TOPIC No.5-51 育毛/発毛


01. 発毛の王道
02. 育毛,発毛(皮膚科)MeDic医学用語辞典
03. 育毛・発毛剤は脱毛型に合っていなければ効果"薄" nikkeibp.com
04. 発毛育毛web
05. 日本医学育毛協会
06. HAIR MEDICAL
07. プロペシア 飲む発毛薬は効果あるのか(2005年9月30日 掲載)Gendai.net
08. リアップ(ミノキシジル)って?(1999/09/25)
09. リアップについて知りたい!
10. リアップ 医薬品等安全性情報
11. 育毛剤ミノキシジル5%,6%(リグロ,レグロ)
12. 発毛剤・育毛剤一覧
13. 使用感想つき育毛剤・発毛剤・頭皮洗浄機


リアップの5倍! ミノキシジル5%配合の発毛剤「リアップX5」、6月1日に発売

2009/05/21 マイコミジャ−ナル

大正製薬は6月1日、発毛促進に有効とされる成分ミノキシジル5%を配合した発毛剤「リアップX5」を発売する。価格は1本(60ml)で7,400円。

 同製品は、壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行を予防するもので、製品成分は100ml中、ミノキシジル5.0gを配合。6月1日より施行されるOTC医薬品販売制度では第1類医薬品に属す。同製品は、ミノキシジル1%配合の従来製品「リアップ」の5倍となるミノキシジル5%を配合しているのが特徴。臨床結果でも、従来品より高い発毛効果を実現しているという。さらに、発毛効果も「リアップ」が1日2回6カ月だったのに対し、1日2回4カ月の使用で発揮できるとしている。そのほか、容器の改良を行い、従来品で必要だった計量操作が不要なった。

 同製品に関して、「リアップX5」ブランドマネージャーの山口義人氏は「日本人男性のおよそ4割(1,650万人)が薄毛で悩んでいるとされています(同社調べ)。私どもの製品をお使いいただいている方は現在、280万人に留まっていますが、まだ同社製品を利用したことない方々には、まず同製品をお使いいただき、製品の効果を実感していただきたいです。"発毛"と"笑顔"をキーワードに、そうしたメッセージを今後PRしていきます」と述べている。

 ミノキシジル製剤は、世界約40カ国でOTC医薬品として販売されている。今回発売される発毛剤と同じ同成分5%配合の製剤はアメリカ、イギリスなど22カ国で承認がされており、世界基準でも最高の配合量。同社は今回発売される「リアップX5」の初年度目標額を80億円としている。

脱毛の原因遺伝子発見 キューティクルに異常発生

2009/05/26 47News【共同通信】

 男性ホルモンが関与せず、性別に関係なく起きる脱毛や薄毛の原因遺伝子を、国立遺伝学研究所の相賀裕美子教授(発生遺伝学)らのチームがマウスの実験で突き止め、26日、米科学アカデミー紀要電子版に発表した。

 この遺伝子が正しく働かないと毛髪表面にあるうろこ状の組織「キューティクル」に異常が生じ、頭皮から抜けてしまうらしい。相賀教授らは人でもこの遺伝子が働いていることを確認。同教授は「キューティクルの維持が、脱毛を食い止める治療につながる可能性がある」と話している。

 チームは「Sox21」という遺伝子を持たないマウスを作成して観察。すると、誕生後に全身にいったん生えそろった毛が、生後11日目からまず頭部で抜け始め、約1週間で全身から完全に抜け落ちた。その後、再び新しい毛が生えるものの20日前後で脱毛。発毛と脱毛を繰り返した。

 チームは、発毛は正常だが脱毛の周期が異常に早まったと判断。通常のマウスでは、キューティクルのうろこ状の構造が毛と頭皮の組織とをかみ合わせる“かぎ”の役割を果たしているが、Sox21のないマウスではうろこ状の構造がなく、毛がある程度伸びると抜け落ちてしまうことを突き止めた。

 うろこ状構造を作るのはタンパク質「ケラチン」。Sox21はケラチンを作り出す遺伝子の働きを制御しているという。

大正製薬、発毛成分ミノキシジルを5倍にした男性用発毛剤「リアップX5」を新発売

2009年05月25日 日経ヘルス

 大正製薬は、発毛有効成分「ミノキシジル」が従来品の5倍濃度で配合した男性用発毛剤「リアップX5」(第一類医薬品)を6月1日から発売する。同社がミノキシジル1%配合の「リアップ」を発売したのは1999年。ちょうど10年で、濃度を5倍にした新製品を発売することになった。

 ミノキシジルには血管拡張作用があり、もともと米国において高血圧治療薬として使われていた成分。治療中の患者に多毛症が認められたことから発毛・育毛に効果があることがわかり、脱毛症の治療薬として使われるようになった。現在90カ国以上で医療用医薬品として、約40カ国でOTC医薬品として販売。米国や英国など20カ国以上で、5%配合製剤がOTC医薬品(一般用医薬品)として販売されている。日本では医療用医薬品としての発売がないまま、99年に同社がOTC医薬品としてミノキシジル1%配合の男性用発毛剤「リアップ」を発売。初年度に270億円を売り上げるなど話題となった。

 2009年6月から施行の改正薬事法により、第一類医薬品は店頭では手に取れなくなり、薬剤師による指導のもとでの販売になるが、店頭に第一類医薬品取り扱い店ののぼりやセルフチェックシートを配置するなどして商品への誘導を図るという。

 「リアップX5」の開発にあたり、同社と東京医科大学皮膚科の坪井良治教授はミノキシジル1%製剤と5%製剤を比較した臨床試験を実施。対象は軽症から中等症の壮年性脱毛症患者各150人。有効性の評価においては脱毛部分の同一部位における毛髪数及び40μm以上の毛髪数の比較と、医師の目視による評価を行った。どちらも開始2カ月後から効果が出はじめたが、24週後には5%製剤は1%製剤と比較して高い有効性を見せたという。 「壮年期脱毛症は、毛髪サイクルの初期成長期に男性ホルモンが作用し太い毛に成長しないまま抜け落ちてしまうことが原因。ミノキシジルは頭皮の血行を促進するとともに、毛母細胞に直接働きかけることで、休止期に入った毛が成長期に移行するのを促進し、また毛を太くする」と坪井教授はいう。

 同時に行った安全性の評価においては、5%製剤でみられた副作用のほとんどが従来品の1%製剤と同程度の接触性皮膚炎や湿疹などの皮膚症状で、血圧低下など循環器系の副作用はみられなかったという。

