TOPIC No.5-46B 2005年度 高病原性 鳥インフルエンザ

鳥インフルエンザで女性死亡 中国で3人目、感染は7例目

2005/12/30 The Sankei Shimbun

 新華社電によると、中国衛生省は29日、福建省三明市の女性(41)が高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)ウイルスに感染し死亡したと発表した。中国での人への鳥インフルエンザ感染確認は7人目、死者は3人目。福建省での確認例は初めて。

 女性は工場で働いていたが、発熱など肺炎に似た症状が出て今月8日に入院、21日に死亡した。死亡後に疾病予防コントロールセンターが女性の組織のサンプルからH5N1型への感染を確認した。

 衛生省は世界保健機関(WHO)や香港政府などに通報、女性に接触のあった人などに発症した例はないとしている。

 中国ではこれまで計12の省と自治区で家禽(かきん)などへの鳥インフルエンザ感染が確認されており、人には遼寧省、広西チワン族自治区、安徽省、湖南省、江西省で計6人の感染が確認されていた。死亡した2人はいずれも安徽省。(共同)

未公表の福建省でも発生か 中国の鳥インフルエンザ

2005/12/24 The Sankei Shimbun

 中国疾病予防コントロールセンターが英医学誌ランセットにこのほど発表した論文で、中国当局がこれまで公表していない福建省での鳥インフルエンザ(H5N1型)ウイルス検出を明らかにした。24日付香港紙、香港経済日報が報じた。

 中国当局はこれまで、12の省と自治区で家禽(かきん)などの感染が確認されたと公表しているが、福建省は含まれていない。香港の専門家は同紙に「家禽の死骸(しがい)やふんからの検出なら公表しない可能性もある」としているが、同紙は中国本土の通報制度は「混乱状況」にあると批判的に伝えた。

 同センターは論文で、11月に感染が確認された湖南省湘潭県の少年のH5N1型ウイルスについて、福建省の家禽から今年検出した同型ウイルスと「密接な関連がある」と指摘しているという。(共同)

インドでタミフル製造へ ロシュが製造権供与

2005/12/24 The Sankei Shimbun

 スイスの製薬会社ロシュは23日、インフルエンザ治療薬の抗ウイルス剤タミフルの製造権をインドの製薬会社ヘテロドラッグスに供与すると発表した。

 ロシュが発展途上国の製薬会社にタミフルの製造を認めたのは、中国の上海医薬集団に次いで2社目。

 ヘテロドラッグスが製造するタミフルのコピー薬は、インドをはじめとする発展途上国の政府の備蓄用に供給される予定。ロシュによると、ヘテロドラッグスは2006年上半期に供給を開始できる見通し。

 タミフルはアジアを中心にまん延している鳥インフルエンザのウイルスが変異し、人の間で感染するようになった場合の効果が期待されている。

 現在は需要に供給が追いついておらず、ロシュは今月12日、数カ国の製薬会社12社と製造権付与の交渉を続けていることを明らかにしていた。(共同)

鳥インフル予防で国際協力 中国でアジア閣僚会議

2005/12/08 The Sankei Shimbun

 北京放送によると、中国雲南省昆明で鳥インフルエンザ対策のアジア閣僚級会議が6日から開かれ、感染拡大防止に向けた国際協力を盛り込んだ文書を発表し、7日閉幕した。

 中国の回良玉・副首相は会議で「鳥インフルエンザの発生は国境を越えており、人類共通の脅威だ」と述べ、国際協力の強化を呼び掛けた。

 会議は中国農業省の主催で、東南アジア諸国連合(ASEAN)各国やインド、ロシアなど16カ国と世界銀行、国連食糧農業機関(FAO)などの代表が参加、日本は参加していない。(共同)

4人目の鳥インフルエンザ感染確認 中国

2005/12/07 The Sankei Shimbun

 新華社電によると、中国衛生省は6日、広西チワン族自治区資源県で、女児(10)が高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染していたことを確認したと発表した。中国で人への感染が確認されたのは4人目。

 女児は11月23日、発熱などの肺炎に似た症状を起こし、病院で治療を受けている。地元当局が女児と接触していた人を調べているが、異常は見つかっていないという。

 中国ではこれまで安徽省と湖南省で計3人の感染を確認。また、計31の省、直轄市、自治区のうち、7省4自治区で家禽(かきん)の感染が確認されていた。(共同)

市民の危機感、いまひとつ ベトナム懸命の鳥インフル対策

2005/12/04 The Sankei Shimbun

 鳥インフルエンザの感染者、死者とも世界で最多のベトナム。2003年以降、既に40人以上が死亡した。政府は3度目となるインフルエンザの季節到来を前に、あの手この手の対策を発表、感染拡大の封じ込めに躍起となっている。しかし市民の反応はいまひとつ。政府の危機意識が日常生活に浸透するには、まだ時間がかかりそうだ。

 ▽庭先に鶏

 ハノイ北西部のトゥリエン地区。農業を営むド・ティ・フオンさん(28)の庭では豚小屋の横で鶏が走り回る。「(鳥インフルエンザの)ワクチンを打っているから心配ない。毎日卵を食べているけれど大丈夫よ」とフオンさんは言う。

 ハノイ当局によると、ワクチンを投与した家禽(かきん)は小屋に入れなければならないが、規則を守っている農家は多くない。「危険性をなかなか理解してもらえない。すべての家禽を殺すのが最良だが、農家への補償金が出ない」。同地区人民委員会幹部のグエン・バン・ザン氏がため息をついた。

 ベトナムでは、今年10月に家禽の鳥インフルエンザが再発。11月中旬までに64省・直轄市のうちハノイなど4分の1に広がった。ワクチン投与が終了したはずの北部バクニン省でも感染を確認。鳥インフルエンザにも有効とされる抗ウイルス薬タミフルに耐性を持つウイルスが検出されたのもベトナムだ。

 ▽生き血料理

 こうした事態を受け、政府は11月初旬、家禽の衛生的管理や医療面の準備など鳥インフルエンザ対策を発表。スイスの製薬大手ロシュからタミフルの製造支援を取り付けるなど「鳥インフルエンザとの戦い」に決意を示した。

 ハノイでは毎朝夕、各所に設置されたスピーカーで「家禽を料理しない、食べない」とのスローガンが流れる。国営テレビは、鶏やアヒルの生き血を使った料理を食べないよう繰り返し放送。新聞も、こうした「感染の危険性が高い行為」の実例を次々と“告発”し、市民の啓発に努めている。

 だが政府の掛け声とは裏腹に、市民の危機意識はなかなか盛り上がらない。当局は、家禽の生き血に野菜やナッツをまぜた料理は「危険性が高い」として禁止したが、人気が高いため一部の食堂は今も客の求めに応じてこっそり出している。ワクチンを投与していない家禽は飼育や売買が禁止となったが、どこまで守られているかは疑問だ。(共同)

エチオピアで鳥インフルエンザか 渡り鳥で到達の疑いも

2005/12/02 The Sankei Shimbun

 AP通信によると、エチオピア政府は2日、首都アディスアベバと東部ソマリ地方で見つかった死んだハトが、鳥インフルエンザに感染していた可能性があるとして、調査を始めたことを明らかにした。

 確認されれば、アフリカ大陸で今年初の感染例。猛威を振るったアジアをはじめ、中東、欧州でも確認された鳥インフルエンザが渡り鳥の進路に沿ってアフリカに達した疑いが強まる。国連食糧農業機関(FAO)は「資金不足で十分な対応が困難なアフリカ諸国に広まれば、鳥インフルエンザの封じ込めは一層困難になる」と危機感を強めている。

 エチオピア政府はハトの死骸(しがい)の中から8羽をサンプルとして検査、来週にも結果が分かる予定。農業省関係者は「詳しく検査する装置が必要だ」と話している。

 南アフリカでは昨年8月、ダチョウから高病原性鳥インフルエンザウイルスが確認されたが、アジアで猛威を振るったH5N1型とはウイルスのタイプが異なっていた。(共同)

鳥インフル流行防止で協力 中国とモンゴル

2005/11/29 The Sankei Shimbun

 中国中央テレビによると、中国とモンゴル両政府は29日、共同声明を発表し、鳥インフルエンザの流行防止に向け、情報交換と協力を強化することで合意した。

 両国の友好発展をうたった声明はまた、モンゴルが「一つの中国」原則を堅持することも盛り込んだ。モンゴルのエンフバヤル大統領は27日から1週間の予定で訪中している。(共同)

中国で3人目の感染確認 鳥インフルエンザ

2005/11/24 The Sankei Shimbun

 中国衛生省は23日、安徽省で死亡した女性が高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染していたことを確認した。中国では、同省と湖南省で計2人の感染が確認されており、今回で3人目。

 新たに感染確認されたのは安徽省休寧県の女性(35)で、11日に発病。発熱、肺炎などの症状を起こし、22日に死亡した。検査を実施したところ、女性の気管支から採取した分泌物からH5N1型ウイルスの陽性反応が確認された。女性は生前、鳥インフルエンザに感染した疑いのある家禽(かきん)に触れていたという。

 また、中国農業省は23日、新疆ウイグル自治区米泉市で、家禽への感染を確認。同自治区ではこれまでにも、ウルムチやカシュガルなどで感染が判明。中国では計31の省、直轄市、自治区のうち、7省4自治区で感染が確認されている。(共同)

中国、雲南省などで鳥インフルエンザ感染拡大

2005/11/23 The Sankei Shimbun

 中国農業省は22日、雲南省と寧夏回族自治区で新たに高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)の家禽(かきん)への感染が確認されたと発表した。

 これで中国の計31の省、直轄市、自治区のうち、感染が確認された地域は7省4自治区となった。雲南省では2500羽、寧夏自治区では230羽の家禽が死んだ。(共同)

鳥インフルエンザ「感染死」14人の名簿掲載 中国語サイト

2005/11/21 The Sankei Shimbun

 米国などを拠点とする中国語の情報ウェブサイト「博訊網」は21日までに、中国遼寧省で鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染し死亡したとする中国人14人の名簿を掲載した。中国本土のサイトに掲載された名簿を転載、事実かどうかは不明としている。

 名前のほか出身地を村単位まで掲載。河南、四川、安徽各省からの出稼ぎ労働者で、いずれも既に火葬されたとしている。中国衛生省は、中国本土でH5N1型に感染し死亡したのは、疑い例も含めてこれまで2人と公表している。(共同)

鳥インフルエンザ、中国21地区で感染確認

2005/11/21 The Sankei Shimbun

 中国農業省は21日、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)の感染状況について、中国の31の省、直轄市、自治区のうち、今年に入ってこれまでに、9つの省と自治区内の21地区で家禽(かきん)への感染が確認されたと発表した。

 感染した家禽は計約14万4600羽。発生場所から3キロ以内の家禽計約2118万4000羽を処分した。

 同省は、中国の鳥インフルエンザは渡り鳥から感染した可能性が高いとの見方を示した。(共同)

カナダのカモから弱毒型ウイルス

2005/11/20 The Sankei Shimbun

 カナダ政府は19日、中部マニトバ州の野生のカモ2羽から、H5N1型の鳥インフルエンザウイルスを検出したと発表した。しかし、人間に感染し死者も出ているアジアで流行中のH5N1型とは異なる毒性の弱いタイプで、同政府は人の健康に害はないとみている。AP通信が報じた。

 鳥インフルエンザ対策としてカナダ政府が進めている全国規模の渡り鳥調査で判明した。

 ケベックなど他の2州の野鳥からもH5N3など計3種類のH5型ウイルスが検出されたが、H5N1を含め、いずれも以前から北米の野鳥で見つかっている弱毒型のウイルスだという。

 H5型ウイルスは、鶏などに広がった場合に強い毒性を示す恐れがあるため、カナダ政府は関連業界に対し、野鳥を家禽(かきん)用の餌や水などに近づけないよう、あらためて注意を呼び掛けた。(共同)

鳥インフルエンザで結束 APECが閉幕

2005/11/19 The Sankei Shimbun

 アジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議は19日、韓国釜山で、鳥インフルエンザ感染拡大阻止や世界貿易機関(WTO)の新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)の成功に向けた首脳宣言を採択し閉幕した。鳥インフルエンザ対策では行動計画(イニシアチブ)、WTO支援では特別声明をまとめ、2大テーマで21の参加国・地域の政治的決意を強く打ち出した。来年の開催国はベトナム。2010年には日本で開催される。

 北朝鮮核問題は首脳宣言には盛り込まれなかったものの、韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョン )大統領が首脳会議の終了後、「(APEC首脳は)6カ国協議の共同声明を誠実に履行することを勧めた」と口頭で言及した。

 鳥インフルエンザ行動計画は(1)06年11月までのインフルエンザ流行対応計画の策定(2)監視・早期発見の体制の強化(3)ワクチン、治療薬など研究体制構築―などを掲げ実行を確約。06年初めにシミュレーション(机上訓練)も実施する。

 また小泉純一郎首相が19日に治療薬備蓄などの発展途上国支援策を表明するなど各国・地域も相次いで独自の緊急対策を打ち出した。

 WTO香港閣僚会議が12月に迫るのを前に、首脳らは「新ラウンドの迅速な進展に確固たる支持」を宣言。APEC首脳会議としてWTOに関する特別声明を出すのは初めてで、米国の輸出信用などを含め、先進国が10年までにすべての農業輸出補助金を撤廃することを明確にし、交渉進展を促した。

 このほかに、先進国が10年までに、途上国が20年までに貿易・投資を自由化する「ボゴール目標」の中間評価を行い、目標達成のため質の高いFTAの実現、知的財産権保護の強化などに取り組むことで一致。アジアで相次ぐテロ対策で協力を維持していくことも確認した。(共同)

中国で感染地域拡大 鳥インフルエンザ、山西省でも

2005/11/18 The Sankei Shimbun

 中国農業省は18日、山西省孝義市と新疆ウイグル自治区ウルムチの2カ所で高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)の家禽(かきん)への感染をそれぞれ確認したと発表した。

 山西省での感染確認は今年初めて。これで中国の計31の省、直轄市、自治区のうち、感染が確認された地域は6省3自治区に及んだ。

 孝義市では10日に鶏約8100羽が死に、17日に感染を確認。ウルムチ天山区では12日に鶏8羽が死に、16日に確認した。いずれも発生場所から3キロ以内の家禽を処分した。

 新疆ウイグル自治区では17日にホータンで家禽への感染が確認されたばかり。(共同)

鳥インフルエンザ 東南ア都市でも感染 アジア全域の様相

平成17(2005)年11月18日 The Sankei Shimbun

 【バンコク=岩田智雄】中国本土で十六日に毒性の強い鳥インフルエンザウイルス、H5N1型の人への感染が初めて確認され、同ウイルスの感染はアジア全域に広がる兆しを強めてきた。感染多発地帯の東南アジアでは、鳥への接触機会が比較的少ないとみられる大都市での人への感染が最近、相次いで報告され、ウイルスが人に感染しやすいように変異している懸念すら出ている。

 このため、十八日から釜山で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議でも、予防対策が主要議題となる。

 東南アジアでの死者六十六人の三分の二が集中するベトナムでは十月二十九日、首都ハノイ在住の男性が同ウイルスに感染して死亡、二〇〇三年十二月の流行以来の死者が四十二人を数え、大都市初の感染例となった。

