TOPIC No.7-29 ロシア

01. ロシア YAHOO! News
01. ロシア byフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
02. 在日ロシア連邦大使館
03. ロシア連邦

ロシア軍事パレードで兵器復活 大統領ら観閲、国防力誇示

2008年05月09日 中国新聞ニュ−ス

 【モスクワ9日共同】ロシアの対ドイツ戦勝63周年記念日の9日、モスクワ中心部の「赤の広場」で、ソ連崩壊後では初めて、約17年半ぶりに大陸間弾道ミサイル(ICBM)などの新型兵器を披露する大規模な軍事パレードが行われた。7日に就任したメドベージェフ大統領が前大統領のプーチン首相らと共に観閲した。

 ロシアはパレードで兵器を復活させた理由として「国防力増強を示すため」(プーチン氏)としているが、新体制発足を機に、北大西洋条約機構(NATO)拡大問題などをめぐって対立する欧米諸国をけん制する狙いもありそうだ。

 メドベージェフ大統領はプーチン首相の後に1人で登場、セルジュコフ国防相代行から報告を受け、首相らが脇に並ぶ形で観閲するなど、軍最高司令官としての立場が目立つ演出となった。

 大統領は「われらの軍や艦隊はロシアと同様に強くなっていく」と宣言。

ドベージェフ大統領就任 プーチン氏と「双頭体制」

2008/05/07 中国新聞ニュ−ス

 【モスクワ7日共同=佐々木健】「プーチン路線の継承」を唱えて三月のロシア大統領選で圧勝したドミトリー・メドベージェフ第一副首相(42)が七日、クレムリンで宣誓し、第三代大統領に就任した。二期八年にわたる任期を終えたウラジーミル・プーチン前大統領(55)を首相に指名し共に政権を担う方針で、異例の「双頭体制」が発足する。戦後のソ連・ロシアの国家元首としては最年少。

 自由経済や法治主義を掲げ、リベラル派とされる新大統領にとって、首相として強い実権を維持するとみられるプーチン氏との権力調整が最大の課題。両者で協議している新政権の組閣人事で独自色を打ち出せるかどうかが最初の試練となる。メドベージェフ氏は就任宣誓後の演説で「市民と経済の自由をさらに発展させることが自分にとっての最重要課題だ」と述べた。

 米国のミサイル防衛(MD)計画などをめぐりプーチン政権下で悪化した対欧米関係の改善に踏み出せるかどうかも注目される。

 プーチン氏は八日に下院で首相就任が承認される見通し。

 同氏は、社会や経済への国家統制を強め、欧米と対立する一方で、国内の政治的安定と経済成長をもたらし、国民の人気は衰えていない。下院議席の七割を占める強力な与党「統一ロシア」も党首として率いることで議会や地方を事実上支配、当面は実権を握り続けるとみられる。

 昨年十二月の下院選での統一ロシアの圧勝を受け、プーチン氏は側近のメドベージェフ氏を後継大統領候補に指名し、自らも退任後に首相に就任する意向を表明。与党候補となったメドベージェフ氏は大統領選で70・28%を得票し圧勝した。任期は四年。

ロシアの労働生産性はEU・アメリカと比較して30分の1

2008年04月01日 IB Times

 ロシア経済貿易発展省は、ロシアの労働生産性はEU・アメリカの 30分の1であるというデータを公表した。EUとの業種別比較において、ロシア宇宙ロケット製造業はヨーロッパに遠く及ばない。ロシアでの同部門の一人当たり労働生産性は1万4800ドルであるが、EUは12万6800ドルであり、アメリカは49万3500ドルである。また、ロシア造船業では船舶を製造するのに、韓国での3倍の時間がかかっている。

 投資会社Zherich Capital ManagementのアナリストであるMedvedeva氏は、ロシアの労働生産性は業種によって大きな格差があるとし、以下の例を挙げている。自動車製造業アフトワズの生産性は米Ford社の27分の1であるが、一方、通信会社の生産性はヨーロッパ諸国及びアメリカと同等の水準である。逆に、石油・ガス関連企業の生産性はEU・アメリカよりも高く、米エクソンモービルの500万ドル/人、英国石油の300万ドル/人であるのに対し、ルクオイルは800万ドル/人、ノヴァテクは560万ドル/人である。同氏は、市場で高いシェアを占めている石油・通信・ガスの業種が、機械製造業、エネルギー産業等、他業種の低い労働生産性を補完していると考えている。

 ロシア経済貿易発展省は、特定の業種における労働生産性の低さを問題視しており、長期的な社会経済発展の指針を策定した。その中には、今後13年間で、労働生産性を平均2.4倍引き上げ、特定の業種(航空機産業・造船業・宇宙ロケット製造業・自動車製造業)に関しては4倍まで引き上げることが明記されている。

 投資会社KITFinanceのアナリストであるPolevoy氏は、ロシア経済貿易発展省が策定した指針によって労働生産性は年間10%程度上がると予測している。労働生産性がもっとも上昇したのは2003年であり(7%)、2007年全体における同指数の上昇率は6%であった。同氏は、2007年における労働生産性は比較的高水準となったが、業種によって大きな格差があると指摘した。

 Alfa-BankのアナリストであるOrlov氏は、現在のロシアの生産性向上を考える際に、重要な点はロシア経済の多様性にあると考えている。同氏は、「ロシアには生産の近代化を妨げる障害がある。それは、業種がある分野に集中し、大企業が多数あることに関係している。一方、中小企業には近代化を促進するだけの資金がない。こうした障害がなくなれば、ロシアの労働生産性は2.4倍以上上昇するだろう」と指摘する。

 他の専門家は、設備投資にもっと積極的になることが必要であると述べている。設備投資によって、労働生産性を維持するだけではなく、上昇させることが可能となるからである。Polevoy氏は、「この1年半ほどの間に増加した設備投資によって、労働生産性の水準は維持された。積極的な設備投資が続けば、労働生産性のもう一段の上昇につながるだろう。労働生産性を上昇させることは、労働人口が次第に減少していく上で重要な問題である。長期的には、賃金上昇率と労働生産性上昇率は同等になり、労働生産性の向上に好影響を与えるだろう。」と考えている。

