TOPIC No.5-42-1 2000年03月(新型肺炎/SARS)

SARS:死者15人、感染者610人に 香港

2003年03月31日 [毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 
 【香港・成沢健一】香港の衛生当局は31日、重症急性呼吸器症候群(SARS)の感染者数が前日より80人増えて610人となり、死者も2人増えて15人になったと発表した。新たな感染者のうち64人が九竜地区の高層マンション群「淘大花園(アモイガーデン)」=計19棟=の住民で、被害の拡大に歯止めがかからない状態が浮き彫りとなっている。

 香港の日本総領事館によると、淘大花園には現在、日本人13世帯が住んでいる。31日から隔離措置が取られたE棟への日本人の入居はなく、連絡が取れた7世帯の家族にはSARSの症状は出ていないという。

SARS:男児を感染者リストから外す 香港の日本総領事館

2003年03月31日 [毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 【香港・成沢健一】香港の日本総領事館は31日、重症急性呼吸器症候群(SARS)に感染したとされていた香港在住の日本人の男児(5)について、「感染者リストから外した」と香港の衛生当局から回答があったことを明らかにした。

 男児は肺炎のような症状を示して3月22日に入院し、28日に「SARSの感染が確認された」と入院先の病院から総領事館に連絡が入った。しかし、29日になって原因ウイルスとされる「コロナウイルス」が検出されなかったとの説明があり、総領事館が衛生当局に事実関係を照会していた。

数日中にも病原体を特定へ SARS

2003年03月31日 The Sankei Shimbun
 世界保健機関(WHO)西太平洋地域事務局(マニラ)は31日、アジアを中心に流行している肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)の病原体について、早ければ数日中に特定できるとの見通しを明らかにした。

 肺炎の原因をめぐっては、患者からこれまで、風邪の原因となるコロナウイルスの新種や、はしかの原因ウイルスの仲間のパラミクソウイルスが見つかっている。

 会見した同事務局の押谷仁・感染症対策課長は「病原体はコロナウイルスもしくはパラミクソウイルス、あるいは両方とみられるが、現時点では最終特定できていない。しかし数日中、遅くとも数週間以内には特定できる」と述べた。

 WHOによると、29日現在、この肺炎の患者数は1550人、うち54人が死亡した。(共同)

SARS、香港のマンションで拡大 空気感染のおそれも

2003年03月30日 Asahi.com
 重症急性呼吸器症候群(SARS)による肺炎が流行している香港で、九竜(カウルン)のマンションで30日までに121人の感染が確認された。米疾病対策センター(CDC)のガーバーディング所長は29日の記者会見でこのケースを取り上げ、「唾液など分泌物による飛沫感染だけではなく、空気感染の可能性も示している」と警告した。 また、新たに中国南方航空とドラゴン(港龍)航空に感染者が搭乗していたことが分かった。

 30日付の香港紙明報はSARSのウイルスが、野生動物から人間に感染した可能性がある、と報じた。

 世界保健機関(WHO、本部ジュネーブ)は29日、ハノイでSARS治療に従事していた同機関のイタリア人専門家、カルロ・ウルバニ医師(46)がSARSにかかり、タイの病院で死亡したと発表した。SARSでWHOの専門家が犠牲になったのは初めて。

看護師が空港で検査へ SARS防止

2003年03月30日 The Sankei Shimbun
 シンガポール保健省は30日、重症急性呼吸器症候群(SARS)感染の新たな防止策として、中国広東省や香港、ハノイなどの感染地域からのすべての渡航者を対象に、シンガポール国際空港で看護師が体調を検査する態勢を敷くと発表した。31日夕から実施する。

 同国では広東省と香港への旅行から23日シンガポールに帰国したインドネシア人少年(17)の感染も新たに判明、30日現在、感染者が91人に達し、うち3人が死亡している。(共同)

米政府、感染拡大を警告

2003年03月30日 The Sankei Shimbun
 米疾病対策センター(CDC)のガーバーディン所長は29日記者会見し、アジアを中心に広がっている肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)に効果のある薬剤は見つかっておらず、今後、さらに大規模な感染の危険があると警告した。

 所長は、肺炎の原因とされる新種のコロナウイルスについて「SARSの患者に効果がある抗ウイルス剤、ステロイド、その他の薬は見つかっていない」と述べた。

 ウイルスは患者に接触した家族や医療関係者を中心に拡大しており、せきやくしゃみなどによる飛まつ感染が中心だが、空気感染や患者が触ったものなどを通じても感染する可能性があると指摘。「医療関係者や家族以外に大規模な感染が広がることを警戒している」とした。