 これを受け、4月24〜26日に開催された第108回皮膚科学会総会(福岡)で発表された「脱毛症ガイドライン」では、壮年性脱毛症治療において男性は医療用内服薬フィナステリドの服用とともにミノキシジル5%配合製剤を、女性の場合は1%配合製剤の使用を「強く薦める(=推奨度A)」として定めた。

 同社調査によると、20〜69歳の薄毛に悩む男性は約4割の1650万人。うち280万人が「リアップ」を利用しており、発毛剤・育毛剤市場の約5割を同社が占めているという。「リアップX5が今後このシリーズの基幹製品となって販路の拡大となれば」とブランドマネージャー山口義人氏は展望を語る。

 初年度目標売上額、80億円。1本60ml、7400円。 容器も改良し従来の計量操作をなくして使いやすくした。壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防に。

 なお、女性用は同社従来品のミノキシジル1%配合のままで、濃度アップは考えていないという。 (日経ヘルス、 堀田恵美)

「毛生えず」リーブ21和解 430万支払い、大阪地裁

2008年02月05日 中国新聞ニュ−ス

 「必ず生える」と言われ4年間通ったのに効果がなかったとして、大阪府の男性会社員(58)が業界大手「毛髪クリニックリーブ21」(大阪市)に約860万円の損害賠償を求めた訴訟は5日までに、解決金430万円を支払うことで大阪地裁(平林慶一裁判官)で和解した。

 訴状によると、男性は2001年4月、チラシを見て相談。担当者から「大丈夫です。必ず生えてきます」「発毛に3年はかかる」と言われて申し込んだ。1年コースを追加契約するなどし、約4年間にわたり毎週2時間ずつ施術を受けたが、はっきりとした効果はなかったという。

 この間、施術代を含む契約代金約490万円と、補助食品など関連商品代約190万円を支払った。

 リーブ21は「生えると断定的には言っていない」などと反論していたが、地裁の勧告に従い昨年9月に和解した。

脱毛・薄毛に一筋の光明 再生医療応用で発毛可能に?

2008.1.31 MSN産経新聞

 国立循環器病センターの倫理委員会は31日、手術で余った人間の頭皮に高い圧力をかけて、細胞を取り除いた真皮を作製する研究を承認した。申請した山岡哲二生体工学部長らのグループは、将来的に脱毛・薄毛で悩む人にこの真皮を移植し、毛乳頭細胞を注射して毛をはやす再生医療に発展させる計画で、世界でも初の試みという。

 研究は、神戸大学付属病院と協力、頭の手術の際に余った、人の頭皮を利用する。この頭皮に水中で約1万気圧をかけて細胞を破壊し、コラーゲンやエラスチンなどタンパク質だけのスポンジ状にする。大きさは1センチ四方。

 将来的には、この真皮に表皮となる毛包細胞を移植して皮膚状にした上で移植、毛髪の形成を促す毛乳頭細胞を注射する。毛包、毛乳頭細胞は本人のものを培養するため、この細胞が機能する限り、毛が生え続けると予想される。

 脱毛症の人の多くは頭皮が薄くなり、毛穴が変形するなど毛髪が生えにくくなっていることが多く、毛乳頭細胞を直接注射しても、正常な育成は難しかった。今回のケースでは、自分の細胞を使うため拒絶反応も抑えられるという。

 神大病院の寺師浩人形成外科准教授は「できるだけ早く臨床実験し、本当に毛が生えてくるのか確認したい」と話している。

育毛剤200ミリリットルはダメ 成田空港で検査員殴った会社役員逮捕

2008.1.28 MSN産経新聞

 テロ対策で実施している国際線への液体持ち込み制限に腹を立て、検査担当者を殴ったとして、千葉県警成田国際空港署は28日、暴行の現行犯で搭乗予定の会社役員、池畠毅充容疑者(69)=前橋市六供町=を逮捕した。昨年3月から始まった液体持ち込み制限をめぐるトラブルでの逮捕は初めてとみられる。

 池畠容疑者が持ち込もうとしたのは液状の育毛剤だったが、上限の100ミリリットルを超える200ミリリットルだったため規制対象となった。「バッグで押した覚えはあるが、暴行はしていない」と否認しているという。

 調べでは、池畠容疑者は上海出張のため28日午後1時15分ごろ、成田空港第二ターミナルのハイジャック検査場で、手荷物のエックス線検査を受けた。女性検査員(26)から、セカンドバッグ内の育毛剤のボトルを取り出し再度検査を受けるよう言われ、「何回通させるんだ」と腹を立てて検査員の肩をバッグや手で殴った疑い。

 検査員は、航空会社の委託を受けた団体職員。

大正製薬 効能アップ!?「リアッププラス」

2007年12月27日  Gendai net.

気になる新商品

 9年前の発売で「発毛剤」の一大ブームを巻き起こした大正製薬のリアップに、新機能を追加した新商品「リアッププラス」が仲間入りする。

 発毛成分「ミノキシジル」に加え、頭皮環境を活性化させる3つの成分が加わった。「I―メントール」が頭皮に清涼感を与え、「酢酸トコフェロール」が頭皮の酸化を防ぎながら頭皮を保護、「パントテニールエチルエーテル」が毛細胞に栄養を補給する。

 より刺激の低い基剤を採用しているので、従来品では頭皮がかぶれてしまった人でも使いやすくなっているという。

 発売は来年1月21日。60ミリリットル入りで希望小売価格5500円。

8年ぶり、発毛剤リアップの新製品 大正製薬

2007.12.19 MSN産経新聞

 大正製薬は19日、一般用医薬品の発毛剤「リアッププラス」を来年1月21日に発売すると発表した。刺激を弱くして栄養成分を加えるなど、頭皮に配慮した発毛剤とし、新規顧客の獲得に乗り出す。平成11年のリアップ発売以来、男性向けでは初めての新製品となる。

 リアッププラスは従来の発毛成分「ミノキシジル」に、毛細胞への栄養補給▽皮脂の酸化防止▽頭皮への清涼感といった効能を新たに加えた。リアップ使用者の「刺激が強い」との声にも対応、皮膚刺激性も抑えた。

 同日都内で開かれた製品発表会で、上原明社長は「日本初の発毛剤としてのブームが終わった後、離れていったユーザーや新規顧客を新製品で獲得したい」と話した。希望小売価格は60ミリリットル5500円で、初年度の50億円の売り上げを目標にしている。

