TOPIC No.8-2 広島球場建設

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TOPIC No.8-2-b 広島球場建設


新球場建設の推進

by 広島市

採否決定は4月以降 広島市民球場の命名権

2007/01/22 中国新聞地域ニュース

 プロ野球広島カープの本拠地、広島市民球場の命名権(ネーミングライツ)導入について、広島市の秋葉忠利市長は二十二日の記者会見で「新市長に決定してもらうのが公平だと思う」と述べ、採否は市長選が行われる四月八日以降に決まるとの見通しを示した。

 秋葉市長は「私の任期が(二月二十二日まで)一カ月しかなく、(公募や選考などの)手続きも必要なのでぎりぎりになってしまう」と説明。市長選に出馬するかどうかは明言しなかった。

 命名権をめぐっては、広島県内の造船会社など数社が名乗りを上げている。

新球場 左翼席の増設検討

2006/12/13 中国新聞地域ニュース

 広島市は12日、新球場設計原案で右翼スタンドより1600席少ない左翼スタンドについて、ビジターチームの応援団の要望などを踏まえ、席数を増やす方向で検討していることを明らかにした。

原案では、1階の右翼スタンドは3800席、左翼スタンドは2200席。

市の浜本康男都市活性化局長は「コンセプトやデザインを損なわない範囲での増設を考えている」とした上で、200席程度なら増やせるとの見通しを示した。

広島・新球場計画:建設負担、11億円が目安−−広島商議所会頭 /広島

2006年11月28日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE
 

 広島商工会議所の宇田誠会頭は27日の定例会見で、広島市民球場(中区)に代わる新球場を建設するための経済界の負担金について、「経済情勢など環境条件は異なるが、(94年の)アジア競技大会で集めた額が一つの目安になる」という見解を示した。同商議所によると、同大会で経済界は11億6000万円を拠出した実績がある。

 新球場の建設では、市は事業費を90億円以内とし、国からの交付金などを差し引いた額を市と県、経済界で負担する方針が示されている。【宇城昇】

広島「新球場」予算90億円の制限 斬新デザイン

2006/10/27 IZA

 広島市の新球場建設計画で、同市は26日、設計提案競技で最優秀作品に選ばれた「環境デザイン研究所」(東京都港区)と設計契約を正式に締結した。

 市役所を訪れた設計者の仙田満会長は、模型を手にデザインを説明。レフト側を大きく開いたことで、球場近くを通る山陽新幹線の乗客が球場の外観を約30秒、スタンド内も約11秒間見ることができることなどをアピールした。

 また、事業費が90億円以内に制限されていることに関しては、組み立て式のコンクリート材を多用して工期を短縮し、個別に空調を入れるなどの工夫で実現可能とした。

 仙田会長は「新しいプロジェクトに参加でき、光栄に思う。この球場は広島というまちの大きなプレゼンテーションの場になる。来る人がわくわくするボールタウンの実現をぜひ成功させたい」と話した。

広島市新球場設計提案競技の結果について

平成18年(2006年)10月10日 by 広島市

新球場は躍動するコイを表現

2006/09/30 中国新聞地域ニュース

 広島市民球場に替わる新球場の設計案を審査していた市の選考委員会は29日、最優秀案に環境デザイン研究所(東京都港区)の作品を選んだと発表した。

屋根のうねりが躍動するコイを表現し、建設地のJR東広島駅貨物ヤード跡地の北側を通る新幹線からグラウンドが眺められる。

報告を受けた市は近く、設計原案として採用するか否かを正式に決める。市が採用すれば入札を経て、2009年春の完成を目指す。

アラップらが広島市新球場の再コンペの募集要項に異論

2006/06/28 ケンプラッツ

 広島市が新球場再コンペの応募要項を提示した3日後の6月19日、アラップら8者で構成するアラップスポーツ・広島新球場プロジェクトチーム(以下、アラップスポーツ)が新球場の設計案を公開した。同チームは、前回のコンペに大成建設などとグループを組んで応募していたものの、途中で参加を辞退していた。

 アラップの日本支店であるアラップ・ジャパンの彦根茂代表は、設計案を公開した理由を次のように語る。「市が改めて提示した募集要項に疑問を感じており、問題提起の意味も込めて設計案を公表することにした」。

 市の募集要項に対してアラップスポーツが疑問を抱いているのは、事業費を90億円に限ってしまった点にある。コンペでは新球場に隣接する敷地の活用案を提案できるものの、その案によって得られる収益を球場建設費用に組み込めないようにしている。設計案が決まらなかった前回のコンペでは、商業施設の運用などによって資金調達できれば、事業費が90億円を上回る提案も可能だった。

 応募要項から資金調達のオプションを除いた理由について、市都心活性化推進課は、「収益計画など事業コンペのような内容の提案を設計事務所に求めることは難しいと判断した」と説明する。

 これに対して、アラップスポーツの藤森洋介氏はこう反論する。「施設の建設に伴う収益計画などを考えない設計などあり得ない。球場の建設だけを考えた設計では、いわゆるハコモノの設計に陥ってしまう恐れが大きい」。

 さらに、藤森氏は「市が提示した90億円という事業費は極めて安い。倉敷のマスカットスタジアムや松山の坊っちゃんスタジアムでさえ、建設費は100億円を超えている」と指摘。そのうえで、「オフィスや商業施設などの活用によって得られる収益を基に、魅力ある球場にする方策を断ってしまった今回の要項は納得がいかない」と強調した。

 アラップスポーツが提案した新球場では、原爆の日に流す灯ろうと広島カープのチームカラーにちなんで、球場の外壁を赤い光で照明した。球場の周辺には、ホテルやオフィス、商業施設などを設けて収益を確保する。アラップスポーツが提示した設計案の事業費は190億円だった。

倉敷のマスカットスタジアムは推定138億円、松山の坊っちゃんスタジアムは推定118億円の建設費がかかった。by広島新球場の話2006年09月29日 燃えろ赤ヘル!広島カープ

広島市が新球場の再コンペの募集要項を公表

2006/06/28 ケンプラッツ

 広島市は6月16日、改めて実施する広島市新球場の設計提案競技の応募要項を公表した。同市は4月25日、新球場の設計案として条件付き最優秀案に選ばれていた原広司・アトリエ・ファイ建築研究所(以下、アトリエ・ファイ)と竹中工務店、戸田建設、浅沼組の4社のグループによる提案を採用しないと公表していた。

 新たなコンペは、設計者だけで応募できる。ただし、広島に拠点を置かない設計事務所などに対しては、市内の一級建築士事務所と協力体制の構築に努めるよう求めている。

 契約者が決まらなかった前回のコンペでは、設計者と施工者がグループを構成する必要があった。ところが、防衛施設庁の官製談合事件に伴って、市が指名停止にした鹿島と大林組、清水建設がそれぞれ施工JVの代表だった3グループが失格。竹中工務店を施工JVの代表にしたグループだけが、コンペの選考対象となっており、市民などから複数の案から選ぶべきだという声が挙がっていた。鹿島など大手建設会社が2007年3月〜4月まで指名停止となっていることを踏まえて、「複数の設計案を確実に集めるために、新たなコンペでは施工者を募集しなかった」(市都心活性化推進課)。

中央公園と連続性を 市民球場跡地

2006/06/15 中国新聞地域ニュース

 ▽検討会議が報告書 民間案11件を評価

 新球場完成に伴い跡地となる広島市民球場(中区)の利活用の方向性を協議していた市の「市民球場跡地利用検討会議」(委員長・三井所清典芝浦工大教授、七人)は十四日、基本理念や整備のあり方を盛り込んだ報告書を秋葉忠利市長に提出した。

 報告書は基本理念として、現球場と中央公園は、国内外から多くの人が訪れる国際平和文化都市の象徴▽市民、県民の憩いや交流の場―と強調。平和記念公園、原爆ドーム周辺の品格ある雰囲気と都市的なにぎわいとのバランスが取れた空間づくりを目指すよう求めている。

 二十六件から十一件に絞り込んだ民間事業者の跡地活用案については、それぞれの評価や課題を列挙。百年先を見据えた整備や、事業にあたる民間をコントロールする仕組みづくりなど、事業を進めるうえでの留意点も明記した。

 三井所委員長は、市役所を訪れて、秋葉市長に報告書を手渡し、「遠い将来まで見据えた計画をつくり、(跡地と)中央公園との連続性を持たせてほしい」などと要望した。秋葉市長は「歴史の重みや、あの場所の世界的使命を十分に踏まえたい」と述べた。

 市は、有識者などでつくる選定委員会の設置や募集要項作成を急ぎ、十一件の提案者に詳細な事業計画の提出を求め、本年度中に事業予定者や利用計画を決める。(林仁志)

広島新球場募集要項案を了承

2006/06/12 中国新聞地域ニュース

 ▽東京で再コンペ選考委

 広島市がJR東広島駅貨物ヤード跡地(南区)に建設を計画している新球場の再コンペの選考に当たる「新球場設計提案競技選考委員会」の初会合が十一日、東京都千代田区の市政会館であった。広島東洋カープの意見尊重を明記した募集要項の事務局案を大筋で了承。市は近く、この日出た意見を踏まえて要項を決定し、公募を始める。

 委員七人全員が出席した。山田康助役が「二〇〇九年春の完成に向けタイトなスケジュールだが、選考委員の協力を得て、広島市民、県民が誇りを持てる球場となるよう取り組みたい」とあいさつ。池原義郎早稲田大名誉教授を委員長に互選し、非公開で協議した。

 池原委員長は会合後、「(募集要項案は)事業者と市民、球団の三者の気持ちを確認しながら土台をつくったという感じだ。球団の要求と球場の将来像を条件として明確にするため手直しするところがある」と語った。具体的な修正内容の言及は避けたが、「時間がないので、できるだけ早く要項を発表しなければならない」と強調した。

 市は選考委の意見をもとに要項を修正・決定し、近く公表する。提案の募集は八月末までで、九月に設計者が決まる。(山中和久)

広島市、再コンペ案募集へ

2006/06/07 中国新聞地域ニュース

 広島市は六日、南区のJR東広島駅貨物ヤード跡地に建設する新球場の設計コンペの募集条件に「広島東洋カープの意見を十分踏まえる」と明記する方針を固めた。前回コンペで最優秀になった竹中工務店グループの提案に、球団側が「内野二階席の位置が高すぎる」などと反発し、採用を見送ったことを踏まえた。市は早急に選考委員会を設置、今月中旬にも提案募集を始める。

 再コンペは、設計・施工一体型だった前回方式を改め、設計のみの提案とする。天然芝のオープン球場で、観客席三万席以上―など基本条件は変えないが、竹中案の採否検討で浮かび上がった問題点を整理し、募集要項に複数条件を盛り込む。

 具体的には、一階席のコンコース(通路)を客席最後部とし、グラウンドが眺められる位置にする▽選手や関係者などの「諸室面積」は二万五千平方メートル程度を確保する―など。いずれもカープが強く望んでいる。

 このほか、前回と異なる点は、事業費は球場本体のみを対象に九十億円以内とし、最終審査までに選考対象の提案が一つになった場合はコンペを中止する―とした。

 市は近く、建築・設計や景観など専門家七人で構成する選考委員会を発足させ、意見を聴いて要項をまとめる。前回の選考委(九人)から委員を続けるのは一人だけで、委員長を務めた伊東豊雄氏らは外れた。

 提案募集は八月末までとし、九月に選考・設計者を決定、十月から八カ月かけて設計する。積算や入札を経て来年秋に着工。工期は十八カ月とし、目標通り二〇〇九年春のオープンを目指す。(林仁志)

 選考委員は次の通り。(敬称略)

 池原義郎(日本芸術院会員、早稲田大名誉教授)▽大井健次(広島市立大芸術学部長)▽北川原温(東京芸大大学院教授)▽栗生明(千葉大大学院教授)▽小林治人(東京ランドスケープ研究所社長)▽斎藤公男(日本大教授)▽間野博(広島県立広島大教授)

市民球場の命名権、来月にも公募

2006/06/01 中国新聞地域ニュース

 ▽常石造の打診が契機

 広島市や市議会、広島東洋カープ、地元企業の代表でつくる「広島市民球場運営委員会」(宇田誠委員長、十九人)は一日朝、臨時会合を開き、市民球場(中区)への命名権(ネーミングライツ)導入の是非について協議した。大半の委員は市民やファン感情に配慮する必要性を指摘しつつ導入に同意。市は今後、市議会や市民の意見を聴取しながら、七月にも公募を実施する。(林仁志)

 市役所であった会合には、十五人の委員が出席し、それぞれの立場から持論を述べた。市の厳しい財政事情や、JR東広島駅貨物ヤード跡地(南区)への新球場建設資金を念頭に、多くの委員が賛意を表明した。反対意見は出なかった。

 一方で、「半世紀近い歴史があり、ファンが特別な思いを抱いている点は大切にすべきだ」との意見で一致。企業名を冠するとしても、市民球場の名をどこかに残すような方法を模索すべきだ、とする意見が相次いだ。収入の使途については、新球場建設の資金にあてるべきとする声が目立った。

 命名権の導入は、福山市の常石造船が購入を打診してきたことがきっかけになった。同社は新球場が完成するまでの二〇〇八年度を期限に、年間二億円を提示。市は収入だけでは判断できないとして、地元各界の考えを聞きたいとしている。

 ただ、公営施設のため命名権を導入する場合、公募となり、無条件で常石造船を売却先にすることはできない。市は市議会や市民の理解が得られれば、七月にも公募を実施する。導入は早ければ球宴明けになる見込み。

