TOPIC No.5-40 西ナイル熱

01.ウエストナイルウイルスに関する情報 by東京都 感染症情報センター
02.ウエストナイル熱・脳炎Q&A by厚生労働省
03.West NileVirus(西ナイルウイルス)by NIH-NET Cover Page
04.ウエストナイル脳炎 West Nile Fever by厚生労働省検疫所
05.米国において多発している西ナイルウイルス感染症の現状 (2003.4.17更新)
06.WNFVの感染経路by海外渡航者の健康管理
07.ニューヨークのウエストナイル熱 (西ナイル熱)1999.11.15 by人獣共通感染症連続講座
08.西ナイル熱の診断・治療ガイドライン by日本医師会ホームページ
09.世界の馬伝染病発生情報

抗HIV遺伝子に弱点 西ナイルウイルスには感染しやすい?

2006/01/18 The Sankei Shimbun

 エイズウイルス(HIV)に感染しにくい遺伝子変異を持っている人は、蚊が媒介する西ナイルウイルスには通常人よりも感染しやすい恐れがあることを米国立衛生研究所のチームが突き止め、米医学誌ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メディシン(電子版)に17日発表した。

 この遺伝子変異があると、HIVが感染の際に標的とするタンパク質の1つ「CCR5」が全く作られなくなる。

 北米の白人の約1%がこの変異を持っていて、変異による不都合も特に見つかっていなかったため、CCR5の機能を妨げるタイプのHIV治療薬の開発が進められてきた。研究チームは「この種の薬を使う人は、西ナイル感染の危険を減らすため、蚊に刺されないよう注意した方がいいかもしれない」と話している。

 チームが、CCR5を持たない変異マウスに西ナイルウイルスを感染させたところ、脳炎など症状の進行が速く、死ぬ率も高いことが分かった。

 次に、米国内で人から採取した血液を調べたところ、変異を持つ人の割合は、西ナイルに感染していない群では約1%だったが、感染者では4%を超えており、変異があると西ナイルに感染しやすい傾向が浮かんだ。(共同)

血液検査陰性でも感染 西ナイル熱、臓器移植で

2005/10/07 The Sankei Shimbun

 米国で共通の提供者(ドナー)の臓器を移植された患者計3人が西ナイルウイルスに感染、うち2人が脳炎で昏睡(こんすい)状態に陥ったことが6日分かった。米疾病対策センター(CDC)が感染症週報の速報に掲載した。

 移植を通じた同ウイルス感染は米国で2件目。今回はドナーの血液からウイルス遺伝子が検出されず、血液検査だけでは患者の安全を守れない恐れが明らかになった。

 ドナーはニューヨーク市在住の男性。8月下旬に頭部外傷で脳死になり、肝臓と肺、左右の腎臓がそれぞれ計4人の患者に移植された。9月に肝臓と肺の患者が相次いで脳炎を発病し、腎臓の患者1人も症状はないものの感染が確認された。

 臓器提供前に採られた血液には西ナイルウイルスへの感染歴を示す抗体が見つかったが、遺伝子増幅(PCR)検査をしてもウイルス遺伝子は検出されなかった。家族の証言などから、ドナーは負傷する前に蚊に刺されて感染したらしい。

 西ナイルウイルスに感染しても大半は無症状で済むが、免疫抑制剤を飲む移植患者は発病の危険が大きく、CDCは医師らに注意を呼び掛けた。(共同)

米滞在の男性が西ナイル熱 国内初確認、現地で感染か

2005/10/03 The Sankei Shimbun

 厚生労働省は3日、8月から9月にかけて米国に滞在し、帰国した川崎市の30代男性会社員が、蚊が媒介する西ナイル熱に感染していたことが確認されたと発表した。

 国内で患者が確認されたのは初めて。流行地の米国で蚊に刺されていることや発症までの期間などから「滞在中に感染した可能性が高い」(厚労省)としている。

 男性は発熱などの症状があったが治療を受け、既に回復した。厚労省結核感染症課は「通常、人から人へは感染しない。患者を刺した蚊に刺されても感染することはなく、男性から拡大する恐れはない」と冷静な対応を呼び掛けた。

 同省は自治体と日本医師会に、流行地から帰国して疑わしい症状がある患者に注意し、国への報告も徹底するよう再度通知。流行地への渡航者には、虫よけ剤の使用や戸外での長袖、長ズボンの着用など防止策を取るよう注意喚起した。

 厚労省によると、男性は8月28日から9月4日まで米カリフォルニア州ロサンゼルスに滞在。帰国直後から発熱や頭痛を訴え、その後発疹(ほっしん)も出て、7日に近くの医療機関に行き、さらに10日に川崎市立川崎病院を受診した。

 男性が、数多く患者が出ている同州を訪れたことや「何回か蚊に刺された」と話したこと、潜伏期間などから西ナイル熱感染の疑いが浮上。国立感染症研究所で血液を検査した結果、感染した場合にできる抗体が確認され、確定診断された。