 リアップは日本の発毛剤では草分け的存在で、発売以来出荷本数が3000万本を超えるヒット商品。今年3月期の売り上げ見込みは101億円という。

傷跡から毛髪再生、脱毛症治療に光明…米大学で解明

2007年05月17日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 毛髪は、皮膚の傷が治る過程でも自然に再生して生えてくることを、米ペンシルベニア大医学部のグループが動物実験で突き止めた。脱毛症の新たな治療法の開発につながる成果で、17日付の英科学誌ネイチャーに発表される。

 同大の伊藤真由美研究員らは、毛が生えそろった大人のマウスの背中の皮膚を1〜2平方センチほど切り取って経過を観察。表皮がふさがった時の傷が直径5ミリ以上の大きさだと、中心部から毛が生えてくることを確認した。皮膚の内部では、毛根や毛根を包む「毛包」が新たに作られていた。

 この毛包を分子生物学的な手法で調べたところ、周囲にある普通の表皮細胞からできたことが判明。いったん分化した大人の表皮細胞にも、新たな毛包を作る能力があることが確認された。また細胞増殖にかかわるたんぱく質の量を調整して、毛包の数を増減させることもできた。

 皮膚の傷に毛包が再生する現象は約50年前にウサギやマウス、人などで報告されていたが、科学的に証明されたのは初めて。研究グループは「毛包の再生条件を操作して傷を目立たなくしたり、傷を利用して脱毛症を治す方法の開発につながる可能性がある」としている。

激戦ヘアケア市場 資生堂が新ブランド「ツバキ」 トップ奪還へ華の6女優起用

平成18(2006)年02月28日 The Sankei Shimbun

 資生堂は二十七日、独自開発した髪の補修成分「高純度椿オイルEX」を配合した新ヘアケアブランド『TSUBAKI(ツバキ)』を発表した。シャンプー、コンディショナーなど三品目五品種を、三月下旬から全国発売する。商品の宣伝には仲間由紀恵さんら女優六人を起用、新ブランドの浸透を図る。

 ツバキに配合された新成分は、椿から抽出した純度の高い美容オイル。弾力感とつやを与えるほか、髪表層の傷みを補修して内部に保護成分を浸透させるのが特徴だ。新ブランドのイメージである「日本人の髪の美しさ」を強調する仕上がりを追求したという。

 ツバキは、強力なブランドに対し、集中的に投資を行う資生堂の「メガブランド」の第四弾で、将来的には年間販売百億円を目指す。

 傷んだ髪の補修やあでやかな髪の仕上げを訴えるシャンプー、トリートメントなど高付加価値のヘアケア市場が「激戦区」時代に突入する。花王、ユニリーバ、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)の三強がひしめく中、化粧品メーカー最大手の資生堂が新ブランド『ツバキ』で、トップ奪還作戦に出たからだ。

 会場全体を真っ赤な「ツバキレッド」に染め上げ、ほほえむ六人の女優にため息が漏れる。高級化粧品並みの演出を見せた二十七日の発表会で、資生堂の前田新造社長は「日本中の女性の心を魅了し、資生堂を、日本を代表するヘアケアブランドに育成していく」と宣言した。一ブランドへの投入額では過去最高の年間五十億円の宣伝費をツバキにかけ、目標百億円の売り上げ確保をうかがう構えだ。

 ヘアケア市場は約三千億円(除く染毛料)とされ、昨年は数量、金額ともに増えた。デフレの影響をぬぐえない化粧品・日用品の中でP&G『パンテーン』、ユニリーバ『ラックス』、花王『アジエンス』が激しい首位争いを演じるなど活況を呈している。

 とりわけ高付加価値のヘアケア製品市場では、ラックスが長くトップに君臨。ブルック・シールズらハリウッド美人女優を歴代CMに起用して成功した。そこに目を付けたのが花王で、一昨年から中国系女優チャン・ツィイーを起用。「アジアン・ビューティー」の価値を示したアジエンスを大ヒットさせた。P&Gも昨春、『ハーバルエッセンス』をヒットさせ、お互いの領域を食いあわない主力三ブランド体制を確立している。

 激戦市場で四番手に甘んじる資生堂は、普及価格帯の『スーパーマイルド』といった製品では浸透している一方、収益性の高い高付加価値分野で存在感を示せないのが悩みだった。ツバキブランドが「起死回生の一手」だけに、不発に終われば化粧品・日用品の流通ルートで主戦場のドラッグストアチェーンでも苦戦を強いられかねない。

 宣伝でも話題をふりまく華やかな市場を制するのはどこなのか。「次元の高い争いになる」(花王)「広告でも負けられない」(ユニリーバ・ジャパン)「多様な価値観で勝負したい」(P&G日本)など、競合他社は早くも対抗姿勢を強めている。(樋口教行)

飲む発毛薬:万有製薬に問い合わせ殺到 過大な期待禁物

2005年11月04日 毎日新聞 Manichi INTERACTIVE

 国内初の飲む発毛薬「プロペシア」(一般名・フィナステリド)が年内にも発売されるのを受け、輸入・販売する万有製薬(本社・東京都)には、厚生労働省が承認した10月11日以降、1000件以上の問い合わせが殺到している。薄毛に悩む男性は800万人とも言われ、「夢の薬」への期待は高まるが、以前から輸入している医師は「良い薬だが過大な期待は禁物」と話している。

 プロペシアは98年に米国で販売開始。日本では、男性型脱毛症の男性414人を対象に01年から臨床試験が行われた。毎日1錠(1ミリグラム)を1年間服用した139人のうち58%が改善し、40%が現状維持、薄毛が進行したのは2%だった。0.2ミリグラム服用の137人も同様の結果だった。

 これに対し、偽薬を服用した138人は、22%が進行し改善は6%にとどまった。厚労省は脱毛症の進行を遅らせる効果を認め、輸入販売を承認した。同社によると、予想以上の反響で出荷体制の整備に時間がかかり、発売が当初より約1カ月遅れるという。

 薬は脱毛の原因となる男性ホルモンの一種「ジヒドロテストステロン」を作る酵素の働きを抑える。このため精力減退などの副作用が現れ、服用を止めると元の薄毛に戻ってしまうという。

 7年前から輸入している「脇坂ナカツクリニック」(大阪市)の脇坂長興院長は「市販の育毛剤との併用で約8割の患者に改善効果があった。禁煙や十分な睡眠など生活パターンを変えることも必要だ」と指摘する。

 プロペシアの購入には医師の診断が必要。参考処方価格は0.2ミリグラムと1ミリグラムのいずれも1錠250円。【根本毅】

飲む発毛剤:国内発売を延期

2005年10月26日 毎日新聞 東京朝刊 Mainichi INTERACTIVE

 万有製薬は、世界初の飲む発毛剤「プロペシア」の国内発売を延期することを決めた。当初は11月末ごろの予定だったが、早くても12月末にずれ込む見通し。同社広報室は「予想以上に反響があり、出荷体制の整備に時間がかかる」などと説明している。

