるため、東日本を中心に週内は気温が低い状態が続く」と予想している。

九州南部が梅雨明け 平年より9日遅く

2003年07月22日 The Sankei Shimbun
 
 鹿児島地方気象台は22日午前、九州南部(奄美地方を除く鹿児島、宮崎両県)が梅雨明けしたとみられると発表した。九州南部の梅雨明けは、平年より9日遅く、昨年の7月21日より1日遅い。

 同気象台によると、梅雨前線が朝鮮半島付近まで北上。向こう1週間はにわか雨の降る所があるが、高気圧に覆われ晴れる日は多いという。

 九州南部は6月9日に梅雨入り。梅雨期間中の降水量は鹿児島で714ミリ(平年571ミリ)、宮崎市で794ミリ(同509ミリ)と平年より多かった。

日本アルプス、謎の沈降 年間最大5ミリのペース

2003年07月22日 The Sankei Shimbun
 
 日本アルプスのほぼ全域が、年間最大5ミリのペースで沈降していることが、国土地理院の衛星利用測位システム(GPS)観測で22日までに分かった。

 一帯は地殻変動で東西から押されているため、本来なら徐々に盛り上がるはず。沈降は、数年だけの短期的な現象なのか、地殻活動が変化を起こしているのか−。謎の沈降に、研究者も首をひねっている。

 地理院は、全国約1200カ所に配備したGPS観測網で地殻変動を観測している。村上亮総括研究官らは、1996年から6年間のデータを使い、列島各地の高さの変化を調べた。

 その結果、長野、新潟、富山、岐阜、山梨、静岡県にまたがる北、中央、南アルプスの一帯が徐々に沈んでいることが、初めて判明した。沈降は、最大で年間約5ミリだった。従来の水準測量は、主要道路に沿って高さを測ってきた。しかし、その方法では広い山岳地帯全体の変化をとらえきれないため、沈降が分からなかったらしい。

 GPS観測では、全国のほかの場所でも沈降や隆起が検出された。しかし、いずれもプレートの動きなどの地殻変動や地下水のくみ上げが原因と考えられ、従来の水準測量が示していた変動と矛盾はなかった。日本アルプスの沈降だけが、説明できない現象として浮かび上がった。

 村上さんは「GPS観測点は山腹やふもとにあるので、山頂が沈んでいるかどうかは分からない。精密観測により初めて分かった謎の現象で、データを集めて地下の動きを解明したい」と話している。

 ■GPS観測 国土地理院は地震や火山の研究、防災に役立てるため、1990年代半ばから全国に10−20キロ間隔で衛星を利用したGPS観測網を整備、地殻変動を観測している。カーナビで利用されているものよりけた違いに精度が高く、地殻が水平方向に数ミリ動いたことも分かる。高さ方向の精度は劣っていたが、長期間の観測データを積み重ねることで変動をミリ単位でとらえることが可能になった。

ダム破損、川幅5倍に 水俣の土石流被害

2003年07月22日 The Sankei Shimbun
 
 熊本県水俣市の土石流被害で、熊本県の職員数人が最初に崩落した山の斜面まで踏査した。通常は20−30メートルだった川幅が5倍以上に広がり、治山ダムの一部が破損するなど、土石流のすさまじさが明らかになった。

 21日の調査では、家屋が流された集落から、斜面が崩落した付近までの約2キロを、3時間以上かけて歩いた。下流部は泥と岩などでぬかるみがひどく、ひざが抜けなくなるなど、歩行が難しい状態。直径5−6メートルの大きな岩石がたくさん転がっていた。

 上流部では、泥は流され、岩石やなぎ倒された樹木などで埋まっていたが、こう配がきつく「いつ上から岩が転がってきてもおかしくないような危険な状態」だった。崩落した斜面には、山腹をスプーンでえぐり取ったような、大きな穴が開いていた。穴の表面は約1ヘクタールあった。

 県は土石流が流れた総面積は約2ヘクタールに上るとみている。県が1980年代前半に設置した3基の治山ダムはそれぞれ、上方の一部が破損していたが、決壊はしていなかったという。

観測データを各国共有…「地球観測サミット」宣言原案

2003/07/21 読売新聞 Yomiuri On-Line
 地球規模の気象、環境などの観測システム構築を目指し、31日に米国・ワシントンで初めて開催される「地球観測サミット」で採択される宣言の原案が20日、明らかになった。