市民球場跡、民間提案11件に絞る

2006/05/22 中国新聞地域ニュース

 ▽広島市の検討会議 周辺と回遊性重視

 新球場完成に伴い跡地となる広島市民球場(中区)の活用策について、市の「市民球場跡地利用検討会議」は二十一日、中区で開いた最終会合で整備の方向性を固めるとともに、民間事業者が提出していた二十六件の活用策を十一件に絞った。市は提案者により精細な利用計画の提出を求め、本年度末までに事業予定者と利用計画を決める。(林仁志)

 十一件は、都市型水族館を中心に据えた観光交流施設、復興記念施設や被爆前の広島の地図を再現する市民ガーデン、国境や民族を超えた平和の創造を目指す平和の国など内容は多様。

 検討会議は整備の方向性として、周辺の平和記念公園・中央公園を含めた回遊性向上や空間づくり▽新たな都市機能の導入―など四項目を確認。その上で基本の方向性に反しない提案を、「候補」として市に示した。

 ただ七人の委員は「それぞれの提案が大きな問題を抱えており、より質を高める検討が必要」との意見で一致。提案した企業や共同企業体は課題とされる資金調達法や実現性の高い施設運営方法、年間百五十万人以上の集客目標を達成するための具体策など詳細な利用計画案を定め、市に提出することになる。

 市は検討会議の結論を踏まえ、学識経験者による選定委員会を早期に設置。募集条件を決めたうえ、利用計画案を受け付ける。並行して土地所有者の国と協議し、本年度いっぱいで計画を策定する。事業着手はJR東広島駅貨物ヤード跡地(南区)に新球場が完成する二〇〇九年以降になる。

 検討会議は建築家の三井所清典委員長ら専門家七人で構成。三月から協議を重ねていた。

 ▽採用には再検討不可欠

 広島市民球場(中区)の跡地活用を協議していた市の検討会議は二十一日、「候補」となる十一件の提案を選定し、市の重要プロジェクトは次の段階に進んだ。だが提案にはすべて「大きな問題がある」と三井所清典委員長が指摘するように、市が採用するには提案者側の厳しい再検討が必要になる。(林仁志)

 「不適切なものを除外して残ったのが十一件」「常識的にはどうかという提案が多かったが、可能性の芽を摘んではならない」。七人の委員は表現こそ違え、協議の中で厳しく総括した。

 選定はまず、宗教施設や都市公園にふさわしくない商業施設を含む提案を排除。募集要項や整備の基本的な方向性から明白に外れていなければ残す方法を取った。手に取って眺めたい「玉」はないが、磨けば光る可能性がある「石」は残しておこうとの判断だ。

 問題点は、提案内容と同じくらい多様である。公園施設として法的なグレーゾーンにある飲食・物販施設を置く提案が五件ある。事業費に募金や寄付を当て込むなど資金面で不安を抱えていたり、高層建築により景観悪化が危惧(きぐ)されるものも含まれている。

 財政難の市は民間による資金調達や管理運営を目指すが、市による公金支出を前提にした提案も五件。十一提案者は利用計画案の募集までに、不十分な提案をどれだけ実現性があり、かつ夢のある内容に高めることができるのか。最悪の場合は採用ゼロ、来年度以降に構想練り直しという事態にもなりかねない。

 一方の市。複数の委員は跡地の位置、都心発展に果たす役割を踏まえ、「長期的な都市の発展を見据えるなら、民に任せきりではなく、公共の支援や制御も必要」と言い切る。残った提案を優れた利用計画案に高めるには、市の誘導は欠かせない。跡地利用に対する市のビジョン、都市づくりをどう進めようと考えるのか。委員は、市はもっと明確なメッセージを民間に向かって発信すべきだとも指摘している。

新球場コンペ、竹中案不採用

2006/04/25 中国新聞地域ニュース

 広島市は二十五日、新球場の事業コンペで最優秀案になった竹中工務店(大阪市)グループの提案を採用せず、設計者に絞ったコンペをあらためて実施する方針を決めた。主な施設使用者の広島東洋カープが抵抗感を示しているほか、事業費が膨らむ点に地元経済界や市議会も疑問を示していた。日程の遅れは工期短縮でカバーし、目標通り二〇〇九年春の完成を目指す。(林仁志)

 市は近く再コンペの準備に入り、九月末までには選考を終える。高い建設能力を持つ大手ゼネコンの多くが防衛施設庁発注工事の官製談合に絡み指名停止になっており、再コンペでは今回のような設計者と施工者一体の共同企業体方式を採用せず、まず設計者だけを選ぶ。施工者は来年度に入札で決める方針で、この時期には、現在、指名停止のゼネコンも入札に参加できることになる。

 当初は、今年六月から二〇〇七年一月までの八カ月間を設計、同年六月から〇九年三月までの二十二カ月間を建設期間とし、JR東広島駅貨物ヤード跡地(南区)に〇九年春までに完成、オープンするとしていた。再コンペにより、設計期間がずれ込むため、建設期間を〇七年十月からの十八カ月間に縮める。

 今回のコンペに参加した四グループのうち、官製談合に絡んだ鹿島、清水建設、大林組をそれぞれ主体とする三グループが失格。専門家でつくる選考委員会(伊東豊雄委員長)が残る竹中案を審査し、三月三十日に条件付きで最優秀案とし、市に報告していた。

 市は、カープや地元経済界や広島県、市議会などの意見を聴取し、内部で採否を検討。カープが内野席の少なさや、内野二階席が現球場のほぼ二倍の高さになる点から、「営業面で大きな打撃」などと難色を示していた。他の団体もほぼカープの意見に同調し、さらに、提案の柱であるシンボルアーチの建設に伴い九十億円の事業費が百二十九億円に膨らむ点も問題視していた。

新球場、竹中案に厳しい声

2006/04/18 中国新聞地域ニュース

 広島市議会は十七日、都市活性化対策特別委員会を開き、新球場の事業コンペで最優秀になった竹中工務店(大阪市)グループの提案について議論した。広島東洋カープが施設内容への拒否反応を示している点を踏まえ、評価や賛意は示されなかった。「コンペをやり直すべきだ」とする明確な意思表示もあり、十一日開いた官民の意見交換に続き、「竹中案」に厳しい声が相次いだ。

 市側が、竹中案の内容や選考経緯を説明。選考委員九人のうち、一人が最優秀案を決定する際に棄権、もう一人は「条件付きで認めるやり方はコンペの趣旨を損なう」として報告書への署名を拒んだことも報告した。

 これを受け、各委員が意見を述べた。ある委員は、内野に厚く配置した観客席や現球場の二倍になる内野二階席の高さなどカープが激しく抵抗している点に触れ、「球場の主な使用者のカープが難色を示す案を採用できるのか」と批判した。

 別の委員は「官民協議の取りまとめと整合性が取れない部分も多い。容認できない」と断じた。さらに「市の決定に口を挟むべきでないが、個人的には再コンペを望む」との声もあった。一方、激しく拒絶反応を示すカープの姿勢に疑問を示す委員もいた。

 官民の意見交換や、この日の特別委での意見聴取を受け、今後の焦点は市が竹中案の採否をどう判断するかに移った。担当の浜本康男都市活性化局長は席上、「早急に結論を出したい」と述べた。(林仁志)

広島新球場の竹中案へ疑問や懸念

2006/04/12 中国新聞地域ニュース

 広島市は十一日、新球場の事業コンペで最優秀案になった竹中工務店(大阪市)のグループの提案の採否を判断するため、広島県や地元経済界など官民代表の意見を求める会合を開いた。広島東洋カープの松田元オーナーは「この案の球場では今後五十年にわたり興行していく自信が持てない」と否定的な見解を示した。他の出席者からも懸念や疑問が相次いだ。(林仁志)

 ■広島商議所宇田会頭「資金計画は不透明」

 市役所であった非公開の会合には、松田オーナーや、広島商工会議所の宇田誠会頭ら経済四団体のトップ、知事代理の小中正治政策企画部長ら九人が出席。秋葉忠利市長も同席した。

 市が、三月十九、二十九日の二回に及んだ選考委員会の協議内容や結論を報告。選考委が付けた三条件を受けて竹中側が出した修正案なども踏まえて、各委員が意見を出し合った。

 松田オーナーは、商品搬入や売店、レストランなど営業に直結するスペースが十分確保されていない▽稼働率の低い内野二階席の数が多い▽二階席の高さが現球場の二倍近い約三十八メートルで、観客の支持が得られず死活問題だ―など拒否感をあらわにした。他の委員も「再々修正を求めるべきだ」などとして、カープの意向は無視できないという考えで一致した。

 さらに、ゆったりした周回コンコース(通路)や観客席の幅など官民協議で合意した条件とかけ離れた内容がある点も問題になった。宇田会頭は「整合性が取れない部分がある。事業費九十億円を超えた部分の資金計画も不透明だ」として懸念を示した。市は、この日の意見と十七日に開く市議会都市活性化対策特別委員会での議論を検討材料に、早急に採否を決めたいとしている。

 ■市、検討時間わずか

 新球場に「竹中案」を採用するかどうか、広島市が厳しい決断を迫られている。強い拒否反応を示したカープの松田オーナーを筆頭に、官民代表から前向きな評価は聞かれない。目標に掲げる二〇〇九年春の完成に向けて、検討する時間はほとんど残っていない。

 十一日の意見交換で浮かび上がった問題点は、超過事業費二十九億円の調達・回収方法▽売店やコンコースなどの広さ、内野二階席の数や高さがカープの思いと違う―などだった。

 事業者が調達する超過事業費は「計画破たん時には、竹中工務店などのグループ負担とする契約条項を付ける方法もある」との意見が市内部にある。だが、最大の問題はカープの意向との隔たり。どこに接点が見いだせるのか明確な解答はない。

 「竹中案の再々修正をすべきだ」と官民代表は主張する。市議会も「一企業体によるコンペは妥当性がない」など厳しい意見が相次ぐのは必至だ。市は「コンペの趣旨、根幹を揺るがすことにならないか」と慎重だが、対応を誤れば計画が立ち往生しかねない。

 仮に竹中案の採用を見送って再度コンペを実施する場合、六月予定の設計着手は秋にずれ込み、完成目標時期への影響が懸念される。このまま採用しても、強い反発を招きかねない。市幹部の中には来年早々の市長選と四月の市議選を見据え、「迅速、的確に対処しなければ、新球場が政治問題になる」との不安も聞こえ始めた。

新球場予定地のヒ素、法定の20倍

2006/04/12 中国新聞地域ニュース

 広島市が新球場を建設するJR東広島駅貨物ヤード跡地(南区、約十一万六千平方メートル)の土壌からヒ素が検出された問題で、市は十一日、ヒ素の検出量は、法定基準の二十倍にあたる検液一リットル中〇・二ミリグラムだった、と公表した。全調査区域三万千五百平方メートルのうち百平方メートルの部分で、他の場所からの検出はなかった。

 調査は昨年十二月以降に実施。地下に直径約百十平方メートルの雨水貯留池を造るヤード跡地南側で、二十五種類の有害物質の有無や、土壌汚染対策法の基準値超えがないか、表土部分を三十五区画に分けてチェックした結果、一区画の一カ所(百平方メートル)でヒ素が基準値(土壌汚染対策法で検液一リットル中〇・〇一ミリグラム以下)を超えた。

 地下水への影響や、他の有害物質は見つからなかったという。

 市は、ヒ素を検出した百平方メートルの地点で深度を変えて調査し、汚染範囲や処理の必要な土砂の量を確定。封じ込めや無害化などの対応策を検討する。

 市下水道局の田中義則次長は「場所は限定的で汚染土砂の量も少ない。処理も通常の工事の延長線上で可能」と説明し、貯留地や新球場の建設スケジュールには影響しないという。(林仁志)

「興行の自信ない」 新球場案に広島オーナーが疑問

2006/04/11 中国新聞ニュース

 プロ野球・広島カープの松田元オーナーは十一日、本拠地となる新球場の建設をめぐり、広島市のコンペで最優秀に選ばれた竹中工務店などの共同企業体案について「この球場でプロ野球興行をしていく自信が持てない」と疑問を呈した。広島市側との意見交換で発言した。

 同案はホームの一塁側観客席を増やすため、内野二階席に高さ約三十八メートルの「フライングスタンド」をつくる設計。現在の広島市民球場の二階席の高さは約十九メートルで、松田オーナーは「約二倍の高さの席の入場券が売れるとは思えない。いくら席数を確保しても、売れない席が増えるだけの結果になる」と懸念を示した。

 広島市は「二○○九年春完成のため、できるだけ早く最終的な結論を出す」としている。新球場は広島市民球場の老朽化を受け、JR広島駅東側貨物ヤード跡地に建設する予定。

巨大アーチ民間所有 新球場案決定

2006年03月31日 asahi.com

 巨大なアーチを抱く天然芝のオープン型。JR広島駅東側の貨物ヤード跡地に広島市が移設する市民球場のコンペで、竹中工務店を筆頭企業とする共同企業体(JV)の作品が30日、最優秀案に決定した。防衛施設庁の官製談合事件の余波を受け、1作品だけの異例のコンペに。市は今後、選考委員会から提示されたいくつかの条件をJV側と協議し、遅くとも6月中旬までに正式契約を結び、設計に取りかかりたい考えだ。(宮崎勇作)