 厚労省によると、西ナイル熱の潜伏期間は通常2―6日間。一般的に約80%は症状が出ないが、39度以上の突然の発熱で発症し、頭痛や発疹などがみられ、重症化するのは高齢者を中心に1%程度だが、高熱や脳炎で死亡することがある。(共同)

西ナイル熱、全米で増加 南部被災地への影響懸念

2005/09/09 The Sankei Shimbun

 蚊が媒介する感染症で、高齢者らには死亡の危険もある西ナイル熱の患者が、全米で先週から1週間で132人新たに発生、流行が拡大していることが、米疾病対策センター(CDC)の集計で9日明らかになった。超大型ハリケーン「カトリーナ」被災地への影響が懸念される。

 被災地の最新の状況が、この数字にどの程度反映されているかは不明だが、ルイジアナ州ニューオーリンズをはじめ被災地では、水がよどみ蚊が大量発生しやすい環境にある。患者発生は例年11月ごろまで続くため、被災者への感染予防が急務となる。

 6日時点で全米各州がCDCに報告した今年の患者総計は821人(うち死者18人)。8月30日時点の前回集計から132人(同2人)の増加となった。

 ハリケーン被害が特に深刻なルイジアナ(患者数52人)とミシシッピ(同10人)からは新規報告はなかったが、被災により把握が進んでいない可能性が考えられる。他の被災地ではアラバマが1人、フロリダが2人の新規患者を報告。被災者多数が避難しているテキサスでも新たに4人の患者が出た。(共同)

西ナイル熱、シベリアで患者確認 渡り鳥の感染状況調査へ

2005/03/05 The Sankei Shimbun

 鳥から蚊、人間へと感染する西ナイル熱の患者が昨年、シベリア西部のノボシビルスクや周辺で初めて3人確認されたことが3日分かった。西ナイル熱は日本にはまだ侵入していないとみられるが、シベリアからは長距離の感染拡大に重要な役割を果たすとされる渡り鳥が、日本全国に多数飛来している。

 このため国立感染症研究所(東京)は事態を重視。国内の大規模な飛来地を中心に、渡り鳥の感染状況の調査に乗り出すことを決めた。

 患者の検査結果をまとめたロシア・ウイルス生物工学研究所のワレリー・ロクチェフ博士によると、3人は昨年5−8月にかけ高熱や脳炎を発症。血液などから、原因となる西ナイルウイルスや抗体が確認された。

 シベリア西部は冬季は氷点下約50度にまで冷え込むが、夏季は気温が約40度に上がり、ウイルスを媒介する蚊の活動も活発。ノボシビルスクでは2002年夏に、カラスやマガモからウイルスが検出されていた。シベリアには渡り鳥がウイルスを持ち込んだとみられるという。

 専門家の話では、人口密度が低いシベリアでの患者発生は、ウイルスが既にかなり拡大している可能性を示しており、早急な監視強化が必要。感染研は渡り鳥の採血調査や、鳥に寄生していたダニ、周辺の蚊などの調査を検討している。

 日本にはシベリアで営巣するツルやカモ、シギ・チドリ類など多くの種類の渡り鳥が飛来。シベリア東部からの鳥が多いが、一部のカモなどは西部からも飛来している。

 <西ナイル熱> 感染は鳥と蚊の間で広がり、原因ウイルスを持った蚊に刺されると人も感染する。感染者の約80%は無症状で重症化するのは1%以下とされるが、重症になると高熱や脳炎を起こし、死亡することもある。主にアフリカや中東の風土病と考えられてきたが、1990年代後半に欧州やロシアで流行。99年には米国で初めて患者が発生し3年ほどで全土に拡大、2003年には1万人近くが発病し、うち264人が死亡した。(共同)


西ナイル熱の予防ワクチンを開発、秋にも臨床試験

2004/08/27 読売新聞 Yomiuri On-Line
 米国で毎年夏に流行し、日本への上陸が懸念される西ナイル熱の予防ワクチンを、長崎大熱帯医学研究所などの研究グループが開発、今秋にも臨床試験を始める。

 開発したのは、1999年に米ニューヨーク市で流行した西ナイル熱のウイルスを培養細胞で増やし、感染力をなくすように処理した不活化ワクチン。数十匹のマウスを使った感染実験では、ワクチンが未接種だとすべて死亡したが、接種するとすべて感染を免れた。犬などの大動物を使った安全評価実験でも、副作用はみられていないという。

 熱帯研の森田公一教授は「数年内には実用化に結びつけたい」と話している。

西ナイル熱の感染ない 米から帰国の女性

2004/08/09 The Sankei Shimbun
 米国から帰国し、西ナイル熱感染の疑いが出ていた沖縄県の女性(42)について厚生労働省は9日午後、感染していない可能性が高いと発表した。

 国立感染症研究所(東京都)で、女性の血液や脳脊髄(せきずい)液の遺伝子検査や抗体検査を行った結果、病原体である西ナイルウイルスに感染した証拠は確認できなかった。同時に実施した日本脳炎の検査も陰性だったという。