 大気、海洋などの環境変化に対する予測能力を高めるため、各国政府間で観測記録を共有する「地球観測システム」を構築することを明記。さらに、作業部会を設立し、来春、東京で開かれる予定の第2回会合までに10年間の実施計画を策定することも盛り込まれている。

 地球観測サミットには、日米両国のほか、英国、ロシア、中国など33か国が参加。日本は遠山文部科学相が出席する予定だ。

 宣言原案では、「人類全体の利益となる地球観測システムに参画することにより、将来の世代のために地球環境の保護に貢献する」と表明し、「全地球規模の情報の必要性を再確認」するとしている。そのうえで、〈1〉地上、航空、衛星ネットワークによる観測記録を完全かつ開放的に交換する〈2〉地球観測システムのための10年間の実施計画を策定する作業部会を設立する――などを明記している。

 世界の気象、環境などに関する「地球観測」は現在、世界気象機関(WMO)、食糧農業機関(FAO)など国際機関による連携が中心。地球観測サミットにより、各国政府が国レベルで精度が高い環境の調査、効果的な保護に取り組めるようになることが期待される。

 具体的には、地震や火山噴火、集中豪雨といった自然災害の前兆を把握して被害を最小限に食い止めたり、地球温暖化やエルニーニョ現象を正確にシミュレーションし、対策を立てたりすることに活用する。

「梅雨寒」列島 東北では平年比5度低く

2003年07月15日 The Sankei Shimbun
 6月下旬以降、北日本から西日本にかけて、気温が低く日照の少ない状態が続いている。特に東北地方では最高気温の平均が、平年より5度近くも低く「梅雨寒」となった地域もあり、気象庁は農作物への影響に注意を呼び掛けている。

 気象庁によると、梅雨時に現れるオホーツク海高気圧が平年より発達しているため、梅雨前線が南に下がって広い範囲でぐずついた天気となり、日照時間が減少した。

 さらに、オホーツク海高気圧からの湿った冷気が北日本を中心に流れ込んだため、気温が下がったという。

 東北では太平洋側を中心に気温が下がり、6月24日−7月10日の最高気温の平均が、むつ(青森県)で4.8度、宮古(岩手)で4.3度も平年より低く、日照時間もこの2カ所は平年の10%台にとどまった。ほかの観測地点も日照時間が平年比50%以下が多かった。

 関東甲信地方でも、7月上旬の最高気温の平均は、水戸で22.6度(平年比マイナス3.1度)のほか、宇都宮23.5度(同3.2度)、東京25.6度(同1.9度)と平年より低く、日照時間の平年比も水戸が38%、宇都宮42%、東京48%だった。

 東海、近畿、中国、九州北部も日照時間が平年比50%前後の地点が目立った。

 気象庁は「梅雨前線の南下により、各地の梅雨明けは遅れる見込みだが、梅雨明け後は平年通り晴れて暑くなる日が多くなる」と予想している。

世界各地で記録的異常気象 地球温暖化が影響か

2003年07月12日 The Sankei Shimbun
 異常高温と大雨、その一方では少雨も−。今年5月以降、世界各地で記録的な異常気象現象が起きている。猛暑のイタリアでは電力消費量増加から停電となり、アジアでは豪雨被害が相次いだ。地球温暖化が一因とみられ、専門家は「異常気象は今後も増える恐れがある」と指摘している。

 気象庁気候・海洋気象部によると、7月9日現在、異常高温は「イタリアからアフリカ北部」、「トルコから紅海沿岸」、「米国の東、中西部」などで続いている。週平均気温はイタリアからアフリカ北部で平年より3−4度高く、トルコ周辺や紅海沿岸は2−4度、米国東部などは3−5度平年を上回った。

 中でもチュニジアのチュニスは6月末に最高気温46度(平年31度)を記録、フランス南部も40度を超えた。イタリアのミラノは35度(同28度)を超え、スイスのジュネーブでは過去250年間で最も暑い6月となった。

 一方、アジア周辺は大雨に見舞われた。活発な梅雨前線のため中国南部の江西省で6月23−28日の合計降水量が470ミリ(平年300ミリ)を記録。重慶でも1カ月降水量が377ミリ(平年170ミリ)だった。バングラデシュ周辺はモンスーンの対流状態が活発化し、スリランカ南部では豪雨で800人以上の死者・行方不明者が出た。

