あの人上手くなったのう

こんな時こそ こっそりと自習しましょう

声の出ない人も、声が出ます。

 

【藤上南山先生からの投げかけ】

 現代の人は「詩」をあまりにも軽く「歌い」過ぎていないか、
「吟ずる」とはどういうことなのか。もう一度原点にかえり、
考えてみるときに来ているのかもしれません。

 詩の解釈は、100人いれば100とおりの解釈があるのであって、
答が1つしかないということではありません。
その人がどう感じたか、その心の奥底にある高揚したものを、
声にのせて発露する。そのことが「吟ずる」ということであって、
すなわち「詩心の表現」にほかならないと私は思っています。

自宅で復習」 その五 
井戸 清明先生より
 
 コロナに負けない!  


コロナに負けない!!
「自宅で復習」 その五

Q. 詩情豊かな表現をする為には 何が必用でしょうか?
A. 吟ずる詩の背景 語意と詩意の理解が大切です

更に 表現する為の技術的な裏づけが必用です


詩の理解

1.作者と背景
@作者が詩を作った頃の時代背景を知る
作者はどういう時代に生きた人か
A作者がその詩を作った時の作者自身の環境を知る
作者はどういう生活状態に在ったか
B作者がその詩を作るに至った直接の原因、詩が生み出された感動の対象、事象を知る
作者はどういうことに感動したのか
2.詩意の解釈
@言葉の意味
一般的な言葉の意味と作者がその言葉に込めた心情を汲み取る
A詩全体の通釈
しを通しての意味を理解し、その詩の主題を知る
作者が最も訴えたい点(感動の中心となるもの)を把握する
《詩を十分に理解、把握し、作者の感動を自分の感動にまで昇華する》
→詩を通して作者と同様の体験を持ち、自分自身の感動として表現する

表現のテクニック

1. 発音
単語(言葉) を明確に発音する→聴き手に正しく伝達する
詩は いくつかの単語(言葉)が組み合わされて出来ている
口の開閉に注意し 子音 母音を正しくハッキリ発音する
不明瞭な言葉は意味が通じないので 当然 感情も伝わらない
2. 音色
言葉の意味や感情に応じて 音色(声色)に変化をつける
明暗 陰陽の対象
明るい陽気な音の発声・・・少し胸を張るようにする 喉を解放する
暗い陰気な音の発声・・・少し背を丸めるようにして胸部を小さくする 喉をやや閉める
3. 強弱(声の大小)

言葉の中での強弱

音の性格としての強弱
ミ(大)→ド(小) 例 い っせいは
ラ(大)→シ(小) 例 つ き
ファ(大)→ラ(小) 例 な つ 、ま た 但し ラの引きは強く(大きく)する ラは導音であり
ある方向へ導く音である 方向転換の音で 強く(大きく)発音する
※ 基本的には 低い音を強く(大きく)発音する
ミ(やや小さく)→シ(大) 例 い ち そ おどーの

言葉相互の強弱

言葉の意味に応じて強弱(大小)の変化をつける
強い 大きな声・・・全身を脱力する(体に共鳴)
弱い 小さな声・・・胸部を少し小さくして 腹筋を緊張させる ポイントを上げ
やや前傾をとる
4. 緩急
言葉の緩急・・・言葉の意味 詩情の流れに応じ するどく言葉を詰めたり ゆったり緩やかに
発音する節調の緩急・・・詩文の意味 感情の動きに応じ 節調を勢いよく早くまとめたり
静かに落ち着いてまとめたりする
5. 間(ま)
単に言葉の途切れた部分 或いは息を入れる為に空いた部分を言うのではなく
意味のある空間を間(ま)と呼ぶ
−詩吟の心の深さを感じさせるのが間(ま)である−
@余韻を生み出す為の間
間をとることにより 前の語句の詩情の余韻を生み出す
A後の語句を生かす為の間
間をとることによって その後の語句を引き立たせ強調する(後の語句に対する思いを
膨らませる)
B間の長短によって詩の雰囲気を作り出す
悲憤慷慨の詩・・・一般に間は長くとらず 間に緊迫感を持たせる
悟道詩 静寂な叙情詩・・・一般に間を少し長くし 空間も静かな落ち着いたものにする
C生み字の母音と次の言葉の初めが同じ母音の場合の間
例 桜花に 入って 我を 送るの
※ 発音 音色 強弱 緩急 間 これらは 全て相互に関連性を持ち 又 吟情と密接に
関連しており それによって自然に生み出されるものである(本来考えて作る
技術的なものではなく、吟者の感情の成せる技である)
6.その他の注意点

語尾を丁寧にまとめる

言葉の初めは注意するが 言葉の末尾が無造作になりやすい 語尾の音の形が
そのまま節調の母音と関係する
助詞は特に丁寧に発音する→やや小さく緊張感をもって音を纏めるように
置いてから 大きくする

以上 もし参考になれば

ありがとうございます。
top