 ハノイと南部の商業都市ホーチミンの当局はこれを受け農家で飼育されるニワトリやアヒルなど全家禽(かきん)類を今週中に処分するよう命令を出した。

 ハノイの人民委員会はすでに生きた家禽類の販売も禁止しており、ホーチミンではペットとして鳥を飼育することも十一月末で禁止され、十二月以降、飼育が発覚した場合は没収、処分される。

 ファン・バン・カイ同国首相は十五日、九十八億円に上る鳥インフルエンザ対策費を計上する方針を発表、軍や警察を動員して同ウイルス対策に当たらせるとしている。

 二十一人が感染、十三人が死亡しているタイでも十一日、首都バンコクで初めて感染(一歳半の男児)が確認された。

 インドネシアでも十七日、首都ジャカルタ在住の女性二人が同ウイルスに感染して、死亡していたことが確認された。ユドヨノ同国大統領は感染した鳥を発見するため、部隊数千人を投入する方針を明らかにしている。

 一方、中国衛生省が感染を確認したのは、湖南省湘潭県で原因不明の重症肺炎と診断されていた少年(9つ)=回復=と安徽省安慶市の養鶏家の女性(24)=死亡=の二例。

 湖南省の少年の姉(12)も感染の疑いが持たれたまま、十月十七日に死亡している。しかし、遺体は火葬され、検査による確認はできなかった。

 世界保健機関(WHO)の北京事務所は十七日、感染は拡大する可能性がある、と警告した。

感染確認で半径3キロ封鎖 鳥インフルエンザ対策でベトナム

2005/11/17 The Sankei Shimbun

 17日のベトナム通信によると、全国鳥インフルエンザ対策委員会は、家禽(かきん)の鳥インフルエンザ感染が確認された場合、その地点から半径3キロを封鎖し、家禽の持ち出しなどの移動がないかどうかを監視するチェックポイントを周囲に設置するよう全国に指示した。

 委員会は獣医師や保健関係者、兵士や学生らに鳥インフルエンザ拡大を防ぐあらゆる活動に参加するよう呼び掛けた。

 ベトナムでは11月に入り、家禽の感染が急速に広がり、同日までにハノイなど14省・直轄市で感染を確認、60万羽が処分された。ハノイとホーチミンの人口集中地域で家禽の飼育を禁止するなど、政府は予防対策を強化している。(共同)

WHOが感染拡大警告 中国と連携、防止に全力

2005/11/17 The Sankei Shimbun

 世界保健機関(WHO)北京事務所のベケダム代表は17日記者会見し、中国で高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)の人への感染が初めて確認されたことについて、鳥や人への感染が拡大する可能性があると警告、中国政府と協力し、感染拡大防止に全力を挙げる姿勢を表明した。

 中国農業省も同日、地方政府に対し、人への感染予防措置の徹底や速やかな報告を求める通達を出すなど、本格的な対策に乗り出した。通達にはWHOなど国際機関との協力強化も含まれており、ベケダム代表も「引き続き中国政府を支援して行く」と述べた。

 ベケダム代表は「人から人への感染が起きている証拠はない」として、現段階で人間経由の感染拡大の恐れはないとの認識を示した上で「鳥への感染拡大がある以上、人への感染の可能性もある」と言明した。

 中国衛生省は16日、湖南省の少年(9)と安徽省の女性(24)の計2人がH5N1型に感染していたことを確認、安徽省の女性は死亡したと発表。湖南省の少年の姉(12)=10月に死亡=も疑い例として公表した。

 中国ではこのほか、地方政府が認めたものなどで、湖南省の男性と遼寧省の女性の2人の疑い例が出ている。

 また国連のアナン事務総長は16日、チュニスで中国の黄菊副首相と会談、国際社会の協力が感染拡大阻止に向けた「最も効率的な方策」だと訴え、中国に積極的な情報公開を促した。ニューヨークの国連報道官が同日の会見で明らかにした。(共同)

家禽を“水増し処分” 中国業者、補償金目当て

2005/11/17 The Sankei Shimbun

 鳥インフルエンザの家禽(かきん)への感染が相次ぐ中国東北部の遼寧省で、感染防止のために処分した家禽数を水増し報告するなどして補償金をだまし取ろうとする養鶏業者が続出している。新華社電が16日、報じた。同省錦州市の一部地域では、すでに3万5000羽分の補償金35万元(約515万円)が不正に受け取られているという。

 錦州市の公安当局によると、市政府から家禽の処分命令を受けていた同市内の養鶏業者(46)は、実際には1200羽しか処分していないにもかかわらず「2400羽を処分した」と水増し報告し、補償金をだまし取っていた。(共同)

中国で人への感染初確認 鳥インフルエンザで2人

2005/11/16 The Sankei Shimbun

 中国衛生省は16日、湖南省と安徽省で計2人が高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染していたことを確認、湖南省でさらに1人の疑い例があると発表した。3人のうち2人は死亡した。世界保健機関(WHO)のまとめでは、2003年12月以降、ベトナムやタイなどアジア4カ国で人への感染が確認されているが、中国での確認は初めて。

 中国では湖南、安徽両省のほかにも遼寧省などで鳥インフルエンザが発生しており、政府は今後、WHOと協力しながら人への感染拡大防止に全力を挙げる方針。

 新華社電によると、感染が確認されたのは、湖南省湘潭県の少年(9)と安徽省安慶市の農家の女性(24)で、湖南省の少年は回復に向かっているが、安徽省の女性は今月10日に死亡した。中国衛生省はこのほか、少年の姉(12)=10月17日死亡=も感染していた可能性が高いとみている。新華社電によると同省は当初、3人の感染が確認されたと発表したが、この姉についてはWHOの基準では十分な根拠がなく、感染例と確認できなかった。3人の家族らからは感染症状は見つかっていない。

 WHO西太平洋地域事務局(マニラ)の感染症対策のアドバイザー、押谷仁(おしたに・ひとし)氏は「鳥インフルエンザが中国で大量発生していたので、人への感染が出るのは想定の範囲内だ。しかし、中国のほかの地域でも人への感染が出る可能性があり、監視態勢を強化したい」と話している。(共同)

感染拡大防止へ努力強調 中国、遼寧省で現場公開

2005/11/16 The Sankei Shimbun

 中国政府と遼寧省は16日、家禽(かきん)への高病原性鳥インフルエンザ感染が拡大し、封鎖された同省錦州市黒山県の感染現場を初めて外国報道陣に公開、感染拡大防止への取り組みをアピールした。

 公開された同県の7台子村はのどかな農村で、8日には温家宝首相も視察した。村に通じる道路では、水色の防護服姿の当局者が車と人の出入りを厳しく検査。民家の前には、白い消毒剤が分厚くまかれてあった。

 4日朝に村内の養鶏業者(40)の養鶏場で鶏4、5羽が死んでいるのが見つかり、6日に村内の家禽3万8000羽を処分した。馮さんの養鶏場は設備もすべて処分し、毎日消毒を続けているという。

 約2800羽を処分した同村の男性(53)は「処分は忍びなかったがしかたがない。1羽につき10元(約150円)の補償もあったし、騒ぎがおさまったらまた養鶏をしたい」と語った。

 黒山県でも人への感染疑い例が出ているが、遼寧省当局者は「感染の可能性は排除できない」とする一方、患者の容体は回復したと強調した。

 黒山県では58の村で、家禽が鳥インフルエンザに感染。これまでに計11万羽が死んだ。同省では黒山県以外にも阜新市や北寧市で感染が確認され、省全体では約1500万羽を処分した。(共同)

鳥インフルエンザの死者7人に…インドネシア

2005年11月14日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 インドネシアのユドヨノ大統領は14日の記者会見で、同国で毒性の強い鳥インフルエンザ(H5N1型)への感染者が11人に達し、うち7人が死亡したことを明らかにした。

 世界保健機関(WHO)が確認している、同国での鳥インフルエンザによる死者数は5人。(ジャカルタ支局)

防疫対策の取り組み強化 鳥インフルエンザで農水省

2005/11/14 The Sankei Shimbun

 新型インフルエンザの出現が世界的に懸念されることを受けて、農水省は14日、同省高病原性鳥インフルエンザ対策本部を開き、鶏など家禽(かきん)類への感染を防ぐため、防疫対策の取り組み強化などを申し合わせた。

 新型インフルエンザの発生要因として、鳥インフルエンザウイルスが変異し、人に感染しやすくなることが考えられている。会合では全国の養鶏場の検査、発生国からの帰国者の消毒など、従来の防疫対策をさらに徹底することを確認した。

 中川昭一農相は「(ウイルスの)まん延防止など国内対策を強化するとともに、わが国の経験を生かした国際貢献の取り組みをお願いしたい」と指示した。

 欧州やアジアでは既に強毒型のH5N1型鳥インフルエンザウイルスが大流行。日本でも昨年、鶏がH5N1型ウイルスに感染して大量死し、今年は茨城県を中心に弱毒型ウイルスの感染が相次いだ。(共同)

中国新疆で新たな鳥インフルエンザ感染か 20万羽処分

2005/11/14 The Sankei Shimbun

 14日付中国系香港紙、大公報によると、中国新疆ウイグル自治区ウルムチ郊外とカシュガルで家禽(かきん)類が大量に死んだことが確認され、当局が鳥インフルエンザ(H5N1型)感染の疑い例として調べている。当局は周辺の鶏など20万羽を処分したという。

 同自治区では6月、塔城市で家禽のH5N1型感染が確認されている。

 同紙によると、ウルムチ郊外では今月11日の農業当局の検査で、鶏1400羽が死んだことを確認。死んだ鶏は9月と10月の2回、ワクチン接種していたため、当局は効果のない違法ワクチンが流通していなかったかどうかについても調べるという。(共同)

茨城の養鶏場を家宅捜索 虚偽報告し検査妨害

2005/11/12 The Sankei Shimbun

 茨城の鳥インフルエンザ問題で、茨城県警生活環境課と石岡署は12日、家畜伝染病予防法違反(検査妨害)の疑いで、同県小川町、採卵養鶏場「キミシマファーム」=君島正夫代表(60)=の事務所など3カ所を家宅捜索、鶏舎などを現場検証した。

 県警は同日、出納簿や注文書、納品書など52点を押収し、検査妨害の動機など君島代表から任意で事情を聴いた。

 茨城の鳥インフルエンザでは初の強制捜査。県が11日、同法違反容疑で君島代表と同養鶏場を県警に告発していた。

 調べなどによると、同養鶏場は、近くの別の養鶏場で抗体陽性が出たため移動禁止区域に入った直後の8月28日、県の立ち入り検査を拒否し自ら検体を採取。実際は5鶏舎からしか検体を採取していなかったのに、16鶏舎計180羽から採取したと県に虚偽報告し検査を妨害した疑い。

 県などによると、獣医師でもある君島代表からの申し出を受け、県側は農林水産省の指針に反し、採取方法を伝えた上で同養鶏場に採取を任せた。この検体はすべて陰性だった。

 移動禁止区域の解除に向けた検査のため、県は10月26日に同養鶏場で検体を採取。13鶏舎の170検体のうち5鶏舎の40検体が抗体陽性となった。

 この際、君島代表は県の立ち入りを拒まなかったという。「(8月は)県の立ち入りで、外部からウイルスが入ってくるのを懸念した」と話しているという。

 県畜産課は「8月の検査では、検体採取が偏っていたことが陰性になった大きな要因」とみている。同養鶏場は県の処分命令を受けて11月10日までに鶏約7万7000羽の全量処分を終えた。(共同)

バンコク初の鳥インフルエンザ感染、1歳男児入院

2005年11月12日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 タイ保健省当局者は12日、バンコク東部に住む1歳の男児が鳥インフルエンザウィルス(H5N1型)に感染したと明らかにした。

 タイではこれまで死者13人を含む20人の感染が確認されているが、首都バンコクで感染したと見られるケースは初めて。

 当局者によると、男児の家庭では先月31日、飼っていたニワトリ3羽が死亡、男児は今月に入って発熱やせきを訴え、入院した。(バンコク支局)

10分間で鳥インフルエンザ判定 検査薬販売へ

2005/11/12 The Sankei Shimbun

≪シンガポール企業≫

 シンガポールの化学企業ロックビー・バイオメッドは11日、毒性の強いH5N1型の鳥インフルエンザに人や鳥が感染しているかどうかを約10分間で判定する検査薬を今月中にも販売すると発表した。判定時間は世界最速という。

 尿で調べる簡便な妊娠検査薬に似た仕組みで、鳥のふんや人の唾液(だえき)を棒に吸着させ、検査薬につける。感染している場合、検査薬に線が浮かび上がる。検査室や医療機器が不要のため、従来2、3日だった判定時間を大幅に短縮できる。

 アジア太平洋地域や欧州、南アフリカで販売。価格(1回分)は鳥用が6ドル(約700円)、人用が12ドル。(共同)

鳥インフルエンザに世界包囲網 資金面でも封じ込め

2005/11/12 The Sankei Shimbun【東京朝刊から】

 鳥インフルエンザに対する国際的な対策が急がれる中、世界銀行が大流行を防ぐ資金作りのための拠出国会合を来年1月17、18の両日、北京で開催することを決めるなど、ようやく具体的に資金面でも鳥インフルエンザ封じ込めを狙う「世界包囲網」が動き始めた。(杉浦美香)

 今月7日から3日間にわたりジュネーブで開かれていた世界保健機関(WHO)などによる対策専門家会合で、世界銀行は今後3年間で10億ドル(約1173億円)が必要と試算し、そのための会議の会場に北京を選んだ。ロイター通信によると、世銀はすでに、5億ドルの資金拠出を表明しており、ドナー会議では5億ドルの資金を要請することになるという。

 専門家会合には約100カ国から600人が参加し、最終日には、鳥インフルエンザが人から人に感染し、新型インフルエンザとして大流行するのに備え、世界的な抗ウイルス剤の備蓄態勢の構築や早期発見、監視システムの強化、情報の共有など12項目の対策の実施が各国に呼びかけられた。

 今月18日からのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議でも鳥インフルエンザ対策が重要議題になり、各国がどれだけ新型インフルエンザ発生に備えているかを確かめるため、行動計画の実施状況を調べる演習を行うことなどを確認する。

 鳥インフルエンザは一時鎮静化していたが、8月末からベトナムやタイで再び死者が確認されており、欧州、米国、カナダ、オーストラリア、東南アジアなど各国の担当者を集めた鳥インフルエンザの国際会議が行われてきたが、世界的な資金援助体制づくりにまでいたっていなかった。

鳥インフルエンザ ブタ介さず人型変異 米で確認、危機感募る

2005/11/12 The Sankei Shimbun

 毒性の強い鳥インフルエンザウイルス「H5N1」に対し、厚生労働省が、これまでにない危機感を強めている。ウイルス学者らが「人型への変化が始まり、いつ新型インフルエンザが出現してもおかしくない」と指摘しているからだ。わずかな変異だけで鳥型から人型に変わったスペインかぜの存在が、この指摘の根拠。厚労省は抗ウイルス薬の大量備蓄を決め、世界各国も、すでに対策に乗り出した。(編集委員 木村良一)

 これまで、新型インフルエンザは、既存の人インフルエンザウイルスと鳥インフルエンザウイルスとが、ブタの体内で混ざり合って誕生すると考えられてきた。ブタは両方のウイルスに感染する。一九五七年のアジアかぜ(H2N2)と一九六八年の香港かぜ(H3N2)は、ブタの体内で発生したことが確認されている。人の体内でもブタと同じことが起こる。