 異常少雨が続くバイカル湖の南からモンゴル北部、スカンディナビア半島、トルコなどでは、いずれも最近1カ月の降水量は20ミリ以下に。多くの所で平年の20−30%以下の降水量となった。

 東大気候システム研究センターの木本昌秀教授は「長期的な変動の原因の一つに地球温暖化の影響があると思う」と指摘した上で、「21世紀は寒暖を繰り返しながらさらに気温が上昇し、最高気温を更新する地域が相次ぐ。大雨地域がある一方で、乾いた地域には余計雨が降らなくなることもあり得る」と話している。

ブロッケン現象:山開きに「御来迎」 山形県・月山

2003年07月01日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 山形県の出羽三山主峰の月山(1984メートル)山頂で1日、「御来迎(ごらいごう)」が出現した。これは日の出や日没時、高山で、背後から太陽光を受けた人の影が雲や霧に投影され、周囲に光の輪のような模様が浮かび出る現象。光背を背負った阿弥陀如来の姿になぞらえて言うようになった。欧州では、ドイツのブロッケン山で多く見られる現象で「ブロッケン現象」や「ブロッケンの妖怪」と呼ばれる。

 月山で御来迎が出現したのは午前4時50分ごろ。夜明け、太陽が昇った直後に参拝者の影が西側の雲に投影され、登山客から歓声が上がった。頂上小屋を経営する芳賀竹志さん(57)は「5歳から山開きの日は小屋にいるが、52年間で初めて」と感激していた。【長南里香】

大規模な発光放電現象「巨大ジェット」を初観測

2003年06月26日 The Sankei Shimbun
 東北大大学院の福西浩教授(超高層物理学)と台湾の成功大学などの国際共同研究チームが、地上約16キロにある雷雲の上から、電離圏に向かって上向きに発生した約70キロの大規模な発光放電現象「巨大ジェット」を世界で初めて確認し、26日付の英科学誌ネイチャーに発表した。

 これまで地上約50−90キロの範囲で、落雷に伴い小規模な発光放電現象が観測された例はあるが、今回は落雷はなく、強力な発光放電現象だけが確認された。福西教授は「地上と電離層間の強い電位差を解消するために起きたとみられ、大気圏とさらに上空の電離圏を電流が循環すると考えられていた地球規模の電気回路の構造を見直す必要がある」と話している。

 研究チームは、昨年7月、台湾の南端にある成功大の観測所から超高感度電荷結合素子(CCD)カメラを使って、フィリピンのルソン島付近の海上で発生した5回の巨大ジェットを観測。

 雷雲の上、地上約20キロ付近から見え始め、同約90キロの電離圏に向け木の枝のような形で発光。発光継続時間は0・5秒以下だった。また同じ時刻に宮城県女川町の東北大の観測所と、南極の昭和基地の観測所で発光に伴い発生した極低周波電波も検出、強い放電現象であることを確認した。

 福西教授は「これだけ強力な巨大ジェットが起きれば、大気の成分を変えて気候変動やオゾン層の破壊などをもたらす可能性もある」と話している。

雑記帳:初観測の黄砂、イラク戦争の砂嵐と推定

2003年03月27日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 ◇黄砂は戦場から――。25日、26日に中国、四国、近畿地方で今年初観測された黄砂は8000キロかなたのイラク戦争の砂嵐と推定された。

 ◇気象庁によると、中国で大規模な砂嵐がなく、中東の激しい砂嵐が偏西風に伴う強い西風に乗って4〜7日で飛来した可能性が高い。

 ◇地中海低気圧の上陸で、南西風が砂漠上に吹き発生。3、4月がピークだが、「収束を待って戦火拡大」とはならないように……。 【金塚祐司】

西日本で今年初の「黄砂」、昨年より2か月半遅く

2003年03月26日(読売新聞)YAHOO! News
 大阪市や広島市、高松市など近畿や中国、四国地方を中心とする西日本の広い範囲で25日夕から26日夕にかけ、今年初の「黄砂」が観測された。昨年より2か月半遅かった。低気圧の通過後、中国大陸から気流に乗って運ばれてきたらしい。