 世界保健機関(WHO)によると、29日までに1491人の患者を確認、54人が死亡。医療関係者が感染する例も多く、ベトナムで調査と対策に当たっていたWHOの専門家もSARSで死亡したという。(共同)

福岡便にSARS感染者

2003年03月30日 The Sankei Shimbun
 アジアを中心に流行している肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)に感染した外国人4人が、香港発福岡行きの旅客機に搭乗していたことが30日までに分かった。

 厚生労働省福岡空港検疫所支所にキャセイパシフィック航空から入った情報によると、4人は今月21日、同航空510便に搭乗。経由地の台北で降りたが、その後SARSへの感染が分かったという。同便に福岡まで搭乗したのは209人(うち日本人106人)で、そのうち香港から搭乗したのは89人(同62人)。

 SARSは潜伏期間が1週間程度とされているが、現時点では搭乗者から同支所に発症した疑いがあるという連絡はないという。

■重症急性呼吸器症候群(SARS) 38度以上の急な発熱やせき、呼吸困難などの症状をともなう肺炎。2月下旬からベトナムや香港などで集団感染や死者が報告され、この地域への旅行者も発症したため、世界保健機関(WHO)が3月15日に世界的な脅威と警告した。WHOは、昨年11月から発生していた中国南部の肺炎もSARSと認定。この地域が流行の発生地とみられている。米疾病対策センター(CDC)などが患者からコロナウイルスを検出、病原体とみられているが、別のウイルスも検出されている。

感染源のホテルに日本人70人が宿泊

2003年03月30日 The Sankei Shimbun
 謎の肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)が世界に広がる感染場所になったとされる香港九龍地区のホテルに、感染が起きたのと同時期に70人の日本人と日本在住の外国人7人が宿泊していたことが、香港政府から厚生労働省に入った連絡で27日、分かった。

 厚労省は、該当者で38度以上の高熱や肺炎の症状が出た場合、各都道府県に相談するよう呼び掛けている。

 同省によると、同ホテルに宿泊した中国の医大教授からカナダ、シンガポール、香港の宿泊客らにSARSが感染し、世界に広がったことが突き止められている。日本人ら77人は、感染が起きたとされる2月18日から3月3日の間に同ホテルに宿泊した。

 SARSの潜伏期間は長くても10日程度とされ、宿泊していた日本人らに今後、症状が出る可能性は低いが、厚労省は念のため注意を呼び掛けることにした。プライバシーに配慮し、厚労省側から健康状態を聞くことはしない。

謎の肺炎:香港在住の日本男児からウイルス出ず 日本総領事館

2003年03月29日[毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 【香港・成沢健一】香港の日本総領事館は29日、重症急性呼吸器症候群(SARS)に感染したとされていた香港在住の日本人の男児(5)について、SARSの原因ウイルスとみられる「コロナウイルス」が検出されなかったと発表した。

 総領事館によると、男児が入院している病院から28日にSARSへの感染が確認されたとの連絡を受けた。しかし、29日になってコロナウイルスが検出されなかったとの説明があったという。

 香港の衛生当局はこれまで、コロナウイルスが検出されなかった患者でも症状や感染経路などを総合的に判断し、感染者と認定しており、総領事館は男児の扱いについて衛生当局に照会している。

 また、同衛生当局は29日、SARSの感染者が前日より45人増えて470人に、死者も1人増えて12人になったと発表した。

SARS肺炎、在留の5歳男児が感染 香港

(2003/03/28) Asahi.com
 重症急性呼吸器症候群(SARS)による肺炎が流行している香港で、5歳の日本人男児が感染の疑いで入院していることが28日、分かった。在香港日本総領事館によると、香港の在留邦人は約2万5000人いるが、病例は初めてという。

 約1週間前に入院、快方に向かっている。家族に感染者は見つかっておらず、幼稚園で感染した可能性もある。幼稚園は同日から休園している。

 世界保健機関(WHO、本部ジュネーブ)の27日の発表によると、SARS感染者は全世界で1408人(死亡53人)。内訳は中国804(死亡34)、香港367(同10)、シンガポール78(同2)、ベトナム58(同4)、米国45(同0)、カナダ28(同3)などとなっている。

客室乗務員も感染 アジアを中心に流行の肺炎

2003年03月28日 The Sankei Shimbun
 シンガポール航空が28日明らかにしたところによると、同航空の20代の女性客室乗務員がアジアを中心に流行している肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)に機内で感染し、入院している。