 JVが案で示したアーチは高さ70メートル。バックネット上空に弧を描く。当初はアーチ建設部分を39億円、総事業費を129億円と設定。市や県、地元経済界、広島カープなどが負担する90億円を上回ったため、19日にあった最終審査で選考委員から疑問が相次ぎ、結果発表が延期になった。

 29日にあった2回目の最終審査でJV側は29億円でアーチ建設が可能と回答。アーチは民間所有とし、アーチにつくる展望台の収入やアーチのネーミングライツ(命名権)を売却して調達する計画を提示した。また、球場近くに大型商業施設を誘致し、投資に加わってもらうことも検討しているという。

 この日、秋葉忠利市長に結果を報告した選考委員会の伊東豊雄委員長は、(1)アーチ部分の建設の資金調達や回収の方法を明確にすること(2)球場に向かう道路の位置の再検討、などを採用の条件に付けたことを明らかにした。一方で「アーチは将来ドームの一部になるという独創性の高いデザイン。アーチがなければ最優秀作品のコンセプトが崩れる」とも述べた。

 秋葉忠利市長は「新球場建設に関する懇談会や議会、市民、県民の意見を反映させるかたちで迅速に結論を出したい」と話した。

新球場負担額「61億円」

2006/02/24 中国新聞地域ニュース
▽広島市、補助金めどで下方修正

 広島市は二十三日、JR東広島駅貨物ヤード跡地(南区)に建設する新球場の本体事業費について、市と県、経済界で分担する実質負担額が、これまでの試算より三億円少ない六十一億円になるとの見通しを明らかにした。さらに、国に申請中の「まちづくり交付金」が満額認められれば、四十四億一千万円にまで圧縮できると説明した。(林仁志)

 市によると、球場整備の一部を下水道事業で実施するため、新たに三億円程度の補助金交付が確実になった。当初は本体事業費九十億円から将来の球場使用料で償還する二十六億円を除いた六十四億円を実質負担額としていたが、三億円を差し引き、六十一億円に下方修正した。

 加えて、まちづくり交付金の対象事業に採択された場合、負担額はさらに下がる。申請が希望通り認められると、球場の本体建設費に交付金十五億六千万円が見込め、市民のたる募金を原資に設立した一億三千万円の基金を組み入れれば、負担額は四十四億一千万円になる。満額でなくても、通常の算定基準で試算した場合、交付金は六億九千万円で、負担額は五十二億八千万円になる。

 市議会本会議で米津欣子氏(公明・佐伯)の質問に、南部盛一企画総務局長が答えた。さらに、南部局長は「市が半額を負担したとして、県や経済界には満額なら二十二億五百万円、通常交付なら二十六億四千万円をお願いすることになる」と述べた。

 市は、球場建設など十六事業をまちづくり交付金の対象とし、国土交通省に申請している。交付の可否を含め、決定は三月下旬になる見通し。県や経済界は、交付状況や球場施設の内容がある程度明らかになってから、市との資金負担協議を本格的に始めたいとしている。

「たる募金」閉幕 夢へ1億円余

2005/11/02 中国新聞地域ニュース

 広島東洋カープの本拠地、広島市民球場(中区)に替わる新球場建設を目指してきた「広島新球場建設たる募金共同キャンペーン」が一日、閉幕した。募金総額は一億四百八十三万四千四百六十六円(たる募金推進委寄託分)。熱い思いは二十三日、市民球場での「2005カープファン感謝デー」で、秋葉忠利広島市長に手渡される。

 最終日のこの日、広島市南区の広島駅ビル「アッセ」で、常設の四斗だるに寄せられた募金の寄託式があった。ビルを管理する広島ステーションビルの黒田重信社長が、百万八百四円の目録を六拾部忠紀推進委事務局長に手渡した。黒田社長は「新球場は広島の夢。みんなの思いを楽しい球場づくりに役立ててほしい」と話していた。

 昨年十一月二十日に始動し、地元マスコミ十二社・団体を軸に進んだたる募金は、世代を超えた共感を得て全国に広がり、たるや募金箱の設置場所は約千二百カ所に上った。新球場構想にも弾みが付き、JR東広島駅貨物ヤード跡地(南区)への建設が固まっている。

 キャンペーンは一日で終わるが、広島、もみじ両銀行、広島信用金庫、郵便局の専用口座は十一月二十二日まで募金を受け付ける。(下山克彦)

 

「カープ、売却の計画ない」 マツダの井巻社長、会見で否定

2005/11/02 中国新聞ニュース

 インターネット関連企業「ライブドア」によるプロ野球広島カープの買収がうわさされていることについて、球団株式の三割強を保有するマツダ(広島県府中町)の井巻久一社長は二日、中間決算発表の記者会見で「何の話もきていない。売却の計画はない」と述べた。

 井巻社長は「(カープの)松田元オーナーは、市民球団として黒字経営を続けている。広島に居を構える企業として、お手伝いしないといけない」とし、一企業がカープの経営権を握る動きがあれば対抗していく姿勢を示した。

広島新球場へファンの要望募集

2005/11/01 中国新聞地域ニュース

 ▽きょうから受け付け 集客増のアイデアも

 広島市民球場(中区)に替わってJR東広島駅貨物ヤード跡地(南区)に建設する新球場の施設内容について、市は一日から、市民やファンたちを対象に幅広い要望や意見を募集する。提案された内容は、十一月中にも実施予定の事業コンペ参加企業に提示し、プラン作成の参考にしてもらうことを検討している。

 施設の外観、観客席やグラウンドなどの設備面だけでなく、建設資金の調達法や集客増へのアイデア、野球以外の活用法など、どんな意見でも受け付ける。期間は十五日まで。市は「夢のあふれる提案」を期待している。

 一方で市は近く、広島県や地元経済界、各種団体代表でつくる「新球場建設懇談会(仮称)」を設置。新球場への要望を直接聞く方針だ。

 意見は、住所、名前、年齢、性別、電話番号を必ず記入し、郵便かファクス、市のホームページを通して送る。〒730―8586広島市中区国泰寺一ノ六ノ三四、市企画総務局新球場建設担当。ファクス082(504)2029。(林仁志)

たる募金1億円突破 目標に届く

2005/11/01 中国新聞地域ニュース

 広島東洋カープの本拠地、広島市民球場(中区)に替わる新球場建設を目指す「広島新球場建設たる募金共同キャンペーン」の募金総額が三十一日、目標の一億円を超えた。スタートからほぼ一年。市民やファンの情熱で、大台に届いた。

 節目の寄託をしたのは広島信用金庫(高木一之理事長)。職員がカープのユニフォーム姿で接客するなどキャンペーンに協力してきた庚午支店(西区)で記念セレモニーがあり、たる募金推進委を代表して今中亘委員(中国新聞社社長)が高木理事長から、各支店窓口などで募った四百二十三万三千四百十二円の目録を受け取った。

 同日はこのほか、広島厚生年金会館(中区)からの約三十四万円を含め二十三社・団体から約六十万円が寄せられた。この結果、たる募金総額は一億百十三万九千九百五十七円に達した。

 地元マスコミ十二社・団体で構成する推進委は昨年十一月二十日、共同で協力呼びかけを始めた。キャンペーンとしては一日で終了するものの、広島、もみじ両銀行と広島信用金庫、郵便局の専用口座で二十二日まで募金を受け付け、二十三日に市民球場である「2005カープファン感謝デー」で秋葉忠利広島市長に手渡される。

 今中委員は「まさに感無量。全国から寄せられたカンパに感謝します。見事な球場を造ってもらい、カープに一層活躍してもらいたい」と話している。 (門脇正樹)

 <たる募金 ご協力ありがとうございました>

 昨年十一月にスタートした「たる募金」共同キャンペーンは、一日をもって終了します。この間、広島県内を中心に全国各地に募金だるや募金箱を置いていただき、その数は千二百カ所を超えました。地域のイベントや各種団体の会合などでの募金や、売り上げの一部を寄付される企業が相次ぐなど大変盛り上がりました。

 多くの方々の募金協力により、三十一日に目標の一億円を突破しました。ご協力をいただいた皆さまに心よりお礼申し上げます。

 募金は二十三日に広島市民球場である「2005カープファン感謝デー」で、秋葉忠利広島市長に贈ります。

 新球場建設「たる募金」推進委員会 (NHK広島放送局、中国放送、 広島テレビ放送、広島ホームテレビ、 テレビ新広島、広島エフエム放送、 ひろしまPステーション、広島ケー ブルビジョン、広島シティケーブル テレビ、ふれあいチャンネル、安芸 ケーブルテレビ、中国新聞社)

たる募金1億円突破へ「協力を」

2005/10/31 中国新聞地域ニュース

 <栗原・大竹選手が呼び掛け>

 広島東洋カープの栗原健太内野手(23)と大竹寛投手(22)が三十日、広島市安佐南区の「ゆめタウン祇園」でサイン会を開き、新球場建設を目指す「たる募金」への協力を呼び掛けた。

 午前と午後の二回、各百人限定で開いた。ファンたちは持参した色紙や帽子にサインをもらった後、たるに釣り銭などを入れた。近くの小学三年小島優季君(8つ)は「新球場で活躍する選手を早く見たい」と、色紙をうれしそうに抱いていた。

 地元マスコミ十二社・団体を軸とする「広島新球場建設たる募金共同キャンペーン」は十一月一日に終わる。報道で知った同店食品部の岡野俊雄次長が「最後の一踏ん張り」と、球団に選手の派遣を要請して実現した。

 報道があった二十五日からこの日までに、「広島・ドミニカ共和国友好親善促進実行委員会」など二十二団体から集計がキャンペーン事務局に寄せられ、総額は九千六百二十七万四千三百三十三円。目標の一億円突破目前となった。

 大竹投手は「感謝の気持ちでいっぱい」、栗原内野手は「グラウンド外でもファンとふれあい、期待に応えたい」と話していた。

新球場「たる募金」1億円突破へ

2005/10/26 中国新聞地域ニュース

 <キャンペーン1日閉幕>

 広島東洋カープの本拠地、広島市民球場(広島市中区)に替わる新球場建設を目指してきた「広島新球場建設たる募金共同キャンペーン」の募金総額が、目標の一億円を突破する見込みだ。募金を呼び掛けてきた新球場建設「たる募金」推進委員会は、当初予定通りキャンペーンを十一月一日で終える。寄せられた熱い思いは二十三日、市民球場で開く「2005カープファン感謝デー」で、秋葉忠利広島市長に手渡す。

 昨年十一月二十日に始動し、地元マスコミ十二社・団体を軸に進んだたる募金は、世代を超えた共感を得ながら全国に広がった。たるや募金箱の設置場所は千二百カ所以上に上った。二十五日現在、推進委に寄託された募金総額は九千三百四十一万七千六百十八円。未集計分を順次加えていけば、十一月中旬までに一億円を超えそうだ。

 キャンペーン開始時は足踏み状態だった新球場建設構想は、市民運動として盛り上がったたる募金に後押しされ、広島市が東広島駅貨物ヤード跡地(南区)に建設することが固まった。草創期のカープの経営を支えたのが昭和のたる募金だった。半世紀の時を経た平成のたる募金は、新球場を「触媒」に、人々の情熱を幅広く束ねる役割を果たした。

 募金の受け入れ窓口の広島、もみじ両銀行、広島信用金庫、郵便局の専用口座は十一月二十二日で閉じ、推進委は二十三日の贈呈式後に解散する。

 支援に心から感謝

 推進委の今中亘中国新聞社社長の話 広島東洋カープと郷土を愛する幅広い方々のご支援に、心から感謝とお礼を申し上げます。ファンに愛され、多くの人が集う新球場が誕生しますよう、期待します。

「はなはだ迷惑」松田オーナー

2005/10/26 中国新聞地域ニュース

 渡辺巨人会長の「堀江氏、球団買収の動き」発言

 プロ野球広島東洋カープの松田元オーナーは二十五日、巨人の渡辺恒雄会長が二十四日にライブドアの堀江貴文社長が広島球団の買収に積極的に動いていると発言したことに関して、「はなはだ迷惑であり、売却の意思もない」と重ねて否定した。

 ライブドアが毎年五億円を出すという報道について、「ライブドアからコンタクトがあるなら別だが、何もないのに答えようがない。(堀江社長と)会ったこともないし、たとえ会いたいと言われても丁重にお断りする」と話し、球団売却が話題となることに強い不快感を示した。

 渡辺会長は十三日にも同様の趣旨の発言をし、その際も松田オーナーは強い口調で球団売却を否定していた。相次ぐ買収の観測に「幻想の世界で動いているのではないか」と指摘。「(十一月初旬のプロ野球オーナー会議で)求められれば、売却意思はないと説明する」と表明した。

カープのブラウン監督が広島行脚

2005/10/25 中国新聞地域ニュース

 広島東洋カープのマーティー・ブラウン新監督が二十四日、広島市の秋葉忠利市長を訪ね、来シーズンの躍進を誓った。球団の地域密着戦略の一環で、今後、秋季キャンプまでに広島県内約二十カ所を行脚し、ファンや市民とふれあっていく。

 握手で始まった市役所での会談で、秋葉市長はカープ支援にもつながる新球場建設計画を説明。ブラウン監督は「市民の皆さんに支えてもらい、一丸となって勝つことが理想の姿です」と応じた。この後、中区の中国新聞社も訪問した。

 ブラウン監督は続いて二十五日に福山、尾道両市、二十八日に庄原市を訪問。市長や商工会議所会頭らにあいさつする。二十九日には、広島市立大(安佐南区)の大学祭に参加して大学生に応援を呼びかけた後、中区の本通り商店街を歩き、買い物客らとコミュニケーションを図る。