 中国で砂漠化が進んでいるのに伴い、日本への黄砂飛来は近年激増していると言われており、昨年の黄砂観測は前年の約1・5倍、1276回にのぼった。

中国地方4−6月 気温は平年並み以上

2003/03/26 中国新聞地域ニュース
 広島地方気象台は二十五日、山口県を除く中国地方の四月から六月までの三カ月予報を発表した。平年に比べ、四月は晴れる日が多く、五、六月は気温が高くなる―と見込んでいる。

 四、五月は天気が周期的に変わり、六月は平年と同様に曇りや雨の日が多くなりそう、という。向こう三カ月の降水量は、ほぼ平年並み。平均気温は、平年並みか高くなる確率が合わせて90%としている。

 福岡管区気象台によると、山口県は四、五月は晴れる日が多く、六月までの気温は高いとみている。

広島市内に桜の開花宣言

2003/03/25 中国新聞地域ニュース
 広島地方気象台は二十五日、広島市内の花見シーズン開幕を告げる、ソメイヨシノの開花宣言を出した。平年より四日早く、昨年よりは五日遅かった。

 中区の縮景園では午前十時ごろ、気象台の職員が、開花予想に使ってきた標本木の枝に花が七輪ほころんでいるのを確認。周りでもつぼみが膨らみ、明日以降、桜色が広がりそう。

 沿岸部の桜は「およそ一週間後には、満開となりそう」と、気象台はみている。

名古屋でサクラ開花 昨年より5日遅いですが…

2003年03月24日 The Sankei Shimbun
 名古屋地方気象台は24日、名古屋市でサクラが開花したと発表した。平年より4日早く、昨年より5日遅い。

 名古屋市千種区の同気象台構内のソメイヨシノが開花した。同気象台は「2月の平均気温が比較的高く、平年よりやや早い開花につながったのではないか」と説明。名古屋市内では、3月末から4月初めにかけて見ごろを迎えるという。

ソメイヨシノ:長崎市で開花 九州・山口で一番乗り

2003年03月19日 [毎日新聞] Mainichi INTERACTIVE
 長崎海洋気象台は19日、長崎市で桜(ソメイヨシノ)が開花した、と発表した。九州・山口では第1号。平年より6日早く、昨年と同じ。

 また、福岡管区気象台は同日、今季最後の桜の開花予想を発表した。3月下旬の気温予想が高めに変わり、前回発表(12日)の予想開花日より4〜1日早めになった。19日と予想された熊本市は同日夕までに開花宣言できなかった。

 その他の予想開花日は次の通り。

 【21日】大分市【22日】宮崎市、佐賀市【23日】福岡市【26日】長崎県福江市、同県厳原町【27日】鹿児島市、鹿児島県種子島、山口県下関市

地球の「水」9基の衛星で把握 日米が08年から

2003年03月19日 The Sankei Shimbun
 地球上のどこでどれだけ雨や雪が降っているかを9基の衛星で3時間ごとに計測する「全球降水観測」(GPM)が2008年に始まる。

 宇宙開発事業団と米航空宇宙局(NASA)の共同計画。世界水フォーラムで19日、創設が決まった国際洪水ネットワークにデータを提供するほか、天気予報の精度向上や水資源管理に役立つと期待される。

 衛星による降水観測は現在、低緯度地方を対象とした熱帯降雨観測衛星(TRMM)が日米共同で運用されているだけで、観測頻度も2日に一度にとどまっている。

 GPMは、主衛星1基、副衛星8基で構成。2周波の降水レーダーなどを組み合わせ、雪や雨、水蒸気の分布のほか、雨の形成過程を全地球規模で把握する。

 刻々と変化する水の蒸発や降水を観測することで水循環の包括的なデータが得られる。降水予報のほか、農作物の収穫予測や温暖化による気候変動の予測にも使いたいとしている。同事業団は主衛星を07年に打ち上げる予定。

ヒガンザクラ、早くも見ごろ/福山

2003/3/9 中国新聞ニュース
 春の彼岸のころ、薄い赤紫色の花を咲かせるヒガンザクラが、福山市花園町で早くも見ごろを迎えている。

 JA福山市会館前の歩道にぽつんと一本。道行く人たちを見下ろすように花を付けた。時折、吹き付ける強風にあおられ、花びらが空中を舞っていた。

 近くの公民館に来ていた福山市地吹町の主婦松村裕子さん(34)は「こんなところに咲いてるなんて」と驚き、長女の愛梨ちゃん(5つ)は「たくさん咲いてほしい」と春の到来を喜んだ。

