TOPIC No.8-19 本

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 TOPIC No.8-19-1 翔べ!太陽の子供たち
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 TOPIC No.8-19-2 奇跡のリンゴ ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録
03.
 本をさがす(書籍情報を検索) by社団法人日本書籍出版協会
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 本の街 神田
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 図書館と本の情報サイト(Jcross)
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 本のみちしるべ −オンライン書店の比較−
07.
 Kinokuniya BookWeb
08.
 I feel(書評で探す立ち読み本屋さん)by 紀伊国屋
09.
 こどもの本 on the Web by日本児童図書出版協会
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 本の問屋さん by大阪屋
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 復刊ドットコム
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 インターネット図書館 青空文庫
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  宮沢賢治の宇宙
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 REVIEW JAPAN
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 RONの六法全書on LINE
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 Web現代
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 Newsweek Japan Online
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 INTERNET FOCUS
19.
 SPINET(ビッグコミックスピリッツ)
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 電子書籍 by フリー百科事典 Wikipedia(ウィキペディア)
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 電子ブックリーダー by フリー百科事典 Wikipedia(ウィキペディア)
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 電子書籍ならeBookJapan。マンガでは世界最大のダウンロードサイト
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 電子書店パピルス


前代未聞のサービスにネット騒然!店内の漫画をスキャンして持ち帰る「自炊の森」

2010年12月30日08時00分 Libedoor News(by IT LIFE HACK)

 iPadやGALAPAGOS、Galaxy Tab、ソニーReaderなど、電子書籍を閲覧できる端末が増えてきたのにともない、自分でスキャンする環境がない人の中には、スキャンサービスを利用している人も多い。そうして市場に対して、店内の漫画を自分でスキャンして持ち帰ることができる「自炊の森」がネット上で物議をかもし出している。

 「自炊の森」は、ユーザーが電子化したい本を持ち込みその場でスキャンしてデータを持ち帰るサービス「持ち込み自炊サービス」と、店内のコミックや同人誌をその場でスキャンしてデータを持ち帰るサービス「在庫本自炊サービス」を提供している。

 「在庫本自炊サービス」の場合には、自分が本を所有していなくてもよい。ネットの住人は、「著作権法に抵触しているのではないか」と、騒いでいるわけだ。

 店内に在庫してある本を自炊させる事について店側は、Twitterで下記のようにコメントしている。

 「当店のサービスの要点は、利用者ご自身が自分の体を使って自炊(スキャン)する、という点です。著作権法で定められている私的複製の要件として、これが求められるからです。」

 「これは良くある誤解なのですが、私的複製をする為の条件としてオリジナルの本を自分で買う必要は無いのです。例えば、図書館内で設置されているコピー機を使って複製する行為も、友人から書籍を借りて複製する行為も法的に全く問題有りません。著作権法第三十条に定得られている私的複製です。」

 「また、店内で本を来店者にアクセスさせる行為は、あくまで閲覧行為であって、これもまた著作権法上の貸与権条項には抵触しないのです。店から本を持ち出してはじめて貸与となります。」

 店側は、あくまで著作権法を侵害していないとの構えだ。

 果たして、どちらの主張が正しいのだろうか。

電子書籍普及に立ちはだかる問題点 第1回 続々と登場する端末機器。なぜ今、電子書籍なのか――

2010年12月29日  COMPUTERWORLD

2010年12月、ソニーとシャープが相次いで電子書籍事業をスタートさせた。そのソニーと電子書籍配信について提携関係にあるKDDIも、自社端末に対するサービスを12月25日からスタートさせている。ソフトバンクも自社のスマートフォン(Android)向けにソフトバンクブックストアをスタートさせると発表しているほか、大日本印刷と提携するNTTドコモも、2011年1月にもサービスを開始したいとしている。いつから日本は電子書籍大国?になったのだろうか。 元麻布春男

急成長する市場、北米ではKindleが首位

ソニーが12月10日から発売している電子書籍端末「Reader」。サービス開始時には2万冊以上の書籍を準備したが…

 今回も当事者の1人であるソニーは、2004年に他社に先駆けて電子書籍事業に参入した。が、端末(LIBRIe EBR-1000EP)に対する高い評価とは裏腹に、コンテンツの不足、コンテンツ提供形態(販売ではなくレンタルのみ)の問題などにより、一旦は撤退を余儀なくされている。

 日本の消費者にとって、電子書籍がそれほどプラスのイメージだとは思えないし、一部を除けば渇望されているとも考えにくい。では、なぜ今、電子書籍なのか――。

 その最も大きな理由は、米国において電子書籍市場が大きく成長しているからだ。あまりに若い市場だけに正確なデータに乏しいが、米国の電子出版業界団体である「IDPF(The Internatinal Digital Publishing Forum)」のデータを見れば、急成長している様がよくわかる。

 IDPFによるとその市場規模は1億1970万ドル(2010年第3四半期)とまだ小さいが、その伸びは顕著だ。

 この北米市場を牽引しているのが、米国Amazon.comの「Kindle」である。2007年11月にサービスをスタートさせたKindleは、「E-ink*」を使った端末と、自社サイトによる電子書籍のダウンロード販売を主力としている。そのシェアは60%とも80%とも言われるが、現時点において断トツの存在であることは間違いない。すでに端末は3世代目に入り、北米では新刊書籍であれば、大半のものをKindleで読むことができる。

 Kindleを追いかける存在として、2位の座にあったのがソニーの「Reader」(米国版)である。販売は2006年9月とKindleより古いが、シェア的には水をあけられている。そのソニーを激しく追い上げている(もしくは追いついた)のが、全米規模の大型書店チェーンであるBarnes&Nobleが展開する「Nook」だ。

 2009年11月に登場したNookは、2010年に値下げやカラー版(Nook Color)を投入するなど、急速に存在感を高めている。ソニーはReaderの国内向け発表会において、北米地区における電子書籍端末のシェアが、2009年の約35%に対し、2010年は低下していることを認め、その理由としてAmazon.com(Kindle)とBarnes&Noble(Nook)が利益を度外視した端末の価格競争をしかけてきていることを挙げたほどだ。

 この3社に続くのが、米国Appleではないかと思われる。しかし電子書籍分野におけるiBooksのシェアは、それほど高いとは考えられていない。それでもKindleのリーダーソフトウェアが「iPad」やMacといった同社のプラットフォーム上で動作することが、電子書籍分野におけるAppleの存在感を高めている。Kindle、Reader、Nookといった専用端末を除く多機能端末の中で、最も注目を集めているデバイスがiPadであることは間違いない。

エレクトロニクス屋の“こだわり”は必要か

 興味深いのは、米国の電子書籍市場で最大シェアを誇るAmazon.comと、シェアを急拡大しているBarnes&Nobleの2社が、いずれも書籍販売大手であることだ。

 書籍市場におけるAmazon.comのシェアは、電子書籍も含めて全体の約20%前後と言われている。Barnes&Nobleもそれに近い、あるいは匹敵するシェアを持ったトップグループの一員である。書籍流通大手だから、どんな本が売れるか、どうやって本を仕入れるか、それをどう売り込むかを熟知している。また、両社は紙の書籍を販売する大手である。そのため、“コンテンツ・ホルダー”である出版社も、両社の電子書籍事業に協力しないとは言いにくい。

 前述したように、ソニーはReaderの国内向け発表会で、北米で苦戦する理由にAmazon.comとBarnes&Nobleによる価格競争を挙げ、日本国内のReader事業について「端末機器と電子書籍(コンテンツ)販売の両方で利益を出したい」と述べた。

 この発言は、言い換えれば「端末機器の赤字販売は行わない」という意味だ。ここにAmazon.comおよびBarnes&Nobleとソニーとのビジネスモデルの決定的な違いがある。Amazon.comとBarnes&Nobleは共に「書店」であり、書籍(コンテンツ)が売れれば必ずしもプラットフォーム(端末機器)で利益を上げる必要はないと考えていることになる。

 これはゲーム機のビジネスモデルに近い。ゲーム機のビジネスモデルでは、当初は端末機器の採算を度外視しても、インフラで大きなシェアを握ることが重要だ。その上で、流通するコンテンツによって利益を上げると同時に、量産効果によるハードウェアコストの低減を合わせて、事業全体を黒字化していく。

 言うまでもなくソニーはゲーム機事業の大手であり、このビジネスモデルに精通しているハズだ。しかし、電子書籍に関しては同じビジネスモデルを想定していない。シャープも端末機器の販売を直販に限定し、一切の流通在庫リスクを負わない方向性を示すなど、かなり慎重になっている。

 ソニーとシャープが相次いで参入するなど、電子書籍が盛り上がりを見せているが、その背景に北米で電子書籍市場が急速に立ち上がりつつあることが理由としてあることは間違いない。にもかかわらず、一方で両社が慎重な姿勢を貫くのは、端末機器を売るためのコンテンツ――つまり書籍――に自信がないからではないだろうか。

 ソニーにしてもシャープにしても、本業は“エレクトロニクス”であり、書籍の事業に精通しているわけではない。「電機屋ではコンテンツを集められない」というわけだ。

 ではなぜ「電機屋ではコンテンツを集められない」のだろうか。次回(1月7日掲載予定)は、コンテンツの“利権”をめぐる、各業界の思惑を紹介しよう。

電子書籍端末「キンドル3G」、アマゾン歴代ベストセラーに

2010年12月29日 14:42 発信地:ニューヨーク/米国 AFPBBニュ−ス

【12月29日 AFP】米インターネット小売大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)は27日、電子書籍端末キンドル(Kindle)の最新版、「キンドル3G(Kindle 3G)」が同社史上、最大のベストセラーになったと発表した。

 販売台数の総数は明らかにしていないが、人気小説「ハリー・ポッター(Harry Potter)」シリーズ最終巻の「ハリー・ポッターと死の秘宝(Harry Potter and the Deathly Hallows)」の販売冊数を超えて歴代最多を売り上げたという。

 創業者で最高経営責任者(CEO)のジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)氏は、1台139ドル(約1万1400円)という手ごろな価格で、アップル(Apple)の「iPad(アイパッド)」など、すでに他社のタブレット型情報端末を所有している人の「キンドル」購入が目立つと語った。

 同CEOは「キンドルを買っている人の多くが、他にも液晶タブレットを持っている。他のタブレットはゲームや動画鑑賞、インターネット閲覧などに使い、キンドルは読書に、という使い分けがみられる」と述べた。

 また年末商戦期間中にネット販売での売り上げが最も上昇する感謝祭休暇明けの「サイバー・マンデー(Cyber Monday)」にあたる11月29日には、アマゾン・ドットコムでは今年、1秒間に158商品の売上を記録した。(c)AFP