 就任早々の県内行脚は市民とのきずなを再構築し、観客増にもつなげようとの目的がある。球団がブラウン監督と交わした契約書では、新監督の職務の一つに「地域やファンとの連携」が明記してある。球団によると、米国3Aでチームを優勝に導いた手腕だけでなく、ファンとの距離を縮める存在としての期待を込めて盛り込んだ、という。

 外国人監督を前面に出した地域密着戦略では、千葉ロッテのボビー・バレンタイン監督が知られる。だが、「奇抜なパフォーマンスは期待していない」とカープの松田元オーナー。「むしろ地道に、しっかりとしたきずなを紡いでもらいたい」と話している。

カープの観客動員数が増加

2005/10/24 中国新聞地域ニュース

 二〇〇五年プロ野球で広島東洋カープの観客動員数が両リーグで唯一、前年から増加した。十二年ぶりの最下位にもかかわらず、三年ぶりに百万人を突破。好天続きやファンサービスの充実、球団の集客努力などさまざまな要因が絡んだ中で、カープファンの熱意も観客増の原動力の一つだった。(木村雅俊)

 十二球団の入場者数は阪神が三百十三万二千二百二十四人を動員し、巨人を抑えて初めてトップに立った。新規参入の楽天は九十七万七千百四人。観客数が実数発表に変更された今年は、昨季までの水増し発表ぶりが浮き彫りになり、前年比34・9%減の横浜を筆頭に十球団で減少した。長年、実数に近い発表を続けてきた広島だけが前年から6・5%増え、百五万百十九人となった。

 成績低迷での入場者増には天候に恵まれた面がある。十三年ぶりに百万人を割った一昨年は主催14試合、昨年も同9試合を雨で流した。今年の雨天中止はわずか3試合で、シーズン終盤の予備日試合は激減。順調な日程消化が、球団の新たに始めた集客策と相乗効果を挙げた。

 □販路を拡大

 コンビニなどと提携して前売り券の販路を全国に広げ、利便性が高まった。人気が未知数だった交流戦では観戦パックを発売し、完売した。例年以上に増えた前売り券購入者が、好天で入場者増に直結する展開になった。さらに球界初のベースボールドック「ミッキー」の登場やシニアクラブの新設で、試合以外の観戦の魅力も高めていった。

 こうした要因とともに、ファン心理の変化も見逃せない。広島市民球場によく通ったという尾道市の自営業池上幸伯さん(31)は「今年は試合前から球場の雰囲気が少し違った。選手や球団からファンあってのカープという姿勢が伝わってきたし、僕らも支えたかった。観戦試合が増えた」と振り返る。その底流が球界再編騒動の危機感であり、たる募金活動など新球場建設への期待も絡んでファンも動いたようだ。

 実際に今季の広島市民球場の入場者は大きく伸びている。同球場では昨年より4試合増えたが、入場者は約十二万人増。地元企業の応援観戦を始め、庄原市では「カープ応援隊」が結成され、年間指定席を一括購入してバスツアー観戦を続けた。庄原観光協会の塩本誠二会長(53)は「個人や企業の枠を超え、地域からカープを応援する姿をつくりたかった。来年は他の地域にも広がってほしい」と期待する。

 □赤字圧縮へ

 入場者数は球団経営に連動する。交流戦の導入で巨人戦が減り、放映権料も減収になるセ・リーグの球団は大打撃を受けると言われた。広島は数億円の赤字になるとの予測もあったが、入場者数の増加や経営努力で、赤字幅は大幅に圧縮される見通しだ。

 球団の勝場通泰営業副本部長(52)は「成績が振るわなかったシーズンだったが、多くのファンに来場してもらい感謝している。現状に満足せず、野村(謙二郎)選手の引退試合のファンのエネルギーを営業に生かしていきたい」と、来季への営業強化を図る。約三万人と満員の観客で、スタンドが赤く染まった十月十二日の地元最終戦は、まだまだ根強いカープファンがたくさんいることを印象づけた。さらにファンを掘り起こせるかどうかは「強いカープの復活」にかかっている。

ライブドアの広島買収報道、オーナーは否定

2005年10月14日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 インターネット関連会社「ライブドア」が広島球団の買収に意欲を示しているという一部報道に対し、広島の松田元オーナーは14日、広島市内の球団事務所で「ありえない話」と球団を売却する意志がないことを示した。

 松田オーナーは、これまで、ライブドア側と接触したことがないことを明言した上で、「球団を健全な形で存続させていくことが、私の使命と思っている。一生懸命やっている」と話した。

新球場、周辺交通の円滑化が課題

2005/09/17 中国新聞地域ニュース

 <車多く歩道不可欠 試合前後 混雑どう回避>

 広島市は、二十七日に開会する市議会定例会に新球場建設の関連予算案を提案する。実現へ向けて動きだすビッグプロジェクトにとって、課題の一つは建設地のJR東広島駅貨物ヤード跡地(南区)周辺の交通問題となりそうだ。アクセス道路を十分に整備しないと、集客にも影響が及びかねない(林仁志)

 ヤード跡地はJR広島駅南口から南東約一キロにある。線路に沿って幅約十メートルの道路が伸び、市の予測では、観客が三万人の場合は約一万五千四百人がここを通る。近くの商店に荷を運ぶ車や、踏切を渡る車が行き交ううえ、駐停車する車も目立つ。観客を安全に球場へ誘導する歩道整備が不可欠となる。

 跡地南側には大州通りが走り、今でも朝夕のラッシュが著しい。線路で隔てられた駅北側と結ぶ荒神陸橋なども交通量が多い。「新球場のゲーム前と終了後は、周辺の交通機能がまひ状態になるのではないか」との懸念は根強い。

 市は今まで実施してきた調査を基に、球場が満員であれば試合終了の前後一時間に、二万四千人の観客が球場から出ると推測。車の利用は最大二千五百台とみる。これらの人や車をどうさばくか頭の痛い問題だ。「現在地なら車利用も少なく、すぐに公共交通機関を利用できる。二十分もあれば混雑はなくなる」。市幹部もヤード跡地の大きな課題と認識している。

 市はまた、車両が大州通りからヤード跡地内へ進入する場合、一カ所の交差点でさばくことができるのは一時間八百台と見込み、跡地内に建設する駐車場は六百―八百台収容を想定する。このため、それ以上の車両は広島駅周辺に約三千八百台分ある民間駐車場を利用することになりそう。ナイター開催時の空きは二千台程度と見込まれ、数的には充足するものの、渋滞回避のための車両誘導策も必要だ。

 市議会に提案する関連予算千五百二十五万円のうち、周辺道路整備の基本設計費は八百七十六万円。市はこれまでのデータを踏まえるとともに、交通量や交通処理能力、周辺駐車場の再調査、歩行者動線整備計画の策定を検討している。

新球場、ヤード跡地関連予算計上

2005/09/16 中国新聞地域ニュース

 広島市の秋葉忠利市長は十六日の定例記者会見で、市民球場(中区)に替わる新球場をJR東広島駅貨物ヤード跡地(南区)に建設するための関連予算を初めて計上することについて、「みなさんの声や思いを大切にしながら、世界中から人が集まるような素晴らしい施設にしたい」と決意を示した。

 地元経済界の建設申し入れから一年余を振り返り、「少し時間はかかったが、広島がさらに活性化するシンボル的なプロジェクトとの認識は経済界や県を含めて共通していた」と強調。市民やファンの期待に応え、官民が一体となって新球場の早期実現をめざすため、新球場建設促進会議のメンバーを含めた「新球場建設懇談会(仮称)」をできるだけ早く設置する考えも明らかにした。

 新球場の関連予算は総額千五百二十五万円。二十七日開会の市議会定例会に提案する補正予算案に盛り込む。内訳は、コンペ方式による事業予定者選定に関する委員会の開催費四百十三万円▽周辺道路整備の基本設計費八百七十六万円▽周辺の騒音調査費二百七万円―などとなっている。

たる募金が縁、友情の声援

2005/08/17 中国新聞地域ニュース

 <関東・東北の広島出身大学生、市民球場で観戦>

 広島市民球場(広島市中区)で十六日夜あった、広島東洋カープ対ヤクルトスワローズ戦を、関東、東北の大学に通う広島県出身者二十三人が集団で観戦した。仙台市のフルキャストスタジアム宮城でたる募金をした東北大広島県人会と、大学の寮祭でたる募金をした筑波大広島県人会の学生が呼び掛けて実現した。

 東北大の県人会会長、四年山本祐司さん(22)=呉市出身=ら四人と、筑波大の二年森島正一さん(20)=佐伯区出身=ら十三人に、東京広島県人会学生部を通じて知り合った早稲田、慶応、立教大の学生も加わり、右翼席に陣取った。同点にされた直後、緒方選手の勝ち越し打が出るとハイタッチ。「永川の球は意外に速いのう」などと久々の市民球場に大盛り上がり。「毎夏の恒例行事にしようや」と意気投合した。

 筑波大は五月、東北大は六月に募金を実施。中国新聞のホームページで互いの活動を知り、連絡を取り合うようになった。夏休みの帰省を機に、「一緒にカープを応援しよう」と企画した。

 筑波大は十月、東北大は十一月にある学園祭でも募金を計画している。「いい刺激になった。広島出身同士、これからも地元のために頑張ろう」と誓い合っていた。

新球場、ヤード跡了承 経済4団体

2005/08/08 中国新聞地域ニュース

 広島市民球場(広島市中区)に替わる新球場の建設地について、広島商工会議所など地元の経済四団体の代表は八日、広島市役所を訪ね、JR東広島駅貨物ヤード跡地(南区)への新設案を了承するとともに、現在地の活性化策について早期実現を要望する申し入れ書を秋葉忠利市長に手渡した。

 広島商議所の宇田誠会頭、中国経済連合会の高須司登会長ら四人が訪問。申し入れ書を手渡した宇田会頭は「現在地は周辺で生計を立てておられる方も多く、苦渋の選択。今後はヤード跡地と現在地の問題をワンセットで考えてほしい」と注文した。秋葉市長は「紙屋町・八丁堀地区と駅前地区の回遊性を高める街づくりを進めるため、現在地の問題は本年度中に方向性をとりまとめたい」と答えた。

 申し入れ書は「新球場の場所については経済四団体としてヤード跡地への新設を了承する。現在地は都心の核として国内外の多くの人が集う広域的なにぎわい創出が求められる場なので、百五十万人以上の集客力ある施設を確実に実現してほしい」としている。

 市は今後、経済界と連携して、新球場の建設計画とともに現在地の跡地利用策の検討を急ぐ。

新球場ヤード跡地派が決起集会

2005/07/10 中国新聞地域ニュース

 広島市が打ち出した東広島駅貨物ヤード跡地(南区)への新球場建設の方針に賛同し、跡地周辺の住民でつくる「建設を促進する会」(石津哲次代表)が九日、南区のJR広島駅南口広場で決起集会を開いた。

 市を後押ししようと、跡地に近い十二地区の社会福祉協議会の役員たち約百人が集合。発起人の一人で、松原町内会の中村興夫会長(65)が「観客を遠距離から大量輸送できるJR駅近くにこそ、新球場が必要。新幹線から球場が見え、広島の新しいランドマークにもなる」と訴えた。

 石津代表(75)は「新球場をきっかけにカープに強くなってもらいたい」とあいさつ。「市民、県民が望む新球場をヤード跡地に」との呼び掛けに、参加者は「エイエイオー」と気勢を上げた。

 同会は六月末に発足。新球場のヤード跡地建設を前提に、アクセス道路の早期整備などを市などに求めていく。

広島新球場 経済界は「現在地」

2005/06/28 中国新聞地域ニュース

 ▽市に再検討要請で一致

 広島市民球場(中区)に替わる新球場の建設地をめぐる問題で、地元経済四団体のトップが二十八日朝、広島市中区の広島商工会議所で会合を開き、市に対して現在地の建て替えを軸に再検討を求めていく方針を確認した。市民に対して幅広く説明する場を持つことも提案していく。

 広島商工会議所の宇田誠会頭、中国経済連合会の高須司登会長、広島経済同友会の角広勲代表幹事、広島県経営者協会の白井龍一郎会長の四団体のトップが出席した。

 冒頭、宇田会頭が二十三日に開いた同商工会議所の常議員会の論議を報告。「現在地での建て替えを基本」に、市民やファンから広く意見を聞く仕組みづくりを市に申し入れることにした経緯を説明した。四団体としても、七月上旬に市が新球場建設促進会議のメンバーを中心に開く予定の説明会で、「現在地が困難」とする理由を明らかにし、球場論議は手順を踏みながら進めるように求めていく考えで一致した。

 秋葉忠利市長は二十七日の市議会本会議で、建設地が東広島駅貨物ヤード跡地(南区)の場合、市が「最大で事業費の二分の一を負担できる」との見通しを示している。会談後、宇田会頭は「決定権は市にあるとはいえ、意見を聞く姿勢は持ってもらいたい。現在地を困難とするなら跡地利用も示してもらわなければ困る」との考えを示した。

パク・ヨンハさん、広島市民球場で熱唱

2005/04/18 中国新聞地域ニュース

 韓流ブームの主役の一人、歌手で俳優のパク・ヨンハさん(27)のファンの集いが十八日、広島市中区の広島市民球場であった。日韓友情年を記念して韓国観光公社が主催した「KOREAN WAVE2005」の一環。内野席を埋めた全国の女性たち一万七百人の熱い視線の中、ヒット曲を歌い、広島の新球場建設を目指す「たる募金」への協力も呼び掛けた。