 広島地方気象台によると、福山地区の八日の最高気温は一〇・九度(平年一一・八度)だったが、三月の平均気温は平年より高めで推移しているという。

黄砂急増は発生源の東進が原因 東大教授ら解析

2003年03月07日 asahi.com
 国内で黄砂の観測される日数が急増したのは、主な発生源がタクラマカン砂漠からゴビ砂漠へと東に約1000キロ移ったためである可能性が高いとわかった。中島映至(てるゆき)・東大気候システム研究センター教授らが、人工衛星の観測データやモデル実験から導き出した。

 中島教授らは人工衛星がとらえた大気中の土壌粒子の量が、90年代に比べて、中国西部のタクラマカン砂漠上空で減ったことをつかんだ。地上での観測結果を風の動きを考慮した気候モデルで解析したところ、主な発生源がより日本に近いゴビ砂漠周辺に移ったと考えられた。

 気象庁が調べた黄砂観測日数は、福岡を例にとると90年代がほぼ10日前後であるのに対して、00年22日、01年30日、02年25日と急増している。

19年ぶりに襟裳岬沖に流氷

2003年03月07日 asahi.com
 北海道襟裳岬沖で、84年以来、19年ぶりに流氷が岬より西に到達した。気象庁によると、今年は例年より北海道東方の海面水温が低かったため、流氷が太平洋へ大規模に流入してきたという。本社機あすかから見た流氷は、襟裳岬から南へ約35キロで、2キロを超える流氷が白い帯のように2本連なって見えた。気象庁は、今後も太平洋への流入は続くと見ており、船舶に注意を呼びかけている。

サクラの開花予想 中国地方は23日ごろから

'03/3/6 中国新聞地域ニュース
 気象庁は五日、九州から関東甲信、北陸までのサクラ(ソメイヨシノ)の開花予想を発表した。

 一番早いのは、熊本と高知で十九日。中国地方は、二十三日ごろから島根県西部や瀬戸内沿岸部で咲き始め、月末にはほぼ全域で開く見込み。

 記録的に開花が早かった昨年には及ばないが、二月に気温が高かった影響で、平年より七〜五日早くなりそうだ。

 山間部は、標高が百メートル高くなるごとに二、三日ずつ遅れる。満開は開花日から約一週間後という。三月末や四月初めの週末は、各地の名所が花見客でにぎわいそうだ。

 主な予想開花日は次の通り。かっこ内は平年比。

 19日 高知(4日早い)▽23日 広島(6日早い)▽24日 松山(4日早い)、高松(6日早い)▽25日 岡山(6日早い)、浜田(5日早い)、京都(6日早い)▽27日 鳥取(6日早い)、米子(7日早い)▽28日 松江(6日早い)▽29日 西郷(7日早い)

気象庁開花予想昨年はハズレ 桜いつ咲く 発表日増やし柔軟対応 花見ツアー業者やきもき

2003年03月01日 (西日本新聞)Yahoo! JAPAN
 三月。桜が気になる季節になった。開花予想日を“無視”し、記録的な早さで開花した昨年の桜。花見ツアーを企画する旅行会社やまつりの主催者はそんな桜に振り回された苦い経験から、今年は早めに手を打つ業者もある。一方、気象庁は今年から“サービス”を充実。昨年まで二回だった開花予想日の発表を三回以上に増やし、気まぐれな桜ととことん付き合う覚悟のようだが―。

 気象庁が発表する「さくらの開花予想」は全国を九州、東北など九地域に分けて発表。昨年まで各地域の発表日は二回だけで、九州・山口地方の昨年の開花予想発表日は三月五日と同十九日だった。五日に発表された福岡市の開花予想日(ソメイヨシノ)は「早め」の三月二十二日。ところが十五日に桜は開花し、同二十五日には観測史上最も早い満開となった。

 今年は「開花状況の変化に的確に対応するため」(気象庁)、予想の発表回数を各地域で二回から三回に増やした。九州・山口地方は三月五日、十二日、十九日の予定。天候や開花などの状況によっては発表の開始、終了時期を前後させたり、発表回数を増やしたりするという。