 ところが、一九一八年に大流行して二千万人から五千万人が死亡したスペインかぜは違った。CDC(米国疾病対策センター)と米軍病理学研究所が、アラスカの永久凍土に埋葬された感染者の肺からこのスペインかぜウイルスの遺伝子を回収し、ウイルスを再生して解読を進めた結果、最近になってスペインかぜは、遺伝子の一部が置き換わっただけで鳥型から人型に変わったことが分かった。

 しかも、感染する際の人の細胞のレセプター(受容体)に対する認識は鳥型のままで、人型には変化していなかった。鳥インフルエンザは、簡単には人に感染しないとの通説を覆した。

 専門的な話になるが、RNAウイルスのインフルエンザウイルスの変異には、「抗原連続変異」と「抗原不連続変異」がある。ブタの細胞内で人型ウイルスの八本の遺伝子と鳥型ウイルスの八本の遺伝子が交雑して再集合し、八本の遺伝子を持つ新型が生まれる。これが抗原不連続変異だ。これに対し、遺伝子内の四つの核酸(グアニン、ウリジン、シトシン、アデニン)の配列が一部分で置き換わるのが、突然変異とも呼ばれる抗原連続変異で、インフルエンザウイルスは頻繁にこの変異を繰り返している。

 スペインかぜのウイルスはこの抗原連続変異だけで、鳥型から人型に変異した。ウイルスの増殖に不可欠なポリメラーゼと呼ばれるアミノ酸配列が、鳥型と十個違うだけだった。新型インフルエンザの出現には、必ずしも抗原不連続変異は必要ないことになる。

 スペインかぜのもとになった鳥インフルエンザウイルスH1N1は、鳥に対して弱毒だったが、鳥インフルエンザH5N1ウイルスは鳥に強毒で、ニワトリは鶏冠(とさか)や足に皮下出血を起こして死ぬ。人型に変異した場合、人にも強毒の可能性は高い。

 感染症の専門家らは「H5N1ウイルスも、同様の変異が認められ、どこまで変異しているかは分からないが、すでに人型への変化が起きている。だから欧米も危機感を抱いている」と指摘する。

 厚労省はこの見解を重視し、抗ウイルス薬「タミフル」(一般名・リン酸オセルタミビル)の備蓄目標を二千五百万人分(二億五千万カプセル)に増やすことを決めた。当初目標の一・七倍。二千五百万人は新型が出現して流行した場合、医療機関を受診すると厚労省が推計した患者数に当たる。タミフルは体内でのウイルス増殖を抑える新型インフルエンザに対する“唯一の武器”だ。ワクチンが量産までに六カ月間かかるため、タミフルで時間を稼ぐ。

              ◇

 《インフルエンザの流行》 既存のインフルエンザでも流行すると、高齢者が肺炎で亡くなり、幼児が脳症で命を落とす。それが人類に免疫(抵抗力)のない新型インフルエンザだと、厚労省によれば、国内だけでも2500万人以上が医者にかかり、17万人近くが死ぬ。鳥インフルエンザウイルス「H5N1」は、1997年に香港で18人が感染してうち6人が死亡。2003年にも香港で2人が感染してうち1人が死んだ。その後、タイ、ベトナム、カンボジア、インドネシアで計189人が感染し、うち64人が亡くなっている。ただし、この数字は氷山の一角に過ぎない。

タイで21人目 鳥インフルエンザ、1歳児感染

2005/11/12 The Sankei Shimbun

 タイ保健省当局者は11日夜、風邪のような症状を訴え入院中のバンコク近郊在住の男児(1)が、高病原性鳥インフルエンザに感染していることを確認したと語った。同国内での感染確認は昨年以来21人目。

 当局者によると、男児の家では闘鶏用の鶏を飼っていた。生命に別条はないという。(共同)

中国9000羽、ベトナム5000羽超が感染死

2005/11/04 The Sankei Shimbun

 中国農業省は4日までに、中国遼寧省黒山県の農村で家禽(かきん)類8940羽がH5N1型の鳥インフルエンザに感染して死んだと発表した。中国での鳥インフルエンザ発生は今年秋以降、4例目。

 住民らへの感染は確認されていない。衛生省は関連施設の封鎖、検疫に乗り出し、周辺3キロ以内で飼われている家禽約37万羽を処分した。現地が渡り鳥の飛来地として知られることから、専門家は感染ルートについて「海外からの可能性もある」とみている。

 ベトナムの農業・地方開発省は4日、ベトナム北部バクザン省の3地区で鳥インフルエンザが発生し、農家が飼育する1万8000羽の鶏やアヒルのうち5000羽以上が死んだと発表した。

 同省によると、同地区の家禽(かきん)からH5型の鳥インフルエンザウイルスが検出され、これまでに830羽以上が処分されたという。ベトナムでは、10月中旬から南部でも鳥インフルエンザが発生している。(共同)

家禽250万羽を処分 中国で鳥インフルエンザ

2005/11/11 The Sankei Shimbun

 中国農業省は11日までに、中国遼寧省北寧市内の4地区で、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染した家禽(かきん)300羽が死んだことを確認、周囲で飼われていた家禽250万羽を処分したと発表した。人への感染の有無については言及していない。

 同省では今秋、黒山県と阜新市、錦州市の各地で鳥インフルエンザ感染が相次ぎ確認されている。(共同)

豚からもH5N1型検出か 中国湖南省

2005/11/11 The Sankei Shimbun

 家禽(かきん)類の鳥インフルエンザ(H5N1型)感染が確認された中国湖南省の農業当局者は9日、感染地区の豚からもH5N1型が検出されたことを明らかにした。10日付香港紙、明報などが報じた。

 豚への感染が確認されれば、中国では初のケースになるとみられるが、同紙によると、同当局者はその後「まだ正式には確認されていない」と述べた。中国政府は最終確認していないもようだ。

 湖南省では10月、感染地区に住む3人が原因不明の肺炎にかかり1人が死亡。3人がH5N1型に感染した可能性は排除できないとして、当局が原因究明に当たる方針を示している。(共同)

ふん移動など拡大要因 鳥インフルエンザで農水省示す

2005年11月09日 asahi.com

 茨城県を中心にした高病原性鳥インフルエンザ(H5N2型)問題で、農林水産省による調査の中間報告の原案が明らかになった。被害が広がった要因について、ウイルスが潜んでいる恐れのある鶏ふんが養鶏場を移った可能性など5点を明記した。10日に全文を公表する。農水省はさらに調査を続け、感染原因の究明や違法ワクチン使用の裏づけを進める。

 茨城県水海道市の養鶏場で6月に鳥インフルエンザウイルスが検出されて以降、茨城県を中心に34養鶏場で感染が確認されている。中間報告はこのうち、31養鶏場を対象にまとめた。

 感染経路として、(1)鶏ふんの移動(2)養鶏場従業員が訪れた商店を介した接触・移動(3)報道関係者の養鶏場の移動(4)鶏卵直売所を介した養鶏場従業員と購入客の間接的な接触(5)鶏の移動――の可能性を挙げた。

 H5N2型のウイルスは、グアテマラなど中米で見つかった鳥インフルエンザウイルスと酷似しているとし、「海外から侵入したと思われる」と記した。ただ、渡り鳥や輸入ペットを通じた侵入の可能性は低いと分析。感染が茨城県南部周辺に限られたことなどから、中米に由来する違法ワクチンが、持ち込まれた恐れがあるとした。

 中米由来の違法ワクチンについては、高病原性鳥インフルエンザが発生している東南アジア経由で持ち込まれた可能性も否定できないとする、米国の専門家の見解も紹介した。

 農水省によると、鶏ふんは、堆肥(たいひ)にすることなどを目的に、水海道市の四つの養鶏場間を移っており、移動の間に感染が広がった可能性があるとしている。

 また、茨城県坂東市の養鶏場には、水海道市で最初に感染が確認された直後に報道関係者が訪れていたほか、坂東市の鶏卵直売所では、従業員が服や靴を替えたりせずに養鶏場との間を往復していたことがあった。同省は、これらにより、ウイルスが別の養鶏場に移った可能性もあるとみている。

中国が対策本部設置 鳥インフルエンザで

2005/11/02 The Sankei Shimbun

 中国中央テレビによると、温家宝首相は2日、国務院(政府)常務会議を開き、鳥インフルエンザ対策本部の設置を決定、11項目の対策の徹底を全国の関係部門に命じるなど、政府として本格的に鳥インフルエンザ対策に取り組む姿勢を明確にした。

 また、新華社電によると、米中両政府の農務高官が同日、北京で鳥インフルエンザ予防を話し合う初の検討会を開催、協力態勢の構築などで合意した。

 国務院の対策本部立ち上げは、全国の予防対策を統一して指揮するのが狙い。中央予算の予備費から20億元(約289億円)を拠出して対策基金を設けることも決めた。

 2003年春の新型肺炎(SARS)大流行では、北京市が感染者を隠ぺい、中国が虚偽報告を認めた経緯がある。(共同)

また抗体陽性反応 茨城の鳥インフルエンザ検査

2005/10/31 The Sankei Shimbun

 茨城県は31日、鳥インフルエンザによる鶏の移動禁止区域の解除に向けた最終検査で、小川町の養鶏場「キミシマファーム」の鶏からウイルス感染歴を示す抗体陽性反応が出たと発表した。ウイルスは分離されなかった。

 県によると、同養鶏場は移動禁止区域内。同町の別の養鶏場で抗体陽性反応が出た直後の8月28日に実施した検査では陰性だったが、今回の検査で陽性となった。

 畜産課は「8月の検査では陽性の鶏がたまたま検体から漏れたのではないか。その後新たに感染したとは考えていない」としている。

 キミシマファームは13の鶏舎がすべて開放型。飼育されている鶏約8万2000羽には同日、処分命令が出された。

 県は今月13日、処分対象としていた26養鶏場で計約148万羽の処分を終え、移動禁止区域解除に向け確認検査を進めていた。今回の陽性確認を受け、これまで11月中旬としていた解除時期のめどを同月下旬に延期した。(共同)

死亡の2人、鳥インフルエンザ感染の疑い ベトナム

2005/10/29 The Sankei Shimbun

 ベトナム保健省当局者は29日、中部クアンビン省で23日から26日にかけ死亡した14歳の少女と26歳の男性が、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染していた疑いがあることを明らかにした。

 当局者によると、2人は肺炎の症状で入院し少女は翌日、男性も間もなく死亡。死亡までの時間が短かったために、鳥インフルエンザ感染の有無を調べる血液サンプルは採取されなかった。発症の数日前、少女は鶏の卵を、男性はアヒルの肉を食べたという。

 同省フエの病院では、27歳の男性が重い肺炎の症状で入院しており、鳥インフルエンザ感染が疑われている。(共同)

中国で鳥インフルエンザ確認、4万羽以上処分

2005年10月25日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【北京=末続哲也】中国政府は25日、安徽省東部の農村部でガチョウなど約2100羽が鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染し、うち550羽が死亡したと確認した。中国当局は感染拡大を防ぐため、周辺の4万羽以上を処分した。

 中国政府は今月20日にも、内モンゴル自治区フフホト市で、H5N1型への感染で飼い鳥約2600羽が死亡し、周辺の約9万1000羽を処分したことを確認していた。

鳥インフルエンザ、死者4人に インドネシア

2005/10/25 The Sankei Shimbun

 世界保健機関(WHO)とインドネシア保健省は25日、同国で新たに2人の鳥インフルエンザ感染を確認したと発表した。今年7月に感染者が確認されて以降、感染者は計7人となり、うち死者は計4人となった。

 新たに確認された2人のうちジャカルタ郊外の西ジャワ州ボゴールの男性(23)は9月30日に死亡。スマトラ島南部ランプン州の男児(4)は10月4日に発症したが、治療を受け回復した。

 保健省はこれまで6人以上が死亡したと発表していたが、WHOが最終的に確認した死者は7月に1人、9月に3人となった。(共同)

鳥インフルエンザ会議開幕 危機感背景にカナダで

2005/10/25 The Sankei Shimbun

 アジアから欧州への拡大で危機感が増大した鳥インフルエンザの、人への感染による世界的大流行の抑止策について話し合う、初の保健担当大臣会合が24日夕、日本など30カ国と国際機関が参加してカナダのオタワで開幕した。

 先進国や鳥インフルエンザが流行している国などが、優先的な取り組みが必要な課題について認識を一致させ、国際協力による対策を加速させるのが狙い。最終日の25日に合意内容を発表する。

 開催国カナダのドサンジュ保健相は「どの国も一国では危機に立ち向かえない」と緊密な国際協力を訴え、世界保健機関(WHO)の李鍾郁(イ・ジョンウク)事務局長は「人での大流行は時期こそ不明だが、起きる。しかし対策計画を策定した国は40カ国しかない」と世界的な対応の遅れを強調した。

 日本代表の藤井基之(ふじい・もとゆき)厚生労働政務官は会議に先立ち「(大流行の)発生源はアジアと考えられ、わが国はできるだけの対応をする責任がある。対策本部の設置を準備しており、ここでニーズをつかみ、帰国後対応を具体化させたい」と話した。

 一方、技術や資金の不足に悩むベトナム、タイなどの発展途上国からは、ワクチンや抗ウイルス剤の確保について先進国に支援を求める声が続出。ナイジェリア代表は「エイズやマラリアで手いっぱい。ウイルス上陸時の対応には大きな不安がある」と危機感をあらわにした。(共同)

鳥インフルエンザ 英でH5N1型を確認

2005/10/24 The Sankei Shimbun

 英環境・食糧・農村省は23日、南米スリナムから輸入され、英国で検疫中に死んだオウムから、毒性が強い高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)が検出されたと発表した。同省はオウムが国内の検疫所で感染した可能性があるとみている。

 ウイルスはH5N1型の中でも、ルーマニアとトルコで最近見つかったタイプと異なり、中国のアヒルから今年初めに確認されたタイプと似ているとしている。

 オウムは9月中旬に輸入された148羽の1羽。検疫中、このオウムの近くに台湾から輸入され死んだ鳥がいたことから関連を調べている。

 同省は「世界的に鳥インフルエンザウイルスが広がる高い危険性がある」と警告している。

 欧州連合(EU)は、英政府の要請を受け、生きた鳥の全面輸入禁止の検討を始めた。(共同)

EU、鳥輸入禁止を検討 鳥インフルエンザ拡大

2005/10/24 The Sankei Shimbun

 欧州連合(EU)の欧州委員会報道官は23日、欧州での鳥インフルエンザの拡大を受け、生きた鳥の輸入の全面禁止の検討を開始したことを明らかにした。遅くとも25日までには最終決定する予定。検討は英政府の要請に基づくもの。

 欧州では今月に入り、ルーマニア、ギリシャなどで家畜などの鳥インフルエンザの感染が相次いで報告され、EUは20日、家禽(かきん)類の屋外展示を禁じるなどの鳥インフルエンザ拡大防止策で合意している。

 英政府は22日、南米スリナムから輸入され、英国で検疫中だったオウムが鳥インフルエンザに感染して死んだことを受け、生きた鳥の輸出入を世界的に禁止するよう呼び掛けた。