飲む発毛薬、11月後半にも発売へ 万有製薬

2005年10月11日 asahi.com

 万有製薬は11日、国内初となる男性用の飲む発毛薬「プロペシア」を11月後半にも全国の皮膚科などの医療機関を通して発売すると発表した。発毛剤は頭皮につけるタイプが一般的だが、内服剤の投入で発毛・育毛剤市場の競争が激化しそうだ。

 プロペシアは錠剤で1ミリグラム、0.2ミリグラムの2種類。脱毛症の原因物質とされる男性ホルモンの一種「ジヒドロテストステロン」(DHT)の生成を抑制する。臨床試験で1年間、1ミリグラムの錠剤を投与したところ、58%の被験者で改善効果が認められた。ただ、4%の被験者に性機能障害などの副作用が出たという。

 プロペシアを購入するには医師の処方箋(しょほうせん)が必要で、保険給付の対象外となる。メーカー参考価格はいずれも1錠あたり250円(税抜き)。1日1回、内服する。

 プロペシアは万有製薬の親会社の米メルクが開発し、世界60カ国以上で販売されている。

“のむ発毛薬”の輸入承認 国内初、年内にも発売へ

2005/10/11 The Sankei Shimbun

 厚生労働省は11日、米国で開発された世界初の“のむ発毛薬”プロペシア錠(一般名フィナステリド)の輸入を承認した。

 承認申請した万有製薬によると、プロペシア錠は既に世界60カ国以上で承認されている。国内で経口タイプの発毛薬が承認されるのは初めて。年内にも発売を始める予定。

 購入には医師の診断、処方が必要で、保険の対象外。成人男性が対象で、1日1回0.2ミリグラムをのむ。増量による効果の増強は確かめられておらず、上限は1日1ミリグラム。海外での試験で有効性が認められなかったため、女性は適応外だ。

 性欲減退や性機能の低下の副作用がまれに起きることがあり、肝機能に障害がある男性に対しては安全面から慎重に投与する。

 プロペシア錠は米国のメルク社が開発し、1997年に米食品医薬品局(FDA)が認可。元は前立腺肥大の治療薬だったが、使用者から「毛が生えた」との報告が相次いだ。(共同)

「直接発毛組織を形成する新物質(EPM)」の現況について

2005年8月 住友電工

 当社が開発[2002年2月4日に発表]しました、発毛組織である毛包(毛根)の形成に作用する物質「EPM※」に関しまして、その後の開発状況について以下の通りご報告いたします。

 EPMについては、アミノ酸10個程度で皮膚を浸透する大きさのため、頭皮に塗布する発毛剤としても充分な働きが当初から期待されていました。実際にマウスの皮膚に塗布する実験で相当の発毛効果が認められ、また、薬事申請に必要な安全性 試験のうち主要な動物実験についても完了したため、2002年2月4日に「直接発毛組織を形成する新物質を開発」というタイトルでニュースリリースをさせて頂きました。

 その後、実用化に向けて、当社内において種々効能メカニズムに関する基礎研究を継続致しましたが、次のステップとしての応用技術や製品化に向けた開発段階には到達しませんでした。当社と致しましても、将来的にはバイオ医薬品関連分野での新展開も想定し得る技術として期待していたのですが、誠に残念ながら、当社内での研究継続は一旦断念せざるを得ないと判断し、現在は、京都大学再生医科学研究所に当社の寄付による研究講座を設置していただき、この研究講座において、EPMの効能メカニズム解明に向けての研究が継続されております。なお、現時点では当該研究講座において臨床試験を行う予定はございません。

 事情ご斟酌の上、ご理解の程よろしくお願い申し上げます。

 ※ 細胞に組織の形を作らせる機能を持つ蛋白質「エピモルフィン」の研究により、発毛を促すアミノ酸の最適な組み合わせを人工的に再生した物質

ライオン、「頭皮から分泌される皮脂の酸化に起因する脱毛」を阻止する脱毛抑制剤を開発

2005/07/12 日経プレスリリース

"頭皮から分泌される皮脂の酸化に起因する脱毛"を阻止する脱毛抑制剤を開発

〜「抗炎症物質」と「抗酸化物質」の組合せ効果により脱毛抑制作用が増強することを発見〜

 ライオン株式会社(社長・藤重 貞慶)ビューティケア研究所および生物科学センターでは、育毛剤の開発にあたり、毛髪科学分野の研究に取り組んでおります。この度当社は、男性型脱毛を促進するメカニズムのうち、頭皮から分泌される皮脂が脱毛を起こす作用に着目し、皮脂と脱毛との関係について研究いたしました。

 その結果、皮脂が酸化されて生じた過酸化物質が、脱毛を促進することを世界で初めて組織学的に確認することに成功いたしました。さらに、抗炎症物質「β−グリチルレチン酸」と抗酸化物質「ピロクトンオラミン」を組合せることで、脱毛抑制効果が増強されることを世界で初めて解明いたしました。

 なお、この研究成果は『第56回 日本化粧品技術者会(SCCJ)研究討論会(2005年7月14日 於:大阪国際交流センター、大阪府大阪市天王寺区上本町8−2−6)』で発表する予定です。

1.研究の背景

 毛髪は、毛周期(ヘアサイクル;成長期→退行期→休止期)により、成長・脱毛のサイクルを繰り返しています。「自然な脱毛」は、成長期(後期)にある毛根の細胞が「細胞の自然死(以下アポトーシス)」を起こし、退行期、休止期に移行して、新しい毛髪に生え変わる時に必要な現象ですが、「男性型脱毛」は、成長期の毛髪が成長しきらないまま退行期に移行し、早いサイクルで脱毛してしまう現象です(図−1)。

 「男性型脱毛」は、男性ホルモンの支配下で種々の因子が関与し、発症することがわかってきています。

 皮脂も男性ホルモンにより分泌が促進される因子ですが、外的刺激(紫外線やカラーリングなど)により酸化されると頭皮や毛髪にダメージを与えることが知られています。しかしながら、皮脂の酸化と脱毛の関係については、その詳細は未だわかっておりませんでした。