 バスツアーを中心に熊本県白水村の「一心行の大桜」や福岡県甘木市の「秋月の桜」などの花見ツアーを企画する第一観光(福岡市)は昨年、早々と散り始めた桜に、コースの打ち切りや中止を余儀なくされ、花見ツアー客は例年の半分に激減。今年はツアーの開始時期を従来の三月末から三月二十日前後に早め、桜の“フライング”にも対応できるようにした。「昨年の教訓を生かし梅のツアーの設定日も早めたところ成功した。桜も早いのでは」と担当者。

 一方、毎年四月の第一日曜日に「桜まつり」を開いている福岡県穂波町商工会は、イベント出演者などのスケジュール変更などが難しく、昨年は葉桜のなかでまつりを決行。事務局長の瓜生茂さんは「二年続けて桜なしでは寂しい。当たり前の時期に咲いてくれるといいが」と心配そう。

 福岡の平年の開花日は三月二十六日、満開日は四月三日。さて今年の桜は? 一回目の開花日予想まで、あと四日。

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 ▼桜の開花予想

 気象庁の観測部観測課が、全国120カ所の桜の開花日を予想し発表する。過去の開花日と気温のデータから予想式を作成し、これに前年の秋からの気温経過と気温予報(週間予報や1カ月、3カ月予報など)を当てはめて求める。特に2月、3月の気温経過が大きく影響するため、この時期の気温が予想以上に高くなった昨年は記録的な早さで開花した地点が多かった。開花宣言は各気象台などにある標本木に花が5、6輪開いた状態となったときに出される。(西日本新聞)

気象庁が来年秋から初の「黄砂予報」

2002年12月21日 Yomiuri On-Line
 中国大陸から黄色い砂が飛んでくる黄砂の観測日数が急激に増えていることから、気象庁は来年度から、黄砂の予測情報の提供を始める。黄砂情報はこれまで、観測地点で確認された日数を発表するだけだったが、あらかじめ発生地域を予測し、1日1回、天気予報とともに提供する。

 黄砂は毎年1月から5月ごろ、中国大陸の乾燥地帯の砂が風に巻き上げられ、朝鮮半島や日本列島まで運ばれてくる現象。

 同庁によると、平年の観測延べ日数は約250日だが、ここ数年は3倍から5倍に急増、今年は11月までに1217日と過去最高を記録した。6年ぶりに秋も観測された。

 4月には福岡空港で航空機のダイヤが乱れたほか、「安心して洗濯物を干せない」などの声が同庁に寄せられ、「予測情報が必要」と判断した。

 来年度度予算で300万円が認められ、同庁は早ければ来年秋にも試験的に提供を始め、2004年2月から本格化させる。

乞うご期待!3カ月予報変わります 気象庁

2002年12月19日 The Sankei Shimbun
 気象庁は19日、過去の観測データの統計分析に基づいて毎月発表している3カ月予報の精度を上げるため、来年3月からコンピューター計算で大気の流れを予測する数値予報の手法を導入すると発表した。

 気象庁はこれまでの実験で、3カ月予報を数値予報で作成すると、従来の統計的予報に比べ精度が数%向上することを確認。実際の予報の作成時には、数値予報と統計的予報を組み合わせて判断することで、さらに的中確率のアップを狙う。

 3カ月予報では現在、期間全体の平均気温を平年に比べ「低い」「並み」「高い」に分け、各段階の発生確率を発表している。新手法では、予報期間を各月に細分化し、平均気温と降水量予測を発表。3カ月の降雪量予報も追加する。

 数値予報の手法は現在、当日予報から1週間、1カ月先までの短期予報で用いられており、気象庁は今後、3カ月予報での実績を踏まえて、年2回発表の暖・寒候期予報にも組み入れる方針。

気象庁HPで無料天気予報

2002年05月23日 Yomiuri On-Line
 気象庁は23日、天気予報やアメダスの観測データ、注意報・警報などの情報を、今年8月1日からインターネットのホームページで無料提供すると発表した。

 これに対し、同庁のデータなどをもとにした天気予報をホームページで提供している民間の気象予報会社は、「民間企業に対する圧迫」「公正な競争を阻害する」などと反発している。

サクラ前線、最速で北上中

2002年04月24日 The Sankei Shimbun
 全国各地で観測史上、最も早い開花となった今年のサクラ前線は、北海道でも記録的な速さで北上している。札幌管区気象台が24日発表した今年2回目の北海道のサクラ開花予想では、平年より15−16日も早く北海道を駆け抜ける見込み。