 ただ確定診断には、症状が回復した女性からあらためて血液を提供してもらって検査する必要があり、同省は沖縄県を通じて協力を求めている。

米国製ペースメーカー回収

2004/08/08 The Sankei Shimbun
 米国製植え込み型の心臓ペースメーカーに不具合が見つかり、重大な健康被害の恐れがあるとし、輸入販売会社「日本メドトロニック」(川崎市)は8日、自主回収を始めたと発表した。

 対象は、米メドトロニック社製「Sigma」シリーズの515台で、リード線の一部に接続不良があった。今のところ、健康被害の発生は報告されていない。

 2000年9月から国内計220の医療機関に出荷されたという。

沖縄で西ナイル熱感染の疑い例 米から帰国の女性

2004/08/06 The Sankei Shimbun
 米国旅行から帰国した沖縄県の女性(42)が発熱や頭痛などの症状を訴えて帰国直後に入院し、検査の結果、米国やカナダで流行している西ナイルウイルスか、日本脳炎に感染している疑いのあることが6日、分かった。

 西ナイル熱の日本上陸が確認されれば初めて。女性の検体は国立感染症研究所(東京)に送られ、6日から詳しい検査が行われる。結果判明は9日以降になる見通し。

 女性は既に退院し、症状は軽くなっている。同行した夫や息子は症状は出ていない。西ナイル熱は感染した鳥の血を吸った蚊などがウイルスを媒介するとされ、人から人へは感染しない。

 厚労省結核感染症課によると、女性は夫や息子と一緒に6月17日からカリフォルニア、アリゾナ、ワシントンDC、ニューヨーク、ボストン、ペンシルベニアを旅行し、7月31日に帰国。

 帰りの飛行機内で発熱、頭痛、嘔吐(おうと)、眠気の症状を訴え、帰国直後に沖縄県内の病院に入院した。

 県が3日に血液や脳脊髄(せきずい)液から検体を採取、5日にウイルス遺伝子検査法(PCR法)で調べた結果、西ナイル熱か日本脳炎が疑われる遺伝子を検出した。

 西ナイル熱は1999年に米国ニューヨーク周辺で感染が報告され、西海岸に感染が広がり、日本上陸が懸念されている。通常は1週間以内で回復するが、抵抗力が弱いお年寄りなどは死亡することもある。

西ナイル熱、次は日本? 往来多い米西海岸で流行の兆し

2004/07/25 asahi.com
 米国で02、03年と続けて200人以上の死者を出した西ナイル熱が、この夏は米西海岸で大流行の兆しを見せている。日本との直行便も多く、厚生労働省などでは警戒を強めている。「ウイルスが侵入してくれば封じ込めは難しい」と専門家が語る一方、流行予防策の柱となる蚊やボウフラの駆除については、ほとんどの自治体で準備ができていない状態だ。

 この4月、鳥取県のある病院に脳炎患者が入院した。西ナイル熱の流行地域近くからの留学生。病院側は西ナイル熱を疑い、保健所に届け出た。保健所は万が一に備え、病院周辺の蚊を駆除する準備を始めた。国立感染症研究所で陰性の検査結果が出るまで、関係者は緊張に包まれた――。

 西ナイル熱は、いつ日本に上陸してきてもおかしくない。

 もともとアフリカや中東の風土病だが、99年、米ニューヨークに患者が突如発生。62人の患者が確認され、7人が死亡。

 ニューヨーク市を中心にした大規模な蚊の駆除で00年の患者は21人に減り、封じ込めたかに見えた。だが、02年以降、西に向かって感染拡大を続けている。

 今年はカリフォルニア州とアリゾナ州でこの1カ月に約150人の患者が出て、少なくとも3人が死亡するなど、ついに西海岸で患者が多発。さらに増える見通しだ。

 日本への侵入経路としては(1)ウイルスを持った蚊が航空機や船で運ばれる(2)ウイルスを持った鳥の輸入、飛来(3)現地で感染した人がウイルスを持ち込む、が考えられる。

 西ナイル熱は人から人には感染せず、(3)の場合にウイルスが広まる可能性は低い。新型肺炎SARSのように患者を隔離する必要も生じない。

 蚊や鳥が持ち込む(1)と(2)のケースは、厄介だ。感染研ウイルス1部の高崎智彦室長は「侵入後の封じ込めは難しい。ワクチンがない以上、蚊を減らしたり蚊に刺されない努力をしたりして感染者を減らす以外にない」と語る。

 厚労省は、成田や関西など19カ所の空港検疫所と、東京や福岡など40カ所の港湾検疫所で定期的に蚊を採取、ウイルスの有無を監視する。また都道府県と連携、全国110カ所の公園でカラスが異常な死に方をしていた場合には、死体を分析する態勢を取っている。

