TOPIC No.5-50 乳幼児突然死症候群(SIDS)


01. SIDS 乳幼児突然死症候群 (2003年3月5日 読売新聞 Yomiuri On-LIne)
02. 風のあしあと by宮田 浩太郎/ひとみ   
03. 未来を失くした天使 -乳幼児突然死症候群(SIDS)と窒息死(事故)の境界線…
04. ISA -赤ちゃんの急死を考える会-
05. SIDS2000
06. 乳幼児突然死症候群(SIDS)
07. NPO法人 SIDS家族の会

突然死予防におしゃぶりを 米小児科学会が勧告

2005年10月11日YAHOO!News(共同通信)

 【ワシントン10日共同】赤ちゃんが睡眠中などに突然死亡する、原因不明の乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防策の一つとして、就寝時のおしゃぶりの使用が有効とする勧告を米小児科学会が10日まとめた。赤ちゃんが異常に深く眠るのを防ぐ効果がある可能性が明らかになったためという。AP通信など米メディアが伝えた。

 勧告は2000年以来5年ぶり。赤ちゃんの寝かせ方はあおむけに限り、横向きも避けるべきだとしたほか、SIDS予防策として「1歳になるまで就寝時におしゃぶりを使う」「両親と同じ部屋で、別のベッドで寝る」などを勧めた。

 おしゃぶりの使用をめぐり米国では「歯並びを悪くする」などの反対論もあるが、学会関係者は「1歳までなら心配はない」と話す。勧告は、おしゃぶりを嫌がる赤ちゃんへの無理強いは禁物、とも指摘した。

SIDS:診断でガイドライン−−厚労省研究班

2005年04月19日 毎日新聞 東京夕刊 Mainichi INTERACTIVE

 健康な乳幼児が寝ている間に突然死する「乳幼児突然死症候群」(SIDS)について、厚生労働省の研究班は18日、SIDSの診断には例外なく解剖が必要とすることを盛り込んだガイドラインを発表した。解剖していない場合は死因を「不詳」とするよう規定し、あいまいなSIDS診断を認めない内容。過失による窒息や虐待などの事故隠しを防ぐことにつながりそうだ。【玉木達也】

赤ちゃん「突然死」、厳格に診断 厚労省研究班が新指針

2005年04月03日 asahi.com

 元気な赤ちゃんが睡眠中に突然亡くなる「乳幼児突然死症候群(SIDS)」について、厚生労働省研究班が初の統一的診断指針をまとめた。これまでは旧厚生省と旧文部省の研究班、学会がそれぞれ指針を作っていたため混乱し、SIDSか窒息死かを巡り、訴訟になるケースが相次いでいた。今回の指針は、解剖で死因を特定する原則を確認するなど、より科学的根拠を重視した内容になった。

 厚労省のまとめによると、03年は244人、02年は285人がSIDSにより亡くなっており、乳児期の死亡原因の3位を占める。研究班(主任研究者=坂上正道・北里大名誉教授)は、旧厚生省や旧文部省の指針作りにもかかわった小児科医や法医学者ら13人で構成し、3年間にわたり診断基準を検討してきた。

 新指針は、解剖の必要性、窒息死との見分け、診断年齢の見直しを盛り込んだ。

 赤ちゃんが突然亡くなった場合、医師は警察に届け出ねばならず、解剖の対象となる。だが現在は、SIDSと診断された赤ちゃんのうち、解剖を受けている例は4割ほどに過ぎない。

 旧厚生省研究班は、解剖を受けなくてもSIDSの可能性が高い場合は「SIDSの疑い」とすることを認めていた。しかし、新指針では、解剖されない場合は「死因不詳」とすることとし、解剖せずにSIDSと診断してはならないとした。

 さらに、解剖だけでなく、病歴なども検討した上で窒息や虐待と区別してSIDSと診断するよう求めた。逆に、単にうつぶせ寝させていたという理由だけで窒息死と診断してはならないとした。

 また、これまで2歳までとしていたSIDSの範囲を、国際的な流れに合わせ、原則として1歳未満を対象とすることにした。

 坂上名誉教授は「SIDSの原因には未解明の部分も多く、今後、科学的な研究がさらに必要だ。今回の指針は一般の人が読んでもわかる内容で、SIDSに対する理解をより深めていきたい」と話している。

    ◇

 〈乳幼児突然死症候群(SIDS)〉 健康状態や既往症から予測できず、死亡状況や解剖からも原因がわからない突然死を乳幼児にもたらす病気。国内では約4000人に1人と推定され、03年の乳児(1歳未満)の死因では「先天奇形、変形および染色体異常」(36.4%)、「呼吸障害および心血管障害」(14.4%)に次ぎ、6.5%で第3位になっている。80年代に欧米でうつぶせ寝との関係が指摘され、厚生労働省も、うつぶせ寝や周囲の喫煙などを危険因子としている。

おしゃぶり1歳過ぎたら注意…歯並び、発語に影響

2005/02/28 読売新聞 Yomiuri On-Line

 赤ちゃんを泣きやませるためにおしゃぶりを使うお母さんが増えているが、小児歯科医などで作る委員会が、歯並びなどに影響を与える恐れがあるとして、常用しない方がいいとする見解を公表した。

 見解をまとめたのは日本小児科学会や日本小児歯科学会の会員らで作る「小児科と小児歯科の保健検討委員会」(代表=前川喜平・東京慈恵医大名誉教授)。

 年齢とかみ合わせの調査では、常用している子どもは、使用しない子どもに比べ、前歯の上と下が開いてしまう「開咬(かいこう)」が現れる率が高い。乳歯が生えそろう2歳半以降も使用すると、かみ合わせの問題も残るという。

 また、親が泣きやませる手段として習慣的に使っている状況があるため、「子どもがなぜ泣いているか親が考えなくなる」「子どもの発語の機会が減る」など、親子の大切なコミュニケーションを阻害しかねないと指摘する。

 このため〈1〉言葉を覚える1歳を過ぎたら常用しないようにする〈2〉遅くとも2歳半までに使用を中止する〈3〉おしゃぶりを使用している間も、声をかけたり一緒に遊んだりして子どもとふれあう〈4〉4歳以降もおしゃぶりが取れない場合は、情緒的な面を考慮して小児科医に相談する――との見解をまとめた。

 一方、簡単に泣きやむ、静かになる、母親の育児ストレスを軽減する――などの利点も認めている。

 大手育児用品メーカーの調査では、乳幼児がいる家庭のおしゃぶり所有率は2000年の55%から、2003年の71%にアップしている。同委員会副代表の高木裕三・東京医科歯科大大学院教授は「おしゃぶりは鼻呼吸やあごの発達を促進する効果があるなどといわれるが、医学的な根拠は確かめられていない。使い方に注意を」と話している。


乳幼児突然死症候群

2002年06月28日 東奥日報

 健康な赤ちゃんが睡眠中に突然死亡する病気で、両親の喫煙やうつぶせ寝、人工乳などが発症リスクを高めることが分かっている。生後6カ月未満が大半だが、1歳前後まで発症の可能性があるため国の診断基準は幅を持たせて2歳未満を対象としている。人口動態統計では、この基準を外れた2歳以上の子供への診断が1995−2000年に計84人に上っていた。

 特徴的な病変がなく、解剖でほかの病気や事故、虐待などの可能性が否定された場合に診断される。入院中に急死した赤ちゃんの親らでつくる市民団体は、病院側がうつぶせ寝などによる窒息事故の責任を逃れるための「隠れみの」になっていると指摘、安易に診断しないよう訴えている。

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