シャープ:「ガラパゴス」海外展開へ 米・中・印などで

2010年12月30日 毎日新聞 東京朝刊

 シャープは29日、電子書籍に対応した多機能携帯端末「GALAPAGOS(ガラパゴス)」を来年以降、米国や中国、インド、ブラジルなど海外で発売する方針を明らかにした。先行販売する米国では、電子書籍の閲覧方式に、海外で主流の「EPUB(イーパブ)」を追加採用し、米国の出版社や電子書籍を購入する消費者にアピールする。

 年明けに米国での発売について米通信大手と共同発表する。電子書籍の閲覧方式は、日本ではシャープが独自開発した「XMDF」を採用している。米国では事実上の世界標準となっているイーパブも採用することで、購入意欲をかき立てる狙い。

 また、米国の販売機種には、第3世代(3G)携帯電話の通信機能を追加搭載する。電子書籍をダウンロード販売するウェブサイトを米通信大手と共同運営する見込み。日本では無線LANしか搭載していないが、国土が広く、無線環境が日本より悪い米国に対応する。米国以外でも、中国やインド、ブラジルなどの新興国でも順次販売し、ガラパゴスの世界展開を加速させる。【宇都宮裕一、南敦子】

【回顧 平成22年】電子書籍、話題先行の1年 向こう数年は混戦模様か

2010.12.27 07:31 MSN産経新聞

新作小説をiPad向けに配信すると発表する作家の京極夏彦さん(左)と、野間省伸副社長=5月20日、東京・音羽の講談社

 「電子書籍元年」といわれた今年は、著名作家が小説の電子版を次々と投入し、出版社をはじめ印刷業界、日本の電機メーカーまで相次いで電子書籍事業に進出して関連ニュースが絶えなかった。ただ、主な電子書籍端末が出そろったのは年末になってから。関係者から「電子書籍バブル」との声が出始めているように、話題先行の1年だった感は否めない。電子書籍に揺れた出版界の状況を概観してみる。(溝上健良、海老沢類)

              ◇

 ◆iPadで号砲

 電子書籍が一気に注目を集めた背景には、米アップル社の多機能情報端末「iPad(アイパッド)」が5月に国内で発売されたことが大きい。この直前、講談社は作家の京極夏彦さんが、新作小説の電子版を出すことを発表。国内大手出版社がiPad向けの新刊配信に乗り出すのは初めてだった。発表会見で「実験台を買って出た」と京極さんは語ったが、電子版は発売後5日で1万部を売り上げるヒットとなった。

 米国で電子書籍専用端末「キンドル」を発売している米アマゾン・ドットコムは8月、日本語表示にも対応した新型を米国で発売。「流れに乗り遅れるな」と関係各社の動きがあわただしくなってきた。

 こうした中、著名作家も次々と電子書籍を刊行。村上龍さんは11月、電子書籍の企画・出版会社「G2010」の設立を発表し、「無名の新人でも質が高ければ(同社が電子版で)出す」と語った。

 そして年末にソニーとシャープの電子書籍端末「リーダー」と「ガラパゴス」が同時に発売され、主な端末が出そろった。

 ◆まだ紙のほうが…

 端末の充実で普及の下地は整った。ただ、電子書籍事業は「まだ利益が上がっているとはいえず、ビジネスモデル構築はこれから」(角川歴彦・角川グループホールディングス会長)というのが現状。もうかる仕組み作りが今後の課題だ。

 それに、現在の電子書籍が果たして読みやすいのか。11月に東京都内で開かれたシンポジウムでは、そんな疑問も話題に上った。作家の福井晴敏さんは「(電子版は)厚さが分からないから、私の(分厚い)小説ももっと買ってもらえるかも」。日本電子書籍出版社協会代表理事を務める野間省伸・講談社副社長は「正直、まだ紙の本のほうが読みやすい」とも。端末の画面で何百ページも読むのは目が疲れるというわけだ。

 その点、読書専用端末は目にやさしいとされる電子ペーパーを採用する機種が多く、読書家には朗報かもしれない。米国でリーダーを販売する米ソニー・エレクトロニクスの野口不二夫さんによると、電子書籍は文字の拡大が自由で、米国の利用者は50歳代以上の年配者が多いという。

 電子書籍端末は規格がバラバラで、専用機と多機能機があり、画面の大小や重さもさまざま。すぐに淘汰(とうた)が起こって規格の統一に向かうとも考えにくい。自分に合った機能を持つ機種を選ぶ必要がありそうだ。

 ◆商品提示が課題

 出版社が危惧するのが「電子書籍の普及で紙の本は減るのか」だ。野口さんは、米国の状況を「紙の本の売り上げは減っておらず、その上で電子版の売り上げが伸びている」と話す。日本ではどうか。角川会長は「紙の本は減るが、電子版がカバーして全体では伸びていく」とみる。

 紙の書籍の年間発刊数は8万点近いが、書店の本棚には限りがあるため、本が書店に並ぶ期間は数カ月程度にとどまり、返品率が4割にのぼるとされる。

 電子書籍は、紙の本のように「場所をとる」ことがない。ただ、一つの画面に目立つよう表示するには限りがあるため、読者の目に触れる本はおのずとしぼられる。出版関係者は「電子版の場合は紙の本以上に、どんな本があるのかを送り手から読者へ積極的に発信していくことが必要になる。そこに販売の難しさと面白さがある」と話す。

 書店なら利用者は書棚を眺めて想定外の本を探す楽しみがあるが、ネット上ではそうした体験が難しい。電子書籍の“売り方”も今後の課題となるだろう。

              ◇

評論家・歌田明弘さんに聞く 「通信各社牽引 出版社は様子見」/komi>

 電子書籍が普及する環境は「元年」でどこまで整ったのか。『電子書籍の時代は本当に来るのか』(ちくま新書)を刊行した評論家、歌田明弘さん(52)に現状と今後の課題を聞いた。

 −−年末になって主な電子書籍端末が出そろいました

 「『電子書籍の時代が来る』と騒がれたのは今年だけではない。読書専用端末の発売が相次いだ6年前にもあった。ただ過去の電子書籍プロジェクトは電機メーカーや出版社が中心だったのに対し、今回は通信会社が熱心。飽和気味の携帯電話市場の『次』をにらみ、コンテンツ収入やデータ通信料に期待しているのだろう。『本を読まない人』向けという従来の発想では電子書籍はマイナーな市場にとどまってしまう。端末の開発などで読書家向けのアプローチが増えてきたのも大きな変化といえる。ただ、本格普及に欠かせない魅力的なソフト(電子書籍)はまだまだ少ない」

 −−出版社がコンテンツ提供に消極的なのでは?

 「様子見の段階だろう。電子版を低価格で売りすぎると紙のビジネスモデルを壊してしまう恐れがある。米国では電子書籍の売り上げが書籍全体の1割に迫ろうとしているが、日本は2〜3%程度。端末も乱立しているし、自立したビジネスモデルが確立されていない。人気作家が紙と電子版を同時刊行する例が増えているが、電子化の権利を手放さないために、とりあえず電子版を出しているという側面があるのでは」

 −−自ら電子書籍配信会社を設立する作家も出てきた

 「印税率が増える可能性もあるが、著者にとっては厳しい時代ともいえる。米国では、分かりやすいプロット(物語の筋)を書く一部の作家だけが売れる現象が起き始めていて、反発も出ている。電子書籍端末のトップページで一度に見られる本は限られる。検索には優れているが、ランキング依存の本選びが加速する恐れもある」

           ◇

書店もビジネスモデル模索

 電子書籍の普及は既存の書店にもビジネスモデルの変革を迫る。今年は自社サイトなどで紙と電子版を両方売る「ハイブリッド型書店」を目指す動きが目立った。

 紀伊国屋書店は今月10日から、同社の電子書籍販売サイトで光文社や講談社などの約1100タイトルの配信を始めた。当面はパソコン向けだが、今後、米アップル社の「iPad(アイパッド)」などの携帯端末にも対応させていく。

 大日本印刷とNTTドコモ、書店の丸善なども電子書籍販売サイト「honto」を開設。オンライン書店と実際の店舗を連動させた宣伝やマーケティングを行うという。

 一方、三省堂書店は客の注文を受けて店頭で製本する「オンデマンド出版」を15日から東京都千代田区の神保町本店で始めた。米国の製本機を使い、注文から10分前後で紙の本を作るサービスだ。品ぞろえは洋書約300万点と講談社などが出した日本の書籍約2000点に限られるが、1部から注文できる。三省堂書店は「電子書籍販売の一つの形態で、“品切れのない書店”の実現につながる。見た目も面白く集客にも効果的では」とみる。

電子書籍端末:来年、パナソニックも発売 国内大手が出そろう

2010年12月23日 毎日新聞 東京朝刊

 パナソニックは22日、電子書籍に対応した多機能端末を来年発売する方針を明らかにした。液晶画面で電子書籍が読めるだけでなく、テレビ番組や映画の視聴、音楽やゲームなどが楽しめる。国内メーカーではNEC、シャープ、ソニーなどが相次いで参入しており、これで大手が出そろうことになる。米アップルの新型携帯端末「iPad(アイパッド)」人気などで急成長する市場に対応する。

 手軽にインターネットを閲覧したり、ワンセグのテレビ放送にも対応する予定。

 先行する他社の電子書籍端末と同様、5〜6型か9〜11型の液晶画面と重量、大きさを想定。電子書籍の規格や価格の詳細は今後詰める。

 電子書籍端末を巡っては、パナソニックは08年に一度撤退しており、今回再参入となる。

 電子書籍に対応した多機能端末は米アップルが今年5月にiPadを発売し、国内で数百万台を売る大ヒットとなった。今月10日にはシャープの「GALAPAGOS(ガラパゴス)」やソニーの「リーダー」が発売された。【宇都宮裕一】

KDDI、電子書籍配信サービスを25日に開始 専用端末も

2010年12月22日 09:00 AFPBB News 発信地:東京

【12月22日 AFP】KDDIは21日、電子書籍配信サービス「LISMO Book Store」の提供を25日から開始すると発表した。

 電子書籍専用端末「Biblio Leaf SP02」も、関西、沖縄地域を皮切りに、同日から順次発売する。2ギガのメモリを搭載し、約3000冊相当の書籍を保存できるという。

 電子書籍は、小説、ハウツー本、ビジネス書籍を中心に、サービス開始時には約2万点を提供し、2012年3月末までに10万点へ拡充するという。スマートフォン向けにもサービスを提供する予定だという。(c)AFP

KDDIも電子書籍端末を25日発売、12月参入相次ぐ

2010年12月21日 14:03 JST RUETER

 [東京 21日 ロイター] KDDI(9433.T: 株価, ニュース, レポート)は21日、3G通信機能を内蔵した電子書籍端末の販売を25日から始めると発表した。同時に配信サービスを開始する。専用端末「biblio Leaf SP02(ビブリオリーフ・エスピーゼロ2)」を25日から関西と沖縄で発売し、配信サービス「LISMO Book Store(リスモブックストア)」を始める。関東地区での端末の発売は来年1月上旬になる予定。