 B.I.N.BANKのアナリストであるBelashov氏も同様の意見を述べている。しかし、同氏は、もう1つの問題点を指摘する。それは、現場の人材が不足していることである。同氏は、「資金的な面には十分に注意が向けられているものの、生産それ自体は注目されておらず、生産性向上のための投資がされていない。実際に生産現場で働いている労働者の多くが、年配者である。それは、若い世代を教育する人がいないためである。生産性を上昇させるためには、この問題点を解決しなければならない。」と考えている。

 ロシア経済貿易発展省が策定した指針は、当然、ロシア経済の発展に寄与するだろう。しかし、多くの専門家は全てが計画通りにいくとは考えていない。石油価格の上昇が続けば、経済発展に向けた革新は難しくなる。投資銀行TRUSTのアナリストであるBragin氏は、オイルマネーは立ち遅れている技術革新問題を解決する手段とならないと指摘する。同氏は、「オイルマネーによる余剰な利益は逆効果をもたらす可能性がある。ロシア経済貿易発展省は、技術革新の可能性を大きく見積もりすぎている。」と言及した。

 また、Sobinbankの市場分析主任アナリストのRazuvaev氏によると、石油価格高騰によってロシア人の収益は上がっている。同氏は、「数字上ロシア人は働いている以上に高収入を稼いでいる。しかし、実際の労働生産性は低いままである。これはソビエト時代の名残である。労働生産性を上げるには、経済の主要分野において実際の労働市場が必要である。実際の労働市場とは、労働者が自分の能力に見合った収入を得られる市場である。また、国民一人一人に、一生懸命働かない限り、収入を得られないことを認識させなければならない。政府の政策以外に労働生産性を高める方法は、ロシアのWTO加盟であり、このことが効率的な労働市場の形成及び労働生産性の向上に貢献するだろう」と指摘する。

ロシア機、米空母にまた接近

2008/03/08 FujiSankei Business i.

 韓国メディアは7日、露偵察機1機が5日に韓国領空の外側に設定されている防空識別圏内に進入、米韓合同軍事演習で韓国東岸沖に展開中の米原子力空母ニミッツに接近していたと報じた。韓国軍は戦闘機4機を、米軍は艦載戦闘攻撃機2機を緊急発進させ、露機を防空識別圏外に退去させた。米メディアによると、2月9日にも露爆撃機2機が西太平洋上のニミッツに異常接近し、米軍機がこれを追跡した。(ソウル 時事)

ロシア新政権 資源ナショナリズム強化 外資締め出し方針

2008/03/05 FujiSankei Business i.

 ロシアで5月に発足するメドベージェフ新政権は、プーチン政権下で本格化した資源ナショナリズムを一段と強める見通しだ。同国の大規模な油田やガス田のほか、金、銅などの戦略鉱床への外資開発を規制、国内企業優先の姿勢を鮮明にする。

 プーチン政権は2006年、サハリン(樺太)沖の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」に環境問題で圧力をかけ、国営天然ガス独占企業ガスプロムに経営権を譲渡させた。バレンツ海の巨大ガス田シュトクマン開発でも一時、外資を締め出し、ガスプロムの単独開発方針を打ち出した。

 その背景には、石油価格高騰で潤い、強気になったロシアの資源ナショナリズムの高揚があったほか、ガスプロム会長を兼任するメドベージェフ氏がその政策立案の中心にいた。

 関係筋によると、政府はメドベージェフ氏の大統領就任式後、埋蔵量2億バレル以上の油田、同2兆立方フィート以上のガス田のほか、大規模な金、銅などの鉱床開発への外資規制を強化する地下資源法改正案を下院に提出、夏までに採択する予定だという。

 ガスプロムは、サハリン1を主導する米系メジャー(国際石油資本)、エクソンモービルが進めている中国への天然ガス輸出計画にも横やりを入れ、計画は膠着(こうちゃく)状態に陥っている。ロシアの専門家は「ガスプロムは自らの手で中国へのガス輸出を行うことを望んでおり、エクソンによる輸出契約が前例になるのを嫌がっている」と指摘している。(モスクワ 時事)

メドベージェフ氏が選挙公約 自由経済、司法独立を重視

2008年02月15日 中国新聞ニュ−ス

 【モスクワ15日共同】3月のロシア大統領選で、プーチン大統領の後継指名を受けた有力候補メドベージェフ第1副首相は15日、クラスノヤルスクで経済分野などの選挙公約を発表、国家関与を減らした自由経済や司法の独立を重視するなどリベラル色を鮮明にした。

 また、資源輸出企業には自国通貨ルーブル建ての取引を促し、ルーブルを基軸通貨の1つに押し上げるべきだと主張した。最強の基軸通貨としての米ドルの地位が揺らぎ始めたことを念頭に、エネルギー輸出を武器にルーブルの浸透を図る戦略を明確にした。

 「自国産業を外国に流出させてはならない」と強調、輸出関連の税負担を軽減し、資源開発や石油化学などの設備投資を促進する考えを示した。

 ロシアは各産業分野を束ねる国営企業の設立の動きが目立っているが、こうした企業で政府高官が多く役員を務めているのはふさわしくないとし、独立した経営陣に代えるべきだと主張した。

 司法制度については行政・立法機関から「真に独立」すべきだとし、マスコミの独立も守る必要があると述べた。

プーチン後継メドベージェフ氏 ロシア大統領選圧勝ムード 投票まで1カ月

2008/02/03 北海道新聞

 【モスクワ2日藤盛一朗】ロシア大統領選は三月二日の投票日まで一カ月となった。プーチン大統領後継のメドベージェフ第一副首相の圧勝が確実な情勢だ。

 他の候補者は、野党・共産党のジュガーノフ委員長、極右・自民党のジリノフスキー党首、政治学者のボグダノフ氏。プーチン政権が全面的に後押しするメドベージェフ氏は二日、「ともに勝利を」などをスローガンに、大統領との連携を前面に打ち出した。

 メドベージェフ氏の支持率は七割台に急上昇している。

ロシア産ウランの輸入拡大へ=米

2008/02/02 時事ドットコム

 【ワシントン2日時事】米ロ両国政府は1日夜、米国がロシア産ウランの輸入を拡大する2020年までの長期協定に調印した。ブッシュ大統領はエネルギー安全保障や地球温暖化対策の観点から原子力発電を積極的に推進する方針を打ち出しており、燃料となるウランを安定的に確保するのが狙い。

露「中国をモデルに」海外企業買収を加速

2008/02/02 Iza!(ビジネスアイ)