<蚊の駆除、進まない対策>

 国内には、蚊が媒介する日本脳炎がある。現在でも年間10人程度の患者が出ている。しかし、感染研昆虫医科学部の小林睦生部長は「西ナイル熱とは大きな違いがある」と指摘する。

 日本脳炎ウイルスは豚と蚊の間を行き来する。豚は都会や住宅地にはおらず、主に水田で繁殖する一部の蚊しか媒介しないので、都市部での感染は少ない。しかも、小さいころに予防ワクチンを接種した人が多いので、かかりにくいという。

 「けれども、西ナイル熱は、都会や住宅地でも感染のサイクルが成立する」と小林さん。

 米国では感染予防のために、▽外出時には虫よけのスプレーをする▽バケツや空き缶、植木鉢などボウフラが育つ水たまりを周囲からなくす、などの自衛策を住民に周知する一方、行政が駆除に乗り出している。

 厚労省は昨年、西ナイル熱の予防で都道府県知事が認めたときは蚊を駆除できるように法律を改正した。小林さんは「蚊や死んだ鳥からウイルスが見つかれば、その時点でウイルスは広まっていると考えるべきだ。隣接都道府県も含め広く蚊やボウフラを駆除することが望ましい」という。

 厚労省は昨年、蚊の駆除方法を記したガイドラインを都道府県や政令指定都市に配布、蚊の生息場所を把握しておくよう求めた。だが、朝日新聞社が各自治体に問い合わせたところ、蚊の駆除を想定した準備を進めているのは横浜市や富山県などごく一部に限られた。

 横浜市は3月、独自の対応指針を作った。「国内でウイルスが見つかった場合」「市内でウイルスが発見された場合」など4段階に分け、市内でウイルスが見つかったときは周囲1〜2キロで、道路の側溝などボウフラが育つ所に薬剤を投入するなどとしている。

 富山県では、県衛生研究所が昨年から県内の保健所と連携し、十数カ所で蚊やボウフラの生態調査をしている。「蚊を有効に駆除するには、発生源やいつごろ多くなるのかを把握しておく必要がある」と担当者。

 だが、多くの自治体が「今のところ考えていない」などの答え。「薬剤使用に抵抗感のある住民もおり、駆除は難しい」と漏らす担当者もいた。

 厚労省結核感染症課は「意味のない場所で薬剤をまくなど過剰対応も考えられる。パニックが起きないよう準備を進めて欲しい」と話している。

<シベリアで野鳥感染か>

 中東方面から米国経由の西回りでの感染拡大に警戒が高まる中、6月下旬、インターネットの感染症専門メーリングリストで流れた情報が注目されている。ロシアの研究機関がシベリア・ウラジオストク近郊で回収した野鳥の死体から、西ナイル熱のウイルスが見つかったというのだ。

 99〜03年に死んで凍っていたと見られる約220羽のハゲワシの死体の一つから、ウイルスの遺伝子が見つかった。遺伝子配列は、99年にロシア・カスピ海周辺で見つかったウイルスと似通っていたという。

 カスピ海周辺では同年に西ナイル熱が流行、480人が発症し、40人が死亡している。国内の研究者らは「情報が確かならシベリアからの渡り鳥でウイルスが日本に持ち込まれる可能性も否定できない」と話している。

 〈西ナイル熱〉 ウイルスを持った蚊に刺されて感染するが、8割の人は無症状で終わる。発症した場合、3〜15日の潜伏期間の後、発熱や頭痛、筋肉痛、吐き気などの症状が出る。ほとんどが自然に治るが、米疾病対策センター(CDC)によると、感染者150人に1人の割合で脳炎や髄膜炎を起こして重症化する。重症患者の死亡率は約10%。治療薬やワクチンはまだ実用化されていない。

西ナイル熱のワクチン開発 米研究所が発表

2003年08月19日 The Sankei Shimbun
 米国立アレルギー感染症研究所は18日、北アフリカの風土病、西ナイル熱の治療に有望なワクチンを開発した、と発表した。動物実験で有効な成績を上げたとしている。

 ワクチンは、デング熱を起こすウイルスに西ナイル熱のウイルスの成分を掛け合わせて合成。12匹のサルを使った実験では、12匹とも抗体が体内にでき、西ナイル熱に感染しなかった。人に対する臨床実験は年内に開始する予定。(共同)

米国で西ナイル熱が猛威 4人死亡、最悪の流行にも

2003年08月08日 The Sankei Shimbun
 米疾病対策センター(CDC)は7日、記者会見し、北アフリカの風土病、西ナイル熱の米国内の感染者が急増、今後、さらに大流行が予想されると警告した。

 CDCによると、今年に入り確認された感染者は7日現在、コロラド、テキサス、ルイジアナなど16州の164人。コロラド、アラバマ、テキサスの3州で4人が死亡している。感染者はこの1週間で急激に増え、4州約110人だった昨年の同時期を大きく上回った。