 午前十一時すぎ、白いシャツに黒いジャケット姿のパクさんが登場すると、悲鳴交じりの歓声と拍手。「初めて出逢った日のように」など三曲を、トークを交えながら歌った。

 広島市安佐南区の会社員小野清美さん(46)は「演技も歌も上手で、顔もいい。会いたい一心でやってきた」。パクさんの写真を張った手作りのうちわを振り、「パクちゃーん」と叫んでいた。

 広島だけの特別イベント「たる募金」では、「喜んで協力します。みなさんもお願いします」とパクさん。女性たちはスタンドに置かれたたるに、次々とお金を入れていた。

 パクさんは、ドラマ「冬のソナタ」で主人公の恋敵役を好演し、人気を得た。無料で入場できた今回のイベントの一番乗りは、二日前となる十六日午後九時半。十七日は約六百人が球場周辺で夜を明かした。抽選の七十七人が対象のサイン会には、約二万八千通の応募があった。

「たる募金」花見客も協力 広島県世羅

2005/04/11 中国新聞地域ニュース

 <町内イベントで今後も設置>

 桜の名所、広島県世羅町甲山の今高野山で十日、「大田庄春らんまん祭」(甲山町商工会青年部主催)があった。広島市民球場に替わる新球場建設を目指す募金の「イベントだる」が初登場し、協力を呼び掛けた。

 たるはメーンステージ近くの目立つ位置に設置された。桜はまだ五分咲きだったものの、瀬戸内源流太鼓の演奏やビンゴゲームなどのイベントを楽しむ花見客らが、次々と釣り銭などを投じていた。

 甲山町商工会や世羅郡軟式野球連盟などでつくる「広島新球場建設たる募金共同キャンペーン」の世羅事務局が、世羅町役場の常設だるに加え、新たに「イベントだる」として用意した。今後も、町内の農園などであるイベントに持ち出して寄付を募る。

新球場建設へ「たる募金」 広島の民団など

2005/04/10 中国新聞地域ニュース

 在日本大韓民国民団(民団)県地方本部(朴昭勝団長)と広島韓国商工会議所(姜仁秀会長)は九日、広島市中区で開いた関係団体の総会後、広島市に新球場建設を目指す「たる募金」への協力を呼び掛けた。

 在日韓国人のスポーツ選手の発掘や支援をする在日本大韓体育会が、広島市で今年の定期総会を開催。その後の懇親会の場に、たるを置いた。募金の趣旨について姜会長が、全国から参加した同体育会の幹部約六十人に説明。参加者たちは早速、寄付していた。

 民団と同会議所は合同で三月上旬、「地域住民の一員として広島の役に立ちたい」と、広島韓国会館(東区)にたるを設置。関係団体の行事のたびに、募金を呼び掛けることにしている。

 姜会長は「日韓の政治的状況に振り回されず、市民レベルの連帯感を強め、地域の活性化につなげたい」と話している。

熱く赤く、カープ一色 広島の本通りに懸垂幕

2005/04/01 中国新聞地域ニュース
 

<「改革元年」セ・リーグ今夜開幕 >

 一日はプロ野球セ・リーグ開幕。中四国最大の商店街、広島市中区の本通り商店街のアーケードが初めて、広島東洋カープの応援ムード一色に染まった。十月のシーズン終了まで続け、街ぐるみで後押しする。

 「熱くなれ!広島、赤くなれ!市民球場」のコピーと、その月のホームゲームの日程を書いた懸垂幕三枚をつり下げた。アーケードの両端には、カープのロゴの入ったバナーを三十五枚ずつ飾っている。

 昨年の球界再編騒動で全国的に球団の「地域密着」が問い直され、本通り商店街振興組合(約百三十店舗)が「市民球場に一番近い商店街を赤で染めよう」とカープに提案。球団はロゴやカープ坊やの使用を無料化し、市も十月までの道路占用料約六百万円を減免して、実現した。

 カープが勝った翌日のセール実施も呼びかけていく。組合理事の高田諭さん(41)は「お客さんの楽しみが増えるよう、カープはいいスタートを切ってほしい。だんだんと盛り上げて、十月には優勝パレードです」と張り切っていた。

 セ・リーグの一日のカードは、巨人―広島(東京ドーム)中日―横浜(ナゴヤドーム)阪神―ヤクルト(大阪ドーム)の3試合。試合開始はいずれも午後六時。”改革元年”といわれる二〇〇五年シーズンがいよいよ本格化する。

新球場建設 パク・ヨンハさんが賛同呼び掛けへ

2005/03/31 中国新聞地域ニュース

 <18日 広島市民球場で集い>

 韓流ブームの主役の一人が、広島新球場建設を目指す「たる募金」に一役買うことになった。人気ドラマ「冬のソナタ」で好演したパク・ヨンハさん(27)。四月十八日、広島市民球場(中区)でファンとの集いを開き、たる募金への協力を呼び掛ける。

 韓国観光公社が三十日、日韓友情年に合わせて広島市で開く「KOREAN WAVE(韓流)2005イン広島」(十七―二十日)の概要を発表し、パクさんの参加を明らかにした。

 集いは十八日午前十一時から、市民球場の内野席(約二万席)を先着順で無料開放して行う。パクさんが新曲など歌を披露した後、自らたるにお金を入れて賛同を求めるという。四日間の期間中、広島市内のホールや会議場で、韓国の人気ミュージカル「NANTA」の無料公演や韓国映画の無料上映会もある。

 KOREAN WAVEは、四月四日から日本国内の八カ所を巡回する。公社は最後を飾る広島市の地域色を盛り込むため、たる募金とのタイアップを決めた。事務局TEL082(222)1103。

今年こそ上位躍進 カープが必勝祈願

2005/03/28 中国新聞地域ニュース

 プロ野球セ・リーグの開幕を間近に控えた二十八日、広島東洋カープナインは広島市中区の広島護国神社で必勝祈願した。「改革元年」と位置付けられる今季、七年連続Bクラスからの脱出と上位躍進を誓った。

 午前九時十五分、小雨の中、首脳陣、選手ら総勢四十六人が参拝に訪れた。松田元オーナー(54)、山本浩二監督(58)、黒田博樹選手会長(30)が代表して玉ぐしを奉納。その後、全選手が真剣な表情で、かしわ手を打ち、開幕への気持ちを高めた。

 セ・リーグは四月一日に開幕。広島は巨人との3連戦(東京ドーム)で、146試合の長丁場のスタートを切る。長引くチームの不振、プロ野球人気の低迷など、広島にとっては逆風に立ち向かうシーズンとなる。

 黒田選手会長は「オープン戦では結果(3勝11敗1分け)が出なかったが、それを覆すようにがむしゃらに戦っていく」と意気込みを話した。

カープに運営委託で合意 新球場促進会議

2005/03/23 中国新聞地域ニュース

 <市、コスト削減案>

 広島市民球場(広島市中区)に替わる新球場建設を目指す官民の「新球場建設促進会議」は二十二日、新球場の管理・運営を広島東洋カープに委託する方向で大筋合意した。三十日に予定する次回会合で最終取りまとめに盛り込む。

 広島市役所での会合には、十三団体十四人のメンバー全員が出席した。

 管理・運営主体をカープ球団とすることについて、広島県の藤田雄山知事は「方向は間違っていない」とし、中国新聞社の山本治朗会長も「球団は運営ノウハウを持っており、任せるのは自然」と述べるなど、複数の委員が賛意を表明した。

 ただ、球場建設には公的資金や民間出資金、市民募金が投入されるため、球団経営の透明性確保が前提条件―との要望もあった。カープの松田元オーナーが了承したため、この日の議論は「原則としてカープへの運営委託を前提に検討する」との方針で固まった。

 秋葉忠利市長は、コンペ方式で建設する場合に参加企業が建設と運営をセットにした提案をする可能性があると指摘し、「その場合は市とカープで協議させてほしい」と求めた。

 一方、市は建設費の削減案を示した。現在地にオープン球場を建てる場合、百八十五億円としていた建設コストは百六十五億円に、貨物ヤード跡地に新設する場合は百五億円が九十億円に、それぞれ圧縮できると試算している。

 また、多田公〓座長は促進会議の本年度末での解散を提案し、その後に市民や関係者の意見を反映させる方法については市に検討を求めた。三十日に開催予定の次の会合で最終的に決める。

※〓は臣の右に巳、下に「よつてん」ですが、JISコードにないため表示できません

 資金調達具体化が急務

 広島市民球場(中区)に替わる新球場建設の道筋が見えてきた。広島市主体で現在地にオープン球場、運営の中心は広島東洋カープが担う―といった形だ。ただ、市民の浄財も含めた資金調達策はさらに詰めなければならない。球場運営に当たっては球団改革が必須となる。立ち止まる時間はない。(下山克彦)

 二十二日の新球場建設促進会議は、カープが軸となり新球場経営に当たることを確認した。積み重ねてきたノウハウなど、過去の「実績」が評価された。

 ただ、十二球団で唯一、観客動員が二年連続百万人割れのカープの将来を危ぶむ声は少なくない。「『球界再編の第二幕はカープが開ける』との見方が球界に広がっている」。大坪正則帝京大教授(スポーツ経営学)は明かす。

 もちろん地元も不安を抱く。「営業努力が足りない」との指摘は経済界に根強い。経営基盤の弱さからスター選手が流出し、観客も集まらない―そんな負の連鎖の解消に向け、県や広島市、市民による増資を提案する声もある。いずれにせよ新球場には、公的資金や民間の出資金が投入される。その運営に当たるからには、経営の強化と透明性の確保が求められる。さらなる球団改革は急務である。

 さらに、最大の懸案は積み残されたまま。現在地、オープン球場とした際の百六十五億円に及ぶ建設費の負担割合だ。市、県、経済界の腹の探り合いはすでに始まっている。「公設」の方向性が決まり、すべてのスケジュールに影響する以上、まずは市が速やかに「案」を提示してほしい。

 もちろん三者だけでは賄いきれない。球場建設を願う市民の力をどう糾合するか、「球場建設に金のびょうを打った」と子や孫に誇りうるシステムの構築が求められる。

 実現すれば、新球場をめぐる最大の「果実」となる。行政、経済界、そして地域が思いを一つに歩み出す―。そこで「広島の挑戦」は完成する。

快適新球場、一日も早く 広島でシンポ

2005/03/21 中国新聞地域ニュース

 広島市民球場(中区)に替わる新球場建設へ機運を盛り上げるシンポジウムが二十日、広島市中区の中国新聞ホールであった。官民組織、新球場建設促進会議が主催し、広島青年会議所と中国新聞社が共催。約四百人が傍聴した。広島東洋カープを広島に残すため、市民と政財界が協力して資金難を乗り越え、一日も早く球場を造ろうと確認した。

 カープの元監督で解説者の達川光男さんと、プロ野球ジャーナリストの義田貴士さんが、「野球場のある街の風景」と題してトーク。達川さんは「一九七五年の初優勝を喜んでくれた高齢者にもう一度喜んでもらうためにも、観客と選手双方に快適な球場を一刻も早く」と訴えた。

 討論は、市民グループ「カープと市民球場はみんなの宝物」の倉本須美子代表▽広島建築家の会の石田平二代表幹事▽広島青年会議所の野村慶太郎理事長と、達川さん、義田さんが参加。中国新聞社の小野増平編集局長の司会で進めた。

 建設場所では、原爆ドームと隣接する現在地が広島の象徴であり、再生につながる―との意見があった。課題の資金は、万単位で寄付しやすい仕組みづくりや、ごみの減量などで市の歳出を減らすなど、市民の参加意識を高める案が出た。

 広島市立広島商高の生徒による市民の心と球場を近づけるアイデアの発表や、カープ選手らのユニホームやバットなどのオークションもあった。

 会場には四斗だるが置かれ、オークションの収益五十八万六千五百円を含む六十八万円余が集まった。事前に匿名の市民からシンポの開催費にと百万円の寄付があり、一部をたる募金に充てる。24日付朝刊に詳報を掲載します

新球場シンポ市民ら熱く オークション盛況

2005/03/21 中国新聞地域ニュース

 「新球場を早く造ってほしい。皆さんどうですか」。広島東洋カープの元監督達川光男さんの呼び掛けに、会場の市民が拍手で応えた。20日、中区であった「新球場建設促進会議シンポジウム」は、討論やオークションでカープへの愛着を確認し、新球場への思いを高める場になった。

 「プロが試合をする球場じゃないですよ。くつろげるロッカールームもない」。歯に衣(きぬ)着せぬ「達川節」が、会場を笑いで包んだ。「廊下で着替えることもあり、対戦相手に申し訳ない気持ちにもなる」。次第に、来場者の表情から笑みが消えた。

 中区の会社員高野英明さん(35)は「選手のつらい思いが伝わった。精神的な負担から解放される新球場を」と願った。

 討論では、新球場の建設地や形態で、さまざまな意見が出た。家族三人で訪れた福山市の会社員岡田真治さん(45)は「家族で話し合う参考になった」と満足顔。市民球場に年二十回は通う東区の会社員岩崎哲也さん(33)は「良い球場、良いカープをつくろうとする気持ちはみんな一緒と感じられた。うれしい」と振り返った。