 ■大統領有力候補、プーチン路線継承を鮮明に

 1カ月後の3月2日に迫ったロシアの次期大統領選で勝利が確実視されるメドベージェフ第1副首相が、中国をモデルに官民一体で海外企業の買収を加速する考えを明らかにした。経済を軸に大国の復権を目指すプーチン大統領の政策を継承する姿勢を鮮明にした形だが、ロシア政府内にも主要国との摩擦を懸念する声が出ている。(佐藤健二)

 ≪「官民一体で」≫

 英紙フィナンシャル・タイムズなどによると、メドベージェフ氏は1月31日、露南部の都市クラスノダールで行われたロシア経済人・起業家フォーラムでの講演で、海外の企業、資産買収が技術力向上や新市場開拓に有効であることを強調。海外企業買収を、競争力の弱いロシア産業建て直しの即効薬と位置付けた。

 このうえで「中国のように、ロシア企業も(対外投資への)取り組みを活発化しなければならない」と呼びかけた。

 中国は国家ファンドの中国投資公司(CIC)を通じた米証券大手モルガン・スタンレーへの出資やアフリカでの石油・天然ガス権益獲得など対外投資を加速している。

 ロシア政府も1日、潤沢なオイルマネーを原資にした1570億ドルの国家ファンドを設立。投資を本格化する見通しだが、メドベージェフ氏は官民一体で海外資産買収を急ぎ、ロシアの国際的な影響力を拡大する考えとみられる。

 ≪欧米と摩擦も≫

 露紙プラウダ(電子版)は、メドベージェフ氏が大統領に就任した場合、同氏が兼務している国営天然ガス独占企業体ガスプロムの会長職を退き、プーチン大統領が後継となる可能性があると報じた。プーチン氏はガスプロム会長職の兼職禁止規定や取締役会の適格審査など、さまざまな要件を満たすとしている。

 プーチン氏は、元KGB(旧ソ連国家保安委員会)幹部などで構成する武闘派勢力シロヴィキの中核で、プーチン氏が政権を掌握したのを機に、ロシアは天然ガス供給を武器に使う資源外交を先鋭化。同時にロシア国内に日本や欧米のエネルギー企業が持つ権益の過半数を半強制的に買収し経営権を握るなど、資源ナショナリズムの動きを強めている。

 プーチン氏が、天然ガス埋蔵量で世界3位のマンモス企業、ガスプロム会長に就任すれば、強圧姿勢が一段と強まるとみられている。これに、国家ファンドによるオイルマネー外交が加われば、欧米との摩擦が激化するのは避けられない。

 報道によると、リベラル派のクドリン財務長官は今週開かれた会議で「ロシアは(主要国に)安定的な対露投資環境を約束するため、外交政策の目的を修正しなければならない」と指摘。プーチン政権に注文を付けた。現職閣僚の発言としては異例だ。

 ただ、メドベージェフ氏が大統領に就任した場合も、プーチン氏の意向を反映し、外交政策が大きく転換することはないとみられている。

 露国営世論調査会社によると、大統領選でのメドベージェフ氏の得票は71%と予想されている。

ロシア政府系ファンドが発足 3・4兆円、国際市場へ

2008年02月01日 中日新聞

 【モスクワ1日共同】ロシア政府は1日、原油収入の積み立てを取り崩し、320億ドル(約3兆4000億円)規模の政府系ファンドを発足させた。当面は外国政府債券などで安全運用するが、将来は外国企業株式などにも積極投資する。中東やアジアの政府系ファンドと並び、ロシアマネーが国際市場で存在感を高めることになりそうだ。

 財務省は1月31日、約1570億ドルに達した戦略的予備費「安定化基金」を、1日から政府系ファンド「国民福祉基金」と予備費の「準備基金」(約1250億ドル)に分割すると発表。

 国民福祉基金の運用益は年金基金の補てんなど国民生活の向上に充てる。政府は今年秋までに、基金の積極的な運用戦略をまとめる予定。

 準備基金は原油相場が急落した際の連邦予算の補正財源となる。

 欧州では、ロシア政府系企業ガスプロムがガスの輸送パイプラインや備蓄施設などを買収しており、今後のロシアの投資動向に警戒感が高まっている。

米コーチ、ロシア市場に参入・5年で15店以上を出店

2008/01/31 NIKKEI NeT

 【ニューヨーク=杉本晶子】米服飾ブランド大手コーチは31日、ロシア市場に参入すると発表した。ロシアの流通大手ジャミルコと組み、5年間で15店以上を開く。経済成長に伴う所得増が続いており、ハンドバッグやアクセサリーの有望市場になると判断した。4月にモスクワ中心部に1号店を開くほか、サンクトペテルブルクにも出店を計画している。

 コーチは米国と日本の2市場で全体の売上高の9割強を占める。今年から中国に大型旗艦店を相次ぎ開くことを決めるなど、新興国に積極的に投資している。

ガスプロム会長にロシア首相が就任か

2008/01/31 Iza!

 ロシア通信などによると、ロシア政府高官は30日、3月の大統領選に出馬しているメドベージェフ第1副首相が現在、兼任する政府系天然ガス独占企業ガスプロムの会長ポストをズプコフ首相が引き継ぐ可能性があると語った。

 メドベージェフ氏は昨年12月、ガスプロム会長を辞任する意向を表明。また、5月に退任する意向のプーチン大統領は、メドベージェフ氏が大統領になれば首相に就任する考えを示しており、ズプコフ氏は首相職を外れるとみられている。(共同)

ロシア経済を世界の5強に プーチン氏後継のメドベージェフ氏遊説

2008/01/23 北海道新聞

 【モスクワ22日藤盛一朗】ロシアのプーチン大統領後継のメドベージェフ第一副首相は二十二日、モスクワ市内で演説し、三月二日投票の大統領選に向けた遊説をスタートさせた。選挙公約ともいえる包括的な演説で、メドベージェフ氏は「わが国に必要なのは、静かで安定した発展の継続だ」と強調。二 ○○○年春の就任以来、経済成長を実現させたプーチン大統領の政策を継続する姿勢を示した。

 メドベージェフ氏は演説で「十−十五年後にロシア経済は、世界の五強の一角を占めることになる」と発展目標を明確化。外交政策では「経済や政治の目標を(国際社会に)開かれた形で分かりやすく説明する。国際問題の解決に向け、これまで以上に同盟国を求めていく」と述べ、対話と協調重視の姿勢を示した。

 同氏はまた、核開発問題を抱えるイランなどを念頭に「いわゆる『問題国家』との関係を絶つつもりはない」と述べ、米国に対抗し、独自外交を継続する考えを示した。

 中央選管は二十一日、同氏の立候補を承認。昨年末にプーチン大統領の後継指名を受け、政権与党「統一ロシア」が擁立した同氏の選挙戦が正式に始まった。

 今月十二−十三日に行われた世論調査では、メドベージェフ氏に投票すると答えた有権者は60・4%にのぼり、極右・自民党のジリノフスキー党首の7・5%、野党・共産党のジュガーノフ委員長の6・1%を大きく引き離している。

年収747万円? 露の次期大統領有力候補

2008/01/22 Iza!