 死んだオウムからはH5型の鳥インフルエンザウイルスが確認されており、英当局は毒性の強いH5N1型かどうか調べている。(共同)

人獣共通感染症:4省合同で研究 鳥インフルエンザなど

2005年10月23日 毎日新聞Mainichi Interactive

 厚生労働、農林水産、文部科学、環境の4省は合同で、動物から人にうつる恐れがある「人獣共通感染症」の研究を進める方針を固めた。新たな人獣共通感染症が国内に定着して広がるのを防ぐのが狙い。将来は「鳥インフルエンザ予報」や「西ナイル熱注意報」などを出すことも目指す。

 国内で患者が出ている人獣共通感染症は、病原性大腸菌O157やサルモネラ、つつが虫病など多数ある。一方、養鶏場で鳥インフルエンザの集団感染が発生し、今月3日には西ナイル熱の患者が国内で初めて確認された。温暖化が進めばウイルスを媒介する蚊が増え、外来のペットや家畜と接する機会も増えており、人獣共通感染症が広がる危険性が高まっているとして、合同で対策を進めることにした。

 4省は今年度中にも、3カ年計画で研究に着手する考え。厚労省はウイルスの解析、農水省は家畜の感染症研究、文科省は研究機関の紹介、環境省は渡り鳥の飛来ルート調査−−と役割を分担、省庁の壁を超えて効果的な研究推進を目指す。キタキツネや渡り鳥などの媒介動物が多い観光地では感染予防を呼び掛け、渡航者や家畜を飼う業者には感染予報を出す方針だ。【種市房子】

スウェーデンのカモも 鳥インフルエンザ感染

2005/10/23 The Sankei Shimbun

 ストックホルムからの報道によると、スウェーデン国立獣医学研究所は22日、同国南部の都市エスキルストゥーナで21日に死んだカモから、鳥インフルエンザのウイルスが検出されたことを明らかにした。

 ウイルスが毒性の強いH5N1型かどうかは不明で、詳しい検査を進めている。

 スウェーデン当局は21日、一部地域の農家に、家禽(かきん)類をできるだけ屋外に出さないようにとの通達を出した。

 欧州や中東ではロシアやルーマニア、トルコでH5N1型による鳥インフルエンザ感染が確認されたほか、クロアチアでも国立公園内で死んだ野生の白鳥からインフルエンザウイルスが検出され、H5N1型かどうか確認中。

 さらに英国でも16日、南米スリナムから輸入されたオウムが検疫中にインフルエンザで死に、当局がウイルスの特定を急いでいる。スリナム政府は同国では感染していないとの見方を示した。(共同)

鳥インフルエンザ、不気味な広がり 欧州に衝撃、鶏消費落ち込み

平成17(2005)年10月22日 The Sankei Shimbun

 毒性が強い鳥インフルエンザウイルスH5N1型が世界的に流行する恐れが強まってきた。これまでアジアにとどまっていた鳥への感染地域が欧州へと拡大したためだ。大西洋の対岸にある米国では、ウイルスの流入を“水際”で阻止する態勢の検討に入っている。全世界的な対応の必要性が叫ばれる中で、アジア地域では、対策が後手に回っており、鳥から人への感染により今年初めて死者が出た。仮にウイルスが人から人に感染するという事態となれば、爆発的な流行も予測され、その影響は計り知れない。

 【ベルリン=黒沢潤】鳥インフルエンザの感染が広がり、欧州連合(EU)加盟国に衝撃が走っている。鶏肉などの消費が大幅に落ち込みを見せているほか、抗ウイルス剤の不足を懸念する声も出始めている。

 毒性の強いH5N1型ウイルスは十月以降、トルコやルーマニア、ロシアのモスクワ南郊の鳥から相次いで検出され、ギリシャやクロアチア、マケドニアなどでも感染が懸念され始めている。

 「パニック」「全土がヒステリーに包まれる」−。ブルガリアの日刊紙は、自国民が今月中旬に隣国のトルコで感染が確認されて受けた衝撃をこんな大見出しで伝えた。

 EU各国はこれらの感染地域からの家禽(かきん)の移動を禁止するなどしたものの、鳥インフルエンザは食品産業や農業に容赦なく影響を及ぼしている。

 鶏肉や七面鳥などの肉を年間百十万トン生産(約三十三億ユーロ)するイタリアでは、国内での消費量が約30%も低下した。

 フランスでは鶏肉の消費量が約20%落ち込み、ドビルパン首相が「私はチキンを食べた」と身をもって安全性を宣伝するなど、需要減少に歯止めをかけるのに躍起となっている。

 世界三大珍味の一つ、フォアグラ(ガチョウやカモの肝臓)の需要も低下し、輸出国のブルガリアやハンガリーの家禽農家に打撃を与えている。

 フランス通信(AFP)によると、ブルガリアの家禽業者は、フランスの卸売業者が生フォアグラの注文の半分に当たる五トンもキャンセルしてきたと語り、「しばらくは冷凍保存して状況好転を待たなければならないだろう」とあきらめ顔だ。

 欧州の株式市場では、航空、ホテル業界や、羽毛を使った高級品の製造業界などで株価の低迷が懸念されだしている。

 唯一、効果が期待できる治療薬である抗ウイルス剤、「タミフル」のEU域内での備蓄は、英国やフランスなど一部の国を除けば十分ではない。

 このため、タミフルの製造、販売の権利を保有するスイスの製薬会社「ロシュ」は増産を表明し、さらに他社にも製造を認めるとしている。

 しかし、各国で十分、備蓄ができるまでには、なお時間がかかりそうだ。

鳥インフルエンザ 米、水際阻止へ対策強化

平成17(2005)年10月22日 The Sankei Shimbun

 【ワシントン=気仙英郎】鳥インフルエンザの流入を防ぐため、米政府は空港など“水際”での検疫強化とともに、鳥インフルエンザが発生した場合の旅客機の運航停止や米軍による流行地域の隔離などの具体的な事例を想定した対応の検討を始めた。また感染拡大を最小限に抑える対策として、抗ウイルス剤「タミフル」の二千万人分の在庫確保を早急に目指す。

 米政府は今月中の鳥インフルエンザの国家対策プランのとりまとめを急いでいる。また、初期の封じこめ対策を重視し、二〇〇三年の新型肺炎(SARS)発生時に、中国が世界保健機関(WHO)への報告を怠り、感染を拡大させたことを教訓に、各国に対して鳥インフルエンザの流行の兆しがあった場合、早期に情報を共有するよう要請している。

 また、スイス製薬大手ロシュの幹部と対策を協議したチャールズ・シューマー米上院議員は二十日、記者会見し、同社が特許を持つ「タミフル」の製造を、米バール・ファーマスーティカルズ、米マイラン・ラボラトリーズなど四社にライセンス提供することで合意したことを明らかにした。

 一方、ワクチンについては、国立衛生研究所(NIH)と製薬会社が共同で開発を急いでいる。米議会では上院が先月末、ワクチン開発と抗ウイルス剤の備蓄に総額三十九億ドル(約四千五百億円)を支出する予算法案を可決。下院でも同様の法案が審議中だ。

香港、中国との境界閉鎖も…鳥インフルエンザで警戒

2005年10月21日 読売新聞Yomiuri On-Line

 【台北=石井利尚】中国で強毒性のH5N1型の鳥インフルエンザの発生が確認されたことを受け、香港衛生当局幹部は21日、爆発的流行になった場合は、中国大陸との境界閉鎖もあり得るとの考えを明らかにした。

 また、台湾の衛生当局幹部も同日、人への感染が確認されれば、台湾住民の中国への渡航禁止措置を検討する考えを表明した。

 中国政府は20日、内モンゴル自治区フフホト市の農村でH5N1型が発生、約2600羽の家きんが死亡したことを明らかにした。一方、台湾当局も同日、中国から台中に密輸された九官鳥などがH5N1型に感染していたと発表した。

 中国や台湾、香港では2003年、新型肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)が猛威をふるった。しかし、台湾では、中国から長期にわたって適切な情報が伝えられず、被害が拡大した経緯があり、中国当局の「情報隠し」への疑念が今も根強く残っている。

 そのため、台湾外交部(外務省に相当)は20日、「新型肺炎を隠して、近隣に災いをもたらした過ちを繰り返すべきでない」と、中国政府に速やかな情報公開を要求した。台湾当局は当面、感染ルートとなる密輸の取り締まりを強化するなど水際作戦を行う。

鳥インフルエンザ:中国・内モンゴル自治区で発生

2005年10月20日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

 【北京・大谷麻由美】中国外務省の孔泉報道局長は20日の定例会見で、中国内モンゴル自治区フフホト市賽罕区にある鳥の飼育場で、病原性の強い鳥インフルエンザ(H5N1型)が発生し、鳥2600羽が感染して死んだと発表した。

鳥インフルエンザ、アフリカ拡大の恐れ…FAO警告

2005年10月20日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ニューヨーク=大塚隆一】国連食糧農業機関(FAO)は19日、ルーマニアやトルコで確認された鳥インフルエンザがアフリカにも広がる恐れがあると警告した。

 FAO当局者は「我々が強く懸念しているのは、鳥インフルエンザが渡り鳥の進路に沿って、アフリカの北部と東部に拡大していくことだ。このシナリオは現実のものになるかもしれない」と述べた。

 特にアフリカ東部は、十分な封じ込め対策が期待できないため、いったん感染が広まると、「ウイルスの理想的な繁殖地」になり、感染力の強いウイルスが生まれる恐れもあるという。

 FAOはアフリカ東部への拡大を阻止するため、中東・北アフリカ諸国が「防衛ライン」を築くことが必要だと訴えている。

鳥インフルエンザで死者 タイ、昨年から13人目

2005/10/20 The Sankei Shimbun

 タイのタクシン首相は20日の会見で、同国中部カンチャナブリ県で19日に死亡した男性について「高病原性鳥インフルエンザで死んだことが確認された」と語った。

 タイでは昨年初めからの鳥インフルエンザ流行で、今回のケースを含め13人の死亡が確認されたことになる。

 同国保健当局は、11月ごろから始まる乾期に、一層の鳥インフルエンザ流行が懸念されることから警戒を強めていた。(共同)

ギリシャ、鳥輸出規制 EU外相理事会が対応協議

2005/10/19 The Sankei Shimbun

 欧州連合(EU)は18日、外相理事会を開き、域内で初めて確認された鳥インフルエンザ感染への対策を協議した。キプリアヌ欧州委員(保健・消費者保護)は同日の記者会見で、ギリシャ政府が、鳥インフルエンザに感染した七面鳥が発見されたエーゲ海の小島や周辺の島々から、鳥や加工品の輸出を自主的に禁止する措置を取ったと述べた。

 ギリシャ政府は17日、初めて鳥インフルエンザに感染した七面鳥が発見されたと発表した。

 アテネからの報道によると、ギリシャ政府は18日、全土で一斉検査をした結果、新たな感染例は発見されなかったことを明らかにした。

 キプリアヌ委員は、ウイルス型は「まだ特定されていない」としたが「鳥インフルエンザの欧州への波及は、人のインフルエンザ流行の危険性を高めるものではない」と述べ、市民に冷静な対応を呼び掛けた。(共同)

タイ中部でスズメから検出 鳥インフルエンザ

2005/10/18 The Sankei Shimbun

 タイ中部ラチャブリ県の畜産当局者は17日、同県内で野生のスズメからH5N1型の高病原性鳥インフルエンザのウイルスが検出されたと明らかにした。

 畜産当局者は「近隣の7県でも鶏などから鳥インフルエンザウイルスが検出されている」と述べた。タイ保健当局は、気温が低下し鳥インフルエンザ流行が懸念される11月ごろからの乾期を前に、人への感染などに警戒を強めている。

 昨年1月に鳥インフルエンザの発生が明らかになったタイでは、これまでに12人が死亡、防疫措置のため数百万羽の鶏など家禽(かきん)が処分された。今年に入ってから死者は確認されていない。(共同)

ギリシャで鳥インフルエンザ 七面鳥9羽が死亡

2005/10/18 The Sankei Shimbun

 ギリシャ政府は17日、同国で初めて鳥インフルエンザのウイルスに感染した七面鳥が発見されたと発表した。毒性の強いH5N1型かどうかは確認中。

 場所は、最近感染が確認されたトルコに近い、エーゲ海のヒオス島近くの小島。13日、飼育場の七面鳥20羽のうち9羽が死んだため生産者が届けた。

 鳥インフルエンザの拡大を受け、EU諸国では警戒が強まっている。イタリアのストラチェ保健相は16日「ウイルスは必ず来る。イタリアだけで1400万人が感染し、5万人が死亡する可能性もある」と国民に警戒を呼び掛けた。(共同)

感染拡大防止策で合意 鳥インフルエンザでEU

2005/10/15 The Sankei Shimbun

 欧州連合(EU)は14日、トルコとルーマニアで鳥インフルエンザが確認されたことを受け専門家会合を開き、ウイルスに感染しやすい「危険地帯」では家禽(かきん)を屋内飼育するなど、予防と早期発見を柱とした感染拡大防止策で合意した。

 渡り鳥がウイルスを運ぶとされていることから、危険地帯は湿地帯や渡り鳥の飛行ルート沿いなどになる。加盟国に対し、危険地帯を特定し、渡り鳥と家禽を隔離する手段を早急に取るよう求めた。加盟国はその内容を11月5日までに欧州委員会に報告する。

 農家には産卵数の減少や大量死など鳥インフルエンザの兆候例を通達、異常が見つかった場合に直ちに当局へ通報する態勢を確立する。(共同)

トルコの鳥インフルエンザ「H5N1型」と確認

2005/10/14 The Sankei Shimbun

 欧州連合(EU)の欧州委員会は13日、トルコで8日に七面鳥など家禽(かきん)への感染が確認された鳥インフルエンザは、毒性の強いH5N1型ウイルスと確認されたと発表した。

 欧州委は同日、ルーマニアで7日にアヒルへの感染が疑われたケースも鳥インフルエンザだったと発表。記者会見したキプリアヌ欧州委員(保健・消費者保護担当)は「ウイルスは両国ともシベリア方面から渡り鳥によって運ばれたとみられる」と指摘、ルーマニアのケースもH5N1型の可能性が高いとみて確認を急いでいると語った。(共同)

鳥インフルエンザ、ルーマニアで検出 欧州上陸を確認

2005年10月13日 asahi.com

 欧州連合(EU)の欧州委員会は13日未明、ルーマニアで調査したアヒルとニワトリから鳥インフルエンザのウイルスを検出したと発表した。近く、同国産の家禽(かきん)肉や関連製品の輸入を禁止する。

 EUは同日、加盟国の専門家会合を開き、状況を点検するが、アジアで猛威を振るった鳥インフルエンザが欧州にも本格的に上陸したことで、大きな衝撃となりそうだ。(時事)

トルコから鳥輸入禁止 EU

2005/10/11 The Sankei Shimbun

 欧州連合(EU)欧州委員会は10日、トルコで8日に家禽(かきん)の鳥インフルエンザ感染が確認されたのを受け、同国からのペットや食用の生きた鳥類、羽毛の輸入を10日から禁止すると発表した。

 ルーマニアでも7日、アヒルへの感染の疑いが明らかになったが、これまでにウイルスが検出されていないため、輸入禁止措置は見送られた。

 トルコのケースは毒性の強いH5N1型かどうかなどが未判明のため、トルコは検体を英国に送りウイルス型の特定を急ぐ方針。(共同)