 CDCのガーバーディン所長は「最初に患者が確認された1999年以来、最も多かった昨年以上の最悪の流行となる可能性がある」と指摘した。

 西ナイル熱は、ウイルス感染によって起こる北アフリカの風土病。症状が出ないケースもあるが、発熱や頭痛などを起こし、ひどい場合は脳炎で死亡することもある。

 米国では昨年、4000人以上が感染、284人が死亡した。(共同)

西ナイル熱上陸阻止へ、ペット鳥類21日から輸入検疫

2003/04/20 読売新聞Yomiuri On-Line
 感染症の病原体を持ち込む危険が指摘されながら輸入に際し規制がなかったペット用鳥類について、厚生労働省などは21日から輸入検疫を実施する。鳥と蚊がウイルスを広げ、米国で被害が拡大した西ナイル熱の上陸阻止が緊急の課題として浮上してきたためだ。

 各国から1年間に輸入される30万羽以上のうち、西ナイル熱患者が過去に報告された102か国・地域からの年間8万羽余りが対象となるなど、これまで前例のない大規模な動物検疫で、欧米に比べ、立ち遅れが指摘されてきた日本の動物由来感染症対策の転換点になりそうだ。

 重い脳炎などが起きる西ナイル熱は、原因ウイルスを持った鳥を蚊が刺し、その蚊が他の鳥や人間を刺すことで感染が広がる。米国では昨年284人の死者が出た。ただ、鳥がウイルスを持つ期間は最長でも2週間程度とされる。

 このため、厚労省と農水省では、オウムやインコ、文鳥、フクロウなどペット用の鳥類を患者発生国から輸入する際、輸出国側が発行する「衛生証明書」を輸入業者に求める。証明書は輸出前2週間、蚊が侵入できない屋内施設などで飼育されたことを示す。

 証明書がない場合は、業者が輸入後2週間、国内で同様の条件で飼育し、異状が起きないかどうかを十分に観察する。輸入数の多い動物の検疫では、病原体検査などの実施は難しく、一定期間、観察するのが一般的な手法。一連の措置に法的拘束力はないが、業界は協力・順守を約束した。

 日本では、サル(年間輸入数6900匹)、犬(同5500匹)など一部のペットで検疫が行われている。欧米が輸入を厳しく規制する鳥類とネズミ類(同114万匹)は、来年、感染症法を改正して規制する方針だった。具体的には感染源動物の危険性を細かく分析し、危険度に応じて輸入禁止などを実施。動物輸入業者による感染症対策を義務化する。しかし、西ナイル熱は今夏にも上陸の恐れがあり、業界に協力を要請、前倒しで検疫に踏み切った。

 厚労省では検疫のほか、〈1〉日本に到着する航空機の客室や貨物室などに、長時間効果が続く殺虫剤を散布し、蚊を駆除する〈2〉西ナイル熱侵入の指標となるカラスの死亡数の変化を、都市部の公園100か所以上で調査する――などの対策を実施し、西ナイル熱の人的被害を未然に防ぎたい考えだ。

 国立感染症研究所の小林睦生・昆虫医科学部長は、「人口密度の高い日本に西ナイル熱が上陸すると、米国以上の被害が出る可能性がある。輸入鳥の早期の検疫実施の意義は大きく、次は蚊の対策を急がなければならない」と話している。

西ナイルウイルス防げ、帰国後3週間内の献血禁止へ

2002年11月05日 Yomiuri On-Line
 厚生労働省は5日、海外で西ナイルウイルスなどに感染して帰国した人から採血した血液によって、感染症が流行することを水際で防止するため、帰国後3週間の献血を禁止することを決めた。海外旅行者を含む年間1600万人の帰国者全員の献血を禁止するのは、諸外国と比較しても厳しい措置。同省では今後、輸血用血液の確保に支障が生じないような総合的な対策を取りまとめたうえで実施時期を決める。

 日本赤十字社は9月、西ナイル熱対策として、帰国後1か月以内に発熱や下痢があった場合、献血を受け付けないように問診を強化した。しかし、感染者の8割はこうした自覚症状が現れないとされることから、より徹底した献血制限を求める声が出ていた。

 同日の薬事・食品衛生審議会血液事業部会(部会長=溝口秀昭・東京女子医大医学部長)では、エボラ出血熱やデング熱、ラッサ熱など他の急性感染症の病原体が持ち込まれる可能性も考慮。感染から発症までの潜伏期が長くても3週間程度であるというデータに基づき、献血を制限する期間を設定した。

 今回の措置とは別に、変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の感染防止策として、英仏など欧州10か国に通算半年以上滞在した経験のある人は既に献血の対象から外されている。

 ◆西ナイルウイルス=ウイルスを持った蚊に刺されると、2―14日の潜伏期の後、高熱や頭痛などを発症する。150人に1人の割合で重症化し、脳炎などを起こす。1999年に最初の患者が報告された米国では被害が急速に拡大し、今年の患者数は3495人(うち死者204人)に上る。臓器移植や輸血による感染例も確認された。