 ロシア中央選管は21日、プーチン大統領が後継指名し、3月2日の大統領選での当選が確実視されるメドベージェフ第1副首相(42)の資産を公表し、過去4年間の平均年収は約175万ルーブル(約747万円)と明らかにした。

 選管の公表通りなら、政府系独占天然ガス企業ガスプロムの会長を兼任するメドベージェフ氏は、ロシアの一般市民よりはかなりの高収入だが、原油高に伴う経済成長の恩恵を受ける新興の大富豪に比べれば意外に質素との印象だ。

 選管によると、同氏の4年間の主な収入源は、第1副首相としての給与や、2005年11月まで務めた大統領府長官としての給与など。ガスプロムには触れていない。

 銀行預金は8つの口座に計274万ルーブルがあり、不動産はモスクワ市内に約368平方メートルのアパートの部屋を所有。同市郊外のモスクワ州では4700平方メートルの土地を賃借しているが、用途は不明。

 スベトラーナ夫人の資産はフォルクスワーゲンの乗用車「ゴルフ」など。(共同)

【佐藤優の地球を斬る】焦るプーチン、権力闘争始まる

2008/12/29 Iza!(SANKEI EXPRESS)

 12月17日にモスクワで「統一ロシア」の党大会が行われた。この党大会で、メドベージェフ第1副首相が2008年3月の大統領選挙の候補者に決定した。ここまでは、すべてのロシア政治専門家が予測していたことだ。筆者がいう異変とは、この大会でプーチン大統領が、メドベージェフ氏が大統領に当選した曉には首相に就任すると明言したことだ。筆者の理解では、このような意思表明をこのタイミングでプーチン大統領が行うのは早すぎる。プーチン大統領はかなり焦り、動揺している。

 ロシア政治専門家の中で、現時点でこのような見方をするのは圧倒的少数派だ。大多数の専門家は、プーチン大統領の権力基盤は、12月2日の国家院(下院)選挙で、「統一ロシア」が憲法改正を可能にする総議席(450)の3分の2(300)を上回る315議席を獲得したのを受け、プーチンがメドベージェフ氏に権力を禅譲する手続きが順調に進んでいると分析しているようだ。しかし、筆者には別の絵が見える。一種の弁証法なのだが、国家院選挙で勝ちすぎてしまったために、プーチン大統領を支える政治エリートの間で、本格的な内部抗争を行う「余裕」が生まれてしまったのだ。

 国家院選挙の前まで、筆者は、プーチン大統領の基本シナリオを次のように考えていた。次回大統領選挙にプーチンは、同一人物が大統領選挙に3選されることを禁止する憲法規定を順守して立候補しない。「1回休み」したプーチン大統領は、12年の大統領選挙から2期連続当選を果たす。その結果、00年から20年までの「プーチン20年王朝」を作るのである。次期大統領にはプーチン大統領の完全な影響下にある者を据える。プーチン大統領自身は今年4月26日、クレムリンで連邦院(上院)、国家院議員の前の年次教書演説で述べたように、公職を退いた後に「ナーツィヤ(民族=国家)理念の探究」に従事するはずだった。そして、21世紀ロシアの国家と民族の理念を集大成した「オテッツ・ナーツィイ(民族=国家の父)」として、余人をもって替えがたいカリスマをもった皇帝に変貌(へんぼう)する戦略を組み立てていると筆者は見ていた。

 どうもこのシナリオに「狂い」が生じているようだ。12月10日にプーチン大統領は、メドベージェフ第1副首相を次期大統領候補に推薦すると表明した。17日に「統一ロシア」の大会が予定されているのだから、この大会で発表する前にメディアに情報を流し、そこから既成事実化を図るという手法は奇異だ。党大会は「統一ロシア」の最高意思決定機関である。その決定がなされる以前の12月11日午後にメドベージェフ氏は、国民向けのテレビ演説で、プーチン大統領による推薦を受け入れると表明したことも、政党人の規律からするならばおかしい。しかもこのテレビ演説でメドベージェフ氏は、「自らが大統領に当選した後、プーチン氏を首相として政権に迎え入れる」という表明すらしている。

 党大会で正式の大統領候補に指名された後ならば、まだしも、なぜこの時点であわててこのような重要事項について発表する必要があったのだろうか。プーチン大統領やメドベージェフ氏は、無駄な発言をするはずがない。このような発言をする合理的根拠があるに違いない。プーチン政権の中枢で、かつてない権力闘争が開始されたので、反対派が動き出す前にメドベージェフ後継の流れを作ろうとプーチン大統領が焦っているのだと筆者は見ている。

 プーチン大統領には、2つの主要な支持グループが存在する。第1は、今回、大統領候補に指名されたメドベージェフ第1副首相を中心とするサンクトペテルブルク出身の改革派系経済専門家のグループである。第2が、セルゲイ・イワノフ第1副首相(前国防相)を中心とする諜報(ちょうほう)機関や軍出身者による「シロビキ(武闘派)」のグループだ。

 メドベージェフ氏をプーチン大統領が次期大統領候補に指名する腹を固めたことに対して、「シロビキ」が強く反発しているのである。だからプーチン大統領はいまから次期政権の首相になることを表明し、不退転の決意を示し、「シロビキ」の動きを封じ込めようとしているのだ。クレムリンでビザンツ(東ローマ)帝国宮廷型の深刻かつ陰湿な権力闘争が始まったのだと筆者は見ている。

 メドーべージェフ第1副首相は来年3月の大統領選に当選すればプーチン大統領を首相として政権に迎えると表明した。(外務省分析官=休職中)

露大統領、退任後の首相就任を受諾

2007/12/18 Iza!