 この乗務員は今月14日、ニューヨークからドイツ・フランクフルトに向かう便に搭乗。この便にはSARSの疑いがあるとしてフランクフルトの病院に緊急隔離されたシンガポール人の乗客3人が乗っており、乗務員は3人の接客業務に当たったとされている。今のところ乗客3人は回復に向かっており、他の乗務員に感染は確認されていない。(共同)

病原体はコロナウイルス 香港大も発表

2003年03月27日 The Sankei Shimbun
 香港大は27日、東南アジアを中心に流行している原因不明の肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)は、新種のコロナウイルスが原因と発表した。世界保健機関(WHO)11カ所の研究室との合同調査の成果という。

 香港大は抗体、ウイルスの遺伝子の検査後3、4時間で感染の有無を判定する方法を開発しており、ウイルスの特定により初診で感染を診断できるようになる。

 コロナウイルスには合成抗ウイルス薬「リバビリン」が有効で、治癒率は9割に上る。

 同ウイルスには3メートル以内の咳(せき)などによる飛まつ感染と、手や指にウイルスが付着し鼻や目、口から感染する2つの感染経路がある。早期に発見すれば症状は軽いといい、同大ではアルコール消毒や手洗いの励行を呼び掛けている。

 コロナウイルスは、感染力は強いが致死性は低く、これまで報告されている感染者の死亡例は、高齢者や、心臓、肝臓などに重い疾患を抱えていた例が多かった。

 米疾病対策センター(CDC)は今月24日、SARSの原因はコロナウイルスの一種と発表していた。風邪の3分の1はコロナウイルスが原因といわれる。(共同)

SARS被害拡大、広東で31人死亡

2003年03月26日 The Sankei Shimbun
 香港公共ラジオは26日、中国当局者の話として、中国広東省でこれまでに792人が原因不明の肺炎に感染し、31人が死亡したと伝えた。

 同省当局は先月、省内で305人が感染、5人が死亡したと公表していたが、実際には感染がさらに広がっていたことが明らかになった。

 広東省衛生当局の発表によると、同省では昨年11月に最初の感染例が報告されてから中山、深●(●=土へんに川)などで肺炎が局地的に流行。広州市では今年1月から多くの患者が出て、先月末までに680人が感染、24人が死亡した。

 香港の衛生当局は、香港で流行している肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)は、広州から香港を訪れた64歳の医大教授から広がったと確認。同教授は広州で感染したとみられており、香港で流行している肺炎は、広東省の肺炎と同じウイルスによる可能性が強い。

 香港ではこれまでに290人近くが感染、10人が死亡している。(共同)

謎の肺炎は風邪ウイルスが原因か

2003年03月25日 The Sankei Shimbun
 米疾病対策センター(CDC)は24日、ベトナムや香港を中心に流行する原因不明の肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)は、風邪の原因ウイルスの一つであるコロナウイルスの一種が原因とみられると発表した。

 CDCによると、コロナウイルスは、人間の呼吸器などに感染してのどの痛みや発熱などを起こす。風邪の3分の1はコロナウイルスが原因だとされる。今回のウイルスはこれまで知られていない新たな種類のコロナウイルスとみられる。

 CDCはアジア各地から送られてきた感染者の血液や組織を分析、複数のサンプルからコロナウイルスを検出した。

 コロナウイルスの仲間では、人間の呼吸器症状のほか、腸炎による下痢などを起こすウイルスが知られている。ほ乳類や鳥類にも感染する。

 SARSの病原体の可能性があるウイルスとしては、香港大などが患者からパラミクソウイルスの一種を検出したと発表しているが、断定はできないとされていた。

 世界保健機関(WHO)によると、2月1日から3月24日までに、15カ国で456人がSARSにかかり、17人が死亡している。(共同)

北京でSARSの懸念広がる、中国政府は情報公開に消極的

2003年03月25日 (ロイター)YAHOO! News
 
 [北京 25日 ロイター] 中国の首都・北京の病院の待合室は、原因不明の肺炎「重症急性呼吸器症候群」(SARS)を恐れる大勢の住民らであふれている。
 ある病院の外国人医師によると、親は子どものSARS感染を懸念しており、軽い症状の風邪や咳にも心配を募らせている。