西ナイル熱対策強化へ講習会

2002年10月28日 The Sankei Shimbun
 米国で感染が広がり、日本への上陸が懸念されているウエストナイル熱(西ナイル熱)への対策を強化するため、厚生労働省は28日、全国の地方衛生研究所の担当者らを集め、東京・新宿の国立感染症研究所で検査法や診断方法の講習会を開いた。

 講習には、都道府県や政令指定都市などの衛生研究所の職員ら約100人が参加。西ナイル熱について、米国での現状や臨床症状について講義を受けた後、ウイルスに感染した検体からのウイルスの分離や、ウイルス遺伝子の検出方法、血清・病原体の診断方法などの説明を受けた。

 西ナイル熱はウイルスを持った蚊に刺されることで感染。人だけでなく、カラスなど動物も感染するが、日本ではまだ確認されていない。

 厚労省は11月から西ナイル熱を新たに感染症予防法の4類感染症に指定。医師らに報告を義務付けることを決めたほか、水際でのウイルス侵入を防ぐため、空港での調査を引き続き強化するとしている。

米で牙むく西ナイル熱 治療法なく死者150人以上

2002/10/25 asahi.com
 米国で西ナイル熱が猛威をふるっている。「バイオテロじゃないのか」と連邦議員が過剰反応するほどだ。原因となるウイルスを蚊が媒介するため、流行地域の住民は庭でのバーベキューを控え、外出時は虫よけスプレーを吹き付ける。アフリカの風土病が上陸して3年。牙をむいた病気は、一筋縄ではいかない不気味な素顔を見せつつある。米疾病対策センター(CDC)によると21日現在、陽性者は3231人、死者176人。(ワシントン=村山知博)

 ◆発症 「不運なクジ」 働き盛りに突然ポリオ類似症状も

 「一般的な症状とほぼ同時に、この症状も出ます。だれが不運なクジを引くのかは、出てからでないと分かりません」

 CDCのジェームズ・セブジャー博士が当惑ぎみに言う「この症状」とはポリオ(脊髄(せきずい)性小児まひ)のような症状のことだ。

 頭痛や発熱といった典型的な初期症状とともに手足がまひ。寝たままになったり、人工呼吸器がないと息ができなくなったりする人もいる。

 セブジャー博士は「治療法はありません。感染を防ぐ以外に、予防法がないのです」と話す。

 普通の西ナイル熱で重症になるのは、たいてい高齢者や体力の落ちた人だ。しかし、ポリオ類似症状を示す患者は働き盛りが目立つうえ、発病前は健康だった人がほとんどという。

 「ポリオウイルスと同じように、西ナイルウイルスも脊髄の神経細胞を壊すようです」とセブジャー博士はみている。

  ◆議員 「国家の重大脅威だ」 母乳や輸血も感染ルートの疑い

 感染ルートでも意外な問題が――。

 「このままでは、輸血をためらう医師も出てくるでしょう。自分の血液を使いたいと望む患者も増えるかもしれません」

 こう話すのは、バンダービルト大のウィリアム・シャフナー医師だ。シャフナー医師は、輸血による感染も決して見逃せないと考えている。

 「輸血直後に発病した人が何人か確認されましたし、血液中からウイルスの遺伝子も検出されました。これで証拠は十分でしょう」

 全米で年間450万人が輸血か、血液製剤の点滴を受ける。米食品医薬品局(FDA)生物製剤評価研究所のジェシー・グッドマン副所長は先月24日、連邦議会上院の委員会でこう証言した。

 「提供血液のスクリーニングを始めなければならないほど、危険な状況にあるのは確かです。来年の夏までには検査体制を整えたい」

 母乳を介した感染も疑われている。

 99年に米国で初めて西ナイル熱が確認されて以来、1歳未満の乳児の患者はいなかった。ところが、今年は少なくとも4人が確認された。

 「赤ん坊は室内ですごす時間が長いので蚊に刺される危険があまりありません。しかも、4人の乳児の母親はみんな感染者。母乳で感染した可能性が強い」とCDCのライル・ピーターセン博士は言う。

 実際、感染者の母乳からウイルス遺伝子が見つかっている。

 米国民は血液や母乳を介した感染を冷静に受け止めている。

 だが、流行地域の南部諸州の議員たちは口をそろえる。

 「西ナイル熱は限られた地域の問題ではなく、国家に対する重大な脅威だ。いま何とかしておかないと、国の公衆衛生行政は破綻(はたん)する」

     ◇

 遺伝子変異発見、治療薬開発に光

 西ナイルウイルスの感染にかかわる遺伝子変異がマウスで見つかった、と米科学アカデミー紀要(8月)に報告された。仏パスツール研究所のゲネ教授と真下知士研究員らの研究で、治療薬やワクチン開発につながると期待されている。

 ウイルスに感染しても重症になる場合と、そうでない場合がある。真下研究員らは、マウスを使って実験。ある酵素の遺伝子の一部が欠けている実験用マウスは感染しやすかったのに対し、遺伝子の欠損のない野生マウスはウイルスにかかりにくかった。