 【モスクワ=内藤泰朗】ロシアのプーチン大統領(55)は17日、モスクワで行われた与党「統一ロシア」の党大会で演説し、大統領自らが後継者に推すメドベージェフ第1副首相(42)が来年3月2日の大統領選挙で当選した場合、首相職に就任する用意があるとの意向を示した。

 プーチン大統領は「メドベージェフ氏を大統領候補とすることは最もよい選択である。彼は、国家の指導者としての職務をしっかりと果たすことができると確信する」と述べ、同氏を後継の大統領候補に再び推した。

 そのうえで、「もし、ロシア国民がメドベージェフ氏を大統領に選ぶなら、私は首相となる用意がある」と言明し、メドベージェフ氏による大統領退任後の首相就任要請を受諾した。

 ただ、自らの首相就任で特別な法律を採択する必要はないと語り、あくまで強大な権限を大統領に与えた現ロシア憲法体制を堅持する姿勢を示した。

 プーチン大統領が退任後の首相職就任を受諾したのは、メドベージェフ氏に投票することがプーチン氏を選ぶことだというメッセージを早々と出し、メドベージェフ氏を自らの「代弁者」として当選させる狙いがあるものとみられる。

ロシア政府、国家ファンド発足 3兆4000億円規模

2008/02/02 FujiSankei Business i.

 ロシア政府は1日、原油収入の積み立てを取り崩し、320億ドル(約3兆4000億円)規模の国家ファンドを発足させた。当面は外国政府債券などで安全運用するが、将来は外国企業株式などにも積極投資する。

 中東やアジアの国家ファンドと並び、ロシアマネーが国際市場で存在感を高めることになりそうだ。

 財務省は1月31日、約1570億ドルに達した戦略的予備費「安定化基金」を、1日から国家ファンド「国民福祉基金」と予備費の「準備基金」(約1250億ドル)に分割すると発表。

 国民福祉基金の運用益は年金基金の補填(ほてん)など国民生活の向上に当てる。政府は今年秋までに、基金の積極的な運用戦略をまとめる予定。

 準備基金は原油相場が急落した際の連邦予算の補正財源となる。

 欧州では、ロシア政府系企業ガスプロムがガスの輸送パイプラインや備蓄施設などを買収しており、今後のロシアの投資動向に警戒感が高まっている。

 ロシアは2004年から原油収入の一部を安定化基金として積み立ててきた。プーチン大統領は昨年3月の予算教書で、原油高の恩恵で急増した基金を2分割し、一部を積極運用する方針を打ち出していた。(モスクワ 共同)

ガスプロム再編について

2007/06/24 ロシア情報センター

露ガスプロム 膨脹手法に欧米警戒 ブルガリアまでパイプライン建設調印

2007/06/24 The Sankei Shimbun WEB-site

 【モスクワ=遠藤良介】世界最大級のロシア国営天然ガス独占企業体ガスプロムがロシア国内外で膨張を続けている。国内では外資が開発してきたガス田権益を次々と奪取し、国外では各国ガス供給会社の資産獲得などに手を広げている。23日には、親露的なイタリアの石油大手との間で、黒海を経てブルガリアに至る欧州向け新パイプラインを建設する覚書に調印、その動きには諸外国から懸念が強まっている。

 新パイプライン構想は、ウクライナやベラルーシなどロシア離れを強める旧ソ連圏諸国を回避して欧州への輸出経路を確保する狙いが指摘されている。ガスプロムはすでに、同様の思惑から北欧バルト海底を経由するパイプライン計画も打ち出しており、東西欧州を分断する構想として東欧やバルト三国から反発を買っている。

 ほかにも、ガスプロムは欧州諸国でガス供給会社やパイプライン事業体の買収・資本参加を進めており、こうした拡張主義は「資源を政治的武器として使う思惑が見え隠れする」(欧州の専門家)と疑念を呼んでいる。その大きな理由は、ガスプロムがいわばエネルギー供給の“下流”にばかり投資し、自国内では肝心の新規ガス田の探査や開発への投資を怠っているからだ。

 実際、ガスプロムの産出量は頭打ちで増大する消費に追いつきそうもない。その穴を埋めるべく、国内では外資の開発案件を「横取り」(業界関係者)しての産出確保に走っている。

 22日には、東シベリアにあるコビクタ・ガス田の権益約63%を英BP社から6億〜9億ドル(743億〜1115億円)で譲り受けると発表。コビクタは、BPが4億5000万ドルを投じて開発したロシア最大級の有望田で、将来性を考えればガスプロムにとって破格の買値だ。同ガス田は、ガスプロムが輸出パイプライン敷設を認めないために“塩漬け状態”を余儀なくされていた経緯があり、BPはライセンス剥奪(はくだつ)まで突きつけたロシア側の圧力に屈した形だ。

 昨年には、日本企業の出資する開発事業「サハリン2」の経営権が「環境問題」を口実にガスプロムに奪われており、今後も同様の手法による外資排除が進む可能性は高い。

英BP、ガスプロムにガス田権益売却

2007年06月23日 asahi.com

 ロイター通信などによると、国際石油資本(メジャー)英BPは22日、子会社が持つロシア東シベリアのコビクタ・ガス田の権益62.7%を、ロシア政府系天然ガス独占企業ガスプロムに売却することで合意した、と発表した。売却額は7億〜9億ドル。

 ロシア政府は、ロシア企業と合弁のBP子会社による同ガス田の生産量が契約を下回るとして、開発免許取り消しを示唆しつつ、BP側に権益売却で圧力をかけていた。プーチン政権が強めるエネルギー資源の国家管理路線にBP側が屈した形だ。

 ロイヤル・ダッチ・シェルと日本商社による石油天然ガス開発事業「サハリン2」も4月、事業主体の株式の過半数をガスプロムに移譲することで正式合意している

ロシア石油大手「ユコス」消滅 謎の企業が落札

2007/05/12 Iza

 プーチン政権と対立し、巨額の追徴課税を受けて破産したロシア石油大手ユコスの本社ビルなどの資産の競売が11日行われ、ロシアの最優良企業と一時もてはやされたユコスは、同政権により完全に消滅させられた。落札したのは政権の支配下にある国営石油ロスネフチではなく無名のロシア企業「プラナ」。正体は謎に包まれている。