 中国政府は、北京市内に感染者はいないと強調。しかし保健当局者の1人は、SARSで2人が死亡したとしている。

 ある中国人医師は、同市内で推定100人が感染し、その大半が医師や看護士であるとの見解を示した。

 市内の病院4カ所で少なくとも12人が死亡したとする匿名情報も、電子メールで流れているという。

謎の肺炎:フランスで初の感染者 ベトナム滞在中に

2003年03月25日 [毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 フランス公共ラジオによると、同国保健省は25日、原因不明の肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)に感染しているとみられるフランス人が、パリ北部の病院に入院していることを明らかにした。フランス人の感染が確認されたのは初めて。

 同省によると、このフランス人はベトナム滞在中ハノイの病院で治療を受けた際に感染したらしい。23日にハノイからバンコク経由で帰国した。

 同省によると、このほかアジアから帰国したフランス人10人がSARSに似た症状で治療を受けている。

     ◇

 世界保健機関(WHO)によると、欧州ではフランス以外にドイツで4人、イタリアで2人など7カ国計14人のSARS患者が報告されている。(パリ共同)

謎の肺炎:北京旅行の9人感染 香港・航空機内で?

2003年03月25日 [毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 【香港・成沢健一】香港特別行政区政府は25日、今月中旬に北京を訪れたツアーの参加者35人のうち、9人が重症急性呼吸器症候群(SARS)に感染したことを明らかにした。ツアーで利用した航空機内で感染したとみられ、香港政府は他に感染者がいないか、乗客・乗員計263人について確認を急いでいる。

 ツアーは香港の旅行会社が主催し、15〜19日の日程で北京を訪れた。参加者のうち、ともに44歳の夫婦が18日に体調を崩し、香港に戻ってから感染が確認された。香港政府の調査で、北京行きの中国国際航空機内で、夫婦の座席の後ろに、香港でSARSの患者を見舞った乗客が座っていたことが判明した。この乗客は北京で入院したという。

 香港政府の25日のまとめでは、香港でSARSに感染した人は286人、死者は10人となっている。世界保健機関(WHO)によると、24日までに15カ国・地域で456人が感染したとみられ、17人の死亡が報告された。

SARSで2人死亡 ベトナム

2003年03月25日 The Sankei Shimbun
 ベトナム政府系サイトが25日伝えたところによると、原因不明の肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)の集団感染が起きている首都のハノイの病院で24日、2人が死亡、死者は計4人となった。

 新たに死亡したのは男性医師(36)と女性看護師(43)。いずれも2月下旬から今月初め、香港から訪れた米国籍男性(48)の治療に当たっていた。その後、この男性はSARSのため香港の病院で死亡している。

 ベトナムでは、69人のSARS感染が確認されている。(共同)

SARSの死者10人、感染者は260人に…香港

2003/03/24 読売新聞 Yomiuri On-Line
 【香港=関泰晴】香港政府は24日、正体不明の肺炎「SARS」(重症急性呼吸器症候群)について、香港で確認された死者が10人、感染者が260人に達したと発表した。

 感染者が会社に出勤したために同僚が感染する事例が初めて報告されており、ほぼ院内感染に限られると見られていた感染経路が拡大する兆しも出てきた。

肺炎のウイルス培養に成功 香港大、流行歯止めへ前進

2003年03月23日 The Sankei Shimbun
 23日付の香港各紙によると、香港大は22日夜、香港などで流行している肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)の原因ウイルス培養に成功したと発表した。

 病原体をめぐっては、既に香港の中文大などが、パラミクソウイルスの一種を検出したと発表。香港大はウイルスの特定には至ってないとしたが、培養成功により、治療法開発などが大きく前進するとみられ、世界的流行に歯止めがかかる可能性が強まってきた。

 報道によると、同大は培養ウイルスを使った血清検査により、約1時間で感染の有無の確認が可能になったとした。これまで16人に検査を実施、8人の感染を突き止めたとしている。

 同大では、香港の感染源となった広東省の医大教授の細胞を使ってウイルスの培養に取り組んでおり、今回の研究成果は世界保健機関(WHO)にも報告された。

 一方、WHOによると、この肺炎の感染や感染が疑われるケースが発生した国は、22日の段階で計14カ国で、患者数386人、うち11人が死亡している。(共同)

香港の肺炎感染源ほぼ特定 感染者197人、死者6人に

2003年03月21日 asahi.com
 香港政府は21日、香港で流行中のパラミクソウイルスが原因とみられる肺炎の感染者が197人に増加したと発表した。38人は重症。死者は6人。