ルーマニアで初、鳥インフルエンザ感染を確認

2005年10月08日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ウィーン=石黒穣】ルーマニアのフルトル農相は7日、同国東部ドナウ河口の低湿地帯の村で家禽(かきん)カモ3羽に同国初の鳥インフルエンザ感染が確認されたと発表した。

 アジアやロシアで広がっている毒性の強いH5N1型かどうか、試料を英国に送って検査するという。感染カモが見つかった周辺地域は隔離措置が取られ、域内の家禽は殺処分されるという。

米大統領、鳥インフルエンザでワクチン開発を要請

2005年10月08日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ワシントン=笹沢教一】ブッシュ米大統領は7日、世界的な流行が懸念される鳥インフルエンザ対策を強化するため、大手製薬会社6社の経営者をホワイトハウスに呼び、効果的なワクチンや治療薬の開発と、生産体制の拡充を要請した。

 ブッシュ政権は、ハリケーン被害で批判のあった危機管理体制立て直しの一環として鳥インフルエンザ対策に力を入れており、流行阻止を目的とした国際実務者会合をワシントンで主催したほか、レビット厚生長官が流行地域の東南アジアを来週訪問する。

大規模養鶏場で初の感染 露の鳥インフルエンザ

2005/10/08 The Sankei Shimbun

 ロシア連邦農業監督局は7日、中部クルガン州の養鶏場から鳥インフルエンザに感染したとみられる鶏が見つかり、既に10万羽が処分されたことを明らかにした。ロシアでは7月ごろからシベリアなどで鳥インフルエンザの感染例が報告されていたが、大規模な養鶏場での感染は初めてという。

 養鶏場の周辺には沼や湖があり、州当局者は周辺に飛来する野鳥が感染源になったとの見方を示した。

 同国の生産者組合によると、鳥インフルエンザの感染が発生したウラル地域やシベリア地域ではこれまでに鶏など約1万2000羽が病死し、感染拡大防止のため約14万4000羽が処分された。(共同)

中米には専門家3人を派遣 ワクチンの製造・流通調査

2005/10/07 The Sankei Shimbun

 茨城県の鳥インフルエンザ問題で、農水省は7日、中米で見つかったウイルスを基に製造された違法な予防ワクチンが使われた可能性があるとみて、同省の家きん疾病小委員会と感染経路究明チームの専門家ら3人を9―15日、メキシコに派遣することを決めた。

 現地での鳥インフルエンザの発生状況や違法なワクチンの製造、流通実態を把握する。

 7日の合同会議では、茨城県と埼玉県の計31養鶏場に感染が広まった要因として、養鶏場間での鶏の移動に加え、複数の養鶏場の従業員が同じ場所で買い物をしたケースがあり、感染原因になり得るとの指摘も出たという。

 感染経路究明チームはこうした養鶏場の従業員の行動を含めて感染原因を詳しく調べ、今月中に中間報告をまとめる。(共同)

インドネシアの鳥インフルエンザ、新たに死者2人

2005年09月26日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ジャカルタ=黒瀬悦成】インドネシア保健省は26日、毒性の強い鳥インフルエンザ(H5N1型)への感染が確認された27歳の女性と5歳の女児が同日までに死亡したと発表した。

 これにより、同国の検査基準に基づく鳥インフルエンザによる死者数は計6人となった。

 インドネシアでは今年7月以降、ジャカルタ首都圏を中心に鳥インフルエンザの感染被害が急拡大し、政府は今月19日、「異常事態」を宣言して、感染が疑われる住民を強制入院させるなどの措置を取っている。

家畜伝染病:メコン川5カ国が防疫体制構築へ

2005年09月24日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

 国連食糧農業機関(FAO)アジア太平洋地域事務所(バンコク)は23日、メコン川流域5カ国が今後4年以内に、鳥インフルエンザなど家畜・家禽(かきん)の伝染病に対する国際防疫体制の構築で合意したと語った。

 タイ、ベトナム、ラオス、カンボジア、中国の流域5カ国は(1)口蹄(こうてい)疫(2)豚コレラ(3)鳥インフルエンザ−−を「最も重要な病気」と位置付け、感染拡大の防止に向けた仕組みをつくる。専門的な技術分野についてはFAO、財政面ではアジア開発銀行(ADB)が支援する。

 FAOによると、メコン川流域では、これらの病気に感染した家畜・家禽の致死率は50〜80%になることもある。被害額は流域5カ国で年間17億〜20億ドル(約1887億〜2220億円)に上るという。(バンコク共同)

鳥インフルエンザの人への感染、ジャカルタで拡大の様相

2005年09月19日 asahi.com

 インドネシアのスパリ保健相は19日、ジャカルタに入院中の幼児3人が鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染している可能性があることを明らかにした。現在、検体を検査のため香港に送っているという。

 ジャカルタ近郊では今年7月、鳥インフルエンザが原因で父娘3人が死亡したことが分かったほか、今月10日に死亡した女性(37)も4人目の死者と確認されている。

 一方、ジャカルタ南部にある国内最大のラグナン動物園が19日から3週間の予定で閉鎖されることになった。サンプルのため調査した鳥類27羽のうち、ワシなど19羽が鳥インフルエンザで死亡していたことが、前日までに判明したため。同園の職員によると、閉園中に従業員の健康診断を実施するとともに、2000羽を超える鳥類の検査も進める。

鳥インフルエンザ:動物園で感染、3週間閉鎖へ−−ジャカルタ

2005年09月19日 毎日新聞東京朝刊 Mainichi INTERACTIVE

 【ジャカルタ共同】インドネシアのメトロ・テレビによると、首都ジャカルタにあるラグナン動物園で18日までに、鳥類19羽が鳥インフルエンザに感染して死亡し、同動物園は19日から3週間閉鎖することになった。

鳥インフルエンザの声明 APEC首脳会議で検討

2005/09/17 The Sankei Shimbun

 11月に韓国・釜山で開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、鳥インフルエンザ対策を呼びかける初の声明が検討されていることが分かった。都内で共同通信のインタビューに応じたマイケル・マハラック米次期APEC大使が17日、明らかにした。

 声明案は米国とオーストラリアが提唱。鳥インフルエンザがアジア地域から欧州にまで拡大し、人間への感染も危ぶまれることから、APEC各国に世界保健機関(WHO)などへの迅速な情報提供と、援助国との協力を呼び掛けるという。

 人の間で流行した場合、致死率は50%に達するとの見方もあり、次期大使は「影響は新型肺炎(SARS)より深刻で、APEC首脳は拡大予防策に強い関心を持っている」と語った。(共同)

弱毒ウイルスも人に感染 伊で鳥インフルエンザ 2005/09/14 The Sankei Shimbun

 アジアで流行しているH5N1型などの高病原性鳥インフルエンザだけでなく、弱毒型の鳥インフルエンザウイルスも人間に広がる恐れがあると、イタリア高等衛生研究所などのチームが13日、米感染症学会誌(電子版)に発表した。

 家禽(かきん)での弱毒型ウイルス流行中に採取したイタリアの飼育所作業員の血液から、ウイルスへの抗体が検出された。

 チームは「弱毒型も人のインフルエンザウイルスと交雑すれば、世界的に流行する新型インフルエンザの出現につながる恐れがある」として、十分な警戒を呼び掛けた。

 論文によると、チームは1999―2003年にイタリア北部の延べ6地区で起きた家禽の鳥インフルエンザで、流行中や事後に飼育所作業員計983人分の血液を集めて抗体を調べた。

 その結果、01年までの4地区の流行では高病原性、弱毒型のいずれも、作業員に抗体は見つからなかったが、02―03年に発生した別の弱毒型の流行中に採取した2地区の作業員の血液では、185人中7人(約4%)から抗体が見つかった。重い症状が出た人はなかったが、1人に結膜炎がみられたという。(共同)

予防ワクチンの解禁訴え 鳥インフルエンザで2団体

2005/09/08 The Sankei Shimbun

 茨城県で鳥インフルエンザの感染が相次いでいる問題で、日本鶏卵生産者協会と日本養鶏協会は8日、東京都内で記者会見し、現在使用が禁止されている予防用ワクチンについて、感染地域やその周辺に限って使用できるように国の防疫対応の変更を求めた。

 両団体の梅原宏保(うめはら・ひろやす)会長は「既に400万羽以上が感染した茨城県では、感染拡大のためすぐに予防用ワクチンを使うべきだ。弱毒型ウイルスが強毒型に変異する前に予防する必要がある」と主張。

 農水省の家きん疾病小委員会が2日、茨城県の感染原因についてワクチンの違法使用の可能性を指摘したことに対しては「そういう情報はなく、そうではないと信じている」と述べた。

 予防用ワクチンについて農水省は「使用すればウイルスに感染した鶏の発見が遅れる。感染は全国に広まっていない」として使用を認めていない。(共同)

鳥インフルエンザ:モンゴル産家きん肉を輸入停止

2005年09月05日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

 農林水産省は5日、モンゴル国内で高病原性鳥インフルエンザに感染した野鳥が見つかり、同国産の鶏肉など家きん肉の輸入を同日付けで一時停止したと発表した。過去5年間で同国からの輸入実績はない。国際獣疫事務局(OIE)から農水省に入った報告によると、ウイルスは強毒性のH5N1型で、同国内の広範囲で渡り鳥類が死んでいるという。鳥インフルエンザ発生国の中国やロシアから感染が広がったらしい。

鳥インフルエンザ:鶏86万羽処分へ 茨城県

2005年09月05日 毎日新聞 Mainichi INTERACTIVE

 茨城県小川町と行方市の養鶏場で過去に鳥インフルエンザウイルスに感染したことを示す抗体が検出された問題で、同県は5日、抗体が確認され開放型鶏舎を持つ計14養鶏場の鶏と卵の処分を来週から始めることを決めた。処分される鶏は合計86万2000羽で、処分終了は早くても10月中旬の見通し。

 また、県は同日、抗体が検出された小川町の養鶏場「ホウトク農場」の鶏から、現在も感染していることを示すウイルスは確認されなかったことを明らかにした。同養鶏場の鶏舎は密閉型のため、飼育している鶏約18万羽は処分されず、今後定期検査を受ける。【藤田裕伸】

新たに1養鶏場で感染歴確認 茨城の鳥インフルエンザ

2005年09月03日 asahi.com

 茨城県は3日、小川町の1採卵養鶏場で、高病原性鳥インフルエンザ(H5亜型)の感染歴を示す抗体が新たに確認された、と発表した。この養鶏場にある6鶏舎はすべて窓がない密閉型で、ウイルス分離検査で陽性となった場合、18万羽のうち陽性が出た鶏舎の鶏は処分される。

 県内では6月下旬、水海道市の採卵養鶏場でウイルスが確認されて以降、今回も含め計29養鶏場の鶏から、ウイルスや感染歴が確認されたことになる。

鳥インフルエンザなどの情報、アジア主要都市で共有

2005年09月03日 asahi.com

 鳥インフルエンザなどの新興感染症の情報をアジアの主要都市で共有しようと、東京都は3日、シンガポールなど6都市と、インターネットの専用サイトで症例や感染経路、予防・治療法などの情報を交換するネットワークを築くことで合意した。来年1月をめどに開設する。

 都内で開かれたアジア大都市感染症対策プロジェクト会議で、都が提案した。参加するのはインド・デリー、ハノイ、ジャカルタ、シンガポール、台北、ヤンゴン。今後、ソウル、マニラ、クアラルンプール、バンコクにも呼びかける。

 鳥インフルエンザや新型肺炎SARSなど、新たに問題になっている感染症が起きた場合、これまでは国や世界保健機関(WHO)経由で情報を得てきた。都市同士の直接の情報交換ができれば、詳しい内容がより早くつかめるようになる。専門の医療機関も専用サイトを見られるようにするという。

「ワクチン原因の可能性」 鳥インフルエンザで専門家委

2005/09/02 The Sankei Shimbun

 茨城県で鳥インフルエンザの感染が相次いで見つかった問題で、専門家でつくる農水省の家きん疾病小委員会は2日、「ワクチンの使用など人為的な感染経路の可能性が否定できない」との見解を示した。予防用ワクチンは現在、家畜伝染病予防法で使用が禁止されており、同省は感染原因をさらに詳しく調べる。

 委員長の喜田宏(きだ・ひろし)北海道大教授によると、茨城県で検出されたウイルスの遺伝子の型は中米グアテマラやメキシコで見つかったウイルスと酷似。距離的に渡り鳥が運ぶ可能性は考えられず、台湾などアジアで過去に見つかった中米型ウイルスとも遺伝子の型が違う。

 このため、中米のウイルスを基に作られたワクチンが日本に持ち込まれ、一部の鶏に投与されてウイルスが人や物、鶏の移動で周囲に感染した可能性があるという。

 農水省は、感染が爆発的に拡大した場合を想定し、予防用ワクチンを備蓄しているが、使用すれば鶏が抗体を持ち、ウイルス感染の発見が遅れるなどとして使用を禁止。生産者からは解禁を求める声も強い。

 今回のウイルスは、備蓄用に輸入された正規のワクチンとは遺伝子の型が違い、農水省側は「闇ワクチン」の可能性もあるとみている。

 茨城県では小川町と水海道市を中心に計28養鶏場で感染が判明。鶏が出荷された埼玉県の一養鶏場でも感染が確認されたが、全国一斉検査では約1700施設で感染していないとの結果が出ており、茨城県での感染が際立っている。(共同)

7養鶏場で抗体新たに検出、茨城・鳥インフルエンザ

2005年09月01日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 茨城県は1日、同県小川町と玉造町の7養鶏場(計36万8000羽)で、鳥インフルエンザH5型ウイルスに感染していたことを示す抗体が新たに検出されたと発表した。

 同県内でウイルスや抗体が検出された養鶏場は28か所となった。

 今回の7養鶏場とも開放型鶏舎で、うち1養鶏場だけウインドレス(密閉型)鶏舎を併設している。

 県は、8月30日に抗体が確認された小川町の7養鶏場(計74万4000羽)と同様、2日に開かれる農林水産省の家きん疾病小委員会の協議結果を踏まえ、鶏の処分などを検討する。

茨城の7養鶏場で抗体陽性 鳥インフルエンザ

2005/08/30 The Sankei Shimbun

 茨城県は30日、県内7カ所の養鶏場で、過去にH5型の鳥インフルエンザウイルスに感染したことを示す抗体陽性反応が新たに出たことを明らかにした。

 県は新たに移動禁止区域を設定、鶏を処分するかどうかは、農林水産省の専門家委員会の意見を踏まえて決定する。

 7養鶏場はいずれも、既に抗体陽性反応が出ている愛鶏園小川農場や佐々木清繁小川農場(いずれも小川町)の周辺だという。

 県内ではこれまで14養鶏場で感染が確認されていた。(共同)

鶏26万羽の処分始まる 茨城の鳥インフルエンザ

2005/08/29 The Sankei Shimbun

 鳥インフルエンザ問題で、茨城県は29日、ウイルスが検出された同県石岡市の「つくばファーム」の鶏約10万羽と、過去の感染を示す抗体検査が陽性だった水戸市の「イセファーム涸沼農場」の鶏約16万2000羽の殺処分を始めた。