大規模黄砂、人工衛星がキャッチ

2002/03/23 (共同)The Sankei Shimbun
 今月20日頃に中国北部で発生し、過去十数年間で最大規模といわれる黄砂現象を、米航空宇宙局(NASA)の人工衛星「OrbView」がとらえた。

 21日撮影の写真では、朝鮮半島や中国北東部が茶色の砂ぼこりに包まれて姿を消し、日本の本州やさらにその東側の太平洋上でも砂ぼこりが確認された。

 NASAによると、中国内では視界が10メートル程度しかなかった地域もあり、韓国の一部でも50メートル以下になった場所が出て、空港が一時閉鎖された。

 黄砂は21日深夜から22日にかけて日本の北海道や東北地方に到来。北海道の釧路では春の黄砂としては1956年以来の確認が報告されるなど、各地で観測された。

 モンゴルの砂漠地帯から運ばれてきた砂ぼこりが多く、近年の砂漠化や森林破壊が黄砂の大規模化に関連しているとみる専門家もいるという。


台風の進路予報で日本が「世界一」米国海軍研究所が比較 (2001.03.04) asahi.com
 日本は、北半球全体の予想天気図の精度で、ヨーロッパ中期予報センターや英国気象局、米国立環境予測センターの後じんを拝している。

 台風予報は、気象庁が最も得意とする地域を舞台にした「ホームゲーム」。しかし、ここでも欧州勢にはなかなか勝てなかった。今回初めて首位に躍り出たのは、一昨年12月に数値予報モデルを大幅に改良した成果だという。

気象レーダーでも日本と韓国が連携 (2001.03.03) asahi.com
 気象庁が韓国気象局と互いの気象レーダーで観測したデータを交換し、雨などの予報に活用する計画を進めていることが3日わかった。同庁は「韓国方面の上空の気象がわかれば、特に九州など西日本の雨の予測に役立つ」と説明、2002年度中の実用化を目指している。韓国にとっても台風の進路予報などに日本の観測結果を生かせるという。天気予報の世界でも日韓の連携が強まりそうだ。

 日本の気象レーダーで観測できる範囲はいま、日本列島の沖合二百数十キロ程度までだが、韓国のレーダーが加われば西や北にさらに200キロ以上広がる。

 観測データの交換は、日本から韓国へは1999年8月、韓国から日本へは昨年6月から試験的に始まっている。

集中豪雨の予報精度上がる 気象庁がスパコン更新 (2001.02.27) asahi.com
 気象庁による集中豪雨の予報の精度が来月1日から飛躍的に上がる。同庁のスーパーコンピューターがこれまでの約20倍の処理能力をもつ新鋭機に更新されるのに伴い、局地的な豪雨がとらえやすくなるからだ。現行の予報より観測網が水平の「ます目」で4倍きめ細かくなるほか、観測回数が倍増、予測を出すまでにかかる時間が約3分の1に短縮されるなど、予測データが充実。防災面でも効果が期待されそうだ。

 新たに導入されるのは「メソ数値予報」と呼ばれる予測技術。ある時刻での気温や気圧、湿度からスーパーコンピューターを使って将来の天気を予測する「数値予報」の豪雨版だ。計画では、水平に10キロ四方に区切ったます目ごとに、18時間先までの天気の状態を予測する。(1)午前3時(2)同9時(3)午後3時(4)同9時の1日4回観測し、1時間半後に予測を出す。

中部ジャワで火山活動活発化 住民が避難 (2001.02.10) asahi.com
 インドネシアのジャワ島中部にあるムラピ山(2.968メートル)の1月初めから続いていた火山活動が10日、一段と活発になり、溶岩が流出するとともに大規模な火砕流が発生した。当局は山ろく部の住民を避難させた。

富士山噴火に本格的対応へ 噴火予知連 (2001.02.05) asahi.com
 富士山が大噴火すれば、首都機能がマヒする恐れもある。8世紀からでも10回は噴火しており、最後の噴火だった1707年(宝永4年)の噴火では、火山灰が江戸にも数センチ積もった。井田会長は「富士山にはいろいろな噴火のタイプがあって難しいが、ハザードマップ(災害予測図)を作る必要がある」と語った。