 同政府は重要な感染源の一人を2月中旬に香港に入った中国・広州の男性医師(64歳=病死)と特定。医師は発病状態で九竜地区のメトロポールホテルに宿泊。同じ9階に泊まった7人が感染、うちカナダ人女性1人が死亡、ベトナム・ハノイで入院した米国籍の華人も滞在していた。香港北郊の病院に入院、当初発生源と疑われた香港男性(26歳=快復)も9階に宿泊した知人を訪ねていた。医師は病院では肺炎患者担当だったという。

 21日、児童・生徒の感染者がいた幼稚園、小中学校3カ所が休校、中学校1校も感染者の出た教室の使用を見合わせた。

香港の肺炎死者6人に

2003年03月20日 The Sankei Shimbun
 香港の衛生当局は20日、香港での肺炎感染者が165人に達し、これまでに6人が死亡したと発表した。前日より1人増えた死者は、感染源とされる広東省の男性の関係者。

 発表によると、これまで成人のみが感染していたが、感染した医療機関関係者の家族の子供6人も感染したとみられる。(共同)

香港の患者7人は同じホテルに 謎の肺炎

2003年03月20日 The Sankei Shimbun
 ベトナムや香港を中心に広がっている原因不明の肺炎(重症急性呼吸器症候群=SARS)で、香港で流行初期に確認された患者のうち7人は、2月に香港の同じホテルに滞在していたことが19日、分かった。米疾病対策センター(CDC)のジェーン・ガバディーン所長が同日、記者会見して明らかにした。このうち、少なくとも1人が死亡しているという。

 ガバディーン所長は「患者の多くは(患者を診察した)医療関係者か、患者の家族などだ」と指摘。患者との頻繁な接触が、感染につながるとの見方を示した。

 同所長によると、米国内にも11人の疑わしい患者がいるが、いずれもせきや発熱などの症状を示し、香港などアジアへの渡航歴がある。だが、「いずれもかぜが流行する季節に共通して見られる症状なので、断定は難しい」という。

 また病原体について、CDCは「世界各地からサンプルを集め、分析しているが、病原体を突き止めるまでには至っていない」としている。(共同)

原因ウイルス発見か 香港で流行、謎の肺炎

2003年03月19日 The Sankei Shimbun
 香港中文大の鍾尚志医学院長は18日夜、香港で流行している肺炎の原因が「パラミクソウイルス」の一種とみられると発表した。同ウイルスは種類が多く、今回の肺炎の原因が新種や変種であるかどうかや、毒性の程度などについては、まだ断定できていないという。

 発表や新聞報道によると、同ウイルスは大きく5種類に分類され、この仲間には人や家畜に呼吸疾患を起こすパラインフルエンザウイルスやおたふくかぜの原因になるムンプスウイルスがある。

 パラミクソウイルスによる肺炎症状の治療には合成抗ウイルス薬「リバビリン」が効果的だという。

 各紙によると、今月5日、香港で最初に同肺炎に感染した男性が、広東省・深●(●=土に川)市に行ったことが確認されており、香港の衛生当局は広東省で先月流行した肺炎と同種の可能性もあるとみて調べを続けている。

 世界保健機関(WHO)によると、アジアを中心に流行している原因不明の肺炎の感染者は18日の時点で香港やベトナムなど9カ国・地域、計219人に達し、うち4人が死亡した。(共同)

ナゾの肺炎、世界の死者は計12人に

2003/03/19 読売新聞 Yomiuri On-Line
 AP通信によると、ベトナム・ハノイのフランス人医師が19日、「重症急性呼吸器症候群」(SARS)とみられる肺炎で死亡した。また、香港当局は、中国南部から来ていた大学教授など2人の死亡を、新たに発表した。これで、世界でのSARSによる死者は計12人となった。

 香港ではこのほか、患者の最も多いプリンス・オブ・ウェールズ病院に別の病気で入院していた患者2人が肺炎で亡くなっており、SARSの疑いが持たれている。

 一方、新たにブルネイやマレーシア、ルーマニアでも、感染の疑われる患者が発生。いずれも、SARSが流行している香港やハノイなどへの旅行後に発症したという。

          ◇

 世界保健機関(WHO)に報告された感染者は18日現在、9か国・地域で計219人となっている。さらに19日には、シンガポール8人、マレーシア2人、ブルネイ1人などの新たな患者の発生が伝えられている。

謎の肺炎:日本でも3人が感染の疑い 厚労省発表

2003年03月19日 [毎日新聞]Mainichi INTERACTIVE
 原因不明の重症急性呼吸器症候群(SARS)について、厚生労働省は19日、都道府県などから3人が感染した疑いがあるとの報告を受けたと発表した。いずれもほぼ回復し、家族などにも発症者はいないことから、同省は「SARSである可能性は低い」とみて、SARSの分析を進めるWHO(世界保健機関)にも報告しない方針。