 2養鶏場は18日に感染が確認された埼玉県鴻巣市の「イセファーム堤向農場」に鶏を搬入していた。つくばファームは密閉型鶏舎のため、12鶏舎のうち陽性反応があった1鶏舎だけの処分となった。来週半ばに処分が完了する予定。(共同)

茨城の養鶏場で新たに「H5型」抗体検出9万羽処分へ

2005年08月27日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 茨城県は27日、同県小川町与沢の養鶏場「佐々木清繁小川農場」の鶏から、高病原性鳥インフルエンザのH5型ウイルスに感染していたことを示す抗体が検出されたと発表した。同養鶏場の約9万羽はすべて処分する。

 この養鶏場の半径5キロを移動制限区域とし、同町と隣接する玉造町の周辺計21養鶏場で鶏や卵などの移動を新たに禁止した。この養鶏場は、6月から7月にかけて抗体やウイルスが見つかった同県水海道市の養鶏場「スギヤマファーム」と所有者が同じ。

茨城でまた抗体陽性反応 鳥インフルエンザ

2005/08/25 The Sankei Shimbun

 農水省と茨城県は25日、茨城県美野里町の養鶏場で、H5亜型の高病原性鳥インフルエンザウイルスへの過去の感染を示す抗体陽性反応が出たと発表した。

 今回の養鶏場は密閉型鶏舎のため、農水省はウイルスが検出されなければ鶏を処分せず、鶏卵の出荷も認める方針。現在、ウイルス分離検査を進めている。

 農水省によると、今回の養鶏場は約30万羽を飼育している。22日に抗体陽性反応が出た農場から約5キロの距離にあり、鶏や鶏卵の移動禁止区域内。(共同)

仏も鶏の戸外飼育禁止に

2005/08/24 The Sankei Shimbun

 フランス農水省は23日、声明を発表し、鳥インフルエンザの感染防止のため、国内の農家に対して、アヒルや鶏などの戸外での飼育を中止し、屋内飼育に切り替えるよう勧告したことを明らかにした。期限は明示していない。

 ウイルスを保持する可能性のあるアジアやロシアからの渡り鳥などとの接触を避けるのが目的。(共同)

埼玉で鳥インフルエンザ 抗体陽性、鶏大量死はなし

2005/08/18 The Sankei Shimbun

 埼玉県は18日、同県鴻巣市笠原の農場の鶏から、過去にインフルエンザウイルスH5亜型に感染していたことを示す抗体陽性反応を確認したと発表した。鶏の大量死は見られず、ウイルスは弱毒性としている。

 県は同農場の半径5キロ以内の鶏や鶏卵の移動を制限したほか、周辺の2農場で飼育している鶏の検査を始めた。20日以降、同農場が飼育する約9万8300羽の鶏を処分する方針。

 県食品安全局によると、陽性が確認されたのは茨城県美野里町と石岡市にある系列の3農場から搬入された鶏。全国調査の一環で、10羽を県で調べたところ今月16日に1羽で抗体陽性反応が出たため、動物衛生研究所(つくば市)で40羽を検査した結果、計29羽で抗体陽性が確認された。

 茨城県は搬入元の農場を立ち入り検査している。(共同)

 <鳥インフルエンザ> 中国や東南アジアなどで2003年秋以降、感染した鶏が大量死した。国内では昨年、大分県や山口県で毒性の強いH5N1型の感染を確認したほか、京都府の浅田農産船井農場では発生通報の遅れから被害が拡大した。今年6月に茨城県水海道市の鶏から検出されたウイルスは国内初のH5N2型。弱毒性で発見が遅れたため、農水省は全国で約1500養鶏場を抽出して緊急検査を実施している。インドネシアで人から人への感染が疑われる死亡例が報告され、世界保健機関(WHO)はアジアでの拡大を警戒している。(共同)

中国チベットの養鶏場、鳥インフルエンザ発生

2005年08月12日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【北京=竹腰雅彦】12日の新華社電によると、中国チベット自治区ラサ郊外の養鶏場で、H5N1型とみられる鳥インフルエンザが発生した。

 当局は2600羽以上を処分、発見現場周辺の消毒などの措置をとった。シンガポール紙によると、これまでに133羽が死んだが、人への感染は確認されていないという。

 中国では5月にチベット自治区に隣接する青海省で渡り鳥の鳥インフルエンザが確認され、米国の研究機関などのサイトで「人への感染で121人が死亡した」との情報も流れたが、当局は全面否定している。

越で新たに1人死亡 鳥インフルエンザ

2005/08/09 The Sankei Shimbun

 ベトナム保健省当局者は9日、H5N1型の高病原性鳥インフルエンザにより、南部ベンチェ省の35歳の男性が死亡したと明らかにした。同国での鳥インフルエンザによる死者は、2003年末の発生以来、42人目。

 当局者によると、男性は高熱などの症状により7月25日に入院、31日に死亡した。入院の1週間ほど前に、病気の鶏を食べたという。

 ベトナムでは、7月末から鳥インフルエンザ対策のための家禽(かきん)へのワクチン投与が始まっている。(共同)

鳥インフルエンザ、シベリアでも感染拡大

2005/08/02 The Sankei Shimbun

 ロシアのシベリアで鳥インフルエンザの感染が拡大し、衛生当局は2日までに、鶏の移動などを禁止する措置を取った。

 ウイルスは高病原性のH5N1型。西シベリアのノボシビルスク州で7月から鶏2000羽以上が死んだほか、チュメニ州でもウイルスが確認された。人の感染は確認されていない。

 ロシアの鶏肉は日本に輸出されていないが、日本の農林水産省は輸入禁止を関係機関に通知した。(共同)

ウイルスはH5N2型 茨城の鳥インフルエンザ

2005/08/01 The Sankei Shimbun

 茨城県は1日、茨城町の内田養鶏場で7月31日に分離された鳥インフルエンザウイルスは、動物衛生研究所(つくば市)の検査の結果、H5N2型と判明したと発表した。

 県によると、これまで県内の3養鶏場で分離されたウイルスもすべてH5N2型だが、同一のウイルスかどうかは遺伝子を解析しないと分からないという。

 また、内田養鶏場が今年5月ごろにひなを出荷した埼玉、千葉、岩手各県の計3カ所の農場では1日までに、いずれも抗体検査で陰性が確認された。同養鶏場はこのほか、抗体陽性反応が出た茨城県水海道市の天王原養鶏園にひなを出荷していた。(共同)

感染歴確認の養鶏場からウイルス検出 茨城

2005年07月31日 asahi.com

 茨城県茨城町の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザの感染歴が確認された問題で、県は31日、この養鶏場の鶏からウイルスが検出された、と発表した。ウイルス検出は茨城県内では4件目。最初に感染が見つかった水海道市から約50キロ離れた地点でも、感染が現在も続いている恐れがあることが示された。

 県畜産課によると、県の県北家畜保健衛生所(水戸市)が、27日に採取した検体を使い、発育鶏卵でウイルス分離を実施し、31日に36検体中3検体で陽性と分かった。動物衛生研究所(同県つくば市)に検体を送り、H5亜型と判明した。詳しい型は1日にも判明するという。

鳥インフルエンザで死者 インドネシア、経路不明

2005/07/20 The Sankei Shimbun

 インドネシアのスパリ保健相は20日、ジャカルタ郊外のバンテン州で12日から14日にかけて死亡した父娘3人が、高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染していたことが確認されたと発表した。感染経路は不明。同国ではスラウェシ島で病気の鶏と接触した農場作業員の感染が今年確認されたが、発症はしておらず、感染者の死亡は初めて。

 死者が出たのは東南アジアではベトナム、タイ、カンボジアに次ぎ4カ国目。2003年12月以降の死者数は4カ国で計57人となり、拡大が続いている。

 人から人への感染の可能性があるとの見方も出ていたが、3人の家から十数キロ離れた農場で家禽(かきん)類が鳥インフルエンザに感染していたことが分かり、保健省は関連を調べている。

 死亡したのは公務員の男性(38)と9歳、1歳の娘。男性が公務でハンガリーに出張し、帰ってきた6月末から病気になった。世界保健機関(WHO)と協力して香港で検査した結果、感染が確認された。

 人の鳥インフルエンザ感染はベトナム、タイ、カンボジアで計100人以上報告され、日本でも1人が確認された。これまで人から人への感染は確認されていない。(共同)

サンプル破棄を命令 鳥インフルエンザ研究教授に中国当局

2005/07/18 The Sankei Shimbun

 鳥インフルエンザ(H5N1型)感染が中国南部から拡大する可能性を英科学誌ネイチャーの論文で指摘した香港大の管軼・助教授らに対し中国当局が、研究に用いたウイルスのサンプルを当局に提出するか廃棄するよう命じていたことが分かった。18日付香港英字紙エイシャン・ウォールストリート・ジャーナルが、農業省獣医局長の話として伝えた。

 当局の命令を受け、管氏らはサンプル破棄を約束したという。

 管氏は論文発表が「国家機密漏えい」に当たるとして警告を受けたとされており、当局は相当神経をとがらせているようだ。獣医局長は、研究が実施された広東省スワトー大の施設は「非常に原始的だ」と指摘。その上で研究結果は「決定的なデータが欠けている」とした。(共同)

鳥インフルエンザで死者か インドネシアで3人

2005/07/15 The Sankei Shimbun

 インドネシアのスパリ保健相は15日、ジャカルタ郊外で12日から14日にかけて死亡した父子3人が、毒性の強い高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染していた疑いが極めて強いと発表した。

 同国では、スラウェシ島で病気の鶏と接触した農場作業員が感染していたと今年6月に発表されたが、発症はしておらず、感染者が死亡したとすれば初めて。死亡した3人は家禽(かきん)類に接触した形跡はなく、人から感染した可能性があるという。(共同)

鳥インフルエンザ論文発表は「国家機密漏洩」

2005/07/12 The Sankei Shimbun

 中国南部の家禽(かきん)を発端にした鳥インフルエンザ(H5N1型)感染拡大の可能性を指摘する論文を英科学誌に発表した香港大の研究者が発表後、中国農業省から論文は「国家機密漏洩(ろうえい)」に当たるとする通知を受けていたことが分かった。12日付香港紙、香港経済日報が伝えた。

 通知は論文の内容を否定した上で「法的責任を問う可能性もある」と研究者に警告したという。

 中国では5月末、当局の許可なくウイルスのサンプルを収集・分析したり、感染情報を公表することを禁じる新条例が施行された。研究者への通知は同条例などが根拠とみられるが、感染情報の迅速な開示が阻害されるとの懸念が高まりそうだ。

 研究者らは7日付英科学誌ネイチャー(電子版)に論文を発表。中国青海省で死んだ渡り鳥から検出したウイルスは中国南部の家禽から伝わったとみられるとし、感染が今後南アジアや欧州に広がる可能性を指摘した。

 中国では2003年に新型肺炎(SARS)感染が広がった当初、当局が「感染隠し」をしていると国内外から批判された。(共同)

茨城の1養鶏場でウイルス陽性 8500羽処分命令

2005/07/10 The Sankei Shimbun

 茨城県水海道市の鳥インフルエンザ問題で、同県は10日、清浄性確認検査の結果、新たに同県坂東市の1養鶏場でウイルス遺伝子検査と抗体検査が陽性だったと発表した。

 県は同日までに、卵の出荷を制限し、飼育している約8500羽の処分命令を出した。同養鶏場の事業主や家族計5人の簡易検査は陰性だった。養鶏場の卵は6月30日に移動解除となり、7月1日から出荷されていた。

 清浄性確認検査は半径5キロの移動禁止区域の設定解除のため、区域内で感染が確認されていなかった養鶏場12カ所と飼育している個人宅8カ所でウイルス分離検査などを防疫措置後に2回ずつ実施する予定で、今回は1回目だった。

 同養鶏場では防疫前のウイルス分離検査ではウイルスは検出されなかった。(共同)

WHO局長、感染警戒訴え アジア地域の鳥インフルエンザ

2005/07/04 The Sankei Shimbun

 マレーシア訪問中の世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局(マニラ)の尾身茂事務局長は4日、鳥インフルエンザについて「アジア地域でウイルスの感染力が増している。引き続き警戒が必要だ」と訴えた。クアラルンプールで同日始まった鳥インフルエンザに関する国際会議で述べた。

 事務局長は、最近中国で感染死した疑いのある渡り鳥が見つかったことを踏まえ、「野生の鳥は(ウイルスの中でも毒性の強い)H5N1型への抵抗力があるとされてきたが、感染は広がっており、ウイルス(の動向)は予測できない」と指摘した。(共同)

処分の鶏は12万4000羽 茨城の鳥インフルエンザ

2005/07/03 The Sankei Shimbun

 茨城県水海道市の鳥インフルエンザ問題で県は2日、感染歴の確認を受け1日から処分が始まった5養鶏場の鶏の総数は、これまでの集計より3万羽多い約12万4000羽と分かったと発表した。

 県は経営者からの聞き取りを基に総数を計約9万4000羽としていたが、県職員らが現地を調査した結果、正確な数が把握できたとしている。

 県は2日までに約1万5700羽を処分した。(共同)

9養鶏場で卵の出荷再開 鳥インフルエンザ

2005/06/30 The Sankei Shimbun

 茨城県水海道市の養鶏場から鳥インフルエンザウイルスが検出された問題で、県は30日、対策本部の会合を開き、移動禁止区域内の17養鶏場のうち一定の条件を満たした養鶏場について、同日から卵の出荷再開を認めることを決めた。

 これを受け、午後には、9養鶏場で出荷が認められ、4日ぶりに出荷が再開された。

 また移動禁止区域内で過去の感染が確認された5養鶏場のうち「スギヤマファーム第5農場」で、新たに検査でウイルスが分離された。ウイルスは鳥インフルエンザの可能性が高く、動物衛生研究所(同県つくば市)で確定診断している。同農場は最初にウイルスが検出された養鶏場から約500メートルと近く、新たな移動禁止区域は設定しない。

 卵の出荷については、京都などで発生した鳥インフルエンザ問題を受け、農水省が昨年12月、条件を満たせば例外的に認める規定を定めており、今回の9養鶏場は適用第1号。感染がなかった残る3養鶏場も条件が整い次第、認める。

 一方、過去に感染があった5養鶏場の約9万4000羽と卵は全量処分することを決定。7月1日に「スギヤマファーム第5農場」から着手する。(共同)

鶏2万5千羽の処分終了 茨城・水海道の養鶏場

2005/06/29 The Sankei Shimbun

 茨城県水海道市の養鶏場から国内初のH5N2型の鳥インフルエンザウイルスが検出された問題で、同県は29日、養鶏場の鶏約2万5000羽すべての処分を終えた。

 この日は農業団体からの応援も受け、これまでの2倍以上の約180人が作業に当たった。引き続き、鶏ふんの処理や施設の消毒などを行う。

 県は、移動禁止区域にある養鶏場からの卵の出荷再開に必要となる、集荷や選別施設の衛生確認も進めている。対象施設は県内外に計10カ所程度あるという。(共同)

中国発表5倍の野鳥死ぬ 青海省の鳥インフルエンザ

2005/06/28 The Sankei Shimbun

 世界保健機関(WHO)の北京駐在代表は北京で28日、記者会見し、高病原性鳥インフルエンザの発生が確認された中国西部の青海省剛察県で、これまでに約5000羽の死んだ渡り鳥が見つかったと発表した。

