詩の理解
1.作者と背景
@作者が詩を作った頃の時代背景を知る
作者はどういう時代に生きた人か
A作者がその詩を作った時の作者自身の環境を知る
作者はどういう生活状態に在ったか
B作者がその詩を作るに至った直接の原因、詩が生み出された感動の対象、事象を知る
作者はどういうことに感動したのか
2.詩意の解釈
@言葉の意味
一般的な言葉の意味と作者がその言葉に込めた心情を汲み取る
A詩全体の通釈
しを通しての意味を理解し、その詩の主題を知る
作者が最も訴えたい点(感動の中心となるもの)を把握する
《詩を十分に理解、把握し、作者の感動を自分の感動にまで昇華する》
→詩を通して作者と同様の体験を持ち、自分自身の感動として表現する
表現のテクニック
1. 発音
単語(言葉) を明確に発音する→聴き手に正しく伝達する
詩は いくつかの単語(言葉)が組み合わされて出来ている
口の開閉に注意し 子音 母音を正しくハッキリ発音する
不明瞭な言葉は意味が通じないので 当然 感情も伝わらない
2. 音色
言葉の意味や感情に応じて 音色(声色)に変化をつける
明暗 陰陽の対象
明るい陽気な音の発声・・・少し胸を張るようにする 喉を解放する
暗い陰気な音の発声・・・少し背を丸めるようにして胸部を小さくする 喉をやや閉める
3. 強弱(声の大小)
言葉の中での強弱
音の性格としての強弱
ミ(大)→ド(小) 例 い っせいは
ラ(大)→シ(小) 例 つ き
ファ(大)→ラ(小) 例 な つ 、ま た 但し ラの引きは強く(大きく)する ラは導音であり
ある方向へ導く音である 方向転換の音で 強く(大きく)発音する
※ 基本的には 低い音を強く(大きく)発音する
ミ(やや小さく)→シ(大) 例 い ち そ おどーの
言葉相互の強弱
言葉の意味に応じて強弱(大小)の変化をつける
強い 大きな声・・・全身を脱力する(体に共鳴)
弱い 小さな声・・・胸部を少し小さくして 腹筋を緊張させる ポイントを上げ
やや前傾をとる
4. 緩急
言葉の緩急・・・言葉の意味 詩情の流れに応じ するどく言葉を詰めたり ゆったり緩やかに
発音する節調の緩急・・・詩文の意味 感情の動きに応じ 節調を勢いよく早くまとめたり
静かに落ち着いてまとめたりする
5. 間(ま)
単に言葉の途切れた部分 或いは息を入れる為に空いた部分を言うのではなく
意味のある空間を間(ま)と呼ぶ
−詩吟の心の深さを感じさせるのが間(ま)である−
@余韻を生み出す為の間
間をとることにより 前の語句の詩情の余韻を生み出す
A後の語句を生かす為の間
間をとることによって その後の語句を引き立たせ強調する(後の語句に対する思いを
膨らませる)
B間の長短によって詩の雰囲気を作り出す
悲憤慷慨の詩・・・一般に間は長くとらず 間に緊迫感を持たせる
悟道詩 静寂な叙情詩・・・一般に間を少し長くし 空間も静かな落ち着いたものにする
C生み字の母音と次の言葉の初めが同じ母音の場合の間
例 桜花に 入って 我を 送るの
※ 発音 音色 強弱 緩急 間 これらは 全て相互に関連性を持ち 又 吟情と密接に
関連しており それによって自然に生み出されるものである(本来考えて作る
技術的なものではなく、吟者の感情の成せる技である)
6.その他の注意点
語尾を丁寧にまとめる
言葉の初めは注意するが 言葉の末尾が無造作になりやすい 語尾の音の形が
そのまま節調の母音と関係する
助詞は特に丁寧に発音する→やや小さく緊張感をもって音を纏めるように
置いてから 大きくする
以上 もし参考になれば