 同省結核感染症課によると、3人は最近、海外旅行をしていた。うち2人は入院したが、いずれも回復。残り1人は医療機関で受診中だが、熱が下がるなど回復に向かっているという。

 同省は12日付で、SARSの発生が報告されているベトナムや香港などに最近旅行し、急に高熱を出したり、せきなどの呼吸器系症状を示した患者がいた場合は「疑い例」として報告するよう、都道府県などに通知している。 【須山勉】

謎の肺炎、ブルネイでも感染者か

2003年03月19日 The Sankei Shimbun
 ブルネイ保健省筋が19日に明らかにしたところによると、香港と中国南部への旅行から今月初めに帰国したブルネイ人女性(28)が、流行中の肺炎に似た症状を示し同国内で入院している。ブルネイで確認されれば初のケース。当局は患者の血液検査の結果などを米国へ送り、確認を急いでいる。

 一方、シンガポール保健省は急性肺炎の患者が同日までに31人に達し、うち4人は重症だと発表した。全員が香港へ旅行して感染した最初の3人に接触した家族や看護師らという。(共同)

原因不明の肺炎、渡航自粛勧告も

2003/3/16 読売新聞 Yomiuri On-Line
 原因不明の重い肺炎による死者や感染者が中国広東省や香港、カナダなど7か国で短期間に相次いで発生し、航空旅客経由で世界に拡大する恐れが出てきたして、世界保健機関(WHO)は15日、航空会社などに注意を呼びかけるため異例の「緊急旅行勧告」を発表した。

 米疾病対策センター(CDC)とシンガポール保健省は、さらに一歩踏み込んで香港など感染多発地域への当面の渡航自粛を勧告した。日本でも、厚生労働省が16日、帰国者の検疫のほか、旅行者への情報提供を強化した。

 この病気は、高熱と筋肉痛、せき、息切れがなどが症状で、通常の肺炎と似ているが、抗生物質などが効かない。急速に重症化して呼吸困難に陥り死亡することがある。重症急性呼吸器症候群(SARS)と命名され、WHOによると、このほか、ベトナム・ハノイとインドネシア、シンガポール、タイ、フィリピンでも過去1週間で感染者が約150人発生。これまでの死者数は9人に達した。CDCによると、台湾でも患者が発生したとの情報もあるという。

 感染から発症までの潜伏期は2―7日。WHOは重症患者で回復した例はないとしている。CDCは回復した患者もいるとしているが、重症化すると人工呼吸器を装着して治療する。

 広東省で5人の死者が報告されたほか、香港で米国人ビジネスマンが12日に死亡、さらにベトナムでも1人、カナダで親子2人が亡くなった。いずれも感染が多発している広東省や香港に滞在した後という。

 ドイツでは、米ニューヨーク発の国際線の機内で肺炎の初期症状を発病した渡航者がSARSを疑われて入院。他の旅客も検査のため一時足止めされた。

 日米などの研究機関が病原体を分析しているが、同時期に香港で死者が出た鳥インフルエンザ(H5N1型)などは患者の検体から見つかっておらず、原因は特定されていない。未知の病原体の可能性もある。

 このため厚生労働省は感染者が報告された地域への旅行者に対し、38度以上の高熱と、せき、息切れなどの呼吸器症状が出た場合、速やかに医療機関を受診するように求めることを決定。成田、関西空港や国際線の航空機内などで、注意を放送するように各地の検疫所に指示した。

 さらに原因解明に協力する国際緊急援助隊として、国立国際医療センターの医師2人をハノイへ派遣。現地の病院で治療と感染拡大の防止に協力するという。

マニラでも原因不明の肺炎 ベトナムから帰国男性

2003年03月16日 The Sankei Shimbun
 フィリピン保健省は16日、ベトナムから今月帰国した40代のフィリピン人男性が、発熱などベトナムや香港で流行している原因不明の肺炎に似た症状を訴えたため、マニラ市内の病院で隔離治療していることを明らかにした。

 男性は商用で2月にハノイに出掛けた際、香港から来た中国人男性と接触した。この中国人男性は今月、香港で肺炎の症状で死亡したという。

 同様の原因不明の肺炎は中国や台湾などでも確認され、事態を重視した世界保健機関(WHO)は警報を出している。(共同)

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