 約百人が参加したオークションでは、嶋重宣選手らカープ主力選手のバットやユニホームなど十五点が競りに掛けられた。広島青年会議所メンバーがグッズを紹介するたびに歓声が上がり、希望額を伝える威勢の良い声が飛んだ。

 黒田博樹投手のジャンパーを三万二千円で競り落とした南区の会社員河口まゆみさん(32)は「市民球場での観戦で着たい」と大喜び。最高額は前田智徳選手のバットの十六万五千円だった。

カープ、全公式戦でたる設置

2005/03/20 中国新聞地域ニュース

 広島市民球場(広島市中区)で今季ある広島東洋カープの全公式戦で、新球場建設を目指すたる募金が実施される。カープ球団の申し出で決まった。

 地元開幕となる四月五日の阪神戦のナイターから計六十七試合。今季から導入されたパ・リーグとの交流試合の計十五試合も含む。球場正面に、試合開始時刻の二時間前から七回終了まで四斗だるを置く。

 たる募金は昨年十一月二十日に始まり、二十三日にあったカープのファン感謝デーでは会場の市民球場前で実施した。しかし、管理の問題などでたるの常設はなく、球団はファンからの問い合わせに最寄りの百貨店などを紹介していた。

 開幕を控え、松田元オーナーが「球場に来てくれるファンの思いの受け皿を作りたい」と提案。募金推進委員会がたるを貸し出し、警備会社が協力する形で実現した。

新球場、シンポで後押し 20日広島

2005/03/14 中国新聞地域ニュース

 広島市民球場(中区)に替わる新球場建設を目指す官民の「新球場建設促進会議」は二十日午後一時から、広島市中区土橋町の中国新聞ホールで、「新球場建設促進シンポジウム」(広島青年会議所、中国新聞社共催)を開く。元広島東洋カープ監督でプロ野球解説者の達川光男さんらが出席。パネルディスカッションなどで建設機運を盛り上げる。

 午後一時からのシンポは、促進会議の多田公〓座長らのあいさつに続いて、達川さんとプロ野球ジャーナリストの義田貴士さんが登壇。対談形式で講演し、新球場への熱い思いを語る。市立広島商高生徒の研究発表「新球場は市民の力で」、促進会議による建設論議の経過報告に続き、「街づくり、都市の活性化から新球場を語る」をテーマに、パネルディスカッションに入る。

 パネリストは、達川さんと義田さん、ファン組織「カープと市民球場はみんなの宝物」代表の倉本須美子さん、広島建築家の会代表幹事の石田平二さん、広島青年会議所理事長の野村慶太郎さん。コーディネーターは中国新聞社の小野増平編集局長が務める。

 入場無料で先着順に五百席。閉会後、青年会議所が芸能人や野球関係者から寄せられたグッズをオークションで販売し、収益をたる募金に寄せる。

 【お断り】〓は「煕」の右上が「臣」で、左上が「己」という文字ですが、コードにないため表示できません。

開幕待ち遠し カープ公式戦の前売り発売

2005/03/01 中国新聞地域ニュース

 広島東洋カープの二〇〇五年公式戦の前売り入場券の発売が一日、広島市民球場などで始まった。発売されたのは、同球場である67試合の入場券。「改革元年」と位置付けられる今季の広島を応援しようと、同球場には大勢のファンが集まり、チケットを買い求めた。

 午前十時からの発売前、ファンの列は三塁側の入場券売場から左翼席入り口付近まで続いた。このため予定を十分繰り上げ、発売をスタート。七月九日の巨人戦一塁側内野A指定席は、約十五分で完売した。

 五日前に先頭に並んだ福山市駅家町、会社員佐藤元彦さん(24)は巨人戦2試合分を購入。「交流戦が始まったことで人気カードは買いにくくなると思い、早めに来ました」と笑顔を見せていた。

 今季から地方開催を除く主催試合の前売り入場券は、ローソン、セブンイレブン、ファミリーマート、サンクスの全国約二万八千店のコンビニエンスストアなどでも販売する。中国新聞の各販売所でも購入できる。

広島ゆかりの企業もたる募金

2005/02/09 中国新聞地域ニュース

 広島ゆかりの企業・行政関係者たちが、東京で結成している親睦(しんぼく)会「暖簾(のれん)の会」総会が八日夜、JR新宿駅南口、広島県のアンテナショップ一階に併設されたレストランであった。約三十人が顔を合わせ、広島新球場建設「たる募金」に協力した。

 首都圏で募金を推進している中国新聞東京支社の会員が、趣旨やこれまでの取り組みを説明。応援歌「RED」の完成、三月九日のCD発売を報告した。出席者は「オールスター戦を新球場で」「広島の活性化にも結びつけたい」などと話し合いながら、酒だるに紙幣を入れていた。

 一月に開かれた東京広島県人会の際にも募金した府中市出身の商店経営今田健三郎さん(83)=東京・中央区=は、かつて尾道商業学校(現尾道商高)の野球部でプレーした。「古里への恩返しの気持ちを込めた」と、笑顔で早期実現を願っていた。

 たる募金は、老朽化が進む広島市民球場(広島市中区)に替わる新球場を建設しようと昨年十一月、スタート。東京でも十二月に旗揚げした。広島を中心に首都圏でも盛り上がりをみせ、八日現在、総額約二千八百七十万円の浄財が寄せられている。

新球場建設へ 広島銀ともみじ銀に募金箱

2005/01/24 中国新聞地域ニュース

 熱い思い、全国に広がれ 全本支店に設置

 広島市民球場(広島市中区)に替わる新球場建設を目指す「広島新球場建設たる募金共同キャンペーン」に二十四日、もみじ銀行と広島銀行が賛同し募金を始めた。両行とも全本支店に募金箱を置く。

 もみじ銀行本店(中区)は、午前九時からオープニングセレモニーをした。四斗だるの前で、森本弘道頭取が「たる募金の輪は、広島から全国に広がっている。お金だけでなく、皆さんの熱い思いを入れてください」とあいさつした。

 広島東洋カープのマスコット「スラィリー」や流川幼稚園(中区)の園児三十四人も参加。園児たちもお小遣いの一部などを入れていた。同銀行は四斗だるを本店、呉営業部、広島支店に、アクリルの募金箱をほかの百四十八支店に置く。

 広島銀行も、中区の本店営業部でセレモニーをした。宇田誠会長が「球場は県民の資産。広島を元気にするために、立派な新球場を建てよう」と呼び掛け、訪れた市民が次々と善意を寄せていた。この日、本店と福山営業本部、呉支店に四斗だるを置き、二十五日には残りの百七十八店に募金箱を出す。

たる募金1500万円超す 広島新球場建設

2005/01/01 中国新聞地域ニュース

 広島市民球場(広島市中区)に替わる新球場の建設構想にとって、正念場となる年が明けた。建設を後押しする「たる募金」は三十一日、推進委員会の寄託分だけで総額千五百万円を超えた。官民による検討組織は、三月末までに構想をまとめる。四月以降、速やかに実現への一歩を踏み出せるか。広島が忘れて久しい地域の英知と情熱の結集力が、試される年となる。

 市民参加で新球場建設を目指す「たる募金」は昨年十一月二十日、スタートした。広島都市圏から備後圏域、広島県北、さらに県境を越えて中国地方、関西、関東へと全国的な広がりをみせている。広島東洋カープの新たな本拠、さらに広島の新たなシンボルとして今、幅広い人々が募金に夢を託す。

 かつて広島の人々は、被爆からの復興の象徴をカープに見いだし、同じ募金で支えた。その地域の熱い力は一九七五年のリーグ初優勝で、全国のせん望へと昇華した。一九九四年の広島アジア競技大会の際も、市民のエネルギーが大会成功という形で結実し、「前例のない市民参加の祭典」として国内外で語られた。

 が、それから昨年まで広島は「失われた十年」の歴史を刻んだ。数々の構想が浮かんでは消えていった。広島市への新球場建設は、アジア大会と同じ年、地元経済界が提起している。民間主導で目指したJR東広島駅貨物ヤード跡地(南区)への新球場整備も一昨年末、ついえた。

 広島県、広島市の行政はぎくしゃくとした関係をみせ、官民の歯車もかみ合わなかった。この十年、広島を覆い続けた閉塞(へいそく)感は、立場を超えて英知と情熱を集わせる目標を見失った地域の姿と、決して無縁ではない。

 球界再編は、「カープとは何か」という問いを地元に突きつけた。新球場建設は、その答えでもある。広島は、球団と球場という地域のシンボルを、同時に再生させる全国で例がない営みに、立ち上がった。

屋根なしなら百数十億円 広島市民球場建て替え試算

2004/12/27 The Sankei Shimbun
 プロ野球広島カープの本拠地、広島市民球場(広島市中区)の建て替え問題を官民合同で検討する「新球場建設促進会議」の会合が27日、広島市内で開かれ、現在地に屋根のない開放型球場(収容人員3万2000人)を建設する場合の費用は、建設費130億−160億円、取り壊し費約30億円との試算結果が示された。

 同会議の下部組織、新球場建設検討委員会の山田康委員長(市助役)が説明した。

 試算によると、現在地に開閉式ドーム型を建てる場合の建設費は260億−310億円。

 もう1つの有力候補地である広島駅東側貨物ヤード跡地では、開放型で100億−130億円、開閉式ドーム型で260億−310億円。ほかに用地取得費として54億円が必要となる。

 広島商工会議所の宇田誠会頭らメンバーからは「市民の多くは現在地での建て替えを望んでおり、現在地案を掘り下げて検討してほしい」と検討委に注文が出された。(共同)

広島新球場、現在地含め6候補 第2回検討委

2004/12/18 中国新聞地域ニュース
 ▽絞り込み至らず

 広島東洋カープの本拠地、広島市民球場(中区)に代わる新球場建設構想を官民で練る「新球場建設検討委員会」の第二回会合が十七日、広島市役所であった。非公開での会合では、現在地を含む六カ所を建設候補地に挙げ、それぞれの「適性」を話し合った。今後、六カ所の中から最終的な候補地を絞り込む。

 候補地として挙がったのは、広島市民球場のある現在地(広島市中区基町)▽市中央公園(同)▽JR東広島駅貨物ヤード跡地(南区東駅町)▽JR広島駅新幹線口(東区二葉の里)▽広島大本部跡地(中区東千田町)▽メッセ・コンベンション等交流施設用地(南区出島)。

 それぞれの所有権や地理的条件、周辺環境への影響などを比較。中央公園と新幹線口は「市営住宅や大規模病院が候補地内にあるか、近接している」、メセコン用地については「アクセス面で劣る」などと難点を指摘する声が出た。ただ、この日は候補地の絞り込みには至らず、次回以降の論議に持ち越した。

 球場建設の事業手法については、建設主体が広島市の場合と、民間の場合に分けた資料を説明するにとどまった。ドーム球場かオープン球場かの選択も建設費用の概算を示しただけで、複合施設の在り方などにも踏み込まなかった。

 検討委は今後、議論のピッチを上げ、来週に第三回会合を開いた上で、上部組織である「新球場建設促進会議」の年内開催を目指す。

赤ゴジラ、嶋に後援会 呉で発足

2004/12/14 中国新聞地域ニュース

 <妻の実家「第二の故郷」>

 十年目の今季、一気に打棒が花開いた広島東洋カープの嶋重宣選手(28)の後援会が十二日、呉市で発足した。ホテルで開かれたパーティーには百六十二人が出席し、大きく羽ばたいたスラッガーを大歓声で出迎えた。

 妻の美紀さん(31)の実家がある呉市は、同選手にとって「第二の故郷」。義父の唐木田登さん(62)=同市東中央=ら二軍時代からの知り合いが後援会を結成。会員は三百二十九人に増えた。

 パーティーでは、サイン入りユニホームが当たる抽選会などがあった。主役の嶋選手は笑顔で写真撮影に応じるなど、和やかなムードが漂った。

 会場には新球場建設に向けた「たる募金」も登場。後援会からの祝い金十万円を嶋選手がそのままたるに入れると、大きな拍手が沸いた。「今季、楽な試合は一つもなかったが、皆さんの声援に勇気をもらいました。後援会が少しでも長く続くよう、頑張っていきます」と嶋選手は誓いを新たにしていた。

カープ経済効果、年124億円 中電経研など試算

2004/12/14 中国新聞地域ニュース
 <新球場建設150億円なら249億円の需要喚起>

 広島東洋カープが地元にもたらす経済効果は年間百二十四億円で、本拠地の市民球場(広島市中区)を建て替えて新球場を建設した場合の建設効果は二百四十九億円―。中国電力経済研究センターとひろぎん経済研究所は十三日、それぞれこうした試算を明らかにした。プロ野球界が再編で揺れ、球場建て替えが急務となる中、広島カープの地域経済への貢献が初めて具体的数字で示されたことで球場建て替え論議に弾みがつきそうだ。

 中電経研は昨年実績をベースに、広島カープが今年のフランチャイズ活動によって生み出した広島県への直接的効果(直接需要)を七十四億二千万円と推計。県内で主催した試合の入場料やテレビ放映権料、広告などの球団収入と観客の交通費や球場内外で消費した飲食費などを含んでいる。

 直接需要が県内の商業や運輸、工業などの生産活動を誘発する一次波及効果と、個人、企業の所得増加に伴って消費、設備投資などの増加をもたらす二次波及効果も計算。これらを合わせて経済効果は総額百二十三億七千万円とした。