     ◇

 日本も厳戒態勢へ

 厚生労働省など5省庁は「いつ上陸してもおかしくない」と対策会議を設置した。

 厚労省は西ナイルウイルスを感染症予防法の指定感染症にして監視を強める方針だ。診断・治療指針を急きょ作って医師会員に配布。旅行者にも注意を呼びかける。

 日赤も帰国して発熱などの症状が出た人からは献血を受けない措置をとり始めた。

 厚労省研究班はカラスの検査を始めた。ウイルスは野鳥の体内で増える。ニューヨークではカラスやスズメが大量死。野鳥の数十%でウイルス抗体が陽性との報告もある。日本に入ったならまずカラスで検出される可能性が高い。

 米国で昨年、多数のウマが感染したこともあり、農水省はニワトリやウマの輸入検疫を強化。輸出元の牧場の半径50キロ以内で過去60日間に発生がないか確認を求める。

 旧厚生省研究班長として診断・治療指針案を作成した五十嵐章・長崎大名誉教授(ウイルス学)は「ニワトリより感染しやすいペット用野鳥が無検疫で大量に輸入されており、検疫の見直しが必要だ。カラスなどの大量死が見つかれば、通報してもらう体制も不可欠」と指摘する。

西ナイル熱 対処指針を配布

(2002年10月4日)Yomiuri On-Line
 ◆厚労省、近く医療機関に

 米国で130人を超える死者を出している「西ナイルウイルス」の国内侵入に備え、厚生労働省は今月中に診断・治療ガイドラインを作成、全国の医療機関などに配布することを決めた。4日午後開かれる関係省庁の連絡会議で報告する。同省では、ガイドラインや検査体制を整えた上で、感染症法に新たに西ナイル熱に関する規定を設け、国への報告を医師に義務付けるよう検討を始める。

 ガイドラインでは西ナイル熱の症状として、脳炎以外に39度前後の高熱、全身の筋肉痛などを例示。麻しん(はしか)や風しんなど臨床症状が似た他の病気の可能性が薄い場合や、米国からの帰国直後である場合に西ナイル熱を疑うことを盛り込む見込み。

脳炎など引き起こす西ナイルウイルス、米で大流行

2002年09月23日 Yomiuri On-Line
 蚊が媒介して脳炎などを引き起こす「西ナイルウイルス」が米国で大流行し、死者が出ていることを受け、厚生労働省は23日から担当職員を米国に緊急派遣し、情報収集することを決めた。

 「西ナイルウイルス」は鳥の体内で増殖し、蚊の媒介で人間にも感染する。大半の人は感染しても発病しないが、高齢者や体力の弱った人が発病すると脳炎を引き起こし、死亡することもあり得る。米国内では今年、1745人が発病し、このうち84人が死亡している。日本国内では確認されていない。

 米疾病対策センター(CDC)は今月19日、「輸血や臓器移植でも感染することが確認された」と発表しており、厚労省では、献血血液の安全確保のためにも、職員の緊急派遣が必要と判断した。

 現地では、CDCや米食品医薬品局(FDA)などを訪れ、輸血用血液のウイルス検査方法、流行しているウイルスの型や臨床症状、予防対策などについて情報収集する。

 同省では現在、渡米する人に、虫よけ薬の使用や、長そで長ズボンの着用を呼び掛けるチラシを空港で配布。ウイルスを持った蚊が航空機で運ばれてこないか監視するため、検疫所での検査も実施している。

米20州に急拡大、16人死亡 西ナイルウイルス

2002年08月22日 The Sankei Shimbun
 脳炎を引き起こし死亡することもあるアフリカ北部の風土病の病原体、西ナイルウイルスの感染者が25日までに米国の半数近い20州とコロンビア特別区(ワシントン)で確認され、米疾病対策センター(CDC)と各州当局は爆発的な感染への警戒を呼び掛けている。

 CDCに感染が確認されたと報告された人数は、8月6日にはルイジアナ州など3州で88人(うち4人死亡)にとどまっていたが、先週末の23日現在、370人を突破、死者は16人に達している。ニューヨーク・タイムズ紙によると、発症者が1000人、死者100人を超えると予測する専門家もいる。

 西ナイルウイルスは蚊が媒介。発症すると発熱や頭痛など風邪に似た症状を起こす。ワクチンはまだ開発されていない。

 連邦衛生当局と州政府は、外出時に長袖、長ズボンの着用を勧め、蚊の駆除に全力を挙げている。

 感染しても重症の発症率は1%以下で高齢者や幼児以外は危険性が低いとされていたが、今年に入ってからの発症者の平均年齢は50代で、ウイルスの力が強まっている可能性があるという。(共同)