 AP通信によると、22階建てモスクワ本社ビルなどの落札額は約1000億ルーブル(約4700億円)。2時間半に及ぶ競売で入札開始時の金額の4・5倍につり上がった。一連のユコス資産の競売で油井や製油施設などの多くを入手、ロシア最大手の石油企業にのし上がったロスネフチが落札確実とみられていたが、競り負けた。プラナについてはこれまでほとんど知られておらず、落札後、関係者はコメントしなかった。

 かつてはロシア一の大富豪とされ、2003年の下院選を前に野党を支援し、公然とプーチン大統領に対抗したユコスのホドルコフスキー元社長は脱税などで懲役8年の判決を受けてシベリアで服役中。欧米からは「政治的報復」だとしてプーチン政権への批判が相次いだ。

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【用語解説】ユコス事件

 ロシア司法当局は2003年10月、石油大手ユコスが脱税したなどとして、創業者のホドルコフスキー社長(当時)を逮捕。国税当局はユコスへの追徴課税を決め、未納を理由に04年12月、ユコスの中核子会社を競売。国営ロスネフチがペーパー会社を通じ買収した。ユコスはロシア原油生産の約20%を担う石油会社だった。欧米や弁護側は、大統領選出馬に意欲を見せたり、野党を支援するなど、プーチン政権に公然と対立したホドルコフスキー氏への政治的な「報復」などと批判。モスクワの仲裁裁判所は昨年8月、ユコスの破産を正式決定した。(共同)

露、中央アジア資源をまたも“手中” カザフの石油・トルクメンの天然ガス

2007/05/12 Iza
 

 【モスクワ=内藤泰朗】中央アジア諸国を訪問中のロシアのプーチン大統領は12日までに、エネルギー資源が豊富なカザフスタンの石油輸出やウラン濃縮で優先権を獲得するなど中央アジアの資源への支配力を着々と強めている。ロシアは天然ガス大国、トルクメニスタンとも協力を拡大することで合意した。欧米諸国や中国が火花を散らす中央アジアのエネルギー争奪戦におけるロシア優位は欧米などに暗い影を投げかけている。

 ロシアでの報道によると、プーチン大統領は10日、カザフスタンの首都アスタナで同国のナザルバエフ大統領と会談し、カザフが欧米諸国向け石油のほぼ全量をロシアのパイプライン経由で輸出することで合意した。

 欧米諸国は、産出量が急増するカザフの石油をロシア経由ではなく、カスピ海海底とアゼルバイジャンを通って欧州に運ぶ計画を立てていた。ナザルバエフ大統領は11、12の両日、ポーランドのクラクフで行われたエネルギー首脳会議に出席し、この計画などについて協議するはずだった。しかし、プーチン大統領が急遽(きゅうきょ)カザフ訪問を決めたため、同首脳会議への出席をキャンセルした。

 同首脳会議には、主催国ポーランドのほかウクライナやリトアニア、グルジア、アゼルバイジャンの各国首脳が出席した。ロシアでは「反ロシア・エネルギー・サミットを失敗させたプーチン」(経済紙コメルサント)と報じられるなど、中央アジアのエネルギー資源争奪戦の熾烈(しれつ)さをうかがわせている。

 ロシアとカザフの両国は、ロシアのアンガルスクに建設予定の国際ウラン濃縮センターでカザフ産ウランの濃縮を行うことや、対立していたカザフのバイコヌール宇宙基地の共同運営問題など、原子力・宇宙分野でも協力することで合意した。プーチン大統領はバイコヌール問題についてロシア側がカザフ側に譲歩した可能性を示唆した。

 カザフ側はすでに中国との石油パイプラインを開通させており、当面は隣接する中露両国との関係を重視する姿勢を示したとみられている。

 さらに、ロシアに次ぐ旧ソ連圏の天然ガス大国トルクメニスタンでは12日、カスピ海沿岸のトルクメンバシで、同国のベルドイムハメドフ、プーチン、ナザルバエフの3大統領が集い、中央アジアのエネルギー・サミットを開催した。3首脳はトルクメニスタンからカザフ、ウズベキスタンを経由してロシアへ向かうカスピ海沿岸の天然ガスパイプライン建設で合意する共同宣言に調印した。

 ロシアはこれにより、中央アジアから膨大な量の天然ガスの長期供給ルートを新たに確保することになり、さらに強気のエネルギー外交を展開する懸念が出てきた。

カスピ海ガス輸送管で合意 ロシア、トルクメンに先手

2007年05月12日 中国新聞ニュース

 【モスクワ12日共同】ロシア、トルクメニスタン、カザフスタンの3国首脳は12日、トルクメニスタン産の天然ガスをカスピ海に沿ってカザフスタン経由でロシアに輸送する新たなパイプラインの建設で基本合意した。インタファクス通信などが伝えた。

 ロシアのエネルギー支配への懸念を強める欧州や米国は、トルクメニスタン産ガスをロシアを迂回して輸送しようと計画。カスピ海海底を横断しアゼルバイジャン、トルコ経由で欧州南部に至るルートを提案しているが、これに対抗しロシアが先手を打った形だ。

 ロシアのプーチン大統領、トルクメニスタンのベルドイムハメドフ大統領、カザフスタンのナザルバエフ大統領がトルクメニスタン西部で同日会談。9月1日までに詳細を詰め、来年後半に着工することで合意した。

炭鉱爆発で9人死亡 シベリア、坑内に100人以上

2007/03/19 中国新聞ニュース

 【モスクワ19日共同】ロシア非常事態省によると、シベリア西部ケメロボ州ノボクズネツクのウリヤノフスカヤ炭鉱で十九日、爆発が起き、インタファクス通信によると、作業員九人が死亡した。タス通信は百人以上が坑内に閉じ込められていると報道、救出作業が続いた。

 同省によると、事故当時、作業員百六十八人が坑内におり、五十三人が救出された。負傷者も出ているという。採掘時にメタンガスが爆発したもようだ。

 同州では、たびたび炭鉱事故が起きている。

 ロシア通信によると、ウリヤノフスカヤ炭鉱は二○○二年に採鉱を始めたため、設備は新しく、年間約三百万トンを産出しているという。

露、外交摩擦が激増 資源ナショナリズムの台頭背景

2006/08/20 The Sankei Shimbun 東京朝刊から

 【モスクワ=内藤泰朗】ロシアのプーチン政権が推進する経済拡張政策が、欧米など世界各国との外交上の摩擦を引き起こしている。高騰する石油で自信を深める資源ナショナリズムの台頭が背景にはある。ロシア国境警備艇が16日に北方四島周辺で日本漁船に銃撃、死亡者まで出した事件もその一例だ。経済発展で強気のロシアは、今後とも経済拡張を進めてくるのは確実で、周辺諸国との摩擦も増大するものと予測されている。