 専用端末のビブリオリーフは、3G通信と無線LANを搭載し、外出先でも本の購入が可能。通話機能は付いていない。通信料は、2年契約で月額525円の基本使用料(2年契約なしで月額1575円)だけで電子書籍の閲覧とダウンロードが何回でも利用できる。

 端末は、リナックスOSを搭載し、6型の電子ペーパーを採用。1回の充電で1万3000ページ(約50冊相当)の読書が可能。本体には約2ギガバイトのメモリーを搭載しており、3000冊相当のデータが保存できる。端末価格はオープン価格だが、約1万円台半ばになる見込み。

 配信サービスのリスモブックストアは当初は約2万点、2011年度中に約10万点を揃える。電子書籍の販売はサービス開始の25日から来年3月末まで半額キャンペーンを実施する。コンテンツは、ソニー(6758.T: 株価, ニュース, レポート)、KDDI、凸版印刷(7911.T: 株価, ニュース, レポート)、朝日新聞社の4社で共同で立ち上げた電子書籍配信会社「ブックリスタ」から供給を受ける。

 KDDIの配信サービスは当初は、専用端末のビブリオリーフのみで利用可能だが、11年4月から、同社が提供する他のスマートフォンでも利用できるようにする。将来的には、同一のユーザーが購入した電子書籍を複数の端末で利用できるようにすることを目指す。

 <電子書籍端末・配信サービスが相次ぐ>

 12月に入って電子書籍端末と配信サービスの開始が相次いでいる。ソニーも今月10日から電子書籍端末「リーダー」を国内で発売。電子書籍はブックリスタから供給を受けているため、今回のビブリオリーフとほぼ同じコンテンツになる見通し。

 同じ10日には、シャープ(6753.T: 株価, ニュース, レポート)も電子書籍が利用できるタブレット型端末「ガラパゴス」を発売し、コンテンツ配信サービス「TSUTAYA GALAPAGOS(ツタヤガラパゴス)」を開始している。また、NTTドコモ(9437.T: 株価, ニュース, レポート)と大日本印刷(7912.T: 株価, ニュース, レポート)も、電子書籍配信会社「トゥ・ディファクト」を21日付で設立し、来年1月上旬からドコモのスマートフォンやタブレット端末への配信を始める。(ロイター日本語ニュース 村井 令二)

電子書籍:対応端末そろい「書店事業」も 顧客争奪戦激化

2010年12月10日22時08分/12月11日01時59分 毎日新聞

発売されたソニーの電子書籍専用端末「リーダー」を手にする男性客=大阪市北区の紀伊国屋書店梅田本店で2010年12月10日午後0時48分、馬場理沙撮影

 シャープとソニーは10日、電子書籍対応端末をそろって発売、小説やマンガなどの作品を配信する「電子書店事業」も始めた。5月の米アップル社の多機能端末「iPad(アイパッド)」発売をきっかけに電子書籍へのユーザーの関心は高まっており、米国に続いて日本も「電子書籍元年を迎えた」との見方もある。このため、電子書店事業には、NTTドコモやKDDIなど通信事業者や、メーカー、大日本印刷なども続々と参入。来年には米検索大手、グーグルなどの海外勢も日本で電子書籍事業を本格展開する構えで、顧客争奪戦が激化しそうだ。【弘田恭子】

 端末メーカー各社が自ら電子書店事業に乗り出したのは、自社端末専用の配信作品を増やして、ユーザーを囲い込みたいからだ。端末「ガラパゴス」(3万9800円〜)を発売したシャープは、DVDレンタル最大手のTSUTAYA(ツタヤ)を展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブと組んで配信会社「ツタヤ ガラパゴス」を設立。

 「英会話」や「子育て」の実用書から、「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」などベストセラー作品も含めて2万4000冊を配信し始めた。また、決まった時間に最新の新聞や雑誌がユーザーに届く定期配信サービスでは、毎日新聞など新聞3紙や雑誌20誌以上を定期購読できる。

 年末までに配信書籍数を3万冊に拡大する予定。「ツタヤ ガラパゴス」の中村利江社長は「質、量ともに優れた作品を提供する」と利用者の囲い込みに自信を示す。

 一方、ソニーはKDDIなどと提携し、電子書籍専用端末「リーダー」(2万円前後〜)向けの電子書店「リーダーストア」を展開。マイケル・サンデル米ハーバード大教授著「これからの『正義』の話をしよう」など1万数千冊を配信する。

 ソニーは04年にも日本で電子書籍端末を発売したが、読める作品が少なかったため、ユーザーが広がらず、生産打ち切りに追い込まれた“苦い経験”がある。それだけに電子書店事業に力が入る。ガラパゴス向け、リーダー向けとも配信される電子書籍の価格は紙の書籍に比べて1〜3割程度安い。

 このほか、NTTドコモは自らが展開する韓国サムスン電子製端末「ギャラクシーTab」(4万円台前半〜)向けに、大日本印刷と共同で来年1月から電子書籍の配信を始める予定。紀伊国屋書店も12月10日からパソコン向けに電子書籍の配信を始めた。

 ◇米国勢の攻勢に危機感

 続々と電子書店事業に参入する日本勢には、アップルをはじめとした外資の攻勢への焦りが見える。10日にパソコン向け電子書籍配信サービスを始めた、紀伊国屋書店の牛口順二営業推進本部長は「(海外勢に市場の主導権を奪われれば)書店や出版社が中抜きされかねない」と危機感を示す。

 一方、米国などと異なり、日本の電子書籍を閲覧する規格が統一されておらず、端末ごとに互換性がないことを問題視する声もある。「どの端末が生き残って購入した本を長く読み続けられるのか、利用者に疑心暗鬼を生みかねない」(牛口氏)ためで、業界には、規格統一に向けた動きも求められそうだ。

シャープ:「ガラパゴス」予約開始 受け取りは10日から

2010年12月03日12時08分 毎日新聞

シャープのタブレット型携帯端末「ガラパゴス」の予約受け付けが開始され、さっそく手にする来店者=大阪市北区で2010年12月3日午前9時6分、宮間俊樹撮影

 シャープは3日、電子書籍対応のタブレット型携帯端末「GALAPAGOS(ガラパゴス)」の予約受け付けを全国の家電量販店の店頭とインターネットで始めた。端末の受け取りは10日から。

 ガラパゴスは、毎日新聞や雑誌、書籍約2万冊を有料で読める。日本語コンテンツが充実し、新聞などが定期配信されるのが特徴で、液晶画面5.5型が3万9800円、10.8型が5万4800円。家電量販店は体験コーナーを開設。出勤前の会社員らが手に取り、「日本人に合ったコンテンツが多く、使い勝手が良さそうだ」と話していた。

 タブレット型携帯端末は米アップルがiPad(アイパッド)で先行し、各電機メーカーが独自製品の市場投入を急いでいる。11月26日に韓国サムスン電子が「ギャラクシーTab(タブ)」を発売。6日にはNECビッグローブ製「スマーティア」、10日にはソニー製「リーダー」が発売予定。ソニーも3日、予約受け付けを始めた。【南敦子】

「広島本大賞」候補に11作品

2010/11/25 中国新聞ニュース

 広島県内の書店を盛り上げようと、書店員有志が「広島本大賞」の選考を進めている。書店員が選ぶ文学賞として定着した「本屋大賞」の広島版だ。来年3月に決定・発表する。

 広島本大賞は、広島の書店員が広島の魅力あふれるお薦め本を選び、書店の活性化につなげる。書店で手に入る、広島が舞台の作品や広島ゆかりの作家の作品が対象だ。

 書店グループの枠を超えて県内5書店の約10人が7月に実行委員会を結成。広島のタウン誌3誌も記事でノミネート作を紹介するなど賞を支える。

 今月中旬、推薦本を持ち寄りノミネート作を選考。「広島が舞台だけど、あまり知られていない本を」「原爆ものも入れたい」などの意見を基に、福山を舞台にした中島京子さんの「ハブテトル ハブテトラン」、広島市出身の津原泰水さんの「ブラバン」など11作品を選んだ。来年1月、各店でノミネート作をそろえたフェアを開催。売り上げも参考に実行委で大賞を決める。

 地域版の本屋大賞は、千葉の「酒飲み書店員大賞」、京都の「京都水無月大賞」がある。

電子書籍端末を12月に国内発売 ソニーの「リーダー」

2010/11/25 中国新聞ニュース

 ソニーは25日、電子ペーパーを利用した電子書籍専用の端末「リーダー」2機種を12月10日に発売する、と発表した。文庫本サイズで持ち運びがしやすく、外出先で気軽に本を楽しめる。同時に電子書籍の配信サービスも開始し、当初はベストセラーを含む2万冊以上をそろえる。

 ソニーはリーダーを既に欧米を中心に販売している。ソニーが日本でも電子書籍事業を開始することで、国内市場が急拡大する可能性もある。米アップルの多機能端末「iPad(アイパッド)」などとの競争が激しくなりそうだ。

 発売するのは5型の「ポケットエディション」(想定価格2万円前後)と6型の「タッチエディション」(同2万5千円前後)。一度の充電で約2週間の読書ができ、内蔵メモリーに書籍1400冊の保存も可能だ。

無断で「1Q84」電子化 中国語版、作家らサイトに削除依頼

2010/11/10 中国新聞ニュース

 村上春樹むらかみ・はるきさんや東野圭吾ひがしの・けいごさんら日本人作家の人気作品の中国語版が無断で電子書籍化され、米アップル社のサイト「アップストア」で販売されていることが9日、分かった。村上さんの「1Q84」の翻訳本を刊行した台湾の出版社は「われわれと無関係で海賊版だ」としており、日本の作家側はアップル社に削除を依頼している。

 アップストアは、多機能情報端末iPad(アイパッド)やiPhone(アイフォーン)用に、電子書籍などを販売。「1Q84」や東野さんの「容疑者xの献身」などの中国語版が、数百円で無断で売られていた。

 「1Q84」を出版した情報文化出版(台北市)によると、同サイトでは字体の違う複数の中国語版「1Q84」が販売されているが、このうち台湾で使われている繁体字版が、同社が出版したものと同じ内容だと確認したという。

 東野さんは自著を一切電子化しておらず、「私の電子書籍を売ること自体が違反。中国語版で数十作あるようだ。著作権者としてアップル社に削除を求め、現在、回答を待っている」と話した。

 関係者によると、アップストアで販売するソフトはアップルが事前に審査している。審査基準は非公表で、著作権侵害の場合はチェックが難しいのが実態という。訴えが寄せられた場合は事実確認をした上で削除するかどうかを決めているとみられる。

 アップルジャパンは「個別の対応は公表していないが、正当な著作権者が保護されるように対応している」としている。

iPadやkindle、電子書籍閲覧には不向き?

