第1章,第5項.アダプティブ種目と視覚障害。 1。アダプティブ種目。 ロウイングにおける障害者スポーツは、アダプティブロウイングと呼ばれています。 世界漕艇選手権では2002年のセビリア大会から始まりました。 パラリンピックでのロウイングは、2008年の北京大会からです。 アダプティブ種目としては、四肢や視覚に障害を持つ人たちについて、いくつかのカテゴリーが設定されています。 Lはレグで脚、Tはトランクでタイカン、Aはアームで腕を意味します。これらの,どの部位を使えるかということと、ボートの種類をあらわす記号で、種目を表現します。 ボートの種類は、漕手の人数、スカル種目ではX、舵手がつけば+の記号をつけてあらわします。 LTA4+は、四肢の障害や視覚障害のある人たちによる舵手付フォアです。 A M1Xは、腕だけで漕ぐ男子シングルスカルです。 A W1Xは、腕だけで漕ぐ女子シングルスカルです。 T A2Xは、上体と腕だけで漕ぐダブルスカルです。 結果的に、視覚障害者にとって、国際種目として用意されているのは、現在はLTA4+だけで、具体的には、2名以上の四肢障害者と2名以内の視覚障害者で構成される舵手付フォアです。 2007年までのルールでは、「視覚障害2名のうち少なくとも1名が、視覚障害クラスがB1かB2(下記)でなければならない」との条件がありました。しかし2008年に改訂され、視覚障害者は「2名以内」となりました。つまり、肢体障害3名とB3クラスの視覚障害1名でのクルー編成も可となりました。 2。 ブラインドのカテゴリーとアイマスク。 2の1。 障害者スポーツにおける視覚障害のクラス分類。 パラリンピックや世界選手権のアダプティブロウイングに参加する視覚障害者は、まずISBNつまり国際視覚障害者スポーツ連盟、のルールに基づき、眼科医の検診によって、視力や視野が厳密に測定されます。 ここでは、視覚障害は、視力や視野の程度で、B1からB3までの3つのクラスに区分されます。 これは、他の障害者スポーツにも共通する区分です。 B1は、全盲かコウカク。全く視覚がないか、光覚の方です。B1は多くの競技で、念のためアイマスクを着用します。 B2は、手の形を認知できる手動弁から視力0.03まで。または視野が5度以下のカタです。 B3は、視力が0.03以上から0.1以下。または視野が5度以上から20度以下のカタです。障害者手帳を持っていることも必要です。 ここで,LTA4+で注意しなければならないのは、2名の場合,少なくとも1名が、B1かB2でなければならないということです。B3で2名という組み合わせができないということです。(個人的には、アイマスクの着用を含め、この規定には問題があると思います。) 2の2。 ロウイングのアダプティブ種目における視覚障害者の適用。 アダプティブ・ロウイングでは、LTA4+に乗る場合、B1からB3の全ての選手に対し、一律にアイマスクを着用することが義務づけられます。 つまり、少なくともレースでは、B2、B3の選手でも視覚情報を利用できなくなることを意味します。 そのため、練習段階では、利用できる範囲でその視力・視野をできる範囲で活用しながらも、試合に備えては、視覚に全く頼らないで漕げるようにしていく必要があります。 現在はまだ視覚障害者のロウイングへの参加が非常に少ないので、このような適用もしかたがないかもしれません。 しかし将来は、B1からB3のカテゴリーに対応して、種目が増え、障害があっても使える視力・視野を駆使して漕げるような、さまざまなチャレンジが選択できるようになることを望んでいます。 以上で、「アダプティブ種目」の説明を終わります。 2008年5月12日改訂版でした。