 ロシアとの摩擦で注目されるのが、同国の世界貿易機関(WTO)への加盟を依然として認めていない米国の動向だ。

 ロシア衛生当局は19日、米国ミシガン州の白鳥に鳥インフルエンザが見つかったとして、同州からの鶏肉の輸入を全面的に禁止。17日には、経済発展貿易省が米国に書簡を送り、10月までにロシアのWTO加盟問題が解決しない場合、両国が昨年6月調印した米国産の鶏肉と牛肉の輸入枠拡大合意を白紙撤回すると一方的に通告した。

 米国側はこれに激しく反応し、「ロシア側が政府間で調印した取り決めを破棄するのなら、WTO交渉は深刻な結果をもたらすことになるだろう」と警告した。

 ロシア側は農産物だけでなく、米ボーイング社製旅客機の購入中止もちらつかせ、両国は「経済戦争」に突入したかにもみえる。核開発を断念しないイランや南米のベネズエラなど反米国家や米国が武器禁輸措置を導入する国々に新型兵器を売却するロシアの姿勢は、米国に対する挑戦と映っている。

 ロシアの経済拡張政策の「最重要商品」であるエネルギーでも、摩擦を広げている。

 ロシアは、ウクライナやバルト諸国などの反ロシア諸国を経由せず、直接天然ガスを大消費地の欧州に供給するために、ロシア北部からバルト海海底を通ってドイツに運ぶ北欧州天然ガスパイプラインの建設を開始、2010年の供給開始を目指す。

 しかし、バルト海に面するバルト諸国に加え、スウェーデンのペーション首相が18日、パイプラインがバルト海の生態系に大きな影響を与えるとして、陸上に計画を変更するようロシアや欧州と協議を開始すると明らかにした。

 ただ、ロシアでは「資源を奪う外国を排除し強国を復活させるべきだ」とする資源ナショナリズムが台頭する。西側外交筋は「プーチン大統領自らがロシア製兵器の優秀さをアピールし拡大に躍起となっており、ロシアの経済拡張政策は最重要外交にもなっている。今後、こうした政策が変更されることは考えられず、ますます摩擦は増え武力紛争に発展するような事態も予測される」と指摘している。

「強い軍あれば、外圧はね返せる」 露大統領、新軍事大国建設を宣言

2006/05/10 The Sankei Shimbun

 【モスクワ=内藤泰朗】ロシアのプーチン大統領は10日、クレムリンで2006年の年次教書演説を行い、ロシアが今後、国益の追求と世界の安定のため、近代的な軍事大国建設に向けて邁進(まいしん)すると宣言した。大統領は、好調な経済を背景に、軍事予算のさらなる増大を約束。演説では所々で、軍事超大国の米国に対抗する姿勢が強く浮き彫りにされた。

 大統領は「オオカミは誰を食うか、相談をしてはくれない」と述べ、国際政治では軍事力がものを言う現実があると強調。「強い軍があれば、外圧をはね返せる」とも述べ、ロシア軍の近代化を急ぐ姿勢を打ち出した。

 その中で、最新型潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)「ブラワ」を搭載し、ソ連崩壊後初めて配備される戦略原子力潜水艦2隻と、移動型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「トーポリM」を中心とした最新の核抑止戦力の強化を挙げた。

 そのうえで、問題が指摘されている徴兵制から志願制への移行など軍の機構改革を進めるとともに、機動力と緊急展開能力を備えた部隊を整備し、「同時にいくつかの地域紛争と、大きな戦争を戦える軍」の構築に全力を挙げると述べた。

 軍改革の後ろ盾となる国防予算について、ロシアは、国内総生産(GDP)比で英国やフランスとほぼ同規模であるものの、「米国はロシアの25倍に当たる」とも指摘。軍事大国化のために「予算は増やすが、(米ソ両国の軍拡競争で巨大な国防予算に押しつぶされた)ソ連の過ちは繰り返さない」とも語った。

主要国、ロシア資源に食指 まずは10億バレル油田

2006/04/29 FujiSankei Business i.

 ロシア産天然ガスの対欧輸出をめぐり欧露間の関係が険悪化する中で、欧州やアジアの主要国がロシア国内の資源開発に相次いで名乗りを上げている。将来のエネルギー需給逼迫(ひっぱく)をにらみ、権益をいち早く確保しようとの思惑を反映したもので、資源大国ロシアの影響力の大きさを改めて示した格好だ。

 インドや中国、東欧の企業がロシア国内の油田開発権益の獲得に動き出した。

 ロイター通信によれば、西シベリアで推定埋蔵量十億バレルの油田開発を手がけていた英BPのロシア合弁子会社、TNK−BPの子会社であるウドムルトネフチが売却されることになり、インド国営の石油天然ガス公社(ONGC)が入札への参加を表明した。

 ONGCは子会社のONGCヴィデシュを通じ、ロシアの天然ガス中堅、イテリアと共同で入札に参加することで合意しているという。

 ウドムルトネフチ入札には、ONGCのほか中国石油化工(シノペック)、ハンガリーのMOL、オーストリアのOMVなどアジア・東欧各国の企業がすでに参加を決定。

 最終的な参加企業数は、ロシア企業を含め十社程度になるとみられている。

 一方、二十七日には、エネルギー産業の中心地、西シベリアのトムスクで、プーチン露大統領とメルケル独首相が見守る中、露国営の天然ガス最大手、ガスプロムとドイツの化学大手BASFの両社長は、ガスプロムがBASFに西シベリアの天然ガス田ユジノルスコエの35%を売却し、共同開発する枠組み合意文書に署名した。