2010年11月09日 読売新聞 Yomiuri On-Line

実際に電子書籍を読んだことがありますか。

 大ヒットとなった iPad や kindle などの登場で、電子書籍の存在感はますます大きくなってきているように感じる。

 一般ユーザーは電子書籍をどう考えているのだろうか。

 インターネットコムでは、goo リサーチと協力して、電子書籍に関するアンケート調査を実施、その結果をまとめた。

 調査対象は、全国10代〜60代以上のインターネットユーザー1,097人。男女比は、男性52.6%、女性47.4%。年齢別は、10代16.6%、20代18.2%、30代21.2%、40代16.4%、50代15.6%、60代以上11.9%。

電子書籍を読む端末には何を利用していますか。

 まずは、電子書籍を知っていると答えた91.9%(1,008人)に、実際に電子書籍を読んだことがあるか聞いてみた。

 「はい」と答えた回答者は、29.5%(297人)、「いいえ」と答えた回答者は、70.5%(711人)となった。実際に電子書籍を読んだことがあるユーザーは3割未満で、話題になっている割には少ない印象を受ける。

 次に、「はい」と答えた297人に、電子書籍を読む端末には何を使っているのか聞いた。

 人気となったのが、やはり「PC」と「携帯電話」だった。この2つの端末は、それぞれ回答者が59.9%(178人)と43.8%(130人)で、他の端末に大きな差をつけていた。

電子書籍でよく読むジャンルは何ですか。

 対照的に、まだまだ普及していないということなのか、「スマートフォン」や「タブレット型端末(iPad など)」「電子書籍専用リーダー(kindle など)」のような、より電子書籍を読むのに適しているであろう端末は、それぞれ18.2%(54人)、6.7%(20人)、2.4%(7人)という寂しい結果となっていた。

 同じく電子書籍を読んだことがある297人に、電子書籍でよく読むジャンルを聞いた。

 最も人気が高かったのが、「コミックス」(50.5%、150人)であった。それに続いたのが「文芸・小説」(45.5%、135人)であったことからも、電子書籍では、「実用書」や「ビジネス書」のような比較的難しい内容のものよりも、分かりやすいもののほうが好まれているようだ。  (調査協力:goo リサーチ)

E Inkのカラー電子ペーパーを採用した電子書籍リーダー、FPDで発表か

2010/11/09 マイコミジャ−ナル Yoichi Yamashita

E Inkが2005年に公開したカラー電子ペーパーのプロトタイプ

 11月10日に幕張メッセで開幕するFPD International 2010において、中国のHanvon TechnologyがE Inkのカラー電子ペーパー技術の採用を発表する。米New York Timesが7日(米国時間)に報じた。最初の製品は、ディスプレイサイズが9.68インチの電子書籍リーダーになるという。来年3月に中国で発売される予定で、価格は440USドル(約36000円)程度。

 E Inkペーパーは液晶ディスプレイよりも消費電力が少なく、表示が目に優しいため、AmazonのKindleやSony Readerなどの電子書籍リーダーに採用されている。課題は応答速度と表現力。レスポンスが着実に改善されてきた一方、表示は最大16階調のグレースケールのままで、レシピ集や絵本、雑誌など、写真やイラストが使われたコンテンツを十分にサポートできていないのが現状だ。カラー電子ペーパーは電子書籍の幅を広げる技術になり得るが、E Inkを含むカラー電子ペーパーの開発に取り組むメーカーはこれまで発色やコントラストの改良に苦慮していた。今回のHanvonの発表が、カラー電子ペーパーの実用レベルへの到達を意味するのかが注目される。

本と電子書籍が両方買える…紀伊國屋が新たなオンライン書店を今秋開店

2010年11月09日(火) 16時04分 RBB TODAY

本と電子書籍が両方買える…紀伊國屋書店、新たなオンライン書店を発表

 紀伊國屋書店は11月5日、本と電子書籍の両方を販売するオンライン書店「紀伊國屋書店BookWebPlus」を、近日中に開始することを明らかにした。

 同社は、新宿本店をはじめ全国の主要都市に65店舗を構える大型書店。1996年からはオンライン書店も開設し、書籍や雑誌のネット販売も行っている。

 電子書籍元年と言われ出版界や書店業界のあり方に大きな変化が訪れるなか、同社では、著者や出版社の「表現したい、発信したい」という気持ちと、読者の「読みたい」という気持ちに応える「新たな出会いの場」として新サービスを位置づけているという。

 サービス開始当初は、iPhoneとiPadへの提供となるという。開始時期や詳しいサービス内容に関しては、同サービスのサイトで順次発表予定とのこと。

ブリヂストン、デルタ電子と電子書籍端末を共同開発へ=中国語圏で参入目指す

2010/11/09-18:36 時事ドットコム

 ブリヂストンと台湾のデルタ電子は9日、電子書籍端末や電子広告など電子ペーパー機器の共同開発で合意したと発表した。ブリヂストンが独自に開発した電子ペーパーの表示技術を活用し、デルタ電子が電子書籍や電子ポスターなどを開発する。

知的好奇心を満たす電子書店を学研がオープン、赤フィルター機能も

2010年11月01日(月) 15時37分 ReseMom 《前田 有香》

「学研電子ストア」のサンプル画面

 学研ホールディングスは、11月末にiPhoneとiPad向け電子書店「学研電子ストア」をオープンする。

 学研電子ストアでは、学研パブリッシングや学研教育出版など、同社のグループ会社が発行する書籍をiPhone、iPad向けに電子化し販売する。閲覧および購入には、ヤッパとモリサワが共同開発した専用のアプリケーションソフトを使用する。

 同ストアはコンセプトに「どこでも知的好奇心」を掲げ、大人が楽しめて役に立つコンテンツを中心にして展開していくという。公開時は約150コンテンツが予定されており、12月以降は毎月決まったテーマでコンテンツを公開し、充実させていくという。また、学習参考書でよく使われる「赤フィルター」などの独自機能も順次加えていくとのこと。

 なお、同社によれば、学研の電子書籍は、学研電子ストアだけには限定せず、他の電子書店でも扱っていく予定だという。

電子書籍元年、図書館で1,000タイトル無料体験

2010年10月26日(火) 13時02分 ReseMom 田崎恭子

「電子書籍を体験しよう!」モニター申込受付

東京都立中央図書館

 都立中央図書館は10月25日、電子書籍をテーマとした体験型企画展の開催を発表した。「電子書籍元年」と言われている本年の締めくくりに合わせ、約1,000タイトルの電子書籍を無料体験できる内容となっている。

 11月22日-12月22日まで行われる同展では、港区南麻布の都立中央図書館4階の企画展示室内に設置した専用パソコンで、文芸、実用書をはじめ、資格試験の問題集などさまざまな電子書籍が閲覧可能。同館所蔵の浮世絵や、明治-昭和初期の刊行物なども独自にデジタル化し閲覧対象とした。また、iPadやKindleなどの電子書籍端末も体験できるという。

 また、モニター登録をした先着1,000名には、自宅のパソコンからリモートアクセスして同企画展に参加できるIDが交付される。企画の詳細とモニターの募集概要は以下のホームページから。

◆都立中央図書館企画展「電子書籍を体験しよう! -新しい図書館のカタチ-」

iPadとKindle、親子の感触は? 意外と高い子どもの電子書籍利用率

2010年10月25日(月) 11時11分 ReseMom 前田有香

電子書籍を面白かったと思うこどもは9割以上

小説・マンガは電子書籍、絵本は紙で読みたい

場所を取らず、持ち運び・入手のしやすさがメリット

子どもの電子書籍の利用について、親はやや否定的

電子書籍だと、子どもの目が悪くなるのが心配

親が思っている以上に子どもは電子書籍に接している

 アスキー総合研究所とつばさ図書委員会は10月22日、「2010青少年のための科学の祭典東京大会」に来場した親子を対象とした「子ども電子書籍調査」のアンケート結果を発表した。調査対象は、大人126人、子ども265人。

 「電子書籍ってなんだろう?」の展示に訪れた親子が、実際にiPadやKindleなどの電子書籍端末を操作したうえで、質問に答える方式。

 iPadは低学年の児童にとっては「重くて持ちにくい」という声も目立ったが、「電子書籍を読んでみて面白かった」とか、「文字の拡大縮小ができて読みやすかった」という意見が多かったようだ。学年が上がるにつれて特に「マンガを電子書籍で読みたい」という比率が高くなっている。

 親に訊いた「親自身の今後の電子書籍の利用について」は半数以上が肯定する一方、「子どもに利用させることについて」はやや否定的な数字となった。その理由としては、「子どもの視力低下が心配」というのが一番多く、次いで「接するコンテンツの管理をしにくい」「少なくとも小学生のうちは紙の本がよい」などをあげている。また、親自身が使ったことがないと判断しにくいというのもあるようだ。

 「子どもが電子書籍を利用したことがある」と答えた親は全体の1.2%と少数であったが、子ども自身に訊いた電子書籍の利用率は12.8%と大きな開きが。親が考えているより、はるかに子どもが端末に触れる機会が多いということがわかった。

電子書籍のトライアルサービスを提供 -期間限定で雑誌や書籍などのコンテンツをお試しいただけます-

2010年09月28日 NTTドコモ

 NTTドコモ(以下ドコモ)は、お客様からご利用に関するご意見をいただくことで今後提供を予定している電子書籍サービスの利便性を高めることを目的として、XperiaTMなどのスマートフォン向けに、雑誌や書籍などのコンテンツをお試しいただける電子書籍のトライアルサービスを2010年10月下旬〜12月下旬の期間限定で提供します。

 電子書籍のトライアルサービスは、ドコモが実施するご利用に関する調査などにご協力いただける方を対象として、期間限定で雑誌や書籍などのコンテンツをお試しいただけるサービスです。XperiaTMなどのスマートフォンからドコモマーケット上にある専用サイトにアクセスして、コンテンツとセットになったビューアアプリケーションをインストールすることで、お好きなコンテンツをご覧いただけます。一般書籍やコミックのほか、電子書籍の特長を活かした動画や地図などと連携した雑誌など約50コンテンツ程度(予定)を、トライアルサービスのため無料1 で提供します。

 提供期間(予定) : 2010年10月下旬〜12月下旬

 本サービスを提供することで、コンテンツの内容やビューアアプリケーションの使い勝手などについてご利用いただいたお客様からご意見をいただき、年明けからの本格サービスの提供開始を目指します。

 なお、本サービスは2010年10月5日(火曜)〜10月9日(土曜)に幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2010」のドコモブースに出展いたします。