 そこで当社は、紫外線やカラーリングなどの外的刺激により生じる皮脂の酸化に着目し、脱毛との関係を検討するとともに、優れた脱毛抑制剤の開発に取り組みました。

2.研究の概要

1)世界で初めて、皮脂の酸化によるダメージが、毛根細胞を死滅させ脱毛を誘発することを確認

 皮脂の酸化による毛根へのダメージと脱毛の関係を明らかにするため、毛周期を揃えたマウスの背部に過酸化物質「過酸化水素」または「リノレン酸過酸化物」を5日間塗布した場合と、基剤のみを塗布した場合の毛根細胞の状態を、9日目に組織学的に評価いたしました。

 その結果、基剤を塗布したマウスの毛根は、ほとんど正常な状態でしたが、過酸化物質を塗布したマウスの毛根では、9割以上にアポトーシスが起きていることが確認されました。すなわち、過酸化物質は毛根細胞をアポトーシスの状態にし、脱毛を誘発させることが示唆されました。

2)「β−グリチルレチン酸」と「ピロクトンオラミン」の組合せ効果で、毛根細胞の死滅を抑制することを確認

 過酸化物質によるダメージは、毛根に炎症を与えて毛根細胞を死滅させていると考え、上記と同様にマウスを用いて、育毛剤にも配合されている代表的な抗炎症物質「β−グリチルレチン酸」を過酸化物質と同時に塗布し、毛根細胞に対する作用を組織学的に評価いたしました。

 その結果、「β−グリチルレチン酸」を塗布してもマウスの毛根は、ほとんどがアポトーシスの状態を示したことから、「β−グリチルレチン酸」が毛根細胞の死滅を抑制することは確認できませんでした。

 次に、過酸化物質の酸化作用を抑制する抗酸化物質について調べたところ、当社が高い抗酸化効果を確認している「ピロクトンオラミン」に、毛根細胞のアポトーシスを抑制する効果が認められました。

 さらに、「ピロクトンオラミン」に「β−グリチルレチン酸」を組合せることで、毛根細胞のアポトーシスを抑制する効果が一層向上することが確認されました。このことから、「β−グリチルレチン酸」と「ピロクトンオラミン」が相乗的に働き、毛根細胞の死滅を抑制し、高い脱毛抑制効果を示す可能性が示唆されました。

3)皮脂の酸化による毛根へのダメージで脱毛が生じるのは、毛周期が短縮することが原因

  「β−グリチルレチン酸」と「ピロクトンオラミン」の組合せにより、毛周期の短縮を抑制し脱毛を抑制

 ここまでの結果より、皮脂が酸化され毛根にダメージを与え、脱毛につながる毛根細胞の死滅が引き起こされていることが明らかになりました。そこでさらに、ダメージと毛周期の関係を明らかにするため、前述同様の実験をマウスの毛周期(図−2)に合わせて行い、毛根の状態を組織学的に評価いたしました。

 その結果、成長期から退行期に移行する時期(12日目と18日目)を比較したところ、基剤を塗布した場合は成長期の状態のまま変化がなかったのに対し、過酸化物質を塗布した場合は18日目に明らかに退行期に移行していることが確認されました。

 また、過酸化物質と同時に「β−グリチルレチン酸」と「ピロクトンオラミン」を組合せて塗布した場合は、18日目に退行期に移行せず成長期のままであることが確認されました。すなわち、毛周期の短縮を抑制し、脱毛を抑制することが示唆されました。

 以上、皮脂の酸化による毛根へのダメージと脱毛の関係およびその抑制効果を、組織学的に検討した結果、

 (1)皮脂の酸化によるダメージが毛根細胞を死滅させ、毛周期を短縮することで脱毛を誘発すること

 (2)皮脂の酸化によるダメージにより誘発された脱毛は、「β−グリチルレチン酸」と「ピロクトンオラミン」

 の組合せ効果で抑制作用が増強されることの2点を世界で初めて明らかにいたしました。

3.今後の研究

 「男性型脱毛」は、種々の因子により発症すると言われておりますが、今回皮脂の酸化による毛根へのダメージが確かに脱毛に関与していることを突き止めるとともに、それを抑制する物質の組合せも発見いたしました。今後も、さらに毛髪科学研究を進め、より効果の高い脱毛抑制剤ならびに発毛促進剤の開発を目指してまいります。

 なお、本研究の知見を応用し、「β−グリチルレチン酸」と「ピロクトンオラミン」をダブルで配合した新しいタイプの脱毛抑制剤を本年秋に発売する予定です。 以上

ライオン、「ホルモンバランスと女性の薄毛」に関する研究結果を発表

2005/06/13 日経プレスリリース

"女性ホルモン"の減少も「女性の薄毛」の引き金に!

〜"女性ホルモン"が減少すると発毛促進シグナル「BMP※1」の生成が抑制される〜

 ライオン株式会社(社長・藤重 貞慶)生物科学センターでは、毛髪科学分野において育毛に関する研究を進め、これまでに「男性型脱毛」の知見をご報告してきました。この度は、新たに「女性の薄毛」に関する研究を進め、「女性の薄毛」の一つの要因とされる"女性ホルモン"の減少に着目し、"女性ホルモン"の毛髪細胞に対する作用を遺伝子レベルで検討いたしました。その結果、"女性ホルモン"が減少すると発毛促進シグナル「BMP」の遺伝子発現が低下することと、そのメカニズムを世界で初めて解明したのでご報告いたします。

 なお、この研究成果は『日本基礎老化学会 第28回大会(2005年6月15〜17日 於:東京国際フォーラム 東京都千代田区丸の内3−5−1)』で発表する予定です。

1.研究の背景

 近年、女性の薄毛人口は300万人とも600万人とも言われており、男性と同様に女性においても薄毛で悩んでいる人が増加しております。当社が20〜60歳代女性に髪の老化について聞いたところ、「白髪が増えること」「髪にハリ・コシがなくなること」「髪が薄くなること」などがあげられました。また、現在「髪のハリ・コシ」や「髪の薄さ」について気にしているかどうかを聞いたところ、30歳代後半以上になると気にしている人が多いことがわかりました(2005年調査)。

 一般に「女性の薄毛」は、男性とは異なる脱毛パターンを示すことがわかっています。すなわち、男性は前頭部や頭頂部から脱毛する傾向であるのに対し、女性は加齢にともない頭部全体が薄くなる傾向が高いことがわかっています。また、当社は10〜60歳代女性の髪質の変化を調べたところ、加齢にともない髪の太さや硬さが変化しており、45歳以降で太さや硬さが減少し始めることを確認いたしました。そして、この結果は、"女性ホルモン"の分泌が30歳代から減少し始め、40歳代で急激に減少することと相関していました。

