第5章,第2項. 直進・停止・転回。 1,直進。 風がなく、流れもなく、左右のパワーバランスがとれていれば、ボートは、針路を目標地点に向けてまっすぐ進んでいけます。 舵手なし艇のレースでは、スタート地点の背後にステアリングマーカーという2枚一組の操舵標識があって、それを見通して針路を保つ手がかりにします。 しかし、例えば横かぜが吹けば、それで流される分を含めて、あらかじめボートの向きを風上方向にふっておくことではじめて、まっすぐにすすむことができます。 ボートの向きと実際に進んでいく方向には、風や流れの分のずれがあるわけです。 これは、川の流れを横切る渡し舟にもよくみられるため、フェリーグライドと呼ばれます。 2。 漕ぐルートの設定(直線、カーブ)。 水域では常に航行ルールが優先ですが、基本は川の中央かやや右寄りを進み、川岸近くは浅く障害物がある可能性も大きいので、避けます。 曲流部では、死角に注意しつつ、なるべく緩やかなカーブを描きます。 3。 停止。 通常は「イージーオール!」で漕ぐのを止め、自然の減速に任せます。 しかし緊急時は、「ストップ・ロウ!」で急ブレーキをかけます。 しかしその場合も、いきなり完全にストップロウするとハラキリになるので、斜めにブレードを水面に当て、水中に沈めながらスクウェアにします。 ボートの針路変更を伴いながら急停止したい場合は、操舵と、片方のサイドのストップロウを先行したり、衝突を避けてオールを引っ込めたりシャフトを艇に平行にしたりします。 回避の操舵では、「スターンラダーでは、車や自転車をバックさせているのと同じ」ということに注意し、間違ったステアリングにならないようにします。 4。 旋回。 ボートを回す動作は、基本的な3つのモード;バランス、ストップ、バックを、サイドで組み合わせて行います。 片方のロウまたはバックロウに対し、逆サイドがバランスならば大きな半径で周り、ストップ・ロウならば小回りになります。 両ゲンが逆に漕げば、その場で、旋回することになります。両ゲンでスライドはそろえて、バックロウのサイドはフォワードでブレードをスクエアにして沈めて押し、通常のドライブのときに水面を滑らせることになります。 バックロウでは、ブレードを裏返しにするテクニックもありますが、ビッグブレードでは裏返しではかえって効率が悪いか深く沈めることになりあまり意味はありません。またスカリングでは、細かな切替に対応しにくくなります.基本的に、裏返して使う必要はほとんどないでしょう。  なお、旋回は、安全な位置とタイミングで回します。 橋や障害物の上流では旋回しないようにします。 以上で,「直進・停止・旋回」の説明を終わります。