 1 コンテンツとセットになったビューアアプリケーションのダウンロードには、別途パケット通信料が発生します。パケット通信料が高額となる可能性がありますので、「パケ・ホーダイ ダブル」などのパケット定額サービスへの加入を推奨いたします。

 電子書籍のトライアルサービスの概要

 特長

 ドコモマーケット上にある専用サイトのコンテンツを、トライアルサービスのためコンテンツ料金無料1 でお試しいただけます。電子書籍の特長を活かした動画や地図と連携したコンテンツや書き下ろしのコンテンツなども提供を予定しています。

 コンテンツ数

 約50コンテンツ程度を予定

 (雑誌、書籍、コミック、写真集 など)

 主なコンテンツ内容(予定)2

 (特別編集)「東京カレンダーExtra」週末旅行ソウル・お楽しみ日替わりカレンダー : 株式会社ACCESS

 (特別編集)「ORICON STYLE」 : オリコンDD株式会社

 (特別編集)「ぴあ Special Magazine」 : ぴあ株式会社

 「クロノス日本版」 : 株式会社シムサム・メディア

 「MEN'S EX 特別編集 コーディネイト実例387」 : 株式会社世界文化社

 「新潟美少女図鑑「FREEE!!!!」」 : 株式会社テクスファーム

 「EDGE STYLE」 : 株式会社双葉社

 「Motor Magazine」 : 株式会社モーターマガジン社

 上記以外に、幻冬舎、講談社、集英社、小学館、ノース・スターズ・ピクチャーズ、ベストセラーズ(五十音順)などの出版社様のコンテンツを提供予定です。

紀伊国屋が電子書籍に参入 iPadやiPhone向けに

2010年06月21日 中国新聞ニュース
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 書店大手の紀伊国屋書店は21日、電子書籍販売事業を今年9月から始めると発表した。

 米アップルの新型マルチメディア端末iPad(アイパッド)や携帯電話iPhone(アイフォーン)向けに、同書店のアプリケーションを通じて文芸書などを配信する。

 その後、他社の多機能携帯電話(スマートフォン)などへの対応を進めるほか、電子書籍のコンテンツをSDカードに保存して店頭でも販売する方針。

 同社によると、講談社や小学館など大手出版社が同事業に賛同しており、今後コンテンツの供給に協力するという。

「1Q84」版権が最高値 韓国、出版界に批判も

2009/08/03 中国新聞ニュース

 【ソウル共同】韓国で、村上春樹さんの新作長編小説「1Q84」の版権が、同国出版界で過去最高の15億ウォン(約1億1600万円)で落札され、話題を呼んでいる。背景には日本小説の人気があるが、版権の高額化には「国内作家の空洞化を招く」との批判もある。

 「1Q84」の版権をめぐっては、出版社が激しい争奪戦を展開。韓国メディアによると、各社が高額な版権料を提示してきたため、7月中旬に日本の出版社が競争入札を実施。落札額がつり上がったあおりで、これまで村上さんの著作を数多く販売してきた出版社が落札できない事態になった。

 韓国では近年、日本人作家の小説が人気で、村上さんのほか恩田陸さん、よしもとばななさんらの作品がヒット。翻訳された作品も2000年初めは300作ほどだったが、05年から増加し、08年には837作に達した。日本人の著者に前払いする印税の額も以前は30万〜50万円が相場だったのが、最近では10倍ほどに跳ね上がり、300万〜500万円になるケースもあるという。

 韓国では、1年間に出版される書籍のうち、翻訳書が4分の1を占めるとされる。文学作品が多い。出版社の社長は「苦労して国内作家を育てるよりも、海外で売れた本を翻訳する方がもうかる」と言い切る。一方、出版社に勤務する朴真一パク・ジンイルさん(34)は「海外の人気作家ばかりに目を向ける風潮は、将来に悪影響をもたらす」と批判する。

芥川賞に磯崎憲一郎さん 直木はベテラン北村薫さん

2009/07/15 中国新聞ニュース

 第141回芥川、直木賞(日本文学振興会主催)の選考会が15日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は磯崎憲一郎いそざき・けんいちろうさん(44)の「終ついの住処すみか」(新潮6月号)に、直木賞は北村薫きたむら・かおるさん(59)の「鷺さぎと雪」(文芸春秋)に決まった。

 非漢字文化圏の国の作家として初の芥川賞が期待されたイラン人女性シリン・ネザマフィさん(29)は受賞を逃した。

 磯崎さんは千葉県生まれ。会社勤務の傍ら小説を執筆。受賞作は夫婦が積み重ねた時間を夫の視点で描いた小説。

 芥川賞選考委員の山田詠美やまだ・えいみさんは「候補作の中で小説として一番知的に構築されている」と評価した。

 直木賞の北村さんは埼玉県生まれで、ベストセラーも多い推理小説のベテラン作家。6回目のノミネートで賞に選ばれた。受賞作は戦前の日本を舞台に、良家の令嬢と女性運転手が事件の謎を解く3部作の完結編。

 直木賞選考委員の浅田次郎あさだ・じろうさんは「とにかく文章が美しい。余分なことが書かれていないので、読者の想像力を喚起することができた」と語った。

 贈呈式は8月21日、東京・丸の内の東京会館で。賞金は各100万円。

ハリポタ日本語版は来年7月 完結編の第7話

2007年11月27日 中国新聞ニュース

 英国の世界的ベストセラー小説「ハリー・ポッター」シリーズの日本語版を出版する静山社は27日、完結編となる第7話「ハリー・ポッターと死の秘宝」を、来年7月23日に発売することを明らかにした。上下巻セット、分売不可で、定価は3990円。英語版は今年7月に発売された。

24時間で1100万冊売る ハリポタ完結編、英米で

2007年07月24日 中国新聞ニュース

 【ロンドン23日共同】英国の世界的ベストセラー小説「ハリー・ポッター」シリーズ完結編となる第7話が21日の発売開始から24時間で、英国、米国の2カ国のみで計約1100万冊を売り上げたことが23日分かった。ロイター通信などが報じた。

 第7話の「ハリー・ポッター・アンド・ザ・デスリー・ハロウズ(仮題=ハリー・ポッターと死の秘宝)」は世界90カ国以上で同時に英語版の発売が始まっており、2000万部の販売が見込まれているが、さらに伸びそうな勢いだ。

 最初の24時間で米国では約830万冊を販売。英国では暫定値で約270万冊となり、同シリーズ第6話が持っていた約200万冊の国内記録を抜いたという。

 同シリーズはこれまでに第6話までで、日本語版など各国語版を含め、全世界で計3億2500万冊が売られたという。

芥川賞に青山七恵さん 23歳、3番目の若さ

2007/01/16 中国新聞ニュース

 第百三十六回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考委員会が十六日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は青山七恵さん(23)の「ひとり日和」(文芸秋号)に決まった。

 二十三歳での芥川賞決定は、十九歳の綿矢りささん、二十歳の金原ひとみさんに次ぐ三番目の若さで、石原慎太郎さん、大江健三郎さん、丸山健二さん、平野啓一郎さん四人と同年齢。

 青山さんは埼玉県出身、東京都新宿区の旅行会社勤務で、一昨年デビューしたばかり。受賞作は遠い親せきのおばあさんと暮らしながら自立に向かって歩み始める若い女性の心情をつづった。

 贈呈式は二月二十三日、東京・丸の内の東京会館で。賞金は百万円。

司馬遼太郎賞に浅田次郎さんら

2006/11/27 The Sankei Shimbun

 第10回司馬遼太郎賞(司馬遼太郎記念財団主催)は27日、作家の浅田次郎さんの「お腹召しませ」(中央公論新社)と、米カリフォルニア大学サンタバーバラ校歴史学部教授、長谷川毅(つよし)さんの「暗闘 スターリン、トルーマンと日本降伏」(同)に決まった。賞金100万円。贈賞式は来年2月12日、「第11回菜の花忌」が開かれる大阪市中央区のNHK大阪ホールで行われる。

 「お腹召しませ」は幕末の武士を描いた短編集。「暗闘」は太平洋戦争終結論を日米だけでなく、ソ連の視点を加えて検証したことが評価された。都内のホテルで会見した浅田さんは「司馬さんは敬愛する大先輩。(小説家になって)初めてプレッシャーを感じている」と喜びを語った。

 また、若者に奨励金30万円を授与する第10回司馬遼太郎フェローシップは、大阪外国語大学の赤川裕紀さん(21)と、福岡大学の菅恵さん(22)に決まった

「ピーターパン」版権切れ目前…“正統派”続編を出版

2006/10/07 The Sankei Shimbun 東京朝刊から

≪印税収入で運営の小児病院≫

 世界的人気のファンタジー小説「ピーターパン」の印税収入を頼りに運営してきたロンドンの子供専門病院「グレートオーモンド街小児病院」が音頭を取って、続編の「ピーターパン・イン・スカーレット」が5日、英国などで出版された。原作者の英国の小説家、J・M・バリー氏(1860−1937)の死後70年にあたる来年、版権が切れるためだ。

 同小児病院が多くの出版社に声をかけ筆者を公募した結果、数々の受賞歴がある英国のベテラン児童作家ジェラルディン・マコックランさんが約2年がかりで続編を書き上げた。著作権料はマコックランさんと病院で折半され、病院の運営資金に充てられる。

 ピーターパンは1904年、「ピーターパン・大人になろうとしない少年」と題して舞台上演され、今日広く知られるピーターパンのベースになっている小説「ピーターとウェンディ」は1911年に出版された。

 同小児病院などによると、1929年、病院がバリー氏に委員就任を持ちかけたのが縁でピーターパンの版権が譲り渡された。バリー夫妻には子供がなく、バリー氏は生前、「ピーターパンはこの病院に入院していたので、私はピーターパンに病院のために何かしてって言われたのです」と、ユーモアたっぷりに版権譲渡の理由を語った。

 病院側はバリー氏との約束で版権収入額を公表していないが、病院の運営に大きく寄与してきたのは間違いない。版権が失効する苦境を乗り切ろうと病院はピーターパン誕生100周年の2004年、続編プロジェクトをスタートさせた。

 ピーターパンはディズニーなどの映画や舞台を含めさまざまに改作されているが、“正統”な続編はこれが初めて。

 マコックランさんは英紙タイムズの取材に「読者はきっと聖書を書き換えるようなことと思うでしょう。こんな無謀なことに立ち入らなければよかった」と苦労を打ち明けた。続編はオリジナルのピーターパンから20年後という設定。ピーターパンの友達のウェンディはすでに母となり、ピーターパンが暮らすネバーランドに行くためにはもう一度子供にならなければいけないという。「ネバーランドは前よりもずっと寒く、危険で、怖いところになっているの」とマコックランさんは英BBC放送に話した。

