第3章,第8項, ブレード深さの最適化。 1, ブレードの深さの意味。 ブレードの深さは、ボートを無駄なく速く走らせるために,とても重要です。 良い深さは、「ブレード一枚」と表現されます。 これは、「ブレードが水面には出ないけれど、ドライブ中に水面がわずかに盛り上がって見える深さ」であり、また「ブレードの背後に空気が入っていない状態」であり,「シャフトができるだけ沈んでいない状態」,ともいえます。 スタートでの1、2本目のように、まだスピードに乗っていない重い状態では,シャフトの沈みも推進力として働きますが、高速で漕いでいるときは、シャフトの水没は大きなブレーキとなります。 シャフトがブレーキとして働いているか、推進力として働いているかは、シャフト部分の流れを観察すればわかります。 2, ブレードの深さの制御。 ブレード深さのコントロールは、動作技術だけでなく、ブレードピッチとワーク高が重要です。 単純に言えば、ブレードのピッチが大きいと浅くなり、小さいと深くなります。 ワーク高が高いと浅くなり、低いと深くなります。 ハンドルを高く引くと深くなり、低いと浅くなります。 ただし、両サイドで高さが違うと、ボートが全体が傾きます。クルーボートでは少し複雑になります。 漕ぎながら、これらの要素をよく感じ取って、動作やリギングを調整していって、良い引きの高さとブレードの深さを実現しましょう。 3, ブレードピッチの調整。 ワーク高を適切に設定した後、ブレードピッチを最適化します。 左右の浮き沈みの違い、キャッチからフィニッシュまでのブレードの深さの変化などから、技術、ワーク高、ピッチの中でどれがどのように効いているかを探り当てなければなりません。 最初は試行錯誤になりますが、経験を積めば簡単に解るようになります。 理解するための注意としては、ある漕手が適切な技術やブレードピッチでも、逆サイドのピッチや技術が悪くて、ブレードの深さが不適当になる場合がある,ということです。 また、特にファイナルでは、ブレードの押しが緩み、水に押されている時は、ブレードピッチが大きいほど沈みやすく抜けにくくなる、といったことです。 数値自体はあまり重要ではありませんが、スムーシー以外のブレードで、剛性の充分なリガーで静水を漕ぐのであれば、ブレードピッチは、キャッチから、6°,5°,4.5°を、初期値として良いでしょう。 なお、リガーの剛性が低い場合は、特にキャッチ側で、これより少し大きくします。 4, 補足:リギングは数字でなく「まず観察」。 リギングは数字ではありません。 最初は、設定する要素を一つずつ、頻繁に変えながら、どのように設定するとどのような漕ぎになるか?ということを実験し、体で覚えていくことが大切です。 視覚障害で、視覚による観察が難しい場合も、漕ぎの状態をレポートしてくれる支援をつけて、ブレードの深さの感触をつかんでいくようにしましょう。 以上で、「最適化,1,B,ブレード深さ」の説明を終わります.