 富士山は、昨秋から山頂直下15キロ付近で低周波地震が急増し、1987年に山頂に地震計を置いて以来最大の活動となっている。ほぼ月に10回程度で推移していた発生回数は、2000年10月に133回、11月に221回、12月に143回と急増したが、2001年1月は36回に減少し、2月に入ってからはまだ1度も観測していない。

北海道・駒ケ岳で火山性微動/噴煙は観測できず

2001.01.17 The Sankei Shimbun
 札幌管区気象台は十七日午後、北海道南部の駒ケ岳(一、一三一メートル)で火山性微動を観測した、と発表した。悪天候のため噴煙は観測できず、噴火したかどうかは確認できていない。周辺の森町などの調査では降灰は確認されなかった。

 微動は午後一時二十九分ごろから約一分間観測された。最大振幅は約二マイクロメートルで、昨年十一月八日の噴火時に比べやや小さかった。火山性地震は観測されておらず、火口近くに設置した空振計にも異常はなかった。

 駒ケ岳は昨年九月以降、四回にわたって火山性微動を伴った小規模な水蒸気爆発を繰り返している。

昨年噴火したのは三宅島など6火山 気象庁まとめ (2001.01.12) asahi.com
 2000年に噴火した火山は、伊豆諸島の三宅島をはじめ6火山に上ることが12日、気象庁のまとめでわかった。噴火したのはこのほか、有珠山、駒ケ岳(以上北海道)、桜島、薩摩硫黄島、諏訪之瀬島(以上鹿児島県)の5つ。火山災害が起きたのは、1995年2月に岐阜・長野県境の焼岳の水蒸気爆発で4人が死亡して以来という。

 また、岩手山(岩手県)、浅間山(長野・群馬県境)や磐梯山(福島県)の3火山では、注意報にあたる臨時火山情報が出されたが、噴火には至らなかった。

ロケット観測、3月末で終了 気象庁

2001.01.10 The Sankei Shimbun
 気象庁が全国で唯一、岩手県三陸町の気象ロケット観測所(鎌田智所長)で三十年にわたり行ってきたロケット観測を三月末で終えることが十日、明らかになった。

 気象衛星などの観測体制の整備で、ロケット観測の必要性が薄れたため、二○○一年度予算案に、観測所のロケット打ち上げ費用を計上しなかった。

 観測所は一九七○年四月に開設。成層圏から中間圏(二○−六○キロ)の気象を観測する目的で、同年七月からロケット観測を始め、九七年六月には通算一千号が打ち上げられた。

 ロケットは全長約三・三メートル、直径一三五ミリ、総重量六九キロ。気象観測器を搭載した胴部と、エンジン部に分かれる。

 発射後、高度六○キロでパラシュートを開き、観測器が降下して、観測データを収集する。データは長期予報や世界各地の気象・学術機関で利用されてきた。

モンゴル自治区、大雪で27人死亡

2001.01.10 【北京9日=共同】The Sankei Shimbun
 九日の新華社電によると、中国内モンゴル自治区の東部がこのほど歴史的な大雪に見舞われ、寒さなどのため二十七人が死亡、十四人が行方不明となり、牛などの家畜約三万頭が死んだ。

 被災者数は約九十五万人、被害総額は約九億元(約百二十六億円)に上った。寒さは続いており、降雪やえさ不足による家畜被害はさらに広がるもよう。

 同自治区や中国紅十字会(赤十字)は被災地へ緊急援助物資を送るなど救援活動を行っている。

鹿児島県諏訪之瀬島が噴火 (2000.12.20) asahi.com
 20日午前10時50分ごろ、鹿児島県トカラ列島・十島村の諏訪之瀬島にある御岳(おたけ)(799メートル)の噴火が確認された。気象庁は同日夕、注意報にあたる臨時火山情報を出した。同村によると、島の人口は70人で、被害報告はない。避難もしていないという。諏訪之瀬島では火山活動が活発で、今年2月以来の噴火となる。

メキシコのポポカテペトル山(5、452メートル)が噴火 4万人に避難勧告 (2000.12.19) asahi.com
 18日夕(日本時間19日午前)、溶岩などを激しく噴き上げて、噴火した。1994年に火山活動を強めてから、最も活発な活動とみられている。 同山は数百年間の活動休止を経て、1927年に噴火し、一帯の火山・地震活動が注目されていた。

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