 英国ではオックスフォード大学出版局から出版された。ロイター通信などによると、英国で8万部、米国では20万部が発売され、英語版以外にも十数カ国語の翻訳が出るという。日本語版の予定は公表されていない。

 BBC放送に売れ行きをたずねられた病院の広報担当者は「棚から飛んでいくようによく売れている」と声を弾ませた。(坂本英彰)

松下・角川・TBSが電子書籍で提携

2006/09/26 The Sankei Shimbun

 松下電器産業、角川グループホールディングス、TBSの3社は26日、電子書籍事業で提携すると発表した。10月2日に共同出資で新会社を設立し、電子書籍の専用ポータル(玄関口)サイトを開設する。

 文庫本や漫画、雑誌など今年度中に約1万タイトルをそろえ、インターネットで有料配信する。また、松下は文庫本サイズの専用端末も発売し、外出先でも楽しめるようにする。

 新会社の社名は「ワーズギア」。資本金は2億3750万円で、出資比率は松下が49.9%、角川モバイルが42.1%、TBSが8.0%。松下が社長を送り込む。

 3社はまず、10月2日に電子書籍ポータルサイト「最強☆読書生活」を開設。角川グループを中心に電子書籍をそろえ、紙媒体の想定価格よりも3割程度安くして、ネット配信する方針だ。

 朗読本や語学テキストは音声データも同時配信するほか、写真や音楽との組み合わせも検討する。新人作家のオリジナル作品や絶版本も用意して、付加価値を高める狙いだ。

 また、松下は専用端末「ワーズギア」を11月中に発売する。パソコン経由でSDカードに保存した電子書籍を同端末に移して持ち運ぶことができる。文庫本と同等の大きさで、重さは約325グラム。書籍以外に音楽やビデオ、写真も楽しめる。価格は4万円前後の見通し。

芥川賞に伊藤たかみさん 直木賞は三浦、森さんに

2006/07/13 中国新聞ニュース

 第百三十五回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考委員会が十三日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は伊藤たかみさん(35)の「八月の路上に捨てる」(文学界六月号)、直木賞は三浦しをんさん(29)の「まほろ駅前多田便利軒」(文芸春秋)と森絵都さん(38)の「風に舞いあがるビニールシート」(同)に決まった。

 伊藤さんの妻は昨年直木賞を受けた作家の角田光代さん(39)。主催者によると、夫妻で芥川、直木賞を獲得するのは「初めてではないか」という。直木賞では、作家の藤田宜永さん、小池真理子さんが夫妻で受賞している。

 伊藤さんは神戸市生まれ、東京都在住。早大在学中の一九九五年にデビュー。受賞作は明日離婚届を出すことを決めている男性の一日を繊細な筆致でつづった。

 伊藤さんは「この一年、芥川賞がずっと頭から離れなかった。責任を感じます」と受賞の弁。すぐに妻の角田さんに電話で報告したところ「やったね。おめでとう」と喜んだという。

 直木賞の三浦さんは東京都生まれ、同在住。小説のほかエッセーでも人気の若手作家。受賞作は東京郊外の街にある便利屋の活躍を描いた連作短編集。

 森さんは東京都生まれ、同在住。児童文学作家として活躍してきた。近年は大人向けの小説を発表している。受賞作は自分なりの価値観で地に足をつけて生きる人々を描く短編集。

 贈呈式は八月二十二日、東京・丸の内の東京会館で。賞金は百万円。

ネット古書店が神田神保町に進出 過去最高の業者数

2006/05/07 The Sankei Shimbun

 日本一の古書店街、東京・神田神保町にインターネット上で営業する古書店(ネット古書店)が進出している。後継者不足などで全国的に古書店が減少する中で、神田神保町ではネット古書店の影響もあり、過去最高の業者数を記録している。

 古書検索サイト「スーパー源氏」によると、10年前の開設時に皆無だったネット古書店が、現在は加盟約170店の約4割に上るという。自宅で本を探せる利用者側のメリットに加え、業者側も店舗を必要とせず、少ない資金で開業できるなどの利点がある。

 約700の古書店でつくる東京都古書籍商業協同組合は今年、加盟条件から「店舗開設」の項目をはずした。これまでは店舗か、それに類する事務所が必要で、ネット古書店の多くは加盟を断念していたという。

 同組合には年に十数店の加盟申請があるが、最近はほぼ半分がネット古書店。加盟すると、日本最大級の古書検索サイト「日本の古本屋」に参加でき、業者間の仕入れ、情報交換などに大きな利便性が生まれる。

 同組合の神田支部は、今年3月時点で加盟店数は過去最高の164。都内全体では減少傾向だが、神田支部は同10年に比べて32店も増えた。同組合の中野照司広報部長は「近くに東京古書会館があり、仕入れ環境が日本一。神田神保町というブランドに魅力を感じて加盟してくるのでは。店舗を持つ業者もネットで売る時代。店舗を閉じてネット専業に変わる既存の加盟店もおり、組合も柔軟に対応するようにした」と説明している。

芥川賞に絲山秋子さん、直木賞は東野圭吾さん

2006/01/17 中国新聞ニュース

 第百三十四回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考委員会が十七日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は絲山秋子さんの「沖で待つ」(文学界九月号)に、直木賞は東野圭吾さんの「容疑者Xの献身」(文芸春秋)に決まった。絲山さんは四回目、東野さんは六回目の候補で受賞。人気、実績を兼ね備えた実力派の受賞となった。

 絲山さんは東京都生まれ、群馬県高崎市在住。二〇〇三年に文学界新人賞でデビュー、翌年に川端康成文学賞。昨年は直木賞候補にもなった。受賞作は、メーカーの総合職の女性と同期の男性社員との微妙な関係を端正な筆致で描いた。

 直木賞の東野さんは大阪市生まれ、東京都在住。自動車部品会社を経て一九八五年に「放課後」で江戸川乱歩賞を受賞してデビュー、「秘密」や「白夜行」などベストセラーも多い。受賞作は、天才的な数学教師が愛する女性のために仕組んだ”完全犯罪”をめぐる正統派ミステリー。

 芥川賞選考委員の池澤夏樹さんは絲山作品について「男女の友情を巧みに書いた。成熟している」と評した。

 贈呈式は二月十七日、東京・丸の内の東京会館で。賞金は百万円。

三島の10代5作品を初公表 早熟の天才の新資料大量に

2005/11/04 中国新聞ニュース

 作家三島由紀夫(一九二五〜七○年)が十代で書いた短編小説五編をはじめ、後年の書簡五十四通、創作ノート十六点など大量の未発表資料が、新潮社から刊行中の全集で初めて公表されることが三日までに分かった。芸術家の内面を掘り下げた短編などに確かな描写力が読み取れ、「早熟の天才」の形成期を具体的に物語る貴重な資料だ。

 また、同性愛や切腹を描き、六○年に別名で同人誌に発表された小説「愛の処刑」の三島の自筆原稿が見つかり、初めて三島作と確定された。

 いずれも十二月刊の「決定版 三島由紀夫全集」の補巻に収録される。

 小説や書簡は、三島由紀夫文学館(山梨県山中湖村)所蔵の遺品を数年がかりで整理していた研究者や全集の編集者が発見したり、関係者から寄せられたりした。

 初公表の短編のうち最も古い作品は、学習院中等科一年(三七〜三八年)で書いた「我はいは蟻である」で、働きアリがえさの運び方を教わる物語。中等科四年で書いた「神官」は、祖母の伯父をモデルにその晩年を描き、同時期の「冬山」は、画家の内面を繊細な言葉遣いで掘り下げている。

 「愛の処刑」は、三島と親交のあった作家で編集者の故中井英夫の関係者から、ノートに書かれた自筆原稿が編集部に寄せられた。中学の男性教師が愛する男子生徒の前で切腹する内容で、三島が書いたのではないかと推測されていた。今回、三島作と断定されたことで、二・二六事件をモチーフにした小説「憂国」(六一年)や七○年の自決をめぐる研究が進むとみられる。

 初公表の書簡には「憂国」のモデルとなった将校の自殺現場に駆けつけた軍医に、詳細な様子を尋ねたものなどがある。

 同全集は、全四十二巻と補巻に、三島自身が主演した映画「憂国」のDVDを別巻として来春完結する。

ハリポタ新作、米記録更新 初日690万部売れる

2005/07/18 The Sankei Shimbun

 AP通信などによると、世界的ベストセラー小説「ハリー・ポッター」シリーズの第6作となる最新作「ハリー・ポッターと混血のプリンス」(仮題)が、米国内で16日午前零時1分の発売開始から24時間で690万部売れ、米出版界の記録を塗り替えた。出版元の米スコラスティック社が17日明らかにした。

 この記録は、シリーズ前作「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」(2003年)が初日に売り上げた500万部を大幅に上回るもので、16日1日の売上高は1億ドル(約112億円)を超えたという。同社は、既に1350万部を出版済み。

 顧客獲得のための値引き競争も激しく、米インターネット小売り最大手アマゾン・コムは定価29.99ドル(約3400円)に対して16.99ドルで販売。

 米インターネット競売大手イーベイなどでは既に、中古本が出回っているという。(共同)

ハリ・ポタ:第6作「混血のプリンス」 15カ国一斉発売

2005年7月16日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

ロンドンの書店で16日午前0時過ぎにシリーズ最新作を買ったハリー・ポッターのファンら=AP 世界的ベストセラー小説「ハリー・ポッター」シリーズの第6作となる最新作「ハリー・ポッターと混血のプリンス(仮題)」が16日午前零時(日本時間同日午前8時)すぎから、ロンドンなどの店頭で発売された。PA通信によると、初日だけで合計1000万部以上が売れるとの見方もある。

 日本語版は、来年発売の方向で準備が進んでいる。

 英BBC放送(電子版)によると、今回の作品は、15カ国で一斉に発売。英国ではロンドン同時テロの影響で発売記念の派手なイベントを自粛する傾向も見られた。

 ロンドン市内の書店では、販売開始とともに、早朝から並んでいた親子らが店内に押し寄せた。デンマークから来た女性(18)は作品を手に「今から一気に読みます」と喜びいっぱいの様子だった。

 著者のJ・K・ローリングさんは英北部スコットランドで、子どもたちに物語の内容を披露した。(ロンドン共同)

第133回芥川賞に中村文則さん 直木賞は朱川湊人さん

2005/07/14 The Sankei Shimbun

 第133回芥川賞、直木賞(日本文学振興会主催)の選考委員会が14日、東京・築地の料亭「新喜楽」で開かれ、芥川賞は中村文則(なかむら・ふみのり)さん(27)の「土の中の子供」(新潮4月号)に、直木賞は朱川湊人(しゅかわ・みなと)さん(42)の「花まんま」(文芸春秋)に決まった。