 この金額は、球界再編でパ・リーグに誕生した新球団とほぼ等しい。宮城県は仙台市に本拠地を置く新球団(楽天イーグルス)が県内経済にもたらす効果を年間百二十七億円とはじいている。

 一方、ひろぎん経研は三万人収容のオープン型球場を現在地または別の場所に百五十億円で建設する条件で建設効果を試算した。百五十億円の直接需要によって誘発される一次波及効果は六十六億円、二次波及効果は三十三億円で、総額は二百四十九億円となった。

 また、今年の市民球場の観客は八十五万人だったが、新球場完成で観客が増える想定下での広島カープの経済効果も試算。過去十年で最多の百七万人(一九九六年)が入場した場合、総額百四十四億円が見込まれる。

 <数字に表せぬ貢献も>

 中電経研の齋宮(いつき)正憲所長の話 この試算は純粋な経済効果を算定したもので、ほかにスポーツ・観光振興や都市中枢機能など数字に表せない貢献も多く、プロ球団が広島に存在する意味は大きい。

 <市のGDP0.5%相当>

 ひろぎん経研の鈴木重次理事長の話 新球場完成と観客増が実現すれば、経済効果は計約四百億円に上る。粗付加価値額(GDP)ベースでは広島市のGDPの0・5%に相当し、地元経済の押し上げ効果が期待される。

カープ嶋、550%増 セ・リーグ史上最高のアップ率

2004/12/11 中国新聞地域ニュース
 広島東洋カープの嶋重宣外野手(28)が十日、契約更改交渉に臨み、今季の七百万円から背番号「55」にちなみ、550%増の四千五百五十万円で更改した。アップ率はセ・リーグ史上最高で、球界でも歴代3位となった。

 十年目の今季は開幕から猛打を続け、打率3割3分7厘で首位打者と最多安打のタイトルを獲得した。広島市中区の球団事務所であった交渉は三千八百五十万円増の提示に三十分でサイン。「チームへの貢献度を評価してもらった。使い道はお世話になった人にお礼をして、後は貯金します。来季はもっと練習して自信をつけたい」と抱負を話した。

 球団は年俸とは別にタイトル料の支給も決めるなど、最大限の評価を与えた。球界では一九九四年にイチロー(当時オリックス)が900%増で契約したのが最高。(金額は推定)

2作業部会が初会合 広島新球場建設検討委

2004/12/11 中国新聞地域ニュース
 広島東洋カープの本拠地、広島市民球場(広島市中区)に代わる新球場建設の素案づくりに取り組む官民の新球場建設検討委員会は十日、市役所で施設と資金・運営の両部会(各六人)の初会合を合同で開いた。

 代理も含め委員全員が出席。ファン組織「カープと市民球場はみんなの宝物」の倉本須美子代表、地元建築家グループ「市民球場の再生を考える協議会」メンバーの前岡智之氏から意見や注文を聞いた。

 倉本代表は今年九、十月に実施したアンケートの結果について話した。市民球場で観戦する人の七割強が「現球場の改修」か「現在地での建て替え」を求めている点や、座り心地が悪く窮屈ないす席、間隔の狭い通路の改善を望む声が多かったことを紹介した。

 さらに、ナイターがある日の交通機関のダイヤ設定など、関連機関も交えたファンサービスの必要性も指摘。「地元が一体となってカープをもり立てる意識が大切。新球場建設にもそのような気持ちで臨んでほしい」と述べた。

 前岡氏は、協議会の勉強会で作成した新球場設計案について報告した。現在地での建て替え▽中央公園内の別の場所への建設▽現球場改修―の三案を提示。「平和記念公園を祈りの空間、球場周辺を祭りの空間と考えている。二つの空間の対比、連続が広島の都市軸だ」とし、現在地に建てるべきだとの持論を述べた。

「東京カープ会」 11日設立

2004/12/09 中国新聞地域ニュース

 二宮清純さんら「たる募金」に協力

 首都圏のカープファン集合―。スポーツジャーナリスト二宮清純さんや元選手で野球解説者川口和久さんたちが十一日夜、東京・銀座で「東京カープ会」を立ち上げる。広島市民球場に代わる新球場建設を目指して同日、東京で始まる「たる募金」にも協力。熱いメッセージを発信する。

 発起人には、二人と交友がある講談社出版部長の上田哲之さんが名を連ねた。いずれも四十歳代。愛媛県八幡浜市出身の二宮さんは瀬戸内海を越えて聞こえるラジオのナイター中継に一喜一憂し、広島市出身の上田さんも赤ヘルファン。球界再編で存続さえ危ぶまれた状況に危機感を抱き、「成績が低迷するチームに喝を」と企画した。

 ホームページで案内したところ、関東一円から約百人が参加を希望。午後七時からの会では、東京や近郊在住の二宮さんら三人と、「赤ゴジラの逆襲」を出版した田辺一球さん=広島市東区=がカープや野球界の将来を語り合い、たる募金を呼び掛ける。二宮さんは「地域との連帯を深める場にしたい」と話している。

 東京での募金イベントは、十一日午前十一時からJR新宿駅南口近くにある広島県アンテナショップ「ゆめてらす」で、繰り広げられる。

新球場建設資金、SPC活用案が浮上

2004/12/09 中国新聞地域ニュース
 証券発行 市民も購入

 広島東洋カープの本拠地、広島市民球場(広島市中区)に代わる新球場建設の手法として、特定目的会社(SPC)の活用が浮上している。最大の懸案である巨額の建設資金を確保するため、証券発行などを通じて幅広く資金を集める手法。地元経済界にはSPC方式を推す意見もあり、今後の官民協議で可能性を探る。

 七日開かれた新球場建設検討委員会で事務局の市都市計画局は、市が単独で建てる公設方式とSPC方式を例示した。市は「SPCには多様な手法があり、具体的な内容に踏み込むのは現段階では困難」とし、その概念を紹介したという。

 基本形態は、まず民間企業などが出資して球場を建設するSPCを設立。完成後も球場はSPCが運営し、カープは施設使用者として賃貸料を支払う。こうした枠組みを前提に、SPCは金融機関からの融資や証券の発行により建設資金を調達する。収益を出資者や証券購入者への配当・償還に充てる。

 出資者は民間企業だけでなく、市、広島県や一株株主などの形で市民が加わる方法がある。証券は小口、大口取り交ぜて発行すれば、法人や投資家、市民から幅広く建設資金を集めることができ、財政難に苦しむ市の負担軽減につながる。ファンや市民が出資や証券購入により、新球場建設やカープ支援にかかわることができ、地域の一体感醸成につながる利点もある。

 米国では一九九〇年代以降、SPCによる球場建設が一般的。二〇〇六年にセントルイス市に完成予定のカージナルスの新球場もSPCを活用する。日本では、球場建設での採用例はまだない。

 ただ、会社設立に市や県が出資すれば第三セクターとなり、市の中には行政が経営に参画することや財政難での出資には慎重論がある。また、市は現球場の所有者であり、新球場も市が主体となって建設すべきだとの「筋論」も市内外に依然として残っている。

 

週内に施設・資金部会 広島新球場検討委初会合

2004/12/07 中国新聞地域ニュース
 広島東洋カープの本拠地、広島市民球場(中区)に代わる新球場建設に向け、官民で素案づくりをする「新球場建設検討委員会」は七日朝、広島市役所議会棟で初会合を開いた。施設の規模や内容、建設場所を協議する「施設部会」と、資金調達や施設の運営方法を検討する「資金部会」を週内に発足させることで合意した。

 委員長を務める市の山田康助役、副委員長で広島商工会議所の福田督副会頭(球場専任担当)、カープの松田元オーナーら七人が出席。官民十四団体でつくる意志決定機関「新球場建設促進会議」の多田公〓座長が冒頭だけ同席し、「(新球場建設は)漂う閉塞(へいそく)感を官民の力で打開し、あすの広島の活力につながる」とあいさつ。たたき台づくりを急ぐよう求めた。

 会合は非公開で、委員の中から「施設部会」のトップに市の高東博視都市計画局長、「資金部会」は県体育協会の大野徹専務理事の就任を決めた。その他のメンバーそれぞれ五人程度を早急に選ぶ。

 また、現在地に建てるか否か、球場の運営形態や事業手法、資金調達方法については、市が提出したデータを基に論議を深めるとの考えで一致。来年一月末か二月上旬の中間報告、三月末をめどにした最終報告の提出に向け、検討委、作業部会の議論を急ぐことも確認した。

 【お断り】〓は「煕」の左上の部分が「臣」となる字ですが、JISコードにないため表示できません。

たる募金、20日始動 新球場へ情熱結集

2004/11/20 中国新聞地域ニュース
 <住民主導が復活>

 広島市民球場(中区)の建て替えを目指す「広島新球場建設たる募金共同キャンペーン」が二十日、始動する。新球場建設は、球界再編に揺れる広島東洋カープへの支援にとどまらない。中四国地方唯一の市民球団の価値を再確認し、広島都市圏の活力を周辺地域と共有していく意味を併せ持つ。幅広い人々の情熱を束ねる装置として、「広島の伝説」が半世紀の時を超えてよみがえる。

 新球場をめぐっては、行政、経済界ともに早期実現の必要性を認めながら、巨額な建設費を前に足踏みしてきた。一方、市民レベルでは、早期建設を求めるファンの署名運動、建築家集団による建て替え案検討と動きが進んできた。行政と経済界による官民の検討組織は二十六日、立ち上がる見通しとなった。

 そうした情勢の中で、地元マスコミ十三社・団体が推進委員会を結成し、「たる募金」に乗り出す。市民運動として新球場建設を目指す試みである。広島県内外の各界の賛同者は十九日現在、二百五十五人に上った。

 募金開始に当たり中国新聞社は、この問題にかかわる広島商工会議所会頭の宇田誠、作家の迫勝則、建築家の前岡智之の三氏による座談会を開いた。

 「広島の中枢性を保つためにも新球場は必要だ」「市民が直接行動できる募金に、大いに期待する」「市民が主人公となる組織もいる」―。新球場を広島の活性化、さらに住民主導の都市づくりにつなげたい―との認識で一致した。

 二十日は、午後三時から中区の基町クレドふれあい広場で、野村謙二郎、前田智徳、木村拓也の三選手が参加するイベントを開催。八丁堀地区の福屋、天満屋、三越の各百貨店や本通り商店街では正午からたるがお目見えする。午後一時半から福山市民球場で開かれる「ちゅーピーカープ野球教室」に合わせて募金を呼びかける。

 <野球教室で「たる募金」 20日、福山>

 広島東洋カープの本拠地である広島市民球場(広島市中区)の建て替えを目指す「広島新球場建設たる募金共同キャンペーン」がスタートする20日、福山市ではちゅーピーカープ野球教室(広島東洋カープ、中国新聞備後本社主催)の会場となる水呑町の福山市民球場で市民に募金を呼び掛ける。

 受け付けは午前11時半から午後3時半まで。球場前にたるを置き、募金してもらう。野球教室は午後1時半スタート。黒田博樹、高橋建、嶋重宣、浅井樹の4選手が指導する。既に参加者は締め切っているが、保護者や一般の人は内野スタンドで見学できる。募金箱は中国新聞販売所にも置く。

新球場支援へ 広島でチャリティーカラオケ

2004/11/15 中国新聞地域ニュース
 広島市民球場の建て替えを支援しようと、広島県内のカラオケ愛好家グループが十四日、中区大手町の県民文化センターでチャリティーコンサートを開いた。

 主催は安芸歌謡連合会と広島ご当地ソング愛唱会。計百三十八人が一万円ずつ参加費を払って出演した。入場料も含めた金額の中から運営費を差し引いた収益を、建設資金として募金する。

 会場の入り口には直径約五十センチ、高さ約三十センチのたるを使って募金も実施した。来場者の中には一万円札を入れた人もいた。募金に応じた東区光町の主婦菅ミツ子さん(78)は「老朽化した球場が早くきれいになってほしい」と期待していた。

 両会の代表を務めるカラオケ喫茶経営先田正光さん(67)=南区大州=は「歌を通して貢献できれば。毎年開催して、百万円を目標にしたい」と話していた。募金の寄託先などは、市民球場を管理運営する市などと相談して決める。

新球場建設、たる募金 広島のマスコミ各社

2004/11/05 中国新聞地域ニュース

 <半世紀ぶり復活 1億円目標>

 広島東洋カープの本拠地、広島市民球場に代わる新球場建設を目指し、中国新聞社など広島市内のマスコミ八社・団体が二十日から、募金活動に乗り出す。草創期のカープを市民が支えた「たる募金」にならった「広島新球場建設たる募金共同キャンペーン」。市民運動に広げ、建設を後押しする狙いがある。

 八社・団体が新たに結成した推進委員会の代表が四日、市役所で発表した。街頭募金用に大だる、四斗だる(七十二リットル)を用意し、一般には三十センチ四方の専用箱を使用。八社・団体のほか、商店街や百貨店、スーパー、交通機関などに置く。東京など県外にも専用箱の設置協力を求めていく。事務局は中国新聞ビル内に設ける。

 カープを愛する県内外の各界の約三百人を「呼びかけ賛同者」とし、活動をアピールしてもらう。募金状況は新聞や放送などで報告。運動期間は一年間がめどで、一億円の募金を目指す。募金は広島市に託し、新球場が建設されなかった場合も現球場の改修費として寄付する。

 二十日には基町クレド広場(中区)で、カープ選手も参加する立ち上げイベントを開く。二十三日のカープのファン感謝デーでも街頭活動をする。いずれも、一九五六年に使われた直径八十四センチの大だるが登場する。