 中国農業省は5月27日に「1000羽以上が死んだ」と発表したが、被害実態が5倍と大きく上回ることが判明した。人や家畜などへの感染は起きていないとしている。

 代表らによると、渡り鳥の死骸(しがい)は5月4日に最初に見つかった後、WHOと現地政府の調査により大量に見つかった。5月下旬から沈静化したが、現在も毎日約20羽が死んでいる。

 現地当局は感染した渡り鳥が見つかった地点から半径10キロ以内を立ち入り禁止とし、半径30キロ以内で消毒を実施。家畜の鶏やガチョウを大量に処分するとともに、現地住民に死んだ鳥を食べないよう指導している。

 新疆ウイグル自治区塔城市でも今月、飼育場でガチョウ1000羽以上が鳥インフルエンザに感染したことが確認されており、WHOは現地調査を中国当局に要望している。 (共同)

近接5施設で抗体陽性反応 鳥インフルエンザ

2005/06/28 The Sankei Shimbun

 茨城県水海道市の養鶏場「アレバメントカントウ」で死んだ鶏から高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出された問題で、農水省と県は28日、同施設に近接する養鶏場5施設の鶏から、過去にウイルス感染があったことを示す抗体陽性反応が出たと発表した。

 しかし、遺伝子検査でウイルスは検出されず、農水省はさらに精度の高いウイルス分離検査を行い、29日の専門家委員会で判断する。

 近くにある別の養鶏場5施設については、抗体検査、遺伝子検査ともに陰性で、安全性が確認された。県の判断で鶏卵を出荷再開できる。

 検査結果が出たのは、鶏肉や鶏卵の移動禁止措置が取られた半径5キロ区域にある16施設のうちの10施設。残りの6施設も検査を進める。

 国の防疫指針は、高病原性の鳥インフルエンザが発生した場合、半径5―30キロの区域で鶏肉や鶏卵の移動制限措置を取ると規定。解除には原則として、発生施設の鶏の処分など防疫措置が完了してから21日以上が必要としている。

 しかし、卵は鶏が毎日産み続けて数が増えるため、山口県や大分県、京都府で昨年、鳥インフルエンザが発生した際には出荷停止が長引いて大きな損害が発生。農水省は指針を緩和し、検査などで鶏の安全が確認できれば、卵の移動制限措置を繰り上げて解除できることにした。(共同)

島村農相、風評被害防止を強調 鳥インフルエンザ

2005/06/28 The Sankei Shimbun

 茨城県水海道市の養鶏場で鳥インフルエンザウイルス感染が確認された問題で、島村宜伸農相は28日の記者会見で「茨城県は卵を生産する最大の県でもある。今後とも正しい知識の普及に努め、鶏卵取引の動き、価格の推移などを注視したい」とし、風評被害防止に取り組む姿勢をあらためて強調した。

 鶏のワクチンについては「外見上だけ健常では(病気の)発見が遅れる」と使用すべきでないとの考えを示した。(共同)

鶏3532羽を処分 月内に全作業終了

2005/06/27 The Sankei Shimbun

 茨城県水海道市の養鶏場「アレバメントカントウ」で、国内で初めて弱毒性のH5N2型の高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出された問題で、同県は27日午後もこの養鶏場で鶏の処分と消毒作業を継続、午後4時すぎに初日の作業を終了した。

 県によると、この日は3532羽を処分し、鶏卵2万1011個を採取、鶏舎の外の消毒は終了した。家畜伝染病予防法に基づく全作業が終わるのは29日か30日の見込み。

 県はまた、この養鶏場から食肉用に鶏が出荷された県内の処理場で、消毒と従業員の健康状態を調査。さらに卵の出荷先がある東京都と埼玉県に発生状況を説明し、流通経路の確認を依頼した。

 県庁内に同日設置された専用の相談窓口には夕方までに、約30件の電話の問い合わせがあった。「卵や肉を買ったが食べても感染しないか」との問い合わせが最も多く、県側は「問題ない。これまでに食べて感染した例はない」と答え、不安解消に努めた。

 県は同日夕、健康危機管理対策委員会を開き、今後の対応を検討した。茨城県警も対策連絡室を設置した。(共同)

茨城の養鶏場で430羽死ぬ 鳥インフルエンザに感染

2005/06/26 The Sankei Shimbun

 茨城県水海道市の養鶏場で今年3―5月に鶏400羽余りが死に、動物衛生研究所(同県つくば市)の検査で「H5N2型」の高病原性鳥インフルエンザウイルスが検出されたことが26日、分かった。高病原性のウイルスが検出されたのは国内5カ所目。これまではいずれも毒性の強い「H5N1型」だったが、今回のウイルスは毒性が弱いタイプだという。

 農水省はウイルスのまん延を防止するため、養鶏場の半径5キロ以内で、鶏や卵の移動を制限する方針。

 茨城県畜産課によると、養鶏場で3―5月、飼育している約2万5000羽のうち約430羽が死に、産卵数も減った。養鶏場は民間機関に簡易検査を依頼し、鳥インフルエンザウイルスが分離されたため今月24日、県に通報した。

 養鶏場では現在、鶏の大量死はなく、産卵数も回復した。畜産課は25日、養鶏場と周辺10カ所の養鶏場を立ち入り検査したが、異常は見つからなかったという。

 養鶏場は埼玉県の卸業者や東京都の小売店に卵を出荷している。(共同)

 <鳥インフルエンザ> 中国や東南アジアなどで2003年秋以降、猛威を振るい、感染した鶏が大量死した。ウイルスが変異して人に強い感染力を持つと、新型インフルエンザとして大流行する恐れがある。日本では大分県や山口県で感染が確認され、04年2月には京都府の浅田農産船井農場で発生通報の遅れから被害が拡大。社長と会社が家畜伝染病予防法違反罪で起訴され、有罪判決を受けた。(共同)

鳥インフルエンザ、中国で10か月ぶり感染を確認

2005年05月21日 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【北京=竹腰雅彦】新華社電によると、中国農業省は21日、中国内陸部の青海省海北チベット族自治州剛察県で、死んだ渡り鳥が鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染していたことを確認したと発表した。

 当局は、発見現場周辺の消毒や家きんへのワクチン投与などを行った。人間への感染は確認されていない。

 中国では昨年1月から3月にかけ、全国49か所に鳥インフルエンザが拡大。その後、同7月に安徽省で再発したが、それ以降の感染例は報告されていない。

ベトナムで新たな死者 鳥インフルエンザ

2005/05/21 The Sankei Shimbun

 ベトナム保健省は20日までに、H5N1型の高病原性鳥インフルエンザにより1人が死亡し、昨年12月の再発からの死者が17人、感染者は49人になったことを明らかにした。詳細は公表していない。

 ベトナムでは北部で集団感染例などが相次いで報告され、従来より人に感染しやすい鳥インフルエンザウイルスが現れた可能性が高いとして、世界保健機関(WHO)が注視している。

 WHOは保健省に、新たな患者の詳しいデータを出すよう求めている。(共同)

鳥インフルエンザ ヒト感染、危険性拡大 東南アジアで続発

2005/05/20 The Sankei Shimbun 東京朝刊から

 強い毒性をもった鳥インフルエンザ(H5N1型)が、ベトナム、カンボジアなど東南アジアで感染を広げている。このうちベトナム北部では、ウイルスの変異によりヒトに感染しやすくなった可能性が、今月初めの世界保健機関(WHO)の報告書や専門家会議で相次いで指摘された。世界的な感染爆発にただちにつながるわけではないが、危険性は高まっており、WHOは調査と監視の強化を各国の医療・防疫当局に呼びかけている。

 今月3日のWHO報告書によると、ベトナムではこれまでに鳥インフルエンザ発生の波が3度あった。2003年12月から04年8月までに起きた最初と2度目の波では、両方をあわせた致死率が74%と高かったが、第3波にあたる同年12月から05年4月は36%と低下。しかし発生は続いており、現地からの報道によると、今月に入って2人の感染者が出た。

 これは、ウイルスの毒性が弱まったことで致死率が下がった半面、感染の効率はよくなった可能性があるという。

 今月6、7の両日にマニラで開かれたWHO専門家会議での議論のまとめによると、ベトナムでも地域差があり、致死率は北部では34%だったが、南部では83.3%と高かった。その一方で、集団発生は北部で8件と多発したが、南部では2件だった。タイでも昨年、ヒトからヒトへの感染が確認されたが致死率は71%、カンボジアでは100%と、ベトナム北部とは違っていた。

 感染の年齢層も、これまでは17歳から31歳と若者や子供に多かったが、ベトナムでは最近、鳥と接しない1歳未満の乳児が感染するなど、感染のパターンが変わってきているという。

 また、ウイルスに感染していても発症しない「不顕性感染者」も報告され、国立感染症研究所の谷口清州・感染症対策計画室長は「実際の感染者は判明しているより多い可能性がある。今のところ、感染は拡大傾向にないがこれまでと状況が違ってきており、世界流行の恐れがあることを留意したうえで、日本も監視を強めるべきだ」と指摘する。

 一方、大槻公一・鳥取大教授(獣医微生物学)は「インドシナ半島ではすでに2億羽以上のニワトリが感染やその疑いで処分された。現地では鳥インフルエンザウイルスがさまざまな形で定着している。ブタを介してヒトに感染しやすいウイルスに変化した可能性が高い。同半島からのツバメの渡来時期は過ぎたが、日本も警戒する必要がある」と話している。(杉浦美香)

  <鳥インフルエンザ> 毒性の強いH5N1型のヒトへの感染が1997年に香港で起きて以来、タイやベトナムでも発生。感染はその後も波状的に報告されている。日本でも昨年、ヒトへの感染が確認された。今年に入り北朝鮮で鳥インフルエンザによるニワトリの大量死が報告されたが、これは同型より病毒性が弱いウイルスによるとみられている

北朝鮮での“根絶”宣言 鳥インフルエンザで国連

2005/04/26 The Sankei Shimbun

 国連食糧農業機関(FAO)は25日、北朝鮮で発生した鳥インフルエンザの感染拡大を封じ込めることに成功したとする声明を発表、同国でのウイルス“根絶”を宣言した。

 声明によると、平壌周辺の3カ所の養鶏場で、毒性の強いH5N1型とは別のH7型ウイルスが確認された。このため、約21万8000羽の鶏を処分したほか、未感染の鶏へワクチンを投与。この3カ所の養鶏場ではウイルスは除去されたという。

 FAOは北朝鮮に対し、ほかの養鶏場などにウイルスが残存していないことを確認するよう求めている。(共同)

鳥インフルエンザ、豚にも感染 インドネシア

2005/04/19 The Sankei Shimbun

 鶏に高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)が流行しているインドネシアで豚にも感染が起きていることを、同国アイルランガー大と河岡義裕東大教授らの研究チームが19日までに、豚から分離したウイルスの遺伝子解析で突き止めた。

 鳥インフルエンザウイルスが豚に感染すると体内で遺伝子の組み換えが起き、人に大流行する新型インフルエンザになる恐れが指摘されている。豚からの同ウイルス検出はベトナムと中国で報告されていたが、さらに感染地域が広がった。

 同教授は「このウイルスが豚にまん延する可能性がある。そうなれば人で世界的流行を起こす恐れが強まる。監視が必要だ」と指摘している。

 国連食糧農業機関(FAO)によると、インドネシアでは今年1月から3月にかけ、鶏やウズラなど計約28万羽が死ぬなど鳥インフルエンザの流行がジャワ島を中心に続いている。(共同)

 <新型インフルエンザ> 鶏に大きな被害を出す鳥インフルエンザウイルスは、人から人へは感染しにくいため、人での流行は起きない。しかし、同ウイルスが豚や人に感染し、体内で人のインフルエンザウイルスと遺伝子の組み換えが起こると、人から人に感染して大流行を起こす新型インフルエンザになると考えられている。1918年のスペイン風邪、57年のアジア風邪、77年のソ連風邪などの例がある。(共同)

鳥インフルエンザ対策や支援問題、北が韓国に協議提案

2005/04/11 読売新聞 Yomiuri On-Line

 韓国統一省によると、北朝鮮の国家獣医非常防疫委員会は11日、韓国の国立獣医科学検疫院あてに送った書簡で、北朝鮮で発生した鳥インフルエンザへの対策や支援問題を話し合う実務協議を20〜22日の間に北朝鮮・開城で開くよう提案した。

 韓国側代表は政府当局者になると見られ、中断している南北当局者間の協議が開催されるのは2004年7月以来となる。書簡には北朝鮮側が支援を求める予定の検査キットや薬品、機材のリストが添付され、これらを搬入する場所として平壌西方の南浦港を指定している。(ソウル支局)

鳥インフルエンザ、カンボジアで3例目の死者

2005/04/10 読売新聞 Yomiuri ON-Line

 【ハノイ=吉形祐司】カンボジアの首都プノンペンの病院に肺炎に似た症状で入院し、死亡した少女(9)から、鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)が検出されたことが9日、わかった。

 同国での鳥インフルエンザによる死亡は3例目で、世界保健機関(WHO)が近く公表する。少女は、過去2例の患者と同じカンポート州の出身。7日に死亡した。

北朝鮮はH7型の可能性 鳥インフルエンザ

2005/04/05 The Sankei Shimbun

 北朝鮮で発生した鳥インフルエンザについて、訪朝して現地調査していた国連食糧農業機関(FAO)の担当者は5日、「検査したところ、これまでアジアでの発生例が少ないH7型を示す結果が出た」と明らかにした。

 同担当者によると、タイやベトナムで人に感染し死者も出した強毒性のH5N1型と異なり、H7型は昨年、米国やカナダ、パキスタンで発生の報告があったが、東アジアでの報告例はないという。今後、北朝鮮でなぜ発生したのか、毒性がどの程度かなどを解明する必要があるとしている。

 北朝鮮の鳥インフルエンザは平壌の3カ所の養鶏場で発生、21万9000羽の鶏が処分された。(共同)

北朝鮮の発生例は別の型か 鳥インフルエンザ

2005/04/04 The Sankei Shimbun

 北朝鮮で発生した鳥インフルエンザについて、訪朝して調査している国連食糧農業機関(FAO)の担当者は4日、「最終的な判定ではないが、これまでの調査では(強毒型の)H5N1型の可能性は低い」と明らかにする一方、「人への感染例はなかった」と述べた。H5N1型は感染力などが強く、タイやベトナムなどで死者が出ている。

 同担当者は「発生した平壌市内3カ所の養鶏場では、事後の防疫作業が徹底して行われた」と評価したが、「完全に安全と判断する段階ではない」と指摘、当面は推移を見守る必要があるとの見方を示した。

 FAOによると、鳥インフルエンザが発生した3カ所の養鶏場で、21万9000羽の鶏が処分され、養鶏所周辺も消毒された。(共同)

北朝鮮の鳥インフルエンザ、中国が禁輸措置

2005/04/02 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【上海=伊藤彰浩】中国中央テレビの2日の報道によると、北朝鮮で発生した鳥インフルエンザに関連し、中国農業省は1日、北朝鮮からの鳥類、鳥肉製品の輸入を禁止した。

 北朝鮮での流行が終息していないことを示すものと見られる。

 先月27日に北朝鮮が認めた鳥インフルエンザ発生に対し、中国側は国境を接する遼寧、吉林、黒竜江の3省で予防活動を強化。鳥類の持ち込み禁止や車両の消毒などの対応をしていた。