 会見で中村さんは「大変驚いている。ここにいることが信じられない」と話しながらも、次第に表情を緩めた。朱川さんはにこやかに「こんな大きな賞で…。頭の中が真っ白」と喜んだ。

 中村さんは愛知県生まれ、福島大卒業。2002年に「銃」で新潮新人賞を受けデビューし「遮光」で野間文芸新人賞。3回目の芥川賞候補で射止めた。愛知県東海市在住。受賞作は親に捨てられ虐待を受けて育った青年を通して、暴力の根源を見つめる作品。

 朱川さんは大阪市生まれ。慶応大卒。出版社勤務から文筆活動に。作家デビューから3年、2回目の直木賞候補で受賞した。東京都在住。受賞作は、大阪の路地裏に起きた不思議な出来事を子供時代の記憶として描いた。

 芥川賞選考委員の高樹(たかぎ)のぶ子さんは「人間の本質を追究しようと格闘して書いたことが伝わる。観念に血や肉を与えて小説をつくろうとする試みが新鮮」と評した。

 直木賞選考委員の北方謙三(きたかた・けんぞう)さんは「現代の怪談を、新しい説話として書き上げた。大阪の土地柄もよく生きている」と話した。

 贈呈式は8月19日、東京・丸の内の東京会館で。賞金は各100万円。

 <中村 文則(なかむら・ふみのり)さん> 1977年愛知県生まれ。福島大行政社会学部卒。愛知県在住。2002年の「銃」で新潮新人賞、03年の「遮光」で野間文芸新人賞。両作品とも芥川賞候補となった。

 受賞作「土の中の子供」は、親に捨てられ、養父母に虐待の末、生き埋めにされた幼少の記憶を引きずる27歳の男の絶望的な日常を描く。強盗らの暴行で死の恐怖を感じながら、その瀬戸際で自らの存在理由を探る姿を通して、生きることの根源的な意味を問い掛ける作品。

 <朱川 湊人(しゅかわ・みなと)さん> 1963年大阪市生まれ。慶応大文学部卒。東京都在住。2003年刊の「白い部屋で月の歌を」が日本ホラー小説大賞短編賞。「都市伝説セピア」で昨年、直木賞候補。

 受賞作は大阪の下町が舞台の短編集。夢に登場する前世の家族に会いたいという妹を連れ、未知の町へ出かけた兄が不思議な体験を回顧する表題作をはじめ、人生の機微を感じさせる物語を子供時代の記憶として描いている。(共同)

ドラクエ攻略本に待った 販売元が出版差し止め申請

2004/12/27 The Sankei Shimbun
 人気ゲームソフトの最新作「ドラゴンクエストVIII」の攻略本を鉄人社(東京)に無断で出版され、大きな損害を受ける可能性があるとして、発売元のゲームソフト大手「スクウェア・エニックス」(同)は27日までに、出版禁止などを求める仮処分を東京地裁に申し立てた。

 スクウェア・エニックス社によると、ドラゴンクエスト攻略本の出版禁止を求める仮処分申請は初めて。同社は「係争中でもあり、詳しいコメントは控えたい」と話している。

 問題となったのは、鉄人社が24日に発売した「ドラゴンクエストVIII完全攻略データ集」。

 申し立てでスクウェア・エニックス社側は「登録商標の『ドラゴンクエスト』を多用して商標権を侵害しているほか、今後出版予定の公式ガイドブックと混同され、営業上の利益が侵害される」と主張。

 これに対し、鉄人社側は27日「『ドラゴンクエスト』は商品を特定するためなどに使ったにすぎず、商標権の侵害はない。過去の公式ガイドブックと比べても、類似性はない」とする答弁書を東京地裁に提出した。(共同)

ハリポタ新作、来年7月発売 シリーズ6作目

2004/12/22 The Sankei Shimbun
 英出版社ブルームズベリーは21日、世界的ベストセラー小説「ハリー・ポッター」シリーズの第6作「ハリー・ポッター・アンド・ザ・ハーフ・ブラッド・プリンス」を来年7月16日に店頭発売すると発表した。英国をはじめ、米、カナダなど計6カ国で同時発売となる。日本での発売時期は未定。

 「ハーフ・ブラッド」には「腹違い」「混血」「雑種」などの意味がある。

 同シリーズは全世界で計2億5000万部以上を売り上げ、古代ギリシャ語を含む約60カ国語に翻訳されている。(共同)

「電車男」が50万部突破 原作使用料は被災者に寄付

2004/12/21 The Sankei Shimbun
 インターネットの掲示板から生まれたラブストーリー「電車男」の発行部数が、発売以来約2カ月で50万部を超えたと、21日発行元の新潮社が発表した。また、同書の漫画化・映像化などで発生する原作使用料は、著者の中野独人さんら関係者の意向で、新潟県中越地震の被災者に全額寄付することになった。

 新潮社によると、「電車男」は発売直後から、漫画化、映像化の申し込みが多く、既に漫画誌3誌での連載が決定。テレビドラマ化や映画化も、近く正式に決まる予定で、寄付総額は1000万円を超えると同社はみている。(共同)

日本SF大賞に押井守監督「イノセンス」

2004/12/04 読売新聞 Yomiuri On-Line
 第25回日本SF大賞(日本SF作家クラブ主催)は4日、押井守監督の映画「イノセンス」に決まった。

 第6回同新人賞は照下土竜(ひのした・もぐら)さん(22)の「ゴーディーサンディー」。また10月に亡くなった作家・翻訳家の矢野徹さんに特別賞が贈られる。

 贈賞式は来年3月4日、東京・丸の内の東京会館で。

全国280誌、フリーマガジン大ブーム ケータイ世代がターゲット

2004/11/09 The Sankei Shimbun
 広告収入でつくられる無料のフリーマガジンが人気を集めている。駅や書店、コンビニなど配布場所が広がり、その数は全国で約280誌に。表紙の「0円」がなければ有料と間違えそうな週刊誌も登場した。

 東京都中央区の地下鉄銀座駅。専用ラックに置かれた無料週刊誌を、飲食業の男性(27)が手に取っていた。「カラーできれい。無料だから気楽に読める」。ラックは翌日、空になっていた。

 20代後半を軸とする団塊ジュニアの男性を狙った週刊誌「R25」。リクルート(東京)が7月に創刊し、東京23区を中心に約60万部を発行する。政治、経済、スポーツ、映画…。約50ページの薄い冊子に、通勤電車で読みやすいよう1本800字程度に抑えた記事が並ぶ。

 「あまり雑誌を買わず、携帯電話で時間をつぶす世代がターゲット」と同社。反響は大きく、地方からも問い合わせがあるという。

 日本生活情報紙協会(東京)によると、無料情報紙・誌は全国に約1160あり、発行部数は計2億2600万部近くに上る。

 催し物や飲食店の紹介など、地域密着型の生活情報紙が中心だ。

 フリーマガジンは昭和60年ごろから急増。平成12年以降、新たに70誌以上が創刊された。飲食店の割引券が付いたクーポン誌が目立つが、薬局で配る健康情報誌や幼稚園児を持つ母親向け月刊誌など多様化が進んでいる。

 同協会の塚本晃事務局長は「関東地方では既に過当競争だが、ユニークなものをつくれば強い」とみる。雑誌業界には無料誌の影響を懸念する声もあるが、リクルートは「最新情報がほしい人は新聞、深い情報がほしい人は雑誌を買う。無料誌は活字メディアの入り口になる」と話している。

小説「荷車の歌」の山代巴さん死去 92歳

2004/11/09 中国新聞地域ニュース
 小説「荷車の歌」で知られ、農村文化運動や原水爆禁止運動にも取り組んだ府中市出身の作家山代巴(やましろ・ともえ)さんが七日午前三時三十一分、東京都杉並区の病院で死去した。九十二歳だった。

 一九一二年、府中市生まれ。画家を志して東京女子美術専門学校に進んだが、プロレタリア美術にふれて活動。四〇年、夫吉宗氏とともに治安維持法違反で逮捕、敗戦直前まで投獄された。戦後は広島県内で農村民主化運動や主婦の生活記録運動、原水爆禁止運動に取り組む。

 原爆詩集「原子雲の下より」、被爆体験手記集「原爆に生きて」の編集に携わった。中国山地の農村に生きる女性の苦難の生涯を描いた「荷車の歌」は日本文化人会議の平和文化賞を受賞。五九年に映画化された。獄中体験をもとにした小説「囚われの女たち」(全十巻)などがある。

 農村・被爆者の現実描く

 山代巴さんは、農村の現実や原爆の苦しみに耐えて生きる人々を文学者として描き出す一方、民衆の内発的な表現力を信じ、励まし続けた。

 三次市三良坂町では、山代さんを主な講師とする読書会が一昨年まで二十二年にわたり続いた。代表だった高田至子さん(69)は「指摘は鋭かったが、温かい人柄で聞き上手。表現意欲を引き出す名手だった」としのぶ。

 「農村民主化」「原水爆禁止」と硬い言葉で語られる戦後の運動も、山代さんのそれは説教色がなく、しなやかだった。「『現代の民話』をつむごう」と農村女性に生活記録を勧め、被爆手記の収集に尽力。代表作「荷車の歌」が十円カンパ運動で映画化されたのは、自発性を重んじた姿勢の結実だった。

 三良坂町には二〇〇〇年、公民館の一角に山代さんの関連資料を展示する記念室ができた。運営する山代巴文学研究所の黒田明憲事務局長(70)は「『理屈で人を説得しようとするな。歩いて話を聞け』が口癖。実践の人だった」と振り返る。近く追悼集会を開く。

 山代さんは東京都日野市に長く住み、晩年は杉並区内の老人ホームに移った。今年四月からは病院で療養を続けていた。

 七月に山代さんの評伝を刊行したばかりのミニコミ編集者小坂裕子さん(48)=長野県松本市=は「新しい戦争の時代といわれる今こそ、読み返されるべき人」と悼んだ。

森村桂さんが死去 「天国にいちばん近い島」

2004/09/27 中国新聞ニュース
 「天国にいちばん近い島」で知られる作家の森村桂(もりむら・かつら、本名三宅桂=みやけ・かつら)さんが二十七日午前十時五十一分、長野県内の病院で死去した。六十四歳。東京都出身。連絡先は長野県北佐久郡軽井沢町長倉池の平四の一七○、「アリスの丘ティールーム」。葬儀・告別式は未定。喪主は夫三宅一郎(みやけ・いちろう)さん。

 学習院大卒業後、出版社に勤務。一九六四年にニューカレドニアに渡り、その体験を基に「天国にいちばん近い島」を執筆。明朗な文章が人気を呼んでベストセラーになり、映画化、舞台化された。その後もエッセーを意欲的に発表した。NHK朝の連続テレビ小説「あしたこそ」の原作も書いた。

