第5章,第1項。 ボートの特性・操舵の基本。 この第5章では、ボートの操舵とコックスのことについて説明します。 1,ボートの特性。 陸上の乗り物とは異なるボートの特性を理解しておきましょう。 流れの影響を受ける。 水上とはつまり、液体の上です。当たり前のことですが、流れがあればその方向に流されます。 風の影響を受ける。風が吹けばその方向に流されます。 特にボートの速度の遅いとき、離岸、着岸などでは風の影響が大きくなり、特によこ風での制御は難しくなります。 左右には動きにくい。艇は前後には動かしやすい反面、左右にシフトするのは非常に難しい特性があります。 慣性。すぐには動けない、すぐには止まれない。 大きな艇(エイト)ほど、すぐには止まらないし、もちろんすぐには動けません。 つまり、急に危険な状態になっても、ブレーキやアクセルの効きが悪いので、すぐには回避できないのです。 危険に対し、「早めに、予防的に」回避することが大切です。 水の中にも危険がある。浅瀬、浮遊物、暗礁など,水の中にも危険があります。  逃げられない。周りは水、水、水。 非常時に、おいそれとは逃げることができません。 だからボートをいつも安全な状況に置かなければなりません。 後ろ向き、視界の制限。 漕手は後ろ向きに座るので、進行方向を確認するためには、(舵手なし艇では)漕手は頻繁に後ろを振り返って、安全を確認しなければなりません。 舵手つき艇では、フロントコックス艇では後方が、スターンコックス艇では前方に死角が生じることに注意しなければなりません。 2, 操舵,ステアリングのポイント。 ラダーの力学的原理: ラダーは、スターンについています。 これは、自動車でいえばいつもバックで操作していることに等しいのです。 そこで、流れを乱さない小さな角度で引き、テールを横にスライドさせる効果で艇の方向を変えます。 舵を大きくきってしまうと、流れを乱し大きな抵抗となり、大きな減速要素になります。 直進の維持(ラダーを引くタイミング): 直進の場合、舵を引く操作は、「艇が安定するストローク中に行う」のが基本ですが、最小限で優しく引くのであれば、いつ操作しても艇のバランスを乱さず操舵できます。 後退(バックロウ)および回転(スピン): 後退する場合には、ラダーをまっすぐに保ちます。 そのためには、両方のラダーをまっすぐにして引っ張っておきます。 このように保持していないと、ラダーが逆に回り、ラダーロープがからまってしまうか、ラダーに不要な負荷をかけてしまいます。 最小限の操舵、最大限の操舵: 練習では、ラダー操作を最小限にし、両サイドの「そうりょく」の不均等を是正するよう漕手に要求することもあります。 多少の艇の曲がり(サイド負け)を残し、漕手に努力させます。 レースでは、確実に艇を直進させるように注意します。 ラダー操作が損失になるのは当然ですが、だからといって操作が後手にまわると、艇が余計に曲がり、結局はより大きな労力と損失を払わなければならなくなります。 操舵は、「早いタイミング」で、「ゆっくりした角速度」で、「最小限のダカク;舵の角度」で引くことが重要です。 以上で,「艇の特性と操舵の基本」の説明を終わります。