競漕記録と観戦レポート:第53回広島県高校総体ボート競技

[Ozawa Rowing Top Page]  [Results Index] update:2000-06-04


開催日2000年6月4日
開催地福山市芦田川ボートコース
天候くもり
波高波・風は少なく,流れもわずかでほとんど影響がない状況だった.
競漕距離1000m

1 競漕記録

※公式掲示版からの書き写し.記載にあたっては,誤記のリスクがゼロではない点に留意され,参考データとしていただきたい.なお,画像はすべて800m地点で撮影.
No.レース風向・風速
NW:順風
レーンクルー漕手順位画像
1男子1×・決勝C:calm1福山工業藤木1357.07800m point
2廿日市森田4412.39
3広工大高寺岡2405.50
4大門3411.80
5宮島工業藤井5417.42
2女子1×・決勝NNW 0.5m/s4廿日市橋詰悠子1450.54800m point
5廿日市橋詰洋子2453.62
3女子2×・決勝NW 1.0m/s4広島皆実 1406.13800m point
5廿日市 2412.35
4男子2×・決勝E 1.0m/s2広島皆実A 1348.94800m point
3宮島工業 3401.06
4広工大高 2353.33
5広島皆実B 4427.25
5女子4+・決勝C 3広島皆実A 2403.13800m point
4広島皆実B 棄権  
5廿日市 1401.57
6男子4+・決勝C2廿日市 1330.10800m point
3広島皆実A 2345.98
4宮島工業 3359.07
5広島皆実B 4430.55

2 各レースの感想(敬称略)

 以下は,レースの感想である.ただし,どのクルーも断片的には見たり,あるいはわずかに助言したケースはあるが,最近の状況はほとんど把握していなかったので,予備知識のない白紙状態での800mポイントでの僅かな観察の印象にすぎない.そのため,誤解や誤認識が充分にあり得るということを前提に,ひとつの「見え方」としてそうだったという程度に捉えてもらえばよいし,また指摘が意味のあるものであれば多いに参考にしてもらえれば本望である.

男子1×
 藤木は他のスカラーより強かったが,フォワードのリズムとワークハイトの設定が課題か.比較的高く引く感じは必ずしも悪くないが,オールロックハイトの設定と水中のブレード深さなどを再チェック.寺岡はヘッドを安定させ,またバランスを安定させればブレードワークも改良できそう.他に上体のスウィングをうまく動員すればさらによくなるスカラーも.

女子1×
 ほぼ同じ体格,(同じ遺伝子&生活環境,同じ指導?)と思われるが,タイムは似たようなものの,漕ぎには結構違いもあった(スウィングの後半に体重をかける感じとバランス).

女子2×
 両クルーとも技術的には比較的安定している感があるが,両者ともさらに高速化をはかるには,実戦的な練習が不可欠だという印象を受ける.メニューを消化するよりは,より速いクルーと並べるとかあるいは色々な戦術展開に対し,対応する能力が問われる.もっとも,他のレースのどのクルーでもそういう印象を受けたが.

男子2×
 皆実Aは,後半の過度のスウィングが気になる.工大高は,キャッチでのロスが大きい.効率的なブレードワークができれば,体力的には皆実との逆転も充分あり得る.宮島工業はヘッドの安定化が必要で,現状では確実にヘッドの不安定がブレードワークの悪さに影響しているという印象.皆実Bではバウの尻逃げや,二人とも深過ぎて水中のブレーキが大きい.

女子4+
 女子4+は5月には皆実が勝ったが,後半追いつかれた展開だったとのこと.今回は,皆実は前半のリードを活かしきれず,700mあたりから徐々に差を詰められ,800mでは抜かれていた.技術的な部分では,ボディワークは全体としては皆実の方が比較的安定していたが,フォワード終盤でブレードがフライアップしキャッチまでのロスが大きい状態であったのに対し,廿日市はボディの左右のブレが大き過ぎるとかユニフォーミティも課題という反面,ブレードのキャッチでのロスが対照的に少なく,1本ずつがむしゃらに強く引くという感じが明確に出ていて,そのあたりのブレードワークの差がそのまま艇速の差となってあらわれた感じだ.もちろん両クルーとも,このレースに向けベストを尽くしてきたのだと思うが,レースに向かうまでの状態を観察し比較すると,総合的には廿日市のほうが,アップの時間設定やメニュー,気持ちの集中・圧縮などの点でずいぶんうまくやっているという印象が強く,その差が現れたともいえる(あくまで両者の比較であって,廿日市がベストとも思わないが).またレース展開では,予測されたはずの?展開であったにもかかわらず,皆実のほうは無策だったという印象を受ける.700mあたりから,「抜かせない,あるいは今一度離しにかかる」といった戦術展開を試みていれば,(多少のリスクはあるので結果に結びつかないかもしれないが)たとえ逆転されても良い成果が残せたのではないかと思う.いずれにしても,ゴールした瞬間から次のレースが始まっている.敗北にうなだれ失意のどん底に浸るのは,悔しさを倍増して味わい,心のダメージを拡大し,周囲に残念だったねといってもらうためにならそれでも良いが,もし次のレースに勝ちたいのなら,クルー自身やコーチは,その敗北のとき,どういう行動が一番クルーを強くするのかを考え,行動しなければならない.(もちろん勝った方も同じことが言える.)いずれにしても,この勝負,今期お互い一勝一敗,持っているものはそれぞれ違うが総合すればほとんど互角というところだろう.中国大会を経て,国体予選でどっちが勝つのかに注目したい.今のお互いの状況を冷静に分析し,やるべきことを技術的に間違いなく実行し,高いモチベーションを維持できたほうが最後に笑うといったところだろう.
 なお,皆実Bはスタートまで向かったが棄権.詳細は現時点で確認していないが,クルー編成が若く,まだレースに対する準備が充分でないという印象が強い.体力的に漕げる準備をするのは当然だが,またレースにあたって競漕規則をよく理解しまた充分艇をコントロールしてからレースに臨むという前提もまた重要だ.レースは自分たちだけのものではない.

男子4+
 上位2クルーもユニフォーミティが悪く,前半でのエントリーでのロスや,皆実の後半の抜き上げの動きなど,ロスの大きな状況で,残念ながらあまり評価すべきところがなかった.宮島工業は,声を出すことを強調していたようだが,声が自然に出ることと出すことを決めてそこにエネルギーを配分するのではずいぶん結果が異なる.残念ながら,無駄に消耗してしまっているように見えた.また声を出すということで,少し冷静なブレードワークができていないという印象も受ける.練習では要所であるいは舵手の指示に元気良く声を返し,また試合では,最小限の声で最大限の意思の疎通と高い集中を図りたい.なお技術的な向上の糸口としては,まずファイナルポジションをしっかりつくるということだろうか.フィニッシュからリカバリーを強調しすぎてか?,クルーでのフォワードが不統一な感じが強い.皆実Bは全体としてレースの出力への準備不足の感が強く,急いでレースに出しすぎという印象が強い.特にバウの尻逃げは腰を壊すために漕いでいるようなもの.少なくともこの段階でレースに出すには,最低限尻逃げだけはしない体とフォームの指導をしておくべきだろう.


EOF