 2日付の「吉林日報」紙(電子版)によると、吉林省延辺、琿春(こんしゅん)、集安などの国境都市では、先月末以降、入国者に対する厳重な検査が行われ、見つかった鳥肉製品を焼却するなどの措置がとられている。

北朝鮮、鳥インフルエンザで1000万羽処分か

2005/03/30 The Sankei Shimbun

 韓国の有力紙、東亜日報30日付早版はソウルの北朝鮮消息筋の話として、平壌で発生した鳥インフルエンザで、北朝鮮当局が平壌地区で飼育されたニワトリ1000万羽を処分したと報じた。

 北朝鮮では1873万羽が飼育されており、処分は半分以上に上ることになる。この消息筋は最近、北朝鮮を訪れた人の話を根拠に「鳥インフルエンザの感染拡大を防ぐために、平壌地区で飼育されたすべてのニワトリを処分した」と述べた。(共同)

北朝鮮で鳥インフルエンザを初確認

2005/03/27 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ソウル=浅野好春】朝鮮中央通信は27日、北朝鮮の首都、平壌市兄弟山区域にある大規模養鶏場「下堂(ハダン)ニワトリ工場」をはじめ2〜3か所の養鶏場で最近、鳥インフルエンザが発生していたと報じた。

 北朝鮮が鳥インフルエンザ発生を確認したのは、これが初めて。

 同通信によると、国家獣医非常防疫委員会が「鳥インフルエンザ現象があらわれた直後、非常対策を立て、他のニワトリ工場など家禽(かきん)工場に広まらないよう防疫事業を綿密に遂行した」という。

 さらに、「該当の工場では感染した数十万羽のニワトリを地中に埋めて焼却処分した」結果、これらの養鶏場では「現在まで、管理作業員らの中で感染者は出ていない」としている。また、「専門機関の職員や科学者、技術者がウイルスを撲滅するための研究作業を進めている」とも伝えている。

 韓国の聯合ニュースは今月15日、消息筋の話として下堂養鶏場で2月中旬ごろに鳥インフルエンザが発生していたことを報道。日本の農林水産省ではこれを受け、同日から北朝鮮産鶏肉の輸入を一時停止する措置をとっている。

ベトナムでまた1人死亡 鳥インフルエンザ

2005/03/26 The Sankei Shimbun

 ベトナムの保健省当局者は26日、北部と中部で計3人がH5N1型の高病原性鳥インフルエンザに感染し、うち1人が死亡したことを明らかにした。

 同省は18日、昨年12月の鳥インフルエンザ再発以来、14人が死亡したと発表しており、今回の死者で15人目。

 当局者によると、死亡したのは北部ナムディン省の17歳の少女。治療を受けていたハノイの病院で23日に死亡した。

 北部クアンニン省の40歳の女性と中部クアンビン省の5歳の男児は、高熱やせきなどの症状で入院、鳥インフルエンザウイルスが検出された。

 ベトナム紙は3人とも病気のニワトリを食べたと報じている。(共同)

平壌で鶏数千羽死ぬ、「掘り返され市場に」のうわさも

2005/03/15 読売新聞 Yomiuri On-Line

 【ソウル=豊浦潤一】聯合ニュースは15日、消息筋の話として、北朝鮮・平壌市内にある下堂養鶏場で2月中旬ごろ、鶏数千羽が鳥インフルエンザに感染して死んだため、当局が対策に乗り出したと報じた。

 死んだ鶏はすべて廃棄処分されたが、掘り返されて市場で売られたとのうわさもあるという。同ニュースは、同養鶏場が現代的設備を持ち、北朝鮮を代表する養鶏場の一つだったため、情報が広まったとしている。

 北朝鮮メディアは最近、「鳥インフルエンザを防ぐための闘争が深化している」(4日付労働新聞)などと予防策強化を伝えたが、鳥インフルエンザの発生はこれまで伝えていない。

 韓国統一省高官は15日、記者団に対し、北朝鮮から鶏40トンの輸入を予定していたソウルの食肉輸入業者が先週末、17日の船積み中止を北朝鮮に要請したことを明らかにした。

ベトナムでまた感染 鳥インフルエンザ

2005/03/07 The Sankei Shimbun

 ベトナム保健省当局者は7日、北部タイビン省の26歳の男性看護師がH5N1型の高病原性鳥インフルエンザに感染したことを明らかにした。男性は2日、高熱でハノイの病院に入院、現在の容体は安定しているという。

 男性は、勤務先の病院でH5N1型ウイルスの感染が確認された21歳の男性患者らを担当していた。だが当局者は、感染は患者からではなく「家禽(かきん)の鳥インフルエンザ感染が広がっている地域に行ったことが原因とみられる」としている。

 ベトナムでは、12月の鳥インフルエンザ再発以来13人が死亡。現在、男性看護師を含む4人が病院で治療を受けている。(共同)

制圧向けベトナムで専門家会議 鳥インフルエンザ

2005/02/23 The Sankei Shimbun

 ベトナムやタイなどで再発している高病原性鳥インフルエンザの封じ込めに向け、東南アジア諸国連合(ASEAN)と日本、中国、韓国、米国など約30カ国から家畜衛生の政府担当者や専門家らが参加した会議が23日、ベトナム南部ホーチミンで始まった。

 国連食糧農業機関(FAO)と国際獣疫事務局(OIE)の主催で、25日までの予定。

 会議では、鳥インフルエンザ再発と戦うベトナム、タイ、カンボジアのほか中国、日本など各国も、家禽(かきん)と人への感染の現状と経過、この1年に実施した封じ込め対策を発表。

 専門家会合では、ベトナムが家禽の感染経路などに関する調査結果について報告するほか、ワクチン開発の経過や鳥インフルエンザ制圧に向けた国際協力についても協議。日本や米国、欧州各国などは鳥インフルエンザ対策の支援国の立場でも参加している。

 ベトナムでは、昨年12月半ばに鳥インフルエンザが再発し、1カ月で12人が死亡した。昨年初めの鳥インフルエンザ流行以来、ベトナム、タイ、カンボジアの死者は45人に上っている。(共同)

ハエからH5N1ウイルス 養鶏場周辺で昨年採取

2005/02/22 The Sankei Shimbun

 昨年2月に高病原性鳥インフルエンザが発生した京都府丹波町の浅田農産船井農場周辺で採取していたハエの一部から、感染した鶏と同じH5N1型ウイルスが、22日までに見つかった。

 ハエから同ウイルスが分離されたのは初めて。感染した鶏のふんを食べてウイルスを取り込んだ可能性があり、調査した国立感染症研究所は「ハエを介して感染するかどうかは分からない」としている。

 感染研は、昨年3月上旬、同農場から600−2250メートル離れた6地点で、ハエ約200匹を採集。その4分の1のハエの体内から、H5N1型ウイルスの遺伝子を分離した。ハエは冷凍保存して調べていたが、一部のハエからは生きたウイルスが見つかった。

 調べたハエは半日で少なくとも1−2キロ飛ぶという。

 感染研は、ハエが持っていたウイルス量やハエを通じて感染する可能性の有無を詳しく調べている。農水省は「防疫マニュアルに防虫作業は入っており(対策に)直ちに影響はしない」としている。(共同)

よみがえる大流行の悪夢 鳥インフルエンザ再燃

2005/02/18 The Sankei Shimbun

 昨年末からベトナムで再燃した高病原性鳥インフルエンザ。年末年始の約1カ月間に10人以上の死者を出し、1年前の大流行の悪夢が頭をもたげてきた。先週の旧正月にはお祝い用の家禽(かきん)が多くの家庭で食され、感染拡大の懸念も浮上。封じ込めに手を焼く政府は世界保健機関(WHO)や国連食糧農業機関(FAO)に「SOS」を要請、事態は危険水域に入った。

 ▽忍び寄る脅威

 「今のところ、(再燃状況は)昨年のパターンを踏襲している」。2月上旬、ハノイのWHOベトナム事務所。代表のハンス・トロエドソン氏は努めて冷静に「忍び寄る脅威」を口にした。

 ベトナムでは昨年1月、鳥インフルエンザの人への感染が確認された。同3月末に終息宣言するまでに、判明しただけで23人が感染、うち16人が死亡し、アジアでの大流行の“震源地”の1つとなった。

 この間、家禽への感染は64省・直轄市の約9割で確認され、処分された家禽は4300万羽以上に。経済的にも大きな打撃となり、鳥インフルエンザ対策の重要性を認識させた。

 その後は小康状態を保っていたが「ウイルスは環境に定着した」との専門家の指摘を裏付けるように再燃。昨年末から2月上旬までに16人が新たに感染し、うち12人(1月30日現在)が死亡。家禽感染は35省に広がった。

 ▽7割がアヒル

 感染拡大のパターンが前回と似ている一方、相違点もある。

 国際協力機構(JICA)からベトナム国立家畜衛生研究所に派遣されているウイルス学者の乾健二郎氏によると、昨年は感染した家禽の大半がニワトリだったが「今回は約7割がアヒル」。理由は不明だが、ウイルスが変化している可能性があるという。

 WHOが最も警戒しているのは、本来は鳥同士で感染する鳥インフルエンザのウイルスが、人から人に簡単に感染する「新型インフルエンザ」へと変異することだ。トロエドソン代表は「変異はいつでも起こり得る」と警告する。

 ただ、国際機関や政府、地域社会にとって事実上初めての経験となった昨年の大流行とは異なり、今回は専門家や農家の知識が深まっている。同代表は「人から人への感染は限定的」と指摘、感染拡大阻止への期待をにじませた。

 ベトナム農業・地方開発省によるWHOなどへの支援要請を受け、同代表は「国際的な連携はうまくいっている」と語る。しかし、封じ込めのめどが立たないまま感染者が増えていく現状を前に、国際機関や政府がいら立ちを募らせているのも事実だ。(共同)

鳥インフルエンザのワクチン開発に成功か 中国の研究所

2005/02/07 The Sankei Shimbun

 7日付の中国英字紙、チャイナ・デーリーは、中国黒竜江省ハルビンの獣医学研究所が高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)のワクチンの開発に成功したと伝えた。近く水鳥が飛来する水場などで適用する見通し。

 同紙によると、新ワクチンはウイルスの遺伝子配置を変えたもので、アヒルやガチョウに対する実験で体内に抗体ができた。農業省の関係当局が既に動物用の薬として認可したという。

 鳥インフルエンザでは先月30日にカンボジア人女性がベトナムで死亡。中国では昨年1月、広西チワン族自治区でアヒルが大量死し、ウイルス(同型)が中国で初めて確認された。農業省は今年3月までに再発生する危険があるとして警戒している。(共同)

H5N1型は変異 人への感染力は未確認 WHO事務局長

2005/01/27 The Sankei Shimbun

 世界経済フォーラムの「ダボス会議」に出席している世界保健機関(WHO)の李鍾郁事務局長は26日、タイとベトナムで高病原性鳥インフルエンザのH5N1型ウイルスが人から人へ感染した可能性が高い症例が出ていることについて、同ウイルスが「変異していることは明らかだ」と述べた。

 しかし李事務局長は「問題は変異の程度」と指摘、同ウイルスが人から人への感染能力を獲得するような「大きな変異を遂げた証拠はまだない」との見解を示した。

 タイの症例について事務局長は、人から人への感染の「可能性がある例」として、WHOとして「調査を進め、明白な結論を出さなければならない」と述べた。

 タイの症例は昨年9月に発生。鳥インフルエンザが原因とみられる肺炎で相次いで死亡した母親と娘の間で、ウイルス感染の可能性があるとの分析結果を、タイ保健省と米疾病対策センターが米医学誌に報告した。

 事務局長は、H5N1型ウイルスが人から人に感染するようになれば「次の大流行になるのは間違いない。タイとベトナムの症例はたいへん気掛かりだ」と述べた。(共同)

ベトナムで24人目の死者 鳥インフルエンザ

2005/01/18 The Sankei Shimbun

 ベトナム保健省は18日、南部ハウザン省で18歳の少女がH5N1型の高病原性鳥インフルエンザに感染し死亡したことを正式に確認した。ベトナムで鳥インフルエンザによる死者は昨年から24人目。保健省はほかに入院中の2人からH5N1型ウイルスが検出されたことを明らかにした。2人は危篤状態という。

 ベトナム政府によると、これまでに計64省・直轄市のうち、首都ハノイを含む18省・市で家禽(かきん)の鳥インフルエンザ感染が確認された。国営ベトナム通信によると、ファン・バン・カイ首相は17日、鳥インフルエンザ拡大を抑えるため、家禽の輸入禁止などの措置を取るよう指示した。(共同)

鳥インフルエンザでまた死者 ベトナム

2005/01/10 The Sankei Shimbun

 ベトナム・ホーチミン市の保健当局によると、同国南部タイニン省の16歳の女性が8日、鳥インフルエンザのH5N1型ウイルスに感染して死亡した。同国で昨年1月からの鳥インフルエンザによる死者は、23人にのぼった。

 家族によると、女性は鳥インフルエンザの症状を見せていた鶏に直接触れており、そこから感染したとみられる。保健当局は、ほかにもH5N1型のウイルス感染が確認され治療中の患者がいるとしており、鶏の消費が増える2月上旬からの旧正月を前に感染拡大が懸念される。

鳥インフルエンザに強いニワトリ繁殖へ 北大教授ら

2005/01/09 The Sankei Shimbun

 鳥インフルエンザを発病しにくい遺伝子を持つニワトリを選んでふやそうという研究に渡辺智正・北海道大教授(家畜遺伝学)らが取り組んでいる。今春にはウイルスをニワトリに感染させる実験が始まる。

 マウスの細胞には、ウイルスの増殖を抑える「Mx」という遺伝子がある。渡辺教授は、ニワトリのMx遺伝子を調べ、種類や個体によってわずかに構造が異なり、ウイルスへの抵抗力にも差があることを見つけた。培養細胞を使った実験では、強いタイプのMx遺伝子は鳥インフルエンザも抑え込んだ。

 強いMx遺伝子を持つオスとメスの選別を、独立行政法人・家畜改良センターの岡崎牧場(愛知県岡崎市)の約1千羽を対象に開始。今春から交配し、インフルエンザに強いニワトリを選び出すと同時に、感染させて発病しないか確かめる実験も進める。

 渡辺教授は「野鳥が鶏舎に入るのを防ぐ対策などと組み合わせることで、効果的な予防につながる」と期待する。

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 <鳥インフルエンザに詳しい大槻公一・鳥取大教授(家畜微生物学)の話> たいへん興味深い試みだ。ただ、感染しても発病しないニワトリは、ウイルスをばらまき続ける恐れがある。実用化には周囲への影響も慎重に検証する必要がある。

鳥インフルエンザに感染2人死亡…ベトナム南部

2005/01/07 読売新聞 Yomiuri On-Line

 厚労省は7日、ベトナム南部で過去1週間に5人が高病原性鳥インフルエンザに感染し、うち2人は死亡したとの情報を得たと発表した。

 世界の感染症専門家が意見交換するホームページで確認した。

 感染者の検査データなど詳細は未確認だが、厚労省は「感染が事実とすれば、ベトナムで相当流行している証拠」と判断しており、ベトナムへの渡航者や在留邦人は現地の養鶏場に不用意に入らないなどの注意が必要という。

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