 ガスプロムは、その見返りにBASFのガス小売企業への出資比率を引き上げる権利を獲得。海外企業によるロシア国内の資源開発が相次いで固まっている。

露ガス大手 欧州供給削減を示唆 買収防衛策に揺さぶり

2006/04/27 The Sankei Shimbun【東京朝刊から】

 【ベルリン=黒沢潤】ロシアの国営天然ガス独占企業体ガスプロムが、欧州向けのガス供給を削減する可能性を示唆し、欧州連合(EU)を動揺させている。ガスプロムの動きは、同社が欧州でのビジネス参入の動きを強めていることに対し、欧州側が防衛の動きを示したことへの意趣返しとみられている。

 英紙フィナンシャル・タイムズなどによると、ガスプロムは最近、英国最大のガス会社の買収を計画。英国はこれに対し、買収関連の法律の改正を検討するなど阻止の動きをみせた。

 こうした動きに対し、同社のミレル社長は18日、モスクワで行われたEUの駐露大使との会合後、「ガスプロムの欧州市場での活動を制限したり、ガス供給を政治問題化したりする試みは良い結果をもたらさない」と発言。「われわれが中国や北米市場を開拓していることを忘れるべきでない」として欧州向けの供給を削減する可能性を示唆した。

 ロシアは今年初め、政治的な摩擦が原因でウクライナ向けのガス供給を突然停止し、同国経由でガスを輸入するEUにも大きな影響が出ただけに、EU広報官は「不安が的中した」と、ミレル社長の発言に懸念を表明した。ガスプロム側は「脅す意図はない」と釈明しているものの、EUは社長の発言をロシア側の“本音”と受け止めている。

 天然ガスの輸出先の多角化を図り、安定した利益の獲得を目指すロシアのプーチン大統領は先月の訪中で、シベリア産ガスをパイプラインで中国に供給する計画を発表。ロシアは近く、バレンツ海のガス田で採掘するガスを米国にも供給し、2010年までに供給量を同国市場の10%に増やしたい考えだ。

 ロシアは7月の主要国首脳会議(サンクトペテルブルク・サミット)で「エネルギー安保」を重要議題として掲げている。社長発言を含めた一連の動きからは、天然ガスを「政治的武器」として利用するしたたかな姿勢が垣間見える。

 シベリアで26、27の両日にプーチン大統領と会談するドイツのメルケル首相はこうした中、欧州向けのガス供給を不安定化させないよう、ロシア側に強くクギを刺すものとみられる。

 天然ガスの4分の1をロシアに依存するEUでは今、「脱ロシア化」を図るため、ソラナ共通外交・安全保障上級代表が共通エネルギー政策の青写真を作成している。しかし、各国の思惑も異なり、EUとして足並みをそろえるのは容易ではなさそうだ。

NATOや印と来年演習 ロシア、対テロで

2005/10/17 The Sankei Shimbun

 ロシア通信によると、合同軍事演習のためインドを訪問しているロシアのイワノフ国防相は17日、ロシアと北大西洋条約機構(NATO)、インドによる合同の対テロ軍事演習を来年実施すると述べた。

 国防相によると、NATOからは米国と英国、フランスが参加を予定している。

 ロシアは今年8月に中国と初の大規模軍事演習を実施、インドとも今月中旬から演習を続けている。(共同)

日露交流促進、関係発展を 通好条約150年式典

2005/04/16 The Sankei Shimbun

 日本、ロシア両国の交流の原点とされる日露通好条約の締結150周年を記念した式典が16日、同条約が調印されたゆかりの地の静岡県下田市で開かれた。

 日本側は小泉純一郎首相、町村信孝外相、小池百合子沖縄北方担当相ら、ロシア側はロシュコフ駐日大使らが出席。小泉首相らは日露両国のさまざまなレベルの交流を促進し、両国関係を発展させていく考えを表明する。式典には通好条約に署名した江戸幕府の川路聖謨(としあきら)勘定奉行、ロシア帝国海軍のプチャーチン提督双方の子孫ら関係者も参加。

 プチャーチン提督は1854年に下田に来航し、翌年に川路奉行らと通好条約に調印したことから日露交流が本格化した。この条約は、北方四島北端の択捉島と、ウルップ島との間に自然に成立していた国境を法的に確定する内容。ロシア帝国が択捉、国後、歯舞、色丹4島が日本に帰属することを確認したという歴史的意味がある。

 式典では、ロシアの人気女性歌手、ディアナ・アルベニナさんのロックバンドと、THE BOOMの宮沢和史さんによる記念演奏も行われる。(共同)

ロシア国営企業が中国に石油輸出 国家管理に移行

2005/02/01 The Sankei Shimbun

 ロシアの国営石油会社ロスネフチは1月31日、民間の石油大手ユコスが独占してきた中国への石油輸出を肩代わりし、最初の5万トンを鉄道で出荷したことを明らかにした。

 ロスネフチは2月中に20万トン、ことし末までに計400万トンの石油を中国に輸出する予定で、ロシアは戦略部門の対中資源輸出を国家の管理下に移すことになった。

 プーチン政権と対立したユコスは、巨額の脱税を理由に主要生産部門の子会社ユガンスクネフチガスが競売され、中国へ輸出できなくなっていた。

 中国は鉄道輸送では国内需要を満たせないとして、石油パイプライン建設を求めているが、ロシアは当面、鉄道輸送の強化で対応する方針。

 石油パイプライン建設でロシアは、日本が求めている「太平洋ルート」の優先着工を昨年末に基本的に決定したが、最終的なルートの決定時期をことし5月に設定。4月にも予想されるプーチン大統領の訪日に向けた折衝の行方次第で、中国ルートの優先着工に含みを持たせている。(共同)

タイフーン級原潜解体へ 露イズベスチヤ紙報道

2005/01/20 The Sankei Shimbun

 世界最大の旧ソ連製タイフーン級ミサイル原子力潜水艦が解体されることになった。ロシアの有力日刊紙イズベスチヤが19日伝えた。旧ソ連の最新型原潜による米国脱出劇を描きヒットした米映画「レッド・オクトーバーを追え!」のモデルにもなった同艦の解体は、東西冷戦を象徴する巨大戦略原潜の時代の終焉(しゅうえん)を意味する。

 解体されるのは、1980年代初めに建造されたタイフーン級原潜6隻の1隻。解体は来月始まり、来年中には作業を完了する。米国が解体費用の500万ユーロを支援し、すでに解体された1隻も加え、合わせて5隻が最終的に解体される。潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)20基を搭載するこの原潜は乗員160人、最大4カ月間潜行が可能。(モスクワ 内藤泰朗)

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