 現在の市民球場は五七年に完成。ナイターを熱望する市民に応え、地元財界十社でつくる「二葉会」が二億六千万円を市に寄付し、建設された。中国新聞社の今中亘社長は「新球場は、ファンや選手に快適な環境をもたらすだけでなく、広島の活性化の起爆剤となるはず。皆さんの協力をお願いしたい」と話した。事務局、電話082(296)1511。

 推進委員会の構成は、NHK広島放送局、中国放送、広島テレビ放送、広島ホームテレビ、テレビ新広島、広島エフエム放送、ひろしまPステーション、中国新聞社。

カード「たる募金」で新球場支援へ

2004/10/16 中国新聞地域ニュース
 広島東洋カープの本拠地である広島市民球場(広島市中区)の建て替え資金にと、広島本通商店街振興組合が「現代版たる募金」に乗り出す方針を固めた。来年一月をめどに発行するクレジットカード「本通カード」の利用額に応じ、募金を積み立てていく仕組み。かつて球団存続の危機を救った市民やファンの心意気を呼び覚ますねらいだ。

 カードは日本信販と提携して発行。客が買い物で利用した額の一定割合を同振興組合が募金として負担する。現在、0・5―0・1%の幅で協議中。カードは入会金、年会費とも無料とし、本通りだけでなく全国で利用できる。

 ただし、商店街に近い現在地での球場建て替えが前提で、実現すれば完成時点で全額を市に寄付し、その後はカープの強化資金に充てる。一方、球場がJR広島駅近くの貨物ヤード跡地(南区)へ移転することになれば、全額を強化資金に回すという。

 現在地建て替えが決まれば、商店街で本物の「たる募金」も復活させる計画。望月利昭理事長は「ともに戦後を歩んだカープを救いたい。支援の機運を高める呼び水になれば」と期待している。

5、6月に約6週間で実施 プロ野球交流試合

2004/10/04 The Sankei Shimbun
 プロ野球実行委員会は4日、東京都内のホテルで開かれ、来季から導入する交流試合の開催期間は約6週間とし、5、6月にかけてまとめて実施する方向性を固めた。

 公式戦の1チームの総試合数は未定だが、交流試合導入に伴い、公式戦日程に余裕を持たせるため、来季の日本シリーズは今季より1週間遅らせ、10月22日にパ・リーグの優勝チームの本拠地で開幕する方針。交流試合のチーム勝敗数、個人記録などは別扱いとせず、セ、パ公式戦にそれぞれ加算されることになった。

 また加盟申請した情報技術(IT)関連企業のライブドアと楽天が本拠地としている仙台市の県営宮城球場などを視察した審査小委員会から報告があり、改修の必要性を確認した。6日には審査小委が申請2社に改修策などを質問する公開ヒアリングが東京都内で行われるが、ライブドア、楽天の順番で1時間半ずつ催されることになった。

 来季公式戦の1チームの総試合数(交流試合含む)は16日の実行委で方針を詰めることになり、パが継続を希望しているプレーオフを開催するかどうかも結論は出なかった。

経済4団体と市が合意 カープ新球場検討組織

2004/09/29 中国新聞地域ニュース
 広島東洋カープの本拠地、広島市民球場(広島市中区)の建て替え問題で、広島市から官民一体でつくる検討組織の設置案を示された広島商工会議所の池内浩一会頭は二十九日、市役所を訪れ、地元経済四団体の要望を市に申し入れた。市民が署名運動に乗り出すなど早期建設の機運が高まる中、十月初旬にも初会合を開く方向で一致した。

 池内会頭は、協議を進める前提として、市民球場を管理する市に対し「検討組織のトップを受け持つなど、市がリーダーシップを強く発揮してほしい」とあらためて要望。「市議会との意見調整も十分にしてほしい」と注文を付けた。

 そのうえで検討組織の立ち上げを急ぎ、市と経済界が個別の課題について協議していく方針を申し合わせた。

 会談後、記者会見した池内会頭は「全市民的な運動に盛り上げるには、市のリーダーシップが欠かせない。とにかく早く前に進めることが重要」と強調。要望を受けた山田康助役は「早くやりましょうということで意見が一致した。小異については今後の検討過程で解消すればいい」と述べた。

 市が提示した設置案は、市と経済界を中心につくる検討委員会の下に資金調達、施設計画・運営方法の二つのワーキンググループを設置し、検討委に助言する顧問会議を設ける内容。巨額な建設費の調達方法や建設場所の絞り込み、球場の規模などを詰める。

プロ野球スト中止 カープ関係者、安堵

2004/09/24 中国新聞地域ニュース
 「週末スト」が回避された二十三日、広島では広島市民球場でヤクルト戦が予定されていただけに、カープ関係者やファンの間には一様に安堵(あんど)感が広がった。

 同日の阪神戦は雨天中止だったため、選手の大半は自宅で「スト回避」を知った。野村謙二郎選手は「球界の新しい一ページが開いた。野球を愛する子どもたちに対する責任の重みをあらためて痛感した」と話した。

 球団では大半の職員が広島市中区の事務所に残り、対応策に追われた。中止していた二十五、二十六両日のヤクルト戦の前売り券は、二十四日から販売を再開することを決めた。松田元オーナーは、「野球界にようやく晴れ間が見えてきたような気がする」と喜んだ。

広島カープに新球場を 私設応援団が署名活動

2004/09/24 The Sankei Shimbun
 プロ野球広島カープの本拠地で老朽化が目立つ広島市民球場(広島市中区)の建て替え問題で、全国37の広島カープ応援団でつくる「全国広島東洋カープ私設応援団連盟」は24日、新球場建設の早期実現を求める署名活動に乗り出すと発表した。

 同球場前で26日に署名を募り始め、10万人を目標に全国各地で呼び掛ける予定。

 球場問題をめぐっては、地元の経済4団体の代表が8月、現在地での新球場建設を目指すよう広島市の秋葉忠利市長らに要請したが、建て替えの具体的な見通しは立っていない。

 同連盟の新藤邦憲会長(56)は「スト回避で球界には光が見えてきたが、球場問題では広島市側の動きがない。全国のファンがひとつになって、球場建て替えの機運を盛り上げていきたい」と話している。

広島、街の声 建設的解決を歓迎

2004/09/24 中国新聞地域ニュース
 <選手尊重を/参入組に期待>

 プロ野球の再編問題は二十三日、来季からの新規参入を求める選手会側の言い分を経営側がのみ、ストライキは中止された。広島市の都心部で感想を聞くと、一様に歓迎ムード。選手会の古田会長が「今がスタート地点」と語ったように、新たな球界像に思いをはせる人も多かった。

 「球団が減らなくてよかった。選手の立場を大事にする球界改革が進んでほしい」と広島市西区の会社員橋本千奈美さん(22)。府中市の学生浦上治久さん(26)は「球団は地域全体の財産。建設的な方向に向かっているようでよかった」とほっとしていた。

 広島市民球場の広島対阪神を見る予定だった福山市の会社員桑田奈美さん(30)。「今日は中止で残念だったけれど、また週末に来られる」と喜び、「米国のように収益を分配するなどして巨人への一極集中をやめるべきだ」とさらなる改革を望む。

 「経営側は、先日のストで、世論がみんな選手会寄りだとようやくわかったのではないか」と大竹市の大学四年南泰介さん(23)。今後は、「韓国や台湾のプロチームとの交流もあっていいのでは」と新規参入組の新鮮なアイデアに期待する。

 新規参入を求めるライブドアと楽天は、ともに県営宮城球場を本拠地にもくろむ。広島県加計町の主婦小田月美さん(67)は「仙台はこれから盛り上がるでしょう。カープももっと頑張らなくては」。

 佐伯区の公務員森本芳範さん(49)は「新球団の戦力を不安視する向きもあるが、根性ではい上がって『化ける』選手もいるかもしれない。それも楽しみの一つ」と、新しい球界に思いを巡らす。

 「古田会長は大分疲れたのではないか」と気遣う中区の無職河井澄行さん(68)。カープの嶋選手の安打記録が気がかりといい、「この週末は市民球場へ行こうと思う」と結んだ。

 <週末、地元試合に全力 カープナイン>

 広島で試合が予定されていた週末ストが避けられ、広島ナインには一様に喜びの声が聞かれた。

 名古屋での労使交渉に臨んだ西山秀二選手会長は「経営者側との間に信頼関係を感じた。野球界の将来を考え、お互いの歩み寄りがあった」と、前向きな話し合いに表情を緩めた。

 広島で報告を受けた浅井樹選手副会長は「ファンは後押ししてくれていたが、(18、19日に)ストを経験してみて、2度目がないことを願っていた」と明かした。新井貴浩選手は「横浜でのサイン会で『野球を見せてください』とお願いされた。野球がないのは、選手もファンも寂しいですからね」と、スト回避の一報に笑顔をのぞかせた。

 25、26両日は予定通り、広島市民球場でヤクルト戦がある。木村拓也選手は「たくさんの人たちに来てほしい。声援を力にして、いいプレーを見せたい」と話した。

新球場、6割「必要」 広島都市圏本社世論調査

2004/05/13 中国新聞地域ニュース
 中国新聞社は十二日、広島都市圏の課題に関する世論調査の結果をまとめた。調査は、広島市民球場(中区)の建て替え問題や広島西飛行場(西区)の将来像、市の公共事業の在り方などについて、住民千人を対象に実施。市民球場について「新球場は必要」と考える人が六割を超えた。建設場所は、現在地と、昨年末に複合型球場整備構想が白紙に戻った東広島駅貨物ヤード跡地(南区)の支持が、拮抗(きっこう)した。

 広島東洋カープの本拠地の市民球場は、完成から五十年近くたって老朽化が目立つ。球場新設に向けた動きは地元経済界を中心に再浮上し、現在地と、貨物ヤード跡地への移転建て替えの二案を軸に、年内の方向付けを目指している。こうした状況を受け、世論調査を行った。

 新球場が必要か否かでは「必要」が63・6%を占め、「必要ない」とする30・3%の二倍を上回った。「必要」とする理由を二つまで挙げてもらったところ、「球場全体の老朽化」が47・0%で最多。さらに「スタンドが狭く観戦しづらい」が33・5%▽「他球場に比べ貧弱」が29・4%▽「グラウンドが狭い」が25・0%―と続く。

 「必要ない」とする理由は、50・5%が「今の球場でも野球観戦は楽しめる」。「本当は必要だと思うが、今の市の財政事情からすると難しいと思う」が38・6%、「野球場より医療、福祉、文化施設の充実など他に優先課題がある」との主張も32・3%に及んだ。

 建設場所は、現在地が47・9%、貨物ヤード跡地が47・2%で、世論を二分していることが分かった。三人が「広島大本部跡地」と答えた。

 新球場建設で最大の課題となる資金確保は、「公金、民間資金に加え、県民や企業からの幅広い募金」が64・9%に。募金が始まった場合、「応じる」は78・7%に上り、県民・市民参加型の整備を望む意識の広がりが、浮かび上がった。

     ◇

 広島西飛行場(西区)の将来像、市の公共事業の在り方などに関する調査結果は、14日付朝刊に掲載します。

 《調査の方法》

 7―9日の3日間、広島市、廿日市市、広島県府中町、海田町の有権者1000人を対象に実施。男女別、年代別の構成比は、市区町ごとの有権者の構成比に応じて割り振った。電話帳から一定間隔で無作為に抜き出し、調査員が電話で尋ねた。

広島財界が新球場委 まず現在地案を検討

2004/05/12 中国新聞地域ニュース
 商議所内に事務局

 広島東洋カープの本拠地、広島市民球場(広島市中区)の建て替え問題で、地元主要企業のトップが十一日、広島市内で会合を開き、実現に向けて新球場構想検討準備委員会(仮称)を近く発足させる方針で合意した。浮上している現在地での建て替えと、東広島駅貨物ヤード跡地(南区)への新設の二案のうち、まず現在地での建て替え案について事業費や資金調達など具体的な検討作業に入る。

 会合に出席した市内の主要企業の代表は、球界で論議されているセ・パ両リーグを統合する一リーグ構想への危機感から、球場新設がカープ存続に欠かせないとの認識で一致。広島市の活力維持のためにも、緊急テーマとして球場問題に取り組む方針を決めた。

 検討準備委は、市内の主要企業や経済団体のトップをメンバーに、広島商工会議所(池内浩一会頭)に事務局を設置する。実務担当者による研究グループもつくり、カープ球団の意見を聞きながら、市民球場を管理する広島市をはじめ広島県にも協力を求め、今年中に方向性を定める。

 当面は、経済界から現実的との声が多い現在地での建て替えについて、広さや付帯施設など新球場のデザインづくり、公的資金投入を含めた資金調達方法、建設工事中のカープ主催ゲームの代替球場問題などを協議する。現在地での建て替えが困難な場合には、貨物ヤード跡地への新設について検討する方針だ。

 建設に向けた方向性が固まり次第、市や県にも参加を呼び掛け、新球場構想検討委員会(仮称)への移行を目指す。ある経済団体の幹部は「新球場建設に向けた第一歩。クリアしなければならない課題は多いが、広島カープを地元が守っていこうとする熱意を市民にも広げていきたい」と話す。

 新球場問題は昨年十二月、貨物ヤード跡地に複合型球場を建設する構想が頓挫し、白紙になった。このため、カープ球団が地元経済界に支援を要請し、主要企業のトップが中心になって非公式の協議を重ねてきた。

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