米国における西ナイルウイルス感染症の最新情報

2002年5月15日軽防協ニュース速報 号外

米国における西ナイルウイルス感染症の最新情報

2001年8月15日 軽防協ニュース速報 号外
 以下の情報は、8月7日現在のものである。北フロリダにおいて、ヒト2例およびウマ17例の西ナイルウイルス感染症の発生が報告されている。また、西ナイルウイルスはコロンビア自治区、コネチカット、フロリダ、ジョージア、メリーランド、マサチューセッツ、ニュージャージー、ニューヨーク、オハイオ、ペンシルバニア、ロードアイランドおよびジョージアなどの諸州において、トリの死骸(11州)および蚊(5州)から分離されている。

 2001年8月1日にUSDA(米国農務省)が、西ナイルウイルス感染症不活化ワクチン(Fort Dodge Animal社製)に対する条件付の認可を与えた。本ワクチンに関する詳細な情報は、8月下旬に開催される国際生産者会議(International Breeders Meeting)において、発表される予定である。

NYで流行「西ナイル脳炎」成田で水際阻止作戦/厚生省 希望者に血清検査

2000.10.01 The Sankei Shimbun
 高熱や発疹(ほっしん)などの症状が表れ、死亡する場合もある「西ナイル脳炎」がニューヨークで流行していることから厚生省は、成田空港の検疫所で、希望者に血清検査を実施する対策に乗り出した。いまのところ、日本国内で患者の発生は報告されていないが、カナダのビジネスマンがNYから帰国後に発病、死亡したケースもあるだけに、専門家は「日本でも同じようなことが起きる可能性がある」と警戒を呼びかけている。旅行会社もツアー客に情報提供を始めた。(安東義隆)

 成田空港検疫所では九月七日から、NYなどアメリカ東海岸から帰国した旅行者に向け、希望者に対し西ナイル脳炎感染の検診を実施していることを知らせるポスターを入国ブースに張った。

 検診は空港検疫所の健康相談室で、専門医が問診のうえ、感染の疑いがあれば、血液を採取し、国立感染症研究所(東京都新宿区)で血清検査を行う。検査結果は十日前後で判明し、感染が確認されれば、感染症科のある病院を紹介する。検査はNYでの流行終息が確認されるまで続けられる。

 七月末には、出国ゲートにアメリカ東海岸へ向かう旅行者に注意を呼びかけるポスターを掲示した。

 JTBでも、「安心で快適な旅行をしていただくため、きちんと情報提供したい」(広報室)と、全支店に対し西ナイル脳炎の流行と厚生省の検診について通知するとともに、添乗員らを通じて旅行客に注意を呼びかけている。

 CDC(米国疾病管理センター)によると、NYでは昨夏、六十人以上が西ナイル脳炎で入院、七人が死亡した。今年も九月十五日現在、NY・ブルックリンやニュージャージー州ジャージー市などで患者十二人が入院した。セントラルパークの上空からヘリコプターで殺虫剤を散布、ウイルスを媒介する蚊を殺すという映画で見るような大掛かりな対策が取られた。

 NYで突然流行した原因は不明だが、「流行地域から蚊が航空機に乗ってやってきたのでは」という説が有力視されている。

 西ナイル脳炎は、西ナイルウイルスに感染した鳥の血液を吸った蚊が人を刺すことによって感染する。感染すると一−二週間くらいで高熱や発疹などの症状が出る。有効な治療法はなく、熱を下げるなど対症療法しかないのが現状だ。

 西ナイル脳炎のウイルスは一九三七年にアフリカ・ウガンダで発見された。過去、エジプト、東ヨーロッパ、イスラエルなどで流行が確認されている。

 日本脳炎ウイルスと同じフラビウイルスに属し、その症状もよく似ているため、識別が難しい。一般の血清検査では誤診する可能性がある。

 日本で西ナイル脳炎ウイルスを検査できる施設は国立感染症研究所と長崎大学熱帯医学研究所の二施設に限られている。

 長崎大の森田公一講師は「昨年、NYで流行したときは、カナダのビジネスマンが帰国後に発病し、死亡したケースがあった。日本でも同じようなことが起きる可能性は否定できず、十分な警戒が必要だ」と話している。

西ナイルウイルス感染症に関する情報

2000年9月7日 軽防協ニュース速報 号外
 昨年、米国北東部で確認された西ナイルウイルス感染症が、本年も発生している。

 米国ではこのウイルスに対する集中的な監視により、夏期のウイルス分布に関する相当量の情報が蓄積されている。9月1日現在、本年は北東部の6州(ニューヨーク、ニュージャージー、コネチカット、マサチューセッツ、ロードアイランドおよびニューハンプシャー)においてウイルスの存在が報告されている。ウイルスは鳥の死骸および蚊から最も頻繁に分離されており、8月はヒト9例、ウマ2例の感染が報告された。ヒト8例はニューヨーク市、1例はニュージャージー州である。一方、ウマにおいてはニューヨーク州スタテンアイランドの26歳の去勢馬が、本年の第1例目として診断された。本例は8月17日に脳炎症状を発症して起立不能に陥り、8月20日に安楽死処置された。2例目はマサチューセッツ州ベットフォードで発生し、8月29日に安楽死処置された。

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