 従って、40〜60歳代の女性が薄毛になるのは、"女性ホルモン"の減少によりホルモンバランスが崩れることが薄毛の要因の一つである可能性が示唆されました。

 従来、育毛の研究は男性ホルモンの作用を中心に研究されてきましたが、当社は女性特有の髪の変化が要因となる「女性の薄毛」について研究するため、"女性ホルモン"と「女性の薄毛」の関係について着目し検討を進めました。

 なお、当社はこれまでに徳島大学医学部皮膚科学教室(荒瀬誠治 教授)との共同研究により、男性型脱毛部位では、発毛促進シグナル「BMP」と「エフリン※2」の遺伝子発現が特異的に低下していることや「エフリン」が毛根の数を増やすこと、「BMP」が毛髪のケラチン生合成を高めていることを世界で初めて確認しております。

※1「BMP(Bone Morphogenetic Protein;骨形成因子)」

※2「エフリン(Ephrin;形態形成因子の1種)」発毛促進シグナルとして働くタンパク質。

2.研究の概要

1)"女性ホルモン"の減少が発毛促進シグナル「BMP」の遺伝子発現を抑制することを世界で初めて確認

 "女性ホルモン"と「女性の薄毛」の関係を調べるにあたり、女性の毛髪の毛乳頭細胞を用いた培養系に女性ホルモンを添加していないものと添加したもので、「BMP」の遺伝子発現量を比較いたしました。

 その結果、女性ホルモンを添加していないものは、時間が経過するごとに「BMP」の遺伝子発現量が減少するのに対し、添加したものは「BMP」の遺伝子発現量の減少を抑えることが確認されました。

 さらに、女性ホルモンが毛乳頭細胞内で「BMP」の遺伝子発現を高めることも確認いたしました。

 これらのことから、"女性ホルモン"が減少すると、発毛促進に重要な「BMP」の生成が抑制されてしまうことが示唆されました。

2)"女性ホルモン"は発毛に働く「ベータ型女性ホルモン受容体(ER−β)」を介して「BMP」を増やす

 一般にホルモンは、ホルモン受容体を介して作用します。「女性ホルモン受容体(ER:Estrogen receptor)」には「アルファ型女性ホルモン受容体(以下ER−α)」「ベータ型女性ホルモン受容体(以下ER−β)」の2種類が存在していることがわかっています。いずれの機能もまだ明確になっておりませんが、近年「ER−α」は、毛の休止期から成長期への移行を阻害し毛成長を阻害することがわかっています。

 そこで、女性の毛髪における女性ホルモンとそのホルモン受容体の関係を調べるため、女性の毛髪の毛乳頭細胞を用いた培養系に女性ホルモンを添加し、「ER−α」「ER−β」の発現量を調べたところ、女性ホルモンは毛乳頭細胞内の「ER−β」の発現量を高めていることが確認されました。

 さらに、「ER−β」が発毛作用に関与しているかどうかを遺伝子レベルで解明するため、発毛促進シグナル「BMP」の遺伝子に対する「ER−β」の作用を調べました。その結果、「ER−β」が、特異的に「BMP」の遺伝子に結合して「BMP」の遺伝子発現を高める作用があることがわかりました。すなわち、"女性ホルモン"は女性ホルモン受容体「ER−β」を介して発毛促進シグナル「BMP」を増やし、発毛を促進する可能性が示唆されました。

 以上、従来育毛の研究は男性ホルモンの作用を中心に研究されていましたが、当社は女性特有の「女性の薄毛」に関する研究を進め、"女性ホルモン"自身が発毛促進に関与していることを明らかにいたしました。 すなわち、

(1)"女性ホルモン"が減少すると発毛促進シグナル「BMP」の生成が抑制されること

(2)女性ホルモン受容体「ER−β」が"女性ホルモン"を受けとり「BMP」を増やすこと

の2点を世界で初めて発見いたしました。

3.今後の研究

 女性は加齢とともに"女性ホルモン"の分泌量が減少し、薄毛になる傾向があることから、"女性ホルモン"自身の減少を防ぐことで、発毛促進シグナル「BMP」の発現を高め、薄毛を予防できると考えられます。

 しかし、"女性ホルモン"の直接投与など、人為的にホルモンバランスを調整することは全身的な副作用を引き起こすなどの弊害を生じかねません。

 そこで今後は、本研究の知見を応用し、女性の「薄毛」や「髪質の変化」などの悩みに対して、"女性ホルモン"の減少が引き起こす「BMP」の減少を改善する成分の開発を進め、女性専用の優れた発毛促進剤の開発を目指し、鋭意研究を進めていく予定です。   以 上

(5/29)コスモ石油、育毛剤事業参入──新素材開発、発毛速度1.8倍

2005年5月29日/日本経済新聞 朝刊

 コスモ石油はこのほど国内の皮膚科専門治療医と共同で、育毛に効果があるとみられる新素材を開発した。一般的な育毛剤に比べて頭髪の発毛速度を約1.8倍に高められるという。国内外の医薬品、化粧品メーカーなどへ売り込み、2007年度中の商品化を目指す。

 新素材は防衛医科大学非常勤講師の伊藤嘉恭医師(代官山皮膚科形成外科医院長)と開発した。人間の血液などに含まれるアミノ酸の一種、アミノレブリン酸(ALA)という物質を加工。ALAは約1ナノ(ナノは10億分の1)メートルの物質で農作物の育成促進やがん治療に使われているが、鉄分などを加えると発毛効果が生じることを発見した。

傷んだ髪にタウリン…東工大などの研究で修復作用判明

2005年05月26日 読売新聞 Yomiuri On-LINE

 魚介類などに多く含まれるアミノ酸の一種、タウリンに、傷んだ髪を健康な状態に修復する働きがあることを、毛染めメーカーのホーユー(本社・名古屋市)と東工大大学院の西敏夫教授らの研究グループが突き止めた。

 タウリンは疲労回復などに効果があるとして栄養ドリンクなどにも使われているが、毛髪に対する修復作用が明らかになったのは初めて。研究成果は、25日から横浜市で始まった高分子学会で発表される。

 研究グループは、物質を原子・分子レベルで観察できる原子間力顕微鏡を使い、脱色とパーマを3回ずつ繰り返して傷めた毛髪と、健康な毛髪の内部の状態を調べた。

 その結果、毛染めやパーマ液などの薬品にさらされた髪は、水分を含むと繊維組織をつなぐたんぱく質が膨張して緩み、修復されにくくなることが判明。これが切れ毛やぱさつきの原因であることが分かった。

 さらに、たんぱく質の引き締め効果が期待される複数の物質で傷んだ毛髪の修復を試みたところ、タウリンの水溶液中では、毛髪内部のたんぱく質同士の結合が強まることが明らかになった。ホーユー総合研究所基礎研究室の丹羽正直室長は「髪を傷めない染色剤の開発に生かせるのではないか」と話している。