 八五年、軽井沢町に「アリスの丘ティールーム」を開き、手作りのお菓子の店として人気を集めた。絵画も手掛け、阪神大震災の犠牲者を悼んだ大作「人魚の涙」が神戸市役所に飾られている。父は作家の故豊田三郎さん。

仏女性作家サガンさん死去 「悲しみよこんにちは」

2004/09/25 asahi.com
 AFP通信によると、「悲しみよこんにちは」など多くのベストセラーを生み出したフランスの女性作家フランソワーズ・サガンさんが24日、仏北部ノルマンディー地方オンフルールの病院で心臓病のため死去した。69歳だった。

 サガンさんは18歳だった1954年、「悲しみよこんにちは」で文壇デビュー。「ブラームスはお好き」(59年)、「熱い恋」(65年)など数々の世界的ベストセラーを送り出してきた。愛と孤独をテーマに描き続け、発表した小説や戯曲は約50作品にのぼる。

 故ミッテラン前大統領とも親交を結ぶ一方、スポーツカーを乗り回し、ギャンブルと酒にのめり込む奔放な生き方でも注目を浴びた。90年と95年に麻薬使用で執行猶予付きの有罪判決を受けたほか、2002年には脱税で有罪判決。数年前から病気がちで、今週に入って容体が悪化し入院していたという。

水上勉氏が死去

2004/09/08 中国新聞ニュース
 「飢餓海峡」「五番町夕霧楼」などで知られる作家で文化功労者の水上勉(みずかみ・つとむ)氏が八日午前七時十六分、肺炎のため長野県東御市の仕事場で死去した。八十五歳。福井県出身。連絡先は東京都千代田区紀尾井町三ノ二三、日本文芸家協会。葬儀・告別式の日取り、喪主などは未定。

 福井県生まれ。家が貧しく、幼少時に京都・相国寺に預けられ、修行のつらさから脱走。苦学して立命館大に入学したが退学、行商、代用教員など職を転々とした。

 一九四○年代に、自ら創刊した「新文芸」誌をきっかけに宇野浩二に師事。四八年出版の「フライパンの歌」がベストセラーに。五 ○年代に「霧と影」で創作を再開。日本探偵作家クラブ賞(現・日本推理作家協会賞)作品「海の牙」などを発表、社会派推理小説の花形作家となった。

 相国寺での体験を基にした「雁の寺」で直木賞を受賞。「飢餓海峡」「五番町夕霧楼」「越前竹人形」などの代表作を相次いで発表、貧困に苦しむ庶民の姿を叙情的に描いた。

 「宇野浩二伝」(菊池寛賞)、「一休」(谷崎賞)、「良寛」(毎日芸術賞)などで、戦後日本の代表的な人気作家の一人となった。

 日本芸術院会員。文芸家協会や日中文化交流でも活躍。八五年には郷里の大飯町に「一滴文庫」を開き、原発問題にも反対の立場から積極的に発言した。八九年、中国で天安門事件に遭遇。帰国直後に心筋梗塞(こうそく)で倒れた。

 リハビリ後も、新たに始めたパソコンで、執筆を続け、晩年は長野県の仕事場で、絵や文章などの創作を続けた。二○○二年には「虚竹の笛」で親鸞賞を受賞している。

ハリポタ第3弾、興行収入100億円突破 上映43日目で達成

2004/08/10 The Sankei Shimbun
 ワーナー・ブラザース映画は10日までに、人気映画第3弾「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」の興行収入が100億円を突破したと発表した。同社によると、シリーズ映画が3本連続で100億円の興行収入を突破したのは日本の映画興行史上初めて。

 同作品は6月26日に公開され、上映43日目の今月7日に100億6000万円(約830万人動員)を超えたという。

 シリーズ第1弾「ハリー・ポッターと賢者の石」は203億円、第2弾「ハリー・ポッターと秘密の部屋」は173億円の興行収入を最終的に記録している。

 

ファンタジーノベル大賞に平山氏

2004/08/02 読売新聞 Yomiuri On-Line
 第16回日本ファンタジーノベル大賞(読売新聞社・清水建設主催、新潮社後援)の選考結果が2日発表され、大賞は東京都の平山瑞穂さん(35)の「ラス・マンチャス通信」、優秀賞は埼玉県の越谷オサム(本名・小林隆之)さん(32)の「ボーナス・トラック」に決まった。

 賞金は大賞500万円、優秀賞100万円。贈賞式は9月21日、東京・丸の内のクラブ関東で。

江戸川乱歩賞に神山裕右氏の「カタコンベ」

2004/05/19 The Sankei Shimbun
 第50回江戸川乱歩賞(日本推理作家協会主催)は19日、神山裕右氏の「カタコンベ」に決まった。賞金は1000万円。贈呈式は9月17日、東京・内幸町の帝国ホテルで。

 神山氏は1980年生まれ。愛知県出身。名古屋市在住。フリーター。

「ハリポタ」第5巻が発売

2003年06月21日 The Sankei Shimbun
 魔法使いの少年の冒険を描いた英国人作家J・K・ローリングさんの世界的ベストセラー小説「ハリー・ポッター」シリーズの第5巻「ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団」(仮題)が英国時間の21日午前0時(日本時間同日午前8時)すぎ、英国や米国などで一斉に発売された。ロンドンでは一部の大手書店が特別に深夜開店、前日の日中から並んだ小中学生らのファンが歓声を上げながら本を買い求めた。

 同シリーズの新作は3年ぶり。この間、映画化などで「ハリポタ」人気が一層高まったほか、第5巻で「重要な」登場人物が死ぬと事前に予告されたことも話題を呼んでおり、出版記録を塗り替えることが確実視されている。

 出版元は既に1300万部を印刷。インターネット小売り最大手のアマゾン・コムへの予約は、世界で100万部を超える新記録となっており、同日の配送規模はネット小売り史上、一商品として最大になるという。

 ローリングさんは1997年の第1巻「ハリー・ポッターと賢者の石」から2000年の第4巻「ハリー・ポッターと炎のゴブレット」まで毎年1作を発表したが、その後は映画化や慈善事業などで多忙となり、第5巻の執筆が大幅に遅れた。シリーズは7巻で完結することが決まっている。(共同)

「ハリー・ポッター」作者が英勲章

2001.03.03【ロンドン2日=共同】The Sankei Shimbun
 世界的ベストセラーの英児童書「ハリー・ポッター」シリーズの著者J・K・ローリングさん(35)が二日、英国の代表的勲章である勲功章(OBE)を受章した。

 バッキンガム宮殿でチャールズ皇太子から勲章を授与されたローリングさんは「大変な名誉」と述べた。

 ローリングさんによると、皇太子は授与の際、自分もハリー・ポッターのファンであることを打ち明け、今年秋に封切り予定の第一巻「ハリー・ポッターと賢者の石」の映画について「上映を待ちかねています。本と同じくらい面白いですか」と尋ねたという。

柳美里さんの控訴棄却 「石に泳ぐ魚」再び出版差し止め2001.02.15(13:23)asahi.com

21世紀に残したいサラリーマン川柳1位は「この一句」2001.02.14(00:40)asahi.com
 プロポーズ あの日にかえって ことわりたい

池波正太郎記念文庫、故郷・浅草に開館準備進む2001.02.12(22:41)asahi.com

児童書「ハリー・ポッター」に差別的表現 出版社が削除2001.02.08(16:57)asahi.com

朝日賞・大佛賞、6件7氏に贈呈2001.01.30(22:03)asahi.com

芥川賞に青来氏と堀江氏 直木賞に重松氏と山本氏2001.01.16(21:07)asahi.com

芥川、直木賞候補決まる2001.01.09 The Sankei Shimbun

 第百二十四回芥川、直木賞(日本文学振興会主催)の候補作が九日、次の通り決まった。選考会は十六日夕、東京・築地の「新喜楽」で開かれる。

 【芥川賞】黒川創「もどろき」(新潮十二月号)▽玄侑宗久「水の舳先」(新潮十月号)▽青来有一「聖水」(文学界十二月号)▽大道珠貴「スッポン」(文学界十月号)▽堀江敏幸「熊の敷石」(群像十二月号)▽吉田修一「熱帯魚」(文学界十一月号)

 【直木賞】岩井志麻子「岡山女」(角川書店)▽重松清「ビタミンF」(新潮社)▽田口ランディ「コンセント」(幻冬舎)▽天童荒太「あふれた愛」(集英社)▽山本文緒「プラナリア」(文芸春秋)▽横山秀夫「動機」(同)

司馬遼太郎賞に作家関川夏央氏と「三内丸山」発掘チーム2000.12.19(18:43)asahi.com

ノーベル賞・高行健氏の著作が香港でベストセラーに2000.11.19(10:12)asahi.com

「ゴルゴ13」不死身の400話 32年休載なし2000.11.01(16:58)asahi.com

田中小実昌氏がロスで死去

2000年2月27日 19時23分【ロサンゼルス共同】
 直木賞作家の田中小実昌(たなか・こみまさ)氏が26日(日本時間27日)滞在先のロサンゼルス市内のUSCメディカルセンターで死去した。死因などは明らかにされていない。74歳だった。東京都出身。

 病院によると、田中さんは1週間前にロサンゼルスを訪れた後、風邪をこじらせて24日から入院していたという。

吉行淳之介さんの文学館 ねむの木学園の宮城さんが開館

10:11p.m. JST May 16, 1999
 女優の宮城まり子さん(72)が園長を務める静岡県掛川市の肢体不自由児療護施設「ねむの木学園」のそばに、宮城さんの人生のパートナーだった作家吉行淳之介さん(1994年死去)の文学館が、16日開館した。

 宮城さんは68年に、静岡県浜岡町に私財を投じて学園を創設した。手狭になったこともあり、吉行さんの死去と入れ代わりに、現在地に移転する工事に着手し、2年前に完成。「自分の終(つい)のすみ家」に決めた学園の敷地内に、40年間一緒に暮らした吉行さんの文学館を建てることを決心した。

 文学館は、床面積約700平方メートルの和風。400冊に及ぶ吉行さんの全著作や文庫作品のほか、愛用した机やいす、ペン入れ、手書き原稿、宮城さんにあてた愛の書簡、旧制高校時代の英文ノートなどを展示している。約2億円の建設費は吉行さんの著作権料をあてた。

 吉行さんは、岡山市出身。旧制静岡高校に入学し、54年に芥川賞を受けた。2人は雑誌が企画したてい談で知り合った。
 宮城さんにとって、吉行さんは「愛する人」とともに「ねむの木学園を続ける支えになってくれた人」だ。生前、「僕の本を、全部読んでいるきみに任せるから、よろしくね」と言われたという。

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