できるか「食べる育毛剤」──鶏卵から新物質(3月27日)

2005年3月26日 NIKKEI NET KANSAI

 京都大学の吉川正明教授らは、鶏卵のたんぱく質を原料に、育毛を促す働きのある物質を開発した。食品を原料に使って量産できるため、「食べる育毛剤」に道を開く可能性がある。動物実験で効果を確認しており、今後、企業と組んで人での安全性を確かめて実用化を目指す。

 28日から札幌市で開く日本農芸化学会で発表する。

 新物質は鶏卵の卵白に含まれるたんぱく質の断片(ペプチド)を原料に、構造の一部を変えて作る。体の毛を剃(そ)ったネズミに体重1キログラム当たり1ミリグラムを食べさせたところ、通常は2―3日かかる体毛の伸びが1日に短縮されることが分かった。抗がん剤の副作用で抜け毛が増えたネズミに与えると、脱毛を防げたという。

 この物質を人が食べた場合、髪の毛だけでなく体毛も濃くなる可能性が大きいが、薄毛に悩む人には朗報になりそうだ。

 京大の研究チームは、新物質を作る遺伝子を大豆に組み込むことにも成功している。吉川教授は「将来は大豆を食べて育毛や脱毛防止が可能になるかもしれない」と話している。

 新物質はもともと血圧を下げる働きが知られており、研究チームは高血圧を予防する食品の開発過程で育毛効果を見つけた。健康食品の候補として研究が進んでいる物質のため、安全面での課題は少ないとみている。

(3/9)大正製薬、女性用の発毛剤「リアップレディ」を来月発売

2005年03月04日/日経産業新聞

 大正製薬は3日、女性用の発毛剤「リアップレディ」を4月1日に発売すると発表した。初年度の出荷額50億円を目指す大型商品で、シャンプーなども合わせて発売し、売り上げが減少傾向のリアップブランドをテコ入れする。

 1999年発売のリアップは臨床試験が男性のみで女性には効能をうたえなかった。同社は2000年から女性対象の臨床試験を始め、280症例を集め発毛効果を確認した。リアップレディは有効成分「ミノキシジル」を男性用と同量の1%配合する。60ミリリットル入り、希望小売価格は5775円。妊娠中は使えないなど注意書きを加えた。同一処方で性別を分け発売する国内初の大衆薬となる。

 同社によると、髪の薄さで悩む男性と比べ、女性の場合は、髪が細り髪形がセットしにくいなどの特徴があるという。女性用の育毛剤の市場規模は約30億円で、育毛・発毛剤市場全体の1割未満にとどまる。

中国育毛剤「101」、新潟で生産へ 80年代に大ブーム

2005/01/04 The Sankei Shimbun

 1980年代後半に日本で大ブームとなった中国の育毛剤「101」を生産している中国の企業が4日、新潟市で8月から生産を開始、日本市場に売り出すと発表した。

 この企業は北京に本社を置く「北京章光101集団」。上海市内で記者会見し新潟市への進出について「人件費が安い上、同市から進出要請があった」と説明した。

 計画によると500万ドル(約5億1000万円)を投じ同市内に100%子会社を設立。従業員約500人を地元で新規採用、使わなくなった化粧品工場を借りて操業を始める。現在、中国政府が審査中という。

 同社は東南アジア中心に育毛剤を輸出しており、海外のアフターサービス拠点は現在、十数カ所に上る。今年は海外進出を強化し日本や米国などに進出、サービス拠点を合計30カ所まで拡大する。

 日本の薬品メーカーによると、日本の育毛剤市場は「101」ブームなどを経て成長したが90年代に入り、一時低迷。その後、99年に米国で開発された新タイプの育毛剤の投入により再び拡大し、現在の市場規模は700億円を上回る。(共同)

毛根増やすたんぱく質を解明、新育毛剤開発に期待

2004/12/07 読売新聞 Yomiuri On-Line
 血管形成などの働きを担っているたんぱく質「エフリン」に、毛根を増やしたり頑丈にしたりする働きもあることを、ライオン生物科学センターなどが解明し、6日発表した。毛根の数を増やすたんぱく質が見つかったのは初めて。同社は新しい育毛剤の開発につながると期待している。

 同センターが、抜け毛で悩む男性の毛根を調べた結果、脱毛部の毛乳頭細胞ではエフリンを作る遺伝子の働きが弱まっていることが判明。そこで、生まれたばかりのマウスにエフリンを皮下注射したところ、毛根の数が生後6日では通常の1・4倍、同12日では1・3倍に増えた。しかも、毛根が皮膚の深い位置で形成され、直径も大きく、抜けにくくなっていた。

 今のところ、エフリンを注射したマウスに病気などの異常は見られず、同社は「今後、成長後のマウスへの効果も調べたい」としている。

ホップに白髪予防効果!資生堂とキリンビールが研究

2004/07/24 読売新聞 Yomiuri On-Line
 資生堂とキリンビールは、ビールの苦み成分として使われるホップから抽出したエキスに、白髪予防が期待できる効果を発見したと発表した。

 ホップエキスに、髪の毛を黒くするメラニン色素を作るメラノサイト(色素細胞)の運動能力や増殖活性を高める効果や、メラノサイトが正常に働くように制御する遺伝子を増やす効果のあることがわかったという。

 両社は9月9、10日、神戸市で開かれる日本生薬学会で研究成果を共同発表する。資生堂は年内にホップエキスを配合した育毛剤を発売する予定だ。

 共同研究は、200以上の生薬を対象として細胞培養実験を行った。人に対する実証実験は現在も継続中だ。

 毛髪は、付け根(毛根)の最下部周囲にあるメラノサイトが老化などで活動が鈍くなったり数が減ると、白髪になるという。


「育毛治療で髪抜けた」サロン会社に賠償 東京地裁判決

2000.11.28  asahi.com
 「育毛治療を受けた結果、頭皮に炎症が生じて、大量に脱毛した」として埼玉県内に住む男性(23)が東京都内の育毛サロンを経営する会社とその社長を相手取り、約800万円の損害賠償を求めた訴訟で東京地裁は28日、360万円の支払いを会社側に命じる判決を言い渡した。吉戒修一裁判長は「過度に頭皮をマッサージするとともに刺激性の強い外用剤を塗布したため、脱毛した」と認めた。

 判決によると、頭髪が本来の量の約8割だった男性は、大学生だった1997年4月に約150万円を払って育毛治療を申し込んだ。頭髪は一時増えたが、同年8月に、より強い頭皮マッサージを受けて外用剤を塗布されたところ頭皮が炎症を起こし、頭髪が本来の5割まで減った。

 吉戒裁判長は男性について「日常生活に著しい障害を来したことは想像に難くない」と述べ、慰謝料の支払いを命じた。しかし、脱毛後に別の大手会社で受けた育毛治療代約320万円を男性側が請求した点については、「効果などについて客観的証拠がない」として主張を退けた。

リアップで世界一見えた 大正製薬が大衆薬2位

2000.07.29 asahi.com
 リアップ効果で世界順位アップ――。発毛剤「リアップ」の発売やドリンク剤「リポビタンD」の売り上げ増で、1999年度の連結売上高が過去最高になった大正製薬が、大衆薬の世界市場で前年度の4位から2位に浮上した。医薬品市場では医療用の薬品市場が大きな比重を占め、欧米の巨大メーカーが上位に並び、日本の製薬会社は大手でも20位前後に甘んじているが、限定された市場である大衆薬では世界首位も夢ではない。

 大正は昨年6月に発売したリアップが約300億円を売り上げ、規制緩和によりスーパーなどでの販売を始めたリポDが約770億円(前期比25.5%増)に伸びた。これらの効果で、連結売上高の7割を占める大衆薬の売上高は約1920億円(同27.2%増)になり、大衆薬の世界市場の占有率(シェア)が前年の約4%から5%近くに上がったという。

 大衆薬市場では米国のジョンソン・エンド・ジョンソンがシェア5%を確保して首位に立ち、大正、米アメリカンホームプロダクト、英スミスクライン・ビーチャムが続く。大正は今後、リポDや風邪薬、便秘薬などの国内売り上げの拡大と、ドリンク剤のアジア、欧州での販売拡大を目指すという。

毛髪脱色剤21万本を回収 皮膚に炎症起きる恐れ

2000.07.20 asahi.com
 毛髪脱色剤メーカーのダリヤ(名古屋市)は19日、6月21日から全国で売り出した毛髪脱色剤で皮膚が炎症を起こすなどの問題が起きたため、出荷済みの21万本の自主回収を始めたと発表した。18日までに計28件の相談や苦情が寄せられ、2人が病院で手当てを受けた。

 この商品は「パルティメチャハードブリーチ〈スーパーライト〉」。主に若い女性向けの毛髪脱色剤で、従来の商品よりも1.5倍ほど脱色効果が強い。パルティシリーズの他の脱色剤は問題ないという。

 商品はアルカリ性物質などが主成分の粉末と、過酸化水素の液体の2つからなる。使用前に、粉末を液体が入った容器に入れて30秒ほど振り、よく混ぜる必要がある。

 脱色効果を高めるため、従来の製品よりアルカリ性の強い粉末を使っており、混ぜ方が不十分だと、強いアルカリ成分が溶けずに残り、そのまま使用すると頭皮に炎症が起きるおそれがある。2人の利用者は、混合液が腕などにつき、病院で軽い炎症と診断されたという。

「リアップ」女性用も開発へ

2000.07.03 asahi.com
 大正製薬は3日、発毛剤「リアップ」を女性も使えるようにするため、女性向けの臨床試験を10月から始め、3年後に拡大版の発売を目指す、と発表した。リアップは国内初の発毛剤として昨年6月に発売し、1年間で約750万本を売り上げたが、使用できるのは男性に限られている。拡大版は現在と同じ成分・分量の予定で、薄毛や抜け毛に悩む約300万人の女性が使うと見込んでいる。

 リアップは、米国の製薬会社ファルマシア社が開発した「ミノキシジル」という発毛・育毛成分を1%含んでいる。これまでに使用した男性のうち、発毛や抜け毛の進行予防などの効果があった人は7割になるという。1999年度の売上高は約300億円に達し、大衆薬の大ヒット薬品になった。

 しかし、現在のリアップは男性の臨床試験だけのため、使えるのは「成人男子(20歳以上)」に限られており、女性から適応拡大を求める声が寄せられていた。

 海外ではミノキシジルを含んだ発毛剤が男女とも使える国があり、安全性には特に問題はないという。大正製薬は「男性以上に深刻な悩みを抱える女性は多い。解決につながれば」としている。

 大正製薬は今後、ミノキシジルの含有量を現在の1%から5%程度まで増やすことも検討するという。

厚生省が「リアップ」副作用で指導 外箱に注意書きを

December 03, 1999
 今年6月の発売以来、爆発的な人気の出ている発毛剤「リアップ」(成分名・ミノキシジル)を使用した後、副作用とみられるどうきや胸痛などの症状が出たとの報告が厚生省に、この1カ月間で13例あったことが3日、わかった。半数以上が、狭心症や高血圧などの既往歴がある人だったため、厚生省はこの日、製造販売元の大正製薬(東京都豊島区)に対して、外箱に「狭心症、高血圧などの既往歴のある人は、購入前に医師や薬剤師に相談することを勧める表示」をつけるよう指示した。

 リアップについては、副作用とみられるどうきや胸痛などの症状が500例報告されたとして、厚生省は11月9日に医薬品等安全性情報を出し、同様の「好ましくない症状」が出たときは厚生省に報告するよう医療機関などに対して指示をしていた。

 以後、12月2日までの間に、13人の症状が医療機関などから報告された。内訳は、胸痛6人、どうき5人、血圧上昇1人、不整脈1人。うち、狭心症や高血圧などの既往歴があった人が7人いた。

 リアップは発売以来500万本が出荷され、約100万人が使用している。

 大正製薬は「副作用とは考えていないが、もともと高血圧や狭心症の既往症がある人には使用を十分注意してもらうよう外箱にシールを張るなどの対策をすぐにとる」としている。

国内初の発毛剤に問い合わせ殺到

May 22, 1999
 大正製薬が来月初旬に発売を予定している国内初の発毛剤「リアップ」についての問い合わせが、同社に殺到している。発売に向けて同社では、全国で薬局・薬店向けに説明会を開催したり、商品の手配もするなど、対応に大わらわだ。

 「リアップ」の発売日や効果などについての消費者からの問い合わせ電話は、1日平均170本もあるという。また、販売店からの注文も多く、「1店舗への最初の出荷は、最大で24本にしてもらっている」(上原明社長)と、うれしい悲鳴を上げている。

 同社では、今年度は150万本の販売を見込んでいるが、発売後の追加注文の動向を見極めながら、7月後半には増産するかどうかを決める。「リアップ」の販売価格は、60ミリリットル入り5500円。(時事)

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